(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-07
(54)【発明の名称】湿式真空掃除機、クリーニングトレイ、及びクリーニング方法
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20240425BHJP
A47L 9/00 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
A47L9/04 A
A47L9/00 104
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572804
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2022063084
(87)【国際公開番号】W WO2022248257
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523393508
【氏名又は名称】ヴェルスニ ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】フェルミン エスピン フランコ
(72)【発明者】
【氏名】ブラダ アイペ ベルナルドゥス
【テーマコード(参考)】
3B006
3B061
【Fターム(参考)】
3B006MA03
3B061AD05
(57)【要約】
本発明は、湿式床面クリーナーのヘッドを受容するための湿式床面クリーナー用のクリーニングトレイを提供する。クリーニングトレイは、ローラーブラシの外周の底部を受容するための少なくとも1つのブラシチャネルを有する。上流傾斜面と、より急な下流傾斜面とを有する少なくとも1つの隆起した突起がブラシチャネルに沿って配置されている。突起は、クリーニング結果を向上させるための乱流を追加し、ブラシ及びクリーニングトレイの周囲のクリーニング液の流れを制御することを可能にして、ブラシの完全な浸漬及びクリーニングトレイ自体の全ての領域のクリーニングを確実にする。本発明はまた、クリーニングトレイを使用するクリーニング方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿式床面クリーナーのヘッドを受容する、前記湿式床面クリーナーのクリーニングトレイであって、前記ヘッドはローラーブラシを含み、前記クリーニングトレイは、
前記ヘッドを支持するための台座と、
前記ローラーブラシの外周の底部を受容するために前記台座に形成されたブラシチャネルと、
前記クリーニングトレイを使用するときに前記ローラーブラシの中に突出するための、前記ブラシチャネルに沿って配置された少なくとも1つの隆起した突起であって、上流傾斜面及び下流傾斜面を含み、前記上流傾斜面は、回転したときに前記ローラーブラシの前記外周が前記上流傾斜面に乗り上がるように配置され、前記下流傾斜面は、前記上流傾斜面よりも急勾配である、少なくとも1つの隆起した突起と、
前記下流傾斜面が面している吸引領域と、
を含む、クリーニングトレイ。
【請求項2】
上流傾斜面及び下流傾斜面を各々が有している、隆起した突起のセットを含む、請求項1に記載のクリーニングトレイ。
【請求項3】
前記隆起した突起又は隆起した各突起は、
1mm~10mmの範囲の高さ、及び/又は、
前記ブラシチャネルの長さに平行で、1mm~50mmの範囲の長さを有する、請求項1又は2に記載のクリーニングトレイ。
【請求項4】
前記隆起した突起又は隆起した各突起は、前記上流傾斜面と前記下流傾斜面との間の接合部に、90度以上の角度の頂点を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のクリーニングトレイ。
【請求項5】
前記頂点は、2mm未満の曲率半径を有する、請求項4に記載のクリーニングトレイ。
【請求項6】
前記ブラシチャネルは、2つ以上の隆起した突起のセットを含み、前記セット内に少なくとも2つの異なる形状の隆起した突起がある、請求項1から5のいずれか一項に記載のクリーニングトレイ。
【請求項7】
前記ブラシチャネル内に、前記ブラシチャネルを横切って前記吸引領域への流路を提供する流れガイドを更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のクリーニングトレイ。
【請求項8】
前記流れガイドは、前記流路に沿って互いに近づく2つの側面突起を含む、請求項7に記載のクリーニングトレイ。
【請求項9】
前記2つの側面突起は、頂点角度が40度~120度の範囲であるV字型の一部を形成している、請求項8に記載のクリーニングトレイ。
【請求項10】
向かい合った側壁を含み、前記側壁のうちの一方は、開口部を有し、前記開口部を介して前記ローラーブラシがその回転軸に対して横方向に平行に受容される、請求項1から9のいずれか一項に記載のクリーニングトレイ。
【請求項11】
一対のローラーブラシを含む湿式床面クリーナーのヘッドを受容し、前記クリーニングトレイは、一対のブラシチャネルを含み、前記吸引領域は前記一対のブラシチャネルの間にある、請求項1から10のいずれか一項に記載のクリーニングトレイ。
