(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-07
(54)【発明の名称】(メタ)アクリレートモノマー系組成物
(51)【国際特許分類】
C08F 220/10 20060101AFI20240425BHJP
C08F 2/50 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
C08F220/10
C08F2/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571325
(86)(22)【出願日】2022-05-16
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 FR2022050923
(87)【国際公開番号】W WO2022243629
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】501305888
【氏名又は名称】ボスティク エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マザイク, ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】ペレイラ-バヤルト, マージョリー
(72)【発明者】
【氏名】シモン, フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】フーカイ, ステファーヌ
【テーマコード(参考)】
4J011
4J100
【Fターム(参考)】
4J011QA02
4J011QA03
4J011QA12
4J011QA14
4J011QA37
4J011QA39
4J011SA01
4J011SA21
4J011SA31
4J011SA61
4J011SA62
4J011SA64
4J011SA84
4J011SA85
4J011SA88
4J011TA04
4J011TA05
4J011TA06
4J011TA08
4J011UA01
4J011WA02
4J011WA06
4J100AJ02R
4J100AK12Q
4J100AL08P
4J100BA11P
4J100BC58P
4J100BC59P
4J100BC60P
4J100CA03
4J100CA23
4J100FA03
4J100FA18
4J100JA01
4J100JA03
(57)【要約】
(メタ)アクリレートモノマー系組成物
本発明は、2成分架橋性組成物であって、
-成分Aであって、
-還元剤と、
-(メタ)アクリル酸の金属塩、イタコン酸の金属塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される金属塩と、
-少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマーM1と、
を含む、成分Aと、
-酸化剤を含む成分Bと、
を含み、前記組成物は、成分Aおよび/またはB中に少なくとも1つのラジカル光開始剤を含むことを特徴とする、組成物、およびその使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2成分架橋性組成物であって、
-成分Aであって、
-還元剤と、
-(メタ)アクリル酸の金属塩、イタコン酸の金属塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される金属塩と、
-下記の式(I)、(II)または(III):
式中、
-R
aは、Hまたはメチルを表し、
-R
bは、H、メチルまたはエチルを表し、
-pは0または1を表し、
-Zは、H、O、S、アルキル基、ベンジル基、アリール基またはアルコキシ基を表し、
-Yは、O、S、NHまたはCH
2-を表し、
-
は、単結合または二重結合であり、
ZがOを表す場合、結合
は二重結合である、
の1つを有する少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマーM1と、
を含む、成分Aと、
-酸化剤を含む成分Bと、
を含み、
前記組成物は、成分Aおよび/またはB中に少なくとも1つのラジカル光開始剤を含むことを特徴とする、組成物。
【請求項2】
還元剤が、第三級アミン、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、遷移金属、アゾ化合物、α-アミノスルホン、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
還元剤が、第三級アミン、さらにより優先的には式(IV):
式中、
-mおよびnは、互いに独立して、1から150、好ましくは1から100、優先的には1から72、有利には1から36、さらにより有利には1から18の範囲の整数であり、
-R
1は、1から20個の炭素原子、好ましくは1から10個の炭素原子を含む直鎖または分岐の飽和または不飽和アルキルと、6から12個の炭素原子を含む(ヘテロ)アリールと、3から12個の炭素原子を含むシクロアルキルと、からなる群から選択される基を表し、
-vは、0から5の範囲の整数を表し、
-R
2およびR
3は、互いに独立して、ハロゲン原子、水素原子または1から12個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐アルキル基を表し、前記アルキル基は、少なくとも1個の酸素原子によって場合により中断されており、
-m+n>2、好ましくはn+m≧2.5の条件である、
のアミンであることを特徴とする、請求項1および2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
ラジカル光開始剤が、
-I型ラジカル光開始剤であって、
-アセトフェノンおよびアルコキシアセトフェノン類、例えば2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンおよび2-ジエチル-2-フェニルアセトフェノン、
-ヒドロキシアセトフェノン類、例えば2,2-ジメチル-2-ヒドロキシアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノンおよび2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシプロポキシ)-2-メチルプロピオフェノン、
-アルキルアミノアセトフェノン類、例えば2-メチル-4’-(メチルチオ)-2-モルホリノプロピオフェノン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4-モルホリノブチロフェノンおよび2-(4-メチルベンジル)-2-(ジメチルアミノ)-4-モルホリノブチロフェノン、
-ベンゾインエーテル類、例えばベンジル、ベンゾインメチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテル、
-ホスフィンオキシド類、例えば、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(TPO-L)およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニルホスフィンオキシド(BAPO)、
-メタロセン類、例えばフェロセン、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタンおよび(クメン)(シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、
から選択される、I型ラジカル光開始剤と、
-II型ラジカル光開始剤であって、
