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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】浮体式風力タービンの係留システム
(51)【国際特許分類】
   B63B 21/38 20060101AFI20240426BHJP
   F03D 13/25 20160101ALI20240426BHJP
   F03D 13/10 20160101ALI20240426BHJP
   B63B 35/00 20200101ALI20240426BHJP
   B63B 21/26 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
B63B21/38
F03D13/25
F03D13/10
B63B35/00 T
B63B21/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571525
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 IB2022056744
(87)【国際公開番号】W WO2023031694
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】102021123006.3
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519104363
【氏名又は名称】エアロディーン コンサルティング シンガポール ピーティーイー エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(74)【代理人】
【識別番号】100231647
【弁理士】
【氏名又は名称】千種 美也子
(72)【発明者】
【氏名】シーグフリードセン,シェーンケ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA26
3H178AA43
3H178BB73
3H178BB77
3H178CC22
3H178DD52X
3H178DD54X
3H178DD67X
(57)【要約】
本発明は、自在継手20、20’を有する基礎要素10であって、自在継手20、20’は、基礎要素10に共回転するように接続される第1の自在継手部材22と、自身の長手方向軸の周りの回転を行うことにより、第1の自在継手部材22の長手方向軸の周りに回転可能である第2の自在継手部材24とを有する、基礎要素10と、浮体式風力タービン100と、一端部が、第2の自在継手部材24に共回転するように接続される第1の接続手段50によって基礎要素10に接続され、他端部が、浮体式風力タービン100上に回転可能に取り付けられる第2の接続手段120によって浮体式風力タービン100に接続される、係留索30、130とを備え、コントローラーが、浮体式風力タービン100の基礎要素10の周りにおける回転位置に基づいて、浮体式風力タービン100上に回転可能に取り付けられる第2の接続手段120の回転位置の採択をもたらし、浮体式風力タービン100上に回転可能に取り付けられる第2の接続手段120の回転位置は、第2の自在継手部材24の長手方向軸の周りにおける回転位置に対応し、この回転位置は、浮体式風力タービン100の基礎要素10の周りにおける回転位置に幾何学的に対応することを特徴とする、システムに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自在継手(20、20’)を有する基礎要素(10)であって、前記自在継手(20、20’)は、前記基礎要素(10)に回転固定式に接続される第1の軸棒スタブ(22)と、自身の長手方向軸の周りの回転を行うことにより、前記第1の軸棒スタブ(22)の長手方向軸の周りに回転可能である第2の軸棒スタブ(24)とを有する、基礎要素(10)と、
浮体式風力タービン(100)と、
一端部が、前記第2の軸棒スタブ(24)に回転固定式に接続される第1の接続手段(50)によって前記基礎要素(10)に接続され、他端部が前記浮体式風力タービン(100)上に回転可能に取り付けられる第2の接続手段(120)によって前記浮体式風力タービン(100)に接続される、係留索(30、130)と、
を備え、