【請求項12】
ハウジングと、
前記ハウジングの幅にわたって延在している少なくとも1つの回転ブラシと、
少なくとも前記少なくとも1つの回転ブラシに隣接するスペースに吸引力を供給するための吸引チャネルと、を含む、クリーニングヘッドと、
前記クリーニングヘッドの前記吸引チャネルに吸引力を供給するためのポンプと、
前記クリーニングヘッドにクリーニング液を供給するための供給システムと、
請求項1から11のいずれか一項に記載のクリーニングトレイと、
を含む、湿式床面クリーナー。
【請求項13】
湿式床面クリーナーのクリーニングヘッドがクリーニングトレイに取り付けられているときに、前記クリーニングヘッドのローラーブラシをクリーニングする方法であって、
前記クリーニングヘッドは、少なくとも1つの回転ブラシと、少なくとも前記少なくとも1つの回転ブラシに隣接するスペースに吸引力を供給するための吸引チャネルと、
を含み、前記方法は、
開始サイクルにおいて、
比較的大量のクリーニング液を前記クリーニングヘッドに供給し、吸引力の供給なしで比較的低速の回転速度で前記ローラーブラシを駆動するステップと、
比較的少量のクリーニング液を前記クリーニングヘッドに供給し、比較的高速の回転速度で前記ローラーブラシを駆動し、第1のレベルの吸引力を印加するステップと、
を含み、
中間サイクルにおいて、
比較的大量のクリーニング液を前記クリーニングヘッドに供給し、吸引力の供給なしで比較的低速の回転速度で前記ローラーブラシを駆動するステップと、
比較的少量のクリーニング液を前記クリーニングヘッドに供給し、吸引力の供給なしで比較的高速の回転速度で前記ローラーブラシを駆動するステップと、
比較的少量のクリーニング液を前記クリーニングヘッドに供給し、比較的高速の回転速度で前記ローラーブラシを駆動し、前記第1のレベルの吸引力よりも低い第2のレベルの吸引力を印加するステップと、
を含み、
終了サイクルにおいて、
最大量のクリーニング液を前記クリーニングヘッドに供給し、吸引力の供給なしで比較的低速の回転速度で前記ローラーブラシを駆動するステップと、
比較的高速の回転速度で前記ローラーブラシを駆動し、クリーニング液の供給なしで前記吸引力を印加するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記終了サイクルの最後のステップは、比較的高速の回転速度で前記ローラーブラシを駆動し、前記第2のレベルの吸引力を印加し、次に、クリーニング液の供給なしで前記第1のレベルの吸引力を印加するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記クリーニングヘッドが請求項1から11のいずれか一項に記載のクリーニングトレイに取り付けられた状態で適用される、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿式真空掃除機に関し、特に湿式真空掃除機のヘッドに使用されるローラーブラシのクリーニングに関する。
【背景技術】
【0002】
掃除ヘッド(「ノズル」として知られていることが多い)に2つの逆回転ブラシがある湿式真空掃除機が知られている。少なくともブラシの間のスペースに吸引力が印加されて、真空掃除機によって床に供給された液体が床から引き上げられる。ブラシは床に接触して、スクラブアクションを行う。
【0003】
湿式真空掃除機は、使用後にクリーニングするのが難しい。使用後のクリーニングは、使用後の細菌の増殖と不快な臭いを避けるための必須条件である。ユーザは両方を不衛生なものとして認識している。
【0004】
この問題を克服するために、いくつかの湿式真空掃除機には、使用後に当該電化製品を洗い流すために使用されるクリーニングトレイが装備されている。例えば、欧州特許第2672872号は、湿式洗浄掃除機のローラーブラシをクリーニングするためのトレイを開示している。
【0005】
最も知られている湿式真空掃除機は主電源に接続される。バッテリ駆動の電化製品では、満足のいくクリーニング結果を達成するには使用可能な吸引力が十分ではないため、トレイの既知の使用はうまくいかない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、特にバッテリ駆動の電化製品に使用できる改良された湿式真空クリーニングトレイが必要である。また、電化製品及びトレイのクリーニング結果を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、特許請求の範囲によって規定される。
【0008】
本発明の一態様による実施例によれば、湿式床面クリーナーのヘッドを受容する、湿式床面クリーナーのクリーニングトレイが提供される。ヘッドはローラーブラシを含む。クリーニングトレイは、
ヘッドを支持するための台座と、
ローラーブラシの外周の底部を受容するために台座に形成されたブラシチャネルと、
クリーニングトレイを使用するときにローラーブラシの中に突出するための、ブラシチャネルに沿って配置された少なくとも1つの隆起した突起であって、上流傾斜面及び下流傾斜面を含み、上流傾斜面は、回転したときにローラーブラシの外周が上流傾斜面に乗り上がるように配置され、下流傾斜面は、上流傾斜面よりも急勾配である、少なくとも1つの隆起した突起と、
