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特表2024-519042バイトブロックおよび監視手段を備えた酸素マスク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】バイトブロックおよび監視手段を備えた酸素マスク
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/06 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
A61M16/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571417
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022072401
(87)【国際公開番号】W WO2022246421
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/189,763
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515257519
【氏名又は名称】テレフレックス メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TELEFLEX MEDICAL INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】クォク キエン チュン
(72)【発明者】
【氏名】エルバス アヴィラム
(57)【要約】
酸素マスクが上側部分および下側部分を備えるともにチャンバを画定した凸状シェルと、少なくとも部分的にチャンバ周りに設けられたリムと、上側部分に設けられた鼻接近ポートと、下側部分に設けられた口接近ポートとを有する。鼻接近ポートは、チャンバへの接近を可能にするよう穿通可能でありかつ/あるいは穴あけ可能であり、口接近ポートは、ルーメンを備えたバイトブロックおよびルーメン内に設けられた弁を有するのがよい。酸素マスクは、チャンバへの入口、チャンバからの出口、およびチャンバと連通状態にあるサンプル採取ポートを有するのがよい。酸素マスクは、バイトブロックが水平軸線に対して傾動することができるとともに/あるいは垂直軸線に沿って並進することできるよう構成された少なくとも1つの折り目または折りじわを有するのがよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクであって、
上側部分および下側部分を備えるとともに、チャンバを画定した凸状シェルと、
前記チャンバ周りに少なくとも部分的に設けられたリムと、
前記上側部分に設けられていて、前記チャンバへの接近を可能にするよう穿通可能でありかつ/あるいは穴あけ可能である鼻接近ポートと、
前記下側部分に設けられた口接近ポートとを含み、前記口接近ポートは、ルーメンを備えたバイトブロックおよび前記ルーメン内に設けられた弁を有する、マスク。
【請求項2】
前記チャンバへの入口、および前記チャンバからの出口をさらに有する、請求項1記載のマスク。
【請求項3】
前記出口は、ポスト周りに設けられた複数の穴を含む、請求項記載のマスク。
【請求項4】
前記鼻接近ポートは、複数のラインを形成する縁部を備えた1つ以上のフラップを有する、請求項1記載のマスク。
【請求項5】
前記複数のラインは、第1のノードのところで結ばれた第1のラインと第2のライン、および第2のノードのところで結ばれた第3のラインと第4のラインを含む、請求項4記載のマスク。
【請求項6】
前記複数のラインは、非垂直配向状態で角度をなして互いに結ばれた少なくとも2本のラインを含む、請求項4記載のマスク。
【請求項7】
前記複数のラインは、第1の“V”の形を形成するよう結ばれた第1のラインと第2のラインを含む、請求項4記載のマスク。
【請求項8】
前記複数のラインは、第2の“V”の形を形成するよう結ばれた第3のラインと第4のラインを含む、請求項7記載のマスク。
【請求項9】
前記第2のラインと前記第3のラインは、“W”の形を形成するよう結ばれている、請求項8記載のマスク。
【請求項10】
前記1つ以上のフラップは、前記縁部の少なくとも一部分に沿って1つ以上の脆弱な部分によって連結されている、請求項4記載のマスク。
【請求項11】
前記弁は、ダックビル形弁である、請求項1~10のうちいずれか一に記載のマスク。
【請求項12】
前記チャンバと連通状態にあるサンプル採取ポートをさらに有する、請求項1~10のうちいずれか一に記載のマスク。
【請求項13】
前記上側部分に設けられていて、ノーズクリップを固定するよう構成された少なくとも1つのポストをさらに有する、請求項1~10のうちいずれか一に記載のマスク。
【請求項14】
前記バイトブロックは、前記マスクの水平軸線に対して鋭角をなして延びている、請求項1~10のうちいずれか一に記載のマスク。
【請求項15】
前記バイトブロックを水平軸線に対して傾動させるとともに/あるいは垂直軸線に沿って並進させることができるよう構成された少なくとも1つの折り目または折りじわをさらに有する、請求項1~10のうちいずれか一に記載のマスク。
【請求項16】
前記少なくとも1つの折り目または折りじわは、前記バイトブロックを前記水平軸線に対して傾動させたり、前記垂直軸線に沿って並進させたりすることができるよう構成されている、請求項15記載のマスク。
【請求項17】
前記少なくとも1つの折り目または折りじわは、前記口接近ポートの上方かつ/あるいは下方に延びている、請求項15記載のマスク。
【請求項18】
前記少なくとも1つの折り目または折りじわは、前記バイトブロックと横方向にオーバーラップしている、請求項15記載のマスク。
【請求項19】
前記少なくとも1つの折り目または折りじわは、前記バイトブロック周りに円周方向に延びている、請求項15記載のマスク。
【請求項20】
前記少なくとも1つの折り目または折りじわは、複数の折り目または折りじわから成る、請求項15記載のマスク。
【請求項21】
前記複数の折り目または折りじわは、第1の側部分と第2の側部分との間で側方に延びている、請求項20記載のマスク。
【請求項22】
マスクであって、
上側部分および下側部分を備えるとともに、チャンバを画定した凸状シェルと、
前記チャンバ周りに少なくとも部分的に設けられたリムと、
前記チャンバへの入口と、
前記チャンバからの出口と、
前記チャンバと連通状態にあるサンプル採取ポートと、
前記上側部分に設けられていて、前記チャンバへの接近を可能にするよう穿通可能でありかつ/あるいは穴あけ可能である鼻接近ポートと、
前記下側部分に設けられた口接近ポートとを有し、前記口接近ポートは、ルーメンを備えたバイトブロックおよび前記ルーメン内に設けられたダックビル形弁を有する、マスク。
【請求項23】
マスクであって、
上側部分および下側部分を備えるとともに、チャンバを画定した凸状シェルを有し、
前記チャンバ周りに少なくとも部分的に設けられたリムを有し、
前記下側部分に設けられた口接近ポートを有し、前記口接近ポートは、ルーメンを備えたバイトブロックおよび前記ルーメン内に設けられた弁を備え、
前記バイトブロックを水平軸線に対して傾動させるとともに/あるいは垂直軸線に沿って並進させることができるよう構成された少なくとも1つの折り目または折りじわを有する、マスク。
【請求項24】
前記少なくとも1つの折り目または折りじわは、前記バイトブロックを前記水平軸線に対して傾動させたり、前記垂直軸線に沿って並進させたりすることができるよう構成されている、請求項23記載のマスク。
