特表 2024-519244 ネオジム鉄ホウ素磁石材料及びその製造方法並びに応用

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-05-10

(54)【発明の名称】ネオジム鉄ホウ素磁石材料及びその製造方法並びに応用

(51)【国際特許分類】

   H01F 1/057 20060101AFI20240501BHJP

   H01F 41/02 20060101ALI20240501BHJP

   C22C 38/00 20060101ALI20240501BHJP

   C21D 6/00 20060101ALI20240501BHJP

   C21D 9/00 20060101ALI20240501BHJP

   B22D 11/06 20060101ALI20240501BHJP

   B22F 1/00 20220101ALI20240501BHJP

   B22F 3/00 20210101ALI20240501BHJP

   B22F 3/24 20060101ALI20240501BHJP

   C22C 33/02 20060101ALI20240501BHJP

   B22F 9/04 20060101ALI20240501BHJP

   B22F 3/10 20060101ALI20240501BHJP

【ＦＩ】

H01F1/057 110

H01F1/057 170

H01F1/057 130

H01F41/02 G

C22C38/00 303D

C21D6/00 B

C21D9/00 S

B22D11/06 360

B22F1/00 Y

B22F3/00 F

B22F3/24 B

C22C33/02 K

B22F9/04 C

B22F9/04 D

B22F9/04 E

B22F3/24 K

B22F3/10 E

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023544214

(86)(22)【出願日】2022-01-17

(85)【翻訳文提出日】2023-09-19

(86)【国際出願番号】 CN2022072256

(87)【国際公開番号】W WO2023005166

(87)【国際公開日】2023-02-02

(31)【優先権主張番号】202110866196.2

(32)【優先日】2021-07-29

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】521397223

【氏名又は名称】福建省金龍稀土股分有限公司

(74)【代理人】

【識別番号】100199819

【弁理士】

【氏名又は名称】大行 尚哉

(74)【代理人】

【識別番号】100087859

【弁理士】

【氏名又は名称】渡辺 秀治

(72)【発明者】

【氏名】牟維国

(72)【発明者】

【氏名】黄佳瑩

(72)【発明者】

【氏名】江政

【テーマコード（参考）】

4E004

4K017

4K018

4K042

5E040

5E062

【Ｆターム（参考）】

4E004DA00

4E004SD01

4E004TA03

4K017AA02

4K017BA06

4K017BB12

4K017BB13

4K017CA07

4K017DA04

4K017EA03

4K017EA09

4K018AA27

4K018BA18

4K018BB04

4K018BD01

4K018CA04

4K018CA11

4K018FA08

4K018KA45

4K042BA12

4K042CA02

4K042CA04

4K042CA05

4K042CA09

4K042CA14

4K042DA05

4K042DA06

4K042DC02

4K042DC03

4K042DC05

5E040AA04

5E040AA19

5E040BD01

5E040CA01

5E040HB03

5E040HB06

5E040HB11

5E040HB16

5E040NN01

5E040NN06

5E040NN17

5E040NN18

5E062CD04

5E062CE04

5E062CF01

5E062CG01

5E062CG02

5E062CG03

5E062CG05

5E062CG07

(57)【要約】

【課題】本発明は、ネオジム鉄ホウ素磁石材料及びその製造方法並びに応用を開示する。
【解決手段】当該ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、下記の成分を含み、Ｒ：２８～３３ｗｔ．％、前記Ｒは、希土類元素であり、前記Ｒは、Ｎｄ及びＰｒを含み、前記Ｎｄ：２７～３１．５ｗｔ．％、Ａｌ：０．３０～１．３ｗｔ．％、Ｃｕ：０．３５～０．６ｗｔ．％、Ｃｏ：≧０．８５ｗｔ．％、Ｂ：０．９８～１．２ｗｔ．％、Ｎｂ：≧０．２５ｗｔ．％、Ｆｅ：６２～６９ｗｔ．％、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料において、前記Ｎｄ及び前記Ｐｒの含有量は、Ｎｄ／Ｐｒ≧５８の条件式を満たす。本発明は、成分を最適化することによって製造されたネオジム鉄ホウ素磁石材料は、保磁力が顕著に向上するとともに、残留磁束密度と角型比も高いレベルに維持された。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

ネオジム鉄ホウ素磁石材料であって、下記の成分を含み、
Ｒ：２８～３３ｗｔ．％、前記Ｒは、希土類元素であり、
前記Ｒは、Ｎｄ及びＰｒを含み、前記Ｎｄ：２７～３１．５ｗｔ．％、
Ａｌ：０．３０～１．３ｗｔ．％、
Ｃｕ：０．３５～０．６ｗｔ．％、
Ｃｏ：≧０．８５ｗｔ．％、
Ｂ：０．９８～１．２ｗｔ．％、
Ｆｅ：６２～６９ｗｔ．％、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、
前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料において、前記Ｎｄ及び前記Ｐｒの含有量は、Ｎｄ／Ｐｒ≧５８の条件式を満たす、
ことを特徴とするネオジム鉄ホウ素磁石材料。

【請求項2】

前記Ｒの含有量は、２９～３２．５ｗｔ．％であり、例えば、２９．３ｗｔ．％、２９．６ｗｔ．％、２９．７ｗｔ．％、３０．６ｗｔ．％、３０．７ｗｔ．％、３１．３ｗｔ．％、３１．５ｗｔ．％、３１．９ｗｔ．％、３２ｗｔ．％、３２．１ｗｔ．％又は３２．３ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、
及び／又は、前記Ｎｄの含有量は、２７～３１ｗｔ．％であり、例えば、２７．５ｗｔ．％、２８．３ｗｔ．％、２８．９ｗｔ．％、２９．１ｗｔ．％、２９．３ｗｔ．％、２９．５ｗｔ．％、２９．７ｗｔ．％、２９．８ｗｔ．％、３０．２ｗｔ．％、３０．５ｗｔ．％又は３０．７ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、
及び／又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、ＲＨをさらに含み、前記ＲＨは、重希土類元素であり、
ここで、前記ＲＨの含有量は、好ましくは０．５～２．５ｗｔ．％であり、例えば、０．６ｗｔ．％、０．９ｗｔ．％、１ｗｔ．％、１．２ｗｔ．％、１．４ｗｔ．％、１．５ｗｔ．％、１．７ｗｔ．％、２ｗｔ．％又は２．３ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、
ここで、前記ＲＨの種類は、好ましくはＤｙ及び／又はＴｂであり、
前記ＲＨがＤｙを含む場合、前記Ｄｙの含有量は、好ましくは０．２～２．５ｗｔ．％であり、例えば、０．２ｗｔ．％、０．９ｗｔ．％、１．４ｗｔ．％、１．５ｗｔ．％、１．７ｗｔ．％又は２．３ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、
前記ＲＨがＴｂを含む場合、前記Ｔｂの含有量は、好ましくは０．５～２．５ｗｔ．％であり、例えば、０．６ｗｔ．％、０．８ｗｔ．％、１．２ｗｔ．％又は２ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、
及び／又は、前記Ｎｄ／Ｐｒの値は、６０～４００であり、例えば、９８、１３５、２７５、２８３、２８９、２９１、２９５、２９７、２９８、３０２、３０５又は３０７であり、
及び／又は、前記Ｐｒの含有量は、０．１～０．３ｗｔ．％であり、例えば、０．２ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する、
ことを特徴とする請求項１に記載のネオジム鉄ホウ素磁石材料。

