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特表2024-519117ベータ強化型チタン合金、及び、ベータ強化型チタン合金を製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】ベータ強化型チタン合金、及び、ベータ強化型チタン合金を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20240426BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240426BHJP
【FI】
A63B53/04 C
A63B102:32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572127
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 US2022072448
(87)【国際公開番号】W WO2022246457
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/190,728
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】523438854
【氏名又は名称】タイワン スチール グループ
【氏名又は名称原語表記】TAIWAN STEEL GROUP
【住所又は居所原語表記】17F.-1, No.307, Sec. 2, Minsheng Rd., West Central Dist., Tainan City 70054 Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ダブリュ. シモーネ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス エム. マロタ
(72)【発明者】
【氏名】デニス チャン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム シェ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ウー
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ チェン
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA02
2C002CH01
2C002MM04
(57)【要約】
アルミニウムと、バナジウムと、モリブデンと、を含む、α-βチタン合金。当該α-βチタン合金は、5.0wt%から8.0wt%の間のアルミニウム(Al)と、1.0wt%から5.5wt%の間のバナジウム(V)と、0.75wt%から2.5wt%の間のモリブデン(Mo)と、を含む。当該α-βチタン合金は、4.35g/ccから4.50g/ccの間の密度を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン合金であって、
5.0wt%から8.0wt%の間のアルミニウム(Al)と、1.0wt%から5.5wt%の間のバナジウム(V)と、0.75wt%から2.5wt%の間のモリブデン(Mo)と、を含む、α-βチタン合金と、
4.35g/ccから4.50g/ccの間である密度と、
を含む、チタン合金。
【請求項2】
前記α-βチタン合金が、0.2wt%から1.0wt%の間の鉄(Fe)と、0.1wt%から0.2wt%の間のシリコン(Si)と、0.25wt%以下の酸素(O)と、を含む、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項3】
前記α-βチタン合金が、6.0wt%から8.0wt%の間のアルミニウム(Al)を含む、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項4】
前記α-βチタン合金が、5.0wt%から7.0wt%の間のアルミニウム(Al)を含む、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項5】
前記α-βチタン合金が、6.0wt%から7.0wt%の間のアルミニウム(Al)を含む、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項6】
前記α-βチタン合金が、0.25wt%以下の酸素(O)を含む、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項7】
前記α-βチタン合金が、0.20wt%以下の酸素(O)を含む、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項8】
前記α-βチタン合金が、0.15wt%以下の酸素(O)を含む、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項9】
前記α-βチタン合金が、1.5wt%から3.5wt%の間のバナジウム(V)を含む、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項10】
前記α-βチタン合金が、3.0wt%から5.0wt%の間のバナジウム(V)を含む、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項11】
前記α-βチタン合金が、3.5wt%から5.5wt%の間のバナジウム(V)を含む、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項12】
前記α-βチタン合金が、1.5wt%から2.5wt%の間のモリブデン(Mo)を含む、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項13】
前記α-βチタン合金が、0.2wt%から0.3wt%の間の鉄(Fe)を含む、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項14】
前記α-βチタン合金が、800度から1000度の間のソルバス温度を有する、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項15】
前記α-βチタン合金が、930度未満のソルバス温度を有する、請求項14に記載のチタン合金。
【請求項16】
前記α-βチタン合金が、150ksiから160ksiの間の最小降伏強度を有する、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項17】
前記α-βチタン合金が、4.5%から8.0%の間の最小伸びを有する、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項18】
前記α-βチタン合金が、8.0%未満の最小伸びを有する、請求項17に記載のチタン合金。
【請求項19】
前記密度が、4.410g/ccから4.425g/ccの間である、請求項1に記載のチタン合金。
【請求項20】
前記α-βチタン合金が、15.4Mpsiから16.9Mpsiの間のヤング係数を有する、請求項1に記載のチタン合金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2021年5月19日に出願された、米国仮特許出願第63/190,728号の利益を主張しており、当該仮特許出願は、本明細書において引用により組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して、ベータ強化型(BE)α-βチタン合金と、チタン合金を形成及び処理する方法と、に関する。本明細書において提示されたチタン合金は、ゴルフ用品と、より特定的には、フェースプレート及びゴルフクラブボディ用の材料と、製造及び熱処理を行う方法と、に関することができる。
【背景技術】
【0003】
ゴルフクラブヘッドの質量特性は、パフォーマンスに有意に影響を及ぼすことができる。裁量質量を増大させることで、クラブヘッドの重心(CG)及び慣性モーメント(MOI)といったクラブヘッドの特質を変化させ得る、改善された質量配置を可能にすることができ、それにより、ボール速度、打ち出し角度、飛距離といった因子の改善を招来する。クラブヘッドの質量を低減し、それにより、裁量質量を増大させる1つの方式が、フェースプレートの厚さを低減することによるものである。ゴルフクラブヘッドのフェースプレートは、クラブヘッドボディのそれ以外の部分とは一線を画すが、その理由は、フェースが、ゴルフボールと直接的に接触するコンポーネントであるためである。薄肉化されながらも、フェースが必要とする強度及び延性を可能にする機械的特性を備えた、フェースを提供することは、難易度が高い恐れがある。本開示のチタン合金は、強度及び耐久性が高く、クラブの耐用年数を通じて動的衝撃荷重を受けるゴルフクラブフェースプレートにとっては、理想的である。
【0004】
チタン(Ti)合金の機械的特性は、以下のもの、即ち、化学的組成構造、材料に適用される機械的プロセス、及び、材料に適用される熱処理、を含むいくつかの因子に依存している。材料の化学的組成構造は、α-βTi合金の機械的特性に、直接的に影響を及ぼす。材料中の各元素の総重量パーセントは、機械的特性に影響を及ぼすことができ、α-安定化剤及びβ-安定化剤の総重量パーセンテージは、材料の機械的特性に影響を及ぼすことができる。より具体的には、機械的特性は、α安定化剤とβ-安定化剤との間の比率だけではなく、材料が含有する固有の元素によっても、影響を受ける。Ti合金中におけるα安定化剤(例えば、アルミニウム、酸素、窒素、及び、炭素)の存在は、当該合金が典型的な周囲温度においてα相で存在することを促進し、一方で、Ti合金中におけるβ安定化剤(例えば、モリブデン、バナジウム、シリコン、及び、鉄)の存在は、当該合金が典型的な周囲温度においてβ相で存在することを促進する。本明細書において記載される合金といったα-β合金中には、2つの相が互いの傍らに存在し、それにより、広範囲の特性を可能にする。材料のソルバス温度とは、アルファ微細構造及びベータ微細構造の全てが全ベータ微細構造に遷移し始める温度である。材料が、ソルバス温度直下の温度まで加熱されることと、微細構造が中間相において固化(freeze)されることが可能であるほど充分急速に、迅速に冷却されることと、が可能である場合、より強い機械的特性を備え、マルテンサイトと呼ばれる。
【0005】
ゴルフ業界において現在使用されている従来のα-βチタン合金は、アルミニウム又は酸素といったα安定化剤を大量に含有している。1つの例において、本明細書において引用によりその全てが組み込まれている米国特許出願第16/670,972号に記載された、α-βTi合金T-9Sは、高いアルミニウム含有量を有している。その理由は、Ti合金中にアルミニウムが存在することで、そのα相の安定性を、より高い温度において促進することができ、より高い温度の熱処理の発生を可能にし、応力を低減することによって強度及び耐腐食性を改善するためである。しかしながら、α安定化剤は、いくつかのケースにおいて、延性の低減及び脆性の増大を招来する、合金中の微細硬化を生じる恐れがある。このことを理由に、高いα安定化剤含有量を有する合金は、加熱後に迅速に冷却(焼入れ)を行うことができないが、その理由は、それらの組成構造が、迅速に冷却されたときに、極めて脆性の構造を結果的に生じるためである。高いα安定化剤含有量を有するこれらの合金は、脆性を回避するために、徐々に冷却しなければならない。迅速な冷却は、所望の再結晶構造を促進することにより、改善された機械的特性を結果的に生じることができる。さらに、迅速に冷却する能力は、製造時間及び製造コストを大いに低減する。したがって、当該技術においては、迅速な冷却を含む、よりすばやい製造プロセスに対処することができ、且つ、強度、延性、及び、耐久性のレベルを維持又は改善しながらも、より薄肉のフェースを可能にすることができる、高い強度のα-βチタン合金に対する必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態に従った、クラブヘッド及びフェースプレートの斜視図である。
【0007】
図2】フェースプレートが取り外された状態の、図1のクラブヘッドの斜視図である。
【0008】
図3】クラブヘッドアセンブリの上面図である。
【0009】
図4図3のクラブヘッドアセンブリの、断面4--4に沿った側断面図である。
【0010】
図5】第2の実施形態に従った、クラブヘッド及びフェースカップの斜視図である。
【0011】
図6】フェースカップが取り外された状態の、図5のクラブヘッドの斜視図である。
【0012】
図7A】変形前における任意の金属材料の粒子構造を描いた走査電子顕微鏡画像である。
【0013】
図7B】旧来の熱間圧延による変形後における、図7Aの材料の粒子構造を描いた走査電子顕微鏡画像である。
【0014】
図8】鍛造、プレス、及び、圧延という複数個の段階にわたる金属の一般的形状の、視覚的描写である。
【0015】
図9】ベータソルバス温度及び熱処理温度の概算位置が記されている、簡略相図を例示している。
【0016】
図10】インゴットからシートを形成するためのプロセスの概略図である。
【0017】
図11】シートからフェースプレートを形成するためのプロセスの概略図である。
【0018】
例示を簡素及び明瞭にするために、作図は、一般的な様態の構築を例示しており、周知の特徴及び技術の説明及び詳細は、この発明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、割愛することがある。加えて、作図中の要素は、必ずしも縮尺通りに描かれている訳ではない。例えば、図中の要素のうちのいくつかの寸法は、本発明の実施形態の理解の改善を助けるために、他の要素に対して誇張されていることがある。異なる図中における同じ参照数字は、同じ要素を表している。
【0019】
説明
下記の実施形態においては、ベータ強化型α-βチタン合金(本明細書において「ベータ強化型α-βTi合金」又は「BEα-βTi合金」と記載)の変形例であって、化学的組成及び焼入れステップの両方の結果として、強い重量強度比を実現するとともに、α強化型α-βチタン合金と同じか又は改善された耐久性を備えた、25%、より薄肉のフェースプレートを可能にする、変形例が製造されている。本明細書において記載されたBEα-βチタン合金は、増大されたレベルの、或る特定のβ安定化剤を含んで、迅速な冷却を含む熱処理プロセスに耐えることが可能でありながらも、密度を大いに増大させることなく強度を増大させ、結果的に、より高いα安定化剤の重量パーセンテージを有する旧来の(Ti-9Sといった)α-βチタン合金(本明細書において「α強化型α-βチタン合金」とも称する)よりも大きな延性を有する、高い強度の材料を生じる。
【0020】
α-βTi合金中のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントは、0.50wt%から3.50wt%の間であり得、α-βTi合金中のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントは、1.0wt%から6.0wt%の間であり得る。α-βTi合金中のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントは、0.05wt%から0.30wt%の間であり得、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントは、0.1wt%から1.5wt%の間であり得る。α-βTi合金中のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントは、4.0wt%から9.0wt%の間であり得、α-βTi合金中のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントは、0.25wt%以下であり得る。炭素の総重量パーセントは、0.08wt%以下であることができる。窒素の総重量パーセントは、0.05wt%以下であることができる。水素の総重量パーセントは、0.015wt%以下であることができる。
【0021】
以下の実施形態において、α-βチタン合金中の、増大されたレベルの或る特定のβ安定化剤は、所望のレベルの強度、延性、及び、耐久性を維持しながらも、最高で25%、より薄肉のフェースプレートを生産する能力を可能にする。具体的に、増大されたレベルのバナジウム及びモリブデンは、材料のソルバス温度を下げる。ソルバス温度とは、アルファ結晶性構造及びベータ結晶性構造が、全ベータ結晶性構造に遷移し始める温度である。しかしながら、仮に、材料をソルバス温度の直下の温度まで加熱し、その後、当該材料を迅速に冷却した場合、結晶性構造を、アルファとベータとの間の遷移状態に捕らえることが可能である。このことは、核生成、又は、空間内における結晶性構造の成長、を止める。このことは、粒子構造が、できる限り小さいままであることを可能にして、全面的により強い材料を招来する。さらに、α強化型α-βチタン合金と少なくとも同じレベルの強度、延性、及び、耐久性を維持しながらも、最高で25%、より薄肉にする能力を備えたチタン合金を招来する。さらに、α-βチタン合金中における、増大されたレベルの或る特定のβ安定化剤は、材料の焼入れを可能にして、粒子構造が、できる限り小さいままであることを保証するとともに、材料の生産にかかるコスト及び時間を減少させる。
【0022】
本明細書において記載されたα-βチタン合金は、多くの用途を有するが、その理由は、現在使用されているα強化型α-βチタン合金と比較すると、必要とする材料の使用を、より少なくしながらも、強度及び加工性が、強度のレベルを維持又は改善する能力を可能にするためである。当該α-βチタン合金は、旧来のα-βチタン合金よりも薄肉にされる能力を有し、一方で、同じレベルの強度、延性、及び、耐久性を依然として維持している。本明細書において記載されたα-βチタン合金のいくつかの用途は、ゴルフクラブフェースプレート、航空及び航空宇宙の用途、並びに、自動車用途であることができるが、これらに限定されない。
【0023】
定義
詳細な説明及び特許請求の範囲の中の「第1の」、「第2の」、「第3の」、及び「第4の」などの用語は、それがある場合には、同様のエレメント同士の間を区別するために使用されており、必ずしも、特定のシーケンシャルな又は時系列の順序を説明するために使用されているわけではない。そのように使用されている用語は、適当な状況下で入れ替え可能であり、本明細書で説明されている実施形態が、例えば、本明細書で図示されているか又はそうでなければ説明されているもの以外のシーケンスの動作が可能であるようになっているということが理解されるべきである。そのうえ、「備える」及び「有する」という用語、ならびに、任意のそれらの変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図されており、エレメントのリストを含むプロセス、方法、システム、物品、デバイス、又は、装置が、必ずしもそれらのエレメントに限定されないが、明示的に列挙されていないか、又は、そのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、もしくは装置に本来備わっている他のエレメントを含むことが可能であるようになっている。
【0024】
説明および特許請求の範囲における用語「左」、「右」、「前方」、「後方」、「上」、「下」、「上方」、「下方」などは、それがある場合には、説明のために使用され、必ずしも恒久的な相対位置を記述するようには意図されていない。そのように使用される用語は、適切な状況下では相互に交換可能である。従って、本明細書で述べられる発明の実施形態は、例えば、本明細書で示された、または、その他の形で述べられたものとは異なる配向で動作できることを理解されたい。
【0025】
「結合する(couple)」、「結合された(coupled)」、「結合する(couples)」、及び、「結合している(coupling)」等という用語は、広義に理解されるべきであり、電気的に、機械的に、及び/又は、その他の様態で、2つ以上の要素又は信号を接続することを指す。
【0026】
本明細書において記載されるような「フェースカップ」という用語は、ゴルフクラブヘッドボディの前部分に位置決めされた窓に、永久的に固定されるように構成されたコンポーネントと定義される。
【0027】
本明細書において記載されるような「組成」という用語は、材料中の元素の種類及び相対計数と定義される。合金化された材料について、組成は、材料内の各合金化元素の重量パーセントを記述している。
【0028】
本明細書において記載されるような「α安定化剤」という用語は、チタン合金中の、アルミニウム、酸素、窒素、及び、炭素といった元素のタイプと定義される。これらの元素は、合金が、典型的な周囲温度においてα相で存在することを促進する。
【0029】
本明細書において記載されるような「β安定化剤」という用語は、チタン合金中の、モリブデン、バナジウム、鉄、及び、シリコンといった元素のタイプと定義される。これらの元素は、合金が、典型的な周囲温度においてβ相で存在することを促進する。
【0030】
本明細書において記載されるような「結晶構造」という用語は、原子尺度で材料を記述しており、原子又はイオンが空間的に配列された様態を指す。結晶構造は、単位胞の幾何学的形状の観点から定義される。
【0031】
本明細書において記載されるような「微細構造」という用語は、顕微鏡を使用して見ることができる、粒界及び粒子構造といった、材料の構造上の特徴を記述している。これらの特徴は、裸眼ではほとんど見ることができない。
【0032】
本明細書において記載されるような「粒子構造」という用語は、全てが異なる方向に配向された、多くの繰り返し結晶性構造の集合と定義される。粒子サイズ及び粒子配向といった粒子構造の特徴は、材料の機械的特性に影響を及ぼすことができる。粒子のサイズは、材料の強度に影響を及ぼすことができ、ここでは、粒子が小さいほど、より強い材料につながる。
【0033】
本明細書において記載されるような「粒界」という用語は、2つの粒子が出会うところで発生する面欠陥と定義される。粒界は、材料に印加された力によって引き起こされる、材料の全域にわたる転位運動を中断する。より多くの粒界が外力により衝撃を受けるほど、材料が受けるであろう変形が少なくなる。
【0034】
本明細書において記載されるような「粒子配向」という用語は、2つの粒子が出会うところで発生する面欠陥と定義される。
【0035】
本明細書において記載されるような「引っ張り強度」という用語は、材料が破損せずに吸収することができる引っ張り荷重又は引き荷重下における、最大強度と定義される。ここで、破損とは、破壊、割れ、又は、破断の発生時に遭遇するものである。
【0036】
本明細書において記載されるような「脆性」という用語は、突然の破壊による、塑性変形のない破損と定義される。脆性はさらに、延性の欠如と定義される。
【0037】
本明細書において記載されるような「弾性係数」又は「ヤング係数」は、応力とひずみとの比率であり、弾性域における応力-ひずみ曲線の傾き(E)である。この係数は、材料の剛性を記述するために使用される。
【0038】
本明細書において記載されるような「降伏強度」又は「比例限度」という用語は、材料に対して、荷重除去時に変形が残っているように引っ張り状態で永久変形点又は塑性変形点まで荷重をかけた、応力ひずみ曲線上の点と定義される。
【0039】
本明細書において記載されるような「伸び」又は「最小伸び」という用語は、材料が永久変形し始める前に対処することができる伸長の量の測定単位である。
【0040】
本明細書において記載されるような「インゴット」という用語は、さらなる処理に好適な形状へと鋳造された金属の塊と定義され、フェースプレート用の出発材料である。
【0041】
本明細書において記載されるような「ラジアル鍛造」という用語は、伸ばされている材料の周囲に位置決めされた3つ以上の金型の使用を伴うプロセスと定義される。金型は、材料に対して自身の位置に静止していることがあり得、又は、金型は、材料がラジアル鍛造機を経由して移動するのに伴い、材料の周囲をユニットとして回転し得る。代替的には、材料を、金型間を通すのに伴って回転させることがあり得る。
【0042】
本明細書において記載されるような「ビレット」という用語は、インゴットから、ラジアル鍛造により、正方形のプロファイルである、或る連続長さ(solid length)の材料へと形成された、金属の塊と定義される。
【0043】
本明細書において記載されるような「クロスローリング」という用語は、1つ以上の対のローラ間に金属を通過させる金属成形プロセスの一タイプと定義される。材料が一旦ローラ間を一度通過すると、この金属を90度回転させてローラ間を通過させる。このプロセスを、所望される低減された厚さが達成されるまで繰り返して、均一な厚さを保証するとともに、機械的特性を強化する。
【0044】
本明細書において記載されるような「焼入れする」という用語は、或る特定の材料特性を獲得するために、金属を迅速に冷却するプロセスと定義される。迅速な冷却は、焼入れ媒体を、予め定められた暴露時間にわたり、予め定められた温度において適用することによって達成することができる。焼入れ媒体には、苛性剤、油、溶融塩、及び、ガスを含むことができる。冷却速度及び焼入れ媒体が、焼入れ直後の金属の機械的特性を決定する。
