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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/485 20200101AFI20240426BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20240426BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240426BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240426BHJP
【FI】
A24F40/485
A24F40/50
A24F40/46
A24F40/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572850
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2022064470
(87)【国際公開番号】W WO2022248705
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】2107703.7
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】リース, ケリー アン
(72)【発明者】
【氏名】イングランド, ウィル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA02
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC11
4B162AC13
4B162AC21
4B162AC34
4B162AC41
4B162AC42
4B162AD12
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD23
4B162AD28
4B162AD32
(57)【要約】
エアロゾル生成チャンバ925と、使用時に、エアロゾル生成チャンバ925内に配置されたエアロゾル生成品904を加熱するように配置された1つ以上の加熱要素924と、時間T0で1つ以上の加熱要素924を作動させるように構成された制御システムと、その後の時間T1まで、エアロゾル生成チャンバ925内で生成されたエアロゾルを前方に伝送しないように配置された1つ以上のバルブ951であって、T1>T0である、1つ以上のバルブ951とを備えるエアロゾル供給デバイス902が開示される。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成チャンバと、
使用時に、前記エアロゾル生成チャンバ内に配置されたエアロゾル生成品を加熱するように配置された1つ以上の加熱要素と、
時間T0で前記1つ以上の加熱要素を作動させるように構成された制御システムと、
その後の時間T1まで、前記エアロゾル生成チャンバ内で生成されたエアロゾルを前方に伝送しないように配置された1つ以上のバルブであって、T1>T0である、1つ以上のバルブと、
を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記1つ以上のバルブが、前記エアロゾル生成チャンバの出口領域に配置され、エアロゾルが時間T1まで前記エアロゾル生成チャンバを出ないように配置された、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記エアロゾル生成チャンバの下流に配置されたエアロゾル保持チャンバをさらに備える、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記1つ以上のバルブが、前記エアロゾル保持チャンバの出口領域に配置され、エアロゾルが時間T1まで前記エアロゾル保持チャンバを出ないように配置された、請求項3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記制御システムが、(i)1つ以上の加熱要素の作動若しくは作動停止に応答して、(ii)時間の関数として、(iii)予め定められたタイミングプロファイルに従って、又は(iv)使用者が定めた1つ以上の設定に従って、前記1つ以上のバルブを選択的に制御するように構成された、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記エアロゾル供給デバイスが吸い口をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記1つ以上のバルブによって放出されたエアロゾルを前記吸い口に向ける又は伝送するために、前記エアロゾル生成チャンバの出口又はエアロゾル保持チャンバの出口と前記吸い口との間に配置された1つ以上のエアロゾル流路をさらに備える、請求項6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
複数のエアロゾル生成領域をさらに備え、1つ以上の又はそれぞれのエアロゾル生成領域が、外部大気と流体連通する少なくとも1つの空気供給孔を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
複数のエアロゾル生成材料部分を備えるエアロゾル生成品と、
を具備する、エアロゾル供給システム。
【請求項10】
(i)各エアロゾル生成材料部分が実質的に同じである、又は(ii)前記複数のエアロゾル生成材料部分の少なくともいくつかが実質的に異なる、請求項9に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項11】
前記エアロゾル生成品が、実質的に平面状のエアロゾル生成品を備える、請求項9又は10に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項12】
前記平面状のエアロゾル生成品が複数のエアロゾル生成領域を備える、請求項11に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項13】
使用時、前記エアロゾル生成品が、複数の加熱要素に隣り合って配置されている、請求項12に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項14】
使用時、前記エアロゾル生成品が、1つ以上のエアロゾル生成領域が加熱要素に隣り合って位置するように配置され、前記エアロゾル生成品が、1つ以上のエアロゾル生成領域が前記加熱要素の近くに移動するように、前記加熱要素に対して回転又は移動される、請求項12に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項15】
請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスを用意するステップと、
前記1つ以上のバルブを使用して、時間T1まで、前記エアロゾル生成チャンバ内で生成されたエアロゾルを前方に伝送しないようにするステップであって、T1>T0である、ステップと、
を含む、エアロゾルを生成する方法。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイス、エアロゾル供給システム、及びエアロゾルを生成する方法に関する。
【背景】
【0002】
電子タバコ(eシガレット)などの電子エアロゾル生成システムは一般に、典型的にはニコチンを含む配合物を含む原料液体のリザーバを含み、エアロゾルは、それから、例えば加熱気化によって生成される。したがって、エアロゾル供給システム用のエアロゾル供給源は、例えばウィッキング又は毛細管作用によってリザーバから原料液体を受け取るように配置された加熱要素を有するヒーターを備えてもよい。使用者がデバイスで吸引する間、電力が加熱要素に供給されて、加熱要素の近くにある原料液体を気化して、使用者による吸引のためのエアロゾルを生成する。このようなデバイスは通常、システムの吸い口端部から離れたところに配置された1つ以上の空気入口穴を備える。使用者が、システムの吸い口端部に接続された吸い口で吸うと、空気は入口穴を通って引き込まれ、エアロゾル供給源を通過する。エアロゾル供給源と吸い口の開口との間を接続する流路があり、その結果、エアロゾル供給源を通過する空気は、エアロゾル供給源からエアロゾルの一部を運びながら、流路に沿って吸い口開口に引き込まれ続ける。エアロゾルを運ぶ空気は、使用者による吸引のための吸い口の開口を通ってエアロゾル供給システムを出る。
【0003】
他のエアロゾル供給デバイスは、タバコ又はタバコ派生物などの固体材料からエアロゾルを生成する。このようなデバイスは、上記の液体をベースにしたシステムとほぼ同様な態様で動作し、この場合、固体タバコ材料は、気化温度まで加熱されてエアロゾルを生成し、その後、使用者によって吸引される。ほとんどのエアロゾル供給デバイスにおいて、使用者は、各パフで同じ味がするように、及び/又は同じ所望の効果が得られるように、パフごとの一貫した送達を求める。しかしながら、上記のデバイスはいつも一貫した送達を提供することができるとは限らない。
【0004】
エアロゾルの送達を改善する及び/又は使用者の感覚的体験を改善するエアロゾル供給デバイスを提供することが望まれる。
【概要】
【0005】
一態様によれば、
エアロゾル生成チャンバと、
使用時に、エアロゾル生成チャンバ内に配置されたエアロゾル生成品を加熱するように配置された1つ以上の加熱要素と、
時間T0で1つ以上の加熱要素を作動させるように構成された制御システムと、
その後の時間T1まで、エアロゾル生成チャンバ内で生成されたエアロゾルを前方に伝送しないように配置された1つ以上のバルブであって、T1>T0である、1つ以上のバルブと
を備えるエアロゾル供給デバイスが提供される。
【0006】
エアロゾルを適切に形成することができることによって、及び、例えば、加熱要素を最初に作動させてから数秒だけエアロゾルの放出を遅らせることによって、感覚的体験を改善することが分かった。
【0007】
特に、エアロゾルをエアロゾル生成チャンバ(又は、下流のエアロゾル保持チャンバ)内に形成することができ、エアロゾルの放出を遅らせると、それに続いて放出されるとき、エアロゾルの液滴又は粒子の粒径を最適化するのに役立つ。
【0008】
エアロゾルをエアロゾル生成チャンバ又は別のエアロゾル保持チャンバのいずれかに数秒間保持すると、エアロゾルが高い含水量を含むときの高温のパフ、すなわち高温で多湿のパフの望ましくない体験を減らすことも分かった。さらに、含水量が高すぎる場合、微生物の増殖が起こり得る。
【0009】
任意選択で、1つ以上のバルブは、エアロゾル生成チャンバの出口領域に配置されてもよく、任意選択で、時間T0で1つ以上の加熱要素が最初に作動した後、エアロゾルがその後の時間T1までエアロゾル生成チャンバを出ないように配置されてもよい。
【0010】
様々な実施形態が考えられる。例えば、一実施形態によれば、時間T0は、1つ以上の加熱要素の作動又は作動停止に対応してもよい。一実施形態によれば、時間T0、及びT1における1つ以上のバルブの作動は、時間の関数であってよく、デバイスを使用したいことを示す使用者によって定められてもよい。一実施形態によれば、時間T0と時間T1との間の関係は、予め定められたタイミングプロファイルに従ってもよい。また、時間T0と時間T1との間の関係が、使用者が定めた1つ以上の設定に従って設定されてもよい実施形態も考えられる。
【0011】
任意選択で、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成チャンバの下流に配置されたエアロゾル保持チャンバをさらに備えてもよい。
【0012】
任意選択で、1つ以上のバルブは、エアロゾル保持チャンバの出口領域に配置されてもよい。1つ以上のバルブは、エアロゾルが時間T1までエアロゾル保持チャンバを出ないように配置されてもよい。
【0013】
デバイスは、バルブが開くのと連動して又はその少し前に動作するようにタイミングを合わせて、パフを開始すべきことを使用者に示すように構成された指示手段を備えることができる。様々な実施形態によれば、音声指示、視覚指示、又は触覚指示のうちの1つ以上が、パフを開始すべきことを使用者に示すために使用者に提供されてもよい。使用者に提供される指示は、T1に関連して、すなわち時間T1に、又はT1より前の予め定められた時間に定められてもよい。
【0014】
任意選択で、制御システムは、(i)1つ以上の加熱要素の作動若しくは作動停止に応答して、(ii)時間の関数として、(iii)予め定められたタイミングプロファイルに従って、又は(iv)使用者が定めた1つ以上の設定に従って、1つ以上のバルブを選択的に制御するように構成されてもよい。
