(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】再構成可能な光学内視鏡カテーテルのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20240426BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
A61B1/00 730
G01N21/27 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570360
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 US2022029301
(87)【国際公開番号】W WO2022241284
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523428914
【氏名又は名称】リードオプティク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モハンマッドレザ コーラサニネジャド
【テーマコード(参考)】
2G059
4C161
【Fターム(参考)】
2G059AA06
2G059BB08
2G059BB12
2G059EE02
2G059EE11
2G059GG01
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2G059HH03
2G059JJ03
2G059JJ05
2G059JJ17
2G059JJ19
2G059KK04
2G059LL01
2G059NN06
4C161FF35
4C161FF40
4C161RR17
4C161RR26
(57)【要約】
光学システムのいくつかの構成が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、光学システムは、第1の表面および第2の表面を有する基板と、基板に配置され、光を受け取るように構成された、第1の反射体とを含む。光は、第1の波長の光と第2の波長の光のうちの少なくとも1つを含む。第1の反射器は、第1の光路に沿い、第1の回折レンズに向かって、第1の波長の光を反射させ、第2の反射器に向かって、第2の波長の光を透過させるように構成される。第2の反射器は、第2の光路に沿い、第2の回折レンズに向かって第2の波長の光を反射させるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡用の光学システムであって、前記光学システムは、
第1の表面と第2の表面を有する基板であって、これらの表面の少なくとも1つは、軸方向に沿って伝播する光を送出するように構成された、ファイバの軸方向に実質的に平行に配向された、前記基板と、
前記基板によって支持された光学コンポーネントであって、前記光学コンポーネントは、前記ファイバからの前記光を、少なくとも2つの光路に向け、前記2つの光路のそれぞれは横断方向に向け直され、前記光学システムの一側に配置された異なる焦点スポットに集束させられる、前記光学コンポーネントと、
を含むことを特徴とする光学システム。
【請求項2】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学システムは、1.5mm×1.5mm以下の断面を有することを特徴とする光学システム。
【請求項3】
請求項2に記載の光学システムであって、前記光学システムは、5mm以下の長さを有することを特徴とする光学システム。
【請求項4】
請求項1に記載の光学システムであって、前記2つの光路のそれぞれは、前記基板を通って伝播することを特徴とする光学システム。
【請求項5】
請求項4に記載の光学システムであって、光は、前記軸方向に沿って伝播する前記ファイバを出て、前記第1の表面に取り付けられた光反射器により前記基板に向けられ、前記光反射器による前記光の反射は、全内部反射に基づかないことを特徴とする光学システム。
【請求項6】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学システムは、また、前記2つの光路を通る逆方向に沿った伝播を介して、前記焦点スポットに位置づけられる組織から散乱させられた光を収集することを特徴とする光学システム。
【請求項7】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学コンポーネントは、前記第1の表面に取り付けられ、前記第1の表面から離れる横断方向に延在することを特徴とする光学システム。
【請求項8】
請求項7に記載の光学システムであって、前記光学コンポーネントは、前記第1の表面に対してある角度で取り付けられた波長選択性反射器を含むことを特徴とする光学システム。
【請求項9】
請求項7に記載の光学システムであって、前記光学コンポーネントは、前記第1の表面に対して、約37度、約45度、および、約50度からなる群から選択された角度で取り付けられた、平坦なコンポーネントを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項10】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学コンポーネントは、前記表面のうちの1つに平坦に配置されることを特徴とする光学システム。
【請求項11】
請求項10に記載の光学システムであって、前記光学コンポーネントは、回折格子を含むことを特徴とする光学システム。
【請求項12】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学システムは、さらに、
前記表面の一方に平坦に配置された回折レンズであって、前記光路の一方が、前記基板を横断方向に出射し、前記回折レンズが、その光路を、対応する焦点スポットに集束させる、前記回折レンズを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項13】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学システムは、さらに、
前記表面の一方に平坦に配置された回折格子であって、前記回折格子は、前記基板内を伝播する光路の1つを向け直すことを特徴とする光学システム。
【請求項14】
請求項13に記載の光学システムであって、前記回折格子は、前記基板の全内部反射角よりも大きい伝播角に、前記光路を向け直すことを特徴とする光学システム。
【請求項15】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光路の1つは、前記表面の1つにおける全内部反射を利用して前記基板内を伝播することを特徴とする光学システム。
【請求項16】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学システムは、さらに、
前記表面のうちの1つに平坦に配置されたアキシコンであって、前記光路の1つが前記基板を横断方向に射出し、前記アキシコンは、その光路を、拡張された焦点の深さで、対応する焦点スポットに集束させる、前記アキシコンを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項17】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学システムは、さらに、
前記第1の表面に取り付けられたコリメータであって、前記コリメータは、前記軸方向に沿って伝播する前記ファイバに存在する光をコリメートさせる、前記コリメータを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項18】
請求項1に記載の光学システムであって、前記異なる焦点スポットは、異なる焦点距離を有することを特徴とする光学システム。
【請求項19】
請求項1に記載の光学システムであって、前記異なる焦点スポットは、異なる開口数を有することを特徴とする光学システム。
【請求項20】
請求項1に記載の光学システムであって、前記異なる焦点スポットは、異なる作動距離を有することを特徴とする光学システム。
【請求項21】
請求項1に記載の光学システムであって、前記異なる焦点スポットは、異なる焦点深度を有することを特徴とする光学システム。
【請求項22】
請求項1に記載の光学システムであって、前記2つの光路は、2つの異なるスペクトルチャネルを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項23】
請求項1に記載の光学システムであって、前記2つの光路は、2つの異なる偏光チャネルを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項24】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学システムは、さらに、前記基板によって支持された、一組の、少なくとも2つの光学コンポーネントを含み、前記一組の光学コンポーネントは、前記ファイバからの前記光を、少なくとも3つの光路に向け、前記3つの光路は、異なる焦点パラメータ、異なる波長、異なる偏光の、少なくとも2つを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項25】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学システムは、さらに、コントローラであって、前記光学コンポーネントは、波長選択性であり、前記コントローラは、前記ファイバによって送出される光の波長組成を調整する、前記コントローラを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項26】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学システムは、さらに、
コントローラであって、前記光路は、波長感受性または波長選択性コンポーネントを含み、前記コントローラは、前記ファイバによって送出される光の波長組成を調整する、前記コントローラを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項27】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学システムは、さらに、
コントローラであって、前記光学コンポーネントは、波長選択性であり、前記コントローラは、前記光学コンポーネントの波長選択性を調整する、前記コントローラを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項28】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学システムは、さらに、
コントローラであって、前記光路は、波長感受性コンポーネントを含み、前記コントローラは、前記コンポーネントの波長感受性を調整する、前記コントローラを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項29】
請求項1に記載の光学システムであって、前記光学システムは、さらに、
コントローラであって、前記光路は、少なくとも1つの電気光学コンポーネントを含み、前記コントローラは、前記電気光学コンポーネントを調整する、前記コントローラを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項30】
請求項29に記載の光学システムであって、前記電気光学コンポーネントは、液晶コンポーネントを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項31】
内視鏡用の光学システムであって、前記光学システムは、
第1の表面および第2の表面を有する基板であって、前記表面のうちの少なくとも1つは、軸方向に沿って伝播する光を収集するように構成された、一組の、少なくとも2つのファイバコアの前記軸方向と実質的に平行に配向された、前記基板と、
前記基板によって支持された光学コンポーネントであって、前記光学コンポーネントは、前記光学システムの一側に位置づけられる焦点スポットから、少なくとも2つの光路に光を向け、前記2つの光路のそれぞれは、前記軸方向に向け直され、対応するファイバコアによって収集される、前記光学コンポーネントと、
を含むことを特徴とする光学システム。
【請求項32】
請求項31に記載の光学システムであって、前記光学コンポーネントは、偏光選択性格子を含むことを特徴とする光学システム。
【請求項33】
請求項31に記載の光学システムであって、前記光学コンポーネントは、偏光選択性反射器を含むことを特徴とする光学システム。
【請求項34】
請求項31に記載の光学システムであって、前記光学コンポーネントは、偏光選択性回折レンズを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項35】
内視鏡用の光学システムであって、前記光学システムは、
第1の表面と第2の表面を有する基板であって、前記表面のうちの少なくとも1つは、軸方向に沿って伝播する光を収集するように構成された2つのファイバコアの前記軸方向に実質的に平行に配向された、前記基板と、
前記基板によって支持された光学コンポーネントであって、前記光学コンポーネントは、前記光学システムの一側に位置づけられた焦点スポットからの光を、少なくとも2つの光路に向け、前記2つの光路のそれぞれは、前記軸方向に向け直され、対応するファイバコアによって収集される、前記光学コンポーネントと、
を含むことを特徴とする光学システム。
【請求項36】
請求項35に記載の光学システムであって、前記2つのファイバコアは、2つのファイバコアを有する単一のファイバを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項37】
請求項35に記載の光学システムであって、前記2つのファイバコアは、それぞれが単一のファイバコアを有する、2つのファイバを含むことを特徴とする光学システム。
【請求項38】
請求項35に記載の光学システムであって、前記2つの光路は、光が逆方向に伝播する、請求項1から30のいずれかの光路を含むことを特徴とする光学システム。
【請求項39】
内視鏡用の光学システムであって、前記光学システムは、
2つの基板であって、各基板は、第1の表面と第2の表面を有し、各基板の表面の少なくとも1つは、軸方向に沿って伝播する光を送出するように構成された、ファイバの前記軸方向に実質的に平行に配向された、前記2つの基板と、
前記基板に支持された光学コンポーネントであって、前記光学コンポーネントは、前記ファイバからの前記光を、少なくとも2つの光路に向け、前記2つの光路のそれぞれは、横断方向に向け直され、前記光学システムの一側に位置づけられた異なる焦点スポットに集束させられる、前記光学コンポーネントと、
を含むことを特徴とする光学システム。
【請求項40】
請求項39に記載の光学システムであって、前記2つの光路は、請求項1から38のいずれかの光路を含むことを特徴とする光学システム。
【請求項41】
内視鏡用カテーテルであって、前記内視鏡カテーテルは、
2つの端部を有する光ファイバと、
前記光ファイバの一端に結合されたファイバコネクタと、
前記光ファイバの他端に結合された光学システムであって、前記光学システムは、請求項1から40のいずれかの光学システムを含む、前記光学システムと、
を含むことを特徴とする内視鏡用カテーテル。
【請求項42】
請求項41に記載の内視鏡用カテーテルであって、前記内視鏡用カテーテルは、さらに、
前記光学システムを前記光ファイバに接続するフェルールと、
前記光学システムを回転させるトルクコイルと、
