(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】神経介入磁気共鳴撮像装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20240426BHJP
H01F 7/02 20060101ALI20240426BHJP
H01F 7/20 20060101ALI20240426BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20240426BHJP
【FI】
A61B5/055 331
A61B5/055 390
H01F7/02 Z
H01F7/20 C
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568537
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022072143
(87)【国際公開番号】W WO2022236308
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523419107
【氏名又は名称】ニューロ42 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナセフ,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーラ,アミット
(72)【発明者】
【氏名】クマール,ディネシュ
(72)【発明者】
【氏名】サドワニ,ニキル
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,ニオ
【テーマコード(参考)】
4C096
4C130
【Fターム(参考)】
4C096AA18
4C096AD08
4C096CA06
4C096CA09
4C096FC20
4C130AA00
4C130AD25
(57)【要約】
磁気共鳴撮像(MRI)装置(1820)が開示される。本MRI装置は、ハルバッハドーム構造(400、500、800、1000、1200、1400、1500、1600)内に固設された複数の磁気素子(608、808、1008、1608)を含む。ハルバッハドーム構造(400、500、800、1000、1200、1400、1500、1600)は、神経介入を可能にするために、患者の頭部(410、510、1404)へのアクセスを許容するように構成されたアクセス開口部(402、502、810、1010、1202、1406、1502、1602)を画定し、かつ患者の頭部(410、510、1404)を受容するように構成された患者開口を画定する。様々な態様において、ハルバッハドーム(400、500、800、1000、1200、1400、1500、1600)は、サイズを調整可能とすることができる複数のアクセス開口部(402、1502、1602)及び/又はギャップ(502)を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴撮像装置であって、
ドーム形状として構成された構造ハウジングであって、前記構造ハウジングは、前記ドームの基部において患者の頭部を受容するように構成されており、前記構造ハウジングは、神経介入を可能にするために、前記患者の頭部へのアクセスを許容するように構成されたアクセス開口部を画定する、構造ハウジングと、
ハルバッハ配列で構成された複数の磁気素子であって、前記複数の磁気素子は、前記構造ハウジングの内面に恒久的に固設されている、複数の磁気素子と、を備える、磁気共鳴撮像装置。
【請求項2】
前記アクセス開口部は、直径を画定するホールの形態で構成されている、請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項3】
前記ホールの前記直径は、調整可能である、請求項2に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項4】
前記アクセス開口部は、幅を画定するギャップの形態で構成されている、請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項5】
前記ギャップの前記幅は、調整可能である、請求項4に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項6】
複数のアクセス開口部を備える、請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項7】
前記複数のアクセス開口部の各々1つは、ホールの形態である、請求項6に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項8】
前記複数のアクセス開口部の各々1つは、ギャップの形態である、請求項6に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項9】
前記複数のアクセス開口部ギャップの各々1つの幅は、調整可能である、請求項8に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項10】
複数のアクセス開口部を備え、少なくとも1つのアクセス開口部は、ホールの形態であり、少なくとも1つのアクセス開口部は、ギャップの形態である、請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項11】
前記構造ハウジングは、前記アクセス開口部が神経介入のための標的位置と位置合わせされるように、回転するように構成されている、請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項12】
磁気共鳴撮像装置であって、
ドーム形状として構成された構造ハウジングであって、前記構造ハウジングは、前記ドームの基部において患者の頭部を受容するように構成されており、
前記構造ハウジングは、神経介入を可能にするために、前記患者の頭部へのアクセスを許容するように構成されたアクセス開口部を画定する複数のくさびを備える、構造ハウジングと、
ハルバッハ配列で構成された複数の磁気素子であって、前記複数の磁気素子は、前記構造ハウジングの内面に恒久的に固設されている、複数の磁気素子と、を備える、磁気共鳴撮像装置。
【請求項13】
前記アクセス開口部は、前記複数のくさびのうちの少なくとも2つの間の幅を画定するギャップの形態で構成されている、請求項12に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項14】
前記ギャップの前記幅は、調整可能である、請求項13に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項15】
前記ギャップの前記幅は、前記複数のくさびのうちの少なくとも1つを、長手方向軸に沿って、前記ドーム形状の中心に向かって、又は前記ドーム形状の前記中心から離れるように、移動させることによって調整可能である、請求項13に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項16】
複数のアクセス開口部を備える、請求項12に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項17】
前記複数のくさびのうちの少なくとも1つは、神経介入を可能にするために、前記患者の頭部へのアクセスを許容するように取り外し可能である、請求項12に記載の磁気共鳴撮像。
【請求項18】
前記構造ハウジングは、前記アクセス開口部が神経介入のための標的位置と位置合わせされるように、回転するように構成されている、請求項12に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項19】
複数のアクセス開口部を備え、少なくとも1つのアクセス開口部は、ギャップの形態であり、少なくとも1つのアクセス開口部は、前記構造ハウジングによって直径を画定するホールの形態である、請求項12に記載の磁気共鳴撮像装置。
【請求項20】
神経介入システムであって、
ハルバッハドーム内に複数の磁気素子を更に備え、前記ハルバッハドームは、神経介入を可能にするために、患者の頭部へのアクセスを許容するように構成されたアクセス開口部を画定する、磁気共鳴撮像装置を備える磁気共鳴撮像システムと、
ロボットアームを備える誘導式ロボットシステムと、を備え、前記誘導式ロボットシステムは、神経介入のために前記ハルバッハドームの前記アクセス開口部を通して前記ロボットアームを誘導するように構成されている、神経介入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月5日に出願された、「NEURAL INTERVENTIONAL MAGNETIC RESONANCE IMAGING APPARATUS」と題する米国仮特許出願第63/184,748号に対して、米国特許法第119条(e)に基づく優先権の利益を主張し、その開示全体は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