【0015】
任意選択で、エアロゾル供給デバイスは吸い口をさらに備えてもよい。
【0016】
任意選択で、エアロゾル供給デバイスは、1つ以上のバルブによって放出されたエアロゾルを吸い口に向ける又は伝送するために、エアロゾル生成チャンバの出口(又はエアロゾル保持チャンバの出口)と吸い口との間に配置された1つ以上のエアロゾル流路をさらに備えてもよい。
【0017】
エアロゾル生成品は、実質的に平面状のエアロゾル生成品を備えてもよい。平面状のエアロゾル生成品は複数のエアロゾル生成領域を備えてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、複数のエアロゾル生成領域を備えるエアロゾル生成品は、複数の加熱要素に隣り合って配置されてもよい。
【0019】
これに代えて、複数のエアロゾル生成領域を備えるエアロゾル生成品は、1つ以上のエアロゾル生成領域が加熱要素に隣り合って位置するように配置されてもよく、エアロゾル生成品は、1つ以上のエアロゾル生成領域が加熱要素の近くに移動するように、加熱要素に対して回転又は移動される。
【0020】
任意選択で、エアロゾル供給デバイスは、複数のエアロゾル生成領域をさらに備えてもよく、1つ以上の又はそれぞれのエアロゾル生成領域は、外部大気と流体連通する少なくとも1つの空気供給孔を備える。
【0021】
別の態様によれば、
上記のようなエアロゾル供給デバイスと、
複数のエアロゾル生成材料部分を備えるエアロゾル生成品と
を備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0022】
任意選択で、(i)各エアロゾル生成材料部分は実質的に同じである、又は(ii)複数のエアロゾル生成材料部分の少なくともいくつかは実質的に異なる。
【0023】
任意選択で、エアロゾル生成品は、実質的に平面状のエアロゾル生成品を備えてもよい。
【0024】
任意選択で、平面状のエアロゾル生成品は複数のエアロゾル生成領域を備えてもよい。
【0025】
任意選択で、使用時、エアロゾル生成品は、複数の加熱要素に隣り合って配置されている。
【0026】
任意選択で、使用時、エアロゾル生成品は、1つ以上のエアロゾル生成領域が加熱要素に隣り合って位置するように配置され、エアロゾル生成品は、1つ以上のエアロゾル生成領域が加熱要素の近くに移動するように、加熱要素に対して回転又は移動される。
【0027】
別の態様によれば、
上記のようなエアロゾル供給デバイスを用意するステップと、
1つ以上のバルブを使用して、時間T1まで、エアロゾル生成チャンバ内で生成されたエアロゾルを前方に伝送しないようにするステップであって、T1>T0である、ステップと
を含む、エアロゾルを生成する方法が提供される。
【0028】
したがって、1つ以上のバルブを組み込んでエアロゾルを遅らせて放出する実施形態は、高温のパフの危険性が低い改善された感覚的体験を提供し、微生物増殖が起こり得る危険性を回避することが理解されるであろう。
【0029】
本発明の第1及び他の態様に関して上で説明した本発明の特徴及び態様は、本発明の他の態様による本発明の実施形態に等しく適用可能であり、上記の特定の組合せに限らずそれらと適宜組み合わされてもよいことは認識されよう。
【0030】
次に、添付図面を参照して、様々な実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】エアロゾル供給デバイスとエアロゾル生成品とを備えるエアロゾル供給システムの概略断面図であり、エアロゾル供給デバイスは複数の加熱要素を備え、エアロゾル生成品は複数のエアロゾル生成材料部分を備える。
図2A図1示したエアロゾル供給デバイスに配置されたエアロゾル生成品の上面図である。
図2B】エアロゾル生成品の長手方向(長さ)軸線に沿ったエアロゾル生成品の端面図である。
図2C】エアロゾル生成品の幅方向軸線に沿った側面図である。
図3図1のエアロゾル供給デバイスの加熱要素の断面上面図である。
図4】エアロゾル供給システムの様々な機能を動作させるための例示的な接触感知パネルの上面図である。
図5】エアロゾル供給デバイスとエアロゾル生成品とを備えるエアロゾル供給システムの概略断面図の例であり、エアロゾル供給デバイスは複数の誘導加熱要素を備え、エアロゾル生成品は複数のエアロゾル生成材料部分及び対応するサセプタ部分を備える。
図6A図5に示したエアロゾル供給デバイスに配置されたエアロゾル生成品の上面図である。
図6B】エアロゾル生成品の長手方向(長さ)軸線に沿ったエアロゾル生成品の端面図である。
図6C】エアロゾル生成品の幅方向軸線に沿った側面図である。
図7】一構成によるエアロゾル供給デバイスの概略断面図である。
図8図7のエアロゾル供給デバイスの一部の等角分解図である。
図9】一実施形態によるエアロゾル供給デバイスの概略断面図であり、エアロゾル生成チャンバ内で生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成チャンバの出口に配置された1つ以上のバルブによって、加熱要素の最初の作動後のある時間間隔の間、エアロゾル生成チャンバを出るのを遅らされる。
図10】別の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの概略断面図であり、エアロゾル生成チャンバ内で生成されたエアロゾルは、エアロゾル保持チャンバ内に流れ、エアロゾル保持チャンバの出口に配置された1つ以上のバルブは、エアロゾル保持チャンバ内に保持されたエアロゾルを選択的に伝送又は放出するように配置される。
【詳細な説明】
【0032】
本明細書では、特定の例及び実施形態の態様及び特徴を論じる又は説明する。特定の例及び実施形態におけるいくつかの態様及び特徴は、従来から具現化されている場合もあり、それらについては、説明を簡略にするために、詳細を論じる又は説明することはしない。したがって、詳細に説明しない、本明細書で論じる装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を具現化するための任意の従来技術に従って具現化することができることは認識されよう。
【0033】
本開示は、「非燃焼性」エアロゾル供給システムに関する。「非燃焼性」エアロゾル供給システムとは、使用者へのエアロゾルの送達を促進するために、エアロゾル供給システムのエアロゾル生成材料構成物(又はその成分)を燃焼させない、又は燃やさないシステムである。さらに、当該技術分野では一般的であるように、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語、並びに「気化する」、「揮発させる」、及び「エアロゾル化する」等の関連の用語は概ね互換的に使用することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料(それらのうちの1つ又は複数は加熱されてもよい)の組合せを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムである。エアロゾル生成材料のそれぞれは、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでもよいし含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料と、固体のエアロゾル生成材料とを備える。固体のエアロゾル生成材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。
【0035】
典型的には、非燃焼性エアロゾル供給システムは、非燃焼性エアロゾル供給デバイスと、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品(消耗品と呼ばれることもある)とを備えてもよい。しかしながら、それ自体がエアロゾル生成構成要素にパワーを与えるための手段を備える物品は、それ自体、非燃焼性エアロゾル供給システムを形成することができると考えられる。
【0036】
物品は、その一部又は全部が、使用者の使用中に消費されることが意図される。消耗品は、エアロゾル生成材料を備える、又はそれよりなる物品であり、その一部又は全部が、使用者の使用中に消費されることが意図される。消耗品は、エアロゾル生成材料収納領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、吸い口、フィルター、及び/又はエアロゾル改質剤など、1つ以上の他の構成要素を備えてもよい。消耗品はまた、使用時にエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるために熱を放出するヒーターなどのエアロゾル生成器を備えてもよい。ヒーターは、例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを備えてもよい。
【0037】
非燃焼性エアロゾル供給システムは、いつもというわけではないが、再使用可能なエアロゾル供給デバイス及び交換可能な物品の両方を含むモジュール式アセンブリを備えることが多い。いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、パワー源及び制御器(又は制御回路)を備えてもよい。パワー源は、例えば、バッテリー又は再充電可能なバッテリーなどの電源であってもよい。いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスはまた、エアロゾル生成構成要素を備えてもよい。しかしながら、他の実施様態では、物品が、エアロゾル生成構成要素を部分的に又は完全に備えてもよい。
【0038】
エアロゾル生成構成要素(エアロゾル生成器)は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された装置である。いくつかの実施様態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料から1つ以上の揮発成分を放出させてエアロゾルを形成するようにエアロゾル生成材料と相互作用することができるヒーターである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、加熱することなくエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成することができる。例えば、エアロゾル生成構成要素は、例えば、振動的手段、機械的手段、加圧手段、又は静電気的手段のうちの1つ以上によって、熱を加えることなくエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成することができる。
【0039】
非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、一般的にエアロゾル生成材料を備える。本明細書ではエアロゾル生成材料とも呼ばれることがあるエアロゾル生成材料は、例えば、加熱される、照射される、又は任意の他の方法でエネルギーを加えられると、エアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、それはニコチン及び/又は香味料を含んでもよいし含まなくてもよい。
【0040】
エアロゾル生成材料は、キャリア支持体(又はキャリア構成要素)上に、又はその中に存在して基体を形成してもよい。キャリア支持体は、例えば、紙、カード、段ボール、厚紙、再生エアロゾル生成材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、若しくは合金であってもよい、又はそれらを含んでもよい。
【0041】
いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル生成材料、又はエアロゾル生成材料を受け入れるための領域を備えてもよい。いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は吸い口を備えてもよい、又は、これに代えて、非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、物品と連通する吸い口を備えてもよい。エアロゾル生成材料を受け入れるための領域は、エアロゾル生成材料を収納するための収納領域であってもよい。例えば、この収納領域はリザーバであってもよい。
【0042】
図1は、エアロゾル供給システム1の概略断面図である。エアロゾル供給システム1は、2つの主要な構成要素、すなわちエアロゾル供給デバイス2及びエアロゾル生成品4を備える。
