(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】指紋及び手形の非接触記録装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06V 40/13 20220101AFI20240426BHJP
G01B 11/25 20060101ALI20240426BHJP
A61B 5/1172 20160101ALI20240426BHJP
【FI】
G06V40/13
G01B11/25 H
A61B5/1172
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567129
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 EP2022062031
(87)【国際公開番号】W WO2022233964
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】102021111422.5
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523412706
【氏名又は名称】アイディーループ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】IDLOOP GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レインホールド, ベルント
【テーマコード(参考)】
2F065
4C038
【Fターム(参考)】
2F065AA51
2F065CC16
2F065FF01
2F065FF07
2F065FF09
2F065FF42
2F065GG02
2F065GG03
2F065GG04
2F065GG07
2F065GG23
2F065HH06
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ26
2F065LL04
2F065LL12
2F065LL42
2F065MM16
4C038FF05
4C038FG01
(57)【要約】
【課題】本発明は、手又はその部分の乳頭状構造の非接触光記録(接触型プリントに相当する)の装置及び方法に関する。
【解決手段】本発明の目的は、手の乳頭状構造の非接触光記録の装置及び方法であって、
― 正確な手の位置決め(31)の大まかな方向付けのためユーザの役に立つ、指紋記録用の前記装置(4)の上方域における凹部(30)と、
― 前記手又はその部分(3)を構造化光で照らすための照明部(1)と、
― カメラ(2)の物体面(21)内で前記手又はその部分(3)から拡散反射した、前記照明部(1)からの光を検出するためのカメラ(2)であって、
― 前記カメラ(2)によって記録された画像における構造サイズを判定するための方法を用いて、前記カメラ(2)の被写界深度範囲(9)に関連して前記手又はその部分(3)の位置を判定するために、前記物体面(17)から前記カメラまでの距離と、前記照明部までの距離との間に非ゼロの差が存在する、カメラ(2)と、
― 構造サイズを判定することによる位置計算のための、かつ前記指紋画像を計算するための演算部(29)と
を備える、装置及び方法によって達成される。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手(3)又はその部分の乳頭状構造の非接触光記録装置であって、
― 正確な手の位置決め(31)の大まかな方向付けのためユーザの役に立つ、指紋記録用の前記装置(4)の上方域における凹部(30)と、
― 前記手又はその部分(3)を構造化光で照らすための照明部(1)と、
― カメラ(2)の物体面(21)において前記手又はその部分(3)から拡散反射した、前記照明部(1)からの光を検出するためのカメラ(2)であって、
― 前記カメラ(2)によって記録された画像における構造サイズを判定するための方法を用いて、前記カメラ(2)の被写界深度範囲(9)に関連して前記手又はその部分(3)の位置を判定するために、前記物体面(17)から前記カメラと前記照明部との距離に非ゼロの差が存在する、カメラ(2)と、
― 構造サイズを判定することによる位置計算のための、かつ前記指紋画像を計算するための演算部(29)と
を備える、装置。
【請求項2】
前記カメラの作動距離(26)は、少なくとも50mmであり、かつ最高1500mmである、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カメラ(2)の被写界深度範囲(9)への前記照明部(1)の距離(28)が、少なくとも50mmであり、かつ最高1400mmである、
