(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】蓄熱蓄圧循環発電システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
F03G 7/00 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
F03G7/00 C
F03G7/00 B
F03G7/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571823
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 CN2022098097
(87)【国際公開番号】W WO2023000861
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202110811850.X
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523436218
【氏名又は名称】營嘉科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】林▲チー▼▲シン▼
(57)【要約】
本発明に係る蓄熱蓄圧循環発電システムは、熱源に接続されている蓄熱蓄圧ユニットであって、前記熱源は熱エネルギーを吸収すると共に蓄熱蓄圧ユニットに伝送し、前記蓄熱蓄圧ユニット内にある第1作動流体を昇温及び増圧した後に気体に変換する蓄熱蓄圧ユニットと、前記蓄熱蓄圧ユニットが放出した高温高圧の第1作動流体を受け取ると共に前記第1作動流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する第1発電装置と、前記第1発電装置を流れる前記第1作動流体を受け取って熱交換を行うと共に熱エネルギーを蓄熱する蓄熱タンクと、、前記蓄熱タンクからの前記第1作動流体を受け取ると共に、前記第1作動流体を液体に相転移させた後に前記蓄熱蓄圧ユニットに伝送して循環を形成する冷却タンクと、を含んで構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源に接続されている蓄熱蓄圧ユニットであって、前記熱源の熱エネルギーを前記蓄熱蓄圧ユニットに伝送して前記蓄熱蓄圧ユニット内にある第1作動流体を昇温及び増圧し、放出する際に気体に変換する蓄熱蓄圧ユニットと、
前記蓄熱蓄圧ユニットから放出された高温高圧の前記第1作動流体を受け取ると共に、前記第1作動流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する第1発電装置と、
前記第1発電装置を流れる前記第1作動流体を受け取り、前記第1作動流体の熱交換を行うと共に熱エネルギーを蓄熱する蓄熱タンクと、
前記蓄熱タンクからの前記第1作動流体を受け取ると共に、前記第1作動流体を相転移させた後に前記蓄熱蓄圧ユニットに伝送する冷却タンクと、を備えていることを特徴とする蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項2】
前記蓄熱タンク及び/または前記冷却タンクは、液体の前記第1作動流体を加圧または減圧するための第2作動流体を更に有していることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項3】
前記蓄熱タンクの内部には複数の熱交換器を有していることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項4】
前記第1発電装置と前記蓄熱タンクとの間には温度により区分けする制御弁が設置されていることを特徴とする請求項3に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項5】
前記第1発電装置と前記温度により区分けする制御弁との間には循環リフロー管が設置されていることを特徴とする請求項4に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項6】