【請求項25】
前記少なくとも1つの折り目または折りじわは、前記口接近ポートの上方にかつ/あるいは下方に延びている、請求項23記載のマスク。
【請求項26】
前記少なくとも1つの折り目または折りじわは、前記バイトブロックと横方向にオーバーラップしている、請求項23~25のうちいずれか一に記載のマスク。
【請求項27】
前記少なくとも1つの折り目または折りじわは、前記バイトブロック周りに円周方向に延びている、請求項23~25のうちいずれか一に記載のマスク。
【請求項28】
前記少なくとも1つの折り目または折りじわは、複数の折り目または折りじわから成る、請求項23~25のうちいずれか一に記載のマスク。
【請求項29】
前記複数の折り目または折りじわは、第1の側部分と第2の側部分との間で側方に延びている、請求項28記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、フェイス(顔)マスクに関し、特に一体型バイトブロックおよび/または監視手段を有する酸素フェイスマスクに関する。
【0002】
〔関連出願の引照〕
本願は、2021年5月18日に出願された米国特許仮出願第63/189,763号の優先権主張出願であり、この米国特許出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
種々の手技では、低酸素症(血液および組織中の酸素分圧が低い状態)にならないようにするために患者には酸素が送り出されることが必要な場合が多い。低酸素症は、患者が酸素分圧を維持するのに適度に呼吸をしていない場合に決定的に重要である場合があり、と言うのは、長期間の低酸素分圧は、異常な心拍、心停止、および/または呼吸停止を招く場合があるからである。内視鏡手技では、器具の挿入のために患者の口または鼻への接近がさらに必要な場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概観
本発明者の認識によれば、口または鼻への酸素送り出しまたは接近を可能にする現行のフェイス(顔面)マスクの非効率性に取り組むための技術改良が要望されている。また、本発明者の認識によれば、顔面構造および形状のばらつきを考慮して、口および/または鼻への接近を保証するための改良型の嵌め合いが要望されている。技術の現状と比較した場合の本発明の追加の技術改良を本明細書において提供する開示において容易に認識することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かくして、本発明の第1の観点は、上側部分および下側部分を備えるとともに、チャンバを画定した凸状シェルと、チャンバ周りに少なくとも部分的に設けられたリムと、上側部分に設けられた鼻接近ポートと、下側部分に設けられた口接近ポートとを有するマスクに関する。鼻接近ポートは、チャンバへの接近を可能にするよう穿通可能でありかつ/あるいは穴あけ可能であるのがよく、口接近ポートは、ルーメンを備えたバイトブロックおよびルーメン内に設けられた弁を有するのがよい。
【0006】
本発明の第2の観点は、上側部分および下側部分を備えるとともに、チャンバを画定した凸状シェルと、チャンバ周りに少なくとも部分的に設けられたリムと、チャンバへの入口と、チャンバからの出口と、チャンバと連通状態にあるサンプル採取ポートと、上側部分に設けられた鼻接近ポートと、下側部分に設けられた口接近ポートとを有するマスクに関する。鼻接近ポートは、チャンバへの接近を可能にするよう穿通可能でありかつ/あるいは穴あけ可能であるのがよく、口接近ポートは、ルーメンを備えたバイトブロックおよびルーメン内に設けられたダックビル形弁を有するのがよい。
【0007】
本発明の第3の観点は、上側部分および下側部分を備えるとともに、チャンバを画定した凸状シェルと、チャンバ周りに少なくとも部分的に設けられたリムと、下側部分に設けられた口接近ポートと、少なくとも1つの折り目または折りじわとを有するマスクに関する。口接近ポートは、ルーメンを備えたバイトブロックおよびルーメン内に設けられた弁を備えるのがよく、少なくとも1つの折り目または折りじわは、バイトブロックを水平軸線に対して傾動させるとともに/あるいは垂直軸線に沿って並進させることができるよう構成されるのがよい。
【0008】
マスクの幾つかの実施形態は、チャンバへの入口、およびチャンバからの出口をさらに含む。幾つかの実施形態では、出口は、ポスト周りに設けられた複数の穴を含む。幾つかの実施形態では、マスクは、チャンバと連通状態にあるサンプル採取ポートをさらに有する。幾つかの実施形態では、マスクは、上側部分に設けられていて、ノーズクリップを固定するよう構成された少なくとも1つのポストをさらに有する。幾つかの実施形態では、鼻接近ポートは、複数のラインを形成する縁部を備えた1つ以上のフラップを有する。幾つかの実施形態では、複数のラインは、第1のノードのところで結ばれた第1のラインと第2のライン、および第2のノードのところで結ばれた第3のラインと第4のラインを含む。幾つかの実施形態では、複数のラインは、非垂直配向状態で角度をなして互いに結ばれた少なくとも2本のラインを含む。幾つかの実施形態では、複数のラインは、第1の“V”の形を形成するよう結ばれた第1のラインと第2のラインを含む。幾つかの実施形態では、複数のラインは、第2の“V”の形を形成するよう結ばれた第3のラインと第4のラインを含む。幾つかの実施形態では、第2のラインと第3のラインは、“W”の形を形成するよう結ばれている。幾つかの実施形態では、1つ以上のフラップは、縁部の少なくとも一部分に沿って1つ以上の脆弱な部分によって連結されている。幾つかの実施形態では、弁は、ダックビル形弁である。幾つかの実施形態では、バイトブロックは、マスクの水平軸線に対して鋭角をなして延びている。幾つかの実施形態では、マスクは、バイトブロックを水平軸線に対して傾動させるとともに/あるいは垂直軸線に沿って並進させることができるよう構成された少なくとも1つの折り目または折りじわをさらに有する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの折り目または折りじわは、バイトブロックを水平軸線に対して傾動させたり、垂直軸線に沿って並進させたりすることができるよう構成されている。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの折り目または折りじわは、口接近ポートの上方かつ/あるいは下方に延びている。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの折り目または折りじわは、バイトブロックと横方向にオーバーラップしている。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの折り目または折りじわは、バイトブロック周りに円周方向に延びている。幾つかの実施形態では、マスクは、少なくとも1つの折り目または折りじわを形成するメンブレンをさらに有する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの折り目または折りじわは、複数の折り目または折りじわから成る。幾つかの実施形態では、複数の折り目または折りじわは、第1の側部分と第2の側部分との間で側方に延びている。
【0009】
本発明を容易に理解することができるようにするため、本発明の諸観点を添付の図面に例示として示している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の酸素マスクの第1の実施形態の例示の正面等角図である。
