(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】組織再生療法の組成物および方法
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20240426BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240426BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/40 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/48 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/4245 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/438 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/475 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P43/00 111
A61P17/02
A61K31/5377
A61K31/40
A61K31/48
A61K31/496
A61K31/4245
A61K31/438
A61K31/475
A61P43/00 107
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566791
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 US2022030357
(87)【国際公開番号】W WO2022246264
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of California
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ニシムラ,イチロウ
(72)【発明者】
【氏名】ホクゴウ,アキシゲ
(72)【発明者】
【氏名】コンドウ,タケル
(72)【発明者】
【氏名】シブヤ,ヨウイチロウ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084MA55
4C084MA63
4C084NA14
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZB221
4C084ZB222
4C084ZC422
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC05
4C086BC50
4C086BC71
4C086BC73
4C086CB05
4C086CB09
4C086CB22
4C086GA04
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA55
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZB22
4C086ZC42
(57)【要約】
本開示は、それを必要とする被験体の創傷に、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤を投与することを含む、被験体における創傷治癒を改善もしくは加速する、および/または皮膚創傷治癒の間に瘢痕化を防止するための方法を提供し、薬剤は、セロトニン受容体アンタゴニスト、例えばセロトニン受容体1Bアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bアンタゴニストである。方法は、歯槽骨を再生するため、創傷部位で結合組織を再生するため、創傷領域サイズを縮小するため、および/または皮膚創傷の瘢痕がない治癒を促進するために使用することができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする被験体における創傷治癒を改善または加速するための方法であって、前記被験体の創傷に、治療的有効量の、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤を含む組成物を投与することを含み、前記薬剤が、セロトニン受容体アンタゴニストである、方法。
【請求項2】
前記セロトニン受容体アンタゴニストが、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セロトニン受容体1Bの前記アンタゴニストが、AR-A000002、イサモルタン(CGP-361A)、メテルゴリン、メチオテピン、SB-216641、SB-236057またはヨヒンビンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記セロトニン受容体2Bの前記アンタゴニストが、アゴメラチン、アミスルプリド、AM-1476、アリピプラゾール、ブリラロキサジン塩酸塩、BF-1、BW 723C86、カリプラジン、クロザピン、シプロヘプタジン、メタ-クロロフェニルピペラジン(mCPP)、EGIS-7625、エサミスルプリド(esamisulpride)、F-16615、イフェランセリン、ケタンセリン、LY-266097、LY-272,015、LY-287375、メタドキシン、ピロメラチン、プロメタジン、PRX-08066、RS-127445(MT500)、RS-127445、RQ-00310941、SB-204741、SB-206553、SB-200646A、SB-215505、SB-221284、SB224289、SB-228357、SDZ SER-082、テガセロッド、テルグリド、エチル3-(4-アミノ-1,3,5-トリアザスピロ[5.5]ウンデカ-2,4-ジエン-2-イルアミノ)ベンゾエート、2-ベンジル-5-ヒドロキシ-4H-クロメン-4-オン、5-ヒドロキシ-2-(3-フェニルプロピル)-4H-クロメン-4-オン、バビカセリン、XC-130、4-(6-イソプロピル-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-イソプロピル-1-ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-メトキシ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-ジメチルアミノ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-ジメチルアミノ-1-ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-1-メトキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-1-ヒドロキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、3-エトキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、6-エトキシ-1-メトキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、6-エトキシ-1-ヒドロキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、4-(3-エトキシ-5-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-4-メチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-4-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1,3-ジメチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-3’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-4’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-5’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジンまたはGSK-1606260、GSK-1645888、GSK-1742942、GSK-2054757、GSK-2080717およびSB-742888からなる群より選択される二重5-HT2a/5-HT2bアンタゴニストである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記創傷が、真皮創傷である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
改善または加速された創傷治癒が、瘢痕が減少したまたは瘢痕がない真皮創傷の形成を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記薬剤を投与することにより前記真皮創傷を処置することが、皮脂腺および毛包を含む皮膚組織を再生する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記真皮創傷が、歯周の創傷を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記歯周の創傷が、歯肉の結合組織変性または歯槽骨吸収を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、局所投与、経皮投与、または皮下投与により投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物の投与が、前記薬剤をカプセル化する変形可能なナノスケールのベシクル、前記薬剤でコートされたマイクロニードル、その中に組み込まれた前記薬剤を有する固形ポリマーマトリックス、前記薬剤を含む経皮パッチ、前記薬剤を含む経皮ゲル、または前記薬剤を含む経皮スプレーを含むデリバリーシステムを前記創傷に送達することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
それを必要とする被験体の創傷部位で結合組織を再生するための方法であって、前記被験体の創傷に、治療的有効量の、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤を含む組成物を投与することを含み、前記薬剤が、セロトニン受容体アンタゴニストである、方法。
【請求項13】
前記セロトニン受容体アンタゴニストが、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記セロトニン受容体1Bの前記アンタゴニストが、アリピプラゾール、AR-A000002、イサモルタン(CGP-361A)、メテルゴリン、メチオテピン、SB-216641、SB-236057またはヨヒンビンである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記セロトニン受容体2Bの前記アンタゴニストが、アゴメラチン、アミスルプリド、AM-1476、アリピプラゾール、ブリラロキサジン塩酸塩、BF-1、BW 723C86、カリプラジン、クロザピン、シプロヘプタジン、メタ-クロロフェニルピペラジン(mCPP)、EGIS-7625、エサミスルプリド(esamisulpride)、F-16615、イフェランセリン、ケタンセリン、LY-266097、LY-272,015、LY-287375、メタドキシン、ピロメラチン、プロメタジン、PRX-08066、RS-127445(MT500)、RS-127445、RQ-00310941、SB-204741、SB-206553、SB-200646A、SB-215505、SB-221284、SB224289、SB-228357、SDZ SER-082、テガセロッド、テルグリド、エチル3-(4-アミノ-1,3,5-トリアザスピロ[5.5]ウンデカ-2,4-ジエン-2-イルアミノ)ベンゾエート、2-ベンジル-5-ヒドロキシ-4H-クロメン-4-オン、5-ヒドロキシ-2-(3-フェニルプロピル)-4H-クロメン-4-オン、バビカセリン、XC-130、4-(6-イソプロピル-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-イソプロピル-1-ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-メトキシ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-ジメチルアミノ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-ジメチルアミノ-1-ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-1-メトキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-1-ヒドロキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、3-エトキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、6-エトキシ-1-メトキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、6-エトキシ-1-ヒドロキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、4-(3-エトキシ-5-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-4-メチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-4-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1,3-ジメチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-3’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-4’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-5’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジンまたはGSK-1606260、GSK-1645888、GSK-1742942、GSK-2054757、GSK-2080717およびSB-742888からなる群より選択される二重5-HT2a/5-HT2bアンタゴニストである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記創傷が、真皮創傷である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
創傷部位での結合組織を再生することが、瘢痕が減少したまたは瘢痕がない真皮創傷の形成を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記薬剤を投与することにより前記真皮創傷を処置することが、皮脂腺および毛包を含む皮膚組織を再生する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記真皮創傷が、歯周の創傷を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記歯周の創傷が、歯肉の結合組織変性または歯槽骨吸収を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記薬剤を用いて前記歯周の創傷を処置することが、複合歯周組織の再生をもたらす、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
複合歯周組織の再生が、歯槽骨の再増殖、歯肉靭帯の再生、および歯周靭帯の再生のうち1つまたは複数を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物が、局所投与、経皮投与、または皮下投与により投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物の投与が、前記薬剤をカプセル化する変形可能なナノスケールのベシクル、前記薬剤でコートされたマイクロニードル、その中に組み込まれた前記薬剤を有する固形ポリマーマトリックス、前記薬剤を含む経皮パッチ、前記薬剤を含む経皮ゲル、または前記薬剤を含む経皮スプレーを含むデリバリーシステムを前記創傷に送達することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項25】
それを必要とする被験体における創傷治癒の間に創傷部位での瘢痕形成を低減または防止するための方法であって、前記被験体の創傷に、治療的有効量の、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤を含む組成物を投与することを含み、前記薬剤が、セロトニン受容体アンタゴニストである、方法。
【請求項26】
