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特表2024-519177陽極活性物質、その製造方法及びそれを用いたリチウム二次電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(54)【発明の名称】陽極活性物質、その製造方法及びそれを用いたリチウム二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/38 20060101AFI20240426BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20240426BHJP
   H01M 4/134 20100101ALI20240426BHJP
【FI】
H01M4/38 Z
H01M4/36 C
H01M4/134
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573376
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 CN2022095156
(87)【国際公開番号】W WO2022247893
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/193,983
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/314,032
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523446952
【氏名又は名称】シノ アプライド テクノロジー タイワン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, チーウェイ
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA02
5H050AA07
5H050BA17
5H050CB11
5H050DA18
5H050FA16
5H050FA17
5H050FA18
5H050GA02
5H050GA12
5H050GA13
5H050GA22
5H050GA27
5H050HA01
5H050HA02
5H050HA04
5H050HA05
5H050HA14
(57)【要約】
【課題】陽極活性物質、その製造方法、及びそれを用いたリチウム二次電池
【解決手段】シリコン粒子、セラミック材料、導電性カーボンを含む複合材料を含む二次電池用陽極活物質であって、セラミック材料は、シリコン粒子の表面の少なくとも一部の区域に形成されており、導電性カーボンは、シリコン粒子とセラミック材料を覆うようにセラミック材料上に形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン粒子と、セラミック材料と、導電性カーボンとを含む複合材料を備える二次電池用陽極活物質であって、
前記セラミック材料は、前記シリコン粒子の表面の少なくとも一部の区域に形成されており、
前記導電性カーボンは、前記シリコン粒子及び前記セラミック材料を覆うように前記セラミック材料上に形成されている、ことを特徴とする二次電池用陽極活物質。
【請求項2】
前記セラミック材料は炭化ケイ素を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項3】
前記セラミック材料はケイ素、アルミニウム、酸素及び窒素から作られる化合物を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項4】
前記セラミック材料の化学式は、MxSi12-(m+n)Al(m+n)OnN16-nであり、
前記化学式においてMは、イットリウム(Yttrium,Y)、ジルコニウム(Zirconium,Zr)、ロジウム(Rhodium,Rh)、パラジウム(Palladium,Pd)、リチウム(Lithium,Li)、マグネシウム(Magnesium,Mg)、カルシウム(Calcium,Ca)、バリウム(Barium,Ba)、セリウム(Cerium,Ce)、ネオジム(Neodymium,Nd)、ユウロピウム(Europium,Eu)、イッテルビウム(Ytterbium,Yb)の元素又はその化合物における何れか一つであり、
前記化学式においてx=0.01~0.5,m=0.1~2,n=0.1~3である、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項5】
前記複合材料は粉末状であり、且つ、その二次粒子径は1~500μmの間である、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項6】
前記複合材料の一次粒子径は5nm以上1000nm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項7】
前記シリコン粒子は、球状ユニット及び線状ユニットのうちの少なくとも一つを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項8】
前記球状ユニットの直径は5nm~1000nmであり、前記線状ユニットの直径は2nm~40nmの間である、ことを特徴とする請求項7に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項9】
前記セラミック材料の厚さは0.1nm~3nmの間である、ことを特徴とする請求項8に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項10】
前記導電性カーボンの厚さは3nm~10nmの間である、ことを特徴とする請求項9に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項11】
陰極と、
ダイヤフラムと、
陽極とを備えるリチウム二次電池であって、
前記陰極及び前記陽極は前記ダイヤフラムの両側に配置され、前記陽極は陽極活性物質を含み、且つ、前記陽極活性物質はシリコン粒子、セラミック材料及び導電性カーボンから構成される複合材料が含まれている、ことを特徴とするリチウム二次電池。
【請求項12】
前記陽極活性物質が前記陽極において占める重量パーセントは少なくとも70%である、ことを特徴とする請求項11に記載のリチウム二次電池。
【請求項13】
反応チャンバに有機溶剤を加え、前記反応チャンバ内には複数の電極が設けられており、
シリコン材料を前記反応チャンバ内に配置して前記有機溶剤と接触させ、
シリコン粒子、セラミック材料及び導電性カーボンを含む複合材料を生成するため、複数の前記電極に電圧を印加する、ことを特徴とする陽極活性物質の製造方法。
【請求項14】
前記有機溶剤にはアルコール化合物が含まれる、ことを特徴とする請求項13に記載の陽極活性物質の製造方法。
【請求項15】
前記有機溶剤には更にアルミニウム化合物が含まれる、ことを特徴とする請求項14に記載の陽極活性物質の製造方法。
【請求項16】
前記有機溶剤には更にフラックスが含まれる、ことを特徴とする請求項14に記載の陽極活性物質の製造方法。
【請求項17】
前記フラックスの組成には、イットリウム、ジルコニウム、ロジウム、パラジウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セリウム、ネオジム、ユウロピウム、及びイッテルビウムの元素又はその化合物の何れか一つが含まれる、ことを特徴とする請求項16に記載の陽極活性物質の製造方法。
【請求項18】
前記複合材料に濾過処理を行い、
濾過後の前記複合材料に熱処理を行う、ことを特徴とする請求項13に記載の陽極活性物質の製造方法。
【請求項19】
前記熱処理には、前記複合材料が不活性環境下で900℃~1500℃の加熱温度で加熱して、粉末状の前記複合材料を生成するステップが含まれる、ことを特徴とする請求項18に記載の陽極活性物質の製造方法。
【請求項20】
前記加熱温度は1200℃~1500℃以下である、ことを特徴とする請求項19に記載の陽極活性物質の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極材料及びその製造方法に関し、特に、陽極活物質、その製造方法及び陽極活物質をベースとするリチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
人造黒鉛及び天然黒鉛は現在、リチウム電池の陽極(anode;負極とも呼ばれる)材料として一般的に使用されており、現在商品化されている黒鉛陽極の容量は理論的な容量(372mAh/g)に近いため、バッテリーのエネルギー密度を高めるためには、より高い電気容量を持つ材料を見つけることが次世代において大きな鍵となる。
【0003】
シリコン基板の陽極が次のステージの主な方向となる。シリコンの理論的な静電容量は4200mAh/gと高く、現在の黒鉛陽極材料の10倍以上であり、シリコンの埋蔵量は豊富であり、低コストであり、次世代リチウムイオン電池の陽極材料として最も可能性を秘めた最有力の候補となる材料である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、充電と放電の過程でシリコン及びリチウムがインターカレーションされるため、比率の異なる複数の結晶相が形成されてしまう。そのため、深刻な膨張効果を引き起こし、充電中の膨張率は実に300%に達することがある(元のグラファイトの陽極は16%にすぎない)。更に、放電中に体積が収縮し、体積の変化を繰り返すと、シリコン粒子の破損、材料の粉砕及びポールピースの脱落等のトラブルが発生し易くなり、サイクルの性能が低下してしまう。
【0005】
また、陽極表面の固体電解質界面膜(solid electrolyte interphase film,SEI膜)は膨張過程で破壊され易く、放電過程でSEI膜が再形成されるため、シリコン表面のSEI膜は常に破壊と再構築が繰り返されることとなり、最終的にはSEI膜の厚さが継続的に増加することで、膜厚が増加してしまう。そのため、界面インピーダンスが高まり、活性物質が消費することにより、容量の減衰とクーロン効率(coulombic efficiency)が低下してしまう。
