(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】脂肪酸テルペンアルコールエステル
(51)【国際特許分類】
C07C 69/24 20060101AFI20240426BHJP
C07C 67/08 20060101ALI20240426BHJP
C07C 69/58 20060101ALI20240426BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240426BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
C07C69/24
C07C67/08 CSP
C07C69/58
A61K8/37
A61Q15/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571306
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022029650
(87)【国際公開番号】W WO2022245838
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517257629
【氏名又は名称】ピー2・サイエンス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】P2 Science, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】フォリー,パトリック
【テーマコード(参考)】
4C083
4H006
【Fターム(参考)】
4C083AC351
4C083CC01
4C083CC17
4H006AA01
4H006AA02
4H006AB12
4H006AC48
4H006KA06
4H006KC12
4H006KC14
(57)【要約】
本出願は、テルペンの新規誘導体、特にテルペンアルコールの誘導体およびその製造方法、それを含む組成物およびその使用方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離または塩形態の一般式(I):
【化1】
〔式中、Aはテルペンアルコールまたはその誘導体のコアであり、Bは天然または非天然脂肪酸の飽和または不飽和炭化水素鎖またはその誘導体である。〕
の脂肪酸テルペンアルコールエステル化合物。
【請求項2】
Aがテルペンアルコールまたはその誘導体のコアであり、ここで、該テルペンがモノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、セスタテルペンまたはトリテルペンである、請求項1の化合物。
【請求項3】
Aがテルペンアルコールまたはその誘導体のコアであり、ここで、該テルペンアルコールがシトロネロール、イソシトロネロール、ゲラニオール、ネロール、メントール、ミルセノール、リナロール、チモール、a-テルピネオール、b-テルピネオール、g-テルピネオール、ボルネオール、ファルネソール、ネロリドールおよびカロトールから選択される、請求項1の化合物。
【請求項4】
該テルペンアルコールがシトロネロール、ミルセノール、リナロールおよびファルネソールから選択される、請求項3の化合物。
【請求項5】
該テルペンアルコールまたはその誘導体が完全飽和である(例えば、該テルペンアルコールが完全飽和モノテルペン誘導体、例えば、イソデシル部分である)、請求項1~4の何れかの化合物。
【請求項6】
Aが
【化2】
からなる群から選択される、請求項1の化合物。
【請求項7】
BがC4~C28脂肪鎖の飽和または不飽和炭化水素鎖またはその誘導体である(すなわち、基BはC3~C27炭化水素鎖を有する)、請求項1~6の何れかの化合物。
【請求項8】
Bが不飽和、例えば、一不飽和、二不飽和または三不飽和炭化水素鎖である、請求項1~6の何れかの化合物。
【請求項9】
Bが-(CH
2)
xCH=CH(CH
2)
yCH
3であり、ここで、xが3~18(例えば、2、3、4、7または9)の整数であり、yが1~8(例えば、1、2、3、4、5、7または8)の整数である、請求項8の化合物。
【請求項10】
Bが飽和炭化水素鎖であり、例えば、Bが-(CH
2)
xCH
3であり、ここで、xが3~26(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または26)の整数である、請求項1~6の何れかの化合物。
【請求項11】
化合物が
【化3】
〔式中、xが7、8、9、11、13、15および17から選択される整数である。〕
からなる群から選択される、請求項1の化合物。
【請求項12】
基Aが、例えば、2,4-ジメチルオクタン-2-イル、2,6-ジメチル-オクタン-1-イル、2,6-ジメチルオクタン-2-イル、3,7-ジメチルオクタン-1-イルおよび3,7-ジメチルオクタン-3-イルから選択されるイソデシル基であり、所望により基BがCH
3(CH
2)
14-、CH
3(CH
2)
10-またはcis-CH
3(CH
2)
7CH=CH(CH
2)
7-である、請求項1の化合物。
【請求項13】
化合物が
【化4】
【化5】
からなる群から選択される、請求項1の化合物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかの化合物を製造する方法であって、式Aの化合物と式Bの化合物またはそのエステル、活性化エステルもしくはアシルハライドを縮合反応で反応させて、式Iの化合物を形成させることを含む、方法。
【化6】
〔式中、置換基AおよびBは請求項1~13の何れかに定義するとおりである。〕
【請求項15】
反応が、所望により、ヘプタンなどの炭化水素溶媒中、硫酸と硫酸マグネシウムの混合物を含む、請求項14の方法。
【請求項16】
反応が、所望によりさらなる溶媒なしで式Aの化合物および式Bの化合物の混合物に固体硫酸マグネシウム/硫酸付加物を触媒として添加することを含む、請求項14の方法。
【請求項17】
所望により1以上の薬学的に許容される、美容上許容されるまたは産業上許容される添加物または担体、例えば、溶媒、油、界面活性剤、皮膚軟化剤、希釈剤、流動促進剤、研磨剤、湿潤剤、ポリマー、可塑剤、触媒、抗酸化剤、着色剤、風味剤、芳香剤、制汗剤、抗細菌剤、抗真菌剤、炭化水素、安定化剤または粘性制御剤と混合して、請求項1~13の何れかの化合物を含む、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本国際出願は、2021年5月17日出願の米国仮出願63/189,544に基づく優先権および利益を主張し、その内容を全体として引用により本明細書に包含させる。
【0002】
発明の分野
本出願は、テルペンの新規誘導体、特にテルペンアルコールのエステル誘導体およびその製造方法、それを含む組成物およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
テルペンおよびテルペン誘導体は、天然産物の最も多用な、商業的に人気のかつ産業的に重要なクラスの一つを構成する。テルペンは全生物で生じ、特に植物で多く、そこから産業的に単離される。テルペンの商業的入手の容易さおよび低価格は、継続的に、ポリマー科学、フレーバーおよび香料産業、化粧品産業、医薬品産業におよび界面活性剤、プラスチック添加剤および他の産業的用途として利用される化学誘導体の革新を促進する。
【0004】
基本のテルペン(C
5nH
8n誘導体、n=1、2、3など)は安価であり広く利用可能であるが、化学的に官能化されたテルペン(テルペノイド)、特にテルペンアルコールはより有用である。一般のモノテルペンアルコールは次のものを含む。
