(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】磁石支援型縫合糸把持器
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
A61B17/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571221
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 US2022029631
(87)【国際公開番号】W WO2022245822
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505157979
【氏名又は名称】アプライド・メディカル・テクノロジー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス, グラント ウェズリー
(72)【発明者】
【氏名】ソーダー, スティーヴン アルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ピチャ, ジョージ ジェー.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB01
4C160BB30
(57)【要約】
磁気縫合糸を把持するための磁石支援型縫合糸把持器が提供される。磁石支援型縫合糸把持器は、縫合糸回収針、回収器本体、把持器アーム、および把持器磁石を含む。第1の方向における縫合糸回収針の針内腔内での回収器本体の並進は、把持器アームを第1の位置から第2の位置へ動かし、以て、把持器磁石を露出させ、把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にする。第1の方向とは反対の第2の方向における針内腔内での回収器本体の並進は、把持器アームを第2の位置から第1の位置へ動かし、以て、把持器磁石を隔離し、針内腔内で磁気縫合糸を把持する。ハンドル、柄、第1の把持器顎部および第2の把持器顎部、把持器磁石、ならびにアクチュエータ本体を含む別の磁石支援型縫合糸把持器も開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気縫合糸を把持するための磁石支援型縫合糸把持器であって、
(a)近位端、遠位端、およびそれらの間に延びる針本体を備える縫合糸回収針であって、前記針本体は、前記縫合糸回収針の前記近位端と前記遠位端との間の針本体軸を画定し、前記針本体は、前記針本体軸に沿って、近位孔、遠位孔、およびそれらの間に延びる針内腔を有する、縫合糸回収針、
(b)前記針内腔内に配設され、その中を前記針本体軸に沿って並進可能である回収器本体、
(c)近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える把持器アームであって、前記回収器本体の遠位端から延び、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能である、把持器アーム、ならびに
(d)前記把持器アームの前記近位~中間部分に隣接して配設される把持器磁石であって、前記磁石支援型縫合糸把持器は、前記把持器アームが前記第1の位置にあるとき前記把持器磁石を前記針内腔内に隔離し、前記把持器アームが前記第2の位置にあるとき前記把持器磁石を前記針内腔から露出させる、把持器磁石を備え、
前記把持器アームの前記遠位端は、前記把持器磁石よりもさらに遠位に延び、
前記針本体軸に沿った第1の方向における前記針内腔内での前記回収器本体の並進は、前記把持器アームを前記第1の位置から前記第2の位置へと動かし、以て、前記把持器磁石を露出させ、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にし、
前記針本体軸に沿った前記第1の方向とは反対の第2の方向における前記針内腔内での前記回収器本体の並進は、前記把持器アームを前記第2の位置から前記第1の位置へ動かし、以て、前記把持器磁石を隔離し、前記針内腔内で前記磁気縫合糸を把持する、磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項2】
前記縫合糸回収針は、真っすぐであり、前記針本体軸は、以て、真っすぐである、請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項3】
前記縫合糸回収針は、湾曲しており、前記針本体軸は、以て、湾曲している、請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項4】
前記縫合糸回収針は、鋭い先端を有する、請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項5】
前記把持器アームは、前記回収器本体と一体である、請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項6】
前記把持器磁石は、直接的または間接的のいずれかで、前記回収器本体の前記遠位端に固定して装着される、請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項7】
前記把持器磁石は、前記把持器アームの前記近位~中間部分において、直接的または間接的のいずれかで、前記把持器アームに固定して装着される、請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項8】
近位端および遠位端を有する磁石線をさらに備え、前記磁石線の前記近位端は、前記回収器本体内に固定して配設され、前記把持器磁石は、直接的または間接的のいずれかで、前記磁石線の前記遠位端に固定して装着される、請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項9】
前記把持器アームは、前記把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、
前記把持器アームは、前記針本体の前記遠位孔を通じた前記針内腔の内側から前記針内腔の外側への前記把持器アームの並進に基づいて、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、
前記把持器アームの前記遠位端における前記拡大した遠位終点は、前記把持器アームが前記第2の位置にあるとき、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸磁石との接触を可能にし、前記把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の縫合糸を通すことを可能にするために十分に小さく、かつ、前記把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の前記縫合糸磁石が前記針本体の前記遠位孔を通って前記針内腔を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する、請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項10】
前記拡大した遠位終点は、フックを備える、請求項9に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項11】
前記把持器アームは、第1の把持器アームであり、
前記磁石支援型縫合糸把持器は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器アームであって、前記回収器本体の前記遠位端から延び、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アームをさらに備え、
前記第1の把持器アームは、前記第1の把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、
前記第2の把持器アームは、前記第2の把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、
前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームは、前記針本体の前記遠位孔を通じた前記針内腔の内側から前記針内腔の外側への前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームの並進に基づいて、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、
前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームの前記拡大した遠位終点は、前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームが前記第2の位置にあるとき、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸磁石との接触を可能にし、前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の縫合糸を通すことを可能にするために十分に小さく、かつ、前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の前記縫合糸磁石が前記針本体の前記遠位孔を通って前記針内腔を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する、請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項12】
前記回収器本体から遠位に延びる少なくとも1つの追加の把持器アームをさらに備える、請求項11に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項13】
前記把持器アームは、第1の把持器アームであり、
前記磁石支援型縫合糸把持器は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器アームであって、前記回収器本体の前記遠位端から延び、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アームをさらに備え、
前記第1の把持器アームと前記第2の把持器アームとはそれらの遠位端において接続され、以て、把持器アームループを形成し、
前記把持器アームループは、前記針本体の前記遠位孔を通じた前記針内腔の内側から前記針内腔の外側への前記把持器アームループの並進に基づいて、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、
前記把持器アームループは、前記把持器アームループが前記第2の位置にあるとき、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸との接触を可能にするために十分に大きい領域を取り囲み、
前記把持器アームループは、前記把持器アームループが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の前記縫合糸磁石が前記針本体の前記遠位孔を通って前記針内腔を出るのを防害するために十分に大きい厚さを有する、請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項14】
前記把持器アームは、第1の把持器アームであり、
前記磁石支援型縫合糸把持器は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器アームであって、前記回収器本体の前記遠位端から延び、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アームをさらに備え、
前記第1の把持器アームと前記第2の把持器アームとはそれらの遠位端において接続され、以て、把持器アームループを形成し、
前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームは、前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、
前記把持器アームループは、前記針本体の前記遠位孔を通じた前記針内腔の内側から前記針内腔の外側への前記把持器アームループの並進に基づいて、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、
前記把持器アームループが前記第2の位置にあるとき、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸磁石との接触を可能にするために、前記把持器アームループは、十分に大きい領域を取り囲み、また前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームの前記遠位端における前記拡大した遠位終点は、十分に小さいサイズを有し、
前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームの前記遠位端における前記拡大した遠位終点は、前記把持器アームループが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の縫合糸を通すことを可能にするために十分に小さいサイズを有し、
前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームの前記遠位端における前記拡大した遠位終点は、前記把持器アームループが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の前記縫合糸磁石が前記針本体の前記遠位孔を通って前記針内腔を出るのを防害するために十分に大きいサイズを有する、請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項15】
前記把持器アームは、第1の把持器アームであり、
前記磁石支援型縫合糸把持器は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器アームであって、前記回収器本体の前記遠位端から延び、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アームをさらに備え、
前記第1の把持器アームは、前記第1の把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、
前記第2の把持器アームは、前記第2の把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、
前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームは、前記針本体の前記遠位孔を通じた前記針内腔の内側から前記針内腔の外側への前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームの並進に基づいて、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、
前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームの前記近位~中間部分は、前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記針本体軸に対して実質的に平行であり、
前記第1または第2の把持器アームのうちの少なくとも一方は、前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームが前記第2の位置にあるとき、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸磁石との接触を可能にするために前記針本体軸から外向きに十分に遠くへ可逆的に枢動し、
前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームの前記拡大した遠位終点は、前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の縫合糸を通すことを可能にするために十分に小さく、かつ、前記第1の把持器アームおよび前記第2の把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の前記縫合糸磁石が前記針本体の前記遠位孔を通って前記針内腔を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する、請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項16】
磁気縫合糸を通すためのシステムであって、
請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器と、
縫合糸磁石および前記縫合糸磁石から延びる縫合糸を備える磁気縫合糸と
を備える、システム。
【請求項17】
磁気縫合糸を通すためのシステムであって、
請求項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器と、
縫合糸磁石、および前記縫合糸磁石から延び、縫合糸ループを形成する二股縫合糸を備える、磁気縫合糸ループと
を備える、システム。
【請求項18】
カートリッジ管をさらに備え、
前記カートリッジ管は、カートリッジ管近位開口部、カートリッジ管遠位開口部、およびそれらの間のカートリッジ管内腔を備え、
前記縫合糸ループは、前記カートリッジ管遠位開口部を通じて挿入されていることに基づいて、前記カートリッジ管内腔を横断し、
前記縫合糸磁石は、前記カートリッジ管遠位開口部に隣接して前記カートリッジ管内腔の外側に配設される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
磁気縫合糸を把持するための磁石支援型縫合糸把持器であって、
(a)ハンドル、
(b)近位端、遠位端、およびそれらの間に延びる柄本体を備える柄であって、前記柄は、前記柄の前記近位端に隣接する前記ハンドルに接続され、前記柄本体は、柄本体軸を画定し、前記柄に沿って延びる柄内腔を含む、柄、
(c)近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第1の把持器顎部であって、前記柄の前記遠位端に隣接して前記柄から延び、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第1の把持器顎部、
(d)近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器顎部であって、前記柄の前記遠位端に隣接して前記柄から延びる、第2の把持器顎部、
(e)前記第1の把持器顎部の前記近位~中間部分に隣接して配設される把持器磁石であって、前記磁石支援型縫合糸把持器は、前記第1の把持器顎部が前記第1の位置にあるとき、前記把持器磁石を、前記第1の把持器顎部または前記第2の把持器顎部のうちの少なくとも一方に形成される凹部内に、前記第1の把持器顎部と前記第2の把持器顎部との間に隔離し、前記第1の把持器顎部が前記第2の位置にあるとき、前記把持器磁石を前記凹部から露出させる、把持器磁石、ならびに
(f)前記柄内腔内に配設され、その中を前記柄本体軸に沿って並進可能であるアクチュエータ本体であって、前記ハンドルおよび前記第1の把持器顎部に接続され、前記ハンドルの運動による前記第1の把持器顎部の枢動作動のために構成される、アクチュエータ本体を備え、
前記第1の把持器顎部および前記第2の把持器顎部の前記遠位端は、前記把持器磁石よりもさらに遠位に延び、
前記柄本体軸に沿った第1の方向における前記柄内腔内での前記アクチュエータ本体の並進は、前記第1の把持器顎部を前記第1の位置から前記第2の位置へと枢動させ、以て、前記把持器磁石を露出させ、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にし、
前記柄本体軸に沿った前記第1の方向とは反対の第2の方向における前記柄内腔内での前記アクチュエータ本体の並進は、前記第1の把持器顎部を前記第2の位置から前記第1の位置へと枢動させ、以て、前記把持器磁石を隔離し、前記凹部内で前記磁気縫合糸を把持する、磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項20】
前記第1の把持器顎部は、前記柄本体軸に対して前記第1の把持器顎部の前記近位端から前記第1の把持器顎部の前記遠位端まで真っすぐである、請求項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項21】
前記第1の把持器顎部は、前記柄本体軸に対して前記第1の把持器顎部の前記近位端から前記第1の把持器顎部の前記遠位端まで湾曲している、請求項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項22】
前記第1の把持器顎部は、第1の把持器顎部軸を画定し、前記第1の把持器顎部の前記近位~中間部分は、前記凹部の少なくとも一部を画定する前記第1の把持器顎部軸に沿った凹んだ部分を備える、請求項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項23】
前記第2の把持器顎部は、第2の把持器顎部軸を画定し、前記第2の把持器顎部の前記近位~中間部分は、前記凹部の少なくとも一部を画定する前記第2の把持器顎部軸に沿った凹んだ部分を備える、請求項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項24】
前記第1の把持器顎部は、第1の把持器顎部軸を画定し、前記第2の把持器顎部は、第2の把持器顎部軸を画定し、前記第1の把持器顎部および前記第2の把持器顎部の前記近位~中間部分は、前記凹部を画定する、それぞれ前記第1の把持器顎部軸および前記第2の把持器顎部軸に沿った凹んだ部分を備える、請求項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項25】
前記把持器磁石は、前記第1の把持器顎部の前記近位~中間部分に固定して装着される、請求項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項26】
前記把持器磁石は、前記第2の把持器顎部の前記近位~中間部分に固定して装着される、請求項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項27】
前記把持器磁石は、前記第1の把持器顎部および前記第2の把持器顎部の前記近位~中間部分の間の前記柄に固定して装着される、請求項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項28】
前記第2の把持器顎部は、可逆的に移動可能であり、