前記蓄熱タンクは、高温層と、中間温度層と、低温層と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項7】
前記蓄熱タンクには少なくとも1つのヒーターが内設されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項8】
前記蓄熱蓄圧ユニットには複数の制御弁が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項9】
前記蓄熱蓄圧ユニットは、第1蓄熱蓄圧タンクと、第2蓄熱蓄圧タンクと、第3蓄熱蓄圧タンクと、を備え、これら前記制御弁は、これら前記蓄熱蓄圧タンクの熱エネルギーの入出力及び前記第1作動流体の入出力を制御するために用いられていることを特徴とする請求項8に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項10】
これら前記蓄熱蓄圧タンクのうちの2つの内部には液体の前記第1作動流体が貯蔵されていることを特徴とする請求項9に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項11】
前記蓄熱蓄圧ユニットと前記第1発電装置または前記冷却タンクとの間に設置されている少なくとも1つの作動流体調整装置を更に有していることを特徴とする請求項9に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項12】
前記蓄熱タンクと前記冷却タンクとの間には給水塔を更に有していることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項13】
前記給水塔と前記冷却タンクとの間には第2発電装置を有していることを特徴とする請求項12に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項14】
前記給水塔にはエアバッグが内設されていることを特徴とする請求項13に記載の蓄熱蓄圧循環発電システム。
【請求項15】
蓄熱蓄圧ユニットが熱源からの熱エネルギーを受け取ることで、前記蓄熱蓄圧ユニット内にある第1作動流体を作動圧力及び作動温度にし、前記第1作動流体を気化した前記第1作動流体に変換し、気化した前記第1作動流体が第1発電装置を流れた後に蓄熱タンク内に達するように制御し、且つ気化した前記第1作動流体の運動エネルギーにより発電を行うように前記第1発電装置を駆動するステップ(A)と、
前記蓄熱タンクで気化した前記第1作動流体の熱交換を行った後、気化した前記第1作動流体を冷却タンクに流し入れて冷却して液体の前記第1作動流体に戻し、且つ前記液体第1作動流体を前記蓄熱蓄圧ユニットに還流させるステップ(B)と、
前記蓄熱蓄圧ユニットをオフにするステップ(C)と、
ステップ(A)乃至ステップ(C)を少なくとも1回重複して実行し、蓄熱蓄圧発電循環を形成するステップ(D)と、を含むことを特徴とする蓄熱蓄圧循環発電システムの制御方法。
【請求項16】
前記ステップ(B)は、
気化した前記第1作動流体が前記蓄熱タンクを経由した後に給水塔に流し込まれ、前記給水塔内にあるエアバッグを膨張させた後、前記給水塔に本来貯蔵されていた液体を流出させ、前記液体の運動エネルギーにより第1次発電を行うように第2発電装置を駆動するステップ(B1)と、
前記第1作動流体が冷却されて液体に戻ると前記エアバッグが縮小し、前記液体が前記給水塔内に還流されると同時に第2次発電を行うように前記第2発電装置を駆動するステップ(B2)と、を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の蓄熱蓄圧循環発電システムの制御方法。
【請求項17】
前記蓄熱蓄圧ユニットは、第1蓄熱蓄圧タンクと、第2蓄熱蓄圧タンクと、第3蓄熱蓄圧タンクと、を有し、前記ステップ(A)は、
熱エネルギー入口制御弁及び熱エネルギー出口制御弁を開くと共に前記第1蓄熱蓄圧タンクに切り替えるステップ(A1)と、
