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特表2024-519051喫煙物品を自動的に閉止するための閉止装置及び閉止方法
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  • 特表-喫煙物品を自動的に閉止するための閉止装置及び閉止方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】喫煙物品を自動的に閉止するための閉止装置及び閉止方法
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/54 20060101AFI20240426BHJP
   B65B 7/08 20060101ALI20240426BHJP
   A24C 5/02 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
A24C5/54
B65B7/08
A24C5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571515
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 IT2022050135
(87)【国際公開番号】W WO2022244027
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】102021000013193
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500361593
【氏名又は名称】イ・エメ・ア,インドゥストリア・マキーネ・オートマティーク・ソシエタ・ペル・アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ディ モンテ アドリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】カポラーレ アントニオ
【テーマコード(参考)】
3E049
4B144
【Fターム(参考)】
3E049AA06
3E049BA03
3E049BA10
3E049CA03
3E049CA04
3E049DA06
3E049EB01
3E049EB02
3E049EC02
3E049FA06
4B144CG08
4B144CG10
4B144CL09
4B144CL10
4B144CM01
(57)【要約】
閉止される少なくとも1つの後部ゾーン(Z3)を有するケーシング(101)をそれぞれ有する複数の喫煙物品(100)を自動的に閉止するための閉止装置(10)及び方法。本装置(10)は、各ケーシング(101)の後部ゾーン(Z3)の開口端部分を折ることによって当該後部ゾーン(Z3)を閉止する折り手段(11)及び移動手段(12,22)を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉止される少なくとも1つの後部ゾーン(Z3)を有するケーシング(101)をそれぞれ有する複数の喫煙物品(100)を自動的に閉止するための閉止装置(10)であって、
前記各ケーシング(101)の前記後部ゾーン(Z3)を折ることにより閉止するように構成された折り手段(11)と、
前記喫煙物品(100)又は前記折り手段(11)のうち少なくとも1つを移動させて当該喫煙物品(100)と当該折り手段(11)とを互いに近接させ、前記各ケーシング(101)の前記後部ゾーン(Z3)が選択的に前記折り手段(11)と相互作用できるようにする移動手段(12,22)と、
を備えており、
前記折り手段(11)は、前記後部ゾーン(Z3)の少なくとも一部分を一時的に収容するように構成された折り受け部(17)を有する折り部材(16)と、当接要素(20)と、の両方を備えており、
前記当接要素(20)は、前記後部ゾーン(Z3)の前記少なくとも一部分が前記折り受け部(17)に挿入されたときに前記後部ゾーン(Z3)に当接可能となるように、前記折り受け部(17)と連通するチャネル(19)内にスライド可能に配置されている
ことを特徴とする閉止装置(10)。
【請求項2】
前記折り受け部(17)に侵入する前記各ケーシング(101)の前記後部ゾーン(Z3)の少なくとも1つのフラップを少なくとも部分的に折ることができるように、前記折り受け部(17)はドーム状、円錐台状、又はこれらの組み合わせのキャビティを有する、
請求項1記載の閉止装置(10)。
【請求項3】
前記当接要素(20)は、前記各ケーシング(101)の前記後部ゾーン(Z3)を制御下で1回又は複数回打ちつけて潰すように前記折り受け部(17)に対して離接する構成となっている、
請求項1又は2記載の閉止装置(10)。
【請求項4】
前記移動手段(12,22)は、前記各喫煙物品(100)を把持するように構成された1つ又は複数の把持部材(12)と、前記1つ又は複数の把持部材(12)を降下及び上昇させるように構成された移動装置(22)と、の両方を備えている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の閉止装置(10)。
