(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-07
(54)【発明の名称】疾病耐性に関する機能検査のための植物疾病耐性遺伝子のライブラリーを調製する方法
(51)【国際特許分類】
C40B 40/08 20060101AFI20240425BHJP
C12N 15/29 20060101ALI20240425BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240425BHJP
C12Q 1/6869 20180101ALI20240425BHJP
A01H 5/00 20180101ALI20240425BHJP
A01H 5/10 20180101ALI20240425BHJP
A01H 6/46 20180101ALN20240425BHJP
【FI】
C40B40/08
C12N15/29 ZNA
C12N15/63 Z
C12Q1/6869 Z
A01H5/00 A
A01H5/10
A01H6/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570377
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022028686
(87)【国際公開番号】W WO2022240931
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523429494
【氏名又は名称】トゥー・ブレーズ・ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】TWO BLADES FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】モスコウ,マシュー・ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ファン・エッセ,ヘンドリクス・ピーター
【テーマコード(参考)】
2B030
4B063
【Fターム(参考)】
2B030AA02
2B030AD05
2B030CA14
2B030CA17
2B030CB02
4B063QA01
4B063QQ04
4B063QQ42
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4B063QR08
4B063QR62
4B063QX02
(57)【要約】
対象とする植物病原体に対する候補植物疾病耐性(R)遺伝子のライブラリーを調製する方法が提供される。上記方法は、候補R遺伝子のライブラリーを作成ために、対象とする1つまたは複数の植物それぞれから、高度に発現されるヌクレオチド結合性ロイシンリッチな反復遺伝子(NLR)の亜集団を、前記1つまたは複数の植物の器官または他の部分において構成的に発現されるNLRの集団の中から選択するステップを含む。さらに、候補R遺伝子のライブラリーおよび同定されたR遺伝子を含む組成物を使用して、対象とする植物病原体に対するR遺伝子を同定する関連方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象とする少なくとも1つの植物病原体に対する候補植物疾病耐性(R)遺伝子のライブラリーを調製する方法であって、
候補R遺伝子のライブラリーを作成するために、対象とする1つまたは複数の植物それぞれから、高度に発現されるヌクレオチド結合性ロイシンリッチな反復遺伝子(NLR)の亜集団を、前記1つまたは複数の植物の器官または他の部分において構成的に発現されるNLRの集団の中から選択するステップを含み、
高度に発現されるNLRが、前記構成的に発現されるNLRの少なくとも65%の前記植物の前記器官または他の部分における相対発現レベルを超える前記植物の前記器官または他の部分における相対発現レベルを含む、方法。
【請求項2】
構成的に発現されるNLRの前記集団における前記NLRの1つまたは複数が、対象とする少なくとも1つの特徴をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
高度に発現されるNLRの亜集団を選択するステップが、対象とする少なくとも1つの特徴を含むNLRを選択するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
対象とする前記少なくとも1つの特徴が、
(a)NLRによってコードされるアミノ酸配列における種内変異の存在、
(b)NLRによってコードされるアミノ酸配列における種内変異の非存在、
(c)NLRによってコードされるアミノ酸配列における種間変異の存在、
(d)NLRによってコードされるアミノ酸配列における種間変異の非存在、および
(e)NLRによってコードされるアミノ酸配列における実質的な種内対立遺伝子変異
からなる群から選択される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記NLRの前記発現レベルが、遺伝子の前記相対発現レベルを決定するのに使用されることが可能なトランスクリプトームプロファイリング法を使用して決定される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記トランスクリプトームプロファイリング法が、RNAシーケンシング(RNAseq)である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
高度に発現されるNLRの前記亜集団を選択する前に、前記植物の前記器官または前記他の部分からRNAを単離するステップをさらに含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
対象とする前記植物(単数または複数)が、対象とする前記植物病原体(複数可)の生育またはライフサイクルの完了を支持しない、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記器官が、葉、根、および茎からなる群から選択される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
宿主植物を、候補R遺伝子の前記ライブラリー由来の候補NLRで形質転換するステップをさらに含み、前記宿主植物が、対象とする少なくとも1つの病原体にとって宿主である、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記宿主植物が、コムギ、オオムギ、コメ、ライムギ、トウモロコシ、ソルガム、オーツムギ、ダイズ、ジャガイモ、トマト、サツマイモ、ワタ、サトウキビ、およびキャッサバからなる群から選択される、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
対象とする前記植物が、前記宿主植物と同じ種である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
対象とする前記植物が、前記宿主植物と同じ種ではない、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
対象とする前記植物が、前記宿主植物と同じ科、亜科、連、および/または属である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記器官が葉である、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
対象とする前記植物病原体が、コムギの葉面病原体である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
対象とする前記植物病原体が、プッチニア属(Puccinia)およびマグナポルテ属(Magnaporthe)のコムギの病原体からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
対象とする前記植物病原体が、プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシ(Puccinia graminis f.sp.tritici)、プッチニア・ストリイフォルミスf.sp.トリチシ(Puccinia striiformis f.sp.tritici)、プッチニア・トリチシナ(Puccinia triticina)、およびマグナポルテ・オリゼ トリチクム(Magnaporthe oryzae Triticum)からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記宿主植物がコムギである、請求項15から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
対象とする前記1つまたは複数の植物が、イネ科(Poaceae)の種である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記イネ科(Poaceae)の種が、アクナテルム属(Achnatherum)、エギロプス属(Aegilops)、カモジグサ属(Agropyron)、カラスムギ属(Avena)、ヤマカモジグサ属(Brachypodium)、ブリザ属(Briza)、キノスルス属(Cynosurus)、エキナリア属(Echinaria)、シラゲガヤ属(Holcus)、オオムギ属(Hordeum)、ミノボロ属(Koeleria)、ドクムギ属(Lolium)、コメガヤ属(Melica)、クサヨシ属(Phalaris)、およびイチゴツナギ属(Poa)の種からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記イネ科(Poaceae)の種が、アクナテルム・ヒメノイデス(Achnatherum hymenoides)、エギロプス・ビコルニス(Aegilops bicornis)、エギロプス・ロンギッシマ(Aegilops longissima)、エギロプス・セアルシイ(Aegilops searsii)、エギロプス・シャロネンシス(Aegilops sharonensis)、アグロピロン・クリスタツム(Agropyron cristatum)、アベナ・アビッシニカ(Avena abyssinica)、ブラキポディウム・ディスタキオン(Brachypodium distachyon)、ブリザ・メディア(Briza media)、キノスルス・クリスタツス(Cynosurus cristatus)、エキナリア・カピタタ(Echinaria capitata)、ホルクス・ラナツス(Holcus lanatus)、ホルデウム・ブルガレ(Hordeum vulgare)、コエレリア・マクランサ(Koeleria macrantha)、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)、メリカ・シリアタ(Melica ciliata)、ファラリス・コエルレスセンス(Phalaris coerulescens)、およびポア・トリビアリス(Poa trivialis)からなる群から選択される、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか1項に記載の方法に従って調製された候補R遺伝子のライブラリー。
【請求項24】
請求項23に記載のライブラリー由来の候補R遺伝子を含むトランスジェニック植物。
【請求項25】
トランスジェニック植物の一群であって、前記トランスジェニック植物それぞれが、請求項23に記載のライブラリー由来の候補R遺伝子で形質転換されている、一群。
【請求項26】
対象とする植物病原体に対する植物疾病耐性(R)遺伝子を同定する方法であって、
(i)宿主植物を、請求項23に記載のライブラリーから選択された候補R遺伝子で形質転換するステップによって、形質転換された植物を生産するステップであって、前記宿主植物が、対象とする前記植物病原体にとって宿主である、生産するステップと、
(ii)疾病の発症に適した環境条件下で、前記形質転換された植物を、対象とする前記植物病原体と接触させるステップと、
(iii)前記形質転換された植物が、前記候補R遺伝子を欠如している対照植物と比較した場合、対象とする前記植物病原体に対する耐性の増強を示すかどうかを決定するステップであって、前記形質転換された植物が、対象とする前記植物病原体によって引き起こされる植物疾病症状に対する耐性の増強を示す場合に前記候補R遺伝子が、対象とする前記植物病原体に対するR遺伝子である、決定するステップ
とを含む方法。
【請求項27】
対象とする植物病原体に対する植物疾病耐性(R)遺伝子を同定する方法であって、
(i)疾病症状の発症に適した環境条件下で、請求項24に記載のトランスジェニック植物または請求項25に記載のトランスジェニック植物の一群を、対象とする前記植物病原体と接触させるステップであって、前記候補R遺伝子を欠如している対照植物が、対象とする前記植物病原体にとって宿主であり、前記植物病原体が、前記宿主植物で植物疾病症状を引き起こすことが可能である、接触させるステップと、
(ii)前記トランスジェニック植物(複数可)に関する疾病症状を評価するステップであって、前記候補R遺伝子を欠如している対照植物と比較した場合、トランスジェニック植物が、対象とする前記植物病原体によって引き起こされる植物疾病に対する耐性の増強を示す場合に、前記トランスジェニック植物が、対象とする前記植物病原体に対するR遺伝子を含む、評価するステップ
とを含む方法。
【請求項28】
請求項26または27に記載の方法によって同定されたR遺伝子を含む耐性植物または植物細胞であって、R遺伝子が、前記植物に、対象とする前記植物病原体によって引き起こされる植物疾病に対する耐性を付与することが可能である、耐性植物または植物細胞。
【請求項29】
前記R遺伝子が、前記耐性植物の種ではない異なる種に由来している、請求項28に記載の耐性植物または植物細胞。
【請求項30】
前記耐性植物または植物細胞のゲノムが、前記R遺伝子を含む異種ポリヌクレオチド構築物を含む、請求項28または29に記載の耐性植物または植物細胞。
【請求項31】
請求項26または27に記載の方法によって同定された単離R遺伝子。
【請求項32】
請求項31に記載のR遺伝子で形質転換された宿主細胞。
【請求項33】
以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸分子:
(a)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、または187に記載されるヌクレオチド配列、
(b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、または188に記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、
(c)前記核酸分子が、植物に、コムギ黒さび病、コムギ黄さび病、コムギ赤さび病、コムギいもち病、およびコムギうどん粉病からなる群から選択される植物疾病に対する耐性を付与することが可能である、(a)に記載される前記ヌクレオチド配列の少なくとも1つに対して少なくとも75%配列同一性を有するヌクレオチド配列、および
(d)前記核酸分子が、植物に、コムギ黒さび病、コムギ黄さび病、コムギ赤さび病、コムギいもち病、およびコムギうどん粉病からなる群から選択される植物疾病に対する耐性を付与することが可能である、(b)に記載される完全長アミノ酸配列の少なくとも1つに対して少なくとも75%アミノ酸配列同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列。
【請求項34】
前記植物がコムギである、請求項33に記載の核酸分子。
【請求項35】
前記核酸分子が、天然に存在しない、請求項33または34に記載の核酸分子。
【請求項36】
請求項33から35のいずれか1項に記載の核酸分子と、作動可能に連結された異種プロモーターとを含む発現カセット。
【請求項37】
請求項33から35のいずれか1項に記載の核酸分子または請求項36に記載の発現カセットを含むベクター。
【請求項38】
請求項33から35のいずれか1項に記載の核酸分子、請求項36に記載の発現カセット、または請求項37に記載のベクターで形質添加された宿主細胞。
【請求項39】
請求項33から35のいずれか1項に記載の核酸分子、請求項36に記載の発現カセット、または請求項37に記載のベクターで形質転換されたコムギ植物、コムギ種子、またはコムギ細胞。
【請求項40】
そのゲノム中に安定に組み込まれた、請求項33の(a)~(d)のヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド構築物を含むトランスジェニック植物または種子。
【請求項41】
植物疾病に対する耐性が増強された植物を生産する方法であって、前記方法が、ポリヌクレオチド構築物を、少なくとも1つの植物細胞に導入するステップを含み、前記ポリヌクレオチド構築物が、請求項33の(a)~(d)のヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、方法。
【請求項42】
前記ポリヌクレオチド構築物が、前記植物細胞のゲノムに安定に組み込まれている、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ポリヌクレオチド構築物が、植物における前記ヌクレオチド配列の発現のために作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
前記植物細胞が、そのゲノム中に前記ポリヌクレオチド構築物を含む植物へと再生される、請求項41から43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
請求項41から44のいずれか1項に記載の方法によって生産された植物。
【請求項46】
前記種子が、前記ポリヌクレオチド構築物を含む、請求項45に記載の植物の種子。
【請求項47】
農作物生産において植物疾病を制限する方法であって、植物を、請求項39、40、および46のいずれか1項に記載の種子を植えるステップと、前記植物の生育および発達に好適な条件下で生育させるステップとを含む方法。
【請求項48】
農業における請求項39、40、45、および46のいずれか1項に記載の植物または種子の使用。
【請求項49】
請求項39、40、45、および46のいずれか1項に記載の植物または種子を使用して生産されたヒトまたは動物の食物。
【請求項50】
以下からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド:
(a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、または188に記載されるアミノ酸配列、
(b)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、または187に記載されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列、および
(d)前記ポリペプチドが、植物に、コムギ黒さび病、コムギ黄さび病、コムギ赤さび病、コムギいもち病、およびコムギうどん粉病からなる群から選択される植物疾病に対する耐性を付与することが可能である、(a)に記載される完全長アミノ酸配列の少なくとも1つに対して少なくとも85%配列同一性を有するアミノ酸配列。
【請求項51】
対象とする少なくとも1つの植物害虫に対する候補植物害虫耐性(R)遺伝子のライブラリーを調製する方法であって、
候補R遺伝子のライブラリーを作成するために、対象とする1つまたは複数の植物それぞれから、高度に発現されるヌクレオチド結合性ロイシンリッチな反復遺伝子(NLR)の亜集団を、前記1つまたは複数の植物の器官または他の部分において構成的に発現されるNLRの集団の中から選択するステップを含み、
高度に発現されるNLRが、前記構成的に発現されるNLRの少なくとも65%の前記植物の前記器官または他の部分における相対発現レベルを超える前記植物の前記器官または他の部分における相対発現レベルを含む、方法。
【請求項52】
請求項51に記載の方法に従って調製された候補R遺伝子のライブラリー。
【請求項53】
請求項52に記載のライブラリー由来の候補R遺伝子を含むトランスジェニック植物。
【請求項54】
トランスジェニック植物の一群であって、前記トランスジェニック植物それぞれが、請求項52に記載のライブラリー由来の少なくとも1つの候補R遺伝子で形質転換されている、一群。
【請求項55】
対象とする植物害虫に対する植物害虫耐性(R)遺伝子を同定する方法であって、
(i)宿主植物を、請求項52に記載のライブラリーから選択された候補R遺伝子で形質転換するステップによって、形質転換された植物を生産するステップであって、前記宿主植物が、対象とする前記植物害虫にとって宿主である、生産するステップと、
(ii)前記形質転換された植物に対する疾病症状の発症または他の損傷に適した環境条件下で、前記形質転換された植物を、対象とする前記植物害虫と接触させるステップと、
(iii)前記形質転換された植物が、前記候補R遺伝子を欠如している対照植物と比較した場合、対象とする前記植物害虫に対する耐性の増強を示すかどうかを決定するステップであって、前記形質転換された植物が、対象とする前記植物害虫によって引き起こされる植物疾病または他の損傷に対する耐性の増強を示す場合に前記候補R遺伝子が、対象とする前記植物害虫に対するR遺伝子である、決定するステップ
とを含む方法。
【請求項56】
対象とする植物害虫に対する植物害虫耐性(R)遺伝子を同定する方法であって、
(i)疾病症状の発症または他の損傷に適した環境条件下で、請求項53に記載のトランスジェニック植物または請求項54に記載のトランスジェニック植物の一群を、対象とする前記植物害虫と接触させるステップであって、前記候補R遺伝子を欠如している対照植物が、対象とする前記植物害虫にとって宿主であり、前記植物害虫が、前記宿主植物に対する疾病症状または他の損傷を引き起こすことが可能である、接触させるステップと
(ii)前記トランスジェニック植物(複数可)に関する損傷を評価するステップであって、前記候補R遺伝子を欠如している対照植物と比較した場合、トランスジェニック植物が、対象とする前記植物害虫によって引き起こされる植物疾病または他の損傷に対する耐性の増強を示す場合に、前記トランスジェニック植物が、対象とする前記植物害虫に対するR遺伝子を含む、評価するステップ
とを含む方法。
【請求項57】
R遺伝子が、前記植物に、対象とする前記植物害虫によって引き起こされる植物疾病または他の損傷に対する耐性を付与することが可能である、請求項55または56に記載の方法によって同定されたR遺伝子を含む耐性植物または植物細胞。
【請求項58】
前記R遺伝子が、前記耐性植物の種ではない異なる種に由来している、請求項57に記載の耐性植物または植物細胞。
【請求項59】
前記耐性植物または植物細胞のゲノムが、前記R遺伝子を含む異種ポリヌクレオチド構築物を含む、請求項57または58に記載の耐性植物または植物細胞。
【請求項60】
請求項55または56に記載の方法によって同定された単離R遺伝子。
【請求項61】
請求項60に記載のR遺伝子で形質転換された宿主細胞。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2021年5月11日に出願された米国仮特許出願第63/186,986号の利益を主張し、それはその全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0002】
テキストファイルとして提出された配列表に対する参照
配列表の公式な複写を、070294-0201SEQLST.TXTと名前を付し、2022年5月9日に作成し、1.88メガバイトのサイズを有するファイルをASCIIフォーマット済配列表としてEFS-Webを介して電子提出し、明細書と同時に出願した。このASCIIフォーマット済文書に含まれる配列表は明細書の一部であり、その全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0003】
発明の分野
本発明は、植物疾病耐性および作物改良の分野、特に、対象とする作物における植物病原体に対する植物疾病耐性遺伝子の同定に有用な方法に関する。
【背景技術】
【0004】
植物疾病は、農業においてかなりの収量損失を引き起こす。糸状植物病原体は、最も深刻な損傷をもたらす疾病に含まれ、最も注目すべきは真菌および卵菌である。これらの害虫は、栽培者にとって重要な課題であり、かなりの管理コストの原因となる。これらの疾病を管理する最もコスト効率が高く、環境にやさしい方法は、多くの場合、作物の野生近縁種またはさらには未関連の植物種に見い出され得る耐性遺伝子の使用である。栽培植物化された作物の野生近縁種は、多くの有用な疾病耐性(R)遺伝子を含有している。この自然耐性の導入は、疾病を管理する的確な方法である。しかしながら、R遺伝子を導入する伝統的な方法は通常、「リンケージドラッグ」、即ち、R遺伝子と共に有害な形質を同時導入してしまうことを回避するために長い育種トラジェクタリーを必要とする。さらに、R遺伝子は、一度に1つずつ配置されると、数シーズンで病原体によって克服される傾向にある。
【0005】
病原体が、単一R遺伝子によって提供される耐性を迅速に克服するのを防ぐアプローチは、作物における病原体に対する多重R遺伝子を同時に配置することである。かかるアプローチは、伝統的な植物育種法によって遂行され得るが、多重R遺伝子は、対象とする植物のゲノムの全体にわたって散在して見い出される可能性が非常に高く、多重R遺伝子を単一の植物に組み合わせることに、極めて労力を要して時間消費させる。さらに、首尾よい収穫を保証するように多重病原体が防除されることが不可欠である場合、この作業課題はより困難となる。あるいは、単一の作物に多重R遺伝子を迅速に配置するためにトランスジェニックアプローチが使用され得る。多重R遺伝子は、日常的な遺伝子操作技法を介して、導入遺伝子として単一の作物に導入され得る。好ましくは、多重R遺伝子は、育種株および作物栽培品種への多重R遺伝子の迅速な移入を促進するように単一遺伝子座として分離している単一の多導入遺伝子カセットとして導入される。
【0006】
R遺伝子の伝統的なマップベースのクローニングは、シーケンシング技術および生物学的洞察における大きな一歩にもかかわらず依然として困難であり、大きな一連の植物ゲノムは、組換えの欠如に起因してマップベースの遺伝学では利用しにくい。ほとんどのR遺伝子が、ヌクレオチド結合性ロイシンリッチな反復(NLR)タンパク質をコードする遺伝子の構造学的クラスに属する。NLR(即ち、NLRタンパク質をコードする遺伝子)は、植物ゲノムにおいて複雑なクラスターの中に存在する傾向にあり、何百ものNLRが、典型的な植物ゲノムにある。したがって、伝統的なマップベースのクローニング法を使用する科学者は、その結果、頻繁に、多重NLRを含有するマップ間隔を区切り、どれが、対象とする耐性を付与するかを見出さなくてはならない。近年、耐性遺伝子濃縮シーケンシング(RenSeq)として知られる新たな方法が、植物内のNLR全ての迅速な精査を可能にすることが報告されている(Jupe et al.,2013,Plant J.76(3):530-44)。RenSeq法は、植物におけるNLR配列を迅速に同定するのに使用され得る一方で、RenSeq法は、さらなる遺伝子アプローチの非存在下で対象とする植物疾病に特異的なNLR遺伝子の同定を可能にしない。
【0007】
さらに最近では、さらなるマップベースの遺伝学の非存在下で対象とする植物疾病に特異的であるR遺伝子の同定を可能にするためにMutRenSeqが開発された(Steuernagel et al.,2017,Methods Mol.Biol.1659:215-229)。MutRenSeqは、対象とする植物疾病に対する耐性を含む植物からのNLR遺伝子の同定に有用であることが証明されている一方で、上記方法は、対象とする疾病に対して耐性である植物を突然変異誘発することと、続いて感受性の高い植物において改変されたNLR遺伝子を同定するために、耐性植物由来のNLR遺伝子のヌクレオチド配列を、感受性の高い植物と比較することとによって、感受性の高い植物を生産することに依存している。しかしながら、かかる感受性の高い植物の生産は困難であり得るため、有望な候補R遺伝子の数を限定し、対象とする疾病に対するR遺伝子を保有する植物を突然変異誘発することによる感受性の高い植物の生産に依存しない、対象とする疾病に関するR遺伝子を同定する新たなアプローチ。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、対象とする1つまたは複数の植物病原体に対する候補植物疾病耐性(R)遺伝子、特にヌクレオチド結合性ロイシンリッチな反復(NLR)タンパク質をコードするR遺伝子のライブラリーを調製する方法を提供する。上記方法は、候補R遺伝子のライブラリーを作成するために、対象とする1つまたは複数の植物それぞれにから、高度に発現されるヌクレオチド結合性ロイシンリッチな反復遺伝子(NLR)の亜集団を、前記1つまたは複数の植物の器官または他の部分において構成的に発現されるNLRの集団の中から選択するステップを含む。高度に発現されるNLRの亜集団は、植物の器官または他の部分において、その植物またはその任意の器官もしくは他の部分が、対象とする1つまたは複数の植物病原体と接触されていることも、または代わりにそれらに曝露されていることもなしに、構成的に、高度に発現されるNLRを含む。かかる高度に発現されるNLRは、植物の器官または他の部分において構成的に発現されるNLRの集団におけるNLRの少なくとも約65%の植物の器官または他の部分における相対発現レベルを超える植物の器官または他の部分における相対発現レベルを含むNLRである。
【0009】
本発明は、植物に、対象とする植物病原体に対する耐性を付与することが可能なR遺伝子を同定する方法をさらに提供する。かかる方法は、候補R遺伝子を含むトランスジェニック植物またはそれぞれが候補R遺伝子を含むトランスジェニック植物の一群を、対象とする植物病原体と接触させるステップを含む。候補R遺伝子は、上述のように産生された候補R遺伝子のライブラリー由来である。かかるトランスジェニック植物それぞれが、宿主植物を候補R遺伝子で形質転換するステップによって産生され得る。宿主植物は、対象とする植物病原体にとって宿主(即ち、感受性の高い植物)である。即ち、植物病原体は、適切な環境条件下で、宿主植物に植物疾病症状を引き起こすことが可能である。上記方法は、感受性の高い植物での疾病症状の発症に適した環境条件下で、トランスジェニック植物(複数可)を、対象とする植物病原体と接触させるステップ、または代わりにトランスジェニック植物(複数可)を、対象とする植物病原体に曝露するステップと、トランスジェニック植物が、候補NLR遺伝子を含まない対照宿主植物と比較した場合、対象とする植物病原体に対する耐性の増強を示すかどうかを決定するステップをさらに含む。かかるトランスジェニック植物に、対象とする植物病原体によって引き起こされる植物疾病症状に対する耐性を付与する候補NLR遺伝子は、機能性NLR遺伝子であると同定される。
【0010】
さらに、候補NLR遺伝子を含むライブラリー、候補NLR遺伝子を含むトランスジェニック植物の一群、本発明の方法に従って同定された1つまたは複数のNLR遺伝子を含む核酸分子、ならびに1つまたは複数のかかるNLR遺伝子を含む植物、植物細胞、および他の宿主細胞が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】オオムギ(ホルデウム・ブルガレ(Hordeum vulgare))系統Golden Promiseのデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。コムギ黄さび病(プッチニア・ストリイフォルミスf.sp.トリチシ(Puccinia striiformis f.sp.tritici))に対する2つの機能性耐性遺伝子Rps6およびRps7.a(Mla8)の発現が示されている。
【
図2】オオムギ(ホルデウム・ブルガレ)系統CI 16147のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。コムギ黄さび病(プッチニア・ストリイフォルミスf.sp.トリチシ)に対する機能性耐性遺伝子Rps7.b(Mla7)の発現が示されている。
【
図3】オオムギ(ホルデウム・ブルガレ)系統CI 16153のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。コムギ黄さび病(プッチニア・ストリイフォルミスf.sp.トリチシ)に対する機能性耐性遺伝子Rps7.b(Mla7)の発現が示されている。
【
図4】キマメ(pigeon pea)(カジャヌス・カジャン(Cajanus cajan))系統G119-99のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。アジアダイズさび病(ファコプソラ・パシリジ(Phakopsora pachyrhizi))に対する機能性耐性遺伝子Rpp1の発現が示されている。
【
図5】シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)系統Col-0のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。べと病(ヒアロペロノスポラ・アラビドプシディス(Hyaloperonospora arabidopsidis))に対する機能性耐性遺伝子RPP1、RPP4、RPP5、RPP7、およびRPP8、白さび病(アルブゴ・カンディダ(Albugo candida))に対する機能性耐性遺伝子WRR4、ならびにシュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)に対する機能性耐性遺伝子ZAR1の発現が示されている。
【
図6】タルホコムギ(Aegilops tauschii)系統KU2025のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。コムギ黒さび病(プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシ(Puccinia graminis f. sp. tritici))に対する機能性耐性遺伝子Sr46の発現が示されている。
【
図7】タルホコムギ系統KU2075のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。コムギ黒さび病(プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシ)に対する機能性耐性遺伝子Sr46の発現が示されている。
【
図8】タルホコムギ系統KU2078のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。コムギ黒さび病(プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシ)に対する機能性耐性遺伝子Sr46およびSrTA1662の発現が示されている。
【
図9】タルホコムギ系統KU2093のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。コムギ黒さび病(プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシ)に対する機能性耐性遺伝子Sr46の発現が示されている。
【
図10】タルホコムギ系統KU2124のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。コムギ黒さび病(プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシ)に対する機能性耐性遺伝子Sr45の発現が示されている。
【
図11】タルホコムギ系統PI 499262のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。コムギ黒さび病(プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシ)に対する機能性耐性遺伝子Sr46の発現が示されている。
【
図12】シロイヌナズナ系統Ler-0実生のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。葉枯れ病(ヒアロペロノスポラ・アラビドプシディス)に対する機能性耐性遺伝子RPP1、RPP5、RPP7、およびRPP8、ならびに白さび病(アルブゴ・カンディダ)に対する機能性耐性遺伝子WRR4、WRR8、およびWRR9の発現が示されている。
【
図13】シロイヌナズナ系統Sf-2実生のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。葉枯れ病(ヒアロペロノスポラ・アラビドプシディス)に対する機能性耐性遺伝子RPP1、RPP5、RPP7、およびRPP8、白さび病(アルブゴ・カンディダ)に対する機能性耐性遺伝子WRR8およびWRR9、ならびに灰色かび病(ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea))、キャベツの黒斑病(アルタナリア・ブラッシシコラ(Alternaria brassicicola))およびアブラナ科植物(crucifer)(アルタナリア・ブラッシカエ(Alternaria brassicae))の黒斑に対する機能性耐性遺伝子RLM3の対立遺伝子の発現が示されている。
【
図14】シロイヌナズナ系統Ws-0実生のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。葉枯れ病(ヒアロペロノスポラ・アラビドプシディス)に対する機能性耐性遺伝子RPP1、RPP5、RPP7、およびRPP8、白さび病(アルブゴ・カンディダ)に対する機能性耐性遺伝子WRR8およびWRR9、ならびに灰色かび病(ボトリチス・シネレア)、キャベツの黒斑病(アルタナリア・ブラッシシコラ)およびアブラナ科植物(アルタナリア・ブラッシカエ)の黒斑に対する機能性耐性遺伝子RLM3の対立遺伝子の発現が示されている。
【
図15】アメリカイヌホオズキ(Solanum americanum)系統2273のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。葉枯れ病(フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans))に対する機能性耐性遺伝子Rpi-amr1eの発現が示されている。
【
図16】ソラヌム・リコペルシクム(Solanum lycopersicum)栽培品種Motelle葉組織のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。根こぶ線虫(ネコブ線虫spp.(Meloidogyne spp.))、ジャガイモアフィド(potato aphid)(マクロシフム・ユーフォルビアエ(Macrosiphum euphorbiae))、およびサツマイモコナジラミ(ベミシア・タバシ(Bemisia tabaci))に対する機能性耐性遺伝子Mi-1.2の発現が示されている。
【
図17】ソラヌム・リコペルシクム栽培品種Motelle根組織のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。根こぶ線虫(ネコブ線虫spp.)、ジャガイモアフィド(マクロシフム・ユーフォルビアエ)、およびサツマイモコナジラミ(ベミシア・タバシ)に対する機能性耐性遺伝子Mi-1.2の発現が示されている。
【
図18】ソラヌム・リコペルシクム栽培品種VFNT Cherry葉組織のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。トマトモザイクウイルス(ToMV)およびタバコモザイクウイルス(TMV)を含むトバモウイルスに対する機能性耐性遺伝子Tm-2ならびに根こぶ線虫(ネコブ線虫spp.)、ジャガイモアフィド(マクロシフム・ユーフォルビアエ)、およびサツマイモコナジラミ(ベミシア・タバシ)に対する機能性耐性遺伝子Mi-1.2の発現が示されている。
【
図19】ソラヌム・リコペルシクム栽培品種VFNT Cherry根組織のデノボ構築されたトランスクリプトーム由来のNLRの転写物存在量のグラフ表示である。転写物存在量は、100万個当たりの転写物(TPM)で測定したセルフアラインされたRNAseqデータから推定された。トマトモザイクウイルス(ToMV)およびタバコモザイクウイルス(TMV)を含むトバモウイルスに対する機能性耐性遺伝子Tm-2ならびに根こぶ線虫(ネコブ線虫spp.)、ジャガイモアフィド(マクロシフム・ユーフォルビアエ)、およびサツマイモコナジラミ(ベミシア・タバシ)に対する機能性耐性遺伝子Mi-1.2の発現が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
配列表
添付の配列表に列挙されるヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、ヌクレオチド塩基に関しては標準的な文字の略語を、またアミノ酸に関して三文字コードを使用して示されている。ヌクレオチド配列は、配列の5’末端に始まり、前方に(即ち、各線の左から右へ)3’末端へと進むという標準的な慣例に倣う。各ヌクレオチド配列の一方の鎖のみを示しているが、相補鎖は、表示される鎖に対する任意の参照によって含まれると理解される。アミノ酸配列は、配列のアミノ末端に始まり、前方に(即ち、各線の左から右へ)カルボキシ末端へと進むという標準的な慣例に倣う。