本開示は、磁気共鳴撮像(MRI)、医療撮像、医療介入、及び外科的介入に関する。MRIデバイスは、多くの場合、外科的介入を行うことの実現可能性について重大な制約をもたらす、大型でかつ複雑な機械である。これらの制約は、外科医又はロボットのいずれかによる患者への物理的アクセスが制限されること、並びにスキャナの近傍内で電気的及び機械的コンポーネントを使用する際に制限されることを含む多くの形態で生じる。現代のMRIスキャナは、外科用誘導を可能にするようには設計されていないため、これらの制限は、システムの基礎となる設計に本来備わっているものであり、克服することは困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様では、本開示は、磁気共鳴撮像装置について記載しており、この装置は、ドーム形状として構成された構造ハウジングであって、構造ハウジングは、ドームの基部において患者の頭部を受容するように構成されており、構造ハウジングは、神経介入を可能にするために、患者の頭部へのアクセスを許容するように構成されたアクセス開口部を画定する、構造ハウジングと、ハルバッハ配列で構成された複数の磁気素子であって、複数の磁気素子は、構造ハウジングの内面に恒久的に固設されている、複数の磁気素子と、を備える。
【0004】
別の態様では、本開示は、磁気共鳴撮像装置について記載しており、この装置は、ドーム形状として構成された構造ハウジングであって、構造ハウジングは、ドームの基部において患者の頭部を受容するように構成され、構造ハウジングは、神経介入を可能にするために、患者の頭部へのアクセスを許容するように構成されたアクセス開口部を画定する複数のくさびを含む、構造ハウジングと、ハルバッハ配列で構成された複数の磁気素子であって、複数の磁気素子は、構造ハウジングの内面に恒久的に固設されている、複数の磁気素子と、を備える。
【0005】
更に別の態様では、本開示は、神経介入システムについて記載しており、この神経介入システムは、神経介入を可能にするために、患者の頭部へのアクセスを許容するように構成されたアクセス開口部を画定するハルバッハドーム内に複数の磁気素子を更に備える磁気共鳴撮像装置を備える磁気共鳴撮像システムと、ロボットアームを備える誘導式ロボットシステムと、を備え、誘導式ロボットシステムは、神経介入のためにハルバッハドームのアクセス開口部を通してロボットアームを誘導するように構成されている。
【0006】
本明細書に記載される様々な態様は、動作の編成及び方法の両方について、それらの更なる目的及び利点とともに、以下の添付図面と併せて、以降の説明を参照して最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の少なくとも1つの態様による、内部に患者の頭部を受容するように構成されたアクセス開口部を画定する壁構造を有するハルバッハシリンダを示す。
【
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、アクセス開口部を画定するC字形ヨーク状双極子を示す。
【
図3】本開示の少なくとも1つの態様による、アクセス開口部を画定する完全ヨーク状双極子を示す。
【
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、磁気共鳴撮像システムの制御概略図である。
【
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、ホールの形態でアクセス開口部を画定するハルバッハドームを示し、ここで、ドームは、患者の頭部を受容するように構成され、アクセス開口部は、神経介入を可能にするために、患者の頭部へのアクセスを許容するように構成される。
【
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、例示された
図5に示されたアクセスホールを有するハルバッハドームの断面図である。
【
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、ギャップの形態でアクセス開口部を画定するハルバッハドームを示し、ここで、ハルバッハドームは、患者の頭部を受容するように構成され、アクセスギャップは、神経介入を可能にするために、患者の頭部へのアクセスを許容するように構成される。
【
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、例示された
図7に示されたアクセスギャップを有するハルバッハドームの断面図である。
【
図9】様々な実施形態による、ロボットシステムと関連して使用されるMRIシステムを示す。
【
図10】A、B、及びCは、本開示の少なくとも1つの態様による、アクセス開口部のないハルバッハドームのラインシミュレーションを示し、それぞれ、等角図、底面図、及び上面図を含む。
【
図11A】A、B、及びCは、本開示の少なくとも1つの態様による、
図10A、10B、及び10Cに示されたハルバッハドームのx方向、y方向、及びz方向に対する磁束密度Bをそれぞれ示す。
【
図12】A、B、及びCは、本開示の少なくとも1つの態様による、アクセス開口部の直径D≒10cmを有するアクセス開口部を画定するハルバッハドームのラインシミュレーションを示し、それぞれ、等角図、底面図、及び上面図を含む。
【
図13】A、B、及びCは、本開示の少なくとも1つの態様による、
図12A、12B、及び12Cに示されたハルバッハドームのx方向、y方向、及びz方向に対する磁束密度Bをそれぞれ示す。
【
図14】A、B、及びCは、本開示の少なくとも1つの態様による、アクセス開口部の直径D≒16cmを有するアクセス開口部を画定するハルバッハドームの線シミュレーションを示し、それぞれ、等角図、底面図、及び上面図を含む。
【
図15】A、B、及びCは、本開示の少なくとも1つの態様による、
図14A、14B、及び14Cに示されたハルバッハドームのx方向、y方向、及びz方向に対する磁束密度Bをそれぞれ示す。
【
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、アクセスギャップ幅W
gap≒10cmを備えるアクセスギャップを有するハルバッハドームの図である。
【
図17】本開示の少なくとも1つの態様による、アクセスギャップ幅W
gap≒10cmを備えるアクセスギャップを有するハルバッハドームの図である。
【
図18】A、B、及びCは、本開示の少なくとも1つの態様による、
図16及び17に示されたハルバッハドームのx方向、y方向、及びz方向に対する磁束密度Bをそれぞれ示す。
【
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のくさびを含むハルバッハドームの概略図である。
【
図20】本開示の少なくとも1つの態様による、
図19のハルバッハドームの上面図である。
【
図21】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のアクセス開口部を画定するハルバッハドームの等角図である。
【
図22】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のアクセス開口部及び調整可能なギャップを画定するハルバッハドームの等角図である。
【
図23】本開示の少なくとも1つの態様による、アクセス開口部を画定するハルバッハドームを含むスキャンニングシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
対応する参照符号は、いくつかの図全体にわたって対応する部分を示す。本明細書に記載される実例は、開示される様々な実施形態を例示し、1つの形態であり、そのような実例は、いかなる方法によってもそれらの範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0009】
神経介入磁気共鳴撮像デバイスの様々な態様を詳細に説明する前に、説明される例は、添付図面及び明細書に説明される部分の構造及び配置の詳細に対する適用又は使用に限定されるものではないことに留意されたい。説明される例は、他の態様、変形例、及び修正例において実施されるか又は援用されてもよく、様々な方法で実践又は実行されてもよい。更に、特段指示されていない限り、本明細書に使用される用語及び表現は、読者の便宜上、解説される例を説明する目的で選択されており、それらを限定する目的のためではない。また、以下に記載される態様、態様の表現、及び/又は例のうちの1つ以上は、以下に記載される他の態様、態様の表現、及び/又は例のうちの任意の1つ以上と組み合わせることができることが理解されるであろう。
【0010】
様々な態様は、MRIとの外科的介入及び誘導の統合を許容する神経介入磁気共鳴撮像(MRI)デバイスを対象とする。これには、患者の周りの領域への物理的なアクセス、並びにアクセス開口部を用いた患者の頭部へのアクセスを与えることが含まれる。更に、神経介入磁気共鳴撮像デバイスは、ロボット誘導ツール及び従来の外科用実装例の使用を許容する必要がある。
【0011】
