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特表2024-518973二酸化炭素を捕捉するためのパッキングを備えた気体-液体接触器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】二酸化炭素を捕捉するためのパッキングを備えた気体-液体接触器
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/14 20060101AFI20240426BHJP
   C01B 32/50 20170101ALI20240426BHJP
【FI】
B01D53/14 200
C01B32/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569993
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 US2022028854
(87)【国際公開番号】W WO2022241049
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/187,089
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518273633
【氏名又は名称】カーボン・エンジニアリング・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ローガン・オステリチャー
(72)【発明者】
【氏名】トッド・アーネスト・ウィルク
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・セント・アンジェロ
(72)【発明者】
【氏名】ラデク・ストーフシック
(72)【発明者】
【氏名】マックスウェル・ダグラス・ホーナー
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・エドワード・オルムステッド
【テーマコード(参考)】
4D020
4G146
【Fターム(参考)】
4D020AA03
4D020BA01
4D020BA02
4D020BA08
4D020BA09
4D020BA16
4D020BB03
4D020CC13
4D020CC14
4D020CC15
4D020DA01
4D020DA02
4D020DA03
4D020DB01
4D020DB02
4D020DB03
4D020DB04
4D020DB05
4D020DB06
4D020DB20
4G146JA02
4G146JB10
4G146JC29
4G146JC37
(57)【要約】
希釈から二酸化炭素(CO)を捕捉するためのパッキングが、CO捕捉溶液によって濡らされるように構成され、第1の方向に沿って定められる第1の寸法と、第1の方向と異なる第2の方向に沿って定められる第2の寸法とを有する気体通路を定めるメッシュ材料を備える少なくとも1つのパネルを備え、気体通路は、第2の方向において希釈気体供給源からCO含有気体の流れを受け入れ、CO含有気体の流れをメッシュ材料においてCO捕捉溶液と接触させるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
希釈気体供給源から二酸化炭素(CO)を捕捉するためのパッキングであって、
少なくとも1つのパネルを備え、前記少なくとも1つのパネルは、
CO捕捉溶液によって濡らされるように構成され、第1の方向に沿って定められる第1の寸法と前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って定められる第2の寸法とを有する気体通路を定めるメッシュ材料を備え、
前記気体通路は、前記第2の方向において前記希釈気体供給源からCO含有気体の流れを受け入れ、前記CO含有気体の流れを前記メッシュ材料において前記CO捕捉溶液と接触させるように構成される、パッキング。
【請求項2】
前記少なくとも1つのパネルは複数のパネルを備え、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルは、前記第1の方向において互いから離間され、前記隣接するパネルの各々の間にそれぞれの気体通路を定め、前記それぞれの気体通路の各々はそれぞれの前記第1の寸法によって定められる、請求項1に記載のパッキング。
【請求項3】
前記隣接するパネルの各々のパネルは平面状表面を定め、隣接するパネルの前記平面状表面は互いと平行である、請求項2に記載のパッキング。
【請求項4】
前記隣接するパネルの少なくとも一方のパネルは複数の平面状部分と複数の突出部分とを含み、前記複数の平面状部分は平行な平面を定め、前記複数の突出部分は、前記平行な平面から前記第1の方向において前記それぞれの気体通路へと外方へ延びる、請求項2または3に記載のパッキング。
【請求項5】
前記隣接するパネルの各々のパネルは同じ形を有する、請求項2から4のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項6】
前記気体通路は前記CO含有気体の流れの前記第2の方向と同じ直線状である、請求項1から5のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項7】
前記少なくとも1つのパネルは単一のパネルであり、前記メッシュ材料はメッシュ材料の連続シートを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項8】
前記メッシュ材料の連続シートは、前記第1の方向において互いから離間され、前記気体通路を定める複数のパネル区分を備える、請求項7に記載のパッキング。
【請求項9】
前記少なくとも1つのパネルは、前記第1の方向において互いから離間される複数のパネルを備え、前記複数のパネルは、前記複数のパネルの隣接するパネルの間に複数の気体通路を定め、
前記複数の気体通路の少なくとも1つの気体通路は、第1の幅を備える前記第1の寸法によって定められ、
前記複数の気体通路の少なくとも1つの別の気体通路は、前記第1の幅と異なる第2の幅を備える前記第1の寸法によって定められる、請求項1から8のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項10】
前記気体通路は、前記第2の寸法に対して垂直な平面において気体通路断面形状を定め、前記気体通路断面形状は矩形、三角形、または菱形のうちの少なくとも1つである、請求項1から9のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項11】
前記第1の寸法は6インチ以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項12】
前記CO捕捉溶液は、水酸化物溶液、重炭酸塩/炭酸塩溶液、またはアミン溶液のうちの少なくとも1つである、請求項1から11のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項13】
前記メッシュ材料は、複数のメッシュ小孔を定める複数の繊維を備え、前記メッシュ材料は、前記CO捕捉溶液を、濡れた前記メッシュ材料の前記複数のメッシュ小孔のうちの少なくとも一部分のメッシュ小孔に架け渡らせ、気体-液体境界面を定めさせるために、前記CO捕捉溶液によって濡らされるように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項14】
前記気体-液体境界面は、
前記メッシュ材料の第1の側に配置される第1の側と、
前記メッシュ材料の前記第1の側と反対の前記メッシュ材料の第2の側に配置される第2の側と
を備える、請求項13に記載のパッキング。
【請求項15】
前記気体-液体境界面の前記第1の側と前記気体-液体境界面の前記第2の側は、前記メッシュ材料の対応する繊維の表面積より大きい全体での反応性気体-液体境界面面積を集合的に定める、請求項14に記載のパッキング。
【請求項16】
前記メッシュ材料の濡れ比率が100%より大きい、請求項13に記載のパッキング。
【請求項17】
前記少なくとも1つのパネルは直立した配向を有し、前記第2の寸法は前記第1の寸法より3桁未満大きい、請求項1から16のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項18】
前記メッシュ材料は親水性材料を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項19】
前記親水性材料は、前記メッシュ材料の少なくとも一部分に配置される親水性被覆である、請求項18に記載のパッキング。
【請求項20】
前記親水性材料は不織材料または有機材料の少なくとも一方を備える、請求項18または19に記載のパッキング。
【請求項21】
前記有機材料は黄麻布、麻、またはセルロースのうちの少なくとも1つを備える、請求項20に記載のパッキング。
【請求項22】
前記メッシュ材料は疎水性材料を備える、請求項1から21のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項23】
前記疎水性材料は、前記メッシュ材料の少なくとも一部分に配置される疎水性被覆である、請求項22に記載のパッキング。
【請求項24】
前記メッシュ材料は、表面テクスチャを有する複数の繊維を備える、請求項1から23のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項25】
前記メッシュ材料は、0.0001mmから10mmまでの範囲にある直径を各々が有する複数の繊維を備える、請求項1から24のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項26】
前記メッシュ材料は複数のメッシュ小孔を備え、前記複数のメッシュ小孔は、六角形、矩形、または丸形のうちの少なくとも1つを備える1つまたは複数の形を有する、請求項1から25のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項27】
前記メッシュ材料は、丸められた突起、リッジ、波形、またはヘリンボーンのうちの少なくとも1つを備える複数のインプリントされたテクスチャを形成するように成形される、請求項1から26のいずれか一項に記載のパッキング。
【請求項28】
希釈気体供給源から二酸化炭素(CO)を捕捉するための気体-液体接触器であって、
入口および出口を備えるプレナムを少なくとも部分的に包囲する筐体と、
前記入口の下流で前記筐体において支持される少なくとも1つのパッキングであって、少なくとも1つのパネルを備え、前記少なくとも1つのパネルは、メッシュ材料を備え、第1の方向に沿って定められる第1の寸法と、前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って定められる第2の寸法とを有する気体通路を定める、少なくとも1つのパッキングと、
前記メッシュ材料をCO捕捉溶液で濡らすように構成される液体分配システムであって、前記メッシュ材料から受け入れられる前記CO捕捉溶液を保持するように構成される1つまたは複数の液溜め部を備える液体分配システムと、
CO含有気体を、濡れた前記メッシュ材料において前記CO捕捉溶液と接触させるために、前記CO含有気体を前記希釈気体供給源から前記気体通路を通じて前記第2の方向に流すように構成される気体移動デバイスと
を備える気体-液体接触器。
【請求項29】
前記筐体に連結され、前記少なくとも1つのパッキングの下流に位置決めされるドリフトエリミネータをさらに備える、請求項28に記載の気体-液体接触器。
【請求項30】
前記気体移動デバイスは、前記出口において前記少なくとも1つのパッキングの下流に配置されるファンであり、前記ファンは、前記CO含有気体を前記第2の方向において前記気体通路を通じて前記入口へと引き込むために、ファン軸の周りで回転可能である、請求項29に記載の気体-液体接触器。
【請求項31】
前記液体分配システムは前記メッシュ材料を濡らすように構成され、濡らされた前記メッシュ材料は、前記CO捕捉溶液の液膜を前記メッシュ材料に形成する、請求項28から30のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項32】
前記液体分配システムは、前記CO捕捉溶液を1L/minから4L/minまでの範囲にある溶液流量で流すように構成される、請求項28から31のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項33】
前記筐体によって支持され、前記少なくとも1つのパッキングを支持するように構成される構造支持体であって、1つまたは複数の支持梁に装着される1つまたは複数の支持棒を備える構造支持体をさらに備える、請求項28から32のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項34】
前記メッシュ材料は、縫い込み、引っ張り、または留め具のうちの少なくとも1つによって前記1つまたは複数の支持棒に固定的に装着される、請求項33に記載の気体-液体接触器。
【請求項35】
前記液体分配システムは、前記CO捕捉溶液を前記メッシュ材料の少なくとも一部分に提供するように構成される1つまたは複数の分配容易化デバイスを備える、請求項33または34のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項36】
前記1つまたは複数の分配容易化デバイスは、液体分配棒または液体分配スペーサの少なくとも一方を備える、請求項35に記載の気体-液体接触器。
【請求項37】
前記液体分配スペーサの1つまたは複数が、先細り端を有する少なくとも1つのチューブを備える、請求項36に記載の気体-液体接触器。
【請求項38】
前記液体分配棒は、前記捕捉溶液を流すように動作可能である複数の溝を備える、請求項36または37のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項39】
1つまたは複数の前記液体分配スペーサは、上部液溜め部の少なくとも一部分を形成するために、1つまたは複数の前記液体分配棒に押し付けられる、請求項36から38のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項40】
1つまたは複数の前記液体分配棒と1つまたは複数の前記液体分配スペーサとは前記メッシュ材料と一体に形成される、請求項36から39のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項41】
1つまたは複数の前記液体分配棒、1つまたは複数の前記液体分配スペーサ、および前記少なくとも1つのパネルは、PVC被覆で少なくとも部分的に覆われるガラス繊維芯材を備える、請求項36から40のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項42】
前記1つまたは複数の支持棒のうちの第1の支持棒は、前記1つまたは複数の支持棒のうちの第2の支持棒と相互係止するように構成される、請求項33に記載の気体-液体接触器。
【請求項43】
前記1つまたは複数の支持棒は、C字形または弓形である断面を備える、請求項33に記載の気体-液体接触器。
【請求項44】
前記1つまたは複数の支持棒は、それぞれの前記支持棒の第1の端からそれぞれの前記支持棒の第2の端へと先細りとなる太さを各々が有する、請求項33に記載の気体-液体接触器。
【請求項45】
前記1つまたは複数の液溜め部は、
前記少なくとも1つのパネルの上方に位置決めされる少なくとも1つの上部液溜め部と、
前記少なくとも1つのパネルの下方に位置決めされる少なくとも1つの底部液溜め部と
を備え、
前記液体分配システムは、前記CO捕捉溶液の少なくとも一部分を前記少なくとも1つの底部液溜め部から前記少なくとも1つの上部液溜め部へと流すように構成される、請求項28から44のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項46】
前記気体-液体接触器は、冷却塔システム、直接空気捕捉空気接触システム、またはそれらの組み合わせの一部として動作するように構成される、請求項28から45のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項47】
前記筐体によって支持され、前記少なくとも1つのパッキングを支持するように構成され、1つまたは複数の支持棒を備える構造支持体をさらに備え、前記1つまたは複数の支持棒の棒材の第1のサブセットが、前記1つまたは複数の支持棒の棒材の第2のサブセットからずれており、前記棒材の第2のサブセットは、前記第1の寸法および前記第2の寸法に対して垂直な方向において、前記棒材の第1のサブセットから離間され、前記メッシュ材料は、複数のパネル区分を形成するために、前記棒材の第1のサブセットおよび前記棒材の第2のサブセットの周りで引っ張られるメッシュ材料の連続シートを備え、前記複数のパネル区分は、前記棒材の第1のサブセットおよび前記棒材の第2のサブセットの離間された棒材の間で延びる、請求項28から46のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項48】
前記複数のパネル区分の隣接するパネル区分は、前記第1の方向において互いから離間され、前記気体通路を定め、前記第1の寸法は、前記棒材の第1のサブセットと前記棒材の第2のサブセットとの間の距離と平行な方向において小さくなる、請求項47に記載の気体-液体接触器。
【請求項49】
前記複数のパネル区分の隣接するパネル区分は、互いに対して非平行の配向を有する、請求項47に記載の気体-液体接触器。
【請求項50】
前記筐体によって支持され、前記少なくとも1つのメッシュパッキングを支持するように構成され、1つまたは複数の支持棒を備える構造支持体であって、前記メッシュ材料は前記1つまたは複数の支持棒から吊るされる、構造支持体をさらに備える、請求項28から49のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項51】
1つまたは複数のスペーサをさらに備え、前記1つまたは複数のスペーサの各々のスペーサは、前記1つまたは複数の支持棒のうちの隣接する支持棒の間に介在させられる、請求項50に記載の気体-液体接触器。
【請求項52】
前記1つまたは複数のスペーサは1つまたは複数の分配スペーサを備える、請求項51に記載の気体-液体接触器。
【請求項53】
1つまたは複数の分配容易化デバイスをさらに備える、請求項52に記載の気体-液体接触器。
【請求項54】
前記1つまたは複数の分配容易化デバイスは分配支持棒または分配スペーサの少なくとも一方を備える、請求項53に記載の気体-液体接触器。
【請求項55】
前記1つまたは複数のスペーサは、先細り端を有する少なくとも1つのチューブを備える、請求項51に記載の気体-液体接触器。
【請求項56】
前記液体分配システムは、前記CO捕捉溶液を前記少なくとも1つのパッキングにわたって流すように構成される1つまたは複数の流れデバイスをさらに備え、前記1つまたは複数の流れデバイスは、ノズル、吹き付け噴霧器、または液体分配棒の少なくとも1つを備える、請求項28から55のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項57】
前記少なくとも1つのパッキングは、前記筐体の中で横方向において互いから離間される2つのパッキングを備え、
前記気体移動デバイスは、横方向において前記2つのパッキングの間で、その下流において、前記出口に配置されるファンを備え、前記ファンは、前記CO含有気体を前記希釈気体供給源から前記2つのパッキングを通じて引き込むために、および、前記出口を通じてCOの薄い気体を出すために、直立したファン軸の周りで回転可能である、請求項28から56のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項58】
前記少なくとも1つのパネルは、平面状表面に対して垂直なベクトルを有する平面状表面を定め、前記ベクトルは水平の配向を有する、請求項28から57のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項59】
前記少なくとも1つのパネルは、直立した配向を有し、前記CO含有気体の流れに対して定められる前縁を含み、前記前縁は、前記CO含有気体の前記流れの方向において傾斜しており、鉛直軸に対してある角度を定める、請求項28から58のいずれか一項に記載の気体-液体接触器。
【請求項60】
COをCO含有気体から捕捉するための方法であって、
CO捕捉溶液を離間されているメッシュパネルに沿って流すために、前記離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分を前記CO捕捉溶液で濡らすステップと、
前記CO含有気体を、前記離間されているメッシュパネルの間に定められる気体通路に沿って流すステップと、
前記CO含有気体を、濡れた前記離間されているメッシュパネルにおける前記CO捕捉溶液と反応させるステップと、
前記CO含有気体における前記COの少なくとも一部分を前記CO捕捉溶液で吸収するステップと
を含む方法。
【請求項61】
前記CO含有気体を前記気体通路に沿って流すステップは、前記CO含有気体を前記気体通路の深さに沿って直線状に流すステップを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分を前記CO捕捉溶液で濡らすステップは、前記CO捕捉溶液を第1の方向において前記離間されているメッシュパネルにわたって流すステップを含み、
前記CO含有気体を前記気体通路に沿って流すステップは、前記CO含有気体を、前記第1の方向を横断する第2の方向において、前記気体通路に沿って流すステップを含む、請求項60または61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記第2の方向は前記第1の方向に対して向流である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分を前記CO捕捉溶液で濡らすステップは、前記CO捕捉溶液を1L/minから4L/minまでの範囲にある流量で流すステップを含む、請求項60から63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分を前記CO捕捉溶液で濡らすステップは、
前記離間されているメッシュパネルの前記少なくとも一部分を前記CO捕捉溶液で飽和させるステップと、
1つまたは複数の蛇行する流れを形成するために、前記離間されているメッシュパネルの飽和させられた前記少なくとも一部分に沿って前記CO捕捉溶液を流すステップと
を含む、請求項60から64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分を前記CO捕捉溶液で濡らすステップは、前記CO捕捉溶液の液膜を前記離間されているメッシュパネルの前記少なくとも一部分に沿って形成するステップを含む、請求項60から65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記CO含有気体を前記気体通路に沿って流すステップは、前記CO含有気体を前記気体通路に沿って引き込むために1つまたは複数のファンを回転させるステップを含む、請求項60から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記CO捕捉溶液の少なくとも一部分を1つまたは複数の底部液溜め部において回収するステップと、
前記CO捕捉溶液の少なくとも一部分を前記1つまたは複数の底部液溜め部から1つまたは複数の上部液溜め部へと流すステップと
を含む、請求項60から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
COの薄い気体とCOの濃い捕捉溶液とを形成するために、前記CO含有気体を前記CO捕捉溶液と反応させるステップと、
前記COの薄い気体を放出するステップと
をさらに含む、請求項60から68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