請求項1乃至2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記カメラ(2)及び前記照明部(1)のビーム経路は、前記カメラ(2)の光軸(12)及び前記照明部(1)の光軸(11)に沿って非平行である、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記照明部(1)及び前記カメラ(2)の前記ビーム経路は、偏向ミラーを介して折り畳まれてスペースを取らない、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記照明部(1)は、350nm~1000nmの範囲内である放射光スペクトルを有する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記照明部(1)は、前面にレンズを備えるともに、DLP、LCD又はLCosシステムを備える、二次元強度変調器を有する、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記照明部(1)の前記二次元強度変調器は、回折素子を備える二次元強度変調器を有する、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記照明部(1)は、前面にレンズを備えるともに、剛体で回転する又は並進移動可能な透過光画像を備える、二次元強度変調器を有する、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
音響、触覚もしくは視覚信号又はこれらの組合せを出力するためのフィードバックモジュール(35)が追加で存在し、これでユーザは、正確な手の位置決め(31)、又は不正確な距離という意味での不正確な手の位置決め(32)もしくは不正確な回転という意味での不正確な手の位置決め(33)を取り除くための補正提案の場合の、前記手の前記乳頭状構造の前記記録についての情報、又はさらなる情報にアクセスすることができる、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
視覚信号を生成するための前記フィードバックモジュール(35)は、指紋記録のための前記装置(4)内に一体化された表示部(36)である、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
視覚信号を生成するための前記フィードバックモジュール(35)は、前記装置の前記上方域内に一体化されたLEDラインである、
請求項10に記載の装置。
【請求項13】
手又はその部分(3)の乳頭状構造の非接触光記録方法であって、ユーザの前記手が、指紋記録用の装置(4)の測定深度範囲(24)内に位置付けられ、この目標位置が、前記装置の凹部(30)を介して前記ユーザに提供される方法であって、
― 照明部(1)からの構造化光で前記手又はその部分(3)を照らすステップであって、物体面(17)からカメラと照明部の距離に差がある、ステップと、
― 前記手又はその部分(3)から拡散反射された、前記照明部(1)からの構造化光を、照明パターンの画像として前記カメラで検出し、かつ前記記録された画像を演算部(29)に送信するステップと、
― 前記演算部(29)内の前記カメラ(18)のセンサ上の前記構造化照明の構造サイズを判定するステップと、
― 光変調器(19)上の既知の構造サイズに対する前記カメラ(18)の前記センサ上の前記構造化照明の前記構造サイズからの画像分析(34)により、前記演算部(29)内の前記手又はその部分(3)の位置を計算するステップと、
― 当該位置が完全に被写界深度範囲(9)内である場合、前記手又はその部分(3)の指紋画像を計算するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
― 前記カメラ(18)の前記センサ上の前記構造化照明の前記構造サイズの前記判定が、周波数空間内での画像分析(34)によって生じる、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
― 前記カメラ(2)に対する前記手(3)の不正確な距離又は不正確な回転という意味で、画像分析(34)を介して、前記正確な手の位置決め(31)の前記判定が生じる、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
― 不正確な距離という意味での不正確な手の位置決め(32)又は不正確な回転という意味での不正確な手の位置決め(33)の場合、フィードバックモジュール(35)を介して補正指示が発せられる、
請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手又はその部分の乳頭状構造の非接触光記録(接触型プリントに相当する)の装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
当局準拠の(接触型)多指スキャナーは、500ppiのスキャニングで、少なくとも3.2インチ×3.0インチ(幅×高さ)である画像フィールドによって特徴づけられる。指の非接触記録において、接触型スキャナーと同じ領域を取り込むために、指の曲面が、
図2に概略的に示される通り、500ppiで定義された許容角度7まで走査されることを考慮に入れる場合、著しいオーバーサンプリング(仮想測定面に基づく>500ppi)が生じなければならない。その結果のデータ量は通常、無視できない時間量で三次元座標に変換することのみ可能であり、これは、従来の測定技術を用いた場合に、三次元空間における手の位置のリアルタイム制御が難しいということを意味している。高解像度指紋を記録する実際の測定タスクのため、カメラ2は、焦点を合わせて指の乳頭状構造を撮像することのみが可能である特定の狭い被写界深度範囲を有する。手又は指がカメラ2の被写界深度の外側にある場合、忠実に詳細な記録は不可能である。
【0003】
指紋の非接触記録のための既知の装置は、如何にして手又は指を制限又は記録することができるかについて異なるアプローチを有する。
【0004】
米国特許第10460145(B2)号明細書は、2つの光源と1つのカメラによって手の特徴を非接触光記録する装置を開示している。指紋を取るために、垂直方向に制限された空間を通して手を移動させなければならない。
