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特表2024-519298空気イオン化表示装置及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】空気イオン化表示装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/00 20060101AFI20240501BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20240501BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H01S3/00 Z
H04N5/66 B
H04N5/74 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566654
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 CN2022093932
(87)【国際公開番号】W WO2022267780
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】202110693799.7
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521009979
【氏名又は名称】安徽省東超科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANHUI EASPEED TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Level 1, Building A3, Chuanggu Technology Park, No. 900 Wangjiang West Road, High-Tech District, Hefei, Anhui 230088, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン ビャオ
(72)【発明者】
【氏名】ハン チェンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン リャンリャン
【テーマコード(参考)】
5C058
5F172
【Fターム(参考)】
5C058AA18
5C058BA35
5F172DD06
5F172NN05
5F172NN11
5F172NP02
5F172NR02
5F172NR13
5F172ZZ07
(57)【要約】
イメージングの技術分野に関する空気イオン化表示装置(10)及びその制御方法を提供する。空気イオン化表示装置(10)は、パルスレーザービームを生成するパルスレーザー光源(11)と、パルスレーザービームを第1のサブビームと第2のサブビームとに分割するビームスプリッタ(12)と、第2のサブビームの波長を調整して第3のサブビームを得るとともに、第3のサブビームと第1のサブビームとの間の時間差を調整して第3のサブビームの出射を遅延させるパルスレーザー調整アセンブリ(13)と、第1のサブビームと遅延して出射された第3のサブビームとを合成して合成ビームを得るビームコンバイナ(14)と、合成ビームを調整して集束し、表示領域で空気をイオン化してホログラム画像を形成するライトフィールド調整制御アセンブリ(15)と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスレーザービームを生成するパルスレーザー光源と、
前記パルスレーザービームを第1のサブビームと第2のサブビームとに分割するビームスプリッタと、
前記第2のサブビームの波長を調整して第3のサブビームを得るとともに、前記第3のサブビームと前記第1のサブビームとの時間差を調整して前記第3のサブビームの出射を遅延させるパルスレーザー調整アセンブリと、
前記第1のサブビームと前記遅延して出射された第3のサブビームとを合成して合成ビームを得るビームコンバイナと、
前記合成ビームを調整して集束し、表示領域で空気をイオン化してホログラム画像を形成するライトフィールド調整制御アセンブリと、
を含む空気イオン化表示装置。
【請求項2】
前記パルスレーザー光源、前記パルスレーザー調整アセンブリ及び前記ライトフィールド調整制御アセンブリに接続され、前記ホログラム画像の輝度情報に基づいて、前記パルスレーザー光源から出力されるレーザー、前記パルスレーザー調整アセンブリ、及び前記ライトフィールド調整制御アセンブリを制御するコントローラをさらに含む、請求項1に記載の空気イオン化表示装置。
【請求項3】
前記パルスレーザー調整アセンブリは、
前記第2のサブビームの波長を調整して前記第3のサブビームを得るパルスレーザーレギュレータと、
前記第3のサブビームと前記第1のサブビームとの間の時間差を調整して前記第3のサブビームの出射を遅延させる光学遅延線と、
を含む、請求項1に記載の空気イオン化表示装置。
【請求項4】
前記光学遅延線は、
互いに垂直である2つの全反射鏡を含むコーナーキューブリフレクタと、電動直動ステージと、を含み、
前記コーナーキューブリフレクタは、前記パルスレーザーレギュレータから出射される前記第3のサブビームを前記ビームコンバイナに反射するように構成され、
前記電動直動ステージは、前記コーナーキューブリフレクタを駆動して前記第3のサブビームの入射方向に移動させるように構成されている、
請求項3に記載の空気イオン化表示装置。
【請求項5】
前記光学遅延線は、
第1のコーナーキューブリフレクタ及び第2のコーナーキューブリフレクタ、電動直動ステージ、並びに第1の反射鏡及び第2の反射鏡を含み、