【0013】
配列番号1は、エギロプス・ロンギッシマ(Aegilops longissima)由来のNLRであるDk_04_40のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号1を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0014】
配列番号2は、Dk_04_40(配列番号1)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0015】
配列番号3は、エギロプス・シャロネンシス(Aegilops sharonensis)由来のNLRであるDk_01_03のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号3を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0016】
配列番号4は、Dk_01_03(配列番号3)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0017】
配列番号5は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_04のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号5を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0018】
配列番号6は、Dk_01_04(配列番号5)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0019】
配列番号7は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_06のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号7を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0020】
配列番号8は、Dk_01_06(配列番号7)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0021】
配列番号9は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_31のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号9を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0022】
配列番号10は、Dk_01_31(配列番号9)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0023】
配列番号11は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_33のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号11を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0024】
配列番号12は、Dk_01_33(配列番号11)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0025】
配列番号13は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_34のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号13を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0026】
配列番号14は、Dk_01_34(配列番号13)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0027】
配列番号15は、ホルクス・ラナツス(Holcus lanatus)由来のNLRであるDk_01_92のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号15を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0028】
配列番号16は、Dk_01_92(配列番号15)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0029】
配列番号17は、コエレリア・マクランサ(Koeleria macrantha)由来のNLRであるDk_02_27のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号17を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0030】
配列番号18は、Dk_02_27(配列番号17)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0031】
配列番号19は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_28のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号19を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0032】
配列番号20は、Dk_02_28(配列番号19)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0033】
配列番号21は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_49のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号21を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0034】
配列番号22は、Dk_02_49(配列番号21)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0035】
配列番号23は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_03_76のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号23を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0036】
配列番号24は、Dk_03_76(配列番号23)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0037】
配列番号25は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_19のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、配列番号25を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0038】
配列番号26は、Dk_01_19(配列番号25)によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0039】
配列番号27は、GatewayアダプターattB1のヌクレオチド配列を明記している。
【0040】
配列番号28は、GatewayアダプターattB2のヌクレオチド配列を明記している。
【0041】
配列番号29は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_35のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0042】
配列番号30は、配列番号29によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0043】
配列番号31は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_55のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0044】
配列番号32は、配列番号31によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0045】
配列番号33は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_57のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0046】
配列番号34は、配列番号33によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0047】
配列番号35は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_59のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0048】
配列番号36は、配列番号35によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0049】
配列番号37は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_60のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0050】
配列番号38は、配列番号37によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0051】
配列番号39は、キノスルス・クリスタツス(Cynosurus cristatus)由来のNLRであるDk_01_61のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0052】
配列番号40は、配列番号39によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0053】
配列番号41は、キノスルス・クリスタツス由来のNLRであるDk_01_62のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0054】
配列番号42は、配列番号41によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0055】
配列番号43は、キノスルス・クリスタツス由来のNLRであるDk_01_64のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0056】
配列番号44は、配列番号43によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0057】
配列番号45は、キノスルス・クリスタツス由来のNLRであるDk_01_68のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0058】
配列番号46は、配列番号45によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0059】
配列番号47は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_02のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0060】
配列番号48は、配列番号47によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0061】
配列番号49は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_03のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0062】
配列番号50は、配列番号49によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0063】
配列番号51は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_06のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0064】
配列番号52は、配列番号51によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0065】
配列番号53は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_07のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0066】
配列番号54は、配列番号53によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0067】
配列番号55は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_08のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0068】
配列番号56は、配列番号55によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0069】
配列番号57は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_11のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0070】
配列番号58は、配列番号57によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0071】
配列番号59は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_13のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0072】
配列番号60は、配列番号59によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0073】
配列番号61は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_14のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0074】
配列番号62は、配列番号61によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0075】
配列番号63は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_19のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0076】
配列番号64は、配列番号63によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0077】
配列番号65は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_20のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0078】
配列番号66は、配列番号65によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0079】
配列番号67は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_25のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0080】
配列番号68は、配列番号67によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0081】
配列番号69は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_34のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0082】
配列番号70は、配列番号69によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0083】
配列番号71は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_35のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0084】
配列番号72は、配列番号71によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0085】
配列番号73は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_36のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0086】
配列番号74は、配列番号73によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0087】
配列番号75は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_38のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0088】
配列番号76は、配列番号75によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0089】
配列番号77は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_39のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0090】
配列番号78は、配列番号77によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0091】
配列番号79は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_42のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0092】
配列番号80は、配列番号79によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0093】
配列番号81は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_44のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0094】
配列番号82は、配列番号81によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0095】
配列番号83は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_02_46のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0096】
配列番号84は、配列番号83によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0097】
配列番号85は、キノスルス・クリスタツス由来のNLRであるDk_03_13のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0098】
配列番号86は、配列番号85によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0099】
配列番号87は、キノスルス・クリスタツス由来のNLRであるDk_03_16のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0100】
配列番号88は、配列番号87によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
配列番号89は、キノスルス・クリスタツス由来のNLRであるDk_03_19のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0101】
配列番号90は、配列番号89によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0102】
配列番号91は、ホルクス・ラナツス由来のNLRであるDk_03_48のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0103】
配列番号92は、配列番号91によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0104】
配列番号93は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_03_58のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0105】
配列番号94は、配列番号93によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0106】
配列番号95は、コエレリア・マクランサ由来のNLRであるDk_03_60のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0107】
配列番号96は、配列番号95によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0108】
配列番号97は、ホルデウム・ブルガレ由来のNLRであるDk_04_34のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0109】
配列番号98は、配列番号97によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0110】
配列番号99は、エギロプス・ビコルニス(Aegilops bicornis)由来のNLRであるDk_04_44のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0111】
配列番号100は、配列番号99によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0112】
配列番号101は、エギロプス・ビコルニス由来のNLRであるDk_04_85のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0113】
配列番号102は、配列番号101によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0114】
配列番号103は、エギロプス・ビコルニス由来のNLRであるDk_04_88のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0115】
配列番号104は、配列番号103によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0116】
配列番号105は、エギロプス・ビコルニス由来のNLRであるDk_04_92のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0117】
配列番号106は、配列番号105によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0118】
配列番号107は、エギロプス・ビコルニス由来のNLRであるDk_04_95のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0119】
配列番号108は、配列番号107によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0120】
配列番号109は、エギロプス・ビコルニス由来のNLRであるDk_04_96のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0121】
配列番号110は、配列番号109によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0122】
配列番号111は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_11のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0123】
配列番号112は、配列番号111によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0124】
配列番号113は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_14のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0125】
配列番号114は、配列番号113によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0126】
配列番号115は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_15のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0127】
配列番号116は、配列番号115によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0128】
配列番号117は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_16のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0129】
配列番号118は、配列番号117によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0130】
配列番号119は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_24のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0131】
配列番号120は、配列番号119によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0132】
配列番号121は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_29のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0133】
配列番号122は、配列番号121によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0134】
配列番号123は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_30のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0135】
配列番号124は、配列番号123によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0136】
配列番号125は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_33のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0137】
配列番号126は、配列番号125によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0138】
配列番号127は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_34のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0139】
配列番号128は、配列番号127によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0140】
配列番号129は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_35のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0141】
配列番号130は、配列番号129によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0142】
配列番号131は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_38のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0143】
配列番号132は、配列番号131によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0144】
配列番号133は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_42のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0145】
配列番号134は、配列番号133によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0146】
配列番号135は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_44のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0147】
配列番号136は、配列番号135によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0148】
配列番号137は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_47のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0149】
配列番号138は、配列番号137によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0150】
配列番号139は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_53のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0151】
配列番号140は、配列番号139によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0152】
配列番号141は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_05_56のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0153】
配列番号142は、配列番号141によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0154】
配列番号143は、ブラキポディウム・ディスタキオン(Brachypodium distachyon)由来のNLRであるDk_06_01のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0155】
配列番号144は、配列番号143によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0156】
配列番号145は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_06_03のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0157】
配列番号146は、配列番号145によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0158】
配列番号147は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_06_04のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0159】
配列番号148は、配列番号147によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0160】
配列番号149は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_06_05のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0161】
配列番号150は、配列番号149によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0162】
配列番号151は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_06_06のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0163】
配列番号152は、配列番号151によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0164】
配列番号153は、エギロプス・セアルシイ(Aegilops searsii)由来のNLRであるDk_06_52のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0165】
配列番号154は、配列番号153によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0166】
配列番号155は、エギロプス・セアルシイ由来のNLRであるDk_06_53のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0167】
配列番号156は、配列番号155によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0168】
配列番号157は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_21のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAAである。
【0169】
配列番号158は、配列番号157によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0170】
配列番号159は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_01_48のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0171】
配列番号160は、配列番号159によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0172】
配列番号161は、キノスルス・クリスタツス由来のNLRであるDk_03_15のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0173】
配列番号162は、配列番号161によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0174】
配列番号163は、ホルクス・ラナツス由来のNLRであるDk_03_49のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0175】
配列番号164は、配列番号163によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0176】
配列番号165は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_03_68のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0177】
配列番号166は、配列番号165によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0178】
配列番号167は、エギロプス・ビコルニス由来のNLRであるDk_04_67のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0179】
配列番号168は、配列番号167によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0180】
配列番号169は、エギロプス・ビコルニス由来のNLRであるDk_04_71のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0181】
配列番号170は、配列番号169によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0182】
配列番号171は、エギロプス・ビコルニス由来のNLRであるDk_04_91のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0183】
配列番号172は、配列番号171によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0184】
配列番号173は、エギロプス・ビコルニス由来のNLRであるDk_05_75のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0185】
配列番号174は、配列番号173によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0186】
配列番号175は、エギロプス・ビコルニス由来のNLRであるDk_05_92のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0187】
配列番号176は、配列番号175によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0188】
配列番号177は、エギロプス・ロンギッシマ由来のNLRであるDk_06_02のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0189】
配列番号178は、配列番号177によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0190】
配列番号179は、エギロプス・ビコルニス由来のNLRであるDk_06_10のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0191】
配列番号180は、配列番号179によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0192】
配列番号181は、エギロプス・セアルシイ由来のNLRであるDk_06_36のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0193】
配列番号182は、配列番号181によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0194】
配列番号183は、エギロプス・シャロネンシス由来のNLRであるDk_08_16のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0195】
