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特表2024-519116核酸標的の検出のためのユニバーサルLAMPアッセイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】核酸標的の検出のためのユニバーサルLAMPアッセイ
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6844 20180101AFI20240426BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALI20240426BHJP
   C12N 9/12 20060101ALN20240426BHJP
【FI】
C12Q1/6844 Z
C12Q1/6876 Z
C12N9/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572121
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 US2022030312
(87)【国際公開番号】W WO2022246237
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/191,590
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507189666
【氏名又は名称】デューク ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【弁理士】
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】レイフ,ジョン・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,シン
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA20
4B063QQ42
4B063QR06
4B063QR08
4B063QR42
4B063QR62
4B063QS24
4B063QS34
(57)【要約】
各標的にカスタム化された従来のLAMPプライマー設計を必要とすることなく1つまたは複数の核酸標的のループ介在等温増幅法(LAMP)を可能にする、組成物および方法が開示されている。変換反応は、LAMP反応の上流で行われる。変換反応は、標的核酸がサンプル中に存在する場合に、一本鎖DNA(ssDNA)オリゴヌクレオチドを生じさせる。変換反応で生じたssDNAは、ユニバーサルLAMPテンプレートの所要のLAMPプライマーとして機能する。ssDNAはこうして、LAMP反応を促進する。LAMP生成物の分析は、1つまたは複数の核酸標的の存在を決定することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルを準備するステップ、および
標的核酸がサンプル中に存在する場合に一本鎖DNA(ssDNA)オリゴヌクレオチドを生じさせるように機能する変換反応を行うステップ
を含む、標的核酸のループ介在等温増幅法(LAMP)を行う方法であって、
変換反応によって生じた前記ssDNAが、ユニバーサルLAMPテンプレートの所要のLAMPプライマーとして機能し、LAMPプライマーがこうして、存在する場合には、LAMP反応を進行させる、方法。
【請求項2】
前記LAMP反応が逆転写LAMP(RT-LAMP)反応である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記LAMPテンプレートが標的核酸に依存しない、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記変換反応の結果生じた前記LAMPプライマーの存在が、LAMP反応が進行することになるかどうかを決定するように、他の所要のLAMPプライマーが準備される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記変換反応が、
標的核酸と結び付くように構成されている1セットの変換プライマーをサンプルに混合するステップ
を含み、
第1の変換プライマー(A)が、
標的核酸の部分配列P1とハイブリダイズし得る部分配列
【数1】

部分配列
【数2】
、および
部分配列
【数3】
にハイブリダイズしている、LAMPプライマーである核酸鎖U
を含み、
第2の変換プライマー(B)が、標的核酸の部分配列P2とハイブリダイズし得る配列
【数4】
を含み、
第3の変換プライマー(C)が、標的核酸のP3部分配列と適合する配列P3を含み、かつ
変換プライマーセットおよび鎖置換ポリメラーゼを使用する増幅がUの放出をもたらす、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
P2が標的核酸上のP1の3’であり、P3がP1の5’である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
【数5】
が、第1の変換プライマー(A)内の
【数6】
の5’である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の変換プライマー(A)が、1つまたは複数の追加の部分配列をさらに含み、これら部分配列の各々が、LAMP反応のためのプライマーとして機能する核酸鎖に相補的である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記変換反応が、2つ以上の標的核酸のいずれか1つがサンプル中に存在する場合に同一の変換されたLAMPプライマーを生じさせるように機能する変換反応である「OR」反応として構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記変換反応が、サンプル内に存在する各々の標的化された核酸の異なる所要のLAMPプライマーを生じさせるように機能する変換反応である「AND」反応として構成されており、その結果、各々の標的化された核酸がサンプル内に存在する場合にのみLAMP反応が進行する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記標的核酸が感染性疾患と関連している、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記感染性疾患が、エボラ、ジカ、SARS-CoV-2、マラリア、結核、デング、黄熱などである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記サンプルが環境サンプルであり、環境モニタリングまたは環境評価プロセスの一部として行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記環境サンプルが水サンプルまたは土壌サンプルである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
標的核酸のループ介在等温増幅法(LAMP)を可能にするように調製された組成物であって、
ユニバーサルLAMPテンプレート、
ユニバーサルLAMPテンプレートに対応する不完全なLAMPプライマーセット、および
標的核酸と結び付くように構成されたプライマーセットであり、標的核酸がサンプル中に存在する場合に、一本鎖DNA(ssDNA)オリゴヌクレオチドを生じさせる変換反応を可能にするように構成され、ssDNAが、LAMP反応を促進させるためのLAMPプライマーの1つとして機能する、プライマーセット
を含む、組成物。
【請求項16】
鎖置換DNAポリメラーゼをさらに含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
逆転写酵素をさらに含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
前記LAMPテンプレートが標的核酸に依存しない、請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
