(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】物件取引を容易にするための入札管理プラットフォームに関する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20240426BHJP
G06Q 30/08 20120101ALI20240426BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q30/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572524
(86)(22)【出願日】2022-05-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022030416
(87)【国際公開番号】W WO2022246304
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523440293
【氏名又は名称】ファイナル オファー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,ジャッド
(72)【発明者】
【氏名】コールフィールド,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】クワーク,ティム
(72)【発明者】
【氏名】ファトビッチ,イェルコ ダンコ
【テーマコード(参考)】
5L030
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB73
5L050CC27
(57)【要約】
本開示は、買い手端末と売り手端末との間での物件の売買を容易にするための入札管理プラットフォームを提供する。売り手端末は、オファーに必要な売り手条件とともに不動産物件のリストを入札管理プラットフォームに提供する。入札管理プラットフォームは、物件に出されたオファーを公開する。買い手端末は、オファーを提供するために入札管理プラットフォームを介してリストにアクセスし、売り手条件をレビューし、出されたオファーをレビューし、売り手の即売価格および条件が満たされる場合、即時に物件を購入することができる。入札管理プラットフォームは、透明な方法で不動産取引を容易にし、現在のシステムでは提供されない可視性を提供するための効率的な方法およびシステムを提供する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入札管理プラットフォームを用いて物件の売買を容易にするコンピュータ実装方法であって、
前記入札管理プラットフォームに売り手端末を登録することと、
前記入札管理プラットフォームにおいて、前記売り手端末から、物件の識別細目、表示価格、および売り手条件を備える売り手情報を受信することであって、前記売り手条件の1つは選択可能オプションを備えることと、
前記入札管理プラットフォームから前記売り手端末に、前記入札管理プラットフォームが、前記表示価格と等しいかそれを上回るオファー価格および前記売り手条件の受諾を備える、前記物件を購入するためのオファーを受信する場合、前記物件の売却が必要であることを売り手端末に通知する通信を送信することと、
前記入札管理プラットフォームにおいて、前記識別細目、前記表示価格、および前記1つ以上の売り手条件を備えるリストを作成することと、
前記入札管理プラットフォームによって、前記リストをウェブサイト上に表示させることと、
前記入札管理プラットフォームにおいて、選択可能オプションにオプション値を割り当てることであって、前記オプション値は、ドル額またはオファー価格のパーセンテージを備えることと、
前記入札管理プラットフォームに買い手端末を登録することと、
前記入札管理プラットフォームにおいて前記買い手端末から、前記物件を購入するためのオファーを受信することであって、前記オファーは、前記オファー価格および前記選択可能オプションの選択を備えることと、
前記入札管理プラットフォームによって、オファーウィンドウタイマを開始することと、
前記入札管理プラットフォームによって、前記買い手端末に関連付けられた買い手の財務健全性を検証することと、
前記入札管理プラットフォームにおいて、合計オファー値を計算することであって、前記合計オファー値は、前記オファー価格と選択されたオプションのオプション値との和を備えることと、
前記入札管理プラットフォームによって、前記オファーを前記ウェブサイト上に表示させることと、
前記オファーウィンドウタイマの満了の際に、前記入札管理プラットフォームから前記売り手端末に、成立オファー、成立した合計オファー値、および前記物件が売買合意下にあるという通知を備える売却通知を送信することと、
前記物件を売買合意下のものとして識別するために前記リストを更新することと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記売り手情報は、即時購入価格および即時購入条件をさらに備え、前記リストは、前記即時購入価格と、前記即時購入条件の肯定的受諾とをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記オファー価格は、前記即時購入価格と等しいかそれを上回り、前記方法は、前記オファーウィンドウを終了させることと、前記売却通知を送信することとをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オファーを前記ウェブサイト上に表示することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記オプション値は、前記入札管理プラットフォームにおいて前記売り手端末から受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記入札管理プラットフォームにおいて、前記買い手端末に対し、前記オファー価格、売り手条件、および前記選択されたオプションを備える成立合意書を生成することと、
前記成立合意書を前記買い手端末に送信することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記入札管理プラットフォームに複数の買い手端末を登録することと、
前記入札管理プラットフォームにおいて前記複数の買い手端末のうちの1つから、前記物件を購入するための第2のオファーを受信することであって、前記第2のオファーは、第2のオファー価格および前記選択されたオプションを備えることと、
前記入札管理プラットフォームにおいて、前記第2のオファーの第2の合計オファー値を計算することであって、前記第2の合計オファー値は、前記第2のオファー価格と前記選択されたオプションの前記オプション値との和を備えることと、
前記オファーウィンドウタイマの満了の際に、最も高い合計オファー値を有するオファーを前記成立オファーに決定することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のオファーを前記ウェブサイト上に表示させることをさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
物件売買を容易にするためのシステムであって、
売り手アプリケーションを備える売り手端末であって、前記売り手アプリケーションは、表示価格を設定し売り手条件を設定するように構成され、前記売り手条件の1つは選択可能オプションを備える、売り手端末と、
各々がオファー価格を提出し前記選択可能オプションを選択するように構成された買い手アプリケーションを備える複数の買い手端末と、
ネットワークインタフェースを備え、かつ、
前記売り手端末および前記複数の買い手端末と通信し、
前記表示価格および前記売り手条件を備えるリストを作成し、
前記リストをウェブサイト上に表示させ、
前記選択可能オプションにオプション値を割り当て、
オプション価格および前記オプション値を用いて、買い手端末から受信された合計オファー値を計算し、前記受信されたオファー値は、前記オファー価格および前記選択可能オプションの選択を備え、
買い手端末から受信されたオファーを前記ウェブサイト上に表示させ、
オファーウィンドウタイマをカウントダウンし、
前記オファーウィンドウタイマが満了の際に、前記売り手アプリケーションによって実行されるように構成された売り手端末に通知を送信し、前記通知は、成立オファーが受信されたことと、前記物件が売買合意下にあることとを示す
ように構成された入札管理プラットフォームと、
を備える、システム。
【請求項10】
入札管理プラットフォームを介して複数のオファーを管理する方法であって、前記方法は、
表示価格および売り手条件を備える物件のリストをウェブサイト上に掲載するステップであって、前記売り手条件は選択可能オプションを備えるステップと、
前記入札管理プラットフォームにおいて、入札管理サーバに複数の買い手端末を登録するステップと、
前記買い手端末の財務健全性を検証するステップと、
前記買い手端末からオファーを受信するステップであって、前記オファーは、オファー価格および前記選択可能オプションの選択を備えるステップと、
前記オファー価格および選択されたオプションに基づいて合計オファー値を計算するステップと、
前記オファーを前記ウェブサイト上に掲載するステップと、
前記オファーが、前記表示価格と等しいかそれを上回るオファー価格および売り手条件の受諾を備える場合、前記買い手端末の検証が成功すると、前記売り手端末に前記オファーを提出するステップと、
前記物件が売買合意下にあることを示すために前記ウェブサイトを更新するステップと、
を備える、方法。
【請求項11】
買い手端末および売り手端末が1つ以上の規則または手続きに従うことを要求するステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記検証するプロセスは、前記買い手端末に関連付けられた買い手の信用を検証することを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記検証するプロセスは、前記買い手端末に関連付けられた買い手の資産を検証することを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
買い手端末が、入札管理プラットフォーム上のリストに関連付けられた物件の購入に参入することを可能にする方法であって、前記方法は、
前記入札管理プラットフォームによって、前記物件のリストを作成するステップであって、前記リストは、表示価格、売り手条件、即時購入価格、および即時購入条件を備え、前記表示価格、売り手条件、即時購入価格、および即時購入条件は、前記入札管理プラットフォームにおいて売り手端末から受信されるステップと、
前記入札管理プラットフォームにおいて買い手端末から、前記物件を購入するためのオファーを受信するステップであって、前記オファーは、オファー価格および前記即時購入条件の受諾を備えるステップと、
前記入札管理プラットフォームにおいて、前記オファー価格を前記即時購入価格と比較するステップと、
前記オファー価格が前記即時購入価格と等しいかそれを上回る場合、前記物件が売買合意下にあることを示す売り手通知を前記売り手端末に送信し、前記物件が売買合意下にあることを示す買い手通知を前記買い手端末に送信するステップと、
前記物件が売買合意下にあることを示すために前記リストのステータスを変更するステップと
を備える方法。
【請求項15】
前記買い手端末に関連付けられた買い手の財務健全性を検証することをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記入札管理プラットフォームにおいて、前記即時購入価格および前記即時購入条件を備える成立合意書を生成することと、
前記入札管理プラットフォームから前記買い手端末に前記成立合意書を送信することと
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
物件の売買を容易にするためのシステムであって、前記システムは、
入札管理サーバであって、そのクラウドサーバはプロセッサおよびメモリモジュールを備える、入札管理サーバと、
前記クラウドサーバを買い手端末および売り手端末に接続するためのネットワークインタフェースと、
を備える入札管理プラットフォームを備え、
前記メモリモジュールは、前記買い手端末および前記売り手端末にリストを閲覧するためのユーザインタフェースを提示するように動作可能な命令を格納し、
前記メモリモジュールは、