【0005】
米国特許第8600123(B2)号明細書は、記録量が構造的に三次元に制限され、かつ指の非接触記録するための少なくとも1つのカメラを備えた、非接触指紋記録装置を記載している。
【0006】
韓国特許出願公開第20190097706(A1)号明細書からは、記録カメラに加えて距離センサを必要とする、非接触指紋記録装置が知られている。
【0007】
独国特許出願公開第102019126419(A1)号明細書では、非接触指紋記録装置は、1つの多色照明部と、手の乳頭状構造を三次元記録するための少なくとも2つのカメラとを備えている。
【0008】
位置検出用の同様に複雑な追加装置を有する、指の乳頭状構造を光学的に撮像するためのさらなる装置が、例えば米国特許第8971588(B2)号明細書にて知られている。
【0009】
さらに、米国特許第10885297(B2)号明細書は、生体測定データの非接触記録装置であって、当該装置の中でカメラ及び光源は、画像記録領域の中に向けられており、かつ前記記録領域を横方向に取り囲む、電子部の上にフレームが取り付けられているシャフトを有するハウジングガイドと、手を挿入するための入口ギャップとを備える装置を記載している。前記シャフトは、測定すべき手と、手又は指の撮像のための記録カメラとの間の距離を前記フレームに対して定義する。しかしながら、この不利な点は、手をローカライズし又は手の位置を判定するために、IRセンサなどの追加のハードウェアが必要とされるということである。このIRセンサは、光源及びカメラをトリガするためにも使用されるべきものである。手が正確な位置にある時に、完全な三次元画像が生成され、その後で処理されるという迅速な適用のシナリオを実現するために、手の位置についての正確な知識が重要である。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、手又はその部分の非接触指紋記録についての新しい可能性を見出すという目的に基づいており、これによって、高解像度カメラまでの距離を定めるための追加の距離センサ又はその他の追加のハードウェアを必要とすることなく、指紋の三次元画像データ記録のためにリアルタイムで手の距離を検出することが可能になる。
【0011】
この目的は、本発明に従い請求項1及び請求項13によって達成される。
【0012】
有益な実施態様は、従属項に記載されている。
【0013】
本発明は、三次元記録又は処理を開始するため、又はスキャナーのユーザに対して、手の位置決めについての補正提案を提供するために、現在の手の位置についての正確な知識が必要であるという考えに基づいている。
【0014】
本発明は、手の距離を認識する(手の位置)ための、かつ特別に配置されたカメラとプロジェクタの組合せ及び非接触指紋記録における手の構造化照明を用いて、手又はその部分の高度に正確な三次元画像データを生成するための追加のマルチパート距離センサを省くという基本的な考えに基づくものであり。先行する距離検出の三次元画像データは、カメラ画像から判定され、そして許容可能な手の位置が存在する場合、高解像度で撮像された指紋画像からピクセルごとに高精度三次元画像データが再構築され、かつ後続のプロセスにて二次元指紋画像に変換される。
【0015】
手の位置検出は、追加のセンサ、空間制限測定又は複雑なスキャニング手続きは無しで、手の位置を補正するための装置補正提案をユーザにオファーするため、又はこれに従ってカメラの焦点を合わせるためのいずれかで、又は手を記録するための正確な位置が存在する場合に、三次元画像データの高度に正確な再構築をスタートさせるに、わずかな計算努力で、かつ距離情報として使用される手とカメラとの間の距離判定として行われるべきである。
【0016】
前記装置は、カメラの被写界深度範囲もその中に存在する空間領域を構造化光で照らす照明部を備え、前記カメラは、物体面において手又はその部分から拡散反射された光を検出するように構成されている。この目的のため、前記照明部は、前記カメラの被写界深度範囲とは異なる距離を有しており、なぜならば、その後にのみ、カメラのセンサ上の構造化照明の構造サイズが、手からカメラまでの距離の関数となるからであり、よって、構造サイズを判定することによって、指紋記録用の装置に対して手又はその部分を速やかに空間位置決めすることを可能にする。
【0017】
本発明は、手又はその部分の非接触指紋記録についての新たな可能性を実現し、高解像度カメラまでの距離を定めるための追加の距離センサ又は補助フレームを必要とすること無しに、指紋の三次元画像データ記録のためのリアルタイムな手の距離検出を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、以下に示される実施態様例及び図面によってより詳細に説明される。
【
図1】
図1は、手又はその部分の乳頭状構造の非接触光記録のための本発明の概略図を示す。
【
図2】
図2は、従来の指紋記録中に接触面上に生じる許容角度の定義を概略的に示す。
【
図3】
図3は、照明部の発光波長における変調伝達関数(MTF)という意味での画像鮮鋭度を示す。
【
図4】
図4は、物体面内の構造サイズの中に結像される照明部の光変調器上の構造サイズと、これに対応してカメラセンサ上に結像される構造サイズとの関係を示す。
【
図5】
図5は、構造化光の周期的パターンにおける、物体距離と、カメラのセンサ上での構造化照明の測定された構造サイズとの関係の表現を示す。
【
図6】
