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特表2024-519103植物性チーズ製品及び植物性チーズ製品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】植物性チーズ製品及び植物性チーズ製品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23C 20/02 20210101AFI20240426BHJP
   A23L 11/00 20210101ALI20240426BHJP
   A23J 3/14 20060101ALI20240426BHJP
   A23J 3/00 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
A23C20/02
A23L11/00 F
A23L11/00 A
A23J3/14
A23J3/00 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572010
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 US2022027051
(87)【国際公開番号】W WO2022245524
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/191,795
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514062242
【氏名又は名称】クラフト・フーズ・グループ・ブランズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225060
【弁理士】
【氏名又は名称】屋代 直樹
(72)【発明者】
【氏名】トレイシー ジョエラ サンボーン
(72)【発明者】
【氏名】メアリー シー ドイル
(72)【発明者】
【氏名】レイシー アン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】アレクシス マリー ファイ
(72)【発明者】
【氏名】サミー ダルワン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー エドワード マクファーソン
【テーマコード(参考)】
4B020
【Fターム(参考)】
4B020LB27
4B020LG04
4B020LG09
4B020LK01
4B020LK05
4B020LP03
4B020LP15
4B020LP30
(57)【要約】
植物性チーズ製品が提供される。植物性チーズ製品は、乳製品ベースのチーズに類似した外観、冷たい食感、及び溶ける特性を備えている。チーズ製品は、植物性タンパク質、少なくとも第1のデンプン及び第2のデンプン、脂肪成分、並びに酸味料を含む。第1のデンプンは疎水性デンプンを含む。第2のデンプンは変性デンプンを含む。脂肪成分は、50°Fで30%~約60%、及び92°Fで0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する。柔軟性向上剤も含まれてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性チーズ製品であって、
植物性タンパク質と、
少なくとも第1のデンプン及び第2のデンプンであって、前記第1のデンプンは疎水性デンプンを含み、前記第2のデンプンは変性デンプンを含む、少なくとも第1のデンプン及び第2のデンプンと、
柔軟性向上剤と、
50°Fで30%~約60%、及び92°Fで0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する脂肪成分と、
前記植物性チーズ製品のpHが約4.5~約5.7であるのに有効な量の酸味料と、
を含む、植物性チーズ製品。
【請求項2】
前記植物性タンパク質は、前記植物性チーズ製品の総重量に対して、粗タンパク質約1重量%~約25重量%の範囲内の量で存在する、請求項1に記載の植物性チーズ製品。
【請求項3】
前記植物性タンパク質は、前記植物性チーズ製品の総重量に対して、粗タンパク質約2重量%~約20重量%の範囲内の量で存在する、請求項1に記載の植物性チーズ製品。
【請求項4】
前記植物性タンパク質は、前記植物性チーズ製品の総重量に対して、粗タンパク質約4重量%~約15重量%の範囲内の量で存在する、請求項1に記載の植物性チーズ製品。
【請求項5】
前記植物性タンパク質は、前記植物性チーズ製品の総重量に対して、粗タンパク質約4重量%~約10重量%の範囲内の量で存在する、請求項1に記載の植物性チーズ製品。
【請求項6】
前記第1のデンプンは、前記植物性チーズ製品の総重量に対して、約0.5重量%~約15重量%の範囲内の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項7】
前記第2のデンプンは、前記植物性チーズ製品の総重量に対して、約0.5重量%~約10重量%の範囲内の量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項8】
前記脂肪成分は、前記植物性チーズ製品の総重量に対して、約15重量%~約30重量%の範囲内の量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項9】
前記酸味料は乳酸を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項10】
前記植物性チーズ製品は、約45重量%~約65重量%の範囲内の総固形分含量を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項11】
前記植物性チーズ製品は、約50重量%~約60重量%の範囲内の総固形分含量を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項12】
前記植物性チーズ製品は、約50重量%~約57重量%の範囲内の総固形分含量を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項13】
前記植物性タンパク質は、ひよこ豆タンパク質を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項14】
前記植物性タンパク質は、ひよこ豆タンパク質、ソラマメタンパク質、大豆タンパク質、緑豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、キャノーラタンパク質、及びレンズ豆タンパク質のうちの1つ以上を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項15】
前記脂肪成分はココナッツオイルを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項16】
前記脂肪成分は、ココナッツオイル、パームオイル、パームオイル画分、シアバター、及びシアオレインのうちの1つ以上を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項17】
前記脂肪成分は、大豆油、ひまわり油、オリーブオイル、キャノーラオイル、ピーナッツオイル、ゴマ油、及びコーン油のうちの1つ以上をさらに含む、請求項16に記載の植物性チーズ製品。
【請求項18】