【0045】
本明細書において記載されるような「エイジング」という用語は、或る形の熱処理と定義され、ここでは、材料が、強度を増大させるために室温まで徐々に冷却されることが可能とされる。
【0046】
本明細書において記載されるような「マルテンサイト」という用語は、金属を極めて高い温度まで加熱して、その後、当該金属を極めてすばやく冷却すること、によって生じる、極めて硬く且つ脆性の準安定性構造と定義される。マルテンサイトは、強度及び靭性が典型的には極めて高いものの極めて脆性である材料を結果的に生じる、ひずんだ原子配列である。
【0047】
本明細書において記載されるような「横方向の」という用語は、試料が試験前に切断される方向を定義している。横方向試料は、圧延方向、したがって、引っ張り棒の長軸、に対して垂直な方向に切断されている。
【0048】
本明細書において記載されるような「長手方向の」という用語は、試料が試験前に切断される方向を定義している。長手方向試料は、圧延方向、したがって、引っ張り棒の長軸、に対して平行な方向に切断されている。
【0049】
この発明のあらゆる実施形態が詳細に解説される前に、理解されるべきこととして、この発明は、以下の説明に明記されたか又は以下の図面に例示された、構築の詳細及びコンポーネントの配列に、その用途の点で限定されない。この発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方式で実行又は施行されることが可能である。また、理解されるべきこととして、本明細書において使用される語法及び専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定として見なされるべきではない。本明細書における、「含む」、「備える」、「有する」、及び、それらの変化形の使用は、後ろに列挙された項目、及び、追加的な項目だけではなくそれらの均等物をも、包含することを意味する。下記の全ての重量パーセント(wt%)数は、総重量パーセントである。
【0050】
開示された材料に纏わる材料特性を記述するために使用される一般用語を、以下に提供する。これらの定義は、業界標準とみなされ、材料科学者及び材料エンジニアの専門職集団である、ASMインターナショナル(ASM International)によって提供されている。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本明細書では、改善された加工性と、強度重量比の増大と、製造時間及び製造コストの低減と、を結果的に生じる、増大されたレベルのβ-安定化剤を含む、高い強度のベータ(β)強化型α-βチタン合金(本明細書において「ベータ強化型α-βTi合金」又は「BEα-βTi合金」と記載)について記載している。β安定化剤の、増大された存在量は、α-βTi合金に対し、迅速な冷却(即ち、焼入れ)を受ける能力を可能にする。以下に詳細に論じるように、材料を焼入れする能力は、製造時間を低減するとともに望まれない応力集中を防止しながらも、合金の強度を増大させる。この応力集中は、緩和されるために、Ti-9Sといった、より旧来のα強化型α-βTi合金が必要とするような(ソルバス温度を上回る)高い温度の熱処理を最後には必要とするであろう。
【0052】
本開示は、改善された機械的特性を達成するために、特定の量のアルミニウム(Al)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、シリコン(Si)、及び、酸素(O)を用いて合金化されたチタン(Ti)から形成された材料に関する。特に、α-βTi合金は、モリブデン、鉄、シリコン、及び、バナジウムといったβ-安定化剤を含有し得る。α-βTi合金は、アルミニウム及び酸素といったα安定化剤を含有し得る。α-βTi合金は、アルミニウム及び酸素といったα安定化剤を含有し得る。α-βTi合金は、炭素、窒素、及び、水素といった、少量の、時として無視できるほどの量の、他の元素をさらに含み得る。重量パーセントに関する下記の全ての数は、総重量パーセント(wt%)である。β-安定化剤である、モリブデン、鉄、シリコン、及び、バナジウムのwt%は、Ti-9Sといった、より旧来のα強化型α-βTi合金中のβ-安定化剤のwt%よりも有意に高く、より所望の機械的特性を生じる。さらに、β-安定化剤の、増大された量は、機械的特性を機械的プロセス(即ち、クロスローリング)又は熱処理という手段によって強化することができるという意味合いにおいて、材料が、より汎用性を有することを可能にする。したがって、α-βTi合金(本明細書において「ベータ強化型α-βTi合金」又は「BEα-βTi合金」と記載)は、ゴルフクラブの質量を低減する能力を有する、より強く、より薄肉の、Ti合金フェースプレート14を生じ得る。
【0053】
BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントは、0.5wt%から3.5wt%、0.6wt%から3.4wt%、0.7wt%から3.3wt%、0.8wt%から3.2wt%、0.9wt%から3.1wt%、1.0wt%から3.0wt%、1.1wt%から2.9wt%、1.2wt%から2.8wt%、1.3wt%から2.7wt%、1.4wt%から2.6wt%、1.5wt%から2.5wt%、1.6wt%から2.4wt%、1.7wt%から2.3wt%、1.8wt%から2.2wt%、1.9wt%から2.1wt%、0.5wt%から1.0wt%、1.0wt%から1.5wt%、1.5wt%から2.0wt%、2.0wt%から2.5wt%、2.5wt%から3.0wt%、3.0wt%から3.5wt%、0.5wt%から1.5wt%、1.5wt%から2.5wt%、又は、2.5wt%から3.5wt%、の間であり得る。或る特定の実施形態において、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントは、0.75wt%から1.75wt%、1.0wt%から2.0wt%、又は、1.5wt%から2.5wt%、の間であり得る。いくつかの実施形態において、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントは、3.5wt%未満、3.0wt%未満、2.5wt%未満、2.0wt%未満、1.5wt%未満、又は、1.0wt%未満、であり得る。
【0054】
BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントは、1.0wt%から6.0wt%、1.1wt%から5.9wt%、1.2wt%から5.8wt%、1.3wt%から5.7wt%、1.4wt%から5.6wt%、1.5wt%から5.5wt%、1.6wt%から5.4wt%、1.7wt%から5.3wt%、1.8wt%から5.2wt%、1.9wt%から5.1wt%、2.0wt%から5.0wt%、2.1wt%から4.9wt%、2.2wt%から4.8wt%、2.3wt%から4.7wt%、2.4wt%から4.6wt%、2.5wt%から4.5wt%、2.6wt%から4.4wt%、2.7wt%から4.3wt%、2.8wt%から4.2wt%、2.9wt%から4.1wt%、3.0wt%から4.0wt%、3.1wt%から3.9wt%、3.2wt%から3.8wt%、3.3wt%から3.7wt%、又は、3.4wt%から3.6wt%、の間であり得る。或る特定の実施形態において、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントは、1.5wt%から3.5wt%、3.0wt%から5.0wt%、又は、3.5wt%から5.5wt%、の間であり得る。いくつかの実施形態において、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントは、6.0wt%未満、5.5wt%未満、5.0wt%未満、4.5wt%未満、4.0wt%未満、3.5wt%未満、3.0wt%未満、2.5wt%未満、2.0wt%未満、又は、1.5wt%未満、であり得る。
【0055】
BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントは、0.05wt%から0.30wt%、0.06wt%から0.29wt%、0.07wt%から0.28wt%、0.08wt%から0.27wt%、0.09wt%から0.26wt%、0.10wt%から0.25wt%、0.11wt%から0.24wt%、0.12wt%から0.23wt%、0.13wt%から0.22wt%、0.14wt%から0.21wt%、0.15wt%から0.20wt%、0.16wt%から0.19wt%、又は、0.17wt%から0.18wt%、の間であり得る。いくつかの実施形態において、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントは、0.1wt%、0.2wt%、0.3wt%、0.4wt%、0.5wt%、0.6wt%、又は、0.7wt%、であり得る。或る特定の実施形態において、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントは、0.10wt%から0.20wt%の間であり得る。いくつかの実施形態において、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントは、0.05wt%よりも大きい、0.10wt%よりも大きい、0.15wt%よりも大きい、又は、0.20wt%よりも大きい、ことがあり得る。
【0056】
BEα-βTi合金中のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントは、0.1wt%から1.5wt%、0.2wt%から1.4wt%、0.3wt%から1.3wt%、0.4wt%から1.2wt%、0.5wt%から1.1wt%、0.6wt%から1.0wt%、又は、0.7wt%から0.9wt%、の間であり得る。或る特定の実施形態において、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントは、0.2wt%から0.3wt%、0.2wt%から0.8wt%、又は、0.5wt%から1.0wt%、の間であり得る。
【0057】
アルミニウムの総重量パーセントは、BEα-βTi合金中のα-安定化剤の量を制御する。BEα-βTi合金中のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントは、4.0wt%から9.0wt%、4.1wt%から8.9wt%、4.2wt%から8.8wt%、4.3wt%から8.7wt%、4.4wt%から8.6wt%、4.5wt%から8.5wt%、4.6wt%から8.4wt%、4.7wt%から8.3wt%、4.8wt%から8.2wt%、4.9wt%から8.1wt%、5.0wt%から8.0wt%、5.1wt%から7.9wt%、5.2wt%から7.8wt%、5.3wt%から7.7wt%、5.4wt%から7.6wt%、5.5wt%から7.5wt%、5.6wt%から7.4wt%、5.7wt%から7.3wt%、5.8wt%から7.2wt%、5.9wt%から7.1wt%、6.0wt%から7.0wt%、6.1wt%から6.9wt%、6.2wt%から6.8wt%、6.3wt%から6.7wt%、6.4wt%から6.6wt%、4.0wt%から5.0wt%、4.0wt%から6.0wt%、4.0wt%から7.0wt%、5.0wt%から8.0wt%、4.0wt%から9.0wt%、5.0wt%から6.0wt%、5.0wt%から7.0wt%、5.0wt%から8.0wt%、5.0wt%から9.0wt%、6.0wt%から7.0wt%、6.0wt%から8.0wt%、6.0wt%から9.0wt%、7.0wt%から8.0wt%、7.0wt%から9.0wt%、又は、8.0wt%から9.0wt%、の間であり得る。或る特定の実施形態において、BEα-βTi合金中のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントは、5.0wt%から7.0wt%、6.0wt%から7.0wt%、又は、6.0wt%から8.0wt%、の間であり得る。
【0058】
BEα-βTi合金中のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントは、0.25wt%未満であることができる。いくつかの実施形態において、BEα-βTi合金中のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントは、0.15wt%以下であることができる。BEα-βTi合金中のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントは、0.01wt%から0.25wt%、0.02wt%から0.24wt%、0.03wt%から0.23wt%、0.04wt%から0.22wt%、0.04wt%から0.21wt%、0.05wt%から0.20wt%、0.06wt%から0.19wt%、0.07wt%から0.18wt%、0.08wt%から0.17wt%、0.09wt%から0.16wt%、0.10wt%から0.15wt%、0.11wt%から0.14wt%、0.12wt%から0.13wt%、0.01wt%から0.24wt%、0.01wt%から0.23wt%、0.01wt%から0.22wt%、0.01wt%から0.21wt%、0.01wt%から0.20wt%、0.01wt%から0.19wt%、0.01wt%から0.18wt%、0.01wt%から0.17wt%、0.01wt%から0.16wt%、0.01wt%から0.15wt%、0.01wt%から0.14wt%、0.01wt%から0.13wt%、0.01wt%から0.12wt%、0.01wt%から0.11wt%、0.01wt%から0.10wt%、0.01wt%から0.09wt%、0.01wt%から0.08wt%、0.01wt%から0.07wt%、0.01wt%から0.06wt%、0.01wt%から0.05wt%、0.01wt%から0.04wt%、0.01wt%から0.03wt%、0.01wt%から0.03wt%、0.03wt%から0.05wt%、0.05wt%から0.07wt%、0.07wt%から0.09wt%、0.09wt%から0.11wt%、0.11wt%から0.13wt%、0.13wt%から0.15wt%、0.15wt%から0.17wt%、0.17wt%から0.19wt%、0.21wt%から0.23wt%、又は、0.23wt%から0.25wt%、の間であり得る。1つの例において、BEα-βTi合金中のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントは、0.09wt%であることができる。
【0059】
炭素、窒素、及び、水素といった他の元素は、BEα-βTi合金の機械的特性に与える影響のインパクトが、より少ない。しかしながら、上述の元素によりBEα-βTi合金を過飽和にすることで、BEα-βTi合金の機械的特性に悪影響を与え得る。したがって、炭素の総重量パーセントは、0.100wt%以下、0.090wt%以下、0.080wt%以下、0.070wt%以下、0.060wt%以下、0.050wt%以下、0.040wt%以下、0.030wt%以下、0.020wt%以下、又は、0.010wt%以下、であり得る。窒素の総重量パーセントは、0.050wt%以下、0.045wt%以下、0.040wt%以下、0.035wt%以下、0.030wt%以下、0.025wt%以下、0.020wt%以下、0.015wt%以下、又は、0.010wt%以下、であり得る。水素の総重量パーセントは、0.015wt%以下、0.014wt%以下、0.013wt%以下、0.012wt%以下、0.011wt%以下、0.010wt%以下、0.009wt%以下、0.008wt%以下、0.007wt%以下、0.006wt%以下、0.005wt%以下、0.004wt%以下、0.003wt%以下、0.002wt%以下、又は、0.001wt%以下、であり得る。
【0060】
ソルバス温度は、上で論じたように、α安定化剤及びβ安定化剤の組み合わせによって決定される。図9に示されるように、バナジウム及びモリブデン(β安定化剤)のwt%が増大するのに伴い、ソルバス温度が下がる。ほとんどのα-βTi合金のソルバス温度は、材料供給業者が発表する学術文献又は情報において、検証されているとともに即座に入手可能である。発表されたデータが入手不可能である場合、温度値は、材料の化学的性質に依存しているが故に、推定すること、及び、実験により確認すること、が可能である。α-βTiについてのソルバス温度は、800℃を上回り1000℃を下回ることが可能である。或る特定の実施形態において、BEα-βTi合金についてのソルバス温度は、800℃から825℃、825℃から850℃、850℃から875℃、875℃から900℃、900℃から925℃、925℃から950℃、950℃から975℃、又は、975℃から1000℃、の間であることができる。或る特定の実施形態において、BEα-βTi合金についてのソルバス温度は、800℃を下回る、825℃を下回る、850℃を下回る、875℃を下回る、900℃を下回る、925℃を下回る、950℃を下回る、975℃を下回る、又は、1000℃を下回る、ことが可能である。1つの例示的な実施形態において、ソルバス温度は、約930℃である。
【0061】
BEα-βTi合金の全体組成は、以下の通りであることができる。1つの実施形態において、BEα-βTi合金中のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントは、5.0wt%から7.0wt%の間であり得、BEα-βTi合金中のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントは、0.15wt%未満であり得、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントは、0.75wt%から1.75wt%の間であり得、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントは、1.5wt%から3.5wt%の間であり得る。BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントは、0.1wt%から0.2wt%の間であり得る。BEα-βTi合金中のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントは、0.2wt%から0.3wt%の間であり得る。炭素の総重量パーセントは、0.08wt%以下であることができる。窒素の総重量パーセントは、0.05wt%以下であることができる。水素の総重量パーセントは、0.015wt%以下であることができる。この実施形態についてのソルバス温度は、800℃を上回り1000℃を下回ることがあり得る。この実施形態についてのソルバス温度は、1000℃を下回る、975℃を下回る、950℃を下回る、925℃を下回る、900℃を下回る、875℃を下回る、850℃を下回る、825℃を下回る、又は、800℃を下回る、ことがあり得る。
【0062】
1つの実施形態において、BEα-βTi合金中のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントは、6.0wt%から8.0wt%の間であり得、BEα-βTi合金中のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントは、0.15wt%未満であり得、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントは、1.5wt%から2.5wt%の間であり得、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントは、3.5wt%から5.5wt%の間であり得る。BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントは、0.1wt%から0.2wt%の間であり得る。BEα-βTi合金中のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントは、0.5wt%から1.0wt%の間であり得る。炭素の総重量パーセントは、0.10wt%以下であることができる。窒素の総重量パーセントは、0.05wt%以下であることができる。水素の総重量パーセントは、0.015wt%以下であることができる。この実施形態についてのソルバス温度468は、800℃を上回り1000℃を下回ることがあり得る。この実施形態についてのソルバス温度468は、1000℃を下回る、975℃を下回る、950℃を下回る、925℃を下回る、900℃を下回る、875℃を下回る、850℃を下回る、825℃を下回る、又は、800℃を下回る、ことがあり得る。
【0063】
1つの実施形態において、BEα-βTi合金中のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントは、6.0wt%から7.0wt%の間であり得、BEα-βTi合金中のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントは、0.15wt%以下であり得、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントは、1.0wt%から2.0wt%の間であり得、BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントは、3.0wt%から5.0wt%の間であり得る。BEα-βTi合金中のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントは、0.1wt%から0.2wt%の間であり得る。BEα-βTi合金中のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントは、0.2wt%から0.8wt%の間であり得る。炭素の総重量パーセントは、0.08wt%以下であることができる。窒素の総重量パーセントは、0.05wt%以下であることができる。水素の総重量パーセントは、0.015wt%以下であることができる。この実施形態についてのソルバス温度468は、800℃を上回り1000℃を下回ることがあり得る。この実施形態についてのソルバス温度468は、1000℃を下回る、975℃を下回る、950℃を下回る、925℃を下回る、900℃を下回る、875℃を下回る、850℃を下回る、825℃を下回る、又は、800℃を下回る、ことがあり得る。
【0064】
上記のようなα安定化剤及びβ安定化剤の組み合わせは、BEα-βTi合金の機械的特性を決定する。上で論じたような、元素の各々の総重量パーセンテージのバランスは、BEα-βTi合金の密度が高くなりすぎないようにすることを保証しながらも、材料に所望の強度及び延性をもたらす。1つの実施形態において、密度は、4.35g/cmから4.50g/cm、4.35g/cmから4.36g/cm、4.36g/cmから4.37g/cm、4.37g/cmから4.38g/cm、4.38g/cmから4.39g/cm、4.39g/cmから4.40g/cm、4.40g/cmから4.41g/cm、4.41g/cmから4.42g/cm、4.42g/cmから4.43g/cm、4.43g/cmから4.44g/cm、4.44g/cmから4.45g/cm、4.45g/cmから4.46g/cm、4.46g/cmから4.47g/cm、4.47g/cmから4.48g/cm、4.48g/cmから4.49g/cm、又は、4.49g/cmから4.50g/cm、の間であり得る。1つの例示的な実施形態において、密度は、4.413g/cmであり得る。第2の例示的な実施形態において、密度は、4.423g/cmであることができる。第3の例示的な実施形態において、密度は、4.423g/cmであることができる。
【0065】
上記のようなα安定化剤及びβ安定化剤の組み合わせは、BEα-βTi合金が所望の最小伸びを達成することを可能にし得る。最小伸びは、材料が永久変形し始める前に対処することができる伸長の量を指す。ゴルフクラブヘッド30については、ゴルフボールがインパクト中にフェースに接触するのに伴い、ゴルフボールに返されるエネルギを最大化することが望ましい。このことは、弾性衝突によって達成され、ここで、フェースプレート14の材料は、インパクト時に僅かに撓み且つ変形することが可能にされて、フェースプレート14からゴルフボールに伝達されるエネルギの量を最大化する。1つの実施形態において、最小伸びは、5%から15%、6%から14%、7%から13%、8%から12%、9%から11%、5%から6%、6%から7%、7%から8%、8%から9%、9%から10%、10%から11%、11%から12%、12%から13%、13%から14%、又は、14%から15%、の間であり得る。例示的な一実施形態において、最小伸びは、4.5%から8.0%の間であり得る。第2の例示的な実施形態において、最小伸びは、4.5%から7.0%の間であり得る。第3の例示的な実施形態において、最小伸びは、4.5%から8.0%の間であり得る。
【0066】