1つまたは複数のドリフトエリミネータを通じて前記COの薄い気体を流すステップをさらに含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記CO含有気体を、前記離間されているメッシュパネルの間に定められる前記気体通路に沿って流す前記ステップの後、開放プレナムを通じて前記COの薄い気体を流すステップをさらに含む、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分を前記CO捕捉溶液で濡らすステップは、気体-液体境界面を定めるために、前記離間されているメッシュパネルのメッシュ小孔にわたって前記CO捕捉溶液を架け渡らせるステップを含む、請求項60から71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記メッシュ小孔にわたって前記CO捕捉溶液を架け渡らせるステップは、各々の離間されたメッシュの両方の反対の側に前記気体-液体境界面を形成するステップを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記メッシュ小孔にわたって前記CO捕捉溶液を架け渡らせるステップは、前記離間されているメッシュパネルの親水性メッシュ繊維を前記CO捕捉溶液で濡らすステップを含み、前記親水性メッシュ繊維は前記メッシュ小孔を定める、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分を前記CO捕捉溶液で濡らすステップは、前記離間されているメッシュパネルの親水性メッシュ繊維の外面を前記CO捕捉溶液で濡らすステップを含む、請求項60から74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記親水性メッシュ繊維の前記外面を濡らすステップは、前記CO捕捉溶液を前記親水性メッシュ繊維の前記外面に沿って流すステップを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記親水性メッシュ繊維の前記外面を濡らすステップは、前記親水性メッシュ繊維によって定められるメッシュ小孔にわたって延びる前記CO捕捉溶液の液膜を形成するために、前記親水性メッシュ繊維の飽和水準を越えて、前記親水性メッシュ繊維を前記CO捕捉溶液で濡らすステップを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
離間されているメッシュパネルの前記少なくとも一部分を前記CO捕捉溶液で濡らすステップは、前記離間されているメッシュパネルのメッシュ繊維に固体の沈殿物を形成することで、前記離間されているメッシュパネルの前記少なくとも一部分を調整するステップを含む、請求項60から77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
COを希釈供給源から捕捉するための方法であって、
液体分配システムを使用して、捕捉溶液を1つまたは複数の上部液溜め部からメッシュパッキングの1つまたは複数の区域へと提供するステップであって、メッシュパッキングの前記1つまたは複数の区域は、1つまたは複数のメッシュシートを各々が備える、ステップと、
前記捕捉溶液を前記メッシュパッキングの少なくとも一部分にわたって分配するステップと、
ファンを動作させることで、前記メッシュパッキングを通じてCO含有気体を引き込むステップと、
前記ファンを動作させることで、前記1つまたは複数のメッシュシートによって定められる1つまたは複数の気体通路を通じて前記CO含有気体を同じ直線状で流すステップと、
COの薄い気体とCOの濃い捕捉溶液とを形成するために、前記CO含有気体を前記捕捉溶液と反応させるステップと、
前記COの濃い捕捉溶液を1つまたは複数の底部液溜め部において回収するステップと、
前記COの薄い気体を放出するステップと
を含む方法。
【請求項80】
1つまたは複数のドリフトエリミネータを通じて前記COの薄い気体を流すステップをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
開放プレナム区域を通じて前記COの薄い気体を流すステップをさらに含む、請求項79または80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記捕捉溶液をメッシュパッキングの1つまたは複数の区域へと提供するステップは、1つまたは複数の液体分配容易化デバイスを介して前記捕捉溶液を提供するステップを含む、請求項79から81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
1つまたは複数の液体分配容易化デバイスを使用して前記捕捉溶液を提供するステップは、液体分配棒または液体分配スペーサの少なくとも一方を使用して前記捕捉溶液を提供することを含む、請求項79から82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
CO気体の希釈供給源からCOを捕捉するために冷却塔を構成する方法であって、
前記冷却塔の入口と出口との間における前記冷却塔の中で少なくとも1つのメッシュパッキングを支持するステップと、
遮るもののない流路を、前記少なくとも1つのメッシュパッキングの気体通路と前記入口および前記出口との間に形成するために、前記少なくとも1つのメッシュパッキングを前記冷却塔の中で配向するステップと
を含む方法。
【請求項85】
前記少なくとも1つのメッシュパッキングを前記冷却塔の中で支持する前に、前記冷却塔の中から既存のパッキングを除去するステップをさらに含む、請求項84に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、COを捕捉するためのシステムおよび方法を説明している。
【背景技術】
【0002】
大気中のCO濃度の上昇から生じる地球温暖化は、社会への差し迫った脅威と見なされている。アメリカ海洋大気庁(NOAA)(Linsday、2020)によれば、地球の大気の二酸化炭素は、2019年に409.8±0.1ppmとなり、史上最高値であった。これは、2018年から2.5±0.1ppmの増加であり、2017年から2018年までの間も同じ増加であった。1960年代、大気の二酸化炭素の地球規模の増加率は、1年間あたりでおおよそ0.6±0.1ppmであった。しかしながら、2009年から2018年までの間、増加率は1年間あたりで2.3ppmであった。二酸化炭素排出を大気から除去するための技法が重要な研究分野になっている。
【0003】
また、低炭素、カーボンニュートラル、またはカーボンネガティブな消費財およびサービスが、世界市場において重要になっている。金属および化学物質などの基本的な商品から、電気自動車、太陽光パネル、風力タービンなどの洗練された最終使用製品まで、工業製品の生産、使用、および廃棄のエネルギーおよび環境への影響を最小限にすることも重要である。その多くの資源からの再生可能エネルギーは、我々の居住環境のための電力、熱、および燃料にとって素晴らしい方法である。水力から太陽光、バイオマスまで、再生可能エネルギーの各々の種類は、異なる方法で寄与する。消費財やサービスの製造において炭素排出を低減することと、炭素排出を低減することとの組み合わせにおいて、再生可能エネルギーを利用することは、温室効果ガス(GHG)排出において経済全体での低減を生み出すことができる。これらの改善は、新たな材料技術およびプロセス技術の開発によってさらに高めることができる。炭素除去は、点発生源および直接空気捕捉(DAC: Direct Air Capture)プロセスを含め、GHG排出を低減するための技術の多くの中の1つである。
【0004】
産業施設の燃焼排ガスなどの点発生源からのCO捕捉のために設計された多くの技術は、著しく低いCO濃度のため、および処理する必要のある大量の空気に起因して、大気からCOを捕捉するときに概して効果がない。近年、大気からCOを直接的に捕捉するのにより良く適合された技術を発見することに進展があり、様々なDAC技術が技術文献および特許文献において記載されている。これらのDACシステムのいくつかは、活性剤が基材に付着させられる固体吸着剤を使用する。これらのDACシステムは、典型的には周期的な吸着-脱着プロセスを用い、固体吸着剤は、COで飽和させられた後、湿気または熱スイングを使用してCOを放出し、再生される。固体吸着剤のDACシステムは高い周期的収率を有することができるが、大規模な展開は、バッチプロセスに特有である保守の要件に起因して、困難である。
【0005】
他のDACシステムは、COを大気から捕捉するために、液体吸着剤(溶剤と称されることもある)を使用する。このような気体-液体接触システムの例は、冷却塔の設計に基づくものであり、そこでは、液体吸着剤を含む溶液で濡らされた大きな表面積のパッキングにわたって空気を引き込むために、ファンが使用される。空気におけるCOは液体吸着剤と反応する。濃い溶液は、薄い溶液を再生するために、および、濃縮したCOの流動を放出するために、下流でさらに処理される。冷却塔に基づいて設計されるDACシステムは、いくつかの商業的に利用可能な機器を用いるため、および、特定の環境において他の環境より効率的に動作することができるため、有利である。DACシステムは、簡単に保守可能で、動作的に柔軟であることが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な実装形態において、希釈から二酸化炭素(CO)を捕捉するためのパッキングは、少なくとも1つのパネルを備え、少なくとも1つのパネルは、CO捕捉溶液によって濡らされるように構成されたメッシュ材料を備え、第1の方向に沿って定められる第1の寸法と、第1の方向と異なる第2の方向に沿って定められる第2の寸法とを有する気体通路を定め、気体通路は、第2の方向において希釈気体供給源からCO含有気体の流れを受け入れ、CO含有気体の流れをメッシュ材料においてCO捕捉溶液と接触させるように構成される。
【0007】
実装例との組み合わせ可能な態様において、少なくとも1つのパネルは複数のパネルを備え、複数のパネルのうちの隣接するパネル同士は、第1の方向において互いから離間され、隣接するパネル同士の各々の間にそれぞれの気体通路を定め、それぞれの気体通路の各々はそれぞれの第1の寸法によって定められる。
【0008】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、隣接するパネル同士の各々のパネルは平面状表面を定め、隣接するパネル同士の平面状の表面は互いと平行である。
【0009】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、隣接するパネル同士の少なくとも一方のパネルは複数の平面状部分と複数の突出部分とを含み、複数の平面状部分は平行な平面を定め、複数の突出部分は、平行な平面から第1の方向においてそれぞれの気体通路へと外方へ延びる。
【0010】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、隣接するパネル同士の各々のパネルは同じ形を有する。
【0011】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、気体通路はCO含有気体の流れの第2の方向と同じ直線状である。
【0012】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、少なくとも1つのパネルは単一のパネルであり、メッシュ材料はメッシュ材料の連続シートを含む。
【0013】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、メッシュ材料の連続シートは、第1の方向において互いから離間され、気体通路を定める複数のパネル区分を備える。
【0014】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、少なくとも1つのパネルは、第1の方向において互いから離間される複数のパネルを備え、複数のパネルは、複数のパネルの隣接するパネル同士の間に複数の気体通路を定め、複数の気体通路の少なくとも1つの気体通路は、第1の幅を備える第1の寸法によって定められ、複数の気体通路の少なくとも1つの別の気体通路は、第1の幅と異なる第2の幅を備える第1の寸法によって定められる。
【0015】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、気体通路は、第2の寸法に対して垂直な平面において気体通路断面形状を定め、気体通路断面形状は矩形、三角形、または菱形のうちの少なくとも1つである。
【0016】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、第1の寸法は6インチ以下である。
【0017】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、CO捕捉溶液は、水酸化物溶液、重炭酸塩/炭酸塩溶液、またはアミン溶液のうちの少なくとも1つである。
【0018】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、メッシュ材料は、複数のメッシュ小孔を定める複数の繊維を備え、メッシュ材料は、CO捕捉溶液を、濡れたメッシュ材料の複数のメッシュ小孔のうちの少なくとも一部分のメッシュ小孔に架け渡らせ、気体-液体境界面を定めさせるために、CO捕捉溶液によって濡らされるように構成される。
【0019】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、気体-液体境界面は、メッシュ材料の第1の側に配置される第1の側と、メッシュ材料の第1の側と反対のメッシュ材料の第2の側に配置される第2の側とを備える。
【0020】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、気体-液体境界面の第1の側と気体-液体境界面の第2の側は、メッシュ材料の対応する繊維の表面積より大きい全体での反応性気体-液体境界面面積を集合的に定める。
【0021】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、メッシュ材料の濡れ比率が100%より大きい。
【0022】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、少なくとも1つのパネルは直立した配向を有し、第2の寸法は第1の寸法より3桁未満大きい。
【0023】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、メッシュ材料は親水性材料を備える。
【0024】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、親水性材料は、メッシュ材料の少なくとも一部分に配置される親水性被覆である。
【0025】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、親水性材料は不織材料または有機材料の少なくとも一方を備える。
【0026】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、有機材料は黄麻布、麻、またはセルロースのうちの少なくとも1つを備える。
【0027】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、メッシュ材料は疎水性材料を備える。
【0028】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、疎水性材料は、メッシュ材料の少なくとも一部分に配置される疎水性被覆である。
【0029】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、メッシュ材料は、表面テクスチャを有する複数の繊維を備える。
【0030】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、メッシュ材料は、0.0001mmから10mmまでの範囲にある直径を各々が有する複数の繊維を備える。
【0031】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、メッシュ材料は複数のメッシュ小孔を備え、複数のメッシュ小孔は、六角形、矩形、または丸形のうちの少なくとも1つを備える1つまたは複数の形を有する。
【0032】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、メッシュ材料は、丸められた突起、リッジ(ridge)、波形、またはヘリンボーンのうちの少なくとも1つを備える複数のインプリントされたテクスチャを形成するように成形される。
【0033】
別の実装例において、希釈気体供給源から二酸化炭素(CO)を捕捉するための気体-液体接触器は、入口および出口を備えるプレナムを少なくとも部分的に包囲する筐体と、入口の下流で筐体において支持される少なくとも1つのパッキングであって、少なくとも1つのパネルを備え、少なくとも1つのパネルは、メッシュ材料を備え、第1の方向に沿って定められる第1の寸法と第1の方向と異なる第2の方向に沿って定められる第2の寸法とを有する気体通路を定める、少なくとも1つのパッキングと、メッシュ材料をCO捕捉溶液で濡らすように構成される液体分配システムであって、メッシュ材料から受け入れられるCO捕捉溶液を保持するように構成される1つまたは複数の液溜め部を備える液体分配システムと、CO含有気体を、濡れたメッシュ材料においてCO捕捉溶液と接触させるために、CO含有気体を希釈気体供給源から気体通路を通じて第2の方向に流すように構成される気体移動デバイスとを備える。
【0034】
実装例と組み合わせ可能な態様が、筐体に連結され、少なくとも1つのパッキングの下流に位置決めされるドリフトエリミネータをさらに備える。
【0035】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、気体移動デバイスは、出口において少なくとも1つのパッキングの下流に配置されるファンであり、ファンは、CO含有気体を第2の方向において気体通路を通じて入口へと引き込むために、ファン軸の周りで回転可能である。
【0036】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体分配システムはメッシュ材料を濡らすように構成され、濡れたメッシュ材料は、CO捕捉溶液の液膜をメッシュ材料に形成する。
【0037】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体分配システムは、CO捕捉溶液を1L/minから4L/minまでの範囲にある溶液流量で流すように構成される。
【0038】
先の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様が、筐体によって支持され、少なくとも1つのパッキングを支持するように構成される構造支持体であって、1つまたは複数の支持梁に装着される1つまたは複数の支持棒を備える構造支持体をさらに備える。
【0039】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、メッシュ材料は、縫い込み、引っ張り、または留め具のうちの少なくとも1つによって1つまたは複数の支持棒に固定的に装着される。
【0040】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体分配システムは、CO捕捉溶液をメッシュ材料の少なくとも一部分に提供するように構成される1つまたは複数の分配容易化デバイスを備える。
【0041】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の分配容易化デバイスは、液体分配棒または液体分配スペーサの少なくとも一方を備える。
【0042】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体分配スペーサの1つまたは複数は、先細り端を有する少なくとも1つのチューブを備える。
【0043】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体分配棒は、捕捉溶液を流すように動作可能である複数の溝を備える。
【0044】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の液体分配スペーサは、上部液溜め部の少なくとも一部分を形成するために、1つまたは複数の液体分配棒に押し付けられる。
【0045】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の液体分配棒と1つまたは複数の液体分配スペーサとはメッシュ材料と一体に形成される。
【0046】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の液体分配棒、1つまたは複数の液体分配スペーサ、および少なくとも1つのパネルは、PVC被覆で少なくとも部分的に覆われるガラス繊維芯材を備える。
【0047】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の支持棒のうちの第1の支持棒は、1つまたは複数の支持棒のうちの第2の支持棒と相互係止するように構成される。
【0048】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の支持棒は、C字形または弓形である断面を有する。
【0049】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の支持棒は、それぞれの支持棒の第1の端からそれぞれの支持棒の第2の端へと先細りとなる太さを各々が有する。
【0050】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の液溜め部は、少なくとも1つのパネルの上方に位置決めされる少なくとも1つの上部液溜め部と、少なくとも1つのパネルの下方に位置決めされる少なくとも1つの底部液溜め部とを備え、液体分配システムは、CO捕捉溶液の少なくとも一部分を少なくとも1つの底部液溜め部から少なくとも1つの上部液溜め部へと流すように構成される。
【0051】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、気体-液体接触器は、冷却塔システム、直接空気捕捉空気接触システム、またはそれらの組み合わせの一部として動作するように構成される。
【0052】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様が、筐体によって支持され、少なくとも1つのパッキングを支持するように構成され、1つまたは複数の支持棒を備える構造支持体をさらに備え、1つまたは複数の支持棒の棒材の第1のサブセットが、1つまたは複数の支持棒の棒材の第2のサブセットからずれており、棒材の第2のサブセットは、第1の寸法および第2の寸法に対して垂直な方向において、棒材の第1のサブセットから離間され、メッシュ材料は、複数のパネル区分を形成するために、棒材の第1のサブセットおよび棒材の第2のサブセットの周りで引っ張られるメッシュ材料の連続シートを備え、複数のパネル区分は、棒材の第1のサブセットおよび棒材の第2のサブセットの離間された棒材同士の間で延びる。
【0053】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、複数のパネル区分の隣接するパネル区分同士は、第1の方向において互いから離間され、気体通路を定め、第1の寸法は、棒材の第1のサブセットと棒材の第2のサブセットとの間の距離と平行な方向において小さくなる。
【0054】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、複数のパネル区分の隣接するパネル区分は、互いに対して非平行の配向を有する。
【0055】
先の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様が、筐体によって支持され、少なくとも1つのパッキングを支持するように構成され、1つまたは複数の支持棒を備える構造支持体であって、メッシュ材料は1つまたは複数の支持棒から吊るされる、構造支持体をさらに備える。
【0056】
先の態様のいずれかと組み合わせ可能な別の態様が、1つまたは複数のスペーサをさらに備え、1つまたは複数のスペーサの各々のスペーサは、1つまたは複数の支持棒のうちの隣接する支持棒同士の間に介在させられる。
【0057】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数のスペーサは1つまたは複数の分配スペーサを備える。
【0058】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様が、1つまたは複数の分配容易化デバイスをさらに備える。
【0059】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の分配容易化デバイスは分配支持棒または分配スペーサの少なくとも一方を備える。
【0060】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数のスペーサは、先細り端を有する少なくとも1つのチューブを備える。
【0061】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、液体分配システムは、CO捕捉溶液を少なくとも1つのパッキングにわたって流すように構成される1つまたは複数の流れデバイスをさらに備え、1つまたは複数の流れデバイスは、ノズル、吹き付け噴霧器、または液体分配棒の少なくとも1つを備える。
