(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-09
(54)【発明の名称】一体型導波路と光ファイバとの位置合わせのためのシステム、装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20240430BHJP
G02B 6/30 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
G02B6/36
G02B6/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564494
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 US2022024515
(87)【国際公開番号】W WO2022225756
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518241849
【氏名又は名称】コーニング リサーチ アンド ディヴェロップメント コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ブラスバーグ ラース マーティン オトフリード
(72)【発明者】
【氏名】グレニアー ジェイソン ロイ
(72)【発明者】
【氏名】マチス ユルゲン
【テーマコード(参考)】
2H036
2H137
【Fターム(参考)】
2H036JA01
2H036QA03
2H036QA12
2H036QA43
2H036QA47
2H036QA49
2H036QA57
2H137AB09
2H137BA15
2H137BA16
2H137BA31
2H137CA15A
2H137CA49
2H137CC27
2H137CC29
2H137CD33
2H137EA03
(57)【要約】
基板を光ファイバと位置合わせするためのシステム及び方法を提供する。システムは、光ファイバと、1又は2以上の光導波路、ガイドピン、及びガイドピンを受け入れてそれと接続するように構成された受け入れ特徴部を備える基板本体を有する基板とを備える。システムはまた、対向壁間の間隔を定める1ペアの対向壁を有するアダプタを備える。アダプタは、基板本体を対向壁のペア間に受け入れてそれに接続するように構成される。システムはまた、ガイドピンを受け入れるように構成された孔を定めるプラグを備える。プラグは、光ファイバを受け入れてそれに接続するように構成される。アダプタと基板本体の接続及びアダプタとプラグの接続は、基板に対する光ファイバの移動を抑制する。
【選択図】
図6F
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を光ファイバと位置合わせするためのシステムであって、
前記光ファイバと、
1又は2以上の光導波路、
第1の端部と第2の端部とを定める少なくとも1つのガイドピン、及び
前記少なくとも1つのガイドピンの前記第1の端部を受け入れてそれに接続するように構成された受け入れ特徴部を備える基板本体であって、該少なくとも1つのガイドピンのための該第1の端部が該基板本体内に受け入れられてそこに接続され、該少なくとも1つのガイドピンのための該第2の端部が該基板本体から外向きに延びる前記基板本体、
を備える基板と、
対向壁のペア間の間隔を定める1ペアの対向壁を備えるアダプタであって、該間隔の間隔サイズが前記基板本体の厚みに対応し、該アダプタが、該基板本体を該対向壁のペア間に受け入れてそれに接続するように構成される前記アダプタと、
前記少なくとも1つのガイドピンの前記第2の端部を受け入れるように構成された少なくとも1つのガイドピン孔を定めるプラグであって、前記光ファイバを受け入れてそれに接続するように構成される前記プラグと、
を備え、
前記アダプタと前記プラグは、互いに接続されるように構成され、前記少なくとも1つのガイドピンの前記第2の端部は、前記少なくとも1つのガイドピン孔と係合して該プラグの前記光ファイバを前記1又は2以上の光導波路と位置合わせするように構成され、該アダプタと前記基板本体の接続及び該アダプタと該プラグの接続が、前記基板に対する該光ファイバの移動を抑制する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記アダプタは、クリップを備え、
前記クリップは、前記間隔の中に延びてそれに向けて付勢される第1のセクションを備え、
前記クリップの前記第1のセクションは、前記基板本体が前記対向壁のペア間に位置決めされた時に該基板本体に対する力を与えて前記基板への前記アダプタの接続を支援するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アダプタは、クリップを備え、
前記クリップは、前記基板の前記基板本体に押圧して前記アダプタに対する該基板の移動を抑制する第1のセクションを備え、
前記第1のセクションは、前記間隔のサイズが変わるように該第1のセクションに印加される力の量に応じてシフトするように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記基板本体は、第1の面と該第1の面内の位置合わせ特徴部とを定め、
前記位置合わせ特徴部は、前記アダプタの突起を受け入れて前記基板への該アダプタの接続中に該アダプタの位置合わせを支援するように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記プラグは、多ファイバプッシュ-オン(MPO)コネクタであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記アダプタと前記基板を互いに恒久的に接続するように構成された接着剤を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記プラグは、フェルールとバネを更に備え、
前記フェルールは、前記基板と前記バネの間に位置決めされ、
前記フェルールは、前記光ファイバと前記少なくとも1つのガイドピンとを受け入れるように構成され、
前記少なくとも1つのガイドピンが前記プラグに向けてシフトされる時に、前記バネは、前記フェルールに対する力を発生して該フェルールを前記基板に向けて押し付ける、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記バネは、前記フェルールを前記基板に対して押し付けるように構成されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記フェルールは、機械的伝達(MT)フェルールであることを特徴とする請求項7から請求項8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
反射防止コーティング又は屈折率整合材料を更に備え、
前記光ファイバは、端面を備え、
前記バネは、前記光ファイバの前記端面と前記基板の前記1又は2以上の光導波路との間に間隙を残しながら前記フェルールを該基板の近くに押し付けるように構成され、
前記反射防止コーティング又は前記屈折率整合材料は、前記端面に対して堆積される、
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記バネによって発生される前記力は、1Nと25Nの間であり、反射防止コーティング又は屈折率整合材料が、前記光ファイバと前記1又は2以上の光導波路とに接触することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記バネによって発生される前記力は、1Nと5Nの間であり、反射防止コーティング又は屈折率整合材料が、前記光ファイバと前記1又は2以上の光導波路とに接触することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記受け入れ特徴部は、前記少なくとも1つのガイドピンの前記第1の端部に取り外し可能に接続するように構成され、
前記少なくとも1つのガイドピンのための前記第1の端部は、前記基板本体内に恒久的に接続され、
前記アダプタは、前記基板本体に取り外し可能に接続するように又は恒久的に接続するように構成され、
前記プラグは、前記光ファイバに恒久的に接続するように構成され、
前記アダプタと前記プラグは、互いに取り外し可能に接続されるように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項5又は請求項7から請求項12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記受け入れ特徴部は、トレンチであり、
前記トレンチは、2つの側縁、及び底面を備え、
前記トレンチは、前記少なくとも1つのガイドピンが前記底面に接触することなく前記2つの側縁に当接するように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記受け入れ特徴部は、トレンチであり、
前記トレンチは、少なくとも2つの側壁を備え、
前記トレンチは、前記少なくとも1つのガイドピンが前記少なくとも2つの側壁に当接するように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記トレンチは、レーザベースの手法を使用して形成されることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記基板は、アタッチメントを備え、
前記受け入れ特徴部は、前記アタッチメント上に設けられ、前記基板は、該アタッチメントを受け入れてそれと接続するように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記1又は2以上の光導波路は、埋め込み型光導波路であることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記1又は2以上の光導波路は、表面光導波路であることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
