(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】ドレンパン及びエアコン
(51)【国際特許分類】
F24F 13/22 20060101AFI20240426BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
F24F1/0007 361H
F24F1/0007 401E
F24F1/0007 361D
F24F1/0007 401D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572944
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 CN2022097737
(87)【国際公開番号】W WO2023050864
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202111165079.X
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122406360.X
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122406427.X
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122410353.7
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122406399.1
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122409109.9
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517416385
【氏名又は名称】広東美的暖通設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA HEATING & VENTILATING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Penglai Industry Road,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311,China
(71)【出願人】
【識別番号】523296704
【氏名又は名称】合肥美的暖通▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI MIDEA HEATING & VENTILATING EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 88, Chuangxin Avenue, Boyan Science Park, High-Tech Zone, Hefei City, Anhui 230088, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】奚 洋
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 淋
(72)【発明者】
【氏名】周 柏松
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ 政博
(72)【発明者】
【氏名】文 礼朝
(72)【発明者】
【氏名】谷 勇
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲海▼敏
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲運▼志
(72)【発明者】
【氏名】▲カン▼ 昌利
(72)【発明者】
【氏名】葛 ▲珊▼▲珊▼
(72)【発明者】
【氏名】祝 孟豪
(72)【発明者】
【氏名】▲陽▼ 媛
(72)【発明者】
【氏名】黎 ▲興▼美
【テーマコード(参考)】
3L050
3L051
【Fターム(参考)】
3L050BE01
3L051BJ10
(57)【要約】
ドレンパン及びエアコンであって、ドレンパンは、プラスチック部材(10)と発泡部材(20)とを含み、プラスチック部材(10)の中央部に吸込口(11)が開設され、プラスチック部材(10)の縁部付近には吹出口(12)が開設され、吸込口(11)と吹出口(12)との間に水受け溝(17)が設けられ、水受け溝(17)は吸込口(11)取り囲み、吹出口(12)は水受け溝(17)の少なくとも一部の外縁を連続的に取り囲み、吹出口(12)内に複数の支持グリル(14)が設けられ、複数の支持グリル(14)は吹出口(12)の延在方向に沿って間隔をあけて配置され、発泡部材(20)はプラスチック部材(10)と少なくとも一部が重なり、発泡部材(20)は吸込口(11)と吹出口(12)を避ける。該エアコンのドレンパンは、取り付けが簡単で、生産効率が高く、吹出効果がよく、ユーザーエクスペリエンスが向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドレンパンであって、
プラスチック部材(10)であって、前記プラスチック部材(10)の中央部に吸込口(11)が開設され、前記プラスチック部材(10)の縁部付近には吹出口(12)が開設され、前記吸込口(11)と前記吹出口(12)との間に水受け溝(17)が設けられ、前記水受け溝(17)が前記吸込口(11)を囲み、前記吹出口(12)が、前記水受け溝(17)の少なくとも一部の外縁を連続的に取り囲み、前記吹出口(12)内に複数の支持グリル(14)が設けられ、複数の前記支持グリル(14)が前記吹出口(12)の延在方向に沿って間隔をあけて分布している、プラスチック部材(10)と、
発泡部材(20)であって、前記発泡部材(20)は前記プラスチック部材(10)と少なくとも一部が重なり、前記発泡部材(20)が、前記吸込口(11)と前記吹出口(12)を避ける、発泡部材(20)と、を含む、
ことを特徴とするドレンパン。
【請求項2】
前記発泡部材(20)と前記プラスチック部材(10)とは一体的に成形されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のドレンパン。
【請求項3】
前記支持グリル(14)は、前記吸込口(11)から前記吹出口(12)へ向かう方向に沿って設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のドレンパン。
【請求項4】
前記発泡部材(20)の中央部に吸込逃がし穴(23)が開設され、第2フレーム(25)と前記水受け溝(17)との間に吹出逃がし穴(24)が開設され、前記吸込逃がし穴(23)の位置は前記吸込口(11)に対応し、前記吹出逃がし穴(24)の位置は前記吹出口(12)に対応する、
ことを特徴とする請求項1に記載のドレンパン。
【請求項5】
前記プラスチック部材(10)は第1フレーム(16)を有し、前記支持グリル(14)の一端は前記第1フレーム(16)に接続され、他端は前記プラスチック部材(10)の中央部の構造に接続され、
前記第1フレーム(16)は前記第2フレーム(25)と一体に接続される、
