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特表2024-519227フレキシブルソールを備えたゴルフクラブヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-09
(54)【発明の名称】フレキシブルソールを備えたゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20240430BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240430BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B102:32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573216
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 US2022031285
(87)【国際公開番号】W WO2022251592
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/202,123
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ビー. マシューズ
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジェイ. モラレス
(72)【発明者】
【氏名】エリック エム. ヘンリクソン
(72)【発明者】
【氏名】トラビス ディ. ミレマン
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA02
2C002CH02
2C002CH03
(57)【要約】
本明細書には、フレキシブルなソールを有するゴルフクラブヘッドの実施形態が記載される。一実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、ソールとは反対側に位置するクラウンと、ヒールとは反対側に位置するトウと、前端とは反対側に位置する後端と、ホーゼルとを有するボディを備える。ゴルフクラブヘッドはまた、前端と後端の間に延びるソール湾曲形状であって、その曲率半径が前端と後端の間で変化するソール湾曲形状を含む。ゴルフクラブヘッドはさらに、クラウンの剛性を高めるために負のドラフト角および実質的に平坦なクラウンをさらに有しており、これによりソールの最大変形を可能にしている。ソールの曲率半径は、ゴルフクラブヘッド全体の湾曲性を増加させ、それによりゴルフクラブヘッドの内部エネルギーを増加させるように構成される。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端と、前記前端とは反対側に位置する後端と、クラウンと、クラウンとは反対側に位置するソールとを有しており、前記ソールがソール面を画定するボディを備えており、
前記前端、前記後端、前記クラウン、および前記ソールは、中空の内部空洞を形成しており、
ゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打つアドレス位置にあるとき、接地面が前記ソール面に接触し、
ヒールと、前記ヒールとは反対側に位置するトウと、ホーゼル構造内のボア中心を通って延びるホーゼル軸を有するホーゼル構造と、前記前端に配置され、幾何学的中心を画定する打撃面と、前記幾何学的中心に接するロフト面と、を備え、
前記幾何学的中心は、前記幾何学的中心を有する座標系をさらに定義しており、前記座標系は、ヒールとトウの間で前記幾何学的中心を通って延びるx軸と、前記クラウンと前記ソールの間で前記幾何学的中心を通って延びるとともに前記x軸に垂直なy軸と、前記前端と前記後端の間で前記幾何学的中心を通って伸びるとともに前記x軸と前記y軸に垂直に伸びるz軸とを含み、前記y軸と前記z軸は、ともに前記クラウンと前記ソールの間および前記前端と前記後端の間に伸びるYZ平面を画定し、
前記x軸と前記y軸はともに前記ヒールと前記トウの間および前記前端と前記後端の間に伸びるXZ平面を画定し、
凹入領域を備えており、
前記凹入領域は、前記ソールが前記中空内部空洞に向かう方向で内側に曲がる部分に画定され、
前記ソールと前記打撃面の交点によって画定されるソール移行点を備えており、
前記凹入領域は、前記ソール面と前記YZ平面の交点によって画定されるソール湾曲形状を有しており、
前記ソール湾曲形状は、第1の屈曲点と第2の屈曲点を備えており、
前記ソール湾曲形状は、前記ソール移行点から前記第1の屈曲点まで延びる第1の凹部を備えているとともに、前記XZ平面に対して凹入しており、
前記第1の屈曲点から前記第2の屈曲点まで延び、前記XZ平面に対して凹入している凸部を備えており、
前記第2の屈曲点から前記後端まで延び、前記XZ平面に対して凹入している第2の凹部を備えており、
前記第1の凹部は、曲率半径(R3)を有しており、前記凸部は、曲率半径(R4)を有しており、前記第2の凹部は、曲率半径(R5)を有しており、
前記ソール湾曲形状は、底点をさらに備えており、
前記底点は、前記XZ平面に最も近接する前記ソール湾曲形状の一点を表しており、
前記底点は、前記凸部上に位置しており、
前記打撃面は、クラウン返し部を形成しており、前記クラウン返し部は前記前端から後方に延びて前記クラウンの一部を形成しており、
前記クラウン返し部は、フェース-クラウン移行半径(R6)を有するフェース-クラウン移行形状を有しており、
前記クラウン返し部は、前記フェース-クラウン移行形状が前記フェース-クラウン移行半径(R6)から変化し始める位置に画定されたクラウン移行点を備えており、
前記クラウン返し部は、返し部曲率半径(R7)を有しており、
前記クラウンは、クラウン曲率半径(R8)を有しており、
前記返し部曲率半径(R7)は、前記クラウン曲率半径(R8)に移行する位置に画定される返し部移行点を備えており、
ヒール-トウ方向に延び、前記クラウン移行点および前記返し部移行点と交差するクラウン返し面を備えており、
前記接地面に平行であるとともに前記クラウン移行点と交差する基準面を備えており、
前記クラウン返し面と前記基準面との間で測定されるドラフト角を有する、
ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記フェース-クラウン移行半径(R6)は、0.50インチ未満である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記ドラフト角は、0度から-10度の間である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
凹入領域を有するソール屈曲を備えていないコントロールクラブヘッドに対する、前記ゴルフクラブヘッドのインパクト時に発生する内部エネルギーの増加が7.0lbf/インチより大きい、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記返し部曲率半径(R7)は、少なくとも5.0インチである、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記ゴルフクラブヘッド全体の深さに対する前記返し部移行点の深さとして定義される返し部移行点深さ比を定義し、前記返し部移行点深さ比が0.10より大きい、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記ゴルフクラブヘッドは、少なくとも5インチのクラウン曲率半径(R8)を備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記ゴルフクラブヘッドは前記凸部曲率半径(R4)に対する前記クラウン曲率半径(R8)として定義されるクラウン-ソール曲率半径比を有しており、前記クラウン-ソール曲率半径は1.5より大きい、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記ソールの内面に位置する複数のリブをさらに含む、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記複数のリブのうちの1つ以上のリブは、放射状パターンを形成する、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記複数のリブのうちの1つのリブは、前記ソールの内面を横切ってヒール-トウ方向に延びるクロスリブを備える、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記クロスリブは、前記複数のリブのうちの1つ以上のリブと交差する、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記クロスリブは、前記底点から0.30インチ以内に位置する、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記クロスリブは、前記底点に位置する、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記複数のリブのうちの少なくとも1つのリブの高さは、前記少なくとも1つのリブの長さに沿って変化する、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記ソール上に配置されたスロットをさらに備えており、
前記スロットは、前記ゴルフクラブヘッドの前記内部空洞へアクセスできるように前記ソールを貫通する開口として画定され、
前記スロットは、ヒール-トウ方向に延びる、
請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記スロットは、前記第1の屈曲点の前方および前記ゴルフクラブヘッドの前縁の後方に位置する、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記スロットは、ヒールからトウへの方向に沿って測定された長さを有しており、前記長さは30mm~70mmの間である、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記スロットは、前方エッジと、前記前方エッジの後方に位置する後方エッジと、を備えており、前記前方エッジは、前記ゴルフクラブヘッドの前縁から3mm~15mmの距離だけ離れている、請求項18に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記スロットは、前記スロットの前記前方エッジから前記後方エッジまでの間で測定された深さを有しており、前記深さは4mm~7mmの間である、請求項19に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本願は、2019年6月27日に出願された米国特許出願第16/455,599号であって現在2020年11月30日に発行された米国特許第10,821,336号となっている米国特許出願の継続出願である、2020年11月30日に出願された米国特許出願第17/088,440号の一部継続出願であり、2019年6月13日に出願された米国仮特許出願第62/861,247号の利益、2019年6月3日に出願された米国仮特許出願第62/856,637号の利益、および2018年6月27日に出願された米国仮特許出願第62/690,858号の利益を主張する。本願はさらに、2021年5月27日に出願された米国仮特許出願第63/202,123号の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般にゴルフクラブに関し、より詳細にはフレキシブルなソールを有するゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
ウッド型ゴルフクラブヘッドは、典型的には、中空の金属クラブボディに取り付けられた高強度の金属フェースプレートを含む。ウッド型クラブヘッドがゴルフボールに当たるとき、ボールの飛距離は主に、クラブヘッドからボールに付与される運動エネルギーによって決定される。インパクト時に、エネルギーの一部は衝突の結果として失われる。クラブヘッドからゴルフボールへのエネルギー伝達の尺度の1つに、「反発係数(COR)」がある。エネルギーの大部分は、クラブヘッドの比較的小さな変形とは対照的に、ゴルフボールの高い応力と変形の結果として失われる。インパクト中に失われるエネルギーの量を減らし、エネルギー伝達効率を高めるには、インパクト中にゴルフボールに印加される応力と変形率を減らさなければならない。
【0004】
これを達成する一つの方法として、インパクト時のクラブヘッドの変形をより許容することが挙げられる。例えば、これはフェースプレートの湾曲性を増加させることによって達成することができる。フェースプレートの湾曲性を増加させる代表的な手段には、フェースプレートの均一な薄肉化、フェースプレートの厚さの変化、フェースプレート上にリブ状の補強材を設けること、チタンのような軽い材料を利用すること、鋳造フェースプレートとは対照的に鍛造、型押し、または機械加工された金属フェースプレートを提供すること等が含まれる。
【0005】
インパクト時のクラブヘッドの変形を増加させる別の方法として、クラブヘッドボディの変形を増加させることが挙げられる。これは、前部領域と後部領域との間に曲率半径を有するようにクラブヘッドボディの形状を変更することによって達成することができる。いくつかの先行技術のクラブヘッドは、クラブヘッドの前部と後部との間に外向きに大きいキャンバーを有するソール領域を設けることでこれを達成している。外側に大きいキャンバーは、ソール領域のより広い領域にわたって応力を分散させ、ソール領域の厚さを減らしてより大きな変形を促進することを可能にしている。しかしながら、これらの先行技術のソール領域は、地面に向かって、クラブヘッドの中心線から離れるように「反って」いる。この結果、打球面は、アドレス位置で地面から高い位置に存在することになり、インパクトで望ましい接触を達成することがより困難になる。アドレス位置で地面に向かって外側に反り返らないソールに大きなキャンバーを有するゴルフクラブヘッド、またはゴルフクラブの最適な変形を提供する他の構造に対するニーズが当技術分野において存在する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】ゴルフクラブヘッドの前方ヒール側斜視図である。
【0007】
図2図1のゴルフクラブヘッドの後方クラウン側斜視図である。
【0008】
図3図1のゴルフクラブヘッドの正面図である。
【0009】
図4】本明細書に記載のYZ平面に沿った図1のゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0010】
図5】YZ平面に沿ったゴルフクラブヘッドの斜視断面図である。
【0011】
図6図5のゴルフクラブヘッドの上面断面図である。
【0012】
図7図5のゴルフクラブヘッドの詳細断面図である。
【0013】
図8】YZ平面に沿ったゴルフクラブヘッドの一部の断面図である。
【0014】
図9】YZ平面に沿った図8のゴルフクラブヘッドの斜視断面図である。
【0015】
図10】ゴルフクラブヘッドの斜視断面図である。
【0016】
図11図10のゴルフクラブヘッドの底面図である。
【0017】
図12図10のゴルフクラブヘッドのヒール側斜視図である。
【0018】
図13図10のゴルフクラブによって生成される内部エネルギーのグラフ表示である。
【0019】
図14】別の実施形態によるゴルフクラブヘッドのYZ平面に沿った断面図である。
【0020】
図15】YZ平面に沿った図14のゴルフクラブヘッドの断面図であり、クラウンのドラフト角を強調している。
【0021】
図16】別の実施形態によるゴルフクラブヘッドの前方斜視図であり、打球面が取り外されている。
【0022】
図17図16のゴルフクラブヘッドの上面断面図であり、複数の振動減衰リブの向きを強調している。
【0023】
図18】別の実施形態による複数の振動減衰リブの向きを強調した、図16のゴルフクラブヘッドの上面断面図である。
【0024】
図19】別の実施形態による複数の振動減衰リブの向きを強調した、図16のゴルフクラブヘッドの上面断面図である。
【0025】
図20】YZ平面に沿った図19のゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0026】
図21】本発明によるゴルフクラブヘッドのソール図であり、ソールスロットを含んでいる。
【0027】
図22】YZ平面に沿った図21のゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0028】
図23】別の実施形態によるソールスロットを備えたゴルフクラブヘッドのソール側図である。
【0029】
図24】YZ平面に沿った図23のゴルフクラブヘッドの断面図である。
【0030】
図25図14のゴルフクラブヘッドによって中心打撃で発生する内部エネルギーのグラフ表示である。
【0031】
図26図14のゴルフクラブヘッドによって低中心打撃で発生する内部エネルギーのグラフ表示である。
【0032】
図27図27A~27Dは、コントロールゴルフクラブヘッドの様々な図を示し、インパクト時にクラブヘッドに発生する振動の支配的なモードの位置を強調している。
【0033】
図28図28A~28Dは、複数の振動減衰リブを含む例示的なゴルフクラブヘッドの様々な図を示し、インパクト時にクラブヘッドに発生する振動の支配的なモードの位置を強調している。
【0034】
図の簡略化および明瞭化のために、図面は構造の一般的な態様を示しており、ゴルフクラブおよびその製造方法を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の特徴および技術の説明および詳細は省略されている場合がある。さらに、図面図の要素は必ずしも縮尺通りに描かれていない。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は、ゴルフクラブおよびその製造方法の実施形態の理解を向上させるために、他の要素に対して誇張されている場合があり得る。異なる図間の同一参照番号は、同一要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(発明の詳細な説明)