前記入札管理プラットフォームにおいて売り手端末から不動産のリストを受信するステップと、
複数の買い手端末から前記不動産リストを購入するための複数のオファーを受信するステップであって、各オファーは、オファー価格および選択されたオプションを備えるステップと、
前記複数のオファーのうちの第1のオファーを受信すると、オファーウィンドウタイマを開始するステップと、
前記複数のオファーの各々のオファー価格および選択された条件に基づいて合計オファー値を計算するステップと、
前記オファーウィンドウタイマの満了時に、前記複数のオファーのうちの最も高い合計オファー値を有するオファーを成立オファーに決定するステップと、
前記オファーウィンドウタイマの満了および前記成立オファーの決定の際に、前記リストのステータスを「合意下」に変更するするステップと、
を行うように動作可能なさらなる命令を格納する、システム。
【請求項18】
前記買い手端末および前記売り手端末はモバイルフォンである、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記買い手端末および前記売り手端末はコンピュータである、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記買い手端末は、モバイルフォンまたはコンピュータにインストールされたアプリケーションを備え、前記売り手端末は、モバイルフォンまたはコンピュータにインストールされたアプリケーションを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
買い手端末の財務健全性を決定するための検証サーバをさらに備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記ネットワークインタフェースは、不動産代理人に関連付けられた代理人端末とのインタフェースをさらに備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
前記メモリモジュールは、買い手端末から、リストに関連付けられた不動産を購入するための条件付きオファーを受信するためのさらなる命令を備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項24】
入札管理プラットフォームを用いて物件の売買を容易にするコンピュータ実装方法であって、
前記入札管理プラットフォームに売り手端末を登録することと、
前記売り手端末から前記入札管理プラットフォームに、物件の識別細目、表示価格、および売り手条件を備える売り手情報を送信することであって、前記売り手条件は選択可能オプションを備えることと、
前記売り手端末において、選択可能オプションにオプション値を割り当てることであって、前記オプション値は、ドル額またはオファー価格のパーセンテージを備えることと、
前記売り手端末から前記入札管理プラットフォームに、前記入札管理プラットフォームが、前記表示価格と等しいかそれを上回るオファー価格および前記売り手条件の受諾を備える、前記物件を購入するためのオファーを受信する場合、前記物件の売却が必要であることを承認する通信を送信することと、
前記売り手端末において前記入札管理プラットフォームから、前記物件を購入するためのオファーであって、前記オファーは、オファー価格および選択されたオプションを備える、オファーと、合計オファー値とを受信することであって、前記合計オファー値は、前記オファー価格と前記売り手端末によって割り当てられた選択されたオプションのオプション値との和を備えることと、
前記売り手端末において、前記入札管理プラットフォームから、成立オファーと、前記成立オファーの合計オファー値と、前記物件が売買合意下にあるという通知とを備える売却通知を受信することと、
を備える、方法。
【請求項25】
前記売り手端末において、前記リストを承認することをさらに備える、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
入札管理プラットフォームを用いて物件の売買を容易にするコンピュータ実装方法であって、
前記入札管理プラットフォームに買い手端末を登録することと、
前記買い手端末において、前記入札管理プラットフォームから、前記買い手端末のディスプレイにユーザインタフェースをポピュレートするための情報を受信することと、
前記買い手端末に、売却物件のリストを表示するように構成されたユーザインタフェースを表示することであって、前記リストは、表示価格および売り手条件を備え、前記売り手条件の1つは選択可能オプションを備えることと、
前記買い手端末において、前記物件を購入するためのオファーを作成することであって、前記オファーは、オファー価格および選択されたオプションを備えることと、
前記買い手端末から前記入札管理プラットフォームに、前記オファーを送信することと、
前記買い手端末において前記入札管理プラットフォームから、前記オファーが成立オファーであることを示す通知を受信することと、
を備える、方法。
【請求項27】
前記買い手端末から前記入札管理プラットフォームに、前記買い手端末によって提出されたオファーが前記成立オファーとみなされる場合、前記物件の購入が必要であることを承認する通知を送信することをさらに備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記買い手端末において、前記入札管理プラットフォームから、前記オファー価格、売り手条件、および前記選択されたオプションを備える成立オファー合意書を受信することをさらに備える、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記オファーは、1つ以上の売り手条件を変更する要求をさらに備える、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記買い手端末において、前記入札管理プラットフォームから、前記売り手端末が前記変更要求を受諾したという通知を受信することをさらに備える、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
入札管理プラットフォームを用いて物件の売買を容易にするコンピュータ実装方法であって、
前記入札管理プラットフォームに売り手端末を登録することと、
前記入札管理プラットフォームにおいて前記売り手端末から、物件の識別細目、表示価格、および売り手条件を備える売り手情報を受信することであって、前記売り手条件の1つは選択可能オプションを備え、任意選択的に、前記入札管理プラットフォームがオファーを受け入れる期限を備えることと、
前記入札管理プラットフォームにおいて、前記識別細目、前記表示価格、および前記売り手条件を備えるリストを作成することと、
前記入札管理プラットフォームによって、前記リストをウェブサイト上に表示させることと、
前記入札管理プラットフォームにおいて、前記選択可能オプションにオプション値を割り当てることであって、前記オプション値は、ドル額またはオファー価格のパーセンテージを備えることと、
前記入札管理プラットフォームに買い手端末を登録することと、
前記入札管理プラットフォームにおいて前記買い手端末から、前記物件を購入するためのオファーを受信することであって、前記オファーは、前記オファー価格および選択されたオプションを備えることと、
前記入札管理プラットフォームによって、前記買い手端末に関連付けられた買い手の財務健全性を検証することと、
前記入札管理プラットフォームにおいて、第1の合計オファー値を計算することであって、前記第1の合計オファー値は、前記オファー価格と前記選択されたオプションのオプション値との和を備えることと、
前記入札管理プラットフォームにおいて売り手端末から、前記オファーの受入れ、および、前記オファーを前記ウェブサイト上に表示させ、オファーウィンドウタイマを開始させる前記入札管理プラットフォームへの命令を受信することと、
前記入札管理プラットフォームによって、前記オファーを前記ウェブサイト上に表示させることと、
前記入札管理プラットフォームにおいて、第2の買い手端末から、第2のオファー価格および前記選択されたオプションを備える第2のオファーを受信することと、
前記入札管理プラットフォームにおいて、第2の合計オファー値を計算することであって、前記第2の合計オファー値は、前記第2のオファー価格と前記選択されたオプションのオプション値との和を備えることと、
前記オファーウィンドウタイマが満了の際に、前記入札管理プラットフォームから前記売り手端末に、前記第2のオファー、前記第2の合計オファー値、および前記物件が売買合意下にあるという通知を備える売却通知を送信することと、
前記物件を売買合意下のものとして識別するために前記リストを更新することと、
を備える、方法。
【請求項32】
前記入札管理プラットフォームから前記売り手端末に、前記オファーウィンドウタイマが満了の際に前記物件の売却が必要であることを売り手端末に通知する通信を送信することをさらに備える、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記入札管理プラットフォームに複数の買い手端末を登録することをさらに備える、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記入札管理プラットフォームにおいて、前記複数の買い手端末から、前記物件を購入するための複数のオファーを受信することをさらに備え、各オファーが、オファー価格および前記選択されたオプションを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記複数のオファーは、前記オファーウィンドウタイマがアクティブである間、前記入札管理プラットフォームにおいて受信される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記複数のオファーは、前記オファーウィンドウタイマがアクティブである間、前記入札管理プラットフォームにおいて受信される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記入札管理プラットフォームにおいて、前記売り手端末から、即時購入価格および即時購入条件を受信することをさらに備える、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記オファーは、有効期限をさらに備える、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物件取引に関する入札を管理するための入札管理システムおよびプラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
不動産取引は、これまで、売り手の要件に関する全情報や競合オファーに関する情報を提供しない不透明なプロセスであった。この利用可能な情報の不足により、買い手は物件売買に関する詳細の多くを推測しなくてはならないため、物件の売買が不便である。物件を購入するためのオファーを出す際、買い手は、他に提出されたオファーのオファー価格、条件、または不測事態などの詳細を知らない。したがって、買い手は、既に受信されたオファーほど高くない、または競争力のないオファーを提出する場合が多い。この不透明性により、売り手が自身の物件に対する真の市場価値を得ることが妨げられるという議論もある。したがって、当技術分野において、取引の詳細に関する透明性の高い、物件取引に関する入札を管理するための入札管理プラットフォームを提供する必要性がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、入札管理プラットフォームを介して物件の売買を容易にする方法およびシステムを提供する。入札管理プラットフォームは、買い手端末および売り手端末が不動産取引に関してインタラクトするための能力を有するオンライン不動産販売ウェブサイトを備えてよい。本出願を通して、「売り手」という用語は、物件を売却する所有者、または所有者の代わりに物件を売却する売り手の代理人、またはその両方を指す。売り手は、不動産代理人、不動産代理人群、不動産業者、または物件の所有者によって所有または操作されるモバイルデバイスを備え得る売り手端末を備えてよい。同様に、「買い手」という用語は、個人の買い手、買い手の代理人、不動産代理人群、投資主体、または物件を購入しようとする任意の主体を含む。文脈に依存して、「買い手」という用語は、買い手や買い手の代理人、または物件を購入しようとする主体によって所有または操作されるモバイルデバイスを備え得る買い手端末を指してよい。売り手端末は、売り手代理人の端末を備えてよく、また買い手端末も買い手代理人の端末を備えてよい。
