(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】ユーザの睡眠状態に基づくマットレス調整
(51)【国際特許分類】
A47C 21/00 20060101AFI20240501BHJP
A47C 27/10 20060101ALI20240501BHJP
A47C 21/04 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
A47C21/00
A47C27/10
A47C21/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566565
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 US2022026303
(87)【国際公開番号】W WO2022232114
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515257368
【氏名又は名称】スリープ ナンバー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】カーシュニク コディ リー
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア モリーナ ギャリー エヌ
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AC11
3B096AD03
(57)【要約】
ベッドは、マットレスを備える。センサシステムは、睡眠セッションを通じて、少なくとも1つの物理現象を感知するように構成される。コントローラは、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを有し得る。当該コントローラは、前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを受信し、前記センサデータと、ユーザ入力と、時計の確認と、のうちの少なくとも1つに基づいて、(i)状態ベースのアルゴリズム、及び、(ii)スケジュールベースのアルゴリズム、を含む複数の選択的なアルゴリズムから、1つの選択アルゴリズムを選択し、前記睡眠セッションを通じて、前記選択アルゴリズムを使用して、前記睡眠者の現在の睡眠状態を更新し、前記睡眠セッションを通じた前記睡眠者の現在の睡眠状態の更新に基づいて、前記睡眠セッションを追跡し、前記睡眠セッションを通じて、前記睡眠セッションの追跡を使用して、目標環境パラメータを更新し、前記睡眠セッションを通じて、環境コントローラに自動指令を送信する、ように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠環境において睡眠者を支持するように構成されたマットレスを有するベッドと、
センサシステムと、
を備え、
前記センサシステムは、
睡眠セッションを通じて、少なくとも1つの物理現象を感知し、
前記睡眠セッションを通じて、感知された前記物理現象に基づいてセンサデータをコントローラに送信する
ように構成されており、
前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを有し、
前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを受信し、
前記センサデータと、ユーザ入力と、時計の確認と、のうちの少なくとも1つに基づいて、(i)状態ベースのアルゴリズム、及び、(ii)スケジュールベースのアルゴリズム、を含む複数の選択的なアルゴリズムから、1つの選択アルゴリズムを選択し、
前記睡眠セッションを通じて、前記選択アルゴリズムを使用して、前記睡眠者の現在の睡眠状態を更新し、
前記睡眠セッションを通じた前記睡眠者の現在の睡眠状態の更新に基づいて、前記睡眠セッションを追跡し、
前記睡眠セッションを通じて、前記睡眠セッションの追跡を使用して、目標環境パラメータを更新し、
前記睡眠セッションを通じて、前記目標環境パラメータの更新に基づいて、環境コントローラに自動指令を送信する
ように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記環境コントローラは、
前記コントローラから前記自動指令を受信し、
前記睡眠者の前記睡眠環境が前記睡眠セッションを通じて更新されるように、前記自動指令に従って1または複数のデバイスを作動させる
ように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記マットレスは、少なくとも1つのエアチャンバを含み、
前記自動指令に従って前記1または複数のデバイスを作動させることは、前記マットレスの硬さが増大されるように、ポンプを作動させて前記マットレスの前記少なくとも1つのエアチャンバへの圧力を増大させることを含む
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記自動指令に従って前記1または複数のデバイスを作動させることは、前記マットレスの前記硬さが低減されるように、前記ポンプを作動させて前記マットレスの前記少なくとも1つのエアチャンバへの圧力を低減させることを含む
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記目標環境パラメータは、前記マットレスの硬さである
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの物理現象は、心拍数、呼吸数(respiration rate)、呼吸数(breahing rate)、鼾、前記睡眠者の身体の動き、前記睡眠者が入眠したという判定、入眠してからの経過時間、前記マットレス内の圧力変化、前記睡眠者の体温、及び、前記マットレスの頂面の温度、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記選択アルゴリズムは、前記状態ベースのアルゴリズムであり、
前記コントローラは、
前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを使用して、前記睡眠者の現在の睡眠状態を更新し、
前記睡眠セッションを通じた前記睡眠者の現在の睡眠状態の更新に基づいて、睡眠状態スケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡する
ように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記睡眠状態スケジュールは、連続するフェーズを使用して定義されており、
各フェーズは、i)前記現在の睡眠状態についての1または複数の値、及び、ii)前記目標環境パラメータについての1または複数の値、を特定する
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記睡眠セッションを通じた前記睡眠者の現在の睡眠状態の更新に基づいて睡眠状態スケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡することは、
現在の睡眠状態の識別を、前記連続するフェーズのうちの第1フェーズとして維持し、
現在の睡眠状態が第2フェーズによって特定される現在の睡眠状態についての前記1または複数の値と合致することを判定し、
現在の睡眠状態の識別を、前記連続するフェーズのうちの前記第1フェーズに続く第2フェーズに更新する
ことを含む
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記連続するフェーズは、i)初期睡眠フェーズ、ii)中期睡眠フェーズ、及び、iii)覚醒に近いフェーズ、を含む
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記初期睡眠フェーズは、前記睡眠者がベッドに入ってから少なくとも30分後である
ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記覚醒に近いフェーズは、前記睡眠者によって設定されたアラーム時刻の30分~40分前である
ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記初期睡眠フェーズは、i)閾値期間未満のNREM睡眠状態、及び、ii)ユーザ指定の圧力設定値、を特定し、
前記中期睡眠フェーズは、i)前記閾値期間を超えるNREM睡眠状態、及び、ii)前記ユーザ指定の圧力設定値を超える増大圧力設定値、を特定し、
前記覚醒に近いフェーズは、i)スケジュールされた起床時間に近い閾値期間未満のREM睡眠、及び、ii)前記ユーザ指定の圧力設定値、を特定する
ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記選択アルゴリズムは、前記スケジュールベースのアルゴリズムであり、
前記コントローラは、
前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを使用して、覚醒及び入眠についての可能性ある値を有する前記睡眠者の現在の睡眠判定を更新し、
前記現在の睡眠判定が入眠に更新されてからの経過時間の長さに基づいて、睡眠状態時間ベーススケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡する
ように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記睡眠状態時間ベーススケジュールは、連続するフェーズを使用して定義されており、
各フェーズは、i)前記現在の睡眠判定についての1または複数の値、及び、ii)前記目標環境パラメータについての1または複数の値、を特定する
ことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記現在の睡眠判定が入眠に更新されてからの経過時間の長さに基づいて、睡眠状態時間ベーススケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡することは、
現在の睡眠判定の識別を、前記連続するフェーズのうちの第1フェーズとして維持し、
現在の睡眠判定が第2フェーズによって特定される現在の睡眠判定についての前記1または複数の値と合致することを判定し、
現在の睡眠判定の識別を、前記連続するフェーズのうちの前記第1フェーズに続く第2フェーズに更新する
ことを含む
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記センサシステム及び前記環境コントローラとデータ通信状態にある、ホームオートメーションデバイス、モバイルデバイス、及び、リモートサーバ、のうちの少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記環境コントローラを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
睡眠環境において睡眠者を支持するように構成されたマットレスを有するベッドと、
センサシステムと、
を備え、
前記センサシステムは、
睡眠セッションを通じて、少なくとも1つの物理現象を感知し、
前記睡眠セッションを通じて、感知された前記物理現象に基づいてセンサデータをコントローラに送信する
ように構成されており、
前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを有し、
前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを受信し、
前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを使用して、前記睡眠者の現在の睡眠状態を更新し、
前記睡眠セッションを通じた前記睡眠者の現在の睡眠状態の更新に基づいて、睡眠状態スケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡し、
前記睡眠セッションを通じて、前記睡眠セッションの追跡を使用して、目標環境パラメータを更新し、
前記睡眠セッションを通じて、前記目標環境パラメータの更新に基づいて、環境コントローラに自動指令を送信する
ように構成されており、
前記環境コントローラは、
前記自動指令を受信し、
前記睡眠者の前記睡眠環境が前記睡眠セッションを通じて更新されるように、前記自動指令に従って1または複数のデバイスを作動させる
ように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項20】
前記睡眠状態スケジュールは、連続するフェーズを使用して定義されており、
各フェーズは、i)前記現在の睡眠状態についての1または複数の値、及び、ii)前記目標環境パラメータについての1または複数の値、を特定する
ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記睡眠セッションを通じた前記睡眠者の現在の睡眠状態の更新に基づいて睡眠状態スケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡することは、
現在の睡眠状態の識別を、前記連続するフェーズのうちの第1フェーズとして維持し、
現在の睡眠状態が第2フェーズによって特定される現在の睡眠状態についての前記1または複数の値と合致することを判定し、
現在の睡眠状態の識別を、前記連続するフェーズのうちの前記第1フェーズに続く第2フェーズに更新する
ことを含む
ことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記連続するフェーズは、i)初期睡眠フェーズ、ii)中期睡眠フェーズ、及び、iii)覚醒に近いフェーズ、を含む
ことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記初期睡眠フェーズは、i)閾値期間未満のNREM睡眠状態、及び、ii)ユーザ指定の圧力設定値、を特定し、
前記中期睡眠フェーズは、i)前記閾値期間を超えるNREM睡眠状態、及び、ii)前記ユーザ指定の圧力設定値を超える増大圧力設定値、を特定し、
前記覚醒に近いフェーズは、i)スケジュールされた起床時間に近い閾値期間未満のREM睡眠、及び、ii)前記ユーザ指定の圧力設定値、を特定する
ことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記コントローラは、前記センサシステム及び前記環境コントローラとデータ通信状態にある、ホームオートメーションデバイス、モバイルデバイス、及び、リモートサーバ、のうちの少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記コントローラは、前記環境コントローラを含む
ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記マットレスは、少なくとも1つのエアチャンバを含み、
前記自動指令に従って前記1または複数のデバイスを作動させることは、前記マットレスの硬さが増大されるように、ポンプを作動させて前記マットレスの前記少なくとも1つのエアチャンバへの圧力を増大させることを含む
ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項27】
前記自動指令に従って前記1または複数のデバイスを作動させることは、前記マットレスの前記硬さが低減されるように、前記ポンプを作動させて前記マットレスの前記少なくとも1つのエアチャンバへの圧力を低減させることを含む
ことを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記目標環境パラメータは、前記マットレスの硬さである
ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つの物理現象は、心拍数、呼吸数(respiration rate)、呼吸数(breahing rate)、鼾、前記睡眠者の身体の動き、前記睡眠者が入眠したという判定、入眠してからの経過時間、前記マットレス内の圧力変化、前記睡眠者の体温、及び、前記マットレスの頂面の温度、を含む
ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項30】
睡眠環境において睡眠者を支持するように構成されたマットレスを有するベッドと、
センサシステムと、
を備え、
前記センサシステムは、
睡眠セッションを通じて、少なくとも1つの物理現象を感知し、
前記睡眠セッションを通じて、感知された前記物理現象に基づいてセンサデータをコントローラに送信する
ように構成されており、
前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを有し、
前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを受信し、
前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを使用して、覚醒及び入眠についての可能性ある値を有する前記睡眠者の現在の睡眠判定を更新し、
前記現在の睡眠判定が入眠に更新されてからの経過時間の長さに基づいて、睡眠状態スケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡し、
前記睡眠セッションを通じて、前記睡眠セッションの追跡を使用して、目標環境パラメータを更新し、
前記睡眠セッションを通じて、前記目標環境パラメータの更新に基づいて、環境コントローラに自動指令を送信する
ように構成されており、
前記環境コントローラは、
前記自動指令を受信し、
前記睡眠者の前記睡眠環境が前記睡眠セッションを通じて更新されるように、前記自動指令に従って1または複数のデバイスを作動させる
ように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項31】
前記睡眠状態スケジュールは、連続するフェーズを使用して定義されており、
各フェーズは、i)前記現在の睡眠判定についての1または複数の値、及び、ii)前記目標環境パラメータについての1または複数の値、を特定する
ことを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記現在の睡眠判定が入眠に更新されてからの経過時間の長さに基づいて、睡眠状態スケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡することは、
現在の睡眠判定の識別を、前記連続するフェーズのうちの第1フェーズとして維持し、
現在の睡眠判定が第2フェーズによって特定される現在の睡眠判定についての前記1または複数の値と合致することを判定し、
現在の睡眠判定の識別を、前記連続するフェーズのうちの前記第1フェーズに続く第2フェーズに更新する
ことを含む
ことを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記連続するフェーズは、i)初期睡眠フェーズ、ii)中期睡眠フェーズ、及び、iii)覚醒に近いフェーズ、を含む
ことを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記初期睡眠フェーズは、i)閾値期間未満のNREM睡眠状態、及び、ii)ユーザ指定の圧力設定値、を特定し、
前記中期睡眠フェーズは、i)前記閾値期間を超えるNREM睡眠状態、及び、ii)前記ユーザ指定の圧力設定値を超える増大圧力設定値、を特定し、
前記覚醒に近いフェーズは、i)スケジュールされた起床時間に近い閾値期間未満のREM睡眠、及び、ii)前記ユーザ指定の圧力設定値、を特定する
ことを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記コントローラは、前記センサシステム及び前記環境コントローラとデータ通信状態にある、ホームオートメーションデバイス、モバイルデバイス、及び、リモートサーバ、のうちの少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項36】
前記コントローラは、前記環境コントローラを含む
ことを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項37】
前記マットレスは、少なくとも1つのエアチャンバを含み、
前記自動指令に従って前記1または複数のデバイスを作動させることは、前記マットレスの硬さが増大されるように、ポンプを作動させて前記マットレスの前記少なくとも1つのエアチャンバへの圧力を増大させることを含む
ことを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項38】
前記自動指令に従って前記1または複数のデバイスを作動させることは、前記マットレスの前記硬さが低減されるように、前記ポンプを作動させて前記マットレスの前記少なくとも1つのエアチャンバへの圧力を低減させることを含む
ことを特徴とする請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記目標環境パラメータは、前記マットレスの硬さである
ことを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項40】
前記少なくとも1つの物理現象は、心拍数、呼吸数(respiration rate)、呼吸数(breahing rate)、鼾、前記睡眠者の身体の動き、前記睡眠者が入眠したという判定、入眠してからの経過時間、前記マットレス内の圧力変化、前記睡眠者の体温、及び、前記マットレスの頂面の温度、を含む
ことを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、マットレスユーザの睡眠状態に基づいてマットレス設定を調整するための、システム、方法、及び、技術、に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年4月29日出願の米国特許仮出願第63/181,590号の利益を主張するものである。当該先行出願の開示は、本願の開示の一部とみなされる(当該参照によって本願の開示に組み込まれる:incorporated by reference)。
【0003】
[背景技術]
一般に、ベッドは、睡眠やリラックスの場所として使用される家具である。多くの現代のベッドが、ベッドフレームの上に柔らかいマットレスを備えている。マットレスは、1人または複数人のユーザの体重を支えるために、スプリング、発泡材料、及び/または、エアチャンバ、を含み得る。幾つかのマットレスは、硬い場合がある。幾つかのマットレスは、硬さが低い(弱い)場合がある。幾つかのマットレスは、調整可能な硬さ設定を有し得る。マットレスの硬さは、ユーザの睡眠の質と全体的な睡眠の快適さとに影響を与え得る。また、マットレスの硬さは、ユーザの筋肉の緊張に基づいて、ユーザに異なって感じられ得る。ユーザの筋肉の緊張は、睡眠セッションを通じて、ユーザの現在の(その時々の)睡眠状態に基づいて、変化し得る。場合によって、柔らかいマットレス(例えば、低い硬さ)は、ユーザに幾らかの快適さを提供し得る一方で、ユーザの異なる(様々な)睡眠状態の間、より適切な脊椎(背骨)のアライメントにとって十分な支持を提供しない可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書は、一般に、ユーザ(例えば、睡眠者)の睡眠状態(例えば、NREM(ノンレム)またはREM(レム)などの睡眠段階)に基づいてマットレスの硬さを調整することに関する。より具体的には、本開示は、睡眠の質及び快適さを最適化するために、ユーザの現在の睡眠状態を識別することに基づいてマットレスの硬さを動的に調整することを説明する。マットレスの硬さは、ユーザの筋肉の緊張に基づいて、ユーザに異なって感じられ得る。更に、ユーザの筋肉の緊張は、ユーザの現在の睡眠段階に基づいて、睡眠セッション全体を通じて変化し得る。例えば、ユーザの筋肉の緊張は、REM睡眠中に実質的に低減され得る。ユーザの筋肉の緊張が不在である時、より柔らかく低い硬さのマットレスでは、ユーザは脊椎(背骨)の適切なアライメントを有しない可能性がある。従って、開示される技術は、REM睡眠中のユーザの筋肉の緊張の欠如に適応するために、マットレスの硬さの自動的な増大を提供し得る。REM睡眠中にマットレスの硬さを増大することによって、ユーザの睡眠の質と快適さとが最適化され得る。
【0005】
別の例として、幾つかの睡眠状態中、及び/または、入眠の開始時には、ユーザの筋肉の緊張が存在する場合がある。従って、開示される技術は、以前に増大されたマットレスの硬さ設定からマットレスの硬さを自動的に低減させることを提供し得る。従って、マットレスの硬さの調整は、入眠初期中にはマットレスのより低い圧力設定を設定すること、及び、他の睡眠状態(例えば、NREM睡眠段階)中にはマットレスの圧力設定を増大することによってマットレスの硬さを増大すること、を含み得る。幾つかの実装形態では、開示される技術は、マットレスの硬さをユーザの定義によるまたはユーザの好みによる硬さ設定に維持することを提供し得る。更に他の実装形態では、開示される技術は、マットレスの硬さをユーザの定義によるまたはユーザの好みによる硬さ設定にリセットすることを提供し得る。
【0006】
開示される技術は、睡眠状態アプローチ、及び/または、時間ベースアプローチ、に基づいて、いつマットレスの硬さを調整すべきかを判定(決定)することを提供し得る。
睡眠状態アプローチでは、開示される技術は、ベッド内のユーザについての感知されたデータに基づいて、ユーザの現在の睡眠段階を判定(決定)し得る。感知されるデータは、マットレス内の圧力変化、ユーザの体温、マットレスの温度、心拍数、心拍数の変動、呼吸数(respiration rate)、呼吸数(breahing rate)、などを含み得る。次いで、開示される技術は、判定(決定)されたユーザの現在の睡眠段階に基づいて硬さの調整を決定し得る。
【0007】
時間ベースアプローチでは、開示される技術は、ユーザがベッド内にいる時間と入眠からの経過時間とに基づいて、ユーザが眠っているのか起きているのかを判定し得る。深い睡眠は、入眠後約1時間で確立されるため、マットレスの硬さの最初の変化はその時点で始まり得る。それに続く硬さの変化も、当該時点から測定され得る。開示される技術は、ユーザがその段階にあると予想される異なる睡眠段階の間で、どれだけの時間が経過するか、に基づいて、硬さの調整を決定し得る。更に、睡眠状態アプローチまたは時間ベースアプローチのいずれが使用されるかに関係なく、開示される技術は、ユーザがアラーム時刻に目覚める前の所定の時間枠内に入る時に、マットレスの硬さをユーザの定義によるまたはユーザの好みによる硬さ設定にリセットすることを提供し得る。
【0008】
1または複数のコンピュータからなるシステムが、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたはそれらの組み合わせ、を当該システムにインストールすることによって、特定の動作または行動を実行するように構成され得る。当該ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたはそれらの組み合わせは、動作中に、当該システムをして、前記動作または行動を実行させる。1または複数のコンピュータプログラムが、データ処理装置によって実行される時に当該装置をして動作または行動を実行させる指令(命令)を含むことによって、特定の動作または行動を実行するように構成され得る。1つの一般的な態様は、睡眠環境において睡眠者を支持するように構成されたマットレスを有するベッドと、センサシステムと、を備え得て、前記センサシステムは、睡眠セッションを通じて、少なくとも1つの物理現象を感知し、前記睡眠セッションを通じて、感知された前記物理現象に基づいてセンサデータをコントローラに送信する、ように構成され得て、前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを有し得て、前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを受信し、前記センサデータと、ユーザ入力と、時計の確認と、のうちの少なくとも1つに基づいて、(i)状態ベースのアルゴリズム、及び、(ii)スケジュールベースのアルゴリズム、を含む複数の選択的なアルゴリズムから、1つの選択アルゴリズムを選択し、前記睡眠セッションを通じて、前記選択アルゴリズムを使用して、前記睡眠者の現在の睡眠状態を更新し、前記睡眠セッションを通じた前記睡眠者の現在の睡眠状態の更新に基づいて、前記睡眠セッションを追跡し、前記睡眠セッションを通じて、前記睡眠セッションの追跡を使用して、目標環境パラメータを更新し、前記睡眠セッションを通じて、前記目標環境パラメータの更新に基づいて、環境コントローラに自動指令を送信する、ように構成され得る。当該態様の他の実施形態は、各々が方法の動作(工程)を実行するように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、及び、1または複数のコンピュータ記憶装置に記録されるコンピュータプログラム、を含む。
【0009】