【0006】
また、シリコン材料の特性により、充放電プロセス中に重大な体積効果が発生してしまう。また、バッテリーのサイクル性能や初めのクーロン効率も低下してしまうため、実用化は困難であるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような問題を解決するために以下の構成を備える。すなわち、二次電池用陽極活物質は、シリコン粒子と、セラミック材料と、導電性カーボンとを含む複合材料を備える二次電池用陽極活物質であって、前記セラミック材料は、前記シリコン粒子の表面の少なくとも一部の区域に形成されており、前記導電性カーボンは、前記シリコン粒子及び前記セラミック材料を覆うように前記セラミック材料上に形成されている、ことを特徴とする。
【0008】
また、前記セラミック材料は炭化ケイ素を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【0009】
また、前記セラミック材料はケイ素、アルミニウム、酸素及び窒素から作られる化合物を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【0010】
また、前記セラミック材料の化学式は、MxSi12-(m+n)Al(m+n)OnN16-nであり、前記化学式においてMは、イットリウム(Yttrium,Y)、ジルコニウム(Zirconium,Zr)、ロジウム(Rhodium,Rh)、パラジウム(Palladium,Pd)、リチウム(Lithium,Li)、マグネシウム(Magnesium,Mg)、カルシウム(Calcium,Ca)、バリウム(Barium,Ba)、セリウム(Cerium,Ce)、ネオジム(Neodymium,Nd)、ユウロピウム(Europium,Eu)、イッテルビウム(Ytterbium,Yb)の元素又はその化合物における何れか一つであり、前記化学式においてx=0.01~0.5,m=0.1~2,n=0.1~3である、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【0011】
また、前記複合材料は粉末状であり、且つ、その二次粒子径は1~500μmの間である、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【0012】
また、前記複合材料の一次粒子径は5nm以上1000nm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【0013】
また、前記シリコン粒子は、球状ユニット及び線状ユニットのうちの少なくとも一つを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【0014】
また、前記球状ユニットの直径は5nm~1000nmであり、前記線状ユニットの直径は2nm~40nmの間である、ことを特徴とする請求項7に記載の二次電池用陽極活物質。
【0015】
また、前記セラミック材料の厚さは0.1nm~3nmの間である、ことを特徴とする請求項8に記載の二次電池用陽極活物質。
【0016】
また、前記導電性カーボンの厚さは3nm~10nmの間である、ことを特徴とする請求項9に記載の二次電池用陽極活物質。
【0017】
また、陰極と、ダイヤフラムと、陽極とを備えるリチウム二次電池であって、前記陰極及び前記陽極は前記ダイヤフラムの両側に配置され、前記陽極は陽極活性物質を含み、且つ、前記陽極活性物質はシリコン粒子、セラミック材料及び導電性カーボンから構成される複合材料が含まれている、ことを特徴とするリチウム二次電池。
【0018】
また、前記陽極活性物質が前記陽極において占める重量パーセントは少なくとも70%である、ことを特徴とする請求項11に記載のリチウム二次電池。
【0019】
また、反応チャンバに有機溶剤を加え、前記反応チャンバ内には複数の電極が設けられており、シリコン材料を前記反応チャンバ内に配置して前記有機溶剤と接触させ、シリコン粒子、セラミック材料及び導電性カーボンを含む複合材料を生成するため、複数の前記電極に電圧を印加する、ことを特徴とする陽極活性物質の製造方法。
【0020】
また、前記有機溶剤にはアルコール化合物が含まれる、ことを特徴とする請求項13に記載の陽極活性物質の製造方法。
【0021】
また、前記有機溶剤には更にアルミニウム化合物が含まれる、ことを特徴とする請求項14に記載の陽極活性物質の製造方法。
【0022】
また、前記有機溶剤には更にフラックスが含まれる、ことを特徴とする請求項14に記載の陽極活性物質の製造方法。
【0023】
また、前記フラックスの組成には、イットリウム、ジルコニウム、ロジウム、パラジウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セリウム、ネオジム、ユウロピウム、及びイッテルビウムの元素又はその化合物の何れか一つが含まれる、ことを特徴とする請求項16に記載の陽極活性物質の製造方法。
【0024】
また、前記複合材料に濾過処理を行い、濾過後の前記複合材料に熱処理を行う、ことを特徴とする請求項13に記載の陽極活性物質の製造方法。
【0025】
また、前記熱処理には、前記複合材料が不活性環境下で900℃~1500℃の加熱温度で加熱して、粉末状の前記複合材料を生成するステップが含まれる、ことを特徴とする請求項18に記載の陽極活性物質の製造方法。
【0026】
また、前記加熱温度は1200℃~1500℃以下である、ことを特徴とする請求項19に記載の陽極活性物質の製造方法。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、シリコン粒子、セラミック材料及び導電性カーボンを含む複合材料を備える二次電池用陽極活物質を備えるので、充放電プロセス中に重大な体積効果が発生し難い。そのため、バッテリーのサイクル性能や初めのクーロン効率の低下を抑制し得る二次電池用陽極活物質を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態によるリチウム二次電池の概略図である。
図2】本発明の実施形態による陽極材料層の組成の概略図である。
図3】本発明の実施形態における陽極活物質の断面構造の概略図である。
図4】本発明の実施形態を説明する陽極活性物質の製造方法のフローチャートである。
図5】本発明の実施形態を説明する陽極活性物質の製造方法のフローチャートである。
図6】本発明の実験例と比較例を示し、電池性能に関する具体的な実験データを示した表である。
図7図6の実験例1に基づいて製造された陽極活物質の透過型電子顕微鏡写真である。
図8図6の実験例1に基づいて製造された陽極活物質の透過型電子顕微鏡写真である。
図9図6の実験例2に基づいて製造された陽極活物質のX線回折分析結果を示した図である。
図10図6の実験例2で製造された陽極活物質の走査型電子顕微鏡画像を示した図である。
図11図6の実験例7に基づいて製造された陽極活物質のX線回折分析結果を示した図である。
図12図6の実験例11に基づいて製造された陽極活物質の走査型電子顕微鏡写真である。
図13図6の実験例11に基づいて製造された陽極活物質の走査型電子顕微鏡写真である。
図14図6の実験例12に基づいて製造された陽極活物質の走査型電子顕微鏡写真である。
図15図6の実験例12に基づいて製造された陽極活物質の走査型電子顕微鏡写真である。
図16】本発明の実験例であり、膨張特性に関する具体的な実験データを示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本願の実施形態又は従来技術の技術的な解決策をより明確に説明するために、実施形態又は従来技術を説明する際は必要な図面を参照しながら説明する。なお、これらは本願の一部の実施形態に過ぎず、当業者であれば創造的な努力をすることなくこれらの図面に基づいて他の図面の実施形態を得ることができるであろうが、第三者が行った本発明に対する簡単な変更追加に過ぎないものは本発明の技術的範囲に属するものとする。
【0030】
本発明の特徴と利点をより理解し易くするため、以下、本発明の特定の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。また、以下の説明には、本発明の例示的な実施形態に関連する特定の情報が含まれる。更に、本開示の図面と、それに関連する詳細な説明は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲はそのような例示的な実施形態に限定されるものではない。
【0031】
また、当業者であれば、本発明を変更し又は追加した他の実施形態を思いつくであろうが、そのようなものについても本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明の技術的範囲に含まれる。また、特に明記しない限り、図中の同一又は対応する構成要素は、同一又は対応する参照番号で示される場合がある。更に、本開示における図面等は、必ずしも実寸サイズ通りに記載されたものではなく、必要に応じて拡大して表し、或いは省略する場合がある。
【0032】
また、一貫性を持たせると共に理解を容易にするために、例示的な図面では同一の構成要素には同一の符号を付する。ただし、一部の例外はあり得る。また、異なる実施形態に示された特徴は一部の点が異なる場合がある。したがって、請求の範囲を解釈する際に図面に示された技術的特徴に狭く限定されるべきではない。
【0033】
本発明の説明と上記の図面における「第1の」、「第2の」及び「第3の」という言い回しは、あるオブジェクト、領域、レベル又はステップと他のオブジェクト、領域、レベル又はステップを区別するために使用されるが、特定の順序を説明するために使用されるものではない。特許請求の範囲で明確に順序を表すために使用されているものについてはこの限りではない。更に、「含む」という動詞とその変形は、非排他的な意味合いで使用しており、それら以外の構成要素を含んでも差し支えないという意味である。