基板を光ファイバと接続するためのアダプタであって、
対向壁のペア間の間隔を定める1ペアの対向壁、
を備え、
アダプタが、前記基板とプラグの間に接続されるように構成され、前記間隔の間隔サイズが、該基板の基板本体の厚みに対応し、アダプタが、該基板本体を前記対向壁のペア間に受け入れるように構成され、アダプタが、該プラグに接続されるように構成され、アダプタと該基板本体の接続及びアダプタと該プラグの接続が、該基板に対する前記光ファイバの移動を抑制し、アダプタが、該基板内の1又は2以上の光導波路を該プラグに接続された該光ファイバと適正に接続するように構成される、
ことを特徴とするアダプタ。
【請求項21】
前記間隔の中に延びてそれに向けて付勢される第1のセクションを備えるクリップであって、該クリップの該第1のセクションが、前記基板本体が前記対向壁のペア間に位置決めされた時に該基板本体に対する力を与えて前記基板へのアダプタの接続を支援するように構成される前記クリップ、
を更に備えることを特徴とする請求項20に記載のアダプタ。
【請求項22】
前記クリップは、前記基板に対する前記光ファイバの移動を抑制するように構成されることを特徴とする請求項21に記載のアダプタ。
【請求項23】
アダプタが、フェルールを受け入れるように構成された空隙を定め、
前記空隙は、前記フェルールが前記基板に当接することを可能にするように位置決めされる、
ことを特徴とする請求項20から請求項22のいずれか1項に記載のアダプタ。
【請求項24】
基板を光ファイバと位置合わせする方法であって、
対向壁のペア間の間隔を定める1ペアの対向壁を有するアダプタを与える段階と、
1又は2以上の光導波路と、第1の端部及び第2の端部を定める少なくとも1つのガイドピンと、基板本体とを有する前記基板を与える段階であって、該基板本体が、該少なくとも1つのガイドピンの該第1の端部と接続する受け入れ特徴部を有する前記与える段階と、
少なくとも1つのガイドピン孔を定めて前記光ファイバを含むプラグを与える段階と、
前記アダプタを前記基板に取り付ける段階と、
前記プラグを前記アダプタに取り付ける段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つのガイドピンを前記プラグの前記少なくとも1つのガイドピン孔と位置合わせする段階と、
前記少なくとも1つのガイドピンの前記第2の端部を前記少なくとも1つのガイドピン孔に受け入れる段階と、
を更に備えることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔優先権主張〕
この出願は、2021年4月21日出願の米国仮特許出願第63/177、473号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は、引用によってその全体が本明細書に委ねられ、かつ組み込まれている。
【0002】
本発明の実施形態は、一体型導波路と光ファイバとを実質的に位置合わせするための接続システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
光ファイバは、長距離にわたって(例えば、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ラックなど)光信号を経路指定するのに使用される。対照的に、光相互接続(例えば、導波路)は、長さが~1mまでの短距離相互接続のためにガラス、ポリマー、シリコン、又はその他のような基板材料に一体化される。
【0004】
光ファイバと一体型導波路の間の光インタフェースに関して、標準化されて低費用かつ高性能なコネクタソリューションが望ましい。データセンター及び他の用途での多ファイバコネクタのための従来技術ソリューションである一部の特定タイプのコネクタ(例えば、多ファイバ終端プッシュ-オン(MTP)コネクタ及び多ファイバプッシュ-オン(MPO)コネクタ)が開発されてきた。イオン交換(IOX)光導波路は、低損失搭載型光相互接続の製作に関して有望な技術である。データセンター、高性能コンピュータ、及び他の用途に導波路技術を使用可能にするかつ展開するために、光ファイバと一体型導波路の間の標準インタフェースが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
導波路と光ファイバを費用効果的方式で実質的に位置合わせするための手法が従って望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
導波路及び光ファイバの間の位置合わせは、困難である可能性がある。更に、多くの異なる光ファイバの取付及び管理を可能にするために小さい形状因子を維持することが望ましい。この点に関して、位置合わせを支援するために様々な特徴部が使用される場合がある。しかし、そのような特徴部は、各々が位置合わせを必要とし、かつ対処されなければならないそれら自体の寸法及び幾何学形状を有する。これは、多くの場合に、いくつかの異なる構成要素を使用する接続が互いの上への不耐性「積み重ね」をもたらし、位置合わせの追加の不正確性に至ることを意味する。
【0007】
一部の現行インタフェースは、適正な位置合わせを取得する際のそのような困難に対処するために能動位置合わせを必要とする。能動位置合わせが使用される場合に、光試験信号を送信して光試験信号の最適化を求めるシステムを位置合わせするのに給電式システムが必要である。しかし、能動位置合わせは、高価であり、かつ時間消費的である。
【0008】
本明細書に説明するシステム、構成要素、及び方法は、光ファイバとの基板及びそこにある導波路の容易かつ適正な位置合わせを可能にする。これは、構成要素の費用効率的なアセンブリを可能にする受動位置合わせを通して達成される場合がある。
【0009】
本発明の様々な実施形態は、基板上の1又は2以上の光導波路(例えば、IOX、堆積、レーザ書込導波路のような平面ガラス導波路)に1又は2以上の光ファイバを接続して位置合わせするための1又は2以上の構成要素を提供する。基板の基板本体のエッジを包み込むように構成されたアダプタが提供される場合がある。基板本体の材料(例えば、ガラス、シリコン、ポリマー)は、光学ファセットを製造するために及び/又は他の構成要素との機械的特徴部の高精度位置合わせのための機械的位置合わせ特徴部を提供するために加工することができる(例えば、レーザ書込又はエッチングを通して)。一部の実施形態では、全ての構成要素は、自動機械によって基板に直接に受動位置合わせすることができ、より高い収率及び費用節約に至る大量加工を可能にする。
【0010】
一部の実施形態では、基板の基板本体の上面の中に様々な特徴部を加工することができ、これは、大規模パネルレベル加工(費用節約)と不良部品(規格外)を見つけるための検査(上面観察顕微鏡)を通した品質改善とに至る場合がある。更に、一部の実施形態では、ガイドピンを使用することができ、かつ基板本体に直接に取り付けることができ、これは、公差の積み重ねを低減し、かつ結合損失の低下及び性能の改善に至る場合がある。
【0011】
例示的実施形態では、基板を光ファイバと位置合わせするためのシステムを提供する。システムは、光ファイバと基板を備えることができる。基板は、1又は2以上の光導波路と少なくとも1つのガイドピンとを備える。1又は2以上の導波路は、光導波路とすることができる。少なくとも1つのガイドピンは、第1の端部と第2の端部を定める。基板はまた、基板本体を備え、基板本体は、少なくとも1つのガイドピンの第1の端部を受け入れてそれに取り外し可能に又は恒久的に接続するように構成された受け入れ特徴部を有する。少なくとも1つのガイドピンのための第1の端部は、基板本体内に受け入れられて取り外し可能に又は恒久的に接続される。少なくとも1つのガイドピンのための第2の端部は、基板本体から外向きに延びる。システムは、更に、1ペアの対向壁を有するアダプタを備え、対向壁のペアは、対向壁のペア間の間隔を定める。この間隔の間隔サイズは、基板本体の厚みに対応する。アダプタは、基板本体を対向壁のペア間に受け入れてそれに取り外し可能に又は恒久的に接続するように構成される。システムは、更に、少なくとも1つのガイドピンの第2の端部を受け入れるように構成された少なくとも1つのガイドピン孔を定めるプラグを備え、プラグは、光ファイバを受け入れてそれに恒久的に接続するように構成される。アダプタとプラグは、互いに取り外し可能に接続されるように構成される。少なくとも1つのガイドピンの第2の端部は、少なくとも1つのガイドピン孔と係合してプラグの光ファイバを1又は2以上の導波路と位置合わせするように構成される。アダプタと基板本体との接続及びアダプタとプラグとの接続は、基板に対する光ファイバの移動を抑制する。
【0012】
一部の実施形態では、アダプタは、クリップを備え、クリップは、間隔の中に延びてそれに向けて付勢される第1のセクションを備え、クリップの第1のセクションは、基板本体が対向壁のペア間に位置決めされた時に基板本体に対する力を与えてアダプタの基板への接続を支援するように構成される。
【0013】
一部の実施形態では、アダプタは、クリップを備える。クリップは、基板の基板本体に対して押圧してアダプタに対する基板の移動を抑制する第1のセクションを備える。第1のセクションは、間隔サイズが変わるように第1のセクションに印加される力の量に応じてシフトするように構成される。
【0014】
一部の実施形態では、基板本体は、第1の面と第1の面内の位置合わせ特徴部とを定め、位置合わせ特徴部は、アダプタの突起を受け入れて基板へのアダプタの接続中にアダプタの位置合わせを支援するように構成される。
【0015】
プラグは、一部の実施形態では多ファイバプッシュ-オン(MPO)コネクタである場合がある。アダプタと基板を互いに恒久的に接続するように構成された接着剤が設けられる場合がある。