前記セロトニン受容体アンタゴニストが、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記セロトニン受容体1Bの前記アンタゴニストが、アリピプラゾール、AR-A000002、イサモルタン(CGP-361A)、メテルゴリン、メチオテピン、SB-216641、SB-236057またはヨヒンビンである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記セロトニン受容体2Bの前記アンタゴニストが、アゴメラチン、アミスルプリド、AM-1476、アリピプラゾール、ブリラロキサジン塩酸塩、BF-1、BW 723C86、カリプラジン、クロザピン、シプロヘプタジン、メタ-クロロフェニルピペラジン(mCPP)、EGIS-7625、エサミスルプリド(esamisulpride)、F-16615、イフェランセリン、ケタンセリン、LY-266097、LY-272,015、LY-287375、メタドキシン、ピロメラチン、プロメタジン、PRX-08066、RS-127445(MT500)、RS-127445、RQ-00310941、SB-204741、SB-206553、SB-200646A、SB-215505、SB-221284、SB224289、SB-228357、SDZ SER-082、テガセロッド、テルグリド、エチル3-(4-アミノ-1,3,5-トリアザスピロ[5.5]ウンデカ-2,4-ジエン-2-イルアミノ)ベンゾエート、2-ベンジル-5-ヒドロキシ-4H-クロメン-4-オン、5-ヒドロキシ-2-(3-フェニルプロピル)-4H-クロメン-4-オン、バビカセリン、XC-130、4-(6-イソプロピル-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-イソプロピル-1-ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-メトキシ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-ジメチルアミノ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-ジメチルアミノ-1-ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-1-メトキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-1-ヒドロキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、3-エトキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、6-エトキシ-1-メトキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、6-エトキシ-1-ヒドロキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、4-(3-エトキシ-5-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-4-メチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-4-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1,3-ジメチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-3’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-4’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-5’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジンまたはGSK-1606260、GSK-1645888、GSK-1742942、GSK-2054757、GSK-2080717およびSB-742888からなる群より選択される二重5-HT2a/5-HT2bアンタゴニストである、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記創傷が、真皮創傷である、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記薬剤を投与することにより前記真皮創傷を処置することが、瘢痕が減少したまたは瘢痕がない真皮創傷の形成を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記薬剤を投与することにより前記真皮創傷を処置することが、皮脂腺および毛包を含む皮膚組織を再生する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記真皮創傷が、歯周の創傷を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記歯周の創傷が、歯肉の結合組織変性または歯槽骨吸収を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記組成物が、局所投与、経皮投与、または皮下投与により投与される、請求項25に記載の方法。
【請求項35】
前記組成物の投与が、前記薬剤をカプセル化する変形可能なナノスケールのベシクル、前記薬剤でコートされたマイクロニードル、その中に組み込まれた前記薬剤を有する固形ポリマーマトリックス、前記薬剤を含む経皮パッチ、前記薬剤を含む経皮ゲル、または前記薬剤を含む経皮スプレーを含むデリバリーシステムを前記創傷に送達することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記創傷が、改善または加速された創傷治癒を示す、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、創傷治癒および組織再生療法の分野に関する。一実施形態において、本開示は、創傷治癒、組織再生および創傷治癒の間の瘢痕形成の防止のためのニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤を使用する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
閉じていない開いたままの皮膚および口腔の創傷は、現在の医療および歯科治療にとって大きな脅威を示す。軟組織創傷管理の治療目標は、感染制御および創傷閉鎖である。EliasonおよびMcLaughlinが、術後の創傷合併症に対して1934年に古典的レビューを出版した際、主に手術部位の感染に焦点が当てられていた。抗生物質および無菌操作の効果的な使用により、今日、手術部位の感染のリスクは有意に低減されている。しかし、創傷治癒を促進し、瘢痕化を制限する課題には依然として問題が残っている。創傷閉鎖を達成するための現在のアプローチは、縫合糸および接着剤を使用しており、1世紀以上にわたって本質的に変わっていない。
【0003】
顔および頭は、事故、暴行または戦場での負傷のために生じる可能性がある創傷が最も頻繁に生じる領域である。顔面創傷は、救急部門の訪問者全体の約4%~7%を占め、救急部門は、臨床医が利用可能な多種多様の創傷閉鎖法を用いて顔の軟組織傷害のほぼ90%を処置する。顔面の癌、熱傷または骨折などの大きな顔面外傷は、明らかに、患者に多くの社会的影響をもたらすが、小さい顔面外傷であっても、重大な心理社会的影響を示す可能性があり、結果として、人生に対する満足度の低下、身体イメージの認識の変更、および心的外傷後ストレス障害、アルコール依存症、刑務所、失業または夫婦間の問題の高い発生率となる。
【0004】
慢性皮膚創傷は、正しくタイムリーな修復の順序が進行せず、結果として、解剖学的および機能的な真皮組織の完全性を達成することが失敗することになる。ドイツの一般人口における慢性非治癒性創傷の有病率が1%~2%と報告された。米国では、600万を超える人々が非常に高い罹患率および死亡率で罹患しており、280億ドル~968億ドルと推定される、メディケア受益者の創傷治療にかかる高い医療費につながる。
【0005】
口腔内の歯周炎の初期病変には、歯周ポケットと名付けられた歯肉と歯の表面との間に隙間が存在し、口腔マイクロバイオームにとって異常な環境を与え、結果として、病原菌の増殖となる。歯周ポケットの閉鎖は、現在、ポケット縮小手術によってのみ達成される。米国の施設に入っていない市民人口の米国全国健康・栄養調査により、鋸歯状の成人の46%、6470万人が、歯周炎に罹患していると報告された。歯周炎の有病率は、年齢の上昇と正の相関があり、8.9%の人が、発症した重度または進行性の歯周炎を有していた。同様に、歯周炎は、コンパニオンドッグにおいて最も広く経験されている口腔疾患である。アメリカ獣医医科大学によれば、歯周病は、最も一般的な臨床状態であり、有病率は、いくらかの犬種で90%超に達成する場合があり、未充足の獣医患者集団が多数存在する。
【0006】
哺乳動物細胞における24時間のリズムの内因性の自己持続的で細胞自律的な振動として既知である概日リズム(概日時計としても既知である)は、幅広い生理的ホメオスタシス機能を担っており、このリズムの乱れは、心血管疾患、糖尿病、代謝および睡眠障害、不妊、および創傷治癒障害などの慢性疾患に関与している。概日時計は、成体動物の生理学的組織再生を制御していることが報告されている。コア概日時計(リズム)は、概日ペースメーカーである視床下部の視交叉上核(SCN)により、中枢脳で厳密に維持されている。時計分子:Clock、Npas2およびBmal1転写因子は、PerおよびCry遺伝子の発現を誘発し、そのタンパク質生成物は、同様に、Clock、Npas2およびBmal1転写活性を阻害する。コア概日時計(SCNにおけるフィードフォワード/バックシステム)に加えて、骨、肝臓、皮膚および心臓などの末梢組織は、それら自体の概日時計(例えば時計分子発現)を維持する。マウス頭蓋冠骨器官培養は、概日周期での骨ミネラルの沈着を示した。マウス頭蓋冠のマイクロアレイ分析により、骨における末梢性の概日リズムの存在、および、全遺伝子の30%近くの毎日の発現が、時計制御遺伝子(CCG)として既知である24時間周期にしたがうことが明らかになった。末梢概日時計は、皮膚創傷および骨折治癒において調節的役割を果たすことが示されている。
【0007】
概日リズムのコアレギュレータの1つであるニューロンPASドメインタンパク質2(NPAS2)は、転写因子の塩基性ヘリックス-ループ-ヘリックス(bHLH)-PASファミリーのメンバーであり、概日運動器出力サイクル異常(CLOCK)のパラログである。NPAS2またはCLOCKは、脳および筋肉のArnt様タンパク質-1(BMAL1)と二量体化し、2つの他の概日遺伝子クラスター;period(PER)およびクリプトクロム(CRY)の遺伝子転写を調節する。PERおよびCRYは、その後、転写/翻訳フィードバックループシステムにより、NAPS2、CLOCK、およびBMAL1の発現を抑制する。以前の研究により、Npas2発現が、哺乳動物の前脳および中枢脳では生じるが、SCNでは生じないことが明らかになっている。しかし、Npas2の明確な発現は、心臓、肝臓、血管系、および皮膚を含む末梢組織で報告された。
【0008】
オステオインテグレーションの加速についてのある特定のNpas2アップレギュレータに対する以前の研究は、その全体が本明細書に組み込まれている国際公開第2020/096975号として公開されたPCT/US2019/059693に説明されていた。骨修復および創傷治癒を加速することについてのある特定のNpas2サプレッサに対する以前の研究は、その全体が本明細書に組み込まれている国際公開第2021/046428号として公開されたPCT/US2020/049529に説明されていた。
【0009】
そのため、創傷治癒を促進するため、歯槽骨を再生するため、創傷部位での結合組織を再生するため、および/または創傷治癒の間に創傷部位での瘢痕形成を防止するために、被験体の創傷、特に皮膚および口腔の開いたままの皮膚創傷に投与することができる薬剤を同定することは非常に重要である。
【発明の概要】
【0010】
一態様において、本開示は、それを必要とする被験体の創傷に、clock遺伝子ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤を投与することを含む、被験体における創傷治癒を改善または加速するための方法を提供し、薬剤は、セロトニン受容体アンタゴニストである。例えば、薬剤は、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bの、またはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。
【0011】
別の態様において、本開示は、それを必要とする被験体の骨の喪失部位に、Npas2の発現を抑制する薬剤を投与することを含む、歯槽骨を再生するための方法を提供し、薬剤は、セロトニン受容体アンタゴニストである。例えば、薬剤は、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bの、またはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。
【0012】
さらなる態様において、本開示は、創傷に、治療的有効量のNpas2発現サプレッサを投与することを含む、それを必要とする被験体の創傷部位で結合組織を再生するための方法を提供し、サプレッサは、セロトニン受容体アンタゴニストである。例えば、サプレッサは、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bの、またはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。
【0013】
別の態様において、本開示は、被験体の開いたままの創傷部位に、Npas2の発現を抑制する薬剤を局所投与することを含む、創傷領域サイズを縮小するための方法を提供し、薬剤は、セロトニン受容体アンタゴニストである。例えば、薬剤は、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bの、またはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。
【0014】
さらに別の態様において、本開示は、それを必要とする被験体における創傷治癒の間に創傷部位での瘢痕形成を低減または防止するための方法を提供し、その方法は、それを必要とする被験体の創傷に、治療的有効量の、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤を含む組成物を投与することを含み、薬剤は、セロトニン受容体アンタゴニストである。ある特定の実施形態において、セロトニン受容体アンタゴニストは、本明細書に記載されるような、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bの、またはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。
【0015】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、実施例および図面から明らかになるであろう。しかし、本発明の精神および範囲内で種々の変更および修飾がこの詳細な説明で当業者に明らかになるので、本発明のある特定の実施形態を示しながら、詳細な説明および特定の実施形態が、例示のためにのみ与えられていることが理解されるべきである。適切な場合はいつでも、本発明の実施形態はいずれも、実施形態が、本発明の異なる態様で説明されているとしても、1つまたは複数の本発明の他の実施形態と組み合わせることができる。
【0016】
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本開示のある特定の態様をさらに示すことが含まれ、その本発明は、本明細書に提示されている特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせてこれらの図面の1つまたは複数を参照することにより、より良好に理解することができる。特許または出願ファイルには、少なくとも1つのカラー付き図面が含まれている。カラー付き図面の本特許または特許出願公開の写しは、請求および必要な手数料の支払いにより、国内官庁から提供されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1A~
図1Bは、マウス皮膚切除創傷副子固定モデルでの創傷治癒を示し、副木リングは、創傷の周囲の皮膚にしっかりと接着し、それによって、局所皮膚収縮を防止する。このように、ヒトで生じるのと同様の肉芽形成および再上皮形成のプロセスを通じて創傷が治癒される。図は、野生型(WT)(
図1A)およびNpas2 KOマウス(
図1B)において副子固定皮膚創傷の時間経過による治癒を表す。Npas2 KOマウスは、真皮組織再生を用いて加速した創傷閉鎖を示した。
【
図2】
図2は、14日目のマウス副子固定創傷治癒の組織学的検査を示し、WTマウスの創傷治癒が、完全に創傷縁を超えた肉芽組織および瘢痕組織形成によるものであることを示す(白色矢印)。対照的に、Npas2 KOマウスは、毛包ならびに高度に成熟した上皮および真皮結合組織を含む真皮組織を再生した。
【
図3】
図3は、Npas2発現をアップレギュレートしたセロトニン(5-HT)受容体1B、2B(HTR1B、2B)の過剰発現、したがってHTR1BおよびHTR2Bを治療標的として同定することを示す。
【
図4】
図4は、ヒト真皮線維芽細胞を使用するインビトロコラーゲン合成アッセイを示す。セロトニン(5-HT)追加なしで、選択された化合物の大部分は、線維芽細胞性コラーゲン合成を維持した。10μM 5-HT追加の存在下、セロトニン受容体アンタゴニストPRX-08066は、高レベルのコラーゲン合成を示した。
