(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-09
(54)【発明の名称】テキスタイルバックシート
(51)【国際特許分類】
A61F 13/514 20060101AFI20240430BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
A61F13/514 321
A61F13/15 355A
A61F13/514 100
A61F13/514 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023573233
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022031006
(87)【国際公開番号】W WO2022251408
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512008428
【氏名又は名称】ベリー グローバル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア・ロバート
(72)【発明者】
【氏名】アルスレーベン・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】エッシェンバッヒャー・フランク
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・ケーレブルーク・ジョゼフ
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA05
3B200BA07
3B200BA08
3B200BA14
3B200BA16
3B200BB03
3B200BB09
3B200BB20
3B200CA02
3B200CA11
3B200DD02
3B200DD07
3B200EA08
(57)【要約】
不織布と、蒸気透過性かつ液体不透過性(VPLI)フィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムと、を含むテキスタイルバックシートが提供され、不織布は、フィルムに直接または間接的に結合されている。このようなテキスタイルバックシートの製造方法、およびテキスタイルバックシートを含む吸収性物品も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキスタイルバックシート(TBS)であって、
(i)不織布と、
(ii)蒸気透過性かつ液体不透過性(VPLI)フィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムであって、前記不織布が、前記フィルムに直接または間接的に結合されている、フィルムと、
を含み、
前記TBSは、(a)約10グラム/平方メートル(gsm)~約20gsm、例えば、少なくとも以下:約10、11、12、13、14、15gsmのいずれか、および/または、多くとも以下:約20、19、18、17、16、15gsmのいずれか、の坪量、ならびに、(b)SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも約3.0、例えば、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、多くとも以下:約5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4のいずれか、および/または、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも以下:約3、3.2、3.4、3.5、3.6、3.8、4のいずれか、の耐摩耗性グレード(「グレード」)を有する、テキスタイルバックシート。
【請求項2】
前記不織布が、約4gsm~約10gsm、例えば、少なくとも以下:約4、5、6、7gsmのいずれか、および/または、多くとも以下:約10、9、8、7gsmのいずれか、の第1の坪量を有する、請求項1に記載のTBS。
【請求項3】
前記不織布が、少なくとも1つのスパンボンド層、少なくとも1つのメルトブローン層、少なくとも1つのカード層、またはスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド構造のような、それらの任意の組み合わせを含む、請求項1~2に記載のTBS。
【請求項4】
前記不織布が、約60kg/m
3未満、例えば、多くとも以下:約70、60、55、50、45、40、35、30、25kg/m3のいずれか、および/または、少なくとも以下:約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55kg/m
3のいずれか、の密度、約0.3mm~約3mm、例えば、多くとも以下:約3、2.75、2.5、2.25、2、1.75、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5mmのいずれか、および/または、少なくとも以下:約0.3、0.4、0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0mmのいずれか、を含む厚さ、あるいはその両方を有する、高ロフト不織布を含む、請求項1~3に記載のTBS。
【請求項5】
前記不織布が、第1の複数の捲縮多成分繊維を含み、前記捲縮多成分繊維が、連続繊維、短繊維、またはその両方を含む、請求項1~4に記載のTBS。
【請求項6】
前記フィルムが、約10~約200μm、例えば、少なくとも以下:約10、20、30、40、50、60、80、100μmのいずれか、および/または、多くとも以下:約200、180、160、150、140、120、100μmのいずれか、の厚さを含む、請求項1~5に記載のTBS。
【請求項7】
前記フィルムが、単層フィルム、例えばモノリシックフィルムまたは微孔性フィルムを含む、請求項6に記載のTBS。
【請求項8】
前記フィルムが、熱可塑性ウレタン、ポリエーテル-ブロック-アミドコポリマー、ポリエーテル-ブロック-エステルコポリマー、ポリエステル-ブロック-アミドコポリマー、またはコポリエステル熱可塑性エラストマーのうちの少なくとも1つを含むVPLIフィルムを含む、請求項6に記載のTBS。
【請求項9】
前記フィルムが、(i)ポリエチレングリコールを含むソフトブロック、および(ii)ポリブチルテレフタレートを含むハードブロックを含む、ポリエーテル-ブロック-エステルコポリマーを含むVPLIフィルムを含む、請求項6に記載のTBS。
【請求項10】
前記フィルムが多層フィルムを含み、前記多層フィルムが少なくとも第1のスキン層およびコア層を含み、前記第1のスキン層が第1の厚さを有し、前記コア層が第2の厚さを有し、前記第1の厚さが前記第2の厚さ未満である、請求項6に記載のTBS。
【請求項11】
前記フィルムが、VPLIフィルムを含み、NWSP 070.4.R0に従って測定して、少なくとも約4000g/m
2/24hr、例えば、NWSP 070.4.R0に従って測定して、少なくとも以下:約4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000g/m
2/24hrのいずれか、および/または、NWSP 070.4.R0に従って測定して、多くとも以下:約12000、11000、10000、9000、8000g/m
2/24hrのいずれか、を含むMVTRを有するか、前記TBSが、NWSP 070.4.R0に従って測定して、少なくとも約4000g/m
2/24hr、例えば、NWSP 070.4.R0に従って測定して、少なくとも以下:約4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000g/m
2/24hrのいずれか、および/または、NWSP 070.4.R0に従って測定して、多くとも以下:約12000、11000、10000、9000、8000g/m
2/24hrのいずれか、を含むMVTRを有するか、あるいはその両方である、請求項1~10に記載のTBS。
【請求項12】
前記TBSは、ピーク時の縦方向引張強度(MDTS)(N/25mm)と前記TBSの坪量(gsm)との間の第1の比が、約1:1~約1.5:1である、請求項1~11に記載のTBS。
【請求項13】
前記TBSが、ASTM D5035によって測定して、約40%~約100%のピーク時の縦方向伸び率を有する、請求項1~12に記載のTBS。
【請求項14】
吸収性物品であって、
(i)請求項1~13のいずれか一項に記載のTBSと、
(ii)液体透過性トップシートと、
(iii)前記TBSと前記液体透過性トップシートとの間に位置する吸収体と、
を含む、吸収性物品。
【請求項15】
テキスタイルバックシート(TBS)を形成する方法であって、
(i)不織布を提供または形成することと、
(ii)蒸気透過性かつ液体不透過性(VPLI)フィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムを形成するために提供することと、
(iii)前記不織布を前記フィルムに直接または間接的に結合して前記TBSを形成することと、
を含み、