【請求項3】

前記Ａｌの含有量は、０．４５～１．１５ｗｔ．％であり、例えば、０．４６ｗｔ．％、０．６１ｗｔ．％、０．６５ｗｔ．％又は０．７ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、
及び／又は、前記Ｃｕの含有量は、０．３５～０．４５ｗｔ．％であり、例えば、０．３６ｗｔ．％、０．３７ｗｔ．％、０．３８ｗｔ．％、０．３９ｗｔ．％、０．４ｗｔ．％又は０．４２ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、
及び／又は、前記Ｃｏの含有量は、０．９～２．５ｗｔ．％であり、例えば、１ｗｔ．％、１．１ｗｔ．％、１．２ｗｔ．％、１．３ｗｔ．％、１．４ｗｔ．％又は１．５ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、
及び／又は、前記Ｎｂの含有量は、０．２５～０．５５ｗｔ．％であり、例えば、０．２６ｗｔ．％、０．３ｗｔ．％又は０．３５ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、
及び／又は、前記Ｂの含有量は、０．９８～１．０５ｗｔ．％であり、例えば、０．９９ｗｔ．％、１ｗｔ．％、１．０１ｗｔ．％、１．０２ｗｔ．％又は１．０４ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、
及び／又は、前記Ｆｅの含有量は、６３～６８ｗｔ．％であり、例えば、６３．７１ｗｔ．％、６３．８４ｗｔ．％、６４．１７ｗｔ．％、６４．７５ｗｔ．％、６４．８２ｗｔ．％、６４．８３ｗｔ．％、６５．２５ｗｔ．％、６５．６１ｗｔ．％、６５．７８ｗｔ．％、６６．２３ｗｔ．％、６６．８４ｗｔ．％、６７．０４ｗｔ．％、６７．２４ｗｔ．％、６７．３４ｗｔ．％又は６７．３５ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する、
ことを特徴とする請求項１に記載のネオジム鉄ホウ素磁石材料。

【請求項4】

前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相を含み、前記Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相におけるＮｄ、Ｐｒ及びＣｏの総モル量１００％に対して、ｘは５０～５７％であり、ｙは３～７％であり、ｚは３９～４６％であり、
前記ｘは、例えば、５１％、５２％、５３％、５４％、５５％又は５６％であり、
前記ｙは、例えば、４％、５％又は６％であり、
前記ｚは、例えば、４０％、４１％、４２％、４３％、４４％又は４５％であり、
前記Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相は粒界相に位置し、
前記Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、好ましくは３～７％であり、より好ましくは４．５～５．５％であり、例えば、４．９％、５％、５．１％、５．２％又は５．３％であり、前記Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相の面積又は前記粒界相の総面積とは、それぞれ、検出された前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の垂直配向面に占める面積を意味する、
ことを特徴とする請求項１～３のいずれか一項に記載のネオジム鉄ホウ素磁石材料。