【0043】
エアロゾル供給デバイス2は、外側ハウジング21、電源22、制御回路23、複数のエアロゾル生成構成要素24、チャンバ25、吸い口端部26、空気入口27、空気出口28、接触感知パネル29、吸引センサ30、及び使用終了表示器31を備える。
【0044】
外側ハウジング21は、任意の適切な材料、例えばプラスチック材料から形成されてもよい。外側ハウジング21は、外側ハウジング21内に電源22、制御回路23、エアロゾル生成構成要素24、チャンバ25、及び吸引センサ30が配置されるように構成される。外側ハウジング21はまた、以下でより詳細に説明する空気入口27及び空気出口28を画定する。接触感知パネル29及び使用終了表示器は、外側ハウジング21の外側に配置される。
【0045】
外側ハウジング21は、吸い口端部26をさらに含む。外側ハウジング21及び吸い口端部26は、単一の構成要素として形成される(すなわち、吸い口端部26は外側ハウジング21の一部を形成する)。吸い口端部26は、空気出口28を含む外側ハウジング21の領域として画定され、使用者が吸い口端部26の周りに唇を快適に置いて空気出口28と係合することができるような形状である。図1では、外側ハウジング21の厚さは、空気出口28に向かって薄くなって、使用者の唇によってより容易に収めることができるエアロゾル供給デバイス2の相対的に薄い部分を提供する。しかしながら、他の実施様態では、吸い口端部26は、外側ハウジング21とは別個のものであるが外側ハウジング21に結合することができる取外し可能な構成要素であってもよく、それは、洗浄及び/又は別の吸い口端部26との交換のために取り外すことができる。
【0046】
電源22は、エアロゾル供給デバイス2に動作電力を供給するように構成される。電源22は、バッテリーなどの任意の適切な電源であってもよい。例えば、電源22は、リチウムイオン電池などの再充電可能なバッテリーを備えてもよい。電源22は、取外し可能であってもよいし、エアロゾル供給デバイス2の一体化した部分を形成してもよい。いくつかの実施様態では、電源22は、USBポート(図示せず)などの関連する接続ポートを介して、又は適切な無線レシーバ(図示せず)を介して、エアロゾル供給デバイス2を外部電源(主電源など)と接続することによって再充電されてもよい。
【0047】
制御回路23は、エアロゾル供給デバイス2の動作を制御してエアロゾル供給デバイス2の特定の動作機能を提供するように適切に構成又はプログラムされる。制御回路23は、エアロゾル供給デバイスの動作の様々な態様に関連する様々なサブユニット又は回路要素を論理的に備えるように考慮されてもよい。例えば、制御回路23は、電源22の再充電を制御するための論理サブユニットを備えてもよい。これに加えて、制御回路23は、例えば、エアロゾル供給デバイス2から、又はエアロゾル供給デバイス2へのデータ転送を容易にするために通信用の論理サブユニットを備えてもよい。しかしながら、制御回路23の主要な機能は、以下でより詳細に説明するように、エアロゾル生成材料のエアロゾル化を制御することである。制御回路23の機能は、例えば、所望の機能を提供するように構成された、1つ以上の適切にプログラムされたプログラム可能なコンピュータ(複数可)、及び/又は、1つ以上の適切に構成された特定用途向け集積回路(複数可)、回路、チップ(複数可)、又はチップセット(複数可)を使用して、様々な異なる方法で提供することができることは認識されよう。制御回路23は、電源23に接続され、電源22から電力を受け取り、エアロゾル供給デバイス2の他の構成要素への電源供給を分配又は制御するように構成されてもよい。
【0048】
説明されている実施様態では、エアロゾル供給デバイス2は、エアロゾル生成品4を受け入れるように配置されたチャンバ25をさらに備える。
【0049】
エアロゾル生成品4は、キャリア構成要素42及びエアロゾル生成材料44を備える。エアロゾル生成品4は、図2A図2Cにさらに詳細に示される。
【0050】
図2Aは、エアロゾル生成品4の上面図であり、図2Bは、エアロゾル生成品4の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図であり、図2Cは、エアロゾル生成品4の幅方向軸線に沿った側面図である。
【0051】
エアロゾル生成品4は、この実施様態ではカードで形成されたキャリア構成要素42を備える。キャリア構成要素42はエアロゾル生成品4の大部分を形成し、エアロゾル生成材料44が配置される基部として機能する。
【0052】
キャリア構成要素42は、図2A図2Cに示すように、長さl、幅w、及び厚さtを有するほぼ立方体の形状である。具体的な例として、キャリア構成要素42の長さは30~80mmであってもよく、幅は7~25mmであってもよく、厚さは0.2~1mmであってもよい。しかしながら、上記はキャリア構成要素42の例示的な寸法であり、他の実施様態では、キャリア構成要素42は、必要に応じて、異なる寸法を有してもよいことを認識すべきである。いくつかの実施様態では、キャリア構成要素42は、使用者によるエアロゾル生成品4の取り扱いを容易にするのを助けるために、キャリア構成要素42の長さ方向及び/又は幅方向に延在する1つ以上の突起を備えてもよい。
【0053】
図1及び図2に示す例では、エアロゾル生成品4は、キャリア構成要素42の表面に配置されたエアロゾル生成材料44の複数の個別部分を備える。より詳細には、エアロゾル生成品4は、2×3の配列に配置された、44a~44fと符号が付けられたエアロゾル生成材料44の6つの個別部分を備える。しかしながら、他の実施様態では、これより多い若しくは少ない数の個別部分が設けられてもよく、及び/又は、これらの部分は異なる配列(例えば、1×6の配列)に配置されてもよいことを認識すべきである。図示の例では、エアロゾル生成材料44は、構成要素キャリア42の単一の表面上の離散的な別々の位置に配置される。エアロゾル生成材料44の個別部分は、円形のフットプリントを有するように示されているが、エアロゾル生成材料44の個別部分は、必要に応じて、正方形又は長方形などの任意の他のフットプリントを採り得ることを認識すべきである。エアロゾル生成材料44の個別部分は、図2A図2Cに示すように、直径d及び厚さtを有する。厚さtは、任意の適切な値を採ってもよく、例えば、厚さtは、50μm~1.5mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態では、厚さtは、約50μm~約200μm、又は約50μm~約100μm、又は約60μm~約90μmであり、約77μmが適切である。他の構成では、厚さtは、200μmより厚くてもよく、例えば、約50μm~約400μm、又は~約1mm、又は~約1.5mmであってもよい。
【0054】
エアロゾル生成材料44の個別部分は、個別部分のそれぞれが個別に又は選択的にエネルギーを与えられて(例えば、加熱されて)エアロゾルを生成することができるように互いから離れている。いくつかの実施様態では、エアロゾル生成材44のこれらの部分は20mg以下の質量を有してもよく、その結果、所与のエアロゾル生成品24によって、任意の1回でエアロゾル化される材料の量は比較的少ない。例えば、1つの部分の質量は、20mg以下、又は10mg以下、又は5mg以下であってもよい。エアロゾル生成品4の全質量は20mgより重くてもよい。
【0055】
エアロゾル生成品4は、すべてが同じエアロゾル生成材料から形成されたエアロゾル生成材料の複数の部分を備えてもよい。これに代えて、エアロゾル生成品4は、少なくとも2つの部分が異なるエアロゾル生成材料から形成された、エアロゾル生成材料44の複数の部分を含んでもよい。
【0056】
チャンバ25は、エアロゾル生成品4を取外し可能に受け入れるのに適した大きさである。図示されていないが、エアロゾル供給デバイス2は、チャンバ25へのアクセスを可能にするためにヒンジ付きドア又は外側ハウジング21の取外し可能な部分を備えてもよく、その結果、使用者は、チャンバ25にエアロゾル生成品4を挿入すること、及び/又はチャンバ25からエアロゾル生成品4を取り外すことができる。ヒンジ付きドア又は外側ハウジング21の取外し可能な部分はまた、閉じたときにチャンバ25内にエアロゾル生成品4を保持するように機能することができる。エアロゾル生成品4が使い尽くされたとき、又は使用者が単に異なるエアロゾル生成品4に切り替えることを望むとき、エアロゾル生成品4は、エアロゾル供給デバイス2から取り外され、その場所に交換のエアロゾル生成品4をチャンバ25に配置することができる。これに代えて、エアロゾル供給デバイス2は、チャンバ25と連通し、エアロゾル生成品4をチャンバ25に挿入することができる永久的な開口を含んでもよい。このような実施様態では、エアロゾル生成品4をエアロゾル供給デバイス2のチャンバ25内に保持するための保持機構が設けられてもよい。
【0057】
図1に見られるように、エアロゾル供給デバイス2は、いくつかのエアロゾル生成構成要素24を備える。説明されている実施様態では、エアロゾル生成構成要素24は加熱要素24であり、より詳細には、抵抗加熱要素24である。抵抗加熱要素24は、電流を受け取り、その電気エネルギーを熱に変換する。抵抗加熱要素24は、電流を受け取ると熱を生成するニクロム(Ni20Cr80)などの任意の適切な抵抗加熱材料から形成されてもよい、又はそれらを含んでもよい。一実施様態では、加熱要素24は、抵抗通路が配置された電気絶縁基板を備えてもよい。
【0058】
図3は、加熱要素24の配置をより詳細に示すエアロゾル供給デバイス2の断面上面図である。図1及び図3では、加熱要素24は、加熱要素24の表面がチャンバ25の表面の一部を形成するように配置されている。すなわち、加熱要素24の外面は、受け部の内面と面一になっている。より詳細には、チャンバ25の内面と面一になっている加熱要素24の外面は、加熱要素24に電流を通したときに加熱される(すなわち、その温度が上昇する)加熱要素24の表面である。
【0059】
加熱要素24は、エアロゾル生成品4がチャンバ25に受け入れられたときに、各加熱要素24がエアロゾル生成材料44の対応する個別部分と位置が合うように配置される。したがって、この例では、6つの加熱要素24が、図2A図2Cに示したエアロゾル生成材料44の6つの個別部分の2×3の配列の配置に大まかに対応した2×3の配列で配置されている。しかしながら、上で論じたように、加熱要素24の数は、異なる実施様態では異なっていてもよく、例えば、8、10、12、14個などの加熱要素24があってもよい。いくつかの実施様態では、加熱要素24の数は、6個以上であるが、20個以下である。
【0060】
より詳細には、加熱要素24は、図3では24a~24fの符号が付けられており、各加熱要素24は、参照符号24、44の後の対応する文字によって示されるように、エアロゾル生成材料44の対応する部分と位置が合うように配置されていると理解すべきである。したがって、加熱要素24のそれぞれは、エアロゾル生成材料44の対応する部分を加熱するために個別に作動させることができる。
【0061】
加熱要素24は、チャンバ25の内面と面一に示されているが、他の実施様態では、加熱要素24は、チャンバ25内に突出してもよい。いずれの場合も、エアロゾル生成品4は、チャンバ25内に存在するときに、加熱要素24の表面と接触し、その結果、加熱要素24によって生成された熱は、キャリア構成要素42を通ってエアロゾル生成材料44に伝導される。
【0062】
いくつかの実施様態では、熱伝達効率を改善するために、チャンバは、キャリア構成要素42をヒーター要素24に押し付けるようにキャリア構成要素42の表面に力を加える構成要素を備えてもよく、以て、エアロゾル生成材料44への伝導による熱伝達効率を上昇させる。
【0063】
これに加えて、又はこれに代えて、ヒーター要素24は、エアロゾル生成品4に向かう方向/エアロゾル生成品4から離れる方向に移動するように構成されてもよく、エアロゾル生成材料44を備えないキャリア構成要素42の表面に押し付けられてもよい。
【0064】
使用時、エアロゾル供給デバイス2(より詳細には制御回路23)は、使用者の入力に応答して加熱要素24に電力を供給するように構成される。概して、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の対応する部分を加熱してエアロゾルを生成するように加熱要素24に選択的に電力を印加するように構成される。使用者がエアロゾル供給デバイス2で吸引する(すなわち、吸い口端部26で吸引する)と、空気は空気入口27を通ってエアロゾル供給デバイス2に引かれ、チャンバ25に入り、ここで、エアロゾル生成材料44を加熱することによって生成されたエアロゾルと混合し、次いで、空気出口28を経て使用者の口へ引かれる。すなわち、エアロゾルは、吸い口端部26及び空気出口28を通って使用者に送達される。