-ベンゾフェノン類、例えば4-フェニルベンゾフェノン、4-(4’-メチルフェニルチオ)ベンゾフェノンまたは1-[4-[(4-ベンゾイルフェニル)チオ]フェニル]-2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1-プロパノン、
-チオキサントン類、例えばイソプロピルチオキサントン(ITX)、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2-クロロチオキサントンおよび1-クロロ-4-イソプロピルチオキサントン、
-ベンゾイルギ酸エステル類、例えば、ベンゾイルギ酸メチル、
-ジベンジリデンケトン類、例えばp-ジメチルアミノケトン、
-クマリン類、例えば5-メトキシ-および7-メトキシクマリン、7-ジエチルアミノクマリンおよびN-フェニルグリシンクマリン、
から選択される、II型ラジカル光開始剤と、
-色素類のラジカル光開始剤、例えばトリアジン、フルオロン、シアニン、サフラニン、4,5,6,7-テトラクロロ-3’、6’-ジヒドロキシ-2’,4’,5’,7’-テトラヨード-3H-スピロ[イソベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン、ピリリウムおよびチオピリリウム、チアジン、フラビン、ピロニン、オキサジンまたはローダミンと、
-それらの混合物と、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
ラジカル光開始剤が、
-ホスフィンオキシド類、例えば、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(TPO-L)およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニルホスフィンオキシド(BAPO)、
-チオキサントン類、例えばイソプロピルチオキサントン(ITX)、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2-クロロチオキサントンおよび1-クロロ-4-イソプロピルチオキサントン、
から選択され、ラジカル光開始剤は、さらにより優先的には、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(TPO-L)およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニルホスフィンオキシド(BAPO)から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
組成物の総重量に対して、0.1~5重量%、好ましくは0.5~3重量%、さらにより優先的には1~2重量%のラジカル光開始剤を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
(メタ)アクリル酸の金属塩が、(メタ)アクリル酸の亜鉛塩、(メタ)アクリル酸の鉄塩、(メタ)アクリル酸のマグネシウム塩、(メタ)アクリル酸のカルシウム塩、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
(メタ)アクリル酸の金属塩が、ジアクリレート亜鉛、ジメタクリレート亜鉛、モノメタクリレート亜鉛、ジアクリレート鉄、ジメタクリレート鉄、モノメタクリレート鉄、ジアクリレートカルシウム、ジメタクリレートカルシウム、モノメタクリレートカルシウム、ジアクリレートマグネシウム、ジメタクリレートマグネシウム、モノメタクリレートマグネシウム、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
(メタ)アクリル酸の金属塩が亜鉛塩、好ましくはジアクリレート亜鉛またはジメタクリレート亜鉛であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
式(I)および(II)において、Yが酸素原子を表すことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
(メタ)アクリレートモノマーが、以下のモノマー:
およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
成分Aが、前記成分Aの総重量に対して、総含有量が20重量%以上、好ましくは20~70重量%の(メタ)アクリレートモノマーM1を含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物であって、触媒、充填剤、抗酸化剤、光安定剤/UV吸収剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、フィルム防止剤、発泡剤、殺生物剤、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、色素、顔料、レオロジー剤、耐衝撃改質剤、接着促進剤、蛍光増白剤、難燃剤、発汗防止剤、造核剤、溶媒およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含むことを特徴とする、組成物。
【請求項14】
成分A/成分Bの体積比が、20/1~1/1、優先的には10/1~4/1の範囲であることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
接着剤、マスチックまたはコーティングとしての、好ましくは接着剤としての、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項16】
接着結合によって2つの基質を組み立てるための方法であって、
-組み立てられる2つの基質の少なくとも一方に、請求項1から14のいずれか一項に記載の、成分AおよびBを混合することによって得られた組成物をコーティングすることと、次いで、
-2つの基質を効果的に接触させることと、
-組成物を電磁照射に供することによって架橋することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリレートモノマー系組成物に関する。
【0002】
本発明はまた、輸送、海洋、組立、電子機器または建設分野での、材料の修復および/もしくは半構造接着または構造接着における、前記組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
アクリル組成物は、ラジカル重合によって架橋する公知の反応系である。それらは、接着剤、マスチックおよびコーティングとして使用される。ラジカル重合は、典型的には、酸化還元反応によってラジカルの生成をもたらすレドックス系によって開始される。
【0004】
ほとんどのアクリル系は2成分系である。第1成分は、従来、還元剤および反応性モノマーを含み、第2成分は酸化剤を含む。2つの成分が混合されると、還元剤は、例えば有機過酸化物のO-O結合の開裂を誘発し、重合を開始する。
【0005】
しかしながら、この手法の課題の一つは、酸素による阻害である。これは、空気中に三重項状態で存在する酸素が、試料の表面に形成されたラジカルと相互作用することによって、それらが重合を開始するのを妨げるためである。酸素は、堆積した坪量に応じてほとんど、あるいは全く深く浸透しないため、この阻害は本質的に表面で発現する。さらに、重合反応は、大気酸素に曝された表面では遅いことが多く、部分的に重合された表面は、粘着性のままであることが多い。
【0006】
上記の欠点の少なくとも1つを少なくとも部分的に解決することを可能にする新たな(メタ)アクリル組成物が必要とされている。より詳細には、急速な深い重合を可能にし、非粘着性表面を得ることを可能にする新たな(メタ)アクリル組成物が必要とされている。
【0007】
