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特表2024-518961ハイブリッドアテローム切除術デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】ハイブリッドアテローム切除術デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3207 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
A61B17/3207
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569739
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 US2022032428
(87)【国際公開番号】W WO2022261043
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】17/833,967
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/197,970
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515345089
【氏名又は名称】アバンテック バスキュラー コーポレイション
【住所又は居所原語表記】870 Hermosa Drive, Sunnyvale, CA 94085, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トー,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】エスクデロ,ポール
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE21
4C160MM36
(57)【要約】
伸縮式、自動駆動、横方向押し式のアテローム切除術デバイスであって、各々が可撓性のシース、螺旋状溝を備えたカッター、および駆動アセンブリを有する前記デバイスが提供される。駆動アセンブリは、可撓性シースのルーメンと共に回転可能に並進する可撓性駆動シャフト、切断組織を輸送するための容積式ポンプ、および、可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させるために、可撓性シースよりも長くすることができる可撓性駆動シャフトを有する。容積式ポンプは、血管内腔を通るデバイスの自己駆動のために、血管内腔と接触するように露出した駆動ネジ部分を有するネジポンプで有り得る。可逆的に拡張可能な横方向押し部材は、カッターを横方向に押すために、可撓性シースの遠位端に包含することができる。改良された切断ヘッドおよびその製造方法は、軟質プラークと硬質プラークの組み合わせを切断するために提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アテローム切除術デバイスであって、以下:
遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;
外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;
近位端、遠位端、および複数の螺旋状溝を備えた本体、複数の切断リップを有する遠位端の点、カッタールーメン、およびクリア直径、を有するカッター;および
駆動アセンブリであって、以下
可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフト;および
駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する、容積式ポンプ;
を有する、前記駆動アセンブリ;
を含み、
ここで、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;可撓性駆動シャフトは可撓性シースよりも長く、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができ;およびガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含む、
前記アテローム切除術デバイス。
【請求項2】
カッターのクリア直径が、可撓性シースの外径よりも大きい、請求項1に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項3】
容積式ポンプが、駆動シャフトの外面に取り付けられたネジポンプであり、ネジポンプの遠位端が、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接している、請求項1に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項4】
ネジポンプが、可撓性シースを越えて延伸し、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に血管内腔と接触するために露出され、および
カッターが右方向に回転する場合は右ネジであるか、または
カッターを左方向に回転する場合は左ネジであるか、のどちらかである、
請求項3に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項5】
可撓性シースの遠位端に可逆的に拡張可能な横方向押し部材をさらに含む、請求項1に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項6】
可逆的に拡張可能な、可撓性シースの遠位端にある横方向押し部材であって、横方向押し部材は、近位端、遠位端、折り畳まれた状態、および拡張された状態を有し、近位端は可撓性シースと動作可能な接続を有し、遠位端はカッターと動作可能な接続を有する、前記横方向押し部材をさらに含み、
ここで、
可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用される、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を通って移動する、軸方向の力を受けるように構成されており;および
カッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成される、
請求項1に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項7】
アテローム切除術デバイスであって、以下:
遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;
外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;
近位端、遠位端、および複数の螺旋状溝を備えた本体、複数の切断リップを有する遠位端の点、カッタールーメン、およびクリア直径、を有するカッター;および
駆動アセンブリであって、以下
可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフト;および
駆動シャフトの外面に取り付けられ、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接し、駆動スクリュー部分を含む、ネジポンプであって、駆動ネジ部分は、可撓性シースを越えて延伸し、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に血管内腔と接触するために露出され、カッターが右方向に回転する場合は右ネジ、または、カッターが左方向に回転する場合は左ネジになる、前記ネジポンプ、
を有する、前記駆動アセンブリ;
を含み
ここで、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;および
ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを包含する、
前記アテローム切除術デバイス。
【請求項8】
カッターのクリア直径が、可撓性シースの外径よりも大きい、請求項7に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項9】
駆動ネジ部分が、ネジポンプの遠位部分である、請求項7に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項10】
可撓性駆動シャフトが、可撓性シースよりも長く、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができる、請求項7に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項11】
可逆的に拡張可能な、可撓性シースの遠位端にある横方向押し部材をさらに含む、請求項7に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項12】
横方向押し部材が、近位端、遠位端、折り畳まれた状態および展開された状態、可撓性シースと動作可能な接続を有する近位端、およびカッターと動作可能な接続を有する遠位端を有し;
ここで、
可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用される、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を通って移動する、軸方向の力を受けるように構成されており;および
カッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成される、
請求項11に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項13】
アテローム切除術デバイスであって、以下:
遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;
外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;
近位端、遠位端、および複数の螺旋状溝を備えた本体、複数の切断リップを有する遠位端の点、カッタールーメン、およびクリア直径、を有するカッター;および
駆動アセンブリであって、以下
可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフト;
駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する、容積式ポンプ;
を有する、前記駆動アセンブリ;および
可逆的に拡張可能な、可撓性シースの遠位端にある横方向押し部材;
を含み、
ここで、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;およびガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含む、
前記アテローム切除術デバイス。
【請求項14】
カッターのクリア直径が、可撓性シースの外径よりも大きい、請求項13に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項15】
横方向押し部材が、近位端、遠位端、折り畳まれた状態および展開された状態、可撓性シースと動作可能な接続を有する近位端、およびカッターと動作可能な接続を有する遠位端を有し;
ここで、
可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用される、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を通って移動する、軸方向の力を受けるように構成されており;および
カッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成される、
請求項13に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項16】
可撓性駆動シャフトが、可撓性シースよりも長く、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができる、請求項13に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項17】
駆動シャフトの遠位端の外面に取り付けられ、ネジポンプの遠位端でネジポンプに隣接する駆動ネジをさらに含み;
ここで、駆動ネジは、
可撓性シースを越えて延伸し、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に血管内腔と接触するために露出され、
カッターを右方向に回転させる場合は右ネジであり;および、
カッターが右方向に回転させる場合は右ネジであり;または、
カッターを左方向に回転させる場合は左ネジであるかのどちらかである、
請求項13に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項18】
請求項1に記載のアテローム切除術デバイスおよびガイドワイヤを含む、システム。
【請求項19】
請求項7に記載のアテローム切除術デバイスおよびガイドワイヤを含む、システム。
【請求項20】
請求項13に記載のアテローム切除術デバイスおよびガイドワイヤを含む、システム。
【請求項21】
請求項1に記載のアテローム切除術デバイスを使用して対象にアテローム切除術を行う方法であって、該方法は、
対象の血管内腔に入口点を作成すること;
アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入すること;
可撓性駆動シャフトを伸縮させること;
アテローム切除術デバイスのカッターを使用して血管内腔からプラークを切断すること;
容積式ポンプを使用して血管内腔から切断されたプラークを排出すること;および
アテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すこと、
を含む、前記方法。
【請求項22】
請求項7に記載のアテローム切除術デバイスを使用して対象にアテローム切除術を行う方法であって、該方法は、
対象の血管内腔に入口点を作成すること;
アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入すること;
露出した駆動ネジを用いてアテローム切除術デバイスを血管内腔を通して駆動すること;
アテローム切除術デバイスのカッターを使用して血管内腔からプラークを切断すること;
容積式ポンプを使用して血管内腔から切断されたプラークを排出すること;および
アテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すこと、
を含む、前記方法。
【請求項23】
請求項13に記載のアテローム切除術デバイスを使用して対象にアテローム切除術を行う方法であって、該方法は、
対象の血管内腔に入口点を作成すること;
アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入すること;
アテローム切除術デバイスの遠位部分を血管内腔内で横方向に押し、この押し込みは横方向押し部材を拡張することを含むこと;
アテローム切除術デバイスのカッターを使用して血管内腔からプラークを切断すること;
容積式ポンプを使用して血管内腔から切断されたプラークを排出すること;および
アテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すこと、
を含む、前記方法。
【請求項24】
横方向押し部材のねじり剛性を高めるための圧縮性スリーブをさらに含む、請求項1に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項25】
軟質プラークと硬質プラークの組み合わせを切断するためのハイブリッドアテローム切除術用カッターであって、カッターは:
近位端、遠位端、および長手方向軸;
長手方向軸に沿った近位端から遠位端までの距離によって規定される、切断長さ;
内側変曲点および外側変曲点を有する、遠位端の半径;
第1の一次切刃および第2の一次切刃であって、第1の一次切刃および第2の一次切刃は、遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、前記第1の一次切刃および第2の一次切刃;
第1の螺旋状溝および第2の螺旋状溝であって、第1螺旋状溝および第2の螺旋状溝のそれぞれは、螺旋角度を有し、遠位端および近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、前記第1螺旋状溝および第2の螺旋状溝;
長手方向軸に対して垂直に測定された第1の一次切刃と第2の一次切刃との間の最大距離である、切断直径;
コア直径、遠位端、および近位端を有するコアであって、コアの遠位端は、第1の螺旋状溝の遠位端に第1の二次切刃を形成する第1の複数の二次ファセットを備えて構成され、および第2の複数の二次ファセットは、第2の螺旋状溝の遠位端に第2の二次切刃を形成する、前記コア
を含み、
ここで、カッターは、
ガイドワイヤが通過できるように構成されたルーメンを有し、および
血管内の軟質プラークと硬質プラークの両方を効果的にカットする、
前記カッター。
【請求項26】
半径が、ボールノーズ半径である、請求項25に記載のカッター。
【請求項27】
半径が、コーナー半径である、請求項25に記載のカッター。
【請求項28】
半径が、カッターの直径の半分に等しい、請求項25に記載のカッター。
【請求項29】
螺旋角度が、30度~45度の範囲である、請求項25に記載のカッター。
【請求項30】
コアの遠位端がさらに、
第1の一次切刃の遠位端にある複数の第1の一次ファセット;および
第2の一次切刃の遠位端にある複数の第2の一次ファセット;を含み、
ここで、
複数の第1の一次ファセットは、第1の一次切刃の到達範囲を延伸するように構成され;および
複数の第2の一次ファセットは、第2の一次切刃の遠位範囲を延伸するように構成されている、
請求項25に記載のカッター。
【請求項31】
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第3の一次切刃;および、
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第3の螺旋状溝
をさらに含む、請求項25に記載のカッター。
【請求項32】
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第3の一次切刃;および
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第3の螺旋状溝;を含み、
ここで、コアはさらに、第3の螺旋状溝の遠位端に第3の二次切刃を形成する第3の複数の二次ファセットを備えて構成される、
請求項25に記載のカッター。
【請求項33】
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第3の一次切刃;および、
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第3の螺旋状溝;を含み、
ここで、コアはさらに、
第3の螺旋状溝の遠位端に第3の二次切刃を形成する、第3の複数の二次ファセット;および、
第3の一次切刃の遠位端にある第3の複数の一次ファセットであって、第3の複数の一次ファセットは、第3の一次切刃の遠位範囲を延伸するように構成されている、前記第3の複数の一次ファセット、
と共に構成されている、請求項25に記載のカッター。
【請求項34】
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第3の一次切刃;
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第4の一次切刃;
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第3の螺旋状溝;および
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第4の螺旋状溝、
をさらに含む、請求項25に記載のカッター。
【請求項35】
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第3の一次切刃;
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第4の一次切刃;
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第3の螺旋状溝;および
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第4の螺旋状溝、
をさらに含み、
ここで、コアはさらに、
第3の螺旋状溝の遠位端に第3の二次切刃を形成する、第3の複数の二次ファセット;および、
第3の螺旋状溝の遠位端に第4の二次切刃を形成する、第4の複数の二次ファセット、
と共に構成される、請求項25に記載のカッター。
【請求項36】
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第3の一次切刃;
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第4の一次切刃;
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第3の螺旋状溝;および
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第4の螺旋状溝、
をさらに含み、
ここで、コアはさらに、
第3の螺旋状溝の遠位端に第3の二次切刃を形成する、第3の複数の二次ファセット;および、
第3の一次切刃の遠位端にある第3の複数の一次ファセットであって、第3の複数の一次ファセットは、第3の一次切刃の遠位範囲を延伸するように構成されている、前記第3の複数の一次ファセット、
第3の螺旋状溝の遠位端に第4の二次切刃を形成する、第4の複数の二次ファセット、
第4の一次切刃の遠位端にある第4の複数の一次ファセットであって、該第4の複数の一次ファセットは、第4の一次切刃の遠位範囲を延伸するように構成されている、前記第4の複数の一次ファセット
と共に構成される、請求項25に記載のカッター。
【請求項37】
アテローム切除術デバイスであって:
請求項25に記載のカッターであって、該カッターは、クリア直径を有する、前記カッター;
遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;
外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;および
駆動アセンブリであって、以下
可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフト;
駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する、容積式ポンプ;
を有する、前記駆動アセンブリ、
を含み、
ここで、
カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;
