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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20240426BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240426BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572847
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2022064479
(87)【国際公開番号】W WO2022248709
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】2107723.5
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ルーク
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA02
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC13
4B162AC21
4B162AC22
4B162AC41
4B162AD12
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD23
4B162AD32
(57)【要約】
吸い口726と、吸い口726から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成領域730とを備えるエアロゾル供給デバイス702が開示される。1つ以上の第2のエアロゾル生成領域731は、吸い口726から第2の距離d2に位置し、d2>d1である。エアロゾル供給デバイス702は、1つ以上の第1のエアロゾル生成領域730から生成されたエアロゾルを吸い口726に伝達するように構成された1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路710をさらに備え、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路710は第1の断面又は他の形状を有し、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路711は、1つ以上の第2のエアロゾル生成領域731から生成されたエアロゾルを吸い口726に伝達するように構成され、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路711は第2の断面又は他の形状を有し、第2の断面又は他の形状は第1の断面又は他の形状と異なる。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸い口と、
前記吸い口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成領域と、
前記吸い口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成領域であって、d2>d1である、第2のエアロゾル生成領域と、
前記1つ以上の第1のエアロゾル生成領域から生成されたエアロゾルを前記吸い口に伝達するように構成された1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路であって、第1の断面又は他の形状を有する1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路と、
前記1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から生成されたエアロゾルを前記吸い口に伝達するように構成された1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路であって、第2の断面又は他の形状を有する1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路であり、前記第2の断面又は他の形状が前記第1の断面又は他の形状と異なる、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路と、
を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記第1の断面又は他の形状が、前記第2の断面又は他の形状よりも大きい、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路の有効空気通路容積が、前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の有効空気通路容積にほぼ等しい、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の断面又は他の形状が、前記1つ以上の第1のエアロゾル生成領域及び前記1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から供給されるエアロゾルの量が実質的に等しくなるように構成された、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記第2の断面又は他の形状が、前記第1の断面又は他の形状よりも大きい、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の断面又は他の形状が、前記1つ以上の第1のエアロゾル生成領域及び前記1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から前記吸い口へのエアロゾルの送達速度が実質的に等しくなるように構成された、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記エアロゾル供給デバイスが、中央エアロゾル伝送流路を備え、前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路が、前記中央エアロゾル伝送流路内に形成された、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記中央エアロゾル伝送流路が、テーパの付いた断面又は他の形状を有する、請求項7に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路が、前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路とは別である、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記1つ以上のエアロゾル生成領域を加熱するための1つ以上の加熱要素をさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記1つ以上の加熱要素が、1つ以上の抵抗加熱要素又は誘導加熱要素を備える、請求項10に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
複数のエアロゾル生成材料部分を備えるエアロゾル生成品と、
を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項13】
出口と、
前記出口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分と、
前記出口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分であって、d2>d1である、1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分と、
前記1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分から生成されたエアロゾルを前記出口に伝達するように構成された1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路であって、第1の断面又は他の形状を有する1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路と、
前記1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分から生成されたエアロゾルを前記出口に伝達するように構成された1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路であって、第2の断面又は他の形状を有する1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路であり、前記第2の断面又は他の形状が前記第1の断面又は他の形状と異なる、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路と、
を備える、エアロゾル生成品。
【請求項14】
前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路が、前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路よりも大きな断面又は他の形状を有する、請求項13に記載のエアロゾル生成品。
【請求項15】
前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路の有効空気通路容積が、前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の有効空気通路容積にほぼ等しい、請求項13又は14に記載のエアロゾル生成品。
【請求項16】
前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の断面又は他の形状が、前記1つ以上の第1のエアロゾル生成領域及び前記1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から供給されるエアロゾルの量が実質的に等しくなるように構成された、請求項13~15のいずれか一項に記載のエアロゾル生成品。
【請求項17】
前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路が、前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路よりも大きな断面又は他の形状を有する、請求項13に記載のエアロゾル生成品。
【請求項18】
前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の断面又は他の形状が、前記1つ以上の第1のエアロゾル生成領域及び前記1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から前記出口へのエアロゾルの送達速度が実質的に等しくなるように構成された、請求項13~17のいずれか一項に記載のエアロゾル生成品。
【請求項19】
前記エアロゾル生成品が、中央エアロゾル伝送流路を備え、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路が、前記中央エアロゾル伝送流路内に形成された、請求項13~18のいずれか一項に記載のエアロゾル生成品。
【請求項20】
前記中央エアロゾル伝送流路の断面又は他の形状がテーパ状である、請求項19に記載のエアロゾル生成品。
【請求項21】
前記第1の1つ以上のエアロゾル伝送流路が、前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路とは別である、請求項13~20のいずれか一項に記載のエアロゾル生成品。
【請求項22】
請求項13~21のいずれか一項に記載のエアロゾル生成品と、
前記エアロゾル生成品を受け入れるように構成されたエアロゾル供給デバイスであって、前記複数のエアロゾル生成材料部分からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル供給デバイスと、
を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項23】
吸い口と、前記吸い口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成領域と、前記吸い口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成領域であって、d2>d1である、第2のエアロゾル生成領域とを備えるエアロゾル供給デバイスを用意するステップと、
前記1つ以上の第1のエアロゾル生成領域から生成されたエアロゾルを、第1の断面又は他の形状を有する1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路を介して前記吸い口に伝達するステップと、
前記1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から生成されたエアロゾルを、第2の断面又は他の形状を有する1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路を介して前記吸い口に伝達するステップであって、前記第2の断面又は他の形状が前記第1の断面又は他の形状と異なる、ステップと、
を含む、エアロゾルを生成する方法。
【請求項24】
出口と、前記出口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分と、前記出口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分であって、d2>d1である、1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分とを備えるエアロゾル生成品を用意するステップと、
前記1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分から生成されたエアロゾルを、第1の断面又は他の形状を有する1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路を介して前記出口に伝達するステップと、
前記1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分から生成されたエアロゾルを、第2の断面又は他の形状を有する1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路を介して前記出口に伝達するステップであって、前記第2の断面又は他の形状が前記第1の断面又は他の形状と異なる、ステップと、
を含む、エアロゾルを生成する方法。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイス、エアロゾル生成品、エアロゾル供給システム、及びエアロゾルを生成する方法に関する。
【背景】
【0002】
電子タバコ(eシガレット)などの電子エアロゾル供給システムは一般に、典型的にはニコチンを含む配合物を含む原料液体のリザーバを含み、エアロゾルは、それから、例えば加熱気化によって生成される。したがって、エアロゾル供給システム用のエアロゾル供給源は、例えばウィッキング/毛細管作用によってリザーバから原料液体を受け取るように配置された加熱要素を有するヒーターを備えてもよい。使用者がエアロゾル供給デバイスで吸引する間、電力が加熱要素に供給されて、加熱要素の近くにある原料液体を気化して、使用者による吸引のためのエアロゾルを生成する。このようなエアロゾル供給デバイスは通常、システムの吸い口端部から離れたところに配置された1つ以上の空気入口穴を備える。使用者が、システムの吸い口端部に接続された吸い口で吸うと、空気は入口穴を通って引き込まれ、エアロゾル供給源を通過する。エアロゾル供給源と吸い口の開口との間を接続する流路があり、その結果、エアロゾル供給源を通過する空気は、エアロゾル供給源からエアロゾルの一部を運びながら、流路に沿って吸い口開口に引き込まれ続ける。エアロゾルを運ぶ空気は、使用者による吸引のための吸い口の開口を通ってエアロゾル供給システムを出る。