ことを特徴とする請求項4に記載のドレンパン。
【請求項6】
前記支持グリル(14)の横断面は吹出方向に沿って次第に小さくなる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のドレンパン。
【請求項7】
前記支持グリル(14)の幅範囲は1.5mm~3.2mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載のドレンパン。
【請求項8】
前記発泡部材(20)と前記プラスチック部材(10)との一体成形は、前記プラスチック部材を射出成形し、成形されたプラスチック部材が硬化した後、前記プラスチック部材で金型を利用して発泡材料を直接注入し、前記発泡材料と前記プラスチック部材とが少なくとも部分的に溶融して一体となり、前記発泡材料が硬化した後に、前記プラスチック部材に接続されるようになる、
ことを特徴とする請求項2に記載のドレンパン。
【請求項9】
前記水受け溝(17)の形状は四角形の環状構造であり、前記吹出口(12)は前記水受け溝(17)の4つの外側辺を取り囲み、各前記外側辺は少なくとも1つの前記支持グリル(14)に接続される、
ことを特徴とする請求項6に記載のドレンパン。
【請求項10】
前記プラスチック部材(10)は複数の接続部(13)を有し、前記接続部(13)は前記発泡部材(20)を貫通する、
ことを特徴とする請求項1に記載のドレンパン。
【請求項11】
前記プラスチック部材(10)の中央部に導風リング(15)が形成され、前記吸込口(11)は前記導風リング(15)の中心に形成され、前記導風リング(15)は前記発泡部材(20)と重ならない、
ことを特徴とする請求項1に記載のドレンパン。
【請求項12】
前記吸込口(11)は防護ネット(30)で覆われ、前記防護ネット(30)は前記発泡部材(20)又は前記プラスチック部材(10)に取り外し可能に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のドレンパン。
【請求項13】
前記発泡部材(20)には、マイナスイオン素子(1)を取り付けるためのマイナスイオン素子取付部と、温度センサ(2)を取り付けるための温度センサ取付部とが設けられ、前記マイナスイオン素子取付部は前記温度センサ取付部の片側に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載のドレンパン。
【請求項14】
前記発泡部材(20)に配線通過溝(22)が開設され、前記配線通過溝(22)は、前記吹出口(12)に近接し、前記マイナスイオン素子(1)と前記温度センサ(2)との接続線を通過させる、
ことを特徴とする請求項13に記載のドレンパン。
【請求項15】
前記防護ネット(30)はグリルであり、前記グリルは、前記ドレンパンに接続されるのに適する本体(31)を含み、前記本体(31)には、前記ドレンパンにバックル係合して前記本体(31)と前記ドレンパンとを接続するのに適する複数の第1バックル(311)が設けられる、
ことを特徴とする請求項12に記載のドレンパン。
【請求項16】
前記グリルは取付部(32)をさらに含み、前記取付部(32)は前記本体(31)の外周側に設けられ、前記取付部(32)は、温度センサ(2)及び/又はマイナスイオン発生器(1)を取り付けられるように構成されている、
ことを特徴とする請求項15に記載のドレンパン。
【請求項17】
前記本体(31)と前記取付部(32)とは一体的に形成される、
ことを特徴とする請求項16に記載のドレンパン。
【請求項18】
前記取付部(32)に突起(322)が設けられ、前記突起(322)は第1セグメント(3221)と第2セグメント(3222)とを含み、前記第1セグメント(3221)は相対的に配置された凸面と凹面とを有し、前記凸面は、前記マイナスイオン発生器(1)に当接することで前記マイナスイオン発生器(1)を制限するよう構成されており、前記第2セグメント(3222)は、前記第1セグメント(3221)の前記凹面の側に設けられ、且つ前記第2セグメント(3222)は前記凹面に接続される、
ことを特徴とする請求項16又は17に記載のドレンパン。
【請求項19】
前記取付部(32)及び/又は本体(31)に第1糸バックル(324)と第2糸バックル(325)とが設けられ、前記第1糸バックル(324)は温度センサ(2)の導線を係止するよう構成されており、前記第2糸バックル(325)は、マイナスイオン素子(1)の導線を係止するよう構成されている、
ことを特徴とする請求項16又は17に記載のドレンパン。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載のドレンパンを含む、
ことを特徴とするエアコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互引用]
本出願は、出願番号が202111165079.Xで、出願日が2021年09月30日である中国特許出願、
出願番号が202122406360.Xで、出願日が2021年09月30日である中国特許出願、
出願番号が202122406427.Xで、出願日が2021年09月30日である中国特許出願、
出願番号が202122410353.7で、出願日が2021年09月30日である中国特許出願、
出願番号が202122406399.1で、出願日が2021年09月30日である中国特許出願、及び、
出願番号が202122409109.9で、出願日が2021年09月30日である中国特許出願の優先権を主張し、
上記6つの中国特許出願の全内容はここで参考として本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願はエアコン製造技術分野に関し、特にドレンパン及びエアコンに関する。
【背景技術】
【0003】
エアコン製品はコンパクト化と高性能化を目指して開発が進んでいる。エアコンの吹出口の大きさは、エアコン全体の風量及び熱交換効率に影響しており、関連技術では、通常、複数の小さい吹出口が設けられ、各吹出口の流通面積はいずれも小さく、そのため、全体の換気量を増やすことが難しい。
【0004】
エアコンの吹出問題は、高性能化が進む中で解決しなければならないこととなっている。そして、関連技術では、ドレンパンは、構造自体や生産工程上の制約により、吹出面積を増やすことが困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は関連技術における技術的課題の1つをある程度解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本出願の実施形態は、ドレンパンを提供し、前記ドレンパンは、
プラスチック部材であって、前記プラスチック部材の中央部に吸込口が開設され、前記プラスチック部材の縁部付近には吹出口が開設され、前記吸込口と前記吹出口との間に水受け溝が設けられ、前記水受け溝が前記吸込口を囲み、前記吹出口が、前記水受け溝の少なくとも一部の外縁を連続的に取り囲み、前記吹出口内に複数の支持グリルが設けられ、複数の前記支持グリルが前記吹出口の延在方向に沿って間隔をあけて分布しているプラスチック部材と、
