(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】独立したUWBアンカー同期によるUWBの位置特定
(51)【国際特許分類】
H04W 64/00 20090101AFI20240501BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20240501BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20240501BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20240501BHJP
G01S 5/14 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H04W64/00
H04W56/00 130
H04W16/32
H04W84/10 110
G01S5/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567116
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 EP2022061140
(87)【国際公開番号】W WO2022229240
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】102021204374.7
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523411145
【氏名又は名称】トルンプフ トラッキング テクノロジーズ ゲー・エム・ベー・ハー
(71)【出願人】
【識別番号】523411558
【氏名又は名称】ジグポス ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】ZIGPOS GmbH
【住所又は居所原語表記】Raecknitzhoehe 35 a, 01217 Dresden, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エーバーハート ヴァール
(72)【発明者】
【氏名】エーリク マーデマン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ゲッツェ
【テーマコード(参考)】
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J062BB01
5J062BB03
5J062BB05
5J062CC11
5J062EE05
5J062GG02
5K067AA11
5K067DD25
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
5K067EE56
5K067JJ51
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つのUWBモバイルユニット(14)を位置特定するための方法及びデバイス(12)に関する。位置特定は、モバイルユニット(14)と通信する第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)によって行われる。第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)は、UWBアンカー(20a~c)相互間の正確な時刻同期のために使用され得る。加えて、第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)は、好ましくは、UWBアンカー(20a~c)が計算ユニット(28)と通信することを可能にするために使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
UWBモバイルユニット(14)を位置特定する方法であって、
前記位置特定は、第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)と第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)とをそれぞれ含む複数のUWBアンカー(20a~c)を使用して行われ、
前記UWBモバイルユニット(14)から前記UWBアンカー(20a~c)への位置測定目的の通信は、前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)によって第1の周波数帯域で行われ、
前記UWBアンカー(20a~c)の正確な時刻同期は、前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)によって第2の周波数帯域で行われる、方法。
【請求項2】
a)前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)は、第1のマイクロコントローラ及び/又は第1のシステムオンチップ(SOC)によってそれぞれ制御され、
b)前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)は、第2のマイクロコントローラ及び/又は第2のSOCによってそれぞれ制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記UWBモバイルユニット(14)の位置は、到達時間差法によって特定される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記UWBモバイルユニット(14)の前記位置は、Car Connectivity Consortium(CCC)及び/又はFine Ranging(fira)Consortiumの規格を用いて特定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記UWBアンカー(20a~c)の前記同期は、約4GHzの周波数帯域で行われる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記UWBアンカー(20a~c)の前記同期は、Omlox規格を用いて行われる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記UWBアンカー(20a~c)の前記同期は、前記UWBモバイルユニット(14)がそれ自体を位置特定するために使用される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