前記第1蓄熱蓄圧タンクが熱源からの熱エネルギーを受け取り、前記第1蓄熱蓄圧タンク内にある前記第1作動流体が作動圧力及び作動温度に達すると、前記第1作動流体が気化作動条件を満たし、第1作動流体出口制御弁が開くと共に前記第1蓄熱蓄圧タンクに切り替えられ、第1作動流体リフロー口制御弁を開いて第3蓄熱蓄圧タンクに切り替え、気化した前記第1作動流体を第1発電装置に流し、気化した前記第1作動流体の運動エネルギーにより前記第1発電装置を駆動するステップ(A2)と、
前記熱エネルギー入口制御弁及び前記熱エネルギー出口制御弁を第2蓄熱蓄圧タンクに切り替えるステップ(A3)と、を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の蓄熱蓄圧循環発電システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本国際出願は、2021年7月19日に中国特許庁に出願された中国特許出願第202110811805.X号、発明の名称は蓄熱蓄圧循環発電システム及びその制御方法であるものに基づく優先権、その全内容を本国際出願に参照により援用する。
【0002】
本発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する蓄熱蓄圧循環発電システムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
出願人が出願した台湾特許出願公開第202037860号公報に開示されているヒートパイプ型発電給湯器は、作動流体を流動させるための管路を提供し、熱伝導及び他の装置と結合するために用いられている少なくとも1つのヒートパイプ本体と、ヒートパイプ本体の流動管路の間に設置され、作動流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換するための少なくとも1つの第1発電装置と、ヒートパイプ本体の熱伝導部との熱交換を行い、熱エネルギーを蓄熱して温水を供給するための少なくとも1つの蓄熱蓄圧ユニットと、を備えている。
【0004】
先行技術は、太陽光エネルギー、電化製品の廃熱、または小範囲の温度差を利用して発電及び熱エネルギーの蓄電を行う。但し、先行の構造設計においてヒートパイプが許容可能な圧力には限界があるため、選択可能な作動流体及び発電効率も制限された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決する技術的課題は、熱源に接続されている蓄熱蓄圧ユニットであって、前記熱源の熱エネルギーを前記蓄熱蓄圧ユニットに伝送して前記蓄熱蓄圧ユニット内にある第1作動流体を昇温及び増圧して気体に変換する蓄熱蓄圧ユニットと、前記蓄熱蓄圧ユニットから放出された高温高圧の第1作動流体を受け取ると共に前記第1作動流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する第1発電装置と、前記第1発電装置を流れる前記第1作動流体を受け取ると共に、前記第1作動流体が熱交換を行った際に発生した熱エネルギーを蓄熱する蓄熱タンクと、前記蓄熱タンクからの前記第1作動流体を受け取ると共に、前記第1作動流体を相転移させた後に前記蓄熱蓄圧ユニットに伝送して循環を形成する冷却タンクと、を備えている蓄熱蓄圧循環発電システムを提供する。
【0006】
前記蓄熱タンクの内部には、表面積を増加させて熱交換速度を加速させ、且つ前記第1作動流体を流し入れて熱交換を行うための複数の熱交換器を有している。前記蓄熱タンクは、高温層と、中間温度層と、低温層と、を有し、隔離作用を有すると共に熱拡散を低下させ、高温を高温層に留めておくことができ、前記第1作動流体は前記蓄熱タンク内で熱交換を行った後に冷却タンクを流れて蓄熱蓄圧ユニットに還流される。
【0007】
液体の第1作動流体を加圧または減圧するための第2作動流体を更に有し、第2作動流体が発生させた圧力により前記第1作動流体が相転移する温度点を制御する。
【0008】
好ましくは、温度により区分けする制御弁は前記第1発電装置と前記蓄熱タンクとの間に設置され、第1作動流体は前記第1発電装置を流れて発電した後に前記温度により区分けする制御弁を流れ、前記温度により区分けする制御弁は第1作動流体が発電した後の余熱温度に基づいて前記第1作動流体を高温層、または中間温度層、低温層に流し入れて熱交換を行うように制御する。こうすることで、高温層の温度を維持し、蓄電及び夜間に発電するという効果を獲得する。
