(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】リチウムイオン蓄電デバイスのためのケイ素含有官能基を有するポリマーを含むスラリー組成物
(51)【国際特許分類】
H01M 4/62 20060101AFI20240426BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20240426BHJP
H01M 4/02 20060101ALI20240426BHJP
H01M 4/13 20100101ALI20240426BHJP
H01M 4/04 20060101ALI20240426BHJP
H01G 11/38 20130101ALI20240426BHJP
C08L 27/12 20060101ALI20240426BHJP
C08L 57/06 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
H01M4/62 Z
H01M4/139
H01M4/02 Z
H01M4/13
H01M4/04 Z
H01G11/38
C08L27/12
C08L57/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569878
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 US2022019935
(87)【国際公開番号】W WO2022240474
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】399074983
【氏名又は名称】ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ナー
(72)【発明者】
【氏名】ジェン、チー
(72)【発明者】
【氏名】モーガン、ブライアン アシュレイ
(72)【発明者】
【氏名】イーサレイ、サミュエル ローガン
【テーマコード(参考)】
4J002
5E078
5H050
【Fターム(参考)】
4J002BD14W
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5E078AA05
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5H050HA14
(57)【要約】
本開示は、フルオロポリマーと、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、液体媒体と、を含む結合剤を提供する。本開示はまた、結合剤と、電気化学的活性物質および/または導電剤と、を含むスラリー組成物も提供する。電極および蓄電デバイスも本明細書に記載される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラリー組成物であって、
電気化学的活性物質および/または導電剤と、
フルオロポリマーと、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、
液体媒体と、を含む、スラリー組成物。
【請求項2】
前記液体媒体が、有機媒体または水性媒体を含む、請求項1に記載のスラリー組成物。
【請求項3】
前記液体媒体が、有機溶媒を含む有機媒体を含む、請求項1に記載のスラリー組成物。
【請求項4】
前記付加ポリマーが、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む0.5重量%~100重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項5】
前記付加ポリマーが、1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、2つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、3つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、またはそれらの任意の組み合わせを含む0.5重量%~100重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項6】
前記付加ポリマーが、500g/当量~50,000g/当量のケイ素含有官能基当量を有する、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項7】
前記付加ポリマーが、75g/当量~15,000g/当量のアルコキシ当量を有する、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項8】
前記付加ポリマーが、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む0.5重量%~40重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基と、
ケイ素含有官能基を含まない60重量%~99.5重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基と、を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項9】
結合剤固体の総重量に基づいて、前記フルオロポリマーが、20重量%~99.9重量%の量で存在し、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む前記付加ポリマーが、0.1重量%~25重量%の量で存在する、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項10】
前記付加ポリマーが、100℃未満、または-50℃~+70℃、または-50℃~+23℃、または-50℃~+15℃、または-50℃~0℃のガラス転移温度を有する、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項11】
架橋剤を更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項12】
前記架橋剤が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~25重量%の量で存在する、請求項11に記載のスラリー組成物。
【請求項13】
前記フルオロポリマーが、ポリフッ化ビニリデンホモポリマーを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項14】
前記フルオロポリマーが、フッ化ビニリデンコポリマーを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項15】
前記フルオロポリマーが、前記液体媒体中に分散されている、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項16】
前記フルオロポリマーが、前記液体媒体中に可溶化されている、先行請求項1~14のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項17】
スラリーが、メルカプト官能性オルガノシラン化合物を実質的に含まない、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項18】
前記スラリーが、スチレンブタジエンゴムを実質的に含まない、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項19】
前記付加ポリマーが、シロキサン基を含まない、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項20】
前記スラリーが、ポリイミド樹脂を実質的に含まない、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項21】
(メタ)アクリルポリマーを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項22】
前記(メタ)アクリルポリマーが、前記(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、30重量%~96重量%の量で、アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位を含む、請求項21に記載のスラリー組成物。
【請求項23】
前記(メタ)アクリルポリマーが、1,000~100,000g/molの数平均分子量および/または2,000~1,000,000g/molの重量平均分子量を有する、請求項21または22に記載のスラリー組成物。
【請求項24】
非ポリマーアルコキシシラン化合物を更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項25】
前記非ポリマーアルコキシシラン化合物が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~10重量%の量で存在する、請求項24に記載のスラリー組成物。
【請求項26】
スラリー組成物であって、
電気化学的活性物質および/または導電剤と、
フルオロポリマーと、
非ポリマーアルコキシシラン化合物と、
液体媒体と、を含む、スラリー組成物。
【請求項27】
前記非ポリマーアルコキシシラン化合物が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~10重量%の量で存在する、請求項26に記載のスラリー組成物。
【請求項28】
前記液体媒体が、有機媒体または水性媒体を含む、請求項26または27に記載のスラリー組成物。
【請求項29】
前記液体媒体が、有機溶媒を含む有機媒体を含む、請求項26または27に記載のスラリー組成物。
【請求項30】
架橋剤を更に含む、先行請求項26~29のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項31】
前記架橋剤が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~25重量%の量で存在する、請求項30に記載のスラリー組成物。
【請求項32】
前記フルオロポリマーが、ポリフッ化ビニリデンホモポリマーを含む、先行請求項26~31のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項33】
前記フルオロポリマーが、フッ化ビニリデンコポリマーを含む、先行請求項26~31のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項34】
前記フルオロポリマーが、前記液体媒体中に分散されている、先行請求項26~33のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項35】
前記フルオロポリマーが、前記液体媒体中に可溶化されている、先行請求項26~33のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項36】
スラリーが、メルカプト官能性オルガノシラン化合物を実質的に含まない、先行請求項26~35のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項37】
前記スラリーが、スチレンブタジエンゴムを実質的に含まない、先行請求項26~36のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項38】
前記スラリーが、ポリイミド樹脂を実質的に含まない、先行請求項26~37のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項39】
(メタ)アクリルポリマーを更に含む、先行請求項26~38のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項40】
前記(メタ)アクリルポリマーが、前記(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、30重量%~96重量%の量で、アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位を含む、請求項39に記載のスラリー組成物。
【請求項41】
前記(メタ)アクリルポリマーが、1,000~100,000g/molの数平均分子量、および/または2,000~1,000,000g/molの重量平均分子量を有する、請求項39または40に記載のスラリー組成物。
【請求項42】
集電体と、前記集電体の表面上のフィルムと、を備える電極であって、前記フィルムが、
電気化学的活性物質および/または導電剤と、
フルオロポリマーと、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、を含む、電極。
【請求項43】
前記フィルムが、剥離強度試験によって測定される際に、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む前記付加ポリマーを含まない比較フィルムよりも少なくとも10%高い前記集電体に対する接着性を有する、請求項42に記載の電極。
【請求項44】
前記フィルムが、請求項1~41のいずれか一項に記載のスラリー組成物から堆積される、請求項42または43に記載の電極。
【請求項45】
集電体(A)が、メッシュ、シート、または箔の形態の銅またはアルミニウムを含む、先行請求項42~44のいずれか一項に記載の電極。
【請求項46】
前記フィルムが、架橋されている、先行請求項42~45のいずれか一項に記載の電極。
【請求項47】
前記フィルムが、架橋剤の残基を更に含む、請求項46に記載の電極。
【請求項48】
前記集電体が、前処理組成物で前処理されている、先行請求項42~47のいずれか一項に記載の電極。
【請求項49】
前記電極が、正極を含む、先行請求項42~48のいずれか一項に記載の電極。
【請求項50】
前記電極が、負極を含む、先行請求項42~48のいずれか一項に記載の電極。
【請求項51】
蓄電デバイスであって、(a)請求項42~50のいずれか一項に記載の電極と、(b)対電極と、(c)電解質と、を備える、蓄電デバイス。
【請求項52】
前記電解質(c)が、溶媒中に溶解されたリチウム塩を含む、請求項51に記載の蓄電デバイス。
【請求項53】
前記リチウム塩が、有機カーボネート中に溶解されている、請求項52に記載の蓄電デバイス。
【請求項54】
前記蓄電デバイスが、セルを含む、請求項51~53のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
【請求項55】
前記蓄電デバイスが、電池パックを含む、請求項51~53のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
【請求項56】
前記蓄電デバイスが、二次電池を含む、請求項51~53のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
【請求項57】
前記蓄電デバイスが、コンデンサを含む、請求項51~53のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
【請求項58】
前記蓄電デバイスが、スーパーコンデンサを含む、請求項51~53のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
【請求項59】
結合剤組成物であって、
フルオロポリマーと、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、を含む、結合剤組成物。
【請求項60】
前記結合剤組成物が、
結合剤固体の総重量に基づいて、前記フルオロポリマーが、20重量%~99.9重量%の量で存在する、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む前記付加ポリマーが、0.1重量%~25重量%の量で存在する、ことを含む、請求項59に記載の結合剤組成物。
【請求項61】
架橋剤を更に含む、請求項59または60に記載の結合剤組成物。
【請求項62】
前記架橋剤が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~25重量%の量で存在する、請求項61に記載の結合剤組成物。
【請求項63】
前記付加ポリマーが、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む0.5重量%~100重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基を含む、先行請求項59~62のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項64】
前記付加ポリマーが、1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、2つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、3つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、またはそれらの任意の組み合わせを含む0.5重量%~100重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基を含む、先行請求項59~63のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項65】
前記付加ポリマーが、500g/当量~50,000g/当量のケイ素含有官能基当量を有する、先行請求項59~64のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項66】
前記付加ポリマーが、75g/当量~15,000g/当量のアルコキシ当量を有する、先行請求項59~65のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項67】
前記付加ポリマーが、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む0.5重量%~40重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基と、
ケイ素含有官能基を含まない60重量%~99.5重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基と、を含む、先行請求項59~50のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項68】
前記結合剤固体の総重量に基づいて、前記フルオロポリマーが、20重量%~99.9重量%の量で存在し、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む前記付加ポリマーが、0.1重量%~25重量%の量で存在する、先行請求項59~67のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項69】
前記付加ポリマーが、100℃未満、または-50℃~+70℃、または-50℃~+23℃、または-50℃~+15℃、または-50℃~0℃のガラス転移温度を有する、先行請求項59~68のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項70】
前記フルオロポリマーが、ポリフッ化ビニリデンホモポリマーを含む、先行請求項59~69のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項71】
前記フルオロポリマーが、フッ化ビニリデンコポリマーを含む、先行請求項59~70のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項72】
結合剤が、メルカプト官能性オルガノシラン化合物を実質的に含まない、先行請求項59~71のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項73】
前記結合剤が、スチレンブタジエンゴムを実質的に含まない、先行請求項59~72のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項74】
前記付加ポリマーが、シロキサン基を含まない、先行請求項59~73のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項75】
前記結合剤が、ポリイミド樹脂を実質的に含まない、先行請求項59~74のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項76】
(メタ)アクリルポリマーを更に含む、先行請求項59~75のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項77】
前記(メタ)アクリルポリマーが、前記(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、30重量%~96重量%の量で、アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位を含む、請求項76に記載の結合剤組成物。
【請求項78】
前記(メタ)アクリルポリマーが、1,000~100,000g/molの数平均分子量および/または2,000~1,000,000g/molの重量平均分子量を有する、請求項76または77に記載の結合剤組成物。
【請求項79】
非ポリマーアルコキシシラン化合物を更に含む、先行請求項59~78のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
【請求項80】
前記非ポリマーアルコキシシラン化合物が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~10重量%の量で存在する、請求項79に記載の結合剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府支援の通知
本開示は、米国エネルギー省によって授与された政府契約第DE-EE0006250号の下、政府支援を受けてなされたものである。米国政府は、本開示において特定の権利を有する。
【0002】
本開示は、電池などの蓄電デバイス内で使用するための電極を製造する際に使用され得る結合剤組成物およびスラリー組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
エレクトロニクス業界では、電池などの小型で軽量な蓄電デバイスを電源とする、より小型のデバイスを生成する傾向がある。電気化学的活性物質として炭素質材料を含むものなどの負極および電気化学的活性物質としてリチウム金属酸化物を含むものなどの正極を有する蓄電デバイスは、比較的高い電力および低い重量を提供することができる。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフルオロポリマーは、それらの優れた耐電気化学性のために、蓄電デバイス内に使用される電極を形成するのに有用な結合剤であることが見出されている。典型的には、PVDFフルオロポリマーを有機溶媒に溶解し、電極材料を溶液と組み合わせて、金属箔またはメッシュに塗布されて電極を形成するスラリーを形成する。有機溶媒の役割は、有機溶媒の蒸発時に電極材料粒子と金属箔またはメッシュとの間の良好な接着を提供するために、フルオロポリマーを溶解することである。現在、選択される有機溶媒は、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)である。NMP中に溶解したPVDF結合剤は、電極組成物中の全ての活性成分の優れた接着性および相互接続性を提供する。結合した構成成分は、電極内の相互接続性を失うことなく、充放電サイクル中に大きな体積膨張および収縮に耐えることができる。電極内を電子が移動しなければならず、リチウムイオン移動性は、粒子間の電極内の相互接続性を必要とするため、電極内の活性成分の相互接続性は、特に充放電サイクル中の電池性能において非常に重要である。残念ながら、NMPは、有毒な物質であり、健康および環境の問題を生じさせる。
【0004】
NMPの代替技術が、開発されてきた。しかしながら、代替技術が有用であるためには、代替技術は、現在の製造慣行に適合し、中間生成物および最終生成物の所望の特性を提供しなければならない。いくつかの一般的な基準として、良好な塗布特性を促進するために適切なスラリーの粘度、電極内の十分な相互接続性、下にある基材に対する十分な接着性、および得られる電極コーティングのための結合剤の電池内の電解質に対する十分な耐久性が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】それぞれ、0.1Cで3サイクル、0.3C、0.6C、1.0C、および1.5Cで5サイクル、ならびに1.0Cで長期サイクルでセル内で試験した、以下の実施例1の電極のサイクル性能を示すグラフである。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、電気化学的活性物質および/または導電剤と、フルオロポリマーと、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、液体媒体と、を含むスラリー組成物を提供する。
【0007】
本開示はまた、集電体と、集電体の表面上のフィルムと、を備える電極であって、フィルムが、電気化学的活性物質および/または導電剤と、フルオロポリマーと、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、を含む、電極を提供する。
【0008】
本開示は、蓄電デバイスであって、(a)集電体および集電体の表面上のフィルムを備え、フィルムが、電気化学的活性物質および/または導電剤、フルオロポリマー、ならびに少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーを含む、(b)対電極と、(c)電解質と、を備える、蓄電デバイスを更に提供する。
【0009】
本開示はまた、フルオロポリマーと、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、を含む結合剤組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、フルオロポリマーと、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、を含む結合剤組成物を対象とする。
【0011】
結合剤組成物は、スラリー組成物に使用され得、本開示は、フルオロポリマーと、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、電気化学的活性物質および/または導電剤と、液体媒体と、を含むスラリー組成物も対象とする。
【0012】
本開示によれば、結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、フルオロポリマーを含む。フルオロポリマーは、スラリー組成物の結合剤の一部である。フルオロポリマーは、フッ化ビニリデンの残基を含む(コ)ポリマーを含み得る。フッ化ビニリデンの残基を含む(コ)ポリマーの非限定的な例は、ポリフッ化ビニリデンポリマー(PVDF)である。本明細書で使用される場合、「ポリフッ化ビニリデンポリマー」は、高分子量のホモポリマー、コポリマー、およびターポリマーを含む、ホモポリマー、バイナリコポリマーなどのコポリマー、およびターポリマーを含む。そのような(コ)ポリマーとしては、少なくとも50モルパーセント、例えば、少なくとも75モル%、および少なくとも80モル%、および少なくとも85モル%のフッ化ビニリデン(二フッ化ビニリデンとしても既知である)の残基を含有するものが挙げられる。フッ化ビニリデンモノマーは、ハロゲン化ビニルモノマー(例えば、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、塩化ビニル、フッ化ビニル、ペンタフルオロプロペン、テトラフルオロプロペンなど)、式F2C=CF(ORf)(式中、RFはフッ素化アルキル鎖である)を有するビニルフルオロエーテル(例えば、ペルフルオロメチルビニルエーテル、ペルフルオロプロピルビニルエーテルなど)、(メタ)アクリル系モノマー(本明細書に記載されるもののいずれかを含む)、および本開示のフルオロポリマーを生成するために、フッ化ビニリデンと容易に共重合する任意の他のモノマーを含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる少なくとも1つのコモノマーと共重合され得る。フルオロポリマーはまた、PVDFホモポリマーも含んでもよい。
【0013】
ポリフッ化ビニリデンは、フッ化ビニリデンの残基、ならびに(i)(メタ)アクリル酸および/または(ii)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1つを含む構成単位を含むポリフッ化ビニリデンコポリマーを含み得る。(メタ)アクリル酸は、アクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの組み合わせを含み得る。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、C1~C5ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、またはそれらの組み合わせを含み得る。かかるポリフッ化ビニリデンコポリマーの市販の例としては、Solvayから入手可能なSOLEF 5130が挙げられる。
【0014】
フルオロポリマーは、少なくとも50,000g/mol、例えば、少なくとも100,000g/molの重量平均分子量を有する高分子量PVDFを含んでよく、50,000g/mol~1,500,000g/mol、例えば、100,000g/mol~1,000,000g/molの範囲であってよい。PVDFは、例えば、KYNARの商標でArkemaから、HYLARの商標でSolvayから、および内モンゴルの3F Wanhao Fluorochemical Co.,Ltdから市販されている。
【0015】