有線及び/又は無線のデータ転送は、前記UWBアンカー(20a~c)から計算ユニット(28)に行われる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記UWBアンカー(20a~c)から前記計算ユニット(28)への前記データ転送は、前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)によって行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
a)前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)による放射は、円錐状に行われ、及び/又は、
b)前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)による放射は、円環状に行われる、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
UWBモバイルユニット(14)を位置特定するための、特に請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法を実施するためのデバイス(12)であって、
A)UWBモバイルユニット(14)、
B)複数のUWBアンカー(20a~c)であって、各UWBアンカー(20a~c)は、第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)と第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)とを含み、前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)は、前記UWBモバイルユニット(14)のUWB信号を第1の周波数帯域で受信するように構成され、前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)は、第2の周波数帯域における前記UWBアンカー(20a~c)の正確な時刻同期を目的として、前記UWBアンカー(20a~c)間でUWB信号を送信及び受信するように構成される、複数のUWBアンカー(20a~c)
を含むデバイス(12)。
【請求項12】
C)前記UWBモバイルユニット(14)の位置を特定することを目的として、前記UWBアンカー(20a~c)に無線及び/又は有線で接続された計算ユニット(28)
を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記UWBアンカー(20a~c)は、前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)によって前記計算ユニット(28)と通信するように構成される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記UWBアンカー(20a~c)は、
a)前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)及び前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)のための共通ハウジング、
b)前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)と前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)との両方に接続された共通プリント回路基板、
c)前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)を制御するための第1のマイクロコントローラ及び前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)を制御するための第2のマイクロコントローラ、及び/又は、
d)前記第1のUWBアンカーアンテナを制御するための第1のシステムオンチップ(SOC)及び前記第2のUWBアンカーアンテナ(22a~c)を制御するための第2のSOC
を含む、請求項11乃至13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
少なくとも1つのUWBアンカー(20a~c)は、前記デバイス(12)の煙検知器及び/又はライトに内蔵される、請求項10乃至14のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UWBモバイルユニットを位置特定する方法に関する。本発明は、UWBモバイルユニットを位置特定するためのデバイスにも関する。
【背景技術】
【0002】
UWBモバイルユニットを位置特定することは、周知の手法である。しかしながら、位置特定することができるUWBモバイルユニットの数及び位置特定することができるUWBモバイルユニットの更新レートは、限られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/212722号(WO2020/212722A1)
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「Car Connectivity Consortium(CCC)」(https://carconnectivity.org/)
【非特許文献2】「Fine Ranging(fira)」(https://www.firaconsortium.org/)