【請求項5】
前記1つ又は複数の把持部材(12)は少なくとも2つのジョー(26)を有し、
前記ジョー(26)は、互いに締め付けられたときに前記喫煙物品(100)の把持受け部を画定するように、互いに対向し互いに鏡像である半円柱状又は円錐台状の凹部(27)を有し、
前記各ジョー(26)は、少なくとも1つのガイド要素(28a,28b)と、他方の前記ジョー(26)の前記ガイド要素(28a,28b)を収容する少なくとも1つの孔(29a,29b)と、を備えており、
互いに対向する前記ガイド要素(28a,28b)は、前記把持受け部で前記各喫煙物品(100)を締め付けることにより前記喫煙物品(100)の振動又は傾きを防止又は減少するように協働する、
請求項4記載の閉止装置(10)。
【請求項6】
前記各喫煙物品(100)を輸送受け部(210)に入れて支持して、作業経路に沿って前進させるように構成された輸送部材(207)をさらに備えている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の閉止装置(10)。
【請求項7】
前記輸送部材(207)から前記各喫煙物品(100)を選択的に持ち上げるように構成された1つ又は複数の持上手段(33)を備えている、
請求項6記載の閉止装置(10)。
【請求項8】
前記1つ又は複数の持上手段(33)は、前記輸送部材(207)の下方に配置された対応するピストン(36)を備えており、
前記ピストン(36)は、前記輸送受け部(210)に形成された通路に挿入されるように構成されている、
請求項7記載の閉止装置(10)。
【請求項9】
前記各ケーシング(101)の前記後部ゾーン(Z3)を折ることにより閉止するように構成された折り手段(11)と、
前記喫煙物品(100)又は前記折り手段(11)のうち少なくとも1つを移動させて当該喫煙物品(100)と当該折り手段(11)とを互いに近接又は離隔させるように構成された移動手段(12,22)と、
を備えた装置(10)を用いて、閉止される少なくとも1つの後部ゾーン(Z3)を有するケーシング(101)をそれぞれ有する複数の喫煙物品(100)を自動的に閉止するための閉止方法であって、
前記移動手段(22)が前記喫煙物品(100)又は前記折り手段(11)のうち少なくとも1つを移動させて当該喫煙物品(100)と当該折り手段(11)とを互いに近接させ、前記各ケーシング(101)の前記後部ゾーン(Z3)が前記折り手段(11)と相互作用できるようにする移動ステップと、
前記各ケーシング(101)の前記後部ゾーン(Z3)を前記折り手段(11)によって閉止する閉止ステップと、
を有し、
前記閉止ステップにおいて、前記後部ゾーン(Z3)の少なくとも一部分を一時的に、前記折り手段(11)に属する折り受け部(17)に収容し、前記少なくとも一部分を前記折り受け部(17)に一時的に収容した状態で、前記折り手段(11)に属する当接要素(20)を選択的に駆動して前記後部ゾーン(Z3)の前記一部分を打ちつけて潰す
ことを特徴とする閉止方法。
【請求項10】
前記移動ステップは、1つ又は複数の把持部材(12)が前記各喫煙物品(100)を把持して前記折り手段(11)に向かって変位させる把持ステップを有する、
請求項9記載の閉止方法。
【請求項11】
前記閉止ステップにおいて、前記各把持部材(12)はそれぞれ1つの前記喫煙物品(100)を把持した後、前記折り手段(11)の前記折り受け部(17)内に前記後部ゾーン(Z3)の前記少なくとも一部分を運び、前記折り受け部(17)の内表面に対向する前記後部ゾーン(Z3)の少なくとも1つのフラップが少なくとも部分的に折られるようにする、
請求項10記載の閉止方法。
【請求項12】
前記閉止ステップにおいて前記後部ゾーン(Z3)の前記少なくとも1つのフラップが折られた後、少なくとも部分的に折られた前記少なくとも1つのフラップを1回又は複数回打ちつけて潰すように前記当接要素(20)を選択的に駆動して、前記少なくとも1つのフラップの折りを完了して強化する、
請求項11記載の閉止方法。
【請求項13】
前記移動ステップにおいて、前記喫煙物品(100)を持ち上げて前記各把持部材(12)が前記各喫煙物品(100)の中央ゾーン(Z2)を把持するように、1つ又は複数の持上手段(33)を場合によっては駆動する、
請求項10から12までのいずれか1項記載の閉止方法。
【請求項14】
請求項1から8までのいずれか1項記載の閉止装置(10)又は請求項9から13までのいずれか1項記載の閉止方法の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、場合によってはフィルタが設けられる前部のマウスピースゾーンと、タバコ等の喫煙可能な製品又はばら状(incoherent)の材料が充填される中央ゾーンと、選択的に閉止される空の後部ゾーンと、を有するケーシングをそれぞれ備えた複数の喫煙物品、例えば紙巻きタバコ等を自動的に閉止するための閉止装置及び閉止方法に関するものである。本発明の装置及び方法は特に、ケーシングの後部ゾーンを折ることによって当該後部ゾーンの閉止を行うことができるものである。
