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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】眼健康指数の決定および使用
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20240501BHJP
   A61F 9/02 20060101ALI20240501BHJP
   A61B 3/16 20060101ALI20240501BHJP
   A61B 3/024 20060101ALI20240501BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
A61F9/007 160
A61F9/02 350
A61F9/02 370
A61F9/02 300
A61B3/16
A61B3/024
A61B5/00 102C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566516
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 US2022026495
(87)【国際公開番号】W WO2022232239
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/180,758
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523406196
【氏名又は名称】バランス オフサルミックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BALANCE OPHTHALMICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バーダール、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】バーマン、ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】ブランビッラ、エンリコ
【テーマコード(参考)】
4C117
4C316
【Fターム(参考)】
4C117XA01
4C117XB02
4C117XB04
4C117XB09
4C117XB11
4C117XC11
4C117XC16
4C117XD01
4C117XD06
4C117XE15
4C117XE27
4C117XE57
4C117XF21
4C117XH16
4C117XJ03
4C117XJ33
4C117XQ13
4C316AA18
4C316AA20
4C316AA30
4C316AB14
4C316FB11
4C316FC12
(57)【要約】
患者の眼の健康を監視し、患者の眼圧(IOP)特性に関する情報、患者の血圧(BP)特性に関する情報、および患者治療システムなどからの患者治療に関する情報を使用するなどして、様々な眼の状態を治療することが可能である。一例では、定量的な眼健康指数を、IOP特性、BP特性、および患者治療に関する情報に基づいて、患者について決定することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
眼圧(IOP)センサと、
血圧(BP)センサと、
患者治療システムと、
プロセッサ回路と、を備え、前記プロセッサ回路は、患者についての眼健康指数(OHI)値を、前記IOPセンサからのIOP情報と、前記BPセンサからのBP情報と、前記患者治療システムによって前記患者に提供される療法に関する情報および前記患者治療システムによって提供される療法に対する患者応答に関する情報のうちの1つ以上と、に基づいて決定するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記プロセッサ回路は、前記OHI値の傾向に基づいて疾患進行を決定するように構成されており、
前記疾患進行が前記患者についての悪化した疾患状態に対応することに応答して、前記患者治療システムによって前記患者に提供される前記療法のゲージ圧パラメータを変化させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記患者治療システムは、前記プロセッサ回路から前記OHI値を受信するように、また、指定された閾値基準を前記OHI値が満たすことに応答して、前記患者治療システムによって提供される前記療法のゲージ圧パラメータを変化させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記患者治療システムは、前記OHI値が前記患者についての悪化した眼健康状態を示すとき、施されるゲージ圧療法の頻度、持続時間、または強度を増加させるように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサ回路から前記OHI値に関する情報を受信するように、また、前記OHI値を表示するように構成されているユーザインタフェースをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記患者治療システムおよび前記プロセッサ回路のうちの1つ以上に対し結合されており前記患者から定性的または定量的な健康状態情報を受信するように構成されている患者インタフェースをさらに備え、
前記プロセッサ回路は、前記患者からの受信された前記健康状態情報を使用して前記患者についての前記OHI値を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記患者治療システムは、前記プロセッサ回路からの命令に連動してゲージ圧を前記患者に断続的に印加するように構成されているゴーグルベースの治療システムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記患者治療システムは、前記患者の皮膚組織表面にゲージ圧を断続的に印加するように構成されている組織インタフェースシステムを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記患者治療システムは、緑内障療法を前記患者に断続的に提供するように構成されている緑内障治療システムを含み、前記プロセッサ回路は、前記OHI値に基づいて緑内障疾患進行指標を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記患者治療システムは、薬剤送達システムを備え、前記プロセッサ回路は、前記薬剤送達システムを使用して前記患者に提供される薬剤療法に関する情報に基づいて、前記OHI値を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記IOPセンサは、コンタクトレンズを備え、前記コンタクトレンズは、前記患者によって装着されたときに前記患者に関するIOP情報を測定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサ回路は、前記IOP情報および前記BP情報に基づいて前記患者の第1の眼灌流圧(OPP)特性を決定するように構成されており、前記プロセッサ回路は、前記第1のOPP特性と前記患者治療システムによって前記患者に提供される前記療法に関する前記情報とを使用して前記OHI値を決定するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記IOPセンサは、第1の時間間隔にわたって前記患者に関するIOP情報を測定するように構成されており、
前記BPセンサは、前記第1の時間間隔にわたって前記患者に関するBP情報を測定するように構成されており、
前記患者治療システムは、前記第1の時間間隔の間に患者療法に関する情報を記録するように構成されており、
前記プロセッサ回路は、前記第1の時間間隔にわたって測定された前記IOP情報と、前記第1の時間間隔にわたって測定された前記BP情報と、前記第1の時間間隔の間の前記患者療法に関する前記情報と、に基づいて前記患者についての前記OHI値を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサ回路は、前記第1の時間間隔にわたる前記患者に関する前記IOP情報の変化に基づいて、前記患者についての前記OHI値を決定するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記患者治療システムは、夜間ゲージ圧療法を前記患者に提供するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサ回路は、前記患者についての更新されたOHI値を少なくとも30日ごとに決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記IOPセンサおよび前記BPセンサは、前記患者に関するそれぞれのIOP情報およびBP情報をほぼ同時に測定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサ回路は、前記OHI値に基づいて、後続の療法を前記患者に提供する際の前記患者治療システムによる使用のための治療パラメータを生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
遠隔患者監視システムと、
前記プロセッサ回路および前記遠隔患者監視システムに対し通信可能に結合されている通信回路と、をさらに備え、
前記プロセッサ回路は、前記通信回路を使用して前記遠隔患者監視システムに前記OHI値を定期的に提供するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記OHI値を受信することに応答して、前記遠隔患者監視システムは、治療パラメータを更新するべく前記患者治療システムに対し命令を提供するように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記OHI値を受信することに応答して、前記遠隔患者監視システムは、患者インタフェースを介して、前記患者の重量、前記患者のボディマス指数(BMI)、前記患者の食習慣または食習慣の変化、前記患者の薬剤計画、および前記患者の薬剤計画遵守のうちの1つまたは複数に関する患者報告状態情報を要求するように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
命令を備える非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、プロセッサ回路による実行時、前記プロセッサ回路に、
患者の第1の眼圧(IOP)特性に関する情報をIOPセンサから受信する工程と、
前記患者の第1の血圧(BP)特性に関する情報を血圧センサから受信する工程と、
第1の患者療法に関する情報を患者治療システムから受信する、患者療法情報受信工程と、
受信された前記第1のIOP特性に関する前記情報を使用して、受信された前記第1のBP特性に関する前記情報を使用して、および前記患者治療システムからの受信された前記第1の患者療法に関する前記情報を使用して、前記患者についての定量的な眼健康指数を決定する、健康指数決定工程と、を行わせる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
前記プロセッサ回路による実行時、前記プロセッサ回路に、前記定量的な眼健康指数を遠隔患者監視システムおよび患者インタフェースデバイスのうちの1つ以上に対し提供させる、命令を備える、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
前記プロセッサ回路に前記患者療法情報受信工程を行わせる前記命令は、前記プロセッサ回路に、ゴーグルベースの治療システムによって前記患者の眼に対し施されるゲージ圧療法に関する情報を受信する工程を行わせる命令を含む、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項25】
前記プロセッサ回路に前記患者療法情報受信工程を行わせる前記命令は、前記プロセッサ回路に、組織インタフェースシステムによって前記患者の皮膚組織表面領域に対し施されるゲージ圧療法に関する情報を受信する工程を行わせる命令を含み、前記皮膚組織表面領域は、前記患者の眼または眼キャビティを除く、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
前記プロセッサ回路に前記患者療法情報受信工程を行わせる前記命令は、眼治療システムから、ゴーグルベースの治療システムによって前記患者に対し提供される眼療法に関する療法情報を受信する命令を含み、
前記プロセッサ回路に前記健康指数決定工程を行わせる前記命令は、前記プロセッサに、前記第1のIOP特性、前記第1のBP特性、および前記眼療法に関する前記情報に基づいて前記患者についての定量的な緑内障健康指数を決定させる命令を含む、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
前記プロセッサ回路に前記患者療法情報受信工程を行わせる前記命令は、薬剤送達システムから前記患者に対し提供される薬剤療法に関する情報を受信する命令を含む、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項28】
前記プロセッサ回路に前記健康指数決定工程を行わせる前記命令は、前記プロセッサ回路に、前記プロセッサ回路に、
前記第1のIOP特性および前記第1のBP特性に基づいて、前記患者の第1の眼灌流圧(OPP)特性を決定する工程と、
前記第1のOPPおよび前記第1の患者療法に関する前記情報に基づいて、前記眼健康指数を決定する工程と、を行わせる命令を含む、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項29】
前記命令は、前記プロセッサ回路を、
前記患者の後続の第2のIOP特性に関する情報を受信する工程と、
前記患者の後続の第2のBP特性に関する情報を受信する工程と、
前記第1のIOP特性と前記第2のIOP特性との間の差に関する情報を使用して、また、前記第1のBP特性と前記第2のBP特性との間の差に関する情報を使用して、前記眼健康指数を決定する工程と、を行うようにさらに構成する、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項30】
前記第1のIOP特性に関する前記情報は、第1のIOP測定イベントに対応し、前記第2のIOP特性に関する前記情報は、後続の第2のIOP測定イベントに対応し、