【非特許文献3】「Omlox仕様書(https://omlox.com)」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、可能な位置特定することができるUWBモバイルユニットの数及び位置特定することができるUWBモバイルユニットの更新レートを大幅に増加させる方法及びデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の方法及び請求項11に記載のデバイスによって達成される。従属請求項は、好ましい発展形態を提示する。
【0007】
したがって、本発明に係る方法は、複数のUWBアンカー(「ビーコン」)を使用して少なくとも1つのUWBモバイルユニット(「タグ」又は「タグデバイス」)を位置特定する方法によって達成される。UWBアンカーは、第1のUWBアンカーアンテナ及び第2のUWBアンカーアンテナをそれぞれ含む。UWBモバイルユニットからUWBアンカーへの位置測定目的の通信は、第1のUWBアンカーアンテナによって第1の周波数帯域で行われる。これとは対照的に、UWBアンカーの正確な時刻同期は、第2のUWBアンカーアンテナによって第2の周波数帯域で行われる。
【0008】
UWBアンカーの正確な時刻同期においては、UWBアンカーの間で同期データパケットを頻繁に(約100msごとに)交換する必要がある。UWBアンカーと少なくとも1つのUWBモバイルユニットとの通信がUWBアンカーの互いの通信から切り離されている結果、非常に正確に、確実に、且つ、クラッシュに耐えるように、本方法を実施することが可能になる。
【0009】
UWBは、工場(工業用製造施設)内で短距離にわたって及び位置特定目的で使用される無線規格である。超広帯域は、特に金属加工産業の工場で頻繁に生じ得る、他の無線ソースからの干渉及び多重反射に対して特に堅牢であり、金属反射などの障害がある場合でも、材料の精密な位置特定、注文、並びに、自動搬送車(AGV)及びドローンのナビゲーションを確実にする。
【0010】
UWBを使用する構成、位置特定、通信及び/又はデータプロトコルは、特に、参照によってその全体が本願に含まれる国際公開第2020/212722号(特許文献1)の記載に従って行われ得る。「Ultra-Wideband Location Systems and Methods」という発明の名称を有する国際公開第2020/212722号(特許文献1)は、2019年4月19日に出願され、2020年10月22日に公開された。
【0011】
好ましくは、IEEE802.15.4z及び/又はIEEE802.15.4ab規格に準拠するUWBコンポーネントが、UWBアンカー及び/又は位置特定システムに使用される。
【0012】
モバイルユニットとUWBアンカーとの間の無線通信は、利用可能なUWB、Bluetooth Low Energy(BLE)及び/又はZigBeeを使用して伝送することができる。ZigBeeは、ホームオートメーション、センサネットワーク及び照明などの低データ量及び低消費電力の無線ネットワークのための規格である。ZigBeeは、IEEE802.15.4規格に基づき、特に、ルーティング及び安全なキー交換の可能性によってその機能を拡張する。
【0013】
UWBアンカーは、好ましくは、最低でも互いに5m、特に10m、特に好ましくは20m離れている。
【0014】
第1のUWBアンカーアンテナ及び第2のUWBアンカーアンテナそれぞれ、マイクロコントローラ及び/又はシステムオンチップ(SOC)によって共に制御され得る。代わりに、第1のUWBアンカーアンテナは、第1のマイクロコントローラ及び/又は第1のSOCによってそれぞれ制御され得、第2のUWBアンカーアンテナは、第2のマイクロコントローラ及び/又は第2のSOCによってそれぞれ制御され得る。
【0015】
UWBモバイルユニットの位置は、到達時間差(TDoA)法によって特定され得る。これには、UWBアンカーが受信するUWB信号をUWBモバイルユニットが送信することを伴う。その位置情報が既知であり、そのシステム時間が同期されたUWBアンカーは、これらのUWB信号の到達時間を比較する。その後、UWBモバイルユニットの位置が、到達時間差から計算される。
【0016】
UWBモバイルユニットの位置は、「Car Connectivity Consortium(CCC)(非特許文献1)」及び/又は「Fine Ranging(fira)(非特許文献2)」Consortiumの規格を使用して特定することができる。CCC及び/又はfira Consortiumの規格における通信は、好ましくは約8GHzの周波数帯域で行われる。これにより、消費者デバイスの形態の、特に、スマートフォン及び/又はハンドヘルドデバイスの形態のUWBモバイルユニットを検出することを可能にする。
【0017】
本発明の特に好ましい構成においては、UWBアンカーの同期は、約4GHzの周波数帯域で行われる。
【0018】
代替的に又は追加的に、UWBアンカーの同期は、工業規格を使用して、特にOmlox規格を使用して行うことができる。
【0019】
Omloxは、屋内空間のための精密なリアルタイム位置特定システムのためのオープンな規格である。Omloxは、相互運用可能な位置特定システムのためのオープンインターフェースを定義する。Omloxは、異なるタグ製造業者が異なるプロバイダの異なるアプリケーションで同一のインフラを使用することを可能にする。同一のインフラが使用されるため、全体的な運用コストが低下し、異なるアプリケーションの簡単な統合が可能になる。omloxの主な特徴は、サイバーフィジカルの簡略化を可能にし、産業用ソフトウェア及びハードウェアソリューションの統合を共有エコシステムに組み合わせることである。
【0020】
omloxに基づくUWBアンカーを使用することにより、製造実行システム(MES)、衝突防止を備えた資産追跡及びナビゲーションなどの様々なタイプのソフトウェア、並びに、ドローン、AGV及び荷役車両などのハードウェアを、位置特定エリアに統合することができる。
【0021】
Omloxは、1つ以上の追跡ゾーン内で、追跡可能な異なるプロバイダの相互運用性及び柔軟性を可能にする。Omloxは、2つのコアコンポーネント、すなわち、Omloxハブ及びOmloxコアゾーンによってこれを実現する。Omloxハブは、異なる追跡ゾーン内での相互運用性及び柔軟性を可能にし、Omloxコアゾーンは、単一の追跡ゾーン内での相互運用性及び柔軟性を提供する。