を含むことを特徴とする、内視鏡用カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2021年5月14日に出願された、米国仮特許出願第63/189,053号、「再構成可能な光学内視鏡カテーテルのための方法および装置」に対する、米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張する。前記出願のすべての主題は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
本開示は、一般に、小型化された光学イメージングおよび照射システム、装置、および、器具に関する。より具体的には、この開示は、光干渉断層撮影法、ラマン分光法、および/または、蛍光分光法技術を含む、光学内視鏡カテーテルに基づく、小型化された医療イメージングを実現するための、方法、システム、装置、および、器具を提示する。
【背景技術】
【0002】
冠状動脈、肺気道、胃腸管などの管腔臓器での疾患の正確な診断と治療は、特に、生体内の場合、病変へのアクセス困難性のために難しい。これは、光学イメージングおよび照射(治療目的のための)システムの小型化の背後にある主な動機である。一般的に使用されるイメージングシステムの1つは、内視鏡光干渉断層撮影(OCT)カテーテルである。一般的な内視鏡カテーテルでは、光パワーは、光ファイバを介して、カテーテルの遠位端に送出され、その後、それは、カスケード接続された、いくつかの光学コンポーネントを介して組織内に向け直され、集束させられる。光を向け直し、集束させる、2つの一般的なアプローチは、(i)屈折率分布型(GRIN)レンズとプリズム、および、(ii)角度研磨されたボールレンズに基づく。前者では、GRINレンズが光を集束させ、その後、プリズムは、人が、イメージング、および/または、光照射を行う必要がある組織に向けて(ファイバの長さに対して、半径方向に)、光を向け直す。後者は、1つのデバイスに統合されたプリズムとレンズとして見られ得、角度研磨された端面部分が、ファイバから来る光をレンズに向け直し(多くの場合90度で)、レンズが、光を組織内に集束させる。イメージングの場合、組織からの散乱光は、同じレンズによって収集され、角度研磨された端面を介して、ファイバに向かって向け直される。次に、ファイバは、画像を処理し、形成するために、この光を、後処理システム(多くの場合、干渉アームや検出器)に送出する。内視鏡カテーテル(ファイバ、および、それに取り付けられた他の光学コンポーネントを含む)は、前後に動かされ、その軸に沿って(例えば、ファイバの長さを走る長手方向軸の周りで)回転させられ、場面(例えば、組織)の3D画像を再構成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光の伝播方向および形状(例えば、集束、ビーム幅の拡張/収縮、基板への結合入力および基板からの結合出力)を動的に制御し、光を、その特性(例えば、偏光、角度、および光/または波長)に基づいて、区分するための装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示の要約
この要約は、実施形態の選択を、簡略化した形式で紹介するために提供される。実施形態は、以下の詳細な説明で、さらに詳細に説明されるであろう。この要約は、特許請求された主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図されず、また、この概要は、特許請求された主題の範囲を限定するために使用されることを意図されない。
【0005】
いくつかの実施形態によれば、光の伝播方向および形状(例えば、集束、ビーム幅の拡張/収縮、基板への結合入力および基板からの結合出力)を動的に制御し、光を、その特性(例えば、偏光、角度、および光/または波長)に基づいて、区分するための装置が開示される。
【0006】
一態様では、光学システムが開示される。光学システムは、第1の表面および第2の表面を有する基板と、基板に配置され、光を受け取るように構成された第1の反射器とを含む。光は、第1の波長の光と第2の波長の光のうちの少なくとも1つを含む。第1の反射器は、第1の光路に沿って、第1の回折レンズに向かって第1の波長の光を反射させ、第2の反射器に向かって第2の波長の光を透過させるように構成される。第2の反射器は、第2の光路に沿って、第2の回折レンズに向かって第2の波長の光を反射させるように構成される。
【0007】
別の態様では、第1の表面および第2の表面を有する基板と、入力光を受け取りコリメートさせるように構成されたコリメータとを有する、光学システムが開示される。入力光は、第1の波長の光と第2の波長の光のうちの少なくとも1つを含む。第1の反射器は、第1の波長の光を第1の回折レンズに向かって反射させ、第2の波長の光を第2の反射器に向かって透過させるように構成される。第2の反射器は、第2の波長の光を第2の回折レンズに向かって反射させるように構成される。
【0008】
実施形態の大部分は、光源、光ファイバ、回折光学コンポーネント(例えば、回折レンズ、回折格子、メタサーフェスに基づくレンズ、メタサーフェスに基づく格子)、屈折光学素子(例えば、ミラー、波長選択性ミラー、部分ミラー、基板)、および/または、液晶(LC)、薄膜、および、偏光フィルム(例:偏光反射板、吸収偏光子、1/2波長板、1/4波長板)を含み、イメージングおよび/または照射のために、光を、所望の方向に向けて、制御し、成形し、区分し、および、案内し、最終的に、光を、対象に集束させる。さらに、実施形態は、少なくとも1つの光源、少なくとも1つのセンサ、および、少なくとも1つの制御モジュールを含み得る。制御モジュールは、センサ、または、使用者からのフィードバックに応じて、各コンポーネントの機能を制御し、調節し、調整し得る。一部のコンポーネントの機能は、電圧および/または電流を印加するか、衝突する光の特性(偏光、波長、角度など)を変化させることにより、自動的に変更され得る。また、光の偏光状態は、直線、円、楕円、ランダム、無偏光、または、それらの任意の組み合わせであり得る。
【0009】
本明細書に開示される方法は、通信装置またはセンサを使用して、少なくとも1つのセンサまたは画像処理ソフトウェアからフィードバックデータを受信するステップを含み得る。このフィードバックを使用して、制御モジュールは、イメージングおよび/または照射用のシステム/器具の性能を改善または調整するために、1つまたは複数のコンポーネントの機能を調整し、および/または、入力光の波長、偏光、または、その他の特性を変更し得る。
【0010】
前述の要約と以下の詳細な説明は、両方とも、例を提供し、もっぱら説明を目的とする。したがって、前述の要約および以下の詳細な説明は、限定的であると考慮されるべきではない。本明細書に記載されたものに加えて、さらなる特徴または変形が提供され得る。例えば、実施形態は、詳細な説明で説明される、さまざまな特徴の組み合わせ、および、サブコンビネーションに向けられ得る。
【0011】
本開示で提示される添付図面は、本開示を部分的に構成し、異なる実施形態を示す。組み込まれた図面は、出願人により所有される、さまざまな著作権および商標の表現を含み得る。本明細書に示される、さまざまな商標および著作権に対するすべての権利は、出願人に帰属し、出願人の所有物である。出願人は、他の目的ではなく、付与された特許の複製に関連する場合にのみ、本明細書に含まれる商標および著作権における、すべての権利を保留、留保し、題材を複製することを許可する。
【0012】
さらに、図面は、本開示の特定の実施形態を説明する説明文、および/または、本文を含み得る。これらの本文、および、説明文は、本開示で説明される特定の実施形態の非限定的、説明的および例示的な目的のために包含される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】スモールフォームファクタ内視鏡ファイバベースのイメージングおよび照射システムの実施形態を示す図である。
【
図1B】スモールフォームファクタ内視鏡ファイバベースのイメージングおよび照射システムの実施形態を示す図である。
【
図1C】スモールフォームファクタ内視鏡ファイバベースのイメージングおよび照射システムの実施形態を示す図である。
【
図1D】スモールフォームファクタ内視鏡ファイバベースのイメージングおよび照射システムの実施形態を示す図である。
【
図2A】カスケード接続された波長選択性反射器を使用したマルチスペクトルおよびマルチズームイメージングの実施形態を示す図である。
【
図2B】カスケード接続された波長選択性反射器を使用したマルチスペクトルおよびマルチズームイメージングの実施形態を示す図である。
【
図3A】回折格子の分散応答を利用した、マルチスペクトルおよびマルチズームのイメージングおよび照射の実施形態を示す図である。
【
図3B】回折格子の分散応答を利用した、マルチスペクトルおよびマルチズームのイメージングおよび照射の実施形態を示す図である。
【
図4A】小型偏光分解イメージングおよび照射システムの実施形態を示す図である。
【
図4B】小型偏光分解イメージングおよび照射システムの実施形態を示す図である。
【
図4C】小型偏光分解イメージングおよび照射システムの実施形態を示す図である。
【
図4D】小型偏光分解イメージングおよび照射システムの実施形態を示す図である。
【
図4E】小型偏光分解イメージングおよび照射システムの実施形態を示す図である。
【
図5A】多機能の光学イメージングおよび照射の実施形態を示す図である。
【
図5B】多機能の光学イメージングおよび照射の実施形態を示す図である。
【
図5C】多機能の光学イメージングおよび照射の実施形態を示す図である。
【
図5D】多機能の光学イメージングおよび照射の実施形態を示す図である。
【
図6A】光学イメージングおよび照射システム(OIIS)の焦点深度を拡張するように構成された実施形態を示す図である。
【
図6B】光学イメージングおよび照射システム(OIIS)の焦点深度を拡張するように構成された実施形態を示す図である。
【
図6C】光学イメージングおよび照射システム(OIIS)の焦点深度を拡張するように構成された実施形態を示す図である。
【
図7A】再設定可能な焦点距離を備える、光学イメージングおよび照射システムの実施形態を示す図である。
【
図7B】再設定可能な焦点距離を備える、光学イメージングおよび照射システムの実施形態を示す図である。
【
図7C】再設定可能な焦点距離を備える、光学イメージングおよび照射システムの実施形態を示す図である。
【
図8A】様々なコンポーネントとの異なる統合スキームを示す、光学イメージングおよび照射システムの一実施形態の分解図である。
【
図8B】様々なコンポーネントとの異なる統合スキームを示す、光学イメージングおよび照射システムの一実施形態の断面図である。
【
図9】本明細書に開示される技術を実装するためのさまざまなモジュールのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、以下でさらに詳細に説明されるが、代替の構成および実施形態が、また、本出願の範囲から逸脱することなく可能である。したがって、本出願は、本明細書に説明される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、図示され、説明された実施形態は、本発明の範囲を当業者に伝えるための例として提供される。図面において、層および領域のサイズおよび相対的なサイズは、明確さのために誇張され得る。
【0015】
第1、第2、第3などの用語は、本明細書では様々な要素、コンポーネント、領域、層、および/または、セクションを説明するために使用され得るが、これらの要素、コンポーネント、領域、層、および/または、セクションは、これらの用語によって限定されるべきではないと、理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素、コンポーネント、領域、層、または、セクションを、別の要素、コンポーネント、領域、層、または、セクションから区別するために使用される。したがって、以下で説明される、第1の要素、コンポーネント、領域、層、または、セクションは、本開示の教示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、層、または、セクションと呼ばれ得る。
【0016】
本明細書で使用される場合、単数形「一つ(a)」、「一つ(an)」、および「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないと指示しない限り、複数形も含むことを意図される。さらに、本明細書で使用される「含む」および/または「含んでいる」という用語は、記載された特徴、完全体、ステップ、操作、要素、および/または、コンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、完全体、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/または、それらの群の存在または追加を排除しないことが、また、理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、1つまたは複数の関連する列挙された項目の、任意の、および、すべての組み合わせを含み、「/」と省略され得る。
【0017】
本開示を通じて、「任意の」という用語は、本明細書では、本開示、または、本発明の目的、機能、および、意図を満たす、特定のコンポーネント、または、本発明内の特定のコンポーネント/システムを可能にし得る、任意の材料、形状、サイズ、特徴、順序、型または種類、方向、位置、数量、コンポーネント、および、コンポーネントの単一の、および/または、複数の組み合わせを備えた、コンポーネントの配置、を記述するために使用され得る。
【0018】
別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、この開示が属する、当業者によって、一般に理解されるところと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書において定義される用語のような用語は、関連技術および/または本明細書の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書においてそのように明示的に定義されない限り、理想化された、または、過度に形式的な意味に解釈されるべきではないことが、また、理解されるであろう。
【0019】
はじめに、前述された従来の光学照射およびイメージングシステムは、さまざまな欠点を有する。たとえば、GRINおよびボールレンズに依存するシステムは、イメージングの解像度を低下させる、球面収差と非点収差を含む、重大な光学収差に悩まされる。人は、顕微鏡の対物レンズと同様に、複数のレンズをカスケード接続することでこれらの収差を軽減し得るが、複数のレンズを備えたシステムの大きなサイズと高コストは、このアプローチを高価で非現実的なものにする。
【0020】
低解像度に加えて、屈折ベースのレンズ(球面レンズなど)は、制限された機能を有する。それらは、偏光分解イメージングやマルチスペクトルイメージングを実行できず、それらの焦点距離は固定される(つまり、調整または変更され得ない)。さらに、これらのレンズは、半径方向(たとえば、ファイバベースの内視鏡におけるファイバ長と直交する方向)にイメージングを実行するために、プリズムなどの他の大型の光学コンポーネントとカスケード接続されねばならず、これは、イメージングシステムのさらなる小型化の妨げとなる。ファイバベースの内視鏡設計のほとんどは、有限/有限共役設計(ファイバコアから焦点スポットへ、ポイントツーポイントの集束とイメージング、またはその逆)に基づいているため、ファイバとレンズの間の光路エラー(たとえば、製造公差による)は、収差を引き起こし、分解能を低下させるだけでなく、イメージングシステムの実効焦点距離を変化させ得る。プリズムを使用することは、その固体の性質により、ファイバとレンズの間に、どの他のコンポーネントも配置することが非常に難しくなり、それにより、システム全体の機能を制限する。たとえば、プリズムを介してファイバとレンズの間を伝送される光を、その偏光および/または波長に基づいて、制御したり区分したりするのは非常に難しいものであり得る。また、屈折レンズとプリズムは、両方とも調整機能のない受動的な光学コンポーネントであり、これは、光学システムが調節されたリ動的に操作されることを妨げる。この開示では、これらの問題および欠点に対処する、いくつかのシステムおよび方法が説明される。
