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特表2024-519120ガラス製造装置及びガラスを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】ガラス製造装置及びガラスを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 17/06 20060101AFI20240426BHJP
【FI】
C03B17/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572149
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022029107
(87)【国際公開番号】W WO2022245637
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/191,521
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ベイチャー アミット
(72)【発明者】
【氏名】ボラタヴ オルス ナイリ
(72)【発明者】
【氏名】グローバー ブレンダン ウイリアム
(72)【発明者】
【氏名】メン ジャンドン
(72)【発明者】
【氏名】パテル ヴィナイ エー
(72)【発明者】
【氏名】レグラ アダム スコット
(72)【発明者】
【氏名】スターキー ジャスティン シェーン
(72)【発明者】
【氏名】ターナー ジェレミー ウォルター
(57)【要約】
ガラス製造装置は、ガラス形成リボンを引き出すように構成されてエンクロージャ内に位置決めされた成形本体を含む。ガラス製造装置は、第1の入口断面区域を含む第1の入口と第1の出口断面区域を含む第1の出口とを含む第1の拡散器を含む。第1の出口断面区域は、第1の入口断面区域よりも大きい。第1の出口は、エンクロージャ内に位置決めされる。ガラスリボンを製造する方法は、ガラス形成リボンを流す段階を含む。方法は、第1のガスを第1の平均入口速度で第1の拡散器の第1の入口を通して流す段階を含む。方法は、第1のガスを第1の平均出口速度で第1の拡散器から第1の拡散器の第1の出口を通して流す段階を含む。第1の平均入口速度は、第1の平均出口速度よりも大きい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行方向に進行平面に沿ってガラス形成リボンを引き出すように構成された成形本体であって、前記成形本体の少なくとも一部分がエンクロージャ内に位置決めされる前記成形本体と、
第1の入口断面区域を含む第1の入口と前記第1の入口断面区域よりも大きい第1の出口断面区域を含む第1の出口とを含む第1の拡散器であって、前記第1の出口が前記エンクロージャ内に位置決めされる前記第1の拡散器と、
前記第1の入口に接続されたガス源と、
を含むガラス製造装置。
【請求項2】
前記第1の拡散器の前記第1の入口を前記ガス源に接続する入口導管を更に含み、
前記入口導管と前記第1の拡散器とによって定められるガス経路が、少なくとも2回の約90°以上の方向変化を受ける、
請求項1に記載のガラス製造装置。
【請求項3】
前記少なくとも2回の方向変化のうちの方向変化が、前記第1の拡散器内に位置決めされる請求項2に記載のガラス製造装置。
【請求項4】
前記第1の入口断面区域に対する前記第1の出口断面区域の面積比が、約2から約60の範囲にある請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガラス製造装置。
【請求項5】
前記第1の拡散器の断面区域が、前記第1の入口断面区域から前記第1の出口断面区域まで滑らかに増加する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガラス製造装置。
【請求項6】
前記進行平面と前記第1の出口断面区域に垂直な方向との間の角度が、約45°以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス製造装置。
【請求項7】
エンクロージャ区域が、前記エンクロージャと前記エンクロージャの中に延びる第1のハウジングとによって境界付けられ、前記第1の出口は、前記第1のハウジング内で少なくとも第1の壁によって境界付けられた第1の内部区域内に位置決めされる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のガラス製造装置。
【請求項8】
複数の冷却チューブを更に含み、
前記複数の冷却チューブの各冷却チューブが、前記第1の内部区域内に流体出口を含み、かつ冷却流体を前記進行平面に向けて誘導するように位置決めされる、
請求項7に記載のガラス製造装置。
【請求項9】
前記第1の内部区域は、前記エンクロージャ区域と流体連通している請求項7から請求項8のいずれか1項に記載のガラス製造装置。
【請求項10】
第2の入口断面区域を含む第2の入口と前記第2の入口断面区域よりも大きい第2の出口断面区域を含む第2の出口とを含む第2の拡散器を更に含み、
前記エンクロージャ区域は、前記エンクロージャの中に延びる第2のハウジングの第2の壁によって更に境界付けられ、前記第2の出口は、前記第2のハウジング内で少なくとも前記第2の壁によって定められた第2の内部区域内に位置決めされる、
請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のガラス製造装置。
【請求項11】
前記進行平面は、前記第1のハウジングと第2のハウジングの間を通過する請求項10に記載のガラス製造装置。
【請求項12】
ガラスリボンを製造する方法であって、
ガラス形成リボンを進行方向に進行平面に沿って流す段階であって、前記ガラス形成リボンの少なくとも一部分が、エンクロージャ内を進行し、前記ガラス形成リボンが、第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面とを含む前記流す段階と、
第1のガスを第1の平均入口速度で第1の拡散器の第1の入口を通して流す段階と、
前記第1のガスを前記第1の拡散器から第1の平均出口速度で前記第1の拡散器の第1の出口を通して流す段階と、
を含み、
前記第1の出口を通って流れる前記第1のガスの最大第1出口速度が、毎秒約10メートル以下であり、前記第1の平均出口速度は、毎秒約2メートル以下であり、前記第1の平均入口速度は、前記第1の平均出口速度より大きく、前記第1の拡散器の少なくとも一部分及び前記ガラス形成リボンの少なくとも一部分が、前記エンクロージャ内にある、
方法。
【請求項13】
前記第1の主面と前記第1の出口を通って流れる前記第1のガスとの間の角度が、約45°以下である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の拡散器の前記第1の出口を通って流れる前記第1のガスは、第1のハウジング内で少なくとも第1の壁によって境界付けられた第1の内部区域の中に流れ、前記第1のハウジングは、前記エンクロージャの中に延び、前記第1の内部区域の中に流れる前記第1のガスは、前記エンクロージャと前記第1の壁とによって境界付けられたエンクロージャ区域でのエンクロージャ圧力を増大する請求項12から請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の内部区域内で第1の冷却流体を流すことによって前記第1の壁の少なくとも一部分を冷却する段階を更に含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第2のガスを第2の平均入口速度で第2の拡散器の第2の入口を通して流す段階と、前記第2のガスを前記第2の拡散器から前記第2の拡散器の第2の出口を通して第2の内部区域の中に前記第2の平均入口速度より小さい第2の平均出口速度で流す段階であって、前記第2の内部区域が、第2のハウジング内で第2の壁によって境界付けられ、前記第2のハウジングが、前記エンクロージャの中に延びる前記流す段階とを更に含み、
前記第2の内部区域の中に流れる前記第2のガスは、前記エンクロージャ区域での前記エンクロージャ圧力を増大する、
請求項14から請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の内部区域内で第2の冷却流体を流すことによって前記第2の壁の少なくとも一部分を冷却する段階を更に含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ガラス形成リボンは、前記第1のハウジングと前記第2のハウジングの間を通過する請求項16から請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の拡散器は、複数の第1の拡散器を含み、前記複数の第1の拡散器の前記第1の出口を通って流れる前記第1のガスの総流量が、毎時約4標準立方メートルから毎時約100標準立方メートルの範囲にある請求項12から請求項18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のガスを前記第1の入口を通して前記流す段階及び前記第1のガスを前記第1の拡散器を通して流す段階は、前記第1のガスを入口導管と前記第1の拡散器とによって定められるガス経路に沿って流す段階を含み、前記ガス経路は、少なくとも2回の約90°以上の方向変化を受け、前記ガス経路に沿った圧力降下が、約1パスカルから約100パスカルの範囲にある請求項12から請求項19のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、引用によってその内容が全体的に本明細書において依存し、かつ組み込まれている2021年5月21日出願の米国仮特許出願第63/191、521号の「35 U.S.C.§119」の下での優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、一般的にガラス製造装置及びガラスを製造する方法に関連し、より具体的には、ガス源を含むガラス製造装置と流動ガスを含むガラスを製造する方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
ガラスリボンは、例えば、ディスプレイ用途に、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、タッチセンサ、又は光発電などに一般的に使用される。そのようなディスプレイは、例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップ、腕時計、ウェアラブル、及び/又はタッチ対応モニタ又はディスプレイに組み込むことができる。ガラスリボンは、一般的に、様々なリボン成形工程、例えば、スロットドロー、フロート、ダウン-ドロー、融合ダウン-ドロー、ローリング、チューブドローイング、又はアップ-ドローによってガラスウェブを形成することができる溶融ガラスを成形本体に流すことによって製作される。ガラスリボンは、定期的に個々のガラスリボンに分離することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
様々な用途に対して、ガラスリボンの1又は2以上の面を付着粒子及び他のデブリの実質的にない清浄な条件に維持することが望ましい。例えば、付着粒子及び他のデブリは、ディスプレイ用途に許容不能な光学歪み及び/又はガラスリボン上の短絡電子構成要素を引き起こす可能性がある。その結果、ガラス製造工程中に粒子及び他のデブリがガラスリボンに付着することを防止する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下は、詳細説明に説明する一部の実施形態の基本的な理解を提供するために本発明の開示の簡易的な要約を提示するものである。
【0006】
本発明の開示の実施形態は、1又は2以上の高品質で清浄な面を有するガラスリボンを生成することができるガラスを製造する方法を提供することができる。第1の拡散器を通る流動ガスは、成形デバイスとガラス形成リボンの少なくとも一部分との周り(例えば、進行経路)のエンクロージャ圧力を増大することができる。エンクロージャ圧力の増大は、ガラスリボンの水素気泡形成の発生を低減することができる。圧力の増大は、ガラスリボンの進行方向と逆方向のガスの流れ、例えば、いわゆる「スタック」又は「煙突」効果でダウン-ドロー成形デバイス内を上昇する高温ガスを低減することができる。これに加えて、エンクロージャ圧力の増大は、ガラスリボンの品質を損なう可能性があるエンクロージャ内のいずれの漏出に対しても補償することができる。ガラスリボンの進行方向と逆方向のガスの流れの低減は、そのような流れによってガラスリボンに向けて運ばれる粒子及び他のデブリを低減することができる。エンクロージャ内の第1の拡散器の具備は、例えば、ガラス形成リボンが粘性又は粘弾性状態にあり、かつより汚染を受けやすいと考えられる時に、エンクロージャ内の粒子及び他のデブリを低減することができる。更に、第1の拡散器を通って流れるガスを提供するための清浄な(例えば、階級100又はそれ以上の)ガス源の具備は、ガラスリボンの面上の粒子及び/又はデブリを低減することができる。第1の拡散器を通って流れる不活性ガスの具備は、ガラス製造装置の腐食又は他の劣化を防止することができ、これは、そのような副生成物からのガラスリボン内の不純物を低減することができる。第1の拡散器を通る空気の流量の制御は、第1の出口断面区域を通って流れるガスの速度(例えば、平均速度、最大速度)を低減することができ、及び/又はガラスリボンの品質と干渉する可能性があるガスの流れの強度を低減することができる。
【0007】
本発明の開示の実施形態は、技術的利益を提供することができる第1の拡散器を含むガラス成形装置を提供することができる。対応する第1の入口断面区域よりも大きい第1の出口断面区域を第1の拡散器に与えることは、第1の出口断面区域を通って流れるガスの速度(例えば、平均速度、最大速度)を例えば第1の入口断面区域を通って流れるガスの速度の約10%以下に低減することができる。本発明の開示の実施形態による拡散器の具備は、第1の出口断面区域を通って流れるガスの最大速度(例えば、最大出口速度)を低減することができ、これは、ガラスリボンの品質と干渉する可能性があるガスの流れの強度を低減することができる。第1の拡散器の具備は、少なくとも2回の90°以上の方向変化を有する第1の入口及び第1の拡散器を通るガス経路に沿って低い圧力降下(例えば、約100パスカル以下からの)を可能にすることができ、これは、拡散器の効率を増大することができる。少なくとも2回の約90°以上の方向変化をガス経路に与えることは、冷却チューブ又は他の装置を衝突なしに第1の拡散器の近くに位置決めするための場所を提供することができ、これは、エンクロージャ内の限られた空間を効率的に使用させることができる。更に、第1の拡散器及び/又は冷却チューブは、第1の内部区域内に位置決めすることができ、これは、ガラスリボンをガスの流れから更に保護することができる。進行平面と第1の出口断面区域に垂直な方向との間の角度を約45°以下とすることができるような拡散器の具備は、第1の拡散器からのガスの流れからガラス形成リボンを保護することを助けることができる。