患者療法情報受信工程を行うように前記プロセッサ回路を構成する前記命令は、前記プロセッサ回路を、前記第1のIOP測定イベントと前記第2のIOP測定イベントとの間に前記患者に対し提供される療法に関する情報を受信するように構成する命令を含む、請求項29に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項31】
前記第1のIOP特性および前記第2のIOP特性に関する前記情報は、1つまたは複数の夜間監視期間にわたって受信される、請求項29に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項32】
前記第1のIOP特性および前記第2のIOP特性に関する前記情報は、1つまたは複数の昼間監視期間にわたって受信される、請求項29に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項33】
前記第1のIOP特性に関する前記情報は、第1の間隔にわたる前記患者に関するIOP情報を示し、
前記第1のBP特性に関する前記情報は、同一の前記第1の間隔にわたる前記患者に関するBP情報を示し、
前記第1の患者療法に関する前記情報は、同一の前記第1の間隔に対応する療法情報を示す、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項34】
前記命令は、前記プロセッサ回路を、患者インタフェースから患者報告視野に関する情報を受信するようにさらに構成し、
前記健康指数決定工程を行うように前記プロセッサ回路を構成する前記命令は、前記患者報告視野に関する前記情報を使用する工程を含む、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項35】
前記命令は、前記プロセッサ回路を、前記患者の前記第1のIOP特性および前記第1のBP特性をほぼ同時に測定するようにさらに構成する、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項36】
前記命令は、前記プロセッサ回路を、前記眼健康指数に基づいて、前記患者のための治療推奨を生成するようにさらに構成する、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項37】
前記命令は、前記プロセッサ回路を、前記患者に対し後続の療法を提供するべく前記患者治療システムによって使用される治療パラメータを更新するようにさらに構成する、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項38】
前記治療パラメータを更新する前記命令は、ゴーグルベースの治療システムを使用して前記患者に対し提供される緑内障療法頻度または緑内障療法持続時間を更新する命令を含む、請求項37に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項39】
前記命令は、前記プロセッサ回路を、患者インタフェースから、前記患者の重量、前記患者のボディマス指数(BMI)、前記患者の食習慣もしくは食習慣の変化、前記患者の薬剤計画、または前記患者の薬剤計画遵守のうちの1つまたは複数に関する患者報告状態情報を受信するようにさらに構成し、
前記健康指数決定工程を行うように前記プロセッサ回路を構成する前記命令は、前記患者報告状態情報を使用して前記眼健康指数を決定する命令を含む、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項40】
前記命令は、前記プロセッサ回路を、遠隔患者監視システムから、前記眼健康指数に関する情報に応答して、前記患者治療システムが前記患者のための新しい療法を開始することを可能にする命令、前記患者のための以前の療法を継続する命令、または前記患者に対する療法の提供を阻害する命令を受信するようにさらに構成する、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項41】
前記命令は、前記プロセッサ回路を、前記患者の重量、前記患者のボディマス指数(BMI)、前記患者の食習慣または食習慣の変化、前記患者の薬剤計画、および前記患者の薬剤計画遵守のうちの1つまたは複数に関する患者報告状態情報を要求するようにさらに構成する、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項42】
患者の眼の健康に関連付けられている患者状態を評価するための方法であって、
前記患者の第1の眼圧(IOP)特性に関する情報を受信する、第1IOP特性情報受信工程と、
前記患者の第1の血圧(BP)特性に関する情報を受信する、BP特性情報受信工程と、
患者治療システムから第1の患者療法に関する情報を受信する、患者療法情報受信工程と、
前記第1のIOP特性に関する受信された前記情報を使用して、前記第1のBP特性に関する受信された前記情報を使用して、および前記患者治療システムからの前記第1の患者療法に関する受信された前記情報を使用して、前記患者についての定量的な眼健康指数を決定する、健康指数決定工程と、
遠隔患者監視システムおよび患者インタフェースデバイスのうちの1つ以上に対し前記定量的な眼健康指数を提供する工程と、
前記遠隔患者監視システムまたは前記患者インタフェースデバイスを使用して、前記定量的な眼健康指数を表示する工程と、を備える、方法。
【請求項43】
前記患者療法情報受信工程は、治療システムによって前記患者に対し施されるゲージ圧療法に関する情報を受信する、ゲージ圧療法情報受信工程を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記ゲージ圧療法情報受信工程は、ゴーグルベースの治療システムによって前記患者の眼に対し施されるゲージ圧療法に関する情報を受信する工程を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記ゲージ圧療法情報受信工程は、組織インタフェースシステムによって前記患者の皮膚組織表面領域に対し施されるゲージ圧療法に関する情報を含み、前記皮膚組織表面領域は、前記患者の眼または眼キャビティを除く、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記患者療法情報受信工程は、眼治療システムから、前記システムによって前記患者に対し提供される眼療法に関する療法情報を受信する工程を含み、
前記健康指数決定工程は、前記第1のIOP特性、前記第1のBP特性、および前記眼療法に関する前記情報に基づいて前記患者についての定量的な緑内障健康指数を決定する工程を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記健康指数決定工程は、前記患者の視覚的健康を決定する工程を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記患者療法情報受信工程は、薬剤送達システムから前記患者に対し提供される薬剤療法に関する情報を受信する工程を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項49】
前記健康指数決定工程は、
前記第1のIOP特性および前記第1のBP特性に基づいて、前記患者の第1の眼灌流圧(OPP)特性を決定する工程と、
前記第1のOPPおよび前記第1の患者療法に関する前記情報に基づいて、前記眼健康指数を決定する工程と、を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項50】
前記健康指数決定工程は、前記患者の脳脊髄液圧力特性に関する情報を使用する工程をさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項51】
前記BP特性情報受信工程は、前記患者によって装着されるコンタクトレンズ上のセンサから前記血圧情報を受信する工程を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項52】
前記患者の後続の第2のIOP特性に関する情報を受信する、第2IOP特性情報受信工程と、
前記患者の後続の第2のBP特性に関する情報を受信する工程と、をさらに備え、
前記健康指数決定工程は、前記第1のIOP特性と前記第2のIOP特性との間の差に関する情報を使用する工程と、前記第1のBP特性と前記第2のBP特性との間の差に関する情報を使用する工程と、を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項53】
前記第1のIOP特性に関する前記情報は、第1のIOP測定イベントに対応し、前記第2のIOP特性に関する前記情報は、後続の第2のIOP測定イベントに対応し、
前記患者療法情報受信工程は、前記第1のIOP測定イベントと前記第2のIOP測定イベントとの間に前記患者に対し提供される療法に関する情報を受信する工程を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記第1IOP特性情報受信工程および前記第2IOP特性情報受信工程は、1つまたは複数の夜間監視期間にわたって前記情報を受信する工程を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記第1IOP特性情報受信工程および前記第2IOP特性情報受信工程は、1つまたは複数の昼間監視期間にわたって前記情報を受信する工程を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記健康指数決定工程は、新しい指数値を少なくとも30日ごとに決定する工程を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記第1のIOP特性に関する前記情報は、第1の間隔にわたる前記患者に関するIOP情報を示し、
前記第1のBP特性に関する前記情報は、同一の前記第1の間隔にわたる前記患者に関するBP情報を示し、
前記第1の患者療法に関する前記情報は、同一の前記第1の間隔に対応する療法情報を示す、請求項42に記載の方法。
【請求項58】
患者インタフェースから患者報告視野に関する情報を受信する工程をさらに備え、
前記健康指数決定工程は、前記患者報告視野に関する前記情報を使用する工程を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項59】
前記患者の前記第1のIOP特性および前記第1のBP特性をほぼ同時に測定する工程をさらに備える、請求項42に記載の方法。
【請求項60】
前記眼健康指数に基づいて、前記患者のための治療推奨を生成する工程をさらに備え、前記治療推奨は、前記患者治療システムによって少なくとも部分的に実装されることが可能である、請求項42~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記患者に対し後続の療法を提供するべく前記患者治療システムによって使用される治療パラメータを更新する、治療パラメータ更新工程をさらに備える、請求項42~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記治療パラメータ更新工程は、前記患者のための緑内障療法頻度または緑内障療法持続時間を更新する工程を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記眼健康指数に基づいて前記患者に対し療法プランを通信する工程をさらに備え、前記療法プランは、前記患者治療システムまたは前記患者治療システムに対し結合されている1つもしくは複数のセンサを備えるかまたは使用する、請求項42に記載の方法。
【請求項64】
患者インタフェースから、前記患者の重量、前記患者のボディマス指数(BMI)、前記患者の食習慣または食習慣の変化、前記患者の薬剤計画、および前記患者の薬剤計画遵守のうちの1つまたは複数に関する患者報告状態情報を受信する工程をさらに備え、
前記健康指数決定工程は、前記患者報告状態情報を使用する工程を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項65】
前記眼健康指数を遠隔患者監視システムに対し自動的に報告する工程をさらに備える、請求項42に記載の方法。
【請求項66】
前記遠隔患者監視システムから、報告された前記眼健康指数に応答して、前記患者治療システムが前記患者のための新しい療法を開始することを可能にする命令、前記患者のための以前の療法を継続する命令、または前記患者に対する療法の提供を阻害する命令を受信する工程をさらに備える、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
報告された前記眼健康指数に応答して、前記患者の重量、前記患者のボディマス指数(BMI)、前記患者の食習慣または食習慣の変化、前記患者の薬剤計画、および前記患者の薬剤計画遵守のうちの1つまたは複数に関する患者報告状態情報を要求する工程をさらに備える、請求項65に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼健康指数の決定および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
緑内障は、失明を引き起こす慢性状態であり、主に人口の高齢者に影響を及ぼす。緑内障は可逆性ではないが、その進行は治療によって停止または遅延させることが可能である。様々な既存の緑内障治療には、点眼薬および手術が含まれる。
【0003】
点眼薬(例えば、プロスタグランジン、β遮断薬、無水カルボン酸阻害剤、またはαアゴニスト)は、多くの患者に有効であり得、比較的低い合併症率しか有し得ないため、典型的には第1の治療選択肢である。依然として、点眼薬は、かなりの数の患者にとって無効であり得る。また、点眼薬計画を定期的に維持する際の患者のコンプライアンスにも重大な問題が存在する。緑内障は慢性状態であるので、緑内障患者は、一般に、生涯にわたって点眼薬を服薬する必要がある。点眼薬を処方された緑内障患者の最大50%が、しっかりと定期的に点眼薬を投与することに失敗すると推定されている。この失敗は、忘れること、点眼薬を眼へと入れることが困難であること、長期の投薬を受けたがらないこと、またはある種の副作用を伴う不幸さに起因し得る。副作用としては、例えば、眼の発赤、まつ毛の成長、炎症、眼窩脂肪萎縮、虹彩または周囲の眼窩周囲組織の変色、COPDまたは喘息の増悪、角膜内皮ポンプ機能の阻害、角膜浮腫の増悪、または滴下時の刺痛が挙げられ得る。
【0004】