前記アクチュエータ本体は、前記第2の把持器顎部にさらに接続され、前記ハンドルの運動による前記第2の把持器顎部の前記枢動作動のために構成され、
前記第1の方向における前記柄内腔内での前記アクチュエータ本体の並進は、前記第2の把持器顎部を前記第1の把持器顎部から離れる方へ枢動させ、以て、前記把持器磁石をさらに露出させ、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にし、
前記第2の方向における前記柄内腔内での前記アクチュエータ本体の並進は、前記第2の把持器顎部を前記第1の把持器顎部の方へ枢動させ、以て、前記把持器磁石を隔離することに貢献し、前記凹部内で前記磁気縫合糸を把持する、請求項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項29】
前記第1の把持器顎部および前記第2の把持器顎部の前記遠位端は、鋭い先端を有する、請求項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【請求項30】
磁気縫合糸を通すためのシステムであって、
請求項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器と、
縫合糸磁石、および前記縫合糸磁石から延びる縫合糸を備える、磁気縫合糸と
を備える、システム。
【請求項31】
磁気縫合糸を通すためのシステムであって、
請求項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器と、
縫合糸磁石、および前記縫合糸磁石から延び縫合糸ループを形成する二股縫合糸を備える、磁気縫合糸ループと
を備える、システム。
【請求項32】
カートリッジ管をさらに備え、
前記カートリッジ管は、カートリッジ管近位開口部、カートリッジ管遠位開口部、およびそれらの間のカートリッジ管内腔を備え、
前記縫合糸ループは、前記カートリッジ管遠位開口部を通じて挿入されていることに基づいて、前記カートリッジ管内腔を横断し、
前記縫合糸磁石は、前記カートリッジ管遠位開口部に隣接して前記カートリッジ管内腔の外側に配設される、請求項31に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気縫合糸を把持するための磁石支援型縫合糸把持器に関し、より詳細には、縫合糸回収針、回収器本体、把持器アーム、および把持器磁石を備える、磁気縫合糸を把持するための磁石支援型縫合糸把持器、ならびに、ハンドル、柄、第1の把持器顎部および第2の把持器顎部、把持器磁石、およびアクチュエータ本体を備える、磁気縫合糸を把持するための磁石支援型縫合糸把持器に関する。
【背景技術】
【0002】
縫合糸通しは、多くの外科手術において必要とされる。縫合糸通し器具は、何らかの身体組織を通じた縫合糸の送達および/または回収の手段を提供する手術器具である。通す縫合糸を固定するために機械的ソリューションを利用する多くの既存の器具が市場には存在する。
【0003】
リスクの低減、より早い回復時間、および概してより良好な美容術が理由で、ますます低侵襲技術が、観血手術において用いられている。低侵襲技術は、典型的には、患者の既存の開口部(例えば、内視鏡、結腸鏡などにより)、または患者の人工的に作成された開口部(例えば、腹腔鏡、関節鏡などにより)を通じて挿入され得るスコープおよび専用ツールを利用して、標的とした体内作業空間へのアクセスを得る。
【0004】
スコープを通じた手術器具の間接的可視化を伴う作業は、回収のための縫合糸通し器具の使用に著しい技術的課題を提示する。典型的な縫合糸通し器具を使用して縫合糸を回収することは、縫合糸の周りに縫合糸通し器具の1つまたは複数の把持要素を位置付けるために縫合糸通し器具の精密な位置付けおよび注意深い操作を必要とする。縫合糸通し器具は、把持要素が縫合糸の周囲で閉じられ、縫合糸を捕捉し、縫合糸が回収され得るようにそれをしっかりと保持している間は、適所に比較的一定して保持されなければならない。この様式での熟練した操作は、大半のスコープが単一のカメラを採用し、縫合糸通し器具操作者に二次元画像を提示し、故に立体的な結像を提供しないということによって阻まれる。立体的な結像がないことは、操作者の深さを認識する能力を阻み、このことが、把持要素を縫合糸の周りに正確に位置付けることと関連した難易度を増大させる。三次元結像システムは存在するが、それらは高価であり、今日に至るまで実地では依然として比較的まれである。
【0005】
大半の既存の縫合糸通し器具設計は、マルチアーム設計を利用しており、2つ以上のアームが開かれ、縫合糸の周りに運ばれ、次いで縫合糸の周りで閉じられて縫合糸を捕捉する。アームは、別々であってもよく、縫合糸を把持するために顎部を有するハサミスタイルの把持器を作成するか、またはアームは、接続されてもよく、縫合糸が通され得る目を形成するスネア型の把持器を形成する。
【0006】
残念ながら、アーム設計にかかわらず、これらのデバイスは、縫合糸の周りに把持器の顎部を持ってくるため、または縫合糸が捕捉され得る前にスネアの目に縫合糸を通すために、精密な位置付けを必要とする。述べたように、これは、間接的視覚化のためのカメラシステムが典型的には非立体的であることから、間接的視覚化の下では困難である。三次元画像なしでは、外科医は、機器の位置および深さを判断するために視覚的手掛かりに依拠しなければならず、これが、機器を適切に位置付けることを困難にする。機器が適所に置かれると、外科医は、次いで、把持器を縫合糸の周りに近づけることを試みる間、機器および縫合糸を極めて安定して保持する必要がある。機器の長さによって作り出される長いモーメントアームは、かなり小さい運動さえも大きくし、その結果として、小さい運動が、2つの構成要素の配列をずらし得る。縫合糸を把持する試みの失敗は、手技時間を延長し、手術室内のフラストレーションへとつながり得る。
【0007】
これらの困難を解決することが意図される磁気Uステッチ縫合デバイスが、米国特許第10,245,021号に開示されている。磁気Uステッチ縫合デバイスは、同時に1つまたは複数の縫合糸、および回収プローブが、患者の、腹腔など、腔内へ前進されることを可能にする2つの皮下注射針で作製される。1つまたは複数の縫合糸は、磁気縫合糸であり得、各々が、米国公開第2021/0059667号に説明されるような縫合糸磁石を含む。縫合糸および回収プローブの両方が、それらの先端に反対極性の磁石を備える。故に、縫合糸および回収プローブが腹腔の内側に置かれた後、縫合糸および回収プローブは、嵌合し得、縫合糸は、磁力を使用して1つの皮下注射針から他の皮下注射針へと移動され得る。その際に、縫合糸は、胃を通るループを形成する。除去されると、患者の身体の外側に位置付けられる2つの端を有するこのループは、胃壁を患者の身体の表面の近くへ引っ張るためにきつく引っ張られ得る。胃壁が患者の身体の表面の近くにある状態では、胃瘻デバイスを挿入することがより容易である。
【0008】
残念ながら、開存している鞘状突起の高位結紮を通じた鼠径ヘルニア術など、特定の手技は、磁気Uステッチ縫合デバイスの2つの皮下注射針の前進を同時に可能にするには十分に大きくない空間、例えば、腹膜腔内の縫合糸の通過を必要とする。
【0009】
磁石を含む他の縫合糸機器および/または縫合糸が開示されている。例えば、米国特許第10,299,786号は、皮下組織に1つまたは複数の縫合糸を通すための小ゲージ針を利用する縫合糸挿入デバイスを開示する。縫合糸挿入デバイスは、横配列にある磁気誘引ストランドに接触するための磁気捕捉機構を含み得る。米国特許第6,719,765号および米国特許第9,770,238号は、磁力を用いて組織に医療器具を通すための機器を開示する。米国特許第8,702,753号および米国公開第2008/0243148号は、磁気アンカーが装着される縫合糸を開示する。米国公開第2020/0360017号は、縫合糸が針と移送管との間に自動的に通され得る縫合装置を開示する。この縫合装置は、縫合糸に係合し、これをシステムから解放するために、電磁コイルを含み得る。米国公開第2020/0214695号は、磁性であるがために互いと係合し得る鉗子アームおよび縫合糸を含む縫合システムを開示する。米国公開第2022/0104802号は、端から延びる磁気管を有するロッド、および管内へ引き付けられてそれと磁気的に係合する端を有する磁気針を含む縫合システムを開示する。米国公開第2021/0059667号は、結び目付きの縫合糸が提供され、接着剤で固定される先細領域、および磁石が提供される直線領域を伴うフェルールを有する磁気縫合糸を開示する。
【0010】
間接的な非立体可視化の下で縫合糸を捕捉および回収することと関連付けられた技術的困難を低減する改善された縫合糸通し器具が必要とされる。
【発明の概要】
【0011】
磁気縫合糸を把持するための磁石支援型縫合糸把持器が開示される。磁石支援型縫合糸把持器は、(a)近位端、遠位端、およびそれらの間に延びる針本体を備える縫合糸回収針であって、針本体は、縫合糸回収針の近位端と遠位端との間の針本体軸を画定し、針本体は、針本体軸に沿って、近位孔、遠位孔、およびそれらの間に延びる針内腔を有する、縫合糸回収針、(b)針内腔内に配設され、その中を針本体軸に沿って並進可能である回収器本体、(c)近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える把持器アームであって、回収器本体の遠位端から延び、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能である、把持器アーム、ならびに(d)把持器アームの近位~中間部分に隣接して配設される把持器磁石であって、磁石支援型縫合糸把持器は、把持器アームが第1の位置にあるとき把持器磁石を針内腔内に隔離し、把持器アームが第2の位置にあるとき把持器磁石を針内腔から露出させる、把持器磁石を備える。把持器アームの遠位端は、把持器磁石よりもさらに遠位に延びる。針本体軸に沿った第1の方向における針内腔内での回収器本体の並進は、把持器アームを第1の位置から第2の位置へと動かし、以て、把持器磁石を露出させ、把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にする。針本体軸に沿った第1の方向とは反対の第2の方向における針内腔内での回収器本体の並進は、把持器アームを第2の位置から第1の位置へ動かし、以て、把持器磁石を隔離し、針内腔内で磁気縫合糸を把持する。
【0012】
いくつかの実施形態において、縫合糸回収針は、真っすぐであり、針本体軸は、以て、真っすぐである。
【0013】
いくつかの実施形態において、縫合糸回収針は、湾曲しており、針本体軸は、以て、湾曲している。
【0014】
いくつかの実施形態において、縫合糸回収針は、鋭い先端を有する。
【0015】
いくつかの実施形態において、把持器アームは、回収器本体と一体である。
【0016】
いくつかの実施形態において、把持器磁石は、直接的または間接的のいずれかで、回収器本体の遠位端に固定して装着される。
【0017】
いくつかの実施形態において、把持器磁石は、把持器アームの近位~中間部分において、直接的または間接的のいずれかで、把持器アームに固定して装着される。また、いくつかの実施形態において、
【0018】
いくつかの実施形態において、磁石支援型縫合糸把持器は、近位端および遠位端を有する磁石線をさらに備え、磁石線の近位端は、回収器本体内に固定して配設され、把持器磁石は、直接的または間接的のいずれかで、磁石線の遠位端に固定して装着される。
【0019】
いくつかの実施形態において、把持器アームは、把持器アームの遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、把持器アームは、針本体の遠位孔を通じた針内腔の内側から針内腔の外側への把持器アームの並進に基づいて、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、把持器アームの遠位端における拡大した遠位終点は、把持器アームが第2の位置にあるとき、把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸磁石との接触を可能にし、把持器アームが第1の位置にあるとき、磁気縫合糸の縫合糸を通すことを可能にするために十分に小さく、かつ、把持器アームが第1の位置にあるとき、磁気縫合糸の縫合糸磁石が針本体の遠位孔を通って針内腔を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、拡大した遠位終点は、フックを備える。
【0020】
いくつかの実施形態において、把持器アームは、第1の把持器アームであり、磁石支援型縫合糸把持器は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器アームであって、回収器本体の遠位端から延び、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アームをさらに備え、第1の把持器アームは、第1の把持器アームの遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、第2の把持器アームは、第2の把持器アームの遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームは、針本体の遠位孔を通じた針内腔の内側から針内腔の外側への第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの並進に基づいて、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの拡大した遠位終点は、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが第2の位置にあるとき、把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸磁石との接触を可能にし、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが第1の位置にあるとき、磁気縫合糸の縫合糸を通すことを可能にするために十分に小さく、かつ、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが第1の位置にあるとき、磁気縫合糸の縫合糸磁石が針本体の遠位孔を通って針内腔を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、磁石支援型縫合糸把持器は、回収器本体から遠位に延びる少なくとも1つの追加の把持器アームをさらに備える。
【0021】
いくつかの実施形態において、把持器アームは、第1の把持器アームであり、磁石支援型縫合糸把持器は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器アームであって、回収器本体の遠位端から延び、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アームをさらに備え、第1の把持器アームと第2の把持器アームとはそれらの遠位端において接続され、以て、把持器アームループを形成し、把持器アームループは、針本体の遠位孔を通じた針内腔の内側から針内腔の外側への把持器アームループの並進に基づいて、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、把持器アームループは、把持器アームループが第2の位置にあるとき、把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸との接触を可能にするために十分に大きい領域を取り囲み、把持器アームループは、把持器アームループが第1の位置にあるとき、磁気縫合糸の縫合糸磁石が針本体の遠位孔を通って針内腔を出るのを妨害するために十分に大きい厚さを有する。
【0022】
いくつかの実施形態において、把持器アームは、第1の把持器アームであり、磁石支援型縫合糸把持器は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器アームであって、回収器本体の遠位端から延び、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アームをさらに備え、第1の把持器アームと第2の把持器アームとはそれらの遠位端において接続され、以て、把持器アームループを形成し、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームは、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、把持器アームループは、針本体の遠位孔を通じた針内腔の内側から針内腔の外側への把持器アームループの並進に基づいて、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、把持器アームループが第2の位置にあるとき、把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸磁石との接触を可能にするために、把持器アームループは、十分に大きい領域を取り囲み、また第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの遠位端における拡大した遠位終点は、十分に小さいサイズを有し、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの遠位端における拡大した遠位終点は、把持器アームループが第1の位置にあるとき、磁気縫合糸の縫合糸を通すことを可能にするために十分に小さいサイズを有し、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの遠位端における拡大した遠位終点は、把持器アームループが第1の位置にあるとき、磁気縫合糸の縫合糸磁石が縫合糸回収針の遠位孔を通って針内腔を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する。
【0023】
いくつかの実施形態において、把持器アームは、第1の把持器アームであり、磁石支援型縫合糸把持器は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器アームであって、回収器本体の遠位端から延び、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アームをさらに備え、第1の把持器アームは、第1の把持器アームの遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、第2の把持器アームは、第2の把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームは、針本体の遠位孔を通じた針内腔の内側から針内腔の外側への第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの並進に基づいて、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの近位~中間部分は、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが第1の位置にあるとき、針本体軸に対して実質的に平行であり、第1または第2の把持器アームのうちの少なくとも一方は、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが第2の位置にあるとき、把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸磁石との接触を可能にするために針本体軸から外向きに十分に遠くへ可逆的に枢動し、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの拡大した遠位終点は、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが第1の位置にあるとき、磁気縫合糸の縫合糸を通すことを可能にするために十分に小さく、かつ、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが第1の位置にあるとき、磁気縫合糸の縫合糸磁石が針本体の遠位孔を通って針内腔を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する。
【0024】
磁気縫合糸を通すためのシステムも開示される。本システムは、上に説明されるように(a)縫合糸回収針、(b)回収器本体、(c)把持器アーム、および(d)把持器磁石を備える磁石支援型縫合糸把持器を備える。本システムはまた、縫合糸磁石、および縫合糸磁石から延びる縫合糸を備える、磁気縫合糸を備える。
【0025】
磁気縫合糸を通すための別のシステムも開示される。本システムは、上に説明されるように(a)縫合糸回収針、(b)回収器本体、(c)把持器アーム、および(d)把持器磁石を備える磁石支援型縫合糸把持器を備える。本システムはまた、縫合糸磁石、および縫合糸磁石から延び縫合糸ループを形成する二股縫合糸を備える、磁気縫合糸ループを備える。いくつかの実施形態において、本システムは、カートリッジ管をさらに備え、カートリッジ管は、カートリッジ管近位開口部、カートリッジ管遠位開口部、およびそれらの間のカートリッジ管内腔を備え、縫合糸ループは、カートリッジ管遠位開口部を通じて挿入されていることに基づいて、カートリッジ管内腔を横断し、縫合糸磁石は、カートリッジ管遠位開口部に隣接してカートリッジ管内腔の外側に配設される。
【0026】
磁気縫合糸を把持するための別の磁石支援型縫合糸把持器も開示される。磁石支援型縫合糸把持器は、(a)ハンドル、(b)近位端、遠位端、およびそれらの間に延びる柄本体を備える柄であって、柄は、柄の近位端に隣接するハンドルに接続され、柄本体は、柄本体軸を画定し、柄に沿って延びる柄内腔を含む、柄、(c)近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第1の把持器顎部であって、柄の遠位端に隣接して柄から延び、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第1の把持器顎部、(d)近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器顎部であって、柄の遠位端に隣接して柄から延びる、第2の把持器顎部、(e)第1の把持器顎部の近位~中間部分に隣接して配設される把持器磁石であって、磁石支援型縫合糸把持器は、第1の把持器顎部が第1の位置にあるとき、把持器磁石を、第1の把持器顎部または第2の把持器顎部のうちの少なくとも一方に形成される凹部内に、第1の把持器顎部と第2の把持器顎部との間に隔離し、第1の把持器顎部が第2の位置にあるとき、把持器磁石を凹部から露出させる、把持器磁石、ならびに(f)柄内腔内に配設され、その中を柄本体軸に沿って並進可能であるアクチュエータ本体であって、ハンドルおよび第1の把持器顎部に接続され、ハンドルの運動による第1の把持器顎部の枢動作動のために構成される、アクチュエータ本体を備える。第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の遠位端は、把持器磁石よりもさらに遠位に延びる。柄本体軸に沿った第1の方向における柄内腔内でのアクチュエータ本体の並進は、第1の把持器顎部を第1の位置から第2の位置へと枢動させ、以て、把持器磁石を露出させ、把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にする。柄本体軸に沿った第1の方向とは反対の第2の方向における柄内腔内でのアクチュエータ本体の並進は、第1の把持器顎部を第2の位置から第1の位置へと枢動させ、以て、把持器磁石を隔離し、凹部内で磁気縫合糸を把持する。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1の把持器顎部は、柄本体軸に対して第1の把持器顎部の近位端から第1の把持器顎部の遠位端まで真っすぐである。
