(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】人に基づく購入者候補プラニングを提供するためのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240501BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555466
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 US2022020035
(87)【国際公開番号】W WO2022192727
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523344201
【氏名又は名称】マークル,インコーポレイティド
(71)【出願人】
【識別番号】324004115
【氏名又は名称】ピーター ランダッゾ
(71)【出願人】
【識別番号】324004126
【氏名又は名称】ジョン ガジェウスキ
(71)【出願人】
【識別番号】324004137
【氏名又は名称】ジョン リー
(71)【出願人】
【識別番号】324004148
【氏名又は名称】ニコラス イロブレ
(71)【出願人】
【識別番号】324004159
【氏名又は名称】ディオニシオ エスピナル
(71)【出願人】
【識別番号】324004160
【氏名又は名称】マシュー シュルツ
(71)【出願人】
【識別番号】324004171
【氏名又は名称】マイケル ジョイス
(71)【出願人】
【識別番号】324004182
【氏名又は名称】デイビッド ヨンチャク
(71)【出願人】
【識別番号】324004193
【氏名又は名称】ケリー リージャー
(71)【出願人】
【識別番号】324004207
【氏名又は名称】ジェラルド ババロ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100202740
【氏名又は名称】増山 樹
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ランダッゾ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ガジェウスキ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン リー
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス イロブレ
(72)【発明者】
【氏名】ディオニシオ エスピナル
(72)【発明者】
【氏名】マシュー シュルツ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジョイス
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ヨンチャク
(72)【発明者】
【氏名】ケリー リージャー
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド ババロ
(57)【要約】
特定の消費者に対する対象を絞った広告のためのシステムと方法が開示される。システムは、命令を格納しているメモリと、少なくとも1つのプロセッサを含むことができ、少なくとも1つのプロセッサは、ネットワークを介して、クライアント装置から消費者データを受信し、消費者データから、クライアントにより提供される複数の消費者を識別し、クライアントにより提供される複数の消費者に対応する複数の特有消費者識別子を取得し、クライアントにより提供される複数の消費者の少なくとも1人を、複数の広告発行者装置の中で、最も高い優先順位を有している第1広告発行者装置により提供される、広告発行者により提供される少なくとも1人の消費者と照合することにより、少なくとも1つの第1重複特有消費者識別子を識別するために命令を実行するように構成されている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の消費者に対する対象を絞った広告のための、コンピュータにより実現されるシステムであって、
命令を格納しているメモリと、
少なくとも1つのプロセッサと、を備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、
ネットワークを介して、クライアント装置から消費者データを受信し、
前記消費者データから、クライアントにより提供される複数の消費者を識別し、
前記クライアントにより提供される複数の消費者に対応する複数の特有消費者識別子を取得し、
前記クライアントにより提供される複数の消費者の少なくとも1人を、複数の広告発行者装置の中で、最も高い優先順位を有している第1広告発行者装置により提供される、広告発行者により提供される少なくとも1人の消費者と照合することにより、少なくとも1つの第1重複特有消費者識別子を識別するために前記命令を実行するように構成されていることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記クライアント装置から受信する前記消費者データは、前記消費者データ内のクラスまたはセグメントにおける消費者記録の登録を示している、少なくとも1つのフラグ付き消費者記録を備えていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのフラグ付き消費者記録には、2進数字の「0」または「1」のフラグが付けられていることを特徴とする、請求項2のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフラグ付き消費者記録には、「イエス」または「ノー」のフラグが付けられていることを特徴とする、請求項2のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのフラグ付き消費者記録には、「真」または「偽」のフラグが付けられていることを特徴とする、請求項2のシステム。
【請求項6】
前記クラスは、顧客生涯価値が高い消費者クラスであり、前記少なくとも1つのフラグ付き消費者記録には、前記消費者は顧客生涯価値が高い消費者であり、最近の購入者ではないことを示すフラグが付けられていることを特徴とする、請求項2のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサは、データプロファイルが、消費者のシードセットのデータプロファイルと統計的に類似している1人以上の消費者を識別するために前記命令を実行するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項8】
前記消費者のシードセットは、前記クライアントの消費者母体により提供されることを特徴とする、請求項7のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記クライアントにより提供される消費者を、それぞれが1人以上の統計的に類似している消費者を含んでいる1つ以上のサブセットにセグメント化するために前記命令を実行するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記少なくとも1つの第1重複特有消費者識別子に基づいて、第1対象購入者候補グループを生成し、
前記第1対象購入者候補グループを、特定の消費者に対する対象を絞った広告を促進するために前記クライアントに配信するために前記命令を実行するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記クライアントにより提供される複数の消費者の中で照合しない消費者の数が閾値数より大きいかどうかを決定し、
前記照合しない消費者の数が前記閾値数より大きい場合、前記照合しない消費者の少なくとも1人を、前記複数の広告発行者装置の第2広告発行者装置により提供される、広告発行者により提供される少なくとも1人の消費者と照合することにより、少なくとも1つの第2重複特有消費者識別子を識別するために前記命令を実行するように更に構成されており、
前記第2広告発行者装置は、前記複数の広告発行者装置の中で2番目に高い優先順位を有していることを特徴とする、請求項10のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記クライアントにより提供される複数の消費者の中の残りの消費者を、照合しない広告発行者の中で最も高い優先順位を有する広告発行者により提供される消費者と照合することを、前記残りの消費者の数が前記閾値数よりも小さくなるまで繰り返すために前記命令を実行するように更に構成されており、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記複数の広告発行者装置の優先順位の降順に基づいて、前記複数の広告発行者装置の中から広告発行者装置を選択するように構成されていることを特徴とする、請求項11のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記少なくとも1つの第2重複特有消費者識別子に基づいて第2対象購入者候補グループを生成し、