幾つかの実装は、以下の特徴の1または複数を含み得る。前記環境コントローラは、前記コントローラから前記自動指令を受信し、前記睡眠者の前記睡眠環境が前記睡眠セッションを通じて更新されるように前記自動指令に従って1または複数のデバイスを作動させる、ように構成され得る。前記マットレスは、少なくとも1つのエアチャンバを含み得て、前記自動指令に従って前記1または複数のデバイスを作動させることは、前記マットレスの硬さが増大されるように、ポンプを作動させて前記マットレスの前記少なくとも1つのエアチャンバへの圧力を増大させること、を含み得る。前記自動指令に従って前記1または複数のデバイスを作動させることは、前記マットレスの前記硬さが低減されるように、前記ポンプを作動させて前記マットレスの前記少なくとも1つのエアチャンバへの圧力を低減させること、を含み得る。前記目標環境パラメータは、前記マットレスの硬さであり得る。前記少なくとも1つの物理現象は、心拍数、呼吸数(respiration rate)、呼吸数(breahing rate)、鼾、前記睡眠者の身体の動き、前記睡眠者が入眠したという判定、入眠してからの経過時間、前記マットレス内の圧力変化、前記睡眠者の体温、及び、前記マットレスの頂面の温度、を含み得る。前記選択アルゴリズムは、前記状態ベースのアルゴリズムであり得て、前記コントローラは、前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを使用して、前記睡眠者の現在の睡眠状態を更新し、前記睡眠セッションを通じた前記睡眠者の現在の睡眠状態の更新に基づいて、睡眠状態スケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡する、ように構成され得る。前記睡眠状態スケジュールは、連続するフェーズを使用して定義され得て、各フェーズは、i)前記現在の睡眠状態についての1または複数の値、及び、ii)前記目標環境パラメータについての1または複数の値、を特定し得る。前記睡眠セッションを通じた前記睡眠者の現在の睡眠状態の更新に基づいて睡眠状態スケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡することは、現在の睡眠状態の識別を前記連続するフェーズのうちの第1フェーズとして維持し、現在の睡眠状態が第2フェーズによって特定される現在の睡眠状態についての前記1または複数の値と合致することを判定し、現在の睡眠状態の識別を前記連続するフェーズのうちの前記第1フェーズに続く第2フェーズに更新すること、を含み得る。前記連続するフェーズは、i)初期睡眠フェーズ、ii)中期睡眠フェーズ、及び、iii)覚醒に近いフェーズ、を含み得る。前記初期睡眠フェーズは、前記睡眠者がベッドに入ってから少なくとも30分後であり得る。前記覚醒に近いフェーズは、前記睡眠者によって設定されたアラーム時刻の30分~40分前であり得る。前記初期睡眠フェーズは、i)閾値期間未満のNREM睡眠状態、及び、ii)ユーザ指定の圧力設定値、を特定し得て、前記中期睡眠フェーズは、i)前記閾値期間を超えるNREM睡眠状態、及び、ii)前記ユーザ指定の圧力設定値を超える増大圧力設定値、を特定し得て、前記覚醒に近いフェーズは、i)スケジュールされた起床時間に近い閾値期間未満のREM睡眠、及び、ii)前記ユーザ指定の圧力設定値、を特定し得る。前記選択アルゴリズムは、前記スケジュールベースのアルゴリズムであり得て、前記コントローラは、前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを使用して、覚醒及び入眠についての可能性ある値を有する前記睡眠者の現在の睡眠判定を更新し、前記現在の睡眠判定が入眠に更新されてからの経過時間の長さに基づいて、睡眠状態時間ベーススケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡する、ように構成され得る。前記睡眠状態時間ベーススケジュールは、連続するフェーズを使用して定義され得て、各フェーズは、i)前記現在の睡眠判定についての1または複数の値、及び、ii)前記目標環境パラメータについての1または複数の値、を特定し得る。前記現在の睡眠判定が入眠に更新されてからの経過時間の長さに基づいて睡眠状態時間ベーススケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡することは、現在の睡眠判定の識別を前記連続するフェーズのうちの第1フェーズとして維持し、現在の睡眠判定が第2フェーズによって特定される現在の睡眠判定についての前記1または複数の値と合致することを判定し、現在の睡眠判定の識別を前記連続するフェーズのうちの前記第1フェーズに続く第2フェーズに更新すること、を含み得る。前記コントローラは、前記センサシステム及び前記環境コントローラとデータ通信状態にある、ホームオートメーションデバイス、モバイルデバイス、及び、リモートサーバ、のうちの少なくとも1つであり得る。前記コントローラは、前記環境コントローラを含み得る。説明される技術の実装形態は、ハードウェア、方法またはプロセス、あるいは、コンピュータがアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェア、を含み得る。
【0010】
1つの一般的な態様は、睡眠環境において睡眠者を支持するように構成されたマットレスを有するベッドと、センサシステムと、を備え得て、前記センサシステムは、睡眠セッションを通じて、少なくとも1つの物理現象を感知し、前記睡眠セッションを通じて、感知された前記物理現象に基づいてセンサデータをコントローラに送信する、ように構成され得て、前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを有し得て、前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを受信し、前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを使用して、前記睡眠者の現在の睡眠状態を更新し、前記睡眠セッションを通じた前記睡眠者の現在の睡眠状態の更新に基づいて、睡眠状態スケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡し、前記睡眠セッションを通じて、前記睡眠セッションの追跡を使用して、目標環境パラメータを更新し、前記睡眠セッションを通じて、前記目標環境パラメータの更新に基づいて、環境コントローラに自動指令を送信する、ように構成され得て、前記環境コントローラは、前記自動指令を受信し、前記睡眠者の前記睡眠環境が前記睡眠セッションを通じて更新されるように、前記自動指令に従って1または複数のデバイスを作動させる、ように構成され得る。当該態様の他の実施形態は、各々が方法の動作(工程)を実行するように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、及び、1または複数のコンピュータ記憶装置に記録されるコンピュータプログラム、を含む。
【0011】
幾つかの実装は、以下の特徴の1または複数を含み得る。前記睡眠状態スケジュールは、連続するフェーズを使用して定義され得て、各フェーズは、i)前記現在の睡眠状態についての1または複数の値、及び、ii)前記目標環境パラメータについての1または複数の値、を特定し得る。前記睡眠セッションを通じた前記睡眠者の現在の睡眠状態の更新に基づいて睡眠状態スケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡することは、現在の睡眠状態の識別を前記連続するフェーズのうちの第1フェーズとして維持し、現在の睡眠状態が第2フェーズによって特定される現在の睡眠状態についての前記1または複数の値と合致することを判定し、現在の睡眠状態の識別を前記連続するフェーズのうちの前記第1フェーズに続く第2フェーズに更新すること、を含み得る。前記連続するフェーズは、i)初期睡眠フェーズ、ii)中期睡眠フェーズ、及び、iii)覚醒に近いフェーズ、を含み得る。前記初期睡眠フェーズは、i)閾値期間未満のNREM睡眠状態、及び、ii)ユーザ指定の圧力設定値、を特定し得て、前記中期睡眠フェーズは、i)前記閾値期間を超えるNREM睡眠状態、及び、ii)前記ユーザ指定の圧力設定値を超える増大圧力設定値、を特定し得て、前記覚醒に近いフェーズは、i)スケジュールされた起床時間に近い閾値期間未満のREM睡眠、及び、ii)前記ユーザ指定の圧力設定値、を特定し得る。前記コントローラは、前記センサシステム及び前記環境コントローラとデータ通信状態にある、ホームオートメーションデバイス、モバイルデバイス、及び、リモートサーバ、のうちの少なくとも1つであり得る。前記コントローラは、前記環境コントローラを含み得る。前記マットレスは、少なくとも1つのエアチャンバを含み得て、前記自動指令に従って前記1または複数のデバイスを作動させることは、前記マットレスの硬さが増大されるように、ポンプを作動させて前記マットレスの前記少なくとも1つのエアチャンバへの圧力を増大させることを含み得る。前記自動指令に従って前記1または複数のデバイスを作動させることは、前記マットレスの前記硬さが低減されるように、前記ポンプを作動させて前記マットレスの前記少なくとも1つのエアチャンバへの圧力を低減させることを含み得る。前記目標環境パラメータは、前記マットレスの硬さであり得る。前記少なくとも1つの物理現象は、心拍数、呼吸数(respiration rate)、呼吸数(breahing rate)、鼾、前記睡眠者の身体の動き、前記睡眠者が入眠したという判定、入眠してからの経過時間、前記マットレス内の圧力変化、前記睡眠者の体温、及び、前記マットレスの頂面の温度、を含み得る。説明される技術の実装形態は、ハードウェア、方法またはプロセス、あるいは、コンピュータがアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェア、を含み得る。
【0012】
1つの一般的な態様は、睡眠環境において睡眠者を支持するように構成されたマットレスを有するベッドと、センサシステムと、を備え得て、前記センサシステムは、睡眠セッションを通じて、少なくとも1つの物理現象を感知し、前記睡眠セッションを通じて、感知された前記物理現象に基づいてセンサデータをコントローラに送信する、ように構成され得て、前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを有し得て、前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを受信し、前記睡眠セッションを通じて、前記センサデータを使用して、覚醒及び入眠についての可能性ある値を有する前記睡眠者の現在の睡眠判定を更新し、前記現在の睡眠判定が入眠に更新されてからの経過時間の長さに基づいて、睡眠状態スケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡し、前記睡眠セッションを通じて、前記睡眠セッションの追跡を使用して、目標環境パラメータを更新し、前記睡眠セッションを通じて、前記目標環境パラメータの更新に基づいて、環境コントローラに自動指令を送信する、ように構成され得て、前記環境コントローラは、前記自動指令を受信し、前記睡眠者の前記睡眠環境が前記睡眠セッションを通じて更新されるように、前記自動指令に従って1または複数のデバイスを作動させる、ように構成され得る。当該態様の他の実施形態は、各々が方法の動作(工程)を実行するように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、及び、1または複数のコンピュータ記憶装置に記録されるコンピュータプログラム、を含む。
【0013】
幾つかの実装は、以下の特徴の1または複数を含み得る。前記睡眠状態スケジュールは、連続するフェーズを使用して定義され得て、各フェーズは、i)前記現在の睡眠判定についての1または複数の値、及び、ii)前記目標環境パラメータについての1または複数の値、を特定し得る。前記現在の睡眠判定が入眠に更新されてからの経過時間の長さに基づいて睡眠状態スケジュールを通じて前記睡眠セッションを追跡することは、現在の睡眠判定の識別を前記連続するフェーズのうちの第1フェーズとして維持し、現在の睡眠判定が第2フェーズによって特定される現在の睡眠判定についての前記1または複数の値と合致することを判定し、現在の睡眠判定の識別を前記連続するフェーズのうちの前記第1フェーズに続く第2フェーズに更新すること、を含み得る。前記連続するフェーズは、i)初期睡眠フェーズ、ii)中期睡眠フェーズ、及び、iii)覚醒に近いフェーズ、を含み得る。前記初期睡眠フェーズは、i)閾値期間未満のNREM睡眠状態、及び、ii)ユーザ指定の圧力設定値、を特定し得て、前記中期睡眠フェーズは、i)前記閾値期間を超えるNREM睡眠状態、及び、ii)前記ユーザ指定の圧力設定値を超える増大圧力設定値、を特定し得て、前記覚醒に近いフェーズは、i)スケジュールされた起床時間に近い閾値期間未満のREM睡眠、及び、ii)前記ユーザ指定の圧力設定値、を特定し得る。前記コントローラは、前記センサシステム及び前記環境コントローラとデータ通信状態にある、ホームオートメーションデバイス、モバイルデバイス、及び、リモートサーバ、のうちの少なくとも1つであり得る。前記コントローラは、前記環境コントローラを含み得る。前記マットレスは、少なくとも1つのエアチャンバを含み得て、前記自動指令に従って前記1または複数のデバイスを作動させることは、前記マットレスの硬さが増大されるように、ポンプを作動させて前記マットレスの前記少なくとも1つのエアチャンバへの圧力を増大させることを含み得る。前記自動指令に従って前記1または複数のデバイスを作動させることは、前記マットレスの前記硬さが低減されるように、前記ポンプを作動させて前記マットレスの前記少なくとも1つのエアチャンバへの圧力を低減させることを含み得る。前記目標環境パラメータは、前記マットレスの硬さであり得る。前記少なくとも1つの物理現象は、心拍数、呼吸数(respiration rate)、呼吸数(breahing rate)、鼾、前記睡眠者の身体の動き、前記睡眠者が入眠したという判定、入眠してからの経過時間、前記マットレス内の圧力変化、前記睡眠者の体温、及び、前記マットレスの頂面の温度、を含み得る。説明される技術の実装形態は、ハードウェア、方法またはプロセス、あるいは、コンピュータがアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェア、を含み得る。
【0014】
開示される技術は、1または複数の利点を提供し得る。例えば、ユーザの睡眠段階に基づいてマットレスの硬さを調整することが、ユーザの快適さを最適化し得る。最適な硬さの程度は、個人的なものであり得て、身体の組成や筋肉の緊張に依存し得る。しかも、睡眠中において、筋肉の緊張は、ユーザの睡眠段階に応じて変化し得る。従って、開示される技術は、硬さを動的に調整して睡眠の快適さを最大化するために、ユーザの睡眠段階を検出または他の態様で判定することを提供する。睡眠の快適さは、より良好な脊椎のアライメントを通して改善され得て、これは、代謝に有益であり得て、腰痛を低減し得る。
【0015】
別の例として、開示される技術は、ユーザの全体的な睡眠の質の改善を提供し得る。睡眠セッション全体を通じて、マットレスの硬さの睡眠を妨げない程度に小さな知覚不可のまたは知覚可能な変化が、ユーザに、継続的な快適さと継続的な睡眠とを提供し得る(換言すれば、ユーザは、マットレスの硬さの変化や不快さの変化によって夜に目が覚めてしまうことがない)。ユーザがより快適でより良好な脊椎のアライメントを経験する時、ユーザは回復状態で目が覚めることができ、全体的により良好な気分を感じることができる。ユーザが経験する睡眠が良好であればあるほど、睡眠の質も良好である。
【0016】
更に別の例として、ユーザは、睡眠セッション全体を通して行われ得るマットレスの硬さの調整に気付かない場合があり、そのことによって、継続的かつ改善された睡眠の質と快適さとに帰結し得る睡眠フェーズに関連付けられた睡眠セッション全体を通じてマットレスの硬さのレベルを変えることは、ユーザが必要とする最適化された脊椎のアライメントを目標期間提供し得る一方で、外部変化に対する意識は最小限に抑えられ得る。換言すれば、マットレスの硬さの調整は、深い睡眠段階中(例えば、ユーザの筋肉の緊張が低下するREM睡眠中)に行われ得るため、ユーザはマットレスの硬さが自動的に変更されていることに気づかない場合がある。このような知覚不可の調整は、当該調整がユーザの睡眠セッションを阻害したりユーを目覚めさせたりすることがないため、有利であり得る。ユーザは、睡眠セッションを通じて、継続的かつ改善された睡眠の質と快適さとを経験し得る。
【0017】
更に別の例として、ここでの技術は、痛みの管理、怪我や手術からの回復、胃食道逆流症(GERD)等の問題の治療、などの場合の治療的介入を可能にし得る。
【0018】
更に別の例として、当該技術は、当該技術を使用しない代替システムと比較して、エネルギ節約を提供し得て、優れた睡眠体験を提供し得る。
【0019】
他の特徴、態様、潜在的な利点が、添付の説明及び図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、例示的なエアベッドシステムを示している。
【0021】
【
図2】
図2は、エアベッドシステムの様々な構成要素の一例のブロック図である。
【0022】
【
図3】
図3は、家庭内及び家庭周囲にある複数のデバイスと通信するベッドを含む例示的な環境を示している。
【0023】
【
図4A】
図4A及び
図4Bは、ベッドに関連付けられ得る例示的なデータ処理システムのブロック図である。
【
図4B】
図4A及び
図4Bは、ベッドに関連付けられ得る例示的なデータ処理システムのブロック図である。
【0024】
【
図5】
図5及び
図6は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、マザーボードの例のブロック図である。
【
図6】
図5及び
図6は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、マザーボードの例のブロック図である。
【0025】
【
図7】
図7は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ドーターボードの一例のブロック図である。
【0026】
【
図8】
図8は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ドーターボード無しのマザーボードの一例のブロック図である。
【0027】
【
図9】
図9は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、センサレイの一例のブロック図である。
【0028】
【
図10】
図10は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、コントローラアレイの一例のブロック図である。
【0029】
【
図11】
図11は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、コンピューティングデバイスの一例のブロック図である。
【0030】
【
図12】
図12乃至
図16は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、例示的なクラウドサービスのブロック図である。
【
図13】
図12乃至
図16は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、例示的なクラウドサービスのブロック図である。
【
図14】
図12乃至
図16は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、例示的なクラウドサービスのブロック図である。
【
図15】
図12乃至
図16は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、例示的なクラウドサービスのブロック図である。
【
図16】
図12乃至
図16は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、例示的なクラウドサービスのブロック図である。
【0031】
【
図17】
図17は、ベッドに関連付けられ得るデータ処理システムを使用してベッドの周りの周辺機器を自動化する一例のブロック図である。
【0032】
【
図18】
図18は、コンピューティングデバイス及びモバイルコンピューティングデバイスの一例を示す概略図である。
【0033】
【
図19】
図19は、ユーザの現在の睡眠状態に基づいてマットレスの硬さを調整する一例の概念図である。
【0034】
【
図20】
図20は、ユーザの時間ベースの睡眠段階判定に基づいてマットレスの硬さを調整する一例の概念図である。
【0035】
【
図21】
図21は、ユーザの現在の睡眠状態に基づいてマットレスの硬さを調整するための例示的なプロセスのスイムレーン図である。
【0036】
【
図22】
図22は、ユーザの時間ベースの睡眠状態判定に基づいてマットレスの硬さを調整するための例示的なプロセスのスイムレーン図である。
【0037】
【
図23】
図23は、ユーザの異なる睡眠段階中にマットレスの硬さを調整するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【0038】
【
図24】
図24は、ユーザが異なる睡眠段階にあるタイミングを示す催眠図である。
【0039】
【
図25】
図25は、時間依存の睡眠段階確率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
様々な図面内で、同様の参照記号は同様の要素を示している。
【0041】
本開示は、一般に、ユーザ(例えば、睡眠者)の現在の睡眠状態に基づいてマットレスの硬さを調整するための、システム、方法、及び、技術、を説明する。本明細書に説明されるように、ユーザの筋肉の緊張が、様々な睡眠段階中に低減され得る。筋肉の緊張が不在である時、ユーザは適切な脊椎(背骨)のアライメントないし快適さを経験しない可能性がある。従って、開示される技術を用いて、筋肉の緊張が不在である時に適切な脊椎(背骨)のアライメント及び快適さを提供するべく、マットレスの硬さが様々な睡眠段階中に調整され得る。
【0042】
ベッドシステムは、マットレスと、1または複数のセンサと、コントローラと、を備え得る。ユーザがマットレス上で休息している時、センサがユーザの状態を検出し得る。当該状態が、マットレスの硬さの調整を決定するために、コントローラによって使用され得る。例えば、当該状態は、ユーザの現在の睡眠段階(例えば、睡眠状態;十分休息しているvs落ち着かない;REM、N1、N2及びN3)を決定するために、コントローラによって使用され得る。現在の睡眠段階に応じて、コントローラは、ユーザが浅い睡眠段階にある時にはマットレス内の圧力を減少させ、ユーザが深い睡眠段階にある時にはマットレス内の圧力を増大する等、マットレスの硬さの適切な調整を決定し得る。
【0043】
幾つかの実装形態では、コントローラは、ユーザの特定の睡眠段階中(例えば、REM睡眠中、及び/または、ユーザの筋肉の緊張が不在または低減されている時)、マットレスをより硬くするべく、マットレスのエアチャンバ内の圧力が一定量だけ増大され得ることを、決定し得る。当該一定量は、ユーザの定義による及び/またはユーザの好みによる硬さ設定の増大率であり得る。コントローラは、ユーザの特定の睡眠段階中(例えば、浅い睡眠中、及び/または、ユーザの筋肉の緊張が存在している時)、マットレスの硬さを弱めるべく、マットレスのエアチャンバ内の圧力が一定量だけ低減され得ることを、決定し得る。
【0044】
別の例として、コントローラは、ユーザが目覚めている、眠っている、及び、1または複数の異なる睡眠段階にある、と予想されるタイミングに基づいて、マットレスの硬さに対する調整を決定し得る。従って、様々な睡眠段階のタイミングに基づいて、マットレスの硬さに対する調整がなされ得る。幾つかの実装形態では、当該タイミングは、ユーザに関する履歴の睡眠タイミング情報に特有であり得る。幾つかの実装形態では、当該タイミングは、年齢、性別、または、他の人口統計上の及び/または郵便番号や他のタグ等の位置(住所)などのパラメータで定義される、ユーザについてのある母集団に亘って一般的であり得る。ユーザの現在の睡眠段階、及び/または、様々な睡眠段階のタイミング、に基づいてマットレスの硬さを調整することは、改善された睡眠の質、快適さ、及び、脊椎(背骨)のアライメント、を提供するのに有益であり得る。
【0045】
[例示的なエアベッドハードウェア]
【0046】
図1は、ベッド112を含む例示的なエアベッドシステム100を示している。ベッド112は、弾性境界116によって取り囲まれ、ベッド用丈夫綿生地118によってカプセル化された、少なくとも1つのエアチャンバ114を含む。弾性境界116は、発泡体などの、任意の適切な材料を含み得る。
【0047】
図1に示すように、ベッド112は、第1エアチャンバ114A及び第2エアチャンバ114B等の、第1及び第2流体チャンバを有する2チャンバ設計であり得る。代替の実施形態では、ベッド112は、用途に適した空気以外の流体と共に使用するためのチャンバを含み得る。シングルベッドまたはキッズベッドなどの幾つかの実施形態では、ベッド112は、単一のエアチャンバ114Aまたは114B、あるいは、複数のエアチャンバ114A及び114B、を含み得る。第1及び第2エアチャンバ114A及び114Bは、ポンプ120と流体連通し得る。ポンプ120は、制御ボックス124を介して、リモートコントロール(リモコン)122と電気的に通信し得る。制御ボックス124は、リモートコントロール122を含む1または複数のデバイスと通信するための有線または無線通信インタフェースを含み得る。制御ボックス124は、ユーザがリモートコントロール122を使用することで入力されるコマンドに基づいて第1及び第2エアチャンバ114A及び114Bの流体圧力を増減させるように、ポンプ120を作動させるように構成され得る。幾つかの実装形態では、制御ボックス124は、ポンプ120のハウジングに一体化(統合)されている。
【0048】
リモートコントロール122は、ディスプレイ126、出力選択機構128、圧力増加ボタン129、及び圧力減少ボタン130、を含み得る。出力選択機構128は、ユーザがポンプ120によって生成される空気流を第1及び第2エアチャンバ114A、114B間で切り替えることを許容し得て、これにより、単一のリモートコントロール122及び単一のポンプ120で複数のエアチャンバの制御を可能にする。例えば、出力選択機構128は、物理的制御部(例えば、スイッチまたはボタン)あるいはディスプレイ126上に表示される入力制御部により可能である。あるいは、別々のリモートコントロールユニットが、各エアチャンバに提供され得て、各々が複数のエアチャンバを制御する能力を含み得る。圧力増加ボタン129及び圧力減少ボタン130は、ユーザが、出力選択機構128で選択されたエアチャンバ内の圧力を、それぞれ、増加または減少させることを許容し得る。選択されたエアチャンバ内の圧力を調整すると、それぞれのエアチャンバの硬度(硬さ)に対する対応する調整がもたらされ得る。幾つかの実施形態では、リモートコントロール122は、用途に応じて適切に、省略され得るし、または、修正され得る。例えば、幾つかの実施形態では、ベッド112は、当該ベッド112と有線または無線通信するコンピュータ、タブレット、スマートフォン、または他のデバイス、によって制御され得る。
【0049】
図2は、エアベッドシステムの様々な構成要素(コンポーネント)の一例のブロック図である。例えば、これらの構成要素は、例示的なエアベッドシステム100において使用され得る。
図2に示すように、制御ボックス124は、電源部134、プロセッサ136、メモリ137、スイッチング機構138、及び、アナログデジタル(A/D)変換器140を含み得る。スイッチング機構138は、例えば、リレーまたはソリッドステートスイッチであり得る。幾つかの実装形態では、スイッチング機構138は、制御ボックス124内ではなくポンプ120内に配置され得る。
【0050】
ポンプ120及びリモートコントロール122は、制御ボックス124と双方向通信し得る。ポンプ120は、モータ142、ポンプマニホルド143、リリーフバルブ144、第1制御バルブ145A、第2制御バルブ145B、及び、圧力トランスデューサ146を含む。ポンプ120は、第1管148A及び第2管148Bを介して、それぞれ、第1エアチャンバ114A及び第2エアチャンバ114Bと流体接続されている。第1及び第2制御バルブ145A、145Bが、スイッチング機構138によって制御され得て、ポンプ120と第1及び第2エアチャンバ114A、114Bとの間の流体の流れをそれぞれ調整するように動作可能である。
【0051】
幾つかの実装形態では、ポンプ120及び制御ボックス124は、単一のユニットとして提供され及びパッケージ化され得る。幾つかの代替の実装では、ポンプ120及び制御ボックス124は、物理的に離れたユニットとして提供され得る。幾つかの実装形態では、制御ボックス124、ポンプ120、またはそれらの両方は、ベッド112を支持するベッドフレームまたはベッド支持構造の内部に一体化されるか、あるいは、その内部に含まれる。幾つかの実施態様では、制御ボックス124、ポンプ120、またはそれらの両方は、(
図1の例に示されているように)ベッドフレームまたはベッド支持構造の外側に配置される。
【0052】
図2に示される例示的なエアベッドシステム100は、2つのエアチャンバ114A、114Bと単一のポンプ120とを含む。もっとも、他の実施は、2以上のエアチャンバと、当該エアチャンバを制御するためにエアベッドシステム内に組み込まれた1または複数のポンプと、を有するエアベッドシステムを含み得る。例えば、別個のポンプが、エアベッドシステムの各エアチャンバに付随(関連付け)され得て、あるいは、1つのポンプが、エアベッドシステムの複数のチャンバに付随(関連付け)され得る。別個のポンプは、各エアチャンバが独立且つ同時に膨張または収縮され得ることを許容し得る。更に、追加の圧力トランスデューサも、例えば別個の圧力トランスデューサが各エアチャンバに付随(関連付け)され得るとように、エアベッドシステム内に組み込まれ得る。
【0053】