【背景技術】
【0002】
特に高い生産性を有する機械を用いた、例えば紙巻きタバコ等の喫煙物品の自動製造では、考慮すべき重要な観点の一つであり結果として生じる解決すべき技術的問題の一つが、喫煙物品をパッケージングする最後のステップ、つまり、例えばタバコ、その他の喫煙可能な物質、又はこれらの組み合わせ等のばら状の材料等の喫煙材料が挿入された収容材料の閉止に関するものであることが知られている。
【0003】
上記の収容材料は通常、場合によっては前部のマウスピースゾーンにフィルタを備えており又は備えていない非常に薄く軽量の紙その他適切な材料から成るので、かかる収容材料を自動化して処理することが困難である。このことは特に、高い生産性を実現することを目標としており、これにより1つ1つの作業全てが非常に短時間で行わなければならない場合に問題となる。
【0004】
通常、パッケージングステップは、収容材料に喫煙材料を装填又は挿入する充填又は投入ステップの後に行われる。特殊な装置によって行われるパッケージングステップの下流には通常、完成した喫煙物品を分配するためのステーションと、場合によっては当該完成した喫煙物品をパッキングするためのステーションとが配置されている。
【0005】
喫煙物品の自動パッケージングのための機械の例は、米国特許出願公開第2021/0022388明細書及び同第2021/0022389号明細書に記載されている。
【0006】
喫煙物品の閉止のパッケージングステップにおける技術的課題、すなわち、上記のような収容材料により作製された各ケーシングの後部ゾーンの閉止作業における技術的課題に関しては、喫煙材料をケーシングの中心ゾーンに入れた後、当業者に知られているように、後部ゾーンを自動的にねじって「ねじり」型閉止部を形成することができる閉止装置を用いることが知られている。
【0007】
これに代えて、同様に当業者に知られているいわゆる「ダッチクラウン」である別の種類の閉止部を形成することも知られており、これは、各ケーシングの後部ゾーンを折ることにより閉止するものである。しかし、公知の装置の大半は最後の閉止モードは自動化されずに手動で行われ、あるいは、いかなる場合においてもオペレータの補助によって行われる。
【0008】
本願出願人は、各ケーシングの後部ゾーンを折ることにより自動的かつ迅速に喫煙物品を閉止するための装置及び/又は方法の存在を認識していない。
【0009】
よって本発明の一目的は、特に、喫煙材料の無い開口した後部ゾーンを折ることにより喫煙物品を自動的かつ迅速に閉止できる閉止装置を提供すると共に閉止方法を完成させることである。
【0010】
本発明の他の一目的は、簡単かつ高信頼性の、喫煙物品を自動的に閉止するための閉止装置を提供すると共に閉止方法を完成させることである。
【0011】
本発明の他の一目的は、例えば約7,000の喫煙物品数の時間生産性を意図した高い生産性を実現できる、喫煙物品を自動的に閉止するための閉止装置を提供すると共に閉止方法を完成させることである。
【0012】
本願出願人は、従来技術の欠点を解消して上記及び他の目的及び利点を達成すべく、本発明を着想、試験及び具現化した。
【発明の概要】
【0013】
本発明は独立請求項に記載され、その特徴が記載されている。従属請求項に本発明の他の特徴又は本発明の主な思想の変形形態が記載されている。
【0014】
上記目的に鑑みて、閉止される少なくとも1つの後部ゾーンを有するケーシングをそれぞれ有する複数の喫煙物品を自動的に閉止するための本発明の閉止装置は、前記各ケーシングの前記後部ゾーンを折ることにより閉止するように構成された折り手段と、前記喫煙物品又は前記折り手段のうち少なくとも1つを移動させて当該喫煙物品と当該折り手段とを互いに近接又は離隔させ、前記各ケーシングの前記後部ゾーンが選択的に前記折り手段と相互作用できるようにする移動手段と、を備えている。
【0015】
本発明の他の一側面では、前記折り手段は、前記後部ゾーンの少なくとも一端部分を一時的に収容するように構成された折り受け部(folding seating)を有する折り部材と、当接要素と、の両方を備えており、前記当接要素は、前記後部ゾーンの前記少なくとも一部分が前記折り受け部に挿入されたときに前記後部ゾーンに当接可能となるように、前記折り受け部と連通するチャネル内にスライド可能に配置されている。
前記チャネルは、上方から折り受け部に開口する軸方向の貫通孔として形成されている。
【0016】
本発明の他の一側面では、前記折り受け部に侵入する前記各ケーシングの前記後部ゾーンの少なくとも1つのフラップを少なくとも部分的に折ることができるように、前記折り受け部はドーム状、円錐台状、又はこれらの組み合わせのキャビティを有する。本発明の他の一側面では、前記折り部材は鉛直方向軸に沿って配置されており、前記キャビティは前記鉛直方向軸と同軸である。
【0017】
本発明の他の一側面では、前記当接要素は好適には前記鉛直方向軸と同軸であり、前記各ケーシングの前記後部ゾーンを制御下で1回又は複数回打ちつけて潰すように前記折り受け部に対して離接する構成となっている。