発泡部材であって、前記発泡部材が前記プラスチック部材と少なくとも一部が重なり、前記発泡部材が、前記吸込口と前記吹出口とを避ける発泡部材と、を含む。
【0007】
本出願の実施形態のドレンパンは以下の技術的効果を有する。吹出口を連続的に延在する構造にすることにより、吹出口の流通面積を大きくし、これによって吹出効率を向上させ、エアコン性能の向上に有利である。
【0008】
幾つかの実施形態では、前記発泡部材と前記プラスチック部材とは一体的に成形されている。
【0009】
幾つかの実施形態では、前記支持グリルは、前記吸込口から前記吹出口へ向かう方向に沿って設けられる。
【0010】
幾つかの実施形態では、前記発泡部材の中央部には吸込逃がし穴が開設され、第2フレームと前記水受け溝との間に吹出逃がし穴が開設され、前記吸込逃がし穴の位置は前記吸込口に対応し、前記吹出逃がし穴の位置は前記吹出口に対応する。
【0011】
幾つかの実施形態では、前記プラスチック部材は第1フレームを有し、前記支持グリルの一端は前記第1フレームに接続され、他端は前記プラスチック部材の中央部の構造に接続され、前記第1フレームは前記第2フレームと一体的に接続される。
【0012】
幾つかの実施形態では、前記支持グリルの横断面は吹出方向に沿って次第に小さくなる。
【0013】
幾つかの実施形態では、前記支持グリルの幅範囲は1.5mm~3.2mmである。
【0014】
幾つかの実施形態では、前記発泡部材と前記プラスチック部材との一体成形は、前記プラスチック部材を射出成形し、成形されたプラスチック部材が硬化した後、前記プラスチック部材で金型を利用して発泡材料を直接注入し、前記発泡材料と前記プラスチック部材とを少なくとも部分的に溶融して一体となり、前記発泡材料が硬化した後に、前記プラスチック部材に接続されるようになる。
【0015】
幾つかの実施形態では、前記水受け溝の形状は四角形の環状構造であり、前記吹出口は前記水受け溝の4つの外側辺を取り囲み、各前記外側辺は少なくとも1つの前記支持グリルに接続される。
【0016】
幾つかの実施形態では、前記プラスチック部材は複数の接続部を有し、前記接続部は前記発泡部材を貫通する。
【0017】
幾つかの実施形態では、前記プラスチック部材の中央部に導風リングが形成され、前記吸込口は前記導風リングの中心に形成され、前記導風リングは前記発泡部材と重ならない。
【0018】
幾つかの実施形態では、前記吸込口は防護ネットで覆われ、前記防護ネットは前記発泡部材又は前記プラスチック部材に取り外し可能に接続される。
【0019】
幾つかの実施形態では、前記発泡部材には、マイナスイオン素子を取り付けるためのマイナスイオン素子取付部と、温度センサを取り付けるための温度センサ取付部とが設けられ、前記マイナスイオン素子取付部は前記温度センサ取付部の片側に位置する。
【0020】
幾つかの実施形態では、前記発泡部材には、前記吹出口に近接し、前記マイナスイオン素子と前記温度センサとの接続線を通過させるための配線通過溝が開設されている。
【0021】
幾つかの実施形態では、前記防護ネットはグリルであり、前記グリルは前記ドレンパンに接続されるのに適する本体を含み、前記本体には、前記ドレンパンにバックル係合して前記本体と前記ドレンパンを接続するのに適する複数の第1バックルが設けられる。
【0022】
幾つかの実施形態では、前記グリルは取付部をさらに含み、前記取付部は前記本体の外周側に設けられ、前記取付部は、温度センサ及び/又はマイナスイオン発生器を取り付けることに適している。
【0023】
幾つかの実施形態では、前記本体と前記取付部とは一体的に射出成形される。
【0024】
幾つかの実施形態では、前記取付部に突起が設けられ、前記突起は第1セグメントと第2セグメントとを含み、前記第1セグメントは相対的に配置された凸面と凹面とを有し、前記凸面は、前記マイナスイオン発生器に当接することで前記マイナスイオン発生器を制限することに適しており、前記第2セグメントは前記第1セグメントの前記凹面の側に設けられ、且つ前記第2セグメントは前記凹面に接続される。
【0025】
幾つかの実施形態では、前記取付部及び/又は本体には、温度センサの導線を係止するのに適する第1糸バックルと、マイナスイオン素子の導線を係止するのに適する第2糸バックルとが設けられる。
【0026】
本出願の実施形態はエアコンをさらに提供し、前記エアコンは、本出願のいずれか1つの実施形態のドレンパンを有する。該エアコンのドレンパンが取り付けやすいことにより、エアコンの生産効率が向上し、支持グリルの幅が小さく、吹出効果がよく、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0027】
本出願の付加的な態様と利点は以下の説明から部分的に与えられ、一部は以下の説明から明らかになり、又は本出願の実践によって理解することになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本出願の実施形態のプラスチック部材の立体構造の概略図である。
【
図2】本出願の実施形態の発泡部材の立体構造の概略図である。
【
図3】本出願の実施形態のドレンパンの正面図である。
【
図4】本出願の実施形態のドレンパンの背面図である。
【
図6】本出願の実施形態のドレンパンの立体図である。
【
図7】本出願のもう1つの実施形態のドレンパンの立体図である。
【
図8】本出願の実施形態に係る防護グリルの全体構造の概略図である。
【
図9】
図8における防護グリルの突起の概略図である。
【
図10】本出願の幾つかの実施形態に係るスクリーンアセンブリの全体構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本出願の実施例を詳しく説明し、前記実施例の例は図面に示される。以下、図面を参照して説明される実施例は例示的なものであり、本出願を説明するためのものであり、本出願を限定するものとして理解すべきではない。
【0030】
本出願の実施形態はドレンパンを提供し、該ドレンパンはエアコンに使用され、吸込と吹出の効率を向上させることができ、且つ全体の構造安定性が高く、エアコンにおける取り付けの利便性と取り付け精度を向上させることができる。該エアコンは中央エアコンであってもよく、ドレンパンは中央エアコン室内の吸込吹出装置に取り付けることができる。
【0031】
図1~
図6を参照すると、本出願の実施形態のドレンパンは主にプラスチック部材10と発泡部材20との2つの部分を含み、この2つの部分は一体に接続される構造であり、接続にはネジなどの接続部材を使用する必要がなく、プラスチック部材10と発泡部材20の材質が異なるが、両者は一体型構造であり、使用時に個別に組み立てる必要はないため、取り付けの利便性を向上させ、生産効率を向上させ、吸込口11とエアコンの関連部材の相対的な位置の精度にも有利である。
【0032】
図1と
