(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】円形のモジュール式差し込み可能コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/631 20060101AFI20240426BHJP
H01R 13/514 20060101ALI20240426BHJP
H01R 13/518 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
H01R13/631
H01R13/514
H01R13/518
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572839
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 EP2022063357
(87)【国際公開番号】W WO2022248291
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522027323
【氏名又は名称】レモ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バルベー・ジャン-フィリップ
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA08
5E021FA10
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB10
5E021FC25
5E021FC31
5E021HA07
5E021HA10
5E021HC11
5E087EE11
5E087FF04
5E087FF07
5E087LL35
5E087RR36
(57)【要約】
コネクタシステムであって、実質的に円形のケーシング(4)と、ケーシング内に装着された端子ユニット(6)と、を含む第1の差し込み可能電気コネクタ(2)であって、端子ユニットは、モジュール受容キャビティ(37)が内部に形成されたハウジング(8)と、積み重ねた構造でモジュール受容キャビティ(37)内に挿入可能に受容された複数の端子モジュール(10)と、を含み、各端子モジュールは、複数の接点(18)を含む、第1の差し込み可能電気コネクタと、第1のコネクタに対し差し込み可能に接続可能および分離可能である、嵌合する第2のコネクタ(2’)であって、嵌合する第2のコネクタは、実質的に円形のケーシング(4’)と、ケーシング内に装着された端子ユニット(6’)と、を含み、端子ユニット(6’)は、ハウジング(8’)と、前記ハウジング(8’)内に、積み重ねた構造で装着された複数の端子モジュール(10’)と、を含み、各端子モジュールは、複数の接点を含み、これらは、前記第1のコネクタの対応する前記複数の接点(18)に差し込み可能に接続するためのものである、嵌合する第2のコネクタと、を含む、コネクタシステム。第1のコネクタの端子ユニットハウジング(8)は、第2のコネクタの端子ユニットハウジング(8’)上の相補的な角度位置決め部材(5’)と嵌合する角度位置決め部材(5)を含み、角度位置決め部材(5’)および嵌合する角度位置決め部材(5)は、差し込み接続中にスライド挿入を可能にし、嵌合する第1および第2のコネクタの端子ユニット(6、6’)を、それらが互いに差し込まれる際に整列させるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタシステムであって、
実質的に円形のケーシング(4)と、前記ケーシング内に装着された端子ユニット(6)と、を含む第1の差し込み可能電気コネクタ(2)であって、前記端子ユニットは、モジュール受容キャビティ(37)が内部に形成されたハウジング(8)と、積み重ねた構造で前記モジュール受容キャビティ(37)内に挿入可能に受容された複数の端子モジュール(10)と、を含み、各端子モジュールは、複数の接点(18)を含む、第1の差し込み可能電気コネクタと、
前記第1のコネクタに対し差し込み可能に接続可能および分離可能である、嵌合する第2のコネクタ(2’)であって、前記嵌合する第2のコネクタは、実質的に円形のケーシング(4’)と、前記ケーシング内に装着された端子ユニット(6’)と、を含み、前記端子ユニット(6’)は、ハウジング(8’)と、前記ハウジング(8’)内に、積み重ねた構造で装着された複数の端子モジュール(10’)と、を含み、各端子モジュールは、複数の接点を含み、これらは、前記第1のコネクタの対応する前記複数の接点(18)に差し込み可能に接続するためのものである、嵌合する第2のコネクタと、
を含み、
前記ケーシングは、それぞれの前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの前記ケーシングを互いに対して角度的に整列させるように構成された角度整列部材(7、7’)を含み、