配列番号184は、配列番号183によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0196】
配列番号185は、アベナ・アビッシニカ(Avena abyssinica)由来のNLRであるDk_08_79のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTAGである。
【0197】
配列番号186は、配列番号185によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0198】
配列番号187は、ブリザ・メディア(Briza media)由来のNLRであるDk_09_55のcDNAのコード領域のヌクレオチド配列を明記している。望ましい場合、停止コドン(例えば、TAA、TAG、またはTGA)は、このNLR配列を含むか、またはそれからなる核酸分子の3’末端に作動可能に連結され得る。このcDNAのネイティブ停止コドンはTGAである。
【0199】
配列番号188は、配列番号187によってコードされるNLRタンパク質のアミノ酸配列を明記している。
【0200】
発明の詳細な説明
本発明はここで、以下で添付の図面を参照してより十分に記載され、ここで、本発明の一部が示されるが、本発明の実施形態の全てが示されるわけではない。実際に、これらの本発明は、多種多様な形態で具現化されてもよく、本明細書中に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、正しく言うと、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の数字は、全体にわたって同様のエレメントを指す。
【0201】
先述の説明および付随する図面に提示される教示の利益を有する、本明細書中に記載される本発明の多くの修正および他の実施形態が、これらの発明が関連する技術分野の当業者に思い浮かぶであろう。したがって、本発明は、開示された特定実施形態に限定されるべきではなく、修正および他の実施形態は、併記の特許請求の範囲内に含まれることが意図されると理解される。特定用語が本明細書中で用いられるが、それらは、単に一般的かつ説明的な意味で使用され、限定の目的では使用されない。
【0202】
一態様では、本発明は、候補植物疾病耐性(NLR)遺伝子のライブラリーを調製する方法に関する。候補NLR遺伝子のかかるライブラリーは、感受性宿主植物に、対象とする植物病原体に対する耐性を付与することが可能である植物におけるNLR遺伝子の同定方法の効率を高めるのに利用される。植物ゲノムは通常、何百ものNLRを含むため、対象とする植物病原体によって引き起こされる植物疾病に対する耐性を提供する植物におけるNLR遺伝子を同定することは、骨の折れる作業であり得る。本発明の方法は、特定の候補NLR遺伝子が、感受性宿主植物に、対象とする植物病原体に対する耐性を付与することが可能であるかどうかを決定するために、感受性宿主植物において検査される必要のある新規シグネチャーを使用して候補NLR遺伝子の数を低減する上で利用される。本発明の方法は、負荷されていない(unchalleged)植物組織において高発現のシグネチャーを示すNLRを選択することを包含する。NLRは通常、収量の不利益を引き起こすことがあり得る低発現遺伝子であると考えられているため、このシグネチャーはこれまで見落とされてきた。Lai & Eulgem,2018,Mol.Plant Pathol.19(5):1267-1281;Tian et al.,2003,Nature 423(6935):74-77;Fitzgerald et al.,2004,MPMI 17(2):140-151;Chern et al.,2005,MPMI 18(6):511-520;Karasov et al.,2017,Plant Cell 29(4):666-680;Jones & Dangl,2006,Nature 444(7117):323-329;Richard et al.,2018,Mol.Plant Pathol.19(11):2516-2523;およびBaggs et al.,2017,Currr.Opin.Plant Biol.38:59-67を参照のこと。
【0203】
第2の態様では、本発明は、本発明の方法に従って調製された候補NLR遺伝子のライブラリーを使用して、対象とする植物病原体に対するNLR遺伝子を同定する改善された方法に関する。上記方法は、作物に組み込まれ得る新たなNLR遺伝子の同定に利用されて、対象とする植物疾病に対する耐性を付与する。かかる新たなNLR遺伝子は、植物育種家によって望まれ、1つまたは複数の植物疾病に対する耐性が増強された新たな作物変種の開発に役立つ。
【0204】
本発明の方法は、これらに限定されないが真菌、細菌、卵菌、線虫、およびウイルス植物病原体を含む多種多様な病原体に対するNLR遺伝子を同定するのに利用される。対象とする植物病原体は、対象とする宿主植物、特に食物、繊維、または動物飼料用にヒトによって生育された作物または他の植物、より詳細には対象とする植物病原体によって引き起こされる植物疾病に起因して農学的収量の損失を被ることが知られている作物または他の植物で植物疾病症状を引き起こすことが可能である植物病原体である。
【0205】
本発明は、本発明者らによって成されたある特定の観察または発見に部分的に基づく。第1に、葉面病原体に対する特性化されたNLR遺伝子は全て、単子葉類および双子葉類における負荷されていない葉組織で発現されている。公開された例として、Pm3b、Rpg5、Sr33、およびCcRpp1が挙げられる(Kawashima et al.,2016,Nature Biotechnol.2016 34(6):661-665;米国特許第10,842,097号)。第2に、葉トランスクリプトームにおいて発現されるNLRの平均数は、これらに限定されないがコムギ、オオムギ、エギロプス・シャロネンシス、アクナテルム・ヒメノイデス(Achnatherum hymenoides)、エギロプス・ビコルニス、エギロプス・ロンギッシマ、エギロプス・セアルシイ、エギロプス・シャロネンシス、アグロピロン・クリスタツム(Agropyron cristatum)、アベナ・アビッシニカ、ブラキポディウム・ディスタキオン、ブリザ・メディア、キノスルス・クリスタツス、エキナリア・カピタタ(Echinaria capitata)、ホルクス・ラナツス、ホルデウム・ブルガレ、コエレリア・マクランサ、ロリウム・ペレンネ(Lolium perenne)、メリカ・シリアテ(Melica ciliate)、ファラリス・コエルレスセンス(Phalaris coerulescens)、およびポア・トリビアリス(Poa trivialis)を含む多様な草種に関して100~200個である。これは、ゲノムにおけるNLRの総数のほんの一部である。例えば、オオムギ/コムギゲノムでコードされるNLR全てのほんの約10%が、葉組織で発現される(
図1~3)。決定的には、葉トランスクリプトームで発現されるNLRの群内で、高度に発現されるNLRの亜群は、機能性R遺伝子に関して飽和されている(
図1~11)。この発見は、多くのR遺伝子がクローニングおよび特性化されているモデル種シロイヌナズナ、系統Columbia-0(Col-0)内での発現レベルに関して実施されたバイオインフォマティクス解析に基づいている。この十分研究された種における観察は、耐性を有すると記載されている10個のNLRのうち、9個が、葉組織で発現されたNLRの上位25%に存在しているという本発明者らの初期の観察を裏付けている(
図5)。より以前の刊行物によりNLRは収量への負の影響を持つと示唆されていたため、このシグネチャーはこれまで見落とされており、この、タンパク質のクラス内の機能性NLRが低レベルで存在しなくてはならないという広く支持されている前提を招いている。最も高度に発現されるNLRは、シロイヌナズナ(A.Thaliana)と共進化することが知られている病原体であるヒアロペロノスポラ・アラビドプシス(Hyaloperonospora arabidopsis)およびアルブゴ・カンディダに対して有効であるものである。公表されているデータ(Kawashima et al.,2016,Nature Biotechnol.2016 34(6):661-665)を、マップベースのクローニングを介して同定されたNLR遺伝子(CcRpp1)が上記判断基準を使用して同定することができるかどうかを決定するのに使用した。実際に、CcRpp1は、高度に発現されるNLRの上位10%に存在すると決定された(
図4)。
【0206】
本発明は、対象とする1つまたは複数の植物病原体(複数可)に対する候補NLR遺伝子のライブラリーを調製する方法を提供する。上記方法は、候補R遺伝子のライブラリーを作成するために、対象とする1つまたは複数の植物それぞれから、高度に発現されるNLRの亜集団を、1つまたは複数の植物の器官または他の部分において構成的に発現されるNLRの集団の中から選択するステップを含む。高度に発現されるNLRの亜集団は、植物の器官または他の部分において、その植物またはその任意の器官もしくは他の部分が、対象とする1つまたは複数の植物病原体と接触されていることも、または代わりにそれらに曝露されていることもなしに、構成的に、高度に発現されるNLRを含む。かかる植物組織は、植物組織も、組織が由来するかもしくは由来した植物の任意の部分も、対象とする任意の植物病原体と意図的に接触されておらず、あるいは代わりに植物病原体で感染されていることが知られていないか、または例えば昆虫およびダニなどの任意の他の植物害虫に悩まされていることが知られていないため、本明細書中では「負荷されていない」植物組織と称される。
【0207】
かかる負荷されていない植物組織は、植物器官(例えば、葉、茎、または根)または対象とする病原体と接触されていないか、または代わりにそれらに曝露されていない植物の任意の他の部分であり得る。好ましくは、負荷されていない植物組織も植物の任意の他の部分も、対象とする植物病原体に曝露されておらず、植物は良好な健康状態であり、植物疾病のいかなる症状も、例えば昆虫などの他の植物害虫由来の損傷の兆候も示していない。
【0208】
植物(単数または複数)の植物器官または他の部分において発現されるNLRの亜集団は、個々のNLRのmRNAを検出することによって、好ましくは、植物(単数または複数)の植物器官または他の部分において発現される個々のNLR遺伝子を同定するだけでなく、様々な発現されるNLR遺伝子の相対発現レベルを評価するのに使用することができる例えばRNAシーケンシング(RNAseq)などのトランスクリプトームプロファイリング法によって決定することができる。したがって、RNAseqは、候補R遺伝子のライブラリーを作成するために、植物器官または他の植物組織における発現されるNLRの亜集団および高度に発現される候補R遺伝子である発現されるNLRの一部の両方を決定するのに用いられ得る。例えばaffymetrixアレイおよびスポットcDNAアレイなどのマイクロアレイ技術を含む、高度に発現されるNLRを同定する他の方法は、転写物における種々のレベルを定量化するために本発明の方法において使用することができる方法である。あるいは、高度に発現されるNLRが、それら各々のNLRによってコードされるNLRタンパク質に関してより高い平均タンパク質レベルによって同定され得るため、これらに限定されないがLC-MS、LC-MS/MS、MassSpec、Q-TOF等を含むタンパク質定量化方法が用いられ得る。
【0209】
通常、高度に発現されるNLRは、発現されるNLRの少なくとも約65%の植物の同じ器官または同じ部分における相対発現レベルを超える植物の器官または他の部分における相対発現レベルを含む。好ましくは、高度に発現されるNLRは、発現されるNLRの少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%の植物の同じ器官または同じ部分における相対発現レベルを超える植物の器官または他の部分における発現レベルを含む。換言すると、対象とする植物の特定の器官または他の部分における高度に発現されるNLRは、対象とする植物の特定の器官または他の部分における全ての発現されるNLRの発現レベルと比較した場合に、少なくとも上位約35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、4%、または3%に発現レベルを有する発現されるNLRである。好ましくは、対象とする植物の特定の器官または他の部分における高度に発現されるNLRは、対象とする植物の特定の器官または他の部分における全ての発現されるNLRの発現レベルと比較した場合に、少なくとも上位約25%、20%、15%、10%、5%、4%、または3%に発現レベルを有する発現されるNLRである。より好ましくは、対象とする植物の特定の器官または他の部分における高度に発現されるNLRは、対象とする植物の特定の器官または他の部分における全ての発現されるNLRの発現レベルと比較した場合に、少なくとも上位約20%、15%、10%、5%、4%、または3%に発現レベルを有する発現されるNLRである。最も好ましくは、対象とする植物の特定の器官または他の部分における高度に発現されるNLRは、対象とする植物の特定の器官または他の部分における全ての発現されるNLRの発現レベルと比較した場合に、少なくとも上位約20%、15%、10%、5%、4%、または3%に発現レベルを有する発現されるNLRである。
【0210】
高度に発現されるNLRを決定するための任意の適切な相対発現レベルの選択は、例えばmRNA供給源として使用される植物の植物種、植物器官または他の部分、対象とする植物における発現されるNLR遺伝子の総数、植物器官または他の植物の一部において発現される植物のゲノムにおける総NLRの部分、およびmRNAが単離される植物の生育条件を含む任意数の要因に依存することが認識されている。
【0211】
RNAseq、TransDecoder (v4.1.0;github.com/TransDecoder/TransDecoder/releasesのワールドワイドウェブで利用可能)を含む本発明のある特定の実施形態では、LongOrfを使用して、デノボ構築されたトランスクリプトームにおける全てのオープンリーディングフレームを予測することができる。推定上のNLRタンパク質をコードする転写物を同定するために、InterProScan(v5.27-66.0)(Jones et al.,(2014)Bioinformatics 30(9):1236-1240;doi:10.1093/bioinformatics/btu031)を使用して、例えば、CoilsおよびPfam、Superfamily、およびProSiteデータベースを使用してドメインをアノテートすることができる。ヌクレオチド結合性(NB)ドメインおよびロイシンリッチな反復(LRR)ドメインの両方を含有するタンパク質をコードする任意のNLR遺伝子は、NLRタンパク質として同定されて、解析が進められ得る。FAT-CATから開発されたカスタムスクリプト(Afrasiabi et al.(2013)Nucleic Acids Res.41:W242-W248,doi.org/10.1093/nar/gkt399)を使用して、NLRに由来するイネ、ブラキポディウム・ディスタキオン、およびオオムギのヌクレオチド結合性ドメインから開発された系統樹に基づくヌクレオチド結合性ドメインを分類することができる。NLRコード遺伝子は、例えば、下記要件に基づいて発展させることができる:転写物は、完全または5’部分的オープンリーディングフレームのいずれかを含有し;遺伝子は、植物器官または他の植物の一部において上位25%で発現されるNLRの中にあり;遺伝子は、さらなるNLRを必要とすることが知られているNLRファミリーに属さない(例えば、Bailey et al.(2018)Genome Biol.19:23を参照)。候補NLRの中でも、100%同一性を要するCD-HIT(v4.7)を使用して、冗長性が除去された(-c 1.0)。PCRプライマーは、それぞれ、コード配列の開始または終止の最初の20個のヌクレオチドに融合されたGatewayアダプターattB1(配列番号27)およびattB2(配列番号28)を使用して開発された。Gatewayクローニング技術の概説に関しては、Katzen.(2007)Expert Opin. Drug Discov.2(4):571-589を参照のこと。
【0212】
本発明のこの実施形態では、同定されたNLRタンパク質は、少なくとも1つのNBドメインと、少なくとも1つのLRRドメインとを含む。かかる同定されたNLRタンパク質は、1つまたは複数のさらなるドメイン、特に、これらに限定されないがコイルドコイル(CC)ドメイン、Toll/インターロイキン-1受容体(TIR)ドメイン、さらなるNBドメイン、およびさらなるLRRドメインを含むNLRタンパク質に存在することが知られているドメインをさらに含み得る。本発明の同定されたNLRタンパク質の例は、以下の実施例2でさらに記載される。
【0213】
N末端からC末端方向への既知のNLRタンパク質のドメインに関する典型的な順序がCC-NB-LRR、TIR-NB-LRR、またはNB-LRRであるが、本発明の方法は、特定の構造を有するNLRタンパク質に依存せず、既知のNLRタンパク質にとっては非典型的なドメイン構造を受け入れることができる。
【0214】
本発明のある特定の実施形態では、対象とする少なくとも1つの植物病原体に対する候補NLR遺伝子のライブラリーを調製する方法は、対象とする少なくとも1つのさらなる特徴を含むNLRに関するさらなる選択を含んでもよく、それにより、候補NLR遺伝子のライブラリーは、高度に発現されるNLRを含み、対象とする1つまたは複数のさらなる特徴を含む。これまでの作業は、遺伝子ファミリーおよび迅速な進化などの植物免疫に寄与するNLRの樹立された分子的および進化的シグネチャーを有する(Yang et al.,2013,PNAS 110:18572-18577)。対象とするかかる特徴は、これらに限定されないが、
(i)NLRによってコードされるアミノ酸配列における種内変異の存在;
(ii)NLRによってコードされるアミノ酸配列における種内変異の非存在;
(iii)NLRによってコードされるアミノ酸配列における種間変異の存在;
(iv)NLRによってコードされるアミノ酸配列における種間変異の非存在;および
(v)NLRによってコードされるアミノ酸配列における実質的な種間対立遺伝子変異
を含む。
【0215】
別記しない限り、または使用の状況から明らかでない限り、本発明に関する「実質的な種内および種間変異」は、維持された配列多型、多様化選択、および集団内の個体間で維持される対立遺伝子中に存在する同義置換と比較した場合の非同義置換の過剰発現を意味することが意図される。実質的な種内対立遺伝子変異を有するNLRの例として、オオムギにおけるMla対立遺伝子(Jorgensen,1994,Plant Sci.13:97-119;Seeholzer et al.,2010,MPMI 23:497-509)およびコムギにおけるPm3対立遺伝子(Bourras et al.,2018,Curr.Opin.Microbiol.46:26-33;Bourras et al.,2015,Bourras et al.,2015,Plant Cell 27:2991-3012)が挙げられる。
【0216】
本発明の方法は、候補NLR遺伝子のライブラリーを作成するために、対象とする植物(複数可)の器官または他の部分において高度に発現されるNLRを選択するステップを含む。対象とする植物として、例えば、作物ならびに作物の栽培植物化および非栽培植物化近縁種の両方が挙げられる。かかる近縁種として、作物と同じ種由来である植物、または作物とは異なる種であるが、作物と同じファミリー、サブファミリー、および/または連由来である近縁種が挙げられる。本発明の一部の実施形態では、候補NLR遺伝子のライブラリーが由来する植物は、作物である宿主植物の非栽培植物化近縁種であり、候補NLR遺伝子は、作物における使用を対象としている。好ましくは、宿主植物のかかる近縁種は、候補NLR遺伝子のライブラリーが由来する植物と同じファミリー、サブファミリー、連、および/または属に存在している。一部の他の実施形態では、宿主植物および候補NLR遺伝子のライブラリーが由来する植物は、同じ種である。
【0217】
候補NLR遺伝子のライブラリーが由来する対象とする植物(単数または複数)は、対象とする病原体の生育もしくはライフサイクルの完了を支持しない任意の植物系統、変種、または種であり得る。実際に、第1の種の対象とする植物に由来するR遺伝子は、対象とする植物病原体にとって宿主である第2の種の植物に移入させることができ、それにより、第2の種の耐性植物が生産される。1つの種に由来し、第2の種に移入されるR遺伝子の例は、これらに限定されないが、コショウ(カプシスム・アンヌウム(Capsisum annuum))由来のBs2(Tai et al.,1999,PNAS 96(24):14153-14158;トマト、即ち、ソラヌム・リコペルシクムに移入)およびキマメ(カジャヌス・カジャン)由来のCcRpp1(Kawashima et al.,2016,Nature Biotechnol.2016 34(6):661-665;ダイズ、即ち、グリシン・マックス(Glycine max)に移入)のNLRを含む。本発明に関して好ましくは、第1および第2の種は、同じファミリーに存在する。ある特定の実施形態では、第1および第2の種は、同じファミリーに存在するが、異なるサブファミリー、連、および/または属に存在する。
【0218】
ある特定の好ましい実施形態では、対象とする1つまたは複数の病原体に対する1つまたは複数の有効なNLR耐性遺伝子を含むと予想される植物は、NLR遺伝子のライブラリーが由来する植物として使用される。かかる植物は、植物が、対象とする1つまたは複数の植物病原体の生育を支持しないため、対象とする1つまたは複数の病原体に対する有効なNLR耐性遺伝子を含むと予想される。例えば、コムギの1つまたは複数の病原体に対する有効な耐性を有するようなパンコムギ(bread wheat)(T.アエスチブム(T.aestivum))の近縁種は、これらに限定されないがアクナテルム属(Achnatherum)、エギロプス属(Aegilops)、カモジグサ属(Agropyron)、カラスムギ属(Avena)、ヤマカモジグサ属(Brachypodium)、ブリザ属(Briza)、キノスルス属(Cynosurus)、エキナリア属(Echinaria)、シラゲガヤ属(Holcus)、オオムギ属(Hordeum)、ミノボロ属(Koeleria)、ドクムギ属(Lolium)、コメガヤ属(Melica)、クサヨシ属(Phalaris)、およびイチゴツナギ属(Poa)の種を含むイネ科(Poaceae)の種である。かかる種として、例えば、アクナテルム・ヒメノイデス、エギロプス・ビコルニス、エギロプス・ロンギッシマ、エギロプス・セアルシイ、エギロプス・シャロネンシス、アグロピロン・クリスタツム、アベナ・アビッシニカ、ブラキポディウム・ディスタキオン、ブリザ・メディア、キノスルス・クリスタツス、エキナリア・カピタタ、ホルクス・ラナツス、ホルデウム・ブルガレ、コエレリア・マクランサ、ロリウム・ペレンネ、メリカ・シリアタ(Melica ciliata)、ファラリス・コエルレスセンス、およびポア・トリビアリスが挙げられる。
【0219】
本発明の候補R遺伝子のライブラリーは、対象とする1個または複数の植物を使用して作成することができ、ここで、植物はそれぞれ、互いに遺伝学的に別個である。例えば、候補R遺伝子のライブラリーが、同じ種由来の対象とする2個、3個、4個、またはそれよりも多い植物を使用して作成され得る場合、対象とするかかる2個、3個、4個、またはそれよりも多い植物は、同じ遺伝子型あるいは2個、3個、4個またはそれよりも多い異なる遺伝子型を有し得る。候補R遺伝子のライブラリーを作成するのに使用される対象とする植物の数は、例えば、宿主植物、対象とする病原体(単数または複数)、および1個または複数の植物病原体に対する有効なNLR遺伝子を含むと予想される対象とする遺伝的に別個の植物の利用可能性を含む多数の要因に応じて様々であり得ることが認識されている。したがって、本発明の方法を使用して、候補R遺伝子のライブラリーは、対象とする少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、10個、15個、20個、25個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、125個、150個、200個、250個、300個、400個、500個、600個、700個、800個、900個、1000個、1250個、1500個、1750個、2000個、またはそれよりも多い遺伝的に別個の植物を使用して作成され得る。
【0220】
本発明の方法は、特定の植物器官または植物の一部の使用に依存しない。植物器官または植物の一部が負荷されていない植物由来であることにかかわらず、任意の発達段階のおよび/または任意の環境条件下で生育された、任意の植物器官または植物の一部。植物器官は、これらに限定されないが、葉、茎、花、根、果実、さや、種子、子葉、胚軸、上胚軸、幼根等を含む。植物の一部として、例えば、葉の主脈、葉身、花弁、がく片、小花柄、花柄、および節間が挙げられる。以下で詳述される本発明のある特定の実施形態では、植物器官は葉である。
【0221】
本発明はさらに、上述の方法に従って作成された候補NLR遺伝子のライブラリーを含む組成物を提供する。かかるライブラリーは、少なくとも2個の候補NLR遺伝子を含むが、通常、少なくとも約10個、20個、30個、40個、50個、75個、100個、125個、150個、175個、200個、225個、250個、300個、400個、500個、600個、700個、800個、900個、1000個、1250個、1500個、1750個、2000個、またはそれよりも多い候補NLR遺伝子を含む。かかる組成物は、対象とする植物病原体に対する植物疾病耐性(NLR)遺伝子を同定する方法に利用される。
【0222】
トランスジェニック植物の一群を含む組成物がさらに提供され、ここで、トランスジェニック植物はそれぞれ、宿主細胞を、上述の方法に従って調製された候補NLR遺伝子のライブラリー由来の候補NLR遺伝子で形質転換するステップによって生産される。かかる組成物はまた、対象とする植物病原体に対する植物疾病耐性(NLR)遺伝子を同定する方法に利用される。本発明のトランスジェニック植物の一群は、少なくとも2個のトランスジェニック植物を含むが、通常、少なくとも約10個、20個、30個、40個、50個、75個、100個、125個、150個、175個、200個、225個、250個、300個、400個、500個、600個、700個、800個、900個、1000個、1250個、1500個、1750個、2000個、またはそれよりも多い植物を含み、それぞれのトランスジェニック植物は、異なる候補R遺伝子を含む。好ましくは、トランスジェニック植物の一群は、候補NLR遺伝子のライブラリーにおけるNLR遺伝子の少なくとも約50%、60%、70%、または80%に相当するトランスジェニック植物を含む。より好ましくは、トランスジェニック植物の一群は、候補NLR遺伝子のライブラリーにおけるNLR遺伝子の少なくとも約90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%に相当するトランスジェニック植物を含む。例えば、候補NLR遺伝子のライブラリーが、99個の異なるNLR遺伝子を含む場合、ライブラリーにおけるNLR遺伝子全てに相当するトランスジェニック植物の一群は、少なくとも99個の植物を含み、99個の植物はそれぞれ、異なるNLR遺伝子を含む。トランスジェニック植物の一群は、それぞれ異なるNLR遺伝子に関して2個またはそれよりも多いトランスジェニック植物を含み得ることが認識されている。同じNLR遺伝子を含む2個またはそれよりも多いトランスジェニック植物は、NLR遺伝子がそれら各々のゲノムにおいて同じ位置に位置する同じトランスジェニック事象をそれら各々のゲノムにおいて含み得る。あるいは、同じNLR遺伝子を含む2個またはそれよりも多いトランスジェニック植物は、NLR遺伝子がそれら各々のゲノムにおいて同じ位置に位置しない独立したトランスジェニック事象をそれら各々のゲノムにおいて含み得る。
【0223】
本発明はさらに、候補NLR遺伝子のライブラリーの使用を包含する、対象とする植物病原体に対するNLR遺伝子を同定するための組成物を提供する。かかる方法は、本発明の方法に従って調製されたNLR遺伝子のライブラリーから選択される候補NLR遺伝子で形質転換された宿主植物を生産するステップを含む。宿主植物は、対象とする植物病原体にとって宿主であり、植物病原体は、疾病症状の発症に適した環境条件で、宿主植物で植物疾病症状を引き起こすことが可能である。上記方法は、疾病症状の発症に適した環境条件下で、形質転換された宿主植物を、対象とする植物病原体と接触させるステップ、または代わりに形質転換された宿主植物を、対象とする植物病原体に曝露するステップと、続いて、疾病症状の発症に十分な時間の後、候補NLR遺伝子を含まない対照宿主植物と比較した場合、形質転換された宿主植物が、対象とする植物病原体に対する耐性の増強を示すかどうかを決定するステップとをさらに含み、ここで、候補NLR遺伝子は、形質転換された宿主植物が、対象とする植物病原体によって引き起こされる植物疾病症状の対する耐性の増強を示す場合、対象とする植物病原体に対するNLR遺伝子である。
【0224】
疾病症状の発症に適したかかる環境条件は、宿主植物-植物病原体の組合せに依存し、当該技術分野で既知であるか、または当該技術分野で利用可能な日常的な方法を使用して決定され得ることが認識されている。さらに、疾病症状の発症に十分である接種後(即ち、宿主植物を病原体と接触させた後)の期間もまた、宿主植物-植物病原体の組合せに依存し、当該技術分野で既知であるか、または当該技術分野で利用可能な日常的な方法を使用して決定され得ることが認識されている。
【0225】
本発明はさらに、上述の方法に従って調製された候補NLR遺伝子のライブラリー由来の候補NLR遺伝子を含むトランスジェニック植物またはかかるトランスジェニック植物の一群の使用を包含する対象とする植物病原体に対するNLR遺伝子を同定する方法を提供する。かかる方法は、疾病症状の発症に適した環境条件下で、トランスジェニック植物またはトランスジェニック植物の一群を、対象とする植物病原体と接触させるステップを含む。トランスジェニック植物は、対象とする植物病原体にとって宿主植物であり、植物病原体は、宿主植物で植物疾病症状を引き起こすことが可能である。上記方法は、成員を植物病原体と接触させた後の疾病症状の発症に十分な期間の後、トランスジェニック植物(単数または複数)で疾病症状を評価するステップをさらに含む。候補NLR遺伝子を含まない対照植物と比較した場合、トランスジェニック植物が、対象とする植物病原体によって引き起こされる植物疾病に対する耐性の増強を示す場合に、対象とする植物病原体に対するNLR遺伝子を含むトランスジェニック植物が同定される。
【0226】
本発明のトランスジェニック植物の一群は、単一病原体を用いた使用に限定されない。実施例において以下で詳述するように、トランスジェニック植物の一群は、トランスジェニック植物の一群において示される候補NLR遺伝子の中から機能性NLR遺伝子を同定するために、宿主植物で植物疾病症状を引き起こすことが可能な対象とする1個、2個、3個、4個、5個、またはそれよりも多い植物病原体に対する耐性に関して個々にスクリーニングされ得る。かかる機能性NLR遺伝子は、NLR遺伝子を含む宿主植物に、対象とする病原体の1つまたは複数に対する耐性を付与することが可能なNLR遺伝子である。
【0227】
本発明はさらに、本発明の単離NLR遺伝子と、かかるNLR遺伝子によってコードされるNLRタンパク質をコードする他の核酸分子とを含む核酸分子組成物、および本発明のNLRタンパク質を含むタンパク質組成物に関する。かかる組成物は、これらに限定されないが、かかるNLRタンパク質の1つまたは複数および/または1つまたは複数の核酸分子、ならびにかかる核酸分子の1つまたは複数を含む発現カセットおよびベクターを含む、植物、植物細胞、および他の宿主細胞を含む。
【0228】
本発明は、本明細書中に開示されたか、あるいは添付の配列表および/または図面におけるNLRタンパク質をコードするヌクレオチド配列の1つまたは複数を含む核酸分子を包含する。かかる核酸分子は、これらに限定されないが、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、または187に記載されるヌクレオチド配列;配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、または188に記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;配列表に記載されるヌクレオチド配列;配列表に記載されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;およびそれらのバリアントからなる群から選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。好ましくは、かかる核酸分子は、植物、特にコムギ植物、オオムギ植物、ライコムギ植物、および/またはオーツムギ植物に、例えばコムギ黒さび病(プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシ)、コムギ黄さび病(プッチニア・ストリイフォルミスf.sp.トリチシ)、コムギ赤さび病(プッチニア・トリチシナ(Puccinia triticina))、コムギいもち病(マグナポルテ・オリゼ トリチクム(Magnaporthe oryzae Triticum))およびコムギコムギうどん粉病(ブルメリア・グラミニスf.sp.トリチシ(Blumeria graminis f.sp.tritici))を含む対象とする1つまたは複数の植物病原体に対する耐性の増強を付与することが可能である。
【0229】
本発明は、かかる核酸分子の少なくとも1つを含む植物、植物細胞、宿主細胞、発現カセット、ポリヌクレオチド構築物およびベクター、ならびにかかる植物から生産された食品をさらに包含する。例えば、農作物生産における植物疾病を限定する方法などの本明細書中の他の箇所で開示されている方法におけるかかる核酸分子の少なくとも1つを含む植物の使用が、本発明によってさらに包含される。
【0230】
本発明のある特定の実施形態では、本発明の植物および植物細胞は、本発明の核酸を含む少なくとも1つの異種ポリヌクレオチド構築物を含む。かかる異種ポリヌクレオチドは、本明細書中の他の箇所で開示されているか、または代わりに当該技術分野で既知の安定なもしくは一過性の植物形質転換方法によって、植物またはその細胞に導入され得る。
【0231】
本発明はさらに、植物病原体に対する植物の、特に、植物病原体に対する部分的耐性を含む植物の耐性を増強する方法を提供する。本明細書中で使用する場合、十分または完全な耐性は、病原体が宿主植物遺伝子型内で伝播することができないことと定義される。十分な耐性を有する場合、局在化された細胞死が、病原体に接触されたのちに植物で観察されるが、病変の拡がりは見られない。対照的に、部分的耐性を有する場合、病原体は依然として宿主細胞に感染することが可能であり、病変の拡がりを招き得るが、病変の拡がりは、感受性細胞と比較した場合、制限または限定される。
【0232】
植物の耐性を増強するかかる方法は、NLRタンパク質を発現することが可能であるように植物細胞を改変するステップを含む。上記方法は、任意選択で、改変された植物細胞を、植物病原体に対する耐性の増強を含む改変された植物へと再生させるステップをさらも含む。
【0233】
一部の実施形態では、上記方法は、少なくとも1つの植物細胞に、本発明のNLR遺伝子をそのネイティブプロモーターとともに含むポリヌクレオチド構築物を導入するステップを含む。他の実施形態では、かかる方法は、本明細書中の他の箇所で記載されるか、または代わりに当該技術分野で既知の植物形質転換方法を使用して、少なくとも1つの植物細胞に、植物における発現を駆動するプロモーターと、NLRタンパク質をコードする作動可能に連結された核酸分子とを含むポリヌクレオチド構築物を導入するステップを含む。植物病原体に対する植物の耐性を増強するための好ましいプロモーターは、例えば、CaMV 35Sプロモーターおよびトウモロコシユビキチンプロモーターなどの高レベル遺伝子発現を駆動することが知られているプロモーターである。本発明の方法における使用に適したさらなるプロモーターは、以下で記載される。
【0234】
本発明の方法は、植物病原体によって引き起こされる植物疾病に対する耐性が増強された植物の生産における使用に利用される。通常、本発明の方法は、植物病原体の同じ株(単数または複数)に対する対照の耐性と比較した場合、植物病原体の1つの株に対するか、または植物病原体の2つまたはそれよりも多い株それぞれに対する対象植物の耐性を、少なくとも25%、50%、75%、100%、150%、200%、250%、500%、またはそれよりも多く増強あるいは増加する。別記しない限り、または使用の状況から明らかでない限り、本発明に関する対照植物は、本発明のポリヌクレオチド構築物を含まない植物である。好ましくは、対照がポリヌクレオチド構築物は含まないことを除いて、対照植物は、本発明のポリヌクレオチド構築物を含む植物と本質的に同一である(例えば、同一種、亜種、および変種)。一部の実施形態では、対照植物は、ポリヌクレオチド構築物を含むが、本発明の候補NLR遺伝子もしくはNLR遺伝子またはかかる候補NLR遺伝子もしくはNLR遺伝子によってコードされるタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含まない。他の実施形態では、対照植物は、ポリヌクレオチド構築物を含まない。
【0235】
本明細書中に開示されるNLR遺伝子を含む本発明の植物は、農作物生産における、特にかかる植物疾病が流行していて、農業的収量に負の影響を与えることが知られているか、または少なくとも負の影響を与える見込みを有する地域において、少なくとも1つの植物病原体によって引き起こされる植物疾病を限定する方法に利用される。本発明の方法は、本発明の植物(例えば、実生)、種子、または塊茎を植えるステップを含み、ここで、植物、種子、または塊茎は、本発明の少なくとも1つのNLR遺伝子を含む。上記方法は、植物の生育および発達に好適な環境条件下で、実生、種子、または塊茎から生じる植物を生育するステップと、任意選択で、少なくとも1つの果実、塊茎、葉、または種子を植物から収穫するステップとをさらに含む。かかる環境条件として、例えば、空気の温度、土壌の温度、土壌の含水量、光周期、光強度、土壌のpH、および土壌の肥沃度が挙げられ得る。対象とする植物の生育および発達に好適な環境条件は、例えば、植物種、またはさらには特定の変種(例えば、栽培品種)または対象とする植物の遺伝子型に応じて変化することが認識されている。さらに、本発明の、対象とする植物の生育および発達に好適な環境条件は、当該技術分野で既知であることが認識されている。
【0236】
さらに、本発明は、本発明の方法によって生産され、および/または本発明のポリヌクレオチド構築物を含む植物、種子、および植物細胞を提供する。また、本発明のポリヌクレオチド構築物を含む子孫植物およびそれらの種子も提供される。本発明はまた、本発明の形質転換された植物および/または子孫植物によって生産された種子、栄養部分、および他の植物の一部、ならびにヒトおよびこれらに限定されないがペット(例えば、イヌおよびネコ)および家畜(例えば、ブタ、ウシ、ニワトリ、シチメンチョウ、およびアヒル)を含む他の動物によって、消費または使用されることが意図されるかかる植物の一部から生産された食品および他の農産物を提供する。
【0237】
本発明は、添付の配列表に記載される配列を含む、例えばポリヌクレオチドおよびタンパク質ならびにかかるポリヌクレオチドおよびタンパク質のバリアントおよび断片を含む、単離されたか、または実質的に精製されたポリヌクレオチド(本明細書中では「核酸分子」、「核酸」などとも称される)またはタンパク質(本明細書中では「ポリペプチド」とも称される)組成物を包含する。「単離された」もしくは「精製された」ポリヌクレオチドまたはタンパク質、またはそれらの生物学的に活性な部分は、その天然に存在する環境で見い出されるようなポリヌクレオチドまたはタンパク質に通常付随するか、あるいはそれらと相互作用する構成成分を実質的にあるいは本質的に含まない。したがって、単離されたか、もしくは精製されたポリヌクレオチドまたはタンパク質は、組換え技法によって産生される場合には他の細胞材料または培養培地を実質的に含まず、あるいは化学的に合成される場合には化学的前駆物質または他の化学物質を実質的に含まない。最適には、「単離された」ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが由来する生物のゲノムDNAにおいてポリヌクレオチドに天然で隣接する(即ち、ポリヌクレオチドの5’末端および3’末端に位置する配列)配列(最適には、タンパク質コード配列)を含まない。例えば、様々な実施形態では、単離されたポリヌクレオチドは、約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb、または0.1kb未満の、ポリヌクレオチドが由来する細胞のゲノムDNAにおいてポリヌクレオチドに天然で隣接するヌクレオチド配列を含有し得る。細胞材料を実質的に含まないタンパク質は、約30%、20%、10%、5%、または1%未満(乾燥重量で)の混入タンパク質を有するタンパク質の調製物を含む。本発明のタンパク質またはその生物学的に活性な部分が組換え的に産生される場合、最適には、培養培地は、約30%、20%、10%、5%、または1%未満(乾燥重量で)の化学的前駆物質または対象とするタンパク質ではない化学物質に相当する。
