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特表2024-519036無線位置特定統合のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】無線位置特定統合のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20240426BHJP
   A61B 90/90 20160101ALI20240426BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B90/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571320
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022029556
(87)【国際公開番号】W WO2022245771
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/189,394
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519046878
【氏名又は名称】エルセント メディカル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヒルトナー, ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー, アダム
(72)【発明者】
【氏名】ディーン, ブライアン
(57)【要約】
励磁コイルおよびセンサコイルを伴うパッドと、励磁コイルによって発生された磁場に応答して、信号を発生させるように構成される無線タグを含むツールまたは外科手術用ロボットとを含む無線位置特定システム。信号は、センサコイルによって検出され、プロセッサは、ツールの場所を決定するように構成される。本開示は、無線で位置特定するマーカタグを外科手術用および医療手技の中に統合するためのシステム、デバイス、アセンブリ、および方法に関する。本システム、デバイス、アセンブリ、および方法は、外科手術用ロボットアセンブリとの統合を含む、様々な用途における使用を見出す
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線位置特定システムであって、
励磁コイルおよびセンサコイルを含むパッドと、
ツールであって、前記ツールは、前記励磁コイルによって発生された磁場に応答して、信号を発生させるように構成される無線タグを含み、前記信号は、前記センサコイルによって検出される、ツールと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、前記センサコイルによって検出される前記信号に基づいて、前記ツールの場所を決定するように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
【請求項2】
前記ツールは、カメラ、超音波プローブ、電気インピーダンスプローブ、光プローブ、マイクロ力プローブ、電気焼灼器ツール、針、嚥下可能カプセル、キーパッド、ステープラ、クランプ、およびスポンジのうちの1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記無線タグは、第1の無線タグであり、前記信号は、第1の信号であり、前記システムはさらに、第2の無線タグを含み、前記第2の無線タグは、患者の組織に結合され、前記励磁コイルによって発生された前記磁場に応答して、第2の信号を発生させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第2の無線タグに対して前記ツールの場所を決定するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の無線タグが結合される前記組織は、肺組織、骨組織、軟組織、および動脈のうちの1つである、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサはさらに、前記ツールの配向を決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
無線位置特定システムであって、
外科手術用ロボットアセンブリであって、前記外科手術用ロボットアセンブリは、ロボットアーム、カメラ、および前記ロボットアームに結合されるツールを含む、外科手術用ロボットアセンブリと、
励磁コイルおよびセンサコイルを含むパッドと、
第1の無線タグであって、前記第1の無線タグは、前記外科手術用ロボットアセンブリの一部に結合され、前記第1の無線タグは、前記励磁コイルによって発生された磁場に応答して、第1の信号を発生させるように構成され、前記第1の信号は、前記センサコイルによって検出される、第1の無線タグと、
第2の無線タグであって、前記第2の無線タグは、患者の組織に結合され、前記第2の無線タグは、前記励磁コイルによって発生された前記磁場に応答して、第2の信号を発生させるように構成され、前記第2の信号は、前記センサコイルによって検出される、第2の無線タグと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、前記センサコイルによって検出される前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記第1の無線タグおよび前記第2の無線タグの場所を決定するように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
【請求項8】
前記第1の無線タグは、前記カメラに結合される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の無線タグは、前記ロボットアームに結合される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記センサコイルは、第1のセンサコイルであり、前記システムはさらに、前記ロボットアームに結合される第2のセンサコイルを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
第3の無線タグを含む移動可能物体をさらに含み、前記移動可能物体は、種々の位置に移動され、前記カメラによって検出され、前記カメラの視野を位置合わせする、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記移動可能物体は、外側シェルと、前記外側シェルに対して移動可能な内側球体とを含み、前記第3の無線タグは、前記内側球体内に位置付けられる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記内側球体は、荷重された部分を含み、前記球体を重力に対してデフォルト配向に配向する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記外科手術用ロボットアセンブリは、制御コンソールを含み、前記第1の無線タグの場所および前記第2の無線タグの場所は、前記制御コンソール上に表示される、請求項7に記載のシステム。
【請求項15】
パッドであって、
磁場を発生させるように構成される励磁コイルと、
センサコイルと、
電気伝導性層と、
前記励磁コイルと前記伝導性層との間に位置付けられる電磁気透過性層と
を備える、パッド。
【請求項16】
前記電気伝導性層は、金属であり、前記電磁気透過性層は、第一鉄である、請求項15に記載のパッド。
【請求項17】
前記電磁気透過性層は、10~5,000の範囲内の透過性を有する、請求項15に記載のパッド。
【請求項18】
前記励磁コイルは、第1の励磁コイルであり、前記パッドはさらに、中心の周囲に円周方向に位置付けられる第2の励磁コイルと、第3の励磁コイルと、第4の励磁コイルとを含む、請求項15に記載のパッド。
【請求項19】
前記第1の励磁コイル、前記第2の励磁コイル、前記第3の励磁コイル、および前記第4の励磁コイルによって発生された前記磁場は、3つの直交磁場を備える、請求項18に記載のパッド。
【請求項20】
前記センサコイルは、第1のセンサコイルであり、前記パッドはさらに、第2のセンサコイルと、第3のセンサコイルと、第4のセンサコイルとを含む、請求項18に記載のパッド。
【請求項21】
前記第1のセンサコイル、前記第2のセンサコイル、前記第3のセンサコイル、および前記第4のセンサコイルは、前記第1の励磁コイルの周囲に円周方向に位置付けられる、請求項20に記載のパッド。
【請求項22】
前記第1のセンサコイルは、第1のセンサ軸を含み、前記第3のセンサコイルは、第3のセンサ軸を含み、前記第1のセンサ軸は、前記第3のセンサ軸と平行であり、
前記第2のセンサコイルは、第2のセンサ軸を含み、前記第4のセンサコイルは、第4のセンサ軸を含み、前記第2のセンサ軸は、前記第4のセンサ軸と平行である、
請求項21に記載のパッド。
【請求項23】
前記第1のセンサ軸は、前記第2のセンサ軸と垂直である、請求項22に記載のパッド。
【請求項24】
前記第1の励磁コイルは、前記第1のセンサ軸および前記第2のセンサ軸と垂直な励磁コイル軸を含む、請求項23に記載のパッド。
【請求項25】
前記センサコイルは、前記励磁コイルによって発生された前記磁場に応答して、無線信号を検出し、前記パッドは、患者と前記患者を支持するベッドとの間に位置付けられる、請求項15に記載のパッド。
【請求項26】
アンカを含む外側筐体を備える無線タグであって、前記アンカは、患者の組織内に固着されるように構成される、無線タグ。
【請求項27】
前記アンカは、自己展開する、請求項26に記載の無線タグ。
【請求項28】
前記アンカは、渦巻である、請求項26に記載の無線タグ。
【請求項29】
前記アンカは、ステントである、請求項26に記載の無線タグ。
【請求項30】
前記アンカは、前記外側筐体の縦軸から半径方向外向きに延在する、請求項26に記載の無線タグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる、2021年5月17日に出願された、米国仮特許出願第63/189,394号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、無線で位置特定するマーカタグを外科手術用および医療手技の中に統合するためのシステム、デバイス、アセンブリ、および方法に関する。本システム、デバイス、アセンブリ、および方法は、外科手術用ロボットアセンブリとの統合を含む、様々な用途における使用を見出す。
【背景技術】
【0003】
多くの医療手技に関する一般的かつ深刻な課題は、治療エリアの正確な場所である。例えば、外科手術切除を含む、治療を受けることになる、腫瘍等の病変の場所は、課題を医学界に呈し続ける。既存のシステムは、高価で、複雑で、時間がかかり、かつ多くの場合、患者にとって不快である。
【0004】