【化1】
【0005】
モノテルペンアルコールに加えて、次のような同様に安価かつ広範に入手可能なセスキテルペンアルコールがある。
【化2】
【0006】
テルペンアルコール誘導体はテルペンアルコールのポリマーおよびオリゴマーも含む。例えば、シトロネロールは、次の構造を有する有用なオリゴマーおよびポリマー生成物を形成する。
【化3】
〔式中、n:0~20(例えば、0~3)である。〕。シトロネロールの二量体、三量体および他のオリゴマーは記載されている。例えば、各々の内容を引用により全体として本明細書に包含させる、US2017/0283553、US2020/0165383およびUS2020/0392287参照。
【0007】
脂肪酸エステルは、年間数百万ドル規模の産業である。天然脂質および油は脂肪酸とグリセロールのエステルであるが、産業上最も有用な脂肪酸エステルは、脂肪酸とモノヒドロキシアルコール、特に脂肪アルコールなどの疎水性モノヒドロキシアルコールとのエステルである。これらの化合物は、例えば、皮膚軟化剤、滑沢剤、消泡剤、アジュバントおよびその他として多様な用途がある。これらの化合物は一般にパーソナルケアおよび化粧組成物に見られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
安定性が改善された、生分解性が改善されたまたは環境への影響が改善されたなどの新規なまたは異なる性質を有する新規化合物についての要望がこの分野ではまだある。新規脂肪酸エステルを再生可能資源から得ることは特に有利である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
本発明は、テルペンアルコールおよびオリゴマーおよびその誘導体およびラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸およびその誘導体などの脂肪酸由来の脂肪酸テルペンアルコールエステルを提供する。これらの化合物は多数のタイプの組成物および多数の役割で有用である。例えば、これらの化合物は皮膚軟化剤、滑沢剤、消泡剤、アジュバントおよび他の用途として使用でき、パーソナルケア組成物および化粧組成物における成分として特に有用である。
【0010】
第二の態様において、本発明は、そのような化合物の製造方法を提供する。
【0011】
第三の態様において、本発明は、そのような化合物を含む組成物および生成物を提供する。ある実施態様において、該化合物は、化粧品、石鹸、ヘアケア製品、香料、日焼け止め剤、プラスチック添加物、塗料、コーティング、滑沢剤および界面活性剤としてまたはそれにおけるものを含む、多様な適用に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な記載
ここで使用する用語「テルペンアルコール」は、少なくとも1個のアルコール官能基を有するか、それを有するように修飾されている天然テルペンまたはテルペノイドをいう。本用語は、二重結合酸化、ケトン還元などにより天然に存在するテルペンに由来する天然に存在するテルペンアルコールおよびアルコール両方を含む。ここで使用する用語「テルペン誘導体」または「テルペンアルコール誘導体」は、テルペンおよびテルペンアルコールの飽和および一部飽和誘導体を含む。テルペン、テルペンアルコールおよび他のテルペノイドは、一般に、1個、2個、3個またはそれ以上の二重結合を有する。飽和誘導体においては全二重結合が水素化されており、一方一部飽和誘導体においては、少なくとも1個の二重結合が水素化されているが、少なくとも1個の二重結合はされていない。本明細書においては、芳香環の二重結合は含まれる;故に、ベンゼン環は一部飽和してシクロヘキサジエンもしくはシクロヘキセン環を形成するまたは完全飽和してシクロヘキサン環を形成すると考えられ得る。
【0013】
第一の態様において、本発明は、遊離または塩形態の一般式(I):
【化4】
〔式中、Aはテルペンアルコールまたはその誘導体のコアであり、Bは天然または非天然脂肪酸の飽和または不飽和炭化水素鎖またはその誘導体である。〕
の脂肪酸テルペンアルコールエステル化合物(化合物1)を提供する。「その誘導体」は、不飽和脂肪酸の一部水素化および完全水素化誘導体を含む、その水素化誘導体を含むが、それに限定されないことは、さらに理解される。好ましい実施態様において、生成物式Iの化合物はイソデシルエステルである(すなわち、基Aはイソデシル基である)。
【0014】
用語「Aはテルペンアルコールまたはその誘導体のコアである」において、式Iの化合物が由来するテルペンアルコールまたはその誘導体が式A-OHを有することは理解される。故に、式Iの化合物のエステル官能基は次の縮合反応により形成されるか形成可能である。
【化5】
同様に用語「Bは天然または非天然脂肪酸の飽和または不飽和炭化水素鎖またはその誘導体である」において、HOOC-Bは上に示すとおり天然または非天然脂肪酸をいうことは理解される。
【0015】
第一態様のさらなる実施態様において、本発明は次のことを提供する:
1.1 Aがテルペンアルコールまたはその誘導体のコアであり、ここで、該テルペンがモノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、セスタテルペンまたはトリテルペンである、化合物1。
【0016】
1.2 Aがテルペンアルコールまたはその誘導体のコアであり、ここで、該テルペンがモノテルペンまたはセスキテルペンである、化合物1。
【0017】
1.3 Aがテルペンアルコールまたはその誘導体のコアであり、ここで、該テルペンがモノテルペンである(例えば、Aがイソデシル部分である)、化合物1。
【0018】
1.4 Aがテルペンアルコールまたはその誘導体のコアであり、ここで、該テルペンアルコールがシトロネロール、イソシトロネロール、ゲラニオール、ネロール、メントール、ミルセノール、リナロール、チモール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオール、ボルネオール、ファルネソール、ネロリドールおよびカロトールから選択される、化合物1。
【0019】
1.5 該テルペンアルコールがシトロネロール、ゲラニオール、ネロール、ミルセノール、リナロールおよびファルネソールから選択される、化合物1.4。
【0020】
1.6 該テルペンアルコールがシトロネロール、ミルセノール、リナロールおよびファルネソールから選択される、化合物1.5。
【0021】
1.7 Aがテルペンアルコールまたはその誘導体のコアであり、ここで、該テルペンアルコールまたは誘導体がシトロネロールのオリゴマーである、化合物1。
【0022】
1.8 該テルペンアルコールまたはその誘導体がその天然不飽和を有する、化合物1または1.1~1.7の何れか。
【0023】
1.9 該テルペンアルコールまたはその誘導体が一部不飽和(例えば、モノ不飽和またはジ不飽和)である、化合物1または1.1~1.7の何れか。
【0024】
1.10 該テルペンアルコールまたはその誘導体が完全飽和である(例えば、該テルペンアルコールが完全飽和モノテルペン誘導体、例えば、イソデシル部分である)、化合物1または1.1~1.7の何れか。
【0025】
1.11 Aが
【化6】
からなる群から選択される、化合物1。
【0026】
1.12 Aが
【化7】
からなる群から選択される、化合物1。
【0027】
1.13 Aが
【化8】
からなる群から選択される、化合物1。
【0028】
1.14 Aが
【化9】
からなる群から選択される、化合物1。
【0029】
【0030】
1.16 Aが
