(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】生物学的試料中の単一細胞を位置特定及びプロファイリングするための方法及び構築体
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6816 20180101AFI20240426BHJP
C12Q 1/682 20180101ALI20240426BHJP
C12Q 1/6844 20180101ALI20240426BHJP
C12Q 1/6869 20180101ALI20240426BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20240426BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20240426BHJP
C12N 15/10 20060101ALN20240426BHJP
【FI】
C12Q1/6816 Z
C12Q1/682 Z
C12Q1/6844 Z
C12Q1/6869 Z
C12M1/34 B
C12M1/00 A
C12N15/10 114Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572114
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 FI2022050347
(87)【国際公開番号】W WO2022243609
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523438544
【氏名又は名称】セレックス オーワイ
【氏名又は名称原語表記】SCellex Oy
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173473
【氏名又は名称】高井良 克己
(72)【発明者】
【氏名】パイヴィ サアヴァライネン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029AA23
4B029BB20
4B029FA09
4B029GA03
4B029GA08
4B029GB05
4B029GB06
4B063QA01
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QQ53
4B063QR08
4B063QR48
4B063QR56
4B063QR62
4B063QR90
4B063QS24
4B063QS25
4B063QS34
4B063QS36
4B063QX02
(57)【要約】
本発明は一般に、次世代シーケンシングのための生物学的サンプルの調製に関する。特に、本発明は単一細胞に由来するmRNA産物の同定のため、及び試料中の前記単一細胞の位置を識別するために、配列バーコード及び蛍光標識の組合せ等の可視ビーズ特徴の組合せを利用する。この効果を達成するために、本発明はそのような可視特徴にカップリングされたビーズを含む新規構築体を提供し、前記ビーズが、切断可能な、好ましくは光切断性リンカーによって第1のオリゴヌクレオチドにさらにカップリングされ、前記第1のオリゴヌクレオチドはa)増幅ハンドル配列、b)前記ビーズ特徴に特異的なバーコード配列、及びc)相補配列にハイブリダイズするためのアンカー又は捕捉配列、好ましくはポリA配列を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸標的を検出するための構築体であって、前記構築体が、ビーズ、好ましくは磁気ビーズを含み、前記ビーズが、1又は数種の視覚的に検出可能な特徴を含み、かつ/又は、前記ビーズが、1又は数種の視覚的に検出可能なエンティティにカップリングされ、かつ、前記ビーズが、オリゴヌクレオチドを含み、かつ、前記オリゴヌクレオチドが、a)増幅ハンドル配列、b)前記視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティの1又は数種に特異的なバーコード配列、及びc)3’末端捕捉配列又はアンカー配列を含み、かつ、前記オリゴヌクレオチドが、前記ビーズから取り外し可能に配置される、構築体。
【請求項2】
前記3’末端捕捉配列又はアンカー配列が、ポリA配列、ユニバーサル増幅ハンドル配列又はテンプレートスイッチング互換性配列を含む、請求項1に記載の構築体。
【請求項3】
前記視覚的に検出可能な特徴が、前記ビーズのサイズ、前記ビーズの色、発光若しくは蛍光、前記ビーズの形状、又はそれらの組合せである、請求項1又は2に記載の構築体。
【請求項4】
前記オリゴヌクレオチドが、前記ビーズに、切断可能な連結、好ましくは光切断性、化学的切断性、又は酵素的切断性連結を介して連結されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の構築体。
【請求項5】
前記ビーズが、化学的化合物、抗原又は抗体にさらにカップリングされている、請求項1~4のいずれか一項に記載の構築体。
【請求項6】
前記ビーズが、前記1又は数種の視覚的に検出可能なエンティティに、ストレプトアビジン-ビオチン若しくはカルボキシル化-アミン結合を介して又は任意の他の結合を介してカップリングされている、請求項1~5のいずれか一項に記載の構築体。
【請求項7】
前記増幅ハンドル配列が、PCRプライマーに相補的であり、前記プライマーが、好ましくは、次世代シーケンシング互換性アダプター配列を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の構築体。
【請求項8】
前記構築体が、前記ビーズにカップリングされた第2のオリゴヌクレオチドを含み、前記第2のオリゴヌクレオチドが、a)次世代シーケンシング互換性アダプター配列を含む第2の増幅ハンドル配列、好ましくはPCRプライマーに相補的な第2の増幅ハンドル配列、b)前記ビーズの1又は数種の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティに特異的なバーコード配列、c)前記ビーズに特異的なバーコード配列、d)任意追加の固有分子バーコード配列、及びe)末端ポリT配列又はテンプレートスイッチング互換性配列を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の構築体。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の構築体を含む、組成物。
【請求項10】
前記組成物が、請求項1~8のいずれか一項に記載の少なくとも2つの構築体の混合物を含み、別個の視覚的に検出可能な特徴又はエンティティの混合物を提供する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも2つの構築体の前記混合物が、少なくとも6個、好ましくは少なくとも16個の別個の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティを含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
視覚的に異なる構築体タイプの量が、16であり、かつ、前記構築体における前記視覚的に検出可能な特徴が、前記ビーズの形状、サイズ、色、発光及び蛍光からなる群から選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
ウェルプレート又はチップ(chip)にローディングされた、請求項9~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記プレート又はチップ(chip)のウェルにローディングされた請求項9~12のいずれか一項に記載の組成物を含む、ウェルプレート又はチップ(chip)。
【請求項15】
請求項14に記載のウェルプレート又はチップ、及び、前記プレート又はチップ(chip)のウェルにローディングされた請求項9~12のいずれか一項に記載の組成物を有する前記プレート又はチップの写真又はスキャンのファイルを含むコンピュータ読取り可能なエンティティを含む、キット。
【請求項16】
単一細胞、位置又は座標に由来する所望の核酸標的又はmRNAシーケンシング産物を同定するための、請求項1~8のいずれか一項に記載の構築体又は請求項9~13のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項17】
生物学的試料の位置を検出するための方法であって、以下の工程:
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の構築体又は請求項9~13のいずれか一項に記載の組成物を、ウェルを含む基材に、生物学的サンプルと、一緒に又は任意の順序で連続的に、ローディングする工程、
- 前記基材に前記生物学的サンプルをローディングする前及び/又は後に、顕微鏡、好ましくは光学顕微鏡又は蛍光顕微鏡で、前記基材中の前記ウェルを撮影又はスキャンする工程、及び
- 任意追加で、ローディングされた基材中の別個の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティ又はそれらの組合せを有する特定のウェルの位置又は座標を決定する工程
を含む、方法。
【請求項18】
以下の工程:
- 前記ウェル中の前記試料を、細胞溶解、核酸遊離を支持する条件に、次いで逆転写酵素反応に供する工程、
- 逆転写酵素反応産物を増幅する工程であって、増幅産物が、前記構築体の1又は数種の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティに特異的なバーコード配列を含有する、工程、
- 増幅された逆転写酵素反応産物からシーケンシングライブラリーを調製し、及び、前記ライブラリーをシーケンシングする工程、及び
- -任意追加で、特定の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティ又はそれらの組合せをシーケンシングされた産物にリンクするために、前記構築体の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティに特異的なバーコード情報にてシーケンシングデータを分析することによって、シーケンシングされた産物の各々が由来する特定のウェル位置を同定し、及び、前記方法において撮影又はスキャンされたときに、ローディングされた基質中の対応する視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティ又はそれらの組合せを有する特定のウェルの位置を決定する工程
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、以下の工程:
i)請求項1~7のいずれか一項に記載の複数の構築体を提供する工程であって、前記構築体が、複数の第一のビーズを含み、前記第一のビーズが、色、標識、特定のビーズサイズ又は形状等の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティの特定の組合せを有し、前記第一のビーズが、光切断性リンカーによって第一のオリゴヌクレオチドに結合され、前記第一のオリゴヌクレオチドが、a)増幅ハンドル配列、b)前記視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティの1又は数種に特異的なバーコード配列、及びc)ポリA配列を含む末端配列を含む、工程;
ii)工程i)で得られた複数の構築体を、第2のオリゴヌクレオチドを含む磁気ビーズを含む捕捉構築体と共にウェルにローディングする工程であって、前記第2のオリゴヌクレオチドが、a)第2の増幅ハンドル配列、b)ビーズに特異的なバーコード配列、c)任意追加の固有分子バーコード配列、及びd)ポリ-T配列を含む第2の末端配列、並びに、単一細胞又は交互に配置する細胞又はウェルを含む基材上のスライドガラス上の組織切片を含む、工程;及び
iii)ローディングされた基材を蛍光顕微鏡又は光学顕微鏡で撮影又はスキャンすること
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
以下の工程:
iv)任意追加で、ローディングされた基材のウェルを密封又は区画化する、好ましくは、半透膜若しくは別の多孔質材料、オイル若しくはゲル層、又は表面上に細胞若しくは組織を担持するガラススライドにて、密封又は区画化する工程;
v)凍結又は加熱工程にて、ウェルの上部又は底部上の膜又は多孔質シールを通じてウェル内に添加された溶解バッファーにて、又はゲルシーリングによって担持される溶解剤にて、細胞を溶解させてウェル内にmRNAを放出させる工程;
vi)基板をUV光に供することによって第1のオリゴヌクレオチドを第1のビーズから分離し、及び、前記mRNA及び第1のオリゴヌクレオチドを磁気ビーズに結合させるために、ウェル内のサンプルを、放出されたmRNAのポリA配列およびポリT配列と第2のオリゴヌクレオチド、並びに第1及び第2のオリゴヌクレオチドの相互のアニーリングを支援する条件に供する工程;
vii)ウェルから試料を回収及びプールし、及び、結合したmRNAを有する磁気ビーズと、結合した第1及び第2のオリゴヌクレオチドとを、磁石及び遠心促進化洗浄工程にて、試料内容物の残りから分離する工程;
viii)結合したmRNAを有する分離された磁気ビーズ、並びに第1及び第2のオリゴヌクレオチドを、第3の増幅ハンドル配列を含むテンプレートスイッチングオリゴヌクレオチドとの逆転写酵素反応に供する工程;
ix)逆転写酵素反応の産物を、第1、第2及び第3の増幅ハンドル配列又はその相補体に結合するプライマーとのPCR反応に供して、磁気ビーズに付着していないPCR反応産物を生成する工程;
x)PCR産物を磁気ビーズから分離する工程;
xi)任意追加で、約200bp未満の長さを有する配列の第1の群及び約200bpを超える長さを有する第2の群にPCR産物をサイズ選択する工程;
xii)シーケンシングインデックス及びアダプター配列を導入し、及び、ライブラリー、任意追加で工程xi)で得られた群におけるライブラリーをシーケンシングする工程;
xiii)シーケンシングデータを分析することによって、好ましくは、第1のオリゴヌクレオチドに由来する視覚的に検出可能な特徴及び/若しくはエンティティ又はそれらの組合せに特異的なバーコード配列と、第2のオリゴヌクレオチドに由来する磁気ビーズに特異的なバーコード配列及び/又は場合により同じシーケンシングされたPCR産物中に存在する第2のオリゴヌクレオチドに由来する固有分子バーコード配列との組合せを、第2のオリゴヌクレオチドに由来するビーズに比mRNA配列及びバーコード配列及び/又は任意追加で第2のオリゴヌクレオチドに由来する固有分子バーコード配列の組合せを含むシーケンシングされたPCR産物と比較することによって、単一細胞のmRNA産物を同定する工程;
xiv)任意追加で、第1のオリゴヌクレオチドに由来する視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティ又はそれらの組合せに特異的なバーコード配列の組合せと、工程iii)において蛍光又は光学顕微鏡で撮影されたローディングされた基質の写真又はスキャンとを比較することによって、単一の細胞又は組織の位置を同定する工程
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記方法が、以下の工程:
i)請求項8に記載の複数の構築体を提供する工程であって、前記構築体が複数の第1のビーズを含み、前記第1のビーズが色、標識、特定のビーズサイズ又は形状等の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティの特定の組合せを有し、かつ、前記第1のビーズが光切断性リンカーによって第1のオリゴヌクレオチドに結合され、前記第1のオリゴヌクレオチドが、a)増幅ハンドル配列、b)前記視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティの1又は数種に特異的なバーコード配列、及びc)ポリA配列を含む末端配列を含み、かつ、前記第1のビーズが、前記ビーズに結合された複数の第2のオリゴヌクレオチドをさらに含み、前記第2のオリゴヌクレオチドが、a)次世代シーケンシング互換性アダプター配列を含むPCRプライマーに相補的な第2の増幅ハンドル配列、b)前記ビーズの1又は数種の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティに特異的なバーコード配列、c)ビーズに特異的なバーコード配列、d)任意追加の固有分子バーコード配列、及びe)末端ポリT配列を含む、工程;
ii)工程i)で得られた複数の構築体を、ウェル、並びに、単一細胞又は交互に配置する細胞又はウェルを含む基材上のスライドガラス上の組織切片を含む生物学的サンプルに、ランダムにローディングする工程;及び、
iii)ローディングされた基材を蛍光又は光学顕微鏡にて撮影又はスキャンする工程
を含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、次世代シーケンシングのための生物学的サンプルの調製に関する。特に、本発明は単一の位置に由来するmRNA又はDNA産物の空間標識及び同定のため、並びに試料スライド中の前記単一の位置を位置決定するために、配列バーコードに結合された、顕微鏡的に検出可能な、又はそわなければ可視の標識を有するマイクロビーズのランダムな組合せを利用する。
【背景技術】
【0002】
複雑な細胞環境では、組織の細胞が多くの場合、細胞のRNA発現プロファイルに反映される複数の表現型を示す。先行技術において、RNA発現プロファイリングは懸濁液中の単一細胞に適用されており、典型的には、マイクロウェル又は乳化液滴を利用し、ここで、単一細胞は独特の細胞バーコード配列及び溶解細胞のポリA mRNAを捕捉するポリTでコーティングされたマイクロビーズと共にカプセル化され、逆転写反応及びcDNA合成において、細胞バーコード配列でmRNAの3’末端を標識する(例えば、Broad Institute Inc.によるMacosko et al 2015及び国際公開第2016/040476号を参照されたい)。シーケンシング後、同じ元の細胞に由来するmRNA転写物を、細胞バーコードに基づいて一緒にグループ化し、生成された全ての細胞の別々の遺伝子発現プロファイルを得ることができる。しかしながら、現在の細胞バーコーディングビーズは、懸濁液中の細胞のみを標的とする。
【0003】
組織構造、細胞機能、及び組織内の細胞間相互作用を理解するために、RNA発現データを、細胞画像、及び単一細胞分解能及び高スループット様式での細胞又は組織切片の検査から得られた空間情報と関連付ける必要がある。国際公開第2021/046232号は、単一細胞の分子相互作用の特徴付けのための光学的に読み取り可能なバーコードに基づくシステムを開示している。このシステムは、複数の蛍光標識を有するオリゴヌクレオチドプローブの使用に依存している。改善された方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
添付の特許請求の範囲に定義される本発明は、得られたmRNA又はDNAシーケンシングデータを、RNA発現のためにプロファイリングされた生物学的試料中の細胞の空間座標に連結することを可能にする標識特異的バーコードと結合された可視標識を有するマイクロビーズの新規な設計に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの目的は核酸標的を検出するための構築体を提供することであり、前記構築体はビーズ、好ましくは磁気ビーズを含み、前記ビーズは1又は数種の視覚的に検出可能な特徴を含み、及び/又は前記ビーズは1又は数種の視覚的に検出可能なエンティティにカップリングされ、前記ビーズはオリゴヌクレオチドを含み、前記オリゴヌクレオチドはa)増幅ハンドル配列、b)前記視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティの1又は数種に特異的なバーコード配列、及びc)3’末端捕捉配列又はアンカー配列を含み、前記オリゴヌクレオチドは前記ビーズから取り外し可能であるように配置される。好ましくは、前記末端捕捉配列又はアンカー配列が市販の細胞バーコーディングビーズ上の相補的ポリT配列にハイブリダイズするためのポリA配列を含む。
【0006】
あるいは、細胞バーコード配列を、可視標識を有する同じ構築体上に配置することもできる。
【0007】
本発明の別の目的は、好ましくは別個視覚的に検出可能な特徴又はエンティティの混合物を有する、上記で定義されたいくつかの構築体を含む組成物を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、前記プレート又はチップのウェルにローディングされた本発明による組成物を含むウェルプレート又はチップを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、上記で定義されたウェルプレート又はチップと、前記プレート又はチップのウェルにローディングされた本発明の組成物を有する前記プレート又はチップの写真又はスキャンのファイルを含むコンピュータ読取り可能なエンティティとを含むキットを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、生物学的試料中の単一細胞又は位置に由来する所望の核酸標的又はmRNAシーケンシング産物を同定するための前記構築体又は組成物の使用を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は単一細胞レベルで生物学的サンプルをプロファイリングするための方法を提供することであり、この方法は、以下の工程:
- 本発明の構築体又は組成物を、ウェルを含む基材に、任意の順序で一緒に又は連続して、生物学的サンプルをローディングする工程、
- -生物学的サンプルを前記基材にローディングする前及び/又は後に、顕微鏡、好ましくは光学顕微鏡又は蛍光顕微鏡を用いて前記基材中のウェルを撮影又はスキャンする工程、及び
- 任意追加で、ローディングされた基材中の別個の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティ又はそれらの組合せを有する特定のウェルの位置又は座標を決定する工程
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1. A. ウェル又は液滴への細胞バーコーディング(細胞BC)ビーズのランダムローディングを使用する単一細胞RNAseqのための電流法。ビーズオリゴ上の固有ビーズ特異的細胞バーコード及びポリT配列は溶解細胞からポリA RNAを捕捉し、タグ付けする。しかしながら、画像とデータとの間の空間的な配位は不可能である。 B. 色バーコーディング(色BC)マイクロビーズを細胞BCビーズと一緒に用いる新しい方法は、データ及び画像のための空間座標を提供する。複数の異なる色の色BCビーズは、ウェル又は液滴にランダムにローディングされ、各々は細胞からのRNAと共に細胞BCビーズに結合し、データを空間的位置に連結する切断可能なポリAテール色タグ付けオリゴを有する。 C. 細胞BCビーズを含まない色BCビーズを用いた空間バーコーディングの代替方法。細胞BCオリゴ及び色BCオリゴの両方は同じ色BCビーズ上にあり、色BCオリゴは例えば、光切断性リンカーを有する。細胞を有するウェルあたり複数のビーズにローディングした後、色BCオリゴをビーズから放出させ、ウェル中のすべてのビーズ中の細胞BCオリゴの相補的配列によって捕捉する。色BCと細胞BCの組合せのネットワークは各ウェルに固有であり、細胞BC配列によってタグ付けされたRNA分子は、顕微鏡スキャン画像に基づいて空間的位置に連結することができる。
【
図2】
図2. 4種の蛍光標識オリゴ、青(B)、緑(G)、黄(Y)、赤(R)、並びにそれらの0、1、2、3及び4種の色の組合せから作製された16種の異なる色のBCマイクロビーズの実施例は、16種の異なるタイプのマイクロビーズを生じる。これらの16種のビーズタイプの混合物がウェルあたり複数のビーズが適合するように、チップウェルにランダムにローディングされるとき、それらは、順列算出に従って、各ウェルあたり65535種の異なる組合せのうちの1種で形成することができ、ウェルを非常に独特なものにする。追加の色(蛍光及び非蛍光)、異なるビーズ大きさ及び形状、並びに細胞BCビーズにも付着した色標識は、可能な組合せの数をさらに増加させる。https://stattrek.com/online-calculator/combinations-permutations.aspxを使用して、考えられる組合せの回数を計算した。
【
図3】
図3. 市販の細胞BCバーコード化ビーズは典型的には分割及びプール合成を用いて作製された、表面オリゴ上に数百万コピーの固有細胞BC配列を有し、例えば、DropSeq方法において、ランダムな12ヌクレオチドバーコードの延伸はほぼ1700万個の異なるバーコードを生じ、したがって1700万個の異なるマイクロビーズを生じる(Macosko et al, Cell 2015 May 21;161(5):1202-1214)。オリゴ上のpolyTストレッチは組織切片からの細胞からのpolyAテールRNAを捕捉し、ハイブリダイズする。細胞BCビーズは、顕微鏡下で同一に見える。本発明において、16の異なるタイプの混合物からの色BCマイクロビーズの乱数は、細胞BCビーズと一緒にマイクロウェルにローディングされ、それらの合成の光切断性ポリAテール化オリゴもまた、同じマイクロウェル中の細胞のRNAと同じ細胞BC配列を得る。
【
図4】
図4. 別の細胞BCビーズを使用せずに色BC座標を使用する代替方法。着色された、又はそわなければ特徴的なビーズは対応する色BCを有するそれぞれ2つのタイプのオリゴを保有し、オリゴのうちの少なくとも1つは、各ビーズに固有の細胞BC並びに任意追加の固有分子バーコード(UMB)も保有する。原理を使用する1つの方法はこの図に示されている:3つのビーズタイプのランダムセット(例えば、16から)がマイクロウェル中にあり、それらの合成、(光)開裂可能な色BCを有するポリエンドオリゴが紫外線化学的に放出され、マイクロウェル含有量が磁石と混合され、放出されたオリゴがウェル中の3つすべてのビーズのポリTオリゴとハイブリダイズし、それらの固有の細胞BCをマイクロウェル中に存在するすべての色BCのセットに連結する。細胞RNAはまた、3つのビーズの細胞BCを得、これらのマッピングされた3つの細胞BCからの配列データを一緒にプールする。提示されたオリゴに加えて、色BC及び細胞BCの同様のネットワークはライブラリー構造の他の部位と形成することができる:色BC及びPCRhandle2に連結されたランダムプライマー(合成ポリAの代わりに)を使用し、一旦放出されると、第1の鎖cDNAに結合したビーズの第2の鎖合成のためのものを使用する。この原理を使用するさらに別の方法は細胞BC及び色BC元素をインデキシングプライマー中のIlluminaインデックス読み取り位置に配置し、封止されたマイクロウェル内でタグ付け及びインデキシングPCRを行い、そのようなプライマーを各マイクロウェル中のColourバーコード化ビーズのランダム混合物から放出させることである。
【
図5】
図5. 色BCマイクロビーズを有するマイクロウェルを蛍光顕微鏡でスキャンし、ステッチしたデジタル画像を保存し、各マイクロウェル中のマイクロビーズの組合せを画像解析プログラムによって記録する。細胞BCビーズのローディング後、溶解した細胞又は組織切片からのポリA RNAを、色BCマイクロビーズからUVによって放出された合成ポリAテール化色BCオリゴとともに、細胞BCバーコードオリゴにハイブリダイズさせる。逆転写、cDNA増幅及びシーケンシングライブラリー調製及びシーケンシングの後、細胞BC配列をリードから決定する。標的ゲノムに対するリード配向の後、遺伝子リードのカウントを、色BC配列のリードカウントと共に、各細胞BCのためのマトリクスに整列させる。位置マイクロウェル座標は、色BC読み取り情報を各マイクロウェルの分析された顕微鏡画像に連結することによって、各細胞BCについて解釈される。
【
図6】
図6. 色BCビーズを、同様に着色された細胞BCビーズと一緒に使用する別の方法。この方法では、細胞BCビーズが色BCビーズから区別可能な追加のサイズ及び/又は色特徴を提示し、細胞BCオリゴに組み込まれた特徴マッチング配列情報を担持する。したがって、細胞BCビーズは複数の特徴を有するので、この方法は
図1の方法よりも多くの可能なビーズの組合せを生じ、
図4の方法よりもより単純ビーズバーコード合成処理を有する。
図3の方法と同様に、これは、少なくとも1つの細胞BCビーズ及び1つの色BCビーズがウェルに入ることを必要とする。細胞BCビーズのサイズを色BCビーズより大きくして、それらの表面積を最大にし、したがってより高いmRNA結着性を提供することが推奨される。この例では、色Col1及びCol2を有する2つの細胞BCビーズのセット(例えば、12の特徴から)は色の組合せB、BG及びGYRを有する3つの色BCビーズ(例えば、16から)を有するウェル内にある。
図3のように、色BCを有する合成の(光)開裂可能なポリA末端オリゴは紫外線化学的に放出され、放出されたオリゴは両方の細胞BCビーズのポリTオリゴとハイブリダイズする。結合したセルラポリA RNAはまた、これらの同じ2つの細胞BCビーズからユニークなバーコードを得、これらからの配列データを併合することができる。チップが同じ3つの色BCビーズを有するCol1 細胞BCビーズを有するウェル、及び同じ3つの色BCビーズを有するCol2 細胞BCを有するウェルを含む場合、これらのウェルからのデータのマッピングは、ビーズ比細胞BC配列が異なっていても、空間的に困難である。そのような場合、細胞バーコード間のトランスクリプトームプロファイル類似度を空間的予測に利用することができる。さらに、色BCビーズは配列レベルにおける別個の組合せの数を増加させるために、同じ色又は可視特徴のための複数の代替配列タグを有することができ、例えば、B1(GCACTA)、B2(TCTAGG)、B3(CATTGT)配列のいずれかを有する視覚的に同一の青ビーズは、すべて独立して青ビーズをタグ付けする。
【
図7】
図7. 色BCビーズを、ビーズ表面の代わりに、ウェル底部及び/又は壁面上に固定化された細胞BCオリゴを有するウェル中で使用する別の方法。細胞BC1-細胞BC(n)配列のランダムセットは各ウェルに固有であり、ウェルあたり少なくとも1つが、いくつかの方法で、例えば、ブリッジ増幅によって作製することができる。最初に、PCRhandle1オリゴ(配列番号31)を、別個の切断可能なポリAオリゴ(配列番号32)と一緒に、全てのウェルに密に固定化し、次いで、PCRhandle1の逆相補配列、ランダム細胞BC配列、例えば、N(12)又はNNNNNNNNNNNN、及びポリA配列(配列番号33)を含有するテンプレートオリゴのためのブリッジ増幅PCRにおけるプライマーとして使用する。非常に希釈された濃度でテンプレートオリゴをブリッジ増幅PCR反応に添加することにより、ウェルあたり1つ又は数個の異なる細胞BC配列のみの局所的クラスター化が可能になり、したがって、ウェルあたりの増幅細胞バーコードの独特のセットが作製される。PCRの後、ポリTオリゴを切断して除去し、mRNA捕捉オリゴを含有する一本鎖細胞BCのみをウェル表面に残す。この後、ウェルアレイをローディングし、PCRhandle2、特徴タグ付けバーコード及びポリAを含むオリゴを有する色BCビーズの細胞及びランダムセットで画像化することができる。色BCビーズからのこの切断可能なオリゴは溶解された細胞からのmRNAと共に、固定化された細胞BCオリゴに結合し、各細胞及び同様に、前の図において、空間情報を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に詳細に記載される構築体、組成物及び方法は単一細胞トランスクリプトームデータのうち、組織切片等の生物学的試料の単一細胞について、実験あたり数万細胞のスケールで位置データを生成するための手段を提供する。様々な疾患状態をアッセイするための任意の数の診断技術及び適用の効率は、本明細書に記載される組成物の使用によって増強され得る。本明細書に記載される方法及び組成物は、前例のないスケールで同じ単一細胞からの位置情報及び転写物を組み合わせることによって、単一細胞表現型決定の力を大幅に拡大する。