【0003】
他のエアロゾル供給デバイスは、タバコ又はタバコ派生物などの固体材料からエアロゾルを生成する。このようなデバイスは、上記の液体をベースにしたシステムとほぼ同様な態様で動作し、この場合、固体タバコ材料は、気化温度まで加熱されてエアロゾルを生成し、その後、使用者によって吸引される。ほとんどのエアロゾル供給デバイスにおいて、使用者は、各パフで同じ味がするように、及び/又は同じ所望の効果が得られるように、パフごとの一貫した送達を求める。しかしながら、上記のエアロゾル供給デバイスはいつも一貫した送達を提供することができるとは限らない。
【0004】
これらの課題のいくつかに対処することを助けようとする様々な手法を説明する。
【概要】
【0005】
一態様によれば、
吸い口と、
吸い口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成領域と、
吸い口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成領域であって、d2>d1である、1つ以上の第2のエアロゾル生成領域と、
1つ以上の第1のエアロゾル生成領域から生成されたエアロゾルを吸い口に伝達するように構成された1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路であって、第1の断面又は他の形状を有する1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路と、
1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から生成されたエアロゾルを吸い口に伝達するように構成された1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路であって、第2の断面又は他の形状を有する1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路であり、第2の断面又は他の形状が第1の断面又は他の形状と異なる、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路と
を備えるエアロゾル供給デバイスが提供される。
【0006】
様々な実施形態によれば、吸い口の近くに位置するエアロゾル生成領域からの伝送流路の断面積は、各伝送流路の有効空気通路容積がより類似し、したがって、より一貫してエアロゾルを送達することできるように、吸い口から遠くに位置するエアロゾル生成領域からの伝送流路の断面積よりも大きくなるように構成することができる。
【0007】
或いは、エアロゾルが形成することができる容積は、エアロゾルが形成する速度を制御することができることが認識されている。特に、エアロゾル形成のための容積をより大きくすると、所望のエアロゾルをより迅速に生成することができ得る。
【0008】
吸い口から遠くに位置するエアロゾル生成領域からのエアロゾルの送達は、典型的には、吸い口の近くに位置するエアロゾル生成領域からの送達よりも時間がかかり得る。本出願人は、エアロゾル形成のための容積を大きくすることにより、エアロゾルをより迅速に形成することができ得ることを確認した。したがって、吸い口からの距離が遠くなることによるエアロゾル送達の長くなる時間が、エアロゾル形成に必要な時間が短くなることによって相殺されるように、吸い口の近くに位置するエアロゾル生成領域からの伝送流路の断面積を、吸い口から遠くに位置するエアロゾル生成領域からの伝送流路の断面積よりも大きくすることができる。このようなシステムにより、吸い口から異なる距離に位置するエアロゾル生成領域からのエアロゾルの送達時間をより一貫したものにすることができ、以て、使用者体験を改善することができる。
【0009】
任意選択で、第1の断面又は他の形状は、第2の断面又は他の形状よりも大きい。
【0010】
任意選択で、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路の有効空気通路容積は、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の有効空気通路容積にほぼ等しい。
【0011】
任意選択で、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の断面又は他の形状は、1つ以上の第1のエアロゾル生成領域及び1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から供給されるエアロゾルの量が実質的に等しくなるように構成される。
【0012】
任意選択で、第2の断面又は他の形状は、第1の断面又は他の形状よりも大きい。
【0013】
任意選択で、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の断面又は他の形状は、第1のエアロゾル生成領域及び第2のエアロゾル生成領域から吸い口へのエアロゾルの送達速度が実質的に等しくなるように構成される。
【0014】
任意選択で、エアロゾル供給デバイスは中央エアロゾル伝送流路を備え、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路は、中央エアロゾル伝送流路内に形成される。
【0015】
任意選択で、中央エアロゾル伝送流路は、テーパの付いた断面又は他の形状を有する。
【0016】
任意選択で、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路は、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路とは別である。
【0017】
任意選択で、エアロゾル供給デバイスは、1つ以上のエアロゾル生成領域を加熱するための1つ以上の加熱要素をさらに備える。
【0018】
任意選択で、1つ以上の加熱要素は、1つ以上の抵抗加熱要素又は誘導加熱要素を備える。
【0019】
別の態様によれば、
上記のようなエアロゾル供給デバイスと、
複数のエアロゾル生成材料部分を備えるエアロゾル生成品と
を備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0020】
別の態様によれば、
出口と、
出口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分と、
出口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分であって、d2>d1である、1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分と、
1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分から生成されたエアロゾルを出口に伝達するように構成された1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路であって、第1の断面又は他の形状を有する1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路と、
1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分から生成されたエアロゾルを出口に伝達するように構成された1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路であって、第2の断面又は他の形状を有する1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路であり、第2の断面又は他の形状が第1の断面又は他の形状と異なる、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路と
を備えるエアロゾル生成品が提供される。
【0021】
任意選択で、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路は、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路よりも大きな断面又は他の形状を有する。
【0022】
任意選択で、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路の有効空気通路容積は、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の有効空気通路容積にほぼ等しい。
【0023】
任意選択で、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の断面又は他の形状は、1つ以上の第1のエアロゾル生成領域及び1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から供給されるエアロゾルの量が実質的に等しくなるように構成される。
【0024】
任意選択で、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路は、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路よりも大きな断面又は他の形状を有する。
【0025】
任意選択で、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の断面又は他の形状は、1つ以上の第1のエアロゾル生成領域及び1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から出口へのエアロゾルの送達速度が実質的に等しくなるように構成される。
【0026】
任意選択で、エアロゾル生成品は中央エアロゾル伝送流路を備え、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路は、中央エアロゾル伝送流路内に形成される。
【0027】
任意選択で、中央エアロゾル伝送流路の断面又は他の形状はテーパ状である。
【0028】
任意選択で、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路は、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路とは別である。
【0029】
別の態様によれば、
上記のようなエアロゾル生成品と、
エアロゾル生成品を受け入れるように構成されたエアロゾル供給デバイスであって、複数のエアロゾル生成材料部分からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル供給デバイスと
を備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0030】
別の態様によれば、
吸い口と、吸い口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成領域と、吸い口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成領域であって、d2>d1である、1つ以上の第2のエアロゾル生成領域とを備えるエアロゾル供給デバイスを用意するステップと、
1つ以上の第1のエアロゾル生成領域から生成されたエアロゾルを、第1の断面又は他の形状を有する1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路を介して吸い口に伝達するステップと、
1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から生成されたエアロゾルを、第2の断面又は他の形状を有する1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路を介して吸い口に伝達するステップであって、第2の断面又は他の形状が第1の断面又は他の形状と異なる、ステップと
を含む、エアロゾルを生成する方法が提供される。
【0031】
別の態様によれば、
出口と、出口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分と、出口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分であって、d2>d1である、1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分とを備えるエアロゾル生成品を用意するステップと、
1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分から生成されたエアロゾルを、第1の断面又は他の形状を有する1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路を介して出口に伝達するステップと、
1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分から生成されたエアロゾルを、第2の断面又は他の形状を有する1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路を介して出口に伝達するステップであって、第2の断面又は他の形状が第1の断面又は他の形状と異なる、ステップと
を含む、エアロゾルを生成する方法が提供される。
【0032】
本発明の第1及び他の態様に関して上で説明した本発明の特徴及び態様は、本発明の他の態様による本発明の実施形態に等しく適用可能であり、上記の特定の組合せに限らずそれらと適宜組み合わされてもよいことは認識されよう。
【0033】
次に、添付図面を参照して、様々な実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】エアロゾル供給デバイス及びエアロゾル生成品を備えるエアロゾル供給システムの概略断面図である。
図2A図1のエアロゾル生成品の上面図である。
図2B】エアロゾル生成品の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図である。
図2C】エアロゾル生成品の幅方向軸線に沿った側面図である。
図3図1のエアロゾル供給デバイスの加熱要素の断面上面図である。
図4】エアロゾル供給システムの様々な機能を動作させるための例示的な接触感知パネルの上面図である。
図5】エアロゾル供給デバイス及びエアロゾル生成品を備えるエアロゾル供給システムの概略断面の一例の図である。
図6A図5のエアロゾル生成品の上面図である。
図6B】エアロゾル生成品の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図である。
図6C】エアロゾル生成品の幅方向軸線に沿った側面図である。
図7】エアロゾル供給デバイス及びエアロゾル生成品を備えるエアロゾル供給システムの概略断面図である。
図7A】一実施形態による、線Sに沿った図7のエアロゾル供給デバイスの断面図である。
図7B】別の実施形態による、線Sに沿った図7のエアロゾル供給デバイスの断面図である。
図8】エアロゾル供給デバイス及びエアロゾル生成品を備えるエアロゾル供給システムの概略断面図である。
図9】エアロゾル生成品の概略断面図である。
図9A】一実施形態による、線S’に沿った図9のエアロゾル生成品の断面図である。
図9B】別の実施形態による、線S’に沿った図9のエアロゾル生成品の断面図である。
図10】エアロゾル生成品の概略断面図である。
【詳細な説明】
【0035】
本明細書では、特定の例及び実施形態の態様及び特徴を論じる又は説明する。特定の例及び実施形態におけるいくつかの態様及び特徴は、従来から具現化されている場合もあり、それらについては、説明を簡略にするために、詳細を論じる又は説明することはしない。したがって、詳細に説明しない、本明細書で論じる装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を具現化するための任意の従来技術に従って具現化することができることは認識されよう。