以下に、リバースキャンバーソールを有するボディを含むウッド型ゴルフクラブヘッドについて記載する。具体的には、クラブヘッドのソールは、凹入領域を備えており、凹入領域は、ソールの残余の領域の凹み具合と比較したときに逆に凹む領域を含む。リバースキャンバーソールは、先行技術のウッド型クラブヘッドと比較して、クラブヘッドの前端と後端との間でよりきつく湾曲した形状を有している。これにより、クラブヘッドがゴルフボールに当たる際のソールの湾曲変形が大きくなる。クラブボディの比較的大きな湾曲変形は、先行技術のウッド型ゴルフクラブと比較して、クラブヘッドのより高い内部エネルギーを実現し得る。クラブヘッドの内部エネルギーが高いほど、ゴルフショットがより遠くへ飛ぶことになる。いくつかの実施形態では、ソールの湾曲変形は、1.0~10.0lbf/インチの内部エネルギーの増加をもたらし得る。さらに、インパクト時のソールの比較的大きな湾曲変形は、クラブヘッドとのインパクト時にゴルフボールに印加されるボールスピン率の低減につながり得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のクラブヘッドはさらに、第1の端部および第2の端部においてソールに取り付けられ、第1および第2の端部の間でゴルフクラブヘッドの内部空洞を通って延びる1つまたは複数の内部ビームを含むことができる。各ビームの第1の端部は、ゴルフクラブヘッドの前端に近接する位置でソールに取り付けられ、各ビームの第2の端部は、凹入領域またはその近傍においてソールに取り付けられる。内部ビームは、ゴルフボールとの衝突時にソールの曲げをさらに促進する一方、ソールを補強して破損を防止する。
【0037】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のクラブヘッドは、負のドラフト角を有する実質的に平坦なクラウンを備えていてもよい。先行技術のウッド型クラブヘッドと比較してクラウンが平坦であることにより、クラブヘッドの湾曲変形をより大きな割合でソールにおいて生させることができる。インパクト時のリバースキャンバーソールの湾曲変形の増大は、内部エネルギーのさらなる増大及び/又はボールスピン率の低減を実現する。
【0038】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のクラブヘッドは、ソールの内面に配置された1つ以上の振動減衰リブを含むことができる。1つ以上の振動減衰リブは、インパクト時にクラブヘッドに発生する支配的な振動の振幅を減少させ、および/または周波数を増加させる役割を果たすことができる。振動減衰リブは、ソールのきつく湾曲した形状に起因してクラブヘッドに発生する望ましくない振動を緩和することができる。前記振動の減衰は、インパクト時により望ましい音及び感触を有するクラブヘッドをもたらすことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のクラブヘッドは、ソールの一部を通って延びるように配置されたスロットをさらに含むことができる。このスロットは、ソールに不連続面を形成し、リバースキャンバーソールと協働してソールの湾曲変形と内部エネルギー蓄積のさらなる増加を実現する。
【0040】
本明細書で説明するクラブヘッドの様々な実施形態は、上述または後述する特徴の任意の組み合わせを含むことができる。本発明によるクラブヘッドの任意の実施形態は、凹入領域を有するリバースキャンバーソールと、負のドラフト角を有する実質的に平坦なクラウンと、1つ以上の内部ビームと、1つ以上の振動減衰リブと、スロット、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0041】
本明細書および特許請求の範囲に「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語がある場合、それは類似の要素を区別するために使用され、必ずしも特定の順序または時系列的な順序を説明するために使用されるわけではない。このように使用される用語は、本明細書で説明されるゴルフクラブおよび製造方法の実施形態が、例えば、本明細書で図示されるか、またはその他の方法で説明される順序以外の順序で動作可能であるように、適切な状況下で置換可能であることを理解されたい。さらに、「含む」、「包含する」、及び「有する」という用語、並びにそれらの類似表現は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、要素のリストから構成されるプロセス、方法、成形品、又は装置が必ずしもそれらの要素に限定されるのではなく、明示的にリストされていない、又はそのようなプロセス、方法、成形品、又は装置に固有の他の要素を含み得ることを意味する。
【0042】
「左」、「右」、「前」、「後」、「頂」、「底」、「横」、「下」、「上」などの用語が使用される場合、それらは本明細書および特許請求の範囲において、説明の目的で使用されており、必ずしも恒久的な相対位置を説明するために使用されているわけではない。このように使用される用語は、本明細書で説明されるゴルフクラブおよび製造方法の実施形態が、例えば、本明細書で図示され、あるいは説明される方向以外の方向で操作可能であるように、適切な状況下で置換可能であることを理解されたい。本明細書で使用される「結合」という用語は、物理的、機械的、またはその他の方法で直接的または間接的に接続されることとして定義される。
【0043】
本明細書に記載の「ドラフト角」という用語は、クラウン返し面1040と接地面513(図15に図示)に平行な基準面1050との間に形成される鋭角として定義される。ドラフト角は、ソールに対するクラウンの前方部分の角度を特定する。図15に図示されているように、クラウン返し面1040は、クラウン移行点563および返し部移行点575を通って延びている。
【0044】
本開示の任意の実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載され、または以下の図面に図示される構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態を具現化可能であり、様々な方法で実施または実施されることが可能である。
【0045】
図1図4は、フレキシブルなソール112を有するゴルフクラブヘッド100の実施形態を示す。ソール112は、内側に(接地面から離れるように)反るように設計され、それにより、ゴルフボールとのインパクト時にゴルフクラブヘッド100の可撓性を増加させる。この増加により、ゴルフクラブヘッド100によって生成される内部エネルギーが大きくなる。この内部エネルギーの増加は、ゴルフクラブヘッド100によって打撃されたゴルフボールのボール速度を増加させる。ボールスピードの増加は、より遠くへ飛ぶゴルフショットに直接的に変換される。内向きキャンバーソールは、内向きキャンバーソールのないゴルフクラブヘッドよりも5~10ヤード長い飛距離を実現する。ゴルフクラブヘッド100は、ゴルフクラブヘッド100の可撓性を緩和および制御するための1つまたは複数の補強ビーム290をさらに含むことができる。
【0046】
I.内向型キャンバーゴルフクラブヘッド
図1図4は、ボディ102および打球面104を有するゴルフクラブヘッド100を示す。クラブヘッド100のボディ102は、前端106と、前端106とは反対側に位置する後端108と、クラウン110と、クラウン110とは反対側に位置するソール112と、ヒール114と、ヒール114とは反対側に位置するトウ116と、を含む。ゴルフクラブヘッド100のソール112は、接地面113を有しており、ゴルフクラブヘッド100がゴルフボールを打つアドレス位置にあるとき、この接地面113はソール112に接触する。
【0047】
クラブヘッド100は、中空ボディのクラブヘッドである。ゴルフクラブヘッド100は、ボディ102と、打球面104と、を有する。ボディ102および打球面104は、ゴルフクラブヘッド100の内部空洞118(図4)を画定する。図示の実施形態では、ボディ102はまた、クラウン110、ソール112、ヒール114、トウ116、後端108、クラブヘッド100の前端106の周囲部分120(図3)を画定する。これらの構成は、中空状のボディを画定することもできる。ボディ102の周囲部分120はさらに、クラブヘッド100の前端106に開口部122を画定し、打球面104は、開口部122を埋めるように周囲部分120に結合され、それによってクラブヘッド100を形成する。(以下でさらに詳細に説明するが、)他の実施形態では、打球面104は、クラブヘッドの前端106全体にわたって延びることができ、クラウン110、ソール112、ヒール114、およびトウ116のうちの少なくとも1つにわたって延びる返し部分を含むことができる。そのような実施形態では、打球面104の返し部分は、ボディ102に結合されてクラブヘッド100を形成する。
【0048】
図3に示すように、クラブヘッド100は、ホーゼル構造124と、ホーゼル構造124のボアの中心に沿って延びるホーゼル軸126とをさらに備える。ホーゼル構造124は、ゴルフシャフト(図示せず)の端部に結合することができる。ゴルフシャフトは、ホーゼル軸126に対して複数の角度でホーゼル構造124に固定され得る。しかしながら、シャフトがホーゼル構造124に調節不能に固定され得る他の例もあり得る。
【0049】
クラブヘッド100は、深さ140、長さ142、および高さ144を有している。図4を参照すると、クラブヘッド100の深さ140は、Z軸1016に平行な方向において、前端106から後端108までのクラブヘッド100の最も大きい距離として測定することができる。
【0050】
クラブヘッド100の長さ142は、正面図(図3)から見たときに、X軸1012に平行な方向において、ヒール114からトウ116までのクラブヘッド100の最も大きい距離として測定することができる。多くの実施形態において、クラブヘッド100の長さ142は、米国ゴルフ協会(USGA)などのゴルフ統括団体に従って測定することができる。例えば、クラブヘッド100の長さ142は、USGAのProcedure for Measuring the Club Head Size of Wood Clubs(USGA-TPX3003、Rev.2.1、2019年4月9日)に従って決定することができる。
【0051】
クラブヘッド100の高さ144は、正面図(図3)から見たときに、Y軸1014に平行な方向において、クラウン110からソール112までのクラブヘッド100の最も大きい距離として測定することができる。多くの実施形態において、クラブヘッド100の高さ144は、米国ゴルフ協会(USGA)などのゴルフ統括団体に従って測定することができる。例えば、クラブヘッド100の高さ144は、USGAのProcedure for Measuring the Club Head Size of Wood Clubsに従って決定することができる。
【0052】
多くの実施形態では、クラブヘッド100の体積(V)は、約140ccより大きく、約150ccより大きく、約175ccより大きく、約200ccより大きく、約225ccより大きく、約250ccより大きく、約275ccより大きく、約300ccより大きく、約325ccより大きく、約350ccより大きく、約375ccより大きく、約400ccより大きく、約425ccより大きく、約450ccより大きく、約475ccより大きく、約500ccより大きく、約525ccより大きく、約550ccより大きく、約575ccより大きく、約600ccより大きく、約625ccより大きく、約650ccより大きく、約675ccより大きく、または約700ccより大きい。
【0053】
多くの実施形態では、クラブヘッドの容積(V)は約140cc~700ccであり、いくつかの実施形態では、クラブヘッドの容積は、約150cc~175cc、175cc~200cc、200cc~225cc、225cc~250cc、250cc~275cc、275cc~300cc、300cc~325cc、325cc~350cc、350cc~375cc、375cc~400cc、400cc~425cc、425cc~450cc、450cc~475cc、475cc~500cc、500cc~525cc、525cc~550cc、550cc~575cc、575cc~600cc、600cc~625cc、625cc~650cc、650cc~675cc、または675cc~700ccの間であってもよい。
【0054】
引き続き図3を参照すると、クラブヘッド100の打球面104は、中心点または幾何学的中心128を規定する。いくつかの実施形態では、幾何学的中心128は、打球面周囲130の幾何学的中心点、およびフェース高さ132の中点に位置することができる。これと同じ例または他の例では、幾何学的中心128はさらに、打球面104上の溝136の領域によって画定され得る工学的インパクト領域134に関して中心を定めることができる。別のアプローチとして、打球面104の幾何学的中心128は、米国ゴルフ協会(USGA)などのゴルフ統括団体の定義に従うことができる。例えば、打球面104の幾何学的中心128は、USGAの「Procedure for Measuring the Flexibility of a Golf Clubhead」(USGA-TPX3004、Rev.2.0、2019年4月9日)の部分2.1に従って決定することができる。
【0055】
図3および図4を参照すると、クラブヘッド100はさらに、打球面104の幾何学的中心128に接するロフト面1010を画定する。フェース高さ132は、クラウン110付近の打球面外周130の上端とソール112付近の打球面外周130の下端との間でロフト面1010に平行に測定することができる。
【0056】
打球面104の幾何学的中心128はさらに、打球面104の幾何学的中心128に位置する原点を有するゴルフクラブヘッド100の座標系を規定する。座標系は、X軸1012、Y軸1014、およびZ軸1016をさらに備える。X軸1012は、打球面104の幾何学的中心128を通ってクラブヘッド100のヒール114からトウ116に向かう方向に延びている。Y軸1014は、クラブヘッド100のクラウン110からソール112に向かう方向に打球面104の幾何学的中心128を通って延び、X軸1012に垂直である。Z軸1016は、打球面104の幾何学的中心128を通ってクラブヘッド100の前端106から後端108に向かう方向に延び、Y軸1014と同様にX軸1012に対して垂直である。
【0057】
座標系は、X軸1012とY軸1014を通って延びるXY平面1018と、X軸1012とZ軸1016を通って延びるXZ平面1020と、Y軸1014とZ軸1016を通って延びるYZ平面1022とを定義する。XY平面1018、XZ平面1020、およびYZ平面1022はすべて互いに垂直であり、打球面104の幾何学的中心128に位置する座標系の原点で交差する。XY平面1018は、ホーゼル軸126に平行に延び、ロフト面1010からクラブヘッド100のロフト角138に対応する角度に配置される。さらに、X軸1012は、XY平面1018に垂直な方向から見たとき(すなわち、図4で見たとき)、ホーゼル軸126に対して約60度の角度で配置される。他の実施形態では、X軸1012は、XY平面1018に垂直な方向から見たときに、ホーゼル軸126に対して45~70度の角度で配置され得る。
【0058】
これらの実施形態または他の実施形態において、クラブヘッド100は、打球面104をXY平面1018に垂直な方向から見たときに(例えば、図3のように)正面から見ることができる。さらに、これらの実施形態または他の実施形態では、クラブヘッド100は、(例えば、図4のように)ヒール114をYZ平面1022に垂直な方向から見たときの側面または側断面で見ることができる。
【0059】
図3および図4に示されるように、クラブヘッド100は、ヘッド重心(CG)146と、打球面104の幾何学的中心128を通り、クラブヘッド100のヒール114からトウ116に向かう方向に沿ってロフト面1010に垂直に延びるヘッド深度面1024と、をさらに備える。多くの実施形態では、ヘッドCG146は、XY平面1018に垂直な方向に測定される、XY平面1018からのヘッドCG深さに位置している。いくつかの実施形態では、ヘッドCG146は、ロフト面1010に垂直な方向で測定される、ロフト面1010からのヘッドCG深さ148に位置することができる。ヘッドCG146はさらに、ヘッド深度平面1024に垂直な方向に測定される、ヘッド深度平面1024からのヘッドCG高さ150に位置する。さらに、ヘッドCG高さ150は、ヘッド深度面1024からクラウン110に向かって、またはソール112に向かって、ヘッド深度面1024に垂直な方向におけるオフセット距離として測定される。多くの実施形態では、ヘッドCG高さ150は、ヘッドCG146がヘッド深度平面1024の上方(すなわち、ヘッド深度平面1024とクラウン110との間)に位置するときに正であり、ヘッドCG高さ150は、ヘッドCG146がヘッド深度平面1024の下方(すなわち、ヘッド深度平面1024とソール112との間)に位置するときに負である。いくつかの実施形態では、ヘッドCG高さ150の絶対値は、ヘッド深度平面1024の上方または下方(すなわち、ヘッド深度平面1024とクラウン110との間、またはヘッド深度平面1024とソール112との間)に位置するヘッドCG146を表すことができる。多くの実施形態では、ヘッドCG146は、クラブヘッド100のソール112および後端108に向かって戦略的に配置される。
【0060】
ヘッドCG146は、X´軸1026、Y´軸1028、およびZ´軸1030を有する座標系の原点を規定する。Y´軸1028は、クラウン110からソール112までヘッドCG146を通って延びており、側面から見るとホーゼル軸126に平行であり、正面から見ると(すなわち、図3で見ると)ホーゼル軸126に対して30度の角度で延びている。X´軸1026は、ヘッドCG146を通ってヒール114からトウ116まで延び、正面から見たときにY´軸1028に垂直であるとともにXY平面1018に平行である。Z´軸1030は、ヘッドCG146を通って前端106から後端108まで延び、X´軸1026およびY´軸1028に垂直である。多くの実施形態では、X´軸1026は、ヒール114からトウ116までヘッドCG146を通って延び、X軸1012に平行である。Y´軸1028は、クラウン110からソール112までヘッドCG146を通ってY軸1014に平行に延びている。Z´軸1030は、ヘッドCG146を通って前端106から後端108まで、Z軸1016に平行に延びている。
【0061】