【0014】
以下の定義は、本明細書の構築体及び組成物を説明する際の明確さのために提供され、特許請求される本発明を限定することを意図しない。
【0015】
本明細書で使用される場合、「構築体」という用語は、リンカーによって少なくとも1つのオリゴヌクレオチド配列に(好ましくは共有結合的に)結合したビーズを含む、化学的に合成され、場合により遺伝子操作されたアセンブリを指す。各オリゴヌクレオチド配列は、好ましくはいくつかの機能的要素:増幅ハンドル配列;バーコード配列、その5’又は3’端部上のバーコードに隣接して位置する任意の固有分子バーコード(UMB)配列、及びアンカーに相補的な配列を含む捕捉配列にハイブリダイズするためのアンカー配列を含む。
【0016】
「ビーズ」という用語は本明細書では核酸が固定化され得る(例えば、共有結合的に又は非共有結合的に)、プラスチック、セラミック、金属、又はポリマー材料(例えば、ハイドロゲル)から構成される、任意のタイプの固体、多孔質、又は中空球、ボール、ベアリング、シリンダー、又は他の同様の構成を包含し得る担体を指す。ビーズは球状(例えば、マイクロスフェアー)であってもよく、又は直方体、直方体、角錐、円筒形、円錐形、楕円形、又はディスク等の非球状又は不規則形状を有する可能性がある離散粒子を含んでもよい。
【0017】
「増幅ハンドル」という用語は一般に、オリゴヌクレオチド配列の増幅のための焼鈍部位を提供する、本開示の構築体中のオリゴヌクレオチド配列の機能的成分を指す。いくつかの実施形態では第1の又は追加のオリゴヌクレオチド配列中に存在する場合、増幅ハンドルは増幅のために使用されることが意図される技術に応じて、同じであっても異なっていてもよい。
【0018】
用語「バーコード」(BC)は一般に、定義されたオリゴヌクレオチド配列を記載し、これは、それが本開示の構築体の機能的要素である場合、基質中の特定の細胞又はウェルを同定するために使用され得る。
【0019】
「固有分子バーコード」(UMB)という用語は一般に、ランダムヌクレオチドを指し、これは、それが本開示の構築体の機能的要素である場合、その構築体に特異的である。UMBは、それが関連する構築体オリゴヌクレオチド配列の増幅複製の同定を可能にする。
【0020】
「リンカー」は、ビーズを構築体のオリゴヌクレオチド配列部分に結合又は会合させるために使用される任意の部分を指す。したがって、一実施形態において、リンカーは共有結合である。別の実施形態では、リンカーは非共有結合である。組成物及び方法の構築体において使用されるリンカーは、一実施形態において、切断可能である。本組成物及び方法の構築体に使用されるリンカーは、一実施形態では開裂非である。限定されるものではないが、一実施形態ではリンカーが切断可能なリンカー、例えば、ジスルフィド結合又は光切断性結合である。一例では、構築体の部分がストレプトアビジン-ビオチン結合を介して互いに連結される。別の実施例では、リンカーがジスルフィド結合によって構築体オリゴヌクレオチド配列に結合したビオチンの複合体を含み、ストレプトアビジンがビーズに融合及びコーティングされている。別の実施形態では、ビオチンをビーズにコーティングし、ストレプトアビジンを構築体オリゴヌクレオチド配列に融合させる。別の実施形態では、ビーズ表面はカルボキシル化され、オリゴヌクレオチド配列はアミノ化され、EDC反応でビーズに連結される。光切断性アミノ基は、紫外線光開裂を可能にするために使用することができる。
【0021】
用語「基材」は、好ましくはスライド、マルチウェルプレート又はチップを意味する。基材は従来のものであり、ガラス、ポリマー、又は特定のアッセイ若しくは診断プロトコルに適した任意の従来の材料のものであり得る。基材は、生物学的サンプルからの細胞を位置決めするためのマイクロウェルの行列を含むことができる。基材はまた、より容易な洗浄及びビーズローディングを可能にするために、ウェル構造を有し、ウェル底部に微細孔を有する膜であり得る。
【0022】
「可視」及び「視覚的に検出可能」という用語は、本明細書では事前の照明、又は化学的若しくは酵素的活性化の有無にかかわらず、目視検査によって観察可能で本構築体又は前記構築体に連結されたエンティティの特徴を指すために使用される。本発明の一実施形態では、そのような視覚的に検出可能な特徴が構築体の色、サイズ、又は形状を指し得る。あるいは、そのような視覚的に検出可能な特徴が約400~約800nmの範囲のスペクトル領域の光を吸収し、放出することができる。本発明の目的のために、その可視特性による本構築体の検出は構築体が好ましくは照明又は化学的若しくは酵素的活性化の有無にかかわらず、吸収分光光度計、透過光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、デジタルカメラ及びスキャナを含むがこれらに限定されない光学ベースの検出装置を用いて観察されることを意味する。
【0023】
本明細書で使用される「生物学的サンプル」は、本明細書に記載の方法で使用される場合、1つ又は複数の細胞を含有する、天然に存在する試料又は意図的に調製された試料又はライブラリーを指す。一実施形態では、試料が細胞膜成分、エキソソーム、及び細胞下成分を含むがこれらに限定されない、細胞又は細胞断片の集団を含有する。細胞は、細胞の均質な集団、例えば特定の型の単離された細胞、又は異なる細胞型の混合物、例えばヒト又は哺乳動物又は他の種の対象の生物学的流体又は組織であってもよい。本方法及び本組成物で使用するためのさらに他の試料には血清、プラズマ、全血、並びに末梢血、唾液、及び尿を含む血液試料が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、試料が対象から得られ、固定され、切片化され、平面、例えば、顕微鏡スライド上に取り付けられた組織片を指す「組織切片」である。組織切片は、細胞を含む実質的に平面の、すなわち二次元の材料を指す「平面の細胞試料」として分類することもできる。平坦な細胞試料は例えば、細胞を含む三次元組織生検を部に切断し、その部を平坦な表面上に取り付けることによって作製することができる。細胞は、ホルマリン、エタノール、メタノール、DSP、パラホルムアルデヒド、メタノール:酢酸及び他の類似の固定又は組織/RNA安定化試薬を含む任意の数の試薬を使用して固定され得る。
【0024】
本明細書に記載される構築体及び方法は例えば、どのような種類の細胞型が組織中に存在するか、どの位置及び割合で存在するか、細胞が正常であるか否か、又は細胞が処理に応答しているか否かを決定するために、対象からの細胞を分析するために使用され得る。一実施形態では、本方法が癌細胞における異形成の程度を決定するために使用され得る。これらの実施形態では、細胞が多細胞生物由来の試料であってもよい。生物学的試料は個体から、例えば、軟組織から単離され得る。特定の場合において、本方法は、新鮮凍結、凍結保存及びメタノール固定、又はホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料中の異なるタイプの癌細胞を区別するために使用され得る。代替の実施形態では、上記の方法が他の方法で固定された平面細胞試料に対して実施することができる。
【0025】
一実施形態では本発明が核酸標的を検出するための構築体に関し、前記構築体はビーズ、好ましくは磁気ビーズを含み、前記ビーズは1又は数種の視覚的に検出可能な特徴を含み、及び/又は前記ビーズは1又は数種の視覚的に検出可能なエンティティにカップリングされ、前記ビーズはオリゴヌクレオチドを含み、前記オリゴヌクレオチドはa)増幅ハンドル配列、b)前記視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティの1又は数種に特異的なバーコード配列、及びc)3’末端捕捉配列又はアンカー配列を含み、前記オリゴヌクレオチドは前記ビーズから取り外し可能であるように配置される。
【0026】
好ましい実施形態では、前記視覚的に検出可能な特徴がビーズのサイズ、ビーズの色、ビーズの形状、又はそれらの組合せである。
【0027】
別の好ましい実施形態では、前記オリゴヌクレオチドが切断可能な結合を介して前記ビーズに連結される。
【0028】
別の好ましい実施形態では、前記切断可能な結合が光切断性ストレプトアビジン-ビオチン、又はカルボキシル化-アミン結合である。
【0029】
別の好ましい実施形態において、前記ビーズは、ストレプトアビジン-ビオチン若しくはカルボキシル化-アミン結合を介して、又は任意の他の結合を介して、前記1又は数種の視覚的に検出可能なエンティティにカップリングされている。
【0030】
別の好ましい実施形態では前記1又は数種の視覚的に検出可能なエンティティが好ましくは限定されないが、シアニン色素、テキサスレッド色素、及びフルオレセインアミダイト色素からなる群から選択される蛍光標識を含む。
【0031】
別の好ましい実施形態では、前記ビーズが抗原又は抗体にさらにカップリングされている。
【0032】
別の好ましい実施形態では、前記増幅ハンドル配列が次世代シーケンシング互換性アダプター配列を含むPCRプライマーに相補的である。
【0033】
別の好ましい実施形態では前記構築体が前記ビーズに結合された第2のオリゴヌクレオチドを含み、前記第2のオリゴヌクレオチドはa)好ましくは次世代シーケンシング互換性アダプター配列を含むPCRプライマーに相補的な第2の増幅ハンドル配列、b)ビーズの1又は数種の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティに特異的なバーコード配列、c)ビーズに特異的なバーコード配列、d)任意追加の固有分子バーコード配列、及びe)末端ポリT配列を含む。
【0034】
別の実施形態では、本発明が上記で定義された構築体を含む組成物に関する。
【0035】
好ましい実施形態では、前記組成物が別個視覚的に検出可能な特徴又はエンティティの混合物を提供するいくつかの構築体の混合物を含む。
【0036】
好ましい実施形態では、いくつかの構築体の前記混合物が少なくとも2、3、4、5又は6個、好ましくは少なくとも16個の別個の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティを含む。
【0037】
好ましい実施形態では前記組成物が前記構築体に結合された蛍光標識等の視覚的に検出可能な特徴の少なくとも15の変数セットを有する前記構築体を多数含み、
第1の構築体において、前記蛍光標識は、第1の蛍光色素からなる;
第2の構築体において、前記蛍光標識は、第2の蛍光色素からなる;
第3の構築体において、前記蛍光標識は、第3の蛍光色素からなる;
