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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】コイルが集積された台座及びモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 33/18 20060101AFI20240426BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20240426BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20240426BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20240426BHJP
【FI】
H02K33/18 B
G03B30/00
G03B5/00 J
H04N23/57
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551996
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-08-24
(86)【国際出願番号】 CN2022128941
(87)【国際公開番号】W WO2023184970
(87)【国際公開日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】202220756651.3
(32)【優先日】2022-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210824029.6
(32)【優先日】2022-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523322265
【氏名又は名称】蘇州▲いん▼冢電子科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU GYZ ELECTRONIC TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 269, Songjiagang Road, Zhoushi Town, Kunshan City, Suzhou, Jiangsu 215300 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100120019
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 敏安
(72)【発明者】
【氏名】莫 湊全
(72)【発明者】
【氏名】石 亮
(72)【発明者】
【氏名】耿 葉貝子
【テーマコード(参考)】
2K005
5C122
5H633
【Fターム(参考)】
2K005CA22
2K005CA34
2K005CA53
5C122EA54
5C122GE11
5C122HA82
5H633BB03
5H633GG02
5H633GG06
5H633GG08
5H633HH03
5H633HH05
5H633JA03
5H633JB03
5H633JB04
(57)【要約】
本発明はコイルが集積された台座及びモータであって、コイルが集積された台座は絶縁ベースと、金属回路と、前記金属回路に電気的に接続されているコイルとを備え、コイルは始端リード線と、終端リード線と、始端リード線と終端リード線との間に接続されているコイル本体とを備え、そのうち、絶縁ベースには始端リード線を収容する収容溝が設けられ、収容溝はコイル本体の巻回開始位置から延出している。本発明におけるコイルが集積された台座は、絶縁ベースに始端リード線を収容する収容溝が設けられることにより、始端リード線がコイル本体の底部に設けられても、始端リード線がコイル本体の安定性に影響を与えず、コイル本体はぐらつきにくくなる。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ベースと、前記絶縁ベースの内に埋設された金属回路と、前記絶縁ベースに固定され、且つ前記金属回路に電気的に接続されているコイルとを備え、前記コイルは、始端リード線と、終端リード線と、前記始端リード線と前記終端リード線との間に接続されているコイル本体とを備え、そのうち、前記絶縁ベースには、前記始端リード線を収容する収容溝が設けられ、前記収容溝は、前記コイル本体の巻回開始位置から延出している、コイルが集積された台座。
【請求項2】
前記終端リード線の引き出し位置は前記コイルの厚さ方向に前記始端リード線の引き出し位置よりも高く、前記金属回路は若干の分岐を有し、前記若干の分岐はいずれも前記絶縁ベースに設けられた接続ピンを含み、前記接続ピンは、前記始端リード線に電気的に接続されている第1の接続ピンと、前記終端リード線に電気的に接続されている第2の接続ピンとを含み、前記第1の接続ピンは前記コイルの厚み方向に前記第2の接続ピンよりも低い、請求項1に記載のコイルが集積された台座。
【請求項3】
前記始端リード線と前記終端リード線とは、前記コイルの対向する両側にそれぞれ設けられ、前記第1の接続ピンと前記第2の接続ピンとは、前記コイルの対向する両側にある前記絶縁ベースにそれぞれ露出している、請求項2に記載のコイルが集積された台座。
【請求項4】
前記収容溝の延在方向に垂直な方向の幅は、前記始端リード線の幅よりも大きく、且つ前記収容溝の高さは、前記始端リード線の高さ以上である、請求項2に記載のコイルが集積された台座。
【請求項5】
前記第1の接続ピンおよび前記第2の接続ピンのそれぞれには、対応する前記始端リード線、前記終端リード線と電気的に接続する接続面が設けられ、前記収容溝は、底面と側面とを有し、前記収容溝の前記底面は前記コイルの厚さ方向に前記第1の接続ピンの前記接続面よりも高くなっているか、または面一になっており、前記第2の接続ピンの前記接続面は前記コイルの厚み方向に前記第1の接続ピンの前記接続面よりも高い、請求項4に記載のコイルが集積された台座。
【請求項6】
前記絶縁ベースには、少なくとも2つの位置決めポストが間隔をおいて突設されており、前記コイルは、巻き回された空芯コイルであり、少なくとも2つの前記位置決めポストの外側に外嵌され、少なくとも2つの前記位置決めポストは、それぞれ、前記コイルの対向する両端に位置し、前記始端リード線に近い前記位置決めポストの側壁の少なくとも一部は、前記収容溝内に位置する、請求項4に記載のコイルが集積された台座。
【請求項7】
前記絶縁ベースは、一次射出成形されたプラスチック位置決めブロックと、前記プラスチック位置決めブロック及び前記金属回路に二次射出成形されたプラスチック本体とを備え、前記プラスチック位置決めブロックは、前記接続ピンの外周に射出成形されるとともに、前記接続ピンの前記接続面を露出させ、前記プラスチック本体は、前記プラスチック位置決めブロックを収納する位置決め穴を形成し、前記プラスチック位置決めブロックの頂面は、前記プラスチック本体に露出している、請求項4に記載のコイルが集積された台座。
【請求項8】
前記コイルが集積された台座は、間隔をおいて設置された少なくとも2つの前記コイルをさらに備え、隣接する2つの前記コイルの間の前記終端リード線と前記始端リード線が近くて設置され、前記終端リード線および前記始端リード線に対応する前記第2の接続ピンおよび前記第1の接続ピンは、1つの前記プラスチック位置決めブロックを共有する、請求項7に記載のコイルが集積された台座。
【請求項9】
前記プラスチック位置決めブロックは、コイル接続部を含み、前記コイル接続部は、第1の接続ブロックと、第2の接続ブロックと、前記第1の接続ブロックと前記第2の接続ブロックとの間に形成された第1の段差部とを備え、前記第1の接続ブロックは前記コイルの厚さ方向に前記第2の接続ブロックよりも低く、前記第1の接続ピンの前記接続面は、前記第1の接続ブロックに露出し、前記第2の接続ピンの前記接続面は、前記第2の接続ブロックに露出し、前記収容溝の底面は前記コイルの厚さ方向に前記第1の接続ブロックの頂面よりも高くなっているか、または面一になっている、請求項8に記載のコイルが集積された台座。
【請求項10】
前記絶縁ベースには、前記コイル毎に対応してそのコイルを収容する第1の凹溝が凹設され、前記コイルの底面は前記第1の溝の底面に当接し、前記収容溝の底面と前記第1の凹溝の底面との間には第2の段差部が形成され、前記第2の接続ブロックの頂面は前記第1の凹溝の底面と面一となっている、請求項9に記載のコイルが集積された台座。
【請求項11】
少なくとも2つの前記コイルが、互いに対向して設置され、且つ互いに直列に接続されている第1のコイル及び第3のコイルを含み、前記分岐が、少なくとも第1のコイル分岐、第2のコイル分岐、及び第5のコイル分岐を含み、前記第1のコイル分岐及び前記第5のコイル分岐のぞれぞれは前記絶縁ベースの外側に露出しているピンを含み、前記第1のコイル分岐の一端が、前記ピンを含み、他端が、前記第1の接続ピンを含み、前記第2のコイル分岐の一端が、前記第2の接続ピンを含み、他端が、前記第1の接続ピンを含み、前記第5のコイル分岐の一端が、前記ピンを含み、他端が、前記第2の接続ピンを含み、前記第1のコイルの前記始端リード線が前記第1のコイル分岐の前記第1の接続ピンに接続され、かつ前記終端リード線が前記第2のコイル分岐の前記第2の接続ピンに接続され、前記第3のコイルの始端リード線が前記第2のコイル分岐の前記第1の接続ピンに接続され、かつ前記終端リード線が前記第5のコイルの前記第2の接続ピンに接続されている、請求項10に記載のコイルが集積された台座。
【請求項12】