特定の消費者に対する対象を絞った広告を促進するために、前記第2対象購入者候補グループを前記クライアント装置に配信するために前記命令を実行するように更に構成されていることを特徴とする、請求項11のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
購入者候補が広告主の仕様に基づいてキュレーションされる特有購入者候補リスト記録を生成し、
前記特有購入者候補リストにおける前記購入者候補に対するアイデンティティキーを生成し、前記生成されたアイデンティティキーを広告プラットフォームまたはプログラマティックパートナーに送るために前記命令を実行するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
メディア広告の購入の広告主の承認を受信し、
前記第1対象購入者候補グループを、前記広告主の承認を受信すると、前記第1広告発行者装置に配信するために前記命令を実行するように更に構成されていることを特徴とする、請求項10のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサは、対象購入者候補グループの前記第1広告発行者装置への配信の前に、前記第1対象購入者候補グループに含まれている前記少なくとも1つの特有消費者識別子を、広告発行者により特定される変換プロトコルに従って変換するために前記命令を実行するように更に構成されていることを特徴とする、請求項15のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1対象購入者候補グループの前記第1広告発行者装置への配信の前に、前記第1対象購入者候補グループに含まれている前記少なくとも1つの第1特有消費者識別子を、ウェブクッキーに基づく識別子、テレビに基づく識別子、暗号化された電子メールに基づく識別子、または、装置識別子の少なくとも1つに変換するように更に構成されていることを特徴とする、請求項16のシステム。
【請求項18】
特定の消費者に対する対象を絞った広告のための、コンピュータにより実現される方法であって、
ネットワークを介して、クライアント装置から消費者データを受信することと、
前記消費者データから、クライアントにより提供される複数の消費者を識別することと、
前記クライアントにより提供される複数の消費者に対応する複数の特有消費者識別子を取得することと、
前記クライアントにより提供される複数の消費者の少なくとも1人を、複数の広告発行者装置の中で、最も高い優先順位を有している第1広告発行者装置により提供される、広告発行者により提供される少なくとも1人の消費者と照合することにより、少なくとも1つの第1重複特有消費者識別子を識別することと、を備えていることを特徴とする、方法。
【請求項19】
特定の消費者に対する対象を絞った広告のための方法を実行するために、プロセッサにより実行可能な命令を格納している非一時的コンピュータ読み取り可能媒体であって、前記方法は、
ネットワークを介して、クライアント装置から消費者データを受信することと、
前記消費者データから、クライアントにより提供される複数の消費者を識別することと、
前記クライアントにより提供される複数の消費者に対応する複数の特有消費者識別子を取得することと、
前記クライアントにより提供される複数の消費者の少なくとも1人を、複数の広告発行者装置の中で、最も高い優先順位を有している第1広告発行者装置により提供される、広告発行者により提供される少なくとも1人の消費者と照合することにより、少なくとも1つの第1重複特有消費者識別子を識別することと、を備えていることを特徴とする、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2018年12月10に出願された一部継続出願第16/214,769号であり、2017年10月17日に出願された(現在は米国特許第10,181,136号)米国継続出願第15/786,551号であり、2016年10月17に出願された米国暫定特許出願第62/409,374号の優先権を主張するものであり、その全体はここにおいて参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は全体的に、人に基づく広告の対象者(以降、「広告の対象者」を「購入者候補」と記述する)プラニングおよび対象を絞った広告を提供するためのコンピュータ化システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ベンダ(売り手)は、個人の好みに合わせた市場のニーズに対処するために、消費者の母集団において、特定の消費者を対象とすることができる。例えば、ベンダは、ある潜在的顧客に対してカスタマイズされた販売促進を提供できる。そのような販売促進の内容(例えば、広告)は、異なる消費者に対して唯一的に合わせることができる。電子配信のために販売促進内容を個人化することは、収益の拡大に繋がる可能性があるが、幾つかの欠点もある。例えば、単一の顧客のニーズに対処するための販売活動は負担が大きすぎ、時間が掛かり、その拡張性のために実現不可能であり、高価であり得る。
【0004】
消費者のニーズおよび所望対象は、他のニーズおよび所望対象と重なることがあり得る。有望な消費者の購入者候補を、特別な明確な特性を表す分離したカテゴリに分割することに基づく販売活動は有用であり得る。例えば、選択された行動データ、人口統計データ、製品嗜好に基づくクラスタリング(グループ化)は、効率を高めコストを削減できる。しかし、これらの従来のカテゴリによるセグメント化(販売活動を促進するために消費者を別個のグループに分けること)は、カテゴリによる販売活動の恩典を販売活動家から剥奪する可能性がある。例えば、同じ年齢の2人の消費者は、年齢に基づいて同じように分類されているので同じ広告を受け取る可能性がある。しかし、これらの消費者は、生活の舞台が異なっている可能性があり、そのため、異なる目的意識または価値観を有している可能性がある。これは、カテゴリにおける1人の消費者は広告製品を熱心に購入し、他方の消費者は、その製品を購入することに猛烈に反対するという結果になり得る。これらの2人の消費者を単一の基準(例えば、年齢)のみに基づいてセグメント化することは非効率且つ非効果的であり得る。
【0005】
従来のセグメント化技術はまた、プライバシーとセキュリティに関する懸念を引き起こす可能性がある。例えば、従来のシステムは、個人識別可能情報(例えば、氏名、電子メールアドレス、電話番号など)を含む識別子または情報を使用して消費者を識別するのが普通である。また、従来のシステムは、通信ネットワークを介してこれらの識別子を交換するのが普通である。これは、消費者の個人識別可能情報を、攻撃者または他の不正ユーザに晒す可能性のあるデータ漏洩または紛失という結果になり得る。更に、攻撃者(例えば、ハッカー)は、ある攻撃から取得した個人識別可能情報を、後の攻撃において同じまたは追加的な消費者に対して使用できる(例えば、フィッシング、ソーシャルエンジニアリングなどを使用して)。
【0006】
従来の広告プラットフォームは、広告クライアントが、クライアント自身の消費者データを供給することを可能にしているが、それらは、クライアント自身のセグメント化とは互換性がなく、または、それをサポートしていない。そのため、広告クライアントは、彼ら自身のセグメント(販売活動を促進するための消費者の別個のグループ)を画定できない。更に、従来の広告プラットフォームにおいては、広告クライアントが消費者データのセットから購入者候補のリストを発行したいときに、プラットフォームは、消費者データのセットから購入者候補のリストを決定するために、消費者データのセットと広告発行者により提供される消費者データとの比較に基づいて購入者候補を選択する。しかし、クライアントが消費者データのセットの残りを発行したいときに、プラットフォームは、既に発行された購入者候補のリストを除外することなく、消費者データのセットの全体を、第2広告発行者により提供される消費者データと比較する。これは、発行システムが非効率的に動作する原因となる。
【0007】
従って、人に基づく購入者候補プラニングおよび対象を絞った広告を提供する、向上された方法に対する需要がある。
【発明の概要】
【0008】
本開示の1つの態様は、特定の消費者に対する対象を絞った広告のための、コンピュータにより実現されるシステムに向けられている。システムは、命令を格納しているメモリと、少なくとも1つのプロセッサを含むことができ、少なくとも1つのプロセッサは、ネットワークを介して、クライアント装置から消費者データを受信し、消費者データから、クライアントにより提供される複数の消費者を識別し、クライアントにより提供される複数の消費者に対応する複数の特有消費者識別子を取得し、クライアントにより提供される複数の消費者の少なくとも1人の消費者を、複数の広告発行者装置の中で、最も高い優先順位を有している第1広告発行者装置により提供される、広告発行者により提供される少なくとも1人の消費者と照合することにより、少なくとも1つの第1重複特有消費者識別子を識別するために命令を実行するように構成されている。
【0009】