第4の構築体において、前記蛍光標識は、第4の蛍光色素からなる;
第5の構築体において、前記蛍光標識は、第1及び第2の蛍光色素の混合物からなる;
第6の構築体において、前記蛍光標識は、第1及び第3の蛍光色素の混合物からなる;
第7の構築体において、前記蛍光標識は、第1及び第4の蛍光色素の混合物からなる;
第8の構築体において、前記蛍光標識は、第2及び第3の蛍光色素の混合物からなる;
第9の構築体において、前記蛍光標識は、第2及び第4の蛍光色素の混合物からなる;
第10の構築体において、前記蛍光標識は、第3及び第4の蛍光色素の混合物からなる;
第11の構築体において、前記蛍光標識は、第1、第2及び第3の蛍光色素の混合物からなる;
第12の構築体において、前記蛍光標識は、第1、第3及び第4の蛍光色素の混合物からなる;
第13の構築体において、前記蛍光標識は、第2、第3及び第4の蛍光色素の混合物からなる;
第14の構築体において、前記蛍光標識は第1、第2及び第4の蛍光色素の混合物からなる;及び
第15の構築体において、前記蛍光標識は、第1、第2、第3及び第4の蛍光色素の混合物からなる。
【0038】
別の好ましい実施形態において、前記第1の蛍光色素はCy5であり、前記第2の蛍光色素はCy3であり、前記第3の蛍光色素はAtto425であり、前記第4の蛍光色素はFAMである。
【0039】
別の好ましい実施形態では、異なるサイズ、形状、又は可視(非蛍光)色が蛍光色素の有無にかかわらず、ビーズ中で使用されて、複数の異なるビーズ構築体を作製する。
【0040】
別の好ましい実施形態では前記組成物が第2のオリゴヌクレオチドにカップリングされたビーズを含む第2の構築体(すなわち、細胞BCビーズ)をさらに含み、前記第2のオリゴヌクレオチドはa)第2の増幅ハンドル配列、b)ビーズに特異的なバーコード配列、c)任意追加の固有分子バーコード配列、及びd)相補配列にハイブリダイズするための第2のアンカー配列、好ましくはポリT配列を含む。
【0041】
別の好ましい実施形態では、前記第2のオリゴヌクレオチドがa)第2の増幅ハンドル配列、b)ビーズに特異的なバーコード配列、c)任意追加の固有分子バーコード配列、及びd)第2のアンカー配列、好ましくはポリT配列を含み、基材中のウェルの底部及び/又は壁に直接結合又は固定化することができる(例えば、
図7を参照されたい)。
【0042】
別の実施形態では、本発明は、単一細胞に由来するmRNAシークエンシング産物を同定するための、上記で定義されるような構築体又は組成物の使用に向けられる。
【0043】
別の実施形態では、本発明は、単一細胞レベルで生物学的サンプルをプロファイリングするための方法であって、前記方法が、以下の工程:
- 本開示において定義される構築体又は本開示において定義される組成物を、ウェルを含む基材に、任意の順序で、一緒に又は連続して、生物学的サンプルをローディングする工程、
- 生物学的サンプルを前記基材にローディングする前及び/又は後に、顕微鏡、好ましくは光学顕微鏡又は蛍光顕微鏡を用いて、前記基材中のウェルを撮影又はスキャンする工程、及び
- 任意追加で、ローディングされた基材中の別個の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティ又はそれらの組合せを有する特定のウェルの位置又は座標を決定する工程
を含む方法に向けられる。
【0044】
ウェル/試料の位置又は座標の判定は本発明の構築体の視覚的特性が写真又はスキャン画像において可視であり、したがって、各タイプの構築体又はそれらの混合物の位置を判定することができるので、方法において得られた写真又はスキャン画像を検査することによって達成される。好ましい実施形態では、基質中のウェル/試料が本方法において1回だけ撮影又はスキャンされる、すなわち、本方法は標識オリゴヌクレオチドプローブ又は標識ビーズ等の標識のセットを変化させながら、基質の連続的な撮影又はスキャンを必要としない。
【0045】
好ましい実施形態では、本方法は、以下の工程:
- マイクロウェルを含む基質に対して、本発明に定義される構築体又は組成物を、任意の順序で一緒に又は連続的にローディングする工程、
- 顕微鏡、好ましくは光学顕微鏡又は蛍光顕微鏡を用いて、ローディングされたマイクロウェルを撮影又はスキャンすること、-マイクロウェル中の試料を、細胞溶解を支持する条件に供し、核酸を放出し、次いで場合により逆転写酵素反応に供する工程、
- 増幅産物のシーケンシングライブラリーの調製を容易にするために、放出された核酸又は逆転写酵素反応産物を増幅すること、ここで、増幅産物は構築体の1又は数種の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティに特異的なバーコード配列を含有する工程、
- シーケンシングライブラリーを調製し、ライブラリーをシーケンシングする工程、及び
- 任意追加で、特定の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティ又はそれらの組合せをシーケンシングされた産物にリンクするために、構築体の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティに特異的なバーコード情報を用いてシーケンシングデータを分析することにより、シーケンシングされた産物のそれぞれが由来する特定のマイクロウェル位置を同定し、及び、本方法において撮影又はスキャンされた、ローディングされた基材中の対応する視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティ又はそれらの組合せを有する特定のマイクロウェルの位置を決定する工程
を含む。
【0046】
したがって、本発明はマイクロウェル中の単一細胞と、特異的に固有化されたmRNA捕捉マイクロビーズを併合すること;細胞を溶解し、それによって、マイクロビーズ上のmRNA捕捉オリゴヌクレオチド上のmRNAを捕捉すること;前記マイクロウェル中で逆転写反応を実施して、マイクロウェルプレートにおける各mRNAの位置を記録する前記特異的固有を含む第1の鎖cDNAに細胞のmRNAを変換し、その後、生成されたcDNAをシーケンシングすることによって、単一細胞シーケンシングライブラリーを作製するために使用することができる。
【0047】
好ましい実施形態では、本方法は、以下の工程:
i)本発明による複数の構築体を提供する工程であって、前記構築体は複数の第一のビーズを含み、前記第一のビーズは色、標識、特定のビーズサイズ又は形状等の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティの特定の組合せを有し、前記第一のビーズは光切断性リンカーによって第一のオリゴヌクレオチドに結合され、前記第一のオリゴヌクレオチドはa)増幅ハンドル配列、b)前記視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティのうちの1又は数種に特異的なバーコード配列、及びc)ポリA配列を含む末端配列を含む、工程;
ii)工程i)で得られた複数の構築体を、工程i)で得られた複数の構築体を、第2のオリゴヌクレオチドを含む磁気ビーズを含む捕捉構築体とともに、マイクロウェルにローディングし、前記第2のオリゴヌクレオチドはa)第2の増幅ハンドル配列、b)ビーズに特異的なバーコード配列、c)任意追加の固有分子バーコード配列、及びd)ポリT配列を含む第2の末端配列、並びに単一細胞を含むか、又は代わりに、細胞若しくは組織切片を、マイクロウェルを含む基材上のガラススライド上に配置する工程;及び
iii)ローディングされた基材を蛍光顕微鏡又は光学顕微鏡で撮影又はスキャンする工程
を含む。
【0048】
より好ましい実施形態では、本方法は、以下の工程:
iv)例えば、半透膜若しくは別の多孔質材料、オイル若しくはゲル層、又は表面上に細胞若しくは組織を担持するガラススライドで、ローディングされた基材のマイクロウェルを密封又は区画化する工程;
v)細胞を溶解して、凍結若しくは加熱工程でマイクロウェル内のmRNAを放出させるか、又は溶解緩衝液を、膜を通してマイクロウェル内に添加するか、若しくはマイクロウェルの上部若しくは底部上の多孔性シーリング、又はゲルシーリングによって運ばれる溶解剤を用いて、溶解させる工程;
vi)基材を紫外線曝露し、マイクロウェル中の試料を、放出されたmRNA及び第2のオリゴヌクレオチド並びに第1及び第2のオリゴヌクレオチドのポリ-A及びポリ-T配列のアニーリングを支持する条件に供することによって、第1のオリゴヌクレオチドを第1のビーズから脱離させ、前記mRNA及び第1のオリゴヌクレオチドを捕捉構築体の磁気ビーズに結合させる工程;
vii)マイクロウェルから試料を回収し、プールし、結合したmRNAを有する磁気ビーズと、結合した第1及び第2のオリゴヌクレオチドとを、磁石を用いて試料内容物の残りから分離し、遠心分離により洗浄工程を促進する工程;
viii)結合したmRNAを有する分離された磁気ビーズ、並びに第1及び第2のオリゴヌクレオチドを、第3の増幅ハンドル配列を含むテンプレートスイッチングオリゴヌクレオチドとの逆転写酵素反応に供するか;あるいは、工程vii)において回収及びプールする前に、逆転写をマイクロウェル上で直接実施することができる工程;
ix)逆転写酵素反応の産物を、第1、第2及び第3の増幅ハンドル配列又はその相補体に結合するプライマーとのPCR反応に供して、磁気ビーズに付着していないPCR反応産物を生成する工程;
x)磁気ビーズからPCR産物を分離する工程;
xi)任意追加で、約200bp未満の長さを有する配列の第1の群及び約200bpを超える長さを有する第2の群にPCR産物をサイズ選択する工程;
xii)シーケンシングインデックス及びアダプター配列を導入し(好ましくは、必要に応じて、適宜タグメント化、断片化、末端修復、A-テーリング、ライゲーション、又はPCRに基づく方法を伴う)、及び任意追加で工程xiで得られた群におけるPCR産物をシーケンシングする工程;
xiii)好ましくは、第1のオリゴヌクレオチドに由来する視覚的に検出可能な特徴及び/若しくはエンティティ又はそれらの組合せに特異的なバーコード配列と、第2のオリゴヌクレオチドに由来する磁気ビーズに特異的なバーコード配列及び/又は場合により同じシーケンシングされたPCR産物中に存在する第2のオリゴヌクレオチドに由来する固有分子バーコード配列との組合せを、第2のオリゴヌクレオチドに由来するビーズに比mRNA配列及びバーコード配列及び/又は場合により第2のオリゴヌクレオチドに由来する固有分子バーコード配列の組合せを含むシーケンシングされたPCR産物と比較することによって、シーケンシングデータを分析することによって、単一細胞のmRNA産物を同定する工程;
