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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】インプラント展開用バルーン組成物
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20240426BHJP
   A61F 2/958 20130101ALI20240426BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20240426BHJP
   A61L 29/06 20060101ALI20240426BHJP
   A61L 29/14 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
A61F2/24
A61F2/958
A61M25/10
A61L29/06
A61L29/14 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568085
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022026874
(87)【国際公開番号】W WO2022235495
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】63/184,353
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・スー・リー
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・チョウ
(72)【発明者】
【氏名】ティファニー・ディエムトリン・トラン
(72)【発明者】
【氏名】フー・ヴィン・レ
(72)【発明者】
【氏名】リン・ボロウスキ・シュエッド
【テーマコード(参考)】
4C081
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C081AC08
4C081AC10
4C081BB07
4C081CA161
4C081CA162
4C081CA231
4C081CA232
4C081CB011
4C081CB012
4C081CC01
4C081DA03
4C081DC04
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC01
4C097CC02
4C097CC15
4C097CC20
4C097EE07
4C097EE08
4C097FF01
4C097MM08
4C097MM09
4C267AA07
4C267AA55
4C267BB28
4C267CC08
4C267CC19
4C267DD01
4C267DD10
4C267GG07
4C267GG08
4C267GG36
(57)【要約】
患者の体内でインプラントを展開するために使用され得るバルーン組成物。実施例におけるバルーンは、インプラントを拡張するために利用されてもよく、インプラントの送達カテーテルに連結されてもよい。実施例では、バルーンは、患者の体内の他の表面を拡張するために利用されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内の一部分内に挿入するための装置であって、
内表面及び第一の層を含む壁と、前記第一の層に隣接して位置付けられ、かつ前記第一の層に熱結合可能ではない第二の層とを有するバルーンを備え、前記バルーンが前記壁の前記内表面に印加される圧力を通して拡張可能である、装置。
【請求項2】
前記第一の層がポリアミド又はコポリアミドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第二の層がポリエステルを含む、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第二の層が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又は熱可塑性エラストマーコポリエステル、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第一の層が、前記第二の層の半径方向内向きに位置付けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第二の層の半径方向外向きに位置付けられ、前記第一の層と熱結合可能な材料で作製された第三の層をさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第二の層又は前記第三の層が前記壁の外表面を形成する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第二の層が、前記第一の層よりも低いコンプライアンスを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第二の層が、前記壁の厚さの25パーセント~50パーセントを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記壁が、前記バルーンの直径によって正規化された時に、4気圧~8気圧の間で1気圧当たり10パーセントの成長~1気圧当たり16パーセントの成長の外径コンプライアンスを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記壁が、4気圧~8気圧の間で0.30ミリメートル/気圧~0.42ミリメートル/気圧の外径コンプライアンスを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記バルーンの破裂圧力が少なくとも約7.5気圧である、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記壁が、少なくとも24,000ポンド/平方インチのフープ強度を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記壁の外表面が先細りした外形を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記バルーンが、軸方向寸法及び半径方向寸法を有し、前記壁が、前記半径方向寸法よりも前記軸方向寸法において弱い引裂強度を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
患者の体内の一部分内にインプラントを埋め込むための圧着装置であって、
その内部に位置付けられる前記インプラントのためのチャネルを囲む内表面を有する圧縮体であって、前記内表面が先細りした外形を有し、かつ収縮されて前記インプラントを圧着するために前記チャネル内の前記インプラントに圧縮力を加えるように構成される、圧縮体と、
前記内表面を収縮させるためのアクチュエータと、を備える、圧着装置。
【請求項17】
前記チャネルが、その中にバルーンを受容するように構成され、前記内表面が、前記インプラントを前記バルーンに圧着するように構成された、請求項16の圧着装置。
【請求項18】
前記先細りした外形が一つ以上の線形表面を含む、請求項16又は請求項17に記載の圧着装置。
【請求項19】
患者の体内の一部分内に挿入するための装置であって、
半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを含む壁を有し、かつ内表面を有するバルーンを備え、前記バルーンが前記壁の前記内表面に印加される圧力を通して拡張可能である、装置。
【請求項20】
前記半結晶性ポリマーが半結晶性ポリアミドを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記半結晶性ポリマーが半結晶性ナイロン12を含む、請求項19又は請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記非晶質ポリマーが非晶質ポリアミドを含む、請求項19~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記非晶質ポリマーが透明な非晶質ナイロンを含む、請求項19~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記非晶質ポリマーが、芳香族単位又は脂環式単位を有する透明な非晶質ナイロンを含む、請求項19~23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記半結晶性ポリマーが、前記ブレンドの総重量の少なくとも50重量パーセントを含む、請求項19~24のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年5月5日に出願された米国仮特許出願第63/184,353号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
様々な疾患が、個人の身体に影響を及ぼす場合がある。このような疾患は、個人の心臓に関するものであり得、大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、及び肺動脈弁を含む、個人の心臓弁の疾患を含み得る。例えば、狭窄は、心臓弁の動作及び個人の全体的な健康に影響を与える可能性のある、一般的で重篤な弁疾患である。
【0003】
患者の心臓の一部を置換又は修復し得るインプラントが提供されてもよい。人工心臓弁などの人工インプラントは、患者の心臓の一部を置換するために提供され得る。人工の大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、さらには肺動脈弁も提供され得る。
【0004】
インプラントは、患者の身体の所望の部分に経皮的に、低侵襲的な様式で展開され得る。こうした展開は、経カテーテルで発生してもよく、ここでカテーテルは個人の血管系を通して展開され得る。
【0005】
こうしたインプラントの展開中、インプラントは拡張されて、拡張された構成をそのようなインプラントのために提供する必要がある。インプラントの過剰拡張又は拡張不足を回避し、そのようなインプラントを適切に展開するために、インプラントを適切に拡張するように注意しなければならない。そのようなインプラントを展開するために利用されるバルーンの破裂を避けるためにも、注意しなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本装置、システム、及び方法は、患者の体内にインプラントを展開するためのバルーン組成物に関連してもよい。実施例におけるバルーンは、インプラントを拡張するために利用されてもよく、インプラントの送達カテーテルに連結されてもよい。実施例では、バルーンは、患者の体内の他の表面を拡張するために利用されてもよい。
【0007】
バルーンは、展開中のインプラントの望ましくない移動の可能性の低減を含む、インプラントの改善された展開を提供し得る。バルーンは、半径方向寸法とは対照的な長手方向寸法の断裂の可能性の増加、及びバルーンの膨張圧力の低減を含む、さらなる利益を有し得る。実施例では、バルーンは、インプラントの展開処置の容易さを高めるために、改善されたコンプライアンス特性を有し得る。
【0008】
本明細書の実施例は、患者の体内の一部分内に挿入するための装置を含んでもよい。装置は、内表面及び第一の層を含む壁と、第一の層に隣接して位置付けられ、かつ第一の層に熱結合可能ではない第二の層とを有するバルーンを備えてもよく、バルーンは壁の内表面に印加される圧力を通して拡張可能である。
【0009】
本明細書の実施例は、インプラントを患者の体内の一部分内に展開するためのシステムを含んでもよい。システムは、細長いシャフトを含む送達カテーテルを備えてもよい。システムは、細長いシャフトに結合され、インプラントがその上に位置付けられるように構成され得、内表面及び第一の層を含む壁と、第一の層に隣接して位置付けられ、かつ第一の層に熱結合可能ではない第二の層とを有するバルーンを備えてもよく、バルーンは壁の内表面に印加される圧力を通して拡張可能である。
【0010】