可撓性駆動シャフトは、可撓性シースよりも長く、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができ;および、
ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを包含する、
前記アテローム切除術デバイス。
【請求項38】
アテローム切除術デバイスであって:
請求項25に記載のカッターであって、該カッターは、クリア直径を有する、前記カッター;
遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;
外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;および
駆動アセンブリであって、以下
可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフト;
駆動シャフトの外面に取り付けられ、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接し、駆動スクリュー部分を含む、ネジポンプであって、駆動ネジ部分は、可撓性シースを越えて延伸し、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に血管内腔と接触するために露出され、カッターが右方向に回転する場合は右ネジ、または、カッターが左方向に回転する場合は左ネジになる、前記ネジポンプ、
を有する、前記駆動アセンブリ;
を含み
ここで、
カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;および
ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含む、
前記アテローム切除術デバイス。
【請求項39】
アテローム切除術デバイスであって:
請求項25に記載のカッターであって、該カッターは、クリア直径を有する、前記カッター;
遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;
外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;
駆動アセンブリであって、以下
可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフト;
駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する、容積式ポンプ;
を有する、前記駆動アセンブリ;および、
可逆的に拡張可能な、可撓性シースの遠位端にある横方向押し部材であって、横方向押し部材は、近位端、遠位端、折り畳まれた状態、および拡張された状態を有し、近位端は可撓性シースと動作可能な接続を有し、遠位端はカッターと動作可能な接続を有する、前記横方向押し部材
を含み、
ここで、
カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;
ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含み;
可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用される、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を通って移動する、軸方向の力を受けるように構成されており;および
カッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成される、
前記アテローム切除術デバイス。
【請求項40】
アテローム切除術デバイスであって:
請求項33に記載のカッターであって、該カッターは、クリア直径を有する、前記カッター;
遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;
外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;および
駆動アセンブリであって、以下
可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフト;
駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する、容積式ポンプ;
を有する、前記駆動アセンブリ、
を含み、
ここで、
カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;
可撓性駆動シャフトは、可撓性シースよりも長く、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができ;および、
ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを包含する、
前記アテローム切除術デバイス。
【請求項41】
アテローム切除術デバイスであって:
請求項33に記載のカッターであって、該カッターは、クリア直径を有する、前記カッター;
遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;
外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;および
駆動アセンブリであって、以下
可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフト;
駆動シャフトの外面に取り付けられ、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接し、駆動スクリュー部分を含む、ネジポンプであって、駆動ネジ部分は、可撓性シースを越えて延伸し、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に血管内腔と接触するために露出され、カッターが右方向に回転する場合は右ネジ、または、カッターが左方向に回転する場合は左ネジになる、前記ネジポンプ、
を有する、前記駆動アセンブリ;
を含み
ここで、
カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;および
ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含む、
前記アテローム切除術デバイス。
【請求項42】
アテローム切除術デバイスであって:
請求項33に記載のカッターであって、該カッターは、クリア直径を有する、前記カッター;
遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;
外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;
駆動アセンブリであって、以下
可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフト;
駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する、容積式ポンプ;および
可逆的に拡張可能な、可撓性シースの遠位端にある横方向押し部材であって、横方向押し部材は、近位端、遠位端、折り畳まれた状態、および拡張された状態を有し、近位端は可撓性シースと動作可能な接続を有し、遠位端はカッターと動作可能な接続を有する、前記横方向押し部材
を有する、前記駆動アセンブリ、
を含み、
ここで、
カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;
ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含み;
可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用される、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を通って移動する、軸方向の力を受けるように構成されており;および
カッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成される、
前記アテローム切除術デバイス。
【請求項43】
請求項39に記載のアテローム切除術デバイスを使用して対象にアテローム切除術を行う方法であって、該方法は、
対象の血管内腔に入口点を作成すること;
アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入すること;
可撓性駆動シャフトを伸縮させること;
アテローム切除術デバイスのカッターを使用して血管内腔からプラークを切断すること;
容積式ポンプを使用して血管内腔から切断されたプラークを排出すること;および
アテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すこと、
を含む、前記方法。
【請求項44】
請求項42に記載のアテローム切除術デバイスを使用して対象にアテローム切除術を行う方法であって、該方法は、
対象の血管内腔に入口点を作成すること;
アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入すること;
露出した駆動ネジを用いてアテローム切除術デバイスを血管内腔を通して駆動すること;
アテローム切除術デバイスのカッターを使用して血管内腔からプラークを切断すること;
容積式ポンプを使用して血管内腔から切断されたプラークを排出すること;および
アテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すこと、
を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月7日に提出された米国仮出願第63/197,970号の利益を主張する、2022年6月7日に出願された米国出願第17/833,967号に対する優先権を主張し、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の分野
本明細書の教示は、一般に、軟質血管プラークと硬質血管プラークの両方を通してアテローム切除術を行うためのデバイスおよび方法を含む、医療デバイスおよび方法を対象とする。
【0003】
関連技術の説明
アテローム切除術は、体内の血管からアテローム性動脈硬化を除去する低侵襲手術であり、狭窄した動脈の治療における血管形成術の代替手段である。一般的な用途には、末梢動脈疾患や冠動脈疾患が含まれる。プラークを血管壁に押し込む血管形成術やステントとは異なり、アテローム切除術では血管壁からプラークを切断する。アテローム切除術は通常、動脈からプラークを除去するために使用されるが、静脈や血管バイパス移植片などにも使用できる。
【発明の概要】
【0004】
アテローム切除術は、アテローム性動脈硬化症を治療する伝統的な介入外科的方法と考えられているバルーン拡張やステント留置に比べて改善をもたらす可能性がある。バルーン拡張では、折り畳まれたバルーンが血管に挿入され、膨張してプラークを血管壁に押し付ける。そして、血管の内腔の完全性を維持しようとするために、ステントを配置して足場としてプラークを保持することができる。しかし、このような従来の治療法では動脈が伸びて瘢痕組織の形成が誘発される可能性があり、ステントの留置によって動脈組織が切断されて瘢痕組織の形成が誘発される可能性もある。瘢痕組織の形成は動脈の再狭窄を引き起こす可能性がある。さらに、バルーンによる拡張によって血管壁が裂ける可能性もある。アテローム切除術は血管を伸ばすのではなくプラークを除去することで内腔を拡大するため、再狭窄の増加につながる可能性のある解離などの血管損傷を受けるリスクが軽減される。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
残念ながら、最先端のアテローム切除術デバイスでは性能の限界に直面している。例えば、回転カッターを備えた現行のデバイスは、さまざまな軟らかい、線維状、石灰化したプラークを効果的に処理することができず、すべてのタイプのプラークを切断できなかったり、プラークを大きな断片に粉砕したりして、下流の血管を詰まらせる可能性のある塞栓として動脈床に残ってしまう。プラークは脂肪、コレステロール、カルシウム、線維性結合組織、および体内にあるその他の物質で構成される組織であるため、それは非常に多様であり、主に4つの異なるタイプ:石灰化して硬い、壊死して柔らかい、線維化している、およびそれらの組み合わせの組織に分類される。石灰化したプラークは骨のように硬くなる場合があり、脂肪プラークは通常柔らかく、また、線維性プラークは通常、粘弾性があり、伸縮性があるが硬いため、切断するのが困難である。最先端のデバイスの中には、硬い歯垢を削り取ることができるバリを備えたものもあるが、柔らかい歯垢や粘弾性のある歯垢は切断できない。さらに悪いことに、危険な塞栓となる可能性のある破片を緩める可能性がある。一部の最先端のデバイスには、容器の片側に対して偏心して切断できる鋭利なカッターが付いており、これは望ましいことであるが、偏向量を効果的に制御することはできない。また、一部の最先端のデバイスには、カッターが病変を切り裂くのを防ぐ「ノーズコーン」があり、デバイスが十分に前進してカッターの刃に到達することができない。
【0006】
しかし、最も重要なことは、「詰まった」または「頑丈な」病変を持つ患者は現在、バルーン、ステント、またはアテローム切除術デバイスによる治療を受けることができないということである。このような病変は、非常に小さな管腔開口部のみを残すか、開口部をまったく残さない閉塞であり、ガイドワイヤの通過、ましてやガイドワイヤ上のバルーンやステントの通過を達成することが困難または不可能になる。たとえば、わずか0.5mmのルーメン開口部でもガイドワイヤの通過が可能になる可能性があるが、最小のステントは1.0mm、最小のバルーンは0.75mmであり、どちらも治療のために頑丈な小さな病変を通過することができない。そして、上で述べたように、現在のアテローム切除術デバイスは、たとえガイドワイヤが管腔開口部を通過できるとしても、プラークを切除するのが困難である。完全な閉塞が存在する状況では、問題はさらに悪化する。
【0007】
したがって、当業者は、(i)4つの異なるタイプのプラーク組織、すなわち、石灰化したものと硬いもの、壊死性のものと柔らかいもの、線維性のもの、およびそれらの組み合わせを効果的に切断および除去でき;(ii)最小限のプラーク負荷で同心の血管内腔を提供でき;(iii)塞栓の放出を避けるためにプラーク粒子を安全に自己収集および除去でき;および(iv)再狭窄の増加につながる可能性のある血管損傷を受けるリスクを低減しながら、血管を効果的に治療できる、アテローム切除術デバイスを高く評価するであろう。さらに、当業者であれば、(v)これらの詰まったまたは頑丈な病変を処理できるアテローム切除術デバイスを有することを確実に理解するであろう。いくつかの実施形態では、本明細書で教示されるアテローム切除術用カッターおよびデバイスは、軟質プラークと硬質プラークの組み合わせを切断する能力に起因して、「ハイブリッド」カッターおよびデバイスと呼ばれることがあり、この機能は当業者には高く評価されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
アテローム切除術デバイスおよびその使用方法、すなわち、(i)4つの異なるタイプのプラーク組織、すなわち、石灰化したものと硬いもの、壊死性のものと柔らかいもの、線維性のもの、およびそれらの組み合わせを効果的に切断および除去でき;(ii)最小限のプラーク負荷で同心の血管内腔を提供でき;(iii)塞栓の放出を避けるためにプラーク粒子を安全に自己収集および除去でき;(iv)再狭窄の増加につながる可能性のある血管損傷を受けるリスクを低減しながら、血管を効果的に治療でき;および重要なことは、(v)病変内に内腔開口部がほとんどまたはまったくない、詰まったまたは頑丈な病変にも対処できる、デバイスおよび方法が提供される。本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスは、伸縮式、自動駆動、横方向押し式、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、アテローム切除術デバイスは、伸縮式アテローム切除術デバイスである。これらの実施形態では、デバイスは、遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメンを含む。デバイスは、外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;近位端、遠位端、および複数の螺旋状溝を備えた本体、複数の切断リップを有する遠位端の点、カッタールーメン、およびクリア直径、を有するカッター;および駆動アセンブリを含む。駆動アセンブリは、可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフトを有する。駆動アセンブリはまた、駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する、容積式ポンプを有する。そして、これらの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きくてもよく;可撓性駆動シャフトは可撓性シースよりも長く、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができ;およびガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性シースの外径より大きくてもよい。そして、いくつかの実施形態では、容積式ポンプは、駆動シャフトの外面に取り付けられたネジポンプであってもよく、ネジポンプの遠位端は、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接している。
【0011】
いくつかの実施形態では、伸縮式アテローム切除術デバイスは自動駆動であってもよい。例えば、ネジポンプは、可撓性シースを越えて延伸することができ、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に露出して血管内腔と接触することができる。いくつかの実施形態では、カッターが右方向に回転する場合、ネジポンプは右ネジであってもよい。また、いくつかの実施形態では、カッターが左方向に回転する場合、ネジポンプは左ネジであってもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、伸縮式アテローム切除術デバイスは、可撓性シースの遠位端に可逆的に拡張可能な横方向押し部材をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、伸縮式アテローム切除術デバイスは、可逆的に拡張可能な、可撓性シースの遠位端にある横方向押し部材であって、横方向押し部材は、近位端、遠位端、折り畳まれた状態、および拡張された状態を有し、近位端は可撓性シースと動作可能な接続を有し、遠位端はカッターと動作可能な接続を有する、前記横方向押し部材をさらに含むことができる。可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用される、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を通って移動する、軸方向の力を受けるように構成され得る。さらに、カッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成され得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、アテローム切除術デバイスは自動駆動アテローム切除術デバイスである。いくつか実施形態では、デバイスは、遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメンを有することができる。デバイスは、外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;近位端、遠位端、および複数の螺旋状溝を備えた本体、複数の切断リップを有する遠位端の点、カッタールーメン、およびクリア直径、を有するカッター;および駆動アセンブリを包含することができる。駆動アセンブリは、可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフトを有することができる。駆動アセンブリはまた、駆動シャフトの外面に取り付けられ、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接し、駆動スクリュー部分を含む、ネジポンプを有することができる。いくつかの実施形態では、駆動ネジ部分は、可撓性シースを越えて延伸でき、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に血管内腔と接触するために露出されることができる。いくつかの実施形態では、駆動ネジ部分は、カッターが右方向に回転する場合は右ネジになることができ;およびいくつかの実施形態では、駆動ネジ部分は、カッターが左方向に回転する場合は左ネジになることができる。そして、いくつかの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;およびガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを包含することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、自動駆動アテローム切除術デバイスのカッターのクリア直径は、可撓性シースの外径より大きくてもよい。そして、いくつかの実施形態では、駆動ネジ部分はネジポンプの遠位部分であり得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、自動駆動アテローム切除術デバイスの可撓性駆動シャフトは、可撓性シースよりも長く、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、自動駆動アテローム切除術デバイスは、さらに可撓性シースの遠位端にある可逆的に拡張可能な横方向の押し部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、横方向押し部材は、近位端、遠位端、折り畳まれた状態および展開された状態、可撓性シースと動作可能な接続を有する近位端、およびカッターと動作可能な接続を有する遠位端を有することができる。可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用される、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を通って移動する、軸方向の力を受けるように構成され得る。さらに、カッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、アテローム切除術デバイスは、横方向押し式アテローム切除術デバイスである。いくつかの実施形態では、デバイスは、遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン有することができる。デバイスは、外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;近位端、遠位端、および複数の螺旋状溝を備えた本体、複数の切断リップを有する遠位端の点、カッタールーメン、およびクリア直径、を有するカッター;および駆動アセンブリを包含することができる。駆動アセンブリは、可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフトを有することができる。駆動アセンブリは、駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する、容積式ポンプを有することができる。横方向押し式アテローム切除術デバイスは、可逆的に拡張可能な、可撓性シースの遠位端にある横方向押し部材を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;およびガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性シースの外径より大きくてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、横方向押し部材は、近位端、遠位端、折り畳まれた状態および展開された状態、可撓性シースと動作可能な接続を有する近位端、およびカッターと動作可能な接続を有する遠位端を有することができる。いくつかの実施形態では、可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用される、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を通って移動する、軸方向の力を受けるように構成され得る。いくつかの実施形態では、カッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、横方向押し式アテローム切除術デバイスの可撓性駆動シャフトは、可撓性シースよりも長く、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができる。そして、いくつかの実施形態では、横方向押し式アテローム切除術デバイスは、駆動シャフトの遠位端の外面に取り付けられ、ネジポンプの遠位端でネジポンプに隣接する駆動ネジをさらに含むことができる。駆動ネジは、可撓性シースを越えて延伸し、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に血管内腔と接触するために露出され得る。いくつかの実施形態では、駆動ネジは、カッターを右方向に回転させる場合は右ネジであり得;および、いくつかの実施形態では、駆動ネジは、カッターが右方向に回転させる場合は右ネジであり得る。