xiv)任意追加で、第1のオリゴヌクレオチドに由来する視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティ又はそれらの組合せに特異的なバーコード配列の組合せと、工程iii)において蛍光又は光学顕微鏡で撮影されたローディングされた基質の写真又はスキャンとを比較することによって、単一の細胞又は組織の位置を同定する工程
をさらに含む。
【0049】
別の好ましい実施形態では、本方法は、以下の工程:
i)第1及び第2のオリゴヌクレオチドを含む複数の構築体を提供する工程であって、前記構築体は複数の第1のビーズを含み、前記第1のビーズは色、標識、特定のビーズサイズ又は形状等の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティの特定の組合せを有し、前記第1のビーズは光切断性リンカーによって第1のオリゴヌクレオチドに結合され、前記第1のオリゴヌクレオチドはa)増幅ハンドル配列、b)前記視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティのうちの1又は数種に特異的なバーコード配列、及びc)ポリA配列を含む末端配列を含み、前記第1のビーズは前記ビーズに結合された複数の第2のオリゴヌクレオチドをさらに含み、前記第2のオリゴヌクレオチドはa)次世代シーケンシング互換性アダプター配列を含むPCRプライマーに相補的な第2の増幅ハンドル配列、b)前記ビーズの1又は数種の視覚的に検出可能な特徴及び/又はエンティティに特異的なバーコード配列、c)ビーズに特異的なバーコード配列、d)任意追加の固有分子バーコード配列、及びe)末端ポリT配列を含む、工程;
ii)工程i)で得られた複数の構築体を、マイクロウェル、及び単一細胞を含む生物学的サンプルにランダムにローディングするか、又は代わりに、細胞若しくは組織切片を、マイクロウェルを含む基材上にスライドガラス上に配置する工程;及び、
iii)ローディングされた基材を蛍光又は光学顕微鏡で撮影又はスキャンする工程
を含む。
【0050】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の構築体の検出が前記ウェル/試料へのオリゴヌクレオチドプローブの添加に依存せず、前記プローブは光学的に可読標識を含み、前記第1及び/又は第2のオリゴヌクレオチドに対して相補的な配列を有する。
【0051】
以下の実施例は1つ又は複数の特定の用途における本発明の原理を例示するものであるが、本発明の原理及び概念から逸脱することなく、発明の能力を行使することなく、実施の形態、使用法及び詳細における多数の修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明は以下に記載される特許請求の範囲による場合を除き、限定されることは意図されない。
【0052】
「含む(to comprise)」及び「含む(to include)」という動詞は本明細書において、記載されていない特徴の存在を排除することも要求することもない、開限定として使用される。従属請求項に記載された特徴は特に明記しない限り、相互に自由に組み合わせることができる。さらに、本明細書全体を通して、「a」又は「an」、すなわち単数形の使用は、複数を排除しないことを理解されたい。
【0053】
本明細書を通して、一実施形態又は実施形態への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な場所で「好ましい実施形態において」又は「ある実施形態において」という語句が出現するが、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。例えば、約又は実質的に等の用語を使用して数値が参照される場合、正確な数値も開示される。
【実施例】
【0054】
(実験部)
以下の実施例は、単一の細胞又は組織の空間的RNAseq分析のための視覚的ビーズバーコード座標を作成するための本発明の方法の4つのバージョンを開示する。これらの実施例は、本明細書に提供される教示の結果として明らかになる任意の及び全ての変形を包含すると解釈されるべきではない。
【0055】
(実施例1)
(Colour Barcodeマイクロビーズの設計及び検証)
直径2.8μMの大きさの磁気及びストレプトアビジンでコーティングされたDynabeads(M-280、ThermoFisher Scientific、カタログ番号11205D)をビーズ骨格として使用した16の異なる色バーコードマイクロビーズ構築体を設計した。ビーズの単一又は多色染色のために、スペーサーとして10 Cの延伸を有し、3’末端に異なる蛍光青(Atto425)、緑(FAM)、黄(Cy3)及び赤(Cy5)標識をそれぞれ有する4つの短い5’ビオチン化オリゴを、Integrated DNA Technologies(配列番号22~25)から注文した。汚染オリゴの配列は無関係であり、他の配列又はスペーサー分子によって置き換えることができる。5’末端に光切断性ビオチン(PCbio)(300~350nmの波長でのUV露光によって放出される)を有する16種の異なる色バーコードタグ付けオリゴの別のセットを、以下の特徴を有するように設計した(配列番号1~16):次世代シーケンシングライブラリー調製のための5’末端一般増幅ハンドル(PCRハンドル2)、各ビーズ色構築体に比固有バーコード配列、及び3’末端のポリAストレッチ(
図4及び
図5の表)。16バッチのビーズを調製し、それぞれ16色のバーコードオリゴの1つを用いた。15個のバッチを、1、2、3又は4個の蛍光標識ビオチン化オリゴの異なる組合せでも染色した。ビーズの第16のバッチを、色バーコードオリゴでのみ標識された非蛍光として使用した。
【0056】
ストレプトアビジンDynabeadsはビーズ1mgあたり約200pmolのビオチン化DNAオリゴを結合する能力を有し、標識オリゴ及び非標識オリゴを、各蛍光色素のシグナル強度に応じて1:1~1:10の比率でビーズ上に添加した。15分間室温でローリングチューブ中でインキュベートした後、ビーズをPBSで5回完全に洗浄し、各洗浄ラウンドにおいて磁石によってペレット化した。1X Dynabead結合及び洗浄(B&W)緩衝液をこれらの工程で使用した(5mM Tris-HCl(pH 7。5)、0。5mM EDTA、1M NaCl)。蛍光強度及びビーズ完全性を、Zeiss AxioImager顕微鏡を用いてチェックした。標識、染色強度、及び曝露時間の選択は蛍光顕微鏡の仕様に適合するように、各ユーザラボで調整される必要がある。市販の細胞バーコードビーズ(MACOSKO 2011-10 B、ChemGenes、USA、以下Cell barcodingビーズと称する)と10分間のUV露光(Bio-Rad ChemiDoc Imaging system)でそれらをインキュベートしてオリゴを放出させ(Bio-Rad ChemiDoc Imaging system)、続いてポリAをポリTに20分間ハイブリダイゼーションさせ、続いて磁気色バーコードビーズから非磁性細胞BCビーズを磁石で分離し、3ラウンドの完全なSSC緩衝液(Sigma Aldrich、カタログ番号S6639)洗浄及び細胞BCビーズの遠心分離工程、バルク反応(配列番号19及び26)でのPCR増幅、並びに適切なサイズの(~180bp)産物のゲル電気泳動検出により、各16。品質チェックの後、調製した16個のビーズバッチを等しい割合で混合し、このストックビーズミックスをTris-PBS緩衝液中+4で保存し、光から保護した。
【0057】
(マイクロウェルアレイローディング)
約100~000個のビーズを含有する色BCビーズストックミックスのアリコートを磁石でペレット化し、1回洗浄し、十分であるが穏やかなピペット混合で少なくとも20回PBS200μlに懸濁し、次いで、直径20μm及び深さ20μmのサイズの20~000個のマイクロウェルからなる1cm×1cmのマイクロウェルアレイ領域に無作為にローディングした(ポリジメチルスルホキシド(PDMS)で設計及び製作されたカスタマイズされた幾何学的形状)が、Gierahnら2017によるSeq-Wellプロトコルに従って他の時間で官能化した)。アレイ領域の周りの取り外し可能なシリコーンフレーム、及び緩衝液の上のガラスカバースリップスライドを使用して、同等のローディング効率及び緩衝液の蒸発の防止を助けた。フラット磁石をアレイスライドの下に配置してビーズローディングを固定した。10分間のローディングの間、磁石を注意深く2回取り出し、チップを静かに水平に振盪して、マイクロウェル間の残りのビーズを増強し、ウェルに沈降させた。ローディング品質も光学顕微鏡下でチェックした。追加の緩衝液を除去し、スライドアレイを磁石上に静置し、スライドを光から少なくとも30分間保護して乾燥させた。ローディングされ、乾燥されたアレイは、次の工程まで、遮光した+4℃で、覆われたペトリ皿に保管された。
【0058】
(座標の画像解析)
蛍光顕微鏡スキャナーZeiss AxioImagerを使用して、ビーズ上で使用される4つの蛍光色及びそれらの組合せについてアレイ領域全体をスキャンし、関連するZen 2.3 Liteプログラムを使用して、領域の単一のステッチされた大きな画像を形成した。画像は、積層多層画像フォーマットで、4つの蛍光顕微鏡チャネル及び1つの光学顕微鏡チャネルとして保存された。画像解析及び機械学習アルゴリズムは、顕微鏡画像解析のために設計された特定の機械学習ソフトウェアを用いて作成され、訓練され、検証された。アルゴリズムはそれらの色の組合せに基づいて16の異なるクラスのビーズ(構築体)を認識し、20μmの直径サイズのマイクロウェルを認識し、各マイクロウェル内のこれらのビーズクラスの各タイプの数を計数し、各そのような特徴組成物についてアレイ上に配置されたX-Y座標を与えるように訓練された。このローディングプロトコールをローディングしたほぼ全てのウェルは1ウェル当たり1~10個を超えるビーズを含有し、ほとんどのマイクロウェルは、ポアソン分布によって予測されるように3~8個のビーズを有する。16の可能な特徴のうち、理論上の65535の組合せの合計が可能であり(
図2)、AIアルゴリズムはビーズ特徴の独特の組成を有するウェルをマッピングし、記録した。非固有の組合せのリストもマップにマークされた。
【0059】
次の工程にすぐ進まない限り、予めローディングされた、画像調整されたスライドは、事前にストック中に調製され、取り扱われる場合、磁石を用いて+4℃乾燥状態で保管され、光線及び埃から保護され得る。
【0060】
本方法と組み合わせたSeq-Wellプロトコルを用いた単一細胞RNAseq実験