【0021】
本開示は、コンパクトで、かつ、スモールフォームファクタで、イメージングおよび照射を目的とした光制御を容易にする、器具、装置、および、システムを説明する。さらに、本開示は、マルチズームイメージング、マルチスペクトルイメージング、および、偏光分解イメージングを可能にする様々な方法を説明する。さらに、本開示は、一般に、光ファイバ、および、小型化された光学コンポーネントおよび器具の重なりを介して、イメージングおよび照射のために組織/器官に光を集束させる、多機能スモールフォームファクタ光学システムに関する。光学コンポーネントおよび器具は、回折光学システム、メタサーフェス、および、屈折光学システム、および/または、それらの組み合わせに基づき得る。
【0022】
本開示では、回折コンポーネント(例えば、格子、レンズ)は、サブ波長散乱体、共振器、および/または、ナノ構造の任意のアレイを含む。これらの散乱体、共振器、および/または、ナノ構造は、本明細書ではビルディングブロックと称され得る。ビルディングブロックは、同時に、位相、振幅、偏光、空間的および時間的プロファイル、伝播方向、光線の角度、またはこれらの特性の組み合わせなどの、光の1つ以上の基本特性を、個別にまたは集合的に制御し得る。たとえば、回折レンズは、衝突する光を集束、発散、または、収束させ得る、非常に薄いレンズである。入射光は、任意のプロファイルおよび/または角度分布を有し得る。一般に、回折格子は、格子の設計パラメータ(例えば、ピッチおよび/またはパターン)に応じて、衝突する光を1つまたは複数の異なる次数(例えば、±1、±2、±3など)に回折する。回折アキシコンは、さまざまな次数(たとえば、J0、J1など)のベッセルビームを生成し得る。ベッセルビームは、回折レンズなどの他の同機能品と比較して、拡張された距離に光が集束されてとどまる、独自の非回折特性を有する。回折コンポーネントのビルディングブロックは、半導体(例えば、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、炭化ケイ素、窒化ガリウム、リン化ガリウム)、結晶(例えば、シリコン、ニオブ酸リチウム、ダイヤモンド)、誘電体(例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、二酸化チタン、酸化インジウム)、ポリマー(例えば、フォトレジスト、PMMA)、金属(例えば、銀、アルミニウム、金)、二次元(2D)材料(例えば、グラフェン、窒化ホウ素)、相変化材料(例えば、カルコゲナイド、二酸化バナジウム)、または、それらの任意の混合物または合金を含む材料で作製され得る。
【0023】
本開示では、メタサーフェスは、回折コンポーネントの高度な形式であり、メタグレーティング(メタサーフェス設計に基づく格子)、メタレンズ(メタサーフェス設計に基づくレンズ)、および、メタホログラム(メタサーフェスに基づくホログラム)と称され得る。これらのメタサーフェスは、設計された、分散、偏光、および、角度応答を備えた、多機能の平坦なコンポーネントであり、光リソグラフィー、深紫外線リソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、ナノインプリンティング、反応性イオンエッチング、電子ビーム蒸着、スパッタリング、プラズマ蒸着、原子層堆積、および、任意の順序での前述のプロセスの任意の組み合わせなどの、さまざまなアプローチを使用して製造され得る。メタサーフェスのビルディングブロックは、回折コンポーネントについて上述されたのと同様の材料で作成され得る。
【0024】
本開示全体を通じて、本明細書では単に「ファイバ」とも呼ばれ得る、「光ファイバ」は、ガラス(シリカ)、プラスチック、または、他の材料を延伸することによって作製された、柔軟で透明なファイバに言及し得る。本明細書で言及される光ファイバは、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ、フォトニック結晶ファイバ、および、その他の任意の特定目的のファイバを含み得る。ファイバは、裸のフェルール、または、フェルールを含むコネクタに接続され得る。フェルールのタイプは、フェルールコネクタ(FC)、ルーセントコネクタ、アングルポリッシュコネクタ(APC)、フィジカルコンタクト(PC)コネクタ、ウルトラフィジカルコンタクト(UPC)、または、それらの任意の組み合わせであり得る。本開示の範囲から逸脱することなく、他のコネクタが使用され得る。フェルールは、ガラス、セラミック、プラスチック、または、その他の任意の材料で作製され得る。ファイバコネクタは、FC、PC、APC、サブスクライバーコネクタ(SC)、または、それらの任意の組み合わせであり得る。フェルールは、任意の形状とサイズにカスタマイズされ得る。ファイバの作動波長は、紫外(UV)、可視、近赤外(NIR)、短波赤外(SWIR)、または/および、より長い波長またはより短い波長であり得る。ファイバは、保護層を有し得、他のプラスチックチューブ、ポリマーチューブ、ガラスチューブ、および/または、トルクコイルで囲まれ得る。一般に、さまざまな種類のチューブ(例えば、プラスチック、ポリマー、ガラス)が、光学システムやデバイスの保護筐体として使用される。トルクコイルは、回転のために光学システム(例えば、イメージング/照射プローブ)にトルクを伝達するために使用され、したがって、放射イメージング/照射を実行する。
【0025】
本開示において、「光源」という用語は、これらに限定されないが、掃引光源レーザ、発光ダイオード(LED)、端面発光半導体レーザダイオード、垂直共振器型面発光レーザ(VCSELs)、スーパーコンティニューム光源、スーパールミネッセントダイオード、白色光源、および、ハロゲンランプなどの任意の技術に基づき得る、コヒーレント、部分コヒーレント、または、インコヒーレントの光源に言及する。光源の波長は、カテーテルの用途に応じて、深紫外、紫外、可視、NIR、SWIR、中赤外、または、遠赤外の範囲であり得る(たとえば、イメージング、または、治療用途の場合、波長は、異なり得る)。光は、エネルギーのパルス(例えば、パルスレーザ)として、または、連続波(CW)として送出され得る。
【0026】
本開示全体を通じて、「カラーフィルタ」という用語は、異なる色(すなわち、波長)の光を、選択的に透過または反射させる器具に言及する。カラーフィルタは、吸収(例えば、染料、顔料、プラズモニック粒子、金属ナノ構造を使用して)、干渉(例えば、薄膜、サブ波長回折格子、ミー共振構造、プラズモニック、および、金属ナノ構造)、回折(例えば、反射型または透過型回折格子)などのさまざまな機構に基づき得る。この開示において、ミラーは、入射光を反射する器具に言及し得る。ミラーの反射率は、10%より小さいか、または、大きく、25%より小さいか、または、大きく、75%より小さいか、または、大きく、または、100%より小さいものであり得る。ミラーの反射率は、光の波長、偏光、および/または、その入射角の関数であり得る。
【0027】
本開示全体を通じて、イメージングセンサは、光強度、または、位相、角度、偏光、および、波長などの他の光特性を検出または捕捉するための、任意のイメージングおよび検知技術に言及し得る。そのような任意のイメージングおよび検知技術のいくつかの例は、相補型対称金属酸化物半導体(CMOS)、電荷結合素子(CCD)、インテンシファイド電荷結合素子(ICCD)、科学研究用CMOS(sCMOS)、アバランシェダイオード(AD)、タイムオブフライト(ToF)、ショットキーダイオード、または、深紫外、可視、SWIR、NIR、遠赤外、および/または、その他の波長で作動する、任意のその他の光または電磁気感知機構を含む。
【0028】
さらに、本開示は、屈折光学、回折光学、メタサーフェス、および、他の平坦な光学技術(例えば、偏光子、波長板、4分の1波長板、2分の1波長板、ミラー、反射器、部分反射器、および、カラーフィルタ)に基づく、ハイブリッドアプローチを説明する。本明細書に記載される様々な光学システムの動的能力は、電気光学効果(例えば、キャリアの注入による)、または、熱光学効果(例えば、局所加熱による)を達成するように構成されたコンポーネントを含むことによって可能とされ得る。LCなどの他の機構や器具は、また、光学システム内に調整機能を提供するために使用され得る。動的能力は、光学システムのパフォーマンスと柔軟性を大幅に向上させ得る。カスケード接続された平坦なコンポーネントの多機能性は、そのような動的システムが、生体内医療用途に必要なスモールフォームファクタを満たすことを可能にする。本開示の主な焦点は、医用イメージング、診断、および、治療目的のための、スモールフォームファクタの、再構成可能な、高性能の光学システムを可能にすることである。
【0029】
本開示全体を通して、動的コンポーネント、または、設計、または、一般に、本明細書で使用される、形容詞の「動的」は、外部の光、熱、電気、または、機械信号の1つ以上に応答して、光の特性(例えば、偏光、波長、強度)を選択的に変化させることにより、経時的に調整され得る、機能、性能、および、特性を有する、コンポーネントまたは設計に言及し得る。
【0030】
本開示におけるシミュレーションは、反射、屈折、回折の法則を考慮した光線追跡法を使用して実行される。本明細書で説明および図示されるすべてのシミュレーションに対して、各光線は、簡単にするために、非常に狭い帯域幅を持つ単一の波長を有すると仮定される。実験や実際の器具では、光線(例えば、入力光)が、10nmより小さいか、または、大きく、25nmより小さいか、または、大きく、50nmより小さいか、または、大きく、100nmより小さいか、または、大きい、かなりの帯域幅を有し得ることに注意することが重要である。いくつかの実施形態では、帯域幅は、約50nmと約100nmとの間である。
【0031】
図1A(上部)は、ファイバコネクタ152、光ファイバ102、(カテーテルの一端から他端にトルクを伝達するための)トルクコイル154、および、シース156によって囲まれた他の光学および機械コンポーネントを含む、内視鏡カテーテル150の概略図を示す。
図1Aの下部の拡大図は、フェルール158を介して光学イメージングおよび照射システム(OIIS)101に接続されたトルクコイル154を含む、内視鏡カテーテルの遠位端におけるコンポーネントを示す。フェルール158は、ファイバ102の端部を保持する。ファイバ102は、トルクコイル154を通過し、内視鏡カテーテル150の他端で、ファイバコネクタ152に接続する(
図1Aの上部を参照)。トルクコイル154、フェルール158、および、OIIS101は、シース156によって囲まれる。シース156は、透明なプラスチック、ポリマー、ガラス管、または、それらの組み合わせであり得る。シース156の端部は、エンクロージャキャップ157(例えば、プラスチックまたはガラス基板、シリコーンゲルなど)によって密封され得る。
【0032】
図1Bは、スモールフォームファクタ内視鏡カテーテル100の一端の実施形態の斜視図を示す。この実施形態では、ファイバ102は、光源(図示せず)から光を受け取るように構成されたコア103を含む。いくつかの実施形態では、ファイバ102は、フェルールに接続され得る(
図1Aを参照)。ファイバ102は、光をOIIS101に送る。いくつかの実施形態では、OIISは、z次元で、約0.2-1.5mm、y次元で、約0.2-1.5mm、および、x次元で、約1-5mmの範囲の寸法を有し得る。いくつかの用途では、x次元のサイズ制約は、y次元およびz次元のサイズ制約よりも緩やかであり得る。
【0033】
内視鏡カテーテル100では、OIIS101は、基板105上または基板105内に配置されるか、または、基板105によって支持される、2つの波長選択性反射器(WSR)104aおよび104b、2つの回折格子106aおよび106b、および、2つの回折レンズ107aおよび107bを含む。基板105は、ガラス(例えば、溶融シリカ、パイレックス(登録商標)、高屈折率ガラス、石英)、半導体(例えば、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、炭化ケイ素、窒化ガリウム、リン化ガリウム)、結晶(例えば、サファイアシリコン、ニオブ酸リチウム、ダイヤモンド)、誘電体(例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、二酸化チタン、酸化インジウム)、ポリマー(例えば、フォトレジスト、PMMA)を含む材料で作製され得る。ここでは、例示の目的で、ガラス基板が考慮される。回折レンズ107a、107bのうちの1つ以上は、フレネルレンズ、メタサーフェスベースのレンズ、および/または、屈折レンズ(例えば、球面レンズ、非球面レンズ、自由曲面レンズ)と置き換えられ得る。WSR104aおよび104bは、第1の表面105aに配置され得る。WSRは、第1の表面105aに対して、ある角度(例えば、約37度、45度、または、50度)で配置され得る。所望の波長に対するWSRの反射値は、95%より小さいか、または、大きく、90%より小さいか、または、大きく、80%より小さいか、または、大きく、70%より小さいか、または、大きいものであり得、一方で、他の波長が、95%より小さいか、または、大きく、90%より小さいか、または、大きく、80%より小さいか、または、大きく、70%より小さいか、または、大きい、最大透過率で通過することを許容する。いくつかの実施形態では、所望の波長に対するWSRの反射値は、約80%から約95%の間であり得る。いくつかの実施形態では、所望の波長に対するWSRの透過値は、約80%から約95%の間であり得る。第1の回折レンズ107aは、また、2つのWSR104aおよび104bの中間の第1の表面105aに配置され得る。2つの回折格子106aおよび106b、ならびに、第2の回折レンズ107bは、基板の第1の表面105aの反対側の第2の表面105bに配置され得る。第1の表面105aおよび第2の表面105bは、実質的に平行であり得、または、互いに対して角度を有し得る。この角度は、5度より小さいか、または、大きく、10度より小さいか、または、大きいものであり得る。第1の表面105aおよび第2の表面105bは、平面であり、互いに実質的に平行であり得る。基板105上の各コンポーネントの位置、サイズ、および、形状は、
図1B-
図1Cに関して、本明細書で以下に説明されるであろうように、特定の方法で光を受け取り、方向付けるように選択され得る。
【0034】
内視鏡カテーテル100が光干渉断層撮影に使用される用途に対して、作動波長(すなわち、OIISによって受け取られる光の波長)は、NIRまたはSWIR領域(例えば、800nmから1700nmの間の波長)内のものであり得る。そのような波長は、有利には、深度イメージングおよび照射のために組織への光の浸透を可能にする。約800nmから約1700nmの範囲の波長を使用するシステムの場合、回折レンズはガラス基板上にシリコンナノ構造のアレイを含み得る。シリコンは、この波長範囲で、高い屈折率(たとえば、屈折率n>3)と、無視し得る材料損失を有する。したがって、ガラス基板上のシリコンナノ構造は、高効率かつ高性能のフラットデバイスおよびコンポーネントを製造するために必要な、低損失かつ強力な光ナノ構造相互作用を可能にし得る。