【0034】
また、「からなる」又は「から構成される」という言い回しの場合には、排他的なものとして解釈されるべきである。つまり、本願発明の発明特定事項に加えて、追加の構成要素や材料を追加したものは、「からなる」という言い回しで表現されている場合には本願発明の技術的範囲に入らないものとする。
【0035】
なお、当業者は、実際の検出プロセス中において、予期しない状況下において如何なる材料や汚染物質が混入したり、微量の不純物がドープされたりする可能性があることを理解すべきであり、これらの微量の不純物等が混入したとしても、本発明で限定される材料、特性、又は構造には影響を与えず、本発明の発明特定事項に対して更に別の材料等を追加したことには該当しない旨を断っておく。
【0036】
本発明で言及される「接続」又は「結合」等の用語は、物体間にいかなるスペーサも存在できないこと意図するものではない。つまり、2つの物体を相互に接続し又は結合するということは、2つの物体が相互に直接的に接続し又は結合されることを意味する場合も勿論含むが、他のスペーサに相当する物体を介して相互に接続し又は結合している状態をも原則的には含む。
【0037】
本発明における具体的な数値に関する全ての説明では、直接的には記載していないが、それらは全て「おおよその」又は「実質的に」という意味を含む。つまり、これらの特定の値は、プロセス又は材料の選択の際に生じてしまう意図しない影響や不測の事態を反映するために、数値誤差の可能性のある範囲をカバーする。ここで、数値誤差の範囲には、材料の構造、特性、効果を大きく変化させない程度の数値変更が含まれる。例えば、数値誤差の範囲は0%から10%程度の範囲であり、この数値誤差の範囲は当業者にとっては当然起こり得るものとして認識されている。
【0038】
本発明でいう「・・・上」、「・・・下」、「上から」、「下から」、「・・・から左側へ」、「・・・から右側へ」等の空間的位置関係は全て例示的なものである。なお、図面で示した相対的な位置関係は、実際の構造物の配置状態を限定するものではない。
【0039】
本発明において陽極(anode)と負極(negative electrode)は相互に代替え可能な用語である。また、陰極(cathode)と正極(positive electrode)は相互に代替え可能な用語である。
【0040】
図1は、本発明の実施形態によるリチウム二次電池の断面図である。図1を参照すると、本実施形態のリチウム二次電池10は、陰極11、ダイヤフラム12及び陽極13を備える。ここで、陰極11は陰極材料層110及び陰極集電体111(cathode current collector)を有し、陽極13は陽極材料層130と、陽極集電体131(anode current collector)とを有する。
【0041】
陰極11及び陽極13は、ダイヤフラム12の両側に配置されている。より具体的には、陰極材料層110は、陰極集電体111とダイヤフラム12との間に配置され(図1ではダイヤフラム12の上側に配置されている)、陽極材料層130は陽極集電体131とダイヤフラム12との間に配置されている(図ではダイヤフラム12の下側に配置されている)。
【0042】
リチウム二次電池10が充電されると、リチウムイオンが陰極材料層110から侵入し、ダイヤフラム12を介して電解質を通って陽極材料層130に入り込む。逆に、リチウム二次電池10が放電されると、リチウムイオンが陽極材料層130から侵入し、ダイヤフラム12を介して電解質を通って陰極材料層110に挿入され、陰極集電体111からは価数平衡により電子が出力される。
【0043】
本実施形態では、陰極材料層110は、任意の実現可能な陰極活物質に基づいて形成することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。陽極材料層130は、主に1つ以上の陽極活物質に基づいて形成され、陽極活物質の少なくとも1つは、ナノシリコン粒子に基づく複合材料を使用することによって実現される。
【0044】
ナノシリコン粒子をベースとする複合材料は、リチウム二次電池10の陽極活物質として使用され、充放電プロセスにおけるシリコンの体積効果を解決でき、より優れた充放電性能と容量を提供し、同時に優れた抗酸化特性も提供する。
【0045】
陽極材料層130の組成及び複合材料の具体的な構造については、図2及び図3を参照して以下で更に説明する。図2は、本発明の実施形態における陽極材料層の組成の概略図である。また、図3は、本発明の実施形態における陽極活物質の概略断面構造図である。
【0046】
図2及び図3を同時に参照すると、本発明の実施形態の陽極材料層130は、陽極活物質M1を有する。ここで、陽極活物質M1は、図3に示すような複合材料200によって実現される。詳細には、複合材料200は、シリコン粒子210、セラミック材料220、及び導電性カーボン230を含む。セラミック材料220がシリコン粒子210の表面の少なくとも一部の領域に形成されており、導電性カーボン230は、シリコン粒子210及びセラミック材料220を覆うようにセラミック材料220上に形成される。
【0047】
換言すると、複合材料200中のセラミック材料220は、シリコン粒子210と導電性カーボン230との間に形成され、順次3層構造を形成する。(すなわち、内側から外側に向かって、シリコン粒子210、セラミック材料220、導電性カーボン230の配置構造となる。)
【0048】
他の観点から見ると、セラミック材料220とそれに付着した導電性カーボン230とを一体として考えることができ、シリコン粒子210は、導電性カーボンを含むセラミック材料の層で覆われているとみなすことができ、2層構造とみなすことができる(すなわち、内側から外側に向かって、シリコン粒子210と、カーボン層とを含むセラミック材料である。)。
【0049】
複合材料200中のシリコン粒子210のサイズは、シリコン材料をプラズマ状態(すなわち、プラズマ状態)に加熱することによって得ることができるナノメートルレベルである。シリコン材料は、例えば、純粋なシリコンウェーハ、N型シリコンウェーハ、又はP型シリコンウェーハであってもよいが、本発明はこれらには限定されない。
【0050】
シリコン粒子210の粒径は、例えば、2nm~1000nmとすることができる。その特定のサイズ範囲は、プロセスパラメータを変更することで調整できる。例えば、複数の実施形態では、シリコン粒子の粒径は150nm未満であってもよく、それによって充放電中の体積効果が低減される。
【0051】
更に、異なるプロセス条件に応じて、シリコン粒子210は球状ユニット又は線状ユニットとなり得る。球状ユニットの直径は5nm~1000nmである。また、線状単位の直径は2nm~40nmである。なお、シリコン粒子210が球状であるか線状であるかに拘わらず、複合材料200の径方向断面の構造は、図3に示すものと同様の3層構造となる。
【0052】
複合材料200内のセラミック材料220は、例えば、炭化ケイ素(SiC)、又はサイアロン(SiAlON)セラミック等のケイ素、アルミニウム、酸素及び窒素から合成される化合物であってもよい。
【0053】
セラミック材料220は、シリコン粒子210の表面に形成され、その厚さは例えば0.1~3nmであり、プラズマ処理が行われる場合、セラミック材料220はシリコン材料であり、反応チャンバ内の有機溶剤(「溶媒」以下同じ。)が加熱された後に生成される。シリコン粒子210上にセラミック材料220を形成することにより、リチウム二次電池が充放電を繰り返す際の陽極の膨張を低減することができる。
【0054】
セラミック材料220が炭化ケイ素である本実施形態では、その接合の厚さは、例えば0.1~0.5nmであってもよい。本実施形態において、シリコン粒子210に付着した炭化シリコンは、シリコン材料をプラズマ処理する際に、アルコール化合物を含む有機溶剤を添加することによって得ることができる。製造方法については次の実施例で具体的に説明する。
【0055】
セラミック材料220がサイアロンセラミックである一実施形態では、セラミック材料220は、α-sialon、β-sialon、又はΟ-sialonであってもよい。Β-sialon及びΟ-sialonの化学式は、それぞれSi(6-z)AlzOzN(8-z)及びSi(2-z)AlzO(1+z)N(2-z)である。また、β-sialon及びΟ-sialonの化学式におけるz値の範囲は次のとおりである:z=0~4.2。
【0056】
α-sialonの化学式は、例えば、MxSi12-(m+n)Al(m+n)OnN16-nである。ここで、Mは、次の元素又はその化合物のいずれかである。
【0057】
遷移元素:イットリウムYttrium(Y)、ジルコニウムZirconium(Zr)、ロジウムRhodium(Rh)、パラジウムPalladium(Pd)。アルカリ金属元素:リチウムリチウムLithium(Li)、アルカリ土類元素:マグネシウムMagnesium(Mg)、カルシウムCalcium(Ca)、バリウム(Barium,Ba)。ランタニド:セリウムCerium(Ce)、ネオジムNeodymium(Nd)、ユウロピウムEuropium(Eu)、イッテルビウムYtterbium(Yb)。
【0058】
α-sialonの化学式におけるx、m、nの数値範囲は、x=0.01~0.5、m=0.1~2、n=0.1~3である。本実施形態では、シリコン粒子210に付着したサイアロンセラミックは、シリコン材料のプラズマ処理中にアルコール化合物及びアルミニウム化合物を含む有機溶剤を添加することによって得ることができる。製造方法については次の実施例で具体的に説明する。
【0059】
上記の実施形態では、セラミック材料220が炭化ケイ素であってもサイアロンセラミックであっても、既存の陽極活物質と比較して膨張率を効果的に抑制することができる。ここで、サイアロンセラミックは、高硬度、高靱性、低熱膨張係数及び優れた耐熱衝撃性を備えているため、炭化ケイ素に比べて膨張率を更に抑えることができる。