【化11】
からなる群から選択される、化合物1。
【0031】
1.17 Aが
【化12】
からなる群から選択される、化合物1。
【0032】
【0033】
1.19 Aが
【化14】
〔式中、nは0~20(例えば、0~3、0、1または2)の整数である。〕
である、化合物1。
【0034】
1.20 Aが
【化15】
〔式中、nは0~20(例えば、0~3、0、1または2)の整数である。〕
である、化合物1。
【0035】
1.21 BがC4~C28脂肪鎖の飽和または不飽和炭化水素鎖またはその誘導体である(すなわち、基BはC3~C27炭化水素鎖を有する)、化合物1または1.1~1.20の何れか。
【0036】
1.22 BがC6~C12脂肪鎖の飽和または不飽和炭化水素鎖またはその誘導体である(すなわち、基BはC5~C11炭化水素鎖を有する)、化合物1または1.1~1.20の何れか。
【0037】
1.23 BがC13~C21脂肪鎖の飽和または不飽和炭化水素鎖またはその誘導体である(すなわち、基BはC12~C20炭化水素鎖を有する)、化合物1または1.1~1.20の何れか。
【0038】
1.24 BがC22~C28脂肪鎖の飽和または不飽和炭化水素鎖またはその誘導体である(すなわち、基BはC21~C27炭化水素鎖を有する)、化合物1または1.1~1.20の何れか。
【0039】
1.25 BがC8、C9、C10、C12、C14、C16またはC18脂肪鎖の飽和または不飽和炭化水素鎖またはその誘導体である(すなわち、基BはC7、C8、C9、C11、C13、C15またはC17炭化水素鎖を有する)、化合物1または1.1~1.20の何れか。
【0040】
1.26 Bが不飽和、例えば、一不飽和、二不飽和または三不飽和炭化水素鎖である、化合物1、1.1~1.25の何れか。
【0041】
1.27 Bが-(CH2)xCH=CH(CH2)yCH3であり、ここで、xが3~18(例えば、2、3、4、7または9)の整数であり、yが1~8(例えば、1、2、3、4、5、7または8)の整数である、化合物1.26。
【0042】
1.28 Bが-(CH2)xCH=CH(CH2)aCH=CH(CH2)yCH3であり、ここで、xが3~18(例えば、2、3、4、7、9または11)の整数であり、aが1~5(例えば、1または3)の整数であり、yが1~8(例えば、1、2、3、4、5、7または8)の整数である、化合物1.26。
【0043】
1.29 Bが-(CH2)xCH=CH(CH2)aCH=CH(CH2)aCH=CH(CH2)yCH3であり、ここで、xが3~18(例えば、2、3、4、7、9または11)の整数であり、aおよびbが各々独立して1~5(例えば、1、3または5)の整数であり、yが1~8(例えば、1、2、3、4、5、7または8)の整数である、化合物1.26。
【0044】
1.30 各二重結合(-CH=CH-)がcis配向を有する、化合物1.1~1.29の何れか。
【0045】
1.31 各二重結合(-CH=CH-)がtrans配向を有する、化合物1.1~1.29の何れか。
【0046】
1.32 少なくとも1個の二重結合(-CH=CH-)がcis配向を有しかつ1個の二重結合がtrans配向を有する、化合物1.1~1.29の何れか。
【0047】
1.33 Bが飽和炭化水素鎖であり、例えば、Bが-(CH2)xCH3であり、ここで、xが3~26(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または26)の整数である、化合物1、1.1~1.25の何れか。
【0048】
1.34 化合物が
【化16】
〔式中、xは7、8、9、11、13、15および17から選択される整数である。〕
からなる群から選択される、化合物1または1.1~1.33の何れか。
【0049】
1.35 xが8、9および11から選択される整数である、化合物1.34。
【0050】
1.36 xが8である、化合物1.34。
【0051】
1.37 xが9である、化合物1.34。
【0052】
1.38 xが11である、化合物1.34。
【0053】
1.39 xが17である、化合物1.34。
【0054】
1.40 基Aが、例えば、2,4-ジメチルオクタン-2-イル、2,6-ジメチル-オクタン-1-イル、2,6-ジメチルオクタン-2-イル、3,7-ジメチルオクタン-1-イルおよび3,7-ジメチルオクタン-3-イルから選択されるイソデシル基である、化合物1または1.1~1.39の何れか。
【0055】
1.41 基BがCH3(CH2)14-、CH3(CH2)10-またはcis-CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7-である、化合物1または1.1~1.40の何れか。
【0056】
1.42 化合物が
【化17】
からなる群から選択される、化合物1または1.1~1.41の何れか。
【0057】
1.43 化合物が
【化18】
からなる群から選択される、化合物1または1.1~1.41の何れか。
【0058】
1.44 化合物が
【化19】
からなる群から選択される、化合物1または1.1~1.41の何れか。
【0059】
1.45 化合物が
【化20】
からなる群から選択される、化合物1または1.1~1.41の何れか。
【0060】
1.46 化合物が置換基A内に単一不斉中心を有し、その中心がR配置を有する、任意の化合物1.1~1.45。
【0061】
1.47 化合物が置換基A内に単一不斉中心を有し、その中心がS配置を有する、任意の化合物1.1~1.45。
【0062】
1.48 化合物が置換基A内に2個または3個の不斉中心を有し、それら各々がR配置を有する、任意の化合物1.1~1.45。
【0063】
1.49 化合物が置換基A内に2個または3個の不斉中心を有し、それら各々がS配置を有する、任意の化合物1.1~1.45。
【0064】
1.50 化合物が1.35~1.55、例えば、1.40~1.50または1.42~1.48または1.43~1.46または1.44~1.45の屈折率を有する、化合物1または1.1~1.49の何れか。
【0065】
1.51 化合物が15~35mN/m、例えば、20~30mN/mまたは22~28mN/mまたは23~27mN/mまたは24~26mN/mまたは約25mN/mの表面張力を有する、化合物1または1.1~1.50の何れか。
【0066】
ここで使用する用語「イソデシル」は、直鎖状ではない(すなわち、n-デシルではない)任意の10炭素飽和アルキル鎖をいう
【0067】
本発明により提供される化合物は、同じ目的で使用される既存の化合物を超える多数の改善された利益を提供する。例えば、化合物1以降は、(a)低融点、(b)良好な潤滑性、(c)良好な延展(例えば、皮膚への良好な自発的延展)、(d)高屈折率、(e)良好な加水分解性安定性および(f)良好な酵素安定性の1以上を提供する。理論に拘束されないが、ここに開示するイソデシル基を有する化合物は、例えば、アルキル鎖の分岐度の程度の増加により、先行文献の化合物を超える特に有益な改善を提供すると考えられる。表面張力は、類似目的で使用される既知化合物と比較して、皮膚軟化性、潤滑性、展延性および「きらめき」(すなわち、皮膚および髪上の印象)が改善した化合物の提供を助ける物理因子の一つである。好ましくは、本発明の化合物は、15~35ミリニュートン/メートル(mN/m)の表面張力を有する。屈折率は、屈折率が高いほどより輝くまたは光沢のある製品を提供するため、見かけの観点から重要である。好ましくは、本発明の化合物は、1.35~1.55の屈折率を有する。
【0068】
