(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】バルブ用コック及びバルブ用コックを備えるバルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 5/04 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
F16K5/04 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571997
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2022062473
(87)【国際公開番号】W WO2022243085
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523427216
【氏名又は名称】アルファ・ラヴァル・モアッティ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アブ・カ
【テーマコード(参考)】
3H054
【Fターム(参考)】
3H054AA02
3H054BB02
3H054CA09
3H054CA32
(57)【要約】
流体の通過のための少なくとも1つの開口部を有するバルブ用コック(100)であって、前記コックは、前記バルブの弁座に移動可能に取り付けられるように構成される本体(110)と、前記本体(110)に固定され、且つ前記弁座内のコックの位置に応じて、開口部を変的に開閉するように構成された少なくとも1つのシール(130)と、を備え、前記シール(130)は、前記シール(130)と前記本体(110)との間に嵌め込まれるインサート(140)によって、前記本体(110)に固定されている、コック(100)。バルブは、特に三方弁及び/又は切換バルブであって、コックをそなえる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の通過のための少なくとも1つの開口部を有するバルブ(80)用コック(100)であって、
前記コックは、
前記バルブ(80)の弁座に移動可能に取り付けられるように構成される本体(110)と、
前記本体(110)に固定され、且つ、前記弁座内のコックの位置に応じて前記開口部を可変的に開閉するように構成された少なくとも1つのシール(130)と、
を備え、
前記シール(130)は、前記シール(130)と前記本体(110)との間に嵌め込まれるインサート(140)によって、前記本体(110)に固定されている、コック(100)。
【請求項2】
前記シール(130)は、前記インサート(140)に組み付けられ、
前記インサート(140)は、前記本体(110)に固定される、
請求項1に記載のコック(100)。
【請求項3】
前記インサート(140)は、前記本体(110)に、取り外し可能に取り付けられている、請求項1又は2に記載のコック(100)。
【請求項4】
前記インサート(140)を前記本体(110)に固定するための手段は、前記本体(110)に対して、前記シール(130)とは反対側からアクセス可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載のコック(100)。
【請求項5】
前記インサート(140)は、前記シール(130)からの前記インサート(140)の分離を制限するためのアンダーカット(142)を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のコック(100)。
【請求項6】
前記アンダーカット(142)は、前記インサート(140)が嵌め込まれる前記シール(130)のキャビティの負の抜き勾配(A)を備える、請求項5に記載のコック(100)。
【請求項7】
前記インサート(140)は、少なくとも1つのねじ孔(124)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のコック(100)。
【請求項8】
前記インサート(140)は、圧縮荷重下で、前記シール(130)の少なくとも一部分(136)を保持する、請求項1から7のいずれか一項に記載のコック(100)。
【請求項9】
前記本体(110)は、縦方向に沿って延在し、且つ縦壁(114)を備え、
前記シール(130)と前記インサート(140)とは、前記縦壁(114)の一側に取り付けられ、前記縦壁(114)の他側は、流体の流路を画定する、請求項1から8のいずれか一項に記載のコック(100)。
【請求項10】
前記縦壁(114)は、前記本体(110)の回転軸(X)に対して、オフセットしている、請求項9に記載のコック(100)。
【請求項11】
前記インサート(140)の全表面は、前記シール(130)又は前記本体(110)のいずれか一方に対して露出している、請求項1から10のいずれか一項に記載のコック(100)。
【請求項12】
前記シール(130)は、前記バルブの前記開口部を囲むように構成される突出シーリングリップ(138)を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のコック(100)。
【請求項13】
前記コック(100)は、
複数の前記シール(130)と、
複数の前記インサート(140)と、
を備え、
前記複数のシール(130)の各々が、前記複数のインサート(140)のうちの対応する1つに組み付けられてシールインサートセット(120)を形成し、
