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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】皮膚炎症治療装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/32 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
A61N1/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571434
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 KR2021019087
(87)【国際公開番号】W WO2022244940
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0064417
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521524519
【氏名又は名称】プロキシヘルスケア インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン ウク
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ02
4C053JJ12
4C053JJ21
4C053JJ40
(57)【要約】
【課題】電磁気波を提供して皮膚炎症治療効果を期待できる皮膚炎症治療装置を提供する。
【解決手段】
本発明の皮膚炎症治療装置は、ケース、前記ケースに位置して、駆動信号の供給を受けて前記駆動信号に対応する電磁気波を提供する1つ以上の電極、及び前記ケース内に位置して、AC信号とDC信号を混合して前記駆動信号を生成して、前記駆動信号を前記電極に供給する信号供給部、を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースに位置して、駆動信号の供給を受けて前記駆動信号に対応する電磁気波を提供する1つ以上の電極、及び
前記ケース内に位置し、AC信号とDC信号を混合して前記駆動信号を生成して、前記駆動信号を前記電極に供給する信号供給部を含むことを特徴とする皮膚炎症治療装置。
【請求項2】
前記ケースは、
前記電極の少なくとも一部を露出させる開口部が形成される第1ケース、及び
前記皮膚炎症治療装置の動作を制御するスイッチが設けられる第2ケース、を含むことを特徴とする請求項1に記載の皮膚炎症治療装置。
【請求項3】
前記第1ケースは突出領域を含み、
前記開口部は前記突出領域に形成されることを特徴とする請求項2に記載の皮膚炎症治療装置。
【請求項4】
前面に前記電極が実装される第1回路基板、
連結線を通じて前記第1回路基板と連結され、前記信号供給部が実装される第2回路基板、及び
前記信号供給部にバッテリー電圧を供給するバッテリー、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の皮膚炎症治療装置。
【請求項5】
前記電極は、互いに離隔されて配置される第1電極及び第2電極を含み、
前記第1電極は、前記第1電極の一面から突出して形成される第1挿入部を含み、
前記第2電極は、前記第2電極の一面から突出して形成される第2挿入部を含み、
前記第1回路基板は、前記第1挿入部を収容する第1収容溝及び前記第2挿入部を収容する第2収容溝を含むことを特徴とする請求項4に記載の皮膚炎症治療装置。
【請求項6】
前記第1回路基板は、
前記第1回路基板の後面に位置して、前記第1電極と電気的に連結される第1連結端子、及び
前記後面に位置して、前記第2電極と電気的に連結される第2連結端子、を含むことを特徴とする請求項5に記載の皮膚炎症治療装置。
【請求項7】
前記第2ケースに設けられ、前記バッテリーの充電状態を表示する第1表示部、及び
前記第2ケースに設けられ、前記皮膚炎症治療装置の動作時間を表示する第2表示部、をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の皮膚炎症治療装置。
【請求項8】
使用者の制御に対応して前記駆動信号の特性の中の少なくとも1つが変更できるように前記信号供給部を制御する制御部、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の皮膚炎症治療装置。
【請求項9】