【0036】
本開示は、「非燃焼性」エアロゾル供給システムに関する。「非燃焼性」エアロゾル供給システムとは、使用者へのエアロゾルの送達を促進するために、エアロゾル供給システムのエアロゾル生成材料構成物(又はその成分)を燃焼させない、又は燃やさないシステムである。さらに、当該技術分野では一般的であるように、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語、並びに「気化する」、「揮発させる」、及び「エアロゾル化する」等の関連の用語は概ね互換的に使用することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料(それらのうちの1つ又は複数は加熱されてもよい)の組合せを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムである。エアロゾル生成材料のそれぞれは、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでもよいし含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料と、固体のエアロゾル生成材料とを備える。固体のエアロゾル生成材料は、植物系材料、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。
【0038】
典型的には、非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品(消耗品と呼ばれることもある)とを備えてもよい。しかしながら、それ自体がエアロゾル生成構成要素にパワーを与えるための手段を備える物品は、それ自体、非燃焼性エアロゾル供給システムを形成することができると考えられる。
【0039】
エアロゾル生成品は、その一部又は全部が、使用者の使用中に消費されることが意図される。エアロゾル生成品は、エアロゾル生成材料を含んでもよいし、エアロゾル生成材料のみからなってもよい。消耗品は、エアロゾル生成材料を備える、又はそれよりなる物品であり、その一部又は全部が、使用者の使用中に消費されることが意図される。消耗品は、エアロゾル生成材料収納領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、吸い口、フィルター、及び/又はエアロゾル改質剤など、1つ以上の他の構成要素を備えてもよい。消耗品はまた、使用時にエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるために熱を放出するヒーターなどのエアロゾル生成器を備えてもよい。ヒーターは、例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを備えてもよい。エアロゾル生成品は、フィルター又はエアロゾル改質物質(例えば、エアロゾル改質物質の中若しくは上を通るエアロゾルに香味を加える、又はその他特性を変えるための成分)などの1つ以上の他の要素を含んでもよい。
【0040】
非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、いつもというわけではないが、再使用可能なエアロゾル供給デバイス及び交換可能な物品の両方を含むモジュール式アセンブリを備えることが多い。いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、パワー源及び制御器(又は制御回路)を備えてもよい。パワー源は、例えば、バッテリー又は再充電可能なバッテリーなどの電源であってもよい。いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスはまた、エアロゾル生成構成要素を備えてもよい。しかしながら、他の実施様態では、エアロゾル生成品が、エアロゾル生成構成要素を部分的に又は完全に備えてもよい。
【0041】
エアロゾル生成構成要素(エアロゾル生成器)は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された装置である。いくつかの実施様態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料から1つ以上の揮発成分を放出させてエアロゾルを形成するようにエアロゾル生成材料と相互作用することができるヒーターである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、加熱することなくエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成することができる。例えば、エアロゾル生成構成要素は、例えば、振動的手段、機械的手段、加圧手段、又は静電気的手段のうちの1つ以上によって、熱を加えることなくエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成することができる。
【0042】
いくつかの実施様態では、ヒーターは、例えば、1つ以上のニクロム抵抗ヒーター(複数可)及び/又は1つ以上のセラミックヒーター(複数可)を含む1つ以上の電気抵抗ヒーターを備えてもよい。ヒーターは、使用時に、エアロゾル生成材料を備える物品が挿入又はその他配置されるチャンバを形成することができる1つ以上のサセプタを備える構成体を含む1つ以上の誘導ヒーターを備えてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、1つ以上のサセプタは、エアロゾル生成材料に備えられてもよい。他のヒーター構成体も使用されてもよい。
【0043】
非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するためのエアロゾル生成品はエアロゾル生成材料を備える。エアロゾル生成材料は、例えば、加熱される、照射される、又は任意の他の方法でエネルギーを加えられると、エアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、又は半固体(ゲルなど)の形態であってもよく、それは活性物質及び/又は香味料を含んでもよいし含まなくてもよい。
【0044】
必要に応じて、エアロゾル生成材料は、活性成分、キャリア成分、香料、及び1つ以上の他の機能成分のうちの任意の1つ以上を含んでもよい。
【0045】
エアロゾル生成材料は、キャリア支持体(又はキャリア構成要素)上に、又はその中に存在して基体を形成してもよい。キャリア支持体は、例えば、紙、カード、段ボール、厚紙、再生エアロゾル生成材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、若しくは合金であってもよい、又はそれらを含んでもよい。
【0046】
いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するためのエアロゾル生成品は、エアロゾル生成材料、又はエアロゾル生成材料を受け入れるための領域を備えてもよい。いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するためのエアロゾル生成品は吸い口を備えてもよい、又は、これに代えて、非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成品と連通する吸い口を備えてもよい。エアロゾル生成材料を受け入れるための領域は、エアロゾル生成材料を収納するための収納領域であってもよい。例えば、この収納領域はリザーバであってもよい。
【0047】
図1は、エアロゾル供給システム1の概略断面図である。エアロゾル供給システム1は、2つの主要な構成要素、すなわちエアロゾル供給デバイス2及びエアロゾル生成品4を備える。
【0048】
エアロゾル供給デバイス2は、外側ハウジング21、電源22、制御回路23、複数のエアロゾル生成構成要素24、受け部25、吸い口端部26、空気入口27、空気出口28、接触感知パネル29、吸引センサ30、及び使用終了表示器31を備える。
【0049】
外側ハウジング21は、任意の適切な材料、例えばプラスチック材料から形成されてもよい。外側ハウジング21は、外側ハウジング21内に電源22、制御回路23、エアロゾル生成構成要素24、受け部25、及び吸引センサ30が配置されるように構成される。外側ハウジング21はまた、以下でより詳細に説明する空気入口27及び空気出口28を画定する。接触感知パネル29及び使用終了表示器は、外側ハウジング21の外側に配置される。
【0050】
外側ハウジング21は、吸い口端部26をさらに含む。外側ハウジング21及び吸い口端部26は、単一の構成要素として形成される(すなわち、吸い口端部26は外側ハウジング21の一部を形成する)。吸い口端部26は、空気出口28を含む外側ハウジング21の領域として画定され、使用者が吸い口端部26の周りに唇を快適に置いて空気出口28と係合することができるような形状である。図1では、外側ハウジング21の厚さは、空気出口28に向かって薄くなって、使用者の唇によってより容易に収めることができるエアロゾル供給デバイス2の相対的に薄い部分を提供する。しかしながら、他の実施様態では、吸い口端部26は、外側ハウジング21とは別個のものであるが外側ハウジング21に結合することができる取外し可能な構成要素であってもよく、それは、洗浄及び/又は別の吸い口端部26との交換のために取り外すことができる。
【0051】
電源22は、エアロゾル供給デバイス2に動作電力を供給するように構成される。電源22は、バッテリーなどの任意の適切な電源であってもよい。例えば、電源22は、リチウムイオン電池などの再充電可能なバッテリーを備えてもよい。電源22は、取外し可能であってもよいし、エアロゾル供給デバイス2の一体化した部分を形成してもよい。いくつかの実施様態では、電源22は、USBポート(図示せず)などの関連する接続ポートを介して、又は適切な無線レシーバ(図示せず)を介して、エアロゾル供給デバイス2を外部電源(主電源など)と接続することによって再充電されてもよい。
【0052】
制御回路23は、エアロゾル供給デバイスの動作を制御してエアロゾル供給デバイス2の特定の動作機能を提供するように適切に構成又はプログラムされる。制御回路23は、エアロゾル供給デバイスの動作の様々な態様に関連する様々なサブユニット/回路要素を論理的に備えるように考慮されてもよい。例えば、制御回路23は、電源22の再充電を制御するための論理サブユニットを備えてもよい。これに加えて、制御回路23は、例えば、デバイス2から、又はデバイス2へのデータ転送を容易にするために通信用の論理サブユニットを備えてもよい。しかしながら、制御回路23の主要な機能は、以下でより詳細に説明するように、エアロゾル生成材料のエアロゾル化を制御することである。制御回路23の機能は、例えば、所望の機能を提供するように構成された、1つ以上の適切にプログラムされたプログラム可能なコンピュータ(複数可)、及び/又は、1つ以上の適切に構成された特定用途向け集積回路(複数可)/回路/チップ(複数可)/チップセット(複数可)を使用して、様々な異なる方法で提供することができることは認識されよう。制御回路23は、電源23に接続され、電源22から電力を受け取り、エアロゾル供給デバイス2の他の構成要素への電源供給を分配又は制御するように構成されてもよい。
【0053】
説明されている実施様態では、エアロゾル供給デバイス2は、エアロゾル生成品4を受け入れるように配置された受け部25をさらに備える。
【0054】
エアロゾル生成品4は、キャリア構成要素42及びエアロゾル生成材料44を備えてもよい。エアロゾル生成品4は、図2A図2Cにさらに詳細に示される。図2Aは、エアロゾル生成品4の上面図であり、図2Bは、エアロゾル生成品4の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図であり、図2Cは、エアロゾル生成品4の幅方向軸線に沿った側面図である。
【0055】
エアロゾル生成品4は、この実施様態ではカードで形成されたキャリア構成要素42を備え得る。キャリア構成要素42はエアロゾル生成品4の大部分を形成し、エアロゾル生成材料44が配置される基部として機能する。
【0056】
キャリア構成要素42は、図2A図2Cに示すように、長さl、幅w、及び厚さtを有するほぼ立方体の形状である。具体的な例として、キャリア構成要素42の長さは30~80mmであってもよく、幅は7~25mmであってもよく、厚さは0.2~1mmであってもよい。しかしながら、上記はキャリア構成要素42の例示的な寸法であり、他の実施様態では、キャリア構成要素42は、必要に応じて、異なる寸法を有してもよいことを認識すべきである。いくつかの実施様態では、キャリア構成要素42は、使用者によるエアロゾル生成品4の取り扱いを容易にするのを助けるために、キャリア構成要素42の長さ方向及び/又は幅方向に延在する1つ以上の突起を備えてもよい。
【0057】
図1及び図2A図2Cに示す例では、エアロゾル生成品4は、キャリア構成要素42の表面に配置されたエアロゾル生成材料44の複数の個別部分を備える。より詳細には、エアロゾル生成品4は、2×3の配列に配置された、44a~44fと符号が付けられたエアロゾル生成材料44の6つの個別部分を備える。しかしながら、他の実施様態では、これより多い若しくは少ない数の個別部分が設けられてもよく、及び/又は、これらの部分は異なる配列(例えば、1×6の配列)に配置されてもよいことを認識すべきである。図示の例では、エアロゾル生成材料44は、構成要素キャリア42の単一の表面上の離散的な別々の位置に配置される。エアロゾル生成材料44の個別部分は、円形のフットプリントを有するように示されているが、エアロゾル生成材料44の個別部分は、必要に応じて、正方形又は長方形などの任意の他のフットプリントを採り得ることを認識すべきである。エアロゾル生成材料44の個別部分は、図2A図2Cに示すように、直径d及び厚さtを有する。厚さtは、任意の適切な値を採ってもよく、例えば、厚さtは、50μm~1.5mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態では、厚さtは、約50μm~約200μm、又は約50μm~約100μm、又は約60μm~約90μmであり、約77μmが適切である。他の実施形態では、厚さtは、200μmより厚くてもよく、例えば、約50μm~約400μm、又は~約1mm、又は~約1.5mmであってもよい。
【0058】
エアロゾル生成材料44の個別部分は、個別部分のそれぞれが個別に又は選択的にエネルギーを与えられて(例えば、加熱されて)エアロゾルを生成することができるように互いから離れている。いくつかの実施様態では、エアロゾル生成材44のこれらの部分は20mg以下の質量を有してもよく、その結果、所与のエアロゾル生成品24によって、任意の1回でエアロゾル化される材料の量は比較的少ない。例えば、1つの部分の質量は、20mg以下、又は10mg以下、又は5mg以下であってもよい。もちろん、エアロゾル生成品4の全質量は20mgより重くてもよいことは認識すべきである。
【0059】
エアロゾル生成品4は、すべてが同じエアロゾル生成材料から形成されたエアロゾル生成材料の複数の部分を備えてもよい。これに代えて、エアロゾル生成品4は、少なくとも2つの部分が異なるエアロゾル生成材料から形成された、エアロゾル生成材料44の複数の部分を含んでもよい。
【0060】
受け部25は、エアロゾル生成品4を取外し可能に受け入れるのに適した大きさである。図示されていないが、エアロゾル供給デバイス2は、受け部25へのアクセスを可能にするためにヒンジ付きドア又は外側ハウジング21の取外し可能な部分を備えてもよく、その結果、使用者は、受け部25にエアロゾル生成品4を挿入すること、及び/又は受け部25からエアロゾル生成品4を取り外すことができる。ヒンジ付きドア又は外側ハウジング21の取外し可能な部分はまた、閉じたときに受け部25内にエアロゾル生成品4を保持するように機能することができる。エアロゾル生成品4が使い尽くされたとき、又は使用者が単に異なるエアロゾル生成品4に切り替えることを望むとき、エアロゾル生成品4は、エアロゾル供給デバイス2から取り外され、その場所に交換のエアロゾル生成品4を受け部25に配置することができる。これに代えて、エアロゾル供給デバイス2は、受け部25と連通し、エアロゾル生成品4を受け部25に挿入することができる永久的な開口を含んでもよい。このような実施様態では、エアロゾル生成品4をエアロゾル供給デバイス2の受け部25内に保持するための保持機構が設けられてもよい。