本開示の他の態様は、特定の消費者に対する対象を絞った広告のための、コンピュータにより実現される方法に向けられている。コンピュータにより実現される方法は、ネットワークを介して、クライアント装置から消費者データを受信することと、消費者データから、クライアントにより提供される複数の消費者を識別することと、クライアントにより提供される複数の消費者に対応する複数の特有消費者識別子を取得することと、クライアントにより提供される複数の消費者の少なくとも1人の消費者を、複数の広告発行者装置の中で、最も高い優先順位を有している第1広告発行者装置により提供される、広告発行者により提供される少なくとも1人の消費者と照合することにより、少なくとも1つの第1重複特有消費者識別子を識別することを含むことができる。
【0010】
本開示の更に他の態様は、特定の消費者に対する対象を絞った広告のための方法を実行するために、プロセッサにより実行可能な命令を格納している非一時的コンピュータ読み取り可能媒体に向けられている。方法は、ネットワークを介して、クライアント装置から消費者データを受信することと、消費者データから、クライアントにより提供される複数の消費者を識別することと、クライアントにより提供される複数の消費者に対応する複数の特有消費者識別子を取得することと、クライアントにより提供される複数の消費者の少なくとも1人の消費者を、複数の広告発行者装置の中で、最も高い優先順位を有している第1広告発行者装置により提供される、広告発行者により提供される少なくとも1人の消費者と照合することにより、少なくとも1つの第1重複特有消費者識別子を識別することを含むことができる。
【0011】
他のシステム、方法、およびコンピュータ読み取り可能媒体もまたここにおいて検討される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】開示されている実施形態と整合する、特定の消費者に対する対象を絞った広告のためのシステムの例としての実施形態を示している模式ブロック図である。
【
図2】開示されている実施形態と整合する、例としての対象購入者候補調査インタフェースの図表である。
【
図3】開示されている実施形態と整合する、例としての成果レポートの図表である。
【
図4】開示されている実施形態と整合する、特定の消費者に対する対象を絞った広告のための例としての方法を示しているフローチャートである。
【
図5】開示されている実施形態と整合する、消費者データ内のクラスまたはセグメントにおける消費者記録の登録を示しているフラグ付き消費者記録を示している例としての表である。
【
図6】開示されている実施形態と整合する、対応する複数の広告発行者装置により提供される複数のデータおよびデータの割り当てられた優先順位を例示している模式図である。
【
図7A】開示されている実施形態と整合する、ウォーターフォール照合テストの第1照合テストを例示している模式図である。
【
図7B】開示されている実施形態と整合する、ウォーターフォール照合テストの第2照合テストを例示している模式図である。
【
図8】開示されている実施形態と整合する、ウォーターフォール照合テストのための例としての方法を示しているフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
下記の詳細な記述は付随する図面を参照する。可能であれば常に、同じまたは類似する部分を指すために、同じ参照番号が図面および下記の記述において使用されている。幾つかの例としての実施形態がここにおいて記述されているが、修正、適合、または他の実現形態が可能である。例えば、置換、追加、または修正を、図面において例示されている構成要素およびステップに対して行うことができ、ここにおいて記述されている例としての方法は、開示されている方法のステップを置換、順序を変える、除去する、またはステップを開示されている方法に追加することにより修正できる。従って、下記の詳細な記述は、開示されている実施形態と例に制限されず、発明の適切な範囲は、付随する特許請求の範囲により定義される。
【0014】
本開示の実施形態は、特定の消費者に対する対象を絞った広告を提供するために構成されているシステムと方法に向けられている。例えば、クライアント装置(例えば、広告主または広告発行者システム)は、ネットワークを介して広告代理店に消費者データを提供できる。消費者データは、例えば、個人識別可能情報(例えば、氏名、電子メールアドレス、電話番号、街路住所(番地)、ソーシャルセキュリティナンバーなど)および非個人識別可能情報(例えば、装置識別子、人口統計データ、セグメント、モデルスコアなど)を含むことができる。広告代理店は消費者データを処理でき、消費者データにおいて識別される消費者に特有消費者識別子を割り当てることができる。幾つかの実施形態においては、特有消費者識別子は、個人識別可能情報を含まなくてもよい。そして広告代理店は、特有消費者識別子に基づいて、クライアントに対して、対象となる購入者候補の集団(以降、「対象購入者候補グループ」と記述する)を生成できる。本開示のある実施形態におけるように、特有消費者識別子を利用することは、対象購入者候補グループ生成の効率を向上することにおいて支援できる。更に、本開示のある実施形態におけるように、そのような特有消費者識別子を利用することは、データのセキュリティ、忠実性、および精度を高めることができる。
【0015】
図1を参照すると、対象を絞った広告のためのシステムの例としての実施形態を示している模式ブロック図が示されている。
図1において例示されているように、システム100は、1つ以上のデータソース102、データプロセッサ104、対象購入者候補生成器106、アプリケーションインタフェース108、およびデータ解析器110を含むことができる。
【0016】
データソース102は、1人以上の広告主により提供される消費者データ102A、1人以上の広告発行者により提供される消費者データ102B、1つ以上の第三者データプロバイダにより提供される消費者データ102C、または、1つ以上の広告代理店(例えば、広告主および広告発行者に、対象を絞った広告サービスを提供する代理店)により提供される消費者データ102Dを含むことができる。幾つかの実施形態においては、1つ以上のデータソース102におけるデータは、テキストファイル、バイナリファイル、データベースレコード、または、種々の他のタイプのコンピュータ読み取り可能データフォーマットとして提供または格納できる。
【0017】
幾つかの実施形態においては、広告主、広告発行者、第三者データプロバイダ、および広告代理店は、互いに通信するために種々のタイプの演算装置を利用できる。そのような演算装置には、例えば、サーバ、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、モバイル装置、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートブレスレット、スマート眼鏡などのようなウェアラブル装置、または、有線または無線ネットワークと通信できる任意の他の装置を含むことができる。
【0018】
幾つかの実施形態においては、広告主により提供される消費者データ102A、広告発行者により提供される消費者データ102B、第三者データプロバイダにより提供される消費者データ102C、および広告代理店により提供される消費者データ102Dは、データの混合を軽減するために、物理的または論理的に別個のデータ格納装置に格納できる。例えば、広告主により提供される消費者データ102Aは、広告発行者により提供される消費者データ102Bを格納するために使用される第2データ格納装置とは物理的または論理的に別個の第1データ格納装置に格納できる。同様に、第三者データプロバイダにより提供される消費者データ102Cは、広告代理店により提供される消費者データ102Dを格納するために使用される第4データ格納装置とは物理的または論理的に別個の第3データ格納装置に格納できる。幾つかの実施形態においては、異なる広告主により提供される消費者データ102Aは、物理的または論理的に別個のデータ格納装置に格納できる。同様に、異なる広告発行者により提供される消費者データ102Bおよび異なる第三者データプロバイダにより提供される消費者データ102Cは、物理的または論理的に別個のデータ格納装置に格納できる。そのようなデータ格納装置は、例えば、磁気、半導体、テープ、光学的、リムーバブル、非リムーバブル、または、任意の他のタイプの格納装置またはコンピュータ読み取り可能媒体を含む、任意の揮発性または不揮発性メモリを使用して実現できる。
【0019】
データプロセッサ104は、種々のデータソース102A、102B、102Cまたは102Dから受信する消費者データに対するエントリポイントとして機能できる。データプロセッサ104は、1つ以上の専用処理ユニット、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または、プロセッサ実行可能コードを格納するために構成されている非一時的プロセッサ読み取り可能メモリと結合されている種々の他のタイプのプロセッサまたは処理ユニットを含むことができる。プロセッサ実行可能コードがデータプロセッサ104により実行されるときに、データプロセッサ104は、有線または無線ネットワークを介して受信される種々のタイプの入力信号に応答して命令を実行できる。