さらに、電子機器分野などにおけるプロセスの生産性(スループット水準)を改善するという不断の目的により、凝集性を向上させた、すなわち短時間に最低限の機械的性能を達成する新たな組成物が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】組成物No.1(曲線1)およびNo.2(曲線2、比較)の破断強度(MPa)=f(時間(分))を表すグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.組成物
本発明は、2成分架橋性組成物に関し、前記組成物は、
-成分Aであって、
-還元剤と、
-(メタ)アクリル酸の金属塩、イタコン酸の金属塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される金属塩と、
-下記の式(I)、(II)または(III):
式中、
-R
aは、Hまたはメチルを表し、
-R
bは、H、メチルまたはエチルを表し、
-pは0または1を表し、
-Zは、H、O、S、アルキル基、ベンジル基、アリール基またはアルコキシ基を表し、
-Yは、O、S、NHまたはCH
2-を表し、
-
は、単結合または二重結合であり、
ZがOを表す場合、結合
は二重結合である、
の1つを有する少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマーM1と、
を含む、成分Aと、
-酸化剤を含む成分Bと、
を含み、
前記組成物は、成分Aおよび/またはB中に少なくとも1つのラジカル光開始剤を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の文脈において、「アルキル」という用語は、好ましくは1から20個の炭素原子を含む直鎖または分岐基を意味する。例えば、メチル、エチルおよびプロピルを挙げることができる。
【0011】
本発明の文脈において、「アリール」という用語は、好ましくは6から12個の炭素原子を含む単環式または二環式芳香族基を意味する。例えば、フェニルが挙げられる。
【0012】
本発明の文脈において、「シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはノルボルニル基などの、飽和した、単環式または多環式、好ましくは単環式または二環式の、好ましくは3から12個の炭素原子を含む系を意味し、環は場合により対になって架橋または融合されている。
【0013】
本発明の文脈において、「アルコキシ」という用語は、-O-アルキル基を意味する。
【0014】
還元剤
還元剤は、第三級アミン、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、遷移金属、アゾ化合物、α-アミノスルホン、およびそれらの混合物から選択することができる。
【0015】
アゾ化合物の中でも、例えば、アゾイソ酪酸が挙げられ得る。
【0016】
α-スルホンの中でも、例えば、ビス(トリルスルホニルメチル)ベンジルアミンが挙げられ得る。
【0017】
第三級アミンの中でも、例えば、ジイソプロパノール-p-トルイジン(DIIPT)、ジメチル-p-トルイジン、ジプロポキシ-p-トルイジン、ジメチルアニリン、N,N-ジメチルアミノメチルフェノール、N,N-ジイソプロパノール-p-クロロアニリン、N,N-ジイソプロパノール-p-ブロモアニリン、N,N-ジイソプロパノール-p-ブロモ-m-メチルアニリン、N,N-ジメチル-p-クロロアニリン、N,N-ジメチル-p-ブロモアニリン、N,N-ジエチル-p-クロロアニリン、N,N-ジエチル-p-ブロモアニリン、下記の式(IV)または(V):
式中、
-mおよびnは、互いに独立して、1から150、好ましくは1から100、優先的には1から72、有利には1から36、さらにより有利には1から18の範囲の整数であり、
-rは、1から200、好ましくは1から104、優先的には1から72、有利には1から36の範囲の整数であり、
-R
1は、1から20個の炭素原子、好ましくは1から10個の炭素原子を含む直鎖または分岐の飽和または不飽和アルキルと、6から12個の炭素原子を含む(ヘテロ)アリールと、3から12個の炭素原子を含むシクロアルキルと、からなる群から選択される基を表し、
-vは、0から5の範囲の整数を表し、
-R
2およびR
3は、互いに独立して、ハロゲン原子、水素原子または1から12個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐アルキル基を表し、前記アルキル基は、少なくとも1個の酸素原子によって場合により中断されており、
-R
4は、水素原子、アリールアルキル基、または1から20個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐アルキル基、好ましくは1から12個の炭素原子、有利には1から6個の炭素原子を含むアルキル基を表し、
-m+n>2、好ましくはn+m≧2.5の条件である、
を有するアミン、およびそれらの混合物が挙げられ得る。
【0018】
上記の式(IV)において、vの値は好ましくは1であり、R1は好ましくはパラ位にある。
【0019】
式(IV)のアミンは、好ましくは、
-R1
が、1から20個の炭素原子、好ましくは1から10個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖または分岐アルキルを表し、優先的には、R1はメチルを表し、
-mおよびnが、互いに独立して、1から18、好ましくは1から9、有利には1から5の範囲の整数を表し、
-R2およびR3が、互いに独立して、水素原子または1から12個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐アルキル基を表し、前記アルキル基は、少なくとも1個の酸素原子によって場合により中断されており、好ましくは、R2およびR3はそれぞれ水素原子を表し、
-m+n>2、好ましくはn+m≧2.5である、
ものから選択される。
【0020】
好ましくは、式(IV)のアミンは、
-R1が、1から5個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキルを表し、優先的には、R1はメチルを表し、
-mおよびnが、互いに独立して、1から18、好ましくは1から9、有利には1から5の範囲の整数を表し、
-R2およびR3が水素原子を表し、
-m+n>2、好ましくはn+m≧2.5である、
ものである。
【0021】
式(IV)のアミンの中でも、例えば、Geo Speciality Chemicalsによって販売されているBisomer(登録商標)PTE(CAS番号:878391-30-1)、Lanxessによって販売されているアクセラレータPT25E(CAS番号:878391-30-1)、Biosynthから入手可能なN,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-p-アニリン(CAS番号:3077-13-2)、BASFによって販売されているN,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジン(CAS番号:38668-48-3)、Ethox Chemicalから入手可能なEthox ANA-10(CAS番号:36356-83-9)が挙げられ得る。
【0022】
上記の式(V)において、vの値は好ましくは1であり、R1は好ましくはパラ位にある。
【0023】
式(V)のアミンは、好ましくは、
-R1が、1から20個の炭素原子、好ましくは1から10個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖または分岐アルキルを表し、優先的には、R1はメチルを表し、