前記第1のコーナーキューブリフレクタ及び前記第2のコーナーキューブリフレクタはいずれも、互いに垂直である2つの全反射鏡を含み、前記第1のコーナーキューブリフレクタの前記2つの全反射鏡の一方は、前記第2のコーナーキューブリフレクタの前記2つの全反射鏡の一方に直接対向設置され、
前記電動直動ステージは、前記第1のコーナーキューブリフレクタ及び前記第2のコーナーキューブリフレクタの少なくとも一方を駆動して前記第3のサブビームの入射方向に移動させるように構成され、
前記第1の反射鏡は、前記パルスレーザーレギュレータから出射された前記第3のサブビームを前記第1のコーナーキューブリフレクタの前記2つの全反射鏡の他方に反射するように構成され、前記第2の反射鏡は、前記第2のコーナーキューブリフレクタの前記2つの全反射鏡の他方から出射された前記第3のサブビームを前記ビームコンバイナに反射するように構成されている、
請求項3に記載の空気イオン化表示装置。
【請求項6】
前記ライトフィールド調整制御アセンブリは、
前記合成ビームの方向調整を行う調整ユニットと、
前記方向調整後の前記合成ビームを前記表示領域にフォーカスし、焦点位置で空気をイオン化して画像を形成するフォーカスユニットと、
ガルバノスキャナユニットと前記フォーカスユニットとの間に設置され、前記ガルバノスキャナユニットから出射されたビームの発散角を調整するとともに、前記焦点の奥行き位置を調整して、前記ホログラム画像を表示するズームユニットと、
を含む、請求項1に記載の空気イオン化表示装置。
【請求項7】
前記調整ユニットは、ガルバノスキャナアセンブリを含み、前記ガルバノスキャナアセンブリは、互いに垂直に設置された2組の反射鏡を含み、前記フォーカスユニットは、フラットフィールドフォーカスレンズアセンブリを含み、前記ズームユニットは、ズームレンズアセンブリを含む、又は、
前記調整ユニットは、超高速多面回転鏡アセンブリを含み、前記超高速多面回転鏡アセンブリは、高速回転可能な多面反射体を含み、前記ズームユニットは、超高速可変形鏡アセンブリを含み、前記超高速可変形鏡アセンブリは、圧電材料ドライバ及び反射ミラーを含む、又は、
前記調整ユニットは、微小電気機械システム(MEMS)マイクロミラーを含み、前記MEMSマイクロミラーは、反射鏡、固定電極及び可動電極を含む、又は、
前記調整ユニットは、液晶光学フェーズドアレイを含み、前記液晶光学フェーズドアレイは、液晶分子層を含む、又は、
前記調整ユニットは、デジタルマイクロガルバノスキャナアレイを含み、前記デジタルマイクロガルバノスキャナアレイは、マイクロガルバノスキャナアレイミラーを含む、
請求項6に記載の空気イオン化表示装置。
【請求項8】
前記パルスレーザー光源から出力される前記パルスレーザービームの偏光を調整する半波長板をさらに含む、請求項1に記載の空気イオン化表示装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の空気イオン化表示装置に適用される、空気イオン化表示装置の制御方法であって、
前記パルスレーザー光源により、パルスレーザービームを出力し、前記ビームスプリッタにより、前記パルスレーザービームを第1のサブビームと第2のサブビームとに分割するステップと、
前記パルスレーザー調整アセンブリにより、前記第2のサブビームの波長を調整して第3のサブビームを得るとともに、前記第3のサブビームと前記第1のサブビームとの時間差を調整して前記第3のサブビームの出射を遅延させるステップと、
前記ビームコンバイナにより、前記第1のサブビームと前記遅延して出射された第3のサブビームとを合成して合成ビームを得るステップと、
前記ライトフィールド調整制御アセンブリにより、前記合成ビームを調整して集束し、表示領域で空気をイオン化してホログラム画像を形成するステップと、
前記ホログラム画像の輝度情報を取得し、前記ホログラム画像の前記輝度情報に基づいて、前記ホログラム画像の輝度が所定の条件を満たすように前記パルスレーザー調整アセンブリ及び前記ライトフィールド調整制御アセンブリを制御するステップと、
を含む、空気イオン化表示装置の制御方法。
【請求項10】
前記ホログラム画像の前記輝度情報に基づいて前記パルスレーザー調整アセンブリ及び前記ライトフィールド調整制御アセンブリを制御するステップの後に、
許容される最大繰り返し周波数を有するとともに空気イオン化閾値を満たす最低エネルギーのレーザーパルスビームを出力するように前記パルスレーザー光源を制御するステップ、
をさらに含む、請求項9に記載の空気イオン化表示装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、イメージングの技術分野に関し、特に空気イオン化表示装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空気イオン化イメージングシステムは、イメージング過程において、レンズでビームを収束させ、レンズの焦点で空気をイオン化して光スポットを形成する。空気のイオン化に必要なパルスの単位面積当たりの光パワー閾値が高いため、各イオン化点においてライトフィールドを変調する空間光変調器によって形成される焦点の個数はパルスパワーによって制限される、つまり、表示画像の画素数はパルスパワーの大きさに制約される。表示画像の画素数を上げるためには、光源の出力パルスパワーをさらに上げる必要があるが、従来の技術では、光源の出力パルスパワーを大幅に上げることは困難である。
【0003】
また、空気イオン化表示システムではズームレンズなどの光学部品の損傷閾値が制限されており、通常、光学部品はピークパワー密度の高いパルスレーザーが長時間作用することに耐え難く、その結果、光源の出力パルスパワーに上限がある。このような要因により、空気イオン化により表示される画像領域は小さく、大きな画像の空中イメージング表示のニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、関連する技術における技術的課題の少なくとも1つをある程度解決することを目的としている。このため、本開示の第1の目的は、レーザー光源の比較的低い出力パワーで、広範囲の空気イオン化を実現する空気イオン化表示装置を提供することである。
