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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】表面処理
(51)【国際特許分類】
   C11D 7/40 20060101AFI20240426BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20240426BHJP
   C11D 17/06 20060101ALI20240426BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20240426BHJP
   C11D 1/83 20060101ALI20240426BHJP
   C11D 3/38 20060101ALI20240426BHJP
   C11D 3/395 20060101ALI20240426BHJP
   C11D 3/40 20060101ALI20240426BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20240426BHJP
   D06M 16/00 20060101ALI20240426BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20240426BHJP
   C12N 1/16 20060101ALI20240426BHJP
   C12N 9/56 20060101ALI20240426BHJP
   C12N 9/60 20060101ALI20240426BHJP
   C12N 9/16 20060101ALI20240426BHJP
   C12N 9/04 20060101ALI20240426BHJP
   C12N 9/30 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
C11D7/40
C11D17/08
C11D17/06
C11D17/04
C11D1/83
C11D3/38
C11D3/395
C11D3/40
C11D3/50
D06M16/00
C12N1/20 A
C12N1/16 A
C12N9/56
C12N9/60
C12N9/16 Z
C12N9/04 Z
C12N9/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567166
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 US2022072129
(87)【国際公開番号】W WO2022236297
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】21172505.6
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ニョロゲ、サミュエル・キマニ
(72)【発明者】
【氏名】ポーター、ジュリー・マリー
(72)【発明者】
【氏名】ラント、ニール・ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ワーニック、トッド・マイケル
【テーマコード(参考)】
4B065
4H003
4L031
【Fターム(参考)】
4B065AA15X
4B065AA79X
4B065AC14
4B065CA57
4H003DA01
4H003DA05
4H003EB36
4H003EB45
4H003EB46
4H003EC01
4H003FA06
4H003FA07
4H003FA09
4H003FA12
4H003FA19
4H003FA26
4H003FA27
4H003FA28
4L031AB31
4L031BA31
4L031DA13
(57)【要約】
細菌芽胞及びサッカロミセス上清で表面を処理する処理工程を含む、表面を処理する方法。細菌芽胞及びサッカロミセス上清を含む製品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を処理する方法であって、前記表面を、
a)細菌芽胞と、
b)サッカロミセス(Saccharomyces)上清と、
で処理する処理工程を含む、方法。
【請求項2】
前記細菌芽胞は、バチルス(Bacillus)芽胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バチルスは、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・テキレンシス(Bacillus tequilensis)、バチルス・バリスモルティス(Bacillus vallismortis)、バチルス・モジャベンシス(Bacillus mojavensis)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、バチルス・サブチリス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・メガテリウム、バチルス・プミルス、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記表面は、軟質表面又は硬質表面である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記表面は、布地である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記処理工程は、洗浄、すすぎ、及び乾燥サイクルを含む洗濯プロセスであり、前記細菌芽胞及び/又は前記サッカロミセス上清は、洗浄組成物及び/又は添加組成物から前記布地に別々に又は一緒に供給される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記サッカロミセス上清は、前記洗浄に供給され、前記細菌芽胞は、前記すすぎ又は乾燥工程に供給される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記処理工程は、前記サッカロミセス上清を添加して、約0.01重量%~約10重量%、好ましくは、約0.01重量%~約5重量%の前記サッカロミセス上清を含む水性液を形成することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記細菌芽胞は、布地1キログラム重量当たり約1×10CFU~約1×10CFU、好ましくは、約1×10CFU~約1×10CFUの濃度で洗浄組成物又は添加組成物から添加される、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
製品であって、
a)細菌芽胞と
b)サッカロミセス上清と、
を含む、製品。
【請求項11】
前記製品は、洗浄組成物及び/又は添加組成物を含む、請求項10に記載の製品。
【請求項12】
前記洗浄組成物及び/又は前記添加組成物は、前記組成物の約1×10~約1×10CFU/gの細菌芽胞、及び前記組成物の約0.05重量%~約10重量%のサッカロミセス上清を含む、請求項11に記載の製品。
【請求項13】
前記洗浄組成物は、液体、固体、又は単位用量形態の形態であり、前記添加組成物は、洗浄添加剤、すすぎ添加剤、又は乾燥添加剤の形態である、請求項11又は12に記載の製品。
【請求項14】
前記洗浄組成物は、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤系を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の製品。
【請求項15】
前記製品は、洗濯組成物であり、前記洗濯組成物は、
a)前記組成物の約5重量%~約55重量%のイオン性界面活性剤、好ましくは、アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の約5重量%~約50重量%の非イオン性界面活性剤と、
c)前記組成物の約1×10~約1×10CFU/gの細菌芽胞と、
d)前記組成物の約0.05重量%~約10重量%のサッカロミセス上清と、
e)追加の酵素、ペルオキシ化合物、漂白活性化剤、再付着防止剤、中和剤、蛍光増白剤、抑泡剤、キレート剤、苦味剤、移染防止剤、汚れ放出剤、硬水軟化剤、電解質、pH調節剤、灰色化防止剤、抗しわ成分、漂白剤、着色剤、香料、加工助剤、及びこれらの混合物のうちの1つ以上を含む補助剤と、
を含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の製品。
【請求項16】
基材、好ましくは布地に、持続的な悪臭除去を提供するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の処理の方法又は請求項10~15のいずれか一項に記載の製品の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理中及び処理後に悪臭を低減及び/又は除去するために表面を処理する方法に関する。本発明はまた、持続的な悪臭除去を提供する製品に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄と臭気は密接に関連している。表面上の悪臭の存在は、清浄性の欠如を暗に示している。悪臭は、汚れた表面に付随し得るか、又は予め洗浄された表面上で使用中に発生し得る。布地の場合、悪臭は、布地が湿っているか又は濡れているとき、例えば、洗濯プロセス後、又は湿った気候において発生し得る。悪臭はまた、布地の着用中にも発生し得る。
【0003】
国際公開第2020/150587(A1)号は、洗剤界面活性剤及びサッカロミセス(Saccharomyces)発酵濾液を含む洗濯組成物を開示している。洗濯洗剤組成物は、あらゆる悪臭、例えば、湿気による悪臭、身体からの悪臭、又は食品からの悪臭の排除、阻害、及び/又は低減において利益を提供する。
【0004】
国際公開第2017/157771(A1)号は、悪臭の生成を阻害又は防止することができる細菌芽胞を使用して悪臭を制御するプロセスを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/150587(A1)号
【特許文献2】国際公開第2017/157771(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
悪臭を除去、抑制及び/又は低減するための様々な方法が提供されてきたが、洗浄プロセス中及びその後に表面から悪臭を除去、抑制、防止及び/又は低減する改良された方法を提供する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、表面を処理する方法が提供され、この方法は、表面を、
a)細菌芽胞、好ましくは、バチルス(Bacillus)芽胞と、
b)サッカロミセス上清と、
で処理する処理工程を含む。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、本発明の方法で使用するのに好適な製品が提供され、この製品は、
a)細菌芽胞、好ましくは、バチルス芽胞と、
b)サッカロミセス上清と、
を含む。
【0009】
本発明の方法及び製品は、任意の表面に適用することができ、硬質表面又は軟質表面に適用することができる。本発明の方法及び製品は、洗濯プロセスにおける布地の処理に特に適している。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、長期間にわたって布地からの持続的な悪臭除去を提供するための、本発明の方法の使用が提供される。
【0011】
本発明の第1の態様に関連して説明される本発明の組成物の要素は、必要な変更を加えて、発明の他の態様にも適用される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、表面を処理する方法を包含する。表面は、硬質表面であっても軟質表面であってもよく、好ましくは、表面は布地である。方法は、表面を、
a)細菌芽胞、好ましくは、バチルス(Bacillus)芽胞と、
b)サッカロミセス上清と、
で処理する工程を含む。
【0013】
本発明はまた、表面を処理するための製品を包含する。本発明の方法及び製品は、持続期間中に悪臭の除去及び防止を提供する。処理の間だけでなく、表面が処理された後の表面の使用の間も、対象となる。
【0014】
本発明の方法及び製品は、悪臭の除去及び防止に関して持続期間にわたって相乗作用を提供することが予想外に見出された。この相乗作用は、驚くべきことに、持続期間中に見出された。理論に束縛されるものではないが、混合系、すなわち、細菌芽胞及びサッカロミセス上清の利益は、サッカロミセス上清中に既に存在する酵素と、細菌芽胞が布地上で発芽及び成長した後に細菌芽胞によって産生される酵素との組み合わせからの酵素の高度に複雑なカクテルの生成によってもたらされると考えられる。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などの酵母は細菌と非常に異なるため、それらの酵素は、細菌によって産生されるものと非常に異なる構造を有する。最終結果は、2つの個々の成分よりもはるかに臭気を破壊することができる非常に効率的なシステムである。
【0015】
本発明はまた、布地からの持続的な悪臭除去を提供するための本発明の方法の使用を包含する。「持続的な悪臭除去」とは、布地が処理された後、悪臭除去が少なくとも24時間、好ましくは、少なくとも48時間行われることを意味する。理論に束縛されるものではないが、細菌芽胞は、使用者からの熱及び汗で発芽し、それによって布地の着用中に悪臭の除去及び防止をもたらすと考えられている。
【0016】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される場合の「a」及び「an」という冠詞は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」という用語とは、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の構成要素を含み得る、それらから本質的になり得る、又はそれらからなり得る。
【0017】
