(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】消音器アセンブリ及び空調機
(51)【国際特許分類】
F25B 41/40 20210101AFI20240501BHJP
B23K 1/00 20060101ALI20240501BHJP
B23K 1/19 20060101ALI20240501BHJP
F25B 41/20 20210101ALI20240501BHJP
【FI】
F25B41/40 A
B23K1/00 330G
B23K1/19 K
B23K1/19 J
F25B41/20 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557379
(86)(22)【出願日】2022-04-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 CN2022087335
(87)【国際公開番号】W WO2022228170
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110479994.X
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120939797.7
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110479990.1
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120942934.2
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馮 忠波
(72)【発明者】
【氏名】王 文杰
(72)【発明者】
【氏名】郎 壮
(72)【発明者】
【氏名】朱 方英
(57)【要約】
消音器(100)及び一方向弁(200)を含み、消音器(100)は、消音器本体(10)、及び消音器本体(10)の一端に設けられる接続口管(30)を含み、接続口管(30)は一方向弁(200)に直接接続される、消音器アセンブリ(300)及び空調機(1000)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消音器及び一方向弁を含み、前記消音器は、消音器本体、及び前記消音器本体の一端に設けられる接続口管を含み、前記接続口管は前記一方向弁に直接接続される、消音器アセンブリ。
【請求項2】
前記消音器本体はステンレス材質であり、前記接続口管は銅材質であり、前記一方向弁は銅材質である、請求項1に記載の消音器アセンブリ。
【請求項3】
前記消音器本体は出口端を有し、前記接続口管は、前記出口端の外側に嵌合接続されて、前記出口端に溶接され、前記一方向弁の一端は、前記接続口管内に入り込んで、前記接続口管に直接溶接される、請求項1に記載の消音器アセンブリ。
【請求項4】
前記一方向弁の前記接続口管内に入り込んだ一端は、前記出口端の前記接続口管内に位置する端面に当接する、請求項3に記載の消音器アセンブリ。
【請求項5】
前記出口端の外壁には第1外段差が設けられ、前記第1外段差は前記出口端の周方向に沿って設けられ、前記接続口管は前記第1外段差に当接する、請求項3に記載の消音器アセンブリ。
【請求項6】
前記出口端の前記接続口管内に入り込む長さをAとし、前記一方向弁の前記接続口管内に入り込む部分の長さをBとし、前記接続口管の長さをCとして、A、B、及びCは関係式:1/3C≦A≦2/3C、1/3C≦B≦2/3Cを満たす、請求項3に記載の消音器アセンブリ。
【請求項7】
前記接続口管の一端は前記消音器本体内に入り込み、他端は前記消音器本体の端部から突出しており、前記接続口管の前記消音器本体から突出した一端は前記一方向弁に直接溶接される、請求項1に記載の消音器アセンブリ。
【請求項8】
前記接続口管の前記消音器本体から突出した一端は拡径端を形成し、前記一方向弁の一端は前記拡径端に挿入される、請求項7に記載の消音器アセンブリ。
【請求項9】
前記接続口管の前記消音器本体内に入り込む部分の長さをEとし、前記消音器本体の全長をFとして、E及びFは関係式:E≧1/2Fを満たす、請求項7に記載の消音器アセンブリ。
【請求項10】
前記消音器本体は入口端を有し、前記消音器アセンブリは第1ステンレス管を更に含み、前記第1ステンレス管は前記入口端に直接又は間接的に接続される、請求項1に記載の消音器アセンブリ。
【請求項11】