【0021】
システムも提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスのいずれも、アテローム切除術デバイスおよびガイドワイヤを含むシステムであり得る。
【0022】
本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスのいずれかを使用して対象においてアテローム切除術を実施する方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、対象の血管内腔に入口点を作成すること;アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入すること;可撓性駆動シャフトを伸縮させること;アテローム切除術デバイスのカッターを使用して血管内腔からプラークを切断すること;容積式ポンプを使用して血管内腔から切断されたプラークを排出すること;およびアテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すことを含むことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、方法は、対象の血管内腔に入口点を作成すること;アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入すること;露出した駆動ネジを用いてアテローム切除術デバイスを血管内腔を通して駆動すること;アテローム切除術デバイスのカッターを使用して血管内腔からプラークを切断すること;容積式ポンプを使用して血管内腔から切断されたプラークを排出すること;およびアテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すことを含むことができる。
【0024】
同様に、いくつかの実施形態では、方法は、対象の血管内腔に入口点を作成すること;アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入すること;アテローム切除術デバイスの遠位部分を血管内腔内で横方向に押し、この押し込みは横方向押し部材を拡張することを含むこと;アテローム切除術デバイスのカッターを使用して血管内腔からプラークを切断すること;容積式ポンプを使用して血管内腔から切断されたプラークを排出すること;およびアテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すことを含むことができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、軟質プラークと硬質プラークの組み合わせを切断するためのハイブリッドアテローム切除術用カッターが提供される。カッターは、近位端、遠位端、および長手方向軸、および長手方向軸に沿った近位端から遠位端までの距離によって規定される、切断長さを包含することができる。カッターは、内側変曲点および外側変曲点を有する、遠位端の半径を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは、第1の一次切刃および第2の一次切刃であって、第1の一次切刃および第2の一次切刃は、遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、前記第1の一次切刃および第2の一次切刃を有することができる。カッターは、第1の螺旋状溝および第2の螺旋状溝であって、第1螺旋状溝および第2の螺旋状溝のそれぞれは、螺旋角度を有し、遠位端および近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、前記第1螺旋状溝および第2の螺旋状溝を有することができる。カッターはまた、長手方向軸に対して垂直に測定された第1の一次切刃と第2の一次切刃との間の最大距離である、切断直径を有することができる。カッターはまた、コア直径、遠位端、および近位端を有するコアであって、コアの遠位端は、第1の螺旋状溝の遠位端に第1の二次切刃を形成する第1の複数の二次ファセットを備えて構成され、および第2の複数の二次ファセットは、第2の螺旋状溝の遠位端に第2の二次切刃を形成する、前記コアを有することができる。また、カッターは、ガイドワイヤが通過できるように構成されたルーメンを有することができる。かかるカッターは、血管内の軟質プラークと硬質プラークの両方を効果的に切断するという所望の機能を有する。
【0026】
当業者であれば、カッターの遠位端の半径が任意の所望の形状をとり得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、半径はボールノーズ半径である。いくつかの実施形態では、半径はコーナー半径である。そして、いくつかの実施形態では、半径はカッターの直径の半分に等しい。
【0027】
当業者は、溝のそれぞれが螺旋形状であり、溝の組み合わせが同じ螺旋角度を有するか、または螺旋角度の組み合わせを有することができるように、任意の所望の角度の螺旋を有することができることを理解するであろう。さらに、カッターの溝は、他の溝と比較して同じ角度または異なる角度を有することができ、例えば、当業者は、より滑らかな切断のためにこの構成のカッターを選択することができる。そして、いくつかの実施形態では、溝角度は一定または可変であり得、例えば、当業者は、切断に対する耐性がより高く、おそらく切断の効率を高める可能性がある材料に対して、「可変螺旋」、つまり溝間の可変溝角度を選択することができる。
45°を超える螺旋角度は「高角度」とみなされ、切断部位から材料をより効率的に除去し、組織のパッキングと組織の再切断を減らしながら、より滑らかな切断面を残し;一方で、40°未満の螺旋角度は「低角度」とみなされ、一定の切断時間でより大きな材料片が除去され、切断面が粗くなり、場合によっては用途によっては組織の詰め込みや再切断が生じる可能性がある。いくつかの実施形態では、溝は大きな螺旋角度を有することができる;および、いくつかの実施形態では、溝は低い螺旋角度を有することができる。
【0028】
当業者は、カッターが二次切刃を生成するために作成された二次ファセットを含むことを認識するであろう。いくつかの実施形態では、コアの遠位端は、第1の螺旋状溝の遠位端に第1の二次切刃を形成する第1の複数の二次ファセットを備えて構成され得;および、いくつかの実施形態では、コアの遠位端は、第2の螺旋状溝の遠位端に第2の二次切刃を形成する第2の複数の二次ファセットを備えて構成され得る。
【0029】
実施形態はまた、一次切刃による組織の切断を改善するための一次ファセットを有するカッターを含む。いくつかの実施形態では、コアの遠位端は、第1の一次切刃の遠位端に複数の第1の一次ファセットをさらに含み;およびいくつかの実施形態では、コアの遠位端は、第2の一次切刃の遠位端に複数の第2の一次ファセットをさらに含む。いくつかの実施形態では、複数の第1の一次ファセットは、第1の一次切刃の到達範囲を延伸するように構成され得;および、同様に、複数の第2の一次ファセットは、第2の一次切刃の到達距離を延伸するように構成することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、カッターは、遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する第3の一次切刃;および、螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第3の螺旋状溝を有することができる。いくつかの実施形態では、コアはさらに、第3の螺旋状溝の遠位端に第3の二次切刃を形成する第3の複数の二次ファセットを備えて構成され得る。同様に、コアはさらに、第3の一次切刃の遠位端に第3の複数の一次ファセットを備えて構成することができ、第3の複数の一次ファセットは、第3の一次切刃の遠位範囲を延伸するように構成され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、カッターは、遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する第3の一次切刃;遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第4の一次切刃;螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第3の螺旋状溝;および、螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第4の螺旋状溝を有することができる。いくつかの実施形態では、コアはさらに、第3の螺旋状溝の遠位端に第3の二次切刃を形成する第3の複数の二次ファセットを備えて構成することができ;および第4の複数の二次ファセットは、第3の螺旋状溝の遠位端に第4の二次切刃を形成する。同様に、コアは、第3の一次切刃の遠位端に第3の複数の一次ファセットをさらに備えるように構成することができ、第3の複数の一次ファセットは、第3の一次切刃の遠位範囲を延伸するように構成され;および、第4の複数の一次ファセットは、第4の一次切刃の遠位端にあり、第4の複数の一次ファセットは、第4の一次切刃の遠位範囲を延伸するように構成される。
【0032】
当業者であれば、本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスのいずれも、本明細書で教示されるカッターのいずれかを含むことができることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、アテローム切除術デバイスは:本明細書で教示されるカッターであって、クリア直径を有する前記カッター;遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;および、駆動アセンブリであって、可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフトを有する、前記駆動アセンブリ;を有し、該駆動アセンブリはまた、駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する、容積式ポンプを有する。これらの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;可撓性駆動シャフトは、可撓性シースよりも長く、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができ;および、ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを包含することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、アテローム切除術デバイスは:本明細書で教示されるカッターであって、クリア直径を有する、前記カッター;遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;軸、近位端、遠位端、外面、および駆動シャフトルーメンを含む可撓性駆動シャフトを有する駆動アセンブリであって、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有する、前記駆動アセンブリ;を有し、ここで、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンとともに回転可能に並進し、駆動アセンブリはまた、駆動シャフトの外面に取り付けられ、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接するネジポンプを有し、ネジポンプは、駆動ネジ部分を含み;ここで、駆動ネジ部分は、可撓性シースを越えて延伸し、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に血管内腔と接触するために露出され;および、カッターを右方向に回転させる場合は、右ネジになり;または、カッターを左方向に回転させる場合は左ネジになる。これらの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径より大きくてもよく;および、ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含むことができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、アテローム切除術デバイスは:本明細書で教示されるカッターであって、クリア直径を有する、前記カッター;遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;駆動アセンブリであって、可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、該可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフトを有する、前記駆動アセンブリ;を包含し、該駆動アセンブリは、駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する容積式ポンプを有する。そして、アテローム切除術デバイスはまた、可逆的に拡張可能な、可撓性シースの遠位端にある横方向押し部材であって、横方向押し部材は、近位端、遠位端、折り畳まれた状態、および拡張された状態を有し、近位端は可撓性シースと動作可能な接続を有し、遠位端はカッターと動作可能な接続を有する、前記横方向押し部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含むことができる。さらに、可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用される、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を通って移動する、軸方向の力を受けるように構成され得;およびカッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成され得る。
【0035】
また、当業者は、アテローム切除術を実施する任意の方法が、本明細書で教示される任意のカッターを備えた本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスのいずれかを使用することを含むことができることを理解するであろう。使用されるアテローム切除術デバイスに関係なく、方法は、対象の血管内腔に入口点を作成すること;アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入すること;可撓性駆動シャフトを伸縮させること;アテローム切除術デバイスのカッターを使用して血管内腔からプラークを切断すること;容積式ポンプを使用して血管内腔から切断されたプラークを排出すること;およびアテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すことを包含することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1A-1B】図1A-1Bは、いくつかの実施形態による、動脈の解剖学的構造、内膜プラーク、およびプラーク除去方法を示す。
図1C図1Cは、いくつかの実施形態による、動脈の解剖学的構造、内膜プラーク、およびプラーク除去方法を示す。
【0037】
図2A-2B】図2Aおよび2Bは、いくつかの実施形態による、伸縮式アテローム切除術デバイスを示す。
【0038】
図3図3は、いくつかの実施形態による、自動駆動可能な伸縮式アテローム切除術デバイスを示す。
【0039】
図4A-4C】図4A-4Cは、可撓性シースの遠位端に可逆的に拡張可能な横方向押し部材をさらに備えることができる伸縮式アテローム切除術デバイスを示し、いくつかの実施形態によれば、横方向押し部材の拡張は湾曲を誘発する。
図4D図4Dは、可撓性シースの遠位端に可逆的に拡張可能な横方向押し部材をさらに備えることができる伸縮式アテローム切除術デバイスを示し、いくつかの実施形態によれば、横方向押し部材の拡張は湾曲を誘発する。
【0040】
図5A-5B】図5A図5Bは、いくつかの実施形態による、横方向押し部材のねじり剛性を高めるために使用できる圧縮性スリーブを示しており、横方向押し部材の拡張により湾曲を誘発する。
図5C-5D】図5C図5Dは、いくつかの実施形態による、横方向押し部材のねじり剛性を高めるために使用できる圧縮性スリーブを示しており、横方向押し部材の拡張により湾曲を誘発する。
【0041】
図6A-6B】図6Aおよび6Bは、いくつかの実施形態に従って、使用され得る他のカッターを示す。
【0042】
図7A-7C】図7A~7Cは、いくつかの実施形態による、一次および二次刃、溝、螺旋角度、およびガイドワイヤルーメンを含むカッターの特徴を示す。
【0043】
図8A-8D】図8A~8Dは、いくつかの実施形態による、切断長さ、半径、および切断直径を含むカッターの特徴を示す。
【0044】
図9A-9C】図9A~9Cは、いくつかの実施形態による、一次刃および二次刃、ならびにカッターによる組織の切断を改善する一次ファセットおよび二次ファセットの斜視図、近位端図および遠位端図を示す。
【0045】
図10A-10B】図10Aおよび10Bは、いくつかの実施形態による、一次および二次ファセットのマッピング、ならびに一次切刃および二次切刃に対するそれらの関係を示す。
【0046】
図11A-11C】図11A-11Cは、いくつかの実施形態による、アテローム切除術を実行する方法を示す。
【0047】
図12図12は、いくつかの実施形態による、アテローム切除術を実行する方法をチャートで図示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
アテローム切除術デバイスおよびその使用方法、すなわち、(i)4つの異なるタイプのプラーク組織、すなわち、石灰化したものと硬いもの、壊死性のものと柔らかいもの、線維性のもの、および、線維石灰化組織を包含する、それらの組み合わせを効果的に切断および除去でき;(ii)最小限のプラーク負荷で同心の血管内腔を提供でき;(iii)塞栓の放出を避けるためにプラーク粒子を安全に自己収集および除去でき;および(iv)再狭窄の増加につながる可能性のある血管損傷を受けるリスクを低減しながら、血管を効果的に治療できる、デバイスおよび方法が提供される。そして重要なことに、当業者は、驚くべきことに、(v)病変内に内腔開口部がほとんどまたは全くない、詰まったまたは頑丈な病変にも対処できるアテローム切除術デバイスを確実に評価するであろう。いくつかの実施形態では、本明細書で教示されるアテローム切除術用カッターおよびデバイスは、軟質プラークと硬質プラークの組み合わせを切断する能力に起因して、「ハイブリッド」カッターおよびデバイスと呼ばれることがあり、この機能は当業者には高く評価されるであろう。本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスは、伸縮式、自動駆動、横方向押し式、またはそれらの組み合わせであってもよい。本明細書で提供されるデバイスは、例えば、血管壁への損傷を回避し、塞栓形成を最小限に抑えながら、プラーク負荷が最小限(血管直径の30%未満)で同心内腔を形成することができる。
【0049】
図1A~1Cは、いくつかの実施形態による、動脈の解剖学的構造、内膜プラーク、およびプラーク除去方法を示す。図1Aは、動脈100の解剖学的構造を示す。動脈の解剖学的構造は動脈のサイズによって異なるが、動脈には共通の特徴がある。酸素を含んだ血液を心臓から小さな細動脈に輸送する。最外層は外膜(tunica externa)または外膜(tunica adventitia)であり、コラーゲン線維で構成されている。大動脈のような最大の動脈はまた、栄養血管(vasa vasorum)、または大きな血管に酸素を供給する小さな血管を有する。次の層は中膜(tunica media)で、平滑筋とコラーゲン線維の組み合わせであり、弾力性がある。次の層は内膜(tunica interna)または内膜(intima)で、これもコラーゲンの層によって支えられた内皮細胞で弾力性がある。これらの層はすべて、望ましくないプラークが形成され、本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスによって除去される壁である血管内腔を取り囲んでいる。図1Bは、動脈内腔105の壁に堆積したプラーク110を示す。
【0050】