【0008】
一部の実施形態では、ガラス製造装置は、進行方向に進行平面に沿ってガラス形成リボンを引き出すように構成された成形本体を含むことができる。成形本体の少なくとも一部分は、エンクロージャ内に位置決めすることができる。ガラス製造装置は、第1の入口断面区域を含む第1の入口と第1の出口断面区域を含む第1の出口とを含む第1の拡散器を含むことができる。第1の出口断面区域は、第1の入口断面区域よりも大きくすることができる。第1の出口は、エンクロージャ内に位置決めすることができる。ガス源は、第1の入口に接続することができる。
【0009】
更に別の実施形態では、ガラス製造装置は、第1の拡散器の第1の入口をガス源に接続する入口導管を更に含むことができる。入口導管と第1の拡散器とによって定められるガス経路は、少なくとも2回の約90°以上の方向変化を受けることができる。
【0010】
更に別の実施形態では、少なくとも2回の方向変化のうちの方向変化は、第1の拡散器内に位置決めすることができる。
【0011】
更に別の実施形態では、第1の入口断面区域に対する第1の出口断面区域の面積比は、約2から約60の範囲内とすることができる。
【0012】
更に別の実施形態では、第1の拡散器の断面区域は、第1の入口断面区域から第1の出口断面区域まで滑らかに増大することができる。
【0013】
更に別の実施形態では、進行平面と第1の出口断面区域に垂直な方向との間の角度は、約45°以下とすることができる。
【0014】
更に別の実施形態では、エンクロージャ区域は、エンクロージャとエンクロージャの中に延びる第1のハウジングの第1の壁とによって境界付けることができる。第1の出口は、第1のハウジング内で少なくとも第1の壁によって境界付けられた第1の内部区域内に位置決めすることができる。
【0015】
更に別の実施形態では、ガラス製造装置は、複数の冷却チューブを更に含むことができる。複数の冷却チューブの各冷却チューブは、第1の内部区域内に流体出口を含むことができる。複数のチューブの各冷却チューブは、冷却流体を進行平面に向けて誘導するように位置決めすることができる。
【0016】
更に別の実施形態では、第1の内部区域は、エンクロージャ区域と流体連通することができる。
【0017】
更に別の実施形態では、ガラス製造装置は、第2の入口断面区域を含む第2の入口と第2の入口断面区域よりも大きい第2の出口断面区域を含む第2の出口とを含む第2の拡散器を更に含むことができる。エンクロージャ区域は、エンクロージャの中に延びる第2のハウジングの第2の壁によって更に境界付けることができる。第2の出口は、第2のハウジング内で少なくとも第2の壁によって境界付けられた第2の内部区域内に位置決めすることができる。
【0018】
更に別の実施形態では、第2の内部区域は、エンクロージャと流体連通することができる。
【0019】
更に別の実施形態では、進行平面は、第1のハウジングと第2のハウジングの間を通過することができる。
【0020】
更に別の実施形態では、進行平面の少なくとも一部分は、エンクロージャ内に位置決めすることができる。
【0021】
更に別の実施形態では、第1の拡散器は、進行方向を横切って延びる横列に配置された複数の第1の拡散器を含むことができる。
【0022】
一部の実施形態では、ガラスリボンを製造する方法は、ガラス形成リボンを進行方向に進行平面に沿って流す段階を含むことができる。ガラス形成リボンの少なくとも一部分は、エンクロージャ内を進行することができる。ガラス形成リボンは、第1の主面と第1の主面の反対側の第2の主面とを含むことができる。本方法は、第1のガスを第1の平均入口速度で第1の拡散器の第1の入口を通して流す段階を含むことができる。本方法は、第1のガスを第1の平均出口速度で第1の拡散器から第1の拡散器の第1の出口を通して流す段階を含むことができる。第1の出口を通って流れる第1のガスの最大第1出口速度は、毎秒約10メートル以下とすることができる。第1の平均出口速度は、毎秒約2メートル以下とすることができる。第1の拡散器とガラス形成リボンの少なくとも一部分とは、エンクロージャ内とすることができる。
【0023】
更に別の実施形態では、第1の平均出口速度は、毎秒約0.1メートルから毎秒約1メートルの範囲内とすることができる。
【0024】
更に別の実施形態では、最大第1出口速度は、毎秒約1メートルから毎秒約5メートルの範囲内とすることができる。
【0025】
更に別の実施形態では、第1の主面と第1の出口を通って流れる第1のガスとの間の角度は、約45°以下とすることができる。
【0026】
更に別の実施形態では、第1の拡散器の第1の出口を通って流れる第1のガスは、ハウジングの第1のハウジング内で少なくとも第1の壁によって境界付けられた第1の内部区域の中に流れることができる。第1のハウジングは、エンクロージャの中に延びることができる。第1の内部区域の中に流れる第1のガスは、エンクロージャと第1の壁とによって境界付けられたエンクロージャ区域内のエンクロージャ圧力を増大することができる。
【0027】
更に別の実施形態では、本方法は、第1の内部区域内で第1の冷却流体を流すことによって第1の壁の少なくとも一部分を冷却する段階を更に含むことができる。
【0028】
更に別の実施形態では、本方法は、第2のガスを第2の平均入口速度で第2の拡散器の第2の入口を通して流す段階を更に含むことができる。本方法は、第2のガスを第2の拡散器から第2の拡散器の第2の出口を通して第2の内部区域の中に第2の平均出口速度で流す段階を含むことができる。第2の平均出口速度は、第2の平均入口速度よりも小さいとすることができる。第2の内部区域は、第2のハウジング内で第2の壁によって境界付けることができる。第2のハウジングは、エンクロージャの中に延びることができる。第2の内部区域の中に流れる第2のガスは、エンクロージャ区域内のエンクロージャ圧力を増大することができる。
【0029】
更に別の実施形態では、本方法は、第2の内部区域内で第2の冷却流体を流すことによって第2の壁の少なくとも一部分を冷却する段階を更に含むことができる。
【0030】
更に別の実施形態では、ガラス形成リボンは、第1のハウジングと第2のハウジングの間を通過することができる。
【0031】
更に別の実施形態では、第1の拡散器は、複数の第1の拡散器を含むことができる。複数の第1の拡散器の第1の出口を通って流れる第1のガスの総流量は、毎時約4標準立方メートルから毎時約100標準立方メートルの範囲内とすることができる。
【0032】
更に別の実施形態では、第1のガスの総流量は、毎時約6標準立方メートルから毎時約30標準立方メートルの範囲内とすることができる。
【0033】
更に別の実施形態では、第1の入口を通して第1のガスを流す段階と第1の拡散器を通して第1のガスを流す段階とは、入口導管と第1の拡散器とによって定められたガス経路に沿って第1のガスを流す段階を含むことができる。ガス経路は、少なくとも2回の約90°以上の方向変化を受けることができる。ガス経路に沿った圧力降下は、約1パスカルから約100パスカルの範囲内とすることができる。
【0034】
本明細書に開示する実施形態の追加の特徴及び利点を以下の詳細説明に列挙することになるが、一部はその説明から当業者に明らかであるか又は以下に続く説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む本明細書に説明する実施形態を実施することによって認識されることになる。以上の概要及び以下の詳細説明の両方は、本明細書に開示する実施形態の性質及び特性を理解するための概観又はフレームワークを提供するように意図した実施形態を提示することは理解されるものとする。添付図面は、更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれてその一部を構成するものである。図面は、本発明の開示の様々な実施形態を例示し、説明と併せてその原理及び作動を解説するものである。
【0035】
これら及び他の特徴、態様、及び利点は、添付図面を参照して以下の詳細説明が読まれる時により良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の開示の一部の実施形態による例示的ガラス製造装置の特徴を模式的に示す図である。
図2】本発明の開示の一部の実施形態による図1の線2-2に沿って取ったガラス製造装置の断面図である。
図3】本発明の開示の一部の実施形態による拡散器の斜視図である。
図4】本発明の開示の一部の実施形態による拡散器の斜視図である。
図5】本発明の開示の一部の実施形態による拡散器の斜視図である。
図6】本発明の開示の一部の実施形態による拡散器の斜視図である。
図7】本発明の開示の一部の実施形態による拡散器の側面図である。
図8】本発明の開示の一部の実施形態による図7の拡散器の斜視図である。
図9】本発明の開示の一部の実施形態による拡散器の斜視図である。
図10】本発明の開示の一部の実施形態による図9の線10-10に沿って取った拡散器の断面図である。
図11】本発明の開示の一部の実施形態による図9の線10-10に沿って取った別の拡散器の断面図である。
図12】本発明の開示の一部の実施形態による拡散器の斜視図である。
図13】本発明の開示の一部の実施形態による拡散器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
ここで例示的実施形態を示す添付図面を参照して実施形態をより完全に以下に説明する。可能な限り、同じか又は類似の部品を参照するために同じ参照番号を図面全体を通して使用する。しかし、本発明の開示は、多くの異なる形態に具現化することができ、本明細書に列挙する実施形態に限定されるように解釈すべきではない。
【0038】
本発明の開示は、ある量の溶融材料からガラス又はガラス-セラミック物品(例えば、ガラスリボン、溶融材料のリボン)を製造する方法に使用することができるガラス製造装置及びガラスを製造する方法に関する。例えば、図1-2は、冷却してガラスリボンにすることができる溶融材料のリボンの製造に関連してダウン-ドロー装置(例えば、融合ダウン-ドロー装置)を含むガラス製造装置を示している。特に断りのない限り、ガラス製造装置の実施形態の特徴の説明は、ガラス又はガラス-セラミック物品の生成に使用される他の成形装置の対応する特徴にも等しく適用することができる。ガラス成形装置の例は、スロットドロー装置、フロートバス装置、ダウン-ドロー装置、アップ-ドロー装置、プレス-ローリング装置、又はある量の溶融材料からガラス物品(例えば、ガラスリボン、溶融材料のリボン)を形成するのに使用することができるあらゆる他のガラス物品製造装置を含む。一部の実施形態では、これらの工程のいずれかからのガラス物品(例えば、ガラスリボン、溶融材料のリボン)は、次に、分割されてある用途(例えば、ディスプレイ用途)への更に別の加工に適する複数のガラス物品(例えば、分離ガラスリボン、分離ガラスシート)を提供することができる。例えば、分離ガラスリボンは、液晶ディスプレイ(LCD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、タッチセンサ、光発電、又は家電(レンジ上面)などを含む幅広い用途に使用することができる。そのようなディスプレイは、例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップ、時計、ウェアラブル、及び/又はタッチ対応モニタ又はディスプレイに組み込むことができる。
【0039】
図1-2は、ガラスを製造する方法に使用されるガラス製造装置を示している。図1に模式的に示すように、一部の実施形態では、ガラス製造装置100は、ある量の溶融材料121からガラス形成リボン103を生成するように設計された成形本体140を含む。本明細書に使用する場合に、「溶融材料のリボン」という用語は、成形本体140から引き出された後で、材料がガラス状態(例えば、そのガラス転移温度以下)に達する前の溶融材料121を指す。一部の実施形態では、図1に示すように、ガラス形成リボン103は、冷めて線で模式的に表すガラス転移ゾーン167よりも下でガラスリボン106になる。一部の実施形態では、ガラス形成リボン103は、ガラス形成リボン103の第1の外縁153及び第2の外縁155に沿って形成されたより厚い対向縁部分(例えば、ビード)間に配置された中心部分152を含む。これに加えて、一部の実施形態では、ガラスシート104は、ガラスセパレータ149(例えば、罫書き、スコアホイール、レーザ)によって分離経路151に沿ってガラスリボン106(例えば、ガラス転移温度よりも下に冷却されたガラス形成リボン103)から切り離すことができる。
【0040】
一部の実施形態では、ガラス製造装置100は、成形本体140の入口導管141を通して溶融材料121を成形本体140に提供することができる。更に別の実施形態では、図示しないが、入口導管には、1又は2以上の導管によって順番に配置及び/又は接続することができる溶融容器、清澄容器、混合チャンバ、及び/又は送出容器のうちの1又は2以上から溶融材料を給送することができる。例えば、送出パイプ(図示せず)は、溶融材料を成形本体140の入口導管141に送出するように位置決めすることができる。
【0041】
成形本体の様々な実施形態は、溶融材料のリボンを融合ドロー成形するための楔を有する成形本体、溶融材料のリボンをスロットドロー成形するためのスロットを有する成形本体、又は成形本体からの溶融材料のリボンを圧搾するためのプレスロールを具備した成形本体を含む本発明の開示の特徴に従って提供することができる。一例として、以下に示し開示する成形本体140は、成形楔209の底縁(例えば、根元145)から溶融材料121を融合ドロー成形してガラス形成リボン103を生成するために提供される。例えば、一部の実施形態では、溶融材料121は、入口導管141から成形本体140に送出することができる。次に、成形本体140の構造に少なくとも部分的に基づいて、溶融材料121は、ガラス形成リボン103に成形することができる。例えば、図示のように、溶融材料121は、ガラス製造装置100の進行方向154に延びるドロー経路に沿って成形本体140の根元145から引き出すことができる。
【0042】