ここで使用する用語「アルキル」は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、オクチルなどなどの、1~20個の炭素原子、典型的に、しかし必ずしもではなく、1~約12個の炭素原子を有する単価または二価、分岐または非分岐飽和炭化水素基をいう。用語アルキルはシクロアルキル基も含み得る。故に、例えば、用語C6アルキルはシクロヘキシル基を包含し、用語C5はシクロペンチル基を包含し、用語C4はシクロブチル基を包含し、用語C3はシクロプロピル基を包含する。さらに、アルキル基が分岐していても分岐していなくてもよいため、n炭素原子のあらゆるアルキル基は、さらなるアルキル置換基により置換されたn未満の炭素のシクロアルキル基を包含する。故に、例えば、用語C6アルキルはメチルシクロペンチル基またはジメチルシクロブチルまたはエチルシクロブチル基またはトリメチルシクロプロピル、エチルメチルシクロプロピルまたはプロピルシクロプロピル基も包含する。
【0069】
ここで使用する用語「アルケニル」は、エチレン、n-プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、t-ブチレン、オクチレンなどの、典型的に、しかし、必ずしもではなく、2~約12個の炭素原子および1~10個の炭素-炭素二重結合を含む、単価または二価、分岐または非分岐不飽和炭化水素基をいう。用語「アルキル」と同様に、用語「アルケニル」はまた、所望により環内または環外である二重結合を伴う分岐および非分岐両方のシクロアルケニル基も包含する。
【0070】
ここで使用する用語「アルキニル」は、エチン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ヘプチン、オクチンなどの、典型的に、しかし、必ずしもではなく、2~約12個の炭素原子および1~8個の炭素-炭素三重結合を含む、単価または二価、分岐または非分岐不飽和炭化水素基をいう。用語「アルキル」と同様に、用語「アルキニル」はまた、所望により環内または環外である三重結合を伴う分岐および非分岐両方のシクロアルキニル基も包含する。
【0071】
ここで使用する用語「アリール」は、例えば、2個の縮合環および10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素(すなわち、ナフタレン)を含む、5~6個の炭素原子の少なくとも1個の芳香環を含む芳香族炭化水素部分をいう。
【0072】
「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」などにおける「置換」により、アルキル、アルケニル、アルキニルまたは他の部分において、炭素原子に結合した少なくとも1個の水素原子が1以上の非水素置換基、例えば、官能基により置き換えられることを意味する。
【0073】
用語「分岐」および「直鎖」(または「非分岐」)は、例えば、Ca~Cb炭素原子のアルキル部分を参照して使用するとき、該アルキル部分を規定する炭素原子に適用される。例えば、C4アルキル部分について、その分岐実施態様はイソブチルを含み、その非分岐実施態様はn-ブチルである。しかしながら、イソブチルは、C1アルキル(メチル)で置換された直鎖状C3アルキル部分(プロピル)自体ともみなされる。
【0074】
特に断らない限り、原子価がオープンな任意の炭素原子は、さらなる官能基で置換され得る。官能基の例は、ハロ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C1-C20アルコキシ、C2-C20アルケニルオキシ、C2-C20アルキニルオキシ、C5-C20アリールオキシ、アシル(C2-C20アルキルカルボニル(-CO-アルキル)およびC6-C20アリールカルボニル(-CO-アリール)を含む)、アシルオキシ(-O-アシル)、C2-C20アルコキシカルボニル(-(CO)-O-アルキル)、C6-C20アリールオキシカルボニル(-(CO)-O-アリール)、ハロカルボニル(-CO)-X、ここで、Xはハロである)、C2-C20アルキルカルボナト(-O-(CO)-O-アルキル)、C6-C20アリールカルボナト(-O-(CO)-O-アリール)、カルボキシ(-COOH)、カルボキシラト(-COO-)、カルバモイル(-(CO)-NH2)、モノ-置換C1-C20アルキルカルバモイル(-(CO)-NH(C1-C20アルキル))、ジ-置換アルキルカルバモイル(-(CO)-N(C1-C20アルキル)2)、モノ-置換アリールカルバモイル(-(CO)-NH-アリール)、チオカルバモイル(-(CS)-NH2)、カルバミド(-NH-(CO)-NH2)、シアノ(-C≡N)、イソシアノ(-N+≡C-)、シアナト(-O-C≡N)、イソシアナト(-O-N+≡C-)、イソチオシアナト(-S-C≡N)、アジド(-N=N+=N-)、ホルミル(-(CO)-H)、チオホルミル(-(CS)-H)、アミノ(-NH2)、モノ-およびジ-(C1-C20アルキル)-置換アミノ、モノ-およびジ-(C5-C20アリール)-置換アミノ、C2-C20アルキルアミド(-NH-(CO)-アルキル)、C5-C20アリールアミド(-NH-(CO)-アリール)、イミノ(-CR=NH、ここで、R=水素、C1-C20アルキル、C5-C20アリール、C6-C20アルカリール、C6-C20アラルキルなど)、アルキルイミノ(-CR=N(アルキル)、ここで、R=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、アリールイミノ(-CR=N(アリール)、ここで、R=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、ニトロ(-NO2)、ニトロソ(-NO)、スルホ(-SO2-OH)、スルホナト(-SO2-O-)、C1-C20アルキルスルファニル(-S-アルキル;別名「アルキルチオ」)、アリールスルファニル(-S-アリール;別名「アリールチオ」)、C1-C20アルキルスルフィニル(-(SO)-アルキル)、C5-C20アリールスルフィニル(-(SO)-アリール)、C1-C20アルキルスルホニル(-SO2-アルキル)、C5-C20アリールスルホニル(-SO2-アリール)、ホスホノ(-P(O)(OH)2)、ホスホナト(-P(O)(O-)2)、ホスフィナト(-P(O)(O-))、ホスホ(-PO2)、ホスフィノ(-PH2)、モノ-およびジ-(C1-C20アルキル)-置換ホスフィノ、モノ-およびジ-(C5-C20アリール)-置換ホスフィノ;およびヒドロカルビル部分、例えばC1-C20アルキル(C1-C18アルキルを含む、さらにC1-C12アルキルを含むおよびさらにC1-C6アルキルを含む)、C2-C20アルケニル(C2-C18アルケニルを含む、さらにC2-C12アルケニルを含むおよびさらにC2-C6アルケニルを含む)、C2-C20アルキニル(C2-C18アルキニルを含む、さらにC2-C12アルキニルを含むおよびさらにC2-C6アルキニルを含む)、C5-C30アリール(C5-C20アリールを含むおよびさらにC5-C12アリールを含む)およびC6-C20アラルキル(C6-C20アラルキルを含むおよびさらにC6-C12アラルキルを含む)を含むが、これらに限定されない。さらに、前記官能基は、特定した基で可能であれば、1以上のさらなる官能基または1以上のヒドロカルビル部分、例えば上に具体的に挙げたものでさらに置換され得る。例えば、アルキルまたはアルケニル基は分岐し得る。例えば、「置換基」はアルキル基、例えば、メチル基である。
【0075】
第二の態様において、本発明は、縮合反応において、式Aの化合物またはその塩と式Bの化合物またはそのエステル、活性化エステルもしくはアシルハライドを反応させて、式Iの化合物を形成することを含む、化合物1以降を製造する方法を提供する。