前記プライマーセットが、異なる核酸標的にそれぞれ向けられている少なくとも2つのプライマーサブセットを含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項20】
前記プライマーセットが、マルチ入力「論理OR」決定のために構成されており、2つ以上のプライマーサブセットが、それらのそれぞれの核酸標的の存在下で同一のLAMPプライマーを生じさせるようにそれぞれ構成され、このことによって、LAMP反応がこれらの核酸標的のいずれかの存在下で進行することを可能にする、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記不完全なLAMPプライマーセットが、2つ以上のプライマーサブセットの核酸標的の存在下で生じるLAMPプライマーのみを欠いており、その結果、LAMP反応が、2つ以上のプライマーサブセットの核酸標的のいずれかの存在下で進行し得る、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記プライマーセットが、マルチ入力「論理AND」決定のために構成されており、2つ以上のプライマーサブセットが、それらのそれぞれの核酸標的の存在下で異なるLAMPプライマーを生じさせるようにそれぞれが構成され、このことによって、LAMP反応がこれらの核酸標的の各々の存在下でのみ進行することを可能にする、請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
前記不完全なLAMPプライマーセットが、2つ以上のプライマーサブセットの核酸標的の存在下で生じるLAMPプライマーの各々を欠いており、その結果、LAMP反応が、2つ以上のプライマーサブセットの核酸標的の各々の存在下でのみ進行し得る、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記プライマーセットが最大6つのサブセットを含み、これらサブセットの各々が、異なる標的に向けられ、マルチ入力「論理AND」決定の一部として異なるLAMPプライマーを放出するように構成されている、請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
前記サブセットの1つが、その対応する核酸標的が検出されるとループFプライマーを放出するように構成されている、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記サブセットの1つが、その対応する核酸標的が検出されるとループBプライマーを放出するように構成されている、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
前記プライマーセットが最大4つのサブセットを含み、これらサブセットの各々が、異なる標的に向けられ、それぞれマルチ入力「論理AND」決定の一部として異なるLAMPプライマーを放出するように構成されている、請求項22に記載の組成物。
【請求項28】
前記プライマーセットが、「論理AND」決定と組み合わせた「論理OR」決定のために構成され、前記プライマーセットが、
それらのそれぞれの核酸標的の存在下で同一のLAMPプライマー(A)を生じさせるようにそれぞれ構成されており、その結果、1つまたは複数のプライマーサブセット(a)の核酸標的のいずれかの存在下でLAMPプライマー(A)が生じるようになっている、1つまたは複数のプライマーサブセット(a)、および、それらのそれぞれの核酸標的の存在下で同一のLAMPプライマー(B)を生じさせるようにそれぞれ構成されており、その結果、2つ以上のプライマーサブセット(b)の核酸標的のいずれかの存在下でLAMPプライマー(B)が生じるようになっている、2つ以上のプライマーサブセット(b)
を含み、
前記LAMP反応が、LAMPプライマー(A)およびLAMPプライマー(B)の両方が生じる場合にのみ進行する、請求項19~27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
前記プライマーセットが、それらのそれぞれの核酸標的の存在下で同一のLAMPプライマー(A)を生じさせるようにそれぞれ構成されている、2つ以上のプライマーサブセット(a)を含む、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
プライマーサブセット(a)およびプライマーサブセット(b)に加えて、1つまたは複数のプライマーサブセットのそれぞれの核酸標的の存在下でLAMPプライマー(A)およびLAMPプライマー(B)と異なるLAMPプライマーを生じさせるように構成されている前記1つまたは複数のプライマーサブセットをさらに含み、前記LAMP反応が、LAMPプライマー(A)、LAMPプライマー(B)、および1つまたは複数の追加のLAMPプライマーの全てが生じる場合にのみ進行する、請求項28に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、この参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、2021年5月21日に出願された米国仮特許出願第63/191,590号に対する利益および優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
[0002]ループ介在等温増幅法(LAMP)および逆転写LAMP(RT-LAMP)(Tomita,N.、Mori,Y.、Kanda,H.、Notomi,T.Loop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP) of Gene Sequences and Simple Visual Detection of Products.、Nat.Protoc.、2008、3、877~882、およびParida,M.、Sannarangaiah,S.、Dash,P.K.、Rao,P.V.L.、Morita,K.Loop Mediated Isothermal Amplification(LAMP):A New Generation of Innovative Gene Amplification Technique;Perspectives in Clinical Diagnosis of Infectious Diseases.、Rev.Med.Virol.、2008、18、407~421を参照されたい)は、PCRアッセイおよびRT-PCRアッセイで必要とされる費用のかかる熱循環設備および時間のかかるプロトコルを必要とすることのない等温条件下での核酸の迅速な指数関数的増幅のための強力な分子技術である(Zhao,Y.、Chen,F.、Li,Q.、Wang,L.、Fan,C.Isothermal Amplification of Nucleic Acids.、Chem.Rev.、2015、115、12491~12545を参照されたい)。
【0003】
[0003]単純な反応セットアップ、短いターンアラウンドタイム、複数の利用可能なリードアウト方法、一般的な阻害物質に対する高い耐性、および核酸抽出を回避する可能性などの利点は、LAMP/RT-LAMPベースの診断法を、新興の病原体(Wong,Y.-P.、Othman,S.、Lau,Y.-L.、Radu,S.、Chee,H.-Y.Loop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP):A Versatile Technique for Detection of Micro-Organisms.、J.Appl.Microbiol.、2018、124、626~643を参照されたい)および感染性疾患(Mori,Y.、Notomi,T.Loop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP):A Rapid,Accurate,and Cost-Effective Diagnostic Method for Infectious Diseases.、J.Infect.Chemother.、2009、15、62~69を参照されたい)の安価な臨床現場即時(POC)検査および患者の近くで行われる検査にとって特に魅力的なものにしている。
