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特表2024-518890表示制御方法、表示制御装置および表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】表示制御方法、表示制御装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/66 20060101AFI20240426BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240426BHJP
   G09G 3/30 20060101ALI20240426BHJP
   G09G 3/32 20160101ALI20240426BHJP
   H04N 5/20 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
H04N5/66 A
G09G3/20 650M
G09G3/20 641Q
G09G3/30 K
G09G3/32 A
H04N5/66 103
H04N5/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564443
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 CN2022112022
(87)【国際公開番号】W WO2023024933
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110966546.2
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523395834
【氏名又は名称】集▲創▼北方(珠海)科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朱 学田
(72)【発明者】
【氏名】卓 ▲聖▼田
【テーマコード(参考)】
5C058
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
5C058AA13
5C058BA26
5C058BA35
5C058BB14
5C080AA01
5C080AA06
5C080AA07
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD26
5C080EE29
5C080JJ02
5C080JJ05
5C080JJ07
5C380AA01
5C380AA03
5C380AA10
5C380AB04
5C380AB34
5C380BA02
5C380BA22
5C380BA25
5C380BA46
5C380BB13
5C380CF13
5C380CF62
5C380EA02
5C380EA05
5C380EA12
5C380FA05
(57)【要約】
表示制御方法、表示制御装置および表示装置を開示し、入力画像データをYCbCr色空間に変換し、YCbCr色空間の輝度成分に基づいて、入力画像の輝度分布情報を取得し、輝度分布情報に基づいて、マッチング情報を取得し、マッチング情報に基づいて、入力画像データの各ピクセル単位の第1グレースケールを第2グレースケールに変換し、第2グレースケールに従って、表示駆動を行う。輝度分布情報は、各ピクセル単位の少なくとも2つの輝度区間における典型的な輝度値の差を含み、少なくとも2つの輝度区間の典型的な輝度値の差が大きいほど、グレースケールが調整されたピクセル単位の第2グレースケールと第1グレースケールとの差が大きくなり、入力画像の輝度分布が分散するほど、最終的に表示される画像の輝度の低下が多くなり、表示される画像の情報表現の有効性を確保しながら、表示にかかる電力の削減効果を向上させ、発光デバイスの寿命を延ばすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像データの各ピクセル単位の第1輝度情報に基づいて、輝度分布情報を取得するステップと、
前記輝度分布情報に基づいて、マッチング情報を取得するステップと、
前記マッチング情報に基づいて、前記各ピクセル単位の第1グレースケールを第2グレースケールに変換し、前記各ピクセル単位の第2グレースケールに基づいて、表示駆動を行うステップとを含み、