そのような問題点は、肺結節の従来の外科手術治療によって例証される。肺結節が従来の観血手術または胸腔鏡検査において位置特定することが困難であり得る、ある場合には、フックワイヤ、可視色素の注射、または放射性同位体が、除去に先立って、位置特定を改良する試みにおいて、結節内またはその周囲に設置される。本手技は、通常、結節の除去に先立って、コンピュータ断層撮影(CT)設備において生じる。患者は、次いで、外科手術用ユニットに搬送され、外科医は、ワイヤを切断する、放射性同位体検出器を使用する、または視覚的目印を使用して、結節を位置特定および除去する。
【0005】
類似タイプの手技が、切除に先立って、肺結節を位置特定するために行われる。肺結節が従来の観血手術または胸腔鏡検査において位置特定することが困難であり得る、ある場合には、フックワイヤ、可視色素の注射、または放射性同位体が、除去に先立って、位置特定を改良する試みにおいて、結節内またはその周囲に設置される。本手技は、通常、結節の除去に先立って、CT設備において生じる。患者は、次いで、外科手術用ユニットに搬送され、外科医は、ワイヤを切断する、放射性同位体検出器を使用する、または視覚的目印を使用して、結節を位置特定および除去する。
【0006】
加えて、医療手技の間に使用されるツールもまた、位置特定することが困難である。例えば、外科医によって利用されるハンドヘルドツールの場所は、外科医によって直感的に把握される以外、既知ではあり得ない。任意の有線位置特定センサは、ハンドヘルドツールから延在する、ワイヤ、管等の数を追加し、それによって、ツールの操縦性を低減させる。
【0007】
多くの他の医療デバイスおよび手技が、改良された組織およびツール位置特定から利益を享受し得る。これらは、心臓運動、呼吸運動、筋骨格系によって生じる運動、または胃腸/泌尿器系運動等の任意の身体運動によって劣化される、任意の手技または試験を含む。これらの実施例は、外部ビーム放射線療法、近接照射療法シードの設置、限定ではないが、CT、MRI、蛍光透視法、超音波、および核医学を含む、撮像試験、任意の方式で実施される生検、内視鏡検査、腹腔鏡下、胸腔鏡下外科手術、および開放外科手術手技を含む。
【0008】
医療手技の間の患者を囲繞する環境は、特有の課題を任意の無線位置特定システムに呈する。例えば、手術室または医師のオフィスは、電磁雑音の種々の能動的源(例えば、頭上照明、テレビ等)と、無線励磁信号に応答する、電磁雑音の反応性源とを含む。換言すると、他の機器は、無線位置特定システムに干渉する、雑音を伝送し得る。実施例は、(a)無線位置特定システムによって使用されている同一周波数範囲内でブロードキャストしている、他の電子機器によって引き起こされる、能動的外部雑音、および(b)無関係なRFID雑音を含む。無関係なRIFD雑音は、無線位置特定システムが、無線位置特定システムの一部であるように意図するものではない、またはそのように設計されない、RFIDタグにエネルギーを与え、これらの無関係なタグをトリガし、使用されている同一周波数範囲内の信号で応答するときに生じさせられる。
【0009】
別の課題は、変化する環境材料に伴って生じる。環境はまた、無線位置特定システムによって発生および利用される、磁場を歪曲させ得る、種々の磁性、強磁性、または金属物体を含み得る。渦電流が、入射発振磁場に応答して、導体内に発生され、対向位相を伴う、場を生じ、これは、事実上、二次信号源を生じる。二次源の強度は、一次エミッタと金属環境との間の磁気ベクトル結合に依存し、これは、複雑かつモデル化することが困難であり得る。例えば、手術室は、その上に患者が支持される、ベッドを含み得、異なるベッドは、異なるように磁場に影響を及ぼすであろう。別の実施例では、外科手術用ロボットを伴う、手術室は、電磁場に干渉する、またはそれを修正し得る、種々のロボット制御された付属物またはアームを含み得る。
【0010】
改良されたシステムおよび方法が、様々な環境内で実施される医療手技のための組織およびツール位置特定のために必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、一側面では、励磁コイルおよびセンサコイルを含む、パッドと、励磁コイルによって発生された磁場に応答して、信号を発生させるように構成される、無線タグを含む、ツールとを備える、無線位置特定システムを提供する。信号は、センサコイルによって検出される。本システムはさらに、センサコイルによって検出される、信号に基づいて、ツールの場所を決定するように構成される、プロセッサを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、ツールは、カメラ、超音波プローブ、電気インピーダンスプローブ、光プローブ、マイクロ力プローブ、電気焼灼器ツール、針、嚥下可能カプセル、キーパッド、ステープラ、クランプ、およびスポンジのうちの1つである。
【0013】
いくつかの実施形態では、無線タグは、第1の無線タグであって、信号は、第1の信号であって、本システムはさらに、患者の組織に結合され、励磁コイルによって発生された磁場に応答して、第2の信号を発生させるように構成される、第2の無線タグを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、第2の無線タグに対してツールの場所を決定するように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、第2の無線タグが結合される、組織は、肺組織、骨組織、軟組織、および動脈のうちの1つである。
【0016】
いくつかの実施形態では、プロセッサはさらに、ツールの配向を決定するように構成される。
【0017】
本開示は、一側面では、ロボットアーム、カメラ、およびロボットアームに結合される、ツールを含む、外科手術用ロボットアセンブリを備える、無線位置特定システムを提供する。本システムはさらに、励磁コイルおよびセンサコイルを含む、パッドを含む。本システムはさらに、外科手術用ロボットアセンブリの一部に結合される、第1の無線タグを含む。第1の無線タグは、励磁コイルによって発生された磁場に応答して、第1の信号を発生させるように構成され、第1の信号は、センサコイルによって検出される。本システムはさらに、患者の組織に結合される、第2の無線タグを含み、第2の無線タグは、励磁コイルによって発生された磁場に応答して、第2の信号を発生させるように構成される。第2の信号は、センサコイルによって検出される。本システムはさらに、センサコイルによって検出される、第1の信号および第2の信号に基づいて、第1の無線タグおよび第2の無線タグの場所を決定するように構成される、プロセッサを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1の無線タグは、カメラに結合される。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の無線タグは、ロボットアームに結合される。
【0020】
いくつかの実施形態では、センサコイルは、第1のセンサコイルであって、本システムはさらに、ロボットアームに結合される、第2のセンサコイルを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、本システムはさらに、第3の無線タグを含む、移動可能物体を含み、移動可能物体は、種々の位置に移動され、カメラによって検出され、カメラの視野を位置合わせする。
【0022】
いくつかの実施形態では、移動可能物体は、外側シェルと、外側シェルに対して移動可能な内側球体とを含む。第3の無線タグは、内側球体内に位置付けられる。
【0023】
いくつかの実施形態では、内側球体は、荷重された部分を含み、球体を重力に対してデフォルト配向に配向する。
【0024】
いくつかの実施形態では、外科手術用ロボットアセンブリは、制御コンソールを含み、第1の無線タグの場所および第2の無線タグの場所は、制御コンソール上に表示される。
【0025】
本開示は、一側面では、磁場を発生させるように構成される、励磁コイルと、センサコイルと、電気伝導性層と、励磁コイルと伝導性層との間に位置付けられる、電磁気透過性層とを備える、パッドを提供する。
【0026】
いくつかの実施形態では、電気伝導性層は、金属であって、電磁気透過性層は、第一鉄である。
【0027】
いくつかの実施形態では、電磁気透過性層は、10~5,000の範囲内の透過性を有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、励磁コイルは、第1の励磁コイルであって、パッドはさらに、中心の周囲に円周方向に位置付けられる、第2の励磁コイルと、第3の励磁コイルと、第4の励磁コイルとを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1の励磁コイル、第2の励磁コイル、第3の励磁コイル、および第4の励磁コイルによって発生された磁場は、3つの直交磁場を備える。
【0030】
いくつかの実施形態では、センサコイルは、第1のセンサコイルであって、パッドはさらに、第2のセンサコイルと、第3のセンサコイルと、第4のセンサコイルとを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、第1のセンサコイル、第2のセンサコイル、第3のセンサコイル、および第4のセンサコイルは、第1の励磁コイルの周囲に円周方向に位置付けられる。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1のセンサコイルは、第1のセンサ軸を含み、第3のセンサコイルは、第3のセンサ軸を含み、第1のセンサ軸は、第3のセンサ軸と平行である。第2のセンサコイルは、第2のセンサ軸を含み、第4のセンサコイルは、第4のセンサ軸を含み、第2のセンサ軸は、第4のセンサ軸と平行である。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1のセンサ軸は、第2のセンサ軸と垂直である。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1の励磁コイルは、第1のセンサ軸および第2のセンサ軸と垂直な励磁コイル軸を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、センサコイルは、励磁コイルによって発生された磁場に応答して、無線信号を検出し、パッドは、患者と患者を支持するベッドとの間に位置付けられる。
【0036】
本開示は、一側面では、アンカを含む、外側筐体を備える、無線タグであって、アンカは、患者の組織内に固着されるように構成される、無線タグを提供する。
【0037】
いくつかの実施形態では、アンカは、自己展開する。
【0038】
いくつかの実施形態では、アンカは、渦巻である。
【0039】
いくつかの実施形態では、アンカは、ステントである。
【0040】
いくつかの実施形態では、アンカは、外側筐体の縦軸から半径方向外向きに延在する。
【0041】
他の本開示の側面は、詳細な説明および付随の図面の検討によって明白となるであろう。