【0004】
[0004]しかし、LAMP/RT-LAMP反応の高い感度および特異性は、基本的に、標的配列上の8つの異なる領域を認識する1セットの6つのプライマーの細部にわたる設計および最適化に基づいている(Moehling,T.J.、Choi,G.、Dugan,L.C.、Salit,M.、Meagher,R.J.LAMP Diagnostics at the Point-of-Care:Emerging Trends and Perspectives for the Developer Community.、Expert Rev.Mol.Diagn.、2021、21、43~61を参照されたい)。それぞれの所望の標的のための新たなLAMPプライマーセットを完全に設計し直し、スクリーニングし、そして最適化する必要性は、進化していく病原体および新興の感染性疾患に応じた高性能のLAMP/RT-LAMPアッセイの開発を、費用がかかり、時間がかかり、かつ労力を要するものにしている。
【0005】
[0005]さらに、複数の標的を検出するためには、マルチプレックスLAMP/RT-LAMPの最新技術の方法は、反応ミックスに複数の直交型のLAMPプライマーセットを含めること(Zhang,Y.、Tanner,N.A.Development of Multiplexed Reverse-Transcription Loop-Mediated Isothermal Amplification for Detection of SARS-CoV-2 and Influenza Viral RNA.、Biotechniques、2021、70、167~174、およびJang,W.S.、Lim,D.H.、Yoon,J.、Kim,A.、Lim,M.、Nam,J.、Yanagihara,R.、Ryu,S.-W.、Jung,B.K.、Ryoo,N.-H.ら、Development of a Multiplex Loop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP) Assay for on-Site Diagnosis of SARS CoV-2.、PLoS One、2021、16、e0248042を参照されたい)、ならびに、反応結果を解釈するための、特別なリードアウトメカニズム、例えば、複数のフルオロフォア-クエンチャー対(Tanner,N.A.、Zhang,Y.、Evans,T.C.Simultaneous Multiple Target Detection in Real-Time Loop-Mediated Isothermal Amplification.、Biotechniques、2012、53、81~89を参照されたい)、マイクロキャピラリー(Zhang,Y.、Zhang,L.、Sun,J.、Liu,Y.、Ma,X.、Cui,S.、Ma,L.、Xi,J.J.、Jiang,X.Point-of-Care Multiplexed Assays of Nucleic Acids Using Microcapillary-Based Loop-Mediated Isothermal Amplification.、Anal.Chem.、2014、86、7057~7062、およびLi,R.、Chen,J.、Zhang,X.、Cui,J.、Tao,S.、Yang,L.Mini-Disk Capillary Array Coupling with LAMP for Visual Detection of Multiple Nucleic Acids Using Genetically Modified Organism Analysis as an Example.、J.Agric.Food Chem.、2020、68、899~906を参照されたい)、ラテラルフロー装置(Zhu,X.、Wang,X.、Han,L.、Chen,T.、Wang,L.、Li,H.、Li,S.、He,L.、Fu,X.、Chen,S.ら、Multiplex Reverse Transcription Loop-Mediated Isothermal Amplification Combined with Nanoparticle-Based Lateral Flow Biosensor for the Diagnosis of COVID-19.、Biosens.Bioelectron.、2020、166、112437を参照されたい)、またはアンプリコン融解パターン(Dong,J.、Xu,Q.、Li,C.、Zhang,C.Single-Color Multiplexing by the Integration of High-Resolution Melting Pattern Recognition with Loop-Mediated Isothermal Amplification.、Chem.Commun.、2019、55、2457~2460を参照されたい)に頼らなくてはならない。これらの実装は、アッセイの全体的なコストおよび複雑さを著しく増大させ、また、汚染のリスクを高める場合がある(例えば、リードアウトおよび分析のために、増幅の後に反応槽が再び開かれなくてはならない場合)。
【0006】
[0006]マルチプレックスLAMPの実装を単純化するために、最近の研究は、メディエーター-レポーターセットを提案しており(Becherer,L.、Bakheit,M.、Frischmann,S.、Stinco,S.、Borst,N.、Zengerle,R.、von Stetten,F.Simplified Real-Time Multiplex Detection of Loop-Mediated Isothermal Amplification Using Novel Mediator Displacement Probes with Universal Reporters.、Anal.Chem.、2018、90、4741~4748を参照されたい)、これは、異なるLAMP反応から生じた増幅産物を可視化するために使用される蛍光ヘアピンレポーターを1つにすることを可能にする。この先行技術の設計はマルチプレックスLAMPのための効率的なリードアウト方法を提供するが、これは、アッセイに使用される標的の1つ1つのためにフルセットのLAMPプライマーを細部にわたり設計し、スクリーニングし、そして最適化する必要性は依然として回避していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]したがって、特に、進化していく病原体および新興の感染性疾患に対処するためのアッセイにおいて使用するための、LAMP/RT-LAMPのための改良されたシステム、方法、および関連するワークフローが現在も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]本開示は、異なるDNA/RNA標的の効果的な検出のためのユニバーサルLAMP/RT-LAMPアッセイを目的としている。従来のLAMP/RT-LAMP反応では、1セットの6つの固有のプライマーが、それぞれの所望の標的配列のために細部にわたり設計され、最適化されなくてはならない。LAMPプライマーでの多くの設計上の制約に起因して、LAMP/RT-LAMPアッセイの設計および最適化は通常は困難であり、所望の標的のための複数の候補プライマーセットの冗長な実証的検査を必要とする。その結果、追加の標的の検出は、新たなLAMPプライマーセットの完全な再設計、スクリーニング、および最適化を必要とし、これは、非常にコストがかかり、時間がかかり、そして労力を要するプロセスであり得る。
【0009】
[0009]本開示は、高度に最適化されたLAMP反応の上流で機能して任意の標的DNA/RNA配列の検出を効果的に変換する新規な変換メカニズムを、アッセイの標的配列に依存しないユニバーサルLAMPテンプレートの迅速な増幅に一体化させる。変換メカニズム(図1)は、標的配列および3つの設計が容易なプライマーを含み、これらは、単純なハイブリダイゼーションおよび鎖置換重合反応を受けて、ユニバーサルssDNAオリゴの1つまたは複数のコピーを放出し(図2)、当該オリゴの配列は、下流のユニバーサルLAMP反応を開始させるための必須のLAMPプライマーの1つとして機能するように事前設計されている(図3図4)。
