IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴェルスニ ホールディング ビー ヴィの特許一覧

特表2024-518870掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体供給
<>
  • 特表-掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体供給 図1
  • 特表-掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体供給 図2
  • 特表-掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体供給 図3
  • 特表-掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体供給 図4
  • 特表-掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体供給 図5
  • 特表-掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体供給 図6
  • 特表-掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体供給 図7
  • 特表-掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体供給 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体供給
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
A47L9/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556490
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 EP2022056362
(87)【国際公開番号】W WO2022194706
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】21163065.2
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523393508
【氏名又は名称】ヴェルスニ ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ブラダ イペ ベルナルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】エスピン フランコ フェルミン
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA18
3B061AD05
3B061AD06
(57)【要約】
真空掃除のコンテキストにおいて、吸引ヘッド101が提供される。この吸引ヘッドは、真空掃除機の空気吸引源に結合可能である筐体30と、筐体30内に実質的に平行に配置された2つのブラシ20とを含み、各ブラシ20は回転軸21の周りを回転可能で、掃除する表面10と相互作用する。吸引ヘッド101は、更に、湿潤装置42を備え、湿潤装置は、少なくとも1つの液体供給位置から掃除する表面10の少なくとも1つの領域への液体の直接供給を可能にする。少なくとも1つの液体供給位置は、ブラシ20間の領域24及びブラシ20の回転軸21のレベル又は表面レベルに近いレベルにある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除機に適用され、表面上で掃除作用を実行する吸引ヘッドであって、
前記吸引ヘッドは、筐体であって、前記真空掃除機の空気吸引源への前記筐体の結合を可能にする結合領域を有する、筐体と、
前記筐体内で実質的に平行に配置された2つのブラシであって、各ブラシは回転軸の周りを回転可能で、掃除する前記表面と相互作用する、2つのブラシと、
少なくとも1つの液体供給位置から掃除する前記表面の少なくとも1つの領域への液体の直接供給を可能にする湿潤装置であって、前記少なくとも1つの液体供給位置は、前記ブラシ間の領域及び前記ブラシの前記回転軸のレベル又は表面レベルに近いレベルにある、湿潤装置とを含む、吸引ヘッド。
【請求項2】
前記少なくとも1つの液体供給位置は、掃除する前記表面に対して少なくとも2mm、最大で6mmの距離で前記表面に面した前記吸引ヘッドの底部表面部分にある、請求項1に記載の吸引ヘッド。
【請求項3】
前記湿潤装置は、前記ブラシの前記回転軸が延在する方向において前記吸引ヘッドに分布した少なくとも2つの液体供給位置からの液体の直接供給を可能にする、請求項1又は2に記載の吸引ヘッド。
【請求項4】
前記ブラシ間の領域にあり、任意選択で前記ブラシの一部を覆う2つの部分を含む細長い中間構成要素を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の吸引ヘッド。
【請求項5】
前記細長い中間構成要素は、前記細長い中間構成要素の上側の位置で、前記筐体の一部から懸架されている、請求項4に記載の吸引ヘッド。
【請求項6】