【0028】
いくつかの実施形態において、第1の把持器顎部は、柄本体軸に対して第1の把持器顎部の近位端から第1の把持器顎部の遠位端まで湾曲している。
【0029】
いくつかの実施形態において、第1の把持器顎部は、第1の把持器顎部軸を画定し、第1の把持器顎部の近位~中間部分は、凹部の少なくとも一部を画定する第1の把持器顎部軸に沿った凹んだ部分を備える。
【0030】
いくつかの実施形態において、第2の把持器顎部は、第2の把持器顎部軸を画定し、第2の把持器顎部の近位~中間部分は、凹部の少なくとも一部を画定する第2の把持器顎部軸に沿った凹んだ部分を備える。
【0031】
いくつかの実施形態において、第1の把持器顎部は、第1の把持器顎部軸を画定し、第2の把持器顎部は、第2の把持器顎部軸を画定し、第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の近位~中間部分は、凹部を画定する、それぞれ第1の把持器顎部軸および第2の把持器顎部軸に沿った凹んだ部分を備える。
【0032】
いくつかの実施形態において、把持器磁石は、第1の把持器顎部の近位~中間部分に固定して装着される。
【0033】
いくつかの実施形態において、把持器磁石は、第2の把持器顎部の近位~中間部分に固定して装着される。
【0034】
いくつかの実施形態において、把持器磁石は、第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の近位~中間部分の間の柄に固定して装着される。
【0035】
いくつかの実施形態において、第2の把持器顎部は、可逆的に移動可能であり、アクチュエータ本体は、第2の把持器顎部にさらに接続され、ハンドルの運動による第2の把持器顎部の枢動作動のために構成され、第1の方向における柄内腔内でのアクチュエータ本体の並進は、第2の把持器顎部を第1の把持器顎部から離れる方へ枢動させ、以て、把持器磁石をさらに露出させ、把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にし、第2の方向における柄内腔内でのアクチュエータ本体の並進は、第2の把持器顎部を第1の把持器顎部の方へ枢動させ、以て、把持器磁石を隔離することに貢献し、凹部内で磁気縫合糸を把持する。
【0036】
いくつかの実施形態において、第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の遠位端は、鋭い先端を有する。
【0037】
磁気縫合糸を通すための別のシステムも開示される。本システムは、上に説明されるように(a)ハンドル、(b)柄、(c)第1の把持器顎部、(d)第2の把持器顎部、(e)把持器磁石、および(f)アクチュエータ本体を備える磁石支援型縫合糸把持器を備える。本システムはまた、縫合糸磁石、および縫合糸磁石から延びる縫合糸を備える、磁気縫合糸を備える。
【0038】
磁気縫合糸を通すための別のシステムも開示される。本システムは、上に説明されるように(a)ハンドル、(b)柄、(c)第1の把持器顎部、(d)第2の把持器顎部、(e)把持器磁石、および(f)アクチュエータ本体を備える磁石支援型縫合糸把持器を備える。本システムはまた、縫合糸磁石、および縫合糸磁石から延び縫合糸ループを形成する二股縫合糸を備える、磁気縫合糸ループを備える。
【0039】
いくつかの実施形態において、本システムは、カートリッジ管をさらに備え、カートリッジ管は、カートリッジ管近位開口部、カートリッジ管遠位開口部、およびそれらの間のカートリッジ管内腔を備え、縫合糸ループは、カートリッジ管遠位開口部を通じて挿入されていることに基づいて、カートリッジ管内腔を横断し、縫合糸磁石は、カートリッジ管遠位開口部に隣接してカートリッジ管内腔の外側に配設される。
【0040】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の発明を実施するための形態が、以下に続く添付の図面を参照して読まれるときにより良好に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本明細書に開示されるような第1の磁石支援型縫合糸把持器の側面図である。磁石支援型縫合糸把持器が、縫合糸回収針、回収器本体、把持器アーム、および把持器磁石を備える。把持器アームが、本明細書に論じられるように、把持器磁石を露出し、把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にする、第2の位置と呼ばれる位置にある。把持器磁石が、回収器本体に直接的に装着される。
【
図2】把持器アームが第2の位置にある、
図1の磁石支援型縫合糸把持器の断面図である。
【
図3】把持器アームが第2の位置にある、
図1の磁石支援型縫合糸把持器の正面図である。
【
図4】
図1の磁石支援型縫合糸把持器の背面図である。
【
図5】把持器アームが第2の位置にある、縫合糸回収針の遠位端、回収器本体の遠位端、把持器アーム、および把持器磁石を含む、
図1の磁石支援型縫合糸把持器の遠位端の側面図である。
【
図6】把持器アームが第2の位置にある、縫合糸回収針の遠位端、回収器本体の遠位端、把持器アーム、および把持器磁石を含む、
図1の磁石支援型縫合糸把持器の遠位端の上面図である。
【
図7】把持器アームが第2の位置にあり、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引している、
図1の磁石支援型縫合糸把持器の遠位端の側面図である。
【
図8】把持器アームが第2の位置にあり、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引しており、かつ磁気縫合糸と接触状態にある、
図1の磁石支援型縫合糸把持器の遠位部分の透視図である。
【
図9】把持器アームが、第1の位置と呼ばれる、把持器磁石を針内腔内に隔離する位置にあり、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引しており、かつ磁気縫合糸と接触状態にあり、その結果として、磁気縫合糸が、磁石支援型縫合糸把持器の縫合糸回収針の針内腔内に捕捉されている、
図1の磁石支援型縫合糸把持器の遠位部分の透視図である。
【
図10】把持器アームが第1の位置にあり、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引しており、かつ磁気縫合糸と接触状態にあり、その結果として、磁気縫合糸が、磁石支援型縫合糸把持器の縫合糸回収針の針内腔内に捕捉されている、
図1の磁石支援型縫合糸把持器の遠位部分の断面図である。
【
図11】把持器アームが第1の位置と第2の位置との間の中間の位置にあり、把持器アームの遠位端における拡大した遠位終点が磁気縫合糸を把持しており、その結果として、磁気縫合糸が、磁石支援型縫合糸把持器の縫合糸回収針の針内腔内に捕捉されたままである、
図1の磁石支援型縫合糸把持器の遠位部分の断面図である。
【
図12】把持器アームが第2の位置にある、本明細書に開示されるような磁石支援型縫合糸把持器の把持器アームの第1の代替の実施形態の側面図である。
【
図13】把持器アームが第2の位置にある、本明細書に開示されるような磁石支援型縫合糸把持器の把持器アームの第1の代替の実施形態の上面図である。
【
図14】把持器アームが第1の位置にあり、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引しており、かつ磁気縫合糸と接触状態にあり、その結果として、磁気縫合糸が、磁石支援型縫合糸把持器の縫合糸回収針の針内腔内に捕捉されている、本明細書に開示されるような磁石支援型縫合糸把持器の把持器アームの第1の代替の実施形態の断面図である。
【
図15】把持器アームが第1の位置と第2の位置との間の中間の位置にあり、把持器アームの遠位端における拡大した遠位終点が磁気縫合糸を把持しており、その結果として、磁気縫合糸が、磁石支援型縫合糸把持器の縫合糸回収針の針内腔内に捕捉されたままである、本明細書に開示されるような磁石支援型縫合糸把持器の把持器アームの第1の代替の実施形態の断面図である。
【
図16】把持器アームが第2の位置にある、本明細書に開示されるような磁石支援型縫合糸把持器の把持器アームの第2の代替の実施形態の側面図である。
【
図17】把持器アームが第2の位置にある、本明細書に開示されるような磁石支援型縫合糸把持器の把持器アームの第2の代替の実施形態の上面図である。
【
図18】把持器アームが第1の位置にあり、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引しており、かつ磁気縫合糸と接触状態にあり、その結果として、磁気縫合糸が、磁石支援型縫合糸把持器の縫合糸回収針の針内腔内に捕捉されている、本明細書に開示されるような磁石支援型縫合糸把持器の把持器アームの第2の代替の実施形態の断面図である。
【
図19】把持器アームが第1の位置と第2の位置との間の中間の位置にあり、把持器アームの遠位端における拡大した遠位終点が磁気縫合糸を把持しており、その結果として、磁気縫合糸が、磁石支援型縫合糸把持器の縫合糸回収針の針内腔内に捕捉されたままである、本明細書に開示されるような磁石支援型縫合糸把持器の把持器アームの第2の代替の実施形態の断面図である。
【
図20】把持器アームが第2の位置にあり、把持器磁石が磁石線により回収器本体に装着される、本明細書に開示されるような磁石支援型縫合糸把持器の把持器アームの第3の代替の実施形態の透視図である。
【
図21】磁石支援型縫合糸把持器が、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームを備え、第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが、把持器ループを形成し、それらの遠位端において、拡大した遠位終点を備え、把持器磁石が磁石線により回収器本体に装着される、本明細書に開示されるような磁石支援型縫合糸把持器の把持器アームの第4の代替の実施形態の透視図である。
【
図22】把持器アームの遠位端における拡大した遠位終点がフックを備え、非磁気縫合糸がフックによって捕捉されている、
図1の磁石支援型縫合糸把持器の遠位端の透視図である。
【
図23】把持器アームが第1の位置にあり、非磁気縫合糸が縫合糸回収針の針内腔内に捕捉されている、
図1の磁石支援型縫合糸把持器の遠位端の透視図である。
【
図24】把持器アームが第1の位置にあり、非磁気縫合糸が縫合糸回収針の針内腔内に捕捉されている、
図1の磁石支援型縫合糸把持器の遠位端の断面図である。
【
図25】本明細書に開示されるような第2の磁石支援型縫合糸把持器の透視図であり、磁石支援型縫合糸把持器が、ハンドル、柄、第1の把持器顎部および第2の把持器顎部、把持器磁石、ならびにアクチュエータ本体を備え、第1の把持器顎部が、本明細書で論じられるように、第2の位置と呼ばれる、第1の把持器顎部または第2の把持器顎部のうちの少なくとも一方に形成される凹部から把持器磁石を露出させる位置にあり、第2の把持器顎部が、第1の把持器顎部から離れる方へ枢動しており、第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の遠位端が、鋭い先端を有する、図である。
【
図26】第1の把持器顎部が第2の位置にあり、第2の把持器顎部が第1の把持器顎部から離れる方へ枢動しており、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引している、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の側面図である。
【
図27】第1の把持器顎部が第2の位置にあり、第2の把持器顎部が第1の把持器顎部から離れる方へ枢動しており、把持器磁石が磁気縫合糸の縫合糸磁石を誘引している、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の断面図である。
【
図28】
図25の磁石支援型縫合糸把持器の近位回転カラーの断面図である。
【
図29】第1の把持器顎部が第2の位置にあり、第2の把持器顎部が第1の把持器顎部から離れる方へ枢動しており、把持器磁石が磁気縫合糸の縫合糸磁石を誘引している(磁気縫合糸の縫合糸は示されない)、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の遠位端の断面図である。
【
図30】第1の把持器顎部が第2の位置にあり、第2の把持器顎部が第1の把持器顎部から離れる方へ枢動しており、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引している、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の遠位端の透視図である。
【
図31】第1の把持器顎部が、第1の位置と呼ばれる、把持器磁石が第1の把持器顎部と第2の把持器顎部との間に凹部内に隔離されている位置にあり、把持器磁石が、磁気縫合糸を誘引しており、かつ磁気縫合糸と接触状態にあり、その結果として、磁気縫合糸が磁石支援型縫合糸把持器の凹部内に捕捉されている、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の遠位端の透視図である。
【
図32】第1の把持器顎部が、第1の位置と呼ばれる、把持器磁石が第1の把持器顎部と第2の把持器顎部との間に凹部内に隔離されている位置にあり、把持器磁石が、磁気縫合糸を誘引しており、かつ磁気縫合糸と接触状態にあり、その結果として、磁気縫合糸が磁石支援型縫合糸把持器の凹部内に捕捉されている、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の遠位端の断面図である。
【
図33】第1の把持器顎部が第2の位置にあり、第2の把持器顎部が柄に対して枢動的に移動可能ではなく、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引している、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の第1の代替の実施形態の透視図である。
【
図34】第1の把持器顎部が第1の位置にあり、把持器磁石が、磁気縫合糸を誘引しており、かつ磁気縫合糸と接触状態にあり、その結果として、磁気縫合糸が磁石支援型縫合糸把持器の凹部内に捕捉されている、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の第1の代替の実施形態の透視図である。
【
図35】第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の遠位端が鋭い先端を有さず、第1の把持器顎部が第2の位置にあり、第2の把持器顎部が第1の把持器顎部から離れる方へ枢動しており、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引している、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の第2の代替の実施形態の透視図である。
【
図36】第1の把持器顎部が第1の位置にあり、第2の把持器顎部が第1の把持器顎部の方へ枢動しており、把持器磁石が、磁気縫合糸を誘引しており、かつ磁気縫合糸と接触状態にあり、その結果として、磁気縫合糸が磁石支援型縫合糸把持器の凹部内に捕捉されている、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の第2の代替の実施形態の透視図である。
【
図37】第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の遠位端が鋭い先端を有さず、第1の把持器顎部が第2の位置にあり、第2の把持器顎部が柄に対して枢動的に移動可能ではなく、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引している、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の第3の代替の実施形態の透視図である。
【
図38】第1の把持器顎部が第1の位置にあり、把持器磁石が、磁気縫合糸を誘引しており、かつ磁気縫合糸と接触状態にあり、その結果として、磁気縫合糸が磁石支援型縫合糸把持器の凹部内に捕捉されている、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の第3の代替の実施形態の透視図である。
【
図39】第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の遠位端が鋭い先端を有さず、第1の把持器顎部が第2の位置にあり、第2の把持器顎部が第1の把持器顎部から離れる方へ枢動しており、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引している、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の第4の代替の実施形態の透視図である。
【
図40】第1の把持器顎部が第1の位置にあり、第2の把持器顎部が第1の把持器顎部の方へ枢動しており、把持器磁石が、磁気縫合糸を誘引しており、かつ磁気縫合糸と接触状態にあり、その結果として、磁気縫合糸が磁石支援型縫合糸把持器の凹部内に捕捉されている、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の第4の代替の実施形態の透視図である。
【
図41】第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の遠位端が鋭い先端を有さず、第1の把持器顎部が第2の位置にあり、第2の把持器顎部が柄に対して枢動的に移動可能ではなく、把持器磁石が磁気縫合糸を誘引している、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の第5の代替の実施形態の透視図である。
【
図42】第1の把持器顎部が第1の位置にあり、把持器磁石が、磁気縫合糸を誘引しており、かつ磁気縫合糸と接触状態にあり、その結果として、磁気縫合糸が磁石支援型縫合糸把持器の凹部内に捕捉されている、
図25の磁石支援型縫合糸把持器の第5の代替の実施形態の透視図である。
【
図43】本明細書に開示されるような磁気縫合糸ループの上面図である。
【
図44】
図43の磁気縫合糸ループのループ端および磁石端の拡大図である。
【
図47】
図43の磁気縫合糸ループの磁石端の拡大断面図である。
【
図48】本明細書に開示されるような予め充填された磁気縫合糸カートリッジの側面図である。
【
図49】
図48の予め充填された磁気縫合糸カートリッジの磁石端の断面図である。
【
図50】
図48の予め充填された磁気縫合糸カートリッジのループ端の断面図である。
【
図51】誘導針内の
図48の予め充填された磁気縫合糸カートリッジの側面図である。
【
図52】予め充填された磁気縫合糸カートリッジの磁石端が湾曲している、本明細書に開示されるような予め充填された磁気縫合糸カートリッジの代替の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
磁気縫合糸を把持するための磁石支援型縫合糸把持器が開示される。磁石支援型縫合糸把持器は、(a)縫合糸回収針、(b)回収器本体、(c)把持器アーム、および(d)把持器磁石を備える。縫合糸回収針は、近位端、遠位端、およびそれらの間に延びる針本体を備える。針本体は、縫合糸回収針の近位端と遠位端との間の針本体軸を画定する。針本体は、針本体軸に沿って、近位孔、遠位孔、およびそれらの間に延びる針内腔を有する。回収器本体は、針内腔内に配設され、その中を針本体軸に沿って並進可能である。把持器アームは、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える。把持器アームは、回収器本体の遠位端から延び、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能である。把持器磁石は、把持器アームの近位~中間部分に隣接して配設される。磁石支援型縫合糸把持器は、把持器アームが第1の位置にあるとき把持器磁石を針内腔内に隔離し、把持器アームが第2の位置にあるとき把持器磁石を針内腔から露出させる。把持器アームの遠位端は、把持器磁石よりもさらに遠位に延びる。針本体軸に沿った第1の方向における針内腔内での回収器本体の並進は、把持器アームを第1の位置から第2の位置へと動かし、以て、把持器磁石を露出させ、把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にする。針本体軸に沿った第1の方向とは反対の第2の方向における針内腔内での回収器本体の並進は、把持器アームを第2の位置から第1の位置へ動かし、以て、把持器磁石を隔離し、針内腔内で磁気縫合糸を把持する。
【0043】