下流傾斜面が面している吸引領域とを含む。
【0009】
このクリーニングトレイは、ローラーブラシを受容するために少なくとも1つのブラシチャネルを有する。乱流発生要素として機能する少なくとも1つの突起がある。乱流により、デブリとクリーニング液との混合が促されることによって、クリーニングトレイを使用する際のクリーニングサイクル中にデブリをより効果的に取り除くことができる。ローラーブラシの回転により、下流傾斜面の位置に負圧が発生し、それによってクリーニング液がそこに向かって引き寄せられる。これにより、特に、使用しているときにローラーブラシ全体(並びに、クリーニングトレイの領域全体)がクリーニング液の流れにさらされるように、トレイ内でクリーニング液が効率的に輸送される。回転速度と、タフトの慣性(タフトが下流傾斜面の位置に半径方向外方にすぐに変形できないようにする)により、ローラーブラシの外周が下流傾斜面と接触しないことがあるため、負圧は高められる。したがって、下流傾斜面の後ろに空洞が形成され、負圧が発生する。
【0010】
なお、「上流」及び「下流」とは、ローラーブラシの回転に関する。即ち、回転するローラーブラシの外周は、最初に上流面に接する。
【0011】
上流傾斜面は、好ましくは、滑らかな傾斜である。これは、直線状、凹状、又は凸状であってもよいし、異なる凸状、凹状、又は直線状の形状を各々有する複数のセクションを有していてもよい。これは、クリーニング液の流れに対する障害物とはならず、したがって、ローラーブラシによって運ばれているクリーニング液の通過を妨げず、ガイド面を提供する。上流傾斜面と下流傾斜面との間の移行部が特に乱流を発生させる。
【0012】
クリーニングトレイは、例えば、上流傾斜面及び下流傾斜面を各々が有している、隆起した突起のセットを含む。
【0013】
複数の隆起した突起を使用することにより、ローラーブラシ及びクリーニングトレイ周辺のクリーニング液の流れが制御されて、クリーニング液(例えば、湿式床面クリーナーのヘッドによって供給される)がローラーブラシの局所的な領域のみに集まることを防ぐことによって、ローラーブラシの表面全体のクリーニングを確実にすることができる。
【0014】
例として、ブラシチャネルの各端の近く、したがって、2つのブラシチャネルがある場合は、クリーニングトレイの四隅の近くに突起がある。追加的に、突起は、ブラシチャネルに沿って中間位置にあってもよい。
【0015】
上記の隆起した突起又は隆起した各突起は、例えば、
1mm~10mmの範囲の高さ、及び/又は、
ブラシチャネルの長さに平行で、1mm~50mmの範囲の長さを有する。
【0016】
この高さは、ブラシチャネルの底部から測定される。比較的小さい突起でも十分な乱流を発生させて、クリーニング中のローラーブラシからのデブリの収集を促進することができる。
【0017】
上記の隆起した突起又は隆起した各突起は、上流傾斜面と下流傾斜面との間の接合部に、90度以上の角度の頂点を有する。
【0018】
ローラーブラシが駆動される表面の方向の急速な変化によって、所望の乱流及び負圧が発生する。
【0019】
例えば、頂点の曲率半径は2mm未満である。
【0020】
急勾配の隅は流れの範囲の急な変化をもたらし、それにより、流れに著しい乱流を発生させる。
【0021】
ブラシチャネルは、2つの以上の隆起した突起のセットを含んでいてもよい。突起は、端の近くなど、ローラーブラシの長さに沿って分布し、その長さに沿って乱流によるクリーニング効果を提供できる。
【0022】
例えば、ブラシチャネルは、2つ以上の隆起した突起のセットを含み、セット内に少なくとも2つの異なる形状の隆起した突起がある。異なるデザインの突起を使用することにより、所望の流れパターンをより正確に制御できるようになる。異なる形状の突起は異なる幅及び/又は高さを有し得る。
【0023】
クリーニングトレイは、ブラシチャネル内に、ブラシチャネルを横切って吸引領域への流路を提供する流れガイドを更に含み得る。
【0024】
流れガイドを使用すると、トレイ周辺のクリーニング液の流れを更に制御できる。特に大量のクリーニング液があるときに、トレイの隅々にクリーニング液を送るのに役立つ。クリーニングサイクルの終了時に、少量のクリーニング液があるときに、残っているクリーニング液をトレイの中央に送り、そこで吸引気流によってクリーニング液がすくい上げられるのに役立つ。したがって、流れガイドは更に、クリーンで乾燥したトレイを得るのに役立つ。
【0025】
流れガイドは、例えば2つの側面突起を含み、これらは流路に沿って互いに近づく。
【0026】
したがって、流れガイドは、吸引領域に向かって狭くなるチャネルを画定する。例えば、側面突起の高さは1mm~6mmの範囲である。
【0027】
2つの側面突起は、例えば、頂点角度が40度~120度の範囲であるV字型の一部を形成する。
【0028】
クリーニングトレイは、向かい合った側壁を含んでいてもよく、側壁のうちの一方は、開口部(又は開口部の対)を有し、開口部を介してローラーブラシ(又は両方のローラーブラシ)がそれらの回転軸に対して横方向に平行に受容され得る。