【0020】
幾つかの実施形態においては、データプロセッサ104は、消費者データ102に含まれている個人識別可能情報(例えば、氏名、電子メールアドレス、電話番号、街路住所(番地)、またはソーシャルセキュリティナンバーなど)を認識するように構成できる。データプロセッサ104は、消費者データ102に含まれているデータフィールドと関連付けられているラベルに基づいて個人識別可能情報を認識するように構成できる(例えば、消費者データ102に含まれているデータフィールドは、「氏名」、「電子メールアドレス」、または「電話番号」などのラベルを付けることができる)。追加的に、または代替的に、データプロセッサ104は、提示されるデータのフォーマットに基づいて個人識別可能情報を認識するように構成できる(例えば、10桁の数字列は電話番号として認識でき、「@」記号を有している文字列は電子メールアドレスとして認識できる)。データプロセッサ104は、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、種々の他の技術を使用して、消費者データ102に含まれている個人識別可能情報を認識するように構成できるということは理解されるべきである。そしてデータプロセッサ104は、消費者データ102に含まれている個人識別可能情報(PII)を、消費者データ102に含まれている非個人識別可能情報(非PII)(例えば、装置識別子、人口統計データ、セグメント、またはモデルスコアなど)から分離するためにデータ分離プロセッサ126(データプロセッサ104の構成要素として実現できる)を利用できる。
【0021】
幾つかの実施形態においては、消費者データ102に含まれているPIIは、消費者データ102に含まれている非PIIに関して別個に処理できる。例えば、
図1において例示されているように、消費者データ102に含まれているPIIは、消費者識別プロセッサ114(データプロセッサ104の構成要素として実現できる)により処理できる。消費者識別プロセッサ114は、氏名、電子メールアドレス、電話番号、街路住所(番地)、またはソーシャルセキュリティナンバーなどに基づいて、消費者データ102において識別される1人以上の消費者を認識するように構成できる。幾つかの実施形態においては、広告代理店が消費者データベース102Dへのアクセスを有している場合は、消費者識別プロセッサ114は、広告主により提供される消費者データ102A(または、広告発行者により提供される消費者データ102B)を、消費者データ102Dと比較することにより消費者を認識できる。
【0022】
幾つかの実施形態においては、消費者識別プロセッサ114は消費者データ102を処理するために、種々のタイプのデータフォーマット化、フィルタリング、検証、構文解析、標準化、正規化、または補正技術を実現できる。これらの実施形態においては、消費者識別プロセッサ114はまた、消費者認識プロセスを促進するために、種々のタイプの決定論的または確率論的処理技術を利用できる。適切な決定論的または確率論的処理技術には、下記に制限されないが、氏名の綴りの変動(例えば、「Robert」を「Rob」と綴ったり、「Bob」を「Bobby」と綴るなど)、住所表現の変動(例えば、「Road」または「Rd」、アパートのユニット番号の有無、都市に対する綴りの変動など)の考慮、通常の電子メールアドレスエラー(例えば、ドメイン名におけるスペルミスまたは順序が入れ替わった文字など)の補正、および、都市および州に基づく電話エリアコードの推測を含むことができる。
【0023】
消費者識別プロセッサ114は、消費者データ102において認識された(例えば、消費者識別プロセッサ114により)1人以上の消費者に対して特有消費者識別子を割り当てることができる。幾つかの実施形態においては、消費者識別プロセッサ114により割り当てられる特有消費者識別子は、如何なる個人識別可能情報も含まなくてもよい。言い換えると、消費者識別プロセッサ114により割り当てられる特有消費者識別子は、仮名識別子である。
【0024】
幾つかの実施形態においては、消費者識別プロセッサ114により割り当てられる仮名識別子は、特別な街路住所(番地)における特別な消費者を唯一的に識別できる。例えば、別個の識別子を各特別な住所に割り当てることができ、同様に、別個の識別子を各消費者名に割り当てることができる。そして、PIIデータを後続の構成要素において晒すことなく、住所と消費者識別子の特有対を、基盤となるPIIデータ記録に対する代理として割り当て且つ交換できる。そのような仮名識別子は、定義により、消費者の個人を識別する情報を含んでいないので、PIIに基づく識別子と比較して匿名性を提供できる。仮名識別子はまた、ウェブクッキー、装置識別子、またはインターネットプロトコル(IP)アドレス(典型的には、同じ識別子に対応付けられた複数の消費者を有し、ノイズを生成し、データ忠実性を削減する)に基づくような識別子と比較して、改良されたセキュリティ、忠実性、および精度を提供できる。幾つかの実施形態においては、消費者識別プロセッサ114は、仮名識別子と、クライアント(例えば、広告主または広告発行者)により元々使用されている識別子との間の相互参照122を保持することができる。この相互参照122は、消費者識別プロセッサ114(および一般的にはデータプロセッサ104)がアクセス可能な1つ以上の非一時的プロセッサ読み取り可能メモリに格納できる。
【0025】
そして、消費者識別プロセッサ114により割り当てられる仮名識別子は、仮名消費者データ116を生成するために、消費者データ102において含まれている非PIIと統合できる。仮名消費者データ116は今度は、消費者の如何なる個人識別可能情報も開示することなく、クライアントに対して対象購入者候補グループを生成するために利用できる、仮名で識別可能な情報を含むことができるということに留意されたい。
【0026】
幾つかの実施形態においては、対象購入者候補グループは、対象購入者候補生成器106を使用して生成される。対象購入者候補生成器106は、1つ以上の専用処理ユニット、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または、プロセッサ実行可能コードを格納するために構成されている非一時的プロセッサ読み取り可能メモリと結合されている種々のタイプのプロセッサまたは処理ユニットを含むことができる。プロセッサ実行可能コードが対象購入者候補生成器106により実行されるときは、対象購入者候補生成器106は、対象購入者候補グループを生成するために命令を実行できる。幾つかの実施形態においては、対象購入者候補生成器106は、仮名消費者データ116のみを処理するように構成されている。仮名消費者データ116をこのように利用することで、対象購入者候補生成器106の効率を改良することを支援できる。
【0027】
例えば、広告主が、広告発行者により運営されているプラットフォーム上で対象を絞った広告を実行したいと所望すると仮定する。対象を絞った広告に対する購入者候補グループを生成するために対象購入者候補生成器106を利用することは両者にとって関心があり得る。そうするために、広告主と広告発行者は、彼らの対応する消費者母体(つまり、消費者データ)102Aと102Bを対象購入者候補生成器106に提供することを選択できる。広告主により提供される消費者データ102Aと、広告発行者により提供される消費者データ102Bは、まずデータプロセッサ104により処理でき、上述したように、仮名消費者データ116を生成するために、提供されたデータから個人識別情報を除去できる。そして、対象購入者候補生成器106は、広告主により提供される消費者データと広告発行者により提供される消費者データの両者に共通の消費者のリスト118を取得できる。この消費者のリスト118は、広告主により提供される消費者データと関連付けられている仮名識別子を、広告発行者により提供される消費者データと関連付けられている仮名識別子とを、それらがデータプロセッサ104により処理された後に照合することにより非常に効率よく取得できる。
【0028】
幾つかの実施形態においては、広告主により提供される消費者データと広告発行者により提供される消費者データの両者に共通の消費者のリスト118は、対象購入者候補グループとして容易に識別できる。代替的に、消費者のリスト118は、基準となる集団として考えることができ、そしてそれは、1つ以上の類似の購入者候補モデル120を利用して拡張できる。例えば、対象購入者候補生成器106は、そのような消費者を記述している1つ以上の最上位属性を取得するために、消費者のリスト118において識別される消費者と関連付けられている非個人識別可能情報(例えば、人口統計データ、セグメント、モデルスコアなど)を解析できる。そして、このようにして識別される最上位属性は、第三者データプロバイダにより提供される追加的消費者(例えば、消費者データ102Cから導出されるデータ)、または広告代理店により提供される追加的消費者(例えば、消費者データ102Dから導出されるデータ)を識別することを支援するために利用できる。
【0029】