【0062】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、少なくとも1つのパッキングは、筐体の中で横方向において互いから離間される2つのパッキングを備え、気体移動デバイスは、横方向において2つのパッキングの間で、前記2つのパッキングの下流において、出口に配置されるファンを備え、ファンは、CO含有気体を希釈気体供給源から2つのパッキングを通じて引き込むために、および、出口を通じてCOの薄い気体を出すために、直立したファン軸の周りで回転可能である、
【0063】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、少なくとも1つのパネルは、平面状表面に対して垂直なベクトルを有する平面状表面を定め、ベクトルは水平の配向を有する。
【0064】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、少なくとも1つのパネルは、直立した配向を有し、CO含有気体の流れに対して定められる前縁を含み、前縁は、CO含有気体の流れの方向において傾斜されており、鉛直軸に対してある角度を定める。
【0065】
別の実装例において、COをCO含有気体から捕捉するための方法が、CO捕捉溶液を離間されているメッシュパネルに沿って流すために、離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分をCO捕捉溶液で濡らすステップと、CO含有気体を、離間されているメッシュパネル同士の間に定められる気体通路に沿って流すステップと、CO含有気体を、濡れた離間されているメッシュパネルにおけるCO捕捉溶液と反応させるステップと、CO含有気体におけるCOの少なくとも一部分をCO捕捉溶液で吸収するステップとを含む。
【0066】
実装例と組み合わせ可能な態様において、CO含有気体を気体通路に沿って流すステップは、CO含有気体を気体通路の第1の寸法に沿って気体通路を通じて直線状に流すステップを含む。
【0067】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分をCO捕捉溶液で濡らすステップは、CO捕捉溶液を第1の方向において離間されているメッシュパネルにわたって流すステップを含み、CO含有気体を気体通路に沿って流すステップは、CO含有気体を、第1の方向を横断する第2の方向において、気体通路に沿って流すステップを含む。
【0068】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、第2の方向は第1の方向に対して向流である。
【0069】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分をCO捕捉溶液で濡らすステップは、CO捕捉溶液を1L/minから4L/minまでの範囲にある流量で流すステップを含む。
【0070】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分をCO捕捉溶液で濡らすステップは、離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分をCO捕捉溶液で飽和させるステップと、1つまたは複数の蛇行する流れを形成するために、離間されているメッシュパネルの飽和した少なくとも一部分に沿ってCO捕捉溶液を流すステップとを含む。
【0071】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な他の態様において、離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分をCO捕捉溶液で濡らすステップは、CO捕捉溶液の液膜を離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分に沿って形成するステップを含む。
【0072】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、CO含有気体を気体通路に沿って流すステップは、CO含有気体を気体通路に沿って引き込むために1つまたは複数のファンを回転させるステップを含む。
【0073】
先の態様のいずれかとの組み合わせ可能な別の態様が、CO捕捉溶液の少なくとも一部分を1つまたは複数の底部液溜め部において収集するステップと、CO捕捉溶液の少なくとも一部分を1つまたは複数の底部液溜め部から1つまたは複数の上部液溜め部へと流すステップとをさらに含む。
【0074】
先の態様のいずれかとの組み合わせ可能な別の態様が、COの薄い気体とCOの濃い捕捉溶液とを形成するために、CO含有気体をCO捕捉溶液と反応させるステップと、COの薄い気体を放出するステップとをさらに含む。
【0075】
先の態様のいずれかとの組み合わせ可能な別の態様が、1つまたは複数のドリフトエリミネータを通じてCOの薄い気体を流すステップをさらに含む。
【0076】
先の態様のいずれかとの組み合わせ可能な別の態様が、CO含有気体を、離間されているメッシュパネルの間に定められる気体通路に沿って流すステップの後、開放プレナムを通じてCOの薄い気体を流すステップをさらに含む。
【0077】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分をCO捕捉溶液で濡らすステップは、気体-液体境界面を定めるために、離間されているメッシュパネルのメッシュ小孔にわたってCO捕捉溶液を架け渡らせるステップを含む。
【0078】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、メッシュ小孔にわたってCO捕捉溶液を架け渡らせるステップは、各々の離間された網の両方の反対の側に気体-液体境界面を形成するステップを含む。
【0079】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、メッシュ小孔にわたってCO捕捉溶液を架け渡らせるステップは、離間されているメッシュパネルの親水性メッシュ繊維をCO捕捉溶液で濡らすステップを含み、親水性メッシュ繊維はメッシュ小孔を定める。
【0080】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分をCO捕捉溶液で濡らすステップは、離間されているメッシュパネルの親水性メッシュ繊維の外面をCO捕捉溶液で濡らすステップを含む。
【0081】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、親水性メッシュ繊維の外面を濡らすステップは、CO捕捉溶液を親水性メッシュ繊維の外面に沿って流すステップを含む。
【0082】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、親水性メッシュ繊維の前記外面を濡らすステップは、親水性メッシュ繊維によって定められるメッシュ小孔にわたって延びるCO捕捉溶液の液膜を形成するために、親水性メッシュ繊維の飽和水準を越えて、親水性メッシュ繊維をCO捕捉溶液で濡らすステップを含む。
【0083】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分をCO捕捉溶液で濡らすステップは、離間されているメッシュパネルのメッシュ繊維に固体の沈殿物を形成することで、離間されているメッシュパネルの少なくとも一部分を調整する(conditioning)ステップを含む。
【0084】
別の実装例において、COを希釈供給源から捕捉するための方法が、液体分配システムを使用して、捕捉溶液を1つまたは複数の上部液溜め部からパッキングの1つまたは複数の区域へと提供するステップであって、パッキングの1つまたは複数の区域は、1つまたは複数のメッシュシートを各々が備える、ステップと、捕捉溶液をパッキングの少なくとも一部分にわたって分配するステップと、ファンを動作させることで、メッシュパッキングを通じてCO含有気体を引き込むステップと、ファンを動作させることで、1つまたは複数のメッシュシートによって定められる1つまたは複数の気体通路を通じてCO含有気体を同じ直線状で流すステップと、COの薄い気体とCOの濃い捕捉溶液とを形成するために、CO含有気体を捕捉溶液と反応させるステップと、COの濃い捕捉溶液を1つまたは複数の底部液溜め部において収集するステップと、COの薄い気体を放出するステップとを含む。
【0085】
実装例で組み合わせ可能な態様が、1つまたは複数のドリフトエリミネータを通じてCOの薄い気体を流すステップをさらに含む。
【0086】
先の態様のいずれかとの組み合わせ可能な別の態様が、開放プレナム区域を通じてCOの薄い気体を流すステップをさらに含む。
【0087】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、捕捉溶液をパッキングの1つまたは複数の区域へと提供するステップは、1つまたは複数の液体分配容易化デバイスを介して捕捉溶液を提供するステップを含む。
【0088】
先の態様のうちのいずれかと組み合わせ可能な別の態様において、1つまたは複数の液体分配容易化デバイスを使用して捕捉溶液を提供するステップは、液体分配棒または液体分配スペーサの少なくとも一方を使用して捕捉溶液を提供することを含む。
【0089】
別の実装例において、CO気体の希釈供給源からCOを捕捉するために冷却塔を構成する方法が、冷却塔の入口と出口との間における冷却塔の中で少なくとも1つのメッシュパッキングを支持するステップと、遮るもののない流路を、少なくとも1つのメッシュパッキングの気体通路と入口および出口との間に形成するために、少なくとも1つのメッシュパッキングを冷却塔の中で配向するステップとを含む。
【0090】
実装例と組み合わせ可能な態様が、少なくとも1つのメッシュパッキングを冷却塔の中で支持する前に、冷却塔の中から既存のパッキングを除去するステップをさらに含む。
【0091】
本開示に記載されている主題の1つまたは複数の実装の詳細は、添付の図面および以下の記載において明記されている。本主題の他の特徴、態様、および利点は、本記載、図面、および特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
図1】例示的な気体-液体接触器の立面視からの概略図である。
図2】例示的な向流気体-液体接触器の概略図である。
図3】例示的な交差流気体-液体接触器の概略図である。
図4】例示的なメッシュパッキングおよび支持システムの立面視からの概略図である。
図5】例示的なメッシュパッキングおよび支持システムの立面視の直交図である。
図6】実質的に水平に位置決めされたメッシュパネルを含む例示的なメッシュパッキングの斜視図である。
図7】構造支持システムのための棒材の設計例の図である。
図8図8Aは、メッシュパッキングおよび支持システムの例の側面立面視からの概略図である。図8B図8Jは、図8Aのメッシュパッキングおよび支持システムのための気体通路の様々な配置の図である。
図9】例示的なメッシュパッキングおよび支持システムの前面立面視からの概略図である。
図10】例示的なメッシュパッキングおよび支持システムの端面視からの概略図である。
図11】例示的なメッシュパッキング支持体および液体分配システムの前面立面視からの概略図である。
図12】例示的なメッシュパッキング支持体および液体分配システムの平面視からの概略図である。
図13】例示的な一体化された構造支持システムの図である。
図14図14Aは、例示的な疎水性メッシュシートの図である。図14Bおよび図14Cは、図14Aの例の疎水性メッシュシートの液体分配技法の図である。
図15図15Aおよび図15Bは、例示的な親水性メッシュシートの図である。図15Cは、図15Aおよび図15Bの例の親水性メッシュシートについての例示的な液体分配技法の図である。
図16A】例示的なメッシュパッキングおよび支持システムの試験試作機の前面視からの図である。
図16B】例示的なメッシュパッキングおよび支持システムの試験試作機の側面視からの図である。
図16C】例示的なメッシュパッキングおよび支持システムの試験試作機の平面視からの図である。
図17】吸着剤充填率ごとの空気速度に対する物質移動のグラフである。
図18A】インプリントされたテクスチャを伴うメッシュシートを備える型成形されたメッシュの例の図である。
図18B】インプリントされたテクスチャを伴うメッシュシートを備える型成形されたメッシュの例の図である。
図19】メッシュシートにおける変化する溶液流量での捕捉溶液の流れパターン例の図である。
図20】例示的なメッシュパッキングおよび支持システムの立面視からの概略図である。
図21】直接空気捕捉(DAC)施設で使用される例示的な気体-液体接触器の概略図である。
図22】例示的な気体-液体接触器の立面視からの概略図である。
図23】例示的な気体-液体接触器の上面視からの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
本開示は、メッシュパッキングを含む気体-液体接触器を使用する、大気から、またはCOを含む他の希釈気体供給源からのCOの直接空気捕捉(DAC)のためのシステムおよび方法に関する。大気などの希釈供給源におけるCO濃度(約400~420ppmまたは0.04~0.042%v/v)は、燃焼排ガスなどの点発生源(約5~15%v/v)におけるCO濃度よりはるかに低い。物質移動の動力学は、点発生源からのCO捕捉に好都合である。したがって、CO捕捉のサブシステムおよび捕捉溶液の再生サブシステムについての設計検討は、点発生源と比べられるとき、希釈供給源については異なる。本開示は、大気から、またはCOを含む他の希釈気体供給源からのCOの捕捉に関するが、本明細書におけるシステム、方法、および開示が、大気と混合される燃焼排ガスなどの、希釈気体供給源を有する、または希釈気体供給源を同伴するCOのより濃縮した供給源から、COを捕捉するために使用されてもよいことは、理解されるであろう。
【0094】
冷却塔または燃焼排ガススクラバで使用されるパッキングなどの商業的に利用可能なパッキングが、DAC用途で使用されていた。しかしながら、これらの商業的に利用可能なパッキングは、DAC用途の希釈COの物質移動の要件のために特別に設計されているわけではなく、そのため、DAC用途にとって最適化されていない。例えば、冷却塔の産業界からの商業的に利用可能なパッキングは、水との使用のために、および、DACシステムにとって重要である物質移動についてあまり考慮せずに熱伝達を最大化するために、設計されている。冷却塔の産業界からの商業的に利用可能なパッキングと対照的に、本明細書で開示されているメッシュパッキングは、COを含む気体供給源(例えば、大気)から、メッシュパッキングを濡らす捕捉溶剤へのCOの物質移動を容易にするために使用できる。
【0095】
商業的に利用可能な冷却塔のパッキングは、空気がパッキングの障害を通じて引っ張られる間、高い液体充填条件の下で十分な濡れを達成するように特別に設計もされる。それによって、冷却塔のパッキングは、DAC用途にとってしばしば注目される低い液体充填速さについて、より低い濡れ効率を示した。低い液体充填速さにおいて、捕捉溶液は、冷却塔のパッキングを下へ進むときに、細流状態になる傾向があり得、通路を形成する可能性がある。捕捉溶液の細流によって引き起こされる低い濡れ効率は、単位パッキング面積あたりの境界面面積の縮小(小さいCO取り込みをもたらす)、および、液体吸着剤の流れを増加させるために必要とされるより大きい汲み上げ流量に起因して、不必要に小さい物質移動をもたらす可能性があり、最終的に、大きい空気接触器の設置面積を必要とすることになってしまう可能性がある。
【0096】
化学処理プラントにおける従来の「パッキング塔」、「パッキングカラム」、および/または燃焼排ガススクラバのために作られるパッキングは、本明細書で開示されているものなどのDAC用途と比較して、おおよそ10~15%v/vのはるかにより高いCO濃度のために、および、スクラバカラムごとでより小さい気体体積流量のために、設計されている。したがって、大幅に小さい体積の気体が、DACを使用して等価の量のCOを空気から捕捉するために、これらの従来のパッキング塔における処理のために必要とされる。また、従来のパッキング塔は、最も大きい物質移動効率を伴う流れ配向であるため、典型的には(交差流ではなく)向流配向で使用されるが、向流のスクラブカラムの設計は、主には空気流量がいっ注点によって制約されるため、DACには適していない。燃焼排ガススクラバまたは高濃度化学吸収塔における捕捉の動力学は、本明細書で開示されているものなどのDACシステムにおけるように、希釈CO濃度と関連付けられるものと比較して一般により有利である。
【0097】
点発生源捕捉技術とDAC技術との両方がCOを気体流動から捕捉する一方で、それらの異なる原料条件およびプロセス条件のため、両方の技術についてのプロセス設計は異なる。しかしながら、本開示が、既存のDACシステムにおいて見られるCO捕捉能力の少なくとも一部分を容易にするために、既存の冷却塔を改造、変形、または再設計するために使用できる方法がある。さらに、DACシステムに組み込まれるとき、本開示は、捕捉効率、圧力損失、設備投資、運用経費のうちの少なくとも1つをさらに向上することができる、ならびに/または、保守および設置を簡単化および軽減することができる。
【0098】
本明細書に記載されている気体-液体接触器のシステムおよび方法は、構造支持体と、液体分配システムと、1つまたは複数の液体収集システムとに連結されるメッシュパッキングを含み得る。ある場合には、メッシュパッキングは、互いと隣接して位置決めされる1つまたは複数のメッシュスクリーンを備え得る。メッシュパッキングの材料、設計、および構成は、溶液へのCOの高い効果の物質移動と、空気が進む深さ(ATD: Air Travel Depth)にわたってのより小さい圧力損失およびより高い空気速度と、より小さい全液体流量とを可能とすることができる。これらの特徴は、個別および付加的に、希釈気体供給源からCOを捕捉する性能、保守、および全体の経済性に、いくつかの利点を生み出す。
【0099】
本明細書に記載されているメッシュパッキングの設計および動作の特性は、個別に、または、本開示による液体分配実施形態などと組み合わされるときに、気体-液体接触器のDACシステムに全体としての経済的な利益をもたらすことができる。例えば、所与のCO捕捉率に対して、メッシュパッキング設計、および、本開示に記載されている追加の特徴は、空気が進む深さ(ATD)を小さくするのを助けることができ、構造の要件およびコンクリートの要件などの重要な構造材料を含め、DACシステム全体の設置面積を小さくするのを助けることができ、それらのすべてが、気体-液体接触器システムについての資本コストの低下をもたらすことになる。また、メッシュパッキング設計と本明細書に記載されている追加の特徴とを使用する吸着剤汲み上げシステムおよびエネルギー需要は、より小さい流量に起因して、低下する。これは、メッシュパッキングおよび動作のモードが、メッシュパッキング全体を通じての均一な溶液分配を通じて連続的に補給される濡れた境界面の大きな接触面積を容易にすることができるため、部分的に達成される。メッシュパッキングを製造するときに使用される設計および材料は、従来のパッキングに対して濡れやすさを向上させることができる。
【0100】
上述の、必要とする気体-液体接触器の全体の材料および設置面積の低減に加えて、商業的に利用可能なパッキングに対するメッシュパッキングの別の利点には、パッキングの体積を小さくし、必要とするパッキング材料を低減できることがあり、これはさらに、ATDにわたっての圧力損失を低減し、システムを動作させるために必要なファン動力を結果的に低減する。
【0101】
気体-液体接触器が大規模なDAC用途における最も大きいシステムであるため、性能、エネルギー効率、または、材料および設置面積の低減におけるあらゆる向上が、DAC施設全体の経済性に相当の魅力的な影響を有する。
【0102】
保守への利点は本開示で実現することもできる。縫い込まれたメッシュ材料は、メッシュ材料の一部分が損傷した場合、新しいメッシュ材料と容易に交換可能である。メッシュ材料は、支持梁から連結解除されるとき、棒材から取り外すことができる。ある態様では、商業的に標準化された厚さおよび寸法(特別な変更を必要としない)を伴うメッシュ材料の使用によって、容易に供給され、交換および保守するのが便利である低コストの材料とすることができ、これは結果的に、関連付けられる空気接触器の保守/運用コスト、およびダウンタイムを低減することになる。
【0103】
また、本明細書に記載されている方法およびシステムは、CO捕捉のために構築されるかまたは変更されており、CO捕捉吸着剤を含む様々な液体の溶液で動作させられるシステムにおいて用いることができる。それら方法およびシステムは、既存の冷却塔システムを改造することで用いることもできる。メッシュパッキングは、既存のDACまたは冷却塔システムにおいて、ドリフトエリミネータ、ファンまたは送風機、筐体、フレーム、1つもしくは複数のCO捕捉溶液の液溜め部および/または分配システム、気体入口および出口の領域などを含め、それらの関連付けられる構成部品の間で使用されるために、互換性がある。
【0104】
メッシュパッキングは、大幅な再設計を必要とすることなく、既存の接触器筐体に設置することができる。メッシュパッキングは、冷却塔の既存の構造要素なしで動作するように設計された接触器筐体に設置させることもできる。メッシュパッキングは冷却塔の中および外で組み立てることができる。メッシュパッキングは、冷却塔の上部または1つの側部からなど、市販のパッキングについての任意の設置方法と同様である方法を用いて、冷却塔に設置することができる。メッシュパッキングは、長く持続的な構造の完全性を伴う、低コストで軽量な織り込みおよび/または縫い込みのメッシュ材料を含む。
【0105】
いくつかの実装形態では、気体-液体接触器は、変更された冷却塔機器に基づいて、1つまたは複数のファン、ポンプ、液溜め部、ドリフトエリミネータ、パッキング、筐体、構造部品、制御システムなどの同様の構成部品を含む、1つまたは複数のセルを有する空気接触器であり得る。ある態様では、気体-液体接触器は二重セル交差流接触器であり得る。ある態様では、気体-液体接触器は、開示されているメッシュパッキングで改造された、交差流配置または向流配置の1つまたは複数を有する既存の冷却塔システムであり得る。
【0106】
いくつかの実装形態では、気体-液体接触器は、1つまたは複数の上部液溜め部と、構造支持体フレームと、1つまたは複数のプレナムと、1つまたは複数の底部液体収集溜め部と、筐体と、1つまたは複数の液体分配システム(1つまたは複数のポンプ、弁、およびノズルに連結される)と、1つまたは複数のファンおよび導風板と、パッキングと、ドリフトエリミネータ部品とを備える。
【0107】
いくつかの実装形態では、メッシュパッキングは、1つまたは複数の液体分配促進デバイスに連結される。ある場合には、これらのデバイスは、メッシュ材料への液体溶液の均一な分配を促進するかまたは支援する既存の支持部品または新たな構成部品を備え得る。いくつかの実装形態では、液体分配促進デバイスは、メッシュ材料の支持および/または引っ張りの構造的機能を提供することに加えて、液体を支持棒の長さに沿ってメッシュ材料へと運ぶために変更される(例えば、中空となるように、穴を伴うように、または、液体分配を可能にする他の同様の内部または外部の特徴を伴うように、作られる)1つまたは複数の既存の上部支持棒などを備える。液体分配促進デバイスの別の例は、支持棒同士の間に保守空間の構造的な機能を提供することに加えて、液体をスペーサの長さに沿って膜材料へと運ぶために変更される(例えば、穴を伴う、または、硬いメッシュ材料もしくは液体分配を可能にする同様の特徴の材料から作られる)1つまたは複数の上部スペーサを備える分配スペーサである。
【0108】
いくつかの実装形態では、気体-液体接触器はメッシュパッキング(または複数のメッシュパッキング区域)を含む。ある態様では、メッシュパッキングは、パッキングを作り出すために、構造部品を通じて縫い込まれるメッシュ材料の単一の連続シートから成る、または、パッキングは、パッキングを作り出すために、構造部品に連結されるメッシュ材料の1つまたは複数の個別のパネルまたはシートから成り得る。メッシュパッキングは、気体-液体接触器を通じて移動する気体流動と液体流動との間で物質移動を促進するように構成および位置決めされる。
【0109】
いくつかの実装形態では、気体-液体接触器は、上部液溜め部およびノズル分配システム、または、加圧配管吹き付けノズル分配システムなどの、今日知られている冷却塔またはDACシステムと同様の液体分配システムを用いる。
【0110】
本開示に記載されている方法およびシステムは、例えば隔離用途および/または原油増進回収(EOR)用途、ならびに、炭化水素、燃料、プラスチック、化学品などを含む合成製品の生産を含め、様々な下流のプロセスと関連付けられる大規模なDACプラントの展開を通じて、正味ゼロの排出の概念を可能にすることができる。