本明細書の実施例は、インプラントを患者の体内の一部分内に送達する方法を含んでもよい。方法は、バルーンを患者の体内に挿入することを含んでもよく、バルーンは、内表面及び第一の層を含む壁と、第一の層に隣接して位置付けられ、かつ第一の層に熱結合可能ではない第二の層とを有するバルーンを備えてもよい。方法は、壁の内表面に印加される圧力を通してバルーンを拡張して、患者の体内の一部分でインプラントを拡張することを含んでもよい。
【0011】
本明細書の実施例は、患者の体内の一部分内にインプラントを埋め込むための圧着装置を含んでもよい。圧着装置は、その内部に位置付けられるインプラントのためのチャネルを囲む内表面を有する圧縮体を備えてもよく、内表面は先細りした外形を有し、かつ収縮されてインプラントを圧着するためにチャネル内のインプラントに圧縮力を加えるように構成される。圧着装置は、内表面を収縮させるためのアクチュエータを備えてもよい。
【0012】
本明細書の実施例は、患者の体内の一部分内にインプラントを埋め込むために圧着する方法を含んでもよい。方法は、圧縮体のチャネル内にインプラントを挿入することを含んでもよく、圧縮体は、チャネルを囲む先細りした外形を有する内表面を有する。方法は、内表面を収縮させ、チャネル内のインプラントに圧縮力を印加して、インプラントを圧着することを含んでもよい。
【0013】
本明細書の実施例は、患者の体内の一部分内に挿入するための装置を含んでもよい。装置は、半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを含む壁を有し、かつ内表面を有するバルーンを備えてもよく、バルーンは壁の内表面に印加される圧力を通して拡張可能である。
【0014】
本明細書の実施例は、インプラントを患者の体内の一部分内に展開するためのシステムを含んでもよい。システムは、細長いシャフトを含む送達カテーテルを備えてもよい。システムは、細長いシャフトに結合され、インプラントがその上に位置付けられるよう構成され、半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを含む壁を有し、かつ内表面を有するバルーンを備えてもよく、バルーンは壁の内表面に印加される圧力を通して拡張可能である。
【0015】
本明細書の実施例は、インプラントを患者の体内の一部分内に送達する方法を含んでもよい。方法は、バルーンを患者の体内に挿入することを含んでもよく、バルーンは、半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを含む壁を有し、内表面を有する。方法は、壁の内表面に印加される圧力を通してバルーンを拡張して、患者の体内の一部分でインプラントを拡張することを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
これら及び他の特徴、態様、及び利点は、下記に図面を参照しながら説明されるが、本開示を例示するものであって、限定するものではない。図面では、同様の参照文字は、同様の実施例全体を通して一貫して対応する特徴を示す。
【0017】
図1図1は、本開示の実施例による先細バルーンの斜視図を示す。
図2図2は、図1に示す先細バルーンの断面図を示す。
図3図3は、本開示の実施例による送達カテーテルの側面図を示す。
図4図4は、図3に示す送達カテーテルの遠位端の拡大図を示す。
図5図5は、本開示の実施例によるインプラントの圧着した外径の図を示す。
図6図6は、本開示の実施例による圧着機の後面斜視図を例示する。
図7図7は、図6に示す圧着機の正面斜視図を例示する。
図8図8は、本開示の実施例による圧着装置の内面の断面概略図を例示する。
図9図9は、本開示の実施例によるバルーンに圧着された弁の形態でのインプラントを示す。
図10図10は、部分的に拡張された、図9に示すバルーンを示す。
図11図11は、本開示の実施例による埋め込み部位に近づきつつあるインプラントの概略図を示す。
図12図12は、本開示の実施例による埋め込み部位に展開された、図11に示すインプラントの概略図を示す。
図13】本開示の実施例によるバルーンの断面図を示す。
図14図14は、バルーンのコンプライアンスの表を示す。
図15図15は、バルーンの引裂強度の表を示す。
図16図16は、バルーンの最大膨張圧力の表を示す。
図17図17は、本開示の実施例によるインプラントの斜視図を例示する。
図18図18は、本開示の実施例による、図17に示すインプラントの上面図を例示する。
図19図19は、本開示の実施例による、図17に示すインプラントの上面図を例示する。
図20図20は、先細バルーンの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明は、本開示の一部の例示的実施例を詳細に説明する。当業者であれば、その範囲に包含される本開示の多数の変形及び修正があることを認識するであろう。したがって、特定の例示的実施例の説明は、本開示の範囲を限定するとはみなされるべきではない。
【0019】
図1は、本開示の実施例によるバルーン10の斜視図を示す。バルーン10は、壁14を有してもよく、壁14の内表面に印加される圧力を通して拡張可能であってもよい。バルーン10は、患者の体内の一部分内に挿入されるように構成されてもよい。
【0020】
バルーン10は、実施例では、第一の端部分16及び第二の端部分18、並びに第一の端部分16と第二の端部分18との間の長さを含み得る。中央部分20は、第一の端部分16と第二の端部分18との間に位置付けられてもよい。
【0021】
第一の端部分16は、本明細書の実施例による送達カテーテルの細長いシャフト22を備え得るシャフト22に結合してもよい。第一の端部分16は、中央部分20に向かって遠位方向に外向きに先細りしてもよい。
【0022】
第二の端部分18は、中央部分20の遠位端に位置付けられてもよく、バルーン10の端部に対して遠位方向に内向きに先細りしてもよい。ノーズコーン24(図2には示すが、図1には示していない)は、実施例においてバルーン10の端部に位置付けられてもよいが、ノーズコーンは特定の実施例では利用されなくてもよい。
【0023】
中央部分20は、第一の端部分16と第二の端部分18との間に位置付けられてもよく、中央部分20上に位置付けられたインプラントに半径方向外向きの力を加えるか、又はバルーン10による拡張のために別の表面に半径方向外向きの力を加えるように構成されてもよい。
【0024】
バルーン10は、長手方向軸26(図2に示す)に沿って延びる細長い形状を有してもよく、軸26の周りで対称であってもよい。バルーン10は、長手方向軸26から半径方向外向きに位置付けられてもよく、それ故に長手方向軸26から半径方向寸法28(図2に示す)分だけ外向きに延在する。
【0025】
バルーン10は、先細りした外形を有してもよい。具体的には、図1及び2に示すように、インプラント又は他の表面に力を加えるための中央部分20は、先細りした外形を有してもよい。先細りの方向は、バルーン10の所望の実施に応じて変化してもよい。例えば、図2に示すように、中央部分20は、遠位方向に内向きに先細りしてもよい。しかしながら、実施例では、中央部分20は、遠位方向に外向きに先細りしてもよい。実施例では、中央部分20及びバルーン10は、先細りがなくてもよく、また所望に応じて、円筒形状又は別の形状を有してもよい。先細りは、図2に示すように、中央部分20の遠位端での直径35よりも近位端でより大きな直径33を有する中央部分20をもたらしてもよい。中央部分20は、図2に示すように、長手方向軸26に沿った長さ37を有してもよい。
【0026】
図2は、図1に示すバルーン10の断面図を示す。バルーンの壁14は、内表面32の反対側に面する外表面30を含むように断面で示される。外表面30は、拡張のためにインプラント又は別の構造の表面に接触するバルーン10の一部分を備えてもよい。しかしながら、実施例では、コーティング又は他の構造は、所望に応じて、壁14の外表面30上に位置付けられ、バルーン10の外表面を形成してもよい。中央部分20の外表面30は、先細りした外形を有してもよい。
【0027】
内表面32は、壁14が囲む内部チャンバー34又は流体チャンバーに面してもよい。内表面32は、バルーン10を拡張するためにそれに印加される圧力を有してもよい。内部チャンバー34は、バルーン10を拡張するための流体を受容するように構成されてもよい。内部チャンバー34は、例えば、内表面32に圧力を加え、バルーン10を拡張するために、液体などの流体で充填されてもよい。内部チャンバー34は、所望の時点で内部チャンバー34を充填する流体を受容するように構成されてもよく、またバルーン10を収縮させるために所望の時点で流体が内部チャンバー34から引き出されるように構成されてもよい。
【0028】
流体ルーメン36は、例えば、流体を内部チャンバー34に供給し、内部チャンバー34から流体を引き出すように構成されてもよい。流体ルーメン36は、図2に示すように、長手方向軸26に沿ってバルーン10内で中央に延在してもよく、又は所望に応じて、別の構成を有してもよい。流体ルーメン36の近位端は、例えば、図3に示す送達カテーテルの流体ポート40に、又は所望に応じて、別の位置に延在してもよい。
【0029】
流体ルーメン36は、流体ルーメン36から内部チャンバー34に、又は内部チャンバー34から流体を供給するために利用され得る、一つ以上のチャネル42を含み得る。実施例では、チャネル42は、内部チャンバー34に対して近位に位置付けられてもよいが、所望に応じて、他の位置が実施例で利用されてもよい。
【0030】
流体ルーメン36は、バルーン10を通って延在する中央シャフトを備えてもよく、又はバルーン10の近位部分で終了してもよい。一つ以上のシャフトは、バルーン10を通ってバルーン10の第二の端部分18又は遠位端部分に延在してもよい。シャフトは、例えば、流体ルーメン36を含んでもよく、又はガイドワイヤルーメン(図示せず)などの他の構造を含んでもよい。シャフトは、ノーズコーン24又はバルーン10の遠位端部分に位置付けられた他の構造に延在し、かつそれと連結してもよい。実施例では、遠位肩部44などの構造は、シャフトに連結されてもよい。
【0031】
図1及び図2は、バルーン10が流体で充填されている膨張状態又は拡張状態のバルーン10を図示する。バルーン10の先細りした外形が見える。
【0032】
図3は、収縮状態又は非拡張状態のバルーン10の一実施例の側面図を、バルーン10を含み得る送達カテーテル50と併せて示す。図3に示す送達カテーテル50は、近位端部分54及び遠位端部分56を持つ細長いシャフト52を含んでもよい。細長いシャフト52は、患者の体内への挿入時に細長いシャフト52の偏向を可能にするように可撓性であり得る細長い本体を備えてもよい。
【0033】
細長いシャフト52の近位端部分54は、細長いシャフト52の動作を制御するためにユーザーによって把持されるように構成され得るハンドル58の形態で、ハウジングに連結されてもよい。ハンドル58は、細長いシャフト52を患者の体内で前進又は後退させて、細長いシャフト52を埋め込み部位に対して所望の配向に配置するように操作されてもよい。ハンドル58は、把持されるように構成された外表面60を含み得る。
【0034】
制御機構62は、ハンドル58に含まれてもよく、実施例において、細長いシャフト52を偏向するように動作するように構成されてもよい。制御機構62は、例えば、細長いシャフト52を偏向させるために利用され得る制御ノブ64又は他のアクチュエータでの形態の一つ以上のアクチュエータを備えてもよい。制御機構62は、プルテザー、又はプルテザーに加えられる張力を介して細長いシャフト52を偏向させるために利用され得るその他の構造を含んでもよい。実施例では、所望に応じて、他の形態の制御機構が利用され得る。
【0035】
流体ポート40は、例えば、図2に示す流体ルーメン36に流体を通すか、又は流体を流体ルーメン36から引き出すように構成され得るハンドル58上に位置付けられ得る。流体ポート40は、流体アクチュエータ、又は図2に示す内部チャンバー34から流体を充填又は引き出すために利用される他の装置に結合してもよい。
【0036】