【0029】
これにより、クリーニングが完了したが、クリーニングヘッドがクリーニングトレイ内に残っているときに、クリーニングヘッドから、したがって、クリーニングトレイからブラシ又は両方のブラシを取り外すことができる。次いで、ローラーブラシ(又は両方のブラシ)を周囲の空気にさらして完全に乾かす。開口部はまた、クリーニングヘッドの周辺の空気の流れを可能にして完全に乾かす。
【0030】
クリーニングトレイは、例えば一対のローラーブラシを含む湿式床面クリーナーのヘッドを受容する。クリーニングトレイは一対のブラシチャネルを含み、吸引領域は一対のブラシチャネルの間にある。
【0031】
本発明はまた、湿式床面クリーナーを提供する。湿式床面クリーナーは、
ハウジングと、
ハウジングの幅にわたって延在している少なくとも1つの回転ブラシと、
少なくとも、少なくとも1つの回転ブラシに隣接するスペースに吸引力を供給するための吸引チャネルとを含む、クリーニングヘッドと、
クリーニングヘッドの吸引チャネルに吸引力を供給するためのポンプと、
クリーニングヘッドにクリーニング液を供給するための供給システムと、
上記のクリーニングトレイとを含む。
【0032】
供給システムは、クリーナーの一部である第2のポンプであってもよいし、別個の外部の流体供給源があってもよい。後者の場合、供給システムは、外部流体供給源からクリーニング液を受け取り、それをクリーニングヘッドに送る導管である。
【0033】
クリーニングヘッドは、例えばクリーニングされる床面から最小限の間隔でハウジングを取り付けるための支持ホイール装置を更に含む。2つの回転ブラシを有するシステムの場合、第1及び第2の回転ブラシを反対の回転方向に駆動するための駆動装置も提供される。
【0034】
本発明はまた、湿式床面クリーナーのクリーニングヘッドがクリーニングトレイに取り付けられているときに、クリーニングヘッドのローラーブラシをクリーニングする方法が提供される。クリーニングヘッドは、少なくとも1つの回転ブラシと、少なくとも、少なくとも1つの回転ブラシに隣接するスペースに吸引力を供給するための吸引チャネルとを含む。方法は、
開始サイクルにおいて、
比較的大量のクリーニング液をクリーニングヘッドに供給し、吸引力の供給なしで比較的低速の回転速度でローラーブラシを駆動するステップと、
比較的少量のクリーニング液をクリーニングヘッドに供給し、比較的高速の回転速度でローラーブラシを駆動し、第1のレベルの吸引力を印加するステップとを含み、
中間サイクルにおいて、
比較的大量のクリーニング液をクリーニングヘッドに供給し、吸引力の供給なしで比較的低速の回転速度でローラーブラシを駆動するステップと、
比較的少量のクリーニング液をクリーニングヘッドに供給し、吸引力の供給なしで比較的高速の回転速度でローラーブラシを駆動するステップと、
比較的少量のクリーニング液をクリーニングヘッドに供給し、比較的高速の回転速度でローラーブラシを駆動し、第1のレベルの吸引力よりも低い第2のレベルの吸引力を印加するステップとを含み、
終了サイクルにおいて、
最大量のクリーニング液をクリーニングヘッドに供給し、吸引力の供給なしで比較的低速の回転速度でローラーブラシを駆動するステップと、
比較的高速の回転速度でローラーブラシを駆動し、クリーニング液の供給なしで吸引力を印加するステップとを含む。
【0035】
なお、「比較的大きい」、「比較的小さい」、「比較的遅い」、及び「比較的速い」という用語は、個々のサイクルを指している。例えば、中間サイクルにおける「比較的大きい量(大量)」は、開始サイクルにおいて使用される「比較的大きい量(大量)」と同じである必要はない。中間サイクルの「比較的小さい量(少量)」よりも大きければよい。
【0036】
方法は、3サイクルクリーニング方法を提供する。最初のサイクルは、低速回転と大量のクリーニング液(水など)を使用してブラシを浸漬する。大きな吸引力と高いローラー駆動速度とを使用して、トレイ内で汚れを広げることなく残留物が取り除かれる。これは粗い汚れを取り除く予洗いと考えることができる。
【0037】
中間サイクルには吸引なしで少量のクリーニング液のみを用いてブラシから汚れを取り除く回転期間がある。
【0038】
終了サイクルでは、浸漬するために、また、低ブラシ速度でクリーニングトレイの全ての領域に到達するために、最も多くのクリーニング液が供給される。これは洗い流しサイクルと考えることができる。この後、吸引力を印加することによってクリーニング液が取り除かれる。
【0039】
クリーニング方法は、特に効果的で、低電力での動作を可能にすることがわかっている。
【0040】
中間サイクルは、2回又はそれ以上の回数で行われてもよい。
【0041】
終了サイクルの最後のステップは、比較的高速の回転速度でローラーブラシを駆動し、第2のレベルの吸引力を印加し、次に、クリーニング液の供給なしで第1のレベルの吸引力を印加するステップを含み得る。
【0042】
したがって、大量のクリーニング液が残っている場合、最初に低いレベルの吸引力を使用して漏出を防止し、その後、残っている水及び残留物のほぼ全てを取り除くために吸引力が増加される。
【0043】