【0065】
図1に示すように、デバイス2は、接触感知パネル29及び吸引センサ30を含む。接触感知パネル29及び吸引センサ30はともに、エアロゾルの生成を引き起こすために使用者の入力を受け取るための機構として機能し、したがって、より広くは、使用者入力機構と呼ばれることがある。受け取られた使用者の入力は、使用者がエアロゾルを生成したいことを示していると言える。
【0066】
接触感知パネル29は、静電容量式タッチセンサであってもよく、エアロゾル供給デバイス2の使用者が指又は別の適切な導電性の物体(例えばスタイラス)を接触感知パネルに置くことによって操作することができる。説明されている実施様態では、接触感知パネルは、エアロゾル生成を開始するために使用者が押すことができる領域を含む。制御回路23は、接触感知パネル29からの信号を受け、この信号を用いて、使用者が接触感知パネル29のこの領域を押しているかどうか(すなわち、作動させているかどうか)を判定するように構成することができる。制御回路23がこの信号を受けた場合、制御回路23は、電源22から加熱要素24のうちの1つ以上に電力を供給するように構成される。電力は、接触が検出された瞬間から予め定められた時間(例えば3秒間)供給されてもよいし、接触が検出された時間の長さに対応して供給されてもよい。他の実施様態では、接触感知パネル29は、使用者が作動することができるボタンなどに置き換えられてもよい。
【0067】
吸引センサ30は、使用者がエアロゾル供給デバイス2で吸引することによって生じる圧力の低下又は空気の流れを検出するように構成された圧力センサ又はマイクロフォン等であってもよい。吸引センサ30は、空気流路と流体連通して(すなわち、入口27と出口28との間の空気流路と流体連通して)配置される。上記と同様の態様で、制御回路23は、吸引センサからの信号を受け、この信号を用いて、使用者がエアロゾル供給システム1で吸引しているかを判定するように構成することができる。制御回路23がこの信号を受けた場合、制御回路23は、電源22から加熱要素24のうちの1つ以上に電力を供給するように構成される。電力は、吸引が検出された瞬間から予め定められた時間(例えば3秒間)供給されてもよいし、吸引が検出された時間の長さに対応して供給されてもよい。
【0068】
説明されている例では、接触感知パネル29及び吸引センサ30の両方が、吸引のためのエアロゾルの生成を開始したいと使用者が思っていることを検出する。制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30の両方からの信号が検出されたときのみ、加熱要素24に電力を供給するように構成されてもよい。これは、使用者入力機構の1つが偶発的に作動することから加熱要素24が意図せずに作動することを防止するのを助けることができる。しかしながら、他の実施様態では、エアロゾル供給システム1は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のうちの一方のみを有してもよい。
【0069】
エアロゾル供給システム1の動作のこれらの態様(すなわち、パフ検出及び接触検出)は、それ自体、確立した技法に従って(例えば、従来の吸引センサ及び吸引センサ信号処理技法を用いて、並びに、従来のタッチセンサ及びタッチセンサ信号処理技法を用いて)実行することができる。
【0070】
いくつかの実施様態では、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号を検出したことに応答して、制御回路23は、個々の加熱要素24のそれぞれに電力を順次供給するように構成される。より詳細には、制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方から受けた信号の検出の順序に応答して、個々の加熱要素23のそれぞれに順次電力を供給するように構成される。例えば、制御回路23は、(例えば、エアロゾル供給デバイス2のスイッチが最初に入れられたときから)信号が最初に検出されたとき、複数の加熱要素24のうちの第1の加熱要素24に電力を供給するように構成されてもよい。信号が止まると、又は信号が検出されてから予め定められた時間が経過したことに応答して、制御回路23は、第1の加熱要素24が作動された(したがって、エアロゾル生成材料44の対応する個別部分が加熱された)ことを記録する。制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの次の信号を受けたことに応答して、第2の加熱要素24を作動させることを決定する。したがって、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号を制御回路23が受けたとき、制御回路23は、第2の加熱要素24を作動させる。この処理は、残りの加熱要素24に対して繰り返され、その結果、すべての加熱要素24が順次作動させられる。
【0071】
事実上、この操作は、各吸引に対して、エアロゾル生成材料44の個別部分の異なる部分が加熱され、エアロゾルはそれから生成されることを意味する。言い換えれば、エアロゾル生成材料の単一の個別部分は、使用者の吸引ごとに加熱される。
【0072】
他の実施様態では、制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方若しくは両方からの次の信号に応答して第2の加熱要素24を作動させるべきであると決定する前に、第1の加熱要素24を複数回(例えば2回)作動させる、又は、複数の加熱要素24のそれぞれを1回作動させ、すべての加熱要素24が1回作動されたときに、次の信号が検出されると、加熱要素を順次2回目作動させるように構成されてもよい。
【0073】
このような順次作動させることは、「順次作動モード」と呼ばれることがあり、これは主に、吸引ごとに一貫したエアロゾルを送達するように設計される(これは、例えば、生成された全エアロゾル、又は送達された全成分によって測定することができる)。したがって、このモードは、エアロゾル生成品4のエアロゾル生成材料44の各部分が実質的に同一であるとき、すなわち、部分44a~44fが同じ材料から形成されているときに最も有効であり得る。
【0074】
いくつかの他の実施様態では、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号の検出に応答して、制御回路23は、加熱要素24の1つ以上に同時に電力を供給するように構成される。
【0075】
そのような実施様態では、制御回路23は、予め定められた構成に対応して、加熱要素24のうちの選択された加熱要素に電力を供給するように構成されてもよい。予め定められた構成は、使用者によって選択又は決定された構成であってもよい。例えば、接触感知パネル29は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号を制御回路23が受けたときに、加熱要素24のどれを作動させるかを使用者が個別に選択できる領域を備えてもよい。いくつかの実施様態では、使用者はまた、信号を受けたことに応答して加熱要素24に供給されるように、各加熱要素24に対する電力レベルを設定することもできる。
【0076】
図4は、接触感知パネル29の上面図である。図4は、前述したような外側ハウジング21及び接触感知パネル29を概略的に示している。接触感知パネル29は、6つの加熱要素24のそれぞれに対応する6つの領域29a~29f、及び前述のように、使用者が吸引を開始すること、又はエアロゾルを生成することを望んでいることを示すための領域に対応する領域29gを備える。6つの領域29a~29fはそれぞれ、6つの対応する加熱要素24のそれぞれへの電力供給を制御するために使用者が触れることができる接触感知領域に対応する。説明されている実施様態では、各加熱要素24は、複数の状態、例えば、加熱要素24に電力が供給されないオフ状態、加熱要素24に第1のレベルの電力が供給される低電力状態、及び加熱要素24に、第1のレベルの電力より大きい第2のレベルの電力が供給される高電力状態を有することができる。しかしながら、他の実施様態では、これより少ない又は多い状態が、加熱要素24に利用可能であってよい。例えば、各加熱要素24は、加熱要素24に電力が供給されないオフ状態、及び加熱要素24に電力が供給されるオン状態を有してもよい。
【0077】
したがって、使用者は、エアロゾルを生成する前に、接触感知パネル29と対話することによって、どの加熱要素24(及び、それに続いてエアロゾル生成材料44のどの部分)を加熱するか(及び、任意選択的に、それらをどの程度まで加熱するか)を設定することができる。例えば、使用者は、異なる状態(例えば、オフ、低電力、高電力、オフなど)を循環させるために領域29a~29fを繰り返しタップしてもよい。これに代えて、使用者は、異なる状態を循環させるために領域29a~29fを押して保持してもよい。この場合、押されている時間が状態を決定する。
【0078】
接触感知パネル29は、それぞれの領域29a~29fごとに、加熱要素24が現在どの状態であるかを示す1つ以上の表示器を備えてもよい。例えば、接触感知パネルは、1つ以上のLED又は同様の照明要素を備えてもよく、LEDの強度は、加熱要素24の現在の状態を示す。これに代えて、カラーのLED又は同様の照明要素が設けられてもよく、色が現在の状態を示す。これに代えて、接触感知パネル29は、加熱要素24の現在の状態を表示する表示要素(例えば、透明な接触感知パネル29の下にあってもよく、又は接触感知パネル29の領域29a~29fに隣り合って設けられてもよい)を備えてもよい。
【0079】
使用者が加熱要素24の構成を設定すると、接触感知パネル29(より詳細には接触感知パネル29の領域29g)及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号の検出に応答して、制御回路23が、予め設定された構成に従って、選択された加熱要素24に電力を供給するように構成される。
【0080】
したがって、このような同時に加熱要素24を作動させることは、「同時作動モード」と呼ばれることがあり、これは主に、使用者にセッションごとに、又はパフごとでさえ、その体験のカスタマイズを可能にさせるという意図で、所与の物品4からカスタマイズ可能なエアロゾルを送達するように設計される。したがって、このモードは、エアロゾル生成品4のエアロゾル生成材料44の部分が互いに異なる場合に最も効果的であり得る。例えば、部分44a及び44bが1つの材料で形成され、部分44c及び44dが異なる材料で形成されている場合などである。
【0081】
したがって、この動作モードでは、使用者は、任意の所与の瞬間にどの部分をエアロゾル化するか、したがってエアロゾルのどの組合せを供給するかを選択することができる。
【0082】
同時作動モード及び順次作動モードの両方において、制御回路23は、例えば、加熱要素24のそれぞれが予め定められた回数、順次作動させられたとき、又は、所与の加熱要素24が予め定められた回数及び/若しくは所与の累積作動時間及び/若しくは所与の累積作動電力で作動させられたとき、エアロゾル生成品4の使用の終了を示す警告信号を生成するように構成されてもよい。図1では、エアロゾル供給デバイス2は使用終了表示器31を含み、これは、この実施様態ではLEDである。しかしながら、他の実施様態では、使用終了表示器31は、使用者に警告信号を与えることができる任意の機構を備えてもよい、すなわち、使用終了表示器31は、光学信号を送達する光学要素、音声信号を送達する音発生器、及び/又は触覚信号を送達する振動器であってもよい。いくつかの実施様態では、表示器31は、(例えば、接触感知パネルが表示要素を含む場合)接触感知パネルと組み合わせられてもよい、又は他の態様で提供されてもよい。デバイス2は、警告信号が出力されているときには、エアロゾル供給デバイス2の次の作動を妨げることができる。使用者がエアロゾル生成品4を交換するとき、及び/又は、ボタン(図示せず)などの手動手段を介して警告信号を切ると、警告信号を切ることができ、制御回路23がリセットされる。
【0083】
より詳細には、順次作動モードが使われる実施様態では、制御回路23は、使用期間中に受け取った接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号の回数を数え、回数が予め定められた数に到達すると、エアロゾル生成品4がその寿命の終わりに到達したと決定されるように構成されてもよい。例えば、6つのエアロゾル生成材料44の個別部分を備える物品4に対しては、予め定められた数は、目下のその実施様態に応じて、6、12、18などとすることができる。
