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特表2024-519223エアロゾル生成装置、及び該エアロゾル生成装置のヒータ温度制御方法
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  • 特表-エアロゾル生成装置、及び該エアロゾル生成装置のヒータ温度制御方法 図1
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  • 特表-エアロゾル生成装置、及び該エアロゾル生成装置のヒータ温度制御方法 図7
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  • 特表-エアロゾル生成装置、及び該エアロゾル生成装置のヒータ温度制御方法 図11
  • 特表-エアロゾル生成装置、及び該エアロゾル生成装置のヒータ温度制御方法 図12
  • 特表-エアロゾル生成装置、及び該エアロゾル生成装置のヒータ温度制御方法 図13
  • 特表-エアロゾル生成装置、及び該エアロゾル生成装置のヒータ温度制御方法 図14
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-09
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置、及び該エアロゾル生成装置のヒータ温度制御方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/57 20200101AFI20240430BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20240430BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20240430BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/53
A24F40/51
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570250
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 KR2022008843
(87)【国際公開番号】W WO2023277438
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0085043
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム、トン スン
(72)【発明者】
【氏名】リ、スン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ソク ス
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テ ナム
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA06
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC34
4B162AD06
4B162AD23
(57)【要約】
本発明の一実施例は、シガレットのエアロゾル生成基質を加熱するヒータ、シガレット挿入口を介して挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断し、挿入されたシガレットがウェットシガレットであることに基づき、ウェットシガレットに対応する専用温度プロファイル(dedicated temperature profile)を基に、ヒータの温度を制御する制御部と、を含むエアロゾル生成装置を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シガレットのエアロゾル生成基質を加熱するヒータと、
シガレット挿入口を介して挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断し、前記挿入されたシガレットがウェットシガレットであることに基づき、ウェットシガレットに対応する専用温度プロファイル(dedicated temperature profile)を基に、前記ヒータの温度を制御する制御部と、を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記シガレットが挿入され、既設定の第1温度プロファイルを基に、前記ヒータの温度を昇温させていて、第1時間が経過すれば、前記挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記ヒータが加熱され始めてから第1時間が経過した時点の前記ヒータの温度上昇率を基に、前記挿入されたシガレットが、前記ウェットシガレットであるか否かということを判断する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記ヒータが加熱され始めてから第1時間が経過した時点における前記ヒータの温度を基に、前記挿入されたシガレットが、前記ウェットシガレットであるか否かということを判断する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記装置は、
前記シガレット挿入口に隣接して配された少なくとも1つのキャパシタを含み、
前記キャパシタのキャパシタンスは、
前記シガレット挿入口に挿入されるシガレットの湿気量によって異なり、
前記制御部は、
前記キャパシタンスを基に、前記挿入されたシガレットが、前記ウェットシガレットであるか否かということを判断する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記挿入されたシガレットが、前記ウェットシガレットであることに基づき、前記シガレットに含まれた湿気量に基づき、既設定の複数の専用温度プロファイルのうち一つを選択するように構成された、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記エアロゾル生成装置の最近使用された使用時点を検出するように構成され、
前記検出された時点が、所定時間以内であることに基づき、前記専用温度プロファイルとは異なる第2専用温度プロファイルを基に、前記ヒータの温度を制御するように構成された、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記シガレットが挿入された場合、前記ヒータの温度を基に、前記最近使用された使用時点を検出する、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記シガレットが挿入された時点の前記ヒータの温度が、50℃ないし150℃の範囲に属する値であるならば、前記第2専用温度プロファイルを基に、前記ヒータの温度を制御する、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記専用温度プロファイルは、
一般シガレットに係わる基本温度プロファイルを調整して算出された、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記専用温度プロファイルは、
前記基本温度プロファイルにおいて、前記ヒータの温度が最高値に達する時点が、所定時間遅延されることによって計算された、請求項10に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
シガレット挿入口にシガレットが挿入されたことを感知する段階と、
前記挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断する段階と、
前記挿入されたシガレットがウェットシガレットであることに基づき、前記ウェットシガレットに対応する専用温度プロファイルでもって、ヒータの温度を制御する段階と、を含む、エアロゾル生成装置のヒータ温度制御方法。
【請求項13】
前記方法は、
前記エアロゾル生成装置の最近使用された使用時点を検出する段階をさらに含み、
前記ヒータの温度を制御する段階は、
前記検出された時点が、所定時間以内であることに基づき、前記専用温度プロファイルとは異なる第2専用温度プロファイルでもって、前記ヒータの温度を制御する、請求項12に記載のエアロゾル生成装置のヒータ温度制御方法。
【請求項14】
前記専用温度プロファイルは、
一般シガレットに係わる基本温度プロファイルを調整して算出された温度プロファイルである、請求項12に記載のエアロゾル生成装置のヒータ温度制御方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法を実行させるためのプログラムを保存している、コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置、及び該エアロゾル生成装置のヒータ温度を制御する方法であり、さらに具体的には、挿入されるシガレットの種類とかかわりなく、正常動作が可能な汎用型エアロゾル生成装置、及び該装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法を求める需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させず、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることによってエアロゾルが生成される方法を求める需要が増大している。それにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成装置に装着されて使用されるシガレットが過度な水分に露出されれば、ウェットシガレットまたは過湿シガレットとも呼ばれる。一般シガレットに含まれた水分(湿気量)を公知された方式で測定する場合、11~12%程度が測定値として出てが、水分12%を超えるシガレットをウェットシガレット、水分14%を超える場合、過湿シガレットに分類しうる。以下においては、一般シガレットの水分含量よりさらに多量の水分含量値を有するシガレットを、ウェットシガレットと総称する。