コントローラーが、前記浮体式風力タービン(100)の前記基礎要素(10)の周りにおける回転位置に応じて、前記浮体式風力タービン(100)上に回転可能に取り付けられる前記第2の接続手段(120)の回転位置をとらせ、前記浮体式風力タービン(100)上に回転可能に取り付けられる前記第2の接続手段(120)の回転位置は、前記第2の軸棒スタブ(24)の長手方向軸の周りにおける回転位置に対応し、これは、前記浮体式風力タービン(100)の前記基礎要素(10)の周りにおける回転位置に幾何学的に対応することを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記コントローラーは、前記浮体式風力タービン(100)の長手方向軸の前記基礎要素(10)に対する位置合わせを考慮して、前記浮体式風力タービン(100)上に回転可能に取り付けられる前記第2の接続手段(120)の回転位置をとらせるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラーは、前記浮体式風力タービン(100)の長手方向軸の前記基礎要素(10)に対する位置合わせを求めるために、コンパスを有することを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラーは、全球測位衛星システムによって位置を求めるセンサーを有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラーは、回転可能に取り付けられた前記第2の接続手段(120)を回転させる回転駆動部(140)を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記浮体式風力タービン(100)は、該風力タービン(100)の外部に配置された配電網に接続される電力ケーブル(40、40’)に接続する電気カップリング(160)を有し、前記電気カップリング(160)は、前記電力ケーブル(40、40’)に接続される第1の電気プラグコネクタと、前記第1の電気コネクタに対して相補的であり、前記風力タービン(100)内に位置する配電網に接続される第2の電気コネクタとを有し、前記プラグコネクタは、電気プラグ接続を形成及び切断するように互いに対して可動であり、前記第1のプラグコネクタに接続された前記電力ケーブル(40、40’)を解くために互いに対して回転可能に構成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラーは、前記浮体式風力タービン(100)を前記基礎要素(10)から所定の距離に保持する駆動部を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記基礎要素(10)は、パイル基礎、サクションバケット基礎、又は重量基礎であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記自在継手(20)は、交差する継手回転軸を有する従来の自在継手(20)又は偏心自在継手(20’)であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記自在継手(20、20’)を収容するベローズを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記ベローズは、前記自在継手(20、20’)の前記軸棒スタブ(22、24)を伸長構成に付勢する復元力を有することを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記基礎要素(10)は、前記風力タービン(100)の外部に配置される配電網に接続する電力ケーブル(40、40’)に接続するように構成されるプラグコネクタを有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記基礎要素(10)は、前記風力タービン(100)の外部に配置された配電網に接続されるケーブル(40、40’)を収容するブッシングを有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記自在継手(20)は、前記風力タービン(100)の外部に配置された配電網に接続される電力ケーブル(40、40’)を収容するブッシングを有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記ブッシングは、前記自在継手(20)を形成する前記軸棒スタブ(22、24)及び前記軸棒スタブ(22、24)を互いに接続する前記中間部品(26)の中心に配置されることを特徴とする、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の接続手段(50)及び/又は前記第2の接続手段(120)は、前記係留索(30、130)が周りにガイドされるプーリーであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の接続手段(50)及び前記第2の接続手段(120)に対して平行に配置され、別の係留索(30、130)が周りにガイドされるプーリーとして設計される別の接続手段を特徴とする、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記係留索(30、130)は、2部分で設計され、前記係留索(30、130)の前記2つのセクション(30、130)は、コネクタ(200)によって互いに接続されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記コネクタ(200)は、浮力ブイとして構成されることを特徴とする、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記コネクタ(200