【0010】
[0010]このLAMP反応は高度に最適化されており、異なる標的の検出のために調節し直す必要がない。その結果、本発明は、任意の所望の異なるDNA配列セットまたはRNA配列セットを高い特異性および感度で検出するために1セットの高度に最適化されたLAMPプライマーのみを使用すればよいユニバーサルワンポット分子アッセイの迅速な開発を可能にする。ユニバーサルアッセイの設計の単純さは、安価で正確な分子診断法の迅速な配備を促進して、世界的公衆衛生の点で重要な感染性疾患、例えば、エボラ、ジカ、SARS-CoV-2、マラリア、結核、デング、黄熱などを含む、流行中の/新興の病原体(例えば、ウイルス、細菌、真菌)の広範な臨床現場即時の/患者の近くで行われる検査を可能にする。他の適用としては、環境サンプルの分析が含まれる。例えば、ある特定の態様は、水サンプル、土壌サンプル、および/または他のタイプの環境サンプルを分析することによる環境のモニタリングおよび評価を目的とし得る。
【0011】
[0011]さらに、本明細書において開示されている態様は、アッセイの感度、特異性、および多重性の程度の容易なカスタム化および増強を可能にする、複数の標的の検出におけるブール「論理OR」(図5)および「論理AND」(図6図7)の計算のための直接的なサポートを備えたマルチプレックスユニバーサルLAMP/RT-LAMPアッセイの設計および実装に関する。本明細書において開示されている態様は、PCR/RT-PCRよりも高い感度および特異性を提供しながら、従来のマルチプレックスLAMP/RT-LAMPよりも単純なアッセイ設計および安い開発コストを特徴とする、シングルプレックスアッセイフォーマットまたはマルチプレックスアッセイフォーマットのいずれかでの核酸のユニバーサル迅速等温検出を達成している。
【0012】
[0012]本明細書において記載される新規な変換メカニズムは、様々な等温増幅法方法およびリードアウト技術と広く適合する。分子診断用途に加えて、提案されている変換メカニズムは、複雑な分子回路での入力シグナルおよび出力シグナルの単純なユニバーサル変換を達成するために、DNAおよびRNAコンピューティングの分野に広く適用され得る。
【0013】
[0013]この概要は、詳細な説明において以下でさらに記載される単純化された形態に概念の選択を導入するために提供されている。この概要は、特許請求の範囲に記載の主題の重要な特徴または必須の特徴を特定するためのものでも、特許請求の範囲に記載の主題の範囲の指定として使用されるためのものでもない。
【0014】
[0014]本発明の様々な対象、特徴、特性、および利点は、その全てが本明細書の一部を形成する添付の図面および添付の特許請求の範囲と組み合わせて態様の以下の記載から明らかとなり、より容易に理解されるであろう。図面において、リファレンスナンバーのようなものが、様々な図面における対応するまたは類似の部分を指すために利用され得、示されている様々な要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】[0015]典型的な変換反応を示す図であり、下流の事前設計された最適化されたユニバーサルLAMP反応のためのLAMPプライマーの1つとして機能するssDNAオリゴ「U」の放出をもたらす、標的配列と3つの設計が簡単なプライマーとの間のハイブリダイゼーションおよび鎖置換重合反応を示している。
図2】[0016]変換反応のためのロードされたプライマーの設計スキームを示す図であり、第2の設計スキームでは、ロードされたプライマーが、それぞれが「U」のコピーにハイブリダイズする反復ドメインを含み、このことで、標的配列の1つのコピーが検出されると「U」の複数のコピーを素早く放出させるための変換反応を可能にすることを示しており、また、反復ドメインを有するロードされたプライマーのバックボーンが直接的な合成によってまたはプライマー交換反応などの技術を使用して容易に調製され得ることを示しており、また、第3の設計スキームでは、変換反応の出力が、下流のユニバーサルLAMP反応のための6つのプライマーのうちの2つとして機能する「U1」および「U2」の同時放出であることを示している。
図3】[0017]ユニバーサルLAMP反応の構成要素を示す図である。
図4-1】[0018]ユニバーサルLAMP反応の例を示す図であり、変換反応から放出されたssDNA「U」が、事前設計された高度に最適化されたLAMP反応の迅速な開始を引き起こすことを示している。
図4-2】[0018]ユニバーサルLAMP反応の例を示す図であり、変換反応から放出されたssDNA「U」が、事前設計された高度に最適化されたLAMP反応の迅速な開始を引き起こすことを示している。
図5】[0019]標的に対する「論理OR」演算を伴うマルチプレックスユニバーサルLAMPの反応構成要素を示す図であり、標的に対する「論理OR」演算を伴うユニバーサルLAMPの反応ステップは、図4に示すものと同一であり得る。
図6】[0020]標的に対する「論理AND」演算を伴うマルチプレックスユニバーサルLAMPの反応構成要素を示す図である。
図7-1】[0021]標的に対する「論理AND」演算を伴うユニバーサルLAMP反応を示す図であり、変換反応からの「U1」および「U2」の同時放出が、事前設計された最適化されたLAMP反応の開始を引き起こすことを示している。
図7-2】[0021]標的に対する「論理AND」演算を伴うユニバーサルLAMP反応を示す図であり、変換反応からの「U1」および「U2」の同時放出が、事前設計された最適化されたLAMP反応の開始を引き起こすことを示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ユニバーサルLAMP/RT-LAMPアッセイの概要
[0022]異なる標的の効果的な検出のためのLAMPベースのアッセイの設計および実装を十分に単純化するために、本開示は、任意の所望の標的DNA配列セットまたはRNA配列セットが検出されると高度に最適化されたユニバーサルLAMP反応を迅速に開始させるための3つの標的特異的なプライマーを含む、新規な変換メカニズムを利用する、ユニバーサルLAMP/RT-LAMPの単純なスキームを記載している。変換反応とLAMP反応との間の結び付きは、事前設計された高度に最適化されたLAMP反応のための必須のLAMPプライマーの1つとして機能するユニバーサルssDNAオリゴヌクレオチドの、標的によって引き起こされる放出である。
【0017】
[0023]したがって、標準的なアプローチでは全ての標的のために6つの特異的なLAMPプライマーであるのとは対照的に、異なる標的核酸が、わずか3つのプライマーの設計に基づいて、高い特異性および感度で迅速に増幅され得る。多段階反応をLAMPと一体化させる先行技術の分子アッセイ(例えば、Marciniak,J.Y.、Kummel,A.C.、Esener,S.C.、Heller,M.J.、Messmer,B.T.Coupled Rolling Circle Amplification Loop-Mediated Amplification for Rapid Detection of Short DNA Sequences.、Biotechniques、2008、45、275~280を参照されたい)とは対照的に、本明細書に記載のアッセイは、高度に最適化されたLAMP/RT-LAMPアッセイと同等の高レベルの感度および特異性を達成するために、追加の酵素、または反応時間の延長を必要としない。
【0018】
[0024]単純な変換メカニズムとユニバーサルLAMP反応との一体化はまた、複数の核酸標的の迅速な検出の際のブール論理演算の直接的な実装を容易にする。ユニバーサルLAMP/RT-LAMPアッセイの感度、特異性、および多重性の柔軟な微調整を可能にするために、「ロードされたプライマー」の様々な代替的な設計スキームがさらに記載される。ブール論理計算のためのビルトインサポートもまた、単純なpHに基づく比色分析のリードアウト(例えば、Tanner,N.A.、Zhang,Y.、Evans,T.C.Visual Detection of Isothermal Nucleic Acid Amplification Using PH-Sensitive Dyes.、Biotechniques、2015、58、59~68において記載されているような)の使用、または直接的な目視検査によるマルチプレックス検査の結果の容易な解釈のための他の比較的単純な検出スキームの使用を可能にしている。