【請求項5】

前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．７ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．７ｗｔ．％のＤｙ、０．６１ｗｔ．％のＡｌ、０．４ｗｔ．％のＣｕ、１ｗｔ．％のＣｏ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６５．２５ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５５Ｐｒ_４Ｃｏ_４１物相を含み、前記Ｎｄ_５５Ｐｒ_４Ｃｏ_４１物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．１％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．８ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．４ｗｔ．％のＤｙ、０．４６ｗｔ．％のＡｌ、０．３８ｗｔ．％のＣｕ、１ｗｔ．％のＣｏ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ、１ｗｔ．％のＢ及び６５．６１ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５６Ｐｒ_４Ｃｏ_４０物相を含み、前記Ｎｄ_５６Ｐｒ_４Ｃｏ_４０物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．２％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、３０．２ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．７ｗｔ．％のＤｙ、０．６１ｗｔ．％のＡｌ、０．３８ｗｔ．％のＣｕ、０．９ｗｔ．％のＣｏ、０．３ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６４．８２ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５５Ｐｒ_５Ｃｏ_４０物相を含み、前記Ｎｄ_５５Ｐｒ_５Ｃｏ_４０物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．３ｗｔ．％のＮｄ、０．３ｗｔ．％のＰｒ、２．３ｗｔ．％のＤｙ、０．６１ｗｔ．％のＡｌ、０．３９ｗｔ．％のＣｕ、１ｗｔ．％のＣｏ、０．２６ｗｔ．％のＮｂ、１．０１ｗｔ．％のＢ及び６４．８３ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５３Ｐｒ_６Ｃｏ_４１物相を含み、前記Ｎｄ_５３Ｐｒ_６Ｃｏ_４１物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．２％％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、３０．７ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．５ｗｔ．％のＤｙ、１．１５ｗｔ．％のＡｌ、０．３７ｗｔ．％のＣｕ、１．１ｗｔ．％のＣｏ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６３．８４ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５３Ｐｒ_４Ｃｏ_４３物相を含み、前記Ｎｄ_５３Ｐｒ_４Ｃｏ_４３物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．１％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２８．９ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、０．６ｗｔ．％のＴｂ、０．４６ｗｔ．％のＡｌ、０．３６ｗｔ．％のＣｕ、１ｗｔ．％のＣｏ、０．２６ｗｔ．％のＮｂ、０．９８ｗｔ．％のＢ及び６７．３４ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５６Ｐｒ_４Ｃｏ_４０物相を含み、前記Ｎｄ_５６Ｐｒ_４Ｃｏ_４０物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、４．９％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２８．３ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．２ｗｔ．％のＴｂ、０．４５ｗｔ．％のＡｌ、０．３５ｗｔ．％のＣｕ、１ｗｔ．％のＣｏ、０．２６ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６７．３５ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５６Ｐｒ_４Ｃｏ_４０物相を含み、前記Ｎｄ_５６Ｐｒ_４Ｃｏ_４０物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．２％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２７ｗｔ．％のＮｄ、０．２ｗｔ．％のＰｒ、２．５ｗｔ．％のＴｂ、０．４５ｗｔ．％のＡｌ、０．３６ｗｔ．％のＣｕ、１ｗｔ．％のＣｏ、０．２６ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６７．２４ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５４Ｐｒ_５Ｃｏ_４１物相を含み、前記Ｎｄ_５４Ｐｒ_５Ｃｏ_４１物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．３％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２７．５ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、２ｗｔ．％のＴｂ、０．４５ｗｔ．％のＡｌ、０．３６ｗｔ．％のＣｕ、１．３ｗｔ．％のＣｏ、０．２６ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６７．０４ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５５Ｐｒ_４Ｃｏ_４１物相を含み、前記Ｎｄ_５５Ｐｒ_４Ｃｏ_４１物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、４．９％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２８．３ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、０．９ｗｔ．％のＤｙ、０．７ｗｔ．％のＡｌ、０．４２ｗｔ．％のＣｕ、１．５ｗｔ．％のＣｏ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６６．８４ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５４Ｐｒ_４Ｃｏ_４２物相を含み、前記Ｎｄ_５４Ｐｒ_４Ｃｏ_４２物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．２％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、３０．５ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．５ｗｔ．％のＤｙ、０．６５ｗｔ．％のＡｌ、０．４５ｗｔ．％のＣｕ、１．４ｗｔ．％のＣｏ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ、０．９８ｗｔ．％のＢ及び６４．１７ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５５Ｐｒ_４Ｃｏ_４１物相を含み、前記Ｎｄ_５５Ｐｒ_４Ｃｏ_４１物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．１％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．７ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．７ｗｔ．％のＤｙ、０．６１ｗｔ．％のＡｌ、０．４ｗｔ．％のＣｕ、２．５ｗｔ．％のＣｏ、０．２６ｗｔ．％のＮｂ、１．０２ｗｔ．％のＢ及び６３．７１ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５４Ｐｒ_５Ｃｏ_４１物相を含み、前記Ｎｄ_５４Ｐｒ_５Ｃｏ_４１物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．１％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．７ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．７ｗｔ．％のＤｙ、０．６１ｗｔ．％のＡｌ、０．４ｗｔ．％のＣｕ、１．５ｗｔ．％のＣｏ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６４．７５ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５１Ｐｒ_４Ｃｏ_４５物相を含み、前記Ｎｄ_５１Ｐｒ_４Ｃｏ_４５物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．２％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．１ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．５ｗｔ．％Ｔｂ、０．４６ｗｔ．％のＡｌ、０．３７ｗｔ．％のＣｕ、０．９ｗｔ．％のＣｏ、０．３５ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６６．２３ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５２Ｐｒ_５Ｃｏ_４３物相を含み、前記Ｎｄ_５２Ｐｒ_５Ｃｏ_４３物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．２％であり、
又は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．５ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、０．２ｗｔ．％のＤｙ、０．８ｗｔ．％のＴｂ、０．４６ｗｔ．％のＡｌ、０．３７ｗｔ．％のＣｕ、１．２ｗｔ．％のＣｏ、０．５５ｗｔ．％のＮｂ、１．０４ｗｔ．％のＢ及び６５．７８ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５２Ｐｒ_４Ｃｏ_４４物相を含み、前記Ｎｄ_５２Ｐｒ_４Ｃｏ_４４物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．３％である、
ことを特徴とする請求項１に記載のネオジム鉄ホウ素磁石材料。

【請求項6】

ネオジム鉄ホウ素磁石材料の製造方法であって、
請求項１～３及び５のいずれか一項に記載のネオジム鉄ホウ素磁石材料の成分に従って、各成分の原料を調製し、その後に各成分の原料の混合物を溶解製錬、鋳造、粉砕、成形、焼結及び時効処理を順に行うステップを含み、
前記時効処理は、３段時効処理を含み、ここで、１段目時効処理の温度は、８５０～９５０℃であり、２段目時効処理の温度は、６００～６５０℃であり、３段目時効処理の温度は、４５０～５５０℃である、
ことを特徴とするネオジム鉄ホウ素磁石材料の製造方法。

【請求項7】

前記１段目時効処理の温度は、７９０～９１０℃であり、例えば、９００℃であり、
及び／又は、前記１段目時効処理の時間は、２～４ｈであり、例えば、３ｈであり、
及び／又は、前記２段目時効処理の温度は、６１０～６４０℃であり、例えば、６２０℃又は６３０℃であり、
及び／又は、前記２段目時効処理の時間は、１～４ｈであり、例えば、２ｈであり、
及び／又は、前記３段目時効処理の温度は、４７０～４９０℃であり、例えば、４８０℃であり、
及び／又は、前記３段目時効処理の時間は、１～４ｈであり、例えば、３ｈであり、
及び／又は、前記３段目時効処理を行った後に、粒界拡散処理をさらに行い、
ここで、前記粒界拡散処理の温度は、好ましくは８５０～１０００℃であり、例えば、９００℃、９１０℃又は９２０℃であり、
ここで、前記粒界拡散処理の時間は、好ましくは１０～３０ｈであり、例えば、２０ｈであり、
ここで、前記粒界拡散処理の拡散源は、好ましくはＤｙ金属粉末及び／又はＤｙを含有する合金であり、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に対する前記拡散源の質量百分率は、好ましくは０．３～０．５ｗｔ．％であり、例えば、０．４ｗｔ．％である、
ことを特徴とする請求項６に記載のネオジム鉄ホウ素磁石材料の製造方法。