上記の実施例は、ウッド型ゴルフクラブ100に関連して記載され得るが、本明細書に記載される装置、方法、および製造品は、ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド、クロスオーバー、または任意の中空ボディタイプのゴルフクラブを含む、様々な種類のゴルフクラブに適用され得る。
【0062】
クラブヘッド100は、ロフト面1010と接地面113との間の角度として測定されるロフト角(図示せず)をさらに有している。多くの実施形態において、ロフト角は、約7度と40度の間の範囲である。いくつかの実施形態では、クラブヘッド100のロフト角は、約16度未満、約15度未満、約14度未満、約13度未満、約12度未満、約11度未満、または約10度未満である。
【0063】
多くの実施形態では、クラブヘッド100のロフト角は、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、または約30度未満である。さらに、多くの実施形態では、クラブヘッド100のロフト角は、約12度より大きく、約13度より大きく、約14度より大きく、約15度より大きく、約16度より大きく、約17度より大きく、約18度より大きく、約19度より大きく、または約20度より大きい。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド100のロフト角は、12度と35度の間、15度と35度の間、20度と35度の間、または12度と30度の間であってもよい。
【0064】
多くの実施形態では、クラブヘッド100のロフト角は、約40度未満、約39度未満、約38度未満、約37度未満、約36度未満、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、または約30度未満である。さらに、多くの実施形態において、クラブヘッド100のロフト角は、約16度より大きく、約17度より大きく、約18度より大きく、約19度より大きく、約20度より大きく、約21度より大きく、約22度より大きく、約23度より大きく、約24度より大きく、または約25度より大きい。
【0065】
クラブヘッド100の打球面104は、第1の材料から形成される。多くの実施形態において、第1の材料は、金属合金、例えば、チタン合金(例えば、Ti7-4、Ti6-4、T-9S、Ti SSAT2041、Ti SP700、Ti15-0-3、Ti15-5-3、Ti3-8-6-4-4、Ti10-2-3、Ti15-3-3-3、Ti6-6-2、Ti-185、HST-180など、またはそれらの任意の組み合わせ)、鋼合金(例えば、C300鋼、C350鋼、455鋼、431鋼、475鋼、565鋼、17-4ステンレス鋼、マルエージング鋼、Ni-Co-Cr鋼合金など)、アルミニウム合金、または任意の他の金属または金属合金であってもよい。他の実施形態では、第1の材料は、複合材料、プラスチック、熱可塑性複合材料、または任意の他の適切な材料または材料の組み合わせなどの他の材料とすることができる。
【0066】
クラブヘッド100のボディ102は、第2の材料から形成される。多くの実施形態において、第1の材料は、金属合金、例えば、チタン合金(例えば、Ti7-4、Ti6-4、T-9S、Ti SSAT2041、Ti SP700、Ti15-0-3、Ti15-5-3、Ti3-8-6-4-4、Ti10-2-3、Ti15-3-3-3、Ti6-6-2、Ti-185など、またはそれらの任意の組み合わせ)、鋼合金(例えば、C300鋼、C350鋼、455鋼、431鋼、475鋼、565鋼、17-4ステンレス鋼、マルエージング鋼、Ni-Co-Cr鋼合金など)、アルミニウム合金、または任意の他の金属または金属合金であってもよい。他の実施形態では、第2の材料は、複合材料、プラスチック、または任意の他の適切な材料または材料の組み合わせなどの他の材料とすることができる。図示の実施形態では、第2の材料は第1の材料とは異なる。他の実施形態では、第1および第2の材料は同じであってもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、ボディ102は複数の材料で形成することができる。いくつかの実施形態では、ボディは、上述したように、金属合金などの金属部分と、プラスチックまたは複合材などの非金属部分との両方で構成することができる。いくつかの実施形態では、金属部分は、ソール112の大部分、ヒール114の一部、トウ116の一部、クラウン110の一部、またはそれらの任意の組み合わせから構成され得る。いくつかの実施形態では、非金属部分は、クラウン110の一部、ヒール114の一部、トウ116の一部、またはそれらの任意の組み合わせから構成され得る。いくつかの実施形態では、クラウン110の中央部分は、非金属である一方、クラウン110の周囲部分は、金属であってもよい。他の実施形態では、非金属部分は、クラウン110全体を構成することができる。他の実施形態では、非金属の第2の部分は、クラウン110全体を構成し、クラウンからヒール114およびトウ116を越えてボディ102の下に回り込んで、ヒール114およびトウ116の近くでソール112の一部を形成することができる。いくつかの実施形態では、非金属部分は、ソール112の実質的な一部または全体を構成することができる。いくつかの実施形態では、非金属部分は、ソール112の実質的な部分とクラウン110の実質的な部分とで構成できる。いくつかの実施形態では、ボディ102は、金属部分で形成することができ、クラウン110、ソール112、ヒール114および/またはトウ116上に、非金属部分によって覆うことができる1つまたは複数の開口部を構成することができる。
【0068】
II.リバースキャンバーソール
図2を参照すると、ゴルフクラブヘッド100のソール112は、ソール112が内部キャビティ118(図4)に向かう方向に内側に曲がるくぼみまたは凹入領域152をさらに含む。XZ面1020(図4)に関して、凹入領域152は、XZ面1020に対して凸であるリバースキャンバー領域154を含む。典型的な先行技術のウッド型ゴルフクラブは、同等のXZ平面に対して凹状であるだけのソール形状を有している。したがって、典型的な先行技術のウッド型ゴルフクラブは、前端と後端との間に比較的大きな曲率半径(すなわち、約22~25インチの曲率半径)を有するソール形状を有している。対照的に、ゴルフクラブヘッド100の凹入領域152は、ソール112が前端106と後端108との間ではるかにきつく湾曲した形状に従うことを可能にする。例えば、クラブヘッド100のいくつかの実施形態では、YZ平面1022に沿った側断面図から見たとき(例えば、図4で見たとき)、YZ平面1022が交差するソール112のどの部分も、前端106と後端108との間で10インチより大きい曲率半径を含まない。
【0069】
さらに、図示したクラブヘッド100の実施形態では、ソール112は、実質的にタイトな曲率半径を有する。多くの実施形態では、ソール112のどの部分も、YZ面1022に沿った側断面図から見たときに、12インチより大きい曲率半径を含まない。いくつかの実施形態では、ソール112のどの部分も9インチより大きい曲率半径を含まない。いくつかの実施形態では、ソール112のどの部分も、6インチより大きい曲率半径を含まない。凹入領域152をソール112に実装し、それによって前端106と後端108との間のソール112の曲率半径を相対的に小さくすることにより、クラブヘッドボディ102は、ゴルフボールとのインパクトの際にソール112においてより大きな変形が生じる。この結果、ゴルフクラブヘッド100の撓みが大きくなり、インパクト時にクラブヘッド100からボールへのエネルギー伝達がより効率的になる。ソール112の曲率については、以下により詳細に説明する。
【0070】
図4を参照すると、クラブヘッド100は、前端106がソール112に移行するフェース-ソール移行境界156(図2)を含む。フェース-ソール移行境界156は、前端106とソール112との間をヒール114付近からトウ116付近まで延びている。フェース-ソール移行境界156がYZ平面1022と交差するところに、フェース-ソール移行形状158が定義される。すなわち、フェース-ソール移行形状158は、YZ平面1022に沿った側断面図から見たときに見える(たとえば、図4で見たような)、YZ平面1022によって交差するフェース-ソール移行境界156の直線部分である。
【0071】
フェース-ソール移行形状158は、フェース-ソール移行曲率半径R1に沿っている。フェース-ソール移行形状158は、打球面104の輪郭が打球面104のロール半径から離れる打球面移行点160から、ソール112の曲率がフェース-ソール移行曲率半径R1から離れるソール移行点162まで延びている。ソール移行点162は、打球面104とソール112の交点によって定義される。いくつかの実施形態では、フェース-ソール間の移行曲率半径R1は、打球面移行点160からソール移行点162まで延びる一定の曲率半径を有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、曲率R1のフェース-ソール移行半径は、約0.10~0.50インチの範囲内であってもよい。例えば、曲率R1のフェース-ソール移行半径は、約0.5インチ未満、約0.475インチ未満、約0.45インチ未満、約0.425インチ未満、または約0.40インチ未満であってもよい。さらなる例として、フェース-ソール移行曲率半径R1は、約0.10インチ、0.15インチ、0.20インチ、0.25インチ、0.30インチ、0.35インチ、0.40インチ、0.45インチ、または0.50インチとすることができる。
【0073】
引き続き図4を参照すると、ソール112は、前端106から後端108まで、およびヒール114からトウ116まで延びる外面ソール面164(図2)を画定する。クラブヘッド100のソール湾曲形状166は、YZ平面1022によって交差し、ソール移行点162から後端108まで延びるソール面164の直線的な範囲として定義される。ソール湾曲形状166は、第1の凹部168、凸部170、および第2の凹部172を含む。第1の凹部168は、ソール移行点162から第1の屈曲点174まで延び、XZ平面1020に対して凹状(接地面113に対して凸状)である。第1の屈曲点174は、ソール湾曲形状166に沿って前端106から後端108に向かってソール湾曲形状166をたどっていったときに、ソール湾曲形状166がXZ平面1020に対して凹状に反転する最初の点として定義される。
【0074】
ソール湾曲形状166の凸部170は、第1の屈曲点174から第2の屈曲点176まで延び、XZ平面1020に対して凸である(接地面113に対して凹である)。第2の屈曲点176は、ソール湾曲形状166に沿って前端106から後端108に向かってソール湾曲形状166をたどっていったときに、ソール湾曲形状166がXZ平面1020に対して凹状に反転する第2の点として定義される。ソール湾曲形状166の第2の凹部172は、第2の屈曲点176から後端108に向かって延び、XZ平面1020に対して凹状(接地面113に対しては凸状)である。
【0075】
引き続き図4を参照すると、クラブヘッド100は、ロフト面1010と第1の屈曲点174との間のロフト面1010に垂直な方向に沿って測定された第1の屈曲点深さ178をさらに有する。多くの実施形態において、クラブヘッド100の第1の屈曲点深さ178は、0.50インチより大きい。図示の実施形態では、第1の屈曲点深さ178は、約1.50インチである。他の実施形態では、クラブヘッド100の第1の屈曲点深さ178は、0.75インチより大きく、1.00インチより大きく、1.10インチより大きく、1.20インチより大きく、1.30インチより大きく、1.40インチより大きく、1.50インチより大きく、1.60インチより大きく、1.70インチより大きく、1.80インチより大きく、1.90インチより大きく、2.00インチより大きく、2.25インチより大きく、または2.50インチより大きい。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド100の第1の屈曲点深さ178は、0.50~2.50インチの間、1.00~2.00インチの間、1.25~1.75インチの間、1.35~1.65インチの間、または1.45~1.55インチの間であってもよい。いくつかの実施形態では、クラブヘッド100の第1の屈曲点深さ178は、0.50インチ、0.75インチ、1.0インチ、1.25インチ、1.50インチ、1.75インチ、2.00インチ、2.25インチ、または2.50インチであってもよい。
【0076】
クラブヘッド100の第1の屈曲点深さ比は、クラブヘッド100の深度140に対する第一屈曲点深度178の比として定義される。多くの実施形態では、第1の屈曲点深さ比は0.25より大きい。他の実施形態では、第一屈曲点深さ比は、0.30より大きく、0.31より大きく、0.32より大きく、0.33より大きく、0.34より大きく、0.35より大きく、0.36より大きく、0.37より大きく、0.38より大きく、0.39より大きく、0.40より大きく、または0.45より大きい。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド100の第1の屈曲点深さ比は、0.25~0.45の間、0.30~0.45の間、0.25~0.40の間、0.30~0.40の間、0.32~0.38の間、または0.34~0.36の間であってもよい。いくつかの実施形態では、クラブヘッド100の第1の屈曲点深さ比は、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、または0.45であってもおい。
【0077】
図4を引き続き参照すると、クラブヘッド100のソール112は、底点180をさらに画定している。底点180は、凹入領域152(図2)を通って延びるソール湾曲形状166の部分に沿って位置する。具体的には、底点180は、凹入領域152内のソール湾曲形状166上に位置し、XZ平面1020に最も近い点として定義される。ほとんどの実施形態では、底点180は、凸部170上に位置する。言い換えれば、底点180は、凹入領域152が内部空洞118に向かって延びるにつれて、凹入領域152の最も低くなる点を表す。
【0078】
クラブヘッド100は、底点高さ(図示せず)をさらに有しており、底点高さは接地面113から底点180まで垂直に測定される。多くの実施形態では、クラブヘッド100の底点高さは、0.01インチから0.30インチの範囲である。他の実施形態では、クラブヘッド100の底点高さは、0.01~0.05インチ、0.05~0.10インチ、0.10~0.15インチ、0.15~0.20インチ、0.20~0.25インチ、または0.25~0.30インチの範囲とすることができる。他の実施形態では、底点高さは、0.01インチ、0.02インチ、0.03インチ、0.04インチ、0.05インチ、0.06インチ、0.07インチ、0.08インチ、0.09インチ、0.10インチ、0.11インチ、0.12インチ、0.13インチ、0.14インチ、0.15インチ、0.16インチ、0.17インチ、0.18インチ、0.19インチ、0.20インチ、0.21インチ、0.22インチ、0.23インチ、0.24インチ、0.25インチ、0.26インチ、0.27インチ、0.28インチ、0.29インチ、または0.30インチであってもよい。
【0079】
クラブヘッド100は、ロフト面1010と底点180との間のロフト面1010に垂直な方向に沿って測定された底点深さ182をさらに含む。多くの実施形態では、クラブヘッド100の底点深さ182は1.0インチより大きい。他の実施形態では、クラブヘッド100の底点深さ182は、1.1インチより大きく、1.2インチより大きく、1.3インチより大きく、1.4インチより大きく、1.5インチより大きく、1.6インチより大きく、1.7インチより大きく、1.8インチより大きく、1.9インチより大きく、2.0インチより大きく、2.1インチより大きく、2.2インチより大きく、2.3インチより大きく、2.4インチより大きく、または2.5インチより大きい。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド100の底点深度182は、1.0~3.0インチの間、1.0~1.5インチの間、1.5~2.5インチの間、2.0~3.0インチの間、2.0~2.5インチの間、または2.5~3.0インチの間であってもよい。
【0080】
クラブヘッド100の底点深さ比は、クラブヘッド100の深度140に対する底点深度182の比として定義される。多くの実施形態では、底点深さ比は、0.35より大きい。他の実施形態では、底点深さ比は、0.40より大きく、0.45より大きく、0.46より大きく、0.47より大きく、0.48より大きく、0.49より大きく、0.50より大きく、0.51より大きく、0.52より大きく、0.53より大きく、0.54より大きく、0.55より大きく、または0.60より大きい。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッド100 の底点深さ比Bは、0.40~0.60の間、0.45~0.60の間、0.40~0.55の間、0.45~0.55の間、0.47~0.53の間、または0.49~0.51の間とすることができる。
【0081】
クラブヘッド100のソール湾曲形状166は、前端106と後端108との間のソール湾曲形状166の様々な部分のそれぞれに沿った曲率半径という観点からも説明することができる。図4を参照すると、ソール湾曲形状166の第1の凹部168は、第1の部分曲率半径R2を有する第1の曲率部分184と、第2の部分曲率半径R3を有する第2の曲率部分186と、に分割される。第1の曲率部184は、ソール移行点162から、第1の曲率半径R2が第2の曲率半径R3に移行するソール湾曲形状166に沿った点として定義される第1の凹部移行点188まで延びている。第2の曲率部186は、第1の凹部移行点188から、第2の曲率部186を凸部170から分割する第1の屈曲点174まで延びている。ソール湾曲形状166の凸部170は、凸部曲率半径R4を含む。最後に、第2の凹部172は、第2の凹部の曲率半径R5を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、第1の部分の曲率半径R2は、約1.00~3.50インチの範囲であてもよい。図示された実施形態では、第1の部分曲率半径R2は、約1.75インチである。他の実施形態では、第1の部分曲率半径R2は、3.00インチ未満、2.50インチ未満、2.25インチ未満、2.00インチ未満、または1.75インチ未満であってもよい。例えば、第1の部分の曲率半径R2は、約1.00インチ、1.25インチ、1.5インチ、1.75インチ、2.00インチ、2.25インチ、または2.50インチであってもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、第2の部分の曲率半径R3は、約1.0~10.0インチの範囲であってもよい。一実施形態では、第2の部分の曲率半径R3は、約6.0インチである。他の実施形態では、第2の部分の曲率半径R3は、9.0インチ未満、8.0インチ未満、7.0インチ未満、6.0インチ未満、5.0インチ未満、4.0インチ未満、3.0インチ未満、または2.0インチ未満であってもよい。例えば、第2の部分の曲率半径R3は、約3.0インチ、4.0インチ、5.0インチ、6.0インチ、7.0インチ、8.0インチ、または9.0インチであってもよい。