前記第1のコネクタの前記端子ユニットハウジング(8)は、前記第2のコネクタの前記端子ユニットハウジング(8’)上の相補的な角度位置決め部材(5’)と嵌合する角度位置決め部材(5)を含み、前記角度位置決め部材(5’)および嵌合する前記角度位置決め部材(5)は、差し込み接続中にスライド挿入を可能にし、嵌合する前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの前記端子ユニット(6、6’)を、それらが互いに差し込まれる際に整列させるように構成され、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの少なくとも一方の前記端子ユニット(6、6’)は、前記ケーシング(4、4’)に対してわずかな角度の遊びを備え、前記ケーシングに対する前記端子ユニットの0.5°~3°の範囲の角度回転を可能にすることを特徴とする、コネクタシステム。
【請求項2】
前記角度位置決め部材(5)は、レセプタクルを含み、前記相補的な角度位置決め部材は、前記レセプタクル内に挿入可能なタブを含む、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項3】
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの各々は、一対の角度位置決め部材を含み、前記一対の各々は、前記端子モジュールハウジングの両側に配置されている、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項4】
前記角度位置決め部材は、前記端子ユニットハウジングと一体的に形成されている、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項5】
前記端子ユニットと前記ケーシングとの間の前記角度の遊びは、0.5°~2°の範囲である、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項6】
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタのうちの一方のみの前記端子ユニットは、前記ケーシングに対して前記わずかな角度の遊びを備え、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタのうちの他方の前記端子ユニットは、角度の遊びなしに前記ケーシングに固定されている、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項7】
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタのうちの少なくとも一方の前記端子ハウジング(8、8’)内の前記端子モジュール(10、10’)の各々は、0.05mm~0.2mmの範囲のわずかな量の遊びを備え、嵌合する前記端子モジュールの各々が、互いに自己整列して嵌合力を低減することができる、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項8】
各端子モジュールと前記端子ハウジングとの間の前記遊びは0.08mm~0.15mmの範囲である、請求項7に記載のコネクタシステム。
【請求項9】
前記端子ハウジング(8、8’)内の少なくとも1つの端子モジュール(10、10’)は、高さHを有し、少なくとも第2の端子モジュールは、前記高さHの整数倍を有する、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項10】
少なくとも前記第1のコネクタの前記ケーシングは、ケーブルグリップスリーブ(51)と、前記ケーブルグリップスリーブの軸方向変位を引き起こすように構成された、前記ケーブルグリップスリーブの外側ねじ山付き部分(56)に係合するケーブルグリップ締め付けナット(57)と、を含み、前記ケーブルグリップスリーブは、端部に鋸歯状の縁(53)を有する一体的に形成された複数のグリップアーム(52)を含み、前記グリップアームは、各グリップアームがその他のグリップアームから独立して弾性的に曲がることができるようにスロット(55)によって分離されている、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項11】
6つのグリップアームおよび対応するスロットがある、請求項10に記載のコネクタシステム。
【請求項12】
前記ケーシングは、前記端子ハウジング(6)の後端部の周囲に装着された一対の内側シェル(32)を含み、前記ケーブルグリップ締め付けナットは、前記内側シェルの端部に当接する、請求項10に記載のコネクタシステム。
【請求項13】