前記コイルが集積された台座は、間隔をおいて設置された前記第1のコイル、前記第2のコイル、第3のコイル、および第4のコイルという4つの前記コイルを備え、前記分岐は、第3のコイル分岐、第4のコイル分岐および第6のコイル分岐をさらに含み、前記第1のコイル分岐、前記第5のコイル分岐、前記第3のコイル分岐および前記第6のコイル分岐のぞれぞれは前記絶縁ベースの外側に露出している前記ピンを含み、前記第3のコイル分岐の一端が、前記ピンを含み、他端が、前記第1の接続ピンを含み、前記第4のコイル分岐の一端が、前記第2の接続ピンを含み、他端が、前記第1の接続ピンを含み、前記第6のコイル分岐の一端が、前記ピンを含み、他端が、前記第2の接続ピンを含み、前記第2のコイルと前記第4のコイルとが互いに対向して設置され、且つ互いに直列に接続されており、前記第2のコイルの前記始端リード線が前記第3のコイル分岐の前記第1の接続ピンに接続され、かつ前記終端リード線が前記第4のコイル分岐の前記第2の接続ピンに接続され、前記第4のコイルの始端リード線が前記第4のコイル分岐の前記第1の接続ピンに接続され、かつ前記終端リード線が前記第6のコイルの前記第2の接続ピンに接続されている、請求項11に記載のコイルが集積された台座。
【請求項13】
前記絶縁ベースは、頂面と、前記頂面に対向する底面とを備え、前記コイルは、前記頂面に水平に設置され、前記接続ピンは、前記頂面に露出している、請求項12に記載のコイルが集積された台座。
【請求項14】
前記コイルが集積された台座は、4つの側面と、前記頂面よび前記底面を貫通する貫通孔とをさらに備え、前記貫通孔は環状内壁を形成し、前記環状内壁と前記側面との間が取り付け領域となり、前記取り付け領域には前記コイルに対応して4つのサブ取り付け領域
が設けられ、各前記コイルは前記側面の長手方向に位置決めされ、前記コイル接続部は、隣接する2つの前記サブ取り付け領域の間に位置する、請求項13に記載のコイルが集積された台座。
【請求項15】
コイルが集積された台座は、前記絶縁ベースに設けられ、且つ前記金属回路と電気的に接続されている電子素子をさらに備え、前記電子素子は前記コイル接続部に近くて設置され、前記プラスチック位置決めブロックは、電子素子接続部と、前記コイル接続部と前記電子素子接続部との間に接続されている接続構造とを備え、前記電子素子と電気的に接続する前記接続ピンは前記接続面を有し、前記電子素子と電気的に接続する前記接続ピンの前記接続面は前記電子素子接続部に露出しており、前記電子素子接続部の頂面は前記第2の接続ブロックの頂面と面一となっている、請求項10に記載のコイルが集積された台座。
【請求項16】
前記電子素子接続部の頂面には収容室が凹設され、前記電子素子と電気的に接続する前記接続ピンが前記収容室の底面に露出しており、前記電子素子と前記接続ピンとが前記収容室内で電気的に接続され、前記電子素子接続部の頂面が前記コイルの厚み方向に前記電子素子の頂面よりも高い、請求項15に記載のコイルが集積された台座。
【請求項17】
前記分岐における前記ピンと前記接続ピンとの間および前記第1の接続ピンと前記第2の接続ピンとの間にはいずれも接続部が形成され、前記接続部の前記接続ピン、前記第1の接続ピンおよび前記第2の接続ピンに近い部分はいずれも折り曲げられて折り曲げ部が形成され、前記接続部はいずれも同一の第1の水平面に位置し、前記コイルと電気的に接続する前記分岐の前記折り曲げ部は前記接続部から前記コイルの厚さ方向に上向きに折り曲げられ、前記第1の接続ピンの前記接続面および前記第2の接続ピンの前記接続面はいずれも前記第1の水平面よりも高く、前記電子素子と電気的に接続する前記分岐の前記折り曲げ部は前記接続部から前記コイルの厚さ方向に下向きに折り曲げられ、前記電子素子と電気的に接続する前記接続ピンの前記接続面はいずれも前記第1の水平面よりも低く、かつ前記電子素子の頂面は前記第2の接続ピンの前記接続面よりも低い、請求項16に記載のコイルが集積された台座。
【請求項18】
前記コイルの前記コイル本体にはキャビティが形成されており、前記電子素子は、前記コイルの前記キャビティ内に位置し、前記コイルの厚さ方向に前記コイル本体と互いにずれている、請求項16に記載のコイルが集積された台座。
【請求項19】
前記電子素子は、ホールセンサ素子、またはホールセンサ素子が集積された集積回路である、請求項15に記載のコイルが集積された台座。
【請求項20】
前記絶縁ベースには、前記始端リード線及び前記終端リード線と接続する前記第1の接続ピン及び前記第2の接続ピンを収納する収納部がさらに設けられ、前記収納部は、前記第1の凹溝の端部及び/又は側部に設けられ、前記収容溝は、前記始端リード線に対応する前記収納部に向かって延びている、請求項10に記載のモータ台座。
【請求項21】
前記第1の凹溝と前記収納部との間には、前記第1の凹溝に沿って前記収納部まで傾斜して延びるか、または前記第1の凹溝に沿って前記収容部まで弧形状に延びるリード線溝が形成されている、請求項20に記載のコイルが集積された台座。
【請求項22】
前記収容溝は、前記始端リード線に対応する前記リード線溝まで延びて、前記リード線溝と連通している、請求項21に記載のコイルが集積された台座。
【請求項23】
前記リード線溝と前記収容溝または前記第1の凹溝とを接続する位置に面取り部が設け
られている、請求項22に記載のコイルが集積された台座。
【請求項24】
前記収容溝は、前記第1の凹溝の底面からさらに凹んで形成され、前記収納部は、前記絶縁ベースに凹んだスロットであり、前記スロットは、前記リード線溝と連通し、かつ前記スロットの深さが前記第1の凹溝よりも大きい、請求項23に記載のモータ台座。
【請求項25】
前記始端リード線および前記終端リード線と対応する前記接続ピンとを接続する位置にスズハンダ層が設けられ、前記スロットには前記始端リード線および前記終端リード線を固定するための接着層が設けられている、請求項24に記載のコイルが集積された台座。
【請求項26】
前記絶縁ベースには、前記終端リード線に対応する位置に突出部が設けられ、前記突出部には位置決め溝が凹設され、前記終端リード線は前記位置決め溝に配置される、請求項1に記載のコイルが集積された台座。
【請求項27】
請求項1から26のいずれか一項に記載のコイルが集積された台座と、前記コイルが集積された台座の上方に位置するケーシングと、前記ケーシングに収納された可動モジュールとを備え、前記可動モジュールは、コイルと協働する磁気素子を含む、モータ。
【請求項28】
前記コイルは、前記可動モジュールを押圧して移動させる押圧コイル、前記可動モジュールの振れを防止する機能コイル、または前記モータの動作を制御する制動コイルである、請求項27に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、出願日が2022年07月14日であり、出願番号が202210824029.6であり、発明の名称が「コイルが集積された台座及びモータ」である中国特許出願、および出願日が2022年04月01日であり、出願番号が202220756651.3であり、発明の名称が「モータ台座」である中国特許出願の優先権を請求しており、そのすべての内容は援用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、コイルが集積された台座及びモータの技術分野に関し、特に電子機器分野用のコイルが集積された台座及びモータに関する。
【背景技術】
【0003】
カメラモジュールは、携帯電話、タブレットなどの撮像機能を備える電子機器の重要な構成部分の一つである。従来技術では、カメラモジュール全体のサイズを小型化するために、モータ台座にコイルを設け、コイルに電流を流して駆動トルクを発生させ、さらに磁石と協働させてコイルの周囲に磁界を発生させる。
【0004】
従来のコイル附き台座及びモータは、通常、台座、台座内に射出成形された金属回線、金属回線に溶接された電子素子、台座に取り付けられたコイル及びコイルと相互に作動する磁気構造等の駆動部材を備える。一般に、モータの組立メーカーは、上記の基本的な部品を電気的に組み付ける必要があり、例えば、巻き回されたコイルの2つのリード線を、対応する金属回線の対応する分岐のフィレットに位置決めし、位置決め溶接を実現する必要がある。台座に設けられたコイルは、通常、空芯コイルまたは現場巻回コイルであり、コイルには、巻回開始位置から1本の始端リード線を延出させて回路に接続させ、さらに巻回終了位置から1本の終端リード線を延出させて回路に接続させる必要がある。コイルの実際の生産において、コイルは、下から上へ、内から外への巻回によって形成され、すなわち、コイルの始端リード線は、コイルの最底層のより内側に位置し、コイルの終端リード線は、コイルの最上層のより外側に位置している。コイルの2つのリード線は両方の間の相対的な高さの差に起因して、それらと同一の水平面内にある分岐のフィレットとの間の溶接距離が異なる。
【0005】
また、コイルは一般的に最下層から上向きに一つの層ずつ巻き回されるため、始端リード線はコイルの最下層の下方に位置し、コイルをモータ台座に配置すると、コイルがぐらつき易くなり、不安定という問題があり、コイルと回路との安定した接続に不利となる。
【0006】
公開番号CN113193723Aの発明特許出願に開示されるように、ベースには第1のコイルが4個設けられており、第1のコイルは接続部を介して導電体と接続して導通され、第2のコイルは第1のコイルと接続して導通される。第1のコイルの2つのリード線と、2つのリード線に対応する導電体のフィレットとは、第1のコイルの2つのリード線は、導電体の垂直方向の高さが同一の2つのフィレットに溶接される。
【0007】