【0035】
図1Cおよび
図1Dは、異なる方法で作動する内視鏡カテーテル100の側面図を示し、作動方法は入力光の関数である。約1300nmの波長を有する入力光(すなわち、光線108a)を用いた内視鏡カテーテル100の作動が、
図1Cに示され、一方、約800nmの波長を有する入力光(すなわち、光線108b)を用いた内視鏡カテーテル100の作動が、
図1Dに示される。光線108aおよび108bは、内視鏡カテーテル100に同時に送出され得るが、簡単化のために、光線追跡シミュレーションは、2つの図に分割される。1300nmおよび800nmの第1および第2の波長が例として使用されるが、本開示の範囲から逸脱することなく他の光の波長が選択され得る。
【0036】
図1Cに示される光線追跡シミュレーションでは、1300nmの波長を有する光線108aは、ファイバ端面102を出て、WSR104aに向かって進み、WSR104aにぶつかる。WSR104aは、光線108aの進行方向に対して、約45度で傾斜させられる。WSR104aは、1300nmの波長を中心とする光線108aを反射し、800nmの波長を中心とする光線108bが、妨げられずに通過するのを可能にするように(
図1Dに示されるように)設計される。したがって、光線108aは、第1のWSR104aに衝突し、基板105に向かって第1のWSR104aにより反射させられる。WSR(104a、104b)の作動帯域幅は、設計パラメータに応じて調整され得る。例えば、作動帯域幅は、10nmより小さいか、または、大きく、25nmより小さいか、または、大きく、50nmより小さいか、または、大きく、または、100nmより小さいか、または、大きいものであり得る。いくつかの実施形態では、帯域幅は約50nmと約100nmの間であり得る。
【0037】
WSR104aによって反射させられた光線108aは、第1の表面105aに対して実質的に垂直に基板105に入射する。光線108aは、基板105を通り、回折格子106aが配置される第2の表面105bに向かって進む。回折格子106aは、生じ得る少量の光の発散を考慮し、光線108aを遮断するようサイズ決めされ、位置決めされる。回折格子106aは、光線108aを、基板の全反射(TIR)角より大きい角度に回折する。回折光は、TIRにより第1の表面105aではね返り、第2の表面105bに配置された第2の回折格子106bに向かう。第2の回折格子106bは、回折事象の後、光が、第1の表面105aおよび第2の表面105bに対して、実質的に垂直な角度で基板105を通過するように、光を回折させるよう設計される。回折レンズ107aは、第1の表面105aに配置され、第2の回折格子106bから回折させられた光を受け取る。回折レンズ107aは、光線108aが光学システムを通過した際、光線108aの発散の増加を考慮するようにサイズ決めされ得る。回折レンズ107aは、光線108aを、基板105の第1の表面105aに対する焦点距離(例えば、f1=0.9mm)で、回折限界スポットに集束させる。ここで、0.9mmの焦点距離は、例示の目的で選択され、焦点距離は、本開示の範囲から逸脱することなく、1mmより小さいか、または、大きく、5mmより小さいか、または、大きく、10mmより小さいか、または、大きいものであり得る。
【0038】
図1Dを参照すると、内視鏡カテーテル100の第2の作動方法が、800nmの波長を有する入力光線108bを用いて示される。上述されたように、光線108bは、それらが第2のWSR104bに遭遇するまで、妨げられることなくWSR104aを通過する。第2のWSR104bは、800nmを中心とする光を反射するように設計され、したがって、光線108bは、第2のWSR104bにより、基板に向かって反射させられる。光線108bは、基板105を通り、第2の表面105bに配置され、反射光線108bを受け取るように構成された第2の回折レンズ107bに向かって進む。光線108bは、回折レンズ107bにより、基板105の第2の表面105bに対して第2の焦点距離(f
2=0.5mm)で集束させられるであろう。このように、特定の帯域幅の光のみを反射させる反射器(WSR104aおよび104b)を利用することによって、入力光の波長に応じて調整可能な焦点距離を有するOIISが説明される。ここで、内視鏡カテーテル100は、ガラス、ポリマー、または、プラスチックで作られた、保護チューブ/シースによって囲まれ得る。この場合、回折レンズ107aおよび107bは、保護チューブ/シースによって追加される光路を考慮して設計され得る。
【0039】
特に、回折レンズは、色収差を有し得、入力光の波長の変化は、焦点サイズが回折限界よりも大きくなり、集束効率が低下することをもたらす。しかしながら、カテーテル100では、回折レンズ107aおよび107bのそれぞれは、特定の作動波長(例えば、それぞれ、1300nmおよび800nm)用に設計され得る。これは、各回折レンズがイメージング解像度と集束効率の点で最適な性能を達成することを可能にする。内視鏡カテーテル100に関するもう1つの重要な点は、ファイバ端面102を出る光が発散することである。光が回折レンズに到達する前に進む光路長を制御することにより、ビームウエストが、また、制御され得る。光が長く進むほど、ビームウエストは大きくなる。したがって、固定焦点距離(またはレンズの作動距離)の場合、ビームウエストが光を集束させるために使用されるレンズの直径と等しいと仮定すると、OIISの開口数(NA)が、また、制御され得る。2つの焦点(OIISの上部と下部)を持つことのもう1つの利点は、イメージング速度やフレームレートを向上させることである。一般に、OIISは、3Dイメージングを実行するために、ファイバ軸(X方向)に沿って回転する。上部と下部に焦点を有すると、人は、OIISを(360度ではなく)180度回転させることにより、全半径方向イメージングを実行し得る。換言すれば、上部レンズ107aは、上部半円の像を形成し、下部レンズ107bは、下部半円の像を形成する。たとえば画像後処理ソフトウェアを使用してこれら2つの画像を結合することにより、人は、OIIS101を180度回転させるだけで、完全な画像を再構成し得、イメージングの速度を高め得る。OIIS101が360(度)回転する別のシナリオでは、上部レンズ107aおよび下部レンズ107bによって捕捉された画像を組み合わせることで、フレームレートは2倍にされ得る。
【0040】
上述されるように、OIIS101を使用して周囲環境をイメージングすることに加えて、同じOIIS101は、周囲環境の照射(例えば、治療目的)に利用され得る。治療プロトコルは、複数の異なる波長の光、例えば、UVまたは可視光波長範囲の波長を有する光の使用を必要とし得る。使用される特定の波長に応じて、二酸化チタンや二酸化ハフニウム(これらの波長範囲での無視し得る吸収損失と、n=~2.5の比較的高い屈折率を備える)などの他の材料が、回折格子や回折レンズなどの、1つまたは複数のコンポーネントを形成するために使用され得る。二酸化チタンまたは二酸化ハフニウムのコンポーネントは、作動波長に応じて、異なるタイプの基板上での組み立てに、より好適とされ得る。
【0041】
図2A-
図2Bは、多段の波長選択性反射器を使用したマルチスペクトルおよびマルチズームイメージングの実施形態を示す。
【0042】
スペクトルチャネルの数および達成可能な焦点距離は、
図2A-
図2Bに示されるように、X方向に沿って、より多くのWSRおよび他のコンポーネントを等間隔で配置することによって増加させられ得る。特に、管腔器官(例えば、撮像または照射される器官)の内径は、半径方向に沿った(すなわち、Z方向およびY方向に沿った)OIISのサイズに制限を設定する。ただし、このサイズ制限は、軸方向(X方向)に沿って、より緩和される。半径方向および軸方向は、ファイバ202として示されるファイバの長さに対して画定される。実際には、ファイバ202は、X方向に沿って、数センチメートルの長さ、または、数メートルの長さにさえ延び得る。
図2Aに示されるファイバ202は、例えば、第1、第2、第3、および第4の波長を中心とする、4つのスペクトルチャネルを案内する。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および、第4の波長は、それぞれ、900nm、1100nm、1300nm、および、1500nmであり得る。第1、第2、第3、および、第4のスペクトルチャネルは、それぞれ、光線208a、208b、208c、および、208dと呼ばれる。これらの光線はすべて、それらの波長に関係なく、ファイバ202の端面を出た後に発散する。
図2A-
図2Bに示される光線追跡シミュレーションでは、簡単にするために、各スペクトルチャネルの中心波長に等しい波長を有する光線のみが示される。
【0043】
メタサーフェス設計または色消し屈折レンズに基づき得る、色消しレンズ210は、すべての異なる波長の光線208a-208dをコリメートするために使用され得る。色消しレンズ210によってコリメートされた後、光線208a-208dは、基板205の第1の表面205aに対してある角度(例えば、約45度)で配置された、一連の波長選択性反射体に遭遇する。各WSRは、異なる波長に関連する光を反射または透過させるように構成され得る。光線208a-208dは、色消しレンズ210によってコリメートされた後、第1のWSR204aに遭遇する。WSR204aは、光線208aを、基板205を通って、第1の表面205aの反対側の第2の表面205bに配置され得る、第1の回折レンズ207aに向かって反射させるように設計される。第1の回折レンズ207aは、光線208aを第1の焦点距離に集束させる。例えば、第1の焦点距離は、約0.5mmであり得る。他の3つのスペクトルチャネル(すなわち、第2、第3、および第4の光線208b-208d)は、WSR204aを通過し、妨げられることなく第2のWSR204bに向かって進み続ける。
【0044】
WSR204bは、光線208bを、基板205を通って、第2の回折レンズ207bに向かって反射させるように設計され、第2の回折レンズ207bは、第2の焦点距離(例えば、約1mm)に集束させる。WSR204bは、光線208c-208dが、妨害されることなく、WSR204cに向かって通過することを可能にする。WSR204cは、第3の波長を中心とする光線208cを、第3の回折レンズ207cに向かって反射させるように構成される。光線208cは、対応する回折レンズ207cによって、第3の焦点距離(例えば、約1.5mm)で集束させられる。WSR204cは、光線208dが妨害されることなく通過することを可能にする。最後に、第4のスペクトルチャネルに対応する光線208dは、ミラー209に到達し、回折格子206aに向けて再び方向付けられる。いくつかの実施形態では、光線208dを反射させるように構成された第4のWSRが、ミラーの代わりに使用され得る。
【0045】
光線208dは、第1の回折格子206aによって回折させられ、回折光線208dは、基板のTIRよりも大きな角度で進み、したがって、光線208dは、それらが基板205の第1の表面205aに遭遇すると、基板の内部で反射させられる。TIRにおいて進む光線208dは、光線208dを再び回折する、第2の回折格子206bに遭遇する。具体的には、回折格子206bは、光線208dを、第4の焦点距離(例えば、約2mm)に集束させられるように、回折レンズ207dに向かって回折させる。
【0046】
格子(例えば、回折格子206aおよび206b)を利用することは、スモールフォームファクタで、光を、方向付け、成形することにおいて、特別の自由度を提供する。例えば、2つの回折格子を使用すると、光線208dは、基板の上部(すなわち、第1の表面205a)から集束させられ得るが、他の光線(すなわち、光線208a-208c)は、すべて基板の下部(すなわち、第2の表面205b)から集束させられる。
図2Aに示される実施形態では、3つのWSRと1つのミラーを等間隔で配置することにより、小型OIIS201a(例えば、Y方向とZ方向の両方に沿ってサブミリメートル寸法を有するOIIS)が、4つの異なる焦点距離で光を放射できることが説明される。このOIIS201aは、焦点距離を制御するために、(例えば、入力光の単一スペクトルチャネルを使用することによって)一度に、1つのスペクトル範囲で使用され得、または(例えば、多重入力光を使用することによって)一度に、スペクトルチャネルの組み合わせで使用され得る。4つのスペクトルチャネルでイメージングを実行することは、各深度(例えば、焦点距離)での解像度を向上させるだけでなく、画像後処理技術を使用して各スペクトルチャネルからの画像を重ね合わせることにより、マルチスペクトルイメージングも可能にする。OIIS201aが光干渉断層撮影に使用される場合、画像の深度は、各回折レンズの焦点距離をはるかに超えるものであり得、各レンズの焦点深度は、マルチスペクトルイメージングを実行するためにスペクトル範囲全体にわたって重なるように設計され得る。さらに、WSRとスペクトルチャネルの数は、スペクトル範囲をさらに拡大するために、また、達成可能な焦点距離の数を達成するために、増加させられ得る。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、5つ、6つ、または、それ以上のスペクトル範囲、および、関連するWSRおよび回折レンズが、OIISシステムに包含させられ得る。
【0047】
図2Bは、同じスペクトルチャネルと焦点距離を備える、
図2Aに示されたのと同様の概念を示すが、微妙な違いを備える。OIIS201bでは、色消しレンズ(
図2Aの210)が、第4の波長(例えば、1500nmの波長)で設計された回折レンズ207eに置き換えられる。したがって、光線追跡シミュレーションから明らかなように、回折レンズ207eを通過した後、第4の波長を中心とする光線のみが完全にコリメートされるであろう。他の光線(例えば、第1、第2、および第3の波長での)は、回折レンズ207eの固有色収差によりわずかに発散する。回折レンズの場合、作動波長が短ければ短いほど、作動波長と設計波長(たとえば1500nm)の差が大きくなり、したがって、発散角も大きくなる。したがって、最も短い波長(例えば、900nmの波長)を有する光線208aは、より長い波長を有する他の光線と比較して、最も大きな発散角を有するであろう。これらの発散光線は、回折レンズ207a、207b、および207cの設計に対するわずかな変更(すなわち、必要な位相マップ)を必要とし得、発散光線が回折限界スポットに集束させられることを確実にする。これらの変化は、光線追跡またはその他の利用可能な光学的方法を使用して、回折レンズに対する新しい位相マップを計算することによって決定され得る。
【0048】
図3A-
図3Bは、回折格子の分散応答を利用した、マルチスペクトルおよびマルチズームイメージングおよび照射の実施形態を示す。
【0049】
図3Aは、マルチスペクトルマルチズームOIIS301aを備えた、内視鏡カテーテル300aの実施形態を示す。カテーテル300aでは、ファイバ302は、第1、第2、および第3の中心波長(例えば、1000nmの第1の波長、1300nmの第2の波長、および、1400nmの第3の波長)を有する、3つのスペクトルチャネルをOIIS301aに送出する。光線308aは、3つのスペクトルチャネルすべての組み合わせに言及する。光線308aは、ファイバ302を出ることで発散し始めるが、光線308aは、回折レンズ307aによってコリメートされる。基板305の上面305aに対してある角度(例えば、約45度)で配置され得るミラー309は、光線308aを反射させ、光線308aを、基板305に向けて再指向させる。光線308aは、基板の第1および第2の表面305a、305bに対して、実質的に垂直であり得る角度で、基板305を通って進む。光線308aは、基板305のTIR閾値よりも大きな角度を有するように光線を回折させる第1の回折格子306aに遭遇し、光線は、すべて基板内に結合させられる。光線の角度が基板のTIRよりも大きい場合、基板は導波路として機能し、光線は、それらが別の回折格子、または、任意の他の適切なコンポーネントによって結合を解除されるまで、内部を伝播し得ることが注目に値する。