【0084】
クラブヘッド100の底点高さ比は、底点高さと第1の凹部168の曲率半径R3との比として定義される。底点高さは、曲率半径R3に反比例する。曲率半径R3が小さくなるにつれて、底点高さは増加する。曲率半径R3が大きくなるにつれて、底点高さは減少する。多くの実施形態では、底点高さ比は、0.33以下である。他の実施形態では、底点高さ比は、0.30未満、0.25未満、0.20未満、0.15未満、0.10未満、または0.05未満である。他の実施形態では、底点高さ比は、0.001~0.05、0.05~0.10、0.10~0.15、0.15~0.20、0.20~0.25、0.25~0.30、または0.30~0.33の範囲であってもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、凸部曲率半径R4は、約1.0~9.0インチの範囲であってもよい。一実施形態では、凸部曲率半径R4は、約2.5インチである。他の実施形態では、凸部曲率半径R4は、8.0インチ未満、7.0インチ未満、6.0インチ未満、5.0インチ未満、4.0インチ未満、3.5インチ未満、3.0インチ未満、または2.5インチ未満であってもよい。例えば、凸部曲率半径R4は、約1.0インチ、2.0インチ、2.5インチ、3.0インチ、4.0インチ、5.0インチ、6.0インチ、7.0インチ、8.0インチ、または9.0インチであってもよい。一実施形態では、凸部曲率半径R4は約2.0インチである。
【0086】
いくつかの実施形態では、第2の凹部の曲率半径R5は、約5.0~15.0インチの範囲であってもよい。図示の実施形態では、第2の凹部の曲率半径R5は、約11.5インチである。他の実施形態では、第2の凹部の曲率半径R5は、12.0インチ未満、11.0インチ未満、10.0インチ未満、9.0インチ未満、または8.0インチ未満であってもよい。例えば、第2の凹部の曲率半径R5は、約7.0インチ、8.0インチ、9.0インチ、10.0インチ、11.0インチ、12.0インチ、または13.0インチであってもよい。いくつかの実施形態では、第2の凹部の曲率半径R5は、5.0~7.0インチ、7.0~9.0インチ、9.0~11.0インチ、11.0~13.0インチ、または13.0~15.0インチとすることができる。他の実施形態では、クラブヘッド100のソール湾曲形状166は、多項式、または二次方程式によって定義することもできる。
【0087】
上記のような凹入領域152により、クラブヘッド100のソール112は、先行技術のウッド型クラブヘッドと比較して、前端106と後端108との間ではるかにきつく湾曲した形状に従うことができる。(すなわち、10インチより大きい曲率半径がソール曲率形状として前端と後端との間に延びている。)これは、クラブヘッド100がゴルフボールに当たる際に、クラブボディ102のソール112がより大きく湾曲変形することを促進する。クラブボディ102の比較的大きな湾曲性は、従来のウッド型ゴルフクラブと比較して、クラブヘッド100により高い湾曲性を実現できる。
【0088】
ゴルフクラブヘッド100は、インパクト時に発生する内部エネルギーを、凹入領域および/またはリバースキャンバーソールを有さないコントロールクラブに比べて1.0~10.0lbf/インチの間で増加させることができる。いくつかの実施形態では、コントロールクラブヘッドに対するゴルフクラブヘッド100のインパクト時に発生する内部エネルギーの増加は、1.0lbf/インチより大きく、2.0lbf/インチより大きく、3.0lbf/インチより大きく、4.0lbf/インチより大きく、5.0lbf/インチより大きく、6.0lbf/インチより大きく、7.0lbf/インチより大きく、8.0lbf/インチより大きく、9.0lbf/インチより大きく、または10.0lbf/インチより大きい。いくつかの実施形態では、ゴコントロールクラブヘッドに対するゴルフクラブヘッド100のインパクト時に発生する内部エネルギーの増加は、1.0lbf/インチと4.0lbf/インチの間、2.0lbf/インチと5.0lbf/インチ、3.0lbf/インチと6.0lbf/インチ、4.0lbf/インチと7.0lbf/インチ、5.0lbf/インチと8.0lbf/インチ、6.0lbf/インチと9.0lbf/インチ、7.0lbf/インチと10.0lbf/インチの間であってもよい。
【0089】
この内部エネルギーの大幅な増加は、ボールスピードを0.1mphより大きく、0.2mphより大きく、0.3mphより大きく、0.4mphより大きく、0.5mphより大きく、0.6mphより大きく、0.7mphより大きく、0.8mphより大きく、0.9mphより大きく、1.0mphより大きく、1.1mphより大きく、1.2mphより大きく、1.3mphより大きく、1.4mphより大きく、または1.5mphより大きくさせる。いくつかの実施形態では、内部エネルギーの増加により、ボール速度が、0.1mphと0.5mphの間、0.2mphと0.6mphの間、0.3mphと0.7mphの間、0.4mphと0.8mphの間、0.5mphと0.9mphの間、0.6mphと1.0mphの間、0.7mphと1.1mphの間、0.8mphと1.2mphの間、0.9mphと1.3mphの間、1.0mphと1.4mphの間、またはmphと1.5mphの間で増加し得る。
【0090】
内部エネルギーの増加は、1~10ヤードの間のゴルフボールの飛距離の増加を実現し得る。いくつかの実施形態において、ゴルフボールの飛距離は、1ヤードより大きく、2ヤードより大きく、3ヤードより大きく、4ヤードより大きく、5ヤードより大きく、6ヤードより大きく、7ヤードより大きく、8ヤードより大きく、9ヤードより大きく、または10ヤードより大きく増加し得る。いくつかの実施形態では、ゴルフボールの飛距離は、1ヤードと3ヤードの間、2ヤードと4ヤードの間、3ヤードと5ヤードの間、4ヤードと6ヤードの間、5ヤードと7ヤードの間、6ヤードと8ヤードの間、7ヤードと9ヤードの間、または8ヤードと10ヤードの間で増加させることができる。
【0091】
さらに、インパクト中のソール112の比較的大きな湾曲変形は、クラブヘッド100とのインパクト時にゴルフボールに印加されるボールスピン率の減少につながり得る。例えば、スピンレートは、約150回転/分(RPM)だけ低減され得る。いくつかの実施形態において、スピンレートは、10RPMより大きく、20RPMより大きく、30RPMより大きく、40RPMより大きく、50RPMより大きく、60RPMより大きく、70RPMより大きく、80RPMより大きく、90RPMより大きく、100RPMより大きく、110RPMより大きく、120RPMより大きく、130RPMより大きく、140RPMより大きく、または150RPMより大きく低減され得る。場合によっては、ボールのスピンレートは、160RPMより大きく、170RPMより大きく、180RPMより大きく、190RPMより大きく、または200RPMよりさらに大きく低減され得る。いくつかの実施形態では、スピンレートは、10RPMと25RPMの間、25RPMと50RPMの間、50RPMと75RPMの間、75RPMと100RPMの間、100RPMと125RPMの間、125RPMと150RPMの間、150RPMと175RPMの間、または175RPMと200RPMの間だけ低減されてもよい。
【0092】
III.リバースキャンバーソールとインターナルカーブビーム
図5図7は、本発明の別の実施形態によるゴルフクラブヘッド200を示す。ゴルフクラブヘッド200は、ゴルフクラブヘッド100と類似しており、ゴルフクラブヘッド100と実質的に同じ構造を含むが、ソール212に取り付けられた1つまたは複数の内部ビーム290を含む(以下でさらに詳細に説明する)。したがって、以下の説明は、主に、図1図4に関連して上述した実施形態とは異なる構造および特徴に焦点を当てる。図1図4に関連して説明した特徴および構成要素は、図5図7において200番台の参照番号が付されている。以下に明示的に記載されていないゴルフクラブヘッド200の特徴は、ゴルフクラブヘッド100の特徴と同じ特性を有することを理解されたい。
【0093】
ゴルフクラブヘッド100と同様に、ゴルフクラブヘッド200は、ソール212に形成された凹入領域252(図5)を含む。図5および図6を参照すると、ゴルフクラブヘッド200はまた、第1の端部291および第2の端部292でソール212に取り付けられ、第1および第2の端部291、292の間でゴルフクラブヘッド200の内部空洞218を通って延びる内部ビーム290を含む。図示の実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は3つのビーム290を含む。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、1本、2本、4本、5本、6本、7本、8本、9本、または10本のビーム290を含み得る。
【0094】
各ビーム290の第1の端部291は、ゴルフクラブヘッド200の前端206に近接する位置でソール212に取り付けられる。例えば、図示の実施形態では、第1の端部291は、フェース-ソール移行境界256に隣接するソール212の部分に取り付けられている。各ビーム290の第2の端部292は、凹入領域252において、または凹入領域252に近接してソール212に取り付けられる。
【0095】
各ビーム290は、概ね前後方向、又は概ねZ軸1016に沿った方向に延びる。いくつかの実施形態では、各ビーム290は、第1および第2の端部291、292の間で概ね直線状の経路をたどる。図示の実施形態では、各ビーム290は、第1及び第2の端部291、292の間で曲線経路をたどる。具体的には、各ビーム290は、第1の端部291と第2の端部292との間で概ね円弧状の経路をたどる。さらに、図示の実施形態では、ビーム290は、互いに概ね平行に延び、各ビーム290は、概ね同じ円弧状の経路をたどる。他の実施形態では、ビーム290は、第1および第2の端部291、292の間で、互いに相対的に、異なるそれぞれの経路をたどり得る。
【0096】
各ビーム290のビーム高さ293は、ビーム290とソール212の内面との間の最大距離として定義され、ソールの内面に垂直に測定される。ビーム高さ293は、0.010インチから1.000インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ビーム高さ293は、0.010~0.10インチ、0.10~0.20インチ、0.20~0.30インチ、0.30~0.40インチ、0.40~0.50インチ、0.50~0.60インチ、0.60~0.70インチ、0.70~0.80インチ、0.80~0.90インチ、または0.90~1.0インチの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、ビーム高さ293は、0.10インチ、0.20インチ、0.30インチ、0.40インチ、0.50インチ、0.60インチ、0.70インチ、0.80インチ、0.90インチ、または1.0インチであってもよい。
【0097】
図7を参照すると、各ビーム290は、ビーム290の経路に垂直に延びる平面によってビーム290が交差する箇所で定義される断面形状294を含む。図示の実施形態では、各ビーム290の断面形状294は矩形である。他の実施形態では、各ビーム290の断面形状294は、円形、三角形、長方形、台形、八角形、または任意の他の望ましい断面形状であってもよい。
【0098】
図示の実施形態では、各ビーム290の断面形状294は、概してヒール-トウ方向に沿って測定される幅295と、概してクラウン-ソール方向に沿って測定される厚さ296と、を有している。幅295は、約0.010インチから1.000インチの範囲とすることができる。幅295は、0.010インチ、0.05インチ、0.10インチ、0.20インチ、0.30インチ、0.40インチ、0.50インチ、0.60インチ、0.70インチ、0.80インチ、0.90インチ、または1.0インチとすることができる。図示の実施形態では、幅295は約0.2インチである。
【0099】
厚さ296は、約0.010インチ~0.500インチの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、厚さ296は、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、0.035インチ、0.040インチ、0.045インチ、または0.050インチであってもよい。図示の実施形態では、厚さ296は約0.033インチである。さらに、各ビーム290は、隣接する各ビームから約0.5インチずつ間隔をあけて配置されている。
【0100】
他の実施形態では、ビーム290は、0.050インチ~1.000インチの範囲の距離だけ互いに離間され得る。いくつかの実施形態では、ビーム290は、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、0.035インチ、0.040インチ、0.045インチ、または0.050インチの距離だけ互いに離間され得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、ビーム290は、クラブヘッド200のボディ204と同じ材料から形成することができ、ボディ204と一体的に形成することができる。他の実施形態では、ビーム290は、ボディ204とは別個に形成され、溶接、エポキシ接合、または任意の他の適切な接合方法などの接合方法でボディ204に結合され得る。これらの実施形態では、ビーム290はクラブヘッド200のボディ204と同じ材料または異なる材料から形成することができる。
【0102】
図8および図9は、本発明の別の実施形態によるゴルフクラブヘッド300を示す。ゴルフクラブヘッド300は、ゴルフクラブヘッド200と類似しており、ゴルフクラブヘッド200と実質的に同じ構造を含む。したがって、以下の説明は、主に、図5図7に関連して上述した実施形態とは異なる構造および特徴に焦点を当てる。図5図7に関連して説明した特徴および構成要素は、図8および図9において300番台の参照番号が付されている。以下に明示的に記載されていないゴルフクラブヘッド300の特徴は、ゴルフクラブヘッド200の特徴と同じ特性を有することを理解されたい。
【0103】
ゴルフクラブヘッド100および200と同様に、ゴルフクラブヘッド300は、ソール312に形成された凹入領域352を含む。そして、ゴルフクラブヘッド200と同様に、ゴルフクラブヘッド300は、第1の端部391と第2の端部392との間に延びる内部ビーム390を含む。しかしながら、ゴルフクラブヘッド200とは異なり、クラブヘッド300のビーム390の第1の端部391は、ソール312に取り付けられていない。むしろ、各ビーム390の第1の端部391は、前端部306に取り付けられている。具体的には、各ビーム390の第1の端部391は、前端部306の周囲部分320に取り付けられている。さらに、図示の実施形態では、クラブヘッド300は、4本のビーム390を含む。他の実施形態では、クラブヘッド300は、1本、2本、3本、5本、6本、7本、8本、9本、または10本のビーム290を含むことができる。クラブヘッド300のビーム390は、クラブヘッド200に関して上述したいずれかの経路をたどることができる。同様に、ビーム390は、クラブヘッド200に関して上述したビームの高さ293、断面形状294、幅295、および厚さ296と同様のビームの高さ393、断面形状394、幅395、および厚さ396を有することができる。
【0104】
IV.負のドラフト角を有するリバースキャンバーソールとクラウン
図14および図15は、ソール512のさらなる撓みを促す、タイトなフェース-クラウン移行部および実質的に平坦なクラウン510と組み合わせたリバースキャンバーソール512を含むクラブヘッド500の実施形態を示す。ゴルフクラブヘッド500は、ゴルフクラブヘッド100と類似しており、平坦なクラウン510を含む以外は、ゴルフクラブヘッド100と実質的に同じ構造を含む。したがって、以下の説明は、主に、図1図4に関連して上述した実施形態とは異なる構造および特徴に焦点を当てる。図1図4に関連して説明した特徴および構成要素は、図14において500番台の参照番号が付されている。以下に明示的に説明されないゴルフクラブヘッド500の特徴は、ゴルフクラブヘッド100の特徴と同じ特性を有することを理解されたい。
【0105】
以前の実施形態のゴルフクラブヘッドと同様に、ゴルフクラブヘッド500は、ソール512に形成された凹入領域552を含む。ゴルフクラブヘッド500は、クラブヘッド500の前端部506全体にわたって延びる打球面504を含み、打球面504は、返し部分521を形成する。返し部分521は、クラウン510、ソール512、ヒール514、およびトウ516のうちの少なくとも1つにわたって延びることができる。多くの実施形態では、クラブヘッド500は「フェースカップ」構成を形成し、この場合、返し部分521は前端506から後方に延び、クラウン510の一部、ソール512の一部、およびトウ516の一部を形成する。いくつかの実施形態では、打球面504は、ヒール514またはホーゼル構造524の一部を形成しない場合があり、返し部分521は、ヒール側の前端506から後方に延びない場合がある。返し部分521は、打球面512の一部分として形成することができる。返し部分521を含む打球面512は、クラブヘッド500の残余の部分とは異なる材料で構成することができる。多くの実施形態では、打球面512および返し部分521は、繰り返し生じるゴルフボールとのインパクトに耐えうる、高強度材料で形成され得る。返し部分521を含むことで、クラウン510の一部を高強度打球面512の材料で構成するおよび/または打球面512とボディ502との間の溶接線をクラブヘッド500の前端506から遠ざけることになり、これにより、クラブヘッド500の耐久性を高めることができる。