【0016】
一部の実施形態では、プラグは、フェルールとバネを備える。フェルールは、基板とバネの間に位置決めされる。フェルールは、光ファイバと少なくとも1つのガイドピンとを受け入れるように構成される。少なくとも1つのガイドピンがプラグに向けてシフトされる時に、バネは、フェルールに対する力を発生してフェルールを基板に向けて押し付ける。バネは、一部の実施形態ではフェルールを基板に対して押し付けるように構成される場合があり、フェルールは、機械的伝達(MT)フェルールである場合がある。
【0017】
一部の実施形態では、システムは、更に、反射防止コーティング又は屈折率整合材料を備える場合があり、光ファイバは、端面を備える場合がある。バネは、光ファイバの端面と基板の1又は2以上の光導波路との間に間隙を残しながらフェルールを基板の近くに押し付けるように構成することができる。反射防止コーティング又は屈折率整合材料は、端面に対して堆積される。一部の実施形態では、バネによって発生される力は、1Nと25Nの間であり、反射防止コーティング又は屈折率整合材料は、光ファイバと1又は2以上の導波路とに接触する。一部の実施形態では、バネによって発生される力は、1Nと15Nの間であり、反射防止コーティング又は屈折率整合材料は、光ファイバと1又は2以上の導波路とに接触する。一部の実施形態では、バネによって発生される力は、1Nと5Nの間であり、反射防止コーティング又は屈折率整合材料は、光ファイバと1又は2以上の導波路とに接触する。
【0018】
一部の実施形態では、受け入れ特徴部はトレンチである。トレンチは、2つの側縁、及び底面を備えることができ、トレンチは、少なくとも1つのガイドピンが底面に接触することなく2つの側縁に当接するように構成される。一部の実施形態では、トレンチは、少なくとも2つの側壁を備えることができ、トレンチは、少なくとも1つのガイドピンが少なくとも2つの側壁に当接するように構成される。トレンチは、エッチングと組み合わせることができるレーザベースの手法を使用して形成される場合がある。更に、1又は2以上の導波路は、埋め込み型又は表面下導波路である場合がある。これに代えて、導波路は、表面導波路とすることができる。
【0019】
別の例示的実施形態では、基板を光ファイバと位置合わせするためのアダプタを提供する。アダプタは、対向壁のペア間の間隔を定める1ペアの対向壁を備える。アダプタは、基板とプラグの間に取り外し可能に又は恒久的に接続されるように構成される。間隔の間隔サイズは、基板の基板本体の厚みに対応する。アダプタは、基板本体を対向壁のペア間に受け入れるように構成され、アダプタは、プラグに取り外し可能に接続されるように構成される。アダプタと基板本体との接続及びアダプタとプラグとの接続は、基板に対する光ファイバの移動を抑制する。アダプタは、基板内の1又は2以上の導波路をプラグに恒久的に接続された光ファイバと適正に位置合わせするように構成される。
【0020】
一部の実施形態では、アダプタは、間隔の中に延びて間隔に向けて付勢される第1のセクションを備えるクリップを備え、クリップの第1のセクションは、基板本体が対向壁のペア間に位置決めされた時に基板本体に対する力を与えて基板へのアダプタの取り外し可能な又は永久的な接続を支援するように構成される。クリップは、基板に対する光ファイバの移動を抑制するように構成される場合がある。
【0021】
アダプタはまた、フェルールを受け入れるように構成された空隙を定めることができ、空隙は、フェルールが基板に当接することを可能にするように位置決めすることができる。一部の実施形態では、アダプタは、第1の側と第2の側を備える。アダプタは、基板本体を第1の側で受け入れるように構成され、アダプタは、第2の側でプラグと取り外し可能に接続するように構成される。
【0022】
更に別の例示的実施形態では、基板を光ファイバと位置合わせする方法を提供する。本方法は、対向壁のペア間の間隔を定める1ペアの対向壁を有するアダプタを与える段階を備える。本方法はまた、1又は2以上の導波路を有する基板と、第1の端部及び第2の端部を定める少なくとも1つのガイドピンと、基板本体とを与える段階を備える。基板本体は、少なくとも1つのガイドピンの第1の端部と取り外し可能に又は恒久的に接続される場合がある受け入れ特徴部を有する。本方法はまた、少なくとも1つのガイドピン孔を定めるプラグを与える段階を備え、このプラグは、プラグ内に恒久的に接続された光ファイバを含む。本方法はまた、アダプタを基板に取り付ける段階とプラグをアダプタに取り付ける段階とを備える。
【0023】
一部の実施形態では、本方法は、更に、プラグ内にフェルール及びバネを与える段階を備え、プラグがアダプタに取り付けられた時に、フェルールは、基板と光ファイバの間にある。アダプタへのプラグの取り付け中に、少なくとも1つのガイドピンがプラグに向けてシフトされるので、バネは、フェルールに対する力を発生してフェルールを基板に向けて押し付ける。
【0024】
一部の実施形態では、本方法は、更に、アダプタ、基板、フェルール、プラグ、及び光ファイバのうちの少なくとも2つを互いに恒久的に接続するために接着剤を付加する段階を備える。取り付けは、ある一定の実施形態では接着剤を使用せずに行われる場合がある。一部の実施形態では、プラグは、多ファイバプッシュ-オン(MPO)コネクタである。
【0025】
一部の実施形態では、本方法は、更に、少なくとも1つのガイドピンをプラグの少なくとも1つのガイドピン孔と位置合わせする段階と、少なくとも1つのガイドピンの第2の端部を少なくとも1つのガイドピン孔に受け入れる段階とを備える。少なくとも1つのガイドピンは、例えば、プラグ内に設けられる場合があるフェルール内の少なくとも1つのガイドピン孔と位置合わせされる場合がある。
【0026】
本発明の適用可能性の更に別の分野は、以下に提供する詳細説明から明らかになるであろう。詳細説明及び具体例は、本発明の例示的な好ましい実施形態を示しているが、例示だけの目的を意図しており、本発明の範囲を限定するように意図していないことを理解しなければならない。
【0027】
本発明は、詳細説明及び必ずしも一定の縮尺ではない添付図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1A】本明細書に議論する一部の実施形態による受け入れ特徴部を有する基板本体を示す基板の斜視図である。
【
図1B】本明細書に議論する一部の実施形態による各受け入れ特徴部にガイドピンを受け入れた
図1Aの基板の斜視図である。
【
図1C】本明細書に議論する一部の実施形態によるガイドピンをプラグ内に受け入れた
図1Bの基板の斜視図である。
【
図2A】本明細書に議論する一部の実施形態による各受け入れ特徴部にガイドピンを受け入れる2つの受け入れ特徴部を有する基板の側面図である。
【
図2B】本明細書に議論する一部の実施形態による
図2Aの基板の上面図である。
【
図3A】本明細書に議論する一部の実施形態による
図2A及び2Bの位置合わせピン及び基板と共に使用可能な多ファイバ光プラグのフェルールの斜視図である。
【
図3B】本明細書に議論する一部の実施形態による異なる数の光ファイバボアと異なる位置合わせ孔間隔とを有するフェルールの端面立面図である。
【
図3C】本明細書に議論する一部の実施形態による異なる数の光ファイバボアと異なる位置合わせ孔間隔とを有するフェルールの端面立面図である。
【
図3D】本明細書に議論する一部の実施形態による多ファイバ光プラグのフェルール部分及び基板の端面立面図である。
【
図4A】本明細書に議論する一部の実施形態による1又は2以上のガイドピンに取り外し可能に又は恒久的に接続するために基板の受け入れ特徴部と併せて使用することができるカバーの底面概略図である。
【
図4B】本明細書に議論する一部の実施形態による
図4Aに示すカバーの斜視図である。
【
図4C】本明細書に議論する一部の実施形態による
図4Aに示すカバーの前面図である。
【
図4D】本明細書に議論する一部の実施形態による
図4Aに示すカバーの側面図である。
【
図5A】本明細書に議論する一部の実施形態による例示的基板端面の側面図である。
【
図5B】本明細書に議論する一部の実施形態による例示的基板端面の一部分の拡大側面図である。
【
図5C】本明細書に議論する一部の実施形態による別の例示的基板端面の一部分の拡大側面図である。
【
図6A】本明細書に議論する一部の実施形態によるアダプタが基板に取り外し可能に又は恒久的に接続されている基板を位置合わせするためのシステムのある一定の構成要素の斜視図である。
【
図6B】本明細書に議論する一部の実施形態による
図6Aに示す構成要素の拡大図である。
【
図6C】本明細書に議論する一部の実施形態による
図6Aに示す構成要素の別の斜視図である。
【
図6D】本明細書に議論する一部の実施形態によるアダプタに取り外し可能に接続されたプラグと共に
図6Aに示す構成要素の斜視図である。
【
図6E】本明細書に議論する一部の実施形態による
図6Dに示す構成要素の別の斜視図である。
【
図6F】本明細書に議論する一部の実施形態による基板のガイドピンのためのカバーを示す
図6Dに示す構成要素の斜視図である。
【
図6G】本明細書に議論する一部の実施形態による
図6Fに示す構成要素の断面図である。
【
図7A】本明細書に議論する一部の実施形態によるアダプタが基板に取り外し可能に又は恒久的に接続されてアダプタとプラグが分離されている
図6Fに示す構成要素の斜視図である。
【
図7B】本明細書に議論する一部の実施形態による
図7Aに示す構成要素の断面図である。
【
図7C】本明細書に議論する一部の実施形態による
図7Bに示すフェルール及びガイドピンの一部分の拡大図である。
【
図8】本明細書に議論する一部の実施形態による基板、アダプタ、及びプラグを含む別の例示的システムの斜視図である。
【