【0004】
一態様において、本開示は、入札管理プラットフォームを用いて物件の売買を容易にするコンピュータ実装方法を提供する。この方法は、入札管理プラットフォームに売り手端末を登録することと、入札管理プラットフォームにおいて、売り手端末から、物件の識別細目、表示価格、および売り手条件を備える売り手情報を受信することであって、売り手条件の1つは選択可能オプションを備えることと、入札管理プラットフォームから売り手端末に、入札管理プラットフォームが、表示価格と等しいかそれを上回るオファー価格および売り手条件の受諾を備える、物件を購入するためのオファーを受信する場合、物件の売却が必要であることを売り手端末に通知する通信を送信することと、入札管理プラットフォームにおいて、識別細目、表示価格、および1つ以上の売り手条件を備えるリストを作成することと、入札管理プラットフォームによって、リストをウェブサイト上に表示させることと、入札管理プラットフォームにおいて、選択可能オプションにオプション値を割り当てることであって、オプション値は、ドル額またはオファー価格のパーセンテージを備えることと、入札管理プラットフォームに買い手端末を登録することと、入札管理プラットフォームにおいて、買い手端末から、オファー価格および選択可能オプションの肯定的選択を備える、物件を購入するためのオファーを受信することと、入札管理プラットフォームによって、オファーウィンドウタイマを開始することと、入札管理プラットフォームによって、買い手端末に関連付けられた買い手の財務健全性を検証することと、入札管理プラットフォームにおいて、合計オファー値を計算することであって、合計オファー値は、オファー価格と選択されたオプションのオプション値との和を備えることと、入札管理プラットフォームによって、オファーをウェブサイト上に表示させることと、オファーウィンドウタイマの満了の際に、入札管理プラットフォームから売り手端末に、成立オファー、成立した合計オファー値、および物件が売買合意下にあるという通知を備える売却通知を送信することと、物件を売買合意下のものとして識別するためにリストを更新することとを含む。
【0005】
方法のいくつかの実施形態において、売り手情報は、即時購入価格および即時購入条件をさらに備え、リストは、即時購入価格および即時購入条件をさらに備える。そのような実施形態において、オファー価格は、即時購入価格と等しいかそれを上回り、方法は、オファーウィンドウを終了させることと、売却通知を送信することとをさらに備える。
【0006】
いくつかの実施形態において、方法は、オファーをウェブサイト上に表示することをさらに備える。いくつかの実施形態において、オプション値は、入札管理プラットフォームにおいて売り手端末から受信される。
【0007】
さらなる実施形態において、方法は、入札管理プラットフォームから買い手端末に、オファー価格、売り手条件、および選択されたオプションを備える成立合意書を送信することも備える。いくつかの実施形態において、売り手端末の1つ以上は、締切日、住宅ローン不測事態、住宅診断不測事態、マンション組合デューデリジェンス、管理組合デューデリジェンス、入居者居住、および住宅販売不測事態から成る群から選択される。
【0008】
追加の実施形態において、方法は、入札管理プラットフォームに複数の買い手端末を登録することと、入札管理プラットフォームにおいて、複数の買い手端末のうちの1つから、第2のオファー価格および選択されたオプションを備える、物件を購入するための第2のオファーを受信することと、入札管理プラットフォームにおいて、第2のオファーの第2の合計オファー値を計算することであって、第2の合計オファー値は、第2のオファー価格と選択されたオプションのオプション値との和を備えることと、オファーウィンドウタイマの満了の際に、最も高い合計オファー値を有するオファーを成立オファーに決定することとをさらに備える。特定の実施形態において、方法は、第2のオファーをウェブサイト上に表示させることを備える。
【0009】
本開示の別の態様は、物件売買を容易にするためのシステムに向けられる。このシステムは、売り手アプリケーションを備える売り手端末を備え、売り手アプリケーションは、表示価格を設定し売り手条件を設定するように構成され、売り手条件の1つは選択可能オプションを備える。またシステムは、買い手アプリケーションを備える複数の買い手端末を備え、各買い手アプリケーションは、オファー価格を提出し、選択可能オプションを選択するように構成される。またシステムは、ネットワークインタフェースを備え、売り手端末および複数の買い手端末と通信し、表示価格および売り手条件を備えるリストを作成し、リストをウェブサイト上に表示させ、選択可能オプションにオプション値を割り当て、オプション価格およびオプション値を用いて、買い手端末から受信された、オファー価格および選択可能オプションの選択を備えるオファーの合計オファー値を計算し、買い手端末から受信されたオファーをウェブサイト上に表示させ、オファーウィンドウタイマをカウントダウンし、オファーウィンドウタイマの満了の際に、売り手アプリケーションによって実行されるように構成された売り手端末に、成立オファーが受信されたことと、物件が売買合意下にあることとを示す通知を送信するように構成された入札管理プラットフォームも備える。
【0010】
本開示のさらなる態様は、入札管理プラットフォームを介して複数のオファーを管理する方法に向けられる。この方法は、表示価格および売り手条件を備える物件のリストをウェブサイト上に掲載するステップであって、売り手条件は選択可能オプションを備えるステップと、入札管理プラットフォームにおいて、入札管理サーバに複数の買い手端末を登録するステップと、買い手端末の財務健全性を検証するステップと、買い手端末から、オファー価格および選択可能オプションの選択を備えるオファーを受信するステップと、オファー価格および選択されたオプションに基づいて合計オファー値を計算するステップと、オファーをウェブサイト上に掲載するステップと、オファーが、表示価格と等しいかそれを上回るオファー価格および売り手条件の受諾を備える場合、買い手端末の検証が成功すると、売り手端末にオファーを提出するステップと、物件が売買合意下にあることを示すためにウェブサイトを更新するステップとを備える。
【0011】
いくつかの実施形態において、方法は、買い手端末および売り手端末が1つ以上の規則または手続きに従うことを要求するステップも備える。いくつかの実施形態において、検証するプロセスは、買い手端末に関連付けられた買い手の信用を検証することを備える。いくつかの実施形態において、検証するプロセスは、買い手端末に関連付けられた買い手の資産を検証することを備える。いくつかの実施形態において、方法は、買い手端末に関連付けられた買い手の信用を検証することと、買い手端末に関連付けられた買い手の資産を検証することとを備える。
【0012】
本開示のまた別の態様は、買い手端末が、入札管理プラットフォーム上のリストに関連付けられた物件の購入に参入することを可能にする方法を提供する。この方法は、入札管理プラットフォームによって、表示価格、売り手条件、即時購入価格、および即時購入条件を備える物件のリストを作成することであって、表示価格、売り手条件、即時購入価格、および即時購入条件は、入札管理プラットフォームにおいて売り手端末から受信されることと、入札管理プラットフォームにおいて、買い手端末から、オファー価格および即時購入条件の受諾を備える、物件を購入するためのオファーを受信することと、入札管理プラットフォームにおいて、オファー価格と即時購入価格とを比較することと、オファー価格が即時購入価格と等しいかそれを上回る場合、物件が売買合意下にあることを示す売り手通知を売り手端末に送信し、物件が売買合意下にあることを示す買い手通知を買い手端末に送信することと、物件が売買合意下にあることを示すためにリストのステータスを変更することとを備える。いくつかの実施形態において、方法は、買い手端末に関連付けられた買い手の財務健全性を検証することも備える。
【0013】
いくつかの実施形態において、方法は、入札管理プラットフォームにおいて、即時購入価格および即時購入条件を備える成立合意書を生成することと、入札管理プラットフォームから買い手端末に成立合意書を送信することとも備える。
【0014】
本開示の別の態様は、物件の売買を容易にするためのシステムに向けられる。このシステムは、プロセッサおよびメモリモジュールを備えるクラウドサーバである入札管理サーバと、クラウドサーバを買い手端末および売り手端末に接続するためのネットワークインタフェースとを備える入札管理プラットフォームを備え、メモリモジュールは、買い手端末および売り手端末にリストを閲覧するためのユーザインタフェースを提示するように動作可能な命令を格納し、メモリモジュールは、入札管理プラットフォームにおいて売り手端末から不動産のリストを受信するステップと、各々がオファー価格および選択されたオプションを備える、不動産リストを購入するための複数の買い手端末からの複数のオファーを受信するステップと、複数のオファーのうちの第1のオファーを受信すると、オファーウィンドウタイマを開始するステップと、複数のオファーの各々のオファー価格および選択された条件に基づいて合計オファー値を計算するステップと、オファーウィンドウタイマの満了時に、複数のオファーのうちの最も高い合計オファー値を有するオファーを成立オファーに決定するステップと、オファーウィンドウタイマの満了および成立オファーの決定の際に、リストのステータスを「合意下」に変更するステップとを行うように動作可能なさらなる命令を格納する。
【0015】
いくつかの実施形態において、買い手端末および売り手端末はモバイルフォンである。いくつかの実施形態において、買い手端末および売り手端末はコンピュータである。いくつかの実施形態において、買い手端末および売り手端末の一方はモバイルフォンであり、他方はコンピュータである。
【0016】
いくつかの実施形態において、買い手端末は、モバイルフォンまたはコンピュータにインストールされたアプリケーションを備え、売り手端末は、モバイルフォンまたはコンピュータにインストールされたアプリケーションを備える。
【0017】
このシステムの特定の実施形態において、システムは、買い手端末の財務健全性を決定するための検証サーバも備える。さらなる実施形態において、ネットワークインタフェースは、不動産代理人に関連付けられた代理人端末とのインタフェースをさらに備える。いくつかの実施形態において、メモリモジュールは、買い手端末から、リストに関連付けられた不動産を購入するための条件付きオファーを受信するためのさらなる命令を備える。
【0018】
本開示のさらなる態様は、入札管理プラットフォームを用いて物件の売買を容易にするコンピュータ実装方法に向けられる。この方法は、入札管理プラットフォームに売り手端末を登録することと、売り手端末から入札管理プラットフォームに、物件の識別細目、表示価格、および売り手条件を備える売り手情報を送信することであって、売り手条件は選択可能オプションを備えることと、売り手端末において、選択可能オプションにオプション値を割り当てることであって、オプション値は、ドル額またはオファー価格のパーセンテージを備えることと、売り手端末から入札管理プラットフォームに、入札管理プラットフォームが、表示価格と等しいかそれを上回るオファー価格および売り手条件の受諾を備える、物件を購入するためのオファーを受信する場合、物件の売却が必要であることを承認する通信を送信することと、売り手端末において、入札管理プラットフォームから、オファー価格および選択されたオプションを備える物件を購入するためのオファーと、合計オファー値とを受信することであって、合計オファー値は、オファー価格と売り手端末によって割り当てられた選択されたオプションのオプション値との和を備えることと、売り手端末において、入札管理プラットフォームから、成立オファーと、成立オファーの合計オファー値と、物件が売買合意下にあるという通知とを備える売却通知を受信することとを含む。いくつかの実施形態において、方法は、売り手端末において、リストを承認することも含む。
【0019】