使用時、プロセッサ136は、例えば、エアチャンバ114A、114Bの1つに減圧コマンドを送信し得て、スイッチング機構138が、プロセッサ136によって送られた低電圧のコマンド信号を、ポンプ120のリリーフバルブ(安全弁)144を作動させて制御バルブ145A、145Bを開放するのに十分なより高い動作電圧に変換するために、利用され得る。リリーフバルブ144を開放することが、空気がそれぞれの空気管148Aまたは148Bを通ってエアチャンバ114Aまたは114Bから逃げることを許容し得る。収縮中、圧力トランスデューサ146が、A/Dコンバータ140を介して、圧力読取値をプロセッサ136に送信し得る。A/Dコンバータ140は、圧力トランスデューサ146からアナログ情報を受信し得て、当該アナログ情報をプロセッサ136によって使用可能なデジタル情報に変換し得る。プロセッサ136は、圧力情報をユーザに伝えるために、当該デジタル信号をリモートコントロール122に送信してディスプレイ126を更新し得る。
【0054】
別の例として、プロセッサ136は、圧力増加コマンドを送信し得る。ポンプモータ142が、当該圧力増加コマンドに応答して通電され得て、対応するバルブ145A、145Bを電子的に作動させることにより、空気管148A、148Bを介して、エアチャンバ114A、114Bの指定された一方に空気を送給し得る。チャンバの硬さ(堅さ)を増加させるために指定されたエアチャンバ114Aまたは114Bに空気が送られている間、圧力トランスデューサ146がポンプマニホルド143内の圧力を感知し得る。この場合も、圧力トランスデューサ146は、A/Dコンバータ140を介して、圧力読取値をプロセッサ136に送信し得る。プロセッサ136は、A/Dコンバータ140から受け取った情報を使用して、エアチャンバ114Aまたは114B内の実際の圧力と所望の圧力との間の差を判定し得る。プロセッサ136は、圧力情報をユーザに伝えるために、当該デジタル信号をリモートコントロール122に送信してディスプレイ126を更新し得る。
【0055】
一般的に言えば、膨張または収縮のプロセス中、ポンプマニホルド143内で感知される圧力が、ポンプマニホルド143と流体連通しているそれぞれのエアチャンバ内の圧力の近似を提供し得る。エアチャンバ内の実際の圧力と実質的に等しいポンプマニホルド圧力の読取値を取得する例示的な方法は、ポンプ120をオフにする工程と、エアチャンバ114Aまたは114B及びポンプマニホルド143内の圧力が等しくなることを許容する工程と、次いで、圧力トランスデューサ146を用いてポンプマニホルド143内の圧力を感知する工程と、を備える。これにより、ポンプマニホルド143及びチャンバ114Aまたは114B内の圧力が等しくなることを許容するのに十分な時間を提供することは、エアチャンバ114Aまたは114B内の実際の圧力の正確な近似である圧力読取値をもたらし得る。幾つかの実装形態では、エアチャンバ114A及び/または114Bの圧力は、複数の圧力センサ(図示せず)を用いて、連続的にモニタリング(監視)され得る。
【0056】
幾つかの実装形態では、圧力トランスデューサ146によって収集される情報は、ベッド112に横たわっている人の様々な状態を判定するために分析され得る。例えば、プロセッサ136は、圧力トランスデューサ146によって収集される情報を使用して、ベッド112に横たわっている人の心拍数または呼吸数を判定し得る。例えば、ユーザは、チャンバ114Aを含むベッド112の一側に横たわっていてもよい。圧力トランスデューサ146は、チャンバ114Aの圧力の変動をモニタリング(監視)し得て、この情報が、ユーザの心拍数及び/または呼吸数を判定するために使用され得る。別の例として、収集されるデータを使用して人の睡眠状態(例えば、覚醒、浅い睡眠、深い睡眠)を判定するために、付加的な処理が実施され得る。例えば、プロセッサ136は、人が眠りに落ちる時、眠っている間であること、人の様々な睡眠状態、を判定し得る。
【0057】
圧力トランスデューサ146によって収集される情報を使用して判定され得るエアベッドシステム100のユーザに関連する付加的な情報は、ユーザの動き、ベッド112の表面上のユーザの存在、ユーザの体重、ユーザの心臓不整脈、一時的無呼吸、を含む。ユーザの存在の検知を例にとると、圧力トランスデューサ146が使用され得て、例えば、総圧力の変化の判定を介して、並びに/または、呼吸数信号、心拍数信号及び/若しくは他の生体特徴信号の1または複数を介して、ベッド112上のユーザの存在を検知し得る。例えば、単純な圧力検知プロセスが、圧力の増加を、ユーザがベッド112上に存在することを示すものとして、識別し得る。別の例として、プロセッサ136は、検知された圧力が特定の閾値(特定の体重を超える人ないし他の物体がベッド112上に配置されていることを示すための閾値)を超えて増加した場合、ユーザがベッド112上に存在する、と判定し得る。更に別の例として、プロセッサ136は、ユーザがベッド112上に存在することに対応するものとして、圧力の検知された僅かなリズミカルな変動との組合せで、圧力の増加を識別し得る。リズミカルな変動の存在は、ユーザの呼吸または心臓(心拍)のリズム(またはそれらの両方)に起因するものとして、識別され得る。呼吸または心拍の検知により、ベッド上に存在するユーザとベッド上に置かれている他の物体(スーツケースなど)とが、区別され得る。
【0058】
幾つかの実装形態では、圧力の変動が、ポンプ120で測定され得る。例えば、ポンプ120内の圧力の変動を検知するために、1または複数の圧力センサが、ポンプ120の1または複数の内部空洞内に配置され得る。ポンプ120で検知される圧力の変動は、チャンバ114A及び114Bの一方または両方の圧力の変動を示し得る。ポンプ120に配置された1または複数のセンサは、チャンバ114A及び114Bの一方または両方と流体連通することができ、当該センサは、チャンバ114A及び114B内の圧力を判定するように動作し得る。制御ボックス124は、チャンバ114Aまたはチャンバ114B内の圧力に基づいて、少なくとも1つのバイタルサイン(例えば、心拍数、呼吸数)を決定するように構成され得る。
【0059】
幾つかの実装形態では、制御ボックス124は、1または複数の圧力センサによって検知される圧力信号を分析し得て、チャンバ114Aまたはチャンバ114B上に横たわっているまたは座っているユーザの心拍数、呼吸数、及び/または他のバイタルサイン、を判定し得る。より具体的には、ユーザがチャンバ114Aの上方に配置されたベッド112上に横になる時、当該ユーザの心拍、呼吸、及び他の動きの各々が、チャンバ114Aに伝達されるベッド112上の力を生じさせ得る。ユーザの動きに起因するチャンバ114Aへの力の入力の結果として、波が、チャンバ114Aを通って、ポンプ120内へと伝播し得る。ポンプ120に配置された圧力センサが、当該波を検知し得て、これにより、センサによって出力される圧力信号は、心拍数、呼吸数、またはユーザに関する他の情報、を示し得る。
【0060】
睡眠状態に関して、エアベッドシステム100は、心拍数、呼吸、及び/またはユーザの動きなどの、様々な生体特徴信号を使用することにより、ユーザの睡眠状態を判定し得る。ユーザが眠っている間に、プロセッサ136は、ユーザの生体特徴信号(例えば、心拍数、呼吸、及び動き)の1または複数を受信し得て、当該受信した生体特徴信号に基づいてユーザの現在の睡眠状態を判定し得る。幾つかの実装形態では、チャンバ114A及び114Bの一方または両方の圧力の変動を示す信号が増幅及び/またはフィルタリングされ得て、心拍数及び呼吸数のより正確な検知を許容し得る。
【0061】
制御ボックス124は、増幅及びフィルタリングされた圧力信号に基づいて、パターン認識アルゴリズムまたは他の計算法を実行し得て、ユーザの心拍数及び呼吸数を判定し得る。例えば、当該アルゴリズムまたは計算法は、信号の心拍数部分が0.5~4.0Hzの範囲の周波数を有し、信号の呼吸数部分が1Hz未満の範囲の周波数を有する、という仮定に基づき得る。制御ボックス124は、また、受信された圧力信号に基づいて、血圧、揺れ及び回転運動、ローリング運動、四肢の運動、体重、ユーザの存在ないし不在、及び/またはユーザのアイデンティティ(個性)、などのユーザの他の特性を判定するように構成され得る。心拍数情報、呼吸数情報、及び他のユーザ情報、を使用してユーザの睡眠をモニタリング(監視)するための技術は、「バイタルサインをモニタリング(監視)するための装置」という名称のスティーブン・J・ヤング等による米国特許出願公開公報第2010/0170043号に開示されている。当該公開公報の全内容が、当該参照により本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0062】
例えば、ベッド112のチャンバ114A及び114B内の空気圧をモニタリング(監視)するために、圧力トランスデューサ146が使用され得る。ベッド112上のユーザが動いていない場合、エアチャンバ114Aまたは114B内の空気圧の変化は、比較的最小であり得て、呼吸及び/または心拍に起因し得る。しかしながら、ベッド112上のユーザが動いている時、マットレス内の空気圧は、はるかに大きな量で変動し得る。従って、圧力トランスデューサ146によって生成され、プロセッサ136によって受信される圧力信号は、動き、心拍、または呼吸に対応するものとして、フィルタリングされて示され得る。
【0063】
幾つかの実装形態では、プロセッサ136で制御ボックス124内でデータ分析を実行するのではなく、圧力トランスデューサ146によって収集されるデータを分析するためにデジタル信号プロセッサ(DSP)が提供され得る。あるいは、圧力トランスデューサ146によって収集されるデータは、遠隔分析のためにクラウドベースのコンピューティングシステムに送信され得る。
【0064】
幾つかの実装態様では、例示的なエアベッドシステム100は、例えば、ユーザの快適さのために、ベッドの温度を上昇、下降、または維持するように構成された温度コントローラを更に備える。例えば、パッドが、ベッド112の頂部上に載置され得る、または、その一部であり得る、あるいは、チャンバ114A及び114Bの一方または両方の頂部上に載置され得る、または、その一部であり得る。当該パッドを通して空気が押し出され得て、ベッドのユーザを冷やすために通気され得る。逆に、当該パッドは、ユーザを暖かく保つために使用され得る加熱要素を含み得る。幾つかの実装形態では、温度コントローラは、パッドから温度読取値を受信し得る。幾つかの実装形態では、ベッドの異なる側に異なる温度制御を提供するために、(例えば、チャンバ114A及び114Bの位置に対応する)ベッド112の異なる側に、別個のパッドが使用される。
【0065】
幾つかの実装形態では、エアベッドシステム100のユーザは、ベッド112の表面(またはベッド112の表面の一部)の所望の温度を入力するために、リモートコントロール122などの入力デバイスを使用し得る。所望の温度は、当該所望の温度を含み温度コントローラを所望の制御対象のコンポーネント(構成要素)として識別するコマンドデータ構造にカプセル化され得る。次に、当該コマンドデータ構造は、ブルートゥースまたは他の適切な通信プロトコルを介してプロセッサ136に送信され得る。様々な例において、コマンドデータ構造は、送信される前に暗号化され得る。次に、温度コントローラは、ユーザによってリモートコントロール122に入力された温度に応じてパッドの温度を増減するように、その要素を構成(制御)し得る。
【0066】
幾つかの実装形態では、データは、あるコンポーネントからプロセッサ136に送り返され得るし、あるいは、ディスプレイ126などの1または複数のディスプレイデバイスに送信され得る。例えば、温度コントローラのセンサ要素によって判定される現在の温度、ベッドの圧力、土台(基礎部)の現在の位置、または他の情報が、制御ボックス124に送信され得る。次に、制御ボックス124は、受信した情報をリモートコントロール122に送信し得る。それは、そこで、(例えば、ディスプレイ126上で)ユーザに表示され得る。
【0067】
幾つかの実装形態では、例示的なエアベッドシステム100は、調整可能な土台と、ベッドを支持する当該調整可能な土台を調整することによってベッド(例えばベッド112)の位置を調整するように構成された関節運動コントローラと、を更に備える。例えば、関節運動コントローラは、ベッド112を、平坦な位置から、ベッドのマットレスのヘッド部分が上向きに傾斜する位置にまで(例えば、ユーザがベッドに座る及び/またはテレビを見ることを容易にするために)、調整し得る。幾つかの実装形態では、ベッド112は、複数の別々に関節運動可能なセクションを含む。例えば、チャンバ114A及び114Bの位置に対応するベッドの部分が、互いに独立して関節運動され得て、ベッド112の表面上に配置された1人が第1位置(例えば、平坦な位置)で休みながら、2人目が第2位置(例えば、頭を腰から斜めに上げたリクライニング位置)で休むことを許容する。幾つかの実装形態では、2つの異なるベッド(例えば、互いに隣り合って配置された2つのツインベッド)に、別々の位置が設定され得る。ベッド112の土台は、独立して調整され得る2以上のゾーンを含み得る。関節運動コントローラはまた、ベッド112上の1または複数のユーザに異なるレベルのマッサージを提供するように構成され得る。
【0068】
[寝室環境におけるベッドの例]
【0069】
図3は、家庭内及び家庭周囲にある複数のデバイスと通信するベッド302を含む例示的な環境300を示している。図示の例では、ベッド302は、2つのエアチャンバ306a及び306b内の空気圧を制御するためのポンプ304を含む(エアチャンバ114A~114Bに関して前述されたように)。ポンプ304は更に、当該ポンプ304によって実施される膨張機能及び収縮機能を制御するための回路を含む。当該回路は、更に、エアチャンバ306a~bの空気圧の変動を検知するようにプログラムされており、当該検知された空気圧の変動を利用して、ユーザ308のベッドでの存在、ユーザ308の睡眠状態、ユーザ308の動き、及び、心拍数や呼吸数などのユーザ308の生体特徴信号、を識別する。図示の例では、ポンプ304は、ベッド302の支持構造内に配置され、ポンプ304を制御するための制御回路334は、ポンプ304と一体化されている。幾つかの実装形態では、制御回路334は、ポンプ304から物理的に離れており、ポンプ304と無線または有線で通信する。幾つかの実装形態では、ポンプ304及び/または制御回路334は、ベッド302の外側に配置される。幾つかの実装形態では、様々な物理的位置にあるシステムによって、様々な制御機能が実施され得る。例えば、ポンプ304の動作を制御するための回路が、ポンプ304のポンプケーシング内に配置され得て、ベッド302に関連する他の機能を実施するための制御回路334が、ベッド302の別の部分内、またはベッド302の外部、に配置され得る。別の例として、ポンプ304内に配置された制御回路334は、LANまたはWAN(例えばインターネット)を介して、遠隔地にある制御回路334と通信し得る。更に別の例として、制御回路334は、
図1及び
図2の制御ボックス124に含められ得る。
【0070】
幾つかの実装形態では、ユーザのベッドでの存在、睡眠状態、動き、及び生体特徴信号を識別するために、ポンプ304及び制御回路334以外の、またはそれらに加えての、1または複数の装置が使用され得る。例えば、ベッド302は、ポンプ304に加えて第2のポンプを含み得て、2つのポンプの各々は、エアチャンバ306a~bのそれぞれ1つに接続され得る。例えば、ポンプ304は、エアチャンバ306bと流体連通し得て、エアチャンバ306bの膨張及び収縮を制御し得て、ベッドでの存在、睡眠状態、動き、生体特徴信号などの、エアチャンバ306b上に位置するユーザのユーザ信号を検知し得る。一方で、第2のポンプが、エアチャンバ306aと流体連通し得て、エアチャンバ306aの膨張及び収縮を制御し得るとともに、エアチャンバ306a上に位置するユーザのユーザ信号を検知し得る。
【0071】
別の例として、ベッド302は、ユーザの存在、ユーザの動き、呼吸、及び心拍数を含む、動きを検知するように動作可能な1または複数の感圧パッドまたは感圧表面部分を含み得る。例えば、第1感圧パッドが、第1ユーザが通常睡眠中に位置するベッド302の左側部分上でベッド302の表面内に組み込まれ得て、第2感圧パッドが、第2ユーザが通常睡眠中に位置するベッド302の右側部分上でベッド302の表面内に組み込まれ得る。当該1または複数の感圧パッドまたは感圧表面部分によって検知される動きは、ユーザの睡眠状態、ベッドでの存在、または生体特徴信号、を識別するために、制御回路334によって使用され得る。
【0072】
幾つかの実装形態では、ベッドによって検知される情報(例えば運動情報)は、制御回路334(例えば、ポンプ304と一体化された制御回路334)によって処理され、ユーザデバイス310などの1または複数のユーザデバイスに提供されて、ユーザ308または他のユーザへ提示される。
図3に示す例では、ユーザデバイス310はタブレットデバイスである。しかしながら、幾つかの実装形態では、ユーザデバイス310は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、スマートテレビ(例えば、テレビ312)、または、制御回路334との有線または無線通信が可能な他のユーザデバイス、であり得る。ユーザデバイス310は、ネットワークを介して、または直接のポイントトゥーポイント通信を介して、ベッド302の制御回路334と通信し得る。例えば、制御回路334は、(例えば、Wi-Fiルータを介して)LANに接続され得て、当該LANを介してユーザデバイス310と通信し得る。別の例として、制御回路334及びユーザデバイス310は、両方ともインターネットに接続し得て、当該インターネットを介して通信し得る。例えば、制御回路334は、WiFiルータを介してインターネットに接続し得て、ユーザデバイス310は、セルラー通信システムとの通信を介してインターネットに接続し得る。別の例として、制御回路334は、ブルートゥースなどの無線通信プロトコルを介して、ユーザデバイス310と直接通信し得る。更に別の例として、制御回路334は、ZigBee、Z-Wave、赤外線、または用途に適した他の無線通信プロトコル、などの無線通信プロトコルを介して、ユーザデバイス310と通信し得る。別の例として、制御回路334は、例えば、USBコネクタ、シリアル/RS232、または用途に適した他の有線接続、などの有線接続を介して、ユーザデバイス310と通信し得る。
【0073】
ユーザデバイス310は、睡眠またはユーザ308のベッド302に対する相互作用に関連する様々な情報及び統計を表示し得る。例えば、ユーザデバイス310によって表示されるユーザインタフェースが、ある期間(例えば、一晩、一週間、一ヶ月など)のユーザ308の睡眠の量、深い睡眠の量、深い睡眠の落ち着かない睡眠に対する比、ベッドに入るユーザ308と眠りに落ちるユーザ308との間の時間経過、所定の期間においてベッド302で費やされた合計時間、ある期間のユーザ308の心拍数、ある期間のユーザ308の呼吸数、あるいは、ユーザ308またはベッド302の1または複数の他のユーザによるベッド302に対するユーザ相互作用に関連する他の情報、を含む情報を提示し得る。幾つかの実装形態では、複数のユーザの情報がユーザデバイス310に提示され得て、例えば、エアチャンバ306a上に位置する第1ユーザの情報が、エアチャンバ306b上に位置する第2ユーザの情報とともに、提示され得る。幾つかの実装形態では、ユーザデバイス310上に提示される情報は、ユーザ308の年齢に応じて変化し得る。例えば、ユーザデバイス310上に提示される情報は、ユーザ308の年齢と共に進化し得て、ユーザ308が子供としてまたは大人として加齢するにつれて異なる情報がユーザデバイス310上に提示され得る。
【0074】
ユーザデバイス310はまた、ユーザ302が情報を入力することを許容するために、ベッド302の制御回路334のためのインタフェースとして使用され得る。ユーザに、または、ベッド302または他の装置の機能を制御するための様々な制御信号に、より良い情報を提供するために、ユーザ308によって入力される情報は、制御回路334によって使用され得る。例えば、ユーザ308は、体重、身長、年齢などの情報を入力し得て、制御回路334はこの情報を使用し得て、当該ユーザの追跡された睡眠情報と、当該ユーザと同様の体重、身長及び/または年齢を有する他の人々の睡眠情報と、の比較を当該ユーザに提供し得る。別の例として、ユーザ308は、ユーザデバイス310を、エアチャンバ306a及び306bの空気圧を制御するため、ベッド302の様々なリクライニングまたは傾斜位置を制御するため、ベッド302の1または複数の表面温度制御装置の温度を制御するため、または、制御回路334が他の装置のための制御信号を生成することを許容するため(以下でより詳細に説明されるように)、のインタフェースとして使用し得る。
【0075】
幾つかの実装形態では、ベッド302の制御回路334(例えば、ポンプ304内に一体化された制御回路334)は、ユーザデバイス310に加えて、またはその代わりに、他の第1、第2または第3者の装置またはシステムと通信し得る。例えば、制御回路334は、テレビ312、照明システム314、サーモスタット316、セキュリティシステム318、あるいは、オーブン322、コーヒーメーカー324、ランプ326及び常夜灯328のような他の家庭用機器、と通信し得る。制御回路334が通信し得る装置及び/またはシステムの他の例は、ブラインド330を制御するためのシステム、1または複数のドア332の状態を検知または制御する(例えばドアが開いているか否かを検知する、ドアがロックされているか否かを検知する、または、ドアを自動的にロックする)ための1または複数の装置、及び、ガレージドア320を制御するためのシステム(例えば、ガレージドア320の開閉状態を識別し、ガレージドアオープナーにガレージドア320を開閉させるため、ガレージドアオープナーと一体化された制御回路334)、を含む。ベッド302の制御回路334と他の装置との間の通信は、ネットワーク(例えば、LANまたはインターネット)を介して、または、ポイントトゥーポイント通信(例えば、ブルートゥース、無線通信、または有線接続)として、生じ得る。幾つかの実装形態では、異なるベッド302の制御回路334が、異なるセットの装置と通信し得る。例えば、キッズベッド(子供用ベッド)は、大人用ベッドと同じ装置と通信しない及び/または制御しない場合がある。幾つかの実施形態では、ベッド302は、当該ベッド302の制御回路334がユーザの年齢の関数として異なる装置と通信するように、ユーザの年齢とともに進化し得る。
【0076】
制御回路334は、他の装置/システムから情報及び入力を受信し得て、ベッド302または他の装置の動作を制御するために、当該受信した情報及び入力を使用し得る。例えば、制御回路334は、ベッド302が配置されている家または部屋の現在の環境温度を示すサーモスタット316からの情報を受信し得る。制御回路334は、ベッド302の表面の全部または一部の温度を上げるべきか下げるべきかを決定(判定)するために、当該受信した情報を(他の情報とともに)使用し得る。次に、制御回路334は、ベッド302の加熱機構または冷却機構に、ベッド302の表面の温度を上昇または下降させ得る。例えば、ユーザ308は、華氏74度の所望の睡眠温度を示し得て、一方、ベッド302の第2のユーザは、華氏72度の所望の睡眠温度を示し得る。サーモスタット316は、寝室の現在の温度が華氏72度であることを、制御回路334に示し得る。制御回路334は、ユーザ308が華氏74度の所望の睡眠温度を示したことを識別し得て、ベッド302の表面の一部の温度を上げるために、制御信号をベッドのユーザ308の側にある加熱パッドに送信し得る。それは、当該ユーザ308の睡眠面の温度を所望の温度に上げるために配置されている。
【0077】
制御回路334は、また、他の装置を制御する制御信号を生成し得て、当該制御信号を当該他の装置に伝搬し得る。幾つかの実装形態では、制御信号は、ユーザ308及び/または1人以上の他のユーザによるベッド302とのユーザ相互作用に関する情報を含む、制御回路334によって収集された情報に基づいて、生成される。幾つかの実装形態では、ベッド302以外の1または複数の他の装置から収集される情報が、制御信号を生成する時に使用される。例えば、ベッド302の制御回路334と通信する様々な装置の制御信号を生成する時に、環境発生に関する情報(例えば、環境温度、環境ノイズレベル、環境光レベルなど)、時刻、年、曜日、または他の情報が、使用され得る。例えば、時刻に関する情報が、照明システム314のための制御信号を生成するために、ユーザ308の動き及びベッドでの存在に関する情報と組み合わされ得る。幾つかの実装形態では、1または複数の他の装置に制御信号を提供するのではなく、またはそれに加えて、制御回路334は、収集された情報(例えば、ユーザの動き、ベッドでの存在、睡眠状態またはユーザ308の生体特徴信号、に関連する情報)を1または複数の他の装置に送信し得て、当該1または複数の他の装置が制御信号を生成する時に当該収集された情報を利用することを許容し得る。例えば、ベッド302の制御回路334は、中央コントローラ(図示せず)に、ユーザ308によるベッド302とのユーザ相互作用に関する情報を提供し得る。当該中央コントローラは、ベッド302を含む様々な装置の制御信号を生成するために、当該提供された情報を利用し得る。
【0078】
引き続き
図3を参照して、ベッド302の制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在、ユーザの睡眠状態308、及び他の要因を含む、制御回路334によって収集される情報に応答して、他の装置の動作を制御するための制御信号を生成し得て、当該他の装置に当該制御信号を送信し得る。例えば、ポンプ304と一体化された制御回路334は、エアチャンバ306b内の圧力の増加などの、ベッド302のマットレスの特徴を検知し得て、この検知された空気圧の増加を、ユーザ308がベッド302上にいることを判定するために利用する。幾つかの実装形態では、制御回路334は、圧力の増加が、無生物(スーツケースなど)がベッド上に置かれているのではなく、人がベッド302上に座っている、横たわっている、または休んでいるためである、ことを識別するために、ユーザ308の心拍数または呼吸数を識別し得る。幾つかの実装形態では、ユーザのベッドでの存在を示す情報は、他の情報と組み合わされて、ユーザ308の現在または将来の可能性ある状態を識別する。例えば、午前11時00分に検知されたユーザのベッドでの存在は、ユーザがベッド上に座っていて(例えば、靴紐を結ぶため、または、本を読むため)、寝ようとはしていない、ことを示し得る。一方、午後10時00分に検知されたユーザのベッドでの存在は、ユーザ308がベッドに入っていて、まもなく寝るつもりである、ことを示し得る。別の例として、制御回路334が、午前6時30分にユーザ308がベッド302を去ったことを検知し(例えば、ユーザ308がその日に目覚めたことを示す)、その後、午前7時30分にユーザ308のベッドでの存在を検知した場合、制御回路334は、ユーザ308が延長された期間ベッド上に留まるつもりである、ということの表示ではなく、新しく検知されたユーザのベッドでの存在は、一時的である可能性が高い(例えば、ユーザ308が仕事に向かう前に靴紐を結んでいる間である)、というように、この情報を使用(理解)し得る。
【0079】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、収集された情報(ユーザ308によるベッド302とのユーザ相互作用に関連する情報、環境情報、時間情報、及び、ユーザから受け取った入力、を含む)を使用して、ユーザ308の使用パターンを識別し得る。例えば、制御回路334は、ある期間にわたって収集されたユーザ308のベッドでの存在及び睡眠状態を示す情報を使用して、当該ユーザの睡眠パターンを識別し得る。例えば、制御回路334は、1週間にわたって収集されたユーザの存在を示す情報とユーザ308の生体特徴信号とに基づいて、ユーザ308が概して午後9時30分と午後10時00分との間にベッドに行き、概して午後10時00分と午後11時00分との間に入眠し、概して午前6時30分と午前6時45分との間に目覚める、ということを識別し得る。制御回路334は、ユーザ308によるベッド302とのユーザ相互作用をより良好に処理して識別するために、当該ユーザの識別パターンを使用し得る。
【0080】
例えば、前記の例のユーザ308のベッドでの存在、睡眠、及び目覚めのパターンが与えられた場合において、ユーザ308が午後3時00分にベッド上にいると検知される場合、制御回路334は、ベッド上のユーザの存在が単に一時的である、と判定し得て、当該判定を使用して、ユーザ308が夕方にベッドにいると制御回路334が判定した場合に生成されるであろうものとは異なる制御信号を生成し得る。別の例として、制御回路334が、ユーザ308が午前3時00分にベッドから出たことを検知した場合、制御回路334は、当該ユーザ308の識別パターンを使用して、当該ユーザが一時的に起きただけであって(例えば、トイレを使用するため、または、コップ一杯の水を得るため)、その日の起床をしたわけではない、と判定し得る。対照的に、制御回路334が、ユーザ308が午前6時40分にベッド302から出たことを識別する場合、制御回路334は、ユーザがその日の起床をしたと判定し得て、(ユーザ308が午前3時00分にベッド302を出る場合のように)ユーザ308が一時的にベッドを出ただけであると判定された場合に生成されるであろうものとは異なる制御信号のセットを生成し得る。他のユーザ308については、午前3時00分にベッド302から出ることは、通常の目覚めの時間であり得るので、制御回路334は、これに応じて、学習及び応答し得る。
【0081】