【
図5】
図5は、10%DMSOのビヒクル溶液中、5マイクロモル濃度で選択された化合物の毎日の適用の結果を示す。セロトニン受容体アンタゴニストPRX-08066およびシプロヘプタジンでの処置は、結果として有意な創傷閉鎖および皮膚組織再生となった。
【
図6】
図6A~
図6Gは、マウスにおける結紮誘発性歯周炎および結紮除去後のNpas2-/-マウスにおける歯槽骨再生を示す。
図6Aは、14日間かけて歯肉炎症を発症した上顎第2大臼歯(M2)の周囲の結紮配置を示す(点線)。
図6Bは、口蓋歯肉の側部に配置された結紮で増加したIL-17aなどの炎症誘発性サイトカインの発現を示す。
図6Cは、徐々に増加したマイクロCTによりモニターされた歯槽骨の喪失を示す。
図6Dは、徐々に増加したNpas2の歯肉発現を示す。
図6Eは、結紮が14日目に除去され、歯石除去およびルートプレーニング(SRP)を模倣することを示す。28日目に、歯肉炎症は落ち着いた。WTマウスにおいて、M2の周囲に認められる歯肉の欠損(白色矢印)があり、これは、Npas2-/-マウスではあまり目に見えなかった。
図6Fは、14日目での縫合糸除去の前、歯周炎により誘発された同等の歯槽骨の喪失が示されたWTおよびNpas2-/-マウスを示す。
図6Gは、WTマウスの歯槽骨の高さが低く維持されたが、Npas2-/-マウスが高くなった骨の高さを示し、骨の再生を示唆したことを示す。*:p<0.05、***:p<0.001
【
図7】
図7は、モノアミン関連遺伝子を過剰発現するヒト歯周靭帯幹細胞(PDLSC)を示し、HTR2BがNpas2発現を低下させるための治療標的であることが明らかにされた。
【
図8】
図8は、インビトロ骨形成アッセイを示し、HTR2B特異的アンタゴニスト(PRX-08066)の追加が、PDLSCの分化を促進したことが明らかにされた。
【
図9】
図9A~
図9Gは、HTR1BおよびHTR2Bのヒト真皮線維芽細胞に対する影響を示す。
図9Aは、GFPを保持するレンチウイルスベクターが、ヒト真皮線維芽細胞へのレンチウイルス形質導入に成功したことを示したことを示す。
図9Bおよび
図9Cは、定量PCRを使用して、HTR1BおよびHTR2Bの定常状態のmRNAレベルが、レンチウイルスベクターが形質導入された後に有意に増加したことを示す。
図9Dは、Npas2の発現が、HTR1BおよびHTR2B過剰発現により有意に増加し、セロトニンの潜在的な役割を支持することを示す。
図9Eは、セロトニン追加で、ヒト真皮線維芽細胞のインビトロコラーゲン合成が低下したことを示し、
図9Fは、セロトニン追加が、ヒト真皮線維芽細胞のNpas2発現を高めたことを示す。
図9Gは、ヒト真皮線維芽細胞の病理学的コラーゲン過小合成が、HTR1BおよびHTR2B過剰発現により媒介されたことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の詳細な説明において、多数の具体的な詳細は、本発明の完全な理解を与えるために記載されている。しかし、本発明が、これらの具体的な詳細なしで、実施される場合があることが、当業者により理解されるであろう。他の場合、周知の方法、手順、および構成要素は、本発明を不明瞭にしないように詳細には説明されていない。
【0019】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されているすべての技術的および科学的用語は、本発明が属している技術分野における当業者により一般的に理解されているものと同じ意味を有する。さらに、文脈上、別段の必要がない限り、単数形の用語は、複数形を含むことになっており、複数形の用語は、単数形を含むことになっている。
【0020】
概日リズムおよび創傷治癒
上記のとおり、哺乳動物細胞における24時間のリズムの内因性の自己持続的で細胞自律的な振動として既知である概日リズム(概日時計としても既知である)は、幅広い生理的ホメオスタシス機能を担っており、このリズムの乱れは、心血管疾患、糖尿病、代謝および睡眠障害、不妊、および創傷治癒障害などの慢性疾患に関与している。
【0021】
概日時計は、成体動物の生理学的組織再生を制御していることが報告されている。コア概日時計(リズム)は、概日ペースメーカーである視床下部の視交叉上核(SCN)により、中枢脳で厳密に維持されている。時計分子:Clock、Npas2およびBmal1転写因子は、PerおよびCry遺伝子の発現を誘発し、そのタンパク質生成物は同様に、Clock、Npas2およびBmal1転写活性を阻害する。コア概日時計(SCNにおけるフィードフォワード/バックシステム)に加えて、骨、肝臓、皮膚および心臓などの末梢組織は、それら自体の概日時計(例えば時計分子発現)を維持する。マウス頭蓋冠骨器官培養は、概日周期での骨ミネラルの沈着を示した。マウス頭蓋冠のマイクロアレイ分析により、骨における末梢性の概日リズムの存在、および、全遺伝子の30%近くの毎日の発現が、時計制御遺伝子(CCG)として既知である24時間周期にしたがうことが明らかになった。末梢概日時計は、皮膚創傷および骨折治癒において調節的役割を果たすことが示されている。
【0022】
概日リズムのコアレギュレータの1つであるニューロンPASドメインタンパク質2(NPAS2)は、転写因子の塩基性ヘリックス-ループ-ヘリックス(bHLH)-PASファミリーのメンバーであり、概日運動器出力サイクル異常(CLOCK)のパラログである。NPAS2またはCLOCKは、脳および筋肉のArnt様タンパク質-1(BMAL1)と二量体化し、2つの他の概日遺伝子クラスター;period(PER)およびクリプトクロム(CRY)の遺伝子転写を調節する。PERおよびCRYは、その後、転写/翻訳フィードバックループシステムにより、NAPS2、CLOCK、およびBMAL1の発現を抑制する。以前の研究により、Npas2発現が、哺乳動物の前脳および中枢脳では生じるが、SCNでは生じないことが明らかになっている。しかし、Npas2の明確な発現は、心臓、肝臓、血管系、および皮膚を含む末梢組織で報告された。
【0023】
マウスの皮膚線維芽細胞は、Clockの発現の不足を補う可能性があるNpas2を発現すると報告されている。NPAS2は、老化したヒトの皮膚で有意にアップレギュレートされた遺伝子の中で、マイクロアレイ分析により同定された。まとめると、皮膚線維芽細胞におけるNpas2が、ホメオスタシス維持で重要な役割を果たし、そのためNpas2が、皮膚創傷治癒の間の主要な要因であるという仮説が立てられている。本明細書の本開示で説明されるように、この仮説は、Npas2ノックアウトマウスを使用して対処された。
【0024】
近年、肝臓でのNpas2の異所性アップレギュレーションは、線維芽細胞形成に関連していた。Npas2は、Clockのオルソログ分子であり、Clockがない場合、Npas2は、線維芽細胞の末梢時計機能を代替する。そのため、Clockノックアウトマウスの末梢組織における線維化の形成は、Npas2を代替する病理学的メカニズムが関与している場合がある。近年、Npas2ノックアウト(KO)マウスが、最小の線維化で、より速い皮膚創傷治癒を示したことが報告されている。
【0025】
末梢概日時計遺伝子および創傷治癒
結合組織の機能および表現型は、皮膚および口腔組織で変更する。真皮線維芽細胞、口腔線維芽細胞および骨形成骨芽細胞は、部位特異的機能および表現型を維持する結合組織細胞の1つであり、健康のホメオスタシスに寄与している。幅広い意味での創傷は、結果として瘢痕化または機能の喪失となる表現型を変更することにより結合組織細胞に影響する。本明細書で考察されるように、末梢概日時計が、創傷治癒の間、以前には認識されていなかった役割を果たすことが認められた。
【0026】
SCNにおけるコア概日時計に加えて、線維芽細胞および骨芽細胞などの末梢組織は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Matsui MS,Biological Rhythms in the Skin.Int J Mol Sci.2016;17(6)により説明されるように、自律的に機能することができる末梢時計を有する。以前の研究により、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Hoyle NP,et al.,Circadian actin dynamics drive rhythmic fibroblast mobilization during wound healing.Sci Transl Med.2017;9(415)により説明されるように、ヒト熱傷のデータベースから、夜間(休息時間)に負傷した傷が、昼間(活動時間)に得た傷よりも治癒が遅いことが示されたことが報告された。これらの結果から、創傷治癒における概日リズムの調節的役割が示唆されているが、概日リズムがどのように皮膚創傷治癒に寄与しているかのメカニズムは、依然として不明である。
【0027】
その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Landgraf D,et al.,NPAS2 Compensates for Loss of CLOCK in Peripheral Circadian Oscillators.PLoS Genet.2016;12(2):e1005882により説明されるように、マウスの皮膚線維芽細胞は、Clockの発現の不足を補う可能性があるNpas2を発現すると報告されている。その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Glass D,et al.,Gene expression changes with age in skin,adipose tissue,blood and brain.Genome Biol.2013;14(7):R75により説明されるように、NPAS2は、老化したヒトの皮膚で有意にアップレギュレートされた遺伝子の中で、マイクロアレイ分析により同定された。その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Sasaki H,et al.,Neuronal PAS Domain 2(Npas2)-Deficient Fibroblasts Accelerate Skin Wound Healing and Dermal Collagen Reconstruction.Anat Rec(Hoboken).2019により説明されるように、近年、Npas2が、強化された皮膚創傷治癒を促進する役割を果たしていることが観察されている。
【0028】
前述したように、Npas2-/-マウスは、他の群よりも、より速い皮膚創傷閉鎖を示した。一実施形態において、本開示は、歯槽骨および真皮創傷の再生治療のための概日時計分子を標的化する、ある特定の小分子化合物の適用に向けられている。概日システムを調節する小分子の治療の可能性は、「時間治療」の新規アプローチとして提案されている。本発明はまた、それを必要とする患者に対する、歯槽骨再生、および創傷治癒を含むがこれらに限定されない、効果的で安全で手頃な歯科組織再生のための小分子ベースの時間治療に向けられている。
【0029】
時間治療における主な課題の1つは、標的時計分子を選択することである。すべてではないにせよ、細胞の大部分は、概日時計メカニズムを保持しているため、治療的調節は、幅広い副作用を引き起こす場合がある。例えば、Bmal1またはClockのKO突然変異は、末梢骨組織および早期老化の症状(筋肉減少症、白内障、臓器収縮)において、種々の病理学的表現型を生成した。対照的に、Npas2 KO突然変異は、結果として、顎骨、脊椎骨および付属肢の骨の胎児期および発生期の病理とはならなかった。SCNにおけるNpas2発現のレベルは低く、中枢の概日リズムにはほとんど寄与しない。代わりに、向上したNpas2発現は、疾患状態の末梢組織に現れる。骨組織およびMSC(間葉系ストローマ/幹細胞)におけるNpas2の発現は、それぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Mengatto et al.,PLoS One.2011;6(1):e15848およびHassan et al.,PLoS One.2017;12(8):e0183359により説明されるように、それぞれ、インビボおよびインビトロでチタン(Ti)生体材料に曝露される場合、有意に向上した。末梢組織におけるNpas2発現は、創傷を含む環境的な合図により刺激された「特別な」塩基により誘発される場合がある。Hassan et al.,PLoS One.2017;12(8):e0183359により説明されるように、重み付き遺伝子共発現分析により、Npas2が、他の概日時計遺伝子と共制御されていなかったことが示された。Npas2 KO MSCは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Morinaga et al.,Biomaterials.2018;192:62-74により説明されるように、他のコア時計遺伝子の正常な発現を維持した。
【0030】
本明細書に提供されているものは、創傷治癒のため、例えば創傷の修復および治癒を改善および/または加速するため、骨の喪失部位での歯槽骨を再生するため、創傷部位での結合組織を再生するため、開いたままの創傷部位での創傷領域サイズを縮小するため、ならびに創傷治癒の間に創傷部位での瘢痕形成を低減または防止するために時計遺伝子ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤(Npas2発現サプレッサ、Npas2サプレッサとも呼ばれる)を使用する治療方法であり、前記方法は、被験体の開いたままの創傷部位および/または骨の喪失部位に、Npas2発現サプレッサを投与することを含む。一実施形態において、Npas2の発現を抑制する投与された治療剤は、セロトニン受容体のアンタゴニストである。例えば、薬剤は、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。
【0031】
本明細書に開示されるように、Npas2発現サプレッサは、創傷または慢性炎症を受けている結合組織を再生し、真皮(皮膚)創傷および歯周組織創傷を再生し、骨の喪失部位の歯槽骨再生を促進する。
【0032】
一実施形態において、本開示は、それを必要とする被験体の創傷に、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤を投与することを含む、被験体における創傷治癒を改善または加速するための方法を提供し、薬剤は、セロトニン受容体のアンタゴニストである。例えば、薬剤は、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。
【0033】
一実施形態において、投与は、局所投与、経皮投与および/または皮下投与によるものである。別の実施形態において、創傷は、真皮創傷である。いくらかの実施形態において、真皮創傷は、歯周の創傷である。ある特定の実施形態において、歯周の創傷は、歯肉の結合組織変性または歯槽骨吸収を含む。一実施形態において、Npas2の発現を抑制する薬剤は、細胞遊走アッセイにおいて、ヒト皮膚線維芽細胞の遊走を加速させる。
【0034】
一実施形態において、経皮投与は、薬剤をカプセル化する変形可能なナノスケールベシクルの創傷への適用である。一実施形態において、経皮投与は、薬剤でコートされたマイクロニードル、その中に組み込まれた薬剤を有する固形ポリマーマトリックス、薬剤を貯蔵するリザーバおよび半透膜を含む経皮パッチ、その中に溶解している薬剤を含む経皮ゲル、その中に溶解している薬剤を含む経皮スプレー、またはその中に溶解している薬剤を含む定量経皮スプレーを含む経皮送達システムの創傷への適用である。
【0035】
いくらかの実施形態において、Npas2発現サプレッサである薬剤は、本明細書に記載されるような、セロトニン受容体のアンタゴニストである。
【0036】
セロトニン受容体アンタゴニスト
一実施形態において、Npas2の発現を抑制する薬剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストである。別の実施形態において、Npas2の発現を抑制する薬剤は、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bの選択的アンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体アンタゴニストである。
【0037】
いくらかの実施形態において、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストは、AR-A000002、イサモルタン(CGP-361A)、メテルゴリン、メチオテピン、SB-216641、SB-236057またはヨヒンビンである。
【0038】
一実施形態において、セロトニン受容体1Bアンタゴニストは、AR-A000002((R)-N-[5-メチル-8-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2-ナフチル]-4-モルホリノベンズアミド)であり、以下の化学構造:
【0039】
【0040】
を有する。
【0041】
別の実施形態において、セロトニン受容体1Bアンタゴニストは、イサモルタン(CGP-361Aとも呼ばれる)(2-プロパノール,1-[(1-メチルエチル)アミノ]-3-[2-(1H-ピロール-1-イル)フェノキシ]-,塩酸塩(1:1))であり、以下の化学構造:
【0042】
【0043】
を有する。
【0044】