-rが、1から36、好ましくは1から18、有利には1から10の範囲の整数を表し、
-R3が、ハロゲン原子、水素原子または1から12個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐アルキル基を表し、前記アルキル基は、少なくとも1個の酸素原子によって場合により中断されており、
-R4が、水素原子、アリールアルキル基、または1から20個の炭素原子、好ましくは1から6個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐アルキル基を表す、
ものから選択される。
【0024】
式(V)のアミンの中でも、例えば、Sigma-Aldrichから入手可能なN-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアニリン(CAS番号:93-90-3)およびParchemから入手可能なN-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチル-p-トルイジン(MHPT、CAS番号:2842-44-6)が挙げられ得る。
【0025】
好ましくは、成分Aは、還元剤として第三級アミン、さらにより優先的には上記の式(IV)のアミンを含む。
【0026】
成分Aは、前記成分Aの総重量に対し、総含有量が0.3~5重量%、好ましくは1~3重量%の範囲の還元剤を含み得る。
【0027】
金属塩
金属塩は、(メタ)アクリル酸の金属塩、イタコン酸の金属塩、およびそれらの混合物から選択される。
【0028】
(メタ)アクリル酸の金属塩は、(メタ)アクリル酸の亜鉛塩、(メタ)アクリル酸の鉄塩、(メタ)アクリル酸のマグネシウム塩、(メタ)アクリル酸のカルシウム塩、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0029】
(メタ)アクリル酸の金属塩は、ジアクリレート亜鉛、ジメタクリレート亜鉛、モノメタクリレート亜鉛、ジアクリレート鉄、ジメタクリレート鉄、モノメタクリレート鉄、ジアクリレートカルシウム、ジメタクリレートカルシウム、モノメタクリレートカルシウム、ジアクリレートマグネシウム、ジメタクリレートマグネシウム、モノメタクリレートマグネシウム、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0030】
イタコン酸の金属塩は、イタコン酸の亜鉛塩、イタコン酸の鉄塩、イタコン酸のマグネシウム塩、イタコン酸のカルシウム塩、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0031】
好ましくは、金属塩は、(メタ)アクリル酸の金属塩、より優先的には(メタ)アクリル酸の亜鉛塩、さらにより優先的にはジアクリレート亜鉛またはジメタクリレート亜鉛である。
【0032】
そのような金属塩は、例えば、Totalによって販売されているDymalink(登録商標)708(メタクリレート亜鉛塩)、またはAlfa Chemistryによって販売されているイタコネート亜鉛塩(CAS番号64723-16-6)のように、市販で見出すことができる。
【0033】
成分Aにおける上記で定義した金属塩の総含有量は、前記成分Aの総重量に対して、0.1~5重量%、好ましくは0.5~3重量%、さらにより優先的には0.5~2重量%の範囲であり得る。
【0034】
(メタ)アクリレートモノマーM1
本発明による成分Aは、上記で定義した少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマーM1を含む。
【0035】
一実施形態によれば、上記式(I)および(II)において、Yは酸素原子を表す。
【0036】
(メタ)アクリレートモノマーM1は、下記のモノマーから選択することができる。
【0037】
モノマーM1は、好ましくは式(I)または(II)のモノマーから選択される。
それはさらにより優先的には、下記の化合物のうちの1つまたはそれらの混合物である。
【0038】
成分Aにおける(メタ)アクリレートモノマーM1の総含有量は、前記成分Aの総重量に対して、20重量%以上、好ましくは20~70重量%であり得る。
【0039】
本発明による2成分架橋性組成物における(メタ)アクリレートモノマーM1の総含有量は、前記2成分架橋性組成物の総重量に対して、20~90重量%、好ましくは40~90重量%の範囲であり得る。
【0040】
酸化剤
酸化剤は、過酸化物、遷移金属の有機塩、不安定な塩素を含有する化合物、およびそれらの混合物から選択することができる。
【0041】
過酸化物は、有機過酸化物、無機過酸化物およびそれらの混合物から選択することができる。
【0042】
無機過酸化物の中でも、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウムおよびペルオキソ二硫酸カリウムなどのペルオキソ二硫酸およびその塩が挙げられ得る。
【0043】
有機過酸化物の中でも、クメンヒドロペルオキシド、パラメンタンヒドロペルオキシド、tert-ブチルペルオキシイソブチレート、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシネオデカノエート、tert-アミルペルオキシピバレート、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジベンゾイル、1,3-ビス-(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジアセチルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシアセテート、クミルペルオキシド2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルペルオキシヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチル-ペルオキシヘキサ-3-イン、4-メチル-2,2-ジ-t-ブチルペルオキシペンタン、およびそれらの混合物が挙げられ得る。
【0044】
好ましくは、成分Bは、酸化剤として過酸化ベンゾイルを含む。
【0045】
成分Bは、前記成分Bの総重量に対し、総含有量が9~50重量%、好ましくは10~40重量%の範囲の酸化剤を含み得る。
【0046】
本発明による組成物は、典型的には、レドックス系、成分Aに含まれる還元剤および成分Bに含まれる酸化剤を含み得る。例えば、以下の組み合わせが挙げられ得る:
-過硫酸塩(酸化剤)/(メタ重亜硫酸ナトリウムおよび/または重亜硫酸ナトリウム)(還元剤)、
-有機過酸化物(酸化剤)/第三級アミン(還元剤)、
-有機ヒドロペルオキシド(酸化剤)/遷移金属(還元剤)。
【0047】
ラジカル光開始剤
本発明による組成物は、電磁照射下で重合または架橋することができる。
【0048】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して、0.1~5重量%、好ましくは0.5~3重量%、さらにより優先的には1~2重量%のラジカル光開始剤を含み得る。
【0049】
成分Aは、前記成分Aの総重量に対して、総含有量が0.1~3重量%、好ましくは0.5~2重量%の範囲のラジカル光開始剤を含み得る。
【0050】
ラジカル光開始剤は、好ましくは成分A中に存在する。
【0051】
ラジカル光開始剤は、当業者に公知の任意のラジカル光開始剤であり得る。UV/可視光照射の作用下で、ラジカル光開始剤は、光重合反応の開始を担うラジカルを生成し、特に光重合反応の効率を高めることを可能にする。これは、当然ながら、選択された照射を効率的に吸収するその能力に応じて、使用される光源の関数として選択される。例えば、そのUV/可視光吸収スペクトルから適切なラジカル光開始剤を選択することが可能であろう。有利には、ラジカル光開始剤は、可視域の近傍領域で放射する照射源との作用に適している。有利には、UVまたは可視照射源は、LEDまたはDelolux03SタイプのUVA中心の広域スペクトルランプであってもよい。