【請求項8】

前記溶解製錬の真空度は、５×１０^－２Ｐａであり、
及び／又は、前記溶解製錬の温度は、１５５０℃以下であり、例えば、１５３０℃であり、
及び／又は、前記鋳造は、急速凝固鋳造法を採用し、
及び／又は、前記鋳造の温度は、１３９０～１４６０℃であり、例えば、１４００℃であり、
及び／又は、前記鋳造後に得られた合金鋳片の厚さは、０．２５～０．４０ｍｍであり、例えば、０．２９ｍｍであり、
及び／又は、前記粉砕は、水素破砕とジェットミル粉砕の順に行い、
ここで、前記水素破砕の工程は、好ましくは水素吸収、脱水素及び冷却処理を順に行い、前記水素吸収の水素圧力は、例えば、０．０８５ＭＰａであり、前記脱水素の温度は、例えば、４８０～５２０℃であり、例えば、５００℃であり、
ここで、前記ジェットミル粉砕時のガス雰囲気は、好ましくは酸化ガスの含有量が１００ｐｐｍ以下であり、前記ガスの含有量とは、酸素及び／又は水分の含有量を意味し、
ここで、前記ジェットミル粉砕後に、好ましくは潤滑剤をさらに添加し、前記潤滑剤は、例えば、ステアリン酸亜鉛であり、前記潤滑剤の添加量は、好ましくは前記ジェットミル粉砕後に得られた粉体質量の０．０５～０．１５％であり、例えば、０．１２％であり、
及び／又は、前記成形は、磁場成形であり、前記磁場成形における磁場強度は、例えば、１．８～２．５Ｔであり、
及び／又は、前記焼結の温度は、１０００～１１００℃であり、例えば、１０８０℃であり、
及び／又は、前記焼結の時間は、４～８ｈであり、例えば、６ｈである、
ことを特徴とする請求項６又は７に記載のネオジム鉄ホウ素磁石材料の製造方法。

【請求項9】

請求項６～８のいずれか一項に記載のネオジム鉄ホウ素磁石材料の製造方法により製造されたネオジム鉄ホウ素磁石材料。

【請求項10】

請求項１～５及び９のいずれか一項に記載のネオジム鉄ホウ素磁石材料が電子部品としての応用である。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、ネオジム鉄ホウ素磁石材料及びその製造方法並びに応用に関する。

【背景技術】

【0002】

永久磁石材料は、電子デバイスを支持する重要な材料として開発される。Ｒ－Ｔ－Ｂ系永久磁石材料は、永久磁石の中でも最も高い性能を有する磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ、電気自動車用モータ、産業機器用モータ等に用いられている。

【0003】

Ｒ－Ｔ－Ｂ系永久磁石材料の総合的な特性を向上させる方法については、現在、本分野において検討されている方向である。例えば、中国特許文献ＣＮ１１０９９３２３３Ａには、Ｒ－Ｔ－Ｂ系永久磁石材料を開示し、当該永久磁石材料は、Ｘ（Ａｌ＼Ｃｕ＼Ｇａ）の含有量を高め、希土類の含有量を調整してＦｅとＢの割合を変化させることにより、従来の含有量のＢでも６：１３：１相を生成でき、それにより磁性特性に優れた磁石材料が得られる。

【0004】

さらに例えば、中国特許文献ＣＮ１１１１８０１５９Ａにもネオジム鉄ホウ素永久磁石材料を開示し、当該特許内の具体的な実施例では、２９ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＴｂ、０．４ｗｔ．％のＤｙ、０．４ｗｔ．％のＣｕ、０．５ｗｔ．％のＡｌ、０．９ｗｔ．％のＣｏ、１ｗｔ．％のＢ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ及び６７．４５ｗｔ．％のＦｅの成分及び構造を有する磁石材料が開示され、粒間希土類リッチ相には、さらに、特定質量比の相Ｔｂ_０．４Ｄｙ_２．５－Ａｌ_０．５９－Ｎｄ_８９．６－Ｃｕ_１．４－Ｃｏ_５．１が生成される。

【0005】

上記の成分は、いずれも高Ｃｕ高Ａｌの磁石材料に基づく改良であり、これは、主にＣｕ元素の添加によりネオジム鉄ホウ素磁石の保磁力が効果的に向上するためであるが、Ｃｕが多すぎると（例えば、０．３５ｗｔ．％以上）、粒界での富化により、磁石焼結後に微小クラックが形成され、それにより、磁石の緻密性及び強度が低下するためであり、従来技術では、一般的に、Ａｌを添加する方式（例えば、中国特許文献ＣＮ１１０９９３２３４Ａ）で上記の欠陥を解決する。しかしながら、これらの磁石材料の保磁力と残留磁束密度は、永久磁石材料の理論値と依然として一定の差がある。

【0006】

磁石材料の成分をさらに最適化し、保磁力と残留磁束密度の総合的な特性がより高いネオジム鉄ホウ素磁石材料を得ることは早急に解決すべき技術的課題である。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

本発明は、主に従来技術に存在するＡｌ及びＣｕ含有するネオジム鉄ホウ素磁石材料の磁気特性が低い欠陥を克服するために、ネオジム鉄ホウ素磁石材料及びその製造方法並びに応用を提供する。本発明は、成分を最適化することによって製造されたネオジム鉄ホウ素磁石材料は、保磁力が顕著に向上するとともに、残留磁束密度と角型比も高いレベルに維持された。

【課題を解決するための手段】

【0008】

本発明は、主に、以下の技術考案を通じて上記の技術的問題を解決する。

【0009】

本発明には、ネオジム鉄ホウ素磁石材料が提供され、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、下記の成分を含み、
Ｒ：２８～３３ｗｔ．％、前記Ｒは、希土類元素であり、
前記Ｒは、Ｎｄ及びＰｒを含み、前記Ｎｄ：２７～３１．５ｗｔ．％、
Ａｌ：０．３０～１．３ｗｔ．％、
Ｃｕ：０．３５～０．６ｗｔ．％、
Ｃｏ：≧０．８５ｗｔ．％、
Ｂ：０．９８～１．２ｗｔ．％、
Ｎｂ：≧０．２５ｗｔ．％、
Ｆｅ：６２～６９ｗｔ．％、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、
前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料において、前記Ｎｄ及び前記Ｐｒの含有量は、Ｎｄ／Ｐｒ≧５８の条件式を満たす。

【0010】

本発明において、前記Ｒの含有量は、好ましくは２９～３２．５ｗｔ．％であり、例えば、２９．３ｗｔ．％、２９．６ｗｔ．％、２９．７ｗｔ．％、３０．６ｗｔ．％、３０．７ｗｔ．％、３１．３ｗｔ．％、３１．５ｗｔ．％、３１．９ｗｔ．％、３２ｗｔ．％、３２．１ｗｔ．％又は３２．３ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する。