塩、抗菌剤、着色剤、及び香味料のうちの1つ以上をさらに含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項19】
前記植物性チーズ製品は乳タンパク質フリーである、請求項1~18のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項20】
前記植物性タンパク質の平均粒子径は、約15ミクロン未満である、請求項1~19のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項21】
前記植物性チーズ製品は、チーズブロック、ダイスチーズ、またはシュレッドチーズの形態である、請求項1~20のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項22】
植物性チーズ製品を製造する方法であって、
50°Fで30%~約60%、及び92°Fで0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する脂肪成分を溶融することと、
水を前記溶融した脂肪成分に添加して第1の混合物を形成することと、
植物性タンパク質、柔軟性向上剤、疎水性デンプン、及び変性デンプンを前記第1の混合物に添加し、混合して第2の混合物を形成することと、
前記第2の混合物を約160°F~約215°Fの範囲内の温度に加熱することと、
前記混合物を前記加熱温度で約30秒~約90秒の範囲内の加熱時間保持して、加熱した混合物を形成することと、
前記加熱した混合物を冷却して前記植物性チーズ製品を形成することと、
を含む、植物性チーズ製品を製造する方法。
【請求項23】
植物性チーズ製品を製造する方法であって、
50°Fで30%~約60%、及び92°Fで0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する脂肪成分を溶融することと、
変性デンプン及び疎水性デンプンを前記溶融した脂肪成分に添加して第1の混合物を形成することと、
水、柔軟性向上剤、及び植物性タンパク質を前記第1の混合物に添加し、混合して第2の混合物を形成することと、
前記第2の混合物を約160°F~約215°Fの範囲内の温度に加熱することと、
前記混合物を前記加熱温度で約30秒~約90秒の範囲内の加熱時間保持して、加熱した混合物を形成することと、
前記加熱した混合物を冷却して前記植物性チーズ製品を形成することと、
を含む、植物性チーズ製品を製造する方法。
【請求項24】
前記冷却ステップの前に、前記加熱した混合物を容器に充填することをさらに含む、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
酸味料を前記第1の混合物または前記第2の混合物に添加することをさらに含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
塩及び抗菌剤のうちの1つ以上を添加することをさらに含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
着色剤及び香味料のうちの1つ以上を添加することをさらに含む、請求項22~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記酸味料は、前記植物性チーズ製品のpHが約4.8~約5.0の範囲であるのに有効な量で添加される、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記混合は、約500rpm~約2500rpmの範囲内の混合速度で、約2分~約15分の範囲内の混合時間で達成される、請求項22~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記植物性タンパク質はひよこ豆タンパク質を含む、請求項22~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記脂肪成分はココナッツオイルを含む、請求項22~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記酸味料は乳酸を含む、請求項25~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
植物性チーズ製品を製造する方法であって、
脂肪成分を水、植物性タンパク質、及び少なくとも2つのデンプンと組み合わせて、組み合わせ物を形成することであって、前記第1のデンプンは疎水性デンプンであり、前記第2のデンプンは変性デンプンであり、また前記脂肪成分は、50°Fで30%~約60%、及び92°Fで0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する、組み合わせることと、
前記組み合わせ物を均質な混合物とするために十分なせん断速度で混合することと、
前記組み合わせ物を約160°F~約215°Fの範囲内の温度で加熱することと、
を含む、植物性チーズ製品を製造する方法。
【請求項34】
前記植物性タンパク質はひよこ豆タンパク質を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記脂肪成分はココナッツオイルを含む、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記柔軟性向上剤は、インスタントデンプン、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、セルロースガム、フェヌグリークガム、コンニャクガム、寒天、ジェランガム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸塩、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、コンニャクグルコマンナン、カラギーナン、及びペクチンのうちの1つ以上を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項37】
前記柔軟性向上剤は、前記植物性チーズ製品の総重量に対して、約0.1重量%~約20重量%の範囲内の量で存在する、請求項1~21または36のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項38】
前記柔軟性向上剤は、インスタントデンプン、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、セルロースガム、フェヌグリークガム、コンニャクガム、寒天、ジェランガム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸塩、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、コンニャクグルコマンナン、カラギーナン、及びペクチンのうちの1つ以上を含む、請求項22~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記柔軟性向上剤は、前記植物性チーズ製品の総重量に対して、約0.1重量%~約20重量%の範囲内の量で存在する、請求項22~32または38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
植物性チーズ製品であって、
非動物由来のタンパク質と、
少なくとも第1のデンプン及び第2のデンプンであって、前記第1のデンプンは疎水性デンプンを含み、前記第2のデンプンは変性デンプンを含む、少なくとも第1のデンプン及び第2のデンプンと、