【0018】
本発明の他の一側面では、前記移動手段は、前記各喫煙物品を前記折り装置に向かって変位させるために前記各喫煙物品を把持するように構成された1つ又は複数の把持部材と、前記1つ又は複数の把持部材を同時に降下及び上昇させるように構成された移動装置と、の両方を備えている。
【0019】
本発明の他の一側面では、前記1つ又は複数の把持部材は少なくとも2つのジョーを有し、前記ジョーは、互いに締め付けられたときに前記喫煙物品の把持受け部(gripping seating)を画定するように、互いに対向し互いに鏡像である半円柱状又は円錐台状の凹部を有する。
【0020】
本発明の他の一側面では、前記各ジョーは、少なくとも1つのガイド要素と、他方の前記ジョーの前記ガイド要素を収容して当該他方の前記ジョーの前記ガイド要素と協働する少なくとも1つの孔と、を備えている。特に、一方の前記ジョーの前記ガイド要素と他方の前記ジョーの前記ガイド要素とは、前記把持受け部で前記各喫煙物品を締め付けることにより前記喫煙物品の振動又は傾きを防止又は減少するように協働する。ジョー及び把持要素の上記のような有利な構成により、喫煙物品が把持受け部内で自動センタリングし、喫煙物品の鉛直方向軸に対して生じ得る当該喫煙物品の傾き又は振動が有意に低減し、あるいは完全に阻止される。
【0021】
本発明の他の一側面では前記閉止装置は、前記各喫煙物品を輸送受け部(transport seating)に入れて支持して、作業経路に沿って前進させるように構成された輸送部材をさらに備えている。
【0022】
本発明の他の一側面では、前記輸送部材は前記移動手段の下方に配置された固定のガイド上でスライドする。
【0023】
本発明の他の一側面では前記装置は、前記輸送部材から前記各喫煙物品を選択的に持ち上げるように構成された1つ又は複数の持上手段を備えている。
【0024】
本発明の他の一側面では、前記1つ又は複数の持上手段は、前記輸送部材の下方に配置された対応するピストンを備えており、前記ピストンは、前記輸送受け部に形成された通路に挿入されるように構成されている、
【0025】
本発明の他の一側面では、前記各ケーシングの前記後部ゾーンを折ることにより閉止するように構成された折り手段と、前記喫煙物品又は前記折り手段のうち少なくとも1つを移動させて当該喫煙物品と当該折り手段とを互いに近接又は離隔させるように構成された移動手段と、を備えた装置を用いて、閉止される少なくとも1つの後部ゾーンを有するケーシングをそれぞれ有する複数の喫煙物品を自動的に閉止するための閉止方法であって、前記移動手段が前記喫煙物品又は前記折り手段のうち少なくとも1つを移動させて当該喫煙物品と当該折り手段とを互いに近接又は離隔させ、前記各ケーシングの前記後部ゾーンが前記折り手段と相互作用できるようにする移動ステップと、前記各ケーシングの前記後部ゾーンを前記折り手段によって閉止する閉止ステップと、の両方を有する。
【0026】
本発明の他の一側面では、前記閉止ステップにおいて、前記後部ゾーンの少なくとも一部分を一時的に、前記折り手段に属する折り受け部に収容し、前記少なくとも一部分を前記折り受け部に一時的に収容した状態で、前記折り手段に属する当接要素を選択的に駆動して前記後部ゾーンの前記一部分を打ちつけて潰す。
【0027】
本発明の他の一側面では、前記移動ステップは、1つ又は複数の把持部材が前記各喫煙物品を把持して前記折り手段に向かって変位させる把持ステップを有する。
【0028】
本発明の他の一側面では、前記閉止ステップにおいて、前記各把持部材がそれぞれ1つの前記喫煙物品を把持した後、前記折り手段の前記折り受け部内に前記後部ゾーンの前記一部分の開口端を運ぶために前記把持部材を上昇させ、前記折り受け部の内表面に対向する前記後部ゾーンの少なくとも1つのフラップが少なくとも部分的に折られるようにし、特に当該フラップが前記折り受け部の中心に向かって自ら折られるようする。
【0029】
本発明の他の一側面では、前記閉止ステップにおいて前記後部ゾーンの前記少なくとも1つのフラップが折られた後、少なくとも部分的に折られた前記少なくとも1つのフラップを1回又は複数回打ちつけて潰すように前記当接要素を選択的に駆動して、前記少なくとも1つのフラップの折りを完了して強化する。
【0030】
本発明の他の一側面では、前記移動ステップにおいて、前記喫煙物品を好適には同時に持ち上げ、前記各把持部材が前記各喫煙物品の中央ゾーンと協働して当該中央ゾーンを把持するように、1つ又は複数の持上手段を場合によっては駆動する。
【0031】
本発明の上記及び他の側面、特徴及び利点は、添付の図面を参照した非限定例としての一実施形態の以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の自動的に喫煙物品を閉止するための装置の正面図である。
図2図1の装置の三次元図である。
図3図2の細部を拡大した図である。
図4図1の装置を簡素化して示す概略的な側面図である。
図5図1の装置を備えた機械のブロック図である。