前記TBSは、(a)約10グラム/平方メートル(gsm)~約20gsm、例えば、少なくとも以下:約10、11、12、13、14、15gsmのいずれか、および/または、多くとも以下:約20、19、18、17、16、15gsmのいずれか、の坪量、ならびに、(b)SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも約3.0、例えば、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、多くとも以下:約5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4のいずれか、および/または、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも以下:約3、3.2、3.4、3.5、3.6、3.8、4のいずれか、の耐摩耗性グレード(「グレード」)を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2021年5月28日に出願された米国特許出願第63/194,348号に対して米国特許法第119条(35 U.S.C. §119)に基づく優先権を主張するものであり、これは、参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
〔技術分野〕
現在開示されている発明の実施形態は、一般に、不織布と、蒸気透過性かつ液体不透過性(VPLI)フィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムと、を含み、不織布がフィルムに直接または間接的に結合されている、テキスタイルバックシート(TBS)に関する。現在開示されている発明の実施形態は、このようなTBSを形成する方法、およびこのようなTBSを含む吸収性物品にも関する。
【背景技術】
【0003】
使い捨ておむつのような従来の吸収性物品は、身体滲出物を吸収するために、一般に液体透過性トップシートと液体不透過性バックシートとの間に位置する吸収性材料を採用している。このような従来の吸収性物品は典型的には、身体滲出物の漏れを減少させるのを助けるために、伸縮性のウエストバンドおよびレッグカフを含んでいる。従来の吸収性物品の中には、漏れをさらに減少させるために、物品の脚またはウエストセクションに伸縮性の封じ込めまたはバリアフラップを含むものもある。
【0004】
従来の吸収性物品の液体不透過性バックシートは、吸収性物品内の吸収体と着用者の衣服との間にバリアを提供するように構成されている。典型的なバックシートは、液体不透過性および蒸気不透過性の両方であった。例えば、多くの従来の吸収性物品は、液体不透過性および蒸気不透過性の両方であるポリマーフィルムから作られたバックシートを含んでいる。このようなバックシートに、より布のような感触を与えるために、不織布材料のフェーシング層がポリマーフィルム層に加えられて、より心地よい感触を提供してきた。残念なことに、十分に柔らかいかまたは布のような感触を有する不織布材料のフェーシング層を使用すると、着用者による使用中に望ましくないレベルの糸くずが発生することが多い。不織布層からのこのような糸くずが出ることは、おむつかぶれの発症につながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、特に比較的低い坪量で、使用者に柔らかい感触を提供すると共に、着用者による使用中に糸くず形成も減少させる、例えば衛生関連用途(例えば、おむつ)に適した、テキスタイルバックシートに対する必要性が、当技術分野において依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つ以上の実施形態は、前述の問題の1つ以上に対処することができる。本発明による特定の実施形態は、不織布と、蒸気透過性かつ液体不透過性(VPLI)フィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムと、を含み、不織布が、VPLIフィルムに直接または間接的に結合されている、テキスタイルバックシート(TBS)を提供する。本発明の特定の実施形態によれば、TBSは、(a)約10グラム/平方メートル(gsm)~約20gsm、例えば、少なくとも以下:約10、11、12、13、14、15gsmのいずれか、および/もしくは、多くとも以下:約20、19、18、17、16、15gsmのいずれか、の坪量、ならびに/または、(b)SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも約3.0、例えば、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、多くとも以下:約5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4のいずれか、および/もしくは、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも以下:約3、3.2、3.4、3.5、3.6、3.8、4のいずれか、の耐摩耗性グレード(「グレード」)を有する。
【0007】
別の態様では、本発明は、本明細書に開示されるTBSなどのTBSを含む吸収性物品(例えば、おむつ)を提供する。本発明の特定の実施形態によれば、吸収性物品は、本明細書に開示されるTBSなどのTBSと、液体透過性トップシートと、TBSと液体透過性トップシートとの間に位置する吸収体と、を含む。
【0008】
さらに別の態様では、本発明は、本明細書に開示されるTBSなどのTBSを形成する方法を提供する。この方法は、不織布を提供または形成することと、VPLIフィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムを形成するために提供することと、不織布をフィルムに直接的または間接的に結合することと、を含むことができる。
【0009】
以下、本発明のすべてではないがいくつかの実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明をより十分に説明する。実際、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の符号は、全体を通して同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明の特定の実施形態による、VPLIフィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムに直接結合された不織布を含むTBSを示す。
【
図1B】本発明の特定の実施形態による、接着剤層を介してVPLIフィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムに間接的に結合された不織布を含むTBSを示す。
【
図2A】本発明の特定の実施形態による、いくつかの例としての多成分繊維の断面図の例を示す。
【
図2B】本発明の特定の実施形態による、いくつかの例としての多成分繊維の断面図の例を示す。
【
図2C】本発明の特定の実施形態による、いくつかの例としての多成分繊維の断面図の例を示す。
【
図2D】本発明の特定の実施形態による、いくつかの例としての多成分繊維の断面図の例を示す。
【
図2E】本発明の特定の実施形態による、いくつかの例としての多成分繊維の断面図の例を示す。
【
図2F】本発明の特定の実施形態による、いくつかの例としての多成分繊維の断面図の例を示す。
【
図2G】本発明の特定の実施形態による、いくつかの例としての多成分繊維の断面図の例を示す。
【
図2H】本発明の特定の実施形態による、いくつかの例としての多成分繊維の断面図の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のすべてではないがいくつかの実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明をより十分に説明する。実際、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」は、文脈上別段明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。
【0012】
現在開示されている発明は、概して、蒸気透過性かつ液体不透過性(VPLI)フィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムに直接または間接的に付着(例えば、結合)された不織布を含むテキスタイルバッキングシート(TBS)に関する。これに関して、非透過性フィルムは、蒸気(例えば、水蒸気)および液体の両方に対して透過性でないフィルムを含み得る。本発明の特定の実施形態によるTBSは、従来のTBSと比較して、不織布およびVPLIフィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムの両方について、概して減少させた坪量など、減少させた量の材料を利用するにもかかわらず、様々な望ましい特性を提供することができる。例えば、本発明の特定の実施形態によるTBSは、所与の結合エリアにおける坪量当たりの引張強度の増加、柔軟性の増加、および所与の結合エリアにおける坪量当たりの耐摩耗性の改善を含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、TBSは、様々な衛生関連物品における使用に特に好適であり得る。本発明の特定の実施形態によるTBSを含む衛生関連物品の非限定的な例としては、フェムケアパッド(例えば、吸収性パッド)、吸収性ライナー(例えば、パンティライナー)、ベビー用おむつ、大人用おむつ、パンツ型紙おむつ(例えば、幼児用トレーニングパンツ)が挙げられる。
【0013】
用語「実質的な」または「実質的に」は、本発明の特定の実施形態によれば、特定された全量を包含することができ、または、本発明の他の実施形態によれば、特定された全量ではなく、大部分を包含することができる(例えば、特定された全量の95%、96%、97%、98%、もしくは99%)。
【0014】