50°Fで30%~約60%、及び92°Fで約0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する脂肪成分と、
前記製品のpHが約4.5~約5.7であるのに有効な量の酸味料と、
を含む、植物性チーズ製品。
【請求項41】
前記タンパク質は、前記製品の総重量に対して、粗タンパク質約1重量%~約25重量%の範囲内の量で存在する、請求項40に記載の植物性チーズ製品。
【請求項42】
前記第1のデンプンは、前記製品の総重量に対して、約0.5重量%~約15重量%の範囲内の量で存在する、請求項40または41に記載の植物性チーズ製品。
【請求項43】
前記第2のデンプンは、前記製品の総重量に対して、約0.5重量%~約10重量%の範囲内の量で存在する、請求項40~42のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項44】
前記脂肪成分は、前記製品の総重量に対して、約15重量%~約30重量%の範囲内の量で存在する、請求項40~43のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項45】
前記製品は、約45重量%~約65重量%の範囲内の総固形分含量を有する、請求項40~44のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項46】
前記タンパク質は、発酵タンパク質、真菌タンパク質、ひよこ豆タンパク質、ソラマメタンパク質、大豆タンパク質、緑豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、キャノーラタンパク質、及びレンズ豆タンパク質のうちの1つ以上を含む、請求項40~45のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項47】
前記脂肪成分は、ココナッツオイル、パームオイル、パームオイル画分、シアバター、及びシアオレインのうちの1つ以上を含む、請求項40~46のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項48】
前記脂肪成分は、大豆油、ひまわり油、オリーブオイル、キャノーラオイル、ピーナッツオイル、ゴマ油、及びコーン油のうちの1つ以上をさらに含む、請求項47に記載の植物性チーズ製品。
【請求項49】
前記タンパク質の平均粒子径は、約15ミクロン未満である、請求項40~48のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項50】
柔軟性向上剤をさらに含む、請求項40~49のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項51】
前記柔軟性向上剤は、インスタントデンプン、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、セルロースガム、フェヌグリークガム、コンニャクガム、寒天、ジェランガム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸塩、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、コンニャクグルコマンナン、カラギーナン、及びペクチンのうちの1つ以上を含む、請求項50に記載の植物性チーズ製品。
【請求項52】
前記柔軟性向上剤は、前記製品の総重量に対して、約0.1重量%~約20重量%の範囲内の量で存在する、請求項52または53に記載の植物性チーズ製品。
【請求項53】
前記第1のデンプンは、オクテニルコハク酸無水物デンプンを含む、請求項40~52のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項54】
前記第2のデンプンは、変性ワキシースターチ及び加水分解されたアミロース含有デンプンのうちの1つ以上を含む、請求項40~53のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項55】
前記第1のデンプンは、オクテニルコハク酸無水物デンプンを含む、請求項1~21または36~37のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項56】
前記第2のデンプンは、変性ワキシースターチ及び加水分解されたアミロース含有デンプンのうちの1つ以上を含む、請求項1~21、36~37または55のいずれか一項に記載の植物性チーズ製品。
【請求項57】
前記疎水性デンプンは、オクテニルコハク酸無水物デンプンを含む、請求項22~32、または38~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記変性デンプンは、変性ワキシースターチ及び加水分解されたアミロース含有デンプンのうちの1つ以上を含む、請求項22~32、38~39または57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記第1のデンプンは、オクテニルコハク酸無水物デンプンを含む、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記第2のデンプンは、変性ワキシースターチ及び加水分解されたアミロース含有デンプンのうちの1つ以上を含む、請求項33~35または59のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に植物性チーズ製品に関する。
【背景技術】
【0002】
市販の植物性チーズ製品の中には、冷蔵温度で乳製品ベースのチーズ製品の色及び食感を再現できるものもある。しかしながら、これら典型的な植物性チーズ製品は、調理温度における溶融特性を含む、乳製品ベースのチーズに期待される他の機能的特性を有さないことが頻繁にある。実際、植物性チーズ製品の中には、グリルチーズまたはピザなどの食品を作る場合など、高温で均一に溶けないものもある。例えば、現在入手可能なシュレッド形態の植物性チーズ製品は、調理温度にさらされた後でもシュレッドな外観を維持することが多い。これら植物性チーズ製品は、乳製品ベースのチーズを再現する調理及び食事体験を期待する消費者にはあまり受け入れられない。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】溶けた植物性チーズ製品を例とした、グリルチーズタイプの製品のオリジナルカラー写真の白黒複製版の図である。
図2】別の溶けた植物性チーズ製品を例とした、別のグリルチーズタイプの製品のオリジナルカラー写真の白黒複製版の図である。
【0004】