定義
【0042】
本明細書で使用されるように、用語「プロセッサ」および「中央処理ユニット」または「CPU」は、同義的に使用され、プログラムをコンピュータメモリ(例えば、ROMまたは他のコンピュータメモリ)から読み取り、プログラムに従って、ステップのセットを実施することが可能である、デバイスを指す。本明細書で使用されるように、用語「プロセッサ」(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、処理ユニット、または他の好適なプログラマブルデバイス)は、とりわけ、制御ユニット、算術論理ユニット(「ALC」)、および複数のレジスタを含むことができ、公知のコンピュータアーキテクチャ(例えば、修正されたHarvardアーキテクチャ、von Neumannアーキテクチャ等)を使用して、実装されることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、独立型および/または分散型環境において通信するように構成され得、他のプロセッサとの有線または無線通信を介して、通信するように構成され得る、マイクロプロセッサであって、そのような1つまたはそれを上回るプロセッサは、類似または異なるデバイスであり得る、1つまたはそれを上回るプロセッサ制御されたデバイス上で動作するように構成されることができる。
【0043】
本明細書で使用されるように、用語「メモリ」は、任意のメモリストレージであって、非一過性コンピュータ可読媒体である。メモリは、例えば、プログラムストレージエリアおよびデータストレージエリアを含むことができる。プログラムストレージエリアおよびデータストレージエリアは、ROM、RAM(例えば、DRAM、SDRAM等)、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、SDカード、または他の好適な磁気、光学、物理的、または電子メモリデバイス等の異なるタイプのメモリの組み合わせを含むことができる。プロセッサは、メモリに接続され、メモリのRAM(例えば、実行の間)、メモリのROM(例えば、略恒久的ベースで)、または別のメモリまたはディスク等の別の非一過性コンピュータ可読媒体内に記憶されることが可能である、ソフトウェア命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、メモリは、プロセッサ制御されたデバイスの内部にあり得る、またはプロセッサ制御されたデバイスの外部にあり、有線または無線ネットワークを介して、アクセスされ得る、1つまたはそれを上回るプロセッサ可読かつアクセス可能なメモリ要素および/または構成要素を含む。本明細書に開示される方法の実装に含まれる、ソフトウェアは、メモリ内に記憶されることができる。ソフトウェアは、例えば、ファームウェア、1つまたはそれを上回るアプリケーション、プログラムデータ、フィルタ、ルール、1つまたはそれを上回るプログラムモジュール、および他の実行可能命令を含む。例えば、プロセッサは、とりわけ、本明細書に説明されるプロセスおよび方法に関連する命令をメモリから読み出し、実行するように構成されることができる。
【0044】
本明細書で使用されるように、用語「コンピュータ可読媒体」は、情報(例えば、データおよび命令)を記憶し、コンピュータプロセッサに提供するための任意のデバイスまたはシステムを指す。コンピュータ可読媒体の実施例は、限定ではないが、DVD、CD、ハードディスクドライブ、磁気テープ、およびローカルまたは遠隔(例えば、クラウドベース)であるかどうかにかかわらず、ネットワークを経由して媒体をストリーミングするためのサーバを含む。
【0045】
「約」および「おおよそ」は、所与の値が、所望の結果に影響を及ぼさずに、終点を「若干上回り」または「若干下回り」得ることを前提とすることによって、数値範囲終点に柔軟性を提供するために使用される。
【0046】
本明細書で使用されるような用語「結合される」は、「接続される」として定義されるが、必ずしも、直接ではなく、必ずしも、機械的にではない。用語「結合される」は、物理的に、磁気的に、化学的に、流動的に、電気的に、または別様に、結合、接続、または連結されることを意味すると理解されるべきであって、具体的反対用語がない限り、結合される要素間の中間要素の存在を除外するものではない。
【0047】
本明細書で使用されるように、用語「電子通信する」は、直接または間接信号伝達を通して、相互と通信するように構成される、電気デバイス(例えば、コンピュータ、プロセッサ等)を指す。同様に、(例えば、ケーブル、ワイヤ、赤外線信号、電話回線、空気波等を通して)情報を別のコンピュータまたはデバイスに伝送するように構成される、コンピュータも、他のコンピュータまたはデバイスと電子通信する。
【0048】
本明細書で使用されるように、用語「伝送する」は、任意の好適な手段を使用する、1つの場所から別の場所(例えば、1つのデバイスから別のデバイス)への情報(例えば、データ)の移動を指す。
【0049】
本明細書で使用されるように、用語「ネットワーク」は、概して、限定ではないが、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の様々な通信プロトコルのいずれかを採用する、広域ネットワーク(「WAN」)(例えば、TCP/IPベースのネットワーク)、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、近傍エリアネットワーク(「NAN」)、自宅エリアネットワーク(「HAN」)、またはパーソナルエリアネットワーク(「PAN」)を含む、任意の好適な電子ネットワークを指す。いくつかの実施形態では、ネットワークは、例えば、モバイル通信のためのグローバルシステム(「GSM(登録商標)」)ネットワーク、汎用パケット無線システム(「GPRS」)ネットワーク、エボリューションデータ最適化(「EV-DO」)ネットワーク、GSM(登録商標)進化型高速データレート(「EDGE」)ネットワーク、3GSM(登録商標)ネットワーク、4GSM(登録商標)ネットワーク、5G新規無線、デジタル強化無線電気通信(「DECT」)ネットワーク、デジタルAMPS(「IS-136/TDMA」)ネットワーク、または統合デジタル拡張ネットワーク(「iDEN」)ネットワーク等のセルラーネットワークである。
【0050】
本明細書で使用されるように、用語「対象」または「患者」は、限定ではないが、特定の治療のレシピエントとなることになる、ヒト、非ヒト霊長類、伴侶動物、家畜、ウマ科、齧歯類、および同等物を含む、任意の動物(例えば、哺乳類)を指す。典型的には、用語「対象」および「患者」は、本明細書では、ヒト対象を参照して、同義的に使用される。
【0051】
本明細書で使用されるように、用語「癌を患っていると疑われる対象/患者」は、癌(例えば、顕著なこぶまたは腫瘤)を示す、1つまたはそれを上回る症状を呈する、または癌に関してスクリーニングされている(例えば、定期検診の間)、対象を指す。癌を患っていると疑われる対象はまた、1つまたはそれを上回るリスク因子を有し得る。癌を患っていると疑われる対象は、概して、癌に関して試験されていない。しかしながら、「癌を患っていると疑われる対象」は、初期診断(例えば、腫瘤を示す、CT走査)を受けたが、癌の病期が、既知ではない、個人を包含する。本用語はさらに、過去に癌を患っていた人々(例えば、寛解中の個人)を含む。
【0052】
本明細書で使用されるように、用語「生検組織」は、サンプルが癌性組織を含有するかどうかを決定する目的のために、対象から除去される、組織(例えば、乳房組織)のサンプルを指す。いくつかの実施形態では、生検組織は、対象が癌を有すると疑われるため、取得される。生検組織は、次いで、癌の有無に関して、検査される(例えば、顕微鏡検査によって、すなわち、分子試験によって)。
【0053】
本明細書で使用されるように、用語「サンプル」は、その最も広い意味において使用される。1つの意味では、任意の源から取得される試料または培養物および生物学的および環境サンプルを含むことを意味する。生物学的サンプルは、動物(ヒトを含む)から取得され、流体、固体、組織、およびガスを包含してもよい。生物学的サンプルは、組織、血漿、血清等の血液製剤、および同等物を含む。そのような実施例は、しかしながら、本発明に適用可能であるサンプルタイプの限定として解釈されるものではない。
【0054】
本明細書で使用されるように、用語「タグ」、「マーカタグ」、「無線タグ」、または「SmartClip(登録商標)」は、励磁器の時変磁場によって励磁されると、「センサコイル」または「ウィットネスコイル」によって受信され、その場所を決定するために使用される、周波数の「ホーミングビーコン」スペクトルを放出するであろう、小型の埋込可能マーカを指す。これは、特有のスペクトルを生じるようにプログラムされ、したがって、複数のタグが、同時に、埋め込まれ、位置特定されることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1は、医療手技のために手術室内で無線で追跡されるツールを含む、無線位置特定システムの上面概略図である。
【0056】
図2図2は、無線タグを含む、針と、患者皮膚に結合される無線タグを伴う、パッチとの概略図である。
【0057】
図3A図3Aは、無線タグを伴う、キーパッドおよびスタイラスの概略図である。
【0058】
図3B図3Bは、位置特定されるプローブと、視覚的マーキングを伴う、位置特定される針との例証である。
【0059】
図4図4は、医療手技のための手術室内で無線で追跡される外科手術用ロボットシステムを含む、無線位置特定システムの上面概略図である。
【0060】
図5図5は、無線タグおよびセンサコイルを伴う、ロボットアームの側面概略図である。
【0061】
図6A図6Aは、カメラビューを位置合わせするための移動可能物体の概略図である。
【0062】
図6B図6Bは、カメラを無線位置特定システムに位置合わせするための方法である。
【0063】
図7図7は、複数のタインを含む、無線位置特定タグの側面図である。
【0064】
図8図8は、複数の自己展開タインを含む、無線タグの斜視図である。
【0065】
図9図9は、アンカを含む、無線タグの斜視図である。
【0066】
図10図10は、アンカを含む、無線タグの斜視図である。
【0067】
図11図11は、3つの直交磁場を発生させる4つの励磁コイルを含む、パッドの概略図である。
【0068】
図12図12は、電磁気透過性層と、電気伝導性層とを含む、パッドの断面の斜視図である。
【0069】
図13図13は、4つの励磁コイルと、12のセンサコイルとを含む、パッドの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
任意の実施形態が、詳細に解説される前に、本発明は、その用途において、以下の説明に記載される、または以下の図面に図示される、構成要素の構造および配列の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であって、種々の方法において、実践される、または行われることが可能である。