本明細書において交換可能に使用される、用語「ポリマー(polymer)」または「ポリマーの(polymeric)」は、ホモポリマー、コポリマー、例えば、ブロック、グラフト、ランダム、および交互コポリマー、ターポリマーなど、ならびに、それらのブレンドおよび修飾物を含み得る。さらに、特に限定されない限り、用語「ポリマー」または「ポリマーの」は、全ての可能な構造異性体;幾何異性体、光学異性体もしくはエナンチオマーを含むがこれらに限定されない立体異性体;および/または、このようなポリマーもしくはポリマー材料の任意のキラル分子形態を含むものとする。これらの形態には、そのようなポリマーまたはポリマー材料のアイソタクチック、シンジオタクチック、およびアタクチック形態が含まれるが、これらに限定されない。用語「ポリマー」または「ポリマーの」は、チーグラー・ナッタ触媒系およびメタロセン/シングルサイト触媒系を含むがこれらに限定されない、種々の触媒系から製造されたポリマーも含むものとする。用語「ポリマー」または「ポリマーの」は、本発明の特定の実施形態によれば、発酵プロセスによって産生されるか、または生物学的に供給される(biosourced)ポリマーも含むものとする。
【0015】
本明細書で使用される用語「不織布」および「不織ウェブ」は、間に差し挟まれているが、編物もしくは織物のように識別可能な反復様式ではない、個々の繊維、フィラメント、および/または糸の構造を有するウェブを含み得る。不織布またはウェブは、本発明の特定の実施形態によれば、例えば、メルトブロープロセス、スパンボンドプロセス、ニードルパンチ、水流交絡、エアレイド、およびボンドカードウェブプロセス(bonded carded web processes)などの、当技術分野で従来知られている任意のプロセスによって形成することができる。本明細書で使用される「不織ウェブ」は、統合プロセスに供されていない複数の個々の繊維を含むことができる。場合によっては、「不織ウェブ」は、1つ以上のスパンボンド層および/または1つ以上のメルトブローン層などの複数の層を含み得る。例えば、「不織ウェブ」は、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド構造を含み得る。
【0016】
本明細書で使用される「布」および「不織布」という用語は、複数の繊維が機械的に絡み合っているかもしくは相互接続されている、互いに融合されている、および/または互いに化学的に結合されている、繊維のウェブを含み得る。例えば、個々に置かれた繊維の不織ウェブは、結合または統合プロセスに供されて、個々の繊維の少なくとも一部を互いに結合して、相互接続された繊維の密着した(例えば、結合した)ウェブを形成することができる。
【0017】
本明細書で使用される「統合された」および「統合」という用語は、不織ウェブの繊維の少なくとも一部をくっつけて、より近くに近接させるかまたはそれらの間を付着させ(例えば、互いに熱的に融合させ、互いに化学的に結合させ、かつ/または互いに機械的に絡ませ)て、1つの結合部位または複数の結合部位を形成することを含み得、結合部位は、非統合ウェブと比較して外力(例えば、摩耗および引張力)に対する抵抗を増加させるように機能する。1つの結合部位または複数の結合部位は、例えば、ウェブ材料に不連続または局所的変形を形成するように、軟化または溶融され、オプションとしてその後または同時に圧縮されているウェブ材料の不連続または局所的領域を含むことができる。さらに、用語「統合された」は、単にいくつかの例として熱的結合または機械的絡まり(例えば、水流交絡)などによって、繊維の少なくとも一部がより近くに近接するかまたはそれらの間が付着する(例えば、互いに熱的に融合される、互いに化学的に結合される、および/または、互いに機械的に絡まる)ように処理された、不織ウェブ全体を含むことができる。このようなウェブは、本発明の特定の実施形態によれば、「統合不織布」、「不織布」、または単に「布」とみなすことができる。
【0018】
本明細書で使用される「短繊維」という用語は、フィラメントからの切断繊維を含むことができる。特定の実施形態によれば、任意のタイプのフィラメント材料を使用して、短繊維を形成することができる。例えば、短繊維は、ポリマー繊維および/またはエラストマー繊維から形成され得る。材料の非限定的な例は、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンまたはポリプロピレン含有コポリマー)、ポリエチレンテレフタレート、およびポリアミドを含み得る。短繊維の平均長は、ほんの一例として、約2センチメートル~約15センチメートルを含むことができる。
【0019】
本明細書で使用される「スパンボンド」という用語は、溶融熱可塑性材料を紡糸口金の複数の微細な、通常は円形の毛細管からフィラメントとして押し出し、押し出されたフィラメントの直径をその後急速に縮小することによって形成される、繊維を含み得る。本発明の一実施形態によれば、スパンボンド繊維は、一般に、収集表面上に堆積されたときに粘着性がなく、本明細書に開示および記載されるように概して連続的であり得る。本発明の特定の複合体に使用されるスパンボンドは、文献にSPINLACE(登録商標)として記載されている不織布を含み得ることに留意されたい。スパンボンド繊維は、例えば、連続繊維を含む。
【0020】
本明細書で使用される「連続繊維」という用語は、不織ウェブまたは不織布に形成される前に元の長さから切断されない繊維を指す。連続繊維は、約15センチメートル超~1メートル超の範囲、および形成されているウェブまたは布の長さまでの平均長を有することができる。例えば、本明細書で使用される連続繊維は、繊維の長さが繊維の平均直径の少なくとも1,000倍である繊維、例えば、繊維の長さが繊維の平均直径の少なくとも約5,000倍、10,000倍、50,000倍、または100,000倍である繊維を含み得る。
【0021】
本明細書で使用される「メルトブローン」という用語は、本発明の特定の実施形態によれば、複数の微細なダイ毛細管を通じて溶融熱可塑性材料を溶融糸またはフィラメントとして、収束する高速の、通常は高温の、ガス(例えば空気)流の中に押し出し、これにより溶融熱可塑性材料のフィラメントを細くしてそれらの直径を縮小させ、マイクロファイバーの直径にまでし得ることによって形成される、繊維を含み得る。本発明の一実施形態によれば、ダイ毛細管は円形であってよい。その後、メルトブローン繊維は、高速ガス流によって運ばれ、収集表面上に堆積されて、ランダムに分配された(disbursed)メルトブローン繊維のウェブを形成する。メルトブローン繊維は、連続的または不連続的であってよく、かつ、収集表面上に堆積されたときに概して粘着性である、マイクロファイバーを含み得る。しかし、メルトブローン繊維は、スパンボンド繊維よりも長さが短い。
【0022】
本明細書で使用される「層」という用語は、X-Y平面内に存在する類似の材料タイプおよび/または機能の一般に認識可能な組み合わせを含み得る。
【0023】
本明細書で使用する「多成分繊維」という用語は、別々の押出機から押し出されるが、一緒に紡がれて1つの繊維を形成する少なくとも2つの異なるポリマー材料または組成物(例えば、2つ以上)から形成される繊維を含み得る。本明細書で使用される「二成分繊維」という用語は、別々の押出機から押し出されるが、一緒に紡がれて1つの繊維を形成する2つの異なるポリマー材料または組成物から形成される繊維を含み得る。ポリマー材料またはポリマーは、多成分繊維の断面を横切る別々のゾーンにおいて実質的に一定の位置に配置され、多成分繊維の長さに沿って連続的に延びる。このような多成分繊維の構成は、例えば、二成分繊維を含む多成分繊維の技術分野でそれぞれが知られているように、1つのポリマーが別のポリマーによって囲まれているシース/コア配置、偏心シース/コア配置、サイドバイサイド配置、パイ配置、または「海中の島」配置であってよい。
【0024】
本明細書で使用される「縦方向」または「MD」という用語は、布が製造または搬送される方向を含む。本明細書で使用される「横方向」または「CD」という用語は、MDに対して実質的に垂直な布の方向を含む。
【0025】
本明細書で使用される「高ロフト」という用語は、一般に約0.3mmを超えるz方向の厚さおよび比較的低いかさ密度を含む材料を含む。「高ロフト」不織布および/または層の厚さは、Thwig-Albert Instrument Co.(ニュージャージー州ウェストベルリン 08091)から入手可能なProGage Thicknessテスタ(モデル89-2009)を利用して測定すると、0.3mm超(例えば、0.4mm超、0.5mm超、または1mm超)であってよく、このテスタは、測定中に1.45kPaの力を加える直径5.08cm(2インチ)のフットを利用する。本発明の特定の実施形態によれば、「高ロフト」不織布および/または層の厚さは、多くとも以下:約3、2.75、2.5、2.25、2、1.75、1.5、1.25、1.0、0.75、および0.5mmのいずれか、ならびに/または、少なくとも以下:約0.3、0.4、0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、および2.0mmのいずれかであってよい。本明細書で使用される「高ロフト」不織布および/または層は、さらに、比較的低い密度(例えば、かさ密度、すなわち、単位体積当たりの重量)、例えば約70kg/m3未満、例えば、多くとも以下:約70、60、55、50、45、40、35、30、および25kg/m3のいずれか、ならびに/または、少なくとも以下:約10、15、20、25、30、35、40、45、50、および55kg/m3のいずれかを有し得る。
【0026】
本明細書で使用される用語「捲縮」または「捲縮された」は、例えば、「L」字構成を有する、折り畳まれるかもしくは圧縮された部分、「ジグザグ」構成を有する波部分、または螺旋構成のようなカール部分などの、三次元カールまたは湾曲部を含む。本発明の特定の実施形態によれば、用語「捲縮」または「捲縮された」は、溶融紡糸プロセスにおける繊維の通常のレイダウン(lay-down)に関連するものなど、繊維におけるランダムな二次元の波または起伏を含まない。
【0027】
本明細書で使用される「アスペクト比」という用語は、当該繊維の断面の長軸の長さと短軸の長さとの比を含む。
