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特表2024-518926非常電力アプリケーションのための熱伝達システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】非常電力アプリケーションのための熱伝達システム
(51)【国際特許分類】
   F02C 1/05 20060101AFI20240426BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20240426BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20240426BHJP
   F02C 6/18 20060101ALI20240426BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
F02C1/05
H01M8/04 Z
H01M8/00 Z
F02C6/18 Z
H05K7/20 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568015
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 US2022072171
(87)【国際公開番号】W WO2022236321
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】63/201,631
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/662,184
(32)【優先日】2022-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523134037
【氏名又は名称】ケリ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コールナー、マシュー ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】マクダニエル、ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】ムシッリ、ジェーアール.、ジョン エー.
【テーマコード(参考)】
5E322
5H127
【Fターム(参考)】
5E322AA11
5E322AB10
5E322BA05
5E322BB03
5E322BB04
5E322BB06
5H127AB28
5H127AC04
5H127AC15
5H127GG03
(57)【要約】
システム(200)は、空気流(204)を排気するように構成されたタービン(203)を含む。このシステムはまた、タービンの下流にあり、空気流が通過又は通るときに、熱エネルギーを空気流に伝達するように構成された第1のコイル(212)を含む。このシステムはまた、第1のコイルの下流にあり、空気流が通過又は通るときに、熱エネルギーを空気流に伝達するように構成された第2のコイル(213)を含む。このシステムはまた、第2のコイルの下流にあり、空気流が通過又は通るときに、空気流に熱エネルギーを伝達するように構成された第3のコイル(214)を含む。空気流は、第3のコイルの下流にあるデータセンタ(216)の1以上の電子構成要素(122)を冷却するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気流(204)を排気するように構成されたタービン(203)と、
前記タービンの下流にあり、空気流が通過するときに熱エネルギーを前記空気流に伝達するように構成された第1のコイル(212)と、
前記第1のコイルの下流にあり、前記空気流が通過するときに熱エネルギーを前記空気流に伝達するように構成された第2のコイル(213)と、
前記第2のコイルの下流にあり、前記空気流が通過するときに熱エネルギーを前記空気流に伝達するように構成された第3のコイル(214)と、を備え、
前記空気流が前記第3のコイルの下流にあるデータセンタ(216)の1以上の電子構成要素(122)を冷却するように構成されている、システム(200)。
【請求項2】
前記第1のコイルは、前記データセンタに関連付けられた密結合冷却コイル(CCCコイル)(222)を含む第1の流体ループの一部である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2のコイルは、前記データセンタに関連付けられた1以上のエアハンドラ(220)を含む第2の流体ループの一部である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第3のコイルは第3の流体ループの一部であり、前記第3の流体ループは、当該第3の流体ループ内を搬送される流体を加熱するように構成された1以上の熱源(206、256)を含んでいる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記1以上の熱源が、太陽熱ヒータ、水素燃料ヒータ、及び内燃機関からの排気又は排熱のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の流体ループ内を搬送されて前記第1のコイルを通過する流体の一部が前記第2のコイルも通過するように、前記第1の流体ループの一部が前記第2の流体ループの一部と共通である、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の流体ループ内を搬送される流体からの熱エネルギーを地域冷暖房システムに伝達するように構成された熱交換器(224)をさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
タービンから排出された空気流の少なくとも一部を受け取るように構成されたダクト(504)と、
前記ダクト内に配置され、前記空気流の少なくとも一部から電力を生成するように構成された1以上の発電機(508、510)と、をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
タービン(203)から空気流(204)を排出すること(701)と、
前記空気流が前記タービンの下流にある第1のコイル(212)を通過又は通るとき、前記第1のコイルから前記空気流に熱エネルギーを伝達すること(703)と、
前記空気流が前記第1のコイルの下流にある第2のコイル(213)を通過又は通るときに、前記第2のコイルから前記空気流に熱エネルギーを伝達すること(705)と、
前記空気流が前記第2のコイルの下流にある第3のコイル(214)を通過又は通るときに、前記第3のコイルから前記空気流に熱エネルギーを伝達すること(707)と、
前記第3のコイルの下流にあるデータセンタ(216)の1つ以上の電子部品(122)を、前記空気流を使用して冷却すること(709)と、を含む、方法。
【請求項10】
前記第1のコイルは、前記データセンタに関連付けられた密結合冷却コイル(CCCコイル)(222)を含む第1の流体ループの一部である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のコイルは、前記データセンタに関連付けられた1以上のエアハンドラ(220)を含む第2の流体ループの一部である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第3のコイルは第3の流体ループの一部であり、前記第3の流体ループは、当該第3の流体ループ内を搬送される流体を加熱するように構成された1以上の熱源(206、256)を含んでいる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記1以上の熱源が、太陽熱ヒータ、水素燃料ヒータ、及び内燃機関からの排気又は排熱のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の流体ループ内を搬送されて前記第1のコイルを通過する流体の一部が前記第2のコイルも通過するように、前記第1の流体ループの一部が前記第2の流体ループの一部と共通である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
熱交換器(224)を使用して、前記第1の流体ループ内を搬送される流体から地域冷暖房システムに熱エネルギーを伝達することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、非常電源アプリケーションに関し、特に、非常電源システムにおける熱伝達のためのシステム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非常電力アプリ―ケーションを動作させる施設は、一定、又は略一定の電力供給を必要とし、非常電力アプリケーションが常に動作可能であることを保証する。これらの施設は、典型的には電力の一次供給源として公益電力網を使用し、一次公益電力網から電力損失がある場合に、それらのアプリケーションに電力を提供するために、1以上の無停電電源又は発電システムに頼るものである。このような設備で使用するための電力生成において、無停電電源又は発電システムは、かなりの量の低温又は高温の液体又は気体を使用又は生成し得るが、そのうちのいくらかは、典型的には廃棄物として廃棄される。しかしながら、そのような廃液又は廃ガスの熱特性は、他の有益な用途を有し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、非常電源システムにおける熱伝達のためのシステム、及び方法を提供する。
【0004】
第1の実施形態では、システムが空気流を排出するように構成されたタービンを含む。このシステムはまた、タービンの下流にあり、空気流が通過又は通るときに、熱エネルギーを空気流に伝達するように構成された第1のコイルを含む。このシステムはまた、第1のコイルの下流にあり、空気流が通過又は通るときに、熱エネルギーを空気流に伝達するように構成された第2のコイルを含む。このシステムはまた、第2のコイルの下流にあり、空気流が通過又は通るときに、空気流に熱エネルギーを伝達するように構成された第3のコイルを含む。空気流は、第3のコイルの下流にあるデータセンタの1以上の電子構成要素を冷却するように構成される。
【0005】
第2の実施形態では、方法は、タービンから空気流を排出することを含む。本方法はまた、空気流がタービンの下流にある第1のコイルを通過又は通るとき、第1のコイルから空気流に熱エネルギーを伝達することを含む。本方法はまた、空気流が第1のコイルの下流にある第2のコイルを通過又は通るとき、第2のコイルから空気流に熱エネルギーを伝達することを含む。本方法はまた、空気流が第2のコイルの下流にある第3のコイルを通過又は通るとき、第3のコイルから空気流に熱エネルギーを伝達することを含む。本方法はまた、空気流を使用して第3のコイルの下流にあるデータセンタの1以上の電子構成要素を冷却することを含む。