図2図1の酸素マスクの正面図である。
図3図1および図2の酸素マスクの例示の背面等角図である。
図4図1図3の酸素マスクのバイトブロックの例示の背面図である。
図5図1図4の酸素マスクの例示の正面部分図である。
図6図1図5の酸素マスクの例示の側面断面部分図である。
図7図1図6の酸素マスクを含む第1の例示の組立体を示す図である。
図8図1図6の酸素マスクを含む第2の例示の組立体を示す図である。
図9】本発明の酸素マスクの第2の実施形態の例示の正面図である。
図10図9の酸素マスクの例示の側面断面図である。
図11】本発明の酸素マスクの第3の実施形態の例示の背面図である。
図12図11の酸素マスクの例示の側面断面部分図である。
図13】本発明の酸素マスクの第4の実施形態の例示の正面図である。
図14図13の酸素マスクの例示の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、非再呼吸マスクとして使用できる一体型口バイトブロックを有するマルチアクセスポート型酸素マスクに関する。この酸素マスクは、従来の酸素療法中に標準的な酸素マスクとして着用でき、さらにすぐに挿管マスクに変換できる。かくして、酸素マスクは、酸素送り出し中、器具(例えば、カテーテル、内視鏡、および/またはプローブ)の挿入のために、患者の口および/または鼻への接近を選択的に可能にすることができる。ダックビル形弁がインライン式に構成されて、バイトブロック中に組み込まれるのがよく、それにより口接近ポートを通るガスの流出を阻止することができる。器具が口接近ポートを通って挿入されると、ダックビル形弁は、器具からの圧力を受けて撓んで開くことができ、そして器具が取り外されると、閉鎖形態に付勢できる。患者への酸素供給が不十分でありまたは中断されると、ダックビル形弁はさらに、フェイスマスク内の負圧下で開いて周囲の室内空気が吸入サイクル中にフェイスマスク内に入ることができるようにする安全弁としての役目を果たすことができる。鼻接近ポートは、穿通されるとともに/あるいは穴あけされる複数のノードを形成する縁部を備えた1つ以上のフラップを有するのがよい。ノードは、各鼻腔への選択的な接近を可能にするよう鼻腔と一線をなして位置するのがよい。臨床医は、酸素飽和度の増大および/または呼出ガスの連続監視という目下の利益を損なうことなく、鼻ダイヤフラムを手作業で穿通するとともに/あるいは穴あけし、かつ/あるいは経鼻的にまたは経口的に導入される器具を含む種々の手技のための導入点として一体型バイトブロックを使用することができる。幾つかの実施形態では、バイトブロックは、傾動(または回動)するとともに/あるいは並進して少なくとも1つの折り目または折りじわ(クリーズ)および/または柔軟性メンブレンに取り付けられることによって患者の口の相対的位置に合うように構成されている。幾つかの実施形態では、バイトブロックは、マスクの水平軸線に対して少なくとも約5~8゜まで垂直方向に傾動するよう構成されている。幾つかの実施形態では、バイトブロックは、マスクの水平軸線に対して少なくとも約11~15゜をなして垂直方向に傾動するよう構成されている。幾つかの実施形態では、バイトブロックは、マスクの水平軸線に対して少なくとも約25゜まで垂直方向に傾動するよう構成されている。幾つかの実施形態では、マスクは、元の形態にすぐに戻ることなく、調節状態(回動角度および/または並進距離)を維持するよう構成されており、その結果、バイトブロックを患者に装着する前に調節することができるようになっている。酸素マスクは、リザーババッグに取り付け可能な酸素チューブコネクタを備えた多入口型ポート、二酸化炭素サンプル採取ポート、排気ポート、および/またはノーズクリップをさらに有するのがよい。
【0012】
本明細書で用いられる用語「上側」または「上方」は、マスクまたはそのコンポーネントの一部分のうち、意図した使用時に患者の頭の頂部の近くに位置する部分を表す。本明細書で、用いられる用語「下側」または「下方」は、マスクまたはそのコンポーネントの一部分のうち、意図した使用時に患者のあごの近くに位置する部分を表す。本明細書で用いられる用語「垂直」は、意図した使用時にあごと頭との間に延びる方向に延びている患者の正中平面または矢状面に沿ってまたはこれに平行に延びる方向の軸線を形容している。用語「側方」または「水平」用語は、意図した使用時に患者の水平面または横断面に沿ってまたはこれに平行に延びるマスクまたはそのコンポーネントの相対部分を形容している。
【0013】
図1図6は、本発明の第1の例示の実施形態としての酸素フェイスマスク100を示している。図7は、酸素マスク100を含む第1の酸素システム500を示し、図8は、酸素マスク100を含む第2の酸素システム500′を示している。酸素マスク100は、上側部分102および下側部分104を備えるとともに、患者の顔面にフィットするチャンバ101を画定する凸状のシェルを有するのがよい。上側部分102は、患者の鼻に被さる凸性状を有するのがよく、快適さを得るために十分な空間を備えている。下側部分104は、患者の口に被さるよう構成されているのがよい。リム106が上側部分102および下側部分104周りに少なくとも部分的に(例えば、完全に)延びるのがよい。使用の際、リム106は、酸素マスク100が全体としてチャンバ101内に患者の鼻および口を包み込むと、気密シールを形成するよう患者の顔面に当たるのがよい。酸素マスク100は、酸素に富んだ空気を患者に送り出すために、チャンバ101と連通状態にある1つ以上の入口および/または出口を有するのがよい。例えば、酸素マスク100は、チャンバ101の入口となる酸素供給ポート120、チャンバ101の出口となるサンプル採取ポート122、およびチャンバ101の出口となる呼出ポート124を有するのがよく、これらについては、図7および図8を参照して以下においてさらに説明する。
【0014】
酸素マスク100は、上側部分102に設けられた鼻接近ポート130を有するのがよい。鼻接近ポート130は、穿通可能であるとともに/あるいは穴あけ可能であるのがよい。例えば、図示のように、鼻接近ポート130は、1つ以上のフラップ132を有するのがよく、1つ以上のフラップ132は、1つ以上の脆弱な部分134によってかかるフラップ132の縁部の少なくとも一部に沿って連結されている。1つ以上の脆弱な部分134は、1つ以上のフラップ132が互いに結合されて鼻接近ポート130を封止し、それにより鼻接近ポートを通るガスの放出を阻止するようにするために通常は無傷であるのがよい。1つ以上の脆弱な部分134は、異なる材料(例えば、軟質のまたは弱い材料)で作られるのがよく、かつ/あるいは酸素マスク100の1つ以上のフラップ132および/またはシェルと比較して、厚みの小さくすることによって提供される材料強度が減少しているのがよい。幾つかの実施形態では、1つ以上の脆弱な部分134は、1つ以上のフラップ132を互いに連結する接着剤または溶接であるのがよい。1つ以上の脆弱な部分134は、1つ以上のフラップ132を分離して、器具(例えば、カテーテル、内視鏡、および/またはプローブ)の挿入のために鼻腔に1つ以上の接近開口部を提供するよう選択的に引き裂かれまたは破断されるのがよい。1つ以上のフラップ132は、自然な状態では閉じられた形態に付勢されるのがよい。かくして、1つ以上のフラップ132は、挿入された器具周りの形状に一致して、チャンバ101が確実に封止され、そして器具が取り出された後では閉鎖形態に戻るようにするほど十分に柔軟性であるのがよい。さらに示すように、フラップ132の1つ以上の脆弱な部分134および/または縁部は、互いに垂直に延びて単一のノードのところで交差して“+”または“X”の形を形成する第1および第2のラインを形成するのがよい。ラインの各々の一部分は、別々に穿通されるとともに/あるいは穴あけされるのがよく、同一ラインのもう1つの部分は、無傷状態または酸素の抜け出しを減少させるこれにほぼ近似した状態のままである。