【0009】
好ましくは、前記第1発電装置と前記温度により区分けする制御弁との間に設置され、フライホイールブレードを有している第1発電装置の連続運転を維持するための循環リフロー管を更に有している。
【0010】
好ましくは、前記蓄熱タンクに内設され、低価格のオフピーク電力または余剰のグリーン電力により高温を蓄熱し、高価格の電力使用のピーク時には蓄熱したエネルギーにより発電を行って電力網のバランスをとり、利得を得る効果を達成するヒーターを更に有している。
【0011】
前記蓄熱蓄圧ユニットに設置され、それぞれ熱エネルギー入口制御弁、熱エネルギー出口制御弁、第1作動流体リフロー口制御弁、及び第1作動流体出口制御弁である複数の制御弁を更に有し、これら前記制御弁は前記蓄熱蓄圧ユニットの第1蓄熱蓄圧タンク、第2蓄熱蓄圧タンク、及び第3蓄熱蓄圧タンクの熱エネルギーの入出力及び第1作動流体の入出力を制御するために用いられている。
【0012】
好ましくは、前記蓄熱蓄圧ユニットのこれら前記蓄熱蓄圧タンクのうちの2つの内部には液体の前記第1作動流体が貯蔵されている。よって、第1作動流体の昇温及び蓄熱蓄圧タンクの降温にかかる時間が短縮し、発電効率が高まるように設計されている。
【0013】
好ましくは、本発明は、前記蓄熱蓄圧ユニットと前記第1発電装置または前記冷却タンクとの間に設置されている作動流体調整装置を更に有している。外の環境温度が変化したことが検出されると、前記第2作動流体が維持するシステムの基礎圧力を調整して第1作動流体の冷却温度を改変し、循環効率を高めている。
【0014】
好ましくは、本発明は前記蓄熱タンクに内設されている液位検出器を更に有している。前記第1作動流体が不足していることが検出されると、前記作動流体調整装置が第1作動流体を補充し、第1作動流体を流動させて熱循環を行わせる。
【0015】
また、前記蓄熱タンクと前記冷却タンクとの間には給水塔が設置され、前記給水塔にはエアバッグが内設され、且つ前記給水塔と前記冷却タンクとの間には第2発電装置が設置されている。第1作動流体が前記給水塔に流入して前記エアバッグが膨張した後、前記給水塔内に本来貯蔵されていた液体を流出させると共に前記第2発電装置を駆動する。第1作動流体が冷却されて流出した後にエアバッグが縮小すると、液体が給水塔内に還流すると同時に前記第2発電装置を再駆動し、更に効果的に発電を行う。
【0016】
本発明は蓄熱蓄圧循環熱発電システムの制御方法を更に含み、下記ステップを含む。
蓄熱蓄圧ユニットをオンにすると共に熱源からの熱エネルギーを受け取り、前記蓄熱蓄圧ユニット内にある第1作動流体が作動圧力及び作動温度に達して前記第1作動流体が気化した前記第1作動流体に変換され、気化した前記第1作動流体は第1発電装置を流れた後に蓄熱タンク内に達するように制御され、且つ気化した前記第1作動流体の運動エネルギーにより発電を行うように前記第1発電装置を駆動するステップ(A)。
前記蓄熱タンクで気化した前記第1作動流体の熱交換を行った後、気化した前記第1作動流体を冷却タンクに流し入れて冷却して液体の前記第1作動流体に戻し、且つ前記液体第1作動流体を前記蓄熱蓄圧ユニットに還流させるステップ(B)。
前記蓄熱蓄圧ユニットをオフにするステップ(C)。
ステップ(A)乃至ステップ(C)を少なくとも1回重複して実行し、蓄熱蓄圧発電循環を形成するステップ(D)。
【0017】
好ましくは、ステップ(A)は下記ステップを更に含む。
熱エネルギー入口制御弁及び熱エネルギー出口制御弁を開くと共に第1蓄熱蓄圧タンクに切り替えるステップ(A1)。
前記第1蓄熱蓄圧タンクが熱源からの熱エネルギーを受け取り、前記第1蓄熱蓄圧タンク内にある前記第1作動流体が作動圧力及び作動温度に達すると、前記第1作動流体が気化作動条件を満たし、第1作動流体出口制御弁を開くと共に前記第1蓄熱蓄圧タンクに切り替え、且つ第1作動流体リフロー口制御弁を開いて第3蓄熱蓄圧タンクに切り替え、気化した前記第1作動流体が第1発電装置を流れると共に、気化した前記第1作動流体の運動エネルギーにより前記第1発電装置を駆動するステップ(A2)。
前記熱エネルギー入口制御弁及び前記熱エネルギー出口制御弁を第2蓄熱蓄圧タンクに切り替えるステップ(A3)。