図3を参照すると、プラスチック部材10の中央部には吸込口11が開設され、プラスチック部材10の縁部付近には吹出口12が開設され、吸込口11と吹出口12との間に水受け溝17が設けられ、水受け溝17は吸込口11を取り囲み、吹出口12は水受け溝17の少なくとも一部の外縁を連続的に取り囲み、吹出口12内に複数の支持グリル14が設けられ、且つ複数の支持グリル14は吹出口12の延在方向に沿って間隔をあけて分布しており、本出願の実施形態の吹出口12は1つのみ設けられ、且つ水受け溝17を連続的に取り囲む方式によって環状の吹出口を形成し、吹出口12の流通面積を増加させ、吹出口12内に支持グリル14が設けられるが、支持グリル14によって占められる吹出口12の流通面積が非常に小さく、吹出口12の全体の流通面積は、関連技術において複数の吹出口を設ける場合の流通面積の合計を遥かに上回る。水受け溝17は長尺状に設けられ、且つ設定された方向に沿って延び、凝縮水を収納し、収集された凝縮水を所定の管路内に搬送する。幾つかの実施形態では、水受け溝17は連続した溝であり、凝縮水は水受け溝17内を流れることができる。支持グリル14は板状体であり、支持グリル14の厚さは吹出方向に沿って次第に減少し、つまり、支持グリル14の異なる位置における横断面の幅が異なってもよい。このように設置すれば、風抵抗を低減できるだけではなく、騒音を低減する効果も備える。
【0033】
関連技術では、ドレンパンは発泡体の発泡により形成され、発泡体は強度が低いため、吹出口に長い接続構造を設置してフレームを接続する必要があり、このようにすれば、吹出口を大きく遮蔽することになる。
【0034】
幾つかの実施形態では、発泡部材20とプラスチック部材10は一体成形される。
【0035】
本出願では、ドレンパンは、発泡体がプラスチック部材において発泡することによって形成され、プラスチック部材は強度が高く、このようなプロセスによって形成されたドレンパンを採用すると、強度が高く、吹出口における第1フレーム16を接続するための支持グリル14の断面を非常に小さくすることができる。
図3に示すように、吹出口において支持グリル14が占める遮蔽面積と、吹出口の総面積との比例は無視できるほど非常に小さく、これによって環状の吹出口を実現することができる。
【0036】
例示的に、吹出口12は、一定の長さと屈曲を有する長穴であり、吹出口12の幅は実際の設計要件に応じて設定可能である。
【0037】
支持グリル14は接続を支持する役割を果たし、構造強度要件を満たす前提でできるだけ薄くすることで、風抵抗を低減することができる。
【0038】
図2を参照すると、発泡部材20はプラスチック部材10と少なくとも一部が重なり、温度を保つ役割を果たし、ドレンパンが凝結を防止する効果を達成する。発泡部材20は吸込口11と吹出口12を回避する。発泡部材20とプラスチック部材10とは互いに接続され、相対的に固定される。幾つかの実施形態では、発泡部材20とプラスチック部材10とは一体成形され、発泡部材20には水受け溝17が形成され、水受け溝17は吸込口11を取り囲み、吹出口12は水受け溝17を取り囲む。発泡部材20とプラスチック部材10とが一体成形されることにより、発泡部材20及びプラスチック部材10は個別に取り付ける必要がなく、発泡部材20とプラスチック部材10は材質が異なるが、両方とも射出成形の方式で形成可能であるため、異なる材料の注入順序を制御することで発泡部材20とプラスチック部材10をそれぞれ成形し、且つ発泡部材20とプラスチック部材10を一体に接続することができる。
【0039】
幾つかの実施形態では、吸込口11と吹出口12を回避するために、発泡部材20の中央部に吸込逃がし穴23が開設され、第2フレーム25と水受け溝17との間に吹出逃がし穴24が開設される。吸込逃がし穴23の位置は吸込口11に対応し、吹出逃がし穴24の位置は吹出口12に対応する。吸込逃がし穴23は吸込口11に適応する円形であり、吹出逃がし穴24は、吹出口12の形状に適応する湾曲した長穴である。
【0040】
幾つかの実施形態では、支持グリル14は吸込口11から吹出口12へ向かう方向に沿って設けられ、支持グリル14の幅範囲は1.5mm~3.2mmであり、プラスチック部材10の全体がプラスチック材質であるため、支持グリル14の型開きの幅は1.5mm以上に制御することができ、実験により、ドレンパンの構造強度の必要に応じて、本出願の実施形態において、支持グリル14の幅は3.2mm以内に限定される。したがって、支持グリル14の幅は1.6mm、1.8mm、2.0mm、2.2mm、2.4mm、2.6mm、2.8mm、3.0mmなどであってもよい。該寸法の支持グリル14は、十分な構造強度を有するだけでなく、吹出口12に対する風抵抗が非常に小さく、より大きな吹出面積を実現し、吹出効率を向上させる。
【0041】
ここで、前記支持グリル14の幅は、支持グリル14が吹出口12の横断面を占める厚さを指し、即ち、
図3における支持グリル14の2つの辺の間の距離である。支持グリル14は板状体であり、ここでの支持グリル14の幅はつまり板状体の最大厚さである。
【0042】
プラスチック部材10は、ドレンパン全体にとって、主に構造を支持する役割を果たし、発泡部材20はドレンパン全体にとって、主に保温を保つ役割を果たす。発泡部材20に支持グリルを設けると、材料自体の性質により、支持グリルの幅を1.5mm~3.2mmに制御することが難しく、発泡部材20に支持グリルに設置するという関連技術における解決案は、設けられる支持グリルの幅は通常10mm前後であり、吹出口12に対する風抵抗が大きい。
【0043】
幾つかの実施形態では、発泡部材20とプラスチック部材10は一体成形され、一体成形されたプラスチック部材10と発泡部材20は組み立て誤差を無くし、導風リングとエアコンのファンホイールとの嵌め合い隙間を除去することができる。ここの一体成形は、射出成形時に両者を一体に注入することを指し、これによって組み立て手順を簡素化することができ、また、発泡部材20とプラスチック部材10との嵌め合い精度がよく、ドレンパンの個体差が小さい。
【0044】
幾つかの実施形態では、発泡部材20とプラスチック部材10との一体成形のプロセス方法は以下のとおりである。まず、プラスチック部材10を射出成形し、成形されたプラスチック部材10が硬化した後、プラスチック部材10で金型を利用して発泡材料を直接注入し、発泡材料とプラスチック部材10が少なくとも部分的に溶融して一体となり、発泡材料が硬化した後にプラスチック部材10に接続されるようになる。
【0045】
プラスチック部材10の構造強度は発泡部材20より高い。したがって、まずプラスチック部材10を射出成形し、プラスチック部材10が硬化した後に発泡材料を射出成形し、これによってプラスチック部材10に発泡部材20を形成し、プラスチック部材10と発泡部材20は少なくとも部分的に溶融して一体となり、プラスチック部材10と発泡部材20は一体成形の構造をなし、プラスチック部材10と発泡部材20が切り離せない2つの部分である。そのため、エアコンを生産する時に別々取り付ける必要がなく、また、プラスチック部材10と発泡部材20との相対的な位置の精度が非常に高く、組み立て誤差を生じることはない。
【0046】
発泡材料を注入する際に、接触するプラスチック部材10の表面は部分的に溶融して、発泡材料と一体になってもよい。プラスチック部材10と発泡部材20との接触部分の位置は相互の溶融が発生しなくてもよい。
【0047】
幾つかの実施形態では、支持グリル14の幅範囲は2mm~3mmであり、例えば2mm~2.5mmである。このようなサイズの支持グリル14は十分な構造強度を有するだけでなく、吹出口12に対する風抵抗が非常に小さく、より大きな吹出面積を実現し、吹出効率を向上させる。
