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特表2024-518859シングルエンド差動変換マイクロフォン回路及び電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】シングルエンド差動変換マイクロフォン回路及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20240426BHJP
   H03F 3/45 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
H04R3/00 320
H03F3/45
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579860
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 CN2022094173
(87)【国際公開番号】W WO2023201829
(87)【国際公開日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】202210410729.0
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ 冬
(72)【発明者】
【氏名】チュア,ティオンキー
【テーマコード(参考)】
5D220
5J500
【Fターム(参考)】
5D220BA22
5J500AA02
5J500AC41
5J500AF12
5J500AH10
5J500AH25
5J500AH29
5J500AK02
5J500DP02
(57)【要約】
【課題】本発明はシングルエンド差動変換マイクロフォン回路及び電子デバイスを提供する。
【解決手段】本発明は、アンプ、アンプ正入力端に接続されたマイクロフォン、前記アンプ負入力端に接続された結合容量CAC、前記アンプ負出力端に接続された第1帰還容量CFB1、前記第1帰還容量CFB1に並列的に接続された第1帰還抵抗RFB1、前記アンプ正出力端に接続された第2帰還容量CFB2、及び前記第2帰還容量CFB1に並列的に接続された第2帰還抵抗RFB2を備え、前記マイクロフォン及び前記結合容量の入力端は、バイアス抵抗Rに接続され、前記バイアス抵抗Rは、交流電気信号を同時に前記アンプの正入力端及び負入力端に入力可能にする。本発明の回路では、容量がより小さいマイクロフォン構造を採用することができるとともに、より良好なシステム信号対雑音比を有する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングルエンド差動変換マイクロフォン回路であって、アンプと、アンプの正入力端に接続されたマイクロフォンと、前記アンプの負入力端に接続された結合容量CACと、前記アンプの負出力端に接続された第1帰還容量CFB1と、前記第1帰還容量CFB1に並列的に接続された第1帰還抵抗RFB1と、前記アンプの正出力端に接続された第2帰還容量CFB2と、前記第2帰還容量CFB1に並列的に接続された第2帰還抵抗RFB2とを備え、
前記マイクロフォン及び前記結合容量の入力端は、バイアス抵抗Rに接続され、前記バイアス抵抗Rは、交流電気信号を同時に前記アンプの正入力端及び負入力端に入力可能にする、ことを特徴とするシングルエンド差動変換マイクロフォン回路。
【請求項2】
結合容量CACの電気容量の大きさは、少なくとも前記マイクロフォンの電気容量の大きさの4倍である、ことを特徴とする請求項1に記載のシングルエンド差動変換マイクロフォン回路。
【請求項3】
前記アンプは、P型入力トランジスタM1、P型入力トランジスタM2、N型入力トランジスタM3、N型入力トランジスタM4、及び出力負荷を備え、
前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のソースは、バイアス電流IBに接続され、前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のゲートは、それぞれアンプの正入力端及び負入力端に接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のドレインは、それぞれP型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のドレインに接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のゲートは、それぞれアンプの正入力端及び負入力端に接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のソースは、それぞれ出力負荷に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のシングルエンド差動変換マイクロフォン回路。
【請求項4】
前記出力負荷は、負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6であり、前記負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6のゲートは、それぞれ前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のドレインに接続され、前記負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6のドレインは、それぞれ前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のソースに接続され、
前記P型入力トランジスタM1、P型入力トランジスタM2、N型入力トランジスタM3、N型入力トランジスタM4のトランスコンダクタンスは、加算された後に前記負荷トランジスタM5、負荷トランジスタM6により電圧に変換されて出力端で出力される、ことを特徴とする請求項3に記載のシングルエンド差動変換マイクロフォン回路。
【請求項5】
前記マイクロフォンの等価容量は、2pFよりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載のシングルエンド差動変換マイクロフォン回路。
【請求項6】
シングルエンド差動変換マイクロフォン回路を備える電子デバイスであって、