前記入口端の内壁には内段差が設けられ、前記第1ステンレス管は、前記入口端内に入り込んで、前記内段差に溶接され、前記第1ステンレス管は前記入口端に直接接続される、請求項10に記載の消音器アセンブリ。
【請求項12】
前記消音器アセンブリは銅質接続部材を含み、前記銅質接続部材は、前記入口端に接続される第1銅スリーブ、及び前記第1ステンレス管に接続される第2銅スリーブを含み、前記第1銅スリーブは前記第2銅スリーブに溶接され、前記第1ステンレス管は前記銅質接続部材を介して前記入口端に間接的に接続される、請求項10に記載の消音器アセンブリ。
【請求項13】
前記第1銅スリーブは前記入口端の外側に嵌合接続され、前記第2銅スリーブは前記第1ステンレス管の一端の外側に嵌合接続され、前記第1銅スリーブは前記第2銅スリーブの外側に嵌合接続される、請求項12に記載の消音器アセンブリ。
【請求項14】
前記第1銅スリーブの肉厚は前記第2銅スリーブの肉厚よりも大きく、前記第1銅スリーブと前記第2銅スリーブとを溶接する際に、溶接トーチの位置は前記第1銅スリーブに偏向している、請求項12に記載の消音器アセンブリ。
【請求項15】
前記消音器アセンブリは第2ステンレス管を更に含み、前記第2ステンレス管の一端には第3銅スリーブが接続され、前記第3銅スリーブは前記一方向弁の前記消音器から離れた一端に接続される、請求項1に記載の消音器アセンブリ。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の消音器アセンブリを含む、空調機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年4月30日に出願された、出願番号が202110479994.Xである中国特許出願、2021年4月30日出願された、出願番号が202120939797.7である中国特許出願、2021年4月30日出願された、出願番号が202110479990.1である中国特許出願、及び2021年4月30日出願された、出願番号が202120942934.2である中国特許出願の優先権を主張しており、その全ての内容は参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は空調の技術分野に関し、特に、消音器アセンブリ及び空調機に関する。
【背景技術】
【0003】
空調機において、通常、消音器と一方向弁は離間して設けられる2つの部品である。空調機を製造する際に、消音器は、通常1本の独立した接続管を介して一方向弁に接続される。しかし通常、消音器及び一方向弁は銅材質であるため、接続管も銅材質となる。これにより、空調機は大量の銅材を消費することになり、銅価格の持続的な上昇により空調機のコストも大幅に上昇する。
【発明の概要】
【0004】
本出願の各種の実施例に基づき、消音器アセンブリ及び空調機を提供する。
【0005】
消音器アセンブリは消音器及び一方向弁を含み、消音器は、消音器本体、及び消音器本体の一端に設けられる接続口管を含み、接続口管は一方向弁に直接接続される。
【0006】
一実施例において、消音器本体はステンレス材質であり、接続口管は銅材質であり、一方向弁は銅材質である。
【0007】
一実施例において、消音器本体は出口端を有し、接続口管は、出口端の外側に嵌合接続されて、出口端に溶接され、一方向弁の一端は、接続口管内に入り込んで、接続口管に直接溶接される。
【0008】
一実施例において、一方向弁の接続口管内に入り込んだ一端は、出口端の接続口管内に位置する端面に当接する。
【0009】
一実施例において、出口端の外壁には第1外段差が設けられ、第1外段差は出口端の周方向に沿って設けられ、接続口管は第1外段差に当接する。
【0010】
一実施例において、出口端の接続口管内に入り込む長さをAとし、一方向弁の接続口管内に入り込む部分の長さをBとし、接続口管の長さをCとして、A、B、及びCは関係式:1/3C≦A≦2/3C、1/3C≦B≦2/3Cを満たす。
【0011】
一実施例において、接続口管の一端は消音器本体内に入り込み、他端は消音器本体の端部から突出しており、接続口管の消音器本体から突出した一端は一方向弁に直接溶接される。
【0012】
一実施例において、接続口管の消音器本体から突出した一端は拡径端を形成し、一方向弁の一端は拡径端に挿入される。
【0013】
一実施例において、接続口管の消音器本体内に入り込む部分の長さをEとし、消音器本体の全長をFとして、E及びFは関係式:E≧1/2Fを満たす。
【0014】
一実施例において、消音器本体は入口端を有し、消音器アセンブリは第1ステンレス管を更に含み、第1ステンレス管は入口端に直接又は間接的に接続される。