【0011】

本発明において、前記Ｎｄの含有量は、好ましくは２７～３１ｗｔ．％であり、例えば、２７．５ｗｔ．％、２８．３ｗｔ．％、２８．９ｗｔ．％、２９．１ｗｔ．％、２９．３ｗｔ．％、２９．５ｗｔ．％、２９．７ｗｔ．％、２９．８ｗｔ．％、３０．２ｗｔ．％、３０．５ｗｔ．％又は３０．７ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する。

【0012】

本発明において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、ＲＨをさらに含まれてもよく、前記ＲＨは重希土類元素である。

【0013】

ここで、前記ＲＨの含有量を本分野の通常のものとすることができ、好ましくは０．５～２．５ｗｔ．％であり、例えば、０．６ｗｔ．％、０．９ｗｔ．％、１ｗｔ．％、１．２ｗｔ．％、１．４ｗｔ．％、１．５ｗｔ．％、１．７ｗｔ．％、２ｗｔ．％又は２．３ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する。

【0014】

ここで、前記ＲＨの種類は、好ましくはＤｙ及び／又はＴｂである。

【0015】

前記ＲＨがＤｙを含む場合、前記Ｄｙの含有量は、好ましくは０．２～２．５ｗｔ．％であり、例えば、０．２ｗｔ．％、０．９ｗｔ．％、１．４ｗｔ．％、１．５ｗｔ．％、１．７ｗｔ．％又は２．３ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する。

【0016】

前記ＲＨがＴｂを含む場合、前記Ｔｂの含有量は、好ましくは０．５～２．５ｗｔ．％であり、例えば、０．６ｗｔ．％、０．８ｗｔ．％、１．２ｗｔ．％又は２ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する。

【0017】

本発明において、前記Ｎｄ／Ｐｒの値は、６０～４００であることが好ましく、例えば、９８、１３５、２７５、２８３、２８９、２９１、２９５、２９７、２９８、３０２、３０５又は３０７であり。当業者に知られているように、前記Ｎｄ／Ｐｒとは、前記Ｐｒの含有量に対する前記Ｎｄの含有量の比を意味する。

【0018】

本発明において、前記Ｐｒの含有量は、好ましくは０．１～０．３ｗｔ．％であり、例えば、０．２ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する。

【0019】

本発明において、前記Ａｌの含有量は、好ましくは０．４５～１．１５ｗｔ．％であり、例えば、０．４６ｗｔ．％、０．６１ｗｔ．％、０．６５ｗｔ．％又は０．７ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する。

【0020】

本発明において、前記Ｃｕの含有量は、好ましくは０．３５～０．４５ｗｔ．％であり、例えば、０．３６ｗｔ．％、０．３７ｗｔ．％、０．３８ｗｔ．％、０．３９ｗｔ．％、０．４ｗｔ．％又は０．４２ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する。

【0021】

本発明において、前記Ｃｏの含有量は、好ましくは０．９～２．５ｗｔ．％であり、例えば、１ｗｔ．％、１．１ｗｔ．％、１．２ｗｔ．％、１．３ｗｔ．％、１．４ｗｔ．％又は１．５ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する。

【0022】

本発明において、前記Ｎｂの含有量は、好ましくは０．２５～０．５５ｗｔ．％であり、例えば、０．２６ｗｔ．％、０．３ｗｔ．％又は０．３５ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する。

【0023】

本発明において、前記Ｂの含有量は、好ましくは０．９８～１．０５ｗｔ．％であり、例えば、０．９９ｗｔ．％、１ｗｔ．％、１．０１ｗｔ．％、１．０２ｗｔ．％又は１．０４ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する。

【0024】

本発明において、前記Ｆｅの含有量は、好ましくは６３～６８ｗｔ．％であり、例えば、６３．７１ｗｔ．％、６３．８４ｗｔ．％、６４．１７ｗｔ．％、６４．７５ｗｔ．％、６４．８２ｗｔ．％、６４．８３ｗｔ．％、６５．２５ｗｔ．％、６５．６１ｗｔ．％、６５．７８ｗｔ．％、６６．２３ｗｔ．％、６６．８４ｗｔ．％、６７．０４ｗｔ．％、６７．２４ｗｔ．％、６７．３４ｗｔ．％又は６７．３５ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味する。

【0025】

本発明において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、好ましくはＮｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相を含み、前記Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相におけるＮｄ、Ｐｒ及びＣｏの総モル量１００％に対して、ｘは５０～５７％であり、ｙは３～７％であり、ｚは３９～４６％であり、前記Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相は粒界相に位置し、前記Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、好ましくは３～７％であり、より好ましくは４．５～５．５％であり、例えば、４．９％、５％、５．１％、５．２％又は５．３％である。前記Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相の面積又は前記粒界相の総面積とは、それぞれ、検出された前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の垂直配向面に占める面積を意味する。

【0026】

ここで、前記ｘは、例えば、５１％、５２％、５３％、５４％、５５％又は５６％。

【0027】

ここで、前記ｙは、例えば、４％、５％又は６％である。

【0028】

ここで、前記ｚは、例えば、４０％、４１％、４２％、４３％、４４％又は４５％である。

【0029】

ここで、ｘ、ｙ又はｚとは、それぞれ、Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相におけるＮｄ、Ｐｒ又はＣｏのモル量が前記Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相における全元素の総モル量に占める百分率を意味する。

【0030】

本発明において、上記の粒界相は、本分野で通常理解されている意味であり得、一般的に二粒子粒界相と粒間三角領域とによって形成される領域の総称である。前記二粒子粒界相は、一般的に２つの主相粒子間の粒界相である。

【0031】

発明者は、上記の特定の元素間の配合により、ネオジム鉄ホウ素磁石材料に特定の含有量の前記Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相が形成され、この物相の存在によって粒界相の溶解温度を下げ、粒界相の流動性をより顕著に向上させ、粒界相の分布を改善することができ、粒界相の脱磁結合能力を高めることでネオジム鉄ホウ素磁石材料の保磁力を大幅に向上させたことを見出した。