【0111】
DAC特有の用途のテクノエコノミックスを最適化するために、大気における低い濃度のCOは、パッキングの設計を、大きい空気流量と、パッキングを通じての小さい圧力損失とへ仕向けさせる一方で、小さい溶液の流量において大きい気体-液体境界面面積を提供する(大きい溶液の流量を有する従来の冷却塔と比較して、したがって、より大きい溶液の汲み上げおよび分配のコストと比較して)。いくつかの実装形態では、溶液流量における低下は、全体の流れパターンを膜流れから細流へと変えてしまう可能性があり、これは、CO含有空気からCO捕捉溶液への質量交換に利用可能な気体-液体境界面面積を縮小させる可能性がある。
【0112】
流れパターンにおいて移行が起こる流量は、パッキングの固体表面の自由エネルギー、形状、ならびに、CO捕捉溶液の密度、粘度、および表面張力を含め、多くの要因に依存する。CO捕捉溶液におけるこのような特性は、CO捕捉溶液における濃縮した吸着剤(例えば、KOHまたはNaOH、炭酸塩/重炭酸塩の化学的構造、液体アミン、捕捉または物質移動を促進させる添加物など)の存在に起因して、冷却塔用途における典型的な液体である水の特性とは異なる。
【0113】
ある場合には、メッシュ材料は、システムの全体の重量を低減させるようにだけでなく、シートにわたる圧力損失を低下させるように、構成される。ある場合には、これは、より大きい体積空気流量と、より大きい空気速度とを可能とし、これはさらに全体の効率、経済性、およびエネルギー節約を向上させる。
【0114】
いくつかの実装形態では、メッシュパッキングは、大量の気体(例えば、COの希釈濃度を含む大気または他の気体)が、高い速度および低い圧力損失で、メッシュシート表面と同じ直線状の方向に移動するために、複数の気体通路を作り出すように配置されたメッシュ材料の1つまたは複数のシートから成り得る。ある場合には、メッシュパッキングは、互いと隣接して位置決めされる1つまたは複数のスクリーンを備え得る。
【0115】
いくつかの実装形態において、メッシュパッキングは、構造化された(例えば、緩くない)パッキングであり、構造化されたメッシュパッキングを備えるメッシュ材料のものまたはシートが、それ自体で構造化されるか、支持棒、梁などの構造部品の使用を通じて提供された構造であるか、またはそれらの組み合わせである。
【0116】
いくつかの実装形態において、メッシュ材料は、複数の開口または小孔を伴うメッシュを形成するために、一体に織り込まれるかまたは連結される複数の繊維から成る。この構造の形状は、所与のCO捕捉溶液を伴う連続または均一な液膜表面の形成を容易にするために必要とされる材料の量を最小とするように調整され得る。いくつかの実装形態では、境界面領域を形成するための技法は毛細管現象により架け渡ることであり、ここでは、メッシュ繊維の直径、繊維材料の表面エネルギーだけでなく、繊維間隔(小孔の大きさ)が、メッシュ材料の最小の質量を可能にしつつ、なおも、所与のCO捕捉溶液がメッシュの小孔/開口を架け渡るのに十分な条件を提供し、メッシュ小孔にわたって液体の連続的な膜を生成および維持し、ならびに気体-液体接触のための大きな境界面面積を生成するために最適化され得る。
【0117】
いくつかの実装形態では、表面張力、粘度、密度などの特定の吸着剤溶液の特性が、最大のメッシュ小孔を決定付けることができ、それを上回ると、溶液はもはや小孔の開口を架け渡ることができず、細流パターンが吸着剤ホールドアップの減少という結果を左右することになる。そのため、いくつかの実装形態では、メッシュ材料および設計(小孔の大きさを含む)の選択は、少なくとも一部で、検討される捕捉溶液の種類を考慮しなければならない。
【0118】
いくつかの実装形態では、メッシュパッキングおよび気体-液体接触器の設計および/または動作は、捕捉溶液に、その特定の特性を前提として、COの捕捉のための最適な境界面表面積をより良好に拡げさせて作り出させるための特徴を組み込んでもよい。例えば、これは、システム性能を最適化するために、限定されることはないが、温度、pH、粘度、および/または密度を含め、特定の液体溶液特性を考慮し、メッシュパッキング材料特性、繊維直径、小孔の開いている大きさ、および/または液体吸着剤流量を調整することで、行われ得る。
【0119】
さらに、全体の濡れやすさはメッシュ材料の物理的な濡れやすさによって部分的に決定され、メッシュ材料の物理的な濡れやすさは、表面エネルギーに直接的に関連し、液体がメッシュ材料の一端から他端へと進むとき、被覆の完全性によって部分的に決定される。メッシュ材料を通る液体の進む経路は、メッシュ材料の形状、表面構造、および表面エネルギーによって部分的に決定される。
【0120】
いくつかの実装形態では、メッシュ材料の繊維の太さは、0.01mmから10.0mmまでの間の範囲とすることができ、吸着剤の表面張力が各々の個々の繊維の周りでの吸着剤の完全な包囲を容易にすることを確保するために最適化できる。ある場合には、繊維太さは、構造的な完全性および耐久性を維持する一方で、メッシュ材料の量を最小限にするために最小とされる。
【0121】
いくつかの実装形態では、メッシュ材料の繊維間隔は、0.1mmから30.0mmまでの間の範囲である大きさ/幅を伴う小孔(開口)を作り出す。ある場合には、繊維間隔は、隙間/小孔にわたって吸着剤を引っ張るために吸着剤の表面張力と作用するように最適化され、メッシュ材料の代わりに、反応境界面/表面の形成のための吸着剤の使用を容易にする。一実施形態では、小孔の大きさと液膜の形成との間に関係が提供される。例えば、小孔(開口)の大きさは、開口にわたる完全な液膜の形成および架け渡りをなおも容易にする一方で、最大化され得る。小孔の大きさを最適化することで、特定の反応境界面面積を維持しつつ、メッシュ材料の体積および質量を最小限にする。
【0122】
いくつかの実装形態では、メッシュ材料は、滑らかな表面または粗い表面で真っ直ぐまたは波状にされ得る繊維から作られ得る。メッシュ材料のシートは、同じまたは異なる直径および太さを伴う緯ワイヤおよび経ワイヤを織り込むことで製作できる。事前に縮らされていないかまたは成形されていない連続ワイヤが使用できる。メッシュ材料を形成するために使用される織り込みパターンの種類は、六角形(ハニカム)、正方形、矩形、もしくは円形、またはそれらの組み合わせを有するメッシュ小孔(または開口)を伴った、正方形または矩形を伴う織り込み、綾織り、籠、ヘリンボーン、シートを含み得る。メッシュの形の選択は、開放した表面積に、材料強度に、および、メッシュを形成するために使用される必要がある材料がどれだけかに、影響を与える可能性がある。
【0123】
メッシュパッキングは、様々な材料を使用して作ることができ、意図された用途および設計に依存して、表面を濡らすために、疎水性技法または親水性技法(本明細書において詳細に記載されている)のいずれかに依拠することができる。ある態様では、メッシュ材料は、高いpHの溶液、および/または、KOH、NaOHなどの水酸化物溶液といったCO捕捉溶液と適合するように選択される。
【0124】
いくつかの実装形態では、メッシュ材料のシートは、1つもしくは複数の材料から作られる部分、または、1つもしくは複数の材料で被覆される部分を備え得る。いくつかの実装形態では、メッシュ材料のシートは繊維の2つ以上のグループを備える可能性があり、繊維の各々のグループは異なる材料から作られ、繊維のこれらのグループは、パッキングの中での1つまたは複数のシートでの使用に向けて混合したメッシュ材料を形成するために、一緒に織り込みまたは接続され得る。ある場合には、繊維は、混合した繊維材料から作られる。
【0125】
いくつかの疎水性の実装形態では、メッシュ材料のシートは、例えばプラスチック、金属、高分子複合材料、またはそれらの組み合わせといった異なる種類の材料から作ることができる。ある場合には、メッシュ材料のプラスチックシートは、押し出し、配向、拡大、織り込み、または管状とすることができる。使用することができるプラスチック材料は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、PVC被覆ガラス繊維、PVC、またはPTFEである。
【0126】
いくつかの親水性の実装形態では、メッシュ材料は、金属、ガラス繊維材料、ポリアミド(例えば、ナイロン)、または、黄麻布、麻、もしくはセルロースなどの有機性の布、または同様の材料の組み合わせから作られ得る。親水性メッシュ材料の組成は、DAC特有の用途での使用ために接触角度を最適化するために、ミクロ構造、被覆、または添加物の使用によってさらに変更することができる。
【0127】
いくつかの実装形態では、メッシュ材料を作る繊維の表面特性は、繊維材料がどれくらいの親水性または疎水性で始まるかに拘わらず、気体-液体境界面を最適化するために調整または向上させることができる。例えば、ある場合には、時間に伴って堆積した(および、パッキングの条件付けとしてしばしば記載されている)、気体-液体の接触用途における1つまたは複数の流体流動からの沈殿物または固体(CaCOのような難溶解性塩など)の堆積が、表面エネルギー全体または繊維のトポロジを変える可能性があり、それによって、吸着剤溶液(特に、メッシュ小孔に架け渡る溶液)との繊維の相互作用を変化させる可能性がある。ある場合には、これは、結果的に生じる効果的な接触角度または形状の影響に基づく。
【0128】
また、繊維は、繊維/吸着剤溶液の相互作用特性に影響を与えるために導入される表面テクスチャを有し得る。繊維表面は、繊維-液体溶液の境界面の特性を調整または最適化するために、材料の表面エネルギー特性に依存して、滑らかにされ得る、または粗くされ得る。
【0129】
ある場合には、繊維は、本質的には元々が疎水性または親水性のいずれであっても、所与の気体-液体用途において、標的とされた気体-液体境界面に到達するために、被覆または添加物の使用を通じて最適化され得る。
【0130】
いくつかの実装形態では、異なる表面特性またはテクスチャを呈する繊維の組み合わせが、液体吸着剤溶液のホールドアップおよび/または流れ落ちのためのメッシュ材料のシート(本明細書では「メッシュシート」と称されることもある)の特性を調整または最適化する手段として一緒に織り込まれてもよい。
【0131】
疎水性メッシュ材料を濡らす技法と親水性メッシュ材料を濡らす技法との両方において、メッシュ材料を減らすことは、パッキング材料の質量に対する気体-液体境界面面積の高い比を達成するために、液体表面張力特性を利用することで達成され得る。所与の液体溶液表面張力に基づいて、吸着剤溶液の膜がメッシュ小孔の開口に架け渡り、メッシュパッキングだけの表面積より大きい全体での反応性気体-液体境界面面積をもたらすことができる。これらの場合、濡れ比率εは100%より大きく、そのため、メッシュシートが濡れており、溶液が開放した空間/小孔に架け渡るとき、気体-液体境界面面積はメッシュ繊維の全体の表面積より大きくなる。さらに、溶液の架け渡りと相まって小孔の開放している性質が、メッシュシートの両側における境界面面積を提供する。これは、本明細書で開示されているメッシュパッキング表面の両側に形成される均一な気体-液膜境界面に反して、一方の表面に気体-液体境界面を有し得るいくつかの従来の熱交換パッキングまたは構造化されたパッキング表面と対照的である。ある場合には、メッシュシートは、ほとんど均一な溶液膜のための内部の支持体と考えることができる。
【0132】
先に言及されているように、商業的に利用可能な冷却塔のパッキングは、DAC用途の下で高い濡れやすさの表面積を維持することに難しさがある。不十分な濡れの1つの原因は、従来のパッキングの低い表面エネルギーである。例えば、冷却塔のパッキングなどの商業的に利用可能なパッキングは、本質的には疎水性になる傾向があり、これは低い表面エネルギーを有する傾向がある。表面エネルギーは、材料の表面における分子間結合の強度を表しており、表面露出の度合いを増加させるために必要とされるエネルギーである。材料が高い表面エネルギーを有する場合、その材料のバルク相互作用はより強くなり、その材料の表面露出はより大きくなる。材料が低い表面エネルギーを有する場合、その材料のバルク相互作用はより弱くなり、その材料の表面露出はより小さくなる。不十分な濡れおよび疎水性(例えば、水をはじく傾向、または水と混合しない傾向)は、通常は大きな接触角度と関連付けられる。接触角度は、液体-固体の境界面と、液体-蒸気の境界面との間の角度として定められ、液体を通じて測定される。不十分な濡れと大きな接触角度とは両方とも、パッキング材料が低い表面エネルギーを有することの潜在的な原因である。適切に設計されない場合、疎水性材料のこれらの属性は、DAC用途において不十分な性能をもたらす可能性がある。
【0133】
本開示のメッシュパッキングは、いくつかの商業的に利用可能な冷却塔のパッキングの不十分な濡れと対照的に、DAC用途においてより良い性能を支持する方法で、疎水性または親水性のいずれかの特性を利用する実施形態を含む。
【0134】
2つの大まかな濡らし技法である架け渡しの技法と毛細管現象の技法とは、水性液体捕捉吸着剤を使用するときに可能である。具体的な濡らし技法は、メッシュシートを作り上げるメッシュシート繊維の材料特性によって決定付けることができる。例えば、図14A図14Cを参照してより詳細に記載されている架け渡し技法は、パッキング材料が本質的により疎水性であるときに行われ、メッシュ小孔にわたって、および、繊維同士の間に、溶液が液膜または「架け渡し」を確立する結果となる。図15A図15Cを参照してより詳細に記載されている毛細管現象の技法は、パッキング繊維が本質的により親水性であるときに行われる。この技法の場合、毛細管作用が、溶液を繊維表面に沿って引き寄せ、メッシュ小孔にわたる架け渡りがより少ないか、またはおそらくない。
【0135】
疎水性メッシュパッキングを伴ういくつかの実装形態では、メッシュ繊維の疎水性が、繊維自体の実質的な濡れなしで、メッシュ小孔の開放領域へと優先的に移動させるように捕捉液体を促進する。あらゆる過剰な液体は液滴で引き離すことができ、メッシュ繊維を流れ落ちる。
【0136】
架け渡しの技法は、疎水性メッシュ材料でしばしば見られ、液体捕捉吸着剤の表面張力と組み合わせられてパッキング繊維との液体境界面における液体捕捉吸着剤の表面エネルギーの最小化に起因して、繊維同士の間の溶液架け渡しをもたらす。ある場合には、架け渡された溶液の寸法は、繊維直径、間隔(例えば、メッシュ小孔の幅)、繊維材料の疎水性、および溶液の表面張力によって定められることになる。より大きな空気/吸着剤の境界面が、液体捕捉吸着剤へのCOの物質移動の増加のためのより大きな利用可能な表面積を提供するため、疎水性のメッシュパッキング用途についての最大化された空気/吸着剤の境界面は、所与の捕捉溶液の組成についての上記のパラメータ、および空気接触器の動作パラメータの最適化によって標的とされ得る。
【0137】
この架け渡し技法を使用する場合、パッキング繊維自体の表面は、それ自体の疎水性の性質のおかげで、大まかには濡れないままとなり、そのため空気/吸着剤の境界面面積にあまり寄与しない。そのため、最適化された疎水性メッシュパッキングは、繊維直径のそれぞれの調整と、メッシュ小孔を作り上げる繊維同士の間の間隔とによって、境界面面積を最大化することになる。ある場合には、過度に大きい繊維幅/間隔は、所与の溶液の表面張力について、吸着剤の架け渡しの破壊をもたらすことになり、その場合、液体の架け渡しがもはやメッシュ小孔の幅で広がらない。
【0138】
ある場合には、親水性の設計が、捕捉溶液によるメッシュパッキングの濡れを向上させることができる。親水性のメッシュパッキングの設計であれば、毛細管現象の技法がメッシュ材料の濡れの支配的な形態となり得る。ある場合には、この技法は、溶液の架け渡しではなく、毛細管作用を通じて行われる可能性がある。例えば、毛細管現象の技法は、溶液を繊維表面に沿って引き寄せ、メッシュ小孔にわたる架け渡しがより少ないか、またはおそらくない。次いで、気体-液体境界面面積は、濡れた繊維の面積と、液体吸着剤の層の厚さとによって定められることになり、液体吸着剤の層の厚さは、繊維材料の親水性と、メッシュシートを落ちる液体吸着剤の流量とによって定められることになる。この毛細管現象の技法を使用する場合、メッシュ小孔は、液体吸着剤の層の厚さとパッキング繊維の間隔とに依存して、完全に濡らされる可能性がある、または完全に濡らされない可能性がある。そのため、毛細管現象による濡らし技法のための親水性メッシュパッキングの最適化は、架け渡す技法のメッシュパッキング最適化と異なることになる。
【0139】
(例えば、メッシュシートの濡れた表面積を増加させることによる)親水性の特性を有するメッシュパッキングの向上した濡れは、少なくとも2つの手法によって達成させることができる。第1の手法は、例えば、材料の特性である表面自由エネルギーを増加させることによって、メッシュ材料表面の親水性を増加させることである。第2の手法は、メッシュ材料の表面粗さおよび見かけの接触角度を増加させることである。向上した濡れのためのこれらの手法は、独立して、または、互いと組み合わせて、使用することができる。
【0140】
濡れた表面積が、空気におけるCOへの捕捉溶液の露出の量を決定し、親水性材料の表面が所与の体積の溶液のための濡れた面積を最大化するため、メッシュパッキングのための親水性材料は気体-液体接触器の用途にとって適切であり得る。いくつかの場合には、親水性は、製作されるときにメッシュ材料へと組み込まれ得る、または、製作後の被覆として導入され得る。親水性被覆は、表面エネルギーを増加させ、メッシュシートにおける捕捉溶液の接触角度を小さくする。ある場合には、材料の表面への結合における変化に材料を曝すいくらかの表面処理は、同様の親水性の結果を達成することができる。
【0141】
例示的な実装形態において、親水性メッシュシートは、親水性を増加させるために、メッシュパッキングへの適用された被覆を含み得る。ある場合には、この被覆は最小の溶液の流れで完全に濡れる。これは、被覆されていないメッシュシートと比較して、相当に減少した溶液の流れを伴って、より高い捕捉率をもたらすことができる。
【0142】
いくつかの実装形態では、親水性メッシュシートは捕捉溶液で濡らされ、親水性メッシュ材料自体の濡れた表面に加えて、小孔の中に液膜を作り出すために、液体の質量または体積がメッシュシート内の閾飽和水準を超え、メッシュ繊維に沿って小孔(開口)へと流れる液滴を形成するまで、親水性材料を浸す。これは、液体をはじいて液滴をメッシュ繊維から離して小孔へと押し込むメッシュ材料に依拠する濡らしの疎水性技法とは異なる。
【0143】
いくつかの実装形態において、メッシュパッキングは、親水性をさらに最適化し、メッシュシートの少なくとも一部分における液体-固体の境界面の間の接触角度を小さくするために、材料添加物を含むことができる。
【0144】
メッシュ材料の親水性を増加させるための先の例の手段への追加または代替として、メッシュ繊維表面の粗さは親水性を増加させるために変更され得る。
【0145】
図14Aにおいて見られるように、いくつかの実装形態において、メッシュパッキングは、親水性の特性を有するメッシュシート901の少なくとも一部分を含む。ある場合には、これは、COを捕捉すること(CO捕捉流束と称されることもある)において、メッシュシート901の効果を例えば、少なくとも10%増加させることができる。この増加した効果は、メッシュパッキングの濡れ比率における増加を通じて達成することができる。メッシュ材料が本質的にすでにいくらか親水性である(水によって濡らされる傾向がある)場合、わずかな微小構造の追加によって、濡れた表面積を増加させることができる。
【0146】
メッシュパッキングは、DAC用途における空気接触器、または冷却塔の筐体(CO2捕捉用途のために改造または適合されている場合)など、気体-液体接触器の空気流経路に位置決めされるように設計される。メッシュパッキングは、比較的真っ直ぐな気体通路を形成するために、縫い込みおよび/または並べられる1つまたは複数のメッシュパネルから成り、メッシュシートの最も大きい表面(平面)の領域は、気体流動の流れ方向と同じ直線状である。メッシュパネルの上部縁は液体分配システムに連結され、液体捕捉溶液は、メッシュシートの上部縁または上部分に、(例えば、パルス流れ、フラッシュ流れ、またはそれらの組み合わせを使用して連続的または間欠的に)適用され、メッシュシートの高さを下へと進むように許容され、メッシュ小孔の大部分の中に、および/または、メッシュ小孔を画定する繊維に沿って、均一な液膜を形成する。この液膜は、空気流胴がメッシュシート同士の間の気体通路を通じ移動するときに空気流動からのCOが吸収または捕捉されるのに通る気体-液体境界面面積を提供する。本明細書で開示されているメッシュシートパッキングは、空気流に対して配置されるメッシュシートを有する。例えば、一実施形態において、メッシュシートは、メッシュシートの平面状表面と平行である方向に沿って空気流が進むように、空気流の方向と同じ直線状の配向で位置決めされる。一実施形態において、空気流は、メッシュシートによって定められる空気が進む深さ(ATD)と平行である方向に沿って進む。この方向における空気流の移動は、空気流を、捕捉溶液(液膜)境界面面積と接触させる一方で、空気の進みに対して大まかには邪魔のない経路または通路に沿って進ませることができ、圧力損失を最小限にする。別の言い方をすれば、メッシュシートの配向によって作り出されるより制限のない空気経路が、ATDに沿っての差圧を小さくする。メッシュシートは、気体の流れの方向と平行に位置決めされるとき、COを空気などの希釈供給源から捕捉するための気体-吸着剤接触効率を最大化する。
【0147】
高い気体速度、溶液の特性、および変化する動作温度は、液膜安定性と称される現象である、メッシュ小孔(開口)にわたって均一な液膜を維持するためのメッシュシートの能力に、影響を与える可能性がある。ある場合には、相当の液膜不安定性が、メッシュパッキングの全体の性能を低減させ、CO捕捉の低減をもたらす可能性がある。この問題は、メッシュ小孔の大きさが、溶液の性質(表面張力、粘度など)および気体速度などの所与の動作条件の下で液膜を支持するには大きすぎることになる場合に、生じる可能性がある。濡れた境界面の表面積を増加させることで、液体へのCO物質移動を向上させる、より大きな小孔直径を伴うメッシュシートの濡れた領域における潜在的な増加は、所与の動作条件について濡れた境界面面積を減少させる可能性がある液膜を不安定化させる危険性と、バランスされなければならない。このバランスをより良好に達成するために、希釈供給源からのCOの捕捉のための親水性または疎水性のいずれかのメッシュ材料の構成は、メッシュ小孔の大きさおよびDAC動作条件に関して、最大化された物質移動を維持するために最適化される。ある場合には、ある範囲の小孔の大きさを伴うメッシュシートは、動作条件を取り扱うために選択される場合、例えば、冷却塔業界において一般的に用いられているパッキングまたは充填材といった、DAC用途で一般的に使用されるパッキング材料の同様の体積より、相当に大きい濡れた境界面面積と小さい圧力損失とを有することができる。
【0148】
メッシュパッキングは、本開示による液体分配と組み合わせられるとき、吸着剤の流量の要件を下げることができる一方で、なおもシートの高さおよび長さ全体を通じて均一な液体分配を提供することができる。ある場合には、液体分配システムは、メッシュシートへの捕捉溶液の吹き付けまたは噴霧を適用するように動作可能である1つまたは複数のノズルを備え得る。液体は、(例えば、乾いた場所を濡らすために)、メッシュシートの上において、または、メッシュシートに沿う任意の点において、適用され得る。メッシュシート表面が気体通路を定め、多孔性であることを考えれば、メッシュシート表面は空気流れにとって大きな障害を形成せず(特に、空気流が、平面状表面に沿って同じ直線状ではなく、パッキングブロックを通じて進むパッキング構成と比較して)、本明細書で開示されているメッシュパッキングおよび動作の方法は、所与の空気速度およびATDについて圧力損失を相当に低減し、これはさらに、システムを動作させるために必要とされる動力も低減する。したがって、いくつかの実装形態では、気体通路を通じた空気流の主な方向はメッシュシートの表面に沿ってであり、いくらかの残留体積および比較的小さい体積の空気が、メッシュシートの多孔性の性質を考慮して、メッシュシートを通じて進むことになることを理解されたい。
【0149】
いくつかの実装形態では、メッシュパッキングは、メッシュパッキングにわたる捕捉溶液の連続的および/または間欠的な流れのために構成された液体分配システムで動作させられ、間欠的な流れは、それぞれ離散した時間の期間にわたって、フラッシュ(より大きな)流れ、流れがない、およびパルス(より小さい)流れなど、変化する流量の連続または周期で提供されてもよい。ある場合には、パッキングにわたる液体分配のこの間欠的モードが、細流の形成を低減または軽減するために使用される。上述されているように、小さい液体充填速さにおいて、捕捉溶液は、パッキングを下へ進むとき、細流状態になる傾向があり得る。捕捉溶液の細流によって引き起こされるメッシュシートの不十分または不完全な濡れは、単位パッキング面積あたりでの小さくなった境界面面積に起因して、より小さい物質移動をもたらし得る。ある場合には、間欠性の流れ、フラッシュ流れ、および/またはパルス流れの使用は、この問題を軽減することができる。