【0018】
好ましくは、ステップ(B)は下記ステップを更に含む。
気化した前記第1作動流体が前記蓄熱タンクを経由した後に給水塔に流入し、前記給水塔内のエアバッグが膨張した後、前記給水塔に本来貯蔵されていた液体を流出させ、前記液体の運動エネルギーにより第1次発電を行うように第2発電装置を駆動するステップ(B1)。
前記第1作動流体が冷却されて液体に戻ることで前記エアバッグが縮小し、前記液体を前記給水塔内に還流させると同時に第2次発電を行うように前記第2発電装置を駆動するステップ(B2)。
【0019】
本発明の他の効果及び実施例の詳細な内容については、以下図面を併せて説明する。
【0020】
本発明の実施例または従来技術による技術方法をより明確に説明するため、以下では実施例または従来技術の説明に必要な添付図面について簡単に説明する。明らかに、以下の説明における添付図面は本発明の幾つかの実施例を示すに過ぎず、本分野の技術者ならば、創造性を働かせずにこれらの添付図面に基づいて他の添付図面を獲得できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施例に係る蓄熱蓄圧循環発電システムを示す概略構成図である。
【
図2】本発明の他の実施例に係る蓄熱蓄圧循環発電システムを示す概略構成図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る蓄熱蓄圧ユニットを示す概略構成図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る蓄熱蓄圧循環発電システムを示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る熱循環発電ステップを示す概略図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る熱循環発電のステップA1乃至A7を説明するフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施例に係る熱循環発電のステップA1乃至A7を説明するフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施例に係る熱循環発電のステップA1乃至A7を説明するフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施例に係る熱循環発電のステップB1乃至B2を説明するフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施例に係る熱循環発電のステップC1を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の実施方式における位置関係は、上下左右を含み、特に明示しない限り全て図面中の部材の描画方向を基準としている。
【0023】
図1乃至
図4は本発明に係る蓄熱蓄圧循環発電システムを示し、熱源10に接続されている蓄熱蓄圧ユニット20であって、前記熱源10の熱エネルギーを前記蓄熱蓄圧ユニット20に伝送して前記蓄熱蓄圧ユニット20内の第1作動流体を昇温及び増圧して放出する際に気体に変換する蓄熱蓄圧ユニット20と、前記蓄熱蓄圧ユニット20から放出された高温高圧の第1作動流体を受け取ると共に前記第1作動流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する第1発電装置41と、前記第1発電装置41を流れる前記第1作動流体を受け取り、前記第1作動流体に対して熱交換を行って熱エネルギーを蓄熱する蓄熱タンク40と、前記蓄熱タンク40からの前記第1作動流体を受け取ると共に、前記第1作動流体を相転移させて液体にした後に前記蓄熱蓄圧ユニット20に伝送して循環を形成する冷却タンク50と、を含んで構成されている。前記熱源10は、プロセスの廃熱、太陽光エネルギーの集熱、または他の熱源でもよい。
【0024】
前記蓄熱タンク40内または前記冷却タンク50内部には、液体の第1作動流体以外の空間に充填される第2作動流体を更に有し、前記第2作動流体は液体の前記第1作動流体に対して加圧または減圧するために用いられている。第2作動流体が発生させた圧力により前記第1作動流体が相転移する温度点を制御する。