前記輝度分布情報は、前記各ピクセル単位の少なくとも2つの輝度区間における典型的な輝度値の差を含み、前記少なくとも2つの輝度区間の典型的な輝度値の差が大きいほど、グレースケールが調整されたピクセル単位の第2グレースケールと第1グレースケールとの差が大きくなる、表示制御方法。
【請求項2】
前記マッチング情報は、ディスプレイルックアップテーブルを含み、前記ディスプレイルックアップテーブルの曲線で表される横軸は、入力ピクセル単位データであり、縦軸は、出力ピクセル単位データであり、前記輝度分布情報に基づいて、マッチング情報を取得するステップは、
前記輝度分布情報に基づいて、前記ディスプレイルックアップテーブルを少なくとも2つの区間に分け、前記少なくとも2つの区間の少なくとも1つの勾配を減らすことを含む、請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つの輝度区間の典型的な輝度値の差が大きいほど、前記少なくとも2つの区間のうちの少なくとも1つの勾配の低下度合いは、大きくなる、請求項2に記載の表示制御方法。
【請求項4】
前記ディスプレイルックアップテーブルのピクセル単位のデータは、三原色グレースケールに対応する、請求項2に記載の表示制御方法。
【請求項5】
前記ディスプレイルックアップテーブルのピクセル単位のデータは、YCbCr色空間の輝度成分であり、前記表示制御方法は、
前記入力画像データの各ピクセル単位の三原色グレースケールをYCbCr色空間に変換するステップと、
前記マッチング情報に基づいて、各ピクセル単位のYCbCr色空間における第2輝度成分を取得するステップと、
各ピクセル単位のYCbCr色空間における第2輝度成分に基づいて、YCbCr色空間のピクセル単位のデータを三原色色空間に変換し、各ピクセル単位の前記第2グレースケールを取得するステップとをさらに含む、請求項2に記載の表示制御方法。
【請求項6】
前記マッチング情報は区分関数であり、各区分が直線セグメントまたは曲線セグメントに対応する、請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項7】
前記典型的な輝度値は、対応する輝度区間内の各ピクセル単位の輝度の平均値であるか、
または、輝度が前記典型的な輝度値であるピクセル単位の数が最も多い、請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項8】
入力画像データの各ピクセル単位のピクセル単位情報を、三原色色空間からYCbCr色空間に変換するためのコンバータにおいて、前記入力画像データは、各ピクセル単位の三原色データである、コンバータと、
前記入力画像データの各ピクセル単位のYCbCr色空間における輝度成分に基づいて、前記入力画像データの輝度分布情報を取得するためのアナライザと、
前記入力画像データの輝度分布情報に基づいて、マッチング情報を取得するためのマッチング情報生成ユニットと、
前記マッチング情報に基づいて、前記入力画像データの各ピクセル単位の第1グレースケールを第2グレースケールに変換し、前記第2グレースケールに従って、表示駆動を行うための変換ユニットとを含み、
前記輝度分布情報は、前記各ピクセル単位の少なくとも2つの輝度区間における典型的な輝度値の差を含み、前記少なくとも2つの輝度区間の典型的な輝度値の差が大きいほど、グレースケールが調整されたピクセル単位の第2グレースケールと第1グレースケールとの差が大きくなる、表示制御装置。
【請求項9】
前記マッチング情報は、YCbCr色空間の輝度成分のルックアップテーブルであり、前記変換ユニットは、
前記YCbCr色空間の輝度成分のルックアップテーブルおよび各ピクセル単位のYCbCr色空間における輝度成分に基づいて、各ピクセル単位のYCbCr色空間における第2輝度成分を取得するためのプロセッサと、
各ピクセル単位のYCbCr色空間における第2輝度成分に基づいて、各ピクセル単位の三原色色空間における前記第2グレースケールを取得するための第2コンバータとを含む、請求項8に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記マッチング情報は、三原色色空間の3つのルックアップテーブルを含み、前記3つのルックアップテーブルがそれぞれ三原色に対応し、前記変換ユニットは、