前述のように、ベッド302の制御回路334は、様々な他の装置の制御機能のための制御信号を生成し得る。制御信号は、少なくとも部分的に、ユーザ308によるベッド302との検知された相互作用と、時間、日付、温度などを含む他の情報と、に基づいて生成され得る。例えば、制御回路334は、テレビ312と通信し得て、テレビ312から情報を受信し得て、テレビ312の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、制御回路334は、テレビ312が現在オンであるというテレビ312からの標示を、受信し得る。テレビ312がベッド302とは異なる部屋に配置されている場合、制御回路334は、ユーザ308が夜に就寝したと判定する時、テレビ312をオフにする制御信号を生成し得る。例えば、ベッド302上のユーザ308の存在が特定の時間範囲(例えば午後8時00分と午前7時00分との間)に検知され、閾値時間(例えば10分)より長く続く場合、制御回路334は、この情報を使用して、ユーザ308が就寝のためにベッドにいると判定し得る。テレビ312がオンである場合(テレビ312からベッド302の制御回路334によって受信される通信によって示される)、制御回路334は、テレビ312をオフにする制御信号を生成し得る。次に、制御信号が、テレビに送信され得る(例えば、テレビ312と制御回路334との間の有向通信リンクを介して、または、ネットワークを介して)。別の例として、ユーザのベッドでの存在の検知に応答してテレビ312をオフにするのではなく、制御回路334は、テレビ312の音量を予め指定された量だけ下げるようにする制御信号を生成し得る。
【0082】
別の例として、指定された時間範囲(例えば、午前6時00分から午前8時00分の間)にユーザ308がベッド302を離れたことを検知する時、制御回路334は、テレビ312をオンにし、予め指定されたチャンネルに同調させるための制御信号を生成し得る(例えば、ユーザ308は、朝にベッドから出る時に朝のニュースを見るという好みを示す)。制御回路334は、制御信号を生成し、当該信号をテレビ312に送信して、テレビ312をオンにし得て、所望の局(制御回路334、テレビ312、または別の場所、に保存され得る)に同調させ得る。別の例として、ユーザ308がその日に起床したことを検知する時、制御回路334は、制御信号を生成及び送信して、テレビ312をオンにし得て、テレビ312と通信しているデジタルビデオレコーダー(DVR)から以前に録画された番組の再生を開始し得る。
【0083】
別の例として、テレビ312がベッド302と同じ部屋にある場合、制御回路334は、ユーザのベッドでの存在の検知に応答しては、テレビ312をオフにしない。むしろ、制御回路334は、ユーザ308が眠っているとの判定に応答して、制御信号を生成及び送信して、テレビ312をオフにし得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308の生体特徴信号(例えば、動き、心拍数、呼吸数)をモニタリング(監視)して、ユーザ308が眠りに落ちたことを判定し得る。ユーザ308が眠っていることを検知する時、制御回路334は、テレビ312をオフにする制御信号を生成して送信する。別の例として、制御回路334は、ユーザ308が眠りに落ちた後の閾値時間の経過後(例えば、ユーザが眠りに落ちた後10分後)に、テレビ312をオフにする制御信号を生成し得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308が眠っていると判定した後、テレビ312の音量を下げる制御信号を生成する。更に別の例として、制御回路334は、ユーザ308が眠っているとの決定に応答して、制御信号を生成及び送信して、テレビの音量をある期間にわたって徐々に下げ、その後にテレビをオフにする。
【0084】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、コンピュータ、タブレット、スマートフォン、ステレオシステムなど、の他のメディアデバイスと、同様に相互作用し得る。
例えば、ユーザ308が眠っていることを検知する時、制御回路334は、制御信号を生成してユーザデバイス310に送信し、ユーザデバイス310をオフにし得る、または、ユーザデバイス310で再生されているビデオまたはオーディオファイルの音量を下げ得る。
【0085】
制御回路334は更に、照明システム314と通信し得て、当該照明システム314から情報を受信し得て、当該照明システム314の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、特定の時間枠(例えば午後8時00分から午前7時00分の間)で閾値時間(例えば10分)より長く続くベッド302上のユーザの存在を検知する時、ベッド302の制御回路334は、ユーザ308が就寝のためにベッドにいると判定し得る。この判定に応答して、制御回路334は、ベッド302が配置されている部屋以外の1または複数の部屋の照明を消灯する制御信号を生成し得る。次に、制御信号が照明システム314に送信され得て、当該照明システム314によって実行され得て、示された部屋の照明を消灯させ得る。例えば、制御回路334は、制御信号を生成及び送信して、他の寝室ではなく、全ての一般的な部屋の照明を消灯し得る。別の例として、ユーザ308が就寝のためにベッドにいるとの判定に応答して、制御回路334によって生成される制御信号は、ベッド302が配置されている部屋以外の全ての部屋の照明が消灯されるべきであり、ベッド302を含む家屋の外側に配置された1または複数の照明も消灯されるべきである、ことを示し得る。更に、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在またはユーザ308が眠っていることの判定に応答して、常夜灯328を点灯させる制御信号を生成及び送信し得る。別の例として、制御回路334は、ユーザのベッドでの存在の検知に応答して第1セットの照明(例えば、一般の部屋の照明)を消灯するための第1制御信号と、ユーザ308が眠っていることの検知に応答して第2セットの照明(例えば、ベッド302が配置されている部屋の照明)を消灯するための第2制御信号と、を生成し得る。
【0086】
幾つかの実装形態では、ユーザ308が就寝のためにベッドにいるとの判定に応答して、ベッド302の制御回路334は、ベッド302が配置されている部屋で日没照明様式を照明システム314に実施させる制御信号を生成し得る。日没照明様式は、例えば、寝室の照明に琥珀色の色調を追加するなど寝室環境の照明の色を変更することとの組み合わせで、照明を(時間をかけて徐々に、または一気に)落とすこと、を含み得る。日没照明様式は、ユーザ308が就寝のためにベッドにいると制御回路334が判定した時、ユーザ308を入眠させることを助け得る。
【0087】
制御回路334は、また、ユーザ308が朝に目覚める時に、日出照明様式を実施するように構成され得る。制御回路334は、例えば、指定された時間枠(例えば午前6時00分と午前8時00分との間)の間にユーザ308がベッド302から出た(すなわち、もはやベッド302上に存在しない)ことを検知することによって、ユーザ308がその日に起床したことを判定し得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308がベッドから出ていなくてもユーザ308が目覚めていることを判定するために、ユーザ308の動き、心拍数、呼吸数、または他の生体特徴信号を、モニタリング(監視)し得る。制御回路334が、指定された時間枠の間にユーザが目覚めていることを検知した場合、制御回路334は、ユーザ308がその日に起床したと判定し得る。指定された時間枠は、例えば、一定期間(例えば2週間)にわたって収集された以前に記録されたユーザのベッドでの存在情報に基づき得る。それは、ユーザ308が通常午前6時30分と午前7時30分との間に目覚めることを示し得る。ユーザ308が目覚めていると制御回路334が判定することに応答して、当該制御回路334は、制御信号を生成して、照明システム314に、ベッド302が配置されている寝室で日出照明様式を実施させ得る。日出照明様式は、例えば、照明(例えば、ランプ326、または寝室の他の照明)を点灯させることを含み得る。日出照明様式は、ベッド302が配置されている部屋(または1または複数の他の部屋)の照明のレベルを徐々に上げることを更に含み得る。日出照明様式は、指定された色の照明のみを点灯させることも含み得る。例えば、日出照明様式は、ユーザ308が目覚めて活動的になるのを穏やかに支援するため、寝室を青色光で照明することを含み得る。
【0088】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、ベッド302とのユーザ相互作用が検出された時刻に応じて、照明システム314などの1または複数の構成要素の動作を制御するための異なる制御信号を生成し得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308とベッド302との間の相互作用についての履歴ユーザ相互作用情報を使用して、ユーザ308が通常午後10時00分と午後11時00分との間で入眠し、通常午前6時30分と午前7時30分との間で目覚める、ということを判定し得る。制御回路334は、この情報を使用して、午前3時00分にユーザ308がベッドから出たと検知される場合に、照明システム314を制御するための制御信号の第1セットを生成し得て、午前6時30分より後にユーザ308がベッドから出たと検知される場合に、照明システム314を制御するための制御信号の第2セットを生成し得る。例えば、ユーザ308が午前6時30分より前にベッドから出る場合、制御回路334は、ユーザ308のトイレへの経路を案内する照明を点灯させ得る。別の例として、ユーザ308が午前6時30分より前にベッドから出る場合、制御回路334は、ユーザ308のキッチンへの経路を案内する照明を点灯させ得る(それは、例えば、常夜灯328を点灯すること、ベッド下の照明を点灯すること、または、ランプ326を点灯すること、を含み得る)。
【0089】
別の例として、ユーザ308が午前6時30分より後にベッドから出る場合、制御回路334は、制御信号を生成して、照明システム314に日出照明様式を開始させ得る、あるいは、寝室または他の部屋の1または複数の照明を点灯させ得る。幾つかの実装形態では、当該ユーザ308について指定された朝の起床時間より前にユーザ308がベッドから出たと検知される場合、制御回路334は、照明システム314に、当該指定された朝の起床時間より後にユーザ308がベッドから出たと検知される場合に照明システム314によって点灯される光よりも弱い(暗い)光を、点灯させる。ユーザ308が夜間に(すなわち、当該ユーザ308の通常の起床時間より前に)ベッドから出る時に弱い(薄暗い)照明のみを点灯させることは、その家の他の居住者が照明によって目覚めてしまうことを防げる一方で、ユーザ308が家内でトイレ、キッチン、または別の目的地に到達するために見ることを許容し得る(視界を提供し得る)。
【0090】
ユーザ308とベッド302との間の相互作用に関する履歴ユーザ相互作用情報は、ユーザの睡眠時間枠及び覚醒時間枠を識別するために使用され得る。例えば、ユーザのベッドでの存在時間及び睡眠時間が、設定された期間(例えば、2週間、1ヶ月など)について判定され得る。次に、制御回路334は、ユーザ308が就寝する典型的な時間範囲すなわち時間枠、ユーザ308が入眠する典型的な時間枠、及び、ユーザ308が目覚める典型的な時間枠、を識別し得る(場合によっては、ユーザ308が目覚める時間枠とユーザ308が実際にベッドから出る時間枠とは異なる)。幾つかの実装形態では、これらの時間枠に、バッファ時間が追加され得る。例えば、ユーザが、典型的には午後10時00分と午後10時30分との間に就寝すると識別される場合、各方向に30分のバッファが当該時間枠に追加され得て、午後9時30分と午後11時00分との間にユーザがベッドに着くことの検知が、ユーザ308が夜に就寝することと解釈され得る。別の例として、ユーザ308が就寝する最も早い典型的な時間の30分前から始まって当該ユーザの典型的な目覚めの時間(例えば午前6時30分)まで延長される時間帯内での、ユーザ308のベッドでの存在の検知が、ユーザ308が夜に就寝することと解釈され得る。例えば、ユーザが典型的には午後10時00分と午後10時30分との間に就寝する場合、ユーザのベッドでの存在がある夜の午前12時30分(0時30分)に検知されると、それは、ユーザの就寝の典型的な時間枠を超えてはいるが、ユーザの通常の目覚め時間の前に生じているため、当該ユーザ308が夜に就寝したと解釈され得る。幾つかの実装形態では、1年の異なる時期(例えば、夏よりも冬には就寝時間が早まる)または1週間の異なる曜日(例えば、ユーザは週末より平日により早く目覚める)について、異なる時間枠が識別される。
【0091】
制御回路334は、ユーザ308の存在の持続時間を感知することによって、短時間ベッド302上に存在すること(昼寝など)に対して、ユーザ308が長時間就寝すること(夜など)を区別し得る。幾つかの例では、制御回路334は、ユーザ308の睡眠の持続時間を感知することによって、短時間の就寝(昼寝など)に対して、ユーザ308が長時間就寝すること(夜など)を区別し得る。例えば、制御回路334は、時間閾値を設定し得て、それにより、ユーザ308がベッド302上で当該閾値より長く感知される場合、ユーザ308が夜に就寝したと見なされる。幾つかの例では、当該閾値は約2時間であり得て、それにより、ユーザ308がベッド302上で2時間を超えて感知される場合、制御回路334は、それを長時間睡眠事象として登録する。他の例では、当該閾値は、2時間より長かったり短かったりし得る。
【0092】
制御回路334は、ユーザ308が就寝時間範囲を入力する必要なく、ユーザ308の典型的な就寝時間範囲を自動的に判定するべく、繰り返される長時間睡眠事象を検知し得る。これにより、制御回路334は、ユーザ308が伝統的な睡眠スケジュールを使用して典型的に就寝するのか非伝統的な睡眠スケジュールを使用して典型的に就寝するのかとは無関係に、ユーザ308が長時間睡眠事象のために就寝する可能性が高い時刻を、正確に推定できる。次に、制御回路334は、ユーザ308の就寝時間範囲の知識を使用して、就寝時間範囲中または就寝時間範囲外にベッドで存在することの感知に基づいて、1または複数の構成要素(ベッド302及び/または非ベッドの周辺機器を含む)を、異なって制御し得る。
【0093】
幾つかの例では、制御回路334は、ユーザ入力を必要とすることなく、ユーザ308の就寝時間範囲を自動的に判定し得る。幾つかの例では、制御回路334は、自動的に、且つ、ユーザ入力との組み合わせで、ユーザ308の就寝時間範囲を判定し得る。幾つかの例では、制御回路334は、ユーザ入力に従って、就寝時間範囲を直接的に設定し得る。幾つかの例では、制御回路334は、異なる就寝時刻を異なる曜日に関連付け得る。これらの例の各々において、制御回路334は、検知されたベッドでの存在及び就寝時間範囲の関数として、1または複数の構成要素(照明システム314、サーモスタット316、セキュリティシステム318、オーブン322、コーヒーメーカー324、ランプ326、及び常夜灯328など)を制御し得る。
【0094】
制御回路334は、更に、サーモスタット316と通信し得て、当該サーモスタット316からの情報を受信し得て、当該サーモスタット316の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、ユーザ308は、ユーザ308の睡眠状態またはベッドでの存在に応じて、異なる時間の異なる温度のユーザの好みを示し得る。例えば、ユーザ308は、ベッドから出るとき華氏72度、ベッドにいるが目覚めているとき華氏70度、及び、眠っているとき華氏68度、の環境温度を好み得る。ベッド302の制御回路334は、夜のユーザ308のベッドでの存在を検知し得て、ユーザ308が就寝中であると判定し得る。この判定に応答して、制御回路334は、サーモスタットをして温度を華氏70度に変化させる制御信号を生成し得る。次に、制御回路334は、当該制御信号をサーモスタット316に送信し得る。ユーザ308が就寝時間範囲中に就寝している、または眠っている、ことを検知すると、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、サーモスタット316をして温度を華氏68度に変化させ得る。翌朝、ユーザがその日の起床をした(例えば、ユーザ308が午前6時30分より後にベッドから出た)、ことを判定すると、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、サーモスタット316をして温度を華氏72度に変化させ得る。
【0095】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、同様に制御信号を生成し得て、ベッド302とのユーザ相互作用に応答して、あるいは様々な予めプログラムされた時間に、ベッド302の表面上の1または複数の加熱要素または冷却要素をして、様々な時点で温度を変化させ得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308が入眠したことが検知されると、加熱要素を作動させ得て、ベッド302の表面の片側の温度を華氏73度にまで上昇させ得る。別の例として、ユーザ308がその日に起床したと判定すると、制御回路334は、加熱要素または冷却要素を電源オフにし得る。更に別の例として、ユーザ308は、ベッドの表面の温度が上昇または下降されるべき様々な時間を、予めプログラムし得る。例えば、ユーザは、午後10時00分に表面温度を華氏76度に上げ、午後11時30分に表面温度を華氏68度に下げるように、ベッド302をプログラムし得る。
【0096】
幾つかの実装形態では、ユーザ308のベッドでの存在の検知及び/またはユーザ308が眠っていることの検知に応答して、制御回路334は、サーモスタット316をして、異なる部屋の温度を異なる値に変化させ得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいるとの判定に応答して、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、サーモスタット316をして家の1または複数の寝室の温度を華氏72度に設定し得て、且つ、他の部屋の温度を華氏67度に設定し得る。
【0097】
制御回路334は、また、サーモスタット316から温度情報を受信し得て、この温度情報を使用して、ベッド302または他の装置の機能を制御し得る。例えば、前述のように、制御回路334は、サーモスタット316から受信した温度情報に応答して、ベッド302に含まれる加熱要素の温度を調整し得る。
【0098】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、他の温度制御システムを制御するための制御信号を生成及び送信し得る。例えば、ユーザ308がその日に目覚めたとの判定に応答して、制御回路334は、床暖房要素を作動させるための制御信号を生成及び送信し得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308がその日に目覚めたとの判定に応答して、主寝室の床暖房システムをオンにすることができる。
【0099】
制御回路334は、更に、セキュリティシステム318と通信し得て、当該セキュリティシステム318から情報を受信し得て、当該セキュリティシステム318の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、ユーザ308が夜に就寝したとの検知に応答して、制御回路334は、セキュリティシステムをしてセキュリティ機能を作動または作動解除させる制御信号を生成し得る。その後、制御回路334は、当該制御信号をセキュリティシステム318に送信し得て、当該セキュリティシステム318を作動させ得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308がその日に目覚めた(例えば、ユーザ308が午前6時00分より後にベッド302上にもはや存在しない)との判定に応答して、制御信号を生成及び送信し得て、セキュリティシステム318を不能にさせ得る。幾つかの実装形態では、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在の検知に応答して、セキュリティシステム318に第1セットのセキュリティ機能を作動させるための制御信号の第1セットを生成及び送信し得て、ユーザ308が入眠したことの検知に応答して、セキュリティシステム318に第2セットのセキュリティ機能を作動させるための制御信号の第2セットを生成及び送信し得る。
【0100】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、セキュリティシステム318(及び/または、セキュリティシステム318に関連付けられたクラウドサービス)からアラート(警告)を受信し得て、当該アラートをユーザ308に示し得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308が夜にベッドにいることを検知し得て、それに応答して、制御信号を生成及び送信し得て、セキュリティシステム318をして作動または作動解除させ得る。その後、セキュリティシステムは、セキュリティ違反(例えば、誰かがセキュリティコードを入力せずにドア332を開けた、または、セキュリティシステム318が作動している時に誰かが窓を開けた)を検知し得る。セキュリティシステム318は、セキュリティ違反を、ベッド302の制御回路334に通信し得る。セキュリティシステム318からの通信の受信に応答して、制御回路334は、セキュリティ違反についてユーザ308に警告するための制御信号を生成し得る。例えば、制御回路334は、ベッド302を振動させ得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308を目覚めさせて、セキュリティ違反についてユーザに警告するために、ベッド302の一部を関節運動させ得る(例えば、ヘッドセクションを上昇または下降させ得る)。別の例として、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、ユーザ308にセキュリティ違反を警告するために、ランプ326を規則的な間隔で点滅させ得る。別の例として、制御回路334は、子供用の寝室の開いた窓など、別のベッドの寝室のセキュリティ違反について、あるベッド302のユーザ308に警告し得る。別の例として、制御回路334は、(例えば、ドアを閉じてロックするために)ガレージドアコントローラに警告を送信し得る。別の例として、制御回路334は、セキュリティが作動解除されるように警告を送信し得る。
【0101】
制御回路334は、更に、ガレージドア320を制御するための制御信号を生成及び送信し得て、ガレージドア320の状態(すなわち、開いているかまたは閉じているか)を示す情報を受信し得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいるとの判定に応答して、制御回路334は、ガレージドアオープナーまたはガレージドア320が開いているか否かを感知可能な他の装置に、要求(リクエスト)を生成及び送信し得る。制御回路334は、ガレージドア320の現在の状態に関する情報を要求し得る。制御回路334が、ガレージドア320が開いていることを示す応答を(例えば、ガレージドアオープナーから)受信した場合、制御回路334は、ガレージドアが開いていることをユーザ308に通知し得るか、または、制御信号を生成して、ガレージドアオープナーをしてガレージドア320を閉じさせ得る。例えば、制御回路334は、ガレージドアが開いていることを示すメッセージを、ユーザデバイス310に送信し得る。別の例として、制御回路334は、ベッド302を振動させ得る。更に別の例として、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、照明システム314をして寝室の1または複数の照明を点滅させ得て、警告についてユーザデバイス310をチェックするようにユーザ308に警告し得る(この例では、ガレージドア320が開いていることに関する警告)。代替的に、あるいは付加的に、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、ユーザ308が夜にベッドにいること、及び、ガレージドア320が開いていることの識別に応答して、ガレージドアオープナーをしてガレージドア320を閉じさせ得る。幾つかの実装形態では、制御信号は、ユーザ308の年齢に応じて異なり得る。
【0102】
制御回路334は、同様に、ドア332またはオーブン322に関連する状態情報を制御または受信するための通信を送信及び受信し得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいることを検知すると、制御回路334は、ドア332の状態を検知するための装置またはシステムに、要求を生成して送信し得る。当該要求に応答して返される情報は、ドア332の様々な状態、例えば、開いている、閉じているがロックされていない、または、閉じていてロックされている、を示し得る。ドア332が開いているか、または、閉じているがロックされていない場合、制御回路334は、例えばガレージドア320について前述された態様のように、ドアの状態についてユーザ308に警告し得る。ユーザ308への警告に対して代替的に、または付加的に、制御回路334は、ドア332をしてロックするか、または閉じてロックするように、制御信号を生成及び送信し得る。ドア332が閉じていてロックされている場合、制御回路334は、更なる動作は必要ないと判定し得る。
【0103】
同様に、ユーザ308が夜にベッドにいることを検知すると、制御回路334は、オーブン322の状態(例えば、オンまたはオフ)を要求するためのオーブン322への要求を生成及び送信し得る。オーブン322がオンである場合、制御回路334は、ユーザ308に警告し得て、及び/または、制御信号を生成及び送信し得て、オーブン322をオフにし得る。オーブンが既にオフである場合、制御回路334は、更なる動作が必要ではないと判定し得る。幾つかの実装形態では、様々な事象(イベント)に対して、様々な警告(アラート)が生成され得る。例えば、制御回路334は、セキュリティシステム318が違反を検知した場合、ランプ326(または照明システム314を介して1または複数の他の照明)を第1パターンで点滅させ得て、ガレージドア320が開いている場合、第2パターンで点滅させ得て、ドア332が開いている場合、第3パターンで点滅させ得て、オーブン322がオンの場合、第4パターンで点滅させ得て、別のベッドが当該ベッドのユーザが起きたことを検知する場合(例えば、ユーザ308の子供が夜中にベッドから出たことが子供のベッド302内のセンサによって感知される時)、第5パターンで点滅させ得る。ベッド302の制御回路334によって処理されてユーザに通信され得る警告の他の例は、煙を検知する(及び当該煙の検知を制御回路334に通信する)煙検知器、一酸化炭素を検知する一酸化炭素テスタ、ヒータ誤動作、または、制御回路334と通信可能でユーザ308の注意を喚起すべき事象発生の検知が可能な任意の他の装置からの警告、を含む。
【0104】
制御回路334はまた、ブラインド330の状態を制御するためのシステムまたは装置と通信し得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいるとの判定に応答して、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、ブラインド330を閉じさせ得る。別の例として、ユーザ308がその日に起床した(例えば、ユーザが午前6時30分より後にベッドから出た)との判定に応答して、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、ブラインド330を開かせ得る。対照的に、ユーザ308が当該ユーザ308の通常の起床時間より前にベッドから出た場合、制御回路334は、ユーザ308がその日まだ起床していないと判定し得て、ブラインド330を開かせるための制御信号を生成しない。更に別の例として、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在の検知に応答して、第1セットのブラインドを閉じさせ、ユーザが眠っていることの検知に応答して、第2セットのブラインドを閉じさせる、という制御信号を生成及び送信し得る。
【0105】
制御回路334は、ベッド302とのユーザ相互作用の検知に応答して、他の家庭用装置の機能を制御するための制御信号を生成及び送信し得る。例えば、ユーザ308がその日に起床したとの判定に応答して、制御回路334は、コーヒーメーカー324に対する制御信号を生成及び送信し得て、当該コーヒーメーカー324をしてコーヒーの淹出を開始させ得る。別の例として、制御回路334は、オーブン322に対する制御信号を生成及び送信し得て、当該オーブンをして(朝に焼きたてパンが好きなユーザのために)予熱を開始させ得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308がその日に目覚めたことを示す情報を、1年のうちの時期が現在冬であること、及び/または、外気温が閾値を下回っていること、を示す情報と共に使用し得て、制御信号を生成及び送信し得て、車のエンジンブロックヒーターをオンにし得る。
【0106】
別の例として、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在の検知に応答して、または、ユーザ308が眠っていることの検知に応答して、制御信号を生成及び送信し得て、1または複数の装置をスリープモードに入らせ得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308の携帯電話をスリープモードへと切り替えさせるための制御信号を生成し得る。その後、制御回路334は、当該制御信号を携帯電話に送信し得る。更にその後、ユーザ308がその日に起床したと判定すると、制御回路334は、携帯電話をスリープモードから(通常モードに)切り替えさせる制御信号を生成及び送信し得る。