外科的介入のために改善されるアクセスを達成することができる、神経介入磁気共鳴撮像デバイスの多くの可能な構成が存在する。これらの構成は、Cooleyら(例えば、Cooley、C.Z.、Haskell、M.W.、Cauley、S.F.、Sappo、C.、Lapierre、C.D.、Ha、C.G.、Stockmann、J.P.、&Wald、L.L.(2018).Design of sparse Halbach magnet arrays for portable MRI using a genetic algorithm.IEEE transactions on magnetics, 54(1),5100112(これらの各々は、参照により、本明細書に援用される))によって教示されているように、一般にハルバッハシリンダ及びハルバッハドームとして知られる、2つの主な設計に基づいて構築される。可能な構成が、以下の図に示される。2018年に、IEEE transaction on magnetics、54(1)、5100112に掲載された、Cooleyらによる記事「Design of sparse Halbach magnet arrays for portable MRI using a genetic algorithm」は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0012】
図1は、本開示の少なくとも1つの態様による、内部に患者の頭部104を受容するように構成されたアクセス開口部102を画定する壁構造106を有するハルバッハシリンダ100を例示している。例えば、
図5~8を参照して本明細書に記載されているような追加のアクセス開口部は、シリンダ100の壁構造106内に画定され得る。ハルバッハシリンダは、ハルバッハ配列に構成された磁気アセンブリ内に複数の磁気素子を備える。ハルバッハ配列は、複数の磁気素子の構成に基づいて、主磁束密度B
0が複数の磁気素子によって生成されるように、構成され得る。様々な態様では、磁気素子は、永久磁石又は電気永久磁石を含む。
【0013】
図2は、本開示の少なくとも1つの態様による、アクセス開口部202を画定するC字形ヨーク状双極子200を例示している。このC字形ヨーク状双極子200は、第1の磁気素子204及び第2の磁気素子206を備え、そこでは、主磁場B
0は、第2の磁気素子206の方向にギャップを横切って延びる。様々な態様では、第1の磁気素子204及び第2の磁気素子206の各々は、単一の磁極として構成され得るか、又は磁気アセンブリ内の複数の磁気素子として構成され得る。C字形ヨーク状双極子200は、ハルバッハシリンダ100と比較して、第1の磁気素子204と第2の磁気素子206との間の患者により大きなアクセスを提供する。しかしながら、C字形ヨーク状双極子200は、ハルバッハシリンダ100と比較して、主磁場B
0強度、サイズ、及び均一性において制限される。
【0014】
図3は、本開示の少なくとも1つの態様による、アクセス開口部252を画定する完全ヨーク状双極子250を例示している。この完全ヨーク状双極子250は、C字形ヨーク状双極子200による制限のうちのいくつかを解決するが、プロセス中のアクセス開口部を減少させる。
【0015】
本開示は、更に、ハルバッハドームについて説明し、これは、主磁場B
0強度、磁場サイズ、磁場の均一性、デバイスサイズ、デバイス重量、及び神経介入のための患者へのアクセスを含むいくつかの要因に基づいて、構成可能なドーム形状を提供する。様々な態様では、ハルバッハドームは、ドームの基部において、外径r
ext及び内径r
inを備える。ハルバッハドームは、ドームの基部から延びる細長い円筒形部分を備えることができる。一態様では、この細長い円筒形部分は、ドームの基部と同じ外径及び内径を備え、一定の半径で、所定の長さでドームの基部から続いている(
図5~7を参照)。別の態様では、細長い円筒形部分は、ドームの基部とは異なる外径及び内径を備える(
図17及び21を参照)。細長い円筒形部分の異なる外径及び内径は、遷移領域において基部径と同じになる。
【0016】
図4は、MRIシステム300の制御概略図を示している。例えば、撮像システム300は、磁石アセンブリ308を含み、これは、様々な例において、ハルバッハシリンダ100又はハルバッハドーム(例えば、
図5~8、10、12、14、及び19~23を参照)と同様であってもよい。撮像システム300はまた、RF送信コイル310及びRF受信コイル314も含む。様々な態様では、RF送信コイル310及び/又はRF受信コイルはまた、MRIスキャナのハウジング内にも位置決めされ得、ある特定の例では、RF送信コイル310及びRF受信コイル314は、統合化されたTx/Rxコイルに合体することができる。システム300はまた、傾斜コイル320も含み、それは、傾斜磁場を生成して、視野312内の物体の撮像を容易にするように構成されている。
【0017】
MRIシステム300はまた、コンピュータ302も含み、それは、分光計304と信号通信し、コンピュータ302と分光計304との間で信号を送受信するように構成されている。様々な態様では、主磁場B0は、磁気アセンブリ308によって生成され、磁気アセンブリ308から離れるように、かつRF送信コイル310から離れるように、撮像視野312内に延びる。視野312は、MRIシステム300によって撮像されている物体を含む。
【0018】
撮像プロセスの間、主磁場B0は、視野312内に延びる。有効磁場(B1)の方向は、RF送信コイル310からのRFパルス及び関連する電気磁場に応答して変化する。例えば、RF送信コイル310は、RF信号又はパルスを、視野内の物体、例えば、組織に選択的に伝送するように構成され得る。これらのRFパルスは、試料(例えば、患者組織)内のスピンによって経験される有効磁場を変化させることができる。
【0019】
更に、視野312内の物体がRF送信コイル310からのRFパルスで励起されたとき、物体の歳差運動により、誘導電流又はMR電流が生じ、それは、RF受信コイル314によって検出される。RF受信コイル314は、励起データをRFプリアンプ316に送信することができる。RFプリアンプ316は、励起データ信号を増強又は増幅し、それらを分光計304に送信することができる。分光計304は、記憶、分析、及び画像構築のために、励起データをコンピュータ302に送信することができる。このコンピュータ302は、例えば、複数の記憶された励起データ信号を組み合わせて、画像を作成することができる。
【0020】
分光計304からは、信号はまた、RFパワーアンプ306を介してRF送信コイル310にも中継され得、傾斜パワーアンプ318を介して傾斜コイル320にも中継され得る。RFパワーアンプ306は、信号を増幅し、その信号をRF送信コイル310に送信する。傾斜パワーアンプ318は、傾斜コイル信号を増幅し、その信号を傾斜コイル320に送信する。
【0021】
図5は、本開示の少なくとも1つの態様による、ホール402の形態でアクセス開口部を画定するハルバッハドーム400を例示しており、ここでは、ドーム400は、患者の頭部404を受容するように構成され、アクセスホール402は、神経介入を可能にするために、患者の頭部404へのアクセスを許容するように構成されている。このハルバッハドーム400構成は、ドーム400の上面406における単一のアクセスホール402、又はドーム400の構造408の周りに複数のアクセス開口部402を有して構築することができる。この構成により、磁場への影響を最小限に抑えながら、頭蓋骨の頂部へのアクセスが許容される。アクセスホール402の直径Dは、小さくてもよく(約2.54cm)、又は非常に大きくてもよい(実質的に、ドーム400の外径r
ext)。ただし、アクセスホール402が大きくなるにつれて、
図1に示すように、ドーム400は、ハルバッハシリンダ100設計に類似し始める。ホール402は、ドーム400の頂上にあることに限定されず、ドーム400の表面又は構造408の任意のどこにでも配置することができる。ドーム400システム全体は、アクセスホール402が患者410上の所望の物理的位置と同じ位置に配置することができるように、回転することができる。
【0022】
図6は、本開示の少なくとも1つの態様による、
図5に示されたアクセスホール402を有するハルバッハドーム400の断面図である。
図6は、アクセスホール402の直径D、ドーム400の長さL、並びにドーム400の外径r
ext及び内径r
inなどの、アクセスホール402を画定するハルバッハドーム400の相対的な寸法を示している。ハルバッハドーム400は、ハルバッハ配列で構成され、かつ磁気アセンブリを構成する複数の磁気素子を備える。この複数の磁気素子は、ハウジング内の外径r
ext及び内径r
inによって密閉され得る。一態様では、例示的な寸法は、以下のように画定され得る。
r
in=19.3cm、
r
ext=23.6cm、
L=38.7cm、及び
2.54cm≦D<19.3cm。
【0023】
上記の例示的な寸法に基づいて、アクセス開口部402を有するハルバッハドーム400は、約72mTの磁束密度B
0、及び約35kgの全質量で構成することができ、
図12及び13を参照されたい。寸法は、特定の用途に基づいて選択されて、神経介入アクセスホール402の所望の磁束密度B