(a)ハンドル、(b)柄、(c)第1の把持器顎部、(d)第2の把持器顎部、(e)把持器磁石、および(f)アクチュエータ本体を備える、磁気縫合糸を把持するための磁石支援型縫合糸把持器も開示される。柄は、近位端、遠位端、およびそれらの間に延びる柄本体を備える。柄は、柄の近位端に隣接するハンドルに接続される。柄本体は、柄本体軸を画定し、柄に沿って延びる柄内腔を含む。第1の把持器顎部は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える。第1の把持器顎部は、柄の遠位端に隣接して柄から延び、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能である。第2の把持器顎部は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える。第2の把持器顎部は、柄の遠位端に隣接して柄から延びる。把持器磁石は、第1の把持器顎部の近位~中間部分に隣接して配設される。磁石支援型縫合糸把持器は、第1の把持器顎部が第1の位置にあるとき、把持器磁石を、第1の把持器顎部または第2の把持器顎部のうちの少なくとも一方に形成される凹部内に、第1の把持器顎部と第2の把持器顎部との間に隔離し、第1の把持器顎部が第2の位置にあるとき、把持器磁石を凹部から露出させる。アクチュエータ本体は、柄内腔内に配設され、その中を柄本体軸に沿って並進可能である。アクチュエータ本体は、ハンドルおよび第1の把持器顎部に接続され、ハンドルの運動による第1の把持器顎部の枢動作動のために構成される。第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の遠位端は、把持器磁石よりもさらに遠位に延びる。柄本体軸に沿った第1の方向における柄内腔内でのアクチュエータ本体の並進は、第1の把持器顎部を第1の位置から第2の位置へと枢動させ、以て、把持器磁石を露出させ、把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にする。柄本体軸に沿った第1の方向とは反対の第2の方向における柄内腔内でのアクチュエータ本体の並進は、第1の把持器顎部を第2の位置から第1の位置へと枢動させ、以て、把持器磁石を隔離し、凹部内で磁気縫合糸を把持する。
【0044】
本発明者らの磁石支援型縫合糸把持器は、間接的な非立体可視化の下で縫合糸を捕捉および回収することと関連付けられた技術的困難を解決する。本発明者らの磁石支援型縫合糸把持器は、磁気縫合糸が磁石支援型縫合糸把持器の二次機械手段により捕捉されている間、磁気縫合糸の初期位置付けおよび保持を助けるために、磁石支援型縫合糸把持器の把持器磁石および磁気縫合糸の縫合糸磁石という2つの双極子磁石の使用を伴う。2つの双極子磁石の使用は、自己整列特徴を可能にし、把持器磁石および縫合糸磁石のNおよびS極の誘引力が、2つの磁石を予測可能な様式で整列させ、機能の反復性および確実性の側面を改善する。本発明者らの磁石支援型縫合糸把持器は、2つの磁気的側面が、磁場が相互作用することができるほど十分に互いの近くに持ってこられる必要があるだけであるため、縫合糸通し器具を正確に位置付ける必要性を大いに低減する。縫合糸の磁気的側面は、引っ張られて把持器磁石と接触状態になる。これは、接触させるために正確な位置付けの必要性なしに発生する。二次機械手段は、このとき、縫合糸を磁石支援型縫合糸把持器へと保持する役割を果たす磁気縫合糸と磁石支援型縫合糸把持器との定常状態接続を提供し、回収中に把持器磁石と縫合糸磁石との間の磁力に依拠する必要性なしに患者の軟組織を通じた縫合糸の回収を可能にする。
【0045】
本発明者らは、最初、縫合糸が把持器磁石と縫合糸磁石との間の磁力に依拠して患者の身体から回収されることを想起したが、生体外実験により問題が明らかになり、軟組織を通じて縫合糸を引っ張ることと関連付けられた摩擦抵抗は、把持器磁石と縫合糸磁石との間の誘引力よりも大きく、結果として磁石の分離が生じた。2つの磁石は小さすぎた。磁石のサイズは、それらを送達のためのカニューレに通す必要性、およびカニューレによる組織貫通と関連付けられた外傷を最小限にするためにカニューレのサイズを最小限にしたいという願望によって制限される。本発明者らは、より大きい誘引強度を提供するために磁石のサイズを増加させることはできなかった。しかしながら、この問題は、縫合糸を磁石接続が耐えることができるものよりも大きい荷重に対して固定するためにカニューレの壁と併せて作用する機械的トラップを使用することによって解決することができるということに気付いた。
【0046】
より詳細には、最初、本発明者らは、米国公開第2021/0059667号に説明される磁気縫合糸などの縫合糸磁石を含む磁気縫合糸、および米国特許第10,245,021号に説明される磁気Uステッチ縫合デバイスの回収プローブと類似した、磁気端を伴う磁気縫合糸回収器を含むデバイスを組み込むことを目指した。縫合糸は、17ゲージ皮下注射針を使用して導入される。上で言及した鼠径ヘルニア術技術などの特定の手技では、針は、回収器の導入前に除去されなければならない。鼠径ヘルニア術手技において、縫合糸は、磁気端が腹膜腔の内側にあり、かつ縫合糸が腹壁を通って延びている状態で配設される。次いで、磁気縫合糸回収器が、17ゲージ針を使用して、同じ経皮部位を通じて導入される。これは、第2の針であり得るか、または、それは、縫合糸を導入するために使用されたものと同じ針であり得る。次いで、磁気縫合糸回収器は、縫合糸の磁気端の近くに持ってこられ、その結果として、磁石が接続する。一旦磁石が接続されると、磁気回収器は撤退されて、それと共に縫合糸を引っ張る。
【0047】
このデバイスを試作する間、本発明者らは、磁気縫合糸回収器および磁気縫合糸の磁石の間の誘引力が、軟組織を通じて縫合糸を引っ張ることから生じる摩擦抵抗に対抗するには十分な強さではないことを決定した。比較すると、米国特許第10,245,021号に説明される磁気Uステッチデバイスでは、縫合糸は回収中に決して組織に接触しない。代わりに、縫合糸は、1つのカニューレを通って、開空間内へ進み、その後別のカニューレを通って戻る。縫合糸をこれらのカニューレに通すことによってもたらされる抵抗は最小限である。しかしながら、典型的には小児科患者に対して行われる鼠径ヘルニア手技の場合、2つの針が患者内の関連空間を同時に占有するのに十分な場所がない。縫合糸は、最初に誘導針から外される必要がある。その後、誘導針が除去される必要がある。その後、磁気縫合糸回収器は、縫合糸を回収することができる必要がある。
【0048】
しかしながら、本発明者らは、軟組織を通じて縫合糸を引っ張ることによってもたらされる摩擦抵抗が問題であることに気付いた。抵抗は、縫合糸に対して引張荷重をもたらし、これは磁石間の誘引力よりも大きく、磁石が切り離され、縫合糸が外れる。小児科患者の小さいサイズに起因して、誘導針のサイズを増加させることは不都合である。しかしながら、針のサイズを増加させることなしでは、使用され得る磁石の直径は限られ、このことが磁石間の誘引力の強度を制限する。磁気Uステッチデバイスのための現在の設計は、製作公差を考慮して、0.049~0.051インチ(1.24~1.30mm)の内腔内径を有する17ゲージXT壁皮下注射針を使用する。対応する磁石は、0.035インチ(0.889mm)の公称外径、および0.037±0.001インチ(0.940±0.025mm)のフェルール直径を有する。各磁石は、およそ0.102lbf(0.454N)の引力を有する。磁石直径を、製造公差および0.001インチ(0.025mm)程度の最小クリアランスを可能にする0.042インチ(1.07mm)の理論的最大値へと増加させるとしても、その引力をおよそ0.145lbf(0.645N)へと増加させるにすぎない。はるかにより大きい磁石が、軟組織の抵抗を克服するために必要とされるが、より大きい磁石は、針サイズに課される制限に起因して使用することはできない。
【0049】
本発明者らは、この問題を、数ある方法の中でも、把持器磁石と呼ばれる回収デバイス上の磁石を、把持器アームもしくは把持器顎部と呼ばれる機械アームと対にすることによって解決しており、ここでは、把持器アームは、縫合糸が回収デバイスの針内へ引っ張られると磁気縫合糸の出口通路を機械的にブロックすることができる拡大した遠位終点、ループ構成、および/もしくは他の特徴を有するか、または、第1の把持器顎部および第2の把持器顎部は、磁気縫合糸の周りで枢動的に閉じられ得、中に磁気縫合糸の縫合糸磁石が適合し得る凹部を形成し、同様に、把持器顎部が磁気縫合糸の周りで枢動的に閉じられると磁気縫合糸の出口通路を機械的にブロックすることができる。適所に機械的ブロックがあることにより、磁気縫合糸を引張荷重に対して保持する能力は、機械アームの強度によってのみ制限され、この強度は、小さい把持器磁石と小さい縫合糸磁石との間の誘引力よりもはるかに大きくなり得る。本発明者らの試験は、把持器アームが、有利には、把持器磁石および縫合糸磁石が耐えることができるものよりもはるかに大きい力に対して磁気縫合糸を保持することを示す。実際、把持器アームは、有利には、USP規格で少なくとも3lbf(13N)の引張強度を有することが必要とされる縫合糸を破壊するのに十分な大きさの力に対して磁気縫合糸を保持する。把持器顎部は同様に効果的であるものとする。したがって、機械的ソリューションは、把持器磁石および縫合糸磁石だけの場合よりも少なくともおよそ30倍強力である。
【0050】
重要なことには、本発明者らは、把持器磁石を伴う回収機器が、把持器磁石および縫合糸磁石の磁場が相互作用するほど磁気縫合糸の近くに持ってこられる必要があるだけであるということに気付いた。有利には、これは、非常に精密な位置付けを必要としない。磁場は、磁場が相互作用し始めるとき、縫合糸磁石が把持器磁石の方へ引っ張られ、磁石が自己整列し、毎回同じ配向で接続するように配向される。把持器磁石および縫合糸磁石の強度は、それ自体で軟組織を通じて磁気縫合糸を引っ張るには十分な大きさではないが、本発明者らは、回収機器が操作されている間磁石を互いと接触したままに保つには十分に強く、回収機器および磁気縫合糸があまり安定して保持されていないとしてもユーザが磁気縫合糸を機械的に捕捉することを可能にするということに気付いた。
【0051】
図1~
図11は、本明細書に開示されるように(a)縫合糸回収針、(b)回収器本体、(c)把持器アーム、および(d)把持器磁石を備える磁石支援型縫合糸把持器100の第1の実施形態1001を例証する。
図12~
図15は、第2の実施形態1002を例証する。
図16~
図19は、第3の実施形態1003を例証する。
図20および
図21は、第4の実施形態1004および第5の実施形態1005をそれぞれ例証する。磁石支援型縫合糸把持器100は、第1の実施形態1001に関して主に論じられる。第2~第5の実施形態1002~1005と第1の実施形態1001との違いも論じられる。違いが示される、または明らかであること場合を除き、第1の実施形態1001に関する議論は、第2~第5の実施形態1002~1005にも当てはまる。
【0052】
図7を参照すると、把持されるべき磁気縫合糸200は、縫合糸磁石202、および縫合糸磁石202から延びる縫合糸204を備え得る。磁気縫合糸200は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国公開第2021/0059667号に説明されるような磁気縫合糸であってもよい。故に、磁気縫合糸200は、縫合糸204が結び付けられ接着剤で固定される先細領域208、および縫合糸磁石202が提供される直線領域210を伴うフェルール206をさらに備え得る。
【0053】
第1の実施形態1001のための
図1~
図4に示されるように、磁石支援型縫合糸把持器100は、近位端104、遠位端106、およびそれらの間に延びる針本体108を備える縫合糸回収針102を備える。針本体108は、縫合糸回収針102の近位端104と遠位端106との間の針本体軸110を画定する。針本体108は、針本体軸110に沿って、近位孔112、遠位孔114、およびそれらの間に延びる針内腔116を有する。
【0054】
第1の実施形態1001のための
図1に示されるように、縫合糸回収針102は、皮下注射針であり得る。例えば、縫合糸回収針102は、ガイド線を血管内へ導入するために設計される誘導針であり得、ここでは縫合糸回収針102として適用される。また、例えば、縫合糸回収針102は、24ゲージ針、21ゲージ針、18ゲージ針、17ゲージ針、16ゲージ針、または14ゲージ針であり得る。
【0055】
したがって、いくつかの実施形態において、縫合糸回収針102は、皮下注射針である。いくつかの実施形態において、縫合糸回収針102は、誘導針である。いくつかの実施形態において、縫合糸回収針102は、24ゲージ針、21ゲージ針、18ゲージ針、17ゲージ針、16ゲージ針、または14ゲージ針である。
【0056】
第1の実施形態1001のための
図1に示されるように、いくつかの実施形態において、縫合糸回収針102は、真っすぐである。これらの実施形態によると、針本体軸110は、以て、真っすぐである。代替的に、いくつかの実施形態において、縫合糸回収針102は、湾曲している。これらの実施形態によると、針本体軸110は、以て、湾曲している。いくつかの実施形態において、縫合糸回収針102の1つまたは複数の部分は、真っすぐであってもよく、1つまたは複数の部分は、湾曲していてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、縫合糸回収針102は、その遠位端106に、またはその近くに、湾曲を含むが、その他は真っすぐである。これらの実施形態によると、針本体軸110はまた、縫合糸回収針102の遠位端106において、またはその近くに湾曲を含むが、その他は真っすぐである。
【0057】
第1の実施形態1001のための
図1および
図9、第2の実施形態のための
図14、ならびに第3の実施形態1003のための
図18に示されるように、いくつかの実施形態において、縫合糸回収針102は、鋭い先端118を有する。これは、患者内への縫合糸回収針102の挿入中に組織を穿孔するのに有利であり得る。
【0058】
第1の実施形態1001のための
図1に示されるように、いくつかの実施形態において、縫合糸回収針102は、ハブ119をさらに備える。ハブ119は、開いた内腔を有し得る。
【0059】
それぞれ第1~第5の実施形態1001~1005のための
図1、
図12、
図16、
図20、および
図21に示されるように、磁石支援型縫合糸把持器100はまた、回収器本体120を備える。回収器本体120は、針内腔116内に配設され、その中を針本体軸110に沿って並進可能である。回収器本体120は、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、もしくはアクリロニトリルブタジエンスチレンなどのポリマー、またはステンレス鋼もしくはニチノールなどの金属から作製され得る。
【0060】
第1の実施形態1001のための
図2に示されるように、いくつかの実施形態において、回収器本体120は、近位端122、遠位端124、およびそれらの間に延びる回収器管126を備える。これらの実施形態において、回収器管126は、回収器本体120の近位端122と遠位端124との間の回収器管軸128を画定し、回収器管126は、回収器管軸128に沿って、近位孔、遠位孔、およびそれらの間に延びる回収器管内腔を有する。これらの実施形態において、回収器管126の近位孔は、回収器管内腔および針内腔116を通じて針本体108の遠位孔114と流体連通状態にある。これらの実施形態において、回収器本体120は、好ましくは、回収器管内腔を含む回収器本体120を作製することを促進するためにナイロンなどのポリマーから作製される。
【0061】
これは、回収器本体120の回収器管内腔を通じた、患者の手術部位からの液体および/もしくはガスの回収、ならびに/または手術部位への造影剤の送達を可能にすることによって、有利であり得る。回収器本体120を通じて、および故に磁石支援型縫合糸把持器100を通じて流体を交換する能力を提供することにより、磁石支援型縫合糸把持器100の縫合糸回収針102の遠位端106の体内位置を確認するために流体交換を用いるインターベンション技術との使用のための磁石支援型縫合糸把持器100の適用性を広げる。例えば、インターベンショナルラジオロジの分野においては、胃腹壁固定術中に患者の胃管腔の内側のカニューレの場所を確認する能力の必要性が存在する。回収器管内腔を備える回収器本体120を備える磁石支援型縫合糸把持器100では、患者内への縫合糸回収針102の導入の後、少量の胃液または空気の吸引が、縫合糸回収針102の遠位端106の腔内位置を確認するために使用され得る。代替的に、少量の液体放射線造影剤が、回収器本体120の回収器管内腔を通じて患者の胃管腔内へ注入され得、腔内位置が放射線撮像により確認されることを可能にする。
【0062】
また、いくつかの実施形態において、回収器本体120は、針本体108よりも可撓性である。これは、縫合糸回収針102の1つまたは複数の部分が湾曲している縫合糸回収針102、例えば、その遠位端106において、またはその近くでは湾曲を含むが、その他は真っすぐである縫合糸回収針102には有利であり得る。このとき、回収器本体120は、優先的には、回収器本体120が縫合糸回収針102の湾曲周辺で弾性的に変形することが可能であるように、ポリマー材料、または、ニチノールなど、高い比例限界を有する金属で作製される。
【0063】
また、いくつかの実施形態において、回収器本体120は、透明であり得る。これは、光開始型接着剤の使用を可能にし、このことは、構成要素の組み立てに有利であり得る。光開始型接着剤は、非常に速い硬化プロファイルに起因して最小限の固定時間を必要とする一方で、構成要素位置付けのためにより多くの開放時間を提供する。
【0064】
それぞれ第1~第5の実施形態1001~1005のための
図1、
図12、
図16、
図20、および
図21に示されるように、磁石支援型縫合糸把持器100はまた、把持器アーム136を備える。第1の実施形態1001のための
図5に示されるように、把持器アーム136は、近位端138、近位~中間部分140、遠位部分142、および遠位端144を備える。回収器本体120のように、把持器アーム136は、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、もしくはアクリロニトリルブタジエンスチレンなどのポリマー、またはステンレス鋼もしくはニチノールなどの金属から作製され得る。把持器アーム136もまた、例えば、線であり得るが、管または他の細長部材などの他の構造体も好適であり得る。把持器アーム136が線であることに関して、把持器アーム136は、例えば、ニチノール線もしくはステンレス鋼線などの金属線、またはプラスチック線であり得、かつ、例えば、単線、より線、または編組線として形成され得、かつ、例えば、成形線および/または型打ち線であることに基づいて、形状を有し得、かつ、例えば、溶接、はんだ付け、編組、圧着、接着剤、または他の手段により、1つまたは複数の共有点において一緒にまとめられる1つまたは複数の線を備え得る。
【0065】
第1の実施形態1001のための
図5および
図10の比較により示されるように、把持器アーム136は、回収器本体120の遠位端124から延び、第1の位置146と第2の位置148との間で可逆的に移動可能である。
【0066】
第1の実施形態1001のための
図5に示されるように、把持器アーム136は、数ある中でも、把持器アーム136が回収器本体120と一体であることに基づいて、回収器本体120の遠位端124から延び得る。これは、把持器アーム136および回収器本体120が、回収器本体120および把持器アーム136が形成されている線、例えば、単線、より線、または編組線セグメントなどの材料の単一セグメントの隣接部分であり得ることを意味する。そのような例において、把持器アーム136は、把持器アーム136および回収器本体120が回収器本体120の遠位端124を通る連続線セグメントを形成していることに基づいて、回収器本体120の遠位端124から延びる。
【0067】
また、例えば、把持器アーム136は、回収器本体120への把持器アーム136の接着または他の直接装着に基づいて、直接的に回収器本体120の遠位端124から延び得る。これらの例において、把持器アーム136は、把持器アーム136および回収器本体120が接着により回収器本体120の遠位端124において接続される材料のセグメントを形成することに基づいて、回収器本体120の遠位端124から延び得る。
【0068】
また、例えば、把持器アーム136は、数ある中間部品の中でも、リングまたはスリーブなど、1つ、2つ、またはそれ以上の中間部品を通じた装着に基づいて、間接的に回収器本体120の遠位端124から延び得る。これらの例において、把持器アーム136は、把持器アーム136および回収器本体120が中間部品を介して回収器本体120の遠位端124において接続される線セグメントを形成することに基づいて、回収器本体120の遠位端124から延びる。
【0069】
それぞれ第1~第5の実施形態1001~1005のための
図5、
図12、
図16、
図20、および
図21に示されるように、磁石支援型縫合糸把持器100はまた、把持器アーム136の近位~中間部分140に隣接して配設される把持器磁石150を備える。磁石支援型縫合糸把持器100は、把持器アーム136が第1の位置146にあるとき把持器磁石150を針内腔116内に隔離し、少なくとも把持器アーム136が第2の位置148にあるとき把持器磁石150を針内腔116から露出させる。把持器磁石150は、例えば、永久双極子磁石であり得る。
【0070】
第1の実施形態1001に関して
図5に示されるように、いくつかの実施形態において、把持器磁石150は、直接的に、例えば、接着もしくは他の直接接続に基づいて、または間接的に、例えば、数ある中間部品の中でも、フェルール、リング、もしくはスリーブなどの1つまたは複数の中間部品を通じた装着に基づいて、回収器本体120の遠位端124に固定的に装着される。例えば、把持器磁石150は、接着により回収器本体120の遠位端124におけるポケット内で回収器本体120の遠位端124に固定して装着され得る。把持器磁石150を回収器本体120の遠位端124に固定して接着させることは、比較的短い把持器アーム136の使用を可能にすることによって有利であり得る。
【0071】
また、いくつかの実施形態において、把持器磁石150は、把持器アーム136の近位~中間部分140において、直接的または間接的のいずれかで、把持器アーム136に固定して装着される。
【0072】
それぞれ第4の実施形態1001および第5の実施形態1005のための
図20および
図21に示されるように、いくつかの実施形態において、磁石支援型縫合糸把持器100は、近位端154および遠位端156を有する磁石線152をさらに備え、磁石線152の近位端154は、回収器本体120内に固定して配設され、把持器磁石150は、直接的に、例えば、接着もしくは他の直接装着に基づいて、または、間接的に、例えば、数ある中間部品の中でも、フェルール、リング、もしくはスリーブなどの1つまたは複数の中間部品を通じた装着に基づいて、磁石線152の遠位端156に固定して装着される。これらの実施形態によると、回収器本体120の並進はまた、磁石線152、および故に把持器磁石150の並進を結果としてもたらす。
【0073】
磁石線152は、磁石線152の近位端154を回収器本体120内へ挿入し、磁石線152が回収器本体120に並進可能および回転可能に固定されるように磁石線152を回収器本体120に固定することによって、回収器本体120内に固定して配設され得る。組み立ての好ましい方法は、磁石線152を回収器本体120の内腔内へ挿入し、磁石線152を回収器本体120に接合するために接着剤を適用することであるが、他の装着手段も好適である。
【0074】
それぞれ第4の実施形態1001および第5の実施形態1005のための
図20および