図2は、本発明の開示の様々な実施形態による図1の線2-2に沿って取ったガラス製造装置の断面図を示している。一部の実施形態では、成形本体140は、入口導管141から溶融材料121を受け入れるように向けられたトラフ201を含むことができる。成形本体140は、成形楔209の対向端部165、166(図1参照)間を延びる1ペアの下方傾斜収束面部分207a、207bを含む成形楔209を更に含むことができる。成形楔209の下方傾斜収束面部分207a、207bのペアは、進行方向154に沿って収束し、成形楔209の底縁に沿って交差して成形本体140の根元145を定めることができる。ガラス製造装置100の進行平面213は、根元145を通って進行方向154に沿って延びることができる。一部の実施形態では、ガラス形成リボン103は、進行平面213に沿って進行方向154に引き出すことができる。図示のように、進行平面213は、根元145によって形成楔209を二分することができるが、一部の実施形態では、進行平面213は、根元145に対して他の向きに延びることができる。
【0043】
これに加えて、一部の実施形態では、溶融材料121は、成形本体140のトラフ201に流れ込み、次に、同時に堰203a、203bを超えて堰203a、203bの外面205a、205bの上で下方に流れることによってトラフ201から溢れ出る。溶融材料121のそれぞれのストリーム211、212は、成形楔209の対応する下方傾斜収束面部分207a、207bに沿って流れ、成形本体140の根元145から引き出され、ここで溶融材料121のストリーム211、212は収束して融合し、ガラス形成リボン103になる。その後に、ガラス形成リボン103は、進行方向154に沿って進行平面213内で根元145から引き出すことができる。
【0044】
図2-3に示すように、一部の実施形態では、ガラス形成リボン103は、ガラス形成リボン103の第1の主面213aとガラス形成リボン103の第2の主面213bとが反対方向を向いてガラス形成リボン103の平均厚み215を定める状態で根元145から引き出される。例示的溶融材料は、リチアの有無を問わず、ソーダ石灰溶融材料、アルミノケイ酸塩溶融材料、アルカリアルミノケイ酸塩溶融材料、ホウケイ酸塩溶融材料、アルカリホウケイ酸塩溶融材料、アルカリアルミノリンケイ酸塩溶融材料、又はアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラス溶融材料を含むことができる。
【0045】
一部の実施形態では、図2に示すように、ガラス製造装置100は、エンクロージャ壁223を含むエンクロージャ220を含む。更に別の実施形態では、エンクロージャ壁は、セラミック耐火性材料、例えば、ジルコン、ジルコニア、ムライト、アルミナ、又はその組合せを含むことができる。更に別の実施形態では、図示のように、成形本体140の少なくとも一部分(例えば、成形本体140全体)は、エンクロージャ220内に位置決めすることができる。更に別の実施形態では、図示のように、エンクロージャ壁223は、成形本体140に面する内面225を含む。更に別の実施形態では、図示のように、エンクロージャ220は、エンクロージャ区域221を境界付ける。本明細書に使用する場合に、エンクロージャ区域は、エンクロージャ壁223によって少なくとも部分的に境界付けられて少なくとも部分的に囲まれた区域であるが、エンクロージャ内の又はエンクロージャの中に延びる他の構造により、エンクロージャ区域221を更に境界付けることができる。例えば、以下に説明するように、エンクロージャ区域221は、第1のハウジング230及び/又は第2のハウジング240によって更に境界付けることができる。更に別の実施形態では、図示のように、成形本体140の少なくとも一部分(例えば、成形本体140全体)は、エンクロージャ区域221内に位置決めされる。更に別の実施形態では、図示のように、成形本体140の根元145よりも下に延びる進行平面213の一部分及び/又はガラス形成リボン103の一部分は、エンクロージャ区域221によって位置決めすることができる。
【0046】
図1-2に示すように、ガラス製造装置100は、流れ装置175を含む。図2に示すように、流れ装置175は、第1の流れ装置238及び/又は第2の流れ装置248を含む。第1の流れ装置238及び第2の流れ装置248は、進行平面213及びガラス形成リボン103の両側に位置決めすることができる。2つの流れ装置238、248を示しているが、更に別の実施形態では、単一流れ装置又は2よりも多い冷却装置を具備することができる。第2の流れ装置248のような1又は2以上の他の流れ装置にも同様の説明を適用することができるという理解の下に第1の流れ装置238に対して更に十分に以下に説明する。
【0047】
一部の実施形態では、図2に示すように、第1の流れ装置238は、第1のガス源239を含むことができ、第2の流れ装置248は、第2のガス源249を含むことができる。一部の実施形態では、ガス源は、ポンプ、送風機、キャニスター、カートリッジ、ボイラー、コンプレッサ、及び/又は圧力容器を含むことができる。更に別の実施形態では、ガス源は、気相状態で放出されるガスを気相状態で蓄えることができる。一部の実施形態では、ガス源は、気相状態で放出されるように変換することができる液相及び/又は固相状態でガスを蓄えることができる。更に別の実施形態では、放出ガスは、不活性ガス、例えば、空気、窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、水素、亜酸化窒素、ネオン、クリプトン、及び/又はその組合せを含むことができる。更に別の実施形態では、このガスは、米国連邦規格209Eで測定した時に空中浮遊粒子清浄度階級100(M3.5)以上を満足することができる。ガスを放出するように構成されたガス源の具備は、エンクロージャ区域を加圧することができ、及び/又は他にガラス形成リボン及び/又はガラスリボンの品質と干渉する場合があると考えられるドロー方向と逆のガスの流れを低減することができる流れ装置(例えば、入口導管、拡散器)を通して加圧ガスの流れを提供することができる。更に、清浄な(例えば、階級100)空気源を具備して第1の拡散器を通って流れる空気を提供することにより、ガラスリボンの面上の粒子及び/又はデブリを低減することができる。放出ガスを不活性ガスとして提供することにより、ガラス製造装置の腐食又は他の劣化を防止することができ、これは、そのような副生成物によるガラスリボン内の不純物を低減することができる。
【0048】
一部の実施形態では、図2に示すように、第1の流れ装置238は、ガスが第1の流れ方向227にそれを通って流れることを可能にするように構成された第1の入口導管237を含むことができる。第1の入口導管237の内部断面形状は、曲線形状(例えば、楕円形、円形)、多角形形状(例えば、三角形、四角形(例えば、矩形、正方形)、六角形、八角形)、又はその組合せを含むことができる。第1の入口導管237の内部断面形状は、第1の入口導管237の長さに沿って一定とすることができる。第1の入口導管237は、そこで流れるガスに対してアクセス可能な第1の入口導管237に沿った場所で第1の流れ方向227に垂直な最大内寸を含むことができる。例えば、第1の入口導管237の最大内寸は、約0.1mm以上、0.4mm以上、約1mm以上、約3mm以上、約10mm以上、約100mm以下、約70mm以下、約50mm以下、約30mm以下、又は約20mm以下である。一部の実施形態では、第1の入口導管237の最大内寸は、約0.1mmから約100mm、0.1mmから約70mm、0.4mmから約70mm、約0.4mmから約50mm、約1mmから約50mm、約1mmから約30mm、約3mmから約30mm、約10mmから約30mm、約10mmから約20mmの範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。同様に、第1の入口導管237は、そこで流れるガスに対してアクセス可能な第1の入口導管237に沿って第1の流れ方向227に垂直な最小内寸を含むことができる。第1の入口導管237の最小寸法は、最大内寸に対して上述して範囲の1又は2以上内にあるとすることができる。一部の実施形態では、最大内寸は、最小内寸と実質的に等しいとすることができる。第1の入口導管237は、約0.01mm2以上、約0.1mm2、約0.7mm2以上、約7mm2以上、約70mm2以上、約10,000mm2以下、約5,000mm2以下、約2,000mm2以下、約1,000mm2以下、又は約300mm2以下の第1の流れ方向227に垂直であるガスに対してアクセス可能な内部断面区域を含むことができる。一部の実施形態では、第1の入口導管237は、約0.01mm2から約10,000mm2、約0.1mm2から約10,000mm2、約0.1mm2から約5,000mm2、約0.7mm2から約5,000mm2、約0.7mm2から約2,000mm2、約7mm2から約2,000mm2、約7mm2から約1,000mm2、約70mm2から約1,000mm2、約70mm2から約300mm2の範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にある第1の流れ方向227に垂直であるガスに対してアクセス可能な内部断面区域を含むことができる。上述の最大内寸及び/又は内部断面区域の1又は2以上内の入口導管の具備は、入口内のガスの速度を不要に増大させることなくかつ空間を効率的に利用しながら、入口導管を通るガスの流量を最大にすることができる。
【0049】
一部の実施形態では、流れ装置175の一部分(例えば、第1の入口導管237)は、エンクロージャ区域221の作動温度でその機械的特性及び寸法安定性を維持する材料を含むことができる。一部の実施形態では、流れ装置175の一部分(例えば、第1の入口導管237)は、アルミナ、チタン酸バリウム、窒化ホウ素(BN)、二ケイ化クロム(CrSi2)、クロム酸ランタン、二ケイ化モリブデン(MoSi2)、炭化珪素(SiC)、二ケイ化タングステン(WSi2)、酸化イットリウム、ジルコニア(ZrO2)、サイアロン(すなわち、アルミナと窒化珪素の組合せであり、Si12-m-nAlm+nn16-n、Si6-nAlnn8-n、又はSi2-nAln1+n2-nのような化学式を有することができ、ここでm、n、及び得られる添字は、全て非負の整数である)、窒化アルミニウム(AIN)、グラファイト、アルミナ(Al23)、窒化珪素(Si34)、溶融石英、ムライト(すなわち、酸化アルミニウムと二酸化珪素の組合せを含む鉱物)、合金鋼(例えば、ステンレス鋼)、白金、白金合金、ロジウム、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ルテニウム、タングステン、モリブデン、金、銀、クロム、高温ステンレス鋼、例えば、300シリーズSAE等級ステンレス鋼、又は上記材料の2又は3以上の組合せを含むことができる。
【0050】
一部の実施形態では、第1の入口導管237は、第1のガス源239と流体連通することができ、例えば、第1のガス源に直接に接続される(例えば、アダプタ、流量調節器を通して)。更に別の実施形態では、第1の入口導管237は、第1のガス源239を第1の入口導管237に接続する追加の導管により、第1のガス源239と流体連通することができる。追加の導管は、可撓性とすることができる(例えば、ゴム、シリコーン、架橋ポリエチレン、可塑化ポリ(塩化ビニル)、関節式金属導管)。追加の可撓性導管の具備は、ガス源と入口導管及び/又は拡散器との間で例えば方向232a及び234a(図2参照)への相対移動を可能にし、これは、ガス源がハウジングと関係なく装着されることを可能にする。
【0051】
一部の実施形態では、図5-13に示すように、第1の入口導管237は、単一拡散器(例えば、第1の拡散器235)に接続した単一入口導管を含むことができる。一部の実施形態では、図3-4に示すように、第1の入口導管は、複数の入口導管237a-237cを含むことができる。複数の入口導管237a-237cは、単一拡散器(例えば、第1の拡散器235)に接続することができる。しかし、複数の入口導管での入口導管の数は(単一拡散器に対して図3-4に示すように)、3つである必要はなく、例えば、第1の拡散器が複数の第1の拡散器を含む場合に複数の入口導管を複数の拡散器間で分けることができる。一部の実施形態では、第1の拡散器235は、第1の入口導管237の材料と実質的に同じ材料を含むことができる。第1の入口導管と第1の拡散器への同じ材料の具備は、熱膨張差に起因する反り又は剥離を最小にすることができる。
【0052】
図3-13は、本発明の開示の実施形態による第1の拡散器235の拡大図を示している。第1の流れ装置238に関して上記で議論したように、第2の流れ装置248の第2の拡散器にも同様の説明を適用することができるという理解の下で第1の拡散器235に対して更に十分に以下に説明する。
【0053】
一部の実施形態では、第1の拡散器235(例えば、拡散器301、401、501、601、701、901、1101、1201、及び/又は1301)は、第1の入口導管237の一部分(例えば、端部)と第1の入口導管237を流れる第1のガスとを受け入れる(例えば、それに接続される、取り付けられる)ように構成された第1の入口305を含む。例えば、第1の入口導管237は、第1の拡散器235の第1の入口305を第1のガス源239に接続することができる。第1のガス源239は、第1の入口導管237を通して第1の拡散器235(例えば、第1の入口305)と流体連通することができる。図5-9及び12-13に示すように、第1の拡散器235の第1の入口305は、単一入口を含むことができる。更に別の実施形態では、図3-4に示すように、第1の拡散器235の第1の入口は、複数の第1の入口305a-cを含むことができ、この場合に、複数の第1の入口305a-cの各第1の入口は、対応する入口導管237a-cの一部分(例えば、端部)を受け入れる(例えば、それに接続される、取り付けられる)ように構成される。しかし、入口の数は、1つ(図5-9及び12-13に示すように)又は3つ(図3-4に示すように)である必要はなく、いずれか1つの拡散器の入口の数は、同じ実施形態の別の拡散器(具備される場合)の入口の数と同じか又は同じでない場合がある。
【0054】