また、公開番号CN110098710Aの発明特許出願に開示されるように、ベースの両側にコイルが溶接され、二つのコイルは台座における端子に電気的に接続され、端子は3段式構造を採用し、そのうち一段の半円弧は二つのコイルの導通媒体であり、残りの二段はコイル及び電源の正負極に接続される。この特許出願ではコイルが2つだけあり、モータ製品の上下の合焦作用しか実現できず、その振れ防止効果は良くない。そして、2つのコイルが垂直に設置され、各コイルの2つのリード線が端子における水平に設置されかつ高さが同一の一対のフィレットに溶接される。
【0008】
上記のような2つの従来技術には、コイルのリード線はいずれも同一水平面における間隔がある2つのフィレットに溶接されることが開示されており、いずれも巻線型コイルのリード線のコイル厚さ方向の高さの差によるリード線溶接際の溶接距離の差という問題を考慮していない。リード線とフィレットとの溶接距離の差によって、比較的に高い位置の終端リード線の溶接距離が必然的に長すぎるようになり、それにより溶接が信頼できなくなりさらに破断する問題を引き起こして、製品の性能及び寿命に影響を与えるとともに、溶接距離が長すぎるとコイルの信号効果が悪く、モータの運動精度に影響を与える。一方、比較的に低い位置の始端リード線は、コイルの最底層に位置し、コイルの内外層に跨がっているため、コイルをセットする時にコイルの底面がベースの接触面に対して傾斜して、コイルのぐらつきを引き起こすことがあり、コイルの傾斜を回避するために、通常、コイルの底部にサイジング調整を行う必要があるが、サイジングでは、段差面が形成され、始端リード線が溶接中に折れて製品や寿命に影響を与えるという問題も引き起こしやすい。
【0009】
したがって、上述の欠点を克服するために、新たなコイルが集積された台座及びモータを提供する必要が確かにある。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、コイルが集積された台座及びモータを提供することにあり、当該台座には前記コイルの始端リード線を収容する収容溝が設けられ、且つ前記収容溝が前記コイル本体の巻回開始位置から延出していることにより、コイルの始端リード線がコイルの最下層の下方に位置してコイルのぐらつき、不安定を誘発するという問題を解決することができる。
【0011】
本発明の目的は、
絶縁ベースと、前記絶縁ベースの内に埋設された金属回路と、前記絶縁ベースに固定され、且つ前記金属回路に電気的に接続されているコイルとを備え、前記コイルは、始端リード線と、終端リード線と、前記始端リード線と前記終端リード線との間に接続されているコイル本体とを備え、そのうち、前記絶縁ベースには、前記始端リード線を収容する収容溝が設けられ、前記収容溝は、前記コイル本体の巻回開始位置から延出している、コイルが集積された台座という技術方案1によって達成される。
【0012】
本発明の目的は、
上記のコイルが集積された台座と、前記コイルが集積された台座の上方に位置するケーシングと、前記ケーシングに収納された可動モジュールとを備え、前記可動モジュールは、コイルと協働する磁気素子を含む、モータという技術方案2によって達成される。
【0013】
従来技術に比べて、本発明のコイルが集積された台座は、前記絶縁ベースには前記始端リード線を収容する収容溝が設けられ、且つ前記収容溝が前記コイル本体の巻回開始位置から延出していることにより、前記始端リード線が前記コイル本体の最下層の底部に設けられても、前記コイル本体は依然として前記絶縁ベースに安定に装着されることができ、従って、前記始端リード線は前記コイル本体の安定性に影響を与えず、コイル本体はぐらつきにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るコイルが集積された台座を有するモータの斜視模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係るコイルが集積された台座の巻線型コイルの斜視模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係るコイルが集積された台座の斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係るコイルが集積された台座の別の角度から見た斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係るコイルが集積された台座の平面図である。
図6図3におけるコイルが集積された台座の一部分解斜視図である。
図7図6におけるコイルが集積された台座のさらなる一部分解斜視図である。
図8図7におけるコイルが集積された台座の別の角度から見た分解斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係るコイルが集積された台座の金属回路の斜視図である。
図10図7における絶縁ベースの丸印C内の部分の拡大斜視図である。
図11図5におけるコイルが集積された台座のA-A方向に沿った断面図である。
図12図11におけるコイルが集積された台座の部分破断断面図である。
図13図5におけるコイルが集積された台座のB-B方向に沿った断面図である。
図14図13におけるコイルが集積された台座の部分破断拡大断面図である。
図15】本発明の他の実施形態に係るコイルが集積された台座のある角度から見た斜視模式図である。
図16】本発明の他の実施形態に係るコイルが集積された台座の別の角度から見た斜視模式図である。
図17】本発明の他の実施形態に係るコイルが集積された台座における絶縁ベースとコイルの分解模式図である。
図18図17の部分拡大図である。
図19】本発明の他の実施形態に係るコイルが集積された台座における絶縁ベース、コイルおよび金属回路の分解模式図である。
図20】本発明の他の実施形態に係るコイルが集積された台座の底面図である。
図21】一実施形態における図20の破線A-Aに沿った断面図である。
図22】一実施形態における図20の破線B-Bに沿った断面図である。
図23図22の部分拡大図である。
図24】他の実施形態における図20の破線B-Bに沿った断面図である。
図25】さらに他の実施形態における図20の破線A-Aに沿った断面図である。
図26図25の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明明細書の説明において、「上」、「下」、「内」、「外」などの用語が指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明明細書の説明の明確化及び簡略化のためだけのものであり、示される装置又は部材が特定の方位を持ち、特定の方位で構成され操作されなければならないことを指示又は暗示するものではなく、したがって、本明細書の限定として解釈されるべきではない。
【0016】
なお、本発明明細書の説明において、特に明確な規定及び限定がない限り、「接続」という用語は、広義な意味で理解しなければならず、当業者が、状況に応じて上記の用語の本発明明細書における具体的な意味を理解することができる。
【0017】
従来技術及び本発明における巻線型コイル10(本特許出願の図示はコイルの簡易描画にすぎず)としては、1本の巻き線が巻回された空芯コイルが一般的であり、コイル本体(又は本体部)105と、コイル本体105内に形成されたキャビティ1035とを備える。コイル10の一端の始端リード線101は、最内層及び最底層のコイルとなるように巻回された後、コイルに沿って、内から外へ且つ下から上への巻回方向に上向きに巻回さ
れ、次に、外側へ巻回されて外層コイルを形成し、リード線の終端には終端リード線(または終止リード線)102が形成され、始端リード線101の引き出し位置は、最底層コイルの最内側であって、コイル10の底側からその外層コイルに跨がって引き出され、コイル10の底部の最外側に露出しており、すなわち始端リード線101はコイル10の厚さ方向の最下方に位置し、単一の層となっている。終端リード線102の引き出し位置は、最外側コイルであって、コイル10の巻き方向に垂直な垂直方向の最下方の単一層のコイルの上、すなわち始端リード線101の引き出し位置の上に位置し、前記始端リード線101と終端リード線102とは垂直方向に高さの差を有している。ここでいう空芯コイルは、コイルの巻回ができた後に、適用される装置、例えばモータ台座に取り付けられるものであるが、勿論、この巻線型コイル10は、空芯コイルに加えて、実際の要求に応じて現場で巻回されたコイルであってもよく、例えば、直接モータの台座のような適用される装置に現場で巻回してコイル10を形成してもよい。
【0018】
従来技術では、台座におけるコイルのリード線はいずれも絶縁ベース内の同一水平面における間隔がある2つのフィレットに溶接されており、巻線型コイルの始端リード線101と終端リード線102の垂直方向(すなわちコイル10の厚さ方向)の高さの差によるリード線溶接際の溶接距離の差という問題は考慮されていなかった。本発明では、金属回路2における2つの異なる高さの第1の接続ピン(またはフィレット端)11bおよび第2の接続ピン(またはフィレット端)12bをそれぞれコイル10における始端リード線101および終端リード線102に対応して電気的に接続させる(本実施態様では、電気的に接続する方式として最適実施態様は溶接方式を採用することであるが、他の接触式の電気的接続、例えばニップ、接着等の方式を採用してもよい)ことにより、始端リード線101と終端リード線102の傾斜角度と延びる長さを低減させ、さらにコイル10の2つの始端リード線101および終端リード線102と第1の、第2の接続ピン11b、12bとの間の電気的接続の信頼性を効果的に向上させ、信号伝送効果を高め、製品や寿命に影響を与えないようにすることができる。
【0019】
以下、図1図14を参照しながら、本発明の一実施形態に係る台座100及びこの台座100を有するモータ1000について説明する。
【0020】