【0061】
図1に見られるように、エアロゾル供給デバイス2は、いくつかのエアロゾル生成構成要素24を備える。説明されている実施様態では、エアロゾル生成構成要素24は加熱要素24であり、より詳細には、抵抗加熱要素24である。抵抗加熱要素24は、電流を受け取り、その電気エネルギーを熱に変換する。抵抗加熱要素24は、電流を受け取ると熱を生成するニクロム(Ni20Cr80)などの任意の適切な抵抗加熱材料から形成されてもよい、又はそれらを含んでもよい。一実施様態では、加熱要素24は、抵抗通路が配置された電気絶縁基板を備えてもよい。図3は、加熱要素24の配置をより詳細に示すエアロゾル供給デバイス2の断面上面図である。図1及び図3では、加熱要素24は、加熱要素24の表面が受け部25の表面の一部を形成するように配置されている。すなわち、加熱要素24の外面は、受け部の内面と面一になっている。より詳細には、受け部25の内面と面一になっている加熱要素24の外面は、加熱要素24に電流を通したときに加熱される(すなわち、その温度が上昇する)加熱要素24の表面である。
【0062】
加熱要素24は、エアロゾル生成品4が受け部25に受け入れられたときに、各加熱要素24がエアロゾル生成材料44の対応する個別部分と位置が合うように配置される。したがって、この例では、6つの加熱要素24が、図2A図2Cに示したエアロゾル生成材料44の6つの個別部分の2×3の配列の配置に大まかに対応した2×3の配列で配置されている。しかしながら、上で論じたように、加熱要素24の数は、異なる実施様態では異なっていてもよく、例えば、8、10、12、14個などの加熱要素24があってもよい。いくつかの実施様態では、加熱要素24の数は、6個以上であるが、20個以下である。
【0063】
より詳細には、加熱要素24は、図3では24a~24fの符号が付けられており、各加熱要素24は、参照符号24/44の後の対応する文字によって示されるように、エアロゾル生成材料44の対応する部分と位置が合うように配置されていると理解すべきである。したがって、加熱要素24のそれぞれは、エアロゾル生成材料44の対応する部分を加熱するために個別に作動させることができる。加熱要素24は、受け部25の内面と面一に示されているが、他の実施様態では、加熱要素24は、受け部25内に突出してもよい。いずれの場合も、エアロゾル生成品4は、受け部25内に存在するときに、加熱要素24の表面と接触し、その結果、加熱要素24によって生成された熱は、キャリア構成要素42を通ってエアロゾル生成材料44に伝導される。
【0064】
いくつかの実施様態では、熱伝達効率を改善するために、受け部は、キャリア構成要素42をヒーター要素24に押し付けるようにキャリア構成要素42の表面に力を加える構成要素を備えてもよく、以て、エアロゾル生成材料44への伝導による熱伝達効率を上昇させる。これに加えて、又はこれに代えて、ヒーター要素24は、エアロゾル生成品4に向かう方向/エアロゾル生成品4から離れる方向に移動するように構成されてもよく、エアロゾル生成材料44を備えないキャリア構成要素42の表面に押し付けられてもよい。
【0065】
使用時、エアロゾル供給デバイス2(より詳細には制御回路23)は、使用者の入力に応答して加熱要素24に電力を供給するように構成される。概して、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の対応する部分を加熱してエアロゾルを生成するように加熱要素24に選択的に電力を印加するように構成される。使用者がエアロゾル供給デバイス2で吸引する(すなわち、吸い口端部26で吸引する)と、空気は空気入口27を通ってエアロゾル供給デバイス2に引かれ、受け部25に入り、ここで、エアロゾル生成材料44を加熱することによって生成されたエアロゾルと混合し、次いで、空気出口28を経て使用者の口へ引かれる。すなわち、エアロゾルは、吸い口端部26及び空気出口28を通って使用者に送達される。
【0066】
図1のエアロゾル供給デバイス2は、接触感知パネル29及び吸引センサ30を含む。接触感知パネル29及び吸引センサ30は、共に、エアロゾルの生成を引き起こすために使用者の入力を受け取るための機構として機能し、したがって、より広くは、使用者入力機構と呼ばれることがある。受け取られた使用者の入力は、使用者がエアロゾルを生成したいことを示していると言える。
【0067】
接触感知パネル29は、静電容量式タッチセンサであってもよく、エアロゾル供給デバイス2の使用者が指又は別の適切な導電性の物体(例えばスタイラス)を接触感知パネルに置くことによって操作することができる。説明されている実施様態では、接触感知パネルは、エアロゾル生成を開始するために使用者が押すことができる領域を含む。制御回路23は、接触感知パネル29からの信号を受け、この信号を用いて、使用者が接触感知パネル29のこの領域を押しているかどうか(すなわち、作動させているかどうか)を判定するように構成することができる。制御回路23がこの信号を受けた場合、制御回路23は、電源22から加熱要素24のうちの1つ以上に電力を供給するように構成される。電力は、接触が検出された瞬間から予め定められた時間(例えば3秒間)供給されてもよいし、接触が検出された時間の長さに対応して供給されてもよい。他の実施様態では、接触感知パネル29は、使用者が作動することができるボタンなどに置き換えられてもよい。
【0068】
吸引センサ30は、使用者がエアロゾル供給デバイス2で吸引することによって生じる圧力の低下又は空気の流れを検出するように構成された圧力センサ又はマイクロフォン等であってもよい。吸引センサ30は、空気流路と流体連通して(すなわち、入口27と出口28との間の空気流路と流体連通して)配置される。上記と同様の態様で、制御回路23は、吸引センサからの信号を受け、この信号を用いて、使用者がエアロゾル供給システム1で吸引しているかを判定するように構成することができる。制御回路23がこの信号を受けた場合、制御回路23は、電源22から加熱要素24のうちの1つ以上に電力を供給するように構成される。電力は、吸引が検出された瞬間から予め定められた時間(例えば3秒間)供給されてもよいし、吸引が検出された時間の長さに対応して供給されてもよい。
【0069】
説明されている例では、接触感知パネル29及び吸引センサ30の両方が、吸引のためのエアロゾルの生成を開始したいと使用者が思っていることを検出する。制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30の両方からの信号が検出されたときのみ、加熱要素24に電力を供給するように構成されてもよい。これは、使用者入力機構の1つが偶発的に作動することから加熱要素24が意図せずに作動することを防止するのを助けることができる。しかしながら、他の実施様態では、エアロゾル供給システム1は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のうちの一方のみを有してもよい。
【0070】
エアロゾル供給システム1の動作のこれらの態様(すなわち、パフ検出及び接触検出)は、それ自体、確立した技法に従って(例えば、従来の吸引センサ及び吸引センサ信号処理技法を用いて、並びに、従来のタッチセンサ及びタッチセンサ信号処理技法を用いて)実行することができる。
【0071】
いくつかの実施様態では、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号を検出したことに応答して、制御回路23は、個々の加熱要素24のそれぞれに電力を順次供給するように構成される。より詳細には、制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方から受けた信号の検出の順序に応答して、個々の加熱要素23のそれぞれに順次電力を供給するように構成される。例えば、制御回路23は、(例えば、エアロゾル供給デバイス2のスイッチが最初に入れられたときから)信号が最初に検出されたとき、複数の加熱要素24のうちの第1の加熱要素24に電力を供給するように構成されてもよい。信号が止まると、又は信号が検出されてから予め定められた時間が経過したことに応答して、制御回路23は、第1の加熱要素24が作動された(したがって、エアロゾル生成材料44の対応する個別部分が加熱された)ことを記録する。制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの次の信号を受けたことに応答して、第2の加熱要素24を作動させることを決定する。したがって、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号を制御回路23が受けたとき、制御回路23は、第2の加熱要素24を作動させる。この処理は、残りの加熱要素24に対して繰り返され、その結果、すべての加熱要素24が順次作動させられる。
【0072】
事実上、この操作は、各吸引に対して、エアロゾル生成材料44の個別部分の異なる部分が加熱され、エアロゾルはそれから生成されることを意味する。言い換えれば、エアロゾル生成材料の単一の個別部分は、使用者の吸引ごとに加熱される。
【0073】
他の実施様態では、制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方若しくは両方からの次の信号に応答して第2の加熱要素24を作動させるべきであると決定する前に、第1の加熱要素24を複数回(例えば2回)作動させる、又は、複数の加熱要素24のそれぞれを1回作動させ、すべての加熱要素24が1回作動されたときに、次の信号が検出されると、加熱要素を順次2回目作動させるように構成されてもよい。
【0074】
このような順次作動させることは、「順次作動モード」と呼ばれることがあり、これは主に、吸引ごとに一貫したエアロゾルを送達するように設計される(これは、例えば、生成された全エアロゾル、又は送達された全成分によって測定することができる)。したがって、このモードは、エアロゾル生成品4のエアロゾル生成材料44の各部分が実質的に同一であるとき、すなわち、部分44a~44fが同じ材料から形成されているときに最も有効であり得る。
【0075】
いくつかの他の実施様態では、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号の検出に応答して、制御回路23は、加熱要素24の1つ以上に同時に電力を供給するように構成される。
【0076】
いくつかの実施様態では、エアロゾル生成材料44の2つ以上の個別部分は、吸引ごとに加熱されてもよい。
【0077】
そのような実施様態では、制御回路23は、予め定められた構成に対応して、加熱要素24のうちの選択された加熱要素に電力を供給するように構成されてもよい。予め定められた構成は、使用者によって選択又は決定された構成であってもよい。例えば、接触感知パネル29は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号を制御回路23が受けたときに、加熱要素24のどれを作動させるかを使用者が個別に選択できる領域を備えてもよい。いくつかの実施様態では、使用者はまた、信号を受けたことに応答して加熱要素24に供給されるように、各加熱要素24に対する電力レベルを設定することもできる。
【0078】
図4は、そのような実施様態による接触感知パネル29の上面図である。図4は、前述したような外側ハウジング21及び接触感知パネル29を概略的に示している。接触感知パネル29は、6つの加熱要素24のそれぞれに対応する6つの領域29a~29f、及び前述のように、使用者が吸引を開始すること、又はエアロゾルを生成することを望んでいることを示すための領域に対応する領域29gを備える。6つの領域29a~29fはそれぞれ、6つの対応する加熱要素24のそれぞれへの電力供給を制御するために使用者が触れることができる接触感知領域に対応する。説明されている実施様態では、各加熱要素24は、複数の状態、例えば、加熱要素24に電力が供給されないオフ状態、加熱要素24に第1のレベルの電力が供給される低電力状態、及び加熱要素24に、第1のレベルの電力より大きい第2のレベルの電力が供給される高電力状態を有することができる。しかしながら、他の実施様態では、これより少ない又は多い状態が、加熱要素24に利用可能であってよい。例えば、各加熱要素24は、加熱要素24に電力が供給されないオフ状態、及び加熱要素24に電力が供給されるオン状態を有してもよい。
【0079】
したがって、使用者は、エアロゾルを生成する前に、接触感知パネル29と対話することによって、どの加熱要素24(及び、それに続いてエアロゾル生成材料44のどの部分)を加熱するか(及び、任意選択的に、それらをどの程度まで加熱するか)を設定することができる。例えば、使用者は、異なる状態(例えば、オフ、低電力、高電力、オフなど)を循環させるために領域29a~29fを繰り返しタップしてもよい。これに代えて、使用者は、異なる状態を循環させるために領域29a~29fを押して保持してもよい。この場合、押されている時間が状態を決定する。
【0080】
接触感知パネル29は、それぞれの領域29a~29fごとに、加熱要素24が現在どの状態であるかを示す1つ以上の表示器を備えてもよい。例えば、接触感知パネルは、1つ以上のLED又は同様の照明要素を備えてもよく、LEDの強度は、加熱要素24の現在の状態を示す。これに代えて、カラーのLED又は同様の照明要素が設けられてもよく、色が現在の状態を示す。これに代えて、接触感知パネル29は、加熱要素24の現在の状態を表示する表示要素(例えば、透明な接触感知パネル29の下にあってもよく、又は接触感知パネル29の領域29a~29fに隣り合って設けられてもよい)を備えてもよい。
【0081】
使用者が加熱要素24の構成を設定すると、接触感知パネル29(より詳細には接触感知パネル29の領域29g)及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号の検出に応答して、制御回路23が、予め設定された構成に従って、選択された加熱要素24に電力を供給するように構成される。
【0082】
したがって、このような同時に加熱要素24を作動させることは、「同時作動モード」と呼ばれることがあり、これは主に、使用者にセッションごとに、又はパフごとでさえ、その体験のカスタマイズを可能にさせるという意図で、所与の物品4からカスタマイズ可能なエアロゾルを送達するように設計される。したがって、このモードは、エアロゾル生成品4のエアロゾル生成材料44の部分が互いに異なる場合に最も効果的であり得る。例えば、部分44a及び44bが1つの材料で形成され、部分44c及び44dが異なる材料で形成されている場合などである。
【0083】
したがって、この動作モードでは、使用者は、任意の所与の瞬間にどの部分をエアロゾル化するか、したがってエアロゾルのどの組合せを供給するかを選択することができる。
【0084】
同時作動モード及び順次作動モードの両方において、制御回路23は、例えば、加熱要素24のそれぞれが予め定められた回数、順次作動させられたとき、又は、所与の加熱要素24が予め定められた回数及び/若しくは所与の累積作動時間及び/若しくは所与の累積作動電力で作動させられたとき、エアロゾル生成品4の使用の終了を示す警告信号を生成するように構成されてもよい。図1では、エアロゾル供給デバイス2は使用終了表示器31を含み、これは、この実施様態ではLEDである。しかしながら、他の実施様態では、使用終了表示器31は、使用者に警告信号を与えることができる任意の機構を備えてもよい、すなわち、使用終了表示器31は、光学信号を送達する光学要素、音声信号を送達する音発生器、及び/又は触覚信号を送達する振動器であってもよい。いくつかの実施様態では、表示器31は、(例えば、接触感知パネルが表示要素を含む場合)接触感知パネルと組み合わせられてもよい、又は他の態様で提供されてもよい。エアロゾル供給デバイス2は、警告信号が出力されているときには、エアロゾル供給デバイス2の次の作動を妨げることができる。使用者がエアロゾル生成品4を交換するとき、及び/又は、ボタン(図示せず)などの手動手段を介して警告信号を切ると、警告信号を切ることができ、制御回路23がリセットされる。