【0150】
メッシュパッキングは、所与の体積について相当により大きい反応性表面積を提供することができ、これは、空気流からの高い度合いでのCO捕捉をもたらすことができる。メッシュシート表面は、(例えば、メッシュシートの上部縁またはメッシュシートの他の領域において)直接的な吸着剤送り込みに曝され、これは、メッシュシートの幅全体にわたって均一な液体吸着剤分配をもたらすことができる。この方法では、メッシュ材料は完全に濡らされ、あらゆる顕著な乾燥または濡れていない区域を回避することができる。
【0151】
DACパッキング設計は、例えば、法外なエネルギーまたは経済的な不利益を招くことなく大気のCOを捕捉することなどで、反応ガスからの絶対的な捕捉流束(数1)を最大化するために、反応性気体-液体境界面面積を最大化して維持し、溶液捕捉性能を増加させることを目標とし得る。溶液の動力学が支配するが、物質移動の二重境膜説と一致するように、反応のための溶液におけるCOの利用可能性は、ヘンリー定数(数2)により、それぞれの条件の下での吸着剤媒体におけるCOの平衡溶解度によって支配される。そのため、最適なプロセス条件では、メッシュパッキングの深さにわたる気体位相からのCO濃度の枯渇がなく(例えば、無限の空気速度条件)、吸着剤は、気体-液体接触器を通じて均一な捕捉率を有することになる。しかしながら、実際にはそうではなく、捕捉流束は、物質移動の動力学によってだけでなく、気体-液体接触器システムを通じての枯渇によっても駆動される。
【0152】
【数1】
【0153】
【数2】
【0154】
ここで、以下のとおりである。
【0155】
【表1】
【0156】
上記の数1および数2を組み込んでいるモデルが、最適化された捕捉流束をもたらすために、本開示のメッシュパッキング設計と共に使用できる。例えば、本明細書の中での様々な実施形態に記載されているような、知られている溶液の特性を有する捕捉溶液で濡らされるメッシュパッキングの表面の平面にわたって、同じ直線状に希釈CO気体流動を流すために気体-液体接触器を動作させる方法が、パッキングのATDにわたっての圧力損失における低下を支持し、気体速度の増加を可能とし、さらに、全体の性能におけるCO捕捉の傾きの影響を低減するために示され得る。
【0157】
本開示による特徴を伴うメッシュパッキングは、商業的なDAC用途のための実施形態で設計されており、それによって、メッシュシートの質量およびエネルギー消費を最小限にする一方で、空気からのCOの効率的な捕捉のための単位パッキング面積あたりのCO気体-液体境界面面積を最大化する能力を有する。メッシュパッキングは、溶液が架け渡り、薄い液体の架け渡しを形成することで、COとの反応が起こる境界面面積を発生させるために、小さい開口を含むように設計される。これは、捕捉性能を向上させることができ、メッシュパッキングの所与の表面積について必要とされる材料の体積も低減することができる。
【0158】
図1は、例示的な気体-液体接触器100の概略図を示している。気体-液体接触器100は、フレーム105と、筐体104と、1つまたは複数の上部分配液溜め部107と、プレナム114と、気体移動デバイス(本明細書において、ファンまたは送風機102と称されることもある)と、ファン導風板103と、底部液体収集液溜め部106と、メッシュパッキング101の少なくとも1つの区域と、制御システム999とを備える。図1を参照すると、気体-液体接触器100は、メッシュパッキング101の2つの区域がプレナム114によって分離されているため、二重セル交差流空気接触器であり、空気は、上部分配液溜め部107から底部液体収集液溜め部106への液体の流れに対して実質的に垂直である方向において、メッシュパッキング101をわたって進む。より詳細に以下で記載されているように、気体-液体接触器100の他の構成が可能である。メッシュパッキング101は、気体-液体接触器の形に一致するように成形でき、フレーム105および筐体104の中に嵌まる大きさとされ得る。ある場合には、気体-液体接触器は、円筒形または円錐形の筐体を備え得る。「液溜め部」という用語が本開示全体を通じて使用されているが、任意の流体を含む受け部が使用できる。ある非限定的な例は、タンク、排水溝、および樋を含む。
【0159】
図1を参照すると、フレーム105(例えば、相互接続された構造部材の組み合わせ)が構造支持体と安定性とを気体-液体接触器100に提供しており、筐体104は、図示されている構成要素の部分的な包囲を提供している。図1を参照すると、筐体104は、気体-液体接触器100の中空の内部であるプレナム114の一部分を定めている。
【0160】
図1を参照すると、上部分配液溜め部107は、フレーム105へと形成される、または、フレーム105の中に位置決めされる。各々の上部液溜め部107は、CO捕捉溶液124(例えば、液体吸着剤)を少なくとも部分的に包囲または保管することができる。CO捕捉溶液124は、上部液溜め部107から、例えば重力流れ、均一流または層流などによって、メッシュパッキング101の少なくとも1つの区域へと下方へ流れ、メッシュパッキング101の平面状表面に沿って流れ、最終的に1つまたは複数の底部収集液溜め部106へと流れることができる。気体-液体接触器100は液体分配システム109を備え得る。液体分配システム109は、CO捕捉溶液124をパッキング101へと分配するように構成されるノズルのセット、分配液溜め部107(上部液溜め部とも称される)、加圧ヘッダ、またはそれらの組み合わせを備え得る。例えば、上部液溜め部107はCO捕捉溶液124を保持することができ、上部液溜め部107の床に位置決めされたノズルは、CO捕捉溶液124をメッシュパッキング101の少なくとも1つの区域へと流すことができる。CO捕捉溶液124は、重力を介してメッシュパッキング101の少なくとも1つの区域を通じて流れることができ、その後、収集液溜め部106(底部液溜め部とも称される)で収集することができる。液体分配システム109の他の実施形態例が以下に記載されている。
【0161】
CO捕捉溶液124が、支配的な液体流れ方向においてメッシュパッキング101の少なくとも1つの区域を通じて、その区域にわたって循環するとき、CO含有空気120が、支配的な液体流れ方向に対して実質的に直交する支配的な気体流れ方向において、メッシュパッキング101の少なくとも1つの区域を通じて、(例えば、ファンまたは送風機102の作用によって)流れて、それによってCO捕捉溶液124と接触する。図1において描写されているように、交差流においてこれら2つの流体を接触させることで、CO含有空気流動120の中のCOの一部分が、CO捕捉溶液124へと移転させられ、ファン導風板103に位置決めされたファン102は、COの薄い空気流動130を、気体-液体接触器100から大気環境へと外へ移動させる。COの濃い溶液が少なくとも1つの収集液溜め部106へと流れ、1つまたは複数のポンプが、COの濃い溶液124の少なくとも一部分を少なくとも1つの上部分配液溜め部107へと戻すように再循環させる。「CO含有空気」という表現における「空気」という用語は、メッシュパッキング101を、大気を処理するだけのために使用されることに限定しない。他のガスがメッシュパッキング101を通じて流れることもできる。いくつかの実装形態において、図1に描写されているように、ファン102は、メッシュパッキング101の少なくとも1つの区域を通じて空気を引っ張る誘引ファンである。ある場合には、ファン102は、メッシュパッキング101の少なくとも1つの区域を通じて空気を送り込むかまたは押す押込ファンである。いくつかの実装形態では、気体-液体接触器100は誘引送風機または押込送風機を備え得る。ある場合には、CO捕捉溶液124は、1L/minから4L/minまでの範囲にある液体充填速さにおいて、メッシュパッキング101の少なくとも1つの区域に提供される。
【0162】
気体-液体接触器100の底部液溜め部106は、COの濃い捕捉溶液124の収集タンクとして作用する。いくつかの実装形態では、溶液の少なくとも一部分が、再循環ポンプシステムまたは別体のポンプおよび配管システムのいずれかからの後流を使用して、さらなる処理のための他のユニットまたは施設へと下流へ送られ得る。一実施形態では、COの濃い捕捉溶液の一部または全部が、追加の処理のために、気体-液体接触器100から下流のユニットへと流れる。例えば、CO捕捉溶液124は再生させることができ、吸収されたCOの一部または全部はCOの濃い溶液から回収することができる。再生されたCO捕捉溶液124は気体-液体接触器100へと戻すように送ることができる。
【0163】
いくつかの実装形態では、図1に描写されている二重セル交差流構成ではなく、気体-液体接触器システム100は、1つまたは複数の気体-液体接触セルから成ることができ、各々のセルは、より大きな産業用冷却塔システムと同様の1つまたは複数のファンを有する。気体-液体接触器システム100のための他の可能な構成のいくつかの非限定的な例が、図1Aおよび図1Bを参照して記載されている。
【0164】
図2を参照すると、気体-液体接触器システム200は、直立した本体である。気体-液体接触器システム200は、CO含有空気120が気体-液体接触器システム200へと入れられるのに通る底部分に沿って空気入口110を有する。ファン102は、空気入口110を通じて上方向にCO含有空気120を引き込んでメッシュパッキング101の区域と接触させるために、ファン軸の周りで回転する。図2の構成において、気体-液体接触器システム200は、メッシュパッキング101の1つだけの区域を有し、そのため、「単一セル」気体-液体接触器システム200と称されてもよい。CO捕捉溶液124は、メッシュパッキング101の中で、例えば重力流れ、均一な流れ、または層流などによって下向きに循環し、最終的に、1つまたは複数の底部収集液溜め部106へと流れる。CO捕捉溶液124がメッシュパッキング101を通じて、メッシュパッキング101にわたって循環するとき、CO含有空気120は、メッシュパッキング101を通じて上向きに流れており(例えば、ファン102の作用によって)、それによってCO捕捉溶液124に接触する。したがって、図2におけるメッシュパッキング101を通るCO捕捉溶液124の流れは、メッシュパッキング101を通るCO含有空気120の流れに対して向流または反対である。CO含有空気流動120の中のCOの一部分がCO捕捉溶液124へと移転させられ(例えば、CO捕捉溶液124によって吸収される)、ファン102は、COの薄い空気流動130を、気体-液体接触器200から大気環境へと外へ移動させる。COの濃い溶液は少なくとも1つの収集液溜め部106へと流れる。
【0165】
図3を参照すると、気体-液体接触器システム300は、直立した本体である。気体-液体接触器システム300は、CO含有空気120が気体-液体接触器システム300へと入れられるのに通る直立側方部分に沿って空気入口110を有する。ファン102は、空気入口110を通じて実質的に水平方向にCO含有空気120を引き込んでメッシュパッキング101の区域と接触させるために、ファン軸の周りで回転する。図3の構成において、気体-液体接触器システム300は、メッシュパッキング101の1つだけの区域を有し、そのため、「単一セル」気体-液体接触器システム300と称されてもよい。CO捕捉溶液124は、メッシュパッキング101の中で、例えば重力流れ、均一な流れ、または層流などによって下向きに循環し、最終的に、1つまたは複数の底部収集液溜め部106へと流れる。CO捕捉溶液124がメッシュパッキング101を通じて循環するとき、CO含有空気120は、メッシュパッキング101を通じて実質的に水平に流れており(例えば、ファン102の作用によって)、それによってCO捕捉溶液124に接触する。したがって、図3におけるメッシュパッキング101を通るCO捕捉溶液124の流れは、メッシュパッキング101を通るCO含有空気120の流れに対して実質的に垂直である。流れのこのような構成は「交差流」構成と称することができる。CO含有空気流動120の中のCOの一部分がCO捕捉溶液124へと移転させられ、ファン102は、COの薄い空気流動130を、気体-液体接触器300から大気環境へと外へ移動させる。COの濃い溶液は少なくとも1つの収集液溜め部106へと流れる。実施形態では、メッシュパッキング101の1つまたは複数の区域が実質的に直立した配向を有して(つまり、直立した配向を有する平面を定めて)示されているが、メッシュパッキング101の1つまたは複数の区域は、実質的に水平の配向を有し得る(つまり、水平の配向を有する平面を定め得る)。同様に、メッシュパッキング101の1つまたは複数の区域は、鉛直平面および/または水平平面とゼロでない角度を形成する配向を有してもよい。
【0166】
図1を参照すると、例示的な気体-液体接触器システム100だけでなく、本開示による他の例示的な実装形態も、CO2を捕捉するために使用される気体-液体接触器の中にプロセス流動(「流動」とも呼ばれる)を含む。プロセス流動だけでなく、気体-液体接触器システムが流体的に連結される下流のプロセス流動も、システム全体を通じて実装される1つまたは複数の流れ制御システム(例えば、制御システム999)を使用して流すことができる。制御システム999は、プロセス流動を移動させるための1つまたは複数の流れポンプ、ファン、送風機、または固体コンベヤと、プロセス流動が流されるのに通る1つまたは複数の送り管または導管と、管を通じての流動の流れを調節するための1つまたは複数の弁とを備え得る。本明細書に記載されている構成の各々は、少なくとも1つの入口液体流量または少なくとも1つの出口液体流量を制御することができるそれぞれのポンプに連結される少なくとも1つの可変周波数駆動(VFD)を備え得る。いくつかの実装形態では、液体流量は少なくとも1つの流れ制御弁によって制御される。
【0167】
いくつかの実施形態では、流れ制御システム999が手動で動作させられ得る。例えば、作業者は、流れ制御システム999における管を通るプロセス流動の流れを調節するために、各々のポンプまたは移送デバイスについて流量を設定することができ、弁の開位置または閉位置を設定することができる。作業者が、システムにわたって分配されるすべての流れ制御システム999について、流量と弁の開位置または閉位置とを設定すると、流れ制御システムは、例えば一定の容積流量または他の流れ状態などの一定の流れ状態の下で、流動を流すことができる。流れ状態を変化させるために、作業者は、例えばポンプ流量、または弁の開位置もしくは閉位置を変更することなどで、流れ制御システム999を手動で動作させることができる。
【0168】
いくつかの実施形態では、流れ制御システム999が自動で動作させられ得る。例えば、流れ制御システム999は、動作(流れ制御動作など)を実行するために、1つまたは複数の処理装置によって実行可能である命令(流れ制御命令および他の命令など)を記憶するコンピュータまたはコンピュータ可読媒体に通信可能に連結され得る。作業者は、制御システム999を使用して、施設にわたって分配されるすべての流れ制御システム999について、流量と、弁の開位置または閉位置とを設定することができる。このような実施形態において、作業者は、制御システム999を通じて入力を提供することで、流れ状態を手動で変更することができる。また、このような実施形態において、制御システム999は、例えば制御システム999に接続されたフィードバックシステムを使用することなどで、流れ制御システムのうちの1つまたは複数を自動的に(つまり、手作業による介入なしで)制御することができる。例えば、センサ(圧力センサ、レベルセンサ、流量センサ、温度センサ、または他のセンサなど)が、プロセス流動が流れるのに通る管に接続され得る。センサは、プロセス流動の流れ状態(圧力、温度、または他の流れ状態など)を監視し、制御システム999へ提供することができる。閾値(閾圧力値、閾温度値、または他の閾値など)を超える流れ状態に応答して、制御システム999は1つまたは複数の動作を自動的に実施することができる。例えば、管における圧力または温度がそれぞれ閾圧力値または閾温度値を超える場合、制御システム999は、流量を下げるためのポンプへの信号、弁を開けて圧力を解放するための信号、プロセス流動の流れを中断するための信号、または他の信号を提供することができる。例えば、入口またはメッシュパッキングにおいて気体速度を監視する流量センサが、気体速度が閾気体速度値を上回ることを読み取った場合、流量センサは、ファンにファン速さを低下させるように命令する信号を、制御システム999における制御装置へと送ることができる。
【0169】
別の例では、制御システム999は、可変周波数駆動(VFD)ポンプと、制御システム999における制御装置に応答する液体分配システムとに通信可能に連結され得る。液体充填速さ(メッシュパッキングへの捕捉溶液の流量)が閾流量値を上回ることを流量センサが読み取る場合、流量センサは、VFDポンプにおけるモータの回転速さを低下させ、それによってメッシュパッキングへの液体充填を低下させるために、制御システム999における制御装置に信号を送ることができる。別の例では、制御システム999は、制御弁と、液体をメッシュパッキングに分配するノズルとに通信可能に連結され得る。液体充填速さが閾流量設定点の値を上回ることを流量センサが読み取った場合、信号が、部分的に閉じて流量を低減するために制御弁へと送られる。
【0170】
図4を参照すると、気体-液体接触器400は、メッシュパッキング101の少なくとも1つの区域のための構造支持システム401を備える。構造支持システム401は、1つまたは複数の支持棒と、支持梁204と、上部スペーサと、底部スペーサと、CO含有空気流動220のための少なくとも1つの空気入口領域と、COの薄い空気流動230のための少なくとも1つの出口領域とを備える。1つまたは複数の支持棒は、棒材の第1のサブセット(上部棒材206とも称される)と、棒材の第2のサブセット(底部棒材208とも称される)とを備える。上部棒材における「上部」という用語と、底部棒材における「底部」という用語とは、棒材を気体-液体接触器400の別の要素に対して特定の位置に限定しない。上部棒材206の上方および/または底部棒材208の下方に、別の要素が位置決めされてもよい。メッシュパッキング101は複数のメッシュパネル202a、202bを備える(2つが図4に示されているが、より多いのも可能である)。各々のメッシュパネル202a、202bは、メッシュ材料203を備える、またはメッシュ材料203から成るメッシュパッキング101の区分である。メッシュ材料203は任意の適切な形態を取ることができる。例えば、一実装形態において、メッシュ材料203は、本明細書では「メッシュシート」称されることもある多孔性シート(例えば、スクリーン)である。別の可能な例では、メッシュ材料203は、小孔が全体を通じて延びている剛性体である。メッシュ材料203は、その厚さまたは深さより何桁も大きい長さおよび幅を有する多孔性体である。各々のメッシュパネル202a、202bのメッシュ材料203は、メッシュ材料203に作用する十分な引っ張りがあるように、上部棒材206のうちの1つまたは複数と、底部棒材208のうちの1つまたは複数とによって保持される。例えば、メッシュ材料203は、平面状表面を形成するのに十分な引っ張りを有し得る。メッシュ材料203の引っ張りは、CO捕捉溶液124または吸着剤流動の流れ特性を調節するために調節されてもよい。図4を参照すると、上部棒材206は、1つまたは複数の支持梁204に装着され、CO捕捉溶液124または吸着剤の流動を、分配液溜め部(分配液溜め部107など)からメッシュパネル202a、202bの上部分へと流すことができるように位置決めされる。支持梁204は、上部棒材206の配向に対して横断または垂直である配向を有し得る。図4の構成において、CO捕捉溶液124はメッシュパネル202a、202bの上部に導入される。代替の構成において、CO捕捉溶液124はメッシュパネル202a、202bの異なる場所で導入される。ある場合には、CO捕捉溶液124は、1L/minから4L/minまでの範囲にある溶液充填速さにおいて、メッシュパネル202a、202bへと流れる。
【0171】
図4を参照すると、メッシュパネル202a、202bと上部棒材206とは自己支持ではない。そのため、支持梁204および1つまたは複数の支持柱214など、追加の構造支持体が提供されている。これらの構成要素は、メッシュパネル202a、202bおよび筐体104のうちの1つまたは複数に連結され得る(図1参照)。支持梁204は、図4に示されているような剛性の接続部を通じて、または、ケーブル、ロープ、もしくはワイヤの使用によってのいずれかで、気体-液体接触器のフレーム105の中の中間位置において支持され得る。ある態様では、支持梁204は、上部棒材206とメッシュ材料203との間に一定の距離を維持するために、上部スペーサと連結させることができる。ある態様では、底部棒材208に対するメッシュ材料203の位置は、例えば、底部棒材208と上部棒材206との間の一定の距離を維持するなどのために、メッシュ材料203が底部棒材208と連結、接触、または離間されるように調整可能である。ある態様では、隣接するメッシュパネル202a、202bのメッシュ材料203の間の間隔は気体通路を作り出す。
【0172】
図4を参照すると、CO含有気体流動220は、同じ直線状の方向でメッシュパネル202a、202bに入り、メッシュパネル202a、202bにわたって流れる。「同じ直線状」によって、CO含有気体流動220は、メッシュ材料203の平面状表面と平行である方向に沿って流れることが理解される。例えば、図4を参照すると、CO含有気体流動220は、実質的に水平の方向に沿って流れ、メッシュ材料203の平面状表面は、図4を示す図面のページの平面と平行である。液体吸着剤の流動(CO捕捉溶液124など)が、メッシュ材料203の上部から流れ、メッシュ材料203の小孔の少なくとも一部分にわたって液膜を作り出す。CO含有気体流動220およびCO捕捉溶液124は、空気流がメッシュパネル202a、202bを離れ、少なくとも1つの出口領域を通じてCOの薄い空気流動230として気体-液体接触器から放出される前に、CO含有気体流動220におけるCOの少なくとも一部分がCO捕捉溶液124へと吸収されるように、交差流の様態で接触する。
【0173】
図5を参照すると、構造支持システム500の例は、支持梁204に支持され、支持梁204の間で延びる複数の上部棒材206を備える。各々の支持梁204は、支持柱214によって支持され、支持柱214同士の間で延びる。メッシュパッキング101の図示されている区域は、複数のメッシュパネル202を含む。各々のメッシュパネル202は、上部棒材206のうちの1つによって支持され、隣接する支持梁204の間で延びる。メッシュパネル202は直立した配向を有する。メッシュパネル202は、地面に対して垂直である方向に延びることができる。CO含有気体流動220は、各々のメッシュパネル202のメッシュ材料203の平面状表面と平行である方向に沿って流れる。例えば、図5を参照すると、CO含有気体流動220は、メッシュパネル202の平面の法線ベクトルに対する垂線ベクトルに対して垂直である方向に沿って流れる。図5を参照すると、CO含有気体流動220は、メッシュパネル202の各々によって定められる空気が進む深さATDと平行である方向に沿って定められる第2の寸法に沿って流れ、ATDは、CO含有気体流動220からCOを捕捉する目的のために空気流によって交差させられるメッシュ材料203の距離である。図5を参照すると、メッシュパッキング101のメッシュパネル202は互いから離間される。図5のメッシュパッキング101の構成において、メッシュパネル202は、水平方向において、または、ATDに対して横断または垂直である方向において、互いから離間されている。離間されているメッシュパネル202は気体通路を定める。例えば、2つの隣接するメッシュパネル202は第1の寸法に沿って離間される。図5の構成において、第1の寸法は、2つの隣接するメッシュパネル202の間の気体通路408の幅に対応する気体通路間隔207である。気体通路408は以下でより詳細に記載される。
【0174】