前記シールインサートセット(120)は、前記本体のそれぞれの横隔壁(116)によって、前記本体(110)の縦方向に互いに分離されている、請求項1から12のいずれか一項に記載のコック(100)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の前記コック(100)を備えるバルブ(80)であって、特に三方弁である、バルブ(80)。
【請求項15】
一次流体入口(82I)、並びに、第1の二次流体出口(82A)及び第2の二次流体出口(82B)と、
一次流体出口(83O)、並びに、第1の二次流体入口(83A)及び第2の二次流体入口(83B)と、
請求項13に記載のコック(100)と、
を備える切換バルブ(80)であって、
前記横隔壁(116)には、前記一次流体入口(82I)、前記第1の二次流体出口(82A)、及び前記第2の二次流体出口(82B)を、前記一次流体出口(83O)、前記第1の二次流体入口(83A)、及び前記第2の二次流体入口(83B)から隔離するために、シーリング部材(104,105)が設けられ、
前記コック(100)は、前記本体(110)の位置に応じて、前記一次流体入口(82I)から前記第1の二次流体出口(82A)及び/又は前記第2の二次流体出口(82B)までの流体の通過が可変的に可能となるように構成され、且つ、前記本体(110)の位置に応じて、前記第1の二次流体入口(83A)又は前記第2の二次流体入口(83B)から前記一次流体出口(83O)までの流体の通過が可変的に可能となるように構成されている、バルブ(80)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バルブと、特にバルブコックに関する。これらのコックは、例えば、フィルターのメンテナンスのために用いられるような切換バルブの分野で用いられてもよいだけでなく、また、他のタイプのバルブに用いられてもよい。
【背景技術】
【0002】
回転可能なコックを有するバルブは、長年知られている。一般に、バルブ本体と、回転可能なコックは、どちらも金属でできており、バルブ本体と回転可能なコックとの間の流体の気密性は、単にバルブ本体と回転可能なコックとの間のできるだけ小さなクリアランスによって達成されている。
【0003】
流体の気密性を向上させるための試みとして、文献WO87/00598A1には、いくつかの開口部と回転可能なコックとしても知られる回転可能な閉塞部材と、を有するバルブ本体を備える4位置弁が開示されている。コックが開口部を閉塞したときの漏れを防ぐために、コックの一側部上にガスケットが設けられる。ガスケットは、外部部材によりその位置に保持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このシステムは、満足のいくものであったが、未だ改良の余地がある。例えば、特に小型バルブにおいては、外部部材自体が所望の位置留まらないこともありうる。したがって、長期間のバルブの使用後は、外部部材とガスケットとの間の嵌り合いがゆるむ可能性があり、それは、ガスケットの座部において、ガスケットの位置が変わってしまうかもしれず、または外部部材がガスケットを越えて半径方向に突出する可能性がある。そのため、長時間の作動において、バルブのシーリング機能に影響がでる可能性がある。
【0005】
その結果、より信頼できる方法で、漏れを防ぐことができるコックが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような問題は、請求項1に係るコックによって解決される。その一態様では、本開示は、流体の通過のための少なくとも1つの開口部を有するコック用バルブに関連し、コックは、バルブの弁座に移動可能に取り付けられるように構成される本体と、本体に固定され、且つ弁座内のコックの位置に応じて開口部を可変的に開閉するように構成された少なくとも1つのシールと、を備え、シールは、シールと本体との間に嵌め込まれるインサートによって、本体に固定されている。
【0007】
流体は、液体又は気体、特に水や油であってもよい。バルブは、流体の通過のための少なくとも2つの開口部を有してもよく、すなわち、少なくとも、1つの入口開口部と1つの出口開口部とを有していてもよい。開口部は、コック、特にそのシールが、その位置に応じて前記開口部の少なくとも1つを可変的に開閉するように構成されるために、バルブの弁座付近に位置されてもよい。本実施形態において、コックの本体は、バルブの弁座に回転可能に取り付けられてもよく、シールは、弁座内で、コックの角度位置に応じて、開口部を可変的に開閉するように構成されていてもよい。他の実施形態では、本体は、弁座に摺動可能に取り付けられていてもよく、シールは、弁座内でコックの縦方向位置に応じて、開口部を可変的に開閉するように構成されていてもよい。
【0008】
シールは、ガスケットの形をとり得る。シールは、エラストマー材料でできていてもよい。エラストマーとして、シールは、変形することができ、かつ開口部の周囲の弁座の形状に適合することができ、それによって、漏れない満足のいくシーリングを提供する。他の実施形態では、シールは、バルブ本体内でのコックの作動によってならし運転を受けるように構成された材料でできていてもよい。そのような材料では、ならし運転により、シールの形状と本体の形状との間の適合性を非常に密接にすることができ、それによって、漏れない満足のいくシーリングを提供する。例えば、シールは、プラスチックで出来ていてもよい。
【0009】
コックは、(例えば、コックが、そのある位置において、同時に複数の開口部を密閉する必要である場合に)複数のシールを備えていてもよい。
【0010】