0及び幾何学的形状を達成することができることが認識されるであろう。
【0024】
様々な態様では、ハルバッハドーム400は、ドーム400の構造408の周りの任意の場所に配置された複数のアクセス開口部402を画定するように構成することができる。これらの複数のアクセス開口部402は、ツール(例えば、外科用ツール)又はロボットを使用して、患者の頭部404へのアクセスを許容するように構成することができる。
【0025】
様々な態様では、アクセスホール402は、調整可能であるように構成することができる。この調整可能な構成は、アクセスホール402が、モータ、機械的支援、又は虹彩構成を備える手動システムのいずれかを使用して調整される能力、例えば、アクセスホール402の直径Dを調整する能力を提供することができる。これにより、アクセスホール402が存在しない構成で撮像デバイスドーム400を取り付けること、撮像スキャンを実行すること、次いで、外科的介入を可能にするためにアクセスホール402を含めるように撮像デバイスドームの構成を調整することが許容されることになる。アクセスホール402は、2.54cmのサイズの幅Dholeからドーム400の内径rintまでの範囲とすることができる。Dholeが内径rintに等しい態様では、ハルバッハドーム400は、ハルバッハシリンダ100と同様に構成されることになる。
【0026】
図7は、本開示の少なくとも1つの態様による、ギャップ502の形態でアクセス開口部を画定するハルバッハドーム500を例示しており、そこでは、ドーム500は、患者の頭部504を受容するように構成され、アクセスギャップ502は、神経介入を可能にするために、患者の頭部504へのアクセスを許容するように構成されている。アクセスギャップ502構成を備えるハルバッハドーム500は、ドーム500の構造ハウジング508によって画定された単一の大きなアクセスギャップ502、又は複数のアクセスギャップ502を画定することができる。このアクセスギャップ502は、それが患者の頭部504を、鼻を通って頭部504の後ろに二等分するかのように、患者510の長手方向軸514を通って延在するように示されている。
図1及び6に示されたアクセスホール402と同様に、
図7に示されたアクセスギャップ502は、ドーム500の2.54cmの幅W
gapのサイズから内径(2×r
int)までの範囲に及ぶことができる。アクセスギャップ502は、
図7に図示してある平面内にある必要はなく、デバイスの磁石ドーム500内の任意の配向に配置することができる。ドーム500システム全体は、矢印512によって示されているように、回転可能とすることができ、このため、アクセスギャップ502は、患者510上の所望の物理的位置と同じ位置に配置することができる。
【0027】
図8は、本開示の少なくとも1つの態様による、
図7に示されたアクセスギャップ502を有するハルバッハドーム500の断面図である。
図7は、アクセスギャップ502の幅W
gap、ドーム500の長さL、並びにドーム500の外径r
ext及び内径r
inなどの、アクセスギャップ502とのハルバッハドーム500の相対的な寸法を示している。一態様では、例示的な寸法は、以下のように画定され得る。
r
in=19.3cm、
r
ext=23.6cm、
L=38.7cm、及び
2.54cm≦W
gap<19.3cm。
【0028】
上記の例示的な寸法に基づいて、アクセスギャップ502を有するハルバッハドーム500は、約72mTの磁束密度B0、及び約35kgの全質量で構成することができる。寸法は、特定の用途に基づいて選択されて、所望の磁束密度B0及び神経介入アクセスギャップ502を達成することができることが理解されるであろう。
【0029】
様々な態様では、ドーム500の構造ハウジング508は、ドーム500の構造ハウジング508の周りに複数のギャップ502を画定するように構成することができる。これらの複数のアクセスギャップ502は、ツール(例えば、外科用ツール)又はロボットを使用して、患者の頭部504へのアクセスを許容するように構成することができる。
【0030】
様々な態様では、アクセスギャップ502は、調整可能とすることができる。この調整可能な構成は、アクセスギャップ502が、モータ、機械的支援、又は手動システムのいずれかを使用して調整される能力を提供することができる。これにより、アクセスギャップ502が存在しない構成で撮像デバイスドーム500を取り付けること、撮像スキャンを実行すること、次いで、外科的介入を可能にするためにアクセスギャップ502を含めるように撮像デバイスドームの構成を調整することが許容されることになる。更に、アクセスギャップ502の調整は、患者に対する特定の撮像の必要性又は標的位置に従って、磁場にシムすることを許容し得る。様々な態様では、アクセスギャップの長さは、外部の表面距離に沿って、ハルバッハドームの天頂部の中心からドームの基部まで延ばすことができる。
【0031】
図5~8を参照すると、様々な態様では、ハルバッハドームは、アクセスホール402とアクセスギャップ502との組み合わせで構成することができる。
【0032】
更に、
図1に戻って参照すると、様々な態様では、ハルバッハシリンダ100は、
図5及び6に示されたアクセスホール402、並びに/又は
図7及び8に示されたアクセスギャップ502などの、シリンダ100の壁構造106によって画定された複数のアクセス開口部で構成することができる。
【0033】
図9は、様々な実施形態による、ハルバッハドームのアクセス開口部での神経介入のために使用することができるロボットシステム1800のグラフィカルな説明図を示している。このロボットシステム1800は、ハルバッハドーム400を有する磁気撮像装置1820、コンピュータシステム1840、及びロボットシステム1860を含む。例示的な磁気撮像装置1820は、ハルバッハドーム400によって画定されたアクセス開口部を含み得、この開口部は、医療処置中に撮像されている患者の1つ以上の解剖学上の部分へのアクセスを提供する。
【0034】
磁気撮像装置1820は、ロボットアームが患者又は標的部位に到達するように延ばすことができるアクセス開口部を含み、他の例では、磁気撮像装置1820は、2つ以上のアクセス開口部を含むことができる。各アクセス開口部は、患者及び/又は手術部位へのアクセスを提供することができる。例えば、複数のアクセス開口部の例では、それらの複数のアクセス開口部は、異なる方向及び/又は近位位置からのアクセスを許容することができる。
【0035】
様々な実施形態によれば、ロボットシステム1860は、磁気撮像装置1820の外部に配置されるように構成される。
図9に示すように、ロボットシステム1860は、様々な角度で移動するように構成されているロボットアーム1862を含むことができる。様々な実施形態によれば、ロボットアーム1862は、中空のシャフト1864及びエンドエフェクタ1866を含む1つ以上の機械的なアーム部分を含み、これは、ロボットアーム1862が1つ以上の運動コントローラ1870を介して様々な角度で移動、回転、及び旋回することを許容する構成で接続されている。
図9の両端曲線矢印は、運動コントローラ1870によって生成される回転運動を表している。
【0036】
様々な実施形態によれば、ロボットシステム1860のロボットアーム1862は、磁気撮像装置1820を介して又はその周りで、対象とする様々な解剖学上の部分にアクセスするように構成される。様々な実施形態によれば、アクセス開口部は、医療処置中に、患者の対象とする様々な解剖学上の部分における操作のために、ロボットシステム1860のロボットアーム1862へのアクセスを提供するように特に設計され、様々な実施形態によれば、アクセス開口部は、ロボットアーム1862のサイズを考慮するように設計される。例えば、アクセス開口部は、周縁部であって、本明細書に記載される様々なロボットアームなどの、そこを通るロボットアームを収容するように構成されている周縁部を画定し、様々な実施形態によれば、ロボットシステム1860のロボットアーム1862は、磁気撮像装置1820の側部の周りから患者の様々な解剖学上の部分にアクセスするように構成される。
【0037】
磁気撮像装置については、2018年6月06日に出願された「UNILATERAL MAGNETIC RESONANCE IMAGING SYSTEM WITH APERTURE FOR INTERVENTIONS AND METHODOLOGIES FOR OPERATING SAME」と題する米国特許出願第16/003,585号に更に記載されており、これは、その全体が参照により本明細書に援用される。読者は、ロボットシステム1860が、本開示の特定の態様において、本明細書に記載される様々なハルバッハドーム及びシリンダと組み合わせて使用することができることを認識するであろう。
【0038】
図10A~10Cは、アクセス開口部が存在しないハルバッハドーム600のラインシミュレーションの様々な図を例示している。それらの図は、等角
図602、底面
図604、及び上面
図606を含む。ハルバッハドーム600は、ハルバッハ配列内に複数の磁気素子608を含む。磁気素子608は、北極及び南極を用いて示されている。磁気素子は、結果として得られる磁束密度Bを生成し、その磁束密度は、
