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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】3Dプリンタの押出構造
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/321 20170101AFI20240426BHJP
   B29C 64/118 20170101ALI20240426BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20240426BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240426BHJP
【FI】
B29C64/321
B29C64/118
B29C64/209
B33Y30/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572219
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2021100450
(87)【国際公開番号】W WO2022241885
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202110560451.0
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517454192
【氏名又は名称】深▲せん▼市創想三維科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Creality 3D Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】1808,Jinxiu Hongdu Building,Meilong Avenue,Xinniu Community, Minzhi Street, Longhua District (Office Address), Shenzhen, Guangdong 518110,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 輝林
(72)【発明者】
【氏名】唐 京科
(72)【発明者】
【氏名】陳 春
(72)【発明者】
【氏名】敖 丹軍
(72)【発明者】
【氏名】呉 大江
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AR01
4F213AR06
4F213WA25
4F213WB01
4F213WF23
4F213WK03
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL74
4F213WL96
(57)【要約】
【課題】3Dプリンタの押出構造であって、ハウジング(110)と、前記ハウジング(110)に設けられたモータ(120)と、前記ハウジング(110)内に設けられ、且つ前記モータ(120)に接続された主動押出ギア(130)と、前記ハウジング(110)内に回動可能に連結された調節ブラケット(140)と、前記調節ブラケット(140)の一端に設けられ、且つ前記調節ブラケット(140)と回動可能に連結された従動押出ギア(150)と、前記調節ブラケット(140)の他端に接続され、前記調節ブラケット(140)の前記従動押出ギア(150)が設けられた一端を前記主動押出ギア(130)に近づけて、前記従動押出ギア(150)と前記主動押出ギア(130)とが協働して押出を完了するようにする弾性部材(160)とを備える。ここで、前記調節ブラケット(140)の前記従動押出ギア(150)が設けられた一端は、前記ハウジング(110)の外部まで突出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(110)と、
前記ハウジング(110)に設けられたモータ(120)と、
前記ハウジング(110)内に設けられ、且つ前記モータ(120)に接続された主動押出ギア(130)と、
前記ハウジング(110)内に回動可能に連結された調節ブラケット(140)と、
前記調節ブラケット(140)の一端に設けられ、且つ前記調節ブラケット(140)と回動可能に連結された従動押出ギア(150)と、
前記調節ブラケット(140)の他端に接続され、前記調節ブラケット(140)の前記従動押出ギア(150)が設けられた一端が前記主動押出ギア(130)に接近できるようにし、前記従動押出ギア(150)を前記主動押出ギア(130)と協働させて材料を押出するようにする弾性部材(160)と、を備え、