【0004】
一般シガレットがウェットシガレットに変わる場合は、さまざまがある。例えば、ユーザの保管未熟により、シガレットを保管するたばこ箱が直接水に浸かった後、十分に乾燥されなければ、たばこ箱内のシガレットは、ウェットシガレットにもなる。他の例として、梅雨時や雨季が別途に存在する国家や地域において、シガレットをひんやりしたところに保管しなければ、高い湿度により、シガレットの水分含量が持続的に増加し、一般シガレットがウェットシガレットに変わってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウェットシガレットをエアロゾル生成装置に使用するとき、高い水分含量により、エアロゾル生成装置の正常動作が不可能にもなる。例えば、エアロゾルが過度に加熱されうる。
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、ウェットシガレットが使用されるときにおいてさえも、適当な温度でもって、エアロゾルを安定して生成することができるエアロゾル生成装置と、該エアロゾル生成装置のヒータ温度制御方法とを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施形態による装置は、シガレットのエアロゾル生成基質を加熱するヒータと、シガレット挿入口を介して挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断し、前記挿入されたシガレットがウェットシガレットである場合、前記ウェットシガレットに対応する専用温度プロファイル(dedicated temperature profile)を基に、前記ヒータの温度を制御する制御部と、を含む。
【0008】
前記装置において、前記制御部は、前記シガレットが挿入され、既設定の第1温度プロファイルを基に、前記ヒータの温度を昇温させていて第1時間が経過すれば、前記挿入されたシガレットが、前記ウェットシガレットであるか否かということを判断することができる。
【0009】
前記装置において、前記制御部は、前記ヒータが加熱され始めてから第1時間が経過した時点のヒータの温度上昇率を基に、前記挿入されたシガレットが、前記ウェットシガレットであるか否かということを判断することができる。
【0010】
前記装置において、前記制御部は、前記ヒータが加熱され始めてから第1時間が経過した時点における前記ヒータの温度を基に、前記挿入されたシガレットが、前記ウェットシガレットであるか否かということを判断することができる。
【0011】
前記装置は、前記シガレット挿入口に隣接して配された少なくとも1つのキャパシタを含み、前記キャパシタのキャパシタンスは、前記シガレット挿入口に挿入されるシガレットの湿気量によって異なり、前記制御部は、前記キャパシタンスを基に、前記挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断することができる。
【0012】
前記装置において、前記制御部は、前記挿入されたシガレットがウェットシガレットであるならば、前記シガレットに含まれた湿気量により、既設定の複数の専用温度プロファイルのうち一つを選択し、前記ヒータの温度を制御することができる。
【0013】
前記装置において、前記制御部は、前記エアロゾル生成装置の最も最近使用された使用時点を検出し、前記検出された時点が、所定時間以内であることに基づき、専用温度プロファイルとは異なる第2専用温度プロファイルを基に、前記ヒータの温度を制御することができる。
【0014】
前記装置において、前記制御部は、前記シガレットが挿入された時点の前記ヒータの温度を基に、前記使用時点を検出することができる。
【0015】
前記装置において、前記制御部は、前記シガレットが挿入された時点の前記ヒータの温度が、50℃ないし150℃の範囲に属する値であるならば、前記第2専用温度プロファイルを基に、前記ヒータの温度を制御することができる。
【0016】
前記装置において、前記専用温度プロファイルは、一般シガレットに係わる基本温度プロファイルを調整して算出されうる。
【0017】
前記装置において、前記専用温度プロファイルは、前記基本温度プロファイルにおいて、前記ヒータの温度が最高値に達する時点が、所定時間遅延されることによって計算されうる。
【0018】
前記技術的課題を解決するための本発明の他の一実施形態による方法は、シガレット挿入口にシガレットが挿入されたことを感知する段階と、前記挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断する段階と、前記挿入されたシガレットがウェットシガレットであるならば、ウェットシガレットに対応する専用温度プロファイルでもって、ヒータの温度を制御する段階と、を含む。
【0019】
前記方法は、前記エアロゾル生成装置の最も最近使用された使用時点を検出する段階をさらに含み、前記ヒータの温度を制御する段階は、前記検出された時点が、所定時間以内であることに基づき、専用温度プロファイルとは異なる第2専用温度プロファイルでもって、前記ヒータの温度を制御することができる。
【0020】
前記方法において、前記専用温度プロファイルは、一般シガレットに係わる基本温度プロファイルを調整して算出された温度プロファイルでもある。
【0021】
本発明の一実施例は、前記方法のうちいずれか1つの方法を実行させるためのプログラムを保存しているコンピュータで読み取り可能な記録媒体を開示する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、エアロゾル生成装置にウェットシガレットが装着されても、ユーザに安定してエアロゾルを提供することができる。
【0023】
また、本発明によれば、エアロゾル生成装置にウェットシガレットが装着されても、エアロゾルが過熱されず、ユーザが安全に吸煙することができる。
【0024】
また、本発明によれば、エアロゾル生成装置の誤作動を起こすほどの過湿シガレットが装置に装着されれば、ヒータの加熱を中止させることにより、エアロゾル生成装置の致命的な破損を防止し、ユーザを事故から守ることができる。
【0025】
また、本発明によれば、連続使用が可能なエアロゾル生成装置にウェットシガレットが装着され、ユーザが連続して喫煙行為を行っても、ユーザに均一であって安定した喫煙満足感を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】エアロゾル生成装置に、シガレットが挿入された例を図示した図である。
図2】エアロゾル生成装置に、シガレットが挿入された例を図示した図である。
図3】エアロゾル生成装置に、シガレットが挿入された他の例を図示した図である。
図4】シガレットの一例を図示した図である。
図5】シガレットの他の一例を図示した図である。
図6図3の装置で使用される二重媒質シガレットの一例を図示した図である。
図7】本発明によるエアロゾル生成装置の一例の斜視図である。
図8図7で説明された装置の側面図である。
図9】シガレットまたはヒータの温度変化グラフを示したグラフである。
図10】本発明の一実施形態によるヒータ温度制御方法のフローチャートである。
図11】本発明の他の一実施形態によるヒータ温度制御方法のフローチャートである。
図12】本発明のさらに他の一実施形態によるヒータ温度制御方法のフローチャートである。
図13】ウェットシガレットの装着いかんを判断するためのキャパシタを含むエアロゾル生成装置の斜視図の一例である。
図14】制御部を構成するモジュールについて説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に従事する技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0028】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むものでもあるということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0029】
以下においては、添付図面を参照し、本発明の実施形態につき、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が、容易に実施することができるように詳細に説明する。しかしながら、本発明は、さまざまに異なる形態に具現されるが、ここで説明される実施形態に限定されるものではない。
【0030】
以下においては、図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0031】
図1及び図2は、エアロゾル生成装置に、シガレットが挿入された例を図示した図面である。
【0032】
図1及び図2を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、バッテリ120、制御部110、ヒータ130及び蒸気化器180を含む。また、エアロゾル生成装置10の内部空間には、シガレット200が挿入されうる。
【0033】
図1及び図2に図示されたエアロゾル生成装置10には、本実施形態と係わる構成要素が図示されている。従って、図1及び図2に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素が、エアロゾル生成装置10にさらに含まれるものでもあることは、本実施形態と係わる技術分野で通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0034】