結合剤の調製に使用されるフルオロポリマーは、ナノ粒子を含み得る。本明細書で使用される場合、「ナノ粒子」という用語は、1,000nm未満の粒径を有する粒子を指す。フルオロポリマーは、少なくとも50nm、例えば、少なくとも100nm、例えば、少なくとも250nm、例えば、少なくとも300nmの粒径を有し得、かつ900nm以下、例えば、600nm以下、例えば、450nm以下、例えば、400nm以下、例えば、300nm以下、例えば、200nm以下であり得る。フルオロポリマーナノ粒子は、50nm~900nm、例えば、100nm~600nm、例えば、250nm~450nm、例えば、300nm~400nm、例えば、100nm~400nm、例えば、100nm~300nm、例えば、100nm~200nmの粒径を有し得る。本明細書で使用される場合、「粒径」という用語は、フルオロポリマー粒子の平均直径を指す。本開示で言及される粒径は、以下の手順により決定された:フルオロポリマーを、アルミニウム走査電子顕微鏡(SEM)スタブに取り付けられた炭素テープのセグメント上に分散させることによって、試料を調製した。余分な粒子を圧縮空気で炭素テープから吹き飛ばした。次いで、試料を、Au/Pdで20秒間スパッタコーティングし、次いで、高真空下で、Quanta 250 FEG SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)で分析した。加速電圧を20.00kVに設定し、スポットサイズを3.0に設定した。調製した試料上の3つの異なる領域から画像を収集し、ImageJソフトウェアを使用して、各領域から10個のフルオロポリマー粒子の直径を測定し、合計30個の粒径測定値について、これらを一緒に平均化して、平均粒径を決定した。
【0016】
フルオロポリマーは、液体媒体中に分散または可溶化され得る。
【0017】
フルオロポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、少なくとも20重量%、例えば、少なくとも30重量%、例えば、少なくとも40重量%、例えば、少なくとも50重量%、例えば、少なくとも60重量%、例えば、少なくとも70重量%、例えば、少なくとも80重量%、例えば、少なくとも85重量%、例えば、少なくとも90重量%、例えば、少なくとも95重量%、例えば、少なくとも98重量%の量で、結合剤中に存在し得る。フルオロポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、99.9重量%以下、例えば、99重量%以下、例えば、98重量%以下、例えば、96重量%以下、例えば、95重量%以下、例えば、90重量%以下、例えば、85重量%以下、例えば、80重量%以下の量で、結合剤中に存在し得る。フルオロポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、20重量%~99.9重量%、20重量%~99重量%、例えば、20重量%~98重量%、例えば、20重量%~96重量%、例えば、20重量%~95重量%、例えば、20重量%~90重量%、例えば、20重量%~85重量%、例えば、20重量%~80重量%、例えば、30重量%~99.9重量%、例えば、30重量%~99重量%、例えば、30重量%~98重量%、例えば、30重量%~96重量%、例えば、30重量%~95重量%、例えば、30重量%~90重量%、例えば、30重量%~85重量%、例えば、30重量%~80重量%、例えば、40重量%~99.9重量%、例えば、40重量%~99重量%、例えば、40重量%~98重量%、例えば、40重量%~96重量%、例えば、40重量%~95重量%、例えば、40重量%~90重量%、例えば、40重量%~85重量%、例えば、40重量%~80重量%、例えば、50重量%~99.9重量%、例えば、50重量%~99重量%、例えば、50重量%~98重量%、例えば、50重量%~96重量%、例えば、50重量%~95重量%、例えば、50重量%~90重量%、例えば、50重量%~85重量%、例えば、50重量%~80重量%、例えば、60重量%~99.9重量%、例えば、60重量%~99重量%、例えば、60重量%~98重量%、例えば、60重量%~96重量%、例えば、60重量%~95重量%、例えば、60重量%~90重量%、例えば、60重量%~85重量%、例えば、60重量%~80重量%、例えば、70重量%~99.9重量%、例えば、70重量%~99重量%、例えば、70重量%~98重量%、例えば、70重量%~96重量%、例えば、70重量%~95重量%、例えば、70重量%~90重量%、例えば、70重量%~85重量%、例えば、70重量%~80重量%、例えば、80重量%~99.9重量%、例えば、80重量%~99重量%、例えば、80重量%~98重量%、例えば、80重量%~96重量%、例えば、80重量%~95重量%、例えば、80重量%~90重量%、例えば、80重量%~85重量%、例えば、85重量%~99.9重量%、例えば、85重量%~99重量%、例えば、85重量%~98重量%、例えば、85重量%~96重量%、例えば、85重量%~95重量%、例えば、85重量%~90重量%、例えば、90重量%~99.9重量%、例えば、90重量%~99重量%、例えば、90重量%~98重量%、例えば、90重量%~96重量%、例えば、95重量%~99.9重量%、例えば、95重量%~99重量%、例えば、95重量%~98重量%、例えば、95重量%~96重量%、例えば、98重量%~99.9重量%、例えば、98重量%~99重量%の量で、結合剤中に存在し得る。
【0018】
フルオロポリマーは、結合剤組成物の総重量に基づいて、少なくとも1重量%、例えば少なくとも5重量%、例えば少なくとも10重量%、例えば少なくとも20重量%、例えば少なくとも25重量%、例えば少なくとも30重量%、例えば少なくとも40重量%の量で、結合剤組成物中に存在し得る。フルオロポリマーは、結合剤組成物の総重量に基づいて、50重量%以下、例えば、40重量%以下、例えば、30重量%以下、例えば、25重量%以下、例えば、20重量%以下、例えば、10重量%以下の量で、結合剤組成物中に存在し得る。フルオロポリマーは、結合剤組成物の総重量に基づいて、1重量%~50重量%、例えば、1重量%~40重量%、例えば、1重量%~30重量%、例えば、1重量%~25重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、5重量%~30重量%、例えば、5重量%~25重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、10重量%~30重量%、例えば、10重量%~25重量%、例えば、10重量%~20重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、20重量%~30重量%、例えば、20重量%~25重量%、例えば、25重量%~50重量%、例えば、25重量%~40重量%、例えば、25重量%~30重量%、例えば、30重量%~50重量%、例えば、30重量%~40重量%、例えば、40重量%~50重量%の量で、結合剤組成物中に存在し得る。
【0019】
フルオロポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、例えば、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.3重量%、例えば、少なくとも1.9重量%の量で、スラリー組成物中に存在し得る。フルオロポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、10重量%以下、例えば、6重量%以下、例えば、4.5重量%以下、例えば、2.9重量%以下、例えば、2重量%以下の量で、スラリー組成物中に存在し得る。フルオロポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、0.1重量%~10重量%、例えば、0.1重量%~6重量%、例えば、0.1重量%~4.5重量%、例えば、0.1重量%~2.9重量%、例えば、0.1重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%~4.5重量%、例えば、0.5重量%~2.9重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~4.5重量%、例えば、1重量%~2.9重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1.3重量%~10重量%、例えば、1.3重量%~6重量%、例えば、1.3重量%~4.5重量%、例えば、1.3重量%~2.9重量%、例えば、1.3重量%~2重量%、例えば、1.9重量%~10重量%、例えば、1.9重量%~6重量%、例えば、1.9重量%~4.5重量%、例えば、1.9重量%~2.9重量%、例えば、1.9重量%~2重量%の量で、スラリー組成物中に存在し得る。
【0020】
結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーを更に含む。付加ポリマーは、ブロックポリマー、ランダムポリマー、またはグラジエントポリマーの形態であり得る。
【0021】
本明細書で使用される場合、「ケイ素含有官能基」は、有機置換基を含むポリマー骨格に結合した有機ケイ素基を指す。ケイ素含有官能基は、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含み、一般式-SiR1
aX3-aによって表され得、式中、R1は、1~20個の炭素原子を有する置換または非置換の炭化水素基を表し、各Xは、独立して、ヒドロキシル基または加水分解性基を表し、少なくとも1つのXは、アルコキシ基であり、aは、0、1、または2である。したがって、ケイ素含有官能基は、1つのアルコキシ置換基、2つのアルコキシ置換基、3つのアルコキシ置換基、またはそれらの任意の組み合わせを含み得、付加ポリマーは、1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、2つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、3つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、またはそれらの任意の組み合わせを含むエチレン性不飽和モノマーを含み得る。
【0022】
付加ポリマーは、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含むエチレン性不飽和モノマーを含む1つまたは1つより多くのエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含み得る。付加ポリマーは、1つまたは1つより多くのエチレン性不飽和モノマーを含むα,β-エチレン性不飽和モノマーの反応混合物を重合させることによって調製され得る。
【0023】
ケイ素含有官能基は、付加ポリマーの重合中に含まれるケイ素含有官能基を含むエチレン性不飽和モノマーとして付加ポリマーに含まれ得る。付加ポリマーは、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含み得る。付加ポリマーは、付加ポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%、例えば少なくとも1重量%、例えば少なくとも5重量%、例えば少なくとも10重量%、例えば少なくとも20重量%、例えば少なくとも30重量%、例えば少なくとも40重量%、例えば少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも90重量%の量で、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含み得る。付加ポリマーは、付加ポリマーの総重量に基づいて、100重量%、例えば、90重量%以下、例えば、80重量%以下、例えば、70重量%以下、例えば、60重量%以下、例えば、50重量%以下、例えば、40重量%以下、例えば、30重量%以下、例えば、20重量%以下、例えば、10重量%以下、例えば、5重量%以下の量で、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含有するエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含み得る。付加ポリマーは、付加ポリマーの総重量に基づいて、0.5重量%~100重量%、例えば、1重量%~100重量%、例えば、5重量%~100重量%、例えば、10重量%~100重量%、例えば、20重量%~100重量%、例えば、30重量%~100重量%、例えば、40重量%~100重量%、例えば、50重量%~100重量%、例えば、60重量%~100重量%、例えば、70重量%~100重量%、例えば、80重量%~100重量%、例えば、90重量%~100重量%、例えば、0.5重量%~90重量%、例えば、1重量%~90重量%、例えば、5重量%~90重量%、例えば、10重量%~90重量%、例えば、20重量%~90重量%、例えば、30重量%~90重量%、例えば、40重量%~90重量%、例えば、50重量%~90重量%、例えば、60重量%~90重量%、例えば、70重量%~90重量%、例えば、80重量%~90重量%、例えば、0.5重量%~80重量%、例えば、1重量%~80重量%、例えば、5重量%~80重量%、例えば、10重量%~80重量%、例えば、20重量%~80重量%、例えば、30重量%~80重量%、例えば、40重量%~80重量%、例えば、50重量%~80重量%、例えば、60重量%~80重量%、例えば、70重量%~80重量%、例えば、0.5重量%~70重量%、例えば、1重量%~70重量%、例えば、5重量%~70重量%、例えば、10重量%~70重量%、例えば、20重量%~70重量%、例えば、30重量%~70重量%、例えば、40重量%~70重量%、例えば、50重量%~70重量%、例えば、60重量%~70重量%、例えば、0.5重量%~60重量%、例えば、1重量%~60重量%、例えば、5重量%~60重量%、例えば、10重量%~60重量%、例えば、20重量%~60重量%、例えば、30重量%~60重量%、例えば、40重量%~60重量%、例えば、50重量%~60重量%、例えば、0.5重量%~50重量%、例えば、1重量%~50重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、30重量%~50重量%、例えば、40重量%~50重量%、例えば、0.5重量%~40重量%、例えば、1重量%~40重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、30重量%~40重量%、例えば、0.5重量%~30重量%、例えば、1重量%~30重量%、例えば、5重量%~30重量%、例えば、10重量%~30重量%、例えば、20重量%~30重量%、例えば、0.5重量%~20重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、10重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、1重量%~5重量%の量で、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含有するエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含み得る。付加ポリマーは、反応混合物であって、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含むエチレン性不飽和モノマーを、反応混合物に使用された重合性モノマーの総重量に基づいて、0.5重量%~100重量%、例えば、1重量%~100重量%、例えば、5重量%~100重量%、例えば、10重量%~100重量%、例えば、20重量%~100重量%、例えば、30重量%~100重量%、例えば、40重量%~100重量%、例えば、50重量%~100重量%、例えば、60重量%~100重量%、例えば、70重量%~100重量%、例えば、80重量%~100重量%、例えば、90重量%~100重量%、例えば、0.5重量%~90重量%、例えば、1重量%~90重量%、例えば、5重量%~90重量%、例えば、10重量%~90重量%、例えば、20重量%~90重量%、例えば、30重量%~90重量%、例えば、40重量%~90重量%、例えば、50重量%~90重量%、例えば、60重量%~90重量%、例えば、70重量%~90重量%、例えば、80重量%~90重量%、例えば、0.5重量%~80重量%、例えば、1重量%~80重量%、例えば、5重量%~80重量%、例えば、10重量%~80重量%、例えば、20重量%~80重量%、例えば、30重量%~80重量%、例えば、40重量%~80重量%、例えば、50重量%~80重量%、例えば、60重量%~80重量%、例えば、70重量%~80重量%、例えば、0.5重量%~70重量%、例えば、1重量%~70重量%、例えば、5重量%~70重量%、例えば、10重量%~70重量%、例えば、20重量%~70重量%、例えば、30重量%~70重量%、例えば、40重量%~70重量%、例えば、50重量%~70重量%、例えば、60重量%~70重量%、例えば、0.5重量%~60重量%、例えば、1重量%~60重量%、例えば、5重量%~60重量%、例えば、10重量%~60重量%、例えば、20重量%~60重量%、例えば、30重量%~60重量%、例えば、40重量%~60重量%、例えば、50重量%~60重量%、例えば、0.5重量%~50重量%、例えば、1重量%~50重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、30重量%~50重量%、例えば、40重量%~50重量%、例えば、0.5重量%~40重量%、例えば、1重量%~40重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、30重量%~40重量%、例えば、0.5重量%~30重量%、例えば、1重量%~30重量%、例えば、5重量%~30重量%、例えば、10重量%~30重量%、例えば、20重量%~30重量%、例えば、0.5重量%~20重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、10重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、1重量%~5重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0024】
付加ポリマーは、少なくとも500g/当量、例えば、少なくとも750g/当量、例えば、少なくとも1,000g/当量、例えば、少なくとも1,200g/当量、例えば、少なくとも1,500g/当量、例えば、少なくとも2,500g/当量、例えば、少なくとも5,000g/当量などのケイ素含有官能基当量を有し得る。付加ポリマーは、50,000g/当量以下、例えば、25,000g/当量以下、例えば、15,000g/当量以下、例えば、10,000g/当量以下、例えば、5,000g/当量以下、例えば、2,500g/当量以下、例えば、2,000g/当量以下のケイ素含有官能基当量を有し得る。付加ポリマーは、500~50,000g/当量、例えば、500~25,000g/当量、例えば、500~15,000g/当量、例えば、500~10,000g/当量、例えば、500~5,000g/当量、例えば、500~2,500g/当量、例えば、500~2,000g/当量、例えば、750~50,000g/当量、例えば、750~25,000g/当量、例えば、750~15,000g/当量、例えば、750~10,000g/当量、例えば、750~5,000g/当量、例えば、750~2,500g/当量、例えば、750~2,000g/当量、例えば、1,000~50,000g/当量、例えば、1,000~25,000g/当量、例えば、1,000~15,000g/当量、例えば、1,000~10,000g/当量、例えば、1,000~5,000g/当量、例えば、1,000~2,500g/当量、例えば、1,000~2,000g/当量、例えば、1,200~50,000g/当量、例えば、1,200~25,000g/当量、例えば、1,200~15,000g/当量、例えば、1,200~10,000g/当量、例えば、1,200~5,000g/当量、例えば、1,200~2,500g/当量、例えば、1,200~2,000g/当量、例えば、1,500~50,000g/当量、例えば、1,500~25,000g/当量、例えば、1,500~15,000g/当量、例えば、1,500~10,000g/当量、例えば、1,500~5,000g/当量、例えば、1,500~2,500g/当量、例えば、1,500~2,000g/当量,2,500~50,000g/当量、例えば、2,500~25,000g/当量、例えば、2,500~15,000g/当量、例えば、2,500~10,000g/当量、例えば、2,500~5,000g/当量、例えば、5,000~50,000g/当量、例えば、5,000~25,000g/当量、例えば、5,000~15,000g/当量、例えば、5,000~10,000g/当量のケイ素含有官能基当量を有し得る。本明細書で使用される場合、ケイ素含有官能基当量は、付加ポリマーの総理論重量を、そこに理論的に存在するケイ素含有基の当量の総数で除算することによって決定される理論値を指す。
【0025】
付加ポリマーは、少なくとも75g/当量、例えば、少なくとも100g/当量、例えば、少なくとも250g/当量、例えば、少なくとも500g/当量、例えば、少なくとも750g/当量、例えば、少なくとも1,000g/当量、例えば、少なくとも1,200g/当量、例えば、少なくとも1,500g/当量、例えば、少なくとも2,000g/当量のアルコキシ当量を有し得る。付加ポリマーは、15,000g/当量以下、例えば、10,000g/当量以下、例えば、7,500g/当量以下、例えば、5,000g/当量以下、例えば、2,500g/当量以下、例えば、2,000g/当量以下、例えば、1,500g/当量以下、例えば、1,000g/当量以下、例えば、750g/当量以下、例えば、600g/当量以下、例えば、500g/当量以下のアルコキシ当量を有し得る。付加ポリマーは、75~15,000g/当量、例えば、75~10,000g/当量、例えば、75~7,500g/当量、例えば、75~5,000g/当量、例えば、75~2,500g/当量、例えば、75~2,000g/当量、例えば、75~1,500g/当量、例えば、75~1,000g/当量、例えば、75~750g/当量、例えば、75~600g/当量、例えば、75~500g/当量、例えば、100~15,000g/当量、例えば、100~10,000g/当量、例えば、100~7,500g/当量、例えば、100~5,000g/当量、例えば、100~2,500g/当量、例えば、100~2,000g/当量、例えば、100~1,500g/当量、例えば、100~1,000g/当量、例えば、100~750g/当量、例えば、100~600g/当量、例えば、100~500g/当量、例えば、250~15,000g/当量、例えば、250~10,000g/当量、例えば、250~7,500g/当量、例えば、250~5,000g/当量、例えば、250~2,500g/当量、例えば、250~2,000g/当量、例えば、250~1,500g/当量、例えば、250~1,000g/当量、例えば、250~750g/当量、例えば、250~600g/当量、例えば、250~500g/当量、例えば、500~15,000g/当量、例えば、500~10,000g/当量、例えば、500~7,500g/当量、例えば、500~5,000g/当量、例えば、500~2,500g/当量、例えば、500~2,000g/当量、例えば、500~1,500g/当量、例えば、500~1,000g/当量、例えば、500~750g/当量、例えば、500~600g/当量、例えば、750~15,000g/当量、例えば、750~10,000g/当量、例えば、750~7,500g/当量、例えば、750~5,000g/当量、例えば、750~2,500g/当量、例えば、750~2,000g/当量、例えば、750~1,500g/当量、例えば、750~1,000g/当量、例えば、1,000~15,000g/当量、例えば、1,000~10,000g/当量、例えば、1,000~7,500g/当量、例えば、1,000~5,000g/当量、例えば、1,000~2,500g/当量、例えば、1,000~2,000g/当量、例えば、1,000~1,500g/当量、例えば、1,200~15,000g/当量、例えば、1,200~10,000g/当量、例えば、1,200~7,500g/当量、例えば、1,200~5,000g/当量、例えば、1,200~2,500g/当量、例えば、1,200~2,000g/当量、例えば、1,200~1,500g/当量、例えば、1,500~15,000g/当量、例えば、1,500~10,000g/当量、例えば、1,500~7,500g/当量、例えば、1,500~5,000g/当量、例えば、1,500~2,500g/当量、例えば、1,500~2,000g/当量、例えば、2,000~15,000g/当量、例えば、2,000~10,000g/当量、例えば、2,000~7,500g/当量、例えば、2,000~5,000g/当量、例えば、2,000~2,500g/当量のアルコキシ当量を有し得る。本明細書で使用される場合、アルコキシ当量は、付加ポリマーの総理論重量を、そこに理論的に存在するアルコキシ基の当量の総数で除算することによって決定される理論値を指す。
【0026】
付加ポリマーは、必要に応じて、残基を含むか、または(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、1つまたは1つより多くの活性水素基を含むエチレン性不飽和モノマー、複素環基を含むエチレン性不飽和モノマー、ケイ素含有官能基を含むエチレン性不飽和モノマー、およびそれらの組み合わせを含む他のエチレン性不飽和モノマーに由来し得る構成単位を含み得る。
【0027】
付加ポリマーは、必要に応じて、アルキル基中に1~18個の炭素原子、例えば、アルキル基中に1~10個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位を含み得る。アルキル基中に1~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの非限定的な例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、およびドデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル基中に1~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、少なくとも30重量%、例えば、少なくとも35重量%、例えば、少なくとも40重量%、例えば、少なくとも45重量%、例えば、少なくとも47.5重量%を含み得る。アルキル基中に1~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、96%以下、例えば、90%以下、例えば、85%以下、例えば、80%以下、例えば、75%以下、例えば、70%以下、例えば、65%以下を含み得る。アルキル基中に1~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、30重量%~96重量%、例えば、30重量%~90重量%、例えば、30重量%~85重量%、例えば、30重量%~80重量%、例えば、30重量%~75重量%、例えば、30重量%~70重量%、例えば、30重量%~65重量%、例えば、35重量%~96重量%、例えば、35重量%~90重量%、例えば、35重量%~85重量%、例えば、35重量%~80重量%、例えば、35重量%~75重量%、例えば、35重量%~70重量%、例えば、35重量%~65重量%、例えば、40重量%~96重量%、例えば、40重量%~90重量%、例えば、40重量%~85重量%、例えば、40重量%~80重量%、例えば、40重量%~75重量%、例えば、40重量%~70重量%、例えば、40重量%~65重量%、例えば、45重量%~96重量%、例えば、45重量%~90重量%、例えば、45重量%~85重量%、例えば、45重量%~80重量%、例えば、45重量%~75重量%、例えば、45重量%~70重量%、例えば、45重量%~65重量%、例えば、47.5重量%~96重量%、例えば、47.5重量%~90重量%、例えば、47.5重量%~85重量%、例えば、47.5重量%~80重量%、例えば、47.5重量%~75重量%、例えば、47.5重量%~70重量%、例えば、47.5重量%~65重量%を含み得る。付加ポリマーは、反応混合物であって、アルキル基中に1~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、30重量%~96重量%、例えば、30重量%~90重量%、例えば、30重量%~85重量%、例えば、30重量%~80重量%、例えば、30重量%~75重量%、例えば、30重量%~70重量%、例えば、30重量%~65重量%、例えば、35重量%~96重量%、例えば、35重量%~90重量%、例えば、35重量%~85重量%、例えば、35重量%~80重量%、例えば、35重量%~75重量%、例えば、35重量%~70重量%、例えば、35重量%~65重量%、例えば、40重量%~96重量%、例えば、40重量%~90重量%、例えば、40重量%~85重量%、例えば、40重量%~80重量%、例えば、40重量%~75重量%、例えば、40重量%~70重量%、例えば、40重量%~65重量%、例えば、45重量%~96重量%、例えば、45重量%~90重量%、例えば、45重量%~85重量%、例えば、45重量%~80重量%、例えば、45重量%~75重量%、例えば、45重量%~70重量%、例えば、45重量%~65重量%、例えば、47.5重量%~96重量%、例えば、47.5重量%~90重量%、例えば、47.5重量%~85重量%、例えば、47.5重量%~80重量%、例えば、47.5重量%~75重量%、例えば、47.5重量%~70重量%、例えば、47.5重量%~65重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0028】