前記駆動信号の特性は振幅及びDCオフセットを含むことを特徴とする請求項8に記載の皮膚炎症治療装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細電流特殊電磁気波を用いる皮膚炎症治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に皮膚を治療する装置は、超音波を皮膚組織に伝達する方式(HIFU type)と、電磁気波を皮膚組織に伝達する方式(特に、高周波、RF type)と、レーザー光を皮膚組織に照射する方式(Optical type)などを使用し、プラズマを利用して皮膚の傷を治癒するか、アトピーなどの皮膚疾患の治療過程を促進する方式も使われている。このような皮膚治療装置は皮膚深部の損傷したコラーゲン、弾力繊維などを除去して新しい形成を促進し、皮膚の色素沈着と、にきびの跡及びシワなどを改善する効果を奏する。
【0003】
最近、にきび除去、シワ除去、皮膚弾力回復及び皮脂除去などのための多様な皮膚治療装置に対する需要が増加しているところ、皮膚治療に効果的な装置開発が必要であり、特に皮膚治療の根本的な問題である老廃物除去、炎症緩和に効果的な皮膚治療装置に対する開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した問題点を解決するためになされた本発明の目的は電磁気波を提供して皮膚炎症治療効果を期待できる皮膚炎症治療装置を提供することである。また、本発明のもう1つの目的はAC信号とDC信号が混合されて生成された駆動信号を活用することによって炎症管理効果を増幅させた皮膚炎症治療装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例による皮膚炎症治療装置は、ケース、前記ケースに位置して、駆動信号の供給を受けて前記駆動信号に対応する電磁気波を提供する1つ以上の電極、及び前記ケース内に位置して、AC信号とDC信号を混合して前記駆動信号を生成して、前記駆動信号を前記電極に供給する信号供給部、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、前記ケースは、前記電極の少なくとも一部を露出させる開口部が形成される第1ケース、及び前記皮膚炎症治療装置の動作を制御するスイッチが設けられる第2ケース、を含むことができる。
【0007】
また、前記第1ケースは突出領域を含み、前記開口部は前記突出領域に形成されることができる。
【0008】
また、前面に前記電極が実装される第1回路基板、連結線を通じて前記第1回路基板と連結されて、前記信号供給部が実装される第2回路基板、及び前記信号供給部にバッテリー電圧を供給するバッテリー、をさらに含むことができる。
【0009】
また、前記電極は、互いに離隔されて配置される第1電極及び第2電極を含み、前記第1電極は、前記第1電極の一面から突出して形成される第1挿入部を含み、前記第2電極は、前記第2電極の一面から突出して形成される第2挿入部を含み、前記第1回路基板は、前記第1挿入部を収容する第1収容溝及び前記第2挿入部を収容する第2収容溝を含むことができる。
【0010】
また、前記第1回路基板は、前記第1回路基板の後面に位置して、前記第1電極と電気的に連結された第1連結端子、及び前記後面に位置して、前記第2電極と電気的に連結された第2連結端子、を含むことができる。
【0011】
また、前記第2ケースに設けられ、前記バッテリーの充電状態を表示する第1表示部、及び前記第2ケースに設けられ、前記皮膚炎症治療装置の動作時間を表示する第2表示部、をさらに含むことができる。
【0012】
また、使用者の制御に対応して前記駆動信号の特性の中の少なくとも1つが変更できるように前記信号供給部を制御する制御部、をさらに含むことができる。
【0013】
また、前記駆動信号の特性は振幅及びDCオフセットを含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電磁気波を提供して皮膚炎症治療効果を期待できる皮膚炎症治療装置を提供することができる。
また、本発明によれば、AC信号とDC信号が混合されて生成された駆動信号を活用することによって炎症管理効果を増幅させた皮膚炎症治療装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例による皮膚炎症治療装置の構成を概略的に示す図面である。
図2a】AC信号とDC信号が混合されて生成された駆動信号のバイオフィルム除去効果を説明するための図面である。
図2b】AC信号とDC信号が混合されて生成された駆動信号のバイオフィルム除去効果を説明するための図面である。
図3】本発明の実施例による皮膚炎症治療装置を具体的な形態に示す図面である。
図4】本発明の実施例による皮膚炎症治療装置を具体的な形態に示す図面である。
図5】本発明の実施例による皮膚炎症治療装置の内部構成を具体的な形態に示す図面である。
図6a】第1電極及び第2電極を示す図面である。
図6b図5に図示される第1回路基板を示す図面である。
図7】本発明の実施例による信号供給部の内部構成を示す図面である。
図8a】本発明の実施例による信号の波形を示す図面である。
図8b】本発明の実施例による信号の波形を示す図面である。
図8c】本発明の実施例による信号の波形を示す図面である。