【0106】
ゴルフクラブヘッド500のクラウン510は、前端506と後端508との間に複数の曲率半径によって画定される曲率を有する。ゴルフクラブヘッド500のクラウン510は、典型的な先行技術のゴルフクラブヘッドと比較して比較的大きい曲率半径を構成することができ、4.0インチと10.0インチとの間の実質的に大きい曲率半径を有する実質的に平坦なクラウン510を有するゴルフクラブヘッド500を提供する。比較的大きな曲率半径は、クラウン500に大きな剛性を与える。ゴルフボールとのインパクトの際に、硬いクラウン500は変形に抵抗し、クラブヘッドの変形の大部分をソール512に生じさせる。他の実施形態に関して上述したように、インパクト時のソールの変形の増大は、クラブヘッド500とゴルフボールとの間のエネルギー伝達の増大、および/または、特にローフェースヒット時のボールスピン率の低下をもたらす。
【0107】
引き続き図14を参照すると、クラブヘッド500は、前端506がクラウン510に移行するフェース-クラウン移行境界557を含む。フェース-クラウン移行境界557は、(例えば、図14で見られるように)YZ平面1022に沿った断面図から見たときに見えるフェース-クラウン移行形状559を有する。フェース-クラウン移行形状559は、フェース-クラウン遷移曲率半径R6に従う。フェース-クラウン移行形状559は、打球面504の輪郭が打球面504のロール半径から変化する打球面-クラウン遷移点561から、クラウン510の曲率がフェース-クラウン遷移曲率半径R6から離れるクラウン遷移点563まで延びる。いくつかの実施形態では、フェース-クラウン遷移曲率半径R6は、フェース-クラウン遷移点561からクラウン遷移点563まで延びる一定の曲率半径を有する。多くの実施形態において、フェース-クラウン遷移曲率半径R6は、打球面504とクラウン510との間の急激な遷移を提供するために実質的にタイトであってもよい。タイトなフェース-クラウン遷移曲率半径R6は、打球面504とクラウン510との間に実質的に高剛性の界面を形成し、フェース-クラウン遷移境界557付近の変形を抑制する。硬くなったフェース-クラウン移行境界557は、平坦で剛性の高いクラウン510と組み合わさって、クラウン510またはその近傍での変形を抑制することにより、クラブヘッド全体の変形のより大部分がソール512で起こるように影響を及ぼす。
【0108】
いくつかの実施形態では、フェース-クラウン遷移曲率半径R6は、約0.1~0.50インチの範囲であってもよい。例えば、曲率R6のフェース-クラウン移行半径は、約0.5インチ未満、約0.475インチ未満、約0.45インチ未満、約0.425インチ未満、または約0.40インチ未満であってもよい。さらなる例として、フェース-クラウン転移曲率半径R6は、約0.20インチと0.25インチの間、0.25インチと0.30インチの間、0.30インチと0.35インチの間、0.35インチと0.40インチの間、0.40インチと0.45インチの間、または0.45インチと0.50インチの間であってもよい。
【0109】
図14を引き続き参照すると、クラウン510は、前端部506から後端部508まで、およびヒール514からトウ516まで延びる外側のクラウン表面565を画定する。クラブヘッド500のクラウン曲率形状567は、YZ平面1022によって交差され、クラウン移行点563から後端508まで延びるクラウン表面565の直線的な範囲として定義される。クラウン曲率形状567は、返し部分569とクラウン部分571とを含む。
【0110】
クラウン曲率形状567の返し部分569は、クラウン移行点563から返し部移行点575まで延びている。返し部移行点575は、クラウン曲率形状567に沿って、返し部分521がボディ502に結合される点として定義される。返し部移行点575は、返し部分569をクラウン510の残りの部分から分離する。返し部移行点575は、ロフト面1010と返し部移行点575との間のロフト面1010に垂直な方向に沿って測定された返し部移行点深さ577を有する。
【0111】
多くの実施形態において、返し部移行点深さ577は、約0.25インチと1.0インチとの間であってもよい。図示された実施形態では、返し部移行点深さ577は、約0.50インチである。他の実施形態では、返し部移行点深さ577は、約0.25と0.30インチの間、約0.30と0.40インチの間、約0.40と0.50インチの間、約0.50と0.60インチの間、約0.60と0.70インチの間、約0.70と0.80インチの間、約0.80と0.90インチの間、または約0.90と1.0インチの間であってもよい。いくつかの実施形態では、返し部移行点深さ577は、0.25インチより大きく、0.30インチより大きく、0.35インチより大きく、0.40インチより大きく、0.45インチより大きく、0.50インチより大きく、0.55インチより大きく、0.60インチより大きく、0.65インチより大きく、0.70インチより大きく、0.75インチより大きく、0.80インチより大きく、0.85インチより大きく、0.90インチより大きく、0.95インチより大きく、または1.0インチより大きくすることができる。
【0112】
ゴルフクラブヘッド500の返し部移行点深さ比は、ゴルフクラブヘッド500の全体の深さ540に対する返し部移行点深さ577の比として定義される。返し部移行点深さ比は、返し部分569によって形成されるクラウン510の割合を特徴付ける。多くの実施形態では、返し部移行点深さ比は、約0.05~約0.35の範囲であってもよい。図示された実施形態では、返し部移行点深さ比は約0.15インチである。他の実施形態では、返し部移行点深さ比は、約0.05と約0.10インチの間、約0.10と約0.15インチの間、約0.15と約0.20インチの間、約0.20と約0.25インチの間、約0.25と約0.30インチの間、または約0.30と約0.35インチの間であってもよい。いくつかの実施形態において、返し部移行点深さ比は、0.05インチより大きく、0.10インチより大きく、0.15インチより大きく、0.20インチより大きく、0.25インチより大きく、0.30インチより大きく、または0.35インチより大きくすることができる。
【0113】
多くの実施形態では、クラウン曲率のクラウン部571は、返し部569を構成しないクラウンの残りの部分を有する。クラウン曲率形状567のクラウン部分571は、リターン移行点575からクラブヘッド500の後端508まで延びる。
【0114】
クラブヘッド500のクラウン曲率形状567は、前端部506と後端部508との間のクラウン曲率形状567の様々な部分のそれぞれに沿った曲率半径で説明することができる。返し部分569は、返し部分曲率半径R7を構成することができる。いくつかの実施形態では、クラウン部分571は、単一のクラウン部分曲率半径R8から構成され得る。他の実施形態では、クラウン部571は、クラウン曲率形状567に沿った複数の曲率半径から構成され得る。返し部曲率半径R7およびクラウン部曲率半径R8は、クラウン510がどの程度平坦であるか、または球根状であるか(丸みを帯びているか)を特徴付ける。より平坦なクラウン510は、より大きな返し部曲率半径R7および/またはより大きなクラウン部曲率半径R8に対応し、より球根状のクラウンは、より小さな返し部曲率半径R7および/またはより小さなクラウン部曲率半径R8に対応する。クラブヘッド500の実質的に平坦なクラウン510は、比較的大きな曲率半径R7、R8から構成されている。
【0115】
いくつかの実施形態では、返し部分の曲率半径R7は、約4.0~10.0インチの範囲であってもよい。図示された実施形態では、返し部分の曲率半径R7は、約6.0インチである。多くの実施形態では、返し部曲率半径R7は、約4.5インチから約7.0インチの間であってもよい。他の実施形態では、返し部分の曲率半径R7は、約4.0と5.0インチの間、約5.0と6.0インチの間、約6.0と7.0インチの間、約7.0と8.0インチの間、約8.0と9.0インチの間、または約9.0と10.0インチの間であってもよい。いくつかの実施形態において、返し部分の曲率半径R7は、4.0インチより大きく、5.0インチより大きく、6.0インチより大きく、7.0インチより大きく、8.0インチより大きく、9.0インチより大きく、または10.0インチより大きくすることができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、クラウン部曲率半径R8は、クラウン510全体の曲率が比較的均一であるように、返し部曲率半径R7に実質的に類似し得る。クラウン部の曲率半径R8は、約4.0~10.0インチの範囲であってもよい。図示の実施形態では、クラウン部の曲率半径R8は、約6.0インチである。いくつかの実施形態では、クラウン部の曲率半径R8は、約4.5インチから約7.0インチの間であってもよい。他の実施形態では、クラウン部の曲率半径R8は、約4.0と5.0インチの間、約5.0と6.0インチの間、約6.0と7.0インチの間、約7.0と8.0インチの間、約8.0と9.0インチの間、または約9.0と10.0インチの間であってもよい。いくつかの実施形態において、クラウン部の曲率半径R8は、4.0インチより大きく、5.0インチより大きく、6.0インチより大きく、7.0インチより大きく、8.0インチより大きく、9.0インチより大きく、または10.0インチより大きくすることができる。他の実施形態では、返し部曲率半径R7およびクラウン部の曲率半径R8は、互いに異なり得る。
【0117】
上述したように、ゴルフクラブヘッド500は、平らで硬いクラウン510と、きつい曲率を有する、くぼみのある柔軟なソール512とを有する。クラウン510の剛性とソール512の可撓性との間の差は、インパクト時のクラブヘッド500の湾曲性の大部分をソール512で生じさせ、クラブヘッド500とゴルフボールとの間のエネルギー伝達を増大させる。多くの実施形態において、クラウン510の剛性とソール512の可撓性との間の差は、それぞれの曲率の関係によって特徴付けることができる。多くの実施形態において、クラウン510の1つまたは複数の曲率半径は、ソール512の1つまたは複数の曲率半径よりも大きくなり得る。
【0118】
一般に、クラブヘッド500は、クラウン510の曲率半径がソール512の曲率半径よりも大きく、ソール512と比較してはるかに平らなクラウン510を形成する。クラウン510の曲率とソール512の曲率との間の差は、クラウン部の曲率半径R8と凸部曲率半径R4とを比較する比によって特徴付けることができる。多くの実施形態では、比R8/R4は、2.0~5.0とすることができる。いくつかの実施形態では、比R8/R4は、2.0と2.5の間、2.5と3.0の間、3.0と3.5の間、3.5と4.0の間、4.0と4.5の間、または4.5と5.0の間であってもよい。いくつかの実施形態において、比R8/R4は、2.0より大きく、2.5より大きく、3.0より大きく、3.5より大きく、4.0より大きく、4.5より大きく、または5.0より大きくすることができる。多くの実施形態において、比R8/R4は、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、または約5.0であってもよい。
【0119】
多くの実施形態では、クラウン510の最前方部分(すなわち、返し部分521)は、ソール512の最前方部分(すなわち、第1曲率部584)よりもはるかにきつい曲率で構成され得る。返し部521と第1曲率部584の曲率の差は、ソール512にさらなる屈曲を生じさせる。返し部521と第1の曲率部584の曲率の差は、返し部曲率半径R7と第1の曲率部の曲率半径R2とを比較する比によって特徴付けることができる。多くの実施形態では、比R7/R2は、2.0と5.0との間であってもよい。いくつかの実施形態では、比R7/R2は、2.0と2.5との間、2.5と3.0との間、3.0と3.5との間、3.5と4.0との間、4.0と4.5との間、または4.5と5.0との間であってもよい。いくつかの実施形態において、比R7/R2は、2.0より大きく、2.5より大きく、3.0より大きく、3.5より大きく、4.0より大きく、4.5より大きく、または5.0より大きくすることができる。いくつかの実施形態において、比R7/R2は、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、または約5.0であってもよい。
【0120】
図15を参照すると、ゴルフクラブヘッド500は、クラウン510とソール512との間で測定されるドラフト角αを画定することができる。ドラフト角αは、ソール512に対するクラウン510の返し部521の角度を特徴付ける。多くの実施形態では、ドラフト角度αは負とすることができ、この場合、クラウン返し部521は、ソール512に向かって下方に角度をなす。代替実施形態では、ドラフト角度αは正とすることができ、この場合、クラウン返し部521は、上方に、ソール512から離れるように角度を付けられる。ドラフト角αは、クラウン510の全体的な曲率に対応する。一般に、正の高いドラフト角は、球根状のクラウン(クラウンがより丸みを帯び、比較的小さな曲率半径を有する)に対応する。返し部分521が高いドラフト角αを有しており、ソール512から離れるように角度がつけられている場合、クラウン510の後部が後端部508に接続するためには、クラウン510はきつい曲率半径を有する必要がある。一般に、低いドラフト角αまたは負のドラフト角αは、平坦なクラウン510に対応する。返し部分521が低いまたは負のドラフト角αを有しており、ソール512に向かって角度がつけられている場合、クラウン510は、後端部508に接続するために、きつい曲率半径を有する必要はない。
【0121】
多くの実施形態では、クラブヘッド500は、より平坦なクラウンを形成する負のドラフト角αを有する。ほとんどの先行技術のクラブヘッドは、正のドラフト角を有する。多くの実施形態において、本クラブヘッド500のドラフト角αは、0~-10度の範囲であってもよい。図示の実施形態では、ドラフト角αは約-5度である。他の実施形態では、ドラフト角αは、ほぼ0度と-1度の間、-1度と-2度の間、-2度と-3度の間、-3度と-4度の間、-4度と-5度の間、-5度と-6度の間、-7度と-8度の間、-8度と-9度の間、または-9度と-10度の間であってもよい。多くの実施形態において、ドラフト角度αは、0度未満、-1度未満、-2度未満、-3度未満、-4度未満、-5度未満、-6度未満、-7度未満、-8度未満、-9度未満、または-10度未満であってもよい。多くの実施形態において、ドラフト角度αは、約-2.5度、約-3度、約-3.5度、約-4.0度、約-4.5度、約-5.0度、約-5.5度、約-6.0度、約-6.5度、約-7.0度、または約-7.5度であってもよい。
【0122】
多くの実施形態において、開示された範囲内のドラフト角αは、クラウン510を実質的に平坦にすることによって、クラウン510の剛性の増加に寄与する。ドラフト角αが急激に増加されると、クラウン510は、打球面504を後端508に接続するために、よりきつい曲率を有するより球根状の形状を有さなければならない。負のドラフト角αを有する硬くされたクラウン510を形成することによって、ゴルフクラブヘッド500の全体的な変形のより大部分が、ソール512において生じることになる。きついフェース-クラウン遷移曲率半径R6、負のドラフト角αを有する実質的に平坦なクラウン510、ならびに陥没したソール512の組み合わせは、インパクト時にソール512で最大の変形を可能にし、これはインパクト時の内部エネルギーの増大および/またはボールスピン率の低下を実現する。
【0123】
多くの実施形態では、図14を参照すると、クラブヘッド500は、クラブヘッド500の曲率と連動して打ち出し角および/またはボール速度を増加させるように構成された後方ウェイト部材597をさらに含むことができる。図14に示されるように、クラブヘッド500は、ソール512上で後端508に近接して配置された後部ウェイト凹部555を備えることができる。後方ウェイト凹部555は、後端部508またはその近傍で、ソール外面564に没入形成することができる。いくつかの実施形態では、後方ウェイト凹部555は、後端508に直接当接することができる。他の実施形態では、後方ウェイト凹部555は、ソール512の後方部分に位置し得るが、後端508からわずかにオフセットしていてもよい。いくつかの実施形態では、後方ウェイト凹部555は、後端508から0.05インチから1.0インチだけオフセットすることができる。いくつかの実施形態では、後方ウェイト凹部555は、後端508から0.05インチと0.10インチの間、0.10インチと0.20インチの間、0.20インチと0.30インチの間、0.30インチと0.40インチの間、0.40インチと0.05インチの間、0.10インチと0.20インチの間、0.20インチと0.30インチの間、0.30インチと0.40インチの間、0.40インチと0.50インチの間、0.50インチと0.60インチの間、0.60インチと0.70インチの間、0.70インチと0.80インチの間、0.80インチと0.90インチの間、または0.90インチと1.0インチの間オフセットされていてもよい。
【0124】
後方ウェイト凹部555は、後方ウェイト部材597を受けるように構成されている。後方ウェイト部材597は、ソール512の材料とは異なる材料で構成することができる。多くの実施形態では、後方ウェイト部材597は、クラブヘッド500の低くて後方の位置に質量を集中させるために、ソール512の密度よりも大きい密度で構成される。ウェイト部材597を含めることによって、ソール512および後端508に近いCG546の位置が提供される。
【0125】
多くの実施形態では、後方ウェイト部材597は、後方ウェイト部材597の開口部(図示せず)を通って延び、後方ウェイト凹部555の1つ以上の表面に固定される機械的締結具598を介してクラブヘッド500に固定することができる。多くの実施形態では、後方ウェイト部材597は、他の任意の様々な機械的締結手段、接着手段、溶接、または他の任意の適切な接合方法によって後方ウェイト凹部555内に固定することができる。
【0126】