詳細な説明
【0071】
別様に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同一意味を有する。矛盾する場合、本書が、定義を含め、優先されるであろう。好ましい方法および材料が、下記に説明されるが、本明細書に説明されるものに類似または匹敵する、方法および材料も、本開示の実践または試験において使用されることができる。本明細書に述べられた全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照することによってその全体として組み込まれる。本明細書に開示される材料、方法、および実施例は、例証にすぎず、限定することを意図するものではない。
【0072】
本明細書で使用されるような用語「comprising(~を備える)」、「include(~を含む)」、「having(~を有する)」、「has(~を有する)」、「can(~することができる)」、「contain(~を含有する)」およびその異型は、付加的行為または構造の可能性を除外しない、非制限的移行句、用語、または単語であるように意図される。単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって別様に明確に決定付けられない限り、複数参照を含む。本開示はまた、明示的に記載されるかどうかにかかわらず、本明細書に提示される実施形態または要素を「comprising(~を備える)」、「consisting of(~から成る)」、および「consisting essentially of(~から本質的に成る)」、他の実施形態も検討する。
【0073】
本明細書の数値範囲の列挙に関して、同一程度の精度を伴う、それらの間の各介在する数も、明示的に検討される。例えば、6~9の範囲に関して、数7および8も、6および9に加え、検討され、6.0~7.0の範囲に関して、数6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、および7.0も、明示的に検討される。
【0074】
好ましい実施形態の前述の説明では、具体的専門用語が、明確性のために、用いられている。しかしながら、本発明は、そのように選択された具体的用語に限定されることを意図するものではなく、各具体的用語は、類似様式において動作し、類似技術的目的を遂行する、全ての技術的均等物を含むことを理解されたい。「上部」および「底部」、「正面」および「背面」、「内側」および「外側」、「上方」、「下方」、「上側」、「下側」、「垂直」、「水平」、「直立」、および同等物等の用語は、参照点を提供するための利便性の単語として使用される。
【0075】
本明細書に提供されるものは、遠隔で位置特定するタグを医療手技の中に統合するためのシステム、デバイス、アセンブリ、および方法である。本明細書は、ヒト組織における医療使用に焦点を当てるが、本システムおよび方法は、非ヒト使用(例えば、家畜、伴侶動物、野生動物、または任意の獣医学設定等の非ヒト動物との併用)を含む、より広範な使用を見出すことを理解されたい。例えば、本システムは、環境設定、農業設定、産業設定、または同等物において使用されてもよい。
A.無線ツール追跡用途
【0076】
ヒト組織内で位置特定されることに加え、タグは、ツールの中に統合され、種々の医療手技において利用されるツールの場所および配向を無線追跡することができる。図1を参照すると、無線位置特定システム100が、一般的医療手技のための手術室(すなわち、医師のオフィス、外科手術用設備等)内に図式的に示される。無線位置特定システム100は、患者の真下に位置付けられる、パッド104を含む。いくつかの実施形態では、パッド104は、少なくとも1つの励磁コイル(例えば、励磁器)と、少なくとも1つのセンサコイル(例えば、ウィットネスステーション)とを含む。無線タグ108が、患者の組織に結合され、励磁コイルによって発生された磁場に応答して、無線信号を発生させるように構成される。いくつかの実施形態では、無線タグ108は、励磁コイルによって発生された磁場に応答して、複数の無線信号(例えば、第1の無線信号および第2の無線信号)を発生させるように構成される。本明細書にさらに議論されるように、無線タグ108は、医療手技に応じて、組織(例えば、肺組織、骨組織、軟組織、動脈等)に結合される。そのような無線タグ108の実施例は、米国特許出願第15/113,703号に説明され、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0077】
図1を継続して参照すると、ツール112は、パッド104の励磁コイルによって発生された磁場に応答して、無線信号を発生させるように構成される、少なくとも1つの無線タグ116を含む。ツール112内の無線タグ116および患者内/上の無線タグ108からの無線信号は、例えば、パッド104内のセンサコイルによって検出される。本明細書に詳述されるように、ツール112は、いくつかの実施形態では、その中に埋設される無線タグ116を伴う、外科手術用ツールである。
【0078】
プロセッサ120(無線位置特定コンソール124の一部として図1に示される)は、無線タグ108、116からの、センサコイルによって測定される、信号に基づいて、ツール112の場所および患者内の標的化されたエリアの場所を決定するように構成される。本明細書にさらに議論されるように、患者組織内のタグ108およびツール112の相対的位置は、医療手技の転帰を改良するために利用される。例えば、タグ108とツール112との間の相対的距離が、視覚的に(例えば、ディスプレイ105上に)、またはオーディオまたは力覚フィードバックをユーザに提供することによって、表示されてもよい。いくつかの実施形態では、システム100は、複数の無線タグの場所を追跡する。
【0079】
図示される実施形態では、ツール112は、ツール112の縦軸113に沿って位置付けられ、ツール112の位置に加え、ツール112の配向を決定する、2つの無線タグ116を含む。いくつかの実施形態では、タグ116は、ツール112の外側筐体内に位置付けられる。他の実施形態では、タグ116は、ツール112の外面上に位置付けられる。
【0080】
図1を継続して参照すると、その中に無線位置特定システム100が位置付けられる、環境は、電磁雑音の種々の能動的および反応性源を含む。例えば、図1における環境は、頭上照明106Aと、麻酔機械106Bと、ディスプレイ105と、外科手術用ベッド106Cと、電気焼灼ジェネレータ106Dとを含む。そのそれぞれが、無線位置特定システム100の周囲に存在する電磁場に影響を及ぼし得る。本明細書に説明されるように、無線位置特定システム100は、事実上、電磁雑音の種々の能動的および反応性源に近接する、複数の無線タグを追跡する(例えば、位置特定する)。
【0081】
いくつかの実施形態では、ツール112は、カメラである。例えば、いくつかの医療手技は、カメラを利用して、治療エリアを可視化するが、患者内に埋め込まれる無線タグは、典型的には、カメラビュー内で可視ではない。本明細書に提示される解決策は、カメラの場所を追跡するための統合された無線タグと、インプラント追跡器座標からカメラ視野座標への座標変換を決定するためのプロセッサとを伴う、カメラである。したがって、埋め込まれたタグ(例えば、タグ108)の場所は、ユーザに提示される、カメラビュー(例えば、ディスプレイ105)上に重畳され、それによって、カメラの視野からのタグのユーザの識別を改良することができる。
【0082】
座標変換を決定するために、既知の幾何学形状の物体が、同時に、カメラを用いて撮像され、無線位置特定システムを用いて位置特定される。カメラを追跡するために、無線タグ(例えば、タグ116)は、カメラに固定され、また、無線位置特定システムを用いて追跡される。カメラのロールを追跡するために、または無線タグが、カメラと同軸であることができない場合、2つの無線タグが、利用される。カメラの位置合わせは、2つの方法、すなわち、カメラが、定常のままであって、移動する物体が、追跡される(図6A参照)か、または定常物体が、移動するカメラに位置合わせされるかのいずれにおいて生じ得る。いくつかの実施形態では、カメラは、ユーザによって手動で移動される。他の実施形態では、カメラは、アクチュエータによって移動される。
【0083】
いくつかの実施形態では、ツール112は、超音波プローブである。超音波は、組織に照会し、標的組織の位置を決定するために使用され得るが、撮像は、2次元であって、別個のプローブが、使用されなければならない。本明細書に提示される解決策は、埋め込まれたタグ(例えば、タグ108)の位置と同時に、超音波プローブの位置および配向を追跡することである。多くの位置および配向における超音波画像が、入手されてもよい。次いで、超音波プローブと外科手術摘出を実施するために使用されるツールを入れ替え、これもまた、追跡される。次に、超音波画像は、電気外科手術用ツールの位置に従って再生され、インプラント位置における任意の相対的偏移によって補正される。さらに、超音波画像は、組織タイプによって区画化され、3Dモデルが、構築され、インプラント位置に位置合わせされることができる。十分な画像が、構築された後、3Dモデルは、インプラント位置に対して維持され、ライブナビゲーションにおいて使用されることができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、ツール112は、電気インピーダンスプローブである。任意の外部表面および内部器官を含む、患者身体の3D輪郭を測定する(すなわち、摘出される組織の幾何学形状を測定する)ことが有用であり得る。本明細書に提示される解決策は、電気インピーダンスプローブを利用して、電気インピーダンスプローブが患者組織と接触するときを検出する。プローブ先端の場所が、追跡される場合、患者の任意の一部の幾何学形状が、プローブ先端を皮膚の周囲で移動させることによって入手されることができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、追跡されるプローブは、皮膚表面上に位置付けられる(例えば、患者の皮膚に接着される接着剤材料内に埋設される)、タグに対して、標的の場所を決定するために使用される、患者組織の超音波を提供する。いったん超音波が、区画化されると、ユーザへの直接フィードバックが、針設置、挿入配向、および挿入の深度に関して提供されることができる。いくつかの実施形態では、モータ式針ガイドが、適切な針挿入を確実にするように追跡および調節される。
【0086】
いくつかの実施形態では、ツール112は、光プローブである。分光法が、例えば、組織を広帯域光で照明し、反射された光を収集することによって、実施されることができるが、データ収集の位置の追跡は、手動で実施されなければならない。本明細書に提示される解決策は、異常または着目特徴の場所が、自動的に収集され、ユーザに提示され得るように、位置およびスペクトルデータを同時に収集する。
【0087】