他の例においては、広告主は、対象購入者候補生成器106に、広告発行者により提供される消費者データの何れも考慮する必要なく、広告主により提供される消費者データ102Aを処理するように依頼することを選択できる。広告主により提供される消費者データ102Aはデータプロセッサ104により処理でき、データプロセッサ104は上記のように仮名消費者データ116を生成できる。そして、対象購入者候補生成器106は、広告主により提供される消費者データ102Aを記述している1つ以上の最上位属性を識別するために、広告主により提供される消費者データ102Aに基づいて生成される仮名消費者データ116を解析できる。そしてこのようにして識別される最上位属性は、第三者データプロバイダにより提供される追加的消費者(例えば、消費者データ102Cから導出されるデータ)または広告代理店により提供される追加的消費者(例えば、消費者データ102Dから導出されるデータ)を識別することを支援するために利用できる。
【0030】
上記の対象購入者候補生成技術は例として提示されており、制限的であることは意図されていないということは理解されるべきである。対象購入者候補生成プロセスの特定の実現形態は、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、上記に提示された例とは異なることもあり得るということは理解されるべきである。
【0031】
幾つかの実施形態においては、対象購入者候補グループが生成されると、対象購入者候補生成器106は対象購入者候補グループを、調査および承認のために広告主に配信することができる(例えば、ネットワークを介して)。
図2は、例としての調査インタフェースを示している図である。この例においては、対象購入者候補グループは、広告代理店により提供される電子消費者データベース102Dにおいて記録されている消費者データに基づいて生成されている。電子消費者データベース102Dは、1つの実施形態においては、消費者に関する数百万の記録を含んでおり、各記録は、下記に制限されないが、電子メールアドレス、電話記録、車両記録、IPアドレス、住宅ローン情報、生活様式/行動データ、人口統計データ、トランザクション協同データ、生活イベントデータ(例えば、新しく引っ越した人、新しく家の所有者になった人、新しく親になった人、米国の3大信用情報会社(Equifax、Experian、TransUnion)による信用閾値違反であるかなど)、資産指標、信用統計値、自動車データおよび自動車統計値、不動産データ、ソーシャルメディアハンドル/フラグ、社会的影響力、他のシンジケートリサーチデータなどを含む1,000を超える属性を有している。電子消費者データベース102Dの他の実施形態もまた可能である。
【0032】
広告主は、対象購入者候補グループを確認または修正するために
図2において示されている例としての調査インタフェースを利用できると考えられる。例えば、例としての調査インタフェースは、対象購入者候補グループの視覚表現204を含むことができる。視覚表現204は、対象購入者候補グループの構成を示している1つ以上の図を含むことができる。例えば、視覚表現204は、教育レベル、性別、既婚/未婚などに関する構成を示すことができる。視覚表現204はまた、年齢層、職業などに関する構成を含むことができる。視覚表現204は更に、広告主が、提示された対象購入者候補グループを承認した場合に、広告の推定されるリーチ(広告を見る可能性のある購入者候補の数)(そして利用可能であれば、履歴/記録されたデータに基づく実際のリーチ)を示すことができる。
【0033】
例としての調査インタフェースはまた、広告主からの制御入力を受信するように構成されている制御パネル202を含むことができる。例えば、広告主が、特定の年齢層206を対象としないことを選択した場合、広告主は年齢層206を選択でき(例えば、コンピュータマウスを使用して年齢層206をクリックすることにより)、制御パネル202における「購入者候補削除」ボタンをクリックしてその特定の年齢層206を対象購入者候補グループから除去できる。広告主によりなされた修正は、対象購入者候補生成器106にネットワークを介して通信で送ることができ、対象購入者候補生成器106は、それに従って対象購入者候補グループを調整できる。一方、広告主が対象購入者候補グループに満足した場合、広告主は制御パネル202における「確認」ボタンをクリックすることにより対象購入者候補グループを確認/承認することを選択できる。
【0034】
図2において示されている例としての調査インタフェースは、例に過ぎないものとして提示されており、制限的であることは意図されていないということは理解されるべきである。広告主が対象購入者候補グループを確認/承認すると、アプリケーションインタフェース108は広告主の承認を受信することにより、1人以上の広告発行者に対象購入者候補グループを配信することができる。
【0035】
幾つかの実施形態においては、対象購入者候補生成器106は仮名消費者データ116のみを処理するように構成されているので、対象購入者候補生成器106により生成される対象購入者候補グループは、広告発行者により要求される、ある識別子を含んでいない可能性がある。従って、幾つかの実施形態においては、広告発行者は、自身に配信される対象購入者候補グループが、広告発行者により要求される識別子を含むことができるように、広告発行者特定の変換プロトコルに従って対象購入者候補グループが変換されることを要求できるということに留意されたい。
【0036】
幾つかの実施形態においては、データプロセッサ104は、必要であれば、広告発行者の仕様に基づいて仮名識別子を変換/修正するための制御された出口点として機能するように構成できる。より具体的には、幾つかの実施形態においては、データプロセッサ104は、対象購入者候補グループに含まれている仮名識別子を変換することを支援するために、仮名識別子生成プロセス(上述されている)においてより早期に格納された相互参照データセット122を利用できる。例えば、広告発行者が、自身の対象購入者候補を識別するためにウェブクッキーまたは装置識別子を使用している場合、データプロセッサ104は、相互参照データセット122に格納されている参照データを使用して、対象購入者候補グループに含まれている仮名識別子をウェブクッキーまたは装置識別子に変換できる。同様に、広告発行者が、自身の対象購入者候補を識別するために暗号化された電子メールを使用している場合、データプロセッサ104は、相互参照データセット122に格納されている参照データを使用して、対象購入者候補グループに含まれている仮名識別子を暗号化された電子メールに変換できる。そしてアプリケーションインタフェース108は、変換された識別子を有する対象購入者候補グループを、広告キャンペーンを実行するために広告発行者に提供できる。
【0037】
上記の変換は常に要求されるわけではないということは理解されるべきである。ある実施形態においては、例えば、広告発行者は広告代理店と組むことができ、従って、仮名識別子への共有アクセスを有することができる。そのような実施形態においては、アプリケーションインタフェース108は、対象購入者候補グループを変換せずに直接広告発行者に提供でき、広告発行者は、仮名識別子を使用して対象購入者候補グループにおける消費者を識別でき、対象を絞った広告キャンペーンを実行できる。
【0038】
幾つかの実施形態においては、広告キャンペーンと関連付けられている成果データをシステム100により収集および解析できる。例えば、幾人かの広告発行者は、自身の広告キャンペーンと関連付けられているログレベル詳細を提供できる。ログレベル詳細は、広告キャンペーンと関連付けられている、広告が与える印象とクリックカウントと共に、広告主、広告発行者、広告キャンペーン、購入者候補、日付、時間、および広告が現れた場所に関する情報を含むことができる。システム100は、格納領域124(通常はステージング領域またはデータランディングゾーンと称される)においてログレベル詳細を収集するためにデータ解析器110を利用できる。そして、データ解析器110は、データ解析を促進するために格納領域124において収集されるログレベル詳細を使用できる。
【0039】
例えば、データ解析器110は、下記に制限されないが、広告が与える印象、クリックスルー率、完了率、達成率、係合時間、係合率などを含む成果測定基準を決定するために格納領域124において収集されたログレベル詳細を使用できる。そしてデータ解析器110は、広告キャンペーンの有効性を評価するために、成果測定基準を含むレポート128を広告主または広告発行者に提供できる。幾つかの実施形態においては、データ解析器110は、対話型ユーザインタフェース(例えば、ウェブページ、またはモバイル装置アプリケーション)を通して成果測定基準を広告代理店、広告主、または広告発行者に提示できる。代替的に、または追加的に、データ解析器110は、成果測定基準を広告代理店、広告主、または広告発行者に定期レポートとして提示できる。幾つかの実施形態においては、成果測定基準の提示(対話型ユーザインタフェースを通して、または、定期レポートを通して)は、
図3に示されているようなテキストまたは図による表現を含むことができる。
【0040】