【0060】
異なるプロセス条件に基づいて、複合材料200中の導電性カーボン230は、グラフェン、カーボンナノチューブ又は導電性カーボンブラック等の異なる構造で存在することができ、セラミック材料220に付着させることができる。例えば、超電導カーボンブラック(super-P)、アセチレンブラック(acetylene black)、ケットジェンブラック(Ket jenblack)、チャンネルブラック(channel black)、ファーネスブラック(furnace black)、ランプブラック、サーマルブラック、ナノホーン(nanohorn)又は気相蒸着カーボン等が挙げられるが、本発明はこれらには限定されない。
【0061】
本実施形態では、導電性カーボン230の厚さは3~10nmの間である。セラミック材料220上に導電性カーボン230を形成することにより、シリコン粒子210の酸化をより抑制又は防止することができる。
【0062】
以上が、複合材料200の最小単位粒子(即ち、一次粒子)の各層構造についての説明である。複合材料200の最小単位粒子の粒径は、およそ5nm~1000nmであることが分かる。本実施形態では、シリコン粒子210は複合材料200の少なくとも1重量パーセントを構成する。これは、対応する最小単位粒子中のシリコン粒子210の重量パーセントを指す。
【0063】
ここで、図ではシリコン粒子210がセラミック材料220によって完全に覆われているように示されており、セラミック材料220は、導電性カーボン230によって完全に覆われている。しかし、実際の材料準備の過程では、個々の材料結晶の形成に欠陥がある可能性がある。その結果、シリコン粒子210及びセラミック材料220は、外層材料によって部分的にのみ覆われる。
【0064】
例えば、シリコン粒子210の一部の領域は、導電性カーボン230のみによって覆われ、又は露出されていてもよく、セラミック材料220の一部の領域は露出されていてもよい。
【0065】
換言すると、本発明で定義される複合材料200の構造は、内層材料が外層材料によって完全に覆われることに限定されない。シリコン粒子210の表面の少なくとも一部の領域がセラミック材料220によって覆われていることが確認できればよく、そして、この部分のセラミック素材を更に導電性カーボン230で覆う。すなわち、セラミック材料220は、シリコン粒子210の表面の少なくとも一部に形成されており、導電性カーボン230は、シリコン粒子210及びセラミック材料220を覆うようにセラミック材料220上に形成されており、このような構造も本発明で定義される複合材料200の構造の範囲に含まれる。
【0066】
本実施形態では、製造される複合材料200の最終形態は粉末形態であってもよい。すなわち、複合材料200の最小単位粒子間には凝集性があり、複数の最小単位粒子が凝集して凝集体を形成しており、凝集体は粉末粒子である。
【0067】
粉末粒子の粒径(又は凝集体の粒径)は1~500μmである。より具体的には、本実施形態では、陽極活物質M1/複合材料200の粒子径は、一次粒子径(primary particle
size)と二次粒子径(aggregate particle size)とに分けることができ、最小単位粒子の粒子径は、陽極活物質M1/複合材料200の一次粒子径(5nm~1000nm)であり、粉末粒子/凝集体の粒子径は、陽極活物質M1/複合材料200の二次粒子径(1~500μm)である。
【0068】
本実施形態では、得られる複合材料200の最終形態は、溶液中に懸濁されてもよい。すなわち、複合材料中の個々の最小単位粒子間には、複数の最小単位粒子が凝集して凝集体を形成するのに十分な凝集力が存在しない。このため、陽極活物質M1/複合材料200の粒子径とは、一次粒子径(5nm~1000nm)を指す。
【0069】
本実施形態では、陽極材料層130は導電性材料M2を更に有する。導電性材料M2は導電性があり、電池内で化学変化を引き起こさない任意の材料であり得る。例えば、導電性材料M2は、黒鉛(人造黒鉛、天然黒鉛を含む)、導電性カーボンブラック、導電性繊維、導電性金属酸化物及びポリフェニル誘導体等の導電性材料である。
【0070】
本実施形態において、陽極材料層130は、ダイヤフラム12と陽極集電体131との間の結合力を向上させるための接着剤(binder)M3を更に備えることができる。本実施形態では、陽極材料層130は、フィラー(filler)を更に備えることができる。
【0071】
本実施形態では、陽極130の重量に対する陽極活物質M1の重量パーセントは約70~80%であり、陽極130の重量に占める導電性材料M2の重量パーセントは約10~20%である。そして、陽極130の重量に占める接着剤M3の重量パーセントは0~10%程度である。
【0072】
具体的には、シリコン材料をナノ化し、セラミック材料220及び導電性カーボン230をコーティングすることにより、シリコン材料の導電性を増加し、シリコン材料の導電性を向上させる。ナノ化プロセスを介して粒子サイズが小さくなり応力の解放に有益となり体積効果が弱まる。
【0073】
したがって、ナノシリコンを主成分とする複合材料200をリチウム二次電池10の陽極活物質M1として用いる場合、陽極13は、充電と放電とのプロセス中に依然として膨張するが、簡単には壊れないため、繰り返し使えるサイクル性能を向上させることができる。同時に、シリコン材料にIII-V族の元素をドープして、元のシリコン材料の抵抗を低減し、材料の導電率を高めることができる。
【0074】
さらに、シリコン材料は半導体であるため、グラフェン、カーボンナノチューブ及びナノホーン等でコーティングするといった種々の方法を以って導電性カーボン230でコーティングすることによって、シリコン粒子210の導電性を向上させることができる。また、レート性能を向上させ、シリコン粒子210の凝集を防止し、完全な導電性カーボン230によるコーティングにより、シリコン材料と電解質との間の直接的な接触が減少し、SEI膜の過剰な成長が抑制され、界面が安定化し、クーロン効率が向上する。
【0075】
一方、プロセス条件の制御を通じて、複合材料200中のシリコン粒子210は、一次元のナノシリコンワイヤ(すなわち、線状ユニット)を形成することができる。ナノシリコンワイヤは軸方向(ナノシリコンワイヤの方向に沿って)に拡張するため、ナノシリコンワイヤに亀裂や損傷を引き起こさずに応力が十分に解放される。したがって、膨張効果が効果的に低減され、電極の粉化が防止される。また、陽極材料層130が表面から剥がれて電池を故障させにくくでき、それによって電池の繰り返し使用できるサイクル寿命を延ばすことができる。
【0076】
図4及び図5は、本発明の実施形態による陽極活物質の製造方法のフローチャートである。まず図4を参照すると、本実施形態では、陽極活物質の製造方法には次のステップが含まれる。反応チャンバ内に複数の電極が設けられている反応チャンバ内に有機溶剤を添加する(ステップS110)。シリコン材料を反応チャンバ内に配置して有機溶剤と接触させる(ステップS120)。複数の電極に電圧を印加して、シリコン粒子(例えば210)、セラミック材料(例えば220)、及び導電性カーボンを含む複合材料(例えば230)を生成する(ステップS130)。
【0077】
ステップS110では、陽極活物質の目的に応じて構造を生成し、反応チャンバに添加される有機溶剤は、アルコール化合物溶剤(メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコールIPA等)や、アルコール化合物とアルミニウム化合物とを含む混合有機溶剤であってもよく、又はアルコール化合物、アルミニウム化合物及びフラックス(flux)を含む混合有機溶剤であってもよい。なお、アルミニウム化合物としては、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム及び硝酸アルミニウム等が挙げられる。
【0078】
本実施形態では、フラックスの組成は、以下の元素又はその化合物のいずれかを含む:イットリウム、ジルコニウム、ロジウム、パラジウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セリウム、ネオジム、ユウロピウム及びイッテルビウム。ここで、例えば、フラックスは、硝酸イットリウム、硝酸バリウム、水酸化リチウム等であってもよい。
【0079】
更に、有機溶剤は、分散剤、界面活性剤、III族及びV族元素の化合物、導電性カーボン又は炭素前駆体を含んでいてもよい。
【0080】
分散剤は、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)であり、生成されたナノシリコン複合材料の凝集や沈殿を防止するために使用することができる。本実施形態では、有機溶剤中のPVPの重量パーセント濃度は0.01から1%の範囲である。本実施形態では、有機溶剤中のPVPの重量パーセント濃度が0.01~0.7%である場合、より良好な効果が達成される。
【0081】
III族元素及びV族元素の化合物としては、例えばホウ酸、リン酸等が挙げられる。本実施形態では、有機溶剤中のIII族及びV族元素の化合物の重量パーセント濃度は0.001%と5%の間である。III族及びV族元素の化合物を添加することにより、反応プロセス中に陽極ナノシリコンイオンを修飾して材料抵抗を低減し、それによってリチウム二次電池の容量を増加させることができる。
【0082】
導電性カーボンの材料は、上述した導電性カーボン230と同様の材料であってもよい。炭素前駆体は、有機溶剤と混合するために気体状態で反応チャンバに導入され得る。このうち、炭素前駆体ガスは、炭素層の形成パターンを更に制御することができる。グラフェンやカーボンナノチューブ等の高比表面積のカーボンコーティングは、超高導電性カーボン、炭化ケイ素の薄層、シリコン材料の複合体を形成する。
【0083】