上記の通り、シールは、シールと本体との間に嵌め込まれるインサートによって本体に固定される。コックが、複数のシールを含むとき、これは、それらシールの一部又は全部に適用されてもよい。すなわち、シールと本体との間の固定手段は、インサートを含む。インサートは、シールと本体との間の強固な固定を提供するために、例えばプラスチックや金属(合金を含む)などのシール以外の材料で作られていてもよい。インサートは、特に幾何学的な意味で、シールと本体との間に嵌め込まれる。すなわち、インサートの少なくとも一部分は、シールと接触する第1側部と、本体と接触する第1側部とは反対側の第2側部とを有してもよい。シールと本体とは、それぞれ第1及び第2側部を越えて延在していてもよい。
【0011】
上述した構造によって、シールは、インサートを介して、本体に確実に固定され、インサートは、シールを越えて、開口部に向かって突出していなくてもよい。そのため、漏れが確実に防がれる。
【0012】
いくつかの実施形態において、シールは、インサートに組み付けられ、インサートは、本体に固定される。したがって、シール、インサート及び本体は、一対一対で、その間に界面を示す異なる部品である。インサートとシールとの間の固定手段は、対応する形状の係合、オーバーモールド、例えば、接着剤を介した接合などを含んでもよい。インサートと本体との間の固定手段は、対応する形状の係合や、例えば接着剤やねじ等による接合を含んでもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、インサートは、本体に取り外し可能に取り付けられている。したがって、シールが摩耗したとき、そこでシールと共にインサートだけを取り外すことによって、容易に取り換えることができ、前のインサート又は新しいインサートのいずれかを嵌め込んで、前の本体に新しいシールを固定する。
【0014】
いくつかの実施形態において、インサートを本体に固定するための手段は、本体に対してシールとは反対側からアクセス可能である。例えば、インサートを本体に固定するための手段は、本体に対してシールとは反対の縦方向の側面から又は、本体に対してシールとは反対の半径方向(すなわち軸または縦方向に対して垂直方向)からアクセス可能であってもよい。これらの実施形態において、固定するための手段は、シールと弁座との間のシーリング表面上にアクセスできない。これは、固定するための手段が、弁座に対してシールを越えて突出しておらず、バルブのシーリング機能を妨げていないということを保証する。
【0015】
いくつかの実施形態において、インサートは、シールからのインサートの分離を制限するためのアンダーカットを有する。アンダーカットは、シールとインサートとの間の境界に供給されてもよい。インサートのアンダーカットは、インサートからシールを分離しようとするある動作に対抗するために、シール(できれば、アンダーカットも)の部分に隣接していてもよい。それによって、シールは、インサートにより確実に組み付けられる。
【0016】
いくつかの実施形態において、アンダーカットは、インサートが嵌め込まれるシールのキャビティの負の抜き勾配を備える。抜き勾配は、製造が容易で、アンダーカットに大きな表面を提供し、それによって信頼性がさらに向上する。
【0017】
いくつかの実施形態において、インサートは、少なくとも1つのねじ孔を有する。孔は、貫通孔またはブラインド孔であってもよい。コックの本体に対してインサートを固定するためにインサートのねじ孔にねじ棒、例えば、ねじが挿入されてもよい。本体は、対応する位置に孔を備えていてもよく、孔は、ねじ切りされ、または本体はインサートと別の部材、例えば、ねじ頭やボルトとの間に挟まれる。
【0018】
いくつかの実施形態において、インサートは、圧縮荷重下で、シールの少なくとも一部分を保持する。つまり、インサートは、例えばインサートと本体との間のシールの一部分を、そのような部分を挟むことによって圧縮する。したがって、本体に対するシールの位置は、よく制御され、保持される。
【0019】
いくつかの実施形態において、シールは、本体に対して、インサートを越えて延在している。言い換えると、シールは、突出部分を有していてもよく、突出部分は、本体に固定されるようにインサートの一側を越えて突出している。インサートが本体に固定されるとき、突出部分は、変形しなければならず、それによって、インサートは圧縮下でシールの突出部分を保持する。本体に対してシールの位置をより制御することに加えて、突出部分は、シールと本体との間の境界に設けられ得るので、突出部分は、シーリングを高め、本体とインサートとの間に流体が浸透するのを避けるのを助ける。
【0020】
いくつかの実施形態において、本体は、縦方向に沿って延在し、且つ縦壁を備え、シールとインサートとは、縦壁の一側に取り付けられ、縦壁の他側は、流体の流路を画定する。この構造は、製造を単純にし、効率的である。
【0021】
いくつかの実施形態において、縦壁は、本体の軸(例えば、回転軸)に対してオフセットしている。好ましくは、縦壁は、シールに対してオフセットしており、したがって流体の通過のためのより多くの空間を確保する。その結果バルブを通過する圧力損失が減少する。
【0022】
いくつかの実施形態において、シールは、インサートの周囲を囲む閉じた輪郭を有していてもよい。これらの実施形態では、上述したアンダーカットは、例えば、シールとインサートとが互いに分離しないように、インサートをシール内に保持し得る。それによって、コックの更なる信頼性が得られる。より一般的に、シールは、インサートが嵌め込まれるブラインドキャビティを画定してもよく、前記キャビティは、本体の内側に向かって開口している。
【0023】
いくつかの実施形態において、インサートの全表面は、シール又は本体のいずれか一方に対して露出している。すなわち、インサートは流体に対して、露出する表面を有していない。この方法では、一方では、インサートとシール、他方ではインサートと本体の間のシーリング性が向上し、そのため、コック全体としての動作がより信頼性のあるものになる。