【0006】
第3の実施形態では、システムは、第1の温度で第1の排気流を生成して送出するように構成された第1のタービンを含む。本システムはまた、第1の温度よりも高い第2の温度で第2の排気流を生成して送出するように構成された第2のタービンを含む。本システムはまた、第1のタービンによって送出された第1の排気流を搬送するように構成された第1のダクトを含む。本システムはまた、第2のタービンによって送出された第2の排気流を運ぶように構成された第2のダクトを含む。本システムはまた、第1のダクト及び第2のダクトに結合され、第1の排気流及び第2の排気流の少なくとも一部分を受け取って混合して第3の温度で第3の排気流にするように構成された第3のダクトを含み、第3のダクトは第1の排気流及び第2の排気流の少なくとも一部の混合を促進するように構成された1以上の羽根板又は阻流板を有しており、第3のダクトは1以上の発熱装置の冷却のために第3の排気流を送出するようにさらに構成されている。
【0007】
第4の実施形態では、システムは、排気流を生成して送出するように構成されたタービンを含む。本システムはまた、タービンから排気流を受け取り、排気流を導出口に搬送するように構成された第1のダクトを含む。本システムはまた、第1のダクトに結合され、第1のダクトを通る排気流の圧力及び速度によって第1のダクト内に誘導される周囲空気を搬送するように構成された第2のダクトを含む。本システムはまた、第1のダクトに結合され、第1のダクトを通る排気流の圧力及び速度によって第1のダクト内に誘導されるデータセンタからの戻り空気を搬送するように構成された第3のダクトを含む。第1のダクトは、排気流、周囲空気、及び戻り空気を混合して、排気流の温度を所定の温度範囲内に変化させるように構成される。
【0008】
他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から当業者には容易に明らかであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の様々な実施形態による、熱伝達のための1以上の方法が採用され得る、電源及び冷却システムを例示している。
図2A図2Aは、本開示の様々な実施形態による、電源及び冷却システムにおいて使用するための熱伝達システムの一例を例示している。
図2B図2Bは、本開示の様々な実施形態による、図2Aの熱伝達システムとともに使用するための圧縮空気減圧加熱サイクルの一例の幾つかの部分を例示している。
図3図3は、本開示の様々な実施形態による、電源及び冷却システムにおいて使用するための熱伝達システムの別の例を例示している。
図4図4は、本発明の様々な実施形態による、ハイブリッド圧縮空気/液化空気電源及び冷却システムの一例を例示している。
図5図5は、本開示の様々な実施形態による、タービン排気を使用して発電するための一例示的システムを例示している。
図6図6は、本開示の様々な実施形態による、電源及び冷却システムにおけるコンピューティングデバイスの一例を例示している。
図7図7は、本開示の様々な実施形態による、電源及び冷却システムにおける熱伝達動作を実行するための例示的方法を例示している。
図8図8は、本開示の様々な実施形態による、電源及び冷却システムにおける熱伝達動作を実行するための他の例示的方法を例示している。
図9図9は、本開示の様々な実施形態による、原動機排気を調整するための空気導入を使用する一例示的システムを例示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で論じられる図面、及び本特許文書において本開示の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示のためだけのものであり、決して本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業者は、本開示の原理が任意の適切に配置されたシステム又はデバイスにおいて実施され得ることを理解されるであろう。
【0011】
簡略化及び明瞭化するために、いくつかの特徴及び構成要素は、他の図面に関連して例示されるものを含め、すべての図に明示的に示されているわけではない。図面に例示された全ての特徴は、記載された実施形態のいずれかにおいて使用されてもよいことを理解されたい。ある特徴又は構成要素を特定の図から省略することは、簡略化及び明瞭化の目的のためのものであり、その特徴又は構成要素が、その図に関連して説明される実施形態において使用され得ないことを暗示することを意味してはいない。本開示の実施形態は、本明細書に記載される特徴のうちのいずれか1つ、2つ以上、又はすべてを含み得ることを理解されたい。また、本開示の実施形態は、本明細書に列挙されていない他の特徴を、追加又は代替として含んでもよい。
【0012】
上述のように、無停電電源システムは公益電力網からの電力の損失がある場合に、非常電力アプリケーションを動作させる設備に電力を供給するために使用されることが多い。このような設備による使用のための発電では、無停電電源又は発電システムがかなりの量の低温又は高温の液体又は気体を使用又は生成することがある。例えば、原動機(すなわち、タービン)からの排気は、動作中の電源システムのタイプに応じて、高温又は低温ガスを含み得る。多くの場合、液体又は気体の副生成物の一部は、典型的には廃棄物として廃棄される。しかしながら、そのような廃液又は廃ガスの熱特性は、他の有益な用途を有し得る。
【0013】
これらの問題及び他の問題に対処するために、本開示の実施形態は、電源システムからの廃棄物流を様々な用途で使用するため、再使用、再捕捉、再利用、又は改変してもよいことを認識している。例えば、廃棄物流からの熱エネルギーは、非常電源アプリケーションを動作させる設備を冷却する際に使用することができる。別の例としては、廃棄物流からの熱エネルギーは、地域暖房、地域冷房、又はこれらの組み合わせに使用できる。さらに別の例としては、廃棄物流からの熱エネルギーを使用して、全体的な化石燃料消費の低減、二酸化炭素発生の低減、熱汚染の低減、システム効率の改善、又はこれらの組み合わせに使用することができる。その他の利点は当業者には明らかであろう。
【0014】
図1は、本開示の様々な実施形態による、熱伝達のための1以上の方法が採用され得る、電源及び冷却システム100を例示している。図1に示されるシステム100の実施形態は単に例示のためだけのものである。本開示の範囲から逸脱することなく、システム100の他の実施形態が使用可能である。
【0015】
システム100は、電気エネルギーを生成又は受電する電力源101を含んでもよい。電力源101は、再生可能エネルギー源から電気エネルギーを生成又は受電してもよい。電力源101は風力、太陽光、潮力/波力、又は任意の他の再生可能エネルギー源から電気エネルギーを生成又は受電してもよい(同じ入力を通して公益電力網が電力を提供してもよい)。システム100はまた、公益電力網から電気エネルギーを受電してもよい。公益電力網及び電力源101は、システム100の同じ入力を介して、システム100に電気エネルギーを提供し得る。
【0016】
システム100は計量装置103を含んでもよい。計量装置103は例えば、電気エネルギーが容易に利用可能であり、及び/又はコスト効率が高い期間中に、電力源101によって生成又は受電された電気エネルギーを受電し、そのエネルギーをシステム100内の様々な箇所に分配することができる。例えば、システム100は、システム100の全体的な動作を制御するコンピューティングデバイス104を含む。コンピューティングデバイス104は、計量デバイス103及び/又は電力源101に接続されてもよく、電気エネルギーの利用可能性、信頼性、及び/又は価格を監視する。例えば、電気エネルギーの利用可能性、信頼性、及び/又は価格を1以上のベースライン又は閾値レベルと比較することに基づいて、コンピューティングデバイス104は、潜在的な機械エネルギーとして貯蔵するために電気エネルギーを変換することを決定する。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス104が個人又は会社などの第三者によって運営されるサービスであってもよい。コンピューティングデバイス104は、システム100の残りの部分が位置する箇所とは別の箇所に収容し、動作させてもよい。すなわち、コンピューティングデバイス104は、具体的な箇所に拘束されない。
【0017】
計量装置103は、電気的負荷120に電力を供給することができる。電気的負荷120については、以下でより詳細に説明する。計量装置103は、電気エネルギーを電気-機械エネルギー変換装置105に供給してもよい。計量装置はまた、電力源101によって生成された電気エネルギーを計量装置103が供給することができる、又は電気的負荷120又は電気-機械エネルギー変換装置105に供給するための電気エネルギーを計量装置103が受電できる、電力網に接続されてもよい。
【0018】
電気-機械エネルギー変換装置105は、計量装置103から電気エネルギーを受け取り、電気エネルギーを機械エネルギーに変換することができる。例えば、電気-機械エネルギー変換装置105は、気体-液体変換システムを含むことができる。気体-液体変換システムは、電気エネルギーを使用して気体を液体に変換するように構成されてもよい。気体-液体変換システムは、任意の公知の気体液化システムを組み込んでよい。例えば、気体-液体変換システムは、ハンプソン・リンデサイクルを動作させて、気体を液体に変換してもよい。気体-液体変換システムは、気体を圧縮、冷却、膨張させて気体の温度を低下させ、液体に変換するサイクルを繰り返してもよい。したがって、気体-液体変換システムは、圧縮機、冷却器、熱交換器、分離器、膨張器、及び気体を液体に変換するために必要な他の設備を含むことができる。気体-液体変換システムは、任意の数(number)の気体を液体に変換するために使用され得る。様々な実施形態において、気体-液体変換システムは、システム100の周囲空気を液化空気に変換するために使用される。
【0019】
他の実施形態では、電気-機械エネルギー変換装置105は、電気エネルギーを使用して空気を大気圧よりも高い圧力を有するよう圧縮するように構成された空気圧縮機を備えてもよい。
【0020】
電気-機械エネルギー変換装置105は、気体-液体変換システム、又は空気圧縮機に限定されない。本開示の範囲から逸脱することなく、電気-機械エネルギー変換装置105の他の実施形態を使用可能である。
【0021】