本明細書で使用される百分率、比率、及び割合は全て、別段の指定がない限り、組成物の重量%である。全ての平均値は、別段の明示的な指示がない限り、組成物の「重量により」計算される。別段の指定がない限り、全ての比率は重量/重量レベルとして計算される。
【0018】
別段の指定がない限り、全ての測定は、25℃で実施される。
【0019】
別途注記がない限り、全ての構成要素又は組成物の濃度は、その構成要素又は組成物の活性部分に関するものであり、このような構成要素又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0020】
表面を処理する方法
本開示は、表面を処理する方法に関し、表面は、硬質表面であっても軟質表面であってもよく、好ましくは、表面は軟質表面であり、より好ましくは、表面は布地である。この表面は、
a)細菌芽胞、好ましくは、バチルス芽胞と、
b)サッカロミセス上清と、
で処理される。
【0021】
例えば、本開示の方法は、布地を本開示による製品と接触させることを含んでよい。接触は、全体的に又は部分的に、水の存在下で生じてよい。製品又はその一部は、水に希釈及び/又は溶解されて、処理液を形成してよい。
【0022】
本開示の方法は、表面、好ましくは布地を、水性処理液と接触させることを含んでよい。水性処理液は、総細菌芽胞、好ましくは、バチルス芽胞の約1×10コロニー形成単位(CFU)~約1×1010CFU、好ましくは約1×10C CFU~約1×10CFU、より好ましくは約1×10C CFU~約1×10CFUを含み得る。水性処理液は、液の約0.001重量%~約10重量%、好ましくは約0.01重量%~約5重量%のサッカロミセス上清を含んでもよい。
【0023】
布地を処理する方法は、任意の好適な容器中で、その全体又は部分的に行うことができ、例えば、自動洗濯機中で行うことができる。かかる機械は、トップローディング式機械装置又はフロントローディング式機械装置であってよい。全プロセスを洗濯機中で行うことができる。あるいは、プロセスの一部を洗濯機中で行うことができ、プロセスの一部を乾燥機中で行うことができる。本発明の方法は、手洗い用途にも適している。
【0024】
処理工程は、自動洗濯機の洗浄又はすすぎサイクルの一環であってよい。水性処理液は、水性すすぎ液であってよい。本開示による製品は、洗浄又はすすぎサイクル中に自動洗濯機の引き出し又はドラムに添加されてよい。
【0025】
本開示の方法の処理工程は、布地を水性洗浄液と接触させることを含んでよい。布地を水性洗浄液と接触させる工程は、布地を水性すすぎ液と接触させる前に生じてよい。かかる工程は、単一処理サイクル中に生じてよい。水性洗浄液は、水に溶解する、又は希釈される粒状又は液体洗濯洗剤組成物など洗浄組成物を含んでよい。洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤を含んでよい。水性洗浄液は、約50ppm~約5000ppm、又は約100ppm~約1000ppmのアニオン性界面活性剤を含んでよい。
【0026】
本発明の方法は、洗浄、すすぎ、及び乾燥サイクルを含む洗濯プロセスを含むことができ、細菌芽胞及び/又はサッカロミセス上清は、洗浄組成物及び/又は添加組成物から布地に別々に又は一緒に供給することができる。サッカロミセス上清は、洗浄サイクルに供給され得る。細菌芽胞は、洗浄サイクル、すすぎサイクル、又は乾燥サイクルに供給され得る。サッカロミセス上清が洗浄サイクルに添加される場合、それは、約0.01~約10ppm、好ましくは約0.05~約1ppmのサッカロミセス上清を含む水性液を形成し得る。サッカロミセス上清は、洗浄組成物から供給することができる。
【0027】
細菌芽胞、好ましくはバチルス芽胞は、布地の約0.01重量%~約5重量%の濃度で添加組成物から添加されてもよい。好ましくは、細菌芽胞は、ビーズの形態で、又は乾燥機用シートから提供される。サッカロミセス上清及び細菌芽胞は、同じ製品から添加され得る。
【0028】
処理される布地は、合成織物であってよい。好適な合成織物としては、ポリエステル、アクリル、ナイロン、レーヨン、アセテート、スパンデックス、ラステックス、及び/又はオーロン織物が挙げられる。本発明のプロセスは、合成布地上で非常に良好な悪臭除去及び/又は防止を提供する。
【0029】
処理される布地は、合成繊維を含んでよい。好適な合成繊維としては、ポリエステル、アクリル、ナイロン、レーヨン、アセテート、スパンデックス、ラステックス、及び/又はオーロン繊維が挙げられてよい。繊維は弾性であってよく、及び/又はエラスタンを含有してよい。布地は、合成繊維と天然繊維とのブレンド(例えば、ポリコットンブレンド)を含有してよい。布地は、比較的疎水性である(例えば、綿繊維と比較して)繊維を含んでよい。
【0030】
製品
本開示は、布地表面を処理するための製品、好ましくは、布地処理製品に関する。本明細書で使用するとき、語句「布地処理製品」は、衣類などの布地、又は他の織物の処理用に設計された組成物及び配合物を含む。
【0031】
このような製品としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地軟化組成物、布地増強組成物、布地消臭組成物、洗濯前洗浄剤、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延供給配合物、多孔質基材又は不織布シート上又は中に含まれる洗剤、並びに本明細書の教示を考慮して当業者に明らかであり得る他の好適な形態が挙げられ得るが、これらに限定されない。このような製品を、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用してもよく、又は洗濯プロセスの洗浄及び/又はすすぎサイクル中に添加してもよい。あるいは、製品又はその一部、特に細菌芽胞を含む組成物を、乾燥機に添加することができる。
【0032】
製品は、任意の好適な形態であり得る。製品は、液体組成物、顆粒状組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、シート、トローチ又はビーズ、繊維状物品、錠剤、バー、フレーク、又はこれらの混合物の形態であってよい。製品は、液体、固体、又はこれらの組み合わせから選択することができる。
【0033】
製品は、液体組成物であってよい。組成物は、当該組成物の約30重量%から約90重量%、又は約50重量%~約80重量%の水を含んでよい。組成物のpHは、細菌芽胞及びサッカロミセス上清を促進するように最適化されてもよい。
【0034】
製品は、洗浄又は添加組成物であってもよく、錠剤、パウチ、シート、又は繊維状物品などの、単位化用量物品の形態であってもよい。このようなパウチは、典型的には、組成物を少なくとも部分的に封入する水溶性フィルム、例えば、ポリビニルアルコール水溶性フィルムを含む。好適なフィルムは、MonoSol,LLC(Indiana,USA)から入手可能である。組成物は、単区画パウチ又は多区画パウチに封入することができる。多区画パウチは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を有してもよい。多区画パウチは、並べて及び/又は重ねて配置された区画を含んでもよい。パウチ又はその区画に含有される組成物は、液体、固体(粉末など)又はそれらの組合せであってもよい。パウチ組成物は、例えば洗剤組成物の約20重量%未満、又は約15重量%未満、又は約12重量%未満、又は約10重量%未満、又は約8重量%未満の水といった比較的低量の水を有してもよい。
【0035】
製品は、錠剤又はビーズの形態であり得る。錠剤は、担体としてポリエチレングリコールを含んでよい。ポリエチレングリコールは、約2000~約20,000ダルトン、好ましくは約5000~約15,000ダルトン、更により好ましくは約6000~約12,000ダルトンの重量平均分子量を有してよい。好ましくは、錠剤は細菌芽胞を含む。
【0036】
製品は、担体として作用し得る、及び/又は安定性を促進し得る非水性溶媒を含んでよい。非水性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン、グリコールエーテル、炭化水素、又はこれらの混合物などの有機溶媒を挙げることができる。他の非水性溶媒としては、シロキサン又は他のシリコーンなどの親油性流体、炭化水素、全フッ素化アミン、全フッ素化及びハイドロフルオロエーテル溶媒、又はこれらの混合物を挙げることができる。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどアミン含有溶媒が好適であってよい。
【0037】
細菌芽胞
細菌芽胞は表面上に存在し得るが、本発明の方法は、消費者に顕著な利益、特に悪臭除去及び防止の利益を提供することができる量で細菌芽胞を表面に意図的に添加することを含む。好ましくは、本発明の方法は、表面の少なくとも1×10CFU/g、好ましくは表面の少なくとも1×10CFU/g、好ましくは表面の少なくとも1×10CFU/g、好ましくは表面の少なくとも1×10CFU/g、好ましくは表面の1×1012CFU/g未満の意図的な添加を必要とする。「細菌芽胞の意図的な添加」とは、本明細書では、布地上に存在し得る微生物に加えて、芽胞が添加されることを意味する。
【0038】
本発明の方法及び製品において使用される微生物芽胞は、洗浄、すすぎ、又は乾燥サイクルに加えることができる。芽胞は、洗濯機又は乾燥機で見られる温度での熱によって不活性化されない。芽胞は、布地持続性であり、洗濯プロセス中及び洗濯プロセス後、特に布地の使用(例えば、着用)中及び使用後に悪臭制御を提供する。別の例は、タオルに見られる。タオルは、使用され、浴室の湿潤環境に放置された後に悪臭を帯びる可能性がある。サッカロミセス発酵濾液と組み合わせた細菌芽胞は、連続的な悪臭制御を提供する。
【0039】
本発明の方法及び製品の微生物芽胞は、布地上で発芽することができる。芽胞は、熱、例えば、布地の使用中に発生する熱によって、又は洗濯機若しくは乾燥機において提供される熱によって活性化することができる。芽胞は、布地が保管及び/又は使用されるときに発芽することができる。悪臭前駆体は、発芽を促進する栄養素としての芽胞によって産生される微生物によって使用することができる。
【0040】
布地は、湿式洗濯プロセスで処理することができ、あるいは、例えば乾燥機で洗浄した後、又は噴霧した後に湿式で処理することができる。洗浄プロセスは、布地上の微生物及び代謝産物の量を低減するが、洗濯機及び洗浄水からの更なる細菌が布地に移動し得る。あるいは、布地をリフレッシュするために乾燥状態で処理することができる。
【0041】
本明細書で使用するための微生物芽胞は、i)乾燥機で見られる温度を生き延びることができ、ii)布地持続性であり、iii)臭気を制御する能力を有し、iv)好ましくは、洗濯洗剤の浄化作用を支持する能力を有する。芽胞は、処理中に発芽して細胞を形成する能力を有し、栄養素として悪臭前駆体を使用して布地上で発芽して細胞を形成し続ける。芽胞は、液体又は固体形態で供給することができる。好ましくは、芽胞は、固体の形態である。芽胞は、貯蔵器、乾燥機ボール、固体担体、例えば、パウチ、ペレット、ビーズ、錠剤、乾燥機用シートなどから乾燥プロセスに供給され得る。好ましくは、ペレットは、実質的に球形及び/又は円筒形であり、約1mm~約30mmの直径を有する。好ましくは、芽胞は、乾燥機用シートから供給される。
【0042】
いくつかのグラム陽性細菌は、2段階の生活環を有する。その生活環中、栄養不足状態に応答するなどの特定の条件下で成長している細菌は、芽胞又は内生芽胞形成につながる精巧な発生プログラムを実行され得る。細菌芽胞は、興味深い形態的及び機械的特性を有する、生化学的に複雑な構造として組み立てられた、約60個の異なるタンパク質からなるコートによって保護される。そのタンパク質コートは、強剛性を提供する静的構造と見なされ、溶菌酵素などの外因性の大きな毒性分子を除外するためのふるいとして主に作用する。芽胞は、極端な環境条件に対して非常に耐性があるため、種の長期生存において重要な役割を果たす。芽胞はまた、長年にわたって、代謝的に休眠状態であり続けることができる。栄養細胞から細菌芽胞を得るための方法は、当該分野で周知である。いくつかの例では、栄養細菌細胞は液体培地で増殖させられる。後期対数増殖期又は初期定常期から、細菌は芽胞形成を開始し得る。細菌が芽胞形成を終了すると、例えば遠心分離を使用することにより、それらの芽胞を培地から得ることができる。任意の残りの栄養細胞を殺傷又は除去するために、様々な方法が使用され得る。様々な方法を使用して、細胞破片及び/又は他の材料又は物質から、芽胞を精製することができる。細菌芽胞は、例えば、様々な技術、相造影顕微鏡法、自動走査顕微鏡法、高解像度原子力顕微鏡法、又は耐熱性法を使用して、栄養細胞から分化され得る。細菌芽胞は、一般に、代謝的に不活性又は休止している、環境に耐性を有する構造であるため、市販の微生物製品で使用されるように容易に選択される。丈夫さ及び極端に長い寿命にも関わらず、芽胞は、栄養細菌へと戻ることで生活環を完了させるプロセスの初期段階である発芽によって休眠状態を中断するための好ましい状態を知らせる、発芽として知られている特定の小分子の存在に迅速に応答することができる。例えば、市販の微生物生成物は、芽胞が環境内に存在する胚に遭遇する環境内に分散されて、栄養細胞内で発芽し、意図された機能を実施するように設計され得る。様々な異なる細菌が芽胞を形成し得る。これらの群のいずれかからの細菌は、本明細書に開示される組成物、方法、及びキットに使用され得る。例えば、以下の属:アセトネマ、アルカリバチルス、アンモニフィラス、アムピバチルス、アナエロバクター、アナエロスポラ、アネウリバチルス、アノキシバチルス、バチルス、ブレビバチルス、カルダナエロバクタ-、カロラマター、カミニセラ、セラシバチルス、クロストリジウム、クロストリジイサリバクター、コーネラ、デンドロスポロバクター、デスルホトマクルム、デスルホスポロムサ、デスルホスポロシヌス、デスルホビルグラ、デスルフニスポラ、デスルフリスポラ、フィリファクター、フィロバチルス、ゲルリア、ゲオバチルス、ゲオスポロバクター、グラシリバチルス、ハロナトローナム、ヘリオバクテリウム、ヘリオフィラム、ラセエラ、レンチバチルス、ライシニバチルス、マヘラ、メタバクテリウム、モーレラ、ナトロニエラ、オセアノバチルス、オレニア、オルニチンバチルス、オキサロファーガス、オキソバクター、パエニバチルス、パラリオバチルス、ペロスポラ、ペロトマクルム、ピスシバチルス、プラニフィラム、ポンチバチルス、プロピオニスポラ、サリニバチルス、サルスギニバチルス、セイノネラ、シマズエラ、スポラセチゲニウム、スポロアナエロバクタ-、スポロバクター、スポロバクテリウム、スポロハロバクター、スポロラクトバチルス、スポロムサ、スポロサルチア、スポロタレア、スポロトマキュラム、シントロフォモナス、シントロフォスポラ、テヌイバチルス、テピディバクター、テリバチルス、タラソバチルス、サーモアセトゲ二ウム、サーモアクチノマイセス、サーモアルカリバチルス、サーモアナエロバクター、サーモアナエロモナス、サーモバチルス、サーモフラビミクロビウム、サーモベナブラム、チュベリバチルス、バルジバチルス、及び/又はブルカノバチルスのうちのいくつかの細菌は、芽胞を形成し得る。