付加ポリマーは、必要に応じて、ヒドロキシアルキルエステルの残基を含む構成単位を含んでよい。ヒドロキシアルキルエステルの非限定的な例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。ヒドロキシアルキルエステルの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.5重量%を含み得る。ヒドロキシアルキルエステルの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、8重量%以下、例えば、6重量%以下、例えば、5重量%以下、例えば、4重量%以下、例えば、3重量%以下、例えば、2重量%以下、例えば、1.5重量%以下、例えば、1.0重量%以下を含み得る。ヒドロキシアルキルエステルの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%by~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%by~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%by~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%を含み得る。付加ポリマーは、反応混合物であって、ヒドロキシアルキルエステルを、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%by~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%by~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%by~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。付加ポリマー中にヒドロキシアルキルエステルの残基を含む構成単位の包含は、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む付加ポリマーが得られる(ただし、ヒドロキシル基は、他の方法によって含まれ得る)。ヒドロキシアルキルエステルの包含から生じるヒドロキシル基(または他の手段によって組み込まれる)は、ヒドロキシル基と反応する基を有する自己架橋用モノマーが付加ポリマーに組み込まれるときに、例えば、アミノプラスト、フェノールプラスト、およびポリエポキシドなどのヒドロキシル基と反応する官能基を含む別に添加された架橋剤と、または付加ポリマー中に存在するN-アルコキシメチルアミド基と反応し得る。
【0029】
付加ポリマーは、必要に応じて、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位を含み得る。α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の非限定的な例としては、アクリル酸およびメタクリル酸などの最大10個の炭素原子を含有するものが挙げられる。他の不飽和酸の非限定的な例は、マレイン酸またはその無水物、フマル酸およびイタコン酸などのα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸である。また、これらのジカルボン酸の半分のエステルが用いられ得る。存在する場合、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.5重量%を含み得る。存在する場合、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、10重量%以下、例えば、8重量%以下、例えば、6重量%以下、例えば、5重量%以下、例えば、4重量%以下、例えば、3重量%以下、例えば、2重量%以下、例えば、1.5重量%以下、例えば、1.0重量%以下を含み得る。α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%by~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%by~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%by~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%を含み得る。付加ポリマーは、反応混合物であって、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸を、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%by~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%by~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%by~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。付加ポリマー中のα,β-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位の包含は、少なくとも1つのカルボン酸基を含む付加ポリマーをもたらす。
【0030】
付加ポリマーは、必要に応じて、複素環式基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含み得る。複素環式基を含むエチレン性不飽和モノマーの非限定的な例としては、とりわけ、エポキシ官能性エチレン性不飽和モノマー(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート)、ビニルピロリドン、およびビニルカプロラクタムなどが挙げられる。複素環基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、存在する場合、付加ポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも2重量%、例えば、少なくとも3重量%、例えば、少なくとも4重量%、例えば、少なくとも5重量%、例えば、少なくとも8重量%を含み得る。複素環基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、存在する場合、付加ポリマーの総重量に基づいて、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、10重量%以下、例えば、5重量%以下を含み得る。複素環式基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、0重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、2重量%~20重量%、例えば、2重量%~15重量%、例えば、2重量%~10重量%、例えば、2重量%~5重量%、例えば、3重量%~20重量%、例えば、3重量%~15重量%、例えば、3重量%~10重量%、例えば、3重量%~5重量%、例えば、4重量%~20重量%、例えば、4重量%~15重量%、例えば、4重量%~10重量%、例えば、4重量%~5重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、8重量%~20重量%、例えば、8重量%~15重量%、例えば、8重量%~10重量%を含み得る。付加ポリマーは、反応混合物であって、複素環基を含むエチレン性不飽和モノマーを、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、例えば、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、2重量%~20重量%、例えば、2重量%~15重量%、例えば、2重量%~10重量%、例えば、2重量%~5重量%、例えば、3重量%~20重量%、例えば、3重量%~15重量%、例えば、3重量%~10重量%、例えば、3重量%~5重量%、例えば、4重量%~20重量%、例えば、4重量%~15重量%、例えば、4重量%~10重量%、例えば、4重量%~5重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、8重量%~20重量%、例えば、8重量%~15重量%、例えば、8重量%~10重量%量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0031】
上記のように、付加ポリマーは、必要に応じて、自己架橋用モノマーの残基を含む構成単位を含み得、付加ポリマーは、自己架橋用付加ポリマーを含み得る。本明細書で使用される場合、「自己架橋用モノマー」という用語は、付加ポリマー上に存在する活性水素官能基と反応して、付加ポリマーまたは2つ以上の付加ポリマーの間に架橋を形成し得る官能基を組み込むモノマーを指し、「自己架橋用モノマー」という用語は、ケイ素含有基を有するモノマーを明示的に除外する。自己架橋用モノマーの非限定的な例としては、N-アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドモノマー、例えば、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドおよびN-イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。自己架橋用モノマーの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.5重量%を含み得る。自己架橋用モノマーの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、8重量%以下、例えば、6重量%以下、例えば、5重量%以下、例えば、4重量%以下、例えば、3重量%以下、例えば、2重量%以下、例えば、1.5重量%以下、例えば、1.0重量%以下を含み得る。自己架橋用モノマーの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%by~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%by~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%by~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%を含み得る。付加ポリマーは、反応混合物であって、自己架橋用モノマーを、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%by~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%by~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%by~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0032】
付加ポリマーは、必要に応じて、ビニル芳香族化合物の残基を含む構成単位を含み得る。ビニル芳香族化合物の非限定的な例としては、スチレン、α-メチルスチレン、α-クロロスチレン、およびビニルトルエンが挙げられる。ビニル芳香族化合物の残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも5重量%、例えば、少なくとも10重量%、例えば、少なくとも15重量%、例えば、少なくとも20重量%、例えば、少なくとも25重量%を含み得る。ビニル芳香族化合物の残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、80重量%以下、例えば、65重量%以下、例えば、50重量%以下、例えば、40重量%以下、例えば、30重量%以下、例えば、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、10重量%以下を含み得る。ビニル芳香族化合物の残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、1重量%~80重量%、例えば、1重量%~65重量%、例えば、1重量%~50重量%、例えば、1重量%~40重量%、例えば、1重量%~30重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、5重量%~80重量%、例えば、5重量%~65重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、5重量%~30重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、10重量%~80重量%、例えば、10重量%~65重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、10重量%~30重量%、例えば、10重量%~20重量%、例えば、10重量%~15重量%、例えば、15重量%~80重量%、例えば、15重量%~65重量%、例えば、15重量%~50重量%、例えば、15重量%~40重量%、例えば、15重量%~30重量%、例えば、15重量%~20重量%、例えば、20重量%~80重量%、例えば、20重量%~65重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、20重量%~30重量%、例えば、25重量%~80重量%、例えば、25重量%~65重量%、例えば、25重量%~50重量%、例えば、25重量%~40重量%、例えば、25重量%~30重量%を含み得る。付加ポリマーは、反応混合物であって、ビニル芳香族化合物を、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、例えば、1重量%~80重量%、例えば、1重量%~65重量%、例えば、1重量%~50重量%、例えば、1重量%~40重量%、例えば、1重量%~30重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、5重量%~80重量%、例えば、5重量%~65重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、5重量%~30重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、10重量%~80重量%、例えば、10重量%~65重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、10重量%~30重量%、例えば、10重量%~20重量%、例えば、10重量%~15重量%、例えば、15重量%~80重量%、例えば、15重量%~65重量%、例えば、15重量%~50重量%、例えば、15重量%~40重量%、例えば、15重量%~30重量%、例えば、15重量%~20重量%、例えば、20重量%~80重量%、例えば、20重量%~65重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、20重量%~30重量%、例えば、25重量%~80重量%、例えば、25重量%~65重量%、例えば、25重量%~50重量%、例えば、25重量%~40重量%、例えば、25重量%~30重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0033】
付加ポリマーは、必要に応じて、ビニルエステルモノマーの残基を含む構成単位を含み得る。本明細書で使用される場合、「ビニルエステル」モノマーは、構造C=C-O-C(O)-Rを有する化合物を指し、式中、Rは、1~5個の炭素原子を有するアルキル基である。ビニルエステルモノマーの非限定的な例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられる。ビニルエステルモノマーの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも5重量%、例えば、少なくとも10重量%、例えば、少なくとも15重量%、例えば、少なくとも20重量%、例えば、少なくとも25重量%を含み得る。ビニルエステルモノマーの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、80重量%以下、例えば、65重量%以下、例えば、50重量%以下、例えば、40重量%以下、例えば、30重量%以下、例えば、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、10重量%以下を含み得る。ビニルエステルモノマーの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、1重量%~80重量%、例えば、1重量%~65重量%、例えば、1重量%~50重量%、例えば、1重量%~40重量%、例えば、1重量%~30重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、5重量%~80重量%、例えば、5重量%~65重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、5重量%~30重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、10重量%~80重量%、例えば、10重量%~65重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、10重量%~30重量%、例えば、10重量%~20重量%、例えば、10重量%~15重量%、例えば、15重量%~80重量%、例えば、15重量%~65重量%、例えば、15重量%~50重量%、例えば、15重量%~40重量%、例えば、15重量%~30重量%、例えば、15重量%~20重量%、例えば、20重量%~80重量%、例えば、20重量%~65重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、20重量%~30重量%、例えば、25重量%~80重量%、例えば、25重量%~65重量%、例えば、25重量%~50重量%、例えば、25重量%~40重量%、例えば、25重量%~30重量%を含み得る。付加ポリマーは、反応混合物であって、ビニルエステルモノマーを、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、例えば、1重量%~80重量%、例えば、1重量%~65重量%、例えば、1重量%~50重量%、例えば、1重量%~40重量%、例えば、1重量%~30重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、5重量%~80重量%、例えば、5重量%~65重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、5重量%~30重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、10重量%~80重量%、例えば、10重量%~65重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、10重量%~30重量%、例えば、10重量%~20重量%、例えば、10重量%~15重量%、例えば、15重量%~80重量%、例えば、15重量%~65重量%、例えば、15重量%~50重量%、例えば、15重量%~40重量%、例えば、15重量%~30重量%、例えば、15重量%~20重量%、例えば、20重量%~80重量%、例えば、20重量%~65重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、20重量%~30重量%、例えば、25重量%~80重量%、例えば、25重量%~65重量%、例えば、25重量%~50重量%、例えば、25重量%~40重量%、例えば、25重量%~30重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0034】
付加ポリマーは、必要に応じて、他のα,β-エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含み得る。他のα,β-エチレン性不飽和モノマーの非限定的な例としては、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどの有機ニトリル、塩化アリルおよびアリルシアニドなどのアリルモノマー、1,3-ブタジエンおよび2-メチル-1,3-ブタジエンなどのモノマージエン、ならびにアセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEM)などのアセトアセトキシヤルキル(メタ)アクリレート(自己架橋用であり得る)が挙げられる。他のα,β-エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.5重量%を含み得る。他のα,β-エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、8重量%以下、例えば、6重量%以下、例えば、5重量%以下、例えば、4重量%以下、例えば、3重量%以下、例えば、2重量%以下、例えば、1.5重量%以下、例えば、1.0重量%以下を含み得る。他のα,β-エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、付加ポリマーの総重量に基づいて、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%by~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%by~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%by~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%を含み得る。付加ポリマーは、反応混合物であって、他のα,β-エチレン性不飽和モノマーを、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%by~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%by~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%by~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0035】
付加ポリマーは、官能基を含み得る。官能基は、例えば、活性水素官能基、複素環基、ケイ素含有官能基、およびそれらの任意の組み合わせを含み得、官能基は、上記のモノマーおよび任意の他の官能化エチレン性不飽和モノマーまたは後反応化合物の使用を通じて組み込まれ得る。本明細書で使用される場合、「活性水素官能基」という用語は、JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,Vol.49,page3181(1927)に記載されているゼレウィチノフ(Zerewitinoff)試験によって決定される、イソシアネートと反応性である基を指し、例えば、ヒドロキシル基、一級または二級アミノ基、カルボン酸基、およびチオール基を含む。本明細書で使用される場合、「複素環基」という用語は、環構造中の炭素に加えて、例えば、酸素、窒素、または硫黄などの少なくとも1つの原子を有する環状部分などの、環中に少なくとも2つの異なる元素を含有する環状基を指す。複素環基の非限定的な例としては、エポキシド、アジリジン、チオエポキシド、ラクタム、およびラクトンが挙げられる。加えて、エポキシド官能基が付加ポリマー上に存在する場合、付加ポリマー上のエポキシド官能基は、必要に応じて、β-ヒドロキシ官能性酸などの酸と後反応し得る。β-ヒドロキシ官能性酸の非限定的な例としては、クエン酸、酒石酸、および/または3-ヒドロキシ-2-ナフト酸などの芳香族酸が挙げられる。エポキシド官能基の開環反応により、(メタ)アクリル上にヒドロキシル官能基が得られる。
【0036】
モノマーおよび相対量は、得られた付加ポリマーが、100℃以下のTgを有するように選択され得る。得られた付加ポリマーは、例えば、少なくとも-50℃、例えば、少なくとも-40℃、例えば、-30℃、例えば、-20℃、例えば、-15℃、例えば、-10℃、例えば、-5℃、例えば、0℃のTgを有し得る。得られた付加ポリマーは、例えば、+70℃以下、例えば、+60℃以下、例えば、+50℃以下、例えば、+40℃以下、例えば、+25℃以下、例えば、+15℃以下、例えば、+10℃以下、例えば、+5℃以下、例えば、0℃以下のTgを有し得る。得られた付加ポリマーは、例えば、-50~+70℃、例えば、-50~+60℃、例えば、-50~+50℃、例えば、-50~+40℃、例えば、-50~+25℃、例えば、-50~+20℃、例えば、-50~+15℃、例えば、-50~+10℃、例えば、-50~+5℃、例えば、-50~0℃、例えば、-40~+50℃、例えば、-40~+40℃、例えば、-40~+25℃、例えば、-40~+20℃、例えば、-40~+15℃、例えば、-40~+10℃、例えば、-40~+5℃、例えば、-40~0℃、例えば、-30~+50℃、例えば、-30~+40℃、例えば、-30~+25℃、例えば、-30~+20℃、例えば、-30~+15℃、例えば、-30~+10℃、例えば、-30~+5℃、例えば、-30~0℃、例えば、-20~+50℃、例えば、-20~+40℃、例えば、-20~+25℃、例えば、-20~+20℃、例えば、-20~+15℃、例えば、-20~+10℃、例えば、-20~+5℃、例えば、-20~0℃、例えば、-15~+50℃、例えば、-15~+40℃、例えば、-15~+25℃、例えば、-15~+20℃、例えば、-15~+15℃、例えば、-15~+10℃、例えば、-15~+5℃、例えば、-15~0℃、例えば、-10~+50℃、例えば、-10~+40℃、例えば、-10~+25℃、例えば、-10~+20℃、例えば、-10~+15℃、例えば、-10~+10℃、例えば、-10~+5℃、例えば、-10~0℃、例えば、-5~+50℃、例えば、-5~+40℃、例えば、-5~+25℃、例えば、-5~+20℃、例えば、-5~+15℃、例えば、-5~+10℃、例えば、-5~+5℃、例えば、-5~0℃、例えば、0~+50℃、例えば、0~+40℃、例えば、0~+25℃、例えば、0~+20℃、例えば、0~+15℃のTgを有し得る。低温で許容される電池性能を確保するために、0℃未満のより低いTgが望ましい場合がある。
【0037】
付加ポリマーは、少なくとも1,000g/mol、例えば、少なくとも1,500g/mol、例えば、少なくとも2,500g/mol、例えば、少なくとも5,000g/mol、例えば、少なくとも7,500g/mol、例えば、少なくとも10,000g/molの数平均分子量を有し得る。付加ポリマーは、100,000g/mol以下、例えば、75,000g/mol以下、例えば、50,000g/mol以下、例えば、25,000g/mol以下、例えば、20,000g/mol以下、例えば、15,000g/mol以下、例えば、10,000g/mol以下、例えば、7,500g/mol以下の数平均分子量を有し得る。付加ポリマーは、1,000~100,000g/mol、例えば、1,000~75,000g/mol、例えば、1,000~50,000g/mol、例えば、1,000~25,000g/mol、例えば、1,000~20,000g/mol、例えば、1,000~15,000g/mol、例えば、1,000~12,500g/mol、例えば、1,000~10,000g/mol、例えば、1,000~7,500g/mol、例えば、1,500~100,000g/mol、例えば、1,500~75,000g/mol、例えば、1,500~50,000g/mol、例えば、1,500~25,000g/mol、例えば、1,500~20,000g/mol、例えば、1,500~15,000g/mol、例えば、1,500~12,500g/mol、例えば、1,500~10,000g/mol、例えば、1,500~7,500g/mol、例えば、2,500~100,000g/mol、例えば、2,500~75,000g/mol、例えば、2,500~50,000g/mol、例えば、2,500~25,000g/mol、例えば、2,500~20,000g/mol、例えば、2,500~15,000g/mol、例えば、2,500~12,500g/mol、例えば、2,500~10,000g/mol、例えば、2,500~7,500g/mol,5,000~100,000g/mol、例えば、5,000~75,000g/mol、例えば、5,000~50,000g/mol、例えば、5,000~25,000g/mol、例えば、5,000~20,000g/mol、例えば、5,000~15,000g/mol、例えば、5,000~12,500g/mol、例えば、5,000~10,000g/mol、例えば、5,000~7,500g/mol,7,500~100,000g/mol、例えば、7,500~75,000g/mol、例えば、7,500~50,000g/mol、例えば、7,500~25,000g/mol、例えば、7,500~20,000g/mol、例えば、7,500~15,000g/mol、例えば、7,500~12,500g/mol、例えば、7,500~10,000g/mol,10,000~100,000g/mol、例えば、10,000~75,000g/mol、例えば、10,000~50,000g/mol、例えば、10,000~25,000g/mol、例えば、10,000~20,000g/mol、例えば、10,000~15,000g/mol、例えば、10,000~12,500g/molの数平均分子量を有し得る。
【0038】
付加ポリマーは、少なくとも少なくとも2,000g/mol、例えば、少なくとも5,000g/mol、例えば、少なくとも10,000g/mol、例えば、少なくとも15,000g/mol、例えば、少なくとも20,000g/molの重量平均分子量を有し得る。付加ポリマーは、1,000,000g/mol以下、例えば、500,000g/mol以下、例えば、200,000g/mol以下、例えば、150,000g/mol以下、例えば、100,000g/mol以下、例えば、50,000g/mol以下、例えば、40,000g/mol以下、例えば、30,000g/mol以下、例えば、20,000g/mol以下、例えば、15,000g/mol以下の重量平均分子量を有し得る。付加ポリマーは、2,000~1,000,000g/mol、例えば、2,000~500,000g/mol、例えば、2,000~200,000g/mol、例えば、2,000~150,000g/mol、例えば、2,000~100,000g/mol、例えば、2,000~50,000g/mol、例えば、2,000~40,000g/mol、例えば、2,000~30,000g/mol、例えば、2,000~25,000g/mol、例えば、2,000~20,000g/mol、例えば、2,000~15,000g/mol、例えば、5,000~1,000,000g/mol、例えば、5,000~500,000g/mol、例えば、5,000~200,000g/mol、例えば、5,000~150,000g/mol、例えば、5,000~100,000g/mol、例えば、5,000~50,000g/mol、例えば、5,000~40,000g/mol、例えば、5,000~30,000g/mol、例えば、5,000~25,000g/mol、例えば、5,000~20,000g/mol、例えば、5,000~15,000g/mol、例えば、10,000~1,000,000g/mol、例えば、10,000~500,000g/mol、例えば、10,000~200,000g/mol、例えば、10,000~150,000g/mol、例えば、10,000~100,000g/mol、例えば、10,000~50,000g/mol、例えば、10,000~40,000g/mol、例えば、10,000~30,000g/mol、例えば、10,000~25,000g/mol、例えば、10,000~20,000g/mol、例えば、10,000~15,000g/mol、例えば、15,000~1,000,000g/mol、例えば、15,000~500,000g/mol、例えば、15,000~200,000g/mol、例えば、15,000~150,000g/mol、例えば、15,000~100,000g/mol、例えば、15,000~50,000g/mol、例えば、15,000~40,000g/mol、例えば、15,000~30,000g/mol、例えば、15,000~25,000g/mol、例えば、15,000~20,000g/mol、例えば、20,000~200,000g/mol、例えば、20,000~150,000g/mol、例えば、20,000~100,000g/mol、例えば、20,000~50,000g/mol、例えば、20,000~40,000g/mol、例えば、20,000~30,000g/mol、例えば、20,000~25,000g/molの重量平均分子量を有し得る。