方法は、例えばクリーニングヘッドが上記のクリーニングトレイに取り付けられた状態で適用される。
【0044】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明する実施形態から明らかになり、また、当該実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明をより深く理解し、本発明がどのように実行されるかをより明確に示すために、ほんの一例として添付の図面を参照する。
【0046】
【
図1】
図1は、湿式床面クリーナーヘッドの既知のレイアウトを示す。
【
図2】
図2は、より小型でコンパクトなクリーニングヘッドを実現するための別の既知のレイアウトを示す。
【
図3】
図3は、
図2のクリーニングヘッドを後方支持ホイールのうちの1つの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明を、図を参照して説明する。
【0048】
詳細な説明及び具体的な実施例は、装置、システム、及び方法の模範的な実施形態を示しているが、説明のみを目的としたものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではないことが理解されるべきである。本発明の装置、システム、及び方法のこれらの及び他の特徴、態様並びに利点は、次の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面からよりよく理解されるようになるであろう。図は概略図に過ぎず、縮尺どおりに描かれていないことが理解されるべきである。また、図全体で同じ参照番号を使用して、同じ部分又は類似の部品を示すことが理解されるべきである。
【0049】
本発明は、湿式床面クリーナーのヘッドを受容するための湿式床面クリーナー用のクリーニングトレイを提供する。クリーニングトレイは、ローラーブラシの外周の底部を受容するための少なくとも1つのブラシチャネルを有する。上流傾斜面とより急な下流傾斜面とを有する少なくとも1つの隆起した突起がブラシチャネルに沿って配置されている。突起は、クリーニング結果を向上させるための乱流を追加し、ブラシ及びクリーニングトレイの周囲のクリーニング液の流れを制御することを可能にして、ブラシの完全な浸漬及びクリーニングトレイ自体の全ての領域のクリーニングを確実にする。本発明はまた、クリーニングトレイを使用するクリーニング方法を提供する。
【0050】
したがって、本発明は、湿式床面クリーナーのヘッドをクリーニングするためのクリーニングトレイに関する。まず、一対の平行ローラーブラシを有する具体例のクリーナーヘッドの一般的な構成について説明する。
【0051】
図1は、湿式床面クリーナーヘッド10の既知のレイアウトを下側から見たものである。ヘッドはハウジング12を含む。ハウジング12は、第1の前方ブラシ14と第2の後方ブラシ16とを支持する。4個の支持ホイール18からなるセットが、後方ブラシ16の後ろに長方形の構成で配置される。
【0052】
使用するときのクリーニングヘッドの主な動作方向は、クリーニングヘッドの長さ方向に平行で、前述のハウジングの幅方向に垂直である。主な移動方向は大きい矢印で示されている。この動きは床の上でブラシを転がすのに役立つ。
【0053】
図2は、例えばバッテリ駆動デバイスにより適している、より小型でコンパクトなクリーニングヘッドを実現するための別の既知のレイアウトを示している。
【0054】
ここでもヘッド10はハウジング12を含み、ハウジング12は第1の前方ブラシ14と第2の後方ブラシ16とを支持する。
【0055】
ハウジング12は、第1の側壁20と第2の側壁22との間の幅Wと、長さLとを有し、この長さは、クリーニングする床の上でクリーニングヘッドが移動する目的の主方向と平行である。
【0056】
第1の回転ブラシ14及び第2の回転ブラシ16は、各々、第1の側壁20と第2の側壁22との間のハウジングの幅にわたって延在し、平行な回転軸を有し、長さ方向において並んでいる。少なくとも第1の回転ブラシ14と第2の回転ブラシ16との間のスペース24に吸引力を供給するための吸引チャネルが設けられている。吸引力はハウジングのボリューム全体に印加される。
【0057】
クリーニングヘッドの幅方向及び長さ方向のこの定義は、本テキスト全体に適用される。
【0058】
本デザインにおける支持ホイール装置は、第1の回転ブラシと第2の回転ブラシとの間のスペース24内の第1の支持ホイール30と、第1の回転ブラシと第2の回転ブラシとの間のスペース24内の第2の支持ホイール32とを含む。ホイールの外面は、側壁とほぼ同一平面である。
【0059】
回転ブラシの間に第1及び第2の支持ホイールを取り付けることで、スペースを節約できる。長さ方向において、第1及び第2の回転ブラシの後ろに第3の支持ホイール34があり(代わりに前方にあってもよい)、第3の支持ホイール34と並んで第4の支持ホイール36がある。
【0060】
図3は、