肺外科医は、ビデオ補助胸郭外科手術(VATS)およびロボット補助胸郭外科手術(RATS)手技の間、腫瘍の場所が明確に可視である必要がある。外科医は、視点を画定するように、2Dまたは3Dカメラを位置付けようと試み、従来のビデオ処理は、グラフィックおよびテキストをユーザによって提供されるビデオフィード上にオーバーレイし得る。しかし、ビデオ処理は、典型的には、ケーブル、ソフトウェア、および施設特有の構成によって、システム間の相互接続を要求する。本明細書に提示される解決策は、グラフィックおよびテキストをカメラ視野内の組織上にオーバーレイする、投影光である。代替として、カメラビュー内の追跡されるプローブは、1つまたはそれを上回る制御された光源を装備することができる。
【0088】
VATSおよびRATS手技と互換性がある、投影光実装は、いくつかの実施形態では、カメラの近傍に搭載される、ロボット制御されたレーザポインタを含み、2つの運動制御された軸方向自由度が、システムが、常時、レーザを無線タグに向け、それによって、直接、カメラと無線タグとの間の組織表面上の場所を照明することを可能にする。いくつかの実施形態では、組織表面から無線タグまでの距離は、照明点において、無線追跡されるプローブを組織に触れさせることによって、またはカメラビデオフィードを使用して、照明点の場所を決定することによって、決定される。そのような実施形態では、カメラは、無線タグおよび光プロジェクタと同一参照フレーム内で較正および追跡される。いくつかの実施形態では、投影光およびマシンビジョン処理が、組織幾何学形状をより正確に決定するために、構造化された光投影のために構成される。いくつかの実施形態では、ラスタ化が、他のグラフィックおよびテキストを投影するために使用される。いくつかの実施形態では、光投影技法は、移動する部品を有しない。いくつかの実施形態では、高出力光が、組織を熱傷させ、耐久性マークを組織上に生成するために利用される。
【0089】
VATSおよびRATS手技と互換性がある、制御された光源を伴う追跡されるプローブは、いくつかの実施形態では、追跡されるプローブに取り付けられる、単一発光ダイオード(LED)を含む。いくつかの実施形態では、LEDの明るさは、プローブと無線タグの相対的位置および/または整合に基づいて、システムによって制御される。例えば、ユーザは、ユーザに照明がカメラビュー内に見えるまで、追跡されるプローブを操作し得、明るさが、最大限にされると、追跡されるプローブは、直接、無線タグに向けられる。他の実施形態では、VATSおよびRATS手技と互換性がある、制御された光源を伴う追跡されるプローブは、パターンに配列される、複数のLEDを含む。いくつかの実施形態では、各LEDの明るさは、プローブと無線タグの相対的位置および/または整合に基づいて、本システムによって制御される。例えば、ユーザは、彼らを無線タグに誘導するように構成される、パターンを観察し得る。いくつかの実施形態では、平面内に配列される、LEDのセットが、最高強度の場所が無線タグの位置に対応するように照らされる。
【0090】
いくつかの実施形態では、ツール112は、マイクロ力プローブである。ロボットの咬持力は、制御することが容易であり得るが、また、咬持力を無線で監視するための利点も存在する。いくつかの事例では、ロボットジョーが、物体を握持するように構成されるが、ロボットジョーが被っている抵抗の量に関するフィードバックは、存在しない。本明細書に提示される解決策は、無線通信モジュールと、力、温度、圧力等のリアルタイムデータを測定および伝送するための1つまたはそれを上回るセンサおよび機械的インターフェースとを伴う、小型のモジュールの中に埋設される、無線タグである。いくつかの実施形態では、ツール112は、2つの無線タグ間の角度を介して測定可能であるように偏向する、特殊な追跡されるツールであって、偏向は、ジョー内に捕捉されるものに対して印加される力の量に関連する。有利なこととして、バッテリは、通信が誘導を介して励磁器によって給電され得るため、要求されない。換言すると、位置特定のために使用される同一励磁器はまた、電力をマイクロセンサに提供することができる。したがって、サイズは、最小限にされることができる。例えば、通信チップは、アンテナを伴わずに、約2.5mm×約2.5mm程度と小型であることができる。プローブデータは、例えば、力覚フィードバックをユーザに発生させるために利用されることができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、ツール112は、電気焼灼器マルチツールである。従来の電気焼灼器ツールは、ユーザによって組み立てられなければならない、種々のコードまたは管を含む。本明細書に提示される解決策は、煙捕捉、照明、電気焼灼器、および先端位置特定を伴う、単一デバイスである。解決策は、複数のコードを1つの中にまとめ、ユーザ組立ステップを排除する。これは、干渉が緩和されるように、位置特定および電気焼灼器システムが協調されるために有益である。有利なこととして、より良好な切断エネルギーが、波形をより精密に制御することによって、かつ低エネルギーを使用して、先端が組織と接触するときを検出することによって、送達されることができる。加えて、組織と接触する先端の低エネルギー検出は、患者の3Dモデルを構築するために使用されることができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、ツール112は、電気焼灼器ツール付属品(例えば、カラー、先端等)である。従来の電気焼灼器ツールは、ペンから除去可能である、先端を含む。本明細書に提示される解決策は、電気焼灼器ツール(例えば、Bovieペン)のためのアダプタである。いくつかの実施形態では、アダプタは、カラーのように、電気焼灼器ツールに取り付けられる、小型の無線デバイスである。他の実施形態では、位置特定可能先端(すなわち、シャフト内に埋設される無線タグを伴う、先端)が、先端が無線位置特定システムによって無線で追跡され得るように、提供される。
【0093】
いくつかの実施形態では、ツール112は、ステープラである。肺用途では、切断は、肺平面と垂直に最適に実施される。本明細書に提示される解決策は、肺が切断されるであろう平面およびステープラの端部を画定するように構成される、少なくとも1つの無線タグを含む、ステープラである。いくつかの実施形態では、無線タグは、着目平面と垂直に配向され、これは、無線タグの未知のロール座標を平面上の任意の場所に整合させる。
【0094】
いくつかの実施形態では、ツール112は、肺を横断して、切断部全体に跨架するように構成される、追跡されるクランプである。
【0095】
いくつかの実施形態では、ツール112は、医療手技において利用される、針である。本明細書に提示される解決策は、追跡され得る、上側シャフト内に無線タグ202(例えば、SmartClip(登録商標))を伴う、針200を含む。図2を参照すると、針200は、針200の位置特定のために針200に結合される、無線タグ202を含む。いくつかの実施形態では、無線タグ205を含む、パッチ204が、患者201の皮膚上に位置付けられ、皮膚表面を位置特定する(例えば、皮膚表面の場所を追跡する)。無線タグ202と針200の先端206との間の既知の距離203が、有利な情報を提供するために利用される。したがって、針の挿入深度が、意図される穿刺部位の近傍の患者皮膚に結合される、パッチ204によって追跡される。また、パッチ204の位置および配向は、患者201に対する針200の角度が計算されることを可能にするであろう。代替として、パッチ204は、排除され、挿入の深度は、ユーザに、針200の先端206が皮膚表面201にあるときを示させることによって、追跡される。
【0096】
いくつかの実施形態では、ツール112は、患者によって嚥下される、カプセルまたは丸薬である。例えば、従来のカプセルは、患者によって嚥下され、GI問題点を診断する。本明細書に提示される解決策は、カプセルの無線追跡を提供し、本デバイスの有用性を増加させるための統合された無線タグを伴う、カプセルである。統合された無線タグを伴う、カプセルは、無線通信を経由して与えられるコマンドに基づいて、投薬療法物を送達することを可能にされることができる。投薬療法物送達は、大パルスのエネルギーを励磁器から要求することによって妨害され得る。大パルスは、投薬療法物送達禁止構成と投薬療法物送達許可構成との間でカプセルを物理的に変更することができる。加えて、統合されたタグを伴う、カプセルは、無線タグを要求に応じて埋め込み、着目組織をマークし得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、ツール112は、キーパッドおよびスタイラス(すなわち、滅菌外科手術用インターフェース)である。外科手術では、滅菌ユーザは、非滅菌ユーザ入力デバイスに触れることができない。入力デバイスとしての役割を果たすための付加的有線デバイスを持ち込むことは、付加的滅菌野管理を要求する。従来の無線入力デバイスは、典型的には、高価かつバッテリを要求する。本明細書に提示される解決策は、位置特定され得る埋設された無線タグとの電子またはデジタル通信を伴わずに、キーパッド(すなわち、低コストキーパッド)を提供する。位置特定されるスタイラスまたは電気焼灼器ツールが、位置特定されるキーパッドに触れることができる。
【0098】
図3Aを参照すると、キーパッド250は、2つの無線タグ251を含み、無線位置特定システム(例えば、システム100)によって位置特定される。本システムは、次いで、キーパッド250に対して追跡されるツール先端またはスタイラス252の場所を追跡することによって、タッチされたキーパッド上のキーを決定する。換言すると、追跡されるツール先端252場所が、把握され、ボタンの場所が、キーパッド250内の無線タグ251に対して把握される。したがって、位置特定システムは、追跡されるツール先端252の場所を検出することができ、ツール先端252によるボタン押圧をキーパッド250に対する場所に対して位置合わせするであろう。いくつかの実施形態では、キーパッドは、機械的応答を各ボタン上に提供し、これは、追跡されるツール(例えば、追跡されるスタイラス、追跡される電気焼灼器ツール等)の特徴的移動に基づいて、「クリック」として、位置特定システムによって認識されることができる。いくつかの実施形態では、キーパッドは、単一無線位置特定タグを伴うスタイラスをキーパッドにまたはその上に位置付けることによって、位置特定される。
【0099】
図3Bを参照すると、いくつかの実施形態では、ツール112は、ロボットアームまたはツール326によって握持可能である、位置特定されるプローブ310である。位置特定されるプローブ310は、円錐形先端314と、筐体322内に位置付けられる、無線タグ318とを含む。図示される実施形態では、筐体322は、ロボットアームまたはツール326によって握持可能である。プローブ310はさらに、カメラによって検出および追跡され得る、印334(例えば、視覚的マーキング)を伴う、ステム330を含む。換言すると、位置特定されるプローブ310は、患者身体内でロボットまたは他の器具によって握持され得る、小型の無線で追跡されるプローブであって、そのプローブは、視覚的参照として作用する、ステムを有する。いくつかの実施形態では、プローブ310の配向は、プローブの配向を画定するように制約される。換言すると、ロボットアーム326は、常時、ステム330が上向きに向いた状態で、プローブ310を垂直に配向されるように保つように制約されることができる。