【0043】
好ましくは、芽胞を形成し得る細菌は、バシラセエ科、例えば、アエリバチルス、アリイバチルス、アルカリバチルス、アルカリコッカス、アルカリハロバチルス、アルカリラクチバチルス、アロバチルス、アルテリバチルス、アルテリバクター、アムピバチルス、アナエロバチルス、アノキシバチルス、アクイバチルス、アクイサリバチルス、アウレイバチルス、バチルス、カルダルカリバチルス、カルジバチルス、カルディテリコラ、カリディフォンティスバチルス、カメリイバチルス、セラシバチルス、コンポスティバチルス、サイトバチルス、デゼルティバチルス、ドミバチルス、エクトバチルス、エバンセラ、ファルシバチルス、フェルディナンドコヒナ、フェルメンティバチルス、フィクチバチルス、フィロバチルス、ゲオバチルス、ゲオミクロビウム、ゴットフリーディア、グラシリバチルス、ハルアルカリバチルス、ハロバチルス、ハロラクチバチルス、ヘインドリクキシア、ヒドロゲニバチルス、レデルベルジア、レンチバチルス、リッチフィエルディア、ロッティデバチルス、マルガリーチア、マリノコッカス、メルギリバチルス、メソバチルス、メタバチルス、ミクロアエロバクター、ナトリバチルス、ナトロノバチルス、ネオバチルス、ニアリア、オセアノバチルス、オルニチニバチルス、パラゲオバチルス、パラリオバチルス、パラルカリバチルス、パウシサリバチルス、ペラギラブドス、ペリバチルス、ピスシバチルス、ポリゴニバチルス、ポンチバチルス、プラドシア、プリエスチア、シュードグラシリバチルス、プエリバチルス、ラディオバチルス、ロベルトムラヤ、ロゼルロモレア、サッカロコッカス、サリバクテリウム、サリミクロビウム、サリニバチルス、サリパルディバチルス、サリラブダス、サリセディミニバクテリウム、サリテリバチルス、サルシューギニバチルス、セディミニバチルス、シミノビチア、シニバチルス、シノバカ、ストレプトハロバチルス、サクリフィエラ、スウィオニバチルス、テニューイバチルス、テピディバチルス、テルリバチルス、テルリラクチバチルス、テクスココニバチルス、タラソバチルス、タラソラブドス、サーモロンギバチルス、バルジバチルス、バルディバシル、ブルカニバチルス、ヴァイツマニア属の種由来である。様々な例では、細菌は、バチルスバチルス・アキディコラ、バチルス・アエオリウス、バチルス・アエリウス、バチルス・アエロフィルウス、バチルス・アルブス、バチルス・アルティチュジニス、バチルス・アルベアユエンシス、バチルス・アミロリクエファシエンセクス、バチルス・アンスラシス、バチルス・アクイフラビ、バチルス・アトロファエウス、バチルス・アウストラリマリス、バチルス・バディウス、バチルス・ベンゾエボランス、バチルス・カブリアレシイ、バチルス・カナベラリウス、バチルス・カッパリディス、バチルス・カルボニフィルス、バチルス・セレウス、バチルス・チャガンゲンシス、バチルス・コアフイレンシス、バチルス・サイトトキシクス、バチルス・デシシフロンディス、バチルス・エクトイニフォルマンス、バチルス・エンクレンシス、バチルス・フェングクゥエンシス、バチルス・フンゴルム、バチルス・グリチニフェルメンタンス、バチルス・ゴビエンシス、バチルス・ハロトレランス、バチルス・ハイネシイ、バチルス・ホルティ、バチルス・イナクォソルム、バチルス・インファンチス、バチルス・インフェルナス、バチルス・イサベリアエ、バチルス・ケクェアエ、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・ルティ、バチルス・マヌセンシス、バチルス・マリニセディメントーラム、バチルス・メソフィルス、バチルス・メタノリカス、バチルス・モビリス、バチルス・モジャベンシス、バチルス・ミコイデス、バチルス・ナカムライ、バチルス・ヌジオピクス、バチルス・ニトラチレデゥセンス、バチルス・オレイボランス、バチルス・パシフィクス、バチルス・パキスタネンシス、バチルス・パラリケニフォルミス、バチルス・パラミコイデス、バチルス・パランスラシス、バチルス・ペルバグス、バチルス・ピスチコラ、バチルス・プロテオリティクス、バチルス・シュードミコイデス、バチルス・プミルス、バチルス・サフェンシス、バチルス・サラセティス、バチルス・サリナス、バチルス・サリトレランス、バチルス・セオハエアネンシス、バチルス・シバジイ、バチルス・シアメンシス、バチルス・スミティ、バチルス・ソリマングロビ、バチルス・ソングクレンシス、バチルス・ソノレンシス、バチルス・スピジゼニイ、バチルス・スポンギアエ、バチルス・ステアルコリス、バチルス・ストラトスフェリクス、バチルス・サブチリス、バチルス・スウェヅェイ、バチルス・タエアネンシス、バチルス・タマリシス、バチルス・テキレンシス、バチルス・サーモクロアカエ、バチルス・サーモトレランス、バチルス・チューリンギエンシス、バチルス・チアンシェニイ、バチルス・トヨネンシス、バチルス・トロピカス、バチルス・バリスモルティス、バチルス・ベレズエンシス、バチルス・ヴィエドマンニイ、バチルス・ヴダリアンキエンシス、バチルス・キアメネンシス、バチルス・キアプエンシス、バチルス・ザングゾウエンシス、又はそれらの組み合わせの株であり得る。
【0044】
一部の例では、芽胞を形成する細菌株は、バチルス株であってよく、例としては、バチルス種株SD-6991、バチルス種株SD-6992、バチルス種株NRRL B-50606、バチルス種株NRRL B-50887、バチルス・プミルス株NRRL B-50016、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50017、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7792(以前はバチルス・アトロファエウスと分類されていたもの)、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7543(以前はバチルス・アトロファエウスと分類されていたもの)、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50018、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7541、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7544、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7545、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7546、バチルス・サブチリス株PTA-7547、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7549、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7793、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7790、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7791、バチルス・サブチリス株NRRL B-50136(DA-33R、ATCC受入番号55406としても知られているもの)、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50141、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50399、バチルス・リケニフォルミス株NRRL B-50014、バチルス・リケニフォルミス株NRRL B-50015、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50607、バチルス・サブチリス株NRRL B-50147(300Rとしても知られているもの)、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50150、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50154、バチルス・メガテリウムPTA-3142、バチルス・アミロリクエファシエンス株ATCC受入番号55405(300としても知られているもの)、バチルス・アミロリクエファシエンス株ATCC受入番号55407(PMXとしても知られているもの)、バチルス・プミルスNRRL B-50398(ATCC 700385、PMX-1、及びNRRL B-50255としても知られているもの)、バチルス・セレウス ATCC受入番号700386、バチルス・チューリンギエンシス ATCC受入番号700387(上記の全ての株は、Novozymes,Inc.,USAから入手可能である)、バチルス・アミロリクエファシエンスFZB24(例えば、Novozymesから入手可能な分離株である、NRRL B-50304及びNRRL B-50349 TAEGRO(登録商標))、バチルス・サブチリス(例えば、Bayer CropScience社から入手可能なRHAPSODY(登録商標)、SERENADE(登録商標)MAX、及びSERENADE(登録商標)ASOにおけるNRRL B-21661分離株)、バチルス・プミルス(例えば、Bayer CropScience社から入手可能なNRRL B-50349分離株)、バチルス・アミロリクエファシエンス TrigoCor(「TrigoCor 1448」としても知られているもの、例えば、Cornell University,USAから入手可能なEmbrapa Trigo受入番号144/88.4Lev、Cornell受入番号Pma007BR-97、及びATCC受入番号202152の分離株)、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0045】
いくつかの例では、芽胞を形成する細菌株は、バチルス・アミロリクエファシエンス株であり得る。例えば、株は、バチルス・アミロリクエファシエン株PTA-7543(以前は、バチルス・アトロファエウスと分類されたもの)、及び/又はバチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50154、バチルス・アミロリクエファシエンス株PTA-7543(以前はバチルス・アトロファエウスと分類されたもの)、バチルス・アミロリクエファシエンス株NRRL B-50154、又は他のバチルス・アミロリクエファシエンス微生物からのものであり得る。
【0046】
いくつかの例では、芽胞を形成する細菌株は、ブレビバチルス種であってよく、例えば、ブレビバチルスブレビス(Brevibacillus brevis)、ブレビバチルス・フォーモサス(Brevibacillus formosus)、ブレビバチルス・ラテロスポラス(Brevibacillus laterosporus)、若しくはブレビバチルス・パラブレービス(Brevibacillus parabrevis)、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0047】
いくつかの例では、芽胞を形成する細菌株は、パエニバチルス(Paenibacillus)種であってよく、例えばパエニバチルス・アルベイ(Paenibacillus alvei)、パエバチルス・アミロリティカス(Paenibacillus amylolyticus)、パエバチルス・アゾトフィクサンス(Paenibacillus azotofixans)、パエニバチルス・クッキイ(Paenibacillus cookii)、パエニバチルス・マセランス(Paenibacillus macerans)、パエニバチルス・ポリミクサ(Paenibacillus polymyxa)、若しくはパエニバチルス・バリダス(Paenibacillus validus)、又はそれらの組み合わせであり得る。細菌芽胞は、約2~50ミクロン、好適には約10~45ミクロンの平均粒径を有し得る。バチルス芽胞は、水性担体中のブレンドで市販されており、この水性担体には不溶である。他の市販のバチルス芽胞ブレンドとしては、以下のものに限定されるわけではないが、Novozymes Biologicals,Inc.から入手可能な、Fenshen Free(商標)CAN(10X)、Genesis Biosciences,Inc.から入手可能なEvogen(登録商標)Renew Plus(10X)、及びGenesis Biosciences,Inc.から全て入手可能なEvogen(登録商標)GT(10X、20X、及び110X)が挙げられる。前述のリストでは、括弧内の表記(10X、20X、及び110X)は、バチルス芽胞の相対濃度を示す。
【0048】
本明細書に開示される組成物、方法、及び製品で使用される細菌芽胞は、熱活性化されていても、熱活性化されていなくてもよい。いくつかの例では、細菌芽胞は熱活性化されている。いくつかの例では、細菌芽胞は熱不活性化されていない。好ましくは、本明細書で使用される芽胞は、熱活性化される。熱活性化は、室温(15~25℃)から25~120℃、好ましくは40C~100℃の最適温度まで細菌芽胞を加熱し、最適温度を2時間以下、好ましくは70~80℃で30分間保持することを含み得る。
【0049】