第1の拡散器235(例えば、拡散器301、401、501、601、701、901、1101、1201、及び/又は1301)の第1の入口305は、入口断面区域を含む。本発明の開示を通して拡散器の入口断面区域は、対応する拡散器の全ての入口に対して入口を通る第1のガスの流れ(例えば、第1の流れ方向227)に垂直な第1のガスに対してアクセス可能な総断面区域を指す。例えば、図5を参照すると、拡散器501の入口断面区域は、斜線区域507に対応し、これは、入口305を通る第1のガスの流れ(例えば、第1の流れ方向227)に垂直な第1のガスに対してアクセス可能な入口305の断面区域を表している。図3を参照すると、拡散器301の入口断面区域は、3つの斜線区域307a、307b、及び307cの和に対応し、これらの区域は、対応する入口305a、305b、又は305cを通る第1のガスの流れ(例えば、第1の流れ方向227)に垂直な第1のガスに対してアクセス可能な対応する入口305a、305b、又は305cの断面区域を表している。上述のように、入口305は、入口導管237及び/又はその中を流れる第1のガスを受け入れるように構成された場所であり、この入口は、そこを超えて第1のガス及び/又は入口導管237が拡散器235内に入る場所に対応する。例えば、図12を参照すると、入口導管237は、入口305を通過して拡散器1201に入ることができるが、入口305及び対応する入口断面区域は、入口導管237が拡散器(例えば、拡張本体1221)に受け入れられる場所で入口導管237の内部断面区域を含む。更に別の実施形態では、第1の入口断面区域は、入口導管237の内部断面区域に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にあるとすることができる。第1の入口305の断面形状は、曲線形状(例えば、楕円形、円形)、多角形形状(例えば、三角形、四角形(例えば、矩形、正方形)、六角形、八角形)、又はその組合せを含むことができる。入口305は、入口305を通るガスの流れの方向(例えば、方向227)に対して垂直な方向に最大寸法509を含むことができる。例えば、最大寸法509は、入口導管237の最大内寸(例えば、内径)に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にあるとすることができ、ここで斜線区域507は、入口305を通る第1のガスの流れに垂直な断面区域を表している。そのような例では、斜線区域507は、πに(内径/2)2を掛けたものにほぼ等しくなる。
【0055】
第1の拡散器235(例えば、拡散器301、401、501、601、701、901、1101、1201、及び/又は1301)は、第1の出口303、403、503、603、703、903、1103、1203、及び/又は1303を含む。本発明の開示を通して第1の出口は、そこを通って第1のガスが拡散器から(例えば、エンクロージャ区域又はエンクロージャ区域と流体連通する区域の中に)出て行く拡散器内の開口部に対応する。拡散器235の第1の出口303、403、503、603、703、903、1103、1203、及び/又は1303は、第1の出口断面区域を含む。本明細書に使用する場合に、出口断面区域は、そこを通って第1のガスが拡散器から出て行くことができる区域として定められ、この場合に、出口断面区域は、出口を取り囲む拡散器の外面の部分から補間された面であって、拡散器の外面とそこから補間された面とが閉じた物体を定める結合面を形成し、その結合面が可能な限り滑らかになるようにした上記面の実質的に連続した区域である。区域の1つの部分区域とその区域の別の部分区域の間の経路が、拡散器の一部の0.5mm以下を通過する、例えば、その区域を含まない支持体505a-505d(図5参照)の傍を通過する場合に、当該区域は、実質的に連続した区域である。区域の1つの部分区域とその区域の別の部分区域の間の経路が、区域を出ることなく区域を通過することができる場合に、当該区域は連続的である。例えば、図6を参照すると、出口断面区域は、拡散器601の主パネル627の外面と、拡散器601の末端キャップ631と、拡散器601の側面パネル625とを含む拡散器601の外面から補間された面(例えば、斜線区域605)の区域である。従って、第1の出口603の第1の出口断面区域は、それが第1のガスが通って流れて拡散器601から出て行くことができる連続区域であるので、斜線区域605の面積に対応しており、拡散器601の外面と合わせた斜線区域605に対応する面は、閉じた形状を定め、滑らかな面を形成する。例えば、図5を参照すると、出口断面区域は、主パネル527と、湾曲した側面パネル525と、支持体505a-dによって拡散器501の残った部分に接続した末端キャップ531とを含む拡散器501の外面から補間された面の区域である。結果として、拡散器501の第1の出口503の出口断面区域は、支持体が部分区域を0.5mm以下だけ分離する(例えば、第1の出口503の図5の上部にある部分区域を図5の右側にある部分区域に接続する経路は、支持体505aを通過する)ことを条件として部分区域が支持体505a-dによって分離されるので、実質的に連続した区域を含む。一部の実施形態では、第1の出口の出口断面形状は、曲線形状(例えば、楕円形、円形)、多角形形状(例えば、三角形、四角形(例えば、矩形、正方形)、六角形、八角形)、上記断面の湾曲変形、又はその組合せを含むことができる。例えば、図4に示すように、出口403の出口断面区域は、矩形の断面を含むことができる。例えば、図3に示すように、第1の出口303の出口断面区域は、湾曲して非平面形状になった矩形の断面区域を含むことができる。例えば、図5に示すように、第1の出口503の出口断面区域は、支持体505a-dによって分離された4つの矩形断面を含む実質的に連続した区域を含むことができ、この場合に、矩形断面のうちの2つは平面状であり、矩形断面のうちの2つは、出口断面区域が実質的に円筒形断面区域を含むように非平面状に湾曲する。
【0056】
一部の実施形態では、第1の出口断面区域は、第1の入口導管237の内部断面区域に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にある面積を含むことができる。一部の実施形態では、第1の出口断面区域は、約10mm2以上、約100mm2、約300mm2以上、約600mm2以上、約1,000mm2以上、約3,000mm2以上、約100,000mm2以下、約60,000mm2以下、約30,000mm2以下、約10,000mm2以下、又は約5,000mm2以下とすることができる。一部の実施形態では、第1の出口断面区域は、約10mm2から約100,000mm2、約10mm2から約60,000mm2、約100mm2から約60,000mm2、約100mm2から約30,000mm2、約300mm2から約30,000mm2、約300mm2から約10,000mm2、約600mm2から約10,000mm2、約600mm2から約5,000mm2、約1,000mm2から約5,000mm2、約3,000mm2から約5,000mm2の範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。
【0057】
一部の実施形態では、出口断面区域は、1又は2以上の四角形区域に対応することができる。図3及び5に示すように、出口303又は503又は出口断面区域の長さ312又は512は、拡散器301又は501の幅311又は511と実質的に等しくすることができる。更に別の実施形態では、図4及び6に示すように、出口403又は603又は出口断面区域の長さ409又は609は、拡散器401又は601の幅411又は611よりも小さくすることができる。出口の長さは、拡散器の幅の百分率として約50%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約99%以下、約95%以下、又は約90%以下とすることができる。一部の実施形態では、出口の長さは、拡散器の幅の百分率として約50%から約99%、約75%から約99%、約75%から約95%、約80%から約95%、約80%から約90%、約85%から約90%の範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。出口の長さ及び/又は幅は、約1mm以上、約5mm以上、約10mm、約20mm以上、約40mm以上、約500mm以下、約200mm以下、約100mm以下、約80mm以下、又は約60mm以下とすることができる。一部の実施形態では、出口の長さは、約1mmから約500mm、約5mmから約500mm、約5mmから約200mm、約10mmから約200mm、約10mmから約100mm、約20mmから約100mm、約20mmから約80mm、約40mmから約80mm、約40mmから約60mmの範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。一部の実施形態では、図3及び5-6に示すように、出口303、503、又は603は、対応する長さ312、512、又は609よりも小さくすることができる幅313、513、又は613を含む。更に別の実施形態では、出口の幅は、出口の長さに関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にあるとすることができる。
【0058】
第1の拡散器の第1の出口断面区域は、第1の入口断面区域よりも大きい。一部の実施形態では、第1の拡散器の第1の入口断面区域に対する第1の拡散器の第1の出口断面区域の面積比は、約1.01以上、約1.1以上、約1.5以上、約2以上、約4以上、約8以上、約12以上、約100以下、約60以下、約40以下、約30以下、又は約20以下とすることができる。一部の実施形態では、第1の拡散器の第1の入口断面区域に対する第1の拡散器の第1の出口断面区域の面積比は、約1.01から約100、約1.10から約100、約1.1から約60、約1.5から約60、約1.5から約60、約2から約60、約2から約40、約4から約40、約4から約30、約8から約30、約8から約20、約16から約20の範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。一部の実施形態では、第1の拡散器の第1の入口断面区域に対する第1の拡散器の第1の出口断面区域の面積比は、約8から約40、約16から40の範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。1より大きい面積比の具備は、拡散器(例えば、出口)から流出するガスの速度を低減することができ、これは、ガラスリボンの品質と干渉する可能性があるガスの流れの強度を低減することができる。
【0059】
図3及び4に示すように、第1の出口の出口断面区域は、出口断面区域に対して垂直な方向315を含むことができる。本明細書に使用する場合に、平面に垂直な方向は、平面を定めるベクトルの外積によって定められる。本明細書に使用する場合に、非平面状面に垂直な方向は、面の重心に最も近い面上の場所での面の平面近似から算定される。本明細書に使用する場合に、面の重心は、面の平均位置として算定される面の幾何学的中心である。本発明の開示全体を通して、ある場所に最も近い面上の点は、3次元でのユークリッド距離(例えば、√(Δx2+Δy2+Δz2))を使用して測定される。例えば、図3を参照すると、第1の出口303の第1の出口断面区域に垂直な方向315は、第1の出口断面区域の重心に最も近い第1の出口断面区域の面上の場所314で面を平面近似したものに垂直である。第1の出口断面区域上の2又は3以上の点が重心から等距離にある場合に、面に垂直な方向は、第1の出口断面区域上で最も中心にある(すなわち、出口断面区域の縁部から当該点までの距離のペアが最も似通っている)面上の点から測定される。例えば、図5を参照すると、支持体505aと505bの間の区域は実質的に円筒であり、点列が部分区域の重心から等距離にあるとしても、点516が対応する区域の最も中心にあるので、区域に垂直な方向517は点516で決定される。図5に示すように、出口503の第1の出口断面区域の部分区域は、部分区域に垂直な方向517を含むことができる。図5を参照すると、第1の出口断面区域に垂直な方向は、図示の方向315と、方向315とは正反対の別の方向との両方とすることができる。本発明の開示全体を通して、面に垂直な方向と平面の間の方向は、0°から90°の角度として定められ、0°から90°の範囲を超えるか又は下回る角度に対しては、それぞれ180°の倍数を引く又は足すことによって得ることができる(例えば、|Θ|,|180°-Θ|,|Θ-180°|)。進行平面213と第1の出口断面区域に垂直な方向315との間の角度は、約45°以下、約30°以下、約20°以下、又は約0°以上、約5°以上、約10°以上とすることができる。一部の実施形態では、進行平面213と第1の出口側断面区域に垂直な方向315との間の角度は、約0°から約45°、約0°から約30°、約5°から約30°、約5°から約20°、約10°から約20°の範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。第1の出口断面区域の部分区域に垂直な方向315と進行平面213との間の角度は、上述の角度のうちの1又は2以上の範囲内とすることができる。例えば、第1の拡散器の第1の出口断面区域の各部分区域は、上記角度のうちの1又は2以上の範囲内で第1の出口断面区域の対応する部分区域に垂直な方向315と進行平面213との間の角度を含むことができる。出口断面区域に垂直な方向と進行平面213の間に低い角度の具備は、第1の拡散器235からのガスの流れが進行平面213及び/又はガラス形成リボン103(例えば、第1の主面213a)に衝突することを低減することができる。
【0060】
本発明の開示全体を通して、第1の拡散器の第1の出口(例えば、第1の出口断面区域)を通って流れる第1のガスの速度プロファイルは、例えば、質量流量計(例えば、熱式質量流量計、ピトー管式流量計、コリオリ式質量流量計)を使用して、第1の拡散器の第1の出口(例えば、第1の出口断面区域)に対する異なる向き及び/又は位置でガス速度を複数回測定することによって評価することができる。第1の出口(例えば、第1の出口断面区域)を通って流れる第1のガスの方向は、第1の出口を通って流れる第1のガスの平均速度加重方向として算定することができる。例えば、図3を参照すると、第1の出口303を通って流れる第1のガスの速度プロファイルは、拡散器301及び/又は第1の出口303の対称性により、出口の長さ312の方向に沿って実質的に対称になることが予想され、これは、第1の出口を通って流れる第1のガスの方向(例えば、平均方向)が方向315になることを意味する。一部の実施形態では、第1の出口(例えば、第1の出口断面区域)を通って流れる第1のガスの方向は、図5に示す拡散器501の場合に予想されるように、2つの正反対方向として評価することができ、この場合に、出口503を通る平均速度加重方向(例えば、第1の出口断面区域)は0であると予想される。一部の実施形態では、第1の出口断面区域を複数の部分区域に分割してから対応する部分方向を通る第1のガスの平均速度加重方向を算定することにより、第1の出口(例えば、第1の出口断面区域)を通って流れる第1のガスに関して複数の方向を報告することができる。更に別の実施形態では、ガラス形成リボン103の第1の主面213a(例えば、進行平面213)と第1の出口を通って流れる第1のガスの方向との間の角度は、第1の出口に垂直な方向と進行平面との間の角度に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にあるとすることができる。末端キャップ(例えば、末端キャップ331、431、531、631、731、931、1131、1231、及び/又は1331)の具備は、第1の拡散器を通って流れる第1のガスの方向が進行平面213及び/又はガラス形成リボン103(例えば、第1の主面213a)と低い角度を成すように、第1の拡散器を通って流れる第1のガスの方向を変えることができ、第1のガスの流れが進行平面213及び/又はガラス形成リボン103に衝突することを低減することができる。