【0085】
より詳細には、順次作動モードが使われる実施様態では、制御回路23は、使用期間中に受け取った接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号の回数を数え、回数が予め定められた数に到達すると、エアロゾル生成品4がその寿命の終わりに到達したと決定されるように構成されてもよい。例えば、6つのエアロゾル生成材料44の個別部分を備える物品4に対しては、予め定められた数は、目下のその実施様態に応じて、6、12、18などとすることができる。
【0086】
同時作動モードが使われる実施様態では、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の個別部分の1つ又はそれぞれが加熱される回数を数えるように構成されてもよい。例えば、制御回路23は、ニコチン含有部分が何回加熱されたかを数え、それが予め定められた数に到達すると、エアロゾル生成品4の寿命の終わりを決定することができる。
【0087】
これに代えて、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の各個別部分に対して、その部分が加熱されたときに別々に数えるように構成されてもよい。各部分は、同じ又は異なる予め定められた回数を有するものとしてもよく、エアロゾル生成材料の各部分に対する回数のいずれか1つが予め定められた数に到達すると、制御回路23は、エアロゾル生成品4の寿命の終わりを決定する。
【0088】
実施様態のいずれにおいても、制御回路23はまた、エアロゾル生成材料の部分が加熱された時間の長さ、及び/又は、エアロゾル生成材料の部分が加熱された温度を計算に入れてもよい。この点について、制御回路23は、個別の作動を数えるのではなく、エアロゾル生成材料44の各部分が受けた加熱状態を示す累積パラメータを計算するように構成されてもよい。このパラメータは、例えば、累積時間であってもよく、その材料への温度は、累積時間に加えられる時間の長さを調節するために使用される。例えば、200℃で3秒間加熱された部分は、累積時間に3秒寄与することができ、一方、250℃で3秒間加熱された部分は、累積時間に4.5秒寄与することができる。
【0089】
エアロゾル生成品4の寿命の終わりを決定するための上記の技法は、エアロゾル生成品4の寿命の終わりを決定する方法の網羅的なリストとして理解すべきではなく、実際には、任意の他の適切な方法が、本開示の原理に従って使用されてもよい。
【0090】
上記のエアロゾル供給システム1の実施様態では、エアロゾル生成構成要素24を使用して選択的にエアロゾル化することができる、エアロゾル生成材料44の複数の(個別)部分が設けられる。このようなエアロゾル供給システム1は、より大きな大きさの材料を加熱するように設計された他のシステムを超える利点を提供する。特に、所与の吸引に対して、エアロゾル生成材料の選択された部分(複数可)のみがエアロゾル化されることは、全体としてよりエネルギー効率の高いシステムをもたらす。
【0091】
加熱システムでは、パフごとに十分な量のエアロゾルを使用者に送達する際、いくつかのパラメータがこのシステムの全体的な有効性に影響を与える。一方では、エアロゾル生成材料の厚さは、エアロゾル生成材料が動作温度に到達する(そしてその後、エアロゾルを生成する)速さに影響するので重要である。これは、いくつかの理由で重要であるが、材料のより厚い部分を加熱する場合と比較して同じほど長く加熱要素が作動する必要がないことがあるので、電源22からのエネルギーのより効率的な使用につながることがある。他方では、加熱されるエアロゾル生成材料の総質量は、生成され、その後使用者に送達することができるエアロゾルの総量に影響を与える。加えて、エアロゾル生成材料が加熱される温度もまた、エアロゾル生成材料が動作温度に到達する速さ及び生成されるエアロゾルの量の両方に影響を与えることがある。
【0092】
図5は、本開示の別の実施形態によるエアロゾル供給システム200の概略断面図である。エアロゾル供給システム200は、図1に関連して説明したものと大まかに類似する構成要素を含むが、参照番号は200を加えられている。効率化のために、類似の参照番号を有する構成要素は、特に断らない限り、図1及び図2A図2Cの対応するものとほぼ同じであると理解すべきである。
【0093】
エアロゾル供給デバイス202は、外側ハウジング221、電源222、制御回路223、誘導作用コイル224a、受け部225、吸い口端部226、空気入口227、空気出口228、接触感知パネル229、吸引センサ230、及び使用終了表示器231を備える。
【0094】
エアロゾル生成品204は、図6A図6Cにさらに詳細に示すように、キャリア構成要素242、エアロゾル生成材料244、及びサセプタ要素244bを備える。図6Aは、エアロゾル生成品4の上面図であり、図6Bは、エアロゾル生成品204の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図であり、図6Cは、エアロゾル生成品204の幅方向軸線に沿った側面図である。
【0095】
図5及び図6A図6Cは、誘導を用いてエアロゾル生成材料244を加熱して吸引用のエアロゾルを生成するエアロゾル供給システム200を表す。
【0096】
説明されている実施様態では、エアロゾル生成構成要素224は、2つの部品、すなわち、エアロゾル供給デバイス202に配置された誘導コイル224a及びエアロゾル生成品204に配置されたサセプタ224bから形成される。
【0097】
したがって、説明されているこの実施様態では、各エアロゾル生成構成要素224は、エアロゾル生成品204とエアロゾル供給デバイス202との間で分散された要素を備える。
【0098】
誘導加熱は、サセプタと呼ばれる導電性物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すためのデバイスとを備えることがある。電磁石及び加熱しようとする物体が、電磁石によって生じた変動磁場がこの物体に侵入するように適切な相対位置に配置されると、この物体内に1つ以上の渦電流が発生する。この物体は電流の流れに対して抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が生成されると、物体の電気抵抗に抗して流れ、それによってこの物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。
【0099】
サセプタは、交流磁場などの変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは、導電性材料であってよく、その結果、変動磁場がそれに侵入することによって、サセプタが誘導加熱される。サセプタは、磁性体であってもよく、その結果、変動磁場がそれに侵入することによって、サセプタが磁気ヒステリシス加熱される。サセプタは、導電性及び磁性の両方を有してもよく、その結果、サセプタは両方の加熱機構によって加熱可能である。変動磁場を生成するように構成されたエアロゾル供給デバイスは、本明細書では磁場生成器と呼ばれる。
【0100】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料からなる物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石すなわち磁気双極子を多く含んでいると考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、交流磁場(例えば、電磁石によって生じるもの)などの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場に応じて変化する。このような磁気双極子の再配向によって、磁性材料内に熱が生成される。
【0101】
物体が導電性及び磁性の両方を有するときは、その物体に変動磁場を侵入させると、その物体にジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用すると、磁場を強めることができ、それによりジュール加熱を強めることができる。
【0102】
説明されたこの実施様態では、サセプタ224bはアルミニウム箔から形成されているが、他の実施様態では他の金属及び/又は導電性材料が使用されてもよいことを認識すべきである。図6Cに見られるように、キャリア構成要素242は、キャリア構成要素242の表面に配置されたエアロゾル生成材料244の個別部分に大きさ及び位置が対応するいくつかのサセプタ224bを備える。すなわち、サセプタ224bは、エアロゾル生成材料244の個別部分と同様の幅及び長さを有する。
【0103】
サセプタは、キャリア構成要素242に埋め込まれて示されている。しかしながら、他の実施様態では、サセプタ224bは、キャリア構成要素242の表面に配置されてもよい。別の実施様態(図示せず)では、サセプタは、キャリア構成要素を実質的に覆う層として設けられてもよい。
【0104】
エアロゾル供給デバイス202は、図5に概略的に示された複数の誘導コイル224aを備える。誘導コイル224aは、受け部225に隣り合って示されており、所与のコイルが周りに巻かれている回転軸線が、受け部225内に延び、エアロゾル生成品204のキャリア構成要素242の平面にほぼ垂直であるように配置された概ね平坦なコイルである。図5では、巻線は正確には示されておらず、任意の適切な誘導コイルが使用されてもよいことを認識すべきである。
【0105】
制御回路223は、誘導コイル224aのいずれか1つ以上に流す交流電流を生成するような機構を備える。この交流電流は、上記のように交流磁場を生成し、これが対応するサセプタ224b(複数可)の温度を上げる。サセプタ224b(複数可)によって生成された熱は、それに応じてエアロゾル生成材料244の部分に伝達される。
【0106】
図1及び図2A図2Cに関連して上で説明したように、制御回路223は、接触感知パネル229及び/又は吸引センサ230からの信号を受けたことに応答して、コイル224aに電流を供給するように構成される。前に説明したように、どの加熱要素24が制御回路23によって加熱されるかを選択するための技法のいずれも、使用者の吸引用のエアロゾルを生成するために、制御回路223による接触感知パネル229及び/又は吸引センサ230からの信号を受けることに応答して、どの誘導コイル224aがエネルギーを与えられる(したがって、エアロゾル生成材料244のどの部分がそれに続いて加熱される)かを選択することに類似して適用することができる。
【0107】
上記では、誘導コイル224a及びサセプタ224bがエアロゾル生成品204とデバイス202との間に分散された誘導加熱エアロゾル供給システムを説明したが、誘導コイル224a及びサセプタ224bがエアロゾル供給デバイス202内にのみ配置された誘導加熱エアロゾル供給システムが提供されてもよい。例えば、図6A図6Cを参照して、サセプタ224bは、誘導コイル224aの上方に設けられて、(図1に示したエアロゾル供給システム1と類似の方法で)サセプタ224bがキャリア構成要素242の下面に接触するように配置されてもよい。
【0108】
したがって、図5は、本開示に説明した技法を適用することができ、誘導加熱がエアロゾル供給デバイス202に使用されて、使用者の吸引用のエアロゾルを生成することができる、より具体的な実施様態を説明している。
【0109】
しかしながら、本開示によれば、本発明者らは、複数のエアロゾル生成材料部分の異なる部分を加熱してパフごとにエアロゾルを生成するように設計されたエアロゾル生成構成要素24(加熱要素24など)の配列を有するデバイス2、202が、いくつかの例において、加熱条件がほぼ同じであっても、1パフ当たりに使用者に送達されるエアロゾルの量に不一致が生じ得ることを見出した。
【0110】
これは、エアロゾル生成材料44のいくつかの部分が、吸い口26の開口28に対して相対的に異なる空間距離に設けられ、その結果、エアロゾルがエアロゾル生成材料の部分に隣り合う場所で最初に形成されたとき、そのエアロゾルが移動しなければならない距離が異なることがあるという事実に部分的に起因していると考えられる。したがって、エアロゾル生成材料と吸い口との間の空気通路の容積は、エアロゾル生成材料の位置に応じて変わり得る。
【0111】
一般に、高温のエアロゾルは移動するにつれて温度が下がり凝縮する。これは、エアロゾル生成材料44の異なる部分から生成されたエアロゾルは、温度が下がって凝縮する量が異なる可能性があることを意味する。これにより、それぞれの部分から送達されるエアロゾルに(粒度分布などの)一貫性がなくなる可能性がある。
【0112】
本出願人はまた、エアロゾルが生成される容積が、生成されるエアロゾルの量に影響し得ることを確認した。特に、エアロゾル生成のためにより大きな空気通路容積を設けることは、より多くの量のエアロゾルを供給することができる。吸い口の近くに位置するエアロゾル生成領域は、吸い口から遠くに位置するエアロゾル生成領域よりも実質的に小さな空気通路容積を有してもよい。
【0113】
したがって、本出願人は、各伝送流路の有効空気通路容積がより類似し、したがって、エアロゾルの送達がより一貫したものになるように、吸い口の近くに位置するエアロゾル生成領域からの伝送流路の断面積を、吸い口から遠くに位置するエアロゾル生成領域からの伝送流路の断面積よりも大きくすることが有益であり得ることを確認した。
【0114】
或いは、本出願人は、エアロゾルが形成することができる容積が、エアロゾルが形成する速度を制御し得ることを認識した。特に、エアロゾル形成のための容積をより大きくすると、所望のエアロゾルをより迅速に生成することができ得る。
【0115】
吸い口から遠くに位置するエアロゾル生成領域からのエアロゾルの送達は、典型的には、吸い口の近くに位置するエアロゾル生成領域からよりも時間がかかり得る。本出願人は、エアロゾル形成のための容積を大きくすることにより、エアロゾルをより迅速に形成することができ得ることを確認した。したがって、本出願人は、吸い口からの距離が遠くなることによるエアロゾル送達の長くなる時間が、エアロゾル形成に必要な時間が短くなることによって相殺されるように、吸い口の近くに位置するエアロゾル生成領域からの伝送流路の断面積を、吸い口から遠くに位置するエアロゾル生成領域からの伝送流路の断面積よりも大きくすることが有益であり得ることを確認した。このようなシステムにより、吸い口から異なる距離に位置するエアロゾル生成領域からのエアロゾルの送達時間をより一貫したものにすることができ、以て、使用者体験を改善することができ得る。
【0116】
図7は、本開示の別の実施形態によるエアロゾル供給システム700の概略断面図である。エアロゾル供給システム700は、図1に関連して説明したものと大まかに類似する構成要素を含む。しかしながら、参照番号は700を加えられている。効率化のために、類似の参照番号を有する構成要素は、特に断らない限り、図1及び図2A図2Cの対応するものとほぼ同じであると理解すべきである。
【0117】
エアロゾル供給デバイス702は、外側ハウジング721、制御回路723、エアロゾル生成構成要素724、受け部725、吸い口端部726、空気入口727、及び空気出口728を備える。図7には示していないが、エアロゾル供給デバイスは、図1に関して説明したように、電源、接触感知パネル、吸引センサ、及び使用終了表示器をさらに備えてもよい。
エアロゾル供給システム700は、エアロゾル生成品704を含む。これは、図2A図2Cで説明したエアロゾル生成品4、又は図6A図6Cに関して説明したエアロゾル生成品204と実質的に同様であってもよい。
【0118】
エアロゾル生成構成要素724は、図1に関して説明したような加熱要素であってもよい。代替の実施形態では、エアロゾル生成構成要素724は、図5に関して説明したような誘導コイルであってもよい。そのような実施形態では、エアロゾル生成品は、図6A図6Cに関して説明したように、1つ以上のサセプタを備えてもよい。