【0015】
1つ以上の脆弱部分134を含む幾つかの実施形態では、鼻接近ポート130は、1つ以上の脆弱部分134が無傷状態であるときに1つ以上のフラップ132により形成される連続した柔軟性の修整可能なメンブレンを有するのがよく、1つ以上のカスタマイズされた器具接近開口部を、必要なときにそして必要な場合に、1つ以上の脆弱部分134の1つ以上の長さ分を穴あけして患者の左鼻腔と右鼻腔のうちのいずれか一方またはこれら両方に接近するためにかかるメンブレンから手で構成することができる。幾つかの実施形態では、1つ以上のフラップ132および/または1つ以上の脆弱部分134は、酸素マスク100のシェルと同種の材料で作られるのがよく、そして、例えば、酸素マスク100の射出成形により一体に形成されるのがよい。
【0016】
幾つかの実施形態では、1つ以上の脆弱部分134を省いてもよく、その結果、1つ以上のフラップ132の縁を近づけて隙間を狭くすることができ、それによりガス漏れを減少させるのに十分なシールが提供される。1つ以上のフラップ132と挿入状態の器具との間に狭い隙間が形成された結果、酸素マスク100の内外にわずかな量のガス漏れをもたらすが、狭い隙間を通るガス漏れは、酸素供給ポート120を通って患者が利用できる酸素と比較した場合、取るに足りないものである。1つ以上のフラップ132相互間の狭い隙間は、1つ以上の脆弱部分134と同一の向きを有するラインを形成するのがよい。変形例として、脆弱部分134をちょうどノードのところに形成してもよく、そうすると、1つ以上のフラップ132を互いに連結して輸送および保管中、鼻接近ポート130の形状を維持することができる。
【0017】
幾つかの実施形態では、1つ以上のフラップ132を省いてもよく、鼻接近ポート130を覆うメンブレンは、脆弱部分134を貫通する任意寸法および形状の完全にカスタマイズ可能な接近開口部の実現を可能にする単一の連続した脆弱部分134(図示せず)であってよい。
【0018】
酸素マスク100は、下側部分104に設けられた口接近ポート140をさらに有するのがよい。口接近ポート140は、チャンバ101と連通状態にあるルーメン142およびルーメン142周りに延びるバイトブロック144を有するのがよい。バイトブロック144は、バイトブロック144が患者の口と一直線上に位置決めされるように、下側部分104の中心からチャンバ101内に内方に延びるチューブを有するのがよい。バイトブロック144のチューブは、ルーメン142に通して挿入された器具の損傷を阻止するために、噛みしめられたときの潰れを防ぐのに十分硬質であるのがよい。その意味では、バイトブロック144のチューブは、上側部分102および下側部分104のシェルの材料よりも硬質の材料で作られるのがよい。バイトブロック144は、患者の上顎の歯に係合するよう構成された上側部分146および、患者の下顎の歯に係合するよう構成された下側部分148を有するのがよい。上側部分および下側部分146,148は、各横方向側部がチャネル150だけ隔てられるのがよく、チャネル150は、ルーメン142およびチャンバ101と連通状態にある。上側部分および下側部分146,148の各々は、干渉を最小限にした状態で器具の挿入を容易にするようわずかな曲率を有するのがよい。バイトブロック144は、ルーメン142周りに設けられていて下側部分104のシェルに溶接されまたはくっつけられた硬質フランジ152を有するのがよい。
【0019】
バイトブロック144は、顔面が様々な寸法および形状の男性、女性、および/または子供にフィットするよう調節可能であるのがよい。調節可能性は、各々がウェル182を包囲した少なくとも1つの折り目または折りじわ180によって提供されるのがよい。少なくとも1つの折り目または折りじわ180は、バイトブロック144が水平軸線に対して角度αをなして垂直方向に傾動しまたは回動する(図6に示すように)とともに/あるいは酸素マスク100の垂直方向および/または横方向軸線に沿って並進することができるよう圧縮可能または可撓性であるのがよい。少なくとも1つの折り目または折りじわ180は、シェルに設けられるのがよく、それにより、様々な顔面の寸法および形状にフィットするようバイトブロックを、水平軸線に対して約5~8゜の角度をなすまで垂直方向に傾斜させまたは回動させるのがよい。かくして、バイトブロック144は、水平軸線に対して鋭角αをなして延びることができる。追加的または代替的に、少なくとも1つの折り目または折りじわ180は、バイトブロックが垂直方向および/または横方向に沿って並進して酸素マスク100を様々な顔面寸法および形状に合わせてさらに調節できるよう垂直方向および/または横方向軸線に沿って圧縮可能であるのがよい。少なくとも1つの折り目または折りじわ180および包囲ウェル182は、実質的にU字形またはV字形断面を有するのがよい。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの折り目または折りじわ180は、元の形態にすぐには戻らずに調節状態(回動角度および/または並進距離)を維持するよう非弾性であるのがよく、したがって、バイトブロック144を患者への装着前に調節することができる。しかしながら、幾つかの実施形態では、少なくとも1つの折り目または折りじわ180は、バイトブロック144を元の形態に戻すために弾性であってもよいが、調節を許容するよう依然として可撓性を提供するのがよい。
【0020】
少なくとも1つの折り目または折りじわ180は、傾動および/または並進を可能にするようバイトブロック144の長手方向軸線回りに円周方向に延びるのがよい。かくして、少なくとも1つの折り目または折りじわ180は、口接近ポート140の上下に延びるのがよく、そして口接近ポート140と横方向にオーバーラップするのがよい。円周方向の形態により、少なくとも1つの折り目または折りじわ180は、垂直方向および横方向におけるバイトブロック144の傾動および並進を可能にする単一のウェル182を画定する単一の折り目または折りじわ180となることができる。バイトブロック144の硬質フランジ152は、円周方向の折り目または折りじわ180の内側に設けられた凹部内に設けられるのがよい。
【0021】
バイトブロック144は、ルーメン142を横切って設けられていて開き形態および閉じ形態を定める一方向弁160を有するのがよい。開き形態では、一方向弁160は、ルーメン142からチャンバ101中への器具の通過を可能にすることができる。閉じ形態では、一方向弁160は、ルーメン142およびチャンバ101を実質的に気密状態に封止するのがよい。一方向弁160は、互いに係合しまたは互いに密接する閉じ形態に付勢される複数の弁部材162(例えば、図示のように4つの弁部材162)で形成されたダックビル形弁であるのがよい。ダックビル形弁160は、バイトブロック144中に組み込まれるのがよく、そして弁着座を必要としない堅牢なセルフシール機構体をもたらすことができる。弁部材162の各々は、頂点166をめがけて細まる2つの実質的に平坦な部分164で形成されるのがよい(図4に示すように)。弁160は、患者の顔面と下側部分104のシェルとの間に、かつバイトブロック144のルーメン142の内側に設けられるのがよく、それにより患者の歯からの干渉を避けることができる。さらに、患者への酸素供給が不十分でありまたは中断した場合、弁160はさらに、フェイスマスク内の負圧下で開いて周囲室内空気が吸入サイクル中にフェイスマスク100内に入ることができるようにする安全弁としての役目を果たすことができる。