本発明における台座100は、ボイスコイルモータ、リニアモータ、圧電モータまたは潜望モータなどを含む様々なモータに適用可能であるが、これらに限定されるものではなく、本発明は、ボイスコイルモータ(Voice Coil Motor、VCM)1000を例として説明し、VCMモータはカメラの焦点調節、振れ防止のための重要な構成要素である。携帯電話のカメラはモータを使用して自動合焦機能を実現することが多く、モータによってレンズの位置を調節して、鮮明な画像にすることができる。前記モータ1000は、ケーシング1001と、磁気素子104と、レンズ103と、前記レンズ103を載置するホルダー106と、磁気素子104と相互作用するコイル10が集積された台座100とを備える。前記磁気素子104、前記レンズ103及び前記レンズ103を載置するホルダー106は、可動モジュールと呼ばれる。本発明では、台座100にコイル10を集積し、さらに可動モジュールととともに様々な方向への移動を実現することにより、モータ1000の様々な機能を実現することができる。
【0021】
図3図8を参照して、本発明の一実施形態は、以上のような各実施形態で説明するモータ1000の中に適用可能な台座100に関し、この台座100には、モータ1000の合焦機能および振れ防止機能に合わせて、誘導機能を有する電子素子20と、巻線型のコイル10とが設けられている。コイル10は、対応する磁気素子104と協働して、合焦駆動または振れ防止駆動を実現することができる。前記台座100は、絶縁ベース(またはプラスチックベース)1と、前記絶縁ベース1に埋設された金属回路2と、前記金属回路2に電気的に接続されている電子素子20と、前記金属回路2に電気的に接続されて
いる巻回型コイル10とを備える。前記絶縁ベース1は、一次射出成形されたプラスチック位置決めブロック3と、前記プラスチック位置決めブロック3及び前記金属回路2に二次射出成形されたプラスチック本体4とを備える。本実施態様では、前記電子素子20は、ホールセンサ素子またはホール素子が集積された集積回路(Integrated Circuit、IC)である。
【0022】
図3図8を参照して、プラスチック本体4は、プラスチック材質で射出成形されたものであり、対向する頂面11と底面12と、4つの側面13と、頂面11と底面12とを貫通して開口する貫通孔14と、4つのコーナー15とを備える。貫通孔14は、環状内壁141を形成し、環状内壁141と側面13との間には、電子素子20及びコイル10が取り付けられる取り付け領域(符号なし)となる。取り付け領域は、4つの側面13に対応して4つのサブ取り付け領域(符号なし)に分割され、各サブ取り付け領域には、1つのコイル10が対応して位置決めされ、且つ金属回路2と電気的に接続することができる。
【0023】
プラスチック本体4には、各サブ取り付け領域内に取り付けられたコイル10に対応して、頂面11から第1の凹溝(または載置部)16が凹設されている。隣接する第1の凹溝16と環状内壁141との間には、凸部17が形成されており、一つの側面で、凸部17は外側壁でコイル10の側壁の間隔に対応し、コイル10の巻線固定際の安定性を向上させることができ、他の側面で、凸部17はプラスチック本体4の全体的な強度を向上させることができる。
【0024】
各コイル10の正確な位置決めを実現するために、プラスチック本体4は、それぞれ第1の凹溝16内に側面13の長手方向に沿って間隔をおいて少なくとも2つの矩形柱状の位置決めポスト18を設け、位置決めポスト18の底部がプラスチック本体4に固定され、コイル10の取り付けが容易になるように、頂部が丸みを帯びた面取り部を形成し、位置決めポスト18の頂面は、垂直方向に凸部17以下である。コイル10のキャビティ1035は位置決めポスト18に外嵌されて、プラスチック本体4に対する正確な位置決めを実現する。本発明の最適実施態様では、具体的に、位置決めポスト18が3つ設けられており、そのうち2つがコイル10の巻回方向の対向する両端に位置し、残りの1つがコイル10の内部領域の中央部に位置し、かつ内部領域の中央部に位置する位置決めポスト18の長さ寸法は他の2つの位置決めポスト18よりも大きく、中央部の位置決めポスト18の長さは最も長いことにより、コイル10の中央部のより広い範囲の部分をより良好に支持することができ、コイル10のセッティングの安定性に有利である。
【0025】
図7図8を参照して、金属回路2は、間隔をおいて配置された若干の分岐21を含む。分岐21の一部は、コイル10の始端リード線101および終端リード線102に電気的に接続され、分岐21の他の一部は、電子素子20の溶接ピン(図示せず)に電気的に接続される。本実施態様では、各電子素子20にそれぞれ4つの溶接ピン(図示せず)が設けられており、各電子素子20はそれぞれ4つの分岐21に個別に電気的に接続されている。各コイル10は、始端リード線101および終端リード線102を有し、各コイル10は、いずれも2つの分岐21とそれぞれ電気的に接続する必要があり、2つのコイル10の一方の1つの始端リード線101および1つの終端リード線102は、1つの共通の分岐21と直列に接続することができ、したがって、2つのコイル10ごとに、3つの分岐21が電気的に接続されていれば良い。
【0026】
本発明の具体的な実施態様では、台座100に、第1のコイル1031、第2のコイル1032、第3のコイル1033、および第4のコイル1034という4つのコイル10が設けられており、第1のコイル1031と第3のコイル1033とは、2つのサブ取り付け領域内に対向して設けられ、且つ互いに直列に接続されており、第2のコイル103
2と第4のコイル1034とは、2つのサブ取り付け領域内に対向して設けられ、且つ互いに直列に接続されており、電子素子20は2つであり、それぞれ第1の電子素子201および第2の電子素子202である。コイル10および電子素子20と対応する分岐21との電気的接続の要求に応じて、本発明の最適実施態様では、台座100には、少なくとも合計14個の分岐21が設けられており、そのうち、第1の分岐211、第2の分岐212、第3の分岐213、第4の分岐214の4つの分岐は、第1の電子素子201と電気的に接続するために使用され、第5の分岐215、第6の分岐216、第7の分岐217および第8の分岐218の4つの分岐は、第2の電子素子202と電気的に接続するために使用される。第1のコイル分岐221b、第2のコイル分岐222c、第3のコイル分岐223b、第4のコイル分岐224c、第5のコイル分岐225hおよび第6のコイル分岐226hの6つの分岐は、4つのコイル10と電気的に接続するために使用され、具体的には、第1のコイル分岐221b、第2のコイル分岐222cは、第1のコイル1031と電気的に接続するために使用され、第2のコイル分岐222c、第5のコイル分岐225hは、第3のコイル1033と電気的に接続するために使用され、第3のコイル分岐223b、第4のコイル分岐224cは、第2のコイル1032と電気的に接続するために使用され、第4のコイル分岐224c、第6のコイル分岐226hは、第4のコイル1034と電気的に接続するために使用される。そのうち、第2のコイル分岐222cは第1のコイル1031と第3のコイル1033に共通であり、第4のコイル分岐224cは第2のコイル1032と第4のコイル1034に共通である。一対のコイル10の間に互いに直列に接続されるように共通の第2のコイル分岐222cまたは第4のコイル分岐224cを設けることにより、コイル10ごとに2つの独立した分岐21が電気的に接続される配置形態に対して、分岐21の設置数を極力省くことができ、コスト低減および台座100の小型化に有利である。
【0027】
図7図9を参照して、分岐21の一端は、間隔をおいて平行に配置されて、前記絶縁ベース1のプラスチック本体4の外側に露出しているピン1aを形成し、分岐21の他端は、前記絶縁ベース1内に射出成形され、かつコイル10及び電子素子20と電気的に接続するために前記絶縁ベース1の頂面11に露出している接続ピン(または溶接ピン)1bを形成する。分岐21のピン1aは、プラスチック本体4の対向する二つの側面13の外側にそれぞれ分布して垂直方向に延びており、分岐21のピン1aと接続ピン1bとの間に接続部1cが形成され、接続部1cの接続ピン1bに近い部分が折り曲げられて折り曲げ部1dが形成され、折り曲げ部1dがプラスチック本体4内に埋設されている。全ての分岐21の接続部1cは、同一の第1の水平面(標記せず)内にある。前記プラスチック位置決めブロック3は前記接続ピン1bの外周に射出成形されるとともに、前記接続ピン1bの前記接続面を露出させ、前記プラスチック本体4は前記プラスチック位置決めブロック3を収納する位置決め穴を形成し、位置決め穴は第一位置決め穴111及び第二位置決め穴112を含み、前記プラスチック位置決めブロック3の頂面は前記プラスチック本体4に露出している。
【0028】
各電子素子20と電気的に接続する4つの分岐21の折り曲げ部1dのそれぞれは、全ての接続ピン1bが第2の水平面(標記せず)内に位置するように接続部1cの終端から下向きに折り曲げられており、第2の水平面が第1の水平面よりも低いことにより、電子素子20の接続ピン1bと電気的に接続する接続面を沈み込ませ、さらに、電子素子20が絶縁ベース1の厚さ領域内に収容されることができ、具体的には、電子素子20はコイル10のキャビティ1035内に位置し、且つコイル10のコイル本体105とコイル10の厚さ方向に互いにずれている。電子素子20はプラスチック本体4の第1の凹溝16の頂面に露出されることによってコイル10または他のパーツの取り付け中に損傷を受けることは回避される。各電子素子20と電気的に接続する4つの分岐21の接続ピン1bは、電子素子20の4つの接続ピンとの電気的接続を容易にするために、矩形領域内に二つずつ平行に対向して分布している。
【0029】