【0032】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．７ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．７ｗｔ．％のＤｙ、０．６１ｗｔ．％のＡｌ、０．４ｗｔ．％のＣｕ、１ｗｔ．％のＣｏ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６５．２５ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５５Ｐｒ_４Ｃｏ_４１物相を含み、前記Ｎｄ_５５Ｐｒ_４Ｃｏ_４１物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．１％である。

【0033】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．８ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．４ｗｔ．％のＤｙ、０．４６ｗｔ．％のＡｌ、０．３８ｗｔ．％のＣｕ、１ｗｔ．％のＣｏ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ、１ｗｔ．％のＢ及び６５．６１ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５６Ｐｒ_４Ｃｏ_４０物相を含み、前記Ｎｄ_５６Ｐｒ_４Ｃｏ_４０物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．２％である。

【0034】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、３０．２ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．７ｗｔ．％のＤｙ、０．６１ｗｔ．％のＡｌ、０．３８ｗｔ．％のＣｕ、０．９ｗｔ．％のＣｏ、０．３ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６４．８２ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５５Ｐｒ_５Ｃｏ_４０物相を含み、前記Ｎｄ_５５Ｐｒ_５Ｃｏ_４０物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５％である。

【0035】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．３ｗｔ．％のＮｄ、０．３ｗｔ．％のＰｒ、２．３ｗｔ．％のＤｙ、０．６１ｗｔ．％のＡｌ、０．３９ｗｔ．％のＣｕ、１ｗｔ．％のＣｏ、０．２６ｗｔ．％のＮｂ、１．０１ｗｔ．％のＢ及び６４．８３ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５３Ｐｒ_６Ｃｏ_４１物相を含み、前記Ｎｄ_５３Ｐｒ_６Ｃｏ_４１物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．２％％である。

【0036】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、３０．７ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．５ｗｔ．％のＤｙ、１．１５ｗｔ．％のＡｌ、０．３７ｗｔ．％のＣｕ、１．１ｗｔ．％のＣｏ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６３．８４ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５３Ｐｒ_４Ｃｏ_４３物相を含み、前記Ｎｄ_５３Ｐｒ_４Ｃｏ_４３物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．１％である。

【0037】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２８．９ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、０．６ｗｔ．％のＴｂ、０．４６ｗｔ．％のＡｌ、０．３６ｗｔ．％のＣｕ、１ｗｔ．％のＣｏ、０．２６ｗｔ．％のＮｂ、０．９８ｗｔ．％のＢ及び６７．３４ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５６Ｐｒ_４Ｃｏ_４０物相を含み、前記Ｎｄ_５６Ｐｒ_４Ｃｏ_４０物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、４．９％である。

【0038】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２８．３ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．２ｗｔ．％のＴｂ、０．４５ｗｔ．％のＡｌ、０．３５ｗｔ．％のＣｕ、１ｗｔ．％のＣｏ、０．２６ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６７．３５ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５６Ｐｒ_４Ｃｏ_４０物相を含み、前記Ｎｄ_５６Ｐｒ_４Ｃｏ_４０物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．２％である。

【0039】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２７ｗｔ．％のＮｄ、０．２ｗｔ．％のＰｒ、２．５ｗｔ．％のＴｂ、０．４５ｗｔ．％のＡｌ、０．３６ｗｔ．％のＣｕ、１ｗｔ．％のＣｏ、０．２６ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６７．２４ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５４Ｐｒ_５Ｃｏ_４１物相を含み、前記Ｎｄ_５４Ｐｒ_５Ｃｏ_４１物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．３％である。

【0040】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２７．５ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、２ｗｔ．％のＴｂ、０．４５ｗｔ．％のＡｌ、０．３６ｗｔ．％のＣｕ、１．３ｗｔ．％のＣｏ、０．２６ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６７．０４ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５５Ｐｒ_４Ｃｏ_４１物相を含み、前記Ｎｄ_５５Ｐｒ_４Ｃｏ_４１物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、４．９％である。

【0041】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２８．３ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、０．９ｗｔ．％のＤｙ、０．７ｗｔ．％のＡｌ、０．４２ｗｔ．％のＣｕ、１．５ｗｔ．％のＣｏ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６６．８４ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５４Ｐｒ_４Ｃｏ_４２物相を含み、前記Ｎｄ_５４Ｐｒ_４Ｃｏ_４２物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．２％である。

【0042】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、３０．５ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．５ｗｔ．％のＤｙ、０．６５ｗｔ．％のＡｌ、０．４５ｗｔ．％のＣｕ、１．４ｗｔ．％のＣｏ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ、０．９８ｗｔ．％のＢ及び６４．１７ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５５Ｐｒ_４Ｃｏ_４１物相を含み、前記Ｎｄ_５５Ｐｒ_４Ｃｏ_４１物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．１％である。

【0043】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．７ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．７ｗｔ．％のＤｙ、０．６１ｗｔ．％のＡｌ、０．４ｗｔ．％のＣｕ、２．５ｗｔ．％のＣｏ、０．２６ｗｔ．％のＮｂ、１．０２ｗｔ．％のＢ及び６３．７１ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５４Ｐｒ_５Ｃｏ_４１物相を含み、前記Ｎｄ_５４Ｐｒ_５Ｃｏ_４１物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．１％である。

【0044】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．７ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．７ｗｔ．％のＤｙ、０．６１ｗｔ．％のＡｌ、０．４ｗｔ．％のＣｕ、１．５ｗｔ．％のＣｏ、０．２５ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６４．７５ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５１Ｐｒ_４Ｃｏ_４５物相を含み、前記Ｎｄ_５１Ｐｒ_４Ｃｏ_４５物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．２％である。

【0045】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．１ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、１．５ｗｔ．％Ｔｂ、０．４６ｗｔ．％のＡｌ、０．３７ｗｔ．％のＣｕ、０．９ｗｔ．％のＣｏ、０．３５ｗｔ．％のＮｂ、０．９９ｗｔ．％のＢ及び６６．２３ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５２Ｐｒ_５Ｃｏ_４３物相を含み、前記Ｎｄ_５２Ｐｒ_５Ｃｏ_４３物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．２％である。

【0046】

本発明の１つの好適な実施例において、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、２９．５ｗｔ．％のＮｄ、０．１ｗｔ．％のＰｒ、０．２ｗｔ．％のＤｙ、０．８ｗｔ．％のＴｂ、０．４６ｗｔ．％のＡｌ、０．３７ｗｔ．％のＣｕ、１．２ｗｔ．％のＣｏ、０．５５ｗｔ．％のＮｂ、１．０４ｗｔ．％のＢ及び６５．７８ｗｔ．％のＦｅの成分からなり、ｗｔ．％とは、各成分の質量が前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率を意味し、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相には、Ｎｄ_５２Ｐｒ_４Ｃｏ_４４物相を含み、前記Ｎｄ_５２Ｐｒ_４Ｃｏ_４４物相の面積と前記粒界相の総面積との比は、５．３％である。