【0028】
本明細書中で使用される用語「モノリシック」フィルムは、連続的であり、そして実質的に孔を有さないか、または孔を有さない(例えば、孔を欠いている)任意のフィルムを含み得る。本発明の特定の代替的な実施形態では、「モノリシック」フィルムは、別の状況では微孔性フィルムに見られるであろうよりも孔が少ない構造を含むことができる。本発明の特定の非限定的な例示的な実施形態によれば、モノリシックフィルムは、液体および粒子状物質に対するバリアとして作用することができるが、例えば、フィルムの一方の側で水蒸気を吸収し、フィルムを通して水蒸気を輸送し、フィルムの反対側で水蒸気を放出することによって、水蒸気を通過させることができる。さらに、理論に束縛されることを意図するものではないが、高い通気性を達成し維持することによって、着用するのにより快適な物品を提供することが可能であるが、それは、積層体を通る水蒸気の移動が、皮膚に接して捕捉された過剰な水分に起因する不快感を低減および/または制限するのを助けるためである。本発明の特定の実施形態によれば、モノリシックフィルムは、細菌およびウイルスに対するバリアとしても作用し得、周囲の汚染、ならびに細菌およびウイルスによって引き起こされる感染および疾病の広がりを減少させる物品または衣類を提供し得る。
【0029】
本明細書で使用される「高通気性ポリマー」という用語は、水蒸気に対して選択的に透過性であるが、液体水に対して実質的に不透過性であり、例えば、ポリマーが水蒸気を吸収および脱着し、水性流体(例えば、水、血液など)に対してバリアを提供することができる通気性フィルムを形成することができる、任意のポリマーまたはエラストマーを含むことができる。例えば、高通気性ポリマーは、フィルムの一方の側から水蒸気を吸収し、それをフィルムの他方の側に放出することができ、それによって、水蒸気がフィルムを通って輸送されることを可能にする。高通気性ポリマーは、フィルムに通気性を付与することができるので、このようなポリマーから形成されるフィルムは、孔を含む必要がない(例えば、モノリシックフィルム)。本発明の特定の実施形態によれば、「高通気性ポリマー」は、フィルムに形成されたときに少なくとも500g/m2/日の水蒸気透過率(MVTR)を有する任意の熱可塑性ポリマーまたはエラストマーを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、「高通気性ポリマー」は、例えば約25μm以下の厚さを有するフィルムといった、フィルムへと形成される場合に、少なくとも750g/m2/日または少なくとも1000g/m2/日のMVTRを有する任意の熱可塑性ポリマーまたはエラストマーを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、高通気性ポリマーは、例えば、ポリエーテルブロックアミドコポリマー(例えば、Arkema GroupからのPEBAX(登録商標))、ポリエステルブロックアミドコポリマー、コポリエステル熱可塑性エラストマー(例えば、DSM Engineering PlasticsからのARNITEL(登録商標)、E.I. DuPont de Nemours and CompanyからのHYTREL(登録商標))、または熱可塑性ウレタンエラストマー(TPU)のいずれか1つまたは組み合わせを含み得る。
【0030】
本明細書においてメルトフローレート(MFR)が言及される場合、MFRの値は標準手順ASTM D1238(230℃で2.16kg)に従って決定される。
【0031】
本発明による特定の実施形態は、不織布と、蒸気透過性かつ液体不透過性(VPLI)フィルムと、を含み、不織布がVPLIフィルムに直接または間接的に結合されている、テキスタイルバックシート(TBS)を提供する。本発明の特定の実施形態によれば、TBSは、(a)約10グラム/平方メートル(gsm)~約20gsm、例えば、少なくとも以下:約10、11、12、13、14、15gsmのいずれか、および/もしくは、多くとも以下:約20、19、18、17、16、15gsmのいずれか、の坪量、ならびに/または(b)SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも約3.0、例えば、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、多くとも以下:約5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4のいずれか、および/もしくは、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも以下:約3、3.2、3.4、3.5、3.6、3.8、4のいずれか、の耐摩耗性グレード(「グレード」)を有する。
【0032】
本発明の特定の実施形態によれば、不織布は、約4gsm~約10gsm、例えば、少なくとも以下:約4、5、6、7gsmのいずれか、および/または、多くとも以下:約10、9、8、7gsmのいずれか、の第1の坪量を有することができる。不織布は、少なくとも1つのスパンボンド層、少なくとも1つのメルトブローン層、少なくとも1つのカード層、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、不織布は、複数の連続スパンボンド繊維から形成された1つ以上のスパンボンド層を含む。本発明の特定の実施形態によれば、不織布は、約1%~約40%、例えば、少なくとも以下:約1、2、3、5、6、8、10、12、15、18、20、21、22%のいずれか、および/または、多くとも以下:約40、38、35、32、30、28、25、22%のいずれか、の第1の結合エリアを有し得る。第1の結合エリアは、例えば、熱結合部位、超音波結合部位、または接着形成された結合部位などの複数の別個の結合部位によって画定され得る。この点で、不織布は、比較的低い坪量および比較的低い結合エリアを含み得る。この特徴の組み合わせにもかかわらず、本発明の特定の実施形態によるTBSの不織布は、予想外に、改善されたレベルの耐摩耗性(例えば、使用中の糸くず形成の低減)を提供する。
【0033】
例えば、
図1Aは、VPLIフィルムまたは非透過性フィルム140などのフィルムに直接結合された不織布120を含むTBS100を示す。この点に関して、不織布120は、例えば、VPLIフィルムもしくは非透過性フィルム140などのフィルムに直接熱結合されてもよく、またはフィルムが不織布上に直接溶融押出しされてもよい。例えば、
図1Bは、接着剤層260を介してVPLIフィルムまたは非透過性フィルム240などのフィルムに間接的に結合された不織布220を含むTBS200を示す。
【0034】
本発明の特定の実施形態によれば、不織布は、高ロフト不織布を含む。高ロフト不織布は、約70kg/m3未満、例えば、多くとも以下:約70、60、55、50、45、40、35、30、25kg/m3のいずれか、および/または、少なくとも以下:約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55kg/m3のいずれか、の密度を有し得る。追加的または代替的に、高ロフト不織布は、不織布の縦方向および横方向に垂直なz方向の厚さを有してもよく、この厚さは、約0.3mm~約3mm、例えば、多くとも以下:約3、2.75、2.5、2.25、2、1.75、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5mmのいずれか、および/または、少なくとも以下:約0.3、0.4、0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0mmのいずれか、を含む。
【0035】
本発明の特定の実施形態によれば、不織布は、第1の複数の捲縮繊維を含む。第1の複数の捲縮繊維は、単成分繊維(例えば、単一のポリマー相もしくはドメイン)および/または多成分繊維(例えば、2つ以上の別個のポリマー相もしくはドメイン)を含み得る。第1の複数の捲縮繊維は、例えば、レイダウン中におよび/または堆積された後に(例えば、繊維に捲縮部分を付与する熱的および/もしくは機械的捲縮動作を介して)形成され得る。本発明の特定の実施形態によれば、第1の複数の捲縮繊維は、多成分繊維を含む。多成分繊維は、連続繊維、短繊維、またはその両方を含み得る。例えば、多成分繊維は、捲縮連続スパンボンド繊維を含み得る。
【0036】
本発明の特定の実施形態によれば、第1の複数の捲縮繊維は、捲縮部分がレイダウンプロセス中に形成される、自己捲縮繊維を含み得る。この点に関して、多成分繊維は、(i)オプションとして500g/10分未満、400g/10分未満、300g/10分未満、200g/10分未満、100g/10分未満、または50g/10分未満などの、第1のメルトフローレート(MFR)を有する第1のポリマー材料を含む第1の成分と、(ii)第1の成分とは異なる第2のポリマー材料を含む第2の成分と、を含み得、多成分繊維は、1つ以上の三次元捲縮部分を含む。オプションとして、第2のポリマー材料は、例えば、オプションとして、2000g/10分未満、1500g/10分未満、1000g/10分未満、500g/10分未満、400g/10分未満、300g/10分未満、200g/10分未満、100g/10分未満、または50g/10分未満である、第2のMFRを含み得る。
【0037】