ここで、前記調節ブラケット(140)の前記従動押出ギア(150)が設けられた一端は、前記ハウジング(110)の外部まで突出することを特徴とする3Dプリンタの押出構造。
【請求項2】
前記モータ(120)に接続されるモータ歯車(170)と、
前記ハウジング(110)内に回動可能に連結された歯車回転軸(180)と、
前記歯車回転軸(180)に設けられ、且つ前記モータ歯車(170)と噛合する減速歯車(190)と、をさらに備え、
前記減速歯車(190)の外径は、前記モータ歯車(170)の外径よりも大きく、前記主動押出ギア(130)は、前記歯車回転軸(180)に設けられ、且つ前記減速歯車(190)と同軸に回動することを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタの押出構造。
【請求項3】
前記主動押出ギア(130)及び前記従動押出ギア(150)の下方に設けられた放熱部材(200)と、
前記放熱部材(200)内に設けられ、3Dプリンタの消耗材(101)を排出させるための第1排出管(210)と、
前記第1排出管(210)の外に装着され、且つ一端が前記放熱部材(200)に接触するスロート管(220)と、
前記ハウジング(110)に設けられる第1放熱ファン(230)及び第1導風部材(240)と、をさらに備え、
前記第1導風部材(240)は、前記第1放熱ファン(230)が吹き出す風を前記放熱部材(200)に導くことができることを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタの押出構造。
【請求項4】
前記放熱部材(200)の下方に設けられる加熱ブロック(250)と、前記加熱ブロック(250)の底端に設けられるノズル(260)と、前記加熱ブロック(250)に設けられて、前記加熱ブロック(250)における消耗材(101)を加熱するための加熱パイプ(270)と、をさらに備え、
前記スロート管(220)の他端は、前記加熱ブロック(250)と接触し、
前記消耗材(101)は、前記放熱部材(200)、前記加熱ブロック(250)を順次に通過した後、前記ノズル(260)から噴出することを特徴とする請求項3に記載の3Dプリンタの押出構造。
【請求項5】
前記減速歯車(190)の外周の一部は、前記ハウジング(110)を貫通して外部へ露出していることを特徴とする請求項2に記載の3Dプリンタの押出構造。
【請求項6】
前記ハウジング(110)に設けられた第2放熱ファン(280)及び第2導風部材(290)をさらに備え、
前記第2導風部材(290)は、前記第2放熱ファン(280)からの風を前記3Dプリンタの押出構造の下方のモデルまで導くことを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタの押出構造。
【請求項7】
取付ネジ(141)をさらに備え、前記ハウジング(110)内には、前記取付ネジ(141)を取り付けるための位置決め構造(113)が設けられ、前記取付ネジ(141)は、前記位置決め構造(113)に設けられ、前記弾性部材(160)は、前記取付ネジ(141)を取り囲むように装着されることを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタの押出構造。
【請求項8】
前記調節ブラケット(140)の他端には、その回動方向に沿う第1側及び第2側を有し、前記第1側は、前記弾性部材(160)に連結され、前記ハウジング(110)内の前記第2側には、前記調節ブラケット(140)の位置を規制するために、位置規制構造(142)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタの押出構造。
【請求項9】
前記加熱ブロック(250)内には、サーミスタ(252)が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の3Dプリンタの押出構造。
【請求項10】
前記加熱ブロック(250)の表面には、断熱部材(251)が被覆されていることを特徴とする請求項4に記載の3Dプリンタの押出構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、3Dプリンタの技術分野に関し、特に3Dプリンタの押出構造に関する。
【背景技術】
【0002】