【0039】
付加ポリマーは、重合性モノマーが、溶媒または溶媒の混合物を含む有機媒体中に溶解され、転換が完了するまでフリーラジカル開始剤の存在下で重合される、従来のフリーラジカル開始溶液重合技術によって調製され得る。
【0040】
フリーラジカル開始剤の例としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(α、γ-メチルバレロニトリル)、ターシャリーブチルペルベンゾエート、ターシャリーブチルペルアセテート、ベンゾイルペルオキシド、ジターシャリーブチルペルオキシド、ジターシャリーアミルペルオキシド、およびターシャリーアミルペルオキシ2-エチルヘキシルカーボネートなどの、モノマーまたは有機媒体の混合物に可溶性であるものがある。
【0041】
必要に応じて、アルキルメルカプタンなどのモノマー、例えば、ターシャリードデシルメルカプタン、メチルエチルケトンなどのケトン、クロロホルムなどのクロロハイドロカーボンの混合物中に可溶性である連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤は、様々なコーティング塗布に必要な粘度を有する生成物を与えるように、分子量を制御する。
【0042】
付加ポリマーを調製するために、溶媒を最初に加熱して還流してもよく、重合性モノマーの混合物およびフリーラジカル開始剤を別にゆっくりと還流溶媒に添加してもよい。次いで、重合性モノマーの混合物の総重量に基づいて、遊離モノマー含有量を1.0パーセントを下回るように、通常は0.5パーセントを下回るように低減するように、重合温度で保持する。
【0043】
付加ポリマーは、連続撹拌タンク反応器プロセスによって調製され得る。例えば、モノマー、開始剤、および必要に応じた溶媒を第1の連続撹拌タンク反応器に添加し、高温および高圧下で所定の滞留時間保持してもよく、次いで、生成物を第2の連続撹拌タンク反応器に連続的に供給し、付加モノマーおよび開始剤と合わせて、高温および高圧下で所定の滞留時間保持してもよく、次いで、第2の連続撹拌タンク反応器の生成物を、モノマーおよび開始剤が第2の連続撹拌反応タンク反応器に連続的に添加されるときに、第2の連続撹拌タンク反応器で一定の充填レベルを維持した速度で収集容器に連続的に供給してもよい。例示的なプロセスは、実施例セクションに含まれる。
【0044】
付加ポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも2重量%、例えば、少なくとも3重量%、例えば、少なくとも4重量%、例えば、少なくとも5重量%の量で、結合剤中に存在し得る。付加ポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、25重量%以下、例えば、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、12.5重量%以下、例えば、10重量%以下、例えば、5重量%以下の量で、結合剤中に存在し得る。付加ポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~25重量%、例えば、0.1重量%~20重量%、例えば、0.1重量%~15重量%、例えば、0.1重量%~12.5重量%、例えば、0.1重量%~10重量%、例えば、0.1重量%~5重量%、例えば、1重量%~25重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~12.5重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、2重量%~25重量%、例えば、2重量%~20重量%、例えば、2重量%~15重量%、例えば、2重量%~12.5重量%、例えば、2重量%~10重量%、例えば、2重量%~5重量%、例えば、3重量%~25重量%、例えば、3重量%~20重量%、例えば、3重量%~15重量%、例えば、3重量%~12.5重量%、例えば、3重量%~10重量%、例えば、3重量%~5重量%、例えば、4重量%~25重量%、例えば、4重量%~20重量%、例えば、4重量%~15重量%、例えば、4重量%~12.5重量%、例えば、4重量%~10重量%、例えば、4重量%~5重量%、例えば、5重量%~25重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~12.5重量%、例えば、5重量%~10重量%の量で、結合剤中に存在し得る。
【0045】
付加ポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.3重量%、例えば、少なくとも1.5重量%、例えば、少なくとも1.9重量%の量で、スラリー組成物中に存在し得る。付加ポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、10重量%以下、例えば、6重量%以下、例えば、4.5重量%以下、例えば、2.9重量%以下、例えば、2.5重量%以下、例えば、2重量%以下の量で、スラリー組成物中に存在し得る。付加ポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、0.1重量%~10重量%、例えば、0.1重量%~6重量%、例えば、0.1重量%~4.5重量%、例えば、0.1重量%~2.9重量%、例えば、0.1重量%~2.5重量%、例えば、0.1重量%~2重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~4.5重量%、例えば、1重量%~2.9重量%、例えば、1重量%~2.5重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1.3重量%~10重量%、例えば、1.3重量%~6重量%、例えば、1.3重量%~4.5重量%、例えば、1.3重量%~2.9重量%、例えば、1.3重量%~2.5重量%、例えば、1.3重量%~2重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%~4.5重量%、例えば、1.5重量%~2.9重量%、例えば、1.5重量%~2.5重量%、例えば、1.5重量%~2重量%、例えば、1.9重量%~10重量%、例えば、1.9重量%~6重量%、例えば、1.9重量%~4.5重量%、例えば、1.9重量%~2.9重量%、例えば、1.9重量%~2.5重量%、例えば、1.9重量%~2重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~4.5重量%、例えば、1重量%~2.9重量%、例えば、1重量%~2.5重量%、例えば、1重量%~2重量%の量で、スラリー組成物中に存在し得る。
【0046】
結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、必要に応じて、非ポリマーアルコキシシラン化合物を更に含み得る。本明細書で使用される場合、「非ポリマーアルコキシシラン化合物」という用語は、不飽和モノマーの重合生成物ではない少なくとも1つのモノ、ジ、またはトリアルコキシシラン官能基を含む化合物を指す。非ポリマーアルコキシシラン化合物は、例えば、アミノシラン、エポキシシラン、またはメルカプトシランを含み得る。非ポリマーアルコキシシラン化合物のアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、テル-ブトキシ、またはトリエタノールアミン(シラトラン)、およびそれらの組み合わせを含み得る。非ポリマーアルコキシシラン化合物は、一般式X-R1-Si(OR2)3に従ってもよく、Xは、-NH2、-SH、または隣接する炭素原子に結合した酸素であり、R1は、アルキレン基であり、R2は、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、テル-ブチル、またはN(C2H2)3(すなわち、トリエタノールアミン(シラトラン))の組み合わせである。非ポリマーアルコキシシラン化合物は、1,000g/mol未満の数平均分子量を有し得る。非限定的な例としては、例えば、とりわけ、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、5,6-エポキシヘキシルトリエトキシシランが挙げられる。結合剤組成物および/またはスラリー組成物はまた、非ポリマーアルコキシシラン化合物の組み合わせを含み得る。
【0047】
非ポリマーアルコキシシラン化合物は、結合剤固体の総重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、例えば、少なくとも0.25重量%、例えば、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%の量で存在し得る。非ポリマーアルコキシシラン化合物は、結合剤固体の総重量に基づいて、10重量%以下、例えば、5重量%以下、例えば、3重量%以下の量で存在し得る。非ポリマーアルコキシシラン化合物は、結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~10重量%、例えば、0.1重量%~5重量%、例えば、0.1重量%~3重量%、例えば、0.25重量%~10重量%、例えば、0.25重量%~5重量%、例えば、0.25重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、1重量%~3重量%の量で存在し得る。
【0048】
結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、必要に応じて、(メタ)アクリルポリマーを更に含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、付加ポリマーとは異なり、ケイ素含有官能基を含まなくてもよい。(メタ)アクリルポリマーは、1つまたは1つより多くのエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、1つまたは1つより多くのエチレン性不飽和モノマーを含むα,β-エチレン性不飽和モノマーの反応混合物を重合させることによって調製され得る。(メタ)アクリルポリマーは、ブロックポリマー、ランダムポリマー、またはグラジエントポリマーの形態であり得る。
【0049】
(メタ)アクリルポリマーは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、1つまたは1つより多くの活性水素基を含むエチレン性不飽和モノマー、複素環基を含むエチレン性不飽和モノマー、ケイ素含有官能基を含むエチレン性不飽和モノマー、および他のエチレン性不飽和モノマーの残基を含むか、またはそれらに由来し得る構成単位を含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、官能基を含み得、官能基は、別の化合物と後反応し得る。例えば、エポキシ官能性モノマー(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート)を通じて組み込まれた、得られた(メタ)アクリルポリマー上のエポキシ官能基は、ヒドロキシ官能性酸、例えば、クエン酸、酒石酸、および/または3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸などのβ-ヒドロキシ官能性酸と後反応して、(メタ)アクリルポリマー上のヒドロキシル官能基を生じさせ得る。
【0050】
(メタ)アクリルポリマーは、必要に応じて、アルキル基中に1~18個の炭素原子、例えば、アルキル基中に1~10個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位を含み得る。アルキル基中に1~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの非限定的な例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、およびドデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル基中に1~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、少なくとも30重量%、例えば、少なくとも35重量%、例えば、少なくとも40重量%、例えば、少なくとも45重量%、例えば、少なくとも47.5重量%を含み得る。アルキル基中に1~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、96%以下、例えば、90%以下、例えば、85%以下、例えば、80%以下、例えば、75%以下、例えば、70%以下、例えば、65%以下を含み得る。アルキル基中に1~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、30重量%~96重量%、例えば、30重量%~90重量%、例えば、30重量%~85重量%、例えば、30重量%~80重量%、例えば、30重量%~75重量%、例えば、30重量%~70重量%、例えば、30重量%~65重量%、例えば、35重量%~96重量%、例えば、35重量%~90重量%、例えば、35重量%~85重量%、例えば、35重量%~80重量%、例えば、35重量%~75重量%、例えば、35重量%~70重量%、例えば、35重量%~65重量%、例えば、40重量%~96重量%、例えば、40重量%~90重量%、例えば、40重量%~85重量%、例えば、40重量%~80重量%、例えば、40重量%~75重量%、例えば、40重量%~70重量%、例えば、40重量%~65重量%、例えば、45重量%~96重量%、例えば、45重量%~90重量%、例えば、45重量%~85重量%、例えば、45重量%~80重量%、例えば、45重量%~75重量%、例えば、45重量%~70重量%、例えば、45重量%~65重量%、例えば、47.5重量%~96重量%、例えば、47.5重量%~90重量%、例えば、47.5重量%~85重量%、例えば、47.5重量%~80重量%、例えば、47.5重量%~75重量%、例えば、47.5重量%~70重量%、例えば、47.5重量%~65重量%を含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、反応混合物であって、アルキル基中に1~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、30重量%~96重量%、例えば、30重量%~90重量%、例えば、30重量%~85重量%、例えば、30重量%~80重量%、例えば、30重量%~75重量%、例えば、30重量%~70重量%、例えば、30重量%~65重量%、例えば、35重量%~96重量%、例えば、35重量%~90重量%、例えば、35重量%~85重量%、例えば、35重量%~80重量%、例えば、35重量%~75重量%、例えば、35重量%~70重量%、例えば、35重量%~65重量%、例えば、40重量%~96重量%、例えば、40重量%~90重量%、例えば、40重量%~85重量%、例えば、40重量%~80重量%、例えば、40重量%~75重量%、例えば、40重量%~70重量%、例えば、40重量%~65重量%、例えば、45重量%~96重量%、例えば、45重量%~90重量%、例えば、45重量%~85重量%、例えば、45重量%~80重量%、例えば、45重量%~75重量%、例えば、45重量%~70重量%、例えば、45重量%~65重量%、例えば、47.5重量%~96重量%、例えば、47.5重量%~90重量%、例えば、47.5重量%~85重量%、例えば、47.5重量%~80重量%、例えば、47.5重量%~75重量%、例えば、47.5重量%~70重量%、例えば、47.5重量%~65重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0051】
アルキル基中に1~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルは、(メタ)アクリルポリマーが、アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位を必要に応じて含むように、アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを含み得る。アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの非限定的な例としては、メチル(メタ)アクリレートおよびエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、少なくとも30重量%、例えば、少なくとも35重量%、例えば、少なくとも40重量%、例えば、少なくとも45重量%、例えば、少なくとも47.5重量%を含み得る。アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、96%以下、例えば、90%以下、例えば、85%以下、例えば、80%以下、例えば、75%以下、例えば、70%以下、例えば、65%以下を含み得る。アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、30重量%~96重量%、例えば、30重量%~90重量%、例えば、30重量%~85重量%、例えば、30重量%~80重量%、例えば、30重量%~75重量%、例えば、30重量%~70重量%、例えば、30重量%~65重量%、例えば、35重量%~96重量%、例えば、35重量%~90重量%、例えば、35重量%~85重量%、例えば、35重量%~80重量%、例えば、35重量%~75重量%、例えば、35重量%~70重量%、例えば、35重量%~65重量%、例えば、40重量%~96重量%、例えば、40重量%~90重量%、例えば、40重量%~85重量%、例えば、40重量%~80重量%、例えば、40重量%~75重量%、例えば、40重量%~70重量%、例えば、40重量%~65重量%、例えば、45重量%~96重量%、例えば、45重量%~90重量%、例えば、45重量%~85重量%、例えば、45重量%~80重量%、例えば、45重量%~75重量%、例えば、45重量%~70重量%、例えば、45重量%~65重量%、例えば、47.5重量%~96重量%、例えば、47.5重量%~90重量%、例えば、47.5重量%~85重量%、例えば、47.5重量%~80重量%、例えば、47.5重量%~75重量%、例えば、47.5重量%~70重量%、例えば、47.5重量%~65重量%を含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、反応混合物であって、アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを、各(メタ)アクリルポリマーの反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、30重量%~96重量%、例えば、30重量%~90重量%、例えば、30重量%~85重量%、例えば、30重量%~80重量%、例えば、30重量%~75重量%、例えば、30重量%~70重量%、例えば、30重量%~65重量%、例えば、35重量%~96重量%、例えば、35重量%~90重量%、例えば、35重量%~85重量%、例えば、35重量%~80重量%、例えば、35重量%~75重量%、例えば、35重量%~70重量%、例えば、35重量%~65重量%、例えば、40重量%~96重量%、例えば、40重量%~90重量%、例えば、40重量%~85重量%、例えば、40重量%~80重量%、例えば、40重量%~75重量%、例えば、40重量%~70重量%、例えば、40重量%~65重量%、例えば、45重量%~96重量%、例えば、45重量%~90重量%、例えば、45重量%~85重量%、例えば、45重量%~80重量%、例えば、45重量%~75重量%、例えば、45重量%~70重量%、例えば、45重量%~65重量%、例えば、47.5重量%~96重量%、例えば、47.5重量%~90重量%、例えば、47.5重量%~85重量%、例えば、47.5重量%~80重量%、例えば、47.5重量%~75重量%、例えば、47.5重量%~70重量%、例えば、47.5重量%~65重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0052】
アルキル基中に1~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルは、(メタ)アクリルポリマーが、必要に応じて、アルキル基中に4~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位を含み得るように、アルキル基中に4~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを含み得る。アルキル基中に4~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの非限定的な例としては、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、およびドデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル基中に4~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、少なくとも2重量%、例えば、少なくとも5重量%、例えば、少なくとも10重量%、例えば、少なくとも15重量%、例えば、少なくとも18重量%、例えば、少なくとも18重量%を含み得る。アルキル基中に4~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、60重量%以下、例えば、50重量%以下、例えば、45重量%以下、例えば、40重量%以下、例えば、35重量%以下を含み得る。アルキル基中に4~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、2重量%~60重量%、例えば、2重量%~50重量%、例えば、2重量%~45重量%、例えば、2重量%~40重量%、例えば、2重量%~35重量%、例えば、5重量%~60重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、5重量%~45重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、5重量%~35重量%、例えば、10重量%~60重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、10重量%~45重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、10重量%~35重量%、例えば、15重量%~60重量%、例えば、15重量%~50重量%、例えば、15重量%~45重量%、例えば、15重量%~40重量%、例えば、15重量%~35重量%、例えば、18重量%~60重量%、例えば、18重量%~50重量%、例えば、18重量%~45重量%、例えば、18重量%~40重量%、例えば、18重量%~35重量%、例えば、20重量%~60重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、20重量%~45重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、20重量%~35重量%を含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、反応混合物であって、アルキル基中に4~18個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、2重量%~60重量%、例えば、2重量%~50重量%、例えば、2重量%~45重量%、例えば、2重量%~40重量%、例えば、2重量%~35重量%、例えば、5重量%~60重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、5重量%~45重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、5重量%~35重量%、例えば、10重量%~60重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、10重量%~45重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、10重量%~35重量%、例えば、15重量%~60重量%、例えば、15重量%~50重量%、例えば、15重量%~45重量%、例えば、15重量%~40重量%、例えば、15重量%~35重量%、例えば、18重量%~60重量%、例えば、18重量%~50重量%、例えば、18重量%~45重量%、例えば、18重量%~40重量%、例えば、18重量%~35重量%、例えば、20重量%~60重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、20重量%~45重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、20重量%~35重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0053】
(メタ)アクリルポリマーは、必要に応じて、ヒドロキシアルキルエステルの残基を含む構成単位を含み得る。ヒドロキシアルキルエステルの非限定的な例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。ヒドロキシアルキルエステルの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.5重量%を含み得る。ヒドロキシアルキルエステルの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、8重量%以下、例えば、6重量%以下、例えば、5重量%以下、例えば、4重量%以下、例えば、3重量%以下、例えば、2重量%以下、例えば、1.5重量%以下、例えば、1.0重量%以下を含み得る。ヒドロキシアルキルエステルの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%を含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、反応混合物であって、ヒドロキシアルキルエステルを、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。(メタ)アクリルポリマー中のヒドロキシアルキルエステルの残基を含む構成単位の包含は、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む(メタ)アクリルポリマーをもたらす(ただし、ヒドロキシル基は他の方法によって含まれ得る)。ヒドロキシアルキルエステルの包含から生じるヒドロキシル基(または他の手段によって組み込まれる)は、ヒドロキシル基と反応する基を有する自己架橋用モノマーが(メタ)アクリルポリマーに組み込まれるときに、例えば、アミノプラスト、フェノールプラスト、およびポリエポキシドなどのヒドロキシル基と反応する官能基を含む別に添加された架橋剤と、または(メタ)アクリルポリマー中に存在するN-アルコキシメチルアミド基と反応し得る。
【0054】
(メタ)アクリルポリマーは、必要に応じて、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位を含み得る。α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の非限定的な例としては、アクリル酸およびメタクリル酸などの最大10個の炭素原子を含有するものが挙げられる。他の不飽和酸の非限定的な例は、マレイン酸またはその無水物、フマル酸およびイタコン酸などのα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸である。また、これらのジカルボン酸の半分のエステルが用いられ得る。存在する場合、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.5重量%を含み得る。存在する場合、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、10重量%以下、例えば、8重量%以下、例えば、6重量%以下、例えば、5重量%以下、例えば、4重量%以下、例えば、3重量%以下、例えば、2重量%以下、例えば、1.5重量%以下、例えば、1.0重量%以下を含み得る。α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば1.5重量%~2重量%を含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、反応混合物であって、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸を、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば1.5重量%~2重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。(メタ)アクリルポリマー中のα,β-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位の包含は、少なくとも1つのカルボン酸基を含む(メタ)アクリルポリマーをもたらす。
【0055】