本明細書に開示される方法、組成物、及び生成物について、細菌芽胞の集団が一般に使用される。いくつかの例では、細菌芽胞の集団は、細菌の単一株からの細菌芽胞を含み得る。好ましくは、細菌芽胞の集団は、2、3、4、5、又はそれ以上の細菌株の細菌芽胞を含み得る。一般に、細菌芽胞の集団は、大多数の芽胞と、少数の栄養細胞とを含有する。いくつかの例では、細菌芽胞の集団は、栄養細胞を含まない。いくつかの例では、細菌芽胞の集団は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、又は50%未満の栄養細胞を含有してもよく、細菌芽胞のパーセンテージは、((栄養細胞数/(集団中の芽胞数+集団中の栄養細胞数))×100)として計算される。一般に、開示された方法、組成物、生成物中で使用される細菌芽胞の集団は、安定しており(すなわち、発芽中ではない)、集団中の少なくともいくつかの個々の芽胞は、発芽できる状態にある。
【0050】
本開示で使用される細菌芽胞の集団は、異なる濃度で細菌芽胞を含み得る。様々な例では、細菌芽胞の集団は、少なくとも1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×1010、5×1010、1×1011、5×1011、1×1012、5×1012、1×1013、5×1013、1×1014、又は5×1014個/mL、個/グラム、又は個/cmの芽胞を含み得るが、それらに限定されない。
【0051】
乾燥機用シートは、乾燥機での乾燥プロセス中に布地を処理するために都合よく用いることができる。乾燥機用シートは、洗浄されていない布地、又は布地が洗濯洗剤で洗浄された後に処理するために使用され得る。
【0052】
好ましくは、細菌芽胞は、バチルス芽胞を含み、より好ましくは、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・テキレンシス(Bacillus tequilensis)、バチルス・バリスモルティス(Bacillus vallismortis)、バチルス・モジャベンシス(Bacillus mojavensis)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、更に好ましくは、バチルス・サブチリス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・メガテリウム、バチルス・プミルス、及びそれらの混合物からなる群から選択されるバチルスを含む。
【0053】
サッカロミセス上清
サッカロミセス上清は、サッカロミセス酵母の発酵及び濾過によって得られる細菌酵素を含有する物質である。上清は、濾過、透析及び遠心分離を含む任意の分離プロセスによって得ることができる。細菌酵素は、例えばアンモニアからの無機窒素を利用してアミノ酸を形成することができる。サッカロミセス上清は、例えば植物原料などの有機原料に由来し得ることから、環境に優しい化合物である。好適なサッカロミセス上清は、Carrubba Incorporated,Milford,CT,USAによって供給される。これらには、DeoPlex(登録商標)DH(サッカロミセス発酵濾液)、DeoPlex(登録商標)Organic及びDeoPlex(登録商標)Clearが含まれる。
【0054】
本開示の方法及び製品は、表面、好ましくは布地における悪臭を除去、阻害、及び/又は低減する目的で、例えば、約1時間~約72時間以上などの期間にわたって、洗浄された湿った布地における悪臭の発生を阻害及び/又は低減する目的で、又は例えば、洗浄前に布地を悪臭源に曝露することから生じる悪臭を除去及び/又は低減する目的で、サッカロミセス上清を含む。
【0055】
サッカロミセス上清は、洗浄組成物の一部として、又は添加組成物の一部として提供され得る。好ましくは、組成物は、洗濯用洗浄組成物である。組成物は、サッカロミセス上清を、組成物の約0.05~約10重量%、例えば約0.05~約5重量%、例えば約0.05~約2重量%、例えば約0.05~約1重量%、又は約0.05~約0.7重量%の量で含む。
【0056】
洗浄組成物成分
好適な洗浄成分としては、界面活性剤、酵素、酵素安定化系、洗剤ビルダー、キレート剤、錯化剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、ポリマーグリース洗浄剤、移染防止剤、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、布地コンディショナー、粘土、起泡増進剤、消泡剤、抑泡剤、防食剤、汚れ懸濁剤、染料、色相染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、香料、飽和又は不飽和脂肪酸、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、視覚信号成分、構造化剤、増粘剤、固結防止剤、デンプン、砂、ゲル化剤、又はこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つが挙げられる。
【0057】
界面活性剤系:組成物は、所望の洗浄特性を与えるのに十分な量の界面活性剤系を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、当該組成物の約1重量%~約70重量%の界面活性剤系を含む。他の実施形態では、液体組成物は、当該組成物の約2重量%~約60重量%の界面活性剤系を含む。更なる実施形態では、組成物は、当該組成物の約5重量%~約30重量%の界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される洗浄性界面活性剤を含んでもよい。当業者であれば、洗浄性界面活性剤は、汚れた材料に洗浄、染み除去、又は洗濯効果をもたらす、任意の界面活性剤又は界面活性剤混合物を包含することを理解するであろう。
【0058】
アニオン性界面活性剤。好適なアニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、任意の従来のアニオン性界面活性剤が挙げられ、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、α-オレフィンスルホネート(AOS)、アルキルサルフェート(脂肪アルコールサルフェート)(AS)、アルコールエトキシサルフェート(AEOS又はAES)、二級アルカンスルホネート(SAS)、α-スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル-若しくはアルケニルコハク酸、又は石鹸などを含む。
【0059】
好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得ることができる。好適なLABとしては、商標名Isochem(登録商標)としてSasolによって供給されているもの又は商標名Petrelab(登録商標)としてPetresaによって供給されているものなどの低2-フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABとしては、商標名Hyblene(登録商標)としてSasolによって供給されているものなどの高2-フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、DETAL触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HFなどの他の合成経路が好適な場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩が用いられる。
【0060】
洗浄性界面活性剤は、中鎖分枝洗浄性界面活性剤、一態様では、中鎖分枝アニオン性洗浄性界面活性剤、一態様では、中鎖分枝アルキルサルフェート及び/又は中鎖分枝アルキルベンゼンスルホネート、例えば、中鎖分枝アルキルサルフェートであってもよい。一態様では、中鎖分枝は、C1~4アルキル基、通常、メチル及び/又はエチル基である。
【0061】
本明細書で有用な他のアニオン性界面活性剤は、約8~約24個(いくつかの例では、約12~18個)の炭素原子を含有するパラフィンスルホネート及び二級アルカンスルホネートの水溶性塩;アルキルグリセリルエーテルスルホネート、特にC8~18アルコール(例えば、獣脂及びココナッツ油由来のもの)のエーテルである。アルキルベンゼンスルホネートと、上述のパラフィンスルホネート、二級アルカンスルホネート及びアルキルグリセリルエーテルスルホネートとの混合物も有用である。更なる好適なアニオン性界面活性剤としては、メチルエステルスルホネート及びアルキルエーテルカルボキシレート(AEC)が挙げられる。
【0062】
好適なアニオン性界面活性剤としては、分枝サルフェート又は分枝スルホネート界面活性剤から選択される分枝アニオン性界面活性剤も挙げられる。更に好適な分枝アニオン性洗浄性界面活性剤は、2-アルキル位置で分枝したアルコールに由来する界面活性剤を含み、それらは商品名Isalchem(登録商標)123、Isalchem(登録商標)125、Isalchem(登録商標)145、Isalchem(登録商標)167などで販売されており、オキソ法から誘導される。オキソ法に起因して、分枝は2-アルキル位に位置している。これらの2-アルキル分岐アルコールは、通常、長さC11~C14/C15の範囲であり、全て2-アルキル位置で分岐した構造異性体を含む。
【0063】
アニオン性界面活性剤は酸形態で存在してもよく、酸形態は中和されて界面活性剤塩を形成してもよい。典型的な中和剤としては、水酸化物、例えば、NaOH又はKOHなどの金属対イオン塩基が挙げられる。これらの酸形態のアニオン性界面活性剤を中和するための更なる好適な中和剤としては、アンモニア、アミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンの非限定的な例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び当該技術分野において既知の他の直鎖状又は分枝鎖状アルカノールアミンが挙げられる。好適なアルカノールアミンとしては、2-アミノ-1-プロパノール、1-アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1-アミノ-3-プロパノールが挙げられる。アミン中和は完全又は部分的に行われてもよく、例えば、アニオン性界面活性剤混合物の一部はナトリウム又はカリウムにより中和されてもよく、またアニオン性界面活性剤混合物の一部はアミン又はアルカノールアミンにより中和されてもよい。
【0064】
非イオン性界面活性剤。本明細書で有用な好適な非イオン性界面活性剤は、任意の従来の非イオン性界面活性剤を含むことができる。これらには、例えば、アルコキシル化脂肪族アルコール、及びアミンオキシド界面活性剤が含まれ得る。本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の他の非限定例としては、C~C18アルキルエトキシレート(NEODOL(登録商標))非イオン性界面活性剤(Shell)など);C~C12アルキルフェノールアルコキシレート(アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの組み合わせとすることができる);C12~C18アルコール及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC~C12アルキルフェノール縮合物(Pluronic(登録商標))(BASF)など);C14~C22中鎖分枝アルコール(branched alcohol、BA);C14~C22中鎖分枝MEA(BAE)、式中、xは1~30である);アルキル多糖類;具体的にはアルキルポリグリコシド;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;並びにエーテル末端処理ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性洗浄性界面活性剤はまた、アルキルポリグルコシド及びアルキルアルコキシル化アルコールを含む。好適な非イオン性界面活性剤としては、商標名Lutensol(登録商標)としてBASFから販売されているものも挙げられる。
【0065】
カチオン性界面活性剤。界面活性剤系は、カチオン性界面活性剤を含んでもよい。いくつかの態様では、界面活性剤系は、界面活性剤系の約0重量%~約7重量%、約0.1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約4重量%のカチオン性界面活性剤を、例えば共界面活性剤として含む。いくつかの態様では、本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤、及びpH7未満又はpH6未満でカチオン性となる界面活性剤を実質的に含まない。カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、これは26個以下の炭素原子を有し得、アルコキシレート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;ポリアミンカチオン性界面活性剤;カチオン性エステル界面活性剤;及びアミノ界面活性剤、例えば、アミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤としてはまた、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0066】
両性イオン性界面活性剤。両性イオン性界面活性剤の例としては、二級及び三級アミン誘導体、複素環式二級及び三級アミン誘導体、又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタインを含むベタイン、C~C18(例えば、C12~C18)アミンオキシド、並びにN-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネートなどのスルホ及びヒドロキシベタインが挙げられる(ここで、アルキル基は、C~C18、特定の実施例ではC10~C14とすることができる)。
【0067】