いくつかの実施形態では、空気液化プロセスは、空気を少なくとも酸素及び二酸化炭素(CO)成分に分離する空気分離プロセスを含むことができる。空気分離プロセスで生成された酸素は、化学元素(例えば、鉄(Fe))床中の酸化剤として使用され、システム100の加熱に使用することができる熱エネルギーを生成することができる。酸化プロセスにおける炭素の隔離は、急速に酸化する化学元素床において発熱性の化学反応を生じさせることがある。いくつかの実施形態では、酸化による熱エネルギーを、天然ガス又は他の炭素依存性加熱源の代わりに使用することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、空気分離プロセスは、複数の段階を含むことができる。1つの段階では、空気はフィルタされ、圧縮され、モレキュラーシーブに通されて、水蒸気を除去し、COを分離する。別の段階では、COが捕捉され、圧縮された空気が圧縮システムに送出される。このプロセスは、COを捕捉し、圧縮システムを動作させるために略エネルギー中立性であってもよい。CO捕捉の廃棄物流は、圧縮システムが圧縮の第2段階に到達するのに必要なエネルギーを除去する。これは、次に、システム100の動作の総コストを低減するか、又は炭素捕捉のコストを低減するか、又はその両方を行うことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、空気圧縮プロセスが複数の段階を含むことができる。1つの段階では、空気はフィルタされ、圧縮され、モレキュラーシーブに通されて、水蒸気を除去し、COを分離する。別の段階では、COが捕捉され、圧縮された空気が圧縮システムに送出される。このプロセスは、COを捕捉し、圧縮システムを動作させるために略エネルギー中立性であってもよい。CO捕捉の廃棄物流は、圧縮システムが圧縮の第2段階に到達するのに必要なエネルギーを除去する。これは、次に、システム100の動作の総コストを低減するか、又は炭素捕捉のコストを低減するか、又はその両方を行うことができる。
【0024】
システム100は、機械的電池107(又は機械的エネルギー貯蔵デバイス)をさらに含む。機械的電池は、電気-機械エネルギー変換装置105によって生成された機械的エネルギーを蓄積できる。例えば、電気-機械エネルギー変換装置105が気体-液体変換システムを備える場合、機械的電池107は、気体-液体変換システムによって生成された液化ガスを収容することができる絶縁容器であってもよい。容器は、液化ガスを収容するのに適した任意の容器であってもよい。機械的電池107は気体-液体変換システムによって生成される液化ガスの所望の温度を維持するために、断熱され冷蔵された貯蔵タンクであってもよい。電気-機械エネルギー変換装置105が空気圧縮機である実施形態において、機械的電池107は加圧空気を収容するように構成された貯蔵タンクであってもよい。いくつかの実施形態では、機械的電池107は、液化空気及び圧縮空気の両方を収容するように構成された貯蔵タンクであり得る。いくつかの実施形態では、機械的電池107は、電気-機械エネルギー変換装置105からの(又はそれによって使用するための)熱エネルギー(又は冷熱又は蓄熱)を熱化学的に貯蔵することができる1以上の液体又は固形材料(例えば、液化CO、ドライアイス、ゼオライト結晶など)を含むことができる。本開示の範囲から逸脱することなく、機械的電池107の他の実施形態が使用可能である。
【0025】
システム100は、ヒータ又は熱交換器108(以下、単に「ヒータ」と称する)を含んでもよい。ヒータ108は、機械的電池107からヒータ108に供給される空気を加熱することができる。例えば、機械的電池107が液化空気を貯蔵する実施形態では、ヒータ108は、機械的電池107からの液化空気を加熱し、液化空気を気化させて気体状態に戻すことができる。ヒータ108は、空気が電源システム109に入る前に、電池107からの液化空気の気化を改善することによって、システム100をより効率的にするように構成される。様々な実施形態において、電池107に貯蔵された液化空気を気化するためにヒータ108を必要としなくてもよい。それらの実施形態では、液化空気が電池107から電源システム109に移動するときに液化空気に作用する大気熱が液化空気を気体状態に変換するのに十分であり得る。例えば、液化空気は、液化空気がその気体状態(例えば、大気圧又は大気圧付近で約-320°F)に変換する温度未満で、電池107に貯蔵され得る。周囲空気からの熱は、液化空気をその気体状態に変換させることができる。この実施例では、ヒータ108は、液化ガスの液体から気体への変換を加速するように構成されている。したがって、当業者は、ヒータ108がシステム100に必要ではなく、システム100の動作をより効率的にするように構成されるものであることを理解されるであろう。
【0026】
ヒータ108は、いくつかの異なる源のいずれかを使用して空気を加熱することができる。ヒータ108は、特に空気を加熱するための熱を発生させてもよい。いくつかの実施形態では、ヒータ108が、電池107からの空気を加熱するように構成されたガス燃焼式ヒータ、又は電気式ヒータであってもよい。他の実施形態では、ヒータ108は、システム100の熱源122からの熱を供給してもよい。システム100の熱源122については、以下でさらに詳細に説明する。ヒータ108が熱源122によって生成された熱を使用するとき、当該ヒータは、そうでなければ無駄になったはずのエネルギーを利用する。以下でさらに詳細に説明するように、熱源122は、動作中に熱を出力する、データセンタのサーバ、コンピュータシステム、及び他の電子デバイスであってもよい。そのような熱源による熱出力は、典型的にはデータセンタの動作中に失われる。ヒータ108は熱源122によって生成された熱を使用して液化空気を加熱してもよく、減圧中に液化空気を気体状態又は熱圧縮空気に変換する。したがって、ヒータ108は、システムの、そうでなければ失われるはずであったエネルギーを効果的に使用することによって、システム100をより効率的にするように構成されている。
【0027】
機械的電池107が液化空気を貯蔵する実施形態では、液化空気のガス化は、液体が気体状態に膨張することにより、気体空気の圧力の増加をもたらす。電池107から放出される空気は、略大気圧の液化空気として放出される。次いで、液化空気は、加熱されて、大気熱のみによって、又はヒータ108によって、気体状態に変換される。この加熱プロセスの間、液化空気は気体状態に変わり、大気圧を超えて加圧される。加圧された又は圧縮された気体空気が、次いで電源システム109に供給される。
【0028】
電源システム109は機械的電池107から機械的エネルギーを受け取り、機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する。様々な実施形態では、電源システム109は、無停電又は略無停電の電源を電気的負荷120に提供する。無停電又は略無停電、及びその派生語は、本明細書で使用される場合、バックアップ電源が必要とされ、及び/又は起動されたときから数ミリ秒程度の時間期間内に一定の電力レベルを提供する電源を指す。様々な実施形態では、電源システム109は、負荷120に一貫した電力を提供するとともに、機械的エネルギー蓄積機構を含むが、例えば、電力喪失の場合に、無停電又は略無停電の電源又は発電を提供するための略瞬間的な電力のバックアップ事例として、フライホイール又は化学電池などを組み合わせて又は個別に含んでいる。いくつかの実施形態では、電気エネルギーが容易に利用できなくて、及び/又は費用効率が高くない期間中、又は一次エネルギー源の故障があるとき、コンピューティングデバイス104は電池107内の蓄積された機械エネルギーを放出して電気エネルギーに変換し、電気的負荷120に電力を供給する(及び、いくつかの実施形態では電気的負荷120を冷却する)ことを決定し得る。例えば、コンピューティングデバイス104は、電気エネルギーの利用可能性、信頼性、及び/又は価格を1以上のベースライン又は閾値レベルと比較することに基づいて、蓄積された潜在的機械エネルギーを電気エネルギーに変換して負荷120に電力供給することを決定することができる。例えば、コンピューティングデバイス104は、電源システム109に接続されて、電源システム109に機械エネルギーを放出させて電気エネルギーに変換させ、負荷120に供給させてもよい。
【0029】
様々な実施形態では、電源システム109が圧縮空気を使用して電気エネルギーを生成するように構成された圧縮空気駆動式発電ユニットを含む。様々な実施形態では、電源システム109は、発電機に結合されたターボエキスパンダ、又はエキスパンダタービンを含み、圧縮空気の機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する。電源システム109は、上述の実施形態に限定されない。本開示の範囲から逸脱することなく、電源システム109の他の実施形態が使用可能である。
【0030】
電気的負荷120は、電源システム109から電気エネルギーを供給され得る。前述のように、電気的負荷120はまた、電力源101によって計量装置103から、又は公益電力網から直接生成される電気エネルギーを供給されてもよい。電気的負荷120は、電気エネルギーを消費する任意の構成要素であってもよい。電気的負荷120は、データセンタなどの電子デバイスを収容する建物であってもよい。本開示の範囲から逸脱することなく、電気的負荷120の他の実施形態を使用可能である。
【0031】
熱源122は、熱を放出する電力密度の高い環境であってもよい。電力密度の高い環境は、電気的負荷120の一部であってもよい。例えば、電気的負荷120がデータセンタである場合、上述のように、熱源122は、動作中に熱を出力するデータセンタのサーバ、コンピュータシステム、及び他の電子デバイスであってもよく、それらは適切な動作を保証するためには冷却される必要があり得る。本開示の範囲から逸脱することなく、熱源122の他の実施形態が使用可能である。
【0032】
熱源122は、電源システム109の排気によって冷却されてもよい。例えば、電源システム109が上述のように圧縮空気駆動式タービンであるとき、当該タービンは、機械的電池107からの圧縮空気を電気エネルギーに変換する。圧縮空気を電気エネルギーに変換するプロセスにおいて、タービンは、冷却空気を排出する。タービンによって排気された冷却空気は、熱源122に供給されて熱源122を冷却できる。冷却は、直接的又は間接的に行うことができる。直接的冷却の一例は、タービン排気からの空気を、1以上の空気ダクトを通してデータセンタに単に噴射することである。間接冷却の一例は、データセンタの冷却システムに圧送されるコイル内の流体を冷却するものであるが、これは、タービン排気から液体熱交換に循環する流体による冷却で、既設のファンを使用してデータセンタを冷却する。いくつかの実施形態では、流体は、例えば-220°Fから-6°Fの非凍結流体である。データセンタのホットアイル空気からの熱エネルギーは、非凍結流体に伝達することができる。したがって、流体は、熱導管として使用することができる。熱源122を冷却するための熱伝達システムのさらなる詳細は、以下でより詳細に説明される。
【0033】