【0084】
同時作動モードが使われる実施様態では、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の個別部分の1つ又はそれぞれが加熱される回数を数えるように構成されてもよい。例えば、制御回路23は、ニコチン含有部分が何回加熱されたかを数え、それが予め定められた数に到達すると、エアロゾル生成品4の寿命の終わりを決定することができる。
【0085】
これに代えて、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の各個別部分に対して、その部分が加熱されたときに別々に数えるように構成されてもよい。各部分は、同じ又は異なる予め定められた回数を有するものとしてもよく、エアロゾル生成材料の各部分に対する回数のいずれか1つが予め定められた数に到達すると、制御回路23は、エアロゾル生成品4の寿命の終わりを決定する。
【0086】
実施様態のいずれにおいても、制御回路23はまた、エアロゾル生成材料の部分が加熱された時間の長さ、及び/又は、エアロゾル生成材料の部分が加熱された温度を計算に入れてもよい。この点について、制御回路23は、個別の作動を数えるのではなく、エアロゾル生成材料44の各部分が受けた加熱状態を示す累積パラメータを計算するように構成されてもよい。このパラメータは、例えば、累積時間であってもよく、その材料への温度は、累積時間に加えられる時間の長さを調節するために使用される。例えば、200℃で3秒間加熱された部分は、累積時間に3秒寄与することができ、一方、250℃で3秒間加熱された部分は、累積時間に4.5秒寄与することができる。
【0087】
エアロゾル生成品4の寿命の終わりを決定するための上記の技法は、エアロゾル生成品4の寿命の終わりを決定する方法の網羅的なリストとして理解すべきではなく、実際には、任意の他の適切な方法が、本開示の原理に従って使用されてもよい。
【0088】
上記のエアロゾル供給システム1の実施様態では、エアロゾル生成構成要素24を使用して選択的にエアロゾル化することができる、エアロゾル生成材料44の複数の(個別)部分が設けられる。このようなエアロゾル生成システム1は、より大きな大きさの材料を加熱するように設計された他のシステムを超える利点を提供する。特に、所与の吸引に対して、エアロゾル生成材料の選択された部分(複数可)のみがエアロゾル化されることは、全体としてよりエネルギー効率の高いシステムをもたらす。
【0089】
加熱システムでは、パフごとに十分な量のエアロゾルを使用者に送達する際、いくつかのパラメータがこのシステムの全体的な有効性に影響を与える。一方では、エアロゾル生成材料の厚さは、エアロゾル生成材料が動作温度に到達する(そしてその後、エアロゾルを生成する)速さに影響するので重要である。これは、いくつかの理由で重要であるが、材料のより厚い部分を加熱する場合と比較して同じほど長く加熱要素が作動する必要がないことがあるので、電源22からのエネルギーのより効率的な使用につながることがある。他方では、加熱されるエアロゾル生成材料の総質量は、生成され、その後使用者に送達することができるエアロゾルの総量に影響を与える。加えて、エアロゾル生成材料が加熱される温度もまた、エアロゾル生成材料が動作温度に到達する速さ及び生成されるエアロゾルの量の両方に影響を与えることがある。
【0090】
図5は、別の実施形態によるエアロゾル供給システム200の概略断面図である。エアロゾル供給システム200は、図1に関連して説明したものと大まかに類似する構成要素を含むが、参照番号は200を加えられている。効率化のために、類似の参照番号を有する構成要素は、特に断らない限り、図1及び図2A図2Cの対応するものとほぼ同じであると理解すべきである。
【0091】
エアロゾル供給デバイス202は、外側ハウジング221、電源222、制御回路223、誘導作用コイル224a、チャンバ225、吸い口端部226、空気入口227、空気出口228、接触感知パネル229、吸引センサ230、及び使用終了表示器231を備える。
【0092】
エアロゾル生成品204は、図6A図6Cにさらに詳細に示すように、キャリア構成要素242、エアロゾル生成材料244、及びサセプタ要素244bを備える。図6Aは、エアロゾル生成品4の上面図であり、図6Bは、物品204の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図であり、図6Cは、物品204の幅方向軸線に沿った側面図である。
【0093】
図5及び図6A図6Cはともに、誘導を用いてエアロゾル生成材料244を加熱して吸引用のエアロゾルを生成するエアロゾル供給システム200を表す。説明されている実施様態では、エアロゾル生成構成要素224は、2つの部品、すなわち、エアロゾル供給デバイス202に配置された誘導ヒーター224a及びエアロゾル生成品204に配置されたサセプタ224bから形成される。したがって、説明されているこの実施様態では、各エアロゾル生成構成要素224は、エアロゾル生成品204とエアロゾル供給デバイス202との間で分散された要素を備える。
【0094】
誘導加熱は、サセプタと呼ばれる導電性物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すためのデバイスとを備えることがある。電磁石及び加熱しようとする物体が、電磁石によって生じた変動磁場がこの物体に侵入するように適切な相対位置に配置されると、この物体内に1つ以上の渦電流が発生する。この物体は電流の流れに対して抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が生成されると、物体の電気抵抗に抗して流れ、それによってこの物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。
【0095】
サセプタは、交流磁場などの変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは、導電性材料であってよく、その結果、変動磁場がそれに侵入することによって、加熱材料が誘導加熱される。加熱材料は、磁性体であってもよく、その結果、変動磁場がそれに侵入することによって、加熱材料が磁気ヒステリシス加熱される。サセプタは、導電性及び磁性の両方を有してもよく、その結果、サセプタは両方の加熱機構によって加熱可能である。変動磁場を生成するように構成されたデバイスは、本明細書では磁場生成器と呼ばれる。
【0096】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料からなる物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石すなわち磁気双極子を多く含んでいると考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、交流磁場(例えば、電磁石によって生じるもの)などの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場に応じて変化する。このような磁気双極子の再配向によって、磁性材料内に熱が生成される。
【0097】
物体が導電性及び磁性の両方を有するときは、その物体に変動磁場を侵入させると、その物体にジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用すると、磁場を強めることができ、それによりジュール加熱を強めることができる。
【0098】
説明されたこの実施様態では、サセプタ224bはアルミニウム箔から形成されているが、他の実施様態では他の金属及び/又は導電性材料が使用されてもよいことを認識すべきである。図6Cに見られるように、キャリア構成要素242は、キャリア構成要素242の表面に配置されたエアロゾル生成材料244の個別部分に大きさ及び位置が対応するいくつかのサセプタ224bを備える。すなわち、サセプタ224bは、エアロゾル生成材料244の個別部分と同様の幅及び長さを有する。
【0099】
サセプタは、キャリア構成要素242に埋め込まれて示されている。しかしながら、他の実施様態では、サセプタ224bは、キャリア構成要素242の表面に配置されてもよい。別の実施様態(図示せず)では、サセプタは、キャリア構成要素を実質的に覆う層として設けられてもよい。
【0100】
エアロゾル供給デバイス202は、図5に概略的に示された複数の誘導加熱要素224aを備える。誘導加熱要素224a(1つ以上の誘導加熱コイルを備えてもよい)は、チャンバ225に隣り合って示されており、所与のコイルが周りに巻かれている回転軸線が、チャンバ225内に延び、物品204のキャリア構成要素242の平面にほぼ垂直であるように配置された概ね平坦なコイルである。図5では、巻線は正確には示されておらず、任意の適切な誘導コイルが使用されてもよいことを認識すべきである。
【0101】
制御回路223は、誘導コイル224aのいずれか1つ以上に流す交流電流を生成するような機構を備える。この交流電流は、上記のように交流磁場を生成し、これが対応するサセプタ224b(複数可)の温度を上げる。サセプタ224b(複数可)によって生成された熱は、それに応じてエアロゾル生成材料244の部分に伝達される。
【0102】
図1及び図2A図2Cに関連して上で説明したように、制御回路223は、接触感知パネル229及び/又は吸引センサ230からの信号を受けたことに応答して、誘導コイル224aに電流を供給するように構成される。前に説明したように、どの加熱要素24が制御回路23によって加熱されるかを選択するための技法のいずれも、使用者の吸引用のエアロゾルを生成するために、制御回路223による接触感知パネル229及び/又は吸引センサ230からの信号を受けることに応答して、どの誘導コイル224aがエネルギーを与えられる(したがって、エアロゾル生成材料244のどの部分がそれに続いて加熱される)かを選択することに類似して適用することができる。
【0103】
上記では、誘導コイル224a及びサセプタ224bがエアロゾル生成品204とエアロゾル供給デバイス202との間に分散された誘導加熱エアロゾル供給システムを説明したが、誘導コイル224a及びサセプタ224bがエアロゾル供給デバイス202内にのみ配置された誘導加熱エアロゾル供給システムが提供されてもよい。例えば、図6Cを参照して、サセプタ224bは、誘導コイル224aの上方に設けられて、(図1に示したエアロゾル供給システム1と類似の方法で)サセプタ224bがキャリア構成要素242の下面に接触するように配置されてもよい。
【0104】
したがって、図5は、本開示に説明した技法を適用することができ、誘導加熱がエアロゾル供給デバイス202に使用されて、使用者の吸引用のエアロゾルを生成することができる、より具体的な実施様態を説明している。
【0105】
しかしながら、本開示によれば、本発明者らは、複数のエアロゾル生成材料部分の異なる部分を加熱してパフごとにエアロゾルを生成するように設計されたエアロゾル生成構成要素24(加熱要素24など)の配列を有するデバイス2が、いくつかの例において、加熱条件がほぼ同じであっても、1パフ当たりに使用者に送達されるエアロゾルの量に不一致が生じ得ることを見出した。
【0106】
これは、エアロゾル生成材料44のいくつかの部分が、吸い口26の開口28に対して相対的に異なる空間距離に設けられ、その結果、エアロゾルがエアロゾル生成材料の部分に隣り合う場所で最初に形成されたとき、そのエアロゾルが移動しなければならない距離が異なることがあるという事実に部分的に起因していると考えられる。
【0107】
一般に、高温のエアロゾルは移動するにつれて温度が下がり凝縮する。これは、エアロゾル生成材料44の異なる部分から生成されたエアロゾルは、温度が下がって凝縮する量が異なる可能性があることを意味する。これにより、それぞれの部分から送達されるエアロゾルに(粒度分布などの)一貫性がなくなる可能性がある。以下により詳細に説明するように、1つ以上のバルブが、使用者へ送達されるエアロゾルの一貫性を改善するために、一旦生成されたエアロゾルを短い遅延期間の間保持するために設けられてもよい。
【0108】
図7は、一構成によるエアロゾル供給デバイスの概略断面図である。
【0109】
中央エアロゾル伝送流路50をさらに備えるエアロゾル供給デバイスの内部断面が示されており、中央エアロゾル伝送流路50は容積部を形成し、容積部は、エアロゾル生成品の全体を取り囲むように配置され、したがって、各加熱要素及び対応するエアロゾル生成材料部分も取り囲むように配置され、すなわち中央エアロゾル伝送トンネル50の容積部は、エアロゾル生成領域のそれぞれを取り囲んでいる。