【0050】
回折格子306aは、
図3Aに示されるように、異なる波長の光線を回折し、空間的に分離する。上述されたように、光線308aは、3つの異なる波長の光線を含み、各波長は格子306aによって異なる角度で回折される。最も短い波長(例えば、1000nmの波長)を有する光線308bは、最も急なTIR角に回折させられ、第2の回折格子306bに向けられるであろう。基板の第1の表面の回折格子306bは、光線308bを回折レンズ307bに向かって回折させ、そこで、光は、第1の焦点距離(例えば、0.6mmの焦点距離)で集束させられるように構成される。他の2つのスペクトルチャネル(すなわち、光線308cおよび308d)は、回折格子306bに入射せず、代わりに、基板の第1の表面305aで反射させられる。第1の波長より大きい第2の波長(例えば、1300nmの波長)を有する光線308cは、基板の第2の表面305bの第3の回折格子306cによって受け取られ、回折させられる。格子306cは、光線308cを回折レンズ307cに向かって回折させ、そこで、それらは、基板305の第1の表面305aの上の第2の焦点距離(例えば、1.2mmの焦点距離)で集束させられる。第3の最も長い波長(例えば、1400nmの波長)を有する光線308dは、第4の回折格子306dによって受け取られ、回折させられる。回折格子306dは、光線308dを回折レンズ307dに向かって回折させ、そこで、光線は、第3の焦点距離(例えば、2mmの焦点距離)で集束させられる。
【0051】
OIIS301aでは、入力光(例えば、光線308a)は、回折格子306aの分散応答を利用して、異なるスペクトルチャネルに従って空間的に区分される。基板305の厚さなどの他のパラメータは、また、異なるスペクトルチャネルを分離する際の設計変数として使用され得る。回折レンズは、OIIS301aに関して説明されるが、OIIS301aの機能を変更することなく、屈折レンズが、回折レンズの代わりに使用され得る。
【0052】
OIIS301aは、説明された3つのスペクトルチャネルでイメージングを実行し得、システムの焦点距離は、入力波長を変更することによって制御され得る。例えば、多重化された入力光は、上述されるようにシステムを通り、その結果、異なる焦点距離に集束させられる異なる波長の3つの光ビームをもたらすであろう。あるいは、イメージングが、利用可能な焦点距離のうちの1つのみで望まれる場合、その特定の焦点距離に関連付けられた波長を有する入力光が、OIIS301aに提供され得る。3つのスペクトルチャネルおよび関連する焦点距離が説明されるが、本開示の範囲から逸脱することなく、追加のチャネルおよび焦点距離が、OIIS内に含まれ得る。
【0053】
OIIS301aによって投射された光は、周囲の環境(例えば、器官または組織)によって反射させられ、もしくは、散乱させられ得る。反射光または散乱光の少なくとも一部は、周囲環境に光を送出するのに使用される同じ光路を介して、OIIS301aによって捕捉され得るが、反対方向に進む。例えば、第1のスペクトルチャネルを有する反射光は、画像システム(図示せず)への逆伝送のために、回折レンズ307bによって捕捉され、回折格子306bおよび306aによって回折させられ、ミラー309によって反射させられ、回折レンズ307aによって整形(例えば、収束)され、ファイバ302に結合させられ得る。第2および第3のスペクトルチャネルを有する反射光は、同様のパターンをたどり得、そこで、光は、画像取り込みのために光路を通ってファイバに向かって進む。そのような光捕捉能力は、本明細書に開示されるすべての実施形態により共有される。
【0054】
同様の機能を備えた別のOIIS301bが、
図3Bに示され、回折格子306b(
図3Aに示される)が、波長選択性格子(WSG)311に置き換えられる。内視鏡用カテーテル300bでは、3つの異なるスペクトルチャネル(例えば、1200nmを中心とする第1のスペクトルチャネル、1250nmを中心とする第2のスペクトルチャネル、および1300nmを中心とする第3のスペクトルチャネル)間の空間的分離は、光が回折格子306aによって回折させられる後で、上述されたシステム300aに示されるものよりも小さい。減少させられた空間的分離は、基板305の厚さを減少させること、回折格子306aの設計を調整すること、および/または、波長が、共に、より近い3つのスペクトルチャネルを提供することによって達成され得る。入力光内の3つのスペクトルチャネルのすべては、WSG311に衝突する。WSG311は、第1のスペクトル範囲(例えば、1200nmを中心とする光線308a)のみを回折させ、他のスペクトルチャネルが妨げられずに伝播することを可能にする。光線308aは、回折レンズ307aに衝突し、第1の焦点距離(例えば0.6mmの焦点距離)で集束させられる。第2および第3のスペクトルチャネル(例えば、それぞれ、光線308bおよび308c)は、OIIS301aに関して説明された、第2および第3のスペクトルチャネルと同様に、OIIS301bを通って伝播する。光線308bは、回折格子306bに衝突し、回折レンズ307bに向けられ、そこで、それらは、第2の焦点距離(例えば、1.2mmの焦点距離)で集束させられる。光線308cは、回折格子306cに衝突し、回折レンズ307cに向けられ、そこで、それらは、第3の焦点距離(例えば、2mmの焦点距離)で集束させられる。
【0055】
特定の波長および焦点距離が、説明の目的で、例として提供されるが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の波長および/または焦点距離が選択され得ることを理解するであろう。
【0056】
図4A-
図4Eは、小型化された偏光分解イメージングおよび照射システムの5つの実施形態を示す。
【0057】
図1-
図3に示される実施形態は、その撮像能力に関して説明された。つまり、各OIISは、ファイバの端面から、いくつかのコンポーネントを通って、最終的に焦点に至るまで、光を追跡することによって説明される。各OIISは、相反系であり、相反系は、同じシステムが場面(医療イメージングの場合は、組織などの撮像される対象)から光を収集し、画像を形成するための画像処理モジュール(図示せず)に伝送するために、それを、ファイバに送り返すであろうことを意味する。
【0058】
図4Aに示される光線追跡シミュレーションでは、OIIS401aを有する内視鏡カテーテル400aは、回折レンズ407aの焦点に位置づけられる点光源から開始して説明されるであろう。人は、この点光源を、同じOIIS401aによってすでに照射され、今や、光を、上方(つまり407aに向かって)と下方に散乱させる、組織の極小部分として理解し得る。光線408aと称される、上方散乱光線は、回折レンズ407aによって集められ、その後、偏光選択性回折格子(PSG)412に向かってコリメートさせられる。光線408aの偏光状態は、光線408bによって示される偏光#1(P
1)と、光線408cによって示される偏光#2(P
2)の、2つの直交成分に分解され得る。PSG412は、偏光に基づいて光を異なる方向に回折する(例えば、空間的に分離する)。例えば、PSG412は、偏光P
1を有する光線408bを回折格子406aに向けて回折させ、偏光P
2を有する光線408cを回折格子406bに向けて回折させる。回折格子406aは、光線408bを回折させ、光線408bは、基板の第1および第2の表面405a、405bに対して実質的に垂直な角度で、基板405から結合出力される。光線408bは、偏光選択性反射体(PSR)413aに向かって進み、偏光選択性反射体(PSR)413aは、それが、光線408bを、ある角度で(例えば、第2の表面405bに対して約0度の方向に)、ファイバに向って反射させるように(例えば、第1の表面に対して約45度に)、配向される。最後に、光線408bは、光線408bを第1のファイバ402a内のファイバコアの端面の焦点に収束させる、回折レンズ407bを介して、第1のファイバ402aに結合させられる。
【0059】
光線408cは、回折格子406b、第2のPSR413b、および、回折レンズ407cを介して、第2のファイバ402bに向かう異なる経路を取る。PSR413bは、それが、光線408cを、ファイバに向かってある角度で(例えば、第2の表面405bに対して約0度の方向に)反射させるように(例えば、第2の表面405bに対して約45度で)、配向される。いくつかの実施形態では、PSR413bは、ファイバにおけるP2光路に、あらゆる迷走する光P1が入射するのを防ぐために、偏光P2を有する光のみを反射させる。任意のP1偏光の、P2経路への入結合の可能性をさらに低減させるために、吸収性偏光子414bが、PSR413bの背面に適用され得る。吸収性偏光子は、意図された偏光以外の任意の偏光成分が存在する場合、それが、吸収され、それが、誤った経路に沿って、システムを通って伝播し続けるのを防ぐであろうことを確実にする。同様の吸収性偏光子コンポーネント414aは、PSR413a上で使用され得、P1偏光光路内の迷走するP2偏光光を吸収する。吸収性偏光子の偏光方向は、それらが積層される、対応するPSRに直交する。いくつかの実施形態では、PSR413bおよび吸収性偏光子414bは、本開示の範囲から逸脱することなく、単一の金属ミラーまたは誘電体ミラーにより置き換えられ得る。いくつかの実施形態では、PSR413aおよび吸収性偏光子414aは、また、単一の金属ミラーまたは誘電体ミラーと置き換えられ得る。
【0060】
OIIS401aは、OIIS401aが、撮像された物体から来る、光の2つの直交偏光を空間的に分離し、それらを、最終的に、処理モジュールによって受け取られるであろう、2本のファイバに送り、処理モジュールは、画像を形成するために、カメラまたは光学センサ(ここでは図示されず)を含み得るので、偏光分解イメージングを実行することが可能である。いくつかの実施形態では、光のP1およびP2偏光は、単一のファイバ内の2つの異なるファイバコアに結合させられ得る。
【0061】
偏光分解イメージングが可能な別の実施形態が、
図4Bに示される。OIIS401bを有する内視鏡カテーテル400bは、
図4Aに示される実施形態の修正バージョンである。OIIS401bは、1つのコンポーネント(すなわち、
図4Aからの、回折格子406bなどの1つの回折格子)を含まない。OIIS401bの回折レンズ407cは、撮像される物体からの散乱光または反射光を受け取り、受け取られた光は、P
1偏光成分とP
2偏光成分の両方を含む。光は、PSG412に衝突し、そこで、第1の偏光(例えば、P
1偏光)が、回折格子406に向かって回折させられ、
図4に関して説明された経路をたどる。PSG412は、第2の偏光(例えば、P
2偏光)を有する光が、回折されず、むしろ、妨害されることなくPSG412を通過するように構成される。次に、P
2光は、次いで、PSR413bに遭遇し、
図4Aに関して説明された経路と同様の経路を通って進む。
【0062】
OIIS401b上のコンポーネントの数を減らすことに加えて、内視鏡カテーテル400b内のコンポーネントの数は、400aで使用される2つのファイバ構成を、400bでは、2つのコアを有する1つのファイバに置き換えることによって削減され得る。システムは、さらに、PSR413a、413bおよび吸収性偏光子414a、414bをグループ化することによってさらに簡素化され得る。この実施形態が、
図4Cに示される。
【0063】
偏光分解イメージングのための別の代替実施形態が、
図4Dに示される。OIIS401dを有する内視鏡カテーテル400dでは、回折レンズ407cによって収集された光線は、P
1偏光(すなわち、光線408a)を反射させ、直交偏光を有する光線(すなわち、光線408bによって示される、P
2)を通過させる、PSR413aによって区分される。反射光線408aは、第1の回折レンズ407aによって集束させられ、ファイバ402の第1のコアに結合させられる。PSR413bは、P
2偏光を受け取り、P
2偏光を反射させるように構成される。したがって、光線408bは、第2のPSR413bにより、回折レンズ407bに向かって反射させられ、第2のファイバコアに結合させられる。あらゆる迷光するP
1偏光を吸収するために、吸収性偏光子414が、PSR413bに含まれ得る。光線408aおよび408bは、それぞれのファイバコアに沿って、画像処理のための処理モジュールまで進む。
【0064】
偏光分解イメージングの別の実施形態が、
図4Eに示される。OIIS401eを有するシステム400eは、第1および第2の基板405cおよび405d上にそれぞれ配置された、第1および第2のファイバ402aおよび402bを含む。この実施形態では、ファイバ402a、402bから結合出力される光は、すでに偏光され、例えば、光線408aは、P
1偏光を有し、光線408bは、P
2偏光を有し得る。代替実施形態では、ファイバ402a、402bから出る光が偏光されない場合、1つまたは複数の偏光子コンポーネント(図示せず)が、それぞれ、各ファイバ402a、402bの端部と回折レンズ407aおよび407bの間に配置され得、および/または、それぞれ、回折レンズ407a、407bとPSR413a、413bの間に配置され得る。第1のPSR413aにより受け取られる光は、第1の偏光(例えば、P
1偏光)であり得、第2のPSR413bにより受け取られる光は、第2の偏光(例えば、P
2偏光)であり得る。
【0065】
第2のファイバ402bから結合出力された光線408bは、回折レンズ407bによってコリメートさせられ、PSR413bにより、回折格子406bに向かって反射させられる。図示されるように、吸収性偏光子414bが、PSR413bに含められ得る。光線408bは、回折格子406bおよび406cによってPSG412に向かって回折させられる。PSG412は、光線408b(すなわち、P2偏光を有する光線)が、妨げられずに通過することを可能にする。光線408bは、光線408aと結合し、回折レンズ407cによって、焦点距離(例えば、0.4mmの焦点距離)で集束させられる。光線408bに対する直交偏光(例えば、P1偏光)を有する、光線408aは、下方ファイバ402aから結合出力させられ、回折レンズ407aによってコリメートさせられる。光線408aは、PSR413a、回折格子406a、および、PSG412を介して、回折レンズ407cに向けて、再方向付けされる。PSR413aは、それに配置された吸収性偏光子414aを含み得る。PSG412は、偏光P1を有する光を回折するように構成され、したがって、光線408aは、PSG412によって回折レンズ407cに向かって回折させられ、そこで、それらは、光線408bとともに焦点距離で集束させられる。イメージングのために光を収集するときのシステム400eの相反性により、撮像される物体によって散乱させられた各光線は、偏光に基づいて区分され、対応するファイバコアに結合させられる。両方のファイバコアに集められた光は、偏光分解イメージングを実行するために、画像処理モジュール(図示されず)に送られる。
【0066】
上述された
図4A-
図4Eは、平坦なコンポーネントを利用する、スモールフォームファクタOIISを用いて偏光分解イメージングを実行することができる、内視鏡カテーテルの例示的な実施形態を示す。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、コンポーネントの一部が、屈折性またはメタ表面の対応物で置き換えられ得ることを理解するであろう。例えば、1つ以上の回折レンズは、屈折レンズに置き換えられ得る。また、本明細書では詳細に説明されない、いくつかの他の実施形態は、