細長いシャフト52の遠位部分又は遠位端部分56は、バルーン10を含んでもよい。バルーン10は、収縮状態又は非拡張状態で示されており、これは、その上にインプラントが位置付けられた状態で、細長いシャフト52を患者の体内に挿入するための状態であってもよい。
【0037】
図4は、例えば、遠位端部分56の拡大図を示し、収縮状態又は非拡張状態のバルーン10を示す。第一の端部分16、第二の端部分18、及び中央部分20の位置は、流体ルーメン36を含み得る中央シャフトの位置に対して示されている。第二の端部分18は、中央シャフトの遠位肩部44の上に位置付けられた遠位肩部66を備えるものとして示され、第一の端部分16は近位肩部68を備えるものとして示されている。インプラント保持エリア70は、バルーン10の中央部分20を含んでもよく、遠位肩部66と近位肩部68との間に位置付けられてもよい。インプラント保持エリア70は、長さ72を有してもよく、遠位肩部66及び近位肩部68の直径よりも小さい直径を有してもよい。
【0038】
インプラント保持エリア70に位置付けられ得るインプラントは、様々な形態を有してもよい。図17~19は、例えば、本明細書の実施例に従って利用され得るインプラント80の形態を示す。図17は、人工心臓弁の形態でのインプラント80の斜視図を示す。人工インプラント80は、患者の体内の一部分内に展開されるように構成され得る。人工インプラント80は、例えば、自己大動脈弁を備え得る自己心臓弁の弁輪内に展開され得るか、又は実施例では、自己僧帽弁、三尖弁、若しくは肺動脈弁を備え得る。実施例では、インプラント80は、他の形態を有してもよく、所望に応じて、ステント又は他の形態の医療用インプラントを含んでもよい。
【0039】
人工インプラント80は、近位かつ第一の端部82及び遠位かつ第二の端部84、並びにその間の長さを含み得る。人工インプラント80は、フレーム86の形態の本体を含み得る。人工インプラント80は、フレーム86に結合された複数の弁尖88a~c(図18及び19に示す)のうちの一つ以上を更に含み得、フレーム86の遠位部分の外表面を覆うスカート90を含み得る。弁尖88a~cは、開放及び閉鎖の位置又は状態又は構成の間で前後に移動して、自己弁の動きを再現し得る。弁尖88a~cは、バルーン10がインプラント80を拡張するために力を加え得るインプラント80の内表面から内向きに延在してもよい。
【0040】
弁尖88a~cは、インプラント80の第一の端部82がインプラント80の流出端部を形成し、インプラント80の第二の端部84がインプラント80の流入端部を形成するように、操作中に開閉するように構成され得る。弁尖88a~cは、弁尖88a~cが閉鎖位置にあるときに、流出端部からインプラント80の流入端部への反対方向の流体の流れを妨げるように構成され得る。
【0041】
フレーム86は、接合点91で接続された複数の支柱89を備え得る。複数の開口部92は、支柱89の間に位置付けられ得る。開口部92は、フレーム86の全体重量を低減するように構成され得、フレーム86が、圧縮されてフレーム86の直径を縮小させること、及び拡張されてフレーム86の直径を増大させることも可能にする。フレーム86は、半径方向に圧縮され、半径方向に圧縮されている間に、軸方向に長くなるように構成され得る。支柱89は、フレーム86が圧縮されてフレーム86の直径を低減する際に、フレーム86の長さが増加し得るように構成され得る。また、フレーム86が拡張されてフレーム86の直径を増大させるにつれて、フレーム86の長さは、減少し得る。フレーム86は、圧着装置の使用を含む、様々な様式で圧縮されてもよく、本明細書に開示されるバルーンにより拡張されることを含む、様々な様式で拡張され得る。
【0042】
図17図19に示されるインプラントの構成は、実施例において変更してもよい。
【0043】
図4を再び参照すると、先細り形状を有するバルーン10の使用は、インプラント保持エリア70で位置付けられたインプラントの圧着の外形に利益を提供してもよく、バルーン10を膨張させ、バルーン10のインプラント保持エリア70上に位置付けられたインプラントを拡張するための膨張流体の流れの改善などの他の利益を含んでもよい。
【0044】
例えば、図5は、様々な異なるタイプのバルーン上の図17~19に示すインプラントなどの、インプラントの圧着した外径の表を示す。Y軸はミリメートル単位の外径を示し、X軸はインプラントに沿った位置を示す。インプラントが先細りしていないバルーンに圧着されると、バルーンがGrilamid L25又はポリエチレンテレフタレート(PET)などの材料で作製されているかどうかにかかわらず、スカートを含むインプラントの流入側又は遠位端は、インプラントの流出側又は近位端よりも大きな直径を有する。これは、図17に示すスカート90などのスカートが、フレーム86単独に対してバルクを増加させ、インプラントの流入側又は遠位側での直径を増加させるためである。図1及び図2に示す先細バルーンは、例えば、収縮状態であってもインプラントの流出側又は近位側で材料及び直径が増加してもよく、したがって、バルーンに圧着されると、図5の破線に示すように、インプラントの長さに沿って線形の外径を有するインプラントをもたらす。
【0045】
先細り形状の利点は、バルーン10を膨張させ、バルーン10のインプラント保持エリア70上に位置付けられたインプラントを拡張するための膨張流体の流れの改善をさらに含んでもよい。図2に示す先細りした外形を有するバルーン10は、膨張中に、近位部分若しくは第一の端部分16から第二の端部分18に向かう方向での、又は図2に示す遠位部分への流体の流れの強化を可能にし得る。流体の流れの強化は、図2に示すバルーン10の近位又は第一の端部分16における内部チャンバー34のより大きな直径によって生じてもよく、それ故に、図2に示す第二の端部分18又は遠位端部分への流体の流れの強化を可能にする。
【0046】
流体の流れの強化は、バルーン10のより対称的な膨張、及びインプラントの第一の端部82及び第二の端部84の両方におけるインプラントの展開を可能にし得る。図10は、例えば、バルーン10の第一の端部分16及びバルーン10の第二の端部分18の両方が同様の速度で膨張してバルーン10のダンベル形状を形成する、膨張されているバルーン10を示す。ダンベルの端部の間に位置付けられたインプラント80は、インプラント80の両端82、84で、湾曲した形状で配置される。このように、インプラント80が、バルーン10の端部16、18のサイズが大きいこと、及び端部16、18の対称的な膨張に起因して、バルーン10が外表面に沿って長手方向に滑り、バルーン10の膨張中におそらく誤配置される可能性が低減される。端部16、18は、インプラント80の長手方向の摺動移動を妨げるように、同様の時点かつ同様の速度で膨張し得る。端部16、18は、膨張中に、図2に示すように、近位部分又は第一の端部分16から第二の端部分18、又は遠位部分に向かう方向への流体の流れの強化に起因して、同様の速度で膨張し得る。先細バルーンの使用は、実施例において他の利益をもたらし得る。
【0047】
バルーン10は、先細りした外形を保持するバルーン10の能力の強化を含む、様々な利益を提供し得る組成物を有してもよい。例えば、図2を参照すると、壁14は、第一の層100と、第一の層100に隣接して位置付けられ、第一の層100に熱結合可能ではない第二の層102とを含み得る。第二の層102は、第一の層100と不適合又は不混和性であってもよい。第一の層100は、実施例において第二の層102の半径方向内向きに位置付けられてもよく、実施例において壁14の内表面32を備えてもよい。第二の層102は、実施例において第一の層100の半径方向外向きに位置付けられてもよく、実施例において壁14の外表面30を備えてもよい。
【0048】
第一の層100は、実施例において送達カテーテル50の細長いシャフト52に熱結合されるように構成され得る。第一の層100は、例えば、ポリアミド、又はコポリアミド、又は所望に応じて別の材料を含んでもよい。第一の層100は、例えば、ナイロン12などのナイロン、又はPebax(登録商標)もしくはGrilamid L25などの材料を含んでもよい。第一の層100は、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリアミド12、ポリアミド11、もしくはコポリアミド、又は他の材料を含んでもよい。送達カテーテル50の細長いシャフト52は、細長いシャフト52が第一の層100に熱結合されるように、第一の層100に対して同じ又は類似の材料で作製されてもよい。熱結合は、第一の層100を細長いシャフト52に連結してもよい。所望に応じて、第一の層100のために他の材料を利用してもよい。
【0049】
第二の層102は、実施例において、送達カテーテルの第一の層100及び細長いシャフト52と熱的に非結合性であるように構成されてもよい。第二の層102は、例えば、ポリエステル又は所望に応じて別の材料を含んでもよい。第二の層102は、例えば、実施例において、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、又は熱可塑性エラストマーコポリエステル(Hytrel(登録商標)など)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。所望に応じて、第二の層102のために他の材料を利用してもよい。
【0050】
第一の層100及び第二の層102は熱的に非結合性であり、壁14が切断され、層100、102が互いに引っ張られた場合、層が互いに分離することを可能にし得る。第一の層100は、壁14の形成プロセス中に第二の層102の上に延在してもよいが、第二の層102に熱的に非結合性のままであり、送達カテーテルの細長いシャフト52に非結合であってもよい。
【0051】
第二の層102の存在は、追加的な破裂圧力及び引裂抵抗を提供してもよい。さらに、第二の層102の存在に起因して、穿刺抵抗が提供されてもよい。
【0052】
第二の層102の全体の厚さは、実施例において総壁14厚さの25パーセント~50パーセントを含んでもよいが、所望に応じて他の構成を利用してもよい。
【0053】
バルーン10のコンプライアンスは、圧力に伴うバルーン10の直径の増加である。第二の層102は、第一の層100よりも低いコンプライアンスを有する材料を含んでもよい。第一の層100は、例えば、セミコンプライアント材料を含んでもよく、第二の層102は、低コンプライアンス材料を含んでもよいが、所望に応じて他の構成を利用してもよい。
【0054】
本明細書に開示されるバルーン10は、0.30ミリメートル/気圧(mm/atm)~0.42ミリメートル/気圧(mm/atm)の外径コンプライアンスを有してもよい。コンプライアンスは、実施例においてバルーン10に適用される4気圧~8気圧の範囲内であってもよい。本明細書に開示されるバルーン10は、10パーセント~25パーセントの正規化されたコンプライアンス(これは、ミリメートル単位のコンプライアンス/気圧/ミリメートル単位のバルーン外径である)を有してもよい。実施例では、壁14は、バルーンの直径によって正規化された時に、1気圧当たり10パーセントの成長~1気圧当たり16パーセントの成長の外径コンプライアンスを4気圧~8気圧の間で有してもよい。コンプライアンスのその他の値が、所望に応じて実施例で利用され得る。
【0055】
実施例では、バルーン10の破裂圧力は、少なくとも約7.5気圧であってもよい。実施例では、壁14は、実施例では、少なくとも22,000ポンド/平方インチ又は少なくとも24,000ポンド/平方インチのフープ強度(破裂圧力×直径を厚さの2倍で割ったもの)を有してもよい。バルーン10の他の構成が、所望に応じて利用され得る。
【0056】
実施例における中央部分20の先細りは、4大気圧の公称膨張圧力で少なくとも1ミリメートル、又は実施例では最大3ミリメートルの、中央部分20の遠位端における直径35(図2に示す)と中央部分20の近位端における直径33(図2に示す)との差であってもよい。先細りは、実施例において4気圧の公称膨張圧力で1ミリメートル~3ミリメートルの範囲内であってもよい。実施例では、他の寸法を所望に応じて利用してもよい。
【0057】