図10Cの垂直軸によって示されるように、Z軸に沿って南極から北極への方向を指す。
図10Aは、ドームの天頂部から基部の中心を通るX軸を示しており、
図10Bは、垂直軸に沿ったところからのY軸を示している。
【0039】
図11A~11Cは、
図10A~10Cに示されたハルバッハドーム600のx方向、y方向、z方向に沿った磁束密度Bを例示している。垂直軸スケールは、B=70mT~B=75mTの範囲である。第1のグラフ700は、x軸に沿った磁束密度B曲線702を例示しており、ここで、x=0において、B
0≒73.4mTである。第2のグラフ710は、y軸に沿った磁束密度B曲線712を例示しており、ここで、y=0において、B
0≒73.5mTである。第3のグラフ720は、z軸に沿った磁束密度B曲線722を例示しており、ここで、z=0において、B
0≒73.4mTである。したがって、この例では、公称磁束密度B
0≒73.5mTである。
【0040】
y軸に沿った磁束密度B曲線712、及びz軸に沿った曲線722は、比較的平坦であり、所定の空間内で比較的安定した磁束密度を維持している。様々な態様では、磁気素子の位置及び配向は、均一な磁束密度Bを生成するように構成することができる。
【0041】
図12A~12Cは、本開示の少なくとも1つの態様による、等角
図802、底面
図804、及び上面
図806を含む、アクセス開口部810を画定するハルバッハドーム800のラインシミュレーションの様々な図を例示している。ハルバッハドーム800は、ハルバッハ配列内に複数の磁気素子808を含む。磁気素子808は、北極及び南極を用いて示されている。磁気素子は、結果として得られる磁束密度Bを生成し、その磁束密度は、
図12Cの垂直軸によって示されるように、Z軸に沿って、南極から北極への方向を指す。
図12Aは、ドームの天頂部から基部の中心を通るX軸を示しており、
図12Bは、垂直軸に沿ったところからのY軸を示している。アクセス開口部810は、直径D≒10cmを有する。
【0042】
図13A~13Cは、
図12A~12Cに示されたハルバッハドーム800のx方向、y方向、z方向に対する磁束密度Bを例示している。垂直軸スケールは、B=70mT~B=75mTの範囲である。第1のグラフ900は、x軸に沿った磁束密度B曲線902を例示しており、ここで、x=0において、B
0≒72.5mTである。第2のグラフ910は、y軸に沿った磁束密度B曲線912を例示しており、ここで、y=0において、B
0≒72.8mTである。第3のグラフ920は、z軸に沿った磁束密度B曲線922を例示しており、ここで、z=0において、B
0≒72.8mTである。したがって、この例では、公称磁束密度B
0≒72.7mTである。
【0043】
図14A~14Cは、本開示の少なくとも1つの態様による、等角
図1002、底面
図1004、及び上面
図1006を含む、アクセス開口部1010を画定するハルバッハドーム1000のラインシミュレーションの様々な図を例示している。アクセス開口部1010は、直径D≒16cmを有する。磁気素子1008は、結果として得られる磁束密度Bを生成し、その磁束密度は、
図14Cの垂直軸によって示されたように、Z軸に沿って、南極から北極への方向を指す。
図14Aは、ドームの天頂部から基部の中心を通るX軸を示しており、
図14Bは、垂直軸に沿ったところからのY軸を示している。
【0044】
図15A~15Cは、
図14A~14Cに示されたハルバッハドーム1000のx方向、y方向、z方向に対する磁束密度B、並びに垂直軸に沿った磁束密度Bを例示している。垂直軸スケールは、B=70mT~B=75mTの範囲である。第1のグラフ1100は、x軸に沿った磁束密度B曲線1102を例示しており、ここで、x=0において、B
0≒70.1mTである。第2のグラフ1110は、y軸に沿った磁束密度B曲線1112を例示しており、ここで、y=0において、B
0≒70.7mTである。第3のグラフ1120は、z軸に沿った磁束密度B曲線1122を例示しており、ここで、z=0において、B
0≒70.7mTである。したがって、この例では、公称磁束密度B
0≒70mTである。
【0045】
図16は、本開示の少なくとも1つの態様による、yz平面上にアクセスギャップ1202を画定するハルバッハドーム1200のラインシミュレーションの図であり、
図17は、xz平面上にアクセスギャップ1202を画定するハルバッハドーム1200のラインシミュレーションの図である。アクセスギャップ1202は、ハルバッハドーム1200内に複数の磁気素子1204を支持する構造ハウジングに従って画定されている。磁気素子1204は、北極及び南極を用いて示されている。アクセスギャップ1202は、幅W
gap≒10cmを有し、これは、ギャップの幅W
gapに沿って取り除かれた10個の立方体磁気素子を有する閉じたハルバッハドーム構成におおむね等しい。
【0046】
図18A~18Cは、
図16及び17に示されたハルバッハドーム1200のx方向、y方向、z方向に対する磁束密度Bを例示している。垂直軸スケールは、B=70mT~B=75mTの範囲である。第1のグラフ1300は、x軸に沿った磁束密度B曲線1302を例示しており、ここで、x=0において、B
0≒68.4mTである。第2のグラフ1310は、y軸に沿った磁束密度B曲線1312を例示しており、ここで、y=0において、B
0≒68.4mTである。第3のグラフ1320は、z軸に沿った磁束密度B曲線1322を例示しており、ここで、z=0において、B
0≒68.4mTである。したがって、この例では、公称磁束密度B
0≒68.5mTである。
【0047】
図10A~18Cは、異なるハルバッハドーム構成の変動、及びそれらのそれぞれの磁束密度への影響を示している。それらの異なる構成は、アクセス開口部を通る患者へのアクセスを提供しながら、特定の体積内の全体的な磁束密度への影響が驚くほど小さいことを実証した。
【0048】
図19は、本開示の少なくとも1つの態様による、複数のくさび1402を含むハルバッハドーム1400の概略説明図である。
【0049】
図20は、本開示の少なくとも1つの態様による、
図19に示されたくさび1402を含むハルバッハドーム1400のトップダウン図である。くさび1402は、患者の頭部1404を取り囲むように位置決めすることができ、くさび1404の間に画定されたアクセス開口部1406は、神経介入を可能にするために、患者の頭部1404へのアクセスを許容するように構成されている。様々な態様では、くさびは、ハルバッハ配列内に複数の磁気素子を含む構造的なコンポーネントである。一態様では、くさび1402を取り除いて、神経介入のための、患者の頭部1404へのアクセスを提供することができる。一態様では、各くさびは、それぞれの半径方向の軸1408に沿って患者の頭部1404の中心に向かって、又は患者の頭部1404の中心から離れるよう移動するように構成することができる。くさび1402が患者の頭部の中心から離れるように移動すると、アクセス開口部1406のサイズが増加する。くさび1402が患者の頭部の中心に向かって移動するにつれて、アクセス開口部1406のサイズは、くさび間のそれらのギャップが密封されるまで、減少する。各くさび1402は、他のくさび1402の移動とともに、個別に又は比例して移動されてもよい。
【0050】
図21は、本開示の少なくとも1つの態様による、複数のアクセス開口部1502を画定するハルバッハドーム1500の等角図である。
【0051】
図22は、本開示の少なくとも1つの態様による、複数のアクセス開口部1602及び調整可能なギャップ1604を画定するハルバッハドーム1600の等角図である。ハルバッハドーム1600は、固定される位置に複数の磁気素子を保持するエポキシ樹脂などの接着剤1606を含む。複数の磁気素子1608は、例えば、プラスチック基材などの構造ハウジング1610に結合される。様々な態様では、接着剤1606及び構造ハウジング1610は、非導電性材料又は反磁性材料であってもよい。本態様では、ハルバッハドーム1600は、2つの構造ハウジング1610を含む。様々な態様では、ハルバッハドームは、例えば、
図19及び20におけるものなどの3つ以上の構造ハウジングを含むことができる。構造ハウジング1610内のアクセス開口部1602は、患者に対する直接通路を提供し、構造ハウジング1610、接着剤1606、又は磁気素子1608によって妨げられない。アクセス開口部1602の位置は、磁気アセンブリ構成内の開放空間内に選択又は構成され得る。
【0052】
図23は、本開示の少なくとも1つの態様による、アクセス開口部(この図には示されていない)を画定するハルバッハドーム1702を含むスキャンニングシステム1700を例示している。一態様では、スキャンニングシステム1700は、例えば、
図21と関連して説明されているように、複数のアクセス開口部1502を画定する取捨選択可能なハルバッハドーム1500を装備することができる。一態様では、スキャンニングシステム1700は、例えば、