(メタ)アクリルポリマーは、必要に応じて、複素環基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含み得る。複素環式基を含むエチレン性不飽和モノマーの非限定的な例としては、とりわけ、エポキシ官能性エチレン性不飽和モノマー(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート)、ビニルピロリドン、およびビニルカプロラクタムなどが挙げられる。複素環基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、存在する場合、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも2重量%、例えば、少なくとも3重量%、例えば、少なくとも4重量%、例えば、少なくとも5重量%、例えば、少なくとも8重量%を含み得る。複素環基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、存在する場合、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、10重量%以下、例えば、5重量%以下を含み得る。複素環式基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、0重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、2重量%~20重量%、例えば、2重量%~15重量%、例えば、2重量%~10重量%、例えば、2重量%~5重量%、例えば、3重量%~20重量%、例えば、3重量%~15重量%、例えば、3重量%~10重量%、例えば、3重量%~5重量%、例えば、4重量%~20重量%、例えば、4重量%~15重量%、例えば、4重量%~10重量%、例えば、4重量%~5重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、8重量%~20重量%、例えば、8重量%~15重量%、例えば、8重量%~10重量%を含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、反応混合物であって、複素環基を含むエチレン性不飽和モノマーを、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、例えば、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、2重量%~20重量%、例えば、2重量%~15重量%、例えば、2重量%~10重量%、例えば、2重量%~5重量%、例えば、3重量%~20重量%、例えば、3重量%~15重量%、例えば、3重量%~10重量%、例えば、3重量%~5重量%、例えば、4重量%~20重量%、例えば、4重量%~15重量%、例えば、4重量%~10重量%、例えば、4重量%~5重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、8重量%~20重量%、例えば、8重量%~15重量%、例えば、8重量%~10重量%量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0056】
上記のように、(メタ)アクリルポリマーは、必要に応じて、自己架橋用モノマーの残基を含む構成単位を含み得、(メタ)アクリルポリマーは、自己架橋用(メタ)アクリルポリマーを含み得る。本明細書で使用される場合、「自己架橋用モノマー」という用語は、(メタ)アクリルポリマー上に存在する活性水素官能基と反応し得る官能基を組み込んで、(メタ)アクリルポリマーまたは2つ以上の(メタ)アクリルポリマーの間に架橋を形成し得るモノマーを指し、「自己架橋用モノマー」という用語は、ケイ素含有基を有するモノマーを明示的に除外する。自己架橋用モノマーの非限定的な例としては、N-アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドモノマー、例えば、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドおよびN-イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。自己架橋用モノマーの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.5重量%を含み得る。自己架橋用モノマーの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、8重量%以下、例えば、6重量%以下、例えば、5重量%以下、例えば、4重量%以下、例えば、3重量%以下、例えば、2重量%以下、例えば、1.5重量%以下、例えば、1.0重量%以下を含み得る。自己架橋用モノマーの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%を含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、反応混合物であって、自己架橋用モノマーを、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0057】
(メタ)アクリルポリマーは、必要に応じて、ビニル芳香族化合物の残基を含む構成単位を含み得る。ビニル芳香族化合物の非限定的な例としては、スチレン、α-メチルスチレン、α-クロロスチレン、およびビニルトルエンが挙げられる。ビニル芳香族化合物の残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも5重量%、例えば、少なくとも10重量%、例えば、少なくとも15重量%、例えば、少なくとも20重量%、例えば、少なくとも25重量%を含み得る。ビニル芳香族化合物の残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、80重量%以下、例えば、65重量%以下、例えば、50重量%以下、例えば、40重量%以下、例えば、30重量%以下、例えば、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、10重量%以下を含み得る。ビニル芳香族化合物の残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、1重量%~80重量%、例えば、1重量%~65重量%、例えば、1重量%~50重量%、例えば、1重量%~40重量%、例えば、1重量%~30重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、5重量%~80重量%、例えば、5重量%~65重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、5重量%~30重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、10重量%~80重量%、例えば、10重量%~65重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、10重量%~30重量%、例えば、10重量%~20重量%、例えば、10重量%~15重量%、例えば、15重量%~80重量%、例えば、15重量%~65重量%、例えば、15重量%~50重量%、例えば、15重量%~40重量%、例えば、15重量%~30重量%、例えば、15重量%~20重量%、例えば、20重量%~80重量%、例えば、20重量%~65重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、20重量%~30重量%、例えば、25重量%~80重量%、例えば、25重量%~65重量%、例えば、25重量%~50重量%、例えば、25重量%~40重量%、例えば、25重量%~30重量%を含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、反応混合物であって、ビニル芳香族化合物を、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、例えば、1重量%~80重量%、例えば、1重量%~65重量%、例えば、1重量%~50重量%、例えば、1重量%~40重量%、例えば、1重量%~30重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、5重量%~80重量%、例えば、5重量%~65重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、5重量%~30重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、10重量%~80重量%、例えば、10重量%~65重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、10重量%~30重量%、例えば、10重量%~20重量%、例えば、10重量%~15重量%、例えば、15重量%~80重量%、例えば、15重量%~65重量%、例えば、15重量%~50重量%、例えば、15重量%~40重量%、例えば、15重量%~30重量%、例えば、15重量%~20重量%、例えば、20重量%~80重量%、例えば、20重量%~65重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、20重量%~30重量%、例えば、25重量%~80重量%、例えば、25重量%~65重量%、例えば、25重量%~50重量%、例えば、25重量%~40重量%、例えば、25重量%~30重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0058】
(メタ)アクリルポリマーは、必要に応じて、ビニルエステルモノマーの残基を含む構成単位を含み得る。本明細書で使用される場合、「ビニルエステル」モノマーは、構造C=C-O-C(O)-Rを有する化合物を指し、式中、Rは、1~5個の炭素原子を有するアルキル基である。ビニルエステルモノマーの非限定的な例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられる。ビニルエステルモノマーの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも5重量%、例えば、少なくとも10重量%、例えば、少なくとも15重量%、例えば、少なくとも20重量%、例えば、少なくとも25重量%を含み得る。ビニルエステルモノマーの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、80重量%以下、例えば、65重量%以下、例えば、50重量%以下、例えば、40重量%以下、例えば、30重量%以下、例えば、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、10重量%以下を含み得る。ビニルエステルモノマーの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、1重量%~80重量%、例えば、1重量%~65重量%、例えば、1重量%~50重量%、例えば、1重量%~40重量%、例えば、1重量%~30重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、5重量%~80重量%、例えば、5重量%~65重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、5重量%~30重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、10重量%~80重量%、例えば、10重量%~65重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、10重量%~30重量%、例えば、10重量%~20重量%、例えば、10重量%~15重量%、例えば、15重量%~80重量%、例えば、15重量%~65重量%、例えば、15重量%~50重量%、例えば、15重量%~40重量%、例えば、15重量%~30重量%、例えば、15重量%~20重量%、例えば、20重量%~80重量%、例えば、20重量%~65重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、20重量%~30重量%、例えば、25重量%~80重量%、例えば、25重量%~65重量%、例えば、25重量%~50重量%、例えば、25重量%~40重量%、例えば、25重量%~30重量%を含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、反応混合物であって、ビニルエステルモノマーを、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、例えば、1重量%~80重量%、例えば、1重量%~65重量%、例えば、1重量%~50重量%、例えば、1重量%~40重量%、例えば、1重量%~30重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、5重量%~80重量%、例えば、5重量%~65重量%、例えば、5重量%~50重量%、例えば、5重量%~40重量%、例えば、5重量%~30重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~10重量%、例えば、10重量%~80重量%、例えば、10重量%~65重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、10重量%~30重量%、例えば、10重量%~20重量%、例えば、10重量%~15重量%、例えば、15重量%~80重量%、例えば、15重量%~65重量%、例えば、15重量%~50重量%、例えば、15重量%~40重量%、例えば、15重量%~30重量%、例えば、15重量%~20重量%、例えば、20重量%~80重量%、例えば、20重量%~65重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、20重量%~30重量%、例えば、25重量%~80重量%、例えば、25重量%~65重量%、例えば、25重量%~50重量%、例えば、25重量%~40重量%、例えば、25重量%~30重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0059】
(メタ)アクリルポリマーは、必要に応じて、他のα,β-エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含み得る。他のα,β-エチレン性不飽和モノマーの非限定的な例としては、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどの有機ニトリル、塩化アリルおよびアリルシアニドなどのアリルモノマー、1,3-ブタジエンおよび2-メチル-1,3-ブタジエンなどのモノマージエン、ならびにアセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEM)などのアセトアセトキシヤルキル(メタ)アクリレート(自己架橋用であり得る)が挙げられる。他のα,β-エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.5重量%を含み得る。他のα,β-エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、8重量%以下、例えば、6重量%以下、例えば、5重量%以下、例えば、4重量%以下、例えば、3重量%以下、例えば、2重量%以下、例えば、1.5重量%以下、例えば、1.0重量%以下を含み得る。他のα,β-エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%を含み得る。(メタ)アクリルポリマーは、反応混合物であって、他のα,β-エチレン性不飽和モノマーを、反応混合物に使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~8重量%、例えば、0.5重量%~6重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2重量%、例えば、0.5重量%~1.5重量%、例えば、0.5重量%~1.0重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~8重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1重量%~1.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~8重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2重量%の量で含む、反応混合物、に由来し得る。
【0060】
(メタ)アクリルポリマーは、官能基を含み得る。官能基は、例えば、活性水素官能基、複素環基、ケイ素含有官能基、およびそれらの任意の組み合わせを含み得、官能基は、上記のモノマーおよび任意の他の官能化エチレン性不飽和モノマーまたは後反応化合物の使用を通じて組み込まれ得る。加えて、エポキシド官能基が(メタ)アクリルポリマー上に存在する場合、(メタ)アクリルポリマー上のエポキシド官能基は、必要に応じて、β-ヒドロキシ官能性酸などの酸と後反応し得る。β-ヒドロキシ官能性酸の非限定的な例としては、クエン酸、酒石酸、および/または3-ヒドロキシ-2-ナフト酸などの芳香族酸が挙げられる。エポキシド官能基の開環反応により、(メタ)アクリル上にヒドロキシル官能基が得られる。
【0061】
モノマーおよび相対量は、得られた(メタ)アクリルポリマーが、100℃以下のTgを有するように選択され得る。得られた(メタ)アクリルポリマーは、例えば、少なくとも-50℃、例えば、少なくとも-40℃、例えば、-30℃、例えば、-20℃、例えば、-15℃、例えば、-10℃、例えば、-5℃、例えば、0℃のTgを有し得る。得られた(メタ)アクリルポリマーは、例えば、+70℃以下、例えば、+60℃以下、例えば、+50℃以下、例えば、+40℃以下、例えば、+25℃以下、例えば、+15℃以下、例えば、+10℃以下、例えば、+5℃以下、例えば、0℃以下のTgを有し得る。得られた(メタ)アクリルポリマーは、例えば、-50~+70℃、例えば、-50~+60℃、例えば、-50~+50℃、例えば、-50~+40℃、例えば、-50~+25℃、例えば、-50~+20℃、例えば、-50~+15℃、例えば、-50~+10℃、例えば、-50~+5℃、例えば、-50~0℃、例えば、-40~+50℃、例えば、-40~+40℃、例えば、-40~+25℃、例えば、-40~+20℃、例えば、-40~+15℃、例えば、-40~+10℃、例えば、-40~+5℃、例えば、-40~0℃、例えば、-30~+50℃、例えば、-30~+40℃、例えば、-30~+25℃、例えば、-30~+20℃、例えば、-30~+15℃、例えば、-30~+10℃、例えば、-30~+5℃、例えば、-30~0℃、例えば、-20~+50℃、例えば、-20~+40℃、例えば、-20~+25℃、例えば、-20~+20℃、例えば、-20~+15℃、例えば、-20~+10℃、例えば、-20~+5℃、例えば、-20~0℃、例えば、-15~+50℃、例えば、-15~+40℃、例えば、-15~+25℃、例えば、-15~+20℃、例えば、-15~+15℃、例えば、-15~+10℃、例えば、-15~+5℃、例えば、-15~0℃、例えば、-10~+50℃、例えば、-10~+40℃、例えば、-10~+25℃、例えば、-10~+20℃、例えば、-10~+15℃、例えば、-10~+10℃、例えば、-10~+5℃、例えば、-10~0℃、例えば、-5~+50℃、例えば、-5~+40℃、例えば、-5~+25℃、例えば、-5~+20℃、例えば、-5~+15℃、例えば、-5~+10℃、例えば、-5~+5℃、例えば、-5~0℃、例えば、0~+50℃、例えば、0~+40℃、例えば、0~+25℃、例えば、0~+20℃、例えば、0~+15℃のTgを有し得る。低温での許容可能な電池性能を確保するために、0℃未満のより低いTgが望ましい場合がある。
【0062】
(メタ)アクリルポリマーは、少なくとも1,000g/mol、例えば、少なくとも1,500g/mol、例えば、少なくとも2,500g/mol、例えば、少なくとも5,000g/mol、例えば、少なくとも7,500g/mol、例えば、少なくとも10,000g/molの数平均分子量を有し得る。(メタ)アクリルポリマーは、100,000g/mol以下、例えば、75,000g/mol以下、例えば、50,000g/mol以下、例えば、25,000g/mol以下、例えば、20,000g/mol以下、例えば、15,000g/mol以下、例えば、10,000g/mol以下、例えば、7,500g/mol以下の数平均分子量を有し得る。(メタ)アクリルポリマーは、1,000~100,000g/mol、例えば、1,000~75,000g/mol、例えば、1,000~50,000g/mol、例えば、1,000~25,000g/mol、例えば、1,000~20,000g/mol、例えば、1,000~15,000g/mol、例えば、1,000~12,500g/mol、例えば、1,000~10,000g/mol、例えば、1,000~7,500g/mol、例えば、1,500~100,000g/mol、例えば、1,500~75,000g/mol、例えば、1,500~50,000g/mol、例えば、1,500~25,000g/mol、例えば、1,500~20,000g/mol、例えば、1,500~15,000g/mol、例えば、1,500~12,500g/mol、例えば、1,500~10,000g/mol、例えば、1,500~7,500g/mol、例えば、2,500~100,000g/mol、例えば、2,500~75,000g/mol、例えば、2,500~50,000g/mol、例えば、2,500~25,000g/mol、例えば、2,500~20,000g/mol、例えば、2,500~15,000g/mol、例えば、2,500~12,500g/mol、例えば、2,500~10,000g/mol、例えば、2,500~7,500g/mol,5,000~100,000g/mol、例えば、5,000~75,000g/mol、例えば、5,000~50,000g/mol、例えば、5,000~25,000g/mol、例えば、5,000~20,000g/mol、例えば、5,000~15,000g/mol、例えば、5,000~12,500g/mol、例えば、5,000~10,000g/mol、例えば、5,000~7,500g/mol,7,500~100,000g/mol、例えば、7,500~75,000g/mol、例えば、7,500~50,000g/mol、例えば、7,500~25,000g/mol、例えば、7,500~20,000g/mol、例えば、7,500~15,000g/mol、例えば、7,500~12,500g/mol、例えば、7,500~10,000g/mol,10,000~100,000g/mol、例えば、10,000~75,000g/mol、例えば、10,000~50,000g/mol、例えば、10,000~25,000g/mol、例えば、10,000~20,000g/mol、例えば、10,000~15,000g/mol、例えば、10,000~12,500g/molの数平均分子量を有し得る。
【0063】
(メタ)アクリルポリマーは、少なくとも少なくとも2,000g/mol、例えば、少なくとも5,000g/mol、例えば、少なくとも10,000g/mol、例えば、少なくとも15,000g/mol、例えば、少なくとも20,000g/molの重量平均分子量を有し得る。(メタ)アクリルポリマーは、1,000,000g/mol以下、例えば、500,000g/mol以下、例えば、200,000g/mol以下、例えば、150,000g/mol以下、例えば、100,000g/mol以下、例えば、50,000g/mol以下、例えば、40,000g/mol以下、例えば、30,000g/mol以下、例えば、20,000g/mol以下、例えば、15,000g/mol以下の重量平均分子量を有し得る。(メタ)アクリルポリマーは、2,000~1,000,000g/mol、例えば、2,000~500,000g/mol、例えば、2,000~200,000g/mol、例えば、2,000~150,000g/mol、例えば、2,000~100,000g/mol、例えば、2,000~50,000g/mol、例えば、2,000~40,000g/mol、例えば、2,000~30,000g/mol、例えば、2,000~25,000g/mol、例えば、2,000~20,000g/mol、例えば、2,000~15,000g/mol、例えば、5,000~1,000,000g/mol、例えば、5,000~500,000g/mol、例えば、5,000~200,000g/mol、例えば、5,000~150,000g/mol、例えば、5,000~100,000g/mol、例えば、5,000~50,000g/mol、例えば、5,000~40,000g/mol、例えば、5,000~30,000g/mol、例えば、5,000~25,000g/mol、例えば、5,000~20,000g/mol、例えば、5,000~15,000g/mol、例えば、10,000~1,000,000g/mol、例えば、10,000~500,000g/mol、例えば、10,000~200,000g/mol、例えば、10,000~150,000g/mol、例えば、10,000~100,000g/mol、例えば、10,000~50,000g/mol、例えば、10,000~40,000g/mol、例えば、10,000~30,000g/mol、例えば、10,000~25,000g/mol、例えば、10,000~20,000g/mol、例えば、10,000~15,000g/mol、例えば、15,000~1,000,000g/mol、例えば、15,000~500,000g/mol、例えば、15,000~200,000g/mol、例えば、15,000~150,000g/mol、例えば、15,000~100,000g/mol、例えば、15,000~50,000g/mol、例えば、15,000~40,000g/mol、例えば、15,000~30,000g/mol、例えば、15,000~25,000g/mol、例えば、15,000~20,000g/mol、例えば、20,000~200,000g/mol、例えば、20,000~150,000g/mol、例えば、20,000~100,000g/mol、例えば、20,000~50,000g/mol、例えば、20,000~40,000g/mol、例えば、20,000~30,000g/mol、例えば、20,000~25,000g/molの重量平均分子量を有し得る。
【0064】
(メタ)アクリルポリマーは、付加ポリマーに関して上述したように、重合性モノマーが、溶媒または溶媒の混合物を含む有機媒体中に溶解され、転換が完了するまでフリーラジカル開始剤の存在下で重合される、従来のフリーラジカル開始溶液重合技術によって調製され得る。
【0065】
(メタ)アクリルポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも2重量%、例えば、少なくとも3重量%、例えば、少なくとも4重量%、例えば、少なくとも5重量%の量で、結合剤中に存在し得る。(メタ)アクリルポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、25重量%以下、例えば、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、12.5重量%以下、例えば、10重量%以下、例えば、5重量%以下の量で、結合剤中に存在し得る。(メタ)アクリルポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~25重量%、例えば、0.1重量%~20重量%、例えば、0.1重量%~15重量%、例えば、0.1重量%~12.5重量%、例えば、0.1重量%~10重量%、例えば、0.1重量%~5重量%、例えば、1重量%~25重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~12.5重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、2重量%~25重量%、例えば、2重量%~20重量%、例えば、2重量%~15重量%、例えば、2重量%~12.5重量%、例えば、2重量%~10重量%、例えば、2重量%~5重量%、例えば、3重量%~25重量%、例えば、3重量%~20重量%、例えば、3重量%~15重量%、例えば、3重量%~12.5重量%、例えば、3重量%~10重量%、例えば、3重量%~5重量%、例えば、4重量%~25重量%、例えば、4重量%~20重量%、例えば、4重量%~15重量%、例えば、4重量%~12.5重量%、例えば、4重量%~10重量%、例えば、4重量%~5重量%、例えば、5重量%~25重量%、例えば、5重量%~20重量%、例えば、5重量%~15重量%、例えば、5重量%~12.5重量%、例えば、5重量%~10重量%の量で、結合剤中に存在し得る。
【0066】
(メタ)アクリルポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.3重量%、例えば、少なくとも1.5重量%、例えば、少なくとも1.9重量%の量で、スラリー組成物中に存在し得る。(メタ)アクリルポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、10重量%以下、例えば、6重量%以下、例えば、4.5重量%以下、例えば、2.9重量%以下、例えば、2.5重量%以下、例えば、2重量%以下の量で、スラリー組成物中に存在し得る。(メタ)アクリルポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、0.1重量%~10重量%、例えば、0.1重量%~6重量%、例えば、0.1重量%~4.5重量%、例えば、0.1重量%~2.9重量%、例えば、0.1重量%~2.5重量%、例えば、0.1重量%~2重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~4.5重量%、例えば、1重量%~2.9重量%、例えば、1重量%~2.5重量%、例えば、1重量%~2重量%、例えば、1.3重量%~10重量%、例えば、1.3重量%~6重量%、例えば、1.3重量%~4.5重量%、例えば、1.3重量%~2.9重量%、例えば、1.3重量%~2.5重量%、例えば、1.3重量%~2重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~6重量%、例えば、1.5重量%~4.5重量%、例えば、1.5重量%~2.9重量%、例えば、1.5重量%~2.5重量%、例えば、1.5重量%~2重量%、例えば、1.9重量%~10重量%、例えば、1.9重量%~6重量%、例えば、1.9重量%~4.5重量%、例えば、1.9重量%~2.9重量%、例えば、1.9重量%~2.5重量%、例えば、1.9重量%~2重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~6重量%、例えば、1重量%~4.5重量%、例えば、1重量%~2.9重量%、例えば、1重量%~2.5重量%、例えば、1重量%~2重量%の量で、スラリー組成物中に存在し得る。
【0067】
本開示によれば、本開示の結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、液体媒体を更に含む。
【0068】