【0119】
エアロゾル供給デバイス702は、吸い口726から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成領域730と、吸い口726から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成領域731とを有する。
【0120】
図7のエアロゾル供給デバイス702は、2つのエアロゾル生成領域730、731を示しているが、より多くの数のエアロゾル生成領域を有するエアロゾル供給デバイスが明らかに考えられることが認識されるであろう。さらに、第1及び第2のエアロゾル生成領域730、731のそれぞれは、1つ以上のエアロゾル生成領域を備えてもよい。
【0121】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路710は、1つ以上の第1のエアロゾル生成領域730から生成されたエアロゾルを吸い口726に伝達するように構成され、第1のエアロゾル伝送流路710は、第1の断面又は他の形状を有し、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路711は、1つ以上の第2のエアロゾル生成領域731から生成されたエアロゾルを吸い口726に伝達するように構成され、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路711は、第2の断面又は他の形状を有する。
【0122】
第1の断面又は他の形状は、第2の断面又は他の形状と異なる。
【0123】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路710は、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路711とは別であってもよい。
【0124】
図7Aは、線Sに沿ったエアロゾル供給デバイス702の実施形態の断面を示す。1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路710aの断面又は他の形状は、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路711aの断面又は他の形状よりも大きい。
【0125】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路710の有効空気通路容積は、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路711の有効空気通路容積とほぼ等しくすることができる。
【0126】
上記のように、有効空気通路容積を変えることによって、エアロゾル生成領域から生成されるエアロゾルの量を制御することができ得る。エアロゾル伝送流路が異なる断面又は他の形状を有することによって、吸い口726から異なる距離に位置するエアロゾル生成領域からエアロゾルをより均一に生成することができ、以て、エアロゾルをより一貫して送達することができる。
【0127】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路710a及び第2の1つ以上のエアロゾル伝送流路711bの断面又は他の形状は、第1のエアロゾル生成領域730及び第2のエアロゾル生成領域731から供給されるエアロゾルの量が実質的に等しくなるように構成されてもよい。
【0128】
図7Bは、線Sに沿ったエアロゾル供給デバイス702の代替の実施形態の断面を示す。1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路711bの断面又は他の形状は、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路710bの断面又は他の形状よりも大きい。
【0129】
上記のように、エアロゾル生成領域からのエアロゾル伝送流路の容積を増大させると、エアロゾル生成領域からのエアロゾルの形成時間を短縮することができる。したがって、吸い口から遠くに位置するエアロゾル生成領域からのエアロゾル伝送流路の容積を増大させると、エアロゾル生成領域から吸い口への長くなった移動時間を相殺することができ、吸い口から異なる距離に位置するエアロゾル領域からのエアロゾルの送達時間をより一貫したものにすることができ、以て、使用者体験を改善することができ得る。
【0130】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路710b及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路711bの断面又は他の形状は、1つ以上の第1のエアロゾル生成領域730及び1つ以上の第2のエアロゾル生成領域731から供給されるエアロゾルの量が実質的に等しくなるように構成することができる。
【0131】
一実施形態では、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路710及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路711のそれぞれは、別個のエアロゾル伝送流路を備えてもよい。
【0132】
図7のエアロゾル供給デバイス702は、1つ以上の第1及び第2のエアロゾル伝送流路710、711を備えるように示されているが、エアロゾル供給デバイス702は、追加のエアロゾル生成伝送流路を備えてもよいことが認識されるであろう。
【0133】
一実施形態では、各エアロゾル生成領域に対して1つのエアロゾル伝送流路がある。別の実施形態では、各エアロゾル生成領域に対して2つ以上のエアロゾル伝送流路がある。別の実施形態では、1つ以上の第1のエアロゾル生成領域に対して1つのエアロゾル伝送流路があり、1つ以上の第2のエアロゾル生成領域に対して1つのエアロゾル伝送流路がある。
【0134】
図7に示すエアロゾル供給デバイス702の実施形態は、第1及び第2のエアロゾル伝送流路710、711を別個のエアロゾル伝送流路として示しているが、エアロゾル供給デバイス702は、その代わりに又はそれに加えて、中央エアロゾル伝送流路を備えてもよい。第1及び第2のエアロゾル伝送流路710、711はそれぞれ、中央エアロゾル伝送流路の部分を含んでもよい。
【0135】
図8は、中央エアロゾル伝送流路812を備えるエアロゾル供給デバイス802の実施形態の断面を示す。図8は、本開示の別の実施形態によるエアロゾル供給システム800の概略断面図である。エアロゾル供給システム800は、図1に関連して説明したものと大まかに類似する構成要素を含む。しかしながら、参照番号は800を加えられている。効率化のために、類似の参照番号を有する構成要素は、特に断らない限り、図1及び図2A図2Cの対応するものとほぼ同じであると理解すべきである。
【0136】
エアロゾル供給デバイス802は、外側ハウジング821、制御回路823、エアロゾル生成構成要素824、受け部825、吸い口端部826、空気入口827、及び空気出口828を備える。図8には示していないが、エアロゾル供給デバイス802は、図1に関して説明したように、電源、接触感知パネル、吸引センサ、及び使用終了表示器をさらに備えてもよい。
エアロゾル供給システム800は、エアロゾル生成品804を含む。これは、図2A図2Cに関して説明したエアロゾル生成品4、又は図5A図5Cに関して説明したエアロゾル生成品204と実質的に同様であってもよい。
【0137】
エアロゾル供給デバイス802は、吸い口826から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成領域830と、吸い口826から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成領域831とを有する。
【0138】
図8のエアロゾル供給デバイス802は、2つのエアロゾル生成領域830、831を示しているが、より多くの数のエアロゾル生成領域を有するエアロゾル供給デバイスが明らかに考えられることが認識されるであろう。さらに、第1及び第2のエアロゾル生成領域830、831のそれぞれは、1つ以上のエアロゾル生成領域を備えてもよい。
【0139】
エアロゾル供給デバイス802は、中央エアロゾル伝送流路812を含む。中央伝送流路812は、受け部825の形状によって画定されてもよい。別の実施形態では、中央伝送流路812は、受け部825とは異なる別個の流路である。
【0140】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路810は、1つ以上の第1のエアロゾル生成領域830から生成されたエアロゾルを吸い口826に伝達するように構成され、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路811は、1つ以上の第2のエアロゾル生成領域831から生成されたエアロゾルを吸い口826に伝達するように構成される。
【0141】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路810及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路811はそれぞれ、中央エアロゾル伝送流路812の少なくとも一部分を含む。
【0142】
1つ以上の第1のエアロゾル生成領域830に隣り合う中央エアロゾル伝送流路812の断面又は他の形状は、1つ以上の第2のエアロゾル生成領域831に隣り合う中央エアロゾル伝送流路812の断面又は他の形状と異なる。
【0143】
したがって、1つ以上の第1及び第2の伝送流路810、811の断面又は他の形状は異なる。
【0144】
中央エアロゾル伝送流路812の断面又は他の形状は、テーパ状の断面又は他の形状であってもよい。
【0145】
図8に示す実施形態では、1つ以上の第1のエアロゾル生成領域830に隣り合う中央エアロゾル伝送流路812の断面又は他の形状は、1つ以上の第2のエアロゾル生成領域831に隣り合う中央エアロゾル伝送流路812の断面又は他の形状よりも大きい。したがって、1つ以上の第1及び第2のエアロゾル生成領域830、831から吸い口826までの有効空気通路容積は同様にすることができ、それは、エアロゾルをより一貫して送達することになる。
【0146】
代替の実施形態では、1つ以上の第2のエアロゾル生成領域811に隣り合う中央エアロゾル伝送流路812の断面又は他の形状は、1つ以上の第1のエアロゾル生成領域810に隣り合う中央エアロゾル伝送流路812の断面又は他の形状よりも大きくてもよい。そのような実施形態では、1つ以上の第2のエアロゾル生成領域811からのエアロゾルの送達速度は、1つ以上の第1のエアロゾル生成領域810からのエアロゾルの送達速度に対して増大され得る。これは、吸い口826から1つ以上の第2のエアロゾル生成領域811の距離が長くなったことを相殺し、送達時間をより一貫したものにすることができ得る。
【0147】
上記は、使用者がエアロゾル供給デバイスで吸引するときにエアロゾルが導かれる共通の出口が1つあることを想定している。しかし、本開示の原理は、複数の出口を有するエアロゾル供給デバイスにも同様に適用可能である。
【0148】
加えて、吸い口が外側ハウジングの一部を形成する、及び/又は外側ハウジングに結合されることが上記で説明したが、いくつかの実施様態では、吸い口がエアロゾル生成品の一部を形成してもよいことが認識されるべきである。これは特に、エアロゾル生成品が、空気及び/又はエアロゾルが通過することができるチャンバを備え、チャンバがエアロゾル生成材料を含む場合に当てはまることがある。これらの実施様態では、エアロゾル生成品は、エアロゾル供給デバイスの受け部に入れられ、エアロゾル生成品の吸い口がエアロゾル供給デバイスから延在するように受け部から突出する。これらの例では、受け部は開口を備え、吸い口はそこを通って突出する。これらの実施様態の開口は、エアロゾル供給デバイスの出口と称してもよい。
【0149】
図9は、本開示の別の実施形態によるエアロゾル生成品904の概略断面図である。エアロゾル生成品904は、図2A図2Cに関連して説明したものと大まかに類似する構成要素を含む。しかしながら、参照番号は900を加えられている。効率化のために、類似の参照番号を有する構成要素は、特に断らない限り、図1及び図2A図2Cの対応するものとほぼ同じであると理解すべきである。
【0150】
エアロゾル生成品904は、空気入口927及び出口928を含む。エアロゾル生成品904は、出口928から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分944aと、出口928から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分944bとを含み、第2の距離d2は第1の距離d1よりも長い。
【0151】
図9のエアロゾル生成品904は、2つのエアロゾル生成材料部分944a、944bを有して示されているが、エアロゾル生成材料部分の他の数及び構成が明らかに考えられることが認識されるであろう。例えば、エアロゾル生成品は、図2A図2Cのエアロゾル生成品に対して示したようなエアロゾル生成材料部分の3×2の配置を備えてもよい。エアロゾル生成材料部分は、図2A図2Cに関して説明したエアロゾル生成材料部分44a~44fと実質的に同様であってもよい。エアロゾル生成品は、キャリア942を備えてもよい。キャリアは、図2A図2Cのキャリア42と実質的に同様であってもよい。
【0152】
エアロゾル生成品は、カバー層943をさらに備えてもよい。カバー層は、例えば、紙、カード、段ボール、厚紙、再生エアロゾル生成材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、若しくは合金であってもよく、又はそれらを含んでもよい。カバー層943は、キャリア942と同じ材料であってもよく、又は同じ材料を含んでもよいが、そうである必要はない。
【0153】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路910は、1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分944aから生成されたエアロゾルを出口928に伝達するように構成され、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路910は、第1の断面又は他の形状を有し、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路911は、1つ以上の第2のエアロゾル生成領域944bから生成されたエアロゾルを出口928に伝達するように構成され、第2のエアロゾル伝送流路911は、第2の断面又は他の形状を有する。
【0154】
第1の断面又は他の形状は、第2の断面又は他の形状と異なる。
【0155】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路910は、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路911とは別であってもよい。
【0156】
図9Aは、線S’に沿ったエアロゾル生成品904の実施形態の断面を示す。1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路910aの断面又は他の形状は、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路911aの断面又は他の形状よりも大きい。
【0157】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路910の有効空気通路容積は、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路911の有効空気通路容積とほぼ等しくすることができる。
【0158】