レーザー線維柱帯形成術、小柱網ステント、脈絡膜上ステント、結膜下ステントまたは線維柱帯切除術または緑内障チューブシャントなどの様々な外科的選択肢が利用可能である。そうした外科治療は、典型的には、緑内障患者に対する第2の治療選択肢である。外科的選択肢は、点眼薬治療と比較して、より侵襲的であり、より高い合併症および罹患率を有し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、解決すべき課題が、眼疾患進行を監視することと、疾患進行に対応して治療を迅速に適応させることとを含むことを認識している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、解決策が、眼疾患進行を経時的に監視および治療するための眼健康管理システムを含むことが可能であることを認識している。一例では、解決策は、眼圧(IOP)センサと、血圧(BP)センサと、患者治療システムとを備えるシステムを含むか、または使用することが可能である。患者治療システムおよびセンサのうちの1つまたは複数は、自動的に動作することが可能であり、または患者によって動作することが可能である。一例では、解決策は、IOPセンサからのIOP情報、BPセンサからのBP情報、および患者治療システムによって患者に対し提供される治療に関する情報に基づいて、患者の眼健康指数を決定するように構成されているプロセッサ回路をさらに備えることが可能である。一例では、眼健康指数は、疾患状態または疾患進行を表すことが可能である。眼健康指数は、臨床医および介護者が疾患進行および治療に対する患者応答を監視するのに有用であり得る。
【0007】
任意の特定の要素または作用の説明を容易に識別するため、参照番号における最上位桁は、その要素が最初に導入される図番号を指す。図面(必ずしも一定の縮尺で描かれていない)において、同様の数字は、異なる図における同様のコンポーネントを記載してよい。図面は、一般に、限定としてではなく例として、本文書において説明される種々の実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】1つの例に従う眼健康管理システムを示す図。
図2】1つの例に従う眼の側断面図。
図3】1つの例に従うゴーグルアセンブリを示す図。
図4】1つの実施形態に従う断面図。
図5】1つの実施形態に従う患者の眼の健康に関連付けられている患者状態を評価するための第1の方法を示す図。
図6】1つの実施形態に従う患者の眼の健康に関連付けられている患者状態を評価するための第2の方法を示す図。
図7】1つの実施形態に従う患者の眼の健康と関連付けられている患者状態を評価するための第3の方法を示す図。
図8】1つの実施形態に従う患者の眼の健康と関連付けられている患者状態を評価するための第4の方法を示す図。
図9】1つの実施形態に従う第5の方法を示す図。
図10】本明細書において説明される方法のうちの任意の1つまたは複数を機械に行わせるために1組の命令が実行され得るコンピュータシステムの形態における機械の概略的な図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
眼健康は、様々なシステム、方法、または技法を使用して監視することが可能である。緑内障などの様々な眼関連疾患は、比較的長い発症期間を有し得る。緑内障などの眼関連疾患が早期に識別される場合、療法に関して臨床医および患者によるより良い意思決定を可能にするなど、疾患進行を監視することが可能であり得る。例えば、緑内障は可逆性ではないが、その進行は、眼圧(IOP)を低下させることを目的とした治療によって停止または遅延させることが可能である。一例では、IOP治療は、様々な非侵襲的方法、または点眼薬投薬などの薬物療法に依存しない方法を含み得る。非薬物療法は、患者の薬物療法コンプライアンスの問題、もしくは点眼薬投薬の無効性に起因して、または外科的溶液に関連する実際のもしくは潜在的な合併症もしくは罹患率のため、重要であり得る。
【0010】
一例では、本明細書において論じられるシステムおよび方法は、患者の眼健康指数を含むか、使用するか、または決定するように使用することが可能である。眼健康指数は、患者の状態に関連付けられ患者の眼または視覚のウェルビーイングを示す客観的尺度またはメトリックであり得る。一例では、眼健康指数は、眼、視神経、または眼もしくは視覚もしくは視覚処理に付随する他の構造もしくは特徴の生理学的状態を示すメトリックを含むか、または参照することが可能である。
【0011】
一例では、眼健康指数は、特定の瞬間または特定の持続時間にわたるような、患者のIOP特性に基づくことが可能である。一例では、眼健康指数は、経時的な患者のIOP特性の変化に基づくことが可能である。一例では、眼健康指数は、患者の療法に基づくことが可能であり、または患者の療法を知らせるように使用されることが可能である。例えば、眼健康指数は、薬物療法、非侵襲的眼療法、手術、または他の療法などの特定の療法に対する患者の応答性または非応答性を表すことが可能である。
【0012】
一例では、眼健康指数は、患者治療システムからの情報に少なくとも部分的に基づいて提供されることが可能である。一例では、患者治療システムは、患者の片眼または両眼の上にフィットするように構成されたゴーグルを備えるかまたは使用することが可能であり、それによって、片眼または両眼によって部分的に境界を定められるほぼ気密のキャビティを提供する。ゴーグルは、ゴーグルの1つまたは複数のキャビティ内の圧力を変化させる手段を備えることが可能である。1つまたは複数のゴーグルは、患者の眼窩の周縁にまたは周縁の周りになどの患者の皮膚に対して封止することが可能である。圧力を変えるための手段が作動すると、大気圧またはゲージ圧からの圧力差が、1つまたは複数のゴーグル空洞内に生成および維持されることが可能であり、したがって、片眼または両眼に対する有効圧力を変化させることが可能である。ゲージ圧は、大気圧を上回る圧力については正であり、大気圧を下回る圧力については負である。ゴーグル内などの絶対圧力は、ゲージ圧と大気圧との合計である。
【0013】
キャビティ圧力は、治療されている状態(例えば、緑内障が治療されているか、または乳頭浮腫が治療されているか)に応じて、大気圧に対して増加または減少することが可能である。眼の外側の圧力の変化は、結果として生じる眼の形状の偏向を通して、小柱網を通した眼流体の排出速度の変化を駆動することによって、および/または眼へと直接変換される圧力差から、眼の内側の圧力(例えば、IOP)を変えるように作用することが可能である。圧力は、ゴーグルの1つまたは複数の空洞と流体連通する小型コンプレッサまたは真空デバイス(集合的に「ポンプ」)を使用することによって変えられることが可能である。
【0014】
一例では、眼健康指数は、他の生理学的センサからの情報に部分的に基づいてまたは患者から受信した主観的情報から提供されることが可能である。例えば、脳脊髄液(CSF)圧力センサ、血圧センサ、酸素飽和度センサ、インピーダンスセンサ、重量センサ、または他の生理学的センサのうちの1つまたは複数からの情報を使用することが可能である。一例では、患者インタフェースから受信された情報を使用することが可能である。例えば、患者の視野、ウェルビーイング、気分、重量、ボディマス指数、食習慣、療法コンプライアンスに関する情報、または他の患者により報告される情報(患者報告情報)を使用することが可能である。一例では、眼健康指数は、薬物療法コンプライアンス、CPAP療法の使用もしくはコンプライアンス、または他の療法滴定情報など、患者の療法コンプライアンスについての治療システムからの情報に部分的に基づくことが可能である。
【0015】
一例では、眼健康指数に関する情報を、臨床医または自動患者監視システムに報告することが可能である。眼健康指数は、眼健康指数が基づく基礎データまたは情報を伴ってまたは伴わずに報告されることが可能である。例えば、眼健康指数は、患者の対応するIOP、重量、薬物療法コンプライアンス、または他の情報を伴ってまたは伴わずに報告されることが可能である。
【0016】
一例では、眼健康指数は、眼灌流圧(OPP)に部分的に基づくことが可能である。OPPは、一般に、拡張期血圧(DBP)、収縮期血圧(SBP)、およびIOPの関数である平均眼灌流圧(MOPP)として定義される。例えば、MOPPは、MOPP=2/3[DBP+1/3(SBP-DBP)]-IOPと表されることが可能である。
【0017】
一例では、本明細書において説明されるシステムおよび方法を使用して、様々な現行医療行為用語(Current Procedural Terminology:CPT)コードへの準拠を保証することが可能である。CPTコードは、医師、健康保険会社、または認定機関に様々な医療、外科、または診断サービスを報告するために使用されることが可能である。一例では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、定期的(例えば、毎月、毎週など)になど、遠隔生理学的監視または治療管理サービスに使用されることが可能である。一例では、システムおよび方法は、CPTコードごとに指定された頻度または間隔などで、患者と臨床医(または他の介護者)との間の双方向通信を行うのに役立つように構成されることが可能である。双方向通信は、例えば、電話、テキスト、または電子メールベースの通信を含むことが可能であり、例えば、ケースバイケースで決定されることが可能であるように、月ごと、週ごと、日ごとに少なくとも1回行うことが可能である。
【0018】
図1は、眼健康管理システム100の一例を概略的に示す。眼健康管理システム100は、遠隔患者監視システム116に対し通信可能に結合され得るなどの患者システム102を備えることが可能である。一例では、患者システム102は、インターネット、セルラーネットワーク、または一方向もしくは双方向にデータを通信するための1つもしくは複数の他のネットワークを含むか、または使用することが可能であるなど、有線または無線データ通信バスを使用して遠隔患者監視システム116と結合されることが可能である。
【0019】
図1の例では、患者システム102は、IOPセンサ104、BPセンサ106、生理学的センサ112、および治療システム108を備えることが可能である。IOPセンサ104、BPセンサ106、生理学的センサ112、および治療システム108は、それぞれ専用のプロセッサまたはプロセッサ回路を有することが可能であり、または共通の中央プロセッサまたはプロセッサ回路110に対し結合されることが可能である。単純さのため、図1の例は、中央プロセッサ回路110を有する実施形態を示す。図1の例は、治療システム108およびプロセッサ回路110の一方または両方に対し結合されることが可能であるなどの患者インタフェース114をさらに備える。一例では、プロセッサ回路110は、図10において本明細書で説明されたプロセッサまたはプロセッサ回路のうちの1つまたは複数を含むかまたは使用することが可能である。他のプロセッサ、ASIC、または回路を同様に使用することが可能である。
【0020】
IOPセンサ104は、眼圧測定を使用して、経眼瞼技術を使用して、コンタクトレンズベースのシステムを使用して、または埋め込まれたデバイスを使用してなど、患者の眼における眼圧を測定するように構成されている生理学的センサを含むことが可能である。眼圧計は侵襲的ではないが、一般に高価であり、携帯可能ではなく、熟練したオペレータを必要とする。したがって、実際問題として、眼圧計を使用して、患者の眼のIOPを1日、1週間、またはそれより長くにわたってなど経時的に、効果的に監視することは困難であり得る。IOPは、比較的短い期間にわたって有意に変動し得るため、まばらな圧力測定は、緑内障に対する患者のリスクの完全なまたは正確な見解を提供しない場合がある。埋め込まれたデバイスまたはコンタクトレンズベースのシステムは、いくつかの実施例では、グルコース(例えば、眼における房水から測定される)、心拍数、血圧、酸素飽和度、または患者に関する他の生理学的状態情報を監視するためなどの他のセンサを含むことが可能である。
【0021】
IOPセンサ104は、患者の眼圧(IOP)特性に関する情報をプロセッサ回路110に提供するように構成されることが可能である。情報は、とりわけ、絶対圧力値(例えば、mmHgまたは他の単位)、経時的な圧力の変化、基準に対する圧力値、または患者のIOPに関する他の情報を含むことが可能である。
【0022】
一例では、BPセンサ106は、患者の血圧を測定するように構成された生理学的センサを含むことが可能である。BPセンサ106は、アームカフベースの測定システム、インピーダンスベースのシステム、または患者の血管における拡張期圧および収縮期圧を測定するための1つまたは複数の他の侵襲的、埋め込み式、または非侵襲的手段を含むことが可能である。
【0023】
BPセンサ106は、患者のブループ圧力(BP)特性に関する情報をプロセッサ回路110に提供するように構成されることが可能である。情報は、とりわけ、絶対圧力値(例えば、mmHgまたは他の単位)、経時的な圧力の変化、基準に対する圧力値、または患者のBPに関する他の情報を含むことが可能である。
【0024】
生理学的センサ112は、患者または患者の健康状態に関する1つまたは複数の生理学的パラメータを感知するように構成されたセンサを含むことが可能である。一例では、生理学的センサ112は、侵襲的(例えば、埋め込まれた、または部分的に埋め込まれた)または非侵襲的システムもしくはデバイス、またはウェアラブルデバイスを含むことが可能である。生理学的センサ112は、身体インピーダンス特性、血液化学薬品濃度、温度、pHレベル、睡眠持続時間もしくは睡眠の質、音響信号、血液酸素化、気流、または患者の生理学的機能の1つまたは複数の他の生理学的側面もしくは指標のうちの1つまたは複数を監視するように構成されることが可能である。
【0025】
一例では、IOPセンサ104、BPセンサ106、または生理学的センサ112のうちの1つまたは複数は、プロセッサ回路110からの命令に応答することが可能である。例えば、プロセッサ回路110は、センサのうちの1つまたは複数による生理学的感知または測定活動を調整するように構成されることが可能である。センサは、患者に関する生理学的情報を同時にまたは異なる時間に測定するように構成されることが可能である。例えば、プロセッサ回路110は、監視される患者のより包括的または完全な生理学的写真を介護者に提供するようになど、IOPセンサ104からのIOP情報およびBPセンサ106からのBP情報をほぼ同時に受信することを調整することが可能である。
【0026】
一例では、治療システム108は、1つまたは複数の疾患を治療するため、または1つまたは複数の療法を患者に提供するためなどの様々なシステムを含むことが可能である。一例では、治療システム108は、例えば、患者の眼にてまたは患者の眼に隣接してゲージ圧を提供することによって眼のIOPを調整するように構成されることが可能であるなど、ゴーグルベースの緑内障治療または療法システムを含むかまたは使用することが可能である。一例では、治療システム108は、薬剤または化学薬品療法を患者に対し、そうした薬剤または化学薬品を患者の身体に直接送達することによって(例えば、静脈内または別様に)、または薬剤または化学薬品の分配を追跡することによってなどで提供するように構成され得るなどの自動または半自動薬剤送達システムを含むか、または使用することが可能である。例えば、治療システム108は、治療システム108から分配された液滴体積の液滴の数を計数または追跡するように構成された点眼薬送達システムを含むことが可能である。一例では、治療システム108は、持続的気道陽圧(CPAP)システムもしくは二相性気道陽圧(BiPAP)システム、または他のシステムなどの、閉塞型睡眠無呼吸または中枢型睡眠無呼吸を治療するように構成されたシステムを含むことが可能である。治療システム108は、治療、療法、患者応答に関する情報、または他の情報をプロセッサ回路110に提供するように構成されることが可能である。