以下に論じるように、BEα-βTi合金の機械的特性は、化学的組成構造と、適用される機械的プロセスと、適用される熱処理と、によって決定される。下記のような機械的プロセスの変形例は、降伏強度、引っ張り強度、最大伸び、及び、ヤング係数といった、BEα-βTi合金の機械的特性に影響を及ぼすことができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、BEα-βTi合金の最小降伏強度は、150ksiから170ksi、150ksiから151ksi、151ksiから152ksi、152ksiから153ksi、153ksiから153ksi、153ksiから154ksi、154ksiから155ksi、155ksiから156ksi、156ksiから157ksi、157ksiから158ksi、158ksiから159ksi、159ksiから160ksi、160ksiから161ksi、161ksiから162ksi、162ksiから163ksi、163ksiから163ksi、163ksiから164ksi、164ksiから165ksi、165ksiから166ksi、166ksiから167ksi、167ksiから168ksi、168ksiから169ksi、又は、169ksiから170ksi、の間であり得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、BEα-βTi合金の最小引っ張り強度は、155ksiから175ksi、155ksiから156ksi、156ksiから157ksi、157ksiから158ksi、158ksiから159ksi、159ksiから160ksi、160ksiから161ksi、161ksiから162ksi、162ksiから163ksi、163ksiから163ksi、163ksiから164ksi、164ksiから165ksi、165ksiから166ksi、166ksiから167ksi、167ksiから168ksi、168ksiから169ksi、169ksiから170ksi、170ksiから171ksi、171ksiから172ksi、172ksiから173ksi、173ksiから173ksi、173ksiから174ksi、又は、174ksiから175ksi、の間であり得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、BEα-βTi合金のヤング係数は、14Mpsiから20Mpsi、14.0Mpsiから14.25Mpsi、14.25Mpsiから14.5Mpsi、14.5Mpsiから14.75Mpsi、14.75Mpsiから15.0Mpsi、15.0Mpsiから15.25Mpsi、15.25Mpsiから15.5Mpsi、15.5Mpsiから15.75Mpsi、15.75Mpsiから16.0Mpsi、16.0Mpsiから16.25Mpsi、16.25Mpsiから16.5Mpsi、16.5Mpsiから16.75Mpsi、16.75Mpsiから17.0Mpsi、18.0Mpsiから18.25Mpsi、18.25Mpsiから18.5Mpsi、18.5Mpsiから18.75Mpsi、18.75Mpsiから18.0Mpsi、19.0Mpsiから19.25Mpsi、19.25Mpsiから19.5Mpsi、19.5Mpsiから19.75Mpsi、又は、19.75Mpsiから20.0Mpsi、の間であり得る。1つの例示的な実施形態において、BEα-βTi合金のヤング係数は、17Mpsiである。
【0070】
BEα-βTi合金を形成するための方法
強度は、他の機械的特性と共に、以下の製造プロセスを材料に適用することによって増大させることができる。製造プロセスは以下の通りである。第1のステップ573は、インゴットをラジアル鍛造してビレット354を形成することを伴う。第2のステップ575は、ビレット354をスライスしてセクション356を形成することを伴う。第3のステップ577は、セクション356をプレス鍛造してプレート358を形成することを伴う。第4のステップ579は、プレート358をクロスローリングしてシート360を形成することを伴う。
【0071】
さらに、ラジアル鍛造のための第1のステップ573は、インゴットを融点を下回る点まで加熱するとともに、当該インゴットを複数の金型間に通してビレット354を形成することを含む。1つの実施形態において、インゴットは、ソルバス温度468付近ではあるがソルバス温度468よりも高くない温度まで加熱される。インゴットに頂部及び底部からのみ衝撃を与える旧来の鍛造とは異なり、複数の金型が、インゴットに複数個の側から衝撃を与え得る。ラジアル鍛造によって形成されたビレット354は、いくつかの実施形態において、正方形又は矩形の断面を有することができる。他の実施形態において、ラジアル鍛造によって形成されたビレット354は、円形又は楕円形の断面を有することができる。図7Aを参照すると、このことは、粒子構造250を伸ばす旧来の鍛造(図7B参照)と比較すると、粒子構造250が相対的に均一なままであることを保証する。上で言明したように、粒界252は、材料を経由した外力の動きを中断して、当該材料の変形を防止する。より多くの粒界252に外力が接触するほど、材料の変形は少なくなる。したがって、より多くの粒界252は、より強い材料を結果的に生じる。図7Bに示されるように、粒子構造250を伸ばすことは、仮に、力が固有の方向に印加された場合、図7A及び図7Bにおいて頂部から底部の方向に測定した最大高さと、図7A及び図7Bにおいて左から右の方向に測定した最大幅と、の比率が1:2よりも大きい比率を粒子250が有するような方向に当該力が材料を経由して伝わる場合、材料を確かに強化する。しかしながら、仮に、力が反対方向から、例えば、左又は右から(図7Bに関して)印加された場合、材料は、有意により弱くなるであろう。材料がゴルフクラブヘッドフェースプレート14用に使用される実施形態では、フェースプレート14の必要な形状及び厚さを生じるように材料が伸長されなければならないであろう方式を理由として、力は、粒子がより長くなる方向に(図7Bに関して左側又は右側から)印加される。さらに、ラジアル鍛造が、インゴットの全ての側に衝撃を与えるが故に、円周方向圧力が、インゴットから、当該インゴットの鋳造時に形成されていたことがあり得る、あらゆる不均一性だけではなく有孔性をも除去する。
【0072】
第2のステップ575においてはさらに、ラジアル鍛造によるビレット354の生産後に、ビレット354を、その直径にわたってスライスして、セクション厚さ364を有するセクション356にし得る。第3のステップ577においては、セクション356を、その後、プレス鍛造して、プレート厚さ362を有するプレート358を形成する。プレート厚さ362は、セクション厚さ364よりも小さい。次に、第4のステップ579においては、プレート358の圧延及びクロスローリングを可能にする予め定められた温度までプレート358を加熱して、材料のさらなる薄肉化と、シート360の形成と、を行い得る。予め定められた温度は、850℃から950℃の間であることができる。1つの実施形態において、予め定められた温度は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であり得る。1つの例において、予め定められた温度は、900℃であり得る。別の例において、予め定められた温度は、930℃であり得る。材料のクロスローリング時に、予め定められた温度が高すぎる場合、このことは、所望しないほど大きな粒子構造を結果的に生じる恐れがある。このステップは、材料のシート360を一連のローラ間を経由して給送することを伴う。材料が一連のローラ間を一旦完全に通過すると、シート360を90度回転させて、一連のローラ間を経由して再び給送する。このプロセスを、フェースプレート14の、所望される最終的な厚さよりも僅かに大きい、所望される厚さが達成されるまで、繰り返す。シート360をクロスローリングして所望される厚さを達成した後、レーザカッターを使用して、フェースプレート14の一般的形状が切り抜かれる。
【0073】
下記のように、BEα-βTi合金は、ゴルフクラブヘッドのフェースプレート14に適用され得る。図11は、シートからフェースプレート14を形成するためのプロセスを示している。第1のステップ673においては、レーザが、シートからフェースプレート14の形状を大まかに切り抜き、切り抜き部を生じる。いくつかの実施形態では、その後、CNC機械加工を使用して、当該切り抜き部に複数個のノッチ又はタブを機械加工する。他の実施形態において、切り抜き部は、ノッチ無しにしておかれる。第2のステップ675は、切り抜き部を、指定された温度で未加工スタンピング(raw stamping)してフェースプレート14を形成すること、を伴う。多くの実施形態において、スタンピング温度は、800℃から850℃の間であることができる。いくつかの実施形態において、第2のステップは、マルチステップスタンピングプロセスを含むことができる。マルチステップスタンピングプロセスは、切り抜き部を800℃から850℃の間の温度まで加熱するとともに、2回以上スタンピングすること、を伴うことができる。フェースカップ114を備えた実施形態においては、一連の金型を、切り抜き部の周囲に戦略的に位置決めして、フェースプレート14の周辺領域をスタンピング時に湾曲させて、それにより、クラウンリターン148及びソールリターン150の領域を形成する。第3のステップ677は、フェースプレート14の前壁及び側壁をCNC機械加工して、溝及びミリング又は他の質感といった精細部を含むこと、を伴う。第4のステップ679においては、フェースプレート14をサンドブラストして、レーザエッチングにより仕上げ加工を行う。フェースプレート14を、その後、プラズマ溶接という手段によりクラブヘッドに固定し、それにより、クラブヘッドアセンブリを生じる。
【0074】
これまでに述べたように、フェースプレート14は、クラブヘッドボディ10に溶接により固定され得、フェースプレート14における新たなBEα-βTi合金を、下記のようにゴルフクラブに配向する。1つの実施形態においては、上で論じたように、フェースプレート14の所望される形状が達成された後、フェースプレート14は、プラズマ溶接という手段により、クラブヘッドボディ10に固定される。別の実施形態において、フェースプレート14は、パルスレーザ溶接という手段により、クラブヘッドボディ10に固定され得る。別の実施形態において、フェースプレート14は、連続レーザ溶接という手段により、クラブヘッドボディ10に固定され得る。別の実施形態において、フェースプレート14は、摩擦圧接という手段により、クラブヘッドボディ10に固定され得る。このステップの後に、フェースプレート14及びクラブヘッドボディ10は、熱処理を受けて、機械的特性が改善され得る。BEα-βTi合金の化学的組成構造は、2ステップの熱処理を受ける能力を可能にするが、ここで、材料は、ソルバス温度468直下の温度470まで加熱され、その後、エイジングプロセスの適用前に焼入れされる。
【0075】
図9を参照して当業者により理解されるように、合金についてのソルバス温度468とは、α結晶性構造及びβ結晶性構造が全β結晶性構造へと変態し始める温度障壁である。アルファ微細構造に纏わる六方最密結晶構造が、β微細構造に纏わる体心立方結晶構造へと変態し始めるのが、この点である。体心立方構造は、六方最密構造よりも、強く、且つ、格子が変形する面を多く提供する、傾向を有し、それにより、機械的特性を改善する。六方最密構造は、体心立方構造よりも、脆性であり且つ亀裂をこうむりやすい傾向を有する。材料の冷却は、材料が、β相から、元のβ相及びα相の混合体へ変態することを可能にする。材料が、上で見出されたように、ソルバス温度468直下の温度470まで加熱され、その後、充分急速に冷却される(焼入れされる)場合、原子は、マルテンサイトと呼ばれる中間相において固化され得る。材料をマルテンサイト相において捕獲することで、粒子サイズをより小さく保ち、このことは、材料の強度を大いに増大させる。上記のような、α安定化剤及びβ安定化剤の組み合わせ、並びに、より具体的には、β安定化剤であるMO及びVは、ソルバス温度468を下げて、材料の容易な焼入れを可能にするとともに、材料をマルテンサイトにおいて捕らえる。しかしながら、α強化型α-βチタン合金については、六方最密結晶構造の高い存在量を理由として、マルテンサイトが、極度に脆性の状態である恐れがある。BEα-βTi合金中のβ安定化剤の増大された存在量から結果的に生じた、体心立方結晶構造の、増大された量は、材料の脆性が、旧来のα強化型α-βTi合金よりも少ないことを保証する。具体的に、β安定化剤(例えば、モリブデン、鉄、シリコン、及び、バナジウム)の増大された存在量は、ソルバス温度468を下回る温度での処理及び方法を実施する能力を結果的に生じる。このBEα-βチタン合金の1つの顕著な利点とは、熱処理後の迅速な冷却(即ち、焼入れ)を可能にする能力を有することであり、それにより、Ti-9Sといったα強化型α-βチタン合金については必要とされる、ソルバス温度468を上回る高い温度での、応力軽減用の後処理としての熱処理、に対する必要性を一掃する。
【0076】
さらに、上で論じたようなα安定化剤及びβ安定化剤の組み合わせは、α-βTi合金が、以下に提供する様態で熱処理されることを可能にする。1つの実施形態において、熱処理は、2ステップのプロセスであることができる。第1のステップは、強度及び破壊靭性といった、或る特定の機械的特性を増大させるように実施され得る。第2のステップは、材料を軟化させるように実施され得、当該材料がより加工性を有するようにするとともに、最小伸び及び延性を増大させる。上で論じたようなα安定化剤及びβ安定化剤の組み合わせは、以下に論じるような2ステップの熱処理と共に働いて、BEα-βTi合金が、強度、耐破壊性、及び、延性の所望のバランスを獲得することを可能にする。
【0077】
多くの実施形態において、熱処理ステップは、BEα-βTi合金が、その最終的な状態へと形成された後に完了する。熱処理の第1のステップは、金属を予め定められた温度470まで加熱し、それに続いて迅速な冷却(焼入れ)を行うこと、を伴い得る。1つの実施形態において、BEα-βTi合金は、材料のソルバス温度468における、ソルバス温度468直下の、又は、ソルバス温度468未満の、温度470まで、予め定められた時間量にわたり加熱され得る。これらの実施形態において、BEα-βTi合金は、800℃から825℃、825℃から850℃、850℃から875℃、875℃から900℃、900℃から925℃、925℃から950℃、950℃から975℃、又は、975℃から1000℃、の間の温度470まで加熱され得る。いくつかの実施形態において、BEα-βTi合金は、約925℃、926℃、927℃、928℃、929℃、930℃、931℃、932℃、933℃、934℃、又は、935℃、の温度470まで加熱することができる。1つの例示的な実施形態において、BEα-βTi合金は、約930℃の温度470まで加熱することができる。
【0078】
上で論じたように、BEα-βTi合金の加熱後に、BEα-βTi合金は、クラブヘッドアセンブリを室温にすばやく戻すために焼入れすることができ、それにより、上で論じたように、材料をマルテンサイトにおいて固化する。BEα-βTi合金は、苛性剤(即ち、水、ブライン、及び、苛性ソーダ)、油、溶融塩、及び、不活性ガス、から成る群から選択された焼入れ剤によって冷却され得る。1つの例示的な実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30の焼入れは、不活性ガス環境内で行われ得る。不活性ガスは、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、及び、キセノン(Xe)、及び、それらの化合物ガス、から成る群から選択され得る。さらに、BEα-βTi合金の冷却は、加圧環境内で行われ得る。ここで、圧力は、0.5Barから20Barの間であり得る。1つの実施形態において、圧力は、0.50Barから1.00Bar、1.00Barから1.50Bar、1.50Barから2.00Bar、2.00Barから2.50Bar、2.50Barから3.00Bar、3.00Barから3.50Bar、3.50Barから4.00Bar、4.00Barから4.50Bar、4.50Barから5.00Bar、5.00Barから5.50Bar、5.50Barから6.00Bar、6.00Barから6.50Bar、6.50Barから7.00Bar、7.00Barから8.50Bar、8.50Barから9.00Bar、9.00Barから9.50Bar、9.50Barから10.00Bar、10.00Barから10.50Bar、10.50Barから11.00Bar、11.00Barから11.50Bar、11.50Barから12.00Bar、12.00Barから12.50Bar、12.50Barから13.00Bar、13.00Barから13.50Bar、13.50Barから14.00Bar、14.00Barから15.50Bar、15.50Barから16.00Bar、16.00Barから17.50Bar、17.50Barから18.00Bar、18.00Barから18.50Bar、18.50Barから19.00Bar、19.00Barから19.50Bar、又は、19.50Barから20.00Bar、の間であり得る。加圧環境は、標準大気圧と比較すると、冷却の速度を加速し得る。環境内において圧力を増大させることで、このすばやい金属の冷却に典型的に纏わる歪みを生じることなく、水焼入れに関連付けられるであろう瞬間固化のタイプをシミュレートすることができる。焼入れ中に圧力を増大させることで、原子が歪みを生じることなくマルテンサイト(中間相)において固化されることが保証される。
【0079】
BEα-βTi合金は、上記のような第1の熱処理ステップを受けた後、或る形のエイジングを伴う第2の熱処理ステップを受け得る。1つの実施形態においては、固溶化焼鈍し(solution annealing)プロセスが完了した後に、BEα-βTi合金が、ソルバス温度468を下回る温度470まで、予め定められた時間量にわたり加熱され得る。別の実施形態においては、固溶化焼鈍しプロセスが完了した後に、BEα-βTi合金が、ソルバス温度468を下回る温度まで、予め定められた時間量にわたり加熱され得る。当該温度は、500℃から700℃の間であり得る。1つの実施形態において、当該温度は、500℃から525℃、525℃から550℃、550℃から575℃、575℃から600℃、600℃から625℃、625℃から650℃、650℃から675℃、又は、675℃から700℃、の間であり得る。いくつかの実施形態において、当該温度は、であり得、1つの例示的な実施形態において、当該温度は、約590℃である。第2の例示的な実施形態において、当該温度は、約620℃である。1つの実施形態において、BEα-βTi合金は、上記のような温度に、3時間から9時間の間の予め定められた時間量にわたり加熱され得る。当該時間は、3.0時間から3.5時間、3.5時間から4.0時間、4.0時間から4.5時間、4.5時間から5.0時間、5.0時間から5.5時間、5.5時間から6.0時間、6.0時間から6.5時間、6.5時間から7.0時間、7.0時間から7.5時間、7.5時間から8.0時間、8.0時間から8.5時間、又は、8.5時間から9.0時間、の間であり得る。
【0080】
上で論じたように、BEα-βTi合金の加熱後に、BEα-βTi合金は、室温まで冷却されることを可能とされる。別の実施形態において、熱処理後に、BEα-βTi合金は、空冷されて材料の温度を徐々に低減すること、を可能とされ得る。この冷却は、不活性ガス環境又は非含有環境(開放空気)内で行われ得る。別の実施形態において、BEα-βTi合金は、不活性ガス環境内で冷却されて、クラブヘッドアセンブリの温度を徐々に低減することと、酸化の機会を低減することと、を可能とされ得る。不活性ガスは、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、及び、キセノン(Xe)、又は、それらの化合物ガス、から成る群から選択され得る。別の実施形態において、BEα-βTi合金は、最初に、不活性ガス環境内で、予め定められた時間量にわたり冷却されることを可能とされ得、その後、室温に到達するまで、非含有環境内で冷却されることを可能とされ得る。
【0081】
上記のような熱処理は、フェースプレート14の強度及び耐久性を改善する。改善された強度は、フェースプレート14を、耐久性を犠牲にすることなく、より薄肉にすることを許容し、それによってクラブヘッド重量を低減する。フェースプレート14の、低減された重量は、クラブヘッドアセンブリ30の重心をシフトさせるとともに、追加的な重量をクラブの別のコンポーネントに追加して、重心をさらに調節すること、を可能にする。フェースプレート14の耐久性を増大させることで、フェースプレート14が、ゴルフボールに対する、有意により多数のヒットに持ちこたえることと、ゴルフボールの数百回又は数千回の打撃を負いながらも、フェースプレート14の僅かに弧形又は丸みを帯びた形状を、クラブの耐用年数を通じて維持することと、を許容する。したがって、このクラブは、フェースプレート14の丸みを帯びた形状がボールとフェースプレート14との間の「ギア効果」をもたらすことを理由として、ボールが中心を外れて打撃されたときに、より多くの寛容性を有する。
【0082】
本明細書において記載されたBEα-βTi合金は、いくつかの実施形態において、ゴルフクラブヘッド10用のフェースプレート14として使用されるように、形成及び組み付けを行うことができる。これらの実施形態は、フェースプレート14を形成してゴルフクラブヘッド10に取り付けて、ゴルフクラブヘッドアセンブリ30を形成する、以下の製造ステップを必要とする。図1図3を参照すると、ゴルフクラブヘッドアセンブリ30は、クラブヘッドボディ10及びフェースプレート14を有することができる。いくつかの実施形態において、図5及び図6に例示されるように、フェースプレート14は、フェースカップ114であることができる。フェースプレート14を含むゴルフクラブヘッドボディ10に関する下記の詳細は、特段の指定がない限り、フェースカップ114を含むゴルフクラブヘッドボディ100にも適用することができる。1つの実施形態において、ゴルフクラブヘッドボディ10は、鋳造材料から形成されており、フェースプレート14は、圧延材料から形成されている。さらに、例示された実施形態において、ゴルフクラブヘッドボディ10は、メタルウッドドライバであり、他の実施形態において、ゴルフクラブヘッドボディ10は、フェアウェイウッド、ハイブリッド、又は、アイアン、であることができる。クラブヘッドボディ10は、ホーゼル及びホーゼル遷移部を含む、ホーゼル領域18も含み得る。1つの例において、ホーゼルは、ヒール端34に又はヒール端34の近くに位置付けられ得る。ホーゼルは、クラブヘッドボディ10からホーゼル遷移部を介して延在し得る。ゴルフクラブを形成するために、ホーゼルは、シャフト20の第1の端を受容し得る。シャフト20は、接着剤接着プロセス(例えば、エポキシ)、並びに/或いは、他の好適な接着プロセス(例えば、機械的接着、はんだ付け、溶接、及び/又は、ろう付け)により、ゴルフクラブヘッドボディ10に固定され得る。さらに、グリップ(図示せず)をシャフト20の第2の端に固定し、ゴルフクラブを完成させ得る。
【0083】
図2に示されるように、クラブヘッドボディ10はさらに、フェースプレート14を受容するための窓又は開口部22を含む。例示された実施形態において、開口部22は、開口部22の外周部の周囲に延在するリップ26を含む。フェースプレート14は、開口部とアライメントされて、リップ26に当接する。フェースプレート14は、溶接によりクラブヘッドボディ10に固定されて、クラブヘッドアセンブリ30を形成する。1つの実施形態において、溶接は、パルスプラズマ溶接プロセスである。
【0084】
フェースプレート14は、ヒール端34と、ヒール端34の反対側のトウ端38と、を含む。ヒール端34は、シャフト20(図1)がクラブヘッドアセンブリ30に結合されているホーゼル部分(ホーゼル及びホーゼル遷移部18)の近くに位置決めされている。フェースプレート14はさらに、クラウンエッジ42と、クラウンエッジ42の反対側にソールエッジ46と、を含む。クラウンエッジ42は、クラブヘッドボディ10の上側エッジに隣接して位置決めされており、一方で、ソールエッジ46は、クラブヘッドボディ10の下側エッジに隣接して位置決めされている。図3に示されるように、フェースプレート14は、ヒール端34とトウ端38との間に延在する方向に、バルジ湾曲を有する。図4及び図5に示されるように、フェースプレート14は、クラウンエッジ42とソールエッジ46との間に延在する方向に、ロール湾曲も有する。
【0085】