【0025】
図2に示すように、前記蓄熱タンク40と前記冷却タンク50との間には給水塔30が更に設置され、前記給水塔30にはエアバッグ32が内設され、且つ前記給水塔30と前記冷却タンク50との間には第2発電装置31が設置されている。第1作動流体が前記給水塔30に流入して前記エアバッグ32が膨張した後、前記給水塔30内に本来貯蔵されていた液体を流出させると共に前記第2発電装置31を駆動する。第1作動流体が冷却されて流出した後にエアバッグ32が縮小すると、液体が給水塔30内に還流されると同時に前記第2発電装置31を再駆動することで、更に効果的に発電を行う。本実施例では、前記第2発電装置31は水車発電機である。
【0026】
図3に示すように、本発明は前記蓄熱蓄圧ユニット20に設置されている複数の制御弁を更に有し、前記蓄熱蓄圧ユニット20は、第1蓄熱蓄圧タンク21と、第2蓄熱蓄圧タンク22と、第3蓄熱蓄圧タンク23と、を備えている。これら前記制御弁はそれぞれ熱エネルギー入口制御弁61、熱エネルギー出口制御弁62、第1作動流体リフロー口制御弁64、及び第1作動流体出口制御弁63であり、これら前記制御弁はこれら前記蓄熱蓄圧タンクの熱エネルギーの入出力及び第1作動流体の入出力を制御するために用いられている。
【0027】
実際の使用において、これら前記蓄熱蓄圧タンクのうちの2つの内部には前記第1作動流体が貯蔵され、他の1つは空タンクである。そのうちの1つの蓄熱蓄圧タンク内にある第1作動流体が気化した後に、前記第1発電装置41、前記蓄熱タンク40、前記給水塔30、及び前記冷却タンク50を流れて空タンク内に貯蔵され、本来第1作動流体が貯蔵されていた蓄熱蓄圧タンクが空タンクとなり、次に第1作動流体を循環、貯蔵する際に用いられる蓄熱蓄圧タンクとなる。このようにすることで、第1作動流体の昇温及び蓄熱蓄圧タンクの降温にかかる時間を短縮し、発電効率を高めている。
【0028】
図4に示すように、前記蓄熱タンク40は、高温層401と、中間温度層402と、低温層403と、を有している。前記蓄熱タンク40内は、高温層401、中間温度層402、及び低温層403に分けられ、隔離作用を有しているため、蓄熱されたエネルギーの熱拡散を低下させる。第1作動流体が前記蓄熱タンク40を流れると、前記第1作動流体が前記蓄熱タンク40内で熱交換を行い、第1作動流体の余熱を前記蓄熱タンク40内に保存し、夜間に使用するか、予備用として提供する。
【0029】
電力網のバランスをとり、電力価格差の利得を獲得するため、他の実施例では、前記蓄熱タンク40には高温層401及び中間温度層402にそれぞれ位置している2つのヒーター46が内設され、低価格のオフピーク電力または余剰のグリーン電力により高温蓄熱を行い、高価格の電力使用のピーク時には蓄熱したエネルギーによって発電を行うことで電力網のバランスをとり、利得を得る効果を達成している。
【0030】
本実施例では、前記第1発電装置41と前記蓄熱タンク40との間に設置されている温度により区分けする制御弁42を更に有し、第1作動流体は前記第1発電装置41を流れて発電した後に前記温度により区分けする制御弁42を流れ、前記温度により区分けする制御弁42は第1作動流体が発電した後の余熱温度に基づいて前記第1作動流体を高温層401または中低温層402、403に流し入れて熱交換を行うように制御する。このようにすることで、高温層401の温度を維持し、夜間の発電及び蓄電効果を維持している。
【0031】
前記第1発電装置41と前記温度により区分けする制御弁42との間には循環リフロー管43が更に設置され、フライホイールブレードを有している第1発電装置41の連続運転を維持している。
【0032】
前記第1作動流体は蓄熱タンク40で熱交換を行った後に前記冷却タンク50内に流し入れられ、前記冷却タンク50が前記第1作動流体を冷却して液体に戻した後に蓄熱蓄圧ユニット20に還流される。本実施例では、前記蓄熱タンク40内部には、表面積を増加させて熱交換速度を加速させるための複数の熱交換器44を有している。
【0033】