【0100】
図3Bを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、ツール112は、ロボットアームまたはツール352によって握持可能である、位置特定される針350である。位置特定される針350は、無線タグ358を伴う、筐体354と、カメラによって検出および追跡され得る、印366(例えば、視覚的マーキング)を伴う、針部分362とを含む。換言すると、位置特定される針350は、カメラによって可読である、挿入深度寸法を含む。したがって、いくつかの実施形態では、位置特定されるプローブは、その先端が、カメラによって可視化される、物理的目印として機能するように、埋め込まれた無線タグとともに共同設置されるまで、患者器官の中に挿入される。いくつかの実施形態では、これは、触覚的に感知され得る。
B.ロボット統合用途
【0101】
本明細書に開示されるように、無線タグは、種々の医療手技において利用される、ロボットおよびロボット装置の中に統合される。そのようなロボットシステムの実施例は、Intuitive da Vinciシステムである。コンピュータ補助遠隔動作式外科手術システムおよび方法の実施例は、米国特許第11,207,143号(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。特有の課題が、無線位置特定タグをロボット環境の中に統合するように試るときに生じる。
【0102】
例えば、患者生体構造および術前撮像は、多くの外科手術介入のために不十分である。有線専用ナビゲーションシステムは、検出された場所を患者生体構造に位置合わせするために、術前撮像および他の方法に依存する。述べられたように、いくつかの医療手技は、カメラを利用するが、患者内に埋め込まれる無線タグは、典型的には、カメラビュー内で可視ではない。本明細書に提示される解決策は、ロボット用途における無線タグ位置特定を提供する。外科医の視覚的基準枠に共位置合わせされる、埋め込まれたタグの精密な位置特定は、ツールの位置特定とともに、摘出、アブレーション、薬物送達等のような介入成功のために不可欠な直感的次元フィードバックを提供することができる。
【0103】
図4を参照すると、無線位置特定システム400が、一般的医療手技のための手術室(すなわち、医師のオフィス、外科手術用設備等)内に図式的に示される。その中に無線位置特定システム400が位置付けられる、環境は、電磁雑音の種々の能動的および反応性源を含む。例えば、図4における環境は、頭上照明406Aと、麻酔機械406Bと、外科手術用ベッド406Cとを含む。そのそれぞれが、無線位置特定システム400の周囲に存在する、電磁場に影響を及ぼし得る。無線位置特定システム400は、患者の真下に位置付けられる、パッド404を含む。いくつかの実施形態では、パッド404は、少なくとも1つの励磁コイルと、少なくとも1つのセンサコイル(例えば、ウィットネスステーション)とを含む。無線位置特定システム400は、外科手術用ロボットアセンブリ408(例えば、Intuitiveによって開発されたda Vinciシステム)を含む。図示される実施形態では、外科手術用ロボットアセンブリ408は、ロボットアーム412と、カメラ416と、ロボットアーム412の遠位端に結合される、ツールとを含む。いくつかの実施形態では、外科手術用ロボットアセンブリ408は、単一ロボットアームを含む。他の実施形態では、外科手術用ロボットアセンブリ408は、少なくとも1つのロボットアームを含む。図示される実施形態では、外科手術用ロボットアセンブリ408は、3つのロボットアーム412を含む。いくつかの実施形態では、外科手術用ロボットアセンブリ408は、複数のカメラを含む。本明細書でより詳細に解説されるように、無線位置特定システム400は、外科手術用ロボットアセンブリ408を統合し、患者内の標的エリアに対して、外科手術用ロボットアセンブリ408の一部の改良された位置特定を提供する。例えば、患者内に埋設される無線タグ422の可視化は、カメラ416から可視化およびロボットビジョン上にオーバーレイされることができる。いくつかの実施形態では、外科手術用ロボットアセンブリは、外科医431がロボットを制御する、制御コンソール430を含み、無線タグの場所は、制御コンソール上に表示される。いくつかの実施形態では、制御コンソール430は、外科手術用ロボットと同一場所(例えば、部屋)にあり、他の実施形態では、制御コンソール420は、異なる場所(例えば、遠隔場所、施設外の場所)にある。
【0104】
図4を継続して参照すると、第1の無線タグ418が、外科手術用ロボットアセンブリ408の一部(例えば、ロボットアーム)に結合され、第2の無線タグ422が、患者の標的組織に結合される。第1の無線タグ418および第2の無線タグ422は、パッド404内の少なくとも1つの励磁コイルによって発生された磁場に応答して、無線信号を発生させるように構成される。タグ418および422からの無線信号は、パッド404内の少なくとも1つのセンサコイルによって検出される。プロセッサ426は、次いで、少なくとも1つのセンサコイルによって測定された信号に基づいて、第1の無線タグ418および第2の無線タグ422の場所を決定する。
【0105】
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、ロボットアーム500はそれぞれ、アームの遠位端上に搭載される外科手術用ツールと整合される、縦軸506に沿って搭載される、2つの無線タグ504を含む。いくつかの実施形態では、センサコイル508(患者パッド510内のセンサコイルに類似し、および/またはそれに加え)は、患者パッド510から離れて位置付けられ得る、無線タグ信号の感知を改良するために、ロボットアーム500に結合される。図示される実施形態では、センサコイル508は、縦軸506に沿って、2つの無線タグ504間に軸方向に位置付けられる。いくつかの実施形態では、センサコイル508は、無線タグ504内のコイルに直交して配向される。
【0106】
無線タグをロボット用途の中に統合することの1つの課題は、効果的にカメラを使用して、解剖学的目印を測定することである。目印を測定するためのカメラの使用は、照度に関する課題、鮮明な参照マークの欠如、撮像時と比較した組織変化、流体の存在等の短所を有する。本明細書に提示される解決策は、カメラ場所をカメラ上に搭載される無線タグに対して位置合わせすることによって、かつカメラの視野内の具体的点に進む、物体を追跡することによって、共位置合わせが達成されることを可能にする。カメラに搭載される無線タグは、直接、レンズ上に搭載されず、したがって、無線タグおよびカメラのレンズの相対的位置が、位置特定を改良するために、位置合わせされる。いくつかの実施形態では、視野位置合わせは、カメラの位置が把握されるとき、追跡される物体を視野の右上、右下、左上、および左下角に移動させることによって、遂行される。いくつかの実施形態では、カメラは、第1の無線タグをカメラから既知の近距離(例えば、約50mm以内)に設置し、カメラ位置を得ることによって、較正され、次いで、カメラの配向は、第2の無線タグがカメラから離れている間、第2の無線タグをカメラを用いて撮像することによって決定される。無線位置特定システムは、無線タグの磁気中心および縦軸の方向を位置特定することができるが、必ずしも、タグのどの端部が、どちらであるかは問わない。カメラビューをシステム座標系と一貫して共位置合わせするために、付加的自由度が、制約されるために要求される。
【0107】
図6Aを参照すると、カメラ位置合わせのための追跡される物体600が、図示される。追跡される物体600は、クリア外側シェル605と、外側シェル605に対して自由に移動可能である、内側球体606とを含む。いくつかの実施形態では、外側シェル605は、ロボットツールによって把持または握持されるように構成される。無線タグ604は、内側球体606内に位置付けられる。図示される実施形態では、荷重された部分602(例えば、荷重された底部)が、重力を使用して、内側球体606内の無線タグ604が、常時、所与の方向(すなわち、上向きかつ患者パッドから離れるように)「向き」、それによって、最後の自由度を制約するために十分な情報を提供することを確実にする。換言すると、内側球体606は、荷重された部分602を含み、内側球体606およびタグ604を重力に対してデフォルト配向に配向する。内側球体606はさらに、カメラによって検出可能である、種々の色の複数の区分608または黒色および白色の陰影を含む。図示される実施形態では、複数の区分608は、4つの異なる色区分を含む。いくつかの実施形態では、複数の区分608は、8つの異なる色区分を含む。したがって、移動可能な追跡される物体600は、無線タグ604を含み、種々の位置に移動され、カメラによって検出され、カメラの視野を位置合わせする。
【0108】
いくつかの実施形態では、無線タグは、円筒形であって、縦軸を中心としたロールおよびタグが向いている方向は、決定することが困難である。本明細書に提示される解決策は、無線タグを非対称的に荷重された搭載部内に設置することである。搭載部内の無線タグは、搭載部の質量中心と搭載部の回転軸との間に延在する線から約20~70度の角度を生成する。非対称荷重は、ロール配向および向いている方向の両方の決定を可能にするために十分なタグ配向に関する制約を提供する。いくつかの実施形態では、搭載部は、既知のパターン(例えば、複数の区分608)を有する、物体内で包囲される。既知のパターンは、カメラを用いて撮像され、カメラおよび無線位置特定システムを用いて、物体が同時に位置特定されることを可能にする。いったん同時に位置特定されると、無線位置特定システムとカメラとの間の一般的変換が、決定される。
【0109】
カメラの位置が、把握されない場合、視野の4つのコーナーが、カメラから2つの異なる距離において測定され、カメラ場所を決定することができる。いくつかの実施形態では、カメラは、所定の運動のセット(例えば、スピン、前方移動等)を実施する。他の実施形態では、カメラは、異なる視点から同一点を考察する。いくつかの実施形態では、カメラ位置合わせの構成は、事前設定構成として、保存およびロードされることができる。
【0110】