多くの実施形態において、フェースプレート14は、0.065インチから0.0100インチの間の最小壁厚さを有し得る。いくつかの例において、フェースプレート14の最小壁厚さは、0.065インチから0.100インチ、0.065インチから0.070インチ、0.070インチから0.075インチ、0.075インチから0.080インチ、0.080インチから0.085インチ、0.085インチから0.090インチ、0.090インチから0.095インチ、又は、0.095インチから0.100インチ、の間であることができる。多くの実施形態において、フェースプレート14は、0.115インチから0.150インチの間の最大壁厚さを有することができる。いくつかの例において、フェースプレート14の最大壁厚さは、0.115インチから0.120インチ、0.120インチから0.125インチ、0.125インチから0.130インチ、0.130インチから0.135インチ、0.135インチから0.140インチ、0.140インチから0.145インチ、又は、0.145インチから0.150インチ、の間であることができる。多くの実施形態において、本明細書において記載されたBEα-βTi合金を含むフェースプレート14の最小壁厚さ及び最大壁厚さは、現在使用されているTi-9S合金といったα強化型α-βTi合金を含むフェースプレート14の最小壁厚さ及び最大壁厚さよりも、0.003インチから0.007インチの間、薄肉であることができる。いくつかの実施形態において、本明細書において記載されたBEα-βTi合金を含むフェースプレート14の最小壁厚さ及び最大壁厚さは、現在使用されているTi-9S合金といったα強化型α-βTi合金を含むフェースプレート14の最小壁厚さ及び最大壁厚さよりも、最高で15%から25%、薄肉であることができる。他の実施形態において、本明細書において記載されたBEα-βTi合金を含むフェースプレート14の最小壁厚さ及び最大壁厚さは、現在使用されているTi-9S合金といったα強化型α-βTi合金を含むフェースプレート14の最小壁厚さ及び最大壁厚さよりも、最高で5%から15%、薄肉であることができる。
【0086】
図5及び図6に例示されたゴルフクラブヘッドボディ100のフェースカップ114は、多くの方式において、上記のフェースプレート14に類似している。図5に示されるように、クラブヘッドボディ100はさらに、フェースカップ114を受容するための凹部又は開口部122を含む。例示された実施形態において、開口部122は、開口部122の外周部の周囲に延在するリップ126を含む。フェースカップ114は、開口部とアライメントされて、リップ126に当接する。フェースカップ114は、溶接によりボディに固定されて、クラブヘッドアセンブリ100を形成する。1つの実施形態において、溶接は、パルスプラズマ溶接プロセスである。
【0087】
フェースカップ114は、フェースカップトウ部分138と、フェースカップヒール部分134と、クラウンエッジ142と、クラウンエッジ142の反対側のソールエッジ146と、を備える。フェースカップ114は、ボディ110における窓122内に受容されるとともに窓122に永久的に固定されて、ゴルフカブヘッド100の前部分152を形成する、ように構成されている。フェースカップ114のクラウンリターン148、フェースカップソールリターン150、及び、フェースカップトウ部分138は、フェースカップ打撃フェース部分を取り囲む。フェースカップクラウンエッジ142は、フェースカップクラウンリターン148の周辺エッジを規定している。フェースカップソールエッジ146は、フェースカップソールリターン150の周辺エッジを規定している。クラウンエッジ142は、クラブヘッドボディ100の上側エッジに隣接して位置決めされており、一方で、ソールエッジ146は、クラブヘッドボディ100の下側エッジに隣接して位置決めされている。フェースカップのクラウンエッジ142及びソールエッジ146は、窓122のリップ126に当接するように構成されている。代替的実施形態は、ソールリターン150を備え、一方でクラウンリターン148を欠くか、又は、クラウンリターン148を備え、一方でソールリターン150を欠いた、フェースカップ114のバージョンを含むことができる。さらなる実施形態は、ソールリターンの一部分(ヒール-トウ方向においてソールの全幅に沿って延在している訳ではない)のみ、及び/又は、クラウンリターンの一部分(ヒール-トウ方向においてクラウンの全幅に沿って延在している訳ではない)のみ、を備えている、フェースカップ114のバージョンを含むことができる。
【0088】
本明細書において記載されたBEα-βTi合金は、多くの異なる組成の組み合わせを有するように作製することができ、当該組み合わせの全ては、ほとんどの従来のα-βTi合金、特に、Ti-9Sといった、ゴルフ業界において通常使用されているもの、よりも多いβ安定化剤の量を有している。下記の3つの固有の組成は、上で論じた特性及び特質を有するBEα-βTi合金の、3つの異なる実施形態を生じる。
【0089】
BEα-βTi合金-組成1
1つの実施形態において、BEα-βTi合金(以降、「TSG1」と称する)は、5.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、0.75wt%から1.75wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、1.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.3wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG1は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG1は、クロスローリングステップの前に、850℃から950℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、TSG1は、クロスローリングステップの前に、900℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0090】
TSG1は、その最終的な状態に一旦入ると、2ステップの熱処理を受け得る。TSG1がゴルフクラブヘッドフェースプレート14へと形成される実施形態において、これらの熱処理ステップは、ゴルフクラブヘッドボディ10へのフェースプレート14の溶接後に、ゴルフクラブヘッドアセンブリ30に適用される。以下に詳述される熱処理実施形態は、記載された処理を受け入れるゴルフクラブヘッドアセンブリ30を指すが、成形(shaping)の最終的な状態におけるあらゆる生産物が、記載されるような熱処理を受け入れることができる。
【0091】
第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、800℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度は、800℃から810℃、810℃から820℃、820℃から830℃、830℃から840℃、840℃から850℃、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、5Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、500℃から640℃の間の温度まで、1時間から10時間の間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、500℃から510℃、510℃から520℃、520℃から530℃、530℃から540℃、540℃から550℃、550℃から560℃、560℃から570℃、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップは、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、又は、10時間、にわたり実施することができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度は、約4時間にわたり、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0092】
1つの実施形態において、TSG1は、5.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、0.75wt%から1.75wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、1.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.3wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG1は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG1は、クロスローリングステップの前に、850℃から950℃の間の予め定められた温度まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、BEα-βTi合金TSG1は、クロスローリングステップの前に、900℃という予め定められた温度まで加熱される。
【0093】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップ470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約8時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0094】
1つの実施形態において、TSG1は、5.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、0.75wt%から1.75wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、1.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.3wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG1は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG1は、クロスローリングステップの前に、850℃から950℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、BEα-βTi合金TSG1は、クロスローリングステップの前に、900℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0095】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、590℃から650℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、630℃から640℃、640℃から650℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約620℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0096】
1つの実施形態において、TSG1は、5.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、0.75wt%から1.75wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、1.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.3wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG1は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG1は、クロスローリングステップの前に、880℃から980℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、又は、970℃から980℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、925℃、926℃、927℃、928℃、929℃、930℃、931℃、932℃、933℃、934℃、又は、935℃、であることができる。1つの例において、TSG1は、クロスローリングステップの前に、930℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0097】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、5Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0098】
1つの実施形態において、TSG1は、5.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、0.75wt%から1.75wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、1.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.3wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。BEα-βTi合金TSG1は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG1は、クロスローリングステップの前に、880℃から980℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、又は、970℃から980℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、925℃、926℃、927℃、928℃、929℃、930℃、931℃、932℃、933℃、934℃、又は、935℃、であることができる。1つの例において、TSG1は、クロスローリングステップの前に、930℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0099】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約8時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0100】
1つの実施形態において、TSG1は、5.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、0.75wt%から1.75wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、1.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.3wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG1は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG1は、クロスローリングステップの前に、880℃から980℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、又は、970℃から980℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、925℃、926℃、927℃、928℃、929℃、930℃、931℃、932℃、933℃、934℃、又は、935℃、であることができる。1つの例において、TSG1は、クロスローリングステップの前に、930℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0101】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、590℃から650℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、630℃から640℃、640℃から650℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約620℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0102】
1つの実施形態において、TSG1は、5.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、0.75wt%から1.75wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、1.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.3wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG1は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG1は、クロスローリングステップの前に、900℃から1000℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、970℃から980℃、980℃から990℃、又は、990℃から1000℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、945℃、946℃、947℃、948℃、949℃、950℃、951℃、952℃、953℃、954℃、又は、955℃、であることができる。1つの例において、TSG1は、クロスローリングステップの前に、950℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0103】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、5Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0104】
1つの実施形態において、TSG1は、5.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、0.75wt%から1.75wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、1.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.3wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG1は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG1は、クロスローリングステップの前に、900℃から1000℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、970℃から980℃、980℃から990℃、又は、990℃から1000℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、945℃、946℃、947℃、948℃、949℃、950℃、951℃、952℃、953℃、954℃、又は、955℃、であることができる。1つの例において、TSG1は、クロスローリングステップの前に、950℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0105】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約8時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0106】
1つの実施形態において、TSG1は、5.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、0.75wt%から1.75wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、1.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.3wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG1は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG1は、クロスローリングステップの前に、900℃から1000℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、970℃から980℃、980℃から990℃、又は、990℃から1000℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、945℃、946℃、947℃、948℃、949℃、950℃、951℃、952℃、953℃、954℃、又は、955℃、であることができる。1つの例において、TSG1は、クロスローリングステップの前に、950℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0107】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、590℃から650℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、630℃から640℃、640℃から650℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約620℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0108】
TSG1は、Ti-9Sといったα強化型Ti合金よりも改善された耐久性特性を発揮することが期待される。耐久性の分析において、TSG1によって構成されたフェースプレート14を含むゴルフクラブヘッドアセンブリ30は、破損する前に、空気砲において最高で3800回の打撃を必要とすることが期待される。最小フェース厚さ及び最大フェース厚さが最高で25%だけ低減されると、TSG1フェースプレート14を備えたゴルフクラブヘッドアセンブリ30は、破損する前に、空気砲において3300回から3600回の間の打撃を必要とすることが期待される。
【0109】
BEα-βTi合金-組成2
1つの実施形態において、BEα-βTi合金(以降、「TSG2」と称する)は、6.0wt%から8.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.5wt%から2.5wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.5wt%から1.0wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG2は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG2は、クロスローリングステップの前に、850℃から950℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、TSG2は、クロスローリングステップの前に、900℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0110】
TSG2材料は、その最終的な状態に一旦入ると、2ステップの熱処理を受け得る。TSG2がゴルフクラブヘッドフェースプレート14へと形成される実施形態において、これらの熱処理ステップは、ゴルフクラブヘッドボディ10へのフェースプレート14の溶接後に、ゴルフクラブヘッドアセンブリ30に適用される。以下に詳述される熱処理実施形態は、記載された処理を受け入れるゴルフクラブヘッドアセンブリ30を指すが、成形の最終的な状態におけるあらゆる生産物が、記載されるような熱処理を受け入れることができる。
【0111】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、5Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0112】
1つの実施形態において、TSG2は、6.0wt%から8.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.5wt%から2.5wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.5wt%から1.0wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG2は、7.73wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、3.09wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.63wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.12wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.53wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG2は、7.00wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.50wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.70wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG2は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG2は、クロスローリングステップの前に、850℃から950℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、TSG2は、クロスローリングステップの前に、900℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0113】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約8時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0114】