【0238】
開示されるポリヌクレオチドの断片およびバリアント、ならびにそれらによってコードされるタンパク質もまた、本発明に包含される。「断片」とは、ポリヌクレオチドの一部またはアミノ酸配列の一部、およびしたがってそれらによってコードされるタンパク質が意図される。コード配列を含むポリヌクレオチドの断片は、完全長またはネイティブタンパク質の生物活性を保持するタンパク質断片をコードし得る。あるいは、ハイブリダイゼーションプローブとして有用なポリヌクレオチドの断片は概して、生物活性を保持するタンパク質をコードしないか、またはプロモーター活性を保持しない。したがって、ヌクレオチド配列の断片は、本発明の少なくとも約20ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約100ヌクレオチドから、および完全長ヌクレオチドまで及び得る。
【0239】
「バリアント」は、実質的に類似した配列を意味することが意図される。ポリヌクレオチドに関して、バリアントは、5’および/または3’末端に欠失(即ち、切断);ネイティブポリヌクレオチドにおける1つまたは複数の内部部位での1つまたは複数のヌクレオチドの欠失および/または付加;および/またはネイティブポリヌクレオチドにおける1つまたは複数の部位での1つまたは複数のヌクレオチドの置換を有するポリヌクレオチドを含む。本明細書中で使用する場合、「ネイティブ」ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、それぞれ、天然に存在するヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を含む。ポリヌクレオチドに関して、保存的バリアントは、遺伝子コードの縮重のため、本発明のNLR遺伝子のタンパク質のアミノ酸配列をコードする配列を含む。バリアントポリヌクレオチドは、例えば部位特異的突然変異を使用することによって生成されるが、依然として本発明の機能性NLRタンパク質をコードするものなどの合成的に得られたポリヌクレオチドを含む。概して、本発明のポリヌクレオチドのバリアントは、本明細書中の他の箇所で記載されるような配列アラインメントプログラムおよびパラメーターによって決定される場合にそのポリヌクレオチドに対して少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれよりも多い配列同一性を有する。
【0240】
本発明のポリヌクレオチド(即ち、参照ポリヌクレオチド)のバリアントはまた、バリアントポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと、参照ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドとの間のパーセント配列同一性の比較によって評価することができる。任意の2つのポリペプチド間または任意の2つのペプチドの相当する部分(例えば、ドメイン)間のパーセント配列同一性は、本明細書中の他の箇所で記載される配列アラインメントプログラムおよびパラメーターを使用して算出することができる。本発明のポリペプチドの任意に所与の対またはそれらの相当する部分が、それらがコードする2つのポリペプチドによって共有されるパーセント配列同一性の比較によって評価される場合、2つのコードされるポリペプチドの間のパーセント配列同一性は、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより多い配列同一性である。
【0241】
「バリアント」タンパク質は、ネイティブタンパク質のN末端および/またはC末端での1つまたは複数のアミノ酸の欠失(いわゆる切断);ネイティブタンパク質における1つまたは複数の内部部位での1つまたは複数のアミノ酸の欠失および/または付加;あるいはネイティブタンパク質における1つまたは複数の部位での1つまたは複数のアミノ酸の置換によってネイティブタンパク質から得られたタンパク質を意味することが意図される。本発明のタンパク質の生物学的に活性なバリアントは、当該タンパク質と、わずか1~15アミノ酸残基、わずか1~10、例えば6~10、わずか5、わずか4、3、2、またはさらには1アミノ酸残基が異なり得る。本発明のNLRタンパク質の生物学的に活性なバリアントは、本明細書中の他の箇所で記載される配列アラインメントプログラムおよびパラメーターによって決定される場合に、本発明のNLRタンパク質のアミノ酸配列に対して、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれよりも多い配列同一性を有する。本発明のNLRタンパク質の、またはそのドメインの生物学的に活性なバリアントは、当該タンパク質またはドメインと、わずか1~15アミノ酸残基、わずか1~10、例えば6~10、わずか5、わずか4、3、2、またはさらには1アミノ酸残基が異なり得る。
【0242】
本発明のタンパク質は、アミノ酸置換、欠失、切断、および挿入を含む様々な方法で変更され得る。かかる操作の方法は一般に、当該技術分野で既知である。突然変異誘発およびポリヌクレオチド変更の方法は、当該技術分野で周知されている。例えば、Kunkel(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488-492;Kunkel et al.(1987)Methods in Enzymol.154:367-382;米国特許第4,873,192号;Walker and Gaastra,eds.(1983)Techniques in Molecular Biology(MacMillan Publishing Company,New York)およびそれらに引用される参照文献を参照のこと。対象とするタンパク質の生物活性に影響を及ぼさない適切なアミノ酸置換に関するガイダンスは、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、Dayhoff et al.(1978)Atlas of Protein Sequence and Structure(Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,D.C.)のモデルにおいて見出され得る。あるアミノ酸を、類似した特性を有する別のアミノ酸と交換することなどの保存的置換が最適であり得る。
【0243】
本明細書中に包含されるタンパク質配列の欠失、挿入、および置換は、タンパク質の特性において基の変化を生じると予想されない。しかしながら、それを行うより前に置換、欠失、または挿入の正確な影響を予測することが困難である場合、その影響は、日常的なスクリーニングアッセイによって評価されることが当業者に理解されよう。即ち、活性は、例えば、本明細書中の他の箇所で開示されているか、または代わりに当該技術分野で既知であるような、対象とする植物病原体に対する疾病耐性に関するアッセイによって評価することができる。
【0244】
例えば、対象とする植物病原体によって引き起こされる植物疾病に感受性である植物は、本発明のNLR遺伝子を含むポリヌクレオチド構築物で形質転換されて、ポリヌクレオチド構築物を含む形質転換された植物またはトランスジェニック植物に再生されて、当該技術分野で既知であるか、または本明細書中の他の箇所に記載されている標準的な疾病耐性アッセイを使用して耐性について検査され得る。
【0245】
バリアントポリヌクレオチドおよびタンパク質はまた、DNAシャッフリングなどの変異原性および組換え手順から得られた配列およびタンパク質を包含する。かかるDNAシャッフリングのための戦略は、当該技術分野で既知である。例えば、Stemmer(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:10747-10751;Stemmer(1994)Nature 370:389-391;Crameri et al.(1997)Nature Biotech.15:436-438;Moore et al.(1997)J.Mol.Biol.272:336-347;Zhang et al.(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:4504-4509;Crameri et al.(1998)Nature 391:288-291;ならびに米国特許第5,605,793号および同第5,837,458号を参照のこと。
【0246】
好ましくは、本発明のNLR遺伝子およびそれらをコードするポリヌクレオチドは、かかるNLR遺伝子を含む植物に、少なくとも1つの植物病原体であるが、好ましくは、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれよりも多い植物病原体に対する耐性の増強を付与するか、または付与することが可能である。
【0247】
PCR増幅は、本発明の方法のある特定の実施形態において使用され得る。PCRプライマーおよびPCR増幅を設計する方法は、一般的に当該技術分野で既知であり、Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Plainview,New York)に開示されている。同様に、Innis et al.,eds.(1990)PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications(Academic Press,New York);Innis and Gelfand,eds.(1995)PCR Strategies(Academic Press,New York);およびInnis and Gelfand,eds.(1999)PCR Methods Manual(Academic Press,New York)も参照のこと。PCR増幅の既知の方法は、これらに限定されないが、ペアードプライマー、ネステッドプライマー、単一特異的プライマー、縮重プライマー、遺伝子特異的プライマー、ベクター特異的プライマー、部分的にミスマッチなプライマー等を使用する方法が挙げられる。
【0248】
本発明のNLR遺伝子の核酸分子は、本発明のNLR遺伝子のヌクレオチド配列に十分に同一であるバリアントヌクレオチド配列を含む核酸分子を包含することが認識されている。「十分に同一である」という用語は、第1および第2のアミノ酸またはヌクレオチド配列が、共通の構造ドメイン(複数可)および/または共通の、例えば疾病耐性などの機能性活性を有するように、第2のアミノ酸またはヌクレオチド配列に対して同一のもしくは等価な(例えば、類似した側鎖を有する)アミノ酸残基またはヌクレオチドの十分数または最小数を含有する第1のアミノ酸またはヌクレオチド配列を指すのに本明細書中で使用される。例えば、少なくとも約45%、55%、または65%同一性、好ましくは75%同一性、より好ましくは85%、86%、87%、88%、89%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する共通の構造ドメイン(複数可)および/または配列を含有するアミノ酸またはヌクレオチド配列は、十分に同一であり得る。
【0249】
2つのアミノ酸配列または2つの核酸のパーセント同一性を決定するために、配列は、最適な比較目的でアラインメントされる。2つの配列間のパーセント同一性は、配列によって共有される同一の位置の数の関数である(即ち、パーセント同一性=同一の位置の数/位置(例えば、重複位置)の総数×100)。一実施形態では、2つの配列は、同じ長さである。2つの配列間のパーセント同一性は、以下で記載する技法に類似した技法を使用して、ギャップを可能にして、またはギャップを可能にせずに決定され得る。パーセント同一性を算出する際、通常、正確なマッチが計数される。
【0250】
2つの配列間のパーセント同一性の決定は、数学アルゴリズムを使用して達成され得る。2つの配列の比較に利用される数学アルゴリズムの好ましい非限定的な例は、Karlin and Altschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-5877で見られるように修正されたKarlin and Altschul(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264のアルゴリズムである。かかるアルゴリズムは、Altschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403のNBLASTおよびXBLASTプログラムに組み込まれている。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、score=100、wordlength=12で実施して、本発明のポリヌクレオチド分子に相同的なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、score=50、wordlength=3で実施して、本発明のタンパク質分子に相同的なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的でギャップドアラインメントを得るためには、Altschul et al.(1997)Nucleic Acids Res.25:3389に記載されるように、Gapped BLASTが利用され得る。あるいは、PSI-Blastは、分子間の距離関係を検出する反復検索を実施するのに使用され得る。上述のAltschul et al.(1997)を参照のこと。BLAST、Gapped BLAST、およびPSI-Blastプログラムを利用する場合、各々のプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST;ncbi.nlm.nih.govのワールドワイドウェブで利用可能)のデフォルトパラメーター。配列の比較に利用される数学アルゴリズムの別の好ましい非限定的な例は、Myers and Miller(1988)CABIOS 4:11-17のアルゴリズムである。かかるアルゴリズムは、GCG配列アラインメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。アミノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを利用する場合、PAM120重量残基テーブル(weight residue table)、ギャップ長ペナルティ12、およびギャップペナルティ4を使用することができる。アラインメントはまた、検査によって手動で実施され得る。
【0251】
別記しない限り、本明細書中で提供される配列同一性/類似性値は、本発明の完全長配列を使用して、およびデフォルトパラメーターを使用してソフトウェアパッケージVector NTI Suite Version 7(InforMax,Inc.社、Bethesda、MD、USA)に含まれるプログラムAlignXを使用したアルゴリズムClustal W(Nucleic Acid Research,22(22):4673-4680,1994)を用いた多重アラインメント;またはそれらの任意の等価なプログラムを使用して得られた値を指す。「等価なプログラム」とは、問題となっている任意の2つの配列に関して、デフォルトパラメーターを使用してCLUSTALW(Version 1.83)(ebi.ac.uk/Tools/clustalw/index.htmlのワールドワイドウェブでEuropean Bioinformatics Instituteウェブサイトにて利用可能)によって生成された相当するアラインメントと比較した場合、同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基マッチおよび同一のパーセント配列同一性を有するアラインメントを生成する任意の配列比較プログラムが意図される。
【0252】
「ポリヌクレオチド」という用語の使用は、本発明を、DNAを含むポリヌクレオチドに限定することが意図されない。ポリヌクレオチドは、リボヌクレオチドならびにリボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドの組合せを含み得ることが、当業者に認識されている。かかるデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドは、天然に存在する分子および合成類似体の両方を含む。本発明のポリヌクレオチドはまた、これらに限定されないが単鎖形態、二重鎖形態、ヘアピン、ステムループ構造等を含む配列の全ての形態を包含する。
【0253】
NLRタンパク質コード領域を含むポリヌクレオチド構築物は、対象とする、植物もしくは他の生物における、または宿主細胞における発現用の発現カセットにおいて提供され得る。カセットは、タンパク質コード領域に作動可能に連結された5’および3’調節配列を含む。「作動可能に連結された」は、2つまたはそれよりも多いエレメント間の機能的連結を意味することが意図される。例えば、対象とするポリヌクレオチドまたは遺伝子と、調節配列(即ち、プロモーター)との間の作動可能な連結は、対象とするポリヌクレオチドの発現を可能にする機能的結合である。作動可能に連結されたエレメントは、近接または非近接であり得る。2つのタンパク質コード領域の結合を指すのに使用される場合、作動可能に連結されたとは、コード領域が同じリーディングフレーム中に存在することが意図される。カセットは、生物に同時形質転換されるべき少なくとも1つのさらなる遺伝子をさらに含有し得る。あるいは、さらなる遺伝子(複数可)は、多重発現カセット上に提供され得る。かかる発現カセットには、調節領域の転写調節下に存在するためにタンパク質コード領域の挿入のための複数の制限部位および/または組換え部位が提供されている。発現カセットは、選択可能マーカー遺伝子をさらに含有し得る。
【0254】
発現カセットは、転写の5’-3’方向で、植物もしくは他の生物または非ヒト宿主細胞において機能的な転写および翻訳開始領域(即ち、プロモーター)、本発明のNLRタンパク質コード領域、ならびに転写および翻訳終結領域(即ち、終結領域)を含む。本発明の調節領域(即ち、プロモーター、転写調節領域、および翻訳終結領域)および/またはNLRタンパク質コード領域は、宿主細胞にとって、または互いに、ネイティブであり得る/類似し得る。あるいは、本発明のNLR遺伝子、調節領域および/またはNLRタンパク質コード領域は、宿主細胞にとって、または互いに、異種であり得る。
【0255】
本明細書中で使用する場合、「異種」は、対象とする種中に存在する核酸分子またはヌクレオチド配列に関連して、対象とする種とは異なる種に由来し、有性生殖を包含する遺伝子移入(introgression)もしくは他の方法によって導入されない核酸分子またはヌクレオチド配列、あるいは同種由来である場合、対象とする種中に存在する核酸分子またはヌクレオチド配列は、意図的なヒト介入による組成物および/またはゲノム遺伝子座においてそのネイティブ形態から改変される。例えば、異種ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターは、ポリヌクレオチドが由来した種とは異なる種由来であるか、あるいは、同じ/類似した種由来である場合、一方または両方が、それらの元の形態および/またはゲノム遺伝子座から実質的に改変されるか、あるいはプロモーターは、作動可能に連結されたポリヌクレオチドにとってネイティブプロモーターではない。本明細書中で使用する場合、キメラ遺伝子またはキメラポリヌクレオチド構築物は、コード配列にとって異種である転写開始領域に作動可能に連結されたコード配列を含む。
【0256】
本発明は、本発明の核酸分子、発現カセット、およびベクターの少なくとも1つを含む宿主細胞を提供する。本発明の好ましい実施形態では、宿主細胞は植物細胞である。他の実施形態では、宿主細胞は、細菌、真菌細胞、および動物細胞からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、宿主細胞は、非ヒト動物細胞である。しかしながら、一部の他の実施形態では、宿主細胞は、in-vitroで培養したヒト細胞である。
【0257】
終結領域は、転写開始領域とネイティブであってもよく、対象とする作動可能に連結されたNLRタンパク質コード領域とネイティブであってもよく、植物宿主とネイティブであってもよく、あるいは別の供給源に由来(即ち、プロモーター、対象とするタンパク質、および/または植物宿主にとって外来または異種)してもよく、あるいはそれらの任意の組合せであってもよい。利便性のよい終結領域は、オクトピンシンターゼおよびノパリンシンターゼ終結領域などのA.ツメファシエンス(A.tumefaciens)のTiプラスミドから利用可能である。Guerineau et al.(1991)Mol.Gen.Genet.262:141-144;Proudfoot(1991) Cell 64:671-674;Sanfacon et al.(1991)Genes Dev.5:141-149;Mogen et al.(1990)Plant Cell 2:1261-1272;Munroe et al.(1990)Gene 91:151-158;Ballas et al.(1989)Nucleic Acids Res.17:7891-7903;およびJoshi et al.(1987)Nucleic Acids Res.15:9627-9639も参照のこと。
【0258】
適切である場合、ポリヌクレオチドは、形質転換された植物における発現の増加のために最適化され得る。即ち、ポリヌクレオチドは、改善された発現のために植物に好ましいコドンを使用して合成することができる。例えば、宿主に好ましいコドン使用の論述に関してCampbell and Gowri(1990)Plant Physiol.92:1-11を参照のこと。植物に好ましい遺伝子を合成する方法は、当該技術分野で利用可能である。例えば、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、米国特許第5,380,831号、および第5,436,391号、ならびにMurray et al.(1989)Nucleic Acids Res.17:477-498を参照のこと。
【0259】
細胞宿主において遺伝子発現を増強するためのさらなる配列改変が知られている。これらには、偽ポリアデニル化シグナル、エクソン-イントロンスプライス部位シグナル、トランスポゾン様反復をコードする配列、および遺伝子発現にとって有害である可能性のある他のかかる十分に特性化された配列の排除が含まれる。配列のG-C含有量は、宿主細胞において発現される既知の遺伝子に対する参照によって算出される場合、所与の細胞宿主に関して平均的なレベルに調節され得る。可能であれば、配列は、予測されるヘパリン二次mRNA構造を回避するよう改変される。
【0260】
さらに、ポリヌクレオチドは、NLRタンパク質の生物活性を改善するか、または少なくとも著しく低減しない一方で、NLRタンパク質のアミノ酸配列を変更するように、例えば、翻訳効率、タンパク質安定性および/または任意の他の所望の特性(単数または複数)を改善するように、および/または任意の1つまたは複数の望ましくない特性を低減するように改変され得る。例えば、ポリヌクレオチドは、それらによってコードされるタンパク質における潜在的なアレルギー領域を除去するように改変され得る。既知のアレルゲンおよび推定上のアレルゲンの包括的なリストに関してAllergenOnlineデータベースを参照されたい(Goodman et al.(2016)Mol.Nutr.Food Res.60(5):1183-1198;allergenonline.orgのワールドワイドウェブで利用可能)。
【0261】
発現カセットは、5’リーダー配列をさらに含有し得る。かかるリーダー配列は、翻訳を増強するように作用し得る。翻訳リーダーは、当該技術分野で既知であり、ピコルナウイルスリーダー、例えばEMCVリーダー(脳心筋炎5’非コード領域)(Elroy-Stein et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6126-6130);ポティウイルスリーダー、例えば、TEVリーダー(タバコエッチウイルス)(Gallie et al.(1995)Gene 165(2):233-238)、MDMVリーダー(トウモロコシ萎縮モザイクウイルス(Maize Dwarf Mosaic Virus))(Virology 154:9-20)、およびヒト免疫グロブリン重鎖結合性タンパク質(BiP)(Macejak et al.(1991)Nature 353:90-94);アルファルファモザイクウイルスのコートタンパク質mRNA由来の非翻訳リーダー(AMV RNA 4)(Jobling et al.(1987)Nature 325:622-625);タバコモザイクウイルスリーダー(TMV)(Gallie et al.(1989)in Molecular Biology of RNA,ed.Cech(Liss,New York),pp.237-256);およびトウモロコシ退緑斑ウイルス(maize chlorotic mottle virus)リーダー(MCMV)(Lommel et al.(1991)Virology 81:382-385)を含む。Della-Cioppa et al.(1987)Plant Physiol.84:965-968も参照のこと。
【0262】
発現カセットを調製する際、適正な配向で、および必要に応じて適正なリーディングフレームにおいてDNA配列を提供するように、様々なDNA断片が操作され得る。この目的に向けて、アダプター(「アダプタ」とも称される)またはリンカーを用いて、DNA断片を結合し得るか、または利便性のよい制限部位、余分なDNAの除去、制限部位の除去等を提供するように他の操作が包含され得る。この目的で、in vitro突然変異誘発、プライマー修復、制限、アニーリング、再置換、例えば、トランジションおよびトランスバージョンが包含され得る。
【0263】
多数のプロモーターが、本発明の実施において使用され得る。プロモーターは、所望の結末に基づいて選択され得る。核酸は、植物における発現用の構成的プロモーター、組織に好ましいプロモーター、または他のプロモーターと組み合わせることができる。かかる構成的プロモーターとして、例えば、コアCaMV 35Sプロモーター(Odell et al.(1985)Nature 313:810-812);イネアクチン(McElroy et al.(1990)Plant Cell 2:163-171);ユビキチン(Christensen et al.(1989)Plant Mol.Biol.12:619-632およびChristensen et al.(1992)Plant Mol.Biol.18:675-689);pEMU(Last et al.(1991)Theor.Appl.Genet.81:581-588);MAS(Velten et al.(1984)EMBO J.3:2723-2730);ALSプロモーター(米国特許第5,659,026号)等が挙げられる。他の構成的プロモーターとして、例えば米国特許第5,608,149号;同第5,608,144号;同第5,604,121号;同第5,569,597号;同第5,466,785号;同第5,399,680号;同第5,268,463号;同第5,608,142号;および同第6,177,611号が挙げられる。
【0264】
組織に好ましいプロモーターは、特定の植物組織内のRタンパク質コード配列の発現の増強を標的とするのに利用され得る。かかる組織に好ましいプロモーターは、これらに限定されないが、葉に好ましいプロモーター、根に好ましいプロモーター、種子に好ましいプロモーター、および茎に好ましいプロモーターを含む。組織に好ましいプロモーターとして、Yamamoto et al.(1997) Plant J.12(2):255-265;Kawamata et al.(1997)Plant Cell Physiol.38(7):792-803;Hansen et al.(1997)Mol. Gen Genet.254(3);337-343;Russell et al.(1997)Transgenic Res.6(2):157-168;Rinehart et al.(1996)Plant Physiol.112(3):1331-1341;Van Camp et al.(1996)Plant Physiol.112(2):525-535;Canevascini et al.(1996)Plant Physiol.112(2):513-524;Yamamoto et al.(1994)Plant Cell Physiol.35(5):773-778;Lam (1994)Results Probl.Cell Differ.20:181-196;Orozco et al.(1993)Plant Mol Biol.23(6):1129-1138:Matsuoka et al.(1993)Proc Natl.Acad.Sci.USA 90(20):9586-9590;およびGuevara-Garcia et al.(1993)Plant J.4(3):495-505が挙げられる。かかるプロモーターは、必要であれば、弱い発現用に改変され得る。
【0265】
導入遺伝子は、例えば病原体誘導性プロモーターなどの誘導性プロモーターを使用して発現され得る。かかるプロモーターとして、病原体による感染後に誘導される病因関連タンパク質(PRタンパク質)、例えば、PRタンパク質、SARタンパク質、ベータ-1,3-グルカナーゼ、キチナーゼ等由来のものが挙げられる。例えば、Redolfi et al.(1983)Neth.J.Plant Pathol.89:245-254;Uknes et al.(1992)Plant Cell 4:645-656;およびVan Loon (1985)Plant Mol.Virol.4:111-116を参照のこと。同様に、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、WO99/43819も参照のこと。
【0266】
病原体感染の部位で、またはその付近で局所的に発現されるプロモーターは関心が持たれる。例えば、Marineau et al.(1987)Plant Mol.Biol.9:335-342;Matton et al.(1989)Molecular Plant-Microbe Interactions 2:325-331;Somsisch et al.(1986)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:2427-2430;Somsisch et al.(1988)Mol.Gen.Genet.2:93-98;およびYang(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:14972-14977を参照のこと。同様に、Chen et al.(1996)Plant J.10:955-966;Zhang et al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:2507-2511;Warner et al.(1993)Plant J.3:191-201;Siebertz et al.(1989)Plant Cell 1:961-968;米国特許第5,750,386号(線虫誘導性);およびそれらの中で引用されている参照文献も参照のこと。発現が病原体フザリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)によって誘導されるトウモロコシPRms遺伝子用の誘導性プロモーターは特に関心が持たれる(例えば、Cordero et al.(1992)Physiol.Mol.Plant Path.41:189-200を参照)。
【0267】
さらに、病原体が、創傷または虫害を通じて植物への侵入にたどり着くため、創傷誘導性プロモーターは、本発明の構築において使用され得る。かかる創傷誘導性プロモーターとして、ジャガイモプロテイナーゼ阻害剤(pinII)遺伝子(Ryan(1990)Ann.Rev.Phytopath.28:425-449;Duan et al.(1996)Nature Biotechnology 14:494-498);wun1およびwun2、米国特許第5,428,148号;win1およびwin2(Stanford et al.(1989)Mol.Gen.Genet.215:200-208);システミン(McGurl et al.(1992)Science 225:1570-1573);WIP1(Rohmeier et al.(1993)Plant Mol.Biol.22:783-792;Eckelkamp et al.(1993)FEBS Letters 323:73-76);MPI遺伝子(Corderok et al.(1994)Plant J.6(2):141-150)等が挙げられる(引用することにより本明細書の一部をなすものとする)。
【0268】
化学物質調節プロモーターは、外因性化学的レギュレーターの適用を通じて、植物における遺伝子の発現を調整するのに使用することができる。目的に応じて、プロモーターは、化学物質の適用が遺伝子発現を誘導する場合には、化学物質誘導性プロモーター、または化学物質の適用が遺伝子発現を抑圧する場合には、化学物質抑圧性プロモーターであり得る。化学物質誘導性プロモーターは、当該技術分野で既知であり、これらに限定されないが、ベンゼンスルホンアミド除草剤セーフナーによって活性化されるトウモロコシIn2-2プロモーター、発芽前除草剤として使用される疎水性求電子化合物によって活性化されるトウモロコシGSTプロモーター、およびサリチル酸によって活性化されるタバコPR-1aプロモーターを含む。対象とする他の化学物質調節プロモーターとして、ステロイド応答性プロモーター(例えば、Schena et al.(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:10421-10425およびMcNellis et al.(1998)Plant J.14(2):247-257におけるグルココルチコイド誘導性プロモーターを参照)ならびにテトラサイクリン誘導性およびテトラサイクリン抑圧性プロモーター(例えば、Gatz et al.(1991)Mol.Gen.Genet.227:229-237、および米国特許第5,814,618号および同第5,789,156号を参照)が挙げられる(引用することにより本明細書の一部をなすものとする)。
【0269】
発現カセットはまた、形質転換された細胞の選択のための選択可能マーカー遺伝子を含み得る。選択可能マーカー遺伝子は、形質転換された細胞または組織の選択に利用される。マーカー遺伝子として、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(NEO)およびハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HPT)をコードするものなどの抗生物質耐性をコードする遺伝子、ならびにグルホシネートアンモニウム、ブロモキシニル、イミダゾリノン、および2,4-ジクロロフェノキシアセテート(2,4-D)などの除草剤化合物に対する耐性を付与する遺伝子が挙げられる。さらなる選択マーカーとして、β-ガラクトシダーゼなどの表現型マーカーおよび緑色蛍光タンパク質(GFP)(Su et al.(2004)Biotechnol Bioeng 85:610-9およびFetter et al.(2004)Plant Cell 16:215-28)、シアン蛍光タンパク質(CYP)(Bolte et al.(2004)J.Cell Science 117:943-54およびKato et al.(2002)Plant Physiol 129:913-42)、および黄色蛍光タンパク質(Evrogen社のPhiYFP(商標)、Bolte et al.(2004)J.Cell Science 117:943-54を参照)などの蛍光タンパク質が挙げられる。さらなる選択可能マーカーに関して、一般にYarranton (1992)Curr.Opin.Biotech.3:506-511;Christopherson et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6314-6318;Yao et al.(1992)Cell 71:63-72;Reznikoff (1992)Mol.Microbiol.6:2419-2422;Barkley et al.(1980)in The Operon,pp.177-220;Hu et al.(1987)Cell 48:555-566;Brown et al.(1987)Cell 49:603-612;Figge et al.(1988)Cell 52:713-722;Deuschle et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Aci.USA 86:5400-5404;Fuerst et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2549-2553;Deuschle et al.(1990)Science 248:480-483;Gossen(1993)Ph.D.Thesis,University of Heidelberg;Reines et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:1917-1921;Labow et al.(1990)Mol.Cell.Biol.10:3343-3356;Zambretti et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:3952-3956;Baim et al.(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:5072-5076;Wyborski et al.(1991)Nucleic Acids Res.19:4647-4653;Hillenand-Wissman(1989)Topics Mol.Struc.Biol.10:143-162;Degenkolb et al.(1991)Antimicrob.Agents Chemother.35:1591-1595;Kleinschnidt et al.(1988)Biochemistry 27:1094-1104;Bonin (1993)Ph.D.Thesis,University of Heidelberg;Gossen et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547-5551;Oliva et al.(1992)Antimicrob.Agents Chemother.36:913-919;Hlavka et al.(1985)Handbook of Experimental Pharmacology,Vol.78(Springer-Verlag,Berlin);Gill et al.(1988)Nature 334:721-724を参照のこと。かかる開示は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0270】
選択可能マーカー遺伝子の上記リストは、限定的であることが意図されない。任意の選択可能マーカー遺伝子が本発明で使用され得る。
【0271】
多数の植物形質転換ベクターおよび植物を形質転換する方法が利用可能である。例えば、An,G.et al.(1986)Plant Pysiol.,81:301-305;Fry,J.,et al.(1987)Plant Cell Rep.6:321-325;Block,M.(1988)Theor.Appl Genet.76:767-774;Hinchee,et al.(1990)Stadler.Genet.Symp.203212.203-212;Cousins, et al.(1991)Aust.J.Plant Physiol.18:481-494;Chee,P.P. and Slightom,J.L.(1992)Gene.118:255-260;Christou,et al.(1992)Trends.Biotechnol.10:239-246;D’Halluin, et al.(1992)Bio/Technol.10:309-314;Dhir,et al.(1992)Plant Physiol.99:81-88;Casas et al.(1993)Proc.Nat.Acad Sci.USA 90:11212-11216;Christou,P.(1993)In Vitro Cell.Dev.Biol.-Plant;29P:119-124;Davies, et al.(1993)Plant Cell Rep.12:180-183;Dong,J.A.and Mchughen,A.(1993)Plant Sci.91:139-148;Franklin,C.I.and Trieu,T.N.(1993)Plant.Physiol.102:167:Golovkin,et al.(1993)Plant Sci.90:41-52;Guo Chin Sci.Bull.38:2072-2078;Asano,et al.(1994)Plant Cell Rep.13;Ayeres N.M.and Park,W.D.(1994)Crit.Rev.Plant.Sci.13:219-239;Barcelo,et al.(1994)Plant.J.5:583-592;Becker,et al.(1994)Plant.J.5:299-307;Borkowska et al.(1994)Acta.Physiol Plant.16:225-230;Christou,P.(1994)Agro.Food.Ind.Hi Tech.5:17-27;Eapen et al.(1994)Plant Cell Rep.13:582-586;Hartman,et al.(1994)Bio-Technology 12:919923;Ritala,et al.(1994)Plant.Mol.Biol.24:317-325;およびWan,Y.C.and Lemaux,P.G.(1994)Plant Physiol.104:3748を参照のこと。