比較的低いコンプライアンス材料(例えば、第二の層102の材料)の使用は、バルーン10の強度を高める場合があり、それ故に、バルーン10が本明細書に開示される先細り形状を保持することを可能にする。しかしながら、本明細書に開示されるバルーン10の構造及び特徴は、円筒形バルーンなどのバルーンの別の形状、又は所望に応じて実施例における他の形状で利用されてもよい。
【0058】
実施例におけるバルーン10の壁14は、層100、102が共押出成形され、ブロー成形されることによって形成されてもよい。ブロー成形は、壁14を軸方向に延伸しながら壁14を加圧することを含み得る。こうした形成プロセスは、第二の層102の構成から生じる利益を提供し得る。例えば、こうしたプロセスは、第二の層102材料の分子を整列させて、長手方向軸26に沿った軸方向寸法に対して半径方向寸法(図2に参照番号28で示す)の強度を強化してもよい。
【0059】
したがって、軸方向寸法における壁14の引裂強度は、半径方向寸法よりも弱い場合がある。例えば、半径方向寸法における壁14の引裂強度は、軸方向寸法における壁14の引裂強度よりも少なくとも20パーセント高くてもよいが、所望に応じて他の構成を利用してもよい。こうした特徴は、バルーン10の偶発的な破裂の場合に望ましい場合がある。軸方向の壁14の引裂強度が半径方向の壁14の引裂強度よりも弱い場合、壁14は長手方向に引き裂かれる可能性が高い。半径方向の引裂は、破裂したバルーンを患者の体内から除去するためにカテーテルシース内に後退される能力を妨げ得るため、半径方向の引裂よりも長手方向の引裂が望ましい場合がある。例えば、半径方向の引裂は、回収のためのより小さい直径のカテーテルシースに適合しない、大きな直径を有する傘又はテントの形状を形成し得る。このように、偶発的な破裂の場合は、長手方向の引裂が、偶発的に破裂したバルーンの回収に望ましい場合がある。
【0060】
壁14の様々な他の構成が提供されてもよい。例えば、一実施例では、第二の層102は、第一の層100と、第二の層102の半径方向外向きに位置付けられ得る第三の層との間に中間層を含み得る。図20は、例えば、第二の層102上に位置付けられ得る第三の層105を示す。第三の層105は、バルーン10の外表面31を備えてもよく、第一の層100と同一又は類似の材料で作製されてもよい。第三の層105は、例えば、ポリアミド又はコポリアミド、又は所望に応じて別の材料で作製されてもよい。第三の層105は、例えば、ナイロン12などのナイロン、又はPebax(登録商標)もしくはGrilamid L25などの材料を含んでもよい。第三の層105は、第一の層100と熱結合可能であるが、第二の中間層102の存在に起因して第一の層100には結合されていない材料で作製されてもよい。第三の層105の存在は、例えば、少なくとも約9.15気圧のより高い破裂圧力を提供してもよい。他の構成が、所望に応じて利用され得る。
【0061】
圧着装置110を利用して、インプラントをバルーン10に圧着してもよい。圧着装置110は、患者の体内の一部分内にインプラントを埋め込むためであってもよい。インプラントは、例えば、図17~19に示すインプラント80と同様に構成されてもよいが、所望に応じて他の構成を利用してもよい。図6は、本明細書の実施例に従って利用され得る圧着装置110の後方斜視図を示す。圧着装置110は、例えば図2に示すバルーン10と類似する先細りした外形を有するバルーンにインプラントを圧着するために利用されてもよい。
【0062】
圧着装置110は、インプラントがその中に位置付けられるチャネル116を囲む内表面114を有する圧縮体112を含み得る。内表面114は、チャネル116がそれに沿って延在する長手方向軸115の周りに延在し得る。圧縮体112は、基部118上に位置付けられてもよく、内表面114を収縮させるためにアクチュエータ120に連結されてもよい。アクチュエータ120は、例えば、内表面114を収縮させるためのレバー又は別の形態のアクチュエータを備えてもよい。
【0063】
圧着装置110は、チャネル116内に位置付けられるようにインプラントが通過するための後面開口部124を含む後面122を含み得る。
【0064】
図7は、圧着装置110の正面斜視図を例示する。圧着装置110は、後面122の反対側に面する前面126を含んでもよく、インプラントがチャネル116に入るために通過するための前面開口部128を含む。
【0065】
図8は、長手方向軸115に沿って切り取られた圧着装置110の内表面114の断面図を示す。内表面114は、先細りした外形を有することが示される。先細りした外形は、図8に示す通り、一つ以上の線形表面117を含んでもよく、又は望ましい場合には湾曲した表面を含んでもよい。内表面114の端部分の間の中央部分119は、先細りした外形を含むように示される。
【0066】
実施例における先細りした外形のより小さい直径130は、例えば図2に示す通り、先細バルーンのより小さい直径35に位置付けられてもよい。先細りした外形のより大きな直径132は、例えば図2に示す通り、先細バルーンのより大きな直径33に位置付けられてもよい。実施例におけるより小さな直径130は、スカート90を含むインプラント80の部分に位置付けられてもよい。スカート90は、例えば、インプラントのより大きな直径部分を含んでもよく、より小さな直径130部分は、インプラントのこの部分をより大きな量に圧縮してもよい。チャネル116は、その中にバルーン10を受容するように構成されてもよく、内表面114は、インプラント80をバルーン10に圧着するように構成される。
【0067】
先細りした外形を有する内表面114は、収縮され、チャネル116内のインプラントに圧縮力を印加して、インプラントを圧着するように構成される。バルーン10上のインプラント80は、圧縮体112のチャネル116内に挿入されてもよい。内表面114は収縮されて、チャネル内のインプラントに圧縮力を印加して、インプラントを圧着してもよい。インプラントは、バルーン10に圧着されてもよい。図8に示す内表面114の圧縮力は、長手方向軸115に向かって半径方向内向きであってもよい(図8の矢印134で示す通り)。図7に示すアクチュエータ120は、例えば、内表面114を互いに向かって押し付けてインプラントを圧縮させるように、把持及び回転されてもよい。アクチュエータ120は、内表面114を互いから離れるように移動させて、圧着したインプラントをチャネル116から取り外すことを可能にするように後退されてもよい。
【0068】
実施例では、先細りした外形の先細りの方向は、図8に示す方向から逆転されてもよい。逆方向は、例えば、図2に示すように、スカート90が先細バルーンのより大きな直径33に位置付けられた状態で配置されるインプラントを収容し得る。
【0069】
図9は、例えば、スカート90が先細バルーン10のより大きな直径33に位置付けられた状態で、バルーン10に圧着されたインプラント80を示す。バルーンの先細りは、例えば図10に示すように、インプラント80を湾曲した形状で配置することをさらに可能にし得る。図10は、部分的に膨張したバルーン10を示す。バルーン10の第一の端部分16及び第二の端部分18の存在は、インプラント80が端部分16と端部分18との間に位置付けられたままであり、長手方向にバルーン10から滑り落ちない、又は別の方法でインプラント80の展開中に望ましくないことに変位することを可能にし得る。より狭い中央部分20に隣接して位置付けられたより大きい端部分16、18は、インプラント80の長手方向の移動を妨げて、インプラント80のより正確かつ予測可能な展開位置を可能にし得る。バルーン10は、例えば、図10に示すように、展開中に、ダンベル又は砂時計の形状を有してもよい。
【0070】
図11及び12は、人工心臓弁の形態でのインプラント80を展開する例示的な動作を示す。送達カテーテル50のバルーン10及び細長いシャフト52は、患者の体内に挿入されてもよい。挿入は、実施例において経血管的であってもよく、また実施例において大腿部入口、又は他の形態の入口点を介してもよい。バルーン10及び細長いシャフト52は、実施例において大動脈弓の上を移動してもよいが、他のアプローチ(例えば、経心尖、経中隔)が利用されてもよい。
【0071】
インプラント80は、例えば、本明細書で示すような大動脈弁140、又は所望に応じて別の位置であり得る膨張部位に位置付けられてもよい。バルーン10は、バルーンの壁の内表面に加えられる圧力を通して拡張されて、膨張部位又は埋め込み部位を含む患者の体内の一部分でインプラントを拡張してもよい。
【0072】
図12は、膨張しているバルーン10を示す。インプラント80はバルーン10上に拡張され、埋め込み部位に展開される。バルーン10はその後、収縮され、インプラント80を所定位置に残した状態で、患者の体内から引き出されてもよい。インプラント80は、実施例においてバルーン10上の埋め込み部位に送達されてもよく、又は実施例において展開するために、埋め込み部位へと前進され、次いでバルーン10の上へと摺動されてもよい。
【0073】
埋め込みは、天然弁にあってもよく、又は別の以前に展開された人工弁にあってもよい。例えば、バルーン10は、インプラント80が以前に展開された人工弁内に展開される、バルブ・イン・バルブ(valve-in-valve)処置で利用され得る。
【0074】
バルーン10は、実施例においてバルーンの壁上に位置付けられた拡張可能なインプラントを拡張するように構成されてもよく、又は患者の体内の別の表面を拡張するように構成されてもよい。例えば、バルーン10は、インプラント80の埋め込み前の自己心臓弁の弁尖などの構造の表面の拡張に利用されてもよく、又は患者の体内の血管の表面もしくは他の表面の拡張に利用されてもよい。
【0075】
バルーン10の様々な構成が、所望に応じて利用され得る。本明細書に開示されるバルーン10の組成物は、先細バルーン、又は所望に応じて円筒形バルーンなどの別の形態のバルーンとともに利用されてもよい。本明細書に開示されるシステムの構成要素は、所望に応じて別々に利用され得る。
【0076】
図13は、本明細書の実施例に従って利用され得るバルーン150の一実施例である。バルーン150は、半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを含む壁154を含んでもよい。壁154は、内表面156を有してもよく、バルーン150は、壁154の内表面156に印加される圧力を通して拡張可能であってもよい。
【0077】
バルーン150は、図2に示すバルーン10と同様に構成されてもよく、第一の端部分158、第二の端部分160、及び第一の端部分158と第二の端部分160との間に位置付けられた中央部分162を含んでもよい。端部分158、160は、端部分16、18と同様の方法で先細り状であってもよく、又は所望に応じて別の構成を有してもよい。中央部分162は、図13に示す円筒形状を有してもよく、又は所望に応じて先細り形状もしくは他の形状を有してもよい。バルーン150は、例えば、本明細書に開示されるように先細りした外形を有してもよい。中央部分162は、中央部分162の端部の間に長さ163を有してもよい。
【0078】
壁154は、バルーン10に関して説明したように、インプラント又は別の表面に力を加えてこうした表面を拡張するように構成された外表面164を有してもよい。バルーン150は、インプラントがその上に位置付けられるように構成され得る。
【0079】
実施例のバルーン150は、バルーン10と同様の様式で送達カテーテルの細長いシャフトに連結されてもよい。実施例では、バルーン150は、別の形態の装置に連結されてもよい。
【0080】
バルーン150に対する半結晶性ポリマー及び非晶質ポリマーとのブレンドは、単に半結晶性ポリマーを含むバルーン150よりも望ましい結果をもたらし得る。実施例では、半結晶性ポリマーは、半結晶性ポリアミドを含み得る。半結晶性ポリマーは、半結晶性ナイロンを含んでもよく、半結晶性ナイロン12を含んでもよく、高粘度ポリアミド12を含んでもよい。他の形態の材料が、所望に応じて利用されてもよい。
【0081】
実施例では、半結晶性ポリマーは、Grilamid L25を含み得る。Grilamid L25は、高粘度の無味ポリアミド12(PA12)グレードを含んでもよい。これは、12個の炭素原子を有する環形状の長鎖モノマーであるラウロラクタム(ラクタム12、基礎原料のブタジエンから得られる)の重合によって形成され得る。これは、PA6よりも低い吸水性、優れた寸法安定性、低温でも高い靭性、化学物質に対する高い耐性、加水分解、及び風化を示し得る。これは、すべてのポリアミドの間でも低密度又は最低密度を有してもよく、低温で良好な衝撃強度を有し、加工性が容易であり得る。類似の特性を有する他の形態の材料が、所望に応じて利用されてもよい。