図2のクリーニングヘッドの後方支持ホイール34、36のうちの1つの後方支持ホイール34の断面を示し、また、更に奥の(断面の平面の後ろ)の支持ホイール30を示している。スペース24において互いに面するときに上方向に動くように、第1の回転ブラシ14及び第2の回転ブラシ16が反対の回転方向に駆動されていることを示している。吸引チャンネル40が、少なくとも第1及び第2の回転ブラシの間のスペース24に吸引力を供給する。
【0061】
回転ブラシは、単一のモータと、2つの回転ブラシを駆動するためのベルト駆動部とを含む駆動装置によって駆動される。或いは、各回転ブラシには、それぞれの回転ブラシのコアに取り付けられた独自のモータがあってもよい。
【0062】
また、クリーニングヘッドは、クリーニング液(即ち、水及び任意選択でクリーニング剤)を第1及び/又は第2の回転ブラシに供給するための流体供給装置(図示せず)を有する。クリーニング液は、例えば、真空掃除機のメインハウジング内に形成されたリザーバから、クリーニングヘッドの後方にある回転ブラシ16に供給される。
【0063】
真空掃除機自体には、クリーニングヘッドに吸引力を供給するための第1のポンプ(ファン)と、クリーニング液を供給するための第2のポンプとがある。
【0064】
ハウジングによる支持ホイールの取り付けは、ハウジングの底面と床面の間の最小間隔Sを定義する。この最小間隔は、例えば1.5mm~3mmの範囲である。回転ブラシは、床のレベルの下に突出する(床が存在しない場合)ので、タフトは床があることによって変形する。これにより、床にくぼみができ、これは、水の収集及びクリーニング機能の一部であり、ブラシトルク制御を提供する。
【0065】
図3はまた、前方及び後方スポイラ42を示している。これらは、ハウジング内の空気圧を維持して、システムから空気や水が吹き出されて、床から汚れを拾い上げることを難しくすることを防ぐ。また、これらは、ハウジングに対してスプレーされた水をブラシに誘導して戻す。
【0066】
使用後、クリーニングヘッドをクリーニングトレイに取り付け、クリーニングプログラムを適用することが知られている。本発明は、特に、ブラシの最適なクリーニングを実現するためのクリーニングトレイのデザイン及びクリーニングサイクルに関する。クリーニングサイクルをより効果的にすることにより、クリーニングサイクルをより低電力で行うことができ、これは、バッテリ駆動の真空掃除機にとって特に興味深い点である。
【0067】
図4は、湿式床面クリーナーのヘッド10を受容するための湿式床面クリーナー用のクリーニングトレイ50を示している。
【0068】
クリーニングトレイは、ヘッドを支持するための台座52を含む。クリーニングヘッドをクリーニングトレイに確実に位置決めするために、取り付け領域54がクリーニングヘッドとの係合のために設けられている。
【0069】
クリーニングトレイ50は、台座に形成された1対のブラシチャネル56を含む。これらはアーチ状のくぼみである(ローラーブラシの外周の円筒形にほぼ合致する円筒形の形状を有している)。使用するときに、ローラーブラシの外周がブラシチャネルに接触してタフトを変形させて、クリーニングを促進する。例えばブラシチャネルの半径は、ローラーブラシの外径よりも1mm~3mmの範囲でより小さい。
【0070】
したがって、各ブラシチャネルは、対応するローラーブラシの外周の底部を受容するためのものである。
【0071】
ブラシチャネル56の間には吸引領域58があり、クリーニングヘッドの吸引ノズルは、クリーニングトレイに配置されているときに、この吸引領域の上に位置する。
【0072】
本発明は、ブラシチャネルの一方又は両方に隆起した突起を提供する。クリーニング中のクリーニング液の流れに大きな影響を与えるのに1つの隆起した突起で十分である。しかし、
図4は、2つの異なるデザインの6つの突起を使用した例を示している。
【0073】
前方ブラシチャネルには、両端の近くに2つのより大きな突起60があり、より中央に2つのより小さな突起62がある。
【0074】
後方ブラシチャネルには、両端の近くに2つの寄り大きな突起64と中央に1つの突起がある。
【0075】
ブラシチャネルの両端にある突起は、クリーニングトレイが水でいっぱいになるとより効果的になる。水が除去されるにつれて、ブラシチャネルの両端にある突起は、中心から離れて水がなくなるため、機能が低下する。したがって、より中心の突起は、全ての水が除去されるまで乱流(後述)を発生させ続ける。
【0076】
図5は、ブラシチャネル56の長さ軸に垂直な断面で、1つの突起60をより詳細に示している。ブラシチャネルの深さは、例えば3mm以下である。
図5のブラシ14からわかるように、突起60は、クリーニングトレイを使用するときにローラーブラシのタフトの中に突出するためのものである。隆起した突起は、回転したときにローラーブラシ14の外周が上流傾斜面に乗り上がるように配置された上流傾斜面70を含む。上流傾斜面は、急勾配の面よりも、ローラーブラシの使用可能な半径が徐々に減少するように滑らかである。しかし、これは、直線状、凹状、又は凸状であってもよいし、曲率が異なるセクションを有していてもよい。下流傾斜面72は、上流傾斜面よりも急勾配である。下流傾斜面は吸引領域58に面している。傾斜面70、72の間の接合部に頂点74がある。
【0077】