【0048】
プラスチック部材10は第1フレーム16を有し、支持グリル14の一端は第1フレーム16に接続され、他端はプラスチック部材10の中央部の構造に接続される。第1フレーム16は第2フレーム25と一体的に接続され、第1フレーム16は支持効果を果たし、第2フレーム25は保温効果を果たす。
【0049】
幾つかの実施形態では、支持グリル14の横断面は吹出方向に沿って次第に小さくなり、つまり、支持グリル14は、異なる位置における横断面の幅が異なってもよい。このように設置すれば、風抵抗をさらに低下させることができ、且つノイズ低減の効果を有する。
図1と
図5における矢印の方向は吹出と吸込の方向である。
【0050】
支持グリル14は板状体であり、支持グリル14の横断面の最大幅範囲は1.5mm~3.2mmである。
【0051】
幾つかの実施形態では、吸込口11の形状は円形であり、水受け溝17の形状は四角形である。水受け溝17の4つの角は円弧状に面取りされており、吸込口11のサイズはエアコンのファンホイールのサイズに適合する。幾つかの実施形態では、
図5を参照すると、吸込口11の形状は円形であり、且つ吸込口11の内径は吸込方向(下から上へ向かう方向)に沿って次第に小さくなる。該構造は吸込効果の向上や吸込ノイズの低減に有利である。図面における矢印の方向は吸込と吹出の方向である。
【0052】
幾つかの実施形態では、吹出口12は水受け溝17の4つの外側辺を取り囲み、各外側辺にはいずれも1つの支持グリル14が接続されている。該設置は、ドレンパンの全体構造の安定性を確保する。
【0053】
例示的に、吹出口12は3つの曲げ位置を有し、各曲げ位置にいずれも2つの支持グリル14が設けられる。支持グリル14が位置する平面は吸込口11の中心と重なる。
【0054】
幾つかの実施形態では、プラスチック部材10は複数の接続部13を有し、接続部13は発泡部材20を貫通し、接続部13は、ドレンパンをエアコンの他の部件に接続することに用いてもよく、そして、接続部13が発泡部材20を貫通するように設置することにより、プラスチック部材10と発泡部材20との一体成形構造の安定性を向上させることができる。
【0055】
例示的に、接続部13は柱状構造であってもよく、接続部13の中心にネジ穴が設けられてもよく、エアコン素子の他の部材は、該ネジ穴を介してドレンパンを取り付けることができる。
【0056】
幾つかの実施形態では、プラスチック部材10の中央部に導風リング15が形成され、吸込口11は導風リング15の中央部に形成され、導風リング15は発泡部材20と重ならない。プラスチック部材10は一体構造であり、導風リング15がプラスチック部材10の一分に属しているため、本出願の実施形態のドレンパンは、使用時に、独立した導風リング部材を取り付ける必要がなくなり、つまり、本出願の実施形態のドレンパンは導風リングの構造を同時に有することとなり、このような設置により、導風リング15とエアコンのファンホイールとの嵌合精度が高くなり、別途導風リング部材を取り付ける必要がないため、エアコンの生産効率を向上させる。
【0057】
例示的に、導風リング15の内表面は円弧面又はテーパ面である。該構造は吸込口11の吸込効果の向上や吸込ノイズのさらなる低減に有利である。
【0058】
例示的に、
図5を参照すると、導風リング15の横断面の形状は1/4の円弧の構造であってもよい。
【0059】
幾つかの実施形態では、
図7を参照すると、吸込口11は防護ネット30で覆われており、防護ネット30は発泡部材20又はプラスチック部材10に取り外し可能に接続されている。防護ネット30は保護効果を果たし、防護ネット30はステンレス鋼材質を用いてもよい。具体的に、防護ネット30とプラスチック部材10とはネジ又はスナップによって接続可能である。
【0060】
幾つかの実施形態では、防護ネット30はグリル30であってもよい。
【0061】
幾つかの実施形態では、発泡部材20には、マイナスイオン素子1を取り付けるためのマイナスイオン素子取付部と、温度センサ2を取り付けるための温度センサ取付部とが設けられ、イオン素子取付部は温度センサ取付部の片側に位置する。
【0062】
発泡部材20にフロートが設けられてもよく、ドレンパンはフロート、マイナスイオン素子1、温度センサ2の固定組み立てを同時に担い、且つ配線や配線の固定を担う対応する構造を有し、無関係な構造物がそれ以上なく、構造強度を確保した前提で全体の体積が小さく、材料利用率が高い。ここで、マイナスイオン素子1と温度センサ2は吸込口11に設けられることは、温度センサ2による温度検出やマイナスイオン素子1による空気浄化に有利である。
【0063】
ここで、発泡部材20には配線通過溝22が開設され、マイナスイオン素子1、温度センサ2などの電子素子の接続線は該配線通過溝22を通過することができる。
【0064】
幾つかの実施形態では、配線通過溝22の数は2つであり、2つの配線通過溝22はそれぞれ吹出口12の2つの延在端部の付近に位置し、したがって、吹出口12は閉じていない環状構造になる。
【0065】
本出願の実施形態はエアコンをさらに提供し、エアコンは上記いずれか1つの実施形態のドレンパンを含む。該エアコンのドレンパンは取り付けやすいので、エアコンの生産効率が向上し、支持グリル14の幅が小さく、吹出効果がよく、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0066】
図8に示すように、本出願の実施形態に係るグリル30は、ドレンパンに接続されるのに適する本体31を含む。グリル30の本体31は濾過と換気の役割を果たすことができる。
【0067】
幾つかの実施形態では、本体31は複数のねじを介してドレンパンに固定可能である。
【0068】
幾つかの実施形態では、
図8と
図10に示すように、本体31には複数の第1バックル311が設けられ、第1バックル311はドレンパンバックルにバックル係合して本体31とドレンパン40を接続するのに適している。グリル30とドレンパン40との間はバックル接続されるため、グリル30とドレンパン40の脱着が容易になり、ひいては点検とメンテナンスが容易になる。関連技術ではパネルの設置や固定のために人力でパネルを持ち上げる必要があるという状況を回避し、労働者の労働負荷を軽減し且つ人件費を削減し、パネルの位置合わせが容易になり、取り付け効率を向上させる。さらに、関連技術では板金部材を予めドレンパンに埋め込むことで、ドレンパンの下方に部材が多くなりやすく、ドレンパンの生産効率が低下するという状況を回避する。
【0069】
図8に示すように、本体31は円形であってもよく、なお、本体31は正四角形、星型、楕円形などの他の形状であってもよい。
【0070】
幾つかの実施形態では、第1バックル311は係止バックルであってもよい。複数の第1バックル311は、本体31の周方向に沿って間隔をあけて配置されてもよく、グリル30を取り付ける際に、複数の第1バックル311をドレンパンと係止固定することができる。
【0071】
幾つかの実施形態では、複数の第1バックル311は本体1の周方向に沿って間隔をあけて配置され、且つ複数の第1バックル311は、本体31がドレンパンに対して回転する際にドレンパンと係止固定され又は分離する。