【0019】
[0025]ブール論理計算のための内在するサポートを有するマルチプレックスアッセイは、実践的な適用に多くの利点をもたらす。例えば、マルチプレックス「論理OR」演算は、アッセイの多重性を向上させるため(例えば、複数の病原体、もしくは特定の病原体の複数のサブタイプ/突然変異体を同時に検出することによる)またはアッセイの感度を増強させるため(例えば、特定の標的病原体の複数のゲノム位置を同時に検出することによる)に活用され得る。同様に、「論理AND」演算は、アッセイの多重性を向上させるため(例えば、複数の病原体、もしくは特定の病原体の複数のサブタイプ/突然変異体の共存を検出することによる)またはアッセイの特異性を増強させるため(例えば、特定の標的病原体に特異的な複数のゲノム位置の共存を検出することによる)に活用され得る。
【0020】
[0026]本明細書に記載のアッセイは、PCR/RT-PCRよりもより高い感度および特異性を提供しながら、従来のマルチプレックスLAMP/RT-LAMPよりも単純なアッセイ設計および安い開発コストを特徴とする、シングルプレックスアッセイフォーマットまたはマルチプレックスアッセイフォーマットのいずれかでの核酸(限定はしないが、DNA、ssDNA、dsDNA、RNA、mRNA、tRNA、マイクロRNA、rRNA、siRNA、sgRNA、および核酸類似体、例えばTNA、LNA、HNA、GNAを含む)のユニバーサル迅速等温検出を可能にする。
【0021】
[0027]本明細書において記載されているユニバーサルアッセイは、限定はしないが比色分析、蛍光、化学発光、電気化学、濁度、およびこれらに類するものを含む複数のリードアウト方法に適合する。本明細書に記載のアッセイはまた、複数のフルオロフォア-クエンチャー対、マイクロキャピラリー、ラテラルフロー装置、またはアンプリコン融解パターンなどのリードアウトメカニズムと組み合わせて利用され得る。
【0022】
[0028]分子診断法における適用に加えて、本明細書において提案される新規な変換メカニズムは、複雑な分子回路での入力シグナルおよび出力シグナルのユニバーサル変換を容易に可能にするために、DNAおよびRNAコンピューティングの分野に広く適用され得る。本明細書において記載される態様が利用され得るこのようなシステムの例については、Song,X.、Reif,J.Nucleic Acid Databases and Molecular-Scale Computing.、ACS Nano、2019、13、6256~6268、およびShah,S.、Wee,J.、Song,T.、Ceze,L.、Strauss,K.、Chen,Y.-J.、Reif,J.Using Strand Displacing Polymerase To Program Chemical Reaction Networks.、J.Am.Chem.Soc.、2020、142、jacs.0c02240を参照されたい。
【0023】
[0029]本明細書において提案されるユニバーサル変換メカニズムはまた、LAMPに加えて、限定はしないが、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、ローリングサイクル増幅(RCA)、等温多重置換増幅(IMDA)、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)、レコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ニッキング酵素増幅反応(NEAR)、シングルプライマー等温増幅法(SPIA)、ならびに指数関数的な増幅、線形の増幅、およびカスケード増幅の他のバリエーションを含む、様々な他の等温増幅法技術と広く適合する。これらの技術のさらなる議論については、Zhaoら、Chem Rev.、2015、およびGill,P.、Ghaemi,A.Nucleic Acid Isothermal Amplification Technologies-A Review.、Nucleosides,Nucleotides and Nucleic Acids、2008、27、224~243を参照されたい。
例示的な態様
[0030]図1は、例示的な変換反応を示している。変換の目的は、標的核酸鎖の存在を検出し、それに応じて、下流の事前設計された高度に最適化されたユニバーサルLAMP反応を迅速に開始させるための必須のLAMPプライマーの1つとして機能するユニバーサルssDNAオリゴ「U」を放出させることである。
【0024】
[0031]示されている変換反応は、これらの構成要素を含んでいる:(1)部分配列P2、P1、P3(3’から5’の方向で列挙されている)を3つの隣接するプライマー結合部位として有する標的鎖、(2)部分配列
【0025】
【数1】
【0026】
(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖を含むロードされたプライマー「A」、であって、前記プライマー核酸鎖に、部分配列
【0027】
【数2】
【0028】
(バーは配列の逆相補性を示している)にハイブリダイズしている核酸鎖Uがロードされている、ロードされたプライマー「A」、(3)プライマー核酸鎖
【0029】
【数3】
【0030】
を含むプライマー「B」、(4)プライマー核酸鎖P3を含むプライマー「C」、(5)鎖置換ポリメラーゼ(例えばBst2.0)、ならびに(6)逆転写酵素(標的配列がRNAである場合)。簡潔性のために、反応バッファーおよびヌクレアーゼフリーの水などの一般的な試薬は、図には示されていない。
【0031】
[0032]図1はまた、標的鎖と3つのプライマーA、B、およびCとの間のハイブリダイゼーションおよび鎖置換重合反応を示しており、これは、下流の事前設計された高度に最適化されたユニバーサルLAMP反応のための必須のLAMPプライマーの1つとして機能するssDNAオリゴ「U」の放出をもたらす。
【0032】
[0033]特に、ステップ(a)は、標的鎖上のプライマー結合部位P1を介する、標的鎖とロードされたプライマー「A」との間のハイブリダイゼーション反応を含む。ステップ(b)は、ステップ(a)で生じた核酸複合体の
【0033】
【数4】
【0034】
の3’末端から開始される重合反応を含む。ステップ(c)は、標的鎖上のプライマー結合部位P2を介する、プライマー「B」とステップ(b)で生じた核酸複合体との間のハイブリダイゼーション反応を含む。ステップ(d)は、ステップ(c)で生じた核酸複合体の
【0035】
【数5】
【0036】
の3’末端から開始される鎖置換重合反応を含む。ステップ(e)は、ステップ(d)で生じた結果物の核酸複合体を示している。ステップ(f)は、プライマー「C」と、プライマーCへの結合のための露出している
【0037】
【数6】
【0038】
ドメインを有するステップ(e)で生じた核酸複合体との間のハイブリダイゼーション反応を含む。ステップ(g)は、ステップ(f)で生じた核酸複合体のP3の3’末端から開始される鎖置換重合反応を示している。ステップ(h)は、ステップ(g)で生じた結果物の核酸複合体を示している。放出されたssDNA「U」は、下流の事前設計された高度に最適化されたユニバーサルLAMP反応のための必須のLAMPプライマーの1つとして機能する。
【0039】
[0034]図2は、変換反応において使用するためのロードされたプライマーAの3つの設計スキームを示している。各設計スキームのロードされたプライマーAは、点線のボックスの内側に示されている。スキーム(a)は、ロードされたプライマーAの第1の設計に基づく変換反応の入力および出力を示している。このスキームにおいて、ロードされたプライマーAは、1つの部分配列
【0040】
【数7】
【0041】
および1つの部分配列