態様において、本開示は、入札管理プラットフォームを用いて物件の売買を容易にするコンピュータ実装方法を提供する。この方法は、入札管理プラットフォームに買い手端末を登録することと、買い手端末において、入札管理プラットフォームから、買い手端末のディスプレイにユーザインタフェースをポピュレートするための情報を受信することと、買い手端末に、売却物件のリストを表示するように構成されたユーザインタフェースを表示することであって、リストは、表示価格および売り手条件を備え、売り手条件の1つは選択可能オプションを備えることと、買い手端末において、オファー価格および選択されたオプションを備える、物件を購入するためのオファーを作成することと、買い手端末から入札管理プラットフォームにオファーを送信することと、買い手端末において、入札管理プラットフォームから、オファーが成立オファーであることを示す通知を受信することとを備える。
【0020】
いくつかの実施形態において、オファーは、1つ以上の売り手条件を変更する要求をさらに備える。さらなる実施形態において、方法は、買い手端末において、入札管理プラットフォームから、売り手端末が変更要求を受諾したという通知を受信することも備える。
【0021】
いくつかの実施形態において、方法は、買い手端末から入札管理プラットフォームに、買い手端末によって提出されたオファーが成立オファーとみなされる場合、物件の購入が必要であることを承認する通知を送信することも備える。いくつかの実施形態において、方法は、買い手端末において、入札管理プラットフォームから、オファー価格、売り手条件、および選択された売り手条件を備える成立オファー合意書を受信することも備える。
【0022】
別の態様において、本開示は、入札管理プラットフォームを用いて物件の売買を容易にするコンピュータ実装方法を提供する。この方法は、入札管理プラットフォームに売り手端末を登録することと、入札管理プラットフォームにおいて、売り手端末から、物件の識別細目、表示価格、および売り手条件を備える売り手情報を受信することであって、売り手条件の1つは選択可能オプションを備え、任意選択的に、入札管理プラットフォームがオファーを受け入れる期限を備えることと、入札管理プラットフォームにおいて、識別細目、表示価格、および売り手条件を備えるリストを作成することと、入札管理プラットフォームによって、リストをウェブサイト上に表示させることと、入札管理プラットフォームにおいて、選択可能オプションにオプション値を割り当てることであって、オプション値は、ドル額またはオファー価格のパーセンテージを備えることと、入札管理プラットフォームに買い手端末を登録することと、入札管理プラットフォームにおいて、買い手端末から、オファー価格および選択されたオプションを備える、物件を購入するためのオファーを受信することと、入札管理プラットフォームによって、買い手端末に関連付けられた買い手の財務健全性を検証することと、入札管理プラットフォームにおいて、第1の合計オファー値を計算することであって、第1の合計オファー値は、オファー価格と選択されたオプションのオプション値との和を備えることと、入札管理プラットフォームにおいて、売り手端末から、第1の成立オファーをウェブサイト上に表示させ、オファーウィンドウタイマを開始させる入札管理プラットフォームへの命令を受信することと、入札管理プラットフォームにおいて、第2の買い手端末から、第2のオファー価格および選択されたオプションを備える第2のオファーを受信することと、入札管理プラットフォームにおいて、第2の合計オファー値を計算することであって、第2の合計オファー値は、第2のオファー価格と選択されたオプションのオプション値との和を備えることと、オファーウィンドウタイマの満了の際に、入札管理プラットフォームから売り手端末に、第2のオファー、第2の合計オファー値、および物件が売買合意下にあるという通知を備える売却通知を送信することと、物件を売買合意下のものとして識別するためにリストを更新することとを備える。
【0023】
いくつかの実施形態において、方法は、入札管理プラットフォームから売り手端末に、オファーウィンドウタイマの満了の際に物件の売却が必要であることを売り手端末に通知する通信を送信することをさらに備える。いくつかの実施形態において、方法は、入札管理プラットフォームに複数の買い手端末を登録することも備える。いくつかの実施形態において、方法は、入札管理プラットフォームにおいて、複数の買い手端末から、物件を購入するための複数のオファーを受信することをさらに備え、各オファーは、オファー価格および選択されたオプションを備える。いくつかの実施形態において、複数のオファーは、オファーウィンドウタイマがアクティブである間、入札管理プラットフォームにおいて受信される。いくつかの実施形態において、方法は、入札管理プラットフォームにおいて、売り手端末から、即時購入価格および即時購入条件を受信することも備える。いくつかの実施形態において、オファーは、有効期限をさらに備え、有効期限は、日付、時間、またはそれらの組み合わせであってよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、売り手は、入札管理プラットフォームがオファーを受け入れる期限を提出しており、方法は、期限の経過後、入札管理プラットフォームから売り手端末に、第1の成立オファーが決定されたという通知を送信することをさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】売り手端末を含む入札管理プラットフォームの全体システムを示すブロック図である。
【
図2】買い手端末を含む入札管理プラットフォームの全体システムを示すブロック図である。
【
図5】入札管理プラットフォームを介するオファープロセスを示すブロック図である。
【
図6】入札管理プラットフォームを介する即時購入プロセスを示すブロック図である。
【
図7】入札管理プラットフォームを介する条件付きオファープロセスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、不動産を含む物件の売買を容易にするための方法およびシステムを提供する。本開示を通して、「一」または「一つ」という語は、文脈が例外的に示さない限り、1つ以上を意味する。1つの態様において、本開示は、入札管理プラットフォームを用いて不動産の売買を透明な方法で容易にするための方法を提供する。この方法において、売り手端末は、ネットワークインタフェースを介して入札管理プラットフォームに登録する。売り手端末は、モバイルフォンまたはコンピュータを備えてよい。入札管理プラットフォームは、売り手端末から、売却物件の識別細目、(本明細書において「最低オファー価格」とも称される)表示価格、および売り手が選択した(本明細書において「売り手条件」とも称される)1つ以上の売却条件を備える情報を受信する。売り手条件は、期日(たとえば締切までの時間、売買契約の締結までの時間)、手付け金額、不測事態(たとえば住宅診断不測事態、住宅ローン不測事態、買い手物件の売却不測事態)、マンション組合デューデリジェンスまたは管理組合デューデリジェンス、入居者居住、または売り手が定めることができる他の条件を備えてよい。たとえば、売り手は、所有物(たとえば車、美術品、家具)、家電製品、テレビ、および個人が住居や所有地に保管し得る他の物品などの他の条件を売り手条件として含むことができる。いくつかの実施形態において、売り手端末は、各条件に関して複数の選択可能オプションを定義する。たとえば、売り手端末は、買い手が、30日、60日、90日、または他の日数の選択可能オプションから締切までの時間を選択することを可能にし得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、売り手端末は、1つ以上の売り手条件に利用可能な1つ以上の選択可能オプションに値を割り当てる。売り手端末は、締切までの時間の条件に利用可能な1つ以上のオプションに正または負のドル値を割り当てることができる。たとえば、売り手が締切までの時間として30日を所望する場合、売り手端末は、30日に$10,000値を割り当て、60日に-$10,000値を割り当てる。売り手端末の値は、売り手の状況に依存して変化し得る。いくつかの実施形態において、売り手端末は、買い手のオファー価格の正または負のパーセンテージとして値を割り当て得る。いくつかの実施形態において、売り手端末は、オファー総額計算において特定のオプションが大きな重みを持つように選択可能オプションに重み値を割り当て得る。たとえば、売り手が住宅診断の免除よりも住宅ローン不測事態の免除を重んじる場合、売り手は、たとえば住宅ローン不測事態の免除が他の選択可能オプションの倍数とみなされるように重みを割り当てることができる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、1つ以上の売り手条件に利用可能な選択可能オプションに値を割り当て、または提案する。
【0028】
いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、売り手端末から「即時購入」価格も受信する。即時購入価格は、買い手によってオファーされる場合、その物件を直ちに売却合意下におく価格である。即時購入価格とともに、売り手端末は、即時購入条件も設定することができる。即時購入条件は、売り手条件と異なっても同じであってもよい。いくつかの実施形態において、即時購入条件は、選択可能オプションを備えていない。いくつかの実施形態において、即時購入条件は、選択可能オプションを備えるが、売り手端末は、選択可能オプションに値を割り当てない。いくつかの実施形態において、即時購入条件は、売り手が最も高い値を割り当てた選択可能オプションを備える。いくつかの実施形態において、即時購入条件は、売り手条件とは異なる。
【0029】
いくつかの実施形態において、売り手端末が売り手情報を送信する際、いくつかの実施形態において、買い手が、表示価格と等しいかそれを上回るオファーを出し、売り手条件を受諾する場合、売り手端末は、物件の所有者が物件の売却が必要であることに同意する承認書も送信する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、買い手が表示価格と等しいかそれを上回るオファーを出し、売り手条件を受諾する場合、売り手に物件を売却する契約上の義務を負わせる売り手合意書を売り手端末に送信する。そのような実施形態において、入札管理プラットフォームは、リスト内の物件の所有者によって署名された売り手合意書を入札管理プラットフォームが受信するまで、ウェブサイト上でリストを公開しない。本開示のこの特徴は、従来と異なる。現在、所有者は、自身の売却物件を自ら、または不動産代理人を介して掲載してよい。しかし、所有者は、たとえ自身の表示価格と合致するかそれを上回り、かつ自身の条件を受諾するオファーを受けるとしても、その物件を売却する義務はない。状況によっては、所有者は、物件が市場においてどの程度で売れる可能性があるかを知ろうとして、売却物件を掲載している。これと対照的に、いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、オファーが表示価格と合致するかそれを上回り、かつ売り手条件を受諾する場合、またはオファーが即時購入価格を含み、かつ即時購入条件を受諾する場合、売り手が物件を売却する義務を負うことを要求する。
【0030】
入札管理プラットフォームは、表示価格、売り手条件を備えるリストを作成し、リストをウェブサイト上に表示させる。いくつかの実施形態において、リストは、即時購入価格および即時購入条件も備える。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、ウェブサイトを運営する。他の実施形態において、第三者がウェブサイトを運営する。
【0031】
入札管理プラットフォームは、ネットワークインタフェースを介して1つ以上の買い手端末を登録する。入札管理プラットフォームは、ネットワークインタフェースを介して買い手端末からのオファーを受信するように構成される。買い手端末から受信されたオファーは、オファー価格と、オプションを有する任意の売り手条件について選択されたオプションとを備える。入札管理プラットフォームは、オファー価格と、選択されたオプションに割り当てられた値とを足すことによって、合計オファー値を計算する。この計算により、売り手は、オファー価格を見るだけではなく、オファーを評価および比較することが可能である。売り手端末によって売り手条件に割り当てられた値も計算に入れられる。その結果、合計オファー値の結果は、売り手にとって重要な売り手条件の値を反映する。いくつかの実施形態において、複数の買い手端末から複数のオファーが受信される場合、入札管理プラットフォームは、合計オファー値に基づいてオファーを並び替える。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、オファーをウェブサイト上に表示し、またはオファーをウェブサイト上に表示させる。いくつかの実施形態において、オファーは最初、売り手端末のみに表示される。いくつかの実施形態において、売り手端末は、入札管理プラットフォームに、受信されたオファーをウェブサイト上で公開するように指示してよい。いくつかの実施形態において、売り手端末は、入札管理サーバに、受信されたオファーの数をウェブサイトに掲載するように指示してよい。物件の購入希望者は、(i)売り手がオファーを受け取ったか、または売り手が複数のオファーを受け取ったかを知らない場合があり、(ii)提出された他の任意のオファーのオファー価格または条件を知らないので、本開示のこの特徴は従来と異なる。