【0061】
一部の実施形態では、第1の出口断面区域は、完全にガスのみから構成することができる。しかし、一部の実施形態では、第1の出口断面区域は、そこを通過する第1のガスを更に拡散させることができる多孔質構成要素、例えば、多孔質金属フィルタ又は多孔質セラミックフィルタを含むことができる。多孔質構成要素のための材料の例示的実施形態は、ステンレス鋼(例えば、300シリーズSAE等級ステンレス鋼)、チタン、アルミナ、ムライト、及び炭化珪素を含む。更に別の実施形態では、多孔質構成要素は、存在する場合に、第1のガスに対して透過性であり、約1マイクロメートル(μm)以上、約5μm以上、約30μm以上、約60μm以上、約500μm以下、約200μm以下、又は約100μm以下の有効孔隙径を含むことができる。本明細書に使用する場合に、多孔質構成要素の有効孔隙径は、多孔質構成要素に適用されるASTM F316-03(2019)に準拠して毛細管流れポロメータによる平均孔隙径として測定される。更に別の実施形態では、多孔質構成要素は、第1のガスに対して透過性であり、1μmから約500μm、約1μmから約200μm、約5μmから約200μm、約5μmから約100μm、約30μmから約100μm、約60μmから約100μmの範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にある有効孔隙径を含むことができる。多孔質構成要素の具備は、拡散器の出口を通って流れる第1のガスの清浄度を改善することができ、空気流れを更に低減することができる。
【0062】
一部の実施形態では、図3-4に示すように、拡散器301又は401は、第1の入口(例えば、複数の第1の入口305a-c)及び第1の出口303又は403を有する主本体323又は423を含むことができる。更に別の実施形態では、図3に示すように、入口を通って流れる第1のガスの方向227に垂直な拡散器301の断面区域は、実質的に一定とすることができる。図示のように、拡散器の断面区域は、末端キャップ331の形状と類似することができる(例えば、同一である、拡大縮小される)。入口を通って流れる第1のガスの方向227に垂直な拡散器の断面区域は、曲線形状(例えば、楕円形、円形)、多角形形状(例えば、三角形、四角形(例えば、矩形、正方形)、六角形、八角形)、又はその組合せを含むことができる。例えば、図3-4に示すように、断面区域は、平らな主パネル321又は421と湾曲した側面パネル319又は419とによって定められる上部を有する丸い形の多角形(例えば、四角形)を含むことができ、一方で底部も、湾曲した側面パネル319又は419に起因して湾曲する。
【0063】
一部の実施形態では、図5-6に示すように、拡散器501又は601は、入口305を拡散器501又は601の本体523又は623に接続する拡張本体521又は621を含むことができる。図5に示すように、入口305を通る第1のガスの方向227に垂直な拡張本体521の断面区域は、入口からの距離が増大する時、例えば、第1の入口断面区域(例えば、第1の入口305)から第1の出口断面区域(例えば、第1の出口503又は603)まで増大する時に増加することができる(例えば、滑らかに増加する、単調増加する、滑らかに単調増加する、連続的に増加する、滑らかに連続的に増加する)。例えば、拡張本体の断面区域は、入口を通る第1のガスの方向に増加するので、出口断面区域は入口断面区域よりも大きくなる。本発明の開示を通して、断面区域が増加し、断面区域の変化が急激(例えば、階段状)ではなく、滑らかな(例えば、緩やかな)変化の場合に、断面区域はその方向に滑らかに増加する。例えば、図5を参照すると、拡張本体521の断面区域は、方向227に滑らかに増加するが、それは、拡張本体521の長さの一部に関して断面区域が方向227に増加し、急激な変化なしに緩やかに増加するからである。本発明の開示を通して、断面区域は、一部で増加して残った部分で同じままである、増加する、又はその組合せである(すなわち、断面区域はある方向に増加するが決して減少しない)場合に、断面区域はその方向に単調増加する。例えば、図5を参照すると、拡張本体521の断面区域は、方向227に拡張本体521の全長にわたって増加し、決して減少することなく増加するので、方向227に単調増加する。本発明の開示を通して、断面区域は、その方向にただ増加するだけである場合に、連続的に増加する。例えば、図5を参照すると、拡張本体521の断面区域は、方向227に拡張本体521の全長にわたって増加するので、方向227に連続的に増加する。
【0064】
一部の実施形態では、図7-8及び12-13に示すように、拡散器701、1201、又は1301は、入口305を拡散器701、1201、又は1301の主本体723、1223、又は1323に接続する拡張本体721、1221、又は1321を含むことができる。図5-6とは異なり、図7-8又は12-13の拡張本体721、1221、又は1321は、入口305を通過する第1のガスの方向227から約90°の角度で方向711、1211、又は1311に延びるが、更に別の実施形態では他の角度も可能である。しかし、図5-6と同様に、拡張本体721、1221、又は1321は、図8及び12-13に示すように、拡張本体721、1221、又は1321を通過する第1のガスの方向711、1211、又は1311に垂直な断面区域を含み、この断面区域は、方向711、1211、又は1311に実質的に連続的に増加する(例えば、出口703、1203、又は1303に向けて)。図5-6とは異なり、図7-8又は12-13の拡張本体721、1221、又は1321は、主本体723、1223、又は1323を通って流れる第1のガスの方向713、1213、又は1313から約90°の角度で方向711、1211、又は1311に延びるが、他の角度も可能である。主本体723、1223、又は1323の断面区域は実質的に一定として示しており(図8又は図12-13を参照)、拡張本体721、1221、又は1321の断面区域は実質的に連続的に増加するので(上述のように、図8又は図12-13を参照)、拡散器701、1201、又は1301の断面区域は、全体として入口305(例えば、入口断面区域)から出口703、1203、又は1303(例えば、出口断面区域)まで第1のガスの方向(例えば、方向227、711、及び713、方向227、1211、及び1213、又は方向227、1311、及び1313)に沿って実質的に連続的に増加する。図8に示すように、主本体723は、図示のバッフルのようなガイド801a及び801bを含むことができ、これらのガイドは、主本体723内で第1のガスがアクセス可能な実質的に連続的に拡大する断面区域を提供することができる。本明細書に説明する本発明の開示の実施形態の主本体(例えば、主本体323、423、523、623、1223、又は1323)は、いずれもガイド801a及び801bと類似するか又は同一のガイドを必要に応じて含むことができる。図12に示すように、入口導管237は、拡散器1201の入口305と内部導管1225とを通って延びることができる。
【0065】
一部の実施形態では、図9-11に示すように、拡散器901又は1101は、主本体923を含むことができる。図示のように、主本体923を通って流れる第1のガスの方向913に垂直な主本体923の断面区域は、実質的に一定とすることができる。しかし、主本体923の断面区域が増加しないので、拡散器901は、そこで流れる第1のガスの方向913に実質的に連続的に延びることができない。更に別の実施形態では、図11に示すように、拡散器1101は、図示のバッフルのような1ペアのガイド1105及び1107(例えば、図8のガイド801a及び801bと同様)を含むことができる。ガイド1105及び1107のペアは、壁921の対応する部分に取り付けることができる。図示のバッフルのような壁に取り付けた1ペアのガイドの具備は、主本体を通って第1のガスの方向に(例えば、出口に向けて)拡大する第1のガスがアクセス可能な本体の断面区域を提供することができ、これは、渦及び/又は激しいガスの流れの発生を低減することができる。更に別の実施形態では、図10に示すように、拡散器901は、図示のバッフルのような主本体923内に位置決めされた流れ分割器1003を含むことができる。流れ分割器は、主本体の中心線に沿って位置決めすることができる。本発明の開示の実施形態は、いずれも内部に流れ分割器を位置決めした主本体を含む拡散器を含むことができることは理解されるものとする。流れ分割器の具備は、主本体を通って流れる第1のガスが膨張して拡散器の出口を均等に流れるように促すことができる。
【0066】
一部の実施形態では、主本体(例えば、主本体323、423、523、623、723、923、1223、又は1323)及び/又は拡張本体(例えば、拡張本体521、621、721、1221、又は1321)は、曲線形状(例えば、楕円形、円形)、多角形形状(例えば、三角形、四角形(例えば、矩形、正方形)、六角形、八角形)、又はその組合せを含む断面区域を含むことができる。主本体(例えば、主本体423又は735)は、主本体(例えば、主本体423又は723)を通って移動する第1のガスの方向(例えば、方向227又は713)に約5mm以上、約20mm以上、約40mm以上、約80mm以上、約100mm以上、約120mm以上、約2,000mm以下、約1,000mm以下、約400mm以下、約300mm以下、約200mm以下、又は約150mm以下という長さ(例えば、長さ417)を含むことができる。更に別の実施形態では、主本体(例えば、主本体423又は723)は、主本体(例えば、主本体423又は723)を通って移動する第1のガスの方向(例えば、方向227又は713)に約5mmから約2,000mm、約5mmから約1,000mm、約20mmから約1,000mm、約20mmから約400mm、約40mmから約400mm、約40mmから約200mm、約80mmから約200mm、約80mmから約150mm、約100mmから約150mm、約120mmから約150mmの範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にある長さ(例えば、長さ417又は735)を含むことができる。更に別の実施形態では、主本体(例えば、主本体323、423、523、623、723、923、1223、又は1323)は、約1mm以上、約5mm以上、約10mm以上、約20mm以上、約100mm以下、約60mm以下、又は約40mm以下という幅(例えば、幅311、411、511、又は611)及び/又は本体内を通って移動する第1のガスの方向(例えば、方向227、713、913、1213、又は1313)に垂直な方向の長さ(例えば、長さ417又は735)を含むことができる。更に別の実施形態では、主本体は、主本体を通って移動する第1のガスの方向に対して垂直な方向に約1mmから約100mm、約5mmから100mm、約5mmから約60mm、約10mmから約60mm、約20mmから約60mm、約20mmから約40mmの範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にある幅及び/又は長さを含むことができる。拡張本体(例えば、拡張本体521、621、721、1221、又は1321)は、そこで流れる第1のガスの方向(例えば、方向227、711、1211、又は1311)に主本体の長さに関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にある長さ(例えば、長さ715)を含むことができる。一部の実施形態では、図2に示すように、第1の拡散器235の少なくとも一部分は、エンクロージャ220内に位置決めすることができる。更に別の実施形態では、第1の拡散器235の第1の出口は、エンクロージャ220内に位置決めすることができる。
【0067】
本発明の開示を通して、ガス経路は、出口を含む対応する構造を通ってガスが移動する経路として入口導管237及び第1の拡散器235によって定めることができる。一部の実施形態では、図3-6に示すように、ガス経路は、ガスが出口303、403、503、又は603に到達するまで入口導管237又は237a-c及び拡散器301、401、501、又は601を通って実質的に直線状とすることができる。更に別の実施形態では、図示のように、末端キャップ331、431、531、又は631及び出口303、403、503、又は603は、主本体内(例えば、方向227)から出口303、403、503、又は603を通るまで(例えば、方向315)第1のガスの方向変化に対応することができる。本明細書に使用する場合に、ガスの方向変化は、ガス経路の一部分に沿ったガスの初期方向とガスの最終方向との間の角度を指す。第1の出口を通って流れるガスの方向に関して上記で定めたように、ある場所でのガスの方向は、ガス経路に沿った対応する場所でのガスの平均速度加重方向を指す。一部の実施形態では、主本体内(例えば、方向227)から出口303、403、503、又は603を通る(例えば、方向315)までの第1のガスの方向変化は、約45°以上、約60°以上、約75°以上、約85°以上、約90°、約135°以下、約120°以下、約105°以下、又は約95°以下とすることができる。一部の実施形態では、主本体内(例えば、方向227)から出口303、403、503、又は603を通る(例えば、方向315)までの第1のガスの方向変化は、約45°から約135°、約60°から約120°、約75°から約105°、約85°から約95°の範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。
【0068】