前記少なくとも1つの液体供給位置は、掃除する前記表面に面した前記細長い中間構成要素の底部表面部分にある、請求項4又は5に記載の吸引ヘッド。
【請求項7】
前記湿潤装置は、液体を輸送し、前記少なくとも1つの液体供給位置で液体を放出する導管システムを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の吸引ヘッド。
【請求項8】
前記導管システムは、前記細長い中間構成要素を通って延在する少なくとも1つの導管を含む、請求項6に従属する請求項7に記載の吸引ヘッド。
【請求項9】
前記導管システムは、少なくとも1つの主導管と、前記少なくとも1つの主導管に結合され、前記少なくとも1つの主導管から前記少なくとも1つの液体供給位置に向かって延在する少なくとも1つの分岐導管とを含む、請求項7又は8に記載の吸引ヘッド。
【請求項10】
前記少なくとも1つの主導管及び前記少なくとも1つの分岐導管と流体連結する制限要素を含み、前記制限要素には、液体が前記少なくとも1つの主導管から前記少なくとも1つの分岐導管に向かう方向に通過することを可能にする制限開口部が設けられ、前記制限要素又は前記制限要素が含まれる構成要素のアセンブリは、前記吸引ヘッド内に取り外し可能に配置されている、請求項9に記載の吸引ヘッド。
【請求項11】
前記吸引ヘッドに回転可能に配置され、掃除する前記表面に接触するようにされている少なくとも1つのホイールを含み、前記湿潤装置は、更に、前記少なくとも1つのホイールへの液体の直接供給を可能にする、請求項1から10のいずれか一項に記載の吸引ヘッド。
【請求項12】
前記湿潤装置は、前記少なくとも1つのホイールの外側から、前記少なくとも1つのホイールのトレッドの位置での前記少なくとも1つのホイールへの液体の直接供給を可能にする、請求項11に記載の吸引ヘッド。
【請求項13】
前記少なくとも1つのホイールは、前記吸引ヘッドの作動中に、回転している前記ブラシが前記少なくとも1つのホイールと相互作用できるように配置されている、請求項11又は12に記載の吸引ヘッド。
【請求項14】
前記少なくとも1つのホイールは、前記ブラシ間の領域にある、請求項11から13のいずれか一項に記載の吸引ヘッド。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の吸引ヘッドを含む、コードレス真空掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空掃除機に適用され、表面上で掃除作用を実行する吸引ヘッドに関し、吸引ヘッドは、筐体であって、真空掃除機の空気吸引源への筐体の結合を可能にする結合領域を有する、筐体と、筐体内で実質的に平行に配置された2つのブラシであって、各ブラシは回転軸の周りを回転可能で、掃除する表面と相互作用する、2つのブラシとを含む。
【0002】
更に、本発明は、上記の吸引ヘッドを含むコードレス真空掃除機に関する。
【背景技術】
【0003】
真空掃除機は掃除する表面から汚れを除去するためのものであることが知られている。この本文で使用される「汚れ」という用語は、表面にあって、真空掃除作用の影響下で(場合によっては、モップがけといった別の掃除作用と組み合わされて)除去可能であり得る任意の汚染物質を対象にしていると理解されるべきである。この点で、実例としては、埃やあらゆる種類の小粒子、また、こぼれた飲料などの湿った種類の汚染物質が挙げられる。掃除する表面の実例は床であり、床は木の床、カーペットの床、タイルの床など、あらゆる種類のものであり得る。
【0004】
一般に、真空掃除機には真空掃除機ヘッド又は吸引ヘッドがある。ヘッドは、掃除する表面から汚れを拾う実際のプロセスが行われ、したがって、表面上に又は少なくともその近くに置かれる真空掃除機の一部である。更に、真空掃除機は、通常、汚れ蓄積領域を含む本体部分と、真空掃除機の動作中に吸引力が吸引ヘッド内に行き渡るように吸引ヘッドに作用する装置とを含む。吸引力は、真空掃除機の動作中に表面から拾われた汚れの汚れ蓄積領域への輸送を促進するのに役立ち、汚れは吸引ヘッドの筐体の出口開口部を通過する。吸引力はまた、表面から汚れを拾う実際のプロセスにおける機能を有していてもよい。一方、吸引ヘッドには、汚れのかくはん機として機能し、特に表面から汚れを取り外し、それを出口開口部に向けるのに役立つ少なくとも1つの回転式ブラシなど、汚れを拾うために表面と相互作用する少なくとも1つの可動式構成要素を備えている場合がある。
【0005】
国際特許公開WO2011/083373A1は、作業液の液滴を噴霧する噴霧手段、可撓性のあるブラシ要素を有する回転式ブラシ、粒子を含んだ空気などの汚れた空気を受け取る入口、及び洗浄ユニットを含む、表面から粒子を除去する掃除デバイスを開示している。洗浄ユニットは、作業液の液滴の少なくとも一部を空気から分離するのに適している。作動中、回転式ブラシは作業液で湿潤される。ブラシは、作業液の液滴が可撓性のあるブラシ要素からデバイスの合体空間の中に液滴の霧として排出されるような寸法であり、そのような回転速度で回転される。入口で受け取った汚れた空気を合体空間で受け取ることができ、ブラシ要素から排出される液滴の合体粒子で汚れた空気中の粒子を形成し、合体粒子は合体空間から洗浄ユニットに搬送される。
【0006】