【0272】
本発明で利用される植物形質転換ベクターとして、例えば、本明細書中の他の箇所で開示されているか、または代わりに当該技術分野で既知のアグロバクテリウム属(Agrobacterium)媒介性形質転換方法における使用に適したT-DNAベクターまたはプラスミドが挙げられる。
【0273】
本発明の方法は、ポリヌクレオチド構築物を植物に導入するステップを包含する。「導入するステップ」とは、構築物が植物の細胞の内側に接近するように植物にポリヌクレオチド構築物を提示することが意図される。本発明の方法は、ポリヌクレオチド構築物を植物に導入する特定の方法に依存せず、ポリヌクレオチド構築物が植物の少なくとも1つの細胞の内側に接近することのみに依存する。安定な形質転換方法、これらに限定されないが一過性の形質転換方法、およびウイルス媒介性方法を含むポリヌクレオチド構築物を植物に導入する方法が、当該技術分野で既知である。
【0274】
「安定な形質転換」とは、植物に導入されたポリヌクレオチド構築物が植物のゲノムに組み込み、それらの子孫に遺伝されることが可能であることが意図される。「一過性の形質転換」とは、植物に導入されたポリヌクレオチド構築物が植物のゲノムに組み込まないことと意図される。
【0275】
植物および植物細胞の形質転換に関して、本発明のヌクレオチド配列は、標準的な技法を使用して、植物または植物細胞におけるヌクレオチド配列の発現に適した当該技術分野で既知の任意のベクターに挿入される。ベクターの選択は、好ましい形質転換技法および形質転換されるべき標的植物種に依存する。
【0276】
植物発現カセットを構築して、外来核酸を植物に導入するための方法論は概して、当該技術分野で既知であり、上述されている。例えば、外来DNAは、腫瘍誘導性(Ti)プラスミドベクターを使用して、植物に導入され得る。外来DNA送達に利用される他の方法は、PEG媒介性プロトプラスト形質転換、エレクトロポレーション、マイクロインジェクションウィスカー、および直接的なDNA取込み用のバイロリスティックまたは微粒子銃の使用を包含する。かかる方法は当該技術分野で既知である(Vasil et al.の米国特許第5,405,765号;Bilang et al.(1991)Gene 100:247-250;Scheid et al.,(1991)Mol.Gen.Genet.,228:104-112;Guerche et al.,(1987)Plant Science 52:111-116;Neuhause et al.,(1987)Theor.Appl 遺伝子t.75:30-36;Klein et al.,(1987)Nature 327:70-73;Howell et al.,(1980)Science 208:1265;Horsch et al.,(1985)Science 227:1229-1231;DeBlock et al.,(1989)Plant Physiology 91:694-701;Methods for Plant Molecular Biology(Weissbach and Weissbach, eds.)Academic Press,Inc.(1988)およびMethods in Plant Molecular Biology(Schuler and Zielinski,eds.)Academic Press,Inc.(1989))。形質転換の方法は、形質転換されるべき植物細胞、使用されるベクターの安定性、遺伝子産物の発現レベルおよび他のパラメーターに依存する。
【0277】
ヌクレオチド配列を植物細胞に導入し、続く植物ゲノムへの挿入の他の適切な方法として、Crossway et al.(1986)Biotechniques 4:320-334のマイクロインジェクション、Riggs et al.(1986)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:5602-5606によって記載されるようなエレクトロポレーション、Townsend et al.,米国特許第5,563,055号、Zhao et al.,米国特許第5,981,840号によって記載されるようなアグロバクテリウム属媒介性形質転換、Paszkowski et al.(1984)EMBO J.3:2717-2722によって記載されるような直接的な遺伝子移入、および例えばSanford et al.,米国特許第4,945,050号;Tomes et al.,米国特許第5,879,918号;Tomes et al.,米国特許第5,886,244号;Bidney et al.,米国特許第5,932,782号;Tomes et al.(1995)“Direct DNA Transfer into Intact Plant Cells via Microprojectile Bombardment,”in Plant Cell,Tissue,and Organ Culture:Fundamental Methods,ed.Gamborg and Phillips(Springer-Verlag社、ベルリン);McCabe et al.(1988)Biotechnology 6:923-926に記載されるようなぶりバリスティック粒子加速;およびLec1形質転換(国際公開第00/28058号)が挙げられる。同様に、Weissinger et al.(1988)Ann.Rev.Genet.22:421-477;Sanford et al.(1987)Particulate Science and Technology 5:27-37(タマネギ);Christou et al.(1988)Plant Physiol.87:671-674(ダイズ);McCabe et al.(1988)Bio/Technology 6:923-926(ダイズ);Finer and McMullen(1991)In Vitro Cell Dev.Biol.27P:175-182(ダイズ);Singh et al.(1998)Theor.Appl.Genet.96:319-324(ダイズ);Datta et al.(1990)Biotechnology 8:736-740(イネ);Klein et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:4305-4309(トウモロコシ);Klein et al.(1988)Biotechnology 6:559-563(トウモロコシ);Tomes,米国特許第5,240,855号;Buising et al.,米国特許第5,322,783号および同第5,324,646号;Tomes et al.(1995)“Direct DNA Transfer into Intact Plant Cells via Microprojectile Bombardment,”in Plant Cell,Tissue,and Organ Culture:Fundamental Methods,ed.Gamborg(Springer-Verlag社、ベルリン)(トウモロコシ);Klein et al.(1988)Plant Physiol.91:440-444(トウモロコシ);Fromm et al.(1990)Biotechnology 8:833-839(トウモロコシ);Hooykaas-Van Slogteren et al.(1984)Nature(London)311:763-764;Bowen et al.,米国特許第5,736,369号(穀類);Bytebier et al.(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:5345-5349(ユリ科(Liliaceae));De Wet et al.(1985)in The Experimental Manipulation of Ovule Tissues,ed.Chapman et al.(Longman社、ニューヨーク),pp.197-209(花粉);Kaeppler et al.(1990)Plant Cell Reports 9:415-418およびKaeppler et al.(1992)Theor.Appl.Genet.84:560-566(ウィスカー媒介性形質転換);D’Halluin et al.(1992)Plant Cell 4:1495-1505(エレクトロポレーション);Li et al.(1993)Plant Cell Reports 12:250-255およびChristou and Ford(1995)Annals of Botany 75:407-413(イネ);Osjoda et al.(1996)Nature Biotechnology 14:745-750(アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)を介したトウモロコシ)も参照のこと。それらは全て、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0278】
本発明のポリヌクレオチドは、植物をウイルスまたはウイルス核酸と接触させるステップによって植物に導入され得る。一般に、かかる方法は、本発明のポリヌクレオチド構築物を、ウイルスDNAまたはRNA分子内に組み込むステップを包含する。さらに、本発明のプロモーターはまた、ウイルスRNAポリメラーゼによる転写に利用されるプロモーターを包含することが認識されている。ウイルスDNAまたはRNA分子を含む、ポリヌクレオチド構築物を植物に導入して、そこでコードされるタンパク質を発現する方法が当該技術分野で既知である。例えば、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、米国特許第5,889,191号、同第5,889,190号、同第5,866,785号、同第5,589,367号および同第5,316,931号を参照のこと。
【0279】
望ましい場合、改変されたウイルスまたは改変されたウイルス核酸は、配合物中で調製され得る。かかる配合物は、例えば、土壌処置配合物用の溶媒および/または担体、望ましい場合、乳化剤、界面活性剤および分散剤、防腐剤、消泡剤、凍結防止剤などの農薬の配合物に適した補助剤、同様に任意選択で着色剤および/または結合剤および/またはゲル化剤を用いて活性化合物を拡げることによって、既知の様式で調製される(例えば、概説に関して米国特許第3,060,084号、欧州A 707 445号(液体濃縮物に関して)、Browning,“Agglomeration”,Chemical Engineering,Dec.4,1967,147-48,Perry’s Chemical Engineer’s Handbook,4th Ed.,McGraw-Hill,New York,1963,pages 8-57を参照、および以下を参照、国際公開第91/13546号、米国特許第4,172,714号、米国特許第4,144,050号、米国特許第3,920,442号、米国特許第5,180,587号、米国特許第5,232,701号、米国特許第5,208,030号、英国特許第2,095,558号、米国特許第3,299,566号、Klingman,Weed Control as a Science,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1961,Hance et al.Weed Control Handbook,8th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1989およびMollet,H.,Grubemann,A.,Formulation technology,Wiley VCH Verlag GmbH,Weinheim(Germany),2001,2.D.A.Knowles,Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations,Kluwer Academic Publishers,Dordrecht,1998(ISBN 0-7514-0443-8))。
【0280】
特定実施形態では、本発明のポリヌクレオチド構築物および発現カセットは、当該技術分野で既知の様々な一過性の形質転換法を使用して植物に供給され得る。かかる方法として、例えば、マイクロインジェクションまたは微粒子銃が挙げられる。例えば、Crossway et al.(1986)Mol Gen.Genet.202:179-185;Nomura et al.(1986)Plant Sci.44:53-58;Hepler et al.(1994)PNAS Sci.91:2176-2180およびHush et al.(1994)J.Cell Science 107:775-784を参照のこと。それらは全て、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。あるいは、ポリヌクレオチドは、当該技術分野で既知の技法を使用して、植物に一過的に形質転換され得る。かかる技法は、本明細書中の他の箇所に記載されるようなウイルスベクター系およびアグロバクテリウム・ツメファシエンス媒介性一過性発現を含む。
【0281】
形質転換された細胞は、従来の方法に従って植物へと生育され得る。例えば、McCormick et al.(1986)Plant Cell Reports 5:81-84を参照のこと。次に、これらの植物は生育されて、同じ形質転換された株または異なる株を用いて受粉され、所望の表現型特性の構成的発現を有する得られたハイブリッドが同定され得る。2世代またはそれよりも多い世代が生育されて、確実に所望の表現型特性の発現が安定に維持され、遺伝され、続いて、種子が収穫されて、確実に所望の表現型特性の発現が達成された。この様式で、本発明は、本発明のポリヌクレオチド構築物、例えば本発明の発現カセットがゲノムに安定に組み込まれた形質転換された種子(「トランスジェニック種子」とも称される)を提供する。
【0282】
DNAを植物のゲノムにおいて改変させる当該技術分野で既知のかかる方法として、例えば、標的突然変異誘発、部位特異的組み込み(SDI)、および相同組換えを包含する方法などの、例えば突然変異育種およびゲノム編集技術が挙げられる。標的突然変異誘発または類似した技法は、米国特許第5,565,350号;同第5,731,181号;同第5,756,325号;同第5,760,012号;同第5,795,972号;同第5,871,984号;同第8,106,259号に開示されており、それらは全て、それらの全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。相同組換えを含む遺伝子改変または遺伝子置換の方法は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、TAL(転写活性化因子様)エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート/CRISPR関連ヌクレアーゼ(CRISPR/Casヌクレアーゼ)、または植物、他の生物、もしくは宿主細胞のゲノムにおける特異的な認識配列で二重鎖切断を作製するよう操作されたエンドヌクレアーゼであるホーミングエンドヌクレアーゼを使用してDNAにおいて単鎖または二重鎖切断を誘導するステップを包含し得る。例えば、Durai et al.,(2005)Nucleic Acids Res.33:5978-90;Mani et al.(2005)Biochem.Biophys.Res.Comm 335:447-57;米国特許第7,163,824号、同第7,001,768号、および同第6,453,242号;Arnould et al.(2006)J Mol.Biol.355:443-58;Ashworth et al.,(2006)Nature 441:656-9;Doyon et al.(2006)J Am Chem Soc 128:2477-84;Rosen et al.,(2006)Nucleic Acids Res.34:4791-800;およびSmith et al.,(2006)Nucleic Acids Res.34:e149;米国特許出願公開第2009/0133152号;および米国特許出願公開第2007/0117128号を参照のこと。それらは全て、それらの全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0283】
TALエフェクターヌクレアーゼ(TALEN)は、相同組換えを通じて遺伝子改変または遺伝子置換のための植物のゲノムにおける特異的な認識部位に二重鎖切断を作製するのに使用され得る。TALエフェクターヌクレアーゼは、植物または他の生物のゲノムにおいて特異的な標的配列で二重鎖切断を作製するのに使用され得る配列特異的なヌクレアーゼのクラスである。TALエフェクターヌクレアーゼは、ネイティブまたは操作された転写活性化因子様(TAL)エフェクター、またはその機能性部分を、例えばFokIなどのエンドヌクレアーゼの触媒ドメインに融合するステップによって創出される。特有のモジュラーTALエフェクターDNA結合性ドメインは、潜在的に任意の所与のDNA認識特異性を有するタンパク質の設計を可能にする。したがって、TALエフェクターヌクレアーゼのDNA結合性ドメインは、特異的なDNA標的部位を認識するよう操作されて、したがって、所望の標的配列で二重鎖切断を作製するのに使用され得る。国際公開第2010/079430号;Morbitzer et al.(2010)PNAS 10.1073/pnas.1013133107;Scholze and Boch(2010)Virulence 1:428-432;Christian et al.Genetics(2010)186:757-761;Li et al.(2010)Nuc.Acids Res.(2010)doi:10.1093/nar/gkq704;and Miller et al.(2011)Nature Biotechnology 29:143-148を参照のこと。それらは全て、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0284】
CRISPR/Casヌクレアーゼシステムはまた、相同組換えを通じて、遺伝子改変または遺伝子置換のために植物のゲノムにおいて特異的な認識配列で単鎖または二重鎖切断を作製するのに使用され得る。CRISPR/Casヌクレアーゼは、設計されたRNAに相同的なDNAセグメントにおいて配列特異的な二重鎖切断を実施するRNAガイド(簡素なガイドRNA、要するにsgRNA)DNAエンドヌクレアーゼ系である。配列の特異性を設計することが可能である(Cho S.W.et al.,Nat.Biotechnol.31:230-232,2013;Cong L.et al.,Science 339:819-823,2013;Mali P.et al.,Science 339:823-826,2013; Feng Z.et al.,Cell Research:1-4,2013)。
【0285】
さらに、ZFNは、相同組換えを通じて遺伝子改変または遺伝子置換のために植物のゲノムにおいて特異的認識配列で二重鎖切断を作製するのに使用され得る。ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)は、DNA切断に関与するFokI制限エンドヌクレアーゼタンパク質の一部および特異的な設計されたゲノム配列を認識して、それらの配列で二重鎖DNAを切断し、それによって遊離DNA末端を生じるジンクフィンガータンパク質を含む融合タンパク質である(Urnov F.D.et al.,Nat Rev Genet.11:636-46,2010;Carroll D.,Genetics.188:773-82、2011)。
【0286】
例えば本明細書中で上述するものなどの部位特異的なヌクレアーゼを使用してDNAを切断することにより、切断の領域における相同組換えの割合を高め得る。したがって、上述するようなエフェクターと、ヌクレアーゼとのカップリングは、付加、欠失および他の改変を含むゲノムにおける標的変化の生成を可能にする。
【0287】
明記されない限り、または使用の状況から明らかでない限り、本発明の方法および組成物は、例えば、単子葉類の植物(「単子葉植物」)、双子葉類の植物(「双子葉」)および針葉樹を含む任意の植物種とともに使用することができる。対象とする植物種の例は、これらに限定されないが、コーン(トウモロコシ(Zea mays))、ブラッシカsp.(Brassica sp.)(例えば、B.ナプス(B.napus)、B.ラパ(B.rapa)、B.ジュンセア(B.juncea))、特に、種油の供給源として有用なブラッシカ種、アルファルファ(メディカゴ・サチバ(Medicago sativa))、イネ(オリザ・サチバ(Oryza sativa))、ライムギ(セカレ・セレアレ(Secale cereale))、ライコムギ(×トリチコセカレ(Triticosecale)またはトリチクム(Triticum)×セカレ(Secale))、ソルガム(ソルガム・ビコロル(Sorghum bicolor)、ソルガムブルガレ(Sorghum vulgare))、テフ(エラグロスチス・テフ(Eragrostis tef))、アワ(例えば、トウゾインビエ(ペンニセツム・グラウクム(Pennisetum glaucum))、キビ(パニクム・ミリアセウム(Panicum miliaceum))、アワ(セタリア・イタリカ(Setaria italica))、シコクビエ(エレウシネ・コラカナ(Eleusine coracana)))、スイッチグラス(パニクム・ビルガツム(Panicum virgatum))、ひまわり(ヘリアンサス・アンヌス(Helianthus annuus))、ベニバナ(カルサムス・チンクトリウス(Carthamus tinctorius))、コムギ(トリチクム・アエスチブム(Triticum aestivum))、ダイズ(グリシン・マックス)、タバコ(ニコチアナ・タバクム(Nicotiana tabacum))、ジャガイモ(ソラヌム・ツベロスム(Solanum tuberosum))、ピーナッツ(アラキス・ヒポガエア(Arachis hypogaea))、ワタ(ゴッシイピウム・バルバデンセ(gossypium barbadense)、ゴッシイピウム・ヒルスツム(Gossypium hirsutum))、イチゴ(例えば、フラガリア属(Fragaria)×アナナッサ(ananassa)、フラガリア属・ベスカ(Fragaria vesca)、フラガリア・モスチャタ(Fragaria moschata)、フラガリア・ビルギニアナ(Fragaria virginiana)、フラガリア・キロエンシス(Fragaria chiloensis))、サツマイモ(イポモエア・バタツス(ipomoea batatus))、ヤムイモ(ディオスコレアspp.(Dioscorea spp.)、D.ロツンダタ(D.rotundata)、D.カイエネンシス(D.cayenensis)、D.アラタ(D.alata)、D.ポリスタキア(D.polystachya)、D.ブルビフェラ(D.bulbifera)、D.エスクレンタ(D.esculenta)、D.デュメトルム(D.dumetorum)、D.トリフィダ(D.trifida))、キャッサバ(マニホト・エスクレンタ(Manihot esculenta))、コーヒー(コッフェアspp.(Coffea spp.))、ココナツ(ココス・ヌキフェラ(Cocos nucifera))、油やし(例えば、エラエイス・グイネエンシス(Elaeis guineensis)、エラエイス・オレイフェラ(Elaeis oleifera))、パイナップル(アナナス・コモス(Ananas comosus))、柑橘類の木(シトラスspp.(Citrus spp.))、ココア(テオブロマ・カカオ(Theobroma cacao))、チャ(カメリア・シネンシス(Camellia sinensis))、バナナ(ムサspp.(Musa spp.))、アボカド(ペルセア・アメリカナ(Persea americana))、イチジク(フィクス・カシカ(Ficus casica))、グアバ(サイディウム・グアジャバ(Psidium guajava))、マンゴー(マンギフェラ・インディカ(Mangifera indica))、オリーブ(オレア・エウロパエア(Olea europaea))、パパイヤ(カリカ・パパイヤ(Carica papaya))、カシュー(アナカルディウム・オッシデンタレ(Anacardium occidentale))、マカダミア(マカダミア・インテグリフォリア(Macadamia integrifolia))、アーモンド(プルヌス・アミグダルス(Prunus amygdalus))、ナツメヤシ(フォエニクス・ダクチリフェラ(Phoenix dactylifera))、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)の栽培形態(サトウダイコン、レッドビート、フダンソウまたはスピナッチビート(spinach beet)、マンゲルワーゼル(mangelwurzel)または飼料ビート)、サトウキビ(サッカルムspp.(Saccharum spp.))、カラスムギ(アベナ・サチバ(Avena sativa))、オオムギ(ホルデウム・ブルガレ)、カンナビス(カンナビス・サチバ(Cannabis sativa)、C.インディカ(indica)、C.ルデラリス(C.ruderalis))、ポプラ(ポプルスspp.(Populus spp.))、ユーカリ(エウカリプツスspp.(Eucalyptus spp.))、シロイヌナズナ、アラビドプシス・リゾゲネス(Arabidopsis rhizogenes)、ニコチアナ・ベンタミアナ(Nicotiana benthamiana)、ブラキポディウム・ディスタキオンの野菜、観葉植物、および針葉樹ならびに他の木を含む。特定実施形態では、本発明の植物は、作物(例えば、トウモロコシ、ソルガム、コムギ、アワ、イネ、オオムギ、オーツムギ、サトウキビ、アルファルファ、ダイズ、ピーナッツ、ヒマワリ、ワタ、ブラッシカsp.、レタス、イチゴ、リンゴ、柑橘類等)である。
【0288】
野菜として、トマト(リコペルシコン・エスクレンツム(Lycopersicon esculentum))、ナス(「ナスビ(aubergine)または「ブリンジャル(brinjal)」としても知られている)(ソラヌム・メロンゲナ(Solanum melongena))、コショウ(カプシクム・アンヌウム(Capsicum annuum))レタス(例えば、ラクツカ・サチバ(Lactuca sativa))、サヤインゲン(ファセオルス・ブルガリス(Phaseolus vulgaris))、ライマメ(ファセオルス・リメンシス(Phaseolus limensis))、エンドウ(ラチルスspp.(Lathyrus spp.))、ヒヨコマメ(キセル・アリエチヌム(Cicer arietinum))、ならびにキュウリ(C.サチブス(C.sativus))、カンタロープ(C.カンタルペンシス(C.cantalupensis))、およびマスクメロン(C.メロ(C.melo))などのククミス属(Cucumis)の成員が挙げられる。観葉植物として、ツツジ(ロドデンドロンspp.(Rhododendron spp.))、アジサイ(マクロフィラ・ハイドランゲア(Macrophylla hydrangea))、ハイビスカス(ハイビスカス・ロササネンシス(Hibiscus rosasanensis))、バラ(ロサspp.(Rosa spp.))、チューリップ(ツリパspp.(Tulipa spp.))、ラッパスイセン(ナルシッススspp.(Narcissus spp.))、ペチュニア(ペツニア・ハイブリダ(Petunia hybrida))、カーネーション(ディアンサス・カリオフィルス(Dianthus caryophyllus))、ポインセチア(ユーフォルビア・プルケリマ(Euphorbia pulcherrima))、およびキクが挙げられる。果樹および関連植物として、例えば、リンゴ、セイヨウナシ、モモ、プラム、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、ザボン、パーム、およびバナナが挙げられる。堅果の木および関連植物として、例えば、アーモンド、カシュー、クルミ、ピスタチオ、マカダミアナッツ、ハシバシ、ヘーゼルナッツ、およびペカンが挙げられる。
【0289】
特定実施形態では、本発明の植物は、例えば、トウモロコシ(コーン)、ダイズ、コムギ、イネ、ワタ、アルファルファ、ヒマワリ、セイヨウアブラナ(ブラッシカspp.(Brassica spp.)、特にブラッシカ・ナプス(Brassica napus)、ブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)、ブラッシカ・ジュンセア(Brassica juncea))、ナタネ(ブラッシカ・ナプス)、ソルガム、アワ、オオムギ、ライコムギ、ベニバナ、ピーナッツ、サトウキビ、タバコ、ジャガイモ、トマト、およびコショウなどの作物である。
【0290】
一部の好ましい実施形態では、本発明の方法および組成物は、コムギの下記疾病:プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシによって引き起こされるコムギ黒さび病、プッチニア・ストリイフォルミスf.sp.トリチシによって引き起こされるコムギ黄さび病、プッチニア・トリチシナによって引き起こされるコムギ赤さび病およびマグナポルテ・オリゼ トリチクムによって引き起こされるコムギいもち病の1つまたは複数に対して、作物、特に栽培植物化されたコムギ植物の耐性を増強するのに使用され得る。栽培植物化されたコムギ植物は、これらに限定されないが、食用コムギまたはパンコムギ(トリチクム・アエスチブム)、デュラムコムギ(トリチクム・デュラム(Triticum durum)またはトリチクム・ツルギダムsubsp.デュラム(Triticum turgidum subsp.durum))、ヒトツブコムギ(トリチクム・モノコックム(Triticum monococcum))、スペルト(トリチクム・スペルタ(Triticum spelta))、エンマーコムギ(トリチクム・ツルギダムsubsp.ディコックム(Triticum turgidum subsp.Dicoccum);トリチクム・ツルギダムconv.デュラム(Triticum turgidum conv. durum))、およびホラーサンコムギ(トリチクム・ツルギダムssp.ツラニクム(Triticum turgidum ssp.Turanicum)またはトリチクム・ツラニクム(Triticum turanicum))を含む。
【0291】
「植物」という用語は、文脈によって明らかに別の状況を示さない限り、成熟度または発達の任意の段階にある植物、ならびに任意のかかる植物から採取されたか、もしくはそれから得られた任意の細胞、組織または器官(植物の一部)を包含すると意図される。植物部分は、これらに限定されないが、果実、幹、塊茎、根、花、胚珠、雄しべ、花弁、葉、胚軸、上胚軸、子葉、胚、分裂組織領域、カルス組織、葯培養物、配偶体、胞子体、花粉、小胞子、プロトプラスト、種子等を含む。本発明の植物プロトプラストは、上述の植物の一部の任意の1つまたは複数から、発達および/または成熟度の任意の段階で調製することができることが認識されている。
【0292】
同様に、「植物細胞」という用語は、文脈によって明らかに別の状況を示さない限り、成熟度もしくは発達の任意の段階にある植物から得られたか、またはそれらにおける植物細胞を包含すると意図される。植物細胞は、これらに限定されないが果実、幹、塊茎、根、花、胚珠、雄しべ、葉、胚、分裂組織領域、カルス組織、葯培養物、配偶体、胞子体、花粉、小胞子、in vitroで培養された組織、器官または細胞等を含む植物の一部由来であり得るか、またはそれらにおいて存在し得る。
【0293】
再生された植物の子孫、バリアント、および突然変異体もまた、本発明の範囲内に含まれるが、但し、これらの一部は、導入されたポリヌクレオチドを含む。本明細書中で使用する場合、「子孫」および「子孫植物」は、それが明らかに別記されない限り、または使用の状況から明らかでない限り、有性生殖および/または無性繁殖から生じようと、植物の任意の次世代を含む。
【0294】
「発現」という用語は、本明細書中で使用する場合、遺伝子産物の転写および/または翻訳を含む、遺伝子産物の生合成を指す。DNA分子からのタンパク質もしくはポリペプチドの「発現」または「産生」は、タンパク質またはポリペプチドを産生するためのコード配列の転写および翻訳を指すのに対して、RNA分子からのタンパク質またはポリペプチドの「発現」または「産生」は、タンパク質またはポリペプチドを産生するためのRNAコード配列の翻訳を指す。好ましくは、本発明の方法に関して、別記されない限り、または使用の文脈から明らかでない限り、NLRのmRNA(即ち、転写物)が植物、植物器官、または他の植物の一部において検出される場合、NLRは、植物、植物器官、または他の植物の一部における発現NLRである。
【0295】
本明細書中の「DNA」または「RNA」という用語の使用は、本発明を、DNAまたはRNAを含むポリヌクレオチド分子に限定するものと意図されない。本発明の方法および組成物は、核酸分子、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド構築物、発現カセット、ならびにデオキシリボヌクレオチド(即ち、DNA)、リボヌクレオチド(即ち、RNA)またはリボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドの組合せから構成されるベクターを包含することが当業者に認識されている。かかるデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドは、天然に存在する分子および、これらに限定されないがヌクレオチド類似体または修飾骨格残基もしくは結合を含む合成類似体の両方を含み、それらは、合成的であり、天然に存在し、あるいは天然に存在せず、それらは、参照核酸と類似した結合特性を有し、それらは、参照ヌクレオチドに類似した様式で代謝される。かかる類似体の例は、限定されずにホスホロチオエート、ホスホルアミデート、メチルホスホネート、キラル-メチルホスホネート、2-O-メチルリボヌクレオチド、ペプチド-核酸(PNA)を含む。本発明のポリヌクレオチド分子はまた、これらに限定されないが単鎖形態、二重鎖形態、ヘアピン、ステムループ構造等を含むポリヌクレオチドの全ての形態を包含する。さらに、本明細書中に開示されるヌクレオチド配列はまた、その例示されたヌクレオチド配列の相補体を包含することが当業者に理解されよう。
【0296】
本発明は、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれよりも多い植物病原体によって引き起こされる植物疾病に対する耐性が増強された植物を生産するための組成物および方法を目指すものである。「植物疾病に対する耐性」または「疾病耐性」とは、植物が植物病原体相互作用の結末である疾病症状を回避すると意図される。即ち、1つまたは複数の病原体は、植物疾病(単数または複数)および関連する疾病症状を引き起こすのを防止されるか、あるいは、1つまたは複数の病原体によって引き起こされる疾病症状が、最小限に抑えられるか、または減じられる。
【0297】
候補R遺伝子のライブラリーを調製する方法およびR遺伝子を同定する方法は、対象とする植物に植物疾病を引き起こす植物病原体に対するR遺伝子に関して主に記載されているのに対して、本発明の方法は、これらに限定されないが植物病原体(例えば、真菌、卵菌、細菌、ウイルス、および線虫)ならびに植物に損傷を引き起こす昆虫およびコナダニを含む任意の植物害虫に対するR遺伝子に広く適用可能である。したがって、「植物病原体」という用語は、本明細書中で使用する場合、明示されない限り、または使用の状況から明らかでない限り、任意の植物害虫を包含する。同様に、「植物疾病」または「疾病」という用語は、本明細書中で使用する場合、明示されない限り、または使用の状況から明らかでない限り、植物害虫によって植物に引き起こされる任意の損傷を包含する。
【0298】