【0072】
幾つかの実施形態では、
図8に示すように、第1バックル311はさらに回転バックルであってもよく、複数の第1バックル311はいずれも本体31の縁部位置に設けられ、且つ本体31の周方向に沿って等間隔に配置される。グリル30を取り付ける際に、グリル30を回転させ、回転中に、本体31での複数の第1バックル311はドレンパン40と係止嵌合することができ、これによってグリル30とドレンパン40の取り付けと固定を実現し、グリル30を取り外す必要があり、逆方向にグリル30を回転させればよい。これにより、グリル30の脱着をさらに容易にする。
【0073】
幾つかの実施形態では、本体31には、第1締結部材を挿入するための第1穴312が設けられ、本体31は第1締結部材を介してドレンパン40と取り外し可能に接続される。
【0074】
図8を参照すると、第1穴312は本体31の縁部位置に設けられてもよく、第1締結部材はボルト又はネジであってもよく、グリル30はドレンパン40に回転係止又はバックル係合した後、第1締結部材を介してグリル30をドレンパン40に接続固定することができ、これによってグリル30の回転を制限する役割を果たし、グリル30の回転による緩みと脱落の状況を回避する。
【0075】
第1締結部材は1つのみ設けられてもよく、該第1締結部材を取り外してから各第1バックル311をアンロックすることでグリル30の取り外しを実現することができ、これによって、関連技術では複数のネジを取り外す必要があるという状況を回避し、グリル30の取り付けと取り外し効率を向上させ、点検とメンテナンスが容易になる。
【0076】
幾つかの実施形態では、本体31に補強リブ314が設けられ、補強リブ314は、隣り合う2つの第1バックル311の間に設けられ、補強リブ314は本体31の周方向に沿って延びる。
図8に示すように、補強リブ314は本体31の外周縁位置に設けられてもよく、補強リブ314は本体31の周方向に沿って曲がって延び、補強リブ314の一端は、隣り合う2つの第1バックル311のうちの一方と接続されてもよく、補強リブ314の他端は、隣り合う2つの第1バックル311のうちの他方に接続されてもよく、これにより、本体31の構造強度を向上させることができ、本体31形状の構造安定性を確保する。
【0077】
幾つかの実施形態では、補強リブ314と本体31とは一体的に射出成形される。
【0078】
幾つかの実施形態では、本体31の材質はプラスチックである。プラスチックの材質はグリル30の射出成形を容易にし、且つ本体31に補強リブが設けられているため、グリル30は依然として高い構造強度を有し、プラスチックを用いる際に本体31の形状が変形しやすい状況を回避する。
【0079】
幾つかの実施形態では、補強リブ314は複数があり、複数の補強リブ314と複数の第1バックル311は本体31の周方向に沿って交互に配置される。
【0080】
図8に示すように、本体31の外周側に複数の補強リブ314が設けられ、補強リブ314の数は第1バックル311の数と同じであってもよく、複数の補強リブ314と複数の第1バックル311は本体31の周方向に沿って1つずつ交互に配置されてもよく、即ち任意の隣り合う2つの第1バックル311の間にはいずれも1つの補強リブ314が設けられ且つ該補強リブ314により接続される。これにより、本体31の外周縁位置の構造強度が高く、さらに本体31形状の安定性を確保する。
【0081】
幾つかの実施形態では、一部の隣り合う2つの第1バックル311の間に補強リブ314を設置してもよい。
【0082】
幾つかの実施形態では、第1穴312は補強リブ314に設けられる。具体的に、第1穴312は補強リブ314に設けられ、本体31の厚さ方向に沿って本体31を貫通してもよい。これにより、第1穴312を設置することにより本体31の局部構造強度が弱くなるという状況を回避する。
【0083】
幾つかの実施形態では、グリル30は取付部32をさらに含み、取付部32は本体31の外周側に設けられ、取付部32は温度センサ2及び/又はマイナスイオン素子1の取り付けに適する。取付部32は、温度センサ2とマイナスイオン素子1を固定する役割を果たすことができる。
【0084】
図8に示すように、取付部32は本体31と一体的に設置してもよい。幾つかの実施形態では、取付部32は本体31に取り外し可能に固定されてもよい。例えば、取付部32はネジを介して本体31に固定することができる。取付部32は本体31の外周側に固定され、取付部32は温度センサ2を固定するために使用されてもよいし、マイナスイオン素子1を固定するために使用されてもよく、なお、取付部32には温度センサ2とマイナスイオン素子1とが同時に固定されてもよい。
【0085】
取付部32を設置することは、一方、温度センサ2とマイナスイオン素子1とを固定する役割を果たし、温度センサ2とマイナスイオン素子1との取り付けを容易にし、他方では、取付部32での温度センサ2とマイナスイオン素子1とは本体31の位置を遮蔽することなく、温度センサ2とマイナスイオン素子1とが吹出口還気面積に与える影響を回避し、エアコン冷却効率の向上に有利である。
【0086】
幾つかの実施形態では、取付部32に第2バックル321が設けられ、温度センサ2は第2バックル321を介して取付部32に係止固定される。具体的に、
図8に示すように、第2バックル321は係止バックルであり、第2バックル321は取付部32と一体的に設けられてもよく、温度センサ2を取り付ける際に、第2バックル321を温度センサ2に直接係止固定すればよく、温度センサ2の脱着を容易にする。
【0087】
幾つかの実施形態では、第2バックル321は第1サブバックル3211と第2サブバックル3212とを含み、第1サブバックル3211と第2サブバックル3212とは間隔をあけて配置され、温度センサ2は第1サブバックル3211と第2サブバックル3212との間に係止固定される。具体的に、
図8に示すように、取付部32は本体31の後下方に設けられてもよく、第1サブバックル3211と第2サブバックル3212とは前後方向に沿って間隔をあけて配置されてもよく、温度センサ2を取り付ける際に、温度センサ2の前側を第1サブバックル3211に係止固定し、温度センサ2の後側を第2サブバックル3212に係止固定し、これにより、温度センサ2の固定強度を確保する。
【0088】
幾つかの実施形態では、取付部32に突起322が設けられ、突起322は、マイナスイオン素子1に当接することでマイナスイオン素子1の位置を規制することに適している。突起322は第1セグメント3221と第2セグメント3222とを含み、第1セグメント3221は相対的に配置された凸面と凹面を有し、凸面は、マイナスイオン素子1に当接することでマイナスイオン素子1の位置を規制することに適しており、第2セグメント3222は第1セグメント3221の凹面側に設けられ、且つ第2セグメント3222は凹面に接続される。
【0089】
図8に示すように、突起322は取付部32と一体的に設置してもよく、突起322は取付部32における1つの凸部又はバンプであってもよく、マイナスイオン素子1が取付部32に取り付けられると、突起322はマイナスイオン素子1の側壁に当接することができ、これによってブロック効果を果たし、了マイナスイオン素子1の固定のコンパクト性を向上させ、マイナスイオン素子1が勝手に揺れる状況を回避し、マイナスイオン素子1がネジにより固定される時にも、ネジの使用数を減少させることができ、これによって、マイナスイオン素子1の脱着を容易にし、ひいてはメンテナンスを容易にする。