【0082】
実施例では、非晶質ポリマーは、非晶質ポリアミドを含んでもよい。非晶質ポリマーは、実施例において非晶質ナイロンを含んでもよい。非晶質ポリマーは、実施例において透明な非晶質ポリアミドを含んでもよく、実施例において透明な非晶質ナイロンを含んでもよい。実施例では、非晶質ポリマーは、実施例において芳香族又は脂環式単位を有する透明な非晶質ナイロンを含み得る。
【0083】
実施例では、非晶質ポリマーは、Grilamid TR55を含み得る。Grilamid TR55は、脂肪族モノマー及び脂環式モノマーに基づく高純度透明ポリアミドグレードを含み得る。これは、他の材料の中でも特に、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、イソフタル酸、及び[オメガ]アミノドデカン酸又はそのラクタムから得ることができる。これは、低温及び良好な寸法安定性であっても、非常に高い曲げ疲労強度、高い着色性、良好な剛性、及び良好な靭性を有し得る。これは、壁厚が高く、化学物質に対する良好な耐性があり、応力亀裂があっても、明確な透明性を提供し得る。これは、標準的なポリアミドと比較して、低い吸湿性、低い吸水性、高い熱歪み温度、及び容易な加工性を提供し得る。類似の特性を有する他の形態の材料が、所望に応じて利用されてもよい。
【0084】
ブレンドを含む壁154は、ブロー成形及び二軸延伸(圧力及び軸方向延伸)によって形成されてもよい。壁154の先細りした部分は、先細り延伸によって形成されてもよい。
【0085】
半結晶性ポリマーは、非晶質ポリマーのガラス転移温度よりも高い融解温度を有してもよい。例えば、半結晶性ポリマーの融解温度は摂氏約178度であってもよく、非晶質ポリマーの融解温度は摂氏約160度のガラス転移温度を有してもよい。こうした特徴は、非晶質ポリマーのポリマー鎖が、標準的な半結晶性ポリマーよりもブロー成形及び延伸プロセス中に配向することを可能にし、したがって、長手方向の引裂抵抗とは対照的に、改善された半径方向の引裂抵抗をもたらし得ると考えられる。
【0086】
実施例では、半結晶性ポリマーは、非晶質ポリマーのガラス転移温度よりも少なくとも摂氏10度高い融解温度、又は所望に応じて別の量を有してもよい。
【0087】
非晶質ポリマーの引張係数は、半結晶性ポリマーの引張係数よりも大きくてもよい。例えば、半結晶性ポリマーは、室温で約1100MPaの引張係数を有してもよく、非晶質ポリマーは、室温で約2200MPaの引張係数を有してもよい。異なる量が、利用される異なる材料に利用されてもよい。
【0088】
半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドは、互いに対して異なる重量であってもよい。実施例では、半結晶性ポリマーは、ブレンドの総重量の少なくとも50重量パーセントであってもよい。実施例では、半結晶性ポリマーは、ブレンドの総重量の65パーセント~90パーセントの範囲内であってもよく、非晶質ポリマーは、ブレンドの総重量の10パーセント~40パーセントの範囲内であってもよい。様々な他の割合を、所望に応じて利用してもよい。
【0089】
半結晶性ポリマーは、例えば、ブレンドの総重量の約75重量パーセントを含んでもよく、非晶質ポリマーは、実施例においてブレンドの総重量の約25重量パーセントを含んでもよい。半結晶性ポリマーは、例えば、ブレンドの総重量の約50重量パーセントを含んでもよく、非晶質ポリマーは、実施例においてブレンドの総重量の約50重量パーセントを含んでもよい。半結晶性ポリマーは、例えば、ブレンドの総重量の約90重量パーセントを含んでもよく、非晶質ポリマーは、実施例においてブレンドの総重量の約10重量パーセントを含んでもよい。
【0090】
半結晶性ポリマー及び非晶質ポリマーとのブレンドは、単に半結晶性ポリマーを含むバルーンと比較して、バルーン150のコンプライアンスの改善をもたらし得る。
【0091】
図14は、例えば、ブレンドの総重量の約75重量パーセントである半結晶性ポリマーと、ブレンドの総重量の約25重量パーセントである非晶質ポリマーとのブレンドのコンプライアンス表を示す。バルーン150の直径はY軸に示され、圧力はX軸に示される。バルーン150は、直径26ミリメートルのバルーンを備える。半結晶性ポリマーはGrilamid L25であり、非晶質ポリマーはGrilamid TR55である。
【0092】
バルーン150のコンプライアンスは、膨張中のバルーン150の作動範囲であり得る特に4気圧~8気圧の範囲内で、約0.5ミリメートル/1気圧である。コンプライアンスは、長い破線で示される半結晶性ポリマー(Grilamid L25)のみを含むバルーンと比較して、改善されている。コンプライアンスは線形であることがさらに示される。材料のブレンドをアニールすることは、アニールされていないバージョンと同様のコンプライアンス曲線を生成する。
【0093】
実施例におけるコンプライアンスは、0.43ミリメートル/1気圧~0.56ミリメートル/1気圧の壁154の外径コンプライアンスであってもよい。壁154は、バルーンの直径によって正規化された時に、1気圧当たり17パーセントの成長~1気圧当たり21パーセントの成長の外径コンプライアンスを4気圧~8気圧の間で有してもよい。様々な量のコンプライアンスが実施例で利用されてもよい。
【0094】
ブレンドを有するバルーン150の外表面は、半結晶性ポリマーのみを有するバルーンよりも粘着性が低く、膨張中のそれ自体との摩擦が小さい場合がある。これがコンプライアンスの改善の理由であると考えられる。
【0095】
壁154は、約55ミクロン~70ミクロンの厚さを有してもよく、所望に応じて約65ミクロンであってもよい。所望に応じて、他の厚さを利用してもよい。
【0096】
半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを有するバルーン150は、軸方向寸法よりも半径方向寸法において増加した引裂強度をさらに有してもよい。図15は、例えば、X軸での軸方向及び半径方向の引裂強度に関する複数の試験に対する、Y軸に沿った引裂強度の指標を示す表を示す。試験対象のバルーンは、直径26ミリメートルのバルーンを備える。ブレンドは、ブレンドの総重量の約75重量パーセントである半結晶性ポリマーと、ブレンドの総重量の約25重量パーセントである非晶質ポリマーを含む。ブレンドを有するバルーン150は実線で示され、半結晶性材料(Grilamid L25)のみを有するバルーンは破線で示される。半径方向寸法において著しく大きな引裂抵抗が示されている。このように、ブレンドを有するバルーン150が偶発的に破裂する場合、こうした引裂は軸方向寸法であり、これは望ましい場合がある。
【0097】
半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを有するバルーン150は、半結晶性材料のみを有するバルーン(Grilamid L25)よりも、インプラントを展開するために低減された最大膨張圧力をさらに有してもよい。図16は、例えば、半結晶性ポリマー(Grilamid L25)のみを有するバルーン、及びブレンドを有し、それぞれ33立方センチメートル及び34立方センチメートルで膨張された二つのバルーン150のY軸に沿った大気中の最大膨張圧力を示す表を示す。ブレンドは、ブレンドの総重量の約75重量パーセントである半結晶性ポリマーと、ブレンドの総重量の約25重量パーセントである非晶質ポリマーを含む。
【0098】
ブレンドを有するバルーン150は、約1.5気圧だけ低い最大膨張圧力を有することが示される。最大膨張圧力は、約5.2~5.8気圧であってもよい。他の量が他の実施例で利用されてもよい。
【0099】
ブレンドの総重量の約75重量パーセントである半結晶性ポリマーと、ブレンドの総重量の約25重量パーセントである非晶質ポリマーを有するバルーン150のさらなる特性は、約10気圧の破裂圧力を含んでもよい。
【0100】
ブレンドの総重量の約90重量パーセントである半結晶性ポリマーと、ブレンドの総重量の約10重量パーセントである非晶質ポリマーを有するバルーン150の特性は、約11気圧の破裂圧力を含んでもよい。
【0101】
実施例では、バルーンの破裂圧力は、少なくとも約7.5気圧であってもよい。壁154は、実施例では、少なくとも22,000ポンド/平方インチのフープ強度を有してもよい。他の量が実施例で利用されてもよい。
【0102】
ブレンドの総重量の約90重量パーセントである半結晶性ポリマーと、ブレンドの総重量の約10重量パーセントである非晶質ポリマーを有するバルーン150の平均コンプライアンスは、約0.5ミリメートル/気圧であってもよい。
【0103】
本明細書に開示される半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを有するバルーンは、コンプライアンスの向上、線形コンプライアンス、膨張圧力の低下、表面摩擦の低減、及び軸方向引裂強度よりも大きな半径方向引裂強度を含む半結晶性ポリマーのみを含むバルーンよりも様々な利益を有し得る。様々な他の利益が提供され得る。
【0104】
本明細書に開示される半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを有するバルーンは、本明細書に開示されるバルーン又はシステムの任意の実施例で利用され得る。本明細書に開示される半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを有するバルーンは、実施例におけるコンプライアントな人工弁で利用され得る。
【0105】
実施例では、バルーン150は、外層が本明細書に開示されるブレンドから成り、内層がナイロン12などの半結晶性ポリマー又は本明細書に開示される別の半結晶性ポリマーから成る、少なくとも二つの層を含み得る。外層は第一の層であってもよく、内層は第一の層の半径方向内向きに位置付けられた第二の層であってもよい。ブレンドは、バルーンの外表面を含んでもよく、それ故に外表面は、摩擦の低減及び低粘着性の表面を維持してもよい。外側ブレンド層は、実施例において、バルーン壁の総厚さの10パーセント~50パーセントを含んでもよいが、所望に応じて他の割合を利用してもよい。
【0106】
バルーンは、本明細書に開示される送達カテーテルとともに利用されてもよく、送達カテーテルの細長いシャフトの遠位端部分に連結されてもよい。バルーンは、図11及び12に関して記載したのと同様の方法で利用されてもよく、患者の体内の表面を拡張するために利用されてもよく、これは所望に応じて拡張可能なインプラントを備えてもよい。バルーンは、バルーンの壁上に位置付けられた拡張可能なインプラントを拡張するように構成されてもよい。バルーンは、本明細書に開示される圧着装置とともに利用されてもよい。
【0107】
本明細書に開示される実施例の特徴は、独立して、又は本明細書に開示される他の特徴と組み合わせて実装され得る。システムの様々な装置は、独立して実装され得る。
【0108】
検討されるように、とりわけ、人工心臓弁、又はステントもしくはフィルター、又は診断装置などの他の形態のインプラントを含む、様々な形態のインプラントは、本明細書に開示された実施例で利用され得る。インプラントは、圧縮又は非展開状態から拡張又は展開状態まで移動するように構成された拡張可能なインプラントであり得る。インプラントは、縮小された外側外形を有し、インプラントを圧縮又は非展開状態に移動するために、内側に圧縮されるように構成された圧縮可能なインプラントであり得る。
【0109】
本明細書に開示される送達装置は、同様に大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、並びに肺動脈弁の置換及び修復に利用され得る。送達装置は、とりわけ、ステント若しくはフィルター、又は診断装置などの他の形態のインプラントの送達のための送達装置を含み得る。
【0110】