図6図1の装置により閉止される前の、輸送部材の受け部に入っている喫煙物品の部分断面側面図である。
図7図1の装置により閉止される前の、図6の輸送部材の受け部から持上装置によって持ち上げられた喫煙物品の部分断面側面図である。
図8】本発明の装置の細部の側面図であり、折り装置による喫煙物品の閉止作業の5つの動作状態のシーケンスを示している。
図9図8Cの喫煙物品の閉止作業のシーケンスの細部を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本願明細書及び特許請求の範囲において使用されている文言及び用語用法、例えば「水平」、「鉛直」、「前」、「後」、「高い」、「低い」、「内」及び「外」等の用語は、その偏差範囲も含めて、あくまで図面を参照して本発明を理解しやすくするための機能を有するものに過ぎず、決して本発明の範囲や、添付の特許請求の範囲により定まる保護範囲を限定するために使用されるべきものではないことに留意すべきである。
【0034】
また、当業者であれば、図面中の特定の寸法又は特性が、本発明の理解しやすいバージョンを提供するために非慣例的に、又は実際の比率とは異なる比率で拡大、変形又は図示されている場合があることを認識することができる。以下の説明において寸法及び/又は値が指定されている場合、この寸法及び/又は値はあくまで例示目的のためのものであり、かかる寸法及び/又は値が添付の特許請求の範囲に記載されていない限り、本発明の保護範囲を限定するものと解してはならない。
【0035】
本発明の実施形態を説明する前に明確にすべき点として、本発明は、添付の図面を用いた以下の説明における構成要素の構成及び配置の詳細に限定されるものと解すべきではない。実際、本発明は他の実施形態をとることができ、他の種々の均等態様で本発明を実現又は実施することができる。
【0036】
理解しやすくするため、可能な場合には、図面中同一の共通要素に対して同一の符号を付している。1つの実施形態の要素や特徴は、詳細な説明を要することなく他の実施形態に簡単に組み合わせ又は取り入れることが可能であると解される。
【0037】
図1及び図2を参照すると、本発明の装置10は喫煙物品100を自動的に閉止するために使用可能なものであり、特に、下記にて詳細に説明するように喫煙物品100の開口した後部ゾーンZ3を折ることにより閉止を行うために使用可能である。
【0038】
また、装置10は図5に概略的に示されているように、喫煙物品100を作製するための機械200のパッケージングステーション203の一部となり、又はこれに関連付けられるものである。あくまで例示として、装置10を幅広いコンテキストで概説するため、機械200はパッケージングステーション203の上流すなわち装置10の上流に配された供給ステーション201及び充填ステーション202と、上記の完成した喫煙物品100を例えば、場合によっては機械200外部に配することができるパッキングステーション205に送達できる分配ステーション204と、をこの順に備えることができ、分配ステーション204は装置10の下流に配されている。機械200にはまた、供給ステーション201からパッキングステーション205まで作業ライン全体に沿って、例えば作業方向Xに、好適には直線状かつ水平方向に喫煙物品100を輸送する機能を備えた適切な輸送装置206も設けられている。
【0039】
供給ステーション201、充填ステーション202、パッケージングステーション203、分配ステーション204、パッキングステーション205及び輸送装置206は、任意の種類とすることができ、又は将来開発される種類とすることができる。供給ステーション201、充填ステーション202、パッケージングステーション203及び/又は輸送装置206は上掲のものに代えて、例えば、本特許出願と同一出願人により出願され又は当該出願人に譲渡された産業上の発明に係る関連特許出願に記載されているものとすることができる。
【0040】
例えば輸送装置206(図5)は、シャトルの形状及び機能を有する輸送部材207(図1,2,4,6及び7)を備えており、輸送部材207は、固定のガイド209上で、実質的に水平方向の作業方向Xにスライドするように構成されている。本例では、輸送部材207は中空及び貫通形状の4つの受け部(seating)210を有し、各受け部210は円錐台状であると共に、喫煙物品100の寸法又は少なくとも喫煙物品100の下部の寸法と嵌合する寸法を有する。本例では各受け部210の寸法は、各喫煙物品100を受け部210に挿入したときに当該喫煙物品100が輸送部材207の上面から数mm突出するだけでなく、当該輸送部材207の下面から数mm突出する寸法となっている(図6)。
【0041】
受け部210の数を4以外とすることができることは明らかであり、また、受け部210の数が機械200の時間生産性に影響を及ぼすことが分かる。実際、各種作業ステーション201,202,203,204及び205の各々と装置10とにおいて、又はより低速のものにおいて作業サイクルを実施するために、単位秒の所定のサイクル時間TCが必要である場合、機械200の時間生産性は、3,600秒をサイクル時間TCで除して各輸送部材207の受け部210の数を乗じたものに等しくなる。実際には、4つの受け部210において作業は並行して行われる。