前記シングルエンド差動変換マイクロフォン回路は、アンプと、アンプの正入力端に接続されたマイクロフォンと、前記アンプの負入力端に接続された結合容量CACと、前記アンプの負出力端に接続された第1帰還容量CFB1と、前記第1帰還容量CFB1に並列的に接続された第1帰還抵抗RFB1と、前記アンプの正出力端に接続された第2帰還容量CFB2と、前記第2帰還容量CFB1に並列的に接続された第2帰還抵抗RFB2とを備え、
前記マイクロフォン及び前記結合容量の入力端は、バイアス抵抗Rに接続され、前記バイアス抵抗Rは、交流電気信号を同時に前記アンプの正入力端及び負入力端に入力可能にする、ことを特徴とする電子デバイス。
【請求項7】
前記結合容量CACの電気容量の大きさは、少なくとも前記マイクロフォンの電気容量の大きさの4倍である、ことを特徴とする請求項6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記アンプは、P型入力トランジスタM1、P型入力トランジスタM2、N型入力トランジスタM3、N型入力トランジスタM4、及び出力負荷を備え、
前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のソースは、バイアス電流IBに接続され、前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のゲートは、それぞれアンプの正入力端及び負入力端に接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のドレインは、それぞれP型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のドレインに接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のゲートは、それぞれアンプの正入力端及び負入力端に接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のソースは、それぞれ出力負荷に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記出力負荷は、負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6であり、前記負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6のゲートは、それぞれ前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のドレインに接続され、前記負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6のドレインは、それぞれ前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のソースに接続され、
前記P型入力トランジスタM1、P型入力トランジスタM2、N型入力トランジスタM3、N型入力トランジスタM4のトランスコンダクタンスは、加算された後に前記負荷トランジスタM5、負荷トランジスタM6により電圧に変換されて出力端で出力される、ことを特徴とする請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記マイクロフォンの等価容量は、2pFよりも小さい、ことを特徴とする請求項6に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子技術分野に関し、特にシングルエンド差動変換マイクロフォン回路及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロフォン回路は、一般的にシングルエンド出力と差動出力の2つの方式を備える。ここで、シングルエンド出力ではノイズが大きいが、差動出力ではノイズを効果的にフィルタリングすることができる。
【0003】
従来のシングルエンド差動変換マイクロフォン回路は、図1に示すように、閉ループ利得を1にする時、回路中のCDMY=CMEMS=CFBを必要とするが、マイクロフォン技術の発展に伴い、マイクロフォンの等価容量CMEMSが小さくなり、このようにして、閉ループ利得を1に維持するために、帰還容量CFBの大きさも対応的に小さくする必要がある。しかしながら、信号対雑音比の帰還容量CFBの変化に対する感度が高く、帰還容量CFBが小さくなると、出力端の信号対雑音比が悪くなることをもたらす。また、高電圧端VHCMは、交流であり、交流信号は、VINP端に入力される。入力信号の振幅が大きい場合、入力端VINP及びVINNのコモンモード電圧VIN,CMは、大きな振幅を有する。VIN,CMの振幅は、VOUTP端の振幅の半分である。したがって、アンプAmpには、入力コモンモード電圧の範囲が大きいアンプを使用しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記技術課題を解決するためのシングルエンド差動変換マイクロフォン回路及び電子デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1態様では、本発明はシングルエンド差動変換マイクロフォン回路を提供し、シングルエンド差動変換マイクロフォン回路は、アンプと、アンプの正入力端に接続されたマイクロフォンと、前記アンプの負入力端に接続された結合容量CACと、前記アンプの負出力端に接続された第1帰還容量CFB1と、前記第1帰還容量CFB1に並列的に接続された第1帰還抵抗RFB1と、前記アンプの正出力端に接続された第2帰還容量CFB2と、前記第2帰還容量CFB1に並列的に接続された第2帰還抵抗RFB2とを備え、
前記マイクロフォン及び前記結合容量の入力端は、バイアス抵抗Rに接続され、前記バイアス抵抗Rは、交流電気信号を同時に前記アンプの正入力端及び負入力端に入力可能にする。
【0006】
好ましくは、結合容量CACの電気容量の大きさは、少なくとも前記マイクロフォンの電気容量の大きさの4倍である。
【0007】