図9】本発明の他の実施例による皮膚炎症治療装置の内部構成を示す図面である。
図10a】本発明の他の実施例による電極の形状及び配置構造を示す図面である。
図10b】本発明の他の実施例による電極の形状及び配置構造を示す図面である。
図10c】本発明の他の実施例による電極の形状及び配置構造を示す図面である。
図10d】本発明の他の実施例による電極の形状及び配置構造を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では本発明と関連する実施例を図面に例示してこれを詳細な説明を通じて具体的に説明する。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態に具現でき、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むと理解すべてきである。
【0017】
本発明の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用する。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語により該構成要素の本質や順序などは限定されない。また、本明細書で、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載される場合、その構成要素はその他の構成要素に直接連結されるか、または接続されることができるが、各構成要素間にもう1つの構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されることもできると理解すべきである。「連結」、「結合」または「接続」の場合、物理的に「連結」、「結合」または「接続」されるだけではなく、必要によって電気的に「連結」、「結合」または「接続」されると理解できる。
【0018】
本明細書に記載される「~部(ユニット)」、「~機」、「~子」、「~モジュール」などの用語は少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアやソフトウェアまたはハードウェア及びソフトウェアの結合に具現される。また、本明細書に記載される「含む」、「構成する」または「有する」などの用語は、特に反対の記載がない限り、該構成要素が内在できることを意味するので、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができる。
【0019】
そして、本明細書での構成部に対する区分は、各構成部が担当する主機能別に区分したのに過ぎない。すなわち、以下で説明する2つ以上の構成部が1つの構成部になるか、または1つの構成部がさらに細分化した機能別に2つ以上に分けることができる。そして、以下で説明する構成部それぞれは自分が担当する主機能の他にも、他の構成部が担当する機能の中の一部または全部の機能を追加的に行うことができ、構成部それぞれが担当する機能の中の一部の機能が他の構成部により分担して行うことができる。
【0020】
以下、本発明の実施例と関連する図面を参照して、本発明の実施例による皮膚炎症治療装置について説明する。
【0021】
図1は本発明の実施例による皮膚炎症治療装置の構成を概略的に示す図面であり、図2a及び2bはAC信号とDC信号が混合されて生成された駆動信号のバイオフィルム除去効果を説明するための図面である。
【0022】
図1を参照すれば、本発明の実施例による皮膚炎症治療装置(1)はケース(10)、電極(11)、バッテリー(30)、及び信号供給部(40)を含むことができ、電極(11)、バッテリー(30)、及び信号供給部(40)はケース(10)に備えられる。電極(11)は信号供給部(40)から駆動信号(Vd)の供給を受けて駆動信号(Vd)に対応する電気場を生成できる。
【0023】
電極(11)は駆動信号(Vd)の電気エネルギーの基に電磁気波を提供することができ、このような電磁気波は使用者の皮膚に電気的影響を与えてバイオフィルム除去による炎症緩和などの効果を提供することができる。また、電極(11)は使用者の皮膚に電気的影響を与えて薬物(例えば、にきび治療軟膏、保湿軟膏、微細電流増幅軟膏など)注入効果を上昇させる。電極(11)が皮膚炎症治療装置(1)に複数個配置される場合、その中の少なくとも1つの電極(11)は駆動信号(Vd)の印加を受けることができ、接地電極の役割を果たす電極が皮膚炎症治療装置(1)に追加設置されることができる。
【0024】
電極(11)は黄銅(brass)、アルミニウム(Aluminum)、伝導性高分子(Conducting polymer)、伝導性シリコン(Conducting Silicon)、ステンレススチール(stainless steel)などの物質で形成されるが、これに制限されず、伝導性を有する物質であれば、電極材料として使用できる。