【0015】
一実施例において、入口端の内壁には内段差が設けられ、第1ステンレス管は、入口端内に入り込んで、内段差に溶接され、第1ステンレス管は入口端に直接接続される。
【0016】
一実施例において、消音器アセンブリは銅質接続部材を含み、銅質接続部材は、入口端に接続される第1銅スリーブ、及び第1ステンレス管に接続される第2銅スリーブを含み、第1銅スリーブは第2銅スリーブに溶接され、第1ステンレス管は銅質接続部材を介して入口端に間接的に接続される。
【0017】
一実施例において、第1銅スリーブは入口端の外側に嵌合接続され、第2銅スリーブは第1ステンレス管の一端の外側に嵌合接続され、第1銅スリーブは第2銅スリーブの外側に嵌合接続される。
【0018】
一実施例において、第1銅スリーブの肉厚は第2銅スリーブの肉厚よりも大きく、第1銅スリーブと第2銅スリーブとを溶接する際に、溶接トーチの位置は第1銅スリーブに偏向している。
【0019】
一実施例において、消音器アセンブリは第2ステンレス管を更に含み、第2ステンレス管の一端には第3銅スリーブが接続され、第3銅スリーブは一方向弁の消音器から離れた一端に接続される。
【0020】
空調機は、上記の消音器アセンブリを含む。
【0021】
本出願の1つ以上の実施例の詳細を、以下の図面及び記述において提示する。本出願の他の特徴、目的、及び利点は、明細書、図面、及び特許請求の範囲により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
ここに開示されているこれらの発明の実施例及び/又は例示をより良く記述及び説明するために、1つ以上の図面を参照することができる。図面を説明するために用いられる追加の詳細又は例示は、開示された発明、ここで説明する実施例及び/又は例示、並びにここで理解されるこれらの発明の最適な形態のうちのいずれかの範囲を制限するものとしてみなされるべきではない。
【0023】
【
図1】本出願の一実施例の消音器アセンブリの部分断面模式図である。
【
図4】本出願の別の実施例の消音器アセンブリの部分断面模式図である。
【
図7】本出願の一実施例の空調機の概略構成図である。
【0024】
300 消音器アセンブリ、100 消音器、200 一方向弁、10 消音器本体、11 出口端、111 第1外段差、112 制限面、12 入口端、121 内段差、122 第2外段差、13 本体部、30 接続口管、40 第1ステンレス管、50 第2ステンレス管、60 第1銅スリーブ、70 第2銅スリーブ、80 第3銅スリーブ、90 銅質接続部材、400 圧縮機、500 復水器、600 絞り装置、700 蒸発器、1000 空調機。
【発明を実施するための形態】
【0025】
従来技術において、通常、消音器と一方向弁は離間して設けられる2つの部品である。空調機を製造する際に、消音器は、通常1本の独立した接続管を介して一方向弁に接続される。しかし通常、消音器及び一方向弁は銅材質であるため、接続管も銅材質となる。これにより、空調機は大量の銅材を消費することになり、銅価格の持続的な上昇により空調機のコストも大幅に上昇する。
【0026】
実施例1
図1から
図3を参照すると、本出願は、消音器アセンブリ300を提供する。消音器アセンブリ300は、消音器100及び一方向弁200を含む。消音器100は、消音器本体10、及び消音器本体10の一端に設けられる接続口管30を含み、接続口管30は一方向弁200に直接接続される。これにより、消音器100は一方向弁200に直接接続され、従来技術における接続管を省略したことに相当し、これにより、材料を節約することができるため、製造コストを大幅に削減することができる。また、従来技術において、消音器は接続管を介して一方向弁に接続されるため、消音器と一方向弁との間には溶接点が2箇所存在し、1つ目は消音器と接続管との溶接点であり、2つ目は接続管と一方向弁との溶接点である。一方、本出願においては、消音器100は一方向弁200に直接接続されるため、消音器100と一方向弁200との間には溶接点が1箇所しか存在しない。即ち、従来技術と比較して、本出願の消音器アセンブリ300は溶接点が少ない。溶接点が多い場合、加工時に溶接を複数回行う必要があり、プロセスが複雑になり、製造効率が低く、且つ溶接部で漏れが発生しやすいため、複数の溶接点が存在すると漏れが発生する確率が高くなる。本出願の消音器アセンブリ300は、溶接点が少ないため、加工プロセスを簡素化して製造効率を向上させるだけでなく、溶接部が漏れる確率を低減して消音器100と一方向弁200との接続の信頼性を向上させる。また、接続部材が1つ省略されるため、この消音器アセンブリ300の全長が短くなり、省スペース化に有利になるため、この消音器アセンブリ300の空調機への取り付けが容易になる。