【化21】
〔式中、置換基AおよびBは上に定義するとおりである。〕ある実施態様において、反応を、所望により、脱水条件下、酸触媒存在下で式A化合物と式Bの化合物を反応させることにより実施する。好ましくは、酸触媒は硫酸、塩酸、リン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸またはAmberlyst型樹脂などの酸性イオン交換樹脂から選択される。ある実施態様において、反応は、さらに、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、五酸化リンなどの脱水剤を含む。好ましい実施態様において、反応は、所望により、ヘプタンなどの炭化水素溶媒中、硫酸と硫酸マグネシウムの混合物を含む。ある実施態様において、硫酸マグネシウムをまずヘプタンなどの炭化水素溶媒に懸濁し、濃硫酸を添加し、溶媒除去後、縮合反応の酸性触媒として直接使用できる固体MgSO
4/H
2SO
4付加物を形成する。好ましくは、この固体付加物を無溶媒反応成分に直接添加する(例えば、式Aのテルペンアルコールおよび/または式Bの酸が液体であるとき)。ある実施態様において、反応を、カップリング剤、例えば、1,1-カルボニル-ジ-イミダゾールの存在下、式Aの化合物と式Bの化合物を反応させることにより、実施する。ある実施態様において、反応を、式Aの化合物と、式Bの化合物のアシルハライドまたは酸無水物などの式Bの化合物の活性化誘導体を反応させることにより、実施する。ある実施態様において、反応を、塩基性条件下、例えば、塩基(例えば、ヒドロキシド塩基、アルコキシド塩基、炭酸塩塩基、炭酸水素塩塩基、ハイドライド塩基、有機金属塩基またはアミド塩基)の存在下、式Aの化合物と式Bの化合物またはそのエステル、活性化エステルもしくはアシルハライドを反応させることにより、実施する。ある実施態様において、反応を、リチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩などの塩の式Aの化合物と式Bの化合物またはそのエステル、活性化エステルもしくはアシルハライドを反応させることにより、実施する。ある実施態様において、該塩はインサイチュで形成される。適当な塩基は、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウムブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、水酸化カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、カリウムハイドライド、カリウムアミド、水酸化リチウム、リチウムメトキシド、リチウムtert-ブトキシド、炭酸リチウム、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、リチウムテトラメチルピペリジド、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウムおよびt-ブチルリチウムを含む。
【0076】
反応を実施するための適当な溶媒および反応条件(濃度、時間、温度)は一般に当業者に知られ、決して本開示に限定されない。試薬の選択により、適当な溶は、非極性、極性プロトンおよび/または極性非プロトン性溶媒、例えば炭化水素、エーテルおよびエステルの1以上を含み得る。
【0077】
ある実施態様において、反応は、-25℃~200℃の温度で実施される。好ましい実施態様において、反応は、25~150℃または50~100℃で行う。ある実施態様において、反応は、0.1~100時間行う。好ましい実施態様において、反応は、0.5~12時間または0.5~6時間または1~3時間行う。
【0078】
本発明の化合物1以降の製造に使用する化合物式Aは、テルペンアルコールまたはその誘導体(例えば、水素化テルペンアルコール)である。好ましくは、テルペンアルコールは天然再生可能資源から得るまたはそこから単離される。例えば、次のテルペンアルコールの各々を、多数の植物種からの抽出により得ることができる:シトロネロール、イソシトロネロール、ゲラニオール、ネロール、メントール、ミルセノール、リナロール、チモール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオール、ボルネオール、ファルネソール、ネロリドールおよびカロトール。ローズオイル、パルマローザオイル、シトロネラオイル、ラベンダーオイル、コリアンダーオイル、タイムオイル、ペパーミントオイルおよびパイントオイルなどの多くの樹木および植物からの精油は、相当量のこれらテルペンアルコールを有する。
【0079】
好ましい実施態様において、しかしながら、テルペンアルコールは、天然由来テルペンから半合成(例えば、二重結合水和反応)によりもたらされ得る。テルペンは、自然界で対応するテルペンアルコールよりはるかに豊富である。一般的テルペンは、アルファ-ピネン、ベータ-ピネン、アルファ-テルピネン、ベータ-テルピネン、ガンマ-テルピネン、デルタ-テルピネン(テルピノレン)、ミルセン、リモネン、カンフェン、カレン、サビネン、アルファ-オシメン、ベータ-オシメン、アルファ-ツジェンおよびベータ-ツジェンを含む。アルファ-ピネンは、自然界で最も豊富な天然に存在するテルペンであり、パイントオイルおよびオレオレジン(およびその誘導体テルペンチン)など、種々の樹木の樹脂および油に高濃度で存在する。多数のテルペン油が、テルペンチン、パイントオイルおよび類似物質に存在するテルペンからもたらされ得る。テルペンチンは、製紙およびパルプ業界における主要な副産物であり、よって、この物質のテルペンアルコール源としての使用は経済かつ環境両方にやさしい。
【0080】
さらに、テルペンアルコールは、イソブチレン、イソプレノールまたはエタノールから半合成的に製造され得る。エタノール、ならびにメタノールおよびtert-ブタノールは、トウモロコシ、サトウキビ糖またはテンサイ糖などの生物再生可能糖の発酵により、大量にもたらされ得る。イソブチレンは、除去によりtert-ブタノールからまたはエタノールからアセトアルデヒドおよびアセトンへの混合酸化およびアルドール縮合によりもたらされ得て、イソプレノールはイソブチレンからホルムアルデヒドとの反応によりもたらされ得て、ホルムアルデヒドはメタノール酸化により産生できる。メタノールおよびエタノールはまた商業的エタノール蒸留(例えば、蒸留酒の製造において)の副産物フラクションにも由来し得る。これらの経路で、本発明の化合物は、全て、完全に樹木および植物などの生物再生可能資源から製造され得る。
【0081】
故に、本発明のある実施態様において、化合物1以降を製造する方法は、次の工程の1以上をさらに含み得る:(1)1以上の穀物または穀粒(例えば、トウモロコシ、ビート、サトウキビ、大麦、小麦、ライ麦またはソルガム)を収穫し、(2)そのような収穫した穀物または穀粒を発酵させ、(3)そのような発酵から1以上のC1-4脂肪族アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソブタノール、tert-ブタノールまたはそれらの任意の組み合わせ)を得て、(4)該アルコールをイソブチレンおよび/またはイソプレノールに変換し、(5)該イソブチレンまたはイソプレノールを1以上のテルペン(例えば、アルファ-ピネン、ベータ-ピネン、アルファ-テルピネン、ベータ-テルピネン、ガンマ-テルピネン、デルタ-テルピネン(テルピノレン)、ミルセン、リモネン、カンフェン、カレン、サビネン、アルファ-オシメン、ベータ-オシメン、アルファ-ツジェンおよびベータ-ツジェン)に変換し;(6)精油および樹脂(例えば、ロジン、ダマール、マスティック、サンダラック、フランキンセンス、エレミ、テルペンチン、コパイバ、オレオレジン、パイントオイル、カナビスオイル、コリアンダーオイル)などの自然に存在する植物および樹木抽出物から1以上のテルペンを抽出または単離し、そして(7)このようなテルペンを1以上のテルペンアルコール(例えば、シトロネロール、イソシトロネロール、ゲラニオール、ネロール、メントール、ミルセノール、リナロール、チモール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオール、ボルネオール、ファルネソール、ネロリドールおよびカロトール)に変換する。