上記のように、有効空気通路容積を変えることによって、エアロゾル生成材料から生成されるエアロゾルの量を制御することができ得る。エアロゾル伝送流路が異なる断面又は他の形状を有することによって、出口928から異なる距離に位置するエアロゾル生成領域からエアロゾルをより均一に生成することができ、エアロゾルをより一貫して送達することができ得る。
【0159】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路910a及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路911bの断面又は他の形状は、1つ以上の第1のエアロゾル生成領域944a及び1つ以上の第2のエアロゾル生成領域944bから供給されるエアロゾルの量が実質的に等しくなるように構成されてもよい。
【0160】
図9Bは、線S’に沿ったエアロゾル生成品904の代替の実施形態の断面を示す。1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路911bの断面又は他の形状は、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路910bの断面又は他の形状よりも大きい。
【0161】
上記のように、エアロゾル生成領域からのエアロゾル伝送流路の容積を増大させると、エアロゾル生成領域からのエアロゾルの形成時間を短縮することができる。したがって、吸い口から遠くに位置するエアロゾル生成領域からのエアロゾル伝送流路の容積を増大させると、エアロゾル生成領域から吸い口への長くなった移動時間を相殺することができ、吸い口から異なる距離に位置するエアロゾル領域からのエアロゾルの送達時間をより一貫したものにすることができ、以て、使用者体験を改善することができ得る。
【0162】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路910b及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路911bの断面又は他の形状は、1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分944a及び1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分944bから供給されるエアロゾルの量が実質的に等しくなるように構成することができる。
【0163】
一実施形態では、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路910及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路911のそれぞれは、別個のエアロゾル伝送流路であってもよい。
【0164】
図9のエアロゾル生成品904は、1つ以上の第1及び第2のエアロゾル伝送流路910、911を備えるように示されているが、エアロゾル生成品904は、追加のエアロゾル伝送流路を備えてもよいことが認識されるであろう。
【0165】
一実施形態では、各エアロゾル生成材料部分に対して1つのエアロゾル伝送流路がある。別の実施形態では、各エアロゾル生成材料部分に対して2つ以上のエアロゾル伝送流路がある。別の実施形態では、1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分に対して1つのエアロゾル伝送流路があり、1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分に対して1つのエアロゾル伝送流路がある。
【0166】
図9に示すエアロゾル生成品904の実施形態は、1つ以上の第1及び第2のエアロゾル伝送流路910、911を別個のエアロゾル伝送流路として示しているが、エアロゾル供給デバイス904は、その代わりに又はそれに加えて、中央エアロゾル伝送流路を備えてもよい。1つ以上の第1及び第2のエアロゾル伝送流路910、911はそれぞれ、中央エアロゾル伝送流路の部分を含んでもよい。
【0167】
図10は、本開示の別の実施形態による、中央エアロゾル伝送流路1012を備えるエアロゾル生成品1004の概略断面図である。エアロゾル生成品1004は、図2A図2Cに関連して説明したものと大まかに類似する構成要素を含む。しかしながら、参照番号は1000を加えられている。効率化のために、類似の参照番号を有する構成要素は、特に断らない限り、図1及び図2A図2Cの対応するものとほぼ同じであると理解すべきである。
【0168】
エアロゾル生成品1004は、キャリア1042を備える。キャリアは、図2A図2Cのキャリア42と実質的に同様であってもよい。
【0169】
エアロゾル生成品1004は、カバー層1043をさらに備えてもよい。カバー層1043は、例えば、紙、カード、段ボール、厚紙、再生エアロゾル生成材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、若しくは合金であってもよく、又はそれらを含んでもよい。カバー層1043は、キャリア1042と同じ材料であってもよく、又は同じ材料を含んでもよいが、そうである必要はない。
【0170】
エアロゾル生成品1004は、吸い口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分1044aと、吸い口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分1044bとを備える。
【0171】
図10のエアロゾル生成品1004は、2つのエアロゾル生成材料部分1044a、1044bを示しているが、より多くの数のエアロゾル生成材料部分を有するエアロゾル供給デバイスが明らかに考えられることが認識されるであろう。例えば、エアロゾル生成品1004は、図2A図2Cに関して説明したようなエアロゾル材料生成材料部分の3×2の配置を備えてもよい。
【0172】
エアロゾル生成材料部分1044a、1044bは、図2A図2Cのエアロゾル生成材料部分44a~44fに関して説明したものと実質的に同様であってもよい。
【0173】
エアロゾル生成品1004は、中央エアロゾル伝送流路1012を含む。
【0174】
エアロゾル生成品1004は、チャンバ1045をさらに含む。中央伝送流路1012は、チャンバ1045の形状によって画定されてもよい。
【0175】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路1010は、1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分1044aから生成されたエアロゾルを出口1028に伝達するように構成され、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路1011は、1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分1044bから生成されたエアロゾルを出口1028に伝達するように構成される。
【0176】
1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路1010及び1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路1011はそれぞれ、中央エアロゾル伝送流路1012の少なくとも一部分を含む。
【0177】
1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分1044aに隣り合う中央エアロゾル伝送流路1012の断面又は他の形状は、1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分1044bに隣り合う中央エアロゾル伝送流路1012の断面又は他の形状と異なる。
【0178】
したがって、1つ以上の第1及び第2の伝送流路1010、1011の断面又は他の形状は異なる。
【0179】
中央エアロゾル伝送流路1012の断面又は他の形状は、テーパ状の断面又は他の形状であってもよい。
【0180】
図10に示す実施形態では、1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分1044aに隣り合う中央エアロゾル伝送流路1012の断面又は他の形状は、1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分1044bに隣り合う中央エアロゾル伝送流路1012の断面又は他の形状よりも大きい。したがって、1つ以上の第1及び第2のエアロゾル生成材料部分1044a、1044bから吸い口までの有効空気通路容積は同様にすることができ、それは、エアロゾルをより一貫して送達することになる。
【0181】
代替の実施形態では、1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分1044bに隣り合う中央エアロゾル伝送流路1012の断面又は他の形状は、1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分1044aに隣り合う中央エアロゾル伝送流路1012の断面又は他の形状よりも大きくてもよい。そのような実施形態では、1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分1044bからのエアロゾルの送達速度は、1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分1044aからのエアロゾルの送達速度に対して増大され得る。これは、吸い口から1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分1044bの距離が長くなったことを相殺し、送達時間をより一貫したものにすることができ得る。
【0182】
図9及び図10のエアロゾル生成品904、1004は、図1のエアロゾル供給デバイス2とともに使用するのに適する場合がある。或いは、図9及び図10のエアロゾル生成品904、1004は、図5のエアロゾル供給デバイス202とともに使用するのに適する場合がある。この場合、エアロゾル生成品904、1004は、図6A図6Cのエアロゾル生成品に関して示したようなサセプタ部分(図示せず)をさらに備えてもよい。
【0183】
上記では、エアロゾル生成材料の個別部分にエネルギーを与えるためにエアロゾル生成構成要素(例えば、ヒーター要素)の配列が設けられたシステムを説明したが、他の実施様態では、エアロゾル生成品及び/又はエアロゾル生成構成要素は互いに対して移動するように構成されてもよい。すなわち、エアロゾル生成品のキャリア構成要素に設けられたエアロゾル生成材料の個別部分よりもエアロゾル生成構成要素が少なくてもよく、その結果、エアロゾル生成材料の個別部分のそれぞれに個別にエネルギーを与えることができるようにするために、エアロゾル生成品とエアロゾル生成構成要素との相対移動が必要となる。例えば、可動加熱要素が受け部に対して移動することができるように、可動加熱要素は受け部内に設けられてもよい。このようにして、可動加熱要素は、加熱要素がエアロゾル生成材料の個別部分のそれぞれと位置合わせすることができるように、(例えば、キャリア構成要素の幅方向及び長さ方向に)並進移動することができる。この手法は、同様の使用者体験を提供しながら、必要とするエアロゾル生成構成要素の数を減少させることができる。
【0184】
上記では、エアロゾル生成材料の離散的、空間的に別の部分がキャリア構成要素に配置される実施様態を説明したが、他の実施様態では、エアロゾル生成材料が離散的、空間的に別の部分に設けられず、その代わりにエアロゾル生成材料の連続シートとして設けられてもよいことを認識すべきである。これらの実施様態では、エアロゾル生成材料のシートの特定の領域は、上記とほぼ同じ態様でエアロゾルを生成するように選択的に加熱されてもよい。しかしながら、これらの部分が空間的に別であるかどうかにかかわらず、本開示は、エアロゾル生成材料の部分を加熱(又はエアロゾル化)することを説明した。特に、加熱要素(又は、より詳細には、温度が上昇するように設計された加熱要素の表面)の寸法に基づいて、エアロゾル生成材料の連続シート上に(エアロゾル生成材料の部分に相当する)領域が画定されてもよい。この点について、加熱要素の対応する領域が、エアロゾル生成材料のシートに投影されたとき、エアロゾル生成材料の領域又は部分を画定すると考えられてもよい。本開示によれば、エアロゾル生成材料の各領域又は各部分は20mg以下の質量を有することがあるが、連続シート全体は20mgより大きい質量を有してもよい。
【0185】
上記では、エアロゾル供給デバイスに取り付けられた接触感知パネルを用いてエアロゾル供給デバイスを設定又は操作することができる実施様態を説明したが、その代わりにエアロゾル供給デバイスは遠隔で設定又は制御されてもよい。例えば、制御回路は、制御回路にスマートフォンなどの遠隔デバイスと通信することを可能にする、対応する通信回路(例えば、Bluetooth(登録商標))を備えてもよい。したがって、接触感知パネルは、実質的に、スマートフォン上で走るアプリなどを用いて実装されてもよい。次いで、スマートフォンは、使用者の入力又は設定を制御回路に送信することができ、制御回路は、受信した入力又は設定に基づいて動作するように構成されてもよい。
【0186】
上記では、エアロゾル生成材料にエネルギーを与える(例えば、エアロゾル生成材料を加熱する)ことによってエアロゾルが生成され、その後、使用者によって吸引される実施様態を説明したが、いくつかの実施様態では、使用者によって吸引される前にエアロゾルの1つ以上の特性を改変するために、生成されたエアロゾルがエアロゾル改質構成要素の中又は上を通ってもよいことを認識すべきである。例えば、エアロゾル供給デバイス2、202、702、802は、エアロゾル生成材料の下流の空気流路に挿入された空気透過性インサート(図示せず)を備えてもよい(例えば、インサートは出口に配置されてもよい)。インサートは、エアロゾルが使用者の口に入る前、インサートを通過するときに、エアロゾルの香味、温度、粒子の大きさ、ニコチン濃度などのいずれか1つ以上を変化させる材料を含んでもよい。例えば、インサートは、タバコ又は処理済みタバコを含んでもよい。このようなシステムは、ハイブリッドシステムと呼ばれることがある。インサートは、任意の適切なエアロゾル改質材料を含んでもよく、これは上記のエアロゾル生成材料を含んでもよい。
【0187】
加熱要素が、エアロゾル生成材料の部分からエアロゾルが生成される動作温度になるようにエアロゾル生成材料(又はその部分)に熱を供給するように構成されていることを上述したが、いくつかの実施様態では、加熱要素24は、エアロゾル生成材料の部分を予熱温度(これは動作温度より低い)に予熱するように構成される。予熱温度においては、これらの部分が予熱温度に加熱されると、より少ない量のエアロゾルが生成される、又はエアロゾルは生成されない。特に、いくつかの実施様態では、制御回路は、第1の予め定められた期間が始まる前に(すなわち、エアロゾルを吸引しようとする使用者の意図を示す信号を受け取る前に)電力/エネルギーを供給するように構成される。しかしながら、エアロゾル生成材料の温度を予熱温度から動作温度まで上げるために必要なエネルギー量はより少なく、したがってシステムの応答性は向上するが、総エネルギー消費量は増加する。これは、動作温度に到達するために比較的大きなエネルギー量を供給する必要のあるエアロゾル生成材料の比較的厚い部分、例えば、400μmを超える厚さを有する部分に対して特に適していることがある。しかしながら、このような実施様態では、(例えば、電源からの)エネルギー消費は、比較的高いことがある。
【0188】
加熱要素のそれぞれが、それぞれのエアロゾル生成領域に同じ加熱プロファイルを提供してもよいが、加熱要素の1つ以上が、その代わりに、それぞれのエアロゾル生成領域に異なる加熱プロファイルを提供するように構成されてもよいことが認識されよう。例えば、吸い口から遠くに位置するエアロゾル生成領域は、吸い口の近くに位置するエアロゾル生成領域よりも多くの量のエアロゾルを生成する加熱プロファイルに従って加熱されてもよく、これは、長くなった移動距離に沿って凝縮することによるエアロゾルのさらなる損失を相殺し、異なるエアロゾル生成領域からのエアロゾルの送達をより一貫したものにすることができる。