一実施形態において、セロトニン受容体1Bアンタゴニストは、メテルゴリン(リゼルガミン,N-カルボキシ-9,10-ジヒドロ-1-メチル-,ベンジルエステル)であり、以下の化学構造:
【0045】
【0046】
を有する。
【0047】
別の実施形態において、セロトニン受容体1Bアンタゴニストは、メチオテピン(1-[10,11-ジヒドロ-8-(メチルチオ)ジベンゾ[b,f]チエピン-10-イル]-4-メチルピペラジン)であり、以下の化学構造:
【0048】
【0049】
を有する。
【0050】
一実施形態において、セロトニン受容体1Bアンタゴニストは、SB-216641(N-[3-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-4-メトキシフェニル]-2’-メチル-4’-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)[1,1’-ビフェニル]-4-カルボアミド)であり、以下の化学構造:
【0051】
【0052】
を有する。
【0053】
一実施形態において、セロトニン受容体1Bアンタゴニストは、SB-236057(1-エチル-5-(2-メチル-4-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾリル-2-イル)ビフェニル-4-カルボニル)-2,3,6,7テトラヒドロスピロ{フロ[2,3-f]インドール-3,4-ピペリジン}塩酸塩)であり、セロトニン受容体1Bの選択的逆アゴニストであり、以下の化学構造:
【0054】
【0055】
を有する。
【0056】
一実施形態において、セロトニン受容体1Bアンタゴニストは、SB244289(9(1’-メチル-5-[[2’-メチル-4-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビフェニル-4-イル]カルボニル]-2,3,6,7-テトラヒドロ-スピロ[フロ[2,3,-f]インドール-3,4’-ピペリジン]シュウ酸塩)であり、セロトニン受容体1Bの強力な逆アゴニストであり、以下の化学構造:
【0057】
【0058】
を有する。
【0059】
別の実施形態において、セロトニン受容体1Bアンタゴニストは、ヨヒンビン(メチル(1S,15R,18S,19R,20S)-18-ヒドロキシ-1,3,11,12,14,15,16,17,18,19,20,21-ドデカヒドロヨヒンバン-19-カルボン酸塩)であり、以下の化学構造:
【0060】
【0061】
を有する。
【0062】
種々の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、アゴメラチン、アミスルプリド、AM-1476、アリピプラゾール、ブリラロキサジン塩酸塩、BF-1、BW 723C86、カリプラジン、クロザピン、シプロヘプタジン、メタ-クロロフェニルピペラジン(mCPP)、EGIS-7625、エサミスルプリド(esamisulpride)、F-16615、イフェランセリン、ケタンセリン、LY-266097、LY-272,015、LY-287375、メタドキシン、ピロメラチン、プロメタジン、PRX-08066、RS-127445(MT500)、RS-127445、RQ-00310941、SB-204741、SB-206553、SB-200646A、SB-215505、SB-221284、SB224289、SB-228357、SDZ SER-082、テガセロッド、テルグリド、エチル3-(4-アミノ-1,3,5-トリアザスピロ[5.5]ウンデカ-2,4-ジエン-2-イルアミノ)ベンゾエート、2-ベンジル-5-ヒドロキシ-4H-クロメン-4-オン、5-ヒドロキシ-2-(3-フェニルプロピル)-4H-クロメン-4-オン、バビカセリン、XC-130、4-(6-イソプロピル-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-イソプロピル-1-ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-メトキシ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-ジメチルアミノ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-ジメチルアミノ-1-ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-1-メトキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-1-ヒドロキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、3-エトキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、6-エトキシ-1-メトキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、6-エトキシ-1-ヒドロキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、4-(3-エトキシ-5-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-4-メチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-4-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1,3-ジメチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-3’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-4’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-5’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジンまたはGSK-1606260、GSK-1645888、GSK-1742942、GSK-2054757、GSK-2080717およびSB-742888からなる群より選択される二重5-HT2a/5-HT2bアンタゴニストである。
【0063】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストは、PRX-08066(5-[[4-[(6-クロロチエノ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ]ピペリジン-1-イル]メチル]-2-フルオロベンゾニトリル、またはそのマレイン酸塩)、HTR2B特異的アンタゴニストであり、以下の化学構造:
【0064】
【0065】
を有する。
【0066】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストは、PERIACTINの名で販売されているシプロヘプタジン(1-メチル-4-(2-トリシクロ[9.4.0.03,8]ペンタデカ-1(15),3,5,7,9,11,13-ヘプタエニリデン)ピペリジン)であり、以下の化学構造:
【0067】
【0068】
を有する。
【0069】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストは、SUFREXALとして販売されているケタンセリン(3-[2-[4-(4-フルオロベンゾイル)-1-ピペリジニル]エチル]-2,4[1H,3H]-キナゾリンジオン酒石酸塩)であり、以下の化学構造:
【0070】
【0071】
を有する。
【0072】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストは、アリピプラゾール(7-[4-[4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル]ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-1H-キノリン-2-オン)であり、以下の化学構造:
【0073】
【0074】
を有する。
【0075】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストは、ANPLAGとして販売されているサルポグレラート((-)-4-[1-ジメチルアミノ-3-[2-[2-(3-メトキシフェニル)エチル]フェノキシ]プロパン-2-イル]オキシ-4-オキソブタン酸)、混合されたHTR2AおよびHTR2Bアンタゴニストであり、以下の化学構造:
【0076】
【0077】
を有する。
【0078】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストは、RS-127445(4-(4-フルオロ-1-ナフタレニル)-6-(1-メチルエチル)-2-ピリミジンアミン塩酸塩)であり、以下の化学構造:
【0079】
【0080】
を有する。
【0081】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストは、EGIS-7625(5-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)-2-メチル-4-ニトロアニリン)であり、以下の化学構造:
【0082】
【0083】
を有する。
【0084】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストは、SB-228357(N-(3-(3-ピリジニル)-5-フルオロフェニル)-5-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)インドリン-1-カルボキサミド)であり、以下の化学構造:
【0085】
【0086】
を有する。
【0087】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストは、テルグリド(teguride)(N,N-ジエチル-N’-[(8α)-6-メチルエルゴリン-8-イル]ウレア)であり、以下の化学構造:
【0088】
【0089】
を有する。
【0090】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストは、SB-204741(N-(1-メチル-1H-5-インドリル)-N’-(3-メチル-5-イソチアゾリル)ウレア)であり、以下の化学構造:
【0091】
【0092】
を有する。
【0093】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストは、競合的アルファ1-アドレナリン受容体遮断薬および部分的アルファ2-アドレナリン受容体アゴニストである半合成麦角アルカロイドである。種々の実施形態において、セロトニン(5-ヒドロキシトリプタミンまたは「5-HT」)受容体アンタゴニストである麦角アルカロイドは、メチセルジド(「1-メチル-D-リゼルグ酸ブタノールアミド」、「UML-491」、および「マレイン酸メチセルジド」、またはそれらの塩とも呼ばれる)であり、以下の化学構造:
【0094】
【0095】
を有するセロトニン5-HT2c受容体アンタゴニストである。
【0096】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストは、アメセルギド(amesergide)(「N-シクロヘキシル-11-イソプロピルリセルグアミド」および「LY-237733」とも呼ばれる)であり、セロトニン5-HT2A、5-HT2B、および5-HT2C受容体の選択的アンタゴニストおよびα2-アドレナリン受容体の強力なアンタゴニストであり、アメセルギド(amesergide)は、メチセルジドと関係があり、以下の化学構造:
【0097】
【0098】
を有する。
【0099】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bアンタゴニストである半合成麦角アルカロイドは、メチルエルゴメトリン(「メチルエルゴノビン」、「メチルエルゴバシン」、「D-リゼルグ酸1-ブタノールアミド」およびその塩のメチルエルゴノビンマレイン酸塩(メテルギン(登録商標))とも呼ばれる)、セロトニン作動性、ドーパミン作動性およびアルファ-アドレナリン受容体の部分アゴニスト/アンタゴニストであるメチセルジドの活性代謝物であり、以下の化学構造:
【0100】
【0101】
を有する。
【0102】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、以下の化学構造:
【0103】
【0104】
(式中、Rは、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、フェノキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、ジメチルアミノ、-CON(CH3)2および-CON(C2H5)2からなる群より選択される;
R2は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヒドロキシまたは水素であるか、R1とR2とは、一緒になって、5員の複素環を形成し、ここで、前記複素環のヘテロ原子は、酸素原子である;
R3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヒドロキシおよび水素からなる群より選択される;
R4は、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよび水素からなる群より選択される;
R5は、メチルまたは水素である;ならびに
R6は、メチルまたはエチルである;ならびにそれぞれその全体が本明細書に組み込まれている、国際公開第2011009012号および米国特許第7060711号明細書で説明されたように、Xは、S、NまたはSeである)
を有する。
【0105】
いくらかの実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、アゴメラチン(N-[2-(7-メトキシナフタレン-1-イル)エチル]アセトアミド)であり、以下の化学構造:
【0106】
【0107】
を有する。
【0108】
いくらかの実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、アミスルプリド(4-アミノ-N-[(1-エチルピロリジン-2-イル)メチル]-5-エチルスルホニル-2-メトキシベンズアミド)であり、以下の化学構造:
【0109】
【0110】
を有する。
【0111】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、カリプラジン(N’-[トランス-4-[2-[4-(2,3-ジクロロフェニル)-1-ピペラジニル]エチル]シクロへキシル]-N,N-ジメチルウレア)であり、以下の化学構造:
【0112】
【0113】
を有する。
【0114】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、クロザピン(3-クロロ-6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-11H-ベンゾ[b][1,4]ベンゾジアゼピン;塩酸塩)であり、以下の化学構造:
【0115】
【0116】
を有する。
【0117】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、メタ-クロロフェニルピペラジン(mCPP)であり、以下の化学構造:
【0118】
【0119】
を有する。
【0120】
いくらかの実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、リスリド、5-HT2Bアンタゴニストおよび二重5-HT2A/Cアゴニストでもあるエルゴリンクラスのドーパミンアゴニストであり、以下の化学構造:
【0121】
【0122】
を有する。
【0123】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、RS-127445(4-(4-フルオロ-1-ナフタレニル)-6-(1-メチルエチル)-2-ピリミジンアミンまたはその塩、例えばHCl)であり、以下の化学構造:
【0124】
【0125】
を有する。
【0126】
いくらかの実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、テガセロッド(2-[(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)メチレン]-N-ペンチルヒドラジンカルボキシイミドアミド)であり、以下の化学構造:
【0127】
【0128】
を有する。
【0129】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、メタドキシン(3,4-ピリジンジメタノール、5-ヒドロキシ-6-メチル-、5-オキソ-L-プロリン(1:1)との複合物)であり、以下の化学構造:
【0130】
【0131】
を有する。
【0132】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、プロメタジン(N,N,α-トリメチル-10H-フェノチアジン-10-エタンアミン)であり、以下の化学構造:
【0133】
【0134】
を有する。
【0135】