植物病原体として、例えば、細菌、真菌、卵菌、ウイルス、線虫等が挙げられる。主要な作物に対する具体的な病原体として、ダイズ:フィトフトラ・メガスペルマfsp.グリシネア(Phytophthora megasperma fsp.glycinea)、マクロホミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、ディアポルテ・ファセオロルムvar.ソジャエ(Diaporthe phaseolorum var.sojae)(ホモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae))、ディアポルテ・ファセオロルムvar.カウリボラ(Diaporthe phaseolorum var.caulivora)、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)、セルコスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii)、セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina)、ペロノスポラ・マンシュリカ(Peronospora manshurica)、コレトトリクム・デマチウム(Colletotrichum dematium)(コレトチクム・トルンカツム(Colletotichum truncatum))、コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola)、セプトリア・グリシネス(Septoria glycines)、フィロスチクタ・ソジコラ(Phyllosticta sojicola)、アルタナリア・アルテルナタ(Alternaria alternata)、シュードモナス・シリンガエp.v.グリシネア(Pseudomonas syringae p.v.glycinea)、キサントモナス・カムペストリスp.v.ファセオリ(Xanthomonas campestris p.v.phaseoli)、ミクロスファエラ・ディッフサ(Microsphaera diffusa)、フザリウム・セミテクツム(Fusarium semitectum)、フィアロホラ・グレガタ(Phialophora gregata)、ダイズモザイクウイルス、グロメレラ・グリシネス(Glomerella glycines)、タバコ輪点ウイルス、タバコ条斑ウイルス、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、フィチウム・アファニデルマツム(Pythium aphanidermatum)、フィチウム・ウルチムム(Pythium ultimum)、フィチウム・デバリアヌム(Pythium debaryanum)、トマト黄化壊疽ウイルス、ヘテロデラ・グリシネス(Heterodera glycines)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani);セイヨウアブラナ:アルブゴ・カンディダ、アルタナリア・ブラッシカエ、レプトスファリア・マクランス(Leptosphaeria maculans)、リゾクトニア・ソラニ、スクレロチニア・スクレロチオルム、ミコスファエレラ・ブラッシシコラ(Mycosphaerella brassicicola)、フィチウム・ウルチムム、ペロノスポラ・パラシチカ(Peronospora parasitica)、フザリウム・ロセウム(Fusarium roseum)、アルタナリア・アルテルナタ;アルファルファ:クラビバクテル・ミキガネセsubsp.インシディオスム(Clavibacter michiganese subsp.insidiosum)、フィチウム・ウルチムム、フィチウム・イレグラレ(Pythium irregulare)、フィチウム・スプレンデンス(Pythium splendens)、フィチウム・デバリアヌム、フィチウム・アファニデルマツム、フィトフトラ・メガスペルマ、ペロノスポラ・トリフォリオルム(Peronospora trifoliorum)、ホマ・メディカギニスvar.メディカギニス(Phoma medicaginis var.medicaginis)、セルコスポラ・メディカギニス(Cercospora medicaginis)、シュードペジザ・メディカギニス(Pseudopeziza medicaginis)、レプトトロキラ・メディカギニス(Leptotrochila medicaginis)、フザリウム・オキシスポルム、バーティシリウム・アルボ・アトラム(Verticillium albo-atrum)、キサントモナス・カムペストリスp.v.アルファルファエ(Xanthomonas campestris p.v.alfalfae)、アファノミセス・ユーテイチェス(Aphanomyces euteiches)、ステムフィリウム・ハーバルム(Stemphylium herbarum)、ステムフィリウム・アルファルファエ(Stemphylium alfalfae)、コレトトリクム・トリフォリ(Colletotrichum trifolii)、レプトスファエルリナ・ブリオシアナ(Leptosphaerulina briosiana)、ウロミセス・ストリアツス(Uromyces striatus)、スクレロチニア・トリフォリオルム(Sclerotinia trifoliorum)、スタゴノスポラ・メリロチ(Stagonospora meliloti)、ステムフィリウム・ボトリオスム(Stemphylium botryosum)、レプトトリキラ・メディカギニス(Leptotrichila medicaginis);コムギ:シュードモナス・シリンガエp.v.アトロファシエンス(Pseudomonas syringae p.v.atrofaciens)、ウロシスチス・アグロピリ(Urocystis agropyri)、キサントモナス・カムペストリスp.v.トランスルセンス(Xanthomonas campestris p.v.translucens)、シュードモナス・シリンガエp.v.シリンガエ(Pseudomonas syringae p.v.syringae)、アルタナリア・アルテルナタ、クラドスポリウム・ハーバルム(Cladosporium herbarum)、フザリウム・グラミネアリム(Fusarium graminearum)、フザリウム・アベナセウム(Fusarium avenaceum)、フザリウム・カルモルム(Fusarium culmorum)、ウスチラゴ・トリチシ(Ustilago tritici)、アスコキタ・トリチシ(Ascochyta tritici)、セファロスポリウム・グラミネウム(Cephalosporium gramineum)、コロテトリクム・グラミニコラ(Collotetrichum graminicola)、エリシフェ・グラミニスf.sp.トリチシ(Erysiphe graminis f.sp.tritici)、プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシ、プッチニア・グラミニスf.sp.ホルデイ(Puccinia graminis f.sp.hordei)、プッチニア・グラミニスf.sp.アベナエ(Puccinia graminis f.sp. avenae)、プッチニア・グラミニスf.sp.セカリス(Puccinia graminis f.sp.secalis)、プッチニア・レコンディタf.sp.トリチシ(Puccinia recondita f.sp. tritici)、プッチニア・ストリイフォルミス(Puccinia striiformis)、ピレノフォラ・トリチシ・レペンチス(Pyrenophora tritici-repentis)、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)、セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)、セプトリア・アベナエ(Septoria avenae)、シュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)、リゾクトニア・ソラニ、リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis)、ガエウマンノミセス・グラミニスvar.トリチシ(Gaeumannomyces graminis var. tritici)、フィチウム・アファニデルマツム、フィチウム・アレノマネス(Pythium arrhenomanes)、フィチウム・ウルチムム、ビポラリス・シリキニアナ(Bipolaris sorokiniana)、オオムギ黄萎ウイルス、ブロモモザイクウイルス、土壌伝播性コムギモザイクウイルス、コムギ条斑モザイクウイルス、コムギ縞条斑ウイルス、アメリカコムギ線条体ウイルス、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)、チレチア・トリチシ(Tilletia tritici)、チレチア・ラエビス(Tilletia laevis)、ウスチラゴ・トリチシ、チレチア・インディカ(Tilletia indica)、リゾクトニア・ソラニ、フィチウム・アレノマネス(Pythium arrhenomannes)、フィチウム・グラミコラ(Pythium gramicola)、フィチウム・アファニデルマツム、ハイプレーンズウイルス、ヨーロッパコムギ線条体ウイルス;ヒマワリ:プラスモポラ・ハルステディイ(Plasmopora halstedii)、スクレロチニア・スクレロチオルム、アスターイエロー、セプトリア・ヘリアンチ(Septoria helianthi)、ホモプシス・ヘリアンチ(Phomopsis helianthi)、アルタナリア・ヘリアンチ(Alternaria helianthi)、アルタナリア・ジンニアエ(Alternaria zinniae)、ボトリチス・シネレア、ホマ・マクドナルディイ(Phoma macdonaldii)、マクロホミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)、エリシフェ・シコラケアルム(Erysiphe cichoracearum)、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)、リゾプス・アリズス(Rhizopus arrhizus)、リゾプス・ストロニフェル(Rhizopus stolonifer)、プッチニア・ヘリアンチ(Puccinia helianthi)、バーティシリウム・ダフリアエ(Verticillium dahliae)、エルウィニア・カロトボルムpv.カロトボラ(Erwinia carotovorum pv.carotovora)、セファロスポリウム・アクレモニウム(Cephalosporium acremonium)、フィトフトラ・クリプトゲア(Phytophthora cryptogea)、アルブゴ・トラゴポゴニス(Albugo tragopogonis);トウモロコシ:コレトトリクム・グラミニコラ(Colletotrichum graminicola)、フザリウム・モニリフォルメvar.スブグルチナンス(Fusarium moniliforme var.subglutinans)、エルウィニア・ステワルチイ(Erwinia stewartii)、ギベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)(フザリウム・グラミネアリム(Fusarium graminearum))、フザリウム・ベルチキロイデス(Fusarium verticilloides)、ステノカルペラ・マイディ(Stenocarpella maydi)(ディプロディア・マイディス(Diplodia maydis))、フィチウム・イレグラレ、フィチウム・デバリアヌム、フィチウム・グラミニコラ(Pythium graminicola)、フィチウム・スプレンデンス、フィチウム・ウルチムム、フィチウム・アファニデルマツム、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus fla
vus)、ビポラリス・マイディス O,T(Bipolaris maydis O,T)(コクリオボルス・ヘテロストロフス(Cochliobolus heterostrophus))、ヘルミントスポリウム・カルボヌムI,II&III(Helminthosporium carbonum I, II & III)(コクリオドボルス・カルボヌム(Cochliobolus carbonum))、エクセロヒルム・ツルシクムI,II&III(Exserohilum turcicum I, II & III)、ヘルミントスポリウム・ペディセラツム(Helminthosporium pedicellatum)、フィソデルマ・マイディス(Physoderma maydis)、フィロスチクタ・マイディス(Phyllosticta maydis)、カバチエラ・マイディス(Kabatiella maydis)、セルコスポラ・ソルギ(Cercospora sorghi)、ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis)、プッチニア・ソルギ(Puccinia sorghi)、プッチニア・ポリソラ(Puccinia polysora)、マクロホミナ・ファセオリナ、ペニシリウム・オキサリクム(Penicillium oxalicum)、ニグロスポラ・オリザエ(Nigrospora oryzae)、クラドスポリウム・ハーバルム、クルブラリア・ルナタ(Curvularia lunata)、クルブラリア・イナエクアリス(Curvularia inaequalis)、クルブラリア・パレスセンス(Curvularia pallescens)、クラビバクター・ミキガネンセsubsp.ネブラスケンセ(Clavibacter michiganense subsp.nebraskense)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、トウモロコシ萎縮モザイクウイルスA&B(Dwarf Mosaic Virus A&B)、コムギ条斑モザイクウイルス、トウモロコシ退緑萎縮ウイルス(Chlorotic Dwarf Virus)、クラビセプス・ソルギ(Claviceps sorghi)、シュードモナス・アベナエ(Pseudonomas avenae)、エルウィニア・クリサンテミpv.ゼア(Erwinia chrysanthemi pv.zea)、エルウィニア・カロトボラ(Erwinia carotovora)、トウモロコシ矮化スピロプラズマ(stunt spiroplasma)、ディプロディア・マクロスポラ(Diplodia macrospora)、スクレロフトラ・マクロスポラ(Sclerophthora macrospora)、ペロノスクレオスポラ・ソルギ(Peronosclerospora sorghi)、ペロノスクレオスポラ・フィリピネンシス(Peronosclerospora philippinensis)、ペロノスクレオスポラ・マイディス(Peronosclerospora maydis)、ペロノスクレオスポラ・サッカリ(Peronosclerospora sacchari)、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana)、フィソペラ・ゼアエ(Physopella zeae)、セファロスポリウム・マイディス(Cephalosporium maydis)、セファロスポリウム・アクレモニウム、トウモロコシ退緑斑ウイルス、ハイプレーンズウイルス、トウモロコシモザイクウイルス、トウモロコシラヤドフィノ(Rayado Fino)ウイルス、トウモロコシ条斑ウイルス、トウモロコシ縞葉枯ウイルス、トウモロコシ粗萎縮(Rough Dwarf)ウイルス;ソルガム:エクセロヒルム・ツルシクム(Exserohilum turcicum)、C.スブリネオルム(C.sublineolum)、セルコスポラ・ソルギ、グロエオセルコスポラ・ソルギ(Gloeocercospora sorghi)、アスコキタ・ソルギナ(Ascochyta sorghina)、シュードモナス・シリンガエp.v.シリンガエ(Pseudomonas syringae p.v.syringae)、キサントモナス・カムペストリスp.v.ホルシコラ(Xanthomonas campestris p.v.holcicola)、シュードモナス・アンドロポゴニス(Pseudomonas andropogonis)、プッチニア・プルプレア(Puccinia purpurea)、マクロホミナ・ファセオリナ、ペルコニア・シルシナタ(Perconia circinata)、フザリウム・モニリフォルメ、アルタナリア・アルテルナタ、ビポラリス・ソルギコラ(Bipolaris sorghicola)、ヘルミントスポリウム・ソルギコラ(Helminthosporium sorghicola)、クルブラリア・ルナタ、ホマ・インシディオサ(Phoma insidiosa)、シュードモナス・アベナエ(Pseudomonas avenae)(シュードモナス・アルボプレシピタンス(Pseudomonas alboprecipitans))、ラムリスポラ・ソルギ(Ramulispora sorghi)、ラムリスポラ・ソルギコラ(Ramulispora sorghicola)、フィラカラ・サッカリ(Phyllachara sacchari)、スポリソリウム・レイリアヌム(Sporisorium reilianum)(スファセロテカ・レイリアナ)、スファセロテカ・クルエンタ(Sphacelotheca cruenta)、スポリソリウム・ソルギ(Sporisorium sorghi)、サトウキビモザイクH、トウモロコシ萎縮モザイクウイルスA&B、クラビセプス・ソルギ、リゾクトニア・ソラニ、アクレモニウム・ストリクツム(Acremonium strictum)、スクレロフトナ・マクロスポラ(Sclerophthona macrospora)、ペロノスクレオスポラ・ソルギ、ペロノスクレオスポラ・フィリピネンシス、スクレロスポラ・グラミニコラ(Sclerospora graminicola)、フザリウム・グラミネアリム、フザリウム・ベルチシリオイデス(Fusarium verticillioides)、フザリウム・オキシスポルム、フィチウム・アレノマネス、フィチウム・グラミニコラ等;トマト:コリネバクテリウム・ミシガネンセp.v.ミシガネンセ(Corynebacterium michiganense pv.michiganense)、シュードモナス・シリンガエp.v.トマト(Pseudomonas syringae pv.tomato)、ラルストニア・ソラナセアルム(Ralstonia solanacearum)、キサントモナス・ベシカトリア(Xanthomonas vesicatoria)、キサントモナス・ペルフォランス(Xanthomonas perforans)、アルタナリア・ソラニ(Alternaria solani)、アルタナリア・ポッリ(Alternaria porri)、コレクトリクムspp.(Collectotrichum spp.)、フルビア・フルバ Syn.クラドスポリウム・フルブム(Fulvia fulva Syn. Cladosporium fulvum)、フザリウム・オキシスポルムf.リコペルシシ(Fusarium oxysporum f.lycopersici)、レベイルラ・タウリカ/オイディオプシス・タウリカ(Leveillula taurica/Oidiopsis taurica)、フィトフトラ・インフェスタンス、他のフィトフトラspp.(Phytophthora spp.)、シュードセルコスポラ・フリゲナSyn.セルコスポラ・フリゲナ(Pseudocercospora fuligena Syn.Cercospora fuligena)、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)、セプトリア・リコペルシシ(Septoria lycopersici)、ネコブ線虫spp.;ジャガイモ:ラルストニア・ソラナセアルム(Ralstonia solanacearum)、シュードモナス・ソラナセアルム(Pseudomonas solanacearum)、エルウィニア・カロトボラsubsp.アトロセプチカ・エルウィニア・カロトボラsubsp.カロトボラ(Erwinia carotovora subsp.Atroseptica Erwinia carotovora subsp.Carotovora)、ペクトバクテリウム・カロトボルムsubsp.アトロセプチクム(Pectobacterium carotovorum subsp.Atrosepticum)、シュードモナス・フルオレスセンス(Pseudomonas fluorescens)、クラビバクター・ミキガネンシスsubsp.セペドニクス(Clavibacter michiganensis subsp. Sepedonicus)、コリネバクテリウム・セペドニクム(Corynebacterium sepedonicum)、ストレプトミセス・スカビエイ(Streptomyces scabiei)、コレトトリクム・コッコデス(Colletotrichum coccodes)、アルタナリア・アルテルナテ(Alternaria alternate)、ミコベロシエラ・コンコルス(Mycovellosiella concors)、セルコスポラ・ソラニ(Cercospora solani)、マクロホミナ・ファセオリナ、スクレロチウム・バタチコラ(Sclerotium bataticola)、コアネホラ・ククルビタルム(Choanephora cucurbitarum)、プッチニア・ピッチエリアナ(Puccinia pittieriana)、アエシディウム・カンテンシス(Aecidium cantensis)、アルタナリア・ソラニ、フザリウムspp.(Fusarium spp.)、ホマ・ソラニコラf.フォベアタ(Phoma solanicola f.foveata)、ボトリチス・シネレア、ボトリオチニア・フケリアナ(Botryotinia fuckeliana)、フィトフトラ・インフェスタンス、フィチウムspp.(Pythium spp.)、ホマ・アンディゲナvar.アンディナ(Phoma andigena var. andina)、プレオスポラ・ハーバルム(Pleospora herbarum)、ステムフィリウム・ハーバルム、エリシフェ・キコラケアルム、スポンゴスポラ・スブテラネアン(Spongospora subterranean)、リゾクトニア・ソラニ、タナテホルス・ククメリス(Thanatephorus cucumeris)、ロゼリニアsp.(Rosellinia sp.)、デマトホラsp.(Dematophora sp.)、セプトリア・リコペルシキ、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)、ポリスキタルム・プスツランス(Polyscytalum pustulans)、スクレロチウム・ロルフシイ、アテリア・ロルフシイ(Athelia rolfsii)、アンギオソルス・ソラニ(Angiosorus solani)、ウロクラディウム・アトルム(Ulocladium atrum)、バーティシリウム・アルボ・アトラム、V.ダフリア(V.dahlia)、シンキトリウム・エンドビオチクム(Synchytrium endobioticum)、スクレロチニア・スクレロチオルム、カンディダツス・リベリバクター・ソラナセアルム(Candidatus Liberibacter solanacearum);バナナ:フザリウム・オキシスポルムf.sp.クベンセ(Fusarium oxysporum f.sp.cubense)、コレトトリクム・ムサエ(Colleto
trichum musae)、アルミラリア・メレア(Armillaria mellea)、アルミラリア・タベスセンス(Armillaria tabescens)、シュードモナス・ソラナセアルム、フィラコラ・ムシコラ(Phyllachora musicola)、ミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)、ロゼリニア・ブノデス(Rosellinia bunodes)、シュードモナスspp.(Pseudomas spp.)、ペスタロチオプシス・レプロゲナ(Pestalotiopsis leprogena)、セルコスポラ・ハイ(Cercospora hayi)、シュードモナス・ソラナセアルム、セラトキスチス・パラドクサ(Ceratocystis paradoxa)、バーティシリウム・テオブロマエ(Verticillium theobromae)、トラキスファエラ・フルクチゲナ(Trachysphaera fructigena)、クラドスポリウム・ムサエ(Cladosporium musae)、ジュングーニア・ビンクタ(Junghuhnia vincta)、コルダナ・ジョンストニイ(Cordana johnstonii)、コルダナ・ムサエ(Cordana musae)、フザリウム・パリドロセウム(Fusarium pallidoroseum)、コレトトリクム・ムサエ、バーティシリウム・テオブロマエ、フザリウムspp.、アクレモニウムspp.(Acremonium spp.)、シリンドロクラジウムspp.(Cylindrocladium spp.)、デイトニエラ・トルロサ(Deightoniella torulosa)、ナットラシア・マンギフェラエ(Nattrassia mangiferae)、ドレスクスレラ・ギガンテアン(Dreschslera gigantean)、グイグナルディア・ムサエ(Guignardia musae)、ボトリオスファエリア・リビス(Botryosphaeria ribis)、フザリウム・ソラニ、ネクトリア・ヘマトコッカ(Nectria haematococca)、フザリウム・オキシスポラム、リゾクトニアspp.(Rhizoctonia spp.)、コレトトリクム・ムサエ、ウレド・ムサエ(Uredo musae)、ウロミセス・ムサエ(Uromyces musae)、アクロドンチウム・シンプレックス(Acrodontium simplex)、クルブラリア・エラグロスチディス(Curvularia eragrostidis)、ドレクスレラ・ムサエ-サピエンツム(Drechslera musae-sapientum)、レプトスファエリア・ムサルム(Leptosphaeria musarum)、ペスタロチオプシス・ディスセミナテ(Pestalotiopsis disseminate)、セラトキスチス・パラドクサ、ハプロバシディオン・ムサエ(Haplobasidion musae)、マラスミエルス・イノデルマ(Marasmiellus inoderma)、シュードモナス・ソラナセアルム、ラドホルス・シミリス(Radopholus similis)、ラシオディプロディア・テオブロマエ(Lasiodiplodia theobromae)、フザリウム・パリドロセウム、バーティシリウム・テオブロマエ、ペスタロチオプシス・パルマルム(Pestalotiopsis palmarum)、ファエオセプトリア・ムサエ(Phaeoseptoria musae)、ピリクラリア・グリセア(Pyricularia grisea)、フザリウム・モニリフォルメ、ジベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi)、エルウィニア・カロトボラ、エルウィニア・クリサンテミ(Erwinia chrysanthemi)、シリンドロカルポン・ムサエ(Cylindrocarpon musae)、メロイドギネ・アレナリア(Meloidogyne arenaria)、メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita)、メロイドギネ・ジャワニカ(Meloidogyne javanica)、プラチレンクス・コフェアエ(Pratylenchus coffeae)、プラチレンクス・ゴオデイ(Pratylenchus goodeyi)、プラチレンクス・ブラキウルス(Pratylenchus brachyurus)、プラチレンクス・レニフォルミア、スクレロチニア・スクレロチオルム、ネクトリア・フォリコラ(Nectria foliicola)、ミコスファエレラ・ムシコラ(Mycosphaerella musicola)、シュードケルコスポラ・ムサエ(Pseudocercospora musae)、リマシヌラ・テヌイス(Limacinula tenuis)、ミコスファエレラ・ムサエ(Mycosphaerella musae)、ヘリコチレンクス・ムルチシンクツス(Helicotylenchus multicinctus)、ヘリコチレンクス・ディヒステラ(Helicotylenchus dihystera)、ニグロスポラ・スファエリカ(Nigrospora sphaerica)、トラキスファエラ・フルチゲナ(Trachysphaera frutigena)、ラミクロリディウム・ムサエ(Ramichloridium musae)、バーティシリウム・テオブロマエ、フィラフトラ・インフェスタンス、フィラフトラ・パラシチカ(Phytophthora parasitica)、フィラフトラ・ラモルム(Phytophthora ramorum)、フィラフトラ・イポモエアエ(Phytophthora ipomoeae)、フィラフトラ・ミラビリス(Phytophthora mirabilis)、フィラフトラ・カプシシ(Phytophthora capsici)、フィラフトラ・ポッリ(Phytophthora porri)、フィラフトラ・ソジャエ(Phytophthora sojae)、フィラフトラ・パルミボラ(Phytophthora palmivora)、およびフィラフトラ・ファセオリ(Phytophthora phaseoli)を含む。
【0299】
細菌病原体は、これらに限定されないが、アグロバクテリウム・ツメファシエンス、カンディダツス・リベリバクター・アシアチクス(Candidatus Liberibacter asiaticus)、カンディダツス・リベリバクター・ソラナセアルム、クラビバクター・ミキガネンシス(Clavibacter michiganensis)、クラビバクター・セペドニクス(Clavibacter sepedonicus)、ディケヤ・ダダンチイ(Dickeya dadantii)、ディケヤ・ソラニ(Dickeya solani)、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)、ペクトバクテリウム・アトロセプチクム(Pectobacterium atrosepticum)、ペクトバクテリウム・カロトボルム(Pectobacterium carotovorum)、シュードモナス・アンドロポゴニス、シュードモナス・アベナエ、シュードモナス・アルボプレシピタンス、シュードモナス・フルオレスセンス、シュードモナス・サバスタノイ(Pseudomonas savastanoi)、シュードモナス・ソラナセアルム、シュードモナス・シリンガエ、ラルストニア・ソラナセアルム、キサントモナス・アクソノポディス(Xanthomonas axonopodis)、キサントモナス・カムペストリス(Xanthomonas campestris)、キサントモナス・シトリ(Xanthomonas citri)、キサントモナス・ペルフォランス、キサントモナス・ベシカトリア、キサントモナス・オリザエ(Xanthomonas oryzae)、およびキシレラ・ファスチディオサ(Xylella fastidiosa)を含む。
【0300】
卵菌病原体は、これらに限定されないが、フィトフトラ・インフェスタンス、フィラフトラ・イポモエアエ、フィラフトラ・ミラビリス、フィラフトラ・ファセオリ、フィトフトラ・メガスペルマfsp.グリシネア、フィトフトラ・メガスペルマ(Phytophthora megasperma)、フィトフトラ・クリプトゲア、ペロノスポラspp.(Peronospora spp.)およびフィチウムspp.を含む。
【0301】
線虫病原体は、これらに限定されないが、アングイナ・トリチシ(Anguina tritici)、アフェレンコイデス・ベッセイ(Aphelenchoides besseyi)、ブルサフェレンクス・キシロフィルス(Bursaphelenchus xylophilus)、ディチレンクス・ディプサシ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラspp.(Globodera spp.)、グロボデラ・パリダ(Globodera pallida)、グロボデラ・ロストキエンシス(Globodera rostochiensis)、ヘテロデラspp.(Heterodera spp.)、ヘテロデラ・アベナエ(Heterodera avenae)、ヘテロデラ・フィリプジェビ(Heterodera filipjevi)、ヘテロデラ・グリシネス、ネコブ線虫spp.、メロイドギネ・グラミニコラ(Meloidogyne graminicola)、メロイドギネ・ハプラ(Meloidogyne hapla)、メロイドギネ・インコグニタ、メロイドギネ・エンテロロビイ(Meloidogyne enterolobii)、メリニウスspp.(Merlinius spp.)、ナコブス・アベルランス(Nacobbus aberrans)、パラチレンクスspp.(Paratylenchus spp.)、プラチレンクス・コフェアエ、プラチレンクス・ネグレクツス(Pratylenchus neglectus)、プラチレンクス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans)、プラチレンクス・トルネイ(Pratylenchus thornei)、プラチレンクス・ブルヌス(Pratylenchus vulnus)、プラチレンクス・ゼアエ(Pratylenchus zeae)、ラドホルス・シミリス、ロチレンクルス・レニフォルミス(Rotylenchulus reniformis)、チレンコリンクスspp.(Tylenchorhynchus spp.)、およびキシフィネマ・インデクス(Xiphinema index)を含む。
【0302】
昆虫害虫として、これらに限定されないが、鞘翅目(Coleoptera)、双翅目(Diptera)、双翅目(Hymenoptera)、鱗翅目(Lepidoptera)、ハジラミ目(Mallophaga)、同翅亜目(Homoptera)、半翅目(Hemiptera)、直翅目(Orthoptera)、革翅目(Dermaptera)、等翅目(Isoptera)、シラミ目(Anoplura)、ノミ目(Siphonaptera)、アザミウマ目(Thysanoptera)、毛翅目(Trichoptera)等、特に鞘翅目および鱗翅目から選択される昆虫を含む。
【0303】
鱗翅目の昆虫として、これらに限定されないが、ヤガ科(Noctuidae)のアーミーワーム(armyworms)、カットワーム(cutworms)、ルーパー(loopers)、およびヘリオチン(heliothines):アグロチス・イプシロン(Agrotis ipsilon)ハフナゲル(Hufnagel)(ブラックカットワーム(black cutworm));A.オルトゴニア(A.orthogonia)モリソン(Morrison)(ウェスタンカットワーム(western cutworm));A.セゲツム(A.segetum)デニス&シッファーミュラー(Denis&Schiffermuller)(カブラヤガ(turnip moth));A.スブテラネア(A.subterranea)ファブリチウス(Fabricius)(グラニュレートカットワーム(granulate cutworm));アラバマ・アラギラセア(Alabama argillacea)ヒュブナー(Hubner)(コットンリーフワーム(cotton leaf worm));アンチカルシア・ゲムマタリス(Anticarsia gemmatalis)ヒュブナー(Hubner)(ベルベットビーンキャタピラー(velvetbean caterpillar));アテチス・ミンダラ(Athetis mindara)バーンズアンドマクドノー(Barnes and McDunnough)(ラフスキンドカットワーム(rough skinned cutworm));エアリアス・インスラナ(Earias insulana)ボワデュヴァル(Boisduval)(スピニーボールワーム(spiny bollworm));E.ビッテラ(E.vittella)ファブリチウス(Fabricius)(スポッテドボールワーム(spotted bollworm));エギラ(キシロミゲス)・クリアリス(Egira(Xylomyges)curialis)グローテ(Grote)(シトラスカットワーム(citrus cutworm));エウクソア・メッソリア(Euxoa messoria)ハリス(Harris)(ダークサイデットカットワーム(darksided cutworm));ヘリコベルパ・アルミゲラ(Helicoverpa armigera)ヒュブナー(Hubner)(アメリカンボールワーム(American bollworm));H.ゼア(H.zea)ボッデイエ(Boddie)(コーンイヤーワーム(corn earworm)またはコットンボールワーム(cotton bollworm));ヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens)ファブリチウス(Fabricius)(タバコバドワーム(tobacco budworm));ヒペナ・スカブラ(Hypena scabra)ファブリチウス(Fabricius)(グリーンクローバーワーム(green cloverworm));ヒポネウマ・タルツラ(Hyponeuma taltula)シャウス(Schaus);マメストラ・コンフィグラタ(Mamestra configurata)ウォーカー(Walker)(バーサアーミーワーム(bertha armyworm));M.ブラッシカエ(M.brassicae)リンネウス(Linnaeus)(キャベッジモス(cabbage moth));メランクラ・ピクタ(Melanchra picta)ハリス(Harris)(ゼブラキャタピラー(zebra caterpillar));モシス・ラチペス(Mocis latipes)グエネエ(Guenee)(スモールモシスモス(small mocis moth));シュードアレチア・ウニプンクタ(Pseudaletia unipuncta)ハワース(Haworth)(アーミーワーム);シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)ウォーカー(Walker)(ダイズルーパー(soybean looper));リキア・アルビコスタ(Richia albicosta)スミス(Smith)(ウェスタンビーンカットワーム(Western bean cutworm));スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)JE スミス(JE Smith)(フォールアーミーワーム(fall armyworm));S.エクシグア(S.exigua)ヒュブナー(Hubner)(ビートアーミーワーム(beet armyworm));S.リツラ(S.litura)ファブリチウス(Fabricius)(タバコカットワーム(tobacco cutworm)、クラスターキャタピラー(cluster caterpillar));トリコプルシア ニ(Trichoplusia ni)ヒュブナー(Hubner)(キャベッジルーパー(cabbage looper));メイガ科(Pyralidae)およびツトガ科(Crambidae)由来のボーラー(borers)、ケースベアラー(casebearers)、ウェブワーム(webworms)、コーンワーム(coneworms)、およびスケルトナイザー(skeletonizers)、例えばアクロイア・グリセラ(Achroia grisella)ファブリチウス(Fabricius)(レッサーワックスモス(lesser wax moth));アミエロイス・トランシテラ(Amyelois transitella)ウォーカー(Walker)(ネーバルオレンジワーム(naval orangeworm));アンガスタ・クエニエラ(Anagasta kuehniella)ツェラー(Zeller)(シジコナマダラメイガ(Mediterranean flour moth));カドラ・カウテラ(Cadra cautella)ウォーカー(Walker)(アーモンドモス(almond moth));キロ・パルテルス(Chilo partellus)スウィンホー(Swinhoe)(スポッテドストークボーラー(spotted stalk borer));C.スプレサリス(C.suppressalis)ウォーカー(Walker)(ストライプドシュテム/ライスボーラー(striped stem/rice borer));C.テレネルス(C.terrenellus)パーゲンシュテッヘル(Pagenstecher)(シュガーケインシュテンプボーラー(sugarcane stemp borer));コルシヤ・セファロニカ(Corcyra cephalonica)ステイントン(Stainton)(ライスモス(rice moth));クラムブス・カリギノセルス(Crambus caliginosellus)クレメンス(Clemens)(コーンルートウェブワーム(corn root webworm));C.テテレルス(C.teterrellus)ジンケン(Zincken)(ブルーグラスウェブワーム(bluegrass webworm));クナファロクロシス・メディナリス(Cnaphalocrocis medinalis)ゲニー(Guenee)(ライスリーフローラー(rice leaf roller));デスミア・フネラリス(Desmia funeralis)ヒュブナー(Hubner)(グレープリーフフォルダー(grape leaffolder));ディアファニア・ヒアリナタ(Diaphania hyalinata)リンネウス(Linnaeus)(メロンワーム(melon worm));D.ニチダリス(D.nitidalis)ストール(Stoll)(ピックルワーム(pickleworm));ディアトラエア・フラビペネラ(Diatraea flavipennella)ボックス(Box);D.グランディオセラ(D.grandiosella)ダイアー(Dyar)(サウスウェスタンボーラー(southwestern corn borer));D.サッカリス(D.saccharalis)ファブリチウス(Fabricius)(シュガーケインボーラー(surgarcane borer));エラスモパルプス・リグノセルス(Elasmopalpus lignosellus)ツェラー(Zeller)(レッサーコーンストークボーラー(lesser cornstalk borer));パパイペマ・ネブリス(Papaipema nebris)(ストークボーラー(stalk borer));エオレウマ・ロフチニ(Eoreuma loftini)ダイアー(Dyar)(メキシカンライスボーラー(Mexican rice borer));エフェスチア・エルテラ(Ephestia elutella)ヒュブナー(Hubner)(タバコ(カカオ)モス(tobacco(cacao)moth))ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)リンネウス(Linnaeus)(グレイターワックスモス(greater wax moth));ヘディルレプタ・アクセプタ(Hedylepta accepta)ブトラー(Butler)(シュガーケインリーフローラー(sugarcane leafroller));ヘルペトグランマ・リカルシサリス(Herpetogramma licarsisalis)ウォーカー(Walker)(ソドウェブワーム(sod webworm));ホモエオソマ・エレクテルム(Homoeosoma electellum)フルスト(Hulst)(サンフラワーモス(sunflower moth));ロクソステゲ・スチクチカリス(Loxostege sticticalis)リンネウス(Linnaeus)(ビートウェブアーム(beet webworm));マルカ・テスツラリス(Maruca testulalis)ガイヤー(Geyer)(ビーンポッドボーラー(bean pod borer));オルタガ・チリサリス(Orthaga thyrisalis)ウォーカー(Walker)(ティーツリーウェブモス(tea tree web moth));オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)ヒュブナー(Hubner)(ヨーロピアンコーンボーラー(European corn borer);)オストリニア・フルナカリス(Ostrinia furnacalis)(アジアンコーンボーラー(Asian corn borer));プロディア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)ヒュブナー(Hubner)(インディアンミールモス(Indian meal moth));シルポファガ・インセルツラス(Scirpophaga incertulas)ウォーカー(Walker)(イエローシュテムボーラー(yellow stem borer));ウデア・ルビガリス(Udea rubigalis)ゲニー(Guenee)(セルリーリーフチエル(celery leaftier));ならびにハマキガ科(Tortricidae)のリーフローラー(leafrollers)、バドワーム(budworms)、シードワーム(seed worms,)およびフルーツワーム(fruit worms):アクレリス・グロベラナ(Acleris gloverana)ウォルシンガム(Walsingham)(ウェスタンブラックヘッデドバドワーム(Western blackheaded budworm));A.バリアナ(A.variana)ファーナルド(Fernald)(エースタンブラックヘッデドバドワーム(Eastern blackheaded budworm));ヘルラ・フィディレアリス(Hellula phidilealis)(キャベッジバドワームモス(cabbage budworm moth));アドクソフィエス・オラナ(Adoxophyes orana)フィッシャーフォンロッスラーシュタム(Fischer von Rossler