上述したように、後方のウェイト部材597と陥没ソール512との組み合わせは、打ち出し角とボールスピードの増加をもたらすことができる。インパクト時に、ソール512は、底点580を中心に内側に撓んで曲がる。ソール512の撓みにより、クラブヘッド500全体がそれ自体にわずかに「折り込まれ」、底点部580が折り目のしわとして機能する。そのため、前端部506と後端部508の両方が底点部580を中心に下方に回転する(すなわち、接地面513に向かって下方に曲がり、回転する)。後端部508の下方への回転は、CG546に対する後方ウェイト部材597の位置を下げる。要するに、陥没ソール512と後方ウェイト部材597の組み合わせは、インパクト時にCG546を動的に下げ、より高い打ち出しに影響する。
【0127】
インパクト時にCG546の前記動的な下降によって生じる打ち出し角の増大は、最大5ヤード遠くまで飛ぶゴルフショットを生成するのに有利である。さらに、インパクト時にCG546を動的に下げることによって生じる打ち出し角の増加は、ボールの打ち出しを低くしすぎることなく、クラブヘッド500を、ロフト角を下げて設計可能にすることができる。一般的に、設計されたクラブヘッド500のロフト角を減らすことは、ボールスピードの増加をもたらす。さらに、インパクト時のCG546の動的な低下によって生じる打ち出し角の増加は、フェアウェイウッド型ゴルフクラブヘッドを使用する場合に一般的なミスヒットである、打球面504上で低く打ったゴルフショットで生じる望ましくない低い打ち出しを打ち消すことができる。
【0128】
V.リバースキャンバーソールと振動減衰リブ
図16図20は、複数の振動減衰リブ631を備える、本発明の別の実施形態によるゴルフクラブヘッド600を示す。振動減衰リブ631は、インパクト時にクラブヘッド600に印加される振動を制御し、クラブヘッド600により望ましい音響応答を提供する。振動減衰リブ631は、ソール612のきつい曲率によって生じる望ましくない振動の振幅を減少させ、および/または周波数を増加させるために設けることができる。ゴルフクラブヘッド600は、ゴルフクラブヘッド500と同様であり、ゴルフクラブヘッド500と実質的に同じ構造を含む一方で、1つ以上の振動減衰リブ631を含む。したがって、以下の説明は、図14図15に関連して上述した実施形態とは異なる構造および特徴に主に焦点を当てる。図14~15に関連して説明した特徴および構成要素は、図16図20において600番台の参照番号が付されている。以下に明示的に記載されていないゴルフクラブヘッド600の特徴は、ゴルフクラブヘッド500の特徴と同じ特性を有することを理解されたい。本明細書で説明する振動減衰リブ631は、クラウン610またはソール612の曲率、負のドラフト角α、上述した返し部621、またはそれらの任意の組み合わせのいずれかと組み合わせることができる。
【0129】
ゴルフクラブヘッド500と同様に、ゴルフクラブヘッド600は、ソール612に形成された凹入領域652、返し部分621、および実質的に負のドラフト角αを含む。図16を参照すると、ゴルフクラブヘッド600はまた、ソール612の内面615に配置された複数の振動減衰リブを含む。振動減衰リブ631は、インパクト時のゴルフクラブヘッド600の振動応答を制御することを可能にする。振動減衰リブ631は、クラブヘッド600に発生する振動の支配的モードの振幅を減少させ、および/または前記支配的モードの周波数を上昇させる役割を果たし得る。ゴルフクラブヘッド600の振動を制御することにより、より好ましい聞こえ方のインパクト時の音響応答を有するクラブヘッド600を実現する。
【0130】
図16が示すように、振動減衰リブ631は、ソール内面613から内部空洞618内に上向きに突出している。各振動減衰リブ631は、第1の端部633と、第1の端部633とは反対側の第2の端部635とを有する。いくつかの実施形態では、複数の振動減衰リブ631のうちの1つ以上は、リブ631の高さが第1の端部633から第2の端部635まで変化するような円弧状形状を規定することができる。多くの実施形態では、図16によって示されるように、各振動減衰リブ631は、第1の端部633と第2の端部635との間に頂点639を構成することができる。いくつかの実施形態では、各振動減衰リブ631の高さは、第1の端部633および/または第2の端部635の近くで最小とすることができる。多くの実施形態では、振動減衰リブ631は、ソール内面615と一体的に形成されている。他の実施形態では、振動減衰リブ631は、クラブヘッド600とは別個に形成され、ソール内面615に取り付けられ得る。
【0131】
ソール612の内面615に沿った複数の振動減衰リブ631の構成および位置は、インパクト時にクラブヘッド600に印加される振動の支配的なモードの振幅および周波数の両方を制御することができる。図17を参照すると、第1の実施形態では、複数の振動減衰リブ631は、実質的に放射状に配置され得る。いくつかの実施形態では、複数の振動減衰リブ631は、収束点637から放射状に配置され得る。そのような実施形態では、振動減衰リブ631は、収束点637から後方に向かって後壁608に向かって異なる方向に延びることができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、複数の振動減衰リブ631は、各リブ631の第1の端部633が収束点637で接続するように、互いに接触することができる。図17の図示された実施形態のような他の実施形態では、複数の振動減衰リブ631は、各リブ631の第1の端部633が収束点637から離間するように、互いに接触しない。他の実施形態(図示せず)では、複数の振動減衰リブ631は、放射状パターンを形成していなくてもよい。いくつかの実施形態では、複数の振動減衰リブ631のうちの1つ以上は、実質的に前端から後端へ向かう方向、実質的にヒールエンドからトウエンドへ向かう方向、打球面604に対して斜め方向、またはそれらの任意の組み合わせで延びることができる。
【0133】
多くの実施形態では、ここで図18および図19を参照すると、複数の振動減衰リブ631は、ソール612の内面615に沿って延びる中央クロスリブ641をさらに備える。多くの実施形態では、中央クロスリブ641は、実質的に踵からトウの方向に延びる長さを有する。多くの実施形態では、図18に例示するように、中央クロスリブ641は、放射状に配置された振動減衰リブ631のうちの1つ以上と交差し得る。他の実施形態では、図19に示されるように、中央クロスリブ641は、中央クロスリブ641が他の振動減衰リブ631と交差したり接触したりしないように、放射状に配置された振動減衰リブ631から離れて、および/または放射状に配置された振動減衰リブ631の前に間隔を空けて配置することができる。中央クロスリブ641は、ヒール端部616に近接して配置された第1の端部643と、トウ端部614に近接して配置された第2の端部645とを備えることができる。
【0134】
多くの実施形態では、中央クロスリブ641は、ソール612の曲率のピーク(すなわち、底点680)またはその近傍に設けることができる。典型的には、ソール612の曲率が底点680においてまたは底点680の近傍において最もきついため、クラブヘッド600は底点680の近傍において支配的な振動を経験する。底点680またはその近傍に中央クロスリブ641を設けることにより、底点680で発生する支配的な振動を、ソール612の撓みに悪影響を及ぼすことなく減衰させることができる。
【0135】
図20を参照すると、中央クロスリブ641は、底点680の実質的に近くに位置することができる。クラブヘッド600は、中央クロスリブ641と底点部680との間のオフセット距離649を構成することができる。多くの実施形態では、中央クロスリブ641と底点部680との間のオフセット距離649は、0~0.30インチとすることができる。いくつかの実施形態では、中央クロスリブ641と底点部680との間のオフセット距離649は、0と0.05インチとの間、0.05と0.10インチとの間、0.10と0.15インチとの間、0.15と0.20インチとの間、0.20と0.25インチとの間、または0.25と0.30インチとの間であってもよい。いくつかの実施形態では、中央クロスリブ641と底点部680との間のオフセット距離649は、0.30インチ未満、0.25インチ未満、0.20インチ未満、0.15インチ未満、0.10インチ未満、または0.05インチ未満であってもよい。いくつかの実施形態では、中央クロスリブ641は、中央クロスリブ641と底点680との間のオフセット距離がゼロとなるように、底点680上に直接配置することができる。
【0136】
IV.溝付きリバースキャンバーソール
図21および図22は、別の実施形態による、スロット790と組み合わせたリバースキャンバーソール712を有するクラブヘッド700を示す。ゴルフクラブヘッド700は、スロット790を含むこと以外は、以前の実施形態のゴルフクラブヘッドと同様である。したがって、以下の説明は、主に、上述の実施形態とは異なる構造および特徴に焦点を当てる。前述の実施形態に関連して説明した特徴および構成要素は、図21において700番台の参照番号が付されている。以下に明示的に記載されていないゴルフクラブヘッド700の特徴は、以前の実施形態のゴルフクラブヘッドの特徴と同じ特性を有することを理解されたい。本明細書で説明するソールスロット790は、クラウン710またはソール712の曲率、負のドラフト角α、返し部721、上述した複数の振動減衰リブ731、またはそれらの任意の組み合わせのいずれかと組み合わせることができる。
【0137】
本実施形態では、クラブヘッド700は、第1の曲率部784、第1の凹部768、凸部770、底点部780、および第2の凹部772を有するリバースキャンバーソール712を備える。クラブヘッド700は、スロット790をさらに備える。スロット790は、打球面704に近接し、底点部780の前方のクラブヘッド700のソール712に配置される。スロット790は、ソール712の開口部または貫通開口部として設けられ、ソール712に不連続面を形成することができる。スロット790は、クラブヘッドの内部へのアクセスを提供し、かつ/またはクラブヘッド700の外部から内部空洞718への通路を提供する。スロット790は、凹入領域752と連動して、ソール712の湾曲変形を増大させ、蓄積された内部エネルギーを増大させ、したがってボール速度およびボール飛距離を増大させる。
【0138】
図21を参照すると、スロット790は、前方端部791および後方端部792と、トウ端部793と、ヒール端部794と、スロット790を覆うかまたは埋めるように構成されたインサート(図示せず)とを備える。図示の実施形態では、スロット790は、丸みを帯びた端部を有する一般的な細長いスタジアム形状(ピル形状)をとる。ヒール端部794および/またはトウ端部793は、衝撃時にスロット790の端部の周囲に蓄積する応力を低減するために丸めることができる。他の実施形態では、スロット790は、応力の蓄積を低減するために他の様々な形状および幾何学的形状をとることができる。
【0139】
図21を参照すると、前方縁部791は、前後方向で測定して接地面713に平行な3mmと15mmとの間の距離796だけクラブヘッド700の前方縁部705からオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、前方縁791と前縁705との間の距離796は、3mmと5mmとの間、5mmと7mmとの間、7mmと9mmとの間、9mmと11mmとの間、11mmと13mmとの間、または13mmと15mmとの間であってもよい。
【0140】
スロット790は、後縁792から前縁791まで測定された深さ781を有する。多くの実施形態では、スロット790の深さ781は、約4mmと7mmとの間であってもよい。いくつかの実施形態では、スロット790の深さ781は、4mmと5mmの間、5mmと6mmの間、または6mmと7mmの間であってもよい。
【0141】
スロットはさらに、ヒールエンドからトウエンドの方向で測定された長さ795を有する。図示の実施形態では、スロットの長さは約60mmである。他の実施形態では、スロット790の長さ795は、30mmと80mmとの間の範囲であってもよい。例えば、スロット790の長さ795は、30mmと35mmとの間、35mmと40mmとの間、40mmと45mmとの間、45mmと50mmとの間、50mmと55mmとの間、55mmと60mmとの間、60mmと65mmとの間、65mmと70mmとの間、70mmと75mmとの間、または75mmと80mmとの間であってもよい。スロット790の長さは、60mm、61mm、62mm、63mm、64mm、65mm、66mm、67mm、68mm、69mm、70mm、71mm、72mm、73mm、74mm、75mm、76mm、77mm、78mm、79mm、または80mmとすることができる。
【0142】
長さ795、深さ781、およびオフセット距離796は、キャンバーソールと組み合わせて使用するために最適な形状の配置をスロットに提供するように調整することができる。この形状の組み合わせにより、内部エネルギーが最大に増加する。長さ795、深さ781、およびオフセット距離796をさらに操作して、スロット790に撓みと耐久性のバランスを与えることができる。スロット790は、スロット790を補強して耐久性を向上させるために、リブ、マスパッド、インサート、または他の同様の構造などの補強構造をさらに含むことができる。
【0143】
図22を参照すると、多くの実施形態では、スロット790は、ソール712の前方部分、前縁705の近くに位置している。スロット790の前方への位置決めは、凹入領域752の屈曲を妨げることなく、ソール712の屈曲を最大にする。多くの実施形態において、スロット790は、凹入領域752の前方に配置することができる。多くの実施形態では、スロット790は底点部780の前方に位置し得る。いくつかの実施形態では、スロット790は、第1の屈曲点774の前方に位置し得る。他の実施形態では、スロット790は、第1の凹部移行点788および/または第1の凹部768の上または後ろに位置し得る。
【0144】
多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド700は、ソールの内面715上に位置するマスパッド725をさらに備える。図22を参照すると、質量パッド725は、スロット790の後方および底点部780の前方に位置し得る。多くの実施形態では、マスパッド725は、スロット790の後縁792から間隔をあけて配置できる。他の実施形態(図示せず)では、質量パッド752は、後縁792の少なくとも一部が質量パッド725の一部によって形成され得るように、スロット790と一体であってもよい。質量パッド725は、CG746の位置をソール前方に移動させるように影響を与えることができ、これにより、ボール速度のさらなる増加および/またはボールスピン率の低下をもたらすことができる。
【0145】
図22に示されるように、ゴルフクラブヘッド700は、クラブヘッドの前端706にのみ配置された打球面704を有する(すなわち、「フェースプル」形状)。そのような実施形態では、打球面704は、ゴルフクラブヘッド700の前面に溶接される。他の実施形態では、打球面704は、クラブヘッド500に関して上述したフェースカップと同様のフェースカップから構成され得る。ゴルフクラブヘッドがフェースカップを構成する実施形態では、スロット790は、ソール712の返し部721上または返し部721の後方に配置され得る。
【0146】
上述したように、スロット790は、ソール712の全体的な湾曲変形を増大させ、クラブヘッド700とゴルフボールとの間のエネルギー伝達を増大させるために、キャンバー付きソール712と組み合わせて実施される。キャンバー付きソール712は、ソール712がソール712の長さ795に沿ってさらに湾曲変形、応力の蓄積ではなく応力の流れを作り出すことを可能にすることによって、スロット790のトウ端794およびヒール端793付近の応力を低減するのをさらに助けることができる。スロット790をキャンバーソール712と組み合わせることで、応力をソール712に沿って前後方向により均等に分散させることができる。凹入領域752のきつい湾曲は、応力の後方への流れを促進し、スロット790から離れるコとを助けることができる。
【0147】
図23および図24は、別の実施形態による、スロット890と組み合わせたリバースキャンバーソール812を有するクラブヘッド800を示す。ゴルフクラブヘッド800は、スロット890を含むこと以外は、以前の実施形態のゴルフクラブヘッドと同様である。したがって、以下の説明は、主に、上述の実施形態とは異なる構造および特徴に焦点を当てる。以前の実施形態に関連して説明した特徴および構成要素は、図23および図24において800番台の参照番号が付されている。以下に明示的に記載されていないゴルフクラブヘッド800の特徴は、以前の実施形態のゴルフクラブヘッドの特徴と同じ特性を有することを理解されたい。本明細書で説明するソールスロット890は、クラウン810またはソール812の曲率、負のドラフト角α、返し部821、上述した複数の振動減衰リブ831、またはそれらの任意の組み合わせのいずれかと組み合わせることができる。
【0148】
本実施形態では、クラブヘッド800は、第1の曲率部884、第1の凹部868、凸部870、底点部880、および第2の凹部872を有するリバースキャンバーソール812を備える。クラブヘッド800は、スロット890をさらに備える。スロット890は、打球面804に近接し、底点部880の前方で、クラブヘッド800のソール812上に位置する。スロット890は、ソール812の開口部または貫通開口部として設けられ、ソール812に不連続面を形成することができる。スロット890は、クラブヘッドの内部へのアクセスを提供し、および/またはクラブヘッド800の外部から内部空洞818への通路を提供する。スロット890は、凹入領域852と連動して、ソール812の湾曲変形を増加させ、蓄積された内部エネルギーを増加させ、ボール速度およびボール飛距離を増加させる。
【0149】
図23および図24を参照すると、スロット890は、前方端891および後方端892と、トウ端893と、ヒール端894と、スロット890を覆うかまたは埋めるように構成されたインサート897と、を備える。多くの実施形態では、インサート897は、エラストマー材料で作られてもよい。インサート897は、破片が内部空洞818に入るのを防ぐためにスロットを塞ぐ。インサート897は、スロット890の縁部の周囲に構造的支持を提供する一方で、クラブヘッド800の耐久性を犠牲にすることなくクラブヘッド800とゴルフボールとの間のエネルギー伝達を最大にするようにインパクト時に変形するように構成され得る。
【0150】