図9A】本明細書に議論する一部の実施形態による別の例示的基板及びアダプタの斜視図である。
【
図9B】本明細書に議論する一部の実施形態によるアダプタに取り外し可能に接続されたプラグと共に
図9Aに示す構成要素の斜視図である。
【
図10】本明細書に議論する一部の実施形態による基板内の位置合わせ特徴部の概略図である。
【
図11】本明細書に議論する一部の実施形態による基板を光ファイバと位置合わせする例示的方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態に関する以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本発明、その適用、又は用途を限定することを決して意図するものではない。以下の説明は、本発明の有効な開示を提供することを目的として単に例示的に本明細書に提供するものであり、本発明の範囲又は内容を限定するものではない。
【0030】
上述のように、基板と光ファイバの間の接続を形成する従来の手法に対する改善が望まれている。本明細書に議論する実施形態は、製造しやすく使いやすいシステム及び構成要素を対応する方法と共に提供する。
図1A~1Cは、使用可能な基板を示している。
【0031】
図1Aは、基板140の一部分の斜視図である。この基板は、1又は2以上の導波路を備えることができる。これらの導波路は、埋め込み型又は表面導波路とすることができる。基板140はまた、基板本体142を備えることができる。この基板本体142は、上面144、エッジ146、及び底面143を有することができる。基板本体142はまた、2つの受け入れ特徴部148を備えることができる。これらの受け入れ特徴部148の各々は、ガイドピン154(
図1Bに示す)の第1の端部を受け入れてそれに取り外し可能に又は恒久的に接続するように構成される。一部の実施形態では、接着剤を使用してガイドピン154を受け入れ特徴部148に恒久的に接続することができる。これに代えて、接着剤なしで(例えば、圧縮嵌め又は他の接続手段を通して)ガイドピン154を受け入れ特徴部に取り外し可能に接続することができる。ガイドピン154の第2の端部は、基板本体142から外向きに延びる。一部の実施形態では、基板本体142の端面での導波路の2Dアレイが可能である。導波路は、区分的に互いに離間することができ(例えば、165、250、又は500ミクロンの間隔)、水平及び垂直方向で形状及び/又は間隔が異なることができる。
【0032】
受け入れ特徴部148は、基板本体142の上面144に設けることができる。受け入れ特徴部148は、基板本体142内の凹部として設けることができ、これらの凹部は、様々な形状を取ることができる。例えば、凹部は、半円形、矩形(例えば、トレンチを形成する)、三角形の形状などを有することができる。一部の実施形態では、受け入れ特徴部148の形状は、ガイドピン154の形状と一致し、受け入れ特徴部148は、ガイドピンと共に使用するように構成される。受け入れ特徴部148は、ある距離145だけ離間することができる。受け入れ特徴部148の位置決めは、基板本体142とプラグ164及び/又は光ファイバ168との適正な位置合わせを可能にするように(例えば、ハウジングを通して)構成することができる。
【0033】
図1Bは、基板140’の斜視図である。基板140’は、各受け入れ特徴部148に受け入れられるガイドピン154を備える。更に、端面152を有するカバー150が設けられる。カバー150内に凹部を提供することができ、その凹部にガイドピン154を少なくとも部分的に受け入れることができる。これらの凹部は、カバー150の中心部分から端面152まで延びることができる。一部の実施形態では、接着剤を使用してカバー150とガイドピン154を恒久的に接続することができるが、他の実施形態では、接着剤を使用しない場合がある。
【0034】
図1Cは、基板140’’の斜視図であり、ガイドピン154(
図1Bに示す)がプラグ164内に受け入れられている。図示のように、光ファイバ168をプラグ164内に受け入れることができる。一部の実施形態では、プラグ164は、光ファイバ168の移動が少なくとも部分的に抑制されるように光ファイバ168と恒久的に又は取り外し可能に接続することができる。一部の実施形態では、プラグ164内にフェルールを提供することができ、光ファイバ168をフェルール内に受け入れて恒久的に又は取り外し可能に接続することができる。アダプタ160は、1又は2以上のガイド孔を備えることができる。ガイドピン154の第2の端部は、基板本体142から外向きに延び、ガイドピンの第2の端部をガイド孔164内に受け入れることができる(その接続はハウジング160で隠されている)。一部の実施形態では、ガイドピン154がガイド孔内に受け入れられると、基板140’’の移動をアダプタ160に対して抑制することができる。
【0035】
基板には、基板をアダプタと正確かつ確実に位置合わせすることができるような寸法を与えることができる。これは、次に、基板内の導波路を光ファイバと正確に位置合わせすることを可能にする。一部の実施形態では、各光ファイバは、基板内の単一導波路に接続することができ、一部の実施形態では、複数の光ファイバを複数の導波路と位置合わせすることができる。正確な位置合わせにより、0.75dB又はそれ未満という低い光結合損失が可能になる。
図2A~2Bは、これらの寸法の一部を例示的実施形態に示している。
図2Aは、基板200及びガイドピン212の側面図であり、
図2Bは、
図2Aの基板200及びガイドピン212の上面図である。基板200は、1又は2以上の導波路205を備える。これらの導波路は、イオン交換層、レーザ書込層、及び/又は堆積層を使用して基板本体202の面に作ることができる。基板200はまた、上面204を有する基板本体202を備える。基板本体202は、2つの受け入れ特徴部208を備える。受け入れ特徴部208は、ガイドピン212を受け入れるように構成される。
【0036】
これらの受け入れ特徴部208は、上面204に形成されたトレンチとすることができる。しかし、V字形の溝又は他の進入路は、受け入れ特徴部208として機能する場合がある。基板200をプラグ164(
図1C)と適正に位置合わせするのに必要である公差内にトレンチの深さを維持することは困難である場合がある。トレンチの深さは、小さい公差によって形成することができるが、これを達成するための手法は高価である可能性がある。対照的に、トレンチの幅は、費用効果的方式で小さい公差に維持することができる。レーザ融除を使用して(例えば、ナノ秒(ns)、ピコ秒(ps)、又はフェムト秒(fs)のパルスレーザを使用して)側縁の位置をサブミクロンの精度で費用効果的方式で提供することができる。従って、トレンチを使用する場合に、トレンチは、2つの側縁、及び底面を備えることができ、ガイドピン212が底面に接触することなく2つの側縁に当接するようにトレンチを備えることができる。この例を
図2Aに示している。この手法により、ガイドピン212の位置決めは、トレンチの側縁によって実質的に制御されることになる。底面は、ガイドピン212と接触するように構成されないので、トレンチ深さに対してより大きい公差を使用しながらトレンチを形成することができる。このようにして、トレンチは、費用効果的方式で確実に形成することができる。一部の実施形態では、トレンチは、少なくとも2つの側壁を備え、トレンチは、ガイドピンが少なくとも2つの側壁に当接するように構成される。一部の実施形態では、レーザベースの手法を使用してトレンチを形成することができ、それにより、更に大きい費用節約が可能になる。
【0037】
レーザ融除は、様々な材料に対しても実施することができ、集束パルスレーザビームを使用して基板材料のごく一部を除去し、基板上に微細パターンを形成することができる。レーザ融除はまた、有毒化学物質及び試薬を使用する必要がないので環境に優しい手法を提供する。
【0038】
一部の実施形態では、550μmの厚みを有するガイドピン212を設けることができ、249.8μmのトレンチ幅を有するトレンチの形態で受け入れ特徴部208を提供することができ、トレンチは30μmの深さを有することができる。更に、トレンチは、ガイドピンの約5mmを受け入れることができるように約5mmの長さを備えることができる。受け入れ特徴部208は、5.3mm区分でオフセットさせることができる。このオフセットは、
図2Bに示すように、受け入れ特徴部208の側縁から隣接する受け入れ特徴部208の同じそれぞれの側縁まで測定することができる。しかし、これらの寸法は、他の実施形態では修正することができる。
【0039】
一部の実施形態では、フェルールを使用して基板内の導波路と光ファイバとの位置合わせを支援することができる。
図3A~3Dは、ある一定の実施形態に使用することができる異なるフェルールの図を提供している。
図3Aは、フェルール320の斜視図である。このフェルール320は、一部の実施形態ではコネクタ160(
図1C)の一部として設けることができる。プラグ164及びフェルール320は、プラグ164内にフェルール320を部分的又は完全に受け入れることができるように構成することができる。フェルール320は、本体324、後端321、及び前端322を備える。フェルールはまた、後端321と前端322の間で本体324を貫通して延びるガイドピン154(
図1B)又は212(
図2A~2B)を受け入れるためのガイド孔326を有することができる。適切な数のガイド孔326を提供することができ、ガイド孔326は、あらゆる適切なパターンで提供することができる。ガイド孔326は、前端322を貫通して延び、光ファイバ168(
図1C)の終端かつ研磨端部をプラグ164(
図1C)内に露出することができる。
【0040】
図3B及び3Cは、