国際特許公開2012/107876A1は、掃除する表面に向く開放側面を有するヘッドと、ヘッド内で回転可能に配置されている、掃除する表面に接触する少なくとも1つのブラシとを含む掃除デバイスを開示している。少なくとも1つのブラシには複数のブラシ毛が設けられており、これらのブラシ毛が非常に柔らかく可撓性があることが可能である。このような場合、表面の掃除作用は表面をこすることによって行われるのではなく、ブラシの回転中にブラシ毛を表面に対して交互に接触させたり、接触を外したりすることで行われる。特に、ブラシの1回転中に、ブラシ毛は、汚れた表面から粒子及び/又は液体の液滴を除去し、表面に接触しておらず、完全に伸ばすことができる位置に達すると、粒子及び/又は液滴を飛ばす。ブラシが配置されている掃除デバイスのヘッドには、粒子及び/又は液滴を受け取り、場合によっては粒子及び/又は液滴を収集空間に輸送する手段がある。掃除デバイスには、ブラシ毛から放出さされると粒子及び/又は液滴を所望の方向に向けるために、ヘッドに吸引力を実現する手段が具備されている。更に、ブラシ毛への粒子の付着を促進し、及び/又は掃除する表面に追加の掃除効果を実現するために、掃除デバイスが回転ブラシに掃除液を供給することが可能である。
【0007】
国際特許公開2017/071727A1は、真空抽出ゾーンを有する筐体と、掃除する表面に対して置かれる第1及び第2のローラーとを含む真空掃除機ヘッドを開示している。第1及び第2のローラーの各々は、作動中に回転して表面上を移動すると、表面から汚れを拾い上げ、真空掃除機ヘッドの筐体内の真空抽出ゾーンに汚れを運ぶ。真空抽出ゾーンは、出口開口部と第1及び第2のローラーとの間に画定される。この真空掃除機ヘッドが真空掃除機に使用され、真空掃除機を作動させると、真空抽出ゾーンを通って出口開口部への気流が発生する。真空掃除機ヘッドは更に、掃除する表面上に液体を分配する液体ディスペンサを含み、真空掃除機ヘッドは更に、第1及び第2のローラーのうちの少なくとも1つに液体を分配する液体ディスペンサを含んでいてもよい。したがって、掃除する表面を湿らせて、表面からのデトリタスの除去を促進できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般に、本発明は、表面上で行われた真空掃除作用の良好な掃除結果を達成することを目的とした手段を提供することを目的とする。更に、本発明は、吸引ヘッドの汚染を防止することを目的とした手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の内容に鑑みて、本発明は、真空掃除機に適用され、表面上で掃除作用を実行する吸引ヘッドを提供する。この吸引ヘッドは、筐体であって、真空掃除機の空気吸引源への筐体の結合を可能にする結合領域を有する、筐体と、筐体内で実質的に平行に配置された2つのブラシであって、各ブラシは回転軸の周りを回転可能で、掃除する表面と相互作用する、2つのブラシと、少なくとも1つの液体供給位置から掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体の直接供給を可能にする湿潤装置であって、少なくとも1つの液体供給位置は、ブラシ間の領域及びブラシの回転軸のレベル又は表面レベルに近いレベルにある、湿潤装置とを含む。
【0010】
本発明による吸引ヘッドの上記の定義から、本発明は、少なくとも1つの液体供給位置から掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体の直接供給を可能にする湿潤装置を吸引ヘッドに備えさせることを伴い、少なくとも1つの液体供給位置は、ブラシ間の領域及びブラシの回転軸のレベル又は表面レベルに近いレベルにあるように選択されるということになる。このようにして、表面への接触を通じてブラシが間接的に湿潤され、ブラシへの液体の直接供給を必要としない(ただし、これは、本発明のコンテキストにおいて除外されるものではない)制御されたやり方で、掃除する表面が湿潤されることが達成される。通常、吸引ヘッドは、掃除する表面上を使用者によって前後に動かされるので、ブラシ間の位置に液体供給源があることは、両方のブラシを湿潤状態にするのに十分効果的である。少なくとも1つの液体供給位置が、ブラシの回転軸のレベル又は表面レベルに近いレベルにあることによって、吸引ヘッドの底部側がきれいな液体によって効果的に掃除できる。掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体の直接供給に、吸引ヘッドの少なくとも1つの液体供給位置から少なくとも1つの領域へ向けられる液体の連続的若しくは断続的な流れ、又は液体の噴霧が伴う場合は実用的である。湿潤装置は、吸引ヘッドの既存の設計への追加物として提供できるが、湿潤装置をより統合された形式で提供することも可能である。液体の実例は、水又は水と洗浄剤との混合物である。
【0011】
本発明のコンテキストでは、少なくとも1つの液体供給位置が、掃除する表面に対して少なくとも2mm、最大で6mmの距離で表面に面した吸引ヘッドの底部表面部分にあることが可能である。このようにすると、底部表面部分がブラシ20によって振り飛ばされた汚れ11にさらされることなく、表面張力によって液体が距離を埋めることによって、底部表面部分の掃除効果を得ることができる。底部表面部分をきれいに保つことは、吸引ヘッドの汚染を防止する1つのやり方であり、したがって、掃除する表面への吸引ヘッドのきれいな表面部分の汚染作用がないため、掃除する表面の掃除結果を最適化するのにも役立つ。