両性界面活性剤。両性界面活性剤の例としては、二級又は三級アミンの脂肪族誘導体、脂肪族基が直鎖又は分岐鎖であってもよく、及び脂肪族置換基の1つが少なくとも約8個の炭素原子、典型的には約8~約18個の炭素原子を含み、及び脂肪族置換基の少なくとも1つがアニオン性水溶解基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェートを含むヘテロ環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。この定義の範囲内に入る化合物の例は、ナトリウム3-(ドデシルアミノ)プロピオネート、ナトリウム3-(ドデシルアミノ)プロパン-1-スルホネート、ナトリウム2-(ドデシルアミノ)エチルサルフェート、ナトリウム2-(ジメチルアミノ)オクタデカノエート、ジナトリウム3-(N-カルボキシメチルドデシルアミノ)プロパン1-スルホネート、ジナトリウムオクタデシル-イミノジアセテート、ナトリウム1-カルボキシメチル-2-ウンデシルイミダゾール、及びナトリウムN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-スルファト-3-ドデコキシプロピルアミンである。好適な両性界面活性剤としては、サルコシネート、グリシナート、タウリネート、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0068】
酵素。好ましくは、当該組成物は1つ以上の酵素を含む。好ましい酵素は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果をもたらす。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼと共に含んでよい酵素カクテルである。
【0069】
プロテアーゼ。好ましくは、本組成物は、1つ以上のプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に修飾された変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)サブチリシン(EC3.4.21.62)、特に、国際公開第2004067737号、同第2015091989号、同第2015091990号、同第2015024739号、同第2015143360号、米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、独国特許公開第102006022216(A1)号、同第102006022224(A1)号、国際公開第2015089447号、同第2015089441号、同第2016066756号、同第2016066757号、同第2016069557号、同第2016069563号、同第2016069569号に記載されている、バチルス種であるB.レンタス(B.lentus)、B.アルカロフィラス(B.alkalophilus)、B.サブチリス(B.subtilis)、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.プミルス(B.pumilus)、B.ギブソニイ(B.gibsonii)、及びB.アキバイ(B.akibaii)などのバチルス由来のもの。
(b)国際公開第89/06270号に記載されているフサリウム(Fusarium)プロテアーゼ、並びに国際公開第05/052161号及び同第05/052146号に記載されているセルロモナス(Cellumonas)に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源)などのトリプシン型又はキモトリプシン型のプロテアーゼ。
(c)メタロプロテアーゼ、特に国際公開第07/044993(A2)号に記載されているバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)由来のもの。国際公開第2014194032号、同第2014194054号及び同第2014194117号に記載されるバチルス(Bacillus)、ブレビバチルス(Brevibacillus)、サーモアクチノミセス(Thermoactinomyces)、ゲオバチルス(Geobacillus)、パエニバチルス(Paenibacillus)、リシニバシラス(Lysinibacillus)又はストプレプトミセスspp(Streptomyces spp.)、国際公開第2015193488号に記載されるクリベラ・アルミノサ(Kribella alluminosa)、及び国際公開第2016075078号に記載されるストレプトミセス(Streptomyces)及びリソバクター(Lysobacter)に由来するもの。
(d)国際公開第92/17577号(Novozymes A/S)に記載されるBacillus sp.TY145、NCIMB 40339由来のサブチラーゼに対して少なくとも90%の同一性を有するプロテアーゼ、同第2015024739号及び同第2016066757号に記載されるこのBacillus sp TY145サブチラーゼの変異体を含む。
【0070】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、商品名Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)としてNovozymes A/S (Denmark)によって販売されているもの;商品名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)としてDupontによって販売されているもの、商品名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)としてSolvay Enzymesによって販売されているもの、Henkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわち、BLAP(米国特許第5,352,604号の図29に示されている配列)、及びKaoから入手可能なKAP(突然変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィラス・サブチリシン(Bacillus alkalophilus subtilisin))。
【0071】
アミラーゼ。好ましくは、当該組成物は、アミラーゼを含んでもよい。好適なα-アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は遺伝的に修飾された変異体(バリアント)が含まれる。好ましいアルカリ性α-アミラーゼは、バチルスの菌種に由来するもの、例えば、バチルス・リケニフォルミス()、バチルス・アミロリケファシエンス()、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・サブチリス、又は他のバチルス属(Bacillus sp.)、例えばバチルス属のNCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375 (米国特許第7,153,818号)DSM 12368、DSMZ12649、KSM AP1378 (国際公開第97/00324号)、KSM K36、又はKSM K38 (欧州特許第1,022,334号)である。好ましいアミラーゼとしては、以下が挙げられる。
(a)国際公開第94/02597号、同第94/18314号、同第96/23874号、及び同第97/43424号に記載されている変異体、特に、国際公開第96/23874号に配列番号2として列挙されている酵素に対して、以下の位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408及び444のうちの1つ以上が置換されている変異体。
(b)米国特許第5,856,164号、並びに国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号及び同第06/002643号に記載されている変異体、特に国際公開第06/002643号に配列番号12として列挙されているAA560酵素に対して、以下の位置:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換されている変異体、好ましくはD183及びG184の欠失も含有する変異体。
(c)国際公開第06/002643号における配列番号4、バチルス属SP722由来の野生型酵素と少なくとも90%の同一性を示す変異体、特に183及び184位に欠失を有する変異体、並びに参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第00/60060号に記載されている変異体。
(d)バチルス属707の野生型酵素(米国特許第6,093,562号の配列番号7)と少なくとも95%の同一性を示す変異体、特に、以下の変異M202、M208、S255、R172、及び/又はM261のうちの1つ以上を含むもの。好ましくは、当該アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。M202L又はM202T変異を含むものが、特に好ましい。
(e)国際公開第09/149130号に記載されている変異体、好ましくは国際公開第09/149130号において配列番号1又は配列番号2と少なくとも90%の同一性を示すもの、ゲオバチルス・ステアロフェルモフィルス(Geobacillus Stearophermophiluss)に由来する野生型酵素又はその切断バージョン。
(f)国際公開第2016091688号における配列番号1と少なくとも89%の同一性を示すバリアント、特にH183+G184位に欠失を含み、更に405、421、422、及び/又は428位に1つ以上の変異を含むもの。
(g)パエニバチルス・カードラノリティカス(Paenibacillus curdlanolyticus)YK9由来の「PcuAmyl α-アミラーゼ」(国際公開第2014099523号の配列番号3)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示す変異体;
(h)サイトファーガ属(Cytophaga sp.)由来の「CspAmy2アミラーゼ」(国際公開第2014164777号の配列番号1)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示す変異体;
(i)バチルス・サブチリス由来のAmyE(国際公開第2009149271号の配列番号1)と少なくとも85%の同一性を示す変異体;
(j)受託番号AB051102によるBacillus sp.KSM-K38由来の野生型アミラーゼと少なくとも90%の同一性を示す変異体。
【0072】
好適な市販のα-アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A-1200 Wien Austria)、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.,(Palo Alto,California))、並びにKAM(登録商標)(Kao(14-10 Nihonbashi Kayabacho,1-chome,Chuo-ku Tokyo 103-8210,Japan))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0073】
リパーゼ。好ましくは、本組成物は、米国特許第6,939,702(B1)号、及び米国特許出願公開第2009/0217464号に記載されているものなどの「第1サイクルリパーゼ」を含む1つ以上のリパーゼを含む。好ましいリパーゼは、第1の洗浄リパーゼである。組成物は、第1洗浄リパーゼを含み得る。
【0074】
第1の洗浄リパーゼは、以下のアミノ酸配列を有するポリペプチドであるリパーゼを含む:(a)フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)株DSM4109由来の野生型リパーゼと少なくとも90%の同一性を有するもの、(b)当該野生型リパーゼと比較して、E1若しくはQ249の15A以内の三次元構造の表面における電気的に中性若しくは負に荷電されたアミノ酸の、正に荷電されたアミノ酸による置換を含むもの、及び(c)C末端にペプチド付加を含むもの、及び/又は(d)N末端にペプチド付加を含むもの、及び/又は(e)以下の制限を満たすもの:i)当該野生型リパーゼのE210位に負のアミノ酸を含むこと、(ii)当該野生型リパーゼの90位~101位に対応する領域に負に帯電したアミノ酸を含むこと、及び(iii)N94又は当該野生型リパーゼに対応する位置に中性又は陰性のアミノ酸を含むか、及び/又は当該野生型リパーゼの90~101位に対応する領域に負又は中性の正味の電荷を有すること。
【0075】
T231R及びN233R変異のうちの1つ以上を含む、サーモマイセス・ラヌギノサス由来の野生型リパーゼの変異体が好ましい。野生型配列は、Swissprotのアクセッション番号Swiss-Prot O59952(サーモマイセス・ラヌギノサス(フミコーラ・ラヌギノサ)由来の269個のアミノ酸(アミノ酸23~291)である。好ましいリパーゼとしては、商品名Lipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)及びLipoclean(登録商標)として販売されているものが挙げられる。
【0076】
セルラーゼ。好適なセルラーゼは、細菌由来又は真菌由来のものである。化学修飾された又はタンパク質が遺伝子操作を受けた変異体が含まれる。好適なセルラーゼとしては、バチルス属、シュードモナス属、フミコーラ属、フサリウム属、チェラビア属(Thielavia)、アクレモニウム属(Acremonium)由来のセルラーゼ、例えば、米国特許第4,435,307号、同第5,648,263号、同第5,691,178号、同第5,776,757号、及び同第5,691,178号に開示されているフミコーラ・インソレンス、ミセリオフィソーラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、及びフサリウム・オキシスポラムから生成される真菌セルラーゼが挙げられる。好適なセルラーゼとしては、カラーケア効果のあるアルカリ性又は中性のセルラーゼが挙げられる。市販のセルラーゼとしては、CELLUZYME(登録商標)、CAREZYME(登録商標)、及びCAREZYME PREMIUM(Novozymes A/S)、CLAZINASE(登録商標)、及び PURADAX HA(登録商標)(Genencor International Inc.)、KAC-500(B)(登録商標)(Kao Corporation)が挙げられる。
【0077】