予めローディングされ、画像化されたチップを、PBSで2時間湿潤させ、チップの下に磁石を置き、光を保護した。20 直径10μmのポリスチレンビーズ(ChemGenes、MACOSKO-2011-10 B with SEQ ID NO: 17、Macosko et al 2015に記載の合成)上でカスタム合成した000個の市販のCell barcoding(細胞BC)ビーズを、200μl容量のビーズローディングバッファー(Gierahn et al 2017のレシピ)中で、30分間穏やかに水平に振盪しながら、シリコンフレーム及び光保護を使用して、所望のマイクロウェル面積上に予備緩衝液し、ローディングした。この後、200μlのRPMI培地中の5000個の末梢血単核細胞を添加し、細胞を同様の方法で30分間沈降させた。ウェルを半透膜で密封し、Seq-Wellプロトコル(Gierahnら、2017年)から適合された溶解緩衝液で細胞を溶解した。5分間のUV光曝露を用いて、色バーコードビーズから光切断性オリゴを放出させた。20分間のインキュベーションの後、膜を除去し、細胞BCビーズを回収し、洗浄し、第1鎖cDNA合成を、テンプレートスイッチングオリゴ(配列番号18)を用いた逆転写、続いてExoI処理、完全長cDNA(配列番号19)のPCR増幅、並びに適切な洗浄、精製、及び定量工程を有するタグメントベースのIlluminaライブラリー調製物(配列番号20及び標準Illumina Nextera i7インデックスプライマー)を用いて、DropSeq(Macosko et al 2015)及びSeq-Well(Gierahn et al 2017)プロトコールに従って行った。細胞バーコードに連結された色バーコードの<200bpフラグメント及び別個のライブラリー調製物(配列番号26及び配列番号27を有する)のサイズ選択は、ADT(抗体決定タグ)ライブラリーのためのCITE-seqプロトコルに従った(Stoeckius et al 2017)。
【0061】
(シーケンシング及びデータ解析)
ライブラリーをIllumina NextSeq500プラットフォーム及び高出力75サイクルシーケンシングキットでシーケンシングした。カスタムリード1シークエンシングプライマー(配列番号21)を使用して、12bp細胞バーコード及び細胞BCビーズに由来する8bp分子バーコード(UMB)をカバーするリード1について20bpをシーケンシングした。シーケンシングカートリッジに含まれる標準Illuminaリード2シーケンシングプライマーは、細胞BCビーズによって捕捉されたmRNAに由来する遺伝子配列の55bpリード、並びに細胞BCビーズによっても捕捉されたUV分離特徴オリゴに由来する色ビーズバーコードを生成した。原料fastqファイルの処理は公的に利用可能なDrop-Seqデータ分析パイプライン(Macosko et al 2015)、及び色バーコードについてはCITE-seqパイプライン(Stoeckius et al 2017)に従った。組み合わされた遺伝子発現行列を、参照ゲノムに整列された転写物のカウント及び同じ細胞バーコードに連結する色バーコードカウントから作製した。この行列は、顕微鏡スキャナ画像からの機械学習アルゴリズムを用いて以前に作成された、ウェル中の細胞及びビーズの空間X-Y座標の視覚マップとさらにマッチングされた。
【0062】
(実施例2)
実施例1に記載のプロトコルの別のバリエーションを、異なるサイズ(3、6、8又は10um)及びビーズの表示色で試験し、単一の蛍光標識FAMのみと組み合わせた。このようなビーズのセットは、多蛍光励起、発光及びフィルターセット、並びにいくつかのビーズの可能性のある自己蛍光限定と比較して、より少ない最適化を必要とするので、多種多様なエンドユーザー顕微鏡での使用がより容易である。様々なサイズ、色及び表面コーティング又は官能化のビーズは多くのベンダー(例えば、Spherotech、Bangs Laboratories、PolySciences、Abvigen)から入手可能である。ストレプトアビジンコーティングの代わりにカルボキシル化ビーズを使用した場合、FAM標識染色オリゴをビオチンの代わりに5’アミン基で順序付け、色バーコードオリゴをそれぞれ光切断性5’端部アミン基で順序付けた(GeneLink)。EDC活性化を用いて、試薬プロバイダー(ThermoFisher Scientific、カタログ番号22980)の指示に従って、ビーズ上のカルボキシル基とオリゴの第一級アミンとの間にアミド結合を形成した。非磁性ビーズの場合、それらは、同じEDC反応において、アミノ化磁性ナノ粒子(Merck Life Science、カタログ番号747327)で磁化された。結合したビーズを少なくとも3回完全に洗浄して、未結合のオリゴ及び標識を除去した後、ビーズバッチを混合した。そわなければ、プロトコルは実施例1と同様であり、ローディングされたビーズは色カメラを備えたAxioImager蛍光顕微鏡でスキャンされ、緑蛍光画像(FAMラベル用)と積み重ねられたステッチ色画像は以下の20クラスのビーズを認識し、各マイクロウェルからそれらを認識し、計数するように教示された機械学習アルゴリズムで分析された。20種類のビーズ・タイプのプールからのビーズのランダムなセットは、ウェル(
202401111337187600______________________2FI2022050347___APH_2.aspx
)あたり1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19及び20種類のビーズ・タイプの合計20種類のビーズ・タイプから合計20+190+1140+4845+15504+38760+77520+125970+167960+184756+167960+125970+
77520+38760+15504+4845+1140+190+20+1=1048575の合計ウェルあたりの可能な組合せ。例えば、10000個のウェルを有し、ポアソン分布においてランダムに80000個のビーズをローディングするアレイにおいて、0、1又は2個のビーズのみを有する非情報的/非固有のウェルの割合は、2%未満で維持され得る。
【0063】
実施例2で作製した20種のビーズ:
青-3um非蛍光性
青-6um-非蛍光
黄-3um非蛍光
黄-6um-非蛍光
赤-3um非蛍光
赤-6um非蛍光
無色-3um-非蛍光
無色-6um-非蛍光
無色-8um-非蛍光
無色-10um-非蛍光
青-3um-FAM
青-6um-FAM
黄-3um-FAM
黄-6um-FAM
赤-3um-FAM
赤-6um-FAM
無色-3um-FAM
無色-6um-FAM
無色-8um-FAM
無色-10um-FAM
【0064】
(実施例3)
プロトコルの別の変形は市販の細胞バーコードビーズを含まない方法であるが、代わりに、細胞バーコードオリゴは色BCオリゴとともに、着色されたビーズ又は他の目に見える特徴を有するビーズによって担持される(
図4を参照されたい)。任意追加で、特徴ビーズ上に担持される新しい細胞BCオリゴは、ビーズの色又は特徴の組合せ(配列番号28)と一致する追加の色BC配列も担持する。しかし、特徴的なビーズは、所与のウェル中のすべてのビーズによってランダムに放出及び捕捉される別個の切断可能な色BCオリゴも保有することが必須である。PCRhandle1及び任意の色BCからなるビオチン化骨格オリゴを用いて、固有細胞BCオリゴ配列を各ビーズバッチに作製した。それらを作製するために、12bpビーズ比細胞BC、8bp全ランダム分子バーコード及び30bpポリ-T配列のスプリット-アンド-プール合成を、Macosko et al 2015に記載のプロトコールから適合させた。この後、ポリ-A端部を有する色BCオリゴ、及び実施例1と同一の5’上の光切断性ビオチンをビーズバッチに付着させ、5回洗浄し、次いですべてのビーズ特徴バッチを混合し、マイクロウェル上の実験に使用した。ビーズをローディングし、実施例1のように画像化したが、市販の細胞BCビーズを以下の工程で添加しなかった。細胞又は組織のローディング及びさらなる分析は、そわなければ実施例1及び4に従った。ウェルあたりの複数のビーズはウェルあたり複数の細胞バーコードを作成したが、色又は特徴の組合せは固有であり、各ウェル中の単一の固有の色BC組合せに複数の細胞バーコードをマッチングさせることができ、これはこの方法バージョンを用いたバイオインフォマティクス分析パイプラインにおいて可能であった。
【0065】
(実施例4)
本方法の別のバリエーションは懸濁液中の解離細胞の代わりに、凍結保存又はホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織切片からのRNAの直接空間捕捉のためにビーズバーコード化マイクロウェルを使用することである。このために、急速凍結及びTissueTek OCT Compound(Sakura)包埋マウス乳癌組織を、クリオミクロトームを用いて、標準的な顕微鏡スライドガラス上で10μmの厚さの切片にスライスし、使用するまで-80℃中に保持した。切片をメタノールで固定し、標準的なヘマトキシリン-エオシン(HE)染色プロトコルで染色し、その後、光学顕微鏡画像スキャンを行い、組織構造を可視化した。予めローディングされ、蛍光画像化された色BCビーズを有する予め調製されたマイクロウェルスライド(実施例1及び3に記載)を磁石上に保持し、細胞透過化緩衝液(0.1N HCl中の0.1%ペプシン)で湿潤させた。湿らせたアレイを加湿した表トップチャンバー上に置き、以下の工程でマイクロウェルからの少量の液体の蒸発を防いだ。スライドを室内に保持しながら、余剰溶解緩衝液をスライドの上部から除去し、その後、組織切片スライドをその上部に直ちに配置して、溶解緩衝液で満たされたウェル及び組織が接触するようにした。組織スライドの裏面にテープで留められた薄い金属片は、マイクロウェルスライドの下の磁石の力で、それをしっかりと、かつ、それでもなお適所に保持するのに役立った。あるいは、機械的クリップを使用することもできる。細胞を溶解させ、mRNAをビーズ上で室温で15分間ハイブリダイズさせた。5分間のUV露光を、実施例1と同様に最初に導入して、ビーズから色バーコードオリゴを放出させ、それらを、溶解細胞からのmRNAと共に細胞バーコードオリゴとハイブリダイズさせた。この後、組織スライドを迅速に移動させ、マイクロウェルアレイを、磁石上に静置しながら、SSC緩衝液で直ちに4回洗浄して、余剰ハイブリダイズしていないRNA及びUV放出オリゴを除去した。スライドを上下逆さまにして、SSC緩衝液を含むスライド室に置き、室の下に磁石を含むビーズを引くことによって、ビーズをマイクロウェルスライドから回収した。市販の非磁性細胞BCビーズを用いた実施例1のプロトコールの場合、スライド遠心分離工程も必要であった。緩衝液中のビーズを単一のエッペンドルフチューブに集め、ペレット化した。Macosko et al 2015, Gierahn et al 2017及びStoeckius et al 2017に記載されているプロトコールに厳密に従い、実施例1で言及されているように、ビーズ上でバルク反応において以下の逆転写及びライブラリー調製工程を行った。データ解析は他の点では実施例1に記載のものと同様であったが、加えて、元のHE染色組織切片の顕微鏡画像を、ビーズが配位したウェル位置に由来する遺伝子発現の空間シーケンシング情報の上に重ね合わせた。オーバーレイのための組織及びアレイ画像のマッチングは、マイクロウェルスライドからのシーケンシングデータ生成領域の形状によって、及び顕微鏡で記録され、画像から整列された両方のスライド上の内蔵補助マーキングスポットによってガイドされた。