第1の複数の捲縮繊維は、円形もしくは非円形の断面形状などの様々な断面形状および/またはデニールを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、第1の複数の捲縮繊維は、様々な物理的特性を調整または制御するために、同じ断面形状または異なる断面形状の混合物のすべてまたは実質的にすべてを含むことができる。この点で、第1の複数の捲縮繊維は、円形断面、非円形断面、またはそれらの組み合わせを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、例えば、第1の複数の捲縮繊維は、約10%~約100%、例えば、多くとも以下:約100、95、90、85、75、50%のいずれか、および/または、少なくとも以下:約10、20、25、35、50、75%のいずれか、の円形断面繊維を含むことができる。加えて、または代替的に、第1の複数の捲縮繊維は、約10%~約100%、例えば、多くとも以下:約100、95、90、85、75、50%のいずれか、および/または、少なくとも以下:約10、20、25、35、50、75%のいずれか、の非円形断面繊維を含み得る。非円形断面捲縮繊維を含む本発明の実施形態によれば、これらの非円形断面捲縮繊維は、1.5:1超、例えば、多くとも以下:約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1のいずれか、および/または、少なくとも以下:約1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1のいずれか、のアスペクト比を含み得る。円形断面捲縮繊維を含む本発明の実施形態によれば、これらの円形断面捲縮繊維は、約0.8:1~約1.2:1のアスペクト比を含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、本明細書で使用されるアスペクト比は、当該繊維の断面の長軸の長さと短軸の長さとの比を含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、第1の複数の捲縮繊維は、不織ウェブの単一層において、非捲縮繊維(例えば、単一成分および/または多成分繊維)と混合またはブレンドされ得る。
【0038】
本発明の特定の実施形態によれば、第1の複数の捲縮繊維は、シース/コア構成、サイドバイサイド構成、パイ構成、海中の島構成、多葉性構成、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、シース/コア構成は、シース成分およびシース成分内に同心円状に位置していないコア成分を含む、偏心シース/コア構成(例えば、二成分繊維)を含むことができる。コア成分は、例えば、本発明の特定の実施形態によれば、偏心シース/コア構成を有する捲縮繊維の外側表面の少なくとも一部を画定し得る。
【0039】
図2A~
図2Hは、本発明の特定の実施形態による第1の複数の捲縮繊維のいくつかの非限定的な実施例についての断面図の例を示す。
図2A~
図2Hに示されるように、捲縮繊維50は、第1のポリマー組成物Aの第1のポリマー成分52と、第2のポリマー組成物Bの第2のポリマー成分54と、を含み得る。第1の成分52および第2の成分54は、捲縮繊維の長さに沿って実質的に連続的に延びる、捲縮繊維の断面内の実質的に別個のゾーンに配置することができる。第1の成分52および第2の成分54は、
図2Aに示されるような円形断面繊維または
図2Gおよび
図2Hに示されるようなリボン状(例えば、非円形)断面繊維において、サイドバイサイド配置で配置され得る。さらにまたは代替的に、第1の成分52および第2の成分54は、
図2Bおよび
図2Cに示されるような偏心シース/コア配置などのシース/コア配置で配置され得る。
図2Bに示すような偏心シース/コア捲縮繊維では、一方の成分が、他方の成分を完全に閉塞または包囲するが、捲縮繊維内に非対称に位置して繊維の捲縮を可能にする(例えば、第1の成分52が成分54を包囲する)。
図2Cに示されるような偏心シース/コア構成は、第2の成分の一部が露出されて繊維50の最も外側の表面の一部を形成することができるので、第2の成分54(例えば、コア成分)を完全にではなく実質的に包囲する、第1の成分52(例えば、シース成分)を含む。追加の例として、捲縮繊維は、
図2Dおよび
図2Eに示されるような中空繊維、または
図2Fに示されるような多葉性繊維(multilobal fibers)を含むことができる。しかしながら、多数の他の断面構成および/または繊維形状が、本発明の特定の実施形態に従って適切となり得ることに留意されたい。多成分繊維では、本発明の特定の実施形態によれば、それぞれのポリマー成分は、(体積または質量で)約85:15~約15:85の比で存在することができる。本発明の特定の実施形態によれば、(体積または質量で)約50:50の比が望ましい場合があるが、使用される特定の比は、体積もしくは質量で、多くとも以下:約85:15、80:20、75:25、70:30、65:35、60:40、55:45、50:50のいずれか、および/または、体積もしくは質量で、少なくとも以下:約50:50、45:55、40:60、35:65、30:70、25:75、20:80、15:85のいずれかなど、所望に応じて変化させることができる。
【0040】
上述のように、第1の複数の捲縮繊維は、第1のポリマー組成物を含む第1の成分と、第2のポリマー組成物を含む第2の成分と、を含むことができ、第1のポリマー組成物は、第2のポリマー組成物とは異なる。例えば、第1のポリマー組成物は、第1のポリオレフィン組成物を含んでもよく、第2のポリマー組成物は、第2のポリオレフィン組成物、ポリエステル、またはポリアミドを含んでもよい。本発明の特定の実施形態によれば、第1のポリオレフィン組成物は、第1のポリプロピレンまたはポリプロピレンのブレンドを含み得、第2のポリオレフィン組成物は、第2のポリプロピレンおよび/または第2のポリエチレンを含み得、第1のポリオレフィン組成物は、例えば、第1のメルトフローレートを有し、第2のポリマー組成物(例えば、第2のポリオレフィン組成物)は、第2のメルトフローレートを有し、第1のメルトフローレートは、第2のメルトフローレートとは異なる。加えてまたは代替的に、第1のポリプロピレンまたはポリプロピレンのブレンドは、第2のポリマー組成物(例えば、第2のポリオレフィン組成物)よりも低い結晶化度を有することができる。本発明の特定の実施形態によれば、第2のポリマー組成物は、ポリエステル、ポリアミド、またはバイオポリマー(例えばポリ乳酸)を含むことができる。
【0041】
本発明の特定の実施形態によれば、第1のポリマー組成物および第2のポリマー組成物は、引き伸ばしユニット直後であるがレイダウン前のディフューザセクションにおいて、引き伸ばし力が緩和された時点で、ならびに/または、繊維のレイダウンおよびウェブ形成後などの後処理、のいずれかにおいて、熱を追加的に加えることなく、多成分繊維がその中に1つ以上の捲縮を作り出すように選択することができる。したがって、ポリマー組成物は、異なる応力もしくは弾性回復特性、結晶化速度、および/または溶融粘度を有するという点で、互いに異なるポリマーを含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、ポリマー組成物は、本明細書に記載および開示されるように、第1および第2のポリマー組成物のメルトフローレートによって自己捲縮するように(例えば、紡糸口金からの繊維のレイダウン後は、後捲縮作業は必要でない場合がある)選択することができる。本発明の特定の実施形態によれば、多成分繊維は、例えば、単一の連続方向に螺旋形状の捲縮を有する捲縮繊維部分を形成するか、または有することができる。例えば、1つのポリマー組成物は、繊維の捲縮性質によって形成された螺旋の内側に実質的にかつ連続的に位置し得る。
【0042】
本発明の特定の実施形態によれば、第1の複数の捲縮繊維は、(i)第1の断面形状、第1の化学構造、または繊維の所与の長さ当たりの第1の捲縮率などの第1の識別特徴を有する第1の多成分繊維群、および(ii)第2の断面形状、第2の化学構造、または繊維の所与の長さ当たりの第2の捲縮率などの第2の識別特徴を有する第2の多成分繊維群を含み得、第1の識別特徴は、第2の識別特徴とは異なる。例えば、第1の多成分繊維群は、その少なくとも一部(例えば、多成分繊維のある成分)としてポリオレフィンを含み得、第2の多成分繊維群は、その少なくとも一部として、異なるポリオレフィン組成物または非ポリオレフィンを含み得る。
【0043】
本発明の特定の実施形態によれば、不織布は、複数の非捲縮繊維をさらに含み得る。複数の非捲縮繊維は、例えば、スパンボンド繊維、メルトブローン繊維、短繊維、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。複数の非捲縮繊維は、例えば、第1の複数の捲縮繊維とは別個の層として提供されてもよいし、一緒に混ぜ合わせられてもよい(例えば、互いにブレンドされ、かつ/または物理的に絡ませられてもよい)。
【0044】
本発明の特定の実施形態によれば、VPLIフィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムは、約10~約200μm、例えば、少なくとも以下:約10、20、30、40、50、60、80、100μmのいずれか、および/または、多くとも以下:約200、180、160、150、140、120、100μmのいずれか、の厚さ(例えば、総厚さ)を含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、VPLIフィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムは、単層フィルムまたは多層フィルムを含み得る。
【0045】