図3Aに示すフェルール320と類似のフェルール320’、320’’の端面立面図である。これらの図からそれぞれのフェルール320’、320’’の前端322を見ることができる。図示のように、ガイド孔326は、前端322からフェルール320’、320’’の本体324の中に延びることができる。様々な実施形態では、あらゆる適切な数の光ファイバボアと位置合わせ孔間のあらゆる適切な間隔とを提供することができる。
図3Bでも
図3Cでも、2列の光ファイバボア328A、328B、328A’、328B’が設けられる。
図3B及び3Cには複数列の光ファイバボアを示しているが、ある一定の実施形態では、単一列の光ファイバボアだけに光ファイバが格納され、及び/又は単一列の光ファイバボアだけを使用して、本明細書に開示するように、基板200(
図2A~2B)(例えば、導電性ビアを備える)の中に一体化された導波路とインタフェースで接続することができ、その理由は、そのような基板は、そこのある深さに配置された導波路又は多層の導波路を有することができるからである。フェルールは、1又は複数のファイバ列を有する多ファイバ光コネクタを備えることができる。
【0041】
図3B及び
図3Cに示すフェルール320’、320’’は、異なる数の光ファイバボア328A、328Bと位置合わせ孔326間の異なる間隔とを有する。
図3Bに示すように、位置合わせ孔326は、互いに5.3mm離れるようにオフセットされる。対照的に、
図3Cでは、位置合わせ孔326は、互いに4.6mm離れるようにオフセットされる。更に、
図3Bに示すフェルール320’では、各列に16個の光ファイバボア328A、328Bが設けられ、そのために合計で32個の光ファイバボア328A、328Bが提供される。対照的に、
図3Cに示すフェルール320’’では、各列に12個の光ファイバ孔328A’、328B’が設けられ、そのために合計で24個の光ファイバボア328A’、328B’が提供される。
【0042】
図3Dは、フェルール320’’’に対して基板302を位置決めしたフェルール320’’’を示す概略図である。基板302は、約0.7mmの高さを有することができる。基板302は、ガイドピンを受け入れてそれに取り外し可能に又は恒久的に接続するように構成することができ、これらのガイドピンは、位置合わせ孔326内に受け入れることができる。
【0043】
ガイドピンを基板上又は基板の基板本体上の適切な位置に取り外し可能に又は恒久的に接続することを支援するために、ガイドピンの上に位置決めすることができるカバーを設けることができる。
図4A~4Dは、使用可能なカバー450の様々な図を示している。
図4Aは、2つのガイドピンに取り外し可能に又は恒久的に接続するために基板140、200の受け入れ特徴部148(
図1A)、208(
図2A、2B)と併せて使用することができるカバー450の底面概略図である。
図4Bは、カバー450の斜視図であり、
図4Cは、カバー450の前面図であり、
図4Dは、カバー450の側面図である。
【0044】
カバー450は、ガイドピン154(
図1B)又は212(
図2A~2B)を押圧して適切な位置に保持するように設計することができる。カバー450は、プラスチック又はガラス材料を備えることができる。一部の実施形態では、カバー450と基板200(
図2A~2B)の基板本体202(
図2A~2B)とは、類似の熱膨張係数(CTE)を有する材料で製造されるが、別の実施形態では、カバー450と基板本体202は、異なるCTE特性を有することができる。一部の事例では、カバー450と基板本体202(
図2A~2B)は、同じ材料で製造され、同じCTEを有する。CTEの不整合が存在する場合に、一部の構成要素は、非常に温かい又は非常に冷たい温度で不釣り合いにサイズが膨張又は収縮する傾向があり、構成要素の不整合に至る可能性がある。カバー450と基板本体202(
図2A~2B)に類似の又は同一CTEを提供することにより、アセンブリ全体の信頼性を改善することができる。
【0045】
一部の実施形態では、接着剤を使用してカバー450、ガイドピン212(
図2A~2B)、及び/又は基板200(
図2A~2B)の基板本体202(
図2A~2B)を互いに恒久的に接続することができる。この接着剤は、カバー450、ガイドピン212(
図2A~2B)、及び基板の基板本体202に設けた材料のCTEとは異なるCTEを有する材料を備えることができる。従って、一部の実施形態では、僅かな量の接着剤しか使用されない。例えば、厚みが100μm未満の接着層を提供することができる。僅かな量の接着剤しか使用しないことにより、アセンブリの信頼性を改善することができる。例えば、アセンブリが屋内でのみ使用される場合に、CTEの不整合はそれほど関連しない可能性がある。しかし、一部の実施形態では、接着剤は使用されない。
【0046】
カバー450は、幅が約6.4mm(
図4Aで左から右に測定)とすることができる。カバー450は、長さが4mm(
図4Aで下から上に測定)とすることができる。カバー450は、2つの1次カバートレンチ452を備えることができる。これらの1次カバートレンチ452は、カバー450の底面451に形成することができ、カバー450の長さに沿って張ることができる。
図4Aに示すように、1次カバートレンチ452は、カバー450の長さ全体に張ることができる。しかし、他の実施形態では、1次カバートレンチ452は、カバー450内に部分的にのみ延びることができる。
【0047】
図4Cに示すように、1次カバートレンチ452は、幅が約0.6mm(
図4Cで左から右に測定)、及び深さが約0.3mm(
図4Cで下から上まで測定)とすることができる。1次カバートレンチ452は、2つの側縁を有することができ、一部の実施形態では、カバー450の中心寄りに位置決めされた側縁は、カバー450の中心から約2.35mm離して位置決めすることができる。
【0048】
図4Dに示すように、2次カバートレンチ454をカバー450の底面451に設けることができる。2次カバートレンチ454は、2つの側縁を有することができる。カバー450の中心から遠い側に位置決めされた側縁は、カバー450の側面から約0.3mm離れているとすることができる。2次カバートレンチ454は、幅が約0.3mm(
図4Dで左から右に測定)とすることができる。2次カバートレンチ454はまた、約0.3mmの深さ(
図4Dで下から上に測定)を有することができる。
【0049】
特定の寸法を上述したが、他の実施形態では、カバー450に異なる寸法を提供することができる。これらの寸法を提供して所与の用途に必要である実施仕様全体を満足させることができる。一部の実施形態では、1次カバートレンチ452及び2次カバートレンチ454は、カバー450の底面451ではなく上面に形成することができる。
【0050】
一部の実施形態では、基板は、光学区域を備えることができ、この光学区域は、光導波路を受け入れて保持するように構成することができる。フェルールに対してこの光学区域の寸法を制御し、光学区域からの移行を制御することは、重要な考慮になる可能性がある。
図5Aは、基板502の側面図であり、光学区域507を見ることができる。図示のように、基板502は、2つの受け入れ特徴部508を備える。この実施形態では、受け入れ特徴部508は、トレンチとして設けられる。トレンチは、幅が約249.8μmである。
図5Aはまた、光学区域507と2つの非光学区域509を示している。フェルール(例えば、
図3Aのフェルール320)は、光学区域507で基板502に押圧することができる。光学区域507の幅(
図5Aで左から右に測定)は、フェルールを光学区域内に完全に与えることができるようにフェルールの幅よりも大きくすることができる。一部の実施形態では、フェルールの幅は、約6.5mmとすることができるので、光学区域507の幅は、6.5mmよりも大きくすることができる。基板のレーザ個別化工程中に、光学区域507は、部分的にナノ穿孔することができ、他の非光学区域509は、完全にナノ穿孔することができる。
【0051】
図5B及び5Cは、光学区域507での部分的ナノ穿孔から非光学区域509での完全ナノ穿孔まで移行させるための異なる手法を示している。
図5Bでは、この変化はステップ関数として生じ、移行が即座に生じ、左から右に延びることはない。
図5Cでは、この変化が断熱的に生じるので移行は左から右に延びる。非光学区域509の完全ナノ穿孔から光学区域507の部分的ナノ穿孔への変化は、レーザフォーカスを段階的に変化させること又はレーザフォーカスの断熱変化によって達成することができる。
【0052】
フェルールより幅広の光学区域507を提供することにより、部分的ナノ穿孔から完全穿孔へのいずれの変化も、フェルールと光学区域とが重なる区域の外側で生じることになる。それにより、光ファイバと導波路との物理的接触を妨げる可能性があると考えられる突出特徴部のリスクが低減される。これはまた、導波路の波形を低減し、欠陥の数を低減するのに有益である可能性がある。
【0053】
基板とプラグとの両方の正確な接続を可能にするアダプタを提供することができる。アダプタにより、基板内の導波路とプラグ内の光ファイバとの正確な位置合わせが可能になる。アダプタにより、受動位置合わせを行うことができ、費用の大幅な低減と収率の改善が可能になる。更に、アダプタにより、ファイバを高密度で接続することができる。
【0054】
様々な実施形態に関するこれらの特徴及び他の特徴は、例えば、
図6A~6C、7A~7Cを参照してより容易に理解される。
図6Aに示すように、基板600を提供する。この基板600は、受け入れ特徴部148(
図1Aに示す)を有する基板本体602を備えることができる。基板600は、1又は2以上の導波路を備えることができる。少なくとも1つのガイドピン654も提供され、これらのガイドピン654は、第1の端部と第2の端部を備える。この受け入れ特徴部は、ガイドピン654の第1の端部を受け入れてそれに取り外し可能に又は恒久的に接続するように構成することができる。ガイドピン654の第1の端部は、カバー650(