)は、その表面のうちの1つに、前記コネクタ(200)を、前記風力タービン(100)の外部に配置された配電網に接続する第1の電力ケーブル(40’’)に対する第1の接続部(220’’)と、この表面の反対側の表面に、前記コネクタ(200)を前記浮体式風力タービン(100)に接続する第2の電力ケーブル(40’’)に対する第2の接続部(220’’)とを有することを特徴とする、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記基礎要素(10)を前記コネクタ(200)に接続する前記セクション(30)の長さは、少なくとも、前記基礎要素(10)の領域における水深に対応することを特徴とする、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記係留索(30、130)は、ケーブルであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮体式風力タービンを水域の底に固定する係留システムに関する。特に、本発明は、自在継手を有する基礎要素であって、自在継手は、基礎要素に回転固定式に接続される第1の軸棒スタブと、自身の長手方向軸の周りの回転を行うことにより、第1の軸棒スタブの長手方向軸の周りに回転可能である第2の軸棒スタブとを有する、基礎要素と、浮体式風力タービンと、一端部が、第2の軸棒スタブに回転固定式に接続される第1の接続手段によって基礎要素に接続され、他端部が、浮体式風力タービン上に回転可能に取り付けられる第2の接続手段によって浮体式風力タービンに接続される、係留索とを備える、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなシステムは、特に特許文献1から知られている。特許文献1は、ただ1つの係留索によって単一の固定点において水域の底に締結される風下側ランナーとして設計される、自己位置合わせ式の浮体式風力タービンを開示している。係留索は、第1の自在継手によって基礎要素に接続され、第2の自在継手によって単点係留風力タービンに接続される。また、係留索の上端部は、風力タービン上に回転可能に取り付けられる。
【0003】
さらに、係留索と浮体式風力タービンとの間の結合部が、別個に又は一緒にジンバル固定することができるスリップカップリング及びボルテックスカップリングを含む単点係留風力タービンが、特許文献2から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102004056401号
【特許文献2】独国特許第102013111115号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既知の風力タービンは、実現が難しい部分的に非常に複雑な構造を有する。そのため、本発明の目的は、基礎要素と、浮体式風力タービンと、基礎要素を浮体式風力タービンに接続する係留索とを備えるシステムを更に発展させ、可能な限り簡単に構築され、効率的に設置及び維持することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の特徴を有するシステムによって達成される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態を反映する。
【0007】
本発明の基本構想は、浮体式風力タービンが、停泊中の船のように風向に応じて自身で向きを変えることができるように、浮体式風力タービンを係留索によって水域の底においてただ1つの締結点又は基礎要素に固定することからなる。これは、水域の底の基礎要素と浮体式風力タービンとの間にただ1つの接続部が存在することを意味する。このために、水域の底の基礎要素は、水平力を吸収するだけでなく、鉛直荷重も吸収するように設計しなければならない。このために、より深い水深におけるパイル基礎又はサクションバケット基礎も、この目的に好適である。しかしながら、基礎要素の水域の底への接続のタイプは、安全上の理由から、冗長な設計にもなり得る。
【0008】
水域の底の基礎要素の周りに浮体式風力タービン全体が不可避に回転する間、係留索が絡まることを防止するために、捻れに能動的に対抗する好適な装置が存在する。本発明によれば、これは、基礎要素からの係留索を、絡まることなく浮体式風力タービンの方向に常に位置合わせする、カルダン式であるが捻り剛性のあるサスペンションを基礎要素上に配置することによって達成される。浮体式風力タービンが基礎要素の周りに回転する間、係留索が回転することを防止するために、係留索も同時に、浮体式風力タービン上で自身の長手方向軸の周りに回転する。
【0009】
カルダン式サスペンションは、交差する継手回転軸を有する従来の自在継手又は偏心自在継手によって実現される。従来の自在継手は、35度~45度以下の曲げ角度を可能にするが、偏心自在継手は、90度までの曲げ角度を可能にする。
【0010】