図3は、成果測定基準を提示するための例としてのフォーマットを表している簡略化された例に過ぎないということは留意されたい。例えば、パネル302は、特別な広告キャンペーンに関与している広告発行者のリストをユーザに提供できる。対話型ユーザインタフェースにおいては、ユーザはパネル302から広告発行者の1人を選択でき、表示領域304は、選択された広告発行者と関連付けられている成果測定基準を表示できる。表示領域304は、線グラフ、円グラフ、棒グラフ、またはテキストによる記述を含む種々のフォーマットにおいて成果測定基準を表示できる。幾つかの実施形態においては、成果測定基準を集積できる一方、集積された成果測定基準は、追加的な正確且つ深い知識を提供するために、仮名消費者データ116において利用可能にされたセグメントおよび人口統計属性に対して更に解析できる。
【0041】
ここで
図4を参照すると、開示されている実施形態と整合する、特定の消費者に対する対象を絞った広告のための例としての方法400を示しているフロー図が示されている。例としての方法400は、ここにおいては一連のステップとして記述されているが、ステップの順序は他の実現形態においては変化し得るということは理解されるべきである。特に、ステップは任意の順序、または並行して実行できる。方法400の各ステップは、1つ以上のプロセッサ、コンピュータ、サーバ、コントローラなどにより実行できるということは理解されるべきである。
【0042】
幾つかの実施形態においては、方法400はシステム100(
図1において示されているような)により実行できる。ステップ402において、方法400はネットワークを介してシステム100により、クライアント装置からクライアントにより提供されるデータを受信することを含むことができる。クライアントは、広告主または広告発行者であってよい。クライアントは、その顧客母体(つまりその消費者データ)をシステム100に提供できる。消費者データは、消費者についての非個人識別可能情報(非PII)と
共に個人識別可能情報(PII)を含むことができる。消費者データはまた、クライアントにより割り当てられる識別子を含むことができる。
【0043】
ステップ404において、方法400は、クライアントにより提供されるデータにおいて識別される1人以上の消費者を識別することを含むことができる。消費者は、クライアントにより提供されるデータを、電子消費者データベースにおいて記録されている消費者データと照合することにより識別できる。幾つかの実施形態においては、電子消費者データベースは、消費者に関する数百万の記録を含むことができ、各記録は、下記に制限されないが、電子メールアドレス、電話記録、車両記録、IPアドレス、住宅ローン情報、生活様式/行動データ、人口統計データ、トランザクション協同データ、生活イベントデータ(例えば、新しく引っ越した人、新しく家の所有者になった人、新しく親になった人、米国の3大信用情報会社(Equifax、Experian、TransUnion)による信用閾値違反かなど)、資産指標、信用統計値、自動車データおよび自動車統計値、不動産データ、ソーシャルメディアハンドル/フラグ、社会的影響力、他のシンジケートリサーチデータなどを含む1,000を超える属性を有している。電子消費者データベースは、他の領域を拠点とする消費者も含むように拡張できるということは理解されるべきである。
【0044】
ステップ406において、方法400は、クライアントにより提供されるデータにおいて識別される消費者に対して特有消費者識別子を割り当てることができる。幾つかの実施形態においては、消費者に割り当てられる特有消費者識別子は、クライアントにより提供されるデータに元々は含まれている個人識別可能情報を含んでいない。言い換えると、このようにして割り当てられる特有消費者識別子は仮名識別子である。幾つかの実施形態においては、仮名識別子と、クライアントにより元々提供されている、クライントにより割り当てられる識別子との間の相互参照が保持される。この相互参照は、後で、クライアントにより変換が要求された場合、仮名識別子をクライントにより割り当てられる識別子に変換することを支援するために利用できる。
【0045】
ステップ408において、方法400は、対象購入者候補グループを生成することを含むことができる。
図1に関して上述したように、システム100は、広告主により提供される消費者データのみを使用して、または、1つ以上の広告代理店と共に、1人以上の広告発行者、1つ以上の第三者データプロバイダにより提供される消費者データと一緒に使用して対象購入者候補グループを生成できる。対象購入者候補グループ生成プロセスは仮名識別子に基づいているということに留意されたい。言い換えれば、幾つかの実施形態においては、ステップ408は、広告主により提供される消費者データを、広告発行者により提供される消費者データと直接には比較しない。そうではなく、それらの実施形態においては、ステップ408は、広告主により提供される消費者データと関連付けられている仮名識別子を、広告発行者により提供される消費者データと関連付けられている仮名識別子と照合することにより対象購入者候補グループを生成するように構成できる。
【0046】
ステップ410において、方法400は、特定の消費者に対する対象を絞った広告を促進するために、システム100によりネットワークを介して対象購入者候補グループをクライアント装置に配信することを含むことができる。ステップ410は、対象購入者候補グループを、調査と承認のために広告主に配信することができる。広告主は、必要であれば対象購入者候補グループに対する変更を要求できる。それ以外の場合は、広告主は対象購入者候補グループを承認でき、広告主は対象を絞った広告の購買に着手できる。
【0047】
幾つかの実施形態においては、方法400は、対象購入者候補グループを生成するために使用された仮名識別子を、広告発行者により認識される識別子に変換するように構成されているステップ412を含むことができる。この変換は、前述した相互参照を使用して促進できる。幾つかの実施形態においては、ステップ412は仮名識別子を、ウェブクッキーに基づく識別子、装置識別子、または暗号化された電子メールに基づく識別子に変換できる。ステップ412は、本開示の精神と範囲から逸脱することなく、仮名識別子を他のタイプのクライントにより割り当てられる識別子に変換できるということは理解されるべきである。
【0048】
幾つかの実施形態においては、方法400はまた、対象を絞った広告の成果解析を提供するように構成されているステップ414を含むことができる。例えば、幾人かの広告発行者は、自身の広告キャンペーンと関連付けられているログレベル詳細を提供できる。ログレベル詳細は、広告キャンペーンと関連付けられている、広告が与える印象とクリックカウントと共に、広告主、広告発行者、広告キャンペーン、購入者候補、日付、時間、および広告が現れた場所に関する情報を含むことができる。ステップ414は、ログレベル詳細を収集でき、前述したように、データ解析を提供するために、収集したログレベル詳細を使用できる。
【0049】
図1を参照すると、幾つかの実施形態においては、広告主により提供される消費者データ102A、広告発行者により提供される消費者データ102B、第三者により提供される消費者データ102C、および広告代理店により提供される消費者データ102Dは、消費者データ内のクラスまたはセグメントにおける消費者記録の登録を示す少なくとも1つのフラグが付けられた消費者記録を含むことができる。幾つかの実施形態においては、少なくとも1つのフラグが付けられた消費者記録には、2進数字「0」または「1」のフラグを付けることができる。他の実施形態においては、少なくとも1つのフラグが付けられた消費者記録には、「イエス」または「ノー」のフラグを付けることができる。他の実施形態においては、少なくとも1つのフラグが付けられた消費者記録には「真」または「偽」のフラグを付けることができる。
【0050】
図5は、開示されている実施形態と整合する、消費者データ内のクラスまたはセグメントにおける消費者記録の登録を示している、フラグが付けられた消費者記録を示している例としての表500である。例えば、表500において、クラスは、顧客生涯価値が高いクラスであり、少なくとも1つのフラグが付けられた消費者記録には、消費者は顧客生涯価値が高い消費者であり、最近の購入者ではないことを示すフラグが付けられている。
図5において示されているように、表500は、電子メールアドレス(xyz@yahoo.com)、氏名(John Doe)、電話番号((202)123-4567)などのような、個人識別可能情報を使用する消費者を示している左端側の列を含んでいる。しかし、消費者を示すものはそのようには制限されず、消費者の街路住所(番地)またはソーシャルセキュリティナンバーなどのような他の個人識別可能情報、または消費者の装置識別子、人口統計データ、セグメント、またはモデルスコアなどのような非個人識別可能情報であってよい。表500は、左端の列において一覧表示されている消費者が、顧客生涯価値の高い消費者か否かを示すフラグ(真または偽)を含んでいる中央の列を含んでいる。例えば、電子メールアドレス(xyz@yahoo.com)で識別される消費者、および電話番号((202)123-4567)で識別される消費者は顧客生涯価値が高い消費者であり、一方、氏名(John Doe)で識別される消費者は顧客生涯価値が高い消費者ではない。表500はまた、左端の列において一覧表示されている消費者が、最近の購入者か否かを示すフラグ(真または偽)を含んでいる右端側の列を含んでいる。例えば、電子メールアドレス(xyz@yahoo.com)で識別される消費者、および電話番号((202)123-4567)で識別される消費者は最近の購入者ではなく、一方、氏名(John Doe)で識別される消費者は最近の購入者である。