各グリップアームの外周面は、前記内側シェルの内側表面上の円錐形のケーブルグリップカム面(49)に係合するカムヘッド部分(54)を備える、請求項12に記載のコネクタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円形のプッシュプル型モジュール式差し込み可能電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ケーシングのプッシュプル型ラッチ構造を有する円形の高密度差し込み可能電気コネクタが、WO2019/219847号公報に記載されている。この公報では、第2の嵌合するコネクタに差し込み可能に接続可能で、プッシュプル型機構を介して共にラッチ結合される第1のコネクタを有するモジュール式電気コネクタシステムを提供することが知られている。第1および第2のコネクタの各々は、典型的には金属またはプラスチックで作られた、外側ケーシングを有し、複数の端子モジュールを積み重ねて挿入可能に装着するためのスロットを有する端子ユニットが、その中に装着されている。各端子モジュールは、複数の電気接点を有する。端子モジュールは、特に、第1のコネクタのレセプタクル接点に挿入される回路基板を、嵌合するコネクタ上に含む。各端子モジュールは、端子ユニットハウジング内に案内されるが、製造公差により、わずかな量の遊びがあったり、逆に、端子ユニット内の各端子モジュールの正確な角度位置を設定する締まりばめがあったりする場合がある。端子ユニットもケーシング内に装着され、ケーシングに対して位置付けられるが、ここでも製造公差により、ケーシング内の端子ユニットの角度位置にわずかなばらつきが生じることがある。第1および第2の嵌合するコネクタのケーシングは、第1のコネクタと第2のコネクタとの間の主な整列および回転位置付けならびに機械的結合を提供する。しかしながら、接点の高い密度と、一方では端子ユニットとケーシングとの間で、他方では端子ユニット内の端子モジュール間でわずかに変化する可能性のあるわずかな角度と、を考慮すると、全体として、第1および第2のコネクタのケーシングが差し込み可能に互いに結合されるとき、第1のコネクタの端子は、その積み重ねの種々のモジュール間に差異がある可能性をさらに考慮すると、嵌合するコネクタの端子と十分な精度で係合しない可能性がある。このため、差し込み接続中に、差し込み力が非常に大きくなり、接点が損傷する可能性がある。
【0003】
前述の公報に記載されたモジュールおよび差し込み可能コネクタのさらに考えられる欠点は、第1のコネクタ内の端子へのケーブルの接続に関するものである。通常、ケーブルはケーシング内にクランプされるが、従来のケーブルクランプはケーブルのわずかな動きを許容しており、このことは、接点数が多いため、ケーブルのリード線と端子モジュールの接触パッドとの間の溶接またははんだ接続部におけるわずかな動きにつながる可能性がある。そのため、ケーブルをケーシングにより確実に固定する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した点から、本発明の目的は、高密度接点構造を含む様々な接点構造に対応可能でありながら、特にプッシュプル型ケーシング構成について、低い嵌合力で信頼性の高い抜き差しが可能である、モジュール差し込み可能コネクタ(modules pluggable connector)を提供することである。
【0005】
本発明のもう1つの目的は、堅牢で確実なケーブル固定を有する、特にプッシュプル型構造のための、モジュール式差し込み可能コネクタを提供することである。
【0006】
汎用性の高いモジュール式差し込み可能コネクタを提供することが有利である。
【0007】
導電性リード線への相互接続が容易で、必要に応じて試験および修理が容易な高密度差し込み可能電気コネクタを提供することが有利である。
【0008】
さまざまな用途または要求に合わせて容易に変更され得る、高密度差し込み可能電気コネクタを提供することが有利である。
【0009】
製造し組み立てるのにコスト効率のよい高密度差し込み可能電気コネクタを提供することが有利である。
【0010】
汎用性があり、ケーブルおよび他の導電性リード線構造への相互接続のための様々な接続技術および可能性を可能にする電気コネクタを提供することが有利である。
【0011】
嵌合するコネクタとの差し込み力が小さいが、信頼性の高い電気的相互接続を保証する、高密度差し込み可能電気コネクタを提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、請求項1に記載のモジュール式差し込み可能コネクタを提供することによって達成された。
【0013】
本明細書に開示されるのは、実質的に円形のケーシングと、ケーシング内に装着された端子ユニットと、を含む第1の差し込み可能電気コネクタを含むコネクタシステムであって、端子ユニットは、モジュール受容キャビティが内部に形成されたハウジングと、積み重ねた構造でモジュール受容キャビティ内に挿入可能に受容された複数の端子モジュールと、を含む、コネクタシステムである。各端子モジュールは、複数の接点と、第1のコネクタに対し差し込み可能に接続可能および分離可能である、嵌合する第2のコネクタと、を含む。嵌合する第2のコネクタは、実質的に円形のケーシングと、ケーシング内に装着された端子ユニットと、を含み、端子ユニットは、ハウジングと、前記ハウジング内に、積み重ねた構造で装着された複数の端子モジュールと、を含む。各端子モジュールは、複数の接点を含み、これらは、前記第1のコネクタの対応する前記複数の接点に差し込み可能に接続するためのものである。
【0014】
ケーシングは、それぞれの第1および第2のコネクタのケーシングを互いに対して角度的に整列させるように構成された角度整列部材を含む。
【0015】