好ましくは、前記アンプは、P型入力トランジスタM1、P型入力トランジスタM2、N型入力トランジスタM3、N型入力トランジスタM4、及び出力負荷を備え、前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のソースには、バイアス電流IBが接続され、前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のゲートは、それぞれアンプの正入力端及び負入力端に接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のドレインは、それぞれP型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のドレインに接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のゲートは、それぞれアンプの正入力端及び負入力端に接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のソースは、それぞれ出力負荷に接続される。
【0008】
好ましくは、前記出力負荷は、負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6であり、前記負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6のゲートは、それぞれ前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のドレインに接続され、前記負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6のドレインは、それぞれ前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のソースに接続され、
前記P型入力トランジスタM1、P型入力トランジスタM2、N型入力トランジスタM3、N型入力トランジスタM4のトランスコンダクタンスは、加算された後に前記負荷トランジスタM5、負荷トランジスタM6により電圧に変換されて出力端で出力される。
【0009】
好ましくは、前記マイクロフォンの等価容量は、2pFより小さい。
【0010】
第2態様では、本発明は、シングルエンド差動変換マイクロフォン回路を備える電子デバイスを提供し、前記シングルエンド差動変換マイクロフォン回路は、アンプと、アンプの正入力端に接続されたマイクロフォンと、前記アンプの負入力端に接続された結合容量CACと、前記アンプの負出力端に接続された第1帰還容量CFB1と、前記第1帰還容量CFB1に並列的に接続された第1帰還抵抗RFB1と、前記アンプの正出力端に接続された第2帰還容量CFB2と、前記第2帰還容量CFB1に並列的に接続された第2帰還抵抗RFB2とを備え、
前記マイクロフォン及び前記結合容量の入力端は、バイアス抵抗Rに接続され、前記バイアス抵抗Rは、交流電気信号を同時に前記アンプの正入力端及び負入力端に入力可能にする。
【0011】
好ましくは、結合容量CACの電気容量の大きさは、少なくとも前記マイクロフォンの電気容量の大きさの4倍である。
【0012】
好ましくは、前記アンプは、P型入力トランジスタM1、P型入力トランジスタM2、N型入力トランジスタM3、N型入力トランジスタM4、及び出力負荷を備え、前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のソースには、バイアス電流IBが接続され、前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のゲートは、それぞれアンプの正入力端及び負入力端に接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のドレインは、それぞれP型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のドレインに接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のゲートは、それぞれアンプの正入力端及び負入力端に接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のソースは、それぞれ出力負荷に接続される。
【0013】
好ましくは、前記出力負荷は、負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6であり、前記負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6のゲートは、それぞれ前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のドレインに接続され、前記負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6のドレインは、それぞれ前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のソースに接続され、
前記P型入力トランジスタM1、P型入力トランジスタM2、N型入力トランジスタM3、N型入力トランジスタM4のトランスコンダクタンスは、加算された後に前記負荷トランジスタM5、負荷トランジスタM6により電圧に変換されて出力端で出力される。
【0014】
好ましくは、前記マイクロフォンの等価容量は、2pFよりも小さい。
【発明の効果】
【0015】
関連技術に比べて、本発明は、バイアス抵抗を導入し、かつ帰還抵抗を結合することによって、マイクロフォンCMEMSの両端が高インピーダンスとなるように保持し、結合容量CACの両端も同様に高インピーダンスであるため、交流電気信号は、アンプのVINPとVINNの両端に入力することができる。結合容量CACは、入力信号を交流結合した後VINNに入り、マイクロフォンCMEMS自体は、内部に交流平衡点を見つける。閉ループ利得が1である場合、CFB=2CMEMSであり、これにより、帰還容量CFBは、CMEMSに対して一倍増加することができ、さらにアンプ自体のノイズをより多くフィルタリングでき、システム全体の信号対雑音比を向上させることができる。
【0016】
一つの実施形態では、交流信号は、正負入力端VINP、VINNから同時に入力することができるため、入力端のコモンモード電圧VIN、CMの振幅は、顕著に減少し、理想的にはゼロとなる。したがって、入力コモンモード電圧の範囲が比較的小さい電流共用型アンプ(Current-Reuse Amp、CR-Amp)を採用することができる。
【0017】