【0027】
遠隔患者監視システム116は、臨床医、ヘルスケア提供者、患者、および他者が、患者からのまたは患者についての生理学的情報または他の健康状態情報を遠隔により収集し検討することを可能にするように構成されたシステムまたはデバイスのシステムのネットワークを含むことが可能である。いくつかの実施例では、患者に関連付けられた1つまたは複数のセンサは、患者のヘルスケア提供者によってアクセス可能な遠隔システムとデータ通信することが可能である。一例では、通信機または基地局を患者の自宅に設けることが可能である。基地局は、センサから生理学的データを受信するように構成されたインタフェースを備えることが可能であり、患者のヘルスケア提供者のうちの1人または複数人によってアクセスされ得るなどの遠隔サーバに生理学的データをアップロードすることが可能なネットワークインタフェースを備えることが可能である。ネットワークは、インターネットなどのデータ通信ネットワークを含むかまたは使用することが可能であり、有線または無線であることが可能である。いくつかの実施例では、遠隔患者監視システムの使用は、ヘルスケア費用の削減および患者転帰の改善と相関し得る。
【0028】
図2は、眼200の側断面図を概略的に示す。眼200の側断面図は、前眼房202、毛様体筋204、小柱網206、硝子体液208、脳脊髄液210、視神経212、篩板214、水晶体216、および角膜218を含む。
【0029】
図2の例は、角膜218と、角膜218の後ろの前眼房202または房水とを示す。前眼房202は、眼の内側の房水の主要なリザーバである。前眼房202の後ろには水晶体216があり、水晶体216の後ろおよび周りには、房水が生成される毛様体筋204または毛様体突起がある。毛様体筋204は、水晶体216とほぼ同一平面にあり、水晶体216の周縁の周りに位置している。小柱網206、シュレム管、および前毛様体静脈はすべて、角膜218の底部にて前房202の下に位置する。これは、房水が眼から出るための主要経路である。
【0030】
水晶体216および毛様体筋204の後ろには、硝子体液208により満たされた後眼房がある。硝子体液208は、房水とは異なるが、そうした流体を保持する房間の分離は弾性的であり、したがって、2つの異なる体液の圧力は等しいかほぼ等しくなり得る。視神経212は、眼の後部に対し接続する。篩板214は、視神経212と眼との接合部を覆う膜である。脳脊髄液210は、篩板214が片側において脳脊髄液210の圧力によって、もう片方においてIOPによって影響を受けるように、篩板214の後ろの視神経212を浸す。
【0031】
眼が正常に機能している間、房水は、眼の前区の毛様体突起によって眼の内側において生成される。房水が着々と生成されると、均衡のとれた眼圧を維持するために、同量の流体が眼の前房202から出なければならない。房水は、2つの主要経路の一方または両方によって前房202から出ることが可能である。一部は、毛様体筋204の周りのブドウ膜強膜流出路によって再吸収される。一部は、角膜218と虹彩挿入部との間にある眼の前部の多孔性領域である小柱網206を通って眼から出る。小柱網を介して出る房水は、シュレム管を通って前毛様体静脈へと流れる。一例では、本明細書において説明されるシステムおよび方法を使用して、例えば、小柱網206、シュレム管、および前毛様体静脈経路にわたる房水の流量を変えることによって、患者の片眼または両眼のIOPを変化させることが可能である。
【0032】
図3は、ゴーグルアセンブリ300の一例の斜視図を概略的に示す。一例では、図1の例からの治療システム108は、ゴーグルアセンブリ300を備えるかまたは使用することが可能である。図3の例では、ゴーグルアセンブリ300は、ポンプ302と、バッテリ304と、ダイヤル306と、スイッチ308と、マニホールド310と、チューブ312と、ガスケット314と、ゴーグルレンズ316とを備える。一例では、ゴーグルアセンブリ300を使用して、患者の片眼または両眼におけるIOPを変化させることが可能である。
【0033】
ゴーグルアセンブリ300は、ゴーグルアセンブリ300が患者によって装着されたときに1つまたは複数の眼のキャビティを提供する1つまたは複数のゴーグルを含むことが可能である。ゴーグルアセンブリ300の本体は、1つまたは複数のキャビティ内の差圧を維持することが可能であるように、比較的剛性であり、不透過性プラスチックから作製されることが可能である。一例では、ゴーグルアセンブリ300のゴーグルレンズ316部分は、1つまたは複数のゴーグルを装着している患者がキャビティを通して見ることを可能とするように透明であることが可能である。一例では、ガスケット314は、ゴーグル本体の周縁の周りに提供された圧縮可能な材料を備えることが可能であり、1つまたは複数のゴーグルの縁部と患者の皮膚または眼の周りの他の組織との間に封止を作り出すことが可能である。封止材料は、頭部の周りに装着されるように構成されたストラップまたはヘッドバンドによって皮膚と密接に接触して保持される発泡体、ゴム、またはプラスチック材料であることが可能である。
【0034】
図3の例は、圧力制御機構がゴーグルアセンブリ300とともに使用され得るか、またはゴーグルアセンブリ300に対し取り付けられ得ることを示す。圧力制御機構は、圧力もしくは圧縮ポンプ、または真空ポンプとして構成されることが可能であるなどのポンプ302を備えることが可能である。ポンプ302は、同一のゴーグルアセンブリ300を使用してゴーグルキャビティにおける圧力を上昇または下降させることが可能であるように、可逆的に構成されることが可能である。ポンプ302は、マニホールド310およびチューブ312を使用してゴーグルアセンブリ300のキャビティ部分と流体連通することが可能である。ポンプ302は、バッテリ304によって電力供給されることが可能である。一例では、ポンプ302は、スイッチ308(例えば、オン/オフスイッチ)によって作動することが可能である。目標のゴーグルキャビティ圧力の設定点または範囲は、ダイヤル306または他の入力手段を使用して設定または調整されることが可能である。調整可能な圧力設定点または範囲は、キャビティ圧力を監視するように構成された圧力センサが使用されるときなど、閉ループ方式により圧力を制御することが可能である。圧力を制御または調整するための他の手段は、ポンプ302のための速度制御、またはゴーグルアセンブリ300に、例えばマニホールド310にまたは1つもしくは複数のキャビティに提供され得る1つまたは複数のベントのための制御を含むことが可能である。
【0035】
図4は、患者の眼406にフィッティングしたゴーグルアセンブリ300の断面図400の一例を概略的に示す。断面図400は、ガスケット314、ゴーグルレンズ316、眼瞼402、キャビティ404、および患者の眼406を含む。図4の例では、キャビティ404は、ゴーグルレンズ316と患者の眼406との間に提供されることが可能である。
【0036】
ゴーグルアセンブリ300の本体部分は、ゴーグルアセンブリ300がキャビティ404内において差圧またはゲージ圧を達成および維持することが可能であるように、比較的剛性であり、プラスチックまたは他のポリマーなどの不透過性材料から作製されることが可能である。ガスケット314は、ゴーグル本体の周縁の周りに配置されることが可能であり、ゴーグル本体は、ゴーグルの縁部と眼の周りの患者の皮膚との間にほぼ気密の封止を提供するように構成されることが可能である。一例では、ガスケット314は、眼瞼402の近くのまたはそれに隣接する患者の顔の一部に接触するように構成される。
【0037】
キャビティ404における圧力は、アセンブリの様々なコンポーネントによって変えられることが可能である。キャビティ404における変えられた空気圧は、患者の眼406の前の領域に作用することが可能である。一例では、変えられた空気圧は、圧力が患者のIOPを減少させるべく作用するように、緑内障を有する患者または高IOPを有する患者のための低下した空気圧であることが可能である。一例では、変えられた圧力は、視神経乳頭浮腫または篩板の腫脹を有する患者のための増加した空気圧であることが可能である。一例では、キャビティ404における圧力は、異なる目標圧力などに経時的に変化するまたは更新されることが可能である。
【0038】
示されるゴーグルアセンブリ300は、患者の眼406に対して使用するように構成されているが、アセンブリは、他の様々な組織位置にキャビティおよびゲージ圧を提供するためなど、身体の他の場所に装着されるように別様に構成されることが可能である。例えば、アセンブリは、矩形または楕円形のキャビティを提供するように構成されることが可能であり、患者の首の後部に対して配置されるように構成されることが可能である。アセンブリは、したがって、頭痛または他の不快感を治療するために有用であり得るなど、頸部における皮膚組織にゲージ圧力を印加するように提供されることが可能である。アセンブリは、身体上の他の場所において使用するためなど、様々な異なる形状および大きさのキャビティを提供するように構成されることが可能である。一例では、アセンブリは、カッピング療法を提供するように構成されることが可能である。カッピング療法は、比較的小さい組織領域に対する血流または供給を変化させるように使用される。この療法は、筋肉組織の回復または治癒を助けるように様々なアスリートによって使用される。一例では、アセンブリは、キャビティまたはその中の空気を加熱または冷却するための一体化された加熱機構を備えるかまたは使用することが可能である。
【0039】
図5は、眼健康管理システム100を使用するなどして、患者の眼健康指数を決定することを含み得る第1の方法500の一例を概略的に示す。ブロック502において、第1の方法500は、患者の第1のIOP特性に関する情報を受信することを備えることが可能である。ブロック502は、IOPセンサ104からの情報を含むかまたは使用することが可能である。一例では、ブロック502は、プロセッサ回路110を使用して、患者の第1のIOP特性に関する情報を受信することを含むことが可能である。
【0040】
ブロック504において、第1の方法500は、ブロック502において第1のIOP特性が受信された同じ患者の第1のBP特性に関する情報を受信することを備えることが可能である。ブロック504は、BPセンサ106からの情報を含むかまたは使用することが可能である。一例では、ブロック504は、プロセッサ回路110を使用して、患者の第1のBP特性に関する情報を受信することを含むことが可能である。
【0041】
ブロック506において、第1の方法500は、患者治療システムから第1の患者療法に関する情報を受信することを備えることが可能である。一例では、ブロック506は、治療システム108を使用して患者に提供される療法または治療に関する情報を受信することを含むことが可能である。第1の患者療法に関する情報は、限定ではなく例として、緑内障療法、無呼吸療法、ドライアイ療法、頭痛もしくは片頭痛療法、または患者疾患を治療もしくは治癒するように構成された他の療法に関する情報を含むことが可能である。療法または治療に関する情報は、治療持続時間、薬剤滴定(例えば、薬剤の送達量または処方量)、治療頻度、患者報告または自動報告された療法計画に対する患者遵守、特定の療法に対する患者応答に関する情報、または療法に関する他の情報を含むことが可能である。
【0042】
一例では、療法または治療に関する情報は、ブロック506において、患者インタフェース114を使用するなどして患者から受信されることが可能である。一例では、患者インタフェース114は、患者もしくはユーザ、または臨床医もしくは他の介護者が薬剤投与に関する情報を提供することが可能であるグラフィカルユーザインタフェースを含む。一例では、患者インタフェース114は、患者に薬剤を服薬するかもしくは薬剤療法を行うように思い出させるかもしくは促すように構成されることが可能であり、または患者に薬剤投与イベントを報告するように思い出させるかまたは促すように構成されることが可能である。
【0043】
ブロック508において、第1の方法500は、患者の眼健康指数を決定することを備えることが可能である。ブロック508は、プロセッサ回路110を使用して、少なくともIOPセンサ104およびBPセンサ106からの情報を処理し、それに応じて、眼健康指数を生成することを含むことが可能である。一例では、プロセッサ回路110は、眼健康指数を決定するように、ブロック506において受信されたものなどの両方または治療に関する情報を使用することが可能である。
【0044】
一例では、ブロック508において決定された眼健康指数は、緑内障またはドライアイ進行などの疾患状態、疾患進行、または疾患進行のリスクの定量的指標を含むことが可能である。一例では、眼健康指数は、眼患者健康の傾向に関連付けられた予測指数またはメトリックであることが可能である。一例では、ブロック508は、経時的に眼健康管理システム100もしくは他のシステムまたはデバイスを使用して取得または決定されることが可能であるなどの緑内障関連データを含むかまたは使用して、眼健康指数を決定することが可能である。一例では、ブロック508は、眼健康指数を決定するように、昼間監視期間、夜間監視期間、またはその両方から患者からの生理学的情報を使用することを含む。
【0045】
一例では、ブロック508において、臨床医が生成したデータまたは患者に関する情報を使用して、眼健康指数を決定することが可能である。一例では、臨床医によって、臨床医が生成したデータまたは情報を遠隔患者監視システム116に提供することが可能であり、それに応答して、遠隔患者監視システム116またはプロセッサ回路110は、データまたは情報を使用して眼健康指数を決定することが可能である。
【0046】
一例では、ブロック508において眼健康指数を決定することは、治療システム108からの情報を含むかまたは使用することが可能である。例えば、ゴーグルアセンブリ300からの情報を使用することが可能である。情報は、ゴーグルアセンブリ300を使用して患者の眼に印加される圧力の大きさまたは持続時間に関する情報などの圧力情報を含むことが可能である。治療システム108からの情報は、ゴーグルアセンブリ300によってまたはそれを使用して患者に印加される標準的な毎日または毎晩の圧力などの標準的または平均的な圧力を含むことが可能である。