第1のコネクタの端子ユニットハウジングは、第2のコネクタの端子ユニットハウジング上の相補的な角度位置決め部材と嵌合する角度位置決め部材を含み、角度位置決め部材および嵌合する角度位置決め部材は、差し込み接続中にスライド挿入を可能にし、嵌合する第1および第2のコネクタの端子ユニットを、それらが互いに差し込まれる際に整列させるように構成される。
【0016】
第1および第2のコネクタの少なくとも一方の端子ユニットは、ケーシングに対してわずかな角度の遊びを備え、ケーシングに対する端子ユニットの0.5°~3°の範囲の角度回転を可能にする。
【0017】
有利な実施形態では、角度位置決め部材は、レセプタクルを含み、相補的な角度位置決め部材は、レセプタクル内に挿入可能なタブを含む。
【0018】
有利な実施形態では、第1および第2のコネクタの各々は、一対の角度位置決め部材を含み、一対の各々は、端子モジュールハウジングの両側に配置される。
【0019】
有利な実施形態では、角度位置決め部材は、端子ユニットハウジングと一体的に形成されている。
【0020】
有利な実施形態では、端子ユニットとケーシングとの間の角度の遊びは、0.5°~2°の範囲である。
【0021】
有利な実施形態では、第1および第2のコネクタのうちの一方のみの端子ユニットは、ケーシングに対して前記わずかな角度の遊びを備え、第1および第2のコネクタのうちの他方の端子ユニットは、角度の遊びなしにケーシングに固定される。
【0022】
有利な実施形態では、第1および第2のコネクタのうちの少なくとも一方の端子ハウジング内の端子モジュールの各々は、0.05mm~0.2mmの範囲のわずかな量の遊びを備え、嵌合する端子モジュールの各々が、互いに自己整列して嵌合力を低減することができる。
【0023】
有利な実施形態では、各端子モジュールと端子ハウジングとの間の遊びは0.08mm~0.15mmの範囲である。
【0024】
有利な実施形態では、端子ハウジング内の少なくとも1つの端子モジュールは、高さHを有し、少なくとも第2の端子モジュールは、前記高さHの整数倍を有する。
【0025】
有利な実施形態では、少なくとも第1のコネクタのケーシングは、ケーブルグリップスリーブと、ケーブルグリップスリーブの軸方向変位を引き起こすように構成された、ケーブルグリップスリーブの外側ねじ山付き部分に係合するケーブルグリップ締め付けナットと、を含み、ケーブルグリップスリーブは、端部に鋸歯状の縁を有する一体的に形成された複数のグリップアームを含み、グリップアームは、各グリップアームがその他のグリップアームから独立して弾性的に曲がることができるようにスロットによって分離されている。
【0026】
有利な実施形態では、4つの6つのグリップアームおよび対応するスロットがある。
【0027】
有利な実施形態では、ケーシングは、端子ハウジングの後端部の周囲に装着された一対の内側シェルを含み、ケーブルグリップ締め付けナットは、内側シェルの端部に当接する。
【0028】
有利な実施形態では、各グリップアームの外周面は、内側シェルの内側表面上の円錐形のケーブルグリップカム面に係合するカムヘッド部分を備える。
【0029】
本発明のさらなる目的および有利な特徴は、特許請求の範囲、詳細な説明および添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1a】本発明の一実施形態による差し込み可能電気コネクタシステムの斜視図であり、第1のコネクタ(
図1a)が、嵌合する第2のコネクタ(
図1b)に差し込み可能であることを示している。
【
図1b】本発明の一実施形態による差し込み可能電気コネクタシステムの斜視図であり、第1のコネクタ(
図1a)が、嵌合する第2のコネクタ(
図1b)に差し込み可能であることを示している。
【
図1c】
図1aおよび
図1bの嵌合する差し込み可能コネクタの断面図である。
【
図1d】
図1aの第1のコネクタの斜視分解組立図である。
【
図3a】本発明の一実施形態による第1および第2の嵌合するコネクタの端子ユニットの斜視図であり、端子モジュールの変形例を示している。
【
図3b】本発明の一実施形態による第1および第2の嵌合するコネクタの端子ユニットの斜視図であり、端子モジュールの変形例を示している。
【
図3c】
図3aの第2の嵌合するコネクタの端子ユニットの後ろ側の平面図である。
【
図4a】本発明の一実施形態による第1および第2の嵌合するコネクタの端子ユニットの斜視図であり、端子モジュールの別の変形例を示している。
【
図4b】本発明の一実施形態による第1および第2の嵌合するコネクタの端子ユニットの斜視図であり、端子モジュールの別の変形例を示している。
【
図5a】本発明の一実施形態による第1および第2の嵌合するコネクタの端子ユニットの斜視図であり、端子モジュールのさらに別の変形例を示している。
【
図5b】本発明の一実施形態による第1および第2の嵌合するコネクタの端子ユニットの斜視図であり、端子モジュールのさらに別の変形例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図を参照すると、本発明の一実施形態による高密度差し込み可能電気コネクタシステム1は、高密度差し込み可能電気コネクタ2と、嵌合する電気コネクタ2’と、を含み、コネクタ2、2’は、軸方向Aにおいて差し込み可能に接続可能かつ分離可能である。