図24を参照すると、スロット890は、前方壁899と後方壁898とをさらに備える。前方壁899は、前方縁891から内部空洞818の内側に延び、ソール812の表面とほぼ垂直である。同様に、後方壁898は、後方縁部892から内部空洞818の内側に延び、ソール812の表面とほぼ垂直である。後方壁898と前方壁899はほぼ平行にすることができる。前方壁899と後方壁898は、インサート897の固着により大きな表面積を提供する。インサート897の表面は、スロット890の前方壁899および後方壁898に付着するように構成することができる。多くの実施形態において、インサート897は、接着手段、機械的手段、または結合のための任意の他の適切な手段によって、前方壁899および後方壁898に結合され得る。図示された実施形態では、スロット890は、応力の蓄積を低減するのに役立つようにトウ端893が丸く/先細りになっていることを除いて、スロット890と同様の形状をとる。他の実施形態では、スロット890は、応力蓄積を低減するために他の様々な形状および幾何学的形状をとることができる。
【0151】
図24を参照すると、前方エッジ891は、前後方向で測定して接地面713に平行に、3mmから15mmの範囲の距離896だけクラブヘッド800の前方エッジ805からオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、前方縁891と前縁805との間の距離896は、3mmと5mmとの間、5mmと7mmとの間、7mmと9mmとの間、9mmと11mmとの間、11mmと13mmとの間、または13mmと15mmとの間であってもよい。
【0152】
図23を参照すると、スロット890は、後縁892から前縁891まで測定された深さ881を有する。多くの実施形態において、スロット890の深さ881は、約4mmと7mmとの間であってもよい。いくつかの実施形態では、スロット890の深さ881は、4mmと5mmの間、5mmと6mmの間、または6mmと7mmの間であってもよい。
【0153】
スロットはさらに、ヒールエンドからトウエンドの方向で測定された長さ895を有する。図示の実施形態では、スロットの長さは約68mmである。他の実施形態では、スロット890の長さ895は、30mmと80mmとの間の範囲であってもよい。例えば、スロット890の長さ895は、30mmと35mmとの間、35mmと40mmとの間、40mmと45mmとの間、45mmと50mmとの間、50mmと55mmとの間、55mmと60mmとの間、60mmと65mmとの間、65mmと70mmとの間、70mmと75mmとの間、または75mmと80mmとの間であってもよい。スロット890の長さは、60mm、61mm、62mm、63mm、64mm、65mm、66mm、67mm、68mm、69mm、70mm、71mm、72mm、73mm、74mm、75mm、76mm、77mm、78mm、79mm、または80mmとすることができる。
【0154】
長さ895、深さ881、およびオフセット距離896は、キャンバーソールと組み合わせて使用するために最適な形状の配置をスロットに提供するように調整することができる。この形状の組み合わせにより、内部エネルギーが最大に増加する。長さ895、深さ881、およびオフセット距離896をさらに操作して、スロット890に撓みと耐久性のバランスを与えることができる。スロット890は、スロット890を補強し、耐久性を向上させるために、リブ、マスパッド、インサート、または他の同様の構造などの補強構造をさらに含むことができる。
【0155】
図24を参照すると、多くの実施形態では、スロット890は、ソール812の前方部分、前縁805の近くに位置している。スロット890の前方への位置決めは、凹入領域852の屈曲を妨げることなく、ソール812の屈曲を最大にする。多くの実施形態では、スロット890は、凹入領域852の前方に配置することができる。多くの実施形態では、スロット890は、底点部880の前方に位置する。いくつかの実施形態では、スロット890は、第1の屈曲点874の前方に位置し得る。他の実施形態では、スロット890は、第1の凹部移行点888および/または第1の凹部868の上または後ろに位置し得る。
【0156】
多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド800は、ソールの内面815上に位置するマスパッド825をさらに備える。図24を参照すると、質量パッド825は、スロット890の後方および底点部880の前方に位置し得る。多くの実施形態では、マスパッド825は、スロット890の後縁892から間隔をあけて配置できる。他の実施形態(図示せず)では、質量パッド852は、後縁892の少なくとも一部が質量パッド825の一部によって形成され得るように、スロット890と一体化され得る。質量パッド825は、CG846の位置をソール前方および前方に移動させるように影響を与えることができ、これにより、ボール速度のさらなる増加および/またはボールスピン率の低下をもたらすことができる。質量パッド825は、スロット890の縁を補強するために追加の質量を提供することによって、スロット890に構造的支持をさらに提供することができる。
【0157】
図23および図24に示されるように、ゴルフクラブヘッド800は、クラブヘッドの前端部806のみに位置する打球面804を有する(すなわち、「フェースプル」形状)。そのような実施形態では、打球面は、ゴルフクラブヘッド800の前面に溶接される。他の実施形態では、打球面は、クラブヘッド500を参照して上述したフェースカップに類似したフェースカップから構成され得る。ゴルフクラブヘッドがフェースカップを構成する実施形態では、スロット890はソール812の返し部821上または返し部821の後方に配置され得る。
【0158】
上述したように、スロット890は、ソール812の全体的な湾曲変形を増大させ、クラブヘッド800とゴルフボールとの間のエネルギー伝達を増大させるために、キャンバーソール812と組み合わせて実施される。キャンバー付きソール812は、ソール812がソール812の長さ895に沿ってさらに湾曲変形、応力の蓄積ではなく応力の流れを作り出すことを可能にすることによって、スロット890のトウ端894およびヒール端893付近の応力を低減するのをさらに助けることができる。上述したように、スロット890をキャンバー付きソール812と組み合わせることで、ソール 812に沿って前後方向に応力をより均等に分散させることができる。凹入領域852のきつい湾曲は、応力の後方への流れを促進し、スロット890から離れるのを助けることができる。
【0159】
V.実施例
実施例1:リバースキャンバーソールのゴルフクラブヘッド
図10図12は、ソール412がクラブヘッド400の内部空洞418に向かう方向に内側に曲がるくぼみまたは凹入領域452を有するソール412を有するウッド型ゴルフクラブヘッド400を示す。したがって、典型的なウッドは、前端と後端との間に比較的大きな曲率半径(すなわち、約22~25インチの曲率半径)を有するソール形状を有している。対照的に、ゴルフクラブヘッド400の凹入領域452により、ソール412は、前端部406と後端部408との間ではるかにきつく湾曲した形状に従うことができる。さらに、クラブヘッド400の図示された実施形態では、YZ平面1022に沿った側断面図から見たとき、ソール412のどの部分も6インチより大きい曲率半径を含まない。
【0160】
上記のような凹入領域452により、クラブヘッド400のソール412は、この形状を有しないメタルウッドのクラブヘッドと比較して、前端406と後端408との間ではるかにきつく湾曲した形状に従うことができる。このことは、クラブヘッド400がゴルフボールに当たるときに、クラブボディ402のソール412により大きな湾曲変形を生じさせる。クラブボディ402のより大きな湾曲変形は、凹入領域452のない従来の金属製のウッドゴルフクラブと比較して、クラブヘッド400内により大きな量の内部エネルギーを発生させる。
【0161】
図13を参照すると、ゴルフクラブヘッド400がインパクト時に発生させる内部エネルギーは、ソールに凹入領域(クラブの前端と後端の間に比較的大きな曲率半径を有するソール形状)がないゴルフクラブヘッド(以下「コントロールクラブ」)がインパクト時に発生させる内部エネルギーと比較された。ゴルフクラブヘッド400の凹入領域452は、コントロールクラブよりも約7.8lbf/インチだけゴルフクラブヘッド400の内部エネルギーを増加させ、それによって湾曲変形を増加させる。内部エネルギーにおけるこの7.8lbf/インチの増加は、(100mphのスイング速度における)ボール速度の約1.0マイル/時(mph)の増加に換算され、それによりゴルフショットを少なくとも5ヤード増加させる。さらに、ゴルフクラブヘッド400の陥没ソール412は、インパクト直後により多くの振動エネルギーをゴルフクラブヘッド内に保持し、ゴルフクラブヘッド400からゴルフボールへのより高いエネルギー伝達を可能にし、それによりボールスピードを増加させる。
【0162】
さらに、ゴルフクラブヘッド400の凹入領域452は、打球面の中心より下でヒットしたショットのボール速度を改善する。陥没ソール412の増加した湾曲変形は、低いフェースヒットによって引き起こされる高いバックスピンを緩和し、コントロールクラブよりも遠くへ飛ぶゴルフショットをもたらす。ソール412の凹入領域452は、クラブヘッド400の前端部406が接地面に向かって、ゴルフクラブヘッド400の後端部408に向かってバネのように圧縮することを可能にする。これにより、バネエネルギーが生じ、ゴルフクラブ400がデロフトし、それによりゴルフクラブ400の全体的な内部エネルギーが増加し、スピンレートが減少する。
【0163】
さらに、インパクト中のソール412の比較的大きな湾曲変形は、クラブヘッド400とのインパクト時にゴルフボールに印加されるボールスピン率を、コントロールクラブよりも低下させることにつながり得る。一実施形態では、スピンレートは、毎分150回転(RPM)まで低減され得る。いくつかの実施形態では、ボールのスピンレートは、約600RPMから約450RPMに低減され得る。ゴルフクラブヘッド400の偏向の増加によって生成される、ボール速度の増加とスピン率の減少との組み合わせは、コントロールクラブよりも、より真っ直ぐに、より遠くへ飛ぶゴルフショットを実現する。
【0164】
実施例2:リバースキャンバーソールとネガティブドラフト角を持つゴルフクラブヘッドの内部エネルギー
本発明による例示的なゴルフクラブヘッドのインパクト時に発生する内部エネルギーをコントロールクラブヘッドと比較した。例示的なゴルフクラブヘッドは、クラブヘッド500と同様であり、ソールの凹入領域、0.23インチのフェース-クラウン遷移曲率半径、および-5度のドラフト角αから構成された。例示的なクラブヘッドはさらに、0.23インチのフェース-クラウン遷移曲率半径R6および5.80インチの返し部分曲率半径R7を有している。コントロールクラブヘッドは、ソールの凹入領域がなく、より従来のドラフト角(1度)で構成されていた。インパクト時に発生する内部エネルギーについては、有限要素解析を用いてそれぞれのクラブについてシミュレーションされた。内部エネルギーは中心打撃と中心から0.25インチ下の打撃について測定された。同様の性能を示すために、量産クラブでの物理的なテストが行われるものとする。
【表1】
【0165】
図25および表1を参照すると、例示的なゴルフクラブヘッドの凹入領域、タイトなフェース-クラウン遷移曲率半径、および負のドラフト角αの組み合わせは、例示的なクラブヘッドの内部エネルギーにおいて、コントロールクラブヘッドと比較して約9.9lbf/インチ(11.4%の増加)の増加を生じさせた。内部エネルギーにおけるこの9.9lbf/インチの増加は、ボール速度における約1.0マイル毎時(mph)の増加に換算され、従って、少なくとも5ヤード増加した飛距離を有するゴルフショットを実現する。凹入領域、タイトなフェースとクラウンの移行曲率半径、および負のドラフト角αの組み合わせにより、クラブヘッドの湾曲変形が増加し、クラブヘッドからゴルフボールへのエネルギー伝達が大きくなる。
【0166】
ここで図26および表1を参照すると、フェースの中心より0.25インチ下で打ったショットについて、例示的なゴルフクラブヘッドの凹入領域、タイトなフェース-クラウン遷移曲率半径、および負のドラフト角αの組み合わせは、コントロールクラブヘッドと比較して、例示的なゴルフクラブヘッドの内部エネルギーに約8.1lbf/インチ(14.4%の増加)の増加を生じさせた。内部エネルギーにおけるこの8.1lbf/インチの増加は、ボール速度における約0.97マイル毎時(mph)の増加に換算され、したがって、少なくとも5ヤードの距離を移動するゴルフショットを生成する。
【0167】
例示的なクラブヘッドは、中心打撃と低中心打撃の両方で内部エネルギーとボールスピードの改善を示した。しかし、内部エネルギーの向上は、中心より下の打撃で特に顕著であった。陥没ソールの湾曲変形が増加することで、低いフェースでの打撃に起因する典型的な高いバックスピンが緩和され、コントロールクラブよりも遠くに飛ぶゴルフショットが実現される。低い打点でのバックスピンの減少とボールスピードの増加は、フェアウェイウッド型ゴルフクラブで打つときに低いミスヒットがよく起こるので、特に有利である。
【0168】
実施例3:リバースキャンバーソールとネガティブドラフト角を持つゴルフクラブヘッドの性能
実施例2の例示的なクラブヘッドの性能特性(ボール速度、打ち出し角、スピン率)を、実施例2のコントロールクラブヘッドと比較した。例示的なクラブヘッドは、クラブヘッド500と類似しており、ソールの凹入領域、0.23インチのフェース-クラウン遷移曲率半径、-5度のドラフト角α、およびソールの後方部分に位置するウェイト凹部内に収容された後方ウェイト部材から構成されていた。コントロールクラブヘッドは、例示クラブヘッドに類似していたが、ソールに凹入領域がなく、より従来型のドラフト角(1度)で構成されていた。ボール速度、打ち出し角、及びスピン速度のデータは、多くのプレーヤがそれぞれのクラブヘッドを用いて複数のショットを打つ、プレーヤパフォーマンステストによって収集された。プレーヤパフォーマンスの結果は平均化され、以下の表2に示されている。
【表2】
【0169】
例示的なクラブヘッドは、コントロールのクラブヘッドと比較して、ボールスピードが0.3mph(0.2%増加)、打ち出し角が0.6°(6.7%増加)、スピンレートが84rpm(2.3%増加)増加した。ボールスピードとスピン速度の増加は、全体的なパフォーマンスから見れば無視できるものだと考えられる。
【0170】
例示的なクラブヘッドは、打ち出し角の有利かつ大幅な増加を示した。凹入ソールと負のドラフト角により、後方ウェイト凹部内に収容された後方ウェイト部材が底点に対してソール側に曲がるようになり、上述したように、ボールがより高く打ち出されるようになった。打ち出し角の増大は、複数の利点をもたらす。打ち出し角の増大は、同じボール速度であれば、一般に、より遠くに飛ぶゴルフショットを生み出すことができる。打ち出し角の増大はまた、フェアウェイウッド型クラブヘッドでよく生じる、ミスヒットによる望ましくない低い打ち出しを打ち消すことができる。打ち出し角の増大は、望ましい打ち出しを犠牲にすることなく、クラブヘッドのロフトを少なく設計することをさらに可能にする。このようなクラブヘッドのデロフト化により、ボールスピードを大幅に向上させることができる。
【0171】
実施例4:リバースキャンバーソールとネガティブドラフト角のゴルフクラブヘッドのCG位置
実施例2の例示的なクラブヘッドの重心位置を、実施例2のコントロールクラブヘッドと比較した。例示的なクラブヘッドは、クラブヘッド500と同様であり、ソールに凹入領域、0.23インチのフェース-クラウン遷移曲率半径、および-5度のドラフト角αで構成されていた。コントロールのクラブヘッドはソールのくぼんだ領域がなく、より従来型のドラフト角(1度)で構成されていた。各クラブヘッドのCGの高さとCGの深さは、以下に定義する座標系に従って測定された。結果を以下の表3に示す。
【表3】
【0172】
表2から明らかなように、例示的なクラブヘッドとコントロールのクラブヘッドとの間のCGの高さの差は無視できるものであった。例示的なクラブヘッドのCGの深さは、コントロールのクラブヘッドよりも0.030インチ増加した。一般的に、例示的なクラブヘッドによって示されたCGの深さの増加は、コントロールのクラブヘッドよりも寛容度の高いクラブヘッドに相当する。
【0173】
一般的に、クラブヘッドのCGの高さは、打ち出し角に影響を与える。一般的に、CGの高さが低いほど打ち出し角が大きくなる。実施例3に戻ると、例示的なクラブヘッドは、CG高さが無視できるほど小さいにも関わらず、打ち出し角の大幅な増加がみられた。したがって、打ち出し角の増加は、例示的なクラブヘッドの負のドラフト角と陥没ソールの曲率によって引き起こされる、インパクト時のCGの動的な下降に起因することができる。
【0174】
実施例5:リバースキャンバーソールと内部湾曲ビームを有するゴルフクラブヘッド
一実施形態では、リバースキャンバーソール212(凹入領域252)と1つ以上の内部湾曲ビーム290を有する例示的なゴルフクラブヘッド200を、内部曲面ビームのない極めて柔軟なリバースキャンバーソールを有するゴルフクラブヘッド(以下「コントロールクラブ」)と比較した。1つ以上の内部湾曲ビーム290は、可撓性キャンバーソール212を部分的に硬くし、支持するように機能する。
【0175】
前述のように、リバースキャンバーソール212は、ゴルフクラブヘッド200によって打撃されたゴルフボールの内部エネルギーおよびその結果としてのボール速度を増加させることができる。しかしながら、極めて速いゴルフスイングの場合、リバースキャンバーソール212は、ソール212の永久変形またはソール212の破断を防止するための補強(1つまたは複数の内部湾曲ビーム292)を必要とすることがある。
【0176】
コントロールクラブと比較して、例示のゴルフクラブヘッド200は、凹入領域252によってソール212に生じる撓みをある程度防止することができる。しかしながら、ゴルフクラブヘッド200は、コントロールクラブほど柔軟ではないものの、全体的なクラブヘッド200および打球面204の実質的な撓みを依然として許容し、それにより、ソール212を構造的に補強しながら、ゴルフクラブヘッド200の内部エネルギーを増大させる。
【0177】