【0005】
本開示の第2の目的は、空気イオン化表示装置の制御方法を提供することである。
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の第1の態様の実施形態は、空気イオン化表示装置を提出し、該空気イオン化表示装置は、パルスレーザービームを生成するパルスレーザー光源と、前記パルスレーザービームを第1のサブビームと第2のサブビームとに分割するビームスプリッタと、前記第2のサブビームの波長を調整して第3のサブビームを得るとともに、前記第3のサブビームと前記第1のサブビームとの時間差を調整して前記第3のサブビームの出射を遅延させるパルスレーザー調整アセンブリと、前記第1のサブビームと前記遅延して出射された第3のサブビームとを合成して合成ビームを得るビームコンバイナと、前記合成ビームを調整して集束し、表示領域で空気をイオン化してホログラム画像を形成するライトフィールド調整制御アセンブリと、を含む。
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の第2の態様の実施形態は、空気イオン化表示装置の制御方法を提供し、該方法は、上記の空気イオン化表示装置に適用され、前記方法は、前記パルスレーザー光源により、パルスレーザービームを出力し、前記ビームスプリッタにより、前記パルスレーザービームを第1のサブビームと第2のサブビームとに分割するステップと、前記パルスレーザー調整アセンブリにより、前記第2のサブビームの波長を調整して第3のサブビームを得るとともに、前記第3のサブビームと前記第1のサブビームとの時間差を調整して前記第3のサブビームの出射を遅延させるステップと、前記ビームコンバイナにより、前記第1のサブビームと前記遅延して出射された第3のサブビームとを合成して合成ビームを得るステップと、前記ライトフィールド調整制御アセンブリにより、前記合成ビームを調整して集束し、表示領域で空気をイオン化してホログラム画像を形成するステップと、前記ホログラム画像の輝度情報を取得し、前記ホログラム画像の前記輝度情報に基づいて、前記ホログラム画像の輝度が所定の条件を満たすように前記パルスレーザー調整アセンブリ及び前記ライトフィールド調整制御アセンブリを制御するステップと、を含む。
【0008】
本開示の実施形態による空気イオン化表示装置及びその制御方法では、パルスレーザー光源が、パルスレーザービームを生成し、その後、ビームスプリッタが、パルスレーザービームを第1のサブビームと第2のサブビームとに分割し、パルスレーザー調整アセンブリが、第2のサブビームの波長を調整して第3のサブビームを得るとともに、第3のサブビームと第1のサブビームとの間の時間差を調整して第3のサブビームの出射を遅延させ、ビームコンバイナが、第1のサブビームと第2のサブビームとを合成して合成ビームを取得し、ライトフィールド調整制御アセンブリが、合成ビームを調整して集束し、表示領域で空気をイオン化してホログラム画像を形成する。これにより、レーザー光源の比較的低い出力パワーで、広範囲の空気イオン化を実現することができる。
【0009】
本開示の付加的な態様および利点は、以下の説明において少なくとも部分的に与えられ、又は、以下の説明から少なくとも部分的に明らかになり、又は、本開示の実施形態の実践を通して理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る空気イオン化表示装置の構造を示すブロック図である。
図2】本開示の別の実施形態に係る空気イオン化表示装置の構造を示すブロック図である。
図3】本開示のさらに別の実施形態に係る空気イオン化表示装置の構造を示すブロック図である。
図4】本開示の一例における光学遅延線の構造を示す模式図である。
図5】本開示の別の例における光学遅延線の構造を示す模式図である。
図6】本開示の第1の例におけるライトフィールド調整制御アセンブリの構造を示す模式図である。
図7】本開示の第2の例におけるライトフィールド調整制御アセンブリの構造を示す模式図である。
図8】本開示の第3の例におけるライトフィールド調整制御アセンブリの構造を示す模式図である。
図9】本開示の第4の例におけるライトフィールド調整制御アセンブリの構造を示す模式図である。
図10】本開示の第5の例におけるライトフィールド調整制御アセンブリの構造を示す模式図である。
図11】本開示の一実施形態に係る空気イオン化表示装置の作業フローチャートである。
図12】本開示の一実施形態に係る空気イオン化表示装置の制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面に示す例を参照して本開示の実施形態を詳細に説明するが、図中、同一若しくは類似の構成要素又は同一若しくは類似の機能を有する構成要素には同一又は類似の参照符号を付してある。図面を参照して以下に説明した実施形態は、単に例示的なものに過ぎず、本開示を説明するために使用され、本開示を制限するものとして理解されるべきではない。
【0012】
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態に係る空気イオン化表示装置及びその制御方法を説明する。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態に係る空気イオン化表示装置の構造を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、空気イオン化表示装置10は、パルスレーザー光源11、ビームスプリッタ12、パルスレーザー調整アセンブリ13、ビームコンバイナ14、及びライトフィールド調整制御アセンブリ15を含む。