【0032】
図示の実施形態では、高密度差し込み可能電気コネクタ2は、多芯ケーブル(図示せず)への終端用に構成されており、嵌合するコネクタ2’は、パネルまたはデバイス(図示せず)への装着用に構成されている。図示の実施例では、嵌合するコネクタ2’は、ロックリング34’、36’を含み、そのうちの少なくとも1つは、コネクタ2’をパネルまたはデバイスに締め付ける/ロックするために、ケーシング4’の外側ねじ山に螺合する。
【0033】
しかしながら、本発明の範囲内において、嵌合するコネクタは、パネルまたはデバイスに装着されたコネクタではなく、差し込み可能ケーブルコネクタ2と同様に、多芯ケーブル(図示せず)への終端用に構成された、ケーブルコネクタであってもよい。
【0034】
本発明の実施形態による高密度差し込み可能電気コネクタ2は、ケーシング4内に収容された端子ユニット6を含む。端子ユニット6は、複数の端子モジュール10が挿入され固定される誘電性ハウジング8を含む。ケーシング4および端子ユニット6は、嵌合するコネクタ2’の相補的な差し込みインターフェース31’、30’に結合するための差し込みインターフェース31、30を提供する。
【0035】
本発明の実施形態による嵌合するコネクタ2’も、ケーシング4’内に収容された端子ユニット6’を含むことができる。端子ユニット6’は、複数の端子モジュール10’が挿入され固定される誘電性ハウジング8’を含む。ケーシング4’および端子ユニット6’は、高密度差し込み可能電気コネクタ2の差し込みインターフェース31、30に結合するための差し込みインターフェース31’、30’を提供する。
【0036】
差し込み可能高密度ケーブルコネクタ2の図示の実施形態では、コネクタ2のケーシング4は、ケーブル出口端部29から差し込みインターフェース30まで軸方向に延びており、端子ユニット6の後端部の周囲に装着される内側シェル32と、端子ユニット6および内側シェル32の周囲に装着される外側シェル36、34と、を含む。外側シェルは、端子ユニットの差し込み端部の上に挿入される、嵌合する端部リングシェル36と、内側シェルのケーブル出口端部の上に装着されるケーブル端部リングシェル34と、を含む。ケーブル出口スリーブ28がさらに設けられ、ケーブル端部リングシェルに結合されてよい。内側シェル32は、例えば、端子ユニット8の後端部の周りに組み立てることができるハーフシェルの形態であってもよく、内側シェルおよび端子ユニットは、端子ユニットを、固定された角度および軸方向位置で内側シェルに確実にロックする、相補的な突起39aおよび凹部39bなどの、相互係合する位置決め手段およびロック手段を備える。
【0037】
嵌合する端部リングシェル36は、内側シェル32に対して軸方向にスライド可能であり、嵌合するコネクタ2’から軸方向に引き離されたときに弾性ラッチアーム13のカム面17に係合するように構成された内側カム面15を有する。これにより、コネクタ2、2’を切り離す「引き」方向のラッチ解除機能が提供され、これにより、ラッチアーム13のラッチ肩部が、嵌合するコネクタ2’上のラッチ肩部19’から解放される。
【0038】
コネクタ2、2’のケーシング4、4’は、耐久性のあるコネクタを提供するために、例えば、ポリマー、強化ポリマー、金属を含む様々な材料で作られ得る。金属製ケーシングは、オプションとして、その中に装着される端子ユニット6、6’の電気的遮蔽のために、電気的接地接続部に接続されることもできる。変形例では、ケーシングは、コネクタがMRIなどの強い磁界にさらされる用途または他の用途のため、強い磁界に対する遮蔽を提供する磁気遮蔽材料を含むこともできる。
【0039】
図示の実施形態では、ケーブル出口端部は、差し込み方向Aと軸方向に整列しているが、直角、または任意の斜めの角度など、様々なケーブル出口方向が可能であることが理解されよう。さらに、ケーブルの形状は、円形であってもよいし、概ね長方形および平坦な形状など、他の様々な形状を有していてもよい。したがって、ケーブル出口端部は、本発明の範囲から逸脱することなく、上述したような様々な構成を有することができる。
【0040】
ケーシングの差し込みインターフェース30は、コネクタを、嵌合するコネクタにガイドしロックするための、ガイドおよびロック要素を含む。
【0041】
端子ユニット6の後端部の周囲で横方向に装着される2つの内側シェル部品の形態の内側シェル32は、他のケーシング部品に干渉されることなく、ケーブル出口スリーブ28およびケーブル端部ロックリング34を通して挿入されたケーブルのリード線に端子ユニットを接続することを可能にし、ケーシングのロックリング34、36および内側シェル部品32を完全に取り外すことによって端子ユニットを容易に修理または変更することも可能にする。このようなケーシング構成は、それ自体既知であり、これ以上説明する必要はない。
【0042】
端子ユニットのハウジング8は、複数の端子モジュール10が積み重ねられて挿入可能に受容されるモジュール受容キャビティ37を含む。
【0043】
嵌合するコネクタ2’の端子ユニットのハウジング8’も、複数の端子モジュール10’が積み重ねられて挿入可能に受容されるモジュール受容キャビティ37’を含むことができる。