図21に示されるように、これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、磁石線152は、磁石線152の遠位端156における磁石線遠位終点158をさらに備え、磁石支援型縫合糸把持器100は、磁石線152の遠位端156における磁石線遠位終点158に装着されるフェルール160をさらに備え、把持器磁石150は、フェルール160に装着される。
【0075】
磁石線152は、例えば、ニチノール線もしくはステンレス鋼線などの金属線、またはプラスチック線であり得、かつ、例えば、単線、より線、または編組線として形成され得、かつ、例えば、成形線および/または型打ち線であることに基づいて、形状を有し得、かつ、例えば、溶接、はんだ付け、編組、圧着、接着剤、または他の手段により、1つまたは複数の共有点において一緒にまとめられる1つまたは複数の線を備え得る。
【0076】
磁石線152への把持器磁石150の装着をより詳細に検討すると、把持器磁石150は、例えば、縫合糸への磁石の装着について米国公開第2021/0059667号に説明されるものと同様に、磁石線152に装着され得る。これは、以下のように達成され得る。把持器磁石150は、拡大した磁石線遠位終点158を有する磁石線152に装着されるフェルール160に装着され得る。米国公開第2021/0059667号を参照すると、拡大した磁石線遠位終点158は、縫合糸内で結ばれる結び目と置き換わる。ボールエンドが、磁石線遠位終点158のための好ましい形状であり、円形断面を有するモノフィラメントが、磁石線152の好ましい形状である。しかしながら、磁石線152および磁石線遠位終点158が適切にサイズ決定される限り、他の構造および最終形状も好適である。磁石線遠位終点158は、任意の形状、例えば、立方体、円筒形、ピラミッド形、有機体などへと形成され得、磁石線152は、任意の断面形状のもの、例えば、正方形、長方形、十字形などであり得、かつ、モノまたはマルチフィラメント構造のものであり得る。
【0077】
磁石線152は、フェルール160の小さい開口部を通り抜けるのに十分に小さくサイズ決定されなければならないが、磁石線遠位終点158は、フェルール160の小さい開口部よりも大きく、かつフェルール160の大きい開口部よりも小さくサイズ決定されなければならない。磁石線遠位終点158は、磁石線152に統合され得、例えば、磁石線遠位終点158は、溶融形成、鋳造、屈曲などされ得るか、またはそれは、別個の構成要素であり得る。別個の構成要素の場合、それは、機械手段、例えば、加締め、ねじ込み、締りばめ、ピン留めなどによって、接着剤手段によって、または他の手段、例えば、溶接、はんだ付け、ろう付けなどによって装着され得る。
【0078】
把持器磁石150、フェルール160、および磁石線152を組み立てるため、磁石線152は、まず、その遠位端からその近位端までフェルール160に通され、その結果として、磁石線遠位終点158は、フェルールの内側に位置付けられるようになる。次いで、把持器磁石150が、遠位端から設置され、フェルール160に装着される。把持器磁石150は、機械手段、例えば、加締め、ねじ込み、締りばめ、ピン留めなど、または接着剤手段もしくは他の手段、例えば、溶接、ろう付けなどによって装着され得る。一旦把持器磁石150が装着されると、磁石線遠位終点158は、把持器磁石150とフェルール160との間に永久的に捕捉され、部分組み立てが完了する。
【0079】
それぞれ第4の実施形態1001および第5の実施形態1005のための
図20および
図21に示されるように、説明されるように把持器磁石150が固定して装着される磁石線152をさらに備える磁石支援型縫合糸把持器100のいくつかの実施形態において、把持器磁石150は、把持器アーム136が第2の位置148にあるとき、針本体軸110から径方向に動かされる。これは、磁石支援型縫合糸把持器100の操作者に、磁石支援型縫合糸把持器100の回転により把持器磁石150を患者の部位内で動かすための追加の運動範囲を、および故に、部位内で磁気縫合糸200に対して把持器磁石150を位置付けることにおけるより大きい汎用性を提供することによって、有利であり得る。
【0080】
それぞれ第1~第5の実施形態1001~1005のための
図5、
図12、
図16、
図20、および
図21に示されるように、把持器アーム136の遠位端144は、把持器磁石150よりもさらに遠位に延びる。これは、把持器アーム136が第1の位置146にあるとき、把持器アーム136の遠位端144が把持器磁石150のいかなる部分が延びるよりも針内腔116内でさらに遠位に延びることを意味する。これは、把持器アーム136が第2の位置148にあるとき、把持器アーム136の遠位端144が、把持器磁石150のいかなる部分が延びるよりも縫合糸回収針102からさらに遠位に延びることも意味する。これは、把持器アーム136が第2の位置148にあるとき、把持器磁石150が、把持器アーム136の遠位端144よりも、縫合糸回収針102の遠位端106により近いことも意味する。
【0081】
第1の実施形態1001のための
図5との
図10の比較、第2の実施形態1002のための
図12との
図14の比較、および第3の実施形態1003のための
図16との
図18の比較により示されるように、針本体軸110に沿った第1の方向における針内腔116内での回収器本体120の並進は、把持器アーム136を第1の位置146から第2の位置148へと動かし、以て、把持器磁石150を露出させ、把持器磁石150とそこに誘引される磁気縫合糸200との接触を可能にする。回収器本体120の並進は、把持器アーム136の並進を結果としてもたらす。第1の方向における回収器本体120の並進は、縫合糸回収針102の近位端104から縫合糸回収針102の遠位端106へ向かう方向における針内腔116内での回収器本体120の並進であり得る。把持器アーム136が第1の位置146にあるとき、把持器磁石150は、針内腔116の内側に完全に配設され得、故に、針内腔116内で隔離され得る。これらの実施形態によると、第1の方向における針内腔116内での回収器本体120のそのような並進は、把持器磁石150を針内腔116の内側から針内腔116の外側へ動かし得、以て、把持器磁石150を露出させる。
【0082】
把持器アーム136は、第1の方向における針内腔116内での回収器本体120の並進が、把持器アーム136を針内腔116の内側から針内腔116の外側へ動かし、こうして把持器磁石150を露出させるように、十分に硬くてもよい。これは、回収器本体120の並進により移動可能であるように把持器アーム136を十分に硬くすることによって達成され得る。
【0083】
第1の実施形態1001のための
図10との
図5の比較、第2の実施形態1002のための
図14との
図12の比較、および第3の実施形態1003のための
図18との
図16の比較により示されるように、針本体軸110に沿った第1の方向とは反対の第2の方向における針内腔116内での回収器本体120の並進は、把持器アーム136を第2の位置148から第1の位置146へと動かし、以て、把持器磁石150を隔離し、針内腔116内で磁気縫合糸200を把持する。第2の方向における回収器本体120の並進は、縫合糸回収針102の遠位端106から縫合糸回収針102の近位端104へ向かう方向における針内腔116内での回収器本体120の並進であり得る。第2の方向における針内腔116内での回収器本体120のそのような並進は、把持器磁石150を針内腔116の外側から針内腔116の内側へと動かし、こうして把持器磁石150を再び隔離し、針内腔116内で磁気縫合糸200を把持する。
【0084】
これは、以下のように達成され得る。把持器アーム136が第2の位置148にある間、把持器磁石150が、把持器アーム136の遠位端144よりも縫合糸回収針102の遠位端106により近いことから、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が把持器磁石150に接触し、回収器本体120が第2の方向において第1の位置146へと並進されるとき、把持器磁石150および磁気縫合糸200の縫合糸磁石202は、把持器アーム136の遠位端144よりも先に針内腔116に入る。把持器アーム136の遠位端144が縫合糸磁石202に続いて針内腔116内へ入ると、縫合糸磁石202は、把持器アーム136の遠位端144が針内腔116に留まっている間は針内腔116を出ることができない。把持器アーム136は、縫合糸磁石202が出るのを妨害し、以て、磁気縫合糸200を機械的に捕捉する。磁気縫合糸200の縫合糸磁石202は、故に、磁石支援型縫合糸把持器100が患者の軟組織を通じて磁気縫合糸200を引っ張るために使用されるとき、把持器アーム136によって把持され得る。把持器アーム136は、軟組織を通じて磁気縫合糸200を引っ張ることから生じる摩擦抵抗に対抗するのに十分に強力である。
【0085】
上に記載されるように、把持器アーム136は、近位端138、近位~中間部分140、遠位部分142、および遠位端144を備える。上に記載されるように、把持器磁石150は、把持器アーム136の近位~中間部分140に隣接して配設される。把持器アーム136の遠位部分142は、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が、磁力により把持器磁石150に接触することができるように、把持器アーム136が第2の位置148にあるとき、また磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が機械捕捉により把持器磁石150および把持器アーム136と一緒に針内腔116内に適合することができるように、把持器アーム136が第1の位置146に戻ったとき、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が把持器磁石150と把持器アーム136の遠位端144との間に適合するのに十分な長さおよび配向を有する。縫合糸磁石202が把持器磁石150と把持器アーム136の遠位端144との間に適合するために十分な空間が提供される限り、把持器磁石150が隣接して配設される把持器アーム136の近位~中間部分140は、近位端138に対して遠位および遠位部分142に対して近位の把持器アーム136の任意の部分であり得る。
【0086】
把持器アーム136は、例えば、拡大した遠位終点162の追加により機械的な栓としての役割を果たすことによって、磁気縫合糸200を把持し得る。拡大した遠位終点162は、把持器アーム136が針内腔116の外側の第2の位置148にあるとき、把持器磁石150とそこに誘引される磁気縫合糸200の縫合糸磁石202との接触を可能にするようにサイズ決定され得る。拡大した遠位終点162はまた、把持器アーム136が針内腔116の内側の第1の位置146にあるとき、磁気縫合糸200の縫合糸204は、拡大した遠位終点162を通過することができるが、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202を通過することができないようにサイズ決定され得る。
【0087】
これは、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が通過することができない針内腔116内の妨害物を作成することができる、フックを備える部分球体端に対応する拡大した遠位終点162の使用によって達成され得る。拡大した部分球体特徴は、例えば、針内腔116の内径の約10%~約90%に対応する、サイズ、例えば、針本体軸110を横断する直径または幅を有し得る。これは、様々な追加の方法によっても達成され得る。例えば、拡大した遠位終点162は、拡大したフックのみ、または拡大した球体のみであり得る。これらは、フックを備える部分球体端よりも製造するのが単純であるという利点を提供する。拡大したフックのみおよび拡大した球体のみもまた、例えば、針内腔116の内径の約10%~約90%に対応する、サイズ、例えば、針本体軸110を横断する直径または幅を有し得る。代替的に、2つ以上の把持器アーム136が用いられ得る。これは、より小さい断面の複数の把持器アーム136が、より大きい断面の単一の把持器アーム136と等価の強度を獲得するために用いられ得るが、複数の把持器アーム136は、針内腔116内までは貫入されず、把持器磁石150の直径の最大化を可能にするという利点を提供する。同様の効果が、非円形プロファイルを伴う把持器アーム136を使用することにより達成され得る。フックを備える拡大した部分球体、拡大したフック、および拡大した球体のみに対応する機械的な栓は、把持器アーム136から溶融形成され得るか、または、加締めによって、もしくは接着剤を用いることによって装着される別個の機械的な栓要素であり得る。機械的な栓要素はまた、その形状がその機能に絶対不可欠ではないため、球体である必要はない。故に、機械的な栓要素は、代替的に、例えば、細長円筒、またはピラミッド形、または環状体として成形され得る。また代替的に、把持器アーム136は、単純にピグテールコイル内で終端し得、バスケット様の形状を形成する。
【0088】
把持器アーム136はまた、例えば、把持器アームループを形成することによって、磁気縫合糸200を把持し得る。これは、例えば、遠位端144において接続され、以て把持器アームループを形成する第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136を使用することによって達成され得る。把持器アームループは、把持器アームループが第2の位置148にあるとき、把持器アームループが、把持器磁石150とそこに誘引される磁気縫合糸200の縫合糸磁石202との接触を可能にするために十分に大きい領域を取り囲むように、長さおよび形状を有し得る。例えば、把持器アームループは、把持器磁石150および縫合糸磁石202がそれらのそれぞれの極において接触状態にあるとき、対応する取り囲まれた領域が、把持器磁石150および縫合糸磁石202の両方に適合するのに十分に大きいように、長さおよび形状を有する。把持器アームループはまた、把持器アームループが第1の位置146にあるとき、把持器アームループが、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が縫合糸回収針102の遠位孔114を通って針内腔116を出るのを妨害するために十分に大きい、厚さ、例えば、平均直径を有するように、サイズ決定され得る。
【0089】
したがって、それぞれ第1~第5の実施形態1001~1005のための
図5、
図12、
図16、および
図20、および
図21に示されるように、いくつかの実施形態において、把持器アーム136は、把持器アーム136の遠位端144において、拡大した遠位終点162をさらに備える。これらの実施形態において、把持器アーム136は、針本体108の遠位孔114を通じた針内腔116の内側から針内腔116の外側への把持器アーム136の並進に基づいて、第1の位置146と第2の位置148との間で可逆的に移動可能である。これらの実施形態において、把持器アーム136の遠位端144における拡大した遠位終点162は、把持器アーム136が第2の位置148にあるとき、把持器磁石150とそこに誘引される磁気縫合糸200の縫合糸磁石202との接触を可能にし、把持器アーム136が第1の位置146にあるとき、磁気縫合糸200の縫合糸204を通すことを可能にするために十分に小さく、かつ、把持器アーム136が第1の位置146にあるとき、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が針本体108の遠位孔114を通って針内腔116を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する。これらの実施形態は、例えば、複数の把持器アーム136を含む実施形態と比較して、製造するのが比較的単純であることに有利であり得る。これらの実施形態のいくつかの例において、拡大した遠位終点162のサイズは、針内腔116の内径の約10%~約90%である。例えば、拡大した遠位終点162は、針内腔116の内径の約10%~約90%である、針本体軸110を横断する直径または幅を有し得る。
【0090】
それぞれ第1の実施形態1001および第4の実施形態1004のための
図5および
図20を参照すると、これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、拡大した遠位終点162は、フック166を備える部分球体164を備える。また、第2の実施形態1002のための
図12を参照すると、これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、拡大した遠位終点162は、フック166のみを備える。第1の実施形態1001のための
図22~
図24に示されるように、フック136を備えるこれらの実施形態はまた、非磁気縫合糸600の捕捉を可能にすることに有利であり得る。第3の実施形態1003および第5の実施形態1005のための
図16および
図21を参照すると、これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、拡大した遠位終点162は、球体168のみを備える。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、フック166を備える部分球体164、フック166のみ、または球体168のみなど、拡大した遠位終点162のサイズは、針内腔116の内径の約10%~約90%である。例えば、拡大した遠位終点162は、針内腔116の内径の約10%~約90%である、針本体軸110を横断する直径または幅を有し得る。
【0091】
また、第5の実施形態1005のための
図21に示されるように、いくつかの実施形態において、把持器アーム136は、第1の把持器アーム136である。これらの実施形態において、磁石支援型縫合糸把持器100は、近位端138、近位~中間部分140、遠位部分142、および遠位端144を備える第2の把持器アーム136であって、回収器本体120の遠位端124から延び、第1の位置146と第2の位置148との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アーム136をさらに備える。これらの実施形態において、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136は、それらの遠位端144において接続され、以て、把持器アームループを形成する。これらの実施形態において、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136は、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136の遠位端144において、拡大した遠位終点162をさらに備える。これらの実施形態において、把持器アームループ136は、針本体108の遠位孔114を通じた針内腔116の内側から針内腔116の外側へ把持器アームループの並進に基づいて、第1の位置146と第2の位置148との間で可逆的に移動可能である。これらの実施形態において、把持器アームループが第2の位置148にあるとき、把持器磁石150とそこに誘引される磁気縫合糸200の磁気縫合糸202との接触を可能にするために、把持器アームループは、十分に大きい領域を取り囲み、また第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136の遠位端144における拡大した遠位終点162は、十分に小さいサイズを有する。これらの実施形態において、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136の遠位端144における拡大した遠位終点162は、把持器アームループが第1の位置146にあるとき、磁気縫合糸200の縫合糸204を通すことを可能にするために十分に小さいサイズを有する。これらの実施形態において、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136の遠位端144における拡大した遠位終点162は、把持器アームループが第1の位置146にあるとき、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が針本体108の遠位孔114を通って針内腔116を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する。これらの実施形態は、比較的より小さい直径を有する把持器アーム126の使用を可能にすることに有利である。これらの実施形態のいくつかの例において、拡大した遠位終点162のサイズは、針内腔116の内径の約10%~約90%である。例えば、拡大した遠位終点162は、針内腔116の内径の約10%~約90%である、針本体軸110を横断する直径または幅を有し得る。
【0092】
また、いくつかの実施形態において、把持器アーム136は、第1の把持器アーム136である。これらの実施形態において、磁石支援型縫合糸把持器100は、近位端138、近位~中間部分140、遠位部分142、および遠位端144を備える第2の把持器アーム136であって、回収器本体120の遠位端124から延び、第1の位置146と第2の位置148との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アーム136をさらに備える。これらの実施形態において、第1の把持器アーム146は、第1の把持器アーム136の遠位端144において、拡大した遠位終点162をさらに備える。これらの実施形態において、第2の把持器アーム136は、第2の把持器アーム136の遠位端において、拡大した遠位終点162をさらに備える。これらの実施形態において、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136は、針本体108の遠位孔114を通じた針内腔116の内側から針内腔116の外側への第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136の並進に基づいて、第1の位置146と第2の位置148との間で可逆的に移動可能である。これらの実施形態において、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136の拡大した遠位終点162は、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136が第2の位置148にあるとき、把持器磁石150とそこに誘引される磁気縫合糸200の縫合糸磁石202との接触を可能にし、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136が第1の位置146にあるとき、縫合糸磁石200の縫合糸204を通すことを可能にするために十分に小さく、かつ、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136が第1の位置146にあるとき、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が針本体108の遠位孔114を通って針内腔116を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、磁石支援型縫合糸把持器100は、回収器本体120から遠位に延びる少なくとも1つの追加の把持器アーム136をさらに備え得る。これらの実施形態は、同じ合計断面積を有する等価の単一の把持器アーム136よりも大きい把持器磁石150を可能にすることによって、有利であり得る。これは、2つ以上の把持器アーム136が、針内腔116の内表面の周りに径方向に位置付けられ得、把持器アーム136の断面積が不均等に配分されることを可能にすることが理由である。これは、把持器磁石150が占有するためにより多くの使用可能空間を残しておく。例えば、二重把持器アーム設計は、単一把持器アーム設計に対して使用可能空間に12%の増加をもたらす一方、四重把持器アーム設計は、単一把持器アーム設計に対して使用可能空間に20%の増加をもたらす。さらには、同様の効果が、把持器アーム136のための非円形プロファイルを使用することにより達成され得る。