回転駆動部が、好ましくは浮体式風力タービン上に位置し、係留索を風力タービンに接続する接続手段が取り付けられるスラスト軸受を有する旋回装置(slewing gear)を回転させることができる。回転駆動部は、現在位置及びまた好ましくは浮体式風力タービンの基礎要素に対する位置合わせを求めるセンサーシステムを介して制御される。
【0011】
冗長化のために、水域の底の基礎要素と浮体式風力タービンとの間の接続は、2つの独立した平行の係留索からなることができることが好ましい。係留索は、特に好ましくは、約1000 kg/m3の特定の重量を有し、原則として、風及び波の負荷によって浮体式風力タービンにかかる動的な力を可能な限り減衰するために、或る特定の弾性を有する合成索であることが好ましい。2つの係留索が平行にガイドされ、二重化されるため、負荷が4つのケーブル上に実質的に均一に分配されることが最も好ましい。係留索は、2部分で設計されることが好ましく、これらの係留索の端部は、浮体式風力タービンの近くに位置するブイとして設計されるコネクタに締結されることが最も好ましい。この場合、係留索のセクションは、ブロック又はアイドラープーリーによって水域の底の基礎要素上にそれぞれ配置され、再びコネクタへと上方にガイドされる。接続は、一方の係留索が故障した場合に冗長性を有するために、平行な2つの係留索によって行われる。この設計により、ダイバー又は潜水艇が水域の底で作業を行う必要なく、係留索を交換することが可能になる。
【0012】
基礎要素とコネクタとの間の係留索のセクションの長さは、風力タービンから結合解除されたコネクタが、浮上して、水面上に浮くことができ、特に好ましくは、メンテナンス作業、例えば、係留索の交換を船上で行うことを可能にするために、水から数メートル上昇させることもできるように合理的に選択すべきである。一方、この接続は、係留索が水域の底につかないように長くしすぎないようにもすべきである。
【0013】
係留索が2つのセクションで設計され、2つのセクションがコネクタによって互いに接続される場合、係留索のセクションをコネクタに接続するために、基礎要素に面するコネクタの下面、及び基礎要素に面しないコネクタの上面に更なる接続手段が設けられる。これらの更なる接続手段は、好ましくはいずれも冗長に設けられ、特に好ましくは二重化される。しかしながら、コネクタと風力タービンとの間のセクションの長さは、基礎要素とコネクタとの間のセクションの長さよりも短く設計される。係留索の双方のセクションは、合成ケーブル又は鋼製ケーブルからなることができる。いずれの場合でも、係留索のセクションは、コネクタに着脱可能に接続される。
【0014】
原則として、風力タービンを配電網に接続する電力ケーブルも、好ましくは係留索の間で係留索に対して平行に導かれることが企図される。コネクタにおける電気的接続は、例えば、修理又はメンテナンスのために浮体式風力タービンを港に牽引するために、浮体式風力タービンを係留システムから解放するために、解除することができる。この状態において、ブイとして設計されるコネクタは、水面上に浮き、それにより、浮体式風力タービンへの再接続は、修理が完了した後に水面上で容易に行うことができる。電力ケーブルは、水域の底の基礎要素上の自在継手の中心を通って導かれ、基礎要素を通って出て、外に出た海底ケーブルに接続されることが好ましい。浮体式風力タービンから基礎要素への電力ケーブルは、係留索の動きに追従することが可能なように、また、許容不能なほど大きな機械的残留応力を蓄積することがないように、或る特定の材料弾性又は幾何学的な弾力を有しなければならない。浮体式風力タービンの側では、電力ケーブルがスラスト軸受の中心を通って延在する。したがって、浮体式風力タービンの位置合わせが風向の変化によって変化すると、回転駆動部も接続部の捻れを補償するために回転し、電力ケーブルが、風力タービンの内部の係留索からスラスト軸受の反対側に捻れる。電力ケーブルが捻れの許容限界値に達したときに捻れを解くには、中圧開閉装置を用いて浮体式風力タービンを配電網から切断し、特に独国特許第102017119635号から既知の電気カップリングによって、捻れた電力ケーブルを解く。
【0015】
基礎要素と浮体式風力タービンとの間の係留索(及び電力ケーブル)に生じ得る捻れを補償する回転駆動部は、例えば、浮体式風力タービンの水域の底の基礎要素に対する位置合わせを求めるコンパスによって制御される。自在継手は等速継手ではないため、継手の旋回軸の回転角度と、継手の他の側の垂直軸の周りにおける回転角度との間の関係は線形でなく、自在継手の曲げ角度に依存する角関数の影響を受ける。単純な継手が曲げ角度βだけ曲がり、この状態で回転する場合、接続手段に接続するように構成される軸棒スタブの角度(φ2(すなわち、第2の軸棒スタブの回転角度)は、基礎要素に回転固定式に接続される軸棒スタブの角度(φ1(すなわち、第2の軸棒スタブの回転位置)から逸脱する。角度間には以下の関係が存在する。
【数1】
【0016】