【0022】
Omloxハブは、異なる補完ゾーンにわたる相互運用性及び柔軟性を可能にする。UWBに加えて、RFID、5G、BLE、WIFI及びGPSなどの他の位置特定技術も生産、配送及び保管において使用される。Omloxは、ネットワークが円滑に且つ相互運用的に機能することを確実にするために使用され得る。これにより、企業は、生産管理システム、施設追跡及びナビゲーションなどのアプリケーションを異なるロケーションゾーンにわたって容易にネットワーク化することができる。
【0023】
Omloxハブは、複数の追跡ゾーンに対応する。UWB位置特定ゾーンによって稼働するスマート工場、GPS測位を備えたトラック積載エリア及びWIFI測位を備えた倉庫は、Omloxハブを使用して効率的に監視することができる。Omloxハブは、所望の製品を生産するために、離散的なローカル座標(SLAM及び他の技術のマッピング)から、スマート工場のグローバルな地理座標、すなわち、製造プラント及びロジスティクスシステムの大部分が組織化された生産環境へのマップの伝送、同期及びアライメントを、人の介入をほとんど又は全く伴わずに可能にする。SLAMは、自己位置推定と環境地図作成の同時実行を意味する。
【0024】
Omloxコアゾーンは、オープンな無線インターフェースを含み、UWB範囲での相互運用性を保証する。Omloxは、プラグアンドプレイによって動作する相互運用可能なインフラを作成する。Omlox規格を使用することにより、企業は、製造業者とは無関係に、全てのUWB製品を迅速且つ容易にネットワーク化することができる。
【0025】
UWB通信は、Omloxコアゾーン内で行われる。Omloxハブは、その1つ上のレベルである。
【0026】
Omloxアンカーの特性は、https://omlox.comで公開されているOmlox仕様書(非特許文献3)により詳細に記載されている。
【0027】
本発明の変形形態においては、UWBアンカーの同期は、UWBモバイルユニットの自己位置特定を実現するために、UWBモバイルユニットによって使用される。Omlox規格には、この自己位置特定のための規定があり得る。このGPSのようなモードにおいては、「UWBモバイルユニットはUWBを受信するのみ」であり、その後、自身の位置を自身で計算する。
【0028】
UWBアンカーは、計算ユニットへの有線及び/又は無線のデータ転送を実施することができる。UWBアンカーは、UWBモバイルユニットの位置に関するデータを計算ユニットに送信することができる。更に、UWBアンカーは、少なくとも1つの信号パラメータ、例えば、UWBモバイルユニットのUWB信号の信号強度に関するデータを計算ユニットに送信することができる。計算ユニットは、UWBアンカーからのデータに基づいてUWBモバイルユニットを位置特定するためのアルゴリズムを含み得る。
【0029】
UWBアンカー間の、特に正確な時刻同期のためのデータ転送は、好ましくは、第2のUWBアンカーアンテナによって行われ得る。第2のUWBアンカーアンテナは、UWBモバイルユニットと通信するためには使用されないので、この場合、帯域幅の競合はない。
【0030】
第1のUWBアンカーアンテナによる放射は、円錐状に行われ得る。代替的に又は追加的に、第2のUWBアンカーアンテナによる放射は、円環状に行われ得る。第1のUWBアンカーアンテナのビーム角は、UWBモバイルユニットとの最適な接触を容易にするために、好ましくは円錐状に下向きである。第2のUWBアンカーアンテナのビーム角は、UWBアンカー間の最適な接触を容易にするために、好ましくは水平方向に円環状である。
【0031】
本発明に係る方法は、少なくとも5つのUWBモバイルユニットを位置特定するために使用され得る。UWBアンカー間のデータ交換がUWBモバイルユニットとUWBアンカーとの間のデータ交換から切り離された結果、複数のUWBモバイルユニットの信頼性の高い位置特定が容易になる。本方法は、少なくとも100個、特に少なくとも200個、特に好ましくは少なくとも500個のUWBモバイルユニットを位置特定するために使用されることが好ましい。
【0032】
本発明による目的は、UWBモバイルユニットを位置特定するための、特に本明細書に記載される方法を実施するためのデバイスによって更に達成される。デバイスは、UWBモバイルユニットを含む。デバイスは、複数のUWBアンカーであって、各UWBアンカーは、第1のUWBアンカーアンテナと第2のUWBアンカーアンテナとを含む、複数のUWBアンカーを更に含む。第1のUWBアンカーアンテナは、UWBモバイルユニットのUWB信号を第1の周波数帯域で受信するように構成される。第2のUWBアンカーアンテナは、第2の周波数帯域におけるUWBアンカーの正確な時刻同期を目的として、UWBアンカー間でUWB信号を送信及び受信するように構成される。
【0033】
デバイスは、好ましくは、UWBモバイルユニットの位置を特定することを目的として、UWBアンカーの無線及び/又は有線で接続された計算ユニットを含む。
【0034】
UWBアンカーは、第2のUWBアンカーアンテナによって計算ユニットと通信するように構成されることが特に好ましい。
【0035】
デバイスは、UWBアンカーを設定し、管理するための中央ソフトウェアモジュールを含み得る。ソフトウェアモジュールは、計算ユニットに格納され得る。代わりに、ソフトウェアモジュールは、デバイスのクラウドに格納され得る。したがって、システムの保守及びシステムの更新は、UWBアンカーのリモートのインスタンスから実行され得る。
【0036】
デバイスのUWBアンカーは、以下の特徴:
a)第1のUWBアンカーアンテナ及び第2のUWBアンカーアンテナの共通ハウジング、
b)第1のUWBアンカーアンテナと第2のUWBアンカーアンテナとの両方に接続された共通プリント回路基板、
c)第1のUWBアンカーアンテナを制御するための第1のマイクロコントローラ及び第2のUWBアンカーアンテナを制御するための第2のマイクロコントローラ、及び/又は、