【0052】
ラジカル光開始剤は、以下からなる群から選択され得る。
-以下から選択されるI型ラジカル光開始剤、
-アセトフェノンおよびアルコキシアセトフェノン類、例えば2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンおよび2-ジエチル-2-フェニルアセトフェノン、
-ヒドロキシアセトフェノン類、例えば2,2-ジメチル-2-ヒドロキシアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノンおよび2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシプロポキシ)-2-メチルプロピオフェノン、
-アルキルアミノアセトフェノン類、例えば2-メチル-4’-(メチルチオ)-2-モルホリノプロピオフェノン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4-モルホリノブチロフェノンおよび2-(4-メチルベンジル)-2-(ジメチルアミノ)-4-モルホリノブチロフェノン、
-ベンゾインエーテル類、例えばベンジル、ベンゾインメチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテル、
-ホスフィンオキシド類、例えば、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(TPO-L)およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニルホスフィンオキシド(BAPO)、
-メタロセン類、例えばフェロセン、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタンおよび(クメン)(シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、
-以下から選択されるII型ラジカル光開始剤、
-ベンゾフェノン類、例えば4-フェニルベンゾフェノン、4-(4’-メチルフェニルチオ)ベンゾフェノンまたは1-[4-[(4-ベンゾイルフェニル)チオ]フェニル]-2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1-プロパノン、
-チオキサントン類、例えばイソプロピルチオキサントン(ITX)、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2-クロロチオキサントンおよび1-クロロ-4-イソプロピルチオキサントン、
-ベンゾイルギ酸エステル類、例えば、ベンゾイルギ酸メチル、
-ジベンジリデンケトン類、例えばp-ジメチルアミノケトン、
-クマリン類、例えば5-メトキシ-および7-メトキシクマリン、7-ジエチルアミノクマリンおよびN-フェニルグリシンクマリン、
-色素類のラジカル光開始剤、例えばトリアジン、フルオロン、シアニン、サフラニン、4,5,6,7-テトラクロロ-3’、6’-ジヒドロキシ-2’,4’,5’,7’-テトラヨード-3H-スピロ[イソベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン、ピリリウムおよびチオピリリウム、チアジン、フラビン、ピロニン、オキサジンまたはローダミン、および
-それらの混合物。
【0053】
好ましくは、ラジカル光開始剤は、以下のラジカル光開始剤から選択される。
-ホスフィンオキシド類、例えば、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(TPO-L)およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニルホスフィンオキシド(BAPO)、
-チオキサントン類、例えばイソプロピルチオキサントン(ITX)、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2-クロロチオキサントンおよび1-クロロ-4-イソプロピルチオキサントン。
ラジカル光開始剤は、さらにより優先的には、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(TPO-L)およびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニルホスフィンオキシド(BAPO)から選択される。
【0054】
例えば、UVまたは可視光照射源がLEDである場合、ラジカル光開始剤は、例えば、商品名Speedcure(登録商標)TPO(CAS:75980-60-8)でLambsonから入手可能な2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンまたはTPO、例えば、商品名Speedcure(登録商標)TPO-L(CAS:84434-11-7)でLambsonから入手可能なエチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネートまたはTPO-L、例えば、商品名Irgacure(登録商標)819でBASFから入手可能なフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドまたはBAPO(CAS:162881-26-7)、例えば、商品名Irgacure(登録商標)369でBASFから入手可能な2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン(CAS:119313-12-1)、例えば、BASFから商品名Irgacure(登録商標)907で入手可能な2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-(4-モルホリニル)-1-プロパノン(CAS:71868-10-5)、例えば、BASFから商品名Irgacure(登録商標)184で入手可能な1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(CAS:947-19-3)、例えば、商品名Speedcure(登録商標)2-ITXで入手可能な2-イソプロピルチオキサントンもしくはITX(CAS:5495-84-1)、またはそれらの混合物から選択することができる。
【0055】
重合禁止剤
本発明による組成物は、1つまたは複数の重合禁止剤を含んでもよい。
【0056】
重合禁止剤の総含有量は、前記組成物の総重量に対して、好ましくは0.25重量%以下、好ましくは0.20重量%以下、有利には0.10重量%以下である。
【0057】
重合禁止剤は、当業者に公知の任意の種類の重合禁止剤であってよい。
【0058】
それは、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル(4-ヒドロキシアニソール、MEHQ)、1,4-ベンゾキノン、1,4-ナフトキノン、カテコール、ピロガロール、ビスフェノールA、パラ-(tert-ブチル)フェノール、フェノチアジン、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0059】
より好ましくは、重合禁止剤は、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)である。
【0060】
添加剤