【0110】
中央伝送トンネル50は吸い口26に接続されており、吸い口26は、空気出口28を画定する開口を有する。中央伝送トンネル50は、1つ以上の空気孔52を備えてもよく、空気孔52は外部大気と流体連通しており、その結果、中央エアロゾル伝送トンネル50は、複数のエアロゾル生成材料部分がそれぞれの加熱要素によって加熱されるときに生成されるエアロゾルを伝送しやすくすることができる。この例では、図1に示す空気入口27を省略することができる。
【0111】
図8は、エアロゾル供給デバイスの一部の等角分解図であり、このエアロゾル供給デバイスは、図7を参照して説明したような中央エアロゾル伝送流路50と、この例では2×5の構成である複数の加熱要素24とを備える。この例では、複数の加熱要素24のそれぞれは、関連するエアロゾル伝送トンネル54を有する。この例では、複数のエアロゾル伝送トンネル54は、中央エアロゾル伝送トンネル50によって画定された容積部によって囲まれている。それぞれのエアロゾル伝送トンネル50によって囲まれた複数の加熱要素24のそれぞれは、外部大気と流体連通する個々の空気供給孔を有して、加熱要素24がエアロゾル生成材料を加熱するときに生成されるエアロゾル生成材料を流れやすくしている。この例では、空気入口27を省略することができる。
【0112】
いくつかの例では、複数のエアロゾル伝送トンネル54は、要求に応じて開閉するように構成された個々のバルブ(図示せず)を備える。より詳細には、制御回路は、特定の加熱要素24を作動させるかどうかに応じて、したがって特定のエアロゾル生成領域を作動させるかどうかに応じて、個々のバルブ(複数可)を開閉するように構成されてもよい。したがって、制御回路によって、複数の加熱要素24のどれを作動させるかに応じて、複数の個々のバルブのどれかを、任意の組合せで、同時に開けるか閉じるかしてもよい、例えば、複数のバルブのすべてが開状態である、又はバルブのすべてが閉状態である、又は複数のバルブの任意の割合のバルブが開状態であり、複数のバルブの残りの割合のバルブが閉状態であることが認識されよう。
【0113】
いくつかの例では、中央エアロゾル伝送トンネルによって画定される容積部は、複数のエアロゾル伝送トンネル54が中央伝送トンネル50と流体連通するように、複数のエアロゾル伝送トンネルを囲む。
【0114】
使用時、デバイス(より詳細には制御回路)は、使用者の入力に応答して、加熱要素24及び個々のバルブ(存在する場合)に電力を供給するように構成される。概して、制御回路は、エアロゾルを生成するために、加熱要素24に選択的に電力を加え、続いて、対応するエアロゾル生成材料部分を加熱するように構成され、加熱要素24が加熱されている間、制御回路は、必要な量のエアロゾルを形成することができるようにそれぞれのバルブを閉じたままにするように構成される。使用者がエアロゾル供給デバイス2を吸引する(すなわち、吸い口端部26で吸引する)と、制御回路は選択的にバルブを開き、空気が、複数のエアロゾル伝送トンネル54の個々の空気供給孔を通ってエアロゾル供給デバイス2内に引き込まれ、そこでエアロゾル生成材料44を加熱することによって生成されたエアロゾルと混合し、次いで、個々のエアロゾル伝送トンネル54を通って空気出口28を経て使用者の口に至る。すなわち、エアロゾルは、吸い口端部26及び空気出口28を通って使用者に送達される。
【0115】
いくつかの例では、制御回路が、複数の加熱要素24に選択的に電力を加えるように構成されているとき、使用者がデバイスを吸引し(すなわち、吸い口端部26で吸引し)、制御回路が、対応するバルブを開け、空気が、複数のエアロゾル伝送トンネル54の個々の空気供給孔を通ってデバイス内に引き込まれると、空気は、エアロゾル伝送トンネルのそれぞれでエアロゾル生成材料を加熱することによって生成されたエアロゾルと混合し、次いで、空気とエアロゾルとの個々の混合物は、空気出口28を経て使用者の口に流れる前に、中央エアロゾル伝送トンネル50でさらに混合する。
【0116】
いくつかの例では、エアロゾル生成品は実質的に平面状とすることができ、エアロゾル供給デバイスのチャンバに受け入れ可能である。制御回路は、例えば、加熱要素24によってエアロゾル生成材料を加熱することによって生成されるエアロゾルが、空気出口28を通って吸い口26から出るときに、その一貫性が実質的に同じになるように、加熱要素24の加熱プロファイルを与える及び/又は変更するように構成されてもよく、例えば、あるエアロゾル生成材料部分が、別のエアロゾル材料部分に対して長い距離移動しなければならない場合、吸い口から離れた部分の加熱要素24に与えられる加熱プロファイルは、加熱温度を上昇させて、又は加熱要素24をより長い期間作動させて、より多くの量のエアロゾルを生成するようにしてもよい。
【0117】
いくつかの例では、制御回路は、共通のエアロゾル化プロファイル又は加熱プロファイルに従っていくつかのエアロゾル生成材料部分をエアロゾル化するように構成されてもよく、一方、残りのエアロゾル生成材料部分のエアロゾル化プロファイル又は加熱プロファイルは、その部分のエアロゾル伝送流路54から出口28までの距離に従って設定される。
【0118】
図9は、本開示の実施形態によるエアロゾル供給システム900の概略断面図である。エアロゾル供給システム900は、図1に関連して説明したものと大まかに類似する構成要素を含む。しかしながら、参照番号は900を加えられている。効率化のために、類似の参照番号を有する構成要素は、特に断らない限り、図1及び図2A図2Cの対応するものとほぼ同じであると理解すべきである。
【0119】
エアロゾル供給デバイス902は、外側ハウジング921、制御回路923、エアロゾル生成構成要素924、エアロゾル生成チャンバ925、吸い口端部926、空気入口927、及び空気出口928を備える。図9には示していないが、エアロゾル供給デバイス902は、図1に関して説明したように、電源、接触感知パネル、吸引センサ、及び使用終了表示器をさらに備えてもよい。エアロゾル供給システム900は、エアロゾル生成品904を含む。これは、図2A図2Cで説明したエアロゾル生成品4、又は図6A図6Cに関して説明したエアロゾル生成品204と実質的に同様であってもよい。
【0120】
エアロゾル生成構成要素924は、図1に関して説明したような加熱要素であってもよい。代替の実施形態では、エアロゾル生成構成要素924は、図5に関して説明したような誘導加熱要素又は誘導加熱コイルであってもよい。そのような実施形態では、エアロゾル生成品は、図6A図6Cに関して説明したように、1つ以上のサセプタを備えてもよい。エアロゾル供給デバイス902はエアロゾル生成領域930を有し、エアロゾル生成領域930は、エアロゾル生成品904の上方に位置し、エアロゾル生成チャンバ925内に含まれる。
【0121】
図9のエアロゾル供給デバイス902は、単一のエアロゾル生成領域930を示しているが、より多くの数のエアロゾル生成領域を有するデバイスが明らかに考えられることが認識されるであろう。エアロゾル生成領域930(又は複数のエアロゾル生成領域)で生成されたエアロゾルは、1つ以上のバルブ951によって、遅延期間(一実施形態によれば、1つ以上の加熱要素924が最初に作動してから約2.0秒とすることができる)の間、エアロゾル生成チャンバ925内に保持することができる。
【0122】
1つ以上の加熱要素924は、最初の時間T0で作動させることができ、1つ以上のバルブ951は、その後の時間T1まで閉じたままであるように、又はエアロゾルを前方に伝送しないように構成することができる。
【0123】
したがって、有効な遅延期間は、1つ以上の加熱要素924をオンに切り替えてから、その結果生じたエアロゾルが、任意選択で、出口928を有する吸い口926を経て使用者に伝送可能になるまでの間、設けることができる。遅延期間、すなわち、時間差T1-T0は、<0.5秒、0.5~1.0秒、1.0~1.5秒、1.5~2.0秒、2.0~2.5秒、又は>2.5秒とすることができる。
【0124】
様々な実施形態によれば、遅延期間は、できるだけ短く設定されてもよいが、それにもかかわらず、エアロゾルがエアロゾル生成チャンバ925内で所望のように完全に形成されることを可能にし、したがって、結果として生じる感覚体験を改善するのに十分な時間間隔のものであってもよい。
【0125】
使用者が吸引する前の数秒間で、エアロゾル生成チャンバ925内にエアロゾルを適切に形成することができ、それによって感覚的体験が改善されることが分かった。特に、例えば、最初の又はその後のヒーター作動後の2秒間で、エアロゾル生成チャンバ925内にエアロゾルを形成することができることは、エアロゾル液滴又は粒子の粒径を最適化するのに役立つ。
【0126】
また、エアロゾルをエアロゾル生成チャンバ925に数秒間保持すると、エアロゾルが高い含水量を含むときの高温のパフ、すなわち高温で多湿のパフの望ましくない体験を減らすことも分かった。さらに、含水量が高すぎる場合、微生物の増殖が起こり得る。
【0127】
したがって、時間T0でヒーターが作動した後、エアロゾル生成チャンバ925からエアロゾルを遅らせて放出する実施形態では(又は、使用者が定めた設定に応答する他の実施形態によれば)、高温のパフの危険性が低い改善された感覚的体験を提供し、微生物増殖が起こり得る危険性を回避することが理解されるであろう。
【0128】
エアロゾル供給デバイス902は制御回路923をさらに備え、制御回路923は、エアロゾルを完全に形成することができるようにエアロゾル生成チャンバ925内にエアロゾルを捕捉するために1つ以上のバルブ951を作動させるように構成することができ、エアロゾルが完全に形成されると、次いで、エアロゾルを放出して、次いで、エアロゾルが、吸い口926及び空気出口928に向かうことができるようにするために、制御回路923によって1つ以上のバルブ951を作動させる又は開けることができる。
【0129】
制御回路923は、エアロゾル生成チャンバ925内に保持されたエアロゾルを伝送又は放出することができるように、ある時間間隔後に1つ以上のバルブ951を作動させるように構成することができる。制御回路923は、(i)1つ以上の加熱要素924の作動若しくは作動停止に応答して、(ii)時間の関数として、(iii)予め定められたタイミングプロファイルに従って、又は(iv)使用者が定めた1つ以上の設定に従って、1つ以上のバルブ951を選択的に制御するように構成することができる。
【0130】
図9に示す実施形態では、エアロゾル供給デバイス902は吸い口926を備える。しかしながら、エアロゾル生成品904が吸い口(図示せず)を含むことができる他の実施形態が考えられる。
【0131】
エアロゾル供給デバイス902は、エアロゾル生成チャンバ925から1つ以上のバルブ951を経て伝送又は放出されたエアロゾルを吸い口926に向ける又は伝送するために、エアロゾル生成チャンバ925の出口と吸い口926との間に配置された1つ以上のエアロゾル流路をさらに備えてもよい。エアロゾル生成チャンバ925は、複数のエアロゾル生成領域を備える実質的に平面状のエアロゾル生成品904を備えることができるエアロゾル生成品904を受け入れるように構成されてもよい。
【0132】
エアロゾル供給デバイスは、抵抗加熱要素又は誘導加熱要素のいずれかを備えることができる1つ以上の加熱要素924を備える。一実施形態によれば、使用時、(例えば、n×m配列の)複数のエアロゾル生成領域を備えるエアロゾル生成品904は、複数の加熱要素924(これも同様のn×m配列で配置されてもよい)に隣り合って配置されてもよい。
【0133】
一実施形態によれば、エアロゾル生成品904は、1つ以上のエアロゾル生成領域が単一の加熱要素924に隣り合って位置するように配置されてもよい複数のエアロゾル生成領域を備えてもよい。次いで、エアロゾル生成品904は、1つ以上のエアロゾル生成領域が加熱要素924の近くに順次移動するように、加熱要素924に対して回転又は移動されてもよい。単一の加熱要素924を使用すれば、エアロゾル供給デバイスのコスト及び複雑さを低減することができる。
【0134】
エアロゾル供給デバイス902は、複数のエアロゾル生成領域930をさらに備えてもよく、1つ以上の又はそれぞれのエアロゾル生成領域930は、外部大気と流体連通する少なくとも1つの空気供給孔を備えてもよい。
【0135】
一実施形態によれば、エアロゾル供給デバイス902と、複数のエアロゾル生成材料部分を備えるエアロゾル生成品904とを備えるエアロゾル供給システムが提供される。各エアロゾル生成材料部分は実質的に同じであってもよい。これに代えて、複数のエアロゾル生成材料部分の少なくともいくつかは実質的に異なっていてもよい。
【0136】