当業者は、血管内の罹患領域または標的領域の位置を特定するためにガイドワイヤを使用できることを理解している。また、ガイドワイヤを使用して、本明細書で教示されるアテローム切除術デバイス、すなわちカッターを標的領域上に導くことができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含むことができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ内腔の直径は、0.01~0.20インチ、0.01~0.18インチ、0.01~0.15インチ、0.01~0.10インチ、またはいくつかの実施形態ではその中の任意の範囲のサイズの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの内腔直径は、0.01インチから0.14インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤルーメン直径は、0.01インチ(0.254mm)、0.02インチ(0.508mm)、0.04インチ(1.016mm)、0.06インチ(1.524mm)、0.08インチ(2.032mm)、0.10インチ(2.540mm)、0.12インチ(3.048mm)、0.14インチ(3.556mm)、0.16インチ(4.064mm)、0.18インチ(4.572mm)、0.20インチ(5.080mm)、またはその中の0.01インチ(0.254mm)刻みの任意の直径である。
【0051】
図1Cは、動脈からプラークを除去するために本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスとともに使用することができるアテローム切除術方法150のフローチャートである。ガイドワイヤは、ガイドカテーテルを通って、標的領域の動脈プラークによって生じた血管内の閉塞を横切って前進される174。ガイドワイヤが閉塞部を横切って所定の位置に配置されると、アテローム切除術デバイスがガイドワイヤ上の閉塞部を横切って前進される176。次に、アテローム切除術デバイスが適切な位置に配置され、標的領域のプラークを切断して除去し、動脈を治療して閉塞を除去する178。このとき、必要に応じて、管腔内に新たに形成された開口部を維持するのを助けるために、ステントを標的領域に挿入することができる180。手順を完了するために、アテローム切除術デバイスおよびガイドワイヤが患者から取り外される182。
【0052】
一般的に言えば、アテローム切除術デバイスは、カッターを回転させる駆動シャフトに取り付けられたカッターまたは切断ヘッドを含むことができ、駆動シャフトはシース内で回転する。いくつかの実施形態では、シースは互換的に「可撓性チューブ」と呼ばれることがあり;そして、いくつかの実施形態では、駆動シャフトを「トルクシャフト」と呼ぶことがある。いくつかの実施形態では、カッターは、シースから伸縮するように設計することができ、いくつかの実施形態では、シースから可逆的に伸縮するように設計することができる。いくつかの実施形態では、カッターは、シースから所望の範囲まで延伸、または伸縮することができる。例えば、いくつかの実施形態では、カッターは、駆動シャフト上のシースの端からおそらく10mm~500mmまで伸縮することができる。いくつかの実施形態では、カッターは、約20mm~約200mm、約30mm~約100mm、約40mm~約80mm、約60mm、またはその中の1mm刻みの任意の範囲で伸縮することができる。いくつかの実施形態では、カッターは、約10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mm、90mm、100mm、110mm、120mm、130mm、140mm、150mm、160mm、170mm、180mm、190mm、200mm、300mm、400mm、500mm、または1mm刻みでその中の任意の量または範囲で伸縮可能である。伸縮により、カッターおよび駆動シャフトの遠位部分がシースの前方に前進することが可能になり、その間にカッターとプラーク組織との間の係合を改善することができる。さらに、シースを静止させたままにして、カッターをシースより先に移動させると、シースがドリルスルーに抵抗できるようになる。いくつかの方法では、血管からプラークを除去する唯一のステップが伸縮式である場合がある。いくつかの実施形態では、伸縮は、その後のより標的に特化した偏心切断を容易にするための初期切断経路を提供することができる。
【0053】
図2Aおよび2Bは、いくつかの実施形態による、伸縮式アテローム切除術デバイスを示す。これらの実施形態では、アテローム切除術デバイス200は、遠位端202を有する遠位部分と、近位端(図示せず)を有する近位部分と、中心軸205を有する長軸と、ガイドワイヤ210のために中心軸205の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメンとを含むことができる。透視図として、近位から遠位、および遠位から近位への一般的な配向方向を図2Aに示す。デバイスは、近位端(図示せず)を備えた近位部分、遠位端217を備えた遠位部分、外径219、およびシースルーメン221を有する可撓性シース215;駆動シャフト250;近位端232を有する近位部分と、遠位端234を有する遠位部分とを有するカッター230;および、カッター刃240の間に複数の螺旋状溝238を備えた本体236を含むことができる。遠位端234は、カッターブレード240上に複数の切断リップを有することができ、いくつかの実施形態では、遠位端234は点を有することができる。カッターは、カッタールーメン242およびクリア直径260を有することができる。
【0054】
駆動シャフトは、軸方向の剛性、曲げ剛性、ねじり剛性などを満たす、当業者に知られている任意の構造を使用して作製することができる。いくつかの実施形態では、例えば、駆動シャフトは遠位端および近位端を含み、遠位端はカッターに接続または取り付けられ、および、近位端は、モーターに取り付けられた、またはモーター自体に取り付けられたギアなどの回転可能な要素に接続される。駆動シャフトは、同様にハンドル内のモーターによって駆動される場合もある。駆動シャフトは、金属編組および/または1つ以上の金属コイル、およびポリマーに埋め込まれた駆動シャフトの1以上の部分を使用して作製することができる。いくつかの実施形態では、ポリマーは、PEBAX、ポリウレタン、ポリエチレン、フルオロポリマー、パリレン、ポリイミド、PEEK、PET、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの変形例では、駆動シャフトは、螺旋状のレリーフまたは溝を組み込むことによって可撓性になる、プラスチックなどの剛性材料を含むことができる。処置中、モーターはギアを駆動して駆動シャフトとカッターを回転させ、標的病変内の組織を切断する。
【0055】
当業者であれば、血管の「クリア直径」を使用して、アテローム切除術デバイスのカッター部分が血管の内腔を通過した後の血管の内腔の直径を表すことができることを理解するであろう。血管は弾性であることが多いため、血管の内腔のクリア直径260は、カッター230の直径と等しい場合もあれば、等しくない場合もある。カッター230のクリア直径260は、可撓性駆動シャフト250の外径より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性シースの外径より大きくてもよい。そして、いくつかの実施形態では、管腔のクリア直径260は、カッター230の本体の直径よりも小さい。
【0056】
表1は、例えば、大動脈から始まり人間の脚に下る動脈内腔直径の例をmm単位で列挙する。脚の末梢血管疾患は、本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスを使用して治療できる症状の一例である。
【0057】
【表1】
【0058】
上大腿動脈は大腿骨のほぼ中央に位置し、一般に直径が約5~7mm、すなわち約0.2~0.25インチである。動脈が膝の下に下がるにつれて、膝窩動脈の直径は通常約4~4.5mm(0.157インチ~0.177インチ)であるが、対象の足の方向に進むにつれて約3.5mm(0.137インチ)まで縮小する。膝窩動脈は再び前脛骨動脈および脛腓骨幹に分岐し、直径がさらに約3.0mm、次いで約2.5mmまたは約0.118インチから0.098インチに減少する。脛腓骨幹はさらに後脛骨動脈と腓骨動脈に細分され、直径はさらに約2.0mm(0.078インチ)まで減少する。一般的に言えば、脚の末梢動脈の直径は、通常、約2mmから約7mmまで変化し得る。どの血管にもプラークが含まれる可能性があり、本明細書で教示するアテローム切除術デバイスの標的領域となる可能性がある。例えば、冠状動脈は、サイズが約3mmであり、直径が2.5~4.5の範囲で変化し、冠状動脈は、本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスの有望な標的領域である。
【0059】
より大きな血管の場合は、単にカッターの直径を大きくすることが合理的であるように思われるが、当業者であれば、カッターの直径が患者の解剖学的構造の物理的な合併症によっても制限される可能性があることを理解するだろう。例えば、動脈穿刺アクセス、蛇行血管、血管サイズの変化などでの出血により、手術中に合併症が発生する可能性がある。カッターの直径は、いくつかの実施形態では約0.70mm~約2.20mm、いくつかの実施形態では1.00mm~2.20mm、いくつかの実施形態では1.20mm~2.20mm、いくつかの実施形態では1.40mm~2.20mm、いくつかの実施形態では1.50~2.20mmの範囲、または0.10mm刻みでその中の任意の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、カッターの直径は、約0.90mm、1.00mm、1.10mm、1.20mm、1.30mm、1.40mm、1.50mm、1.60mm、1.70mm、1.80mm、1.90mm、2.00mm、2.10mm、2.20mm、2.30mm、またはその範囲内の任意の直径、または0.05mm刻みでその中の範囲で有り得る。血管内腔の直径は非常に小さい場合も非常に大きい場合もあり、直径1.00mmの血管はカッターにとって非常に詰まっているため、これは重要であり、および、いくつかの実施形態では、約2.30mmを超える直径を有する血管は、カッターでできるよりも大きくなりつつある。当業者は、偏心切断により、除去のためにカッターを追加したり、他のより大きな工具と交換したりすることなく、カッターアセンブリの直径よりも大きな領域を切断できることを認識するであろう。カッターは、カッターの直径よりも大きい内腔を除去するために、より大きな血管内で中心から偏ることができる。
【0060】
当業者であれば、必要な操作性を得るためにカッターの長さを制限する必要があることも理解するであろう。当業者は、カッターのサイズが、特定の治療に適していることが当技術分野で知られている任意のサイズであり得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、カッターの長さは、約0.50mm~約3.00mm、約0.60mm~約2.80mm、約0.80mm~約2.60mm、約1.00mm~約2.40mm、約1.00mm~約1.00mm、訳1mm~約2.20mm、約1.00mm~約2.00mm、約1.20mm~約1.80mmの範囲、または0.10mm刻みでその中の任意の範囲であり得る。
【0061】
アテローム切除術デバイス200はさらに、カッター230を駆動するための駆動アセンブリを含む。駆動アセンブリは、アテローム切除術デバイス200の中心軸205と一致することができる中心軸を有する長軸を含む可撓性駆動シャフト250を有することができる。可撓性駆動シャフト250はさらに、近位端(図示せず)を備えた近位部分、遠位端252、外面254、および駆動シャフトルーメン256を備えた遠位部分を有することができ、可撓性駆動シャフト250の遠位端252は、カッター230との固定接続を有する。可撓性駆動シャフト250は、可撓性シース215のルーメン221とともに回転可能に並進することができる。駆動シャフト250は、アテローム切除術を受ける対象の外側に位置する駆動エンジンに到達するまで延伸することができ、駆動エンジンは、いくつかの実施形態では電気エンジンによって駆動され、またはいくつかの実施形態ではエアコンプレッサによって駆動され、および、駆動シャフト250は、使用者による制御のために、アテローム切除術デバイスの近位端にあるハンドル(図示せず)に動作可能に接続することができる。駆動アセンブリはまた、駆動シャフト250の遠位部分から、カッター230の近位端の螺旋状溝238に隣接してポンプを送り出す容積式ポンプを有することもできる。いくつかの実施形態では、容積式ポンプは、駆動シャフト250の遠位部分から駆動シャフト250の近位部分まで延伸し、血管から動脈プラークの切断片をポンプで送り出す。
【0062】
当業者であれば、対象がアテローム切除術を受けている患者であることを理解するであろう。「対象」および「患者」という用語は互換的に使用でき、例えばウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ウサギ、ラットおよびマウスなどの非霊長類を含むがこれらに限定されない哺乳動物などの動物、および例えばサルまたはヒトなどの霊長類を指す。対象はまた、いくつかの実施形態では、死体、または死体の一部であり得る。
【0063】
可撓性駆動シャフト250は、可撓性シース215の遠位端252において可撓性シース215の内腔221から駆動アセンブリの可逆的な伸縮270を可能にするために、可撓性シース215よりも長くすることができる。ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメン242および駆動シャフトルーメン256を含むことができる。駆動シャフト250の曲げ剛性は、デバイスの折り畳まれた状態と拡張状態の間で同じままであるが、駆動シャフトが可撓性シース215から伸縮する270際に、屈曲運動290が増加する。したがって、利用可能な屈曲運動290の量は、図2Bよりも図2Aの方が大きく、また、図2Bでは露出している駆動シャフトの長さと対照的に、図2Aでは伸縮されている駆動シャフトの長さにより、屈曲運動290の容易さは図2Bよりも図2Aの方が大きい。我々は、伸縮270により屈曲運動290の量と容易さが増加するにつれて、カッター230が動脈を通って移動することが容易になることを発見した。
【0064】
いくつかの実施形態では、カッターは、歯垢と係合して最大トルク制限を満たすときに、駆動シャフトがカッターの基部上で滑ることができるように、摩擦フィッティングを使用して駆動シャフトに動作可能に取り付けることができる。そして、いくつかの実施形態では、容積式ポンプは、いくつかの実施形態ではアルキメデスねじとも呼ばれるネジポンプ280であってもよい。容積式ポンプは、駆動シャフト250の外面254に取り付けることができ、ネジポンプの遠位端は、カッター230の近位端232の螺旋状溝238に隣接しており、対象者から切断されたプラークを除去するために、切断されたプラークの断片をカッターから遠位から近位の方向にアテローム切除術デバイスの近位端まで輸送する。
【0065】
図3は、いくつかの実施形態による、自動駆動可能な伸縮式アテローム切除術デバイスを示す。アテローム切除術デバイス300は、例えば、カッター330と動作可能に接触するネジポンプ380を有することができる。ネジポンプ380は、可撓性シース315を越えて延伸することができ、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に、血管内腔壁(図示せず)と接触するために露出することができ、多くの場合、おそらく内腔壁に残っているプラークと接触する可能性がある。いくつかの実施形態では、ネジポンプ380は、カッター330が右方向390に回転されるとき、(図示のように)右ネジであってもよく;および、いくつかの実施形態では、ネジポンプ380は、カッター330が左方向(390とは反対の方向)に回転されるとき、左ネジ(図示のように反対)であってもよい。この様に、右利きのカッターには右ネジポンプが取り付けられ、左利きのカッターには左ネジポンプが取り付けられ、これにより、血管内腔内の血管プラークを切断する際に、ネジポンプが、ガイドワイヤ310に沿って血管内腔を通ってアテローム切除術デバイス300を駆動するのを支援できるようにする。当業者であれば、たとえば、デバイスの動作中などに、自動駆動デバイスが外科医に必要な力を軽減することで大きな価値を提供できることを理解するであろう。自動駆動は、全部または部分的であり得、これは、いくつかの実施形態では、デバイスが処置中に外科医がデバイスを押す必要をなくすことができることを意味する。そして、いくつかの実施形態では、それは、処置中に外科医から要求される圧力を軽減する。アテローム切除術の当業者であれば、押すとデバイスが曲がったり、壊れたり、詰まったりする可能性、および/または、患者は治療を受ける血管の穿孔によって合併症を患う可能性、ならびに治療を受ける血管の周囲の組織の穿孔があることを理解するであろう。
【0066】
本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスの自動駆動機能により、処置を行う外科医に必要な圧力を軽減することができる。いくつかの実施形態では、アテローム切除術を行う外科医に必要な圧力は、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、またはその中の1%刻みの任意の量または範囲で減少され得る。いくつかの実施形態では、アテローム切除術を行う外科医に必要な圧力は、約25%~約100%、約30%~約100%、約35%~約100%、約40%~約100%、約45%~約100%、約50%~約100% 約100%、約60%~約100%、約65%~約100%、約70%~約100%、約75%~約100%、約80%~約100%、約85%~約100%、約90%~約100%、約95%~約100%の範囲の量、またはその中の1%刻みの任意の範囲の量で低減され得る。同様に、いくつかの実施形態では、アテローム切除術を行う外科医に必要な圧力を、約25%~約95%、約30%~約90%、約35%~約85%、約40%~約80%、約45%~約75%、約50%~約85%、約70%、約60%~約100%、約65%~約100%、約70%~約100%、約75%~約100%、約80%~約100%、約85%~約100%、約90%~約100%、約95%~約100%の範囲、またはその中の1%刻みの任意の範囲の量で低減することができる。同様に、いくつかの実施形態では、アテローム切除術を行う外科医に必要な圧力は、約25%~約50%、約50%~約100%の範囲、またはその中の1%刻みの任意の範囲で減少させることができる。同様に、いくつかの実施形態では、アテローム切除術を行う外科医に必要な圧力は、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくともその中の1%刻みの任意の範囲で軽減することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、外科医は、病変の切断の制御を助けるために、例えば押さずに保持または引っ張るなど、負圧を適用する必要がある場合がある。いくつかの実施形態では、負圧は、負の1%、5%、10%、15%、20%、または25%、またはその中の任意の量であり得ることを理解されたい。このような負圧により、切断物の前進速度が遅くなったり、切断が停止したり、カッターの自動駆動方向と反対の方向に切断物が移動したりする可能性がある。
【0068】
当業者であれば、アテローム切除術デバイスが、曲がりくねった血管に対して当技術分野で必要とされる多用途性および操作性を提供することを理解するであろう。プラークが曲がりくねった血管内にある場合、または血管の通路に対して偏心して閉塞している場合、組織の偏心切断は、プラークを除去するために切断ヘッドを操作するのに有用であり得る。デバイスの遠位端を横方向に引っ張る「腱」を引っ張ることによって、デバイスの遠位端に湾曲を作り出すことができる機構を備えたアテローム切除術デバイスが存在してきた。これらのデバイスは、アテローム切除術デバイスの長軸に沿ってかかる応力の不均衡により、デバイスの「スナップバック(snapback)」または「ホイップ(whip)」動作が発生するという問題がある。本明細書で提供されるデバイスは、これらの以前に知られた機構によって生じる「スナップバック」または「ホイップ」を生じることなく、偏心切断を提供する。
【0069】
図4A図4Dは、可撓性シースの遠位端に可逆的に拡張可能な横方向押し部材をさらに含むことができる伸縮式アテローム切除術デバイスを示しており、いくつかの実施形態にしたがって、横方向押し部材の拡張により湾曲を誘発する。図4Aに示すように、伸縮式アテローム切除術デバイス400は、可撓性シース415の遠位端に可逆的に拡張可能な横方向押し部材444をさらに含むことができ、押し部材444は、アテローム切除術デバイスの中心軸に対して横方向の突出部を形成する。横方向押し部材444は、近位端を備えた近位部分、遠位端を備えた遠位部分、および折り畳まれた状態(図4Aに示すような)および拡張状態(図4Bおよび4Cに示すような)を有する可逆的に拡張可能な部分を有することができる。突起は、例えば血管内の任意の標的領域に到達するために、病変に対して1~360度の任意の量、または任意の範囲で回転させることができる。
【0070】
横方向押し部材は、当業者に適切であることが知られている任意の材料で作ることができる。例えば、横方向押し部材は、ニッケルチタンなどのチタン合金などの生体適合性を有する可撓性金属で作製することができる。いくつかの実施形態では、横方向押し部材は、PEEK、ポリイミド、またはナイロンなどのポリマーで作ることができる。トラスまたはリボンの長さは、任意の突起を提供するように設計できる。たとえば、トラスの長さは、いくつかの実施形態では1mm~100mm、いくつかの実施形態では10mm~30mm、いくつかの実施形態では10mm~40mm、いくつかの実施形態では10mm~50mm、いくつかの実施形態では20mm~60mm、いくつかの実施形態では20mm~80mm、またはその中の1mm刻みの任意の範囲で異なる場合がある。いくつかの実施形態では、トラスの長さは、1mm、2mm、4mm、6mm、8mm、10mm、12mm、14mm、16mm、18mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mm、100mm、またはその中の1mm刻みの任意の範囲で有り得る。
【0071】