3Dプリンタにおいて、押出構造は3Dプリンタのノズルに位置して、資材を加熱し且つノズルから押し出す構造である。押出構造の安定性は、印刷品質と印刷安定性に重要な役割を果たす。従来の押出構造は、体積と重量が大きく、占有空間が大きく、コストが高いだけでなく、その体積と重量が大きいため、プリンタの負荷が大きくなることを招き、近端と超近端の印刷には適していない。また、従来の押出構造の一部は、単歯フィードを採用しており、フィードが安定しておらず、フィードの安定性と正確性が劣っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の技術問題を解決するために、本発明は体積が小さく、質量が軽く、フィードが安定して正確で、且つ操作し易い3Dプリンタの押出構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決策を採用する。
3Dプリンタの押出構造であって、
ハウジング(110)と、
前記ハウジング(110)に設けられたモータ(120)と、
前記ハウジング(110)内に設けられ、且つ前記モータ(120)に接続された主動押出ギア(130)と、
前記ハウジング(110)内に回動可能に連結された調節ブラケット(140)と、
前記調節ブラケット(140)の一端に設けられ、且つ前記調節ブラケット(140)と回動可能に連結された従動押出ギア(150)と、
前記調節ブラケット(140)の他端に接続され、前記調節ブラケット(140)の前記従動押出ギア(150)が設けられた一端を前記主動押出ギア(130)に近づけて、前記従動押出ギア(150)と前記主動押出ギア(130)とが協働して押出を完了するようにする弾性部材(160)と、を備え、
ここで、前記調節ブラケット(140)の前記従動押出ギア(150)が設けられた一端は、前記ハウジング(110)の外部まで突出する。
【0005】
上記3Dプリンタの押出構造のオプションとして、前記3Dプリンタの押出構造は、前記モータ(120)に接続されるモータ歯車(170)と、前記ハウジング(110)内に回動可能に連結された歯車回転軸(180)と、前記歯車回転軸(180)に設けられ、且つ前記モータ歯車(170)と噛合する減速歯車(190)と、をさらに備え、
前記減速歯車(190)の外径は、前記モータ歯車(170)の外径よりも大きく、前記主動押出ギア(130)は、前記歯車回転軸(180)に設けられ、且つ前記減速歯車(190)と同軸に回動する。
【0006】
上記3Dプリンタの押出構造のオプションとして、前記3Dプリンタの押出構造は、前記主動押出ギア(130)及び前記従動押出ギア(150)の下方に設けられた放熱部材(200)と、
前記放熱部材(200)内に設けられ、3Dプリンタの消耗材(101)を排出させるための第1排出管(210)と、
前記第1排出管(210)の外に装着され、且つ一端が前記放熱部材(200)に接触するスロート管(220)と、
前記ハウジング(110)に設けられる第1放熱ファン(230)及び第1導風部材(240)と、をさらに備え、
前記第1導風部材(240)は、前記第1放熱ファン(230)が吹き出す風を前記放熱部材(200)に導くことができる。
【0007】
上記3Dプリンタの押出構造のオプションとして、前記3Dプリンタの押出構造は、前記放熱部材(200)の下方に設けられる加熱ブロック(250)と、前記加熱ブロック(250)の底端に設けられるノズル(260)と、前記加熱ブロック(250)に設けられて、前記加熱ブロック(250)における消耗材(101)を加熱するための加熱パイプ(270)と、をさらに備え、
前記スロート管(220)の他端は、前記加熱ブロック(250)と接触し、
前記消耗材(101)は、前記放熱部材(200)、前記加熱ブロック(250)を順次に通過した後、前記ノズル(260)から噴出する。
【0008】
上記3Dプリンタの押出構造のオプションとして、前記減速歯車(190)の外周の一部は、前記ハウジング(110)を貫通して外部へ露出している。
【0009】
上記3Dプリンタの押出構造のオプションとして、前記3Dプリンタの押出構造は、前記ハウジング(110)に設けられた第2放熱ファン(280)及び第2導風部材(290)をさらに備え、
前記第2導風部材(290)は、前記第2放熱ファン(280)からの風を前記3Dプリンタの押出構造の下方のモデルまで導く。
【0010】
上記3Dプリンタの押出構造のオプションとして、前記3Dプリンタの押出構造は、取付ネジ(141)をさらに備え、前記ハウジング(110)内には、前記取付ネジ(141)を取り付けるための位置決め構造(113)が設けられ、前記取付ネジ(141)は、前記位置決め構造(113)に設けられ、前記弾性部材(160)は、前記取付ネジ(141)を取り囲むように装着される。
【0011】
上記3Dプリンタの押出構造のオプションとして、前記調節ブラケット(140)の他端には、その回動方向に沿う第1側及び第2側を有し、前記第1側は、前記弾性部材(160)に連結され、前記ハウジング(110)内には、前記調節ブラケット(140)の位置を規制するために、前記第2側に対応する位置規制構造(142)が設けられている。