【0093】
また、いくつかの実施形態において、把持器アーム136は、第1の把持器アーム136である。これらの実施形態において、磁石支援型縫合糸把持器100は、近位端138、近位~中間部分140、遠位部分142、および遠位端144を備える第2の把持器アーム136であって、回収器本体120の遠位端124から延び、第1の位置146と第2の位置148との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アーム136をさらに備える。これらの実施形態において、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136は、それらの遠位端144において接続され、以て、把持器アームループを形成する。これらの実施形態において、把持器アームループ136は、針本体108の遠位孔114を通じた針内腔116の内側から針内腔116の外側への把持器アームループの並進に基づいて、第1の位置146と第2の位置148との間で可逆的に移動可能である。これらの実施形態において、把持器アームループは、把持器アームループが第2の位置148にあるとき、把持器磁石150とそこに誘引される磁気縫合糸200の縫合糸磁石202との接触を可能にするために十分に大きい領域を取り囲む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、把持器アームループは、把持器アームループが第1の位置146にあるとき、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が針本体108の遠位孔114を通って針内腔を出るのを妨害するために十分に大きい厚さを有する。把持器アーム136がそれらの遠位端144において、拡大した遠位終点162を備えないこれらの実施形態の場合、製造の容易さ、およびより大きい把持器磁石150を使用する可能性が利点として挙げられる。
【0094】
また、いくつかの実施形態において、把持器アーム136は、第1の把持器アーム136である。これらの実施形態において、磁石支援型縫合糸把持器100は、近位端138、近位~中間部分140、遠位部分142、および遠位端144を備える第2の把持器アーム136であって、回収器本体120の遠位端124から延び、第1の位置146と第2の位置148との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アーム136をさらに備える。これらの実施形態において、第1の把持器アーム136は、第1の把持器アーム136の遠位端144において、拡大した遠位終点162をさらに備える。これらの実施形態において、第2の把持器アーム136は、第2の把持器アーム136の遠位端114において、拡大した遠位終点162をさらに備える。これらの実施形態において、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136は、針本体108の遠位孔114を通じた針内腔116の内側から針内腔116の外側への第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136の並進に基づいて、第1の位置146と第2の位置148との間で可逆的に移動可能である。これらの実施形態において、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136の近位~中間部分140は、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136が第1の位置146にあるとき、針本体軸110に対して実質的に平行である。これらの実施形態において、第1または第2の把持器アーム136のうちの少なくとも一方は、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136が第2の位置148にあるとき、把持器磁石150とそこに誘引される磁気縫合糸200の縫合糸磁石202との接触を可能にするために針本体軸110から外向きに十分に遠くへ可逆的に枢動する。これらの実施形態において、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136の拡大した遠位終点162は、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136が第1の位置146にあるとき、磁気縫合糸200の縫合糸204を通すことを可能にするために十分に小さく、かつ、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136が第1の位置146にあるとき、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が針本体108の遠位孔114を通って針内腔116を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する。これらの実施形態において、2つの把持器アーム136は、分岐点を含むピンセットとして機能し得る。そのような実施形態において、把持器磁石150は、有利には、磁気縫合糸200を誘引して適所に保持するためにピンセットの分岐点に装着され得、以て、ピンセットによる捕捉を容易にする。これらの実施形態のいくつかの例において、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136が第2の位置148にあるとき、第1の把持器アームおよび第2の把持器アーム136の両方が、針本体軸110から外向きに可逆的に枢動する。
【0095】
磁石支援型縫合糸把持器100の第1の実施形態1001をさらに検討すると、いくつかの実施形態において、磁石支援型縫合糸把持器100は、縫合糸回収針102のハブ119、および回収器本体120に装着される縫合糸回収器針ハンドルをさらに備える。これは、片手操作を可能にすることにより磁石支援型縫合糸把持器100の人間工学を改善することに有利である。縫合糸回収器針ハンドルは、優先的に、縫合糸回収器針ハンドルおよび回収器本体120を回転可能に固定するように非軸対称設計を含む。
【0096】
また、いくつかの実施形態において、磁石支援型縫合糸把持器100は、ばねなどの戻し機構をさらに備える。これらの実施形態において、回収器本体120は、縫合糸回収器針ハンドルが押下されると、回収器本体120が前進され、それが今度は把持器アーム136および把持器磁石150を針内腔116から前進させるように、縫合糸回収器針ハンドルに直接的に装着され得る。縫合糸回収器針ハンドルが解放されると、ばねは、縫合糸回収器針ハンドルを元の位置へ戻す。これにより把持器アーム136および把持器磁石150を針内腔116へ戻す。
【0097】
磁石支援型縫合糸把持器100の実施形態1001は、以下のように動作され得る。
【0098】
磁気縫合糸200が患者の内側に配設された後、縫合糸回収針102は、縫合糸の部位へのアクセスを得るために患者内へ導入される。回収器本体120は、把持器アーム136および把持器磁石150が針内腔116を出て、縫合糸回収針102の遠位孔114を過ぎて延びるまで、縫合糸回収針102の針内腔116を通じて把持器アーム136および把持器磁石150を前進させるために使用される。把持器アーム136および把持器磁石150は、把持器磁石150および縫合糸磁石202の磁場が相互作用することができるように、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202の近くに持ってこられる。把持器磁石150と縫合糸磁石202との間の引力は、縫合糸磁石202を把持器磁石150の方へ引っ張り、それらを接触および軸整列状態にする。
【0099】
次いで、回収器本体120は、把持器アーム136および把持器磁石150を縫合糸回収針102の針内腔116の内側に引き戻すために使用される。把持器磁石150と縫合糸磁石202との間の引力は、把持器磁石150が、縫合糸磁石202、および装着された縫合糸204をそれと共に、けん引することを可能にする。回収器本体120は、把持器磁石150および縫合糸磁石202が完全に針内腔116の内側に持ってこられるまで引き戻される。この時点で、把持器アーム136の遠位端144が出口路を妨害するため、磁気縫合糸200は、縫合糸回収針102から逃げることができない。把持器アーム136の近位端138は回収器本体120に装着されるため、把持器アーム136は、縫合糸204によって動かされない。
【0100】
一旦磁気縫合糸200が捕捉されると、磁石支援型縫合糸把持器100は、磁気縫合糸200を新しい場所へと引っ張る、または押圧するために使用され得る。把持器アーム136は、荷重が把持器磁石150と縫合糸磁石202との間の引力を超える点まで磁気縫合糸200が重く負荷がかけられるときにさえ、磁石支援型縫合糸把持器100が磁気縫合糸200をしっかりと保持することを可能にする。把持器アーム136は、印加される力が把持器磁石150と縫合糸磁石202との間の引力の強度を超えるときにさえ、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が針内腔116から外へ引き出されることを防ぐ。
【0101】
一旦磁気縫合糸200が所望の場所へと通されると、磁気縫合糸200は、磁石支援型縫合糸把持器100から解放され得る。磁気縫合糸200を解放するため、回収器本体120は、把持器アーム136、把持器磁石150、および縫合糸磁石202を針内腔116の外へ前進させるために使用され、縫合糸204は、次いで、把持器磁石150および縫合糸磁石202を切り離すために引っ張られ得る。
【0102】
図24~
図32は、本明細書に開示されるように(a)ハンドル、(b)柄、(c)第1の把持器顎部、(d)第2の把持器顎部、(e)把持器磁石、および(f)アクチュエータ本体を備える磁石支援型縫合糸把持器300の第1の実施形態3001を例証する。
図33および
図34は、第2の実施形態3002を例証する。
図35および
図36は、第3の実施形態3003を例証する。
図37および
図38は、第4の実施形態3004を例証する。
図39および
図40は、第5の実施形態3005を例証する。
図41および
図42は、第6の実施形態3006を例証する。磁石支援型縫合糸把持器300は、第1の実施形態3001に関して主に論じられる。第2~第6の3002~3006と第1の実施形態3001との違いも論じられる。違いが示される、または明らかであること場合を除き、第1の実施形態3001に関する議論は、第2~第6の実施形態3002~3006にも当てはまる。
【0103】
第1の実施形態3001のための
図25~
図27に示されるように、磁石支援型縫合糸把持器300は、ハンドル302を備える。ハンドル302は、磁石支援型縫合糸把持器300の作動のために操作者によって使用される。ハンドル302は、ステンレス鋼もしくはチタンなどの金属、またはプラスチック、または、磁石支援型縫合糸把持器300の作動におけるハンドル302の使用に好適な他の材料で作製され得る。
【0104】
それぞれ第1~第6の実施形態3001~3006のための
図25、
図33、
図35、
図37、
図39、および
図41に示されるように、磁石支援型縫合糸把持器300はまた、柄304を備える。第1の実施形態のための
図25に示されるように、柄304は、近位端306、遠位端308、およびそれらの間に延びる柄本体310を備える。柄304は、柄304の近位端に隣接するハンドル302に接続される。柄本体304は、柄本体軸312を画定し、柄304に沿って延びる柄内腔314を含む。柄304は、柄304が患者内の部位にアクセスするためのポートを通り抜けるように十分に小さい直径を有し得る。柄304は、ステンレス鋼もしくはチタンなどの金属、またはプラスチック、または、構造的支持を提供するのに好適な他の材料で作製され得る。
【0105】
それぞれ第1~第6の実施形態3001~3006のための
図30、
図33、
図35、
図37、
図39、および
図41に示されるように、磁石支援型縫合糸把持器300はまた、近位端318、近位~中間部分320、遠位部分322、および遠位端324を備える第1の把持器顎部316を備える。第1の把持器顎部316は、ステンレス鋼もしくはチタンなどの金属、またはプラスチック、または、磁気縫合糸200を把持するための他の好適な材料で作製され得る。
【0106】
第1の把持器顎部316は、柄304の遠位端308に隣接して柄304から延び、第1の位置326と第2の位置328との間で可逆的に移動可能である。
【0107】
それぞれ第1~第6の実施形態3001~3006のための
図30、
図33、
図35、
図37、
図39、および
図41に示されるように、第1の把持器顎部316は、数ある方法の中でも、柄304の遠位端308に隣接して柄304に枢動的に接続されることによって、柄304の遠位端308に隣接して柄304から延び得る。
【0108】
それぞれ第1~第6の実施形態3001~3006のための
図30、
図33、
図35、
図37、
図39、および
図41に示されるように、磁石支援型縫合糸把持器300はまた、近位端332、近位~中間部分334、遠位部分336、および遠位端338を備える第2の把持器顎部330を備える。第2の把持器顎部330は、ステンレス鋼もしくはチタンなどの金属、またはプラスチック、または、磁気縫合糸200を把持するための他の好適な材料で作製され得る。
【0109】
第1の把持器顎部316のように、第1の把持器顎部330は、柄304の遠位端308に隣接して柄304から延びる。以下で論じられるように、いくつかの実施形態において、第2の把持器顎部330もまた、可逆的に移動可能である一方、他の実施形態において、第2の把持器330は、可逆的に移動可能ではない。第2の把持器顎部330は、数ある方法の中でも、柄304の遠位端308に隣接して柄304に枢動的に接続されることによって、柄304の遠位端308に隣接して柄304から延び得る。
【0110】
それぞれ第1の実施形態3001、第2の実施形態3002、第5の実施形態3005、および第6の実施形態3006のための
図30、
図33、
図39、および
図41に示されるように、いくつかの実施形態において、第1の把持器顎部316は、柄本体軸312に対して第1の把持器顎部316の近位端318から第1の把持器顎部316の遠位端324まで真っすぐである。また、それぞれ第3の実施形態3003および第4の実施形態3004のための
図35および
図37に示されるように、いくつかの実施形態において、第1の把持器顎部316は、柄本体軸312に対して第1の把持器顎部316の近位端318から第1の把持器顎部316の遠位端324まで湾曲している。第2の把持器顎部330もまた、真っすぐであるか、湾曲していてもよい。好ましくは、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330の両方が、真っすぐであるか、両方が湾曲している。
【0111】
それぞれ第1~第6の実施形態3001~3006のための
図30、
図33、
図35、
図37、
図39、および
図41に示されるように、磁石支援型縫合糸把持器300はまた、第1の把持器顎部316の近位~中間部分320に隣接して配設される把持器磁石340を備える。第1の実施形態3001のための
図32を参照すると、磁石支援型縫合糸把持器100は、第1の把持器顎部316が第1の位置326にあるとき、把持器磁石340を、第1の把持器顎部または第2の把持器顎部316、330のうちの少なくとも一方に形成される凹部内に、第1の把持器顎部316と第2の把持器顎部330との間に隔離し、第1の把持器顎部316が第2の位置328にあるとき、把持器磁石340を凹部342から露出させる。把持器磁石340は、例えば、永久双極子磁石であり得る。
【0112】
それぞれ第1~第6の実施形態3001~3006のための
図30、
図33、
図35、
図37、
図39、および
図41に示されるように、いくつかの実施形態において、把持器磁石340は、第1の把持器顎部316の近位~中間部分320に固定して配設される。代替的に、いくつかの実施形態において、把持器磁石340は、第2の把持器顎部330の近位~中間部分334に固定して装着される。また、いくつかの実施形態において、把持器磁石340は、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330の近位~中間部分320、334の間の柄304に固定して装着される。
【0113】
上に記載されるように、また第1の実施形態3001のための
図32に示されるように、磁石支援型縫合糸把持器300は、第1の把持器顎部316が第1の位置326にあるとき、把持器磁石340を、第1の把持器顎部または第2の把持器顎部316、330のうちの少なくとも一方に形成される凹部342内に、第1の把持器顎部316と第2の把持器顎部330との間に隔離する。第1の実施形態3001のための
図29に示されるように、いくつかの実施形態において、第1の把持器顎部316は、第1の把持器顎部軸344を画定し、第1の把持器顎部316の近位~中間部分320は、凹部342の少なくとも一部を画定する第1の把持器顎部軸344に沿った凹んだ部分346を備える。また、示されるように、いくつかの実施形態において、第2の把持器顎部330は、第2の把持器顎部軸348を画定し、第2の把持器顎部330の近位~中間部分334は、凹部342の少なくとも一部を画定する第2の把持器顎部軸348に沿った凹んだ部分350を備える。また、示されるように、いくつかの実施形態において、第1の把持器顎部316は、第1の把持器顎部軸344を画定し、第2の把持器顎部330は、第2の把持器顎部軸348を画定し、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330の近位~中間部分320、334は、凹部342を画定する、それぞれ第1の把持器顎部軸344および第2の把持器顎部軸348に沿った凹んだ部分346、350を備える。
【0114】
また、第1の実施形態3001のための
図29に示されるように、いくつかの実施形態において、把持器磁石340は、永久双極子磁石である。また、
図29に示されるように、これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、把持器磁石340は、把持器磁石340の極が第1の把持器顎部軸344に沿って位置付けられるように、第1の把持器顎部316の近位~中間部分320に固定して装着される。これらの実施形態の他の例において、把持器磁石340は、把持器磁石340の極が第2の把持器顎部軸348に沿って位置付けられるように、第2の把持器顎部330の近位~中間部分334に固定して装着される。これらの実施形態の依然として他の例において、把持器磁石340は、把持器磁石340の極が柄本体軸312に沿って位置付けられるように、遠位端308において柄304に固定して装着される。
【0115】
第1の実施形態3001のための
図27~
図29に示されるように、磁石支援型縫合糸把持器300はまた、柄内腔314内に配設され、その中を柄本体軸312に沿って並進可能である、アクチュエータ本体352を備える。アクチュエータ本体352は、ハンドル302および第1の把持器顎部316に接続され、ハンドル302の運動による第1の把持器顎部の枢動作動のために構成される。アクチュエータ本体352は、例えば、静止状態では、第1の把持器顎部316が第2の位置328にあるように、構成され得る。この例によると、操作者がハンドル302を圧搾するとき、ハンドル302の圧搾は、アクチュエータ本体352を近位に並進させ、以て、第1の把持器顎部316を枢動的に作動して第2の位置328から第1の位置326へ動かす。また、この例によると、操作者がハンドル302を解放するとき、ハンドル302の解放は、アクチュエータ本体352を遠位に並進させ、以て、第1の把持器顎部316を枢動的に作動して第1の位置326から第2の位置328へ動かす。これは、連接型把持器顎部を伴う縫合糸通し器の把持器顎部を作動するための典型的な構成である。他の構成も好適であり得る。アクチュエータ本体352は、ステンレス鋼もしくはチタンなどの金属、またはプラスチック、または、第1の把持器顎部316の作動を達成するための他の好適な材料で作製され得る。
【0116】
図28に示されるように、いくつかの実施形態において、アクチュエータ本体352は、複数の細長部品を備える。これは、例えば、ハンドル302の回転を必要とすることなく第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330の回転を可能にする回転カラー353を備える磁石支援型縫合糸把持器300に有利であり得る。
【0117】
それぞれ第1~第6の実施形態3001~3006のための
図30、
図33、
図35、
図37、
図39、および
図41に示されるように、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330の遠位端324、338は、把持器磁石340よりもさらに遠位に延びる。これは、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330の遠位端324、338が、把持器磁石340のいかなる部分が延びるよりも、柄304からさらに遠位に延びることを意味する。故に、把持器磁石340は、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330の遠位端324、338よりも、柄304の遠位端308により近い。
【0118】
第1の実施形態3001のための
図30との
図31の比較、第2の実施形態3002のための
図33との
図34の比較、第3の実施形態3003のための
図35との
図36の比較、第4の実施形態3004のための
図37との
図38の比較、第5の実施形態3002のための
図39との
図40との比較、および第6の実施形態3006のための