例えば上流傾斜面の角度は、(ブラシチャネルと接する突起の後部と前部との間の直線に対して)20度~40度の範囲にあり、例えば下流傾斜面の角度は60度~90度の範囲にある。この角度定義のために、各傾斜面を頂点と前部又は後部との間の直線平面として近似する。
【0078】
突起は、乱流発生要素として機能する。乱流により、デブリと液体との混合が促されることによって、クリーニングサイクル中にデブリをより効果的に取り除くことができる。ローラーブラシの回転により、下流傾斜面(の下流)の位置に負圧が発生し、それによってクリーニング液がそこに向かって引き寄せられる。これにより、特に、使用しているときにローラーブラシ全体がクリーニング液の流れにさらされるように、トレイ内でクリーニング液が効率的に輸送される。回転速度と、タフトの慣性(下流傾斜面に接するためにタフトが半径方向外方にすぐに変形できないようにする)により、ローラーブラシの外周が下流傾斜面と接触しないことがあるため、負圧は高められる。
【0079】
乱流及び負圧によって、トレイ内を循環する水を含んだ粒子の流れが発生する。
【0080】
例えば突起の(ローラーブラシの半径方向における)高さは1mm~10mmの範囲であり、ブラシチャネルの長さに平行な長さは1mm~50mmの範囲である。比較的小さい突起で十分な乱流を発生させて、クリーニング中のローラーブラシからのデブリの収集を促進することができる。
【0081】
例えば頂点74の角度は90度以上である。これにより、ローラーブラシが駆動される表面の方向が急速に変化し、それによって所望の乱流及び負圧が発生する。例えば頂点74の曲率半径は2mm未満である。
【0082】
例えば突起はトレイの一体部分として形成される。傾斜面によって生じる圧力差は、ブラシの長さに沿ってクリーニング液を広げるためにクリーニング液の流れを制御するようにデザインされている。
【0083】
トレイの隅の近くにある突起は、ホイールの両側に配置されており、このようにしてホイールの近くの領域を保護する。この領域は、主にホイールのシャフトの周りに簡単に巻き付く繊維質の材料の汚染に非常に敏感である。突起は、バリア機能を提供し、ホイールの近くで乱流を発生させることで、この汚染を低減する。
【0084】
図4に戻ると、前方ブラシチャネル56は、流れガイド80を追加的に有し、ブラシチャネル56から吸引領域58までの流路を提供する。
【0085】
流れガイドを使用すると、トレイ周辺のクリーニング液の流れを更に制御できる。特に大量のクリーニング液があるときに、トレイの隅々にクリーニング液を送るのに役立つ。また、クリーニングサイクルの終了時に、少なくなったクリーニング液をトレイの中央に送り、そこで吸引流れによってクリーニング液がすくい上げられる。したがって、流れガイド80は更に、クリーンでほぼ乾燥したトレイを得るのに役立つ。
【0086】
流れガイド80は2つの側面突起82を含み、これらは、吸引領域58に向かって流路に沿って互いに近づく。例えば側面突起82の高さは1mm~6mmの範囲である。これらは、頂点角度が40度~120度の範囲であるV字型の一部を形成する。
【0087】
【0088】
図4では、クリーニングトレイには、向かい合った側壁90、92があることも示されている。側壁のうちの一方92には、一対の開口部94があり、これを介してローラーブラシがそれらの回転軸に対して横方向に平行に受容される。
【0089】
これにより、クリーニングが完了したが、クリーニングヘッドがクリーニングトレイ内に残っているときに、クリーニングヘッドから、したがって、クリーニングトレイからブラシを取り外すことができる。次いで、ローラーブラシを周囲の空気にさらして完全に乾かす。開口部はまた、クリーニングヘッドの周辺の空気の流れを可能にして完全に乾かす。
【0090】
本発明はまた、クリーニングトレイを使用する方法を提供する。
【0091】
この方法は3種類のサイクルを含む。サイクル特性を下の表に示す。サイクル1は開始サイクル、サイクル2及び3は中間サイクル、サイクル4は終了サイクルである。各サイクルには複数のステップがある。
【0092】
各ステップには、ローラーブラシの回転速度(「RPM」)、吸引力(「ファン出力」)、クリーニング液の供給速度(「ポンプ速度」)、及び持続時間(「時間」)が含まれる。持続時間とクリーニング液の供給速度との積は、使用されるクリーニング液の量を与える(「水量」)。
【表1】
【0093】
示すように、開始サイクルでは、
比較的大量のクリーニング液(52ml)がクリーニングヘッドに供給され、吸引力の供給なしで比較的低速の回転速度(2500rpm)でローラーブラシが駆動され、その後に、
比較的少量のクリーニング液(9ml)がクリーニングヘッドに供給され、比較的高速の回転速度(4500rpm)でローラーブラシが駆動され、第1のレベルの吸引力(100W)が印加される。
【0094】
中間サイクルでは、
比較的大量のクリーニング液(50ml、次いで、中間サイクルの2回目の繰り返しでは41ml)がクリーニングヘッドに供給され、吸引力の供給なしで比較的低速の回転速度(2500rpm)でローラーブラシが駆動され、