1つの実施形態において、TSG2は、6.0wt%から8.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.5wt%から2.5wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.5wt%から1.0wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG2は、7.73wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、3.09wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.63wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.12wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.53wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG2は、7.00wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.50wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.70wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG2は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG2は、クロスローリングステップの前に、850℃から950℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、TSG2は、クロスローリングステップの前に、900℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0115】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、590℃から650℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、630℃から640℃、640℃から650℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約620℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0116】
1つの実施形態において、TSG2は、6.0wt%から8.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.5wt%から2.5wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.5wt%から1.0wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG2は、7.73wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、3.09wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.63wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.12wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.53wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG2は、7.00wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.50wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.70wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG2は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG2は、クロスローリングステップの前に、880℃から980℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、又は、970℃から980℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、925℃、926℃、927℃、928℃、929℃、930℃、931℃、932℃、933℃、934℃、又は、935℃、であることができる。1つの例において、TSG2は、クロスローリングステップの前に、930℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0117】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、5Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0118】
1つの実施形態において、BEα-βTi合金TSG2は、6.0wt%から8.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.5wt%から2.5wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.5wt%から1.0wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG2は、7.73wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、3.09wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.63wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.12wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.53wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG2は、7.00wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.50wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.70wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG2は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG2は、クロスローリングステップの前に、880℃から980℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、又は、970℃から980℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、925℃、926℃、927℃、928℃、929℃、930℃、931℃、932℃、933℃、934℃、又は、935℃、であることができる。1つの例において、TSG2は、クロスローリングステップの前に、930℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0119】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約8時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0120】
1つの実施形態において、TSG2は、6.0wt%から8.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.5wt%から2.5wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.5wt%から1.0wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG2は、7.73wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、3.09wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.63wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.12wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.53wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG2は、7.00wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.50wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.70wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG2は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG2は、クロスローリングステップの前に、880℃から980℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、又は、970℃から980℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、925℃、926℃、927℃、928℃、929℃、930℃、931℃、932℃、933℃、934℃、又は、935℃、であることができる。1つの例において、TSG2は、クロスローリングステップの前に、930℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0121】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、590℃から650℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、630℃から640℃、640℃から650℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約620℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0122】
1つの実施形態において、TSG2は、6.0wt%から8.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.5wt%から2.5wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.5wt%から1.0wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG2は、7.73wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、3.09wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.63wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.12wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.53wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG2は、7.00wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.50wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.70wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG2は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG2は、クロスローリングステップの前に、900℃から1000℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、970℃から980℃、980℃から990℃、又は、990℃から1000℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、945℃、946℃、947℃、948℃、949℃、950℃、951℃、952℃、953℃、954℃、又は、955℃、であることができる。1つの例において、TSG2は、クロスローリングステップの前に、950℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0123】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、5Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0124】
1つの実施形態において、TSG2は、6.0wt%から8.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.5wt%から2.5wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.5wt%から1.0wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG2は、7.73wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、3.09wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.63wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.12wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.53wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG2は、7.00wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.50wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.70wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG2は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG2は、クロスローリングステップの前に、900℃から1000℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、970℃から980℃、980℃から990℃、又は、990℃から1000℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、945℃、946℃、947℃、948℃、949℃、950℃、951℃、952℃、953℃、954℃、又は、955℃、であることができる。1つの例において、TSG2は、クロスローリングステップの前に、950℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0125】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約8時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0126】
1つの実施形態において、TSG2は、6.0wt%から8.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.5wt%から2.5wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.5wt%から3.5wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.5wt%から1.0wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG2は、7.73wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、3.09wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.63wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.12wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.53wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG2は、7.00wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.50wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.70wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG2は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG2は、クロスローリングステップの前に、900℃から1000℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、970℃から980℃、980℃から990℃、又は、990℃から1000℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、945℃、946℃、947℃、948℃、949℃、950℃、951℃、952℃、953℃、954℃、又は、955℃、であることができる。1つの例において、TSG2は、クロスローリングステップの前に、950℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0127】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、590℃から650℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、630℃から640℃、640℃から650℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約620℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0128】
BEα-βTi合金-組成3
1つの実施形態において、BEα-βTi合金(以降、「TSG3」と称する)は、6.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.0wt%から2.0wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.0wt%から5.0wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.8wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG3は、6.46wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、2.25wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.40wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.14wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.34wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG3は、6.30wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.00wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.40wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG3は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG3は、クロスローリングステップの前に、850℃から950℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、BEα-βTi合金TSG3は、クロスローリングステップの前に、900℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0129】
TSG3は、その最終的な状態に一旦入ると、2ステップの熱処理を受け得る。TSG3がゴルフクラブヘッドフェースプレート14へと形成される実施形態において、これらの熱処理ステップは、ゴルフクラブヘッドボディ10へのフェースプレート14の溶接後に、ゴルフクラブヘッドアセンブリ30に適用される。以下に詳述される熱処理実施形態は、記載された処理を受け入れるゴルフクラブヘッドアセンブリ30を指すが、成形の最終的な状態におけるあらゆる生産物が、記載されるような熱処理を受け入れることができる。
【0130】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、5Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0131】
1つの実施形態において、TSG3は、6.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.0wt%から2.0wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.0wt%から5.0wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.8wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG3は、6.46wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、2.25wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.40wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.14wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.34wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG3は、6.30wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.00wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.40wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG3は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG3は、クロスローリングステップの前に、850℃から950℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、BEα-βTi合金TSG3は、クロスローリングステップの前に、900℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0132】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約8時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0133】