【0107】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、1または複数のノイズ制御装置と通信し得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいる、または、ユーザ308が眠っていると判定すると、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、1または複数のノイズキャンセレーション装置を作動させ得る。ノイズキャンセレーション装置は、例えば、ベッド302の一部として含まれ得るか、あるいは、ベッド302のある寝室内に配置され得る。別の例として、ユーザ308が夜にベッドにいる、または、ユーザ308が眠っていると判定すると、制御回路334は、ステレオシステムラジオ、コンピュータ、タブレットなど、1または複数の音響生成装置について、ボリュームをオンにしたり、オフにしたり、アップしたり、ダウンしたりするための制御信号を生成及び送信し得る。
【0108】
更に、ベッド302の機能が、ベッド302とのユーザ相互作用に応答して、制御回路334によって制御される。例えば、ベッド302は、調節可能な土台と、ベッドを支持する当該調節可能な土台を調整することによってベッド302の1または複数の部分の位置を調整するように構成された関節運動コントローラと、を含み得る。例えば、関節運動コントローラは、ベッド302を、平坦な位置から、ベッド302のマットレスのヘッド部分が上向きに傾斜する位置にまで、調整し得る(例えば、ユーザがベッドに座ったり、及び/または、テレビを見たりするのを容易にするため)。幾つかの実装形態では、ベッド302は、複数の別々に関節運動可能なセクションを含む。例えば、エアチャンバ306a及び306bの位置に対応するベッドの部分が、互いに独立して関節運動され得て、ベッド302の表面上に配置された1人が第1位置(例えば、平坦な位置)で休みながら、2人目が第2位置(例えば、頭を腰から斜めに上げたリクライニング位置)で休むことを許容する。幾つかの実装形態では、2つの異なるベッド(例えば、互いに隣り合って配置された2つのツインベッド)に、別々の位置が設定され得る。ベッド302の土台は、独立して調整され得る2以上のゾーンを含み得る。関節運動コントローラはまた、ベッド302上の1または複数のユーザに異なるレベルのマッサージを提供するように、または、前述のようにユーザ308に警告を伝えるためにベッドを振動させるように、構成され得る。
【0109】
制御回路334は、ベッド302とのユーザ相互作用に応答して、位置(例えば、ユーザ308及び/またはベッド302の追加ユーザのための傾斜及び下降位置)を調整し得る。例えば、制御回路334は、関節運動コントローラをして、ユーザ308のベッドでの存在の感知に応答して、ベッド302をユーザ308の第1リクライニング位置に調整させ得る。制御回路334は、ユーザ308が眠っているとの判定に応答して、関節運動コントローラをして、ベッド302を第2リクライニング位置(例えば、リクライニングの程度が小さいか、平坦な位置)に調整させ得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308がテレビ312をオフにしたことを示すテレビ312からの通信を受信し得て、それに応答して、制御回路334は、関節運動コントローラをして、ベッド302の位置を好ましいユーザ睡眠位置に調整し得る(例えば、ユーザ308がベッドにいる間にユーザがテレビ312をオフにしたことにより、ユーザ308が入眠を望んでいることが示される)。
【0110】
幾つかの実装形態では、制御回路334は、ベッド302の別のユーザを目覚めさせることなく、ベッド302の1人のユーザを目覚めさせるように、関節運動コントローラを制御し得る。例えば、ユーザ308及びベッド302の第2ユーザは、各々、異なる目覚め時間を設定し得る(例えば、それぞれ、午前6時30分及び午前7時15分)。ユーザ308の目覚め時間になると、制御回路334は、関節運動コントローラをしてユーザ308が配置されているベッドの一側のみ振動させるか、または、その位置を変更させて、第2ユーザを妨げることなく、ユーザ308を目覚めさせ得る。第2ユーザの目覚め時間になると、制御回路334は、関節運動コントローラをして、第2ユーザが配置されているベッドの側のみを振動させるか、またはその位置を変化させ得る。あるいは、第2ユーザの目覚め時間になると、制御回路334は、他の方法(例えば、オーディオアラームや照明の点灯など)を利用して、第2ユーザを目覚めさせ得る。なぜなら、制御回路334が第2ユーザを目覚めさせることを試みる時、ユーザ308は既に目覚めていて、妨げられないからである。
【0111】
引き続き
図3を参照して、ベッド302の制御回路334は、複数のユーザによるベッド302との相互作用についての情報を利用して、様々な他の装置の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308と第2ユーザとの両方がベッド302上に存在していると検知されるまで、例えばセキュリティシステム318を作動させたり、あるいは、照明システム314に様々な部屋の照明を消灯するよう命令したりするための制御信号を生成することを、待つことができる。別の例として、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在を検知すると、照明システム314をして第1セットの照明を消灯させるための第1セットの制御信号を生成し得て、第2ユーザのベッドでの存在の検知に応答して、第2セットの照明を消灯させるための第2セットの制御信号を生成し得る。別の例として、制御回路334は、ブラインド330を開けるための制御信号を生成することを、ユーザ308と第2ユーザとの両方がその日に目覚めたと判定されるまで、待つことができる。更に別の例として、ユーザ308はその日ベッドを出て目覚めているが、第2ユーザは未だ眠っているという判定に応答して、制御回路334は、第1セットの制御信号を生成及び送信し得て、コーヒーメーカー324をしてコーヒーの淹出を開始させ得て、セキュリティシステム318をして非アクティブにさせ得て、ランプ326を点灯し得て、常夜灯328を消灯し得て、サーモスタット316をして1または複数の部屋の温度を華氏72度に上昇させ得て、ベッド302が配置されている寝室以外の部屋のブラインド(例えば、ブラインド330)を開け得る。その後、第2ユーザがベッド上にもはや存在しない(または第2ユーザが目覚めている)ことの検知に応答して、制御回路334は、第2セットの制御信号を生成及び送信し得て、例えば照明システム314をして寝室の1または複数の照明を点灯させ得て、寝室のブラインドを開けさせ得て、テレビ312を予め指定されたチャンネルでオンにし得る。
【0112】
[ベッドに関連付けられたデータ処理システムの例]
【0113】
ここで、例えばベッドに関連付けられているデータ処理タスクのために使用され得るシステム及び構成要素の例が説明される。幾つかの場合、特定の1つの構成要素または構成要素群の複数の例が提示される。これらの例の幾つかは、冗長性がある、及び/または、相互に排他的な代替物である。構成要素間の接続は、構成要素間の通信を許容するための可能性あるネットワーク形態を例示する例として示される。技術的に必要とされるまたは所望される通りに、様々な様式の接続が使用され得る。当該接続は、一般的に、任意の技術的に実現可能な様式で作成され得る論理接続を示す。例えば、マザーボード上のネットワークは、プリント回路基板、ワイヤレスデータ接続、及び/または、他のタイプのネットワーク接続、で創成され得る。幾つかの論理接続は、明瞭化のため、図示されない。例えば、特定の構成要素の多くのまたは全てのエレメントが電源及び/またはコンピュータ可読メモリに接続される必要があり得るが、明瞭化のため、電源及び/またはコンピュータ可読メモリとの接続は、図示されない場合がある。
【0114】
図4Aは、ベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システム400の一例のブロック図である。それは、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含んでいる。当該システム400は、ポンプマザーボード402及びポンプドーターボード404を含んでいる。当該システム400は、センサレイ406を含み、それは、環境及び/またはベッドの物理的現象を感知し、そのような感知を、例えば分析のために、ポンプマザーボード402に報告する、ように構成された1または複数のセンサを含み得る。当該システム400は、また、コントローラアレイ408も含み、それは、ベッド及び/または環境の論理制御デバイスを制御するように構成された、1または複数のコントローラを含み得る。ポンプマザーボード400は、ローカルネットワークを介して、インターネット412を介して、または技術的に適切な他の態様を介して、1または複数のコンピューティングデバイス414及び1または複数のクラウドサービス410と通信状態であり得る。これらの構成要素の各々が、以下において、複数の例示的形態と共に、より詳細に説明される。
【0115】
この例では、ポンプマザーボード402とポンプドーターボード404とが通信可能に結合されている。それらは、概念的にシステム400の中心ないしハブとして説明され得て、他の構成要素は、概念的にシステム400のスポークとして説明され得る。幾つかの形態では、これは、スポーク構成要素の各々が、主としてまたは排他的にポンプマザーボード402と通信することを意味し得る。例えば、センサレイのセンサは、対応するコントローラと直接的に通信するように構成されていないか、または通信できない場合がある。代わりに、各スポーク構成要素は、マザーボード402と通信し得る。センサレイ406のセンサは、センサ読取値をマザーボード402に報告し得て、マザーボード402は、それに応答して、コントローラアレイ408のコントローラが論理制御デバイスの幾つかのパラメータを調整すべきであるか、あるいは、1または複数の周辺装置の状態を修正すべきであるか、を判定し得る。ある場合に、ベッドの温度が高すぎると判定されるならば、ポンプマザーボード402は、温度コントローラがベッドを冷却すべきである、と判定し得る。
【0116】
ハブ-スポークのネットワーク形態(星形ネットワークと呼ばれることもある)の1つの利点は、例えば動的ルーティングを使用するメッシュネットワークと比較して、ネットワークトラフィックが減少することである。特定のセンサが、大きな連続的なストリームのトラフィックを生成する場合でも、当該トラフィックは、ネットワークの1つのスポークを介してマザーボード402に送信されるのみであり得る。マザーボード402は、例えば、当該データをマーシャリングし、それをより小さなデータフォーマットに凝縮して、クラウドサービス410に格納するために再送信し得る。追加的または代替的に、マザーボード402は、大きなストリームに応答して、ネットワークの異なるスポークを介して送信される単一の小さなコマンドメッセージを生成し得る。例えば、大量のデータストリームが、センサレイ406から1秒あたり数回送信される圧力読取値である場合、マザーボード402は、コントローラアレイに単一のコマンドメッセージで応答して、エアチャンバ内の圧力を増加させ得る。この場合、単一のコマンドメッセージは、圧力読取値のストリームよりも、桁違いに小さい場合があり得る。
【0117】
別の利点として、ハブ-スポークのネットワーク形態は、構成要素の追加、削除、障害などに対応できる拡張可能なネットワークを許容し得る。これは、例えば、センサレイ406内のより多い、より少ない、または異なるセンサ、コントローラアレイ408内のより多い、より少ない、または異なるコントローラ、より多い、より少ない、または異なるコンピューティングデバイス414、及び/または、より多い、より少ない、または異なるクラウドサービス410、を許容し得る。例えば、特定のセンサが故障するか、または、当該センサのより新しいバージョンによって廃止される場合、システム400は、マザーボード402のみが交換用センサについて更新される必要がある、というように構成され得る。これは、例えば、同一のマザーボード402が、より少ないセンサ及びコントローラを備えたエントリーレベルの製品、より多いセンサ及びコントローラを備えたより価値の高い製品、及び、顧客が独自に選択した構成要素をシステム400に追加し得る顧客パーソナライゼーション、を支援できる、という製品差別化を許容し得る。
【0118】
更に、一連のエアベッド製品が、様々な構成要素を備えたシステム400を使用し得る。製品ライン内の全てのエアベッドが中央論理ユニットとポンプとの両方を含む応用では、マザーボード402(及び任意選択的にドーターボード404)は、単一のユニバーサルハウジング内に収まるように設計され得る。その後、製品ライン内での製品のアップグレード毎に、付加的なセンサ、コントローラ、クラウドサービスなどが、追加され得る。各製品が特注の論理制御システムを備えている製品ラインと比較して、このようなベースから製品ラインの全ての製品を設計することにより、設計、製造、及び試験の時間が短縮され得る。
【0119】
前述の構成要素の各々は、様々な技術及び形態で実現され得る。以下、各構成要素の幾つかの例が、更に説明される。幾つかの代替案では、システム400の2以上の構成要素が、単一の代替構成要素で実現され得て、幾つかの構成要素は、複数の個別の構成要素で実現され得て、及び/または、幾つかの機能は、異なる構成要素によって提供され得る。
【0120】
図4Bは、データ処理システム400の幾つかの通信経路を示すブロック図である。前述のように、マザーボード402及びポンプドーターボード404は、システム400の周辺装置及びクラウドサービスのためのハブとして機能し得る。ポンプドーターボード404がクラウドサービスまたは他の構成要素と通信する場合、ポンプドーターボード404からの通信は、ポンプマザーボード402を介してルーティングされ得る。これは、例えば、ベッドがインターネット412との単一の接続のみを有することを許容し得る。コンピューティングデバイス414は、また、場合によってベッドによって使用される同一のゲートウェイを介して、及び/または、場合によって異なるゲートウェイ(例えば、セルサービスプロバイダ)を介して、インターネット412への接続を有し得る。
【0121】
以前から、幾つかのクラウドサービス410が説明されていた。
図4Bに示すように、クラウドサービス4l0d及び4l0eなど、幾つかのクラウドサービスは、ポンプマザーボード402が当該クラウドサービスと直接的に通信できるように、構成され得る。-すなわち、マザーボード402は、仲介者として別のクラウドサービス410を使用する必要なしで、クラウドサービス410と通信し得る。追加的または代替的に、幾つかのクラウドサービス410、例えばクラウドサービス410fは、仲介クラウドサービス、例えばクラウドサービス410e、を介してのみ、ポンプマザーボード402によって到達可能であり得る。ここでは図示されていないが、幾つかのクラウドサービス410は、ポンプマザーボード402によって直接的または間接的に到達可能であり得る。
【0122】
更に、クラウドサービス410の一部または全ては、他のクラウドサービスと通信するように構成され得る。この通信は、任意の技術的に適切な様式に従って、データ及び/またはリモートファンクションコールの転送を含み得る。例えば、1つのクラウドサービス410が、例えばバックアップ、協調、移行の目的で、あるいは、計算やデータマイニングの実施のため、別のクラウドサービスの410データの複写を要求し得る。別の例では、多くのクラウドサービス410が、ユーザカウントクラウド410c及び/またはベッドデータクラウド410aによって追跡される特定のユーザに従って索引付けされるデータを含み得る。これらのクラウドサービス410は、特定のユーザまたはベッドに固有のデータにアクセスする時、当該ユーザカウントクラウド410c及び/またはベッドデータクラウド410aと通信し得る。
【0123】
図5は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得るマザーボード402の一例のブロック図である。この例では、以下で説明される他の例と比較して、マザーボード402が比較的少ない部品で構成され、比較的限定された特徴セットを提供するように制限され得る。
【0124】
マザーボードは、電源部500、プロセッサ502、及び、コンピュータメモリ512を含む。一般に、電源部は、外部電源から電力を受け取って、それをマザーボード402の構成要素に供給するために使用されるハードウェアを含む。電源部は、例えば、バッテリーパック及び/または壁コンセントアダプタ(プラグ)、AC-DCコンバータ、DC-ACコンバータ、電力調整器、コンデンサーバンク、及び/または、マザーボード402の他の構成要素によって必要とされる電流タイプ、電圧などで電力を提供するための1または複数のインタフェース、を含み得る。
【0125】
プロセッサ502は、一般に、入力を受け取り、論理決定を実行し、出力を提供するための装置である。プロセッサ502は、中央処理装置、マイクロプロセッサ、汎用論理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、これらの組み合わせ、及び/または、必要な機能を実行するための他のハードウェア、であり得る。
【0126】
メモリ512は、一般に、データを格納するための1または複数の装置である。メモリ512は、長期安定データ記憶(例えば、ハードディスク上)、短期不安定データ記憶(例えば、ランダムアクセスメモリ上)、または、任意の他の技術的に適切な構成、を含み得る。
【0127】
マザーボード402は、ポンプコントローラ504及びポンプモータ506を含む。ポンプコントローラ504は、プロセッサ502からコマンドを受信し得て、それに応答して、ポンプモータ506の機能を制御し得る。例えば、ポンプコントローラ504は、プロセッサ502から、エアチャンバの圧力を1平方インチあたり0.3ポンド(PSI)だけ増加させるコマンドを受信し得る。ポンプコントローラ504は、それに応答して、ポンプモータ506が選択されたエアチャンバ内に空気を送り込むような構成とされるように、弁を作動させ、0.3PSIに対応する時間、または、圧力が0.3PSIだけ増加されたことをセンサが示すまで、ポンプモータ506を作動させ得る。代替的形態では、メッセージが、チャンバが目標PSIまで膨張されるべきであるということを指定し得て、ポンプコントローラ504は、当該目標PSIが到達されるまでポンプモータ506を作動させ得る。
【0128】
バルブソレノイド508は、どのエアチャンバにポンプが接続されるかを制御し得る。場合によっては、ソレノイド508は、プロセッサ502によって直接的に制御され得る。場合によっては、ソレノイド508は、ポンプコントローラ504によって制御され得る。
【0129】
マザーボード402のリモートインタフェース510は、マザーボード402がデータ処理システムの他の構成要素と通信することを許容し得る。例えば、マザーボード402は、リモートインタフェース510を介して、1または複数のドーターボード、周辺センサ、及び/または、周辺コントローラと通信することが可能であり得る。リモートインタフェース510は、WiFi、ブルートゥース及び銅有線ネットワークなどの、複数の通信インタフェースを含むがこれらに限定されない、任意の技術的に適切な通信インタフェースを提供し得る。
【0130】
図6は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得るマザーボード402の一例のブロック図である。
図5を参照して説明されたマザーボード402と比較すると、
図6のマザーボードは、より多くの構成要素を含み得て、幾つかの用途においてより多くの機能を提供し得る。
【0131】
電源部500、プロセッサ502、ポンプコントローラ504、ポンプモータ506及びバルブソレノイド508に加えて、当該マザーボード402は、バルブコントローラ600、圧力センサ602、ユニバーサルシリアルバス(USB)スタック604、WiFi無線器606、ブルートゥース低エネルギ(BLE)無線器608、ZigBee無線器610、ブルートゥース無線器612、及び、コンピュータメモリ512、と共に示されている。
【0132】
ポンプコントローラ504がプロセッサ502からのコマンドをポンプモータ506のための制御信号に変換する方法と同様に、バルブコントローラ600は、プロセッサ502からのコマンドをバルブソレノイド508のための制御信号に変換し得る。一例では、プロセッサ502は、エアベッド内の一群のエアチャンバのうちの1つの特定のエアチャンバにポンプを接続するようにバルブコントローラ600にコマンドを発行し得る。バルブコントローラ600は、ポンプが指示されたエアチャンバに接続されるように、バルブソレノイド508の位置を制御し得る。
【0133】
圧力センサ602は、エアベッドの1または複数のエアチャンバからの圧力読取値を読み取ることができる。圧力センサ602はまた、デジタルセンサ調整を行うこともできる。
【0134】
マザーボード402は、ここで図示されるものを含むがそれに限定されない、一組のネットワークインタフェースを含み得る。これらのネットワークインタフェースは、マザーボードが、有線または無線ネットワークを介して、周辺センサ、周辺コントローラ、コンピューティングデバイス、及び、インターネット412に接続された装置及びサービス、を含むがこれらに限定されない、任意の数の装置と通信することを、許容し得る。
【0135】
図7は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得るドーターボード404の一例のブロック図である。幾つかの形態では、1または複数のドーターボード404がマザーボード402に接続され得る。幾つかのドーターボード404は、特定のタスク及び/または区画化されたタスクをマザーボード402から解放(オフロード)するように設計され得る。これは、例えば、特定のタスクが、計算集約型であるか、独占的(proprietary)であるか、または将来の改訂の対象である、という場合に有利であり得る。例えば、特定の睡眠データメトリックを計算するために、ドーターボード404が使用され得る。このメトリックは、計算集約的であり得て、ドーターボード404で当該睡眠メトリックを計算すれば、当該メトリックが計算されている間、マザーボード402のリソースが解放され得る。追加的及び/または代替的に、当該睡眠メトリックは、将来の改訂の対象となり得る。システム400を新しい睡眠メトリックで更新するために、当該メトリックを計算するドーターボード404のみが交換される必要がある、ということが可能である。この場合、同一のマザーボード402及び他の構成要素が使用され得るため、ドーターボード404だけでなく追加の構成要素のユニット試験を実行する、という必要がない。
【0136】
ドーターボード404は、電源部700、プロセッサ702、コンピュータ可読メモリ704、圧力センサ706、及び、WiFi無線器708、と共に図示されている。プロセッサは、圧力センサ706を使用して、エアベッドの1または複数のエアチャンバの圧力に関する情報を収集し得る。このデータから、プロセッサ702は、睡眠メトリックを計算するためのアルゴリズムを実行し得る。幾つかの例では、睡眠メトリックは、エアチャンバの圧力のみから計算され得る。他の例では、睡眠メトリックは、1または複数の他のセンサから計算され得る。様々なデータが必要とされる例では、プロセッサ702は、適切な1または複数のセンサから当該データを受信し得る。これらのセンサは、ドーターボード404の内部にあり得る、WiFi無線器708を介してアクセス可能であり得る、あるいは、プロセッサ702と通信中であり得る。睡眠メトリックが計算されると、プロセッサ702は、当該睡眠メトリックを例えばマザーボード402に報告し得る。
【0137】
図8は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ドーターボード無しのマザーボード800の一例のブロック図である。この例では、マザーボード800は、
図6のマザーボード402及び
図7のドーターボード404を参照して説明された機能の、ほとんど、全て、またはより多く、を実行し得る。
【0138】
図9は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、センサレイ406の一例のブロック図である。一般に、センサレイ406は、マザーボード402と通信するがマザーボード402に対してネイティブではない周辺センサの一部または全ての概念的なグループである。
【0139】
センサレイ406の周辺センサは、特定のセンサの形態にとって適切であるように、USBスタック604、WiFi無線器606、ブルートゥース低エネルギ(BLE)無線器608、ZigBee無線器610、及び、ブルートゥース無線器612を含むがこれらに限定されないマザーボードの1または複数のネットワークインタフェースを介して、マザーボード402と通信し得る。例えば、USBケーブルを介して読取値を出力するセンサは、USBスタック604を介して通信し得る。
【0140】
センサレイ406の周辺センサ900の幾つかは、ベッドに取り付けられ得る。これらのセンサは、例えば、ベッドの構造内に埋め込まれ得て、ベッドと一緒に販売され得るか、あるいは、後にベッドの構造に取り付けられ得る。他の周辺センサ902、904は、マザーボード402と通信し得るが、選択的にベッドに取り付けられない場合がある。場合によっては、ベッドに取り付けられたセンサ900及び/または周辺センサ902、904の一部または全てが、ネットワーク用ハードウェアを共有し得る。それは、マザーボード402に取り付けられる時、関連するセンサの全てをマザーボード402と接続する、各センサからのワイヤ、マルチワイヤケーブル、または、プラグを含む導体(導線)を含む。幾つかの実施形態では、センサ902、904、906、908、910のうちの、1つ、幾つか、または全てが、圧力、温度、光、音、及び/または、マットレスの1または複数の他の特徴などの、マットレスの1または複数の特徴を感知可能である。幾つかの実施形態では、センサ902、904、906、908、910のうちの、1つ、幾つか、または全てが、マットレスの外部の1または複数の特徴を感知可能である。幾つかの実施形態では、センサ902、904、906、908、910のうちの、幾つか、または全てが、マットレスの1または複数の特徴、及び/または、マットレスの外部の1または複数の特徴を感知可能である一方で、圧力センサ902が、マットレスの圧力を感知可能である。
【0141】
図10は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、コントローラアレイ408の一例のブロック図である。一般に、コントローラアレイ408は、マザーボード402と通信するがマザーボード402に対してネイティブではない周辺コントローラの一部または全ての概念的なグループである。
【0142】
コントローラアレイ408の周辺コントローラは、特定のセンサの形態にとって適切であるように、USBスタック604、WiFi無線器606、ブルートゥース低エネルギ(BLE)無線器608、ZigBee無線器610、及び、ブルートゥース無線器612を含むがこれらに限定されないマザーボードの1または複数のネットワークインタフェースを介して、マザーボード402と通信し得る。例えば、USBケーブルを介してコマンドを受信するコントローラは、USBスタック604を介して通信し得る。
【0143】
コントローラアレイ408のコントローラの幾つか1000は、ベッドに取り付けられ得て、温度コントローラ1006、照明コントローラ1008及び/またはスピーカコントローラ1010を含むが、これらに限定されない。これらのコントローラは、例えば、ベッドの構造内に埋め込まれ得て、ベッドと一緒に販売され得るか、あるいは、後にベッドの構造に取り付けられ得る。他の周辺コントローラ1002、1004は、マザーボード402と通信し得るが、選択的にベッドに取り付けられない場合がある。場合によっては、ベッドに取り付けられたコントローラ1000及び/または周辺コントローラ1002、1004の一部または全てが、ネットワーク用ハードウェアを共有し得る。それは、マザーボード402に取り付けられる時、関連するコントローラの全てをマザーボード402と接続する、各コントローラのためのワイヤ、マルチワイヤケーブル、または、プラグを含む導体(導線)を含む。
【0144】
図11は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、コンピューティングデバイス414の一例のブロック図である。コンピューティングデバイス414は、例えば、ベッドのユーザによって使用されるコンピューティングデバイスを含み得る。例示的なコンピューティングデバイス414は、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップ)及びデスクトップコンピュータを含むが、これらに限定されない。
【0145】
コンピューティングデバイス414は、電源部1100、プロセッサ1102及びコンピュータ可読メモリ1104を含む。ユーザ入力及び出力が、例えば、スピーカ1106、タッチスクリーン1108、または、ポインティングデバイス若しくはキーボードなどの他の不図示の構成要素、によって送信され得る。コンピューティングデバイス414は、1または複数のアプリケーション1110を実行し得る。これらのアプリケーションは、例えば、ユーザがシステム400と相互作用することを許容するアプリケーションを含み得る。これらのアプリケーションは、ユーザが、ベッドに関する情報(センサの読取値、睡眠メトリックなど)を視認したり、システム400の動作を構成したり(例えば、ベッドに所望の堅さを設定したり、周辺装置に所望の動作を設定したり)することを許容し得る。場合によっては、コンピューティングデバイス414は、前述のリモートコントロール122に加えて、またはそれに置換するために、使用され得る。