【0047】
ブロック510において、第1の方法500は、遠隔患者監視システム116などの遠隔システムまたはデバイスに眼健康指数を報告することを備えることが可能である。一例では、ブロック510は、プロセッサ回路110を使用するなどしてブロック508において決定された眼健康指数を受信することと、有線または無線データ通信システムを使用して眼健康指数を遠隔患者監視システム116に通信することとを含む。
【0048】
ブロック512において、第1の方法500は、眼健康指数に基づいて患者のための治療推奨を生成することを備えることが可能である。一例では、ブロック512は、遠隔患者監視システム116において臨床医から治療推奨を示す入力または命令を受信することを含む。一例では、ブロック512は、眼健康指数情報を単独でまたは患者もしくは患者集団に関する他の生理学的状態情報とともに使用することが可能である1つまたは複数のアルゴリズムまたは機械学習ベースの決定木に基づいて、遠隔患者監視システム116において治療推奨を自動的に決定することを含む。例えば、ブロック512は、第1の患者の眼健康指数を類似患者の集団からの指数と比較することと、類似患者の転帰に関する情報に基づいて、第1の患者を成功裏に治療する可能性が最も高いと決定される治療推奨を提供することとを含むことが可能である。類似患者または患者群は、遠隔患者監視システム116によって自動的に識別されることが可能であり、または年齢、人種、食習慣、性別、他の健康状態情報もしくは疾患状態情報、もしくは他の患者属性などに基づいて手動で指定されることが可能である。
【0049】
ブロック514において、第1の方法500は、治療システム108などの患者治療システムによって使用される治療パラメータを更新することを備えることが可能である。一例では、ブロック514は、ブロック512において生成された治療推奨を受信することと、それに応答して、治療システム108によって使用される療法パラメータを更新するまたは変化させることとを含むことが可能である。療法パラメータは、例えば、患者に対するゴーグルアセンブリ300の圧力または所定の使用頻度に影響を及ぼし得る。療法パラメータは、例えば、薬剤療法、組織圧療法、CPAPもしくはBiPAP療法、電気刺激療法、または他の患者療法に影響を及ぼし得る。
【0050】
図6は、患者の眼灌流圧(OPP)を使用して患者の眼健康指数を決定することを備えることが可能である第2の方法600の一例を概略的に示す。第2の方法600は、ブロック502、ブロック504、およびブロック506において、第1の方法500において記載したものと同一または類似の工程を備えるかまたは使用することが可能である。ブロック602において、第2の方法600は、患者の眼灌流圧(OPP)特性を決定することを備えることが可能である。OPP特性は、少なくともIOP特性およびBP特性に基づくことが可能である。
【0051】
例えば、OPPまたは平均眼灌流圧(MOPP)は、拡張期血圧(DBP)、収縮期血圧(SBP)、およびIOPの関数であり得る。例えば、MOPPは、MOPP=2/3[DBP+1/3(SBP-DBP)]-IOPと表されることが可能である。一例では、IOPまたはBPに関する標準または平均情報を使用して、特定の時間または瞬間ではなく経時的な患者の健康状態を示すMOPPを提供することが可能である。例えば、IOPおよび/またはBP情報は、1日にわたって、または指定された昼間期間(例えば、4時間またはそれよりも長いもしくは短い)、または特定の夜間期間(例えば、1時間以上またはそれよりも長いもしくは短い)にわたって取得されることが可能である。一例では、MOPPを決定する際に使用するためのIOPおよび/またはBP情報の取得は、1つまたは複数の条件またはイベントに基づいてトリガされ得る。例えば、IOPまたはBP情報は、REM睡眠が検出されたとき、もしくははCPAP療法が起動または停止されたとき、または薬剤療法を行った後の指定された時間に取得されることが可能である。
【0052】
ブロック604において、第2の方法600は、ブロック602において決定されたOPPに基づいて、およびブロック506において受信された患者療法に関する情報に基づいて、眼健康指数を決定することを備えることが可能である。ブロック604は、プロセッサ回路110を使用して、治療情報とともにOPPに関する情報を処理し、眼健康指数を生成することを含むことが可能である。一例では、ブロック604において決定された眼健康指数は、ブロック508の説明において上記した眼健康指数の1つまたは複数の属性を有することが可能である。例えば、ブロック604において決定される眼健康指数は、疾患状態、疾患進行、または疾患進行のリスクの定量的指標を含むことが可能である。ブロック604に続いて、OPP特性を使用して決定された眼健康指数は、遠隔患者監視システム116などの遠隔システムまたはデバイスに報告されることが可能である。
【0053】
図7は、患者の眼健康指数を決定するために、経時的に取得されたセンサ情報を使用することを備えることが可能である第3の方法700の一例を概略的に示す。第3の方法700は、眼健康管理システム100の1つまたは複数のコンポーネントを使用して行われることが可能である。
【0054】
ブロック702において、第3の方法700は、経時的なまたは第1の持続時間にわたって患者の第1のIOP特性に関する情報を受信することを備えることが可能である。経時的に第1のIOP特性を受信することは、複数の別々のインスタンスにおいてIOPを測定することと、指定された持続時間にわたる患者の絶対または相対IOPの平均、移動平均、標準偏差、または他の指標を決定することとを含むことが可能である。持続時間は、様々な長さに指定されることが可能である。例えば、持続時間は、数秒、数分、数時間、または数日であることが可能である。一例では、持続時間は、毎時数分、または毎日数分、または昼間監視期間中の数分、または夜間監視期間中の数分など、複数回にわたる同様の間隔を表すことが可能である。同様に他の持続時間が使用されることが可能である。ブロック702は、IOP特性情報を取得するようにIOPセンサ104を使用することと、プロセッサ回路110においてIOP特性情報を受信することとを含むことが可能である。
【0055】
ブロック704において、第3の方法700は、同一の第1の持続時間にわたって第1のBP特性に関する情報を受信することを備えることが可能である。他の例では、第1のBP特性に関する情報は、第1の持続時間と少なくとも部分的に重複する持続時間など、異なる持続時間にわたって、または第1の持続時間とは異なる持続時間において受信されることが可能である。ブロック704は、BPセンサ106からの情報を含むかまたは使用することが可能である。一例では、ブロック704は、BP特性情報を取得するようにBPセンサ106を使用することと、プロセッサ回路110においてBP特性情報を受信することとを含むことが可能である。
【0056】
ブロック706において、第3の方法700は、同一の第1の持続時間にわたって患者が受けた療法に関する情報を受信することを備えることが可能である。他の例では、患者が受けた療法に関する情報は、第1の持続時間と少なくとも部分的に重複する持続時間などの異なる持続時間にわたって、または第1の持続時間とは異なる持続時間において受信されることが可能である。一例では、ブロック706は、治療システム108を使用して患者に提供される療法または治療に関する情報を受信することを含むことが可能である。様々な種類の情報、例えば、緑内障療法、無呼吸療法、ドライアイ療法、頭痛もしくは片頭痛療法、または患者の疾患を治療もしくは治癒するように構成された他の療法に関する情報を、ブロック706において受信することが可能である。両方に関する情報は、治療期間、薬剤滴定(例えば、薬剤の送達量または処方量)、治療頻度、患者が報告したまたは自動的に報告された療法計画に対する患者遵守(例えば、薬剤投与を監視および報告するように構成された監視デバイスを使用して)、特定の療法に対する患者応答、または他の情報に関する情報を含むことが可能である。
【0057】
一例では、ブロック706は、療法に関する情報を使用して、療法の実行と療法有効性の持続時間との間の関係を決定することを含むことが可能である。例えば、ブロック706は、薬剤(または他の療法)の送達時間を、期待される、または患者により報告される有効性とクロスチェックすることを含むことが可能である。一例では、有効性情報は、患者インタフェース114などを介して患者報告情報を使用して決定されることが可能であり、または有効性は、IOP特性情報(例えば、ブロック702において受信される)もしくはBP特性情報(例えば、ブロック704において受信される)などのより客観的な生理学的情報を使用して決定されることが可能である。
【0058】
ブロック708において、第3の方法700は、患者の眼健康指数を決定することを含むことが可能である。ブロック708は、プロセッサ回路110を使用して、ブロック702において少なくともIOPセンサ104から、ブロック704においてBPセンサ106から受信された情報、およびブロック706からの療法に関する情報を処理し、それに応じて、眼健康指数を生成することを含むことが可能である。本明細書の他の場所において同様に説明されるように、眼健康指数は、緑内障またはドライアイ進行などの疾患状態、疾患進行、または疾患進行のリスクの定量的指標を含むことが可能である。
【0059】
一例では、ブロック708は、患者に対する療法有効性の指標を含むことが可能である。例えば、ブロック708は、眼健康指数を決定するために、ブロック702および704からのIOPおよびBP特性に関する情報とともに、ブロック706からの有効性情報(実際または予想)を使用することを含むことが可能である。一例では、眼健康指数は、療法に対する測定された生理学的応答性に少なくとも部分的に依存する値を有することが可能である。
【0060】
図8は、眼健康指数を決定または更新することを含むことが可能である第4の方法800の一例を概略的に示す。例えば、ブロック802において、第4の方法800は、患者インタフェース114などのインタフェースまたは入力デバイスから情報を受信することを含むことが可能である。図8の例では、ブロック802は、患者インタフェース114を使用して、患者により報告される視野(患者報告視野)に関する情報を受信することを含む。一例では、患者インタフェース114は、患者もしくはユーザ、または臨床医もしくは他の介護者が、患者が利用可能な、または患者が体験する視野に関する情報を提供することが可能であるグラフィカルユーザインタフェースを含む。例えば、患者インタフェース114は、パノラマ写真を撮り、その写真を患者のためにスクリーン上に表示するための手段を備えることが可能である。次いで、患者は、パノラマビューに対して患者の視野をスクリーン上に示すことが可能である。患者の視野を定量的に分析して、患者の視野または患者の視野の変化の客観的な指標を提供することなどが可能である。
【0061】
一例では、ブロック802は、仮想現実(VR)ヘッドセットまたは他のヘッドマウントシステムを使用して、患者に視野検査を提供するなど、患者に視覚情報を表示することを含むことが可能である。ブロック802において、表示された視覚情報に関する患者報告情報を受信することが可能である。一例では、ヘッドセットは、患者のモバイルデバイス、タブレット、または他のコンピュータとともに使用され得るか、またはペアリングされ得るGoogle Cardboardなどの安価なデバイスを含むことが可能である。ブロック802においてそうしたヘッドセットを使用することは、患者が頻繁に自身で視力検査を行うことを可能にするのに役立ち得る。結果は、リアルタイムで患者に送達され得るか、または遠隔の臨床医に報告され得る。一例では、ブロック802において受信された情報は、眼疾患または視力喪失の識別または治療を促進するのを助けるために使用されることが可能であり、未治療の疾患進行による不可逆性損傷の発生率を低減するのを助けることが可能である。
【0062】
ブロック804において、第4の方法800は、ブロック802において受信された情報を使用して、患者の眼健康指数を決定または更新することを備えることが可能である。すなわち、ブロック804は、プロセッサ回路110または遠隔患者監視システム116のうちの1つまたは複数を使用して、ブロック802において患者によって報告されるものなどの患者の視野に関する情報を受信し、それに応答して、患者の眼健康指数を更新することを含むことが可能である。更新された眼健康指数は、次いで、監視または介入目的のために、臨床医または他の介護者に提供され得る。例えば、眼健康指数が、患者によって体験される視野がより狭いことを示す負の傾向にある場合、それに応じて、臨床医または介護者は、療法パラメータを変化させるかまたは患者のための薬剤療法を更新することが可能である。一例では、1つまたは複数の療法パラメータは、患者の治療システム108を使用するなどして、眼健康指数の変化に応答して更新および実装されることが可能である。
【0063】
図9は、患者に関する眼健康指数に基づいて患者のための療法を更新することを含むことが可能である第5の方法900の一例を概略的に示す。ブロック902において、第5の方法900は、眼健康指数を遠隔システムに報告することを備えることが可能である。例えば、ブロック902は、プロセッサ回路110を使用して、患者の眼健康指数を遠隔患者監視システム116に報告または通信することを含むことが可能である。
【0064】
ブロック904では、遠隔患者監視システム116において、眼健康指数に関する情報が、臨床医インタフェースを使用して、臨床医または他の介護者に提供されることが可能である。眼健康指数に基づいて、および随意では1つまたは複数の他の基準に基づいて、臨床医は、治療システム108から療法または治療を受ける患者の更新を示す入力を遠隔患者監視システム116に提供することが可能である。ブロック906において、第5の方法900は、治療システム108を使用して患者に提供され得るものなどの患者療法を開始する、終了する、維持する、または変化させるための命令を治療システム108において受信することを備えることが可能である。一例では、療法更新に関する情報は、患者インタフェース114を使用して患者に提供することが可能である。ブロック908において、第5の方法900は、ブロック906において受信された命令またはパラメータに従って治療システム108を使用して患者に患者療法を提供することを含むことが可能である。
【0065】
ブロック908に続いて、第5の方法900は、少なくとも指定された最小持続時間または療法間隔の間、患者に療法を提供することを含むことが可能である。療法間隔に続いて、第5の方法900は、ブロック902に戻り、新しいまたは更新された眼健康指数を遠隔患者監視システム116に報告することが可能である。一例では、第5の方法900は、臨床医が指定したスケジュールに従って行われることが可能であり、またはオンデマンドで行われることが可能である。例えば、第5の方法900は、患者の疾患状態またはベストプラクティスに応じて時々更新されることが可能であるなど、1つまたは複数のCPTコードによって指定されるタイミング要件に従って行われることが可能である。