【0012】
上記3Dプリンタの押出構造のオプションとして、前記加熱ブロック(250)内には、サーミスタ(252)が設けられている。
【0013】
上記3Dプリンタの押出構造のオプションとして、前記加熱ブロック(250)の表面には、断熱部材(251)が被覆されている。
【0014】
本発明に係る3Dプリンターの押出構造は、2歯フィード方式を採用し、主動押出ギアと従動押出ギアとの協働によって消耗材の押出を実現し、安定的で且つ正確なフィードを実現することができる。従動押出ギアを取り付けるための調節ブラケットがハウジングの外部まで伸びているので、消耗材を入れる必要がある場合、ハウジングの外部から調節ブラケットを動かすことで従動押出ギアと主動押出ギアとを分離させ、消耗材を通すことができ、操作が便利である。これと同時に、本発明の3Dプリンターの押出構造は、体積が小さく、重量が軽く、押出構造の小型化と軽量化を実現でき、近端と超近端印刷に適応できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による3Dプリンタの押出構造の立体構造の概略図である。
図2】本発明による3Dプリンタの押出構造の内部構造を示す概略図である。
図3】本発明による3Dプリンタの押出構造の分解構造の概略図である。
図4】本発明による3Dプリンタの押出構造の正面構成図である。
図5図4におけるA-A線に沿った断面模式図である。
図6図2に示した構成の正面図である。
図7】本発明に係る3Dプリンタの押出構造に消耗材が投入される時の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面及び実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本明細書に記載された具体的な実施形態は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するものではない。また、説明を容易にするために、図面には本発明に関連する部分のみが図示されており、全体の構造を図示していない。
【0017】
本発明は、3Dプリンタの押出構造を提供している。図1から図6を併せて参照すると、3Dプリンタの押出構造は、ハウジング110、モータ120、主動押出ギア130、調節ブラケット140、従動押出ギア150及び弾性部材160を備える。ハウジング110は、フロントケース111とリアケース112とを含んでもよい。もちろん、必要に応じて、ハウジング110の構成部品の数を調整することもできる。例えば、ハウジング110は、互いにスプライシングされた多段のケースを含んでもよく、ここで制限しない。
【0018】
モータ120はハウジング110に設置されている。一実施形態では、モータ120は、ハウジング110の後側且つ外部に設置される。ハウジング110は、モータ120のハウジングにおける位置決め孔を介して位置決めされて、装着される。モータ120のロータはハウジング110の内部に挿通されている。主動押出ギア130は、ハウジング110内に設けられ、且つモータ120のロータに接続されて、モータ120が主動押出ギア130を駆動して回動させるようにする。主動押出ギア130とモータ120は、直接接続されてもよく、他の中間伝動構造を介して間接的に接続されてもよい。本発明では、主動押出ギア130とモータ120は、間接的に接続されている。
【0019】
調節ブラケット140は、ハウジング110内に回動可能に接続されている。図2及び図3に示すように、調節ブラケット140は、第1回動ピン131を介してハウジング110に回動可能に連結されて、調節ブラケット140が回動軸線132の周りで回動可能にする。好ましくは、第1回動ピン131の一端はフロントケース111に支持され、第1回動ピン131の他端はリアケース112に支持される。図6に示すように、従動押出ギア150は、調節ブラケット140の一端に設けられ、且つ調節ブラケット140と回動可能に連結される。従動押出ギア150は、調節ブラケット140において回動して、フィードを実現することができる。弾性部材160は、調節ブラケット140の他端に接続されており、調節ブラケット140の従動押出ギア150が設けられた一端を主動押出ギア130に近づけて消耗材101を圧縮し、従動押出ギア150と主動押出ギア130とが合わさって押出材を完了するようにできる。消耗材101は、主動押出ギア130と従動押出ギア150との間にしっかりとクランプされ、且つハブの回動に伴って外へ押し出される。本発明の3Dプリンタの押出構造は、主動押出ギア130と従動押出ギア150とを組み合わせた2歯フィード方式によって、フィードがより滑らかで正確である。