前記三原色色空間の3つのルックアップテーブルに基づいて、入力画像データの各ピクセル単位の第1グレースケールを第2グレースケールに変換するための第2プロセッサを含む、請求項8に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記マッチング情報は、区分関数であり、各区分が直線セグメントまたは曲線セグメントに対応する、請求項8に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記表示制御装置は、ディスプレイパネルの駆動回路で使用され、前記ディスプレイパネルは、発光ダイオードアレイを含み、前記駆動回路は、前記第2グレースケールに従って、前記発光ダイオードアレイに対応する発光ダイオードの輝度を制御し、
前記発光ダイオードアレイは、マイクロ発光ダイオード、ミニ発光ダイオード、量子ドット発光ダイオード、および有機発光ダイオードのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の表示制御装置。
【請求項13】
請求項8~12のいずれか一項に記載の表示制御装置を含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年08月23日に提出された出願番号が第202110966546.2であり、名称が「表示制御方法、表示制御装置および表示装置」である中国特許出願の優先権を主張し、上記中国特許出願に開示されている明細書、特許請求の範囲、添付の図面および要約の全体を参照することによって、それを本願の一部として援用する。
【0002】
[技術分野]
本発明は、ディスプレイ技術の分野に関し、特に、表示制御方法、表示制御装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
LED(light-emitting diode、発光ダイオード)ディスプレイまたはOLED(Organic Light-Emitting Diode、有機ポイントレーザーディスプレイ)ディスプレイは、その発光デバイスの特性により、出力電流が、動作電圧に比例し、その動作電圧を下げ、ディスプレイの消費電力を削減するだけでなく、発光デバイスの寿命を延ばすことができる。
【0004】
従来技術において、図1に示すように、ステップS101において、入力画像情報の三原色ピクセル単位情報をYCbCr色空間に変換し、ステップS102において、Y成分(Y成分は、三原色グレースケールに従って取得された輝度成分であり、Y=Kr*R+Kg*G+Kb*B、Kr+Kg+Kb=1、R、G、Bは、それぞれピクセル単位の赤、緑、青のグレースケールである)をYCbCr色空間から抽出し、すべてのピクセル単位のY成分の平均値を取得し、ステップS103において、Y成分の平均値に従って自動電流制限アルゴリズムを介してディスプレイルックアップテーブルを取得し、ステップS104において、ディスプレイルックアップテーブルからY成分のオフセットを取得し、ステップS105において、入力画像情報の各ピクセル単位のY成分にオフセットを加えて新しいY成分を取得し、ステップS106において、新しいY成分の逆変換に従って出力画像情報の各ピクセル単位の三原色グレースケールを取得し、それにより、出力画像情報の各ピクセル単位の三原色グレースケールに従って表示駆動を行う。消費電力削減の要求に応じて、新しいY成分は、元のY成分よりも小さくなり、逆変換後に得られる出力画像情報の各ピクセル単位の三原色グレースケールはすべて、対応する元のグレースケールよりも小さくなり、出力画像情報の各ピクセル単位の三原色グレースケールに従って表示駆動を行う際、発光デバイスの消費電力を効果的に削減できる。
【0005】
図2に示すように、三原色グレースケールについて、元の対応関係はR1(ディスプレイルックアップテーブル)で、調整された後、対応関係はR2になり、出力グレースケールが入力よりも小さくなり、元の画像の各ピクセル単位の表示輝度と比較して、出力画像の各ピクセル単位の表示輝度が全体的に低下する。
【0006】
図3に示すように、YCbCr色空間のY成分について、1対1の元の輝度の対応関係Y1と比較して、調整された輝度の対応関係Y2に従って、表示輝度が全体的に低下することが直感的にわかる。
【0007】