【0022】
酸素マスク100は、図7および図8に示すように、1本以上のストラップ502を固定するためにリム106に設けられた複数の穴108を有するのがよい。ストラップ502は、弾性であるのがよく、これらストラップは、酸素マスク100を患者の鼻および口を覆って固定するよう患者の頭周りに巻きつけられるのがよい。例えば、2本のストラップ502が各々、図7および図8に示すように一対の穴108中に別々に通されるのがよく、ストラップ502の各々を引き締めると、酸素マスク100を患者に封止状態で固定することができるようになっている。
【0023】
図7および図8のシステム500,500′でさらに示すように、酸素供給ポート120は、酸素を供給のために供給アダプタ504に結合されるのがよい。酸素供給ポート120は、上側部分102の第1の側部上の周辺側壁内で酸素マスク100のシェル中に組み込まれるのがよい。酸素供給ポート120は、供給アダプタ504よりも大きな直径を有する開口をした管状部材であるのがよく、かかる酸素供給ポートは、供給アダプタ504を締まり嵌め状態で受け入れるよう構成されているのがよい。例えば、図7の実施形態で示すように、供給アダプタ504は、酸素供給ライン506に連結されるのがよく、かかる供給アダプタは、中濃度の酸素の流れ向きに構成されるのがよい。図8は、酸素供給ライン506および高濃度酸素流または非再呼吸マスク向きに構成されたリザーババッグ508に連結されている供給アダプタ504′を有する実施形態を示している。供給アダプタ504′は、リザーババッグ508の継手周りに半径方向にはまるのがよい。システム500、500′のいずれかの酸素供給ライン506は、チャンバ101への流量調節された酸素の供給のための酸素タンク(図示せず)に連結されるべき継手507を有するのがよい。
【0024】
サンプル採取ポート122は、上側部分102の前面上に位置決めされるとともにチャンバ101と連通状態にあるのがよい。サンプル採取ポート122は、使用中における二酸化炭素レベルを求めるためにチャンバ101内の空気のサンプル採取を可能にするよう構成されているのがよい。サンプル採取ポート122は、直径が約2.5mmから約3.7mmまでの範囲にあるのがよい。幾つかの実施形態では、サンプル採取ポート122は、キャップ510によって覆われるのがよい。
【0025】
呼出ポート124は、酸素供給ポート120と横方向反対側の上側部分102の第2の側部上に設けられた周辺側壁で酸素マスク100のシェル中に組み込まれるのがよい。呼出ポート124は、周囲に沿って設けられた複数の穴126(例えば、図示のように6つの穴126)を備えた円形の形をしているのがよい。穴126により、二酸化炭素が濃厚な呼出空気が酸素マスク100から出ることができる。非再呼吸マスクとして構成されている場合、呼出ポート124は、室内/周囲空気が酸素マスク100に入るのを制止するためにフラップ弁(図示せず)を備えるのがよい。フラップ弁は、穴126を覆うよう円形であるのがよく、このフラップ弁は、チャンバ101からの与圧下で撓んで穴126から離れることができ、それにより二酸化炭素の濃厚な呼出空気が酸素マスク100から出ることができる。フラップ弁は、呼出ポート124のポスト128を受け入れる中央孔を設けることによってその中心が支持されるとともに保持されるのがよい。中濃度または高濃度の酸素流向きに構成されている場合、呼出ポート124は、フラップ弁が設けられていない状態で開いたままになっていてもよい。かくして、呼出ポート124により、周囲室内空気吸入が酸素供給ポート120からの酸素吸入と混じり合って患者の吸入流量の全てを提供することができる。
【0026】
システム500,500′は、上側部分102に固定可能なノーズクリップ520をさらに含むのがよい。ノーズクリップ520は、実質的に“U”字形のものであるのがよい。ノーズクリップ520は、上側部分102を患者の鼻の周りに圧縮するよう圧着可能であり、かつ/あるいはばね押しされるのがよい。ノーズクリップ520の端部には、上側部分102中に組み込まれたポスト170を受け入れるよう構成されている開口部が設けられるのがよく、それによりノーズクリップ520を酸素マスク100に固定することができる。システム500,500′は、酸素マスク100を備えた状態で図示されているが、システム500,500′は、変形例として、以下にさらに説明するように酸素マスク200,300を含むことができる。
【0027】
図9および図10は、本発明の第2の例示の実施形態としての酸素フェイスマスク200を示している。酸素マスク200は、酸素マスク100の一バリエーションであり、この酸素マスクは、かくして、本明細書において説明するようにかつ同一の下2桁の数字を持つ参照符号で示された酸素マスク100の多くの特徴を具体化している。かくして、酸素マスク100の開示内容は、別段の明示の指定がなければ、酸素マスク200に関して本明細書の一部とされる。
【0028】
例えば、上記においてさらに説明したように、酸素マスク200は、酸素に富んだ空気を提供するよう患者の顔面に被さるチャンバ201を画定した上側部分202および下側部分204を有するのがよい。上側部分202は、患者の鼻に被さる凸性状を有するのがよく、快適さを得るために十分な空間を備えている。下側部分204は、患者の口に被さるよう構成されているのがよい。リム206が上側部分202および下側部分204周りに少なくとも部分的に(例えば、完全に)延びるのがよい。使用の際、リム206は、酸素マスク200が全体としてチャンバ201内に患者の鼻および口を包み込むと、気密シールを形成するよう患者の顔面に当たるのがよい。リム206は、1本以上のストラップ502(図7および図8に示すように)を固定して酸素マスク200を患者に密封的に固定するための複数の穴208を有するのがよい。マスク200は、ノーズクリップ520を酸素マスク200に固定するよう上側部分202中に組み込まれたポスト270をさらに有するのがよい。酸素マスク200は、酸素に富んだ空気を患者に送り出すために、チャンバ201と連通状態にある1つ以上の入口および/または出口を有するのがよい。例えば、酸素マスク200は、チャンバ201の入口となる酸素供給ポート220、チャンバ201の出口となるサンプル採取ポート222、およびチャンバ201の出口となる呼出ポート224を有するのがよく、これらについては、図7および図8を参照して上述したものと実質的に同一である。
【0029】