図6Bを参照すると、カメラを無線位置特定システムに位置合わせするための方法650が、開示される。方法650は、カメラユニットに、カメラユニットに搭載される無線タグを提供するステップ654を含む。方法650はまた、位置特定されるプローブを移動させ、カメラユニットに接触させるステップ658を含む。換言すると、ステップ658は、位置特定されるプローブをカメラユニットに当接するステップを含む。方法650はまた、位置特定されるプローブをカメラ視野内に位置付けるステップ662を含む。いくつかの実施形態では、視野内の位置特定されるプローブ位置は、ステップ658からの同一プローブである。他の実施形態では、視野内に位置付けられる、位置特定されるプローブは、ステップ658において使用される、位置特定されるプローブと異なる。方法650はさらに、カメラ視野内に位置付けられる、既知のサイズの物体を利用して、カメラズームを較正するステップ666を含む。いくつかの実施形態では、較正輪郭は、ユーザに表示され、カメラズームは、既知のサイズの物体が較正輪郭内に含有されるまで、調節される。一実施形態では、10cm直径を伴う、既知の物体が、カメラ視野内に位置付けられ、カメラ上のズームは、物体がディスプレイ上の較正輪郭内にフィットするまで、調節される。方法650はさらに、次元的に正確な拡張現実を表示するステップ670を含む。換言すると、ステップ670では、カメラ視野は、3Dインターフェースでオーバーレイされることができる。いくつかの実施形態では、2つの3Dインターフェースが、位置特定インターフェースが3Dカメラインターフェースの上部にオーバーレイされるように、各眼に1つずつ、別個のビデオフィード上に提供される。したがって、方法650は、カメラビューを、種々の無線タグの場所を可視化する、無線位置特定システムに位置合わせするための、較正プロセスを提供する。いくつかの実施形態では、付加的補正が、種々のカメラレンズタイプ(例えば、広開口レンズ調節)を考慮するために適用される。
【0111】
無線タグを外科手術用ロボット用途の中に統合することの別の課題は、金属物体が、それらが歪曲を電磁場内に生成するため、検出器またはセンサコイルから離れるように保たれるべきであることである。換言すると、外科手術用ロボットは、多くの場合、無線位置特定システムによって依拠される、電磁場を歪曲させ得る、金属構成要素(例えば、金属アーム)を含む。本明細書に提示される解決策は、種々の雑音低減および信号処理技法を利用することである。いくつかの実施形態では、本システムは、位相感応信号処理を利用する。
【0112】
無線タグを外科手術用ロボット用途の中に統合することの別の課題は、無線タグを、直接、金属構成要素(例えば、ロボットアーム)に取り付けることが、無線タグによって伝送される信号を金属内に誘発される渦電流によって劣化させ得ることである。本明細書に提示される解決策は、無線タグのアンテナ巻線と金属との間に位置付けられる、高透過性材料(例えば、鉄、マンガン、亜鉛、シリコン、アルミニウム、ニッケル、電気鋼鉄、コバルト鉄等)の薄い層を含むことである。いくつかの実施形態では、高透過性材料の層は、無線タグによって伝送される信号の周波数範囲に基づいて、選択される。
【0113】
無線タグを外科手術用ロボット用途の中に統合することの別の課題は、範囲が、測定するための能力によって限定され、患者上の着目特徴が、多くの場合、パッドから離れて位置付けられ得ることである。本明細書に提示される解決策は、高利得検出器(例えば、図5の508)をエミッタに直交して埋設し、無線タグ信号を感知することである。高利得検出器は、ロボット構成要素(例えば、ロボットアーム)上に搭載され、センサは、無線タグに近接して移動されることができる。
【0114】
タグを外科手術用ロボット用途の中に統合することの別の課題は、小型の無線タグが、励磁された場の1つのみの方向に応答し、いくつかの実施形態では、ロボット用途が、追跡されている複数の無線位置特定タグ(すなわち、クリップ、SmartClip(登録商標))を有するであろうことである。本明細書に提示される解決策は、励磁場の3つの直交方向を生成する、パッドを利用する。図11を参照すると、励磁器パッド1102が、相互に直交する、3つの電磁場(例えば、X、Y、およびZ方向電磁場)をパッド1102の直上に発生させるように図示される。励磁場の3つの直交方向を用いることで、無線タグ配向にかかわらず、無線タグのための十分な電力伝達が存在する。任意の無線タグのための好ましい場方向が、感知システムによって受信される総電力を測定し、最大総電力を有する、場方向を選定することによって、決定されることができる。複数のタグが、位置特定される必要がある場合、同一場方向によって励磁されたもののみが、同時に位置特定されることができる。順次、全ての無線タグを位置特定可能にさせる、最小数の場方向を通して続行することによって、全てのタグが、位置特定される。場方向を変化させるためにかかる時間量は、重要である。時間を最小限にするために、ソリッドステートトランジスタが、場極性を変化させるために使用される(電気機械的中継器の代わりに、またはそれに加え)。いくつかの実施形態では、電気機械的中継器は、ソリッドステートトランジスタより切替に長くかかり得、電気機械的中継器は、切替時に、狭帯域幅信号調整外に減衰させられなければならない、雑音を生成することになる。励磁コイルおよびセンサコイルを伴う、例示的パッドは、米国特許第10,278,779号(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明される。
【0115】
いくつかの実施形態では、外科手術用ロボットは、自動化された介入(例えば、ロボット移動のための詳細な外科手術計画に基づく、ステップのセット)を実施する。タグをロボット用途の中に統合することの別の課題は、自動化された介入が、ロボット移動のための詳細な外科手術計画に基づき得ることである。本明細書に提示される解決策は、実際の移動と計画された移動を比較し、計画が許可される許容度を超えて逸脱すると、信号を発生させる、独立処理システムによって、ロボット移動を監視することによって向上される、自動化安全対策である。二次信号が、ロボット移動が追跡されていないとき、発生される。換言すると、いくつかの実施形態では、無線タグは、ロボット構成要素を追跡し、それが計画に従って移動していることを二重チェックするために利用される。したがって、無線タグは、ロボット構成要素の移動を無線で追跡することができ、付加的安全対策または安全性ロックアウトを提供するために利用されてもよい。
C.一般的外科手術用途
【0116】
本明細書に提供される解決策はまた、限定ではないが、アイテムが患者内に残されないように防止すること、骨モデル化、および軟組織モデル化を含む、一般的外科手術用途を有する。
【0117】
外科手術に関する一般的問題は、アイテム(例えば、外科手術用器具、スポンジ等)が、外科手術が完了された後、患者内に残されるときに生じる。本明細書に提示される解決策は、無線タグを、そのようなアイテムの中に、それらが無線で追跡され得るように、埋設する。従来の磁場無線物体追跡システムは、無線タグ位置特定システムと互換性がない。本明細書に説明されるように、磁場無線物体追跡は、タグ位置特定システムの中に統合され、要求される機器の量を低減させ、および/または無線干渉の量を低減させる。タグでタグ付けされるアイテムは、EnVisio(登録商標)システムを用いて、高保証を伴って検出可能である。多数のタグが、位置特定要件が緩和される場合、支持されることができる。いくつかの実施形態では、本システムは、継続カウントを保ち、一般的磁場エリアに導入されるアイテムの数を追跡し、タグ付けされるアイテムが一般的磁場エリア内に残される回数を減少させる(すなわち、環境内のアイテムの累積合計を保つ)。
【0118】
別の課題は、従来のロボット誘導整形外科システムが、骨の光学追跡に依拠し、これが、光学追跡器が骨の中に外科的に埋め込まれることを要求し、システムが、光学追跡器の直接照準線を維持することである。本明細書に提示される解決策は、2つまたはそれを上回る無線タグ(すなわち、SmartClip(R))を骨の中に埋設し、術前撮像および画像区画化を使用して、骨幾何学形状を2つまたはそれを上回る無線タグによって画定された座標系内に確立する。いくつかの実施形態では、外科手術時、骨は、ソフトウェアによって制御されるモータ駆動アクチュエータ(例えば、ロボットアーム)に搭載され、骨インターフェースは、無線タグ励磁および感知サブシステムを含む。
【0119】
別の課題は、術前撮像が、異なる位置、配向、および形状において、軟組織とともに収集され、次いで、外科手術のための手術室において提示されることである。本明細書に提示される解決策は、2つまたはそれを上回る無線タグを患者の軟組織内および/または皮膚上に埋め込むことである。術前撮像は、定位置におけるタグを用いて、行われることができ、撮像は、タグの新しい場所および配向を観察するためにインポートされることができる。3D画像は、撮像されたタグをライブ観察されるタグに整合させる、体積維持アルゴリズムに従って、変形される。いくつかの実施形態では、体積維持アルゴリズムは、組織密度、弾性、変形等を組み込み得る、物理学および生理学ベースである。
D.無線タグ展開
【0120】
タグは、従来のプランジャ機構を用いて、針、カテーテル等を通して、軟組織の中に送達されることができる。いくつかの実施形態では、付加的機械的特徴が、無線タグを周囲組織に固着させるために追加される。無線タグを固着させることは、特に、組織の操作を伴う組織摘出の間、重要である。図7を参照すると、無線位置特定タグ702が、筐体704の軸方向端部708に形成される、少なくとも1つのタイン706を有する、筐体704内に位置付けられる。図示される実施形態では、タイン706は、タグ702の縦軸712に沿って延在する。タイン706は、無線タグ702を把持する、固着させる、または別様に、周囲組織に係留させるように構成される。
【0121】
図8を参照すると、無線タグ802は、周囲組織内に係合し、移動を防止する、自己展開タイン806を伴う、筐体804を含む。図示される実施形態では、タイン806は、タグ802(筐体804)の縦軸810に対して半径方向に偏向する。いくつかの実施形態では、タイン806は、第1の位置に移動可能であって、そこで、タイン806は、縦軸810に向かって半径方向内向きに偏向され(例えば、展開または送達の間)、タイン806は、第2の位置に移動可能であって、そこで、タイン806は、縦軸810から半径方向外向きに延在する(例えば、展開され、定位置にある)。換言すると、タイン806は、定位置にあるとき、半径方向外向きに展開する。いくつかの実施形態では、タイン806は、無線タグ802を患者の肺に固着させるために使用される。
【0122】
図9を参照すると、無線タグ902は、タイン908を伴う、筐体904を含む。図示される実施形態では、タイン908は、タグ902の縦軸912と垂直な平面910に延在する、渦巻である。いくつかの実施形態では、タイン908は、ニチノールから作製される。タイン908は、渦巻タイン908が縦軸912に向かって半径方向内向きに偏向される(例えば、展開位置に円周方向に圧縮される)、第1の位置と、渦巻タイン908が半径方向外向きに延在する、第2の位置(例えば、展開位置)との間で移動可能である。図示される実施形態では、渦巻タイン908は、タイン908が第1の位置と第2の位置との間で移動するとき平面910内に留まる。
【0123】
図10を参照すると、無線タグ1002は、タイン1006を伴う、筐体1004を含む。図示される実施形態では、タイン1006は、展開可能ステントである。