図4A-
図4Eに関して説明された様々な特徴を組み合わせたり、変更したりすることによって設計され得る。注目すべきことに、説明された実施形態のそれぞれは、イメージングまたは照射の要求に応じた用途に、特によく適合させられ得る利点を有する。例えば、
図4Aに示される実施形態では、光線は、3つの偏光コンポーネント(PSG、PSR、吸収型偏光子)と相互作用するであろう。第1のPSG412は、それらの偏光に基づいて、光線を区分し、後に、これらの偏光させられた光線のそれぞれが、特定の偏光のみを反射させるPSRと相互作用するであろう。各光路に、何らかの残留する望まれない偏光が存在する場合、それは、吸収型偏光子によって吸収され、これは、イメージングシステムのS/N比を増加させる。
図4Dに示されるシステム400dなどの他の実施形態は、効率の向上によって恩恵を受け得る。特に、
図4Dに示される実施形態は、より少ないコンポーネントを必要とし、各コンポーネントの吸収やその他の不完全性により、光のより少ない光学損失をもたらし得る。
【0067】
次に、
図5A-
図5Dを参照すると、多機能光学イメージングおよび照射の実施形態が示される。特に、多機能OIISの4つの実施形態が示され、マルチスペクトル、マルチズーム、偏光分解イメージングの概念が、単一システムに組み合わされる。まず、
図5Aを参照すると、マルチスペクトル、マルチズーム、および、偏光分解イメージングを同時に実行するように構成されたOIIS501aを有する、内視鏡カテーテル500aが示される。この実施形態は、
図2Bおよび
図4Aに示される実施形態の融合として見られ得る。この内視鏡カテーテル500aでは、ファイバ502は、2つのコア503a、503bを有し、両方のコアが、第1の波長と第2の波長(例えば、それぞれ1200nmと1300nm)を中心とする2つのスペクトルチャネルを搬送する。下方コア503aから結合出力された光線508aは、回折レンズ507aによってコリメートさせられ、回折レンズ507aに隣接する吸収性偏光子514aを通過することによって直線偏光となる(例えば、P
1偏光で偏光される)。吸収性偏光子は、ファイバ502の反対側で回折レンズ507aに対して積層されて示されるが、吸収性偏光子は、回折レンズ507aから離間され得、および/または、光路に沿って、回折レンズ507aの前または後に配置され得る。光線508aは、WSR504aに衝突し、そこで、光線508aの第1の部分(例えば、1200nmを中心とする第1のスペクトルチャネル)は、基板505に向かって反射させられる。光線508aの第1の部分は、回折格子506aによって回折させられ、その後、PSG512aによって、回折レンズ507cに向かって回折させられ、そこで、それらは、第1の焦点距離(例えば、1mmの焦点距離)で集束させられる。同様に、上方コアからの光線508bの第1の部分(例えば、1200nmを中心とする第1のスペクトルチャネル)は、回折レンズ507b、吸収偏光子514b、WSR504b、回折格子506b、PSG512a、および、回折レンズ507cとの相互作用の後、同じ第1の焦点に集束させられる。この光路は、光が、対象に、どのように収束されるであろうかを示し、対象によって散乱された光線は、また、OIIS501aを通って同じ経路を逆にたどり、画像処理のためにファイバに結合入力されるであろう。
【0068】
下方コア503aからの光線508aの第2の部分(例えば、1300nmの中心波長を有する第2のスペクトルチャネル)は、邪魔されずに、WSR504aおよび504bを通過する。光線508aのこの第2の部分は、WSR504cによって回折格子506cに向かって反射させられ、回折格子506cは、次に、光線を、PSG512bに向かって回折させる。PSG512bは、光線508aの第2の部分を回折レンズ507dに向けて回折させ、回折レンズ507dは、光を第2の焦点距離(例えば、0.5mmの焦点距離)に集束させる。同様に、上方コア503bからの光線508bの第2の部分(例えば、1300nmを中心とする波長を有する第2のスペクトルチャネル)は、妨げられることなくWSR504bを通過する。光線508bの第2の部分は、WSR504dに衝突し、そこで、それらは、基板505、および、基板505に配置された回折格子506dに向かって反射させられる。回折格子506dは、光線508bの第2の部分をPSG512bに向かって回折させ、PSG512bは、次に、光を回折レンズ507dに向かって回折させる。回折レンズ507dは、光を結合出力し、第2の焦点距離に集束させる。
【0069】
したがって、OIIS501aは、2つの異なる焦点距離で偏光分解イメージングを実行することができ、イメージングの焦点距離は、入力光のスペクトルチャネルの中心波長によって制御される。追加のファイバコア、回折レンズ、WSR、PSG、および、回折格子が、システムに順に追加され得、スペクトルチャネルの数と、関連する焦点距離を増加させる。
【0070】
図5Bは、単一の実施形態で、マルチスペクトル、マルチズーム、および、偏光分解イメージングを実行し得る、OIIS501bを有するシステム500bを示す。この実施形態は、
図2Bおよび
図4Bの実施形態に関して上述された概念を組み合わせる。OIIS501bは、OIIS501aと比較して、コンポーネント(すなわち、回折格子)を、2つ少なく有し、これは、軽減されたシステムの複雑さと、製造および組立に関連する低減されたコストをもたらし得る。システム500bは、第1のコア503aおよび第2のコア503bを有するファイバ502を含む。コア503aおよび503bは、それぞれ、2つのスペクトルチャネル(例えば、1100nmと1300nmを中心とする)を有する光を運び得る。第1のコア503aからの光は、回折レンズ507cを通過し、回折レンズ507cによってコリメートさせられる。吸収性偏光子514aは、通過する光が単一の偏光(例えば、P
1偏光)のみを有することを確実にする。光は、WSR504aに遭遇し、そこで第1の部分(例えば、P
1偏光、1100nmを中心とするスペクトルチャネル)が、基板505、および、基板505に配置された回折格子506aに向かって反射させられる。回折格子506aは、光線508aの第1の部分をPSG512aに向け、そこで、それは、再び、回折レンズ507aに向かって回折させられる。レンズ507aは、光を、第1の焦点距離(例えば、0.75mmの焦点距離)に集束させる。光線508aの第2の部分(例えば、P
1偏光、1300nmを中心とするスペクトルチャネル)は、邪魔されずにWSR504a、504bを通過し、WSR504cによって回折格子506bに向かって反射させられる。回折格子506bは、光線508aの第2の部分を、PSG512bに向け、そこで、それは、回折レンズ507bに回折させられる。レンズ507bは、第2の焦点距離(例えば、1mmの焦点距離)で光を集束させる。
【0071】
第2のコア503bからの光線508bは回折レンズ507dおよび偏光子514bを通過する。偏光子514bは、光線508bが第2の偏光(例えば、P2偏光)を有することをもたらす。回折レンズ507cおよび偏光子514aは、スペーサ515によって、回折レンズ507dおよび偏光子514bから分離される。光線508bの第1の部分(例えば、P2偏光、1100nmを中心とするスペクトルチャネル)は、WSR504bによって、PSG512aに向かって反射させられる。PSG512aは、光線508bのP2偏光させられた第1の部分が、そこを通って通過することを可能にし、そこで、それは、回折レンズ507aに衝突する。光は、第1焦点距離に集束させられる。光線508bの第2の部分(例えば、P2偏光、1300nmを中心とするスペクトルチャネル)は、WSR504bを通過し、WSR504dによって第2のPSG512bに向かって反射させられる。PSG512bは、光線508bのP2偏光された第2の部分が、回折レンズ507bに向かって、そこを通過することを可能にする。回折レンズ507bは、光線508bの第2の部分を、第2の焦点距離に集束させる。
【0072】
内視鏡カテーテル内のコンポーネントの数は、
図5Cに示される実施形態を使用してさらに減らされ得、ここで、OIIS501cは、OIIS501bと比較して2つ少ないWSRを含む。この実施形態は、
図2Bおよび
図4Cに示されるOIISの融合として理解され得る。回折レンズ507aおよび507b(
図5C)は、第1の波長(例えば、1100nm)および第2の波長(例えば、1300nm)を中心とするスペクトルチャネルで作動し、それぞれ、第1の焦点距離(例えば、0.5mmの焦点距離)、および、第2の焦点距離(例えば、1mmの焦点距離)で集束させられる光をもたらす。第1のファイバコア503aからの光線508aは、回折レンズ507cおよび偏光子514aを通って進み、そこで、それは、第1の偏光(例えば、P
1偏光)を備えて偏光させられる。光は、第1のWSR504aに衝突し、そこで、第1の部分(例えば、1100nmを中心とするスペクトルチャネル)が、基板505の回折格子506aに向かって反射させられる。回折格子506aは、光を第1のPSG512aに向けて回折させ、PSG512aは、P
1偏光させられた光を、第1の回折レンズ507aに向けて回折させるように構成される。光線508aの第1の部分は、第1の焦点距離で集束させられる。光線508aの第2の部分(例えば、1300nmを中心とするスペクトルチャネル)は、第1のWSR504aを通過し、第2のWSR504bによって、基板505の第2の回折格子506bに向かって反射させられる。回折格子506bは、光を第2のPSG512bに向けて回折させ、PSG512bは、P
1偏光させられた光を、第2の回折レンズ507bに向けて回折させるように構成される。回折レンズ507bは、光線508aの第2の部分を、第2の焦点距離に集束させる。
【0073】
第2のファイバコア503bからの光線508bは、回折レンズ507dおよび偏光子514bを通って進み、そこで、それらは、第1の偏光とは逆の第2の偏光(例えば、P2偏光)を備えて偏光させられる。光は、第1のWSR504aに衝突し、そこで第1の部分(例えば、1100nmを中心とするスペクトルチャネル)が、偏光P2を有する光を透過させるように構成されたPSG512aに向かって反射させられる。したがって、光線508bの第1の部分は、邪魔されることなくPSG512aを通過して回折レンズ507aに向かい、そこで、それは、第1の焦点距離で集束させられる。光線508bの第2の部分(例えば、1300nmを中心とするスペクトルチャネル)は、WSR504aを通過し、第2のWSG504bにより、第2のPSG512bに向かって反射させられる。PSG512bは、偏光P2を備える光を透過させるように構成され、したがって、光線508bの第2の部分は、回折レンズ507bに向かって、邪魔されずにPSG512bを通過する。レンズ507bは、光線508bの第2の部分を、第2の焦点に集束させる。環境(例えば、周囲の組織)から反射させられた光は、回折レンズ507a、507bを介してOIIS501cに入り、イメージングの目的で、上述された光路を通って逆に進む。
【0074】
ここで、
図5Dを参照すると、OIIS501dを有するカテーテルシステム500dが示される。OIIS501dは、
図2Bおよび
図4Eに関して上述された概念を組み合わせる。OIIS501d(
図5Dに示される)は、2つの異なる焦点距離(すなわち、1mmと0.4mmの焦点距離)を有する、2つのスペクトルチャネル(すなわち、1200nmおよび1300nmを中心とする)で、マルチスペクトル、マルチズーム、および、偏光分解イメージングを提供するように構成される。第1のファイバ502aから出る光線508aは、第1および第2のスペクトルチャネルを含み得る。光線508aは、回折レンズ507aおよび偏光子514aによって、それぞれ、コリメートさせられ、偏光させられる。光線508aは、すべてが第1の偏光(例えば、P
1偏光)を有し得る。光線508aは、第1のスペクトルチャネルを反射させ、第2のスペクトルチャネルを透過させるように構成された、WSR504aに遭遇する。したがって、第1のスペクトルチャネルは、第1の基板505cの第1の回折格子506aに向かって反射させられ、そこで、それは、第1の偏光(例えば、P
1偏光)を有する光を回折するように構成された、PSG512aに向かって、基板内で回折させられる。第1のスペクトルチャネルを有する光線508aは、それらが、環境に向かって第1の基板から出るときに、回折レンズ507bによって第1の焦点(例えば、1mm)に集束させられる。第2のスペクトルチャネルは、WSR504aを通り、第2のスペクトルチャネルで光を反射させるように構成された第2のWSR504bに向かって続く。したがって、第2のスペクトルチャネルでの光線は、第1の基板の第2の回折格子506bに向かって反射させられ、第2の回折格子506bは、第1の偏光(例えば、P
1偏光)を有する光を回折させるように構成された、第2のPSG512bに向かって光を回折させる。光は、回折レンズ507cに向かって回折させられ、そこで、それは、第1の基板を出た後、第2の焦点(例えば、0.4mm)に集束させられる。
【0075】
第2のファイバ502bを出た光線は、別個ではあるが同様の経路をたどる。第1および第2のスペクトルチャネルを中心とする光を含む、光線508bは、回折レンズ507dおよび偏光子514bを通過し、そこで、それらは、それぞれ、ほぼコリメートさせられ、第2の偏光(例えば、P2偏光)を備えて偏光させられる。第1のスペクトルチャネルでの光は、WSR504cによって反射させられ、そこで、それは、第2の基板505dの回折格子506cによって回折させられる。回折格子506cは、光を回折格子506eに向けて回折させ、回折格子506eは、光を、第2の基板505dから出てPSG512aに向かって回折させる。光線508bの第1のスペクトルチャネルは、第2の基板505dを出て、PSG512aに対して実質的に垂直に、PSG512aと整列して進み得る。この光はP2偏光させられているため、それは、PSG512aを通って回折レンズ507bに透過し、そこで、それは、光線508aの第1スペクトルチャネルとともに、第1の焦点に集束させられる。光線508bの第2のスペクトルチャネルは、WSR504cを通過し、そこで、それらは、光を第2のスペクトルチャネルで反射するように構成されたWSR504dによって反射させられる。光は、第2の基板505dの回折格子506dによって、第2の偏光P2を有する光を回折させる回折格子506fに向かって回折させられる。次に、光の第2のスペクトルチャネルは、第2の偏光P2を有する光を回折レンズ507cに向かって透過させるように構成された、PSG512bに対してほぼ垂直に、かつ、PSG512bと整列して、第2の基板を出て、そこで、それは、光線508aの第2のスペクトルチャネルとともに、第二の焦点距離で集束させられる。スペーサ515は、第1の基板505cと第2の基板との間に配置され、それらの組み立て、および、角度の位置合わせを容易にする。システム500dでは、第1の基板505cと第2の基板505dは実質的に平行である。
【0076】
先の実施形態で説明されたように、システム500dは、相反系であり、周囲環境(例えば、組織や器官)によって散乱または反射させられた光を捕捉するように構成される。反射光または散乱光は、回折レンズ507b、507cを通ってシステムOIIS501dに入り、上述の光路を逆に進む。したがって、第1および第2のスペクトル長で、第1の偏光P1を有する光は、第1のファイバ502aによって捕捉され、第1および第2のスペクトル長で第2の偏光P2を有する光は、第2のファイバ502bによって捕捉される。第1のファイバ502aでは、第1のスペクトルチャネルでの光は、第1の焦点距離で集束させられ、第2のスペクトルチャネルでの光は、第2の焦点距離で集束させられる。同様に、第2のファイバ502bでは、第1のスペクトルチャネルでの光は、第1の焦点距離で集束させられ、第2のスペクトルチャネルでの光は、第2の焦点距離で集束させられる。