加えて、風、潮流、又は波がない稀な状況では、係留索が水域の底についたり、緩んだ係留索が捻れたりすることを防止するために、基礎要素と浮体式風力タービンとの間の距離が最小値を下回らないことを確実にすることが好ましい。これは、例えば、衛星に基づく測位システムにより、基礎要素の位置に対する浮体式風力タービンの現在位置を検出することによって達成され、距離が所定の最小距離を下回ると、すなわち、弛みが存在すると、駆動部、特に船の駆動部が起動され、基礎要素の位置から離すように風力タービンを推進し、係留索が僅かに張った状態に保つことが好ましい。好ましくは電気的に駆動される駆動部は、プロペラとして又は横方向ジェット制御システムの様式で設計することができる。衛星に基づく測位システムを使用することの代替として、接続手段の引張応力を検出し、引張応力が所定のレベルを下回ると、適切な推進を始動することもできる。
【0017】
したがって、本発明によれば、自在継手を有する基礎要素であって、自在継手は、基礎要素に回転固定式に接続される第1の軸棒スタブと、自身の長手方向軸の周りで回転を行うことにより、第1の軸棒スタブの長手方向軸の周りに回転可能である第2の軸棒スタブとを有する、基礎要素と、浮体式風力タービンと、一端部が、第2の軸棒スタブに回転固定式に接続される第1の接続手段によって基礎要素に接続され、他端部が、浮体式風力タービン上に回転可能に取り付けられる第2の接続手段によって浮体式風力タービンに接続される、係留索とを備え、浮体式風力タービンの基礎要素の周りにおける回転位置に応じて、浮体式風力エネルギープラント上に回転可能に取り付けられる第2の接続手段の回転位置をとらせるコントローラーが設けられ、浮体式風力タービン上に回転可能に取り付けられる第2の接続手段の回転位置は、第2の軸棒スタブの長手方向軸の周りにおける回転位置に対応し、これは、浮体式風力タービンの基礎要素の周りにおける回転位置に幾何学的に対応する、システムが提案される。換言すれば、第2の軸棒スタブ及び第2の接続手段は、それらの回転位置において常に互いに同一に位置合わせされ、そのため、係留索は捻れることがない。
【0018】
コントローラーは、浮体式風力タービンの長手方向軸の基礎要素に対する位置合わせを考慮して、浮体式風力タービン上に回転可能に取り付けられる第2の接続手段の回転位置をとらせるように構成されることが好ましい。このために、コントローラーは、浮体式風力タービンの長手方向軸の基礎要素に対する位置合わせを求めるために、コンパスを有することが特に好ましい。
【0019】
コントローラーは、全球測位衛星システムによって位置決めするセンサーを有することが更に好ましい。
【0020】
コントローラーは、回転可能に取り付けられる第2の接続手段を回転させる回転駆動部を備えることが好ましい。回転駆動部は、特に電気的に駆動され、双方の回転方向において、第2の接続手段の無制限の回転を行うように構成される。特に、回転駆動部は、第2の接続手段の風力タービンに対する回転位置を検出するセンサーを有し、それにより、コントローラーは、目標回転位置が指定されると、センサーによって検出されたこの回転位置に達したときに、回転駆動部をオフに切り替えることができる。
【0021】
さらに、浮体式風力タービンは、風力タービンの外部に配置された配電網に接続される電力ケーブルに接続する電気カップリングを有し、電気カップリングは、電力ケーブルに接続される第1の電気プラグコネクタと、第1の電気コネクタに対して相補的であり、風力タービン内に位置する配電網に接続される第2の電気コネクタとを有し、プラグコネクタは、電気プラグ接続を形成及び切断するように互いに対して可動であり、第1のプラグコネクタに接続された電力ケーブルを解くために互いに対して回転可能に構成されることが企図されることが好ましい。この電気カップリングは、特に、引用することにより本願に含まれる独国特許第102017119635号から既知の電気カップリングの特徴を有する。
【0022】
別の好ましい実施の形態によれば、コントローラーは、浮体式風力タービンを基礎要素から所定の距離に保持する駆動部、特に船の駆動部を有することが企図される。
【0023】
基礎要素は、好ましくは、パイル基礎、サクションバケット基礎、又は重量基礎であり、基礎要素に接続される自在継手は、交差する継手回転軸を有する従来の自在継手又は偏心自在継手とすることができる。
【0024】
いずれの場合でも、自在継手は、自在継手を保護するベローズによって包囲され、ベローズは、自在継手の動きに追従し、特にステンレス鋼から作製されることが企図されることが好ましい。このベローズは、自在継手を潤滑するために、並びに腐食から保護する又は海水及び付着物から保護するために、グリースが充填されることが好ましく、自在継手の軸棒スタブを伸長構成に付勢する復元力を有することが最も好ましい。従来の自在継手は、特に、浮体式風力タービンの設置場所においておよそ35度~45度の曲げ角度で十分である場合に使用される。場所の条件に起因してより大きな曲げ角度が必要となる場合、90度までの曲げ角度を可能にする偏心自在継手を使用することが好ましい。
【0025】
さらに、基礎要素は、電力ケーブルに接続するように構成される接続部を有することが企図されることが好ましい。この実施の形態は、単純なプレハブ構造を可能にし、それにより、浮体式風力タービンを配電網に接続する追加の作業が簡略化される。
【0026】