さらに別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、SDZ SER-082(rel-(7aR,11aS)-4,5,7a,8,9,10,11,11a-オクタヒドロ-10-メチル-7H-インドロ[1,7-bc][2,6]ナフチリジン)であり、以下の化学構造:
【0136】
【0137】
を有する。
【0138】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、SB-200646 N-(1-メチル-1H-インドール-5-イル)-N’-3-ピリジニルウレア)であり、以下の化学構造:
【0139】
【0140】
を有する。
【0141】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、SB-204741(N-(1-メチル-1H-インドール-5-イル)-N’-(3-メチル-5-イソチアゾリル)ウレア)であり、以下の化学構造:
【0142】
【0143】
を有する。
【0144】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、SB-206553(3,5-ジヒドロ-5-メチル-N-3-ピリジニルベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジピロール-1(2H)-カルボキサミドまたはそのHCl塩)であり、以下の化学構造:
【0145】
【0146】
を有する。
【0147】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、SB-215505(6-クロロ-2,3-ジヒドロ-5-メチル-N-5-キノリニル-1H-インドール-1-カルボキサミド)であり、以下の化学構造:
【0148】
【0149】
を有する。
【0150】
さらに別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、LY-266,097(1-(2-クロロ-3,4-ジメトキシ-ベンジル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ベータ-カルボリン)であり、以下の化学構造:
【0151】
【0152】
を有する。
【0153】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、LY-272,015(1-[(3,4-ジメトキシフェニル)メチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-6-メチル-1H-ピリド[3,4-b]インドール塩酸塩)であり、以下の化学構造:
【0154】
【0155】
を有する。
【0156】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、RS-127445((4-(4-フルオロ-1-ナフタレニル)-6-(1-メチルエチル)-2-ピリミジンアミン塩酸塩)であり、以下の化学構造:
【0157】
【0158】
を有する。
【0159】
さらに別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、エチル3-(4-アミノ-1,3,5-トリアザスピロ[5.5]ウンデカ-2,4-ジエン-2-イルアミノ)ベンゾエート(その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Zhou et al.,2016により説明されるような)であり、以下の化学構造:
【0160】
【0161】
を有する。
【0162】
いくらかの実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、2-ベンジル-5-ヒドロキシ-4H-クロメン-4-オン、(その全体が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2015116460号により説明されるような)であり、以下の化学構造:
【0163】
【0164】
を有する。
【0165】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、5-ヒドロキシ-2-(3-フェニルプロピル)-4H-クロメン-4-オン、(その全体が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2015116460号により説明されるような)であり、以下の化学構造:
【0166】
【0167】
を有する。
【0168】
いくらかの実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、RQ-00310941、(その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Wang et al.,2021により説明されるような)であり、以下の化学構造:
【0169】
【0170】
を有する。
【0171】
いくらかの実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、BF-1、(その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Wang et al.,2021,Pharmaceuticals 14:76により説明されるような)であり、以下の化学構造:
【0172】
【0173】
を有する。
【0174】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、LY-287375(1-[(3,4-ジメトキシフェニル)メチル]-7,8-ジメチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール)であり、以下の化学構造:
【0175】
【0176】
を有する。
【0177】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、F-16615、(その全体が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2011012868号により説明されるような)であり、以下の化学構造:
【0178】
【0179】
を有する。
【0180】
いくらかの実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、以下の化学構造:
【0181】
【0182】
を有する。
【0183】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、SB-200646A(N-(1-メチル-1H-インドール-5-イル)-N’-3-ピリジニルウレア)であり、以下の化学構造:
【0184】
【0185】
を有する。
【0186】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、SB-221284であり、以下の化学構造:
【0187】
【0188】
を有する。
【0189】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、イフェランセリンであり、以下の化学構造:
【0190】
【0191】
を有する。
【0192】
さらに別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、AM-1476であり、以下の化学構造:
【0193】
【0194】
を有する。
【0195】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、バビカセリン((12R,16S)-7,10-ジアザテトラシクロ[8.6.1.05,17.012,16]ヘプタデカ-1,3,5(17)-トリエン)であり、以下の化学構造:
【0196】
【0197】
を有する。
【0198】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、エサミスルプリド(esamisulpride)(S-(-)-アミスルプリド;S-アミスルプリド)であり、以下の化学構造:
【0199】
【0200】
を有する。
【0201】
別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、ブリラロキサジン塩酸塩(6-(4-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)ブトキシ)-2h-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4h)-オン)であり、以下の化学構造:
【0202】
【0203】
を有する。
【0204】
他の実施形態において、アンタゴニストは、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第10,815,235号明細書に開示されている化合物である。
【0205】
さらなる実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、XC130-A10H(Xoc Pharmaceuticals)とも呼ばれているXC-130である。
【0206】
一実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、ピロメラチン(N-[2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]-4-オキソ-4H-ピラン-2-カルボキサミド)であり、以下の化学構造:
【0207】
【0208】
を有する。
【0209】
いくらかの実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2011009012号および米国特許第7060711号明細書により記載されているような、SB 224289である。
【0210】
いくらかの実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2011009012号により説明されるような、BW 723C86である。
【0211】
さらに別の実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第7060711号明細書に記載されているような、以下の化合物:4-(6-イソプロピル-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-I-メチル-ピペリジン;4-(6-イソプロピル-1-ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;4-(6-エトキシ-1-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;4-(6-エトキシ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;4-(6-エトキシ-1ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;4-(6-メトキシ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;4-(6-ジメチルアミノ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;4-(6-ジメチルアミノ-1-ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;4-(3-エトキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;4-(3-エトキシ-1-メトキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;4-(3-エトキシ-1-ヒドロキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;3-エトキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン;6-エトキシ-1-ヒドロキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン;4-(3-エトキシ-5-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;4-(3-エトキシ-4-メチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;4-(3-エトキシ-4-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;4-(3-エトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1,3-ジメチル-ピペリジン;4-(3,4-(シクロペント-3’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン;または4-(3,4-(シクロペント-4’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジンの1つから選択される。
【0212】
別の実施形態において、本発明は、それを必要とする被験体の骨の喪失部位に、本明細書に記載されるような、Npas2の発現を抑制する薬剤を投与することを含む、歯槽骨を再生するための方法を提供する。いくらかの実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bアンタゴニストである。いくらかの実施形態において、投与は、局所投与(歯肉または歯周投与を含む)、経皮投与および/または皮下投与によるものである。一実施形態において、創傷は、真皮創傷である。別の実施形態において、真皮創傷は、歯周の創傷である。さらなる実施形態において、歯周の創傷は、歯肉の結合組織変性または歯槽骨吸収を含む。
【0213】
一実施形態において、Npas2の発現を抑制する薬剤は、細胞遊走アッセイにおいて、ヒト皮膚線維芽細胞の遊走を加速させる。いくらかの実施形態において、Npas2の発現を抑制する薬剤は、本明細書に記載されるような、セロトニン受容体のアンタゴニストである。例えば、薬剤は、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bの、またはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。
【0214】
いくらかの実施形態において、経皮(歯周を含む)投与は、薬剤をカプセル化する変形可能なナノスケールベシクルによるものである。ある特定の実施形態において、経皮投与は、薬剤でコートされたマイクロニードル、その中に組み込まれた薬剤を有する固形ポリマーマトリックス、薬剤を貯蔵するリザーバおよび半透膜を含む経皮パッチ、その中に溶解している薬剤を含む経皮ゲル、その中に溶解している薬剤を含む経皮スプレー、またはその中に溶解している薬剤を含む定量経皮スプレーを含む経皮送達システムの創傷への適用である。
【0215】
さらなる態様において、本発明は、創傷に、治療的有効量のNpas2発現サプレッサを投与することを含む、それを必要とする被験体の創傷部位で結合組織を再生するための方法を提供する。いくらかの実施形態において、Npas2の発現を抑制する薬剤は、本明細書に記載されるような、セロトニン受容体のアンタゴニストである。例えば、薬剤は、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bの選択的アンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。いくらかの実施形態において、投与は、局所投与、歯周投与、歯肉投与、経皮投与および/または皮下投与によるものである。一実施形態において、創傷は、真皮創傷である。別の実施形態において、真皮創傷は、歯周の創傷である。ある特定の実施形態において、歯周の創傷は、歯肉の結合組織変性または歯槽骨吸収を含む。種々の実施形態において、Npas2の発現を抑制する薬剤は、細胞遊走アッセイにおいて、ヒト皮膚線維芽細胞の遊走を加速させる。
【0216】
いくらかの実施形態において、経皮投与は、薬剤をカプセル化する変形可能なナノスケールベシクルの創傷への適用である。一実施形態において、経皮投与は、薬剤でコートされたマイクロニードル、その中に組み込まれた薬剤を有する固形ポリマーマトリックス、薬剤を貯蔵するリザーバおよび半透膜を含む経皮パッチ、その中に溶解している薬剤を含む経皮ゲル、その中に溶解している薬剤を含む経皮スプレー、またはその中に溶解している薬剤を含む定量経皮スプレーを含む経皮送達システムの創傷への適用である。
【0217】
いくらかの実施形態において、結合組織は、コラーゲン、真皮様コラーゲン繊維、または骨の1つまたは複数である。一実施形態において、創傷部位は、骨の喪失部位である。別の実施形態において、骨の喪失は、歯周炎誘発歯槽骨吸収の部位である。さらなる実施形態において、創傷部位は、歯肉の結合組織変性の部位である。
【0218】