メッシュパッキング101の他の構成が可能である。例えば、図6を参照すると、メッシュパッキング101は、各々のメッシュパネル202によって形成される平面状表面が、直立した配向を有する法線ベクトルによって定められる点において、実質的に水平の配向を有する。メッシュパネル202は、メッシュパッキング101を形成するために互いの上に積み重ねられる。CO含有気体流動220は、各々のメッシュパネル202のメッシュ材料203の平面状表面と平行である方向に沿って流れる。CO含有気体流動220は、メッシュパネル202の各々によって定められるATDと平行である方向に沿って流れる。CO捕捉溶液124などの液体吸着剤の流動が、メッシュ材料203の上方から流れ、1つまたは複数のメッシュパネル202のメッシュ材料203の少なくとも一部分の小孔にわたって液膜を作り出す。例が図6に示されている「並流の流れ」の構成では、CO捕捉溶液124は、CO含有気体流動220が沿って流れる方向と平行である方向に沿って、メッシュパッキング101へと運ばれる。このような構成では、CO捕捉溶液124は、細かい粒子の液体-空気混合物(例えば、1つまたは複数のノズルから吹き付け、散布、または滝状の流れによって提供される噴霧)として提供され得る。このような構成において、CO捕捉溶液124は、CO捕捉溶液124の液滴がCO含有気体流動220において同伴されるように、ノズルを介した吹き付けとして提供され得る。CO捕捉溶液124の形成は、必要とされる場合、または望まれる場合、さらにATDに沿ってメッシュパネル202に提供されてもよい。流れの方向に拘わらず、CO捕捉溶液124は1つまたは複数のメッシュパネル202のメッシュ材料203を濡らす。CO含有気体流動220は、空気流がメッシュパネル202を離れ、COの薄い空気流動230として気体-液体接触器の出口から放出される前に、CO含有気体流動220におけるCOの少なくとも一部分がCO捕捉溶液124へと吸収されるように、メッシュ材料203におけるCO捕捉溶液124と接触する。
【0175】
いくつかの実装形態では、メッシュパッキング101(1つまたは複数のメッシュパネル202a、202bから成る)は、既存のフレームの大きさおよび気体-液体接触器100の筐体において、気体-液体表面をさらに大きくするために、気体-液体接触器100における別々の複数のセルとして設置できる。
【0176】
いくつかの実装形態では、メッシュパネル202a、202bは、元のメッシュ材料203のある一部が損傷させられる場合、新規または修理したメッシュパネル202a、202bで交換可能である。ある場合には、メッシュパネル202a、202bは、棒材206、208が支持梁204から連結解除されるとき、棒材206、208から取り外すことができる。
【0177】
空気流の方向とのメッシュパネル202a、202bの同じ直線状の配向は、空気の進みに対して大まかには邪魔のない経路(または通路)を可能とし、圧力損失を最小限にする。別の言い方をすれば、空気流と平行であるメッシュパネル202a、202bの配向によって作り出されるより制限のない空気経路が、ATDに沿っての差圧を小さくする。
【0178】
いくつかの実装形態では、メッシュパネル202a、202bはそれ自体において、ほとんど鉛直の溶液膜のための内部支持として利用できる構造部品である。ある場合には、小孔の形を定めるメッシュ材料203のための織りパターンの種類は、溶液ホールドアップとメッシュ材料203に沿っての膜流れとを平衡させるように構成され得る。また、より幅広のメッシュの織りがより小さい材料密度を有することで、所定のメッシュ領域についてのメッシュ材料203の質量を最小限にすることができる。いくつかの実装形態では、連続的な膜を作り出すために溶液が繊維にわたってもはや架け渡せなくなる閾メッシュ織り幅がある。
【0179】
メッシュ材料203のシートが均一に引き延ばされて(剛性の)引っ張られた表面を有するようにメッシュ材料203のシートを固定するために、留め具が使用されてもよい。使用され得る留め具の種類のいくつかの例には、接着剤、締め付け具、クリップ、網掛け留め具、ブラケットなどを含む。ある場合には、メッシュ材料203の引っ張りは、いくつかの係留位置における留め具で設定され得る。ある場合には、棒材、スペーサ、またはそれらの組み合わせの重量は、メッシュ材料203にとっての十分な引っ張りを提供する。十分な引っ張りは、隣接するメッシュパネル202a、202bが互いと接触せず、空気流を妨げないようにメッシュパネル202a、202bの移動が制限されるとき、達成され得る。ある場合には、支持棒は、引っ張りの調整を可能にする引っ張りフレームに連結され得る。例えば、引っ張りフレームは、棒材に縫い込まれるかまたは固定されるメッシュ材料203において所望の引っ張りを達成するために、棒材を移動させるために調整され得る開きボルトを伴うユニストラットのセットを含み得る。
【0180】
ある場合には、メッシュパッキング101は、モジュール式またはコンパクトであり、変更を必要とすることなく、既存の気体-液体接触器(または、潜在的には冷却塔)に容易に設置することができる。メッシュパッキング101は、少なくとも1つの底部収集液溜め部の上方に設置することができる。
【0181】
メッシュ材料203はCO捕捉溶液124と適合するように選択される。例えば、メッシュ材料203は、高いpH、水酸化物溶液(例えば、KOH、NaOH)、重炭酸塩/炭酸塩溶液、アミン溶液、またはそれらの組み合わせを有する捕捉溶液と適合することができる。
【0182】
いくつかの実装形態では、メッシュパッキング101の一部分または全部、および/または構造支持体の構成要素が、プロセス流体の存在下において大きな腐食、劣化、または悪化のない材料から作られ、それによって気体-液体接触器の早期の交換を回避する。例えば、梁204および柱214は、木材、金属、またはプラスチックの材料から作ることができ、一方、棒材206、208は、プラスチックもしくは金属の材料(例えば、PVC、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、または他の熱可塑性物質)から作ることができ、メッシュ材料203は、金属、PVC、ポリマ、プラスチック、または有機材料を含み得る。水酸化物溶液などの強いアルカリ性化学品を使用する用途では、濡れる材料(例えば、メッシュ材料203、棒材206、208、梁204、および柱214)は、これらの溶液への曝露によって引き起こされる劣化に耐えるように選択され得る。ある場合には、これらの材料は、ステンレス鋼、プラスチック、PVC、HDPE、PTFEなどを含み得る。
【0183】
いくつかの実装形態では、上部支持棒材206および底部支持棒材208は、最小限の気体通路を作り出す一方で、なおも直接的な吸着剤の流れを受け入れ、メッシュ材料203にわたる均一に分配された液膜と、気体流動と吸着剤との間の反応性の境界面または表面の増加とを可能にするために、細いポール、ストラップ、ロープ、ケーブルなどであり得る。
【0184】
図7は、図8Aおよび図9の構造支持体システム800、900でそれぞれ実装され得る例示的棒材設計を示している。いくつかの実装形態において、上部棒材は、溝付き棒材702を形成するために刻み込まれている複数の溝703を含むことができ、溝703は、捕捉溶液124をメッシュ材料203へと向かわせることができる。メッシュ材料203は、溝703を伴う表面が互いを向くように、溝付き棒材702の間で保持され得る。溝703は、捕捉溶液124をメッシュ材料203へと下へ流すことができる。いくつかの実装形態では、上部棒材は互いと相互係止するように成形または構成され得る。例えば、上部棒材704の断面はC字形または弓形であり、上部棒材206は互いと相互係止することができる。いくつかの実装形態では、上部棒材708など、上部棒材の断面はU字形であり、互いと相互係止することができる。いくつかの実装形態では、上部棒材は、先細りの棒材706など、一端から反対の端へと太さが先細りとできる。これは、メッシュパッキング101を特定の気体-液体接触器(例えば、丸められる、または円筒形である気体-液体接触器フレーム)により容易に設置させることができる。棒材設計700のいずれも、図8Aおよび図9にそれぞれ示される構造支持体システム800、900において、棒材またはスペーサとして実装され得る。
【0185】
図8Aは、例示的なメッシュパッキング801と構造支持体システム800とを示している。このシステムは、構造支持体システム800が、1つまたは複数の上部棒材206と、1つまたは複数の底部棒材208と、1つまたは複数の支持柱214と、1つまたは複数の支持梁204とを含むことにおいて、先の実施形態と同様である。図8Aの構造支持体システム800は、1つまたは複数の上方スペーサ210と、1つまたは複数の下方スペーサ212とを含む。ある場合には、上部支持棒206および底部支持棒208は、1つまたは複数の上方スペーサ210および下方スペーサ212をそれぞれ使用することで、一定の距離で維持される。スペーサ210、212は、棒材206、208に横方向およびねじりの剛性を提供することができる。ある場合には、メッシュ材料203の引っ張りは係留位置215で設定され得る。ある場合には、底部棒材208、下方スペーサ212、またはそれらの組み合わせの重量は、メッシュ材料203にとっての十分な引っ張りを提供する。ある場合には、上部支持棒206および底部支持棒208は、引っ張りの調整を可能にする引っ張りフレームに連結され得る。例えば、引っ張りフレームは、棒材に縫い込まれるかまたは固定されるメッシュ材料203において所望の引っ張りを達成するために、上部支持棒206、底部支持棒208、またはそれら両方を移動させるために調整され得る開きボルトを伴うユニストラットのセットを含み得る。スペーサ201、212は、例えば、棒材206、208とメッシュ材料203との間で一定の距離を維持するなどのために、メッシュ材料203の位置を調整するのを助ける。ある態様では、棒材206、208に対するメッシュ材料203の位置は、例えば、隣接するメッシュパネル202の間の均一性を維持するなどのために、メッシュ材料203が棒材206、208と連結、接触、または離間され得るように調整可能である。図8Aのメッシュパッキング801の構成では、メッシュパッキング801は単一のメッシュパネル802を含む。メッシュ材料203の単一の連続シートが、単一のメッシュパネル802の個々のメッシュパネル区分209を形成するために、上部支持棒206および底部支持棒208を通じて縫い込まれる。各々のメッシュパネル区分209は、上部棒材206と底部棒材208との間に定められるメッシュ材料203の連続シートの一部分である。メッシュ材料203の連続シートは、メッシュパッキング801の全体積を形成するために、上部支持棒206および底部支持棒208の周りに縫い込まれ得る。
【0186】
構造支持体システム800は、メッシュパネル区分209の間に様々な気体通路408の形成を助けもする。各々の気体通路408は、隣接して離間されたメッシュパネル区分209の間に定められる体積であり、または、メッシュパネル区分209と気体-液体接触器100の筐体104の内部壁との間に定められる体積である。図8Aを参照すると、隣接するメッシュパネル区分209の各々の対は、各々の気体通路408の気体通路間隔207を定めるために、第1の方向D1において互いから離間される。第1の方向D1は、空気が進む深さATDに対して横断している(図5参照)。第1の方向D1は、空気が進む深さATDに対して直角である平面において定められる。メッシュパネル区分209が直立した配向を有する図8Aの実施形態では(例えば、メッシュパネル区分209に対して直角なベクトルが水平の配向を有する)、気体通路間隔207は気体通路408の幅である。メッシュパネル区分209が水平の配向を有する代替の実施形態では(例えば、メッシュパネル区分209に対して直角なベクトルが直立した配向を有する)、気体通路間隔207(第1の寸法)は気体通路408の高さである。気体通路間隔207は気体通路408の他の寸法を定めるために使用されてもよい。各々のメッシュパネル202は、メッシュパネル区分209の両側において、少なくとも2つの気体通路408を画定する。
【0187】
図5を参照すると、空気が進む深さ(ATD)は、気体通路間隔207に対して横断方向に沿って定められている。図5を参照すると、空気が進む深さは、気体通路間隔207に対して直角である平面に定められている。図5を参照すると、空気が進む深さは、気体通路間隔207が定められる平面に対して垂直である平面に定められている。図5のメッシュパッキング101の1つの可能な構成では、メッシュパネル202は、直立した配向を有し、空気が進む深さ(ATD)は、気体通路幅207より3桁未満で大きい。例えば、6ftの幅および8ftの高さを有するメッシュパネルが、おおよそ0.25インチの気体通路幅を有し得る。メッシュパネルおよび気体通路幅の他の寸法が可能である。1つの可能な構成において、空気が進む深さATDは気体通路幅207より1桁から2桁の間で大きい。いくつかの実装形態では、気体通路幅は0.25インチ以上であり得る。空気が進む深さATDにおける「空気」という用語の使用は、気体通路408を、空気を導くためだけに使用されることに限定しない。他のガスが気体通路408を通じて流れてもよい。
【0188】
メッシュパネル202が直立した配向を有する図6のメッシュパッキング101の構成において、各々の気体通路408は、空気が進む深さと平行である方向において定められる長さ/深さと、空気が進む深さに対して垂直である方向において定められる幅(つまり、気体通路間隔207)と、鉛直と平行な方向に定められる高さとを有する。
【0189】
図8Aの構造支持体システム800は、メッシュパネル202が、上部棒材206と底部棒材208とのずれを調整することで、隣接する棒材206、208の間の間隔を調整することで、棒材の直径/幅を調整することで、および/または、縫い込みパターンを調整することで、異なる形および角度を有することを可能とし、それら調整のいずれも、気体通路408の形、寸法、および/または配向にさらに影響を与える可能性がある。例えば、上部棒材206は、横方向で隣接するメッシュパネル802が互いと平行となるように底部棒材208から横方向でずらされ得る。代替で、メッシュパネル802の1つまたは複数は、鉛直からゼロでない角度でずれてもよく、これはさらに、気体通路408の形、または、気体通路408の鉛直からの配向をそれぞれ変化させる。
【0190】
各々の気体通路408の断面の形が、ATDに対して垂直である平面において定められる。図8Aに例が示されている実施形態では、各々の気体通路408の断面の形は一定である。図8Aに例が示されている実施形態では、断面の形の断面面積が各々の気体通路408について同じである。代替の構成において、メッシュパッキング801の所与の区域についての気体通路408の断面の形は変化する。気体通路408についての異なる断面の形が可能であり、本開示の範囲内にある。例えば、図8Aを参照すると、棒材206、208の構成は、各々の気体通路408に、上部棒材206または底部棒材208のいずれかに向けて先細りである断面の形を持たせる。気体通路408の断面の形は、CO捕捉溶液124の低減した液体流量と、1つまたは複数のメッシュパネル802の少なくとも1つの側面にわたっての薄い液膜の作成とを可能とすることができる。ある場合には、メッシュパネル802の構成は、メッシュ材料203の両方の表面における吸着剤の均一な分配を可能にすることができる。気体通路408についての任意の適切な幅が使用されてもよい。気体通路408についての幅のいくつかの非限定的な例は、0.01インチから6インチの間を含む。いくつかの実装形態において、気体通路408の最大距離または幅は6インチ未満である。例が図8Aに示されている実施形態では、気体通路間隔207(例えば、図8Aにおける気体通路幅)が、棒材206、208の間の距離と平行な方向において減少する。
【0191】
メッシュパネル802によって定められる断面の形によって定められ得る気体通路408の様々な潜在的な構成が、可能である。気体通路408の断面の形は、上部支持棒206および底部支持棒208ならびに、上方スペーサ210および下方スペーサ212それぞれの位置決めおよび間隔によって決定され得る。気体通路408についての断面の形の非限定的な例には、三角形、矩形、または角度付きがある。いくつかの例が図8A図8Jに示されている。例えば、可能な実装形態には、(図8A図8E図8F、および図8Hに描写されているような)三角形の断面の形、(図8B図8I、および図8Jに描写されているような)平行な矩形の断面の形、(図8Eに描写されているような)ずれた三角形の断面の形、(図8Cに描写されているような)平行で角度付きの三角形の断面の形を有する気体通路408があり得る。気体通路408についての断面の形の水平の構成はまた、横方向の支持棒を含めることと共に可能である。気体通路408についての水平の断面の形の例が図8G(水平の三角形)および図8D(水平の矩形)に示されている。いくつかの実装形態では、気体通路408は、非平行および角度付きであり、非対称の断面の形を形成することができる断面の形を有し得る。この列記は網羅的ではなく、用いられ得るこれらの構成の組み合わせおよび並び替えもあり得ることが、理解される。
【0192】
図9を参照すると、図示されている構造支持システム900は、1つまたは複数の上部棒材206と、1つまたは複数の底部棒材208と、1つまたは複数の支持柱214と、1つまたは複数の支持梁204と、1つまたは複数の上方スペーサ210と、1つまたは複数の下方スペーサ212と、メッシュ材料203の1つまたは複数のシートとを含む点において、先の実施形態と同様である。構造支持システム900は、上部支持棒206および底部支持棒208の周りでのメッシュ材料203の単一のシートの縫い込みにメッシュパッキング101の全体積を形成させることができるように構成される。構造支持システム900は、上部棒材と底部棒材とのずれ、隣接する棒材同士の間の間隔、棒材の直径/幅、および/または縫い込みパターンを調整することで、様々な気体通路408の形および角度の形成を可能にするようにも設計される。各々の気体通路408は、ATDと平行である方向に定められる長さと、ATDに対して垂直である方向に定められる幅と、鉛直と平行な方向に定められる高さとを有する。各々の気体通路408の断面の形が、ATDに対して垂直である平面において定められる。
【0193】
ある場合には、例示的なメッシュパッキングおよび支持体の構造的な構成要素は、液体分配システム、1つまたは複数の上部液溜め部、またはそれらの組み合わせの下方で気体-液体接触器に位置決めされ得る。
【0194】
いくつかの実装形態では、メッシュパネル202は、メッシュパネル202を引っ張るために、および、拡張された境界面面積をさらに提供するために、ずれた上部棒材206と底部棒材208との間で縫い込まれ、ときには交互のパターンで縫い込まれ得る1枚だけのメッシュ材料203から形成される。ある場合には、メッシュ材料203が均一に引き延ばされて(剛性の)引っ張られた表面を有するようにメッシュ材料203のシートを固定することは、留め具の使用を通じて遂行され得る。例えば、メッシュ材料203を固定するために使用され得る留め具の種類は、接着剤、締め付け具、クリップ、網掛け留め具、ブラケット、またはそれらの組み合わせである。
【0195】
ある場合には、単一の縫い込まれたメッシュ材料203は、メッシュ材料203の一部分が損傷させられた場合、新しいメッシュシートと容易に交換可能である。メッシュ材料203は、支持梁204から連結解除されるとき、棒材から取り去ることができる。別の可能な構成において、各々のメッシュパネル202はそれ自体のメッシュ材料203を有し、各々のメッシュパネル202は、構造支持システム401、500、800、900に個別に装着される。
【0196】
いくつかの実装形態では、メッシュパッキング101は、工場または製造者の現場における製造と適合するように、および、必要とされる現場での製作の数を減らすように、設計される。メッシュパッキング101は、大幅な再設計を必要とすることなく、接触器筐体104に容易に設置することができる。メッシュパッキング101は現場での作業量を低減した。メッシュパッキング101は、冷却塔の既存の構造要素なしで動作するように設計された接触器筐体104に設置させることもできる。ある場合には、メッシュパッキング101は、長期間にわたる構造的な完全性を伴って、低コストで軽量な縫い込まれたメッシュ材料203を備える。
【0197】
図10は、CO含有空気流動120、220がメッシュパッキング101に入るメッシュパッキング101の端部から見た、例示的なメッシュパッキング101および構造支持システム1000の正面からの立面図を描写している。メッシュ材料203の単一のシートが上部支持棒206および底部支持棒208にわたって縫い込まれている。この実装形態において、1つまたは複数の上部支持棒206は支持梁204に連結されており、上部棒材206と底部棒材208との両方が、支持構造を通じてメッシュ材料203を案内および縫い込みすることの容易さを可能にするように構成されている。気体通路408は、実質的に一定の断面の面積と、実質的に一定の断面の形とを有する。
【0198】
いくつかの実装形態では、上部分配液溜め部が、メッシュパッキング101の上部に液体の捕捉溶液を導入するために、1つまたは複数の開口を含み得る。溶液は、メッシュ材料203の1つまたは複数のシートの上部縁、支持梁204、上部棒材206、および上方スペーサ210から成る部分的に包囲された空間に分配され得る。ある場合には、構造支持システム1000は、液体の捕捉溶液をメッシュパッキング101にわたって均一に分配するように、および、気体通路408の間の最適な空間を維持するように、構成され得る。メッシュ材料203にわたる液体の捕捉溶液の均一な分配は、重力の流れで移動する溶液の薄い膜を作り出す。
【0199】
ある場合には、メッシュ材料203のシートは、図10に描写されているように、ずれている上部支持棒206と下方支持棒208との間で縫い込まれて交互に配置される。メッシュパネルの同じ直線状で平行な配向は空気流の方向にあり、メッシュパッキング101の構造は、鉛直方向での引っ張りをメッシュ材料203のシートに提供することで維持される。
【0200】
いくつかの実装形態では、メッシュ材料203のシートは、気体-液体接触のための必要な表面積を提供するために、直接的な引っ張りを必要とする。ある場合には、メッシュ材料203の1つの縁が第1の上部棒材206に固定でき、メッシュ材料203の第2の縁がさらなる最後の上部棒材206に固定できるか、または、メッシュ材料203の1つの縁が第1の底部棒材208に固定でき、メッシュ材料203の第2の縁がさらなる最後の底部棒材208に固定できるか、または他の同様の組み合わせとすることができる。
【0201】
メッシュシート203の設置および取り外しの容易性は、大規模なDAC展開にとって有益であり得る。メッシュパッキング101および構造支持システム1000は、メッシュ材料203の連続シートの大きなロールの現場への送達を可能にする。メッシュ材料のこれらのロールは、上部棒材206および底部棒材208のそれぞれの上および下にわたって縫い込むことができ、係留でき、所定位置で引っ張ることができ、簡単な設置(および、汚れたまたは損傷した場合に必要に応じて交換)を可能にする。いくつかの実装形態では、メッシュ材料203のロールは、メッシュパネルのセットを形成するための大きさ(例えば、おおよそ気体-液体接触器の入口の高さおよび幅)に切断でき、各々の個々のメッシュパネルは、区分を形成するために、ボルト、留め具、接着剤、または他の固着剤によって上部棒材206および底部棒材208に固定できる。メッシュパッキング101の保守は、従来の気体-液体接触器の設計に対して有利であり得る。特定のメッシュパネル、棒材、またはスペーサが損傷した場合(例えば、裂ける、曲がる、外れる)、損傷した要素を含む区分は、気体-液体接触器の他の構成要素の大幅な取り扱いを必要とすることなく、メッシュパッキングの他の区分から隔離することができ、修理のために取り外すことができる。例えば、特定メッシュパネルが損傷した場合、損傷したメッシュパネルは、気体入口または気体-液体接触器のプレナムを通じてアクセスでき、筐体を開けることを必要とすることなく取り外すことができる。メッシュパネルが棒材またはスペーサに接着される場合、損傷したメッシュパネルは、取り外され、修理され、そして、(例えば、メッシュ材料を接着または再引っ張り/再縫い込みすることで)棒材またはスペーサに再び取り付けられ得る。対照的に、従来のパッキングについては、パッキングの一部分が損傷した場合、従来のパッキングのブロック全体または区域全体が廃棄されなければならない。比較すると、従来の気体-液体接触器の設計について、保守、またはメッシュパッキング101を取り外すことは、一般にユニット全体の停止を必要とする。
【0202】
一実施形態では、メッシュパッキング101は、現場から離れて、または気体-液体接触器100から離れてあらかじめ製作されまたは組み立てられ、設置、修理、または交換の目的のために、単一のユニットとして気体-液体接触器100の中に装着されるユニットである。このようなあらかじめ製作されたメッシュパッキング101の1つの可能な例において、メッシュパッキング101は、メッシュパネル202および気体通路408を作り出すために構造を支持するように装着されるメッシュ材料203の1つまたは複数のシートを含む。そのため、支持構造は、あらかじめ製作されたメッシュパッキング101を気体-液体接触器100の中に装着するために、気体-液体接触器100の中の構造に連結され得る。
【0203】