【0051】
幾つかの実施形態においては、システム100(例えば、データプロセッサ104または対象購入者候補生成器106)は、データプロファイルが、消費者のシードセットのデータプロファイルと統計的に類似している1人以上の消費者を識別するために、モデル化技術と自動化された方法のセットを適用できる。例えば、システム100は、データプロファイルが消費者のシードセットのデータプロファイルと統計的に類似している1人以上の消費者を識別できる。消費者のシードセットは、広告主の消費者母体により提供できる。
【0052】
幾つかの実施形態においては、システム100(例えば、データプロセッサ104または対象購入者候補生成器106)は、消費者を1つ以上のサブセットにセグメント化またはサブセグメント化でき、1つ以上のサブセットのそれぞれは、1人以上の統計的に類似している消費者を含んでいる。例えば、「自動車愛好家」の購入者候補グループを開発するときに、システム100は消費者を、効果として同一な母集団に分割でき、その母集団が特別なタイプの提案、メッセージ、または創造的処置、または代替オプションを好むかどうかを知るためにテストすることができる。2人の消費者の統計的類似性は、消費者のイベント統計値、例えば、消費者が同じタイプの自動車を何回購入したか、消費者が同じ広告を何回クリックしたか、消費者が同じ広告を何回スキップしたか、または、消費者が同じ自動車ディーラーを何回尋ねたかなどに基づいて決定できる。類似度の程度もまたは、統計データの収集および解析に基づいて定量的に決定できる。このようにして、自動セグメント化機能が、所与の購入者候補母集団を統計的に類似しているサブセットに分割するために導入され、増大された効率という結果になる。
【0053】
幾つかの実施形態においては、システム100(例えば、データプロセッサ104または対象購入者候補生成器106)は、購入者候補が広告主の仕様に基づいて、独自に収集、選択、編集され、新しい価値を付加した状態で共有される(以降、「キュレーションされる」と記述)特有購入者候補リスト記録を生成できる。システム100は更に、特有購入者候補リストにおける購入者候補に対するアイデンティティキー(「識別キー」とも称される)を生成でき、生成されたアイデンティティキーを第2広告プラットフォームおよび/またはプログラマティックパートナーに送ることができる。このようにして、第2広告プラットフォームまたはプログラマティックパートナーは、消費者データに対して詳細な解析を実行することなく購入者候補のリストの特徴を認識でき、高められた効率という結果になる。
【0054】
図1を参照すると、幾つかの実施形態においては、広告発行者により提供される消費者データ102Bは、複数の広告発行者装置により提供されるデータを含むことができる。システム100、例えば、データプロセッサ104または対象購入者候補生成器106は、例えば、消費者データの重要性または関連性に基づいて、複数の広告発行者装置により提供される消費者データに優先順位を割り当てることができる。
図6は、開示されている実施形態と整合する、対応する複数の広告発行者装置により提供される複数のデータと、データの割り当てられた優先順位を例示している模式図である。例として、
図6は、50の異なる広告発行者装置により提供される消費者データ102Bと、降順に一覧表示されているデータの優先順位を示している。例えば、第1広告発行者装置により提供される消費者データ601は第1優先順位(優先順位1)を有し、第2広告発行者装置により提供される消費者データ602は第2優先順位(優先順位2)を有し、第50広告発行者装置により提供される消費者データは第50優先順位(優先順位50)を有している。
【0055】
幾つかの実施形態においては、複数の異なる広告発行者装置により提供される消費者データは、データの混合を軽減するために物理的または論理的に別個のデータ格納装置に格納できる。例えば、第1広告発行者装置により提供される消費者データ601は、第2広告発行者装置により提供される消費者データ602を格納するために使用される第2データ格納装置、および、第50広告発行者装置により提供される消費者データ650を格納するために使用される第50データ格納装置とは物理的または論理的に別個の第1データ格納装置に格納できる。
図6は、50の異なる広告発行者装置により提供される消費者データを示している。しかし、広告発行者の数はそのようには制限されず、50よりも小さい任意の数であってよく、または50より大きい任意の数であってよい。
【0056】
幾つかの実施形態においては、
図6において示されているような複数の異なる広告発行者により提供される消費者データを使用して対象購入者候補を識別するときに、対象購入者候補生成器106は、
図7A、7B、および8に関して記述されているようなウォーターフォール照合テストを利用できる。このテストにおいては、対象購入者候補生成器106は、ネットワークを介して、広告主装置から消費者データを受信でき、消費者データから広告主により提供される複数の消費者を識別できる。例えば、上記で検討したように、対象購入者候補生成器106は、広告主装置から受信した消費者データを、システム100の電子消費者データベースにおいて記録されている消費者データと比較することにより広告主により提供される複数の消費者を識別できる。対象購入者候補生成器106は、広告主により提供される複数の消費者に対応する複数の特有消費者識別子を取得できる。複数の特有消費者識別子は個人識別可能情報を含まなくてもよい。そして、対象購入者候補生成器106は、広告主により提供される複数の消費者の少なくとも1人を、複数の広告発行者装置の中で最も高い優先順位を有している第1広告発行者装置により提供される、広告発行者により提供される少なくとも1人の消費者と照合することにより、少なくとも1つの第1重複特有消費者識別子を識別できる。
【0057】
図7Aは、開示されている実施形態と整合する、ウォーターフォール照合テストの第1照合テストを例示している模式図である。
図7Aにおいて示されているように、対象購入者候補生成器106は、広告主により提供される複数の消費者(
図7Aの左側の円により示されている)を、最も高い優先順位を有している広告発行者1により提供される消費者と照合でき、広告主により提供される消費者データと、広告発行者により提供される消費者データの両者に共通の対象購入者候補グループ1を取得できる。対象購入者候補グループ1は、広告主により提供される消費者データと関連付けられている仮名識別子を、広告発行者1により提供される消費者データと関連付けられている仮名識別子とを、それらがデータプロセッサ104により処理された後に照合することにより取得できる。
【0058】
第1照合テストの後、対象購入者候補生成器106は、広告主により提供される複数の消費者の中で照合しない消費者の数が閾値数より大きいかどうかを決定できる。例えば、
図7Aにおいて、対象購入者候補グループ1を除く、広告主により提供される消費者の部分は照合しない消費者を示している。閾値数は、システム100により予め決定された数であってよい。照合しない消費者の数が閾値数より大きい場合、対象購入者候補生成器106は、照合しない消費者の少なくとも1人を、複数の広告発行者装置の第2広告発行者装置により提供される、広告発行者により提供される少なくとも1人の消費者と照合することにより、少なくとも1つの第2重複特有消費者識別子を識別できる。第2広告発行者装置は、複数の広告発行者装置の中で2番目に高い優先順位を有している。
【0059】
図7Bは、開示されている実施形態と整合する、ウォーターフォール照合テストの第2照合テストを例示している模式図である。
図7Bにおいて示されているように、対象購入者候補生成器106は、広告主により提供される照合しない消費者(
図7Bの左側の円により示されている)を、2番目に高い優先順位を有している広告発行者2により提供される消費者と照合でき、広告主により提供される照合しない消費者データと、広告発行者2により提供される消費者データの両者に共通の対象購入者候補グループ2を取得できる。対象購入者候補グループ2は、広告主により提供される照合しない消費者データと関連付けられている仮名識別子を、広告発行者2により提供される消費者データと関連付けられている仮名識別子とを、それらがデータプロセッサ104により処理された後に照合することにより取得できる。
【0060】