1つの実施形態において、TSG3は、6.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.0wt%から2.0wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.0wt%から5.0wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.8wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG3は、6.46wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、2.25wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.40wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.14wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.34wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG3は、6.30wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.00wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.40wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG3は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG3は、クロスローリングステップの前に、850℃から950℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、BEα-βTi合金TSG3は、クロスローリングステップの前に、900℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0134】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、590℃から650℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、630℃から640℃、640℃から650℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約620℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0135】
1つの実施形態において、TSG3は、6.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.0wt%から2.0wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.0wt%から5.0wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.8wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG3は、6.46wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、2.25wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.40wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.14wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.34wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG3は、6.30wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.00wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.40wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG3は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG3は、クロスローリングステップの前に、880℃から980℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、又は、970℃から980℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、925℃、926℃、927℃、928℃、929℃、930℃、931℃、932℃、933℃、934℃、又は、935℃、であることができる。1つの例において、BEα-βTi合金TSG3は、クロスローリングステップの前に、930℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0136】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、5Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0137】
1つの実施形態において、TSG3は、6.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.0wt%から2.0wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.0wt%から5.0wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.8wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG3は、6.46wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、2.25wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.40wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.14wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.34wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG3は、6.30wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.00wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.40wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG3は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG3は、クロスローリングステップの前に、880℃から980℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、又は、970℃から980℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、925℃、926℃、927℃、928℃、929℃、930℃、931℃、932℃、933℃、934℃、又は、935℃、であることができる。1つの例において、BEα-βTi合金TSG3は、クロスローリングステップの前に、930℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0138】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約8時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0139】
1つの実施形態において、TSG3は、6.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.0wt%から2.0wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.0wt%から5.0wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.8wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG3は、6.46wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、2.25wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.40wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.14wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.34wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG3は、6.30wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.00wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.40wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG3は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG3は、クロスローリングステップの前に、880℃から980℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、又は、970℃から980℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、925℃、926℃、927℃、928℃、929℃、930℃、931℃、932℃、933℃、934℃、又は、935℃、であることができる。1つの例において、BEα-βTi合金TSG3は、クロスローリングステップの前に、930℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0140】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、590℃から650℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、630℃から640℃、640℃から650℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約620℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0141】
1つの実施形態において、TSG3は、6.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.0wt%から2.0wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.0wt%から5.0wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.8wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG3は、6.46wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、2.25wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.40wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.14wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.34wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG3は、6.30wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.00wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.40wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG3は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG3は、クロスローリングステップの前に、900℃から1000℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、970℃から980℃、980℃から990℃、又は、990℃から1000℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、945℃、946℃、947℃、948℃、949℃、950℃、951℃、952℃、953℃、954℃、又は、955℃、であることができる。1つの例において、BEα-βTi合金TSG3は、クロスローリングステップの前に、950℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0142】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、5Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0143】
1つの実施形態において、TSG3は、6.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.0wt%から2.0wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.0wt%から5.0wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.8wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG3は、6.46wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、2.25wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.40wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.14wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.34wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG3は、6.30wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.00wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.40wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG3は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG3は、クロスローリングステップの前に、900℃から1000℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、970℃から980℃、980℃から990℃、又は、990℃から1000℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、945℃、946℃、947℃、948℃、949℃、950℃、951℃、952℃、953℃、954℃、又は、955℃、であることができる。1つの例において、BEα-βTiTSG3合金は、クロスローリングステップの前に、950℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0144】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、570℃から640℃の間の温度まで、約8時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、570℃から580℃、580℃から590℃、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、又は、630℃から640℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約590℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0145】
1つの実施形態において、TSG3は、6.0wt%から7.0wt%の間のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.0wt%から2.0wt%の間のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、3.0wt%から5.0wt%の間のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.1wt%から0.2wt%の間のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.2wt%から0.8wt%の間のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。1つの例において、TSG3は、6.46wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、2.25wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.40wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.14wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.34wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。別の例において、TSG3は、6.30wt%のα-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントと、0.15wt%以下のα-安定化剤である酸素の総重量パーセントと、1.50wt%のβ-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントと、4.00wt%のβ-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントと、0.15wt%のβ-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントと、0.40wt%のβ-安定化剤である鉄の総重量パーセントと、を有し得る。TSG3は、一連の機械的製造ステップを受けて、上記のような所望される形状を達成し得る。機械的製造プロセス中に、TSG3は、クロスローリングステップの前に、900℃から1000℃の間の予め定められた温度470まで加熱される。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、940℃から950℃、950℃から960℃、960℃から970℃、970℃から980℃、980℃から990℃、又は、990℃から1000℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、予め定められた温度470は、945℃、946℃、947℃、948℃、949℃、950℃、951℃、952℃、953℃、954℃、又は、955℃、であることができる。1つの例において、BEα-βTi合金TSG3は、クロスローリングステップの前に、950℃という予め定められた温度470まで加熱される。
【0146】
フェースプレート14が形成されてクラブヘッドに溶接された後に、クラブヘッドアセンブリは、2ステップの熱処理を受け得、ここで、第1のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、850℃から950℃の間の、ソルバス温度468に近い予め定められた温度470まで、約1時間にわたり加熱することを伴う、固溶化焼鈍しプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、850℃から860℃、860℃から870℃、870℃から880℃、880℃から890℃、890℃から900℃、900℃から910℃、910℃から920℃、920℃から930℃、930℃から940℃、又は、940℃から950℃、の間であることができる。いくつかの実施形態において、熱処理の第1のステップの予め定められた温度470は、895℃、896℃、897℃、898℃、899℃、900℃、901℃、902℃、903℃、904℃、又は、905℃、であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第1のステップにおける予め定められた温度470は、約900℃であることができる。クラブヘッドアセンブリ30は、その後、不活性ガス加圧環境内において焼入れされる。いくつかの実施形態において、圧力は、1Bar、2Bar、3Bar、4Bar、5Bar、6Bar、7Bar、8Bar、9Bar、10Bar、10Bar、11Bar、12Bar、13Bar、14Bar、15Bar、16Bar、17Bar、18Bar、19Bar、又は、20Bar、であることができる。1つの例において、加圧環境内における圧力は、1Barである。熱処理の第2のステップは、クラブヘッドアセンブリ30を、590℃から650℃の間の温度まで、約4時間にわたり加熱することを伴うエイジングプロセスである。いくつかの実施形態において、熱処理の第2のステップの温度は、590℃から600℃、600℃から610℃、610℃から620℃、620℃から630℃、630℃から640℃、640℃から650℃、の間であることができる。1つの例において、熱処理プロセスの第2のステップにおける予め定められた温度は、約620℃であることができる。クラブヘッドアセンブリは、その後、空冷を介して室温まで冷却されることが可能とされる。いくつかの実施形態において、クラブヘッドアセンブリ30は、空冷前に、冷却プロセスを速めるために、不活性ガスを用いて一時的にジェット冷却される。
【0147】
TSG3は、Ti-9Sといったα強化型Ti合金よりも改善された耐久性特性を発揮することが期待される。耐久性の分析において、TSG3によって構成されたフェースプレート14を含むゴルフクラブヘッドアセンブリ30は、破損する前に、空気砲において最高で3800回の打撃を必要とすることが期待される。最小フェース厚さ及び最大フェース厚さが最高で25%だけ低減されると、TSG3フェースプレート14を備えたゴルフクラブヘッドアセンブリ30は、破損する前に、空気砲において3300回から3600回の間の打撃を必要とすることが期待される。
【0148】
以下に示す表1は、上記のようなTSG1、TSG2、及び、TSG3の組成の概要を示している。以下に示す表2は、TSG1、TSG2、及び、TSG3の、引っ張り強度、降伏強度、密度、最小伸び、ヤング係数、及び、厚さを含む、機械的特性の概要を示している。
【表1】
【表2】
【0149】
1つの実施形態において、BEα-βTi合金は、5.25wt%未満のバナジウムであるものの、1.00wt%よりも大きい、1.25wt%よりも大きい、1.50wt%よりも大きい、1.75wt%よりも大きい、2.00wt%よりも大きい、2.25wt%よりも大きい、2.50wt%よりも大きい、2.75wt%よりも大きい、3.00wt%よりも大きい、3.00wt%よりも大きい、3.25wt%よりも大きい、3.50wt%よりも大きい、4.75wt%よりも大きい、又は、5.00wt%よりも大きい、バナジウムを有することができる。
【0150】
1つの実施形態において、BEα-βTi合金は、2.30wt%未満であるものの、0.50wt%よりも大きい、0.60wt%よりも大きい、0.70wt%よりも大きい、0.80wt%よりも大きい、0.90wt%よりも大きい、1.00wt%よりも大きい、1.10wt%よりも大きい、1.20wt%よりも大きい、1.30wt%よりも大きい、1.40wt%よりも大きい、1.50wt%よりも大きい、1.60wt%よりも大きい、1.70wt%よりも大きい、1.80wt%よりも大きい、1.90wt%よりも大きい、2.00wt%よりも大きい、2.10wt%よりも大きい、又は、2.20wt%よりも大きい、モリブデンを有することができる。