細菌クリーニングセルラーゼは、非晶質セルロース基質に対して酵素活性を有するグリコシルヒドロラーゼであってよく、当該グリコシルヒドロラーゼは、GHファミリー5、7、12、16、44又は74から選択される。好適なグリコシルヒドロラーゼはまた、米国特許第7,361,736号に記載されているXYG1006などのパエニバチルス・ポリキシマ(Paenibacillus polyxyma)由来のGHファミリー44グリコシルヒドロラーゼ(野生型)から選択されてもよく、又はそのバリアントである。米国特許第6,268,197号に記載されている配列番号1などのバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)由来のGHファミリー12グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアント、バチルス・アガラドハエレンス(Bacillus agaradhaerens)由来のGHファミリー5グリコシルヒドロラーゼ(野生型)又はそのバリアント、米国特許第6,630,340号に記載されているXYG1034及びXYG1022などのパエニバチルス(Paenibacillus)由来のGHファミリー5グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアント;国際公開第2002/077242号に記載されているXYG1020などのジョネシア種(Jonesia sp)由来のGHファミリー74グリコシルヒドロラーゼ(野生型)又はそのバリアント、並びに米国特許第7,172,891号の配列番号2により詳細に記載されている酵素などのトリコデルマ・レーシ(Trichoderma Reesei)由来のGHファミリー74グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアントからなる群から選択されてもよい。好適な細菌クリーニングセルラーゼは、商標名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)で販売されている。
【0078】
組成物は、17kDa~30kDaの分子量を有する、グリコシルヒドロラーゼのファミリー45に属する真菌洗浄セルラーゼ、例えば、Biotouch(登録商標)NCD、DCC、及びDCL(AB Enzymes(Darmstadt,Germany))の商品名で販売されているエンドグルカナーゼを含み得る。
【0079】
ペクチン酸リアーゼ。他の好ましい酵素としては、商品名Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、Xpect(登録商標)として販売されているペクチン酸リアーゼ、及び商品名Mannaway(登録商標)(全てNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、及びPurabrite(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))で販売されているマンナーゼが挙げられる。
【0080】
ヌクレアーゼ酵素。当該組成物は、ヌクレアーゼ酵素を含み得る。ヌクレアーゼ酵素は、核酸のヌクレオチドサブユニット間のホスホジエステル結合を切断することができる酵素である。本明細書におけるヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、デオキシリボヌクレアーゼ若しくはリボヌクレアーゼ酵素又はこれらの機能的フラグメントである。機能的フラグメント又は部分とは、DNA骨格におけるホスホジエステル結合の切断を触媒するヌクレアーゼ酵素の部分を意味し、したがって、触媒活性を保持する当該ヌクレアーゼタンパク質の領域である。したがって、それは機能性が維持されている酵素及び/又はバリアント及び/又は誘導体及び/又は同族体の切断されたが機能的なバージョンを含む。
【0081】
好ましくは、ヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、以下の分類のいずれかから選択されるデオキシリボヌクレアーゼである:E.C.3.1.21.x(式中、x=1、2、3、4、5、6、7、8又は9である)、E.C.3.1.22.y(式中、y=1、2、4又は5である)、E.C.3.1.30.z(式中、z=1又は2である)、E.C.3.1.31.1、及びこれらの混合物。
【0082】
マンナナーゼ。組成物は、マンナナーゼ酵素を含む細胞外ポリマー分解酵素を含み得る。用語「マンナナーゼ」は、マンナン、ガラクトマンナン、及びグルコマンナンにおける1,4-3-D-マンノシド結合の加水分解を触媒するグリコシドヒドロラーゼファミリー26由来のマンナンエンド-1,4-β-マンノシダーゼ活性(EC3.2.1.78)を有するポリペプチドを意味する。マンナンエンド-1,4-β-マンノシダーゼの別名は、1,4-3-D-マンナンマンナノヒドロラーゼ、エンド-1,4-3-マンナナーゼ、エンド-β-1,4-マンナーゼ、β-マンナナーゼB、3-1,4-マンナン4-マンナノヒドロラーゼ、エンド-3-マンナナーゼ、及びβ-D-マンナナーゼである。本開示の目的のために、マンナナーゼ活性は、国際公開第2015040159号の実験の節に記載されている還元エンドアッセイを使用して決定されてもよい。分類EC3.2.1.78からの好適な例は、国際公開第2015040159号に記載されており、例えば、本明細書に記載される成熟ポリペプチド配列番号1である。
【0083】
ガラクタナーゼ。組成物は、エンド-β-1,6-ガラクタナーゼ酵素を含む細胞外ポリマー分解酵素を含み得る。用語「エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ」又は「エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性を有するポリペプチド」は、3よりも高い重合度(DP)を有する1,6-3-D-ガラクトオリゴ糖、及び4-O-メチルグルコシルウロネート又はグルコシルウロネート基を非還元末端に有するその酸性誘導体の加水分解性切断を触媒するグリコシドヒドロラーゼファミリー30由来のエンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性(EC3.2.1.164)を意味する。本開示の目的のために、エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性は、アッセイIにおいて、国際公開第2015185689号に記載の手順に従って求められる。分類EC3.2.1.164由来の好適な例は、国際公開第2015185689号に記載されており、例えば、成熟ポリペプチド配列番号2である。
【0084】
酵素安定化系。組成物は、組成物の約0.001重量%~約10重量%の酵素安定化系を任意で含み得る。酵素安定化系は、洗浄性酵素と適合性のある任意の安定化系であってよい。プロテアーゼを含む水性洗剤組成物の場合は、ボレート、4-ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸、及びこれらの誘導体を含む、ホウ素化合物などの可逆的プロテアーゼ阻害剤、又はカルシウムホルメート、ナトリウムホルメート及び1,2-プロパンジオールなどの化合物を添加して、安定性を更に改善してもよい。
【0085】
ビルダー。組成物は、ビルダー又はビルダー系を任意に含み得る。ビルダー入り洗浄組成物は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約1重量%のビルダーを含む。液体洗浄組成物は、当該組成物の総重量の最大約10%、及び一部の例では、最大8%のビルダーを含み得る。顆粒洗浄組成物は、当該組成物の重量基準で、最大約30%、及びいくつかの例では、最大5%のビルダーを含み得る。
【0086】
アルミノシリケート(例えば、ゼオライトA、ゼオライトP、及びゼオライトMAPなどのゼオライトビルダー)及びシリケートから選択されるビルダーは、洗浄水の鉱物質硬度、特にカルシウム及び/若しくはマグネシウムの制御、又は表面からの微粒子汚れの除去を補助する。好適なビルダーは、ポリリン酸塩(例えばトリ-ポリリン酸ナトリウム)、特にそのナトリウム塩などのリン酸塩;炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及び炭酸ナトリウム又はセスキ炭酸塩以外の炭酸塩鉱物;有機モノ-、ジ-、トリ-、及びテトラカルボキシレート、特に、酸、ナトリウム、カリウム、又はアルカノールアンモニウム塩形態の水溶性非界面活性剤カルボキシレート、並びに脂肪族及び芳香族の種類を含むオリゴマー又は水溶性低分子量ポリマーカルボキシレート、並びにフィチン酸からなる群から選択され得る。これらは、例えば、pH緩衝化の目的のためのボレートによって、又は硫酸塩、特に硫酸ナトリウム、及び安定な界面活性剤及び/又はビルダー含有洗浄組成物の工学に重要となり得る任意の他の充填剤又はキャリアによって補完されてもよい。追加の好適なビルダーは、クエン酸、乳酸、脂肪酸、ポリカルボキシレートビルダー、例えば、アクリル酸のコポリマー、アクリル酸及びマレイン酸のコポリマー、並びにアクリル酸及び/又はマレイン酸、並びに様々な種類の追加の官能基を有する他の好適なエチレン系モノマーのコポリマーから選択され得る。また、本明細書のビルダーとしての使用に好適なものは、鎖構造を有し、以下の一般的な無水物形態x(MO)・ySiO・zM’Oによって表される組成を有する、合成された結晶性イオン交換材料又はその水和物であり、式中、Mは、Na及び/又はKであり、M’は、Ca及び/又はMgであり、y/xは、0.5~2.0であり、z/xは、0.005~1.0である。
【0087】
あるいは、組成物はビルダーを実質的に含まなくてもよい。
【0088】
キレート剤。組成物はまた、1つ以上の金属イオンのキレート剤を含み得る。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤並びにこれらの混合物が挙げられる。このようなキレート剤は、ホスホネート、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、スクシネート、多官能的に置換された芳香族キレート剤、2-ピリジノール-Nーオキシド化合物、ヒドロキサム酸、カルボキシメチルイヌリン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。キレート剤は、酸の形態、又は、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びその置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物を含む、塩の形態で存在することができる。
【0089】
キレート剤として有用なアミノカルボキシレートとしては、エチレンジアミンテトラアセテート(ethylenediaminetetracetate、EDTA)、N-(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリアセテート(ethylenediaminetriacetate、HEDTA)、ニトリロトリアセテート(nitrilotriacetate、NTA)、エチレンジアミンテトラプロプリオナート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミン-ペンタアセテート(diethylenetriamine-pentaacetate、DTPA)、メチルグリシン二酢酸(methylglycinediacetic acid、MGDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、エタノールジグリシン、トリエチレンテトラアミン六酢酸(triethylenetetraaminehexaacetic acid、TTHA)、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(N-hydroxyethyliminodiacetic acid、HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(dihydroxyethylglycine、DHEG)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(ethylenediaminetetrapropionic acid、EDTP)、及びこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
カルボキシレートポリマー。組成物は、ポリマー分散剤、再付着防止剤として、又は洗浄ポリマーとして、1つ以上のカルボキシレートポリマーを含み得る。カルボキシレートポリマーは、アクリル酸、マレイン酸(又は無水マレイン酸)、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸、及びこれらの任意の混合物から選択される少なくとも1つのモノマーを含み得る。ある態様において、好適なカルボキシレートポリマーとしては、マレアート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーが挙げられる。
【0091】
別の態様において、カルボキシレートポリマーは、他のモノマーを更に含み得る。好適な他のモノマーとしては、スルホン化モノマー、例えば、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、4-スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-アリルオキシ、2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸(HAPS)、2-スルホエチル(メタ)アクリル酸、2-スルホプロピル(メタ)アクリル酸、3-スルホプロピル(メタ)アクリル酸、及び4-スルホブチル(メタ)アクリル酸、並びにこれらの塩を挙げることができる。
【0092】
好適な他のモノマーとしては、アルキルアクリレートなどの疎水性修飾モノマー、又は式(I)及び(II)によって表されるモノマーも挙げることができる。
【0093】
【化1】