図22と関連して説明されているように、複数のアクセス開口部1602、及び調整可能なギャップ1604を画定するハルバッハドーム1600を装備することができる。スキャンニングシステム1700は、ハルバッハドームの外部に傾斜コイル1704を含むことができる。更に、ハルバッハドームの内部は、技師がハルバッハドームの磁束密度を細かく構成することを許容するシムトレイにシム磁石1706を備える。
【0053】
本明細書で説明される様々な磁気ドーム構造は、
図4に示すように、MRIシステムとともに利用することができる。MRIシステムは、例えば、コンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ、配電ユニット、及びアンプなどの電気及び電子コンポーネントを収容する補助カートを含むことができる。MRIシステムはまた、磁気ドーム構造、傾斜コイル、及び送信コイルを収容し、かつ受信コイルを取り付ける磁石カートを含むこともできる。本明細書で説明された主題の様々な追加の態様が、以下の番号付付き実施例に記述される。
【0054】
実施例1:磁気共鳴撮像装置であって、ドーム形状として構成された構造ハウジングであって、構造ハウジングは、ドームの基部において患者の頭部を受容するように構成されており、構造ハウジングは、神経介入を可能にするために、患者の頭部へのアクセスを許容するように構成されたアクセス開口部を画定する、構造ハウジングと、ハルバッハ配列で構成された複数の磁気素子であって、複数の磁気素子は、構造ハウジングの内面に恒久的に固設されている、複数の磁気素子と、を備える、磁気共鳴撮像装置。
【0055】
実施例2:アクセス開口部は、直径を画定するホールの形態で構成されている、実施例1に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0056】
実施例3:ホールの直径は、調整可能である、実施例2に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0057】
実施例4:アクセス開口部は、幅を画定するギャップの形態で構成されている、実施例1~3のいずれか一例に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0058】
実施例5:ギャップの幅は、調整可能である、実施例4に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0059】
実施例6:複数のアクセス開口部を備える、実施例1~5のいずれか一例に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0060】
実施例7:複数のアクセス開口部の各々1つは、ホールの形態である、実施例6に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0061】
実施例8:複数のアクセス開口部の各々1つは、ギャップの形態である、実施例6に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0062】
実施例9:複数のアクセス開口部ギャップの各々1つの幅は、調整可能である、実施例8に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0063】
実施例10:複数のアクセス開口部を備えており、少なくとも1つのアクセス開口部は、ホールの形態であり、少なくとも1つのアクセス開口部は、ギャップの形態である、実施例1~9のいずれか一例に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0064】
実施例11:構造ハウジングは、アクセス開口部が神経介入のための標的位置と位置合わせされるように、回転するように構成されている、実施例1~10のいずれか一例に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0065】
実施例12:磁気共鳴撮像装置であって、ドーム形状として構成された構造ハウジングであって、構造ハウジングは、ドームの基部において患者の頭部を受容するように構成され、構造ハウジングは、神経介入を可能にするたたに、患者の頭部へのアクセスを許容するように構成されたアクセス開口部を画定する複数のくさびを含む、構造ハウジングと、ハルバッハ配列で構成された複数の磁気素子であって、複数の磁気素子は、構造ハウジングの内面に恒久的に固設されている、複数の磁気素子と、を備える、磁気共鳴撮像装置。
【0066】
実施例13:アクセス開口部は、複数のくさびのうちの少なくとも2つの間の幅を画定するギャップの形態で構成されている、実施例12に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0067】
実施例14:ギャップの幅は、調整可能である、実施例13に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0068】
実施例15:ギャップの幅は、複数のくさびのうちの少なくとも1つを、長手方向軸に沿って、ドーム形状の中心に向かって、又はドーム形状の中心から離れるように、移動させることによって調整可能である、実施例13に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0069】
実施例16:複数のアクセス開口部を備える、実施例12~15のいずれか一例に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0070】
実施例17:複数のくさびのうちの少なくとも1つが、神経介入を可能にするために、患者の頭部へのアクセスを許容するように取り外し可能である、実施例12~16のいずれか一例に記載の磁気共鳴撮像。
【0071】
実施例18:構造ハウジングは、アクセス開口部が神経介入のための標的位置と位置合わせされるように、回転するように構成されている、実施例12~17のいずれか一例に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0072】
実施例19:複数のアクセス開口部を備えており、少なくとも1つのアクセス開口部が、ギャップの形態であり、少なくとも1つのアクセス開口部が、構造ハウジングによって直径を画定するホールの形態である、実施例12~18のいずれか一例に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0073】
実施例20:神経介入システムであって、神経介入を可能にすために、患者の頭部へのアクセスを許容するように構成されたアクセス開口部を画定するハルバッハドーム内に複数の磁気素子を更に備える磁気共鳴撮像装置を備える磁気共鳴撮像システムと、ロボットアームを備える誘導式ロボットシステムと、を備え、誘導式ロボットシステムは、神経介入のためにハルバッハドームのアクセス開口部を通してロボットアームを誘導するように構成されている、神経介入システム。
【0074】
実施例21:磁気共鳴撮像装置であって、患者の頭部を受容するように構成され、アクセス開口部を画定し、かつ神経介入を可能にするために、患者の頭部へのアクセスを許容するように構成された円筒形構造ハウジングであって、アクセス開口部は、ハルバッハシリンダの壁構造内に画定されている、円筒形構造ハウジングと、ハルバッハ配列内に構成された複数の磁気素子であって、複数の磁気素子は、構造ハウジングの内面に恒久的に固設されている、複数の磁気素子と、を備える、磁気共鳴撮像装置。
【0075】
実施例22:アクセス開口部は、直径を画定するホールの形態で構成されている、実施例21に記載の磁気共鳴撮像装置。
【0076】
実施例23:ホールの直径は、調整可能である、実施例22に記載の磁気共鳴撮像。
【0077】
実施例24:アクセス開口部は、幅を画定するギャップの形態で構成されている、実施例21~23のいずれか一例に記載の磁気共鳴撮像。
【0078】
実施例25:ギャップの幅は、調整可能である、実施例24に記載の磁気共鳴撮像。
【0079】
実施例26:複数のアクセス開口部を備える、実施例21~25のいずれか一例に記載の磁気共鳴撮像。
【0080】
実施例27:複数のアクセス開口部の各々1つは、ホールの形態である、実施例26に記載の磁気共鳴撮像。
【0081】
実施例28:複数のアクセス開口部の各々1つは、ギャップの形態である、実施例26に記載の磁気共鳴撮像。
【0082】
実施例29:複数のアクセス開口部を備えており、少なくとも1つのアクセス開口部は、ホールの形態であり、少なくとも1つのアクセス開口部は、ギャップの形態である、実施例21~28のいずれか一例に記載の磁気共鳴撮像。
【0083】
いくつかの形態が例示及び説明されているが、添付された特許請求の範囲をそのような詳細に制限又は限定することは、出願人の意図ではない。それらの形態に対する非常に多くの修正、変形、変更、置換、組み合わせ、及び等価物を実施することができ、本開示の範囲から逸脱することなく、当業者にもたらされるであろう。更に、説明された形態に関連付けられた各素要素の構造は、代替的に、その要素によって行われる機能を提供するための手段として説明することができる。また、材料が、ある特定のコンポーネントについて開示される場合、他の材料も使用することができる。したがって、前述の説明及び添付された特許請求の範囲は、開示された形態の範囲内に入るものとして、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を包含することが意図されていることを理解されたい。添付された特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変更、置換、修正、及び等価物を網羅することが意図されている。