別の態様において、本発明は、被験体の開いたままの創傷部位(例えば、非限定例として、切開創傷、皮膚移植の供与部位、皮膚移植部位、擦過傷、裂傷(tear)、裂傷(laceration)、穿通、刺傷、深い切傷、切傷、広範囲の擦傷、擦過傷、擦傷、温熱熱傷、熱傷、褥瘡を含む潰瘍、手術創または創傷閉鎖)に、Npas2の発現を抑制する薬剤を局所投与することを含む、創傷領域サイズを縮小するための方法を提供する。いくらかの実施形態において、Npas2の発現を抑制する薬剤は、本明細書に記載されるような、セロトニン受容体のアンタゴニストである。例えば、薬剤は、セロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bの選択的アンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。ある特定の実施形態において、投与は、局所投与、歯周投与、歯肉投与、経皮投与および/または皮下投与によるものである。一実施形態において、創傷は、真皮創傷である。別の実施形態において、真皮創傷は、歯周の創傷である。さらに別の実施形態において、歯周の創傷は、歯肉の結合組織変性または歯槽骨吸収を含む。一実施形態において、Npas2の発現を抑制する薬剤は、細胞遊走アッセイにおいて、ヒト皮膚線維芽細胞の遊走を加速させる。種々の実施形態において、経皮投与は、薬剤をカプセル化する変形可能なナノスケールベシクルの創傷への適用である。いくらかの実施形態において、経皮投与は、薬剤でコートされたマイクロニードル、その中に組み込まれた薬剤を有する固形ポリマーマトリックス、薬剤を貯蔵するリザーバおよび半透膜を含む経皮パッチ、その中に溶解している薬剤を含む経皮ゲル、その中に溶解している薬剤を含む経皮スプレー、またはその中に溶解している薬剤を含む定量経皮スプレーを含む経皮送達システムの創傷への適用である。
【0219】
別の実施形態において、開いたままの創傷部位は、コラーゲン、真皮様コラーゲン繊維、または骨の1つまたは複数から選択される結合組織を含む。さらなる実施形態において、開いたままの創傷部位は、骨の喪失部位である。一実施形態において、骨の喪失は、歯周炎誘発歯槽骨吸収の部位である。いくらかの実施形態において、開いたままの創傷部位は、歯肉の結合組織変性の部位である。
【0220】
一実施形態において、Npas2の発現を抑制する薬剤は、局所投与、歯周投与、歯肉投与、経皮投与および/または皮下投与のための医薬組成物として処方される。いくらかの実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載されるような、治療的有効量の時計遺伝子Npas2の発現を抑制する薬剤を含む。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、それを必要とする被験体の、骨の喪失部位で歯槽骨を再生する、創傷部位での結合組織を再生する、および/または創傷部位、例えば開いたままの創傷部位での創傷領域サイズを縮小するのに有効な、治療的有効量の時計遺伝子Npas2の発現を抑制する薬剤を含む。一実施形態において、医薬組成物は、時計遺伝子Npas2の発現を抑制する少なくとも1つのセロトニン受容体のアンタゴニストを含む。別の実施形態において、医薬組成物は、時計遺伝子Npas2の発現を抑制するセロトニン受容体アンタゴニストの組み合わせを含む。
【0221】
いくらかの実施形態において、創傷は、切開創傷、皮膚移植の供与部位、皮膚移植部位、擦過傷、裂傷(tear)、裂傷(laceration)、穿通、刺傷、深い切傷、切傷、広範囲の擦傷、擦過傷、擦傷、温熱熱傷、熱傷、褥瘡を含む潰瘍、手術創または創傷閉鎖である。いくらかの実施形態において、薬剤は、定期的に、例えば限定されないが、毎日、1日2回、1日3回、または1日4回、局所または歯周の部位に適用される;例えば手術部位への適用のため、適用は、手術時である場合があり、いくらかの実施形態において、本明細書の別の箇所に記載されるように、放出制御製剤が提供される場合がある。他の部位への、および/または創傷の他のタイプのための適用または投与の頻度は、医療専門家、および/または製品ラベルに認められるガイダンスにより定められる。
【0222】
上記で使用されるように、そして本開示全体を通じて、以下の用語および略語は、別段の指示がない限り、以下の意味を有するものと理解されるべきである。
【0223】
本開示において、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数形の言及を含み、特定の数値への言及は、文脈上明らかに別のものを指示していない限り、少なくともその特定の数値を含む。したがって、例えば、「化合物」への言及は、そのような化合物および当業者に既知のその等価物などの1つまたは複数への言及である。本明細書で使用されるように、用語「複数」は、1つより多くを意味する。値の範囲が表される場合、別の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表される場合、先行詞「約」の使用により、特定の値が別の実施形態を形成することが理解される。すべての範囲は、包括的であり、組み合わせ可能である。
【0224】
本明細書で使用されるように、用語「構成要素」、「組成物」、「化合物の組成物」、「化合物」、「薬物」、「薬理学的に活性がある薬剤」、「薬剤」、「活性薬剤」、「治療の」、「治療」、「処置」、または「医薬品」は、本明細書において交換可能に使用され、被験体(ヒトまたは動物)に投与される場合、局所および/または全身作用により所望の薬理学的および/または生理学的影響を誘発する物質の化合物または複数の化合物または組成物を指す。
【0225】
本明細書で使用されるように、哺乳動物における、特にヒトにおける疾患状態の用語「処置」、「処置すること」、または「治療」(同様にその異なる形態)は、本明細書において交換可能に使用され、(a)疾患状態が哺乳動物に生じるのを防止すること、すなわち、特にそのような哺乳動物が疾患状態に罹患しやすいが、未だそれを有すると診断されていない場合、疾患状態の予防;(b)疾患状態を阻害すること、すなわち、その発症を阻止すること、および/もしくは疾患状態を治癒すること;ならびに/または(c)疾患状態を緩和すること、すなわち疾患状態の退行を引き起こすことを指す。本明細書で使用されるような用語「処置すること」は、状態、疾患すなわち障害の少なくとも1つの副作用、悪影響または症状を緩和または軽減することを含む。疾患状態の例には、真皮創傷、歯周の創傷または歯槽骨の喪失が含まれるがこれらに限定されない。
【0226】
一実施形態において、「防止すること」は、特に、症状の発症を遅延させること、疾患への再発を防止すること、再発エピソードの数または頻度を減少させること、症候性エピソード間の潜伏期間を延長すること、またはそれらの組み合わせを指す。一実施形態において、「抑制すること」または「阻害すること」は、特に、症状の重症度を低減すること、急性エピソードの重症度を低減すること、症状の数を減少すること、疾患関連症状の発生率を低下させること、症状の潜伏期間を短縮すること、症状を改善すること、二次的症状を軽減すること、二次感染を低下させること、患者の生存期間を延長すること、またはそれらの組み合わせを指す。
【0227】
本明細書で使用されるように、用語「投与すること」、「投与する」、または「投与」は、1つもしくは複数の化合物または組成物を被験体に、非経口的、経腸的、または口中のあらゆる表面を含む局所に送達することを指す。一実施形態において、組成物は、歯周に適用される。一実施形態において、組成物は、局所的に適用される。別の実施形態において、組成物は、全身に適用される。投与は、細胞もしくは組織培養、または生存生物、例えばヒトに対して達成することができる。非経口投与の実例には、静脈内、筋肉内、動脈内、脊髄内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内および胸骨内の注射ならびに点滴が含まれるがこれらに限定されない。経腸投与の実例には、経口、吸入、鼻腔内、舌下、および直腸投与が含まれるがこれらに限定されない。局所投与の実例には、経皮および腟内投与が含まれるがこれらに限定されない。特定の実施形態において、薬剤または組成物は、非経口で、場合によっては、静脈内投与または経口投与により被験体に投与される。
【0228】
用語「被験体」、「個体」、および「患者」は、本明細書において交換可能に使用され、本明細書に記載されるような、Npas2の発現を抑制する薬剤、および/または本発明による医薬組成物を用いる、疾患状態および二次感染の予防的処置および阻害を含む、処置が提供される動物、例えばヒトを指す。本明細書で使用されるような用語「被験体」は、ヒトおよび非ヒト動物を指す。用語「非ヒト動物」および「非ヒト哺乳動物」は、本明細書において交換可能に使用され、すべての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長類、(特に高等霊長類)、ヒツジ、イヌ、げっ歯類、(例えばマウスまたはラット)、モルモット、ヤギ、ブタ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマなどの哺乳動物、および爬虫類、両生類、ニワトリ、および七面鳥などの非哺乳動物を含む。
【0229】
本発明の方法のいずれかによれば、また一実施形態において、本明細書に記載されるような被験体はヒトである。別の実施形態において、被験体は、非ヒトである。一実施形態において、被験体は、脊椎動物である。別の実施形態において、被験体は、哺乳動物である。別の実施形態において、被験体は、霊長類であり、一実施形態において、非ヒト霊長類である。別の実施形態において、被験体は、ネズミ科であり、一実施形態において、マウスであり、別の実施形態において、ラットである。別の実施形態において、被験体は、イヌ科、ネコ科、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、サル、クマ、キツネ、またはオオカミである。一実施形態において、被験体は、ニワトリまたは魚である。
【0230】
一実施形態において、本発明の組成物は、薬学的に許容される組成物を含む。一実施形態において、組成物は、時計遺伝子の発現を抑制する薬剤を含み、時計遺伝子は、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)である。特定の実施形態において、Npas2の発現を抑制する薬剤は、本明細書に記載されるような、Npas2の発現を抑制する薬剤のいずれか1つである。いくらかの実施形態において、「薬学的に許容される組成物」および「医薬組成物」は、局所投与、歯周投与、経皮投与および/または皮下投与のために処方される。一実施形態において、「薬学的に許容される組成物」および「医薬組成物」は、薬学的に許容される担体または賦形剤を含む。局所投与には、切開創傷などの体内または体上のあらゆる手術部位(例えば、内部縫合またはステープル留め部位)での手術中の使用が含まれる。
【0231】
一実施形態において、成句「薬学的に許容される」は、正常な医学的判断の範囲内において、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症がなく、合理的な利益/リスク比にふさわしい、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適したそれらの化合物、物質、組成物、および/または剤形を指すために、本明細書で使用される。用語「薬学的に許容される」にはまた、動物、より具体的にはヒトでの使用のために連邦または州政府の規制機関により承認されるか、米国薬局方もしくは他の一般に認められている薬局方に列記されているそれらの担体(ビヒクルとも呼ばれる)も含まれる。
【0232】
本明細書で使用されるように、「薬学的に許容される担体」または「賦形剤」または「ビヒクル」には、生理学的に適合する溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤などが含まれる。一実施形態において、薬学的に許容される担体は、局所投与、歯周投与、経皮投与および/または皮下投与に適している。局所製剤(例えば組成物)には、ゲル、軟膏、クリーム、ローション、点眼薬、粉末などが含まれる。いくらかの実施形態において、局所製剤は、医薬品有効成分(API)、すなわち、意図した効果を生じ、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)である化合物または薬物を、約0.01%~約50%、0.05%~約50%、約0.1%~約50%、約0.5%~約50%、約0.5%~約50%、約1%~約50%、約5%~50%、約0.1%~約5%、または約0.01%~約2%w/wの量で含む。いくらかの実施形態において、製剤中のセロトニン受容体1Bまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)の濃度は、約0.5マイクロモル濃度~約10マイクロモル濃度、約1マイクロモル濃度~10マイクロモル濃度、約1マイクロモル濃度~5マイクロモル濃度、または約5マイクロモル濃度~10マイクロモル濃度である。一実施形態において、局所製剤は、非活性成分/賦形剤/担体を、前述の範囲のバランスの量で含む;いくらかの実施形態において、約90%~99%である。用語「w/w」は、重量/重量を示す。いくらかの実施形態において、局所組成物は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)を、約0.001%、0.005%、0.01%、0.02%、0.05%、0.75%、0.1%、0.2%、0.5%、0.75%、1%、2%、3%、4%または5%w/wの量で含む。種々の実施形態において、局所製剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)を、約6%、7%、8%、9%または10%w/wの量で含む。ある特定の実施形態において、局所製剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)を、約11%、12%、13%、14%または15%w/wの量で含む。一実施形態において、局所製剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)を、約20%w/wの量で含む。別の実施形態において、局所製剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)を、約25%w/wの量で含む。いくらかの実施形態において、局所製剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)を、約30%w/wの量で含む。一実施形態において、局所製剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)を、約35%w/wの量で含む。ある特定の実施形態において、局所製剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)を、約40%w/wの量で含む。いくらかの実施形態において、局所製剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)を、約45%w/wの量で含む。種々の実施形態において、局所製剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)を、約50%w/wの量で含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、アンタゴニストは、セロトニン受容体1Bの選択的アンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。
【0233】
一実施形態において、薬学的に許容される担体は、非経口投与に適している。
【0234】
一実施形態において、薬学的に許容される担体は、歯周投与に、または口腔内の表面部位に対して適している。
【0235】
代わりに、担体は、静脈内、腹腔内、筋肉内、舌下または経口投与に適している可能性がある。薬学的に許容される担体は、滅菌注射液または分散体の即時調製のために、滅菌水溶液または分散体および滅菌粉末を含む。医薬品有効成分のためのそのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野において周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性化合物、すなわち、Npas2の発現を抑制する薬剤と適合しない場合を除くと、本明細書に記載の医薬組成物におけるその使用は企図されている。追加の活性化合物もまた、組成物に組み込むことができる。
【0236】
治療用医薬組成物は、典型的に無菌であり、製造および貯蔵の条件下で安定である。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、または高薬物濃度に適した他の秩序構造として処方することができる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および脂質ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの適切な混合物を含む溶媒または分散体媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散体の場合には必要とされる粒径の維持により、そして界面活性剤の使用により、維持することができる。多くの場合、組成物に等張剤、例えば糖類、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール、または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の持続的な吸収は、例えばモノステアリン酸塩およびゼラチンなど、吸収を遅延させる薬剤を組成物に含むことにより引き起こすことができる。
【0237】