【0042】
各受け部210は実質的に鉛直方向の軸Yを基準として対称的であり、喫煙物品100を収容するように構成されており、喫煙物品100は、後部ゾーンZ3を上に向けた状態で上部から下方に入れることができる。
【0043】
2つの隣り合う受け部210間の距離D(図1)は、機械200の設計段階で定められ、これは、下記にて詳細に説明するように複数の喫煙物品100を処理するために適したものである。
【0044】
非限定的な一例として、機械200は各喫煙物品100を非常に短時間で、すなわち約2秒のサイクル時間TCで作製できるものであり、これにより当該機械200の時間生産性は正確に約7,000の喫煙物品100となる。というのも、機械200の各作業ステーション201,202,203,204及び205及び装置10において4つの喫煙物品100が同時に処理されるからである。
【0045】
喫煙物品100を自動的に閉止するための装置10と、これに対応する方法とについて詳細に説明する前に、本発明をより理解しやすくするため、ここで非限定的な例として喫煙物品100(図6及び図7)を概説する。
【0046】
例えば充填ステーション202(図5)から喫煙物品100が装置10に対して到着する際、各喫煙物品100はケーシング101(図6)を備えており、これは例えば非常に薄く軽量の紙その他適切な材料により作製されたものである。各ケーシング101は前部のマウスピースゾーンZ1と、中央ゾーンZ2と、開口端を有する後部ゾーンZ3とを有し、マウスピースゾーンZ1には場合によってはフィルタ102が設けられており、喫煙物品100が装置10に対して到着する際には既に、例えばタバコ、その他の喫煙可能な物質又はこれらの組み合わせ等のばら状の材料Mが中央ゾーンZ2に充填されており、後部ゾーンZ3は、ケーシング101からばら状の材料Mが流出するのを防ぐために適切に閉止されるようになっている。ケーシング101の後部ゾーンZ3が閉止される前は、各ケーシング101は所定の初期長さL1を有し、この初期長さL1は例えば約60mm~約150mmであり、それに対して喫煙物品100は、完成時の最終長さはその形態に依存し、この形態は、ケーシング101に入れられるばら状の材料Mの量に依存する。
【0047】
各ケーシング101は積み重ねやすい形状となっており、例えば、前部ゾーンZ1から後部ゾーンZ3に向かって裾拡がり状の円錐台形状とされる。
【0048】
装置10(図1及び図2)は4つの折り装置11を備えており、これらの折り装置11は互いに同様となっており、各折り装置11はそれぞれ対応する鉛直方向軸Tに沿って配置されている。4つの鉛直方向軸Tは、同じ輸送部材207の受け部210間の距離と等しい距離Dで互いに離隔している。さらに、各折り装置11と固定のガイド209との間に把持部材12が設けられており、この把持部材12も対応する鉛直方向軸Tと整列している。
【0049】
4つの折り装置11は、固定構造に関連付けられた鉛直方向プレート13に取り付けられており、折り装置11は例えば、同じく鉛直方向プレート13に取り付けられた第1のアクチュエータ15(図2及び図4)によって司られる。
【0050】
各折り装置11はケーシング101の後部ゾーンZ3のフラップを内側に折るように構成されている。好適には、後部ゾーンZ3の長さの値は予め定められており、又は、装置10の上流に配置された適切な切断装置を用いてこの予め定められた値にすることができ、この切断装置は本発明の範囲に関連しないので、任意の公知の種類とすることができる。
【0051】
各折り装置11は、固定位置に配置された折り部材16(図1,4,8及び9)を備えており、折り部材16は、喫煙物品100の方を向いた折り受け部17を有し、この折り受け部17はケーシング101の後部ゾーンZ3を一時的に収容するように形成されている。
【0052】
折り受け部17はキャビティを有し、使用時にケーシング101を底部から上方向に、対応する折り装置11に対して持ち上げたときに、折り受け部17に侵入する各ケーシング101の後部ゾーンZ3のフラップが部分的に当該キャビティの中心に向かって折られるように、すなわち鉛直方向軸Tに向かって折られるように、キャビティは、ドーム状、円錐台状又はこれらの組み合わせとすることができる形状を実質的に有する。
【0053】
さらに、折り受け部17と連通するチャネル19が各折り部材16に設けられており、チャネル19は上方からキャビティに開口する軸方向の貫通孔として形成されており、チャネル19内には当接要素20がスライドするように配置されており、当接要素20は下記にて詳細に説明するように、各ケーシング101の後部ゾーンZ3の部分的に折られたフラップを選択的に制御下で1回又は複数回打ちつける小さい力のハンマーの機能を有する。
【0054】