図面内の要素は、簡略化及び明確化のために図示されており、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。例えば、図中のいくつかの要素の寸法及び/または相対的な位置は、本発明のさまざまな実施形態の理解を助けるために、他の要素に対して誇張されている場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用または必要である、ありふれているがよく理解されている要素は、本発明のこれらのさまざまな実施形態をより見やすくするために描かれていないことが多い。特定のアクション及び/またはステップは、特定の発生順序で説明または図示される場合があるが、当業者であれば、順序に関するそのような特定性が実際には必要でないことを理解するであろう。本明細書で使用される用語及び表現は、本明細書において別段に特定の意味が記載されている場合を除き、上記された技術分野の当業者によってそのような用語及び表現に与えられるような通常の技術的意味を有する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書では植物性チーズ製品について説明する。本明細書の目的上、「植物性チーズ製品」という用語は、非乳由来のタンパク質を用いて調製されたチーズ類似体またはチーズ代替品を指す。植物性チーズ製品は、乳製品ベースのチーズに類似した外観、冷たい食感、及び溶融特性を有する。乳製品ベースのチーズの乳タンパク質は、乳製品ベースのチーズの冷たい食感及び熱く/溶ろける食感をもたらすネットワーク及び構造を形成する。本明細書に開示される植物性チーズ製品は乳タンパク質フリーであり得るため、従来の調理温度での溶融性及び溶融時の食感など、所望する冷たい食感及び溶融特性を生み出すために、乳タンパク質に依存することはできない。むしろ予想外なことに、乳製品ベースのチーズに対する消費者の期待と一致する特性を備えた植物性チーズ製品が、植物性タンパク質、脂肪成分、疎水性デンプン、及び変性デンプンの組み合わせを使用することによって得られ得ることが見出された。いくつかの実施形態では、乳製品ベースのチーズに対する消費者の期待と一致する特性を備えた植物性チーズ製品は、植物性タンパク質、脂肪成分、疎水性デンプン、変性デンプン、及び柔軟性向上剤の組み合わせを使用することによって得られ得る
【0006】
1つのアプローチでは、植物性チーズ製品は、植物性タンパク質;少なくとも第1及び第2のデンプンであって、第1のデンプンは疎水性デンプンを含み、第2のデンプンは変性デンプンを含む、少なくとも第1及び第2のデンプン;柔軟性向上剤;50°Fで30%~約60%、及び92°Fで約0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する脂肪成分;並びに、植物性チーズ製品のpHを約4.5~約5.7にするのに有効な量の酸味料を含む。
【0007】
本明細書に開示される植物性チーズ製品は、所望の形状に形成され得る。いくつかの例では、植物性チーズ製品は、チーズブロック、スライスチーズ、ダイスチーズ、またはシュレッドチーズの形態である。いくつかのアプローチでは、植物性チーズ製品は水中油滴型エマルジョンの形態であり得る。
【0008】
植物性チーズ製品は植物性タンパク質を含む。本明細書における簡略化及び目的のために、「植物性タンパク質」という用語には、乳製品以外及び非動物性のあらゆるタンパク質を含む。「植物性タンパク質」という用語は、たとえそれらのタンパク質が植物由来ではないとしても、真菌ベースのタンパク質または微生物による発酵を介して生成されるタンパク質も特に包含する。
【0009】
任意の適切な植物性タンパク質は、植物性チーズ製品に使用され得る。いくつかの実施形態では、植物性タンパク質は、ひよこ豆タンパク質、ソラマメタンパク質、大豆タンパク質、緑豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、キャノーラタンパク質、及びレンズ豆タンパク質のうちの1つ以上を含む。いくつかのアプローチでは、植物性タンパク質は、単離物、濃縮物、または細粉の形態であり得るが、植物性タンパク質の正確な形態は特に限定されないと考えられる。一実施形態では、植物性タンパク質はひよこ豆タンパク質を含む。いくつかの例では、真菌タンパク質はマイコタンパク質を含む。
【0010】
上述したように、植物性タンパク質は微生物由来のものであってもよい。例えば、カゼインまたはホエーなど、一般に乳製品由来のタンパク質は、微生物発酵によって得られ得る。非乳製品ベースの基質及び発酵培地を使用して微生物によって生成される場合、得られたタンパク質は、本明細書の目的においては植物性タンパク質とみなされるであろう。
【0011】
いくつかの実施形態では、植物性タンパク質は、植物性チーズ製品における唯一のタンパク源である。この点において、いくつかの実施形態では、植物性チーズ製品は、例えば、カゼイン及びホエーを含む動物性タンパク質を含まない。さらにまたは代わりに、製品はビーガンチーズ製品(すなわち、チーズ製品にはいかなる種類の動物由来の成分も含まれていない)であってもよい。
【0012】
1つのアプローチでは、植物性タンパク質は、植物性チーズ製品の総重量に対して、約1重量%~約25重量%の粗タンパク質の範囲内の量で存在する。別のアプローチでは、植物性タンパク質は、植物性チーズ製品の総重量に対して、約2重量%~約20重量%、約2重量%~約15重量%、約4重量%~約15重量%、または4重量%~約10重量%の粗タンパク質の範囲内の量で存在する。植物性タンパク質原料中の粗タンパク質の量は、原料の形態(例えば、原料が単離物、濃縮物、または細粉のいずれの形態であるか)に依存し得る。したがって、本明細書の目的において、植物性タンパク質は、粗タンパク質含量、すなわち、植物性タンパク質を送達する原料によって寄与されるタンパク質の量を指す。例えば、市販のARTESA(登録商標)ひよこ豆タンパク質製品は、約60%のタンパク質成分及び40%の非タンパク質成分を含む。植物性チーズ製品が約13重量%のARTESA(登録商標)ひよこ豆タンパク質製品を含む場合、該植物性チーズ製品は、本明細書における百分率の趣旨で、約8重量%の植物性タンパク質を含むことになる。
【0013】
いくつかのアプローチでは、脂肪成分内でのタンパク質の良好な分散を可能にするためには、植物性タンパク質の平均粒子径が小さいことが有利であることが判明している。例えば、約15ミクロン未満の平均粒子径を有する植物性タンパク質の使用は有益であり得る。別の態様では、約6~約15ミクロン、別の態様では約8~約11ミクロンの範囲の平均粒子径を有する植物性タンパク質の使用が有益であり得る。いくつかの例では、タンパク質の平均粒子径は、動的光散乱を使用して決定され得る。一例として、動的光散乱を使用して平均粒子径を測定するために、Zetasizer Ultra-DLS (Malvern)を使用してもよい。
【0014】
いくつかのアプローチでは、ひよこ豆タンパク質の含有、及び本明細書に記載の小さい平均粒子径により、驚くべきことに、冷蔵温度で保存しない場合に乳製品ベースのチーズ製品で発生し得る「油落ち(oiling off)」問題に大きな利点をもたらすことが判明した。油落ちとは、他の成分から油が分離することを指し、その結果、製造中、室温または加熱時に製品から油が染み出すことに繋がる。
【0015】
植物性チーズ製品は、所望の特性を達成するために、少なくとも2つのデンプンの組み合わせをさらに含む。植物性チーズ製品は、少なくとも第1のデンプン及び第2のデンプンを含む。上述したように、第1のデンプンと第2のデンプンとの組み合わせにより、植物性チーズ製品に所望の冷たい食感及び熱い/溶ろける食感を提供することができる。
【0016】
一態様では、第1のデンプンは疎水性デンプンである。疎水性デンプンは、製造プロセス中及び植物性チーズ製品中で乳化剤として機能し得る。疎水性デンプンはまた、植物性チーズ製品に水分管理をも提供し得る。
【0017】
任意の適切な疎水性デンプンを使用してもよい。いくつかの例では、疎水性デンプンはオクテニルコハク酸無水物(OSA)デンプンであってもよい。適切な疎水性デンプンの例としては、例えば、ACCUBIND(登録商標)デンプン(Cargill)またはSTA-MIST(登録商標)デンプン(Tate & Lyle)が挙げられ、これらは両方ともOSA変性デントコーンデンプンである。現在、疎水性デンプンは乳化剤として作用すると考えられている。いくつかの例では、脂肪滴サイズ分布は、ブルカー時間領域核磁気共鳴(TD-NMR)によって測定され得る。