【0047】

本発明には、ネオジム鉄ホウ素磁石材料の製造方法がさらに提供され、前記方法は、前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の成分に従って、各成分の原料を調製し、その後に各成分の原料の混合物を溶解製錬、鋳造、粉砕、成形、焼結及び時効処理を順に行うステップを含み、

【0048】

前記時効処理は、３段時効処理を含み、ここで、１段目時効処理の温度は、８５０～９５０℃であり、２段目時効処理の温度は、６００～６５０℃であり、３段目時効処理の温度は、４５０～５５０℃である。

【0049】

本発明において、前記１段目時効処理の温度は、好ましくは７９０～９１０℃であり、例えば、９００℃である。

【0050】

本発明において、前記１段目時効処理の時間は、例えば、２～４ｈとすることができ、例えば、３ｈである。

【0051】

本発明において、前記２段目時効処理の温度は、好ましくは６１０～６４０℃であり、例えば、６２０℃又は６３０℃である。

【0052】

本発明において、前記２段目時効処理の時間は、例えば、１～４ｈとすることができ、例えば、２ｈである。

【0053】

本発明において、前記３段目時効処理の温度は、好ましくは４７０～４９０℃であり、例えば、４８０℃である。

【0054】

本発明において、前記３段目時効処理の時間は、例えば、１～４ｈとすることができ、例えば、３ｈである。

【0055】

本発明において、前記３段目時効処理後に、粒界拡散処理をさらに行うことができる。

【0056】

ここで、前記粒界拡散処理の温度は、好ましくは８５０～１０００℃であり、例えば、９００℃、９１０℃又は９２０℃である。

【0057】

ここで、前記粒界拡散処理の時間は、好ましくは１０～３０ｈであり、例えば、２０ｈである。

【0058】

ここで、前記粒界拡散処理の拡散源は、Ｄｙ金属粉末又はＤｙを含有する合金である。

【0059】

ここで、前記粒界拡散処理の拡散源は、好ましくはＤｙ金属粉末及び／又はＤｙを含有する合金である。

【0060】

前記ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に対する前記拡散源の質量百分率は、好ましくは０．３～０．５ｗｔ．％であり、例えば、０．４ｗｔ．％である。

【0061】

本発明において、前記溶解製錬の工程は、本分野における通常の溶解製錬の工程であることができる。

【0062】

ここで、前記溶解製錬の真空度は、例えば、５×１０^－２Ｐａである。

【0063】

ここで、前記溶解製錬の温度は、例えば、１５５０℃以下であり、例えば、１５３０℃である。

【0064】

本発明において、前記鋳造の工程は、本分野における通常の鋳造の工程であることができる。

【0065】

ここで、前記鋳造の工程は、例えば、急冷凝固鋳片法（ＳｔｒｉｐＣａｓｔｉｎｇ）を採用する。

【0066】

ここで、前記鋳造の温度は、１３９０～１４６０℃であってもよく、例えば、１４００℃である。

【0067】

ここで、前記鋳造後に得られた合金鋳片の厚さは、０．２５～０．４０ｍｍであってもよく、例えば、０．２９ｍｍである。

【0068】

本発明において、前記粉砕の工程は、本分野における通常の粉砕の工程であることができる。

【0069】

ここで、前記粉砕は、一般的に、水素破砕とジェットミル粉砕の順に行う。

【0070】

前記水素破砕の工程は、一般的に、水素吸収、脱水素及び冷却処理を順に行う工程である。

【0071】

前記水素吸収は、０．０８５ＭＰａの水素圧力条件で行うことができる。

【0072】

前記脱水素は、真空引きしながら昇温する条件で行うことができる。前記脱水素の温度は、４８０～５２０℃であってもよく、例えば、５００℃である。

【0073】

前記ジェットミル粉砕時のガス雰囲気は、酸化ガスの含有量が１００ｐｐｍ以下とすることができ、前記酸化ガスの含有量とは、酸素又は水分の含有量を意味する。

【0074】

前記ジェットミル粉砕後に、一般的に、ステアリン酸亜鉛等の潤滑剤をさらに添加する。前記潤滑剤の添加量は、前記微粉砕後に得られた粉体質量の０．０５～０．１５％であってもよく、例えば、０．１２％である。

【0075】

本発明において、前記成形は、磁場成形法を採用してもよい。

【0076】

ここで、前記磁場成形は、例えば、１．８～２．５Ｔの磁場強度で行うことができる。

【0077】

本発明において、前記焼結の工程は、本分野における通常の焼結の工程であることができる。

【0078】

ここで、前記焼結の温度は、１０００～１１００℃であってもよく、例えば、１０８０℃である。

【0079】

ここで、前記焼結の時間は、４～８ｈであってもよく、例えば、６ｈである。

【0080】

本発明は、上述ネオジム鉄ホウ素磁石材料の製造方法により製造されたネオジム鉄ホウ素磁石材料をさらに提供する。

【0081】

本発明は前記のネオジム鉄ホウ素磁石材料が、電子部品としての応用をさらに提供する。

【0082】

本分野の周知常識に準拠した上で、上記の各々好適な条件を任意に組み合わせることによって、本発明の各々好適な実施例を得ることができる。

【0083】

本発明で使用される試薬および原料は、いずれも市販されている。

【発明の効果】

【0084】

本発明の積極的な進歩的効果は、本発明には、特定の含有量のＡｌ、Ｃｕ、Ｃｏ、Ｎｂ及びＢ等の元素の配合に従って、製造されたネオジム鉄ホウ素磁石材料の保磁力は、顕著に向上し、且つ残留磁束密度と角型比を高いレベルに維持した。

【発明を実施するための形態】

【0085】

以下、実施例の態様により本発明をさらに説明するが、本発明を上記の実施例の範囲に制限されるものではない。以下の実施例において、具体的な条件が明記されていない実験方法は、通常の方法および条件に従って、または商品仕様書に応じて選択される。
実施例１