【0146】
図12は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ベッドデータクラウドサービス410aの一例のブロック図である。この例では、ベッドデータクラウドサービス410aは、特定のベッドからセンサデータ及び睡眠データを収集し、当該センサデータ及び睡眠データが生成された時にベッドを使用している1または複数のユーザと当該センサデータ及び睡眠データとを照合する、ように構成されている。
【0147】
ベッドデータクラウドサービス410aは、ネットワークインタフェース1200、通信マネージャ1202、サーバハードウェア1204、及び、サーバシステムソフトウェア1206、と共に示されている。更に、ベッドデータクラウドサービス410aは、ユーザ識別モジュール1208、デバイス管理モジュール1210、センサデータモジュール1212、及び、高度睡眠データモジュール1214、と共に示されている。
【0148】
ネットワークインタフェース1200は、一般に、1または複数のハードウェア装置がネットワークを介して通信することを許容するために使用される、ハードウェア及び低レベルソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインタフェース1200は、ベッドデータクラウドサービス410aの構成要素が例えばインターネット412を介して互いに及び他の宛先と通信する、ことを許容するために必要とされる、ネットワークカード、ルータ、モデム、及び、他のハードウェア、を含み得る。通信マネージャ1202は、一般に、ネットワークインタフェース1200上で動作する、ハードウェア及びソフトウェアを含む。これは、ベッドデータクラウドサービス4l0aによって使用されるネットワーク通信を開始、維持、及び破棄するためのソフトウェアを含む。これは、例えば、TCP/IP、SSLまたはTLS、トレント(Torrent)、及び、ローカルまたはワイドエリアネットワークを介した他の通信セッション、を含む。通信マネージャ1202は、また、ベッドデータクラウドサービス410aの他の要素に、ロードバランシング及び他のサービスを提供し得る。
【0149】
サーバハードウェア1204は、一般に、ベッドデータクラウドサービス410aをインスタンス化して維持するために使用される物理処理装置を含む。このハードウェアは、プロセッサ(例えば、中央処理装置、ASIC、グラフィックプロセッサ)及びコンピュータ可読メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ、安定したハードディスク、テープバックアップ)を含むが、これらに限定されない。1または複数のサーバが、地理的に離れ得る乃至接続され得る、クラスター、マルチコンピュータ、または、データセンター、に構成され得る。
【0150】
サーバシステムソフトウェア1206は、一般に、アプリケーション及びサービスに動作環境を提供するためにサーバハードウェア1204上で実行されるソフトウェアを含む。サーバシステムソフトウェア1206は、実サーバで実行されるオペレーティングシステム、実サーバでインスタンス化されて多くの仮想サーバを生成する仮想マシン、データ移行や冗長性やバックアップなどのサーバレベルの動作、を含み得る。
【0151】
ユーザ識別モジュール1208は、関連付けられたデータ処理システムを備えたベッドのユーザに関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、ユーザは、ベッドデータクラウドサービス410aまたは他のサービスに登録された、顧客、所有者、または、他のユーザ、を含み得る。各ユーザは、例えば、固有の識別子、ユーザ資格情報、連絡先情報、請求書情報、人口統計情報、または、他の技術的に適切な情報、を有し得る。
【0152】
デバイス管理モジュール1210は、データ処理システムに関連付けられたベッドまたは他の製品に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、ベッドは、ベッドデータクラウドサービス410aに関連付けられたシステムで販売または登録された製品(製品情報)を含み得る。各ベッドは、例えば、固有の識別子、モデル及び/またはシリアル番号、販売情報、地理的情報、配送情報、関連付けられたセンサ及び周辺制御装置のリスト、などを有し得る。更に、ベッドデータクラウドサービス410aによって記憶される1または複数の索引(インデックス)が、ベッドに関連付けられているユーザを識別し得る。例えば、この索引(インデックス)は、ベッド等で眠る1または複数のユーザに対してのベッドの売上を記録し得る。
【0153】
センサデータモジュール1212は、関連付けられたデータ処理システムを備えたベッドによって記録される生の(未加工の)センサデータまたは圧縮された(処理された)センサデータを記録し得る。例えば、ベッドのデータ処理システムは、温度センサ、圧力センサ及び光センサを有し得る。これらのセンサからの読取値が、センサの生の形態でまたは生のデータから生成された様式(例えば、睡眠メトリック)で、ベッドのデータ処理システムによってベッドデータクラウドサービス410aに通信され得て、センサデータモジュール1212に保存され得る。更に、ベッドデータクラウドサービス410aによって記憶された1または複数の索引(インデックス)が、センサデータモジュール1212に関連付けられたユーザ及び/またはベッドを識別し得る。
【0154】
ベッドデータクラウドサービス410aは、その利用可能なデータのいずれかを使用して、高度睡眠データ1214を生成し得る。一般に、高度睡眠データ1214は、センサ読取値から生成される睡眠メトリック及び他のデータを含む。これらの計算の幾つかは、例えば、計算が複雑であるか、ベッドのデータ処理システムでは利用できない大量のメモリ領域またはプロセッサ能力を必要とする場合、ベッドのデータ処理システムにおいてローカルに実行される代わりに、ベッドデータクラウドサービス410aで実行され得る。これは、ベッドシステムが、比較的簡単なコントローラで動作することを許容する一方、依然として比較的複雑なタスク及び計算を実行するシステムの一部である、ということに役立ち得る。
【0155】
図13は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、睡眠データクラウドサービス410bの一例のブロック図である。この例では、睡眠データクラウドサービス410bは、ユーザの睡眠体験に関連するデータを記録するように構成されている。
【0156】
睡眠データクラウドサービス410bは、ネットワークインタフェース1300、通信マネージャ1302、サーバハードウェア1304、及び、サーバシステムソフトウェア1306、と共に示されている。更に、睡眠データクラウドサービス410bは、ユーザ識別モジュール1308、圧力センサ管理モジュール1310、圧力ベースの睡眠データモジュール1312、生の圧力センサデータモジュール1314、及び、非圧力の睡眠データモジュール1316、と共に示されている。
【0157】
圧力センサ管理モジュール1310は、ベッド内の圧力センサの構成及び動作に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、このデータは、特定のベッドのセンサの種類の識別子、それらの設定及び較正のデータ、などを含み得る。
【0158】
圧力ベースの睡眠データ1312は、生の圧力センサデータ1314を使用して、特に圧力センサデータに関連付けられた睡眠メトリックを計算し得る。例えば、ユーザの存在、動き、体重変化、心拍数、及び、呼吸数は、全て、生の圧力センサデータ1314から判定(決定)され得る。更に、睡眠データクラウドサービス410bによって記憶される1または複数のインデックスが、圧力センサ、生の圧力センサデータ、及び/または、圧力ベースの睡眠データ、に関連するユーザを識別し得る。
【0159】
非圧力の睡眠データ1316は、他のデータソースを使用して、睡眠メトリックを計算し得る。例えば、ユーザが入力した好み、光センサの読取値、及び、音響センサの読取値が、全て、睡眠データの追跡に利用され得る。更に、睡眠データクラウドサービス410bによって記憶される1または複数のインデックスが、他のセンサ及び/または非圧力の睡眠データ1316、に関連するユーザを識別し得る。
【0160】
図14は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ユーザカウントクラウドサービス410cの一例のブロック図である。この例では、ユーザカウントクラウドサービス4l0cは、ユーザのリストを記録し、それらのユーザに関連する他のデータを識別するように構成されている。
【0161】
ユーザカウントクラウドサービス410cは、ネットワークインタフェース1400、通信マネージャ1402、サーバハードウェア1404、及び、サーバシステムソフトウェア1406、と共に示されている。更に、ユーザカウントクラウドサービス410cは、ユーザ識別モジュール1408、購入履歴モジュール1410、関与(エンゲージメント)モジュール1412、及び、アプリケーション使用履歴モジュール1414、と共に示されている。
【0162】
ユーザ識別モジュール1408は、関連付けられたデータ処理システムを備えたベッドのユーザに関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、ユーザは、ユーザカウントクラウドサービス410cまたは他のサービスに登録された、顧客、所有者、または、他のユーザ、を含み得る。各ユーザは、例えば、固有の識別子、ユーザ資格情報、人口統計情報、または、他の技術的に適切な情報、を有し得る。
【0163】
購入履歴モジュール1410は、ユーザによる購入に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、購入データは、販売の連絡先情報、請求書情報、及び、営業担当者情報を含み得る。更に、ユーザカウントクラウドサービス410cによって記憶される1または複数のインデックスが、購入に関連付けられたユーザを識別し得る。
【0164】
関与(エンゲージメント)モジュール1412は、ベッド及び/またはクラウドサービスの製造者、ベンダー、及び/または、管理者、に対するユーザの相互作用(遣り取り)を追跡し得る。この関与データは、通信(例えば、eメール、サービスコールなど)、販売データ(例えば、領収書、コンフィグレーションログ)、及び、ソーシャルネットワークの相互作用(遣り取り)、を含み得る。
【0165】
使用履歴モジュール1414は、ベッドの1または複数のアプリケーション及び/またはリモートコントロールとのユーザ相互作用(遣り取り)に関するデータを含み得る。例えば、モニタリング及びコンフィグレーションアプリケーションが、例えば複数のコンピューティングデバイス412上で実行するように分散され得る。このアプリケーションは、アプリケーション使用履歴モジュール1414に記憶するために、ユーザ相互作用をログに記録して報告し得る。更に、ユーザカウントクラウドサービス410cによって記憶される1または複数のインデックスが、各ログエントリに関連付けられたユーザを識別し得る。
【0166】
図15は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、販売時点管理(POS)クラウドサービス1500の一例のブロック図である。この例では、販売時点管理クラウドサービス1500は、ユーザの購入に関連するデータを記録するように構成されている。
【0167】
販売時点管理クラウドサービス1500は、ネットワークインタフェース1502、通信マネージャ1504、サーバハードウェア1506、及び、サーバシステムソフトウェア1508、と共に示されている。更に、販売時点管理クラウドサービス1500は、ユーザ識別モジュール1510、購入履歴モジュール1512、及び、セットアップモジュール1514、と共に示されている。
【0168】
購入履歴モジュール1512は、ユーザ識別モジュール1510で識別されるユーザによって行われた購入に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。購入情報は、例えば、販売、価格、販売場所、配送先住所、及び、販売時にユーザによって選択されたコンフィグレーション(設定)オプション、のデータを含み得る。これらのコンフィグレーションオプションは、新しく購入したベッドがどのようにセットアップされることを希望するかについてユーザが行った選択を含み得て、且つ、例えば、予想される睡眠スケジュール、ユーザが有するまたは設置するであろう周辺センサ及びコントローラのリスト、等を含み得る。
【0169】
ベッドセットアップモジュール1514は、ユーザが購入したベッドの設置に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。ベッセットアップデータは、例えば、ベッドが配送される日付と住所、配送を受け取る人、配送時にベッドに適用されているコンフィグレーション(設定)、当該ベッド上で眠るであろう1または複数の人の名前、各々の人がベッドのどちら側を使用するか、等を含み得る。
【0170】
販売時点管理クラウドサービス1500に記録されたデータは、後日、ユーザのベッドシステムによって参照され得て、当該販売時点管理クラウドサービス1500に記録されたデータに従って、ベッドシステムの機能を制御したり、及び/または、周辺構成要素に制御信号を送信したりできる。これは、販売員が販売時点でユーザから情報を収集することを許容し得て、それは、後でベッドシステムの自動化を容易にする。幾つかの例では、ベッドシステムの幾つかまたは全ての特徴が自動化され得て、販売時点の後、ユーザ入力データはほとんど乃至全く要求されない。他の例では、販売時点管理クラウドサービス1500に記録されるデータが、ユーザ入力のデータから収集される様々な追加データに関連して、使用され得る。
【0171】
図16は、
図1乃至
図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、環境クラウドサービス1600の一例のブロック図である。この例では、環境クラウドサービス1600は、ユーザの家内環境に関連するデータを記録するように構成されている。
【0172】
環境クラウドサービス1600は、ネットワークインタフェース1602、通信マネージャ1604、サーバハードウェア1606、及び、サーバシステムソフトウェア1608、と共に示されている。更に、環境クラウドサービス1600は、ユーザ識別モジュール1610、環境センサモジュール1612、及び、環境要因モジュール1614、と共に示されている。
【0173】
環境センサモジュール1612は、ユーザ識別モジュール1610のユーザがベッド内に設置したセンサのリストを含み得る。これらのセンサは、光センサ、ノイズセンサ、振動センサ、サーモスタットなど、環境変数を検出可能な任意のセンサを含む。更に、環境センサモジュール1612は、それらのセンサからの過去の読取値または報告(レポート)を記憶し得る。
【0174】
環境要因モジュール1614は、環境センサモジュール1612のデータに基づいて生成された報告を含み得る。例えば、環境センサモジュール1612のデータについて光センサを有するユーザの場合、環境要因モジュール1614は、ユーザが眠っているときに増加した照明のインスタンスの頻度及び持続時間を示す報告を保持し得る。
【0175】
ここで説明される例では、各クラウドサービス410が、同一の構成要素の幾つかと共に示されている。様々な形態で、これらの同一の構成要素は、部分的にまたは完全に、サービス間で共有されてもよいし、あるいは、それらは別々であってもよい。幾つかの形態では、各サービスは、幾つかの点で同じまたは異なる構成要素の一部または全ての別個のコピーを有し得る。更に、これらの構成要素は、説明のための例としてのみ提供されている。他の例では、各クラウドサービスは、技術的に可能な、構成要素の異なる数、タイプ、及びスタイルを有し得る。
【0176】
図17は、ベッド(本明細書に記載されたベッドシステムのベッドなど)に関連付けられ得るデータ処理システムを使用して、ベッドの周りの周辺機器を自動化する一例のブロック図である。ここに示されているのは、ポンプマザーボード402上で実行される行動分析モジュール1700である。例えば、行動分析モジュール1700は、コンピュータメモリ512に記憶され、プロセッサ502によって実行される1または複数のソフトウェアコンポーネントであり得る。一般に、行動分析モジュール1700は、多種多様なソース(例えば、センサ、非センサローカルソース、クラウドデータサービス)からデータを収集し得て、行動アルゴリズム1702を使用し得て、取られるべき1または複数の動作(例えば、周辺コントローラに送信するコマンド、クラウドサービスに送信するデータ)を生成し得る。これは、例えば、ユーザの行動を追跡したり、ユーザのベッドと通信する装置を自動化したりするのに、有用であり得る。
【0177】
行動分析モジュール1700は、例えば、ベッドの特徴、ベッドの環境、及び/または、ベッドのユーザ、に関するデータを収集するために、任意の技術的に適切なソースからデータを収集し得る。幾つかのそのようなソースは、センサレイ406のセンサのいずれかを含む。例えば、このデータは、行動分析モジュール1700に、ベッドの周囲の環境の現在の状態に関する情報を提供し得る。例えば、行動分析モジュール1700は、圧力センサ902からの読取値にアクセスし得て、ベッド内のエアチャンバの圧力を判定し得る。この読取値と、場合によっては他のデータとから、ベッドでのユーザの存在が判定され得る。別の例では、行動分析モジュール1700は、光センサ908にアクセスし得て、ベッドの環境における光の量を検出し得る。
【0178】
同様に、行動分析モジュール1700は、クラウドサービスからのデータにアクセスし得る。例えば、行動分析モジュール1700は、ベッドクラウドサービス410aにアクセスし得て、履歴センサデータ1212及び/または高度睡眠データ1214にアクセスし得る。以前に記載されていないものを含む他のクラウドサービス410が、行動分析モジュール1700によってアクセスされ得る。例えば、行動分析モジュール1700は、気象レポーティングサービス、第三者データプロバイダー(例えば、交通及びニュースデータ、緊急放送データ、ユーザ旅行データ)、及び/または、時計及びカレンダサービス、にアクセスし得る。
【0179】
同様に、行動分析モジュール1700は、非センサソース1704からのデータにアクセスし得る。例えば、行動分析モジュール1700は、ローカルな時計及びカレンダサービス(例えば、マザーボード402またはプロセッサ502の構成要素)にアクセスし得る。
【0180】
行動分析モジュール1700は、1または複数の行動アルゴリズム1702による使用のためにこのデータを集約及び準備し得る。ユーザの行動を学習したり、並びに/または、アクセスしたデータの状態及び/若しくは予測されるユーザの行動に基づいて幾つかの動作を実行したりするために、行動アルゴリズム1702が使用され得る。例えば、行動アルゴリズム1702は、利用可能なデータ(例えば、圧力センサ、非センサデータ、時計及びカレンダーデータ)を使用して、ユーザが毎晩就寝する時のモデルを作成し得る。その後、同一または異なる動作アルゴリズム1702が使用され得て、エアチャンバ圧力の増加がユーザの就寝を示している可能性が高いか否かを判定し得て、そうであれば、幾つかのデータを第三者クラウドサービス410に送信し得て、及び/または、例を挙げればポンプコントローラ504、土台アクチュエータ1706、温度コントローラ1008、ベッド下照明1010、周辺コントローラ1002または周辺コントローラ1004等の、装置を作動させ得る。
【0181】
図示の例では、行動分析モジュール1700及び行動アルゴリズム1702は、マザーボード402の構成要素として示されている。もっとも、他の構成も可能である。例えば、同一または同様の行動分析モジュール及び/または行動アルゴリズムが、1または複数のクラウドサービスで実行され得て、結果の出力が、マザーボード402、コントローラアレイ408のコントローラ、または、任意の他の技術的に適切な受容者、に送信され得る。
【0182】
図18は、本明細書で説明される技法を実装するために使用され得る、コンピューティングデバイス1800の一例及びモバイルコンピューティングデバイスの一例を示す。コンピューティングデバイス1800とは、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、個人情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、及び、他の適切なコンピュータなど、様々な形態のデジタルコンピュータを表すことが意図されている。モバイルコンピューティングデバイスとは、個人情報端末、携帯電話、スマートフォン、及び、他の同様のコンピューティングデバイスなど、様々な形態のモバイルデバイスを表すことが意図されている。ここに示されている構成要素、それらの接続と関係、及び、それらの機能は、例示のみを意図しており、本願書類において説明及び/または請求される本発明の実装を制限することは意図されていない。
【0183】
コンピューティングデバイス1800は、プロセッサ1802、メモリ1804、記憶装置(ストレージデバイス)1806、メモリ1804及び複数の高速拡張ポート1810に接続する高速インタフェース1808、及び、低速拡張ポート1814及び記憶装置1806に接続する低速インタフェース1812、を含む。プロセッサ1802、メモリ1804、記憶装置1806、高速インタフェース1808、高速拡張ポート1810、及び、低速インタフェース1812、の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、一般的なマザーボード上に、または必要に応じた他の態様で、搭載され得る。プロセッサ1802は、メモリ1804内または記憶装置1806上に記憶(格納)された命令を含む、コンピューティングデバイス1800内で実行するための命令を処理して得て、高速インタフェース1808に結合されたディスプレイ1816のような外部入出力装置上に、GUIのためのグラフィック情報を表示し得る。他の実装形態では、複数のプロセッサ及び/または複数のバスが、複数のメモリ及びメモリのタイプと共に、必要に応じて、使用され得る。また、各コンピューティングデバイスが必要な動作の一部を提供するように、複数のコンピューティングデバイスが接続され得る(例えば、サーババンクとして、ブレードサーバの一群として、または、マルチプロセッサシステムとして)。
【0184】
メモリ1804は、コンピューティングデバイス1800内の情報を記憶する。幾つかの実装形態では、メモリ1804は、1または複数の揮発性メモリユニットである。幾つかの実装形態では、メモリ1804は、1または複数の不揮発性メモリユニットである。メモリ1804は、磁気ディスクまたは光ディスクなどの、コンピュータ可読媒体の別の形態であってもよい。
【0185】
記憶装置1806は、コンピューティングデバイス1800に大容量ストレージを提供可能である。幾つかの実装形態では、記憶装置1806は、フロッピーディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置、テープ装置、フラッシュメモリ、若しくは、他の同様のソリッドステートメモリ装置、などのコンピュータ可読媒体、または、ストレージエリアネットワークまたは他の形態の複数の装置を含む複数の装置の配列、であり得るか、それらを含み得る。コンピュータプログラム製品は、情報キャリア(担体)内に有体的に具体化され得る。コンピュータプログラム製品はまた、実行される時に前述の方法のような1または複数の方法を実施する命令、を含み得る。コンピュータプログラム製品はまた、メモリ1804、記憶装置1806、またはプロセッサ1802上のメモリ、などのコンピュータ可読媒体内または機械可読媒体内に有体的に具体化され得る。
【0186】
高速インタフェース1808は、コンピューティングデバイス1800のための帯域幅消費型(bandwidth-intensive)動作を管理し、低速インタフェース1812は、より低い帯域幅消費型動作を管理する。このような機能の割り当ては、単なる例示である。幾つかの実装形態では、高速インタフェース1808は、メモリ1804、ディスプレイ1816(例えば、グラフィックプロセッサまたはアクセラレータを介して)、及び、様々な拡張カード(不図示)を受け入れ可能な高速拡張ポート1810、に結合される。当該実装では、低速インタフェース1812は、記憶装置1806及び低速拡張ポート1814に結合される。低速拡張ポート1814は、様々な通信ポート(例えば、USB、ブルートゥース、イーサネット、ワイヤレスイーサネット)を含み得て、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナー、または、例えばネットワークアダプタを介してのスイッチやルータなどのネットワーク装置、などの1または複数の入出力装置に結合され得る。
【0187】
コンピューティングデバイス1800は、図に示されているように、幾つかの異なる形態で実装され得る。例えば、それは、標準的なサーバ1820として、または、そのようなサーバの一群(グループ)において複数回、実装され得る。更に、それは、ラップトップコンピュータ1822などのパーソナルコンピュータで実装され得る。また、それは、ラックサーバシステム1824の一部として実装され得る。あるいは、コンピューティングデバイス1800からの構成要素は、モバイルコンピューティングデバイス1850などのモバイルデバイス(図示せず)の他の構成要素と組み合わせられ得る。そのようなデバイスの各々は、コンピューティングデバイス1800及びモバイルコンピューティングデバイス1850のうちの1または複数を含み得て、システム全体が、互いに通信する複数のコンピューティングデバイスで構成され得る。
【0188】
モバイルコンピューティングデバイス1850は、とりわけ、プロセッサ1852、メモリ1864、ディスプレイ1854などの入出力装置、通信インタフェース1866、及び、トランシーバ1868を含む。モバイルコンピューティングデバイス1850は、また、追加のストレージ(記録装置)を提供するために、マイクロドライブまたは他の装置などの記憶装置が設けられ得る。プロセッサ1852、メモリ1864、ディスプレイ1854、通信インタフェース1866、及び、トランシーバ1868の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、当該構成要素の幾つかは、共通のマザーボード上に、または、必要に応じた他の態様で、搭載され得る。
【0189】
プロセッサ1852は、メモリ1864内に記憶された命令を含む、モバイルコンピューティングデバイス1850内の命令を実行し得る。プロセッサ1852は、別個の複数のアナログ及びデジタルプロセッサを含むチップのチップセットとして実装され得る。プロセッサ1852は、例えば、ユーザインタフェースの制御、モバイルコンピューティングデバイス1850によって実行されるアプリケーション、及び、モバイルコンピューティングデバイス1850による無線通信など、モバイルコンピューティングデバイス1850の他の構成要素の調整(coordination)を提供し得る。
【0190】
プロセッサ1852は、ディスプレイ1854に結合された制御インタフェース1858及びディスプレイインタフェース1856を介して、ユーザと通信し得る。ディスプレイ1854は、例えば、TFTディスプレイ(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、または、他の適切なディスプレイ技術、であり得る。ディスプレイインタフェース1856は、ディスプレイ1854を駆動してグラフィック情報及び他の情報をユーザに提示するための適切な回路を有し得る。制御インタフェース1858は、ユーザからコマンドを受け取り、それらをプロセッサ1852に提示するために変換し得る。更に、外部インタフェース1862が、プロセッサ1852との通信を提供し得て、モバイルコンピューティングデバイス1850の他のデバイスとの近距離通信を可能にし得る。外部インタフェース1862は、例えば、幾つかの実装における有線通信、または、他の実装における無線通信、を提供し得て、複数のインタフェースが使用されてもよい。
【0191】
メモリ1864は、モバイルコンピューティングデバイス1850内の情報を記憶する。メモリ1864は、1または複数のコンピュータ可読媒体、1または複数の揮発性メモリユニット、または、1または複数の不揮発性メモリユニット、として実装され得る。拡張メモリ1874も、提供され得て、例えばSIMM(シングルインラインメモリモジュール)カードインタフェースを含み得る拡張インタフェース1872を介して、モバイルコンピューティングデバイス1850に接続され得る。拡張メモリ1874は、モバイルコンピューティングデバイス1850のための追加の記憶空間を提供し得る、または、モバイルコンピューティングデバイス1850のためのアプリケーションまたは他の情報を記憶し得る。具体的には、拡張メモリ1874は、前述のプロセスを実行または補足するための命令を含み得て、また、安全情報をも含み得る。従って、例えば、拡張メモリ1874は、モバイルコンピューティングデバイス1850のためのセキュリティモジュールとして提供され得て、モバイルコンピューティングデバイス1850の安全な使用を許容する命令でプログラムされ得る。更に、ハッキングできない態様でSIMMカード上に識別情報を配置するなど、追加情報と共に、SIMMカードを介して安全なアプリケーションが提供され得る。