ステップS120において、陽極活物質を準備するために使用されるシリコン材料は、純粋なシリコンウェーハ、N型シリコンウェーハ又はP型シリコンウェーハであってもよい。純粋なシリコンウェーハがシリコン材料として選択される場合、アルコール化合物に加えて、ステップS110において、少なくとも追加のIII族及びV族元素化合物が有機溶剤に添加される。シリコン材料としてN型又はP型シリコンウェーハを選択する場合、III族及びV族元素のドーピング量は0.001~2重量パーセントの間で選択することができる。
【0084】
本実施形態では、反応チャンバ内に配置されたシリコン材料は、ストリップ構造を有する複数のシリコンユニットに加工しても差し支えない。例えば、無機物を含む鎖状(ワイヤ)や棒状の材料、無機物としては、シリコン、シリコン粉末、シリコンと他の金属との混合粉末、シリコン無機混合物、シリコン合金、シリコンウェーハ、及びシリコン工学廃スラリーのうちの1つ以上が挙げられるが、本発明はこれ等に限られない。
【0085】
シリコン材料としてIII族及びV族元素がドープされていない純粋なシリコンウェーハを使用する実施形態では、加工されたシリコンユニット(又はシリコンロッド)の抵抗値は5000~10000オームである。シリコン材料としてN型又はP型シリコンウェーハを使用する実施形態では、シリコンユニットの抵抗値は0.1~20オームの範囲である。
【0086】
ステップS130において、電極に印加される電圧は例えば5kV~20kVであり、電極は印加電圧に応答して反応チャンバ内のシリコン材料を加熱してプラズマ処理を行う。ナノシリコン粒子を形成するためのプラズマ処理中に、ナノシリコン粒子は有機溶剤と反応して、シリコン粒子上にセラミック材料と導電性カーボン層を形成する。
【0087】
有機溶剤との反応中に、シリコン粒子上に生成されるセラミック材料の特定の種類は、有機溶剤の組成に応じて決定される。
【0088】
たとえば、有機溶剤にアルコール化合物のみが含まれている場合、電極に電圧を印加すると、シリコン材料が有機溶剤と反応してセラミック材料として炭化ケイ素を形成する。有機溶剤がアルコール化合物とアルミニウム化合物とを含む混合有機溶剤である場合、電極に電圧を印加すると、シリコン材料は有機溶剤と反応して、シリコン、アルミニウム、酸素、窒素をベースにしたサイアロンセラミックを形成する。
【0089】
製造プロセスの観点から見ると、生成された陽極活物質は、シリコン材料をプラズマ状態に加熱することによって形成されたシリコン粒子を含むとみなすことができる。シリコン材料は、有機溶剤で満たされた反応チャンバ内に配置されて加熱される。そして、有機溶剤は加熱プロセス中にシリコン粒子上にセラミック材料と導電性炭素複合層を形成する。
【0090】
より具体的には、上記ステップS110~S130は、反応チャンバ内の電極及び有機溶剤を介してシリコン材料に5kV~20kVの電圧を印加するものである。
【0091】
より詳細には、高圧充電器のコンデンサを充電した後、接続されている電極スイッチも同時に放電し、シリコン材料は加熱されてプラズマ状態となり、シリコン材料の温度上昇により抵抗率が増加し、エネルギー消費がシリコン材料部分に集中し、最終的にナノシリコン粒子が形成される。同時にプラズマを瞬的に発生させ、加熱に強いセラミック材料を気化・凝縮させて結合させ、導電性カーボン層を形成する。
【0092】
上記の製造方法に基づいて陽極活物質を製造すると、均一な粉末状の複合材料が得られ、操作が簡単である。また、有機溶剤、シリコン、及び分散剤以外は化学薬品を基本的に使用していないため、副生成物や廃棄物がほとんど生じない。
【0093】
また、この製造方法はプラズマ形成の気化及び消滅のプロセスを数十マイクロ秒以内に完了できるため、初期の高電圧と瞬間的な大電流が流れても実際に投入されるエネルギーはシリコンのガス化エネルギーの2~5倍であり、粒子生成のエネルギー消費を大幅に削減でき、低コストで大量生産できる。
【0094】
更に、この製造方法により製造されたナノシリコン複合材料の粒子は、生成時に有機溶剤中に分散しているため、使用が容易であり、大気中に放出されて汚染を引き起こすこし難く、環境にクリーンであり、人間にとって安全な製造方法であり、環境や人体に害を与え難い。
【0095】
上記陽極活物質の製造方法の詳細な工程フローの一例について、図5を参照して更に説明する。図5を参照すると、本実施形態における陽極活物質の調製方法は、以下のステップを含む。有機溶剤を反応チャンバに添加する(ステップS210)。
【0096】
シリコン材料を、ストリップ構造を有する複数のシリコンユニットに加工する(ステップS220)。シリコンユニットを反応チャンバ内に配置して有機溶剤と接触させる(ステップS230)。反応チャンバ内の電極に電圧を印加して、溶液中に複合材料を生成する(ステップS240)。複合材料を濾過する(ステップS250)。濾過された複合材料を乾燥する(ステップS260)。乾燥した複合材料に対して熱処理を行って、最終的な粉末複合材料を生成する(ステップS270)。
【0097】
具体的には、ステップS210~S240を経て、基本的には複合材料が生成されるが、なおも溶液中に混合されている。続くステップS250~S270を経て、複合材料を陽極活物質として更に分離する。
【0098】
本実施形態では、ステップS250は、複合材料を、スクリーニング装置を通過させて複合材料と混合された溶液を濾過するステップ(ステップS252)と、スクリーニング装置を通過した複合材料を遠心分離処理するステップとを更に含んでいてもよい。次に、スラリー状態の複合材料を作製する(ステップS254)。ここで、スクリーニング装置は、例えばスチールメッシュであってもよいが、本発明はこれには限定されない。
【0099】
遠心分離工程後、乾燥工程のステップS260において、スラリー状複合材料を第1の温度で真空乾燥することによって行うことができ、第1の温度は、例えば、50℃~100℃の間であってもよい。
【0100】
次に、熱処理のステップS270において、真空乾燥された泥土は、不活性環境において第2の温度で加熱され、第2の温度は、例えば、900℃と1500℃との間である。
【0101】
本実施形態では、ステップS270における加熱時間は2時間から5時間の間であってもよい。熱処理後、粉末複合材料を分離することができ、複合粉末の粒径(すなわち、複合材料の二次粒子径)は1~500μmとなる。
【0102】
また、加熱温度に応じて、ナノシリコン粒子は球状構造を形成したり、線状構造を形成したりすることができる。本実施形態では、第2の温度が900℃~1200℃である場合、シリコン粒子は球状ユニットを形成し、第2の温度が1200℃~1500℃である場合、シリコン粒子は線状ユニットを形成する。
【0103】
ここで、第2の温度の選択に応じて、ナノシリコン粒子の形成プロセス中にシリコン材料の全てが球状ユニット又は線状ユニットに生成されるわけではないことに留意すべきである。選択した温度が2つの温度範囲の間にある場合、シリコン材料は複数の球形ユニットと複数の線形ユニットを生成する可能性がある。すなわち、製造されたシリコン粒子は、ナノシリカ粉末及びナノシリコンワイヤの構造を同時に含むことができる。
【0104】
なお、本実施形態では、乾燥プロセスのステップS260は省略されても差し支えない。すなわち、複合材料を混合した溶液を濾過するステップS250の後に、加熱ステップS270を直接実行しても差し支えない。
【0105】
図6は、本発明の複数の実験例及び比較例の電池性能に関する具体的な実験データである。図6を参照すると、本発明によって示される陽極活物質の調製方法の精度を示すために、2つのグループの比較例(比較例1及び比較例2)並びに12グループの実験例(実験例1~実験例12)が示されている。複合構造は、前述した方法にて得ることができる。
【0106】
また、実験的に得られた複合材料からなるリチウム二次電池の特性を踏まえ、本発明が提案する複合材料/陽極活物質は、シリコン材料をベースとする既存の陽極活物質よりも優れた性能を有することも確認された。
【0107】
具体的には、比較例1は、シリコンが本発明で提案するナノシリコン複合材料ではない信越化学工業のシリコン-カーボン陽極活物質(型番:KSC-1265)からなるコイン型電池である。比較例2は、III族及びV族元素をドーピングしないナノシリコン材料からなるコイン型電池である。
【0108】
一方、実験例1~5は、セラミック材料として炭化珪素を製造した実験構成である。また、実験例6~12は、セラミック材料としてサイアロンセラミックを生成する実験構成である。実験例6~10の実験条件は、ナノシリカ粉末を生成するように設定されており、熱処理温度は900~1200℃に設定されている。実験例11及び実験例12の実験条件は、ナノシリコンワイヤを生成する構成、すなわち、熱処理温度を1200~1500℃に設定した。
【0109】
実験例1では、プラズマ反応チャンバ内の有機溶剤にはメタノールが含まれており、ステンレス製の一対の電極が設置されている。N型シリコンウェーハを厚さ0.8mm、幅1mm、長さ100mmの格子状に切り出し、抵抗値2Ωのシリコンロッドを作製し、その内部にメタンを導入する。チャンバはコーティングガス炭素源として使用される。
【0110】
ナノシリコン複合材料は、11kVで充電されたコンデンサを使用して製造される。ナノシリコン複合材料の炭素層複合体をスチールメッシュで濾過し、11000rpmで遠心分離して、ナノシリコン粒子スラリーを得る
【0111】
このスラリーをアルゴン雰囲気中で、1100℃で2時間にわたり高温熱処理し、分解、分散、分級してナノシリコン複合ナノ粒子粉末を製造する。
【0112】
上記ナノシリコン複合材料は、ナノシリカ粉末を5重量パーセント以上含有し、陽極は、人造黒鉛を混合した後の陽極活物質が陽極総重量の80%を占め、10重量パーセントの超電導カーボンブラック(super P)導電性材料と10重量パーセントのポリフッ化ビニリデン(Polyvinylidene fluoride,PVDF)接着剤で作られている。陽極活物質であるナノシリコン複合材料粉末を用いて、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を製造した。
【0113】