【0027】
更に、消音器本体10はステンレス材質であり、接続口管30は銅材質であり、一方向弁200は銅材質である。ステンレス材質は、剛性が良好で安価であるため、消音器本体10にステンレス材質を用いるとこの消音器アセンブリ300のコストを大幅に削減することができる。接続口管30は銅材質であるため、消音器100と銅材質の一方向弁200とを直接接続することが容易である。
【0028】
消音器本体10は本体部13を含み、本体部13の両端はそれぞれ縮径して入口端12及び出口端11を形成し、これにより、入口端12及び出口端11の内径はいずれも本体部13の内径より小さくなる。冷媒媒体は、入口端12から本体部13に入ってきた後に、内径が大きくなるため、流速が減少する。即ち、冷媒媒体に対して緩衝作用が発揮されるため、冷媒媒体が流れることにより発生する騒音を低減することができる。
【0029】
接続口管30は出口端11に接続される。即ち、一方向弁200は消音器本体10の出口端11側に接続される。こうして一方向弁200を設けることによって、冷媒媒体は、一方向弁200から消音器100へ流れることができず、消音器100から一方向弁200へのみ流れるようになる。本実施例では、接続口管30は、出口端11の外側に嵌合接続されて、出口端11に溶接され、一方向弁200の一端は、接続口管30内に入り込んで接続口管30に直接溶接される。接続口管30は出口端11の外側に嵌合接続される。即ち、出口端11は接続口管30内に入り込み、出口端11の接続口管30内に位置する端面は制限面112を形成し、この制限面112は、一方向弁200の接続口管30内に入り込む長さを制限することができ、溶接する前の一方向弁200の組み付けが非常に容易になる。更に、一方向弁200の接続口管30内に入り込んだ一端は、出口端11の制限面112に当接し、これにより消音器100と一方向弁200との接続が堅牢となる。
【0030】
出口端11の外壁には第1外段差111が設けられ、第1外段差111は出口端11の周方向に沿って設けられ、接続口管30は第1外段差111に当接する。こうして第1外段差111を設けることによって、接続口管30の組み付け位置が制限され、溶接する前の接続口管30及び消音器本体10の組み付けが非常に容易になる。
【0031】
本実施例では、消音器本体10はステンレス材質であり、接続口管30は銅材質であり、一方向弁200は銅材質である。従って、消音器本体10と接続口管30とは炉中ろう付けにより溶接され、接続口管30と一方向弁200とは火炎ろう付けにより溶接される。消音器アセンブリ300を製造及び加工する際には、接続口管30を消音器本体10の一端に組み付けてから消音器本体10と接続口管30とを炉中ろう付けすることによって、消音器100を得る。その後、消音器100の接続口管30と一方向弁200の一端とを組み付けてから接続口管30と一方向弁200とを火炎ろう付けする。
【0032】
一実施例では、
図2を参照すると、出口端11の接続口管30内に入り込む長さをAとし、一方向弁200の接続口管30内に入り込む部分の長さをBとし、接続口管30の長さをCとして、A、B、及びCは関係式:1/3C≦A≦2/3C、1/3C≦B≦2/3Cを満たす。これにより、出口端11と接続口管30との間に一定の長さの重なりがあることが確保され、且つ一方向弁200と接続口管30との間に一定の長さの重なりがあることが確保されるため、出口端11と接続口管30との間に高い接続強度が確保され、且つ一方向弁200と接続口管30との間に高い接続強度が確保され、更には、この消音器アセンブリ300の構造の強度が確保される。
【0033】
更に、この消音器アセンブリ300は、第1ステンレス管40を更に含み、第1ステンレス管40は、入口端12に直接接続されるか、又は、銅質接続部材を介して入口端12に間接的に接続される。以下に、第1ステンレス管40が銅質接続部材90を介して入口端12に間接的に接続される場合について詳細に説明する。第1ステンレス管40が入口端12に直接接続される場合については実施例2において詳細に説明する。
【0034】