いくつかの実装形態では、(例えば、別体の上部液溜め部の必要性を排除することで、材料コストを節約するために)支持システムを上部液溜め部と一体化することは有利であり得る。一体化された支持システムは、別体の自己支持する上部液溜め部が排除され、したがって、設置される必要がないため、現場で気体-液体接触器を設置するためのステップの数を減らすことができる。上部棒材206および上方スペーサ210は、上部液溜め部の床の少なくとも一部分を形成することができる。例えば、メッシュ材料203の介在するシートを伴う上部棒材206および上方スペーサ210は、上部液溜め部の床を形成するために互いに押し付けることができる。ある場合には、上部棒材206、上方スペーサ210、底部棒材208、下方スペーサ212、またはそれらの組み合わせは、メッシュ材料203のシートと一体に形成することができる。例えば、メッシュ材料203は、上部液溜め部の少なくとも一部分を形成する棒材およびスペーサに連結でき、構造全体が樹脂で浸漬または被覆され得る。樹脂が硬化した後、開口が、吸着剤が上部棒材および上方スペーサからメッシュ材料203へと流れるために形成(例えば、型抜きまたは穿孔)され得る。この手法は、メッシュパッキング101と、支持システム1000と、上部液溜め部とを一体化する一体化して形成された構造をもたらすことができる。
【0204】
いくつかの実装形態では、メッシュパッキング101および支持システム1000は、全体重量を減らす一方で剛性を増加させるために、ガラス繊維で強化された材料を含み得る。例えば、上部棒材206、上方スペーサ210、底部棒材208、下方スペーサ212、またはそれらの組み合わせは、PVC被覆で少なくとも部分的に覆われるガラス繊維芯材を含み得る。ある場合には、ガラス繊維をPVCで被覆することは、メッシュ材料の製造の間に行うことができる。例えば、小孔を有するガラス繊維シートがPVCで浸漬または被覆させることができ、次に、孔を被覆するPVCの一部分を吹き飛ばすために圧縮空気が使用され、それによって、PVCで被覆されたガラス繊維のメッシュ材料203を形成することができる。例えば、ガラス繊維材料を含み得る棒材およびスペーサは、メッシュ材料に取り付けることができ、次に、棒材およびスペーサは真空成形または熱成形によってPVCで被覆させることができる。PVC被覆は、一体化して形成された構造を形成するために、棒材、スペーサ、およびメッシュ材料の各々を結合することができる。
【0205】
ある場合には、ガラス繊維強化材料は、一体化して形成されたメッシュパッキングおよび支持システムを作り出すために、樹脂被覆で少なくとも部分的に覆うことができる。いくつかの実装形態では、PVC被覆または樹脂被覆されたガラス繊維メッシュ材料は、図18Aおよび図18Bに描写されたものなど、インプリントされたテクスチャを含むように型成形され得る。
【0206】
いくつかの実装形態では、上部棒材206は、液体溶液分配システムと直接的に接合することができる、または、液体溶液分配システムへと組み込むことができ、液体溶液分配システムは、液体溶液をメッシュ材料203の上面の長さに沿って均一に分配させ、その表面を流れ落ちさせる一連の樋または他の通路を備え得る。ある場合には、この溶液の流れは本質的に連続的である。ある場合には、溶液流れは、メッシュ材料を濡らすために間隔を置いてパルス化され、続くパルスがメッシュ材料に新たな吸着剤を補給し、COの濃い吸着剤を、図1に示されている下部収集液溜め部106のうちの1つまたは複数と同様の下方収集液溜め部へとフラッシュで流すまで、ホールドアップおよび継続した捕捉を可能とする。
【0207】
いくつかの実装形態では、上部棒材206は、捕捉溶液をメッシュ材料203へと流すための大きさとされる均等に離間された開口を有するチューブまたは管を備え得る。例えば、上部棒材206は、直径が1/16インチであり、管の長さに沿って1/8インチで離間される開口を伴う管を備え得る。チューブまたは管は、一端において捕捉溶液を受け入れ、反対の端において「何もない」またはブリーザチューブが被せられるように構成できる。ブリーザチューブは、管を捕捉溶液で満たす一方で、空気を管から外を通気する。開口の大きさ、角度、および間隔におけるわずかな違いがメッシュ材料203における全体の流れパターンに影響を与え得るため、手動で切り取られた開口と比較してより高い精度を達成するために、開口を機械で形成することは有利であり得る。
【0208】
図11および図12は、メッシュパッキング101および液体分配システム1100、1200の別の例を示している。ここで、メッシュ材料203の1つまたは複数のシートが上部支持棒206および底部支持棒にわたって縫い込まれている。液体分配システム1100、1200は、液体の溶液をメッシュパッキング101の上部へと導入するために1つまたは複数の液体送達管または導管1150を備え得る。吸着剤は、支持梁204、上部支持棒206、および1つもしくは複数の液体分配容易化デバイス(分配スペーサ1140として示されている)のうちの1つまたは複数から成る部分的に包囲された空間に分配され得る。
【0209】
図11および図12において見られるように、上部スペーサのうちの1つまたは複数は、例えば穿孔された構造材料またはメッシュ構造材料などと組み合わせられ、分配スペーサ1140を作り出すことができる。この分配スペーサ1140は、上部支持棒206の固定の間隔を提供することに加えて、メッシュ材料203にわたる吸着剤の均一な分配をさらに促進させるように構成される。
【0210】
ある場合には、分配スペーサ1140、上部棒材206、および/または支持梁204のうちの1つまたは複数は、液体吸着剤124を送達導管(例えば、管)1150から直接的に受け入れ、ノズル、吹き付け噴霧器、または、パッキングにわたる液体分配のための他の一般的に知られている構成要素を使用することなく、液体吸着剤124をメッシュ材料203へと移送するように最適化される。
【0211】
図13は、例示的な一体化された構造支持システム1300を示している。別体の上部液溜め部の必要性を排除することで、材料コストを節約するために、支持システムを上部液溜め部と一体化することは、有利であり得る。上部棒材206および分配スペーサ1140は、上部液溜め部1302の床の少なくとも一部分を形成することができる。例えば、上部液溜め部1302の床は、上部液溜め部1302の床の一部分または全体を形成するために互いに押し付けられる介在するメッシュパネル202を伴う上部棒材206および分配スペーサ1140を備え得る。上部棒材206と分配スペーサ1140とは互いと交互になり得る。いくつかの実装形態では、交互する上部棒材206と分配スペーサ1140とのパターンは異なり得る。例えば、2つの上部棒材206が1つの分配スペーサ1140と交互であり得る。いくつかの実装形態では、上部棒材206と分配スペーサ1140との間の隙間は、上部液溜め部1302において特定の液頭(例えば、6インチから12インチの間)を達成するための大きさ、または、メッシュパネル202において捕捉溶液124の特定の溶液流量を達成するための大きさとされ得る。これは、メッシュパネル202を濡らすために利用可能な十分な捕捉溶液124があることを確保する。
【0212】
棒材206同士の間の間隔または隙間は、比較的小さい圧力損失(例えば、0.2インチ未満の水柱(in. WC))を維持する一方で、0m/sから2.5m/sまでの範囲である空気速度を受け入れるように選択できる。ある場合には、2.5m/sを上回る空気速度を用いるシステムについて、損傷または振動を軽減するためにメッシュパネル202が剛性の材料または硬い材料を含むことは、有利であり得る。ある場合には、上部棒材206は少なくとも1インチで互いから離間され得る。
【0213】
上部液溜め部1302の側面は、支持梁、上部棒材2066、および分配スペーサ1140に連結される壁1304のセットから形成され得る。壁1304のセットは、上部液溜め部1302の縁における液体の迂回の量を減らすために、上部液溜め部1302の床の少なくとも一部分を形成することができる上部棒材206および/または分配スペーサ1140のうちの1つまたは複数に接して封止され得る。したがって、上部液溜め部1302の側面が上部液溜め部1302の床と隣接する縁は、捕捉溶液124の液体の迂回を減らすために少なくとも部分的に封止される。
【0214】
ある場合には、上部液溜め部1302の床の少なくとも一部分は、互いに押し付けられる上部棒材206だけから床が形成されるように、分配スペーサを排除することができる。1つまたは複数のメッシュパネル202が、上部棒材206の間に介在するために位置決めされ得る。上部棒材206の間のメッシュパネル202の厚さは、捕捉溶液124をメッシュパネル202へと流すのに十分な大きさである隙間または開口を、上部棒材206同士の間に定めることができる。メッシュパネル202の厚さによって定められる、上部棒材206の各々の間の隙間または開口は、特定の溶液流量(例えば、1L/minから4L/minまで)を達成するための大きさとされ得る。
【0215】
ある場合には、支持システムの底部部分は、上部部分と対称的な構成を有し得る。例えば、下部液溜め部の少なくとも一部分が、介在するメッシュ材料と共に互いに押し付けられる下部棒材から形成され得る。いくつかの実装形態では、支持システムの底部部分は、底部棒材の間に底部分配スペーサを備え得る。下部棒材、底部分配スペーサ、またはそれらの組み合わせの間の隙間または開口は、比較的小さい圧力損失を伴う十分な空気流を可能とする大きさとされ得る。収集液溜め部または底部液溜め部は、メッシュパッキングから捕捉溶液を収集するために、支持システムの下方に位置決めされ得る。
【0216】
図11および図12を参照すると、ある場合には、液体吸着剤124は、分配スペーサ1140を通過し、メッシュ材料203の上部部分にわたって拡がる。メッシュ材料203にわたる液体吸着剤の均一な分配は、重力の流れで移動する溶液の薄い膜を作り出す。
【0217】
ある場合には、重力とメッシュ材料203自体の性質との組み合わせが、溶液を下方液溜め部(例えば、底部液溜め部106)へと引っ張るように作用することになる。吸着剤124は、入口のCO含有空気220と反応し、COの少なくとも一部分を捕捉し(捕捉溶液へと吸収する)、結果生じたCOの薄い空気流動130がメッシュパッキング101を離れる。
【0218】
ある場合には、上部棒材206もしくは分配スペーサ1140の1つもしくは複数、またはその組み合わせは、吸着剤124をメッシュパッキング101にわたって均一に分配すること、および、気体通路408同士の間に最適な空間を維持することの両方を行うように、構成され得る。
【0219】
ある場合には、分配スペーサ1140は、先細りの形を形成するために一端において圧縮された複数のプラスチックチューブから形成され得る。分配スペーサ1140は、一端から反対の端へと断面が先細りとすることができ、分配スペーサ1140を特定の骨組み(例えば、丸められるかまたは円筒形であるフレーム)により容易に設置可能にさせる。
【0220】
ある場合には、液体分配システム1100、1200は、メッシュ材料203を濡らすために、溶液の流れを、本質的に連続か、または間隔を置いてパルスかのいずれかにできるように構成される。ある場合には、パルスとされた流れは、続くパルスがメッシュ材料203に新たな吸着剤を補給し、COの濃い吸着剤を、下方収集液溜め部(図1に示されている底部液溜め部106など)へとフラッシュで流すまで、十分なホールドアップおよび継続した捕捉を可能とする。ある場合には、この構成は、連続的であるが十分により小さい液体の流量を可能とし、これは、関連する液体分配の資本コストおよび運用コストを低減するようにも作用する。
【0221】
上述されているように、2つの大まかな濡らし技術である架け渡しの技法と毛細管現象の技法とは、水性液体捕捉吸着剤を使用するときに可能であり、メッシュパッキング101を作り上げるメッシュ材料203の繊維の材料特性によって決定付けられる。図14を参照してより詳細に記載されている架け渡し技法は、メッシュ材料203が本質的により疎水性であるときに行われ、繊維間に溶液の「架け渡し」をもたらす結果となる。図15を参照してより詳細に記載されている毛細管現象の技法は、メッシュ材料203の繊維がより親水性であるときに行われる。溶液の架け渡しではなく毛細管作用技法を使用することで、溶液を繊維表面に沿って引き込む。
【0222】
図14A図14Cは例示的な疎水性メッシュ材料1400の図を示している。図14Aは、矩形を有し、相互接続されたメッシュ繊維1430によって画定されたメッシュ小孔1410を伴う濡れた疎水性メッシュ材料1400の例の図を示している。メッシュ小孔1410は開口体積である。一実施形態では、図14Aを参照すると、メッシュ小孔1410は、メッシュ材料1400に形成された開口である。濡らされると、液膜1425がメッシュ材料1400に形成される。液膜1425は、メッシュ小孔1410の一部または全部にわたって延びて覆い、それによってメッシュ繊維1430を「架け渡し」する。図14Bは、単一の正方形の小孔1410において鉛直方向で離間された円形の上部および底部のメッシュ繊維1430の間で定められるメッシュ小孔1410にわたって架け渡しまたは伸長された液膜1425の例の断面を示している(図14Aにおける視点から90度回転させた)。図14Cは、架け渡す膜が鉛直方向で隣接するメッシュ繊維1430の間に確立できないように、所与の捕捉溶液124の特性を克服するのに十分広い小孔幅Wの例を示している。
【0223】
先に言及されているように、架け渡しの技法は、集合的に液膜1425(図14Bに示されている)を形成する複数の架け渡された膜小孔を形成するために、疎水性繊維1430が繊維1430の間に液体溶液架け渡しをもたらすときに起こる。液膜1425の形成は、液体捕捉吸着剤124の表面張力と組み合わされたパッキングの繊維1430との液体124の境界面における液体捕捉吸着剤124の表面エネルギーの最小化に起因し得る。架け渡された溶液の寸法は、繊維1430の直径、間隔(メッシュ小孔1410の幅W)、繊維材料の疎水性、および溶液の表面張力によって定められ得る。メッシュ小孔1410に架け渡る液膜1425は、気体-液体境界面1452を定め、それに沿ってCO含有空気220が液体捕捉溶液124によって吸収される。気体-液体境界面1452の高さHを最大化することが望ましいとされ得る。最大化された気体-液体境界面1452は、所与の捕捉溶液の組成についての上記のパラメータ、および気体-液体接触器の動作パラメータの最適化によって達成でき、より大きな気体-液体境界面1452が、液体捕捉吸着剤124へのCOの物質移動の増加のためのより大きな利用可能な表面積を提供するため、望ましい。図14Bを参照すると、溶液の架け渡しがメッシュ繊維1430の間で起こる濡れたメッシュパネル1401の構成において、気体-液体境界面1452の高さHは、隣接するメッシュ繊維1430の間の寸法(例えば、図14Bの幅W)以上である。
【0224】
架け渡し技法を使用する場合、図14Bを参照すると、疎水性メッシュ繊維1430自体の表面は、それ自体の疎水性の性質のおかげで、大まかには濡れないままとなり、そのため気体-液体境界面1452にあまり寄与しない。そのため、最適化された疎水性のメッシュパネル1401は、繊維直径(引っ張られたメッシュパネル1401の構造的な完全性によって一部で決定付けられる)と、メッシュ小孔1410を定めるメッシュ繊維1430の間の間隔とを調整することで、気体-液体境界面1452を最大化することができる。しかしながら、過度に大きい繊維間隔は、(所与の溶液の表面張力について)吸着剤の架け渡しの破壊をもたらすことになり、その場合、液体の架け渡しの高さHは、図14Cに示されているように、もはや小孔幅Hに及ばない。図14Cを参照すると、架け渡しがメッシュ繊維1430の間で起こらない濡れたメッシュパネル1401の構成において、気体-液体境界面1452の高さHは、隣接するメッシュ繊維1430の間の寸法(例えば、図14Cの幅W)未満である。
【0225】
いくつかの実装形態では、疎水性材料は液滴の分裂を高め、均一な液体分散が、希釈気体の濃度から効率的なCO捕捉を実行するために最適化される。いくつかの実装形態では、メッシュパネル1401の疎水性の特性は、メッシュ小孔1410にわたって比較的均一な液膜1425を作り出すことができ、図14Bにおいて見られるように、メッシュ小孔1410の両側に気体-液体境界面1452を生成することができる。メッシュ小孔1410の両側に気体-液体境界面1452を有することで、CO含有空気120からCOを吸収するために利用可能である液体吸着剤124の境界面の表面積を増加させ(例えば、2倍にする)、COを捕捉するときのメッシュパネル1401の効率を向上させることができる。
【0226】
いくつかの実装形態では、PVCで被覆されたガラス繊維、プラスチック、または金属の材料が、メッシュ材料のために織り込み、綾織り、バスケット、またはヘリンボーンのパターンを生成するために使用され、メッシュ材料は疎水性の濡らし技法を有し得る。
【0227】
図15A図15Cは、例示的な親水性メッシュ材料1500を描写している。図15Aは、捕捉溶液が液膜1535を形成するために流れ落ちるときの、矩形のメッシュ繊維1530によって包囲または画定されているメッシュ小孔1510を伴う濡れた親水性メッシュ材料1500の例の図を示している。図15Bは、メッシュ材料1500の表面を流れ落ちる液体溶液のない同じ親水性メッシュ材料1500を描写している。捕捉溶液は、部分的または完全な液膜1535を形成するために、メッシュ繊維1530の表面に座る。図15Cは、図15Aにおけるメッシュ材料1500のメッシュ繊維1530に沿って流れる液膜1535を形成する液体捕捉溶液の例の断面を示している(図15Aにおける視点から90度回転させた)。
【0228】
毛細管現象による濡らす技法は、メッシュ繊維1530が、本質的に親水性であるとき、または親水性となるように適合されるとき、起こる。ある場合には、毛細管作用は、溶液の架け渡しではなく、メッシュ繊維1530の表面に沿って溶液を引き込む。次いで、気体-液体境界面1552が、濡れた繊維1530の面積と、液体吸着剤層1535の厚さとによって定められることになり、液体吸着剤層1535の厚さは、繊維材料の親水性と、メッシュ材料1500を落ちる液体吸着剤の流量1551とによって定められることになる。この毛細管現象の技法を使用する場合、メッシュ小孔1510は、液体吸着剤の層の厚さとパッキングの繊維間隔とに依存して、完全に濡らされる可能性がある、または完全に濡らされない可能性がある。そのため、より親水性のメッシュ材料1500(毛細管現象の技法を使用する)の最適化は、より疎水性のメッシュ材料1400(架け渡しの技法使用する)の最適化と異なることになる。それでもなお、メッシュ小孔1510の溶液の架け渡しは、液体吸着剤によって完全に飽和させられているメッシュ材料1500の例において、または、メッシュ材料1500を浸水する大きな液体吸着剤の流量1551の例においてのように、毛細管現象の技法がメッシュ材料1500についての濡らしの支配的な形態であるときであっても起こる可能性があることが理解されよう。例えば、図15Aを参照すると、濡れた親水性メッシュ材料1500は、メッシュ小孔1510に及ぶ液膜1535(つまり、溶液の架け渡し)を含み、毛細管作用を通じて濡れたメッシュ繊維1530の表面も含む。
【0229】
図15Cを参照すると、気体-液体境界面1552は、相互に接続するメッシュ繊維1531の濡れた外面に、その長さに沿って形成され、相互に接続するメッシュ繊維1531の配向に対して横断している配向を有する他の図示されたメッシュ繊維1530の濡れた周辺にも形成される。図15Cを参照すると、CO捕捉溶液124は、親水性メッシュ繊維1530の外面に沿って流れる。濡れたメッシュ材料1500の多くの露出された表面に気体-液体境界面1552を有することで、入口のCO含有空気120からCOを吸収するために利用可能である液体吸着剤124の増加した表面積を提供し、COを捕捉するときのメッシュパネル1500の効率を向上させることができる。図15Cの濡れたメッシュ材料1500の構成において、メッシュ繊維1530の単一の表面、つまり、露出された外面が、気体-液体境界面1552を形成するために液体吸着剤124を受け入れるために利用可能である。
【0230】
いくつかの実装形態では、ナイロンや、金属や、黄麻布、麻、もしくはセルロースなどの有機性の布や、または同様の材料の組み合わせから成る不織メッシュ材料1500が、濡れの親水性の機構を有し得る。不織材料は、限定されることはないが、規則的なパターンで絡み合わされていない任意の材料を含み得る。これは、フェルト(黄麻布が明確には織り込まれている)などの任意に織り交ぜられた有機または合成の布、または、穿孔、孔、もしくは固有のウィッキングの特徴を伴う単一の材料のシートを含み得る。不織材料は繊維の順序付けられたメッシュから成ってもよく、そのメッシュは、織りパターンを介して相互作用するのではなく、(例えば、接着剤、溶剤結合、または他の手段を通じて)機械的または化学的のいずれかで、いくつかの他の様態を介して互いに接着される。
【0231】
ある場合には、親水性の設計が、捕捉溶液によるメッシュパッキング101の濡れを向上させることができる。(例えば、メッシュ材料1500の濡れた表面積を増加させる)親水性の特性を有するメッシュ材料1500の向上した濡れは、少なくとも2つの手法によって達成させることができる。第1の手法は、メッシュ材料1500の材料の特性である表面自由エネルギーを増加させることによって、メッシュ材料1500の表面の親水性を増加させることである。第2の手法は、メッシュ材料1500の表面粗さおよび見かけの接触角度を増加させることである。これらの手法は、独立して、または、互いと組み合わせて、使用することができる。
【0232】
濡れた表面積が、空気におけるCOへの捕捉溶液の露出の量を決定し、親水性材料の表面が所与の体積の溶液のための濡れた面積を最大化させるため、親水性材料は気体-液体接触器の用途のためのメッシュパッキング101に含めることができる。ある場合には、親水性は、製作されるときにメッシュ材料1500へと組み込まれ得る、または、製作後の被覆として導入され得る。親水性被覆は、表面エネルギーを増加させ、接触角度を小さくする。ある場合には、材料の表面の結合の変化に材料を露出させるいくらかの表面処理は、同様の親水性の結果を達成することができる。
【0233】
例示的な実装形態において、親水性メッシュ材料1500は、親水性を増加させるために、メッシュ繊維1530への適用された被覆を含み得る。ある場合には、メッシュ材料1500における親水性被覆は最小の溶液の流れで完全に濡れる。これは、溶液の流れを大幅に減少しながら、より高い捕捉率をもたらすことができる。
【0234】
いくつかの実装形態では、図15Aを参照すると、親水性メッシュ材料1500は捕捉溶液で濡らされ、親水性メッシュ材料1500自体の濡れた表面に加えて、メッシュ小孔1510の中に液膜1535を作り出すために、液体の質量/体積が親水性メッシュ材料1500の閾飽和水準を超え、メッシュ繊維1530に沿ってメッシュ小孔1510へと流れる液滴を形成するまで、親水性材料を浸す。これは、液体をはじいて液滴をメッシュ繊維1430から離してメッシュ小孔1410へと押し込むメッシュ材料に依拠する図14A図14Cの疎水性の濡れの技法とは異なる。
【0235】
いくつかの実装形態では、メッシュ材料1500は、親水性をさらに最適化し、メッシュ材料1500の少なくとも一部分における液体-固体の境界面の間の接触角度を小さくするために、材料添加物を含むことができる。
【0236】
親水性メッシュ材料の先の例への追加または代替として、メッシュ繊維表面の粗さは親水性を増加させるために変更されてもよい。
【0237】
いくつかの実装形態では、メッシュ材料1500は、親水性の特性を有する少なくとも一部分を含む。ある場合には、これは、メッシュ材料1500の濡れ比率における増加を通じて、CO捕捉流束(例えば、少なくとも10%)増加させることができる。
【0238】
いくつかの実装形態では、メッシュ材料1500は、親水性の特性を有する少なくとも一部分と、疎水性の特性を有する少なくとも1つの他の一部分とを含む。したがって、一実施形態では、メッシュ材料1500は親水性の特性と疎水性の特性の両方を有し得る。いくつかの実装形態では、親水性であるメッシュ材料1500は、捕捉溶液の液滴を環境へと放出することを軽減するために、気体-液体接触器においてドリフトエリミネータとして用いられ得る。ドリフトエリミネータにおけるメッシュ材料1500の親水性は、捕捉溶液の液滴をメッシュ繊維へと引き寄せることで捕捉溶液の液滴が下流へ流れるのを阻止することができる。
【0239】