バッテリー(30)は1次電池(Primary Battery)または2次電池(Secondary Battery)に設定される。バッテリー(30)が1次電池である場合、使用者はバッテリー(30)を周期的に交替することができ、バッテリー(30)が2次電池である場合、多様な充電方式を通じて充電できる。例えば、後述する充電端子(25、図4を参照)を通じて有線充電方式で充電することができ、または無線充電方式で充電することもできる。
【0025】
信号供給部(40)はバッテリー(30)から供給されるバッテリー電圧(Vb)を利用して駆動信号(Vd)を生成できる。
特に、信号供給部(40)はAC(Alternating Current)信号とDC(Direct Current)信号を混合して駆動信号(Vd)を生成する。それにより、駆動信号(Vd)にはAC成分とDC成分の何れが含まれており、AC成分とDC成分の同時適用によるシナジー効果及び共振が発生して炎症発生の原因になるバイオフィルム(biofilm)の除去効果が上昇できる。
【0026】
図2aを参照すれば、DC成分による電気場は局所的な電荷量分布の不均衡を誘導してバイオフィルムの構造的なストレスを増加させて、AC成分による電気場は特異的な振動発生を通じて外部保護体の透過性を増加させることができる。このようなAC成分とDC成分のシナジー効果は図2bから確認できる。すなわち、AC成分による電気場とDC電圧による電気場をそれぞれ単独で提供した時のバイオフィルム除去効果に比べて、AC成分による電気場とDC電圧による電気場を重畳して同時に提供する場合にバイオフィルムの除去効果が非常に優れることが分かる。
【0027】
本発明の実施例による信号供給部(40)が供給する駆動信号(Vd)によって、DC成分による電気場とAC成分による電気場が電極(11)から同時提供できるので、前述のバイオフィルムに対する増幅した除去効果を達成できる。
【0028】
図3及び図4は本発明の実施例による皮膚炎症治療装置を具体的な形態に示す図面である。特に図3は皮膚炎症治療装置(1)または皮膚炎症治療装置(1)の本体を形成するケース(10)の第1面を見る斜視図で、図4は皮膚炎症治療装置(1)またはケース(10)の第2面を見る斜視図である。ここで第2面は第1面の反対面である。
【0029】
図3及び図4を参照すれば、ケース(10)は第1ケース(10a)及び第2ケース(10b)を含み、互いに結合された第1ケース(10a)及び第2ケース(10b)がケース(10)全体を構成することができる。ケース(10)の第1面(前面または上面)は第1ケース(10a)に含まれ、ケース(10)の第2面(後面または下面)は第2ケース(10b)に含まれる。
【0030】
図3に示すように、ケース(10)には電極(11)が配置されることができ、電極(11)は第1電極(11a)と第2電極(11b)を含むことができる。第1電極(11a)及び第2電極(11b)は相互離隔された状態でケース(10)の第1面に配置されることができ、具体的に第1ケース(10a)に配置される。第1ケース(10a)には第1電極(11a)及び第2電極(11b)の一部が露出できるようにする開口部が設けられる。このような第1電極(11a)と第2電極(11b)は信号供給部(40)から供給される駆動信号(Vd)により電磁気波を提供できる。例えば、第1電極(11a)は陽の電極に設定されて、第2電極(11b)は陰の電極または接地電極に設定される。
【0031】
一方、第1ケース(10a)には、第1面の中の少なくとも一部から第1ケース(10a)の外側に突出する突出領域(110)が形成されることができ、突出領域(110)に第1電極(11a)及び第2電極(11b)が位置できる。すなわち、第1ケース(10a)に形成されて第1電極(11a)及び第2電極(11b)を露出する開口部は突出領域(110)に設けられる。第1ケース(10a)に突出領域(110)が形成されることによって、皮膚炎症治療装置(1)使用時に突出領域(110)に位置する第1電極(11a)及び第2電極(11b)が使用者皮膚と容易に接触できる。
【0032】
図4を参照すれば、本発明の実施例による皮膚炎症治療装置(1)は第1表示部(21)、第2表示部(22)、スイッチ(23)、及び充電端子(25)を含むことができる。第1表示部(21)、第2表示部(22)、及びスイッチ(23)はケース(10)の第2面に配置されることができ、具体的に第2ケース(10a)に配置される。第1表示部(21)は皮膚炎症治療装置(1)の内部に配置されるバッテリーの充電状態を表示できる。例えば、第1表示部(21)はLED(Light-Emitting Diode)を備えて多数の色相に発光でき、充電状態(例えば、赤色)及びフル充電状態(例えば、青色)などを表示できる。
【0033】