本明細書に開示される送達装置及びシステムは、経カテーテル大動脈弁移植(TAVI)又は他の自己心臓弁(例えば、僧帽弁、三尖弁、又は肺動脈弁)の置換に使用され得る。本明細書に開示される送達装置及びシステムは、経大腿動脈的アクセスを含む患者の心臓への経動脈的アクセスに利用され得る。送達装置及びシステムは、経大腿的又は経頸静脈的であり得る、経動脈的処置を含む、経カテーテル的経皮的処置に利用され得る。経心尖処置も、とりわけ利用され得る。他の処置を、所望に応じて利用してもよい。
【0111】
実施例の特徴は、所望に応じて、実施例全体にわたって修正、置換、除外、又は組み合わされ得る。
【0112】
さらに、本明細書の方法は、具体的に記載する方法に限定されないが、本明細書に開示されるシステム及び装置を利用する方法を含み得る。方法の工程は、本明細書に開示されるシステム、装置、及び方法を用いて、修正、除外、又は追加され得る。
【0113】
本明細書の目的のために、本開示の実施例のある特定の態様、利点、及び新規の特徴が、本明細書に記載される。開示される方法、装置、及びシステムは、決して制限するものと解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、並びに互いとの様々な組み合わせ及び部分的な組み合わせで、様々な開示された実施例の全ての新規かつ非自明な特徴及び態様を対象とする。方法、装置、及びシステムが、任意の特定の態様若しくは特徴、又はそれらの組み合わせに限定されることもなく、開示される実施例が、任意の一つ以上の特定の利点が存在すること、又は問題が解決されることを必要とすることもない。一つの実施例の特徴、要素、又は構成要素を、本明細書の他の実施例に組み合わせることができる。
【0114】
実施例1: 患者の体内の一部分内に挿入するための装置であって、内表面及び第一の層を含む壁と、第一の層に隣接して位置付けられ、かつ第一の層に熱結合可能ではない第二の層とを有するバルーンを備え、バルーンが前記壁の内表面に印加される圧力を通して拡張可能である、装置。
【0115】
実施例2: 第一の層が、ポリアミド又はコポリアミドを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1に記載の装置。
【0116】
実施例3: 第二の層がポリエステルを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1又は実施例2に記載の装置。
【0117】
実施例4: 第二の層がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又は熱可塑性エラストマーコポリエステル、又はその組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~3のいずれか一つに記載の装置。
【0118】
実施例5: 第一の層が第二の層の半径方向内向きに位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~4のいずれか一つに記載の装置。
【0119】
実施例6: 第二の層の半径方向外向きに位置付けられ、第一の層と熱結合可能な材料で作製された第三の層をさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例5に記載の装置。
【0120】
実施例7: 第二の層又は第三の層が壁の外表面を形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例6に記載の装置。
【0121】
実施例8: 第二の層が第一の層よりもコンプライアンスが低い、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~7のいずれか一つに記載の装置。
【0122】
実施例9: 第二の層が、壁の厚さの25パーセント~50パーセントを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~8のいずれか一つに記載の装置。
【0123】
実施例10: 壁が、バルーンの直径によって正規化された時に、4気圧~8気圧の間で1気圧当たり10パーセントの成長~1気圧当たり16パーセントの成長の外径コンプライアンスを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~9のいずれか一つに記載の装置。
【0124】
実施例11: 壁が、0.30ミリメートル/気圧~0.42ミリメートル/気圧、4気圧~8気圧の外径コンプライアンスを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~10のいずれか一つに記載の装置。
【0125】
実施例12: バルーンの破裂圧力が少なくとも約7.5気圧である、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~11のいずれか一つに記載の装置。
【0126】
実施例13: 壁が、少なくとも24,000ポンド/平方インチのフープ強度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~12のいずれか一つに記載の装置。
【0127】
実施例14: 壁の外表面が先細りした外形を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~13のいずれか一つに記載の装置。
【0128】
実施例15: バルーンが、軸方向寸法及び半径方向寸法を有し、壁が、半径方向寸法よりも軸方向寸法において弱い引裂強度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~14のいずれか一つに記載の装置。
【0129】
実施例16: 半径方向寸法における壁の引裂強度が、軸方向寸法における引裂強度よりも少なくとも20パーセント高い、本明細書の任意の実施例、特に実施例15に記載の装置。
【0130】
実施例17: 壁が、バルーンを拡張するための流体を受容するように構成された内部チャンバーを囲む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~16のいずれか一つに記載の装置。
【0131】
実施例18: バルーンが、患者の体内の表面を拡張するように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~17のいずれか一つに記載の装置。
【0132】
実施例19: バルーンが、壁上に位置付けられた拡張可能なインプラントを拡張するように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~18のいずれか一つに記載の装置。
【0133】
実施例20: バルーンが、患者の体内への挿入のために送達カテーテルに結合するように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~19のいずれか一つに記載の装置。
【0134】
実施例21: 患者の体内に一部分を展開するためのシステムであって、細長いシャフトを含む送達カテーテルと、細長いシャフトに結合され、インプラントがその上に位置付けられるように構成され、内表面及び第一の層を含む壁と、第一の層に隣接して位置付けられ、かつ第一の層に熱結合可能ではない第二の層とを有するバルーンを備え、バルーンが壁の内表面に印加される圧力を通して拡張可能である、システム。
【0135】
実施例22: 壁の外表面が先細りした外形を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例21のいずれか一つに記載のシステム。
【0136】
実施例23: 第一の層が細長いシャフトに熱結合可能である、本明細書の任意の実施例、特に実施例21又は実施例22に記載のシステム。
【0137】
実施例24: 第一の層がポリアミド又はコポリアミドを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~23のいずれか一つに記載のシステム。
【0138】
実施例25: 第二の層がポリエステルを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~24のいずれか一つに記載のシステム。
【0139】
実施例26: 第二の層がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又は熱可塑性エラストマーコポリエステル、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~25のシステム。
【0140】
実施例27: 第二の層の半径方向外向きに位置付けられ、第一の層と熱結合可能な材料で作製された第三の層をさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例26に記載のシステム。
【0141】
実施例28: 第二の層又は第三の層が壁の外表面を形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例27のシステム。
【0142】
実施例29: バルーンが軸方向寸法及び半径方向寸法を有し、壁が半径方向寸法よりも軸方向寸法において弱い引裂強度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~28のいずれか一つに記載のシステム。
【0143】
実施例30: 壁が、4気圧~8気圧の間で0.30ミリメートル/気圧~0.42ミリメートル/気圧の外径コンプライアンスを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~29のいずれか一つに記載のシステム。
【0144】
実施例31: バルーンの破裂圧力が少なくとも約7.5気圧である、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~30のいずれか一つに記載のシステム。
【0145】
実施例32: 壁が、少なくとも24,000ポンド/平方インチのフープ強度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~31のいずれか一つに記載のシステム。
【0146】
実施例33: インプラントをさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例21~32のいずれか一つに記載のシステム。
【0147】
実施例34: インプラントが、人工心臓弁を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例33に記載のシステム。
【0148】
実施例35: インプラントがバルーンに圧着される際に線形外径を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例33又は実施例34に記載のシステム。
【0149】
実施例36: 患者の体内の一部分にインプラントを送達する方法であって、バルーンを患者の体内に挿入することであって、バルーンが、内表面及び第一の層と、第一の層に隣接して位置付けられ、第一の層に熱結合可能ではない第二の層とを含む壁を有する、挿入することと、壁の内表面に印加される圧力を通してバルーンを拡張して、患者の体内の一部分でインプラントを拡張することと、を含む、方法。
【0150】
実施例37: 第一の層が、ポリアミド又はコポリアミドを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36に記載の方法。
【0151】
実施例38: 第二の層がポリエステルを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36又は実施例37に記載の方法。
【0152】
実施例39: 第二の層がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又は熱可塑性エラストマーコポリエステル、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~38のいずれか一つに記載の方法。