【0020】
図4及び図6に示すように、調節ブラケット140には、従動押出ギア150の一方側からハウジング110の外部に突き出して、ハウジング110の外部に位置するダイヤルレバーが形成されている。このダイヤルレバーをかき回すことによって調節ブラケット140を動かして、調節ブラケット140を回動軸線132の周りに時計方向に沿って回動させる。このように、図7に示すように、従動押出ギア150と主動押出ギア130とを分離することにより、消耗材101を従動押出ギア150と主動押出ギア130との間に挿入ことができる。調節ブラケット140をかき回す過程では、弾性部材160は圧縮される。消耗材101の挿入が完了した後、調節ブラケット140を解放する。すると、調節ブラケット140は、弾性部材160の弾性力によってリセットされ、従動押出ギア150と主動押出ギア130を再配合させて、消耗材101をクランプするようにし、フィードを開始することができる。すなわち、本発明の3Dプリンタの押出構造は、調節ブラケット140のハウジング110の外に位置する部分を動かすだけで、資材の通過操作を実現でき、便利で迅速である。これと同時に、本発明の3Dプリンターの押出構造は、体積が小さく、重量が軽く、押出構造の小型化と軽量化を実現でき、近端と超近端印刷に適応できる。
【0021】
さらに、図3及び図6に示すように、従動押出ギア150は、第2回動ピン151を介して調節ブラケット140に回動可能に連接されている。具体的には、第2回動ピン151の両端は、調節ブラケット140の前後2つの側面にそれぞれ支持される。従動押出ギア150の前後両端に第1プラスチックフランジ軸受152と第2プラスチックフランジ軸受153とを圧入した後、第2回動ピン151を従動押出ギア150に挿通させる。
【0022】
図6に示すように、本発明の3Dプリンタの押出構造は、取付ネジ141をさらに備える。ハウジング110の内部には取付ネジ141を取り付けるための位置決め構造113が設けられ、取付ネジ141は位置決め構造113に設けられる。弾性部材160は、バネを採用することができる。当該バネは、取付ネジ141を取り囲むように取り付けられ、取付ネジ141に沿ってガイドされる。図6に示すように、バネの一端は取付ネジ141に装着され、バネの他端は調節ブラケット140に当接されている。バネは、調節ブラケット140を主動押出ギア130に押し付ける。資材を通す場合、図6の矢印で示す方向に沿って調節ブラケット140を押圧するだけで、従動押出ギア150と主動押出ギア130とを分離して、消耗材101に両者の間を通させることができる。押圧中にバネが圧縮され、調節ブラケット140から手を離すと、調節ブラケット140はバネの弾性復帰力によってリセットされる。
【0023】
引き続き図6を参照すると、調節ブラケット140の弾性部材160と接続する一端は、その回動方向に沿った第1側と第2側を有し、第1側は弾性部材160に接続される。ハウジング110内の前述の第2側には、調節ブラケット140の位置を制限するために、位置規制構造142が設けられている。本実施形態では、図6に示すように、位置規制構造142はストッパ壁面であり、調節ブラケット140がバネによって主動押出ギア130への押圧力が大きすぎることによる資材の切れを防止するように、調節ブラケット140を止めて、押出の限界位置を規定している。これと同時に、バネは、調節ブラケット140に一定の押圧力を持たせ、押圧力が小さすぎることに起因して、かんながかかるのを回避する。
【0024】
図3に示すように、3Dプリンタの押出構造は、モータ歯車170、歯車回転軸180及び減速歯車190をさらに含む。モータ歯車170は、モータ120のロータに接続される。歯車回転軸180は、ハウジング110内に回動可能に接続されている。具体的には、図3に示すように、歯車回転軸180は、軸受181を介してハウジング110内に回動可能に連接されている。減速歯車190は、歯車回転軸180に設けられ、且つモータ歯車170と噛合している。減速歯車190の外径は、モータ歯車170の外径よりも大きい。これにより、直径の小さいモータ歯車170と直径の大きい減速歯車190とは噛合した後に、1段の減速を形成する。主動押出ギア130は、歯車回転軸180に設けられて減速歯車190と同軸に回動する。減速歯車190は、減速後に、歯車回転軸180を介して同軸に設けられた主動押出ギア130にトルクを伝達する。主動押出ギア130は、従動押出ギア150と協働して消耗材101を押し出す。1段の減速のみを採用することで、3Dプリンタ全体の押出構造が簡素化され、体積が小さくなり、質量が軽くなり、小型化と軽量化が実現された。これと同時に、減速レベルが少なく、1段だけで、小モータで大トルクのトルク出力を実現することができる。