d)第1のUWBアンカーアンテナを制御するための第1のシステムオンチップ(SOC)及び第2のUWBアンカーアンテナを制御するための第2のSOC
の1つ以上を有し得る。
【0037】
本発明の好ましい発展形態において、少なくとも1つのUWBアンカーは、デバイスの煙検知器及び/又はライトに内蔵される。
【0038】
本発明の更なる利点は、説明文及び図面から明らかである。同様に、本発明によれば、上述の特徴及びこれから詳述する特徴は、いずれの場合でも個別に使用され得るものであり、又は、任意の所望の組合せにより一緒に使用され得るものである。図示され、説明されている実施形態は、網羅的リストではなく、本発明を概説するための説明的な性質のものであると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】様々なUWBアンカーアンテナを使用してUWBモバイルユニットを位置特定するための位置特定システムの概略図を示している。
【
図2】様々なUWBアンカーアンテナを使用して送信される信号を概略的に示している。
【
図3】
図2で送信された信号をコンパイルするための標準化された周波数範囲を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、UWBモバイルユニット14を位置特定するためのデバイス12を有する屋内、特に工業用製造施設10を示している。UWBモバイルユニット14は、ここではスマートフォンの形態の消費者デバイス16の一部であり得る。UWBモバイルユニット14は、代替的に、自動運転車18(AGV)に配置され得るものであり、又は、自動運転車18上に形成され得るものである。自動運転車18は、屋内、特に工業用製造施設10内で材料を運搬するために使用される。明確化の理由から、この変形形態は、
図1においてはこれ以上詳述しない。
【0041】
デバイス12は、UWBモバイルユニット14を位置特定するためのUWBアンカー20a、20b、20cを含む。UWBアンカー20a~cは、第1のUWBアンカーアンテナ22a、22b、22cと、第2のUWBアンカーアンテナ24a、24b、24cとをそれぞれ有する。第1のUWBアンカーアンテナ22a~cは、UWBモバイルユニットアンテナ26との通信(破線の矢印を用いて示される)のために使用され、第2のUWBアンカーアンテナ24a~cは、UWBアンカー20a~cの互いの正確な時刻同期(実線の矢印を用いて示される)のために使用される。UWBアンカー20a~cは、計算ユニット28(明確化のために図示せず)に無線又は有線で接続される。この接続は、好ましくは、第2のUWBアンカーアンテナ24a~cによって行われる。
【0042】
計算ユニット28は、第1のUWBアンカーアンテナ22a~c及びUWBモバイルユニットアンテナ26により、UWBモバイルユニット14の位置を確認する。この位置は、特に、コンピュータ32上でアルゴリズム30を用いて特定することができる。
【0043】
本発明によれば、UWBモバイルユニット14の位置の特定は、UWBアンカー20a~cの正確な時刻同期から分離されるようになっている。これにより、複数のUWBモバイルユニット14であっても、位置特定がより信頼性の高い安定した手法で行われることを可能にする。
【0044】
図2は、UWBアンカー20a~cから及びUWBアンカー20a~cへの信号伝送が、好ましくは、約4GHz及び8MHzの周波数で行われることを示している。より具体的には、第1のUWBアンカーアンテナ22a~cは、好ましくは約8GHzの周波数で送信及び受信し、第2のUWBアンカーアンテナ24a~cは、約4GHzの周波数で送信及び受信する。
図2に示す帯域幅は、純粋に例示である。帯域幅は、典型的には500MHzであり得る。
【0045】
図3は、第1のUWBアンカーアンテナ22a~c及び第2のUWBアンカーアンテナ24a~cによって好ましくは使用される周波数を示している。
図3から、第1のUWBアンカーアンテナ22a~cは、中心周波数7656MHzを有する周波数帯域9を好ましくは使用し、中心周波数3432MHz、3960MHz及び4488MHzを有する周波数帯域1、2及び3は、第2のUWBアンカーアンテナ24a~cのために好ましくは使用されることが分かる。
【0046】
したがって、要約すると、図面の全ての図を組み合わせると、本発明は、少なくとも1つのUWBモバイルユニット14を位置特定するための、特に複数のUWBモバイルユニット14を位置特定するための方法及びデバイス12に関する。位置特定は、第1のUWBアンカーアンテナ22a~cがモバイルユニット14と通信する結果として行われる。第2のUWBアンカーアンテナ24a~cは、UWBアンカー20a~cの互いの正確な時刻同期のために使用される。第2のUWBアンカーアンテナ24a~cは、好ましくは、UWBアンカー20a~cが計算ユニット28と通信することを可能にするためにも使用される。
【符号の説明】
【0047】
10 工業用製造施設
12 デバイス
14 UWBモバイルユニット
16 消費者デバイス
18 自動運転車
20a~c UWBアンカー
22a~c 第1のUWBアンカーアンテナ
24a~c 第2のUWBアンカーアンテナ
26 UWBモバイルユニットアンテナ
28 計算ユニット
30 アルゴリズム
32 コンピュータ
【手続補正書】
【提出日】2023-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
UWBモバイルユニット(14)を位置特定する方法であって、
前記位置特定は、第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)と第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)とをそれぞれ含む複数のUWBアンカー(20a~c)を使用して行われ、
前記UWBモバイルユニット(14)から前記UWBアンカー(20a~c)への位置測定目的の通信は、前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)によって第1の周波数帯域で行われ、