【0066】
(参考文献)
Gierahn TM, Wadsworth MH 2nd, Hughes TK, Bryson BD, Butler A, Satija R, Fortune S, Love JC, Shalek AK. Seq-Well: portable, low-cost RNA sequencing of single cells at high throughput. Nat Methods. 2017 Apr;14(4):395-398. doi: 10.1038/nmeth.4179. Epub 2017 Feb 13. PMID: 28192419; PMCID: PMC5376227.
Macosko EZ, Basu A, Satija R, Nemesh J, Shekhar K, Goldman M, Tirosh I, Bialas AR, Kamitaki N, Martersteck EM, Trombetta JJ, Weitz DA, Sanes JR, Shalek AK, Regev A, McCarroll SA. Highly Parallel Genome-wide Expression Profiling of Individual Cells Using Nanoliter Droplets. Cell. 2015 May 21;161(5):1202-1214. doi: 10.1016/j.cell.2015.05.002. PMID: 26000488; PMCID: PMC4481139.
Stoeckius M, Hafemeister C, Stephenson W, Houck-Loomis B, Chattopadhyay PK, Swerdlow H, Satija R, Smibert P. Simultaneous epitope and transcriptome measurement in single cells. Nat Methods. 2017 Sep;14(9):865-868. doi: 10.1038/nmeth.4380. Epub 2017 Jul 31. PMID: 28759029; PMCID: PMC5669064.
【0067】
(オリゴヌクレオチド配列及びその修飾のリスト)
配列番号1: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA ATCACG BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号2: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA TTAGGC BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号3: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA TGACCA BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号4: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA ACAGTG BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号5: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA GCCAAT BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号6: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA CAGATC BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号7: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA ACTTGA BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号8: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA TGAACG BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号9: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA CTGAGA BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号10: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA TAGCTG BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号11: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA AATACG BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号12: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA TTCCAG BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号13: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA ATCTGT BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号14: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA ACTTGA BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号15: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA TAACAG BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号16: /5PCbio/CCTTGGCACCCGAGAATTCCA GATGTG BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
配列番号17: TTTTTTTAAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTACBCBCBCBCBCBCNNNNNNNNTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT (DropSeq Cell barcoding oligo、市販、BCのストレッチは細胞バーコードを記述し、Nは固有分子バーコードUMBを記述する)
配列番号18: AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTGAATrGrGrG (DropSeq-TSO)
配列番号19: AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGT (DropSeq-SMART-PCRprimer)
配列番号20: AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACGCCTGTCCGCGGAAGCAGTGGTATCAACGCAGAGT*A*C (DropSeq-New-P5-SMART-PCR-hybrid-oligo)
配列番号21: GCCTGTCCGCGGAAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTAC (DropSeq-CustomRead1 Sequencing primer)
配列番号22: /Atto425/CCCCCCCCCC/3bio/ (色ビーズ蛍光ラベリングオリゴ)
配列番号23: /56-FAM/CCCCCCCCCC/3bio/ (色ビーズ蛍光ラベリングオリゴ)
配列番号24: /5Cy3/CCCCCCCCCC/3bio/ (色ビーズ蛍光ラベリングオリゴ)
配列番号25: /5Cy5/CCCCCCCCCC/3bio/ (色ビーズ蛍光ラベリングオリゴ)
配列番号26: CCTTGGCACCCGAGAATT*C*C (色ビーズPCR-ハンドル2増幅プライマー)
配列番号27: CAAGCAGAAGACGGCATACGAGATCGTGATGTGACTGGAGTTCCTTGGCACCCGAGAATTCCA (色BC産物インデックス化のためのIllumina Small RNA RPI1プライマー、例として、i7インデックス1)
配列番号28:
/5bio/TTTTTTTAAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTACNNNNNNBCBCBCBCBCBCNNNNNNNNTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT (色バーコード化オリゴと一緒に色BCビーズ中で使用される場合、修飾DropSeq細胞バーコード化オリゴ、例えば、最初のNNNNNN配列で示される任意の色タグ化配列)
配列番号31:
/5bio/TTTTTTTAAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTAC (
図7に示すブリッジ増幅のための固定化PCR-ハンドルオリゴ)
配列番号32
/5PCbio/AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA (
図7に示す架橋増幅のための光切断性固定化ポリAオリゴ)
配列番号33 AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNNNNNNGTACTCTGCGTTGATACCACTGCTT (ウェル比細胞BCクラスターを作製するN/12ランダム配列を含む、
図7におけるブリッジ増幅のためのテンプレート)
【国際調査報告】