【0032】
いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、買い手端末がオファーを提出可能になる前に、買い手端末に関連付けられた買い手の財務健全性を検証する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、オファーが提出された後、買い手端末に関連付けられた買い手の財務健全性を検証する。
【0033】
いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、オファーウィンドウタイマを作動させる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームにおいて、表示価格と合致するかそれを上回り、かつ売り手条件を受諾する第1のオファーを受信した後、入札管理プラットフォームは、オファーを受け入れられなくなる時間までのタイマのカウントダウンを開始する。第1のオファーの受信から時間切れまでの時間は、「オファーウィンドウ」と称される。オファーウィンドウは、売り手端末によって設定された期間であってよく、または入札管理プラットフォームによって設定され得る。いくつかの実施形態において、オファーウィンドウは、1~90日、1~60日、または1~30日の範囲である。いくつかの実施形態において、オファーウィンドウは、数週間または数時間である。オファーウィンドウの期限切れの際に、入札管理プラットフォームは、現在最も高い合計値のオファーを売り手に通知し、そのリストを合意下に変更する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、成立オファーからの条件を用いて契約書をポピュレートし、売り手端末および買い手端末に契約書を送信する。そのような実施形態において、入札管理プラットフォームがリストを掲載する前に売り手と入札管理プラットフォームとの間で締結された合意書、および入札管理プラットフォームが買い手端末からのオファーを受け入れる前に買い手および入札管理プラットフォームによって締結された合意書は、成立オファー合意書の締結を備える。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、締結のために買い手端末に契約書を送信する。いくつかの実施形態において、この時点で、売り手端末に関連付けられた売り手は、契約条件を受け入れるように拘束される。いくつかの実施形態において、オファー価格が即時購入価格と合致するかそれを上回り、かつ即時購入条件を受諾する場合、オファーウィンドウは直ちに終了する。
【0034】
本開示は、物件の販売、たとえば不動産販売のための入札管理プラットフォームを提供するための方法およびシステムの様々な実施形態を提供する。
図1は、売り手端末104を含む入札管理プラットフォーム100の全体システムを示すブロック図である。売り手は、売り手端末104を用いてユーザアカウントを作成し、入札管理プラットフォーム102に物件を掲載する。売り手端末104は、ユーザインタフェースを備える。典型的には、入札管理プラットフォーム102上のリストは、物件が所在する州で認可された不動産代理人(「代理人」)によって、または物件を「所有者による販売」または「FSBO」リストとして掲載する所有者によって掲載される。代理人は、ネットワークインタフェース106を介して入札管理プラットフォーム102に登録し、入札管理プラットフォーム102を使用する前に検証されたライセンスおよび仲介情報を有する。いくつかの実施形態において、所有者は、「所有者による販売」または「FSBO」リストとして物件を掲載し、プラットフォーム102は、ネットワークインタフェース106を介して、売りに出されている物件を所有者が所有していることを検証する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、物件の所有権を確認するために、オンライン登記簿および証書データベースまたは他の公開データベースにアクセスする。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、物件の所有権を確認するために第三者と通信する。
【0035】
売り手端末は、住宅を掲載する前に、入札管理プラットフォーム102およびネットワークインタフェース106を介して不動産代理人に接続してよい。代理人は、住宅の保存、検索の保存、および売り手の代理としての見学のスケジューリングを含むがこれらに限定されない、売り手端末のための非掲載関連サービスを行ってよい。所有者または代理人を使用する所有者のいずれかである売り手は、売り手端末104を介して掲載プロセスを開始してよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォーム102上でリストを作成するために、売り手端末104は、自身に替わってドラフトリストを作成する要求を代理人に送信する。この要求は、物件の住所、一名または複数名の売り手に関する完全に法的な連絡先情報、または他の任意の識別情報を含むがこれらに限定されない、不動産リストを作成するために必要または役立つ任意の情報を含むべきである。ドラフトリストが完成すると、代理人は、レビューおよび承認のためにそれを売り手に送信してよい。あるいは、代理人は、売り手の代わりにドラフトリストを直接作成し、レビューおよび承認のためにドラフトリストを売り手に送信してよい。いくつかの実施形態において、売り手がドラフトリストをレビューおよび承認すると、売り手および選択された代理人は、掲載物件へのオファーを受け入れる排他的方法として入札管理プラットフォームを使用することを明示する合意書に署名する。いくつかの実施形態において、代理人またはFSBOリストのいずれかを介してリストを作成することによって、売り手は、入札管理プラットフォームによって、表示価格と合致するかそれを上回り、売り手条件を受諾するオファーが受信される場合、物件の売却が必要であることに同意する。
【0037】
いくつかの実施形態において、売り手と入札管理プラットフォームとの間の合意書、または売り手、売り手の代理人、および入札管理プラットフォームの間の合意書は、ネットワークインタフェース106を介して入札管理プラットフォーム102から売り手端末のユーザインタフェースを介して提示される。売り手が代理人を使用する場合、売り手は、合意書が締結されると入札管理プラットフォーム102上のリストを排他的に管理する権限を代理人に与えてよい。いくつかの実施形態において、売り手端末104は、入札管理プラットフォーム102上のリスト、および売り手端末に関連付けられた販売関連情報を提示するためのインタフェースであるホームダッシュボードへの読取専用アクセスを有する。
【0038】
図2は、買い手端末204を含む入札管理プラットフォームの全体システムを示すブロック図である。買い手端末204は、ユーザインタフェースを備え、ネットワークインタフェース206を用いて入札管理プラットフォーム202上のリストにアクセスする。リストは、物件に関する情報を含み、表示価格および売り手条件を備える。リストは、即時購入価格および即時購入条件をさらに備える。またリストは、オファーウィンドウ期間も備えてよい。さらに、リストは、物件の概要説明、位置、物件特徴、アップロードされた媒体(たとえば写真、ビデオ、間取り図、3Dツアー)、アップロードされた文書(たとえば売り手の開示)、質問および回答、および公開情報源からの引用情報を備えてよい。またリストは、物件状態の陳述書、鉛系塗料の開示、浄化システムの開示、煙探知器および一酸化炭素の適合確認、住宅検査の消費者ファクトシート、または他の任意の開示も備えてよい。いくつかの実施形態において、リストは、入札管理プラットフォーム202に現在掲載されている物件のみを参照する。入札管理プラットフォーム202は、いくつかの実施形態において、
図1に示す入札管理プラットフォーム102と同じデバイスを備えてよい。
【0039】
買い手端末204は、ネットワークインタフェース206を介してリストにアクセスしてよい。買い手端末204は、ネットワークインタフェース206を介して入札管理プラットフォーム202にオファーを提出することによってリストに応答してよい。オファーは、オファー価格と、選択可能オプションを備える条件の選択とを備える。
【0040】
いくつかの実施形態において、オファーの合計値を評価するために、売り手端末104は、売り手がオプションを許可する売り手条件の達成に利用可能な選択可能オプションの各々に正の値または負の値を割り当てる。正または負の値は、ドル額、表示価格のパーセンテージ、オファー価格のパーセンテージ、またはそれらの組み合わせであってよい。買い手端末204が、提出されたオファーの一部として選択されたオプションを入札管理プラットフォームに送信すると、入札管理プラットフォームは、売り手端末によって割り当てられた値に基づいてオプションの値を計算する。入札管理プラットフォームは、オファー価格と、選択されたオプションの計算値とを足すことによって、買い手端末から受信されたオファーの合計オファー値を計算する。
【0041】
いくつかの実施形態において、売り手および売り手の代理人が変動レート手数料に同意した場合、代理人は、1)共同仲介取引におけるパーセント手数料、および2)直接取引におけるパーセント手数料を提供してよく、あるいは、2種類の取引間でのパーセンテージの正味差を提供してよい。いくつかの実施形態において、「買い手表示」条件は、変動レート手数料を有するリストに追加される。いくつかの実施形態において、買い手端末がオファーを提出すると、買い手端末は、買い手表示条件の選択をオファーに含める。いくつかの実施形態において、この条件に付加される値は、手数料の正味差に等しいパーセンテージである。いくつかの実施形態において、代理人を使用せずオファーを行う買い手は、買い手端末204を介して、この条件を受諾することが可能であり、入札管理プラットフォームは、オファー価格と変動レート手数料パーセンテージとを乗算された値に等しい正の値を割り当てる。
【0042】
いくつかの実施形態において、リストは、買い手端末204がネットワークインタフェース206を介してウェブサイトにアクセスすることが可能な即時購入価格および即時購入条件を含む。
【0043】
売り手端末は、即時公開のために提出された、または入札管理プラットフォームによるレビューまで特定の日時に公開するためにスケジュールされたリストの情報を提出してよい。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームの管理者は、リストをレビューし、承認し、公開するか、あるいは質問がある場合は売り手の代理人に連絡する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、管理者の介助なしでリストをレビューし、リストを承認および公開する。レビューが成功すると、入札管理プラットフォームは、リストをウェブサイト上に表示し、またはリストをウェブサイト上に表示させる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、リストの公開前にリストをレビューおよび/または承認しない。
【0044】
図3および
図4は、それぞれ売り手端末および買い手端末を示すブロック図である。売り手端末および買い手端末は、入札管理プラットフォームを介する不動産取引を容易にするために動作する。買い手端末および売り手端末は、処理モジュール(それぞれ302および402)、ネットワークインタフェース(それぞれ306および406)、メモリモジュール(それぞれ304および404)、およびユーザインタフェース(不図示)を備える。いくつかの実施形態において、売り手端末のメモリモジュールは、価格情報、売り手条件、売りに出された物件への販売およびオファーに関する売り手からの条件、またはそれらの組み合わせを備える。買い手端末は、モバイルフォンまたはコンピュータであってよい。買い手端末は、モバイルフォンまたはコンピュータにインストールされたアプリケーションも備えてよい。売り手端末は、モバイルフォンまたはコンピュータであってよい。売り手端末は、モバイルフォンまたはコンピュータにインストールされたアプリケーションも備えてよい。システムのいくつかの実施形態において、買い手端末および売り手端末の一方がモバイルフォンであり、他方がコンピュータである。