その後に、少量のクリーニング液(11ml)がクリーニングヘッドに供給され、吸引力の供給なしで比較的高速の回転回転(4500rpm)でローラーブラシが駆動され、
その後に、比較的少量のクリーニング液(4ml)がクリーニングヘッドに供給され、比較的高速の回転速度(4500rpm)でローラーブラシが駆動され、第1のレベルの吸引力よりも第2のレベルの吸引力(60W)が印加される。
【0095】
終了サイクルでは、
最大量のクリーニング液(61ml、即ち、どのステップにおいて供給されるものよりも最も多い)がクリーニングヘッドに供給され、吸引力の供給なしで比較的低速の回転速度(2500rpm)でローラーブラシが駆動され、
その後に、比較的高速の回転速度(4500rpm)でローラーブラシが駆動され、クリーニング液の供給なしで吸引力(60W、100W)が印加される。
【0096】
11ステップの各ステップの目的を以下に説明する。
【0097】
ステップ1
このステップでは、低RPMで浸漬するのに十分であるが、側部や前部から水が噴き出すことのないクリーニング液でトレイを満たす。
ステップ2
空気流を高めるために真空が印加され、同時にブラシが高RPMで回転するので、トレイ内に汚れを広げることなく、全過程の汚れを取り除く。
ステップ3
低速のブラシRPMで浸漬するのに十分な水でトレイを満たし、乱流を発生させて、隅や縁から汚れを放出する。
ステップ4
ブラシは高速のRPMで回転し、これにより、ブラシから汚れを取り除き、トレイ(及びのぞき窓)を洗い流す。
ステップ5
低い空気流でトレイから汚れた水が取り除かれる。まだ良い乾燥状態や清潔さに達する必要はない。
ステップ6
これはステップ3の繰り返しで、ブラシを浸漬するのに十分な水を、低速のブラシRPMで満たし、これにより、隅や縁から汚れを放出する乱流が発生する。
ステップ7
これはステップ4の繰り返しで、高速のブラシRPMで回転し、これにより、ブラシの汚れを取り除き、トレイ及び窓を洗い流す。
ステップ8
これはステップ5の繰り返しで、低い空気流でトレイから汚れた水を吸い込む。
ステップ9
このステップでは、低速のRPMで浸漬するために、水をトレイに過剰に満たす。トレイの各隅とノズルに乱流が発生し、残っている汚れが放出される。
ステップ10
真空を、低い空気流で、高速のローラーブラシRPMで印加して、高められたRPMによってトレイから追加で満たされた水を吐き出すことなく、ほとんどの水及び汚れを取り除く。
ステップ11
真空を、高い空気流のために、高速のローラーブラシRPMで印加して、残りの水や汚れを全て取り除く。
【0098】
方法は、3サイクルクリーニング方法を提供することがわかる(中間サイクルはわずかに異なるタイミングで繰り返される)。最初のサイクルは、低速回転と大量のクリーニング液を使用してブラシを浸漬する。大きな吸引力と高いローラー駆動速度とを使用して、トレイ内で汚れを広げることなく残留物が取り除かれる。これは粗い汚れを取り除く予洗いと考えることができる。
【0099】
中間サイクルには吸引なしで少量のクリーニング液のみを用いてブラシから汚れを取り除く回転期間がある。
【0100】
終了サイクルでは、浸漬するために、また、低ブラシ速度でクリーニングトレイの全ての領域に到達するために、最も多くのクリーニング液が供給される。これは洗い流しサイクルと考えることができる。この後、吸引力を印加し、高速のブラシ回転速度を用いることによってクリーニング液が取り除かれる。
【0101】
クリーニングヘッドのハウジングは、側壁20、22が平行であるようにほぼ長方形として示されているが、側壁は、例えば、三角形又は台形のハウジングで非平行であってもよい。第1及び第2のブラシは、同じ長さ(ヘッドの幅方向)であっても、異なる長さであってもよい。クリーニングトレイは、クリーニングヘッドと合致するようにデザインされている。
【0102】
上記の実施例では、一対のローラーブラシがある。しかしながら、本発明は、スクイージーの前にあるローラーブラシなど、単一のローラーブラシを有するクリーニングヘッドに適用されてもよい。ローラーブラシの長さに沿って水を拡散し、流れ制御を達成する1つ以上の突起の機能は、単一のローラーブラシを有するクリーニングヘッドのクリーニングにも適用できる。
【0103】
開示された実施形態の変形例は、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する際に当業者によって理解され、実行され得る。特許請求の範囲において、語「含む」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形の要素は複数を排除するものではない。
【0104】
特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを意味するものではない。
【0105】
「~するように適応されている」という用語が、特許請求の範囲又は説明で使用されている場合、「~するように適応されている」という用語は「~するように構成されている」という用語と同等であることを意図していることに留意されたい。
【0106】
特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】