【0044】
高密度差し込み可能電気コネクタ2の各端子モジュール10は、有利には、挿入ガイドレール14を備えることができ、これは、ハウジング8のモジュール受容キャビティ37内の相補的なガイド部材14aと協働して、複数の端子モジュール10の積み重ねにおける規定されたレベルでハウジング内に端子モジュールを軸方向に挿入することを可能にする。
【0045】
各端子モジュールは、有利には、積み重ね方向Zにおける全高Hと全幅Wとの比率H/Wが、30%未満、好ましくは20~30%の範囲内であってよい。前述の比率は、電気接点の有利な分布を提供し、特に、高い接続密度を提供しながら、ケーブルのワイヤへの相互接続を容易にする。
【0046】
端子モジュール10、10’は、例えば、差し込み接触部分に欠陥がある場合、またはコネクタ2、2’に接続されたケーブルのワイヤへの相互接続に欠陥がある場合などに、端子モジュールを交換または修理するために、端子ハウジング8、8’から個々に取り出され得るように配置され得る。
【0047】
端子モジュール10、10’は、WO2019/219847号公報からそれ自体既知である構成を有してもよい。本発明の一態様によれば、高さHまたはその整数倍、例えば2H、3H、4Hを有する端子モジュールを、端子ユニットハウジング8、8’のモジュール受容キャビティ37に挿入することができる。異なる構成の端子モジュールをモジュール受容キャビティに挿入することができ、例えば:
-WO2019/219847号に見られる構成に対応する
図3a~
図3cに示されるような端子モジュール10の積み重ね、または、
-
図4a~
図4bに示すように、もしくは
図5a~
図5bに示すように、異なるタイプの接点10a、10b、10c、10a’、10b’、10c’を有する異なる端子モジュール、である。
【0048】
したがって、単一のケーシング設計と端子ユニットハウジング設計を提供することができ、その中に、HからHの整数倍、例えば4Hまでの範囲の高さの様々な異なる端子モジュールを挿入して、経済的な方法で接続インターフェースの異なる構成を提供することができる。
【0049】
本発明の一態様によれば、第1のコネクタの端子ユニットハウジング8は、第2のコネクタの端子ユニットハウジング8’上の相補的な角度位置決め部材5’と嵌合する角度位置決め部材5を含む。図示の実施形態では、角度位置決め部材は、レセプタクルを含み、相補的な角度位置決め部材は、レセプタクル内に挿入可能なタブを含む。各コネクタ端子ユニットは、タブおよびレセプタクルを含み得、または、図示のように、一方のコネクタの端子ユニット6’がタブ5’を含み得、他方の端子ユニット6がレセプタクル5を含む。好ましくは、端子ユニットの前面から突出した雄型接点を含むコネクタの端子ユニット6’がタブ5’を含み、雌型接点を含むコネクタの端子ユニット6がレセプタクル5を含む。したがって、雄型接点は、接点の側面に位置するタブによってさらに保護される。
【0050】
コネクタのうちの一方は、他方のコネクタのケーシング4の嵌合部分を差し込み可能に受容するレセプタクルを形成する嵌合部分を有するケーシング4’を有する。好ましい実施形態では、雄型接点を有するコネクタは、雌型接点を有するコネクタのケーシング4の嵌合部分を受容するレセプタクルを画定するケーシング4’を有する。
【0051】
しかし、変形例では、雌型接点を含む第2のコネクタの端子ユニット6’、および雄型接点を含む第1のコネクタの端子ユニット6を有すること、または各端子ユニットが雄型接点および雌型接点の両方を含むことも可能である。
【0052】
角度位置決めタブ5’および嵌合する角度位置決めレセプタクル5は、差し込み接続中にスライド挿入を可能にし、嵌合する第1および第2のコネクタの端子ユニット6、6’を、それらが互いに差し込まれる際に整列させるように構成されている。特に、嵌合する角度位置決めタブ5’および角度位置決めレセプタクル5は、電気接点が互いに差し込まれる前に端子ユニット6、6’の互いに対する正確な角度位置が確保されることを確実にする。
【0053】
第1および第2のコネクタの各々は、好ましくは、図示されるような一対の角度位置決め部材を含み、一対の各々は、端子モジュールハウジングの両側に配置される。
【0054】
角度位置決め部材は、有利には、端子ユニットハウジングと一体的に形成されてもよく、この端子ユニットハウジングは、有利には射出成形構成要素であってよい。
【0055】
これらの構成における端子ユニット6、6’の一方または両方は、嵌合中の整列を可能にするために、それぞれのケーシング4、4’に対してわずかな角度の遊びを備える。
【0056】
好ましい実施形態では、端子ユニットの一方6のみが、そのケーシング4に対してわずかな角度の遊びを備えており、他方の端子ユニット6’は、そのケーシング4’に対して角度の遊びなしに、そのケーシング4’に固定されている。これにより、コネクタの一方がケーシングと端子ユニットの間に固定された角度基準を形成し、他方がそれに適応することを確実にする。
【0057】
わずかな角度の遊びは、ケーシングに対する端子ユニットの0.5°~3°の範囲の角度回転を可能にするように構成されている。好ましくは、端子ユニットとケーシングとの間の角度の遊びは、0.5°~2°の範囲である。