ただし、図5Aから図5Cを参照すると、そのピクセル単位のグレースケールの平均値はいずれも127であり、対応するそのすべてのピクセル単位のYCbCr色空間におけるY成分の平均値に等しい。従来技術の制御方式において、その全体の輝度の低下度合いは同じであるが、図5Bのピクセル単位のグレースケール分布は極端であり、表示される画像の情報表現に影響を与えることなく、その高輝度部分の表示輝度を大幅に下げることができるはずであり、すなわち、従来技術の制御方式によれば、表示にかかる消費電力をさらに削減させることには、まだ改善の余地がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、表示情報の効果的な表現を確保しつつ、表示にかかる消費電力をより削減する表示制御方法、表示制御装置および表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の一態様によれば、表示制御方法が提供され、
入力画像データの各ピクセル単位の第1輝度情報に基づいて、輝度分布情報を取得するステップと、
前記輝度分布情報に基づいて、マッチング情報を取得するステップと、
前記マッチング情報に基づいて、前記各ピクセル単位の第1グレースケールを第2グレースケールに変換し、前記各ピクセル単位の第2グレースケールに基づいて、表示駆動を行うステップとを含み、
前記輝度分布情報は、前記各ピクセル単位の少なくとも2つの輝度区間における典型的な輝度値の差を含み、前記少なくとも2つの輝度区間の典型的な輝度値の差が大きいほど、グレースケールが調整されたピクセル単位の第2グレースケールと第1グレースケールとの差が大きくなる。
【0010】
選択可能に、前記マッチング情報は、ディスプレイルックアップテーブルを含み、前記ディスプレイルックアップテーブルの曲線で表される横軸は、入力ピクセル単位データであり、縦軸は、出力ピクセル単位データであり、前記輝度分布情報に基づいて、マッチング情報を取得するステップは、
前記輝度分布情報に基づいて、前記ディスプレイルックアップテーブルを少なくとも2つの区間に分け、前記少なくとも2つの区間のうちの少なくとも1つの区間の勾配を減らすことを含む。
【0011】
選択可能に、前記少なくとも2つの輝度区間の典型的な輝度値の差が大きいほど、前記少なくとも2つの区間のうちの少なくとも1つの区間の勾配は、より減らす。
【0012】
選択可能に、前記ディスプレイルックアップテーブルのピクセル単位のデータは、三原色グレースケールに対応する。
【0013】
選択可能に、前記ディスプレイルックアップテーブルのピクセル単位のデータは、YCbCr色空間の輝度成分であり、前記表示制御方法は、
前記入力画像データの各ピクセル単位の三原色グレースケールをYCbCr色空間に変換するステップと、
前記マッチング情報に基づいて、各ピクセル単位のYCbCr色空間における第2輝度成分を取得するステップと、
各ピクセル単位のYCbCr色空間における第2輝度成分に従って、YCbCr色空間のピクセル単位のデータを三原色色空間に変換し、各ピクセル単位の前記第2グレースケールを取得するステップとをさらに含む。
【0014】
選択可能に、前記マッチング情報は、区分関数であり、各区分は、直線セグメントまたは曲線セグメントに対応する。
【0015】
選択可能に、前記典型的な輝度値は、対応する輝度区間内の各ピクセル単位の輝度の平均値であるか、
または、輝度が前記典型的な輝度値のピクセル単位の数は、最も多い。
【0016】
本発明の別の態様によれば、表示制御装置が提供され、
入力画像データの各ピクセル単位のピクセル単位情報を三原色色空間からYCbCr色空間に変換するためのコンバータにおいて、前記入力画像データは、各ピクセル単位の三原色データである、コンバータと、
前記入力画像データの各ピクセル単位のYCbCr色空間における輝度成分に基づいて、前記入力画像データの輝度分布情報を取得するためのアナライザと、
前記入力画像データの輝度分布情報に基づいて、マッチング情報を取得するためのマッチング情報生成ユニットと、
前記マッチング情報に基づいて、前記入力画像データの各ピクセル単位の第1グレースケールを第2グレースケールに変換し、前記第2グレースケールに基づいて、表示駆動を行うための変換ユニットとを含み、
前記輝度分布情報は、前記各ピクセル単位の少なくとも2つの輝度区間における典型的な輝度値の差を含み、前記少なくとも2つの輝度区間の典型的な輝度値の差が大きいほど、グレースケールが調整されたピクセル単位の第2グレースケールと第1グレースケールとの差が大きくなる。
【0017】
選択可能に、前記マッチング情報は、YCbCr色空間の輝度成分のルックアップテーブルであり、前記変換ユニットは、