【0015】
具体的には、上記パルスレーザー光源11は、パルスレーザービームを生成することに用いられ、上記ビームスプリッタ12は、パルスレーザービームを第1のサブビームと第2のサブビームとに分割することに用いられ、上記パルスレーザー調整アセンブリ13は、第2のサブビームの波長を調整して第3のサブビームを得るとともに、第3のサブビームと第1のサブビームとの間の時間差を調整して第3のサブビームの出射を遅延させることに用いられ、上記ビームコンバイナ14は、第1のサブビームと遅延して出射された第3のサブビームとを合成して合成ビームを得ることに用いられ、上記ライトフィールド調整制御アセンブリ15は、合成ビームを調整して集束し、表示領域で空気をイオン化してホログラム画像を形成することに用いられる。
【0016】
ここで、上記パルスレーザー光源11から生成されたパルスレーザービームは、パルス幅が50fs~100nsであってよく、パルスエネルギーが20μJ~10mJであってよく、繰り返し周波数が500Hz~10MHzであってよく、波長が1000nm~1200nmであってよい。パルスレーザー光源11がパルスレーザービームを生成した後、該パルスレーザービームは、ビームスプリッタ12を経由して第1のサブビームと第2のサブビームとに分割される。
【0017】
さらに、上記ビームスプリッタ12を経由してパルスレーザービームを第1のサブビームと第2のサブビームとに分割した後、上記第1のサブビームは、ビームスプリッタ12を経由してビームコンバイナ14に達し、上記第2のサブビームは、ビームスプリッタ12を経由してパルスレーザー調整アセンブリ13に達する。
【0018】
上記第1のサブビームは、ビームコンバイナ14を経由してライトフィールド調整制御アセンブリ15に達し、ライトフィールド調整制御アセンブリ15は、第1のサブビームを調整しフォーカスし、上記第1のサブビームは、表示領域で空気中の分子または原子を第1の励起状態にする。ほとんどの分子または原子のイオン化ポテンシャル範囲は5~20eVの間にあるため、E=hλ/cから分かるように、単一光子イオン化の波長範囲は62~248nmである、つまり、一般的な単一の紫外光子や可視光帯域の光子は、空気中の原子や分子をイオン化させることはできない。このため、上記第1のサブビームは、表示領域において空気中の原子または分子を1つの低い第1の励起状態に励起させる。
【0019】
上記パルスレーザー調整アセンブリ13は、第2のサブビームを調整して第3のサブビームを得る。上記第3のサブビームの波長は800nm~2000nmであってよく、第3のサブビームの繰り返し周波数は第2のサブビームと同じである。さらに、パルスレーザー調整アセンブリ13は、第3のサブビームをビームコンバイナ14に遅延させて出力し、第3のサブビームは、ビームコンバイナ14を経由してライトフィールド調整制御アセンブリ15に達し、ライトフィールド調整制御アセンブリ15は、第3のサブビームを調整しフォーカスする。上記第1のサブビームが既に表示領域における空気を第1の励起状態にしているので、上記第3のサブビームは、空気中の低い第1の励起状態に既に励起された原子又は分子を再励起して、これにより空気をイオン化させる。
【0020】
具体的には、イオン化原子数が合成ビームのオプティカルフロー密度、第1のサブビームの波長、第3のサブビームの波長と以下の関係を有する。
【数1】
【数2】
【数3】
【0021】
ここで、上記N(t)は総原子数であり、上記N(t)は第1の励起状態の原子数であり、上記σは基底状態から第1の励起状態までの誘導吸収断面であり、σは第1の励起状態から連続状態までのイオン化断面であり、τは第1の励起状態の自発的放出寿命であり、Φは合成ビームのオプティカルフロー密度であり、上記N(t)はイオン化原子数である。上記σは第1のサブビームの波長に関連し、上記σは第3のサブビームの波長に関連する。
【0022】
上式(1)と上式(2)とを加算して、上式(3)を微分することにより、以下を得ることができる。
【数4】
上式(4)の一般解は以下の通りである。
【数5】
ここで、
【数6】
【数7】
上記b及び
【数8】
はそれぞれ下式を満たす。
【数9】
【数10】
これから分かるように、イオン化原子数N(t)の解は以下の通りである。
【数11】
【0023】
これにより、第3のサブビームの遅延時間を調整することにより、第3のサブビームは、第1のサブビームが空気中の分子又は原子を第1の励起状態に励起した後適切なタイミングで再び空気中の原子または分子を励起する。さらに、第3のサブビームの波長を調整することにより、第3のサブビームは第1の励起状態の原子又は分子に対して共鳴励起することができ、これによりレーザーが空気をイオン化するために必要な出力パワーの閾値を下げることができ、レーザー光源の出力パワーが低いことを前提に、広範囲の空気イオン化を達成することができる。
【0024】
なお、上記ビームスプリッタ12の消光比Tp:Ts>1000:1とし、上記ビームコンバイナ14の消光比Tp:Ts>1000:1とし、上記ライトフィールド調整制御アセンブリ15は、合成ビームの走査範囲がX方向:100~200mm、Y方向:100~200mm、Z方向:100~200mmであるように制御することができる。上記表示領域は、3次元表示領域であり、且つ合成ビームの走査範囲よりも大きいことが好ましい。
【0025】
さらに、図2を参照されたい。上記空気イオン化表示装置10は、コントローラ16及び半波長板17をさらに備え、上記コントローラ16は、パルスレーザー光源11、パルスレーザー調整アセンブリ13及びライトフィールド調整制御アセンブリ15に接続される。
【0026】