また、図1及び図2には、エアロゾル生成装置10に、ヒータ130が含まれているように図示されているが、必要により、ヒータ130は、省略されもする。
【0035】
図1には、バッテリ120、制御部110、蒸気化器180及びヒータ130が一列に配されたところが図示されている。また、図2には、蒸気化器180及びヒータ130が並列に配されているように図示されている。しかしながら、エアロゾル生成装置10の内部構造は、図1または図2に図示されたところに限定されるものではない。言い換えれば、エアロゾル生成装置10の設計により、バッテリ120、制御部110、蒸気化器180及びヒータ130の配置は、変更されうる。
【0036】
シガレット200がエアロゾル生成装置10に挿入されれば、エアロゾル生成装置10は、蒸気化器180を作動させ、蒸気化器180からエアロゾルを発生させることができる。蒸気化器180によって生成されたエアロゾルは、シガレット200を通過し、ユーザに伝達される。蒸気化器180に係わる説明は、下記のところでさらに詳細に行う。
【0037】
バッテリ120は、エアロゾル生成装置10が動作するのに利用される電力を供給する。例えば、バッテリ120は、ヒータ130または蒸気化器180が加熱されうるように、電力を供給することができ、制御部110が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、バッテリ120は、エアロゾル生成装置10に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0038】
制御部110は、エアロゾル生成装置10の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部110は、バッテリ120、ヒータ130及び蒸気化器180だけではなく、エアロゾル生成装置10に含まれた他構成の動作を制御する。また、制御部110は、エアロゾル生成装置10の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置10が動作可能な状態であるか否かということを判断することもできる。
【0039】
制御部110は、少なくとも1つのプロセッサを含む。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0040】
ヒータ130は、バッテリ120から供給された電力によって加熱されうる。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置10に挿入されれば、ヒータ130は、シガレットの外部に位置しうる。従って、加熱されたヒータ130は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0041】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、電気伝導性トラック(track)が含まれ、電気伝導性トラックに電流が流れことにより、ヒータ130が加熱されうる。しかしながら、ヒータ130は、前述の例に限定されるものではなく、希望温度まで加熱されうるものであるならば、制限なしに該当しうる。ここで、該希望温度は、エアロゾル生成装置10に既設定のものでもあり、ユーザにより、所望温度にも設定される。
【0042】
なお、他の例として、ヒータ130は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的には、ヒータ130には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含むものでもあり、該シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタを含むものでもある。
【0043】
図1及び図2には、ヒータ130が、シガレット200の外部に配されるように図示されているが、それに限定されるものではない。例えば、ヒータ130は、管型加熱要素、板型加熱要素、針型加熱要素または棒型加熱要素を含むものでもあり、加熱要素の形態により、シガレット200の内部または外部を加熱することができる。
【0044】
また、エアロゾル生成装置10には、ヒータ130が複数個配されもする。このとき、複数個のヒータ130は、シガレット200の内部に挿入されるようにも配され、シガレット200の外部に配されもする。また、複数個のヒータ130のうち一部は、シガレット200の内部に挿入されるように配され、残りは、シガレット200の外部に配されうる。また、ヒータ130の形状は、図1及び図2に図示された形状に限定されるものではなく、多様な形状に作製されうる。
【0045】
蒸気化器180は、液状組成物を加熱し、エアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、シガレット200を通過し、ユーザに伝達されうる。言い換えれば、蒸気化器180によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置10の気流通路に沿って移動することができ、該気流通路は、蒸気化器180によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過し、ユーザに伝達されるように構成されうる。
【0046】
例えば、蒸気化器180は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。例えば、該液体保存部、該液体伝達手段及び該加熱要素は、独立したモジュールとして、エアロゾル生成装置10に含まれるものでもある。
【0047】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、該液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。該液体保存部は、蒸気化器180から/に脱着/付着されるようにも作製され、蒸気化器180と一体にも作製される。
【0048】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤またはビタミン混合物を含むものでもある。該香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物香成分などを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。該香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含むものでもある。該ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、該液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含むものでもある。
【0049】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、該液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックスのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0050】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、該加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、該加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントによっても構成され、また該液体伝達手段に巻き付けられる構造にも配される。該加熱要素は、電流供給によって加熱され、該加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0051】
例えば、蒸気化器180は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されるものではない。
【0052】
なお、エアロゾル生成装置10は、バッテリ120、制御部110及びヒータ130以外に、汎用的な構成をさらに含むものでもある。例えば、エアロゾル生成装置10は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ、及び/または触覚情報の出力のためのモータを含むものでもある。また、エアロゾル生成装置10は、少なくとも1つのセンサ(パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含むものでもある。また、エアロゾル生成装置10は、シガレット200が挿入された状態においても、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出される構造にも作製されうる。
【0053】
図1及び図2には、図示されていないが、エアロゾル生成装置10は、別途のクレードルと共に、システムを構成することもできる。例えば、該クレードルは、エアロゾル生成装置10のバッテリ120の充電に利用されうる。または、該クレードルとエアロゾル生成装置10とが結合された状態で、ヒータ130が加熱されもする。
【0054】
シガレット200は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット200は、エアロゾル生成物質を含む第1部分と、フィルタなどを含む第2部分とに区分されうる。または、シガレット200の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれるものでもある。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が、第2部分に挿入されもする。
【0055】