結合剤組成物および/またはスラリー組成物のフルオロポリマーは、室温、すなわち、約23℃および周囲圧力(約1気圧)で液体媒体中に可溶化または分散され得る。
【0069】
結合剤組成物および/またはスラリー組成物の液体媒体は、有機媒体を含み得る。本明細書で使用される場合、「有機媒体」という用語は、有機媒体の総重量に基づいて、50重量%未満の水を含む液体媒体を指す。そのような有機媒体は、有機媒体の総重量に基づいて、45重量%未満の水、例えば、40重量%未満の水、例えば、45重量%未満の水、例えば、30重量%未満の水、例えば、25重量%未満の水、例えば、20重量%未満の水、例えば、15重量%未満の水、例えば、10重量%未満の水、例えば、5重量%未満の水、例えば、2.5重量%未満の水、例えば、1重量%未満の水、例えば、0.1重量%未満の水を含み得る。代替的に、有機媒体は、水、すなわち、0.00重量%の水を含まなくてもよい。有機溶媒は、有機媒体の総重量に基づいて、有機媒体の50重量%超、例えば、少なくとも70重量%、例えば、少なくとも80重量%、例えば、少なくとも90重量%、例えば、少なくとも95重量%、例えば、少なくとも99重量%、例えば、少なくとも99.9重量%、例えば、100重量%を構成する。有機溶媒は、有機媒体の総重量に基づいて、50.1重量%~100重量%、例えば、70重量%~100重量%、例えば、80重量%~100重量%、例えば、90重量%~100重量%、例えば、95重量%~100重量%、例えば、99重量%~100重量%、例えば、99.9重量%~100重量%を構成し得る。
【0070】
有機媒体は、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよびイソホロンなどのケトン、エチレンおよびプロピレングリコールのC1~C4アルキルエーテル、ブチルピロリドン、リン酸トリアルキル、1,2,3-トリアセトキシプロパン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、アセト酢酸エチル、γ-ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルアジペート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、二塩基性エステル(DBE)、二塩化エステル5(DBE-5)、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン(ジアセトンアルコール)、プロピレングリコールジアセテート、ジメチルフィタレート、メチルイソアミルケトン、プロピオン酸エチル、1-エトキシ-2-プロパノール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、飽和および不飽和直鎖ならびに環状ケトン(これらの混合物として、Eastman Chemical CompanyからEastman(商標)C-11ケトンとして市販されている)、ジイソブチルケトン、酢酸エステル(Hallstarから Exxate(商標)1000として市販されている)トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、またはそれらの組み合わせを含むか、それから本質的になるか、またはそれからなり得る。リン酸トリアルキルは、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチルなどを含み得る。
【0071】
上述のように、フルオロポリマーが室温および室圧で有機媒体中に分散されるとき、有機媒体は、有機媒体中に分散したフルオロポリマーの溶解温度において、10g/分m
2未満の蒸発速度を有し得る。蒸発速度は、ASTM D3539(1996)を使用して測定され得る。有機媒体中に分散したフルオロポリマーの溶解温度は、混合物の複素粘度を、温度の関数として測定することによって決定され得る。この技術は、有機媒体中に(他の種類のポリマーに加えて)混合されたフルオロポリマーに適用され得、この場合、かかる混合物の不揮発性固体含有量の総質量は、混合物の総質量の45%などの44%~46%である。複素粘度は、50ミリメートルのコーンおよび温度制御式プレートを使用して、Anton-Paar MCR301レオメータで測定され得る。フルオロポリマー混合物の複素粘度は、毎分10℃の温度ランプレート、1Hzの周波数、および90Paの応力振幅制限を用いて、35℃~少なくとも75℃の温度範囲にわたって測定される。有機媒体中のフルオロポリマーの溶解は、温度が上昇するにつれて複素粘度が急激に増加することによって示される。溶解温度は、傾斜温度に伴う粘度の変化率が最も高い温度として定義され、複素粘度のLog
10の温度に対する一次微分が最大に達する温度を決定することによって、計算される。以下の表は、Inner Mongolia 3F Wanhao Fluorochemical Co.Ltd.からのPVDF T-1(PVDF T-1は、約330~380nmの粒径および約130,000~160,000g/molの重量平均分子量を有する)を使用して、列挙される様々な溶媒または溶媒混合物中で、この方法に従って決定された溶解温度を示す。
【表1】
【0072】
有機媒体中に分散したフルオロポリマーの溶解温度は、77℃未満、例えば、70℃未満、例えば、65℃未満、例えば、60℃未満、例えば、55℃未満、例えば、50℃未満であり得る。有機媒体中に分散したフルオロポリマーの溶解温度は、30℃~77℃、例えば、30℃~70℃、例えば、30℃~65℃、例えば、30℃~60℃、例えば、30℃~55℃、例えば、30℃~50℃の範囲であり得る。溶解温度は、上記の方法に従って測定され得る。
【0073】
有機媒体は、例えば、ブチルピロリドン、リン酸トリアルキル、1,2,3-トリアセトキシプロパン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、アセト酢酸エチル、γ-ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテル、シクロヘキサノン、プロピレンカーボネート、ジメチルアジペート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、二塩基性エステル(DBE)、二塩基性エステル5(DBE-5)、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン(ジアセトンアルコール)、プロピレングリコールジアセテート、ジメチルフタレート、メチルイソアミルケトン、プロピオン酸エチル、1-エトキシ-2-プロパノール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、飽和および不飽和の直鎖および環状ケトン(それらの混合物として、Eastman Chemical CompanyからEastman(商標)C-11 Ketoneとして市販されている)、ジイソブチルケトン、酢酸エステル(HallstarからExxate(商標)1000として市販されている)、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、またはそれらの組み合わせを含み得る。リン酸トリアルキルは、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチルなどを含み得る。
【0074】
有機媒体は、例えば、ブチルピロリドン、リン酸トリアルキル、1,2,3-トリアセトキシプロパン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、アセト酢酸エチル、γ-ブチロラクトン、シクロヘキサノン、プロピレンカーボネート、ジメチルアジペート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、二塩基性エステル(DBE)、二塩基性エステル5(DBE-5)、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン(ジアセトンアルコール)、プロピレングリコールジアセテート、ジメチルフタレート、メチルイソアミルケトン、プロピオン酸エチル、1-エトキシ-2-プロパノール、飽和および不飽和直鎖ならびに環状ケトン(その混合物として、Eastman Chemical CompanyからEastman(商標)C-11 Ketoneとして市販されている)、ジイソブチルケトン、酢酸エステル(HallstarからExxate(商標)1000として市販されている)、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、またはそれらの組み合わせから本質的になるか、またはそれらからなり得る。
【0075】
有機媒体は、フルオロポリマーを分散相として、均質な連続相を形成する一次溶媒および共溶媒を含み得る。一次溶媒および共溶媒、ならびにそれらの関連量が選択されて、室温、すなわち約23℃で有機媒体中のフルオロポリマーの分散体を提供し得る。一次溶媒および共溶媒の両方が、有機溶媒を含み得る。フルオロポリマーは、単独で使用される場合、室温で一次溶媒中に可溶性であり得るが、共溶媒を一次溶媒とともに使用すると、フルオロポリマーが、有機媒体中に安定して分散されることが、可能になり得る。一次溶媒は、例えば、ブチルピロリドン、リン酸トリアルキル、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、1,2,3-トリアセトキシプロパン、またはそれらの組み合わせを含むか、それから本質的になるか、またはそれからなり得る。共溶媒は、例えば、アセト酢酸エチル、γ-ブチロラクトン、および/またはプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテルなどのグリコールエーテルを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなり得る。一次溶媒は、有機媒体の総重量に基づいて、少なくとも50重量%、例えば、少なくとも65重量%、例えば、少なくとも75重量%の重量で存在し得、かつ99重量%以下、例えば、90重量%以下、例えば、85重量%以下の量で存在し得る。一次溶媒は、有機媒体の総重量に基づいて、50重量%~99重量%、例えば、65重量%~90重量%、例えば、75重量%~85重量%の量で存在し得る。共溶媒は、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも10重量%、例えば、少なくとも15重量%の量で存在し得、かつ50重量%以下、例えば、35重量%以下、例えば、25重量%以下の量で存在し得る。共溶媒は、有機媒体の総重量に基づいて、1重量%~50重量%、例えば、10重量%~35重量%、例えば、15重量%~25重量%の量で存在し得る。
【0076】
有機媒体はまた、180℃で80g/分m2超、例えば、180℃で90g/分m2超、例えば、180℃で100g/分m2超の蒸発速度を有し得る。
【0077】
液体媒体は、水性媒体を含み得る。本明細書で使用される場合、「水性媒体」という用語は、有機媒体の総重量に基づいて、少なくとも50重量%の水を含む液体媒体を指す。そのような水性媒体は、水性媒体の総重量に基づいて、40重量%未満の有機溶媒、または30重量%未満の有機溶媒、または20重量%未満の有機溶媒、または10重量%未満の有機溶媒、または5重量%未満の有機溶媒、または1重量%未満の有機溶媒、または0.1重量%未満の有機溶媒を含み得る。水は、水性媒体の総重量に基づいて、水性媒体の50重量%超、例えば、少なくとも60重量%、例えば、少なくとも70重量%、例えば、少なくとも80重量%、例えば、少なくとも90重量%、例えば、少なくとも95重量%、例えば、少なくとも99重量%、例えば、少なくとも99.9重量%、例えば、100重量%を構成し得る。水は、水性媒体の総重量に基づいて、50.1重量%~100重量%、例えば、70重量%~100重量%、例えば、80重量%~100重量%、例えば、90重量%~100重量%、例えば、95重量%~100重量%、例えば、99重量%~100重量%、例えば、99.9重量%~100重量%を構成し得る。
【0078】
液体媒体は、スラリー組成物の総重量に基づいて、少なくとも10重量%、例えば、少なくとも15重量%、例えば、少なくとも20重量%、例えば、少なくとも30重量%、例えば、少なくとも35重量%の量で存在し得る。液体媒体は、スラリー組成物の総重量に基づいて、80重量%以下、例えば、60重量%以下、例えば、50重量%以下、例えば、40重量%以下、例えば、35重量%以下、例えば、30重量%以下、例えば、25重量%以下の量で存在し得る。液体媒体は、スラリー組成物の総重量に基づいて、例えば、10重量%~80重量%、例えば、10重量%~60重量%、例えば、10重量%~50重量%、例えば、10重量%~40重量%、例えば、10重量%~35重量%、例えば、10重量%~30重量%、例えば、10重量%~25重量%、例えば、15重量%~80重量%、例えば、15重量%~60重量%、例えば、15重量%~50重量%、例えば、15重量%~40重量%、例えば、15重量%~35重量%、例えば、15重量%~30重量%、例えば、15重量%~25重量%、例えば、20重量%~80重量%、例えば、20重量%~60重量%、例えば、20重量%~50重量%、例えば、20重量%~40重量%、例えば、20重量%~35重量%、例えば、20重量%~30重量%、例えば、20重量%~25重量%、例えば、30重量%~80重量%、例えば、30重量%~60重量%、例えば、30重量%~50重量%、例えば、30重量%~40重量%、例えば、30重量%~35重量%、例えば、35重量%~80重量%、例えば、35重量%~60重量%、例えば、35重量%~50重量%、例えば、35重量%~40重量%の量で存在し得る。
【0079】
結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を実質的に含まないか、それを本質的に含まないか、またはそれを完全に含まなくてもよい。本明細書で使用される場合、結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、NMPが、仮にあったとしても、結合剤組成物および/またはスラリー組成物の総重量に基づいて5重量%未満の量で存在する場合、NMPを「実質的に含まない」。本明細書で使用される場合、結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、NMPが、仮にあったとしても、結合剤組成物および/またはスラリー組成物の総重量に基づいて0.3重量%未満の量で存在する場合、NMPを「本質的に含まない」。本明細書で使用される場合、結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、NMPが、結合剤組成物および/またはスラリー組成物中に存在しない、すなわち、結合剤組成物および/またはスラリー組成物の総重量に基づいて、0.000重量%である場合、NMPを「完全に含まない」。
【0080】
結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノンなどのケトンを実質的に含まないか、それらを本質的に含まないか、またはそれらを完全に含まなくてもよい。
【0081】
結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのC1~C4アルキルエーテルなどのエーテルを実質的に含まないか、それらを本質的に含まないか、またはそれらを完全に含まなくてもよい。
【0082】
フルオロポリマーおよび/またはスラリー組成物は、テトラフルオロエチレンなどのフルオロエチレンを実質的に含まないか、それらを本質的に含まないか、またはそれらを完全に含まなくてもよい。
【0083】
フルオロポリマーおよび/またはスラリー組成物は、フッ素系界面活性剤を実質的に含まないか、それを本質的に含まないか、またはそれを完全に含まなくてもよい。
【0084】
結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、シクキサンを実質的に含まないか、それを本質的に含まないか、またはそれを完全に含まなくてもよい。
【0085】
上述のように、結合剤組成物および/またはスラリー組成物は、付加ポリマーおよび/または(メタ)アクリルポリマーとの反応のために別に添加された架橋剤を、必要に応じて、更に含み得る。架橋剤は、有機媒体中に可溶性または分散性であり、存在する場合、カルボン酸基およびヒドロキシル基などの付加ポリマーおよび/または(メタ)アクリルポリマーの活性水素基と反応性であるべきである。好適な架橋剤の非限定的な例としては、アミノプラスト樹脂およびポリエポキシドが挙げられる。
【0086】
架橋剤として使用するためのアミノプラスト樹脂の例は、メラミンまたはベンゾグアナミンなどのトリアジンをホルムアルデヒドと反応させることによって形成されるものである。これらの反応生成物は、反応性N-メチルロール基を含有する。通常、これらの反応性基を、それらの混合物を含むメタノール、エタノール、ブタノールでエーテル化して、それらの反応性を調節する。アミノプラスト樹脂の化学調製および使用については、Dr.Oldringによって編集された「The Chemistry and Applications of Amino Crosslinking Agents or Aminoplast」,Vol.V,PartII,page21ff.;John Wiley&Sons/Cita Technology Limited,London,1998を参照されたい。これらの樹脂は、MAPRENAL MF980などの商標MAPRENAL(登録商標)で、およびCytec Industriesから入手可能なCYMEL303およびCYMEL1128などの商標CYMEL(登録商標)で、市販されている。
【0087】
ポリエポキシド架橋剤の例は、エポキシ含有付加ポリマー、例えば、他のビニルモノマーと共重合したグリシジルメタクリレートから調製したもの、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルなどの多価フェノールのポリグリシジルエーテル、ならびに3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、およびビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシル-メチル)アジペートなどの脂環式ポリエポキシドである。
【0088】
付加ポリマーおよび/または(メタ)アクリルポリマーの架橋を促進することに加えて、架橋用モノマーおよび別に添加された架橋剤と関連付けられるものを含む架橋剤は、付加ポリマーおよび/または(メタ)アクリルポリマーの活性水素官能基などの親水性基と反応して、これらの基が、リチウムイオン電池において問題となる可能性のある水分を吸収することを防止する。
【0089】
別に添加された架橋剤は、最大25重量%、例えば、0.1重量%~25重量%、例えば、0.1重量%~15重量%、例えば、1重量%~25重量%、例えば、1重量%~15重量%の量で結合剤中に存在し得、重量%は、結合剤固体の総重量に基づく。
【0090】
結合剤固体は、スラリーの総固体重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、例えば、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.5重量%、例えば、少なくとも2重量%の量で、スラリー組成物中に存在し得る。結合剤固体は、スラリーの総固体重量に基づいて、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、10重量%以下、例えば、7.5重量%以下、例えば、5重量%以下、例えば、4重量%以下、例えば、3重量%以下の量で、スラリー組成物中に存在し得る。結合剤固体は、スラリーの総固体重量に基づいて、0.1重量%~20重量%、例えば、0.1重量%~15重量%、例えば、0.1重量%~10重量%、例えば、0.1重量%~7.5重量%、例えば、0.1重量%~5重量%、例えば、0.1重量%~4重量%、例えば、0.1重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~7.5重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~7.5重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~7.5重量%、例えば、1.5重量%~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、2重量%~20重量%、例えば、2重量%~15重量%、例えば、2重量%~10重量%、例えば、2重量%~7.5重量%、例えば、2重量%~5重量%、例えば、2重量%~4重量%、例えば、2重量%~3重量%の量で、スラリー組成物中に存在し得る。
【0091】
別に添加された架橋剤は、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、0.0001重量%~5重量%、例えば、0.0002重量%~2重量%、例えば、0.0002重量%~1重量%、例えば、0.0005重量%~0.5重量%、例えば、0.0005重量%~0.3重量%、例えば、0.1重量%~5重量%の量で、スラリー組成物中に存在し得る。
【0092】
スラリー組成物は、必要に応じて、電気化学的活性物質を更に含み得る。スラリーに含有される電気化学的活性物質を構成する材料は、特に限定されず、対象となる蓄電デバイスの種類に従って、好適な材料が選択され得る。
【0093】
電気化学的活性物質は、正極の活性物質として使用するための物質を含み得る。電気化学的活性物質は、リチウムを組み込むことができる物質(リチウムインターカレーション/デインターカレーションによる組み込みを含む)、リチウム変換可能な物質、またはそれらの組み合わせを含み得る。リチウムを組み込むことができる電気化学的活性物質の非限定的な例としては、LiCoO2、LiNiO2、LiFePO4、LiCoPO4、LiMnO2、LiMn2O4、Li(NiMnCo)O2、Li(NiCoAl)O2、炭素コーティングされたLiFePO4、およびそれらの組み合わせが挙げられる。リチウム変換可能な物質の非限定的な例としては、硫黄、LiO2、FeF2ならびにFeF3、Si、アルミニウム、スズ、SnCo、Fe3O4、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0094】
電気化学的活性物質は、負極の活性物質として使用するための物質を含み得る。電気化学的活性物質は、グラファイト、チタン酸リチウム、ケイ素化合物、スズ、スズ化合物、硫黄、硫黄化合物、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0095】
電気化学的活性物質は、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、45重量%~99重量%、例えば、50重量%~99重量%、例えば、55重量%~99重量%、例えば、60重量%~99重量%、例えば、65重量%~99重量%、例えば、70重量%~99重量%、例えば、75重量%~99重量%、例えば、80重量%~99重量%、例えば、85重量%~99重量%、例えば、90重量%~99重量%、例えば、91重量%~99重量%、例えば、94重量%~99重量%、例えば、95重量%~99重量%、例えば、96重量%~99重量%、例えば、97重量%~99重量%、例えば、98重量%~99重量%、例えば、45重量%~98重量%、例えば、50重量%~98重量%、例えば、55重量%~98重量%、例えば、60重量%~98重量%、例えば、65重量%~98重量%、例えば、70重量%~98重量%、例えば、75重量%~98重量%、例えば、80重量%~98重量%、例えば、85重量%~98重量%、例えば、90重量%~98重量%、例えば、91重量%~98重量%、例えば、94重量%~98重量%、例えば、95重量%~98重量%、例えば、96重量%~98重量%、例えば、97重量%~98重量%、例えば、45重量%~96重量%、例えば、50重量%~96重量%、例えば、55重量%~96重量%、例えば、60重量%~96重量%、例えば、65重量%~96重量%、例えば、70重量%~96重量%、例えば、75重量%~96重量%、例えば、80重量%~96重量%、例えば、85重量%~96重量%、例えば、90重量%~96重量%、例えば、91重量%~96重量%、例えば、94重量%~96重量%、例えば、95重量%~96重量%の量で、スラリー中に存在し得る。
【0096】
本開示のスラリー組成物は、必要に応じて、導電剤を更に含み得る。導電剤の非限定的な例としては、活性炭などの炭素質材料、アセチレンブラックおよびファーネスブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、炭素繊維、フラーレン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0097】
導電剤は、スラリーの総固体重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、例えば、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%、例えば、少なくとも1.5重量%、例えば、少なくとも2重量%の量で、スラリー中に存在し得る。導電剤は、スラリーの総固体重量に基づいて、20重量%以下、例えば、15重量%以下、例えば、10重量%以下、例えば、7.5重量%以下、例えば、5重量%以下、例えば、4重量%以下、例えば、3重量%以下、例えば、2.5重量%以下の量で、スラリー中に存在し得る。導電剤は、スラリーの総固体重量に基づいて、0.1重量%~20重量%、例えば、0.1重量%~15重量%、例えば、0.1重量%~10重量%、例えば、0.1重量%~7.5重量%、例えば、0.1重量%~5重量%、例えば、0.1重量%~4重量%、例えば、0.1重量%~3重量%、例えば、0.1重量%~2.5重量%、例えば、0.5重量%~20重量%、例えば、0.5重量%~15重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~7.5重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、0.5重量%~4重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~2.5重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~7.5重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、1重量%~4重量%、例えば、1重量%~3重量%、例えば、1重量%~2.5重量%、例えば、1.5重量%~20重量%、例えば、1.5重量%~15重量%、例えば、1.5重量%~10重量%、例えば、1.5重量%~7.5重量%、例えば、1.5重量%~5重量%、例えば、1.5重量%~4重量%、例えば、1.5重量%~3重量%、例えば、1.5重量%~2.5重量%、例えば、2重量%~20重量%、例えば、2重量%~15重量%、例えば、2重量%~10重量%、例えば、2重量%~7.5重量%、例えば、2重量%~5重量%、例えば、2重量%~4重量%、例えば、2重量%~3重量%、例えば、2重量%~2.5重量%の量で、スラリー中に存在し得る。
【0098】
スラリー組成物は、各々上記のような、結合剤と、電気化学的活性物質と、導電性物質とを含む電極スラリー組成物の形態であり得る。電極スラリーは、上記の量でスラリー組成物中に存在するかかる材料を含み得る。例えば、電極スラリー組成物は、45重量%~95重量%、例えば、70重量%~98重量%の量で存在する電気化学的活性物質と、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、5重量%~10重量%パーセントの量で存在する結合剤個体と、1重量%~20重量%、例えば、5重量%~10重量%の量で存在する導電剤と、を含み得、重量パーセンテージは、電極スラリー組成物の総固体重量に基づく。
【0099】
本開示はまた、フルオロポリマーと、非ポリマーアルコキシシラン化合物と、電気化学的活性物質および/または導電剤と、液体媒体と、を含むスラリー組成物も対象とする。フルオロポリマー、電気化学的活性物質および/または導電剤、ならびに液体媒体は、上記の量の上記のいずれかであってもよい。非ポリマーアルコキシシラン化合物は、上記のもののいずれかであり得る。非ポリマーアルコキシシラン化合物は、結合剤固体の総重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、例えば、少なくとも0.25重量%、例えば、少なくとも0.5重量%、例えば、少なくとも1重量%の量で存在し得る。非ポリマーアルコキシシラン化合物は、結合剤固体の総重量に基づいて、10重量%以下、例えば、5重量%以下、例えば、3重量%以下の量で存在し得る。非ポリマーアルコキシシラン化合物は、結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~10重量%、例えば、0.1重量%~5重量%、例えば、0.1重量%~3重量%、例えば、0.25重量%~10重量%、例えば、0.25重量%~5重量%、例えば、0.25重量%~3重量%、例えば、0.5重量%~10重量%、例えば、0.5重量%~5重量%、例えば、0.5重量%~3重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~5重量%、例えば、1重量%~3重量%の量で存在し得る。
【0100】
有機媒体と、電気化学的活性物質と、導電性物質と、結合剤分散体(別に添加された架橋剤を含み得る)と、必要な場合、追加の有機媒体と、必要に応じた構成成分とを含む電極スラリー組成物は、構成成分を合わせてスラリーを形成することによって調製され得る。これらの物質は、撹拌器、ビーズミル、または高圧ホモジナイザーなどの既知の手段で撹拌することによって一緒に混合することができる。
【0101】
電極スラリー組成物の製造のための混合および撹拌については、満足のいく分散条件を満たす程度にこれらの成分を撹拌することができるミキサーを選択すべきである。分散の程度は、粒ゲージで測定され得、混合および分散は、100ミクロンまたは100ミクロンより大きい凝集塊が存在しないことを確実にするために実施され得る。この条件を満たすミキサーの例としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、粉砕機、押出機、ローターステータ、パグミル、超音波分散機、ホモジナイザー、遊星ミキサー、ホバートミキサー、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0102】
