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  • 特表-再開が増強された繊維配置ヘッド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】再開が増強された繊維配置ヘッド
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/54 20060101AFI20240426BHJP
   B29C 70/38 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
B29C70/54
B29C70/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571839
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 US2022030504
(87)【国際公開番号】W WO2022246311
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/191,420
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518127543
【氏名又は名称】フィブ・マシニング・システムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ノエル,マイケル
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AC03
4F205AD16
4F205AG03
4F205AJ08
4F205HA14
4F205HA37
4F205HA45
4F205HB01
4F205HF05
4F205HF23
4F205HK03
4F205HK04
4F205HK23
(57)【要約】
複数の複合材テープセグメントを型に適用するための繊維配置ヘッドであって、複合材テープセグメントを複合材テープ供給源から移動させる開始前動力ローラを有する開始前レーン組立体と、同様に複合材テープセグメントを複合材テープ供給源から移動させる再開動力ローラを有する再開レーン組立体と、往復動切刃を有する切断レーン組立体と、を含み、開始前動力ローラが、複合材テープを複合材テープ供給源から引き出し、再開動力ローラが、複合材テープセグメントを型上に位置決めする、繊維配置ヘッド。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の複合材テープセグメントを型に適用するための繊維配置ヘッドであって、
複合材テープセグメントを複合材テープ供給源から移動させる開始前動力ローラを有する開始前レーン組立体と、
同様に前記複合材テープセグメントを前記複合材テープ供給源から移動させる再開動力ローラを有する再開レーン組立体と、
往復動切刃を有する切断レーン組立体と、
を備え、前記開始前動力ローラが、複合材テープを前記複合材テープ供給源から引き出し、前記再開動力ローラが、複合材テープセグメントを型上に位置決めする、繊維配置ヘッド。
【請求項2】
前記開始前動力ローラが、前記再開動力ローラの角速度より大きい角速度で動作し、これにより、前記開始前動力ローラと前記再開動力ローラとの間の前記複合材テープセグメントにかかる張力の量を減少させる、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項3】
前記張力の量が、ゼロである、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項4】
毎分22.86m(900インチ)以上のレイアップ速度で複合材テープを移動させる、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項5】
前記開始前動力ローラと解放可能に係合して前記複合材テープセグメントを保持する開始前ピンチローラをさらに備える、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項6】
前記再開動力ローラと解放可能に係合して前記複合材テープセグメントを保持する再開ピンチローラをさらに備える、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項7】
複数の複合材テープセグメントを型に適用するための繊維配置ヘッドであって、
複合材テープセグメントを複合材テープ供給源から移動させる開始前動力ローラを有する開始前レーン組立体と、
同様に前記複合材テープセグメントを前記複合材テープ供給源から移動させる再開動力ローラを有する再開レーン組立体と、
往復動切刃を有する切断レーン組立体と、