【0012】
本発明による吸引ヘッドの実用的な実施形態では、湿潤装置は、ブラシの回転軸が延在する方向において吸引ヘッドに分布した少なくとも2つの液体供給位置からの液体の直接供給を可能にする。上述したように液体供給位置の分布があることは、掃除作用をあまり効果的でないようにする乾いた又はほぼ乾いた領域がない状態でブラシが十分に湿潤されることを達成するための要因である。
【0013】
有利なオプションによれば、吸引ヘッドは、ブラシ間の領域にあり、任意選択でブラシの一部を覆う2つの部分を含む細長い中間構成要素を含む。細長い中間構成要素が、その上側の位置で、供給ヘッドの筐体の一部から懸架されている場合は実用的である。ブラシをできるだけ多く覆うこと(好ましくは非常に近い範囲において)は、吸引ヘッド内で吸引力を効果的に発生させることに関して有益である。細長い中間構成要素は、筐体の統合された部分であっても、例えば修理や掃除を可能とするために、筐体の別の構成要素に取り外し可能に結合される別個の構成要素であってもよい。一方、吸引ヘッド内に細長い中間構成要素があることによって、作動中に1つのブラシがもう1つのブラシを湿潤させる既知のオプションは無効にするが、他方、細長い中間構成要素は、液体供給を容易にし、更に、吸引ヘッドの内部表面の汚染を防止する機能を有する。特に、少なくとも1つの液体供給位置は、掃除する表面に面した細長い中間構成要素の底部表面部分にあることが可能である。細長い中間構成要素のこの底部表面部分が掃除する表面の近くになるように配置されると、即ち、この底部表面部分が、前述したように、掃除する表面に対して少なくとも2mm、最大で6mmの距離で表面に面するように配置されると、この底部表面部分で上記の掃除効果が実現される。
【0014】
湿潤装置が、液体を輸送し、少なくとも1つの液体供給位置で液体を放出する導管システムを含む場合は実用的である。吸引ヘッドが上記の細長い中間構成要素を含む場合、導管システムは、細長い中間構成要素を通って延在する少なくとも1つの導管を含むようにされる。特に、湿潤装置が2つ以上の液体供給位置から掃除する表面の2つ以上の領域への液体の直接供給を可能にする場合、上記の導管システムは、少なくとも1つの主導管と、少なくとも1つの主導管に結合され、少なくとも1つの主導管から少なくとも1つの液体供給位置に向かって延在する少なくとも1つの分岐導管とを含む場合は有利である。この場合、主導管は、ある種の液体の緩衝材及び/又は分配器として機能してもよい。少なくとも1つの主導管から少なくとも1つの分岐導管への液体の流れを制御するために、少なくとも1つの主導管と少なくとも1つの分岐導管との接合部分に制限された液体通路があることが有益である。吸引ヘッドが細長い中間構成要素を含み、導管システムの少なくとも1つの導管が細長い中間構成要素を通って延在するオプションが、導管システムに少なくとも1つの主導管と少なくとも1つの分岐導管とが含まれているオプションと組み合わされる吸引ヘッドの一実施形態では、通常、上記の少なくとも1つの分岐導管が、細長い中間構成要素を通って延在する上記の少なくとも1つの導管である。
【0015】
有利な実施形態では、吸引ヘッドは、少なくとも1つの主導管及び少なくとも1つの分岐導管と流体連結する制限要素を含み、制限要素には、液体が少なくとも1つの主導管から少なくとも1つの分岐導管に向かう方向に通過することを可能にする少なくとも1つの制限開口部が設けられている。この実施形態では、制限要素又は制限要素が含まれる構成要素のアセンブリが、吸引ヘッド内に取り外し可能に配置されている。これにより、制限要素の少なくとも1つの制限開口部の詰まりを回避するために、制限要素を簡単に掃除できる。
【0016】
湿潤装置は、掃除する表面の少なくとも1つの領域に液体を供給すること以外の他の目的に使用できる。例えば、吸引ヘッドに回転可能に配置され、掃除する表面に接触するようにされている少なくとも1つのホイールを吸引ヘッドが含むと仮定すると、湿潤装置は更に、少なくとも1つのホイールへの液体の直接供給を可能にする。このオプションの重要な利点は、少なくとも1つのホイールの掃除が、使用者側の行動を必要とすることなく、また、外部掃除ツールや吸引ヘッドの構成要素を分解するためのツールを必要とすることなく、自動的に行われる点である。したがって、吸引ヘッドの少なくとも1つのホイールをきれいに保つ非常に信頼性の高いやり方が提供され、これにより、少なくとも1つのホイールが掃除結果に影響を及ぼす状況が回避される。特に、湿潤装置は、少なくとも1つのホイールの外側から、少なくとも1つのホイールのトレッドの位置での少なくとも1つのホイールへの液体の直接供給を可能にする。この場合、少なくとも1つのホイールは、単純に従来の設計とし、プラスチックやゴムといった1つ以上の従来の材料から作られることが可能であり、少なくとも1つのホイールは、任意の適切な既知のやり方で吸引ヘッドに取り付けることができる。液体をホイールのトレッド全体に広げることに関しては、ホイールの回転運動を有利に使用できる。少なくとも1つのホイールをきれいに保つことを目的とした追加の手段には、吸引ヘッドの作動中に、回転しているブラシが少なくとも1つのホイールと相互作用できるように当該ホイールを配置することを含む。この手段の更なる効果は、ホイールに近いブラシの部分が、ある程度ホイールによって湿潤される点である。いずれにせよ、少なくとも1つのホイールは、ブラシ間の領域にある。