エアロゾル生成装置10の内部には、第1部分全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置10の内部に、該第1部分の一部だけ挿入され、また該第1部分、及び該第2部分の一部が挿入されもする。ユーザは、該第2部分を口にした状態で、エアロゾルを吸入することができる。このとき、該エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することによって生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過し、ユーザの口に伝達される。
【0056】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置10に形成された少なくとも1つの空気通路を介して流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置10に形成された空気通路の開閉、及び/または該空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。それにより、霧化量、喫煙感などが、ユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、シガレット200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介し、シガレット200の内部に流入されもする。
【0057】
図3は、エアロゾル生成装置に、シガレットが挿入された他の例を図示した図面である。
【0058】
図3のところと、図1及び図2を介して説明されたエアロゾル生成装置とを比較すれば、蒸気化器180が省略されていることを知ることができる。図3に図示されたエアロゾル生成装置に挿入される二重媒質シガレット300に、蒸気化器180の機能を遂行する要素が含まれているので、図3によるエアロゾル生成装置には、図1及び図2に図示されたエアロゾル生成装置と異なり、蒸気化器180が含まれていない。
【0059】
図3によるエアロゾル生成装置10は、二重媒質シガレット300が挿入されれば、二重媒質シガレット300を外部加熱することにより、二重媒質シガレット300から、ユーザが吸入可能なエアロゾルが生成されうるようにする。また、二重媒質シガレット300については、図6を介し、具体的に説明する。
【0060】
以下、図4を参照し、シガレット200の一例について説明する。
【0061】
図4は、シガレットの一例を図示した図面である。
【0062】
図4を参照すれば、シガレット200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。図1及び図2を参照して説明された第1部分は、タバコロッド210を含み、第2部分は、フィルタロッド220を含む。
【0063】
図4には、フィルタロッド220が単一セグメントとして図示されているが、それに限定されるものではない。言い換えれば、フィルタロッド220は、複数のセグメントによっても構成される。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント、及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含むものでもある。また、必要により、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含むものでもある。
【0064】
シガレット200は、少なくとも1枚のラッパ240によって包装されうる。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出される少なくとも1つの孔が形成されうる。一例として、シガレット200は、1枚のラッパ240によって包装されうる。他の例として、シガレット200は、2枚以上のラッパ240によって重畳的に包装されもする。例えば、第1ラッパにより、タバコロッド210が包装され、第2ラッパにより、フィルタロッド220が包装されうる。そして、個別ラッパによって包装されたタバコロッド210及びフィルタロッド220が結合され、第3ラッパにより、シガレット200全体がさらに包装されうる。もしタバコロッド210またはフィルタロッド220それぞれが、複数のセグメントによって構成されているのであるならば、それぞれのセグメントが、個別ラッパによって包装されうる。そして、該個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたシガレット200全体が他のラッパによってさらに包装されうる。
【0065】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、該エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含むものでもある。また、タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤のような加香液が、タバコロッド210に噴射されることによっても添加される。
【0066】
タバコロッド210は、多様に作製されうる。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく刻まれた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド210は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それらに限定されるものではない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を等しく分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させることができ、それにより、タバコ味を向上させることができる。また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能を行うことができる。このとき、図面に図示されていないが、タバコロッド210は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも、追加のサセプタをさらに含むものでもある。
【0067】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱型(cylindrical type)ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ型(tube type)ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス型ロッドでもある。もしフィルタロッド220が、複数のセグメントで構成されている場合、複数のセグメントのうち少なくとも一つが、異なる形状に作製されもする。
【0068】
フィルタロッド220は、香味が発生されるように作製されもする。一例として、フィルタロッド220に加香液が噴射され、また該加香液が塗布された別途の繊維が、フィルタロッド220の内部に挿入されもする。
【0069】
また、フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれるものでもある。ここで、カプセル230は、香味を発生させる機能を遂行することもでき、エアロゾルを発生させる機能を遂行することもできる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル230は、球形または円筒状の形状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0070】
もしフィルタロッド220に、エアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、該冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、該冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸だけによって作製されうるが、それに限定されるものではない。または、該冷却セグメントは、複数の孔があいた酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかしながら、該冷却セグメントは、前述の例に限定されるものではなく、エアロゾルが冷却される機能を遂行することができるものであるならば、制限なしに該当しうる。
【0071】
なお、図4には、図示されていないが、一実施形態によるシガレット200は、前端フィルタをさらに含むものでもある。該前端フィルタは、タバコロッド210において、フィルタロッド220に反対となる一側に位置する。該前端フィルタは、タバコロッド210が外部に離脱されることを防止することができ、喫煙中、タバコロッド210から、液状化されたエアロゾルが、エアロゾル発生装置100(図1図2)に流れ出すことを防止することができる。
【0072】
図5は、シガレットの他の一例を図示した図面である。
【0073】
図5を参照すれば、シガレット200は、十字チューブ205、タバコロッド210、並びにチューブ220a及びフィルタ220bが、最終ラッパ240によって覆い包まれる形態を有することを知ることができる。図5において、該ラッパは、十字チューブ205、タバコロッド210、チューブ220a、フィルタ220bをそれぞれ覆い包む個別ラッパと、該個別ラッパで覆い包まれた、十字チューブ205、タバコロッド210、チューブ220a、フィルタ220bを一つに覆い包む最終ラッパと、を含む。
【0074】
図1及び図2を参照して説明した第1部分は、十字チューブ205及びタバコロッド210を含み、第2部分は、フィルタロッド220を含む。説明の便宜のために、以下においては、図1及び図2を参照して説明し、図4で説明されたところと重複される説明は、省略する。
【0075】