図41との
図42の比較により示されるように、柄本体軸312に沿った第1の方向における柄内腔314内でのアクチュエータ本体352の並進は、第1の把持器顎部316を第1の位置326から第2の位置328へと枢動させ、以て、把持器磁石340を露出させ、把持器磁石340とそこに誘引される磁気縫合糸300との接触を可能にする。アクチュエータ本体352の並進は、第1の把持器顎部316の枢動を結果としてもたらす。第1の方向におけるアクチュエータ本体352の並進は、柄304の近位端306から柄304の遠位端308へ向かう方向における柄内腔314内でのアクチュエータ本体352の並進であり得る。第1の把持器顎部316が第1の位置326にあるとき、把持器磁石340は、凹部342の内側に完全に配設され得、故に、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330内で隔離され得る。これらの実施形態によると、第1の方向における柄内腔314内でのアクチュエータ本体352のそのような並進は、第1の把持器顎部316を第2の把持器顎部330から離れる方へ枢動的に動かし得、以て、把持器磁石340を露出させる。
【0119】
第1の実施形態3001のための
図31との
図30の比較、第2の実施形態3002のための
図34との
図33の比較、第3の実施形態3003のための
図36との
図35の比較、第4の実施形態3004のための
図38との
図37の比較、第5の実施形態3002のための
図40との
図39との比較、および第6の実施形態3006のための
図42との
図41の比較により示されるように、柄本体軸312に沿った第1の方向とは反対の第2の方向における柄内腔314内でのアクチュエータ本体352の並進は、第1の把持器顎部316を第2の位置328から第1の位置326へ枢動させ、以て、把持器磁石340を隔離し、凹部342内で磁気縫合糸200を把持する。第2の方向におけるアクチュエータ本体352の並進は、柄304の遠位端108から柄304の近位端106へ向かう方向における柄304内でのアクチュエータ本体352の並進であり得る。第2の方向における柄内腔314内でのアクチュエータ本体352のそのような並進は、第1の把持器顎部316を第2の把持器顎部330の方へ枢動的に動かし得、以て、把持器磁石340を再び隔離し、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330内で磁気縫合糸200を把持する。
【0120】
これは、以下のように達成され得る。把持器磁石340が、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330の遠位端324、338よりも、柄304の遠位端308により近いことから、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が把持器磁石340に接触し、かつアクチュエータ本体352が、第2の方向において第1の位置326へ並進されるとき、把持器磁石340および磁気縫合糸200の縫合糸磁石202は、第1の把持器顎部316が第2の把持器顎部330上で閉じる前に、凹部342内に適合し、故に、磁石支援型縫合糸把持器100が患者の軟組織を通じて磁気縫合糸200を引っ張るために使用される場合、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202は、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330によって把持される。第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330は、軟組織を通じて磁気縫合糸200を引っ張ることから生じる摩擦抵抗に対抗するのに十分に強力である。
【0121】
上に記載されるように、第1の把持器顎部316は、近位端318、近位~中間部分320、遠位部分322、および遠位端324を備える。また、上に記載されるように、把持器磁石340は、第1の把持器顎部316の近位~中間部分320に隣接して配設される。第1の把持器顎部316が第1の位置326にあるとき第1の把持器顎部316または第2の把持器顎部330のうちの少なくとも一方に形成される凹部342は、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が磁力により把持器磁石340に接触することができるように、第1の把持器顎部316が第2の位置328にあるとき、また磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が把持器磁石340と一緒に凹部342内に適合することができるように、第1の把持器顎部316が第1の位置326に戻ったとき、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が把持器磁石340と第1の把持器顎部316の遠位端324との間に適合することを可能にするために十分な長さおよび配向を有する。縫合糸磁石202が凹部342内で把持器磁石340と第1の把持器顎部316の遠位端324との間に適合するために十分な空間が提供される限り、把持器磁石340が隣接して配設される第1の把持器顎部316の近位~中間部分320は、近位端318に対して遠位および遠位部分322に対して近位の第1の把持器顎部316の任意の部分であり得る。
【0122】
上に記載されるようにまた、それぞれ第1の実施形態3001、第3の実施形態3003、および第5の実施形態3005のための
図30、
図35、および
図39に示されるように、いくつかの実施形態において、第2の把持器顎部330は、可逆的に移動可能である。これらの実施形態において、アクチュエータ本体352は、第2の把持器顎部330にさらに接続され、ハンドル302の運動による第2の把持器顎部330の枢動作動のために構成される。例えば、アクチュエータ本体352は、第1の把持器顎部316について上に説明されるように第2の把持器顎部330に対して構成され得る。他の構成も好適であり得る。これらの実施形態において、第1の方向における柄内腔314内でのアクチュエータ本体352の並進は、第2の把持器顎部330を第1の把持器顎部316から離れる方へ枢動させ、以て、把持器磁石340をさらに露出させ、把持器磁石340とそこに誘引される磁気縫合糸200との接触を可能にする。また、これらの実施形態において、第2の方向における柄内腔314内でのアクチュエータ本体352の並進は、第2の把持器顎部330を第1の把持器顎部316の方へ枢動させ、以て、把持器磁石340を隔離することに貢献し、凹部342内で磁気縫合糸200を把持する。これらの実施形態は、磁石支援型縫合糸把持器300の動作中の第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330のためのより大きい運動範囲、ならびに故に、第1の把持器顎部316が第2の位置328にあるとき磁気縫合糸200の縫合糸磁石202が把持器磁石340に接触するためのより多くの空間を提供することによって、有利であり得る。
【0123】
図30に示されるように、いくつかの実施形態において、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330の遠位端308、338は、鋭い先端354、356を有する。これは、患者内への磁石支援型縫合糸把持器300の挿入中に組織を穿孔するのに有利であり得る。
【0124】
磁石支援型縫合糸把持器300の実施形態3001は、以下のように動作され得る。
【0125】
磁気縫合糸200が患者の内側に配設された後、磁石支援型縫合糸把持器300のハンドル302は、第1の把持器顎部316が第2の位置328から第1の位置326へ枢動し、第2の把持器顎部330が第1の把持器顎部316へ向かって枢動して、第1の把持器顎部316を第2の把持器顎部330上で閉じるように、アクチュエータ本体352を介して第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330を枢動的に作動するために、動かされる、例えば、圧搾される。第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330を含む磁石支援型縫合糸把持器300の遠位端、ならびに柄304の遠位端308は、縫合糸の部位へのアクセスを得るために患者内へ導入される。
【0126】
次いで、ハンドルは、第1の把持器顎部316が第1の位置326から第2の位置328へ枢動され、第2の把持器顎部330が第1の把持器顎部316から離れる方へ枢動され、以て、把持器磁石340を、第1の把持器顎部316と第2の把持器顎部330との間に形成される凹部342から露出させるように、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330を枢動的に作動するために、動かされる、例えば、解放される。第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330ならびに把持器磁石340は、把持器磁石340および縫合糸磁石202の磁場が相互作用することができるように、磁気縫合糸200の縫合糸磁石202の近くに持ってこられる。把持器磁石340と縫合糸磁石202との間の引力は、縫合糸磁石202を把持器磁石340の方へ引っ張り、それらを接触および軸整列状態にする。
【0127】
次いで、ハンドル302は、第1の把持器顎部316を第2の位置328から第1の位置326へ枢動的に戻し、および第2の把持器顎部330を第1の把持器顎部316の方へ枢動させるために、再び動かされる、例えば、圧搾される。第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330が互いの方へ枢動すると、把持器磁石340および磁気縫合糸200の縫合糸磁石202は、第1の把持器顎部316が第2の把持器顎部330上で完全に閉じる前に、凹部342内に適合する。この時点で、磁気縫合糸200は、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330の間に形成される凹部342から逃げることができない。
【0128】
一旦磁気縫合糸200が捕捉されると、磁石支援型縫合糸把持器300は、磁気縫合糸200を新しい場所へと引っ張る、または押圧するために使用され得る。第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330は、荷重が把持器磁石340と縫合糸磁石202との間の引力を超える点まで磁気縫合糸200が重く負荷がかけられるときにさえ、磁石支援型縫合糸把持器300が磁気縫合糸200をしっかりと保持することを可能にする。
【0129】
一旦磁気縫合糸200が所望の場所へと通されると、磁気縫合糸200は、磁石支援型縫合糸把持器300から解放され得る。磁気縫合糸200を解放するため、ハンドル302は、第1の把持器顎部316および第2の把持器顎部330を枢動的に作動し、以て、凹部342から把持器磁石340および磁気縫合糸200の縫合糸磁石202を露出させるために、再び動かされる、例えば、解放される。次いで、縫合糸204は、把持器磁石340および縫合糸磁石202を切り離すために引っ張られ得る。
【0130】
図43~
図47を参照すると、磁気縫合糸ループ400も開示される。磁気縫合糸ループ400は、縫合糸磁石402、および縫合糸磁石402から延び、縫合糸ループ406を形成する二股縫合糸404を備える。
【0131】
磁気縫合糸ループ400は、上で論じられるように、米国公開第2021/0059667号に説明されるものと同様に作製され得る。故に、いくつかの実施形態において、磁気縫合糸ループ400は、二股縫合糸404が結び付けられ接着剤で固定される先細領域410、および縫合糸磁石402が提供される直線領域412を伴うフェルール408をさらに備える。
【0132】
磁気縫合糸ループ400は、第1の縫合糸によって作成される縫合糸ループ406を通じて第2の縫合糸を引っ張る目的のため、第2の縫合糸をスネアする手段を提供することに有利である。外科医は、以下のようにこれを達成し得る。磁気縫合糸ループ400は、まず、患者の組織を通過し、その結果として、磁気縫合糸ループ400は、入口点および患者からの出口点を有する。入口点および出口点は、別個の点または同じ点であり得る。次いで、1本の第2の縫合糸が、磁気縫合糸ループ400の縫合糸ループ406に通される。次いで、磁気縫合糸ループ400は、反対端から組織を通じて引っ張られる。磁気縫合糸ループ400が組織の入口点を通じて引っ張られると、縫合糸ループ406は、組織によって第2の縫合糸の周りで閉じられ、第2の縫合糸を効果的にスネアする。このスネア行為は、磁気縫合糸ループが第2の縫合糸を、組織を通じて出口点の外へ引っ張ることを可能にし、その結果として、今度は第2の縫合糸が、磁気縫合糸ループ400によって以前に占有されていた経路を占有する。これは、使用される縫合糸のタイプに関して選択を制限することなく、縫合糸サイズ、材料、および構造の制限的な置換を可能にすることから、有利である。例えば、外科医が磁気縫合糸ループ400とは異なるスタイルの縫合糸を使用することを望む場合、外科医は、経路を確立するために磁気縫合糸ループ400を使用し、次いで、上に説明される技術を使用して異なる第2の縫合糸のために磁気縫合糸ループ400を迅速かつ容易に交換することができる。
【0133】
図48~
図52を参照すると、予め充填された磁気縫合糸カートリッジ500も開示される。予め充填された磁気縫合糸カートリッジ500は、磁気縫合糸ループ400およびカートリッジ管502を備える。磁気縫合糸ループ400は、上に説明されるようなものであり得る。カートリッジ管502は、カートリッジ管近位開口部504、カートリッジ管遠位開口部506、およびそれらの間のカートリッジ管内腔508を備える。
【0134】
磁気縫合糸ループ400の縫合糸ループ406が、縫合糸ループ406はカートリッジ管内腔508に自由に入ることができるが、縫合糸ループ406の縫合糸磁石402がカートリッジ管内腔508に入らないようにサイズ決定されるカートリッジ管内腔508を横断し、その結果として、縫合糸ループ406が、一方向においてはカートリッジ管内腔508を自由に通過することができるが、反対方向においては捕捉されるように、磁気縫合糸ループ400は、製造中、カートリッジ管502内へ予め充填され得る。カートリッジ管502の壁厚およびその構築に使用される材料の係数は、カートリッジ管502が縫合糸ループ406よりも大きい柱強度を有するようなものであり、磁気縫合糸ループ400を含む予め充填された磁気縫合糸カートリッジ500が、一端から押圧されることによりカニューレ内へ容易に挿入されそこを通って前進されることを可能にする。
【0135】
これは、縫合糸ループ406自体が、縫合糸ループ406が一端からカニューレを通じて押圧されることを可能にするほど十分な柱強度を有さないことから、有利である。したがって、カートリッジ管502は、縫合糸ループ406を、カニューレを通じて、および体内作業空間内へ前進させることを促進する。次いで、カニューレおよびカートリッジ管502は、縫合糸ループ406だけを残して、除去され得る。代替的に、カニューレは除去され得、捕捉された縫合糸ループ406を伴うカートリッジ管502は残され得る。この様式でカートリッジ管502を残すことは、カートリッジ管502の剛性が、縫合糸ループ406の遠位端において身体の外側から磁気縫合糸ループ400の縫合糸磁石402を直接的に操作するための手段を操作者に提供することから、手技中に何らかの利益を提供し得る。この趣旨で、湾曲部が、カートリッジ管502の遠位端に追加され得、これが、体内空間内で磁気縫合糸ループ400の縫合糸磁石402を直接的に操作する操作者の能力をさらに高める。
【0136】
磁気縫合糸を通すためのシステムも開示される。本システムは、上に説明されるように(a)縫合糸回収針、(b)回収器本体、(c)把持器アーム、および(d)把持器磁石を備える磁石支援型縫合糸把持器を備える。本システムはまた、上に説明されるような、縫合糸磁石および縫合糸磁石から延びる縫合糸を備える磁気縫合糸を備える。
【0137】
磁気縫合糸を通すための別のシステムも開示される。本システムは、上に説明されるように(a)ハンドル、(b)柄、(c)第1の把持器顎部、(d)第2の把持器顎部、(e)把持器磁石、および(f)アクチュエータ本体を備える磁石支援型縫合糸把持器を備える。本システムはまた、上に説明されるように、縫合糸磁石、および縫合糸磁石から延びる縫合糸を備える、磁気縫合糸を備える。
【0138】
磁気縫合糸を通すための別のシステムも開示される。本システムは、上に説明されるように(a)縫合糸回収針、(b)回収器本体、(c)把持器アーム、および(d)把持器磁石を備える磁石支援型縫合糸把持器を備える。本システムはまた、上に説明されるような、縫合糸磁石、および縫合糸磁石から延び縫合糸ループを形成する二股縫合糸を備える、磁気縫合糸ループを備える。いくつかの実施形態において、本システムは、上に説明されるようなカートリッジ管もさらに備える。カートリッジ管は、カートリッジ管近位開口部、カートリッジ管遠位開口部、およびそれらの間のカートリッジ管内腔を備える。縫合糸ループは、カートリッジ管遠位開口部を通じて挿入されていることに基づいて、カートリッジ管内腔を横断する。縫合糸磁石は、カートリッジ管遠位開口部に隣接してカートリッジ管内腔の外側に配設される。
【0139】
磁気縫合糸を通すための別のシステムも開示される。本システムは、上に説明されるように(a)ハンドル、(b)柄、(c)第1の把持器顎部、(d)第2の把持器顎部、(e)把持器磁石、および(f)アクチュエータ本体を備える磁石支援型縫合糸把持器を備える。本システムはまた、上に説明されるように、縫合糸磁石、および縫合糸磁石から延び縫合糸ループを形成する二股縫合糸を備える、磁気縫合糸ループを備える。いくつかの実施形態において、本システムは、上に説明されるようにカートリッジ管もさらに備える。カートリッジ管は、カートリッジ管近位開口部、カートリッジ管遠位開口部、およびそれらの間のカートリッジ管内腔を備える。縫合糸ループは、カートリッジ管遠位開口部を通じて挿入されていることに基づいて、カートリッジ管内腔を横断する。縫合糸磁石は、カートリッジ管遠位開口部に隣接してカートリッジ管内腔の外側に配設される。
【0140】
本明細書に開示される磁石支援型縫合糸把持器は、縫合糸の端において縫合糸磁石を含む磁気縫合糸を通すために使用され得る。そのような磁気縫合糸は、例えば、米国公開第2021/0059667号に説明されるように作製され得る。本明細書に開示される磁石支援型縫合糸把持器はまた、縫合糸内に磁性金属を含むことに基づいて磁性である磁気縫合糸を通すために使用され得る。
【0141】
本明細書に開示される磁石支援型縫合糸把持器は、数ある中でも、(1)上に説明されるような開存している鞘状突起の高位結紮を通じた鼠径ヘルニア術、(2)腹腔鏡下ポート閉鎖(典型的な縫合糸サイズ2-0以上)、(3)顕微鏡下手術(典型的な縫合糸サイズ7-0以下)、(4)一般的な手術(典型的な縫合糸サイズ2-0~0)、および(5)整形外科手術(典型的な縫合糸サイズ0以上)を含む手技において有用であり得る。
【0142】
磁石支援型縫合糸把持器はまた、超音波誘導手術技術における使用のために修正され得る。磁石支援型縫合糸把持器は、縫合糸回収針の遠位端をエコー源性にすることによって修正される。これは、例えば、縫合糸回収針の遠位先端においてまたは把持器顎部にエコー源性処理を施すことによって行われ得る。修正された磁石支援型縫合糸把持器は、このとき、縫合糸を導入するための皮下注射針と共に使用され、皮下注射針もまた、その遠位端においてエコー源性である。任意選択的に、磁石支援型縫合糸把持器および磁気縫合糸の磁石、ならびに/または磁石を磁石支援型縫合糸把持器の線および縫合糸に装着するフェルールも、例えば、磁石および/またはフェルールにエコー源性処理を施すことによって、エコー源性にされ得る。
【0143】
超音波誘導手術技術における修正された磁石支援型縫合糸把持器の使用は、吸引設備の必要性を除去することによって手術時間および複雑性の低減を結果としてもたらし得る。吸引設備は、現在のところ、縫合糸を針に通すために必要とされる。
【0144】
修正された磁石支援型縫合糸把持器はまた、縫合糸が引き渡され、腹腔の内側から回収される代替技術を可能にし得る。これは、修復が単一の針アクセスポイントを通じて全体的に完了されることを可能にし、これにより、改善された美容術をもたらし、またより少ない術後の痛みを結果としてもたらし得る。現在の腹腔鏡的アプローチ(PEAR/PIRS技術と呼ばれる)では、針は、皮膚を通じて導入され、欠陥の周りの中心に向けられ、欠陥より下へ腹膜を通って腹腔内へ出る。縫合糸の引き渡しおよび回収は、腹腔の内側のこの空間内で発生する。これは、縫合糸がエコー源性ではないことから、現在のところ超音波誘導下では不可能であるため、外科医は、全く見えない状態で腹腔の内側から縫合糸を回収しなければならない。これは、縫合糸通し器具技術の現在の状態(すなわち、スネア、把持器、など)ではほぼ不可能である。対照的に、修正された磁石支援型縫合糸把持器は、針点およびフェルールがエコー源性である場合は特に、これが機能することを可能にし得る。
【0145】
本明細書に説明される機械的な把持器アーム技術は、回収中に磁気縫合糸を保持するより確実な手段を提供するために、米国特許第10,245,021号に開示される磁気Uステッチ縫合デバイスに統合され得る。加えて、これは、縫合糸が第2のカニューレを通って身体の外へ完全に引っ張られる必要はなく、単に捕捉され得、次いでデバイス全体が除去されて、縫合糸を、直接的に皮膚を通じて引っ張るように、デバイスの動作が変更されることを可能にする。これにより、磁気Uステッチ縫合デバイスが単一デバイスを用いて複数の縫合糸を置くために使用されることを可能にすることになる。
【0146】
加えて、本明細書に説明される磁石支援型縫合糸把持器は、ロボット支援型手術のための腕先ツーリングとして、または内視鏡による縫合糸の直接操作のために内視鏡の端へ、統合され得る。
【0147】
磁気縫合糸を把持するための磁石支援型縫合糸把持器が説明されるが、磁石支援型縫合糸把持器はまた、縫合糸磁石を必ずしも含まずに、磁石によって誘引される強磁性元素を含む縫合糸を把持するために使用され得る。
【0148】
本発明は、上に概説される特定の実施形態と併せて説明されているが、多くの代替形態、修正形態、および変形形態が、当業者には明白であることは明らかである。したがって、上に明記されるような本発明の好ましい実施形態は、限定ではなく例証的であることが意図される。様々な変更は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得る。
【0149】
条項
条項1.磁気縫合糸を把持するための磁石支援型縫合糸把持器であって、