接続部は、特に、風力タービンの外部に配置された配電網に電気的に接続する電力ケーブルに接続することができる又は接続されるプラグコネクタとして設計される。代替的に、接続部は、風力タービンの外部に位置する配電網に接続されるケーブルを収容するブッシングとして設けることができ、このブッシングを通って、浮体式風力タービンを配電網に接続する電力線が延び、必要に応じて固定される。
【0027】
しかしながら、いずれの場合でも、自在継手は、風力タービンの外部に配置された配電網に接続される電力ケーブルを収容するブッシングを有する。この場合、ブッシングは、自在継手を形成する軸棒スタブ及び軸棒スタブを互いに接続する中間部品の中心に配置される。したがって、これは、自在継手の曲げ角度及び位置合わせが、電力ケーブルの曲げ角度及び位置合わせと同一であることを常に確実にする。
【0028】
第1の接続手段及び/又は第2の接続手段は、係留索が周りにガイドされるプーリーであることが好ましい。第1の接続手段及び第2の接続手段に対して平行に配置され、プーリーとして設計される別の接続手段が、それぞれ、別の係留索をガイドするように提供されることが特に好ましい。したがって、基礎要素の浮体式風力タービンに対する特に好ましい接続部の冗長設計は、係留索が破断した場合でもタービンが確実に保持され続けることを保証する。したがって、全体として、プーリーの周りにそれぞれガイドされる2つの係留索の引張負荷は、4つのケーブルにわたって実質的に機能的に均一に分配されるため、係留索の直径は、比較的小さくなるように選択され、それにより、重量を削減することができる。基礎要素上においてアイドラープーリーを使用することは、例えば、係留索の摩耗に起因する、又は所定の時間間隔において認証者によって規定された係留索の交換が必要となる場合、ダイバー又は潜水艇を使用することなく、水面において作業を行うことができるという利点を有する。このために、係留索の上端部を新しい係留索に接続し、係留索全体を完全に引き抜くことにより、古い係留索が取り除かれ、新しい係留索が設置される。
【0029】
係留索は、特に2部分設計であり、係留索の2つのセクションは、コネクタによって互いに接続される。さらに、コネクタは、浮力ブイとして設計されることが好ましい。コネクタは、その表面のうちの1つに、コネクタを、風力タービンの外部に配置された配電網に接続する第1の電力ケーブルに対する第1の接続部と、この表面の反対側の表面に、コネクタを浮体式風力タービンに接続する第2の電力ケーブルに対する第2の接続部とを有することが最も好ましい。この実施の形態により、係留索のセクション間の接続が可能になり、したがって、水域の表面における風力タービンの基礎要素への接続が可能になる。
【0030】
この場合、基礎要素をコネクタに接続するセクションの長さは、少なくとも、基礎要素の領域における水深に対応する。
【0031】
さらに、係留索は、ケーブル、特に合成ケーブル又は鋼製ケーブルであることが好ましい。
【0032】
本発明を、添付図面に示されている特に好ましい実施形態を参照して下記により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】基礎要素によって水域の底に固定される特に好ましい設計の浮体式風力タービンを備える、本発明に係る特に好ましい設計のシステムの外観図(A)、基礎に取り付けられた係留索を風力タービンに接続する特に好ましい設計のコネクタの詳細図(B)、及び水域の底に固定される基礎要素の詳細図(C)である。
図2】交差する継手回転軸を有する従来の自在継手(A)及び偏心自在継手(B)を備える特に好ましい構成の基礎要素の斜視図である。
図3】基礎要素に接続された係留索の浮体式風力タービンへの接続を示す斜視図(A)及び断面図(B)である。
図4】水域の底に固定される前の特に好ましい設計の浮体式風力タービンの外観図(A)、及び水域の表面の領域における詳細図(B)である。
図5図4のBに示されている、基礎要素を浮体式風力タービンに接続するコネクタの上面斜視図(A)及び底面斜視図(B)である。
図6】結合解除状態(A)及び結合状態(B)におけるコネクタの断面図である。
図7】異なる風向によって生じる2つの位置における、水域の底に固定された浮体式風力タービンの側面図である。
図8】異なる風向によって生じる4つの位置における浮体式風力タービンの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、基礎要素によって水域の底に固定される特に好ましい設計の浮体式風力タービンを備える、本発明に係る特に好ましい設計のシステムの外観図(A)、基礎に取り付けられた係留索を風力タービンに接続する特に好ましい設計のコネクタの詳細図(B)、及び水域の底に固定される基礎要素の詳細図(C)を示している。特に、図1のAは、基礎要素10によって水域の底に固定され、動作中に風上に向けられ、基礎要素10に接続する係留索30をクランプする浮体式風力タービン100を示している。これに関して、図4のCは、水域の底に固定された基礎要素10の詳細図を示している。浮体式風力タービン100の動作中、水域の底に対して係留索30がなす角度は、係留索30の風力タービン100への接続部と浮体式風力タービン100のタワーとの間を通る係留索と、浮体式風力タービン100の基礎との間でなす角度と実質的に同じである。