本実施例では、前記蓄熱蓄圧ユニット20と前記第1発電装置41または前記冷却タンク50との間に設置されている作動流体調整装置70を更に有し、液位検出器(図示省略)15は前記蓄熱タンク40に内設されている。前記液位検出器が前記第1作動流体の不足を検出すると、前記作動流体調整装置70をオンにして第1作動流体を補充する。或いは、外の環境温度の変化を検出すると、前記作動流体調整装置70は前記第2作動流体が維持するシステムの基礎圧力を調整することで、第1作動流体の冷却温度を改変し、循環効率を高めている。
【0034】
図5乃至
図10に示すように、本発明は蓄熱蓄圧循環熱発電システムの制御方法を更に提供し、下記ステップを含む。
熱源10の熱エネルギーを前記蓄熱蓄圧ユニット20に伝送し、前記蓄熱蓄圧ユニット20内にある第1作動流体が作動圧力及び作動温度に達して前記第1作動流体が気化作動条件を満たすと、気化した前記第1作動流体に変換され、気化した前記第1作動流体が前記第1発電装置41から蓄熱タンク40内に流れるように制御し、且つ気化した前記第1作動流体の運動エネルギーにより発電を行うように前記第1発電装置41を駆動するステップ(A)。
前記蓄熱タンク40で気化した前記第1作動流体の熱交換を行った後、気化した前記第1作動流体を前記冷却タンク50に流し入れて冷却して液体の前記第1作動流体に戻し、前記液体第1作動流体を前記蓄熱蓄圧ユニット20に還流させるステップ(B)。
前記蓄熱蓄圧ユニット20をオフにするステップ(C)。
ステップ(A)乃至ステップ(C)を少なくとも1回重複して実行し、蓄熱蓄圧発電循環を形成するステップ(D)。
【0035】
本実施例では、ステップA1乃至ステップA7、ステップB1乃至ステップB3、及びステップC1を含み、更に効率的な循環発電を形成している。蓄熱蓄圧発電循環のステップは、以下のとおりである。
熱エネルギー入口制御弁61及び熱エネルギー出口制御弁62を開くと共に第1蓄熱蓄圧タンク21に切り替え、この際、前記第1蓄熱蓄圧タンク21及び前記第2蓄熱蓄圧タンク22内には液体の第1作動流体が貯蔵され、前記第3蓄熱蓄圧タンク23は空タンクであるステップ(A1)。
前記第1蓄熱蓄圧タンク21が熱源10からの熱エネルギーを受け取り、前記第1蓄熱蓄圧タンク21内にある第1作動流体が作動圧力及び作動温度に達し、前記第1作動流体が気化条件を満たすと、第1作動流体出口制御弁63を開くと共に前記第1蓄熱蓄圧タンク21に切り替え、且つ第1作動流体リフロー口制御弁64を開いて第3蓄熱蓄圧タンク23に切り替え、気化した前記第1作動流体を第1発電装置41に流すと共に、第1作動流体リフロー口制御弁を開いて第3蓄熱蓄圧タンク23に切り替え、且つ気化した前記前記第1作動流体の運動エネルギーにより前記第1発電装置41を駆動するステップ(A2)。
前記熱エネルギー入口制御弁61及び前記熱エネルギー出口制御弁62を第2蓄熱蓄圧タンク22に切り替えるステップ(A3)。
前記気化第1作動流体を蓄熱タンク40に流し、蓄熱タンク40の高温層401、中間温度層402及び低温層403、或いは中間温度層402及び低温層403まで余熱を交換した後に給水塔30に流し入れ、前記給水塔30内にあるエアバッグ32を膨張させた後、前記給水塔30に本来貯蔵されていた液体を流出させ、前記液体の運動エネルギーにより第1次発電を行うように第2発電装置31を駆動するステップ(B1)。
前記気化第1作動流体を冷却タンク50に流し入れた後に前記気化第1作動流体を冷却して液体に戻すと共に前記第3蓄熱蓄圧タンク23に還流し、前記第1作動流体が冷却されて液体に戻ることでエアバッグ32が縮小し、前記液体が前記給水塔内に還流されると同時に第2次発電を行うように前記第2発電装置31を駆動し、第1次発電プロセスを形成し、この際、前記第3蓄熱蓄圧タンク23内には液体第1作動流体が貯蔵され、前記第1蓄熱蓄圧タンク21は空タンクであるステップ(B2)。
前記第1作動流体リフロー口制御弁64及び前記第1作動流体出口制御弁63を閉じるステップ(C1)。
前記第2蓄熱蓄圧タンク22が前記熱源10からの熱エネルギーを受け取り、前記第2蓄熱蓄圧タンク22内にある第1作動流体が作動圧力及び作動温度に達し、前記第1作動流体が気化作動条件を満たすと、前記第1作動流体出口制御弁63を開くと共に前記第2蓄熱蓄圧タンク22に切り替え、且つ第1作動流体リフロー口制御弁64を開いて第1蓄熱蓄圧タンク21に切り替え、気化した前記第1作動流体を第1発電装置41に流すと共に、気化した前記第1作動流体の運動エネルギーにより前記第1発電装置41を駆動するステップ(A4)。