一部の実施形態では、図7、9、及び12-13に示すように、ガス経路709、909、1209、及び/又は1309は、少なくとも1回の方向変化、例えば、約90°以上(例えば、約90°)の方向変化を含むことができる。例えば、ガス経路は、主本体723、923、1223、又は1313内の第1のガスの方向713、913、1213、又は1313から第1の出口703、903、1203、又は1303を通る方向315への変化を含むことができる。更に別の実施形態では、図示のように、ガス経路709、909、1209、及び/又は1309は、少なくとも2回の方向変化を含むことができる。更に別の実施形態では、ガス経路709、909、1209、及び/又は1309は、少なくとも2回の約90°以上(例えば、約90°)の方向変化を含むことができ、例えば、(i)主本体723、923、1223、又は1313内の第1のガスの方向713、913、1213、又は1313から第1の出口703、903、1203、又は1303を通る方向315へ、及び(ii)場所707、907、1207、又は1307で又はその周囲で拡張本体721、1221、又は1321内の方向711、1211、又は1311、又は入口導管237内の方向911から拡散器701、1201、又は1301の主本体723、1223、又は1323内の方向713、1213、又は1313への方向変化を含む。図7及び12-13に示すように、少なくとも2回の方向変化のうちの方向変化は、方向変化(ii)として上述したように、拡散器701、1201、又は1301を使用して位置決めすることができる。更に別の実施形態では、ガス経路709、909、1209、及び/又は1309は、少なくとも3回の方向変化を含むことができる。一部の実施形態では、ガス経路709、909、1209、及び/又は1309は、少なくとも3回の90°以上(例えば、約90°)の方向変化を含むことができ、例えば、(i)主本体723、923、1223、又は1313内の第1のガスの方向713、913、1213、又は1313から第1の出口703、903、1203、又は1303を通る第1のガスの方向315へ、(ii)場所707、907、1207、又は1307で又はその周囲で拡張本体721、1221、又は1321内の方向711、1211、又は1311、又は入口導管237内の方向911から拡散器701、1201、又は1301の主本体723、1223、又は1323内の方向713、1213、又は1313へ、及び(iii)場所705、905、1205、又は1305で又はその周囲で入口導管237内の第1のガスの方向227から拡張本体721、1221、又は1321内の方向711、1211、又は1311の方向又は入口導管237内の方向911への方向変化を含む。ガス経路に対して約90°以上の方向変化の具備は、拡散器の出口を通って流れる第1のガスからのガスの流れがガラス形成リボンの品質を損なう可能性を低減することができる。図7に示すように、入口導管237から出口703までのガス経路709の変位717は、拡張本体の長さに関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にあるとすることができる。約90°以上の方向変化を少なくとも2回具備することにより、拡散器の変位(例えば、進行方向154の方向)が可能になり、これは、例えば、第1の拡散器と複数の冷却チューブとを含むハウジング内の限られた空間を効率的に使いやすくし、及び/又は拡散器の出口を通って流れるガスからのガスの流れがガラス形成リボンの品質を損なう可能性を低減することができる。
【0069】
一部の実施形態では、図2に示すように、ガラス製造装置100は、エンクロージャ220内に位置決めされた第1の壁233を含む第1のハウジング230を含むことができる。図示のように、第1のハウジング230は、例えば、第1の壁233の上部から延びる破線236、第1の壁233、及び第1の壁233の底部から延びる破線226に沿ってエンクロージャ区域221を更に境界付けることができる。更に別の実施形態では、第1のハウジング230は、例えば、第1の壁233内の区域(例えば、第1の壁233及び破線226によって境界付けられる領域)として第1の内部区域231を取り囲む及び/又は境界付けることができる。第1の拡散器235は、第1の内部区域231内に位置決めすることができる。一部の実施形態では、第1の拡散器235の第1の出口及び/又は第1の入口導管237の少なくとも一部分は、第1の内部区域231内に位置決めすることができる。矢印222に示すように、第1の内部区域231は、エンクロージャ区域221と流体連通することができる。第1のハウジング230は、方向232a及び/又は234aに並進して進行平面213(例えば、ガラス形成リボン103)からの第1のハウジング230の距離を増大する及び/又は低減するように構成することができる。
【0070】
一部の実施形態では、図2に示すように、流れ装置175(例えば、第1の流れ装置238)は、必要に応じて複数の冷却チューブ255を含むことができる。複数の冷却チューブ255は、第1のハウジング230内(例えば、第1の内部区域231内)に位置決めすることができる。複数の冷却チューブ255のうちの冷却チューブは、対応する出口257を通して進行平面213(例えば、ガラス形成リボン103)に向う方向256に冷却流体を放出するように構成することができる。冷却流体は、エンクロージャ区域211の作動温度よりも低い温度を含むことができる。一部の実施形態では、複数の冷却チューブ255を第1の内部区域231内に冷却流体を流すように構成することにより、第1のハウジング230の第1の壁233の場所を冷却するように構成することができる。図示のように、冷却源259は、複数の冷却チューブ255に冷却流体を提供するように構成することができる。冷却源259は、第1のガス源239に関して上記で議論したガスの1又は2以上を含むことができる。第2の拡散器245は、進行方向154に沿って複数の冷却チューブ255の下流側に位置決めすることができるが、更に別の実施形態では、進行方向に沿って複数の冷却チューブの上流側か又はそれと同じ場所に位置決めすることができる。
【0071】
一部の実施形態では、流れ装置175(例えば、第1の流れ装置238)の拡散器235は、複数の第1の拡散器を含むことができるが、更に別の実施形態では、単一拡散器を具備することができる。複数の第1の拡散器の数は、例えば、2以上、4以上、8以上、16以上、128以下、80以下、60以下、又は約32以下とすることができ、例えば、約2から約128、約4から約128、約4から約80、約4から約60、約8から約60、約8から約32、約16から約32の範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。複数の第1の拡散器の各拡散器は、例えば、それぞれの入口導管(例えば、第1の入口導管237)によってそれぞれの第1のガス源(例えば、第1のガス源239)に接続することができる。一部の実施形態では、複数の第1の拡散器のうちの1又は2以上の拡散器は、同じ第1のガス源に接続することができる。複数の第1の拡散器は、第1の横列に配置することができる(例えば、ガラス形成リボン103の幅「W」の方向に、すなわち、図2の頁の中/外の方向に沿って延びる進行方向154の方向と垂直な方向に)。
【0072】
一部の実施形態では、図2に示すように、流れ装置175は、第2の拡散器245を有する第2の流れ装置248を含むことができる。第2の拡散器245は、上述の拡散器又はその変形の1又は2以上を含むことができる。例えば、第2の拡散器245は、第1の拡散器235に関して上記で議論した材料の1又は2以上を含むことができる。第2の拡散器245は、第1の拡散器235の対応する寸法に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にある長さ、幅、及び/又は厚みを含む主本体を含むことができる。第2の拡散器245は、第2の出口断面区域を含む第2の出口と第2の入口断面区域を含む第2の入口とを含むことができ、第2の出口断面区域は、第2の入口断面区域よりも大きいとすることができる。更に別の実施形態では、第2の拡散器245は、第1の拡散器235の面積比に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にある第2の入口断面区域に対する第2の出口断面区域の面積比を含むことができる。一部の実施形態では、第2の拡散器の断面区域は、第2の入口断面区域から第2の出口断面区域まで(例えば、ガス経路に沿って)実質的に連続的に増加する(例えば、連続的に増加する)ことができる。更に別の実施形態では、進行平面213(例えば、ガラス形成リボンの第1の主面213a)と第1の出口断面区域に垂直な方向との間の角度は、第1の拡散器235の対応する角度に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にあるとすることができる。第2の拡散器245は、第2の入口導管247に接続することができる。第2の入口導管247は、第1の入口導管237に関して上記で議論した材料の1又は2以上を含むことができる。第2の導管は、第1の入口導管237の対応する範囲の1又は2以上内にある最大内寸、最小内寸、及び/又は部断面区域を含むことができる。一部の実施形態では、第2のガス経路は、第2の入口導管247及び第2の拡散器245によって定めることができる。第2のガス経路は、実質的に直線状であるか、又は少なくとも1回の方向変化を含むことができる。例えば、第2のガス経路は、上述のように、少なくとも1回の約90°以上の方向変化、方向の少なくとも2回の約90°以上の方向変化、又は少なくとも3回の約90°以上の方向変化を含むことができる。更に別の実施形態では、第2の拡散器245は、第2のガスを提供する第2のガス源249と流体連通する(例えば、それに接続する)ことができる。冷却源259は、第1のガス源239に関して上記で議論した構造の1又は2以上を含むことができる。第2のガスは、第1のガスの材料の1又は2以上を含むことができる。
【0073】
図2に示すように、ガラス製造装置100(例えば、流れ装置175、第2の流れ装置248)は、エンクロージャ220内に位置決めされた第2の壁243を含む第2のハウジング240を含むことができる。図示のように、第2のハウジング240は、例えば、第2の壁243の上部から延びる破線246、第2の壁243、及び第2の壁243の底部から延びる破線246に沿ってエンクロージャ区域221を更に境界付けることができる。一部の実施形態では、第2のハウジング240は、例えば、第2の壁243内の区域(例えば、第2の壁243及び破線246によって境界付けられる領域)として第2の内部区域241を取り囲む及び/又は境界付けることができる。図示のように、第2の拡散器245は、第2の内部区域241内に位置決めすることができる。第2の拡散器245の第2の出口及び/又は第2の入口導管247の少なくとも一部分は、第2の内部区域241内に位置決めすることができる。矢印224に示すように、第2の内部区域241は、エンクロージャ区域221と流体連通することができる。更に別の実施形態では、第2のハウジング240は、方向232b及び/又は234bに並進して進行平面213(例えば、ガラス形成リボン103)からの第2のハウジング240の距離を増大する及び/又は低減するように構成することができる。進行平面213は、第1のハウジング230と第2のハウジング240の間を通過することができる。
【0074】
図2を参照すると、流れ装置175(例えば、第1の流れ装置238)は、必要に応じて複数の第2の冷却チューブ265を含むことができる。図示のように、複数の第2の冷却チューブ265は、第2のハウジング240内(例えば、第2の内部区域241内)に位置決めすることができる。複数の第2の冷却チューブ265のうちの1又は2以上の冷却チューブは、対応する出口267を通して進行平面213(例えば、ガラス形成リボン103)に向う方向266に冷却流体を放出するように構成することができる。第2の冷却流体は、エンクロージャ区域221の作動温度よりも低い温度を含むことができる。複数の冷却チューブ265を第2の内部区域241内に第2の冷却流体を流すように構成することにより、第2のハウジング240の第2の壁243の場所を冷却するように構成することができる。図示のように、第2の冷却源269は、複数の第2の冷却チューブ265に(例えば、それを通して)冷却流体を提供するように構成することができる。第2の冷却源269は、第1のガス源239に関して上記で議論したガスの1又は2以上を含むことができる。一部の実施形態では、第2の拡散器245は、進行方向154に沿って複数の第2の冷却チューブ265の下流側に位置決めすることができるが、更に別の実施形態では、進行方向に沿って複数の冷却チューブの上流側か又はそこと同じ場所に位置決めすることができる。
【0075】
一部の実施形態では、流れ装置175(例えば、第2の流れ装置248)の拡散器245は、複数の第2の拡散器を含むことができるが、更に別の実施形態では、単一拡散器を具備することができる。複数の第2の拡散器の数は、複数の第1の拡散器の数に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にあるとすることができる。更に別の実施形態では、複数の第2の拡散器の各拡散器は、例えば、それぞれの入口導管(例えば、第2の入口導管247)により、それぞれの第2のガス源(例えば、第2のガス源249)に接続することができる。複数の第2の拡散器のうちの1又は2以上の拡散器は、同じ第2のガス源に接続することができる。一部の実施形態では、複数の第2の拡散器は、第2の横列に配置することができる(例えば、ガラス形成リボン103の幅「W」の方向、すなわち、図2の頁の中/外方向に沿って延びる進行方向154の方向と垂直な方向に)。
【0076】
本発明の実施形態のガラス製造装置100は、ガラスを製造する方法に使用することができる。方法は、図2に示すように、ガラス形成リボン103を進行方向154に沿って流す段階を含むことができる。一部の実施形態では、ガラス形成リボン103の少なくとも一部分は、エンクロージャ220で境界付けられたエンクロージャ区域221内にあるとすることができる。一部の実施形態では、方法は、第1の入口導管237を通し、かつ第1の拡散器235の第1の入口305を通して第1の拡散器235内に第1のガスを流す段階を含むことができる。第1の拡散器235の第1の入口305を通って流れる第1のガスは、第1の平均入口速度を含む。第1の平均入口速度は、約0.5メートル/秒(m/s)以上、約1m/s以上、約2m/s以上、約3m/s以上、約50m/s以下、約25m/s以下、約10m/s以下、約8m/s以下、又は約5m/s以下とすることができる。一部の実施形態では、第1の平均入口速度は、約0.1m/sから約50m/s、約0.5m/sから約50m/s、約0.5m/sから約25m、約1m/sから約25m/s、約1m/sから約10m/s、約2m/sから約10m/s、約2m/sから約8m/s、約3m/sから約8m/s、約3m/sから約5m/sの範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。
【0077】