【0192】
メモリは、以下に説明されるように、例えば、フラッシュメモリ及び/またはNVRAMメモリ(不揮発性ランダムアクセスメモリ)を含み得る。幾つかの実装形態では、コンピュータプログラム製品が、情報キャリア(担体)内に有体的に具体化される。コンピュータプログラム製品は、実行される時に前述の方法のような1または複数の方法を実施する命令、を含む。コンピュータプログラム製品は、メモリ1864、拡張メモリ1874、またはプロセッサ1852上のメモリ、などのコンピュータ可読媒体または機械可読媒体であり得る。幾つかの実装形態では、コンピュータプログラム製品は、例えばトランシーバ1868または外部インタフェース1862を介して、伝播信号で受信され得る。
【0193】
モバイルコンピューティングデバイス1850は、通信インタフェース1866を介して、無線通信し得る。通信インタフェース1866は、必要に応じて、デジタル信号処理回路を含み得る、通信インタフェース1866は、とりわけ、GSM音声通話(モバイル通信用グローバルシステム)、SMS(ショートメッセージサービス)、EMS(拡張メッセージングサービス)、MMSメッセージング(マルチメディアメッセージングサービス)、CDMA(コード分割多重アクセス)、TDMA(時分割多重アクセス)、PDC(パーソナルデジタルセルラー)、WCDMA(広帯域コード分割多重アクセス)、CDMA2000、または、GPRS(汎用パケット無線サービス)、等の様々なモードまたはプロトコルの下で通信を提供し得る。そのような通信は、例えば、無線周波数を使用してトランシーバ1868を介して発生し得る。更に、ブルートゥース、WiFi、または、他のそのようなトランシーバ(不図示)を使用するなどして、短距離通信が発生し得る。更に、GPS(全地球測位システム)受信モジュール1870が、モバイルコンピューティングデバイス1850に、追加のナビゲーション及び位置関連無線データを提供し得る。それは、モバイルコンピューティングデバイス1850上で実行されるアプリケーションによって適切に使用され得る。
【0194】
モバイルコンピューティングデバイス1850はまた、オーディオコーデック1860を使用して可聴的に通信し得る。オーディオコーデック1860は、ユーザからの話された情報を受信し得て、それを使用可能なデジタル情報に変換し得る。同様に、オーディオコーデック1860は、例えばモバイルコンピューティングデバイス1850のハンドセット内のスピーカを介するなどして、ユーザにとっての可聴音を生成し得る。そのような音は、音声通話からの音を含み得て、録音された音(例えば、音声メッセージ、音楽ファイルなど)を含み得て、及び、モバイルコンピューティングデバイス1850上で動作するアプリケーションによって生成される音をも含み得る。
【0195】
モバイルコンピューティングデバイス1850は、図に示されるように、幾つかの異なる形態で実装され得る。例えば、それは、携帯電話1880として実装され得る。また、それは、スマートフォン1882、個人情報端末、または、他の同様のモバイルデバイス、の一部として実装され得る。
【0196】
ここで説明されるシステム及び技術の様々な実装は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/または、それらの組み合わせ、で実現され得る。これらの様々な実装は、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上で実行可能及び/または解釈可能な1または複数のコンピュータプログラムでの実装を含み得る。それは、特別の目的または一般的な目的で、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、及び、少なくとも1つの出力デバイス、からのデータ及び命令を受信し、且つ、それらへデータ及び命令を送信する、ように結合され得る。
【0197】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、または、コードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサのための機械語命令を含み、高レベルのプロシージャ型及び/またはオブジェクト指向型のプログラミング言語で、及び/または、アセンブリ/機械語で、実装され得る。本明細書で使用される場合、機械可読媒体及びコンピュータ可読媒体という用語は、機械命令及び/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、装置及び/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指す。これは、機械可読信号として機械命令を受け取る機械可読媒体を含む。機械可読信号という用語は、機械命令及び/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。
【0198】
ユーザとの相互作用を提供するために、ここで説明されるシステム及び技術は、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(ブラウン管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、ユーザが当該コンピュータに入力を提供できるキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウスやトラックボール)と、を備えたコンピュータで実装され得る。他の種類のデバイスもまた、ユーザとの相互作用を提供するために使用され得る。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態のセンサフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または、触覚フィードバック)であり得る。ユーザからの入力は、音響、音声、または、触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0199】
ここで説明されるシステム及び技術は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバ)を含む、またはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)を含む、またはフロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザがそれを介してここで説明されるシステム及び技術の実装と相互作用できるグラフィカルユーザインタフェースまたはウェブブラウザを備えたクライアントコンピュータ)を含む、またはそのようなバックエンド、ミドルウェアないしフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステム内に実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態または媒体(例えば、通信ネットワーク)で相互接続され得る。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、を含む。
【0200】
コンピューティングシステムは、クライアントとサーバとを含み得る。クライアントとサーバは、一般的には互いから離れていて、典型的には通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行されて互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって、生じる。
【0201】
図19は、ユーザの現在の睡眠状態に基づいてマットレスの硬さを調整する一例を示す概念図である。図示されているように、ユーザは、ベッドシステム1900内で眠ることができる。ベッドシステム1900は、コントローラ1902とデータ通信状態(例えば、有線、無線)であり得る。コントローラ1902は、ユーザの睡眠状態を判定し、当該ユーザの睡眠状態に基づいてベッドシステム1900に対する調整を行う、というように構成され得る(例えば、
図21のプロセス2100を参照)。
【0202】
ベッドシステム1900は、ベッド(A)内のユーザの存在を感知し得る。本明細書に記載されるように、ベッドシステム1900は、ユーザがベッドシステム1900のマットレスの頂部上に横たわる時、ユーザの圧力、体温、及び、他の指標を検出するように構成された複数のセンサ(例えば、センサシステム)を含み得る。幾つかの実装形態では、当該センサは、コントローラ1902とデータ通信状態にある、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、心拍数モニタ、スマート衣類など)、及び/または、携帯電話もしくはホームオートメーションデバイス等の「ニアラブル」、の一部であり得る。本明細書で説明されるセンサの任意の1または複数が、ユーザに関する存在情報を捕捉し得る。
【0203】
存在情報は、様々な異なる信号を含み得る。例えば、当該存在情報は、ユーザの呼吸及び/または鼾を示す音響波を含み得る。当該存在情報は、マットレスの頂部上でのユーザの動きを示すマットレス内の圧力を含み得る。当該存在情報は、ユーザがマットレスの頂部上にいることを示す、マットレスの1または複数のエアチャンバまたはエアセクション内の圧力変化をも含み得る。当該存在情報は、ユーザの心拍数、呼吸数(breahing rate)、及び/または、呼吸数(respiration rate)、を示す圧力変化または他の測定値をも含み得る。更に、当該存在情報は、ユーザの体温を含み得る。当該存在情報は、ユーザがマットレスの頂部上にいることを示すマットレスの頂面の温度変化をも含み得る。当該存在情報は、ユーザが現在マットレスの頂部上にいる/ベッドシステム1900内にいることを判定するために使用され得る、任意の1または複数の追加の測定値を含み得る。
【0204】
感知されたデータは、コントローラ1902に送信され得る(B)。データは、感知されたままの状態で、送信され得る。幾つかの実装形態では、ベッドシステム1900は、所定の時間間隔で存在情報を感知するように構成され得る。当該時間間隔の各々の終わりに、ベッドシステム1900は、感知されたデータをコントローラ1902に送信し得る。更に、幾つかの実装形態では、ベッドシステム1900は、コントローラ1902からユーザの存在情報を感知せよという要求を受信し得る。当該時点で、ベッドシステム1900は、存在情報を感知し得て、感知されたデータをコントローラ1902に送信し得る。
【0205】
感知されたデータに基づいて、コントローラ1902は、ユーザの現在の睡眠状態を判定(決定)し得る(C)。例えば、本開示を通じて説明されるように、コントローラ1902は、全身運動(粗大運動)(例えば、体、腕、脚、及び/若しくは、頭の動き)、心臓の動き、並びに/または、呼吸の動き、を含む圧力読取値をベッドシステム1900から取得し得る。このような例示的な圧力読取値が、前述されたように、ユーザの現在の睡眠状態を判定(決定)するアルゴリズムへの入力であり得る。
【0206】
判定(決定)された睡眠状態を用いて、コントローラ1902は、ベッドシステム1900に対してなされ得る1または複数の調整を決定し得る(D)。例えば、マットレスの硬さが調整され得る。コントローラ1902が、ユーザの現在の睡眠状態がNREM(ノンレム)またはREM(レム)であることを識別する時、コントローラ1902は、マットレスの硬さが増大され得る、と判定(決定)し得る。要するに、REM睡眠中は、ユーザの筋肉の緊張が実質的に低減され得る。そして、この低減された筋肉の緊張を補償して睡眠セッション全体を通じての継続的な睡眠の快適さを提供するために、コントローラ1902は、REM睡眠中に、マットレスの硬さが増大され得る、と判定(決定)し得る。
【0207】
コントローラ1902は、マットレスの硬さを増大または低減させるための一定の量またはパーセント(率)を決定し得る。幾つかの実装形態では、コントローラ1902は、マットレスの硬さが所定の量またはパーセントだけ増大または減少されることを判定(決定)し得る(例えば、ユーザの定義による及び/またはユーザの好みによる硬さ設定から10%または50%増大)。従って、硬さの調整は、増分的であり得る、及び/または、所定の閾値範囲(絶対的または相対的)に基づき得る。硬さの調整は、また、ユーザが現在どの睡眠段階にあるか、に基づき得る。
【0208】
硬さ調整を決定する別の例として、コントローラ1902が、ユーザの現在の睡眠状態がユーザの所望のアラーム時刻または起床時刻の一定時間前であると判定(決定)する時、コントローラ1902は、マットレスの硬さが低減され得る、あるいは、ユーザの好みまたはユーザの定義による硬さ設定に戻され得る、ことを判定(決定)し得る。
【0209】
コントローラ1902は、ベッド調整(指令)をベッドシステム1900に送信し得る(E)。次いで、ベッドシステム1900は、コントローラ1902から受信された情報に従って、ベッドを調整し得る(F)。送信されたベッド調整(指令)は、実行される時にベッドシステム1900の1または複数のコンポーネントをしてベッドシステム1900の睡眠環境を変更させる、という命令を含み得る。例えば、送信されるベッド調整(指令)は、マットレスの現在の硬さ設定から10%だけマットレスの硬さを増大させること、を含み得る。この調整(指令)がベッドシステム1900によって受信されて実行される時、ベッドシステム1900のポンプが、マットレスのエアチャンバに所定量のエア(例えば、現在の体積の10%)を供給するように命令され得る。エアチャンバは、より多くのエア(空気)で満たされ得て、それによってマットレスの硬さを増大させ得る。
【0210】
別の例として、送信されるベッド調整(指令)は、マットレスの現在の硬さ設定から10%だけ硬さを低減すること、を含み得る。この調整(指令)がベッドシステム1900によって受信されて実行される時、ベッドシステム1900のポンプは、マットレスのエアチャンバから所定量のエア(例えば、現在の容積の10%)を放出するように命令され得る。エアチャンバは、収縮し得て、それによってマットレスの硬さを低減させ得る。
【0211】
ベッドシステム1900に対する調整が行われた後、ユーザの睡眠状態がチェックされ得る(G)。ユーザの睡眠状態は、ユーザの睡眠セッション中に何らかの変化が発生したか否かを判定するために、チェックされ得る。ユーザは、目覚めたり、ベッドから起き出したり、及び/または、異なる睡眠段階に移行したり、することがあり得る。ユーザの睡眠状態の変化は、マットレスの硬さの変化に影響を与え得る。
【0212】
圧力変化が睡眠障害を引き起こす場合、将来の睡眠障害を回避するために、将来の圧力変化は強度を低減され得る。例えば、圧力変化中または圧力変化後に、睡眠の質の変化(例えば、全身運動の増大、目覚めのイベント)が検出される場合、当該睡眠者にとっての圧力変化変数が低減され得て、将来の圧力変化は、新しいより低い変化変数によってもたらされ得る。
【0213】
例えば、ベッドシステム1900は、ユーザに関する存在データまたは他の感知データを収集し得る。次いで、ベッドシステム1900は、この睡眠状態データをコントローラ1902に送信し得る(H)。コントローラ1902は、ユーザが依然としてベッド内にいるか否か、及び/または、ユーザの現在の睡眠状態、を判定し得る(C)。
図19の項目(C)~(H)は、コントローラ1902が1または複数の状態を決定するまで繰り返され得る。当該1または複数の状態は、(1)ユーザがもはやベッド内にいない、(2)ユーザがアラーム時刻で目覚めるまでに(まだ十分な)所定の時間が存在している、(3)ユーザが目覚めている、(4)アラームが鳴り、それによってユーザの睡眠セッションが終了している、及び/または、(5)ユーザの現在の睡眠状態が、以前に識別された睡眠状態から変化していない、を含み得る。
【0214】
図20は、ユーザの時間ベースの睡眠段階判定に基づいてマットレスの硬さを調整する一例の概念図である。図示されているように、ユーザは、ベッドシステム2000内で眠ることができる(例えば、
図19のベッドシステム1900参照)。ベッドシステム2000は、コントローラ2002(例えば、
図19のコントローラ1902参照)とデータ通信状態(例えば、有線、無線)であり得る。コントローラ2002は、睡眠スケジュールに基づいてベッドシステム2000に対する調整を決定するように構成され得る(例えば、
図22のプロセス2200を参照)。換言すれば、ベッドシステム2000内のユーザに関する感知データに基づいてユーザの現在の睡眠状態を判定するのではなく、コントローラ2002は、ユーザがベッドシステム2000内にいる時間の長さを識別し得て、そのような時間の長さを睡眠スケジュールと相関させ得て、ベッドシステム2000に対して行うべき適切な調整を判定(決定)し得る。
【0215】
睡眠スケジュールは、ユーザが睡眠セッション中に異なる睡眠段階にいると予測される時間(長さ)を示し得る。睡眠段階ごとの予測される時間(長さ)は、入眠時刻から判定(決定)され得る。睡眠スケジュールは、
図20の特定のユーザに関する履歴の睡眠情報に基づいて判定(決定)され得る。例えば、睡眠追跡分析が実行され得て、特定のユーザが典型的な睡眠セッション中の各睡眠段階で費やす時間(長さ)を判定(決定)し得る。幾つかの実装形態では、睡眠スケジュールは、一般的な人口集団、または、ユーザの睡眠履歴についての特定の一致集団、に基づいて判定(決定)され得る。
【0216】
ベッドシステム2000は、ユーザ(A)の入眠を感知し得る。従って、ベッドシステム2000は、ユーザが入眠する時、を追跡し得る。ベッドシステム2000はまた、ユーザがベッドシステム2000を出る時、及び/または、ユーザが目覚める時、を追跡し得る。本明細書に記載されるように、ベッドシステム2000は、ユーザがベッドシステム2000のマットレスの頂部上に横たわる時、ユーザの圧力、体温、及び、他の指標を検出するように構成された複数のセンサ(例えば、センサシステム)を含み得る。幾つかの実装形態では、当該センサは、コントローラ2002とデータ通信状態にある、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、心拍数モニタ、スマート衣類など)、及び/または、携帯電話もしくはホームオートメーションデバイス(等の「ニアラブル」)、の一部であり得る。本明細書で説明されるセンサの任意の1または複数が、ユーザに関する入眠情報(例えば、データ)を捕捉し得る。入眠情報は、心拍数、呼吸(respiration)数、運動レベル、及び/または、呼吸(breathing)パターン、における変化を含み得る。例えば、心拍数、呼吸数、及び/または、呼吸パターン、における減少が、ユーザが入眠したことを示し得る。入眠情報は、ユーザが入眠するのにかかった時間、及び/または、ユーザが入眠した時刻、の指標(表示)をも含み得る。次いで、入眠情報は、コントローラ2002に送信され得る(B)。
【0217】
コントローラ2002は、また、睡眠スケジュールを受信し得る(C)。例えば、コントローラ2002は、データベースまたはデータストア(例えば、クラウドサービス)にアクセスし得て、睡眠スケジュールを取得し得る。コントローラ2002は、前述されたように、ユーザ固有の睡眠スケジュールまたは一般的な睡眠スケジュールを取得し得る。幾つかの実装形態では、コントローラ2002は、ユーザ固有の睡眠スケジュールを使用するか一般的な睡眠スケジュールを使用するかを判定(決定)し得る。例えば、ユーザ固有の睡眠スケジュールが特定のユーザに対して生成されていない場合(例えば、当該ユーザが新規ユーザである場合、当該ユーザがベッドシステム2000に関連付けられたユーザプロファイルを未だ有していない場合、当該ユーザがベッドシステム200の一時的なユーザである場合、等)、コントローラ2002は、一般的な睡眠スケジュールを選択または受信し得る。
【0218】
コントローラ2002は、入眠データ及び睡眠スケジュールに基づいてベッド調整を判定(決定)し得る(D)。例えば、コントローラ2002は、入眠データから、ユーザの心拍数が入眠を示す値まで低下したことを判定し得る。コントローラ2002は、入眠から最初の30分間は、マットレスの硬さが一定(例えば、ユーザの定義によるまたはユーザの好みによる硬さ設定)を維持し得る1つのフェーズないし睡眠段階内にユーザがいる、と仮定し得る。コントローラ2002は、当該最初の30分の後、ユーザが依然としてベッド内にいる場合、当該ユーザは睡眠スケジュールに従って次の睡眠フェーズに入った、と判定し得る。マットレスの硬さの調整は、ユーザが当該次の睡眠フェーズに入ったことに基づいて決定され得る(例えば、REM睡眠等のより深い睡眠中にユーザの身体から筋肉の緊張が不在になることを補償するために、マットレス内の圧力を増大する)。
図19で説明された睡眠状態アプローチと比較すると、ここでは、コントローラ2002が、ユーザが入眠した時刻を追跡し得て、睡眠スケジュールの異なる睡眠段階(の各々)と整合するベッド調整を判定(決定)し得る。ベッドの硬さの代わりに、または、それに加えて、睡眠環境の他の特徴が変更され得る。例えば、睡眠を保護するために、浅い睡眠に移行する前に音響が再生され得る。別の例では、例えば18℃を上回るように温度を上昇させるような周囲温度の変化が開始され得る。
【0219】
コントローラ2002は、ベッド調整(指令)をベッドシステム2000に送信し得る(E)。次いで、ベッドシステム2000は、コントローラ2002から受信された情報に従ってベッドを調整し得る。ベッドシステム2000に対する調整がなされた後、ユーザの存在がチェック(確認)され得る(G)。換言すれば、ベッドシステム2000は、ユーザが依然としてベッド内にいるか否か、ユーザが目覚めているか否か、ユーザが入眠してからどのくらい時間が経過したか、及び/または、最後にユーザの存在がチェックされてからどのくらい時間が経過したか、を判定し得る。ベッドシステム2000は、ユーザに関する存在データまたは他の感知データ(例えば、ベッドシステム2000の1または複数のコンポーネントにおける圧力変化)を収集し得る。ベッドシステム2000は、存在データをコントローラ2002に送信し得る(H)。コントローラ2002は、ユーザが依然としてベッド内にいるか否か、を判定し得る。ユーザが依然としてベッド内にいる場合、コントローラ2002は、睡眠スケジュールに基づいてベッド調整を決定し得る(D)。
【0220】
図20の項目(D)~(H)は、コントローラ2002が1または複数の状態を決定するまで繰り返され得る。当該1または複数の状態は、(1)ユーザがもはやベッド内にいない、(2)ユーザがアラーム時刻で目覚めるまでに(まだ十分な)所定の時間が存在している、(3)ユーザが目覚めている、(4)ユーザがアラームから目覚めて、睡眠セッションの終了を示している、及び/または、(5)睡眠スケジュールに従って睡眠段階の変化を示さない時間(長さ)が経過した、を含み得る。例えば、コントローラ2002は、所望の目覚ましアラーム時刻まであと30分~60分の間にユーザがいること、を判定し得る。睡眠スケジュールに従って、この時間枠は、マットレスの硬さがユーザの定義またはユーザの好みによる硬さ設定に戻され得る時間であり得る。マットレスがこの硬さ設定に戻されると、コントローラ2002は、アラームが鳴る(それによって睡眠セッションを終了する)までベッドシステム2000に対してそれ以上の調整は行われ得ない、と判定し得る。
【0221】
図21は、ユーザの現在の睡眠状態に基づいてマットレスの硬さを調整するための例示的なプロセス2100のスイムレーン図である(例えば、
図19を参照)。例示の目的で、プロセス2100は、センサシステム2102と、コントローラ2104と、環境コントローラ2106と、を参照して説明される。センサシステム2102は、ベッドシステムに構成された乃至取り付けられた1または複数のセンサ(例えば、圧力(センサ)、温度(センサ)、等)を含み得る。センサシステム2102は、また、ベッドシステム、コントローラ2104及び環境コントローラ2106のうちの1または複数とデータ通信状態にある、ユーザのウェアラブルデバイス及び/またはモバイルデバイスの一部である、任意の1または複数のセンサを含み得る。
【0222】
コントローラ2104は、ベッドシステムの異なるコンポーネントに対する調整をいつ行うべきかを判定(決定)する等、ベッドシステムの1または複数の動作を制御するように構成され得る。コントローラ2104は、本開示を通じて説明されるコントローラのうちの任意の1または複数であり得る。幾つかの実装形態では、コントローラ2104は、ベッドシステムに対して、統合され得る、取り付けられ得る、または、他の態様で通信状態にあり得る。幾つかの実装形態では、コントローラ2104は、ホームオートメーションデバイス、リモートサーバ(例えば、クラウドサービス)、または、モバイルデバイス、であり得て、それが処理技術を実行する。コントローラ2104は、センサシステム2102とデータ通信状態にある、任意の他のタイプのコンピューティングシステムであってもよい。
【0223】
更に、環境コントローラ2106は、コントローラ2104から受信された命令に基づいて、ベッドシステムの1または複数のコンポーネントを制御するように構成され得る。環境コントローラ2106は、例えば、ベッドシステムのマットレスのエアチャンバを膨張させ(例えば、マットレスの硬さを増大させ)及び/または収縮させる(例えば、マットレスの硬さを減少させる)命令を実行し得る。環境コントローラ2106は、マットレス内で圧力を増大及び/または減少させる命令を実行し得る。
【0224】
環境コントローラ2106は、また、例えば、調整可能な土台の傾斜または下降、環境照明、ベッドシステムの下方の(足元の)照明、及び/または、コントローラ2106と通信状態にある周辺装置、をも調整し得る。環境コントローラ2106は、本開示を通じて説明されるコントローラのうちの任意の1または複数であり得る。幾つかの実装形態では、環境コントローラ2106は、コントローラ2104と同一であり得る。幾つかの実装形態では、環境コントローラ2106は、ベッドシステムに対して、統合され得る、取り付けられ得る、または、他の態様で通信状態にあり得る。幾つかの実装形態では、環境コントローラ2106もまた、ホームオートメーションデバイス、リモートサーバ、または、モバイルデバイス、であり得て、それが処理技術を実行する。環境コントローラ2106もまた、センサシステム2102及び/またはコントローラ2104とデータ通信状態にある、任意の他のタイプのコンピューティングシステムであってもよい。
【0225】
センサシステム2102、コントローラ2104及び環境コントローラ2106のうちの任意の1または複数は、本開示を通じて説明されるデータ処理システム400及び/またはベッドシステムのコンポーネントであり得る。同一または類似のプロセスを実施するために、他の1または複数のシステムも使用され得る。
【0226】
プロセス2100を参照して、プロセス2100は、例えば、「2108」でセンサシステム2102がユーザの睡眠セッションを通じて物理現象を感知する時に、開始し得る。センサシステム2102は、少なくとも1つの物理現象を感知し得る。睡眠セッションは、ユーザがベッドに横たわって眠りに就こうとする度に、発生し得る。睡眠セッションは、昼寝などのように、短くてもよい。睡眠セッションは、また、ユーザが1日の終わりに就寝する時などのように、より長くてもよい。多くのユーザにとって、睡眠セッションは、夜間に発生し得る。一部のユーザにとって、特に夜間において仕事や他の責任を有する場合、睡眠セッションは、日中に発生し得る。睡眠セッションは、ユーザが目を覚ます時、及び/または、ベッドから出る時、終了し得る。幾つかの実装形態では、ユーザは、一晩(または所定の期間内)に複数の睡眠セッションを経験し得る。換言すれば、ユーザが目を覚ます度に、ユーザが再び眠りに就く時、新しい睡眠セッションが開始し得る。他の実装形態では、睡眠が一時的に中断される時(例えば、ユーザが目覚めて再び眠りに戻る時)でも、睡眠セッションは継続し得る。幾つかの場合、1日を通じて様々な睡眠セッション(昼寝など)がモニタリングされ得て、他の計算のために考慮され得る。
【0227】
睡眠セッションは、ベッド内でユーザの存在が最初に識別される時に開始してもよい。睡眠セッションは、また、ベッド内でのユーザの存在が検出された後で、入眠が識別される時に開始してもよい。睡眠セッションは、閾値期間に亘って睡眠がもはや識別されなくなるまで、継続し得る。例えば、ユーザは睡眠中に複数回目覚めて、その後再び眠りに戻ることがあり得る。睡眠セッションは、瞬間的な目覚めが閾値期間よりも短い限り、当該瞬間的な目覚めを通じて(超えて)継続し得る。一方、ユーザが閾値期間を超える瞬間的な目覚めを経験する場合には、睡眠セッションは終了し得る。ユーザが睡眠に戻る場合、新しい睡眠セッションが開始し得る。
【0228】
睡眠セッションは、また、ユーザの存在が閾値期間に亘って不在であると識別されるまで継続し得る。例えば、ユーザが水を飲むためにベッドから出て、閾値期間が終了する後までベッドに戻らない場合、睡眠セッションは終了し得る。更に、睡眠セッションは、アラームがスケジュールされるまで、及び/または、アラームが鳴るまで、継続し得る。アラームは、携帯電話などのモバイルデバイス及び/または目覚まし時計から発信され得る。モバイルデバイス及び/または目覚まし時計は、センサシステム2102及びコントローラ2104のうちの少なくとも1つとデータ通信状態であり得る。従って、スケジュールされるアラームは、センサシステム2102及び/またはコントローラ2104に通信され得る。
【0229】