前記熱エネルギー入口制御弁61及び前記熱エネルギー出口制御弁62を前記第3蓄熱蓄圧タンク23に切り替えるステップ(A5)。
前記気化第1作動流体を蓄熱タンク40に流し、蓄熱タンク40の高温層401、中間温度層402及び低温層403、或いは中間温度層402及び低温層403まで余熱を交換した後に前記給水塔30に流し入れ、前記給水塔30内にある前記エアバッグ32を膨張させた後、前記給水塔30に本来貯蔵されていた液体を流出させ、前記液体の運動エネルギーにより前記第2発電装置31を駆動するステップ(B1)。
前記気化第1作動流体を前記冷却タンク50に流し入れて前記気化第1作動流体を冷却して液体に戻すと共に前記第1蓄熱蓄圧タンク21に還流させ、前記第1作動流体が冷却されて液体に戻ることでエアバッグ32が縮小し、前記液体が前記給水塔30内に還流されると同時に第2次発電を行うように前記第2発電装置31を駆動し、第2次発電プロセスを形成し、この際、前記第1蓄熱蓄圧タンク21内には液体の第1作動流体が貯蔵され、前記第2蓄熱蓄圧タンク22は空タンクであるステップ(B2)。
前記第1作動流体リフロー口制御弁64及び前記第1作動流体出口制御弁63を閉じるステップ(C1)。
前記第3蓄熱蓄圧タンク23が前記熱源10からの熱エネルギーを受け取り、前記第3蓄熱蓄圧タンク23内にある第1作動流体が作動圧力及び作動温度に達し、前記第1作動流体が気化作動条件を満たすと、前記第1作動流体出口制御弁63を開くと共に前記第3蓄熱蓄圧タンク23に切り替え、且つ第1作動流体リフロー口制御弁64を開いて前記第2蓄熱蓄圧タンク22に切り替え、気化した前記第1作動流体を第1発電装置41から前記第2蓄熱蓄圧タンク22内に流し、前記気化第1作動流体の運動エネルギーにより第1発電装置41を駆動するステップ(A6)。
前記熱エネルギー入口制御弁61及び前記熱エネルギー出口制御弁62を前記第1蓄熱蓄圧タンク21に切り替えるステップ(A7)。
前記気化第1作動流体を蓄熱タンク40に流し、蓄熱タンク40の高温層401、中間温度層402及び低温層403、或いは中間温度層402及び低温層403まで余熱を交換した後に前記給水塔30に流し入れ、前記給水塔30内にある前記エアバッグ32を膨張させた後、前記給水塔30に本来貯蔵されていた液体を流出させ、前記液体の運動エネルギーにより前記第2発電装置31を駆動するステップ(B1)。
前記気化第1作動流体を前記冷却タンク50に流し入れて前記気化第1作動流体を冷却して液体に戻すと共に前記第2蓄熱蓄圧タンク22に還流させ、前記第1作動流体が冷却されて液体に戻ることでエアバッグ32が縮小し、前記液体が前記給水塔30内に還流されると同時に第2次発電を行うように前記第2発電装置31を駆動し、第3次発電プロセスを形成し、この際、前記第2蓄熱蓄圧タンク22には液体の第1作動流体が貯蔵され、前記第3蓄熱蓄圧タンク23は空タンクであるステップ(B2)。
前記第1作動流体リフロー口制御弁64及び前記第1作動流体出口制御弁63を閉じるステップ(C1)。
前述したステップ(A1)乃至ステップ(C1)を1回重複して実行し、蓄熱蓄圧発電循環を形成するステップ(D)。
【0036】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0037】
A~D ステップ
A1~A7 ステップ
B1~B2 ステップ
C1 ステップ
10 熱源
20 蓄熱蓄圧ユニット
21 第1蓄熱蓄圧タンク
22 第2蓄熱蓄圧タンク
23 第3蓄熱蓄圧タンク
30 給水塔
31 第2発電装置
32 エアバッグ
40 蓄熱タンク
401 高温層
402 中間温度層
403 低温層
41 第1発電装置
42 温度により区分けする制御弁
43 ループリフロー管
44 熱交換器
46 ヒーター
50 冷却タンク
61 熱エネルギー入口制御弁
62 熱エネルギー出口制御弁
63 第1作動流体出口制御弁
64 第1作動流体リフロー口制御弁
【国際調査報告】