図6F)を使用して基板644に取り外し可能に又は恒久的に接続することができる。ガイドピン654の第2の端部は、基板本体602から外向きに延びることができる。
【0055】
図6A~6Cは、基板600の基板本体602に取り外し可能に又は恒久的に接続されるアダプタ670を示している。アダプタ670は、1ペアの対向壁672を備えることができ、これらの対向壁672は、対向壁のペア672間の間隔674を定めることができる(
図6Bに示す)。間隔674の間隔サイズは、基板本体602の厚みに対応することができる。アダプタ670は、基板本体602を対向壁のペア672の間の間隔674に受け入れてそれに取り外し可能に又は恒久的に接続するように構成することができる。間隔674の間隔サイズは、互いに相関されることにより、互いに線形関係を有することにより、又はほぼ等しいことにより、基板本体602の厚みに対応することができる。一部の実施形態では、接着剤を使用して、基板600の基板本体602をアダプタに(例えば、対向壁のペア672の間に)恒久的に接続することができる。しかし、一部の実施形態では、接着剤を使用しない場合がある。
【0056】
一部の実施形態では、アダプタ670は、クリップ676を備えることができる。このクリップ676は、間隔674内に延びる第1のセクション679を備えることができる。第1のセクション679は、上部係合部分679bから下向きに延びる先細部679aを定めることができる。更に、クリップ676は、クリップ本体セクション676bから延びて第1のセクション679に至るアームセクション676aを定めることができる。アームセクション676aは、剛性であり、又は他に第1のセクション679を第1の位置に付勢することができる(
図6Bに示すように)。しかし、アームセクション676aは、間隔674を通過させる基板本体602の挿入を可能にする第2の位置までのような間隔674から外への(例えば、矢印Aに沿った)第1のセクション679の後退を可能にすることができる。
【0057】
従って、アダプタ670が基板本体602の上に押されるので、クリップ676の先細部679aによってクリップ676の第1のセクション679が後退し、基板本体602が後壁678に衝突するまで基板本体602を更に挿入することができるようになる。特に、クリップ676の付勢により、第1のセクション679は基板本体602に対して上向きの力を与える(基板本体602は、対向壁のペア672の上部壁に向けて押し上げられる)。そのような点に関して、クリップ676は、アダプタ670を基板本体602に取り外し可能に又は恒久的に接続する助けになる力を印加する。クリップ676の第1のセクション679は、第1のセクションに印加される力の量に応じてシフトするように構成することができ、従って、間隔674のサイズは、クリップ676の第1のセクション679の位置に応じて変えることができる。
【0058】
この点に関して、一部の実施形態では、クリップ676は、クリップが基板本体602と係合した時に基板600に対する光ファイバ(例えば、
図8の868)の移動を抑制するように構成することができる。
【0059】
一部の実施形態では、
図10に関連して、基板600の基板本体602上に位置合わせ特徴部1005を横方向に位置決めし、プラグ690の光ファイバを基板600上/基板600内の導波路と適正に位置合わせするためのアダプタ670の受動位置合わせを達成することができる。この点に関して、アダプタ670は、例えば、トレンチを形成することができる位置合わせ特徴部1005と適合するアダプタ位置合わせ特徴部(例えば、突起)を備えることができる。従って、アダプタ670のアダプタ位置合わせ特徴部と基板本体602上の位置合わせ特徴部1005との位置合わせにより、基板上へのアダプタの受動位置合わせが可能になる(それにより、プラグがアダプタに取り外し可能に接続された時に、プラグの光ファイバが位置合わせすることになる)。例示的位置合わせ特徴部に関する更に別の詳細は、
図10に関して説明する。
【0060】
アダプタ670とプラグ690は、互いに取り外し可能に接続されるように構成することができる。
図6A及び6Cに示すように、アダプタ670は、空隙677を定めることができる。
図6Dに示すように、この空隙677は、プラグ690とアダプタ670を取り外し可能に互いに接続する時にフェルール620を受け入れるように構成することができる。この空隙677は、フェルール620が基板600に当接することができるように位置決めされ、かつ他にそのように構成されるとすることができる。更に、
図6Cでは、スナップ特徴部675が空隙677内に設けられる。このスナップ特徴部675は、フェルール620又はプラグ690の何らかの部分と係合してアダプタ670に対するプラグ690の移動を抑制するように構成することができる。スナップ特徴部675は、他の実施形態では異なる形状を有することができる。特に、アダプタ670と基板本体602との取り外し可能な又は永久的な接続及びアダプタ670とプラグ690との取り外し可能な接続により、基板600に対する光ファイバ(例えば、
図8の868)の移動が抑制される。
【0061】
図6D及び6Eは、アダプタ670が基板600の基板本体602に取り外し可能に又は恒久的に接続された時にかつアダプタ670が同じく取り外し可能にプラグ690に接続された時のシステムの構成要素を示している。図示のように、本発明のシステムがこの状態にある時に、フェルール620は、基板600の基板本体602に向けて押し付けられるとすることができる。一部の実施形態では、フェルール620を基板本体602に対して完全に押し付けることができるが、一部の実施形態では間隙を維持することができる。プラグ690は、1又は2以上のセクションを備えることができる。図示の実施形態では、第1のセクション692と第2のセクション694が設けられる。プラグ690は、内部凹部を定めることができ、プラグは、内部凹部内に光ファイバ(例えば、
図8の868)を受け入れてそれに取り外し可能に又は恒久的に接続するように構成することができる。プラグ690は、IEC 61754-7に準拠した多ファイバプッシュ-オン(MPO)コネクタとすることができる。
【0062】
プラグ690は、少なくとも1つのガイドピン孔(例えば、
図7Cの725)を定めることができ、これは、ガイドピン654の第2の端部を受け入れるように構成される。ガイドピン孔725は、プラグ690の内面の中に定めることができる。一部の実施形態では、プラグ690は、フェルール620を備えることができ、ガイドピン孔725をフェルール620内に定めることができる。ガイドピン654の第2の端部は、ガイドピン孔725と係合してプラグ690の光ファイバ(例えば、
図8の868)を基板600内の1又は2以上の導波路と位置合わせするように構成することができる。
【0063】
一部の実施形態では、アダプタ670は、第1の側と第2の側を備えることができる。第2の側673は、第1の側671に対向することができる。アダプタ670は、基板600又はその基板本体602を第1の側671で受け入れるように構成することができ、かつ第2の側673でプラグ690に取り外し可能に接続するように構成することができる。
【0064】
明確にするために、
図6D及び6Eにはカバー650を示していない。しかし、例えば、
図1B、6F及び7Aに示すように、カバー650を提供することができる。
図6F及び
図6Gは、
図6Dに示すある一定の構成要素の様々な図であり、カバー650を表示している。
図6Fが斜視図であるのに対して、
図6Gは断面図である。
図6Gに示す断面図により、プラグ690の内側部分をより容易に見ることができる。図示のように、バネ633を提供することができる。フェルール620は、バネ633と基板600の間に位置決めされ、フェルール620は、1又は2以上の光ファイバと少なくとも1つのガイドピン654とを受け入れるように構成される。ガイドピン654がプラグ690及びフェルール620に向けてシフトされた時に、バネ633は、フェルール620に対して力を発生し、フェルール620を基板600に向けて押し付けるように構成することができる。一部の実施形態では、フェルール620は、機械的伝達(MT)フェルールとすることができる。一部の実施形態では、バネ633は、フェルール620を基板600の基板本体602に対して押し付けるように構成される。ある一定の実施形態では、バネ633は、1又は2以上の光ファイバの端面と基板の1又は2以上の光導波路との間に間隙を残しながらフェルール620を基板600の近くに押し付けるように構成される。反射防止コーティング又は屈折率整合材料を間隙に及び1又は2以上の光ファイバの端面に対して堆積させることができる。これは、基板600の基板本体602に対するバネ633が発生する力の量を低減しながら、接続の望ましい特性(例えば、低い後方反射、低い挿入損失)を維持するのに有益である可能性がある。一部の実施形態では、バネ633が発生する力は、1Nと25Nの間であり、反射防止コーティング又は屈折率整合材料は、1又は2以上の光ファイバ(例えば、
図8の868)と1又は2以上の光導波路とに接触する。一部の実施形態では、バネは、1Nと15Nの間の力だけを提供することができ、別の実施形態では、バネは、1Nと5Nの間の力だけを提供することができる。
【0065】
図7A及び7Bは、アダプタとプラグを互いに係合解除させた時の例示的システムの構成要素を示している。
図7Bは、プラグの内側部分が見えるようにした断面図である。
図7A及び
図7Bは、
図6A及び6Bに提示したものと類似のいくつかの構成要素を含む。例えば、ガイドピン754は、基板700の基板本体702に取り外し可能に又は恒久的に接続させることができ、カバー750は、ガイドピン754を取り外し可能に又は恒久的に接続することを支援することができる。接着剤も、ガイドピン754に恒久的に接続することを支援するのに使用することができる。基板本体702は、アダプタ770が定める間隔内に受け入れることができ、アダプタ770は、基板本体702に取り外し可能に又は恒久的に接続するように構成することができる。