図2Aは、本開示の様々な実施形態による、電源及び冷却システム200において使用するための熱伝達システムの一例を例示している。説明を容易にするために、熱伝達システム200は、図1の電源及び冷却システム100と併せて使用されるものとして説明される。もちろん、これは一例に過ぎない。熱伝達システム200は、任意の他の適切なシステムと共に使用することができる。また、図2Aに示される熱伝達システム200の実施形態は、単なる例示のためのものである。本開示の範囲から逸脱することなく、熱伝達システム200の他の実施形態が使用可能である。
【0034】
図2Aに例示するように、熱伝達システム200は、図1の電源システム109などの発電システムのタービン203からの冷却空気排気流204を含む。例えば、電源システム109が圧縮空気エネルギーシステムの一部であるとき、空気流204は約-150°Fの温度の場合があるが、より高い又はより低い温度も本開示の範囲内である。コイル212-214を含む複数のコイルが、空気流204内に連続して配置される。コイル212-214は、空気流204が通過する大きな空気ダクト内に配置することができる。いくつかの実施形態では、ダクト径は8-10フィートであるが、より大きい又はより小さいダクトサイズも本開示の範囲内である。コイル212-214のそれぞれは、空気流204よりも高温で流れる流体を有している。したがって、コイル212-214は、コイル212-214を流れる流体からの熱エネルギーが、熱エネルギーを空気流204に与える熱交換器として作用し、それにより、それぞれのコイル212-214にて空気流204が温められる。次いで、暖められた空気流204は、冷却空気としてデータセンタ216に提供され得る。データセンタ216は、図1の電気的負荷120を表すことができる(又は表されてもよい)。ここで、この熱交換プロセスをより詳細に説明する。
【0035】
コイル212は空気流204が遭遇する第1のコイルであり、したがって、コイル212は、空気流204をその最低温度、例えば-150°Fで受け取るが、これは空気流204の流入空気温度(entering air temperature:EAT)を表す。コイル212を通過するのは、密結合冷却(close coupled cooling:CCC)コイル222から出る流体である。いくつかの実施形態では、流体は、グリコール混合物、又は別の好適な流体を含む。CCCコイル222は、データセンタ216内のコイルを表している。いくつかの実施形態ではコイル212に流入する流体の温度(すなわち、流入流体温度(entering fluid temperature:EFT))は約120°Fである。比較的温かい流体がコイル212を通過すると、流体からの熱エネルギーが(例えば、伝導、対流、又はこれらの組合せを介して)空気流204に伝達され、これにより空気流204はより暖かくなり、流体はより冷たくなる。いくつかの実施形態では、コイル212を流出する流体の温度(すなわち、流出流体温度(leaving fluid temperature:LFT))は約80°Fである。いくつかの実施形態では、流体は流体貯蔵部210に排出されるが、これは流体のためのリザーバとして作用する。以下に説明するように、流体貯蔵部210内の流体は、コイル213への送達(及びそれを通すこと)に利用可能とすることができる。コイル212での空気の加温により、空気流204の排出空気温度(leaving air temperature:LAT)は、 流入空気温度EATの-150°Fよりも著しく高い。例えば、コイル212を出る空気流204の排出空気温度LATは、約-50°Fであり得る。
【0036】
コイル213は、空気流204が遭遇する次のコイルである。すなわち、空気流204がコイル212を通過した後、空気流204はコイル213に到達する。コイル213における空気流204の流入空気温度EATは、コイル212における空気流204の排出空気温度LATと略同じ、例えば、約-50°Fである。コイル213を通過するのは、流体貯蔵部210から出る流体である。コイル213における流体の流入流体温度EFTは約80°Fである。比較的温かい流体がコイル213を通過すると、流体からの熱エネルギーが空気流204に伝達され、空気流204はより暖かくなり、流体はより冷たくなる。いくつかの実施形態では、コイル213を出る流体の流出流体温度LFTは約40°F-60°Fである。したがって、コイル213を出る流体は、データセンタ216内の冷房に使用することができる、冷却された流体であると考えられる。いくつかの実施形態では、冷却された流体は冷却流体貯蔵部218(例えば、貯蔵槽)に排出されるが、これは冷却された流体のためのリザーバとして作用する。コイル213における空気の加温のため、空気流204の排出空気温度LATは、-50°Fの流入空気温度EATよりも著しく高い。例えば、コイル213を出る空気流204の排出空気温度LATは、約10°Fであり得る。
【0037】
コイル214は、コイル213を通過した後に空気流204が遭遇する次のコイルである。コイル214における空気流204の流入空気温度EATは、コイル213における空気流204の排出空気温度LATと略同じ、例えば、約10°Fである。コイル214を通過するのは、加熱流体リザーバ208から出る流体である。コイル214における流体の流入流体温度EFTは、周囲温度(例えば、約200°F)よりも著しく高い。比較的温かい流体がコイル214を通過すると、流体からの熱エネルギーが空気流204に伝達され、空気流204はより暖かくなり、流体はより冷たくなる。いくつかの実施形態では、コイル214を出る流体の流出流体温度LFTは約130°Fである。いくつかの実施形態では、流体は1以上のヒータ206に送出されるが、これらは流体を再加熱するように作用する。コイル214における空気の加温のため、空気流204の排出空気温度LATは、10°Fの流入空気温度EATよりも著しく高い。例えば、コイル214を出る空気流204の排出空気温度LATは約70°F-104°Fであり得るが、これはデータセンタ216への送達に適した温度範囲である。データセンタ216に入力されると、空気流204は、データセンタ216に直接的な冷却を提供できる。例えば、空気流204はデータセンタ216内の1以上の発熱構成要素(例えば、サーバ)の周囲を循環させることができる。
【0038】
コイル214を通過する流体は、コイル214、加熱流体リザーバ208、及びヒータ206を含む加熱流体ループの一部である。いくつかの実施形態では、ヒータ206は、太陽から受け取った熱エネルギーを使用して流体を加熱する(例えば、約200°Fまで)太陽熱流体ヒータである。そのような太陽熱流体ヒータは、1以上のソーラーパネル、熱交換器などを含むことができる。いくつかの実施形態では、ヒータ206の動作を、集光ミラー、反射面、又は反射ウェルを用いて向上させ、流体温度を増すことができる。もちろん、ヒータ206には、水素燃料加熱器のような(太陽光以外の)他の加熱方法を使用することができる。流体は、まず、加熱流体リザーバ208に貯蔵され、その後、コイル214に供給される。次いで、流体がコイル214を通過する際に、空気流204によって流体が冷却される。コイル214から出た流体は、ヒータ206に戻される。ヒータ206は、流体を加熱するのに適した任意の個数及び構成の太陽熱ヒータを含むことができる。いくつかの実施形態では、加熱流体リザーバ208内の流体がヒータ206を通して時折又は規則的に再循環されて、流体温度を上昇又は維持することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、加熱された流体リザーバ208からの流体の一部はまた、コイル212に入るその流体がまだ適切に加熱されていない場合に、コイル212に入る流体を加熱するために使用され得る。例えば、CCCコイル222を出る流体はわずか110°Fであるが、コイル212における所望の流入流体温度EFTが120°Fである場合、加熱流体リザーバ208からの加熱流体を使用して、CCCコイル222から所望の120°Fの流入流体温度EFTまで流体を加温し、その後、流体をコイル212に流入させることができる。
【0040】
コイル212、213を通過する流体は、コイル212、213、流体貯蔵部210、流体貯蔵部218、及びデータセンタ216に関連する1以上のエアハンドラ(空気調和機)220を含む別の流体ループの一部である。上述のように、流体は、コイル212内で約80°F の流出流体温度LFTまで冷却され、流体ループの様々な部分の流量が一貫しないことがあるため、一時的に流体貯蔵部210に貯蔵される。流体の一部は、後にコイル213に入り、40°F-60°Fの冷却流体に冷却される。冷却流体は、流体貯蔵部218に一時的に貯蔵され、エアハンドラ220に送出することができるが、これは、データセンタ216に直接空気冷却を提供するか、又は直接空気冷却に液体を提供するように動作する。エアハンドラ220において、冷却流体は、エアハンドラ220を通過する温かい空気を冷却するように作用する。これは、次いで、冷却流体を高温(例えば、100°F-120°F)に加熱する。次いで、流体はCCCコイル222からの流体と混合され、混合流体は、コイル212に送達される。
【0041】
CCCコイル222を通過する流体は、コイル212、流体貯蔵部210、及びCCCコイル222を含む追加の流体ループの一部である。上述のように、流体は、コイル212内で約80°Fの流出流体温度LFTまで冷却され、流体貯蔵部210内に一時的に貯蔵される。流体貯蔵部210内の流体の一部は、後にCCCコイル222に送られるが、ここで、その流体はデータセンタ216の冷却のために使用される。CCCコイル222における伝熱プロセスによって、CCCコイル222を流出する流体の流出流体温度LFTは、より高温(例えば、100°F-120°F)である。そして、加熱された流体は、コイル212に戻される。
【0042】
空気流を加熱するための任意の適切な方法又はプロセスが、タービン203に入る前の貯蔵された圧縮空気送出経路に適用されてもよい。例えば、図2Bは、本開示の様々な実施形態による、熱伝達システム200と共に使用するための圧縮空気減圧加熱サイクル250の幾つかの部分を例示している。いくつかの実施形態では、加熱サイクル250が熱伝達システム200内のタービン203の質量流量の効率を改善するために使用することができる。
【0043】