方法はまた、第1の拡散器235からの第1のガスを第1の拡散器235の第1の出口(例えば、出口303、403、503、603、703、903、1103、1203、又は1303)に流す段階を含むことができる。第1の出口を通って流れる第1のガスは、第1の平均出口速度を含む。一部の実施形態では、第1の平均入口速度は第1の平均出口速度よりも大きいとすることができる。第1の平均出口速度は、約0.01m/s以上、約0.05m/s以上、約0.1m/s以上、約0.2m/s以上、約0.3m/s以上、約0.4m/s以上、約2m/s以下、約1.8m/s以下、約1.5m/s以下、又は約1m/s以下、約0.8m/s以下、又は約0.6m/s以下とすることができる。一部の実施形態では、第1の平均出口速度は、約0.01m/sから約2m/s、約0.01m/sから約1.7m/s、約0.05m/sから約1.7m/s、約0.05m/sから約1.5m/s、約0.1m/sから約1.5m/s、約0.1m/sから約1m/s、約0.2m/sから約1m/s、約0.2m/sから約0.8m/s、約0.3m/sから約0.8m/s、約0.3m/sから約0.6m/s、約0.4m/sから約0.6m/sの範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。第1の出口を通って流れる第1のガスは、約0.5m/s以上、約1m/s以上、約2m/s以上、約3m/s以上、約10m/s以下、約8m/s以下、約5m/s以下、又は約4m/s以下の第1の最大出口速度を含む。一部の実施形態では、第1の最大出口速度は、約0.5m/sから約10m/s、約0.5m/sから約8m/s、約1m/sから約8m/s、約1m/sから約5m/s、約2m/sから約5m/s、約2m/sから約4m/s、約3m/sから約4m/sの範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。本発明の開示の実施形態による拡散器の具備は、第1の出口断面区域を通って流れるガスの最大速度(例えば、最大出口速度)を低減することができ、これは、ガラスリボンの品質と干渉する可能性がある第1のガスの流れの強度を低減することができる。
【0078】
第1のガスを第1の入口導管237に流して第1のガスを第1の拡散器235に流す段階は、入口導管237及び第1の拡散器235によって定められたガス経路に沿って第1のガスを流す段階を含むことができる。一部の実施形態では、図7-13に関連して上述したように、ガス経路に沿って流れる第1のガス及び/又はガス経路は、ガス経路に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にある少なくとも1回の方向変化、例えば、少なくとも1回の約90°以上の方向変化、少なくとも2回の約90°以上の方向変化、又は少なくとも3回の約90°以上の方向変化を含むことができる。第1のガスは、ガス経路の始まりから拡散器の出口にあるガス経路の終わりまでガス経路に沿って圧力降下を受ける可能性がある。本明細書に使用する場合に、ガスの圧力は、気圧計、例えば、マノメータ、アネロイドゲージ(例えば、ブルドンゲージ、ダイアフラム、ベローズ、磁気結合ゲージ)、及び/又はピエゾ抵抗圧力センサを使用して測定することができる。少なくとも2回の約90°以上(例えば、約90°)の方向変化を含むガス経路に沿って受ける圧力降下は、約0.1パスカル(Pa)以上、約1Pa以上、約10Pa以上、約20Pa以上、約30Pa以上、約40Pa以上、約200Pa以下、約150Pa以下、約100Pa以下、約80Pa以下、約60Pa以下、又は約50Pa以下とすることができる。一部の実施形態では、少なくとも2回の約90°以上の方向変化を含むガス経路に沿って受ける圧力降下は、約0.1Paから約200Pa、約0.1Paから約150Pa、約1Paから約150Pa、約1Paから約100Pa、約10Paから約100Pa、約10Paから約80Pa、約20Paから約80Pa、約20Paから約60Pa、約30Paから約60Pa、約30Paから約50Pa、約40Paから約50Paの範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。第1の拡散器の具備は、少なくとも2回の90°以上の方向変化を伴って第1の入口及び第1の拡散器を通るガス経路に沿って低い圧力降下(例えば、約100Pa以下)を可能にすることができ、これは、拡散器の効率を増大することができる。
【0079】
一部の実施形態では、第1の拡散器235の出口(例えば、出口303、403、503、603、703、903、1103、1203、又は1303)を通って流れる第1のガスは、エンクロージャ220内を流れることができる。図2に示すように、第1の拡散器235の少なくとも一部分(例えば、第1の拡散器全体及び/又は第1の拡散器の出口)は、エンクロージャ220内に位置決めすることができる。例えば、第1の拡散器235は、エンクロージャ区域221内に位置決めすることができ、その場合に、第1の拡散器235の出口を通って流れる第1のガスは、エンクロージャ区域221に直接流入する。第1の拡散器235は、第1のハウジング230の第1の壁233内に境界付けられた第1の内部区域231に位置決めすることができる。例えば、第1の拡散器235の出口を通って流れる第1のガスは、第1の内部区域231に流入してからエンクロージャ区域221の中に流れることによってエンクロージャ区域221に流れ込むことができるが、これは、第1の内部区域231がエンクロージャ区域221と流体連通することができるからである。第1のガスを第1の出口を通して流すことにより、エンクロージャ区域のエンクロージャ圧力を増大することができる。エンクロージャ圧力の増大は、ガラス形成リボン103の進行方向154と逆方向の(例えば、エンクロージャ区域内への)空気の流れ228を低減することができる。エンクロージャ圧力の増大は、ガラスリボンの水素気泡形成の発生を低減することができる。エンクロージャ圧力の増大は、ガラスリボンの進行方向と逆方向の空気の流れ、例えば、いわゆる「スタック」効果又は「煙突」効果でダウン-ドロー成形デバイス内を上昇する熱気を低減することができる。更に、エンクロージャ圧力の増大は、得られるガラスリボンの品質と干渉する可能性があるエンクロージャ内のいずれの漏出も補償することができる。ガラスリボンの進行方向と逆方向の空気の流れを低減することにより、そのような流れによってガラスリボンに向けて運ばれる粒子及び他のデブリを低減することができる。
【0080】
一部の実施形態では、第1の拡散器235は、複数の第1の拡散器を含むことができる。例えば、複数の第1の拡散器は、第1の横列に配置することができる(例えば、ガラス形成リボン103の幅「W」の方向、すなわち、図2の頁の中/外方向に沿って延びる進行方向154の方向と垂直な方向に)。本発明の開示を通して、標準立方メートルで測定される流量は、20℃及び絶対圧101.325キロパスカル(例えば、1気圧)で測定される流量を指す。
【0081】
複数の第1の拡散器の第1の出口を通って流れる第1のガスの総流量は、毎時約1標準立方メートル(sm3/h又はsmch)以上、約4smch以上、約6smch以上、約12smch以上、約500smch以下、約200smch以下、約100smch以下、約80smch以下、約60smch以下、約30smch以下、又は約20smch以下とすることができる。一部の実施形態では、複数の第1の拡散器の第1の出口を通って流れる第1のガスの総流量は、約1smchから約500smch、約1smchから約200smch、約4smchから約200smch、約4smchから約100smch、約4smchから約80smch、約6smchから約80smch、約6smchから約60smch、約6smchから約30smch、約12scmhから約30smch、約12smchから約20smchの範囲、又はこれらの間にあるあらゆる範囲又は部分範囲にあるとすることができる。
【0082】
一部の実施形態では、方法は、第2のガス(例えば、第2のガス源249からの)を第2の入口導管247を通し、かつ第2の拡散器245の第2の入口(例えば、入口305)を通して第2の拡散器245に流し込む段階を含むことができる。第2の拡散器245の第2の入口(例えば、入口305)を通って流れる第1のガスは、第2の平均入口速度を含むことができ、第2の平均入口速度は、第1の平均入口速度に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にあるとすることができる。一部の実施形態では、第1の平均入口速度は、第2の平均入口速度と実質的に同じ、それよりも大きい、又はそれよりも小さいとすることができる。方法は、第2の拡散器245から第2のガスを第2の拡散器245の第2の出口(例えば、出口303、403、503、603、703、903、1103、1203、又は1303)に流す段階を含むことができる。第2の拡散器245の第2の入口(例えば、入口305)を通って流れる第2のガスは、第2の平均出口速度を含むことができ、第2の平均出口速度は、第1の平均出口速度に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にあるとすることができる。一部の実施形態では、第2の入口平均速度は、第2の平均出口速度よりも大きいとすることができる。一部の実施形態では、第1の平均出口速度は、第2の平均出口速度と実質的に同じ、それよりも大きい、又はそれよりも小さいとすることができる。更に別の実施形態では、第2の拡散器を通って流れる第2のガスは、第2の最大出口速度を含むことができ、第2の最大出口速度は、第1の最大出口速度に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にあるとすることができる。同様に、第1の最大出口速度は、第2の最大出口速度と実質的に同じ、それよりも大きい、又はそれよりも小さいとすることができる。一部の実施形態では、第2の拡散器245は、複数の第2の拡散器を含むことができる。複数の第2の拡散器は、第2の横列に配置することができる(例えば、ガラス形成リボン103の幅「W」の方向、すなわち、図2の頁の中/外方向に沿って延びる進行方向154の方向と垂直な方向に)。複数の第2の拡散器の第2の出口を通って流れる第2のガスの総流量は、第1のガスの総流量に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にあるとすることができる。
【0083】
第2のガスを第2の入口導管247に流して第1のガスを第2の拡散器245に流す段階は、第1のガスを第2のガス経路に沿って第2の入口導管247及び第2の拡散器245を通して第2の流れ方向251に流す段階を含む。上述のように、第2のガス経路に沿って流れる第2のガス及び/又は第2のガス経路は、ガス経路に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にある少なくとも1回の方向変化を含むことができ、例えば、少なくとも1回の約90°以上の方向変化、少なくとも2回の約90°以上の方向変化、又は少なくとも3回の約90°以上の方向変化を含む。第2のガスは、第2のガス経路の始まりから第2の拡散器の出口にある第2のガス経路の終わりまで第2のガス経路に沿って圧力降下を受ける可能性があり、例えば、第1のガス経路に沿う圧力降下に関して上記で議論した範囲の1又は2以上内にある圧力降下を受ける。第1の拡散器の具備は、少なくとも2回の90°以上の方向変化を伴って第1の入口及び第1の拡散器を通るガス経路に沿って低い圧力降下(例えば、約100パスカル以下)を可能にすることができ、これは、拡散器の効率を増大することができる。
【0084】
一部の実施形態では、第2の拡散器245の出口(例えば、出口303、403、503、603、703、903、1103、1203、又は1303)を通って流れる第2のガスは、エンクロージャ220内を流れることができる。図2に示すように、第2の拡散器245の少なくとも一部分(例えば、第2の拡散器全体及び/又は第2の拡散器の出口)は、エンクロージャ220内に位置決めすることができる。例えば、第2の拡散器235は、エンクロージャ区域221内に位置決めすることができ、その場合に、第2の拡散器235の第2の出口を通って流れる第2のガスは、エンクロージャ区域221に直接流入する。第2の拡散器245は、第2のハウジング240の第2の壁243内の第2の内部区域241に位置決めすることができる。第2の拡散器245の第2の出口を通って流れる第2のガスは、第2の内部区域241に流入してからエンクロージャ区域221の中に流れることによってエンクロージャ区域221に流れ込むことができるが、これは、第2の内部区域241がエンクロージャ区域221と流体連通することができるからである。第2のガスを第2の出口を通して流すことにより、エンクロージャ区域221のエンクロージャ圧力を増大することができる。エンクロージャ圧力の増大は、第1のガスを流すことによってエンクロージャ圧力を増大することに関して上記で議論した技術的利益を提供することができる。
【0085】
一部の実施形態では、方法は、任意的に、冷却流体を第1の内部区域231内を流れるように複数の冷却チューブ255を通して流す段階を含むことができ、これは、第1のハウジング230の第1の壁233の少なくとも一部分を冷却することができる。方法は、任意的に、第2の冷却流体を第2の内部区域241内を流れるように複数の第2の冷却チューブ265を通して流す段階を含むことができ、これは、第2のハウジング240の第2の壁243の少なくとも一部分を冷却することができる。方法は、第1のハウジング230と第2のハウジング240の間にガラス形成リボン103を通す(例えば、流す)段階を含むことができる。
【0086】
実施例
様々な実施形態は、以下の実施例によって更に明らかになるであろう。表1は、拡散器当たり510scmhの流量で測定した実施例A-Fの特性を示し、表2は、340scmhの流量で測定した実施例G-Kの特性を示している。実施例A-Kは、SAE等級316ステンレス鋼を含む内径約16mmの入口導管を含んでいた。
【0087】
実施例Aは、図7-8に示す拡散器701に対応し、ガイド801a及び801bはないが、拡張本体721の長さ715が114mm、ガス経路709の変位717が86mm、拡張本体721の幅733が14mm、主本体723の長さ735が109mm、主本体723の幅811が152mm、主本体723の厚み737が19mmである。実施例Bは、図9-10に示す拡散器901に対応し、流れ分割器1003はないが、主本体923の長さ1011が106mm、主本体923の幅1013が152mm、主本体923の厚み935が19mmである。実施例Cは、図9-10に示す拡散器901に対応し、実施例Bと同じ寸法を含むが、流れ分割器1003が主本体923内の中心にあり、かつ主本体923の厚み935の分だけ延び、方向913に対して45°で頂点から19mm延びている。実施例Dは、図11に示す拡散器1101に対応し、実施例Bと同じ寸法を含むが、ガイド1105及び1107のペアが、それぞれ方向913に対して38°の角度で壁921から延びている。実施例Eは、図12に示す拡散器に対応し、内半径38mmの入口導管237が直角曲げ部として拡張本体1221の中に延びており、拡張本体1221の長さ1239が115mm、拡張本体1221の厚み1241が67mm、主本体1223の長さ1233が86mm、主本体1223の幅1235が152mm、主本体1223の厚み1237が19mmである。実施例Fは、実施例Eの主本体1223と同じ寸法の主本体1331を含むが、入口305の前に38mm内半径直角曲げ部を含み、拡張本体1321の高さ1339が61mm、拡張本体1321の幅1341が32mmである。