【0151】
1つの実施形態において、BEα-βTi合金は、2.30wt%未満であるものの、0.50wt%よりも大きい、0.60wt%よりも大きい、0.70wt%よりも大きい、0.80wt%よりも大きい、0.90wt%よりも大きい、1.00wt%よりも大きい、1.10wt%よりも大きい、1.20wt%よりも大きい、1.30wt%よりも大きい、1.40wt%よりも大きい、1.50wt%よりも大きい、1.60wt%よりも大きい、1.70wt%よりも大きい、1.80wt%よりも大きい、1.90wt%よりも大きい、2.00wt%よりも大きい、2.10wt%よりも大きい、又は、2.20wt%よりも大きい、モリブデンを有することができる。
【0152】
1つの実施形態において、BEα-βTi合金は、7.0wt%未満のアルミニウムであるものの、4.0wt%よりも大きい、4.25wt%よりも大きい、4.5wt%よりも大きい、4.75wt%よりも大きい、5.0wt%よりも大きい、5.25wt%よりも大きい、5.5wt%よりも大きい、5.75wt%よりも大きい、6.0wt%よりも大きい、6.25wt%よりも大きい、又は、6.5wt%よりも大きい、アルミニウムを有することができる。
【0153】
1つの実施形態において、BEα-βTi合金は、0.8wt%未満の鉄であるものの、0.1wt%よりも大きい、0.2wt%よりも大きい、0.3wt%よりも大きい、0.4wt%よりも大きい、又は、0.5wt%よりも大きい、鉄を有することができる。
【実施例
【0154】
I.実施例1:TSG1フェースプレートを有するゴルフクラブヘッド
本明細書においては、クラブヘッド及びフェースプレートを備えたクラブヘッドアセンブリの例示的な一実施形態を記載しており、ここで、フェースプレートはさらに、TSG1というBEα-βTi合金を含んでいる。TSG1の機械的特性は、化学的組成構造と、材料が受けた熱処理だけではなく材料が受けた製造プロセスと、によって決定されていた。
【表3】
【0155】
TSG1というα-βTi合金中の、α-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントは、6.0wt%であった。TSG1というα-βTi合金中の、α-安定化剤である酸素の総重量パーセントは、0.15wt%以下であった。TSG1というα-βTi合金中の、β-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントは、1.25wt%であった。TSG1というα-βTi合金中の、β-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントは、2.5wt%であった。TSG1というα-βTi合金中の、β-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントは、0.15wt%であった。TSG1というα-βTi合金中の、β-安定化剤である鉄の総重量パーセントは、0.25wt%であった。含まれていた他の元素は、炭素、窒素、及び、水素であった。TSG1というα-βTi合金中の炭素の総重量パーセントは、0.08wt%以下であった。TSG1というα-βTi合金中の炭素の総重量パーセントは、0.05wt%以下であった。TSG1というα-βTi合金中の炭素の総重量パーセントは、0.015wt%以下であった。TSG1というα-βTi合金の残りの重量パーセンテージを、チタンが占めていた。上記のようなTSG1というα-βTi合金の密度は、4.413g/cmであった。
【0156】
TSG1というα-βTi合金の機械的特性は、下記のような製造プロセス及び2ステップの熱処理プロセスにより、さらに強化された。図10において分かるように、第1のステップ573は、インゴットを予め定められた温度470まで加熱して、その後、当該インゴットをラジアル鍛造してビレットにすること、を伴っていた。第2のステップ575においては、ビレットをスライスしてセクションにした。第3のステップ577においては、当該セクションを、その後、プレス鍛造して、所望のプレート厚さを有するプレートを達成した。第4のステップ579においては、当該プレートを、約900℃という温度まで加熱して、所望されるシート厚さが達成されるまで当該プレートをクロスローリングすること、によって、シートを形成した。当該シートは、その後、さらなる製造ステップ(以下に詳述)を受けて、所望される形状のフェースプレートが形成された。
【0157】
図11は、シートからフェースプレートを形成するためのプロセスを示している。第1のステップ673においては、レーザが、シートからフェースプレートの形状を大まかに切り抜き、切り抜き部を生じた。いくつかの実施形態では、CNC機械加工を使用して、当該切り抜き部に複数個のノッチ又はタブを機械加工した。他の実施形態において、切り抜き部は、ノッチ無しにしておかれた。第2のステップ675は、切り抜き部を、指定された温度で未加工スタンピングしてフェースプレートを形成すること、を伴っていた。第3のステップ677は、フェースプレートの前壁及び側壁をCNC機械加工して、溝及びミリング又は他の質感といった精細部を含むこと、を伴っていた。第4のステップ679においては、フェースプレートをサンドブラストして、レーザエッチングにより仕上げ加工した。フェースプレートを、その後、プラズマ溶接という手段によりクラブヘッドに固定し、それにより、クラブヘッドアセンブリを生じた。
【0158】
TSG1というα-βTi合金の化学的組成構造は、クラブヘッドアセンブリが2ステップの熱処理を受けることを可能にした。熱処理の第1のステップは、固溶化焼鈍し熱処理であった。このステップは、材料の強度を大いに増大させた。クラブヘッドアセンブリは、900℃という温度まで、1時間にわたり加熱された。材料を、ソルバス温度直下の上述の温度まで加熱することで、材料をβ相へ遷移させて、材料のα-β微細構造をβ微細構造へと遷移させ始めることを可能にした。クラブヘッドアセンブリは、その後、加圧された不活性ガス環境内で直ちに焼入れされ、ここで、不活性ガスは、窒素であり、環境の圧力は、1Barであった。材料をできる限りすばやく冷却することで、ほとんどの微細構造が、マルテンサイトという中間相において捕獲される。マルテンサイト時における材料の微細構造は、より緻密であり、粒子サイズができる限り小さいままであることを保証して、強度を大いに増大させる。
【0159】
クラブヘッドアセンブリは、上記のように第1の熱処理ステップを受けた後に、或る形のエイジングを伴う第2の熱処理ステップを受けた。このステップでは、クラブヘッドアセンブリを、620℃という温度まで、4時間にわたり加熱した。クラブヘッドアセンブリは、その後、室温まで空冷されることが可能とされた。クラブアセンブリを、より低いこの温度で、より長い時間期間にわたり加熱することで、材料を軟化させて、当該材料が、より多くの加工性を再び有するようにしている。
【0160】
材料のこれらの機械的特性は、TSG1というα-βTi合金の化学的組成と、機械的プロセスと、2ステップの熱処理と、の効用であるものとすることができる。TSG1というα-βTi合金は、4.416g/cmの密度と、150ksiから170ksiの間の降伏強度と、157ksiから170ksiの間の引っ張り強度と、4.5%から8.0%の間の最小伸びと、15.4Mpsiから16.9Mpsiの間のヤング係数と、を有した。
【0161】
TSG1を含むフェースプレートは、Ti-9Sを含むフェースプレートよりも0.007インチ薄肉の、最小厚さ及び最大厚さを有していた。各フェースプレートは、同じ構築を有しており、同じクラブヘッドボディに嵌合されていた。
【0162】
II.実施例2:TSG3フェースプレートを有するゴルフクラブヘッド
さらに、本明細書においては、クラブヘッド及びフェースプレートを備えたクラブヘッドアセンブリの例示的な一実施形態を記載しており、ここで、フェースプレートはさらに、TSG3というBEα-βTi合金を含んでいる。TSG3の機械的特性は、化学的組成構造と、材料が受けた熱処理だけではなく材料が受けた製造プロセスと、によって決定されていた。
【0163】
TSG3というα-βTi合金中の、α-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントは、6.30wt%であった。TSG3というα-βTi合金中の、α-安定化剤である酸素の総重量パーセントは、0.15wt%未満であった。TSG3というα-βTi合金中の、β-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントは、1.50wt%であった。TSG3というα-βTi合金中の、β-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントは、4.00wt%であった。TSG3というα-βTi合金中の、β-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントは、0.15wt%であった。TSG3というα-βTi合金中の、β-安定化剤である鉄の総重量パーセントは、0.40wt%であった。含まれていた他の元素は、炭素、窒素、及び、水素であった。TSG3というα-βTi合金中の炭素の総重量パーセントは、0.10wt%未満であった。TSG3というα-βTi合金中の炭素の総重量パーセントは、0.05wt%未満であった。TSG3というα-βTi合金中の炭素の総重量パーセントは、0.015wt%未満であった。TSG3というα-βTi合金の残りの重量パーセンテージを、チタンが占めていた。この化学的組成構造は、材料が、依然として所望の密度を有しながらも、高い強度及び延性を有することを可能にしていた。上記のようなTSG3というα-βTi合金の密度は、4.416g/cmであった。
【0164】
TSG3というα-βTi合金の機械的特性は、下記のような製造プロセス及び2ステップの熱処理プロセスを受けることにより、さらに強化された。図10において分かるように、第1のステップは、インゴットを予め定められた温度470まで加熱して、当該インゴットをラジアル鍛造してビレットにすること、を伴っていた。第2のステップ575においては、ビレットをスライスしてセクションにした。第3のステップにおいては、当該セクションを、その後、プレス鍛造して、所望のプレート厚さを有するプレートを達成した。第4のステップ579においては、当該プレートを、約900℃という温度まで加熱して、所望されるシート厚さが達成されるまで当該プレートをクロスローリングすること、によって、シートを形成した。当該シートは、その後、さらなる製造ステップ(以下に詳述)を受けて、所望される最終的な形状が最後に形成された。
【0165】
図11は、シートからフェースプレートを形成するためのプロセスを示している。第1のステップにおいては、レーザが、シートからフェースプレートの形状を大まかに切り抜き、切り抜き部を生じた。いくつかの実施形態では、その後、CNC機械加工を使用して、当該切り抜き部に複数個のノッチ又はタブを機械加工した。他の実施形態において、切り抜き部は、ノッチ無しにしておかれた。第2のステップは、切り抜き部を、指定された温度で未加工スタンピングしてフェースプレートを形成すること、を伴っていた。第3のステップは、フェースプレートの前壁及び側壁をCNC機械加工して、溝及びミリング又は他の質感といった精細部を含むこと、を伴っていた。第4のステップにおいては、フェースプレートをサンドブラストして、レーザエッチングにより仕上げ加工した。フェースプレートを、その後、プラズマ溶接という手段によりクラブヘッドに固定し、それにより、クラブヘッドアセンブリを生じた。
【0166】
TSG3というα-βTi合金の化学的組成構造は、クラブヘッドアセンブリが2ステップの熱処理を受けて、機械的特性をさらに強化すること、を可能にした。熱処理の第1のステップは、固溶化焼鈍し熱処理であった。このステップは、材料の強度を大いに増大させた。クラブヘッドアセンブリは、900℃という温度まで、1時間にわたり加熱された。材料を、ソルバス温度直下の上述の温度まで加熱することで、材料をβ相へ遷移させて、材料のα-β微細構造をβ微細構造へと遷移させ始めることを可能にした。クラブヘッドアセンブリは、その後、加圧された不活性ガス環境内で直ちに焼入れされ、ここで、不活性ガスは、窒素であり、環境の圧力は、1Barであった。材料をできる限りすばやく冷却することで、ほとんどの微細構造が、マルテンサイトという中間相において捕獲される。マルテンサイト時における材料の微細構造は、より緻密であり、粒子サイズができる限り小さいままであることを保証して、強度を大いに増大させる。
【0167】
クラブヘッドアセンブリは、上記のように第1の熱処理ステップを受けた後に、或る形のエイジングを伴う第2の熱処理ステップを受けた。このステップでは、クラブヘッドアセンブリを、620℃という温度まで、4時間にわたり加熱した。クラブヘッドアセンブリは、その後、室温まで空冷されることが可能とされた。クラブアセンブリを、より低いこの温度で、より長い時間期間にわたり加熱することで、材料を軟化させて、当該材料が、より多くの加工性を再び有するようにした。
【0168】
材料のこれらの機械的特性は、TSG3というα-βTi合金の化学的組成と、機械的プロセスと、材料が受けた熱処理と、の効用であるものとすることができる。TSG3というα-βTi合金は、4.416g/cmの密度と、150ksiから170ksiの間の降伏強度と、157ksiから170ksiの間の引っ張り強度と、4.5%から8.0%の間の最小伸びと、15.4Mpsiから16.9Mpsiの間のヤング係数と、を有した。
【0169】
III.実施例3:TSG2の機械的特性、及び、クロスローリング温度の有意性
さらに、本明細書においては、クラブヘッド及びフェースプレートを備えたクラブヘッドアセンブリの例示的な一実施形態を記載しており、ここで、フェースプレートはさらに、TSG2というBEα-βTi合金を含んでいる。TSG2の機械的特性は、化学的組成構造と、材料が受けた熱処理だけではなく材料が受けた製造プロセスと、によって決定されていた。
【0170】
TSG2というα-βTi合金中の、α-安定化剤であるアルミニウムの総重量パーセントは、8.0wt%であった。TSG2というα-βTi合金中の、α-安定化剤である酸素の総重量パーセントは、0.15wt%以下であった。TSG2というα-βTi合金中の、β-安定化剤であるモリブデンの総重量パーセントは、2.50wt%であった。TSG2というα-βTi合金中の、β-安定化剤であるバナジウムの総重量パーセントは、5.5wt%であった。TSG2というα-βTi合金中の、β-安定化剤であるシリコンの総重量パーセントは、0.20wt%であった。TSG2というα-βTi合金中の、β-安定化剤である鉄の総重量パーセントは、1.0wt%であった。含まれていた他の元素は、炭素、窒素、及び、水素であった。TSG2というα-βTi合金中の炭素の総重量パーセントは、0.10wt%以下であった。TSG2というα-βTi合金中の炭素の総重量パーセントは、0.05wt%以下であった。TSG2というα-βTi合金中の炭素の総重量パーセントは、0.015wt%以下であった。TSG2というα-βTi合金の残りの重量パーセンテージを、チタンが占めてていた。上記のようなTSG2というα-βTi合金の密度は、4.423g/cmであった。
【0171】
TSG2の機械的特性は、上記のようなTSG1及び下記のようなTSG3とは異なり、上記のように製造プロセスを受けたときに予期せぬ反応をし、要約すると、TSG2は、増大されたレベルのβ-安定化剤及びα-安定化剤を理由として、極度に脆性となった。
【0172】
上記のような製造プロセスの第4のステップにおいて、材料は、上記及び下記のような、TSG1及びTSG3が受けたものと同様のクロスローリングステップを受ける。しかしながら、具体的には、β-安定化剤(V、Mo、Fe、Si)が増大したことと、可能性としては、α-安定化剤(A)が、上述の元素の最小0.5wt%から1wt%だけと、を理由とするTSG2の化学的組成構造を理由として、TSG2は、TSG1試料及びTSG3試料に対して、自身の降伏強度を損失した。具体的に、TSG2についての降伏強度は、TSG1及びTSG3よりもはるかに低く(TSG1よりも約80ksi低く、TSG3よりも約133ksi低い)、TSG2の脆性を引き起こした。また、TSG2は、より低い引っ張り強度も呈した(TSG1よりも約44ksi低く、TSG3よりも約56ksi低い)。鍵となるこれらの機械的差異は両方とも、これまでに述べたように、上記の化学的性質の差異を理由としており、さらに、このことは、増大されたレベルのβ-安定化剤(V、Mo、Fe、Si)により引き起こされた、増大された粒子サイズを理由とすること、及び、可能性として、α-安定化剤を理由とすること、が考えられる。
【表4】
【0173】
IV.実施例4:旧来のTi合金(Ti-9S)と比較した、TSG3の機械的特性
さらに、本明細書においては、実施例2における上記のようなTSG3と、より旧来のTi合金(本明細書において「Ti-9S」と称する)と、の間の比較を記載する。Ti-9Sは、α-βチタン(α-βTi)合金である。Ti-9Sは、中性合金化元素だけではなく、α安定化剤及びβ-安定化剤も含有し得る。上述の材料間の主たる差異には、以下のもの、即ち、材料自体の化学的組成構造と、所望される形状及び厚さに達するために材料が受けた機械的プロセスと、材料が受けた熱処理プロセスと、が含まれる。これらの差異は、材料の機械的特性に直接的に影響を及ぼしていた。
【0174】
上で言明したように、Ti-9Sは、中性合金化元素だけではなく、α安定化剤及びβ-安定化剤も含有し得る。Ti-9Sは、スズといった中性合金化元素と、アルミニウム及び酸素といったα安定化剤と、モリブデン、シリコン、鉄、及び、バナジウムといったβ-安定化剤と、を含有し得る。Ti-9Sは、銅及びジルコニウムといった、微量の他の元素を含有し得る。表1において以下に示すように、Ti-9Sは、α安定化剤、具体的にはアルミニウム、の、はるかにより高いwt%を有する。α安定化剤の、この高いwt%は、所望される機械的特性に達するために、材料に適用され得る機械的プロセス及び熱処理がどのようなものであるかを制限する。
【表5】
【0175】
Ti-9Sの化学的組成構造、具体的にはα安定化剤のwt%、を理由として、Ti-9Sは、所望される形状及び厚さを達成するために、僅かに異なる機械的プロセスを受けた。Ti-9Sは、TSG3とは異なり、より旧来の鍛造プロセスを受けた。上で言明したように、TSG3は、第1のステップにおいて、粒子構造ができる限り均一なままであることを保証するために、ラジアル鍛造ステップを受けた。その一方で、Ti-9Sは、圧力をインゴットの頂部及び底部に印加してビレットを形成する、より旧来の棒鋼圧延の形の鍛造を受けた。このことは、粒子構造を固有の方向に伸ばした。上で言明したように、粒界は、外力の印加時に材料が受ける変形を中断する。より多くの粒界に外力が接触するほど、材料の変形が少なくなり、したがって、より多くの粒界は、材料をより強くする。このステップ中に粒子構造が伸ばされると、当該ステップは、一方の方向において材料を強化するものの、他方の方向において材料を弱化した。フェースプレートが作製され且つゴルフクラブヘッド上に配向された方式を理由として、ゴルフボールを打つことによって生じた力は、材料を経由して、粒子が伸ばされた方向に伝わる。したがって、より旧来の棒鋼圧延ステップとは対照的に、ラジアル鍛造ステップによって生じたビレット内の粒子構造は、より対称性であり、したがって、この用途にとって、より所望のものとなる。
【0176】
その後、このステップの後には、残りの機械的プロセスが続くが、当該プロセスは、上記のプロセスに類似しており、以下の通りである。即ち、第2のステップにおいては、ビレットをスライスしてセクションにした。当該セクションを、その後、プレス鍛造して、所望のプレート厚さを有するプレートを達成した。当該プレートを、約900℃という温度まで加熱して、所望されるシート厚さが達成されるまで当該プレートをクロスローリングすること、によって、シートを形成した。当該シートは、その後、さらなる製造ステップを受けて、所望される形状のフェースプレートが形成された。第1のステップにおいては、レーザが、シートからフェースプレートの形状を大まかに切り抜き、切り抜き部を生じた。第2のステップにおいては、CNC機械加工を使用して、当該切り抜き部に複数個のノッチ又はタブを機械加工した。いくつかの実施形態においては、第2のステップを省いた。第3のステップは、切り抜き部を、指定された温度で未加工スタンピングしてフェースプレートを形成すること、を伴っていた。第4のステップは、フェースプレートの前壁及び側壁をCNC機械加工して、溝及びミリング又は他の質感といった精細部を含むこと、を伴っていた。第5のステップにおいては、フェースプレートをサンドブラストした。最終的に、第6のステップは、レーザエッチングによりフェースプレートに仕上げ加工をすることを伴っていた。フェースプレートを、その後、プラズマ溶接という手段によりクラブヘッドに固定し、クラブヘッドアセンブリを生じた。
【0177】
Ti-9Sに適用される熱処理は、TSG3に適用された熱処理とは極めて異なっている。Ti-9Sの化学的組成構造、具体的にはα安定化剤のwt%がより高いこと、を理由として、Ti-9Sの強度は、いかなるタイプの熱処理という手段によっても増大させることができない。仮に、Ti-9Sが、上記のような2ステップの熱処理プロセス、特に、焼入れステップ、といった或る特定の熱処理を受けた場合、材料中のアルミニウムのwt%が、材料を、加工性/有用性を有するには、あまりにも脆性なものとしてしまうであろう。
【0178】
Ti-9Sで作製されたフェースプレートを、ソルバス温度を上回る温度まで加熱し、その後、当該フェースプレートをクラブヘッドに溶接する。Ti-9Sで作製されたフェースプレートを特徴として有するクラブヘッドアセンブリを、ソルバス温度を上回る温度まで、少なくとも1.5時間であって且つ最高で6時間にわたり加熱した。このことは、フェースプレート内の応力、及び、クラブヘッドの溶接箇所と金属マトリックスとの間の応力、を軽減するために行われた。このプロセスはさらに、フェースプレートの靭性又は耐久性を改善するために行われたが、ここで、改善された靭性は、フェースプレートが、耐久性を犠牲にすることなく、より薄肉になることを許容し、それにより、クラブヘッド重量を低減する。このステップは、Ti-9Sフェースプレートの強度を増大せず、クラブヘッドへのフェースプレートの溶接によって生じた応力を軽減した。
【0179】
TSG3中のα安定化剤とβ-安定化剤とのバランスを理由として、材料の強度は、熱処理によって操作され得る。2ステップの熱処理プロセスの第1のステップにおいて、材料の強度は、微細構造をマルテンサイトという中間状態において固化することによって大いに増大した。第2のステップは、材料を軟化させて、材料がより加工性を有するようにするとともに、最小伸び及び延性を増大させた。上で論じたようなα安定化剤及びβ安定化剤の組み合わせは、以下に論じるような2ステップの熱処理と共に働いて、TSG3が、強度、破壊靭性、及び、延性の所望のバランスを獲得することを可能にした。この2ステップの熱処理プロセスは、上で論じたような機械的プロセス及び化学的組成構造と共に働いて、TSG3が、はるかにより汎用性の材料となることを可能にしたが、このことは、材料を容易に操作して所望される機械的特性を達成し得るような方式で、行われた。表6において以下に示すように、BEα-βチタン(TSG1、TSG2、及び、TSG3)は、より旧来のアルファ強化型α-βチタン(Ti-9S)に類似するか又は増大されたレベルの強度を有し、一方で、より薄肉の最小フェースプレート厚さをもたらした。
【0180】
TSG3を含むフェースプレートは、Ti-9Sを含むフェースプレートよりも0.007インチ薄肉の、最小厚さ及び最大厚さを有していた。各フェースプレートは、同じ構築を有しており、同じクラブヘッドボディに嵌合されていた。
【表6】
【0181】
実施例4:旧来のTi合金(Ti-9S)と比較したTSG1の耐久性調査
本明細書では、実施例1において上記のようなTSG1合金によって構成されたフェースプレートを備えたゴルフクラブヘッドと、より旧来のTi合金(本明細書において「Ti-9S」と称する)と、の間の比較分析について、さらに記載している。Ti-9Sは、α-βチタン(α-βTi)合金である。Ti-9Sは、中性合金化元素だけではなく、α安定化剤及びβ-安定化剤も含有し得る。上述の材料間の主たる差異には、以下のもの、即ち、材料自体の化学的組成構造と、所望される形状及び厚さに達するために材料が受ける機械的プロセスと、材料が受ける熱処理プロセスと、が含まれる。これらの差異は、材料の機械的特性に直接的に影響を及ぼすことができる。
【0182】
TSG1合金かTi-9S合金のいずれかによって構成されたときのフェースプレートの耐久性を比較するために、分析を実施した。この分析により、フェースプレートが破損するまでの、空気砲からの打撃の期待数が提供される。1つのクラブヘッドアセンブリは、フェースプレート材料としてTi-9S合金を含んでいる。第2のクラブヘッドアセンブリは、フェースプレート材料としてTSG1合金を含む、同じクラブヘッドを備えている。