前記YCbCr色空間の輝度成分のルックアップテーブルおよび各ピクセル単位のYCbCr色空間における輝度成分に基づいて、各ピクセル単位のYCbCr色空間における第2輝度成分を取得するためのプロセッサと、
各ピクセル単位のYCbCr色空間における第2輝度成分に基づいて、各ピクセル単位の三原色色空間における前記第2グレースケールを取得するための第2コンバータとを含む。
【0018】
選択可能に、前記マッチング情報は、三原色色空間の3つのルックアップテーブルを含み、前記3つのルックアップテーブルがそれぞれ三原色に対応し、前記変換ユニットは、
前記三原色色空間の3つのルックアップテーブルに基づいて、入力画像データの各ピクセル単位の第1グレースケールを第2グレースケールに変換するための第2プロセッサを含む。
【0019】
選択可能に、前記マッチング情報は、区分関数であり、各区分が直線セグメントまたは曲線セグメントに対応する。
【0020】
選択可能に、前記表示制御装置は、ディスプレイパネルの駆動回路で使用され、前記ディスプレイパネルは、発光ダイオードアレイを含み、前記駆動回路は、前記第2グレースケールに従って、前記発光ダイオードアレイに対応する発光ダイオードの輝度を制御する。
【0021】
前記発光ダイオードアレイは、マイクロ発光ダイオード、ミニ発光ダイオード、量子ドット発光ダイオード、および有機発光ダイオードのうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明によって提供される表示制御装置を含む表示装置が提供される。
【0023】
本発明によって提供される表示制御方法は、入力画像データの各ピクセル単位の少なくとも2つの輝度区間における典型的な輝度値の差に基づいて、マッチング情報を取得するステップと、該マッチング情報に基づいて、各ピクセル単位の第1グレースケールを第2グレースケールに変換し、第2グレースケールに従って、表示駆動を行うステップとを含み、少なくとも2つの輝度区間の典型的な輝度値の差が大きいほど、入力画像の表示輝度差が大きくなり、高輝度に対応するピクセル単位の第2グレースケールが第1グレースケールよりも低下度合いが大きく、入力画像の高輝度部分の実表示輝度の低下度合いが大きいほど、表示にかかる消費電力の削減が多くなり、入力画像の表示輝度コントラストが大きくなる場合、高輝度表示部の輝度低下を大きくし、表示情報の表現の有効性を確保しつつ、表示にかかる消費電力をさらに削減する。
【0024】
本発明によって提供される表示制御装置は、色コンバータを介して入力画像データの各ピクセル単位情報をYCbCr色空間に変換し、YCbCr色空間から輝度成分を抽出し、アナライザによって各ピクセル単位の輝度成分に基づいて、入力画像の輝度分布情報を提供し、マッチング情報生成ユニットによって入力画像の輝度分布情報に基づいて、マッチング情報を生成し、変換ユニットによって、該マッチング情報に基づいて、入力画像情報の各ピクセル単位の第1グレースケールを第2グレースケールに変換し、第2グレースケールに基づいて、表示駆動を行う。前記輝度分布情報は、前記各ピクセル単位の少なくとも2つの輝度区間における典型的な輝度値の差を含み、前記少なくとも2つの輝度区間の典型的な輝度値の差が大きいほど、グレースケールが調整された第2グレースケールと第1グレースケールとの差が大きくなり、輝度差の大きい表示画像について、表示情報の有効性を確保しつつ、表示輝度の低下度合いを大きくすることができ、表示にかかる消費電力の低減効果を向上させることができる。
【0025】
本発明によって提供される表示装置は、本発明によって提供される表示制御装置を含み、輝度差の大きい表示画像に対して、その表示情報の有効性を保証する状態で、表示輝度の低下度合いを大きくし、表示にかかる消費電力の削減効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
添付の図面を参照した本発明の実施例の以下の説明を通じて、本発明の上記および他の目的、特徴および利点は、より明確になり、添付の図面において、
【0027】
図1図1は、従来技術に係る表示制御方法のフローチャートを示す。
図2図2は、従来技術に係る表示制御方法の入出力グレースケールと輝度とのマッチング関係を示す概略図である。
図3図3は、従来技術に係る表示制御方法の入出力グレースケールと輝度とのマッチング関係を示す概略図である。