図6は、構造化光の非周期的パターンにおける、物体距離と、カメラのセンサ上での構造化照明の測定された構造サイズとの関係の表現を示す。
【
図7】
図7は、その光軸が互いに平行に配置され、かつ物体面までの距離が異なるプロジェクタとカメラとを備える本発明の好適な実施態様を示す。
【
図8】
図8は、カメラ及び照明部がシャインプルーフ幾何学的配置に配置される、
図7に相当するさらに好適な実施態様を示す。
【
図9】
図9は、カメラ及び照明部のビーム経路が偏向ミラーを介して折り畳まれる、
図8を修正した好適な実施形態を示す。
【
図10】
図10は、照明部としてのプロジェクタと、2つのカメラとを備え、当該プロジェクタは、2つのカメラに比べて、手又はその部分までの距離が大幅に異なる、本発明のさらに好適な実施態様を示す。
【
図11】
図11は、
図10に比べて修正されて、2つのプロジェクタと3つのカメラとを備え、当該プロジェクタは、3つのカメラに比べて、手又はその部分までの距離が大幅に異なる、本発明のさらなる実施態様を示す。
【
図12】
図12は、本発明に係る方法の構成例のブロック図を示す。
【
図13】
図13は、手又はその部分の位置を検出する方法についてのフローチャート例を示す。
【
図14】
図14は、手又はその部分の距離及び回転に関する位置検出方法についてのさらなるフローチャート例を示す。
【
図15】
図15は、前記装置の可能な実施態様の概略図を示す。
【
図16】
図16は、正確なかつ不正確な手の位置決めの概略的表現を例として示す。
【
図17】
図17は、ディスプレイとして構成されたフィードバックモジュールを含む前記装置の可能な実施態様の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、
図1の概略的表現に従い、基本原理として、指紋記録4のため、かつ物体面21までのカメラ2の距離16を測定するための装置を含み、カメラ2は、少なくとも1本の指の乳頭状構造の非接触又は無接触光記録のために設けられてもいる。装置4は、構造化光で測定深度範囲24を照らすための照明部1と、物体面21において手3又はその部分から拡散反射された光を検出するためのカメラ2とを含み、カメラ2から物体面21までの距離16と、照明部1から物体面21までの距離15との差17が存在する。
【0020】
本発明に従い、
図1に示される通り、照明部1の視野13とカメラ14の視野が三次元空間内で重なり合う範囲として説明される。照明部1の光軸11とカメラ2の光軸12が平行に配置された場合、測定深度範囲24の下限がある。カメラ2及び照明部1のシャインプルーフ幾何学的配置(
図8参照)の場合、測定深度範囲24は最大距離も有する。測定深度範囲24は、カメラ2の被写界深度範囲9に対応する。
【0021】
装置4に含まれる照明部1は、光軸11と、空間二次元強度変調器と、照明部の視野13と、光源とによって説明される。もしも照明部1が、追加として空間二次元強度変調器を結像するためのレンズを含む場合、照明部1は以下においてプロジェクタ25として言及される。本発明の意味での照明部1は、構造化光を放出する、特に波長の放出(スペクトル拡幅を含む)のために役立つ。照明部1はまた、2つ又は3つの波長を放出可能であると定め得る。照明部1の実用的形式は、例えば、1つ以上のLED又は1つ以上のレーザー(図示されていない)を含み得る。
【0022】
照明部1の他の実施態様は、白光LED、熱放射(白熱電球)に基づく光源、又はガス放電灯などの広光スペクトルを放出する。
【0023】
本発明の一実施態様では、照明部1の発光スペクトルは、350nm~1000nmの範囲内である。本発明のさらなる実施態様では(
図3参照)、FBIのMTF要件を満たすために、発光スペクトルは450nm~550nmに制限される。
【0024】
本発明の好適な実施態様では、カメラ2の作動距離26は、50mm以上かつ1500mm以下である。この下限は、手3(又はその部分)とカメラ2との間の接触を避けるための十分な距離の結果である。この上限は、構造上の理由から生じる。
【0025】
本発明のさらに好適な実施態様では、カメラ2の作動距離26は、200mm以上かつ400mm以下である。
【0026】
本発明の好適な実施態様では、照明部1からカメラ2(又はその他の可能なカメラ2)の平均被写界深度27までの距離28は、50mm以上かつ1400mm以下である。さらに好適な実施態様では、照明部1から(少なくとも1つの)カメラ2の平均被写界深度27までの距離28は、130mm以上かつ400mm以下である。
【0027】
カメラ2の光軸12と、センサと、当該センサ上に結像するレンズとによって説明される装置4のカメラ2は、視野14及び(被写界深度範囲9の下限10と、被写界深度範囲9の上限8とによって制限される)被写界深度範囲9を有する。被写界深度範囲9内でのみ、当局の仕様(FBIガイドライン、付属書類F:米国司法省連邦捜査局、“Electronic Biometric Transmission Specification (EBTS) with Technical and Operational Updates”、バージョン10.0.9、2018年5月22日)に従って、高品質にかつカメラ2のセンサ上に手3(又はその部分)の乳頭状構造を結像することができる。
【0028】