【0025】
図1に示すように、減速歯車190の外周の一部がハウジング110の外部に突き出るため、ハウジング110の外部から減速歯車190を回動することができる。資材を通す際に、減速歯車190を回動させることで、消耗材101の3Dプリンタの押出構造への進入を補助する。
【0026】
図2図3及び図5に示すように、本発明に係る3Dプリンタの押出構造は、放熱部材200、第1排出管210、スロート管220、第1放熱ファン230及び第1導風部材240をさらに含む。放熱部材200は主動押出ギア130及び従動押出ギア150の下方に設けられ、且つハウジング110内に位置している。放熱部材200がハウジング110に集積され、つまり、放熱部材200が3Dプリンタの押出構造の全体に集積されている。しかし、従来技術では、放熱部材と3Dプリンタの押出構造とを分離している。本願発明は、放熱部材200を3Dプリンタの押出構造に集積する集積構造設計は、機械全体の体積を大幅に縮小した。第1排出管210は、放熱部材200内に設置され、3Dプリンタの消耗材101を排出するために使用される。排出管は、テフロン(登録商標)管を採用し、消耗材101はテフロン(登録商標)管の中から排出される。具体的には、図3及び図5に示すように、第1排出管210の上方には、第2排出管211がさらに設けられている。押出ギアの上方には、フィードパイプ212が設けられている。消耗材101は、フィードパイプ212から3Dプリンタの押出構造に入った後、押出ギアを経て押出され、その後、第2排出管211と第1排出管210を順次に通過する。スロート管220は、第1排出管210の外周に装着される。そして、スロート管220の一端は放熱部材200に接触し、スロート管220の他端は加熱ブロック250に接触して、加熱ブロック250で発生した熱を放熱部材200に伝達して、放熱を実現する。第1放熱ファン230及び第1導風部材240は、ハウジング110の外部に固定されている。具体的には、第1放熱ファン230及び第1導風部材240は、3Dプリンタの押出構造の左側又は右側に取り付けられてもよい。第1導風部材240は、第1放熱ファン230から吹き出された風を放熱部材200に導くことができる。図3に示すように、本実施形態では、第1放熱ファン230と第1導風部材240は左側に取り付けられており、第1導風部材240には第1導風口241を有している。第1導風口241は、放熱部材200の左端に位置し、第1放熱ファン230が第1導風口241から放熱部材200に放熱気流を吹き付けるようにする。図3に示すように、放熱部材200は、略溝状体である。当該溝状体には、幾つかの放熱フィンが設けられており、第1導風口241は溝状体の左端に位置し、且つ放熱気流を左から右にかけて放熱部材200に吹き通す。放熱部材200は、アルミニウムなどの放熱性能のよい金属材質を採用することが好ましい。
【0027】
図3及び図5に示すように、3Dプリンタの押出構造は、加熱ブロック250、ノズル260及び加熱パイプ270をさらに含む。加熱ブロック250は、放熱部材200の下に設置される。ノズル260は、加熱ブロック250の底端に設置される。具体的には、ノズル260を加熱ブロック250の底端に螺着することができる。これにより、ノズル260を締め付けるだけで取り付けが完了し、簡単で迅速である。消耗材101は、放熱部材200、加熱ブロック250を順に通過した後に、ノズル260から吐出される。加熱パイプ270は、加熱ブロック250内の消耗材101を加熱するために、加熱ブロック250に設けられている。加熱パイプ270は、加熱を実現するために、外部電源に接続されている。加熱パイプ270は、通電された後に発熱して、熱を加熱ブロック250に伝達し、さらに加熱ブロック250中の消耗材101を昇温させる。
【0028】
安全性能を向上させるために、図3及び図5に示すように、加熱ブロック250に人が誤って触れてやけどされることを避けるために、加熱ブロック250の外面に断熱部材251を被覆してもよい。断熱部材251は断熱材料を用いる。例えば、シリカゲルスリーブを用いてもよいし、プラスチックスリーブやゴムスリーブなどを用いてもよい。
【0029】
また、加熱ブロック250内には、加熱温度を検出するためのサーミスタ252が設けられている。これにより、加熱温度の正確な制御を実現している。
【0030】