【0024】
いくつかの実施形態において、シールはバルブの前記開口部を囲むように構成される突出シーリングリップを備える。シーリングリップは、開口部を囲むように構成され、開口部の正確な形状に適合する必要がないので、単一のシーリングリップを、開口部の様々な形状のために用いることができる。加えて、シーリングリップの圧縮が正確に制御され得ることによって、シーリング性能が高まる。
【0025】
いくつかの実施形態において、コックは、複数の前記シールと、複数の前記インサートと、を備え、複数のシールのそれぞれは、複数のインサートのうちの対応する1つに組み付けられてシールインサートセットを形成し、シールインサートセットは、本体のそれぞれの横隔壁によって、本体の縦方向に互いに分離されている。各シールインサートセットは、前述した任意の特徴の一部または全部を有していてもよい。このコックの種類は、ダブルバルブやトリプルバルブのような多段バルブに役立つ。横隔壁は、各シールインサートセットのシーリング機能を分離することができ、それによって、各セットや各ステージのための異なる形状や異なる位置構成が可能となるだけでなく、コックの部分的な取り換えやメンテナンスも可能となる。コック本体自体は、複数の組み立てられたコック部材を備えていてもよく、各コック部材は、対応するシールインサートセットに関連されている。
【0026】
別の様態において、本開示は、また、前述したようなコックを備えるバルブ、特に三方弁に関する。
【0027】
さらに別の様態では、本開示は、
一次流体入口、並びに、第1の二次流体出口及び第2の二次流体出口と、
一次流体出口、並びに、第1の二次流体入口及び第2の二次流体入口と、
前述したコックと、
を備える切換バルブに関連し、横隔壁には、一次流体入口、第1の二次流体出口、及び第2の二次流体出口を、一次流体出口、第1の二次流体入口、及び第2の二次流体入口から隔離するために、シーリング部材が設けられ、コックは、本体の位置に応じて、一次流体入口から第1の二次流体出口及び/又は第2の二次流体出口までの流体の通過が可変的に可能となるように構成され、且つ、本体の位置に応じて、第1の二次流体入口及び/又は第2に二次流体入口から一次流体出口までの流体の通過が可変的に可能となるように構成されている。切換バルブは、前述ようにダブルバルブ(または2段バルブ)の一例であり、第1段部は、一次流体入口、第1の二次流体出口及び第2の二次流体出口を備え、第2段部は、一次流体出口、第1の二次流体入口及び第2の二次流体入口を備える。
【図面の簡単な説明】
【0028】
発明及びその利点は、非限定的な例として与えられる本発明の実施形態についての、以下の詳細な説明を読むことにより、より理解される。本説明は、添付の図面を参照する。
【
図5】第1実施形態のコックを備える切換弁の分解斜視図
【
図6A】
図6Aは、それぞれ
図5のVI面に沿った斜視断面図であり、コックの位置に応じた切換バルブ内の流体の流れを示す。
【
図6B】
図6Bは、
図5のVI面に沿った斜視断面図であり、コックの位置に応じた切換バルブ内の流体の流れを示す。
【
図6C】
図6Cは、
図5のVI面に沿った斜視断面図であり、コックの位置に応じた切換バルブ内の流体の流れを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
第1実施形態におけるコック100は、
図1、
図2A及び
図2Bに関連して説明される。コック100は、詳細に後述される流体の通過のための少なくとも1つの開口部を有するバルブで使用されてもよい。本実施形態では、コック100は、2段バルブに適合されており、第1段部分102及び第2段部分103を備える。第1段部分102及び第2段部分103は、この場合、コック100の縦方向または軸方向Xに沿って積まれている。
図1にみられるように、本実施形態においては、第1段部分102及び第2段部分103は、類似しており、そのため、第1段部分102についてのみ説明される。第2段部分103は、第1段部分102の特徴を全く有さないか、もしくは一部又は全部を有していてもよい。加えて、1段のみ又は2段以上を備えるコックも考えられる。シーリング部材104,105は、ここではOリングの形態であり、段部分を互いに隔てるために設けられてもよい。
【0030】
コック100は、弁座に移動可能に取り付けられるように構成される本体110を備える。ここで、本体110は、一般に縦方向Xに沿って延在し、その縦方向軸線Xの周りを回転可能となるように弁座に取り付けられるようになっている。コック100は、本体110の回転を制御するため、本体110と一体的に、又はそれに固定される別部品として設けられるキー112を備えてもよい。本実施形態では、キー112は、縦方向で、本体110の一端に設けられている。
【0031】
本体110は、縦方向Xに沿う縦壁114を備える。他の実施形態に関連するが、その点では類似している
図3及び
図4において、より明確にみられるように、縦壁114は、本体110の回転軸Xに対してオフセットしている。縦壁114は、ここでは縦壁114の両端にある横隔壁116によって画定されてもよい。横隔壁116は、半径方向に、すなわち縦軸Xに対して垂直に延在していてもよい。前述のシーリング部材104、105は、横隔壁116上に、又はその端部に設けられていてもよい。
【0032】