【0042】
【数8】
【0043】
(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖から構成され、当該プライマー核酸鎖には、部分配列
【0044】
【数9】
【0045】
にハイブリダイズしている1つの核酸鎖Uがロードされている。1つの標的鎖が検出されると、この反応は、下流の事前設計された最適化されたユニバーサルLAMP反応のための必須のLAMPプライマーの1つとして機能するssDNA「U」を放出する。これは、図1に示す変換反応に対応している。
【0046】
[0035]スキーム(b)は、ロードされたプライマーAの第2の設計に基づく変換反応の入力および出力を示している。このスキームにおいて、ロードされたプライマーAは、部分配列
【0047】
【数10】
【0048】
の複数の反復および1つの部分配列
【0049】
【数11】
【0050】
(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖から構成され、当該プライマー核酸鎖には、部分配列
【0051】
【数12】
【0052】
の複数の反復にハイブリダイズしている核酸鎖Uの複数のコピーがロードされている。1つの標的鎖が検出されると、この反応は、下流の事前設計された最適化されたユニバーサルLAMP反応のための必須のLAMPプライマーの1つとして機能するためのssDNA「U」の複数のコピーを放出する。この設計は、アッセイの感度を向上させるために使用され得る。
【0053】
[0036]スキーム(c)は、ロードされたプライマーAの第3の設計に基づく変換反応の入力および出力を示している。このスキームにおいて、ロードされたプライマーAは、1つの部分配列
【0054】
【数13】
【0055】
、1つの部分配列
【0056】
【数14】
【0057】
、および1つの部分配列
【0058】
【数15】
【0059】
(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖から構成され、当該プライマー核酸鎖には、部分配列
【0060】
【数16】
【0061】
および部分配列
【0062】
【数17】
【0063】
にそれぞれハイブリダイズしている1つの核酸鎖U2および1つの核酸鎖U1がロードされている。1つの標的鎖が検出されると、この反応は、下流の事前設計された最適化されたユニバーサルLAMP反応のための個別の必須のLAMPプライマーとしてそれぞれが機能するssDNA「U1」およびssDNA「U2」を同時放出する。
【0064】
[0037]図3では、ユニバーサルLAMP反応の構成要素が示されている。反応バッファー、ヌクレアーゼフリーの水、および当技術分野において公知の他の標準的な増幅構成要素などの一般的な試薬は、図に示されていないが、含まれ得る。ユニバーサルLAMP反応は、(1)部分配列
【0065】
【数18】
【0066】
、F2c、F1c、B1、B2、B3(3’から5’の方向で列挙されている)を標準的なLAMP反応に必要な6つのプライマー結合部位として有する、高度に最適化されたLAMP反応のための事前設計されたユニバーサルテンプレート、(2)プライマー核酸鎖Uを含むF3プライマー、プライマー核酸鎖B3を含むB3プライマー、部分配列F1cおよびF2(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖を含むFIPプライマー、部分配列B1cおよびB2(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖を含むBIPプライマー、プライマー核酸鎖FLPcを含むループFプライマー、ならびにプライマー核酸鎖BLPcを含むループBプライマーを含む、ユニバーサルテンプレート(1)の迅速な増幅のための事前最適化されたLAMPプライマーセット、ならびに(3)鎖置換ポリメラーゼを含み得る。バーでの表記法と同様に、修飾子「c」は、配列の逆相補性を示している。したがって、例えば、F2cは、F2に対して逆相補的である。
【0067】
[0038]この実施例は、変換反応から放出されたssDNA「U」を、ユニバーサルLAMP反応におけるF3プライマーとして利用する。しかし、実装の優先度に応じて、ssDNA「U」は、最適なアッセイパフォーマンスのための必須のLAMPプライマーのいずれか1つとして機能するように設計され得る。
【0068】
[0039]図4では、本発明のユニバーサルLAMP反応が示されている。ユニバーサルLAMP反応の目的は、事前設計され高度に最適化されたLAMP反応を迅速に開始させるために、変換反応からのssDNA「U」の放出を感知することあり、この結果は、例えば、pHに基づく比色分析のリードアウトの単純で迅速な目視検査によって容易に解釈され得る。
【0069】
[0040]ステップ(a)は、ユニバーサルテンプレート上のプライマー結合部位F2cを介する、ユニバーサルテンプレートとFIPプライマーとの間のハイブリダイゼーション反応を示している。ステップ(b)は、ステップ(a)で生じた核酸複合体のF2の3’末端から開始される重合反応を示している。ステップ(c)は、ユニバーサルテンプレート上のプライマー結合部位
【0070】
【数19】
【0071】
を介する、変換反応から放出されたssDNA「U」とステップ(b)で生じた核酸複合体との間のハイブリダイゼーション反応を示している。ステップ(d)は、ステップ(c)で生じた核酸複合体の
【0072】
【数20】
【0073】
の3’末端から開始される鎖置換重合反応を示しており、置換されたssDNAは、その5’末端にループ構造を有する核酸複合体を形成している。ステップ(e)は、ステップ(d)で生じた核酸複合体上のプライマー結合部位B2cおよびB3cをそれぞれ介する、BIPプライマーおよびB3プライマーと前記複合体とのハイブリダイゼーションを示している。ステップ(f)は、ステップ(e)で生じた核酸複合体のB2の3’末端から開始される鎖置換重合反応、およびステップ(e)で生じた核酸複合体のB3の3’末端から開始される鎖置換重合反応を示しており、置換されたssDNAは、両末端にループ構造を有する核酸複合体を形成している。ステップ(g)は、ステップ(f)で生じた核酸複合体上のプライマー結合部位F2c、B2c、FLP、およびBLPをそれぞれ介する、FIPプライマー、BIPプライマー、ループFプライマー、およびループBプライマーと、前記複合体とのハイブリダイゼーションを示している。ステップ(h)は、ステップ(g)で生じた核酸複合体のFIPの3’末端、ループBの3’末端、BIPの3’末端、およびループFの3’末端からそれぞれ開始される鎖置換重合反応によって促進される、LAMPの自己推進型の自己循環増幅を示している。
【0074】
[0041]図5は、複数の標的の検出における「論理OR」演算をサポートするマルチプレックスユニバーサルLAMPの反応構成要素を示している。「変換反応の構成要素」は、「論理OR」に基づく2つの異なる標的の検出のための変換反応の入力および出力を示している。標的のいずれか(または両方)の検出は、下流の高度に最適化されたユニバーサルLAMP反応を開始させるユニバーサルssDNAオリゴ「U」の放出をもたらす。
【0075】
[0042]「変換反応の構成要素」において、(1)は、部分配列P2、P1、P3(3’から5’の方向で列挙されている)を3つの隣接するプライマー結合部位として有する、第1の標的鎖の配列組成を示しており、(2)は、部分配列
【0076】
【数21】
【0077】
(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖を含むロードされたプライマーであって、前記プライマー核酸鎖に、部分配列
【0078】
【数22】
【0079】
にハイブリダイズしている核酸鎖Uがロードされている、ロードされたプライマー;プライマー核酸鎖
【0080】
【数23】
【0081】
を含むプライマー;ならびにプライマー核酸鎖P3を含むプライマーを含む、第1の標的鎖を検出するための3つのプライマーを示している。