一つの実施形態では、CR-Ampの入力端は、同じ電流バイアスで、同時にP型とN型入力のトランスコンダクタンスを取得可能であり、入力トランスコンダクタンスを約一倍増加させることができ、これによって、アンプのノイズを低減し、システム全体の信号対雑音比を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施形態における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明に使用される必要がある図面を簡単に説明するが、以下に説明された図面は、本発明のいくつかの実施形態だけであり、本発明が属する技術分野の当業者にとって、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1】従来のシングルエンド差動変換マイクロフォン回路の回路原理図である。
図2】本発明の実施形態におけるシングルエンド差動変換マイクロフォン回路の回路原理図である。
図3】本発明の実施形態におけるアンプの回路原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は、本発明の実施形態における図面を参照して、本発明の実施形態における技術案を明確で、完全に説明し、記述される実施形態は本発明の実施形態の一部だけであり、全ての実施形態ではないことは明らかである。本発明における実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得ることができる全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するべきである。
【0020】
実施形態1
【0021】
図1に示すとおり、本発明はシングルエンド差動変換マイクロフォン回路を提供し、当該シングルエンド差動変換マイクロフォン回路は、アンプCR-Ampと、アンプCR-Ampの正入力端VINPに接続されたマイクロフォンCMEMSと、前記アンプCR-Ampの負入力端VINNに接続された結合容量CACと、前記アンプの負出力端VOUTNに接続された第1帰還容量CFB1と、前記第1帰還容量CFB1に並列的に接続された第1帰還抵抗RFB1と、前記アンプの正出力端VOUTPに接続された第2帰還容量CFB2と、前記第2帰還容量CFB1に並列的に接続された第2帰還抵抗RFB2と、を備え、前記マイクロフォンCMEMS及び前記結合容量CACの入力端は、バイアス抵抗Rに接続され、前記バイアス抵抗Rは、交流電気信号を同時に前記アンプの正入力端及び負入力端に入力可能にする。
【0022】
本実施形態では、結合容量CACの電気容量の大きさは、少なくとも前記マイクロフォンの電気容量の大きさの4倍であり、R端の高電圧直流電圧から隔離することによって、アンプの負入力端に高電圧直流電圧がアクセスしてさらに回路全体に影響を与えることを回避するために用いられる。VHCMは、13.8Vの高電圧バイアス電圧である。
【0023】
本実施形態では、前記アンプは、P型入力トランジスタM1、P型入力トランジスタM2、N型入力トランジスタM3、N型入力トランジスタM4、及び出力負荷を備え、前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のソースは、バイアス電流IBに接続され、前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のゲートは、それぞれアンプの正入力端及び負入力端に接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のドレインは、それぞれP型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のドレインに接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のゲートは、それぞれアンプの正入力端及び負入力端に接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のソースは、それぞれ出力負荷に接続される。
【0024】
本実施形態では、前記出力負荷は、負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6であり、前記負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6のゲートは、それぞれ前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のドレインに接続され、前記負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6のドレインは、それぞれ前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のソースに接続され、前記P型入力トランジスタM1、P型入力トランジスタM2、N型入力トランジスタM3、及びN型入力トランジスタM4のトランスコンダクタンスは、加算された後に前記負荷トランジスタM5、負荷トランジスタM6により電圧に変換されて出力端で出力される。
【0025】
本実施形態のアンプは、同じなバイアス電流で、そのトランスコンダクタンスが一倍増大し、ノイズが小さくなる。本実施形態におけるアンプ入力コモンモード電圧範囲は、比較的小さいが、本実施形態では、交流信号は、正負入力端VINP、VINNから同時に入力することができ、入力端のコモンモード電圧VIN、CMの振幅は、顕著に減少し、理想的な場合にゼロとなり、したがって、回路全体は、本実施形態におけるアンプ構造を採用することができる。
【0026】
本実施形態では、それの帰還容量に対する要求がより小さく、したがって、前記マイクロフォンの等価容量CMEMSは、2pFより小さい。
【0027】
関連技術に比べて、本発明は、バイアス抵抗を導入し、かつ帰還抵抗を結合することによって、マイクロフォンCMEMSの両端が高インピーダンスとなるように保持し、結合容量CACの両端も同様に高インピーダンスとなるため、交流電気信号は、アンプのVINPとVINNの両端に入力することができる。結合容量CACは、入力信号を交流結合した後にVINNに入り、マイクロフォンCMEMS自体は、内部に交流平衡点を見つける。閉ループ利得が1である場合、CFB=2CMEMSであり、これにより、帰還容量CFBは、マイクロフォン容量CMEMSに対して一倍増大することができ、さらにアンプ自体のノイズをより多くフィルタリングして、システム全体の信号対雑音比を向上させることができる。
【0028】