本発明の特定の実施形態によれば、フィルムは、少なくとも1つの高通気性ポリマーを含むモノリシックフィルムである単層フィルムを含むVPLIフィルムを含み得る。本発明の特定の実施形態による高通気性ポリマーは、熱可塑性ウレタン(TPU)、ポリエーテルブロックアミドコポリマー(例えば、Arkema GroupのPEBAX(登録商標)もしくはEvonikのVetsamid(登録商標)E)、またはコポリエステル熱可塑性エラストマー(例えば、DSM Engineering PlasticsのARNITEL(登録商標)、E.I. DuPont de Nemours and CompanyのHYTREL(登録商標))のうちの少なくとも1つを含み得る。本発明の特定の実施形態によるVPLIフィルムは、(i)ポリエチレングリコールを含むソフトブロック、および(ii)ポリブチルテレフタレートを含むハードブロックを含む、ポリエーテル-ブロック-エステルコポリマーを含み得る。本発明の特定の実施形態によるVPLIフィルムは、アイソタクチックポリプロピレンの微晶質領域とランダム非晶領域とのコポリマーを含み得る。代替的または付加的に、VPLIフィルムは、微孔性フィルムである単層フィルムを含み得る。微孔性フィルムは、一般に、無機塩(例えば、炭酸カルシウム)のような非吸湿性充填材の微細に分割された粒子を適切なポリマーに分散させ、次いで、充填されたポリマーのフィルムを形成し、良好な多孔性および水蒸気吸収または透過を提供するためにフィルムを延伸することによって製造され得る。本発明の特定の実施形態によれば、VPLIフィルムは、ポリエチレンもしくはポリプロピレンのようなポリオレフィン、または第1のポリエチレンのような第1のポリオレフィンと第2のポリプロピレンのような第2のポリオレフィンとを含むコポリマーを含むことができる。非透過性フィルムが利用される場合、非透過性フィルムは、本明細書に開示されるようなポリオレフィン組成物を含み得るが、複数の微小孔が実質的になくてもよい。この点に関して、非透過性フィルムは、液体および蒸気(例えば、水蒸気)の両方の通過を防止および/または抑制する。
【0046】
本発明の特定の実施形態によれば、VPLIフィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムは、多層フィルムを含み得る。多層フィルムは、少なくとも第1のスキン層およびコア層を含み得、第1のスキン層は第1の厚さを有し、コア層は第2の厚さを有し、第1の厚さが第2の厚さ未満である。本発明の特定の実施形態による多層フィルムは、第2のスキン層を含んでよく、コア層は、第1のスキン層と第2のスキン層との間に位置する。本発明の特定の実施形態によれば、第1のスキン層およびコア層の少なくとも一方は、微孔性フィルム層を含み得る。加えてまたは代替的に、コア層は、微孔性フィルム層またはモノリシックフィルム層であってよい2つのスキン層の間に挟まれたモノリシックフィルム層を含み得る。
【0047】
本発明の特定の実施形態によれば、VPLIフィルムは、NWSP 070.4.ROに従って測定して、少なくとも約4000g/m2/24hr、例えば、NWSP 070.4.ROに従って測定して、少なくとも以下:約4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000g/m2/24hrのいずれか、および/または、NWSP 070.4.ROに従って測定して、多くとも以下:約12000、11000、10000、9000、8000g/m2/24hrのいずれか、を含む水蒸気透過率(MVTR)を有することができる。本発明の特定の実施形態によれば、TBSは、NWSP 070.4.ROに従って測定して、少なくとも約4000g/m2/24hr、例えば、NWSP 070.4.ROに従って測定して、少なくとも以下:約4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000g/m2/24hrのいずれか、および/または、NWSP 070.4.ROに従って測定して、多くとも以下:約12000、11000、10000、9000、8000g/m2/24hrのいずれか、を含むMVTRを有し得る。
【0048】
本発明の特定の実施形態によれば、VPLIフィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムは、不織布の隣接部分をフィルムに直接融合させる複数の個々の結合部位などによって、不織布に直接熱的に結合され得る。さらに、または代わりに、フィルムは、不織布上に直接溶融押出しされてもよい。
【0049】
あるいは、VPLIフィルムまたは非透湿性フィルムなどのフィルムは、フィルムと不織布との間に位置する接着剤層を介して不織布に間接的に結合されてもよい。これに関して、TBSは、不織布とフィルムとの間に位置し、不織布をフィルムに接着する接着剤層を含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、接着剤層は、約0.2~約5gsm、例えば、少なくとも以下:約0.2、0.4.0.5、0.6、0.8、1、1.2.1.4.1.5、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.5gsmのいずれか、および/または、多くとも以下:約5、4、5、4、3.5、3、2.5gsmのいずれか、の坪量を有し得る。本発明の特定の実施形態によれば、接着剤層は、複数の個々の接着剤堆積位置を含む不連続層を含み得る。さらにまたは代替的に、接着剤層は、1つ以上の連続的な筋、1つ以上の不連続な筋、またはそれらの組み合わせを含む。例えば、接着剤層は、特定の実施形態によれば、重ならない1つ以上の連続的な筋を含む。加えてまたは代替的に、接着剤層は、1つ以上の連続的な筋を含み得、この場合、第1の複数の連続的な筋が、第1の複数の連続的な筋の重なり部分によって画定される交差領域を画定する。あるいは、接着剤層は連続層を含む。
【0050】
本発明の特定の実施形態によれば、TBSは、EN 20811に従って測定して、約80~約200mbar、例えば、EN 20811に従って測定して、少なくとも以下:約80、90、100、100、110、120、130、140mbarのいずれか、および/または、EN 20811に従って測定して、多くとも以下:約200、190、180、170、160、150、140mbarのいずれか、の水頭(hydrohead)を有する。
【0051】
本発明の特定の実施形態によれば、TBSは、ASTM D882によって測定して、約15N/25mm~約30N/25mm、例えば、ASTM D882によって測定して、少なくとも以下:約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24N/25mmのいずれか、および/または、ASTM D882によって測定して、多くとも以下:約30、29、28、27、26、25、24N/25mmのいずれか、のピーク時の縦方向引張強度(MDTS)を有する。
【0052】
本発明の特定の実施形態によれば、TBSは、ピーク時のMDTS(ASTM D882によるN/25mm)とTBSの坪量(gsm)との間の第1の比が約1:1~約1.5:1、例えば、少なくとも以下:約1:1、1.1:1、1.2:1、1.25:1のいずれか、および/または、多くとも以下:約1.5:1、1.4:1、1.3:1、1.25:1のいずれか、である。
【0053】
本発明の特定の実施形態によれば、TBSは、ASTM D882によって測定して、約40%~約100%、例えば、ASTM D882によって測定して、少なくとも以下:約40、45、50、52、54、55、56、58、60、62、64、65、66、68、70%のいずれか、および/または、ASTM D882によって測定して、多くとも以下:約100、90、80、70%のいずれか、のピーク時の縦方向伸び率を有する。
【0054】
本発明の特定の実施形態によれば、TBSは、式1
[式1]:[ピーク時のMDTS(N/25mm)+ピーク時のCDTS(N/25mm)]/2
によるピーク時の平均引張強度(ATS)が、ASTM D5035によって測定して、約12~約25N/25mm、例えば、ASTM D882によって測定して、少なくとも以下:約12、14、15、16、18、20N/25mmのいずれか、および/または、ASTM D882によって測定して、多くとも以下:約25、24、22、20N/25mmのいずれか、である。
【0055】
本発明の特定の実施形態によれば、TBSは、ピーク時のATS(ASTM D882によるN/25mm)とTBSの坪量(gsm)との間の第2の比が、少なくとも以下:約0.7、0.75、0.8、0.9、0.95、1のいずれか、および/または、多くとも以下:約1.4、1.3、1.2、1.1、1のいずれか、である。さらに、または代替的に、TBSは、ピーク時のATS(ASTM D882によるN/25mm)と不織布の坪量(gsm)との間の第2の比が、少なくとも以下:約1.5、1.6、1.8、1.9、2のいずれか、および/または、多くとも以下:約3、2.8、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2のいずれか、である。
【0056】
別の態様では、本発明は、本明細書に開示されるTBSなどのTBSを含む吸収性物品(例えば、おむつ)を提供する。本発明の特定の実施形態によれば、吸収性物品は、本明細書に開示されるTBSなどのTBSと、液体透過性トップシートと、TBSと液体透過性トップシートとの間に位置する吸収体と、を含む。本発明の特定の実施形態によれば、TBSのVPLIフィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムは、吸収体とTBSの不織布との間に直接または間接的に位置し得る。本発明の特定の実施形態によれば、TBSは、様々な衛生関連物品における使用に特に適している場合がある。本発明の特定の実施形態によるTBSを含む衛生関連物品の非限定的な例としては、フェムケアパッド(例えば、吸収性パッド)、吸収性ライナー(例えば、パンティライナー)、ベビー用おむつ、大人用おむつ、パンツ型紙おむつ(例えば、幼児用トレーニングパンツ)が挙げられる。
【0057】