図2Bに示すように、加熱サイクル250は、圧縮空気貯蔵部254から圧縮空気を受け取り、熱源256から熱エネルギー(熱)を受け取る熱交換器252を含む。圧縮空気貯蔵部254は、図1の機械的電池107(加圧空気を収容するように構成された貯蔵タンクの形態をとる)を表し得る(又は表されてもよい)。熱源256は、任意の適切な熱エネルギー源、例えば、水素燃料ヒータ、太陽熱ヒータ、別の可燃性燃料ヒータ、内燃機関の排気及び/又は冷却システムからの熱伝達などを含むことができる。いくつかの実施形態では、熱源256が図1のヒータ108を表すことができる(又は表されてもよい)。熱源256からの熱エネルギーを用いて、圧縮空気貯蔵部254からの減圧空気を昇温し、その後、暖められた空気をタービン203に供給する。これは、32°Fを超える高温空気温度でタービン203を動作させるためのより高い効率を提供することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、熱伝達システム200はまた、地域冷暖房システム202を含む。地域冷暖房システム202は、水を使用する施設(例えば、発電施設)に提供され得る、公益事業体によって供給される温水及び/又は冷水と、施設から戻って来る調整された水とを含んでいる。地域冷暖房システム202は、いくつかの実施形態では、周囲温度(例えば、約60°F)であり得る地域家庭用水231、約40°F-50°Fであり得る地域冷水232、約180°Fであり得る地域熱供給水233、約90°F-120°Fであり得る地域熱戻り水234を含む。もちろん、これらの温度は例にすぎず、他の実施形態は、より高温又はより低温を含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、地域冷暖房システム202は、熱伝達システム200内のヒートシンク又は熱源として使用することができる。例えば、CCCコイル222からの流体の熱エネルギーを、熱交換器224を用いて地域熱戻り水234に供給することができる。図2Aに示すように、熱交換器224の一方の側には、地域熱戻り水234と熱交換器224との間に流体ループが形成されている。熱交換器224の他方の側は、熱交換器224と、CCCコイル222とコイル212との間の流体ラインと、の間の流体ループを含む。CCCコイル222からの流体は地域熱戻り水234における温度よりも高い温度(例えば、約90°F-120°Fに対して約120°F)にあるので、熱交換器224は、CCCコイル222から地域熱戻り水234に流体から熱エネルギーを伝達するように動作することができる。
【0046】
幾つかの実施形態では、熱交換器224の入力及び出力熱量は、コンピュータアルゴリズムへのセンサデータ入力から計算される。熱交換器224は、地域冷暖房システム202及び/又は熱交換器224上の1以上のセンサを使用して監視され、1以上の弁及びアクチュエータの自動コンピュータ制御を通して、地域冷暖房システム202への熱量の正確な送達を提供できる。
【0047】
いくつかの実施形態では、システム200は、当該システム200の1以上の構成要素の動作を制御するために提供される少なくとも1つのコンピューティングデバイス230を含む。例えば、コンピューティングデバイス230は、コイル212-214のうちの1つにおける流入空気温度EAT、流入流体温度EFT、及び空気流及び流体流量を決定し、所望の排出空気温度LAT又は流出流体温度LFTを決定し、所望の排出空気温度LAT又は流体流出温度LFTを達成するための1以上の流量の変化を計算し、及び/又は流量の変化をもたらすために1以上の弁、三方弁、アクチュエータ、ダンパ、マニホールドなどを制御する。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス230が個人又は会社などの第三者によって運営されるサービスであってもよい。コンピューティングデバイス230は、システム200の残りの部分が位置する箇所とは別の箇所に収容し、動作させてもよい。すなわち、コンピューティングデバイス230は、具体的な箇所又は構成に拘束されない。図2Aでは1つのコンピューティングデバイス230のみが示されているが、システム200は、実際には複数のコンピューティングデバイス230を含むことができ、それぞれがシステム200の異なる部分に制御を提供する。
【0048】
図3は、本開示の様々な実施形態による、電源及び冷却システムにおいて使用するための熱伝達システム300の別の例を例示している。説明を容易にするために、熱伝達システム300は、図1の電源及び冷却システム100と併せて使用されるものとして説明される。もちろん、これは一例に過ぎない。熱伝達システム300は、任意の他の適切なシステムと共に使用することができる。また、図3に示される熱伝達システム300の実施形態は、単なる例示のためのものである。本開示の範囲から逸脱することなく、熱伝達システム300の他の実施形態が使用可能である。
【0049】
図3に例示するように、熱伝達システム300は、図1の電源システム109などの発電システムのタービン303からの加熱空気排気流304を含む。例えば、電源システム109が液化空気エネルギーシステムの一部であるとき、空気流は約150°Fの温度の場合があるが、より高い又はより低い温度も本開示の範囲内である。コイル312-314を含む複数のコイルが、空気流304内に連続して配置される。コイル312-314は、空気流304が通過する大きな空気ダクト内に配置することができる。いくつかの実施形態では、ダクト径は8-10フィートであるが、より大きい又はより小さいダクトサイズも本開示の範囲内である。コイル312-314のそれぞれは、空気流304よりも低温でコイルを流れる流体を有している。したがって、コイル312-314は、空気流304からの熱エネルギーがコイル312-314を通過する流体に熱エネルギーを加え、それにより、それぞれのコイル312-314で空気流304を冷却する熱交換器として作用する。次いで、冷却された空気流304は、冷却空気としてデータセンタ316に提供され得る。データセンタ316は、図1の電気的負荷120を表すことができる(又は表されてもよい)。ここで、この熱交換プロセスをより詳細に説明する。
【0050】
コイル312は空気流304が遭遇する第1のコイルであり、したがって、コイル312は、空気流304をその最高温度、例えば150°Fで受け取るが、これは空気流304の流入空気温度EATを表す。コイル312を通過するのは、流体貯蔵部320及び/又は冷却器322から受け取る流体である。いくつかの実施形態では、コイル312に流入する流体の流入流体温度EFTは約120°Fである。比較的低温の流体がコイル312を通過すると、より高温の空気流304からの熱エネルギーが(例えば、伝導、対流、又はこれらの組合せを介して)流体に伝達され、これにより空気流304はより低温になり、流体はより温かくなる。いくつかの実施形態では、コイル314を出る流体の流出流体温度LFTは約140°Fである。いくつかの実施形態では、流体は流体貯蔵部320に排出されて戻されるが、これは流体のためのリザーバとして作用する。リザーバ内の流体は底部付近よりもリザーバの頂部付近で温かくなり得るので、温かい流体は流体貯蔵部320の頂部に入れられ得、一方、コイル312に向かったより冷たい流体は 貯蔵部320の底部から取り出され得る。コイル312における空気の冷却により、空気流304の排出空気温度LATは、150°Fの流入空気温度EATよりも低い。例えば、コイル312を出る空気流304の排出空気温度LATは、約140°Fであり得る。
【0051】
コイル313は、空気流304が遭遇する次のコイルである。すなわち、空気流304がコイル312を通過した後、空気流304はコイル313に到達する。コイル313における空気流304の流入空気温度EATは、コイル312における空気流304の排出空気温度LATと略同じ、例えば、約140°Fである。コイル313を通過するのは、熱交換器306から出る流体である。コイル313における流体の流入流体温度EFTは、空気流304の流入空気温度EATよりも低い。いくつかの実施形態では、流体の流入流体温度EFTは約90°Fであり得る。比較的低温の流体がコイル313を通過すると、より高温の空気流304からの熱エネルギーが流体に伝達され、これにより空気流304がより低温になり、流体はより温かくなる。いくつかの実施形態では、コイル313を出る流体の流出流体温度LFTは約110°Fである。いくつかの実施形態では、以下でより詳しく説明するように、流体は熱交換器306に排出されて戻されるが、これは別の流体ループの一部である。コイル313における空気の冷却により、空気流304の排出空気温度LATは、140°Fの流入空気温度EATよりも低い。例えば、コイル313を出る空気流304の排出空気温度LATは、約130°Fであり得る。
【0052】
コイル314は、空気流304が遭遇する次のコイルである。コイル314における空気流304の流入空気温度EATは、コイル313における空気流304の排出空気温度LATと略同じ、例えば、約130°Fである。コイル314を通過するのは、熱交換器308から出る流体である。コイル314における流体の流入流体温度EFTは、空気流304の流入空気温度EATよりも低い。いくつかの実施形態では、流体の流入流体温度EFTは約60°F-70°Fであり得る。比較的低温の流体がコイル314を通過すると、より高温の空気流304からの熱エネルギーが流体に伝達され、これにより空気流304がより低温になり、流体はより温かくなる。いくつかの実施形態では、コイル314を出る流体の流出流体温度LFTは約90°Fである。いくつかの実施形態では、以下でより詳しく説明するように、流体は熱交換器308に排出されて戻されるが、これは別の流体ループの一部である。コイル314における空気の冷却により、空気流304の排出空気温度LATは、130°Fの流入空気温度EATよりも低い。例えば、コイル314を出る空気流304の排出空気温度LATは約70°F-104°Fであり得るが、これはデータセンタ316への送達に適した温度範囲である。データセンタ316に入力されると、空気流304は、データセンタ316に直接的な冷却を提供できる。例えば、空気流304はデータセンタ316内の1以上の発熱構成要素(例えば、サーバ)の周囲を循環させることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、熱伝達システム200はまた、地域冷暖房システム202を含むが、これは、 地域家庭用水231、地域冷水232、地域熱供給水233、地域熱戻り水234を含む。いくつかの実施形態では、地域冷暖房システム202は、熱伝達システム300内のヒートシンク又は熱源として使用することができる。
【0054】
例えば、図3に示すように、熱交換器306の一方の側には、地域熱戻り水234と熱交換器306との間に流体ループが形成されている。熱交換器306の他方の側は、熱交換器306とコイル313との間の流体ループを含む。コイル313からの流体は地域熱戻り水234における温度よりも高い温度(例えば、約90°Fに対して約110°F)にあるので、熱交換器306は、コイル313から地域熱戻り水234に流体から熱エネルギーを伝達するように動作することができる。
【0055】