を備え、前記開始前動力ローラが、複合材テープを前記複合材テープ供給源から引き出し、かつ、前記再開動力ローラが複合材テープセグメントを型上に位置決めしているときに開始前動力モータと再開動力モータとの間の張力の量を減少させる、繊維配置ヘッド。
【請求項8】
前記開始前動力ローラが、前記再開動力ローラの角速度より大きい角速度で動作し、これにより、前記開始前動力ローラと前記再開動力ローラとの間の複合材テープセグメントにかかる張力の量を減少させる、請求項7に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項9】
前記張力の量が、ゼロである、請求項7に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項10】
毎分22.86m(900インチ)以上のレイアップ速度で複合材テープを移動させる、請求項7に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項11】
前記開始前動力ローラと解放可能に係合して前記複合材テープセグメントを保持する開始前ピンチローラをさらに備える、請求項7に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項12】
前記再開動力ローラと解放可能に係合して前記複合材テープセグメントを保持する再開ピンチローラをさらに備える、請求項7に記載の繊維配置ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、繊維配置機に関し、より詳細には、繊維配置ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]繊維配置機は、複合材ワークピースを作り出すために使用される。樹脂が浸透した繊維状物質の形態の複合材料またはテープが、複合材ワークピースを集団的に形成するために、正確な位置および長さで機械により型またはマンドレルに適用される。繊維配置機は、複合材ワークピースの最終的な形状に複合材テープを正確に適用するために、繊維配置ヘッドを型の上で移動させる。繊維配置ヘッドは、移動するにつれて、連続体(course)またはトウ(tow)とも呼ばれる複数の複合材テープセグメントを型に残す。複数の複合材テープセグメントが連続体の一部として同時に適用され得るが、繊維配置ヘッドは、連続体を適用することの一環として、トウのそれぞれを個別に制御することができる。型へのこれらの複合材テープセグメントの自動適用は、複合材テープを保持し、移動させて、最終的には切断する、多様な機械群の協働を伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]繊維配置ヘッドは、複合材テープを供給源から引き出し、複合材テープの各レーンをセグメント化し、複合材テープセグメントを型に適用する、切断要素、挟持要素、および移動要素を含み得る。繊維配置ヘッドが複合材テープセグメントを適用する速度が増大するにつれて、ヘッドを通って型までの複合材テープの切断、挟持、および移動の協働を十分な精度で調整することの課題も増大する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]1つの実施態様では、複数の複合材テープセグメントを型に適用するための繊維配置ヘッドが、複合材テープセグメントを複合材テープ供給源から移動させる開始前動力ローラを有する開始前レーン組立体と、同様に複合材テープセグメントを複合材テープ供給源から移動させる再開動力ローラを有する再開レーン組立体と、往復動切刃を有する切断レーン組立体と、を含み、開始前動力ローラは、複合材テープを複合材テープ供給源から引き出し、再開動力ローラは、複合材テープセグメントを型上に位置決めする。
【0005】
[0005]1つの実施態様では、複数の複合材テープセグメントを型に適用するための繊維配置ヘッドが、複合材テープセグメントを複合材テープ供給源から移動させる開始前動力ローラを有する開始前レーン組立体と、同様に複合材テープセグメントを複合材テープ供給源から移動させる再開動力ローラを有する再開レーン組立体と、往復動切刃を有する切断レーン組立体と、を含み、開始前動力ローラは、複合材テープを複合材テープ供給源から引き出し、かつ、再開動力ローラが複合材テープセグメントを型上に位置決めしているときに開始前動力モータと再開動力モータとの間の張力の量を減少させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】[0006]繊維配置機の一実施態様を示す斜視図である。
図2】[0007]繊維配置ヘッドの一実施態様を示す別の斜視図である。
図3】[0008]繊維配置ヘッドの一部分の一実施態様を示す斜視図である。