E.標的化された放射線送達
【0124】
高エネルギー放射線を患者の軟組織に送達するとき、標的組織を意図される場所に位置付けることが、必須である。照射するための場所を決定するための従来の技法は、外部目印(例えば、生体構造、入墨)の使用またはX線ベースの撮像を含む。設置後、患者移動を検出するための従来の技法は、外部タグの監視、気流を介した患者呼吸の監視を含む。
【0125】
本明細書に提示される解決策は、放射線のために標的化された部位またはその近傍に埋め込まれるタグを用いた、直接位置特定を提供する。無線タグが、放射線が送達されることが意図される部位に埋め込まれる場合、患者は、必然的に、タグが標的化された放射線システムの焦点、またはその近傍にあるように位置付けられる。したがって、それにわたって無線タグが設置される、体積は、他の手技と比較して、比較的に小さい(例えば、10cm×10cm×10cm)。タグ励磁および感知要素は、ビーム偏向を防止することと、また、電子機器への損傷を防止することとの両方のために、放射線と重複するべきではない。いくつかの実施形態では、励磁場が、はるかに低く、電子フィルタが、励磁信号を取り除くために十分であるように、励磁および感知要素を別個のモジュール内に有することが有利である。いくつかの実施形態では、2つの間に無線タグを伴う、2つの場所における励磁器を伴う、Helmholtzコイル構成もまた、有利であり得る。他の実施形態では、励磁器およびセンサの両方を伴う、単一パッドが、放射線治療の間、患者下の代わりに、患者と並んで設置される。
F.周術撮像
【0126】
無線タグ信号励磁および感知において使用される放射線不透過性材料は、撮像機器源と検出器との間に存在するとき、患者特徴を曖昧にし得る。いくつかの手技では、信号は、ワイヤ、カテーテル、または類似デバイスが、インプラントに対して脈管内のある場所にあるとき、提供される。
【0127】
本明細書に提示される解決策は、例えば、ステントを回収することが所望されるとき、ステント(例えば、冠動脈脈管)内に位置付けられる、無線タグである。解決策はまた、カテーテルまたは類似デバイスの外壁に結合される、有線エミッタを含む。有線エミッタは、無線タグを給電するための十分な磁場強度を提供する。身体外に位置付けられる、センサまたはセンサのセットは、無線タグ応答をリッスンする(有線エミッタが無線タグに接近することを示す)。いくつかの実施形態では、センサ信号上の信号調整は、ノッチまたは低域通過フィルタを含み、エミッタによって搬送される励磁信号を遮断する。無線タグが、有線エミッタの範囲内にある場合、無線の周波数スペクトル特性が、感知されることができる。
【0128】
代替として、インプラントは、磁石を含み、カテーテルは、高感度磁力計を含む。本アプローチは、アースおよび近傍金属構成要素に起因する、局所磁場における変動の影響を低減させるための「ゼロ化」手順を含む。
【0129】
代替として、タグは、受動的高共鳴LC回路を含み、エミッタ上の反射された信号が、監視される。有線エミッタとインプラントとの間の結合の変化は、反射された信号を改変させ、反射された信号が最も影響される、場所は、最大結合の位置に対応し、エミッタおよびタグの幾何学形状は、最大結合の位置が脈管内のカテーテルの場所に対する信号に対応するように合わせられる。
G.動脈アクセス
【0130】
動脈アクセスを得ることは、特に、心臓または脚部介入のいずれかにおける大腿部アクセスにとって、困難であり得る。本明細書に提示される解決策は、超音波または撮像誘導下で、意図されるアクセスの場所における動脈に沿って位置付けられる、無線タグである。いくつかの実施形態では、初期アクセスのために使用される針は、無線または有線ビーコンを用いて追跡され、次いで、理想的設置および方向のためのシステムによって誘導される。高精度は、出血を低減させ、アクセスを得るために要求される時間を短縮させる。
H. 異なる環境
【0131】
パッドの近傍の複雑な磁気透過性の変化は、ビーコンを位置特定するために使用される、信号に影響を及ぼし得る。例えば、金属(高伝導性)材料は、同一周波数において信号源として作用する、誘発される電流を用いて、磁場をゼロに強いる。第一鉄(高透過性)材料は、あまり一般的ではないが、また、場を修正する。患者下に位置付けられるパッドは、大型の金属構成要素を伴う、ベッドに可能な限り近接して設置される。マッピングプロセスが、場に及ぼされるベッドの影響を学習し、位置特定に及ぼされる影響を除去するために使用される。しかしながら、異なる環境は、金属を含まないものから、パッドを直接金属上に搭載するものまでに及ぶ。本明細書に提示される解決策は、パッドがこれらの種々の環境において使用されることを可能にする。
【0132】
第1の課題は、事実上、励磁場を相殺する、対向磁場を生成し得る、ベッド内に埋設される、大型の金属ループから生じる。本明細書に提示される解決策は、電気伝導性層1206(例えば、伝導性プレート)をパッド1202の底部上に位置付けることである。伝導性プレート1206は、遮蔽体として作用し、環境内でパッド1202の下方の透過性を変化させる。図12を参照すると、伝導性プレート1206が、磁場(矢印1210参照)を成形し、電磁束をパッド1202内に含有する。いくつかの実施形態では、伝導性プレートは、金属である。いくつかの実施形態では、伝導性層は、アルミニウムである。いくつかの実施形態では、伝導性層は、ミューメタル、銅、またはステンレス鋼である。いくつかの実施形態では、電気伝導性層は、少なくとも20×10ジーメンス/メートル(S/m)の伝導性を含む。
【0133】
第2の課題は、金属内で誘発される電流および結果として生じる対向磁場のため、励磁場に影響を及ぼす、伝導性層から生じる。図12を参照すると、本明細書に提示される解決策は、高電磁気透過性材料の第1の層1204と、電気伝導性材料(例えば、伝導性プレート)の第2の層1206とを伴う、パッド1202である。いくつかの実施形態では、第1の層1204は、約10~約5,000の範囲内の電磁気透過性を有する。いくつかの実施形態では、第1の層1204は、フェライトコア(例えば、鉄、マンガン、および亜鉛から作製される、酸化物、すなわち、マンガン亜鉛フェライト)である。いくつかの実施形態では、第1の層1204は、鉄、シリコン、アルミニウム、および/またはニッケル(例えば、粉末コア)を含む、複合材である。
【0134】
図示される実施形態では、第1の層1204は、複数の励磁コイル1212と第2の層1206との間に位置付けられる。第2の層1206における電磁場は、より低く、対応する電流は、より低く誘発される。図示される実施形態では、透過性層1202は、励磁コイル1212と伝導性層1206との間に位置付けられる。したがって、パッド1202は、磁束を再指向し、パッド1202の底部上に閉じ込める、材料の組み合わせを含み、パッド1202は、種々の外科手術用ベッド上で効率的に動作する(例えば、「ベッドに依存しない」)ように構成される。
【0135】
いくつかの実施形態では、励磁コイル1212は、高熱伝導性被包材料1214(例えば、エポキシ)で被包される。いくつかの実施形態では、被包材料は、1,000W/ケルビンを上回る、熱伝導性を有する。いくつかの実施形態では、被包材料は、1,000ジュール/kg℃を上回る、熱容量を有する。いくつかの実施形態では、被包材料1214は、少なくとも400ボルト/ミルの誘電強度を有する。いくつかの実施形態では、フェライト材料は、磁場を成形することに役立つ。
【0136】
第3の課題は、高透過性材料の存在が磁場方向を歪曲させるために生じる。磁場方向の歪曲は、異なる場方向を生成する励磁器の状態毎に、センサを、センサが励磁場に直交する場所および配向に位置付けることが望ましいため、課題をもたらす。歪曲は、電流の位相が誘発される磁場の一次指向性を変化させるように変動される、多励磁器システムにおいて顕著である。本影響は、励磁器が異なる場方向を生成するように構成されるため、励磁器の平面において、場方向の大変化をもたらす(例えば、図11)。
【0137】
図13を参照すると、本明細書に提示される解決策は、グリッド構成に配列される、励磁コイル1300A、1300B、1300C、1300Dと、センサコイル1304A-1304Lとを伴う、パッド1301である。センサコイル1304A-1304Lは、励磁器の平面における場方向の最小変化が生じる、場所に設置される。図示される実施形態では、センサコイル1304A-1304Lはそれぞれ、センサコイル軸1306A-1306Lを画定し、励磁コイル1300A-1300Dはそれぞれ、励磁コイル軸1302A-1302Dを画定する。本グリッド構成では、全てのセンサコイル1304A-1304Lは、隣接する励磁コイル1300A-1300Dの接線と平行に配向される。例えば、センサコイル1304A、1304D、1304F、1304Cのセンサコイル軸1306A、1306D、1306F、および1306Cは、励磁コイル1300Aの接線と平行に配向される。換言すると、センサコイル軸1306A、1306D、1306F、および1306Cは、励磁コイル軸1302Aと交差しない。
【0138】
図13を継続して参照すると、4つの励磁コイル1300A-1300Dが、パッドの中心1312の周囲に円周方向に位置付けられる。図示される実施形態では、センサ軸1306A、1306B、1306F、1306G、1306K、および1306Lは、第1の方向(例えば、X方向)に整合され、センサ軸1306C、1306D、1306E、1306H、1306I、および1306Jは、第2の方向(例えば、Y方向)に整合される。図示される実施形態では、第1の方向および第2の方向は、垂直である。図示される実施形態では、励磁器軸1302A-1302Dは、図13の図の平面と垂直な第3の方向(例えば、Z方向)に整合される。図示される実施形態では、センサコイル1304A-1304Lは、少なくとも1つの励磁コイルと心合されて(少なくとも1つの励磁器軸1302A-1302Dと一直線に)位置付けられる。例えば、センサコイル1304A、1304D、1304F、および1304Cは、励磁コイル1300Aの周囲に円周方向に位置付けられる。図示される実施形態では、それぞれ、励磁コイル1300A-1300Dの各側の中央点に位置付けられる、センサコイル1304A-1304Lが存在する。
【0139】
いくつかの実施形態では、励磁コイルは、円形である。他の実施形態では、励磁コイルは、長方形または別の好適な形状である。いくつかの実施形態では、パッドの監視および制御のために利用される電子機器は、伝導性遮蔽体下に位置付けられる(例えば、伝導性遮蔽体は、電子機器と励磁コイルとの間に位置付けられる)。
【0140】
図示される実施形態では、高透過性材料は、飽和せずに、高場に耐える。いくつかの実施形態では、高透過性材料が支持し得る、内部誘発場は、外部印加場より高い。
【0141】
種々の特徴および利点は、以下の請求項に記載される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】