図3を参照すると、一実施例では、第1ステンレス管40は銅質接続部材90を介して入口端12に間接的に接続される。具体的には、銅質接続部材90は、入口端12に接続される第1銅スリーブ60、及び第1ステンレス管40に接続される第2銅スリーブ70を含み、第1銅スリーブ60は第2銅スリーブ70に溶接される。これにより、消音器本体10と第1銅スリーブ60とを溶接し、第1ステンレス管40と第2銅スリーブ70とを溶接してから第1銅スリーブ60と第2銅スリーブ70とを溶接することができるため、消音器本体10と第1ステンレス管40との接続が実現される。消音器本体10と第1銅スリーブ60とは炉中ろう付けにより溶接され、第1ステンレス管40と第2銅スリーブ70とは炉中ろう付けにより溶接され、第1銅スリーブ60と第2銅スリーブ70とは火炎ろう付けにより溶接される。第1銅スリーブ60及び第2銅スリーブ70が設けられているため、先に消音器本体10と第1銅スリーブ60とを炉中ろう付けし、第1ステンレス管40と第2銅スリーブ70とを炉中ろう付けしてもよく、この場合、ろう付け炉に入り込む継手の長さが短く、複数の継手に対して同時に炉中ろう付けすることができ、操作がより容易になり製造効率の向上に有利になる。また、消音器本体10と第1ステンレス管40とは第1銅スリーブ60及び第2銅スリーブ70を介して接続され、第1銅スリーブ60と第2銅スリーブ70とは火炎ろう付けにより溶接することができるため、消音器本体10を交換する必要がある場合、第1銅スリーブ60と第2銅スリーブ70との接続を破壊するだけで消音器本体10を空調機から取り外すことができる。その後、新たな消音器本体10を第2銅スリーブ70に溶接すればよい。従って、銅質接続部材90を設けることによって、空調機における消音器本体10の交換が非常に容易になる。
【0035】
更に、第1銅スリーブ60は入口端12の外側に嵌合接続される。具体的には、入口端12の外壁には第2外段差122が設けられる。こうして第2外段差122を設けることによって、第1銅スリーブ60の組み付け位置が制限され、溶接する前の第1銅スリーブ60と消音器本体10の入口端12との組み付けが非常に容易になる。第2銅スリーブ70は、第1ステンレス管40の一端の外側に嵌合接続され、組み付けが容易である。第1銅スリーブ60は第2銅スリーブ70の外側に嵌合接続され、これにより、第1銅スリーブ60と第2銅スリーブ70とを火炎ろう付けすることが非常に容易になる。
【0036】
第1銅スリーブ60と第2銅スリーブ70とを火炎ろう付けする際に、溶接トーチの位置は第1銅スリーブ60に偏向しており、これにより、熱を第2銅スリーブ70を介して第1ステンレス管40に伝達することができるため、焼きすぎることを防止し、消音器本体10と第1銅スリーブ60との溶接ビードが破壊されることを防止することができる。
【0037】
第1銅スリーブ60の肉厚は第2銅スリーブ70の肉厚よりも大きく、これにより、消音器本体10と第1ステンレス管40との接続箇所の構造の強度を向上させることができる。第2銅スリーブ70の第1銅スリーブ60に入り込む長さ及び入口端12の第2銅スリーブ70に入り込む長さは、
図2における出口端11及び一方向弁200の各々の接続口管30に入り込む長さの設計関係を指すことができることは容易に想到できる。
【0038】
図1を参照すると、更に、消音器アセンブリ300は第2ステンレス管50を更に含み、第2ステンレス管50の一端には第3銅スリーブ80が接続され、第3銅スリーブ80は一方向弁200の消音器100から離れた一端に接続される。第2ステンレス管50を設けることによって、この消音器アセンブリ300の、空調機における他の継手との接続を容易にする。本実施例では、第3銅スリーブ80は第2ステンレス管50の外側に嵌合され、第3銅スリーブ80の一端は、一方向弁200内に入り込んで、一方向弁200に溶接される。この消音器アセンブリ300を製造及び加工する際には、第3銅スリーブ80と第2ステンレス管50とを炉中ろう付けし、第3銅スリーブ80を第2ステンレス管50の一端に溶接してから、火炎ろう付けにより、第3銅スリーブ80を一方向弁200の消音器100から離れた一端に溶接する。
【0039】
実施例2
図4から
図6を参照すると、本出願は、消音器アセンブリ300を提供する。消音器アセンブリ300は、消音器100及び一方向弁200を含む。消音器100は、消音器本体10、及び消音器本体10の一端に設けられる接続口管30を含み、接続口管30の一端は消音器本体10内に入り込み、他端は消音器本体10の端部から突出している。接続口管30の消音器本体10から突出した一端は一方向弁200に直接溶接される。
【0040】