【0017】
本発明のコンテキストでは、ブラシは、掃除する表面から汚れを拾うために使用するのに適した任意のタイプである。ブラシは、同一であるように又は異なるように選択される。各ブラシは、例えば、表面にある汚れの粒子をかくはんするかくはん器として機能するように特にデザインされる。本発明による吸引ヘッドの実用的な実施形態では、ブラシのうちの少なくとも1つは、コア要素と、コア要素上に配置された可撓性のあるマイクロファイバ要素とを含む。このようなブラシでは、10km当たり150gよりも低い線形質量密度がマイクロファイバ要素又は少なくともその先端部分に適用可能であり、したがって、マイクロファイバ要素は、非常に可撓性が高くなる。上記の線形質量密度は、更に、10km当たり10g、10km当たり5g、又は10km当たり1gよりも低くすることができる。このようなマイクロファイバ要素は、吸引ヘッドの作動中に、掃除する表面と非常に効果的に相互作用するように、高密度の配置でコア要素に配置される。更に、このようなマイクロファイバ要素が房状でコア要素に配置される場合は実用的である。
【0018】
両方のブラシの作動可能な形状が、概して円形外面を有する円筒形である場合、つまり、ブラシの作動可能な形状が、概してローラーの形状(細長いローラー)である場合は実用的である。
【0019】
本発明は更に、少なくとも1つの液体供給位置から掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体の直接供給を可能にする湿潤装置を備えた上記の吸引ヘッドを含む真空掃除機、特に、コードレス真空掃除機に関する。このような真空掃除機が、液体を受け取り、液体を入れ、且つ吸引ヘッドの湿潤装置に液体を放出するリザーバを含む場合は実用的である。有利には、このリザーバは、真空掃除機に取り外し可能に配置され、これにより、使用者は、リザーバに液体を満たす場所までリザーバを持って行くことが簡単になる。
【0020】
本発明の上記及び他の態様は、筐体と、筐体内に配置された2つのブラシとを含み、少なくとも1つの液体供給位置から掃除する表面の少なくとも1つの領域への液体の直接供給を可能にする湿潤装置を更に含む吸引ヘッドの実用的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかとなり、またこれを参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明について、図を参照してより詳細に説明する。図では、同じ又は同様の部分は同じ参照符号によって示している。
【0022】
図1図1は、本発明の一実施形態による湿式真空掃除機の構成要素と、掃除する表面を有する床の一部とを示す。
図2図2は、吸引ヘッドに含まれる2つのブラシ間の位置で取られた本発明の一実施形態による吸引ヘッドの長手方向の断面図を示す。
図3図3は、図2の詳細部分の拡大図を示す。
図4図4は、吸引ヘッドの一部の上面斜視図を示す。
図5図5は、吸引ヘッドの異なる長手方向の位置で取られた吸引ヘッドの断面図を示す。
図6図6は、吸引ヘッドの異なる長手方向の位置で取られた吸引ヘッドの断面図を示す。
図7図7は、図6の詳細部分の拡大図を示す。
図8図8は、吸引ヘッドに含まれている湿潤装置の導管システムのオプションの組立を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による湿式真空掃除機100のデザインを示している。図1に示され、以下に説明される特定の真空掃除機は、本発明の枠組み内で実現可能な多くの種類の真空掃除機の一例にすぎない。この点において、本発明は、湿式真空掃除機だけでなく、湿式掃除機能以外に乾式掃除機能を有する湿式/乾式真空掃除機などの他の種類の真空掃除機にも関連することに留意されたい。
【0024】
湿式真空掃除機100は、床面などの表面10を湿式掃除作用にさらす目的で使用される。図1は、掃除する表面10に対して通常の作動可能な姿勢にある真空掃除機100を示している。本テキストでは、姿勢特徴を有する用語の使用は、掃除する表面10が底部位置にあり真空掃除機100が表面10上に置かれることを前提としている、掃除する表面10に対する真空掃除機100のこの通常の作動可能な姿勢に関連して理解されるべきである。
【0025】
真空掃除機100の作動中に表面10に面した側では、真空掃除機100は、真空掃除機100の作動中に表面10と相互作用する2つのブラシ20を収容する吸引ヘッド101を含む。以下では、各ブラシ20はローラーの中心長手方向軸によって画定される回転軸21周りを回転可能なローラーの形で提供され、各ブラシ20はコア要素22とコア要素22上に配置された可撓性のあるマイクロファイバ要素23とを含んでいると仮定され、これは、ブラシ20の他の実施形態も可能であるという事実を変えない。ブラシ20は同一であってもよいが、本発明のコンテキストではこれは必須ではない。ブラシ20の位置に描かれている曲線矢印によって図1に示されているように、ブラシ20は、それぞれの回転軸21の周りを相互に反対方向に回転可能であるように配置されている。吸引ヘッド101は、ブラシ20を部分的に覆う筐体30を含む。筐体30は、例えばプラスチック材料で作られる。