【0058】
さらに、端子ハウジング8、8’内の端子モジュール10、10’は、嵌合力を低減するために、嵌合する端子モジュールの各々が互いと整列することができるように、わずかな量の遊びを備えている。第1および第2のコネクタの一方または両方は、嵌合力を低減するために、嵌合する端子モジュールの各々が互いと整列することができるように、端子モジュールと端子ハウジング内のキャビティとの間の嵌め合い、特に端子モジュール上のガイドレール14と端子ハウジング内の相補的なガイド部材14aとの間の嵌め合いにおいて、0.05mm~0.2mmの範囲の、わずかな量の遊びを備える。
【0059】
好ましくは、特に端子モジュール上のガイドレール14と端子ハウジング内の相補的なガイド部材14aとの間の嵌め合いにおける、各端子モジュールと端子ハウジングとの間の遊びは、0.08mm~0.15mmの範囲内であってよい。
【0060】
したがって、ケーシング上に設けられた角度整列部材7、7’に起因してそれぞれの第1および第2のコネクタのケーシング間に生じる角度整列にかかわらず、内部端子ユニット6、6’は、ケーシングの整列に合わせて調整するために少なくとも一方のケーシングから独立して互いに対して自己整列することが許容され、これにより、さらに、端子ユニットハウジング8、8’内の端子モジュールは、最適な電気接触および低い差し込み挿入力のために差し込み中に最適に調整するためのわずかな量の遊びを有することができる。ケーシング整列部材7、7’は、ケーシングのうちの一方における突起7を含み得、これは、ケーシングのうちの他方における、軸方向に延びる溝に係合する。
【0061】
一実施形態によれば、ケーシング4は、内側シェル32のケーブル端部に装着されたケーブルグリップスリーブ51を含むケーブルグリップ50を含む。ケーブルグリップ50は、ケーブルグリップスリーブ51と、ケーブルグリップスリーブの軸方向変位を引き起こすように構成された、ケーブルグリップスリーブ51の外側ねじ山付き部分56に係合するケーブルグリップ締め付けナット57と、を含む。ケーブルグリップ締め付けナット57は、内側シェル32の端部に当接する。ケーブルグリップスリーブ51は、複数のグリップアーム52を含み、これは、各グリップアーム52がその他のグリップアームから独立して弾性的に曲がることができるように、スロット55によって分離されて、ケーブルグリップスリーブ51から一体的に形成されている。有利な実施形態では、例えば2~6個のグリップアーム52とそれに対応する数のスロット55があってよく、好ましくは4~6個のグリップアームとそれに対応するスロットがあってよい。
【0062】
グリップアーム52の自由端部には、その内側表面に鋸歯状の縁53が設けられ、各グリップアーム52の外周面には、内側シェル32の内側表面上のケーブルグリップカム面49に係合するカムヘッド部分54が設けられている。ケーブルグリップ締め付けナット57が締め付け方向に回されると、ケーブルグリップスリーブ51は、ケーブル出口に向かって軸方向に引っ張られ、カムヘッド部分54が円錐形のカム面49に係合し、グリップアームの鋸歯状の縁53を半径方向内側に押圧してケーブルを把持する。
【0063】
〔使用した参照符のリスト〕
第1のコネクタ2
ケーシング4
ケーブル出口端部29
差し込みインターフェース30
ケーシング角度整列部材7
内側シェル32
ケーブルグリップカム面49
外側シェル34、36
嵌合する端部リングシェル36
内側カム面15
ケーブル端部リングシェル34
ケーブルグリップ50
ケーブルグリップスリーブ51
グリップアーム52
鋸歯状の縁53
カムヘッド部分54
スロット55
ねじ山付き部分56
ケーブルグリップ締め付けナット57
ケーブル出口スリーブ28
端子ユニット6
差し込みインターフェース31
ハウジング8
ケーシング位置決め/ロック要素39a、39b
モジュール受容キャビティ37
側壁46
ガイド部材14a
角度位置決め部材5
弾性ラッチアーム13
カム面17
端子モジュール10
嵌合する第2のコネクタ2’
ケーシング4’
差し込みインターフェース30’
ケーシング角度整列部材7’
パネル前部ロックリング34’
パネル後部ロックリング36’
端子ユニット6’
差し込みインターフェース31’
ハウジング8’
モジュール受容キャビティ37’
側壁46’
ガイド部材14a’
角度位置決め部材5’
ラッチ肩部19’
端子モジュール10’
差し込み方向A
端子モジュール高さH
端子モジュール幅W
【0064】
〔実施の態様〕
(1) コネクタシステムであって、
実質的に円形のケーシング(4)と、前記ケーシング内に装着された端子ユニット(6)と、を含む第1の差し込み可能電気コネクタ(2)であって、前記端子ユニットは、モジュール受容キャビティ(37)が内部に形成されたハウジング(8)と、積み重ねた構造で前記モジュール受容キャビティ(37)内に挿入可能に受容された複数の端子モジュール(10)と、を含み、各端子モジュールは、複数の接点(18)を含む、第1の差し込み可能電気コネクタと、