【0066】
図10は、本明細書において説明する方法のうちの任意の1つまたは複数を機械1000に行わせるための命令1008(例えば、ソフトウェア、プログラム、アプリケーション、アプレット、アプリ、または他の実行可能コード)を実行することが可能である機械1000の概略図である。例えば、命令1008は、機械1000に、本明細書において記載される方法のうちの任意の1つまたは複数を実行させることが可能である。命令1008は、一般的なプログラムされていない機械1000を、記載され図示された機能を記載された手法により行うようにプログラムされた特定の機械1000へと変換することが可能である。機械1000、または機械1000の様々なインスタンスは、眼健康管理システム100の1つまたは複数の部分を備えることが可能であり、またはそれを実装するように使用されることが可能である。
【0067】
一例では、機械1000は、スタンドアロンデバイスとして動作することが可能であり、または他の機械もしくはデバイスもしくはプロセッサに対し結合される(例えば、ネットワーク化される)ことが可能である。ネットワーク化された配置では、機械1000は、サーバ-クライアントネットワーク環境におけるサーバ機械もしくはクライアント機械として、またはピアツーピア(もしくは分散型)ネットワーク環境におけるピア機械として動作することが可能である。例えば、機械1000の1つのインスタンスは、患者システム102のいくつかまたはすべてを備えることが可能であり、機械1000の別のインスタンスは、患者インタフェース114を備えることが可能であり、機械1000の別のインスタンスは、遠隔患者監視システム116を備えることが可能であり、種々のインスタンスは、ともにネットワーク化されることが可能である。機械1000は、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブック、セットトップボックス(STB)、PDA、エンターテイメントメディアシステム、携帯電話、スマートフォン、モバイルデバイス、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ)、スマートホームデバイス(例えば、スマートアプライアンス)、他のスマートデバイス、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、または機械1000によって行われる作用を指定する命令1008を順次または別様に実行することができる任意の機械を含むことが可能である。さらに、単一の機械1000しか示されていないが、「機械」という用語は、本明細書において説明される方法のうちの任意の1つまたは複数を行うように命令1008を個々にまたは共同で実行する機械の集合を含むと解釈され得る。一例では、命令1008は、メモリ回路を使用して記憶された命令を含むことが可能であり、機械1000は、本明細書において説明される様々なブロック、モジュール、プロセッサ、または他の処理ハードウェアもしくはソフトウェアのうちの任意の1つまたは複数に関連付けられることが可能であるなど、プロセッサ回路110などのプロセッサ回路を含むかまたは使用することが可能である。
【0068】
機械1000は、バス1044を介して互いに通信するように構成されることが可能である、プロセッサ1002、メモリ1004、およびI/Oコンポーネント1042として図10の例に表されるような様々なプロセッサおよびプロセッサ回路を備えることが可能である。一例では、プロセッサ1002(例えば、中央処理装置(CPU)、縮小命令セットコンピューティング(RISC)プロセッサ、複合命令セットコンピューティング(CISC)プロセッサ、グラフィックス処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、無線周波数集積回路(RFIC)、別のプロセッサ、またはそれらの任意の適切な組合せ)は、例えば、命令1008を実行する第1のプロセッサ1006および第2のプロセッサ1010を含むことが可能である。「プロセッサ」という用語は、命令を同時に実行することが可能である2つ以上の独立したプロセッサ(「コア」と呼ばれることもある)を備えることが可能であるマルチコアプロセッサを含むことが意図される。図10は複数のプロセッサを示しているが、機械1000は、単一のコアを有する単一のプロセッサ、複数のコアを有する単一のプロセッサ(例えば、マルチコアプロセッサ)、単一のコアを有する複数のプロセッサ、複数のコアを有する複数のプロセッサ、またはそれらの任意の組合せを備えることが可能である。
【0069】
メモリ1004は、バス1044を介してプロセッサ1002にアクセス可能であり得るものなどの、メインメモリ1012、スタティックメモリ1014、または記憶ユニット1016を含むことが可能である。メモリ1004、スタティックメモリ1014、および記憶ユニット1016は、本明細書において記載される方法または機能もしくは処理スのうちの任意の1つまたは複数を具現化する命令1008を記憶することが可能である。命令1008はまた、機械1000によるその実行中に、メインメモリ1012内、スタティックメモリ1014内、記憶ユニット1016内の機械可読媒体1018(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む)内、プロセッサのうちの1つ以上内(例えば、プロセッサのキャッシュメモリ内)、またはそれらの任意の適切な組合せ内に、完全にまたは部分的に存在することが可能である。
【0070】
I/Oコンポーネント1042は、入力を受信し、出力を提供し、出力を生成し、情報を送信し、情報を交換し、測定値を捕捉するなどのための多種多様なコンポーネントを含むことが可能である。特定の機械に備えられる特定のI/Oコンポーネント1042は、機械の種類に依存する。例えば、携帯電話などの携帯可能機械は、タッチ入力デバイスまたは他のそうした入力機構を備えることが可能であるが、ヘッドレスサーバ機械は、そうしたタッチ入力デバイスを備えない可能性が高い。I/Oコンポーネント1042は、図10に示されていない他のコンポーネントを備えることが可能であると理解される。様々な例示的な実施形態では、I/Oコンポーネント1042は、出力コンポーネント1028および入力コンポーネント1030を備えることが可能である。出力コンポーネント1028は、視覚コンポーネント(例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プロジェクタ、または陰極線管(CRT)などのディスプレイ)、音響コンポーネント(例えば、スピーカ)、触覚コンポーネント(例えば、振動モータ、抵抗機構)、他の信号発生器などを含み得る。入力コンポーネント1030は、英数字入力コンポーネント(例えば、キーボード、英数字入力を受信するように構成されたタッチスクリーン、フォトオプティカルキーボード、または他の英数字入力コンポーネント)、ポイントベースの入力コンポーネント(例えば、マウス、タッチパッド、トラックボール、ジョイスティック、モーションセンサ、または別のポインティング機器)、触覚的入力コンポーネント(例えば、物理ボタン、タッチまたはタッチジェスチャの位置および/または力を提供するタッチスクリーン、または他の触覚的入力コンポーネント)、音声入力コンポーネント(例えば、マイクロフォン)、生理学的センサコンポーネントなどを含み得る。
【0071】
一例では、I/Oコンポーネント1042は、他のコンポーネントの中でも、バイオメトリックコンポーネント1032、モーションコンポーネント1034、環境コンポーネント1036、または位置コンポーネント1038を含むことが可能である。例えば、バイオメトリックコンポーネント1032は、人間、ペット、または他の個人もしくは物体の有無を検出するように構成されたコンポーネント、または、表情(例えば、手の表現、顔の表現、声の表現、ボディジェスチャ、またはアイトラッキング)を検出し、生体信号(例えば、中でも眼圧、脳脊髄液圧、血圧、心拍数、体温、発汗、または脳波)を測定し、人を識別する(例えば、音声識別、網膜識別、顔識別、指紋識別、または脳波ベースの識別)などを行うように構成されたコンポーネントを含む。モーションコンポーネント1034は、加速度センサコンポーネント(例えば、加速度計)、重力センサコンポーネント、回転センサコンポーネント(例えば、ジャイロスコープ)などを含み得る。
【0072】
環境コンポーネント1036は、例えば、照明センサコンポーネント(例えば、光度計)、温度センサコンポーネント(例えば、周囲温度を検出する1つまたは複数の温度計)、湿度センサコンポーネント、圧力センサコンポーネント(例えば、気圧計)、音響センサコンポーネント(例えば、背景雑音を検出する1つまたは複数のマイクロフォン)、近接センサコンポーネント(例えば、近くの物体を検出する赤外線センサ)、ガスセンサ(例えば、安全のために有害ガスの濃度を検出するかまたは大気中の汚染物質を測定するガス検出センサ)、または周囲の物理的環境に対応する指標、測定値、もしくは信号を提供することが可能である他のコンポーネントを含み得る。位置コンポーネント1038は、位置センサコンポーネント(例えば、GPS受信機コンポーネント、RFIDタグなど)、高度センサコンポーネント(例えば、高度を導出することが可能である気圧を検出する高度計または気圧計)、方位センサコンポーネント(例えば、磁力計)などを含む。I/Oコンポーネント1042、環境コンポーネント1036、位置コンポーネント1038、および他のコンポーネントのうちの任意の1つまたは複数からの情報を使用して、患者の眼健康指数を決定または更新することが可能である。
【0073】
I/Oコンポーネント1042は、それぞれカップリング1024およびカップリング1026を介して機械1000をネットワーク1020またはデバイス1022に対し結合するように動作可能な通信コンポーネント1040を含み得る。例えば、通信コンポーネント1040は、ネットワーク1020とインタフェースするためのネットワークインタフェースコンポーネントまたは別の適切なデバイスを含み得る。さらなる例では、通信コンポーネント1040は、有線通信コンポーネント、無線通信コンポーネント、セルラ通信コンポーネント、近距離通信(NFC)コンポーネント、Bluetooth(登録商標)コンポーネント(例えば、Bluetooth(登録商標)Low Energy)、Wi-Fi(登録商標)コンポーネント、および他のモダリティを介して通信を提供する他の通信コンポーネントを含み得る。デバイス1022は、別の機械または多種多様な周辺デバイス(例えば、USBを介して結合された周辺デバイス)のいずれかであり得る。
【0074】
さらに、通信コンポーネント1040は、識別子を検出することが可能であり、または識別子を検出するように動作可能なコンポーネントを含み得る。例えば、通信コンポーネント1040は、無線周波数識別(RFID)タグリーダコンポーネント、NFCスマートタグ検出コンポーネント、光学リーダコンポーネント(例えば、ユニバーサルプロダクトコード(UPC)バーコードなどの一次元バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、Aztecコード、データ行列、Dataglyph、MaxiCode、PDF417、ウルトラコード、UCC RSS-2Dバーコード、および他の光学コードなどの多次元バーコードを検出するための光学センサ)、または呼吸パターンもしくは無呼吸を識別するように使用され得るものなどの音響検出コンポーネント(例えば、タグ付けされたオーディオ信号を識別するためのマイクロフォン)を含み得る。これに加えて、インターネットプロトコル(IP)ジオロケーションを介した位置、Wi-Fi(登録商標)信号三角測量を介した位置、または特定の位置を示すことが可能であるNFCビーコン信号を検出することを介した位置など、様々な情報が通信コンポーネント1040を介して導出され得る。
【0075】
様々なメモリ(例えば、メモリ1004、メインメモリ1012、スタティックメモリ1014、および/またはプロセッサ1002のメモリ)および/または記憶ユニット1016は、本明細書において記載される方法または機能のうちの任意の1つまたは複数を具現化するか、またはそれらによって使用される1つまたは複数の命令またはデータ構造(例えば、ソフトウェア)を記憶することが可能である。これらの命令(例えば、命令1008)は、プロセッサまたはプロセッサ回路による実行時、本明細書において説明される実施形態を実装するための様々な動作を生じる。
【0076】
命令1008は、送信媒体を使用して、ネットワークインタフェースデバイス(例えば、通信コンポーネント1040に備えられるネットワークインタフェースコンポーネント)を介して、多くの周知の転送プロトコル(例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP))のうちのいずれか1つを使用して、ネットワーク1020上で送信または受信され得る。同様に、命令1008は、デバイス1022に対する結合1026(例えば、ピアツーピア結合)を介して送信媒体を使用して送信または受信され得る。
【0077】
本明細書に記載される方法および装置をさらに説明するために、例示的な実施形態の非限定的なセットが、数字で識別された実施例として以下に記載される。
例1は、システムであって、眼圧(IOP)センサと、血圧(BP)センサと、患者治療システムと、プロセッサ回路と、を備え、前記プロセッサ回路は、患者についての眼健康指数(OHI)値を、前記IOPセンサからのIOP情報と、前記BPセンサからのBP情報と、前記患者治療システムによって前記患者に提供される療法に関する情報および前記患者治療システムによって提供される療法に対する患者応答に関する情報のうちの1つ以上と、に基づいて決定するように構成されている、システムを含む。
【0078】
例2では、例1の主題は、前記OHI値の傾向に基づいて疾患進行を決定するように構成されている前記プロセッサ回路を随意で備えることが可能であり、前記疾患進行が前記患者についての悪化した疾患状態に対応することに応答して、前記プロセッサ回路は、前記患者治療システムによって前記患者に提供される前記療法のゲージ圧パラメータを変化させるかまたは更新するように構成されていることが可能である。
【0079】
例3では、例1-2の主題は、前記プロセッサ回路から前記OHI値を受信するように、また、指定された閾値基準を前記OHI値が満たすことに応答して、前記患者治療システムによって提供される前記療法のゲージ圧パラメータを変化させるように構成されている前記患者治療システムを随意で備えることが可能である。