【0018】
1つのアプローチでは、第1のデンプンは、植物性チーズ製品の総重量に対して、約0.5重量%~約15重量%、別の態様では約1重量%~約13重量%、及び別の態様では約5重量%~約15重量%の範囲内の量で存在する。
【0019】
第2のデンプンは、第1のデンプンとは異なる変性デンプンである。1つのアプローチでは、任意の適切な変性ワキシースターチを使用してもよい。いくつかの例では、変性ワキシースターチは、架橋された、置換された、または架橋及び置換の両方をなされたワキシー(非アミロース含有デンプン)スターチであってもよい。変性ワキシースターチは、製造プロセス中または消費者による加熱時のいずれかで、チーズ製品が高温にあるときに粘度及び水分を管理するために選択される。例えば、変性デンプンは、REZISTA(登録商標)デンプン(Tate & Lyle)及び/またはSHUR-FIL(登録商標)677変性デンプン(Tate & Lyle)であり得る。SHUR-FIL(登録商標)677変性デンプンは、100~150°Fなどの高温で増粘効果をもたらし得る。いくつかの例では、変性デンプンは、熱可逆性ゲルを形成するデントコーンデンプンであってもよい。
【0020】
別のアプローチでは、第2のデンプンは、加水分解されたアミロース含有デンプンから選択されてもよい。1つの例示的なアプローチでは、デンプンは酸で希釈されたデンプンであり得る。例えば、酸で希釈されたデンプンは、THINGUM(登録商標)デンプン(Tate & Lyle)であってもよい。加水分解されたアミロース含有デンプンは、植物性チーズ製品に冷却時の硬さ、低い熱粘度、及びスライスしやすさを提供するように選択される。
【0021】
少なくともいくつかの実施形態では、第1の疎水性デンプンとともに変性デンプンの組み合わせ(すなわち、変性ワキシースターチ及び加水分解されたアミロース含有デンプンの両方)が含まれることが有利であることが判明した。変性デンプンの相対量は、チーズ製品に所望の特性を提供するように選択される。第2のデンプンの組み合わせは、高温及び低温の両方で所望の物理的特性(冷却時の硬さ及び高温での所望の粘度など)を提供することができ、それによって乳製品ベースのチーズの特性をよりよく再現し、消費者の期待に応える。
【0022】
1つのアプローチでは、第2のデンプンは、植物性チーズ製品の総重量に対して、約0.5~約10重量%、別の態様では約1重量%~約5重量%の範囲内の量で存在する。本明細書での範囲は、個別に含まれる変性ワキシースターチ及び加水分解アミロース含有デンプン、または変性ワキシースターチと加水分解アミロース含有デンプンとの組み合わせに適用可能である。
【0023】
1つのアプローチでは、変性ワキシースターチ及び加水分解アミロース含有デンプンは、約10:1~約1:10の比率で含まれてもよく、別の態様では約5:1~約1:5、また別の態様では約3:1~約1:3の比率で含まれてもよい。
【0024】
水もまた、植物性チーズ製品の総重量に対して、約30重量%~約60重量%、別の態様では約37重量%~約55重量%、別の態様では約42重量%~約55重量%の量で含まれる。
【0025】
植物性チーズ製品は、チーズ製品の脆弱性及び/または剛性を低下させる柔軟性向上剤をさらに含み得る。例えば、柔軟性向上剤は充填剤として機能し得る。さらにまたは代わりに、柔軟性向上剤は、植物性チーズ製品の柔軟性に寄与し得る。柔軟性向上剤は、多糖類、ゴム、または親水コロイドであり得る。適切な柔軟性向上剤としては、例えば、インスタントデンプン、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、セルロースガム、フェヌグリークガム、コンニャクガム、寒天、ジェランガム、アルギン酸プロピレングリコール(PGA)、アルギン酸塩、微結晶セルロース(MCC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、コンニャクグルコマンナン、カラギーナン、及びペクチンのうちの1つ以上が挙げられる。いくつかの例では、柔軟性向上剤はカラギーナン及びペクチンのうちの1つ以上を含む。
【0026】
一般に、植物性チーズ製品のコールド及びホットメルトの特性及び食感は、植物性チーズ製品のタンパク質含量に対する総デンプンの量だけでなく、疎水性デンプンと変性デンプンとの相対量を調整することによって操作することができる。さらに、必要に応じて、追加のデンプンを含めてもよい。一般に、植物性チーズ中のタンパク質の量が減少すると、望ましい食感及び機能性を提供するために追加のデンプンが必要になる。
【0027】
1つのアプローチでは、柔軟性向上剤は、植物性チーズ製品の総重量に対して、約0.1重量%~約20重量%の範囲内の量で存在する。別のアプローチでは、柔軟性向上剤は、植物性チーズ製品の総重量に対して、約0.1~約15重量%、約0.1~約12重量%、約0.2~約12重量%、約1重量%~約15重量%、約1重量%~約12重量%、約2重量%~約10重量%、約2重量%~約5重量%、または約5重量%~約10重量%の範囲内の量で存在する。
【0028】
いくつかの実施形態では、デンプン(及び任意で柔軟性向上剤)の組み合わせは、10rad/sの周波数及び80℃の温度で約20Pa・s~約200Pa・sの範囲内の植物性チーズ製品の複素粘度を達成するのに有効な量で存在する。いくつかの実施形態では、デンプン(及び任意で柔軟性向上剤)の組み合わせは、10rad/s及び80℃で約20Pa・s~約180Pa・sの範囲、約20Pa・s~約150Pa・sの範囲、約20Pa・s~約120Pa・sの範囲、約20Pa・s~約100Pa・sの範囲、約20Pa・s~約80Pa・sの範囲、約20Pa・s~約50Pa・sの範囲、約50Pa・s~約200Pa・sの範囲、約80Pa・s~約200Pa・sの範囲、約100Pa・s~約200Pa・sの範囲、約120Pa・s~約200Pa・sの範囲、約150Pa・s~約200Pa・sの範囲、約180Pa・s~約200Pa・sの範囲、約50Pa・s~約180Pa・sの範囲、約80Pa・s~約180Pa・sの範囲、または約100Pa・s~約150Pa・sの範囲内の植物性チーズ製品の複素粘度を達成するのに有効な量で存在する。以下でさらに詳しく説明するが、一部の製品はせん断減粘し得るため、複素粘度はゼロせん断粘度よりも低くなり得る。
【0029】
これらの実施形態のいずれにおいても、植物性チーズ製品の原料の混合物(もしくは第2の混合物)または組み合わせを約80℃の温度に加熱した後に複素粘度を測定してよい。さらにまたは代わりに、加熱された混合物または組み合わせを冷却して植物性チーズ製品を形成する前に、複素粘度を測定してもよい。
【0030】