第2照合の後、対象購入者候補生成器106は再び、照合しない消費者(対象購入者候補グループ1と対象購入者候補グループ2の両者を除外した広告主により提供される消費者)の数が閾値数よりも大きいかどうかを決定できる。照合しない消費者の数が閾値数よりも大きい場合、対象購入者候補生成器106は第3照合テストを実行できる。対象購入者候補生成器106は、広告主により提供される複数の消費者の中の残りの消費者を、照合しない広告発行者(消費者データが、広告主により提供される消費者データと比較されなかった広告発行者)の中で最も高い優先順位を有する広告発行者により提供される消費者と照合することを、残りの消費者の数が閾値数よりも小さくなるまで繰り返すことができる。対象購入者候補生成器106は、複数の広告発行者装置の優先順位の降順に基づいて、複数の広告発行者装置の中から広告発行者装置を選択できる。例えば、対象購入者候補生成器106は、
図6における表に基づいて広告発行者装置を選択できる。
【0061】
幾つかの実施形態においては、各照合テストの後に、対象購入者候補生成器106は更に、データプロファイルが、消費者のシードセットのデータプロファイルと統計的に類似している1人以上の消費者を識別できる。幾つかの実施形態においては、各照合の後に、対象購入者候補生成器106は更に、消費者を1つ以上のサブセットにセグメント化、またはサブセグメント化でき、1つ以上のサブセットのそれぞれは、1人以上の統計的に類似している消費者を含んでいる。
【0062】
幾つかの実施形態においては、各照合テストの後に、対象購入者候補生成器106は、購入者候補が広告主の仕様に基づいてキュレーションされる特有購入者候補リスト記録を生成でき、更に、特有購入者候補リストにおける購入者候補に対するアイデンティティキーを生成でき、生成されたアイデンティティキーを第2広告プラットフォームおよび/プログラマティックパートナーに送ることができる。例えば、第1照合の後に、対象購入者候補生成器106は、購入者候補が広告主の仕様に基づいてキュレーションされる対象購入者候補グループ1(
図7A)を使用して、特有購入者候補リスト記録を生成できる。対象購入者候補生成器106はまた、特有購入者候補リストにおける購入者候補に対するアイデンティティキーを生成でき、生成されたアイデンティティキーを広告プラットフォームおよびプログラマティックパートナーに送ることができる。
【0063】
幾つかの実施形態においては、各照合の後に、対象購入者候補生成器106は、メディア広告の購入の広告主の承認を受信でき、照合から取得された対象購入者候補のグループを、広告主の承認を受けると、対応する広告発行者装置に配信することができる。例えば、第1照合の後に、対象購入者候補生成器106は、メディア広告の購入の広告主の承認を受信でき、対象購入者候補グループ1を、広告主の承認を受けると、第1広告発行者装置に配信することができる。対象購入者候補生成器106は、対象購入者候補グループ1の第1広告発行者装置への配信の前に、対象購入者候補グループ1に含まれている少なくとも1つの第1特有消費者識別子を、広告発行者により特定される変換プロトコルに従って変換できる。例えば、対象購入者候補生成器106は、対象購入者候補グループ1の第1広告発行者装置への配信の前に、対象購入者候補グループ1に含まれている少なくとも1つの第1特有消費者識別子を、ウェブクッキーに基づく識別子、テレビに基づく識別子、暗号化された電子メールに基づく識別子、または装置識別子の少なくとも1つに変換できる。
【0064】
幾つかの実施形態においては、各照合の後に、対象購入者候補生成器106は対象購入者候補グループを生成でき、対象購入者候補グループを広告主装置に配信することができる。例えば、第1照合の後に、対象購入者候補生成器106は対象購入者候補グループ1を生成でき、対象購入者候補グループ1(
図7A)を、特定消費者に対する対象を絞った広告を促進するために広告主装置に配信することができる。同様に、第2照合の後に、対象購入者候補生成器106は対象購入者候補グループ2(
図7B)を生成でき、対象購入者候補グループ2を、特定消費者に対する対象を絞った広告を促進するために広告主装置に配信することができる。
【0065】
図8は、開示されている実施形態と整合する、ウォーターフォール照合テストのための例としての方法800を示しているフロー図である。方法800の各ステップは、1つ以上のプロセッサ、コンピュータ、サーバ、またはコントローラなどにより実行できるということは理解されるべきである。幾つかの実施形態においては、方法800は、システム100により、例えば、
図1において示されているように、対象購入者候補生成器106により実行できる。
【0066】
ステップ802において、方法800は、広告主により提供される照合しない消費者を、照合しない広告発行者の中で最も高い優先順位を有する広告発行者により提供される、広告発行者により提供される消費者と照合することを含むことができる。例えば、第1照合テストに対して、照合しない消費者は、例えば、
図7Aの左側の円により示されているように、広告主により提供される元々の消費者である。任意の後続の照合テストに対して、照合しない消費者は、その前の照合テストにおけるすべての照合する消費者を除いた後の、広告主により提供される元々の消費者の一部であり、例えば、
図7Bの左側の円により示されている、広告主により提供される照合しない消費者である。
【0067】
ステップ804において、方法800は、特有消費者識別子の重複に基づいて対象購入者候補グループを生成することを含むことができる。例えば、対象購入者候補グループは、広告主により提供される照合しない消費者データと、広告発行者により提供される消費者データの両者に共通の消費者のグループを取得することにより生成できる。上記で検討したように、対象購入者候補は、広告主により提供される消費者データと関連付けられている仮名識別子を、広告発行者により提供される消費者データと関連付けられている仮名識別子と照合することにより取得できる。
【0068】
ステップ806において、方法800は、対象購入者候補グループをクライアント装置に配信することを含むことができる。例えば、生成された対象購入者候補グループは、特定消費者に対する対象を絞った広告を促進するために広告主装置に配信することができる。
【0069】
ステップ808において、方法800は、広告主により提供される消費者の中の残りの消費者の数が、閾値数よりも大きいかどうかを決定することを含むことができる。広告主により提供される消費者の中の残りの消費者の数が閾値数よりも大きい場合、方法800はステップ802に戻り、広告主により提供される消費者の中の残りの消費者の数が閾値数を超えないようになるまで、ステップS802、804、806、および808を繰り返す。
【0070】
ステップ810において、方法800は、クライアント装置により提供される消費者の中の残りの消費者の数が閾値数を超えない場合、ウォーターフォール照合テストを終了することを含むことができる。
【0071】
本開示は、その特別な実施形態を参照して示され、記述されてきたが、本開示は、修正なしで他の環境において実践できるということは理解されるであろう。上記の記述は、例示の目的のために提示されている。それはすべてを網羅するものではなく、開示されている正確な形状または実施形態に制限されない。修正と適合は、仕様を考慮し、開示されている実施形態の実践から、この技術における技量を有する者には明白であろう。追加的に、開示されている実施形態の態様はメモリに格納されているものとして記述されているが、この技術における技量を有する者は、これらの態様はまた、二次格納装置、例えば、ハードディスク、CD ROM、またはRAMまたはROMの他の形状、USB媒体、DVD、ブルーレイ、または他の光駆動媒体などのような、他のタイプのコンピュータ読み取り可能媒体に格納できるということを認識するであろう。
【0072】
記載されている記述および開示されている方法に基づくコンピュータプログラムは、経験を有する開発者の技量内である。種々のプログラムまたはプログラムモジュールは、この技術における技量を有する者に知られている技術の何れを使用しても作成でき、または既存のソフトウェアに関連して設計できる。例えば、プログラムセクションまたはプログラムモジュールは、.Net Framework、.Net Compact Framework(および、Visual Basic、Cなどのような関連する言語)、Java(登録商標)、C++、Objective-C、HTML、HTML/AJAXの組み合わせ、XML、またはJavaアプレットが含まれているHTMLにおいて、またはそれらにより設計できる。
【0073】
更に、例としての実施形態がここにおいて記述されているが、等価要素、修正、省略、組み合わせ(例えば、種々の実施形態にわたる態様の組み合わせ)、適合、および/または改変を有する如何なる、およびすべての実施形態の範囲は、本開示に基づいて、この技術における技量を有する者により認識されるであろう。特許請求の範囲における制限は、特許請求の範囲において採用されている言語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書において、また出願の遂行の間に記述されている例に制限されない。例は、非排他的と解釈されるべきである。更に、開示されている方法のステップは、ステップの順序を変えること、および/または、ステップを挿入または削除することを含む任意の方法で修正できる。従って、明細書と例は例示に過ぎないと考えられるべきであることが意図されており、真の範囲と精神は、下記の特許請求の範囲と、その等価物の全範囲により示されている。
【国際調査報告】