【0183】
TSG1合金フェースプレートを備えたクラブヘッドアセンブリは、Ti-9S合金フェースプレートを備えたアセンブリに対し、増大された耐久性を示している。第1の分析において、各フェースプレート間の厚さプロファイルは、同一である。厚さプロファイルが各フェースプレートについて同一であるとき、TSG1フェースプレートクラブヘッドは、Ti-9Sフェースプレートクラブヘッドよりも、破損する前に、空気砲からの、300回から600回の間だけ多くの打撃を必要とする。
【0184】
第2の分析において、TSG1フェースプレートの厚さプロファイルは、Ti-9Sフェースプレートの厚さプロファイルよりも、10%から25%の間、薄肉であり、又は、0.003インチから0.007インチ、薄肉である。この分析において、より薄肉のTSG1フェースプレートクラブヘッドは、Ti-9Sフェースプレートクラブヘッドよりも、破損する前に、空気砲からの、100回から400回の間だけ多くの打撃を必要とする。加えて、より薄肉のTSG1フェースプレートクラブヘッドは、0.5mphから1.0mphの間の、ボール速度の期待された増大を、結果的に生じる。
【0185】
V.実施例5:旧来のTi合金(Ti-9S)と比較した、TSG3の耐久性調査
本明細書では、実施例2において上記のようなTSG3合金によって構成されたフェースプレートを備えたゴルフクラブヘッドと、より旧来のTi合金(本明細書において「Ti-9S」と称する)と、の間の比較分析について、さらに記載している。Ti-9Sは、α-βチタン(α-βTi)合金である。Ti-9Sは、中性合金化元素だけではなく、α安定化剤及びβ-安定化剤も含有し得る。上述の材料間の主たる差異には、以下のもの、即ち、材料自体の化学的組成構造と、所望される形状及び厚さに達するために材料が受ける機械的プロセスと、材料が受ける熱処理プロセスと、が含まれる。これらの差異は、材料の機械的特性に直接的に影響を及ぼすことができる。
【0186】
TSG3合金かTi-9S合金のいずれかによって構成されたときのフェースプレートの耐久性を比較するために、分析を実施した。この分析により、フェースプレートが破損するまでの、空気砲からの打撃の期待数が提供される。1つのクラブヘッドアセンブリは、フェースプレート材料としてTi-9S合金を含んでいる。第2のクラブヘッドアセンブリは、フェースプレート材料としてTSG3合金を含む、同じクラブヘッドを備えている。
【0187】
TSG3合金フェースプレートを備えたクラブヘッドアセンブリは、Ti-9S合金フェースプレートを備えたアセンブリに対し、増大された耐久性を示している。第1の分析において、各フェースプレート間の厚さプロファイルは、同一である。厚さプロファイルが各フェースプレートについて同一であるとき、TSG3フェースプレートクラブヘッドは、Ti-9Sフェースプレートクラブヘッドよりも、破損する前に、空気砲からの、300回から600回の間だけ多くの打撃を必要とする。
【0188】
第2の分析において、TSG3フェースプレートの厚さプロファイルは、Ti-9Sフェースプレートの厚さプロファイルよりも、10%から25%の間、薄肉であり、又は、0.003インチから0.007インチ、薄肉である。この分析において、より薄肉のTSG3フェースプレートクラブヘッドは、Ti-9Sフェースプレートクラブヘッドよりも、破損する前に、空気砲からの、100回から400回の間だけ多くの打撃を必要とする。加えて、より薄肉のTSG3フェースプレートクラブヘッドは、0.5mphから1.0mphの間の、ボール速度の期待された増大を、結果的に生じる。
条項
方法の条項
条項1:ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法であって、
(a)5.0wt%から8.0wt%の間のアルミニウム(Al)と、1.0wt%から5.5wt%の間のバナジウム(V)と、0.75wt%から2.5wt%の間のモリブデン(Mo)と、を含む、α-βチタン合金から形成されるインゴットを提供する工程と、
(b)前記インゴットをラジアル鍛造してビレットを形成する工程と、
(c)前記ビレットをスライスしてセクションを形成する工程と、
(d)前記セクションをプレス鍛造してプレートを形成する工程と、
(e)前記プレートをクロスローリングしてシートを形成する工程と、
(f)前記シートをレーザカットしてフェースプレートの所望形状を形成する工程と、
(g)前記フェースプレートを前記クラブヘッドに溶接する工程と、
(h)前記クラブヘッドと前記フェースプレートを前記フェースプレートのソルバス温度未満の温度まで、予め定められた時間量にわたり加熱する工程と、
(i)前記クラブヘッドと前記フェースプレートを不活性ガスによって冷却する工程と、
(j)前記クラブヘッドと前記フェースプレートを500℃から700℃の間の温度まで、予め定められた時間量にわたり加熱する工程と、
(k)前記クラブヘッドと前記フェースプレートを不活性ガスと空気によって冷却する工程と、
を含む、ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法。
【0189】
条項2:前記α-βチタン合金が、6.0wt%から8.0wt%の間のアルミニウム(Al)を含む、条項1に記載の方法。
【0190】
条項3:前記α-βチタン合金が、5.0wt%から7.0wt%の間のアルミニウム(Al)を含む、条項1に記載の方法。
【0191】
条項4:前記α-βチタン合金が、6.0wt%から7.0wt%の間のアルミニウム(Al)を含む、条項1に記載の方法。
【0192】
条項5:前記α-βチタン合金がさらに、0.2wt%から1.0wt%の間の鉄(Fe)と、0.1wt%から0.2wt%の間のシリコン(Si)と、0.15wt%以下の酸素(O)と、を含む、条項1に記載の方法。
【0193】
条項6:工程(g)の前記溶接は、パルスプラズマ溶接プロセスを含む、条項1に記載の方法。
【0194】
条項7:工程(g)の前記溶接は、レーザ溶接プロセスを含む、条項1に記載の方法。
【0195】
条項8:工程(i)の前記不活性ガスは、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、及び、それらの化合物ガス、から成る群から選択される、条項1に記載の方法。
【0196】
条項9:工程(i)の前記不活性ガスは、窒素である、条項1に記載の方法。
【0197】
条項10:工程(e)の前記フェースプレートは、0.065インチの最小厚さを有する、条項1に記載の方法。
【0198】
条項11:工程(e)の前記フェースプレートは、0.065インチから0.100インチの間の厚さを有する、条項1に記載の方法。
【0199】
条項12:工程(h)は、前記クラブヘッドと前記フェースプレートを800℃から950℃で1時間から2時間にわたり加熱することを含む、条項1に記載の方法。
【0200】
条項13:工程(h)は、前記クラブヘッドと前記フェースプレートを800℃から900℃で1時間から2時間にわたり加熱することを含む、条項1に記載の方法。
【0201】
条項14:工程(h)は、前記クラブヘッドと前記フェースプレートを950℃以下で1時間から2時間にわたり加熱することを含む、条項1に記載の方法。
【0202】
条項15:工程(j)は、前記クラブヘッドと前記フェースプレートを590℃から620℃で1時間から2時間にわたり加熱することを含む、条項1に記載の方法。
【0203】
条項16:工程(j)は、前記クラブヘッドと前記フェースプレートを620℃以下で4時間から8時間にわたり加熱することを含む、条項1に記載の方法。
【0204】
条項17:工程(a)では、前記複数のダイが前記インゴットの中心軸回りを回転する、条項1に記載の方法。
【0205】
条項18:ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法であって、インゴットをラジアル鍛造してビレットを形成する工程と、前記ビレットをスライスしてプレートを形成する工程と、前記ビレットをプレス鍛造してプレートを形成する工程と、前記プレートをクロスローリングしてシートを形成する工程と、前記シートをレーザカットしてフェースプレートの所望形状を形成する工程と、5.0wt%から8.0wt%の間のアルミニウム(Al)と、0.25wt%以下の酸素(O)と、0.2wt%から1.0wt%の間の鉄(Fe)と、0.1wt%から0.2wt%の間のシリコン(Si)と、1.0wt%から5.5wt%の間のバナジウム(V)と、0.75wt%から2.5wt%の間のモリブデン(Mo)と、を含む、α-βチタン合金から形成されるフェースプレートを提供する工程と、前記フェースプレートをクラブヘッドの凹部に合わせる工程と、前記フェースプレートを前記クラブヘッドに溶接する工程と、前記フェースプレートを溶接した後に、前記クラブヘッドと前記フェースプレートを前記フェースプレートのソルバス温度未満の温度まで、予め定められた時間量にわたり加熱する工程と、前記クラブヘッドと前記フェースプレートを不活性ガスによって焼入れする工程と、前記クラブヘッドと前記フェースプレートを500℃から700℃の間の温度まで、予め定められた時間量にわたり加熱する工程と、前記クラブヘッドと前記フェースプレートを不活性ガスと空気によって冷却する工程と、を含む、ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成する方法。
【0206】
条項19:前記α-βチタン合金が、6.0wt%から8.0wt%の間のアルミニウム(Al)を含む、条項18に記載の方法。
【0207】
条項20:前記α-βチタン合金が、5.0wt%から7.0wt%の間のアルミニウム(Al)を含む、条項18に記載の方法。
【0208】
条項21:前記α-βチタン合金が、6.0wt%から7.0wt%の間のアルミニウム(Al)を含む、条項18に記載の方法。
【0209】
条項22:前記α-βチタン合金がさらに、0.2wt%から1.0wt%の間の鉄(Fe)と、0.1wt%から0.2wt%の間のシリコン(Si)と、0.15wt%以下の酸素(O)と、を含む、条項18に記載の方法。
【0210】
条項23:工程(g)の前記溶接は、パルスプラズマ溶接プロセスを含む、条項18に記載の方法。
【0211】
条項24:工程(g)の前記溶接は、レーザ溶接プロセスを含む、条項18に記載の方法。
【0212】
条項25:工程(i)の前記不活性ガスは、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、及び、それらの化合物ガス、から成る群から選択される、条項18に記載の方法。
【0213】
条項26:工程(i)の前記不活性ガスは、窒素である、条項18に記載の方法。
【0214】
条項27:前記フェースプレートは、0.065インチの最小厚さを有する、条項18に記載の方法。
【0215】
条項28:前記フェースプレートは、0.065インチから0.100インチの間の厚さを有する、条項18に記載の方法。
【0216】
条項29:工程(h)は、前記クラブヘッドと前記フェースプレートを800℃から950℃で1時間から2時間にわたり加熱することを含む、条項18に記載の方法。
【0217】
条項30:工程(h)は、前記クラブヘッドと前記フェースプレートを800℃から900℃で1時間から2時間にわたり加熱することを含む、条項18に記載の方法。
【0218】
条項31:工程(h)は、前記クラブヘッドと前記フェースプレートを950℃以下で1時間から2時間にわたり加熱することを含む、条項18に記載の方法。
【0219】
条項32:前記クラブヘッドと前記フェースプレートは、590℃から620℃で1時間から2時間にわたり加熱されることを含む、条項18に記載の方法。
【0220】
条項33:前記クラブヘッドと前記フェースプレートは、620℃以下で4時間から8時間にわたり加熱されることを含む、条項1に記載の方法。
合成物の条項
【0221】
条項1:チタン合金であって、5.0wt%から8.0wt%の間のアルミニウム(Al)と、1.0wt%から5.5wt%の間のバナジウム(V)と、0.75wt%から2.5wt%の間のモリブデン(Mo)と、を含む、α-βチタン合金と、4.35g/ccから4.50g/ccの間である密度と、を含む、チタン合金。
【0222】
条項2:前記α-βチタン合金が、0.2wt%から1.0wt%の間の鉄(Fe)と、0.1wt%から0.2wt%の間のシリコン(Si)と、0.25wt%以下の酸素(O)と、を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0223】
条項3:前記α-βチタン合金が、6.0wt%から8.0wt%の間のアルミニウム(Al)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0224】
条項4:前記α-βチタン合金が、5.0wt%から7.0wt%の間のアルミニウム(Al)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0225】
条項5:前記α-βチタン合金が、6.0wt%から7.0wt%の間のアルミニウム(Al)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0226】
条項6:前記α-βチタン合金が、0.25wt%以下の酸素(O)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0227】
条項7:前記α-βチタン合金が、0.20wt%以下の酸素(O)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0228】
条項8:前記α-βチタン合金が、0.15wt%以下の酸素(O)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0229】
条項9:前記α-βチタン合金が、1.5wt%から3.5wt%の間のバナジウム(V)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0230】
条項10:前記α-βチタン合金が、3.0wt%から5.0wt%の間のバナジウム(V)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0231】
条項11:前記α-βチタン合金が、3.5wt%から5.5wt%の間のバナジウム(V)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0232】
条項12:前記α-βチタン合金が、0.75wt%から1.75wt%の間のモリブデン(Mo)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0233】
条項13:前記α-βチタン合金が、1.5wt%から2.5wt%の間のモリブデン(Mo)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0234】
条項14:前記α-βチタン合金が、0.2wt%から0.3wt%の間の鉄(Fe)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0235】
条項15:前記α-βチタン合金が、0.2wt%から0.8wt%の間の鉄(Fe)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0236】
条項16:前記α-βチタン合金が、0.5wt%から1.0wt%の間の鉄(Fe)を含む、条項1に記載のチタン合金。
【0237】
条項17:前記α-βチタン合金が、800℃から1000℃の間のソルバス温度を有する、条項1に記載のチタン合金。
【0238】
条項18:前記α-βチタン合金が、930℃未満のソルバス温度を有する、条項1に記載のチタン合金。
【0239】
条項19:前記α-βチタン合金が、150ksiから160ksiの間の最小降伏強度を有する、条項1に記載のチタン合金。
【0240】
条項20:前記α-βチタン合金が、157ksiから170ksiの間の最小引っ張り強度を有する、条項1に記載のチタン合金。
【0241】
条項21:前記α-βチタン合金が、4.5%から8.0%の間の最小伸びを有する、条項1に記載のチタン合金。
【0242】
条項22:前記α-βチタン合金が、8.0%未満の最小伸びを有する、条項1に記載のチタン合金。
【0243】
条項23:前記密度が、4.410g/ccから4.425g/ccの間である、条項1に記載のチタン合金。
【0244】
条項24:前記α-βチタン合金が、15.4Mpsiから16.9Mpsiの間のヤング係数を有する、条項1に記載のチタン合金。
ゴルフクラブヘッドの条項
【0245】
条項1:ゴルフクラブヘッドであって、クラウンと、前記クラウンの反対側のソールと、トウ端と、前記トウ端の反対側のヒール端と、前記クラウンと前記ソールと前記トウ端と前記ヒール端によって境界付けられている凹部と、前記凹部に合わせられ前記凹部内に取り付けられ前記凹部に溶接されるように構成されているフェースプレートと、を備えており、前記フェースプレートは、5wt%から8wt%の間のアルミニウム(Al)と、0.75wt%から2.5wt%の間のモリブデン(Mo)と、約0.2wt%から1.0wt%の間の鉄(Fe)と、約1.5wt%から5.5wt%の間のバナジウム(V)と、約0.1wt%から0.2wt%の間のシリコン(Si)と、0.15wt%以下の酸素(O)と、残りの重量パーセントであるチタンと、を含む、α-βチタン合金を備えており、前記ゴルフクラブヘッドは、前記フェースプレートのソルバス温度未満の温度まで、予め定められた時間量にわたり加熱され、次いで、不活性ガスによって冷却され、前記フェースプレートは、0.065インチから0.100インチの間の最小厚さを有する、ゴルフクラブヘッド。
【0246】
条項2:前記α-βチタン合金の密度が、4.410g/ccから4.425g/ccの間である、条項1に記載のチタン合金。
【0247】
条項3:前記α-βチタン合金が、15.4Mpsiから16.9Mpsiの間のヤング係数を有する、条項1に記載のチタン合金。
【0248】
条項4:前記α-βチタン合金が、0.75wt%から1.75wt%の間のモリブデン(Mo)を含む、条項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0249】
条項5:前記α-βチタン合金が、0.2wt%から0.3wt%の間の鉄(Fe)と、0.1wt%から0.2wt%の間のシリコン(Si)と、1.5wt%から3.5wt%の間のバナジウム(V)と、5.0wt%から7.0wt%の間のアルミニウム(Al)と、を含む、条項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0250】
条項6:前記α-βチタン合金が、0.08wt%未満の窒素と、0.015wt%未満の水素と、を含む、条項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0251】
条項7:前記α-βチタン合金が、800℃から1000℃の間のソルバス温度を有する、条項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0252】
条項8:前記α-βチタン合金が、930℃未満のソルバス温度を有する、条項7に記載のゴルフクラブヘッド。
【0253】
条項9:前記α-βチタン合金が、150ksiから160ksiの間の最小降伏強度を有する、条項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0254】
条項10:前記α-βチタン合金が、157ksiから170ksiの間の最小引っ張り強度を有する、条項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0255】
条項11:前記α-βチタン合金が、4.5%から8.0%の間の最小伸びを有する、条項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0256】
条項12:前記α-βチタン合金の密度が、4.410g/ccから4.425g/ccの間である、条項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0257】
条項13:前記密度が、4.413g/ccである、条項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【0258】
条項14:前記α-βチタン合金が、15.4Mpsiから16.9Mpsiの間のヤング係数を有する、条項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【0259】
条項15:前記α-βチタン合金が、1.50wt%から2.5wt%の間のモリブデン(Mo)を含む、条項1に記載のゴルフクラブヘッド
【0260】
条項16:前記α-βチタン合金が、0.5wt%から1.0wt%の間の鉄(Fe)と、0.1wt%から0.2wt%の間のシリコン(Si)と、3.5wt%から5.5wt%の間のバナジウム(V)と、5.0wt%から7.0wt%の間のアルミニウム(Al)と、を含む、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0261】
条項17:前記α-βチタン合金が、0.10wt%未満の炭素と、0.05wt%未満の窒素と、0.015wt%未満の水素と、を含む、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0262】
条項18:前記α-βチタン合金が、800℃から1000℃の間のソルバス温度を有する、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0263】
条項19:前記α-βチタン合金が、930℃未満のソルバス温度を有する、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0264】
条項20:前記α-βチタン合金が、155ksiから170ksiの間の最小降伏強度を有する、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0265】
条項21:前記α-βチタン合金が、163ksiから175ksiの間の最小引っ張り強度を有する、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0266】
条項22:前記α-βチタン合金が、4.5%から7.0%の間の最小伸びを有する、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0267】
条項23:前記α-βチタン合金の密度が、4.410g/ccから4.425g/ccの間である、条項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0268】
条項24:前記密度が、4.423g/ccである、条項23に記載のゴルフクラブヘッド。
【0269】
条項25:前記α-βチタン合金が、15.5Mpsiから17.0Mpsiの間のヤング係数を有する、条項17に記載のゴルフクラブヘッド。
【0270】
条項26:前記α-βチタン合金が、1.0wt%から2.0wt%の間のモリブデン(Mo)を含む、条項1に記載のゴルフクラブヘッド
【0271】
条項27:前記α-βチタン合金が、0.2wt%から0.8wt%の間の鉄(Fe)と、0.1wt%から0.2wt%の間のシリコン(Si)と、3.0wt%から5.0wt%の間のバナジウム(V)と、6.0wt%から7.0wt%の間のアルミニウム(Al)と、を含む、条項26に記載のゴルフクラブヘッド。
【0272】
条項28:前記α-βチタン合金が、0.10wt%未満の炭素と、0.05wt%未満の窒素と、0.015wt%未満の水素と、を含む、条項26に記載のゴルフクラブヘッド。
【0273】
条項29:前記α-βチタン合金が、800℃から1000℃の間のソルバス温度を有する、条項26に記載のゴルフクラブヘッド。
【0274】
条項30:前記α-βチタン合金が、930℃未満のソルバス温度を有する、条項29に記載のゴルフクラブヘッド。
【0275】
条項31:前記α-βチタン合金が、150ksiから160ksiの間の最小降伏強度を有する、条項29に記載のゴルフクラブヘッド。
【0276】
条項32:前記α-βチタン合金が、157ksiから170ksiの間の最小引っ張り強度を有する、条項32に記載のゴルフクラブヘッド。
【0277】
条項33:前記α-βチタン合金が、4.5%から8.0%の間の最小伸びを有する、条項29に記載のゴルフクラブヘッド。
【0278】
条項34:前記α-βチタン合金の密度が、4.410g/ccから4.425g/ccの間である、条項29に記載のゴルフクラブヘッド。
【0279】
条項35:前記密度が、4.413g/ccである、条項34に記載のゴルフクラブヘッド。
【0280】
条項36:前記α-βチタン合金が、14Mpsiから20Mpsiの間のヤング係数を有する、条項29に記載のゴルフクラブヘッド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】