図4図4は、本発明の実施例に係る表示制御方法のフローチャートを示す。
図5A図5Aは、本発明の実施例に係る表示制御方法の輝度分布の例を示す。
図5B図5Bは、本発明の実施例に係る表示制御方法の輝度分布の例を示す。
図5C図5Cは、本発明の実施例に係る表示制御方法の輝度分布の例を示す。
図6図6は、本発明の実施例に係る表示制御装置の概略構造図を示す。
図7図7は、本発明の実施例に係る別の表示制御装置の概略構造図を示す。
図8図8は、本発明の実施例に係る表示制御方法の出力グレースケールと入力グレースケールとのマッチング関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の様々な実施例は、添付の図面を参照して以下でより詳細に説明される。様々な図面において、同じ要素は、同じ又は類似の参照番号によって示される。わかりやすくするために、図面の様々な部分は縮尺どおりに描かれていない。
【0029】
本発明の特定の実施形態を、添付の図面および実施例を参照して、以下でより詳細に説明する。
【0030】
図4は、本発明の実施例に係る表示制御方法のフローチャートを示す。
【0031】
図4に示すように、ステップS201において、入力画像情報の三原色ピクセル単位情報をYCbCr色空間に変換する。
【0032】
ステップS202において、YCbCr色空間からY成分を抽出し、各ピクセルのY成分に基づいて、入力画像情報の輝度分布情報を取得する。
【0033】
ステップS203において、輝度分布情報に基づいて、少なくとも2つの輝度区間のピクセル数および各輝度区間の典型的な輝度値を取得する。
【0034】
輝度分布を図5Aから図5Cに示し、図5Aの例において、画像の各ピクセル単位の輝度はいずれも127であり、図5Bの例において、画像の各ピクセル単位は、2つのグループに分けられ、2つのグループのピクセル単位の各ピクセル単位の輝度は、それぞれ0および255であり、図5Cの例において、画像の各ピクセル単位は、2つのグループに分けられ、2つのグループのピクセル単位の各ピクセル単位の輝度は、それぞれ120および134であり、各例の輝度の平均値は、127である。
【0035】
上記の各例において、すべてのピクセル単位の輝度は、単一値または二値であり、その輝度分布情報の各輝度分布領域は、対応する単一値ではなく、一定の輝度範囲を有し、対応する輝度範囲内の平均値を、典型的な輝度値としてもよい。
【0036】
ステップS204において、各輝度区間の典型的な輝度値の差に基づいて、ディスプレイルックアップテーブルを取得する。典型的な輝度値は、輝度区間に対応する各ピクセル単位の輝度の平均値であるか、または該輝度のピクセル単位の数が一番多いことを表すか、または輝度集中領域の輝度の平均値である。
【0037】
ステップS205において、ディスプレイルックアップテーブルに基づいて、入力画像情報の各ピクセルのグレースケールを、出力画像情報の各ピクセルのグレースケールに変換する。
【0038】
ステップS206において、出力画像情報の各ピクセルのグレースケールに基づいて、表示駆動を行う。
【0039】
図6は、本発明の実施例に係る表示制御装置の概略構造図を示す。
【0040】
図6に示すように、該表示制御装置20は、コンバータ21、アナライザ22、ディスプレイルックアップテーブルジェネレータ23および第1プロセッサ24を含む。
【0041】
コンバータ21は、入力画像データの各ピクセル単位の三原色グレースケールRGB-INをYCbCr色空間に変換し、各ピクセル単位のY成分(輝度成分)をアナライザ22に提供し、アナライザ22は、入力画像データの各ピクセル単位の輝度成分に基づいて、入力画像データに対応する画像の輝度分布情報を取得し、輝度分布情報をディスプレイルックアップテーブルジェネレータ23に提供し、ディスプレイルックアップテーブルジェネレータ23は、輝度分布情報に基づいて、3つのディスプレイルックアップテーブルR-LUT、G-LUT、B-LUTを取得し、それぞれ赤色ピクセルのディスプレイルックアップテーブル、緑色ピクセルのディスプレイルックアップテーブルおよび青色ピクセルのディスプレイルックアップテーブルに対応し、各ディスプレイルックアップテーブルを第1プロセッサ24に提供し、第1プロセッサ24は、入力画像データの各ピクセル単位の各原色グレースケールを、対応するディスプレイルックアップテーブルとマッチングして、換算して出力画像データの各ピクセル単位の三原色グレースケールRGB-OUTを提供する。