【0189】
上記では、エアロゾル供給デバイスが使用終了表示器を備える実施様態を説明したが、使用終了表示器は、エアロゾル供給デバイスから離れた別のデバイスによって提供されてもよいことを認識すべきである。例えば、いくつかの実施様態では、エアロゾル供給デバイスの制御回路は、例えば、エアロゾル供給デバイスとスマートフォン又はスマートウォッチなどの遠隔デバイスとの間のデータ転送を可能にする通信機構を備えてもよい。これらの実施様態では、エアロゾル生成品が使用終了に到達したと制御回路が決定すると、制御回路は信号を遠隔デバイスに送信するように構成され、遠隔デバイスは、(例えば、スマートフォンのディスプレイを使用して)警告信号を生成するように構成される。他の遠隔デバイス、及び警告信号を生成するための他の機構が、上記のように使用されてもよい。
【0190】
加えて、エアロゾル生成材料の部分がキャリア構成要素上に設けられるとき、これらの部分は、いくつかの実施様態では、キャリア構成要素の平面にほぼ垂直な方向に脆弱領域、例えば、貫通孔又は比較的薄いエアロゾル生成材料の領域を含んでもよい。これは、エアロゾル生成材料の最も熱い部分がキャリア構成要素に直接接触する領域である場合(言い換えれば、熱が、キャリア構成要素に接触するエアロゾル生成材料の表面に主に加えられるシナリオ)にあり得る。したがって、貫通孔は、キャリア構成要素とエアロゾル生成材料との間にエアロゾルを潜在的に蓄積させるのではなく、生成されたエアロゾルが逃げ、環境/エアロゾル供給デバイスを通る空気の流れに放出されるための経路を提供することができる。エアロゾルのこのような蓄積は、いくつかの実施様態では、エアロゾル生成材料をキャリア構成要素から浮き上がらせ、したがってエアロゾル生成材料への熱伝達の効率を下げるので、システムの加熱効率を下げ得る。エアロゾル生成材料の各部分は、必要に応じて1つ以上の脆弱領域を備えてもよい。
【0191】
いくつかの実施様態では、エアロゾル生成品は、読取可能なバーコード又はRFIDタグなどの識別子を備えてもよく、エアロゾル供給デバイスは、対応する読取器を備えてもよい。エアロゾル生成品がエアロゾル供給デバイスの受け部に挿入されると、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成品に付いている識別子を読み取るように構成されてもよい。制御回路は、エアロゾル生成品の存在を認識する(したがって、加熱を許可する及び/又は寿命終了表示器をリセットする)、又はエアロゾル生成材料の部分のタイプ及び/若しくはエアロゾル生成品に対する位置を識別するように構成されてもよい。これは、制御回路がどの部分をエアロゾル化するか、並びに/又は、例えば、エアロゾル生成温度及び/若しくは加熱時間を調節することによって、これらの部分がエアロゾル化される方法に影響を与えることができる。エアロゾル生成品4を認識するための任意の適切な技法が使用されてもよい。
【0192】
上記の実施形態は、いくつかの点で、いくつかの特定の例示的なエアロゾル供給システムに注目したが、同じ原理を他の技術を使ったエアロゾル供給システムに対して適用することができることは認識されよう。すなわち、エアロゾル供給システムの様々な態様が機能する特定の態様は、本明細書で説明した例の基本的な原理には直接関係しない。
【0193】
様々な課題に対処し、技術を進歩させるため、本開示は、特許請求される発明(複数可)を実施することが可能な様々な実施形態を例証によって示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態のうちの代表的な例にすぎず、すべての利点や特徴を網羅したものでもなければ、他の利点や特徴を排除するものでもない。これらは、特許請求される発明(複数可)の理解及び教示を助けるためだけに提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定されたとおりに本開示を限定するもの、又は特許請求の範囲の均等物を制限するものと考えるべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができること、及び変形を施すことができることを理解されたい。様々な実施形態が、本明細書で詳細に説明されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に備えてもよく、それらのみから構成されてもよく、又は実質的にそれらから構成されてもよく、したがって、従属請求項の特徴は、特許請求の範囲に明示的に記載されたもの以外の組合せで、独立請求項の特徴と組み合わされてもよいことは認識されよう。本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性のある他の発明を含む可能性がある。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図7A
図7B
図8
図9
図9A
図9B
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸い口と、
前記吸い口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成領域と、
前記吸い口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成領域であって、d2>d1である、第2のエアロゾル生成領域と、
前記1つ以上の第1のエアロゾル生成領域から生成されたエアロゾルを前記吸い口に伝達するように構成された1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路であって、第1の断面又は他の形状を有する1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路と、
前記1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から生成されたエアロゾルを前記吸い口に伝達するように構成された1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路であって、第2の断面又は他の形状を有する1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路であり、前記第2の断面又は他の形状が前記第1の断面又は他の形状と異なる、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路と、
を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記第1の断面又は他の形状が、前記第2の断面又は他の形状よりも大きい、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記第2の断面又は他の形状が、前記第1の断面又は他の形状よりも大きい、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記エアロゾル供給デバイスが、中央エアロゾル伝送流路を備え、前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路が、前記中央エアロゾル伝送流路内に形成された、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記中央エアロゾル伝送流路が、テーパの付いた断面又は他の形状を有する、請求項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記1つ以上のエアロゾル生成領域を加熱するための1つ以上の加熱要素をさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記1つ以上の加熱要素が、1つ以上の抵抗加熱要素又は誘導加熱要素を備える、請求項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のエアロゾル供給デバイスと、
複数のエアロゾル生成材料部分を備えるエアロゾル生成品と、
を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項9】
出口と、
前記出口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分と、
前記出口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分であって、d2>d1である、1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分と、
前記1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分から生成されたエアロゾルを前記出口に伝達するように構成された1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路であって、第1の断面又は他の形状を有する1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路と、
前記1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分から生成されたエアロゾルを前記出口に伝達するように構成された1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路であって、第2の断面又は他の形状を有する1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路であり、前記第2の断面又は他の形状が前記第1の断面又は他の形状と異なる、1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路と、
を備える、エアロゾル生成品。
【請求項10】
前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路が、前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路よりも大きな断面又は他の形状を有する、請求項に記載のエアロゾル生成品。
【請求項11】
前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路の有効空気通路容積が、前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の有効空気通路容積にほぼ等しい、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス又は請求項に記載のエアロゾル生成品。
【請求項12】
前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の断面又は他の形状が、前記1つ以上の第1のエアロゾル生成領域及び前記1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から供給されるエアロゾルの量が実質的に等しくなるように構成された、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス又は請求項に記載のエアロゾル生成品。
【請求項13】
前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路が、前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路よりも大きな断面又は他の形状を有する、請求項に記載のエアロゾル生成品。
【請求項14】
前記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路の断面又は他の形状が、前記1つ以上の第1のエアロゾル生成領域及び前記1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から前記出口へのエアロゾルの送達速度が実質的に等しくなるように構成された、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス又は請求項に記載のエアロゾル生成品。
【請求項15】
前記エアロゾル生成品が、中央エアロゾル伝送流路を備え、1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路及び前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路が、前記中央エアロゾル伝送流路内に形成された、請求項に記載のエアロゾル生成品。
【請求項16】
前記中央エアロゾル伝送流路の断面又は他の形状がテーパ状である、請求項1に記載のエアロゾル生成品。
【請求項17】
記1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路が、前記1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路とは別である、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス又は請求項に記載のエアロゾル生成品。
【請求項18】
請求項に記載のエアロゾル生成品と、
前記エアロゾル生成品を受け入れるように構成されたエアロゾル供給デバイスであって、前記複数のエアロゾル生成材料部分からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル供給デバイスと、
を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項19】
吸い口と、前記吸い口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成領域と、前記吸い口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成領域であって、d2>d1である、第2のエアロゾル生成領域とを備えるエアロゾル供給デバイスを用意するステップと、
前記1つ以上の第1のエアロゾル生成領域から生成されたエアロゾルを、第1の断面又は他の形状を有する1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路を介して前記吸い口に伝達するステップと、
前記1つ以上の第2のエアロゾル生成領域から生成されたエアロゾルを、第2の断面又は他の形状を有する1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路を介して前記吸い口に伝達するステップであって、前記第2の断面又は他の形状が前記第1の断面又は他の形状と異なる、ステップと、
を含む、エアロゾルを生成する方法。
【請求項20】
出口と、前記出口から第1の距離d1に位置する1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分と、前記出口から第2の距離d2に位置する1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分であって、d2>d1である、1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分とを備えるエアロゾル生成品を用意するステップと、
前記1つ以上の第1のエアロゾル生成材料部分から生成されたエアロゾルを、第1の断面又は他の形状を有する1つ以上の第1のエアロゾル伝送流路を介して前記出口に伝達するステップと、
前記1つ以上の第2のエアロゾル生成材料部分から生成されたエアロゾルを、第2の断面又は他の形状を有する1つ以上の第2のエアロゾル伝送流路を介して前記出口に伝達するステップであって、前記第2の断面又は他の形状が前記第1の断面又は他の形状と異なる、ステップと、
を含む、エアロゾルを生成する方法。
【国際調査報告】