十字チューブ205は、タバコロッド210に連結される十字状のチューブを意味する。
【0076】
シガレット200がエアロゾル生成装置に挿入されれば、十字チューブ205及びタバコロッド210は、シガレット感知センサによってセンシングされる部分である。十字チューブ205は、タバコロッド210と同一の銅合紙ラッパで覆い包まれ、シガレット感知センサが挿入されたシガレット200が、エアロゾル生成装置が支援する種類のシガレットであるか否かということ、例えば、シガレットとエアロゾル生成装置とが同一製造社によって製造されたものであるか否かということを把握するのに活用されうる。
【0077】
タバコロッド210は、エアロゾル生成装置10のヒータ130によって加熱され、エアロゾルを生成させるエアロゾル生成基質を含む。
【0078】
チューブ220aは、タバコロッド210のエアロゾル生成基質が、ヒータ130から十分な量のエネルギーを受けて加熱されるときに生成されるエアロゾルを、フィルタ220bに伝達する機能を遂行する。チューブ220aは、酢酸セルローストウに、可塑剤であるトリアセチン(TA)を一定以上加え、円形(circle)に成形する方式によって製造されるチューブであり、十字チューブ205と比較すれば、形態が異なるだけではなく、タバコロッド210とフィルタ220bとを連結する点において、配置上の違いがある。
【0079】
フィルタ220bは、タバコロッド210で生成されたエアロゾルがチューブ220aを介して伝達されれば、エアロゾルを通過させることにより、ユーザが、フィルタ220bによって濾過されたエアロゾルを吸入することができるようにする機能を遂行する。フィルタ220bは、酢酸セルローストウを基にして作製された酢酸セルロースフィルタでもある。
【0080】
最終ラッパ240は、十字チューブ205、タバコロッド210、チューブ220a及びフィルタ220bをそれぞれ覆い包む紙であり、十字チューブラッパ240b、タバコロッドラッパ240c、チューブラッパ240d及びフィルタラッパ240eをいずれも含むものでもある。
【0081】
図5において、十字チューブラッパ240bは、アルミニウム材質のラッパ、チューブ部220aは、MFWラッパまたは24Kラッパ、フィルタ220bは、耐油ハードラッパ、またはポリ乳酸材質の合紙によって覆い包まれる。タバコロッドラッパ240c及び最終ラッパ240については、以下においてさらに詳細に後述する。
【0082】
タバコロッドラッパ240cは、タバコロッド210を覆い包むラッパであり、ヒータ130によって伝達される熱エネルギーの効率性を極大化させるために、熱伝導性向上物質がコーティング(coating)されうる。例えば、タバコロッドラッパ240cは、銀(Ag)箔紙、アルミニウム(Al)箔紙、銅(Cu)箔紙、カーボン紙(carbon paper)、充填剤(filler)、セラミックス(AlN、Al)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、クエン酸ナトリウム(Na citrate)、クエン酸カリウム(K citrate)、アラミド繊維(aramid fiber)、ナノセルロース(nano cellulose)、ミネラル紙(mineral paper)、グラシン紙(glassine paper)、SWNT(single-walled carbon nanotube)のうち少なくとも一つが、一般ラッパまたは離型原紙にコーティングされる方式によって作製されうる。該一般ラッパは、広く知られたシガレットに適用されているラッパを意味し、手漉き紙(hand-made paper)試験を経て、紙製造作業性及び熱伝導性が、いずれも一定値以上を超える検証された材質によって作製された多孔性ラッパを意味する。
【0083】
また、本発明における最終ラッパ240は、タバコロッドラッパ240cにコーティングされる多様な物質のうち、充填剤、セラミックス、シリコンカーバイド、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、アラミド繊維、ナノセルロース、SWNTのうち少なくとも一つが、MFW原紙にコーティングされる方式によって作製されうる。
【0084】
図1及び図2で説明された外部加熱式エアロゾル生成装置10に含まれるヒータ130は、制御部110によって制御される対象であり、タバコロッド210に含まれているエアロゾル生成基質を加熱させ、エアロゾルが生成されるようにし、このとき、タバコロッド210に伝達される熱エネルギーは、放射熱75%、対流熱15%、伝導熱10%の比率で構成される。ある一実施形態により、タバコロッド210に伝達される熱エネルギーを構成する放射熱、対流熱、伝導熱の比率は、異なりうる。
【0085】
本発明は、ヒータ130が、エアロゾル生成基質に直接接触して熱エネルギーを伝達することができない特性上、迅速なエアロゾルの生成が困難であることを克服するために、前述のように、タバコロッドラッパ240c及び最終ラッパ240に、熱伝導性向上物質をコーティングし、タバコロッド210のエアロゾル生成基質に熱エネルギーが効率的に伝達されるように促進することにより、ヒータ130が十分に加熱される前の初期パフ時にも、ユーザに十分な量のエアロゾルを提供することができる。
【0086】
一実施形態により、タバコロッドラッパ240cまたは最終ラッパ240のうちいずれか一つについてのみ、熱伝導性向上物質がコーティングされもし、前述の例だけではなく、少なくとも一定に設定された値の熱伝導率を有する有機金属、無機金属、繊維、高分子素材が、タバコロッドラッパ240cまたは最終ラッパ240にコーティングされる方式により、本発明が具現されもする。
【0087】
図6は、図3の装置で使用される二重媒質シガレットの一例を図示した図面である。
【0088】
図6において、二重媒質シガレットという名称は、図4及び図5で説明されたシガレットと区別するための目的だけではなく、本発明に係わる説明を簡潔にさせるために命名されたものであり、本実施形態により、一般的なシガレットと同一に称されうる。
【0089】
図6を参照すれば、二重媒質シガレット300は、エアロゾル基材部310、媒質部320、冷却部330及びフィルタ部340が、最終ラッパ350によって覆い包まれる形態を有するということを知ることができる。図6において、最終ラッパ350は、エアロゾル基材部310、媒質部320及びフィルタ部340をそれぞれ覆い包む個別ラッパと、該個別ラッパによって覆い包まれたエアロゾル基材部310、媒質部320及びフィルタ部340と、を一つに覆い包む外被を意味する。
【0090】
エアロゾル基材部310は、パルプ(pulp)基盤の紙に保湿剤を含有させ、既設定の形態に成形した部分である。エアロゾル基材部310に入る保湿剤(基材)には、プロピレングリコール及びグリセリンがある。エアロゾル基材部310の保湿剤は、原紙重量対比で、一定重量比率を有するプロピレングリコール及びグリセリンが含まれる。エアロゾル基材部310は、二重媒質シガレット300が、図3のエアロゾル生成装置10に挿入されたとき、ヒータ130により、一定以上の温度に加熱されれば、保湿剤蒸気を生成する。
【0091】
媒質部320は、シート、ストランド、タバコシートが細かく刻まれた刻みタバコのうち1以上を含み、ユーザに喫煙経験を提供するために、ニコチンを発生させる部分である。媒質部320は、二重媒質シガレット300が、図3のエアロゾル生成装置10に挿入されても、ヒータ130から直接加熱されるものではなく、加熱されるエアロゾル基材部310及び媒質部320を覆い包んでいる媒質部ラッパ(または、最終ラッパ)から、伝導方式、対流方式及び輻射方式によって間接加熱されうる。本発明においては、媒質部320に含まれる媒質が達しなければならない温度が、エアロゾル基材部310に含まれた保湿剤が達しなければならない温度よりさらに低いという特性を考慮し、外部加熱式ヒータ130でもってエアロゾル基材部310を加熱した後、迂迴的に媒質部320の温度が上昇されるようにする。媒質部320に含まれた媒質の温度が一定以上の温度に上昇されれば、媒質部320から、ニコチン蒸気が生成される。
【0092】
一実施形態により、二重媒質シガレット300が、図3のエアロゾル生成装置10に挿入されたとき、媒質部320の一部が、ヒータ130と対向する方向になり、ヒータ130から加熱されもする。
【0093】
冷却部330は、所定重量の可塑剤を含むチューブフィルタによって作製され、エアロゾル基材部310及び媒質部320から生成された保湿剤蒸気及びニコチン蒸気が混合されてエアロゾル化(aerosolization)され、冷却部330を通過されながら冷却され、エアロゾル基材部310、媒質部320及びフィルタ部340とは異なるように、個別ラッパによって覆い包まれない。
【0094】
フィルタ部340は、酢酸セルロースフィルタでもあり、フィルタ部340の形状には、制限がない。フィルタ部340は、円柱型ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ型ロッドでもある。もしフィルタ部340が複数のセグメントでもって構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも一つが異なる形状に作製されもする。フィルタ部340は、香味が発生されるように作製されもする。一例として、フィルタ部340に加香液が噴射されもし、また加香液が塗布された別途の繊維がフィルタ部340の内部に挿入されもする。
【0095】
また、フィルタ部340には、少なくとも1つのカプセルが含まれるものでもある。ここで、該カプセルは、香味を発生させる機能を遂行することもできる。例えば、該カプセルは、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもあり、球形または円筒状の形状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0096】