【0090】
幾つかの実施形態では、突起322は複数設けられてもよく、これにより、マイナスイオン素子1の複数の位置に対する規制を実現することができる。
【0091】
幾つかの実施形態では、突起322は円弧面3223を有し、円弧面3223は、マイナスイオン素子1の外周壁との貼り合わせ嵌合に適している。具体的に、突起322の外周面は円弧面3223を含んでもよく、円弧面3223は即ち一区切り円弧面であり、マイナスイオン素子1の外表面に溝部が設けられてもよく、マイナスイオン素子1が取付部32に取り付けられると、円弧面3223は溝部に貼り合わせ嵌合することができ、マイナスイオン素子1の固定効果を強化し、マイナスイオン素子1の緩みを回避する。
【0092】
幾つかの実施形態では、突起322は第1セグメント3221と第2セグメント3222とを含み、第1セグメント3221は弧形であり、第1セグメント3221は相対的に配置された凸面と凹面とを有し、凸面はマイナスイオン素子1の外周壁との貼り合わせ嵌合に適合しており、第2セグメント3222は第1セグメント3221の凹面の側に設けられ、且つ第2セグメント3222は凹面に接続される。
【0093】
幾つかの実施形態では、突起322は第1セグメント3221と第2セグメント3222とを含み、第1セグメント3221は弧形であり、第1セグメント3221は相対的に配置された凸面と凹面とを有し、少なくとも一部の凸面に円弧面3223が形成され、第2セグメント3222は第1セグメント3221の凹面の側に設けられ、且つ第2セグメント3222は凹面に接続される。
【0094】
図9に示すように、突起322は第1セグメント3221と第2セグメント3222とで構成されてもよく、第1セグメント3221は円弧型であり、第2セグメント3222は直線型であり、第2セグメント3222は第1セグメント3221の凹面の側に設けられ、第2セグメント3222は大体、第1セグメント3221に対応する円の直径に沿って延び、且つ第2セグメント3222の一端は第1セグメント3221の中央部に接続される。凸面は、マイナスイオン素子1の外周壁との張り合わせ接触に用いられる。
【0095】
円弧面3223は第1セグメント3221の凸面に設けられる。これにより、一方、突起322の構造を簡素化し、突起322した消耗材の減少に有利であり、コストを削減する効果を奏し、他方では、突起322が高い構造強度を有することを確保し、これにより、張り合わせ位置規制の要件を満たす。
【0096】
幾つかの実施形態では、取付部32に第2穴323が設けられ、マイナスイオン素子1は第2締結部材を介して取付部32に取り外し可能に取り付けられ、第2穴323は第2締結部材の挿入に適している。
図8に示すように、取付部32に2つの第2穴323が設けられてもよく、2つの第2穴323はそれぞれ、対応する突起322に近い位置に設けられてもよい。マイナスイオン素子1を取り付ける際に、まず、突起322によりマイナスイオン素子1を位置決めすることができ、その後、対応する第2締結部材を対応する第1穴312内に固定すればよく、第2締結部材はボルト又はネジであってもよい。
【0097】
幾つかの実施形態では、本体31と取付部32とは一体的に射出成形される。例えば、本体31と取付部32とはプラスチック射出成形の方式で鋳造してもよく、これにより、グリル30の加工を容易にし、生産効率を向上させる。
【0098】
幾つかの実施形態では、本体31に複数の接続部材313が設けられ、複数の接続部材313は本体31の周方向に沿って間隔をあけて配置され、接続部材313はパネルとのプリマウント嵌合に適している。
【0099】
幾つかの実施形態では、本体31、接続部材313及び取付部32は一体的に射出成形される。具体的に、本体31、接続部材313及び取付部32はプラスチック射出成形の方式によって鋳造してもよく、これにより、グリル30の加工を容易にし、生産効率を向上させる。
【0100】
幾つかの実施形態では、接続部材313は複数設けられてもよく、複数の接続部材313はいずれも本体31に固定され且つ本体31の周方向に沿って等間隔に配置されてもよく、接続部材313はエアコンのパネルの一時的な事前接続を実現することができる。
【0101】
幾つかの実施形態では、複数の接続部材313はさらに本体31の外周面に設けられ且つ本体31の周方向に沿って等間隔に配置されてもよい。
図8に示すように、接続部材313が4つ設けられてもよく、4つの接続部材313はいずれも本体131の外周面に設けられ、且つ4つの接続部材313は本体31の周方向に沿って等間隔に配置され、即ち、任意の隣り合う2つの接続部材313の間の円弧に対応する円心角は90度である。
【0102】
エアコンのパネルを取り付ける際に、まず、接続部材313によりパネルを接続して固定することができ、接続部材313はパネルの事前位置決めを実現することができ、これにより、パネルの位置合わせを容易にし、ひいては、操作者がネジによりパネルを固定することを容易にする。次に、修理の過程では、取り外されたパネルを引っ掛けることができるので、修理に利便性を提供する。
【0103】
図11に示すように、接続部材313はフックであってもよく、フックは、パネルとのプリマウント嵌合に適しており、これにより、接続は、引っ掛けの方式でパネルに接続可能である。フックはエアコンパネルの引っ掛けを実現することができ、これによってパネルの事前位置決めを実現する。
【0104】
幾つかの実施例では、フックには複数の接続部材補強リブ3131が設けられてもよく、接続部材補強リブ3131はフックの曲げ方向に沿って延び、且つ複数の接続部材補強リブ3131はフックの幅方向に沿って間隔をあけて配置される。
【0105】
図8と
図11に示すように、本体31には複数のフックが設けられてもよく、フックは本体31の外周側に設けられてもよく、且つフックは本体31の外側へ曲げ、フック外表面に3つの接続部材補強リブ3131が設けられてもよく、3つの接続部材補強リブ3131はフックの幅方向に沿って等間隔に配置され、且つ3つの接続部材補強リブ3131はフックの曲げ延在方向に沿って延びる。接続部材補強リブ3131は、接続部材313の構造強度を強化する効果を奏することができる。
【0106】
幾つかの実施形態では、接続部材313は磁石であってもよく、磁石は、パネルとの磁気接続に適している。幾つかの実施形態では、接続部材313はバックル、スナップ、面ファスナーなどであってもよい。これにより、エアコンのパネルと接続部材1213との接続及び取り外しを容易にする。
【0107】
幾つかの実施形態では、取付部32及び/又は本体31に第1糸バックル324と第2糸バックル325が設けられ、第1糸バックル324は温度センサ2の導線を係止するのに適しており、第2糸バックル325はマイナスイオン素子1の導線を係止するのに適している。
【0108】