接続口管30は一方向弁200に直接溶接される。即ち、消音器100は一方向弁200に直接溶接されるため、従来技術における接続管を省略したことに相当し、これにより、材料を節約することができるため、製造コストを大幅に削減することができる。また、従来技術において、消音器は接続管を介して一方向弁に接続されるため、消音器と一方向弁との間には溶接点が2箇所存在し、1つ目は消音器と接続管との溶接点であり、2つ目は接続管と一方向弁との溶接点である。一方、本出願においては、消音器100は一方向弁200に直接接続されるため、消音器100と一方向弁200との間には溶接点が1箇所しか存在しない。即ち、従来技術と比較して、本出願の消音器アセンブリ300は溶接点が少ない。溶接点が多い場合、加工時に溶接を複数回行う必要があり、プロセスが複雑になり、製造効率が低く、且つ溶接部で漏れが発生しやすいため、複数の溶接点が存在すると漏れが発生する確率が高くなる。本出願の消音器アセンブリ300は、溶接点が少ないため、加工プロセスを簡素化して製造効率を向上させるだけでなく、溶接部が漏れる確率を低減して消音器100と一方向弁200との接続の信頼性を向上させる。また、接続部材が1つ省略されるため、この消音器アセンブリ300の全長が短くなり、省スペース化に有利になるため、この消音器アセンブリ300の空調機への取り付けが容易になる。
【0041】
接続口管30の一端が消音器本体10内に入り込んで、冷媒媒体の消音器本体10内での流路を長くしているため、冷媒媒体の流れに対して緩衝作用を発揮することができ、これにより、冷媒媒体が流れることにより発生する騒音を低減するのに有利になり、消音器本体10により良い消音効果をもたらす。
【0042】
消音器本体10は本体部13を含み、本体部13の両端はそれぞれ縮径して入口端12及び出口端11を形成し、これにより、入口端12及び出口端11の内径はいずれも本体部13の内径より小さくなる。冷媒媒体は、入口端12から本体部13に入ってきた後に、内径が大きくなるため、流速が減少する。即ち、冷媒媒体に対して緩衝作用が発揮されるため、冷媒媒体が流れることにより発生する騒音を低減することができる。
【0043】
本出願において、接続口管30は消音器本体10の出口端11に接続される。即ち、一方向弁200は消音器本体10の出口端11側に接続される。こうして、一方向弁200を設けることによって、冷媒媒体は、一方向弁200から消音器100へ流れることができず、消音器100から一方向弁200へのみ流れるようになる。また、接続口管30の一端は消音器本体10内に入り込むが、消音器本体10内に流れ込んだ冷媒媒体は出口端11から直接飛び出ることがない。これは、入口端1を縮径して形成することで冷媒媒体に対してガイドの役割を果たし、冷媒媒体が出口端11へ流れて、消音器本体10の内壁に跳ね返されてから、接続口管30の消音器本体10に入り込んだ一端へ流れて、最後に接続口管30を通り、消音器100から流れ出るためである。
図4に示すように、図における矢印付きの曲線は、冷媒媒体の消音器本体10内での流路の模式図である。このように、冷媒媒体の消音器本体10内での流路を長くしているため、冷媒媒体の流れに対して緩衝作用を発揮することができ、これにより、冷媒媒体が流れることにより発生する騒音を低減するのに有利になり、消音器100により良い消音効果をもたらす。
【0044】
更に、接続口管30の消音器本体10内に入り込んだ部分の長さをEとし、消音器本体10の全長をFとして、E及びFは関係式:E≧1/2Fを満たす。接続口管30の消音器本体10内に入り込んだ部分の長さが長いほど、冷媒媒体の消音器本体10内での流路が長くなり、冷媒媒体に対する緩衝作用が強くなるため、消音効果が良くなる。本実施では、E≧1/2Fであることにより、冷媒媒体の消音器本体10内での流路が長いため、消音器本体10に良い消音効果をもたらす。
【0045】
接続口管30の消音器本体10から突出した一端は拡径端31を形成し、一方向弁200の一端は拡径端31に挿入される。接続口管30の一端を加工して拡径端31を形成し、この拡径端31を利用して一方向弁200の一端と係合すれば、一方向弁200の端部を加工することなく、一方向弁200と接続口管30とを接続することができる。接続口管30の一端を拡径するプロセスは簡単であり加工が容易であるため、この消音器アセンブリ300の製造効率を向上させることに有利である。
【0046】
更に、消音器本体10はステンレス材質であり、接続口管30は銅材質であり、一方向弁200は銅材質である。ステンレス材質は、剛性が良好で安価であるため、消音器本体10にステンレス材質を用いると、この消音器アセンブリ300のコストを大幅に削減することができる。接続口管30は銅材質であるため、消音器100と銅材質の一方向弁200とを直接接続することが容易である。
【0047】