【0042】
図7は、本発明の実施例に係る別の表示制御装置の概略構造図を示す。
【0043】
図7を参照すると、該表示制御装置30は、コンバータ31、アナライザ32、ディスプレイルックアップテーブルジェネレータ33、第2プロセッサ34、第2コンバータ35を含む。
【0044】
コンバータ31は、入力画像データの各ピクセル単位の三原色グレースケールをYCbCr色空間に変換し、各ピクセル単位の輝度成分Y1をアナライザ32に提供し、青色および赤色の濃度オフセット成分CbCrを第2コンバータ35に提供する。
【0045】
アナライザ32は、各ピクセル単位の輝度成分Y1に基づいて、入力画像情報に対応する画像の輝度分布情報をディスプレイルックアップテーブルジェネレータ33に提供し、ディスプレイルックアップテーブル33は、輝度分布情報に基づいて、輝度ディスプレイルックアップテーブルY-LUTを提供し、第2プロセッサ34は、輝度ディスプレイルックアップテーブルY-LUTに従って、各ピクセル単位の元の輝度成分Y1を新しい輝度成分Y2に変換する。
【0046】
新しい輝度成分Y2は、各ピクセル単位の青色および赤色の濃度オフセット成分CbCrとともに、第2コンバータ35によって逆変換され、出力画像情報の三原色グレースケールRGB-OUTが得られる。
【0047】
輝度成分を調整するために必要なディスプレイルックアップテーブルは、1つだけで十分である。
【0048】
図8は、本発明の実施例に係る表示制御方法の出力グレースケールと入力グレースケールとのマッチング関係を示す。本実施例において、該マッチング関係のディスプレイルックアップテーブルは、曲線の形で示されている。
【0049】
図8を参照すると、赤色ピクセルのグレースケールを例にとると、調整なしの入力グレースケールと出力グレースケールの赤色ピクセルのルックアップテーブルは、直線R1に対応し、本発明の実施例に係る表示制御方法によって調整された出力グレースケールと入力グレースケールのマッチング関係は、破線R3であり、本実施例において、2つの輝度区間(数と区間の境界は、予め設定することができ、または輝度分布に従って設定することができる)を例として、ターニングポイントのグレースケールは127であり、赤色ピクセルに対応する、グレースケールが127未満のピクセル単位のグレースケールは、変更されず、グレースケールが127より大きいピクセルユニットの、実際に表示するときのグレースケールがR2のマッチング関係に従って小さくなり、高輝度表示領域の輝度を下げると、対応するピクセル単位の駆動電流を下げ、消費電力を削減することができる。
【0050】
任意の実施例において、輝度区間は複数あり、低輝度区間から高輝度区間へ、出力グレースケールと入力グレースケールとの比(勾配)は順次減少し、かつ最低輝度の輝度区間の出力グレースケールと入力グレースケールとの比は、一定に限定されない。
【0051】
本実施例において、三原色グレースケールおよび輝度成分を調整するマッチング情報は、ディスプレイルックアップテーブルで表され、対応するマッチング情報生成ユニットは、ディスプレイルックアップテーブルジェネレータであり、1種のマッチング情報が1つのディスプレイルックアップテーブルに対応し、ディスプレイルックアップテーブルには、出力グレースケールと入力グレースケールとのすべてのマッチング関係がリストされ、入力グレースケールに基づいて、ディスプレイルックアップテーブルを介して直接変換して出力グレースケールを取得することができ、それ以上の計算が必要ではない。代替可能な実施例において、マッチング情報は、関数で表され、対応するマッチング情報生成ユニットは、関数ジェネレータであり、対応する関数は、例えば、
三原色グレースケールに対応して計算し、R=r0*R0+r1であり、ここで、R0は、入力画像情報のピクセル単位の赤色ピクセルのグレースケールであり、r0とr1は、輝度分布情報に従って決定され、Rは、出力画像情報のピクセル単位の赤色ピクセルのグレースケールである。緑色および青色ピクセルのグレースケールに対応する関数は、同じであるため、ここでは詳しく説明しない。
【0052】
YCbCr色空間の変換に対応し、Y=y0*Y0+y1となり、ここで、Y0は、入力画像情報のピクセル単位の輝度成分であり、y0とy1は、輝度分布情報に従って決定され、Yは、出力画像情報のピクセル単位の輝度成分である。