図9図11を参照して、各コイル10と電気的に接続する2つの分岐21の折り曲げ部1dのそれぞれは、接続ピン1bが第1の水平面よりも高い他の平面内に位置するように接続部1cの終端から上向きに折り曲げられており、最適実施態様では、コイル10の始端リード線101に電気的に接続されている接続ピン1bの第1の接続ピン11bの接続面は第3の水平面内に位置し、コイルの終端リード線102に電気的に接続されている接続ピン1bの第2の接続ピン12bの接続面は第4の水平面内に位置し、第3の水平面は垂直方向に第4の水平面よりも低く、かつ両者は第1の水平面よりも高い。本実施態様では、第1のコイル分岐221bは第1の接続ピン11bを有し、第2のコイル分岐222cは第2の接続ピン12bを有し、第1のコイル分岐221bの第1の接続ピン11bおよび第2のコイル分岐222cの第2の接続ピン12bはそれぞれ第1のコイル1031の始端リード線101および終端リード線102と電気的に接続するために使用され、第2のコイル分岐222cは第1の接続ピン11bを有し、第5のコイル分岐225hは第2の接続ピン12bを有し、第2のコイル分岐222cの第1の接続ピン11bおよび第5のコイル分岐225hの第2の接続ピン12bはそれぞれ第3のコイル1033の始端リード線101および終端リード線102と電気的に接続するために使用され、第3のコイル分岐223bは第1の接続ピン11bを有し、第4のコイル分岐224cは第2の接続ピン12bを有し、第3のコイル分岐223bの第1の接続ピン11bおよび第4のコイル分岐224cの第2の接続ピン12bはそれぞれ第2のコイル1032の始端リード線101および終端リード線102と電気的に接続するために使用され、第4のコイル分岐224cは第1の接続ピン11bを有し、第6のコイル分岐226hは、第2の接続ピン12bを有し、第4のコイル分岐224cの第1の接続ピン11bおよび第6のコイル分岐226hの第2の接続ピン12bはそれぞれ第4のコイル1034の始端リード線101および終端リード線102と電気的に接続するために使用される。本実施形態では、前記第1の接続ピン11b及び第2の接続ピン12bは、平板状の構造であり、その接続面が水平面形状を呈しているが、もちろん、前記第1の接続ピン11b及び第2の接続ピン12bは、凸包構造又は凹み構造に設けられてもよく、そうすると、その接続面が弧面形状を呈している。
【0030】
各コイル10の始端リード線101と終端リード線102に対応する接続ピン1bは、コイル10の対向する両端にそれぞれ設けられており、かつ両者を結ぶ線は側面13の長手方向と平行である。隣接する2つのコイル10の一方のコイル10の始端リード線101と他方のコイル10の終端リード線102の2つの接続ピン1bは隣接し間隔をおいて設置されており、両者はともに凸部17とコーナー15との間に形成された2つのサブ取り付け領域の間のコイル溶接領域(符号なし)内にある。
【0031】
図3図8および図10図14を参照して、接続ピン1bを正確に位置決めして後続の接続ピン1bとコイル10および電子素子20との電気的接続を容易にするために、金属回路2がプラスチック本体4に射出成形される前に、全ての接続ピン1bの外周に予め一次射出成形手段によってプラスチック位置決めブロック3が成形される。本実施態様では、プラスチック位置決めブロック3は、第1のプラスチックブロック31および第2のプラスチックブロック32の2種類を含む。第1のプラスチックブロック31は、隣接する2つのコイル10の第1の接続ピン11bと第2の接続ピン12b、および隣接位置にある電子素子20の4つの接続ピン1bを位置決めするために射出成形される。第2のプラスチックブロック32は、隣接する2つのコイル10の第1の接続ピン11bおよび第2の接続ピン12bのみを位置決めするために射出成形される。
【0032】
第1のプラスチックブロック31には、スペーサ型コイル接続部321が設けられ、コイル接続部321には、第1の接続ブロック312と第2の接続ブロック313を形成するように第1の段差部311が設けられており、第1の段差部311は、第1の接続ピン
11bと第2の接続ピン12bとの間の位置に設けられ、かつその延びる方向が側面13の長手方向に対して一定の角度をなし、第1の接続ブロック312の頂面の垂直方向の高さが第2の接続ブロック313の頂面よりも低い。第1の接続ブロック312と第2の接続ブロック313には、対応する第1の接続ピン11bと第2の接続ピン12bを収容するために頂面から溶接溝3121が凹設されており、第1の接続ピン11bと第2の接続ピン12bの頂面は前記第1の接続ブロック312の頂面と第2の接続ブロック313の頂面に露出してコイル10のリード線との電気的接続を実現する。第1の接続ピン11bおよび第2の接続ピン12bの接続面は、それぞれ第1の接続ブロック312の頂面および第2の接続ブロック313の頂面と面一となっている。第1の接続ピン11bおよび第2の接続ピン12bと始端リード線101および終端リード線102を溶接する前に、それらに対して互いに溶接固定しやすいために、いずれも予めスズはんだを施しており、溶接する時に、第1の接続ピン11bおよび第2の接続ピン12bを覆う第1の接続ブロック312および第2の接続ブロック313の間に第1の段差部311を形成し、第1の段差部311によって、第1の接続ピン11bおよび第2の接続ピン12bの溶接に使用されるスズはんだは分離されて、溶接後の短絡の発生が防止される。他の実施形態では、前記第1の接続ピン11bおよび第2の接続ピン12bの接続面は、対応する第1の接続ブロック312および第2の接続ブロック313よりも低くてもよく、このような沈み込んでいる接続面によって、スズはんだの集まりを容易にすることができる。
【0033】
第2のプラスチックブロック32には、間隔をおいて配置されたコイル接続部321と電子素子接続部322が設けられており、かつ両方が接続構造323を介して連なっている。電子素子接続部322には、第2のプラスチックブロック32の頂面から下向きに凹んだ収容室324が形成されており、電子素子20と電気的に接続する4つの接続ピン1bの頂面が収容室324の底面に露出して、電子素子20の溶接ピンとの電気的接続を実現し、電子素子20の4つの壁と収容室324との間には隙間(符号なし)が残されている。電子素子20の高さが収容室324の高さよりも低いことによって、電子素子20は第2のプラスチックブロック32の頂面に露出されることによって後続のプロセスに損傷を受けることは回避される。第2の接続ブロック313の頂面は、電子素子接続部322の頂面と面一となっている。
【0034】
図3及び図6を参照して、第1のプラスチックブロック31、第2のプラスチックブロック32及び金属回路2には、二次射出成形手段によりプラスチック本体4が成形され、金属回路2の接続部1c及び折り曲げ部1dがプラスチック本体4の内部に射出成形され、かつピン1aがプラスチック本体4の外側に露出している。プラスチック本体4には、2つの第1のプラスチックブロック31のコイル接続部321に対応して第1の位置決め孔111が形成され、2つの第2のプラスチックブロック32の電子素子接続部322に対応して第2の位置決め孔112が形成されている。第1のプラスチックブロック31及び第2のプラスチックブロック32の第2の接続ブロック313、電子素子接続部322の頂面は、プラスチック本体4の頂面11と面一となっている。第1のプラスチックブロック31および第2のプラスチックブロック32のコイル接続部321は、プラスチック本体4のコイル溶接領域に位置決めされ、第2のプラスチックブロック32の電子素子接続部322は、コイル10の底側に位置し、かつ収容室324は、コイル10の2つの位置決めポスト18の間の内部領域に露出している。
【0035】
図6図7図10図14を参照して、金属回路2およびプラスチック位置決めブロック3にプラスチック本体4が射出成形された後、コイル10は、対応する第1の凹溝16内の位置決めポスト18に位置決めされ、この場合、コイル10の底側面は、プラスチック本体4の第1の凹溝16の底面に配置され、そして接着剤によって相互間に隙間がないように貼り付けられて固定される。従来技術では、コイル10の始端リード線101がコイル10の内輪リード線から外輪リード線に跨がって、かつコイル10の最下方に単独
で存在するため、始端リード線101がコイル10を押し上げ、コイル10が第1の凹溝16の底面に対して傾斜しやすく、傾斜したコイル10がセッティングの不安定を引き起こし、コイル10の取り付け後にぐらつきが発生し、さらにコイル10の取り付け信頼性や電気的安定性に影響を与えていた。そこで、本発明の実施態様では、第1の凹溝16とプラスチック位置決めブロック3の第1の接続ブロック312との間に収容溝(またはノッチ)161を凹設し、収容溝161と第1の凹溝16との間に第2の段差部162が形成され、収容溝161が底面1611、および底面1611と接続する側面1612を含む。位置決めポスト18の側壁の少なくとも一部は、前記収容溝161内に位置する。収容溝161の深さが始端リード線101の厚さ以上であることにより、始端リード線101が収容溝161から突出しないことを確保し、さらに、コイル10をプラスチック本体4の頂面11に安定に密着させ、コイル10の平面度と安定性を保証する。
【0036】