図8に示すように、第1糸バックル324と第2糸バックル325はいずれも係止溝であってもよく、温度センサ2が取付部32に固定される時、温度センサ2の導線は第1糸バックル324内に係止することができ、マイナスイオン素子1が取付部32に固定される時、マイナスイオン素子1の導線は第2糸バックル325内に係止することができる。第1糸バックル324と第2糸バックル325の設置は、一方、導線の配線に利便性を提供し、他方では、導線に対する整理と計画を実現することができるので、導線の乱雑な配布という状況を回避する。
【0109】
幾つかの実施形態では、本体31の外周側に取付座が一体的に設けられ、第1糸バックル324は取付座に設けられてもよい。
【0110】
以下、図面を参照して、本出願の実施形態に係るエアコン室内機を説明する。
【0111】
図10と
図11に示すように、本出願の実施形態に係るエアコン室内機は、グリルを含み、グリルは上記実施形態で説明されるグリル30であってもよい。具体的に、エアコン室内機は温度センサ2、マイナスイオン素子1及びドレンパンをさらに含んでもよい。ドレンパンは本出願の実施形態で説明されるドレンパンであってもよい。
【0112】
幾つかの実施形態では、
図10に示すように、ドレンパン40は略環状であり、グリル30は回転バックル及びネジによってドレンパン40内に取り外し可能に取り付けられてもよい。温度センサ2とマイナスイオン素子1はいずれもグリル30の取付部32に取り付けられてもよい。
【0113】
幾つかの実施形態では、温度センサ2とマイナスイオン素子1はいずれもグリル30の取付部32に取り付けられてもよく、ここで、温度感知バッグ200は第1バックル321により係止固定され、マイナスイオン素子1は第1穴323を介して突起322に固定される。温度センサ2とマイナスイオン素子1はいずれもグリル30の本体1の外周側に位置する。
【0114】
本出願の実施形態のエアコン室内機により、該エアコン室内機の防護グリルが容易に脱着可能であり、点検とメンテナンスが容易になり、作業員の労働負担を軽減して人件費を削減し、取り付け効率を向上させる。
【0115】
本出願の説明では、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「后」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」、「時計周り」、「逆時計周り」、「軸方向」、「径向」、「周方向」など用語によって指示される方位又は位置関係は、図面に示す内容に基づく方位又は位置関係であり、本出願を説明し且つその説明を簡素化するためのものであり、指示される素子又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成され又は操作されることを指示又は暗示するものではないため、本出願への制限として理解してはならない。
【0116】
また、「第1」、「第2」という用語は説明という目的に用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示するもの、或いは指示された技術的特徴の数を暗黙的に示すものではない。これにより、「第1」、「第2」によって限定される特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示するか、又は暗黙的に含んでもよい。本出願の説明では、明確かつ具体的な限定がない限り、「複数」という用語の意味は、少なくとも2つであり、例えば、2つ、3つなどである。
【0117】
本出願では、明確かつ具体的な限定がない限り、「取り付け」、「接続」、「つながる」、「固定」などの用語は広義的に理解すべきであり、例えば、固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的なものであってもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続、又は互いに通信できるものであってもよく、直接接続であってもよく、中間媒介による間接的な接続であってもよく、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用の関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況を基に本出願における上記用語の具体的な意味を理解すべきである。
【0118】
本出願では、明確な規定や限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」または「下」にあることは、第1と第2の特徴が直接接触することであってもよく、または第1と第2の特徴が中間媒体によって間接的に接触することであってもよい。そして、第1特徴が第2特徴「の上」、「上方」と「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上または斜め上にあることであってもよく、または第1特徴の水平高さが第2特徴より高いのみを示してもよい。第1特徴が第2特徴「の下」、「下方」と「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下または斜め下にあることであってもよく、または第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことのみを示しても良い。
【0119】
本出願では、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、または「一部の例」などの用語は、該実施例または例に合わせて説明される具体的な特徴、構造、材料または特点が、本発明の少なくとも1つの実施例または例に含まれることを指す。本明細書では、上記用語に対する例示的な説明は、必ず同じ実施例または例を対象とするとは限らない。そして、説明される具体的な特徴、構造、材料または特点は、いずれか1つまたは複数の例において適切な方式で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者は本明細書で説明される異なる実施例または例及び異なる実施例または例の特徴を結合したり組み合わせたりすることができる。
【0120】
以上は本出願の実施例を示し且つ説明したが、上記実施例は例示的なものであり、本出願への制限として理解してはならず、当業者であれば、本出願の範囲から逸脱しない限り、上記実施例に対して変更、修正、入れ替えと変形を行うことができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0121】
1 マイナスイオン素子
2 温度センサ
10 プラスチック部材
11 吸込口
12 吹出口
13 接続部
14 支持グリル
15 導風リング
16 第1フレーム
17 水受け溝
20 発泡部材
22 配線通過溝
23 吸込逃がし穴
24 吹出逃がし穴
25 第2フレーム
30 防護ネット
31 本体
311 第1バックル
312 第1穴
313 接続部材
3131 接続部材補強リブ
314 補強リブ
32 取付部
321 第2バックル
3211 第1サブバックル
3212 第2サブバックル
322 突起
3221 第1セグメント
3222 第2セグメント
3223 円弧面
323 第2穴
324 第1糸バックル
325 第2糸バックル
40 ドレンパン
【国際調査報告】