【0026】
吸引ヘッド101以外に、真空掃除機100は、真空掃除機100の使用者が保持する本体部分102を含む。好ましくは、吸引ヘッド101と本体部分102とは、相互に取り外し可能に結合可能である。本体部分102は任意の適切なやり方で成形される。図1に示す本体部分102の輪郭は、図解的なものにすぎない。本体部分102に、使用者が本体部分102を容易に保持でき、希望どおりに掃除する表面10上で真空掃除機100を動かすことができるようにハンドルが含まれている場合は実用的である。
【0027】
真空掃除機100の作動中にブラシ20を駆動するために、真空掃除機100は適切な電気駆動機構(図示せず)を備えている。駆動機構、場合によっては、真空掃除機100の他の構成要素にも給電するために、真空掃除機100は、主電源に接続可能であるか、及び/又は適切なバッテリ装置を備えている。好ましくは、真空掃除機100は、充電式バッテリ装置を含むコードレスデバイスであり、この場合、真空掃除機100が、真空掃除機100以外に充電ドックを含むセットの一部であるならば、更に実用的である。このようなセットにはまた、ブラシ20の掃除に使用できるフラッシングトレイが含まれていてもよい。真空掃除機100にバッテリが備わっていない場合は、真空掃除機100が作動していない間に真空掃除機100を受け取って保持するために、充電機能のない単純なドックが提供されてもよい。
【0028】
真空掃除機100の本体部分102は、水や水と洗浄剤との混合物などの液体を入れる液体リザーバ40と、真空掃除機100の作動中に吸引ヘッド101の湿潤装置42に液体を供給する液体供給機構41とを含む。液体供給機構41は、例えば、任意の適切な種類のポンプ装置を含むか、又は重力の影響下で必要に応じて液体の変位を可能にする。図示する実施例では、吸引ヘッド101の湿潤装置42は、掃除する表面10の領域への液体の直接供給と、吸引ヘッド101の2つのホイール90への液体の直接供給の両方を可能にする(図2図3図5、及び図6を参照)。詳細については、後述する。更に、図示する実施例では、吸引ヘッド101は、ブラシ20間の領域24にあって、ブラシ20の一部を覆う2つの凹面状部分を含む細長い中間構成要素25を含み、湿潤装置42は、細長い中間構成要素25内に部分的に配置され、液体を輸送し、表面10の領域及び2つのホイール90に液体を放出する導管システム43を含む。図1では、液体リザーバ40、液体供給機構41、及び吸引ヘッド101の湿潤装置42が点線で示されている。液体リザーバ40に液体を満たす場所に液体リザーバ40を持って行くことが望まれるときに、使用者が液体リザーバ40を本体部分102から分離できるように液体リザーバ40が本体部分102に取り外し可能に結合されている場合は実用的である。
【0029】
真空掃除機100の本体部分102は更に、真空掃除機100の作動中にブラシ20によって表面10から拾い上げた湿った汚れ11を受け取り、蓄積する汚れリザーバ50を含む。汚れリザーバ50は、サイクロン式の装置やチューブインカップ式の装置など、表面10から拾い上げた到来汚れ11から湿った汚れを蓄積するために従来利用可能である様々なやり方で構成される。本体部分102は、ブラシ20に面している筐体30の表面32にある出口開口部31と出口開口部31から汚れリザーバ50まで延在する吸引チャネル51とを通って、ブラシ20が置かれた領域から本体部分102内の汚れリザーバ50まで汚れ11を輸送することを可能にするように機能する負圧を発生させる真空機構60を含む。図4の吸引ヘッド101の一部の図からわかるように、筐体30は、真空掃除機100の本体部分102の吸引チャネル51、汚れリザーバ50、及び真空機構60のアセンブリへの筐体30の結合を可能にする結合領域33を含む。出口開口部31は、この結合領域33と流体連結している。
【0030】
湿式真空掃除機100の操作の仕方の基本的な特徴は以下のとおりである。作動中、ブラシ20は回転するように駆動され、液体供給機構41がアクティブにされて、吸引ヘッド101の湿潤装置42に液体が供給され、これにより、液体が掃除する表面10と2つのホイール90とに放出される。ブラシ20が届く範囲にある表面10の領域の染みは、液体とブラシ20によるかくはんの影響を受けて分離され、表面10の領域にある汚れ粒子や埃は、液体と共に除去され、汚れリザーバ50に、途中で出口開口部31及び吸引チャンネル51を通過して搬送される。汚れ11は、ブラシ20のマイクロファイバ要素23の先端部分によって表面10から拾い上げられ、その先端部分が表面10と接触しなくなる位置でブラシ20が回転する際に先端部分から振り飛ばされる。
【0031】
図1に示すように、真空掃除機100はユーザインターフェース70を備え、ユーザインターフェース70には、例えば、オン/オフボタン71が含まれている。真空掃除機100は更に、マイクロコントローラを含む制御システム80を含む。このマイクロコントローラは、ユーザインターフェース70を介して使用者から受信される入力に反応して、ブラシ20を動かし、液体供給機構41と真空機構60の両方をアクティブにするようにプログラムされている。
【0032】