さらに別の態様では、本発明は、本明細書に開示されるTBSなどのTBSを形成する方法を提供する。この方法は、不織布を提供または形成することと、VPLIフィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムを形成するために提供することと、不織布をフィルムに直接または間接的に結合することと、を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、不織布をフィルムに直接または間接的に結合するステップは、不織布とフィルムとの間に1つ以上の熱結合を形成することを介して、前駆体フィルムを不織布上に直接溶融押出しし、次いで前駆体フィルムを漸増的に延伸してフィルムを形成することを介して、またはフィルム(例えば、モノリシックフィルムもしくは非透過性フィルム)を不織布上に直接溶融押出しすることを介して、不織布をフィルムに直接結合することを含む。あるいは、不織布をフィルムに直接または間接的に結合するステップは、不織布とフィルムとの間に接着剤層を付加することを介して、不織布をフィルムに間接的に結合することを含む。本発明の特定の実施形態によれば、接着剤層は、複数の個々の接着剤堆積位置を含む不連続層を含むことができる。加えてまたは代替的に、接着剤層は、1つ以上の連続的な筋、1つ以上の不連続な筋、またはそれらの組み合わせを含む。例えば、接着剤層は、特定の実施形態によれば、重ならない1つ以上の連続的な筋を含む。加えてまたは代替的に、接着剤層は、1つ以上の連続的な筋を含み得、この場合、第1の複数の連続的な筋が、第1の複数の連続的な筋の重なり部分によって画定される交差領域を画定する。あるいは、接着剤層は連続層を含む。
【0058】
実施例
本開示は、以下の実施例によってさらに例示されるが、これらは決して限定的であると解釈されるべきではない。すなわち、以下の実施例に記載される特定の特徴は、単に例示的なものであり、限定的なものではない。
【0059】
比較例
Berry EUから入手可能なSof-flex Ultra N23Hという名称で識別される市販のテキスタイルバックシートを比較例として利用した。具体的には、比較例は、1gsmの接着剤層を介して12gsmの不織布に接着された10gsmのフィルムからなる。したがって、比較例の総坪量は23gsmであった。
【0060】
実施例1
実施例1は、0.85gsmの接着剤層を介して8gsmのポリエチレンフィルムに接着された12gsmの不織布(例えば、第1のポリプロピレンの第1の成分と第2のポリプロピレンから形成された第2の成分とを有するサイドバイサイドの連続繊維)から形成されたTBSからなった。したがって、実施例1の総坪量は20.85gsmであった。
【0061】
実施例2
実施例2は、0.85gsmの接着剤層を介して8gsmのポリエチレンフィルムに接着された8gsmの不織布(例えば、第1のポリプロピレンの第1の成分と第2のポリプロピレンから形成された第2の成分とを有するサイドバイサイドの連続繊維)から形成されたTBSからなった。したがって、実施例1の総坪量は16.85gsmであった。
【0062】
実施例3
実施例3は、0.85gsmの接着剤層を介して8gsmのポリエチレンフィルムに接着された6gsmの不織布(例えば、第1のポリプロピレンの第1の成分と第2のポリプロピレンから形成された第2の成分とを有するサイドバイサイドの連続繊維)から形成されたTBSからなった。したがって、実施例1の総坪量は14.85gsmであった。
【0063】
明確にするために、比較例、実施例1、実施例2、および実施例3の不織布およびフィルムの基本構造は、記載した坪量を除いてほぼ同じであった。
【0064】
各実施例(すなわち、比較例、実施例1、実施例2、および実施例3)は、各TBSの物理的特性を評価するために様々な試験に供された。表1にこれらの結果の概要を示す。
【表1】
【0065】
本発明に対するこれらおよび他の修正および変形が、添付の特許請求の範囲により具体的に示される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって実施され得る。加えて、様々な実施形態の態様は、全体または一部を入れ替えてもよいことを理解されたい。さらに、当業者は、前述の説明がほんの一例であり、そのような添付の特許請求の範囲にさらに記載されるように、本発明を限定することを意図しないことを理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲は、本明細書に含まれるバージョンの例示的な記述に限定されるべきではない。
【0066】
〔実施の態様〕
(1) テキスタイルバックシート(TBS)であって、
(i)不織布と、
(ii)蒸気透過性かつ液体不透過性(VPLI)フィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムであって、前記不織布が、前記フィルムに直接または間接的に結合されている、フィルムと、
を含み、
前記TBSは、(a)約10グラム/平方メートル(gsm)~約20gsm、例えば、少なくとも以下:約10、11、12、13、14、15gsmのいずれか、および/または、多くとも以下:約20、19、18、17、16、15gsmのいずれか、の坪量、ならびに、(b)SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも約3.0、例えば、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、多くとも以下:約5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4のいずれか、および/または、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも以下:約3、3.2、3.4、3.5、3.6、3.8、4のいずれか、の耐摩耗性グレード(「グレード」)を有する、テキスタイルバックシート。
(2) 前記不織布が、約4gsm~約10gsm、例えば、少なくとも以下:約4、5、6、7gsmのいずれか、および/または、多くとも以下:約10、9、8、7gsmのいずれか、の第1の坪量を有する、実施態様1に記載のTBS。
(3) 前記不織布が、少なくとも1つのスパンボンド層、少なくとも1つのメルトブローン層、少なくとも1つのカード層、またはスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド構造のような、それらの任意の組み合わせを含む、実施態様1~2に記載のTBS。
(4) 前記不織布が、約60kg/m3未満、例えば、多くとも以下:約70、60、55、50、45、40、35、30、25kg/m3のいずれか、および/または、少なくとも以下:約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55kg/m3のいずれか、の密度、約0.3mm~約3mm、例えば、多くとも以下:約3、2.75、2.5、2.25、2、1.75、1.5、1.25、1.0、0.75、0.5mmのいずれか、および/または、少なくとも以下:約0.3、0.4、0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0mmのいずれか、を含む厚さ、またはその両方を有する、高ロフト不織布を含む、実施態様1~3に記載のTBS。
(5) 前記不織布が、第1の複数の捲縮多成分繊維を含み、前記捲縮多成分繊維が、連続繊維、短繊維、またはその両方を含む、実施態様1~4に記載のTBS。
【0067】
(6) 前記フィルムが、約10~約200μm、例えば、少なくとも以下:約10、20、30、40、50、60、80、100μmのいずれか、および/または、多くとも以下:約200、180、160、150、140、120、100μmのいずれか、の厚さを含む、実施態様1~5に記載のTBS。
(7) 前記フィルムが、単層フィルム、例えばモノリシックフィルムまたは微孔性フィルムを含む、実施態様6に記載のTBS。
(8) 前記フィルムが、熱可塑性ウレタン、ポリエーテル-ブロック-アミドコポリマー、ポリエーテル-ブロック-エステルコポリマー、ポリエステル-ブロック-アミドコポリマー、またはコポリエステル熱可塑性エラストマーのうちの少なくとも1つを含むVPLIフィルムを含む、実施態様6に記載のTBS。
(9) 前記フィルムが、(i)ポリエチレングリコールを含むソフトブロック、および(ii)ポリブチルテレフタレートを含むハードブロックを含む、ポリエーテル-ブロック-エステルコポリマーを含むVPLIフィルムを含む、実施態様6に記載のTBS。
(10) 前記フィルムが多層フィルムを含み、前記多層フィルムが少なくとも第1のスキン層およびコア層を含み、前記第1のスキン層が第1の厚さを有し、前記コア層が第2の厚さを有し、前記第1の厚さが前記第2の厚さ未満である、実施態様6に記載のTBS。
【0068】
(11) 前記フィルムが、VPLIフィルムを含み、NWSP 070.4.R0に従って測定して、少なくとも約4000g/m2/24hr、例えば、NWSP 070.4.R0に従って測定して、少なくとも以下:約4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000g/m2/24hrのいずれか、および/または、NWSP 070.4.R0に従って測定して、多くとも以下:約12000、11000、10000、9000、8000g/m2/24hrのいずれか、を含むMVTRを有するか、前記TBSが、NWSP 070.4.R0に従って測定して、少なくとも約4000g/m2/24hr、例えば、NWSP 070.4.R0に従って測定して、少なくとも以下:約4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000g/m2/24hrのいずれか、および/または、NWSP 070.4.R0に従って測定して、多くとも以下:約12000、11000、10000、9000、8000g/m2/24hrのいずれか、を含むMVTRを有するか、またはその両方である、実施態様1~10に記載のTBS。