【0045】
売り手端末104から入札管理プラットフォーム102に提出されると、リストは、売り手の代理人または売り手によって管理され得る。オファーウィンドウが開いている場合、いくつかの実施形態において、売り手端末はリストに特定の変更を行うことができない。
【0046】
ホームダッシュボードを介して住宅見学イベントを作成することができ、住宅見学イベントに関する詳細は、売り手パラメータモジュール304に格納される。利用可能な住宅見学の種類は、対面、仮想、または対面/仮想を含むがこれらに限定されない様々なオプションを含んでよい。売り手およびその代理人は、オファーウィンドウが開始する前に入札管理プラットフォームからリストを削除してよい。リストがアクティブオファーウィンドウ内にある場合、入札管理プラットフォームとの署名済み合意書の条件により、売り手およびその代理人はリストを削除することができない。売り手およびその代理人が、アクティブオファーウィンドウ中、または成立オファーが決定された後に入札管理プラットフォームからリストを削除したいと望む場合、直ちに入札管理プラットフォームに削除要求を送信しなければならず、入札管理プラットフォームの売り手合意書において同意されたとおりの罰則を受ける場合がある。また、入札管理プラットフォームは、アクティブオファーウィンドウ中のリストの削除またはオファー成立の決定後のリストの削除に対して、入札管理プラットフォームへのアクセスを制限または停止する権利を留保する。
【0047】
図5は、入札管理プラットフォームを介するオファープロセスを示すブロック図である。方法500は、入札管理プラットフォームによってウェブサイト上にリストを掲載することで開始する。方法500は、買い手の財務健全性の検証で開始してもよく、買い手端末に関連付けられた買い手は、買い手の財務健全性が確認されるまで、入札管理プラットフォーム上のリストへのオファーを提出できない。いくつかの実施形態において、この財務健全性検証ステップは、方法500の別の時点で発生してもよい。いくつかの実施形態において、買い手端末204は、入札管理プラットフォーム上のリストを閲覧するためにユーザアカウントを必要としない。いくつかの実施形態において、住宅を保存し、検索を保存し、見学をスケジュールし、リアルタイム価格情報へのアクセスを得るために、基本ユーザアカウントが作成され得る。いくつかの実施形態において、基本ユーザアカウントは、電子メールアドレスおよびパスワードのみ、またはログインするためのソーシャルメディアプロフィールの使用を含む。
【0048】
買い手端末204は、オファーを行う前に、入札管理プラットフォーム102または202において不動産代理人と接続してよい。接続された代理人は、買い手の代わりに、住宅の保存、検索の保存、ツアーのスケジューリングを含むがこれらに限定されない非オファー関連サービスを行ってよい。代理人は、入札管理プラットフォーム上で買い手と接続する前に、入札管理プラットフォームに登録し、検証されたライセンスおよび仲介情報を有する必要がある。
【0049】
買い手およびその代理人は、住宅見学をスケジュールし、入札管理プラットフォームを介してスケジュールされた住宅見学に参加するとフィードバックを提供することができる。買い手およびその代理人は、ウェブサイト上のリストの「売り手Q&A」セクションから直接、物件に関して売り手およびその代理人に質問することができる。質問は、売り手の回答および/または入札管理プラットフォームまたは入札管理プラットフォームの管理者による承認まで、リスト上で公開される。入札管理プラットフォームは、入札管理プラットフォームで売り手端末からの回答および/または承認が受信された後、売り手の回答および/または承認を掲載する。
【0050】
ステップ502において、入札管理プラットフォームにおいて買い手端末204からのオファーが受信される。ステップ502の後、方法500のこの実施形態では、ステップ503において、買い手の財務健全性が検証される。いくつかの実施形態において、財務健全性の検証は、ステップ500において入札管理プラットフォームが買い手端末からのオファーを受け入れる前に行われる。入札管理プラットフォームは、買い手端末に関連付けられた買い手の財務健全性を評価することができる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、買い手端末に関連付けられた買い手からの特定の情報を要求する。入札管理プラットフォームは、買い手端末が入札管理プラットフォーム上で買い手プロフィールを作成することを要求してよい。買い手プロフィールは、買い手端末に関連付けられた買い手の法的連絡先情報を備える。入札管理プラットフォームは、法的連絡先情報を用いて合意書を生成する。買い手プロフィールは、たとえば社会保障番号や納税者番号などの追加の識別情報を備えてもよく、銀行口座情報および資産情報をさらに備えてよい。買い手プロフィールは、その後、購買力の承認を得るために使用される。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、買い手の財務健全性が確認された後、買い手プロフィールの購買力を設定する。購買力は、買い手端末が提出可能なオファー上限を備える。いくつかの実施形態において、購買力は、入金額または終了までの時間に対する制限を備える。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、特定の物件へのオファーを出すために買い手端末を登録する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、入札管理プラットフォーム上で買い手の購買力を決定または評価するために検証プロセスを実行する。入札管理プラットフォームは、この買い手の検証を、購入資金を調達している買い手または全額現金でのオファーを出している買い手について実行する。検証プロセスは、入札管理プラットフォームによって受信されたオファーが、物件を購入する余裕がある買い手からのものであることを保証する。買い手は、自身の選ぶ任意の貸し手から融資を得ることができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、信用調査の実行、銀行口座残高のチェック、納税申告書のレビュー、所有資産の評価、またはそれらのいくつかの組み合わせによって、買い手の財務健全性を評価する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、買い手の財務健全性を評価するために第三者と通信する。503における財務健全性のチェックを介して承認されると、入札管理プラットフォームは、特定の期間、たとえば30日、60日、90日、または120日、または数週間、または数か月にわたり、買い手の購買力を有効にする。購買力期間が満了した後、買い手プロフィールは期限切れとなり、あるいは入札管理プラットフォームは、入札管理プラットフォームが買い手端末からのオファーを受け入れる前に、更新された財務健全性検証を提出するように買い手に要求する。いくつかの実施形態において、期限切れの買い手プロフィールは、別の財務健全性チェックを実行することによって更新され得る。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、財務健全性チェックの結果に基づいて、買い手が出し得る最高オファー価格を決定する。
【0052】
入札管理プラットフォームは、収入の財務分析、資産チェック、金融機関からの銀行情報レターの受納、またはクレジット履歴チェックを含む適切な財務評価によって、買い手端末に関連付けられた買い手の財務健全性を検証する。さらに、いくつかの実施形態において、買い手は、買い手端末に関連付けられた買い手が入札管理プラットフォームにオファーを出すことが可能であることを論証するために、貸し手または他の金融機関からの事前承認の申請書を提出する。買い手端末によって出されたオファーが成立オファーであることが決定される場合、買い手は、融資が必要であれば、自身が選択した貸し手からの融資を得ることができる。
【0053】
いくつかの実施形態において、買い手は、入札管理プラットフォームを介して融資のための事前承認プロセスを請け負う。そのような実施形態において、買い手は、入札管理プラットフォームが第三者の貸し手と共有し得る、氏名、住所、電子メールおよび電話を含む連絡先情報を提供する。入札管理プラットフォームは、買い手の財務健全性または信用度を評価するために必要な追加情報を要求してよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、買い手、および該当する場合、代理人は、所与の物件に第1のオファーを出す前に、オファーを出すための登録をする。登録は、多数の方法で行われ得る。たとえば、買い手は、アクティブな買い手プロフィールを選択することができる。買い手は、自分に代わってオファーを出すために代理人に権限を与えることができる。入札管理プラットフォームは、入札管理プラットフォームの第三者支払いプロセッサにクレジットカード情報を提供するように買い手に要求してよい。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、買い手が(i)成立オファーの決定後、所定の期間内に成立オファーの手付け金の支払いを開始し損ねる場合、または(ii)所定の期間内に成立オファーの手付け金の支払いを開始するが、入札管理プラットフォームによって設定された期間内に買い手の資金が入札管理プラットフォームまたは指定された売り手の銀行に受領されない場合のみ、クレジットカードに請求する。(i)または(ii)の場合、入札管理プラットフォームは、買い手のクレジットカードに手数料を請求してよい。買い手、および該当する場合は買い手の代理人は、自身のオファーが成立オファーとなる場合に買い手が物件を購入することを約束する入札管理プラットフォーム買い手合意書に同意する必要がある。
【0055】
買い手は、特定の物件に対して買い手の代わりにオファーを出す権限を不動産代理人に与えてよく、または自身でオファーを出すことを選択してもよい。代理人は、物件が所在する州でライセンスを得る必要があり、入札管理プラットフォームを用いて物件へのオファーを出す前に、ライセンスおよび仲介情報が検証されるように入札管理プラットフォームに登録する必要がある。買い手の代わりにオファーを出す権限を代理人に与えることにより、買い手は、物件へのオファーを出すための制御権を代理人に譲渡し、その特定の物件に対して自身でオファーを出すことはできない。いくつかの実施形態において、買い手端末に関連付けられた買い手の識別または買い手端末に関連付けられた買い手プロフィール内の識別情報は、オファーを出す場合のプライバシーおよび匿名性のためにマスクされる。
【0056】
オファーウィンドウは、買い手端末が入札管理プラットフォームに物件へのオファーを提出することが可能な期間の長さである。いくつかの実施形態において、オファーウィンドウは、入札管理プラットフォームが、表示価格と合致するかそれを上回り、かつ売り手条件を受諾するオファーを受信すると、開始する。いくつかの実施形態において、オファーウィンドウは、従来のオークションと同様に特定の日時に開始するのではなく、表示価格と合致するかそれを上回り、かつ売り手条件を受諾する第1のオファーが入札管理プラットフォームによって受信されると開始する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームが、オファーを選択する売り手端末からの通知を受信すると開始する。いくつかの実施形態において、物件のリストを作成する際、または物件のリストを作成するための情報を提出する際、売り手端末は、オファーウィンドウを設定する。オファーウィンドウは、たとえば数日、数週間、数時間、または数か月など、様々な期間であってよい。いくつかの実施形態において、オファーウィンドウは、1~30日、1~60日、または1~90日持続する。他の実施形態において、オファーウィンドウは、1週間、2週間、または3週間持続する。入札管理プラットフォームは、オファーウィンドウに関する最大時間を設定することができる。オファーウィンドウは、入札管理プラットフォームが第1のオファーを受信してからその時間が経過すると終了する。いくつかの実施形態において、オファーウィンドウは、即時購入オファーが出されると終了する。いくつかの実施形態において、オファーウィンドウの終了前の所定の時間内、たとえば15分、30分、60分、またはそれ以上の時間内に、より高いオファーが出されるとき、入札管理プラットフォームは、たとえば15分、30分、60分、またはそれ以上の時間などの時間増分だけオファーウィンドウを延長する。いくつかの実施形態において、オファーウィンドウの終了前の所定の時間内、たとえば15分、30分、60分、またはそれ以上の時間内に、より高いオファーが出されるとき、入札管理プラットフォームは、たとえば15分、30分、または60分など、所定のカウントダウンポイントにオファーウィンドウタイマをリセットする。