本発明の意味範囲での有益な実施態様では、カメラ2は、画像センサとレンズとを備える。本発明の意味における画像センサは、光信号を、画像情報を含む電気信号に変換する装置である。本発明に従い、画像センサ(又はカメラ2の出力)の後には、画像情報を処理するために使用される演算部29があり得る。特に、演算部29は、画像センサの画像から空間情報を計算するため、特に、乳頭状構造を有する手3又は指の三次元検出のために役立つ。
【0029】
有益な実施態様では(
図8に従って)、照明部1はレンズを備え、よって、プロジェクタ25を形成し、照明部1として使用されるプロジェクタ25は構造化照明を有し、かつカメラ2はシャインプルーフ幾何学的配置で取り付けられる。これは、プロジェクタ25及びカメラ2が、物体面21に基づき、シャインプルーフに従った画像均等化を実現させることを意味する。
【0030】
さらに好適な実施態様では(
図9に概要が示される通り)、照明部1及び/又はカメラ2のビーム経路は、コンパクトなデザインを可能にするために、1つ以上の偏向ミラー5を介して折り畳まれる。
【0031】
本発明の意味範囲内での二次元強度変調器は、例えば、1つ以上のDLPチップ(デジタルライトプロセシング)、1つ以上のLCD(液晶装置)又は1つ以上のLCoS(Liquid Crystal on Silicon)から構成されるデジタル光変調器を備え得る。さらに、本発明に従って、マスク、スライド、又は散乱及び位相変調ディスク(スペックルパターンを生成するため)などのアナログ光変調器を使用することもできる。
【0032】
本発明のさらに好適な実施態様では、照明部1又はプロジェクタ25と、2つのカメラ2とが使用され、照明部1又はプロジェクタ25は、カメラ(単数又は複数)2の作動距離26と比較して(
図10参照)、被写界深度範囲9から異なる距離にあり、又は2つのプロジェクタ25もしくは2つの照明部1及び3つのカメラ2が使用され、プロジェクタ25又は照明部1は、カメラ2の作動距離26と比較して、被写界深度範囲9からの距離が異なる(
図11参照)。
【0033】
本発明の好適な実施態様では、装置4はフィードバックモジュール35を有し、当該フィードバックモジュール35は、音響、触覚もしくは視覚信号又はこれらの組合せを介して、正確な記録についての情報、手の位置についての補正提案又はその他の情報をユーザに提供する。
【0034】
本発明のさらに好適な実施態様において、フィードバックモジュール35は、ディスプレイの形態での表示部36として構成され、又は装置4の上方域においてLEDラインとして一体化することも可能である。
【0035】
手3(又はその部分)からカメラ2までの距離をリアルタイムで検出するための本発明に係る方法は、物体面21におけるカメラ(単数又は複数)2及び照明部(単数又は複数)1から手3までの異なる距離に基づく(
図4参照)。
【0036】
ここでの基本的考えは、カメラ2のセンサ上の構造化照明の構造サイズ18を測定することである。
図4におけるnomenclatureによると、照明部1は、物体面21(S
0)において構造サイズ20の空間的に変動する構造を投影する。照明部1の光変調器上の構造サイズ19はS
pである。照明部1から物体面21(A
p)までの距離15は、照明部1として使用されるプロジェクタ25から手3(又はその部分)までの距離を表し、A
cは、カメラ2から手3の物体面21までの距離16を表す。
【0037】
カメラ2(SC)のセンサ上の構造化照明の測定された構造サイズ18が、カメラ2から物体面21までの距離16(Ac)の非定数関数であり、カメラ2から物体面21の距離と、照明部1から物体面21までの距離との差17(δ≠0)が存在すると、数学的に示すことができる。
【0038】
δ≠0においてSC=f(Ac)
【0039】
次にこれは、カメラ2(SC)のセンサ上にプロジェクタ25から照明部1によって投影された構造化照明の構造サイズ18を測定可能な場合、δ≠0において、カメラ2から物体面21(Ac)までの距離16を判定することができるということを意味し、これが距離測定の基本的問題を解決する。
【0040】
δ≠0においてAc=f(SC)
【0041】
例えば、一次元もしくは二次元正弦波パターン又はポイントパターンなどの周期的又は準周期的パターンの投影の場合、結像された構造サイズSCは、例えば、周波数空間内の極大値の探索による離散フーリエ変換(DFT)又はその高速実施(FFT)から容易にかつ効率的に判定可能である。これはウェーブレット変換を用いても可能である。
【0042】
図5は、記録のために使用されるカメラ2と比べて物体面21からの異なる距離15を有するプロジェクタ25によって、手3又はその部分(手の指)への正弦波パターンの投影について提示される方法の中間ステップを示す。カメラ2及び照明部1について手3(又はその部分)までのほとんど等しい距離について、カメラ画像には一定のストライプ距離又は一定の空間周波数(円形)があり、プロジェクタ25が手3までの距離の半分しか有していない場合、カメラ2から物体面21までの距離16で、ストライプ距離の明らかな進歩が見られる。
【0043】
図6は、投影された非周期的パターン(スペックル)について本明細書で提示される方法の中間ステップを示している。カメラ2及び照明部1について物体面21までのほとんど等しい距離について、一定の構造サイズの分散又は一定の空間周波数の分散(円形)が、結果としてカメラ画像にもたらされ、照明部1が手3(又はその部分)までの距離16の半分しか有していない場合、カメラ2から手3までの距離16で、構造サイズの分散の明らかな進歩が見られる。
【0044】
本明細書で説明される方法がいくつかの部分画像に適用された場合、記録されかつ照らされた場面の低減解像度深度マップを生成することができ、手3の回転を判定することが可能となる。