別の例として、熱交換器308の一方の側には、地域家庭用水231、熱交換器308、及び地域熱戻り水234の間の流体ループを含む。熱交換器306の他方の側は、熱交換器308とコイル314との間の流体ループを含む。一方の側では、熱交換器308は、家庭用水231から比較的低温の水(例えば、約60°F)を受け取ることができる。上述のように、熱交換器308はコイル314から比較的温かい流体(例えば、約90°F)を受ける。熱交換器308において熱エネルギーが交換された後、地域冷暖房システム202に戻される水は、家庭用水231よりも温かい。したがって、温かい水は、わずかに高い温度で、地域熱戻り水234又は家庭用水231ループに戻すことができる。
【0056】
熱交換器308と地域冷暖房システム202との間の流体ループに加えて、又はその代わりに、熱交換器308と地域地表水310との間の流体ループを使用することができる。地表水310(例えば、河川、湖沼、海洋、又は人工池であり得る)は、熱交換器308において使用されるべき比較的低温の水を提供し得る。
【0057】
上述のように、コイル312を通過する流体は、少なくとも部分的に冷却器322から受け取ることができる。冷却器322は、データセンタ316に関連付けられた1以上のエアハンドラ324に送達される冷却流体を生成するように動作する。エアハンドラ324は、冷却器322からの冷却流体を使用して、データセンタ316に直接空気冷却を提供するように、又は直接空気冷却に液体を提供するように動作する。冷却器322は、流体を冷却するための任意の好適な装置又はシステムを含む。いくつかの実施形態では、冷却器322は、吸収式冷却器、吸着式冷却器、又はこれらの組み合わせを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、システム300は、当該システム300の1以上の構成要素の動作を制御するために提供される少なくとも1つのコンピューティングデバイス330を含む。例えば、コンピューティングデバイス330は、コイル312-314のうちの1つにおける流入空気温度EAT、流入流体温度EFT、及び流量を決定し、所望の排出空気温度LAT又は流出流体温度LFTを決定し、所望の排出空気温度LAT又は流体流出温度LFTを達成するための1以上の流量の変化を計算し、及び/又は流量の変化をもたらすために1以上の弁、アクチュエータ、マニホールドなどを制御する。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス330が個人又は会社などの第三者によって運営されるサービスであってもよい。コンピューティングデバイス330は、システム300の残りの部分が位置する箇所とは別の箇所に収容し、動作させてもよい。すなわち、コンピューティングデバイス330は、具体的な箇所又は構成に拘束されない。図3では1つのコンピューティングデバイス330のみが示されているが、システム300は、実際には複数のコンピューティングデバイス330を含むことができ、それぞれがシステム300の異なる部分に制御を提供する。
【0059】
図2A及び図3は電源及び冷却システムで使用するための熱伝達システムのいくつかの例と、関連する詳細とを例示しているが、図2A及び図3には様々な変更を加えてもよい。例えば、図2A及び図3に記載される様々な温度は単なる例に過ぎず、他の実施形態は、異なる温度を含むことができる。また、コイル及び他の構成要素の数及び配置も、単なる例に過ぎない。熱伝達システム200、300内の様々な構成要素が、組み合わされ、さらに細分化され、複製され、再構成され、又は省略され得、追加の構成要素が特定の必要性に従って追加され得る。
【0060】
加えて、様々な熱源を単一の経路又は任意の段階の組合せで使用して、システム200、300の1以上の部分(例えば、熱交換器224、306、308のうちの1つ)で使用するために利用可能な総熱量を改善することができる。そのような熱源の例としては、液化プラントからの圧縮熱、空気圧縮からの圧縮熱、水素又は別の可燃性燃料の燃焼、内燃機関からの排気、内燃機関冷却システムからの排熱、周囲空気気化器、可燃性燃料容器からの排気などが挙げられる。
【0061】
いくつかの実施形態では、燃料電池からの廃熱を捕捉し、再利用することができる。例えば、そのような廃熱は、タービン203、303に入る空気に、タービン203、303の1以上の段における空気に、又はタービン203、303を出る排気空気に適用することができる。タービンの中間段階における空気を温めることは、早期の設備故障を防止し、設備効率を改善し、又はこれらの組合せを可能にする。炭素系燃料を燃焼させる代わりに、このような廃熱を使用することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、非炭素可燃性燃料熱源として液体又は気体の形態の水素を使用して、圧縮空気を、直接的に又は減圧中に熱交換器を通して、加熱することができる。そのようなプロセスは空気流のより高い効率の使用を生じさせ、より高い流入空気温度を生じさせることができ、熱衝撃によって引き起こされる内部構成要素の劣化、及び/又は損傷、又はこれらの組み合わせを低減する。また、タービンサイクル中に液化空気を直接的又は熱交換器を通して加熱するために、水素を使用して、ターボエキスパンダに流入する液化空気をタービン段の間でより効率的に使用することもできる。
【0063】
1以上の既存のディーゼル発電機を含むいくつかの実施形態では、発電機遠隔ラジエータを熱源として使用することができる。例えば、ラジエータは、液化空気エネルギーシステム内の液体-液体伝達における熱源として使用することができる。別の例として、ラジエータは、圧縮空気エネルギーシステム内の液体-空気伝達における熱源として使用することができる。発電機排気も同様に使用することができる。いくつかの実施形態では、排気積層炭素捕捉を使用して、二酸化炭素の生成を低減又は除去することができる。
【0064】
図4は、本発明の様々な実施形態による、ハイブリッド圧縮空気/液化空気電源及び冷却システム400の一例を例示している。説明を容易にするために、システム400は、図1の電源及び冷却システム100と併せて使用されるものとして説明される。もちろん、これは一例に過ぎない。システム400は、任意の他の適切なシステムと共に使用することができる。図4に示されるシステム400の実施形態は単に例示のためだけのものである。本開示の範囲から逸脱することなく、システム400の他の実施形態が使用可能である。
【0065】
図4に例示するように、システム400は、2つの原動機(又はタービン)402、404を含む。タービン402、404の各々は、図1の電源システム109を表す(又は表される)ことができる。タービン402は圧縮空気エネルギーシステムの一部であり、30°F未満の温度の比較的低温の排気を生成する。いくつかの実施形態では、タービン402の排気流は約-150°Fの温度である。低温排気流は、最初に高圧廃気ゲート410を含むダクト406を通って流れ、過剰な排気を排出する。ダクト406に関連するセンサは、ダクト406内の低温排気流の温度、圧力、及び流量をそれぞれ測定するための温度センサ414、圧力センサ416、及び流量センサ418を含む。
【0066】
タービン404は、液化空気エネルギーシステムの一部であり、30°Fを超える温度の比較的温かい排気を生成する。いくつかの実施形態では、タービン402の排気流は約150°Fの温度である。温かい排気流は、最初に高圧廃気ゲート412を含むダクト408を通って流れ、過剰な排気を排出する。ダクト408に関連するセンサは、ダクト408内の温かい排気流の温度、圧力、及び流量をそれぞれ測定するための温度センサ420、圧力センサ422、及び流量センサ424を含む。
【0067】
ダクト406、408の経路は単一のダクト425に収束し、それによって「Y」字状の配置を形成する。ダクト425では、ダクト406からの低温排気流とダクト408からの温かい排気流とが混合して、単一の排気流が形成される。ダクト406と425との間の境界、及びダクト408と425との間の境界におけるダンパは、各ダクト406、408からダクト425への空気流を制御するように動作させることができる。ダクト425内に配置された1以上の羽根板426及び阻流板428は空気流を攪乱し、さらに、低温排気流及び温かい排気流の混合を引き起こす。ダクト425に関連するセンサは、ダクト425内の混合された排気流の温度、圧力、及び流量をそれぞれ測定するための温度センサ430、圧力センサ432、及び流量センサ434を含む。測定された特性(すなわち温度、圧力、又は流量)のいずれかが所望の範囲内にない場合、ダンパは、温かい排気及び低温排気の比率を変更するように動作され得る。加えて、廃気ゲート436は、ダクト425から仕様外の排気を放出するように動作させることができる。所望の温度、圧力、及び流量範囲内にある排気は、導出口440を通って出力され、冷房のためにデータセンタ(例えば、図1の電気的負荷120)に送達され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、システム400は、当該システム400の1以上の構成要素の動作を制御するために提供される少なくとも1つのコンピューティングデバイス450を含む。例えば、コンピューティングデバイス450はセンサ414、416、418、420、422、424、430、432、434のうちの1以上から測定値を取得し、所望の温度及び/又は空気流量を決定し、1以上のダンパ、廃気ゲートなどの動作を制御して所望の変化をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス450が個人又は会社などの第三者によって運営されるサービスであってもよい。コンピューティングデバイス450は、システム400の残りの部分が位置する箇所とは別の箇所に収容し、動作させてもよい。すなわち、コンピューティングデバイス450は、具体的な箇所又は構成に拘束されない。図4では1つのコンピューティングデバイス450のみが示されているが、システム400は、実際には複数のコンピューティングデバイス450を含むことができ、それぞれがシステム400の異なる部分に制御を提供する。
【0069】
いくつかの実施形態では、(例えば、図2Aのヒータ206と同様の)太陽熱流体ヒータを、タービン404において1以上の液体-液体熱交換器に接続して、タービン404の段の間、及び/又は段と段の間に入ってくる液体を加熱し、原動機効率を改善することができる。
【0070】
図5は、本開示の様々な実施形態による、タービン排気を使用して発電するための一例示的システム500を例示している。システム500は、図1図4に説明されるシステムのうちの1以上と併せて使用されるものとして説明される。もちろん、これは一例に過ぎない。システム500は、任意の他の適切なシステムと共に使用することができる。図5に示されるシステム500の実施形態は単に例示のためだけのものである。本開示の範囲から逸脱することなく、システム500の他の実施形態が使用可能である。
【0071】