(12) 前記TBSは、ピーク時の縦方向引張強度(MDTS)(N/25mm)と前記TBSの坪量(gsm)との間の第1の比が、約1:1~約1.5:1である、実施態様1~11に記載のTBS。
(13) 前記TBSが、ASTM D5035によって測定して、約40%~約100%のピーク時の縦方向伸び率を有する、実施態様1~12に記載のTBS。
(14) 吸収性物品であって、
(i)実施態様1~13のいずれかに記載のTBSと、
(ii)液体透過性トップシートと、
(iii)前記TBSと前記液体透過性トップシートとの間に位置する吸収体と、
を含む、吸収性物品。
(15) テキスタイルバックシート(TBS)を形成する方法であって、
(i)不織布を提供または形成することと、
(ii)蒸気透過性かつ液体不透過性(VPLI)フィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムを形成するために提供することと、
(iii)前記不織布を前記フィルムに直接または間接的に結合して前記TBSを形成することと、
を含み、
前記TBSは、(a)約10グラム/平方メートル(gsm)~約20gsm、例えば、少なくとも以下:約10、11、12、13、14、15gsmのいずれか、および/または、多くとも以下:約20、19、18、17、16、15gsmのいずれか、の坪量、ならびに、(b)SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも約3.0、例えば、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、多くとも以下:約5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4のいずれか、および/または、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも以下:約3、3.2、3.4、3.5、3.6、3.8、4のいずれか、の耐摩耗性グレード(「グレード」)を有する、方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキスタイルバックシート(TBS)であって、
(i)
測定中に1.45kPaの力を加える直径5.08cm(2インチ)のフットを利用するProGage Thicknessテスタ(モデル89-2009)を利用して測定して、少なくとも1mmの厚さを有する高ロフト不織布と、
(ii)蒸気透過性かつ液体不透過性(VPLI)フィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムであって、前記不織布が、
接着剤層を介して前記フィルム
に結合されている、フィルムと、
を含み、
前記TBSは、(a)約10グラム/平方メートル(gsm)~約20gsm、例えば、少なくとも以下:約10、11、12、13、14、15gsmのいずれか、および/または、多くとも以下:約20、19、18、17、16、15gsmのいずれか、の坪量、ならびに、(b)SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも約3.0、例えば、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、多くとも以下:約5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4のいずれか、および/または、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも以下:約3、3.2、3.4、3.5、3.6、3.8、4のいずれか、の耐摩耗性グレード(「グレード」)を有する、テキスタイルバックシート。
【請求項2】
前記
高ロフト不織布が、約4gsm~約10gsm、例えば、少なくとも以下:約4、5、6、7gsmのいずれか、および/または、多くとも以下:約10、9、8、7gsmのいずれか、の第1の坪量を有する、請求項1に記載のTBS。
【請求項3】
前記
高ロフト不織布が、
連続スパンボンド繊維を含む、請求項
1に記載のTBS。
【請求項4】
前記
高ロフト不織布が、約60kg/m
3未満、例えば、多くとも以下:約70、60、55、50、45、40、35、30、25kg/m
3
のいずれか、および/または、少なくとも以下:約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55kg/m
3のいずれか、の密度、約
1mm~約3mm、例えば、多くとも以下:約3、2.75、2.5、2.25、2、1.75、1.
5mmのいずれか、および/または、少なくとも以下:
約1.0、1.25、1.
5mmのいずれか、を含む厚さ、あるいはその両方
を含む、請求項
1に記載のTBS。
【請求項5】
前記
高ロフト不織布が、第1の複数の捲縮多成分繊維を含み、前記捲縮多成分繊維が、連続
スパンボンド繊維、短繊維、またはその両方を含む、請求項
1に記載のTBS。
【請求項6】
前記フィルムが、約10~約200μm、例えば、少なくとも以下:約10、20、30、40、50、60、80、100μmのいずれか、および/または、多くとも以下:約200、180、160、150、140、120、100μmのいずれか、の厚さを含む、請求項
1に記載のTBS。
【請求項7】
前記フィルムが、単層フィルム、例えばモノリシックフィルムまたは微孔性フィルムを含む、請求項6に記載のTBS。
【請求項8】
前記フィルムが、熱可塑性ウレタン、ポリエーテル-ブロック-アミドコポリマー、ポリエーテル-ブロック-エステルコポリマー、ポリエステル-ブロック-アミドコポリマー、またはコポリエステル熱可塑性エラストマーのうちの少なくとも1つを含むVPLIフィルムを含む、請求項6に記載のTBS。
【請求項9】
前記フィルムが、(i)ポリエチレングリコールを含むソフトブロック、および(ii)ポリブチルテレフタレートを含むハードブロックを含む、ポリエーテル-ブロック-エステルコポリマーを含むVPLIフィルムを含む、請求項6に記載のTBS。
【請求項10】
前記フィルムが多層フィルムを含み、前記多層フィルムが少なくとも第1のスキン層およびコア層を含み、前記第1のスキン層が第1の厚さを有し、前記コア層が第2の厚さを有し、前記第1の厚さが前記第2の厚さ未満である、請求項6に記載のTBS。
【請求項11】
前記フィルムが、VPLIフィルムを含み、NWSP 070.4.R0に従って測定して、少なくとも約4000g/m
2/24hr、例えば、NWSP 070.4.R0に従って測定して、少なくとも以下:約4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000g/m
2/24hrのいずれか、および/または、NWSP 070.4.R0に従って測定して、多くとも以下:約12000、11000、10000、9000、8000g/m
2/24hrのいずれか、を含むMVTRを有するか、前記TBSが、NWSP 070.4.R0に従って測定して、少なくとも約4000g/m
2/24hr、例えば、NWSP 070.4.R0に従って測定して、少なくとも以下:約4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000g/m
2/24hrのいずれか、および/または、NWSP 070.4.R0に従って測定して、多くとも以下:約12000、11000、10000、9000、8000g/m
2/24hrのいずれか、を含むMVTRを有するか、あるいはその両方である、請求項
1に記載のTBS。
【請求項12】
前記TBSは、ピーク時の縦方向引張強度(MDTS)(N/25mm)と前記TBSの坪量(gsm)との間の第1の比が、約1:1~約1.5:1である、請求項
1に記載のTBS。
【請求項13】
前記TBSが、ASTM D5035によって測定して、約40%~約100%のピーク時の縦方向伸び率を有する、請求項
1に記載のTBS。
【請求項14】
吸収性物品であって、
(i)請求項1~13のいずれか一項に記載のTBSと、
(ii)液体透過性トップシートと、
(iii)前記TBSと前記液体透過性トップシートとの間に位置する吸収体と、
を含む、吸収性物品。
【請求項15】
テキスタイルバックシート(TBS)を形成する方法であって、
(i)
測定中に1.45kPaの力を加える直径5.08cm(2インチ)のフットを利用するProGage Thicknessテスタ(モデル89-2009)を利用して測定して、少なくとも1mmの厚さを有する高ロフト不織布を提供または形成することと、
(ii)蒸気透過性かつ液体不透過性(VPLI)フィルムまたは非透過性フィルムなどのフィルムを
提供または形成す
ることと、
(iii)
接着剤層を介して前記不織布を前記フィルム
に結合して前記TBSを形成することと、
を含み、
前記TBSは、(a)約10グラム/平方メートル(gsm)~約20gsm、例えば、少なくとも以下:約10、11、12、13、14、15gsmのいずれか、および/または、多くとも以下:約20、19、18、17、16、15gsmのいずれか、の坪量、ならびに、(b)SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも約3.0、例えば、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、多くとも以下:約5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4のいずれか、および/または、SS-EN ISO 12945-2によって測定して、少なくとも以下:約3、3.2、3.4、3.5、3.6、3.8、4のいずれか、の耐摩耗性グレード(「グレード」)を有する、方法。
【国際調査報告】