【0053】
異なる輝度区間のピクセル単位のマッチング関係が異なるため、上記の関数を区分関数として設定し、各区分のr0、r1、y0、y1を個別に確認する。本実施例において、各区分は、直線に対応し、代替可能な実施例において、各区分は曲線であり、各セグメントの勾配は、ゼロよりも大きく、基本的なコントラスト要件を確保する。
【0054】
表1は、輝度分布情報の一部を調整した後の出力画像情報の平均輝度成分を示す。例として2つの輝度区間を取り上げると、各区間の典型的な輝度は、その平均輝度であり、分布表現は、その輝度分布情報に対応する。
【0055】
表1から、分布表現が大きいほど、出力画像の平均輝度が低くなる。すなわち、本発明の実施例に係る表示制御方法において、入力画像の輝度分布が分散するほど、実際に表示される画像の輝度の低下度合いが大きくなり、表示情報の効果を確保するとともに、システムの消費電力の削減が多くなることが分かる。輝度の平均値が同じ表示画像であれば、本発明の実施例に係る表示制御方法は、表示にかかる消費電力をさらに削減することができる。
【0056】
本発明の実施例に係る表示制御装置は、発光ダイオードアレイを有するディスプレイパネルの駆動回路で使用することができ、該駆動回路は、発光ダイオードアレイの発光ダイオードに駆動電流を供給するために使用される。該駆動回路は、表示制御装置によって提供される第2グレースケールに従って、発光ダイオードに対応する駆動電流の大きさを制御し、その発光輝度を制御する。該発光ダイオードアレイは、マイクロ発光ダイオード、ミニ発光ダイオード、量子ドット発光ダイオード、および有機発光ダイオードのうちの少なくとも1つ、すなわち、発光ダイオードの具体的なタイプについて、本発明では特に限定されない。
【0057】
本発明によって提供される表示制御方法は、入力画像データの各ピクセル単位の少なくとも2つの輝度区間における典型的な輝度値の差に基づいて、マッチング情報を取得するステップと、該マッチング情報に基づいて、各ピクセル単位の第1グレースケールを第2グレースケールに変換し、第2グレースケールに基づいて、表示駆動を行うステップとを含み、少なくとも2つの輝度区間の典型的な輝度値の差が大きいほど、入力画像の表示輝度差が大きくなり、高輝度に対応するピクセル単位の第2グレースケールが第1グレースケールよりも低下度合いが大きく、入力画像の高輝度部分の実表示輝度の低下度合いが大きいほど、表示にかかる消費電力の削減が多くなり、入力画像の表示輝度コントラストが大きくなる場合、高輝度表示領域の輝度低下度を大きくし、表示情報の表現の有効性を確保しつつ、表示にかかる消費電力をさらに削減する。
【0058】
本発明によって提供される表示制御装置は、色コンバータを介して入力画像データの各ピクセル単位情報をYCbCr色空間に変換し、YCbCr色空間から輝度成分を抽出し、アナライザによって各ピクセル単位の輝度成分に基づいて、入力画像の輝度分布情報を提供し、マッチング情報生成ユニットによって入力画像の輝度分布情報に基づいて、マッチング情報を生成し、変換ユニットによって、該マッチング情報に基づいて、入力画像情報の各ピクセル単位の第1グレースケールを第2グレースケールに変換し、第2グレースケールに従って、表示駆動を行う。前記輝度分布情報は、前記各ピクセル単位の少なくとも2つの輝度区間における典型的な輝度値の差を含み、前記少なくとも2つの輝度区間の典型的な輝度値の差が大きいほど、グレースケールが調整された第2グレースケールと第1グレースケールとの差が大きくなり、輝度差の大きい表示画像について、その表示情報の有効性を確保しつつ、表示輝度の低下度合いを大きくすることができ、表示にかかる消費電力の削減効果を向上させることができる。
【0059】
以上、本発明の実施例を説明したが、これらの実施例は、すべての詳細を詳細に説明するものではなく、該発明を、説明した特定の実施例のみに限定するものでもない。明らかに、上記の説明に照らして、多くの修正および変形が可能である。この明細書は、本発明の原理および実際の応用をよりよく説明するために、これらの実施例を選択し、具体的に説明するものであり、それによって、当業者は、本発明および本発明に基づくその修正を十分に利用することができる。本発明は、特許請求の範囲、その完全な範囲および均等物によってのみ限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
【国際調査報告】