消音器アセンブリ300は、第1ステンレス管40を更に含み、第1ステンレス管40は、入口端12に直接接続されるか、又は、銅質接続部材90を介して入口端12に間接的に接続される(詳細は上記を参照)。以下に、第1ステンレス管40が入口端12に直接接続される場合について詳細に説明する。
【0048】
図6を参照すると、一実施例では、第1ステンレス管40は入口端12に直接接続される。消音器本体10はステンレス材質であり、第1ステンレス管40もステンレス材質であるため、第1ステンレス管40と入口端12との溶接はステンレス材とステンレス材との溶接であるため、炉中ろう付けにより、第1ステンレス管40と入口端12とを溶接することができる。第1ステンレス管40は入口端12に直接接続されるため、溶接方法が簡単であり加工が容易である。
【0049】
更に、入口端12の内壁には内段差121が設けられ、第1ステンレス管40は、入口端12内に入り込んで、内段差121に溶接される。内段差121を設けることによって、第1ステンレス管40の入口端12内に入り込む長さが制限され、これにより、溶接する前の第1ステンレス管40の組み付けが非常に容易になり、加工過程を簡素化することに有利になる。
【0050】
図4を参照すると、更に、消音器アセンブリ300は、第2ステンレス管50を更に含み、第2ステンレス管50の一端には第3銅スリーブ80が接続され、第3銅スリーブ80は一方向弁200の消音器100から離れた一端に接続される。第2ステンレス管50を設けることによって、この消音器アセンブリ300の、空調機における他の継手との接続を容易にする。本実施例では、第3銅スリーブ80は第2ステンレス管50の外側に嵌合され、第3銅スリーブ80の一端は、一方向弁200内に入り込んで、一方向弁200に溶接される。この消音器アセンブリ300を製造及び加工する際には、第3銅スリーブ80と第2ステンレス管50とを炉中ろう付けし、第3銅スリーブ80を第2ステンレス管50の一端に溶接してから、火炎ろう付けにより、第3銅スリーブ80を一方向弁200の消音器100から離れた一端に溶接する。
【0051】
図7を参照すると、本出願は、以上のいずれかの実施例に記載の消音器アセンブリ300を含む、空調機1000を更に提供する。この空調機1000は、圧縮機400、復水器500、絞り装置600及び蒸発器700を更に含み、圧縮機400、復水器500、絞り装置600、及び蒸発器700は配管によって順に接続され、消音器アセンブリ300は、復水器500と絞り装置600との間の管路に設けられる。
【0052】
この空調機1000は、消音器100と一方向弁200とが直接接続されるため、従来技術における接続管を省略したことに相当し、材料を節約することができるため、製造コストを大幅に削減することができる。また、消音器100は一方向弁200に直接接続されるため、消音器100と一方向弁200との間には溶接点が1箇所しか存在しない。即ち、従来技術と比較して、本出願の消音器アセンブリ300は溶接点が少ない。これにより、加工プロセスを簡素化して製造効率を向上させるだけでなく、溶接部が漏れる確率を低減して音器100と一方向弁200との接続の信頼性を向上させる。また、接続部材が1つ省略されているため、この消音器アセンブリ300の全長が短くなり、省スペース化に有利になるため、この消音器アセンブリ300の空調機1000への取り付けが容易になる。
【0053】
上述した実施例の各技術特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために上記の実施例における各技術特徴の可能な組み合わせについては全て説明されていないが、これらの技術特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0054】
上述した実施例は、本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、その説明が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、それ故に出願の特許請求の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。当業者にとって、本出願の趣旨を逸脱しないことを前提に、いくつかの変形及び改善を行なうこともできるが、いずれも本出願の保護範囲に含まれることを指摘しておかなければならない。従って、本出願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
【国際調査報告】