【0153】
実施例40: 第一の層が第二の層の半径方向内向きに位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~39のいずれか一つに記載の方法。
【0154】
実施例41: 第二の層の半径方向外向きに位置付けられ、第一の層と熱結合可能な材料で作製された第三の層をさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例40に記載の方法。
【0155】
実施例42: 第二の層又は第三の層が壁の外表面を形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例41の方法。
【0156】
実施例43: 第二の層が第一の層よりもコンプライアンスが低い、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~42のいずれか一つに記載の方法。
【0157】
実施例44: 壁の外表面が先細りした外形を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~43のいずれか一つに記載の方法。
【0158】
実施例45: バルーンが軸方向寸法及び半径方向寸法を有し、壁が半径方向寸法よりも軸方向寸法において弱い引裂強度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~44のいずれか一つに記載の方法。
【0159】
実施例46: 患者の体内の一部分にインプラントを埋め込むための圧着装置であって、その内部に位置付けられるインプラントのためのチャネルを囲む内表面を有する圧縮体を備えてもよく、内表面が先細りした外形を有し、かつ収縮されてインプラントを圧着するためにチャネル内のインプラントに圧縮力を加えるように構成される、圧縮体と、内表面を収縮させるためのアクチュエータと、を備える、圧着装置。
【0160】
実施例47: チャネルが、その中にバルーンを受容するように構成され、内表面が、インプラントをバルーンに圧着するように構成された、本明細書の任意の実施例、特に実施例46に記載の圧着装置。
【0161】
実施例48: 先細りした外形が一つ以上の線形表面を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例46又は実施例47に記載の圧着装置。
【0162】
実施例49: 圧縮体が、チャネル内に位置付けられるようにインプラントが通過するための開口部を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例46~48のいずれか一つに記載の圧着装置。
【0163】
実施例50: 内表面の中央部分が先細りした外形を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例46~49のいずれか一つに記載の圧着装置。
【0164】
実施例51: アクチュエータがレバーを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例46~50のいずれか一つに記載の圧着装置。
【0165】
実施例52: レバーが回転して内表面を収縮するように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例51に記載の圧着装置。
【0166】
実施例53: 圧縮体が、チャネル内に位置付けられるようにインプラントが通過するための後面開口部を含む後面を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例46~52のいずれか一つに記載の圧着装置。
【0167】
実施例54: 圧縮体が、後面の反対側に面する前面を含み、前面が、インプラントが通過するための前面開口部を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例53に記載の圧着装置。
【0168】
実施例55: 圧縮体がその上に位置付けられる基部をさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例46~54のいずれか一つに記載の圧着装置。
【0169】
実施例56: 患者の体内の一部分にインプラントを埋め込むために圧着する方法であって、圧縮体のチャネル内にインプラントを挿入することであって、圧縮体が、チャネルを囲む先細りした外形を持つ内表面を有する、挿入することと、インプラントを圧着するためにチャネル内のインプラントに圧縮力を加えるために収縮させることと、を含む、方法。
【0170】
実施例57: インプラントをバルーンに圧着することをさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例56に記載の方法。
【0171】
実施例58: 先細りした外形が一つ以上の線形表面を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例56又は実施例57のいずれか一つに記載の方法。
【0172】
実施例59: 圧縮体が、チャネル内に位置付けられるようにインプラントが通過するための開口部を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例56~58のいずれか一つに記載の方法。
【0173】
実施例60: 内表面の中央部分が先細りした外形を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例56~59のいずれか一つに記載の方法。
【0174】
実施例61: 内表面を収縮させるためにアクチュエータを利用することをさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例56~60のいずれか一つに記載の方法。
【0175】
実施例62: アクチュエータが、回転して内表面を収縮するように構成されるレバーを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例61に記載の方法。
【0176】
実施例63: 圧縮体が、チャネル内に位置付けられるようにインプラントが通過するための後面開口部を含む後面を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例56~62のいずれか一つに記載の方法。
【0177】
実施例64: 圧縮体が、後面の反対側に面する前面を含み、前面が、インプラントが通過するための前面開口部を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例63に記載の方法。
【0178】
実施例65: 圧縮体がその上に位置付けられる基部をさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例56~64のいずれか一つに記載の方法。
【0179】
実施例66: 患者の体内の一部分に挿入するための装置であって、半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを含む壁を有し、かつ内表面を有するバルーンを備え、バルーンが壁の内表面に印加される圧力を通して拡張可能である、装置。
【0180】
実施例67: 半結晶性ポリマーが半結晶性ポリアミドを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例66に記載の装置。
【0181】
実施例68: 半結晶性ポリマーが半結晶性ナイロン12を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例66又は実施例67のいずれか一つに記載の装置。
【0182】
実施例69: 非晶質ポリマーが非晶質ポリアミドを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~68のいずれか一つに記載の装置。
【0183】
実施例70: 非晶質ポリマーが透明な非晶質ナイロンを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~69のいずれか一つに記載の装置。
【0184】
実施例71: 非晶質ポリマーが、芳香族単位又は脂環式単位を有する透明な非晶質ナイロンを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~70のいずれか一つに記載の装置。
【0185】
実施例72: 半結晶性ポリマーが、ブレンドの総重量の少なくとも50重量パーセントを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~71のいずれか一つに記載の装置。
【0186】
実施例73: 非晶質ポリマーが、ブレンドの総重量の10重量パーセント~40重量パーセントを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~72のいずれか一つに記載の装置。
【0187】
実施例74: 半結晶性ポリマーが、非晶質ポリマーのガラス転移温度よりも高い融解温度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~73のいずれか一つに記載の装置。
【0188】
実施例75: 非晶質ポリマーの室温での引張係数が、半結晶性ポリマーの室温での引張係数よりも大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~74のいずれか一つに記載の装置。
【0189】
実施例76: バルーンが軸方向寸法及び半径方向寸法を有し、壁が半径方向寸法よりも軸方向寸法において弱い引裂強度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~75のいずれか一つに記載の装置。
【0190】
実施例77: 圧力が壁の内表面に印加されるときに、壁が線形コンプライアンスを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~76のいずれか一つに記載の装置。
【0191】
実施例78: 壁が、バルーンの直径によって正規化された時に、4気圧~8気圧の間で1気圧当たり17パーセントの成長~1気圧当たり21パーセントの成長の外径コンプライアンスを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~77のいずれか一つのいずれかに記載の装置。
【0192】
実施例79: 壁が、0.43ミリメートル/気圧~0.56ミリメートル/気圧の外径コンプライアンスを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~78のいずれか一つの装置。
【0193】
実施例80: バルーンの破裂圧力が少なくとも約7.5気圧である、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~79のいずれか一つに記載の装置。
【0194】
実施例81: 壁が、少なくとも22,000ポンド/平方インチのフープ強度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~80のいずれか一つに記載の装置。
【0195】
実施例82: 壁が、半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを有する第一の層を含み、第一の層の半径方向内向きに位置付けられた第二の層を含み、第二の層がナイロン12を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~81のいずれか一つに記載の装置。
【0196】
実施例83: 壁がブロー成形される、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~82のいずれか一つに記載の装置。
【0197】
実施例84: バルーンが、壁上に位置付けられた拡張可能なインプラントを拡張するように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~83のいずれか一つに記載の装置。