可逆的に拡張可能な部分は、横方向押し部材444に軸方向の力を加えることによって、可逆的に拡張可能な横方向押し部材444を拡張および収縮させるトラス488を有する。いくつかの実施形態では、トラスは「リボン」と呼ばれることがある。横方向押し部材444の近位端は、可撓性シース415と動作可能な接続を有し、横方向押し部材444の遠位端は、カッター430と動作可能な接続を有する。可撓性シース415との動作可能な接続およびカッター430との動作可能な接続はそれぞれ、近位から遠位への軸力を加えると横方向押し部材444が折り畳まれ、可撓性シース415内での可撓性駆動シャフト450の可逆的な伸縮動作によって所望の方向に軸力が加えられるとき、(i)可撓性駆動シャフト450の軸に沿ってカッター430から可撓性シース415まで適用される、(ii)遠位側から近位側へ軸方向の力を加えると、横方向押し部材444を介して伝達され、横方向押し部材444を拡張する、軸方向の力を受けるように構成することができる。横方向押し部材444は、収縮時445cおよび拡張時有効半径445eを有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、近位から遠位への力、および遠位から近位への力は、側方押し部材444の近位部分の近位カラー455において、および側方押し部材444の遠位部分の遠位カラー466において、横方向押し部材444によって受け止められる。さらに、横方向押し部材444とカッター430との間の動作可能な接続は、回転可能に並進可能な接続として構成することができ、これにより、アテローム切除術デバイス400の動作中に横方向押し部材444の遠位端を回転させたり、望ましくないトルクを与えたりすることなく、カッター430及び可撓性駆動シャフト450の回転を容易にすることができる。
【0073】
軸方向の力は、駆動シャフトの中心軸に沿って力を加える任意の構造、たとえば腱などの集中(centralized)部材を使用して加えることができ、これは、アテローム切除術デバイスに負荷がかかり、その結果、デバイスの長軸に沿ったスナップバックまたはホイップ力が解放されるのを避けるためである。いくつかの実施形態では、軸方向の力を提供する構造は、デバイスの中心に既に配置されている、例えばシース内で同心である駆動シャフトであってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、横方向押し部材を拡張する方法は、横方向押し部材の遠位部分に遠位から近位への力を加えることを含み、該力は、アテローム切除術デバイスの中心軸、駆動シャフトの中心軸、またはシースの中心軸に沿って加えられる。
【0074】
横方向押し部材444の血管壁への接触により、トラス488の拡張方向とは反対側に、カッター430が血管内腔の中心軸から離れる方向に横方向に押される。カッター430の方向転換の大きさは調整可能であり、制御可能である。
【0075】
図4Bに示すように、横方向押し部材444上のトラス488の拡張により、アテローム切除術デバイス400のカッター430が血管内腔壁499に向かって偏向し、それは、トラス488の拡張から力を受ける血管内腔壁499の反対側にある。
【0076】
1以上の拡張可能なトラスを使用できる。いくつかの実施形態では、単一のトラスが存在する。いくつかの実施形態では、2つのトラスがある。いくつかの実施形態では、3つのトラスがある。いくつかの実施形態では、4つのトラスがある。いくつかの実施形態では、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のトラスが存在する。トラスは、デバイスの中心軸から外側に突出するように、偏った湾曲または角度を作成するように事前に成形することができる。すなわち、いくつかの実施形態では、トラスは、トラスが折り畳まれた状態に留まることができる形状記憶を有し、たとえば、中央の腱または駆動シャフトを引っ張ることによって、トラスに力を加えることによって拡張状態が得られる。いくつかの実施形態では、トラスは、トラスが拡張状態に留まることができる形状記憶を有し、トラスを折り畳まれた状態に保持することによって折り畳み状態が維持され、その保持力を解放し、形状記憶をトラスに戻すことで拡張状態が得られる。トラスは任意の形状とすることができ、いくつかの実施形態では、単一のトラスまたは複数のトラスとすることができる。いくつかの実施形態では、トラスはバスケット形状を形成することができる。いくつかの実施形態では、トラスを使用するのではなく、バルーンを膨張させてカッターを付勢することができる。例えば、トラスは、例えば、可撓性駆動シャフトを安定させるのに役立つアーチ型または角度を付けたリボンであってもよい。
【0077】
本明細書で提供されるデバイスの偏心切断は、曲がりくねった血管および曲がりくねっていない血管、ならびに偏心病変において安全できれいな切断を提供することができる。横方向押し部材444は、そのような横方向突出がないと、カッターアセンブリが血管湾曲の外側に向かって移動するように偏っている、安全性を高め、これにより、血管の内側にある標的のプラークではなく、誤って血管壁を切断してしまう可能性がある。横方向押し部材444は、トラス488を血管湾曲の外側に向かって膨らませることで偏りを修正することにより、この問題に対処し、カッターを血管の反対側に横方向に押して、従来のカッターよりもより制御された効果的かつ安全な切断を実現する。例えば、偏心病変を減量する場合、調整可能な横方向の押し出しにより、カッターアセンブリは、特に多量の狭窄物質を有する血管の側を標的にして偏心切断を達成することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、有効切断直径は、カッターの直径の約半分に、カッターの中心軸からの突出部の横方向の範囲を加えたものであってもよい。たとえば、カッターの直径が2.2mmで、突起がカッターの軸から3.0mm突き出ている場合、有効切断直径は4.1mmになる。見てわかるように、偏心切断により、カッターの直径よりもはるかに大きな切断領域が得られる。
【0079】
いくつかの実施形態では、突出の大きさ(わずかに突出する量から最大限に突出する量まで)が調整可能である。例えば、横方向押し部材の2つの端部またはカラーの間の距離を調整することができる。すなわち、横方向押し部材の両端またはカラー間の距離は、任意に設定することができる。いくつかの実施形態では、カラー間の距離は、トラスの膨張を減少させ、したがってカッターの偏向を減少させるために増加される。同様に、カラー間の距離を小さくすると、トラスの拡張が大きくなり、カッターの偏向が大きくなる。当業者であれば、デバイス上のダイヤル、ノブ、ボタン、または他のアクチュエータが、デバイスの使用者に横方向押し部材444のカラー間の距離の測定値を提供できることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、駆動シャフトがシースに対して移動した距離の増加により、トラス488の拡張が増加する。同様に、いくつかの実施形態では、駆動シャフトがシースに対して移動した距離が減少すると、トラス488の拡張が減少する。
【0080】
いくつかの実施形態では、横方向押し部材444の近位部分または近位端は、シースの遠位部分または遠位端と固定接触することになり、および、駆動シャフトの遠位部分または遠位端は、カッターと回転可能に並進接続され;カッターに近い構成要素を備え、この構成要素は、駆動シャフトの存在にもかかわらず、カッターの回転を可能にするレース(race)およびステップ(step)を含む。いくつかの実施形態では、レースは「軸受面」と呼ばれることがある。構成要素は、たとえば、固定レースやベアリングなどであり;その結果、横方向押し部材は回転せず、横方向押し部材の遠位部分または遠位端において駆動シャフトが自由に回転する。
【0081】
興味深いことに、トラス488と比較した駆動シャフト450の相対的な曲げ剛性も、カッター430のどの部分が血管内腔壁499上のプラークと接触し、プラークを切断するかを制御するのに役立つことが発見された。例えば、駆動シャフト450の曲げ剛性がトラス488の曲げ剛性よりも大きい場合、トラス488の拡張は、駆動シャフト450の変形490を引き起こさない可能性が高く、そして、カッター430と血管内腔壁499との間の接触は、カッター430の本体の側でさらに起こることになる。しかしながら、駆動シャフト450の曲げ剛性がトラス488の曲げ剛性よりも小さい場合、駆動シャフト450は変形することが予想され、そして、カッター430と血管内腔壁499との間の接触は、カッター430の遠位端に向かってさらに起こり始める。
【0082】
いくつかの実施形態では、可撓性アテローム切除術デバイスFの遠位部分の曲げ剛性は、横方向押し部材FLPMの曲げ剛性以下である。いくつかの実施形態では、可撓性アテローム切除術デバイスFの遠位部分の曲げ剛性は、横方向押し部材FLPMの曲げ剛性以上である。いくつかの実施形態では、可撓性アテローム切除術デバイスの遠位部分の曲げ剛性Fは、横方向押し部材FLPMの曲げ剛性よりも大きい。
【0083】
はFLPMと比較して、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%の範囲の量、またはその中の1%刻みの任意の量または範囲で減少され得る。いくつかの実施形態では、Fは、FLPMと比較して、約25%~約80%、約30%~約75%、約35%~約75%、約40%~約75%、約45%~約75%、約50%~約75%、約60%~約75%、約65%~約75%、約70%~約75%の範囲の量、またはその中の1%刻みの任意の範囲の量で減少され得る。同様に、いくつかの実施形態では、Fは、FLPMと比較して、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%の範囲の量、または少なくともその中の1%刻みの任意の範囲もしくは量で減少させることができる。
【0084】
この情報を考慮すると、当業者は、駆動シャフト450とトラス488の曲げ剛性の相対比を選択することによって変形量を選択でき、これにより、アテローム切除術デバイスのユーザーがカッターをさらに制御できるようになることを理解するであろう。したがって、いくつかの実施形態では、アテローム切除術デバイス400は、駆動シャフトの所望の偏向量を取得して、カッター430の所望の表面を血管内腔壁499に導くために、トラス488の曲げ剛性が駆動シャフト450の曲げ剛性よりも大きくなるように設計することができる。いくつかの実施形態では、駆動シャフトの偏向を避けるために、駆動シャフトの曲げ剛性は、トラス488の曲げ剛性以上とすることができる。当業者であれば、駆動シャフトの曲げ剛性を変える方法があることを理解するであろう。駆動シャフトの剛性または可撓性は、例えば、駆動シャフトを構成するフィラメントの配向または関連性を変えることによって調整することができる。いくつかの実施形態では、曲げ剛性を高めるために、シャフト上のフィラメントをより硬い材料で結合することができ、またはフィラメントのサイズを増加(または減少)させることによって曲げ剛性を増加(または減少)させることができる。
【0085】
横方向押し部材は、湾曲した隆起部まで拡張するように設計することができる。いくつかの実施形態では、横方向押し部材は、シースの半径以下の有効半径445cを有するように折り畳むことができる。いくつかの実施形態では、横方向押し部材は、カッターの半径以下の有効半径445cを有するように折り畳むことができる。いくつかの実施形態では、横方向押し部材は、血管内でのデバイスの移動を容易にするために、カッターのクリア直径の半径以下の有効半径445cを有するように折り畳まれる。
【0086】
横方向押し部材444にかかるねじり応力は設計上の考慮事項である。横方向押し部材444に生じるねじり応力の懸念を軽減するために、横方向押し部材の遠位端にかかるねじり応力を低減するか、横方向押し部材のねじり剛性を増加するか、またはこれらの設計変更の両方を実施することができる。
【0087】
図4Cは、いくつかの実施形態に従って、ねじれ応力に対処するために、カッターと横方向押し部材との間の代替の動作可能な接続を提供する。いくつかの実施形態では、遠位レースは固定されており、回転カッター430に対するベアリングレースとして機能する。しかしながら、いくつかの実施形態では、遠位レース477は、回転カッター430および横方向押し部材444の遠位カラー466と接触しながら回転する。したがって、遠位レース477は自由に回転することができ、遠位レース477は自由に回転して、横方向押し部材444にかかるねじり応力をさらに低減する。いくつかの実施形態では、遠位レース477は、テフロン(登録商標)などの低摩擦材料で作ることができる。
【0088】
図4Dは、どのようにしてアテローム切除術デバイスの遠位部分に変形490として湾曲を生じさせることができるかを示している。本明細書で論じられるように、駆動シャフト450の遠位部分と横方向押し部材との相対的な曲げ剛性は、上述したように、トラス488の横方向の拡張を誘発するために力が加えられると、湾曲の形成を誘発することができ、また、血管内腔内でのカッター430の向きも変更する(図示せず)。変形490は、駆動シャフト450をシース415から伸縮させることによって、図4Bに示すような真っ直ぐな位置に戻すことができる。これにより、遠位カッターが切断するように配向される位置から、カッター430の側面が切断するように配向される位置まで、血管内腔(図示せず)内でカッター430が再調整される。
【0089】
伸縮機能、自動駆動機能、および横方向押し機能のそれぞれが、別個の技術的利点であることを理解されたい。そのため、アテローム切除術デバイスは自動駆動アテローム切除術デバイスのみにすることができ、つまり、デバイスは伸縮式または横方向に押す必要がない。これらの実施形態では、その構成要素には、本明細書で教示する他の実施形態と同じまたは類似のラベルを付けることができ、デバイスは、遠位端を有する遠位部分、近位端を有する近位部分、中心軸を有する長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメンを有することができる。このデバイスは、外径およびシースルーメンを有する可撓性シース、近位端、遠位端、および複数の螺旋状溝を備えた本体を有するカッターを含むことができる。カッターの遠位端には、複数の切断リップ、カッタールーメン、およびクリア直径を有する点があってもよい。これらのデバイスは駆動アセンブリも含むことができる。駆動アセンブリは、軸、近位端、遠位端、外面、および駆動シャフトルーメンを含む可撓性駆動シャフトを有することができ、可撓性駆動シャフトの遠位端は、カッターとの固定接続を有し、ここで、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する。駆動アセンブリはまた、駆動シャフトの外面に取り付けられ、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してネジポンプを有することもできる。ネジポンプは駆動スクリュー部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、駆動ネジ部分はネジポンプの遠位部分であり得る。
【0090】
自動駆動にするために、例えば、駆動ネジ部分は、可撓性シースを越えて延伸することができ、アテローム切除術デバイスの使用中に血管内腔と接触するために露出することができる。血管内腔を通ってデバイスを駆動するのを効果的に支援するには、駆動ネジをカッターと同じ方向に回転させる必要がある。たとえば、カッターの溝が右方向に螺旋になっている場合、駆動ネジも右方向に螺旋する必要がある。同様に、カッターの溝が左方向に螺旋を描く場合、駆動ネジも左方向に螺旋する必要がある。したがって、いくつかの実施形態では、カッターが右方向に回転するとき、駆動ネジ部分は右ネジであってもよく、また、いくつかの実施形態では、カッターが左方向に回転するとき、駆動ネジ部分は左ネジであってもよい。
【0091】
ルーメン、カッター、および駆動ネジの相対的なサイズは、自動駆動機能を最適化するように設計できる。これらの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径より大きくてもよく;また、いくつかの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性シースの外径より大きくてもよい。
【0092】
もちろん、自動駆動デバイスのいずれも、伸縮機能を含むことができ、その構成要素には、本明細書で教示する他の実施形態と同じまたは類似のラベルを付けることができる。例えば、自動駆動アテローム切除術デバイスの可撓性駆動シャフトは、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができるように、可撓性シースよりも長くすることができる。
【0093】
さらに、自動駆動デバイスのいずれも、可逆的に拡張可能な横方向押し部材を含むことができ、その構成要素には、本明細書で教示する他の実施形態と同じまたは類似のラベルを付けることができる。いくつかの実施形態では、横方向押し部材は、近位端、遠位端、折り畳まれた状態、および拡張状態を有することができ、近位端は可撓性シースとの動作可能な接続を有し、遠位端はカッターとの動作可能な接続を有する。可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用され、および、(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を介して移動する、軸方向の力を受けるように構成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、カッターとの動作可能な接続は、横方向押し部材を回転させることなくカッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として、特に、アテローム切除術デバイスの操作中の横方向押し部材の遠位部分として構成することができる。
【0094】
同様に、アテローム切除術デバイスは、横方向押し式アテローム切除術デバイスのみとすることができ、デバイスは自動駆動を必要とせず、その構成要素には、本明細書で教示する他の実施形態と同じまたは類似のラベルを付けることができる。しかしながら、少なくとも横方向押し部材の拡張および折り畳みに必要な程度まで伸縮する必要がある。これらの実施形態では、デバイスは、遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメンを有することができる。このデバイスは、外径およびシースルーメンを有する可撓性シースを含むことができる。このデバイスは、近位端、遠位端、および複数の螺旋状溝を備えた本体を有するカッター、複数の切断リップを有する遠位端の点、カッタールーメン、およびクリア直径;および駆動アセンブリを有することができる。駆動アセンブリは、軸、近位端、遠位端、外面、および駆動シャフト内腔を含む可撓性駆動シャフトを有することができ、可撓性駆動シャフトの遠位端は、カッターとの固定接続を有し、ここで、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する。駆動アセンブリは、駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する容積式ポンプを備えることもできる。また、横方向押し式アテローム切除術デバイスは、可撓性シースの遠位端に可逆的に拡張可能な横方向押し部材を有することもできる。
【0095】
ルーメンとカッターの相対的なサイズは、ルーメンを通るアテローム切除術デバイスの動きを最適化するように設計することができる。例えば、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性シースの外径より大きくてもよい。カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンのサイズは、所望のゲージのガイドワイヤが通過できるように構成することができ、したがって、ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含むことができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、横方向押し部材は、近位端を有する近位部分、遠位端を有する遠位部分、折り畳まれた状態、および拡張された状態を有することができ、近位端は可撓性シースとの動作可能な接続を有し、遠位端はカッターとの動作可能な接続を有する。いくつかの実施形態では、可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用され、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を介して移動する、軸方向の力を受けるように構成され得る。そして、いくつかの実施形態では、カッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、アテローム切除術デバイスは伸縮式であってもよく、その構成要素は、本明細書で教示される他の実施形態と同じまたは類似のラベルを付けることができる。すなわち、横方向押し式アテローム切除術デバイスの可撓性駆動シャフトは、横方向押し部材の拡張に必要な長さよりも長くなる可能性がある。横方向押し式アテローム切除術デバイスの可撓性駆動シャフトは、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができるように、可撓性シースよりも長くすることができる。
【0098】
また、いくつかの実施形態では、横方向押し式アテローム切除術デバイスは自動駆動であってもよく、その構成要素には、本明細書で教示する他の実施形態と同じまたは類似のラベルを付けることができる。すなわち、横方向押し式アテローム切除術デバイスは、駆動シャフトの遠位端の外面に取り付けられ、ネジポンプの遠位端でネジポンプに隣接する駆動ネジを備えることができる。駆動ネジは、ネジポンプの一部とすることができ、可撓性シースを越えて延伸し、使用中に血管内腔と接触するために露出させることができる。いくつかの実施形態では、カッターが右方向に回転する場合、駆動ネジは右ネジであってもよく、また、いくつかの実施形態では、カッターが左方向に回転するとき、駆動ネジは左ネジであってもよい。
【0099】
本発明者らは、本明細書で教示されるアテレクトミーデバイスの(i)寸法と(ii)剛性の比率がそれぞれ、デバイスの性能および挙動、カッターの前進の容易さ、アテローム切除術デバイスを回転させる能力、デバイスを操縦する能力、除去されるプラークの相対量などに寄与することを発見した。表2は、アテローム切除術デバイスの構成要素の寸法例を示しており、表3は、アテローム切除術デバイスの構成要素の寸法の比率の例を示す。
【表2】
【表3】
「カッターOD」はカッターの最大外径である。
「ネジポンプOD」は、駆動シャフトの外径に、駆動シャフトを囲むネジポンプワイヤーの2つの直径を加えたものである。
「駆動シャフトOD」は駆動シャフトの外径であり、ネジポンプワイヤーの2つの直径は含まれない。
「シースIDまたはOD」は、可撓性チューブ、または「シース」の内径または外径である。
「最小前刃OD」とは、刃を有するカッターの最も先端の外径である。
「ガイドワイヤルーメンID」は、ガイドワイヤルーメンの内径である。
「横方向押し部材OD」とは、横方向押し部材の外径であり、折り畳まれた状態または展開した状態を取り得る。
【0100】
デバイスの構成要素の相対的なサイズが、血管内腔内でのデバイスの動きに大きな影響を与えることが判明しました。いくつかの実施形態では、カッターの直径は、駆動シャフトの直径より少なくとも30%大きくなければならない。カッター直径対駆動シャフト直径の比は、いくつかの実施形態では1.3~2.0、いくつかの実施形態では1.3~1.8、いくつかの実施形態では1.3~1.7、いくつかの実施形態では1.3~1.6、いくつかの実施形態では1.3~1.5、いくつかの実施形態では1.3~1.4の範囲、またはいくつかの実施形態ではその中の任意の範囲で有り得る。いくつかの実施形態では、カッター直径と駆動シャフト直径との比は、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、または2.5、または、いくつかの実施形態では、その中の0.0.5刻みの任意の範囲で有り得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、カッター直径は、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、またはその中の0.5%刻みの任意のパーセント、駆動シャフトの直径より大きくなる。