前記第1のコネクタに対し差し込み可能に接続可能および分離可能である、嵌合する第2のコネクタ(2’)であって、前記嵌合する第2のコネクタは、実質的に円形のケーシング(4’)と、前記ケーシング内に装着された端子ユニット(6’)と、を含み、前記端子ユニット(6’)は、ハウジング(8’)と、前記ハウジング(8’)内に、積み重ねた構造で装着された複数の端子モジュール(10’)と、を含み、各端子モジュールは、複数の接点を含み、これらは、前記第1のコネクタの対応する前記複数の接点(18)に差し込み可能に接続するためのものである、嵌合する第2のコネクタと、
を含み、
前記ケーシングは、それぞれの前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの前記ケーシングを互いに対して角度的に整列させるように構成された角度整列部材(7、7’)を含み、
前記第1のコネクタの前記端子ユニットハウジング(8)は、前記第2のコネクタの前記端子ユニットハウジング(8’)上の相補的な角度位置決め部材(5’)と嵌合する角度位置決め部材(5)を含み、前記角度位置決め部材(5’)および嵌合する前記角度位置決め部材(5)は、差し込み接続中にスライド挿入を可能にし、嵌合する前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの前記端子ユニット(6、6’)を、それらが互いに差し込まれる際に整列させるように構成され、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの少なくとも一方の前記端子ユニット(6、6’)は、前記ケーシング(4、4’)に対してわずかな角度の遊びを備え、前記ケーシングに対する前記端子ユニットの0.5°~3°の範囲の角度回転を可能にすることを特徴とする、コネクタシステム。
(2) 前記角度位置決め部材(5)は、レセプタクルを含み、前記相補的な角度位置決め部材は、前記レセプタクル内に挿入可能なタブを含む、実施態様1に記載のコネクタシステム。
(3) 前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの各々は、一対の角度位置決め部材を含み、前記一対の各々は、前記端子モジュールハウジングの両側に配置されている、実施態様1に記載のコネクタシステム。
(4) 前記角度位置決め部材は、前記端子ユニットハウジングと一体的に形成されている、実施態様1に記載のコネクタシステム。
(5) 前記端子ユニットと前記ケーシングとの間の前記角度の遊びは、0.5°~2°の範囲である、実施態様1に記載のコネクタシステム。
【0065】
(6) 前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタのうちの一方のみの前記端子ユニットは、前記ケーシングに対して前記わずかな角度の遊びを備え、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタのうちの他方の前記端子ユニットは、角度の遊びなしに前記ケーシングに固定されている、実施態様1に記載のコネクタシステム。
(7) 前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタのうちの少なくとも一方の前記端子ハウジング(8、8’)内の前記端子モジュール(10、10’)の各々は、0.05mm~0.2mmの範囲のわずかな量の遊びを備え、嵌合する前記端子モジュールの各々が、互いに自己整列して嵌合力を低減することができる、実施態様1に記載のコネクタシステム。
(8) 各端子モジュールと前記端子ハウジングとの間の前記遊びは0.08mm~0.15mmの範囲である、実施態様7に記載のコネクタシステム。
(9) 前記端子ハウジング(8、8’)内の少なくとも1つの端子モジュール(10、10’)は、高さHを有し、少なくとも第2の端子モジュールは、前記高さHの整数倍を有する、実施態様1に記載のコネクタシステム。
(10) 少なくとも前記第1のコネクタの前記ケーシングは、ケーブルグリップスリーブ(51)と、前記ケーブルグリップスリーブの軸方向変位を引き起こすように構成された、前記ケーブルグリップスリーブの外側ねじ山付き部分(56)に係合するケーブルグリップ締め付けナット(57)と、を含み、前記ケーブルグリップスリーブは、端部に鋸歯状の縁(53)を有する一体的に形成された複数のグリップアーム(52)を含み、前記グリップアームは、各グリップアームがその他のグリップアームから独立して弾性的に曲がることができるようにスロット(55)によって分離されている、実施態様1に記載のコネクタシステム。
【0066】
(11) 6つのグリップアームおよび対応するスロットがある、実施態様10に記載のコネクタシステム。
(12) 前記ケーシングは、前記端子ハウジング(6)の後端部の周囲に装着された一対の内側シェル(32)を含み、前記ケーブルグリップ締め付けナットは、前記内側シェルの端部に当接する、実施態様10に記載のコネクタシステム。
(13) 各グリップアームの外周面は、前記内側シェルの内側表面上の円錐形のケーブルグリップカム面(49)に係合するカムヘッド部分(54)を備える、実施態様12に記載のコネクタシステム。
【国際調査報告】