【0086】

ネオジム鉄ホウ素磁石材料は、次の製造ステップに従う。

【0087】

（１）溶解製錬：表１に従って調製されたネオジム鉄ホウ素磁石材料の原料を真空度が５×１０^－２Ｐａである高周波真空誘導溶解炉に入れ、１５３０℃の温度で溶融液を溶解製錬した。

【0088】

（２）鋳造：急速凝固鋳造法を採用して、合金鋳片（厚さ０．２９ｍｍ）を得、鋳造の温度は、１４００℃である。

【0089】

（３）粉砕：水素破砕とジェットミル粉砕の順に行う。

【0090】

水素破砕は、水素吸収、脱水素、冷却処理を行う処理である。水素吸収は、０．０８５ＭＰａの水素圧力条件で行う。脱水素は、真空引きしながら昇温する条件で行い、脱水素温度は、５００℃である。

【0091】

ジェットミル粉砕は、酸化ガス含有量１００ｐｐｍ以下で行い、粉砕して得られた粒径は、４．２μｍであり、酸化ガスは、酸素又は水分含有量を意味する。ジェットミル粉砕の研磨室圧力は、０．６８ＭＰａである。粉砕後に、潤滑剤であるステアリン酸亜鉛を入れ、添加量は、混合後の粉末重量の０．１２％である。

【0092】

（４）磁場成形：１．８～２．５Ｔの磁場強度と窒素雰囲気の保護下で行う。

【0093】

（５）焼結：５×１０^－３Ｐａ真空条件で焼結、冷却を行う。１０８０℃で６ｈ焼結し、冷却前に、Ａｒガスを通して空気圧を０．０５ＭＰａに達するようにする。

【0094】

（６）３段時効：１段目時効の温度は９００℃、時間は３ｈであり、２段目時効の温度は６３０℃、時間は２ｈであり、３段目時効の温度は４８０℃、時間は３ｈである。

【0095】

（７）粒界拡散処理：粒界拡散処理により、３段時効処理後に得られた磁石材料にＤｙ金属粉末（添加されたＤｙの含有量は０．４ｗｔ．％であり、ｗｔ．％とは、ネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率であるが、表１に記載の１．３ｗｔ．％の残りのＤｙの含有量は、溶解製錬時に添加する）を拡散し、粒界拡散処理の温度は９１０℃、時間は２０ｈである。

【0096】

実施例１～５及び１０～１３、比較例１～８は、下記表１の成分で原料を調製し、２段目時効の温度は表１に示す通りであり、他の製造工程は、実施例１と同様である。ここで、粒界拡散時に添加されたＤｙの含有量は、いずれも０．４ｗｔ．％であり、表１の残りのＤｙは、溶解製錬時に添加する。

【0097】

実施例６～９、１４及び１５は、下記表１の成分で原料を調製し、製造工程は、３段目時効処理後に粒界拡散処理を行わず、２段目時効処理の温度は下記表１に示す通りであり、他の製造工程は、実施例１と同様である。

【0098】

効果実施例１
１、 成分測定：実施例１～１５及び比較例１～８におけるネオジム鉄ホウ素磁石に対して、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置（ＩＣＰ－ＯＥＳ）を用いて測定した。検出の結果は、以下の表１に示されている。

【0099】

（表１）（単位：ｗｔ．％、各元素がネオジム鉄ホウ素磁石材料の総質量に占める百分率）

【0100】

備考：「／」とは、当該元素が未添加且つ検出されていないことを示す。「Ｙ」は肯定的なものを意味し、「Ｎ」は否定的なものを意味する。前記実施例と比較例におけるネオジム鉄ホウ素磁石材料のＦｅの含有量の数値は、１００％から各元素の含有量を差し引いたものであり、Ｆｅの含有量には、製造過程に導入された不可避的いくつかの不純物が含まれていることを当業者に知られている。

【0101】

２、磁気特性試験
実施例１～１５及び比較例１～８におけるネオジム鉄ホウ素磁石材料は、ＰＦＭパルス式ＢＨ減磁曲線試験設備を用いて測定し、測定温度は２０℃であり、残留磁束密度（Ｂｒ）、固有保磁力（Ｈｃｊ）、最大エネルギー積（ＢＨｍａｘ）、角型比（Ｈｋ／Ｈｃｊ）のデータを得て、検出の結果は、以下の表２に示されている。

【0102】

３、ミクロ構造の特徴
ＦＥ－ＥＰＭＡによる検出：実施例１～１５及び比較例１～８におけるネオジム鉄ホウ素磁石材料の垂直配向面を研磨し、電界放出電子プローブマイクロアナライザー（ＦＥ－ＥＰＭＡ）（日本電子株式会社（ＪＥＯＬ）、８５３０Ｆ）を採用して検出した。まず、ＦＥ－ＥＰＭＡ面走査によりネオジム鉄ホウ素磁石材料の粒界相におけるＮｄ、Ｐｒ、Ｃｏ元素の分布を特定し、その後、ＦＥ－ＥＰＭＡ単一点（シングルポイント）定量分析により、Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相における各元素のモル含有量の占める割合を特定し、測定条件は、加速電圧１５ｋｖ、プローブビーム電流５０ｎＡである。検出の結果は、以下の表２に示されている。

【0103】

ここで、Ｎｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相の面積の占める割合は、ネオジム鉄ホウ素磁石材料を検出する断面（前述の垂直配向面）におけるＮｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相の面積と、当該断面における粒界相の総面積との比である。

【0104】

【表2】

備考：表中のＮｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相の下付き数字は、％を省略した。

【0105】

上記の表のデータから明らかなように、本発明は、特定の含有量のＣｏ、Ａｌ、Ｃｕ、Ｎｂ、希土類元素等の元素の配合に従って、製造工程において特定の３段時効処理を採用することにより、製造されたネオジム鉄ホウ素磁石材料の保磁力は、従来技術に比べて顕著に向上し、同時に残留磁束密度と角型比を高いレベルに維持した。さらに、ミクロ検出結果から、本発明の最適化後のネオジム鉄ホウ素磁石材料の成分が、ネオジム鉄ホウ素磁石材料に製造された後に、粒界相には特定の含有量のＮｄ_ｘＰｒ_ｙＣｏ_ｚ物相を形成し、粒界構造を最適化して、それにより保磁力を向上させるためであると考えられる。

【国際調査報告】