【0057】
上述されているように、いくつかの実施形態において、オファーウィンドウは、入札管理プラットフォームが、表示価格と合致するかそれを上回り、かつ売り手条件を受諾する買い手端末からのオファーを受信するまで開始しない。この第1のオファーが出されると、入札管理プラットフォームは、オファーウィンドウタイマのカウントダウンを開始する。いくつかの実施形態において、1)タイマが満了するか、または2)買い手端末が即時購入オファーを入札管理プラットフォームに提出するとき、オファーウィンドウは閉じ、入札管理プラットフォームは追加のオファーを受け入れない。いくつかの実施形態において、タイマが満了し、買い手端末から提出されたオファーが表示価格と合致するかそれを上回るとき、入札管理プラットフォームは、ステップ504において成立オファーを決定し、ステップ506において終了する前に、ステップ505において、ウェブサイト上で物件のステータスを「合意下」に変更する。
【0058】
買い手端末は、アクティブオファーウィンドウ前またはアクティブオファーウィンドウ中に入札管理プラットフォームに掲載物件へのオファーを提出することができる。オファーウィンドウの開始前、買い手は、オファーを提出する際に選択するオプションを有する。第1に、買い手端末は、表示価格と合致するかそれを上回り、かつ買い手条件を受諾するオファーを提出することができる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、このオファーを受信するとオファーウィンドウタイマを開始させる。第2に、買い手端末は、後述する条件付きオファー要求を提出することができる。第3に、買い手端末は、即時購入価格と等しいかそれを上回り、かつ即時購入条件を受諾するオファー価格を備えるオファーを提出することができる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームが、即時購入価格と合致するかそれを上回り、かつ即時購入条件を受諾する買い手端末からのオファーを受信すると、入札管理プラットフォームは、オファーウィンドウタイマを終了させ、このオファーを成立オファーとして決定し、物件が合意下にあることを示す。第4に、買い手端末は、即時購入価格と等しいかそれを上回るオファー価格を備え、かつ即時購入条件の変更を求める条件付き即時購入要求を提出することができる。第5に、特定の実施形態において、買い手端末は、任意のオファー価格および任意の条件を備えるオファーを提出することができ、入札管理プラットフォームはそれを受け入れる。
【0059】
アクティブオファーウィンドウ中、買い手は、オファーを提出する際に選択する複数のオプションを有する。第1に、買い手端末は、現在のオファーよりも高いオファーを提出することができる。入札管理プラットフォームは、物件に関する現在の最高オファーまたは物件に出された全てのオファーのいずれかを表示し、または表示させるので、買い手は、現在の最高オファーを認識している。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームまたは売り手端末は、合計オファー値が、現在の最高オファーよりも規定パーセンテージ分高い、または規定金額分高いことを要求する。いくつかの実施形態において、オファーの金額は、表示価格よりも高くなければならない。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、買い手端末から受信された全てのオファーをウェブサイト上に表示する。あるいは、買い手端末は、即時購入価格と合致するかそれを上回り、かつ即時購入条件を受諾するオファー価格を備える即時購入オファーを提出することができる。いくつかの実施形態において、買い手は、オファーウィンドウが期限切れになる前の任意の時間に即時購入オファーを出すことができる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、即時購入価格と合致するかそれを上回り、かつ即時購入条件を受諾する買い手端末からのオファーを受信すると、オファーウィンドウタイマを終了させ、このオファーを成立オファー合意として決定し、物件が合意下にあることを示す。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、即時購入価格と合致するかそれを上回るオファー価格と、即時購入条件への変更の提案または要求とを備える条件付き即時購入オファーを受信する。そのような実施形態において、入札管理プラットフォームは、入札管理プラットフォームがオファーウィンドウタイマを終了させ、このオファーを成立オファー合意として決定し、物件が合意下にあることを示す前に、売り手端末からの条件付き即時購入オファーの受入れを要求することができる。
【0060】
ステップ502において入札管理プラットフォームにオファーを送信するために、買い手端末は、オファー価格の金額と、選択可能オプションを有する売り手条件の各々に関するオプションの選択とを備えるオファーを提出する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、選択可能オプションを有さない売り手条件を肯定的に受諾および/または承認することをオファーに要求する。いくつかの実施形態において、買い手は、オファー概要をレビューし、オファーを出すことを肯定的に承認する。買い手が代理人を使用するいくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、入札管理プラットフォームによってオファーが受け入れられる前に、代理人によって準備されたオファーを買い手がレビューおよび承認することを求める。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、提出されたオファーを受信すると直ちに、買い手端末に電子メール、テキストメッセージ、またはアプリ内通知を送信するか、または送信させる。
【0061】
上述されているように、売り手条件に関するオプションは、売り手によって条件に割り当てられた正または負の値を有してよい。買い手は、オファーの一部として同意するオプションを選択し、これらの値の合計が「条件値」と呼ばれる。「合計オファー値」は、オファーの金額と条件値とを足すことによって計算される。合計オファー値は、売り手がオファーウィンドウ中にオファーを正確に評価および比較することを可能にする。いくつかの実施形態において、より高いオファーを出した後、入札管理プラットフォームは、現在の最高オファーを判断する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、ウェブサイト上のリストのオファー履歴において現在の最高オファーを公開する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、ウェブサイト上のリストのオファー履歴において、過去に提出された全てのオファーを公開する。
【0062】
いくつかの実施形態において、即時購入価格は、売り手が、オファーウィンドウを終了させ、追加のオファーの受入れを停止し、即時購入価格および即時購入条件に基づいて物件を売買契約下におくために買い手から受け入れることを約束した金額である。買い手端末は、アクティブオファーウィンドウ前またはアクティブオファーウィンドウ中に即時購入オファーを提出することができる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームが即時購入オファーを受信すると、入札管理プラットフォームは、タイマがアクティブである場合、オファーウィンドウタイマを直ちに終了させる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームがアクティブオファーウィンドウ前に即時購入オファーを受信する場合、入札管理プラットフォームは、オファーウィンドウタイマの開始を防止する。いくつかの実施形態において、即時購入オファーの受信後、入札管理プラットフォームは、即時購入オファーを成立オファーとみなし、それをリストのオファー履歴に表示する。いくつかの実施形態において、売り手端末は、アクティブオファーウィンドウ前またはアクティブオファーウィンドウ中に即時購入価格および/または即時購入条件を変更することができる。いくつかの実施形態において、売り手端末は、アクティブオファーウィンドウ中に即時購入価格および/または即時購入条件を追加する。特定の実施形態において、売り手端末は、オファーウィンドウが期限切れとなり、成立オファーが決定された後、即時購入価格および即時購入条件を追加する。
【0063】
いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、オファーウィンドウタイマが開始する前にまたはオファーウィンドウタイマが満了する前に買い手端末によって提出された場合、即時購入オファーを成立オファーとして決定する。入札管理プラットフォームによって即時購入オファーが受信されていない他の実施形態において、入札管理プラットフォームは、最低表示価格と合致するかそれを上回り、売り手条件を受諾し、オファーウィンドウの期限切れ時に最も高い合計オファー値を有するオファーを成立オファーと決定する。
【0064】
いくつかの実施形態において、買い手端末が成立オファーを提出したと決定され、ステップ505において物件が合意下におかれると、入札管理プラットフォームは、売り手端末、買い手端末、またはその両方からの手数料を要求してよい。いくつかの実施形態において、手数料は、不動産取引の完了時または完了前に入札管理プラットフォームに支払われる。いくつかの実施形態において、買い手、売り手、売り手の代理人、買い手の代理人、または第三者が手数料を支払う。いくつかの実施形態において、手数料は、成立オファーの金額のパーセンテージに等しい額、提出される最終オファーに対する規定料金、定額料金、申込み料金、能率料金、ワンタイムアクセス料金、広告料金、パートナープログラム料金、入札管理プラットフォームが第三者サービスに統合されている場合のアプリケーションプログラミングインタフェース(「API」)料金、および/またはパートナー/プロバイダ料金であってよい。
【0065】
図6は、買い手端末が入札管理プラットフォームに最終オファーを提出する際に行われるステップを示すフロー図である。
図5で説明された方法500とは対照的に、方法600は、物件を直ちに売買合意下におく即時購入が物件に対して提出されることが可能である。
【0066】
方法600は、ステップ601で開始し、ステップ602において、入札管理プラットフォームは買い手からのオファーを受信する。ステップ603において、オファー内のオファー価格は、売り手端末によって提出された即時購入(603の「BIN」)と比較される。ステップ604において、オファー価格が即時購入価格の金額と等しいかそれを上回り、かつ即時購入条件を受諾する場合、605において、そのオファーが成立オファーとみなされ、物件ステータスは、入札管理プラットフォーム内で「合意下」に変更される。方法はステップ606で終了する。
【0067】
いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、成立オファーの条件を備える成立オファー合意書を生成する。入札管理プラットフォームは、入札管理プラットフォームが物件のステータスを合意下に変更する方法500のステップ505または方法600のステップ605における成立オファーの時点で、またはその直後、成立オファー合意書を生成する。いくつかの実施形態において、成立オファーは、成立した買い手がオファー価格および受諾された条件で物件を購入することを約束する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、リストの作成中に売り手によって同意されたように、売り手によって自動的に受諾される成立オファー合意書を作成する。買い手は、買い手のオファーが買い手を法的に拘束するものであることを理解し、承認するが、適用可能な州法がそのようなオファーを法的拘束力のあるものとみなさない場合は例外である。よって、物件購入のオファーが成立オファーとみなされる場合、買い手は、物件を購入することを約束する。
【0068】
成立オファー合意書は、識別された条件で物件を売却するという売り手の約束を証明する文書を成立オファー合意書に添付すると、売り手によって受諾されたとみなされるものである。いくつかの実施形態において、買い手は、入札管理プラットフォームサービスでの物件の掲載時に売り手によって締結された入札管理プラットフォーム売り手合意書が、成立オファー合意書上で識別された条件で物件を売却するという売り手の約束の証拠となることを明確に承認する。売り手およびその代理人はさらに、そのようなオファーが売り手を法的に拘束するものであることを理解し承認するが、適用可能な州法がそのようなオファーを法的拘束力のあるものとみなさない場合は例外である。よって、物件購入のオファーが成立オファーとみなされる場合、売り手は、物件の売却を進めることを約束している。そのような受諾の際に、成立オファー合意書は、法的拘束力のある合意書となる。
【0069】
入札管理プラットフォームが成立オファーを決定した後、成立した買い手は、成立オファー手付け金を払うための特定の時間を有する。この時間は様々であってよく、売り手または入札管理プラットフォームによって設定され得る。この時間は、たとえば24~28時間、1~5営業日、または成立オファー手付け金を払うために入札管理プラットフォームおよび/または売り手によって設定された他の何らかの期間であってよい。成立オファー手付け金は、成立オファーの金額または成立オファーの金額の特定のパーセンテージとして計算される。成立オファー手付け金は、売り手パラメータモジュール304に格納された任意の適用可能条件を前提として、条件付き証書受託者によって保持される。いくつかの実施形態において、売り手端末は、リストを作成する際またはリストを作成するための情報を提出する際、必要な成立手付け金額を設定する。
【0070】
入札管理プラットフォームは、買い手が特定の時間内に成立オファー手付け金の支払いを開始し損ねる場合、売り手は、成立オファー合意下で履行する義務を負わないことを承認するように買い手端末に要求してよい。
【0071】
売り手が成立オファー合意下での履行を拒否する場合、売り手は、成立オファーの金額の1%または他の何らかの所定金額であってよい手数料を買い手に返済する義務があり得る。売り手が買い手に物件を売却しないことを売り手が買い手に通知し、そのような通知が、成立オファー合意書が受諾され、買い手が設定時間内に成立オファー手付け金の入金に応じ、十分な資金を提示した後の任意の時点で売り手によってなされる場合、売り手は、成立オファー合意下での履行を拒否するとみなされる。
【0072】
売り手が成立条件に応じることを拒否する場合、入札管理プラットフォームは、今後売り手が入札管理プラットフォームにアクセスすることを禁止してよい。
【0073】
別の態様において、本開示は、条件付きオファーに関する方法およびシステムを提供する。条件付きオファーは、リストの最低オファー価格または売り手条件、またはその両方を変更するための買い手端末から入札管理プラットフォームへの要求である。売り手は、要求を受諾または拒否することができる。受諾される場合、売り手端末は、要求された変更を反映するようにリストを更新する。いくつかの実施形態において、これらの更新は、条件付きオファー要求を行った買い手端末のみに閲覧可能であり、その後、買い手端末は、更新された条件に従うオファーを提出することができる。買い手端末は、更新された条件を用いるオファーまたはそれを上回るオファーを入札管理プラットフォームに提出する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、アクティブオファーウィンドウ前にのみ条件付きオファーを受け入れる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、アクティブオファーウィンドウ中または別の時間に条件付きオファーを受け入れる。
【0074】
条件付きオファー要求は、1)買い手端末が提案するオファー価格の金額、および/または2)もしあれば、買い手端末が変更を提案する売り手条件を備える。金額は、表示価格と等しいか、それを下回り、または上回ってよい。
【0075】
売り手端末は、条件付きオファー要求を受諾または拒否することができる。受諾される場合、売り手端末は、変更を反映するようにリストを編集する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォーム管理者モジュールは、リストが買い手端末に送信される前に編集されたリストをレビューしてよい。レビューされると、いくつかの実施形態において、編集されたリストは、条件付きオファー要求を提出した買い手端末のみに可視であることになる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、編集されたリストをレビューせず、編集されたリストを買い手端末に送信する。売り手端末が条件付きオファーを拒否する場合、入札管理プラットフォームは、買い手端末に拒否通知を送信する。
【0076】
買い手端末は、更新された条件を含むオファーを提出する。オファーの金額は、条件付きオファー要求に含まれた金額以上でなければならない。買い手端末が条件付きオファーの提出に成功した後、入札管理プラットフォームは、オファーウィンドウタイマを開始し、オファーおよび更新されたリストを公開する。
【0077】
図7は、ステップ701において入札管理プラットフォームを介して買い手端末によって開始された条件付きオファープロセス700をより詳細に示すブロック図である。ステップ702において、買い手端末は、入札管理プラットフォームに条件付きオファーを提出する。703において入札管理プラットフォームがステップ売り手端末から条件付きオファーの受諾を受信する場合、入札管理プラットフォームはリストを更新する。いくつかの実施形態において、買い手端末のみが更新されたリストを閲覧し、更新されたリストに反映されている以前要求された条件に合致するオファーを提出することができるように、入札管理プラットフォームは、最初にリストを更新する。他の実施形態において、入札管理プラットフォームが売り手端末から条件付きオファーの受諾の通知を受信すると、入札管理プラットフォームは、ウェブサイト上のリストを更新し、オファー詳細を掲載する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、オファーウィンドウタイマも開始する。オファーが成立オファーとなる場合、ステップ705において、入札管理プラットフォームは直ちに物件を合意下におき、ステップ706において方法は終了する。オファー価格が成立オファーとならない場合、方法700はステップ706において終了する。
【0078】
いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、アクティブオファーウィンドウ前またはアクティブオファーウィンドウ中に条件付きオファーを受け入れる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、アクティブオファーウィンドウ中に条件付きオファーを受け入れない。
【0079】
本開示は、条件付き即時購入オファーも提供する。売り手端末は、条件付き即時購入オファーを受信することを選択し得る。あるいは、入札管理プラットフォームは、条件付き即時購入オファーを受け入れることがデフォルトであってよい。条件付き即時購入オファーは、即時購入価格と合致するかそれを上回るオファー価格を備え、即時購入条件の1つ以上を変更する要求または提案を備える。売り手端末は、条件付き即時購入オファーを拒否し、または受け入れることができる。売り手端末が条件付き即時購入オファーを拒否する場合、物件のリストは変更されないままである。売り手端末が条件付き即時購入オファーを受け入れる場合、入札管理プラットフォームは、(オファーウィンドウがアクティブである場合)アクティブオファーウィンドウを終了させ、物件が合意下にあることを反映するためにリストを更新し、売り手端末および買い手端末に、条件付き即時購入オファーが受け入れられ、物件が合意下にあることを示す通知を送信する。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、即時購入オファー価格および受諾された更新後の即時購入条件を備える成立合意書を生成する。
【0080】
別の態様において、本開示は、売り手に対する高い柔軟性を可能にする方法およびシステムを提供する。この態様のいくつかの実施形態において、売り手端末は、表示価格および売り手条件を提供するが、オファーが表示価格と合致するかそれを上回り、かつ売り手条件を受諾する場合、住宅を売却する必要はない。いくつかの実施形態において、売り手端末は、初期リスト情報を提供する際に即時購入価格および即時購入条件も提供する。入札管理プラットフォームは、表示価格および売り手条件を備えるリストをウェブサイト上に掲載する。いくつかの実施形態において、売り手端末は、リストの掲載後に即時購入価格および即時購入条件をリストに追加する。この態様のいくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、オファーが表示価格と合致する、またはそれを上回るか、および/または売り手条件を受諾するかにかかわらず、買い手端末からの全てのオファーを受け入れる。これらの実施形態によっては、売り手端末は、オファーに期限を設定することができる。期限が過ぎると、入札管理プラットフォームは、さらなるオファーを受け入れない。期限の前または後、売り手端末は、オファーの1つを受け入れることができ、あるいは、入札管理プラットフォームに、全てのオファーをウェブサイト上に掲載し、オファーウィンドウタイマを開始するように指示することができる。特定の実施形態において、売り手端末は、オファーの期限を設定する必要がなく、常時オファーを受け入れることができる。
【0081】
いくつかの実施形態において、売り手端末は、オファーの1つを受け入れ、入札管理プラットフォームに、受け入れられたオファーまたは受信された全てのオファーをウェブサイト上に掲載し、オファーウィンドウタイマを開始させるように指示することができる。いくつかの実施形態において、入札管理プラットフォームは、オファーウィンドウタイマが開始したという通知を、登録された全ての買い手端末またはこのリストに登録された買い手端末に送信する。オファーウィンドウタイマの終了時、入札管理プラットフォームによって他のオファーが全く受信されない場合、入札管理プラットフォームは、売り手端末が受け入れたオファーを成立オファーに決定し、売り手端末およびオファーを提出した買い手端末に通知を送信する。いくつかの実施形態において、売り手端末がオファーを受け入れたために、買い手端末は、受け入れられたオファーがオファーウィンドウの満了時に成立オファーとなる場合にも物件の購入が必要である。
【0082】
アクティブオファーウィンドウ中に追加のオファーが受信される場合、入札管理プラットフォームは、各オファーについて合計オファー値を計算する。入札管理プラットフォームは、各受信されたオファーと過去に受け入れられたオファーとの合計オファー値を比較し、最も高い合計オファー値を有するオファーを成立オファーに決定する。いくつかの実施形態において、アクティブオファーウィンドウ中、入札管理プラットフォームは、オファーの合計オファー値が、売り手端末が受け入れたオファーの合計オファー値を上回らない限り、または、オファー価格が過去に受け入れられたオファー価格を上回らない限り、買い手端末からのオファーを受け入れない。
【0083】
いくつかの実施形態において、売り手端末は、入札管理プラットフォームに、アクティブオファーウィンドウ中に即時購入価格および即時購入条件を追加するように指示する。いくつかの実施形態において、売り手端末は、入札管理プラットフォームに、即時購入価格を引き上げ、即時購入条件を変更し、および/または即時購入価格および即時購入条件を削除するように指示することができる。
【国際調査報告】