酸素マスク200は、上側部分202に設けられた鼻接近ポート230を有するのがよい。鼻接近ポート230は、穿通可能であるとともに/あるいは穴あけ可能であるのがよい。例えば、図示のように、鼻接近ポート230は、1つ以上のフラップ232を有するのがよく、1つ以上のフラップ232は、1つ以上の脆弱な部分234によってかかるフラップ232の縁部の少なくとも一部に沿って連結されている。1つ以上の脆弱部分234は、1つ以上のフラップ232が互いに結合されて鼻接近ポート230を封止し、それにより鼻接近ポートを通るガスの放出を阻止するようにするために通常は無傷であるのがよい。1つ以上の脆弱部分234は、異なる材料(例えば、軟質のまたは弱い材料)で作られるのがよく、かつ/あるいは酸素マスク200の1つ以上のフラップ232および/またはシェルと比較して、厚みの小さくすることによって提供される材料強度が減少しているのがよい。幾つかの実施形態では、1つ以上の脆弱部分234は、1つ以上のフラップ232を互いに連結する接着剤または溶接であるのがよい。1つ以上の脆弱部分234は、1つ以上のフラップ232を分離して、器具(例えば、カテーテル、内視鏡、および/またはプローブ)の挿入のために鼻腔に1つ以上の接近開口部を提供するよう選択的に引き裂かれまたは破断されるのがよい。1つ以上のフラップ232は、自然な状態では閉じられた形態に付勢されるのがよい。かくして、1つ以上のフラップ232は、挿入された器具周りの形状に合致して、チャンバ201が確実に封止され、そして器具が取り出された後では閉鎖形態に戻るようにするほど十分に柔軟性であるのがよい。さらに示すように、フラップ232の1つ以上の脆弱な部分234および/または縁部は、複数のラインを形成するのがよい。複数のラインは、非垂直配向状態で角度をなして互いに連結され、互いに対して鋭角および/または鈍角をなして(例えば、非“+”または非“X”の形で)延びる少なくとも2本のラインを含むのがよい。複数のラインは、横方向に間隔を置いて位置するとともに複数のノードによって結ばれるのがよく、ノードのうちの1つ以上は、各鼻腔への接近をもたらすことができる。例えば、複数のラインは、インラインをなしかつ右鼻腔への接近を可能にする第1のノード(例えば、第1の“V”の形を形成する)のところで結ばれた第1のラインと第2のライン、およびインラインをなしかつ左鼻腔への接近を可能にする第2のノード(例えば、第2の“V”の形を形成する)のところで結ばれた第3のラインと第4のラインを含むのがよい。第2のラインおよび第3のラインは、オプションとして、第1の“V”形と第2の“V”形を接合して“W”の形またはジグザグの形を形成する第3のノードのところ結ばれるのがよい。また、これらのノードは、“U”形および/または正弦波形状を形成するよう丸められてもよいことが想定される。ノードの開放および器具の挿入を容易にするよう、追加のラインがノードの各々から垂直(上方または下方)に延びるのがよい。さらに、この形態により、鼻接近ポート230の第1のノードと第2のノードを、独立してまたは別々に穿通するとともに/あるいは穴あけすることができ、それにより右鼻腔または左鼻腔のいずれかに別個独立に接近することができる。第1のノードは、右鼻腔に接近するよう穿通されるとともに/あるいは穴あけされるのがよく、第2のノードは、酸素の逃げ出しを阻止するよう無傷状態のままでありまたはこれにほぼ似た状態のままであってよい。変形例として、第2のノードは、左鼻腔に接近するよう穿通されるとともに/あるいは穴あけされるのがよく、他方、第1のノードは、酸素の逃げ出しを阻止するよう無傷状態のままでありまたはこれにほぼ似た状態のままであってよい。さらに、ラインの各々一部分が別々に穿通されるとともに/あるいは穴あけされてもよく、同一ラインの別の部分は、無傷状態またはこれに近似した状態のままであってよい。
【0030】
1つ以上の脆弱な部分234を含む幾つかの実施形態では、鼻接近ポート230は、1つ以上の脆弱部分234が無傷状態であるときに1つ以上のフラップ232により形成される連続した柔軟性の修整可能なメンブレンを有するのがよく、1つ以上のカスタマイズされた器具接近開口部を、必要なときにそして必要な場合に、1つ以上の脆弱部分234の1つ以上の長さ分を穴あけして患者の左鼻腔と右鼻腔のうちのいずれか一方またはこれら両方に接近するためにかかるメンブレンから手で構成することができる。
【0031】
幾つかの実施形態では、1つ以上の脆弱部分234を省いてもよく、その結果、1つ以上のフラップ232の縁を近づけて隙間を狭くすることができ、それによりガス漏れを減少させるのに十分なシールが提供される。1つ以上のフラップ232と挿入状態の器具との間に狭い隙間が形成された結果、酸素マスク200の内外にわずかな量のガス漏れをもたらすが、狭い隙間を通るガス漏れは、酸素供給ポート220を通って患者が利用できる酸素と比較した場合、取るに足りないものである。1つ以上のフラップ232相互間の狭い隙間は、1つ以上の脆弱部分234と同一の向きを有するラインを形成するのがよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のフラップ232を省いてもよく、鼻接近ポート230を覆うメンブレンは、脆弱部分234を貫通する任意寸法および形状の完全にカスタマイズ可能な接近開口部の実現を可能にする単一の連続した脆弱部分234(図示せず)であってよい。変形例として、脆弱部分234をちょうどノードの1つ以上(ノードの全て)のところに形成してもよく、そうすると、1つ以上のフラップ232を互いに連結して輸送および保管中、鼻接近ポート230の形状を保持することができる。
【0032】
酸素マスク200は、下側部分204に設けられた口接近ポート240をさらに有するのがよい。口接近ポート240は、チャンバ201と連通状態にあるルーメン242およびルーメン242周りに延びるバイトブロック244を有するのがよい。バイトブロック244は、顔面が様々な寸法および形状の男性、女性、および/または子供にフィットするよう調節可能であるのがよい。調節可能性は、各々がウェル282を包囲した少なくとも1つの折り目または折りじわ280によって提供されるのがよい。少なくとも1つの折り目または折りじわ280は、バイトブロック244が水平軸線に対して角度αをなして垂直方向に傾動しまたは回動する(図10に示すように)とともに/あるいは酸素マスク200の垂直方向および/または横方向軸線に沿って並進することができるよう圧縮可能であるのがよい。かくして、バイトブロック244を水平軸線に対して鋭角αに調節することができる。追加的または代替的に、少なくとも1つの折り目または折りじわ280は、バイトブロックが垂直方向および/または横方向に沿って並進して酸素マスク200を様々な顔面寸法および形状に合わせてさらに調節できるよう垂直方向および/または横方向軸線に沿って圧縮可能であってもよい。少なくとも1つの折り目または折りじわ280および包囲ウェル282は、何ら重なり合うリブ構造体なしに、実質的にU字形またはV字形断面を有するのがよい。バイトブロック244は、本明細書において説明しているようにルーメン242を横切って設けられていて開き形態および閉じ形態を定める一方向弁260を有するのがよい。
【0033】
少なくとも1つの折り目または折りじわ280は、傾動(または回動)および/または並進を可能にするようバイトブロック244の長手方向軸線回りに円周方向に延びるのがよい。かくして、少なくとも1つの折り目または折りじわ280は、口接近ポート240の上下に延びるのがよく、そして口接近ポート240と横方向にオーバーラップするのがよい。円周方向の形態により、少なくとも1つの折り目または折りじわ280は、垂直方向および横方向におけるバイトブロック244の傾動および並進を可能にする単一のウェル282を画定する単一の折り目または折りじわ280となることができる。少なくとも1つの折り目または折りじわ280は、バイトブロック244の並進可能な端部を下側部分204のシェルに連結するメンブレン290によって形成されるのがよい。メンブレン290は、下側部分204のシェルに対するバイトブロック244の調節度を高めることができるほど十分に柔軟性であるのがよい。例えば、メンブレン290は、下側部分204のシェルの材料よりも軟質の材料でありかつ/あるいは下側部分204のシェルの厚さよりも小さい厚さを有する材料で作られるのがよい。このメンブレンにより、様々な顔面の寸法および形状にフィットするようバイトブロックを水平軸線に対し約25゜までの角度αをなして垂直方向に傾動させることができる少なくとも1つの折り目または折りじわ280が形成されるのがよい。メンブレン290は、非弾性でありかつ元の形態にすぐには戻らないで調節後にバイトブロック244を定位置に保持するのに十分に硬質であるのがよく、したがって、バイトブロック244を患者への装着に先立って調節することができる。しかしながら、幾つかの実施形態では、酸素マスク200は、バイトブロック244を弾性的に元の形態に戻すことができるが、調節を許容するよう依然として可撓性を提供するのがよい。メンブレン290は、縁継ぎ部292のところで下側部分のシェルに溶接された半径方向外側表面、およびバイトブロック244に溶接された半径方向内側表面を有するのがよく、例えば、これら表面の各々は、高周波(RF)溶接部で溶接されるのがよい。