更に「2108」を参照して、センサシステム2102は、心拍数、呼吸数(respiration rate)、呼吸数(breahing rate)、身体の動き、ベッドシステム内の圧力変化、温度、鼾、及び/または、他の音響、における変化等の物理現象を感知し得る。様々な(異なる)値が、センサシステム2102によって感知され得て、組み合わせられ得て、ユーザの現在の睡眠状態などのユーザに関する情報を判定し得る。センサシステム2102は、ユーザの睡眠セッション全体を通じて継続的に物理現象を感知し得る。物理現象は、例えば毎分、定期的に感知され得る。継続的及び/または定期的な感知(センシング)は、ユーザの変化が生じる時にそれらを検出するのに有益であり得る。これらのユーザの変化は、当該ユーザが睡眠状態を変更していることを示し得る。従って、ユーザが睡眠状態を変更したり、異なる睡眠状態に入ったりする時に、ベッドシステムに対する動的な調整がリアルタイムで行われ得る。幾つかの実装形態では、センサシステム2102及び/またはコントローラ2104の計算リソースが他に利用されていない時に、物理現象が感知され得る。
【0230】
次いで、センサシステム2102は、睡眠セッションを通じて、感知された物理現象に基づいてセンサデータをコントローラ2104に送信し得る(2110)。幾つかの実装形態では、センサシステム2102は、ユーザの現在の睡眠状態を判定(決定)するためにセンサデータが使用され得るように、異なる物理現象をセンサデータ内に組み合わせ得る。コントローラ2104は、睡眠セッションを通じて、センサデータを受信し得る(2112)。コントローラ2104は、また、複数の異なる感知された物理現象を受信し得て、そのような物理現象を互いに組み合わせ得る、または、関連付け得る。
【0231】
次いで、コントローラ2104は、「2114」において、睡眠セッションを通じて、ユーザの現在の睡眠状態を更新し得る。コントローラ2104は、センサデータに基づいて、ユーザの現在の睡眠状態を更新し得る。
【0232】
ユーザは、睡眠セッションを通じて、幾つかの異なる睡眠状態を経験し得る。睡眠状態の各々が、ベッドシステムに対して異なる調整が行われることを要求し得る。例えば、現在の睡眠状態は、当該現在の睡眠状態において最適化された睡眠の質と快適さとをユーザに提供するために、ベッドに対してどのようなタイプの調整が行われ得るか、を示し得る。一例として、コントローラ2104は、ユーザの現在の睡眠状態が目覚めている、と判定し得る。コントローラ2104は、ユーザが目覚めている時のユーザの心拍数よりも低い心拍数のセンサデータを受信し得る(2112)。コントローラ2104は、当該心拍数が所定の閾値範囲を下回っている、と判定し得て、それは、ユーザが入眠したことを示す。従って、コントローラ2104は、ユーザの現在の睡眠状態を、目覚めている状態からちょうど眠りに就いた(入眠した)状態に、更新し得る。次いで、コントローラ2104は、ちょうど眠りに就いた現在の睡眠状態に対応する適切なベッドシステムの調整を決定し得る。
【0233】
コントローラ2104は、「2116」において、睡眠状態スケジュールを通じて、睡眠セッションを追跡し得る。この追跡は、睡眠セッションを通じたユーザの現在の睡眠状態の更新に基づき得る。幾つかの実装形態では、コントローラ2104は、現在の睡眠状態を睡眠状態スケジュールに対してチェック(点検)または検証し得て、現在の睡眠状態についての当該コントローラの判定(決定)が正確であるか否かを判定し得る。睡眠状態スケジュールは、ユーザが異なる睡眠状態にいる予測時間を示し得る。睡眠状態スケジュールは、異なる睡眠状態の各々においてユーザが経験すると予測され得る予測条件(心拍数、動き、呼吸数(respiration rate)、等)を示し得る。睡眠状態スケジュールは、睡眠セッションを通じてユーザが経験する異なる連続するフェーズをリストにし得る。
【0234】
睡眠状態スケジュールは、連続するフェーズを使用して定義され得る。各フェーズは、(i)現在の睡眠状態についての1または複数の値、及び、(ii)現在の睡眠状態に関連付けられた目標環境パラメータについての1または複数の値、を特定し得る。目標環境パラメータは、マットレスの硬さであり得る。従って、睡眠状態スケジュールは、ユーザが経験し得るまたは経験するであろう異なる睡眠状態(例えば段階)中にどのような硬さ設定が適用され得るか、を示し得る。連続するフェーズは、初期睡眠フェーズ、中期睡眠フェーズ、及び、覚醒に近いフェーズ、を含み得る。連続するフェーズは、1または複数の追加の(より多い)フェーズ、または、より少ないフェーズ、を含み得る。
【0235】
幾つかの実装形態では、初期睡眠フェーズは、(i)閾値期間未満のNREM睡眠状態、及び、(ii)ユーザ指定の圧力設定値、を特定し得る。従って、ユーザが初期睡眠フェーズにあると識別される時、コントローラ1902は、マットレスの硬さがユーザ指定の圧力設定値に留まり得る、及び/または、ユーザ指定の圧力設定値に設定され得る、ことを判定(決定)し得る。初期睡眠フェーズの間、ユーザは、浅い睡眠状態であり得て、及び/または、筋肉の緊張を有し得る。従って、睡眠段階に基づくユーザの身体の変化に対応するようなマットレスの硬さの調整が必要とされない可能性がある。更に、幾つかの実装形態では、閾値期間は、30分であり得る。当該30分は、入眠時刻から計算され得る。
【0236】
中期睡眠フェーズは、(i)閾値期間を超えるNREM睡眠状態、及び、(ii)ユーザ指定の圧力設定値を超える増大圧力設定値、を特定し得る。増大圧力設定値は、マットレスの硬さが増大されるべき時点で計算され得る。圧力設定値を計算することは、ユーザの定義またはユーザの好みによる硬さ設定値の変更に基づく増大圧力設定値の動的な生成を許容するので有利であり得る。ユーザの定義またはユーザの好みによる設定値は、妊娠や怪我からの回復など、ユーザが急激な生理的変化の最中にある時に、頻繁に変更され得る。増大圧力設定値は、事前に決定されて、メモリに記憶されてもよい。当該設定値を事前に決定しておくことは、リアルタイムにおいて処理電力及びリソースが少なくて済むので有利であり得る。所定の設定値は、(i)ユーザの定義またはユーザの好みによる設定値、または、(ii)中期睡眠フェーズ前の睡眠段階におけるマットレスの圧力設定値、から10%だけ圧力を増大させた値、を含み得る。
【0237】
ユーザは、入眠後約30~60分で、中期睡眠フェーズに入り得る。中期睡眠フェーズの間、ユーザは、より深い睡眠に入り得て、筋肉の緊張が失われ得るまたは欠如され得る。筋肉の緊張の当該欠如を補償して、睡眠の質及び快適さを改善または維持するために、コントローラ2104は、マットレスの硬さが増大されるべきである、と判定(決定)し得る。従って、マットレスの硬さを増大することが、脊椎(背骨)のアライメントを改善し得て、ユーザが睡眠セッションの中期睡眠フェーズの間に快適であり続けることを保証し得る。
【0238】
覚醒に近いフェーズは、(i)スケジュールされた起床時間に近い閾値期間未満のREM睡眠、及び、(ii)ユーザ指定の圧力設定値、を特定し得る。当該閾値期間は、スケジュールされた起床時間前30分~60分であり得る。幾つかの実装形態では、ユーザ指定の圧力設定値は、増大圧力設定値、あるいは、メモリに記憶されているまたはユーザのプロファイルに関連付けられている他の圧力設定値、と同一であり得る。処理リソース及びメモリを節約するために、ユーザ指定の圧力設定値は、増大圧力設定値または他の圧力設定値と同一の値であり得る。従って、一例として、ユーザが目覚ましアラーム(時刻)から30~60分以内にいることが検出される時、コントローラ2104は、マットレスの硬さがリセットされるべき、あるいは、ユーザが入眠した時にマットレスが最初に設定されていたユーザ指定の圧力設定値に調整されるべき、であると判定(決定)し得る。
【0239】
幾つかの実装形態では、ユーザー指定の圧力設定値は、異なる値であり得る。換言すれば、2つの値がメモリに記憶され得て、両方が同一の値であり得る。もっとも、このような例では、ユーザは、メモリに記憶されているユーザ指定の値を変更し得る。ユーザは、例えば、より柔らかいベッドはユーザが入眠するのを助ける一方で、朝のより硬いベッドはユーザの関節の痛みを緩和する、というユーザの治験に基づいて、当該値を変更することを望み得る。従って、覚醒に近い睡眠フェーズに対するユーザ指定の圧力設定値は、ユーザ指定の最初の圧力設定値とは異なり得る。一例として、マットレスは、最初、より低い硬さの圧力設定値に設定され得る。コントローラ2104が、目覚ましアラーム(時刻)から30~60分以内にユーザがいると判定する時、当該コントローラ2104は、マットレスが最初の圧力設定値よりも硬いことを要求する異なるユーザ指定の圧力設定値に、マットレスの硬さが調整されるべきである、と判定し得る。幾つかの実装形態では、異なるユーザ指定の圧力設定値は、マットレスの現在の圧力設定値と同一であり得て、これは、コントローラ2104がマットレスの調整を決定する必要がないことを意味する。他の実装形態では、異なるユーザ指定の圧力設定値は、マットレスの現在の圧力設定値よりも低いか、または高くてもよく、これは、コントローラ2104が、当該異なるユーザ指定の圧力設定値を達成するためにマットレスをどの程度調整するべきか、を決定し得ることを意味する。
【0240】
更に、プロセス2100の「2116」を参照して、睡眠状態スケジュールを通じて睡眠セッションを追跡することは、現在の睡眠状態の識別を、連続するフェーズのうちの第1フェーズとして維持すること、現在の睡眠状態が第2フェーズによって特定される現在の睡眠状態についての1または複数の値と合致することを判定すること、及び、現在の睡眠状態の識別を、連続するフェーズのうちの第1フェーズに続く第2フェーズに更新すること、を含み得る。従って、コントローラ2104は、睡眠状態スケジュール内の異なる連続する睡眠フェーズに対して定義される値に基づいて、ユーザの現在の睡眠状態を更新し得る。
【0241】
次いで、コントローラ2104は、「2118」において、睡眠セッションを通じて目標環境パラメータを更新し得る。本明細書に記載されるように、目標環境パラメータは、マットレスの硬さであり得る。コントローラ2104は、睡眠セッションの追跡の使用に基づいて、目標環境パラメータを更新し得る。コントローラ2104は、ユーザが異なる連続する睡眠フェーズに入ったことを追跡する時、マットレスの硬さに対する対応する調整を決定し得る。
【0242】
例えば、コントローラ2104は、ユーザの筋肉の緊張が不在となる睡眠段階にユーザが入ったことを判定し得る。最適な睡眠の質及び快適さと、脊椎のアライメントと、をユーザに提供するために、コントローラ2104は、マットレスの硬さが増大され得る、と判定し得る。従って、コントローラ2104は、目標のマットレス硬さのパラメータを、増大圧力設定値に更新し得る。
【0243】
別の例として、コントローラ2104は、ユーザがアラームで目覚めるまで30分である、と判定し得る。従って、コントローラ2104は、マットレスの硬さがユーザの定義またはユーザの好みによる硬さ設定値にリセットされるべきである、と判定し得る。コントローラ2104は、ユーザが睡眠セッションを開始する(例えば、入眠する)前に、目標のマットレス硬さパラメータを初期値(例えば、ユーザの定義またはユーザの好みによる設定値)に更新し得る。
【0244】
「2118」における目標環境パラメータの更新は、実行時にベッドシステムの1または複数のコンポーネントをして当該目標環境パラメータに対する調整を行わせる命令を生成すること、をも含み得る。
【0245】
「2120」において、コントローラ2104は、自動命令を環境コントローラ2106に送信し得る。当該命令は、目標環境パラメータに対して行うべき調整を示し得る(例えば、マットレスのエアチャンバ内の圧力を増大する、マットレスのエアチャンバ内の圧力を低減する、等)。当該命令は、どのコンポーネントが目標環境パラメータ(例えば、ポンプ)に対する調整を実行するために起動され得るのか、をも示し得る。環境コントローラ2106は、「2122」において、自動命令を受信し得る。
【0246】
次に、環境コントローラ2106は、自動命令に従って、1または複数のデバイスに作用し得る(2124)。当該デバイスに作用することによって、睡眠セッションを通じて、ユーザの睡眠環境が更新され得る。当該デバイスに作用することは、ポンプを起動してマットレスのエアチャンバ内に追加のエア(例えば、圧力)を注入し、それによってマットレスの硬さを増大すること、を含み得る。当該デバイスに作用することは、また、バルブを開放して、あるいは、ポンプを起動してマットレスのエアチャンバからエアまたは圧力を解放して、それによってマットレスの硬さを低減すること、を含み得る。
【0247】
プロセス2100は、ユーザが睡眠セッション内にいる限り、繰り返され得て、継続的に実行され得る。プロセス2100は、ユーザの睡眠セッションごとに、繰り返され得て、継続的に実行され得る。
【0248】
図22は、ユーザの時間ベースの睡眠状態判定に基づいてマットレスの硬さを調整するための例示的なプロセス2200のスイムレーン図である(例えば、
図20を参照)。例示の目的で、プロセス2200は、センサシステム2202と、コントローラ2204と、環境コントローラ2206と、を参照して説明される(例えば、
図21におけるセンサシステム2102と、コントローラ2104と、環境コントローラ2106と、を参照)。センサシステム2202、コントローラ2204及び環境コントローラ2206のうちの任意の1または複数は、本開示を通じて説明されるデータ処理システム400及び/またはベッドシステムのコンポーネントであり得る。同一または類似のプロセスを実施するために、他の1または複数のシステムも使用され得る。
【0249】
プロセス2200を参照して、プロセス2200は、例えば、「2208」でセンサシステム2202がユーザの睡眠セッションを通じて少なくとも1つの物理現象を感知する時に、開始し得る(例えば、
図21における「2108」を参照)。センサシステム2200は、「2210」において、睡眠セッションを通じて、感知された物理現象に基づいてセンサデータをコントローラ2204に送信し得る(例えば、
図21における「2110」を参照)。コントローラ2204は、「2212」において、睡眠セッションを通じて、センサデータを受信し得る。
【0250】
コントローラ2204は、睡眠セッションを通じて、ユーザの現在の睡眠判定を更新し得る(2214)。コントローラ2104は、センサデータを用いて、現在の睡眠判定を更新し得る。現在の睡眠判定は、覚醒及び入眠についての可能性ある値を含み得る。センサデータは、例えば、心拍数や呼吸パターンの減少を含み得て、これは、ユーザが入眠したことを示し得る。従って、コントローラ2204は、ユーザが現在眠っていることを示すように現在の睡眠判定を更新し得る。プロセス2200のこの時点では、コントローラ2204は、ユーザが現在どの睡眠段階にいるかを判定しない可能性がある。むしろ、コントローラ2204は、ユーザが目覚めていないで眠っていることだけを判定する可能性がある。
【0251】
コントローラ2204が、ユーザが入眠している可能性がある(例えば、心拍数及び/または呼吸数が低い)ことを示すセンサデータを受信するまで、ユーザの現在の睡眠判定は「覚醒」の値を有し得る。コントローラ2204が、ユーザが入眠している可能性があることを示すデータを受信すると、現在の睡眠判定が「睡眠」の値に更新され得る。幾つかの実装形態において、コントローラ2204は、現在の睡眠判定値が「覚醒」から「睡眠」に変更される時刻を判定し得る。
【0252】
次に、コントローラ2204は、「2216」において、睡眠状態スケジュールを通じて、睡眠セッションを追跡し得る。睡眠状態スケジュールは、
図21を参照して説明されたように、連続するフェーズを使用して定義され得る。各フェーズは、(i)現在の睡眠判定についての1または複数の値、及び、(ii)目標環境パラメータについての1または複数の値、を特定し得る。連続するフェーズは、(i)初期睡眠フェーズ、(ii)中期睡眠フェーズ、及び、(iii)覚醒に近いフェーズ、を含み得る。
図21を参照して説明されたように、1または複数の追加の(より多い)フェーズまたはより少ないフェーズが、識別され得る。
【0253】
幾つかの実装形態では、初期睡眠フェーズは、(i)閾値期間未満のNREM睡眠状態、及び、(ii)ユーザ指定の圧力設定値、を特定し得る。中期睡眠フェーズは、(i)閾値期間を超えるNREM睡眠状態、及び、(ii)ユーザ指定の圧力設定値を超える増大圧力設定値、を特定し得る。覚醒に近いフェーズは、(i)スケジュールされた起床時間に近い閾値期間未満のREM睡眠、及び、(ii)ユーザ指定の圧力設定値、を特定し得る(例えば、
図21の「2116」を参照)。
【0254】
一例として、コントローラ2204が現在の睡眠判定値を覚醒から睡眠に更新すると、コントローラ2204は(その後)どのくらいの時間が経過するかを判定し得る。例えば、コントローラ2204が、入眠から30分~60分が経過したと判定する場合、コントローラ2204は、ユーザが中間フェーズに入った可能性が高い、と判定し得る。従って、コントローラ2204は、マットレスの硬さ(例えば、目標環境パラメータ)が所定量だけ増大され得る、と判定し得る。例えば、コントローラ2204が、ユーザがアラーム(時刻)から30分~60分離れていると判定する場合、コントローラ2204は、ユーザが覚醒に近い睡眠フェーズにある可能性が高い、と識別し得る。従って、コントローラ2204は、マットレスの硬さがリセットされ得る、あるいは、ユーザ指定の圧力設定に調整され得る、と判定し得る。
【0255】
更に、プロセス2200の「2216」を参照して、睡眠セッションを追跡することは、現在の睡眠判定の識別を、連続するフェーズのうちの第1フェーズとして維持すること、現在の睡眠判定が第2フェーズによって特定される現在の睡眠判定についての1または複数の値と合致することを判定すること、及び、現在の睡眠判定の識別を、連続するフェーズのうちの第1フェーズに続く第2フェーズに更新すること、を含み得る。
【0256】
睡眠セッションを追跡することは、現在の睡眠判定が「睡眠」に更新されてからの経過時間の長さに基づき得る。例えば、前述されたように、ユーザが目覚めている間、ベッドの調整は行われない可能性がある。むしろ、調整は、ユーザが入眠を経験して初めて、考慮に入れられ得る。
【0257】
次いで、コントローラ2204は、睡眠セッションを通じて、睡眠セッションの追跡を使用して、目標環境パラメータを更新し得る(2218)。
図21を参照して説明されたように、目標環境パラメータは、ベッドシステムのマットレスの硬さであり得る。目標環境パラメータの更新は、特定の睡眠段階を示す睡眠状態スケジュールにおける値と一致する睡眠セッションのタイミングに基づいて、マットレスの圧力設定値が増減され得ると判定すること、を含み得る。
【0258】
コントローラ2204は、また、睡眠セッションを通じて、自動命令を環境コントローラ2206に送信し得る(2220)。当該命令は、目標環境パラメータの更新に基づき得る(例えば、
図21の「2120」を参照)。環境コントローラ2206は、「2222」において、自動命令を受信し得る。次に、環境コントローラ2206は、自動命令に従って、1または複数のデバイスに作用し得る(2224)。当該1または複数のデバイスに作用することによって、睡眠セッションを通じて、ユーザの睡眠環境が更新され得る(例えば、
図21の「2124」を参照)。
【0259】
プロセス2200は、ユーザが睡眠セッション内にいる限り、繰り返され得て、継続的に実行され得る。プロセス2200は、ユーザの睡眠セッションごとに、繰り返され得て、継続的に実行され得る。
【0260】
図23は、ユーザの異なる睡眠段階中にマットレスの硬さを調整するための例示的なプロセス2300のフローチャートである。本開示を通じて説明され
図23に示されるように、マットレスの硬さを調整することは、睡眠モニタリングの状態ベースのアルゴリズム(例えば、
図21のプロセス2100を参照)、または、時間ベースのアルゴリズム(例えば、
図22のプロセス2100を参照)、に基づき得る。睡眠モニタリングの状態ベースのアルゴリズムは、ユーザが現在どの睡眠状態(例えば、睡眠段階、睡眠フェーズ)にあるかを判定し、その後、適切なマットレス調整を判定(決定)するために、使用され得る。時間ベースのアルゴリズムは、入眠時刻と、様々な睡眠段階に関連付けられたガイドラインと、に基づいてマットレスの調整を判定(決定)するために、使用され得る。
【0261】
本明細書で説明されるように、マットレスは、入眠初期には比較的低い圧力設定値を有し得る。マットレスの硬さは、脊椎のアライメント、身体のサポート、並びに、全体的な快適性及び睡眠の質、の改善を目的として、NREM睡眠段階中に、増大する(例えば、マットレスの圧力設定値を増大する)ことができる。マットレスの硬さは、継続的な脊椎のアライメント、身体のサポート、並びに、全体的な快適性及び睡眠の質、を提供するべく、REM睡眠段階中、入眠初期、及び/または、目覚め前の一定期間内、に低下する(例えば、マットレスの圧力設定値を低減する)ことができる。
【0262】
プロセス2300は、状態ベースまたは時間ベースの睡眠モニタリングとして実行され得る。幾つかの実装形態では、ユーザは、マットレスの硬さの調整が状態ベースのアルゴリズムに基づいて決定されるか、あるいは、時間ベースのアルゴリズムに基づいて決定されるか、を選択し得る。幾つかの実装形態では、プロセス2300は、状態ベースのアルゴリズムまたは時間ベースのアルゴリズムのいずれかを提供し得る。更に他の実装形態では、コントローラが、状態ベースのアルゴリズムを使用してプロセス2300を実行するか、または、時間ベースのアルゴリズムを使用して実行するか、を決定し得る。
【0263】
明確のために、プロセス2300は、データ処理システム400のコンポーネントの1つである等のコントローラを参照して説明されている。当該コントローラは、本明細書で説明されるコントローラの任意の1つであり得る(例えば、
図19乃至
図22を参照)。もっとも、同一または類似のプロセスを実施するために、他の1または複数のシステムも使用され得る。
【0264】
図23に示されるプロセス2300を参照して、ユーザの定義による睡眠設定(例えば、睡眠番号)がコントローラに提供され得る(2302)。睡眠設定は、マットレスの好ましい硬さレベルを示し得る。睡眠設定は、また、ユーザの睡眠の様々な段階に対して、1または複数の追加の好ましい硬さレベルを示し得る。幾つかの実装形態では、睡眠設定は、本明細書で説明されるような1または複数のシステムによって決定され得る。睡眠設定は、ユーザに関する履歴データに基づいて、決定され得る。睡眠設定は、また、一般的なユーザの集団に関連付けられたデータに基づいて、決定され得る。
【0265】
次に、コントローラは、前述されたように、睡眠状態ベースのアルゴリズムに基づいて硬さ調整を決定するべきか、または、時間ベースのアルゴリズムに基づいて硬さ調整を決定するべきか、を判定し得る(2304)。幾つかの実装形態では、コントローラは、当該コントローラがベッドの1または複数のコンポーネントからセンサ信号を受信し得るか否か、を判定し得る。従って、当該コントローラは、状態ベースのアルゴリズムを選択し得る。
【0266】
睡眠状態ベースのアルゴリズムが選択される時、コントローラは、ユーザが目覚めているのか、REM睡眠中であるのか、あるいは、NREM睡中であるのか、を判定し得る(2306)。ユーザが目覚めているかREM睡眠中である場合、コントローラは、マットレスの硬さに変更が行われるべきではない、と判定し得る(2308)。コントローラは、一定の時間長さ(例えば30秒)が経過した後に、ユーザの睡眠状態を再度チェックし得る。幾つかの実装形態では、当該時間間隔は、異なり得る。コントローラは、「2306」に戻り得る。
【0267】
ユーザがNREM睡眠中である場合、コントローラは、ユーザが最初の2時間の睡眠中であるか否か、を判定し得る(2310)。ユーザが睡眠の最初の2時間以内であれば、コントローラは、マットレスの硬さに変更が行われるべきではない、と判定し得る(2312)。コントローラは、1分の経過後、ユーザの睡眠状態を再度チェックし得る。コントローラは、「2306」に戻り得る。ユーザが睡眠の最初の2時間以内でない場合、コントローラは、マットレスの硬さの設定値を10%だけ増大させ得る(2314)。換言すれば、コントローラは、マットレス内のエアチャンバの圧力レベルをユーザの定義による睡眠設定から10%だけ増大させ得る。結果として、マットレスは、より深い睡眠段階中において、ユーザの身体の変化に対応するように、より硬くなることができる。
【0268】
マットレスの硬さ設定が10%だけ増大されると、コントローラは、ユーザが目覚めているかREM睡眠状態であるか、あるいは、そうでないか、を判定し得る(2316)。ユーザが目覚めておらずREM睡眠中でもない場合、コントローラは、マットレスの硬さに変更が行われるべきではない、と判定し得る(2318)。コントローラは、1分の経過後、ユーザの睡眠状態を再度チェックし得る。コントローラは、「2306」に戻り得る。
【0269】
ユーザが目覚めているかまたはREM睡眠中である場合、コントローラは、ユーザが所望のアラーム(時刻)の30分以内であるか否か、を判定し得る(2320)。ユーザが所望のアラーム(時刻)の30分以内である場合、コントローラは、マットレスの硬さ設定値を元のユーザ定義による睡眠設定に戻すように調整し得る(2322)。ユーザが所望のアラーム(時刻)の30分以内でない場合、コントローラは、マットレスの硬さに変更が行われるべきではない、と判定し得る(2324)。コントローラは、ユーザが所望のアラーム(時刻)の30分以内であるか否かを、1分で(1分毎に)再度チェックし得る。コントローラは、「2306」に戻り得る。
【0270】
更にプロセス2300を参照して、「2304」において時間ベースのアルゴリズムが選択されている時(あるいは、コントローラに時間ベースのアルゴリズムを使用する選択肢のみが提示されている時)、コントローラは、ユーザが睡眠の最初の3時間であるか否か、を判定し得る(2326)。
【0271】
ユーザが睡眠の最初の3時間以内であれば、コントローラは、マットレスの硬さに変更が行われるべきではない、と判定し得る(2328)。コントローラは、ユーザが睡眠の最初の3時間以内であるか否かを、1分で(1分毎に)再度チェックし得る。コントローラは、「2306」に戻り得る。
【0272】
ユーザが睡眠の最初の3時間以内でない場合、コントローラは、ユーザがベッド内に存在するか否か、を判定し得る(2330)。換言すれば、コントローラは、ユーザがベッドを占有しているか、あるいは、ユーザがベッドから出ているか、を判定し得る。コントローラは、ベッドの圧力センサまたは他のセンサから受信される感知された圧力値に基づいて、そのような決定を行い得る。コントローラは、以前に受信された圧力値と現在の圧力値とを比較し得て、圧力の変化がユーザが現在ベッド内に存在していることを示しているか否か、を判定し得る。
【0273】
睡眠者がベッド内に存在しない場合、コントローラは、マットレスの硬さに変更が行われるべきではない、と判定し得る(2334)。コントローラは、ユーザが睡眠の最初の3時間以内であるか否かを、1分で(1分毎に)再度チェックし得る。コントローラは、「2306」に戻り得る。
【0274】
睡眠者がベッド内に存在する場合、コントローラは、マットレスの硬さの設定値を10%だけ増大させ得る(2336)。換言すれば、コントローラは、マットレス内のエアチャンバの圧力レベルをユーザの定義による睡眠設定から10%だけ増大させ得る。
【0275】
次に、コントローラは、ユーザが所望のアラーム(時刻)の30分以内であるか否か、を判定し得る(2338)。ユーザが所望のアラーム(時刻)の30分以内である場合、コントローラは、マットレスの硬さ設定値を元のユーザ定義による睡眠設定に戻すように調整し得る(2340)。ユーザが所望のアラーム(時刻)の30分以内でない場合、コントローラは、マットレスの硬さに変更が行われるべきではない、と判定し得る(2342)。コントローラは、ユーザが所望のアラーム(時刻)の30分以内であるか否かを、1分で(1分毎に)再度チェックし得る。コントローラは、「2338」に戻り得る。プロセス2300は、ユーザが睡眠セッション内にいる限り、繰り返され得る。
【0276】
図24は、ユーザが異なる睡眠段階にあるタイミングを示す催眠
図2400である。催眠
図2400は、ユーザが眠っている間に周期的に交替する急速眼球運動(REM)と非急速眼球運動(NREM)とを描写している。図示されるように、ユーザは、入眠後40分、睡眠(入眠)3時間の15分前、睡眠3時間の15分後、睡眠4時間と睡眠5時間との間、等の時間間隔で、深い睡眠N3を経験し得る。更に、図示されるように、REM睡眠は、典型的には、ユーザの睡眠の後半、入眠後3時間と4時間との間、に生じる。
【0277】
これらのタイミングに従って、マットレスの硬さが調整され得る。前述されたように、ユーザがNREM睡眠状態(深い睡眠状態)にある時、マットレスの硬さが増大され得て、ユーザがREM睡眠状態にある時、マットレスの硬さが低減され得る。深い睡眠状態の間、ユーザは筋肉の緊張を欠いている可能性があり、あるいは他の態様で、硬さがより低くより柔らかいマットレスではより低い快適性を経験する可能性がある。軽い睡眠状態の間、ユーザは筋肉の緊張を有している可能性があり、あるいは他の態様で、硬さがより低くより柔らかいマットレスでより良好または一定の快適性を経験する可能性がある。
【0278】
図25は、時間依存の睡眠段階確率を示すグラフ2500である。これらの時間依存の睡眠段階確率は、特定のユーザに対して、あるいは、人口統計セグメントを使用した人口レベルについて、経験的に取得され得る。これらの睡眠段階確率は、ベッド調整を決定するための時間ベースのアルゴリズムまたはアプローチで使用され得る(例えば、
図20、
図22及び
図23を参照)。グラフ2500に示されるように、深い睡眠は、入眠後30分である可能性が最も高い。従って、ユーザの睡眠の最初の30分間は、マットレスの硬さに対する調整が行われない可能性がある。マットレスの硬さに対する調整は、ユーザが深い睡眠状態にいる可能性が最も高い他の時間間隔中に、行われ得る。本明細書に説明されるように、ユーザが所定の時間、異なる睡眠段階で眠っている、と判定される時、マットレスの硬さが増大され得る。
【国際調査報告】