図10は、本開示の別の実施形態によるエアロゾル供給システム900の概略断面図である。エアロゾル供給システム900は、図1に関連して説明したものと大まかに類似する構成要素を含む。しかしながら、参照番号は900を加えられている。効率化のために、類似の参照番号を有する構成要素は、特に断らない限り、図1及び図2A図2Cの対応するものとほぼ同じであると理解すべきである。
【0137】
エアロゾル供給デバイス902は、外側ハウジング921、制御回路923、エアロゾル生成構成要素924、エアロゾル生成チャンバ925、吸い口端部926、空気入口927、及び空気出口928を備える。図10には示していないが、エアロゾル供給デバイス902は、図1に関して説明したように、電源、接触感知パネル、吸引センサ、及び使用終了表示器をさらに備えてもよい。エアロゾル供給システム900はエアロゾル生成品904を含む。これは、図2A図2Cで説明したエアロゾル生成品4、又は図6A図6Cに関して説明したエアロゾル生成品204と実質的に同様であってもよい。
【0138】
エアロゾル生成構成要素924は、図1に関して説明したような加熱要素であってもよい。代替の実施形態では、エアロゾル生成構成要素924は、図5に関して説明したような誘導コイルであってもよい。そのような実施形態では、エアロゾル生成品は、図6A図6Cに関して説明したように、1つ以上のサセプタを備えてもよい。エアロゾル供給デバイス902は、エアロゾル生成品904の上方に位置するエアロゾル生成領域930を有する。図10のエアロゾル供給デバイス902は、単一のエアロゾル生成領域930を示しているが、より多くの数のエアロゾル生成領域を有するデバイスが明らかに考えられることが認識されるであろう。
【0139】
エアロゾル生成領域930(又は複数のエアロゾル生成領域)で生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成領域930から、エアロゾル生成領域(複数可)930と流体連通しているエアロゾル保持チャンバ950に流れて、その中に保持することができる。
【0140】
エアロゾル保持チャンバ950がエアロゾル生成チャンバ930から分離され、エアロゾル生成チャンバ930の下流になるように、エアロゾル生成チャンバ925とエアロゾル保持チャンバ950との間に部分的な障壁960が設けられてもよい。エアロゾル保持チャンバ950とエアロゾル生成チャンバ930との間に設けることができる1つ以上のさらなるバルブ(図示せず)によって、エアロゾルが、エアロゾル保持チャンバ950からエアロゾル生成チャンバ930へ逆流しないようにすることができる。
【0141】
一実施形態によれば、1つ以上のエアロゾル保持チャンバ950と流体連通しているエアロゾル生成チャンバ925を備えるエアロゾル供給デバイス902が開示される。このエアロゾル保持チャンバ950又は各エアロゾル保持チャンバ950は、1つ以上のエアロゾル保持チャンバ950内に保持されたエアロゾルを選択的に伝送又は放出するための1つ以上のバルブ951を備えることができる。例えば、1つ以上のさらなるバルブは、部分的な障壁960とチャンバ925との間に設けられてもよい。
【0142】
使用者が吸引する前の数秒間、エアロゾル生成チャンバ950内にエアロゾルを適切に形成することができ、それによって感覚的体験が改善されることが分かった。
【0143】
一実施形態によれば、1つ以上の加熱要素924は、最初の時間T0で作動させることができ、1つ以上のバルブ951は、その後の時間T1まで閉じたままであるように、又はエアロゾルを前方に伝送しないように構成することができる。したがって、1つ以上の加熱要素924をオンに切り替えてから、その結果生じたエアロゾルが、任意選択で、出口928を有する吸い口926を経て使用者に伝送可能になるまでの間の有効な遅延期間がある。遅延期間、すなわち、時間差T1-T0は、<0.5秒、0.5~1.0秒、1.0~1.5秒、1.5~2.0秒、2.0~2.5秒、又は>2.5秒とすることができる。
【0144】
特に、エアロゾル生成チャンバ950内にエアロゾルを形成することができることは、エアロゾル液滴又は粒子の粒径を最適化するのに役立つ。また、エアロゾルをエアロゾル生成チャンバ950に数秒間保持すると、エアロゾルが高い含水量を含むときの高温のパフ、すなわち高温で多湿のパフの望ましくない体験を減らすことも分かった。さらに、含水量が高すぎる場合、微生物の増殖が起こり得る。したがって、エアロゾル保持チャンバ950を組み込んだ実施形態は、高温のパフの危険性が低い改善された感覚的体験を提供し、微生物増殖が起こり得る危険性を回避することが理解されるであろう。
【0145】
エアロゾル供給デバイス902は制御回路923をさらに備え、制御回路923は、エアロゾルを完全に形成することができるようにエアロゾル保持チャンバ950内にエアロゾルを捕捉するために1つ以上のバルブ951を作動させるように構成することができ、エアロゾルが完全に形成されると、次いで、エアロゾルを放出して、次いで、エアロゾルが、吸い口926及び空気出口928に向かうことができるようにするために、制御回路923によって1つ以上のバルブ951を作動させる又は開けることができる。制御回路923は、エアロゾル保持チャンバ950内に保持されたエアロゾルを伝送又は放出することができるように、ある時間間隔後に1つ以上のバルブ951を作動させるように構成することができる。
【0146】
制御回路923は、(i)1つ以上の加熱要素924の作動若しくは作動停止に応答して、(ii)時間の関数として、(iii)予め定められたタイミングプロファイルに従って、又は(iv)使用者が定めた1つ以上の設定に従って、1つ以上のバルブ951を選択的に制御するように構成することができる。図10に示す実施形態では、エアロゾル供給デバイス902は吸い口926を備える。しかしながら、エアロゾル生成品904が吸い口(図示せず)を含むことができる他の実施形態が考えられる。
【0147】
エアロゾル供給デバイス902は、エアロゾル保持チャンバ950から伝送又は放出されたエアロゾルを吸い口926に向ける又は伝送するために、エアロゾル保持チャンバ950の出口と吸い口926との間に配置された1つ以上のエアロゾル流路をさらに備えてもよい。エアロゾル生成チャンバ925は、実質的に平面状のエアロゾル生成品904を備えることができるエアロゾル生成品904を受け入れるように構成されてもよい。平面状のエアロゾル生成品904は複数のエアロゾル生成領域を備えてもよい。
【0148】
エアロゾル供給デバイスは、1つ以上の加熱要素924をさらに備えてもよい。1つ以上の加熱要素924は、抵抗加熱要素又は誘導加熱要素924を備えることができる。一実施形態によれば、使用時、(例えば、n×m配列の)複数のエアロゾル生成領域を備えるエアロゾル生成品904は、複数の加熱要素924(これも同様のn×m配列で配置されてもよい)に隣り合って配置されてもよい。
【0149】
別の実施形態によれば、複数のエアロゾル生成領域を備えるエアロゾル生成品904は、1つ以上のエアロゾル生成領域が単一の加熱要素924に隣り合って位置するように配置されてもよい。エアロゾル生成品904は、1つ以上のエアロゾル生成領域が加熱要素924の近くに順次移動するように、加熱要素924に対して回転又は移動されてもよい。単一の加熱要素924を設けると、安価で単純なデバイス902を提供することができる。
【0150】
エアロゾル供給デバイス902は、複数のエアロゾル生成領域をさらに備えてもよく、1つ以上の又はそれぞれのエアロゾル生成領域は、外部大気と流体連通する少なくとも1つの空気供給孔を備える。
【0151】
一実施形態によれば、エアロゾル供給デバイス902と、複数のエアロゾル生成材料部分を備えるエアロゾル生成品904とを備えるエアロゾル供給システムが提供される。一実施形態によれば、(i)各エアロゾル生成材料部分は実質的に同じである、又は(ii)複数のエアロゾル生成材料部分の少なくともいくつかは実質的に異なる。
【0152】
加えて、吸い口26、226、926が外側ハウジング21、221、921の一部を形成する、及び/又は外側ハウジング21、221、921に結合されることが上記で説明したが、いくつかの実施様態では、吸い口26、226、926がエアロゾル生成品4、204、904の一部を形成してもよいことが認識されるべきである。これは特に、エアロゾル生成品4、204、904が、空気及び/又はエアロゾルが通過することができるチャンバを備え、チャンバがエアロゾル生成材料を含む場合に当てはまることがある。これらの実施様態では、エアロゾル生成品4、204、904は、チャンバ25、225、925に入れられ、物品の吸い口がエアロゾル供給デバイス2、202、902から延在するようにチャンバ25、225、925から突出する。これらの例では、チャンバ25、225、925は開口を備え、吸い口26、226、926はそこを通って突出する。これらの実施様態の開口は、エアロゾル供給デバイス2、202、902の出口28、228、928と称してもよい。
【0153】
上記では、エアロゾル生成材料の個別部分にエネルギーを与えるためにエアロゾル生成構成要素24、224、924(例えば、ヒーター要素)の配列が設けられたシステムを説明したが、他の実施様態では、エアロゾル生成品4、204、904及び/又はエアロゾル生成構成要素24、224、924は互いに対して移動するように構成されてもよい。すなわち、エアロゾル生成品4、204、904のキャリア構成要素42に設けられたエアロゾル生成材料44の個別部分よりもエアロゾル生成構成要素24、224、924が少なくてもよく、その結果、エアロゾル生成材料44の個別部分のそれぞれに個別にエネルギーを与えることができるようにするために、エアロゾル生成品4、204、904とエアロゾル生成構成要素24との相対移動が必要となる。例えば、可動加熱要素24、224a、924がチャンバ25、225、925に対して移動することができるように、可動加熱要素24、224a、924はチャンバ25、225、925内に設けられてもよい。このようにして、可動加熱要素24、224a、924は、加熱要素24、224a、924がエアロゾル生成材料44の個別部分のそれぞれと位置合わせすることができるように、(例えば、キャリア構成要素42の幅方向及び長さ方向に)並進移動することができる。この手法は、同様の使用者体験を提供しながら、必要とするエアロゾル生成構成要素42の数を減少させることができる。
【0154】
上記では、エアロゾル生成材料44の離散的、空間的に別の部分がキャリア構成要素42に配置される実施様態を説明したが、他の実施様態では、エアロゾル生成材料が離散的、空間的に別の部分に設けられず、その代わりにエアロゾル生成材料44の連続シートとして設けられてもよいことを認識すべきである。これらの実施様態では、エアロゾル生成材料44のシートの特定の領域は、上記とほぼ同じ態様でエアロゾルを生成するように選択的に加熱されてもよい。しかしながら、これらの部分が空間的に別であるかどうかにかかわらず、本開示は、エアロゾル生成材料44の部分を加熱(又はエアロゾル化)することを説明した。特に、加熱要素24、224a、924(又は、より詳細には、温度が上昇するように設計された加熱要素24、224a、924の表面)の寸法に基づいて、エアロゾル生成材料の連続シート上に(エアロゾル生成材料の部分に相当する)領域が画定されてもよい。この点について、加熱要素24、224a、924の対応する領域が、エアロゾル生成材料のシートに投影されたとき、エアロゾル生成材料の領域又は部分を画定すると考えられてもよい。本開示によれば、エアロゾル生成材料の各領域又は各部分は20mg以下の質量を有することがあるが、連続シート全体は20mgより大きい質量を有してもよい。
【0155】
上記では、エアロゾル供給デバイス2、202、902に取り付けられた接触感知パネル29を用いてエアロゾル供給デバイス2、202、902を設定又は操作することができる実施様態を説明したが、その代わりにエアロゾル供給デバイス2、202、902は遠隔で設定又は制御されてもよい。例えば、制御回路23、223、923は、制御回路23、223、923にスマートフォンなどの遠隔デバイスと通信することを可能にする、対応する通信回路(例えば、Bluetooth(登録商標))を備えてもよい。したがって、接触感知パネル29は、実質的に、スマートフォン上で走るアプリなどを用いて実装されてもよい。次いで、スマートフォンは、使用者の入力又は設定を制御回路23、223、923に送信することができ、制御回路23、223、923は、受信した入力又は設定に基づいて動作するように構成されてもよい。
【0156】