[0043]同様に、「変換反応の構成要素」において、(3)は、部分配列Q2、Q1、Q3(3’から5’の方向で列挙されている)を3つの隣接するプライマー結合部位として有する、第2の標的鎖の配列組成を示しており、(4)は、部分配列
【0082】
【数24】
【0083】
(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖を含むロードされたプライマーであって、前記プライマー核酸鎖に、部分配列
【0084】
【数25】
【0085】
にハイブリダイズしている核酸鎖Uがロードされている、ロードされたプライマー;プライマー核酸鎖
【0086】
【数26】
【0087】
を含むプライマー;ならびにプライマー核酸鎖Q3を含むプライマーを含む、第2の標的鎖の検出のための3つのプライマーを示している。第1の標的または第2の標的のいずれか(または両方)の検出は、下流の高度に最適化されたユニバーサルLAMP反応のための必須のLAMPプライマーの1つとして機能するssDNAオリゴヌクレオチド「U」の放出をもたらす。
【0088】
[0044]「ユニバーサルLAMP反応の構成要素」は、「論理OR」に基づく2つの異なる標的の検出のためのユニバーサルLAMP反応の構成要素を示しており、(1)は、部分配列
【0089】
【数27】
【0090】
、F2c、F1c、B1、B2、B3(3’から5’の方向で列挙されている)を標準的なLAMP反応に必要な6つのプライマー結合部位として有する、高度に最適化されたLAMP反応のための事前設計されたユニバーサルテンプレートの配列組成であり、(2)は、プライマー核酸鎖Uを含むF3プライマー(変換反応によって生じる)、プライマー核酸鎖B3を含むB3プライマー、部分配列F1cおよびF2(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖を含むFIPプライマー、部分配列B1cおよびB2(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖を含むBIPプライマー、プライマー核酸鎖FLPcを含むループFプライマー、ならびにプライマー核酸鎖BLPcを含むループBプライマーを含む、(1)のユニバーサルテンプレートの迅速な増幅のための事前最適化されたLAMPプライマーセットであり、そして(3)は、鎖置換ポリメラーゼである。
【0091】
[0045]反応バッファーおよびヌクレアーゼフリーの水などの標準的な公知の試薬は示されていないが、含まれ得る。この実施例において、変換反応から放出されたssDNA「U」は、ユニバーサルLAMP反応におけるF3プライマーとして機能する。実装の優先度に応じて、ssDNA「U」は、最適なアッセイパフォーマンスのための必須のLAMPプライマーのいずれか1つとして機能するように設計され得る。
【0092】
[0046]図6は、複数の標的の検出における「論理AND」演算をサポートするマルチプレックスユニバーサルLAMPの反応構成要素を示している。「変換反応の構成要素」は、「論理AND」に基づく2つの異なる標的の検出のための変換反応の入力および出力を示している。特に、(1)は、部分配列P2、P1、P3(3’から5’の方向で列挙されている)を3つの隣接するプライマー結合部位として有する、第1の標的鎖の配列組成を示しており、(2)は、部分配列
【0093】
【数28】
【0094】
(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖を含むロードされたプライマーであって、前記プライマー核酸鎖に、部分配列
【0095】
【数29】
【0096】
にハイブリダイズしている核酸鎖U1がロードされている、ロードされたプライマー;プライマー核酸鎖
【0097】
【数30】
【0098】
を含むプライマー;ならびにプライマー核酸鎖P3を含むプライマーを含む、第1の標的鎖を検出するための3つのプライマーを示している。第1の標的の検出は、下流の高度に最適化されたユニバーサルLAMP反応のための必須のLAMPプライマーの1つとして機能する1つのssDNAオリゴ「U1」(または、ロードされたプライマーのマルチコピー設計スキームを使用する場合には、「U1」の複数のコピー)の放出をもたらす。
【0099】
[0047]同様に、「変換反応の構成要素」において、(3)は、部分配列Q2、Q1、Q3(3’から5’の方向で列挙されている)を3つの隣接するプライマー結合部位として有する、第2の標的鎖の配列組成を示しており、(4)は、部分配列
【0100】
【数31】
【0101】
(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖を含むロードされたプライマーであって、前記プライマー核酸鎖に、部分配列
【0102】
【数32】
【0103】
にハイブリダイズしている核酸鎖U2がロードされている、ロードされたプライマー;プライマー核酸鎖
【0104】
【数33】
【0105】
を含むプライマー;ならびに核酸鎖Q3を含むプライマーを含む、第2の標的鎖の検出のための3つのプライマーを示している。第2の標的の検出は、下流のLAMP反応のための別の必須のLAMPプライマーとして機能する1つの異なるssDNAオリゴ「U2」(または、ロードされたプライマーのマルチコピー設計スキームを使用する場合には、「U2」の複数のコピー)の放出をもたらす。
【0106】
[0048]「ユニバーサルLAMP反応の構成要素」は、「論理AND」に基づく2つの異なる標的の検出のためのユニバーサルLAMP反応の構成要素を示しており、(1)は、高度に最適化されたLAMP反応のための事前設計されたユニバーサルテンプレートの配列組成である。テンプレートは、部分配列
【0107】
【数34】
【0108】
、F2c、F1c、B1、B2、U2(3’から5’の方向で列挙されている)を標準的なLAMP反応に必要な6つのプライマー結合部位として有しており、(2)は、プライマー核酸鎖U1を含むF3プライマー(変換反応によって生じる)、プライマー核酸鎖U2を含むB3プライマー(変換反応によって生じる)、部分配列F1cおよびF2(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖を含むFIPプライマー、部分配列B1cおよびB2(5’から3’の方向で列挙されている)を有するプライマー核酸鎖を含むBIPプライマー、プライマー核酸鎖FLPcを含むループFプライマー、ならびにプライマー核酸鎖BLPcを含むループBプライマーを含む、(1)のユニバーサルテンプレートの迅速な増幅のための事前最適化されたLAMPプライマーセットであり、そして(3)は鎖置換ポリメラーゼである。
【0109】
[0049]反応バッファーおよびヌクレアーゼフリーの水などの標準的な公知の試薬は示されていないが、含まれ得る。この実施例において、変換反応から放出されたssDNA「U1」およびssDNA「U2」は、下流のユニバーサルLAMP反応のためのF3プライマーおよびB3プライマーとしてそれぞれ機能する。実装の優先度に応じて、ssDNA「U1」および「U2」は、最適なアッセイパフォーマンスのための必須のLAMPプライマーの任意の対として機能するように設計され得る。
【0110】
[0050]図7は、複数の標的の検出における「論理AND」演算をサポートするマルチプレックスユニバーサルLAMP反応を示している。ユニバーサルLAMP反応の目的は、事前設計された高度に最適化されたLAMP反応を迅速に開始させるために、変換反応からのssDNA「U1」およびssDNA「U2」の同時放出を感知することであり、この結果は、例えば、pHに基づく比色分析のリードアウトの単純で迅速な目視検査によって容易に解釈され得る。
【0111】
[0051]ステップ(a)は、ユニバーサルテンプレート上のプライマー結合部位F2cを介する、ユニバーサルテンプレートとFIPプライマーとの間のハイブリダイゼーション反応を示している。ステップ(b)は、ステップ(a)で生じた核酸複合体のF2の3’末端から開始される重合反応を示している。ステップ(c)は、ユニバーサルテンプレート上のプライマー結合部位
【0112】
【数35】
【0113】
を介する、変換反応から放出されたssDNA「U1」とステップ(b)で生じた核酸複合体との間のハイブリダイゼーション反応を示している。ステップ(d)は、ステップ(c)で生じた核酸複合体の