第2表示部(22)は皮膚炎症治療装置(1)の動作時間を表示できる。例えば、第2表示部(22)はLEDを備えて多数の色相に発光でき、15分動作(例えば、緑色)及び30分動作(例えば、黄色)などを表示できる。スイッチ(23)は皮膚炎症治療装置(1)の電源オン(on)/オフ(off)を制御して、動作時間を設定するために使われる。充電端子(25)はケース(10)の側面に位置し、皮膚炎症治療装置(1)の内部に配置されるバッテリー(30)を充電させるために使われる。ただし、本発明がこれに制限されず、皮膚炎症治療装置(1)内に交替型バッテリーが挿入される場合、充電端子(25)は省略できる。この場合、第1表示部(21)はバッテリーの残った寿命状態などを表示できる。また、交替型バッテリーが挿入される場合、第1ケース(10a)及び第2ケース(10b)は互いに結合及び分離が可能な形態にできる。
【0034】
図5は本発明の実施例による皮膚炎症治療装置の内部構成を具体的な形態に示す図面である。特に図5には図3及び図4に図示される皮膚炎症治療装置(1)から第1ケース(10a)が除去された状態を図示した。図5を参照すれば、ケース(10)内に第1電極(11a)、第2電極(11b)、第1回路基板(120)、第2回路基板(130)、及びバッテリー(30)が収容される。第1ケース(10a)及び第2ケース(10b)は第1回路基板(120)、及び第2回路基板(130)などの構成要素が設置されるための領域及び空間を提供することができる。
【0035】
例えば、第1ケース(10a)には第1回路基板(120)が定着及び固定できる収容部が形成され、第2ケース(10b)には第2回路基板(130)が定着及び固定できる収容部が形成される。第1回路基板(120)及び第2回路基板(130)は締結部材(図示しない)などを通じてそれぞれ第1ケース(10a)及び第2ケース(10b)に固定できる。第1回路基板(120)には第1電極(11a)及び第2電極(11b)が実装できる。第2回路基板(130)には駆動信号(Vd)を生成する信号供給部(40)が実装でき、制御部(50)がさらに実装できる。
【0036】
また第2回路基板(130)には外部から供給される電流を通じてバッテリー(30)を充電するための充電回路が実装できる。第2回路基板(130)には第1連結線(141)及び第2連結線(142)が連結されることができ、第1連結線(141)及び第2連結線(142)は駆動信号(Vd)を第1電極(11a)及び第2電極(11b)に供給できる。そのために、第1連結線(141)は第1電極(11a)と電気的に連結されて第2連結線(142)は第2電極(11b)と電気的に連結される。第2回路基板(130)には第3連結線(143)及び第4連結線(144)が連結されることができ、第3連結線(143)及び第4連結線(144)は第2回路基板(130)に実装された充電回路とバッテリー(30)を連結することができる。
【0037】
一方、図5には皮膚炎症治療装置(1)が第1回路基板(120)及び第2回路基板(130)を備えると図示されるが、本発明はこれに制限されず、1つの回路基板上に電極(11)、信号供給部(40)、充電回路、制御部(50)などが実装されることもできる。
【0038】
図6aは第1電極及び第2電極を示す図面で、図6bは図5に図示される第1回路基板を示す図面である。特に図6bでは、第1回路基板(120)の後面、すなわち第1電極(11a)及び第2電極(11b)が装着する前面の反対面を図示した。図6aを参照すれば、第1電極(11a)は少なくとも1つ以上の第1挿入部(111)を含むことができる。第1挿入部(111)は第1電極(11a)の一面から突出して形成されることができ、第1電極(11a)が第1回路基板(120)上に実装される時、第1回路基板(120)に設けられた第1収容溝(121)に挿入される。第1挿入部(111)が第1回路基板(120)に設けられた第1収容溝(121)に挿入されることによって第1電極(11a)が第1回路基板(120)に固定できる。
【0039】
第2電極(11b)は少なくとも1つ以上の第2挿入部(112)を含むことができ、第2挿入部(112)は第2電極(11b)の一面から突出して形成される。第2電極(11b)が第1回路基板(120)上に実装される時、第2挿入部(112)が第1回路基板(120)に設けられた第2収容溝(122)に挿入されて、それにより第2電極(11b)が第1回路基板(120)に固定できる。製造の便宜のために第1電極(11a)と第1挿入部(111)が一体に形成されて、第2電極(11b)と第2挿入部(112)が一体に形成される。
【0040】
一方、図6aには電極それぞれに2つの挿入部が形成されることが図示されるが、本発明はこれに制限されず、電極それぞれに形成される挿入部の形状及び/または個数は多様に変更できる。図6bを参照すれば、第1回路基板(120)には少なくとも1つ以上の第1収容溝(121)、少なくとも1つ以上の第2収容溝(122)、第1連結端子(125)及び第2連結端子(126)が設けられる。第1収容溝(121)は第1挿入部(111)を収容し、そのために第1挿入部(111)の個数及び形状に対応するように形成される。
【0041】