【0077】
図6A-
図6Cは、光学イメージングおよび照射システム(OIIS)の焦点深度を拡張するように構成された3つの実施形態を示す。
【0078】
3次元医療用イメージングでは、診断および/または治療にとって、深度情報は、非常に重要である。一般に、OCTシステムでは、半径方向の解像度(たとえば、OIISの光軸に沿った管腔器官の組織内への深さ)は干渉法プロセスによって決定されるが、OIISの収集効率は、少なくとも部分的にはOIISの焦点深度に依存する。収集効率は、さまざまな深さでどれだけの信号(すなわち、組織によって散乱された光)が、OIISによって収集され、画像処理モジュールに送られて画像を形成し、分析を実行し得るかとして定義される。しかし、横断方向の解像度(たとえば、光軸に垂直な面でのイメージング解像度)と、その焦点深度の間にはトレードオフが存在する。たとえば、OIISのNAが増加すると、それは、光を、より小さなスポットに集束させ、横断方向のより高い解像度をもたらし得る。しかし、NAを増加させることは、一般に、焦点深度の減少をもたらす。高い横断方向解像度を維持しながら焦点深度を拡張するように構成された3つの実施形態が説明される。
【0079】
カテーテルシステム600aが
図6Aに示される。システム600aは、OIISの焦点深度を拡張するために、偏光選択的回折レンズ(PSDL)を使用するOIIS601aを含む。PSDLは偏光に応じて、光を異なって回折させ、例えば、第1の偏光を有する光は、第1の焦点に向かって回折させられ、一方、第2の偏光を有する光は、第1の焦点とは異なる、第2の焦点に向かって回折させられ得る。したがって、2つの異なる偏光を有する光で形成されるビームは、2つの異なる焦点距離に集束させられる、ビームの部分をもたらす。
【0080】
ファイバ602(簡略化のため、ファイバ602を保持するフェルールはここでは示されない)は、光源(図示せず)から2つのスペクトルチャネルを受け取り、第1のスペクトルチャネルは第1の波長(例えば、800nm)を中心とし、第2のスペクトルチャネルは、第2の波長(例えば、1300nm)を中心とする。第1および第2のスペクトルチャネルは、ファイバ602を出て回折レンズ607に向かう、図示された光線608に含まれる。いくつかの実施形態では、スペクトルチャネルのうちの1つ(例えば、第2のスペクトルチャネル)は、回折レンズ607によって、ほぼコリメートさせられ、一方、他のスペクトルチャネル(例えば、第1のスペクトルチャネル)は、よりコリメートされたビームに向けて成形されるが、コリメートされない。2つのスペクトルチャネルの間の光整形における違いは、回折レンズ607が一方のスペクトルチャネルをコリメートさせるように設計されるのに対し、他方のスペクトルチャネルでの光線は、色分散により回折レンズによって完全にコリメートさせられないために生じ得る。両方のスペクトルチャネルは、2つの直交偏光(たとえば、P1偏光とP2偏光)を包含する。第1のスペクトルチャネルを有する光線608は、第1のスペクトルチャネルを反射させ、第2のスペクトルチャネルを透過させるように設計された、WSR604aによって反射させられる。反射光線は、基板605の第1のPSDL616aに向かって進む。第1のPSDL616aは、偏光P1(実線で示される)を有する第1のスペクトルチャネルの一部を、第1の焦点距離(例えば、f1=1.2mm)で集束させるように構成され、また、偏光P2(点線で示される)を有する第1のスペクトルチャネルの一部を、第2の焦点距離(例えば、f2=0.8mm)で集束させるように構成される。第1および第2の焦点距離の両方で、同じスペクトルチャネルを中心とする光を集束させることは、スペクトルチャネルにおけるOIIS601aの焦点深度が拡張させる。撮像される対象によって散乱させられた光は、それが、第1または第2の焦点距離のいずれかの特定の距離(各焦点の焦点深度)内にある場合、OIIS601aによって、より効率的に捕捉され得る。焦点深度(DOF)は数1のように定義され得、ここで、nは媒質の屈折率、λは光の波長、NAは開口数である。
【0081】
【0082】
このDOF値は、画像が焦点にとどまる、光軸に沿った焦点付近の距離を決定する。2つの焦点距離を持つOIISでは、パラメータ(例えば、波長、開口数)の適切な設計により、各焦点の重なりのDOFを有することは有益であり得、その結果、OIISは、従来可能であるところを超える、拡張された焦点深度を有する。
【0083】
第2のスペクトルチャネルは、邪魔されずにWSR604aを通過し、第2のWSR604bによって第2のPSDL616bに向かって反射させられる。P1偏光を有する光線(破線で示される)は、第3の焦点距離(例えば、f3=0.5mm)で集束させられ、P2偏光を有する光線(一点鎖線で示される)は、第4の焦点距離(例えば、f4=0.3mm)で集束させられる。第1および第2の焦点距離に関して上述されたように、第3および第4の焦点距離の範囲内の収集光を使用可能にすることは、第2のスペクトルチャネルでのOIIS601aの焦点深度を拡張させる。
【0084】
OCTイメージングシステム、または、他のタイプのイメージングシステムでは、励起光(例えば、組織などの周囲環境に送出される光)は、非常に狭い帯域幅を有する単一の波長ではないことを意味する、かなりの帯域幅を有し得る。励起光は、調整可能な中心波長および/または調整可能な帯域幅を備えた、LED、掃引光源レーザ、VCSEL、スーパーコンティニューム光源、スーパールミネセントダイオード、その他のタイプの光源から発せられ得る。調整された色分散を備えた回折レンズを設計することにより、入力光の広帯域幅は、OIISシステムの焦点深度を拡張させるために使用され得る。各回折レンズの焦点距離は、数2に示されるように、波長の関数であると想定される。
【0085】
【0086】
式2において、fは焦点距離、Cは定数、λは波長、mは整数値である。ここで
図6Bを参照すると、カテーテルシステム600bは、上記の式2によって説明され得る、回折レンズの2つの例を示すOIIS601bを含む。第1の回折レンズ607aは、m=1(例えば通常の回折レンズ)で示され、第2の回折レンズ617は、m=3(例えば、超分散回折レンズ)で示される。この実施形態では、ファイバ602は、第1のスペクトルチャネル(例えば、1000nmを中心とする)と第2のスペクトルチャネル(例えば、1300nmを中心とする)を出力結合する。各チャネルは、半値全幅(FWHM)のスペクトル帯域幅を有する(例えば、各スペクトルチャネルは、200nmのFWHMを有し得る)。光線追跡シミュレーションでは、
図6Bに示されるもののように、簡単にするために、各光線は、単一の波長を有してモデル化され得る。第1、第2、第3、および、第4の波長を持つ4つの異なる光線が示される。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および、第4の波長は、それぞれ、約900nm(実線)、1100nm(点線)、1200nm(破線)、および、1400nm(一点鎖線)であり得る。すべての光線はファイバ602を出て、回折レンズ607bを通過し、そこで、それらは、ほぼコリメートさせられる。レンズ607bは、第1から第4の光線によってカバーされる波長の範囲内の1つの波長を有する光を完全にコリメートさせるように設計され得る。例えば、レンズ607bは、1300nmの波長を有する光を完全にコリメートさせるように設計され得る。設計された波長とは異なる波長を有する光線は、完全にコリメートさせられず、それらは、レンズ607bの後で、わずかに発散するか収束し得る。
【0087】
この例では、900nmおよび1100nmの波長を有する、第1および第2の光線は、WSR604aによって回折レンズ607aに向かって反射させられる。WSR604aは、基板605の上面に対して、ある角度(例えば、約45度)で配置され得、その結果、反射光線は、上面に対してほぼ垂直に基板に入射する。回折レンズ607aは、式2においてm=1である、通常の回折レンズである。したがって、レンズ607aは、第1および第2の光線を、それぞれ、第1および第2の焦点距離(例えば、f1=0.611mmおよびf2=0.5mm)で集束させ、それにより、第1および第2のスペクトルチャネルでのOIIS601bの焦点深度を拡張させる。第3および第4の光線(例えば、それぞれ、1200nmおよび1400nmの波長を有する光線)は、WSR604aを通過し、第2のWSR604bにより、超分散回折レンズ617に向かって反射させられる。この超分散回折レンズ617の焦点距離は、m=3である式2に従う。超分散回折レンズを使用すると、波長を変えることで、より大きな焦点距離のシフトが実現される。この効果は、光線追跡シミュレーションに示され、第3の光線は、第3の焦点距離(たとえば、波長1200nmで1.588mm)で集束させられ、第4の光線は、第4の焦点距離(たとえば、波長1400nmで1mm)で集束させられる。したがって、超分散回折レンズは、第3および第4のスペクトルチャネルにおけるOIIS601bの焦点深度をさらに拡張させるために使用され得る。
【0088】
ここで、
図6Cを参照すると、OIIS601cを有するカテーテルシステム600cは、光を集束させるためのアキシコンを利用することにより、焦点深度が拡張される実施形態を示す。OIIS601cでは、4つのアキシコン618a-618dが、J
0ベッセルビームを生成すると仮定されるが、異なる開口数(NA)を有する。システム600cでは、ファイバ602は、第1、第2、第3、および、第4の波長(例えば、それぞれ、1000nm、1100nm、1200nm、および、1300nm)を中心とする、4つのスペクトルチャネルを伝送する。これらのスペクトルチャネルは、回折レンズ607によって、コリメートさせられるか、または、ほぼコリメートさせられる。第1の波長を有する第1の光線は、WSR604aにより、基板605に向かって反射させられ、第1のアキシコン618aによって集束させられる。このアキシコンは、第1の波長(例えば、1000nmの波長)で設計され、第1の開口数(例えば、NA1=0.15)を有する。この比較的小さいNAは、
図6Cに示されるような比較的大きな(例えば、ミリメートルスケール)の焦点深度をもたらす。第2から第4の光線は、WSR604aを通過する。第2の光線は、第2のWSR604bによって反射させられ、第2のアキシコン618bによって集束させられる。いくつかの実施形態では、第2のアキシコン618bは、第1のNAよりも大きい第2のNA(例えば、NA2=0.25)を有する。NAを大きくすることにより、より小さな焦点が実現される。より小さい焦点スポットは、焦点深度の減少を犠牲にして、イメージングに対して、よりよい解像度を提供する。
【0089】
第3および第4の光線は、第2のWSR604aを、邪魔されずに通過する。第3の光線は、第3のWSR604cによって反射させられ、一方、第4の光線は、第3のWSR604cを通過し、第4のWSR604dによって反射させられる。それぞれ、第3の光線は、第3のNA(例えば、NA3=0.5)を有する、第3のアキシコン618cによって、および、第4の光線は、第4のNA(例えば、NA4=0.8)を有する、第4のアキシコン618dによって集束させられる。NAを増加させることで、焦点深度が減少させられ、解像度が増加させられる。全体として、OIIS601cの焦点深度は、集束させるために、1つ以上のアキシコンを利用することによって増加させられる。1つ以上の焦点深度は、入力信号のスペクトルチャネルを変更することにより、イメージングのために選択され得、したがって、OIIS601cは調整可能な焦点深度とNAを提供する。
【0090】
図7A-
図7Cは、焦点距離を再設定できる、光学イメージングおよび照射システムを備える実施形態を示す。前述の実施形態では、OIIS内のマルチズーム機能は、入力光の中心波長を変更することによって達成された。これは、調整可能な入力光源を使用して実現され得る。
図7A-
図7Cでは、OIIS実施形態の焦点距離が、光源の波長を変更する必要なく、液晶(LC)ベースのデバイスを利用して再構成され得る、実施形態が説明される。
【0091】
図7Aに示されるカテーテルシステム700aでは、OIIS701aは、第1の波長(例えば、800nmの中心波長)で設計される。ファイバ702から結合出力された光線708は、回折レンズ707dによってコリメートされる。吸収性偏光子714が、回折レンズ707dに隣接して積層され、光線708を直線偏光させる(例えば、P
1偏光を有するように)。入力偏光を調整することによって、LCG719a、719bの機能は、制御され得る。いくつかの実施形態では、所望に応じて、吸収性偏光子714の後に、1/4波長板、または、他のタイプの波長板(図示されず)が含まれ得、所望により、異なる偏光(例えば、P
2偏光)を生成する。偏光光線は、ミラー709によって、基板705に向かって反射させられる。基板は、少なくとも第1の表面705aに、反射防止コーティングを有し得、基板705に入射するときの反射損失を低減させる。光線708は、回折格子706aによって、第1の液晶格子(LCG)719aに向かって回折させられる(例えば、基板のTIR角より大きい回折角で)。各LCGの機能は、1つ以上の電気信号(図示されず)によって、独立して制御され得る。電気信号は、制御モジュールによって制御され得、手動または自動で制御され得る。オフ状態では、LCGは、光線708の波長に対して調整された格子として機能し得、光線708は、LCG719aによって回折させられる。オン状態では、LCG719aは、衝突する光線と相互作用せず、光線708は、基板705を通って引き続きTIRに留まる。
【0092】
最初に、オフ状態にあるLCG719aを有するシステム700aが説明される。光線708は、回折格子706aにより、オフであるLCG719aに向かって回折させられる。オフであるLCG719aは、光線708を回折レンズ707aに向かって回折させ、そこで、それらは、第1の焦点距離(例えば、0.5mmの焦点距離)で集束させられる。これは、LCG719aがオフの場合、光路の終端である。
【0093】
LCG719aがオンである第2のシナリオでは、光線708は、回折格子706aにより、LCG719aに向かって回折させられ、LCG719aと相互作用しない。その代わりに、光線708は、TIRにより、基板705の上面によって反射させられる。上面705aからの反射後、光線708は、第2のLCG719bに到達する。第2のLCG719bがオフであるとき、光線708は、回折レンズ707bに向かって回折させられ、そこで、それらは、第2の焦点距離(例えば、1.5mmの焦点距離)で集束させられる。これは、LCG719aがオンで、LCG719bがオフの場合、光路の終端である。
【0094】
第3のシナリオでは、LCG719aとLCG719bの両方がオンであり、したがって、光線は、第1および第2のLCG719a、719bのいずれとも相互作用しないであろう。光線708は、それらが、第2の回折格子706bに到達するまで、TIRにおいて基板705を通って伝播する。格子706bによって回折させられた後、光線708は、回折レンズ707cにより、第3の焦点距離(例えば、3mmの焦点距離)で集束させられる。
【0095】