式(I)中、Rは、水素原子又はCH基を表し、Rは、CH基、CH2CH2基又は単結合を表し、Xは、0~5の数を表し、但し、Xは、Rが単結合である場合、1~5の数を表し、R1は、水素原子又はC1~C20有機基であり、
【0094】
【化2】
式(II)中、Rは、水素原子又はCH基を表し、Rは、CH基、CHCH基又は単結合を表し、Xは、0~5の数を表し、Rは、水素原子又はC~C20有機基である。
【0095】
両親媒性の洗浄ポリマー。本組成物は、次の一般構造:ビス((CO)(CO)n)(CH)-N-C2x-N-(CH)-ビス((CO)(CO)n)[式中、n=20~30であり、x=3~8である]を有する化合物、又はそのサルフェート化若しくはスルホネート化変異体などの、1つ以上の両親媒性洗浄ポリマーを含んでいてよい。
【0096】
組成物は、布地及び表面から脂粒子を除去するように、親水性と疎水性との特性が釣り合っている両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含んでもよい。両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーの具体的な実施形態は、コア構造及びそのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基を含む。これらは、例えば内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有する、アルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでもよい。
【0097】
アルコキシル化ポリアミンは、グリース及び粒子の除去のために使用され得る。このような化合物としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びこれらのサルフェート化体を挙げることができるが、これらに限定されない。ポリプロポキシル化誘導体も挙げることができる。多種多様なアミン及びポリアルキレンイミンを様々な程度にアルコキシル化することができる。有用な例は、NH1個当たり20のEO基までエトキシル化されている600g/モルポリエチレンイミンコアであり、BASFから入手可能である。
【0098】
洗浄組成物は、例えば、不飽和C1~C6カルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位、アルコキシ単位、無水マレイン酸、グリセロールなどの飽和ポリアルコール、及びこれらの混合物などのモノマーを含む親水性主鎖と、例えば1つ以上のC~C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C~Cモノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC~Cアルキルエステル、及びこれらの混合物などの疎水性側鎖と、含むランダムグラフトポリマーを挙げることができる。ポリアルキレンオキシド及びビニルエステル、特に酢酸ビニルに基づくそのようなグラフトポリマーの具体的な例。これらのポリマーは、典型的には、ポリアルキレンオキシドの存在下でビニルエステルを重合することによって調製され、開始剤は、過酸化ジベンゾイル、ジラウロイルペルオキシド、又はジアセチルペルオキシドである。
【0099】
洗浄組成物は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドのブロックを含み得る。そのようなブロックポリマーの例としては、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-エチレンオキシド(EO/PO/EO)トリブロックコポリマーが挙げられ、コポリマーは、第1のEOブロック、第2のEOブロック、及びPOブロックを含み、第1のEOブロック及び第2のEOブロックが、POブロックに連結されている。エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドのブロックはまた、(EO/PO)ジブロックコポリマー、(PO/EO/PO)トリブロックコポリマーなどの他の方法で配置され得る。ブロックポリマーはまた、追加のブチレンオキシド(BO)ブロックを含有し得る。
【0100】
セルロース系ポリマー。組成物は、組成物の約0.1重量%~約10重量%のセルロース系ポリマーを含み得る。
【0101】
好適なセルロース系ポリマーとしてはアルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、及びアルキルカルボキシアルキルセルロースが挙げられる。いくつかの態様では、セルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物から選択される。いくつかの態様では、セルロース系ポリマーは、約0.5~約0.9のカルボキシメチル置換度、及び約100,000Da~約300,000Daの分子量を有するカルボキシメチルセルロースである。
【0102】
カルボキシメチルセルロースポリマーとしては、Finnfix(登録商標)GDA(CP Kelkoによって販売)、例えば、商品名Finnfix(登録商標)SH1(CPKelko)として販売されているカルボキシメチルセルロースのアルキルケテン二量体誘導体、又は商品名Finnfix(登録商標)V(CP Kelkoによって販売)として販売されているブロック系カルボキシメチルセルロース等の、疎水変性カルボキシメチルセルロースが挙げられる。
【0103】
好適なセルロース系ポリマーとしては、カチオン性修飾及び/又は親水性修飾を有するセルロースポリマーも挙げられる。好適なカチオン性修飾セルロースポリマーとしては、UCARE JR125、UCARE JR400、UCARE JR30M、UCARE LR400、UCARE LR30M、SOFTCAT SL-5、SOFTCAT SL-30、SOFTCAT SL-60、SOFTCAT SL-100、SOFTCAT SX-400X、SOFTCAT SX-1300H、SOFTCAT SX-1300X、SOFTCAT SK-H、及びSOFTCAT SK-MHが挙げられ、これらは全てThe Dow Chemicalによって販売されている。
【0104】
追加アミン:組成物において、汚れた素材からのグリース及び粒子の除去を向上するために様々な追加のアミンが使用され得る。組成物は、洗浄組成物の重量基準で約0.1%~約10%、一部の例では、約0.1%~約4%、及び他の例では、約0.1%~約2%の追加アミンを含み得る。追加のアミンの非限定的な例としては、ポリアミン、オリゴアミン、トリアミン、ジアミン、ペンタミン、テトラアミン、又はこれらの組み合わせを挙げてもよいが、これらに限定されない。好適な追加のアミンの具体的な例としては、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0105】
移染防止剤。当該組成物は、1つ以上の移染防止剤を更に含んでいてもよい。好適な移染防止剤としては、例えば、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルイミダゾール、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、ポリビニルピロリドンポリマー、エチレンジアミン四酢酸(EDTA);ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP);ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP);エチレンジアミンN,N’-二コハク酸(EDDS);メチルグリシン二酢酸(MGDA);ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA);プロピレンジアミン四酢酸(PDT A);2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド(HPNO);又はメチルグリシン二酢酸(MGDA);グルタミン酸N,N-二酢酸(N,N-ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA);ニトリロ三酢酸(NTA);4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸;クエン酸及びその任意の塩;N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミン四プロピオン酸(EDTP)、及びこれらの誘導体、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0106】
漂白化合物、漂白剤、漂白活性化剤、及び漂白触媒。本明細書に記載の組成物は、漂白剤、漂白活性化剤、及び/又は漂白触媒を含み得る。漂白成分は、組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約30重量%、及びいくつかの例では、約5重量%~約20重量%の濃度で存在してもよい。存在する場合、漂白活性化剤の量は、組成物の約0.1重量%~約60重量%、及びいくつかの例では、約0.5重量%~約40重量%であってもよい。
【0107】
漂白剤の例としては、酸素漂白剤、過ホウ酸塩漂白剤、過カルボン酸漂白剤、及びそれらの塩、過酸素漂白剤、過サルフェート漂白剤、過炭酸塩漂白剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0108】
いくつかの例では、組成物はまた、遷移金属漂白触媒を含み得る。
【0109】
酸素漂白剤以外の漂白剤もまた当該技術分野で既知であり、組成物において使用できる。それらは、例えば、光活性化漂白剤、又はペルオキシカルボン酸若しくはその塩などの予備形成有機過酸、又はペルオキシスルホン酸若しくはその塩を含む。好適な有機過酸は、フタロイルイミドペルオキシカプロン酸である。使用する場合、組成物は、典型的には、そのような漂白剤、及びいくつかの例では亜鉛フタロシアニンスルホネートを組成物の約0.025重量%~約1.25重量%を含有し得る。
【0110】
増白剤。光学増白剤又は他の増白剤若しくは白化剤は、組成物の約0.01重量%~約1.2重量%の濃度で組み込むことができる。
【0111】
本明細書で使用され得る市販の光学増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、ベンゾオキサゾール、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチフェン(dibenzothiphene)-5,5-ジオキシド、アゾール、5及び6員複素環、並びに他の様々な剤の誘導体が挙げられるが必ずしもこれらに限定されないサブグループに分類することができる。
【0112】
いくつかの例では、蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(増白剤15、商標名Tinopal AMS-GXとしてCiba Geigy Corporationにより市販)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ビス-ヒドロキシエチル)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(商標名Tinopal UNPA-GXとしてCiba-Geigy Corporationにより市販)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ヒドロキシエチル-N-メチルアミノ)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(商標名Tinopal 5BM-GXとしてCiba-Geigy Corporationにより市販)からなる群から選択される。より好ましくは、蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウムである。
【0113】
増白剤は、粒子の形で又は好適な溶剤、例えば非イオン性界面活性剤、モノエタノールアミン、プロパンジオールとのプレミックスとして添加されてもよい。
【0114】
布地色相剤。組成物は、布地色相剤(色合い剤、青味剤、又は白化剤と称される場合もある)を含み得る。典型的には、色相剤は、布地に青色又は青紫色の色合いをもたらす。色相剤は、単独又は組み合わせのいずれかで使用され、特定の色相の色合いを作り出し、かつ/又は異なる種類の布地に色合いを付けることができる。これは、例えば赤と緑-青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることによりもたらされ得る。色相剤は、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、前金属化した(premetallized)アゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない任意の既知の染料の化学分類から選択され得る。
【0115】
封入物。組成物は、カプセル化剤を含み得る。カプセル化剤は、コアと、内面及び外面を有するシェルと、を含んでもよく、シェルによりコアをカプセル化する。
【0116】
特定の態様では、カプセル化剤はコアとシェルとを含み、コアは、香料、増白剤、染料、防虫剤、シリコーン、ワックス、着香剤、ビタミン、布地柔軟化剤、スキンケア剤、例えば、パラフィン、酵素、抗菌剤、漂白剤、感覚剤、又はこれらの混合物から選択される材料を含み、シェルは、ポリエチレン、ポリアミド、任意に他のコ-モノマーを含有するポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリオレフィン、多糖類、例えば、アルギネート及び/若しくはキトサン、ゼラチン、シェラック、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、水不溶性無機材料、シリコーン、アミノ樹脂、又はこれらの混合物から選択される材料を含む。シェルがアミノプラストを含むいくつかの態様では、アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン及び/又はポリ尿素ウレタンを含む。ポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含み得る。