当接要素20は、当該当接要素20の下端21が折り受け部17の上部と実質的に等しい高さにある上昇アイドル位置PR(図4,8A,8B,8C及び8E)から、当接要素20が降下してその下端21が折り受け部17に侵入し、各ケーシング101の後部ゾーンZ3の部分的に折られたフラップを潰す動作位置PO(図8D)へ、及びその逆方向に、軸方向で双方向に変位するように第1のアクチュエータ15によって選択的に駆動される。
【0055】
4つの把持部材12(図4)はそのアイドル位置PHでは同一の水平面上に位置し、まず、4つ全ての把持部材12が一緒に、当該把持部材12の下方に一時的に位置する輸送部材207の受け部210に収容された4つの喫煙物品100を同時にピックアップできる降下位置PAに向かって降下し、その後、アイドル位置PHより高い上昇位置PSであって、ピックアップした4つの喫煙物品100が4つの折り装置11に対して運ばれる上昇位置PSに上昇するように構成されている。特に上昇位置PSは、喫煙物品100の形態に応じて変わる。
【0056】
上記の4つの把持部材12の同時の昇降は、スライダ23を備えた移動装置22と、選択的にスライダ23を作動する機能を有する公知の種類の少なくとも1つの第2のアクチュエータ25と、により司られ、スライダ23は鉛直方向において鉛直方向プレート13に対してスライドし、第2のアクチュエータ25も鉛直方向プレート13に取り付けられている。
【0057】
各第2の把持部材12はそれぞれ少なくとも2つのジョー26(図1,2及び3)を備えており、ジョー26の内側部分は、互いに対向し互いに鏡像である半円柱状又は円錐台状の凹部27(図3)を有するように形成されており、両ジョー26が互いに締め付けられたときに両ジョー26の凹部27が、ケーシング101の構造完全性を損なうことなく、喫煙物品100を支持するために適した把持受け部を形成するようになっている。
【0058】
グリップ力を向上して、各喫煙物品100がジョー26に挟まれているときに下方に滑り落ちるのを防ぐため、ジョーの内側部分には高グリップ材料、例えば粗いゴム等によりライニング処理されている。
【0059】
本発明の一側面では、各ジョー26は一対のガイド要素28a,28bを備えており、各ガイド要素28a,28bは、他方のジョー26に形成された対応する孔29a,29bに挿入されて当該孔29a,29bと協働するように構成されており、これらの孔29a,29bはガイド要素28a,28bの形状と嵌合する形状を有する。
【0060】
ガイド要素28a,28bは各喫煙物品100を締め付けるように構成されており、これにより喫煙物品100はジョー26の把持受け部内で自動センタリングし、喫煙物品100が輸送部材207の対応する受け部210から持ち上げられたときに振動したり傾いたりしなくなる。
【0061】
特に各ガイド要素28a,28bは、各喫煙物品100が運ばれて持ち上げられたときにケーシング101の損傷を防ぐため、ケーシング101と接触可能な成形部分、有利には曲線プロファイルの成形部分を有する。
【0062】
さらに、凹部27の端部に対して、それぞれ円弧状に形成された窪み30が設けられており、ジョー26が締め付け合うときに上記の窪み30は小さい半円状のチャネルを形成し、このチャネルは実質的に、各喫煙物品100が把持受け部に可能な限り良好に適合できるようにし、特にジョー26の締め付け作用に起因してケーシング101に構造的損傷が生じるのを防止する機能を有する。
【0063】
4つの把持部材12(図1,2及び4)のジョー26の開閉は、軸方向にスライドするようにスライダ23に取り付けられた実質的に水平方向の第1のスライド面31及び第2のスライド面32によって同時に実現される。上記の2つのスライド面31及び32は、例えば図面中不図示の電気モータ又は空気圧式若しくは流体圧式のリニアアクチュエータ等の公知の種類の指令部材によって駆動される。
【0064】
本発明の他の一側面では、4つの喫煙物品100の同時の閉止を正確に行い、4つの把持部材12が4つのケーシング101の各対応する中央ゾーンZ2と協働できるようにするため、上記の4つの喫煙物品100を同時に持ち上げるように構成された自明の種類の1つ又は複数の持上装置33が、固定のガイド209の下方に配置されている。本例では上記の持上装置33は4つ設けられているが、同一の機能を果たすように構成された1つの持上装置33のみを設けることも可能である。
【0065】
持上装置33は、固定された水平方向プレート35上に配置されていると共に小さいピストン36を備えており、これらのピストン36は第3のアクチュエータ37によって同時に駆動され、第3のアクチュエータ37も同様に、固定された水平方向プレート35上に配置されている。
【0066】
装置10はさらに、例えばプログラミング可能なタイプの電子制御ユニット等の電子制御ユニット39を備えており、電子制御ユニット39はアクチュエータ15,25及び37を制御し、ひいては、アクチュエータ15,25及び37に動作可能に接続された他の機械的手段を制御するように構成されている。
【0067】
上記にて説明した装置10の動作は本発明の方法に相当し、以下の各ステップを有する。
【0068】