一つの実施形態では、交流信号は、正負入力端VINP、VINNから同時に入力することができるため、入力端のコモンモード電圧VIN、CMの振幅は、顕著に減少し、理想的にはゼロとなる。したがって、入力コモンモード電圧の範囲が比較的小さい電流共用型アンプ(Current-Reuse Amp、CR-Amp)を採用することができる。
【0029】
一つの実施形態では、CR-Ampの入力端は、同じ電流バイアスの場合に、同時にP型とN型入力のトランスコンダクタンスを取得することができ、入力トランスコンダクタンスを約一倍増加させ、それによりアンプのノイズを低減し、システム全体の信号対雑音比を向上させることができる。
【0030】
実施形態2
【0031】
本発明は電子デバイスを提供し、当該電子デバイスは、携帯電話、音楽プレーヤ、コンピュータ等のスマートデバイスであってもよく、これらの電子デバイスは、シングルエンド差動変換マイクロフォン回路を備え、前記シングルエンド差動変換マイクロフォン回路は、アンプCR-Ampと、アンプCR-Ampの正入力端VINPに接続されたマイクロフォンCMEMSと、前記アンプCR-Ampの負入力端VINNに接続された結合容量CACと、前記アンプの負出力端VOUTNに接続された第1帰還容量CFB1と、前記第1帰還容量CFB1に並列的に接続された第1帰還抵抗RFB1と、前記アンプの正出力端VOUTPに接続された第2帰還容量CFB2と、前記第2帰還容量CFB1に並列的に接続された第2帰還抵抗RFB2と、を備え、前記マイクロフォンCMEMS及び前記結合容量CACの入力端は、バイアス抵抗Rに接続され、前記バイアス抵抗Rは、交流電気信号を同時に前記アンプの正入力端及び負入力端に入力可能にする。
【0032】
本実施形態では、結合容量CACの電気容量の大きさは、少なくとも前記マイクロフォンの電気容量の大きさの4倍であり、R端の高電圧直流電圧から隔離することによって、アンプの負入力端に高電圧直流電圧がアクセスしてさらに回路全体に影響を与えることを回避するために用いられる。VHCMは、13.8Vの高電圧バイアス電圧である。
【0033】
本実施形態では、前記アンプは、P型入力トランジスタM1、P型入力トランジスタM2、N型入力トランジスタM3、N型入力トランジスタM4、及び出力負荷を備え、前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のソースは、バイアス電流IBに接続され、前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のゲートは、それぞれアンプの正入力端及び負入力端に接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のドレインは、それぞれP型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のドレインに接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のゲートは、それぞれアンプの正入力端及び負入力端に接続され、前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のソースは、それぞれ出力負荷に接続される。
【0034】
本実施形態では、前記出力負荷は、負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6であり、前記負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6のゲートは、それぞれ前記P型入力トランジスタM1及びP型入力トランジスタM2のドレインに接続され、前記負荷トランジスタM5及び負荷トランジスタM6のドレインは、それぞれ前記N型入力トランジスタM3及びN型入力トランジスタM4のソースに接続され、前記P型入力トランジスタM1、P型入力トランジスタM2、N型入力トランジスタM3、及びN型入力トランジスタM4のトランスコンダクタンスは、加算された後に前記負荷トランジスタM5、負荷トランジスタM6により電圧に変換されて出力端で出力される。
【0035】
本実施形態のアンプは、同じなバイアス電流で、そのトランスコンダクタンスが一倍増大し、ノイズが小さくなる。本実施形態におけるアンプ入力コモンモード電圧範囲は、比較的小さいが、本実施形態では、交流信号は、正負入力端VINP、VINNから同時に入力することができ、入力端のコモンモード電圧VIN、CMの振幅は、顕著に減少し、理想的な場合にゼロとなり、したがって、回路全体は、本実施形態におけるアンプ構造を採用することができる。
【0036】
本実施形態では、それの帰還容量に対する要求がより小さく、したがって、前記マイクロフォンの等価容量CMEMSは、2pFより小さい。
【0037】
関連技術に比べて、本発明は、バイアス抵抗を導入し、かつ帰還抵抗を結合することによって、マイクロフォンCMEMSの両端が高インピーダンスとなるように保持し、結合容量CACの両端も同様に高インピーダンスとなるため、交流電気信号は、アンプのVINPとVINNの両端に入力することができる。結合容量CACは、入力信号を交流結合した後にVINNに入り、マイクロフォンCMEMS自体は、内部に交流平衡点を見つける。閉ループ利得が1である場合、CFB=2CMEMSであり、これにより、帰還容量CFBは、CMEMSに対して一倍増大することができ、さらにアンプ自体のノイズをより多くフィルタリングして、システム全体の信号対雑音比を向上させることができる。
【0038】
一つの実施形態では、交流信号は、正負入力端VINP、VINNから同時に入力することができるため、入力端のコモンモード電圧VIN、CMの振幅は、顕著に減少し、理想的にはゼロとなる。したがって、入力コモンモード電圧の範囲が比較的小さい電流共用型アンプ(Current-Reuse Amp、CR-Amp)を採用することができる。
【0039】
一つの実施形態では、CR-Ampの入力端は、同じ電流バイアスの場合に、同時にP型とN型入力のトランスコンダクタンスを取得することができ、入力トランスコンダクタンスを約一倍増加させ、それによりアンプのノイズを低減し、システム全体の信号対雑音比を向上させることができる。
【0040】
上記したのは、本発明の実施形態に過ぎず、本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に属すると理解されるべきである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】