最終ラッパ350は、個別ラッパによって覆い包まれたエアロゾル基材部310、媒質部320及びフィルタ部340を一つに覆い包む外被を意味し、最終ラッパ350は、後述する媒質部ラッパと同一材質で構成されうる。
【0097】
図7は、本発明によるエアロゾル生成装置の一例の斜視図である。
【0098】
図7を参照すれば、本発明によるエアロゾル生成装置10は、制御部110、バッテリ120、ヒータ130及び二重媒質シガレット300を含むということを知ることができる。図7は、説明の便宜のために、エアロゾル生成装置10の一部構成のみを浮き出させて示しているので、他の構成が追加されても、前述の構成を含むものであるならば、本発明の範疇を外れないということは、当該分野の通常の知識を有する者に自明であろう。
【0099】
また、エアロゾル生成装置10の内部構造は、図7に図示されたところに限定されるものではなく、ある実施形態やある設計により、制御部110、バッテリ120、ヒータ130及び二重媒質シガレット300の配置は、異なりうる。図7の各構成に係わる説明は、図1ないし図3ですでに説明されているので、省略する。
【0100】
図8は、図7で説明された装置の側面図である。
【0101】
図8を参照すれば、本発明によるエアロゾル生成装置10は、PCB(printed circuit board)11、制御部110、バッテリ120、第1ヒータ130A、第2ヒータ130B、ディスプレイ150及びシガレット挿入空間160を含むということを知ることができる。以下においては、図1で説明された構成に係わる説明と重複する説明は、省略する。
【0102】
PCB 11は、制御部110と通信しながら、エアロゾル生成装置10の情報を収集する各種構成要素を電子的に統合する機能を遂行し、PCB 11の表面には、制御部110及びディスプレイ150が固定されて装着され、PCB 11に連結された素子に電力を供給するためのバッテリ120が連結される。
【0103】
第1ヒータ130A及び第2ヒータ130Bは、図8のエアロゾル生成装置のシガレット挿入空間160に挿入される二重媒質シガレット300の2つの媒質部を互いに異なる温度に加熱する。第1ヒータ130A及び第2ヒータ130Bは、互いに異なる物質によっても構成され、同一物質によって構成された状態でもって、制御部110から互いに異なる制御信号を伝達され、互いに異なる温度に加熱されもする。
【0104】
ディスプレイ150は、エアロゾル生成装置10で生成される情報のうち、ユーザに必要な情報が視覚的な情報に出力されるように制御する装置である。ディスプレイ150は、制御部110から受信した情報を基にし、エアロゾル生成装置10の前面に具備されているLCD(liquid crystal display)パネル(または、LED(light-emitting diode)パネル)に出力される情報を制御する。
【0105】
シガレット挿入空間160は、シガレット200または二重媒質シガレット300が挿入されるようにするために、エアロゾル生成装置10の内部に向けて一定深さに凹状に掘り込まれた空間を意味する。シガレット挿入空間160は、スティック状のシガレット200または二重媒質シガレット300が安定して装着されるように、筒状(cylindrical shape)であり、シガレット挿入空間160の高さ(深さ)は、シガレット200または二重媒質シガレット300において、エアロゾル生成物質が含まれた領域の長さによっても異なる。
【0106】
例えば、シガレット挿入空間160に、図6で説明された二重媒質シガレット300が挿入されるならば、シガレット挿入空間160の高さは、エアロゾル基材部310及び媒質部320の長さを合算した値と同じでもある。シガレット挿入空間160に、シガレット200または二重媒質シガレット300が挿入されれば、シガレット挿入空間160に隣接している第1ヒータ130A及び第2ヒータ130Bが加熱されることにより、エアロゾルが生成されうる。
【0107】
図9は、シガレットまたはヒータの温度変化グラフを示したものである。
【0108】
さらに具体的には、図9は、本発明によるエアロゾル生成装置に、一般シガレットとウェットシガレットとがそれぞれ装着されたときのヒータの温度変化グラフを図示したものであり、一般シガレットに係わるグラフ910と、ウェットシガレットに係わるグラフ930とがそれぞれ異なる様相を呈するということを知ることができる。
【0109】
図9のグラフにおいて横軸(x軸)は、ヒータに電力が供給され、ヒータが加熱された時間を意味する。また、縦軸(y軸)は、ヒータに接触されて加熱されるシガレット内部のエアロゾル生成基質の温度(以下、「基質の温度」)でもある。また、一実施形態により、縦軸(y軸)は、ヒータの温度とも解釈される。
【0110】
まず、常温(25℃)において、一般シガレットが、エアロゾル生成装置のシガレット挿入口を介して挿入されれば、ヒータの温度は、経時的に、常温から最高温度まで上昇する。一例として、一般シガレットがエアロゾル生成装置に装着された場合、ヒータの最高温度は、270℃にもなる。一般シガレットがエアロゾル生成装置に装着されれば、t時点において、ヒータの温度が最高温度に達する。
【0111】
最高温度に達したヒータの温度は、t時点まで維持される。図4において、エアロゾル生成装置において、ヒータが加熱され始めた時点から、最高温度が維持される期間までを、第1予熱時間tpre1と称することができる。第1予熱時間tpre1において、最高温度に達したヒータの温度は、第2予熱時間tpre2において、既設定の温度まで下降し、t時点から、PID(proportional-integral-differential)制御のようなフィードバック制御を介し、安定して温度を維持しながら、エアロゾル生成装置において、十分な量のエアロゾルが持続的に生成されうるようにする。
【0112】
なお、本発明によるエアロゾル生成装置は、ウェットシガレットが装着されても、ユーザに安定してエアロゾルを提供することができる。
【0113】
図9を参照すれば、ウェットシガレットがエアロゾル生成装置に装着されれば、一般シガレットがエアロゾル生成装置に装着されたときより、加熱速度がさらに遅いということを知ることができる。具体的には、図9において、一般シガレットがエアロゾル生成装置に装着され、ヒータが加熱されれば、t時点において、ヒータの温度が最高温度に達することになる。なお、ウェットシガレットがエアロゾル生成装置に装着され、ヒータが加熱されれば、tよりさらに時間が経過した時点であるt時点になってこそ、ヒータの温度が最高温度に達することになる。
【0114】
図9において、ウェットシガレットに係わるグラフ930は、本発明による制御ロジックまたは制御部が、エアロゾル生成装置に適用された結果の一例である。本発明によるエアロゾル生成装置における制御部は、該ウェットシガレットがエアロゾル生成装置に装着されれば、一般シガレットが装着されるときに使用される温度プロファイルの代わりに、ウェットシガレットを安定して加熱し、エアロゾルを生成させることができる専用温度プロファイル(dedicated temperature profile)を使用することができる。
【0115】
もしウェットシガレットがエアロゾル生成装置に装着された状態において、一般シガレットを加熱するための温度プロファイルが適用されれば、t時点において、ヒータの温度を維持するためのアルゴリズムが動作することになるが、該ウェットシガレットが装着されたときのヒータの昇温速度は、一般シガレットが装着されたときよりもさらに遅いので、t時点において、ヒータの温度を維持するためのアルゴリズムが適用されれば、結局、ヒータの温度は、第1予熱期間tpre1の間、ずっと最高温度である270℃に達することができない。
【0116】
ヒータから正しく熱エネルギーを伝達されていないウェットシガレットは、最高温度に達することができず、不完全なエアロゾルを生成することになり、不完全なエアロゾルは、ユーザに満足した喫煙感を提供することができない。また、不完全なエアロゾル(すなわち、ウェットシガレット自体の熱い湿気を含んだエアロゾル)は、正常な過程を介して生成されたエアロゾルに比べてはるかに熱く、ユーザに物理的なダメージを与えうる。
【0117】
本発明によるエアロゾル生成装置は、図9に図示されたように、制御部が、ウェットシガレットが装着されたと判断した時点から、専用温度プロファイルでもって、ヒータの温度を適切に制御することにより、ウェットシガレットがエアロゾル生成装置に装着されても、エアロゾルを安定して生成することができる。特に、本発明によるエアロゾル生成装置の制御部は、装着されたシガレットがウェットシガレットであると判断されれば、ヒータの温度が最高点に達する時点を遅延させた専用温度プロファイルを適用し、ウェットシガレットから安定してエアロゾルが生成されうるように制御することができる。
【0118】
一実施例として、図9においてtは、制御部がシガレット挿入口を介して挿入されたシガレットがウェットシガレットであるということを判断した時点でもある。本実施例は、制御部がヒータが加熱され始めた時点ではなく、加熱されている最中にも、装着されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断することができるということを意味する。t時点は、一般シガレットに係わるグラフを基準にしたとき、ヒータの温度が最高温度に達する時点であるt時点よりも先立つ時点でもある。
【0119】
制御部は、t時点において多様な方法を介して、装置に装着されているシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断することができる。例えば、該制御部は、ヒータが加熱され始めてから第1時間が経過した時点の温度上昇率を基に、ウェットシガレットであるか否かということを判断することができる。ここで、該温度上昇率は、時間当りヒータの温度上昇の比率の略称を意味し、第1時間は、tでもある。該温度上昇率は、物理的解釈上、ヒータの昇温速度とも別称される。