stamm)(サマーフ)ルーツトートリクスモス(summer fruit tortrix moth);A.アルギロスピラ(A.argyrospila)ウォーカー(Walker)(フルーツツリーリーフローラー(fruit tree leaf roller))およびA.ロサナ(A.rosana)リンネウス(Linnaeus)(ヨーロピアンリーフローラー(European leaf roller))を含むアルキプスspp.(Archips spp.);アルギロタエニアspp.(Argyrotaenia spp.);ボナゴタ・サルブリコラ(Bonagota salubricola)メイリック(Meyrick)(ブラジリアンアップルリーフローラー(Brazilian apple leafroller));コリストネウラspp.(Choristoneura spp.);コキリス・ホスペス(Cochylis hospes)ウォルシンガム(Walsingham)(バンデッドサンフラワーモス(banded sunflower moth));シディア・ラチフェレアナ(Cydia latiferreana)ウォルシンガム(Walsingham)(フィルバートワーム(filbertworm));C.ポモネラ(C.pomonella)リンネウス(Linnaeus)(コドリングモス(codling moth));エンドピザ・ビテアナ(Endopiza viteana)クレメンス(Clemens)(グレープベリーモス(grape berry moth));ユポエシリア・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella)ヒュブナー(Hubner)(ヴァインモス(vine moth));グラホリタ・モレスタ(Grapholita molesta)バスク(Busck)(オリエンタルフルーツモス(oriental fruit moth));ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)デニス&シッファーミュラー(Denis&Schiffermuller)(ヨーロピアングレープヴァインモス(European grape vine moth));プラチノタ・フラベダナ(Platynota flavedana)クレメンス(Clemens)(バリエゲイテッドリーフローラー(variegated leafroller));P.スツルタナ(P.stultana)ウォルシンガム(Walsingham)(オムニボロウスリーフローラー(omnivorous leafroller));スピロノタ・オセラナ(Spilonota ocellana)デニス&シッファーミュラー(Denis&Schiffermuller)(アイスポッテドバドモス(eyespotted bud moth));およびスレイマ・ヘリアンタナ(Suleima helianthana)ライリー(Riley)(サンフラワーバドモス(sunflower bud moth))を含む。
【0304】
鱗翅目における選択される他の農学的害虫は、これらに限定されないが、アルソフィラ・ポメタリア(Alsophila pometaria)ハリス(Harris)(フォールカンカーワーム(fall cankerworm));アナルシア・リネアテラ(Anarsia lineatella)ツェラー(Zeller)(ピーチトゥイグボーラー(peach twig borer));アニソタ・セナトリア(Anisota senatoria)J.E.スミス(J.E.Smith)(オレンジストライプドオークワーム(orange striped oakworm));アンテラエア・ペルニイ(Antheraea pernyi)ゲリン-マネビーレ(Guerin-Meneville)(チャイニーズオークシルクモス(Chinese Oak Silkmoth));ボムビクス・モリ(Bombyx mori)リンネウス(Linnaeus)(シルクワーム(Silkworm));ブクラトリクス・ツベリエラ(Bucculatrix thurberiella)バスク(Busck)(コットンリーフパーフォレイター(cotton leaf perforator));コリアス・エウリーテメ(Colias eurytheme)ボワデュヴァル(Boisduval)(アルファルファキャタピラー(alfalfa caterpillar));ダタナ・インテゲリマ(Datana integerrima)グローテ&ロビンソン(Grote & Robinson)ウォルナットキャタピラー(walnut caterpillar);デンドリムス・シビリクス(Dendrolimus sibiricus)チェットワルリコフ(Tschetwerikov)(シベリアンシルクモス(Siberian silk moth))、エンモノス・スブシゲナリア(Ennomos subsignaria)ヒュブナー(Hubner)(エルムスパンワーム(elm spanworm));エランニス・チリアリア(Erannis tiliaria)ハリス(Harris)(リンデンルーパー(linden looper));エレクトヒアス・フラビステリアタ(Erechthias flavistriata)ウォルシンガム(Walsingham)(シュガーケインバドワーム(sugarcane bud moth));エウプロクチス・キリソルホエア(Euproctis chrysorrhoea)リンネウス(Linnaeus)(ブラウンテイルモス(browntail moth));ハリシナ・アメリカナ(Harrisina americana)ゲリン-マネビーレ(Guerin-Meneville)(グレープリーフスケルトナイザー(grapeleaf skeletonizer));ヘリオチス・スブフレクサ(Heliothis subflexa)ゲニー(Guenee);ヘミレウカ・オリビアエ(Hemileuca oliviae)コックレル(Cockrell)(レンジキャタピラー(range caterpillar));ハイファントリア・クネア(Hyphantria cunea)ドルリー(Drury)(フォールウェブワーム(fall webworm));ケイフェリア・リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)ウォルシンガム(Walsingham)(トマトピンワーム(tomato pinworm));ラムブディナ・フィスセラリア・フィスセラリア(Lambdina fiscellaria fiscellaria)フルスト(Hulst)(イースタンヘムロックルーパー(Eastern hemlock looper));L.フィスセラリア・ルグブロサ(L.fiscellaria lugubrosa)フルスト(Hulst)(ウェスタンヘムロックルーパー(Western hemlock looper));レウコマ・サリシス(Leucoma salicis)リンネウス(Linnaeus)(サテンモス(satin moth));リマントリア・ディスパル(Lymantria dispar)リンネウス(Linnaeus)(ジプシーモス(gypsy moth));メラコソマspp.(Malacosoma spp.);マンデュカ・クインケルマクラタ(Manduca quinquemaculata)ハワース(Haworth)(ファイブスポッテドホークモス(five spotted hawk moth)、トマトホーンワーム(tomato hornworm));M.セクスタ(M.sexta)ハワース(Haworth)(トマトホーンワーム、タバコホーンワーム(tobacco hornworm));オペロフテラ・ブルマタ(Operophtera brumata)リンネウス(Linnaeus)(ウィンターモス(winter moth));オルギアspp.(Orgyia spp.);パレアクリタ・ベルナタ(Paleacrita vernata)ペック(Peck)(スプリングキャンカーワーム(spring cankerworm));パピリオ・クレスホンテス(Papilio cresphontes)クラマー(Cramer)(ジャイアントスワロウテイル(giant swallowtail)、オレンジドッグ(orange dog));フルガニディア・カルフォルニカ(Phryganidia californica)パッカード(Packard)(カリフォルニアオークワーム(California oakworm));フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)ステイントン(Stainton)(シトラスリーフマイナー(citrus leafminer));フィロノリクテル・ブランカルデラ(Phyllonorycter blancardella)ファブリチウス(Fabricius)(スポッテドテンチフォームリーフマイナー(spotted tentiform leafminer));ピエリス・ブラッシカエ(Pieris brassicae)リンネウス(Linnaeus)(ラージホワイトバタフライ(large white butterfly));P.ラパエ(P.rapae)Lリンネウス(Linnaeus)(スモールホワイトバタフライ(small white butterfly));P.ナピ(P.napi)リンネウス(Linnaeus)(グリーンベインドホワイトバタフライ(green veined white butterfly));プラチプチリア・カルデュイダクチラ(Platyptilia carduidactyla)ライリー(Riley)(アーチチョークプルームモス(artichoke plume moth));プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)リンネウス(Linnaeus)(ダイアモンドバックモス(diamondback moth));ペクチノホラ・ゴッシイピエラ(Pectinophora gossypiella)サウンダース(Saunders)(ピンクボールワーム(pink bollworm));ポンチア・プロトディス(Pontia protodice)ボワデュヴァル&ルコント(Boisduval & Leconte)(サザンキャベッジワーム(Southern cabbageworm));サブロデス・アエグロタタ(Sabulodes aegrotata)ゲニー(Guenee)(オムニボラスルーパー(omnivorous looper));スキズラ・コンシンナ(Schizura concinna)J.E.スミス(J.E.Smith)(レッドハムプトキャタピラー(red humped caterpillar));シトトロガ・セレアレラ(Sitotroga cerealella)オリヴィエ(Olivier)(アングモアグレインモス(Angoumois grain moth));テルキン・リクス(Telchin licus)ドルリー(Drury)(ジャイアントシュガーケインボーラー(giant sugarcane borer));タウメトポエア・ピチオカムパ(Thaumetopoea pityocampa)シッファーミュラー(Schiffermuller)パインプロセッショナリーキャタピラー(pine processionary caterpillar);チネオラ・ビッセリエラ(Tineola bisselliella)フンメル(Hummel)(ウェビングクロスモス(webbing clothesmoth));ツタ・アブソルタ(Tuta absoluta)メイリック(Meyrick)(トマトリーフマイナー(tomato leafminer))およびイポノメウタ・パデラ(Yponomeuta padella)リンネウス(Linnaeus)(アーミンモス(ermine moth))を含む。
【0305】
ブルクス・ピソルム(Bruchus pisorum)(ピーウィーヴィル(pea weevil))、カロソブルクウス・マクラツス(Callosobruchus maculatus)(カウピーウィーヴィル(cowpea weevil))、アントノムス・グランディス(Anthonomus grandis)ボヘマン(Boheman)(ボールウィーヴィル(boll weevil));シリンドロコプツルス・アドスペルスス(Cylindrocopturus adspersus)ルコント(LeConte)(サンフラワーシュテムウィーヴィル(sunflower stem weevil));ディアプレペス・アブレヴィアツス(Diaprepes abbreviatus)リンネウス(Linnaeus)(ディアプレペスルートウィーヴィル(Diaprepes root weevil));ヒペラ・プンクタタ(Hypera punctata)ファブリチウス(Fabricius)(クロバーリーフウィーヴィル(clover leaf weevil));リソルホプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)クシェル(Kuschel)(ライスウォーターウィーヴィル(rice water weevil));メタマシウス・ヘミプテルス・ヘミプテルス(Metamasius hemipterus hemipterus)リンネウス(Linnaeus)(ウエストインディアンケインウィーヴィル(West Indian cane weevil));M.ヘミプテルス・セリセウス(M.hemipterus sericeus)オリヴィエ(Olivier)(シルキーケインウィーヴィル(silky cane weevil));シトフィルス・ゼアマイス(Sitophilus zeamais)(トウモロコシウィーヴィル(maize weevil));、シトフィルス・グラナリウス(Sitophilus granarius)リンネウス(Linnaeus)(グラナリーウィーヴィル(granary weevil));S.オリザエ(S.oryzae)リンネウス(Linnaeus)(ライスウィーヴィル(rice weevil));スミクロニクス・フルブス(Smicronyx fulvus)ルコント(LeConte)(レッドサンフラワーシードウィーヴィル(red sunflower seed weevil));S.ソロディデュス(S.sordidus)ルコント(LeConte)(グレーサンフラワーシードウィーヴィル(gray sunflower seed weevil));スフェノホルス・マイディス(Sphenophorus maidis)チテンデン(Chittenden)(トウモロコシビルバグ(maize billbug));S.リヴィス(S.livis)ヴァウリー(Vaurie)(シュガーケインウィーヴィル(sugarcane weevil));ラブドスケルス・オブスクルス(Rhabdoscelus obscurus)ボワデュヴァル(Boisduval)(ニューギニアシュガーケインウィーヴィル(New Guinea sugarcane weevil))を含むヒゲナガゾウムシ科(Anthribidae)、ハムシ科(Chrysomelidae)、およびゾウムシ科(Curculionidae)由来のゾウムシ;これらに限定されないがセロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)(ビーンリーフビートル(bean leaf beetle));カエトクネマ・エクチパ(Chaetocnema ectypa)ホルン(Horn)(デザートコーンフリービートル(desert corn flea beetle));C.プリカリア(C.pulicaria)メルスハイマー(Melsheimer)(コーンフリービートル(corn flea beetle));コラスピス・ブルンネア(Colaspis brunnea)ファブリチウス(Fabricius)(グレープコラスピス(grape colaspis));ダイアブロチカ・バルベリ(Diabrotica barberi)スミス&ローレンス(Smith & Lawrence)(ノーザンコーンルートワーム(northern corn rootworm));D.ウンデシムプンクタタ・ホワルディ(D.undecimpunctata howardi)バーバー(Barber)(サザンコーンルートワーム(southern corn rootworm));D.ビルギフェラ・ビルギフェラ(D.virgifera virgifera);ルコント(LeConte)(ウェスタンコーンルートワーム(western corn rootworm));レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)セイ(Say)(コロラドジャガイモビートル(Colorado potato beetle));オウレメ・メラノプス(Oulema melanopus)リンネウス(Linnaeus)(シリアルリーフビートル(cereal leaf beetle));フィロトレタ・クルシフェラエ(Phyllotreta cruciferae)ゲッツェ(Goeze)(コーンフリービートル(corn flea beetle));ザイゴグラマ・エクスクラマチオニス(Zygogramma exclamationis)ファブリチウス(Fabricius)(サンフラワービートル(sunflower beetle))を含むハムシ科(Chrysomelidae)のフリービートル(flea beetles)、キューカムバービートル(cucumber beetles)、ルートワーム(rootworms)、リーフビートル(leaf beetles)、ジャガイモビートル(potato beetles)、およびリーフマイナー(leafminers);これらに限定されないがエピラクナ・バリベスチス(Epilachna varivestis)ミュルサン(Mulsant)(メキシカンビーンビートル(Mexican bean beetle))を含むテントウムシ科(Coccinellidae)由来のビートル;これらに限定されないがアンチトログス・パルブルス(Antitrogus parvulus)ブリットン(Britton)(チルダースケイングラブ(Childers cane grub);シクロセファラ・ボレアリス(Cyclocephala borealis)アロー(Arrow)(ノーザンマスクドチェイファー(northern masked chafer))、ホワイトグラブ(white grub));C.イムマクラタ(C.immaculata)オリヴィエ(Olivier)(サザンマスクドチェイファー(southern masked chafer)、ホワイトグラブ);デルモレピダ・アルボヒルツム(Dermolepida albohirtum)ウォーターハウス(Waterhouse)(グレイバックケインビートル(Greyback cane beetle));エウテオラ・フミリス・ルギセプス(Euetheola humilis rugiceps)ルコント(LeConte)(シュガーケインビートル(sugarcane beetle));レプディオタ・フレンチ(Lepidiota frenchi)ブラックバーン(Blackburn)(フレンチズケイングラブ(French’s cane grub));トマルス・ギッボスス(Tomarus gibbosus)ドゥイェール(De Geer)(キャロットビートル(carrot beetle));T.スブトロピクス(T.subtropicus)ブラッチリー(Blatchley)(シュガーケイングラブ(sugarcane grub));フィロファガ・クリニタ(Phyllophaga crinita)ブルマイスター(Burmeister)(ホワイトグラブ);P.ラチフロンス(P.latifrons)ルコント(LeConte)(ジューンビートル(June beetle));ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)ニューマン(Newman)(ジャパニーズビートル(Japanese beetle));リゾトログス・マジャリス(Rhizotrogus majalis)ラゾモウスキー(Razoumowsky)(ヨーロピアンチェイファー(European chafer))を含むコガネムシ科(Scarabaeidae)由来のチェイファーおよび他のビートル;カツオブシムシ科(Dermestidae)由来のカーペットビートル(carpet beetles);コメツキムシ科(Elateridae)、エレオデスspp.(Eleodes spp.)、M.コムムニス(M.communis)グレンホール(Gyllenhal)(ワイヤワーム(wireworm))を含むメラノツスspp.(Melanotus spp.)由来のワイヤーワーム;コノデルスspp.(Conoderus spp.);リモニウスspp.(Limonius spp.);アグリオテスspp.(Agriotes spp.);クテニセラspp.(Ctenicera spp.);アエオルスspp.(Aeolus spp.);キクイムシ科(Scolytidae)由来のバークビートル(bark beetles);ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)由来のビートル;これに限定されないがミグドルス・フリヤヌス(Migdolus fryanus)ウェストウッド(Westwood)(ロングホーンビートル(longhorn beetle))などであるカミキリムシ科(Cerambycidae)由来のビートル;ならびにこれに限定されないがアファニスチクス・コチンチナエ・セミヌルム(Aphanisticus cochinchinae seminulum)オベンバーガー(Obenberger)(リーフ-マイニングビュープレスチドビートル(leaf-mining buprestid beetle))を含むタマムシ科(Buprestidae)由来のビートルを含む鞘翅目の幼虫および成体は関心が持たれる。
【0306】
リーフマイナーアグロミザ・パルビコルニス(Agromyza parvicornis)レーヴ(Loew)(コーンブロッチリーフマイナー(corn blotch leafminer));これらに限定されないがコンタリニア・ソルギコラ(Contarinia sorghicola)コンクレット(Coquillett)(ソルガムミッジ(sorghum midge));マイエチオラ・デストルクトル(Mayetiola destructor)セイ(Say)(ヘシアンフライ(Hessian fly));ネオラシオプテラ・ムルトフェルドチアナ(Neolasioptera murtfeldtiana)フェルト(Felt)(サンフラワーシードミッジ(sunflower seed midge));シトディプロシス・モセラナ(Sitodiplosis mosellana)ゲイン(Gehin)(コムギミッジ(wheat midge))を含む小昆虫;ミバエ(fruit flies)(ミバエ科(Tephritidae))、バクトロセラ・オレアエ(Bactrocera oleae)(オリーブミバエ(olive fruit fly))、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)(チチュウカイミバエ(Mediterranean fruit fly))、オスシネラ・フリト(Oscinella frit)リンネウス(Linnaeus)(ミバエ);これらに限定されないがデリア・プラツラ(Delia platura)メイゲン(Meigen)(シードコーンマゴット(seedcorn maggot))を含むデリアspp.(Delia spp.);D.コアルクタタ(D.coarctata)フォールン(Fallen)(コムギバルブフライ(wheat bulb fly));ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis)リンネウス(Linnaeus);F.フェモラリス(F.femoralis)シュタイン(Stein)(レッサーハウスフライ(lesser house flies));メロミザ・アメリカナ(Meromyza americana)フィッチ(Fitch)(コムギシュテムマゴット(wheat stem maggot));ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)リンネウス(Linnaeus)(ハウスフライ(house flies));ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)リンネウス(Linnaeus)(ステーブルフライ(stable flies))を含むマゴット;クリソミアspp.(Chrysomya spp.);ホルミアspp.(Phormia spp.)のフェイスフライ(face flies)、ホーンフライ(horn flies)、ブロウフライ(blow flies);および他のムスコイドフライ害虫(muscoid fly pests);ホースフライ(horse flies)タバヌスspp.(Tabanus spp.);ボットフライ(bot flies)ガストロフィルスspp.(Gastrophilus spp.);オエストルスspp.(Oestrus spp.);ウシバエ(cattle grubs)ヒポデルマspp.(Hypoderma spp.);シカフライ(deer flies)メクアラブspp.(Chrysops spp.);メロファグス・オビヌス(Melophagus ovinus)リンネウス(Linnaeus)(ヒツジシラミバエ(keds));および他のブラキセラ属(Brachycera)、蚊アデスspp.(Aedes spp.);アノフェレスspp.(Anopheles spp.);イエカspp.(Culex spp.);ブラックフライ(black flies)プロシムリウムspp.(Prosimulium spp.);シムリウムspp.(Simulium spp.);ヌカカ(biting midges)、サンドフライ(sand flies)、シアリド(sciarids)、ならびに他のネマトセラ(Nematocera)を含む、双翅目の成体および未熟体は関心が持たれる。
【0307】
半翅目由来の農学的に重要な成員は、これらに限定されないが、アクロステルヌム・ヒラレ(Acrosternum hilare)セイ(Say)(グリーンスティンクバグ(green stink bug));アシルチシホン・ピスム(Acyrthisiphon pisum)ハリス(Harris)(ピーアフィド(pea aphid));アデルゲスspp.(Adelges spp.)(アデルギッド(adelgids));アデルホコリス・ラピヅス(Adelphocoris rapidus)セイ(Say)(ラピッドプラントバグ(rapid plant bug));アサナ・トリスチス(Anasa tristis)ドゥイェール(De Geer)(スカッシュバグ(squash bug));アフィス・クラッシボラ(Aphis craccivora)コッホ(Koch)(カウピーアフィド(cowpea aphid));A.ファバエ(A.fabae)スコポリ(Scopoli)(ブラックビーンアフィド(black bean aphid));A.ゴッシピイ(A.gossypii)グローバー(Glover)(コットンアフィド(cotton aphid)、メロンアフィド(melon aphid));A.マイディラディシス(A.maidiradicis)フォーブス(Forbes)(コーンルートアフィド(corn root aphid));A.ポミ(A.pomi)ドゥイェール(De Geer)(アップルアフィド(apple aphid));A.スピラエコラ(A.spiraecola)パッチ(Patch)(スパイリーアアフィド(spirea aphid));アウラカスピス・テガレンシス(Aulacaspis tegalensis)ツェントナー(Zehntner)(シュガーケインスケール(sugarcane scale));アウラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani)カルテンバッハ(Kaltenbach)(フォックスグラブアフィド(foxglove aphid));ベミシア・アルゲンチフォリイ(Bemisia argentifolii)(シルバーリーフホワイトフライ(silverleaf whitefly));ベミシア・タバシゲンナディオス(Gennadius)(タバコホワイトフライ(tobacco whitefly)、サツマイモホワイトフライ(sweetpotato whitefly));B.アルゲンチフォリイ(B.argentifolii)ベロウズ&ペリング(Bellows&Perring)(シルバーリーフホワイトフライ(silverleaf whitefly));ブリスス・レウコプテルス・レウコプテルス(Blissus leucopterus leucopterus)セイ(Say)(チンチバグ(chinch bug));ブロストマチダエspp.(Blostomatidae spp.);ブレビコリネ・ブラッシカエ(Brevicoryne brassicae)リンネウス(Linnaeus)(キャベッジアフィド(cabbage aphid));カコプシラ・ピリコラ(Cacopsylla pyricola)フェルステル(Foerster)(ペアプシラ(pear psylla));カロコリス・ノルベギクス(Calocoris norvegicus)グメリン(Gmelin)(ジャガイモカプシドバグ(potato capsid bug));カエトシホン・フラガエフォリイ(Chaetosiphon fragaefolii)コッカレル(Cockerell)(ストロベリーアフィド(strawberry aphid));シミシダエspp.(Cimicidae spp.);コレイダエspp.(Coreidae spp.);コルツカ・ゴシッピイ(Corythuca gossypii)ファブリチウス(Fabricius)(コットンレースバグ(cotton lace bug));シルトペルチス・モデスタ(Cyrtopeltis modesta)ディスタント(Distant)(トマトバグ(tomato bug));C.ノタツス(C.notatus)ディスタント(Distant)(サックフライ(suckfly));デオイス・フラボピクタ(Deois flavopicta)シュテル(Stal)(スピタルバグ(spittlebug));ディアレウロデス・シトリ(Dialeurodes citri)アシュミード(Ashmead)(シトラスホワイトフライ(citrus whitefly));ディアフノコリス・クロリオニス(Diaphnocoris chlorionis)セイ(Say)(ハニーローカストプラントバグ(honeylocust plant bug));ディウラフィス・ノキシア(Diuraphis noxia)クルジュモフ/モルドヴィルコ(Kurdjumov/Mordvilko)(ロシアンコムギアフィド(Russian wheat aphid));デュプラキオナスピス・ディベルゲンス(Duplachionaspis divergens)グリーン(Green)(アーマードスケール(armored scale));ディサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea)パセリーニ(Paaserini)(ロージーアップルアフィド(rosy apple aphid));ディスデルクス・スツレルス(Dysdercus suturellus)へリック-シェーファー(Herrich-Schaffer)(コットンステイナー(cotton stainer));ディスミコックス・ボニンシス(Dysmicoccus boninsis)クワナ(Kuwana)(グレーシュガーケインミーリバグ(gray sugarcane mealybug));エムポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae)ハリス(Harris)(ジャガイモリーフホッパー(potato leafhopper));エリオソマ・ラニゲルム(Eriosoma lanigerum)ハウスマン(Hausmann)(ウーリイアップルアフィド(woolly apple aphid));エリスロネオウラspp.(Erythroneoura spp.)(グレープリーフホッパー(grape leafhoppers));エウメトピナ・フラビペス(Eumetopina flavipes)ムーア(Muir)(アイランドシュガーケインプラントホッパー(Island sugarcane planthopper));エウリガステルspp.(Eurygaster spp.);エウスキスツス・セルブス(Euschistus servus)セイ(Say)(ブラウンスティンクバグ(brown stink bug));E.バリオラリウス(E.variolarius)パリソト ド ボーヴォワ(Palisot de Beauvois)(ワンスポッテドステキングバグ(one-spotted stink bug));グラプトステツスspp.(Graptostethus spp.)(シードバグ(seed bugs)の複合体);およびヒアロプテルス・プルニ(Hyalopterus pruni)ジョフロワ(Geoffroy)(ミーリイプラムアフィド(mealy plum aphid));イセリア・ブルカシ(Icerya purchasi)マスケル(Maskell)(コトニークッションスケール(cottony cushion scale));ラボピディコラ・アリイ(Labopidicola allii)ナイト(Knight)(オニオンプラントバグ(onion plant bug));ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)フォールン(Fallen)(スモーラーブラウンプラントホッパー(smaller brown planthopper));レプトグロスス・コルクルス(Leptoglossus corculus)セイ(Say)(リーフフッテドパインシードバグ(leaf-footed pine seed bug));レプトディクチャ・タビダ(Leptodictya tabida)へリック-シェーファー(Herrich-Schaffer)(シュガーケインレースバグ(sugarcane lace bug));リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)カルテンバッハ(Kaltenbach)(ターニプアファイド(turnip aphid));リゴコリス・パブリヌス(Lygocoris pabulinus)リンネウス(Linnaeus)(コモングリーンカプシド(common green capsid));リグス・リネオラリス(Lygus lineolaris)パリソト ド ボーヴォワ(Palisot de Beauvois)(ターニシュドプラントバグ(tarnished plant bug));L.ヘスペルス(L.Hesperus)ナイト(Knight)(ウェスタンターニシュドプラントバグ(Western tarnished plant bug));L.プラテンシス(L.pratensis)リンネウス(Linnaeus)(コモンメドーバグ(common meadow bug));L.ルグリペンニス(L.rugulipennis)ポッピウス(Poppius)(ヨーロピアンターニシュドプラントバグ(European tarnished plant bug));マクロシフム・ユーフォルビアエトーマス(Thomas)(ジャガイモアフィド);マクロステレス・グアドリリネアツス(Macrosteles quadrilineatus)フォーブス(Forbes)(アスターリーフホッパー(aster leafhopper)); マギシカダ・セプテンデシム(Magicicada septendecim)リンネウス(Linnaeus)(ペリオディカルシケイダ(periodical cicada));マハナルバ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)シュテル(Stal)(シュガーケインスピタルバグ(sugarcane spittlebug));M.ポスチカタ(M.posticata)シュテル(Stal)(シュガーケインのリトルシケイダ(little cicada of sugarcane));メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)ツェントナー(Zehntner)(シュガーケインアフィド(sugarcane aphid));メラナスピス・グロメラタ(Melanaspis glomerata)グリーン(Green)(ブラックスケール(black scale));メトポロフィウム・ディルホヅム(Metopolophium dirhodum)ウォーカー(Walker)(ロージグレインアフィド(rose grain aphid));ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae)スルザー(Sulzer)(ピーチ-ジャガイモアフィド(peach-potato aphid)、グリーンピーチアフィド(green peach aphid));ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)モズレ-(Mosley)(レタスアフィド(lettuce aphid));ネホテチックス・シンチセプス(Nephotettix cinticeps)ウーラー(Uhler)(グリーンリーフホッパー(green leafhopper));N.ニグロピクツス(N.nigropictus)シュテル(Stal)(イネリーフホッパー(rice leafhopper));ネザラ・ビリデュラ(Nezara viridula)リンネウス(Linnaeus)(サザングリーンスティンクバグ(southern green stink bug));ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)シュテル(Stal)(ブラウンプラントホッパー(brown p