本発明による2成分組成物は、触媒、充填剤、抗酸化剤、光安定剤/UV吸収剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、フィルム防止剤、発泡剤、殺生物剤、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、色素、顔料、レオロジー剤、耐衝撃改質剤、接着促進剤、蛍光増白剤、難燃剤、発汗防止剤、造核剤、溶媒およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含むことができる。
【0061】
これらの添加剤は、本発明による組成物の成分Aおよび成分Bの両方または一方に存在してもよい。
【0062】
使用され得る可塑剤の例としては、接着剤の分野で通常使用される任意の可塑剤、例えばエポキシ樹脂、フタレート、ベンゾエート、トリメチロールプロパンエステル、トリメチロールエタンエステル、トリメチロールメタンエステル、グリセロールエステル、ペンタエリスリトールエステル、ナフテン系鉱油、アジペート、シクロヘキシルジカルボキシレート、パラフィン系油、天然油(場合によりエポキシ化されている)、ポリプロピレン、ポリブチレン、水素化ポリイソプレン、およびそれらの混合物が挙げられ得る。
【0063】
好ましくは、
-例えば、BASFによってPalatinol(商標)DIDPの名称で販売されているフタル酸ジイソデシル、
-例えば、LanxessによってMesamoll(登録商標)の名称で販売されている、アルキルスルホン酸のエステルおよびフェノールのエステル、
-例えば、BASFによってHexamoll Dinch(登録商標)の名称で販売されている、ジイソノニル1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート、
-例えば、PerstorpによってPevalen(商標)の名称で販売されている、ペンタエリスリトールテトラバレレート、
-例えば、ArkemaによってVikoflex(登録商標)7170の名称で販売されている、エポキシ化大豆油、
が使用される。
【0064】
使用され得る(チキソトロピー)レオロジー剤の例としては、接着剤組成物の分野で慣用的に使用される任意のレオロジー剤が挙げられ得る。
【0065】
好ましくは、チキソトロピー剤は、以下から選択される。
-PVCに対する混和性のある可塑剤中のPVCの懸濁液に対応し、60℃~80℃の温度に加熱することによってその場で得られる、PVCプラスチゾル。これらのプラスチゾルは、特に刊行物「Polyurethane Sealants」,Robert M.Evans,ISBN087762-998-6に記載されているものであってもよい。
-例えば、WackerによってHDK(登録商標)N20の名称で販売されているヒュームドシリカ、
-4,4’-MDIなどの芳香族ジイソシアネートモノマーとブチルアミンなどの脂肪族アミンとの反応から生じる尿素誘導体。このような尿素誘導体の調製は、仏国特許出願公開第1591172号明細書に特に記載されている。
-Arkemaによって販売されているCrayvallac(登録商標)SLTまたはCrayvallac(登録商標)SLAなどの微粉化アミドワックス。
【0066】
本発明による組成物はまた、少なくとも1種の有機および/または鉱物充填剤を含んでもよい。
【0067】
使用され得る鉱物充填剤は、有利には、架橋状態にある本発明による組成物の機械的性能を改善するように選択される。
【0068】
使用され得る鉱物充填剤の例として、接着剤組成物の分野で通常使用される任意の鉱物充填剤が挙げられ得る。これらの充填剤は、典型的には、多様な形状の粒子の形態で提供される。これらは、例えば、球状または繊維状であってもよく、または不規則な形状を有してもよい。
【0069】
好ましくは、充填剤は、粘土、石英、炭酸塩充填剤、カオリン、石膏、粘土およびそれらの混合物からなる群から選択される。優先的には、充填剤は、炭酸塩充填剤、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩、より優先的には炭酸カルシウムまたはチョークから選択される。
【0070】
これらの充填剤は、未処理であってもよく、または例えばステアリン酸などの有機酸、もしくは主にステアリン酸からなる有機酸の混合物を用いて処理されていてもよい。
【0071】
中空ガラスミクロスフェアなどの中空鉱物ミクロスフェア、より具体的にはホウケイ酸カルシウムナトリウムまたはアルミノケイ酸塩で作られたものを用いてもよい。
【0072】
好ましい一実施形態によれば、成分Bは鉱物充填剤を含まず、さらにより優先的には、本発明による組成物は鉱物充填剤を含まない。
【0073】
本発明による組成物はまた、好ましくはアミノシラン、エポキシシランもしくはアクリロイルシランなどのシラン、またはリン酸エステル系接着促進剤、例えば2-ヒドロキシエチルメタクリレートホスフェートエステル、2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス(2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート)、2-アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス(2-アクリロイルオキシエチルホスフェート)、メチル-(2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート)、エチル-(2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート)、2-ヒドロキシエチルメタクリレートモノ-およびジホスフェートエステルの混合物から選択される、少なくとも1つの接着促進剤を含んでもよい。
【0074】
組成物中に溶媒、特に揮発性溶媒が存在する場合、その含有量は、組成物の総重量に対して、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。
【0075】
好ましくは、組成物中の溶媒の含有量は、0~5重量%である。
【0076】
組成物中に顔料が存在する場合、その含有量は、組成物の総重量に対して、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。存在する場合、顔料は、組成物の総重量に対して、例えば0.1~3重量%または0.4~2重量%を占めることができる。
【0077】
顔料は、有機顔料であっても、無機顔料であってもよい。
【0078】
例えば、顔料はTiO2、特にKronosによって販売されているKronos(登録商標)2059である。
【0079】
組成物は、0.1~3重量%、好ましくは1~3重量%の量の少なくとも1種のUV安定剤または抗酸化剤を含み得る。これらの化合物は、典型的には、熱または光の作用によって形成されやすい酸素との反応に起因する分解から、組成物を保護するために導入される。これらの化合物は、フリーラジカルを捕捉する1次抗酸化剤を含み得る。1次抗酸化剤は、単独で、または他の2次抗酸化剤もしくはUV安定剤と組み合わせて使用することができる。
【0080】
例えば、BASFによって販売されているIrganox(登録商標)1010、Irganox(登録商標)B561、Irganox(登録商標)245、Irgafos(登録商標)168、Tinuvin(登録商標)328またはTinuvin(商標)770が挙げられ得る。
【0081】
組成物は、少なくとも1つのアクリルブロック共重合体を含み得る。アクリルブロック共重合体は、典型的には衝撃改質剤である。
【0082】
アクリルブロック共重合体は、
-そのガラス転移温度が周囲温度より少なくとも20℃高い、1~99%の少なくとも1つの剛性ブロック(A)と、