【0120】
制御部は、t時点(ヒータ加熱が始まるとき、x軸上の開始地点)とt時点とのグラフの傾き(すなわち、温度上昇率)を測定し、その値を、既設定の基準傾き値と比較した結果を基に、ウェットシガレットの装着いかんを判断することになる。例えば、該基準傾き値は、t0とt1との間における、一般シガレットに係わるグラフ910の傾きでもある。前述のように、ウェットシガレットの昇温速度は、一般シガレットの昇温速度よりさらに遅いので、t時点とt時点との間において、ウェットシガレットに係わるグラフ930は、一般シガレットに係わるグラフ910よりさらに小さい傾き値を有する。選択的には、該基準傾き値は、t時点とt時点との間において、ウェットシガレットに係わるグラフ930の傾き値より大きいか、あるいは一般シガレットに係わるグラフ910の傾き値よりも小さい。
【0121】
他の一実施例として、制御部は、ヒータが加熱され始めてから第1時間が経過した時点におけるヒータの温度を基に、ウェットシガレットの装着いかんを判断することもできる。該制御部は、ウェットシガレットの昇温速度は、一般シガレットの昇温速度よりさらに遅いために、該制御部は、t時点において、ヒータの温度が、事前に設定された基準温度(例えば、t時点のグラフ910のヒータの温度)より低い場合、ウェットシガレットが挿入されたと判断することができる。
【0122】
前述の2つの実施形態において制御部は、第1時間が経過した時点における温度上昇率、またはヒータの温度を測定し、ウェットシガレットの装着いかんを判断するので、ヒータが加熱されて温度が上昇する前には、装着されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを知ることができない。ただし、ヒータに電力を供給する前、ウェットシガレットの装着いかんを判断するために、シガレット挿入口にキャパシタを隣接させて配し、検出されるキャパシタのキャパシタンスの変化を利用することもできる。それに係わる説明は、図13で後述する。
【0123】
制御部は、装着されたシガレットがウェットシガレットであるならば、シガレットに含まれた湿気量により、複数の専用温度プロファイルのうち一つを選択し、ヒータの温度を制御することができる。ウェットシガレットに含まれた水分含量により、基質の温度上昇速度が異なるので、該制御部は、湿気量別に、さまざまな専用温度プロファイルを保存していて、検出された湿気量に対応する専用温度プロファイルを選択して使用することができる。
【0124】
図9においてΔTは、制御部が装置の連続使用を判断するために参照するヒータの温度値範囲を示したものである。図9において、ΔTは、100度でもあり、ΔTを算出するための最高温度値は、150℃、最低温度値は50℃でもある。バッテリ容量が十分であるエアロゾル生成装置は、多数のパフ(puff)によって構成された1つの喫煙セッション(session)が終わっても、バッテリを充電せずに連続して使用されうる。該エアロゾル生成装置が連続して使用されれば、ヒータの温度が常温まで冷却されていない状態から、ヒータの温度が上昇することになる。すなわち、ヒータが加熱され始めた時点において、ヒータの温度が常温よりはるかに高い温度(例えば、50℃から150℃までの温度)を有することになれば、ヒータの温度、及び基質の温度が上昇する様相が、常温においてヒータが加熱され始める場合と異なることになり、特に、装着されたシガレットがウェットシガレットであるならば、安定してエアロゾルを生成させるための専用温度プロファイルが必要である。
【0125】
本発明によるエアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度が常温よりはるかに高い温度であるので、連続使用と判断され、装着されたシガレットがウェットシガレットであるならば、それに対応する専用温度プロファイルを基にし、ヒータの温度を制御することができる。一例として、制御部が、装置の連続使用を検出すると同時に、装着されたシガレットがウェットシガレットであると判断したならば、図9のt時点よりさらに早い時点において、基質の温度が最高温度に達するようにする専用温度プロファイルが適用されうる。このとき、基質の温度が最高温度に達する時点が、tより前になったのは、連続使用により、ヒータの温度が一定以上高い状態において、ヒータに電力が供給され始めたことに起因する。
【0126】
前述の実施形態と異なり、制御部は、ユーザにより、エアロゾル生成装置が最も最近使用された時点を検出し、検出された時点が、所定時間以内であるならば、連続使用と判断することもできる。該制御部は、エアロゾル生成装置のメモリに保存された使用ログを基にし、ヒータの温度を測定せずに、連続使用動作を判断することができる。
【0127】
前述の実施形態とさらに異なる一実施例として、図9において、ウェットシガレットに係わるグラフ930は、一般シガレットに係わるグラフ910から導き出されたグラフでもある。図9において、一般シガレットに係わるグラフ910、及びウェットシガレットに係わるグラフ930は、一般シガレットに対応する温度プロファイル、及びウェットシガレット専用温度プロファイルによる結果を図式化したものであるので、言い換えて表現すれば、ウェットシガレットの専用温度プロファイルは、一般シガレットの基本温度プロファイルを調整して算出されうる。
【0128】
図9において、ウェットシガレットに係わるグラフ930は、一般シガレットに係わるグラフと比較したとき、最高温度に達する時点だけ若干遅延されており、t時点以後の2つのグラフは、一致しているということを知ることができる。制御部は、装着されたシガレットがウェットシガレットであると判断されれば、基本温度プロファイルにおいて、最高温度到達時点を、既設定の値ほど遅延させることにより、専用温度プロファイルを算出することができ、ここで、該既設定の値も、ウェットシガレットの水分含量によって異なりうる。
【0129】
図10は、本発明の一実施形態によるヒータ温度制御方法のフローチャートを図示した図面である。
【0130】
図10に図示された方法は、エアロゾル生成装置の制御部によって具現されうる。
【0131】
シガレット挿入口にシガレットが挿入されれば(S1010)、制御部は、挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断する(S1030)。
【0132】
段階S1030において、制御部は、多様な方式によって挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断することができる。
【0133】
一例として、制御部は、事前に設定された温度範囲における昇温速度を基にし、挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断することができる。事前に設定された温度範囲を構成する最小温度値は、50℃ないし120℃において選択された温度値でもある。事前に設定された温度範囲を構成する最大温度値は、230℃ないし320℃において選択された温度値でもある。事前に設定された温度範囲は、最小温度値及び最大温度値によって決定され、例えば、70℃ないし300℃でもある。
【0134】
制御部は、ヒータの温度が、70℃から300℃まで上昇する時間を測定し、ヒータの昇温速度を把握することができ、把握されたヒータの昇温速度を基にし、シガレット挿入口に挿入されたシガレットの水分含量を検出することができる。該制御部は、ヒータの温度が、70℃から300℃まで上昇する時間が、事前に設定された時間よりさらに遅ければ、挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであると判断することができ、事前に設定された時間と同じであるか、あるいはそれよりもさらに早ければ、挿入されたシガレットを、一般シガレットと判断することができる。
【0135】
他の例として、制御部は、事前に設定された基準時点まで上昇されたヒータの温度を基にし、挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断することができる。例えば、該制御部は、ヒータに電力が供給され始めてから20秒経過した時点においてヒータの温度を測定し、測定された温度が、既設定の温度以下であるならば、挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであると判断することができる。該制御部が参照する基準時点は、ヒータに電力が供給され始めてからn秒経過した時点にもなり、nは、0ないし50のうちから選択された1つの値でもある。
【0136】
制御部は、挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであると判断されれば、判断時点から、ウェットシガレット専用温度プロファイルでもって、ヒータの温度を制御することができる(S1050)。該制御部は、挿入されたシガレットがウェットシガレットではなく、一般シガレットであると判断されれば、既設定の基本温度プロファイルでもって、ヒータの温度を制御することができる(S1070)。
【0137】
図11は、本発明の他の一実施形態によるヒータ温度制御方法のフローチャートを図示した図面である。
【0138】
シガレット挿入口にシガレットが挿入されれば(S1110)、制御部は、挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断し(S1120)、一般シガレットであると判断されれば、既設定の基本温度プロファイルでもって、ヒータの温度を制御することができる(S1130)。
【0139】
制御部は、挿入されたシガレットがウェットシガレットであるならば、所定時間内に装置が使用されたか否かということを判断し(S1140)、所定時間内に装置が使用されたのであるならば、判断時点から、連続使用及びウェットシガレットの専用温度プロファイルでもって、ヒータの温度を制御することができる(S1150)。