具体的には、上記コントローラ16は、ホログラム画像の輝度情報に基づいて、パルスレーザー光源11から出力されたレーザー、パルスレーザー調整アセンブリ13、及びライトフィールド調整制御アセンブリ15を制御することにより、表示領域への上記ホログラム画像の表示を制御する。
【0027】
上記半波長板17は、パルスレーザー光源11から出力されたパルスレーザービームの偏光を調整することに用いられ、上記パルスレーザー光源11から生成したパルスレーザービームは、半波長板17を経由した後水平偏光及び垂直偏光になり、さらにビームスプリッタ12及びビームコンバイナ14を利用して該偏光をフィルタリングすることができる。例えば、上記ビームスプリッタ12による水平偏光に対する反射率を0.5%~1%とし、上記ビームコンバイナ14による垂直偏光に対する反射率を99%~99.5%とし、これにより上記合成ビームがほぼ水平偏光であるように設置されてもよい。ここで、上記半波長板17のサイズが20mm~30mmであってよい。
【0028】
さらに、図3を参照されたい。上記パルスレーザー調整アセンブリ13は、パルスレーザーレギュレータ131及び光学遅延線132を備える。
【0029】
具体的には、上記パルスレーザーレギュレータ131は、第2のサブビームの波長を調整して第3のサブビームを得ることに用いられる。例えば、第2のサブビームは、パルスレーザーレギュレータ131の励起源として、パルスレーザーレギュレータ131におけるレーザー作動物質を励起して、パルスレーザー調整アセンブリ13が第3のサブビームを生成する。又は、第2のサブビームを予め設定する媒質を通過させて、第2のサブビームの波長を変化することもできる。
【0030】
さらに、上記光学遅延線132は、第3のサブビームと第1のサブビームとの間の時間差を調整して第3のサブビームの出射を遅延させることに用いられる。
【0031】
ここで、図4を参照されたい。上記光学遅延線132は、コーナーキューブリフレクタ1321及び電動直動ステージ1322を備える。コーナーキューブリフレクタ1321は、互いに直交する2つの全反射鏡を備え、コーナーキューブリフレクタ1321は、パルスレーザーレギュレータ131から出射された第3のサブビームをビームコンバイナ14に反射することに用いられる。電動直動ステージ1322は、コーナーキューブリフレクタ1321を駆動して第3のサブビームの入射方向に移動させることに用いられる。上記電動直動ステージ1322の精度は1um~10umであってよい。
【0032】
選択可能に、図5を参照されたい。上記光学遅延線132は、第1のコーナーキューブリフレクタ1323、第2のコーナーキューブリフレクタ1324、第1の反射鏡1325、及び第2の反射鏡1326をさらに備え、電動直動ステージ1322をさらに備えてもよい。第1のコーナーキューブリフレクタ1323及び第2のコーナーキューブリフレクタ1324はいずれも、2つの全反射鏡を備え、2つの全反射鏡は、互いに垂直であり、第1のコーナーキューブリフレクタ1323の一方の全反射鏡が第2のコーナーキューブリフレクタ1324の一方の全反射鏡に対向するように設置される。第1の反射鏡1325は、パルスレーザーレギュレータ131から出射された第3のサブビームを第1のコーナーキューブリフレクタ1323の他方の全反射鏡に反射することに用いられ、第2の反射鏡1326は、第2のコーナーキューブリフレクタ1324の他方の全反射鏡から出射された第3のサブビームをビームコンバイナ14に反射することに用いられる。上記電動直動ステージ1322は、少なくとも1つのコーナーキューブリフレクタを駆動して第3のサブビームの入射方向に移動させることに用いられる。電動直動ステージ1322の数は複数でもよく、且つコーナーキューブリフレクタと1対1に対応している。上記電動直動ステージ1322の精度は1um~10umであってよい。
【0033】
なお、上記第3のサブビームと第1のサブビームとの間の時間差は100fs~10nsであってよく、好ましくは1psである。
【0034】
さらに、図6を参照されたい。上記ライトフィールド調整制御アセンブリ15は、調整ユニット151、フォーカスユニット152、及びズームユニット153を備える。
【0035】
具体的には、調整ユニット151は、合成ビームの方向を調整することに用いられ、フォーカスユニット152は、方向を調整した後の合成ビームを表示領域でフォーカスして、焦点位置で空気をイオン化して画像を形成することに用いられ、ズームユニット153は、ガルバノスキャナユニットとフォーカスユニット152との間に設置され、ガルバノスキャナユニットから出射されたビームの発散角を調整するとともに、焦点の奥行き位置を調整して、ホログラム画像を表示することに用いられる。
【0036】
ここで、上記調整ユニット151は、ガルバノスキャナアセンブリを備え、ガルバノスキャナアセンブリは、互いに垂直に設置された2組の反射鏡を含み、フォーカスユニット152は、フラットフィールドフォーカスレンズアセンブリを含み、ズームユニット153は、ズームレンズアセンブリを含む。上記ガルバノスキャナユニットにおける2組の反射鏡は、それぞれ、水平方向の偏向と垂直方向の偏向を行い、これにより焦点の平面上の位置を制御する。例えば、ガルバノスキャナアセンブリを用いて焦点のX方向及びZ方向での位置を調整し、且つズームユニット153を用いて焦点のY方向での位置を調整することができ、更にフォーカスユニット152は、焦点での空気をイオン化して画像を形成する。これにより、表示領域を走査することにより、ホログラム画像の表示を実現することができる。
【0037】
選択可能に、上記調整ユニット151、フォーカスユニット152、及びズームユニット153はいずれも交換可能なユニットであってもよく、更に、ユーザは上記ライトフィールド調整制御アセンブリ15における各構成要素を自分で交換することができ、これによりライトフィールド調整制御アセンブリ15はユーザ自身の需要をより良く満たすことができる。