【0082】
他の態様において、本発明は、所望により1以上の薬学的に許容される、美容上許容されるまたは産業上許容される添加物または担体、例えば、溶媒、油、界面活性剤、皮膚軟化剤、希釈剤、流動促進剤、研磨剤、湿潤剤、ポリマー、可塑剤、触媒、抗酸化剤、着色剤、風味剤、芳香剤、制汗剤、抗細菌剤、抗真菌剤、炭化水素、安定化剤または粘性制御剤と混合され、化合物1または1.1~1.51の何れかを含む、組成物を提供する。ある実施態様において、組成物は、医薬組成物または化粧組成物または日焼け止め組成物または可塑性組成物または滑沢剤組成物またはパーソナルケア組成物(例えば、石鹸、皮膚クリームまたはローション、バルム、シャンプー、ボディーソープ、保湿クリーム、デオドラント、制汗剤、アフターシェーブローション、コロン、香水または他のヘアケアまたはスキンケア製品)または清浄組成物(例えば、表面洗浄剤、金属洗浄剤、木材洗浄剤、ガラス洗浄剤、石鹸などの体用洗浄剤、食器洗浄界面活性剤または洗濯界面活性剤)または消臭スプレーである。
【0083】
好ましい実施態様において、このような組成物は、イソデシル基を有する本発明の化合物を含む。特に好ましい実施態様において、このような組成物は、デシルまたはイソデシルアルコール、デカンまたはイソデカン酸、デシルまたはイソデシルエーテルまたはデシルまたはイソデシルエステルなどのデシルまたはイソデシル基を有する他の添加物も含む。例えば、このような組成物は、実施例1~11のイソデシル化合物の1以上の組み合わせを含み得る。
【0084】
本発明の化合物、例えば、化合物1以降を、例えば香水、石鹸、防虫剤および殺虫剤、界面活性剤、家庭用洗浄剤、消臭スプレー、ルームスプレー、ポマンダー、キャンドル、化粧品、化粧水、プレおよびアフターシェーブローション、タルカム・パウダー、ヘアケア製品、体臭防止剤、制汗剤、シャンプー、コロン、シャワー用ジェル、ヘアスプレーおよびペットリターと共に使用し得る。
【0085】
香料組成物の製造のために本発明の化合物と組み合わせて使用し得る香料および成分および香料成分混合物は、抽出物、畜産物および精油、アブソリュート、レジノイド、樹脂およびコンクリートを含む天然製品およびアルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、酸、エステル、アセタール、フェノール、エーテル、ラクトン、フラン骨格、ニトリル、酸ならびに飽和および不飽和両方の化合物および脂肪族炭素環式およびヘテロ環式化合物を含む炭化水素を含むが、これらに限定されない合成香料物質および畜産物を含むが、これらに限定されない。
【0086】
ある実施態様において、本発明は、石鹸(液体または固体)、ボディーソープ、皮膚および髪清拭剤、スキンクリームおよびローション(例えば、フェイシャルクリームおよびローション、フェイスオイル、アイクリーム、他の抗しわ製品)、軟膏、日焼け止め剤、乳液、ヘアシャンプーおよび/またはコンディショナー、デオドラント、制汗剤、髪、皮膚および爪のための他のコンディショニング製品(例えば、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、ヘアスタイリングジェル、ヘアムース)、装飾的化粧品(例えば、マニキュア、アイライナー、マスカラ、口紅、ファウンデーション、コンシーラー、頬紅、ブロンザー、アイシャドー、リップ・ライナー、リップクリーム)および皮膚化粧品を含むが、これらに限定されないパーソナルケア組成物を提供する。
【0087】
ある実施態様において、パーソナルケア組成物は、有機原料成分、ビーガン成分、グルテンフリー成分、環境に優しい成分、天然成分(例えば大豆油、蜜蝋、ローズマリーオイル、ビタミンE、ココナッツオイル、ハーブ油など)、コメドジェニック成分、天然閉塞性植物ベースの成分(例えばココアバター、シアバター、マンゴーバター)、ノンコメドジェニック成分、バクチオール(レチノールの低刺激性の天然代替物として使用される植物由来化合物)、色活性成分(例えば、顔料および染料);治療活性成分(例えば、ビタミン、アルファヒドロキシ酸、コルチコステロイド、アミノ酸、コラーゲン、レチノイド、抗微生物化合物)、日焼け止め成分および/またはUV吸収化合物、反射化合物、油(例えばヒマシ油およびオリーブ油または高粘性油)、フィルム形成剤、高分子量エステル、制汗活性成分、グリコール溶液、水、アルコール、乳化剤、ゲル化剤、皮膚軟化剤、水、ポリマー、炭化水素、コンディショニング剤および/または脂肪族エステルを含み得る。
【0088】
ある実施態様において、本組成物はグルテンフリーである。
【0089】
ある実施態様において、本組成物は水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンとして製剤化される。ある実施態様において、組成物は、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、イソドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、ヘンイコサン、ドコサンおよびトリコサンおよび任意のその飽和直鎖状または飽和分岐異性体などの1以上の炭化水素をさらに含み得る。
【0090】
ここで使用する用語「例えば」、「例として」、「など」または「含む」は、より一般的な対象をさらに明確化する例の紹介を意味する。これらの例は、本発明の理解を助けるためだけに提供し、いかなる方法でも限定することを意図しない。さらに、ここで使用する用語「得る」、「任意的」、「所望により」または「所望によりしてよい」は、本記載が、状況が起こる場合および状況が起こらない場合を含むように、その後に記載される状況が起こっても起こらなくても良いことを意味する。例えば、用語「所望により存在する」は、ある物が存在しても存在していなくてもよいことを意味し、故に、本記載は、物が存在する場合および物が存在しない場合を含む。
【0091】
ここで使用する用語「式を有する」または「構造を有する」は、限定的であることを意図せず、用語「含む」が一般に使用されるのと同じ方法で使用される。
【0092】
本明細書において、ある場合、化合物の構造式は便宜上ある異性定を表すが、本発明は、不斉炭素、立体異性体、互変異性体などに基づく幾何、光学異性体などの全異性体を含む。さらに、ここに記載する式で表される化合物に結晶多形が存在し得る。あらゆる結晶形態、結晶形態混合物またはその無水物もしくは水和物が本発明の範囲に含まれることは留意される。
【0093】
「互変異性体」は、構造が原子配置において著しく異なるが、容易かつ迅速な平衡で存在する、化合物をいう。本発明の化合物を異なる互変異性体として記載し得ることは理解される。化合物が互変異性形態を有するとき、全互変異性形態が本発明の範囲内であることが意図され、化合物の名称はあらゆる互変異性形態を除外しないことも理解されるべきである。さらに、一つの互変異性体を記載しているかもしれないが、本発明は本化合物の全互変異性体を含む