(a)近位端、遠位端、およびそれらの間に延びる針本体を備える縫合糸回収針であって、前記針本体は、前記縫合糸回収針の前記近位端と前記遠位端との間の針本体軸を画定し、前記針本体は、前記針本体軸に沿って、近位孔、遠位孔、およびそれらの間に延びる針内腔を有する、縫合糸回収針、
(b)前記針内腔内に配設され、その中を前記針本体軸に沿って並進可能である回収器本体、
(c)近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える把持器アームであって、前記回収器本体の前記遠位端から延び、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能である、把持器アーム、ならびに
(d)前記把持器アームの前記近位~中間部分に隣接して配設される把持器磁石であって、前記磁石支援型縫合糸把持器は、前記把持器アームが前記第1の位置にあるとき前記把持器磁石を前記針内腔内に隔離し、前記把持器アームが前記第2の位置にあるとき前記把持器磁石を前記針内腔から露出させる、把持器磁石を備え、
前記把持器アームの前記遠位端は、前記把持器磁石よりもさらに遠位に延び、
前記針本体軸に沿った第1の方向における前記針内腔内での前記回収器本体の並進は、前記把持器アームを前記第1の位置から前記第2の位置へと動かし、以て、前記把持器磁石を露出させ、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にし、
前記針本体軸に沿った前記第1の方向とは反対の第2の方向における前記針内腔内での前記回収器本体の並進は、前記把持器アームを前記第2の位置から前記第1の位置へ動かし、以て、前記把持器磁石を隔離し、前記針内腔内で前記磁気縫合糸を把持する、磁石支援型縫合糸把持器。
【0150】
条項2.前記縫合糸回収針は、真っすぐであり、前記針本体軸は、以て、真っすぐである、条項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0151】
条項3.前記縫合糸回収針は、湾曲しており、前記針本体軸は、以て、湾曲している、条項1に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0152】
条項4.前記縫合糸回収針は、鋭い先端を有する、条項1から3のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0153】
条項5.前記把持器アームは、前記回収器本体と一体である、条項1から4のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0154】
条項6.前記把持器磁石は、直接的または間接的のいずれかで、前記回収器本体の前記遠位端に固定して装着される、条項1から5のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0155】
条項7.前記把持器磁石は、前記把持器アームの前記近位~中間部分において、直接的または間接的のいずれかで、前記把持器アームに固定して装着される、条項1から6のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0156】
条項8.近位端および遠位端を有する磁石線をさらに備え、前記磁石線の前記近位端は、前記回収器本体内に固定して配設され、前記把持器磁石は、直接的または間接的のいずれかで、前記磁石線の前記遠位端に固定して装着される、条項1から6のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0157】
条項9.前記把持器アームは、前記把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、
前記把持器アームは、前記針本体の前記遠位孔を通じた前記針内腔の内側から前記針内腔の外側への前記把持器アームの並進に基づいて、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、
前記把持器アームの前記遠位端における前記拡大した遠位終点は、前記把持器アームが前記第2の位置にあるとき、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸磁石との接触を可能にし、前記把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の縫合糸を通すことを可能にするために十分に小さく、かつ、前記把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の前記縫合糸磁石が前記針本体の前記遠位孔を通って前記針内腔を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する、条項1から8のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0158】
条項10.前記拡大した遠位終点は、フックを備える、条項9に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0159】
条項11.前記把持器アームは、第1の把持器アームであり、
前記磁石支援型縫合糸把持器は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器アームであって、前記回収器本体の前記遠位端から延び、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アームをさらに備え、
前記第1の把持器アームは、前記第1の把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、
前記第2の把持器アームは、前記第2の把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、
前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームは、前記針本体の前記遠位孔を通じた前記針内腔の内側から前記針内腔の外側への前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの並進に基づいて、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、
前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの前記拡大した遠位終点は、前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが前記第2の位置にあるとき、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸磁石との接触を可能にし、前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが前記第1の位置にあるとき、磁気縫合糸の縫合糸を通すことを可能にするために十分に小さく、かつ、前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の前記縫合糸磁石が前記針内腔を通じて前記針本体の前記遠位孔から出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する、条項1から8のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0160】
条項12.前記回収器本体から遠位に延びる少なくとも1つの追加の把持器アームをさらに備える、条項11に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0161】
条項13.前記把持器アームは、第1の把持器アームであり、
前記磁石支援型縫合糸把持器は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器アームであって、前記回収器本体の前記遠位端から延び、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アームをさらに備え、
前記第1の把持器アームと第2の把持器アームとはそれらの遠位端において接続され、以て、把持器アームループを形成し、
前記把持器アームループは、前記針本体の前記遠位孔を通じた前記針内腔の内側から前記針内腔の外側への前記把持器アームループの並進に基づいて、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、
前記把持器アームループは、前記把持器アームループが前記第2の位置にあるとき、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸との接触を可能にするために十分に大きい領域を取り囲み、
前記把持器アームループは、前記把持器アームループが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の前記縫合糸磁石が前記針本体の前記遠位孔を通って前記針内腔を出るのを妨害するために十分に大きい厚さを有する、条項1から8のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0162】
条項14.前記把持器アームは、第1の把持器アームであり、
前記磁石支援型縫合糸把持器は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器アームであって、前記回収器本体の前記遠位端から延び、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アームをさらに備え、
前記第1の把持器アームと第2の把持器アームとはそれらの遠位端において接続され、以て、把持器アームループを形成し、
前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームは、前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、
前記把持器アームループは、前記針本体の前記遠位孔を通じた前記針内腔の内側から前記針内腔の外側への前記把持器アームループの並進に基づいて、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、
前記把持器アームループが前記第2の位置にあるとき、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸磁石との接触を可能にするために、前記把持器アームループは、十分に大きい領域を取り囲み、また前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの前記遠位端における前記拡大した遠位終点は、十分に小さいサイズを有し、
前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの前記遠位端における前記拡大した遠位終点は、前記把持器アームループが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の縫合糸を通すことを可能にするために十分に小さいサイズを有し、
前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの前記遠位端における前記拡大した遠位終点は、前記把持器アームループが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の前記縫合糸磁石が前記針本体の前記遠位孔を通って前記針内腔を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する、条項1から8のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0163】
条項15.前記把持器アームは、第1の把持器アームであり、
前記磁石支援型縫合糸把持器は、近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器アームであって、前記回収器本体の前記遠位端から延び、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第2の把持器アームをさらに備え、
前記第1の把持器アームは、前記第1の把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、
前記第2の把持器アームは、前記第2の把持器アームの前記遠位端において、拡大した遠位終点をさらに備え、
前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームは、前記針本体の前記遠位孔を通じた前記針内腔の内側から前記針内腔の外側への前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの並進に基づいて、前記第1の位置と前記第2の位置との間で可逆的に移動可能であり、
前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの前記近位~中間部分は、前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記針本体軸に対して実質的に平行であり、
前記第1または第2の把持器アームのうちの少なくとも一方は、前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが前記第2の位置にあるとき、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸の縫合糸磁石との接触を可能にするために前記針本体軸から外向きに十分に遠くへ可逆的に枢動し、
前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームの前記拡大した遠位終点は、前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の縫合糸を通すことを可能にするために十分に小さく、かつ、前記第1の把持器アームおよび第2の把持器アームが前記第1の位置にあるとき、前記磁気縫合糸の前記縫合糸磁石が前記針本体の前記遠位孔を通って前記針内腔を出るのを妨害するために十分に大きいサイズを有する、条項1から8のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0164】
条項16.磁気縫合糸を通すためのシステムであって、
条項1から15のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器と、
縫合糸磁石、および前記縫合糸磁石から延びる縫合糸を備える、磁気縫合糸と
を備える、システム。
【0165】
条項17.磁気縫合糸を通すためのシステムであって、
条項1から15のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器と、
縫合糸磁石、および前記縫合糸磁石から延び縫合糸ループを形成する二股縫合糸を備える、磁気縫合糸ループと
を備える、システム。
【0166】
条項18.カートリッジ管をさらに備え、
前記カートリッジ管は、カートリッジ管近位開口部、カートリッジ管遠位開口部、およびそれらの間のカートリッジ管内腔を備え、
前記縫合糸ループは、前記カートリッジ管遠位開口部を通じて挿入されていることに基づいて、前記カートリッジ管内腔を横断し、
前記縫合糸磁石は、前記カートリッジ管遠位開口部に隣接して前記カートリッジ管内腔の外側に配設される、条項17に記載のシステム。
【0167】
条項19.磁気縫合糸を把持するための磁石支援型縫合糸把持器であって、
(a)ハンドル、
(b)近位端、遠位端、およびそれらの間に延びる柄本体を備える柄であって、前記柄は、前記柄の前記近位端に隣接する前記ハンドルに接続され、前記柄本体は、柄本体軸を画定し、前記柄に沿って延びる柄内腔を含む、柄、
(c)近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第1の把持器顎部であって、前記柄の前記遠位端に隣接して前記柄から延び、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動可能である、第1の把持器顎部、
(d)近位端、近位~中間部分、遠位部分、および遠位端を備える第2の把持器顎部であって、前記柄の前記遠位端に隣接して前記柄から延びる、第2の把持器顎部、
(e)前記第1の把持器顎部の前記近位~中間部分に隣接して配設される把持器磁石であって、前記磁石支援型縫合糸把持器は、前記第1の把持器顎部が前記第1の位置にあるとき、前記把持器磁石を、前記第1の把持器顎部または第2の把持器顎部のうちの少なくとも一方に形成される凹部内に、前記第1の把持器顎部と前記第2の把持器顎部との間に隔離し、前記第1の把持器顎部が前記第2の位置にあるとき、前記把持器磁石を前記凹部から露出させる、把持器磁石、ならびに
(f)前記柄内腔内に配設され、その中を前記柄本体軸に沿って並進可能であるアクチュエータ本体であって、前記ハンドルおよび前記第1の把持器顎部に接続され、前記ハンドルの運動による前記第1の把持器顎部の枢動作動のために構成される、アクチュエータ本体を備え、
前記第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の前記遠位端は、前記把持器磁石よりもさらに遠位に延び、
前記柄本体軸に沿った第1の方向における前記柄内腔内での前記アクチュエータ本体の並進は、前記第1の把持器顎部を前記第1の位置から前記第2の位置へと枢動させ、以て、前記把持器磁石を露出させ、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にし、
前記柄本体軸に沿った前記第1の方向とは反対の第2の方向における前記柄内腔内での前記アクチュエータ本体の並進は、前記第1の把持器顎部を前記第2の位置から前記第1の位置へと枢動させ、以て、前記把持器磁石を隔離し、前記凹部内で前記磁気縫合糸を把持する、磁石支援型縫合糸把持器。
【0168】
条項20.前記第1の把持器顎部は、前記柄本体軸に対して前記第1の把持器顎部の前記近位端から前記第1の把持器顎部の前記遠位端まで真っすぐである、条項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0169】
条項21.前記第1の把持器顎部は、前記柄本体軸に対して前記第1の把持器顎部の前記近位端から前記第1の把持器顎部の前記遠位端まで湾曲している、条項19に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0170】
条項22.前記第1の把持器顎部は、第1の把持器顎部軸を画定し、前記第1の把持器顎部の前記近位~中間部分は、前記凹部の少なくとも一部を画定する前記第1の把持器顎部軸に沿った凹んだ部分を備える、条項19から21のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0171】
条項23.前記第2の把持器顎部は、第2の把持器顎部軸を画定し、前記第2の把持器顎部の前記近位~中間部分は、前記凹部の少なくとも一部を画定する前記第2の把持器顎部軸に沿った凹んだ部分を備える、条項19から21のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0172】
条項24.前記第1の把持器顎部は、第1の把持器顎部軸を画定し、前記第2の把持器顎部は、第2の把持器顎部軸を画定し、前記第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の前記近位~中間部分は、前記凹部を画定する、それぞれ前記第1の把持器顎部軸および前記第2の把持器顎部軸に沿った凹んだ部分を備える、条項19から21のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0173】
条項25.前記把持器磁石は、前記第1の把持器顎部の前記近位~中間部分に固定して装着される、条項19から24のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0174】
条項26.前記把持器磁石は、前記第2の把持器顎部の前記近位~中間部分に固定して装着される、条項19から24のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0175】
条項27.前記把持器磁石は、前記第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の前記近位~中間部分の間の前記柄に固定して装着される、条項19から24のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0176】
条項28.前記第2の把持器顎部は、可逆的に移動可能であり、
前記アクチュエータ本体は、前記第2の把持器顎部にさらに接続され、前記ハンドルの運動による前記第2の把持器顎部の前記枢動作動のために構成され、
前記第1の方向における前記柄内腔内での前記アクチュエータ本体の並進は、前記第2の把持器顎部を前記第1の把持器顎部から離れる方へ枢動させ、以て、前記把持器磁石をさらに露出させ、前記把持器磁石とそこに誘引される磁気縫合糸との接触を可能にし、
前記第2の方向における前記柄内腔内での前記アクチュエータ本体の並進は、前記第2の把持器顎部を前記第1の把持器顎部の方へ枢動させ、以て、前記把持器磁石を隔離することに貢献し、前記凹部内で前記磁気縫合糸を把持する、条項19から27のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0177】
条項29.前記第1の把持器顎部および第2の把持器顎部の前記遠位端は、鋭い先端を有する、条項19から28のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器。
【0178】
条項30.磁気縫合糸を通すためのシステムであって、
条項19から29のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器と、
縫合糸磁石、および前記縫合糸磁石から延びる縫合糸を備える、磁気縫合糸と
を備える、システム。
【0179】
条項31.磁気縫合糸を通すためのシステムであって、
条項19から29のいずれか一項に記載の磁石支援型縫合糸把持器と、
縫合糸磁石、および前記縫合糸磁石から延び縫合糸ループを形成する二股縫合糸を備える、磁気縫合糸ループと
を備える、システム。
【0180】
条項32.カートリッジ管をさらに備え、
前記カートリッジ管は、カートリッジ管近位開口部、カートリッジ管遠位開口部、およびそれらの間のカートリッジ管内腔を備え、
前記縫合糸ループは、前記カートリッジ管遠位開口部を通じて挿入されていることに基づいて、前記カートリッジ管内腔を横断し、
前記縫合糸磁石は、前記カートリッジ管遠位開口部に隣接して前記カートリッジ管内腔の外側に配設される、条項31に記載のシステム。
【国際調査報告】