【0045】
正確な手の位置決め31を判定するために、手3(又はその部分)の距離及び被写界深度範囲9に対する回転(捻転)が判定される。正確な手の位置決め31について、
図16を参照すると、測定されるべき手3の部分が、被写界深度範囲9内の平面に置かれなければならない。
【0046】
画像分析34は一般的に、カメラ2のセンサ上に結像された、照明部1からの構造化照明の構造サイズ18からのカメラ2に対する手3の位置及び配向を判定するための方法を説明するものであり、前記方法についての特別な実施態様は既に例示的に示されている(
図5及び
図6参照)。
【0047】
本発明の好適な実施態様では、演算部29によってデータ記録が要求され、これがデータバス上のトリガ信号をトリガする。装置4において、この結果として、少なくともの1つの照明部1がストライプパターンを投影し、投影されたストライプパターンを有する手3又はその部分の画像が、少なくとも1つのカメラ2によって同期的に記録されることになる。これは、さらなるデータバスを介して、演算部29のデータ処理部へと転送され、当該データ処理部において、画像全体の周波数空間内での極大値探索によって距離判定が行われ、そして画像のグリッド素子の周波数空間内における極大値の分析によって、回転判定が行われる。分析結果に基づいて補正判定がなされ、これは、別のデータバスを介して表示部36上でフィードバックとしてユーザが利用可能なようになされる。そして、測定深度範囲24内での手3の許容可能な位置決めをして、さらなる記録が開始され、当該記録は表示部36を介してユーザに伝えられ、カメラ2を介しての新たなデータ記録か、又は三次元画像もしくは指紋画像を形成するためのデータ処理のいずれかと共に継続することができる。
【0048】
図1は、手3又はその部分の乳頭状構造の非接触光記録用の装置4を示しており、当該装置4は、構造化光で手3(又はその部分)を照らすための照明部1と、手3又は手3の部分から物体面21に拡散反射された光を検出するための少なくとも1つのカメラ2とを有し、照明部1及びカメラ2から物体面21までの距離15、16の間に実質的に非ゼロの差17が存在するとともに、カメラ2は被写界深度範囲9を有し、当該範囲は、被写界深度範囲9の上限8と、被写界深度範囲9の下限10とによって制限される。手の位置の迅速な測定が、測定深度範囲24内で可能であり、当該測定深度範囲24は、カメラ2の視野14と照明部1の視野13からのオーバレイ領域によって与えられ、かつカメラ2の被写界深度範囲9の部分を含む。
【0049】
図2は、許容角度7の定義を示しており、当該許容角度7は、従来の指紋記録において、接触面6上の記録された皮膚の領域を制限し、かつ非接触記録中には(当局の)要件に従って描かれなければならない。
【0050】
図3は、照明部1の発光波長についての変調伝達関数(MTF)という意味での画像鮮鋭度を示す。640nmを上回ると、いずれの点でも鮮鋭度についてのFBI要件は達成されない。画像鮮鋭度は、2.5のF値で200mmの作動距離を有する光学結像系について計算された。
【0051】
図4は、
図1において示された数量に加えて、物体面21において構造サイズ20に結像された、照明部1の光変調器上の構造サイズ19との関係を示す。照明部1及びカメラ2から物体面21までの距離15、16の差17が非ゼロである場合、カメラ2のセンサ上の構造化照明の照明サイズ18は、カメラ2から物体面21までの距離16の関数である。
【0052】
図5は、照明部1の構造化光の周期的パターンにおける、カメラ2から物体面21までの距離16と、カメラ2のセンサ上の構造化照明の測定された照明サイズ18との間の関係を表現する方法の例を示し、これは実際のカメラ2から物体面21までの距離16(その中で手3又はその部分の位置決めが行われる)の計算の役に立つ。
【0053】
図6は、カメラ2から物体面21までの距離16と、カメラ2のセンサ上の構造化照明の測定された照明サイズ18との間の関係を示す、照明部1の非周期的パターンのさらなる方法の例を示す。
【0054】
図7は、手3又はその部分の乳頭状構造の非接触光記録用の装置4の好適な実施態様を示しており、当該装置4は、構造化光で手を照らすためのプロジェクタ25と、手3又はその部分から拡散反射された光を検出するためのカメラ2とを有し、照明部1としてのプロジェクタ25は実質的に、
図5及び
図6に記載される通りに、手3(又はその部分)の位置判定の方法を使用することができるように、照明部1及びカメラ2から物体面21までの距離15、16の間に非ゼロの差17を有する。
【0055】
図8は、
図7に相当する好適な実施態様を示すが、
図7と異なる点としては、カメラ2と照明部1がシャインプルーフ幾何学的配置に配置されることである。この結果として、一方では、照明部1によって照らされない領域は一切、カメラ画像に現れることはできず、他方では、カメラ2及び照明部1の被写界深度範囲9は並行して重なり合う態様で並べることができるという利点がもたらされる。
【0056】
図9は、
図8に基づく好適な実施態様を示し、
図8と異なる点としては、装置4のよりコンパクトで空間を節約するデザインを達成するために、カメラ2及び照明部1のビーム経路が偏向ミラー5を介して折り畳まれるということである。
【0057】