コイル10の底側面を第1の凹溝16内に取り付け、かつ第1の凹溝16の底面に当接させると、収容溝161の側面1612は、位置決めポスト18の側壁と面一であり、即ち、位置決めポスト18の側壁の少なくとも一部は、前記収容溝161内に位置し、コイル10の最内輪リード線は、位置決めポスト18の側壁に当接するので、始端リード線101は、収容溝161内に最内輪リード線から外輪リード線に直接引き出され、収容溝161による始端リード線101の完全な収納がより良好に確保され、さらに、コイル10の底側面の第1の凹溝16の底面への貼り付けがより良好に保証される。収容溝161の底面1611が第1の接続ブロック312の頂面と面一に保持されることにより、始端リード線101は同一水平面内で第1の接続ピン11bとの電気的接続を完成することができ、始端リード線101は折り曲げられる必要がなく、電気的接続の後に始端リード線101が破断しにくいことを保証することができる。コイル10の終端リード線102はプラスチックブロック3の頂面に直接に第2の接続ピン12bに電気的に接続され、第1の接続ピン11bと第2の接続ピン12bは垂直方向に高さの差があるため、コイル10の始端リード線101と終端リード線102との間の高さの差を相殺することができ、接続ピン1bと対応するリード線との間の電気的接続距離を短縮し、リード線と接続ピン1bとの間に段差面または折り曲げられた部分が存在しないことを保証し、電気的接続の後のリード線が破断しにくいことを保証することができる。他の実施形態では、収容溝161の底面1611はコイル10の厚さ方向に第1の接続ブロック312の頂面よりも高くてもよく、このようにして、スズはんだを第1の接続ブロック312の頂面に収容して集めることが容易になる。
【0037】
本発明の他の実施態様では、第1の接続ブロック312と始端リード線101とは、同一の収容溝161内に同時に設置されてもよく、すなわち、収容溝161は、始端リード線101を収容するとともに、第1の接続ブロック312を沈み込ませる(すなわち、第1の接続ピン11bに合わせて沈み込ませる)ように機能し、この場合、第1の段差部311と第2の段差部162とは、収容溝161の対向する両側にそれぞれ形成されてもよい。本発明の他の実施態様では、第1の接続ブロック312の頂面は、受容溝161の底面1611と面一であることに限定されるものではなく、底面1611よりも低くても高くてもよい。あるいは、前記プラスチック位置決めブロック3はプラスチック本体4と一体成形され、このようにして、絶縁ベース1に一次射出成形により、対応する第1の接続ブロック312、第2の接続ブロック313を形成することができる。
【0038】
本発明では、コイル10と電気的に接続する2つの分岐21の第1の接続ピン11bと第2の接続ピン12bとの間に垂直方向の高さの差を形成することにより、コイル10の始端リード線101及び終端リード線102の電気的接続の信頼性を効果的に高めることができる。
【0039】
プラスチック本体4は、始端リード線101に対応して設けられた収容溝161により
始端リード線101を収納し、コイル10がプラスチック本体4に取り付けられた後にコイルがぐらつくことを回避することができ、収容溝161の深さは始端リード線101の厚さ以上である。また、収容溝161は、位置決めポスト18の外壁と連通しており、始端リード線101の最内層コイルから最外層コイルへの跨がりを容易にする。
【0040】
本発明では、合計4つのコイル10が設けられており、そのうち、第1のコイル1031と第3のコイル1033とが第2のコイル分岐222cを介して直列に接続され、第2のコイル1032と第4のコイル1034とが第4のコイル分岐224cを介して直列に接続され、これにより、分岐21及び接続ピン1bの配置数を減少し、ベース内部の分岐21の配置スペースを節約することができる。
【0041】
本発明では、プラスチック本体4を射出成形する前に、予め接続ピン1bの外側にプラスチック位置決めブロック3を射出成形し、プラスチック位置決めブロック3で接続ピン1bを正確に位置決めすることにより、接続ピン1bの位置決め誤差を回避する。溶接する時に、第1の接続ピン11bおよび第2の接続ピン12bを覆う第1の接続ブロック312および第2の接続ブロック313の間に第1の段差部311を形成し、第1の段差部311によって、第1の接続ピン11bおよび第2の接続ピン12bの溶接に使用されるスズはんだは分離されて、溶接後の短絡の発生が防止される。
【0042】
本発明における絶縁ベース1のプラスチック本体4には、コイル10を位置決めするための位置決めポスト18が設けられており、位置決めポスト18は、コイル10の内部に位置し、各コイル10内にそれぞれ3つの位置決めポスト18が設けられ、2つの位置決めポスト18の間に電子素子20が配置され、この設置により、コイル10と電子素子20の設置スペースを可能な限り節約することができ、また、プラスチック位置決めブロック3には、電子素子20を収納する収容室324が設けられており、収容室324の深さが電子素子20の厚さよりも大きいことにより、コイル10の取り付け時に電子素子20との接触を防止することができる。
【0043】
本実施形態において、前記コイル10はプラスチック本体4の頂面11の第1の凹溝16内に水平に設置され、前記第1の接続ピン11bと第2の接続ピン12bは絶縁ベース1のプラスチック位置決めブロック3に水平に露出してコイル10に電気的に接続されているが、他の実施形態では、前記コイル10の位置及び設置形態について様々な変更を行ってもよく、例えば、コイル10及びプラスチック位置決めブロック3を垂直平面内に垂直に設置すると共に、第1の接続ピン11bと第2の接続ピン12bをプラスチック位置決めブロック3に垂直に露出させてコイル10と電気的に接続させるようにしてもよく、関連技術について、既に公開された中国発明特許出願CN112994400B、CN112821712B号などを参照することができる。
【0044】
本発明の他の実施形態は、電子機器のカメラモジュールに適用されるコイルが集積された台座を提供し、前記電子機器は、携帯電話、タブレット等の民生用電子機器であり、前記コイルが集積された台座は、ボイスコイルモータの台座等であってもよい。
【0045】
以下、図15図26を参照しながら、本発明の他の実施形態に係るコイルが集積された台座について説明する。
【0046】
図15図18を参照して、前記コイルが集積された台座は絶縁ベース100及び前記絶縁ベース100に設けられた少なくとも一つのコイル200を備え、前記絶縁ベース100は筐型を呈し、具体的には矩形又は正方形を呈してもよく、前記絶縁ベース100には上下面を貫通する透光孔11が設けられ、前記コイル200は前記絶縁ベース100の上面に設けられ、前記絶縁ベース100の下面には、フィルタ(図示せず)が取り付けら
れる取り付け部12が上面の方向に向かって凹設される。好適な実施形態では、前記コイル200の数は4つであってもよく、4つの前記コイル200は前記絶縁ベース100の四周に設置されている。前記コイル200は、始端リード線21と、終端リード線22と、前記始端リード線21と前記終端リード線22との間に接続されているコイル本体20とを備え、図22及び図23も参照されたいが、前記絶縁ベース100には、前記始端リード線21を収容する収容溝10が設けられており、前記収容溝10は、前記コイル本体20の巻回開始位置から延出しているので、前記始端リード線21が前記収容溝10に収納され、さらに前記コイル本体20が前記絶縁ベース100に平らに設置されることになり、コイル200が不安定になるという問題が起こらない。前記収容溝10は、始端リード線21の引き出しを容易にするために、直線状の溝または曲線状の溝であってもよい。さらに、始端リード線21の横断面を収容溝10内に完全に収容するために、前記収容溝10の延びる方向に垂直な方向の幅は前記始端リード線21の幅よりも大きく、かつ前記収容溝10の高さは前記始端リード線21の高さ以上である。
【0047】
前記コイル200は空芯コイルまたは現場巻回コイルであり、前記空芯コイルは予めエナメル線で巻回された空芯コイルであって、前記絶縁ベース100に直接取り付けられることができ、前記現場巻回コイルは実際の需要に応じて一定の長さのエナメル線を直接前記絶縁ベース100に現場巻回して形成されたコイル200であり、前記絶縁ベース100にはさらに前記絶縁ベース100から突出する巻き柱(図示せず)が設けられてもよく、前記巻き柱はコイル200に対して位置決めまたは巻線を整列させる役割を果たす。前記コイル本体20は、最下層から最上層までの多層の巻線を含み、各層の巻線は、最内層から最外層までの多輪の巻線を含み、前記始端リード線21は、コイル本体20の最内層から外側に延びていき、かつ前記コイル本体20の最下層の下方に位置しており、前記終端リード線22は、前記コイル本体20の最外層から外側に延びていき、かつ前記始端リード線21とともに、前記コイル本体20の長手方向の両端または幅方向の両側から外側に延びている。
【0048】
図19に示すように、前記コイルが集積された台座は、前記絶縁ベース100に設けられた金属回路300をさらに備え、前記金属回路300は、前記絶縁ベース100の外側に露出しているピン端部31および接続ピン32を有する複数の分岐30を含み、前記始端リード線21および前記終端リード線22は、前記接続ピン32の少なくとも一部に接続されており、図19に示すコイルが集積された台座において、前記始端リード線21および前記終端リード線22は当然に一部の前記接続ピン32に接続されているが、接続ピン32をより明確に説明するために、前記始端リード線21および前記終端リード線22に接続されている接続ピン32は、接続ピン32bとして定義され、残りの接続ピン32は、接続ピン32aとして定義される。前記始端リード線21及び前記終端リード線22は前記接続ピン32bに接続されることで、前記コイル200に電流が流れて駆動トルクを発生させ、さらに磁石と協働してコイル200の周囲に磁界を発生させる。前記コイルが集積された台座は、前記絶縁ベース100に設けられた電子素子33をさらに備え、前記電子素子33は、他の部分の前記接続ピン32aに接続されており、前記電子素子33は、ホールセンサ素子(ホール効果センサ)またはホールセンサ素子が集積された集積回路(Integrated Circuit、ICと略称する)であり、磁界内の磁束を測定するために用いられ、さらに、コイル200内の電流の大きさを制御することにより、コイルが集積された台座が適用されたカメラモジュール内のレンズをより正確に移動させることができる。前記絶縁ベース100には、前記電子素子33を収納する受け溝13が設けられており、前記電子素子33と接続する前記接続ピン32aは、前記受け溝13に露出しており、前記コイル本体20は、前記受け溝13の四周を取り囲んでいる。