図3図5及び図6に示すように、3Dプリンタの押出構造は、第2放熱ファン280及び第2導風部材290をさらに含む。第2放熱ファン280及び第2導風部材290は、ハウジング110に設けられている。本実施形態では、第2放熱ファン280及び第2導風部材290は、ハウジング110の後側に設けられ、且つモータ120の下方に位置する。このようにして、モータ120の下方の空間を十分に利用して、機械全体の体積を縮小することができる。第2導風部材290は、第2放熱ファン280の風を3Dプリンタの押出構造の下のモデルに導くことができる。具体的には、図3図5及び図6に示すように、下方の印刷モデルまで冷却気流を吹き付けて、印刷モデルを冷却するために、第2導風部材290の左右両側には下方に向かう第2導風口291がそれぞれ設けられている。本願発明では、特殊な放熱流路設計を採用し、体積を縮小すると同時に、全体の放熱効果を保証し、印刷効果を改善した。
【0031】
本発明の説明において、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「接続」、「連接」、「固定」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体になっていてもよいし、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよい、直接的に接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、2つの要素の内部の連通や2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、本発明における上記用語の意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0032】
本発明において、特に明確な規定及び限定がない限り、第1の要素は、第2の要素の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2の要素の直接接触を含んでもよいし、第1及び第2の要素が直接接触ではなく、それらの間の別の要素を介して接触することを含んでもよい。また、第1の要素が第2の要素の「上方」にあることは、第1の要素が第2の要素の真上と斜め上にあることを含むか、または第1の要素の水平高さが第2の要素よりも高いことのみを表す。また、第1の要素が第2の要素の「下方」にあることは、第1の要素が第2の要素の真下と斜め下にあることを含むか、または第1の要素の水平高さが第2の要素よりも低いことのみを表す。
【0033】
本実施形態の説明において、用語「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの方位または位置関係は、図面に基づいて示された方位または位置関係であり、単に説明の容易さと操作の簡略化を図るためのものであり、指した装置または要素が特定の方位を持つかまたは特定の方位で構成および操作しなければならないことを示したり暗示したりするのではなく、本発明に対する制限と理解することはできない。また、「第1」、「第2」という用語は、説明を区別するためだけに使用され、特別な意味を持っていない。
【0034】
明らかに、本発明の上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明の技術態様を明確に説明するためのものにすぎない。当業者であれば、本発明の保護範囲から逸脱することなく、種々の明らかな変更、再調整、および置き換えを行うことができる。ここでは、すべての実施形態を窮めることができないし、その必要もない。本発明の精神及び原則の範囲内で行われたいかなる修正、同等の置換及び改良などは、いずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0035】
101 消耗材
110 ハウジング
111 フロントケース
112 リアケース
113 位置決め構造
120 モータ
130 主動押出ギア
131 第1回動ピン
132 回動軸線
140 調節ブラケット
141 取付ネジ
142 位置規制構造
150 従動押出ギア
151 第2回動ピン
152 第1プラスチックフランジ軸受
153 第2プラスチックフランジ軸受
160 弾性部材
170 モータ歯車
180 歯車回転軸
181 軸受
190 減速歯車
200 加熱部材
210 第1排出管
211 第2排出管
212 フィードパイプ
220 スロート管
230 第1放熱ファン
240 第1導風部材
241 第1導風口
250 加熱ブロック
251 断熱部材
252 サーミスタ
260 ノズル
270 加熱パイプ
280 第2放熱ファン
290 第2導風部材
291 第2導風口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】