このようにして、本体110の各段は、縦壁114の一側に流体のための通路(ここでは、縦軸Xに近い縦壁114の側部)を画定し、縦壁114の他側に、シールインサートセット120を取り付けるためのハウジングを画定する。本実施形態では、シールインサートセット120の取り付けは、本体110の貫通孔118に係合してシールインサートセット120の対応する手段(例えば、ねじ孔124等)に固定される固定手段(例えば、ねじ122等)によって達成される。ここでは、貫通孔118は、実質的に、半径方向に縦壁114を貫通して延びている。
図1、
図2A及び2Bにおいて、各段で3つの貫通孔118、ねじ122及びねじ孔124が表されているが、異なる数が当業者によって選択されてもよい。固定手段は、縦軸に沿って規則的に配置されていても、不規則的に配置されていてもよく、整列されていても、整列されていなくてもよい。分解可能又は分解不可能な他の固定手段も可能である。
【0033】
シールインサートセット120は、シール130及びインサート140を備える。シール130は、エラストマーシール又は弾性シールであってもよい。例えば、シール130は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、フルオロエラストマー(例えば、FKMやFPMのようなフルオロカーボンベースのもの)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴムなどのうち、少なくとも1つでできていてもよい。シール130の硬度は、ショアA硬度60から90までの範囲であってもよい。しかしながら、適用先によっては、シール130に他の素材を考慮してもよい。
【0034】
シール130は、本体110、特に、縦壁114の一側に画定されたハウジングに固定されるように構成されている。したがって、本体110が回転すると、シール130は、バルブの開口部を部分的又は全体的に、可変的に開閉する。
【0035】
シール130と本体110との間の確実な固定を提供するために、インサート140は、シール130と本体110との間に嵌め込まれるように設けられている。すなわち、シール130は、インサート140を介して本体110に固定される。インサート140を取り外すと、シール130と本体110とを、互いに独立した状態とさせる。
【0036】
この場合、インサート140は、例えばスチール等の金属からできている。しかしながら、プラスチックのような他の材料も考えられる。本実施形態では、シール130は、インサート140上にオーバーモールドされている。この場合、インサート140は、そのシール130のオーバーモールドに耐える素材を含むか、又はその材料で作られるべきである。当然、シール130をインサート140に組み付けるための他の技術も含み、シール130とインサート140とに異なる要件が含まれてもよい。
【0037】
シール130とインサート140との間の接着を向上させるために、シール130と接触するインサート140の表面には、シール130とインサート140とを組み合わせる前に、サンドブラスト加工や他の粗面化(例えば、ローレット加工)がされてもよい。より一般的には、インサート140は、例えば本体110と接触する表面等のその他の表面に比べて、シール130と接触する表面がより粗い表面を有していてもよい。
【0038】
さらに、シール130がインサート140から離れることを防ぐために、インサート140は、アンダーカット142を有していてもよい。例えば、
図2Aに示されるように、インサート140は、台形断面を有していてもよく、その傾斜した側面は、シール130と接触してもよく、台形断面の小さい底辺は、台形断面の大きい底辺よりも本体110に近い。シール130が、インサート140上にオーバーモールドされると、シールの素材が、アンダーカット142の形状に適合し、それによって、インサート140が保持されるシール130の対応するアンダーカット132が形成される。
【0039】
したがって、本実施形態では、アンダーカット142は、インサート140が嵌め込まれるシール130のキャビティの負の抜き勾配Aを備える。例えば、抜き勾配Aは、2°から15°の範囲であってもよい。他の形態のアンダーカットも可能である。
【0040】
図2Bは、
図2Aとは対照的に、横平面(すなわち、縦軸Xに直交する平面に沿った)に沿ったインサート140の断面は、矩形であってもよく、又はより一般的には、アンダーカットがなくてもよいことを示している。変形例として、アンダーカットありとアンダーカットなしの辺が入れ換えられること、又は、シール130からのインサート140の分離を、すべての辺もしくは一部の辺のみに制限するためのアンダーカットをインサート140が有することが考えられる。
【0041】
ねじ孔124は、インサート140に設けられ、インサート140は、一般にシール130よりも硬い材料で作られている。そのため、インサート140は、シール130の本体110へのより確実な固定を提供する。さらに、ねじ122により、且つ、他の固定手段が同様の機能を提供してもよい、インサート140は、本体110に取り外し可能に取り付けられている。リベットまたは同様のものが固定手段として用いられてもよいが、それらは、インサート140の取り外されることを妨げることになる。本実施形態では、ねじ孔は、インサート140における半径方向に延びるブラインド孔であるが、必要なねじの長さに応じて、貫通孔であってもよく、及び/又は、任意の適切な方向に延びていてもよい。
【0042】
以上より、シール130は、インサート140に組み付けられ、インサート140は、本体110に固定される。
【0043】