【0038】
一例として、図7を参照されたい。上記調整ユニット151は、超高速多面回転鏡アセンブリを含んでも良い。超高速多面回転鏡アセンブリは、高速回転可能な多面反射体を含む。ズームユニット153は超高速可変形鏡アセンブリを含み、超高速可変形鏡アセンブリは、圧電材料ドライバ及び反射ミラーを含む。上記超高速多面回転鏡アセンブリは、高速回転可能な多面反射体であり、通光孔径が15~20mmであり、多面反射体は、回転時に一方向に回転するだけなので、高速に回転することができ、回転速度は500~600m/sに達することができる。上記反射ミラーは、複数の小さなミラーで構成されてもよいし、一体の薄い反射面であってもよい。これにより、ライトフィールド調整制御アセンブリ15のイメージング速度を向上させることができる。
【0039】
又は、図8を参照されたい。上記調整ユニット151は、MEMS(Micro-Electro-Mechanical System、微小電気機械システム)マイクロミラーを含んでもよく、MEMSマイクロミラーは、反射ミラー20、固定電極21及び可動電極22を含む。上記MEMSマイクロミラーは、特定の方式及び時系列で偏向してライトフィールド調整制御アセンブリ15における合成ビームに入ることができ、上記反射ミラー20は、小型、静電駆動、及びユニバーサルフリーの特性を有し、上記MEMSマイクロミラーは、高走査周波数、小型、及び低コストの利点を有し、ライトフィールド調整制御アセンブリ15のイメージング速度を向上させることができる。上記MEMSマイクロミラーの走査周波数は、通常、500~1000Hzに達することができる。
【0040】
又は、図9を参照されたい。上記調整ユニット151は、液晶光学フェーズドアレイを含んでもよく、液晶光学フェーズドアレイは、液晶分子層26を含む。上記液晶光学フェーズドアレイは、液晶分子層26の配向を調整することによりライトフィールド調整制御アセンブリ15に入る合成ビームの方向を偏向させることができる。上記液晶光学フェーズドアレイは、駆動電圧が低く、偏向速度が速く、マイクロ電子制御回路と結合しやすい特性を有する。図9における24は合成ビームであり、25は調整後の合成ビームである。
【0041】
又は、図10を参照されたい。上記調整ユニット151は、デジタルマイクロガルバノスキャナアレイを含んでもよく、デジタルマイクロガルバノスキャナアレイは、マイクロガルバノスキャナアレイミラー30、例えばDMD(Digital Micro mirror Device、デジタルマイクロミラー)チップを含む。デジタルマイクロガルバノスキャナアレイは、マイクロガルバノスキャナアレイミラー30のスイッチを制御することにより合成ビームが表示領域にフォーカスするかどうかを制御する。上記デジタルマイクロガルバノスキャナアレイの解像度は通常1280×800に達することができ、セルサイズは10~20ミクロンであり、利用可能な波長範囲は850~2000nmであり、光学窓透過率は93%よりも大きく、フレームレートは5000fpsに達する。上記デジタルマイクロガルバノスキャナアレイにより、3次元表示の周波数フレームを向上させるとともにライトフィールド調整制御アセンブリ15のイメージング速度を向上させることができる。図10における28は合成ビームであり、29は調整後の合成ビームである。
【0042】
本開示の一実施形態において、図11に示すように、上記空気イオン化表示装置10は、以下のステップによって表示領域にホログラム画像を形成することができる。
【0043】
S111において、上位機は、パルスレーザー光源の光学的特徴に基づいて、一定の繰り返し周波数及びエネルギーのパルスレーザービームをテストパルスとして出力する。
【0044】
S112において、パルスレーザービームは、まず、ライトフィールド調整制御アセンブリによって予備的なテストパターンを表示する。
【0045】
一例として、上記テストパターンは、例えば、1つの正方形であってよい。
【0046】
S113において、下位機によって電動直動ステージを制御して遅延時間チューニングを行い、同時に下位機によってパルスレーザーレギュレータを制御して波長走査を行う。
【0047】
具体的には、下位機は、電動直動ステージ1322がコーナーキューブリフレクタを駆動して第3のサブビームの入射方向に移動させて第3のサブビームと第1のサブビームとの間の時間差を改変するように制御するとともに、パルスレーザーレギュレータ131が波長を走査して第3のサブビームの波長を改変するように制御することができる。
【0048】
S114において、ライトフィールド調整制御アセンブリによってテストパターンの輝度を収集し、電気信号に変換して、下位機に伝送する。
【0049】
具体的には、ライトフィールド調整制御アセンブリ15は、テストパルスを用いて表示領域にテストパターンを表示し、さらに該テストパターンの輝度を収集する。
【0050】
S115において、下位機は、テストパターンの輝度に基づいて、電動直動ステージ及びパルスレーザーレギュレータを最適な位置に調整する。テストパターンの輝度は、この最適な位置で、最も高い。
【0051】
ここで、上記最適な位置は、テストパターンの輝度を最も高くする第3のサブビームと第1のサブビームとの間の時間差、及び第3のサブビームの波長である。
【0052】
S116において、上位機は、最大繰り返し周波数を有するとともにイオン化閾値を満たす最低エネルギーのパルスレーザービームを出力するようにパルスレーザー光源を制御する。
【0053】
これにより、ライトフィールド調整制御アセンブリ15は、該パルスレーザービームを用いて表示領域で走査することができる。
【0054】
S117において、下位機は、走査して3次元表示パターンを得るようにライトフィールド調整制御アセンブリを制御する。