【0114】
【数36】
【0115】
の3’末端から開始される鎖置換重合反応を示しており、置換されたssDNAは、その5’末端にループ構造を有する核酸複合体を形成している。ステップ(e)は、ステップ(d)で生じた核酸複合体上のプライマー結合部位B2cおよびU2cをそれぞれ介する、変換反応から放出されたBIPプライマーおよびssDNA「U2」と前記複合体との間のハイブリダイゼーションを示している。ステップ(f)は、ステップ(e)で生じた核酸複合体のB2の3’末端から開始される鎖置換重合反応、およびステップ(e)で生じた核酸複合体のU2の3’末端から開始される鎖置換重合反応を示しており、置換されたssDNAは、両末端にループ構造を有する核酸複合体を形成している。ステップ(g)は、ステップ(f)で生じた核酸複合体上のプライマー結合部位F2c、B2c、FLP、およびBLPをそれぞれ介する、FIPプライマー、BIPプライマー、ループFプライマー、およびループBプライマーと前記複合体とのハイブリダイゼーションを示している。そしてステップ(h)は、ステップ(g)で生じた核酸複合体のFIPの3’末端、ループBの3’末端、BIPの3’末端、およびループFの3’末端からそれぞれ開始される鎖置換重合反応によって促進される、LAMPの自己推進型の自己循環増幅を示している。
【0116】
[0052]図5に示されている「論理OR」の態様、および図6に示されている「論理AND」の態様は、このような論理演算をもたらすためにどのように変換およびLAMP反応の構成要素が構成され得るかを示す例であるが、本発明の使用は、これらの例のみに限定されるわけではない。例えば、「論理OR」演算では、それぞれが異なる核酸標的に向けられているが、それぞれがそのそれぞれの標的核酸の存在下で同一のLAMPプライマーを生じさせるように構成されている、あらゆる数の追加のプライマーサブセットが含まれ得る。
【0117】
[0053]「論理AND」演算では、それぞれが異なる核酸標的に向けられており、かつそれぞれがそのそれぞれの標的核酸の存在下で異なるLAMPプライマーを生じさせるように構成されている、最大6つのプライマーサブセットが含まれ得る。最大6つのこのようなプライマーサブセットが含まれ得るのは、生じる可能性のあるLAMPプライマーのそれぞれが、ユニバーサルLAMPテンプレートの6つのLAMPプライマーの1つに対応し得るためである。一部の態様は、その代わりに、ループFプライマーおよびループBプライマーを除いた、最大4つのこのようなプライマーサブセットを使用し得、その場合、ループFプライマーおよびループBプライマーは代わりに、LAMP反応を「加速させる」それらの機能が確実に完全に利用されるように、直接加えられ得る。
【0118】
[0054]一部の態様は、「論理AND」決定と組み合わせた「論理OR」決定のために構成され得る。例えば、一態様は、1セットのAND関係と1つまたは複数のネスト化されたOR関係を含み得る。例えば、プライマーサブセット(a1)は、その核酸標的の存在下でLAMPプライマー(A)を生じさせるように構成され得、また任意選択で、1つまたは複数の異なるプライマーサブセット(a2、a3、a4など)もそれぞれ同様に、そのそれぞれの核酸標的の存在下でLAMPプライマー(A)を生じさせるように構成されている。そのそれぞれの核酸標的の存在下でLAMPプライマー(A)を生じさせるようにそれぞれが構成されている、任意の数の追加の(a)タイププライマーのサブセットが含まれ得る。態様はまた、その核酸標的の存在下で異なるLAMPプライマー(B)を生じさせるように構成されているプライマーサブセット(b1)、および任意選択で、それぞれが同様にそのそれぞれの核酸標的の存在下でLAMPプライマー(B)を生じさせるように構成されている1つまたは複数の異なるプライマーサブセット(b2、b3、b4など)を含み得る。そのそれぞれの核酸標的の存在下でLAMPプライマー(B)を生じさせるようにそれぞれが構成されている、任意の数の追加の(b)タイププライマーのサブセットもまた含まれ得る。
【0119】
[0055]このような態様は、LAMPプライマー(A)およびLAMPプライマー(B)の両方が生じる場合にのみLAMP反応が進行するため、AND論理を組み込んでいる。この態様はまた、(a)タイププライマーのサブセットと関連する核酸標的の少なくとも1つが存在する場合にはLAMPプライマー(A)が生じ、また、(b)タイププライマーのサブセットと関連する核酸標的の少なくとも1つが存在する場合にはLAMP(B)プライマーが生じるため、OR論理も組み込んでいる。
【0120】
[0056]一部の態様は、追加のAND関係を組み込み得る。例えば、そのそれぞれの核酸標的の存在下でLAMPプライマー(C)を生じさせるようにそれぞれが構成されている、1つまたは複数の(c)タイププライマーサブセットが含まれ得る。LAMP反応は、LAMPプライマー(A)、(B)、および(C)の各々が生じる場合にのみ進行する。上記のように、最大6つ(または一部の態様では最大4つ)のLAMPプライマーがこの様式で生じ、各LAMPプライマーは、OR関係を有する複数のプライマーサブセットを任意選択で含み得る。
追加の用語および定義
[0057]本開示のある特定の態様が、具体的な構造、パラメータ、構成要素、要素などを参照して詳細に記載されてきたが、これらの記載は例示的なものであり、特許請求の範囲に記載の発明の範囲を限定するものとは解釈されない。
【0121】
[0058]さらに、記載されている態様の構成要素のあらゆる所与の要素について、別段のことが暗示的にまたは明確に述べられていない限り、その要素または構成要素について列挙されている考えられる代替物のいずれも、個別にまたは互いに組み合わせて一般に使用され得ることが理解されるべきである。
【0122】
[0059]加えて、別段の指示がない限り、明細書および特許請求の範囲において使用される、量、構成成分、距離、または他の測定値を表す数は、「約」という用語またはその類義語によって任意選択で修飾されていると理解される。「約」、「およそ」、「実質的に」、またはこれらに類する用語が、言及されている量、値、または条件と組み合わせて使用されている場合、これは、言及されている量、値、または条件の20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満の偏差がある量、値、または条件を意味すると解釈され得る。最低でも、また、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするわけではないが、各数値的パラメータは、報告されている有効数字の数に照らして、および通常の丸め技術を適用することによって、解釈されるべきである。
【0123】
[0060]本明細書において使用されるあらゆる見出しおよび副見出しは、組織化する目的のためにすぎず、明細書の範囲または特許請求の範囲を限定するために使用されることを意図したものではない。
【0124】
[0061]本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」が、文脈から別段のことが明らかに示されない限り、複数形の指示対象を排除しないことにも留意されたい。したがって、例えば、単数形の指示対象(例えば「ウィジェット」)を参照する態様は、2つ以上のこのような指示対象も含み得る。
【0125】
[0062]本明細書において記載される態様が、本明細書において記載される他の態様において記載されている特性、特徴(例えば、成分、構成要素、メンバー、要素、パーツ、および/または部分)を含み得ることも理解される。したがって、所与の態様の様々な特徴は、本開示の他の態様と組み合わされ得る、および/または本開示の他の態様に組み込まれ得る。したがって、本開示の具体的な態様に関連するある特定の特徴の開示は、前記特徴の適用または包含を前記具体的な態様に限定すると解釈されるべきではない。むしろ、他の態様もまた、このような特徴を含み得ることが理解される。
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図5
図6
図7-1】
図7-2】
【国際調査報告】