図2Bに示すように、本実施形態では、シール130は、インサート140を超えて、本体110に向かって延在している。特に、シール130は、本体110に直接接する突出部分136を備えていてもよい。突出部分136は、シール-インサート間において本体110に最も近いインサート140の端部から本体110に最も近いシール130の端部までで測定される取付方向(ここでは横方向)にゼロではない厚さeを有する。厚さeは、0.1mmから2mmの範囲、好ましくは0.2mmから1mmの範囲であってもよい。突出部分136が突出しているので、インサート140が本体110に取り付けられるとき、突出部分136は、本体110とシール130の残り部分との間で圧縮される。ねじ122または同様のものの締め付けに応じて、突出部分136は、多かれ少なかれシール130の残り部分と縦壁114との間で挟まれてもよく、したがって、圧縮荷重がかかる。
【0044】
同様の圧縮は、シール130の突出部分136がないが、本体110の突出部分、例えば、静止時に利用可能な距離以上のシール130に向かう突出部分があれば、得られることができる。したがって、本体110の突出部分は、同様の方法においてシールを圧縮下に置くことになる。しかしながら、この変形例は、本体110の製造をより複雑に、結果として、費用をより高くさせる可能性がある。
【0045】
いずれの場合も、別の実施形態に関連するがその点で類似する
図4に示すように、インサート140の全表面が、シール130又は本体110のいずれか一方に対して露出しているため、インサート140は、流体に対して露出した表面を有しない。具体的には、インサート140の半径方向外側の表面と横方向の表面は、シール130に対して露出しており、一方で、インサート140の半径方向内側の表面は、本体110に対して露出している。他の配置も可能である。
【0046】
加えて、
図1に表されるように、インサート140を本体110に固定するための手段、つまり、ねじ122は、本体110に対して、シール130とは反対側からアクセス可能である。具体的には、ねじ122は、シール130の反対側の縦壁114側からアクセス可能である。このようにして、シール130は、インサート140とねじ122よりも、半径方向で、より外側にある。それゆえ、インサート140も、シール130と本体110との間の固定手段のどちらも、コック100のシーリング機能に妨げないようになっている。
【0047】
図3及び
図4は、他の実施形態におけるコックを示している。これらの図では、第1実施形態に対応する又は同一の要素については、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
第2実施形態におけるコック100は、
図3及び
図4を参照して説明される。コック100は、1段コックであるが、本体110は、他の同様の本体を組み立てるための少なくとも1つのボルト106のような組付手段を備えてもよく、その結果多段コックを得ることができる。しかしながら、第1実施形態に関連して示したように、多段コックの本体は、また一体部品として製造されてもよい。ボルト106は、それぞれの本体の隣接する横隔壁116の各孔を通って延在していてもよい。
【0049】
シール130を本体110に固定するために、シール130は、まず初めに、インサート140に、例えばオーバーモールド等により組み付けられる。次に、シールインサートセット120は、ハウジング内に、つまり、縦壁114に沿って、且つ横隔壁116の間に配置される。ねじ122は、シールインサートセット120の反対の縦壁114側から、本体110の貫通孔118及びねじ孔124にねじ止めされる。本実施形態において留意すべきは、本体110の貫通孔118は、ねじ122がバルブ内の流体の流れを妨げないようにするために、縦壁114を超えて、突出しないようにするために、ねじの頭部を収容するように構成されている。
【0050】
ねじ122の代わりとして、または、ねじ122に加えて、シールする開口部に対して(すなわち、本体110から離れるように)シール130を偏らせるために、シールインサートセット120と本体110との間に、少なくとも1つのばねを設けてもよい。例えば、ばねは、本体110とインサート140との間の隙間において、ねじ122の周囲に配置された1つまたは複数のばね座金を備えてもよい。
【0051】
そのうえ、
図4に示されるように、そして、おそらくこれまでの実施形態に暗に存在するように、縦壁114のハウジング側は、ハウジングの所望の形状を画定するように(例えば、機械加工等で)形作られてもよい。例えば、縦壁114は、断面がU字状(
図4のU字部分を参照)を有していてもよく、及び/又は、ここでは、接線方向に、例えば、縦軸X周りの本体の回転運動に対して、シールインサートセット120の位置を固定するように構成される突起部を有していてもよい。
【0052】
コック100は、
図5に示されるように、バルブ内で用いられてもよい。
図5は、少なくとも1つの開口部、つまり切換バルブとして知られる2つの三方弁を有するバルブ80を示す。切換バルブ80は、2つの段部82,83を有し、各段は、三方弁として設けられている。つまり、第1段部について、切換バルブ80は、一次流体入口82Iと、第1の二次流体出口82A(
図6Aを参照)と、第2の二次流体出口82Bとを備える。第2段部83に関して、切換バルブ80は、一次流体出口83Oと、第1の二次流体入口83Aと、第2の二次流体入口83Bとを備える。すなわち、切換バルブの流体開口部は、一次セット(一次流体入口82Iと出口82O)と、第1の二次セット又はAセット(第1の二次流体入口83Aと出口82A)と、第2の二次セット又はBセット(第2の二次流体入口83Bと82B)とで構成されている。
【0053】
切換バルブ80は、さらに、第1実施形態に係るコック100を含むが、第2実施形態やその他の実施形態のようなコックの実施形態を代わりに用いることもできる。
【0054】