【0101】
いくつかの実施形態では、カッターの直径はシースより少なくとも20%大きくなければならない。カッター直径対シース直径の比は、いくつかの実施形態では1.2~2.0、いくつかの実施形態では1.2~1.8、いくつかの実施形態では1.2~1.7、いくつかの実施形態では1.2~1.6、いくつかの実施形態では1.2~1.5、いくつかの実施形態では1.2~1.4、いくつかの実施形態では1.2~2.0の範囲、またはその中の任意の範囲で有り得る。いくつかの実施形態では、カッター直径と駆動シャフト直径との比は、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、または2.5、もしくは、いくつかの実施形態では、その中の0.05刻みの任意の比で有り得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、カッター直径は、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、または、その中の0.5%刻みの任意のパーセント、シースの直径より大きい。
【0102】
当業者であれば、本明細書の教示を考慮すると、駆動シャフト、シース、また、いくつかの実施形態では、横方向押し部材は、アテローム切除術の処置に望ましい機械的および物理的特性を有するように設計することができる。いくつかの実施形態では、デバイスの機械的および物理的特性は、処置中にカッターを前方に押すのに十分な強度を提供するが、曲がりくねった血管内でカッターを操作してガイドワイヤと位置合わせするのに十分な可撓性を提供する。
【0103】
当業者であれば、本明細書で提供される技術が、アテローム切除術デバイスの性能、操作性、および信頼性の向上を促進する構成要素の曲げ剛性設計の選択を含むことができることを理解するであろう。曲げ剛性は、N/mmの単位で表される変形性の尺度である。例えば、曲げ剛性は、加えられた曲げ力に応じて構成要素を破損したり変形させたりすることなく曲がる構成要素の能力として説明される場合がある。例えば、当業者は、いくつかの実施形態において、曲がりくねった血管の周りのガイドワイヤに従うアテローム切除術デバイスの操作性のために、駆動シャフト、シース、またはその両方の曲げ剛性を選択することができる。
【0104】
当業者はまた、本明細書で提供される技術が、ねじり強度による性能の向上を促進するために、構成要素のねじり剛性設計の選択を含むことができることを理解するであろう。ねじり剛性とは、ねじれ荷重によるねじれに対する抵抗力であり、構成要素がねじれを戻したり、ねじりすぎたり、変形したりすることなく回転荷重(トルク)を伝達できるようにするもので、単位はN*mm/radである。例えば、当業者は、いくつかの実施形態では、駆動シャフトを破損することなく、プラークからの抵抗に対してカッターが確実に切断できるようにするために、駆動シャフト、横方向押し部材、またはその両方のねじり剛性を選択することができ、そして、横方向押し部材は、アテローム切除術中の横方向押し部材デバイスの故障を避けるために、回転しないか、少なくとも限られた量だけ回転する。
【0105】
また、当業者は、本明細書で提供される技術が、アテローム切除術デバイスの押し引きに対するより良い応答を通じて性能の向上を促進するために、構成要素の軸方向の引張剛性設計の選択を含むことができることを理解するであろう。軸方向の引張剛性は、軸方向の荷重がかかった状態での構成要素の長さに沿った伸びまたは縮小に対する抵抗であり、単位はN/mmである。軸方向の引張剛性設計の選択を含める必要がある主要構成要素には、駆動シャフト、シース、横方向押し部材が含まれる。
【0106】
表4および5は、本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスの構成要素の曲げ剛性、ねじり剛性、および軸方向剛性、ならびに構成要素の相対剛性の比の例を提供する。
【表4】
【表5】
【0107】
いくつかの実施形態では、シースの曲げ剛性は、駆動シャフトより少なくとも3倍大きくなければならない。駆動シャフトの曲げ剛性対シースの曲げ剛性の比は、いくつかの実施形態では0.03~0.40、いくつかの実施形態では0.05~0.30、いくつかの実施形態では0.05~0.25、いくつかの実施形態では0.06~0.30の範囲、またはその中の任意の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、シースの曲げ剛性に対する駆動シャフトの曲げ剛性の比は、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、または、いくつかの実施形態では、その中の0.005刻みの任意の比率または範囲で有り得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、シースの曲げ剛性は、駆動シャフトの曲げ剛性よりも3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、またはその中の任意の範囲で大きい。
【0108】
図5A~5Cは、横方向押し部材のねじれ剛性を高め、容積式ポンプ用のシールドを形成するために使用できる圧縮性スリーブ、および、いくつかの実施形態によれば、容器からの切断粒子の移動を改善した、増加されたポンプ効率を示す。図5Aおよび5Bは、近位部分505、遠位部分510、および各螺旋の間に隙間を含む螺旋状に巻かれたバンドを有する圧縮性部分515、各螺旋間のピッチ、および螺旋状に巻かれたバンドの幅および厚さを有する、圧縮性スリーブ500を示す。いくつかの実施形態では、圧縮可能部分515の螺旋状に巻かれたバンドは、近位部分505および遠位部分505と一体である。
【0109】
図5Cは、アテローム切除術デバイスの遠位部分の変形590を示す。本明細書で説明するように、駆動シャフト550の遠位部分と横方向押し部材のトラス588の相対的な曲げ剛性は、上述のように、トラス588の横方向の拡張を誘発するために力が加えられると、湾曲590の形成を誘発する可能性があり、血管内腔内でのカッター630の配向も変更する(図示せず)。圧縮性スリーブ500は、トラス588の横方向の拡張中、および駆動シャフトおよび圧縮性スリーブ500の変形590の生成中に、圧縮性部分515の螺旋状に巻かれたバンドを圧縮する。したがって、いくつかの実施形態によれば、横方向押し部材のトラス588の拡張により、アテローム切除術デバイスの遠位部分に湾曲590が誘発される可能性がある。
【0110】
図5Dは、アテローム切除術デバイスの遠位部分の変形590を解放して、アテローム切除術デバイスの遠位部分を真っ直ぐにする様子を示す。駆動シャフト550は、シース(図示せず)から伸縮して、駆動シャフト550とトラス588との間の力を緩和し、駆動シャフト550とトラス588を真っ直ぐにする。これにより、カッター530は、血管内腔(図示せず)内で、カッター530の遠位部分が切断する方向に向けられる位置から、カッター530の側面が切断するように方向付けられる位置に再調整される。圧縮性スリーブ500は、トラス588の横方向の拡張によって引き起こされる変形590から圧縮性部分515の螺旋状に巻かれたバンドを緩和し、図5Dに示すように元の真っ直ぐな位置に戻す。したがって、いくつかの実施形態によれば、横方向押し部材のトラス588の拡張により、アテローム切除術デバイスの遠位部分の変形590が解放され、真っ直ぐな位置に戻ることができる。
【0111】
圧縮性スリーブ500は、可撓性駆動シャフト550が圧縮性スリーブの内側で回転するように、可撓性駆動シャフトの外側、かつ横方向押し部材の近位端と遠位端との間に配置することができる。本明細書に示されるように、横方向押し部材の各端にカラー、近位カラーおよび遠位カラーが存在することができ、圧縮性スリーブ500の近位部分505は、横方向押し部材の近位カラーに動作可能に取り付けられ、圧縮性スリーブ500の遠位部分510は、横方向押し部材の遠位カラーに動作可能に取り付けられる。圧縮性部分515の設計により、横方向押し部材のリボンが平らな状態から外側にはみ出したときに、圧縮性スリーブ500は曲がったり、圧縮されたりする可能性がある一方で、横方向押し部材のねじり応力に対処するために、横方向押し部材の近位カラーと遠位カラーとの間に追加のねじれ剛性を提供する。いくつかの実施形態では、横方向押し部材の遠位カラーおよび近位カラーは、互いに対してねじれないか、またはねじり運動が少なくとも低減される。圧縮性スリーブ500は、いくつかの実施形態ではアルキメデスねじと呼ばれる容積式ポンプを覆う役割も果たす。したがって、圧縮性スリーブ500は、アルキメデススクリューによる切断歯垢粒子の吸引中に安全シールドとして機能することができる。また、容積式ポンプ機構の上にカバーを設けることにより、粒子を固定空間に保持するのを助けることにより、ポンプによる粒子の除去を支援できることを理解されたい。例えば、ネジポンプの場合、圧縮性スリーブは、歯垢粒子を圧縮性スリーブ500のルーメン内に保持するためにスクリュー機構に近接して配置され、ねじ機構580が粒子を治療対象の血管からより効率的に移動させるのを助ける。さらに、横方向押し部材の拡張トラス588は、圧縮性スリーブ500を圧縮するときに横方向押し部材の近位カラーと遠位カラーが互いに近づくように移動することを必要とすし、圧縮は、圧縮性スリーブ500の螺旋間の隙間で起こり、短縮が起こることを可能にする。
【0112】
圧縮性スリーブ500は、当業者に知られている任意の適切な材料で作ることができ、材料の選択は、例えば、必要なバンド幅および厚さを決定する。いくつかの実施形態では、圧縮性スリーブは、ステンレス鋼、ニチノール、他の金属合金、またはポリマー、PEEK、ポリカーボネート、ナイロン、またはポリイミドで作製され得る。
【0113】
圧縮性スリーブ500の寸法例を、少なくとも下肢の血管系について表6に列挙する。
【表6】
【表7】
【0114】
駆動シャフトと圧縮性スリーブの剛性と比率を表8および9に示す。
【表8】
【0115】
いくつかの実施形態では、駆動シャフトの曲げ剛性は、駆動圧縮性スリーブより少なくとも50%大きくなければならない。圧縮性スリーブの曲げ剛性に対する駆動シャフトの曲げ剛性の比は、いくつかの実施形態では1.5~6.0、いくつかの実施形態では1.5~5.0、いくつかの実施形態では1.6~5.0、いくつかの実施形態では1.7~5.0の範囲、またはその中の任意の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、圧縮性スリーブの曲げ剛性に対する駆動シャフトの曲げ剛性の比は、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3.0、3.2、3.4、3.6、3.8、4.0、4.2、4.4、4.6、4.8、5.0、5.2、5.4、5.6、5.8、6.0、または、いくつかの実施形態では、その中の0.1刻みの任意の比率または範囲で有り得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、駆動シャフトの曲げ剛性は、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、または0.1倍刻みの任意の量、またはその中の任意の範囲で、圧縮性スリーブの曲げ剛性よりも大きい。
【0116】
カッターの性能は、組織の種類を含む要因に応じて変化し得るが、例えば、当業者に知られている任意のカッターを、本明細書で教示するアテローム切除術デバイスとともに使用することができる。図6Aおよび6Bは、いくつかの実施形態に従って、使用され得る他のカッターを示す。図6Aおよび6Bは両方とも、遠位端601、近位端603、管腔605、および溝607を有するカッター600を示す。図6Aのカッター600はバリ部分609も有し、図6Bのカッター600はハンマー部分611を有する。
【0117】
いくつかの実施形態では、図6Aのカッターは、カッター上に固定できるバリ部分609を有する。いくつかの実施形態では、バリ部分609は、カッターとモノリシックに一体的に形成することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、バリ部分609は、摩擦嵌合を使用してカッターに動作可能に取り付けることができ、それにより、バリがプラークと係合し、最大トルク制限を満たすときにカッターのベース上で滑ることができる。
【0118】
図6Bのカッターは、いくつかの実施形態では、駆動シャフトに固定できるハンマー部分611を有する。いくつかの実施形態では、ハンマー部分611は、摩擦フィッティングを使用してカッターに動作可能に取り付けることができ、それにより、プラークと係合し、最大トルク制限を満たすときに、ハンマー部分が駆動シャフト上で滑ることが可能になる。ハンマー部分611は、切断のためにプラークに振動ハンマー効果を生み出すためにブレード部分612に接触する振動歯613を有する。
【0119】
アテローム切除術システムは、本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスを含むように組み立てることもできる。いくつかの実施形態では、本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスのいずれも、アテローム切除術デバイスおよびガイドワイヤを備えるシステムであり得る。
【0120】
アテローム切除術デバイスはまた、対象においてアテローム切除術を実施するいくつかの方法にも役立つ。いくつかの実施形態では、方法は、対象の血管内腔に入口点を作成すること;アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入すること;
可撓性駆動シャフトを伸縮させること;アテローム切除術デバイスのカッターを用いて血管内腔からプラークを切断すること;容積式ポンプを用いて血管内腔から切断されたプラークを排出すること;および、アテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すことを含むことができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、方法は、対象の血管内腔に入口点を作成すること;アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入すること;露出した駆動ネジを用いてアテローム切除術デバイスを血管内腔を通して駆動すること;アテローム切除術デバイスのカッターを用いて血管内腔からプラークを切断すること;容積式ポンプを用いて血管内腔から切断されたプラークを排出すること;および、アテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すことを含むことができる。
【0122】
同様に、いくつかの実施形態では、方法は、対象の血管内腔に入口点を作成すること;アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入するすること;アテローム切除術デバイスの遠位部分を血管内腔内で横方向に押すステップであって、この押し込みは横方向押し部材を拡張すること;アテローム切除術デバイスのカッターを用いて血管内腔からプラークを切断すること;容積式ポンプを用いて血管内腔から切断されたプラークを排出すること;および、アテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すことを含むことができる。
【0123】
同様に、いくつかの実施形態では、方法は、例えば図6Aのバリ部分609のようなバリを用いてプラークを研磨することを含むことができる。バリは、バリ部分609のような隆起部(ridges)を有することもできるし、所望の「グリット」を有する研削面であることもできる。
【0124】
同様に、いくつかの実施形態では、方法は、例えば、図6Bのカッターの切断部分612のようなハンマー切断ブレード構成を用いてプラークをハンマーで叩くステップを含むことができる。
【0125】
当業者であれば、上記のステップがアテローム切除術において使用され得る一連のステップの単なる例を表すことを理解するであろう。単純な実施形態では、例えば、この方法は以下:
・本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスを対象の血管内腔に挿入するステップであって、アテローム切除術デバイスは、遠位端、近位端、長軸、および長軸方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;
外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;近位端、遠位端、および複数の螺旋溝を備えた本体、複数の切断リップを有する遠位端の点、カッタールーメン、およびクリア直径を有するカッター;および、
駆動アセンブリであって、以下
可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフト;および
駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する、容積式ポンプ;
を有する、前記駆動アセンブリを有する、前記挿入するステップ;
・カッターを対象の血管内腔の標的領域に前進させるステップであって、前進は以下:
可撓性駆動シャフトの遠位端を可撓性シースの遠位端から遠ざけるように伸縮させて、血管内腔内のアテローム切除術デバイスの可撓性を高めること、
カッターを目標領域内に自動駆動することであって、自動駆動は、可撓性駆動シャフトの遠位端にあるネジを回転させることを含み、
可撓性シースの遠位端、可撓性駆動シャフトの遠位端、およびカッターを血管内腔の壁に向かって横方向に押すこと、または、
これらの組み合わせを含む、前記前進させるステップ;
・血管内腔の壁からプラークを切断するステップであって、この切断は、カッターの回転を含み;および、
・容積式ポンプを使用して血管内腔からプラークを除去するステップ;および
・対象からアテローム切除術デバイスを取り外すステップ
を含む、前記方法。
【0126】
本明細書で提供されるデバイス、システム、および方法により、アテローム切除術処置中の機能の強化が可能になることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、切断ヘッドを操縦する方法が提供され、これらの方法は、可撓性アテローム切除術デバイスの遠位端の向きを変えることを含むことができる。いくつかの実施形態では、向きを変えることは以下を含み得る:
(i)押し部材を拡張する、拡張は集中「部材」を引くことを含む、
(ii)拡張することにより、横方向押し部材が拡張されて、可撓性アテローム切除術デバイスの遠位端を押して曲げ/湾曲させる。
【0127】
集中「部材」は、例えば、可撓性駆動シャフト、または軸方向にも自由に並進可能であり、長手方向軸方向に並進可能であることを意味し、おそらくいくつかの実施形態ではガイドワイヤルーメンを形成することもできる集中腱のいずれかであり得る。本当に驚くべき予想外の利点が、アテローム切除術デバイスの中心軸、シースの中心軸、および/または駆動シャフトの中心軸上またはその近くで集中的に引っ張ることによってもたらされた。この驚くべき結果を繰り返すと、それぞれが可撓性シース、螺旋状溝を備えたカッター、および駆動アセンブリを有する、従来技術の伸縮式、自動駆動、および横方向に押すアテローム切除術デバイスが提供される。駆動アセンブリは、可撓性シースのルーメンとともに回転可能に並進する可撓性駆動シャフト、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接する駆動シャフトの遠位端でポンピングを開始する容積式ポンプを有することができ、そして、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができるように、可撓性シースよりも長くすることができる。容積式ポンプは、自己駆動のために血管内腔と接触するために露出された可撓性シースを越えて延伸する駆動ネジ部分を有するネジポンプとすることができる。また、デバイスは、横方向への押し込みのために可撓性シースの遠位端に可逆的に拡張可能な横方向押し込み部材を有することができる。
【0128】
硬組織、軟組織、および硬組織と軟組織の組み合わせを除去するためのハイブリッドカッター
本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスのそれぞれの切断効率は、カッターの設計によって改善することができる。いくつかの実施形態では、カッターは、「切断ヘッド」、「ビット」、「ミル」、または「エンドミル」とも呼ばれることがあることが理解されるべきである。したがって、軟質プラークと硬質プラークの組み合わせを切断するためのハイブリッドアテローム切除術カッターが提供される。
【0129】
図7A~7Cは、いくつかの実施形態による、一次および二次刃、溝、螺旋角度、およびガイドワイヤルーメンを含むカッターの特徴を示す。図7Cに示すように、カッターは、近位端、遠位端、および長手方向軸を含むことができる。図7Aは、カッターの近位端と遠位端の両方の斜視図であり、図7Bは、3枚刃カッターの遠位端の図であり、図7Cは、4枚刃カッターの側面図である。図7Aに示すように、カッター700は、第1の一次切刃705-1および第2の一次切刃705-2、第1の一次切刃705-1、および遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する第2の一次切刃705-2を有することができる。同様に、第1の二次切刃710-1と第2の二次切刃710-2がある。カッター700は、第1の螺旋状溝730および第2の螺旋状溝731を有することができ、第1の螺旋状溝731および第2の螺旋状溝732のそれぞれは、長手方向軸701に対して螺旋角度770を有し、遠位入口735と近位出口737を備えた螺旋状チャネルを形成し、螺旋状チャネルは遠位端と近位端で開いており、切断された組織が螺旋状チャネルに出入りできるようになり、これは本明細書で教示されるすべてのカッターの機能である。そして、カッター700は、ガイドワイヤ(図示せず)が通過するように構成されたルーメン750を有することができる。図7Bに示されるように、いくつかの実施形態では、カッター700は、第3の一次切刃705-3および第3の二次切刃710-3に加えて、第3の螺旋状溝733を有することができる。図7Cに示されるように、いくつかの実施形態では、カッター700は、第4の一次切刃705-4および第4の二次切刃710-4(図示せず)、ならびに第4の螺旋状溝734(ラベルは付いているが、図7Cでは見えない)を有することができる。
【0130】