【0066】
図7Aに示すように、第1のセクション792及び第2のセクション794を有するプラグ790を提供することができる。更に、プラグ790の内側凹部内にフェルール720を設けることができる。このフェルール720は、1又は2以上のガイド孔725を備えることができ、これらのガイド孔725は、ガイドピン754を受け入れてそれに取り外し可能に又は恒久的に接続するように構成することができる。プラグ790はまた、雄部分791を備えることができる。この雄部分791は、空隙677(例えば、
図6A)の中に受け入れられるように構成することができる。雄部分791は、空隙677の形状にほぼ適合する形状を有することができ、雄部分791が空隙677内に緊密に嵌合するように、この2つはサイズが類似とすることができる。雄部分791は、その周囲の周りに輪郭を定めることができ、これらの輪郭は、アダプタ770に対するプラグ790の移動を抑制することを更に支援することができる。雄部分791はまた、延長部793を備えることができ、この延長部793は、スナップ特徴部(例えば、
図6Cに示すスナップ特徴部675)と係合してプラグ790とアダプタ770を取り外し可能に互いに接続するのを支援するように構成することができる。
【0067】
図7Cは、フェルール720の拡大図を示しており、フェルール720内のガイド孔725を見ることができる。図示のように、ガイドピン754は、ガイド孔725内に受け入れられるように構成することができる。ガイドピン754がガイド孔725内に受け入れられた状態で、この係合は、プラグ790(
図7A)の光ファイバ(例えば、
図8の868)を基板700内の導波路と位置合わせするのを支援することができる。
【0068】
図8は、光ファイバを基板の導波路と位置合わせするための別の例示的システムの斜視図である。この実施形態では、第1のセクション892、第2のセクション894、及び第3のセクション896を有するプラグ890を使用する。この実施形態では、9.8Nバネ及び16本の光ファイバ、並びに2列MTP(登録商標)-16フェルールを使用することができる。一部の実施形態では、複数のプラグ890を基板本体802のエッジに沿って提供することができ、これはラック又はデータセンターに対して有利である可能性がある。一部の実施形態では、16個のプラグ890を基板本体802に取り外し可能に接続することができるが、基板本体802のサイズ及び形状に応じて更に多くのプラグ890を使用することができる。
【0069】
一部の実施形態では、米国Conec,Ltd.(ノースカロライナ州ヒッコリー)が提供するMDCコネクタ(「ミニデュプレックスコネクタ」と呼ぶ場合もある)及びSenko Advanced ComponentsInc.(マサチューセッツ州マールボロ)が提供するSNコネクタ(Senko次世代コネクタと呼ぶ場合もある)のような超小型形状因子(VSFF)コネクタを使用することができる。
図9A及び9Bは、そのようなVSFFコネクタ、特にMDCコネクタ、例えば、プラグ990と共に使用することができるアダプタ970を示している。
図9Aは、別の例示的アダプタ970の斜視図であり、アダプタ970が基板900に取り外し可能に又は恒久的に接続されており、
図9Bは、
図9Aに示す構成要素の斜視図であり、プラグ990が表示され、アダプタ970に取り外し可能に接続されている。図示のように、基板本体902を有する基板900を提供することができる。この基板900は、他の図と関連して説明した類似の基板の他の特徴部を備えることができる。例えば、基板900は、少なくとも1つのガイドピンと、1又は2以上の導波路と、ガイドピンを受け入れてガイドピンに取り外し可能に又は恒久的に接続することができる基板本体内の受け入れ特徴部とを備えることができる。アダプタ970は、より小さい高さと幅を有することができ、これは、ファイバ密度の増大をもたらす可能性がある。例えば、フェルールのサイズを幅5mmまで小さくし、及び/又は各プラグに受け入れられるファイバの数を増すことにより(16本ではなく、24又は32本のファイバを使用することができる)、ファイバ密度を増大させることができる。ファイバ密度はまた、ファイバ被覆直径を例えば125μmから80μmに低減することにより、及び/又は2又は3以上のコアを有する多コアファイバを使用することによって増大させることができる。
【0070】
アダプタ970は、1ペアの対向壁972を備えることができ、これらの対向壁972は、壁の間の間隔974を定めることができる。この間隔の間隔サイズは、基板本体902の厚みに対応することができる。アダプタ970はまた、プラグ990を受け入れることができる空隙977を定めることができる。この空隙977は、プラグ990が空隙977内に緊密に嵌合することができるような形状を有することができる。更に、1又は2以上の接続特徴部を使用して、プラグ990をアダプタ970内に取り外し可能に接続することができる。プラグ990は、1又は2以上のセクションを備えることができる。この実施形態では、プラグ990は、第1のセクション992と第2のセクション994を備える。しかし、他の実施形態では異なる数のセクションを使用することができる。
図9Bに示すように、1又は2以上の光ファイバ968をプラグ990内に受け入れることができ、光ファイバ968は、プラグ990を通ってプラグ990内のフェルールまで延びることができる。
【0071】
図10は、本明細書に議論する一部の実施形態による基板内の位置合わせ特徴部の概略図である。基板1000は、基板本体1002を備える。基板本体1002は、第1の面1003と、第1の面1003内の位置合わせ特徴部1005とを定める。本明細書に議論するように、位置合わせ特徴部1005は、アダプタ(例えば、アダプタ670)の突起を受け入れて基板1000上へのアダプタの適正な位置合わせを保証するように構成することができる。しかし、他の実施形態では、位置合わせ特徴部1005は、クリップ676の第1のセクション679(
図6)を受け入れるように構成することができる。位置合わせ特徴部1005は、一部の実施形態ではトレンチとすることができ、このトレンチは、一部の実施形態ではアダプタの突起を保持するように構成することができる。一部の実施形態では、基板本体1002に位置合わせ特徴部1005は、エッチングで付加することができる。一部の実施形態では、位置合わせ特徴部1005は、光学区域の外側に設けることができる。この位置合わせ特徴部により、アダプタ670と基板1000及びそこにある導波路との受動位置合わせが有利に可能になる。
【0072】
図10に示すように、位置合わせ特徴部1005は、深さが約0.22mmとすることができ(
図10で垂直方向に測定)、位置合わせ特徴部1005は、幅が約0.82mmとすることができ(
図10で水平方向に測定)、基板1000の基板本体1002は、厚みが約0.7mmとすることができる(
図10で垂直方向に測定)。
【0073】
図11は、本明細書に議論する一部の実施形態による基板を1又は2以上の光ファイバと位置合わせする例示的方法を示す流れ図である。
【0074】
様々な構成要素を提供する。作動1180でアダプタを提供し、このアダプタは、対向壁間の間隔を定める1ペアの対向壁を有することができる。少なくとも1つのガイドピンと1又は2以上の導波路とを有する基板を作動1182で提供する。ガイドピンは、第1の端部と第2の端部を定めることができる。基板はまた、基板本体を備えることができ、この基板本体は、ガイドピンの第1の端部に取り外し可能に又は恒久的に接続する受け入れ特徴部を有することができる。ガイドピンの第2の端部は、基板本体から外向きに延びることができる。
【0075】
他の構成要素も提供することができる。作動1184で、プラグを備えるコネクタを提供し、このプラグは、少なくとも1つのガイドピン孔を定め、かつ1又は2以上の光ファイバを備えることができる。プラグはまた、ガイドピン孔を有するフェルールを備えることができる。
【0076】
作動1186で、本明細書に説明するように、アダプタを基板に取り付ける。次に、作動1188で、プラグのガイドピン孔及び/又はフェルールのガイドピン孔の中にガイドピンを受け入れる。最後に、作動1190でプラグをアダプタ内に取り付け、それにより、本明細書に説明するように、光ファイバと基板の導波路との位置合わせが行われる。
【0077】
基板を1又は2以上の光ファイバと位置合わせするためのシステムを組み立てるために様々な手法を使用することができる。
図11は、基板を1又は2以上の光ファイバと位置合わせするように実行することができる作動を示す流れ図の一例である。本明細書に説明する作動は、特に断りのない限り、あらゆる順序で実行することができる。更に、追加の作動を実行することができ、一部の作動は省略することができる。
【0078】
従って、本発明が広範な有益性及び適用性を許容することは当業者には容易に理解されるであろう。本明細書に説明したものを除く本発明の多くの実施形態及び適応化、及び多くの変形、修正、及び均等物配置は、本発明の要旨又は範囲から逸脱することなく本発明及びその以上の説明から明らかになり、又はそれらによって合理的に示唆されることになる。従って、本発明をその好ましい実施形態に関連して本明細書に詳細に説明したが、本発明の開示は、本発明を説明かつ例示するものに過ぎず、単に本発明の完全で有効な開示を提供することを目的に生成されたものであることは理解されるものとする。以上の開示は、本発明を限定すること、又はそのような他の実施形態、適応化、変形、修正、及び均等物配置を排除することを意図するものではなく、又はそのように解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0079】
600 基板
620 フェルール
654 ガイドピン
690 プラグ
692 プラグの第1のセクション