図10は、手3又はその部分の乳頭状構造の非接触光記録用の装置4の好適な実施態様を示しており、当該装置4は、構造化光で手を照らすための1つのプロジェクタ25と、手3又はその部分から拡散反射された光を検出するための2つのカメラ2とを有し、照明部1及びカメラ(単数又は複数)2から物体面21までの距離15、16の間に実質的に非ゼロの差17が存在する。追加のカメラ2のこの構造によって、より高い許容角度7という意味で空間視野を拡大することができる。
【0058】
図11は、手3又はその部分の乳頭状構造の非接触光記録用の装置4の好適な実施態様を示しており、当該装置4は、構造化光で手を照らすための2つのプロジェクタ25と、手3又はその部分から拡散反射された光を検出するための3つのカメラ2とを有し、照明部(単数又は複数)1及びカメラ(単数又は複数)2から物体面21までの距離15、16の間に実質的に非ゼロの差17が存在する。
【0059】
図12は、一構成例のブロック図を示しており、ここで、演算部29によってデータ記録が要求され、これがデータバス上のトリガ信号をトリガし、これにより装置4は、照明部1の特別な構成としてのプロジェクタ25に、ストライプパターンを投影させるとともに、これと同期して、測定されるべき手3の画像が、投影されたストライプパターンと共にカメラ2によって記録される。この画像は、さらなるデータバスを介して演算部29のデータ処理へと転送され、ここで、手の位置決めの高さ判定及び回転判定が行われ、これらの結果に基づいて補正判定がなされ、これがさらなるデータバスを介して表示部36上でフィードバックと共にユーザに提供される。
【0060】
図13は、位置検出の方法についてのフローチャート例を示しており、ここで、当該方法を開始した後、カメラ2の制御により、画像データの受信がもたらされ、その後、画像データを演算部29に送信するステップは、手の位置を認識するためのデータ処理を実行し、ここで不正確な距離32という意味での不正確な手の位置決めの場合、位置の補正が要求され、これは表示部36を介してユーザに信号で伝えられる。そして、別の記録が開始され、もしも手の位置が許容可能な場合、正確な位置を判定するプロセスが完了されて、被写界深度範囲9内の手3の許容可能な位置決めにより、手3又はその個々の指の乳頭状構造のエラーの無いかつ高解像度の画像記録を確実なものとする。
【0061】
図14は、位置認識の方法のフローチャート例を示しており、ここで、当該方法を開始した後、カメラ2のトリガにより、画像データの受信がもたらされ、その後、画像データを演算部29に送信するステップの結果として、手の位置を認識するためのデータ処理がなされ、ここで不正確な距離32という意味での不正確な手の位置決めの場合、位置の補正が要求され、これは表示部36を介してユーザに信号で伝えられる。そして、別の記録が開始され、手の位置が許容可能な場合、手の回転が分析され、手の位置決めが不正確な回転33という意味で不正確である場合、回転の補正が要求され、これは表示部36を介してユーザに信号で伝えられる。そして、別の記録が開始され、手の回転が許容可能である場合、正確な位置を判定するプロセスが完了されて、被写界深度範囲9内の手の許容可能な位置決めにより、手3又はその部分の乳頭状構造のエラーの無いかつ高解像度の画像記録を確実なものとする。
【0062】
図15は、正確な手の位置決め31のために、ユーザに面している上面に凹部30を有する指紋記録装置4のデザイン例を示している。
【0063】
図16は、正確な手の位置決め31を示しており、当該正確な手の位置決め31において、手又はその部分は、被写界深度範囲9の上限8と、被写界深度範囲9の下限10との間に正確に置かれる。さらに、手又はその部分の不正確な距離32という意味での、手の不正確な手の位置決めが示されている。さらに、手3の不正確な回転33という意味での、不正確な手の位置決めが示されている。
【0064】
図17は、正確な手の位置決め31のために、ユーザに面している上面に取り付けられた凹部30を有し、かつ表示部36(ディスプレイ)として構成されたフィードバックモジュール35を含む、指紋記録装置4のデザインの一例を示している。
【符号の説明】
【0065】
1 照明部
2 カメラ
3 手(又はその部分)
4 指紋記録装置
5 偏向ミラー
6 接触領域
7 許容角度
8 被写界深度範囲の上限
9 被写界深度範囲
10 被写界深度範囲の下限
11 照明部の光軸
12 カメラの光軸
13 照明部の視野
14 カメラの視野
15 物体面までの照明部の距離
16 物体面までのカメラの距離
17 カメラから物体面までと照明部から物体面までの距離の差
18 カメラのセンサ上の構造化照明の構造サイズ
19 プロジェクタの光変調器上の構造サイズ
20 物体面における構造化照明の構造サイズ
21 オブジェクトレベル
22 カメラレンズの実効焦点距離
23 照明部の実効焦点距離
24 測定深度範囲
25 プロジェクタ
26 カメラ作動距離
27 中間被写界深度
28 照明部から被写界深度の中間面までの距離
29 演算部
30 凹部
31 正確な手の位置決め
32 不正確な距離という意味での不正確な手の位置決め
33 不正確な回転という意味での不正確な手の位置決め
34 画像分析
35 フィードバックモジュール
36 表示部
【手続補正書】
【提出日】2023-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手(3)又はその部分の乳頭状構造の非接触光記録装置であって、
― 正確な手の位置決め(31)の大まかな方向付けのためユーザの役に立つ、指紋記録用の前記装置(4)の上方域における凹部(30)と、