【0117】
他の成分。組成物は、ケイ酸塩を更に含んでいてもよい。好適なケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、結晶質フィロケイ酸塩、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、ケイ酸塩は、組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約20重量%の濃度で存在し得る。
【0118】
組成物は、布地コンディショナー、粘土、泡増進剤、泡抑制剤、防食剤、汚れ懸濁剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、又は香料などの従来の洗剤成分を更に含んでいてもよい。
【0119】
組成物は、任意選択で、飽和又は不飽和脂肪酸、好ましくは飽和又は不飽和C12~C24脂肪酸;付着助剤、例えば、多糖、セルロースポリマー、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド(DADMAC)、及びランダム又はブロック構成のDADMACとビニルピロリドン、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、及びこれらの混合物とのコポリマー、カチオン性グアーガム、カチオン性セルロース、カチオン性デンプン、カチオン性ポリアシルアミド、又はこれらの組み合わせを更に含んでいてもよい。存在する場合、脂肪酸及び/又は付着助剤は、それぞれ、組成物の総重量に基づいて0.1%~10%重量で存在し得る。
【0120】
組成物は、任意に、シリコーン又は脂肪酸系泡抑制剤;色相染料、カルシウム及びマグネシウムカチオン、視覚的シグナル伝達成分、消泡剤(組成物の総重量に基づいて0.001重量%~約4.0重量%)、並びに/又はジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、マイクロファイバーセルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、及びこれらの混合物からなる群から選択される構造化剤/増粘剤(組成物の総重量に基づいて0.01重量%~5重量%)を含んでいてもよい。
【0121】
添加組成物
本開示の添加組成物は、追加の補助成分を含み得る。かかる補助剤は、標的布地に更なる処理効果をもたらしてよく、かつ/又はそれらは、安定化助剤若しくは加工助剤として組成物に作用してよい。好適な補助剤としては、キレート剤、香料、構造化剤、塩素捕捉剤、悪臭低減材料、有機溶媒、又はこれらの混合物が挙げられてよい。
【実施例
【0122】
強い悪臭を有するバスタオル見本を、スルーザウォッシュ(TTW)で添加された4つの異なる製品で処理した。
・製品1:液体洗濯洗剤(Tide(登録商標)Original Scent、Procter & Gamble)及びポリエチレングリコール(PEG)ビーズ(100%PEG)。
・製品2:99.99重量%のPEG及び0.01重量%のバチルス芽胞を含有する液体洗濯洗剤及びビーズ。
・製品3:液体洗濯洗剤及びサッカロミセス上清(Carrubba Incorporated(Milford,CT 06460,USA)によって製品名DeoPlex(登録商標)N17733として、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)発酵濾液として供給される)。
・製品4:99.99重量%のPEG及び0.01重量%のバチルス芽胞及びサッカロミセス上清を含有する液体洗濯洗剤及びビーズ。
【0123】
上記見本を洗濯機で洗浄し、乾燥させ、24及び48時間後に再び湿らせ(rebloomed)、悪臭を評価した。処理は洗浄サイクルで行い、2360ppmの洗濯洗剤を使用し、5.5×10コロニー形成単位(CFU)及び1867ppmのサッカロミセス上清を使用した。タオル見本を洗浄後に空気乾燥し、次いで悪臭評価のために24時間にわたって一晩、密封した滅菌プラスチックカップに個々に入れた。悪臭の嗅覚評価の前に、カップ中の布地の重量の33%に相当する脱イオン水を噴霧することによってプラスチックカップ中のタオル見本を再び湿らせ(rebloomed)、次いで、37℃で1時間インキュベートした。次いで、プラスチックカップ中のタオル見本を評価前に室温で平衡化させた。ボランティアの評価者が、バスタオルの悪臭に精通している者から選ばれ、それぞれ専用の4組のカップから、悪臭が低いバスタオルから高いバスタオルへとランク付けするように求められた。8人が32個のサンプルを評価した。評価後、タオル見本をカップ内に周囲温度で更に24時間放置した後、48時間で2回目の評価を行った。タオル見本に、カップ内の布地の重量の33%に相当する脱イオン水を噴霧することによって2回目に再び湿らせ(rebloomed)、次いで37℃で1時間インキュベートした。次いで、評価前に室温で平衡化させた。
【0124】
以下の表は、悪臭評価結果を示しており、4つの製品について、低い悪臭(1)から高い悪臭(4)への番号でランク付けされた順位である。示されているように、製品4(本発明による)で洗浄したタオル見本は、24時間及び48時間で相乗的悪臭低減を示す。
【0125】
【表1】
【0126】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0126
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0126】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
[1]
表面を処理する方法であって、前記表面を、
a)細菌芽胞と、
b)サッカロミセス(Saccharomyces)上清と、
で処理する処理工程を含む、方法。
[2]
前記細菌芽胞は、バチルス(Bacillus)芽胞を含む、[1]に記載の方法。
[3]
前記バチルスは、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・テキレンシス(Bacillus tequilensis)、バチルス・バリスモルティス(Bacillus vallismortis)、バチルス・モジャベンシス(Bacillus mojavensis)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、バチルス・サブチリス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・メガテリウム、バチルス・プミルス、及びそれらの混合物からなる群から選択される、[2]に記載の方法。
[4]
前記表面は、軟質表面又は硬質表面である、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
前記表面は、布地である、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記処理工程は、洗浄、すすぎ、及び乾燥サイクルを含む洗濯プロセスであり、前記細菌芽胞及び/又は前記サッカロミセス上清は、洗浄組成物及び/又は添加組成物から前記布地に別々に又は一緒に供給される、[5]に記載の方法。
[7]
前記サッカロミセス上清は、前記洗浄に供給され、前記細菌芽胞は、前記すすぎ又は乾燥工程に供給される、[6]に記載の方法。
[8]
前記処理工程は、前記サッカロミセス上清を添加して、約0.01重量%~約10重量%、好ましくは、約0.01重量%~約5重量%の前記サッカロミセス上清を含む水性液を形成することを含む、[7]に記載の方法。
[9]
前記細菌芽胞は、布地1キログラム重量当たり約1×10 CFU~約1×10 CFU、好ましくは、約1×10 CFU~約1×10 CFUの濃度で洗浄組成物又は添加組成物から添加される、[7]又は[8]に記載の方法。
[10]
製品であって、
a)細菌芽胞と
b)サッカロミセス上清と、
を含む、製品。
[11]
前記製品は、洗浄組成物及び/又は添加組成物を含む、[10]に記載の製品。
[12]
前記洗浄組成物及び/又は前記添加組成物は、前記組成物の約1×10 ~約1×10 CFU/gの細菌芽胞、及び前記組成物の約0.05重量%~約10重量%のサッカロミセス上清を含む、[11]に記載の製品。
[13]
前記洗浄組成物は、液体、固体、又は単位用量形態の形態であり、前記添加組成物は、洗浄添加剤、すすぎ添加剤、又は乾燥添加剤の形態である、[11]又は[12]に記載の製品。
[14]
前記洗浄組成物は、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤系を含む、[11]~[13]のいずれかに記載の製品。
[15]
前記製品は、洗濯組成物であり、前記洗濯組成物は、
a)前記組成物の約5重量%~約55重量%のイオン性界面活性剤、好ましくは、アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の約5重量%~約50重量%の非イオン性界面活性剤と、
c)前記組成物の約1×10 ~約1×10 CFU/gの細菌芽胞と、
d)前記組成物の約0.05重量%~約10重量%のサッカロミセス上清と、
e)追加の酵素、ペルオキシ化合物、漂白活性化剤、再付着防止剤、中和剤、蛍光増白剤、抑泡剤、キレート剤、苦味剤、移染防止剤、汚れ放出剤、硬水軟化剤、電解質、pH調節剤、灰色化防止剤、抗しわ成分、漂白剤、着色剤、香料、加工助剤、及びこれらの混合物のうちの1つ以上を含む補助剤と、
を含む、[10]~[14]のいずれかに記載の製品。
[16]
基材、好ましくは布地に、持続的な悪臭除去を提供するための、[1]~[9]のいずれかに記載の処理の方法又は[10]~[15]のいずれかに記載の製品の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を処理する方法であって、前記表面を、
a)細菌芽胞と、
b)サッカロミセス(Saccharomyces)上清と、
で処理する処理工程を含む、方法。
【請求項2】
前記細菌芽胞は、バチルス(Bacillus)芽胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バチルスは、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)、バチルス・テキレンシス(Bacillus tequilensis)、バチルス・バリスモルティス(Bacillus vallismortis)、バチルス・モジャベンシス(Bacillus mojavensis)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、バチルス・サブチリス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・メガテリウム、バチルス・プミルス、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記表面は、軟質表面又は硬質表面である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記表面は、布地である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記処理工程は、洗浄、すすぎ、及び乾燥サイクルを含む洗濯プロセスであり、前記細菌芽胞及び/又は前記サッカロミセス上清は、洗浄組成物及び/又は添加組成物から前記布地に別々に又は一緒に供給される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記サッカロミセス上清は、前記洗浄に供給され、前記細菌芽胞は、前記すすぎ又は乾燥工程に供給される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記処理工程は、前記サッカロミセス上清を添加して、約0.01重量%~約10重量%、好ましくは、約0.01重量%~約5重量%の前記サッカロミセス上清を含む水性液を形成することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記細菌芽胞は、布地1キログラム重量当たり約1×10CFU~約1×10CFU、好ましくは、約1×10CFU~約1×10CFUの濃度で洗浄組成物又は添加組成物から添加される、請求項に記載の方法。
【請求項10】
製品であって、
a)細菌芽胞と
b)サッカロミセス上清と、
を含む、製品。
【請求項11】
前記製品は、洗浄組成物及び/又は添加組成物を含む、請求項10に記載の製品。
【請求項12】
前記洗浄組成物及び/又は前記添加組成物は、前記組成物の約1×10~約1×10CFU/gの細菌芽胞、及び前記組成物の約0.05重量%~約10重量%のサッカロミセス上清を含む、請求項11に記載の製品。
【請求項13】
前記洗浄組成物は、液体、固体、又は単位用量形態の形態であり、前記添加組成物は、洗浄添加剤、すすぎ添加剤、又は乾燥添加剤の形態である、請求項11又は12に記載の製品。
【請求項14】
前記洗浄組成物は、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤系を含む、請求項11又は12に記載の製品。
【請求項15】
前記製品は、洗濯組成物であり、前記洗濯組成物は、
a)前記組成物の約5重量%~約55重量%のイオン性界面活性剤、好ましくは、アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の約5重量%~約50重量%の非イオン性界面活性剤と、
c)前記組成物の約1×10~約1×10CFU/gの細菌芽胞と、
d)前記組成物の約0.05重量%~約10重量%のサッカロミセス上清と、
e)追加の酵素、ペルオキシ化合物、漂白活性化剤、再付着防止剤、中和剤、蛍光増白剤、抑泡剤、キレート剤、苦味剤、移染防止剤、汚れ放出剤、硬水軟化剤、電解質、pH調節剤、灰色化防止剤、抗しわ成分、漂白剤、着色剤、香料、加工助剤、及びこれらの混合物のうちの1つ以上を含む補助剤と、
を含む、請求項10に記載の製品。
【請求項16】
基材、好ましくは布地に、持続的な悪臭除去を提供するための、請求項に記載の処理の方法又は請求項10に記載の製品の使用。
【国際調査報告】