上記では、エアロゾル生成材料44にエネルギーを与える(例えば、エアロゾル生成材料を加熱する)ことによってエアロゾルが生成され、その後、使用者によって吸引される実施様態を説明したが、いくつかの実施様態では、使用者によって吸引される前にエアロゾルの1つ以上の特性を改変するために、生成されたエアロゾルがエアロゾル改質構成要素の中又は上を通ってもよいことを認識すべきである。例えば、エアロゾル供給デバイス2、202、902は、エアロゾル生成材料44の下流の空気流路に挿入された空気透過性インサート(図示せず)を備えてもよい(例えば、インサートは出口28、228、928に配置されてもよい)。インサートは、エアロゾルが使用者の口に入る前、インサートを通過するときに、エアロゾルの香味、温度、粒子の大きさ、ニコチン濃度などのいずれか1つ以上を変化させる材料を含んでもよい。例えば、インサートは、タバコ又は処理済みタバコを含んでもよい。このようなシステムは、ハイブリッドシステムと呼ばれることがある。インサートは、任意の適切なエアロゾル改質材料を含んでもよく、これは上記のエアロゾル生成材料を含んでもよい。
【0157】
加熱要素24、224a、924が、エアロゾル生成材料の部分からエアロゾルが生成される動作温度になるようにエアロゾル生成材料(又はその部分)に熱を供給するように構成されていることを上述したが、いくつかの実施様態では、加熱要素24、224a、924は、エアロゾル生成材料の部分を予熱温度(これは動作温度より低い)に予熱するように構成される。予熱温度においては、これらの部分が予熱温度に加熱されると、より少ない量のエアロゾルが生成される、又はエアロゾルは生成されない。特に、いくつかの実施様態では、制御回路は、第1の予め定められた期間が始まる前に(すなわち、エアロゾルを吸引しようとする使用者の意図を示す信号を受け取る前に)電力/エネルギーを供給するように構成される。しかしながら、エアロゾル生成材料の温度を予熱温度から動作温度まで上げるために必要なエネルギー量はより少なく、したがってシステムの応答性は向上するが、総エネルギー消費量は増加する。これは、動作温度に到達するために比較的大きなエネルギー量を供給する必要のあるエアロゾル生成材料の比較的厚い部分、例えば、400μmを超える厚さを有する部分に対して特に適していることがある。しかしながら、このような実施様態では、(例えば、電源22、222からの)エネルギー消費は、比較的高いことがある。
【0158】
加熱要素24、224a、924のそれぞれが、それぞれのエアロゾル生成領域に同じ加熱プロファイルを提供してもよいが、加熱要素24、224a、924の1つ以上が、その代わりに、それぞれのエアロゾル生成領域に異なる加熱プロファイルを提供するように構成されてもよいことが認識されよう。例えば、吸い口26、226、926から遠くに位置するエアロゾル生成領域は、吸い口26、226、926の近くに位置するエアロゾル生成領域24よりも多くの量のエアロゾルを生成する加熱プロファイルに従って加熱されてもよく、これは、長くなった移動距離に沿って凝縮することによるエアロゾルのさらなる損失を相殺し、異なるエアロゾル生成領域からのエアロゾルの送達をより一貫したものにすることができる。
【0159】
上記では、エアロゾル供給デバイス2、202、902が使用終了表示器31を備える実施様態を説明したが、使用終了表示器31は、エアロゾル供給デバイス2、202、902から離れた別のデバイスによって提供されてもよいことを認識すべきである。例えば、いくつかの実施様態では、エアロゾル供給デバイス2、202、902の制御回路23、223、923は、例えば、エアロゾル供給デバイス2、202、902とスマートフォン又はスマートウォッチなどの遠隔デバイスとの間のデータ転送を可能にする通信機構を備えてもよい。これらの実施様態では、エアロゾル生成品4、204、904が使用終了に到達したと制御回路23、223、923が決定すると、制御回路23、223、923は信号を遠隔デバイスに送信するように構成され、遠隔デバイスは、(例えば、スマートフォンのディスプレイを使用して)警告信号を生成するように構成される。他の遠隔デバイス、及び警告信号を生成するための他の機構が、上記のように使用されてもよい。
【0160】
加えて、エアロゾル生成材料の部分がキャリア構成要素42上に設けられるとき、これらの部分は、いくつかの実施様態では、キャリア構成要素42の平面にほぼ垂直な方向に脆弱領域、例えば、貫通孔又は比較的薄いエアロゾル生成材料の領域を含んでもよい。これは、エアロゾル生成材料の最も熱い部分がキャリア構成要素に直接接触する領域である場合(言い換えれば、熱が、キャリア構成要素42に接触するエアロゾル生成材料の表面に主に加えられるシナリオ)にあり得る。したがって、貫通孔は、キャリア構成要素42とエアロゾル生成材料44との間にエアロゾルを潜在的に蓄積させるのではなく、生成されたエアロゾルが逃げ、環境/エアロゾル供給デバイス2、202、902を通る空気の流れに放出されるための経路を提供することができる。エアロゾルのこのような蓄積は、いくつかの実施様態では、エアロゾル生成材料をキャリア構成要素42から浮き上がらせ、したがってエアロゾル生成材料への熱伝達の効率を下げるので、システムの加熱効率を下げ得る。エアロゾル生成材料の各部分は、必要に応じて1つ以上の脆弱領域を備えてもよい。
【0161】
いくつかの実施様態では、エアロゾル生成品4、204、904は、読取可能なバーコード又はRFIDタグなどの識別子を備えてもよく、エアロゾル供給デバイス2、202、902は、対応する読取器を備える。物品がエアロゾル供給デバイス2、202、902のチャンバ25、225、925に挿入されると、エアロゾル供給デバイス2、202、902は、エアロゾル生成品4、204、904に付いている識別子を読み取るように構成されてもよい。制御回路23、223、923は、エアロゾル生成品4、204、904の存在を認識する(したがって、加熱を許可する及び/又は寿命終了表示器をリセットする)、又はエアロゾル生成材料の部分のタイプ及び/若しくはエアロゾル生成品4、204、904に対する位置を識別するように構成されてもよい。これは、制御回路23、223、923がどの部分をエアロゾル化するか、並びに/又は、例えば、エアロゾル生成温度及び/若しくは加熱時間を調節することによって、これらの部分がエアロゾル化される方法に影響を与えることができる。エアロゾル生成品4、204、904を認識するための任意の適切な技法が使用されてもよい。
【0162】
上記の実施形態は、いくつかの点で、いくつかの特定の例示的なエアロゾル生成システムに注目したが、同じ原理を他の技術を使ったエアロゾル生成システムに対して適用することができることは認識されよう。すなわち、エアロゾル供給システムの様々な態様が機能する特定の態様は、本明細書で説明した例の基本的な原理には直接関係しない。
【0163】
様々な課題に対処し、技術を進歩させるため、本開示は、様々な実施形態を例証によって示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態のうちの代表的な例にすぎず、すべての利点や特徴を網羅したものでもなければ、他の利点や特徴を排除するものでもない。これらは、特許請求される発明(複数可)の理解及び教示を助けるためだけに提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定されたとおりに本開示を限定するもの、又は特許請求の範囲の均等物を制限するものと考えるべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができること、及び変形を施すことができることを理解されたい。様々な実施形態が、本明細書で詳細に説明されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に備えてもよく、それらのみから構成されてもよく、又は実質的にそれらから構成されてもよく、したがって、従属請求項の特徴は、特許請求の範囲に明示的に記載されたもの以外の組合せで、独立請求項の特徴と組み合わされてもよいことは認識されよう。本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性のある他の発明を含む可能性がある。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成チャンバと、
使用時に、前記エアロゾル生成チャンバ内に配置されたエアロゾル生成品を加熱するように配置された1つ以上の加熱要素と、
時間T0で前記1つ以上の加熱要素を作動させるように構成された制御システムと、
その後の時間T1まで、前記エアロゾル生成チャンバ内で生成されたエアロゾルを前方に伝送しないように配置された1つ以上のバルブであって、T1>T0である、1つ以上のバルブと、
を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記1つ以上のバルブが、前記エアロゾル生成チャンバの出口領域に配置され、エアロゾルが時間T1まで前記エアロゾル生成チャンバを出ないように配置された、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記エアロゾル生成チャンバの下流に配置されたエアロゾル保持チャンバをさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記1つ以上のバルブが、前記エアロゾル保持チャンバの出口領域に配置され、エアロゾルが時間T1まで前記エアロゾル保持チャンバを出ないように配置された、請求項3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記制御システムが、(i)1つ以上の加熱要素の作動若しくは作動停止に応答して、(ii)時間の関数として、(iii)予め定められたタイミングプロファイルに従って、又は(iv)使用者が定めた1つ以上の設定に従って、前記1つ以上のバルブを選択的に制御するように構成された、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記エアロゾル供給デバイスが吸い口をさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記1つ以上のバルブによって放出されたエアロゾルを前記吸い口に向ける又は伝送するために、前記エアロゾル生成チャンバの出口又はエアロゾル保持チャンバの出口と前記吸い口との間に配置された1つ以上のエアロゾル流路をさらに備える、請求項6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
複数のエアロゾル生成領域をさらに備え、1つ以上の又はそれぞれのエアロゾル生成領域が、外部大気と流体連通する少なくとも1つの空気供給孔を備える、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のエアロゾル供給デバイスと、
複数のエアロゾル生成材料部分を備えるエアロゾル生成品と、
を具備する、エアロゾル供給システム。
【請求項10】
(i)各エアロゾル生成材料部分が実質的に同じである、又は(ii)前記複数のエアロゾル生成材料部分の少なくともいくつかが実質的に異なる、請求項9に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項11】
前記エアロゾル生成品が、実質的に平面状のエアロゾル生成品を備える、請求項9に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項12】
前記平面状のエアロゾル生成品が複数のエアロゾル生成領域を備える、請求項11に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項13】
使用時、前記エアロゾル生成品が、複数の加熱要素に隣り合って配置されている、請求項12に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項14】
使用時、前記エアロゾル生成品が、1つ以上のエアロゾル生成領域が加熱要素に隣り合って位置するように配置され、前記エアロゾル生成品が、1つ以上のエアロゾル生成領域が前記加熱要素の近くに移動するように、前記加熱要素に対して回転又は移動される、請求項12に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項15】
請求項1に記載のエアロゾル供給デバイスを用意するステップと、
前記1つ以上のバルブを使用して、時間T1まで、前記エアロゾル生成チャンバ内で生成されたエアロゾルを前方に伝送しないようにするステップであって、T1>T0である、ステップと、
を含む、エアロゾルを生成する方法。
【国際調査報告】