図4】[0009]繊維配置ヘッドの一部分の一実施態様を示す別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0010]繊維配置機が、切断挟持および再開(CCR:cut,clamp,and restart)組立体を有する繊維配置ヘッドを担持するロボットアームを使用し得る。CCR組立体は、複数の切断レーン組立体、挟持レーン組立体、再開レーン組立体、および開始前レーン組立体を含み、そのそれぞれが繊維配置ヘッドに取外し可能に連結され得る。各レーン組立体は、それを通過する複合材テープの1つまたは複数のストランドを処理するように設計され得る。開始前レーン組立体および再開レーン組立体は、複合材テープを繊維供給源から引っ張ってそのテープを型へ移動させるように協働し得る。
【0008】
[0011]これまでの繊維配置ヘッドは、開始前レーン組立体を欠いており、その代わりに、繊維をスプールなどの複合材テープ供給源から引っ張るのにも、複合材テープを型へ送達するのにも、再開レーン組立体およびその被駆動ローラにのみ依存している。複合材テープを複合材テープ供給源から取り出すこと、および、複合材テープがより速いレイアップ速度(例えば、>22.86m(900インチ)/分)で型上に位置決めされ得るように複合材テープを送ることの両方に対する再開レーン組立体の使用により、複合材テープが複合材テープ供給源から引っ張られるときに複合材テープにかかる張力が高まる場合がある。例えば、より速いレイアップ速度では、挟持レーン組立体が複合材テープセグメントを保持し、次いでセグメントを突然解放する可能性がある。複合材テープセグメントの解放は、挟持レーン組立体がテープを解放し、再開レーン組立体が複合材テープセグメントを型へと加速させるときに、複合材テープセグメントに張力の瞬間的なスパイクを課す可能性がある。張力のスパイクは、複合材テープセグメントを再開ローラに対してずらすかまたは滑らせ、それにより、テープセグメントが型に適用されるときに位置の不正確さをもたらす可能性がある。
【0009】
[0012]再開レーン組立体に加えて開始前レーン組立体を繊維配置ヘッドに含むことにより、複合材テープにかかる張力における瞬間的なスパイクを回避して、複合材テープを複合材テープ供給源から取り出し、複合材テープセグメントを型上に正確に位置決めすることができる。例えば、開始前組立体は、動力ローラおよびピンチローラを含むことができ、それらのローラは、複合材テープ供給源の最も近くに位置決めされて、供給源からの複合材テープの引出しに集団的に関与し得る。開始前組立体の性能は、複合材テープを複合材テープ供給源から引き出して、そのテープを挟持レーン組立体および再開レーン組立体に向かって送達するように、設計され得る。再開レーン組立体は、動力ローラおよびピンチローラを含むことができ、かつ、主に型上での複合材テープの位置決めに関与し得る。再開レーン組立体および開始前レーン組立体は、それらの組立体の間に複合材テープの若干の弛みを導入するように協働し得る。例えば、開始前レーン組立体は、その動力ローラを再開レーン組立体の動力ローラよりもわずかに速い角速度で動作させることができる。これは、開始前レーン組立体の下流の複合材テープセグメントにかかる張力を減少させるかまたは排除することができ、また、再開レーン組立体が複合材テープセグメントを型上により正確に位置決めするのに役立ち得る。
【0010】
[0013]繊維配置(換言すれば、プレースメント)機10の一実施態様が、図1に示されている。繊維配置機10は、繊維配置ヘッド14と分離可能に連結されたロボットアーム12を含む。ロボットアームは、ベース16によって支持されてよく、ロボットアームは、ベース16上で軸(x)の周りで直線的に移動する。例えば枢動、回転、または伸縮によって移動することができる複数の可動セグメント18が、ベース16から外方に延在し得る。ロボットアーム12は、ベース16に対して複数の軸の周りで移動することができる。例えば、第1のセグメント18aが、ロボットアーム12がベース16を中心として回転することができるように、一方の端部においてベース16に回転可能に連結してよい。第2のセグメント18bが、第1のセグメント18aと枢動可能に連結してよく、第3のセグメント18cが、第2のセグメントと枢動可能に連結してよい。第4のセグメント18dが、第3のセグメント18cに連結されて、第3のセグメントから離れるようにまた第3のセグメントに向かうように伸縮自在に移動してよい。セグメント18は、ワークピースを作り出すために使用される型20またはマンドレルに対してロボットアーム12の遠位端部を移動させるために、流体ラム(fluidic ram)、電気モータ、もしくはそれらの組合せ、または他の駆動要素を使用して、互いに対して移動され得る。
【0011】