前記UWBアンカー(20a~c)の正確な時刻同期は、前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)によって第2の周波数帯域で行われる、方法。
【請求項2】
a)前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)は、第1のマイクロコントローラ及び/又は第1のシステムオンチップ(SOC)によってそれぞれ制御され、
b)前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)は、第2のマイクロコントローラ及び/又は第2のSOCによってそれぞれ制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記UWBモバイルユニット(14)の位置は、到達時間差法によって特定される、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記UWBモバイルユニット(14)の前記位置は、Car Connectivity Consortium(CCC)及び/又はFine Ranging(fira)Consortiumの規格を用いて特定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記UWBアンカー(20a~c)の前記同期は、約4GHzの周波数帯域で行われる、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記UWBアンカー(20a~c)の前記同期は、Omlox規格を用いて行われる、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記UWBアンカー(20a~c)の前記同期は、前記UWBモバイルユニット(14)がそれ自体を位置特定するために使用される、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
有線及び/又は無線のデータ転送は、前記UWBアンカー(20a~c)から計算ユニット(28)に行われる、請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
前記UWBアンカー(20a~c)から前記計算ユニット(28)への前記データ転送は、前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)によって行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
a)前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)による放射は、円錐状に行われ、及び/又は、
b)前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)による放射は、円環状に行われる、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
UWBモバイルユニット(14)を位置特定するための、特に請求項
1に記載の方法を実施するためのデバイス(12)であって、
A)UWBモバイルユニット(14)、
B)複数のUWBアンカー(20a~c)であって、各UWBアンカー(20a~c)は、第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)と第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)とを含み、前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)は、前記UWBモバイルユニット(14)のUWB信号を第1の周波数帯域で受信するように構成され、前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)は、第2の周波数帯域における前記UWBアンカー(20a~c)の正確な時刻同期を目的として、前記UWBアンカー(20a~c)間でUWB信号を送信及び受信するように構成される、複数のUWBアンカー(20a~c)
を含むデバイス(12)。
【請求項12】
C)前記UWBモバイルユニット(14)の位置を特定することを目的として、前記UWBアンカー(20a~c)に無線及び/又は有線で接続された計算ユニット(28)
を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記UWBアンカー(20a~c)は、前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)によって前記計算ユニット(28)と通信するように構成される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記UWBアンカー(20a~c)は、
a)前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)及び前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)のための共通ハウジング、
b)前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)と前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)との両方に接続された共通プリント回路基板、
c)前記第1のUWBアンカーアンテナ(22a~c)を制御するための第1のマイクロコントローラ及び前記第2のUWBアンカーアンテナ(24a~c)を制御するための第2のマイクロコントローラ、及び/又は、
d)前記第1のUWBアンカーアンテナを制御するための第1のシステムオンチップ(SOC)及び前記第2のUWBアンカーアンテナ(
24a~c)を制御するための第2のSOC
を含む、請求項
11に記載のデバイス。
【請求項15】
少なくとも1つのUWBアンカー(20a~c)は、前記デバイス(12)の煙検知器及び/又はライトに内蔵される、請求項
11に記載のデバイス。
【国際調査報告】