第2収容溝(122)は第2挿入部(112)を収容し、そのために第2挿入部(112)の個数及び形状に対応するように形成される。第1連結端子(125)及び第2連結端子(126)には第1連結線(141)及び第2連結線(142)がそれぞれ連結される。第1連結端子(125)は第1連結線(141)から伝達された駆動信号(Vd)またはグラウンド電圧を第1回路基板(120)を通じて第1電極(11a)に伝達し、第2連結端子(126)は第2連結線(142)から伝達された駆動信号(Vd)またはグラウンド電圧を第1回路基板(120)を通じて第2電極(11b)に伝達できる。
【0042】
図7は本発明の実施例による信号供給部の内部構成を示す図面で、図8aないし図8cは本発明の実施例による信号の波形を示す図面である。特に、図8aではフィルターリングされたAC信号(Sac’)を図示し、図8bではDC信号(Sdc)を図示し、図8cではフィルターリングされたAC信号(Sac’)とDC信号(Sdc)が混合されて生成された駆動信号(Vd)を図示する。図7を参照すれば、本発明の実施例による信号供給部(40)はDC-DCコンバーター(41)、信号発生部(42)、フィルター(43)、及びキャリブレーション部(44)を含むことができ、追加で電圧分配部(45)をさらに含むことができる。
【0043】
DC-DCコンバーター(41)はバッテリー(30)からバッテリー電圧(Vb)の供給を受けて、バッテリー電圧(Vb)を所定レベルの出力電圧(Vo)に変換させて出力することができる。信号発生部(42)はDC-DCコンバーター(41)から供給される電圧を基に動作し、DC-DCコンバーター(41)の出力電圧(Vo)を用いて所定の周波数を有するAC信号(Sac)を生成することができる。信号発生部(42)はオシレーター(Oscillator)、関数発生器(Function Generator)などのようなAC信号を生成できる既公知となっている構成を用いて具現できる。
【0044】
例えば、AC信号(Sac)は1KHz~1000MHzの周波数に設定できる。AC信号(Sac)が1KHz未満の低周波に設定される場合は、バイオフィルム除去による炎症緩和などの効果が落ち、AC信号(Sac)が1000MHzを越える超高周波に設定される場合も、バイオフィルム除去効果が落ちるためである。一方、AC信号(Sac)の周波数はバイオフィルム除去に適する5MHz~15MHzの周波数に設定される。また、AC信号(Sac)の振幅は0.1mv~3Vに設定される。AC信号(Sac)の振幅が0.1mV未満である場合、バイオフィルム除去効果を期待し難く、AC信号(Sac)の振幅が3Vを超過する場合は、体液の電気分解による毒素物質が発生する恐れがあるためである。
【0045】
フィルター(43)は信号発生部(42)により生成されたAC信号(Sac)に対するフィルターリング動作を行うことができる。一例で、フィルター(43)は低域通過フィルター(Low Pass Filter)を含み、のこぎり波(Sawtooth Wave)形態のAC信号(Sac)をサイン波(Sine Wave)形態のAC信号(Sac’)に変換できる。ただし、フィルター(43)の種類はこれに制限されず、設計構造によって多様な種類のフィルターが採用できる。
【0046】
キャリブレーション部(44)はフィルター(43)を通じて供給されたAC信号(Sac’)にDC信号(Sdc)を混合して駆動信号(Vd)を生成できる。一例で、キャリブレーション部(44)はAC信号(Sac’)とDC信号(Sdc)の合算(または重畳)が可能な演算増幅器(operating amplifier)に具現できるが、これに制限されない。それにより、AC信号(Sac’)にはDC信号(Sdc)に該当するオフセット(offset)が発生し、AC成分とDC成分の両方を保有する駆動信号(Vd)が生成できる。駆動信号(Vd)はAC信号(Sac)の特性を全て含んでいるので、駆動信号(Vd)は1KHz~1000MHzの周波数に設定されることができ、また、バイオフィルムの除去により適する5MHz~15MHzの周波数に設定される。また、駆動信号(Vd)の振幅は0.1mv~3Vに設定される。
【0047】
図8aを参照すれば、キャリブレーション部(44)はAボルト(V)の振幅を有するAC信号(Sac’)をフィルター(43)から供給を受けることができ、該AC信号(Sac’)に図8bに図示されるようなBボルト(V)のDC信号(Sdc)を重畳することによって、図8cに図示されるような最終駆動信号(Vd)を生成できる。この時、DC信号(Sdc)の電圧値はAC信号(Sac’)の振幅以上に設定される。それにより、駆動信号(Vd)の電圧値は0以上に設定される。結局、駆動信号(Vd)のDCオフセット値は駆動信号(Vd)の振幅と同一であるか、それより大きく設定される。
【0048】