-そのガラス転移温度が周囲温度より少なくとも10℃低い、1~99重量%の少なくとも1つの可撓性ブロック(B)と、
を含む共重合体であり得る。
【0083】
好ましくは、共重合体は、剛性ブロック/可撓性ブロック/剛性ブロックを含むトリブロックであり、
-共重合体の少なくとも1つの剛性ブロック(A)は、有利には、式CH2=C(CH3)-COORi(式中、Riは、直鎖または分岐C1-C3アルキル基、分岐C4基、C3-C8シクロアルキル基、C6-C20アリール基、C1-C4アルキル基を含有するC7-C30アリールアルキル基、複素環基、またはC1-C4アルキル基を含有するヘテロシクリルアルキル基である)の少なくとも1つのメタクリレートに由来するモノマー単位からなり、
-可撓性ブロック(B)は、有利には、
(i)式CH2=CH-COORj(式中、Rjは、直鎖または分岐C1-C12アルキル基である)の少なくとも1つのアルキルアクリレートに由来するモノマー単位、および/または
(ii)式CH2=C(CH3)-COORk(式中、Rkは直鎖C4-C12アルキル基または分岐C5-C12アルキル基である)の少なくとも1つのメタクリレートに由来するモノマー単位、
を含む。
【0084】
剛性ブロック(A)は、好ましくは、メチルメタクリレートモノマーに由来するモノマー単位を含む。
【0085】
剛性ブロック(A)はまた、N,N-ジメチルアクリルアミドなどの、少なくとも1つのジアルキルアクリルアミドモノマーを含んでもよく、その直鎖または分岐アルキル基は1から10個の炭素原子を含む。
【0086】
可撓性ブロック(B)は、好ましくは、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルアクリレート、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含む。
【0087】
優先的には、共重合体は、ポリメチルメタクリレート/ポリ(n-ブチルアクリレート)/ポリメチルメタクリレートブロック共重合体である。
【0088】
アクリルブロック共重合体の中でも、例えば、Arkemaによって販売されているNanostrength(登録商標)(52重量%のポリ(n-ブチルアクリレート)を含むM52、または約75重量%のポリ(n-ブチルアクリレート)を含むM75、または約65重量%のポリ(n-ブチルアクリレート)を含むM65)が挙げられ得る。
【0089】
組成物は、典型的には「コアシェル衝撃改質剤」として知られるコアシェル型構造を有する衝撃改質剤を含んでもよい。
【0090】
衝撃改質剤は当業者に公知であり、特にコアシェル衝撃改質剤を含む。
【0091】
コアシェル衝撃改質剤は、球状粒子の形態であってもよい。重量平均粒径(直径)は、40nm~900nm、好ましくは80~500nmの範囲であり得る。粒径は、Zetasizer(Malvern)を用いて測定することができる。
【0092】
コアシェル衝撃改質剤は、当業者に公知の任意の方法によって、例えば、仏国特許第3052169号明細書または欧州特許第2465884号明細書に記載されているような多段階方法によって得ることができる。特に、ポリマーは乳化重合によって調製される。
【0093】
衝撃改質剤のコアは、イソプレンホモポリマー、ブタジエンホモポリマー、イソプレン-ブタジエン共重合体、イソプレン-ビニルモノマー共重合体、ブタジエン-ビニルモノマー共重合体から選択されるポリマーL1を含んでもよい。ビニルモノマーは、スチレン、アルキルスチレン、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレート、ブタジエンまたはイソプレンから選択することができる。
【0094】
シェルは、例えば、C1-C12アルキル(メタ)アクリレートから選択されるような(メタ)アクリルモノマーから得られる、ポリマーL2を含んでもよい。特に、シェルは、C1-C4アルキルメタクリレートモノマーおよび/またはC1-C8アルキルアクリレートモノマーから得られるポリマーL2を含む。
【0095】
好ましくは、シェルは、メチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、およびそれらの混合物から得られるポリマーL2を含む。
【0096】
一実施形態によれば、コアシェル衝撃改質剤は、
-ブタジエン-スチレン共重合体であるポリマーL1を含むコアと、
-ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)であるポリマーL2を含むシェルと、
を含む。
【0097】
コアシェル衝撃改質剤は市販のものでもよい。例えば、Arkemaによって販売されているClearstrength(登録商標)(例えば、Clearstrength(登録商標)XT100)またはDurastrength(登録商標)製品が挙げられ得る。Dow Corningによって販売されているParaloids(Paraloid2650A、Paraloid2691A)も挙げられ得る。
【0098】
成分Aにおける衝撃改質剤(複数可)の総含有量は、成分Aの総重量に対して、2~30重量%、好ましくは5~20重量%の範囲であり得る。
【0099】
組成物は、2000g/mol以上、優先的には4000g/mol以上の数平均分子量を有する少なくとも1つのウレタンアクリレートを含むことができる。
【0100】
ウレタンアクリレートは、ポリオールとポリイソシアネートとの反応、およびその後の例えばヒドロキシメチルメタクリレートによる官能化によって得ることができる。
【0101】
多くの市販のウレタンアクリレートが、特にSartomerから入手可能である。
【0102】
本発明による組成物において、成分A/成分Bの体積比は、20/1~1/1、優先的には10/1~1/1の範囲であり得る。
【0103】
B.既製のキット
本発明はまた、2つの別個の区画に詰められた、上記で定義した成分Aおよび上記で定義した成分Bの両方を含む、既製のキットに関する。これは、例えば、2成分カートリッジであってもよい。
【0104】
実際、本発明による組成物は、第1の区画またはドラム内の成分Aと、第2の区画またはドラム内の成分Bとの両方を、例えば軽量ポンプを用いて2つの成分を直接混合するのに好適な割合で含む、例えば既製のキット内の2成分の形態であってもよい。
【0105】
本発明の一実施形態によれば、キットはまた、成分AおよびBを混合するための1つまたは複数の手段を含む。好ましくは、混合手段は、使用される量に適した直径を有する計量ポンプまたは静的ミキサーから選択される。
【0106】
C.組成物の使用
本発明はまた、接着剤、マスチックまたはコーティングとしての、好ましくは接着剤としての、上記で定義した2成分架橋性組成物の使用に関する。
【0107】
本発明はまた、輸送、車両(自動車、バスまたはトラック)、組立、海洋、電子機器または建設分野での、材料の修復および/もしくは構造接着または半構造接着における前記組成物の使用に関する。
【0108】
本発明は、接着結合によって2つの基質を組み立てるための方法であって、
-組み立てられる2つの基質の少なくとも一方に、上記で定義した成分AおよびBを混合することによって得られた組成物をコーティングすることと、次いで、
-2つの基質を効果的に接触させることと、
-組成物を電磁照射に供することによって架橋することと、
を含む、方法に関する。
【0109】
架橋工程は、0℃~200℃、好ましくは10℃~150℃、好ましくは23~80℃、特に20℃~25℃の温度で実施され得る。
【0110】
適切な基質は、例えば、コンクリート、金属または合金(アルミニウム合金、鋼、非鉄金属、亜鉛メッキ金属など)などの無機基質である。または他の、例えば木材、プラスチック、例えばPVC、ポリカーボネート、PMMA、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂などの有機基質であるか、金属製の基質および塗料で被覆された複合材である。