図5に示すように、システム500はタービン502を含む。タービン502は、図1の電源システム109を表す(又は表される)ことができる。いくつかの実施形態では、タービン502は、図4のタービン402と同様の圧縮空気エネルギーシステムの一部である。他の実施形態では、タービン502は、図4のタービン404と同様の液化空気エネルギーシステムの一部である。動作中、タービン502は、ダクト504を通って流れる排気流506を生成する。システムのタイプに応じて、排気流506は、50マイル/時(MPH)を超える速度、及び20ポンド/平方インチ絶対圧(psia)を超える圧力を有することができる。もちろん、これらの値は単なる例に過ぎず、他の値は、より高くてもより低くてもよく、本開示の範囲内である。
【0072】
ダクト504の内部、及び排気流506の経路内には、1以上のピンホイール発電機508、及び1以上のタービン発電機510を含む、複数の発電装置がある。排気流506が発電機508、510の各々によって流れると、発電機508、510が回転し、それによって少量の電力が発生する。そのような電力は、アクチュエータ、弁、センサなどのような、ほとんど電力を必要としない制御デバイスを動作させるために使用され得る。追加の利点として、発電機508、510は、排気流506の速度及び圧力を低下させることができる障害物として作用する。これは、コイル(例えば、図2A及び図3のコイル212-214、312-314)、又は1以上の下流ダクト(例えば、図4のダクト406、408、425)を通過する流れなど、圧力及び空気流を所望の範囲内に変化させるために有用であり得る。加えて、又は代替として、ダクト504は、排気流506の移動によって移動、振動、又は回転する1以上の車輪、羽根板、ブレードなどを含むことができる。そのような車輪、羽根板、ブレードなどは、次いで、1以上のシャフト、ギア、ポンプ、又は移動可能な他のデバイスを作動又は動作させることができる。例えば、ダクト504内の回転羽根板は、図2A及び図3に記載される流体のうちの1以上を移動させる液圧ポンプを動作させることができる。
【0073】
図6は、本開示の様々な実施形態による、電源及び冷却システムにおけるコンピューティングデバイス600の一例を例示している。コンピューティングデバイス600は、図1図4で上述したコンピューティングデバイス104、230、330、450のいずれかを表すことができる。コンピューティングデバイス600は、以下で説明する方法における動作を含む、本明細書で説明する動作のいずれかを制御するように構成され得る。
【0074】
図6に示すように、コンピューティングデバイス600は、バスシステム605を含むが、これはプロセッサ610、記憶デバイス615、通信インタフェース(又は回路)620、及び入力/出力(I/O)ユニット625の間の通信をサポートする。プロセッサ610は、メモリ630に読み込まれ得る命令を実行する。プロセッサ610は、任意の適切な数及びタイプのプロセッサ、又は任意の適切な構成の他のデバイスを含んでもよい。プロセッサ610の例示的なタイプは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、及び個別回路を含む。
【0075】
メモリ630及び永続的記憶装置635は、記憶デバイス615の例であるが、それらは情報(データ、プログラムコード、及び/又は一時的又は永続的な他の適切な情報など)を記憶し、検索を容易にすることができる任意の構造を表している。メモリ630は、ランダムアクセスメモリ、又は任意の他の適切な揮発性、若しくは不揮発性記憶装置(複数可)を表し得る。永続的記憶装置635は、読み取り専用メモリ、ハードドライブ、フラッシュメモリ、又は光ディスクなどの、データの長期記憶をサポートする1以上の構成要素又はデバイスを含み得る。例えば、永続的記憶装置635は、データ、標準データ、結果、データ、クライアントアプリケーションなどの1以上のデータベースを記憶することができる。
【0076】
通信インタフェース620は、他のシステム又はデバイスとの通信をサポートする。例えば、通信インタフェース620は、システム200又はシステム100を介した通信を容易にするネットワークインタフェースカード又は無線トランシーバを含むことができる。通信インタフェース620は、(1以上の)任意の適切な物理又はワイヤレス通信リンクを介した通信をサポートし得る。I/Oユニット625は、データの入出力を行う。例えば、I/Oユニット625は、キーボード、マウス、キーパッド、タッチスクリーン、又は他の適切な入力デバイスを介してユーザ入力のための接続を提供することができる。I/Oユニット625はまた、出力をディスプレイ、プリンタ、又は他の適切な出力デバイスに送出することができる。
【0077】
図6はコンピューティングデバイス600の一例を示すが、図6には様々な変更を加えることができる。例えば、図6の様々な構成要素は、組み合わされ、さらに細分され、又は省略され得、追加の構成要素が特定の必要に従って追加され得る。特定の例として、1つのシステムとして示されてはいるが、コンピューティングデバイス600は遠隔に配置され得る複数のコンピューティングシステムを含んでもよい。別の例では、コンピューティングデバイス600が電話、タブレット、又はラップトップなどのパーソナル電子デバイスであってもよく、又は制御、管理、情報、及び/又はコンピューティングデバイス600及び/又は本明細書で開示されるシステムの任意の態様へのアクセスのために、例えば、ソフトウェアアプリケーション、又はパーソナル電子デバイスへの他の通信インタフェースを介して、ユーザインタフェースを提供又は更新してもよい。
【0078】
図7は、本開示の様々な実施形態による、電源及び冷却システムにおける熱伝達動作を実行するための例示的方法700を例示している。説明を容易にするために、方法700は、図1及び図2のシステム100、200を使用して実行されるものとして説明される。しかしながら、方法700は、任意の他の適切なデバイス又はシステムとともに使用してもよい。図7に示された実施形態は、単に例示のためだけのものである。本開示の範囲から逸脱することなく、方法700の他の実施形態が使用可能である。
【0079】
図7を参照すると、動作701において、タービンは、低温で空気流を排出する。これは、例えば、タービン203が空気流204を排出することを含むことができる。
【0080】
動作703において、空気流は第1のコイルを通過するか又は通り、第1のコイルを通過する比較的高温の流体により、第1のコイルから熱エネルギーを受け取る。いくつかの実施形態では、流体は、データセンタに関連付けられたCCCコイルを含む流体ループ内を移動する。これは、例えば、流体がCCCコイル222を含むループ内で移動する、コイル212を通過する又は通る空気流204を含むことができる。
【0081】
動作705では、空気流は第2のコイルを通過するか又は通り、第2のコイルを通過する比較的高温の流体により、第2のコイルから熱エネルギーを受け取る。いくつかの実施形態では、流体は、データセンタに関連付けられた1以上のエアハンドラを含む冷却流体ループ内を移動する。これは例えば、空気流204がコイル213を通過又は通ることを含むことができ、これを通って、流体はエアハンドラ220を含む冷却流体ループ内を移動する。
【0082】
動作707において、空気流は第3のコイルを通過又は通り、第3のコイルを通過する比較的高温の流体により、第3のコイルから熱エネルギーを受け取る。いくつかの実施形態では、この流体は、太陽熱ヒータなどの1以上のヒータを含む流体ループ内で加熱される。これは例えば、空気流204がコイル214を通過又は通ることを含むことができ、これを通って、加熱流体はヒータ206を含む加熱流体ループ内を移動する。
【0083】
動作709において、空気流はデータセンタに提供され、空気流はデータセンタに直接的な冷却を提供することができる。これは、例えば、直接的な冷却のためにデータセンタ216に供給される空気流204を含むことができる。
【0084】
図8は、本開示の様々な実施形態による、電源及び冷却システムにおける熱伝達動作を実行するための他の例示的方法800を例示している。説明を容易にするために、方法800は、図1及び図3のシステム100、300を使用して実行されるものとして説明される。しかしながら、方法800は、任意の他の適切なデバイス又はシステムとともに使用してもよい。図8に示された実施形態は、単に例示のためだけのものである。本開示の範囲から逸脱することなく、方法800の他の実施形態が使用可能である。
【0085】
図8を参照すると、動作801において、タービンは、比較的高温で空気流を排出する。これは、例えば、タービン303が空気流304を排出することを含むことができる。
【0086】
動作803において、空気流は第1のコイルを通過するか又は通り、第1のコイルを通過する比較的低温の流体により、熱エネルギーを第1のコイルに伝達する。いくつかの実施形態では、流体は、冷却器に結合された流体ループ内を移動するが、冷却器は、データセンタに関連付けられた1以上のエアハンドラに送達される冷却流体を生成するように動作する。これは、例えば、流体が冷却器322に結合されたループ内で移動する、コイル312を通過する又は通る空気流304を含むことができる。冷却装置322は、エアハンドラ324に供給される冷却流体を生成するように動作する。
【0087】
動作805では、空気流は第2のコイルを通過するか又は通り、第2のコイルを通過する比較的低温の流体により、熱エネルギーを第2のコイルに伝達する。いくつかの実施形態では、流体が熱交換器を含む流体ループ内を移動するが、熱交換器の他方の側は、地域冷暖房システムに流体結合される。これは例えば、空気流304がコイル313を通過又は通ることを含むことができ、これを通って、流体は熱交換器306を含む流体ループ内を移動する。
【0088】
動作807において、空気流は第3のコイルを通過又は通り、第3のコイルを通過する比較的低温の流体により、熱エネルギーを第3のコイルに伝達する。いくつかの実施形態では、流体が熱交換器を含む流体ループ内を移動するが、熱交換器の他方の側は、地域冷暖房システム、及び/又は地表水源に流体結合される。これは例えば、空気流304がコイル314を通過又は通ることを含むことができ、これを通って、流体は熱交換器308を含む流体ループ内を移動する。
【0089】
動作809において、空気流はデータセンタに提供され、空気流はデータセンタに直接的な冷却を提供することができる。これは、例えば、直接的な冷却のためにデータセンタ316に供給される空気流304を含むことができる。
【0090】
図7及び図8に関連して上記で説明した方法は、本開示の原理に従って実施され得る例示的な動作を示すものである。様々な変更が、本明細書に例示される方法に対してなされ得る。例えば、一連のステップとして示されているが、各図における様々なステップは重複するか、並行して生じるか、異なる順序で生じるか、又は複数回生じるようにできる。別の例では、それらステップは、省略されてもよく、又は他のステップによって置き換えられてもよい。
【0091】