【0035】
この例示的な実施形態の特別な特徴として、基礎要素10に接続される第1のセクションの係留索30は、風力タービン100に直接接続されず、ブイとして設計されるコネクタ200に接続される。図4のBの詳細図において示すように、第1のセクションの係留索30の浮体式風力タービン100への接続は、浮体式風力タービン100に接続される第2のセクションの係留索130に接続されるコネクタ200を介して間接的に行われる。また、基礎要素10まで延びる電力ケーブル40’が、プラグ接続によってコネクタ200に接続され、別の電力ケーブル40’’が、コネクタ200を浮体式風力タービン100に電気的に接続することが企図される。個々の要素の機能及びタスクは、下記に詳細に記載する。
【0036】
図2は、交差する継手回転軸を有する従来の自在継手を備える基礎要素10の第1の例示的な実施形態(A)、及び偏心自在継手を有する基礎要素の第2の例示的な実施形態(B)の斜視図を示している。特に、図1のAは、浮体式風力タービン100を水域の底に固定するパイル基礎として設計される基礎要素10を示している。基礎要素10は、球体中間部品26によって互いに接続される2つの軸棒スタブ22、24から形成される従来の自在継手20を上側に有する。この場合、一方の軸棒スタブ22は、屈曲剛性を有するように設計され、基礎要素10に回転固定式に接続され、他方の軸棒スタブ24は、基礎要素10を浮体式風力タービンに接続する係留索30に接続するように構成される。
【0037】
特に、他方の軸棒スタブ24は、第1の接続手段50として、互いに平行に形成される2つのプーリー50を有し、そのそれぞれは、アイドラープーリーとして作用するプーリー50の周りにガイドされるケーブルの形態で、係留索30を収容する。電力ケーブル40’を収容するブッシングが、プーリー50間又はケーブル30間に設けられる。電力ケーブル40’は、浮体式風力タービンに接続され、浮体式風力タービンを配電網に組み込む。このために、基礎要素10は、特に、電力ケーブル40に接続するように構成され、基礎要素10から延びる特に海底ケーブルとして設計される電力ケーブル40と、風力タービンから基礎要素10まで延びる電力ケーブル40’との間の電気的接続をもたらす接続部を有する。
【0038】
図2のAに示されている従来の自在継手20は、およそ35度~45度の最大曲げ角度を有するが、図2のBに示されている偏心自在継手20は、立方体中間部品26によって90度までの最大曲げ角度を有する。
【0039】
図3は、基礎要素に接続された係留索30の浮体式風力タービン100への接続を示す斜視図(A)及び断面図(B)を示している。係留索30の浮体式風力タービン100の下面への接続は、特に、基礎要素10に対する接続に対応するものとして設計される。特に、ここでは2つのプーリー120として設計される接続手段120が設けられ、接続手段120は、2つの係留索30を風力タービン100に接続する。第2の接続手段120は、風力タービン100に対して旋回装置110によって回転可能に取り付けられる。偏向プーリー120は、特に、浮体式風力タービン100の風及び波による負荷を係留システムに、したがって水域の底の基礎要素10に伝達するように、支持フレームを介して旋回装置110に固定的に接続される。
【0040】
旋回装置110は、プーリー120間に配置される電力ケーブル40’に対するブッシングを有し、旋回装置110の回転をもたらす回転駆動部140が設けられる。回転駆動部140は、浮体式風力タービン100の基礎要素10に対する回転位置を検出する装置とともに構成されるコントローラーによって制御される。これに関して、第2の接続手段120は、浮体式風力タービン100の水平位置合わせが変化したときに、接続要素30及び電力ケーブル40’の捻れを防止するように、回転駆動部140を介して制御された様式で選択的に回転することができる。基礎要素20まで延びる接続手段30が真っ直ぐに、すなわち回転することなく位置合わせされるように、回転駆動部140が第2の接続手段120を回転させなければならない必要な回転角度を決定するために、浮体式風力タービン100の基礎要素10の周りにおける回転位置を求めるための方向センサー150が浮体式風力タービンに取り付けられる。自在継手20は、曲がっていると、回転の伝達が不均一になることを考慮しなければならない。
【0041】
図4は、水域の底に固定される前の図1に示す浮体式風力タービン100の外観図(A)、及び水域の表面の領域における詳細図(B)を示している。特に、図4のAは、基礎要素10に締結された第1のセクションの係留索30を示しており、その自由(上)端部は、ブイとして設計されるコネクタ200に締結される。この場合、第1のセクションの係留索30は、少なくとも、水域の底に配置される基礎要素10の領域における水域の深さに対応する長さを有する。いずれの場合でも、浮力コネクタ200は、その下面に、第1のセクションの係留索30及び電力ケーブル40’を締結する締結手段を有する。図4のBは、図4のAの詳細図を示しており、ここでは、図示の例におけるコネクタ200は、水面上に浮き、第2の(上側)セクションの係留索130は、風力タービン100に一時的に締結されていることを見ることができる。浮体式風力タービン100は、第2のセクションの係留索130が事前に取り付けられ、風力タービン100を水面においてコネクタ200に、ひいては間接的に基礎要素10に接続することができるように同伴される、第2の接続手段120を有する。