図7及び図8に示すように、図7及び図8は、図6の実験例1に基づいて製造された陽極活物質の透過型電子顕微鏡(Transmission electron microscope,TEM)画像であり、実験例1で得られたサンプル(電池の負極となる極板サンプル)のTEM画像から、この過程を通じて均一なグラフェンコーティングが形成されることが観察でき、その厚さはおよそ3~5nmの間である。
【0114】
実験例2では、プラズマ反応チャンバ内の有機溶剤はイソプロピルアルコール(IPA)とカーボンナノチューブを含み、一対のステンレス鋼電極が設置された。P型シリコンウェーハを厚さ0.8mm、幅1mm、長さ100mmの格子状に切断してシリコンロッドを作製した。P型シリコンロッドの抵抗値は1オームである。11kVの電圧で充電されたキャパシタを使用してナノシリコン複合材料を製造し、ナノシリコン複合材料の炭素層複合体をスチールメッシュで濾過し、11000rpmで遠心分離してナノシリコン粒子スラリーを得た。
【0115】
このスラリーをアルゴン雰囲気において1100℃で2時間にわたり高温熱処理し、分解、分散、分級してナノシリコン複合ナノ粒子粉末を製造する。
【0116】
上記ナノシリコン複合材料は、ナノシリカ粉末を5重量パーセント以上含有し、人造黒鉛を混合した後の陽極は、陽極活物質が陽極総重量の80%を占め、super P導電性材料が10重量パーセントと、10重量パーセントのPVDF接着剤で形成される。陽極活物質であるナノシリコン複合材料粉末を用いて、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を製造した。
【0117】
図9に示すように、図9図6の実験例2に基づいて製造された陽極活物質のX線回折分析(X-ray diffraction,XRD)結果であり、純Si(Baseline-Si,B-Si)と比較した実験例2の粉末(Modified-Si,M-Si)のXRD分析結果から、製造工程中に炭化ケイ素化合物が生成していることが確認できる。
【0118】
また、図10に示すように、図10は、図6の実験例2に基づいて製造された陽極活物質の走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope,SEM)画像であり、実験例2で得られたサンプル(電池の負極となる極板サンプル)のSEM画像から、この過程を通じて均一なカーボンナノチューブが形成され、シリコン粒子間に被覆され、分散性がよい旨が分かる。
【0119】
実験例3では、プラズマ反応チャンバ内の有機溶剤はエタノールと塩化アルミニウムとを含み、溶剤中の塩化アルミニウムの固形分含有量は0.01%であり、一対のステンレス鋼電極が設置される。P型シリコンウェーハを厚さ0.8mm、幅1mm、長さ100mmの格子状に切断してシリコンロッドを作製した。P型シリコンロッドの抵抗値は1オームである。11kVの電圧で充電されたキャパシタを使用してナノシリコン複合材料を製造し、ナノシリコン複合材料の炭素層複合体をスチールメッシュで濾過し、11000rpmで遠心分離してナノシリコン粒子スラリーを得た。
【0120】
このスラリーをアルゴン雰囲気中で1100℃、5時間の高温熱処理を行った後、分解、分散、分級してナノシリコン複合材料のナノ粒子粉末を製造する。
【0121】
上記ナノシリコン複合材料は、ナノシリカ粉末を5重量パーセント以上含有し、人造黒鉛を混合した後の陽極は、陽極活物質が陽極総重量の80%を占め、super P導電性材料が10重量%と、10重量%のPVDFでできている。陽極活物質であるナノシリコン複合材料粉末を用いて、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を製造した。
【0122】
実験例4では、プラズマ反応チャンバ内の有機溶剤はエタノールと塩化ガリウムとを含み、溶剤中の塩化ガリウムの固形分含有量は0.01%であり、一対のステンレス鋼電極が設置される。P型シリコンウェーハを厚さ0.8mm、幅1mm、長さ100mmの格子状に切断してシリコンロッドを作製した。P型シリコンロッドの抵抗値は1オームである。ナノシリコン複合材料は、11kVで充電されたコンデンサを使用して製造された。ナノシリコン複合炭素層複合物をスチールメッシュで濾過し、11000rpmで遠心分離して、ナノシリコン粒子スラリーを得た。
【0123】
泥土をアルゴン雰囲気中で1100℃の下で、5時間に渡り高温熱処理し、分解、分散、分級してナノシリコン複合ナノ粒子粉末を製造した。
【0124】
上記ナノシリコン複合材料は、ナノシリカ粉末を5重量パーセント以上含有し、人造黒鉛を混合した後の陽極は、陽極活物質が陽極総重量の80%を占め、super P導電性材料が10重量%と、10重量パーセントのPVDF接着剤でできている。陽極活物質であるナノシリコン複合材料粉末を用いて、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を製造した。
【0125】
実験例5では、プラズマ反応チャンバ内の有機溶剤はエタノールとリン酸とを含み、溶剤中のリン酸の固形分含有量は0.01%であり、一対のステンレス鋼電極が設置される。P型シリコンウェーハを厚さ0.8mm、幅1mm、長さ100mmの格子状に切断してシリコンロッドを作製する。P型シリコンインゴットの抵抗値は1Ωである。ナノシリコン複合材料は、11kVで充電されたコンデンサを使用して製造される。ナノシリコン複合炭素層複合物をスチールメッシュで濾過し、11000rpmで遠心分離して、ナノシリコン粒子スラリーを得た。
【0126】
泥土の高温熱処理:アルゴン雰囲気において1100℃で3時間処理し、分解、分散、分級してナノシリコン複合ナノ粒子粉末を製造する。
【0127】
上記ナノシリコン複合材料は、ナノシリカ粉末を5重量パーセント以上含有し、人造黒鉛を混合した後の陽極は、陽極活物質が陽極総重量の80%を占め、10重量パーセントのsuper P導電性材料と10重量パーセントのPVDF接着剤でできている。陽極活物質であるナノシリコン複合材料粉末を用いて、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を製造した。
【0128】
実験例6では、プラズマ反応チャンバ内の有機溶剤にはエタノール及び塩化アルミニウムが含まれる。溶剤中の塩化アルミニウムの固形分含有量は0.01%であり、一対のステンレス鋼電極が取り付けられている。N型シリコンウェーハは、厚さ0.8mm、幅1mm、長さ100mmの格子状に切断してシリコン棒を作製する。N型シリコン棒の抵抗値は0.1Ωである。
【0129】
ナノシリコン複合材料は、11kVで充電されたコンデンサを使用して製造される。ナノシリコン複合材料の炭素層複合体をスチールメッシュで濾過し、11000rpmで遠心分離して、ナノシリコン粒子スラリーを得る。
【0130】
このスラリーを窒素雰囲気の下で、1100℃で3時間に渡り高温熱処理し、分解、分散、分級してナノシリコン複合材料のナノ粒子粉末を製造する。
【0131】
上記ナノシリコン複合材料は、ナノシリカ粉末を5重量パーセント以上含有し、人造黒鉛を混合した後の陽極は、陽極活物質が陽極総重量の80%を占め、super P導電性材料が10重量パーセントと、10重量パーセントのポリフッ化ビニリデン(PVDF)接着剤で作られている。陽極活物質であるナノシリコン複合材料粉末を用いて、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を製造した。
【0132】
実験例7では、プラズマ反応チャンバ内の有機溶剤としては、エタノール、硫酸アルミニウム、硝酸イットリウムが挙げられる。溶剤中の硫酸アルミニウムの固形分含有量は0.01%、硝酸イットリウムの含有量は0.005%であり、一対のステンレス鋼電極が取り付けられている。
【0133】
P型シリコンウェーハを厚さ0.8mm、幅1mm、長さ100mmの間隔で切り出す。シリコンロッドとして製造されており、P型シリコンロッドの抵抗値は1オームである。ナノシリコン複合材料は、11kVで充電されたコンデンサを使用して製造される。ナノシリコン複合材料の炭素層複合体をスチールメッシュで濾過し、11000rpmで遠心分離して、ナノシリコン粒子スラリーを得る。
【0134】
このスラリーを窒素雰囲気の下で、1100℃で3時間にわたり高温熱処理し、分解、分散、分級してナノシリコン複合ナノ粒子粉末を製造する。
【0135】
上記ナノシリコン複合材料は、ナノシリカ粉末を5重量パーセント以上含有し、人造黒鉛を混合した後の陽極は、陽極活物質が陽極総重量の80%を占め、super P導電材が10重量パーセントと、10重量パーセントのPVDF接着剤でできている。陽極活物質であるナノシリコン複合材料粉末を用いて、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を製造した。
【0136】
図11に示すように、図11は、図6の実験例7に基づいて製造された陽極活物質のXRD分析結果であり、実験例7の粉末(Modified-Si)のXRD分析結果から、製造過程においてサイアロンセラミック(Sialon)化合物が生成していることが確認できる。
【0137】
実験例8では、プラズマ反応チャンバ内の有機溶剤はエタノール及び硫酸アルミニウムを含み、溶剤中の硫酸アルミニウムの固形分含有量は0.01%であり、一対のステンレス鋼電極が設置される。P型シリコンウェーハを厚さ0.8mm、幅1mm、長さ100mmの格子状に切断してシリコンロッドを作製した。P型シリコンロッドの抵抗値は1オームである。ナノシリコン複合材料は、11kVで充電されたコンデンサを使用して製造される。ナノシリコン複合材料の炭素層複合体をスチールメッシュで濾過し、11000rpmで遠心分離して、ナノシリコン粒子スラリーを得る。
【0138】
このスラリーを窒素雰囲気の下で、1100℃で3時間にわたり高温熱処理し、分解、分散、分級してナノシリコン複合材料のナノ粒子粉末を製造する。
【0139】