さらに、本明細書に記載されるようなNpas2の発現を抑制する薬剤は、時間放出製剤、例えば徐放性ポリマーを含む組成物で投与することができる。Npas2の発現を抑制する薬剤は、インプラントおよびマイクロカプセル化デリバリーシステムを含む、放出制御製剤など、急激な放出に対して薬剤を保護する担体を用いて調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸およびポリ乳酸、ポリグリコール酸コポリマー(PLG)などの生分解性で生体適合性のポリマーを使用することができる。そのような製剤の調製のための多くの方法は、特許を取得しているか、当業者に一般に既知である。
【0238】
滅菌注射用溶液は、例えば本明細書に記載のNpas2の発現を抑制する薬剤などの活性化合物を、必要とする量で、必要に応じて上に列挙した成分の1つまたは組み合わせを有する適切な溶媒に組み込み、続いて濾過滅菌することにより調製することができる。一般に、分散体は、塩基性分散媒体および上に列挙したものから必要な他の成分を含む、滅菌ビヒクルに活性化合物を組み込むことにより調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製の方法は、真空乾燥および凍結乾燥を含み、それにより、あらかじめ滅菌濾過したその溶液から、有効成分の粉末に任意の追加の所望の成分を加えた粉末が生じる。いくらかの実施形態において、本明細書に記載されるような、Npas2の発現を抑制する薬剤は、その溶解性を強化する1つまたは複数の追加の化合物と処方される場合がある。前述の実施形態のいずれかにおいて、手術部位内または局所創傷上での使用のための滅菌製剤が提供される。
【0239】
一実施形態において、本発明の組成物は、治療的有効量で投与される。一実施形態において、「治療的有効量」は、ある量の本発明の薬剤もしくは化合物単独、またはある量の特許請求された薬剤もしくは化合物の組み合わせ、または時計遺伝子、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現のサプレッサ、阻害剤またはダウンレギュレータとして作用するのに有効であり、薬剤または化合物が投与される、または投与された被験体の創傷治癒を改善または加速し、被験体の骨の喪失部位で歯槽骨を再生し、被験体の創傷部位で結合組織を再生し、および/または被験体の開いたままの創傷部位の創傷領域サイズを縮小するのに有効な他の有効成分と組み合わせたある量の本発明の薬剤もしくは化合物を含むことが意図される。一実施形態において、本発明の時計遺伝子Npas2の発現を抑制する薬剤の「治療的有効量」は、組成物が投与される被験体に有益な効果を与えるのに十分な薬剤の量である。本発明にしたがって投与される薬剤、例えばセロトニン受容体のアンタゴニスト(ここで、セロトニン受容体のアンタゴニストは、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである)の治療的有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重などの要因、ならびに個体における所望の反応を引き出す分子の能力に応じて変化する場合がある。治療的有効量はまた、分子の毒性または有害作用が、治療上有益な効果により凌駕されるものでもある。被験体(ヒトまたは動物)に投与される場合、組成物は、局所および/または全身作用により所望の薬理学的および/または生理学的効果を誘発する。
【0240】
本発明の方法にしたがって投与される化合物および組成物が、セロトニン受容体アンタゴニスト、すなわち本明細書に記載されるような、セロトニン受容体1Bもしくはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストが治療的に有用な役割を有する、状態または疾患の処置のために効果的な任意の量および任意の投与経路を使用して投与される場合があることが明らかになるであろう。
【0241】
ある特定の実施形態において、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤、例えばセロトニン受容体のアンタゴニスト(ここで、セロトニン受容体のアンタゴニストは、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである)を含む医薬組成物は、所望の治療効果を得るために、非経口投与では、1日あたり被験体の体重の約0.001mg/kg~約50mg/kg、例えば約0.1mg/kg~約10mg/kg、または経口投与では、約1mg/kg~約50mg/kg、もしくは約10mg/kg~約50mg/kgの投与量レベルを1日に1回または複数回投与される場合がある。また、0.001mg/kgより小さい、または50mg/kgより大きい投与量(例えば50~100mg/kg)を、被験体に投与することができることが明らかになるであろう。ある特定の実施形態において、化合物は局所、または非経口または経口で投与される。いくらかの実施形態において、局所製剤は、約0.5マイクロモル濃度~約10マイクロモル濃度の化合物を含む。いくらかの実施形態において、局所製剤は、約1マイクロモル濃度~10マイクロモル濃度、約1マイクロモル濃度~5マイクロモル濃度、または約5マイクロモル濃度~10マイクロモル濃度の化合物を含む。一実施形態において、局所医薬組成物は、本明細書に記載されるような、治療的有効量のニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤、またはその塩もしくは溶媒和物、またはその水和物、多形体、代謝物、互変異性体もしくは異性体、ならびに少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む。いくらかの実施形態において、本発明のセロトニン受容体のアンタゴニストおよび塩、エステル、N-オキシドなどのその生理学的に耐性のある誘導体を含む局所製剤は、医薬担体を含むか含まない生理学的に許容される希釈剤中の溶液、懸濁液、または乳濁液として調製および適用される。いくらかの実施形態において、局所医薬組成物は、軟膏、クリームまたはゲルとして処方される。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。前述の実施形態のいずれかにおいて、薬剤は、セロトニン受容体1Bの選択的アンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。
【0242】
本明細書に記載されるような、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤は、投与の容易性および投与量を均一化のために、好ましくは投与単位形態で製剤化される。本明細書で使用されるような表現「投与単位形態」は、処置される患者に適した治療薬の物理的に分離した単位を指す。しかし、本発明の化合物および組成物の1日当たりの総使用量が適切な医学的判断の範囲内で主治医により決定されることが理解されるであろう。任意の特定の患者のための特定の治療的に有効な投与量レベルは、医療分野において周知の、処置される障害および障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別および食事;使用される特定の化合物の投与の時間、投与の経路、および排泄の速度;処置の期間;使用される特定の化合物と組み合わせて、または同時に使用される薬物などの要因を含む、多種多様な要因に依存する。
【0243】
局所投与のため、軟膏ベース(担体)の適用では50g/m2およびクリームの適用では40g/m2の代表的な投与量が投与される場合がある。この投与量で、平均的な個体であれば、体表の1%(例えば治癒の加速および/または瘢痕化の低減のための創傷のサイズ)を処置するために1週間におよそ10gの医薬品を使用する(すなわち投与される)ことになるが、創傷のサイズ、投与の頻度などに依存し、そのようなガイダンスは、単なる例である。本明細書に記載の投与の経路のための処置量は、安全性および有効性を最適化するために当業者に既知の日常的な方法を使用して用量設定される場合がある。局所クリーム組成物/製剤では、約1gのクリームは、皮膚の10cm2の領域全体に拡げられるが、軟膏はもう少し拡げられる。指先の単位(0.5g)は、ある特定の期間、ある領域を処置するのに必要なクリームまたは軟膏の量の目安である;例えば、適切な医学的判断により決定されるように、0.5gが2~12時間ごと、2~8時間ごと、2~6時間ごと、4~8時間ごと、4~6時間ごとに投与される場合がある。指先の単位1は、両掌の一方の側をカバーし、1グラムは、患者の両手の両側をカバーする。成人の全体表を一度にカバー(すなわち適用)するため、20~30gのクリームまたは軟膏が必要である。
【0244】
小さく、適度に親油性の分子(分子量<500Daおよびlog Pが1~4)は、皮膚に十分に浸透しやすいようであるが、これらの物理化学的特性を保持していないいくらかの化合物/薬物は、通常、皮膚に浸透させるために、浸透を高める戦略を必要とする。一実施形態において、セロトニン受容体のアンタゴニスト(ここで、セロトニン受容体のアンタゴニストは、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニストである)の局所製剤は、化学浸透促進剤と処方される場合がある。経皮薬物送達のための浸透促進剤には、ピロリドン(2-ピロリドン、2Pなど)、アルコール(エタノールまたはデカノールなど)、グリコール(プロピレングリコールなど)、エステル、水、エステルスルホキシド(ジメチルスルホキシド(DMSO)など)およびそれらの誘導体、炭化水素、テルペンおよび誘導体、アゾン(ラウロカプラムなど)およびその類縁体、アミド(尿素およびその誘導体を含む)、脂肪酸、界面活性剤(非イオン、カチオン、およびアニオン)、オレオデンドリマー、イオン液体、ならびに深共晶溶媒が含まれるがこれらに限定されない。経皮薬物送達のための物理浸透促進剤には、マイクロニードルおよびイオントフォレシスが含まれるがこれらに限定されない。
【0245】
一実施形態において、本開示は、被験体の創傷に、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤を含む組成物を投与することを含む、それを必要とする被験体における創傷治癒を改善または加速するための方法を提供し、薬剤は、セロトニン受容体のアンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストである。別の実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。いくらかの実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bの選択的アンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。セロトニン受容体アンタゴニストの例には、PRX-08066、シプロヘプタジン、またはケタンセリンが含まれるがこれらに限定されない。
【0246】
一実施形態において、創傷は、真皮創傷であり、薬剤を用いて真皮創傷を処置することは、皮脂腺および毛包を含む皮膚組織の再生をもたらす。別の実施形態において、真皮創傷は、歯周の創傷を含む。一実施形態において、歯周の創傷は、歯肉の結合組織変性または歯槽骨吸収を含む。一実施形態において、薬剤を用いて歯周の創傷を処置することは、複合歯周組織の再生をもたらす。
【0247】
一実施形態において、組成物は、局所投与、歯周投与、経皮投与、または皮下投与により投与される。別の実施形態において、医薬組成物は、ペレットの皮下埋め込みにより投与される。さらなる実施形態において、ペレットは、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤の制御放出のために提供され、薬剤は、本明細書に記載されるような、セロトニン受容体のアンタゴニストである。例えば、制御放出は、8~12時間、6~8時間、または4~8時間である。一実施形態において、組成物の投与は、薬剤をカプセル化する変形可能なナノスケールのベシクル、薬剤でコートされたマイクロニードル、その中に組み込まれた薬剤を有する固形ポリマーマトリックス、薬剤を含む経皮パッチ、薬剤を含む経皮ゲル、または薬剤を含む経皮スプレーを含むデリバリーシステムを創傷に送達することを含む。
【0248】
別の実施形態において、本開示は、被験体の創傷に、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤を含む組成物を投与することを含む、それを必要とする被験体の創傷部位で結合組織を再生するための方法を提供し、薬剤は、セロトニン受容体のアンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストである。別の実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。セロトニン受容体アンタゴニストの例には、PRX-08066、シプロヘプタジン、またはケタンセリンが含まれるがこれらに限定されない。
【0249】
一実施形態において、創傷は、真皮創傷であり、薬剤を用いて真皮創傷を処置することは、皮脂腺および毛包を含む皮膚組織の再生をもたらす。別の実施形態において、真皮創傷は、歯周の創傷を含む。一実施形態において、歯周の創傷は、歯肉の結合組織変性または歯槽骨吸収を含む。一実施形態において、薬剤を用いて歯周の創傷を処置することは、複合歯周組織の再生をもたらす。一実施形態において、複合歯周組織の再生は、歯槽骨の再増殖、歯肉靭帯の再生、および歯周靭帯の再生のうち1つまたは複数を含む。
【0250】
一実施形態において、組成物は、局所投与、経皮投与、または皮下投与により投与される。一実施形態において、組成物の投与は、薬剤をカプセル化する変形可能なナノスケールのベシクル、薬剤でコートされたマイクロニードル、その中に組み込まれた薬剤を有する固形ポリマーマトリックス、薬剤を含む経皮パッチ、薬剤を含む経皮ゲル、または薬剤を含む経皮スプレーを含むデリバリーシステムを創傷に送達することを含む。
【0251】
さらなる態様において、本発明は、それを必要とする被験体における創傷治癒の間に創傷部位での瘢痕形成を低減または防止するための方法を提供し、その方法は、それを必要とする被験体の創傷に、治療的有効量の、ニューロンPASドメインタンパク質2(Npas2)の発現を抑制する薬剤を含む組成物を投与することを含み、薬剤は、セロトニン受容体アンタゴニストである。一実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストである。別の実施形態において、薬剤は、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストである。前述の実施形態のいずれかにおいて、薬剤は、セロトニン受容体1Bの選択的アンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。一実施形態において、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストは、アリピプラゾール、AR-A000002、イサモルタン(CGP-361A)、メテルゴリン、メチオテピン、SB-216641、SB-236057またはヨヒンビンである。一実施形態において、セロトニン受容体2Bのアンタゴニストは、アゴメラチン、アミスルプリド、AM-1476、アリピプラゾール、ブリラロキサジン塩酸塩、BF-1、BW 723C86、カリプラジン、クロザピン、シプロヘプタジン、メタ-クロロフェニルピペラジン(mCPP)、EGIS-7625、エサミスルプリド(esamisulpride)、F-16615、イフェランセリン、ケタンセリン、LY-266097、LY-272,015、LY-287375、メタドキシン、ピロメラチン、プロメタジン、PRX-08066、RS-127445(MT500)、RS-127445、RQ-00310941、SB-204741、SB-206553、SB-200646A、SB-215505、SB-221284、SB224289、SB-228357、SDZ SER-082、テガセロッド、テルグリド、エチル3-(4-アミノ-1,3,5-トリアザスピロ[5.5]ウンデカ-2,4-ジエン-2-イルアミノ)ベンゾエート、2-ベンジル-5-ヒドロキシ-4H-クロメン-4-オン、5-ヒドロキシ-2-(3-フェニルプロピル)-4H-クロメン-4-オン、バビカセリン、XC-130、4-(6-イソプロピル-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-イソプロピル-1-ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-エトキシ-1ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-メトキシ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-ジメチルアミノ-1-メトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(6-ジメチルアミノ-1-ヒドロキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-1-メトキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-1-ヒドロキシ-セレノキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、3-エトキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、6-エトキシ-1-メトキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、6-エトキシ-1-ヒドロキシ-9-(1-メチル-ピペリジン-4-イリデン)-9,10-ジヒドロ-アクリジン、4-(3-エトキシ-5-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-4-メチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-4-エチル-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3-エトキシ-チオキサンテン-9-イリデン)-1,3-ジメチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-3’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-4’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジン、4-(3,4-(シクロペント-5’-オキシ-1’-エノ)-チオキサンテン-9-イリデン)-1-メチル-ピペリジンまたはGSK-1606260、GSK-1645888、GSK-1742942、GSK-2054757、GSK-2080717およびSB-742888からなる群より選択される二重5-HT2a/5-HT2bアンタゴニストである。