ここで、上記上位機は、例えば、リモートコントロールモジュールであってよく、上記下位機は、例えば、フィールドコントロールモジュールであってよい。上記コントローラ16は、上記の上位機及び下位機を含む。
【0055】
これにより、ホログラム画像の輝度情報を取得し、且つホログラム画像の輝度情報に基づいてパルスレーザー調整アセンブリ13及びライトフィールド調整制御アセンブリ15を制御してホログラム画像の輝度が所定の条件を満たすようにすることができる。
【0056】
以上のように、本開示の実施形態による空気イオン化表示装置は、ビームスプリッタによってパルスレーザービームを第1のサブビームと第2のサブビームとに分割し、且つ第1のサブビームを用いて表示領域での空気を第1の励起状態に励起し、パルスレーザー調整アセンブリは、第2のサブビームの波長を調整して第3のサブビームを得るとともに第3のサブビームの出力を遅延させ、さらに第3のサブビームを用いて第1の励起状態にある空気をイオン化し、これにより表示領域で空気をイオン化してホログラム画像を形成する。これにより、レーザー光源の比較的低い出力パワーで、広範囲の空気イオン化を実現することができ、これにより空気イオン化表示装置の安全性を確保し、装置のコストを低減する。さらに、表示領域にホログラム画像を形成することにより、ユーザが3次元画像を直接見ることができ、ユーザのエクスペリエンスを向上させることができる。
【0057】
図12は、本開示の一実施形態に係る空気イオン化表示装置の制御方法のフローチャートである。
【0058】
該実施形態において、空気イオン化表示装置の制御方法は、上記実施形態の空気イオン化表示装置に用いられる。
【0059】
図12に示すように、空気イオン化表示装置の制御方法は、以下のステップを含む。
S121において、パルスレーザー光源によりパルスレーザービームを出力し、且つビームスプリッタによってパルスレーザービームを第1のサブビームと第2のサブビームとに分割する。
S122において、パルスレーザー調整アセンブリは、第2のサブビームの波長を調整して第3のサブビームを得るとともに、第3のサブビームと第1のサブビームとの間の時間差を調整することにより、第3のサブビームの出射を遅延させる。
S123において、ビームコンバイナにより、第1のサブビームと遅延して出射された第3のサブビームとを合成して合成ビームを得る。
S124において、ライトフィールド調整制御アセンブリは、合成ビームを調整して集束し、表示領域で空気をイオン化してホログラム画像を形成する。
S125において、ホログラム画像の輝度情報を取得し、且つホログラム画像の輝度情報に基づいて、ホログラム画像の輝度が所定の条件を満たすようにパルスレーザー調整アセンブリ及びライトフィールド調整制御アセンブリを制御する。
【0060】
選択可能に、ホログラム画像の輝度情報に基づいてパルスレーザー調整アセンブリ及びライトフィールド調整制御アセンブリを制御した後、さらにパルスレーザー光源を制御して、許容される最大繰り返し周波数を有するとともに空気イオン化閾値を満たす最低エネルギーのレーザーパルスビームを出力させてもよい。
【0061】
なお、本開示の実施形態による空気イオン化表示装置の制御方法の他の具体的な実施形態は、上記の空気イオン化表示装置を参照されたい。
【0062】
以上のように、本開示の実施形態による空気イオン化表示装置の制御方法は、パルスレーザービームを第1のサブビームと第2のサブビームとに分割して、且つ第2のサブビームの波長を調整して第3のサブビームを得ると同時に第3のサブビームと第1のサブビームとの間の時間差を調整して第3のサブビームの出射を遅延させ、さらに第1のサブビームと遅延して出射された第3のサブビームとを合成して合成ビームを得ることにより、合成ビームを用いて表示領域で空気をイオン化してホログラム画像を形成し、且つホログラム画像の輝度情報をさらに取得することができ、且つホログラム画像の輝度情報に基づいて、ホログラム画像の輝度が所定の条件を満たすように制御される。これにより、レーザー光源の比較的低い出力パワーで、広範囲の空気イオン化を達成することによって、空気イオン化表示装置の安全性を確保し、装置のコストを低減する。そして、表示領域にホログラム画像を形成することにより、ユーザが3次元画像を直接見ることができ、ユーザのエクスペリエンスを向上させることができる。
【0063】
なお、フローチャートに記載されている、またはここで他の方法で記載されている論理及び/又はステップは、例えば、論理機能を実現するための実行可能な命令の固定したシーケンスリストと見なされることができ、任意のコンピュータ可読媒体に具体的に実現されることができ、命令実行システム、装置または機器(コンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステムまたは命令実行システム、装置または機器から命令を読み取って命令を実行することができるシステム)に使用され、またはこれらの命令実行システム、装置または機器を組み合わせて使用される。本明細書について、「コンピュータ可読媒体」は、プログラムを含み、記憶、通信、伝播又は送信し、命令実行システム、装置または機器に使用されるか、またはこれらの命令実行システム、装置または機器を組み合わせて使用される任意の装置であってもよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(網羅的ではないリスト)は、1つまたは複数の配線を有する電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクケース(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能および編集可能な読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバー装置、及びポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ可読媒体は、ひいてはプログラムを印刷することができる紙または他の適切な媒体であってもよく、例えば紙または他の媒体を光学的にスキャンし、次に、編集し、解釈し、または必要に応じて他の適切な方法で処理することでプログラムを電子的に取得し、次に、コンピュータメモリに記憶される。