図2から図8は、本発明の一実施形態による吸引ヘッド101の態様、特に吸引ヘッド101の湿潤装置42の態様を示している。図2及び図4からわかるように、湿潤装置42の導管システム43は、2つの主導管44、45を含む。これらは、長手方向/ブラシ20の回転軸21が延在する方向で見たときに吸引ヘッド101の異なる半分にあり、液体供給機構41に結合可能である。更に、導管システム43は、4つの分岐導管46、47、48、49を、即ち、図2の左から右に、i)主導管44、45のうちの第1の主導管44に結合され、一方のホイール90に液体を放出し、且つ主導管44、45のうちの第1の主導管44からホイール90まで延在する分岐導管46、ii)ホイール90と出口開口部31との間の長手方向位置で、主導管44、45のうちの第1の主導管44に結合され、掃除する表面10の第1の領域に液体を放出し、且つ主導管44、45のうちの第1の導管44から表面10まで延在する分岐導管47、iii)もう1つのホイール90と出口開口部31との間の長手方向位置で、主導管44、45のうちの第2の主導管45に結合され、掃除する表面10の第2の領域に液体を放出し、且つ主導管44、45のうちの第2の主導管45から表面10まで延在する分岐導管48、及びiv)主導管44、45のうちの第2の主導管45に結合され、もう一方のホイール90に液体を放出し、且つ主導管44、45のうちの第2の主導管45からホイール90まで延在する分岐導管49、を含む。
【0033】
掃除する表面10に液体を放出する分岐導管47、48は、細長い中間構成要素25を部分的に通って延在し、液体が表面10に放出される液体供給位置は、細長い中間構成要素25の底部側、即ち、細長い中間構成要素25の掃除する表面10に面した底部表面部分26にある。この点に関して、一般的に、本発明のコンテキストでは、液体が表面10に放出される液体供給位置は、ブラシ20の回転軸21のレベルにあるか又は表面レベルにより近い、即ち、ブラシ20の回転軸21のレベルにあるか又はより低いレベルにあることに留意されたい。
【0034】
長手方向lにブラシ20に沿って分布している液体供給位置で表面10に液体を放出することは、掃除作用をあまり効果的でないようにする乾いた又はほぼ乾いた領域がない状態でブラシ20が十分に湿潤されることを達成するための要因である。吸引ヘッド101の作動中にホイール90に液体を放出すると、ホイール90が濡れた状態できれいに保たれる。そのため、ホイール90が表面10に接触することから生じる表面10を掃除する作用の結果への悪影響が回避される。図2及び図3からわかるように、液体がホイール90上に放出される位置は、ホイール90がそのトレッド91の位置で液体を受け取ることができるように、ホイールのすぐ上の位置である。
【0035】
図5は、本発明の実施形態による吸引ヘッド101の設計の別の有利な態様を示しており、この有利な態様は、2つのホイール90の各々がブラシ20、特にブラシ20のマイクロファイバ要素23と接触する点にある。第一に、これによりホイール90はきれいに保たれる。第二に、これによりブラシ20がそれらの長さに沿って、即ち、長手方向lにおけるそれらの寸法に沿って湿潤される。
【0036】
図6は、掃除する表面10に液体を放出するための少なくとも1つの液体供給位置が、表面10に対して少なくとも2mm、最大で6mmの距離で表面10に面した吸引ヘッド101の底部表面部分にある有利なオプションを示している。表面10と吸引ヘッド101の底部表面部分との間に小さな空間しかないようにすることによって、吸引ヘッド101の底部表面部分を効果的にきれいに保つことができる。前述したように、表面10に対して比較的小さい距離で表面10に面した吸引ヘッド101の底部表面部分が、細長い中間構成要素25の底面表面部分26を構成する場合は実用的である。
【0037】
上記に基づいて、掃除する表面10と吸引ヘッド101の底部表面部分との間の空間が小さいことの利点の概要を示す。
-底部表面部分の下の液体が、表面10との間を埋め、表面張力によって底部表面部分を掃除し、底部表面部分に付着する小さな汚れ粒子を捕捉する。
-液体が放出される異なる位置からのきれいな液体の流れは、底部表面部分、特に細長い中間構成要素25の底部側に直接掃除効果をもたらす。
-吸引ヘッド101の動きにより、底部表面部分の下の領域が常にブラシ20と相互作用する。
【0038】
更に、ブラシ20に面した筐体30の表面32が最小限の距離においてブラシ20を覆うように配置されている場合、汚れが蓄積する空間が実質的にないことに加えて、吸引ヘッド101内で吸引力が効果的に発生し、その結果、表面32に沿った空気速度が比較的高くなり、これもまた表面32をきれいに保つことから有利であることに留意されたい。
【0039】
各分岐導管46、47、48、49にわたって液体の均等な分配を促進するために、図7から最もよくわかるように、制限された液体通路27が主導管44、45と各分岐導管46、47、48、49との接合部分に存在する場合が実用的である。事実、制限された液体通路27は、下流方向で見たときに最初に来る分岐導管47、48の位置で主導管44、45の排水(他の分岐導管46、49への流体の供給を妨げることになる)を防止するように機能する。したがって、制限された液体通路27があることによって、分岐導管46、47、48、49が主導管44、45に結合されている位置での主導管44、45からの液体の制御された取り出しが実現される。