― 前記手又はその部分(3)を構造化光で照らすための照明部(1)と、
― カメラ(2)の物体面(21)において前記手又はその部分(3)から拡散反射した、前記照明部(1)からの光を検出するためのカメラ(2)であって、
― 前記カメラ(2)によって記録された画像における構造サイズを判定するための方法を用いて、前記カメラ(2)の被写界深度範囲(9)に関連して前記手又はその部分(3)の位置を判定するために、前記物体面(17)から前記カメラと前記照明部との距離に非ゼロの差が存在する、カメラ(2)と、
― 構造サイズを判定することによる位置計算のための、かつ前記指紋画像を計算するための演算部(29)と
を備える、装置。
【請求項2】
前記カメラの作動距離(26)は、少なくとも50mmであり、かつ最高1500mmである、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カメラ(2)の被写界深度範囲(9)への前記照明部(1)の距離(28)が、少なくとも50mmであり、かつ最高1400mmである、
請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記カメラ(2)及び前記照明部(1)のビーム経路は、前記カメラ(2)の光軸(12)及び前記照明部(1)の光軸(11)に沿って非平行である、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記照明部(1)及び前記カメラ(2)の前記ビーム経路は、偏向ミラーを介して折り畳まれてスペースを取らない、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記照明部(1)は、350nm~1000nmの範囲内である放射光スペクトルを有する、
請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
前記照明部(1)は、前面にレンズを備えるともに、DLP、LCD又はLCosシステムを備える、二次元強度変調器を有する、
請求項
1に記載の装置。
【請求項8】
前記照明部(1)の前記二次元強度変調器は、回折素子を備える二次元強度変調器を有する、
請求項
1に記載の装置。
【請求項9】
前記照明部(1)は、前面にレンズを備えるともに、剛体で回転する又は並進移動可能な透過光画像を備える、二次元強度変調器を有する、
請求項
1に記載の装置。
【請求項10】
音響、触覚もしくは視覚信号又はこれらの組合せを出力するためのフィードバックモジュール(35)が追加で存在し、これでユーザは、正確な手の位置決め(31)、又は不正確な距離という意味での不正確な手の位置決め(32)もしくは不正確な回転という意味での不正確な手の位置決め(33)を取り除くための補正提案の場合の、前記手の前記乳頭状構造の前記記録についての情報、又はさらなる情報にアクセスすることができる、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
視覚信号を生成するための前記フィードバックモジュール(35)は、指紋記録のための前記装置(4)内に一体化された表示部(36)である、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
視覚信号を生成するための前記フィードバックモジュール(35)は、前記装置の前記上方域内に一体化されたLEDラインである、
請求項10に記載の装置。
【請求項13】
手又はその部分(3)の乳頭状構造の非接触光記録方法であって、ユーザの前記手が、指紋記録用の装置(4)の測定深度範囲(24)内に位置付けられ、この目標位置が、前記装置の凹部(30)を介して前記ユーザに提供される方法であって、
― 照明部(1)からの構造化光で前記手又はその部分(3)を照らすステップであって、物体面(17)からカメラと照明部の距離に差がある、ステップと、
― 前記手又はその部分(3)から拡散反射された、前記照明部(1)からの構造化光を、照明パターンの画像として前記カメラで検出し、かつ前記記録された画像を演算部(29)に送信するステップと、
― 前記演算部(29)内の前記カメラ(18)のセンサ上の前記構造化照明の構造サイズを判定するステップと、
― 光変調器(19)上の既知の構造サイズに対する前記カメラ(18)の前記センサ上の前記構造化照明の前記構造サイズからの画像分析(34)により、前記演算部(29)内の前記手又はその部分(3)の位置を計算するステップと、
― 当該位置が完全に被写界深度範囲(9)内である場合、前記手又はその部分(3)の指紋画像を計算するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
― 前記カメラ(18)の前記センサ上の前記構造化照明の前記構造サイズの前記判定が、周波数空間内での画像分析(34)によって生じる、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
― 前記カメラ(2)に対する前記手(3)の不正確な距離又は不正確な回転という意味で、画像分析(34)を介して、前記正確な手の位置決め(31)の前記判定が生じる、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
― 不正確な距離という意味での不正確な手の位置決め(32)又は不正確な回転という意味での不正確な手の位置決め(33)の場合、フィードバックモジュール(35)を介して補正指示が発せられる、
請求項13に記載の方法。
【国際調査報告】