【0094】
ここで使用する用語「塩」は、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、マレイン酸、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩および酒石酸塩;Na+、K+、Li+などのアルカリ金属カチオン、Mg2+またはCa2+などのアルカリ土類金属塩または有機アミン塩または有機ホスホニウム塩を含む酸付加塩を含み得る。
【0095】
ここで使用する全パーセンテージは、特に断らない限り、体積による。
【0096】
ここで使用する全比率は、特に断らない限り、モル濃度による。
【0097】
本発明の具体的実施態様を製造およびスキームを参照して記載しているが、このような実施態様は単なる例示であり、本発明の原則の適用を表し得る多くの可能性のある具体的実施態様のほんの一部を説明するに過ぎないことは理解されるべきである。種々の変化および修飾が、本発明の利益を考慮して当業者には明らかであり、添付する特許請求の範囲にさらに定義する本発明の精神および範囲内であると考えられる。
【実施例】
【0098】
ここで一般的に記載しているが、次の非限定的実施例を、本発明をさらに説明するために提供する。
【0099】
ここに開示する化合物は、いくつかの直接的エステル化またはトランスエステル化過程を介して製造できる。ある好ましい方法は、Wright, et al. in Tetrahedron Letters, Vol. 38, No. 42, pp. 7345-7348, 1997に類似する経路での、MgSO4およびH2SO4の組み合わせの使用を含む。しかしながら、さらにより好ましい方法において、MgSO4/H2SO4触媒を、ヘプタンなどの非極性有機溶媒から前もって調製する。
【0100】
このアプローチで、MgSO4を、不活性雰囲気下に撹拌しながら溶液に懸濁し(例えば、40gのヘプタン中10gのMgSO4)、濃H2SO4を溶液に滴下する。混合物を一定時間、例えば、15分間または1時間撹拌し、次いでヘプタン相を濾過し、白色固体粉末を得て、それを真空乾燥または不活性大気、例えば、窒素またはアルゴンで送風乾燥し得る。次いで、この白色固体を3級アルコールおよび/または適切に置換されたオレフィンから3級エステルを製造するのに特に好ましい強力なエステル化触媒として使用できる
【0101】
実施例1. イソデシルパルミテート(2,6-ジメチルオクタン-1-イルパルミテート)
5リットルガラス反応容器中、不活性雰囲気下に、2,6-ジメチルオクタノール(1当量)を、ヘキサンまたはヘプタン溶媒中パルミチン酸(1当量)と合わせ、1キログラムの2,5-ジメチルオクタナールあたり50グラムのMgSO4/H2SO4固体触媒を添加する。次いで、溶液を窒素バブリングしながら8時間、80℃で撹拌する。ガラスリアクターのガス出口をコンデンサーに接続して、過剰のメタノールを凝縮および収集する。次いで、反応物を室温にし、次いで100グラムの炭酸カリウムを溶液にゆっくり添加する。次いで2時間撹拌し、濾過する。過剰の2,6-ジメチルオクタノールおよび溶媒を減圧下除去し、所望の生成物を、さらに蒸留により単離する。
【0102】
実施例2. イソデシルオレアート(2,4-ジメチルオクタン-2-イルオレアート)
5リットルガラス反応容器中、不活性雰囲気下に、2,4-ジメチルオクタン-2-オール(1当量)とオレイン酸(1当量)をヘキサンまたはヘプタン溶媒中で合わせ、1キログラムの2,4-メチルオクタン-2-オールあたり50グラムのMgSO4/H2SO4固体触媒を添加する。次いで、溶液を窒素バブリングしながら8時間、100℃で撹拌する。ガラスリアクターのガス出口をコンデンサーに接続して、過剰の水を凝縮および収集する。次いで、反応物を室温にし、次いで400グラムの炭酸カリウムを溶液にゆっくり添加する。次いで2時間撹拌し、濾過する。過剰の2,4-メチルオクタン-2-オールおよび溶媒を減圧下除去し、所望の生成物を、さらに蒸留により単離する。
【0103】
実施例3. イソデシルオレアート(3,7-ジメチルオクタン-1-イルオレアート)
3,7-ジメチル-1-オクタノール(別名ジヒドロシトロネロールまたはテトラヒドロゲラニオール)(64g、0.40mol)を大豆由来オレイン酸メチル(100g、0.34mol)と合わせる。次いで、反応物に2.0gのカリウムメトキシドを添加し、ドライアイス冷却収集バルブを備えた装置中、減圧下、55℃で撹拌する。理論量のメタノールが留去され集められたことが観察されたら、反応物を室温かつ大気圧にし、ヘキサン(約200ml)で希釈し、次いで、シリカおよびセライトのパッドで濾過して、何らかの無機物質を除去する。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで減圧下除去する。得られた明黄色、半透明液体を蒸留下に置いて、何らかの残留3,7-ジメチル-1-オクタノールを除去する。127g(理論値の88.5%)の明黄色、透明液体を得る。1H NMR (CDCl3): δ:0.85-0.92(m, 12H); 1.10-1.18 (m, 4H); 1.20-1.36 (m, 21H); 1.38-1.45 (m, 1H); 1.48-1.56 (m, 2H); 1.58-1.68 (m, 4H); 1.96-2.06 (m, 4H), 2.25-2.31 (t, 2H); 4.05-4.14 (m, 2H); 5.30-5.37 (m, 2H)
【0104】
実施例3の生成物は、1.45100の屈折率および25.9mN/mの表面張力を有することが分かる。
【0105】
実施例4. イソデシルパルミテート(3,7-ジメチルオクタン-1-イルパルミテート)
3,7-ジメチル-1-オクタノール(70g、0.44mol)をメチルパルミテート(100g、0.37mol)と合わせる。次いで、反応物に2.0gのカリウムメトキシドを添加し、ドライアイス冷却収集バルブを備えた装置中、減圧下、55℃で撹拌する。理論量のメタノールが留去され集められたことが観察されたら、反応物を室温かつ大気圧にし、ヘキサン(約200ml)で希釈し、次いで、シリカおよびセライトのパッドで濾過して、何らかの無機物質を除去する。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで減圧下除去する。得られた明黄色、半透明液体を蒸留下に置いて、何らかの残留3,7-ジメチル-1-オクタノールを除去する。116g(理論値の79.2%)の明黄色、透明液体を得る。1H NMR (CDCl3): δ:0.85-0.91 (m, 12H); 1.10-1.17 (m, 2H); 1.22-1.34 (m, 28H); 1.38-1.46 (m, 1H); 1.47-1.56 (m, 2H); 1.57-1.69 (m, 3H); 2.26-2.30 (t, 2H); 4.05-4.14 (m, 2H)
【0106】
実施例4の生成物は、1.44395の屈折率および25.4mN/mの表面張力を有することが分かる。
【0107】
実施例5. イソデシルラウレート(3,7-ジメチルオクタン-1-イルラウレート)