lanthopper));ニシウス・エリカエ(Nysius ericae)シリング(Schilling)(フォルスチンチバグ(false chinch bug));ニシウス・ラファヌス(Nysius raphanus)ハワード(Howard)(フォルスチンチバグ(false chinch bug));オエバルス・プグナクス(Oebalus pugnax)ファブリチウス(Fabricius)(イネスティンクバグ(rice stink bug));オンコペルツス・ファシアツス(Oncopeltus fasciatus)ダラス(Dallas)(ラージミルクウィードバグ(large milkweed bug));オルトプス・カムペストリス(Orthops campestris)リンネウス(Linnaeus);ペムフィグスspp.(Pemphigus spp.)(ルートアフィド(root aphids)およびゴルアフィド(gall aphids));ペレグリヌス・マイディス(Peregrinus maidis)アシュミード(Ashmead)(コーンプラントホッパー(corn planthopper));ペルキンシエラ・サッカリシダ(Perkinsiella saccharicida)カーカルディ(Kirkaldy)(シュガーケインデルファシド(sugarcane delphacid));フィロキセラ・デバスタトリクス(Phylloxera devastatrix)ペルガンデ(Pergande)(ペカン・フィロキセラ(pecan phylloxera));プラノコックス・シトリ(Planococcus citri)リッソ(Risso)(シトラスミーリイバグ(citrus mealybug));プレシオコリス・ルギコリス(Plesiocoris rugicollis)フォールン(Fallen)(アップルカプシド(apple capsid));ポエシロカプスス・リネアツス(Poecilocapsus lineatus)ファブリチウス(Fabricius)(フォーラインドプラントバグ(four-lined plant bug));シューダトモスセリス・セリアツス(Pseudatomoscelis seriatus)ロイター(Reuter)(コットンフリーホッパー(cotton fleahopper));シュードコッカスspp.(Pseudococcus spp.)(他のミーリイバグ複合体);プルビナリア・エロンガタ(Pulvinaria elongata)ニューステッド(Newstead)(コトニーグラススケール(cottony grass scale));ピリラ・ペルプシラ(Pyrilla perpusilla)ウォーカー(Walker)(シュガーケインリーフホッパー(sugarcane leafhopper));ピロコリダエspp.(Pyrrhocoridae spp.);クアドラスピディオツス・ペルニシオスス(Quadraspidiotus perniciosus)コムストック(Comstock)(サンノゼスケール(San Jose scale));レデュビイダエspp.(Reduviidae spp.);ロパロシフム・マイディス(Rhopalosiphum maidis)フィッチ(Fitch)(コーンリーフアフィド(corn leaf aphid));R.パディ(R.padi)リンネウス(Linnaeus)(バード-チェリー-オーツアフィド(bird cherry-oat aphid));サッカリコックス・サッカリ(Saccharicoccus sacchari)コッカレル(Cockerell)(ピンクシュガーケインミーリイバグ(pink sugarcane mealybug));スカプタコリス・カスタネア(Scaptacoris castanea)ペリー(Perty)(ブラウンルートスティンクバグ(brown root stink bug));スキザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)ロンダニ(Rondani)(グリーンバグ(greenbug));シファ・フラバ(Sipha flava)フォーブス(Forbes)(イエローシュガーケインアフィド(yellow sugarcane aphid));シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)ファブリチウス(Fabricius)(イングリッシュグレインアフィド(English grain aphid));ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)ホルヴァート(Horvath)(ホワイトバックドプラントホッパー(white-backed planthopper));ソガトデス・オリジコラ(Sogatodes oryzicola)ムーア(Muir)(イネデルファシド(rice delphacid));スピナゴニクス・アルボファスシアツス(Spanagonicus albofasciatus)ロイター(Reuter)(ホワイマークドフリーホッパー(whitemarked fleahopper));テリオアフィス・マクラタ(Therioaphis maculata)バックトン(Buckton)(スポッテドアルファルファアフィド(spotted alfalfa aphid));チニダエspp.(Tinidae spp.);トキソプテラ・アウランチイ(Toxoptera aurantii)ボイヤー ド フォンスコロンベ(Boyer de Fonscolombe)(ブラックシトラスアフィド(black citrus aphid));およびT.シトリシダ(T.citricida)カーカルディ(Kirkaldy)(ブラウンシトラスアフィド(brown citrus aphid));トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)(グリーンハウスホワイトフライ(greenhouse whitefly));トリアレウロイデス・アブチロネウス(Trialeurodes abutiloneus)(バンデッドウィングドホワイトフライ(bandedwinged whitefly))およびT.バポラリオルム(T.vaporariorum)ウェストウッド(Westwood)(グリーンハウスホワイトフライ(greenhouse whitefly));トリオザ・ディオスピリ(Trioza diospyri)アシュミード(Ashmead)(パシモンスイラ(persimmon psylla));チフロシバ・ポマリア(Typhlocyba pomaria)マカティー(McAtee)(ホワイトアップルリーフホッパー(white apple leafhopper));ホマロディスカ・ビトリペンニス(Homalodisca vitripennis)(グラシイウィングドシャープシューター(glassy winged sharpshooter));シカデュリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)(トウモロコシリーフホッパー(maize leafhopper));シルクリフェル・テネルス(Circulifer tenellus)(ビートリーフホッパー(beet leafhopper));ダクツロスフアイラ・ビチフォリアエ(Daktulosphaira vitifoliae)(グレープフィロキセラ(grape phylloxera));コックス・シュードマグノリルアルム(Coccus pseudomagnoliarum)(シトリコラスケール(citricola scale));コックス・ヘスペリデュム(Coccus hesperidum)(ソフトブラウンスケール(soft brown scale));プルビナリア・レガリス(Pulvinaria regalis)(ホースチェスナトスケール(horse chestnut scale));プルビナリア・プシディイ(Pulvinaria psidii)(グリーンシールドスケール(green shield scale));アオニディエラ・アウランチイ(Aonidiella aurantii)(カリフォルニアシトラススケール(California citrus scale));アオニディエラ・タクス(Aonidiella taxus)(アジアチックレッドスケール(Asiatic red scale));アスピディオツス・エクシスス(Aspidiotus excisus)(シアノチススケール(Cyanotis scale))アスピディオツス・ネリイ(Aspidiotus nerii)(オレアンダースケール(oleander scale));アウラカスピス・ロザルム(Aulacaspis rosarum)(アジアチックローズスケール(Asiatic rose scale));アウラカスピス・ツベルクラリス(Aulacaspis tubercularis)(ホワイトマンゴースケール(white mango scale));キオナスピス・レピネイイ(Chionaspis lepineyi)(オークスカフィスケール(oak scurfy scale));ヘミベルレシア・ラタニアエ(Hemiberlesia lataniae)(ラタニアスケール(latania scale));クワナスピス・シュードレウカスピス(Kuwanaspis pseudoleucaspis)(バンブーディアスピディドスケール(bamboo diaspidid scale));レピドサフェス・ピニ(Lepidosaphes pini)(パインオイスターシェルスケール(pine oystershell scale));ロホレウカスピス・ジャポニカ(Lopholeucaspis japonica)(ジャパニーズメイプルスケール(Japanese maple scale));オセアナスピディオツス・スピノスス(Oceanaspidiotus spinosus)(スパインドスケールインセクト(spined scale insect));パルラトリア・ジジフィ(Parlatoria ziziphi)(ブラックパーラトリアスケール(black parlatoria scale));シュードアオニディア・デュプレクス(Pseudaonidia duplex)(カンファ-スケール(camphor scale));ウナスピス・ヤノネンシス(Unaspis yanonensis)(アローヘッドスケール(arrowhead scale));フェナコックス・ソラニ(Phenacoccus solani)(ソレイナムミーリイバグ(Solanum mealybug));プラノコックス・シトリ(Planococcus citri)(シトラスミーリイバグ(citrus mealybug));プラノコックス(Planococcus)(フィーカスヴァインミーリイバグ(ficus vine mealybug));シュードコックス・ロンギスピヌス(Pseudococcus longispinus)(ロングテイルドミーリイバグ(long-tailed mealybug))シュードコックス・アフィニス(Pseudococcus affinis)(グラスハウスミーリイバグ(glasshouse mealybug));ディアホリナ・シトリ(Diaphorina citri)(アジアンシトラススイリド(Asian citrus psyllid));およびバクテリセラ・コクケレリ(Bactericera cockerelli)(ジャガイモスイリド(potato psyllid))を含む。
【0308】
アザミウマ目の昆虫は、これらに限定されないが、トリプス・タバシ(Thrips tabaci)(ジャガイモアザミウマ(thrips))およびフランクリニエラ・オシデンタリス(Frankliniella occidentalis)(ミカンキイロアザミウマ(western flower thrips))を含む。
【0309】
対象とする他の昆虫は、これらに限定されないが、バッタ種(例えば、アメリカトビバッタ(Schistocerca americana))およびコオロギ(例えば、タイワンエンマコオロギ(Teleogryllus taiwanemma)、エンマコオロギ(Teleogryllus emma))を含む。
【0310】
コナダニはクモ類(クモ綱(Arachnida))であり、コダニおよびダニを含むアルシ(Arci)亜綱の成員である。コナダニは、真の昆虫ではないが、コナダニおよび昆虫はともに節足動物門(Arthropoda)の成員であるため、コナダニは、植物の昆虫害虫とともに分類される場合が多い。本明細書中で使用する場合、「昆虫」という用語は、別記されない限り、または使用の文脈から明らかでない限り、真の昆虫およびコナダニの両方を包含する。対象とするコナダニは、これらに限定されないが、ハダニ科(Tetranychidae)のアセリア・トシケラ(Aceria tosichella)キーファー(Keifer)(コムギカールマイト(wheat curl mite));パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)コッホ(Koch)(ヨーロピアンレッドマイト(European red mite));ペトロビア・ラテンス(Petrobia latens)ミュラー(Muller)(ブラウンコムギマイト(brown wheat mite));ステネオタルソネムス・バンクロフチ(Steneotarsonemus bancrofti)マイケル(Michael)(シュガーケインストークマイト(sugarcane stalk mite))のハダニ(spider mite)およびアカダニ(red mites)、オリゴニクス・グリプス(Oligonychus grypus)ベイカー&プリッチャード(Baker & Pritchard)、O.インディクス(O.indicus)ハースト(Hirst)(シュガーケインリーフマイト(sugarcane leaf mite))、O.プラテンシス(O.pratensis)バンクス(Banks)(バンクスグラスマイト(Banks grass mite))、O.スチックネイイ(O.stickneyi)マクレガー(McGregor)(シュガーケインスパイダーマイト(sugarcane spider mite));テトラニイクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)コッホ(Koch)(トゥースポッテドスパイダーマイト(two spotted spider mite));T.マクダニエリ(T.mcdanieli)マクレガー(McGregor)(マクダニエルマイト(McDaniel mite));T.シンナバリヌス(T.cinnabarinus)ボワデュヴァル(Boisduval)(カーミンスパイダーマイト(carmine spider mite));T.ツルケスタニ(T.turkestani)ウガロフ&ニコルスキー(Ugarov & Nikolski)(ストロベリースパイダーマイト(strawberry spider mite));ヒメハダニ科(Tenuipalpidae)のフラットマイト(flat mites)、ブレビパルプス・レウィシ(Brevipalpus lewisi)マクレガー(McGregor)(シトラスフラットマイト(citrus flat mite));フシダニ科(Eriophyidae)のラストマイト(rust mites)およびバドマイト(bud mites)を含む。
【0311】
本発明の方法および組成物のさらなる実施形態は、本明細書中の他の箇所に記載されている。
【0312】
下記の実施例は、説明の目的で提供されるものであり、限定の目的で提供されるものではない。
【実施例】
【0313】
[実施例1]
候補NLR遺伝子のライブラリーの調製
単子葉植物および双子葉植物の両方における葉面病原体に対する特性化されたNLR耐性遺伝子全てが、負荷されていない葉組織において発現されるという本発明者らの観察に基づいて、本発明者らは、対象とする植物病原体に対するR遺伝子を同定する目的で、草種の一群由来の負荷されていない葉組織から候補NLR耐性遺伝子のライブラリーを調製しようと試みた。負荷されていない葉組織において発現されるかかるNLR遺伝子の公開された例として、例えば、CcRpp1、Pm3b、Rpg1、Rpg5およびSr33(Bruggeman et al.(2002)PNAS 99(14)9328-9333,doi:10.1073/pnas.142284999;Bruggeman et al.(2008)PNAS 105(39):14970-5,doi:10.1073/pnas.0807270105;Kawashima et al.,2016,Nature Biotechnol. 2016 34(6):661-665;米国特許第10,842,097号;Yahiaoui et al.(2004)Plant J.37:528-538,doi:10.1046/j.1365-313X.2003.01977.x)が挙げられる。かかるNLR遺伝子の未公開の例として、rps2、Rps6、Rps8、Yrr1、Yrr2、およびYrr3に関する候補NLR遺伝子が挙げられる。興味深いことに、本発明者らは、葉のトランスクリプトームにおいて発現されたNLRの平均数は比較的低く(およそ125個)、有効なNLRをコードするこれまでに同定されたNLR遺伝子が、負荷されていない葉組織において発現されることを発見した。さらに、葉組織において発現されるNLRの上位25%が、有効なNLRに関して非常に富化されているようである。本発明者らは、この重要な明察を、遺伝子をコムギに迅速に形質転換する能力と組み合わせて、コムギにおいて1,000種を超える多様な草NLRから構築された安定に形質転換されるライブラリーを作成した。
【0314】
これまでの研究により、遺伝子ファミリーおよび迅速な進化などの植物免疫性に寄与するNLRの分子的および進化的シグネチャーが確立されている(Yang et al.,2013,PNAS 110:18572-18577)。対象とするかかる特徴は、これらに限定されないが、
・ NLRによってコードされるアミノ酸配列における種内変異の存在;
・ NLRによってコードされるアミノ酸配列における種内変異の非存在;
・ NLRによってコードされるアミノ酸配列における種間変異の存在;
・ NLRによってコードされるアミノ酸配列における種間変異の非存在;および
・ NLRによってコードされるアミノ酸配列における実質的な種内対立遺伝子変異
を含む。
【0315】
本明細書中の実施例において使用する場合、「構築物」は、エントリーベクターまたはデスティネーションベクターのいずれかにクローニングされた特異的NLRである:T1ファミリーは、単一のT0植物に由来する種子であり、T2ファミリーは、単一のT1植物に由来される種子である。
【0316】
材料および方法
植物材料および生育条件
下記草種の種子を、候補NLR遺伝子のライブラリーの調製に使用した:アクナテルム・ヒメノイデス、エギロプス・ビコルニス、エギロプス・ロンギッシマ、エギロプス・セアルシイ、エギロプス・シャロネンシス、アグロピロン・クリスタツム、アベナ・アビッシニカ、ブラキポディウム・ディスタキオン、ブリザ・メディア、キノスルス・クリスタツス、エキナリア・カピタタ、ホルクス・ラナツス、ホルデウム・ブルガレ、コエレリア・マクランサ、ロリウム・ペレンネ、メリカ・シリアタ、ファラリス・コエルレスセンス、およびポア・トリビアリス。
【0317】
種子をペトリ皿上の湿った濾紙上で発芽させて、4℃で6~7日間置いて、種子の休眠を打破した。発芽した種子を、ピート&砂:穀類ミックスの1:1混合物に移した。実生を、20℃での明16時間/16℃での暗8時間下で清潔な制御環境チャンバー中で生育させた。使用した制御環境チャンバーは、害虫および疾病のない清潔な発芽室である。葉の大きさに応じて種1つ当たりの植物1つにつき第1および第2の葉を収穫し、種に応じて発芽の12から35日後にRNA単離に使用した。
【0318】
RNA単離
製造業者のプロトコルに従ってトリゾール-フェノールベースのプロトコルを使用して(Sigma-Aldrich社;T9424)、総RNAを葉から抽出した。
【0319】
RNAseq
Rapid Runモードで実行されたシングルHiSeq 2500レーンのレーン1つ当たり4つの試料を用いて、Barcoded Illumina TruSeq RNA HTライブラリーを構築し、プールした。150bpペアエンドリードを使用して、シーケンシングを実施した。ペアエンドリードを、FastQCを使用して品質に関して評価し、トリミングした後、ILLUMINACLIP:2:30:10、LEADING:5、TRAILING:5、SLIDINGWINDOW:4:15、およびMINLEN:36で設定されたパラメーターを用いて、Trimmomatic(v0.36)を使用して構築した。これらのパラメーターを使用して、アダプター配列、不明瞭な塩基、またはリード品質の実質な低減を伴うリードを全て除去した。デフォルトパラメーターを用いてTrinityを使用して(バージョン2013-11-10)、デノボトランスクリプトームアセンブリーを作成した。Kallisto(v0.43.1)を使用して、デフォルトパラメーターおよび100個のブーストラップを使用して転写物全てに関して発現レベルを推定した。
【0320】
高度に発現されたNLRの同定
TransDecoder(v4.1.0)LongOrfsを使用して、デノボ構築されたトランスクリプトームにおいてオープンリーディングフレームを全て予測した。InterProScan(v5.27-66.0)を使用して、CoilsおよびPfam、Superfamily、およびProSiteデータベースを使用してドメインをアノテートした。ヌクレオチド結合性ドメインおよびロイシンリッチな反復ドメインの両方を含有する任意のタンパク質を分析に進めた。FAT-CATから開発されたカスタムスクリプトを使用して、NLRに由来するるイネ、ブラキポディウム・ディスタキオン、およびオオムギのヌクレオチド結合性ドメインから開発した系統樹に基づいてヌクレオチド結合性ドメインを分類した。NLRコード遺伝子は、下記の要件に基づいて進めた:転写物は、完全または5’部分的オープンリーディングフレームのいずれかを含有しなくてはならない;遺伝子は、上位25%で発現されたNLRの1つでなくてはならない;遺伝子は、さらなるNLRを要することが知られているNLRファミリーに属さない(Bailey et al.(2018)Genome Biol.19:23,doi.org/10.1186/s13059-018-1392-6)。
【0321】
候補NLRの中で、冗長性は、100%同一性を要するCD-HIT(v4.7)を使用して除去した(-c 1.0)。それぞれ、コード配列の開始または終わりの最初の20個のヌクレオチドに融合されたGatewayアダプターattB1(配列番号27)およびattB2(配列番号28)を使用して、PCRプライマーを開発した。
【0322】
[実施例2]
トランスジェニック植物における候補NLR遺伝子の検査
NLR同定および分子クローニング
シーケンシング、デノボRNAseqアセンブリー、NLR同定、およびPCRプライマー開発は、18個の草種由来の植物81個の系統に関して完了させた。シーケンシングした81個の系統のうち、アクナテルム属、エギロプス属、カモジグサ属、カラスムギ属、ヤマカモジグサ属、ブリザ属、キノスルス属、エキナリア属、シラゲガヤ属、オオムギ属、ミノボロ属、ドクムギ属、コメガヤ属、クサヨシ属、およびイチゴツナギ属における種を含む69個の耐性系統を分子クローニングに進めた。
【0323】
クローニングされたNLRの比率は、種に従って可変的であり、種それぞれにおける系統の利用可能な多様性および標的病原体に対する耐性の普及によって導かれる。PCRプライマーは、総計1,909個のNLRに関して開発された。合計で、1,019個のNLRをGateway pDONRエントリーベクターにクローニングした。このセットには、対照遺伝子Mla3(コムギいもち病)、Mla7(コムギ黄さび病)、Mla8(コムギ黄さび病)、およびRps6(コムギ黄さび病)が含まれる。さらなる対照を同定および合成した:Sr33(コムギ黒さび病)、Sr50(コムギ黒さび病)、Sr35(コムギ黒さび病)、Pm3(コムギうどん粉病)、Lr21(コムギ赤さび病)、およびYr10(コムギ黄さび病)。
【0324】
エントリークローンにおけるNLRは、Gateway(登録商標)系のLR反応によって、バイナリーベクターであるデスティネーションベクターpDEST2BLに移入した。得られた形質転換ベクターを、エレクトロポレーションによってアグロバクテリウム・ツメファシエンス株EHA105に導入した。形質転換ベクターを保有するアグロバクテリウム属の株を使用して、第2の選択培地に移入される場合、未熟胚を3つの小片に切断するという変更を加えて、公開されている方法(Ishida et al.(2015)Methods Mol.Biol.1223:189-198)に従って、コムギ変種Fielderを形質転換した。
【0325】
病原体アッセイ
候補NLR遺伝子のライブラリーを、コムギ黒さび病(プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシ)、コムギ黄さび病(プッチニア・ストリイフォルミスf.sp.トリチシ)、コムギ赤さび病(プッチニア・トリチシナ)、コムギいもち病(マグナポルテ・オリゼ トリチクム)およびコムギうどん粉病(ブルメリア・グラミニスf.sp.トリチシ)を含むコムギの多重病原体に対して検査した。実生病原体アッセイに関する実験設計は、NLR1つにつき、少なくとも4つの異なるT1ファミリー由来の3つの種子を播種することを包含した。耐性の表現型を示すファミリーは、種子で保存し、T2段階で再度表現型を決定し、8つの種子を生育して、T2段階で表現型を決定した。
【0326】
スクリーニングしたNLRの状態の定義は下記の通りである:確認されたNLRは、耐性T1ファミリーに由来するT2ファミリーもしくは個体に関して、一貫した耐性または中間の表現型スコアを有する。候補NLRは、T2ファミリーにおいて表示された境界中間の表現型スコアおよび/または結論を下すには不十分なデータを有する。再スクリーニング用のNLRは、これまで耐性または中間のT1ファミリー由来のものを含む、T2ファミリー間で示される感受性表現型を有する。これらのT2ファミリーは、中間の耐性を付与するNLRまたは現在のプロモーター下では不十分な発現を有するNLRを表し得る。
【0327】
コムギ黒さび病(プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシ)
さび病接種物は、USDA-ARS Cereal Disease Laboratory and the University of Minnesotaで使用される標準的なプロトコールに従って作製した(Huang et al.(2018)Plant Dis.102(6):1124-1135,doi:10.1094/PDIS-06-17-0880-RE)。接種の前日に、さび病原体の夏胞子(urediniospore)を-80℃の冷凍庫から取り出して、45℃の水浴中で15分間熱ショックを与えた後、80%相対湿度チャンバー中で一晩再水和した。発芽速度を評価した(Scott et al.2014)後、夏胞子10mgを個々のゼラチンカプセル(サイズ00)に入れて、そこに、油担体700mlを添加した。25から30kPaに設定したポンプによって加圧された通例の噴霧器(Tallgrass Solutions,Inc.社、マンハッタン、KS)を使用して、接種材料懸濁液を12日齢の植物(第2の葉が完全に拡がっている)に塗布した。植物1つにつき、夏胞子およそ0.15mgを塗布した。接種の直後、植物を、小さな扇風機の前に3から5分間置いて、葉の表面から油担体の蒸発を早めた。植物をさらに90分間ガス抜した後、それらをミストチャンバーの内側に入れた。ミストチャンバーの内側で、超音波加湿器(VickモデルV5100NSJUV;Proctor & Gamble Co.社、シンシナティ,OH)を30分間、連続的に実行して、夏胞子の発芽に十分な、植物に対する初期水分を供給した。次の16から20時間、植物を暗所に保持して、加湿器を、15分毎に2分間実行させて、植物の水分を維持した。黒さび病病原体を用いた実験に関して、光(1秒当たり300mmol/m2個の光子を放出する400W高圧ナトリウムランプ)を、暗所期間後2から4時間供給した。続いて、チャンバーのドアを不完全に開いて、葉の表面を完全に乾燥させた後、上述の同じ条件下で植物を温室に戻した(Huang et al.(2018)Plant Dis.102(6):1124-1135,doi:10.1094/PDIS-06-17-0880-RE)。
【0328】
さび病の表現型決定実験は全て、完全に無作為化された設計で行われ、経時的に少なくとも1回繰り返した。実験間で可変的な反応を示す系統は、十分な種子が利用可能であった場合にはさらなる実験で繰り返した。系統に対する黒さび病ITを、0から4スケールを使用して接種の12日後にスコア付けした(Roelfs and Martens (1998)Phytopathol.78:526-533;Stakman et al.(1962)“Identification of Physiological Races of Puccinia graminis var.tritici,”U.S.Department of Agricultural Publications E617.USDA,Washington,DC,1962)。
【0329】
NLR Dk_04_40は、T1で明確な耐性応答を示し、2つの異なるT1ファミリー由来の個体は全て、スタックマンスケールで0を示した。
【0330】
【0331】
コムギ黄さび病(プッチニア・ストリイフォルミスf.sp.トリチシ)
コムギ植物を、16時間の日長18/11Cにて生育させた。接種に関して、回転式接種器を使用して胞子およびタルクミックス1:16の比で、第1の葉段階でコムギ植物に接種した。McNeal表現型スケールを使用して、接種の10日後に、植物を表現型決定した(Roelfs et al.,1992)。耐性個体は、McNealスコア4またはそれ未満で分類された。中間個体は、McNealスコア5から7で分類されたか、または葉上に感受性対照と明らかに識別される葉の胞子形成の低減または耐性のセクターのいずれかを含んでいた(メソテティック(mesothetic)応答)。表現型決定をしやすくするために、数回のT2スクリーニングを、耐性(R)、中間(I)、または感受性(S)の全体的なスコアを用いて表現型決定し、上記McNealスコアを示した。
【0332】
確認されたNLRは、3種由来の6個の系統から得られ、ネイティブ発現は、0.66から5.24の100個当たりの転写物(tpm)の範囲である。確認されたNLRは、Dk_01_03、Dk_01_04、Dk_01_06、Dk_01_31、Dk_01_33、Dk_01_34、Dk_01_92、Dk_02_27、Dk_02_28、Dk_02_49、Dk_03_76である。
【0333】
【0334】
【0335】
コムギ赤さび病(プッチニア・トリチシナ)
コムギ植物を、16時間の日長18/11Cにて生育させた。接種に関して、回転式接種器を使用して胞子およびタルクミックス1:16の比で、第1の葉段階でコムギ植物に接種した。単離株は全て、液体窒素中で-80℃にて、または4℃にて真空チューブ中で夏胞子として保管された。植物はコムギ赤さび病(プッチニア・トリチシナ)単離株13/34を用いてスクリーニングし、赤さび病に使用される標準的な表現型スケールでスコア付けし、ここで、0は、夏胞子堆が存在しない免疫またはほぼ免疫表現型を示す。1から2の表現型スコアは耐性を示し、X、Y、およびZは、様々な異種応答を示し、3から4は、感受性応答を示す(Roelfs,1984,“Race specificity and methods of study,”AP.Roelfs and W.R.Bushnell,eds. The Cereal Rusts Vol. I;Origins,Specificity,Structure,and Physiology.Academic Press,Orlando,pp.131-164)。
【0336】
NLR Dk_01_19は、T1で明らかな耐性応答を示し、導入遺伝子は、コムギ赤さび病にに対して機能的であることを示した。4つのT1ファミリー由来の個体は全て、しわの寄った先端を有する制御された細胞死の耐性応答を示し、壊死に取り囲まれた小さな夏胞子堆を示した。
【0337】
【0338】
[実施例3]
双子葉植物由来の高度に発現されたNLRの亜集団における卵菌、ネクロトロフ植物病原体、線虫、昆虫、およびウイルスに対する耐性を付与する既知のNLR遺伝子の同定
高度に発現されたNLRの亜群は、双子葉植物の実生トランスクリプトームにおいて発現されるNLRの群内で機能性R遺伝子に関して飽和状態にされている(
図12~
図14)。シロイヌナズナ系統コロンビア-0(Col-0)における観察を拡げるために、葉枯れ病(ヒアロペロノスポラ・アラビドプシディス)に対する既知の耐性遺伝子RPP1、RPP5、RPP7、およびRPP8、ならびに白さび病(アルブゴ・カンディダ)に対するWRR4、WRR8、およびWRR9の対立遺伝子もまた、さらなる系統ランドスベルグ・エレクタ(Landsberg erecta)(Ler-0)、サン・フェリウ(San Feliu)(Sf-2)、およびワッシレウスキジャ(Wassilewskija)(Ws-0)の実生で発現されるNLRの上位25%に存在する。系統Sf-2およびWs-0において最も高度に発現されたNLRは、ネクロトロフ病原体灰色かび病(ボトリチス・シネレア)、キャベツの黒斑病(dark leaf spot)(アルタナリア・ブラッシシコラ)およびアブラナ科植物の黒斑(dark spot)(アルタナリア・ブラッシカエ)に対して耐性を付与するRLM3の対立遺伝子である。アソシエーションゲノミクスおよびロングリードシーケンシングを介して同定された特性化されたNLRが、栽培された植物種の野生近縁種から上記判断基準を使用して同定され得ることをさらに決定するために、本発明者らは、アメリカイヌホオズキ由来のRpi-amr1eを研究した(Witek et al.,2021,Nature Plants 2021 7:198-208)。実際に、Rpi-amr1eは、高度に発現されたNLRの上位25%に存在することが決定された(
図15)。組織型間で機能性NLRの高い発現を確認するために、本発明者らは、根こぶ線虫(ネコブ線虫spp.)、ジャガイモアフィド(マクロシフム・ユーフォルビアエ)、およびサツマイモコナジラミ(ベミシア・タバシ)に耐性を付与するソラヌム・リコペルシクム由来のMi-1.2を研究した。Mi-1.2は、葉において高度に発現されたNLRの上位10%に(
図16および
図18)、また根において高度に発現されたNLRの上位12%に(
図17および
図19)存在する。さらに、トマトモザイクウイルスおよびタバコモザイクウイルスを含むトバモウイルスに対するTm-2耐性遺伝子は、S.リコペルシクム(S.lycopersicum)栽培品種VFNT Cherryの葉において発現されたNLRの上位17%に、および根組織において発現されたNLRの上位10%に存在する(
図18および
図19)。これらの結果により、候補耐性(R)遺伝子のライブラリーを調製する本発明の方法を用いて、例えば真菌、細菌、卵菌、線虫、ウイルス、昆虫、およびダニなどの多種多様な植物害虫に対する、有効なR遺伝子、特にNLRに関して高度に富化されている候補R遺伝子のライブラリーを作成することができ、かかるライブラリーは、葉だけでなく、例えば根を含む他の植物器官または植物の一部からも調製することができることが実証される。
【0339】
[実施例4]
トランスジェニック植物における候補NLR遺伝子の検査
コムギ黒さび病(プッチニア・グラミニスf.sp.トリチシ)
さび病接種物は、USDA-ARS Cereal Disease Laboratory and the University of Minnesotaで使用される標準的なプロトコールに従って作製した(Huang et al.(2018)Plant Dis.102(6):1124-1135,doi:10.1094/PDIS-06-17-0880-RE)。接種の前日に、さび病原体の夏胞子を-80℃の冷凍庫から取り出して、45℃の水浴中で15分間熱ショックを与えた後、80%相対湿度チャンバー中で一晩再水和した。発芽速度を評価した(Scott et al.2014)後、夏胞子10mgを個々のゼラチンカプセル(サイズ00)に入れて、そこに、油担体700mlを添加した。25から30kPaに設定したポンプによって加圧された通例の噴霧器(Tallgrass Solutions,Inc.社、マンハッタン、KS)を使用して、接種材料懸濁液を12日齢の植物(第2の葉が完全に拡がっている)に塗布した。植物1つにつき、夏胞子およそ0.15mgを塗布した。接種の直後、植物を、小さな扇風機の前に3から5分間置いて、葉の表面から油担体の蒸発を早めた。植物をさらに90分間ガス抜きした後、それらをミストチャンバーの内側に入れた。ミストチャンバーの内側で、超音波加湿器(VickモデルV5100NSJUV;Proctor & Gamble Co.社、シンシナティ,OH)を30分間、連続的に実行して、夏胞子の発芽に十分な、植物に対する初期水分を供給した。次の16から20時間、植物を暗所に保持して、加湿器を、15分毎に2分間実行させて、植物の水分を維持した。黒さび病病原体を用いた実験に関して、光(1秒当たり300mmol/m2個の光子を放出する400W高圧ナトリウムランプ)を、暗所期間後2から4時間供給した。続いて、チャンバーのドアを不完全に開いて、葉の表面を完全に乾燥させた後、上述の同じ条件下で植物を温室に戻した(Huang et al.(2018)Plant Dis.102(6):1124-1135,doi:10.1094/PDIS-06-17-0880-RE)。
【0340】
さび病の表現型決定実験は全て、完全に無作為化された設計で行われた。実験間で可変的な反応を示す系統は、十分な種子が利用可能であった場合にはさらなる実験で繰り返した。系統に対する黒さび病ITを、0から4スケールを使用して接種の12日後にスコア付けした(Roelfs and Martens (1998)Phytopathol.78:526-533;Stakman et al.(1962)“Identification of Physiological Races of Puccinia graminis var.tritici,”U.S.Department of Agricultural Publications E617.USDA,Washington,DC,1962)。ITは、耐性(R)、感受性(S)、または耐性がT1ファミリー内で分離している分離型(seg)と称した表現型としてまとめられる。分離型ファミリーの表現型は、個々の植物の表現型として示された。植物は、品種QTHJCを用いて表現型決定し、耐性構築物は、品種TTKSKを用いてさらに表現型決定した。TTKSKを接種してなかったT1ファミリーは、「-」で示した。
【0341】
確認されたNLRは、8種由来の14個の系統から得られる。確認されたNLRは、Dk_01_21、Dk_01_48、Dk_03_15、Dk_03_49、Dk_03_68、Dk_04_40、Dk_04_67、Dk_04_71、Dk_04_91、Dk_05_75、Dk_05_92、Dk_06_02、Dk_06_03、Dk_06_10、Dk_06_36、Dk_06_52、Dk_08_16、Dk_08_79、Dk_09_55である。
【0342】
【0343】
【0344】
コムギ黄さび病(プッチニア・ストリイフォルミスf.sp.トリチシ)
コムギ植物を、16時間の日長18/11Cにて生育させた。接種に関して、回転式接種器を使用して胞子およびタルクミックス1:16の比で、第1の葉段階でコムギ植物に接種した。McNeal表現型スケールを使用して、接種の10日後に、植物を表現型決定した(Roelfs et al.,1992)。耐性個体は、McNealスコア4またはそれ未満で分類した。中間個体は、McNealスコア5から7で分類されたか、または葉上に感受性対照と明らかに識別される葉の胞子形成の低減または耐性のセクターのいずれかを含んでいた(メソテティック応答)。表現型決定をしやすくするために、数回のT2スクリーニングを、耐性(R)、中間(I)、または感受性(S)の全体的なスコアを用いて表現型決定し、上記McNealスコアを示した。各エントリーは、次の世代のT2ファミリーとしてスコア付けられたT1ファミリーに由来する個々の植物を示す。一部のT1ファミリーは、T1ファミリーに関してプールされた表現型としてスコア付けされ、分離型表現型として示された。各植物に関する個々のMcNealスコアが保存されなかった場合、これは、「-」で示される。
【0345】
確認されたNLRは、9種由来の18個の系統から得られる。確認されたNLRは、Dk_01_35、Dk_01_55、Dk_01_57、Dk_01_59、Dk_01_60、Dk_01_61、Dk_01_62、Dk_01_64、Dk_01_68、Dk_02_02、Dk_02_03、Dk_02_06、Dk_02_07、Dk_02_08、Dk_02_11、Dk_02_13、Dk_02_14、Dk_02_19、Dk_02_20、Dk_02_25、Dk_02_34、Dk_02_35、Dk_02_36、Dk_02_38、Dk_02_39、Dk_02_42、Dk_02_44、Dk_02_46、Dk_03_13、Dk_03_16、Dk_03_19、Dk_03_48、Dk_03_58、Dk_03_60、Dk_04_34、Dk_04_44、Dk_04_85、Dk_04_88、Dk_04_92、Dk_04_95、Dk_04_96、Dk_05_11、Dk_05_14、Dk_05_15、Dk_05_16、Dk_05_24、Dk_05_29、Dk_05_30、Dk_05_33、Dk_05_34、Dk_05_35、Dk_05_38、Dk_05_42、Dk_05_44、Dk_05_47、Dk_05_53、Dk_05_56、Dk_06_01、Dk_06_03、Dk_06_04、Dk_06_05、Dk_06_06、Dk_06_52、Dk_06_53である。
【0346】
【0347】
【0348】
冠詞「a」および「an」は、冠詞の文法上の対象格の1つまたは1つよりも多いこと(即ち、少なくとも1つ)を指すのに本明細書中で使用される。例として、「エレメント」は、1つまたは複数のエレメントを意味する。
【0349】
明細書全体にわたって、「を含む」という語句または「を含む(単数)」もしくは「を含んでいる」などの変化形は、明記されるエレメント、整数もしくは工程、またはエレメント、整数もしくは工程の群を包含することを含蓄するが、任意の他のエレメント、整数もしくは工程、またはエレメント、整数もしくは工程の群の排除を含蓄しないと理解されよう。
【0350】
明細書中で言及される刊行物および特許出願は全て、本発明が関連する当業者の水準を示している。刊行物および特許出願は全て、各々の刊行物または特許出願が、具体的にかつ個別に引用することにより本明細書の一部をなすものとするのと同程度に、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0351】
理解を明瞭にする目的で、説明および実施例を用いて、上述の本発明を幾らか詳細に記載してきたが、ある特定の変更および修正が併記の特許請求の範囲内で実施されてもよいことは明白である。
【配列表】
【国際調査報告】