【0080】
例4では、例3の主題は、前記OHI値が前記患者についての悪化した眼健康状態を示すとき、施されるゲージ圧療法の頻度、持続時間、または強度を増加させるように構成されている前記患者治療システムを随意で備えることが可能である。
【0081】
例5では、例1-4の主題は、前記プロセッサ回路から前記OHI値に関する情報を受信するように、また、前記OHI値を表示するように構成されているユーザインタフェースを随意で備えることが可能である。
【0082】
例6では、例1-5の主題は、前記患者治療システムおよび前記プロセッサ回路のうちの1つ以上に対し結合されており前記患者から定性的または定量的な健康状態情報を受信するように構成されている患者インタフェースを随意で備えることが可能であり、前記プロセッサ回路は、前記患者からの受信された前記健康状態情報を使用して前記患者についての前記OHI値を決定するように構成されていることが可能である。
【0083】
例7では、例1-6の主題は、前記プロセッサ回路からの命令に連動してゲージ圧を前記患者に断続的に印加するように構成されているゴーグルベースの治療システムを含む前記患者治療システムを随意で備えることが可能である。
【0084】
例8では、例1-7の主題は、前記患者の皮膚組織表面にゲージ圧を断続的に印加するように構成されている組織インタフェースシステムを備える前記患者治療システムを随意で備えることが可能である。
【0085】
例9では、例1-8の主題は、緑内障療法を前記患者に断続的に提供するように構成されている緑内障治療システムを含む前記患者治療システムを随意で備えることが可能であり、前記プロセッサ回路は、前記OHI値に基づいて緑内障疾患進行指標を決定するように構成されている。
【0086】
例10では、例1-9の主題は、薬剤送達システムを備える前記患者治療システムを随意で備えることが可能であり、前記プロセッサ回路は、前記薬剤送達システムを使用して前記患者に提供される薬剤療法に関する情報に基づいて、前記OHI値を決定するように構成されていることが可能である。
【0087】
例11では、例1-10の主題は、コンタクトレンズを備える前記IOPセンサを随意で備えることが可能であり、前記コンタクトレンズは、前記患者によって装着されたときに前記患者に関するIOP情報を測定するように構成されている。
【0088】
例12では、例1-11の主題は、前記IOP情報および前記BP情報に基づいて前記患者の第1の眼灌流圧(OPP)特性を決定するように構成されている前記プロセッサ回路を随意で備えることが可能であり、前記プロセッサ回路は、前記第1のOPP特性と前記患者治療システムによって前記患者に提供される前記療法に関する前記情報とを使用して前記OHI値を決定するようにさらに構成されていることが随意で可能である。
【0089】
例13では、例1-12の主題は、第1の時間間隔にわたって前記患者に関するIOP情報を測定するように構成されている前記IOPセンサを随意で備えることが可能であり、前記BPセンサは、前記第1の時間間隔にわたって前記患者に関するBP情報を測定するように構成されており、前記患者治療システムは、前記第1の時間間隔の間に患者療法に関する情報を記録するように構成されており、前記プロセッサ回路は、前記第1の時間間隔にわたって測定された前記IOP情報と、前記第1の時間間隔にわたって測定された前記BP情報と、前記第1の時間間隔の間の前記患者療法に関する前記情報と、に基づいて前記患者についての前記OHI値を決定するように構成されている。
【0090】
例14では、例13の主題は、前記第1の時間間隔にわたる前記患者に関する前記IOP情報の変化に基づいて、前記患者についての前記OHI値を決定するように構成されている前記プロセッサ回路を随意で備えることが可能である。
【0091】
例15では、例1-14の主題は、夜間ゲージ圧療法を前記患者に提供するように構成されている前記患者治療システムを随意で備えることが可能である。
例16では、例1-15の主題は、前記患者についての更新されたOHI値を、特定の間隔にて、最小X日ごとに(ここで、Xは整数の日数)決定するように前記プロセッサ回路を使用することを随意で備えることが可能である。
【0092】
例17では、例1-16の主題は、前記患者に関するそれぞれのIOP情報およびBP情報をほぼ同時に測定するように構成されている前記IOPセンサおよび前記BPセンサを随意で備えることが可能である。
【0093】
例18では、例1-17の主題は、前記OHI値に基づいて、後続の療法を前記患者に提供する際の前記患者治療システムによる使用のための治療パラメータを生成するように構成されている前記プロセッサ回路を随意で備えることが可能である。
【0094】
例19では、例1-18の主題は、遠隔患者監視システムと、前記プロセッサ回路および前記遠隔患者監視システムに対し通信可能に結合されている通信回路と、を随意で備えることが可能である。例19では、前記プロセッサ回路は、前記通信回路を使用して前記遠隔患者監視システムに前記OHI値を定期的に提供するように構成されていることが可能である。
【0095】
例20では、例19の主題は、前記OHI値を受信することに応答して、治療パラメータを更新するべく前記患者治療システムに対し命令を提供するように構成されている前記遠隔患者監視システムを随意で備えることが可能である。
【0096】
例21では、例19-20の主題は、前記OHI値を受信することに応答して、患者インタフェースを介して、前記患者の重量、前記患者のボディマス指数(BMI)、前記患者の食習慣または食習慣の変化、前記患者の薬剤計画、および前記患者の薬剤計画遵守のうちの1つまたは複数に関する患者報告状態情報を要求するように構成されている前記遠隔患者監視システムを随意で備えることが可能である。
【0097】
例22は、命令を備える非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、プロセッサ回路による実行時、前記プロセッサ回路に、患者の第1の眼圧(IOP)特性に関する情報をIOPセンサから受信する工程と、前記患者の第1の血圧(BP)特性に関する情報を血圧センサから受信する工程と、第1の患者療法に関する情報を患者治療システムから受信する、患者療法情報受信工程と、受信された前記第1のIOP特性に関する前記情報を使用して、受信された前記第1のBP特性に関する前記情報を使用して、および前記患者治療システムからの受信された前記第1の患者療法に関する前記情報を使用して、前記患者についての定量的な眼健康指数を決定する、健康指数決定工程と、を行わせる、コンピュータ可読記憶媒体である。
【0098】
例23では、例22の主題は、前記プロセッサ回路による実行時、前記プロセッサ回路に、前記定量的な眼健康指数を遠隔患者監視システムおよび患者インタフェースデバイスのうちの1つ以上に対し提供させる、命令を備える。前記命令は、前記定量的な眼健康指数を患者または介護者に対し表示または通信する命令をさらに含むことが可能である。
【0099】
例24では、例22-23の主題は、前記プロセッサ回路に前記患者療法情報受信工程を行わせる命令を随意で含むことが可能であり、前記プロセッサ回路に、ゴーグルベースの治療システムによって前記患者の眼に対し施されるゲージ圧療法に関する情報を受信する工程を行わせる命令を含む。
【0100】
例25では、例22-24の主題は、前記プロセッサ回路に前記患者療法情報受信工程を行わせる命令を随意で含むことが可能であり、前記プロセッサ回路に、組織インタフェースシステムによって前記患者の皮膚組織表面領域に対し施されるゲージ圧療法に関する情報を受信する工程を行わせる命令を含み、前記皮膚組織表面領域は、前記患者の眼または眼キャビティを除く。
【0101】
例26では、例22-25の主題は、前記プロセッサ回路に前記患者療法情報受信工程を行わせる命令を随意で含むことが可能であり、眼治療システムから、ゴーグルベースの治療システムによって前記患者に対し提供される眼療法に関する療法情報を受信する命令を含み、前記プロセッサ回路に前記健康指数決定工程を行わせる前記命令は、前記プロセッサに、前記第1のIOP特性、前記第1のBP特性、および前記眼療法に関する前記情報に基づいて前記患者についての定量的な緑内障健康指数を決定させる命令を含む。
【0102】
例27では、例22-26の主題は、前記プロセッサ回路に前記患者療法情報受信工程を行わせる命令を随意で含むことが可能であり、薬剤送達システムから前記患者に対し提供される薬剤療法に関する情報を受信する命令を含む。
【0103】
例28では、例22-27の主題は、前記プロセッサ回路に前記健康指数決定工程を行わせる命令を随意で含むことが可能であり、前記プロセッサ回路に、前記第1のIOP特性および前記第1のBP特性に基づいて、前記患者の第1の眼灌流圧(OPP)特性を決定する工程と、前記第1のOPPおよび前記第1の患者療法に関する前記情報に基づいて、前記眼健康指数を決定する工程と、を行わせる命令を含む。
【0104】
例29では、例22-28の主題は、前記プロセッサ回路を、前記患者の後続の第2のIOP特性に関する情報を受信する工程と、前記患者の後続の第2のBP特性に関する情報を受信する工程と、前記第1のIOP特性と前記第2のIOP特性との間の差に関する情報を使用して、また、前記第1のBP特性と前記第2のBP特性との間の差に関する情報を使用して、前記眼健康指数を決定する工程と、を行うようにさらに構成する命令を随意で含むことが可能である。
【0105】
例30では、例29の主題は、第1のIOP測定イベントに対応する前記第1のIOP特性に関する情報と、後続の第2のIOP測定イベントに対応する前記第2のIOP特性に関する前記情報と、を随意で含むことが可能であり、患者療法情報受信工程を行うように前記プロセッサ回路を構成する前記命令は、前記プロセッサ回路を、前記第1のIOP測定イベントと前記第2のIOP測定イベントとの間に前記患者に対し提供される療法に関する情報を受信するように構成する命令を含む。
【0106】
例31では、例29-30の主題は、1つまたは複数の夜間監視期間にわたって受信される前記第1のIOP特性および前記第2のIOP特性に関する前記情報を随意で含むことが可能である。
【0107】
例32では、例29-31の主題は、1つまたは複数の昼間監視期間にわたって受信される前記第1のIOP特性および前記第2のIOP特性に関する前記情報を随意で含むことが可能である。
【0108】
例33では、例22-32の主題は、第1の間隔にわたる前記患者に関するIOP情報を示す前記第1のIOP特性に関する前記情報と、同一の前記第1の間隔にわたる前記患者に関するBP情報を示す前記第1のBP特性に関する前記情報と、同一の前記第1の間隔に対応する療法情報を示す前記第1の患者療法に関する前記情報と、を随意で含むことが可能である。
【0109】
例34では、例22-33の主題は、前記プロセッサ回路を、患者インタフェースから患者報告視野に関する情報を受信するようにさらに構成する命令をさらに含むことが可能であり、前記健康指数決定工程を行うように前記プロセッサ回路を構成する前記命令は、前記患者報告視野に関する前記情報を使用する工程を含むことが可能である。
【0110】
例35では、例22-34の主題は、前記プロセッサ回路を、前記患者の前記第1のIOP特性および前記第1のBP特性をほぼ同時に測定するようにさらに構成する命令を随意で含むことが可能である。
【0111】
例36では、例22-35の主題は、前記プロセッサ回路を、前記眼健康指数に基づいて、前記患者のための治療推奨を生成するようにさらに構成する命令を随意で含むことが可能である。
【0112】
例37では、例22-36の主題は、前記プロセッサ回路を、前記患者に対し後続の療法を提供するべく前記患者治療システムによって使用される治療パラメータを更新するようにさらに構成する命令を随意で含むことが可能である。
【0113】
例38では、例37の主題は、ゴーグルベースの治療システムを使用して前記患者に対し提供される緑内障療法頻度または緑内障療法持続時間を更新する命令を含む前記治療パラメータを更新する命令を随意で含むことが可能である。
【0114】
例39では、例22-38の主題は、前記プロセッサ回路を、患者インタフェースから、前記患者の重量、前記患者のボディマス指数(BMI)、前記患者の食習慣もしくは食習慣の変化、前記患者の薬剤計画、または前記患者の薬剤計画遵守のうちの1つまたは複数に関する患者報告状態情報を受信するようにさらに構成する命令を随意で含むことが可能である。例39では、前記健康指数決定工程を行うように前記プロセッサ回路を構成する前記命令は、前記患者報告状態情報を使用して前記眼健康指数を決定する命令を含む。
【0115】
例40では、例22-39の主題は、前記プロセッサ回路を、遠隔患者監視システムから、前記眼健康指数に関する情報に応答して、前記患者治療システムが前記患者のための新しい療法を開始することを可能にする命令、前記患者のための以前の療法を継続する命令、または前記患者に対する療法の提供を阻害する命令を受信するようにさらに構成する命令を随意で含むことが可能である。
【0116】
例41では、例22-40の主題は、前記プロセッサ回路を、前記患者の重量、前記患者のボディマス指数(BMI)、前記患者の食習慣または食習慣の変化、前記患者の薬剤計画、および前記患者の薬剤計画遵守のうちの1つまたは複数に関する患者報告状態情報を要求するようにさらに構成する命令を随意で含むことが可能である。
【0117】
例42は、患者の眼の健康に関連付けられている患者状態を評価するための方法であって、前記患者の第1の眼圧(IOP)特性に関する情報を受信する、第1IOP特性情報受信工程と、前記患者の第1の血圧(BP)特性に関する情報を受信する、BP特性情報受信工程と、患者治療システムから第1の患者療法に関する情報を受信する、患者療法情報受信工程と、前記第1のIOP特性に関する受信された前記情報を使用して、前記第1のBP特性に関する受信された前記情報を使用して、および前記患者治療システムからの前記第1の患者療法に関する受信された前記情報を使用して、前記患者についての定量的な眼健康指数を決定する、健康指数決定工程と、を備える方法を含むことが可能である。例42は、遠隔患者監視システムおよび患者インタフェースデバイスのうちの1つ以上に対し前記定量的な眼健康指数を提供する工程と、前記遠隔患者監視システムまたは前記患者インタフェースデバイスを使用して、前記定量的な眼健康指数を表示する工程と、をさらに備えることが可能である。
【0118】
例43では、例42の主題は、治療システムによって前記患者に対し施されるゲージ圧療法に関する情報を受信する、ゲージ圧療法情報受信工程を含む前記患者療法情報受信工程を随意で備えることが可能である。
【0119】
例44では、例43の主題は、前記ゲージ圧療法情報受信工程は、ゴーグルベースの治療システムによって前記患者の眼に対し施されるゲージ圧療法に関する情報を受信する工程を随意で含むことが可能である。