3,7-ジメチル-1-オクタノール(81g、0.513mol)をメチルラウレート(100g、0.467mol)と合わせる。次いで、反応物に2.0gのカリウムメトキシドを添加し、ドライアイス冷却収集バルブを備えた装置中、減圧下、55℃で撹拌する。理論量のメタノールが留去され集められたことが観察されたら、反応物を室温かつ大気圧にし、ヘキサン(約200ml)で希釈し、次いで、シリカおよびセライトのパッドで濾過して、何らかの無機物質を除去する。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで減圧下除去する。得られた透明液体を蒸留下に置いて、何らかの残留3,7-ジメチル-1-オクタノールを除去する。132g(理論値の83.1%)の明黄色、透明液体を得る。1H NMR (CDCl3): δ:0.84-0.91 (m, 12H); 1.09-1.16 (m, 4H); 1.21-1.32 (m, 18H); 1.37-1.45 (m, 1H); 1.46-1.56 (m, 2H); 1.56-1.69 (m, 3H); 2.25-2.30 (t, 2H); 4.04-4.14 (m, 2H)
【0108】
実施例5の生成物は、1.44406の屈折率および26.0mN/mの表面張力を有することが分かる。
【0109】
実施例6. テトラヒドロミルセノール(主要異性体としての2,6-ジメチルオクト-2-エン)からのテトラヒドロミルセン
300gのテトラヒドロミルセノールを20gのAmberlyst H+樹脂と、撹拌子および蒸留アクセサリーを備えた丸底フラスコで合わせる。物質を、軽い窒素バブリグ下、減圧下に80℃に加熱する。約6時間かけて、H2Oが蒸気相に同期した痕跡量の有機物と共に留去される。H2Oがもはや蒸留物に存在するとは考えられず、GC FIDにより変換の完了が示されたら、反応を停止し、室温にする。次いで、反応混合物をセライトおよびシリカのパッドで濾過して、何らかの残留触媒を除去する。181g(69%収率)の透明、低粘性液体をオレフィン異性体混合物として得る。主要異性体は次のものを示す:1H NMR (CDCl3) δ:0.87-0.93 (m, 6H); 1.11-1.24 (m, 2H); 1.31-1.43 (m, 3H); 1.63-1.65 (s, 3H); 1.71-1.73 (s, 3H); 1.91-2.10 (m, 2H); 5.11-5.18 (m, 1H)
【0110】
実施例7. テトラヒドロリナロール(主要異性体としての(Z)-3,7-ジメチルオクト-3-エン)からのテトラヒドロミルセン
400gのテトラヒドロリナロールを40gのAmberlyst H+樹脂と、撹拌子および蒸留アクセサリーを備えた丸底フラスコで合わせる。物質を、軽い窒素バブリグ下、減圧下に80℃に加熱する。約5時間かけて、H2Oが蒸気相に同期した痕跡量の有機物と共に留去される。H2Oがもはや蒸留物に存在するとは考えられず、GC FIDにより変換の完了が示されたら、反応を停止し、室温にする。次いで、反応混合物をセライトおよびシリカのパッドで濾過して、何らかの残留触媒を除去する。234g(66%収率)の透明、低粘性液体をオレフィン異性体混合物として得る。1H NMR (CDCl3) δ:0.86-0.94 (m, 9H); 0.96-1.03 (m, 1H); 1.12-1.28 (m, 2H); 1.34-1.45 (m, 1H); 1.52-1.72 (m, 3H); 1.94-2.09 (m, 3H); 5.08-5.26 (m, 1H)
【0111】
実施例8. イソデシルラウレート(2,6-ジメチルオクタン-1-イルラウレート)
大型ガラスバイアルで2,6-ジメチルオクト-2-エン(14g、0.1mol)を10gのラウリン酸(0.05mol)と合わせ、次いで、バイアルに1.0gのAmberlyst H+触媒を添加する。次いで、反応物を撹拌しながら40℃に加熱し、ラウリン酸を融解し、単一液相を形成する。反応混合物を、3日間、1H NMRおよびTLCが所望の生成物の形成を示すまで、撹拌する。次いで、反応混合物をヘキサンで希釈し、セライトおよびシリカのパッドで濾過して、全触媒を除去し、次いで濃縮して、ヘキサンおよび残存2,6-ジメチルオクト-2-エンを除去する。得られた生成物、2,6-ジメチルオクタン-1-イルラウレートおよび2,6-ジメチル-オクタン-2-イルラウレートの混合物を粗製でその後の化学反応に使用するかまたは例えば、抽出、蒸留および/またはクロマトグラフィーによりさらに精製してよい。
【0112】
実施例9. イソデシルオレアート(2,6-ジメチルオクタン-1-イルオレアート)
大型ガラスバイアルで2,6-ジメチルオクト-2-エン(10g、0.071mol)を5gのオレイン酸(0.018mol)と合わせ、次いで、バイアルに1.0gのAmberlyst H+触媒を添加する。次いで、反応物を室温で撹拌し、3日間、1H NMRおよびTLCが所望の生成物の形成を示すまで、撹拌する。次いで、反応混合物をヘキサンで希釈し、セライトおよびシリカのパッドで濾過して全触媒を除去し、次いで濃縮して、ヘキサンおよび残存2,6-ジメチルオクト-2-エンを除去する。得られた生成物、2,6-ジメチルオクタン-1-イルオレアートおよび2,6-ジメチル-オクタン-2-イルオレアートの混合物を粗製でその後の化学反応に使用するかまたは例えば、抽出、蒸留および/またはクロマトグラフィーによりさらに精製してよい。
【0113】
実施例10. イソデシルラウレート(3,7-ジメチルオクタン-3-イルラウレート)
大型ガラスバイアルで3,7-ジメチルオクト-3-エン(14g、0.1mol)を10gのラウリン酸(0.05mol)と合わせ、次いで、バイアルに1.0gのAmberlyst H+触媒を添加する。次いで、反応物を撹拌しながら40℃に加熱し、ラウリン酸を融解し、単一液相を形成する。反応混合物を、1H NMRおよびTLCが所望の生成物の形成を示すまで撹拌する。次いで、反応混合物をヘキサンで希釈し、セライトおよびシリカのパッドで濾過して全触媒を除去し、次いで濃縮して、ヘキサンおよび残存3,7-ジメチルオクト-3-エンを除去する。得られた生成物、3,7-ジメチルオクタン-3-イルラウレートおよび3,7-ジメチル-オクタン-4-イルラウレートの混合物を粗製でその後の化学反応に使用するかまたは例えば、抽出、蒸留および/またはクロマトグラフィーによりさらに精製してよい。
【0114】
実施例11. イソデシルオレアート(3,7-ジメチルオクタン-3-イルオレアート)
大型ガラスバイアルで3,7-ジメチルオクト-3-エン(10g、0.071mol)を5gのオレイン酸(0.018mol)と合わせ、次いで、バイアルに1.0gのAmberlyst H+触媒を添加する。次いで、反応物を室温で撹拌し、1H NMRおよびTLCが所望の生成物の形成を示すまで撹拌する。次いで、反応混合物をヘキサンで希釈し、セライトおよびシリカのパッドで濾過して全触媒を除去し、次いで濃縮して、ヘキサンおよび残存3,7-ジメチルオクト-3-エンを除去する。得られた生成物、3,7-ジメチルオクタン-3-イルオレアートおよび3,7-ジメチル-オクタン-4-イルオレアートの混合物を粗製でその後の化学反応に使用するかまたは例えば、抽出、蒸留および/またはクロマトグラフィーによりさらに精製してよい。
【0115】
上記実施例の化合物は、同じ目的で使用される既存の化合物を超える多数の改善された利益を提供すると考えられる。例えば、これらの化合物は、低融点、(b)良好な潤滑性、(c)良好な延展(例えば、皮膚への良好な自発的延展)、(d)高屈折率、(e)良好な加水分解性安定性および(f)良好な酵素安定性の1以上を提供し得る。
【0116】
本発明を上記実施態様と関連して記載しているが、上の記載および実施例は説明を意図し、本発明の範囲を限定しないことは理解されるべきである。本発明の範囲内の他の態様、利点および修飾は、本発明が属する分野の当業者には明らかである。
【国際調査報告】