【0140】
制御部は、挿入されたシガレットがウェットシガレットであるが、所定時間内に装置が使用されたものではないと判断されれば、図10に図示されたように、ウェットシガレット専用温度プロファイルでもって、ヒータの温度を制御することができる(S1160)。段階S1150の専用温度プロファイルと、段階S1160の専用温度プロファイルとが互いに異なるということは、図9ですでに説明されている。
【0141】
図12は、本発明のさらに他の一実施形態によるヒータ温度制御方法のフローチャートを図示した図面である。
【0142】
具体的には、図12は、ウェットシガレットの水分含量が過度であり、専用温度プロファイルでもって、ヒータの温度を制御することだけで、安定してエアロゾルを生成することができない場合に係わる方法論をフローチャートで示したものである。
【0143】
シガレット挿入口にシガレットが挿入されれば(S1210)、制御部は、挿入されたシガレットが、ウェットシガレットであるか否かということを判断し(S1220)、一般シガレットであると判断されれば、既設定の基本温度プロファイルでもって、ヒータの温度を制御することができる(S1230)。
【0144】
制御部は、挿入されたシガレットがウェットシガレットであるならば、既設定の第1温度までヒータの温度を加熱し、(S1240)、ヒータの温度が第1温度に達するのにかかった時間の第1時間を測定することができる(S1250)。一実施形態により、段階S1250で測定される時間は、ヒータの温度ではなく、基質の温度でもある。
【0145】
制御部は、第1時間が、基準時間よりさらに長くなければ、ウェットシガレット専用温度プロファイルでもって、ヒータの温度を制御することができる(S1270)。
【0146】
制御部は、第1時間が基準時間よりさらに長ければ、誤差範囲以上の昇温遅延が生じたと判断し、ヒータに対する電力供給を遮断することができる(S1280)。段階S1280において、誤差範囲以上の昇温遅延が生じたというのは、シガレットの水分含量が過度に多く、正常な加熱方法でもっては、エアロゾルを生成することができないということを意味する。
【0147】
図13は、ウェットシガレットの装着いかんを判断するためのキャパシタを含むエアロゾル生成装置の斜視図の一例である。
【0148】
シガレット挿入空間160には、両側には、キャパシタを構成する第1電極plt及び第2電極pltが配され、エアロゾルを生成させるための物質を含む二重媒質シガレット300が、シガレット挿入口を介し、シガレット挿入空間にすっぽり位置すれば、第1電極pltと第2電極pltとの誘電率(permittivity)に変化が生じ、一時的にキャパシタのキャパシタンス(capacitance)が異なることになる。
【0149】
ウェットシガレットは、一般シガレットよりさらに多くの水分を含み、水の誘電定数(relative permittivity)は、他の物質に比べ、相対的に高い値であるので、ウェットシガレットが装着されたときのキャパシタンスの変化は、一般シガレットが装着されたときのキャパシタンスの変化よりさらに劇的であり、制御部は、そのような差を基に、ウェットシガレットの装着いかんを正確に判断することができる。
【0150】
図14は、制御部を構成するモジュールについて説明するためのブロック図である。
【0151】
本発明によるエアロゾル生成装置に含まれて動作する制御部1400は、物理的または論理的に、多数のモジュールを含むものでもある。図14を参照すれば、制御部1400は、第1条件受信部1401、第2条件受信部1403、データ処理部1405及び信号出力部1407を含むものでもある。
【0152】
第1条件受信部1401は、シガレット挿入口に隣接して配されたキャパシタのようなセンサから、ウェットシガレットを判断するための情報を受信することができる。
【0153】
第2条件受信部1403は、各種センサから、エアロゾル生成装置の連続動作を判断するための情報を受信することができる。一例として、該エアロゾル生成装置に含まれたメモリは、最近の装置動作完了時間を保存していて、第2条件受信部1403に送信することにより、データ処理部1405をして、装置の連続動作いかんを判断させる。
【0154】
データ処理部1405は、第1条件受信部1401及び第2条件受信部1403から情報を伝達され、統合的に処理する機能を遂行する。データ処理部1405は、実質的な全ての処理がなされるモジュールであり、単一チップに具現されたマイクロプロセッサ(microprocessor)でもある。
【0155】
信号出力部1407は、データ処理部1405の処理結果を伝達され、それによる信号を生成し、制御部1400以外の各種モジュールに出力する機能を遂行する。例えば、ヒータの温度が適切に制御されるのは、信号出力部1407から出力された電力制御信号がヒータに伝達された結果でもある。
【0156】
図14において、制御部1400を構成するそれぞれのモジュールは、本発明を直観的に説明するために、機能を中心に命名されたモジュールであり、一実施形態により、制御部1400に含まれるモジュールの種類、機能、個数が可変的であるというのは、当該分野の通常の技術者に自明であろう。
【0157】
本発明によれば、エアロゾル生成装置にウェットシガレットが装着されても、ユーザに安定してエアロゾルを提供することができる。
【0158】
また、本発明によれば、エアロゾル生成装置にウェットシガレットが装着されても、熱いエアロゾルが生成されず、ユーザが安全に吸煙することができる。
【0159】
また、本発明によれば、エアロゾル生成装置の誤作動を起こすほどの過湿シガレットが装置に装着されれば、ヒータの加熱を中止させることにより、該エアロゾル生成装置の致命的な破損を防止し、ユーザを事故から守ることができる。
【0160】
また、本発明によれば、連続使用が可能なエアロゾル生成装置にウェットシガレットが装着され、ユーザが連続して喫煙行為を行っても、ユーザに、均一であって安定した喫煙満足感を提供することができる。
【0161】
以上で説明された本発明による実施例は、コンピュータ上において、多様な構成要素を介して実行されうるコンピュータプログラムの形態に具現され、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能な媒体に記録されうる。このとき、媒体は、ハードディスク、フロッピィーディスク及び磁気テープのような磁気媒体;CD-ROM(compact disc read only memory)及びDVD(digital versatile disc)のような光記録媒体;フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気・光媒体(magneto-optical medium);及びROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリのような、プログラム命令語を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置;を含むものでもある。
【0162】
なお、前記コンピュータプログラムは、本発明のために特別に設計されて構成されたものでもあり、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知されて使用可能なものでもある。該コンピュータプログラムの例には、コンパイラによって作われるような機械語コードだけではなく、インタープリタなどを使用し、コンピュータによって実行されうる高級言語コードも含まれるものでもある。
【0163】
本発明で説明される特定実行は、一実施形態であり、いかなる方法でもってしても、本発明の範囲を限定するものではない。明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的な側面の記載は、省略されうる。また、図面に図示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結、及び/または物理的または回路的な連結を例示的に示したものであり、実際の装置においては、代替可能であったり追加されたりする多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結としても示される。また、「必須な」、「重要に」というように、具体的な言及がなければ、本発明の適用のために必ずしも必要な構成要素ではないものである。
【0164】
本発明の明細書(特に、特許請求の範囲において)において、「前記」の用語、及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数のいずれにも該当しうる。また、本発明において、範囲(range)が記載された場合、前記範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものであり(それに反する記載がなければ)、発明の詳細な説明に、前記範囲を構成する各個別的な値が記載された通りである。最後に、本発明による方法を構成する段階について、明白に順序が記載されるか、あるいはそれに反する記載がなければ、前記段階は、適切な順序で遂行される。必ずしも前記段階の記載順序により、本発明が限定されるものではない。本発明において、全ての例、または例示的な用語(「例えば」など)の使用は、単に、本発明について詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない以上、前述の例、または例示的な用語により、本発明の範囲が限定されるものではない。また、当業者であるならば、多様な修正、組み合わせ及び変更が付加された特許請求の範囲内、またはその均等物の範疇内において、設計条件及びファクタによって構成されうることを知ることができるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】