【0049】
図17に示すように、前記絶縁ベース100には、前記コイル200を載置するための第1の凹溝16が設けられ、前記絶縁ベース100には、さらに、前記始端リード線21
及び前記終端リード線22と接続する前記接続ピン32bを収納するための収納部15が設けられており、前記収納部15は、前記接続ピン32bの位置に対応して前記第1の凹溝16の端部及び/又は側部に設けられ、前記収容溝10は、前記始端リード線21に対応する前記収納部15に向かって延びている。具体的には、前記第1の凹溝16は前記絶縁ベース100に凹んだノッチであり、前記収容溝10は、前記ノッチの底壁140からさらに凹んで形成され、前記収納部15は前記絶縁ベース100に凹んだスロットであり、かつ前記スロットの深さが前記ノッチよりも大きいことにより、前記始端リード線21および前記終端リード線22と前記接続ピン32bとの間にスズはんだ、導電ペーストなどの電気的に接続可能な材料を設置することが容易になる。
【0050】
前記第1の凹溝16と前記接続ピン32bとの間には高さの差があり、前記コイル本体20から延出している前記始端リード線21及び前記終端リード線22が前記接続ピン32bに接続される際に、始端リード線21及び終端リード線22が過度に引っ張られて破断する現象が発生し易く、コイル200と金属回路300との緊密的な接続は不可能となる状況に鑑みて、図18図23に示すように、前記第1の凹溝16と前記収納部15との間に、前記始端リード線21及び前記終端リード線22をさらに支持するためのリード線溝14が形成され、リード線溝14がない場合に比べて少ない力で前記始端リード線21及び終端リード線22を前記接続ピン32bに押すことができ、前記始端リード線21及び前記終端リード線22が過大な力を受けて過度に引っ張られてしまうことは回避され、さらに、前記第1の凹溝16と前記接続ピン32bとの間の高さの差に起因して前記始端リード線21及び前記終端リード線22が過度に引っ張られて破断することは回避される。そして、前記収容溝10は、前記始端リード線21に対応する前記リード線溝14まで延びて当該リード線溝14と連通しており、前記収納部15に現れる前記スロットも前記リード線溝14と連通しており、前記始端リード線21は、前記対応する収容溝10を通って前記リード線溝14に至り、その後前記スロットに至り、前記終端リード線22は、対応する前記リード線溝14を通って前記スロットに至る。
【0051】
具体的には、図18に示すように、前記リード線溝14は、前記第1の凹溝16に沿って前記収納部15まで傾斜して延びており、前記傾斜して延びるとは、前記リード線溝14が前記第1の凹溝16に対して傾斜角度で主として傾斜状をしていることを意味する。もちろん、前記リード線溝14と収容溝10または第1の凹溝16とが接続される位置に面取り部17を設けてもよく、前記リード線溝14と前記収納部15とが接続される位置にも面取り部17を設けてもよく、前記面取り部17は直線面取り部または丸み面取り部であってもよく、このようにして、前記リード線溝14が前記第1の凹溝16および前記収納部15との間に円滑に移行し得ることに加えて、前記始端リード線21および前記終端リード線22が面取り部17で折り曲げを緩和させて、破断しやすいという問題を回避することができる。あるいは、他の実施形態では、前記リード線溝14は、前記第1の凹溝16に沿って前記収納部15まで弧形状に延びており、前記弧形状に延びるとは、前記リード線溝14が主に円弧状をしていることを意味し、前記始端リード線21及び前記終端リード線22は、円弧状のリード線溝14に沿って前記収納部15まで延びている。
【0052】
図24に示すように、他の実施形態では、前記始端リード線21および前記終端リード線22はスズはんだによって前記接続ピン32bに接続されることができ、具体的には、前記始端リード線21および前記終端リード線22と対応する接続ピン32bとの接続位置にはスズはんだ層34が設けられており、接続ピン32b、始端リード線21及び終端リード線22のそれぞれの対応する箇所に予めスズはんだ層34を塗布し、リフロー炉によって加熱し、始端リード線21及び終端リード線22と接続ピン32bとを緊密に接続させることができ、前記収納部15に現れるスロットにも、前記始端リード線21及び前記終端リード線22が移動することを防止するために、前記始端リード線21及び前記終端リード線22を固定するための接着層を設けてもよく、すなわち始端リード線21及び
終端リード線22と対応する接続ピン32bとが溶接された後、収納部15内に接着剤を注入して接着層を形成する。
【0053】
前記終端リード線22がコイル本体20の最上層から延出しており、前記終端リード線22における比較的長い部分が浮いている状態になるので、さらに他の実施形態では、図25及び図26に示すように、前記絶縁ベース100は、前記終端リード線22を位置決めし支持するために、前記終端リード線22の位置に対応して上方に伸びだす突出部18が設けられ、前記突出部18には位置決め溝19が凹設され、前記終端リード線22を前記位置決め溝19に配置し、前記収納部15まで前記位置決め溝19を貫通させることにより、終端リード線22ががたつくことや、コイル200の最外層から下方に落下することを防止する。
【0054】
以上の説明をまとめて、本発明のコイルが集積された台座は、前記絶縁ベース100に、前記始端リード線21を収容する収容溝161、10を設け、かつ前記収容溝161、10が前記コイル本体105、20の巻回開始位置から延出していることにより、前記始端リード線21が前記コイル本体105、20の底部に設けられていても、前記始端リード線21が前記コイル本体105、20の安定性を損なうことがなく、コイル本体105、20はぐらつきにくくなる。
【0055】
最後に、以上の実施形態は、本発明の技術方案を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではなく、上記の実施形態を参照して本発明を詳細に説明しているが、当業者であれば、上記の実施形態に記載された技術方案を修正することや、それらの技術的特徴の一部または全部を同等に置き換えることも依然として可能であり、これらの修正または置換は、対応する技術方案の本質を本発明の実施形態の技術方案の範囲から逸脱させるものではないことを理解すべきである。
【0056】
以上に述べたのは、本発明の一部の実施態様に過ぎず、すべての実施態様ではなく、当業者が本発明の明細書を読むことによって本発明の技術方案に対して行ういかなる同等の変更は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【手続補正書】
【提出日】2023-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ベースと、前記絶縁ベースの内に埋設された金属回路と、前記絶縁ベースに固定され、且つ前記金属回路に電気的に接続されているコイルとを備え、前記コイルは、始端リード線と、終端リード線と、前記始端リード線と前記終端リード線との間に接続されているコイル本体とを備え、そのうち、前記絶縁ベースには、前記始端リード線を収容する収容溝が設けられ、前記収容溝は、前記コイル本体の巻回開始位置から延出している、コイルが集積された台座。
【請求項2】
前記終端リード線の引き出し位置は前記コイルの厚さ方向に前記始端リード線の引き出し位置よりも高く、前記金属回路は若干の分岐を有し、前記若干の分岐はいずれも前記絶縁ベースに設けられた接続ピンを含み、前記接続ピンは、前記始端リード線に電気的に接続されている第1の接続ピンと、前記終端リード線に電気的に接続されている第2の接続ピンとを含む、請求項1に記載のコイルが集積された台座。
【請求項3】
前記第1の接続ピンおよび前記第2の接続ピンのそれぞれには、対応する前記始端リード線、前記終端リード線と電気的に接続する接続面が設けられ、前記第1の接続ピンは前記コイルの厚み方向に前記第2の接続ピンよりも低く、前記第2の接続ピンの前記接続面は前記コイルの厚み方向に前記第1の接続ピンの前記接続面よりも高い、請求項2に記載のコイルが集積された台座。
【請求項4】
前記始端リード線と前記終端リード線とは、前記コイルの対向する両側にそれぞれ設けられ、前記第1の接続ピンと前記第2の接続ピンとは、前記コイルの対向する両側にある前記絶縁ベースにそれぞれ露出している、請求項2に記載のコイルが集積された台座。
【請求項5】
前記収容溝の延在方向に垂直な方向の幅は、前記始端リード線の幅よりも大きく、且つ前記収容溝の高さは、前記始端リード線の高さ以上である、請求項2に記載のコイルが集積された台座。
【請求項6】
前記収容溝は、底面と側面とを有し、前記収容溝の前記底面は前記コイルの厚さ方向に前記第1の接続ピンよりも高くなっているか、または面一になっている、請求項に記載
のコイルが集積された台座。
【請求項7】
前記絶縁ベースには、少なくとも2つの位置決めポストが間隔をおいて突設されており、前記コイルは、巻き回された空芯コイルであり、少なくとも2つの前記位置決めポストの外側に外嵌され、少なくとも2つの前記位置決めポストは、それぞれ、前記コイルの対向する両端に位置し、前記始端リード線に近い前記位置決めポストの側壁の少なくとも一部は、前記収容溝内に位置する、請求項に記載のコイルが集積された台座。
【請求項8】