【0064】
理解すべきであるものとして、本開示の各部分はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれらの組み合わせによって実現されることができる。上記の実施形態において、複数のステップまたは方法は、メモリに記憶される、適切な命令実行システムにより実行されるソフトウェアまたはファームウェアによって実現されることができる。例えば、ハードウェアによって実現されると、他の実施形態と同様に、データ信号に対して論理機能を実現するための論理ゲート回路を有する離散論理回路、適切な組み合わせ論理ゲート回路を有する専用集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の本分野での公知の技術のいずれかまたはそれらの組み合わせによって実現されることができる。
【0065】
本明細書の説明では、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一例」、「具体例」、又は「いくつかの例」という参照用語などの説明は、該実施形態又は例を組み合わせて説明した具体的な特徴、構造、材料又は特点が本発明の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれる。本明細書において、上記の用語の例示的な叙述は必ずしも同じ実施形態又は例を指す必要がない。さらに、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特点は任意の1つ又は複数の実施形態又は例において適切な方式で結合することができる。
【0066】
本開示の説明では、理解する必要があることとして、「中央」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等という用語で指示する方位または位置関係は図面に示される方位または位置関係であり、本開示を容易に説明し、説明を簡素化するためだけのものであり、言われる装置または素子は特定の方位を有し、特定の方位で構造と操作される必要があることを指示したり暗示したりするのではなく、したがって、本開示を限制するものとして理解されるべきではない。
【0067】
なお、「第1」、「第2」という用語は、説明目的でのみ使用され、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的機能の数を暗黙的に示したりするものとして理解することはできない。それにより、「第1」、「第2」で定義された特徴には、少なくとも1つのこの特徴が明示的または暗黙的に含まれる場合がある。本開示の説明では、「複数」は、特に明記しない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つであるなどを意味する。
【0068】
本開示において、特に明確に指定および制限されていない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「固定」等の用語は広い意味で理解すべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または一体接続であってもよいし、機械的接続、電気的接続または相互通信であってもよいし、直接接続、または中間媒体を介した間接接続であってもよいし、2つの素子内部の連通または2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な場合によって本開示における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0069】
本開示においては、特に明示的な規定および限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」にあるとは、第1および第2の特徴が直接接触していてもよく、あるいは第1および第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触していてもよい。また、第1の特徴は、第2の特徴の「上」、「上方」、「上面」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の真上または斜め上にあるか、または単に第1の特徴のレベルの高さが第2の特徴より高いことを示してもよい。第1の特徴は、第2の特徴の「下」、「下方」、「下面」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の直下または斜め下にあるか、又は単に第1の特徴のレベルの高さが第2の特徴より小さいことを示してもよい。
【0070】
以上、本開示の実施形態について示して説明したが、上記実施形態が例示であり、本開示の制限を理解することはできない。当業者は本開示の範囲内で上記実施形態を変更、修正、置換、および変形することができる。
【0071】
本開示は、2021年06月22日に中国特許庁に提出された、出願番号が202110693799.7で、発明の名称が「空気イオン化表示装置及びその制御方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全部内容は、すべて援用により本開示に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】