【0084】
前述の詳細な説明は、ブロック図、フロー図、及び/又は例の使用を介して、デバイス及び/又はプロセスの様々な形態について記述している。そのようなブロック図、フロー図、及び/又は例が1つ以上の機能及び/又は動作を包含する限り、そのようなブロック図、フロー図、並びに/又は例内の各機能及び/若しくは動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの実質上任意の組み合わせによって、別々にかつ/又は集合的に実施することができることは、当業者によって理解されるであろう。当業者は、本明細書に開示された形態のいくつかの態様が、全体的に又は部分的に、1つ以上のコンピュータ上で実行する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ以上のコンピュータシステム上で実行する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で実行する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で実行する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はそれらの事実上の任意の組み合わせとして、集積回路に等価的に実装することができることと、回路を設計すること、並びにソフトウェア及び又はファームウェアのためのコードを記述することが、この開示の観点から十分に当業者の技術範囲内であることと、を認識するであろう。更に、当業者は、本明細書に説明された主題のメカニズムが様々な形態で1つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であることと、いかなる特定のタイプの信号伝達媒体が使用されたとしても、本明細書に説明された主題の例示的な形態がその配布を実際に実行するように適用されることと、を理解するであろう。
【0085】
様々な開示された態様を実行するためのロジックをプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ、又は他の記憶装置などの、システム内のメモリ内に記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体を経由して配布することができる。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意のメカニズム、すなわち、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み取り専用メモリ(CD-ROM)、及び磁気光ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)を介してインターネット上の情報伝達に使用される有形の機械可読記憶装置が挙げられ得るが、これらに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体には、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で、電子的な命令又は情報を記憶又は伝達するために適切な任意のタイプの有形の機械可読媒体が含まれる。
【0086】
本明細書の任意の態様で使用される場合、「制御回路」という用語は、例えば、固定配線回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の別々の命令処理コア、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むコンピュータプロセッサ)、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を格納するファームウェア、及び/又はそれらの任意の組み合わせを指し得る。制御回路は、集合的に又は別々に、より大規模なシステムの一部、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォン等を形成する回路として具現化することができる。したがって、本明細書で使用される場合、「制御回路」には、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書に説明されたプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書に説明されたプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路、及び/又は通信デバイス(例えば、モデム、通信スイッチ、若しくは光電気機器)を形成する電気回路が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書に説明された主題がアナログ若しくはデジタル方式、又はそれらのいくつかの組み合わせで実装することができることを認識するであろう。
【0087】
本明細書の任意の態様で使用される場合、「ロジック」という用語は、前述の動作のいずれかを実行するように構成されたアプリ、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、ソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又は非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたデータとして具現化することができる。ファームウェアは、メモリデバイス内にハードコード化された(例えば、不揮発性である)コード、命令若しくは命令セット、及び/又はデータとして具現化することができる。
【0088】
本明細書の任意の態様で使用される場合、「コンポーネント」、「システム」、「モジュール」などの用語は、制御回路コンピュータに関連するエンティティ、すなわち、ハードウェア、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェアか、又は実行中のソフトウェアのいずれかを指し得る。
【0089】
本明細書の任意の態様で使用される場合、「アルゴリズム」は、所望の結果をもたらすステップの、自己矛盾のないシーケンスを指し、ここで、「ステップ」とは、物理量及び/又は論理状態の操作を指し、その操作は、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、組み合わせ、比較、ないし操作されることを可能にする電気信号又は磁気信号の形態をとることができる。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして参照することは、一般的な使用法である。これら及び類似の用語は、適切な物理量に関連付けることができ、単に、これらの量及び/又は状態に適用された便利なラベルである。
【0090】
ネットワークは、パケット交換ネットワークを含むことができる。通信デバイスは、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができ得る。1つの例示的な通信プロトコルは、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して、通信を許可することができ得るイーサネット通信プロトコルを含むことができる。イーサネットプロトコルは、2008年12月に公開された「IEEE802.3標準規格」と題する、米国電気電子工学会(IEEE)により公開されたイーサネット標準規格、及び/又はこの標準規格の後継版に準拠し得るか、又は互換性があり得る。代替的に又はこれに加えて、通信デバイスは、X.25通信プロトコルを使用して、互いに通信することができ得る。X.25通信プロトコルは、国際電気通信連合電気通信標準化部門(ITU-T)によって公布された標準規格に準拠し得るか、又は互換性があり得る。代替的に又はこれに加えて、通信デバイスは、フレームリレー通信プロトコルを使用して、互いに通信することができ得る。このフレームリレー通信プロトコルは、国際電信電話諮問委員会(CCITT)及び/又は米国規格協会(ANSI)によって公布された標準規格に準拠し得るか、又は互換性があり得る。代替的に又はこれに加えて、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して、互いに通信することができ得る。ATM通信プロトコルは、2001年8月に公開された「ATM-MPLSネットワークインターワーキング2.0」と題する、ATMフォーラムにより公開されたATM標準規格、及び/又はこの標準規格の後継版に準拠し得るか、又は互換性があり得る。もちろん、異なる、かつ/又は後に開発されたコネクション指向のネットワーク通信プロトコルが、本明細書では、同様に企図される。