駆動信号(Vd)のDCオフセット値が駆動信号(Vd)の振幅値未満である場合、駆動信号(Vd)の電圧が陰の値を有する区間が発生するようになり、前記区間で電圧が陰の値を有するようになり、電気エネルギーの損失が発生する。ただし、本発明の実施例のように、駆動信号(Vd)のDCオフセット値を駆動信号(Vd)の振幅と同一であるか、それより大きく設定すれば、駆動信号(Vd)の電圧が常に0以上になるので、電気エネルギーの損失を最小化できる。
【0049】
一方、DC信号(Sdc)は電圧分配部(45)により生成される。例えば、電圧分配部(45)はDC-DCコンバーター(41)の出力電圧(Vo)の伝達を受けることができ、出力電圧(Vo)に対する電圧分配を行ってDC信号(Sdc)を生成できる。電圧分配部(45)は出力電圧(Vo)を分配するための抵抗ストリングで構成されるが、これに制限されない。DC-DCコンバーター(41)の出力電圧(Vo)が駆動信号(Vd)生成に直ぐ使われるのに適する場合、該出力電圧(Vo)がDC信号(Sdc)の役割を果たすことができる。この場合、電圧分配部(45)は省略でき、DC-DCコンバーター(41)の出力電圧(Vo)がキャリブレーション部(44)に入力される。
【0050】
図9は本発明の他の実施例による皮膚炎症治療装置の内部構成を示す図面である。図9を参照すれば、本発明の他の実施例による皮膚炎症治療装置(1)では信号供給部(40)が使用者の制御に対応して駆動信号(Vd)の特性の中の少なくとも1つを変更できる。また、皮膚炎症治療装置(1)は使用者の入力に対応して信号供給部(40)を制御する制御部(50)を追加で含むことができる。例えば、駆動信号(Vd)の特性は駆動信号(Vd)の振幅及びDCオフセットを含むことができる。すなわち、使用者は駆動信号(Vd)の振幅及びDCオフセットの中の少なくとも何れの1つを調節することによって、使用者が使用するのに適する最適の駆動信号(Vd)を設定できる。
【0051】
この時、駆動信号(Vd)の特性制御のための使用者の入力方式は皮膚炎症治療装置(1)に設置されたスイッチ(23)または別途のボタン(図示しない)によるものであることができ、使用者はスイッチ(23)などを操作することによって、駆動信号(Vd)の特性を調節または設定できる。使用者によるスイッチ操作で、駆動信号(Vd)の設定情報が入力されれば、制御部(50)は駆動信号(Vd)が入力された設定情報に対応する振幅値及びDCオフセット値を有するように信号供給部(40)を制御できる。
【0052】
制御部(50)は信号発生部(42)を制御することによって、AC信号(Sac)の振幅を変更できる。また、制御部(50)はDC-DCコンバーター(41)及び/または電圧分配部(45)を制御することによって、DC信号(Sdc)の電圧値を調節できる。それにより、最終的に駆動信号(Vd)の特性が変更される。この時、制御部(50)はDC信号(Sdc)の電圧値がAC信号(Sac’)の振幅以上に設定されるように電圧分配部(45)を制御することができ、それにより駆動信号(Vd)の電圧値は0以上に設定される。
【0053】
図10aないし図10dは本発明の他の実施例による電極の形状及び配置構造を示す図面である。前述した図4などでは、半円形状の第1電極(11a)及び第2電極(11b)がそれぞれ1つずつ配置される実施例を図示するが、第1電極(11a)及び第2電極(11b)の形状、個数、配置構造などは多様に変更できる。例えば、図10aに図示されるように、第1電極(11a)及び第2電極(11b)はそれぞれ2つずつ設けられ互いに離隔して配置される。この時、各電極の形状は同一で、図面に図示されるように扇形状である。
【0054】
図10bを参照すれば、円形状の第1電極(11a)及び第2電極(11b)がそれぞれ1つずつ設けられ互いに離隔して配置されることができ、第1電極(11a)及び第2電極(11b)の大きさが互いに相違する。図10cを参照すれば、曲線かるなる図形形状の第1電極(11a)及び第2電極(11b)がそれぞれ1つずつ設けられ互いに離隔して配置されることができ、第1電極(11a)及び第2電極(11b)の形状は同一である。最後に、図10dを参照すれば、第1電極(11a)及び第2電極(11b)がそれぞれ1つずつ設けられ、第2電極(11b)が中央領域に配置されて、第2電極(11b)を囲む帯状の第1電極(11a)が第2電極(11b)と離隔して配置される。
【0055】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解できるだろう。したがって、以上で記述した実施例は全ての面において例示的なものであり、限定的ではない。本発明の範囲は前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導き出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれる。

図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図8c
図9
図10a
図10b
図10c
図10d
【国際調査報告】