【0111】
架橋は、UV照射源またはLEDを用いて行うことができる。
【0112】
電磁照射下での架橋工程は、300nm超、好ましくは360nm~680nm、さらにより優先的には360nm~420nmの範囲の波長で実施され得る。
【0113】
好ましくは、電磁照射工程は、300mW/cm2以下、優先的には200mW/cm2以下、例えば100mW/cm2以下の強度で行われる。
【0114】
本発明による組成物は、有利には、以下の利点の少なくとも1つをもたらす。
-良好な貯蔵安定性、
-高い反応性、
-架橋後の良好な接着性能、
-特に工業プロセスの生産性を高めることを可能にする、架橋組成物の乾燥した非粘着性表面、
-非常に急速な凝集の増加(例えば、5分未満で5~6MPaの重ね剪断機械的性能水準に達する)、それにより、プロセスの生産性を改善し、スループットをより高めることを有利に可能にする。
【0115】
上述した全ての実施形態を互いに組み合わせてもよい。とりわけ、組成物の上記の様々な構成成分、特に組成物の好ましい実施形態は、互いに組み合わせることができる。
【0116】
本発明の文脈において、「xとyとの間」または「xからyの範囲」という用語は、限界xおよびyが含まれる範囲を意味する。例えば、「0%~25%」の範囲は、明白に0%~25%の値を含む。
【0117】
ここで、本発明を以下の実施例において説明するが、これらは純粋に例示として与えられており、その範囲を限定するために解釈されるべきではない。
【実施例】
【0118】
以下の原料を使用した。
-Lambsonによって販売されているSpeedcure(登録商標)TPO-L(CAS:84434-11-7)、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート、
-GEO Specialty Chemicalsによって販売されているBisomere(登録商標)PTE(CAS番号:103671-44-9)、
-PERGANによって販売されているPeroxan BP 50 PF1は、50%ジベンゾイルペルオキシドを含有するペーストである、
-Arkemaによって販売されているCrayvallac(登録商標)SLTは、レオロジー剤として使用される微粉化アミドワックスである、
-Evonik Industriesによって販売されており、172.2g/molに等しいモル質量を有するVisiomer(登録商標)Glyfoma(CAS:1620329-57-9)、グリセロールホルマールメタクリレート異性体の混合物、
-Sartomerによって販売されているSR9054(CAS番号:1628778-81-3)、2官能性アクリル酸接着促進剤、
-Aerosil(登録商標)R202(CAS番号:67762-90-7):Evonikによって販売されており、100±20m2/gに等しい比表面積(BET)を有する疎水性ヒュームドシリカ(後処理PDMS)。
-Arkemaによって販売されているClearstrength(登録商標)XT100、MBS(MMA-ブタジエン-スチレン)系のコアシェル衝撃改質剤、
-Arkemaによって販売されているVikoflex(登録商標)7170は、可塑剤として使用されるエポキシ化大豆油である、
-Sartomer製のPRO22641、2官能価ウレタン-メタクリレートオリゴマー、
-Totalから販売されている、Dymalink(登録商標)708F、亜鉛ビスメタクリレート、
-Arkemaによって販売されているメタクリル酸。
【0119】
実施例1:組成物の調製
窒素下で一定に撹拌する分散型ミキサー(Dispermat)内で、Crayvallac(登録商標)SLTと、全量の20%のVisiomer Glyfomaと、Pro22641とを、25℃で30分間、中程度の速度で混合し、次いで混合物を激しく撹拌しながら65℃にし、次いで65℃で0.5時間維持する。
【0120】
次いで、混合物を適度に撹拌しながら50℃に戻し、残りのVisiomer(登録商標)Glyfomaを添加する。
【0121】
Clearstrength(登録商標)XT100を適度に撹拌しながら40℃で2回導入し、良好な分散を確認した後、成分Aを構成する他の原料を、以下の表に示す割合で、以下の順序にしたがい30℃で添加する。メタクリル酸、SR9054、Bisomer(登録商標)PTE、Dymalink(登録商標)708、Aerosil(登録商標)R202、最後に、周囲光から保護されたTPO-L。成分Aは周囲光を遮られる。
【0122】
Vikoflex(登録商標)7170と、CrayVallac(登録商標)SLTとを、一定撹拌下および窒素下に維持された分散型ミキサー(Dispermat)内に導入し、25℃で混合し、次いで、混合物を65~70℃にし、30分間激しく撹拌しながら65~70℃で維持する。次いで、混合物を25℃に冷却し、Peroxan BP50 PF1を撹拌しながら導入する。
【0123】
上記の成分Aおよび成分Bを体積比10:1(成分A:成分B)で混合した。
【0124】
混合は、所与の体積比にしたがい、静的ミキサーを用いて約23℃で行われ、基質上に堆積される。
【0125】
比較組成物No.2を、組成物No.1に対して行ったのと同様の方法で調製した。比較組成物No.2は、ラジカル光開始剤もメタクリレートの金属塩も含まない。
【0126】
上記の成分Aおよび成分Bを体積比10:1(成分A:成分B)で混合した。
【0127】
実施例2:結果
接着試験
接着結合は、Rochollからのアルミニウム製の細長片上に形成される。厚み250μmのテフロン製ウェッジを用いて、細長片上に25×12.5mmの範囲を画定した。この範囲を試験組成物で満たし、次いで同じ材料製の第2の細長片を積層した。次いで、接着結合は、2つのウエハのそれぞれについて、UVAランプ(Delolux03S)の下で20mW/cm2の強度で1分間(ウエハあたり30秒)照射され、次いで、重ね剪断試験において、規格ISO4587(2003)にしたがって様々な時間に試験された。
【0128】
万能試験機での引張試験の目的は、組付体を分離するために組付体に加えられる最大力(MPa)を評価することである。引張試験装置を利用することにより、組付体の表面および試験片の主軸に平行な支持体に張力を加えることによって、2つの剛性支持体の間に配置された重ね接合部に、破壊まで剪断応力を加えることが可能になる。記録される結果は、破断力または応力である。剪断応力は、5mm/分の速度で変位する引張試験装置の可動顎部を介して印加される。この引張試験方法は、規格ISO4587の定義にしたがって実施される。
【0129】
図1は、組成物No.1(曲線1)およびNo.2(曲線2、比較)の破断強度(MPa)=f(時間(分))を表すグラフを示す。
【0130】
図1は、本発明による組成物No.1(曲線1)の方が、比較組成物No.2(曲線2)よりも凝集の増加が早いことを示す。実際、組成物No.1は、5MPaの性能水準を5分未満で有利に達成できる一方、比較組成物No.2は、そのような値に達するのに15分超かかる。
【0131】
さらに、組成物No.1で得られたポリマーは、有利には表面でより迅速に乾燥する(非粘着性となる)ことが観察された。したがって、酸素が表面を阻害する時間はなかった。
【0132】
安定性試験
40℃での1ヶ月のエージング試験によって、組成物1の安定性も試験した。上記の接着試験は、t=0の配合物と、40℃でt=1ヶ月のエージング配合物とを比較して行った。
【0133】
【0134】
組成物No.1を40℃で1ヶ月エージングした後に、接着結合の良好な保持が有利に観察される。
【国際調査報告】