コック100は、当業者に知られる方法で、切換バルブ80に回転可能に取り付けられる。コックキー112は、バルブ本体のストッパー84に対して隣接し得る突出部113が設けられており、それによって、弁座内で、コックの回転範囲を規定する。
図1に示されるように、キー112上、ここでは突出部113上に、コック100がどの位置にあるかをバルブ本体上のA,A-B,Bなどのマーキングとの関係で示すためのインジケータ(例えば、矢印等)が設けられてもよい。コック100は、中間位置に留まるように構成され、それによって、入口又は出口の部分的な開閉を提供されてもよい。
【0055】
切換バルブ80の使用法が
図6A,6B及び6Cに示されており、バルブ80の第1段部内の流体の流れを示している。
図6Aにおいて、コック100は、Aセットの開口部が開いており、Bセットの開口部が閉じていることを意味するAの位置にある。この図で見られるように、シール130は、例えば、シーリングリップ138を介して、第2の二次流体出口82Bを密閉している。
【0056】
特に、前述したように、シール130は、例えば、第2の二次流体出口82B及び第1の二次流体出口82A等のバルブの開口部を囲むように構成される突出シーリングリップ138を備えてもよい。シーリングリップ138は、圧縮能力を高めるために、開口部(例えば、インサート140から離れる方向)に向かって、テーパー形状であってもよい。
図2A,
図2B及び
図6Aに示されるように、シーリングリップ138の変形を支えるためにシーリングリップ138とシール130の残り部分との間の滑らかな遷移が提供されてもよい。上記の利点に加えて、面取りは、コックの弁座に対して正しく位置決めするために役立つ。
【0057】
1つのシーリングリップ138が示されているが、連続的に開口部を囲み、及び/又は様々な開口部の大きさと形状とに適合される複数のシーリングリップが設けられてもよい。さらに、シーリングリップ138をバルブ本体に対してより正確に偏らせるために、プレストレス要素(例えば、V字型バネ等)をシール130、例えばシーリングリップ138の下方に埋め込んでもよい。
【0058】
図6Aの拡大部分にみられるように、第2の二次流体出口82Bに導く弁座の開口部82B1は、シーリングリップ138の開閉経路P(すなわち、第2の二次流体出口82Bを開放及び/又は閉鎖するためにコック100を作動させたときのシーリングリップ138の経路)に対して凹んでいてもよい。これにより、シーリングリップ138が鋭利な角によって損傷を受けることを回避し、その代わりに、シーリングリップ138の開閉経路Pと開口部82B1との間の遷移部分84が設けられ、遷移部分は、シーリングリップ138が遷移部分84に沿って移動されるときに、シーリングリップ138を徐々に圧縮するように構成される。遷移部分84は、シーリングリップ138の開閉経路Pと開口部82B1との間の中間的な向きを有していてもよい。
【0059】
これらの特徴の一部又は全部が、シーリングリップ138がある動作条件において、隔離するようになっている開口部のいくつか又は全部に適用されてもよい。
【0060】
図6Aの位置Aにおいて、流体は、一次入口82Iから第1の二次流体出口82Aに流れ、第1の二次入口83Aから一次出口83Oに流れてもよい。この構成において、切換バルブ80は、流路からの流体をバルブのA側に取り付けられているメインフィルターに導いてもよい。流路を流れる流体の処理を妨げることなくメインフィルターのメンテナンスが要求され得る。この目的のために、コック100は、
図6Bに示される位置A-Bを通って
図6Cに示される位置Bまで、回転され得る。この方法では、Aセットの開口部に接続されるメインフィルターから補助フィルターが接続され得るBセットの開口部に流体の流れを徐々に且つ途切れさせることなく迂回させることができる。コック100は、第1の二次流体出口82Aと第1の二次流体入口83Aとを密閉しているので、メインフィルターを切換バルブ80から取り外すことができる。一旦、メインフィルターをメンテナンスし、取り付けなおすと、逆の動作によって、流体をメインフィルターに戻して流れさせ、あるいは、補助フィルターをメンテナンスすることができる。
【0061】
留意すべきは、第1段部82は、流体をフィルターにかけるために用いられ、第2段部83は、フィルターにかけた流体のために用いられるので、2つの段部間の適切なシーリングが有利な点である。この点に関しては、Oリングの104,105のようなシーリング部材が役に立つ。より一般的には、第1段部82と第2段部83とは、互いにシールされ、それらはコックの観点からもバルブ本体の観点からも、異なった設計と取り扱いが可能である。
【0062】
さらに、フィルターにかけられていない流体と接触するシールは、フィルターをかけた流体と接触するシールよりも早く消耗する。この点に関して、上記の説明の通り、それぞれのシールは、互いに独立して取り換えることができる点で有利である。
【0063】
切換バルブ80は、流体の流れの異なるもの、及び/又は他の用途に用いることができる。前述したように、異なる実施形態及びその変形例に係るコック100は、異なるタイプのバルブと共に用いてもよい。
【0064】
本発明は、特定の例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、特許請求の範囲によって定義される本発明の一般的な範囲から逸脱することなく、これらの実施例に変更を加えることができる。たとえば、図示の実施形態において、コックは回転するものとして説明されているが、当業者は、コックが摺動可能に取り付けられバルブにおいても同様の利点を得られることを認めるだろうし、そのような実施形態も含まれる。加えて、いくつかの材料について説明したが、意図された用途の要求に応じて、他の材料も想定され得る。より一般的には、異なる図示や記載された実施形態の個々の特徴は、追加の実施形態において組み合わされてもよい。したがって、本明細書および図面は、制限的な意味よりも例示的な意味で考慮されるべきである。