上記ナノシリコン複合材料は、ナノシリカ粉末を5重量パーセント以上含有し、人造黒鉛を混合した後の陽極の陽極活物質が陽極総重量の80%を占め、10重量パーセントのsuper P導電性材料と10重量パーセントのPVDF接着剤でできている。陽極活物質であるナノシリコン複合材料粉末を用いて、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を製造した。
【0140】
実験例9では、プラズマ反応チャンバ内の有機溶剤にはエタノール及び硝酸アルミニウムが含まれる。溶剤中の硝酸アルミニウムの固形分含有量は0.01%であり、一対のステンレス鋼電極が取り付けられている。P型シリコンウェーハを厚さ0.8mm、幅1mm、長さ100mmの格子状に切断してシリコンロッドを作製した。P型シリコンロッドの抵抗値は1オームである。ナノシリコン複合材料は、11kVで充電されたコンデンサを使用して製造する。ナノシリコン複合材料の炭素層複合体をスチールメッシュで濾過し、11000rpmで遠心分離して、ナノシリコン粒子スラリーを得る。
【0141】
このスラリーを窒素雰囲気の下で、1100℃で3時間にわたり高温熱処理し、分解、分散、分級してナノシリコン複合ナノ粒子粉末を製造する。
【0142】
上記ナノシリコン複合材料はナノシリカ粉末を5重量パーセント以上含有し、陽極は、陽極総重量の80%を占める陽極活物質と人造黒鉛と、10重量パーセントのsuper P導電性材料と、10重量パーセントのPVDF接着剤を混合して作られる。陽極活物質であるナノシリコン複合材料粉末を用いて、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を製造した。
【0143】
実験例10では、プラズマ反応チャンバ内の有機溶剤はエタノール、塩化アルミニウム、水酸化リチウムを含み、溶剤中の塩化アルミニウムの固形分含有量は0.01%、水酸化リチウムの含有量は0.005%である。そしてステンレス製の一対の電極を取り付ける。P型シリコンウェーハを厚さ0.8mm、幅1mm、長さ100mmの格子状に切断してシリコンロッドを作製する。ここで、P型シリコンインゴットの抵抗値は1Ωである。ナノシリコン複合材料は、11kVで充電されたコンデンサを使用して製造される。ナノシリコン複合材料の炭素層複合体をスチールメッシュで濾過し、11000rpmで遠心分離して、ナノシリコン粒子スラリーを得る。
【0144】
このスラリーを窒素雰囲気の下で、1100℃で3時間にわたり高温熱処理し、分解、分散、分級してナノシリコン複合ナノ粒子粉末を製造する。
【0145】
上記ナノシリコン複合材料は、ナノシリカ粉末を5重量パーセント以上含有し、人造黒鉛を混合した後の陽極は、陽極活物質が陽極総重量の80%を占め、super P導電性材料が10重量パーセントと、10重量パーセントのPVDF接着剤でできている。陽極活物質であるナノシリコン複合材料粉末を用いて、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を製造した。
【0146】
実験例11では、プラズマ反応チャンバ内の有機溶剤はエタノール、硫酸アルミニウム、硝酸イットリウムであり、溶剤中の硫酸アルミニウムの固形分含有量は0.05%、硝酸イットリウムの含有量は0.01%である。そしてステンレス製の一対の電極を取り付ける。P型シリコンウェーハを厚さ0.8mm、幅1mm、長さ100mmの格子状に切断してシリコンロッドを作製する。P型シリコンインゴットの抵抗値は1Ωである。ナノシリコン複合材料は、11kVで充電されたコンデンサを使用して製造される。ナノシリコン複合材料の炭素層複合体をスチールメッシュで濾過し、11000rpmで遠心分離して、ナノシリコン粒子スラリーを得る。
【0147】
このスラリーを窒素雰囲気の中で、1300℃で、3時間に渡り高温熱処理を行った後、分解、分散、分級してナノシリコン複合ナノ粒子粉末を製造する。
【0148】
上記ナノシリコン複合材料は、ナノシリカ粉末を5重量パーセント以上含有し、人造黒鉛を混合した後の陽極は、陽極活物質が陽極総重量の80%を占め、super P導電性材料が10重量パーセントと、10重量パーセントのPVDF接着剤でできている。陽極活物質であるナノシリコン複合材料粉末を用いて、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を製造した。
【0149】
図6の実験例11に基づいて製造された陽極活物質のSEM画像である図12図13に示すように、実験例11のSEM画像から、合成されたナノシリコン粉末を観察することができる。元のシリコン粒子に加えて、ナノメートルのシリコンワイヤの形成も確認できる。
【0150】
実験例12では、プラズマ反応チャンバ内の有機溶剤にはエタノールと硝酸アルミニウムが含まれる。溶剤中の硝酸アルミニウムの固形分含有量は0.05%であり、一対のステンレス鋼電極が取り付けられている。P型シリコンウェーハを厚さ0.8mm、幅1mm、長さ100mmの格子状に切断してシリコンロッドを作製する。P型シリコンインゴットの抵抗値は1Ωである。ナノシリコン複合材料は、11kVで充電されたコンデンサを使用して製造する。ナノシリコン複合材料の炭素層複合体をスチールメッシュで濾過し、11000rpmで遠心分離して、ナノシリコン粒子スラリーを得る。
【0151】
このスラリーを窒素雰囲気の中で1300℃、3時間にわたり高温熱処理を行った後、分解、分散、分級してナノシリコン複合ナノ粒子粉末を製造する。
【0152】
上記ナノシリコン複合材料は、ナノシリカ粉末を5重量パーセント以上含有し、人造黒鉛を混合した後の陽極は、陽極活物質が陽極総重量の80%を占め、10重量パーセントのsuper P導電性材料と、10重量パーセントのPVDF接着剤でできている。陽極活物質であるナノシリコン複合材料粉末を用いて、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を製造した。
【0153】
図6の実験例12に基づいて製造された陽極活物質のSEM画像である図14及び図15に示すように、実験例12のSEM画像から、合成されたナノシリコン粉末を観察することができる。現在の粉末は、SEMのエネルギー分散型X線分光法(Energy-dispersive X-ray spectroscopy,EDS)を使用して分析され、シリコン材料で構成されていることが判明し、ナノシリコンワイヤにより生成されていることが確認できた。
【0154】
上記の実験例1~12から、シリコン粉末を改質した後に製造されたナノシリコン複合材料は、導電率、充電容量、放電容量、初回放電効率、複数回充放電後のサイクル効率については、それらの性能は、現在市販されている市販のシリカ粉末(比較例1)よりも優れている。
【0155】
比較例2と比較して、ドーピングによって修飾されたナノシリコン複合材料は、粉末導電性が向上しただけでなく、更に、純シリコンアノードの充電容量及び純シリコンアノードの放電容量は、それぞれ少なくとも8%及び13%増加する。
【0156】
図16は本発明の実験例の膨張特性に関する具体的な実験データである。次のことを知るために、図16に示す実験データを参照する。シリコン粉末を改質して製造されるナノシリコン複合材料、陽極での膨張は更に減少し、ナノシリコン複合材料にナノシリコンワイヤが形成されていれば、電極板の膨張率を更に低減することができる。
【0157】
なお、当業者は、特許請求の範囲に示された範囲の発明特定事項については各種変更を行うことができ、また、異なる実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られるような実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。更に、各実施形態に示された技術的特徴を組み合わせることにより、新たな技術的特徴を形成できる。
【0158】
更に、本発明において言及された数値は、その数値でのみ本発明が実施できることを意味するのではなくのではなく、言及した数値は例示に過ぎない。当該分野の通常の知識を有する者であれば理解できるが、各数値・配合比には許容され得る誤差が存在する。各実験例の目的とする結果・機能に重大な影響を与えない限り、例示された範囲に近似するあらゆる数値は、本発明に示された範囲に属するものとみなされる。
【符号の説明】
【0159】
10 リチウム二次電池
11 陰極
110 陰極材料層
111 陰極集電体
12 ダイヤフラム
13 陽極
130 陽極材料層
131 陽極集電体
200 複合材料
210 シリコン粒子
220 セラミック材料
230 導電性カーボン
M1 陽極活物質
M2 導電性材料
M3 接着剤
S110~S130、S210~S270 陽極活性物質の製造方法のフローチャート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン粒子と、セラミック材料と、導電性カーボンとを含む複合材料を備える二次電池用陽極活物質であって、
前記セラミック材料は、前記シリコン粒子の表面の少なくとも一部の区域に形成されており、
前記導電性カーボンは、前記シリコン粒子及び前記セラミック材料を覆うように前記セラミック材料上に形成されており、
前記セラミック材料の化学式は、MxSi12-(m+n)Al(m+n)OnN16-nであり、
前記化学式においてMは、イットリウム(Yttrium,Y)、ジルコニウム(Zirconium,Zr)、ロジウム(Rhodium,Rh)、パラジウム(Palladium,Pd)、リチウム(Lithium,Li)、マグネシウム(Magnesium,Mg)、カルシウム(Calcium,Ca)、バリウム(Barium,Ba)、セリウム(Cerium,Ce)、ネオジム(Neodymium,Nd)、ユウロピウム(Europium,Eu)、イッテルビウム(Ytterbium,Yb)の元素又はその化合物における何れか一つであり、
前記化学式においてx=0.01~0.5,m=0.1~2,n=0.1~3である、ことを特徴とする二次電池用陽極活物質。
【請求項2】