【0042】
特に好ましく設けられるコネクタ200が、図5の上面斜視図(A)及び底面斜視図(B)においてより詳細に示されている。ブイとして設計されるコネクタ200は、実質的に、係留索30、130のセクションを締結する追加の接続手段が接続される浮体210からなる。その中央には、防水接続箱220’、220’’があり、その中に、電力ケーブル40’、40’’が上下から挿入され、互いに電気的に接続される。
【0043】
図6は、結合解除状態(A)及び結合状態(B)における特に好ましく設けられるコネクタ200の断面図を示している。浮体210は、特に、第1のセクションの係留索30及び下側電力ケーブル40’の重量を支え、水面においてユニット全体を保持することができるように設計される。水域の底の基礎要素10と浮体式風力タービン100との間の接続を解除するために、第2のセクションの係留索130は、接続ブイ200から機械的に解放され、電力ケーブル40’’の電気的接続は切断される。このために、接続箱220’’内に収容される三相のプラグ45’’は、ソケット220’’から引き抜かれる。
【0044】
図7及び図8は、システムによって基本的に表される幾何学的関係を説明する役目を果たす。これに関して、図7は、本発明に係る特定の構成のシステムを側面図で示しており、ここでは、浮体式風力タービン100は、水域の底の基礎要素10に対する位置合わせに関して2つの対向する位置で示されている。浮体式風力タービン100は、風向に応じて基礎要素10の周りを移動し、係留索30及び電力ケーブルは、それに従って位置合わせされ、風及び波の負荷によってきつく張って保持されることを見ることができる。これらの動きにより、係留索30及び基礎要素10上の自在継手20は、向きに応じて鉛直軸の周りに空間的に傾く。鉛直(破線で示す)と係留索30の位置合わせとの間の角度は、自在継手20の第2の軸棒スタブ24の曲げ角度βに対応する。
【0045】
最後に、図8のAは、本発明に係る特定の構成のシステムを平面図で示しており、係留索30によって基礎要素10に接続される浮体式風力タービン100は、それぞれ90度オフセットした4つの異なる位置において示されている。浮体式風力タービン100は、風及び波に応じて基礎要素10の周りに回転し、係留索30は、風及び波の負荷によってきつく張って保持される。加えて、風力タービン100に接続される海底ケーブル40を見ることができ、海底ケーブル40は、風力タービン100によって発生する電気エネルギーを中継ステーションに導く。
【0046】
図8のAに示されているこれらの4つの位置は、図8のBにおいて基礎要素10の詳細平面図で示されている。プーリー50の位置合わせに基づいて、自在継手20の第2の軸棒スタブ24は、第1の軸棒スタブ22の長手方向軸の周りに回転する場合、同時に自軸の周りの回転を行い、それにより、以前の位置に対して90度回転した第2の軸棒スタブの位置におけるプーリー50も、90度回転することを見ることができる。その際、第2の軸棒スタブ24の第1の軸棒スタブ22の周りにおける回転位置は、角度φ1によって示され、第2の軸棒スタブ24の自軸の周りにおける回転位置は、角度φ2によって与えられる。換言すれば、水平平面における係留索30の瞬間的な回転方向と、自在継手20の旋回軸の回転方向との間の角度は、偏差角φ1として規定され、係留索30に接続された側の自在継手の第2の軸棒スタブの回転角度は、φ2で示されている。係留索30及び電力ケーブル40の捻れを防止するために、回転駆動部140は、この角度φ2だけ第2の接続手段120を回転させなければならない。
【0047】
その根拠は、従来の自在継手が曲げ角度βだけ傾き、この状態で回転すると、出力シャフトの回転角度φ2は、入力シャフトの回転角度φ2から逸脱するからである。以下の関係が当てはまる。
【数2】
【符号の説明】
【0048】
10 基礎要素
20 自在継手
22 軸棒スタブ
24 軸棒スタブ
26 中間部品
30 係留索,ケーブル,接続要素,接続手段
40 電力ケーブル,海底ケーブル
40' 電力ケーブル
40'' 電力ケーブル
45'' プラグ
50 接続手段,プーリー
100 風力タービン,浮体式風力タービン
110 旋回装置
120 接続手段,プーリー
130 係留索
140 回転駆動部
150 方向センサー
200 接続ブイ,コネクタ
210 浮体
220' 接続箱
220'' 接続箱
β 曲げ角度
φ1 偏差角,角度
φ2 角度,回転角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】