一次切刃はカッター全体に沿って延伸することができ、3つの異なる部分:いくつかの実施形態では、近位部分、中間部分、および遠位部分に分割することができる。各一次切刃の近位部分は、螺旋形状を有することができ、例えば、いくつかの実施形態では、クリア直径に沿った経路をたどることができる。各一次切刃の中央部分は、螺旋形状を有することができ、クリア直径をたどることもできる。いくつかの実施形態では、一次切刃のそれぞれの遠位部分は、カッターの遠位端に向かって先細りになり得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、二次切刃は一次切刃より短くてもよい。いくつかの実施形態では、二次切刃は一次切刃と同じ長さであり得る。いくつかの実施形態では、二次切刃は一次切刃の長さの1/2未満である。いくつかの実施形態では、二次切刃は一次切刃の長さの1/4未満である。いくつかの実施形態では、二次切刃は、一次切刃の長さの約5%から切刃の長さの約45%の範囲である。いくつかの実施形態では、二次刃は、カッターの遠位端に向かう2つの隣接する平面、平面1および平面2の形態であってもよいファセットの追加によって形成することができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、二次切刃は、各2つの一次切刃の間に配置することができ、1つのファセットは、一次切刃と一致する第1の側面を有する第1の平面であり、第2のファセットは、第1の平面と一致する第2の側面を有する第2の平面である。
【0133】
いくつかの実施形態では、二次刃も、一次刃の遠位部分と同様に、カッターの遠位端に向かって先細りにすることができる。いくつかの実施形態では、二次切刃と一次切刃は両方とも、カッターの遠位端に向かって減少することができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、二次切刃の最遠位部分および一次切刃の最遠位部分は、前方切断において機能することができ、狭くなったまたは完全に閉塞された病変にアテローム切除術のための経路を形成する。さらに、一次刃と二次刃の組み合わせによって実現されるフロントカットにより、従来の最先端のアテローム切除術デバイスで達成できるよりも小さな粒子にプラークを切断することができる。いくつかの実施形態では、一次刃の螺旋状の外形は、カッターの動作中に組織を近位方向に連続的に移動させることによって、減量された材料の連続的な除去を提供する。
【0135】
図8A~8Dは、いくつかの実施形態による、切断長さ、半径、および切断直径を含む、本明細書で教示されるカッターの特徴を示す。図8A図8Dに示すように、カッター800の切断長さ820は、長手方向軸801に沿った近位端から遠位端までの距離によって定義される。カッター800の構成は、遠位端に半径840を有することができ、半径840は、内側変曲点841および外側変曲点843を有する。カッターはまた、切断直径880を有することができ、切断直径は、長手方向軸801に対して垂直に測定された、第1の一次切刃805と第2の一次切刃810との間の最大距離である。図8Aは、カッター800の遠位端におけるボールノーズ半径である半径840を示しており、いくつかの実施形態では、半径は切断直径の半分であり得る。図8Bは、カッターの遠位端のコーナー半径である半径840を有するカッター800を示しており、カッターの遠位端はほぼ平坦である。図8Cは、概してボールノーズ半径であるが、カッター800の最遠位部分が平坦であり、半径がボールノーズ半径とコーナー半径との混合である半径を有するカッター800を示す。図8Dは、切断直径880が近位端から遠位端まで徐々に減少し、先細りになっているカッター800を示しており、遠位端は半径840を有することができ、それは、図示されているように、ボールノーズ半径、コーナーノーズ半径(図8B参照)、またはボールノーズ半径とコーナーノーズ半径の組み合わせ(図8C参照)である。このような先細カッターの遠位端は、外側変曲点843で測定した直径が、カッターの近位端で測定した切断直径880の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはその中の1%刻みの任意のパーセントであることができる。
【0136】
当業者であれば、多くの実施形態において、カッターの遠位端の半径が任意の所望の形状を有することができることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、半径はボールノーズ半径である。いくつかの実施形態では、半径はコーナー半径である。いくつかの実施形態では、半径はボールノーズ半径とコーナー半径の組み合わせである。そして、いくつかの実施形態では、半径はカッターの直径の半分に等しい。
【0137】
図9A~9Cは、一次刃および二次刃、ならびに一次刃および二次刃を形成する一次ファセットおよび二次ファセットの斜視図、近位端図および遠位端図を示し、いくつかの実施形態によれば、カッターによる組織の切断が改善される。破線は、少なくとも一次切刃および二次切刃の最遠位部分を強調している。図9Aおよび9Bでは、カッター900は、カッター900の中央部分を形成し、カッタールーメン950を含むコア960の特徴を示す。図9Aおよび9Bは、少なくともコア直径961を有するコア960、遠位端、および近位端を含む任意のカッター構成の一部となり得る特徴を示し、ここで、コア960の遠位端は、第1の螺旋状溝931の遠位端で第1の一次切刃905-1に続く第1の二次切刃910-1を形成する第1の複数の二次ファセット972を備えて構成され;第2の複数の二次ファセット974は、第2の螺旋状溝932の遠位端で二次一次切刃905-2に続く第2の二次切刃910-2を形成する。さらに、カッターは、第3の二次切刃910-3を形成し、第3の一次切刃905-3に続く第3の螺旋状溝(図示せず)の遠位端に第3の複数の二次ファセット976を有することができる。当業者であれば、血管内の軟組織と硬組織、つまりプラークの両方を効果的に切断するという望ましい「ハイブリッド」機能を備えたカッターに貢献する、二次ファセット972、974、976の導入を伴う二次切刃910-1、910-2、910-3の形成が理解されるはずである。
【0138】
当業者は、本明細書で提供される教示から、「コア」が本明細書で定義されるように、カッターのコアの「遠位端部分」に「ファセット」が作られることを理解するはずであり、遠位端部分は、カッターの長さの遠位1/2未満である。いくつかの実施形態では、遠位端部分は、カッターの長さの遠位49%である。いくつかの実施形態では、遠位端部分は、カッターの長さの遠位40%である。いくつかの実施形態では、遠位端部分は、カッターの長さの遠位30%である。いくつかの実施形態では、遠位端部分は、カッターの長さの遠位20%である。いくつかの実施形態では、遠位端部分は、カッターの長さの遠位15%である。いくつかの実施形態では、遠位端部分は、カッターの長さの遠位10%である。いくつかの実施形態では、遠位端部分は、カッターの長さの遠位25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはその中の0.1%刻みの量の任意の%である。いくつかの実施形態では、遠位端部分はカッターの長さの1/2より長い。いくつかの実施形態では、遠位端部分は、カッターの長さの遠位95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、またはその中の0.1%刻みの任意の%である。
【0139】
実施形態はまた、一次切刃による組織の切断を改善するための一次ファセットを有するカッターを含む。図9Aに示すように、いくつかの実施形態では、コアの遠位端は、第1の一次切刃905-1の遠位端に複数の第1の一次ファセット971をさらに備える。図9Aは、いくつかの実施形態において、コアの遠位端が第2の一次切刃905-2の遠位端に複数の第2の一次ファセット973をさらに含むことも示す。さらに、図9Aに示すように、カッターは、第3の一次切刃905-3を形成する第3の螺旋状溝(図示せず)の遠位端に第3の複数の一次ファセット975を有することができる。いくつかの実施形態では、複数の第1の一次ファセット971は、第1の一次切刃905-1の到達範囲を延伸するように構成;複数の第2の一次ファセット973は、第2の一次切刃905-2の遠位範囲を延伸するように構成;および、同様に、複数の第3の一次ファセット975は、第3の一次切刃905-3の遠位範囲を延伸するように構成することができ得る。
【0140】
当業者であれば、本明細書で教示される各カッターが溝を含むように設計されていることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、カッターは2つの溝を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは3つの溝を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは4つの溝を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは5つの溝を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは6つの溝を有することができる。各溝は螺旋形状であり、任意の所望の角度の螺旋を有することができ、そのため、単一のカッター上で複数の溝の組み合わせが同じ螺旋角度を有することも、螺旋角度の組み合わせを有することもできる。
【0141】
図9Cに示すように、溝は、溝深さ990を有することができ、これは、溝深さ990の内側点におけるコア960の表面と溝深さ990の外側点における第一切刃905-1の表面との間の距離によって定義することができる。いくつかの実施形態では、螺旋角度および/または溝の深さは、溝の近位端から遠位端まで変化し得る。いくつかの実施形態では、溝の深さは、0.05mm~2.0mm、0.1mm~1.5mm、0.2mm~1.1mm、0.4mm~1.1mm、0.2mm~0.5mm、0.3mm~0.4mm、0.6mm~0.9mmの範囲、またはその中の0.1mm刻みの任意の範囲または量で有り得る。いくつかの実施形態では、溝の深さは、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、またはその中の0.05mm刻みの任意の量または範囲で有り得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、カッターは2つの溝、3つの溝、または4つの溝を有することを理解されたい。当業者であれば、カッターは、所望の数の溝、もちろん少なくとも2つの溝、および最大で妥当な数の溝を有することができ、一次切刃および二次切刃の構成を保持する能力を保持できることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、溝の数は一次切刃の数と一致し、溝の数は2~8の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、溝の数は一次切刃の数と一致し、溝の数は2~4、2~5、2~6、2~7、または2~8の溝であり得る。いくつかの実施形態では、カッターは3つまたは4つの溝を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは3つの溝、3つの一次切刃、および3つの二次切刃を有する。
【0143】
いくつかの実施形態では、カッターの各溝は、カッターの他の溝と比較したときに、同じ角度または異なる角度を有することができ、例えば、当業者は、より滑らかな切断のために、そのような可変溝構成を備えたカッターを選択することができる。したがって、いくつかの実施形態では、溝角度は一定であっても可変であってもよく、例えば、当業者は、切断に対してより耐性のある材料に対して「可変螺旋」、または溝間の可変溝角度を選択することができ、おそらく切断の効率が向上する。45°を超える螺旋角度は「高角度」とみなされ、切断部位から材料をより効率的に除去し、組織のパッキングと組織の再切断を減らしながら、より滑らかな切断面を残す一方で、40°未満の螺旋角度は「低角度」とみなされ、一定の切断時間でより大きな材料片が除去され、切断面が粗くなり、場合によっては用途によっては組織の詰め込みや再切断が生じる可能性がある。いくつかの実施形態では、溝は大きな螺旋角度を有することができる。また、いくつかの実施形態では、溝は低い螺旋角度を有することができる。いくつかの実施形態では、溝は5°~70°の範囲の螺旋角度、またはその範囲内の任意の角度を有することができる。いくつかの実施形態では、溝は、10°~65°の範囲の螺旋角度、またはその範囲内の任意の角度を有することができる。いくつかの実施形態では、溝は、15°~60°の範囲の螺旋角度、またはその範囲内の任意の角度を有することができる。いくつかの実施形態では、溝は、20°~60°の範囲の螺旋角度、またはその範囲内の任意の角度を有することができる。いくつかの実施形態では、溝は25°~60°の範囲の螺旋角度、またはその範囲内の任意の角度を有することができる。また、いくつかの実施形態では、溝は30°~60°の範囲の螺旋角度、またはその範囲内の任意の角度を有することができる。いくつかの実施形態では、溝は35°~40の範囲の螺旋角度、またはその範囲内の任意の角度を有することができる。いくつかの実施形態では、溝は37°~45°の範囲の螺旋角度、またはその範囲内の任意の角度を有することができる。いくつかの実施形態では、溝は30°~45°の範囲の螺旋角度、またはその範囲内の任意の角度を有することができる。また、いくつかの実施形態では、溝は45°~60°の範囲の螺旋角度、またはその範囲内の任意の角度を有することができる。したがって、溝は、約3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、70°、75°、またはその中の0.1°刻みの任意の角度の螺旋角度を有することができる。当業者はさらに、カッターが螺旋角度の任意の組み合わせを有する溝の組み合わせを有することができることを理解するであろう。
【0144】
図10Aおよび10Bは、いくつかの実施形態による、一次および二次ファセットのマッピング、ならびに一次切刃および二次切刃に対するそれらの関係を示す。当業者は、図および教示から、コアの遠位端における一次および二次ファセットの形成が、硬質プラークおよび軟質プラークの両方の所望の切断効率に寄与することを認識するであろう。当業者はまた、任意の数のファセットを導入することができ、ファセットは、いくつかの実施形態では、平面、凹面、または凸面であり得るカッターの遠位端または遠位部分の特徴であることを理解するであろう。図10Aに示すように、カッター1000は、二次切刃1010-1、1010-2、1010-3を生成するためにコアの遠位端または遠位部分に導入される二次ファセット1、2、3を含む。いくつかの実施形態では、コアの遠位端は、第1の螺旋状溝1031の遠位端に第1の二次切刃1010-1を形成する第1の複数の二次ファセット1、2、3を備えて構成され得;いくつかの実施形態では、コアの遠位端は、第2の螺旋状溝1032の遠位端に第2の二次切刃1010-2を形成する第2の複数の二次ファセット1’、2’、3’を備えて構成され得;および、そして、いくつかの実施形態では、コアの遠位端は、第3の複数の二次ファセット1’’、2’’、3’’を備えて構成され得、これらは、第3の螺旋状溝1033の遠位端に第3の二次切刃1010-3を形成する。
【0145】
図10Aにさらに示すように、複数の第1の二次ファセット1、2は、第1の二次切刃1010-1の遠位範囲を延伸するように構成することができ;いくつかの実施形態では、複数の第2の二次切刃1’、2’は、第2の二次切刃1010-2の遠位範囲を延伸するように構成され得;および、同様に、いくつかの実施形態では、複数の第3の一次ファセット1’’、2’’は、第3の二次切刃1010-3の遠位範囲を延伸するように構成され得る。拡張された遠位範囲は、遠位二次刃1010-1、1010-2、1010-3の周りの楕円形の破線の輪郭によって示される。
【0146】
実施形態はまた、一次切刃による組織の切断を改善するための一次ファセットを有するカッターを含む。図10Aに示すように、コア1060の遠位端は、第1の一次切刃1005-1の遠位端に複数の第1の一次ファセット2’、4をさらに備え;いくつかの実施形態では、コア1060の遠位端は、第2の一次切刃1005-2の遠位端に複数の第2の一次ファセット2’’、4’’をさらに備え;いくつかの実施形態では、コア1060の遠位端は、第3の一次切刃1005-3の遠位端に複数の第3の一次ファセット2、4’’をさらに備える。
【0147】
図10Aにさらに示すように、複数の第1の一次ファセット2’、4は、第1の一次切刃1005-1の遠位範囲を延伸するように構成することができ;いくつかの実施形態では、複数の第2の一次ファセット2’’、4’’は、第2の一次切刃1005-2の遠位範囲を延伸するように構成され得;および、同様に、いくつかの実施形態では、複数の第3の一次ファセット2、4’’は、第3の一次切刃1005-3の遠位範囲を延伸するように構成され得る。拡張された遠位範囲は、遠位二次刃1010-1、1010-2、1010-3の周りの長方形の破線の輪郭によって示される。図10Bは、実際のカッターの遠位端を示し、軟組織と硬組織の両方を切断する所望の結果をもたらしたプロトタイプカッター上のこれらの一次および二次ファセットを示している。
【0148】
いくつかの実施形態では、ファセットは、一次切刃を成形するのに役立つ一次ファセットと、二次切刃1010-1、1010-2、1010-3を成形するのに役立つ二次ファセットの両方であり得る。たとえば、図10Aおよび10Bでは、ファセット2、2’、および2’’が一次ファセットと二次ファセットの両方として機能する。実際、ファセット1、1’、および1’’が主に二次切刃の二次ファセットとして機能することも分かるが、それらはまた、一次切刃1005-1、1005-2、1005-3の小さな部分を成形するのにも役立ち、それらを一次ファセットにする。少なくとも図示された実施形態では、ファセット3、3’、および3’’は二次ファセットとしてのみ機能し、ファセット4、4’、および4’’は一次ファセットとしてのみ機能する。
【0149】
図11A~11Cは、いくつかの実施形態による、2枚刃、3枚刃、および4枚刃カッターの遠位端の遠位端から近位方向の簡略図を示す。特に、図面は、少なくとも二次切刃の遠位端を成形するために使用されるファセットの遠位端を示す。図11Aは、2つの一次切刃1105と2つの二次切刃1110を有する2枚刃カッターの遠位端を示す。この実施形態では、カッターの遠位端は、正方形または長方形であり得る四辺多角形であり、所望の任意の断面積を有することができ、最小断面積はカッタールーメンの断面積よりも大きく、カッターの直径によって定義される断面積より小さい。4辺の多角形の辺は、二次切刃を形成するファセットの遠位端である。図11Aでは、ファセット1、2、1’、および2’は、二次切刃1110の少なくとも遠位部分を画定する。図11Bは、3つの一次切刃1105および3つの二次切刃1110を有する3枚刃カッターの遠位端を示す。この実施形態では、カッターの遠位端は6面多角形であり、図10Bに示すように六角形、またはより三角形の形状にすることができ;所望の任意の断面積を有することができ、最小断面積は、カッタールーメンの断面積よりも大きく、カッターの直径によって規定される断面積よりも小さい。6辺の多角形の辺は、二次切刃を形成するファセットの遠位端である。図11Bでは、ファセット1、2、1’、2’、1’’、および2’’が、二次刃1110の少なくとも遠位部分を画定する。図11Bはまた、カッターの遠位端の側面図を示しており、遠位端の3つの任意の形状、すなわち平面、凸面、および凹面を示している。当業者であれば、これらは例示的な形状であり、一次刃、二次刃、および縦溝流路による組織の切断および除去を容易にするために任意の所望の形状を使用できることが理解されるであろう。図11Cは、4つの一次切刃1105および4つの二次切刃1110を有する4枚刃カッターの遠位端を示す。この実施形態では、カッターの遠位端は8角形であり、これは8角形、あるいはもっと長方形の場合もあるが、任意の断面積を持つことができ、最小断面積はカッタールーメンの断面積よりも大きく、カッターの直径によって定義される断面積よりも小さくなる。8角形の辺は、二次切刃を形成するファセットの遠位端である。図11Cでは、ファセット1、2、1’、2’、1’’、2’’、1’’’、および2’’’は、少なくとも二次切刃1110の遠位部分を画定する。図11Cはまた、カッターの遠位端の側面図を示しており、組織破壊突起を有する遠位端を構成するための3つの選択肢、すなわち鋭利なもの、鈍的なもの、および丸みのものを示している。当業者であれば、これらは例示的な突起であり、一次刃、二次刃、および縦溝流路による組織の切断および除去を容易にするために、組織を破壊する機能を有する任意の所望の突起を使用できることが理解されるであろう。
【0150】
図11A~11Cに示される特徴のいずれも、一次切刃、二次切刃、溝、カッターの遠位端の形状および断面積などの組み合わせおよび数に関係なく、本明細書で提供される教示を使用して製造される任意のカッターに使用できることを理解されたい。しかしながら、この教示は、図示された例示的なファセットが常にカッターで所望の形状を得るのに十分であることを示唆するものではない。二次切刃の少なくとも遠位端を成形するために示されたファセットは、少なくとも一次切刃の遠位端を成形するのに役立つ可能性があることも理解されるべきであるが、一次切刃の少なくとも遠位端を所望の形状にするために、追加のファセットが必要になる場合があり、また必要になることが多い。
【0151】
当業者であれば、カッターは任意の数の一次および二次切刃を備えて構成することができ、一次および二次切刃の数は同じであっても異なっていてもよいことを理解するであろう。いくつかの実施形態では、カッターは2つの一次切刃と0の二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは2つの一次切刃と1つの二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは2つの一次切刃と2つの二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは2つの一次切刃と3つの二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは3つの一次切刃と0の二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは3つの一次切刃と1つの二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは3つの一次切刃と2つの二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは3つの一次切刃と3つの二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは3つの一次切刃と4つの二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは4つの一次切刃と0の二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは4つの一次切刃と1つの二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは4つの一次切刃と2つの二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは4つの一次切刃と3つの二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは4つの一次切刃と4つの二次切刃を有することができる。いくつかの実施形態では、カッターは4つの一次切刃と5つの二次切刃を有することができる。