【0034】
図11および図12は、本発明の第3の例示の実施形態としての酸素マスク200′を示している。酸素マスク200′は、酸素マスク200の一バリエーションであり、かくして、本明細書において説明するようにかつ酸素マスク200の参照符号で示された酸素マスク100,200の多くの特徴を具体化している。かくして、酸素マスク100,200の開示内容は、別段の明示の指定がなければ、酸素マスク200′に関し、本明細書に明示的に組み込まれる。例えば、さらに上述しているが、酸素マスク200′は、本明細書において説明したように、酸素に富んだ空気を提供するよう患者の顔面に被さるチャンバ201′を画定する上側部分202′および下側部分204′を有するのがよい。
【0035】
図11にさらに示すように、酸素マスク200′は、バイトブロック244の垂直および/または横方向並進を阻止するよう、少なくとも1つの折り目または折りじわ280のウェル282を半径方向に横切って延びる1つ以上のリブ254′を有するのがよい。図11に示すように、1つ以上のリブ254′は、バイトブロック244の互いに反対側の横方向側部で横方向に延びる一対のリブ254′を含むのがよい。リブ254′の横方向位置決め(そして、垂直方向にはリブ254′が設けられていない状態)により、バイトブロック244が固定取り付け部周りに垂直方向に上下に傾動しまたは回動することができるようにしながら、バイトブロック244の遠位端部を下側部分204に対して横方向に実質的に固定することができる。1つ以上のリブ254′は、バイトブロック244の安定性を増すことができ、それにより、バイトブロック244は、酸素マスク200′が患者にストラップ止めされた後、口腔内の位置を維持するようにする。図12にさらに示すように、メンブレン290の周囲は、下側部分204のところでシェルと横方向にオーバーラップするのがよく、それにより、例えばRF溶接で重ね継ぎ部292′のところで接合されるのがよい。
【0036】
図13および図14は、本発明の第4の例示の実施形態としての酸素マスク300を示している。酸素マスク300は、本明細書において説明したようにかつ同一の下2桁の数字を持つ参照符号で示された酸素マスク100,200,200′の多くの特徴を具体化するのがよい。かくして、酸素マスク100,200,200′の開示内容は、別段の明示の指定がなければ、酸素マスク300に関して本明細書の一部とされる。
【0037】
例えば、さらに上述したように、酸素マスク300は、酸素に富んだ空気を提供するよう患者の顔面に被さるチャンバ301を画定した上側部分302および下側部分304を有するのがよい。上側部分302は、患者の鼻に被さる凸性状を有するのがよく、快適さを得るために十分な空間を備えている。下側部分304は、患者の口に被さるよう構成されているのがよい。リム306が上側部分302および下側部分304周りに少なくとも部分的に(例えば、完全に)延びるのがよい。使用の際、リム306は、酸素マスク300が全体としてチャンバ301内に患者の鼻および口を包み込むと、気密シールを形成するよう患者の顔面に当たるのがよい。リム306は、1本以上のストラップ502(図7および図8に示すように)を固定して酸素マスク300を患者に密封的に固定するための複数の穴308を有するのがよい。マスク300は、ノーズクリップ520を酸素マスク300に固定するよう上側部分302中に組み込まれたポスト370をさらに有するのがよい。酸素マスク300は、酸素に富んだ空気を患者に送り出すために、チャンバ301と連通状態にある1つ以上の入口および/または出口を有するのがよい。例えば、酸素マスク300は、チャンバ301の入口となる酸素供給ポート320、チャンバ301の出口となるサンプル採取ポート322、およびチャンバ301の出口となる呼出ポート324を有するのがよく、これらについては、図7および図8を参照して上述したものと実質的に同一である。
【0038】
酸素マスク300は、上側部分302に設けられた鼻接近ポート330を有するのがよい。鼻接近ポート330は、穿通可能であるとともに/あるいは穴あけ可能であるのがよい。例えば、図示のように、鼻接近ポート330は、1つ以上のフラップ332を有するのがよく、1つ以上のフラップ332は、1つ以上の脆弱な部分334によってかかるフラップ332の縁部の少なくとも一部に沿って連結されている。1つ以上の脆弱部分334は、1つ以上のフラップ332が互いに結合されて鼻接近ポート330を封止し、それにより鼻接近ポートを通るガスの放出を阻止するようにするために通常は無傷であるのがよい。1つ以上の脆弱部分334は、異なる材料(例えば、軟質のまたは弱い材料)で作られるのがよく、かつ/あるいは酸素マスク300の1つ以上のフラップ332および/またはシェルと比較して、厚みの小さくすることによって提供される材料強度が減少しているのがよい。幾つかの実施形態では、1つ以上の脆弱部分334は、1つ以上のフラップ332を互いに連結する接着剤または溶接であるのがよい。1つ以上の脆弱部分334は、1つ以上のフラップ332を分離して、器具(例えば、カテーテル、内視鏡、および/またはプローブ)の挿入のために鼻腔に1つ以上の接近開口部を提供するよう選択的に引き裂かれまたは破断されるのがよい。1つ以上のフラップ332は、自然な状態では閉じられた形態に付勢されるのがよい。かくして、1つ以上のフラップ332は、挿入された器具周りの形状に合致して、チャンバ301が確実に封止され、そして器具が取り出された後では閉鎖形態に戻るようにするほど十分に柔軟性であるのがよい。さらに示すように、フラップ332の1つ以上の脆弱な部分334および/または縁部は、複数のラインを形成するのがよい。複数のラインは、非垂直配向状態で角度をなして互いに連結され、互いに対して鋭角および/または鈍角をなして(例えば、非“+”または非“X”の形で)延びる少なくとも2本のライン(例えば、3本以上のライン)を含むのがよい。複数のラインは、横方向に間隔を置いて位置するとともに複数のノードによって結ばれるのがよく、ノードのうちの1つ以上は、各鼻腔への接近をもたらすことができる。例えば、複数のラインは、インラインをなしかつ右鼻腔への接近を可能にする第1のノード(例えば、第1の“V”の形を形成する)のところで結ばれた第1のラインと第2のライン、およびインラインをなしかつ左鼻腔への接近を可能にする第2のノード(例えば、第2の“V”の形を形成する)のところで結ばれた第3のラインと第4のラインを含むのがよい。第2のラインおよび第3のラインは、オプションとして、第1の“V”形と第2の“V”形を接合して“W”の形またはジグザグの形を形成する第3のノードのところ結ばれるのがよい。また、これらのノードは、“U”形および/または正弦波形状を形成するよう丸められてもよいことが想定される。ノードの開放および器具の挿入を容易にするよう、追加のラインがノードの各々から垂直(上方または下方)に延びるのがよい。さらに、この形態により、鼻接近ポート330の第1のノードと第2のノードを、独立してまたは別々に穿通するとともに/あるいは穴あけすることができ、それにより右鼻腔または左鼻腔のいずれかに別個独立に接近することができる。第1のノードは、右鼻腔に接近するよう穿通されるとともに/あるいは穴あけされるのがよく、第2のノードは、酸素の逃げ出しを阻止するよう無傷状態のままでありまたはこれにほぼ似た状態のままであってよい。変形例として、第2のノードは、左鼻腔に接近するよう穿通されるとともに/あるいは穴あけされるのがよく、他方、第1のノードは、酸素の逃げ出しを阻止するよう無傷状態のままでありまたはこれにほぼ似た状態のままであってよい。さらに、ラインの各々一部分が別々に穿通されるとともに/あるいは穴あけされてもよく、同一ラインの別の部分は、無傷状態またはこれに近似した状態のままであってよい。