【符号の説明】
【0065】
80 バルブ
82 第1段部
82A 第1の二次流体出口
82B 第2の二次流体出口
82B1 開口部
82I 一次流体入口
83 第2段部
83A 第1の二次流体入口
83B 第2の二次流体入口
83O 一次流体出口
100 コック
102 第1段部分
103 第2段部分
104 シーリング部材
105 シーリング部材
106 ボルト
110 本体
112 キー
113 突出部
114 縦壁
116 横隔壁
118 貫通孔
120 シールインサートセット
122 ねじ
124 ねじ孔
130 シール
132 アンダーカット
136 突出部分
138 シーリングリップ
140 インサート
142 アンダーカット
X 縦方向
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の通過のための少なくとも1つの開口部を有するバルブ(80)用コック(100)であって、
前記コックは、
前記バルブ(80)の弁座に移動可能に取り付けられるように構成される本体(110)と、
前記本体(110)に固定され、且つ、前記弁座内のコックの位置に応じて前記開口部を可変的に開閉するように構成された少なくとも1つのシール(130)と、
を備え、
前記シール(130)は、前記シール(130)と前記本体(110)との間に嵌め込まれるインサート(140)によって、前記本体(110)に固定されている、コック(100)。
【請求項2】
前記シール(130)は、前記インサート(140)に組み付けられ、
前記インサート(140)は、前記本体(110)に固定される、
請求項1に記載のコック(100)。
【請求項3】
前記インサート(140)は、前記本体(110)に、取り外し可能に取り付けられている、請求項1又は2に記載のコック(100)。
【請求項4】
前記インサート(140)を前記本体(110)に固定するための手段は、前記本体(110)に対して、前記シール(130)とは反対側からアクセス可能である、請求項1
又は2に記載のコック(100)。
【請求項5】
前記インサート(140)は、前記シール(130)からの前記インサート(140)の分離を制限するためのアンダーカット(142)を有する、請求項1
又は2に記載のコック(100)。
【請求項6】
前記アンダーカット(142)は、前記インサート(140)が嵌め込まれる前記シール(130)のキャビティの負の抜き勾配(A)を備える、請求項5に記載のコック(100)。
【請求項7】
前記インサート(140)は、少なくとも1つのねじ孔(124)を備える、請求項1
又は2に記載のコック(100)。
【請求項8】
前記インサート(140)は、圧縮荷重下で、前記シール(130)の少なくとも一部分(136)を保持する、請求項1
又は2に記載のコック(100)。
【請求項9】
前記本体(110)は、縦方向に沿って延在し、且つ縦壁(114)を備え、
前記シール(130)と前記インサート(140)とは、前記縦壁(114)の一側に取り付けられ、前記縦壁(114)の他側は、流体の流路を画定する、請求項1
又は2に記載のコック(100)。
【請求項10】
前記縦壁(114)は、前記本体(110)の回転軸(X)に対して、オフセットしている、請求項9に記載のコック(100)。
【請求項11】
前記インサート(140)の全表面は、前記シール(130)又は前記本体(110)のいずれか一方に対して露出している、請求項1
又は2に記載のコック(100)。
【請求項12】
前記シール(130)は、前記バルブの前記開口部を囲むように構成される突出シーリングリップ(138)を備える、請求項1
又は2に記載のコック(100)。
【請求項13】
前記コック(100)は、
複数の前記シール(130)と、
複数の前記インサート(140)と、
を備え、
前記複数のシール(130)の各々が、前記複数のインサート(140)のうちの対応する1つに組み付けられてシールインサートセット(120)を形成し、
前記シールインサートセット(120)は、前記本体のそれぞれの横隔壁(116)によって、前記本体(110)の縦方向に互いに分離されている、請求項1
又は2に記載のコック(100)。
【請求項14】
請求項1
又は2に記載の前記コック(100)を備えるバルブ(80)であって、特に三方弁である、バルブ(80)。
【請求項15】
一次流体入口(82I)、並びに、第1の二次流体出口(82A)及び第2の二次流体出口(82B)と、
一次流体出口(83O)、並びに、第1の二次流体入口(83A)及び第2の二次流体入口(83B)と、
請求項13に記載のコック(100)と、
を備える切換バルブ(80)であって、
前記横隔壁(116)には、前記一次流体入口(82I)、前記第1の二次流体出口(82A)、及び前記第2の二次流体出口(82B)を、前記一次流体出口(83O)、前記第1の二次流体入口(83A)、及び前記第2の二次流体入口(83B)から隔離するために、シーリング部材(104,105)が設けられ、
前記コック(100)は、前記本体(110)の位置に応じて、前記一次流体入口(82I)から前記第1の二次流体出口(82A)及び/又は前記第2の二次流体出口(82B)までの流体の通過が可変的に可能となるように構成され、且つ、前記本体(110)の位置に応じて、前記第1の二次流体入口(83A)又は前記第2の二次流体入口(83B)から前記一次流体出口(83O)までの流体の通過が可変的に可能となるように構成されている、バルブ(80)。
【国際調査報告】