【手続補正書】
【提出日】2023-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を光ファイバと位置合わせするためのシステムであって、
前記光ファイバと、
基板であって、
1又は2以上の光導波路、
第1の端部と第2の端部とを定める少なくとも1つのガイドピン、及び
前記少なくとも1つのガイドピンの前記第1の端部を受け入れてそれに接続するように構成された受け入れ特徴部を備える基板本体であって、該少なくとも1つのガイドピンのための該第1の端部が該基板本体内に受け入れられてそこに接続され、該少なくとも1つのガイドピンのための該第2の端部が該基板本体から外向きに延びる前記基板本体、
を備える、基板と、
対向壁のペア間の間隔を定める1ペアの対向壁を備えるアダプタであって、該間隔の間隔サイズが前記基板本体の厚みに対応し、該アダプタが、該基板本体を該対向壁のペア間に受け入れてそれに接続するように構成される前記アダプタと、
前記少なくとも1つのガイドピンの前記第2の端部を受け入れるように構成された少なくとも1つのガイドピン孔を定めるプラグであって、前記光ファイバを受け入れてそれに接続するように構成される前記プラグと、
を備え、
前記アダプタと前記プラグは、互いに接続されるように構成され、前記少なくとも1つのガイドピンの前記第2の端部は、前記少なくとも1つのガイドピン孔と係合して該プラグの前記光ファイバを前記1又は2以上の光導波路と位置合わせするように構成され、該アダプタと前記基板本体の接続及び該アダプタと該プラグの接続が、前記基板に対する該光ファイバの移動を抑制する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記アダプタは、クリップを備え、
前記クリップは、前記間隔の中に延びてそれに向けて付勢される第1のセクションを備え、
前記クリップの前記第1のセクションは、前記基板本体が前記対向壁のペア間に位置決めされた時に該基板本体に対する力を与えて前記基板への前記アダプタの接続を支援するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アダプタは、クリップを備え、
前記クリップは、前記基板の前記基板本体に押圧して前記アダプタに対する該基板の移動を抑制する第1のセクションを備え、
前記第1のセクションは、前記間隔のサイズが変わるように該第1のセクションに印加される力の量に応じてシフトするように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記基板本体は、第1の面と該第1の面内の位置合わせ特徴部とを定め、
前記位置合わせ特徴部は、前記アダプタの突起を受け入れて前記基板への該アダプタの接続中に該アダプタの位置合わせを支援するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プラグは、多ファイバプッシュ-オン(MPO)コネクタであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記アダプタと前記基板を互いに恒久的に接続するように構成された接着剤を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記プラグは、フェルールとバネを更に備え、
前記フェルールは、前記基板と前記バネの間に位置決めされ、
前記フェルールは、前記光ファイバと前記少なくとも1つのガイドピンとを受け入れるように構成され、
前記少なくとも1つのガイドピンが前記プラグに向けてシフトされる時に、前記バネは、前記フェルールに対する力を発生して該フェルールを前記基板に向けて押し付ける、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記バネは、前記フェルールを前記基板に対して押し付けるように構成されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記フェルールは、機械的伝達(MT)フェルールであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
反射防止コーティング又は屈折率整合材料を更に備え、
前記光ファイバは、端面を備え、
前記バネは、前記光ファイバの前記端面と前記基板の前記1又は2以上の光導波路との間に間隙を残しながら前記フェルールを該基板の近くに押し付けるように構成され、
前記反射防止コーティング又は前記屈折率整合材料は、前記端面に対して堆積される、
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記バネによって発生される前記力は、1Nと25Nの間であり、反射防止コーティング又は屈折率整合材料が、前記光ファイバと前記1又は2以上の光導波路とに接触することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記バネによって発生される前記力は、1Nと5Nの間であり、反射防止コーティング又は屈折率整合材料が、前記光ファイバと前記1又は2以上の光導波路とに接触することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記受け入れ特徴部は、前記少なくとも1つのガイドピンの前記第1の端部に取り外し可能に接続するように構成され、
前記少なくとも1つのガイドピンのための前記第1の端部は、前記基板本体内に恒久的に接続され、
前記アダプタは、前記基板本体に取り外し可能に接続するように又は恒久的に接続するように構成され、
前記プラグは、前記光ファイバに恒久的に接続するように構成され、
前記アダプタと前記プラグは、互いに取り外し可能に接続されるように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記受け入れ特徴部は、トレンチであり、
前記トレンチは、2つの側縁、及び底面を備え、
前記トレンチは、前記少なくとも1つのガイドピンが前記底面に接触することなく前記2つの側縁に当接するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記受け入れ特徴部は、トレンチであり、
前記トレンチは、少なくとも2つの側壁を備え、
前記トレンチは、前記少なくとも1つのガイドピンが前記少なくとも2つの側壁に当接するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記受け入れ特徴部は、トレンチであり、
前記トレンチは、レーザベースの手法を使用して形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記基板は、アタッチメントを備え、
前記受け入れ特徴部は、前記アタッチメント上に設けられ、前記基板は、該アタッチメントを受け入れてそれと接続するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記1又は2以上の光導波路は、埋め込み型光導波路であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記1又は2以上の光導波路は、表面光導波路であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
基板を光ファイバと接続するためのアダプタであって、
対向壁のペア間の間隔を定める1ペアの対向壁、
を備え、
アダプタが、前記基板とプラグの間に接続されるように構成され、前記間隔の間隔サイズが、該基板の基板本体の厚みに対応し、アダプタが、該基板本体を前記対向壁のペア間に受け入れるように構成され、アダプタが、該プラグに接続されるように構成され、アダプタと該基板本体の接続及びアダプタと該プラグの接続が、該基板に対する前記光ファイバの移動を抑制し、アダプタが、該基板内の1又は2以上の光導波路を該プラグに接続された該光ファイバと適正に接続するように構成される、
ことを特徴とするアダプタ。
【請求項21】
前記間隔の中に延びてそれに向けて付勢される第1のセクションを備えるクリップであって、該クリップの該第1のセクションが、前記基板本体が前記対向壁のペア間に位置決めされた時に該基板本体に対する力を与えて前記基板へのアダプタの接続を支援するように構成される前記クリップ、
を更に備えることを特徴とする請求項20に記載のアダプタ。
【請求項22】
前記クリップは、前記基板に対する前記光ファイバの移動を抑制するように構成されることを特徴とする請求項21に記載のアダプタ。
【請求項23】
アダプタが、フェルールを受け入れるように構成された空隙を定め、
前記空隙は、前記フェルールが前記基板に当接することを可能にするように位置決めされる、
ことを特徴とする請求項20に記載のアダプタ。
【請求項24】
基板を光ファイバと位置合わせする方法であって、
対向壁のペア間の間隔を定める1ペアの対向壁を有するアダプタを与える段階と、
1又は2以上の光導波路と、第1の端部及び第2の端部を定める少なくとも1つのガイドピンと、基板本体とを有する前記基板を与える段階であって、該基板本体が、該少なくとも1つのガイドピンの該第1の端部と接続する受け入れ特徴部を有する前記与える段階と、
少なくとも1つのガイドピン孔を定めて前記光ファイバを含むプラグを与える段階と、
前記アダプタを前記基板に取り付ける段階と、
前記プラグを前記アダプタに取り付ける段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つのガイドピンを前記プラグの前記少なくとも1つのガイドピン孔と位置合わせする段階と、
前記少なくとも1つのガイドピンの前記第2の端部を前記少なくとも1つのガイドピン孔に受け入れる段階と、
を更に備えることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【国際調査報告】