いくつかの実施形態では、リバースキャンバーソール212および1つまたは複数の内部湾曲ビーム290を有する例示的なゴルフクラブヘッド200は、コントロールクラブよりもインパクト時に発生する内部エネルギーを1.0~7.0lbf/インチの間で増加させることができる。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド200によってインパクト時に生成される内部エネルギーは、1.0lbf/インチ、2.0lbf/インチ、3.0lbf/インチ、4.0lbf/インチ、5.0lbf/インチ、6.0lbf/インチ、または7.0lbf/インチであってもよい。この内部エネルギーの大幅な増加により、ボール速度が0.1mph、0.2mph、0.3mph、0.4mph、0.5mph、0.6mph、0.7mph、0.8mph、0.9mph、または1.0mph増加し、ゴルフボールの飛距離が最大5ヤード増加する。
【0178】
実施例6:リバースキャンバーソールとスロットを有するゴルフクラブヘッド
本発明による例示的なゴルフクラブヘッドのインパクト時に発生する内部エネルギーをコントロールクラブヘッドと比較した。例示的なゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッド800と同様であり、底点部880の前方および前縁805の後方でソール812上に配置されたスロット890を含んでいた。上述したように、スロット890は、凹入領域852と組み合わせて作用し、クラブヘッドボディのソール812のより大きな湾曲変形を可能にする。例示的なクラブヘッドのスロット890は、前方壁899、後方壁898、およびインサート897から構成されていた。インサート897は、スロット890を満たし、前方壁899および後方壁898に固着した。インサート897は、インサート897がスロット890の湾曲変形を制限しないように、エラストマー材料で作られている。
【0179】
上述のような凹入領域852により、クラブヘッド800のソール812は、この形状を有しないクラブヘッドと比較して、前端806と後端808との間ではるかにきつく湾曲した形状に従わせることができる。これは、クラブヘッド800がゴルフボールに衝突するとき、クラブボディ802のソール812のより大きな湾曲変形を可能とする。クラブボディ802のより大きな湾曲変形は、凹入領域852のない従来のゴルフクラブと比較して、クラブヘッド800内でより大きな量の内部エネルギーを発生させる。
【0180】
例示的なクラブヘッド800は、さらに、0.23インチのフェース-クラウン遷移曲率半径および-5度のドラフト角αを構成した。例示的なクラブヘッド800は、フェースの周囲が約0.060インチの厚さになるように可変のフェースの厚さをさらに含んでなる。コントロールクラブヘッドは、スロットを含まず、ソールの凹入領域を含まず、より従来のドラフト角(1度)を含んでいた。コントロールクラブヘッドはさらに、約0.068インチのフェース周囲の厚さで構成される。インパクト時に発生する内部エネルギーは、有限要素解析を用いてそれぞれのクラブについてシミュレーションした。内部エネルギーは中心打撃について測した。
【表4】
【0181】
例示的なクラブヘッド800は、72.3lbf/インチの蓄積内部エネルギーを示した。コントロールクラブヘッドは、64.0lbf/インチの蓄積内部エネルギーを示した。例示的なクラブヘッド800は、コントロールクラブヘッドよりも約8.3lbf/インチ(13.0%増加)内部エネルギーが増加し、それにより湾曲変形が増加した。内部エネルギーのこの8.3lbf/インチの増加は、ボールスピードの約1.0マイル/時(mph)の増加に相当し、これはクラブの追加のばねエネルギー(100mphのスイングスピードの場合)に相当する。ソールスロット、凹入領域、タイトなフェース-クラウン遷移曲率半径、および負のドラフト角αの組み合わせは、クラブヘッドの湾曲変形を増大させ、クラブヘッドからゴルフボールへのエネルギー伝達をより大きくする。例示的なクラブヘッドによって示されるより大きなエネルギー伝達はまた、対照的なフェース外周と比較して例示的なフェース外周における減少した厚さ、各クラブヘッドのそれぞれのクラウンの厚さ、及び/又は他の変数のような他の変数によっても説明され得る。
【0182】
本例は、ソールの撓みとクラブヘッドの内部エネルギーを増加させるための望ましい構成を示しているが、クラブヘッドの耐久性については考慮されていない。クラブヘッドの耐久性を向上させるために将来更なる設計変更が行われうるが、そのような改良により、ボールスピードと内部エネルギーについてコントロールクラブヘッドよりも大きな利得を獲得できることが予期される。
【0183】
実施例7:リバースキャンバーソールと振動減衰リブを備えたゴルフクラブヘッド
本発明による例示的なゴルフクラブのインパクト時の振動応答を、コントロールゴルフクラブヘッドの振動応答と比較した。例示的なクラブヘッドは、クラブヘッド600と同様であり、ソールの凹入領域、0.23インチのフェース-クラウン遷移曲率半径、-5度のドラフト角α、および複数の振動減衰リブから構成された。複数の振動減衰リブは、ソール曲率の直上に直接配置された複数のラジアルリブとクロスリブを含んでいた。コントロールクラブヘッドは、クラブヘッド500と同様であり、ソールには同様の凹入領域、同様のドラフト角を有していたが、振動減衰リブは有していなかった。振動の支配的なモードの位置と当該支配的なモードの周波数を決定するために、それぞれのクラブヘッドに対してモーダル解析が実施された。同様の性能を示すために、量産クラブでの物理的なテストが行われるものとする。
【0184】
図27A~27Dによって示されるように、コントロールクラブヘッドは、4つの支配的な振動モード696a、697a、698a、699aを示した。コントロールクラブヘッドは、ソール上に位置し、底点の位置と一致する第1の支配的なモード696aと、ソール上に位置し、トウ端に近接する第2の支配的なモード697aと、クラウン上に中央に位置する第3の支配的なモード698aと、クラウン上に位置し、トウ端に近接する第4の支配的なモード699aと、から構成されていた。図28A~28Dによって示されるように、例示的なクラブヘッドは、コントロールクラブヘッドの支配的な振動モード696a、697a、698a、699aに対応する支配的な振動モード696b、697b、698b、699bを表示した。例示的なクラブヘッドの支配モード696b、697b、698b、699bは、コントロールクラブヘッドの支配モード 696a、697a、698a、699aと同様の位置にあった。それぞれの支配的モードの頻度が例示的クラブヘッドとコントロールクラブヘッドの間で比較され、その結果を以下の表5に示す。
【表5】
【0185】
表5から明らかなように、例示的なクラブヘッドは、支配的な振動モードの各々において周波数の増加を示した。支配的な残響周波数の増加は、例示的なゴルフクラブヘッド600に、インパクト時に望ましい「柔らかい」感触と同様に、インパクト時により望ましい音響応答を提供する。
【0186】
表4に表示されているように、周波数の最も大きな増加は、ソールのピーク曲率に位置する第1モード696b(すなわち、底点)で観察され、例示的なゴルフクラブヘッドは、コントロールクラブの周波数よりも8.5%増加した。ソールの曲率のピークにおけるこのような大きな周波数の増加は、不要な振動を減衰させるリブの直接的な効果を示している。ソールの各部のくぼみとタイトな曲率は音響的に不快な振動をもたらす可能性があるが、振動を減衰するリブを入れることでその振動を打ち消すことができる。凹入ソールと振動減衰リブの組み合わせにより、インパクトで「ソフト」に感じられ、音響的に心地よい、高性能のゴルフクラブヘッドが得られる。フィーリングとサウンドに関する定性的なプレーヤのデータについては後述する。
【0187】
本開示の様々な特徴および利点は、以下の特許請求の範囲に記載されている。
【0188】
特許請求の範囲に記載された1つ以上の要素の交換は、再構築を構成するものであり、修正ではない。さらに、特定の実施形態に関する利益、他の利点、および問題に対する解決策を説明した。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、および何らかの利益、利点、または解決策を生じさせる、またはそれらをより顕著にする可能性のある要素または要素は、そのような利益、利点、解決策、または要素がそのような特許請求の範囲に明示的に記載されていない限り、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての重要な、必須の、または必須の特徴または要素として解釈されるものではない。
【0189】
ゴルフ規則は、時々刻々と変更される可能性があるため(例えば、米国ゴルフ協会(USGA)、セントアンドリュースのロイヤルアンドエンシェントゴルフクラブ(R&A)などのゴルフ標準組織および/または管理団体により、新しい規則が採用されたり、古い規則が廃止または修正されたりする可能性がある)、本明細書に記載の装置、方法、および製造品に関連するゴルフ用品は、任意の特定の時点で、ゴルフ規則に適合または不適合である可能性がある。従って、本明細書に記載の装置、方法、および製造品に関連するゴルフ用品は、適合または不適合のゴルフ用品として広告され、販売のために提供され、および/または販売され得る。本明細書に記載の装置、方法、および製造品は、この点で限定されない。
【0190】
上記の実施例は、ウッド型ゴルフクラブに関連して記載され得るが、本明細書に記載される装置、方法、および製造品は、ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド、クロスオーバー、または任意の中空ボディタイプのゴルフクラブを含む、様々なタイプのゴルフクラブに適用され得る。
【0191】
さらに、本明細書に開示された実施形態および限定は、実施形態および/または限定が(1)特許請求の範囲に明示的に記載されていない場合、および(2)均等物の原則に基づき、特許請求の範囲に記載された明示的な要素および/または限定の均等物であるか、または潜在的に均等物である場合には、均等物の原則に基づき、公衆に捧げられるものではない。
【0192】
本発明は、特定の好ましい実施形態を参照して詳細に説明されてきたが、記載された本発明の1つまたは複数の独立した態様の範囲およびコンセプトの範囲内に、変形例および代替例が存在する。
【0193】
項目
項目1:前端と、前記前端とは反対側に位置する後端と、クラウンと、クラウンとは反対側に位置するソールとを有しており、前記ソールがソール面を画定するボディを備えており、前記前端、前記後端、前記クラウン、および前記ソールは、中空の内部空洞を形成しており、ゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打つアドレス位置にあるとき、接地面が前記ソール面に接触し、ヒールと、前記ヒールとは反対側に位置するトウと、ホーゼル構造内のボア中心を通って延びるホーゼル軸を有するホーゼル構造と、前記前端に配置され、幾何学的中心を画定する打撃面と、前記幾何学的中心に接するロフト面と、を備え、前記幾何学的中心は、前記幾何学的中心を有する座標系をさらに定義しており、前記座標系は、ヒールとトウの間で前記幾何学的中心を通って延びるx軸と、前記クラウンと前記ソールの間で前記幾何学的中心を通って延びるとともに前記x軸に垂直なy軸と、前記前端と前記後端の間で前記幾何学的中心を通って伸びるとともに前記x軸と前記y軸に垂直に伸びるz軸とを含み、前記y軸と前記z軸は、ともに前記クラウンと前記ソールの間および前記前端と前記後端の間に伸びるYZ平面を画定し、前記x軸と前記y軸はともに前記ヒールと前記トウの間および前記前端と前記後端の間に伸びるXZ平面を画定し、凹入領域を備えており、前記凹入領域は、前記ソールが前記中空内部空洞に向かう方向で内側に曲がる部分に画定され、前記ソールと前記打撃面の交点によって画定されるソール移行点を備えており、前記凹入領域は、前記ソール面と前記YZ平面の交点によって画定されるソール湾曲形状を有しており、前記ソール湾曲形状は、第1の屈曲点と第2の屈曲点を備えており、前記ソール湾曲形状は、前記ソール移行点から前記第1の屈曲点まで延びる第1の凹部を備えているとともに、前記XZ平面に対して凹入しており、前記第1の屈曲点から前記第2の屈曲点まで延び、前記XZ平面に対して凹入している凸部を備えており、前記第2の屈曲点から前記後端まで延び、前記XZ平面に対して凹入している第2の凹部を備えており、前記第1の凹部は、曲率半径(R3)を有しており、前記凸部は、曲率半径(R4)を有しており、前記第2の凹部は、曲率半径(R5)を有しており、前記ソール湾曲形状は、底点をさらに備えており、前記底点は、前記XZ平面に最も近接する前記ソール湾曲形状の一点を表しており、前記底点は、前記凸部上に位置しており、前記打撃面は、クラウン返し部を形成しており、前記クラウン返し部は前記前端から後方に延びて前記クラウンの一部を形成しており、前記クラウン返し部は、フェース-クラウン移行半径(R6)を有するフェース-クラウン移行形状を有しており、前記クラウン返し部は、前記フェース-クラウン移行形状が前記フェース-クラウン移行半径(R6)から変化し始める位置に画定されたクラウン移行点を備えており、前記クラウン返し部は、返し部曲率半径(R7)を有しており、前記クラウンは、クラウン曲率半径(R8)を有しており、前記返し部曲率半径(R7)は、前記クラウン曲率半径(R8)に移行する位置に画定される返し部移行点を備えており、ヒール-トウ方向に延び、前記クラウン移行点および前記返し部移行点と交差するクラウン返し面を備えており、前記接地面に平行であるとともに前記クラウン移行点と交差する基準面を備えており、前記クラウン返し面と前記基準面との間で測定されるドラフト角を有する、ゴルフクラブヘッド。
【0194】
項目2:前記フェース-クラウン移行半径(R6)は、0.50インチ未満である、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0195】
項目3:前記ドラフト角は、0度から-10度の間である、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0196】
項目4:凹入領域を有するソール屈曲を備えていないコントロールクラブヘッドに対する、前記ゴルフクラブヘッドのインパクト時に発生する内部エネルギーの増加が7.0lbf/インチより大きい、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0197】
項目5:前記返し部曲率半径(R7)は、少なくとも5.0インチである、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0198】
項目6:前記ゴルフクラブヘッド全体の深さに対する前記返し部移行点の深さとして定義される返し部移行点深さ比を定義し、前記返し部移行点深さ比が0.10より大きい、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0199】
項目7:前記ゴルフクラブヘッドは、少なくとも5インチのクラウン曲率半径(R8)を備える、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0200】
項目8:前記ゴルフクラブヘッドは前記凸部曲率半径(R4)に対する前記クラウン曲率半径(R8)として定義されるクラウン-ソール曲率半径比を有しており、前記クラウン-ソール曲率半径は1.5より大きい、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0201】
項目9:前記ソールの内面に位置する複数のリブをさらに含む、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0202】
項目10:前記複数のリブのうちの1つ以上のリブは、放射状パターンを形成する、項目9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0203】
項目11:前記複数のリブのうちの1つのリブは、前記ソールの内面を横切ってヒール-トウ方向に延びるクロスリブを備える、項目9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0204】
項目12:前記クロスリブは、前記複数のリブのうちの1つ以上のリブと交差する、項目11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0205】
項目13:前記クロスリブは、前記底点から0.30インチ以内に位置する、項目11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0206】
項目14:前記クロスリブは、前記底点に位置する、項目11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0207】
項目15:前記複数のリブのうちの少なくとも1つのリブの高さは、前記少なくとも1つのリブの長さに沿って変化する、項目9に記載のゴルフクラブヘッド。
項目16:前記ソール上に配置されたスロットをさらに備えており、前記スロットは、前記ゴルフクラブヘッドの前記内部空洞へアクセスできるように前記ソールを貫通する開口として画定され、前記スロットは、ヒール-トウ方向に延びる、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0208】
項目17:前記スロットは、前記第1の屈曲点の前方および前記ゴルフクラブヘッドの前縁の後方に位置する、項目16に記載のゴルフクラブヘッド。
【0209】
項目18:前記スロットは、ヒールからトウへの方向に沿って測定された長さを有しており、前記長さは30mm~70mmの間である、項目16に記載のゴルフクラブヘッド。
【0210】
項目19:前記スロットは、前方エッジと、前記前方エッジの後方に位置する後方エッジと、を備えており、前記前方エッジは、前記ゴルフクラブヘッドの前縁から3mm~15mmの距離だけ離れている、項目18に記載のゴルフクラブヘッド。
【0211】
項目20:前記スロットは、前記スロットの前記前方エッジから前記後方エッジまでの間で測定された深さを有しており、前記深さは4mm~7mmの間である、項目19に記載のゴルフクラブヘッド。
図1
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図28A
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【国際調査報告】