LCGをオンおよびオフに切り替えることによって、OIIS701aは、所望の焦点距離で光が放射させられる(また、システムの相反性によって集光させられ得る)ように再構成され得る。いくつかの実施形態では、3つの別個の焦点距離(例えば、0.5mm、1mm、および、3mm)が、達成され得る。当業者は、達成可能な焦点距離の数は、他の適切なコンポーネント(例えば、選択された焦点距離を有するように設計された、回折格子および/または回折レンズ)とともに、それぞれ、より多くの、または、より少ないLCGをカスケード接続することにより、増大させられ、または、減少させられ得ることを理解するであろう。
【0096】
図7Bは、カテーテルシステム700bが、OIIS701b内に液晶半波長板(LCHWP)を含む、実施形態を示す。LCHWPは、再構成可能なマルチズームOIIS701bを実現するために使用される。システム700bでは、光線708は、中心波長(例えば、1100nm)を有するスペクトルチャネルを有する。ファイバを出た後、光線708は、光線708の波長に対して設計された、回折レンズ707eによってコリメートさせられる。コリメートさせられた光線は、吸収性偏光子714によって直線偏光させられる(例えば、P
1偏光を備える)。偏光させられた光線708は、第1のLCHWP720aと相互作用する。
【0097】
まず、第1のLCHWP720aがオフ状態にある、第1のシナリオ(実線で示される)に関して、光路が説明されるであろう。オフ状態にあるとき、LCHWP720aは半波長板(HWP)として機能し、入射する直線偏光光線を、直交状態(例えば、P2偏光)に変化させる。光線は、第1の偏光選択性反射体(PSR)713aと相互作用する。システム内のすべてのPSR(例えば、713a、713b、713c、713d)は、吸収性偏光子714と共偏光であり、これは、直線偏光させられた光線708が714を通過する場合、光線708は、また、PSRを通過することを意味する。この例では、吸収性偏光子714はP1偏光を備える光線を透過させ、PSRはP1偏光光線を透過させ、P2偏光光線を反射させる。オフ状態の第1のLCHWP720aを通過する光線708は、偏光を切り替える(例えば、P1偏光からP2偏光に切り替える)ため、光線は、PSR713aにより、基板705に配置された回折レンズ707aに向かって反射させられるであろう。レンズ707aは、光線708を、第1の焦点距離(例えば、0.25mmの焦点距離)に集束させる。
【0098】
第2のシナリオでは、第1のLCHWP720aは、オン状態にあり、第2のLCHWP720bは、オフ状態にある。この場合、720aを通過した後、光線708は、偏光を変えず(例えば、P1偏光のままである)、PSR713aを通過し、その後、それらは、第2のLCHWP720bに到達する。オフ状態では、LCHWP720bは、光線の偏光を切り替える(例えば、P1偏光からP2偏光へ)HWPとして機能する。したがって、OFF状態のLCHWP720bを通過する光線708は、PSR713bにより、回折レンズ707bに向かって反射させられ、そこで、それらは、第2の焦点距離(例えば、0.5mmの焦点距離)で集束させられる。同様に、第1および第2のLCHWP720a、720bをオンに調整し、LCHWP720cをオフに調整することによって、光線は回折レンズ707cに向けて再配向され、第3の焦点距離(例えば、0.75mmの焦点距離)で集束させられる。
【0099】
最後のシナリオは、最初の3つのLCHWP720a-720cがオン状態にあり、第4のLCHWP720dがオフ状態にある場合である。光線708の偏光は第4のLCHWP720dによって切り替えられ、光線708は、PSR713dにより、回折レンズ707dに向かって反射させられ、そこで、それらは、第4の焦点距離(例えば、1mmの焦点距離)で集束させられる。したがって、選択されたLCHWPをオンおよびオフに調整することにより、光線708は特定の回折レンズに向けられ得、それによって、光を、選択された焦点距離に集束させる。OIIS701bは、4つの離散値(たとえば、0.25mm、0.5mm、0.75mm、1mmの焦点距離)で光を集束させることができ、1つ以上のLCHWP、PSR、および、回折レンズを追加または削除することにより、より多くの、または、より少ない焦点距離が実現され得る。
【0100】
第4のLCHWP720dは、第4のPSR713dに対して、ある角度(例えば、約45度)で配置されて示され、一方、第1、第2、および、第3のLCHWP720a-cは、それぞれ、第1、第2、および、第3のPSR713a、713b、および、713cの角度と等しい角度で配置される。PSRに対するLCHWPの角度は、LCHWPの設計に応じて、同様の結果を達成する限り、調整され得る。代替の実施形態では、第4のLCHWP720dが除去され得、PSR713dは、PSR713d(例えば、一連の最後のPSR)が、吸収性偏光子714に対して交差偏光であるように、再配向され得る。結果として得られるOIISは、OIIS701bの機能と同様の機能を有するが、1つ少ないコンポーネントを備える。本明細書に開示される他の実施形態と同様に、この構成は、本明細書に記載される他の実施形態と組み合わされ得、偏光分解イメージングまたはマルチスペクトルイメージングなどの、さらなる機能を追加する。
【0101】
ここで、
図7Cを参照すると、4つの再構成可能な焦点距離を有するOIISが達成され得る、実施形態が示される。カテーテルシステム700cは、OIIS701cを含む。第1の波長(例えば、1300nmの波長)を有する光線708が、システム700cを通って伝播する、光線追跡シミュレーションが示される。これらの光線は、回折レンズ707によってコリメートさせられる。光線708が、第1の偏光(例えば、P
1偏光)で直線偏光させられることを確実にするために、吸収性偏光子714が、回折レンズ707の後に配置される。システム700cでは、PSR713aは、吸収性偏光子714に対して交差偏光位置に配向される。特に、PSR713aは、偏光子714と共偏光であるように設計され得、結果として得られるOIISは、OIIS701cと同様に作動する。したがって、コンポーネントの方向を変更したり、設計において、その他の小さな調整を加えたりすることによって、同様のシステム機能が実現され得、そのような変更および調整は、設計上の選択事項であり、本開示の範囲から逸脱するものではない。
【0102】
図7Cを参照すると、第1の光路が説明され、実線で示される。この第1のシナリオでは、LCHWP720aはオン状態にあり、それは、光線の偏光を変更しない(例えば、光線708はP
1偏光のままである)。第1のPSR713aは、偏光子714と交差偏光であり、したがって、光線708は、PSR713aにより、基板705のLCHWP720cに向かって反射させられる。LCHWP720cは、また、オン状態にあるため、それは、光線708の偏光を変化させない。結果として、光線708は、元の偏光状態(例えば、P
1偏光)を維持し、第1の焦点距離(例えば、f
1=0.25mm)で、偏光選択的回折レンズ(PSDL)716aによって集束させられるであろう。
【0103】
LCHWP720aの状態がオンのままで、LCHWP720cがオフに変えられた場合、光線708の偏光は、PSDL716aと相互作用する前に、LCHWP720cによって直交状態(例えば、P2偏光)に切り替えられるであろう。PSDLは、光の偏光に応じて、光を異なって集束させるため、PSDL716aは、第1の焦点距離とは異なる第2の焦点距離(例えば、f2=0.5mm)で、P2偏光光線708を集束させるであろう。PSDL716aは、それが、P1偏光光を、焦点距離f1で集束させ、P2偏光光を焦点距離f2で集束させるように設計される。P1およびP2は、任意に選択された2つの直交状態の直線偏向であるが、それらは、OIIS701cと同じ機能を備えるOIISを実現しながら、代替的に、円偏光または楕円偏光であり得る。
【0104】
第2のシナリオでは、LCHWP720aがオフに変えられ、それにより、入射光線708の偏光が直交状態(例えば、P2偏光)に切り替わることをもたらす。P2偏光光線708はPSR713aを通過し、PSR713bに到達するであろう。PSR713bは、PSR713aに対して交差偏光であるように配向され、したがって、PSR713bは、P2偏光光線をLCHWP720bに向かって反射させる。LCHWP720bがオンであるとき、それは、光線708の偏光を変化させない(例えば、光線708は、P2偏光を維持する)。PSDL716bは、これらの光線を、第3の焦点距離(たとえば、f3=0.75mm)で集束させるであろう。ただし、LCHWP720bがオフに変えられると、LCHWP720bは、衝突する光線の偏光を切り替えるであろう。したがって、LCHWP720bがオフである場合、光線708はP1偏光に切り替わり、PSDL716bは、第3の焦点距離とは異なる第4の焦点距離(例えば、f4=1mm)で、P1偏光光線708を集束させるであろう。したがって、システム内の各LCHWPのオン/オフ状態を適切に変更し、その焦点距離が入射光線の偏光に依存する偏光選択性回折レンズを利用することにより、LCHWPコンポーネントへの1つ以上の入力電気信号を使用する、再構成され得る焦点距離を有するOIISが実現される。
【0105】
再構成可能な焦点距離を備えたOIISは、深度イメージングに有利である。特に、調整可能な焦点距離は、関心の深度で最高の画像品質を得るために使用され得る。照射の場合、焦点距離は、組織アブレーションまたは他のレーザ外科用途などの、治療目的、または、他の用途に対して、組織の特定の深さでの光の最大強度を達成するように選択され得る。
【0106】
図8Aは、様々なコンポーネントを備える、異なる統合スキームを示す、OIIS801aの実施形態の分解図を示す。特に、
図8Aは、光学イメージングおよび照射システムに特別な機能を追加するために、人は、いかに、様々なコンポーネントの水平カスケードおよび/または垂直スタッキングを利用し得るかを示す。前述の実施形態で使用されるコンポーネントのほとんどは、基板805cおよび805d、WSG811、PSR813a-813b、吸収性偏光子814a-814c、スペーサ815、PSDL816、LCG819、LCHWP820、波長板(WP)821a-821b(例えば、半波長板および四分の一波長板)、カラーフィルタ822、薄膜823(例えば、ARコーティング)、回折素子824(例えば、ホログラム、ディフューザ、サブ波長回折格子)、および、角度選択表面826などの他の平面コンポーネントと、容易に統合/積み重ねされ得る平面形状を有する。また、これらのコンポーネントは、レンズ825などの屈折コンポーネントと一体化されるか、あるいは、組み合わせられ得る。この垂直統合能力は、本明細書で説明されるOIISの機能を有利に拡張し得る。例えば、液晶、偏光子、波長板を積み重ねることにより、人は、光の偏光を希望通りに制御/変更し得、および/または、不要な偏光を除去し得る。他のいくつかの例は、その波長に応じて、光の反射または透過を制御するために、薄膜823とカラーフィルタ822を積み重ねることである。反射損失を避けるため、薄膜が、基板表面、または、ファイバ端面などの他のさまざまなコンポーネントに、ARコーティングを形成するために使用され得る。
【0107】
イメージング/照射場面からフィードバックを受け取り得る、OIISプラットフォーム上のセンサ/検出器827の統合は、また、本明細書において企図される。センサの一例は、OIISからの、撮像される対象(臓器や組織など)の距離を測定し、それに応じて、その焦点距離やその他のパラメータを調整するための深度センサである。調整は、深度センサからの読み取り値に基づいて手動でなされ得、また、制御モジュール(図示されず)によって自動的に制御され得る。センサや電気的に作動されるLCベースのコンポーネントなど、OIIS内の1つ以上のコンポーネントへの様々な電路が、OIIS内の基板または他のコンポーネントに含まれ得る。明瞭化のために、これらの電路は、図示から省略される。
【0108】
OIIS801aまたは801bに含まれるコンポーネントは、
図8Bに示されるように、基板805と任意の角度を有し得る。例えば、コンポーネントのうちの1つまたは複数は、基板に対して角度θを有し得る。角度θは、30°、35°、45°、50°、55°、または、任意の値であり得る。
図8Bは、また、チューブ828によって囲まれたOIIS801bの例を示す。このチューブは任意の内径(ID)と外径(OD)を有し得る。それは、また、ガラス、プラスチック、ポリマー、または、その他の適切な材料で作製され得る。このチューブは光路内(たとえば、さまざまなOIISシステムのレンズと、撮像される組織または対象との間)にあり、レンズは、このチューブを通して、光を集束させるであろう。したがって、OIIS内のレンズやその他のコンポーネントを設計する際には、チューブの輪郭と材質が考慮され得る。
【0109】
図9において、ブロック図は、いくつかの実施形態に従って、本明細書に開示される方法を実施するための異なるモジュールを示す。
図9は、その一部はオプションであり得る、異なるモジュールおよびシステムの高レベルの概略図を示し、それらがどのように連携してイメージングおよび照射システム全体の性能を向上させ得るかを示す。イメージングおよび照射システムは、本明細書で前述されたような、1つまたは複数のOIIS実施形態を含み得る。
図9に示されるシステムでは、OIIS901は、光を対象に集束させ、および/または、対象からの散乱光を収集して画像を形成するように設計される。OIIS901は、伝送モジュール929を介して処理モジュール930から入力光を受け取る。伝送モジュールは、1つ以上のシングルモードファイバ、1つ以上のフォトニック結晶ファイバ、および/または、1つ以上のマルチモードファイバを含み得る。ファイバは、入力光を、光源(レーザ、LED、スーパーコンティニューム、掃引光源など)からOIISに伝送し、その後、処理モジュールへの逆伝送のために、OIISから画像情報を収集する。さらに、伝送モジュール929は、少なくとも1つの電線および/または少なくとも1つの無線送信機を含み得る。電線および/または無線送信機は、センサ(
図8Aにおけるセンサ/検出器827を参照)と処理モジュールとの間で、電気信号または電磁信号を送信するために使用され得る。処理モジュールは、画像処理目的のための、少なくとも1つの干渉アーム(光干渉断層イメージングの場合)、少なくとも1つの光検出器、少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つの画像センサ、少なくとも1つのファイバカプラ(例えば、50/50ファイバカプラ、30/70ファイバカプラ、20/80ファイバカプラ、10/90ファイバカプラ)、および/または、少なくとも1つの分光計を含み得る。処理モジュール内のこれらのコンポーネントは、すべて、画像を形成および分析し、それらを表示モジュール932に送るために集合的に使用され得る。使用者/人工知能(AT)モジュール933は、表示モジュールから画像情報を受け取り、その後、画像品質を向上させるために、処理モジュールまたはOIISにおけるどのパラメータが変更/調整される必要があるかを決定する。使用者および/またはAI933はデータを分析し、制御モジュール931,処理モジュール930、および伝送モジュール929を介して、必要な変更と調整を行う。
【0110】
前述の説明および図は、本発明のさまざまな実施形態を例示するものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。この発明のいくつかの例示的な実施形態が、具体的に説明されたが、当業者は、この開示の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、例示的な実施形態において多くの変更が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、多くの異なる実施形態が、上記の説明および図面から生じる。
【国際調査報告】