【0198】
実施例85: バルーンが、患者の体内への挿入のために送達カテーテルに結合するように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例66~84のいずれか一つに記載の装置。
【0199】
実施例86: 患者の体内に一部分を展開するためのシステムであって、細長いシャフトを含む送達カテーテルと、細長いシャフトに結合され、インプラントがその上に位置付けられるように構成され、半結晶性ポリマー及び非晶質ポリマーとのブレンドを含み、内表面を含む壁を有するバルーンと、を含み、バルーンが壁の内表面に印加される圧力を通して拡張可能である、システム。
【0200】
実施例87: 壁の外表面が先細りした外形を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例86のいずれか一つに記載のシステム。
【0201】
実施例88: 半結晶性ポリマーが半結晶性ポリアミドを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86又は実施例87のいずれか一つに記載のシステム。
【0202】
実施例89: 半結晶性ポリマーが半結晶性ナイロン12を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~88のいずれか一つに記載のシステム。
【0203】
実施例90: 非晶質ポリマーが透明な非晶質ナイロンを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~89のいずれか一つに記載のシステム。
【0204】
実施例91: 半結晶性ポリマーが、非晶質ポリマーのガラス転移温度よりも高い融解温度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~90のいずれか一つに記載のシステム。
【0205】
実施例92: 非晶質ポリマーの室温での引張係数が、半結晶性ポリマーの室温での引張係数よりも大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~91のいずれか一つに記載のシステム。
【0206】
実施例93: バルーンが軸方向寸法及び半径方向寸法を有し、壁が半径方向寸法よりも軸方向寸法において弱い引裂強度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~92のいずれか一つに記載のシステム。
【0207】
実施例94: インプラントをさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例86~93のいずれか一つに記載のシステム。
【0208】
実施例95: インプラントが、人工心臓弁を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例94に記載のシステム。
【0209】
実施例96: 患者の体内の一部分にインプラントを送達する方法であって、バルーンを患者の体内に挿入することであって、バルーンが、半結晶性ポリマー及び非晶質ポリマーとのブレンドを含み、内表面を有する、挿入することと、壁の内表面に加えられる圧力を通してバルーンを拡張して、患者の体内の一部分でインプラントを拡張することと、を含む、方法。
【0210】
実施例97: バルーンが送達カテーテルの細長いシャフトの遠位部分に位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例96の方法。
【0211】
実施例98: 半結晶性ポリマーが半結晶性ポリアミドを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例96又は実施例97のいずれか一つに記載の方法。
【0212】
実施例99: 半結晶性ポリマーが半結晶性ナイロン12を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例96~98のいずれか一つに記載の方法。
【0213】
実施例100: 非晶質ポリマーが透明な非晶質ナイロンを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例96~99のいずれか一つに記載の方法。
【0214】
実施例101: 非晶質ポリマーが、ブレンドの総重量の10重量パーセント~40重量パーセントを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例96~100のいずれか一つに記載の方法。
【0215】
実施例102: 半結晶性ポリマーが、非晶質ポリマーのガラス転移温度よりも高い融解温度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例96~101のいずれか一つに記載の方法。
【0216】
実施例103: 非晶質ポリマーの室温での引張係数が、半結晶性ポリマーの室温での引張係数よりも大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例96~102のいずれか一つに記載の方法。
【0217】
実施例104: バルーンが軸方向寸法及び半径方向寸法を有し、壁が半径方向寸法よりも軸方向寸法において弱い引裂強度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例96~103のいずれか一つに記載の方法。
【0218】
実施例105: 壁が、半結晶性ポリマーと非晶質ポリマーとのブレンドを有する第一の層を含み、第一の層の半径方向内向きに位置付けられる第二の層を含み、第二の層がナイロン12を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例96~104のいずれか一つに記載の方法。
【0219】
上記に言及される実施例1~105のいずれかを含むがこれらに限定されない、実施例のいずれの特徴も、上記に言及される実施例1~105のいずれかの任意の実施例を含むがこれらに限定されない、本明細書に特定される他のすべての態様及び実施例に適用可能である。さらに、上記に言及される実施例1~105のいずれかの任意の実施例を含むがこれらに限定されない、様々な実施例のうちの実施例のいずれの特徴も、任意の方法で本明細書に記載される他の実施例と、部分的又は完全に、独立して組み合わせ可能であり得、例えば、1つ、2つ又は3つ以上の実施例と、全体的又は部分的に組み合わせ可能であり得る。さらに、上記に言及される実施例1~105のいずれかの任意の実施例を含むがこれらに限定されない、様々な実施例のうちのいずれの特徴も、他の実施例に対して任意選択となり得る。方法の任意の実施例は、上記に言及される実施例1~105のいずれかの任意の実施例を含むがこれらに限定されない、別の実施例のシステム又は装置によって実施されてもよく、システム又は装置の任意の態様又は実施例は、別の態様又は実施例の方法を実施するように構成されてもよい。
【0220】
まとめると、本明細書の態様が、特定の実施例を参照することによって強調されるが、当業者であれば、これらの開示された実施例は、本明細書に開示される主題の原理の例示に過ぎないことを容易に認識されることが理解されるであろう。したがって、開示された主題が、本明細書に記述された特定の方法論、プロトコル、及び/又は試薬などに決して限定されないことは理解されるべきである。そのため、本開示の主題の様々な修正又は変更、又は代替的な構成は、本明細書の趣旨から逸脱することなく、本明細書の教示に従って実施され得る。最後に、本明細書で使用する用語は、特定の実施例のみを記述する目的であり、本明細書に開示されるようなシステム、装置、及び方法の範囲を限定することを意図するものではなく、これは、特許請求の範囲によってのみ定義される。したがって、システム、装置、及び方法は、図示及び説明されるような精密さに限定されない。
【0221】
システム、装置、及び方法の特定の実施例は、本明細書に記載されており、それらを実行するための発明者に知られている最良のモードが含まれる。当然のことながら、これらの説明される実施例の変形例は、上述の説明を読んだときに当業者にとって明らかとなる。発明者は、当業者に、かかる変形を適宜採用することを期待し、発明者は、本明細書に具体的に記述される以外の方法で実施されるシステム、装置、及び方法を意図する。したがって、システム、装置、及び方法は、準拠法により許容されるとおり、本明細書に添付される特許請求の範囲に列挙される主題の全ての修正及び均等物を含む。さらに、本明細書に別段の示唆がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形例における上述の実施例の任意の組み合わせは、システム、装置、及び方法によって包含される。
【0222】
システム、装置、及び方法の代替的な実施例、要素、又はステップのグループ化は、限定として解釈されるべきではない。各グループメンバーは、個別に、又は本明細書に開示される他のグループメンバーとの任意の組み合わせで、言及され、かつ請求され得る。グループの一つ以上のメンバーは、利便性及び/又は特許性を理由に、グループに含まれてもよく、又はグループから削除される可能性があることは予想される。このような任意の包含又は欠失が発生する場合、本明細書は、修正されたグループを含有し、したがって、添付の特許請求の範囲で使用する全てのマーカッシュグループの記述を満たすとみなされる。
【0223】
別段の示唆がない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用される特徴、アイテム、数量、パラメータ、特性、項などを表す全ての数字は、全ての場合で用語「約」によって修正されているものとして理解されるべきである。本明細書で使用する用語「約」は、そのように修飾された特徴、品目、数量、パラメータ、特性、又は項が、変動し得る近似を包含するが、本明細書で検討される所望の動作又はプロセスを実施可能であることを意味する。
【0224】
システム、装置、及び方法(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)を記述する文脈で使用する用語「一つの(a)」、「一つの(an)」、「その(the)」、及び類似の参照語は、本明細書に別段の示唆がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅するものとして解釈されるものとする。本明細書に説明される全ての方法は、本明細書に別段の示唆がない限り、又は文脈によってそうでなければ明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書に提供される任意の及び全ての実施例、又は例示的な文言(例えば、「など(such as)」)の使用は、単にシステム、装置、及び方法をより良く解明することを意図するものであり、そうでなければ請求されるシステム、装置、及び方法の範囲に制限をもたらさない。本明細書のいかなる文言も、システム、装置、及び方法の実践に必須であるいかなる未請求の要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0225】
本明細書において参照及び識別される全ての特許、特許刊行物、及びその他の刊行物は、例えば、システム、装置、及び方法に関連して使用され得る、かかる刊行物に記載される組成物及び方法論を記述及び開示する目的で、その全体が参照により、個別に及び明示的に本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日の前に、それらの開示のためにのみ提供される。この点に関するいかなる規定も、発明者が、先行発明を理由として、又はその他の任意の理由により、かかる開示を先行する権利を有するものではないことを認めるものとして解釈されるべきではない。これらの文書の内容に関する日付又は表明に関する全ての陳述は、出願人が入手可能な情報に基づくものであり、これらの文書の日付又は内容の正確性を認めるものではない。
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【国際調査報告】