スラリー組成物は、少なくとも30重量%、例えば、少なくとも40重量%、例えば、少なくとも50重量%、例えば、少なくとも55重量%、例えば、少なくとも60重量%、例えば、少なくとも65重量%、例えば、少なくとも71重量%、例えば、少なくとも75重量%の固体含有量を有し得、かつ90重量%以下、例えば、85重量%以下、例えば、75重量%以下であり得、重量%は、スラリー組成物の総重量に基づく。スラリー組成物は、スラリー組成物の総重量に基づいて、30重量%~90重量%、例えば、40重量%~85重量%、例えば、50重量%~85重量%、例えば、55重量%~85重量%、例えば、60重量%~85重量%、例えば、65重量%~85重量%、例えば、71重量%~85重量%、例えば、75重量%~85重量%の固体含有量を有し得る。
【0103】
本開示はまた、集電体と、集電体上のフィルムと、を備える電極を対象とし、フィルムは、電気化学的活性物質、フルオロポリマー、および少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーを含む。フィルムは、必要に応じて、別に添加された架橋剤および/または(メタ)アクリルポリマーを更に含み得る。フィルムは、上記の電極スラリー組成物から堆積され得る。電極は、正極または負極であり得、上述のスラリー組成物を集電体の表面に塗布してコーティングフィルムを形成し、続いてコーティングフィルムを乾燥および/または硬化することによって製造され得る。コーティングフィルムは、少なくとも1ミクロン、例えば、1~500ミクロン(μm)、例えば、1~150μm、例えば、25~150μm、例えば、30~125μmの厚さを有し得る。コーティングフィルムは、架橋コーティングを備え得、フィルムは、架橋剤の残基を更に含み得る。集電体は、導電性物質を含み得、導電性物質は、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、およびそれらの合金、ならびにステンレス鋼などの金属を含み得る。例えば、集電体は、メッシュ、シート、または箔の形態のアルミニウムまたは銅を含み得る。集電体の形状および厚さは、特に限定されないが、集電体は、約0.001~0.5mmの厚さを有するメッシュ、シート、または箔など、約0.001~0.5mmの厚さを有し得る。
【0104】
電気化学的活性物質、フルオロポリマー、および少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、ならびに必要に応じて(メタ)アクリルポリマーおよび/または別に添加された架橋剤を含む付加ポリマーを含むフィルムは、以下の実施例に記載される剥離強度試験によって測定される際に、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーを含まない比較フィルムよりも、少なくとも10%高い、例えば、少なくとも15%高い、例えば、少なくとも20%高い、例えば、少なくとも30%高い、例えば、少なくとも40%高い集電体に対する接着性を有し得る。本明細書で使用される場合、比較フィルムとは、同じフルオロポリマー、液体媒体、ならびに電気化学的活性物質および/または導電物質を有するスラリー組成物から適用されるフィルムを意味するが、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーを欠く。
【0105】
加えて、集電体は、スラリー組成物を堆積させる前に、前処理組成物で前処理され得る。本明細書で使用される場合、「前処理組成物」という用語は、集電体と接触すると、集電体表面と反応し、集電体表面を化学的に変化させ、それに結合して保護層を形成する組成物を指す。前処理組成物は、IIIBおよび/またはIVB族金属を含む前処理組成物であり得る。本明細書で使用される場合、「IIIBおよび/またはIVB族金属」という用語は、例えば、Handbook of Chemistry and Physics,63rd edition(1983)に示されるように、元素のCAS周期表のIIIB族またはIVB族にある元素を指す。該当する場合、金属自体が使用され得るが、IIIBおよび/またはIVB族金属化合物も使用され得る。本明細書で使用される場合、「IIIB族および/またはIVB族金属化合物」という用語は、元素のCAS周期表のIIIB族またはIVB族にある少なくとも1つの元素を含む化合物を指す。集電体を前処理するための好適な前処理組成物および方法は、米国特許第9,273,399号の第4欄、第60行~第10欄、第26行に記載されており、その引用部分は、参照により本明細書に組み込まれる。前処理組成物を使用して、正極または負極を生成するために使用される集電体を処理し得る。
【0106】
スラリー組成物を集電体に塗布する方法は、特に限定されない。スラリー組成物は、ドクターブレードコーティング、ディップコーティング、リバースロールコーティング、ダイレクトロールコーティング、グラビアコーティング、押出コーティング、浸漬、またはブラッシングによって塗布され得る。スラリー組成物の塗布量は、特に限定されないが、有機媒体が除去された後に形成されるコーティングの厚さは、25~150ミクロン(μm)、例えば、30~125μmであり得る。
【0107】
該当する場合、塗布後のコーティングフィルムの乾燥および/または架橋は、例えば、少なくとも50℃、例えば、少なくとも60℃、例えば、50~145℃、例えば、60~120℃、例えば、65~110℃の高温で加熱することによって行われ得る。加熱時間は、温度によって多少異なる。一般的に、温度が高いほど、硬化に必要な時間は短くなる。通常、硬化時間は、5~60分などの少なくとも5分間である。温度および時間は、(該当する場合)硬化フィルム中の付加ポリマーおよび/または(メタ)アクリルポリマーが架橋される、すなわち、付加ポリマーおよび/もしくは(メタ)アクリルポリマー鎖上の共反応性基、例えば、カルボン酸基およびヒドロキシル基、ならびにアミノプラストのN-メチルロールおよび/もしくはN-メチルロールエーテル基、または自己硬化用付加ポリマーの場合、N-アルコキシメチルアミド基の間に共有結合が形成されるように、十分でなければならない。硬化または架橋の程度は、メチルエチルケトン(MEK)などの溶媒に対する耐性として測定され得る。試験は、ASTM D-540293に記載されているように実行される。1往復運動であるダブルラブの数が報告される。この試験は、しばしば「MEK耐性」と称される。したがって、付加ポリマーおよび/または(メタ)アクリルポリマーならびに架橋剤(自己硬化用ポリマーおよび別に添加された架橋剤を有するポリマーを含む)は、結合剤組成物から単離され、フィルムとして堆積され、結合剤フィルムが加熱される温度および時間で加熱される。次いで、報告されたダブルラブ数でのMEK耐性について、フィルムを測定する。したがって、架橋付加ポリマーおよび/または(メタ)アクリルポリマーは、少なくとも50ダブルラブ、例えば、少なくとも75ダブルラブのMEK耐性を有するであろう。また、架橋付加ポリマーおよび/または(メタ)アクリルポリマーは、下記の電解質の溶媒に対して実質的に耐溶媒性であり得る。コーティングフィルムを乾燥させる他の方法としては、周囲温度乾燥、マイクロ波乾燥、および赤外線乾燥が挙げられ、コーティングフィルムを硬化させる他の方法としては、電子ビーム硬化およびUV硬化が挙げられる。
【0108】
リチウムイオン蓄電デバイスの放電中、リチウムイオンは、負極から放出され、電流を正極に伝え得る。このプロセスは、デインターカレーションとして既知であるプロセスを含み得る。充電中、リチウムイオンは、正極中の電気化学的活性物質から負極中に移動し、負極中に存在する電気化学的活性物質中に埋め込まれる。このプロセスは、インターカレーションとして既知であるプロセスを含み得る。
【0109】
本発明はまた、蓄電デバイスを対象とする。本開示による蓄電デバイスは、本開示の電極スラリー組成物から調製された上記の電極を使用することによって製造することができる。電気記憶デバイスは、電極、対電極、および電解質を備える。電極、対電極、または両方は、1つの電極が正極であり、1つの電極が負極である限り、本開示の電極を備え得る。本開示による蓄電デバイスは、セル、電池、電池パック、二次電池、コンデンサ、およびスーパーコンデンサを含む。
【0110】
蓄電デバイスは、電解液を含み、一般的に使用される方法に従って、セパレータなどの部品を使用することによって製造することができる。より具体的な製造方法として、負極と正極とを、それらの間のセパレータとともに組み立て、得られたアセンブリを、電池の形状に従って、圧延または折り曲げて、電池容器に入れ、電解液を電池容器に注入し、電池容器を密封する。電池の形状は、コイン、ボタン、またはシートのように、円筒形、正方形、または平面であってもよい。
【0111】
電解液は、液体であってもゲルであってもよく、電池として効果的に機能することができる電解液は、負極活性物質および正極活性物質の種類に従って蓄電デバイスに使用される既知の電解液の中から選択され得る。電解液は、好適な溶媒中に溶解された電解質を含有する溶液であってもよい。電解質は、リチウムイオン二次電池のための従来から既知のリチウム塩であり得る。リチウム塩の例としては、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiB10Cl10、LiAlCl4、LiCl、LiBr、LiB(C2H5)4、LiB(C6H5)4、LiCF3SO3、LiCH3SO3、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)2N、LiB4CH3SO3Li、およびCF3SO3Liが挙げられる。上記電解質を溶解するための溶媒は、特に限定されず、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートおよびジエチルカーボネートなどのカーボネート化合物、γ-ブチルラクトンなどのラクトン化合物、トリメトキシメタン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2-エトキシエタン、テトラヒドロフランおよび2-メチルテトラヒドロフランなどのエーテル化合物、ならびにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド化合物が挙げられる。電解液中の電解質の濃度は、0.5~3.0モル/L、例えば0.7~2.0モル/Lであり得る。
【0112】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、広義に、オリゴマーならびにホモポリマーおよびコポリマーの両方を指す。「樹脂」という用語は、「ポリマー」と交換可能に使用される。
【0113】
「アクリル」および「アクリレート」という用語は、互換的に使用され(そうすることで意図された意味を変えることがない限り)、別様に明確に示されない限り、アクリル酸、それらの無水物ならびに誘導体、例えば、C1~C5アルキルエステル、低級アルキル置換アクリル酸、例えば、C1~C2置換アクリル酸、例えば、メタクリル酸、2-エチルアクリル酸など、およびそれらのC1~C4アルキルエステルを含む。「(メタ)アクリル」または「(メタ)アクリレート」という用語は、示される物質、例えば(メタ)アクリレートモノマーのアクリル/アクリレートおよびメタクリル/メタクリレート形態の両方をカバーすることを意図している。
【0114】
本明細書で使用される場合、分子量は、ポリスチレン標準物質を使用するゲル透過クロマトグラフィーによって決定される。別途示されない限り、分子量は、重量平均ベースである。本明細書で使用される場合、「重量平均分子量」または「(Mw)」という用語は、ASTM D6579-11(「Standard Practice for Molecular Weight Averages and Molecular Weight Distribution of Hydrocarbon,Rosin and Terpene Resins by Size Exclusion Chromatography」。UV検出器;254nm、溶媒:不安定化THF、保持時間マーカー:トルエン、試料濃度:2mg/ml)に準拠したポリスチレン標準を使用したゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される重量平均分子量(Mw)を意味する。本明細書で使用される場合、「数平均分子量」または「(Mn)」という用語は、ASTM D6579-11(「Standard Practice for Molecular Weight Averages and Molecular Weight Distribution of Hydrocarbon,Rosin and Terpene Resins by Size Exclusion Chromatography」。UV検出器;254nm、溶媒:不安定化THF、保持時間マーカー:トルエン、試料濃度:2mg/ml)に準拠したポリスチレン標準を使用したゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される数平均分子量(Mn)を意味する。
【0115】
本明細書で使用される「ガラス転移温度」という用語は、理論的値であり、T.G.Fox,Bull.Am.Phys.Soc.(Ser.II)1,123(1956)およびJ.Brandrup,E.H.Immergut,Polymer Handbook 3rd edition,John Wiley,New York,1989によるモノマー電荷のモノマー組成を基準にした、FOXの方法によって計算されるガラス転移温度である。
【0116】
本明細書で使用される場合、別途定義されない限り、実質的に含まないという用語は、成分が、仮にあったとしても、スラリー組成物の総重量に基づいて、5重量%未満の量で存在することを意味する。
【0117】
本明細書で使用される場合、別途定義されない限り、本質的に含まないという用語は、成分が、仮にあったとしても、スラリー組成物の総重量に基づいて、1重量%未満の量で存在することを意味する。
【0118】
本明細書で使用される場合、別途定義されない限り、完全に含まないという用語は、成分が、スラリー組成物中に存在しない、すなわち、スラリー組成物の総重量に基づいて、0.00重量%であることを意味する。
【0119】
本明細書で使用される場合、「総固体」という用語は、本開示のスラリー組成物の不揮発性成分を指し、具体的には、有機媒体を除外する。
【0120】
本明細書で使用される場合、「結合剤固体」という用語は、スラリー組成物の結合剤を形成する、かつ/または成分を電極フィルム中で一緒に結合させるフィルム形成成分を指す。結合剤固体は、フルオロポリマー、付加ポリマー、ならびに存在する場合、(メタ)アクリルポリマーおよび/または別に添加された架橋剤を含む。
【0121】
本明細書で使用される場合、ポリマーの組成物を指す場合、「の残基」という用語は、重合中のモノマーの組み込み(すなわち、反応)から生じるポリマー内の単一の分子単位を指す。
【0122】
本明細書で使用される場合、「から本質的になる」という用語は、記載された材料またはステップ、ならびに特許請求された本開示の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響しないものを含む。
【0123】
本明細書で使用される場合、「からなる」という用語は、記載されていないいかなる要素、ステップ、または構成成分も除外する。
【0124】
詳細な説明の目的のために、本開示が、相反することが明示的に指定されている場合を除き、様々な代替的な変形およびステップシーケンスが想定され得ることが理解されるべきである。更に、任意の動作例以外、または別途示される場合、値、量、パーセンテージ、範囲、部分範囲、および端数を表すものなどの全ての数は、用語が明示的に現れなくても、「約」という言葉が前にあるかのように読むことができる。したがって、相反することが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本開示によって得られる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、かつ、等価物の見解の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有意な桁の数に照らし合わせて、かつ通常の四捨五入技法を適用することによって解釈されるべきである。クローズまたはオープンエンドの数値範囲が本明細書に記載される場合、数値範囲内または数値範囲に包含される全ての数、値、量、パーセンテージ、部分範囲、および割合は、これらの数、値、量、パーセンテージ、部分範囲、および割合がそれらの全体が明示的に書き出されているかのように、本出願の元の開示に特異的に含まれ、かつそれに属するものとみなされるべきである。
【0125】
本開示の広範な範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値ではあるが、特定の例で示される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に得られる特定の誤差を本質的に含有する。
【0126】
本明細書で使用される場合、別途示されない限り、複数の用語は、別途示されない限り、その単数の対応物を包含することができ、その逆もまた同様である。例えば、本明細書では、「1つ(an)」の電気化学的活性物質、「1つ(a)」のフルオロポリマー、「1つ(an)」の付加ポリマー、「1つ(a)」の(メタ)アクリルポリマー、および「1つ(an)」の導電剤に言及するが、これらの成分の組み合わせ(すなわち、複数)を使用することができる。加えて、本明細書では、「および/または」がある特定の例で明示的に使用され得るが、別途明記されない限り、「または」の使用は、「および/または」を意味する。
【0127】
本明細書で使用される場合、「含む(including)」、「含有する」、および同様の用語は、本出願の文脈において「含む(comprising)」と同義であることが理解され、したがって、オープンエンドであり、追加の非記述または非記載の要素、材料、構成成分、または方法ステップの存在を除外しない。本明細書で使用される場合、「からなる」は、任意の特定されない要素、構成成分、または方法ステップの存在を除外するために、本出願の文脈において理解される。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」は、特定の要素、材料、構成成分、または方法ステップ、記載されているものの「基本的かつ新規の特徴に物質的に影響を及ぼさないもの」を含むように、本出願の文脈において理解される。本開示の様々な実施形態は、「含む(comprising)」という観点から記述されてきたが、本質的にからなるかまたはからなる実施形態も、本開示の範囲内である。
【0128】
本明細書で使用される場合、「上(on)」、「上に(onto)」、「上に塗布される(applied on)」、「上に塗布される(applied onto)」、「上に形成される(formed on)」、「上に堆積される(deposited on)」、「上に堆積される(deposited onto)」という用語は、表面上に形成される、重ねられる、堆積される、または提供されるが必ずしも表面と接触しないことを意味する。例えば、基材「上に堆積される」組成物は、電着可能なコーティング組成物と基材との間に位置する、同じまたは異なる組成物の1つまたは1つより多くの他の介在するコーティング層の存在を排除しない。
【0129】
本開示の特定の実施形態が詳細に説明されているが、本開示の全体的な教示に照らして、それらの詳細に対する様々な修正および代替案が開発され得ることが当業者によって理解されるであろう。したがって、開示される特定の構成は、例示のみであり、添付の特許請求の範囲の全容ならびにその任意のおよび全ての等価物を与える本開示の範囲に対する限定ではないことが意図される。本明細書に記載の特徴および例、ならびにそれらの組み合わせの各々は、本開示によって包含されていると言うことができる。
【0130】
本開示を例示することは、以下の実施例であるが、しかしながら、本開示をそれらの詳細に限定するとみなすべきではない。別途示されない限り、以下の実施例における、ならびに本明細書の全体を通して、全ての部およびパーセンテージは、重量によるものである。
【実施例】
【0131】
連続撹拌タンク反応器(CSTR)によるシラン官能性付加ポリマーの調製
内部冷却コイルを有する300mLの電気加熱された連続撹拌タンク反応器に、2-ブトキシエタノールを充填し、温度を、以下の表1に示すように、設定温度に調節した。以下の表1からの第1の反応器充填物を供給タンクから60mL/分で反応器に供給し、5分の滞留時間をもたらした。反応器を、400~600psiの圧力で体積的にいっぱいに保った。温度を設定温度で一定に保持した。反応器の出力を最初の15分間廃棄物容器に排出し、次いで、35psiで通気するように設定された圧力逃がし弁を備えた4000mLの連続撹拌タンク反応器に迂回させた。この時点で、第2の反応器チャージは、反応開始剤レベルと一致する速度で第2の反応器に供給された。第2の反応器の内容物を、表1から設定された温度に維持した。2100mLの生成物を第2の反応器に添加したとき、排出バルブを開き、樹脂を一定の充填レベルを維持した速度で収集容器に供給し、35分間の滞留時間をもたらした。収集した樹脂をリン酸トリエチル(TEP)中に更に溶解して、ポリマーF-Hについて表1からの標的固体と一致させた。
【表2】
【0132】
ポリマーA~Hの特性を、表2にまとめる。総遊離モノマーは、ガスクロマトグラフィーを使用して決定した。MnおよびMwを、前述のように決定した。Fox方程式を使用して理論値としてTgを計算した。多分散指数(PDI)は、MwをMnで割ることによって計算した。
【表3】
【0133】
バッチプロセスによるシラン官能性付加ポリマーの調製
シラン官能性アクリルポリマー「I」の調製:以下の表3の構成成分を使用して、モータ駆動のステンレス撹拌ブレード、水冷式コンデンサ、および温度フィードバック制御デバイスを通じて接続された温度計を有する加熱マントルを備えた2リットルの4口フラスコに、チャージ#1を添加した。フラスコの内容物を、窒素ブランケット下で120℃に加熱した。チャージ#2を、240分にわたって、添加漏斗を通してフラスコ内に添加した。チャージ#2の添加が開始してから5分後、チャージ#3を、別個の添加漏斗を通して、180分にわたってフラスコ内に添加した。添加が完了した後、2つの添加漏斗をそれぞれチャージ#4および#5ですすぎ、反応を120℃で60分間保持した。次いで、混合物を90℃未満に冷却し、収集容器に注いだ。
【表4】
【0134】
シラン官能性アクリルポリマー「J」の調製:以下の表4の構成成分を使用して、モータ駆動のステンレス撹拌ブレード、水冷式コンデンサ、および温度フィードバック制御デバイスを通じて接続された温度計を有する加熱マントルを備えた2リットルの4口フラスコに、チャージ#1を添加した。フラスコの内容物を、窒素ブランケット下で120℃に加熱した。チャージ#2を、240分にわたって、添加漏斗を通してフラスコ内に添加した。チャージ#2の添加が開始されてから5分後に、チャージ#3を、別個の添加漏斗を通して、180分にわたってフラスコ内に添加した。添加が完了した後、2つの添加漏斗をそれぞれチャージ#4および#5ですすぎ、反応を120℃で60分間保持した。次いで、混合物を90℃未満に冷却し、収集容器に注いだ。
【表5】
【0135】
シラン官能性アクリルポリマー「K」の調製:以下の表5の構成成分を使用して、モータ駆動のステンレス撹拌ブレード、水冷式コンデンサ、および温度フィードバック制御デバイスを通じて接続された温度計を有する加熱マントルを備えた2リットルの4口フラスコに、チャージ#1を添加した。フラスコの内容物を、窒素ブランケット下で120℃に加熱した。チャージ#2を、240分にわたって、添加漏斗を通してフラスコ内に添加した。チャージ#2の添加が開始されてから5分後に、チャージ#3を、別個の添加漏斗を通して、180分にわたってフラスコ内に添加した。添加が完了した後、2つの添加漏斗をそれぞれチャージ#4および#5ですすぎ、反応を120℃で60分間保持した。次いで、混合物を90℃未満に冷却し、収集容器に注いだ。
【表6】
【0136】
ポリマーA~Hの特性を、表6にまとめる。総遊離モノマーは、ガスクロマトグラフィーを使用して決定した。MnおよびMwを、前述のように決定した。Tgは、Fox方程式を使用して計算した。
【表7】
【0137】
以下の表は、実施例で使用される溶媒、ラジカル開始剤、またはアクリルモノマーの略語または商品名を含む。
【表8】
【0138】
樹脂Lの合成
4口丸底フラスコに、324.3グラムのリン酸トリエチル(TEP)を添加し、フラスコを機械的撹拌ブレード、熱電対、および還流凝縮器とともにセットした。窒素雰囲気下で、TEP溶媒が入ったフラスコを120℃の設定点まで加熱した。197.2グラムのMMA、151.5グラムのEHA、135.6グラムのEA、9.9グラムのHEA、および9.9グラムのMAAを含有するモノマー溶液を完全に混合した。10.3グラムのTrigonox 131および138.9グラムのTEPの溶液を調製し、360分にわたって、添加漏斗を介してフラスコ内に添加した。開始剤溶液の開始から5分後に、モノマー溶液を、300分にわたって、添加漏斗を介してフラスコ内に添加した。モノマー供給が完了した後、モノマー添加漏斗を12.4グラムのTEPですすいだ。開始剤供給が完了した後、開始剤添加漏斗を12.4グラムのTEPですすいだ。次いで、反応を120℃に60分間保持した。60分間保持した後、反応を冷却し、好適な容器に注いだ。樹脂の最終測定された固体含有量は、51.0%固体であることが決定された。
【0139】
樹脂の固体含有量を、各樹脂実施例において、以下の手順により測定した:Fisher Scientificのアルミニウム計量皿を、分析天秤を使用して計量した。空皿の重量を小数点以下4桁まで記録した。約0.5gの樹脂組成物を、秤量した皿に添加し、皿およびアクリル樹脂溶液の重量を小数点以下第4位まで記録した。次に、約3.5gのアセトンを、計量皿に添加した。アクリル樹脂溶液とアセトンとを含有する皿を実験室オーブンに入れ、オーブン温度を110℃に設定し、1時間乾燥させた。皿および乾燥アクリル樹脂を、分析天秤を使用して秤量した。皿および乾燥アクリル樹脂の重量を、小数点以下第4位まで記録した。個体含有量は、以下の式を使用して決定した:固形分%=100×[(皿および乾燥アクリル樹脂の重量)-(空の皿の重量)]/[(皿およびアクリル樹脂の重量)-(空の皿の重量)]。
【0140】
樹脂Mの合成
4口丸底フラスコに、324.3グラムのリン酸トリエチル(TEP)を添加し、フラスコを機械的撹拌ブレード、熱電対、および還流凝縮器とともにセットした。窒素雰囲気下で、TEP溶媒が入ったフラスコを125℃の設定点まで加熱した。197.1グラムのMMA、186.3グラムのEHA、50.4グラムのEA、50.4グラムのNVP、9.9グラムのHEA、および9.9グラムのMAAを含有するモノマー溶液を完全に混合した。10.3グラムのTrigonox 131および138.9グラムのTEPの溶液を調製し、360分にわたって、添加漏斗を介してフラスコ内に添加した。開始剤溶液の開始から5分後に、モノマー溶液を、300分にわたって、添加漏斗を介してフラスコ内に添加した。モノマー供給が完了した後、モノマー添加漏斗を12.4グラムのTEPですすいだ。開始剤供給が完了した後、開始剤添加漏斗を12.4グラムのTEPですすいだ。次いで、反応を125℃に60分間保持した。60分間保持した後、反応を冷却し、好適な容器に注いだ。樹脂の最終測定された固体含有量は、51.0%固体であることが決定された。
【0141】
結合剤組成物の調製
化学物質サプライヤ:PVDFは、Shanghai 3F(T-1 PVDF、「PVDF1」)およびSolvay(PVDF Solef 5130、「PVDF2」)から入手した。リン酸トリエチル(「TEP」)およびアセト酢酸エチル(「EAA」)は、いずれもEastman Chemical Companyから入手可能である。Resimene HM-2608(イソブタノール中の90%活性物質)は、INEOSから入手した。Resimene HM-2608の10%活性物質溶液をTEP(「添加剤溶液Z」)中で調製した。
【0142】
PDVF分散結合剤P1の調製
PVDFの分散体を、樹脂L、樹脂M、およびPVDF1を500グラムスケールで添加することによって、TEPとEAAとの混合物(TEP:EAA=80:20重量%)中で調製した。合計66.5gのアクリル樹脂および190.1グラムのPVDFを使用して、結合剤分散体「P1」を作製した。アクリル樹脂の重量比は、2.0部樹脂A対1.0部樹脂Bであった。「P1」は、45.0重量%の計算された総固体(重量)を有する。
【0143】
PDVF溶液-結合剤P2-1の調製
PVDF溶液を、以下の手順に従って、192グラムのスケールでCowlesブレードを使用して、高せん断混合下、TEP中にシラン官能性付加ポリマーおよびPVDF2を溶解させることによって調製した。9.66グラムのPVDFを181.28グラムのTEPに添加し、溶解するまで撹拌した。1.65グラムのシラン官能性付加ポリマーJ(TEP中の78%の固体)を添加し、撹拌した。シラン官能性付加ポリマー対PVDFの重量比は、11.76部の樹脂対88.24部のPVDFであった。結合剤P2-1は、5.69%(重量)の総固体を有した。
【0144】
PDVF溶液-結合剤P2-2の調製
PVDF溶液を、以下の手順に従って、692グラムのスケールでCowlesブレードを使用して、高せん断混合下、TEP中にシラン官能性付加ポリマーおよびPVDF2を溶解させることによって調製した。645グラムのTEPに34.16グラムのPVDFを添加し、溶解するまで撹拌した。12.88グラムのシラン官能性付加ポリマーJ(TEP中78%の固体)を添加し、撹拌した。シラン官能性付加ポリマー対PVDFの重量比は、22.7部の樹脂対77.3部のPVDFであった。結合剤P2-2は、6.39%(重量)の総固体を有した。
【0145】
PDVF溶液-結合剤P2/シランなしの調製
PVDF溶液を、以下の手順に従って、100グラムのスケールでCowlesブレードを使用して、高せん断混合下、TEP中にPVDF2を溶解させることによって調製した。合計5.1グラムのPVDFを94.9グラムのTEPに溶解させて、結合剤「P2/シランなし」を調製した。結合剤P2/シランなしは、5.1%(重量)の総固体を有した。
【0146】
スラリー組成物の調製
方法1:窒素充填グローブバッグ内で、結合剤溶液をTEPまたはTEP/EAAの混合物で希釈し、Thinkyカップに添加した。導電性カーボンを添加し、木製ブレードを用いて手で混合した。Thinkyカップにキャップをして、グローブバッグから取り出した。カーボンの分散は、遠心ミキサーを使用して達成した。均質になると、カーボンスラリーをグローブバッグに戻し、キャップを外して、活性物質を添加した。活性物質/カーボンスラリーを、木製ブレードを使用して手で混合し、キャップをして、グローブバッグから取り出した。活性物質の分散は、遠心ミキサーを使用して達成した。均質になると、カーボン/活性物質スラリーをグローブバッグに戻し、キャップを外して、添加剤溶液を添加した。完全に配合されたカソードスラリーを、木製ブレードを使用して手で混合し、キャップをして、グローブバッグから取り出した。カソードスラリー成分の全ての最終的な分散を、遠心ミキサーを使用して完了した。