【0252】
一実施形態において、創傷は、真皮創傷であり、薬剤を投与することにより真皮創傷を処置することは、瘢痕が減少したまたは瘢痕がない創傷の形成を含む。一実施形態において、薬剤を投与することにより真皮創傷を処置することは、皮脂腺および毛包を含む皮膚組織を再生する。別の実施形態において、真皮創傷は、歯周の創傷を含む。一実施形態において、歯周の創傷は、歯肉の結合組織変性または歯槽骨吸収を含む。一実施形態において、薬剤を用いて歯周の創傷を処置することは、複合歯周組織の再生をもたらす。別の実施形態において、複合歯周組織の再生は、歯槽骨の再増殖、歯肉靭帯の再生、および歯周靭帯の再生のうち1つまたは複数を含む。一実施形態において、組成物の投与は、経皮デリバリーシステムである場合があるデリバリーシステムを創傷に送達することを含み、デリバリーシステムは、薬剤をカプセル化する変形可能なナノスケールのベシクル、薬剤でコートされたマイクロニードル、その中に組み込まれた薬剤を有する固形ポリマーマトリックス、薬剤を含む経皮パッチ、薬剤を含む経皮ゲル、または薬剤を含む経皮スプレーを含む。
【0253】
いくらかの実施形態において、創傷治癒の速度は、本明細書に開示されている化合物を使用するとさらに速くなる。いくらかの実施形態において、治癒の期間は、未処置の場合よりも最大約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または75%を超えて短縮される。いくらかの実施形態において、本明細書に開示されている化合物の使用で、創傷治癒の期間は、未処置の場合よりも、約1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、または10日を超えて短縮される。このため、代表的な実施形態において、本発明によるセロトニン受容体アンタゴニスト、例えばセロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)の投与、例えば局所投与なしで14日間の期間を有する創傷治癒および/または創傷部位での結合組織の再生は、約50%まで短縮され、約7日間となる;さらに、本願で述べる方法によれば、セロトニン受容体アンタゴニストの投与は、セロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)の投与がない創傷治癒と比較して、創傷領域サイズを縮小する、および/または瘢痕がない皮膚創傷の治癒を促進する。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、セロトニン受容体1Bの選択的アンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。
【0254】
いくらかの実施形態において、本明細書に開示されている化合物(セロトニン受容体アンタゴニスト)で処置した場合、治癒した創傷の瘢痕化の程度は、創傷が未処置である場合よりも小さく、例えば瘢痕が減少している。いくらかの実施形態において、瘢痕化は、非処置と比較して、本明細書に開示されている化合物の使用/投与により最大約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%低減するか、本質的に瘢痕がない。したがって、いくらかの実施形態において、本明細書に開示されている化合物および方法は両方とも、創傷治癒の速度を高め、治癒した創傷の瘢痕化を低減する。代表的な実施形態において、本発明によるセロトニン受容体アンタゴニスト、例えばセロトニン受容体1Bのアンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bのアンタゴニスト(またはそれらの組み合わせ)の投与により創傷の瘢痕化が50%まで低減する。別の例において、治癒時間および瘢痕化は両方とも、本明細書に開示されている化合物の使用により縮小される。別の例において、治癒時間は、約50%まで短縮され、瘢痕形成は、75%を超えて低減する。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、セロトニン受容体1Bの選択的アンタゴニストまたはセロトニン受容体2Bの選択的アンタゴニストである。
【0255】
したがって、いくらかの実施形態において、本明細書に開示されている化合物および方法は、創傷治癒の速度を高め、治癒した創傷の瘢痕化を低減する。したがって、いくらかの実施形態において、本明細書に開示されている化合物および方法は、創傷治癒の速度を高める。したがって、いくらかの実施形態において、本明細書に開示されている化合物および方法は、治癒した創傷の瘢痕化を低減する。
【0256】
瘢痕形成は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Oley et al.,2021,Post-skin incision scar tissue assessment using patient and observer scar assessment scales:A randomised controlled trial,Annals of Medicine and Surgery 71:103006;Fearmonti et al., 2010, A review of scar scales and scar measuring devices,Eplasty Open Access Journal of Plastic Surgery 10:e43;およびNguyen et al., 2015,A review of scar assessment scales,Seminars in Cutaneous Medicine and Surgery 34:28-36により、および/またはそれらにおいて説明されているものなどであるがこれらに限定されない方法により評価される場合がある。
【0257】
以下の実施例は、本発明の代表的な実施形態をより完全に例証するために提示される。しかし、それらは、決して、本発明の幅広い範囲を限定するものと解釈されるべきではない。材料および方法は、それぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第2020/096975号として公開されたPCT/US2019/059693;および/または国際公開第2021/046428号として公開されたPCT/US2020/049529で認めることが可能である。
【0258】
実施例1
マウス副子固定皮膚創傷の真皮組織を再生するNpas2の抑制
真皮組織は、上皮層、線維芽細胞およびコラーゲン細胞外マトリックス(ECM)を含む結合組織ならびに皮脂腺および汗腺ならびに毛包で構成される。理想的な創傷治癒には、炎症および血管新生の急性期に続いて再上皮化および組織リモデリングが必要である。しかし、組織再生は困難であり、肉芽組織および瘢痕化をもたらすことが達成される。
【0259】
マウスなどの実験動物の皮膚は、同様に、複数の組織で構成されるが、切除創の治癒が早いのは、一部、創傷の収縮が活発なためである。そのため、マウス創傷治癒モデルは、切除皮膚の周囲にシリコンステントを使用しており、これにより収縮を防止し、再上皮化および肉芽組織形成を通じて治癒を可能にする。マウス副子固定皮膚創傷モデルは、共通の実験プラットフォームを提供しており、遺伝子操作したマウスを使用して皮膚創傷治癒のための重要な分子の調査を可能にする。スフィンゴシンキナーゼ-1またはマスト細胞プロテアーゼなどの創傷炎症関連分子のノックアウト突然変異は、創傷閉鎖および治癒の増殖期をそれぞれ遅延させることが報告されている。
【0260】
Npas2、コア概日リズム遺伝子のノックアウト突然変異を有するマウスにおいて、真皮線維芽細胞の正常な表現型が維持されたが、筋線維芽細胞の分化は防止されたことが報告されている。そのため、Npas2 KO突然変異が、皮膚創傷治癒を加速させると仮定される。本明細書に示される結果から、Npas2 KOマウスの副子固定皮膚創傷が創傷治癒の加速を受け(
図1B)、皮脂腺および毛包を含む皮膚組織再生が新たに観察された(
図2)ことが示された。
【0261】
明確に定義された化合物のハイスループットスクリーニング(HTS)は、Npas2-LacZレポータマウスの皮膚線維芽細胞を使用して実行された。ヒット化合物の化学ゲノム分析により、Npas2発現を調節するためのモノアミン関連経路の改善が示唆された。ヒト真皮線維芽細胞におけるNpas2の調節機構を同定するため、ヒトモノアミン関連遺伝子を含むレンチウイルス発現ベクターのライブラリを過剰発現研究のために選択した。その結果、セロトニン(5-HT)受容体1B、2B(HTR1B、2B)の過剰発現は、Npas2発現をアップレギュレートした(
図3)。本明細書に示される結果から、HTR1B、2Bアンタゴニストが、Npas2発現を低下させ、したがって皮膚を再生することが示された。多数のHTR1B、2Bアンタゴニストは、インビトロでヒト真皮線維芽細胞コラーゲン合成表現型を維持することが認められた(
図4)。さらに、5-HTアンタゴニストの局所適用(10%DMSO中、5マイクロモル濃度)が、インビボでマウス副子固定皮膚創傷治癒を加速したことが認められた(
図5)。
【0262】
慢性皮膚創傷のための治療的アプローチは、現在、疼痛および感染などの症状に対処することに限定されている。創傷端を進めて潰瘍病変をカバーするためには、再上皮化および真皮結合組織の再生が必要である。本明細書に示される結果により、加速させ、潜在的に再生する創傷治癒のために、慢性創傷への局所適用を通じた小分子化合物の使用が説明される。
【0263】
実施例2
マウス結紮誘発歯周炎モデルにおける歯槽骨および歯周の結合組織の再生
歯周組織は、歯槽骨および歯肉/歯周靭帯コラーゲン結合組織で構成される。そのため、歯周治療は、骨および歯肉/歯周靭帯の複合歯周組織を再生させることを目指すべきである。Npas2 KOマウスの組織再生能力の研究により、抜歯後の皮膚、頭蓋冠骨および歯槽骨で作成された実験的創傷の強固な再生が示されている。そのため、マウスでの結紮誘発歯周炎後の歯周組織の複合組織再生のために調査をさらに拡大した。上顎第二大臼歯の周囲への5.0絹縫合糸の配置は、歯周炎症および歯槽骨吸収を誘発することが示されている。
【0264】
この一般に使用される実験プラットフォームは、Npas2 KOマウスにおいて複製された。14日後、絹縫合糸結紮が除去され、歯科医師による洗浄(歯石除去およびルートプレーニング:SRP)を模倣した。この縫合糸除去の「SRP」処置は、野生型(WT)マウスでは歯槽骨を再生しなかった。しかし、縫合糸除去処置の後、Npas2 KOマウスは、歯槽骨の再増殖および歯肉/歯周靭帯コラーゲン構造の再生を示した(
図6A~
図6Gを参照されたい)。
【0265】
Npas2-LacZレポータシステムを保持するマウス骨髄間葉系間質細胞/幹細胞(MSC)を、小化合物のHTSのために使用し、Npas2-LacZ発現調節の能力により、ヒット化合物を同定した。これらのヒット化合物は、モノアミン調節化合物の周囲に集まった。治療標的をさらに同定するため、ヒトモノアミン関連遺伝子を発現するレンチウイルスベクターでヒトMSCをトランスフェクトした。結果は、ヒト真皮線維芽細胞実験のものと完全には同一ではなかった。しかし、HTR2Bは、一般に同定された(
図7)。
【0266】
ヒト歯周靭帯MSC(PDLSC)を使用して、インビトロ骨分化について、HTR2Bアンタゴニストの化学空間特異的化合物をテストし、さらに、効果的な化合物としてセロトニン受容体アンタゴニストPRX-08066を同定した(
図8)。
【0267】
喪失した歯周組織および歯槽骨を予測可能に再生することができる処置選択肢には、主要な臨床的ニーズが残っている。骨再生の治療的刺激は、結果として組換え成長因子の臨床応用となる。成長因子療法の生物学的根拠は、骨形成タンパク質(BMP)シグナル伝達経路が、骨形成において重要であったことを確立した、胚および発生の研究にある。成体組織再生が行われるため、少なくとも一部は、胚および発生のプロセスを何度も繰り返し、成長因子の適用は、歯周欠損における骨再生に必要なシグナル伝達経路が誘導されると考えられている。過去数十年の間、組換えペプチド治療薬は、医科/歯科診療において重要な役割を果たし、米国および他の主要市場において、60を超えるペプチド薬物が承認されている。組換えBMP-2およびPDGFは、歯槽骨の欠損部位への1回の外科的移植のため、それぞれ抜歯窩骨形成および歯周組織再生のために利用可能である。
【0268】
歯周炎は、老年人口に、より多くみられる。我々の社会で最も急速に成長している層のおよそ70%が歯周病を報告し、60%超が、中等度から重度の歯周炎を経験している。現在、高齢の患者の歯周炎は、主に支持的歯周維持療法:歯周炎の進行または再発の防止:ならびに歯の喪失の軽減または防止により管理される。支持的維持療法は、歯周デブライドメントおよびSRPなどの専門家による頻繁なクリーニングで構成される。本明細書に示される結果により、高齢の患者のための歯周組織再生を含む局所療法の開発に直面しており、外科的アプローチなしで、支持的歯周維持療法と組み合わせることもできる。本明細書で考察されるように、少量の化学局所適用は、老年人口における歯周組織の長期的な維持に有用であろう。
【0269】
イヌなどのコンパニオンアニマルも同様に、広範囲の歯周炎に罹患していることに注意する必要がある。小型犬の中には、90%を超える歯周炎有病率が報告されている犬種もある。コンパニオンドッグのための処置選択肢は、専門的なクリーニングおよび抜歯に限られている。本明細書で考察されている少量の化学療法の局所適用はまた、この獣医の患者層にも有効であろう。
【0270】
実施例3
真皮線維芽細胞は、皮膚創傷治癒において中心的な役割を果たす
皮膚創傷治癒の間の肉芽組織の真皮は、後で異常な真皮肥厚および肥厚性瘢痕の発症の遅延がもたらされる、真皮コラーゲンの過小合成として特徴づけられる。この研究は、レンチウイルスベクターをヒト真皮線維芽細胞に形質導入し、Npas2発現および真皮コラーゲン合成に対するHTR1B、HTR2B、VMAT2、DRD3またはDATの過剰発現の影響を評価した。
図9Aは、GFPを保持するレンチウイルスベクターを使用すると、ヒト真皮線維芽細胞へのレンチウイルス形質導入に成功したことを示す。
図9Bおよび
図9Cは、定量PCRを使用すると、レンチウイルスベクターが形質導入された後に、それぞれHTR1BおよびHTR2Bの定常状態のmRNAレベルが有意に増加したことが確認されたことを示す。
【0271】
Npas2の発現は、HTR1BおよびHTR2Bの過剰発現により有意に増加し、セロトニンの潜在的役割を支持した(
図9D)。本明細書で説明されるように、創傷誘発セロトニンは、HTR1BおよびHTR2Bを刺激し、真皮コラーゲン合成をダウンレギュレートする。確かに、
図9Eは、セロトニン追加で、ヒト真皮線維芽細胞のインビトロコラーゲン合成が低下したことを示す。またさらに、
図9Fは、真皮線維芽細胞のセロトニン誘発病理学的挙動がNpas2の発現を高めることにより媒介される:セロトニン追加が、ヒト真皮線維芽細胞のNpas2発現を高めたことを示す。
【0272】
さらに、形質導入された細胞において、ヒト真皮線維芽細胞の病理学的コラーゲンの過小合成は、HTR1BおよびHTR2Bの過剰発現により媒介された(
図9G)。
【0273】
これらのデータは、初期コラーゲンの過小合成を軽減するために、HTR1BおよびHTR2Bを標的化することについてさらなる支持を与える。本明細書に開示されているようにHTR1BおよびHTR2Bの特定のアンタゴニストは、初期創傷治癒のステージの間、真皮コラーゲン結合組織を再生し、最終的に肥厚性瘢痕の形成を防止し、結果として瘢痕がない治癒した創傷となることにより、創傷肉芽組織を低減するであろう。
【0274】
本明細書に引用されているすべての特許、特許出願、および学術論文は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0275】
本発明のある特定の特徴が、本明細書で例証および説明されているが、多くの修正、置換、変更、および等価物は、現在、当業者であれば思い浮かぶであろう。そのため、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の精神に属するそのような修正および変更をすべてカバーすると意図されることが理解されるであろう。
【国際調査報告】