前記複合材料は、有機溶剤に浸漬したシリコン材料に対してプラズマ処理を行うことにより前記シリコン粒子を被覆する前記セラミック材料を得ることにより生成され、前記有機溶剤にはアルコール化合物、アルミニウム化合物及びフラックスが含まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項3】
前記複合材料は粉末状であり、且つ、その二次粒子径は1~500μmの間である、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項4】
前記複合材料の一次粒子径は5nm以上1000nm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項5】
前記シリコン粒子は、球状ユニット及び線状ユニットのうちの少なくとも一つを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項6】
前記球状ユニットの直径は5nm~1000nmであり、前記線状ユニットの直径は2nm~40nmの間である、ことを特徴とする請求項に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項7】
前記セラミック材料の厚さは0.1nm~3nmの間である、ことを特徴とする請求項に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項8】
前記導電性カーボンの厚さは3nm~10nmの間である、ことを特徴とする請求項に記載の二次電池用陽極活物質。
【請求項9】
陰極と、
ダイヤフラムと、
陽極とを備えるリチウム二次電池であって、
前記陰極及び前記陽極は前記ダイヤフラムの両側に配置され、前記陽極は陽極活性物質を含み、且つ、前記陽極活性物質はシリコン粒子、セラミック材料及び導電性カーボンから構成される複合材料が含まれており、
前記セラミック材料の化学式は、MxSi12-(m+n)Al(m+n)OnN16-nであり、
前記化学式においてMは、イットリウム(Yttrium,Y)、ジルコニウム(Zirconium,Zr)、ロジウム(Rhodium,Rh)、パラジウム(Palladium,Pd)、リチウム(Lithium,Li)、マグネシウム(Magnesium,Mg)、カルシウム(Calcium,Ca)、バリウム(Barium,Ba)、セリウム(Cerium,Ce)、ネオジム(Neodymium,Nd)、ユウロピウム(Europium,Eu)、イッテルビウム(Ytterbium,Yb)の元素又はその化合物における何れか一つであり、
前記化学式においてx=0.01~0.5,m=0.1~2,n=0.1~3である、ことを特徴とするリチウム二次電池。
【請求項10】
前記陽極活性物質が前記陽極において占める重量パーセントは少なくとも70%である、ことを特徴とする請求項に記載のリチウム二次電池。
【請求項11】
反応チャンバに有機溶剤を加え、前記反応チャンバ内には複数の電極が設けられており、且つ、前記有機溶剤には、アルコール化合物、アルミニウム化合物及びフラックスが含まれ、
シリコン材料を前記反応チャンバ内に配置して前記有機溶剤と接触させ、
シリコン粒子、セラミック材料及び導電性カーボンを含む複合材料を生成するため、複数の前記電極に電圧を印加してプラズマ処理を行い、
前記有機溶剤はプラズマ処理中に加熱されて、前記シリコン粒子の表面を覆う前記セラミック材料が生成され、
前記セラミック材料の化学式は、MxSi12-(m+n)Al(m+n)OnN16-nであり、
前記化学式においてMは、イットリウム(Yttrium,Y)、ジルコニウム(Zirconium,Zr)、ロジウム(Rhodium,Rh)、パラジウム(Palladium,Pd)、リチウム(Lithium,Li)、マグネシウム(Magnesium,Mg)、カルシウム(Calcium,Ca)、バリウム(Barium,Ba)、セリウム(Cerium,Ce)、ネオジム(Neodymium,Nd)、ユウロピウム(Europium,Eu)、イッテルビウム(Ytterbium,Yb)の元素又はその化合物における何れか一つであり、
前記化学式においてx=0.01~0.5,m=0.1~2,n=0.1~3である、ことを特徴とする陽極活性物質の製造方法。
【請求項12】
前記フラックスの組成には、イットリウム、ジルコニウム、ロジウム、パラジウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セリウム、ネオジム、ユウロピウム、及びイッテルビウムの元素又はその化合物の何れか一つが含まれる、ことを特徴とする請求項11に記載の陽極活性物質の製造方法。
【請求項13】
前記複合材料に濾過処理を行い、
濾過後の前記複合材料に熱処理を行う、ことを特徴とする請求項11に記載の陽極活性物質の製造方法。
【請求項14】
前記熱処理には、前記複合材料が不活性環境下で900℃~1500℃の加熱温度で加熱して、粉末状の前記複合材料を生成するステップが含まれる、ことを特徴とする請求項13に記載の陽極活性物質の製造方法。
【請求項15】
前記加熱温度は1200℃~1500℃以下である、ことを特徴とする請求項14に記載の陽極活性物質の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、前記セラミック材料は炭化ケイ素を含んでいてもよい
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、前記セラミック材料はケイ素、アルミニウム、酸素及び窒素から作られる化合物を含んでいてもよい
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、前記セラミック材料の化学式は、MxSi12-(m+n)Al(m+n)OnN16-nであり、前記化学式においてMは、イットリウム(Yttrium,Y)、ジルコニウム(Zirconium,Zr)、ロジウム(Rhodium,Rh)、パラジウム(Palladium,Pd)、リチウム(Lithium,Li)、マグネシウム(Magnesium,Mg)、カルシウム(Calcium,Ca)、バリウム(Barium,Ba)、セリウム(Cerium,Ce)、ネオジム(Neodymium,Nd)、ユウロピウム(Europium,Eu)、イッテルビウム(Ytterbium,Yb)の元素又はその化合物における何れか一つであり、前記化学式においてx=0.01~0.5,m=0.1~2,n=0.1~3であってもよい
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、前記複合材料は粉末状であり、且つ、その二次粒子径は1~500μmの間であってもよい
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、前記複合材料の一次粒子径は5nm以上1000nm以下であってもよい
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、前記シリコン粒子は、球状ユニット及び線状ユニットのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、前記球状ユニットの直径は5nm~1000nmであり、前記線状ユニットの直径は2nm~40nmの間であってもよい
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、前記セラミック材料の厚さは0.1nm~3nmの間であってもよい
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、前記導電性カーボンの厚さは3nm~10nmの間であってもよい
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
また、前記陽極活性物質が前記陽極において占める重量パーセントは少なくとも70%であってもよい
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
また、前記有機溶剤にはアルコール化合物が含まれていてもよい
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
また、前記有機溶剤にはアルミニウム化合物が更に含まれていてもよい
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また、前記有機溶剤には更にフラックスが含まれていてもよい
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
また、前記フラックスの組成には、イットリウム、ジルコニウム、ロジウム、パラジウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セリウム、ネオジム、ユウロピウム、及びイッテルビウムの元素又はその化合物の何れか一つが含まれていてもよい
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
また、前記複合材料に濾過処理を行い、濾過後の前記複合材料に熱処理を行ってもよい
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
また、前記熱処理には、前記複合材料が不活性環境下で900℃~1500℃の加熱温度で加熱して、粉末状の前記複合材料を生成するステップが含まれていてもよい
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
また、前記加熱温度は1200℃~1500℃以下であってもよい
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
本実施形態では、陽極13の重量に対する陽極活物質M1の重量パーセントは約70~80%であり、陽極13の重量に占める導電材M2の重量パーセントは約10~20%である。そして、陽極13の重量に占める接着剤M3の重量パーセントは0~10%程度である。
【国際調査報告】