【0091】
前述の開示が明らかであるように、特段の記述がない限り、前述の開示全体にわたって、「処理すること」、「演算すること」、「計算すること」、「決定すること」、「表示すること」などの用語を使用する説明は、コンピュータシステム又は類似の電子演算デバイスの動作及びプロセスを指し、その動作及びプロセスは、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(電子的)量として表されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ内、又は他のそのような情報記憶、送信、若しくは表示のデバイス内の物理的(電子的)量として同様に表される他のデータに操作及び変換する。
【0092】
1つ以上のコンポーネントは、本明細書では、「~するように構成される」、「~するように構成可能である」、「~するように動作可能な/動作可能である」、「~するように適合される/適合可能である」、「~することができる」、「~するように適合可能である/適合される」等として参照され得る。当業者は、文脈が特段指示していない限り、「するように構成される」とは、一般に、起動状態のコンポーネント及び/若しくは非起動状態のコンポーネント、並びに/又はスタンバイ状態のコンポーネントを包含することができることを認識するであろう。
【0093】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から最も離れて配置された部分を指す。利便性及び明瞭性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的な用語は、本明細書では、図面を基準にして使用され得ることが更に認識されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用され、これらの用語は、限定され、かつ/又は絶対的であることを意図されていない。
【0094】
当業者は、一般に、本明細書で、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープン」用語として意図されていることを認識するであろう(例えば、「含む(including)」という用語は、「含むが、これに限定されない」ものとして解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は、「少なくとも有する」ものとして解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は、「含むが、これに限定されない」ものとして解釈されるべきである等)。導入された請求項の記述の特定の数が意図される場合には、そのような意図は、その請求項中に明示的に記述されること、また、そのような記述が存在しない場合には、そのような意図は、存在しないことが、当業者によって更に理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付された特許請求の範囲は、導入語句「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」の使用を含めて、請求項の記述を導入することができる。しかしながら、そのような語句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の記述の導入が、そのような導入された請求項の記述を含む任意の特定の請求項を、そのような記述を1つだけ含む請求項に限定していることを暗示するものと解釈されるべきではなく、同じ請求項が導入語句「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」及び不定冠詞「a」又は「an」を含む場合であっても(例えば、「a」及び/又は「an」は、典型的には、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきである)、その同じ請求項は、請求項の記述を導入するために使用される定冠詞の場合に依然として当てはまる。
【0095】
加えて、導入された請求項の記述の特定の数が明示的に記述されている場合であっても、当業者は、そのような記述が、典型的には、少なくともその記述された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、「2つの記述」の、他の修飾語を有さない裸の記述は、典型的には、少なくとも2つの記述、又は2つ以上の記述を意味する)。更に、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ等」に似た慣例が使用される例では、概して、そのような構造は、当業者がその慣例を理解するであろうという意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBともに、A及びCともに、B及びCともに、並びに/又はA、B、及びCともに等を有するシステムを含むが、それらに限定されない)。「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ等」に似た慣例が使用される例では、概して、そのような構造は、当業者がその慣例を理解するであろうという意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBともに、A及びCともに、B及びCともに、並びに/又はA、B、及びCともに等を有するシステムを含むが、それらに限定されない)。明細書、特許請求の範囲、又は図面におけるかどうかにかかわらず、2つ以上の代替用語を示す典型的な離接語及び/又は語句は、文脈が特段指示していない限り、その用語のうちの1つ、その用語のうちのいずれか、又はその用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者によって更に理解されるであろう。例えば、「A又はB」という語句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むことが理解されるであろう。
【0096】
添付の特許請求の範囲に関しては、当業者は、その中の記述された動作が概して任意の順序で行われ得ることを理解するであろう。また、様々な動作フロー図が順番に提示されているが、様々な動作は、例示されている順序とは異なる他の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことを理解されたい。そのような交替の順序付けの例としては、文脈が特段指示していない限り、重複、交互配置、割り込み、並べ替え、増分、準備、補足、同時、逆、又は他の異なる順序が挙げられ得る。更に、「に応答する」、「に関連する」、又は他の過去時制の形容詞のような用語は、文脈が特段指示していない限り、一般に、そのような変形を排除することを意図されていない。
【0097】
「一態様」、「ある態様」、「例証」、「一例証」などへの任意の言及は、その態様と関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれることに留意する価値がある。したがって、明細書全体を通じて、「一態様では」、「ある態様では」、「例証では」、及び「一例証では」という語句が様々な場所に出現することは、必ずしも全て同じ態様に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0098】
この明細書で言及され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙された任意の特許出願、特許、非特許公開、又は他の開示資料は、援用された資料が本明細書と矛盾していない限り、参照により本明細書に援用される。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載される開示は、参照により本明細書に援用される任意の相反する資料に優先する。参照により本明細書に援用されるとされるが、本明細書に記載される既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾する任意の資料、又はその一部は、その援用された資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲でのみ援用される。
【0099】
要約すると、本明細書に記載の概念を採用することから生じる多くの利点が記載されている。1つ以上の形態についての前述の説明は、例示及び説明の目的で提示されたものである。本開示は、開示された正確な形態に対して網羅的であること又は限定的であることを意図されていない。上記の教示を考慮して、修正又は変形が可能である。1つ以上の形態は、原理及び実際の応用を例示するために選択及び説明され、それにより、当業者は、想定される特定の用途に適するように、様々な形態を利用し、様々な修正を加えて利用することが可能になる。本明細書に提出される特許請求の範囲は、全体的な範囲を定義することが意図される。
【国際調査報告】