本明細書で使用される通り、複素粘度とは、動的レオロジー実験から推定される粘度である。これは、応力/ひずみに加えられる正弦波に対する応答としての材料の流動特性である。いくつかのアプローチでは、柔軟性向上剤の添加によりせん断減粘が生じ得る。製品の硬さは分子間結合のモル濃度に比例する。これは、G=nRTで与えられる、せん断弾性率Gで表され、ここで、「n」は結合のモル濃度を表す。硬さは、材料の粘弾性挙動を考慮してG'、G'値によって計算される。これらすべての材料ではG'>>G''であるため、G(せん断弾性率または硬さ)はG'とほぼ同じになる。緩和時間とは、加えられた応力/ひずみを解放した後、材料が平衡状態までどれだけ速く緩和するかの尺度である。例えば、粘性液体は流れによるエネルギーの散逸によってより速く緩和され、緩和時間は0になる。弾性固体は自らを引き伸ばして平衡状態に達するまでにより長い時間がかかる。したがって、緩和時間が短い材料は、均一なひずみを加えると表面にくっつく。緩和時間はタンデルタに反比例する。いかなる温度でも、緩和時間が長い、またはタンデルタ値が低い材料については、粘弾性特性の変化に対する安定性または耐性が向上することが期待できる。タンデルタとは、粘弾性材料が応力または歪みにさらされたときに、該粘弾性材料内に蓄えられるエネルギーに対する散逸エネルギーの比率である。見かけのゼロせん断粘度は、硬さ(せん断弾性率)と緩和時間との積である。これは材料の内部構造に関連する材料特性であって、適用されるひずみ速度とは独立している。複素粘度は、動的レオロジー実験から推定される粘度である。これは、応力またはひずみに対して正弦波的に加えられた場合の応答としての材料の流動特性である。本研究では、これは10rad/sの周波数で測定された。一部の材料はせん断減粘する可能性があり、したがって、10rad/sでの複素粘度はゼロせん断粘度よりも低い可能性がある。
【0031】
例えば、水中油滴型エマルション製品の複素粘度は、平行プレートアタッチメント(25mmのクロスハッチングされた平行な上部プレートと、60mmのクロスハッチングされた底部プレート、及びプレート間のギャップ1mm)を備えたDHRレオメーターを使用して、5~80℃の温度上昇範囲にわたって測定できる。具体的には、温度は2℃/分で上昇し、加えられた応力は10Pa、周波数は10rad/sであった。加工条件は、エマルジョン液滴が小さいほど粘性の高い製品が生成されるため、結果として得られる製品の粘度に大きな影響を与え、したがってクリーミング力に対してより安定する。
【0032】
植物性チーズ製品は、50°Fで約30%~約60%、及び92°Fで0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する脂肪成分をさらに含む。脂肪成分が特定の範囲内の固形脂肪含量を有する場合、脂肪成分はバター脂肪と同様に作用し得、乳製品ベースのチーズと同様の風味プロフィール、冷たい食感、及び溶融プロフィールを植物性チーズ製品に寄与し得る。
【0033】
50°Fで約30%~約60%、及び92°Fで0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する1つ以上の固形脂肪、液体オイル、またはそれらの組み合わせを含む任意の適切な脂肪成分が使用され得る。いくつかの例では、脂肪成分は、ココナッツオイル、パームオイル、パームオイル画分、シアバター、及びシアオレインのうちの1つ以上を含む。これらの例のいくつかでは、脂肪成分は、大豆油、ひまわり油、オリーブオイル、キャノーラオイル、ピーナッツオイル、ゴマ油、及びコーン油のうちの1つ以上をさらに含み、それぞれの温度で所望の固形脂肪含量を付与するための成分の混成物を提供する。他の例では、脂肪成分はココナッツオイルを含む。
【0034】
1つのアプローチでは、脂肪成分は、植物性チーズ製品の総重量に対して、約15~約30重量%、別の態様では約20重量%~約30重量%の範囲内の量で存在する。
【0035】
植物性チーズ製品は、該植物性チーズ製品のpHを約4.5~約5.7、別の態様では約4.8~約5.7、別の態様では約4.8~約5.5、別の態様では約4.8~約5.0、別の態様では約5.0~約5.7、また別の態様では約5.2~約5.5にするのに有効な量で酸味料をさらに含む。任意の適切な酸味料を使用してもよい。一例では、酸味料は、クエン酸、酢酸、リン酸、ソルビン酸、及び乳酸のうちの1つ以上を含む。
【0036】
例えば、本明細書に記載の植物性チーズ製品は、調理温度での許容可能な溶けやすさ、冷蔵温度でのしっかりとした食感、及び乳製品ベースのチーズ製品と同様の全体的に適切な口当たりを有する。植物性チーズ製品は、冷蔵温度では物理的な完全性を維持するが、高温にさらされると溶けてしまう。
【0037】
細菌及びカビの増殖に対する耐性を高めるために、ソルビン酸、培養酢、培養糖、培養ブドウ糖などの抗菌剤を植物性チーズ製品に添加してもよい。いくつかのアプローチでは、抗菌剤は酸味料としても機能し得る。
【0038】
植物性チーズ製品は、アメリカン、スイス、ゴーダ、プロボローネ、チェダー、コルビー、コルビージャック、ペッパージャック、またはモッツァレラなどのさまざまな風味で提供され得る。所望の風味プロフィールを達成するために、香味料を添加してもよい。植物性チーズ製品に所望の色を実現するために、色を追加してもよい。
【0039】
別のアプローチでは、所望の風味プロフィールを実現するために、介在物を添加してもよい。例えば、ハーブ、スパイス、コショウ、唐辛子、ニンニク、天然または人工香味料などを単独または組み合わせて添加して、所望の風味プロフィールを提供し得る。
【0040】
疎水性デンプンに加えて、化学乳化剤が含まれてもよい。適切な化学乳化剤としては、例えば、オルトリン酸塩(リン酸二ナトリウム、リン酸一ナトリウム、及びリン酸三ナトリウムを含む)、ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60)、もしくは他の乳化剤、または乳化剤の組み合わせが挙げられる。他のアプローチでは、化学乳化剤は含まれない。
【0041】
いくつかの例では、植物性チーズ製品は、風味マスキング剤をさらに含んでもよい。マスキング剤は、特定の風味の知覚強度を低下させるのに有効な任意の適切な成分を含み得る。用途によっては、消費者は、非乳タンパク質がチーズタイプの製品に異臭をもたらす(すなわち、乳製品ベースのチーズに対する消費者の期待と一致しない風味)と認識し得る。例えば、大豆は食品に望ましくない豆のような風味を与えると認識されることがある。特定の非乳タンパク質の風味を軽減するには、風味マスキング剤を含めることが望ましい場合がある。例えば、薬剤は、甘味料(栄養甘味料及び非栄養甘味料を含む)、香味料、苦味ブロッカー、または他の適切な添加剤を含み得る。任意の適切な量を含めてよい。1つの特定のアプローチでは、薬剤は異臭に結合するのに効果的であり、それによって風味の知覚を低減または防止することができる。適切な風味結合剤(flavor binders)としては、例えば、ソーマチン及びネオヘスペリジンジヒドロカルコン(NHDC)が挙げられ、それらもまた、甘味料として分類され得、一般に、植物性チーズ製品の総重量に対して、0重量%を超えて約0.005重量%の範囲内の量で含まれる。
【0042】
本明細書に記載の植物性チーズ製品は、さまざまな方法で製造することができる。1つのアプローチでは、植物性チーズ製品は、脂肪成分と水、植物性タンパク質、及び少なくとも2つのデンプンとを混合することを含む方法によって製造することができ、ここで、第1のデンプンは疎水性デンプンであり、第2のデンプンは変性デンプンである。脂肪成分は、50°Fで約30%~約60%、及び92°Fで0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する。他の任意の成分は、この時点またはプロセスの後半で追加してもよい。成分は、均一な混合物を提供するのに十分なせん断速度で混成される。成分はまた、約160°F~約215°F、別の態様では約165°F~約200°F、別の態様では約175°F~約190°Fの温度で加熱される。必要に応じて、成分を加熱しながら混成してもよい。さらに、混合物を低温殺菌するのに効果的な時間、混合を継続するなどして成分を高温で保持してもよい。混合物は、蒸気注入または他の手段によって加熱されてもよい。