初期状態あるいはアイドル状態のとき、4つの把持部材12(図4)はアイドル位置PHに位置し、ジョー26は開いた状態であり、当接要素20はアイドル位置PRに位置する。
【0069】
ケーシング101の後部ゾーンZ3を閉止する動作を開始する前に、製造すべき喫煙物品100の形態に従って電子制御ユニット39を設定し、アクチュエータ25及び37がスライダ23及びピストン36に対して整合のとれた動きを与えるようにする。
【0070】
その後、輸送部材207が停止位置PT(図1)に達して第1の閉止アセンブリ11の真下に位置するまで、輸送部材207を輸送装置206によって変位させ、この位置において、受け部210の4つの鉛直方向軸Yが折り装置11の4つの鉛直方向軸Tと一致する。この停止位置PTにおいて、装置10が4つの喫煙物品100のケーシング101の4つの後部ゾーンZ3の同時の閉止を行うために必要なサイクル時間TCに等しい期間にわたって、輸送部材207は静止状態に留まる。
【0071】
その後、電子制御ユニット39の制御により移動ステップが開始され、当該ステップにおいて第2のアクチュエータ25(図4)が、スライダ23と当該スライダ23に取り付けられている4つの把持部材12とをアイドル位置PHから降下位置PAに降下させ(図4及び図7)、このようにして把持ステップを開始し、当該ステップでは、スライド面31及び32を駆動して相互に移動させることによりジョー26を閉じ、輸送部材207の受け部210に入っている4つの喫煙物品100にジョー26を接触させる。
【0072】
必要に応じて、すなわち喫煙物品100の形態に依存して、スライダ23の降下ひいては降下位置PAへの4つの把持部材12の降下と同時に、第3のアクチュエータ37が持上装置33のピストン36(図7)を駆動して4つの喫煙物品100を同時に持ち上げ、各ケーシング101の中央ゾーンZ2においてジョー26の把持が行われる。
【0073】
次に、第2のアクチュエータ25がスライダ23を4つの把持部材12と共に上昇させ、その際にはこれらが降下位置PAから上昇位置PSに徐々に運ばれるようにする。その結果、4つの喫煙物品100も持ち上げられて、ケーシング101の後部ゾーンZ3を閉止するステップが実施される。実際、後部ゾーンZ3が徐々に4つの折り装置11に対して運ばれる。
【0074】
把持部材12の上昇位置PS(図8C及び図8D)は、4つのケーシング101の各後部ゾーンZ3のフラップが折り受け部17に侵入し、キャビティの中心に向かって、すなわち鉛直方向軸Tに向かって折れる(図8C及び図9)ように設定される。
【0075】
特に、図8A~8Eに詳細に示されているように、各ケーシング101の後部ゾーンZ3を折るシーケンスは以下の各ステップを有する:
a)後部ゾーンZ3の開口端が折り受け部17から短い距離Gの位置まで運ばれるまで、喫煙物品100を各把持部材12が持ち上げる(図8A)、
b)後部ゾーンZ3の開口端が折り受け部17の内側に運ばれるまで、喫煙物品100を各把持部材12がさらに持ち上げる(図8B)、
c)各把持部材12をさらに上昇位置PSまで上昇させることにより、折り受け部17の内表面に対向する後部ゾーンZ3の1つ又は複数のフラップが部分的にそれ自体で内側に折れる(図8C及び図9)、
d)第1のアクチュエータ15が各当接要素20をアイドル位置PRから動作位置POに降下させるように当該当接要素20を数回、例えば2回駆動して、各ケーシング101の後部ゾーンZ3の部分的に折られたフラップを打ちつけて潰し、折り作業自体を完了する(図8D)、
e)各ケーシング101の後部ゾーンZ3の閉止作業が行われた後、第1のアクチュエータ15は各当接要素20アイドル位置PRに戻すように駆動し、それと同時に第2のアクチュエータ25がスライダ23を降下させ、これにより把持部材12を、先のステップA)の位置に相当する位置に戻す(図8E)。
【0076】
その後、上記の動作とは逆の動作で、スライダ23を降下させて4つの閉止された喫煙物品100をその初期位置に戻し、すなわち輸送部材207における喫煙物品100の受け部210内に戻し、その後、4つの把持部材12をアイドル位置PHに戻す。
【0077】
折ることによる上記の閉止ステップが完了した後は、輸送要素207を停止位置から作業方向Xに、分配ステーション203に向けて変位させる(図5)。
【0078】
上記にて説明した装置及び方法については、特許請求の範囲に特定された本発明の分野及び範囲から逸脱することなく、各部分又は各ステップの改良及び/又は追加を行うことが可能であることが明らかである。
【0079】
また、具体例を参照して本発明を説明したが、当業者であれば確実に、特許請求の範囲に記載の特徴を有する自動的に喫煙物品を閉止するための装置及び方法の他の多くの均等形態を達成できるので、かかる均等形態は全て、特許請求の範囲に記載の保護範囲に属することも明らかである。
【0080】
添付の特許請求の範囲において括弧書きの符号の目的は読みやすくすることのみであり、特定の請求項に記載の保護範囲について限定するものとみなすべきものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
【国際調査報告】