【0147】
実施例1:
実験用スラリー組成物(S1)の調製:
このスラリーは、100グラムのスケール上で、活性物質96%対導電性カーボン2%対結合剤2%の重量比で調製した。表8は、方法1によるスラリーの調製に使用された成分の正確な重量を提供する。スラリーの固体重量%は、75.6%であった。
【表9】
【0148】
比較用NMPスラリー組成物(S2)の調製:スラリー組成物は、100グラムのスケール上で、活性物質96%対導電性カーボン2%対結合剤2%の重量比で調製した。スラリーを、室温(23℃)で、0~35%の湿度(乾燥バッグ内)で調製した。まず、結合剤(PVDF)をThinkyカップ内の希釈剤(NMP)内に溶解させた。次に、導電性カーボンを添加し、木製ブレードを用いて手で混合した。カーボンの分散は、遠心ミキサーを使用して達成した。均質になると、活性物質を次いで添加した。活性物質/カーボンスラリーを、木製ブレードを使用して手で混合した。活性物質の分散は、遠心ミキサーを使用して完了した。
【0149】
表9は、NMPスラリーの調製に使用された成分の正確な重量を提供する。スラリーの固体重量%は、66%であった。
【表10】
【0150】
シラン官能性付加ポリマーを含まない比較スラリー組成物(S3)の調製:
このスラリーは、50グラムのスケール上で、活性物質96%対導電性カーボン2%対結合剤2%の重量比で調製した。表10は、方法1によるスラリーの調製に使用された成分の正確な重量を提供する。スラリーの固体重量%は、74%であった。
【表11】
【0151】
電極の調製:
電極フィルムを、ドローダウンテーブル上の8ミルまたは10ミルドローダウンバーを使用して、アルミ箔上に調製した。堆積したフィルムを、55℃で2分間、次いで、120℃で4分間、オーブン乾燥した。カレンダープレスを使用して、各フィルムを30%の気孔率にプレスし、82~88ミクロンの範囲のフィルム厚さを得た。堆積したカソードのコーティング重量は、20.0~22.0mg/cm2であった。
【0152】
電極接着性の評価:
コーティングされた電極のストリップを0.5インチに切断し、3M 444両面テープを使用して、未処理のアルミパネルに固定した。MARK-10ESM303上での50mm/分の速度での90度剥離試験を使用して、コーティングされた電極の2つのストリップの接着強度を評価した。この試験は、本明細書では、剥離強度試験と称される。平均剥離強度は、NMPスラリー(S2)からのカソードでは25.0N/mであり、シラン官能性樹脂を含まないスラリー(S3)からのカソードでは17.1N/mであったのと比較して、シラン官能性樹脂を有するスラリー(S1)からのカソードでは26.7N/mであった。これは、シラン官能性アクリルポリマーが、高負荷でカソードの剥離強度を改善することができることを実証した。
【0153】
半電池コインセル中の電極の評価:
電極を半電池コインセル中で試験した。調製した電極を直径10mmのディスクに切断した。Li金属を対電極として使用し、電解質は、EC/EMC(3:7、v:v)中の1.0M LiPF
6であった。セルを0.1Cで3サイクル、0.3C、0.6C、1.0C、および1.5Cでそれぞれ5サイクル、ならびに1.0Cで長期サイクルを試験した。
図1は、異なるスラリーから調製された電極のサイクル性能を示している。S1、S2、およびS3から調製された電極間に有意差はなく、シラン官能性付加ポリマーがリチウムイオン電池における電気化学的性能に有害な影響を及ぼさないことを観察することができる。
【0154】
実施例2:
実験用スラリー組成物(S4)の調製:
このスラリーS4は、50グラムのスケール上で、活性物質96%対導電性カーボン2%対結合剤2%の重量比で調製した。表11は、方法1によるスラリーの調製に使用された成分の正確な重量を提供する。スラリーの固体重量%は、73.3%であった。
【表12】
【0155】
実験用スラリー組成物(S5)の調製:
このスラリーS5は、50グラムのスケール上で、活性物質96%対導電性カーボン2%対結合剤2%の重量比で調製した。表12は、方法1によるスラリーの調製に使用された成分の正確な重量を提供する。スラリーの固体重量%は、73%であった。
【表13】
【0156】
シラン官能性付加ポリマー(S6)を含まない比較スラリー組成物の調製:
このスラリーS6は、50グラムのスケール上で、活性物質96%対導電性カーボン2%対結合剤2%の重量比で調製した。表13は、方法1によるスラリーの調製に使用された成分の正確な重量を提供する。スラリーの固体重量%は、68.8%であった。
【表14】
【0157】
電極の調製:
電極フィルムを、ドローダウンテーブル上の8ミルまたは10ミルドローダウンバーを使用して、アルミ箔上に調製した。堆積したフィルムを、55℃で2分間、次いで、120℃で4分間、オーブン乾燥した。カレンダープレスを使用して、各フィルムを30%の気孔率にプレスし、82~88ミクロンの範囲のフィルム厚さを得た。堆積したカソードのコーティング重量は、20.0~22.0mg/cm2であった。
【0158】
電極接着性の評価:
コーティングされた電極のストリップを0.5インチに切断し、3M 444両面テープを使用して、未処理のアルミパネルに固定した。MARK-10ESM303上での50mm/分の速度での90度剥離試験を使用して、コーティングされた電極の2つのストリップの接着強度を評価した。この試験は、本明細書では、剥離強度試験と称される。平均剥離強度は、スラリーS4からのカソードでは32.3N/m、S5からのカソードでは30.7N/m、およびS6からのカソードでは25.6N/mであった。シラン官能性付加ポリマーを含有するスラリー(S4およびS5)からの剥離強度は、シラン官能性樹脂を含まないスラリー(S6)から得られた剥離強度よりもはるかに高かった。これは、シラン官能性アクリルポリマーが、カソードの接着/凝集を強化するのに有効であることを実証した。
【0159】
本明細書に記載および例示される広範な本発明の概念から逸脱することなく、上述の開示に照らして、多数の修正および変形が可能であることが当業者によって理解されるであろう。したがって、前述の開示は、本出願の様々な例示的な態様の単なる例示であり、本出願および添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内にある多数の修正および変形が、当業者によって容易に行われ得ることが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラリー組成物であって、
電気化学的活性物質および/または導電剤と、
フルオロポリマーと、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、
液体媒体と、を含む、スラリー組成物。
【請求項2】
前記液体媒体が
、水性媒体を含む、請求項1に記載のスラリー組成物。
【請求項3】
前記液体媒体が、有機溶媒を含む有機媒体を含む、請求項1に記載のスラリー組成物。
【請求項4】
前記付加ポリマーが、500g/当量~50,000g/当量のケイ素含有官能基当量を有する
、請求項
1から3のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項5】
前記付加ポリマーが、75g/当量~15,000g/当量のアルコキシ当量を有する
、請求項
1から4のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項6】
前記付加ポリマーが、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む0.5重量%~40重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基と、
ケイ素含有官能基を含まない60重量%~99.5重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基と、を含む
、請求項
1から5のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項7】
結合剤固体の総重量に基づいて、前記フルオロポリマーが、20重量%~99.9重量%の量で存在し、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む前記付加ポリマーが、0.1重量%~25重量%の量で存在する
、請求項
1から6のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項8】
前記付加ポリマーが、100℃未
満のガラス転移温度を有する
、請求項
1から7のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項9】
架橋剤を更に含む
、請求項
1から8のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項10】
前記架橋剤が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~25重量%の量で存在する、請求項
9に記載のスラリー組成物。
【請求項11】
前記フルオロポリマーが、前記液体媒体中に分散されている
、請求項
1から10のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項12】
前記フルオロポリマーが、前記液体媒体中に可溶化されている
、請求項1~
10のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項13】
(メタ)アクリルポリマーを更に含む、請求項
1から12のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項14】
非ポリマーアルコキシシラン化合物を更に含む、請求項
1から13のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
【請求項15】
スラリー組成物であって、
電気化学的活性物質および/または導電剤と、
フルオロポリマーと、
非ポリマーアルコキシシラン化合物と、
液体媒体と、を含む、スラリー組成物。
【請求項16】
集電体と、前記集電体の表面上のフィルムと、を備える電極であって、前記フィルムが、
電気化学的活性物質および/または導電剤と、
フルオロポリマーと、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、を含む、電極。
【請求項17】
前記フィルムが、剥離強度試験によって測定される際に、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む前記付加ポリマーを含まない比較フィルムよりも少なくとも10%高い前記集電体に対する接着性を有する、請求項
16に記載の電極。
【請求項18】
前記フィルムが、請求項1~
15のいずれか一項に記載のスラリー組成物から堆積される、請求項
16または
17に記載の電極。
【請求項19】
蓄電デバイスであって、(a)請求項
16~18のいずれか一項に記載の電極と、(b)対電極と、(c)電解質と、を備える、蓄電デバイス
。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本開示はまた、フルオロポリマーと、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、を含む結合剤組成物を提供する。
なお、下記[1]から[80]は、いずれも本発明の一形態又は一態様である。
[1]
スラリー組成物であって、
電気化学的活性物質および/または導電剤と、
フルオロポリマーと、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、
液体媒体と、を含む、スラリー組成物。
[2]
前記液体媒体が、有機媒体または水性媒体を含む、[1]に記載のスラリー組成物。
[3]
前記液体媒体が、有機溶媒を含む有機媒体を含む、[1]に記載のスラリー組成物。
[4]
前記付加ポリマーが、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む0.5重量%~100重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基を含む、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[5]
前記付加ポリマーが、1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、2つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、3つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、またはそれらの任意の組み合わせを含む0.5重量%~100重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基を含む、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[6]
前記付加ポリマーが、500g/当量~50,000g/当量のケイ素含有官能基当量を有する、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[7]
前記付加ポリマーが、75g/当量~15,000g/当量のアルコキシ当量を有する、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[8]
前記付加ポリマーが、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む0.5重量%~40重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基と、
ケイ素含有官能基を含まない60重量%~99.5重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基と、を含む、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[9]
結合剤固体の総重量に基づいて、前記フルオロポリマーが、20重量%~99.9重量%の量で存在し、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む前記付加ポリマーが、0.1重量%~25重量%の量で存在する、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[10]
前記付加ポリマーが、100℃未満、または-50℃~+70℃、または-50℃~+23℃、または-50℃~+15℃、または-50℃~0℃のガラス転移温度を有する、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[11]
架橋剤を更に含む、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[12]
前記架橋剤が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~25重量%の量で存在する、[11]に記載のスラリー組成物。
[13]
前記フルオロポリマーが、ポリフッ化ビニリデンホモポリマーを含む、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[14]
前記フルオロポリマーが、フッ化ビニリデンコポリマーを含む、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[15]
前記フルオロポリマーが、前記液体媒体中に分散されている、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[16]
前記フルオロポリマーが、前記液体媒体中に可溶化されている、先行する[1]~[14]のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[17]
スラリーが、メルカプト官能性オルガノシラン化合物を実質的に含まない、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[18]
前記スラリーが、スチレンブタジエンゴムを実質的に含まない、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[19]
前記付加ポリマーが、シロキサン基を含まない、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[20]
前記スラリーが、ポリイミド樹脂を実質的に含まない、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[21]
(メタ)アクリルポリマーを更に含む、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[22]
前記(メタ)アクリルポリマーが、前記(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、30重量%~96重量%の量で、アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位を含む、[21]に記載のスラリー組成物。
[23]
前記(メタ)アクリルポリマーが、1,000~100,000g/molの数平均分子量および/または2,000~1,000,000g/molの重量平均分子量を有する、[21]または[22]に記載のスラリー組成物。
[24]
非ポリマーアルコキシシラン化合物を更に含む、先行する項のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[25]
前記非ポリマーアルコキシシラン化合物が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~10重量%の量で存在する、[24]に記載のスラリー組成物。
[26]
スラリー組成物であって、
電気化学的活性物質および/または導電剤と、
フルオロポリマーと、
非ポリマーアルコキシシラン化合物と、
液体媒体と、を含む、スラリー組成物。
[27]
前記非ポリマーアルコキシシラン化合物が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~10重量%の量で存在する、[26]に記載のスラリー組成物。
[28]
前記液体媒体が、有機媒体または水性媒体を含む、[26]または[27]に記載のスラリー組成物。
[29]
前記液体媒体が、有機溶媒を含む有機媒体を含む、[26]または[27]に記載のスラリー組成物。
[30]
架橋剤を更に含む、先行する[26]~[29]のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[31]
前記架橋剤が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~25重量%の量で存在する、[30]に記載のスラリー組成物。
[32]
前記フルオロポリマーが、ポリフッ化ビニリデンホモポリマーを含む、先行する[26]~[31]のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[33]
前記フルオロポリマーが、フッ化ビニリデンコポリマーを含む、先行する[26]~[31]のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[34]
前記フルオロポリマーが、前記液体媒体中に分散されている、先行する[26]~[33]のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[35]
前記フルオロポリマーが、前記液体媒体中に可溶化されている、先行する[26]~[33]のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[36]
スラリーが、メルカプト官能性オルガノシラン化合物を実質的に含まない、先行する[26]~[35]のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[37]
前記スラリーが、スチレンブタジエンゴムを実質的に含まない、先行する[26~[36のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[38]
前記スラリーが、ポリイミド樹脂を実質的に含まない、先行する[26]~[37]のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[39]
(メタ)アクリルポリマーを更に含む、先行する[26]~[38]のいずれか一項に記載のスラリー組成物。
[40]
前記(メタ)アクリルポリマーが、前記(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、30重量%~96重量%の量で、アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位を含む、[39]に記載のスラリー組成物。
[41]
前記(メタ)アクリルポリマーが、1,000~100,000g/molの数平均分子量、および/または2,000~1,000,000g/molの重量平均分子量を有する、[39]または[40]に記載のスラリー組成物。
[42]
集電体と、前記集電体の表面上のフィルムと、を備える電極であって、前記フィルムが、
電気化学的活性物質および/または導電剤と、
フルオロポリマーと、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、を含む、電極。
[43]
前記フィルムが、剥離強度試験によって測定される際に、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む前記付加ポリマーを含まない比較フィルムよりも少なくとも10%高い前記集電体に対する接着性を有する、[42]に記載の電極。
[44]
前記フィルムが、[1]~[41]のいずれか一項に記載のスラリー組成物から堆積される、[42]または43]に記載の電極。
[45]
集電体(A)が、メッシュ、シート、または箔の形態の銅またはアルミニウムを含む、先行する[42]~[44]のいずれか一項に記載の電極。
[46]
前記フィルムが、架橋されている、先行する[42]~[45]のいずれか一項に記載の電極。
[47]
前記フィルムが、架橋剤の残基を更に含む、[46]に記載の電極。
[48]
前記集電体が、前処理組成物で前処理されている、先行する[42]~[47]のいずれか一項に記載の電極。
[49]
前記電極が、正極を含む、先行する[42]~[48]のいずれか一項に記載の電極。
[50]
前記電極が、負極を含む、先行する[42]~[48]のいずれか一項に記載の電極。
[51]
蓄電デバイスであって、(a)[42]~[50]のいずれか一項に記載の電極と、(b)対電極と、(c)電解質と、を備える、蓄電デバイス。
[52]
前記電解質(c)が、溶媒中に溶解されたリチウム塩を含む、[51]に記載の蓄電デバイス。
[53]
前記リチウム塩が、有機カーボネート中に溶解されている、[52]に記載の蓄電デバイス。
[54]
前記蓄電デバイスが、セルを含む、[51]~[53]のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
[55]
前記蓄電デバイスが、電池パックを含む、[51]~[53]のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
[56]
前記蓄電デバイスが、二次電池を含む、[51]~[53]のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
[57]
前記蓄電デバイスが、コンデンサを含む、[51]~[53]のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
[58]
前記蓄電デバイスが、スーパーコンデンサを含む、[51]~[53]のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
[59]
結合剤組成物であって、
フルオロポリマーと、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む付加ポリマーと、を含む、結合剤組成物。
[60]
前記結合剤組成物が、
結合剤固体の総重量に基づいて、前記フルオロポリマーが、20重量%~99.9重量%の量で存在する、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む前記付加ポリマーが、0.1重量%~25重量%の量で存在する、ことを含む、[59]に記載の結合剤組成物。
[61]
架橋剤を更に含む、[59]または[60]に記載の結合剤組成物。
[62]
前記架橋剤が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~25重量%の量で存在する、[61]に記載の結合剤組成物。
[63]
前記付加ポリマーが、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む0.5重量%~100重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基を含む、先行する[59]~[62]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[64]
前記付加ポリマーが、1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、2つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、3つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基、またはそれらの任意の組み合わせを含む0.5重量%~100重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基を含む、先行する[59]~[63]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[65]
前記付加ポリマーが、500g/当量~50,000g/当量のケイ素含有官能基当量を有する、先行する[59]~[64]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[66]
前記付加ポリマーが、75g/当量~15,000g/当量のアルコキシ当量を有する、先行する[59]~[65]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[67]
前記付加ポリマーが、
少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む0.5重量%~40重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基と、
ケイ素含有官能基を含まない60重量%~99.5重量%のエチレン性不飽和モノマーの残基と、を含む、先行する[59]~[50]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[68]
前記結合剤固体の総重量に基づいて、前記フルオロポリマーが、20重量%~99.9重量%の量で存在し、少なくとも1つのアルコキシ置換基を含むケイ素含有官能基を含む前記付加ポリマーが、0.1重量%~25重量%の量で存在する、先行する[59]~[67]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[69]
前記付加ポリマーが、100℃未満、または-50℃~+70℃、または-50℃~+23℃、または-50℃~+15℃、または-50℃~0℃のガラス転移温度を有する、先行する[59]~[68]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[70]
前記フルオロポリマーが、ポリフッ化ビニリデンホモポリマーを含む、先行する[59]~[69]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[71]
前記フルオロポリマーが、フッ化ビニリデンコポリマーを含む、先行する[59]~[70]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[72]
結合剤が、メルカプト官能性オルガノシラン化合物を実質的に含まない、先行する[59]~[71]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[73]
前記結合剤が、スチレンブタジエンゴムを実質的に含まない、先行する[59]~[72]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[74]
前記付加ポリマーが、シロキサン基を含まない、先行する[59]~[73]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[75]
前記結合剤が、ポリイミド樹脂を実質的に含まない、先行する[59]~[74]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[76]
(メタ)アクリルポリマーを更に含む、先行する[59]~[75]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[77]
前記(メタ)アクリルポリマーが、前記(メタ)アクリルポリマーの総重量に基づいて、30重量%~96重量%の量で、アルキル基中に1~3個の炭素原子を含有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位を含む、[76]に記載の結合剤組成物。
[78]
前記(メタ)アクリルポリマーが、1,000~100,000g/molの数平均分子量および/または2,000~1,000,000g/molの重量平均分子量を有する、[76]または[77]に記載の結合剤組成物。
[79]
非ポリマーアルコキシシラン化合物を更に含む、先行する[59]~[78]のいずれか一項に記載の結合剤組成物。
[80]
前記非ポリマーアルコキシシラン化合物が、前記結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~10重量%の量で存在する、[79]に記載の結合剤組成物。
【国際調査報告】