【0120】
例45では、例43-44の主題は、組織インタフェースシステムによって前記患者の皮膚組織表面領域に対し施されるゲージ圧療法に関する情報受信する前記ゲージ圧療法情報受信工程を随意で含むことが可能であり、前記皮膚組織表面領域は、前記患者の眼または眼キャビティを除く。
【0121】
例46では、例43-45の主題は、眼治療システムから、前記システムによって前記患者に対し提供される眼療法に関する療法情報を受信する工程を含む前記患者療法情報受信工程を随意で備えることが可能である。例46では、前記健康指数決定工程は、前記第1のIOP特性、前記第1のBP特性、および前記眼療法に関する前記情報に基づいて前記患者についての定量的な緑内障健康指数を決定する工程を含むことが可能である。
【0122】
例47では、例42-46の主題は、前記患者の視覚的健康を決定する工程を含む前記健康指数決定工程を随意で備えることが可能である。
例48では、例42-47の主題は、薬剤送達システムから前記患者に対し提供される薬剤療法に関する情報を受信する工程を含む前記患者療法情報受信工程を随意で備えることが可能である。
【0123】
例49では、例42-48の主題は、前記第1のIOP特性および前記第1のBP特性に基づいて、前記患者の第1の眼灌流圧(OPP)特性を決定する工程と、前記第1のOPPおよび前記第1の患者療法に関する前記情報に基づいて、前記眼健康指数を決定する工程と、を含む前記健康指数決定工程を随意で備えることが可能である。
【0124】
例50では、例42-49の主題は、前記患者の脳脊髄液圧力特性に関する情報を使用する前記健康指数決定工程を随意で備えることが可能である。
例51では、例42-50は、前記患者によって装着されるコンタクトレンズ上のセンサから前記血圧情報を受信する工程を含む前記BP特性情報受信工程を随意で備えることが可能である。
【0125】
例52では、例42-51の主題は、前記患者の後続の第2のIOP特性に関する情報を受信する、第2IOP特性情報受信工程と、前記患者の後続の第2のBP特性に関する情報を受信する工程と、前記第1のIOP特性と前記第2のIOP特性との間の差に関する情報を使用する工程と前記第1のBP特性と前記第2のBP特性との間の差に関する情報を使用する工程とを含む前記健康指数決定工程と、を随意で備えることが可能である。
【0126】
例53では、例52の主題は、第1のIOP測定イベントに対応する前記第1のIOP特性に関する前記情報と、後続の第2のIOP測定イベントに対応する前記第2のIOP特性に関する前記情報と、を随意で備えることが可能であり、前記患者療法情報受信工程は、前記第1のIOP測定イベントと前記第2のIOP測定イベントとの間に前記患者に対し提供される療法に関する情報を受信する工程を含む。
【0127】
例54では、例52-53の主題は、1つまたは複数の夜間監視期間にわたって前記情報を受信する工程を含む前記第1IOP特性情報受信工程および前記第2IOP特性情報受信工程を随意で備えることが可能である。
【0128】
例55では、例52-54の主題は、1つまたは複数の昼間監視期間にわたって前記情報を受信する工程を含む前記第1IOP特性情報受信工程および前記第2IOP特性情報受信工程を随意で備えることが可能である。
【0129】
例56では、例52-55の主題は、新しい指数値を少なくとも30日ごとに決定する工程を含む前記健康指数決定工程を随意で備えることが可能である。
例57では、例42-56の主題は、第1の間隔にわたる前記患者に関するIOP情報を示す前記第1のIOP特性に関する前記情報と、同一の前記第1の間隔にわたる前記患者に関するBP情報を示す前記第1のBP特性に関する前記情報と、同一の前記第1の間隔に対応する療法情報を示す前記第1の患者療法に関する前記情報と、を随意で備えることが可能である。
【0130】
例58では、例42-57の主題は、患者インタフェースから患者報告視野に関する情報を受信する工程と、前記患者報告視野に関する前記情報を使用する前記健康指数決定工程と、を随意で備えることが可能である。
【0131】
例59では、例42-58の主題は、前記患者の前記第1のIOP特性および前記第1のBP特性をほぼ同時に測定する工程を随意で備えることが可能である。
例60では、例42-59の主題は、前記眼健康指数に基づいて、前記患者のための治療推奨を生成する工程を随意で備えることが可能であり、前記治療推奨は、前記患者治療システムによって少なくとも部分的に実装されることが可能である。
【0132】
例61では、例42-60の主題は、前記患者に対し後続の療法を提供するべく前記患者治療システムによって使用される治療パラメータを更新する、治療パラメータ更新工程を随意で備えることが可能である。
【0133】
例62では、例61の主題は、前記患者のための緑内障療法頻度または緑内障療法持続時間を更新する工程を含む前記治療パラメータ更新工程を随意で備えることが可能である。
【0134】
例63では、例42-62の主題は、前記眼健康指数に基づいて前記患者に対し療法プランを通信する工程を随意で備えることが可能であり、前記療法プランは、前記患者治療システムまたは前記患者治療システムに対し結合されている1つもしくは複数のセンサを備えるかまたは使用する。
【0135】
例64では、例42-63の主題は、患者インタフェースから、前記患者の重量、前記患者のボディマス指数(BMI)、前記患者の食習慣または食習慣の変化、前記患者の薬剤計画、および前記患者の薬剤計画遵守のうちの1つまたは複数に関する患者報告状態情報を受信する工程を随意で備えることが可能であり、前記健康指数決定工程は、前記患者報告状態情報を使用する工程を含む。
【0136】
例65では、例42-64の主題は、前記眼健康指数を遠隔患者監視システムに対し自動的に報告する工程を随意で備えることが可能である。
例66では、例65の主題は、前記遠隔患者監視システムから、報告された前記眼健康指数に応答して、前記患者治療システムが前記患者のための新しい療法を開始することを可能にする命令、前記患者のための以前の療法を継続する命令、または前記患者に対する療法の提供を阻害する命令を受信する工程をずいいで備えることが可能である。
【0137】
例67では、例65-66の主題は、報告された前記眼健康指数に応答して、前記患者の重量、前記患者のボディマス指数(BMI)、前記患者の食習慣または食習慣の変化、前記患者の薬剤計画、および前記患者の薬剤計画遵守のうちの1つまたは複数に関する患者報告状態情報を要求する工程を随意で備えることが可能である。
【0138】
例68は、プロセッサ回路による実行時、前記プロセッサ回路に、例1-21または42-67のうちのいずれかを実装するための動作を行わせる命令を備える、1つ以上の機械可読媒体である。
【0139】
例69は、例1-67のうちのいずれかを実装する手段を備える装置である。
例70は、例1-67のうちのいずれかを実装するシステムである。
これらの非限定的な例の各々は、単独で存在し得るか、または他の例のうちの1つまたは複数との種々の順列もしくは組合せにより組み合わせられることが可能である。
【0140】
上記の記載は、詳細な説明の一部を形成する添付図面に対する参照を含む。図面は、例示として、本発明を実施することが可能である特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。そうした例は、示されまたは記載されたものに加えて要素を含むことが可能である。しかしながら、本発明者らは、示されまたは記載された要素しか提供されない例も企図する。さらに、本発明者らはまた、特定の例(もしくはその1つもしくは複数の態様)に関して、または本明細書において示されもしくは記載される他の例(もしくはその1つもしくは複数の態様)に関して、示されまたは記載されるそれらの要素(またはその1つもしくは複数の態様)の任意の組合せまたは順列を使用する例を企図する。
【0141】
本文書と、参照によりそのように組み込まれた任意の文書との間において使用法が一致しない場合、本文書における使用法が優先する。
本文書において、「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、特許文献において一般的であるように、「1つ以上」または「1つまたは複数」の任意の他のインスタンスまたは使用とは無関係に、1つまたは2つ以上を含むように使用される。本文書において、「または」という用語は、非排他を指すように使用され、別段の指示がない限り、「AまたはB」は、「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、および「AかつB」を含む。本文書において、用語「含む(including)」および「ここで(in which)」は、それぞれの用語「備える(comprising)」および「ここで(wherein)」の平易な英語の等価として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「備える(comprising)」という用語は、オープンエンドであり、すなわち、特許請求の範囲におけるそうした用語の後に列挙される要素に加えてそれらの要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、配合物、または処理は、依然としてその特許請求の範囲内にあると見なされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、ラベルとして使用されるに過ぎず、それらの対象に数値的要件を課すことを意図していない。
【0142】
上記の記載は、例示であることが意図され、限定的なものではない。例えば、上記の例(またはその1つもしくは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。他の実施形態は、例えば、上記の記載を検討した当業者などによって使用され得る。要約書は、37C.F.R.§1.72(b)に従って提供され、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にする。要約書は、請求項の範囲または意味を解釈または限定するように使用されるものではないという理解の下で提出される。また、上記の詳細な説明では、開示を合理化するために様々な特徴が一緒にグループ化され得る。これは、特許請求の範囲に記載されていない開示された特徴が任意の請求項に必須であることを意図するものとして解釈されるものではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にあってよい。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書によって例または実施形態として詳細な説明へと組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として独立しており、そうした実施形態は、様々な組合せまたは順列により互いに組み合わせられ得ることが企図される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そうした特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに決定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の眼についての眼健康指数(OHI)値を決定するための患者治療システムであって、
ポンプと通信するプロセッサ回路を備え、前記プロセッサ回路は、
第1の時間間隔にわたって前記患者の眼における眼圧(IOP)の第1の指標を、および前記第1の時間間隔にわたって前記患者からの血圧(BP)の第1の指標を、受信する工程と、
前記IOPの第1の指標および前記BPの第1の指標に少なくとも部分的に基づいて前記OHI値を生成する工程と、を行うように構成されている、患者治療システム。
【請求項2】
前記プロセッサ回路は、前記OHI値に基づいて緑内障疾患進行の指標を決定するように構成されている、請求項1に記載の患者治療システム。
【請求項3】
前記OHI値は、眼灌流圧(OPP)の指標である、請求項1に記載の患者治療システム。
【請求項4】
前記プロセッサ回路は、
前記第1の時間間隔にわたって前記患者の眼における前記眼圧(IOP)の第1の指標を、および前記第1の時間間隔にわたって前記患者からの前記血圧(BP)の第1の指標を、受信する工程であって、前記第1の時間間隔は、前記患者の眼に対し療法を施す前に生じる、工程と、
第2の時間間隔にわたって前記患者の眼におけるIOPの第2の指標を、および前記第2の時間間隔にわたって前記患者からのBPの第2の指標を、受信する工程であって、前記第2の時間間隔は、前記患者の眼に対し前記療法を施した後に生じる、工程と、
受信された前記IOPの第1の指標と受信された前記IOPの第2の指標との間のIOP差を決定する工程と、
受信された前記BPの第1の指標と受信された前記BPの第2の指標との間のBP差を決定する工程と、
決定された前記IOP差および決定された前記BP差に少なくとも部分的に基づいて前記OHI値を生成し、前記患者の眼に対する前記療法の効果を決定する工程と、を行うように構成されている、請求項1に記載の患者治療システム。
【請求項5】
前記プロセッサ回路は、前記患者に対し提供される前記療法に関する情報に少なくとも部分的に基づいて前記OHI値を決定するように構成されている、請求項4に記載の患者治療システム。
【請求項6】
前記患者の眼に対し施される前記療法は、ゴーグルベースの療法および薬剤送達療法のうちの1つ以上を含む、請求項4に記載の患者治療システム。
【請求項7】
前記患者の眼に対し施される前記療法は、前記ゴーグルベースの療法である、請求項6に記載の患者治療システム。
【請求項8】
前記プロセッサ回路は、前記患者に対し提供される前記ゴーグルベースの療法に関する情報に少なくとも部分的に基づいて前記OHI値を決定するように構成されている、請求項7に記載の患者治療システム。
【請求項9】
前記患者の眼に対し施される前記療法は、前記薬剤送達療法である、請求項6に記載の患者治療システム。
【請求項10】
前記患者の視野を特定するように構成されている患者インタフェースをさらに備え、前記患者インタフェースは、仮想現実(VR)ヘッドセットおよび他のヘッドマウントシステムのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の患者治療システム。
【請求項11】
前記患者の眼の上にキャビティを形成するべく前記患者の眼に対しフィッティングするように構成されている、ゴーグルと、
前記キャビティと連通して、前記キャビティにおける流圧に影響を及ぼすように構成されている、ポンプと、をさらに備える、請求項1に記載の患者治療システム。
【国際調査報告】