図9は、本開示の様々な実施形態による、原動機排気を調整するための空気導入を使用する一例示的システム900を例示している。空気-流体伝達を介した原動機の空気流を加熱又は冷却するため共通の流体を使用することなく、データセンタを冷却するための正しい給気温度を達成するために、ベンチュリ効果を介した空気導入を用いることが採用され得る。以下に説明するように、利用可能なデータセンタの戻り空気と周囲外気との計算された比率での混合は、システム900からデータセンタへの所定の排出空気温度LATを生成することができる。
【0092】
説明を容易にするために、システム900は、図1の電源及び冷却システム100と併せて使用されるものとして説明される。もちろん、これは一例に過ぎない。システム900は、任意の他の適切なシステムと共に使用することができる。図9に示されるシステム900の実施形態は単に例示のためだけのものである。本開示の範囲から逸脱することなく、システム900の他の実施形態が使用可能である。
【0093】
図9に例示するように、システム900は、原動機(又はタービン)902を含む。タービン902は、図1の電源システム109を表す(又は表される)ことができる。実施形態に応じて、タービン902は、圧縮空気エネルギーシステム、又は液化空気エネルギーシステムの一部とすることができる。タービン902が圧縮空気エネルギーシステムの一部である場合、タービン902は、30°F未満の温度の比較的低温の排気を生成する。いくつかの実施形態では、タービン902の排気流は約-150°Fの温度である。タービン902が液化空気エネルギーシステムの一部である場合、タービン902は、30°Fを超える温度の比較的温かい排気を生成する。いくつかの実施形態では、タービン902の排気流は約150°Fの温度である。
【0094】
排気流は、最初に高圧廃気ゲート906を含む第1のダクト904を通って流れ、過剰な排気を排出する。いくつかの実施形態では、廃気ゲート906は重力によって開位置に付勢されており、必要時に電力を与えて閉じることができる。次いで、排気流は第2のダクト908に入るが、ここで、排気は、以下で説明するように、他の空気と混合される。第2のダクト908の入口付近に配置された1以上の羽根板又は阻流板910は、気流を抑制し、流体圧の低下及び流体速度の上昇(すなわちベンチュリ効果)を引き起こす。第2のダクト908の入口付近に配置されたセンサは、第2のダクト908に流入する排気流の温度、圧力、及び流量をそれぞれ測定するための温度センサ912、圧力センサ914、及び流量センサ916を含む。
【0095】
追加の空気が、誘導された流れを通して第2のダクト908に導入される。すなわち、タービン902からの排気流は高圧かつ高速であるので、追加の空気を第2のダクト908内に引き込む(又は誘導する)ことができる。追加の空気源は、データセンタの戻り空気918、及び周囲外気920を含む。いくつかの実施形態では、各空気源918、920が第2のダクト908に入る前に、対応するダクト922、924を通って流れる。各ダクト922、924内のダンパ926、928は、各ダクト922、924から第2のダクト908への空気流を制御するように動作させることができる。各ダクト922、924を通る空気流に配置されたセンサは、ダクト922、924内の気流の温度、圧力、及び流量をそれぞれ測定するための温度センサ930、936、圧力センサ932、938、及び流量センサ934、940を含む。
【0096】
第2のダクト908では、第1のダクト904、データセンタの戻り空気918、及び周囲外気920からの排気流が混合して、単一の空気流が形成される。タービン902が圧縮空気エネルギーシステムの一部である場合、比較的温かいデータセンタの戻り空気918及び周囲外気920との混合により、低温の排気流の温度が上昇する。逆に、タービン902が液化空気エネルギーシステムの一部である場合、比較的低温のデータセンタの戻り空気918及び周囲外気920との混合により、温かい排気流の温度が低下する。第2のダクト内に配置された1以上の羽根板又は阻流板948は空気流を抑制又は妨害し、排気流とデータセンタの戻り空気918及び周囲外気920との混合をさらに引き起こす。
【0097】
第2のダクト908に関連するセンサは、第2のダクト908内の混合された空気流の温度、圧力、及び流量をそれぞれ測定するための温度センサ942、圧力センサ944、及び流量センサ946を含む。測定された特性(すなわち、温度、圧力、又は流量)のいずれかが所望の範囲内にない場合、ダンパは、空気流の比率を変更するように(例えば、センサ制御式ダンパとして)動作することができる。加えて、廃気ゲート950は、第2のダクト908から仕様外の排気空気を放出するように動作させることができる。いくつかの実施形態では、廃気ゲート950は重力によって開位置に付勢されており、必要時に電力を与えて閉じることができる。所望の温度、圧力、及び流量範囲内にある排気は、導出口952を通って送出され、冷房のためにデータセンタ(例えば、図1の電気的負荷120)に送達され得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、システム900は、当該システム900の1以上の構成要素の動作を制御するために提供される少なくとも1つのコンピューティングデバイス960を含む。例えば、コンピューティングデバイス960はセンサ912-916、930-946のうちの1以上から測定値を取得し、所望の温度及び/又は空気流量を決定し、1以上のダンパ、廃気ゲートなどの動作を制御して所望の変化をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス960が個人又は会社などの第三者によって運営されるサービスであってもよい。コンピューティングデバイス960は、システム900の残りの部分が位置する箇所とは別の箇所に収容し、動作させてもよい。すなわち、コンピューティングデバイス960は、具体的な箇所又は構成に拘束されない。図9では1つのコンピューティングデバイス960のみが示されているが、システム900は、実際には複数のコンピューティングデバイス960を含むことができ、それぞれがシステム900の異なる部分に制御を提供する。
【0099】
システム900は、空気導入を使用する従来の機械システムと比較して有利な利点をもたらす。そのような従来のシステムは、典型的には別の空気源を空気流に誘導するために必要とされる高圧、高容量の空気流を生成するために、高出力ファンを使用している。対照的に、本システム900は、いかなる高出力ファンも必要としない。エネルギー使用は主に、制御システム(例えば、コンピューティングデバイス960)、及びダンパを作動させる電力に限定される。
【0100】
本明細書の様々な図面及び部分は、例示的な温度又は温度範囲を列挙したものであることに留意されたい。これらは、例示としてのみ提供され、任意の適切な代替の温度又は温度範囲が本開示の実施形態において使用され得る。
【0101】
本特許文書全体を通して使用される特定の語句の定義を記載することは有利であり得る。用語「結合する(couple)」及びその派生語は、それらの要素が互いに物理的に接触しているかどうかにかかわらず、2つ以上の要素間の任意の直接的又は間接的な伝達(communication)を指す。用語「送信(transmit)」、「受け取る(receive)」、及び「通信(communicate)」、ならびにそれらの派生語は、直接的な伝達と間接的な伝達の両方を包含する。用語「含む(include)」及び「備える(comprise)」、ならびにそれらの派生語は、限定されない包含を意味する。「又は(or)」という用語は包括的であり、及び/又はという意味である。「関連する(associated with)」という語句、ならびにその派生語句は、含む、内部に含まれている、相互接続する、含有する、内部に含有されている、接続する又は接続される、結合する又は結合される、通信可能である、協働する、交互配置する、並置する、近接される、拘束される、有する、性質を有する、関係性があるなどの意味を含んでいる。用語「など(such as)」は、用語とともに使用される場合、その前に列挙された用語が、後に列挙される用語の例示であり、限定ではないことを意味する。用語「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」は、項目を列挙して使用されるとき、列挙された項目のうちの1以上の様々な組合せが使用され得、列挙中の項目の1つのみが必要とされ得ることを意味する。例えば、「A、B、Cのうちの少なくとも1つ」は、以下の組み合わせのうちのいずれかを含む:A、B、C、AとB、AとC、BとC、ならびにAとBとCのうちのいずれかである。
【0102】
さらに、本明細書で説明される様々な機能は、1以上のコンピュータプログラムによって実施、又はサポートされ得、その各々はコンピュータ可読プログラムコードから形成され、コンピュータ可読媒体中に具体化される。「アプリケーション(application)」及び「プログラム(program)」という用語は、1以上のコンピュータプログラム、ソフトウェア構成要素、命令のセット、プロシージャ、関数、オブジェクト、クラス、インスタンス、関連データ、又は適切なコンピュータ可読プログラムコードにおける実施のために適合されたその一部分を指すものである。語句「コンピュータ可読プログラムコード」は、ソースコード、オブジェクトコード、及び実行可能コードを含む、任意のタイプのコンピュータコードを含んでいる。「コンピュータ可読媒体」という語句は、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、又は任意の他のタイプのメモリなど、コンピュータによってアクセスされることが可能な任意のタイプの媒体を含む。「非一時的である」コンピュータ可読媒体は、一時的な電気信号又は他の信号を伝送する有線、無線、光、又は他の通信リンクを除外するものである。非一時的なコンピュータ可読媒体は、データが永続的に記憶され得る媒体と、データが記憶され、後で上書きされ得る媒体、例えば、書き換え可能な光ディスク又は消去可能なメモリデバイスとを含む。
【0103】
他の特定の語句の定義は、本特許文書全体を通して提供される。当業者は、大部分ではないが多くの場合、そのような定義は、そのように定義された単語及び語句の以前のしようだけでなく、将来の使用に適用されることを理解すべきである。本開示は例示的な実施形態を用いて説明されたが、様々な変更及び修正が当業者に示唆され得る。本開示は、添付の特許請求の範囲内に入るような変更及び修正を包含することが意図される。本出願における説明のいずれも、任意の特定の要素、ステップ、又は機能が、特許請求の範囲に含まれなければならない必須の要素であることを暗示するものと見なされるべきではない。特許対象の主題の範囲は、特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】