前記絶縁ベースは、一次射出成形されたプラスチック位置決めブロックと、前記プラスチック位置決めブロック及び前記金属回路に二次射出成形されたプラスチック本体とを備え、前記プラスチック位置決めブロックは、前記接続ピンの外周に射出成形されるとともに、前記接続ピンの前記接続面を露出させ、前記プラスチック本体は、前記プラスチック位置決めブロックを収納する位置決め穴を形成し、前記プラスチック位置決めブロックの頂面は、前記プラスチック本体に露出している、請求項に記載のコイルが集積された台座。
【請求項9】
前記コイルが集積された台座は、間隔をおいて設置された少なくとも2つの前記コイルをさらに備え、隣接する2つの前記コイルの間の前記終端リード線と前記始端リード線が近くて設置され、前記終端リード線および前記始端リード線に対応する前記第2の接続ピンおよび前記第1の接続ピンは、1つの前記プラスチック位置決めブロックを共有する、請求項に記載のコイルが集積された台座。
【請求項10】
前記プラスチック位置決めブロックは、コイル接続部を含み、前記コイル接続部は、第1の接続ブロックと、第2の接続ブロックと、前記第1の接続ブロックと前記第2の接続ブロックとの間に形成された第1の段差部とを備え、前記第1の接続ブロックは前記コイルの厚さ方向に前記第2の接続ブロックよりも低く、前記第1の接続ピンの前記接続面は、前記第1の接続ブロックに露出し、前記第2の接続ピンの前記接続面は、前記第2の接続ブロックに露出し、前記収容溝の底面は前記コイルの厚さ方向に前記第1の接続ブロックの頂面よりも高くなっているか、または面一になっている、請求項に記載のコイルが集積された台座。
【請求項11】
前記絶縁ベースには、前記コイル毎に対応してそのコイルを収容する第1の凹溝が凹設され、前記コイルの底面は前記第1の溝の底面に当接し、前記収容溝の底面と前記第1の凹溝の底面との間には第2の段差部が形成され、前記第2の接続ブロックの頂面は前記第1の凹溝の底面と面一となっている、請求項10に記載のコイルが集積された台座。
【請求項12】
少なくとも2つの前記コイルが、互いに対向して設置され、且つ互いに直列に接続されている第1のコイル及び第3のコイルを含み、前記分岐が、少なくとも第1のコイル分岐、第2のコイル分岐、及び第5のコイル分岐を含み、前記第1のコイル分岐及び前記第5のコイル分岐のぞれぞれは前記絶縁ベースの外側に露出しているピンを含み、前記第1のコイル分岐の一端が、前記ピンを含み、他端が、前記第1の接続ピンを含み、前記第2のコイル分岐の一端が、前記第2の接続ピンを含み、他端が、前記第1の接続ピンを含み、前記第5のコイル分岐の一端が、前記ピンを含み、他端が、前記第2の接続ピンを含み、前記第1のコイルの前記始端リード線が前記第1のコイル分岐の前記第1の接続ピンに接続され、かつ前記終端リード線が前記第2のコイル分岐の前記第2の接続ピンに接続され、前記第3のコイルの始端リード線が前記第2のコイル分岐の前記第1の接続ピンに接続され、かつ前記終端リード線が前記第5のコイル分岐の前記第2の接続ピンに接続されている、請求項に記載のコイルが集積された台座。
【請求項13】
前記コイルが集積された台座は、間隔をおいて設置された前記第1のコイル、前記第2
のコイル、第3のコイル、および第4のコイルという4つの前記コイルを備え、前記分岐は、第3のコイル分岐、第4のコイル分岐および第6のコイル分岐をさらに含み、前記第1のコイル分岐、前記第5のコイル分岐、前記第3のコイル分岐および前記第6のコイル分岐のぞれぞれは前記絶縁ベースの外側に露出している前記ピンを含み、前記第3のコイル分岐の一端が、前記ピンを含み、他端が、前記第1の接続ピンを含み、前記第4のコイル分岐の一端が、前記第2の接続ピンを含み、他端が、前記第1の接続ピンを含み、前記第6のコイル分岐の一端が、前記ピンを含み、他端が、前記第2の接続ピンを含み、前記第2のコイルと前記第4のコイルとが互いに対向して設置され、且つ互いに直列に接続されており、前記第2のコイルの前記始端リード線が前記第3のコイル分岐の前記第1の接続ピンに接続され、かつ前記終端リード線が前記第4のコイル分岐の前記第2の接続ピンに接続され、前記第4のコイルの始端リード線が前記第4のコイル分岐の前記第1の接続ピンに接続され、かつ前記終端リード線が前記第6のコイル分岐の前記第2の接続ピンに接続されている、請求項1に記載のコイルが集積された台座。
【請求項14】
前記絶縁ベースは、頂面と、前記頂面に対向する底面とを備え、前記コイルは、前記頂面に水平に設置され、前記接続ピンは、前記頂面に露出している、請求項1に記載のコイルが集積された台座。
【請求項15】
前記コイルが集積された台座は、4つの側面と、前記頂面よび前記底面を貫通する貫通孔とをさらに備え、前記貫通孔は環状内壁を形成し、前記環状内壁と前記側面との間が取り付け領域となり、前記取り付け領域には前記コイルに対応して4つのサブ取り付け領域が設けられ、各前記コイルは前記側面の長手方向に位置決めされ、前記コイル接続部は、隣接する2つの前記サブ取り付け領域の間に位置する、請求項1に記載のコイルが集積された台座。
【請求項16】
コイルが集積された台座は、前記絶縁ベースに設けられ、且つ前記金属回路と電気的に接続されている電子素子をさらに備え、前記電子素子は前記コイル接続部に近くて設置され、前記プラスチック位置決めブロックは、電子素子接続部と、前記コイル接続部と前記電子素子接続部との間に接続されている接続構造とを備え、前記電子素子と電気的に接続する前記接続ピンは前記接続面を有し、前記電子素子と電気的に接続する前記接続ピンの前記接続面は前記電子素子接続部に露出しており、前記電子素子接続部の頂面は前記第2の接続ブロックの頂面と面一となっている、請求項1に記載のコイルが集積された台座。
【請求項17】
前記電子素子接続部の頂面には収容室が凹設され、前記電子素子と電気的に接続する前記接続ピンが前記収容室の底面に露出しており、前記電子素子と前記接続ピンとが前記収容室内で電気的に接続され、前記電子素子接続部の頂面が前記コイルの厚み方向に前記電子素子の頂面よりも高い、請求項1に記載のコイルが集積された台座。
【請求項18】
前記分岐における前記ピンと前記接続ピンとの間および前記第1の接続ピンと前記第2の接続ピンとの間にはいずれも接続部が形成され、前記接続部の前記接続ピン、前記第1の接続ピンおよび前記第2の接続ピンに近い部分はいずれも折り曲げられて折り曲げ部が形成され、前記接続部はいずれも同一の第1の水平面に位置し、前記コイルと電気的に接続する前記分岐の前記折り曲げ部は前記接続部から前記コイルの厚さ方向に上向きに折り曲げられ、前記第1の接続ピンの前記接続面および前記第2の接続ピンの前記接続面はいずれも前記第1の水平面よりも高く、前記電子素子と電気的に接続する前記分岐の前記折り曲げ部は前記接続部から前記コイルの厚さ方向に下向きに折り曲げられ、前記電子素子と電気的に接続する前記接続ピンの前記接続面はいずれも前記第1の水平面よりも低く、かつ前記電子素子の頂面は前記第2の接続ピンの前記接続面よりも低い、請求項1に記載のコイルが集積された台座。
【請求項19】
前記コイルの前記コイル本体にはキャビティが形成されており、前記電子素子は、前記コイルの前記キャビティ内に位置し、前記コイルの厚さ方向に前記コイル本体と互いにずれている、請求項1に記載のコイルが集積された台座。
【請求項20】
前記電子素子は、ホールセンサ素子、またはホールセンサ素子が集積された集積回路である、請求項1に記載のコイルが集積された台座。
【請求項21】
前記絶縁ベースには、前記始端リード線及び前記終端リード線と接続する前記第1の接続ピン及び前記第2の接続ピンを収納する収納部がさらに設けられ、前記絶縁ベースには、前記コイルを載置するための載置部が設けられ、前記収納部は、前記載置部の端部及び/又は側部に設けられ、前記収容溝は、前記始端リード線に対応する前記収納部に向かって延びていることを特徴とする請求項に記載のコイルが集積された台座
【請求項22】
前記載置部と前記収納部との間には、前記載置部に沿って前記収納部まで傾斜して延びるか、または前記載置部に沿って前記収容部まで弧形状に延びるリード線溝が形成されている、請求項2に記載のコイルが集積された台座。
【請求項23】
前記収容溝は、前記始端リード線に対応する前記リード線溝まで延びて、前記リード線溝と連通している、請求項2に記載のコイルが集積された台座。
【請求項24】
前記リード線溝と前記収容溝または前記載置部とを接続する位置に面取り部が設けられている、請求項2に記載のコイルが集積された台座。
【請求項25】
前記収容溝は、前記載置部の底面からさらに凹んで形成され、前記収納部は、前記絶縁ベースに凹んだスロットであり、前記スロットは、前記リード線溝と連通していることを特徴とする請求項2に記載のコイルが集積された台座
【請求項26】
前記始端リード線および前記終端リード線と対応する前記接続ピンとを接続する位置にスズハンダ層が設けられ、前記スロットには前記始端リード線および前記終端リード線を固定するための接着層が設けられている、請求項2に記載のコイルが集積された台座。
【請求項27】
前記絶縁ベースには、前記終端リード線に対応する位置に突出部が設けられ、前記突出部には位置決め溝が凹設され、前記終端リード線は前記位置決め溝に配置される、請求項1に記載のコイルが集積された台座。
【請求項28】
請求項1から20のいずれか一項に記載のコイルが集積された台座と、前記コイルが集積された台座の上方に位置するケーシングと、前記ケーシングに収納された可動モジュールとを備え、前記可動モジュールは、コイルと協働する磁気素子を含む、モータ。
【請求項29】
前記コイルは、前記可動モジュールを押圧して移動させる押圧コイル、前記可動モジュールの振れを防止する機能コイル、または前記モータの動作を制御する制動コイルである、請求項2に記載のモータ。
【国際調査報告】