[0014]実行可能命令を有するコンピュータ可読記憶媒体と通信しているマイクロプロセッサ(図示せず)が、流体ラム、電気モータ、または他の駆動要素の動きを制御し、それによりロボットアーム12の可動セグメント18の動作および位置を制御し得る。マイクロプロセッサは、マイクロコントローラ、ホストプロセッサ、コントローラ、および特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、電子命令を処理することができる任意のタイプのデバイスであってよい。マイクロプロセッサは、ロボットアーム12の制御を行うためだけに使用される専用プロセッサであってよく、または、他の機械機能と共有されてもよい。マイクロプロセッサは、メモリに格納されたソフトウェアまたはファームウェアプログラムなどの、様々なタイプのデジタル記録された命令を実行する。ロボットアームを動かす流体ラムまたは電気モータなどの機構とマイクロプロセッサとの間の通信は、通信バスを介して行われ得る。ロボットアーム12は、点検修理のためにヘッド14を位置決めするために、または複合材テープを型20に適用するために、繊維配置ヘッド14を3つの軸に沿って移動させることができる。これは、繊維配置ヘッドとともに使用され得るロボットアーム12の1つの実施態様であるが、複合材テープを適用するロボットアームまたは機械的デバイスの他の実施態様も、同様に使用され得る。
【0012】
[0015]ベース16に対して遠位のロボットアーム12の端部は、繊維配置ヘッド14と解放可能に係合するチャック22を含み得る。チャック22および繊維配置ヘッド14の一部分は、チャック22が繊維配置ヘッド14を解放可能に掴むことができるように、対応する特徴を有し得る。1つの実施態様では、繊維配置ヘッド14は、ヘッド14の表面に対して直角に延在する円筒形シャンクを含む。ロボットアーム12は、チャック22がシャンクと係合しまた繊維配置ヘッド14がアーム12に弾性的に連結されるように、チャック22を位置決めすることができる。
【0013】
[0016]図2~4に示されるように、繊維配置ヘッド14は、ヘッド14のための複合材テープの供給源として複合材テープを格納する複数のスプール26を含むクリール24と、切断挟持再開(CCR)組立体32とを含み得る。CCR組立体32は、スプール26から複合材テープを受け取って型20に適用して複合材部品を作り出すことができる圧縮ローラ34を含み得る。クリールフレーム24は、複数の外側表面36と、外側表面36に対して直角に取り付けられたスピンドル38とを含む。スピンドル38は、空気圧的に、機械的に、または流体的に制御されるダンサ要素を使用してテープ張力を生成するように移動されることが可能であり、ダンサ要素は、テープが型20に適用されるときに複合材テープにかかる張力を維持するのに役立つ。複合材テープは、型20への最終的な適用のために、スプール26から繰り出されて、圧縮ローラ34へ移動し得る。
【0014】
[0017]繊維配置ヘッド14は、繊維配置ヘッド14の構成要素と、CCR組立体32と、最終的に複合材テープセグメントの連続体を型20に押し付ける圧縮ローラ34とを支持するための、CCRフレーム40を含み得る。圧縮ローラ34に到達する前に、複合材テープの一部分は、上部送り部分42を通過することができ、複合材テープの別の部分は、下部送り部分44を通過することができる。上部送り部分42は、偶数番目の複合材テープを処理することができ、下部送り部分44は、圧縮ローラ34において出会う奇数番目の複合材テープを処理することができる。例として、8つの繊維経路またはレーンを有する繊維配置ヘッド14の場合、上部送り部分42は、番号2、4、6、および8によって識別される複合材テープを処理することができ、一方で、下部送り部分44は、番号1、3、5、および7によって識別される複合材テープを処理することができる。上部送り部分42および下部送り部分44は、角度(α)だけ離隔され得る。上部送りローラ46および下部送りローラ48が、スプール26から上部送り部分42および下部送り部分44のそれぞれまで複合材テープを向かわせるのに役立ち得る。複数のレーン組立体54が、上部送り部分42および下部送り部分44に含まれ得る。上部送り部分42および下部送り部分44のそれぞれは、レーン組立体54の可動部を作動させるためのマニホルドを含み得る。電気機械式弁が、作動のために組立体54に選択的に圧縮空気を供給するように、レーン組立体54に当接し得る。1つの実施態様では、電磁弁が、レーン組立体54の作動を制御するためにマイクロプロセッサが開閉するスイッチによって制御される電圧を受け取るソレノイドを含む。
【0015】