【0152】
いくつかの実施形態では、カッターは、カッターの遠位端で半径に沿って、遠位端から近位端まで螺旋状に延伸する第3の一次切刃を有することができ;第3の螺旋状溝は、螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する。いくつかの実施形態では、コアはさらに、第3の螺旋状溝の遠位端に第3の二次切刃を形成する第3の複数の二次ファセットを備えて構成され得る。同様に、コアはさらに、第3の一次切刃の遠位端に第3の複数の一次ファセットを備えて構成することができ、第3の複数の一次ファセットは、第3の一次切刃の遠位範囲を延伸するように構成される。
【0153】
いくつかの実施形態では、カッターは、カッターの遠位端で半径に沿って、遠位端から近位端まで螺旋状に延伸する第3の一次切刃を有することができ;第4の一次切刃は、遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸し;第3の螺旋状溝は、螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成し;第4の螺旋状溝は、螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する。いくつかの実施形態では、コアはさらに、第3の螺旋状溝の遠位端に第3の二次切刃を形成する第3の複数の二次ファセットを備えて構成することができ;および、第4の複数の二次ファセットは、第3の螺旋状溝の遠位端に第4の二次切刃を形成する。同様に、コアは、第3の一次切刃の遠位端に第3の複数の一次ファセットをさらに備えるように構成することができ、第3の複数の一次ファセットは、第3の一次切刃の遠位範囲を延伸するように構成され;第4の複数の一次ファセットは、第4の一次切刃の遠位端にあり、第4の複数の一次ファセットは、第4の一次切刃の遠位範囲を延伸するように構成される。
【0154】
当業者であれば、一次刃および/または二次刃が、組織に対する刃先の抗力を低減し、カッターの切断効率を高めるために「逃げ角」を有するように形成され得ることを理解するであろう。しかしながら、逃げ角は、本明細書で提供される技術で説明されるような「ファセット」ではない。いくつかの実施形態では、ファセットは逃げ角を提供することもできるが、ファセットの主な目的は、コア材料を除去して、カッターの遠位部分に二次切刃の存在を構成することであり、いくつかの実施形態では、カッターの遠位端の一次刃の遠位範囲を延伸する。
【0155】
当業者であれば、本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスのいずれも、カッター構成以外に、それ自体のいくつかの技術的貢献を有すること、およびアテローム切除術デバイスの性能をさらに高めるために、アテローム切除術デバイスのいずれも、本明細書で教示されるカッターのいずれかを含むことができることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、アテローム切除術デバイスは:本明細書で教示されるクリア直径を有するカッター;遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;および駆動アセンブリであって、以下:可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフトを含み、該駆動アセンブリは、駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する容積式ポンプも含む、前記駆動アセンブリ;を含む。これらの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性シースの外径より大きくてもよく;可撓性駆動シャフトは、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができるように、可撓性シースよりも長くすることができ;および、ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含むことができる。
【0156】
いくつかの実施形態では、アテローム切除術デバイスは:本明細書で教示されるカッターであって、クリア直径を有する、前記カッター;遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;軸、近位端、遠位端、外面、および駆動シャフトルーメンを含む可撓性駆動シャフトを有し、該可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有する、前記駆動アセンブリ;を有し、ここで、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンとともに回転可能に並進し、駆動アセンブリはまた、駆動シャフトの外面に取り付けられ、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接するネジポンプを有し、ネジポンプは、駆動ネジ部分を含み;ここで、駆動ネジ部分は、可撓性シースを越えて延伸し、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に血管内腔と接触するために露出され;および、カッターを右方向に回転させる場合は、右ネジになり;または、カッターを左方向に回転させる場合は左ネジになる。これらの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径より大きくてもよく;および、ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含むことができる。
【0157】
いくつかの実施形態では、アテローム切除術デバイスは:本明細書で教示されるカッターであって、クリア直径を有する、前記カッター;遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;駆動アセンブリであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有する、可撓性駆動シャフトを有する、前記駆動アセンブリ;を包含し、ここで、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンと共に回転可能に並進し、前記駆動アセンブリはまた、駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋溝に隣接してポンピングを開始する容積式ポンプを有する。そして、アテローム切除術デバイスはまた、可逆的に拡張可能な、可撓性シースの遠位端にある横方向押し部材であって、横方向押し部材は、近位端、遠位端、折り畳まれた状態、および拡張された状態を有し、近位端は可撓性シースと動作可能な接続を有し、遠位端はカッターと動作可能な接続を有する、前記横方向押し部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含むことができる。さらに、可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用される、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を通って移動する、軸方向の力を受けるように構成され得;およびカッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成され得る。
【0158】
図12は、いくつかの実施形態による、アテローム切除術を実行する方法を示す図である。また、当業者は、アテローム切除術を実施する任意の方法が、本明細書で教示される任意のカッターを備えた本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスのいずれかを使用することを含むことができることを理解するであろう。使用されるアテローム切除術デバイスに関係なく、方法1200は、対象の血管内腔に入口点を作成すること1205;アテローム切除術デバイスを血管内腔に挿入すること1210;アテローム切除術デバイスのカッターを使用して血管内腔からプラークを切断すること1215;容積式ポンプを使用して血管内腔から切断されたプラークを排出すること1255;およびアテローム切除術デバイスを対象の血管内腔から取り外すこと1260を包含することができる。この方法はまた、本明細書で提供されるアテローム切除術デバイスの改善されたカッター制御機能を使用して、除去のためにカッターヘッドを組織に接触させるように前進させるステップ1240を含み、除去のために標的組織に接触するための可撓性駆動シャフトを伸縮自在にすること1220、露出した駆動ネジを用いてカッターを駆動し、除去するために標的組織に接触させること1244、除去のために標的組織に接触させるための横方向押し部材でカッターを押すこと1230、またはそれらの任意の組み合わせを含む。このような組み合わせは、例えば、伸縮式/駆動1242、駆動/横方向への押し込み1245、伸縮式/横方向への押し込み1243、および伸縮式/駆動/横方向への押し込み1246を含み得る。したがって、二次刃先用にファセット加工されたカッターを有するアテレクトミーデバイスを選択するオプションのステップ1201に加えて、一次切刃をさらに遠位に延ばすためにファセット加工することもできるが、選択は本明細書で教示するさまざまなカッターに限定され、図12は、本明細書で教示されるアテローム切除術デバイスを用いてアテローム切除術を実施する少なくとも7つの異なる方法を示す。
図1A-1B】
図1C
図2A-2B】
図3
図4A-4C】
図4D
図5A-5B】
図5C-5D】
図6A-6B】
図7A-7C】
図8A-8D】
図9A-9C】
図10A-10B】
図11A-11C】
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アテローム切除術デバイスであって、以下:
遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;
外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;
近位端、遠位端、および複数の螺旋状溝を備えた本体、複数の切断リップを有する遠位端の点、カッタールーメン、およびクリア直径、を有するカッター;および
駆動アセンブリであって、以下
可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフト;および
駆動シャフトの遠位端で、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接してポンピングを開始する、容積式ポンプ;
を有する、前記駆動アセンブリ;
を含み、
ここで、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;
可撓性駆動シャフトは可撓性シースよりも長く、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができ;
容積式ポンプは、駆動シャフトの外面に取り付けられたネジポンプであり、ネジポンプの遠位端が、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接しており;および
ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを含み、
および、
ネジポンプが、可撓性シースを越えて延伸し、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に血管内腔と接触するために露出され、および
カッターが右方向に回転する場合は右ネジであるか、または
カッターを左方向に回転する場合は左ネジであるか、のどちらかである、
前記アテローム切除術デバイス。
【請求項2】
可撓性シースの遠位端に可逆的に拡張可能な横方向押し部材をさらに含む、請求項1に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項3】
可逆的に拡張可能な、可撓性シースの遠位端にある横方向押し部材であって、横方向押し部材は、近位端、遠位端、折り畳まれた状態、および拡張された状態を有し、近位端は可撓性シースと動作可能な接続を有し、遠位端はカッターと動作可能な接続を有する、前記横方向押し部材をさらに含み、
ここで、
可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用される、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を通って移動する、軸方向の力を受けるように構成されており;および
カッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成される、
請求項1に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項4】
アテローム切除術デバイスであって、以下:
遠位端、近位端、長軸、および長軸の方向にデバイスを通過するガイドワイヤルーメン;
外径およびシースルーメンを有する可撓性シース;
近位端、遠位端、および複数の螺旋状溝を備えた本体、複数の切断リップを有する遠位端の点、カッタールーメン、およびクリア直径、を有するカッター;および
駆動アセンブリであって、以下
可撓性駆動シャフトであって、軸、近位端、遠位端、外面および駆動シャフトルーメンを包含し、可撓性駆動シャフトの遠位端はカッターとの固定接続を有し、可撓性駆動シャフトは、可撓性シースのルーメンに対して回転可能に並進する、前記可撓性駆動シャフト;および
駆動シャフトの外面に取り付けられ、カッターの近位端の螺旋状溝に隣接し、駆動スクリュー部分を含む、ネジポンプであって、駆動ネジ部分は、可撓性シースを越えて延伸し、血管内腔内でのアテローム切除術デバイスの使用中に血管内腔と接触するために露出され、カッターが右方向に回転する場合は右ネジ、または、カッターが左方向に回転する場合は左ネジになる、前記ネジポンプ、
を有する、前記駆動アセンブリ;
を含み
ここで、カッターのクリア直径は、可撓性駆動シャフトの外径よりも大きく;および
ガイドワイヤルーメンは、カッタールーメンおよび駆動シャフトルーメンを包含する、
前記アテローム切除術デバイス。
【請求項5】
カッターのクリア直径が、可撓性シースの外径よりも大きい、請求項に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項6】
駆動ネジ部分が、ネジポンプの遠位部分である、請求項に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項7】
可撓性駆動シャフトが、可撓性シースよりも長く、可撓性シースの遠位端で可撓性シースのルーメンから駆動アセンブリを可逆的に伸縮させることができる、請求項に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項8】
可逆的に拡張可能な、可撓性シースの遠位端にある横方向押し部材をさらに含該横方向押し部材は、近位端、遠位端、折り畳まれた状態および展開された状態、可撓性シースと動作可能な接続を有する近位端、およびカッターと動作可能な接続を有する遠位端を有し、
ここで、
可撓性シースとの動作可能な接続およびカッターとの動作可能な接続はそれぞれ、(i)可撓性駆動シャフトの軸に沿ってカッターから可撓性シースまで適用される、および(ii)可撓性駆動シャフトが可撓性シースから可逆的に伸縮することにより、横方向押し部材の収縮および拡張中に横方向押し部材を通って移動する、軸方向の力を受けるように構成されており;および
カッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成される、
請求項に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項9】
カッターとの動作可能な接続は、アテローム切除術デバイスの動作中に横方向押し部材を回転させることなく、カッターおよび可撓性駆動シャフトの回転を容易にするために、回転可能に並進可能な接続として構成される、
請求項に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載のアテローム切除術デバイスおよびガイドワイヤを含む、システム。
【請求項11】
請求項に記載のアテローム切除術デバイスおよびガイドワイヤを含む、システム。
【請求項12】
横方向押し部材のねじり剛性を高めるための圧縮性スリーブをさらに含む、請求項に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項13】
請求項1に記載のアテローム切除術デバイスであって、カッターは、軟質プラークと硬質プラークの組み合わせを切断するためのハイブリッドアテローム切除術用カッターであカッターは:
近位端、遠位端、および長手方向軸;
長手方向軸に沿った近位端から遠位端までの距離によって規定される、切断長さ;
内側変曲点および外側変曲点を有する、遠位端の半径;
第1の一次切刃および第2の一次切刃であって、第1の一次切刃および第2の一次切刃は、遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、前記第1の一次切刃および第2の一次切刃;
第1の螺旋状溝および第2の螺旋状溝であって、第1螺旋状溝および第2の螺旋状溝のそれぞれは、螺旋角度を有し、遠位端および近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、前記第1螺旋状溝および第2の螺旋状溝;
長手方向軸に対して垂直に測定された第1の一次切刃と第2の一次切刃との間の最大距離である、切断直径;
コア直径、遠位端、および近位端を有するコアであって、コアの遠位端は、第1の螺旋状溝の遠位端に第1の二次切刃を形成する第1の複数の二次ファセットを備えて構成され、および第2の複数の二次ファセットは、第2の螺旋状溝の遠位端に第2の二次切刃を形成する、前記コア
を含み、
ここで、カッターは、
ガイドワイヤが通過できるように構成されたルーメンを有し、および
血管内の軟質プラークと硬質プラークの両方を効果的にカットする、
前記アテローム切除術デバイス
【請求項14】
横方向押し部材のねじり剛性を高めるための圧縮性スリーブをさらに含む、請求項4に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項15】
請求項4に記載のアテローム切除術デバイスであって、カッターは、軟質プラークと硬質プラークの組み合わせを切断するためのハイブリッドアテローム切除術用カッターであり、該カッターは:
近位端、遠位端、および長手方向軸;
長手方向軸に沿った近位端から遠位端までの距離によって規定される、切断長さ;
内側変曲点および外側変曲点を有する、遠位端の半径;
第1の一次切刃および第2の一次切刃であって、第1の一次切刃および第2の一次切刃は、遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、前記第1の一次切刃および第2の一次切刃;
第1の螺旋状溝および第2の螺旋状溝であって、第1螺旋状溝および第2の螺旋状溝のそれぞれは、螺旋角度を有し、遠位端および近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、前記第1螺旋状溝および第2の螺旋状溝;
長手方向軸に対して垂直に測定された第1の一次切刃と第2の一次切刃との間の最大距離である、切断直径;
コア直径、遠位端、および近位端を有するコアであって、コアの遠位端は、第1の螺旋状溝の遠位端に第1の二次切刃を形成する第1の複数の二次ファセットを備えて構成され、および第2の複数の二次ファセットは、第2の螺旋状溝の遠位端に第2の二次切刃を形成する、前記コア
を含み、
ここで、カッターは、
ガイドワイヤが通過できるように構成されたルーメンを有し、および
血管内の軟質プラークと硬質プラークの両方を効果的にカットする、
前記アテローム切除術デバイス。
【請求項16】
コアの遠位端がさらに、
第1の一次切刃の遠位端にある複数の第1の一次ファセット;および
第2の一次切刃の遠位端にある複数の第2の一次ファセット;を含み、
ここで、
複数の第1の一次ファセットは、第1の一次切刃の到達範囲を延伸するように構成され;および
複数の第2の一次ファセットは、第2の一次切刃の遠位範囲を延伸するように構成されている、
請求項13に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項17】
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第3の一次切刃;および、
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第3の螺旋状溝
をさらに含む、請求項13に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項18】
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第3の一次切刃;および
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第3の螺旋状溝;を含み、
ここで、コアはさらに、第3の螺旋状溝の遠位端に第3の二次切刃を形成する第3の複数の二次ファセットを備えて構成される、
請求項13に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項19】
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第3の一次切刃;および、
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第3の螺旋状溝;を含み、
ここで、コアはさらに、
第3の螺旋状溝の遠位端に第3の二次切刃を形成する、第3の複数の二次ファセット;および、
第3の一次切刃の遠位端にある第3の複数の一次ファセットであって、第3の複数の一次ファセットは、第3の一次切刃の遠位範囲を延伸するように構成されている、前記第3の複数の一次ファセット、
と共に構成されている、
請求項13に記載のアテローム切除術デバイス。
【請求項20】
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第3の一次切刃;
遠位端から近位端まで半径に沿って螺旋状に延伸する、第4の一次切刃;
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第3の螺旋状溝;および
螺旋角度を有し、遠位端と近位端で開いた螺旋状チャネルを形成する、第4の螺旋状溝、
をさらに含む、
請求項13に記載のアテローム切除術デバイス。
【国際調査報告】