【0040】
図8は、主導管44が液体15の緩衝材として機能するような寸法にされ、各分岐導管46、47が主導管44に結合される位置に制限要素28が適用されるオプションを示している。図示するこの実施例では、制限要素28は、2つの制限開口部を備えたストリップを含む。制限開口部は、連続的な流れではなく液体15の液滴の流れを作る制限された液体通路27を実現するような寸法にされている。好ましくは、制限要素28又は制限要素28が含まれる構成要素のアセンブリは、吸引ヘッド101内に取り外し可能に配置され、これにより、使用者が掃除目的で制限要素28又はアセンブリ全体を時に取り外せる。制限要素28及び場合によっては隣接する構成要素も定期的に掃除することは、制限開口部が詰まって、ホイール90及び掃除する表面10への液体15の供給が妨げられるのを回避するのに特に役立つ。
【0041】
掃除する表面10の少なくとも1つの領域に液体15を直接供給するオプションと、少なくとも1つのホイール90に液体15を直接供給するオプションの両方が、本発明による吸引ヘッド101の単一の実施形態のコンテキストにおいて図示され、説明されているが、これらのオプションは独立して適用できることを理解されたい。更に、少なくとも1つのホイール90に液体15を直接供給するオプションに加えて又はその代わりに、吸引ヘッド101内の位置(例えば、一方又は両方のブラシ20上の位置)に液体15を直接供給するオプションが本発明のコンテキストにおいて実現可能であることにも留意されたい。一般的に言えば、湿潤装置42は任意の適切なやり方で実現できる。例えば、必要に応じて、少なくとも1つのホイール90への液体の供給を一時的に停止する機能を備えた湿潤装置42を設計できる。これは、掃除する表面10の種類が平均量以上の液体を必要とする状況を考慮して有用であり、これにより、使用者は少なくとも1つのホイール90の掃除作用を時に手動で開始できる。
【0042】
吸引ヘッド101が、吸引ヘッド101の図示する実施形態の場合のように、吸引ヘッド101の底部側からブラシ20の一部を覆う細長い中間要素25を含む場合、細長い中間要素25を使用して、湿潤装置42の導管システム43の1つ以上の導管の少なくとも一部を収容することが有益であるが、これは本発明のコンテキストにおいて必須ではない。
【0043】
当業者には、本発明の範囲は前述の例に限定されず、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、いくつかの補正及び修正が可能であることが明らかであろう。本発明は、特許請求の範囲又はその等価物の範囲内である限り、そのようなすべての補正及び修正を含むものと解釈されることを意図している。本発明は、図及び説明に詳細に例示及び説明されているが、このような例示及び説明は、例示的又は模範的にのみ見なされるべきであって、限定的と見なされるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。図面は概略図であり、本発明を理解するために必要でない詳細は省略されている場合があり、また、必ずしも縮尺通りではない。
【0044】
開示された実施形態の変形は、図、開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する際に当業者によって理解され、実行され得る。特許請求の範囲において、「含む」という語は、他のステップや要素を排除するものではなく、単数形の要素は複数を排除するものではない。特許請求の範囲における任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0045】
特定の実施形態について又はそれに関連して説明された要素及び態様は、特に明示的に述べられていない限り、他の実施形態の要素及び態様と適切に組み合わせることができる。したがって、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを意味するものではない。
【0046】
本テキストで使用されている「有する」及び「含む」という用語は、「からなる」という用語を網羅するものとして当業者によって理解されるであろう。したがって、「有する」又は「含む」という用語は、1つの実施形態に関する限りでは「からなる」を意味する場合があるが、別の実施形態では「少なくとも定義された種及び任意選択で1つ以上の他の種を含有する/有する/備えている」を意味する場合がある。
【0047】
本発明の重要な態様は次のとおりである。真空掃除のコンテキストにおいて、吸引ヘッド101が提供される。この吸引ヘッドは、真空掃除機100の空気吸引源60に結合可能である筐体30と、筐体30内に実質的に平行に配置された2つのブラシ20とを含み、各ブラシ20は回転軸21の周りを回転可能で、掃除する表面10と相互作用するタイプのものである。吸引ヘッド101は更に、湿潤装置42を備え、湿潤装置は、少なくとも1つの液体供給位置から掃除する表面10の少なくとも1つの領域への液体15の直接供給を可能にし、少なくとも1つの液体供給位置は、ブラシ20間の領域24及びブラシ20の回転軸21のレベル又は表面レベルに近いレベルにある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】