【0043】
別のアプローチでは、上述したように、他の成分を加える前に、脂肪成分を調理器内などで溶かしてもよい。
【0044】
別のアプローチでは、植物性チーズ製品は、脂肪成分を溶融することと、溶融した脂肪に少なくとも2つのデンプンを添加することであって、第1のデンプンは疎水性デンプンであり、第2のデンプンは変性デンプンである、添加することと、及び少なくとも2つのデンプンと溶融した脂肪成分を混合して、少なくとも2つのデンプンを溶融した脂肪中に完全に分散させて均質な第1の混合物を提供することと、を含む方法によって製造され得る。脂肪成分は、50°Fで約30%~約60%、及び92°Fで0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する。次いで、水、酸味料、植物性タンパク質、及び柔軟性向上剤を含む追加の成分を添加できる。他の任意の成分は、この時点またはプロセスの後半で追加してもよい。成分は、均一な混合物を提供するのに十分なせん断速度で混成される。成分はまた、約160°F~約215°F、別の態様では約165°F~約200°F、別の態様では約175°F~約190°Fの温度で加熱される。必要に応じて、成分を加熱しながら混成してもよい。さらに、混合物を低温殺菌するのに効果的な時間、混合を継続するなどして、成分を高温で保持してもよい。
【0045】
別のアプローチでは、植物性チーズ製品は、脂肪成分を溶融することと、植物性タンパク質、柔軟性向上剤、及び水を溶融した脂肪成分に添加して第1の混合物を提供することと、を含む方法によって製造することができる。脂肪成分は、50°Fで約30%~約60%、及び92°Fで0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する。他の任意の成分は、この時点またはプロセスの後半で追加してもよい。成分は、均一な混合物を提供するのに十分なせん断速度で混成される。成分はまた、約160°F~約215°F、別の態様では約165°F~約200°F、別の態様では約175°F~約190°Fの温度で加熱される。少なくとも第1のデンプン及び第2のデンプンを水と組み合わせ、次いで加熱した混合物に添加し、ここで、第1のデンプンは疎水性デンプンであり、第2のデンプンは変性デンプンであり、第2の混合物を提供する。次いで、第2の混合物を、混合物を低温殺菌するのに有効な時間の間、上昇した温度で、例えば所望により混合を継続するなどして、その加熱温度で保持する。
【0046】
1つの特定のアプローチでは、この方法は、50°Fで約30%~約60%、及び92°Fで0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する脂肪成分を溶融することと、溶融した脂肪源に水を加えて第1の混合物を形成することと、植物性タンパク質、疎水性デンプン、及び変性デンプンを第1の混合物に添加し、混合して第2の混合物を形成することと、第2の混合物を約170°F~約200°Fの範囲内の温度に加熱することと、混合物をその加熱温度で約30秒~約90秒の範囲内の加熱時間保持して、加熱した混合物を形成することと、並びに、加熱した混合物を冷却して植物性チーズ製品を形成することと、を含む。
【0047】
別のアプローチでは、植物性チーズ製品は、50°Fで約30%~約60%の範囲、及び92°Fで0%~約10%の範囲の固形脂肪含量を有する脂肪源を溶融することと、変性デンプン及び疎水性デンプンを溶融した脂肪源に加えて第1の混合物を形成することと、水、柔軟性向上剤、及び植物性タンパク質を第1の混合物に添加し、混合して第2の混合物を形成することと、第2の混合物を約170°F~約200°Fの範囲内の温度に加熱することと、混合物をその加熱温度で約30秒~約90秒の範囲内の加熱時間保持して、加熱した混合物を形成することと、並びに、加熱した混合物を冷却して植物性チーズ製品を形成することと、を含む方法によって製造することができる。
【0048】
一態様では、植物性タンパク質、疎水性デンプン、及び変性デンプンを溶融した脂肪と混合する場合、均質な低温殺菌混合物を提供するために、成分を少なくとも約500rpm、別の態様では約500rpm~約2500rpmの速度で、約2分~約15分の範囲内の混合時間で混合することが望ましい場合がある。
【0049】
別の態様では、本明細書に記載の方法のいずれかは、冷却ステップの前に加熱した混合物を1つ以上の容器に充填することをさらに含んでもよい。別の態様では、冷却ステップは冷却ベルト上で達成され得る。
【0050】
別の態様では、本明細書に記載の方法のいずれも、第1または第2の混合物に酸味料を添加することをさらに含んでもよい。1つのアプローチでは、酸味料は、最終的な植物性チーズ製品のpHを約4.4~約5.7の範囲、別の態様ではpHを約4.7~約5.5の範囲、別の態様ではpHを約4.8~約5.3の範囲、別の態様ではpHを約4.8~約5.0の範囲にするのに有効な量で添加される。酸味料は、クエン酸、乳酸、またはそれらの組み合わせなどの任意の食品グレードの酸味料であってもよい。一態様では、酸味料は乳酸であり、植物性チーズ製品に特徴的な乳製品の風味を与えることができる。記載された範囲のpHを提供するために酸味料を含めることは、望ましい風味を提供するだけでなく、製品の微生物安定性に寄与する。
【0051】
別の態様では、本明細書に記載される方法のいずれかは、植物性タンパク質を植物性チーズ製品の他の成分と組み合わせる前に、植物性タンパク質を風味マスキング剤及び水と組み合わせることをさらに含み得る。
【0052】
別の態様では、本明細書に記載の方法のいずれかは、塩、保存剤、着色剤、及び香味料のうちの1つ以上を添加することをさらに含み得る。微粒子または介在物(例えば、ハーブ、スパイス、コショウ片)も、本明細書に記載の方法のいずれかを使用して添加してもよい。
【0053】
本明細書に記載の方法は、植物性チーズ製品をブロック、スライス、立方体、細切りなどの様々な形状及びサイズに切断することをさらに含み得る。
【0054】
チーズは、レイダウンクッカー、ケトル、またはその他の装置の使用を含む、従来の器具を使用して調理及び加工され得る。細断及び包装も従来の器具を使用して行ってもよい。
【0055】
本開示をさらに説明するために、本明細書に実施例を示す。これらの実施例は例示を目的として提供されており、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【実施例
【0056】
[実施例1]
本明細書に開示された植物性チーズ製品の7つの実施例を作成した。植物性チーズ製品のそれぞれの実施例は、植物性タンパク質としてひよこ豆タンパク質を、及びオイルとしてココナッツオイルを含んだ。
【0057】
植物性チーズ製品のそれぞれの実施例は、最初にココナッツオイルを調理器で溶かすことによって調製した。水を溶融したココナッツオイルに添加し、次いで、最終製品のpHを約4.8~約5.0の範囲内にするのに有効な量の乳酸を添加した。ひよこ豆タンパク質、マルトデキストリン、塩、ソルビン酸、着色料、香味料、REZISTA(登録商標)デンプン(Tate & Lyle)、及びACCUBIND(登録商標)デンプン(Cargill)を添加し、次いで、成分を、スチームインジェクションクッカー(Stephan Machinery GmbH)内で、均質な混合物を生成するのに十分なせん断速度及び時間で(蒸気注入によって)混合及び加熱した。混合物を十分に混合したら、それをさらに(蒸気注入によって)185°Fまで加熱し、185°Fで1分間保持した。その後、加熱した混合物を箱に充填し、放冷して植物性チーズ製品のブロックを形成した。