[0018]レーン組立体54は、開始前(換言すれば、プレスタート)レーン組立体54a、挟持レーン組立体54b、再開(換言すれば、再開始)レーン組立体54c、および切断レーン組立体54dを含み、それらはCCRフレーム40によって担持される。レーン組立体54は、集団的に複合材テープをスプール26から引き出して、テープを型20に適用する。開始前レーン組立体54aは、それぞれ、最初に複合材テープ60をスプール26から引っ張る開始前動力ローラ56および開始前ピンチローラ58を含み得る。開始前動力ローラ56は、電気モータによって回転され、かつ、複合材テープ60の位置を示す信号をマイクロプロセッサに送るモータエンコーダを含み得る。マイクロプロセッサはまた、開始前動力ローラ58を駆動する電気モータに供給される電流を制御し得る。開始前動力ローラ56および開始前ピンチローラ58は、複合材テープ60の両側に解放可能に係合するように移動され、かつ、複合材テープ60を他のレーン組立体54に向かって引っ張るために、相反する回転方向に回転し得る。1つの実施態様では、開始前動力ローラ56および開始前ピンチローラ58は、圧縮空気を使用して、複合材テープ60のより近くに、または複合材テープ60からより遠くに移動され得る。次に、複合材テープ60は、挟持レーン組立体54bを通過し得る。挟持レーン組立体54bは、複合材テープ60の両側に位置決めされた挟持ローラ62を含むことができ、挟持ローラ62は、テープに解放可能に係合し、短時間にわたってテープを固定位置に保持する。挟持ローラ62は、複合材テープのより近くに、または複合材テープからより遠くに移動され、また、テープが移動するのを防ぐためにローラ62が回転するのを防ぐように保持され得る。
【0016】
[0019]次いで、複合材テープ60は、再開動力ローラ64および再開ピンチローラ66を含み得る再開組立体54cを通過することができる。再開組立体54cは、複合材テープ60のセグメントを型20上に正確に位置決めすることに関与し得る。再開動力ローラ64は、電気モータによって回転され、かつ、複合材テープ60の位置を示す信号をマイクロプロセッサ(図示せず)に送ることができるモータエンコーダを含み得る。マイクロプロセッサはまた、開始前動力ローラ56に対して上記されたのに類似した方法で、再開動力ローラ64を駆動する電気モータを制御することができる。再開動力ローラ64および再開ピンチローラ66は、複合材テープ60の両側に係合するように移動され、かつ、複合材テープ60のセグメントを型20上に正確に位置決めするために、相反する回転方向に回転し得る。動力ローラ58、64の間の複合材テープ60にかかる張力が減少するかまたは完全に取り除かれ、その結果、弛みが存在して、複合材テープ60に張力がかからないように、再開動力ローラ64が回転する角速度より大きい角速度で所定の期間にわたって回転するように開始前動力ローラ58を制御することが可能である。別の実施態様では、開始前動力ローラ58は、再開動力ローラ64と同じ角速度で動作され得る。次いで、再開組立体54cは、高められる複合材テープ張力の干渉を伴わずに、複合材テープ60のセグメントを型20上に非常に正確に展開することができる。切断レーン組立体54dは、複合材テープ60を選択的に切断することにより型20に適用されるものでありかつワークピースの一部である所定の長さの複合材テープ60を作り出すために、往復動切刃68を含み得る。
【0017】
[0020]これまで述べてきたことは、本発明の1つまたは複数の実施形態に関する説明であることが、理解されるべきである。本発明は、本明細書において開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲によってのみ定められる。さらに、上記の説明に含まれる記述は、特定の実施形態に関するものであり、また、用語もしくは語句が上記で明確に定義されている場合を除き、本発明の範囲への制限または特許請求の範囲において使用される用語の定義への制限と解釈されるべきではない。様々な他の実施形態、ならびに開示された実施形態に対する様々な変更および修正が、当業者には明らかになるであろう。すべてのそのような他の実施形態、変更、および修正は、添付の特許請求の範囲に記載の範囲に含まれることが意図されている。
【0018】
[0021]本明細書および特許請求の範囲において、用語「例えば(e.g.)」、「例えば(for example)」、「例として(for instance)」、「~などの(such as)」、および「~のような(like)」、ならびに動詞「備えている(comprising)」、「有している(having)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの他の動詞の形態は、1つまたは複数の構成要素もしくは他の物品の列挙と併せて使用された場合、それぞれ無制限と解釈されるべきであり、つまり、列挙は、他の追加の構成要素または物品を除外すると見なされるべきではない。他の用語は、異なる解釈を必要とする文脈においてそれらの用語が使用される場合を除き、それらの用語の最も広い妥当な意味を使用して解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】