【0039】
1つ以上の脆弱な部分334を含む幾つかの実施形態では、鼻接近ポート330は、1つ以上の脆弱部分334が無傷状態であるときに1つ以上のフラップ332により形成される連続した柔軟性の修整可能なメンブレンを有するのがよく、1つ以上のカスタマイズされた器具接近開口部を、必要なときにそして必要な場合に、1つ以上の脆弱部分334の1つ以上の長さ分を穴あけして患者の左鼻腔と右鼻腔のうちのいずれか一方またはこれら両方に接近するためにかかるメンブレンから手で構成することができる。
【0040】
幾つかの実施形態では、1つ以上の脆弱部分334を省いてもよく、その結果、1つ以上のフラップ332の縁を近づけて隙間を狭くすることができ、それによりガス漏れを減少させるのに十分なシールが提供される。1つ以上のフラップ332と挿入状態の器具との間に狭い隙間が形成された結果、酸素マスク300の内外にわずかな量のガス漏れをもたらすが、狭い隙間を通るガス漏れは、酸素供給ポート320を通って患者が利用できる酸素と比較した場合、取るに足りないものである。1つ以上のフラップ332相互間の狭い隙間は、1つ以上の脆弱部分334と同一の向きを有するラインを形成するのがよい。変形例として、脆弱部分334をちょうどノードの1つ以上(ノードの全て)のところに形成してもよく、そうすると、1つ以上のフラップ332を互いに連結して輸送および保管中、鼻接近ポート330の形状を保持することができる。
【0041】
幾つかの実施形態では、1つ以上のフラップ332を省いてもよく、鼻接近ポート330を覆うメンブレンは、脆弱部分334を貫通する任意寸法および形状の完全にカスタマイズ可能な接近開口部の実現を可能にする単一の連続した脆弱部分334(図示せず)であってよい。
【0042】
酸素マスク300は、顔面が様々な寸法および形状の男性、女性、および/または子供にフィットするよう調節可能であるバイトブロック344を有するのがよい。調節可能性は、各々がウェル382を包囲した少なくとも1つの折り目または折りじわ380によって提供されるのがよい。少なくとも1つの折り目または折りじわ380は、バイトブロック344が水平軸線に対して角度αをなして垂直方向に傾動しまたは回動する(図14に示すように)とともに/あるいは酸素マスク300の垂直方向および/または横方向軸線に沿って並進することができるよう圧縮可能であるのがよい。少なくとも1つの折り目または折りじわ380により、様々な顔面の寸法および形状にフィットするようバイトブロックを、水平軸線に対して約11~15゜の角度をなして垂直方向に傾斜させるのがよい。かくして、バイトブロック344は、水平軸線に対して鋭角αをなして延びることができる。追加的または代替的に、少なくとも1つの折り目または折りじわ380は、バイトブロックが垂直方向および/または横方向に沿って並進して酸素マスク300を様々な顔面寸法および形状に合わせてさらに調節できるよう垂直方向および/または横方向軸線に沿って圧縮可能であるのがよい。少なくとも1つの折り目または折りじわ380および包囲ウェル382は、実質的にU字形またはV字形断面を有するのがよい。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの折り目または折りじわ380は、元の形態にすぐには戻らずに調節状態(回動角度および/または並進距離)を維持するよう非弾性であるのがよく、したがって、バイトブロック344を患者への装着前に調節することができる。しかしながら、幾つかの実施形態では、マスク300は、バイトブロック344を元の形態に戻すために弾性であってもよいが、調節を許容するよう依然として可撓性を提供するのがよい。
【0043】
少なくとも1つの折り目または折りじわ380は、第1の横方向部分から第2の横方向部分まで横方向に延びる蛇腹形および/または波形構造を形成する複数の折り目または折りじわ380を含むのがよい。複数の折り目または折りじわ380は、口接近ポート340の下から口接近ポート340の上まで積み重ねられるのがよく、複数の折り目または折りじわ380は、アコーディオン様式でチャンバ301の内方および外方に延びるのがよい。かくして、複数の折り目または折りじわ380は、口接近ポート360の上下に設けられていて、第1の横方向部分から第2の横方向部分まで延びる完全な折り目380、および口接近ポート340によって横方向に中断された折り目または折りじわ380を含むのがよい。かくして、少なくとも1つの折り目または折りじわ380は、口接近ポート340の上下に延びるのがよく、かつ口接近ポート340と横方向にオーバーラップするのがよい。蛇腹形および/または波形折り目または折りじわにより、バイトブロック344は、水平軸線回りに垂直に傾動して、垂直軸線に沿って調節を行って解剖学的構造のバリエーションに合わせることができる。バイトブロック344は、本明細書において説明したように、ルーメン242を横切っていて開き形態および閉じ形態を定める一方向弁360を有するのがよい。
【0044】
本発明の酸素マスク100,200,200′,300のシェルは、壁厚が約1.25mmの透明な軟質プラスチック材料、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)または熱可塑性ポリウレタン(TPU)から一体品の状態に成形されるのがよい。メンブレン290,290′は、シェルの材料よりも軟質のプラスチック材料、例えば、ショアデュロメータ硬さを低くした状態で作られたPVCまたはTPUで作られるのがよい。バイトブロック144,244,244′,344は、シェルよりもスチフネスが高く硬質のプラスチック材料、例えば、ポリプロピレン(PP)またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)で作られて、インサート成形、接着剤、および/または溶接により取り付けられるのがよい。
【0045】
本発明の多くの特徴および多くの利点は、詳細な説明から明らかであり、かくして、本発明の真の精神および範囲に属する本発明のかかる全ての特徴および利点を含むことが特許請求の範囲の記載によって意図されている。さらに、多くの改造および変形が当業者には容易に想到されるので、本発明を図示するとともに説明した構成および作用そのものに限定することは望ましくなく、したがって、全ての適当な改造例および均等例は、本発明の範囲に含まれるということができる。
図1
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【国際調査報告】