【0058】
各植物性チーズ製品の一般的な配合を、使用した各成分の重量%(植物性チーズ製品の総重量に対して)とともに表1に示す。表1では、植物性チーズ製品を「PBCA1」、「PBCA2」、「PBCA3」、「PBCA4」、「PBCA5」、「PBCA6」、及び「PBCA7」と呼称する。
【表1】
【0059】
植物性チーズ製品の各実施例は、乳製品ベースのチーズ製品に対する消費者の期待と一致する外観、味、冷たい食感、及び熱い/溶ろける食感を有していた。
【0060】
さらに、PBCA1及びPBCA6のそれぞれについて、植物性チーズ製品のスライスを2枚のパンの間に挟み、グリルしてグリルチーズタイプの製品を作成した。PBCA1及びPBCA6のそれぞれのスライスは溶けた。PBCA1が溶解したグリルチーズ型製品を図1に示す。PBCA6が溶解したグリルチーズ型製品を図2に示す。
【0061】
[実施例2]
本明細書に開示された植物性チーズ製品の6つの追加の実施例を作成した。植物性チーズ製品のそれぞれの追加実施例は、追加実施例が着色剤または香味料を含まず、かつ着色剤及び香味料の不足を補うために追加のマルトデキストリンを含んでいた点を除いて、(表1に示す)PBCA1と同じ一般配合を有していた。
【0062】
植物性チーズ製品のそれぞれの追加実施例は、最初にココナッツオイルを溶かすことによって調製した。次いで、水を溶融したココナッツオイルに添加した。次いで、乳酸を添加して、最終製品のpHを約4.8~約5.0の範囲内に調整した。次に、ひよこ豆タンパク質、マルトデキストリン、塩、ソルビン酸、REZISTA(登録商標)デンプン(Tate & Lyle)、及びACCUBIND(登録商標)デンプン(Cargill)を添加した。次いで、成分を、スチームインジェクションクッカー(Stephan Machinery GmbH)内で、(表2に示す)混合速度、(表2に示す)混合時間で(蒸気注入によって)混合及び加熱した。混合物を混合したら、それを(蒸気注入によって)185°Fまで加熱し、185°Fで1分間保持した。その後、加熱した混合物を箱に充填し、放冷して例示的な植物性チーズ製品のブロックを形成した。
【0063】
植物性チーズ製品のそれぞれの追加実施例の混合速度及び混合時間を表2に示す。表2では、植物性チーズ製品の追加実施例を、「PBCA8」、「PBCA9」、「PBCA10」、「PBCA11」、「PBCA12」及び「PBCA13」と呼称する。
【表2】
【0064】
植物性チーズ製品の各追加実施例は、乳製品ベースのチーズ製品に対する消費者の期待と一致する外観、味、冷たい食感、及び熱い/溶ろける食感を有していた。
【0065】
[実施例3]
本明細書に開示された植物性チーズ製品の追加の実施例を作成した。植物性チーズ製品の追加実施例は、追加実施例が着色剤を含まず、かつ着色剤の不足を補うために追加のマルトデキストリンを含んでいた点を除いて、(表1に示す)PBCA1と同じ一般配合を有していた。
【0066】
植物性チーズ製品の追加実施例は、最初にココナッツオイルを溶かすことによって調製した。次いで、REZISTA(登録商標)デンプン及びACCUBIND(登録商標)デンプンを添加し、溶融したココナッツオイル、REZISTA(登録商標)デンプン、及びACCUBIND(登録商標)デンプンを組み合わせたものを完全に混合して、溶融したココナッツオイル中にデンプンの均一な混合物を準備した。水及び乳酸を加えた。乳酸は、最終製品のpHを約4.8~約5.0の範囲にするのに有効な量で添加した。次いで、ひよこ豆タンパク質、マルトデキストリン、塩、及びソルビン酸を添加した。成分を、スチームインジェクションクッカー(Stephan Machinery GmbH)内で、2500rpmで10分間(蒸気注入によって)混合及び加熱した。香味料を加え、混合物を(蒸気注入によって)185°Fまで加熱し、185°Fで1分間保持した。加熱した混合物を箱に充填し、放冷して例示的な植物性チーズ製品の約20ポンド~約24ポンドのブロックを形成した。
【0067】
植物性チーズ製品の追加実施例は、乳製品ベースのチーズ製品に対する消費者の期待と一致する外観、味、冷たい食感、及び熱い/溶ろける食感を有していた。
【0068】
[実施例4]
本明細書に開示された植物性チーズ製品のさらなる実施例を作成することができる。植物性チーズ製品の追加実施例は、追加実施例が着色剤または香味料を含まず、かつ着色剤または香味料の不足を補うために追加のマルトデキストリンを含んでいた点を除いて、(表1に示す)PBCA1と同じ一般配合を有する。
【0069】
植物性チーズ製品の追加実施例は、最初にココナッツオイルを溶かすことによって調製する。水及び乳酸を添加する。乳酸は、最終製品のpHを約4.8~約5.0の範囲内にするのに有効な量で添加する。次いで、ひよこ豆タンパク質、マルトデキストリン、塩、及びソルビン酸を添加する。成分を、スチームインジェクションクッカー(Stephan Machinery GmbH)内で、均質な混合物を生成するのに十分なせん断速度及び時間で(蒸気注入により)混合及び加熱する。次に、混合物を(蒸気注入により)185°Fまで加熱する。次いで、REZISTA(登録商標)デンプン及びACCUBIND(登録商標)デンプンを水に加え、完全に混合して均一な混合物を準備する。デンプン及び水の混合物をスチームインジェクションクッカー内の混合物に加え、次いで混合物を185°Fで1分間保持する。加熱された混合物を箱に充填し、放冷して、乳製品ベースのチーズに対する消費者の期待と一致する外観、味、冷たい食感、及び熱い/溶ろける食感を有する例示的な植物性チーズ製品のブロックを形成する。
【0070】
本明細書で提供される範囲は、記載された範囲及び記載された範囲内の任意の値または部分範囲を含むことを理解されたい。例えば、約5重量%~約15重量%の範囲は、明示的に記載された約5重量%から約15重量%の範囲の制限だけでなく、6.35重量%、7.5重量%、10重量%、12.75重量%、14重量%などの個々の値、及び約7重量%~約10.5重量%、約8.5重量%~約12.7重量%、約9.75重量%~約14重量%などの部分範囲も含むと解釈されるべきである。さらに、値を記載するために「約」が使用される場合、これは、記載された値からのわずかな変動(最大+/-10%)を包含することを意味する。
【0071】
すべてのパーセンテージ及び比率は、特に指定がない限り、重量単位で計算される。すべてのパーセンテージ及び比率は、特に指定がない限り、化合物または組成物の総重量に基づいて計算される。
【0072】
本明細書全体にわたる「一例」、「別の例」、「いくつかの例」、「他の例」などへの言及は、例に関連して説明される特定の要素(例えば、特徴、構造、及び/または特性)が、本明細書に記載される少なくとも1つの例に含まれ、他の例には存在してもしなくてもよいことを意味する。さらに、文脈上明らかに別段の指示がない限り、任意の例について記載された要素は、様々な例において任意の適切な方法で組み合わせることができることを理解されたい。
【0073】
本明細書に開示される例の説明及び特許請求において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。
【0074】
いくつかの例を詳細に説明したが、開示された例は修正され得ることを理解されたい。したがって、前述の説明は限定的なものではないとみなされるべきである。
図1
図2
【国際調査報告】