【0088】
実施例A-Fの全ては、同じ平均出口速度0.45m/sを含む。しかし、実施例B及びDは、実施例A-Fの中で最も大きい最大出口速度15.7m/sを含む。最大出口速度が、実施例B(ガイド1105及び1107又は流れ分割器1003がない)と実施例D(ガイド1105及び1107を含む)とで同じであるので、ガイドは、この拡散器設計の最大出口速度を低減するのに役立っていない。しかし、実施例Cの流れ分割器1003は、実施例B及びDと比べて最大出口速度を低減する。実施例A及びE-Fは、10m/s以下、5m/s以下、及び4m/s以下の最大出口速度を含む。実施例A及びE-Fは、入口導管と拡散器の主本体の間に拡張本体、並びに入口導管に直角曲げ部を含み、これらが合わさって、拡張本体を含まない実施例B-Dと比べて低減された最大出口速度をもたらす。同じく、実施例A及びE-Fは、100Pa未満、80Pa未満、及び70Pa未満の圧力降下を含む。実施例E(拡張本体の内側に直角曲げ部、入口の後で)は、実施例F(入口の上流側に直角曲げ部)よりも低い圧力降下を含む。実施例B-Dは、200Paを超える圧力降下を含むが拡張本体を含まないのに対して、実施例A及びE-Fは、100Pa未満の圧力降下を含み、確かに拡張本体を含む。その結果、拡張本体の具備は、圧力降下を低減することができる。
【0089】
【表1】
【0090】
実施例H-Kは、図4に示す拡散器401に対応し、入口導管が3つではなく1つであり、主本体423の幅411が41mm、主本体423の厚み415が16mm、主本体423の長さ417は、表2に示す通りである。実施例Gは、長さ(表2に明記する通り)及び実施例Gのガス経路が入口導管で45°の方向変化を含むことを除いて、実施例Hと同じである。
【0091】
実施例A-Fの全ては、24.8の面積比を含み、入口導管が16mmの内半径を含む。実施例A-Fの全ては、同じ平均出口速度0.45m/sを含む。実施例G-Kの全ては、面積比13を含み、入口導管が9mmの内半径を含む。実施例G-Kの全ては、同じ平均出口速度1.73m/sを含む。実施例A-Fの増加した面積比(24.8>13)は、実施例G-Kよりも低い平均出口速度(0.45m/s<1.73m/s)に対応する。実際に、平均出口速度の減少率は、流量の減少率よりも大きく、入口断面区域の減少率よりも大きく、かつ入口断面区域当たりの流量の減少率よりも大きい。
【0092】
実施例H-Kでは、最大出口速度は、主本体の長さが増加する時に減少し、長さ145mmの場合の12.02m/sから長さ300mmの場合の6.20m/sまで変化する。長さの増加当たりの速度減少は、実施例HとIの間で最も大きく、これは長さの追加の増加による応答の減少を示している。実施例H-Kに対しては、主本体の長さが増加する時に圧力降下も減少し、実施例Hの50Paから実施例Kの20Paまで変化する。長さの増加当たりの圧力降下の減少は、実施例Hと実施例Iの間で最も大きく、これは長さの追加の増加による応答の減少を示している。実施例G-Kは、約100Pa以下の圧力降下を含む。実施例H-Kは、更に、約80Pa以下、約60Pa以下、又は約50Pa以下の圧力降下を含む。実施例G(入口導管の方向の45°変化)と実施例H(入口導管の方向変化なし)とを比較すると、最大出口速度は実施例Gの方が低いが、圧力降下は実施例Hの方が低い。これは、方向変化が最大出口速度を低減する一方で圧力降下を増大させたことを示しており、方向変化の結果としてガスが圧力及び最大出口速度を損失するという結果である可能性がある。しかし、圧力降下の増大が許容可能である限り、方向の変化を具備する及び/又は増大させることで最大出口速度を低減することができる。実施例Gを実施例E-Fと比較すると、実施例E-Fが実施例Gと比べて追加の方向変化を含み、かつ圧力降下がより大きいと考えられるより高い流量で測定されるとしても、例えば、同じだけの圧力を損失しながらガス空間を向け直すことを可能にすることにより、拡張チャンバを追加することが圧力降下を減少したように見える。
【0093】
【表2】
【0094】
本発明の開示の実施形態は、1又は2以上の高品質で清浄な面を有するガラスリボンを生成することができるガラスを製造する方法を提供することができる。第1の拡散器にガスを流すことにより、成形デバイスの周囲で及びガラス形成リボンの少なくとも一部分(例えば、進行経路)の周りでエンクロージャ圧力を増大することができる。エンクロージャ圧力の増大は、ガラスリボンの水素気泡形成の発生を低減することができる。エンクロージャ圧力の増大は、ガラスリボンの進行方向と逆方向の空気の流れ、例えば、いわゆる「スタック」効果又は「煙突」効果でダウン-ドロー成形デバイス内を上昇する熱気を低減することができる。更に、エンクロージャ圧力の増大は、ガラスリボンの品質と干渉する可能性があるエンクロージャ内のいずれの漏出も補償することができる。ガラスリボンの進行方向と逆方向の空気の流れを低減することにより、そのような流れによってガラスリボンに向けて運ばれる粒子及び他のデブリを低減することができる。エンクロージャ内の第1の拡散器の具備は、例えば、ガラス形成リボンが粘性又は粘弾性状態にあり、より汚染されやすい場合に、ハウジング内の粒子及び他のデブリを低減することができる。更に、清浄な(例えば、階級100)空気源を具備して第1の拡散器を通って流れる空気を提供することにより、ガラスリボンの面上の粒子及び/又はデブリを低減することができる。不活性ガスを提供して第1の拡散器に流すことにより、ガラス製造装置の腐食又は他の劣化を防止することができ、これは、そのような副生成物によるガラスリボン内の不純物を低減することができる。第1の拡散器を通る空気の流量の制御は、第1の出口断面区域を通って流れるガスの速度(例えば、平均速度、最大速度)を低減することができ、及び/又はガラスリボンの品質と干渉する可能性があるガスの流れの強度を低減することができる。
【0095】
本発明の開示の実施形態は、技術的利益を提供することができる第1の拡散器を有するガラス成形装置を提供することができる。対応する第1の入口断面区域よりも大きい第1の出口断面区域を第1の拡散器に与えることは、第1の出口断面区域を通って流れるガスの速度(例えば、平均速度、最大速度)を例えば第1の入口断面区域を通って流れるガスの速度の約10%以下に低減することができる。本発明の開示の実施形態による拡散器の具備は、第1の出口断面区域を通って流れるガスの最大速度(例えば、最大出口速度)を低減することができ、これは、ガラスリボンの品質と干渉する可能性があるガスの流れの強度を低減することができる。第1の拡散器の具備は、少なくとも2回の90°以上の方向変化を伴って第1の入口及び第1の拡散器を通るガス経路に沿った低い圧力降下(例えば、約100パスカル以下)を可能にすることができ、これは、拡散器の効率を増大することができる。少なくとも2回の約90°以上の方向変化をガス経路に与えることは、冷却チューブ又は他の装置を第1の拡散器の近くに衝突し合うことなく位置決めするための場所を提供することができ、これは、ハウジング内の限られた空間を効率的に使用させることができる。更に、第1の拡散器及び/又は冷却チューブは、第1の内部区域内に位置決めすることができ、これは、ガラスリボンをガスの流れから更に保護することができる。進行平面と第1の出口断面区域に垂直な方向との間の角度が約45°以下になるような、拡散器の具備は、第1の拡散器からのガスの流れからガラス形成リボンを保護することを助けることができる。
【0096】
本明細書に使用する場合に、「the」、「a」、又は「an」という用語は、「少なくとも1つ」を意味し、他を明示的に示されない限り、「ただ1つ」に限定すべきではない。従って、例えば、「構成要素」への言及は、関連上明らかに他を示さない限り、2又は3以上のそのような構成要素を有する実施形態を含む。
【0097】
本明細書に使用する場合に、用語「約」は、量、サイズ、配合、パラメータ、及び他の量及び特性が正確でなく、正確である必要もないが、公差、換算係数、四捨五入、測定誤差のような及び当業者に公知の他の因子を反映して必要に応じて近似的である及び/又はより大きいか又はより小さい可能性があることを意味する。範囲の値又は終点を説明する時に用語「約」が使用される場合に、本発明の開示は、言及する特定の値又は終点を含むと理解しなければならない。本明細書での数値又は範囲の終点が「約」と説明されている場合に、その数値又は範囲の終点は、2つの実施形態、すなわち、「約」によって修飾されるもの及び「約」によって修飾されないものを含むことを意図している。各範囲の端点は、他の端点と関連して及び他の端点と無関係に重要であることが更に認められるであろう。
【0098】
本明細書に使用する用語「実質的な」、「実質的に」、及びその変形は、説明した特徴が値又は記述に等しいか又はほぼ等しいことに言及することを意図している。例えば、「実質的に平面の」面は、平面であるか又はほぼ平面である面を表すことを意図している。更に、「実質的に類似」は、2つの値が等しいか又はほぼ等しいことを表すことを意図している。一部の実施形態では、「実質的に類似」は、互いの約10%以内、例えば、互いの約5%以内、又は互いの約2%以内の値を表すとすることができる。
【0099】
本明細書に使用する場合に、用語「comprising」及び「including」及びそれらの変形は、特に指示のない限り、同義であり、非限定であると解釈するものとする。移行句「comprising」及び「including」に続く要素のリストは、非排除的なリストであるので、このリスト内に具体的に列挙されたものの他にも要素が存在する可能性がある。
【0100】
様々な実施形態をそのある一定の例示的かつ具体的実施形態に関連して詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく、開示した特徴に関する多くの修正及び組合せが可能であるので、本発明の開示は、それに限定されるものと見なすべきではない。
【符号の説明】
【0101】
100 ガラス製造装置
103 ガラス形成リボン
121 溶融材料
140 成形本体
220 エンクロージャ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行方向に進行平面に沿ってガラス形成リボンを引き出すように構成された成形本体であって、前記成形本体の少なくとも一部分がエンクロージャ内に位置決めされる前記成形本体と、
第1の入口断面区域を含む第1の入口と前記第1の入口断面区域よりも大きい第1の出口断面区域を含む第1の出口とを含む第1の拡散器であって、前記第1の出口が前記エンクロージャ内に位置決めされる前記第1の拡散器と、
前記第1の入口に接続されたガス源と、
を含むガラス製造装置。
【請求項2】
前記第1の拡散器の前記第1の入口を前記ガス源に接続する入口導管を更に含み、
前記入口導管と前記第1の拡散器とによって定められるガス経路が、少なくとも2回の90°以上の方向変化を受ける、
請求項1に記載のガラス製造装置。
【請求項3】
前記少なくとも2回の方向変化のうちの1回の方向変化が、前記第1の拡散器内に位置決めされる請求項2に記載のガラス製造装置。
【請求項4】
前記第1の拡散器の断面区域が、前記第1の入口断面区域から前記第1の出口断面区域まで滑らかに増加する請求項1に記載のガラス製造装置。
【請求項5】
エンクロージャ区域が、前記エンクロージャと前記エンクロージャの中に延びる第1のハウジングとによって境界付けられ、前記第1の出口は、前記第1のハウジング内で少なくとも第1の壁によって境界付けられた第1の内部区域内に位置決めされる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガラス製造装置。
【請求項6】
ガラスリボンを製造する方法であって、
ガラス形成リボンを進行方向に進行平面に沿って流す段階であって、前記ガラス形成リボンの少なくとも一部分が、エンクロージャ内を進行し、前記ガラス形成リボンが、第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面とを含む前記流す段階と、
第1のガスを第1の平均入口速度で第1の拡散器の第1の入口を通して流す段階と、
前記第1のガスを前記第1の拡散器から第1の平均出口速度で前記第1の拡散器の第1の出口を通して流す段階と、
を含み、
前記第1の出口を通って流れる前記第1のガスの最大第1出口速度が、毎秒10メートル以下であり、前記第1の平均出口速度は、毎秒2メートル以下であり、前記第1の平均入口速度は、前記第1の平均出口速度より大きく、前記第1の拡散器の少なくとも一部分及び前記ガラス形成リボンの少なくとも一部分が、前記エンクロージャ内にある、
方法。
【請求項7】
前記第1の拡散器の前記第1の出口を通って流れる前記第1のガスは、第1のハウジング内で少なくとも第1の壁によって境界付けられた第1の内部区域の中に流れ、前記第1のハウジングは、前記エンクロージャの中に延び、前記第1の内部区域の中に流れる前記第1のガスは、前記エンクロージャと前記第1の壁とによって境界付けられたエンクロージャ区域でのエンクロージャ圧力を増大する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第2のガスを第2の平均入口速度で第2の拡散器の第2の入口を通して流す段階と、
前記第2のガスを前記第2の拡散器から前記第2の拡散器の第2の出口を通して第2の内部区域の中に前記第2の平均入口速度より小さい第2の平均出口速度で流す段階であって、前記第2の内部区域が、第2のハウジング内で第2の壁によって境界付けられ、前記第2のハウジングが、前記エンクロージャの中に延びる前記流す段階とを更に含み、
前記第2の内部区域の中に流れる前記第2のガスは、前記エンクロージャ区域での前記エンクロージャ圧力を増大する、
請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の内部区域内で第2の冷却流体を流すことによって前記第2の壁の少なくとも一部分を冷却する段階を更に含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のガスを前記第1の入口を通して前記流す段階及び前記第1のガスを前記第1の拡散器を通して流す段階は、前記第1のガスを入口導管と前記第1の拡散器とによって定められるガス経路に沿って流す段階を含み、前記ガス経路は、少なくとも2回の90°以上の方向変化を受け、前記ガス経路に沿った圧力降下が、1パスカルから100パスカルの範囲にある請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】