疎水性メッシュ材料を濡らす技法と親水性メッシュ材料を濡らす技法との両方において、必要とされるメッシュ材料の量を減らすことは、材料の質量に対する気体-液体境界面面積の高い比を達成するために、液体表面張力特性を利用することで達成され得る。所与の液体溶液表面張力に基づいて、吸着剤溶液の膜がメッシュ小孔に架け渡り、メッシュパッキングだけの表面積より大きい全体での反応性気体-液体境界面面積をもたらすことができる。これらの場合、メッシュ材料の表面積(メッシュ小孔の面積を除く)あたりの液体表面積の比率として定義される濡れ比率εは、100%より大きい。そのため、メッシュ材料が濡れており、溶液が開放したメッシュ小孔1410に架け渡るとき、気体-液体境界面面積はメッシュ繊維1430の全体の表面積より大きくなる。さらに、溶液の架け渡しと連結されるメッシュ小孔1410の開放性が、濡れたメッシュパネル1401の両側における境界面面積を提供する。これは、均一な空気-液膜の境界面が、本明細書に開示されているメッシュパッキング101の表面の両側に形成される点において、いくつかの標準的な熱交換パッキングまたは構造化されたパッキングの表面と対照的である。ある場合には、メッシュ材料は、ほとんど均一な溶液膜のための内部の支持体と考えることができる。
【0240】
疎水性と親水性との両方の濡れ技法が、より小さい圧力損失と、最適なCO2捕捉効率と、より小さい資本コストおよび運用コストとを有するメッシュパッキング101を生成するために、メッシュ材料で用いられ得る。また、本開示で記載されているように構成されるとき、これらの濡れ技法のいずれかで作り出すことができるメッシュ材料のシートは、圧力損失をより小さくでき、空気が進む深さを小さくでき、全体の気体および液体のエネルギー消費を低減することができる。これらの2つの技法は、結果を達成するために若干異なる特徴を用いるが、両方の技法とも、所望の性能を伴うメッシュ材料のシートを作り出すように構成され得る。
【0241】
典型的なメッシュパッキングの設計において、メッシュ繊維の直径は、0.001インチから0.5インチまでの範囲であるメッシュ繊維間隔を伴って、0.001インチから0.5インチまでの範囲であり得る。
【0242】
いくつかの実装形態では、メッシュ材料1400、1500は、例えば、高いpHの溶液や、KOH、NaOH、または炭酸塩/重炭酸塩の溶液などの水酸化物溶液といった、CO捕捉溶液と適合する材料となるように選択される。吸着剤の濃度の最適な範囲は動作条件および環境条件に依存することになる。捕捉溶液がNaOH、KOHなどの吸着剤を含むある場合には、溶液は、水酸化物溶液の最適な範囲を有し得る。例えば、最適な水酸化物溶液の濃度は、所与の動作条件(例えば、温度)の下で、0.5Mから水酸化物溶液の飽和点までの範囲であり得、その飽和点において、追加のCOが吸収され得る。同様に、他の吸着剤について、最適な吸着剤濃度は、0.5Mから吸着剤の飽和点までの範囲であり得る。
【0243】
図16A図16Cは、例示的なメッシュパッキング101および支持システムの試験デバイス1600の前面視、側面視、および平面視からの図である。試験デバイス1600は、1つまたは複数の上部棒材206と、1つまたは複数の底部棒材208と、1つまたは複数の支持柱214と、1つまたは複数の支持梁204と、1つまたは複数の上方スペーサ1140と、1つまたは複数の下方スペーサ212と、1つまたは複数のメッシュパネル202とを含む点において、上記の支持システム(図8Aの支持システム800など)と同様である。図16Aは、ずれた上部棒材206と底部棒材208との間で交互である縫い込まれたメッシュパネル(布)202を示している。
【0244】
ある場合には、試験デバイス1600におけるメッシュパネル202によって形成された気体通路408の形の例は、図16Bに示されているように矩形である。ある場合には、通路408の形は、三角形、円形、または矩形であり得る。気体通路408の形は、所定の表面張力と、吸収剤の流れパターンと、メッシュ材料表面の大きさと、反応性気体-液体境界面面積と、通路のメッシュパッキング上部の液体吸着剤性能とに基づいて選択され得る。ある場合には、メッシュパネル202の間の空間(気体通路幅207)は、6インチ未満であり、メッシュ材料表面の両側において吸着剤の均一な分配を可能にする。ある場合には、気体通路408は、メッシュパネル202の縫い込みパターンとの組み合わせで、上部棒材206と底部棒材208との間の間隔によって決定される角度で位置決めされ得る。
【0245】
図16A図16Cに示されている試験デバイス1600は、以下に記載されている数式との組み合わせで、メッシュパッキング101の性能を評価するために使用できる。実験の試験条件と、試験デバイス1600を使用して実施された試験の結果とが、以下においてより詳細に記載されており、予備試験結果が図17に示されている。
【0246】
図17は、図16A図16Cに示されている試験デバイス1600に取り付けられたメッシュパッキング101の空気が進む深さ(ATD)にわたってKOH水性捕捉溶液を使用する様々な吸着剤充填速度についての、空気速度に対する有効物質移動係数Keffを示すグラフ1700を示している。
【0247】
メッシュパッキング試料が実験室規模の気体-液体接触器において試験された。パッキングは200mのSSAを有する。試験は、KOHの水性溶液を捕捉吸着剤として使用して、大気の空気条件(約5℃から15℃までの範囲である温度、および約400ppmのCO入口濃度)の下で1.0~2.5m/sの範囲での空気速度で実施された。同一の濃度のKOH捕捉吸着剤がすべての試験について使用された。試験の間、入口および出口のCO濃度が測定され、続いて、以下に概説された方法を使用して、Keffが所与の入口面積およびATDについて計算された。他の以下の定数は実験室の教本において容易に入手可能であり、理想気体定数は8.314の値を有し、COのモル質量は44.01kg/kmolである。
【0248】
次のようにモル空気およびCO流量を計算する。
【0249】
【数3】
【0250】
次のようにCO質量流束を計算する。
【0251】
【数4】
【0252】
次のように有効物質移動係数を計算する。
【0253】
【数5】
【0254】
標準的な試験では、読取りの各々のサンプルが、大きなサンプルプールを発展させて、統計学を利用してあらゆる測定精度の問題に対処するために、各々の設定点において取られた。このデータセットから、平均で95%の信頼区間(CI)が決定され、パッキングの性能における差についての統計学的試験に使用された。
【0255】
メッシュパッキングのこの予備評価は、初期の試作機について、約1.0~2.0mm/sの範囲において、経験的に測定された有効物質移動係数を実証しており、これは、CO捕捉気体-液体接触器の経済的な設計について十分と見なされる。さらに、試験は、メッシュパッキングが、大規模のDAC用途について経済的に有利になると知られている2mm/sの目標により近い有効物質移動係数を提供することで、従来のパッキング(例えば、冷却塔のパッキング)についての発行されたデータに関して、向上した(より高い)物質移動係数を示すことを明らかにしている。
【0256】
図18Aおよび図18Bは、型成形されたメッシュ材料1800の例を描写している。型成形されたメッシュ材料1800は、シートまたはパネルの形態とすることができ、型成形されたメッシュ材料1800のテクスチャまたはトポグラフィを集合的に形成し、型成形されたメッシュ材料1800の平面状部分1806から外方へ延びる複数の突出部分1804を含むことができる。平面状部分1806は平行な平面を定め、突出部分1804は、平行な平面から、隣接するメッシュパネル同士の間の空気流へと外方へ延びる。いくつかの実装形態では、型成形されたメッシュ材料1800は、メッシュ材料の表面トポグラフィにおける変化から結果的に生じる向上した濡れの効果で、メッシュ材料の架け渡しまたは毛細管効果を高めることで、境界面の表面積を増加させることができる。液体の接触角度を小さくするために、(例えば、メッシュ繊維の粗さを増加させることによって)メッシュ材料表面粗さを増加させることと同様に、メッシュ材料の平坦なシートは、捕捉溶液の流れパターンに影響を与えるために、成形、プレス、型成形、歪曲、または形成され得る。型成形されたメッシュ材料1800が気体通路を定めることを考えれば、これは、気体通路の間隔が空気流を受け入れるように選択でき、液膜を有さないかまたは部分的にだけ液膜を有する小孔が、空気が通過するのを可能にするため、空気流にとって大きな障害を形成しない。気体通路間隔を考慮して、突起1804は、気体通路における空気流への制限を最小限にし、メッシュパッキングにわたる圧力損失を最小限にするように成形され得る。ある場合には、型成形されたメッシュ材料1800は、気体-液体接触器のパッキングの下流にあるミストエリミネータとして用いられるように適切であり得る。突出部分1804は、捕捉溶液の液滴が環境へと放出されないように、捕捉溶液の液滴の移動に衝突することができる。
【0257】
図18Aは、メッシュ材料1800の平面状部分1806(平面状表面であるメッシュ材料1800の区域)から外方へ延びる丸められた突起または隆起を突出部分1804が含む型成形されたメッシュ材料1800の例を描写している。丸められた突起1804は、概して均一な大きさとされ、均等に離間されるとして示されているが、ある場合には、溶液の流れに影響を与えるために、突出部分1804の大きさ、間隔、形、および数を変化させることは有益であり得る。例えば、メッシュ材料の平坦なシートが、捕捉溶液で濡らすのが難しい乾いた場所またはデッドスポットを有する場合、乾いた場所またはデッドスポットに隣接するメッシュ材料の領域は、乾いた場所またはデッドスポットへの溶液の流れを促進するために、丸められた突出部分1804を含むように成形させることができる。
【0258】
図18Bは、突出部分1804がリッジ、折り目、または波形を含む型成形されたメッシュ材料1800の別の例を示している。図18Bの突出部分1804は、メッシュ材料1800の平面状部分1806によって定められる平面に対して斜めまたは非平行である平面を定める平面体である。これらのリッジ、折り、または波形は、溶液の流れに影響を与えるような大きさや位置にすることができる。
【0259】
図18Aおよび図18Bは、丸められた突起およびリッジを例示的なテクスチャとして示しているが、ヘリンボーン、波形、溝、または通路を含め、様々な他の形も可能である。ある場合には、型成形されたメッシュ材料1800は、構造化された区域における従来の剛性のパッキングのシートまたはパネルのパターンを模倣するように成形されるメッシュ材料のシートを含み得る。ある場合には、型成形されたメッシュ材料1800は、互いと相互係止することができるメッシュパッキングの区域を可能にするテクスチャまたは構造を形成するように成形され得る(例えば、プラグ受け構造を介して)。型成形されたメッシュ材料1800は、前述の支持システム、または、型成形されたメッシュ材料1800を上部支持棒から自由に吊り下がらせる支持システムに、容易に設置される柔軟なメッシュ材料から形成され得る。いくつかの実装形態では、型成形されたメッシュ材料1800は、型成形されたメッシュ材料1800を自立させることができるより厚いかまたはより硬い織りを有する剛性のメッシュ材料から形成され得る。型成形されたメッシュ材料1800の隣接するシートまたはパネルは、同じ形を有することができ、ATDに沿って一貫した気体通路の幅/高さを有する気体通路408を定めるために互いから離間され得る。別の可能な実施では、型成形されたメッシュ材料1800の隣接するシート/パネルは、集束するか、ATDに沿って挟まれるか、または、ATDに沿って互いから分化する気体通路408を定めるために、異なる形を有することができ、互いから離間され得る。
【0260】
図19は、メッシュ材料1902における変化する溶液流量でのCO捕捉溶液1909の例示的な流れパターン1900を描写している。CO捕捉溶液1909を乾いたメッシュ材料1902に分配するとき、特定の溶液流量において、CO捕捉溶液1909は蛇行する流れ1911を形成することができ、これは、メッシュ材料1902が完全に濡らされているかまたは飽和していることを示している。CO回捕捉液1909の蛇行する流れ1911がメッシュ材料1902を流れ落ちるとき、蛇行する流れ1911は、メッシュ材料1902における下方への流れ方向を横断する方向において横方向にも流れることになる。蛇行する流れ1911は、CO捕捉溶液1909がメッシュ材料1902を流れ落ちるとき、曲がりくねった経路またはくねくねした経路で(例えば、メッシュ材料1902の一方の側から反対の側の方へ、および戻るように)、メッシュ材料1902を横切って横方向にあちこちへ進むことができる。蛇行する流れ1911は、典型的には、メッシュ材料1902にCO捕捉溶液1909の下地層があるときに現れる。したがって、蛇行する流れ1911の広い曲がりくねった経路は、メッシュ材料1902の相当の部分が濡れたことを示しており、蛇行する流れ1911は、濡れた部分においてCO捕捉溶液1909の流れを維持する。例えば、メッシュ材料1902において、小さい流量(例えば、おおよそ1L/min)では、流れパターン1904は、比較的真っ直ぐで、互いから均一に(例えば、0.2インチから2インチまでで)離間される複数の流動を含み得る。小さい流量の2倍(例えば、おおよそ2L/min)において、流れパターン1906は、メッシュ材料1902に沿って若干曲がりくねった流路を有する1つまたは複数の流動を含み得る。小さい流量の3倍(例えば、おおよそ3L/min)において、1つまたは複数の流動は合流する可能性があり、小さい流量の2倍における流れパターン1906の流動より広く蛇行する少なくとも1つの流動を含む流れパターン1908を結果的にもたらし、それによって、より大きい面積のメッシュ材料1902を濡らす蛇行する流れ1911を形成する。小さい流量の4倍(例えば、おおよそ4L/min)において、メッシュ材料1902の相当部分が、小さい流量の2倍における流れパターン1906の流動より広く蛇行する流れパターン1910の少なくとも1つの蛇行する流れ1911によって浸水する。小さい流量の4倍において、流れパターン1910のCO捕捉溶液1909は、小さい流量の2倍または3倍における経路より広い経路を取り、それによって、メッシュ材料1902のより大きい表面を濡らす。蛇行する流れ1911は、典型的には、流路によって覆われるメッシュ材料の部分がCO捕捉溶液1909で十分に飽和していることを示している。ある場合には、流れパターン1908、1910の蛇行する流れ1911は、メッシュ材料1902の幅にわたって横方向に進み、それによって、より小さい流量における流れパターン1904、1906と比較して濡れを増加させることができる。いくつかの実装形態では、CO捕捉溶液1909が、第1の時間期間にわたる小さいパルスの流量(またはゼロの流れ)と、第2の時間期間にわたる大きなフラッシュ流量とでメッシュ材料1902へと流れる流れ周期において、大きい流量は小さい/パルス流量の3倍または4倍であり得る。いくつかの実装形態では、流れ周期において、CO捕捉溶液1909は、第1の時間期間にわたってメッシュ材料1902へと流れず、第2の時間期間にわたって1L/minから2L/minの間の範囲での溶液流量でメッシュ材料1902へと流れる。蛇行する流れ1911の太さおよび方向はCO捕捉溶液1909の流量に依存するが、ある場合には、メッシュ材料1902における引っ張り、CO捕捉溶液1909の表面張力、および、メッシュ材料1902の疎水性または親水性を含め、他の因子の組み合わせによっても影響され得る。
【0261】
図20を参照すると、メッシュパッキング2001のメッシュパネル2002が、メッシュ材料2003の濡れを向上させるようにCO含有空気120に対して配向され得る。図20のメッシュパッキング2001の構成では、メッシュパネル2002の各々が、直立した配向と、CO含有空気120へと向かう前縁2005とを有する。前縁2005は、CO2含有空気120の流れに対して最も上流に位置決めされるメッシュパネル2002の一部分である。メッシュパネル2002のうちの1つまたは複数の前縁2005は、下流方向において、鉛直に対して角度θで傾斜させられている。角度θはゼロより大きい度合いを有する。傾斜した前縁のない直立したメッシュパネルについて、前縁の上部またはその近くで導入されたCO捕捉溶液は、特には高い流れ速度のCO含有空気について、CO含有空気によって、メッシュ材料に沿ってCO含有空気の方向へと横方向に変位させられ、そのため、前縁に隣接するメッシュ材料の下方部分が適切に濡れないことが起こり得る。対照的に、下方向において鉛直に対して傾斜している前縁2005は、高い流れ速度のCO含有空気120についてであっても、CO捕捉溶液124が前縁2005の上部またはその近くで導入されるとき、前縁2005に隣接するメッシュ材料2003の下方部分2013を適切に濡らすことができる。したがって、メッシュパネル2002の傾斜した前縁2005は、メッシュ材料2003のすべての部分をCO捕捉溶液124によって適切に濡らすことができる。
【0262】
図21を参照すると、メッシュパッキングを備えた気体-液体接触器2111は、気体-液体接触器2111についての使用の1つの可能な非限定的な例による、大気から直接的にCO2を捕捉するための直接空気捕捉(DAC)施設2100の一部である。気体-液体接触器2111は、COの濃い溶液2102を形成するために、CO捕捉溶液124を使用して大気2103からCOの一部を吸収する。COの濃い溶液2102は、気体-液体接触器2111からDAC施設2100のペレット反応器2110へと流れる。水酸化カルシウム2104のスラリがペレット反応器2110へと注入される。Ca2+がペレット反応器2110におけるCO 2-と反応するとき、これは水酸化カルシウムの分解を推進して、水性アルカリ溶液の流動をCO捕捉溶液124として戻し、炭酸カルシウム(CaCO)をペレット反応器2110における炭酸カルシウム粒子へと堆積させる。限定されることはないが、濾過、脱水、または乾燥を含め、炭酸カルシウム固体のさらなる処理が、炭酸カルシウム固体を下流のプロセスユニットへと送る前に起こり得る。炭酸カルシウム固体の流動2106が、ペレット反応器2110からDAC施設2100のか焼炉2120へと輸送される。か焼炉2120は、おそらくはか焼炉2120の燃料源の酸素燃焼によって、気体CO2108の流動と、酸化カルシウム(CaO)2101の流動とを生成するために、ペレット反応器2110からの流動2106の炭酸カルシウムをか焼する。気体CO2108の流動は、隔離または他の使用のために処理され、それによって、気体-液体接触器2111で処理された大気2103からCOのうちの一部を除去する。酸化カルシウム(CaO)2101の流動は、ペレット反応器2110に提供される水酸化カルシウム2104のスラリを生成するために、DAC施設2100の消化機2130において水で消和される。
【0263】
図22は、例示的な気体-液体接触器2200の概略図を示している。気体-液体接触器2200は、筐体2204の内部を画定する複数の筐体壁2209を有する筐体2204を備える。気体-液体接触器2200はメッシュパッキング2201を備える。メッシュパッキング2201は、メッシュ材料2203を有する単一のメッシュパネル2202を備える。2つの気体通路2208が筐体2204の内部に形成されている。各々の気体通路2208は、メッシュパネル2202と1つまたは複数の筐体壁2209との間で、メッシュパネル2202の一方の側に形成されている。図22の単一のメッシュパネル2202は直立した配向を有する。気体-液体接触器2200の別の可能な実装形態では、単一のメッシュパネル2202は水平の配向を有する。気体-液体接触器2200の別の可能な実装形態では、単一のメッシュパネル2202は、鉛直面または水平面の配向に対して傾斜した配向を有する。
【0264】
図23は、気体-液体接触器2300の端部から見た、例示的な気体-液体接触器2300の概略図を示している。気体-液体接触器2300は、筐体2304の内部を画定する筐体壁2309を有する円筒形の筐体2304を備える。気体-液体接触器2300はメッシュパッキング2301を備える。メッシュパッキング2301は、メッシュ材料2303を有するメッシュパネル2302を備える。メッシュパネル2302は、筐体の中で筐体壁2309に接して位置決めされている。単一の気体通路2308が筐体2304の内部に形成されている。気体通路2308は、メッシュパネル2302の一方の側に形成され、メッシュパネル2302によって全体が画定されている。メッシュパネル2302は、中心軸の周りで定められた円筒体であり得る。中心軸の配向は、直立、水平、または、直立と水平との間の角度であり得る。図23のメッシュパネル2302は、単体または連続体である。別の可能な実装形態では、メッシュパネル2302は、筐体壁2309および/または互いに装着される周方向に延びるパネル区分または弓形のパネル区分の組立体である。図23を参照すると、第1の寸法は、メッシュパネル2302の直径方向で反対の点の間で測定される直径である。
【0265】
本明細書で開示されている特定の詳細へのさらなる変形を行えることができ、その結果、本開示の範囲内にある他の実施形態をもたらすことができることは、当業者には明らかとなろう。本明細書に記載されているすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成は、単なる例であり、特定の実施形態に依存して変更することができる。
【符号の説明】
【0266】
100 気体-液体接触器、気体-液体接触器システム
101 メッシュパッキング
102 送風機
103 ファン導風板
104 筐体
105 フレーム
106 底部液体収集液溜め部
107 上部分配液溜め部
109 液体分配システム
110 空気入口
114 プレナム
120 CO含有空気、CO含有空気流動
124 CO捕捉溶液、COの濃い捕捉溶液、捕捉溶液、液体吸着剤、吸着剤、液体捕捉吸着剤、液体、液体捕捉溶液
130 COの薄い空気流動
200 気体-液体接触器システム、気体-液体接触器
202、202a、202b メッシュパネル
203 メッシュ材料
204 支持梁、梁
206 棒材、上部棒材、上部支持棒
207 気体通路間隔、気体通路幅
208 棒材、底部棒材、底部支持棒、下方支持棒
209 メッシュパネル区分
210 上方スペーサ、スペーサ
212 下方スペーサ、スペーサ
214 支持柱
215 係留位置
220 CO含有空気流動、CO含有気体流動、CO含有空気
230 COの薄い空気流動
300 気体-液体接触器システム、気体-液体接触器
400 気体-液体接触器
401 構造支持システム
408 気体通路
500 構造支持システム
700 棒材設計
702 溝付き棒材
703 溝
704 上部棒材
706 先細りの棒材
708 上部棒材
800 構造支持システム、支持システム
801 メッシュパッキング
802 メッシュパネル
900 構造支持システム
901 メッシュシート
999 制御システム、流れ制御システム
1000 構造支持システム、支持システム
1100 液体分配システム
1140 分配スペーサ、上方スペーサ
1150 液体送達管、送達導管
1200 液体分配システム
1300 構造支持システム
1302 上部液溜め部
1304 壁
1400 疎水性メッシュ材料、メッシュ材料
1401 メッシュパネル
1410 メッシュ小孔
1425 液膜
1430 メッシュ繊維、疎水性繊維、繊維
1452 気体-液体境界面
1500 親水性メッシュ材料、メッシュ材料
1510 メッシュ小孔
1530 親水性メッシュ繊維
1531 相互に接続するメッシュ繊維
1535 液膜、液体吸着剤層
1551 液体吸着剤の流量
1552 気体-液体境界面
1600 試験デバイス
1700 グラフ
1800 メッシュ材料
1804 突出部分、丸められた突起
1806 平面状部分
1900 流れパターン
1902 メッシュ材料
1904 流れパターン
1906 流れパターン
1908 流れパターン
1909 CO捕捉溶液
1910 流れパターン
1911 蛇行する流れ
2001 メッシュパッキング
2002 メッシュパネル
2003 メッシュ材料
2005 前縁
2013 下方部分
2100 直接空気捕捉(DAC)施設
2101 酸化カルシウム(CaO)
2102 COの濃い溶液
2103 大気
2104 水酸化カルシウム
2106 流動
2108 気体CO
2110 ペレット反応器
2111 気体-液体接触器
2120 か焼炉
2130 消化機
2200 気体-液体接触器
2201 メッシュパッキング
2202 メッシュパネル
2203 メッシュ材料
2204 筐体
2208 気体通路
2209 筐体壁
2300 気体-液体接触器
2301 メッシュパッキング
2302 メッシュパネル
2303 メッシュパネル
2304 筐体
2308 気体通路
2309 筐体壁
ATD 空気が進む深さ
D1 第1の方向
H 高さ
W 小孔幅
θ 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図8J
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2024-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23
【国際調査報告】